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1971/05/18 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 文教委員会 第4号
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1971/05/18 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 文教委員会 第4号

#1
第068回国会 文教委員会 第4号
昭和四十七年五月十八日(木曜日)
   午前十時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月八日
    辞任         補欠選任
     鈴木美枝子君     佐野 芳雄君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     佐野 芳雄君     鈴木美枝子君
 五月十日
    辞任         補欠選任
     高橋文五郎君     中村 登美君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     加藤  進君     野坂 参三君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     野坂 参三君     加藤  進君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大松 博文君
    理 事
                楠  正俊君
                宮之原貞光君
                安永 英雄君
    委 員
                金井 元彦君
                志村 愛子君
                内藤誉三郎君
                中村 登美君
                永野 鎮雄君
                濱田 幸雄君
                二木 謙吾君
                宮崎 正雄君
                秋山 長造君
                片岡 勝治君
                鈴木美枝子君
                矢追 秀彦君
                加藤  進君
       発  議  者  鈴木美枝子君
       発  議  者  宮之原貞光君
   国務大臣
       文 部 大 臣  高見 三郎君
   政府委員
       文部政務次官   渡辺 栄一君
       文部大臣官房長  井内慶次郎君
       文部省管理局長  安嶋  彌君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○義務教育諸学校施設費国庫負担法及び公立養護
 学校整備特別措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○へき地教育振興法の一部を改正する法律案(宮
 之原貞光君外四名発議)
○女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の
 確保に関する法律の一部を改正する法律案(鈴
 木美枝子君外一名発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大松博文君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る五月十日、高橋文五郎君が委員を辞任され、その補欠として中村登美君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大松博文君) 義務教育諸学校施設費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から本法律案の趣旨説明を聴取いたします。高見文部大臣。
#4
○国務大臣(高見三郎君) このたび政府から提出いたしました義務教育諸学校施設費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 現行の義務教育諸学校施設費国庫負担法は昭和三十三年に、公立養護学校整備特別措置法は昭和三十一年に制定され、それぞれ、公立の義務教育諸学校の施設整備に対する国の負担制度及び公立の養護学校の施設整備を含む国の負担制度について定めているものであります。以来、一部の改正はありましたが、政府は、これらの制度のもとに鋭意学校施設の整備に努めてまいったのであります。
 しかしながら、最近における過密過疎状況の進展等社会情勢の変化と、特殊教育の拡充の必要性及び制度の運用の経験にかんがみ、現行制度にはなお改善すべき点があると考えられますので、今回、所要の改正を行ない、もって公立学校施設の一そうの整備充実をはかろうとするものであります。
 次に、法律案の内容について御説明いたします。
 まず、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部改正の内容でありますが、第一は、義務教育施設の整備を一そう促進するため、公立の小学校における校舎の新築または増築に要する経費についての国の負担割合を、現行の三分の一から、中学校の場合と同様二分の一に引き上げることといたした点であります。
 第二は、集団的な住宅の建設等による児童または生徒の増加に対処するため、公立の小学校及び中学校の校舎の新築または増築に要する経費について国庫負担を行なら場合のいわゆる前向き整備の年限を三年に延長するとともに、新たに屋内運動場の新築または増築についても同様の前向き整備の措置を講ずることといたした点であります。
 第三は、過疎地域等における公立の小学校及び中学校の統合の円滑な遂行をはかるため、統合に伴って必要となる校舎または屋内運動場の新築または増築に要する経費について、従来は、統合後の学校について国庫負担の対象としていたのを、統合予定の学校についても国庫負担の対象とすることができることといたした点であります。
 第四は、公立の盲学校及び聾学校の小学部及び中学部の校舎または屋内運動場の工事費の算定方法を改善するため、児童及び生徒一人当たりを基準とする方法から、小学校及び中学校と同様に学級数を基準とする方法に改めることといたした点であります。
 次に、公立養護学校整備特別措置法の一部改正の内容でありますが、その第一は、公立養護学校の小学部及び中学部の校舎または屋内運動場の工事費の算定方法を、盲学校及び聾学校の改正の場合と同様に、児童及び生徒一人当たりを基準とする方法から、学級数を基準とする方法に改めることといたした点であります。
 第二は、養護学校の設置を促進するため、都道府県が設置する養護学校で政令で定めるものの小学部及び中学部の建物の建築に要する経費について、国の負担割合を二分の一から三分の二に引き上げることといたした点であります。
 最後に、この法律の施行期日を、昭和四十七年四月一日からとし、昭和四十六年度以前の予算にかかる国庫負担金については、なお従前の例によることとし、また、今回の改正に伴い必要となる関連法律の規定の整備を行なうことといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
 なお、この法律の施行期日につきましては、衆議院において修正が行なわれておりますことを便宜私から申し添えます。
#5
○委員長(大松博文君) 本法律案に対する質疑は、後日行ないたいと存じます。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(大松博文君) 次に、へき地教育振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者から本法律案の趣旨説明を聴取いたします。宮之原貞光君。
#7
○宮之原貞光君 ただいま議題となりましたへき地教育振興法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由と内容の概略を御説明申し上げます。
 わが国には、山間地、離島その他の地域にあって、交通条件及び自然的、経済的、文化的諸条件に恵まれない、いわゆる僻地が散在しております。
 この僻地に、昭和四十六年五月の調査によりますと、五千四百五十七校の小学校及び千八百十八校の中学校があり、全国の公立小・中学校のうち、僻地小学校は二二・四%、僻地中学校は一七・八%の割合を占め、その児童生徒数は、小学校四十万七千余人、中学校二十万四千余人であります。これらの僻地学校には、小学校三万八百六十八人、中学校一万六千四百二人の教員が勤務しているのであります。
 ところで、僻地学校は一般的にいって小規模学校が多いこと、学校の施設、設備が貧弱であること、要保護、準要保護の児童生徒が多いこと、保健衛生の状況が悪いこと、教員の配置に困難が伴うこと等、その教育条件はきわめて劣悪であります。
 このような教育条件のもとにある僻地学校に対しては、教育の機会均等の理念に基づき、平地学校以上のきめこまかい行財政上の配慮が必要であります。
 以上のような理由から昭和二十九年の第十九回国会においてへき地教育振興法が制定され、さらに、第二十八回国会、第三十四回国会及び第六十四回国会には同法の一部改正が行なわれ、僻地教育の改善充実は着々と進められてまいりました。
 しかしながら、僻地の一部は交通機関の発達により交通条件等に多少の緩和が見られますものの、なお全体的に見ればその生活文化水準は他に比べて一そう格差を生じつつあるのが現状であります。
 また、ここに、最近におけるわが国の経済社会の急速な発展は、人口、産業の急激な都市集中をもたらし、地域社会の基盤に大きな変動を起こしております。これがため、僻地にも大きな影響を与え、随所に過疎現象が生じている現状であります。
 なお、また、都市における労働力の不足、賃金の上昇に伴い、従来は一家の主人だけの季節的な出稼ぎであったのが、夫婦で出稼ぎをし、老人と子供だけを残してほとんど帰郷せず送金だけを行なうという傾向も非常に多くなってまいりました。
 ついては、これらの現状にあわせて、僻地教育の振興策に特別の考慮を払い、この教育を徹底させる必要があると信ずるものであり、ここに本改正案を提出した次第であります。
 次に、改正案の内容のおもな点について申し上げます。
 まず、第一点は、市町村の任務として、学校給食に関する規定及びバス、ボートについての規定並びに寄宿舎の設置に関する規定を設けたことであります。
 学校教育の一環としての給食を特に必要とする僻地学校における給食の実施状況は、高度僻地の特別対策として。ハン、ミルク給食を行なった結果、その実施率は相当に上昇いたしましたが、完全給食については、全国平均で小学校では学校数八四・九%、児童数九三・七%であるのに比し、僻地学校においては学校数で六三・五%、児童数で六九%と、いまだに低い率である現状にあります。申すまでもなく、僻地における給食の普及率の低いことは、市町村財政の貧弱と地域住民の貧困がおもな原因であります。それゆえに、僻地学校における学校給食の実施については、大幅な国庫補助により無償の完全給食をはかろうとするものであります。なお、その実施にあたっては、年次計画をもって逐次整備を実施すべきものと考えております。
 また、僻地における通学条件を改善するための一つとして、バス、ボートの整備が必要であることは御承知のとおりでありますが、その運営費も年間相当額にのぼり、財政力の貧弱な市町村にとっては過重な負担となっておりますので、これを国庫補助の対象とするようにいたしております。なお、また、寄宿舎の設置に関する規定を定めております。
 第二点は、僻地学校においては無医村が多く、児童生徒の健康管理のためには特に養護教諭の設置が必要でありますので、これを置くようにすることに定めました。
 また、両親の不在世帯の多いことなど、僻地教育の困難性にかんがみまして、児童生徒に対してもっぱら生活指導に従事する教諭の設置を定めました。
 なお、また、寄宿舎にはもっぱら児童生徒の寄宿舎における教育に従事する教諭または助教諭を置くものといたしております。
 なお、この寄宿舎における食事を給するために要する経費の十分の八を国庫補助とすることといたしております。
 第三点は、僻地学校の級別指定の基準を定める場合に、僻地条件の程度とともに市町村の財政状況をも考慮することといたしたことであります。僻地学校の級別指定の基準には、僻地条件の程度によって級別指定が行なわれることは当然のことでありますが、なお、当該市町村の財政力が貧弱であることが学校の施設、設備その他の面においておくれを招き、ひいては学校教育に大きな困難をもたらしていることを考慮して、これを特に級別指定の要素とするように措置したものであります。
 また、僻地に勤務する教職員の僻地手当の支給については、僻地手当の基準を一級から五級までとし、さらに、僻地性の高い五級については保健医療その他の衛生に関する環境の程度に応じて一種から三種までに分け、給料及び扶養手当の月額の合計額に対し最低一〇%から最高三六%の僻地手当を支給することといたしました。なお、僻地学校に準ずる学校の手当を百分の五と改めております。また、それぞれの級地別についての最低保障額を設けております。これにより教職員の待遇改善、人事の異動を円滑にし、有能な教職員を配置したいと考えております。
 第四点は、市町村が行なう事務に要する経費のうち、国の補助率を現行の二分の一から十分の八に引き上げております。
 僻地の市町村は財政力が貧弱であり、昭和四十四年度の調査によれば、僻地を持っている一千五百九市町村中、その財政力指数二〇%未満が三百八十六団体、二〇%以上四〇%未満が七百六十団体であって、実に七五%以上の市町村の財政力指数が四〇%以下となっている現状であり、これがため積極的に僻地教育振興のための諸施策を促進させるには、国の二分の一の補助をもってしては実効をあげ得ない現状でありますので、補助率を大幅に引き上げて僻地における教育の充実向上をはかりたいと考えております。
 なお、附則におきまして、施行期日を昭和四十八年四月一日とし、僻地手当に準ずる手当及び僻地手当並びに最低保障額に関する規定は昭和四十七年十月一日から適用することといたしております。
 また、昭和四十七年度以前の予算にかかる国庫補助金については、従前の例によることといたしております。
 以上がこの法案の提案理由及び内容の概要でございます。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#8
○委員長(大松博文君) 本法律案に対する質疑は、後日に譲りたいと存じます。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(大松博文君) 次いで、女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者から本法律案の趣旨説明を聴取いたします。鈴木美枝子君。
#10
○鈴木美枝子君 ただいま議題となりました女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 去る第四十六回国会における本法の一部改正によって、女子の実習助手が法の適用対象に加えられ、国立及び公立の小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園に勤務する女子教育職員のすべてがこの法律の適用を受けるに至りました。その結果、いまや、学校教育の現場に勤務する教職員のうち、ひとり事務職員のみが本法の適用のワク外に置かれることになりました。
 事務職員は、その名称の示すとおり、学校の事務を担当しておりますが、その事務の内容は、文書の起案・整理、職員給与、共済、物品・教材の購入等をはじめとして、統計作成事務、学校給食事務、施設、設備の管理事務などきわめて多方面にわたり、先生方の教育活動と相まって学校運営を有機的・一体的に進めるために重要な役割りを果たしております。
 したがいまして、たとえば、女子の事務職員が一人のみという学校で、本人が出産のための休暇に入った場合、その仕事はすべて教育職員に肩がわりされることになります。ところが、教育職員は、元来そのような事務に不なれなため、病院あるいは自宅で休んでいる事務職員のまくら元へ仕事のことでいろいろと聞きに行くこととなり、本人は事実上安心して産休を完全にとれない状態であります。また、他面では、学校事務を教育職員が分担させられることにより、教育面では手不足を生じ、その正常な実施が阻害されている事態も見のがしてはならない重要な問題であると思います。
 ところで、事務職員の男女別割合を見ますと、女子事務職員の占める割合は、幼稚園で六〇%、小学校で七五%、中学校で六二%、高等学校で四〇%、特殊教育諸学校で七〇%という高率であり、国公立のこれらの学校に勤務する女子事務職員の総数は約二万六千名であります。これら多数の女子事務職員は、さきに申しましたように、その出産に際して、代替職員の臨時任用制度がないために、その大半が労働基準法で保障された産前六週間の休暇がとれない状況であります。
 このような不合理な実情を改め、かつ、母体及び生児の保護と教育の正常な実施を確保するために、県はそれぞれ独自な形で代替事務職員を置くことを認めざるを得なくなってきているというのが今日の実態であります。最近私どもの調査したところによれば、代替職員の予算措置を行なっている県は約二十県に及んでおりますが、これは当然すみやかに制度として全国に及ぼすべきであると考え、ここに本改正案を提出した次第であります。
 次に、改正の内容としては、第一に、法第二条第二項に新たに事務職員を加えております。これによって、女子の事務職員の出産の場合も補助職員の任用が可能になります。
 第二に、法の題名及び本則中の女子教育職員を女子教職員に改め、補助教育職員を補助教職員に改めております。これは、従前、本法の適用対象とされていた者が、教育に直接的に携わる教育職員に限られていたのに対して、今回、事務職員を加えるために、その字句を教育職員と事務職員の総称である教職員に改めるものであります。
 なお、この法律は、実施のための準備期間の必要性を考慮して、公布の日から起算して三カ月を経過した日から施行することといたしてあります。
 何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますよう御願い申し上げます。
#11
○委員長(大松博文君) 本法律案に対する質疑は後日に行なうこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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