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1971/06/12 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 文教委員会 第10号
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1971/06/12 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 文教委員会 第10号

#1
第068回国会 文教委員会 第10号
昭和四十七年六月十二日(月曜日)
   午前十時十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月九日
    辞任         補欠選任
     河口 陽一君     濱田 幸雄君
     中山 太郎君     金井 元彦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大松 博文君
    理 事
                久保田藤麿君
                楠  正俊君
                宮之原貞光君
                安永 英雄君
    委 員
                金井 元彦君
                志村 愛子君
                内藤誉三郎君
                中村 登美君
                永野 鎮雄君
                濱田 幸雄君
                二木 謙吾君
                宮崎 正雄君
                片岡 勝治君
                鈴木美枝子君
                内田 善利君
                矢追 秀彦君
                萩原幽香子君
                加藤  進君
   衆議院議員
       文教委員長代理
       理事       西岡 武夫君
   国務大臣
       文 部 大 臣  高見 三郎君
   政府委員
       文部大臣官房長  井内慶次郎君
       文部省大学学術
       局長       木田  宏君
       文部省管理局長  安嶋  彌君
       文化庁次長    安達 健二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   参考人
       私立学校教職員
       共済組合理事長  加藤 一雄君
       私立学校教職員
       共済組合常務理
       事        三浦 勇助君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○学校図書館法の一部を改正する法律案(第三八
 号)(衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大松博文君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#3
○矢追秀彦君 初めに、私学共済の問題についてお伺いいたします。
 国庫補助の問題でありますが、これは前々から百分の十八を百分の二十ということで相当言われてきておりますが、これについてはどういうふうなお考えでありますか。
#4
○政府委員(安嶋彌君) 御承知のとおり、私学共済の組合員の掛け金の負担の能力その他に限度がございまして、そうした関係から、私学共済の長期経理の経理状況というものが必ずしも良好でないわけでございます。そうした場合には、掛け金の引き上げによりましてその経理の立て直しをはかるということが通常の原則かと思いますが、私立学校の教職員共済組合の組合員の中には、幼稚園の教職員等、給与水準の非常に低い者が多数含まれておるというような状況でございまして、これを引き上げるということもきわめて困難であり、不適当でございます。かつまた、社会保障制度の他の例を見ますと、厚生年金におきましては、すでに百分の二十の補助が行なわれておるというような状況でもございます。そうしたものとの均衡をはかるということ並びに私学の振興をはかるという観点から、年来、これを百分の二十に引き上げてもらいたいという要求をいたしておったわけでございますが、今回、その要求の半分ではございますが、百分の二の引き上げが認められたということでございます。今後ともさらにこれを引き上げるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#5
○矢追秀彦君 努力をするとおっしゃっておりますが、できない原因といいますかネックはどこにあるんですか。要するに、厚生年金と同じように扱うことが制度的にできないというのか、あるいは予算がないという理由なのか、その辺はどうですか。
#6
○政府委員(安嶋彌君) この委員会でもしばしば御論議がございましたように、私ども、この私学共済は、これは社会保障制度の一環であることは間違いないわけでございますが、同時に、私学振興のための重要な施策であるというふうに考えております。そこで、この長期に対する国庫補助率は少しでも引き上げたいということでまいっておるわけでございますが、実際の大蔵省との折衝の過程を申し上げますと、大蔵省は、これは社会保障制度の一環であるというふうな考えを強く持っておりまして、共済制度につきましては他共済との均衡ということを強く主張するわけでございます。他共済と申しますと、私学共済に一番類似しておるものは農林共済でございますが、ほかに、地方公務員共済組合、国家公務員共済組合等もございます。国共済、地共済につきましては、御承知のとおり、長期に対する国庫補助率が百分の十五でございます。それから農林共済は、従来は私共済と同じように十六でございましたが、これが今回両方とも十八に引き上がったということでございます。大蔵省の考え方は、やはり国民年金といったような制度と共済制度というのはそこにつまり考え方に若干の違いがあるわけであって、私学共済という一本の別個の組合を立てました場合には、やはりただいま申し上げましたような他の共済とのバランスというものを考えなければならない。したがって、厚生年金と同様に百分の二十に引き上げてもらいたいという私どもの要求はなかなか認めがたいということが向こう側の主張でございます。私どもは、先ほど申し上げましたような観点から、とりあえず厚生年金並みの百分の二十の補助をいただきたいということをお願いをいたしておるわけでございますが、なかなかこれが認められないということでございます。
#7
○矢追秀彦君 そうすると、ほかの共済組合等がこれも少しずつ上げられてきておるわけでありますが、それと同一であれば、要するに、ほかのほうが全部たとえば百分の二十になるような状況ができればこちらもすると、そういう大蔵省のたてまえですか、それとも、私学共済については、他の共済との関係を考えるけれども、率としてはこちらのほうを少しは優先していくと、こういう考えですか。
#8
○政府委員(安嶋彌君) 大蔵省は、そこまではっきりした考え方を示しておりません。他共済よりも私学共済のほうを優先的に考えていこうというような気持ちは現在はないようでございます。やはり他共済とのバランスというものを非常に強調いたしまして、農林共済と同じように本年は百分の十六から百分の十八に引き上げると。これは、公務員共済の場合には先ほど申し上げたように百分の十五ですが、経理の実態、給与の実態等がかなり違うものですから、農林と私共済についてだけは公務員共済とは違った扱いをなされておるというのが現状でございます。その中でも私共済だけを特別に国庫補助率という点で差等をつけていくという考えは持っていないということでございます。私どもは別個の観点から考える余地はないかということを強く主張はいたしておりますが、なかなかそれが認められないというのが実情でございます。
#9
○矢追秀彦君 どうしても他の共済とのバランスでこういうふうなことにならざるを得ない場合、今後ともこういう状態が続く場合、それでは、ほかの何らかの補助を出すいわゆる知恵というものは出てこないのですか。あくまでも率一本でいく以外に手はないのか、いわゆる名目を変えて出すとか何らかの形でこちらにプラスになるような方法というのは出てこないのですか。
#10
○政府委員(安嶋彌君) 私共済に対する国の直接の補助は、ただいま申し上げましたように、他共済とのバランスということが非常に問題になるわけでございますが、その他の面におきましては、たとえば都道府県からの補助があるといったようなこと、あるいは整理資源を中心にしてではございますが私学振興財団からの助成金が出ているといったようなことは、これは他共済に例のないことでございまして、その面での改善につきましては私ども今後さらに努力をしてまいりたいというふうに考えますが、ただそこで私どもやや心配いたしますのは、そうした形で私共済に対する補助が積み上げられていった場合に、それが、つまり、そういう助成があるから私共済の場合は国庫補助については必ずしも手厚い補助をする必要がないのではないかという議論の出ることを実は非常に心配をいたします。他共済と同じ、あるいはそれ以上の補助をもらいながら、別に私学振興という観点からの助成というものが実現されてまいることが、私どもこれが理想だと思いますが、そちらのほうがどんどん伸びまして他方が押えられるというような結果になることを実は非常に心配するわけでございまして、問題にそういう両面のあるということを御理解賜わりたいと思います。
#11
○矢追秀彦君 となりますと、他の共済よりも私学共済が、将来の問題を考えますと、国としては最優先にすべきであるという理論づけといいますか、論理立てをする必要があるということですね。それはいままでもおやりになってきたと思いますけれども、さらにこれから強くやっていただいて、それで大蔵省を説得して、まあもちろん他の共済組合も同じように率が全部よくなればいいんですけれども、どうしてもそれでできないというふうになれば、そちらのほうを考えていく、その辺については、大臣、どうですか。
#12
○国務大臣(高見三郎君) この問題は、二つの観点から見なければならぬと思うのであります。私どもの立場から申しますると、私学振興という大きな柱を立てておりながら、共済に対する補助金が百分の十六であり、農林共済も同じく百分の十六であったものが、今回百分の十八になった。他の共済の例で一番有利なものが厚生年金の百分の二十であるというところから、百分の二十というものを私どもは一応の目安として要求をいたしておるのでありますけれども、この問題は農林年金と私学共済と同一であればいいという考え方を持っておるわけではございません。と同時に、また、厚生年金が百分の二十だから私学共済は百分の二十でいいという考え方に立っておるわけでもございません。御承知のように、給与の水準が非常な開きが学校の内容によってあるのでありまするから、私学共済につきましては、国の補助率を思い切って上げる方向へ、将来それに向かっていかなければならないと、かように考えてはおりますが、いま管理局長が申しましたように、都道府県の補助金があり、あるいは私学振興財団の補助金がこの私学共済に対してはある。これが他の共済に比べまして私学が非常に有利になっておるんじゃないかというのが大蔵省側の言い分になるわけなのであります。そこの点をにらみ合わせて、私学振興という観点からこの問題を取り上げていくという場合には、現在のままでいいということを私どももとより考えておりませんし、今後とも十分努力をしていくつもりでございます。
#13
○矢追秀彦君 次に、今回長期給付に対する補助率が引き上げになりましたが、短期給付についても補助金を出すべきであるという意見がございますけれども、これについてはどのようにお考えでございますか。
#14
○政府委員(安嶋彌君) お手元に差し上げてある資料にもございますように、短期経理につきましてはかなり多額の赤字があったわけでございます。四十五年度末に約十四億円という赤字が累積をいたしておるわけでございますが、この赤字の解消をどうするかということに関連をいたしまして、昨年の十月から掛金率の千分の四の引き上げを行なったわけでございます。その結果と、それからこれは偶然の事情かとも思いますが、保険医の総辞退といったようなことがございまして、昨年度は受診率がかなり低下いたしております。そうした関係から、四十六年度について見ますと、約三億円の黒字が単年度出まして、その結果、当初十四億円であった赤字が約十一億円に減少するという事態が起きておるわけでございます。しかし、先般も御指摘がございましたように、こうした状態が今度とも続くかどうかということにつきましては、かなり問題もあるわけでございます。かつまた、健康保険法の改善案等を見ますと、短期経理につきましてもやはり国の補助を要求すべきではないかというような考え方に立ちまして、実は、昨年度は、療養の給付、家族療養費、傷病手当金、出産手当金につきましてその給付費の百分の五を補助してもらいたいという要求をいたしたのでございますが、これまた、先ほど来の議論にも関連をするわけでございますが、短期につきましては国庫補助金を得ているという共済組合はほかに全くないわけでございます。そうしたこと、並びに掛け金を引き上げたことによる短期経理の改善の状況をさらに見たいというような事由によりまして、四十七年度の概算要求では認められなかったということでございますが、この点につきましても今後ともこうした方向で努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#15
○矢追秀彦君 いま四十六年度が三億円の黒字と言われますが、ことしの見通しはどのように立てておられますか。
#16
○政府委員(安嶋彌君) 先般もお答えをいたしましたように、今年の二月、医療費が一三%強引き上げられております。それから受診率も、昨年度は低下をいたしたわけでございますが、その傾向が今後とも続くかどうかということも問題でございます。全体といたしまして、私どもは、四十七年度の短期経理は、大体収支とんとんか、あるいは場合によれば若干黒字が出るのではないかというような見通しを立てております。
#17
○矢追秀彦君 そうすると、問題は、いままでの累積した赤字の問題、それとまたそれに対する利息等の問題が出てくると思いますが、それに対しては何らかの特別の処置というものはできないものでしょうか。今後はそういうふうに健全な財政になってくるとした場合、過去のものを何らかの形で償却をしてしまうという方法はとれないものでしょうか。
#18
○政府委員(安嶋彌君) 過去の赤字が十一億残っておるわけでございますが、これは共済組合の長期経理からの借り入れ金ということで処理をいたしておるわけでございます。組合自体といたしましては特に支払いに困難を来たしておるわけでもございませんので、そのままの形で推移をするわけでございますが、ただいま申し上げましたように、短期経理が今後どういう形で推移をいたしますか、黒字が出ればもちろんその分だけ累積赤字か解消されるということになりますし、かつまた、補助金が獲得できれば、その分につきましても年々赤字が解消される。つまり、掛け金を引き下げない限りは、補助金を獲得した分だけ黒字がふえるということでございますから、したがいまして、いまございまする短期の累積赤字をそうした形で将来長きにわたって解消してまいりたいということでございます。いま特にこれに対して特別の措置を講じなければ非常な混乱が起こるといりようなことではございません。
#19
○矢追秀彦君 次に、未加入校の問題でございますけれども、これは毎回私学共済の審議でも取り上げられて、附帯決議につきまして言うならば昭和三十八年から実に七回も出されておる。それに対して当局は努力を約束されておりますが、これが解決しないのはどういうところに問題点が存在しておるのですか。
#20
○政府委員(安嶋彌君) これが解決をいたしませんのは、厚生省との間におきまして折衝がまとまりないということ、そのことにいわば尽きるわけでございます。厚生省がどういう点で反対をしておるかということを御参考までに申し上げますと、二十九年にこの私学共済が発足をいたしました当時、すでに健保・厚年に加入しておったものが若干あるわけでございますが、こうした人たちにつきましては既得権、期待権を尊重するという観点から、現行の私学共済法の附則二十項の規定によりまして選択を認めたわけでございます。選択を認めまして、この私学共済に入りたい者は入れる、入りたくない者は従来どおり健保・厚年に残すという措置を講じたわけでございますが、そうした法律上の手続がすでに踏まれておりまして問題はすでに結着済みではないかということが厚生省側の主張の第一点でございます。第二点は、短期の未加入校の中で健保組合を結成をしているものがあるわけでございますが、早稲田、慶応をはじめ比較的大きな大学にそうした事例が見られるわけでございますが、こうした大学は、給与水準も比較的高いというようなこと等もございまして、掛け金の率が比較的安くなっております。かつまた、給付の内容もよくなっております。こうした健保組合を法律でもって強制的に私学共済に入れ込むということは、立法論的にも、また実際的にも、また事柄の沿革からいっても、無理があるのではないかという点、その点が問題の第二点でございます。
 第三点は、長期給付についてでございますが、長期給付につきましては、厚生年金のほか、各共済の制度があるわけでございますが、こうした制度は統合するという方向が本来の姿である。それにもかかわらず、厚生年金という総合的な制度からわざわざ抜け出して私学共済という個別のそうした制度に加わるということは、統合という基本的な方向に反するのではないか。同時に、厚生年金といったような大きな保険に加盟いたしておりますと、転職をした場合の脱退加入というそういう問題がないわけでございまして、むしろ組合員にその点では有利ではないかということを申すわけでございます。
 そういうような経過で今日までお互いの了解がなかなか成り立たないということでございますが、先般もちょっと申し上げましたように、健保・厚年に入っておる者を法律をもって全員私学共済に加盟させるということは、私どもの立場から申しますと望ましいことではございますが、実際上のいろいろな問題もございますので、現段階といたしましては長期・短期セットで私学共済に入りたいという者につきまして私学共済に入るような道を開いてはどうかというような御意見が各方面にございます。私どもも、そうした御意見も非常に実際的な御意見だというふうに理解をいたしまして、そうした方向で今後ともいろいろ検討してまいりたいというふうに考えております。
#21
○矢追秀彦君 いま三つほど理由をあげられましたが、二番目の来ない理由の最大の原因は、もちろん厚生省の考え方があるかと思いますけれども、やはり安いということとそれから給付率がよいというこの点が問題だと思いますが、その点については、これからはどうなりますか、同じレベルになる可能性はあるわけですか。
#22
○政府委員(安嶋彌君) 掛け金を現在健保組合を結成いたしておりまする学校並みに引き下げるということは、これは現在の私学共済の組合員の給与の実態からいたしましてかなり困難ではないかというふうに考えます。つまり、給与水準のかなり低い組合員を多数かかえておるわけでございますので、そうしたことはかなりむずかしいことではないかと思います。
 それから給付内容のことでございますが、これは私ども今後さらに改善をはかってまいりたいというふうに考えておりまして、昨年の十月から掛け金を千分の二引き上げることによりまして付加給付を新しく起こしております。この付加給付の内容は公立学校共済組合等に比べましてもまだ不十分でございますが、そうした点を今後さらに努力をし改善をしてまいりたいというふうに考えますが、現在の健保組合並みの水準にまで持っていけるかどうかということにつきましては、具体的にはまだ見当がつきかねるということでございます。
#23
○矢追秀彦君 大臣は、ある雑誌の座談会で、「加入を希望する学校が加入できるように法律を改正する。この作業は安嶋管理局長に指示する。加入できることになれば日和見的な学校も加入するであろう。わたくしの在任中に加入させます。」と、かなり明快におっしゃっているのですが、これははたしてどの程度実行できたでしょうか。
#24
○国務大臣(高見三郎君) 前々から、加入を希望する学校が多いのであります。多いのでありますが、厚生省が妙な理屈をつけまして、厚生省の側から申しますと、共済制度というものを厚年と一本にしたいというぐらいな気持ちがないわけではないのでありまして、とするならば、私は、立法の措置をとらなければならぬだろうということを考えておったのであります。しかし、私は、現在のところでの判断でありますが、今年はともかく、来年は文句は言わないという厚生省側から非公式な話を受け取っております。したがいまして、急にいま立法措置をとるという強硬の措置をとって厚生省とまっこうから対立する必要はないという判断をいたしておりまして、ただ、加入したい者については加入できる道をなるべく早急につくってやりたいと考えております。
 いま安嶋局長が答えました答えを補足して申し上げますが、実は、早稲田、慶応といえども、百分の十八の国庫補助が実現した暁にはぜひ私どものほうも入ったほうが得だということを考えておるのだが、大ぜいの教授の中には必ずしもそうでない方もおられるので、意思統一がなかなか困難だという両学長のお話を伺っておるのであります。したがいまして、私の判断としては、せめてこれが百分の二十ということになりますると、もう全部未加入校が進んで加入をさしてくれという時代が必ず来ると信じておりますし、厚生省との間の話し合いも非公式ながらそういう話し合いになっておるという点で御理解をいただきたいと思います。
#25
○矢追秀彦君 いま大臣からかなり希望的な見通しのお話ですが、いま来年度ということを少しおっしゃいまして厚生省と話がつくのだということでございますけれども、ここで大臣にお伺いしておきたいことですが、こういうふうな問題が起こるのは、結局、現在の日本の年金制度ということに一番根本としての原因があるかと思うのですが、私学共済という立場の上から大臣はこの日本の年金制度はどうなっていったらいいとお考えになっておりますか。要するに、厚生省の一本化の方向がいいのかですね。私は、もっと抜本的に日本の年金制度を考え直さなければ、少々上だけ少しいじってもだめじゃないか、こう思うのですけれども、そういうことも含めまして、今後はやはりそういう未加入校をこっちへ入れていく、要するに私学共済というものを確立していくという方向をずっと続けていくのか、日本の年金制度というものが確立されてきた暁にはやはり統合的な方向のほうへ持っていかれるのか、その辺はどうお考えですか。
#26
○政府委員(安嶋彌君) 私は日本の年金制度全体について御意見を申し上げる立場にあるいはないかと思いますが、共済組合を主管しておる立場から申し上げますと、大局的に年金制度というものが一本化されるということがこれは理想的な姿かと思いますが、ただ、この文部共済にいたしましても、公立共済にいたしましても、また私学共済にいたしましても、職員の構成、給与の実態、組合の沿革、特に文部共済、公立共済の場合は恩給法との関連がございまして、一般国民と全く同じ長期給付の制度にはめ込んでいくということにはなかなか問題があろうかと思います。御承知のとおり、恩給法というのがいまは生きていないわけでございまして、経過措置といたしまして国共済、地共済の中に引き込まれておるわけでございますが、この経過措置の期間が経過いたしまする時期と申しますと、これはかなり長い先になろうかと思いますが、その時期までは、一本化が理想といたしましても、実際問題としてはなかなか処理しにくい問題が残るのではないかというふうに考えます。私学共済の場合は、恩給法との関連がないわけでございますから、むしろ問題が少ないのでございまして、むしろ文部共済と公立学校共済のほうが一本化という場合に直面する問題が大きかろうというふうに考えるわけでございます。
#27
○国務大臣(高見三郎君) 基本的に申しますると、私は年金制度というものは一本化するということが最も理想的な姿であろうと思います。ただ、これがすぐできるであろうかどうかということになりますると、いま局長が答えましたような、経過的に非常に困難な問題があるのであります。したがって、これが実現するためにはたいへんな無理をしなければならないということになるのでありまして、その無理はだれがしわ寄せを受けるかというと、実は組合員がしわ寄せを受けるのでありますから、そういう無理をすべきものではない。しかし、長い目で見まする場合には、やはり一本化するという形のものが保険制度全体として考えまする場合にはあってしかるべきであります。したがって、そういう夢は持つべきであるという考え方を私自身は持っております。
#28
○矢追秀彦君 ただいまそういう将来の方向を言われましたが、いま政府のやっておられる施策の中でただ統合だけで解決する問題ではない。福祉への転換を言っておられるならば、もっともっと基本的ないろいろな問題を、年金、社会保障、社会福祉全体を通じてやらなければ、小手先だけでは絶対失敗をいたします。それは、いま言われたとおり、組合員にしわ寄せが来てはなりませんので、とにかく根本的なきちんとした国民が納得するような、そういういわゆる福祉国家になるまでは現在の私学共済ならこの共済を強化をして、そして組合員の方が安心して生活のできるというふうに大いに努力をしていただきたい、これはもう強く要望するものであります。
 次に、これに関連をいたしまして、私学振興についてちょっと触れてみたいと思いますが、私立大学に対する経常費の助成というのは、最終的にはどこまで持っていくお考えですか、年次計画等をお立てになってやられるような計画なんですか、その点をお伺いします。
#29
○政府委員(安嶋彌君) 御承知のとおり、私立大学等に対しまする経常費の補助は、昭和四十五年度に始まったわけでございます。その当時からの既定計画というものがございまして、補助率といたしましては、医歯系、理工系、人文社会系その他を通じまして、専任教員給与の十分の五――二分の一を補助したいということで発足をいたしたわけでございますが、四十五年度におきましては、医歯系が十分の三、理工系が十分の二、人文社会系その他が十分の一ということで発足をしたわけでございます。それが、四十六年度、医歯系が十分の四、理工系が十分の三、その他が十分の二ということでそれぞれ一割上がった。四十七年度は、さらに、医歯系が十分の五、理工系が十分の四、その他が十分の三というふうに上がってまいったわけでございますが、最初に申し上げましたように、各分野全体を通じて十分の五に持っていきたいということでございますので、既定計画どおりまいりますれば、あと二年で各分野とも十分の五の補助が可能になる、こういうことでございまして、そういう計画で進んでおるわけでございます。
#30
○矢追秀彦君 中教審の答申におきましても、私立学校に対する財政援助政策を再検討すると、こういうふうになっておりますが、この再検討については具体的にどういうふうにこれからお進めになるつもりですか。
#31
○政府委員(安嶋彌君) 中教審の私学助成の大前提になっておりますことは、私どもの理解では、国公私立全体を通ずる高等教育計画というものを策定いたしまして、その中におきまする私学の位置づけというものを明確にし、そうした上で私学の助成を強化するということが第一点。それから第二点といたしましては、私学助成の問題と育英奨学の問題、この問題がやはり切り離せない問題であるということ、この二点が私学助成の大前提になっておるかと思います。したがいまして、私学助成の問題を高等教育計画あるいは育英奨学の問題と切り離して抜本的に新しい線を出すということは、中教審の答申としては考えていない線であろうと思います。
 文部省におきましては、こうした中教審の基本的な方向に従いまして、今年五月から大学学術局に高等教育計画課というものを設置いたしまして、高等教育全体のあり方について、これは国立私立を通じてでございますが、検討してまいりたいということでもございますし、かつまた、育英につきましても検討中ということでございます。管理局で私学振興をあずかる私どもとしましては、そうした全体的な骨組みの検討とあわせまして私学助成の今後のあり方につきましては十分検討してまいりたいというふうに考えておりますが、先ほども申し上げましたように、私学の経常費の補助という制度が四十五年に発足いたしまして、現在進行中でございます。まずこれをりっぱな形にするということが私どもに当面課せられた問題であろうと思います。補助率をそろえるということだけではなくて、ほかに、たとえば、先生もお話しがございましたが、教員の給与費の単価の問題であるとか、その他いろいろその内容的な問題が多数残っておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、当面は経常費補助の制度の既定計画どおりの遂行と内容の充実というものに全力をあげていきたい。抜本的な改善につきましては、ただいま申し上げましたような全体的な骨格の検討とにらみ合わせてさらに検討をしてまいりたい、こういうことでございます。
#32
○矢追秀彦君 いまの問題につきまして、来年度予算はこれからいろいろ新計画等についてはこの七月八月ころからもう始めなくちゃならぬわけですが、特に来年度につきまして、私学に対する助成のあり方、あるいはいま言われましたそういう抜本策というものは、ある程度は俎上にのぼるのですか。
#33
○政府委員(安嶋彌君) ただいま申し上げましたように、この抜本策につきましては検討中でございますので、四十八年度予算という形で具体化されることはむずかしいかと思います。経常費助成の既定計画どおりの遂行と内容の充実ということに重点を置きたいと思いますが、ほかに、医科大学に対する補助の問題をどうするかといったような問題でございますとか、あるいは私学振興財団を通ずる貸し付け金の内容をさらに改善していくとかいったような問題があるわけでございまして、四十八年度予算につきましては、まあまだ検討をこれから始めようということでございますが、四十七年度予算の検討の経過から申しますれば、そういうことが当然課題になってくると思います。
#34
○矢追秀彦君 大臣にお伺いしますが、現在日本においては私学が学生数のパーセンテージの上から非常に多いわけですけれども、今後の方向としては、私学をさらにふやしていかれるのか、あるいは、国立公立というものにどちらかというと力を入れていくのか。というのは、たとえば国立大学あるいは公立大学の場合、定員増という可能性があるわけでありますから、わりあい力がある学校であるから定員をふやしてはどうかという考えもあります。そういうことも含めて、ただ適当なバランスだけではこれからいかないのではないか。私学に関しては浪速医科大学等の問題もありましたし、もしこれから私立の大学の設置にきびしい規制が行なわれるようになってくると、設置のほうに大きな支障を来たすこともあるし、そうなれば国公立のほうをふやすということになってくるだろうと思うけれども、これからの方向としてはどういう方向を考えておられますか。
#35
○国務大臣(高見三郎君) 私は、今日まで私学が果たしてまいりました日本の教育における偉大な功績というものに対しましては、高く評価をいたしております。しかも、その私学は、それぞれの建学の精神、理想をお持ちになっているという意味においては、むしろ教育は私学でやるほうがいい場合もある――場合もという意味で申し上げておるのですが、いい場合もあるという感じがいたしております。ただ、御承知のように、私学の経営自体がまことに困難な状態になっております。私学全体の累積赤字は、文部省の調査では三千億円と言っておりまするし、私学連盟では六千億と言っております。どちらが正しいかということは今後の検討にまたなければならない問題でありまするが、いずれにいたしましても、私学の経営の内容がこのよりに困難をきわめておるという事実は、これは認めざるを得ません。が、それじゃ、私学を野放しに認可することがいいか悪いかということになりまするというと、先ほど御指摘のような浪速医科入学のような問題も起こるのであります。したがいまして、私学オンリーでその充実をはかるということを私は考えておりません。国立で定員増のできるところはできるだけ定員を増していくということも考えなければなりませんし、ことに医学系の学校におきましては、将来私どもは二段審査の構えをとりまして、初年度において教授陣容、あるいは用地の場所、資金計画、それらのものを十分に検討いたしまして、これならば学校をつくってもよかろうと考えますものにつきまして第二段目の審査を翌年にやる。いままでの私立大学でばく大の寄付金をとらなければならなかったというのは、認可を受けます前にすでに病院を整備しキャンパスを整備しておかなければ認可が得られない、これに何十億の金を要するというところから、見せ金などをもってする私学設立の申請書が間々あったのであります。これを防ぐことを考えなければならないと思います。
 私は、一がいに私学を排撃するものでもありませんし、一がいに国立を賛美するものでもございません。ただ、その経営者の人柄、経営者の経営意欲、同時にこれがまた経済的な能力というものを考えまして、許すべき私学は許すというたてまえでまいりたいと思っております。現在七割五分というものが私学に学んでおる学生であるという事実も考えます場合に、私は、日本の教育に果たしてきた私学の今日までの努力というものに対しましては敬意を表さなければならぬし、同時にまた、これは当然国がやるべき仕事を私でおやりになっておるのでありまするから、十分の五の人件費補助が完成するのが再来年度、それで能事終われりという考えはいたしておりません。同時にまた、現在あります累積赤字をどうして消していくかということも真剣に考えなければなりません。低金利時代でありますので、できるだけ低金利の金を出すためには、政府が出資する出資額を逐次ふやしていって、少なくとも将来は年に二分五厘か二分程度の二十年年賦ぐらいの金が借りられる状態が来ますと、私学の経営も非常に楽になるであろう。ただ人件費の補助をするからということで私学の経営が楽になるとは思いません。この赤字を消してやることを考えなければならぬという考え方でおるのであります。
 私学を重視するか国立を重視するかという矢追先生の御質問に対して、私は、私学を重視するものでもなければ、国公立を重視するものでもない、どちらも併立する形でいきたいが、ただ、私学のいままでのあり方では、そう簡単に私学の認可をぽんぽんぽんぽんやっておったら、日本の教育をこわすという懸念がある、これに対する規制だけははっきりしたものをしておきたいという考え方で臨んでいると、かように御理解をいただきたいと思います。
#36
○矢追秀彦君 いま、規制を厳格にすると言われました。またこういった面については別の機会に触れてみたいと思いますが、財政援助のあり方の中教審答申の中にありますが途中からになりますけれども、「さらに、このような財政援助については、あくまで国の主体的な立場が保持され、その援助の効果についてつねに厳正な評価が行なわれることを条件とすべきである。また、私立学校がしだいに大幅な公費の援助を受けるにしたがって、その公共性を高めるため必要ななんらかの措置をあわせ考える必要がある。」と、こういうふうに書いてありますが、国の財政援助、あるいは私学をつくる場合の規制、そいうものが強まってくることが、先ほど大臣が言われた私学の建学の精神というものを何か国でコントロールしてしまう、要するに自由ないわゆる私学の教育というものにまでもし介入が行なわれるとなると、私は非常に問題だと思うわけです。この辺の文章が、私もちょっと行き過ぎた考えになるかもわかりませんが、国の主体的な立場と厳正な評価ということになりますと、その点が何か問題が出てこないか。先ほど大臣は私学の貢献を評価もざれましたし、特に建学の精神ということを強調されましたが、いわゆる私学のいいところまで失ってしまわれては何にもならない。特に、最近の私学の傾向としては、国公立化しつつある、特に大きな大学ほどそういう傾向があるという風潮も言われておりますので、その辺についてはどういうふうにお考えになっておるか、これをお伺いしたいと思います。
#37
○政府委員(安嶋彌君) 中教審の答申との関連でございますが、ただいま大臣が御答弁申し上げた点は、建学の精神といったような私学の教育の内容、方針に関する事柄につきまして、これを大いに尊重し育成をしていきたいということをおっしゃったわけでございますが、中教審で公的な調整とかあるいは評価といったようなことを申しておりますのは、これはきわめて行政的な側面からでございまして、たとえば補助をもらう以上は教育の条件はかくかくでなければならないとか、あるいは授業料、保育料はこれ以上上げてはいけない、あるいは収容力についてはさらにふやすように協力をしてもらいたい、あるいはその通学圏と申しますか通学の範囲についてもある種の調整を受けてもらいたい、そうした行政的な面についての調整あるいは評価ということを申しておるわけでございまして、教育の方針とか内容とか、あるいは建学の精神とか、そういったことについて調整をし評価をするということでは必ずしもないと思います。
#38
○国務大臣(高見三郎君) 私は、しばしば申しておるとおり、私学には私学の建学の精神がある、この精神を大切に生かしてあげることが文部大臣としての私のとるべき態度であると。たとえば新島襄先生の同志社大学、大隈重信伯の早稲田大学、福沢諭吉先生の慶応大学、それぞれ建学の理想と信念とをお持ちになって大学をおつくりになった、このことを私は建学の精神を尊重しなければならないということを申し上げておるのであります。国がコントロールするという趣旨は、いま安嶋局長が申しましたとおりでありまして、私自身の気持といたしましては、金を出すがなるべく口は出したくないというのが私学に対する助成の基本的な考え方であるというふうにひとつ御理解いただきたいと思います。
#39
○矢追秀彦君 これで私学共済についての質問は終わりまして、申しわけありませんけれども、先日来の質問に続きまして高松塚古墳の件に関連いたしまして一言だけ質問をさしていただきます。新聞報道でありますけれども、また逓信委員会等でも問題になったようでありますが、この高松塚壁画に関しての記念切手を出すという話が出てきております、議員立法という考え方もありますか。これに対して、文部省、文化庁はどういうふりにお考えになりますか。
#40
○政府委員(安達健二君) 高松塚古墳につきましては、三月二十六日にこのりっぱな壁画があることが発見されまして、文化庁といたしましては、四月の七日の日にこれを史跡に指定するということについての文部大臣の文化財保護審議会に対する諮問と、同日付の答申を得ておるわけでございます。同時に、その前日に高松塚の応急保存対策調査会を発足させまして、応急の保存対策をするために現地での調査を行ない、四月の十七日にはさらにその調査会の調査員のメンバーの方々が石室内に入りまして、剥落のおそれのある個所をかりどめをする、また、石室内の空気を清浄にするためのホルマリンと同種のものを入れるというよりなことをいたしましてその保存の措置につきまして遺憾なきを期しておるわけでございまして、四月の二十二日にはさらに覆土をいたしまして、現在は閉じておるわけでございます。今後の対策といたしましては、現在の墳丘の部分は国有地でございますが、おおよそ周囲五メートルの範囲内はこれを国有地化いたしまして史跡の対象とするというようなことで進んでおるわけでございます。また、今後は、この石室内の温度と外界の温度とがほぼ一致すると思われますところの九月下旬から十月の上旬にかけましてもう一度開きまして内部の状況をさらに調査し、かりの応急対策が必要かどうかを検討する、と同時に、この壁画等につきまして総合的な学術調査をすると、こういうような考え方で進んでおるわけでございます。また、この壁画を直接外部の一般の方々に見ていただくわけにはいきませんので、その外部の方々の御理解を得るために飛鳥資料館というのを現在明日香村に建設中でございますので、そこに現物大の模型をつくり、その他参考資料等も展示いたしまして一般の方々の理解を得たいと、かように考えておるところでございます。
 ところで、伺っておりますところの高松塚古墳の記念切手の話でございますが、この記念切手につきましては、高松塚の古墳の壁画についての一般の認識をさらに高めると同時に、その切手につきましての一定の金額を、飛鳥保存財団というのがつくられておりますが、その財団に交付をするという考え方でございます。
 そういう金はどういうところに使うかと申しますと、伺うところによりますと、その飛鳥保存財団におきまして、文化庁で買い上げた土地以外のさらに周囲の部分あるいは近辺の土地などを買い上げて、それを緑地化する、そしてそこにレストハウスとか便所とかそういう観光客と申しますか見学客のための施設をする、そして、そこにまた一般のそこへ来られる方々が古墳についての理解を得るような模型とかそういうようなものもつくりたいというお話でございます。こういういわば環境の整備と申しましても、史跡とは相当離れた部分とか、あるいはそこにレストハウスをつくるとか便所をつくるとか、あるいは観光客のための施設をつくるというようなことは、現在のところ文化財の保護という観点からはそういう経費については支出をしていないわけでございまして、したがいまして、私どもの対策と並んで、それでできないといいますか、現在やっておりませんような仕事をされるということであれば、文化庁としては、けっこうなことであり、特にそういうことをやられることについては異存はないというのがわれわれの現在の考え方でございます。
#41
○矢追秀彦君 最後に大臣に重ねて伺いますが、この切手について閣議等で話が出ておるのかどうか、大臣としては賛成か反対か。それからいまの飛鳥保存財団でありますが、これは総理府の所管になっておりますが、いろいろなことをやられることはけっこうだと言いますが、レストハウスをつくるとか便所をつくる、施設一つにしても、やはりあの地域との関係においていろいろの問題が出てくると思いますので、この財団の運営のあり方、これについては文部省、文化庁というものがある程度話し合いをする必要があるのではないか、こう思うのですが、その二つの点について伺って、終わりたいと思います。
#42
○政府委員(安達健二君) 飛鳥保存財団についてちょっと申し上げますと、この飛鳥保存財団は、四十五年の十二月十八日に「飛鳥地方における歴史的風土および文化財の保存等に関する方策について」という閣議決定がございまして、その際、歴史的風土の保存ということになりますると、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法というのがございましてこの所掌が総理府であるということと、それからこの飛鳥の保存ということにつきましては都市計画の問題とかその他の関連もございますので閣議決定で行なわれたわけでございまして、それぞれ建設省なりあるいは文化庁なり文部省等でやるべき事柄その他を列挙いたしましたほかに、なお、「飛鳥地方における歴史的風土および文化財を保存し、住民生活の向上を図るためには、国、地方公共団体および民間の一体的協力が必要である。このため、民間に財団法人の設立を要請し、」云々ということで、予定といたしましては、財界等から約五億の寄付金を募集するということで発足をいたしまして、総合案内所と宿泊施設等の施設を運営するということを中心にしてできておるわけでございます。この法人の所管庁は総理府でございますが、この実体の仕事をする場合には、理事の中にわれわれの理解のある文化財関係の人も入っておりますし、また、具体的の仕事をする場合には十分連絡をしていただくようにお願いをいたしておるところでございます。
#43
○国務大臣(高見三郎君) 記念切手の問題で閣議の話題になっておるかというお話でありますが、ただいま事務的に話を詰めておる段階でございます。閣議の話題になっておる事柄ではございません。
#44
○宮之原貞光君 まず、給付内容の問題についてお伺いをしたいと思います。
 関係資料によりますと、標準給与の問題について、下限を一万八千円から二万六千円に引き上げられておる点は評価をするわけでございますが、一方、上限のほうを三十五級をわざわざ三十一級というように引き下げて金額のほうはそのまま据え置いておるのです。こういうように引き下げて据え置いたところの理由は一体何なのか、まずそれを説明をしていただきたい。同時に、また、国立学校の場合もそういうような形でやっておるのかどうかということです。
#45
○政府委員(安嶋彌君) 上限の金額を据え置いておるわけでございますが、御承知のとおり、これは実は昨年度引き上げたばかりでございますので、今年度はこれを据え置いたということでございます。
 それから等級を下げておるという形になっておりますが、これはその下限を引き上げまして下のほうの等級を四等級削ったわけでございますので、全体的にそれがずれたということでございます。
 それから文部共済、公立学校共済につきましては、標準給与という制度が御承知のとおりございませんので、上限・下限という問題が制度としてはないわけでございます。
#46
○宮之原貞光君 推定給与というのがあるでしょう、これは何もアップしていないわけですか。
#47
○政府委員(安嶋彌君) ちょっと、私、いま間違った答弁を申し上げました。まことに恐縮でございます、訂正をさしていただきます。国公立の場合は掛け金の最高限度が十八万五千円でございまして、今回その最高限度と合わせておるわけでございます。
#48
○宮之原貞光君 昨年引き上げたからことしは据え置くというのでは、私は理由にならぬと思うのです。引き上げないところの理由は財源上の理由からなのか、あるいは、昨年引き上げたからというならば、これはやはり上限を最高限度押えるということは、最高の人はそれ以上昨年並みに取れないということになるんでしょう、年金の実際の場合には。そうなると、その昨年引き上げたから云々ということでは理由は薄弱じゃないですか。どうなんですか、そこら辺は。
#49
○政府委員(安嶋彌君) 実は、他共済もすべて十八万五千円が最高額になっておりまして、やはりそれとのバランスをとるということも理由の一つでございます。
 それからなお、御承知のとおり、この給付は標準報酬を基礎にして算定をされているわけでございますので、上がれば上がっただけ給付はそれだけふえる、上がらなければまた給付自体も据え置かれておるということで、掛け金と給付のバランスははかられておるわけでございます。
#50
○宮之原貞光君 それなら、下限を一万八千円から二万六千円に引き上げたというのは、どういうことになりますか。掛け金との関係からすれば、特に私学共済に入っている幼稚園関係の給与の低いところの皆さんには、相当負担がいくということになりませんか。どうですか。
#51
○政府委員(安嶋彌君) 四十六年の十月現在でございますが、一万八千円から二万四千円までの標準給与の該当者は、七・八%、人数にいたしまして一万五千九百六十二名ということになっております。ところが、前回標準給与の引き上げを一万二千円から一万八千円に引き上げましたときが四十四年の十一月でございまして、このときも引き上げの対象になった者の全組合員に対する割合が七・四%ということでございました。ほぼそういう状態に近くなっておるということと、それからこうした人員は、ただいまも申し上げましたように、昨年の十月の状態でございまして、実施は本年の十月ということになるわけでございますが、その後の給与の上昇等も推計をいたしますと、この該当人員は約六千人、全体の三%程度になるという見込みでございます。この見込みも、前回四十四年に引き上げました場合のケースと大体同じわけでございます。
 それから従来からの考え方といたしまして、この標準給与の下限は、国家公務員の行政職俸給表の(二)の五等級一号、これが行(二)の最低の俸給額になっておるわけでございますが、これが四十六年の五月から御承知のとおり二万七千八百円、こうした金額になっております。これに従来からほぼバランスをとって下限を改定するという考え方をとっておりますので、こうした改定を今回行ないたいということでございます。
#52
○宮之原貞光君 後ほども触れたいのですが、いろいろなところでバランスバランスというバランス論が一貫して流れているのですけれども、たとえばいま質問したところの下限を八千円アップするわけでしょう。おそらく、私は、ここらあたりは特に幼稚園関係の皆さんが相当多いのじゃないだろうかと思うのです、実際の場合はね。そうしますと、給与の面で見ますと、先般の委員会におけるところの片岡委員に対するところの答弁の中では、私立と公立の給与の差が、公立を一〇〇とすれば、私立のほうは五一しかない、半分にしか満たないと、こういう給与のアンバラがあるんだと。こういうような状況の中で下限を八千円引き上げるということになりますと、私はやはり相当負担がかかってくると思うのですがね。実際に掛け金はこの結果によってどれだけ上がっていますか、特にその下限の部分に該当する者については。
#53
○政府委員(安嶋彌君) 下限の一万八千円の方が二万六千円になりますと、長期・短期合わせまして月額で五百七十六円の負担の増ということになります。ただ、こうした負担の増があるわけでございますが、御承知のとおり、長期給付はすべて標準給与を基本にしておるわけでございますから、掛け金が上がりましても給付はそれにつれて上がるわけでございます。それから短期給付につきましては、これは大部分は標準給与とリンクはいたしておりませんが、ご承知のとおり、出産費でございますとか、配偶者出産費、埋葬料、家族埋葬料、傷病手当金、出産手当金、休業手当金、弔慰金、家族弔慰金といったようなものは、標準給与が上がりますと、それに対応して上がるわけでございます。ですから、御指摘のとおり、確かに負担は上がりますけれども、それに対応した見返りがこうした形であるということが一つのプラス面でございます。
 それからもう一つは、私ども、これは間接的な効果として、つまりそれをねらったというわけではございませんけれども、間接的な効果として期待をいたします点は、前回も片岡先生から御指摘がございましたように、下限をいつまでもこういう形で据え置いておくということは、むしろマイナスに働く面があるいはあるのではないか。下限を引き上げるということによって、主として幼稚園教員の給与になるかと思いますが、それが引き上げられるというような間接的な効果もあるのではないかというふうに考えます。したがいまして、給与水準全体のこうした動きと合わせながら、適当な時期、間隔を見ながら、こうした形で下限を引き上げていくということも私は妥当な措置ではないかというふうに考えます。
#54
○宮之原貞光君 どうも、そこらあたりが、たとえば財源上の問題で、さきの矢追委員からの質問、あるいはまた前回の秋山委員との質疑の中で、現在の手元にあるところの長期関係の黒字の保育資産の状況にしても、責任準備金とか引き当て金の問題を考えると、現在の百分の十八でも不安だと、百分の二十までぜひとも引き上げなければ将来の見通しは立たぬのだと、こういうことで先ほど来強調されておるわけなんです。これをかりに百分の二十という点にきちんと引き上げて、国からの補助は補助としてふやしておいて、なお君らも若干上がるけれども負担をしてくれというならわかるけれども、その面はまだ不十分です、国の措置の面も不安定ですと、こういう形で、こっちを上げたらそれは将来の私学関係の給与を引き上げるための呼び水になるのじゃないかということでは、私はやはり該当者を納得させられぬと思うんですよ。したがって、そういう面では、少なくとも百分の二十というのは絶対にやってもらわなければならぬ点じゃないかと思うんです。それをやれと言えば、それはバランス云々と、こう言われながら、片一方の低い給与の皆さんの中では必ずしもバランスがとれておるとは私は思わぬ、負担金の面から見ればね。バランスというのは、ほんとうにバランスがとれたときがバランスがとれたと言うんでしょう。国から支払うところの国からの支出の面だけバランスがとれる云々というのは、私は真の改善にならないのじゃないだろうかと、こう思うんですよね。その点はいかがですか。
#55
○政府委員(安嶋彌君) 国庫補助金の引き上げの点につきましては、大臣からも御答弁申し上げておりますように、私ども最大限の努力をしたいということでございまして、宮之原先生がおっしゃるとおりの方向で今後大いに努力をしてまいりたいということでございます。ただ、共済組合という制度は、先刻御承知のことでございますが、これは組合員の相互共済、相互扶助ということが基本でございますから、組合員も負担の能力に応じて必要経費を分担するということが大原則であろうと思います。したがいまして、ただいま申し上げましたように、私学の教職員の給与水準も年々上がっておりますので、そうした実態に合わせて下限を無理のない範囲で徐々に上げていくということも、これも実際上必要でもございますし、さほど無理なお願いをしておるというふうには考えておりません。手続といたしましては、これは私学共済における運営審議会その他における御審議も経ておるわけでございまして、一応組合員を代表する方々の御了解も得ておるというふうに理解をいたしております。
#56
○宮之原貞光君 無理である無理でないということは、これは意見の違いかもしれませんが、あとから申し上げますから、それは留保しながら次の問題に移ります。
 なお、給付内容の問題について、短期給付の問題ですが、昨年、掛け金を、赤字相当分の穴埋めとして千分の四、給付内容の改善分として千分の二を引き上げて、従来の千分の七十が千分の七十六になっておるわけですね。そのうち、先般の説明によると、千分の八の約十二億というのは都道府県から補助があったんだと、こういう向きの御答弁があったみたいですが、それ以外の団体から短期給付の財源面に補助というのがあっておるのかないのか。なお、実際このことによって組合員の負担の率は幾らになっておりますか、それを明らかにしていただきたい。
#57
○政府委員(安嶋彌君) 短期給付につきましては、国、地方団体からの補助は現在ございません。それで、先般も申し上げましたが、千分の七十六というのが昨年十月以降の掛け金率でございますが、千分の七十六のうち千分の八が都道府県の補助でございます。その分だけ負担を軽減しているわけでございます。したがいまして、千分の六十八というのが実質的な掛け金率でございます。それを学校法人、組合員で折半をいたしますから、千分の三十四――つまり、通常でごさいますれば千分の三十八になるべきところを、都道府県が千分の八持っておりますので、それをそれぞれ学校法人と半分ずつ分担いたしましてそれが三十四になっておる。ただし、これには実は若干の例外がございまして、北海道と福岡県のみにおきましては、府県の千分の八の補助を組合員の負担軽減のみに充てております。しかし、これは、ただいま申し上げましたように、掛け金率のつまり肩がわりでございまして、組合の経理から申しますと、これはプラスマイナス・ゼロという性質のものでございます。
#58
○宮之原貞光君 そうしますと、組合員の負担率は千分の三十八だけれども、実際的には全国的には千分の三十四の負担率だと、こう理解しておっていいんですね。
 この問題と直接は関係ないんですが、昨年千分の二を給付内容の改善という名目で上げられていますね。確かに、付加給付の面で若干ついております。その付加給付と国公立関係の付加給付とは、同一なのか、あるいはどのような差があるのか、それを明らかにしてもらいたい、付加給付の内容です。
#59
○政府委員(安嶋彌君) 従来、私学共済におきましては、付加給付が全くなかったわけでございます。その点が私学の関係者の大きな不満であったわけでございますが、先ほど来問題になっておりますように、短期におきまして多額の赤字をかかえておったような関係から、付加給付というところまではなかなか踏み切れなかったわけでございますが、昨年度から、不足金に対応するための掛け金を上げました際に、千分の二分だけあわせて付加給付のための財源を確保いたしまして、その結果、家族療養費の付加金、育児手当金付加金、それから埋葬料付加金、この三者を新たに私学共済の付加金といたしまして追加したわけでございます。内容的に公立学校共済との比較でございますが、公立共済の家族療養費の付加金は家族療養費の百分の四十ということになっておりますが、私学共済の場合は家族療養費から一万円を控除した残りの全額を付加給付とするという扱いにいたしております。それから育児手当金の付加金は、公立共済と同じように一件について二千四百円でございます。それから埋葬料の付加金は、公立共済が四千円でございますが、私学共済は一万円でございます。しかし、このほかに、公立共済にあって私学共済にない付加金を申しますと、出産費の付加金、配偶者出産費の付加金、家族埋葬料の付加金、傷病手当金の付加金、結婚手当金、災害見舞金付加金、こうしたものが公立共済にありて私学共済にない付加給付でございます。こうした問題につきましては、今後、財源との関連ももちろんあるわけでございますが、十分検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#60
○宮之原貞光君 これはやっぱり付加給付の問題で国公立関係とだいぶ差があるということは事実ですね。たとえば、先ほどの局長の答弁によりますと、家族療養費の付加金あたりもいいような印象を与える答弁があるんですが、実際そうじゃないでしょう。これは、あなた、家族療養費の場合は、公立関係は県支部の独自分を加えて七割前後もありますし、具体的金額で言うと、私学共済の場合は、たとえば三万円かかったと。そうすると、半分の一万五千円のうちの一万円は付加給付で出ましょうけれども、五千円はまるまる払わなければならぬ。しかし、公立学校の場合には、二万六千円出て四千円は自分で払うから、千円の差というのはやはり歴然としてつくわけなんですね、一つの例をあげれば。こういう面から見ましても、付加給付というもののあり方について、もう少し積極的に改善策を立てる必要があるのじゃないかと思います。たとえば、先ほど来の質問によりますと、四十六年の単年度は黒字で、今後はとんとんになるかもしれない、こういう見通しだということを言っておられるのですけれども、付加給付を他の公立学校よりも下げておいた形においてとんとんでは、私は決してほめられたことではないと思う。せめてそれを同一にするという努力目標があってこそ、これはとんとんですとあなた胸を張って言えると思う。一体、今後どういうようにしてこの付加給付なら付加給付の問題について改善策というものもお持ちなのかどうか、そこらあたりをお聞かせ願いたいと思います。
#61
○政府委員(安嶋彌君) 実は、今後付加給付をどういう形で持っていくかということにつきまして、具体的なめどというものはまだ立てておりません。しかし、御案内のとおり、気持ちといたしましては、国公立との間で格差がないということがもちろん理想でございますから、そうした方向で努力をいたしてまいりたいと思います。私学共済の付加給付も実は昨年十月に始まったばかりでございまして、その実態も現段階ではまだ十分正確に把握されておるというふうにも言えないわけでございますが、そうした実態の推移、それから今後における財源の見通し、それと掛け金との関係、そういったものを十分考えました上で公立並みということを目標にいたしまして努力をしてまいりたいというふうに考えます。
 それから家族療養費の付加金でございますが、これはケース・バイ・ケースでございまして、損か得かということはなかなか比較しにくい問題でございますが、私どもいま手持ちの資料では、一件当たりの付加金額は公立共済よりも私学共済のほうがかなり有利になっております。
#62
○宮之原貞光君 たとえば、その面で言うと、三万円療養費がかかったと、こうしますと、公立共済の場合は七割はあるんでしょう、いまの仕組みの中ではね。
#63
○政府委員(安嶋彌君) 四割……。
#64
○宮之原貞光君 四割ですか。だって、あなた、半分は出ていない。あとの一万五千円に対して七割は出てくるんでしょう。四割ということはないですよ。七割給付になっている。
#65
○政府委員(安嶋彌君) いま宮之原先生がおっしゃいましたそのケースでございますと、確かに、公立共済の場合は、三万円の療養費の場合は、法定給付として一万五千円が支給されて、残りの一万五千円の四割でございますから、六千円が付加給付として出る。私学共済の場合は、三万円の療養費の場合に、一万五千円が本来の給付として出まして、残りの一万五千円のうち一万円を控除いたしますから、五千円が付加給付として支給される。したがいまして、公立共済の場合は付加給付が六千円であるのに、私学共済の場合は五千円だということになるわけです。が、先ほど申し上げましたように、実はこの私学共済の付加給付の実施状況につきましての最近の資料を手元に持っておるわけでございますが、これからみますと、これはまあケースによっていろいろ違うかと思うのでございますが、手元に持っておりまする資料から申しますと、私学共済のほうが有利であるという資料も出ておりますが、この辺のところはさらに資料を精査いたしまして十分検討してまいりたいというふうに考えます。
#66
○宮之原貞光君 まあこれは議論するのはやめますけれども、それは、あなた、公立共済の場合は、本部で出すけれども、県がそれにプラスして出しているでしょう、それぞれの支部の中で支部単位のものを。だから、実際は、公立共済のほうか運営の面ではうんとやはり付加給付の面でもいいんですよ。これはひとつ調べておいてください。ただ、私がここで聞きたいのは、そのことよりも、いずれにしても、付加給付の種類をいろいろなものを見れば、はるかに及ばないことは事実なんです。それをしかも昨年は千分の二を組合員から負担をさせて取っているだけの話ですからね、全体の中から。したがって、この問題は、先日の委員会で秋山委員からも出ましたように、短期給付についても健保の場合と同じように国で若干の補助をすべきだという根拠というものはあくまでも押し通していかなければならぬ。それに対して、先般の答弁は、バランスバランスだと、こういうことで皆さんは答弁されていますけれども、実際に給付の面でアンバラがあって不公平があるのに、なおまた、一方、国がやるものはバランスだバランスだということで逃げられたのでは、ほんとうの社会保障制度にもならぬし、私学の振興にもならぬと思うのです。そこのところは私は少なくとも皆さんは理解されておると思うのだけれども、それを一方的に大蔵省からバランス論で押しまくられてやむを得ないという引き下がり方は、どうしても納得できない。少なくとも、バランスをとらすというならば、付加給付の面、給付の実際の面におきましても国公立と同じような状態に置いたときに国の補助の面もバランスがあってしかるべきだというなら、一応はわかるんです、いわゆる私学振興という問題を抜きにすればね。しかし、最低限バランス論に立つならば、それは給付の面もきちんとしておいてバランスはとらしておいてやるべきだと思うのですがね。どうなんですか、それは。大臣からも直接聞きたいのですが、それは理にかなっておる要求でしょう。
#67
○国務大臣(高見三郎君) いまの宮之原さんの御意見は、まことにごもっともであります。この問題は、私は、農林共済時代から、この共済の国庫補助の引き上げに懸命の努力をしてまいりまして、今回百分の十八にいたしましたけれども、これはどうしても近い機会に百分の二十にしなければならぬ。国公立とのバランスの問題は、これは解消する努力をすることが当然文部省の仕事であると考えておりますので、今後十分の努力をいたします。
#68
○宮之原貞光君 この点、私は、未加入校で独自の組合管掌保険を持っておるところの学校、先ほど来例をあげましたところの慶応の場合にも、たとえば付加給付の面で普通の私学共済と対比をしてみれば、やはり大きな格差があるんですね。したがって、こういうところを引き上げてバランスをとらしていくということなしに、ただ、おまえたちは入りなさい入りなさいでは、これはいつまでたってもこの問題の解決は私はつかないと思うんですがね。したがって、この面で言えば、アンバラ解消ということが、即、加入促進と申しますか、その意欲を促すことにも通ずると思うんですが、その点はどうお考えですか。
#69
○国務大臣(高見三郎君) 全く同感であります。私は、早稲田の総長、慶応の塾長に再三お目にかかりましてこの問題をお話し合いをいたしました。しかし、このお話を進めていきます場合に、私は、お入り願いたいということを申し上げたことはございません。御事情はどうなっておりますかということを伺ったのであります。早稲田の総長にしましても、慶応の塾長にいたしましても、百分の十八という国庫補助が増額になった時点においてはわれわれのほうは入ったほうが得だという感じを持つようになりましたという御意見でありました。百分の二十にはここ一両年のうちに必ずなりますよという話をしたら、その場合にはぜひ入れてもらいたいんだが、いますぐということは私どものほうでも学内の統一がなかなか容易に得られないということでございましたので、いや、得られないものなら何も入ってもらわなくてもよいんだと。ただ、現に入れてほしいという学校がたくさんありますが、これは別にあなた方のほうで妨害される筋合いのものじゃございませんでしょうと言いましたら、それは全然私どももそういうことは考えておりませんから、どうぞ御自由におやりくださいと、こういう御意見でありました。
 そこで、いま宮之原先生がお話しになったように、日本の社会福祉政策というものが進んでまいりますれば、進むに従って、百分の二十を私ども一応のめどといたしておりますけれども、あるいは百分の二十五になる時代が来るでしょう。百分の三十になる時代が起こるかもしれません。また、そういう時代をつくりたいものだと思っております。その場合に、私学が独自でやっております組合というものよりはこの共済のほうがはるかに有利であるという御判断に立たれて学校が独自の判断で入りたいとおっしゃるならば、入れられる道を開いてあげたいというのがいま私が考えておる考えでございます。秋山先生にお話しを申し上げたのも、そういう意味で申し上げたのでございます。
#70
○宮之原貞光君 いまの未加入校の問題については、後ほどもう少し質問したいと思いますけれども、ただ、申し上げておきたいのは、百分の十八を百分の二十にするから一挙に解決するんだということでは、これは非常に甘過ぎると思いますよ。これは年金の面だけでは解決つかないわけですから、短期給付の面というものもあるわけですから、その点だけは申し上げておいて、次の質問に入ります。
 次は、私学共済の運営の問題についていろいろお聞きしたいわけであります。
 私は、端的に申しますけれども、ここに参考人に私学共済関係者も来ておられますけれども、私学共済の運営は経営者中心主義じゃないだろうかと、こういう気がしてならないんです。まず、その理由、根拠になるのは、運営審議会のあり方の問題です。運審のあり方の問題が一つです。私学共済法の十二条は、運審の問題については、第二項で、組合員側、学校側、あるいは学識経験者を二十一人以内で出しなさいと、これを文部大臣が委嘱しなさいときちっと出ておる。しかも、ていねいにその第三項には、「一部の者の利益に偏することのないように、相当の注意を払わなければならない。」と、公平なる運営、民主的な運営ということを明確に位置づけておるわけなんですね。その点、公立学校共済の定款も、十四条ですか、十六人構成とし、その趣旨がきちんと書いてある。現実にまたそういう運営がされておると私は見ておるんですがね。したがって、少なくとも、共済制度の運営のあり方については、国公立の場合も私学の場合も精神は同じだと私は理解をしておるんですが、その点、違いますかどうか、まずお伺いしたい。
#71
○政府委員(安嶋彌君) 御指摘の点は、基本的な考え方、精神につきましては私は同じだと思いますが、ただ、ただいま先生が御指摘になりましたように、公立共済あるいは文部共済は二者構成でございますが、私学共済は三者構成、そこのところが違うわけでございますが、三者構成であるというその背景は、先ほども申し上げておりますように、使用者側とそれから組合員側との両者の経費でこの私学共済が運営されておるということではなくて、都道府県からの補助もあり、私学振興財団からの補助もあるといったような、そういった私学教職員共済組合の特殊性からして三者構成という構成をとっておるわけでございます。
 そこで、組合員の意向をどう反映するかということでございますが、私ども、組合関係、法人関係の運審委員の推薦につきましては、私学団体の全体を包括する全私連――全私学連合に対しましてその推薦を求めております。この全私学連合は、御承知かと思いますが、私立大学連盟、私立大学協会、私立大学懇話会、私立短期大学協会、私立中学校高等学校連合会、それから私立小学校連合会及び私立幼稚園連合会の七団体で構成されておるわけでございますが、これは必ずしもその使用者の団体ということではなくて、学校自体も加盟員とする包括的な団体であろうというふうに考えておりまして、この団体に対して推薦を求めて、二十八年以来、そうした方法でやっておるわけでございます。推薦を求める場合におきましては、特に文部省から、念のために、組合員関係の七人の運審委員の推薦については、組合員を代表するにふさわしい人を選んでもらいたいということを注意いたして推薦を求めておるというような状況でございます。したがいまして、最初に申し上げましたように、文部共済、公立共済等々と私どもは基本的なその考え方において私学共済は差異がないというふうに考えております。
#72
○宮之原貞光君 そつのない答弁ですけれども、実際はどうなんですか。ほんとうにあなたがおっしゃるように、組合員一人一人、教員団体がみんな参加して、それぞれ発言の場所を適当に与えられるという理解の場所ですか。少なくともそれは経営者団体と強弁されないと思いますけれども、たとえば全国の私立小中校は、みんな校長さんが構成の実際の権限を握っておるでしょう。校長さんは経営者じゃないといえばないかもしれない。しかし、雇われマダムといわれることばがあるけれども、そのことばどおりであることは事実なんです。したがって、少なくともこの精神からいえば、一般の平の教職員の代表もそこに参加をして、行ってものが言える、そういう人がこの運審のメンバーに選ばれてこそ、実が伴うところの運営がされておると思うんですよ。かっこうだけとれたら、あなた方は、法文上きちんとなっておると、こういうふうに強弁をされるわけですか。少なくとも私は運営審議会のあり方から見れば、たとえば公立学校にいたしましても、教員組合とかそういうものからみんな入れろという規定はもちろんないですよ。しかしながら、実が伴うように運営されているところに公立学校共済の妙味があるわけでしょう。それと同じ精神であるというならば、そういう実が伴うようなメンバーの出し方があってしかるべきじゃないかと思います。これを、あなたがおっしゃったように、全私連だけに推薦させるということは、それは法文のどこにありますか、それが推薦団体と。もしそうでないとすれば、あなた方が一方に偏しないとすれば、たとえは私教――私学教員組合というのがあるわけですから、そこからもある程度推薦者を出させて、皆さんがバランスのとれるように任命し委嘱するということは私は当然じゃないかと思いますが、どうなんですか。
#73
○政府委員(安嶋彌君) ただいま御指摘のとおり、私ども、現に文部共済、公立共済でやっておりまするように、いわゆる教員組合の代表の方がこの運審に参加されるということ、公立共済の場合は役員にもなっていらっしゃるわけでございますが、そうしたことは、当然なことであり、ごく自然なことであるというふうに考えはいたしますが、ただ、私学共済の場合は、教員組合というものの実体が率直に申しまして必ずしもそこまで整っておるというふうには実は考えにくいわけでございます。原則的に私は先生の御意見にもちろん反対ではございませんけれども、実際上の処理ということを考えました場合には、さしあたりと申しますか、当分のところは、従来続けてきた運営の方法でまずはいいのじゃなかろうか。ただ、御指摘のようなお気持ちは、今後人選等につきましては十分反映はしてまいりたいと思いますけれども、先ほども申し上げましたように、私学団体というものは、私学全体の、つまり教員も含めて私学全体の振興をはかることを趣旨とする団体でございますから、もちろんそれは法的な根拠はございません、実際上の慣行でございますが、そうした慣行を続けていっていいのではないかというふうに考えます。
#74
○宮之原貞光君 それは、おかしいですよ。詭弁にもひとしいですよ。教員組合の実体なんか云々したって、教員組合は厳然としてあるじゃないですか。たとえば日教組の中にも私学部というのが相当数組織されておるわけです。そういう実体があるのに、それを過小評価してそれは全然考慮に入れない。一体、この法の精神からいえば、全くおかしいじゃないですか。どこにも全私連から入れなさいということは書いてない。実際の運営が、全国私立学校連合なるものの運営が一般の平教員もまじって運営されているならそれも一つのあれでしょう。しかし、実体はそうではないでしょう。経営者といわれ、雇われマダムといわれている校長さんの運営でしょう。そういうものの実体はさておいて、法の精神からそぐわないと言ったって、少なくとも十二条の第三項に規定するところの問題については、私は文部大臣は怠慢だと言わざるを得ない。そう言われたって、これはもうのがれようがないと思うのです。問題は、実際にやっているかどうかということは、実際にそうなっているかどうかなんですよ。形式が整っているかどうかということで法文上やりさえすればいいとお考えですか。そうじゃないでしょう。それだからこそ、公立共済のほうも、いくら教員組合の団体があろうとも、その教員組合の団体にも若干振り割って話し合いの中から複数のものを推薦させて、皆さんが委嘱しているのでしょう。そういうやり方に改めない限り、ほんとうの民主的な運営のあり方という方向に行かないと思うのです。その点私はもう一度あらためて文部大臣のお考えを聞きたいと思います。
#75
○国務大臣(高見三郎君) 私学共済の場合、それはなるほど日教組の中に私学の部会のあることも承知をいたしております。が、私学の教員の全員を代表する一つの組織体であると言うにはやや欠けておるというのがいま管理局長がお答えをしたことだと思いますが、私は、宮之原君の言われるとおり、使用者の側から代表を出すというのなら、使用者の側から代表を出すというたてまえをとるべきであると思いますけれども、これは御承知のように十八年間の慣行があるのでありまして、その間にいままで非常な不都合があったとは考えておりません。しかし、いまあなたがお話しになりました点につきましては、これは私は今後の問題として十分検討に値する問題として御意見を拝聴いたしておきます。
#76
○宮之原貞光君 いままで不都合がなかったから今後もそれでいいということにはならない。不都合といって、一般の組合の中に非常な不満があるんですよ、実際に平教員の中には。それをのぼせていくところの場所がないんです、反映させていく手だてが。たとえば、さっき管理局長は、例の下限の問題で、全国私立学校連合の中からも了解を得たというお話があったけれども、それは、あなた、校長さんや経営者だけで理事会がつくられておるところの皆さんですから、それは異議があろうはずがないんですよ。しかしながら、実際の薄給にあるところの皆さんの中にやはりいろいろな問題点があるんですよ。自分たちも組合員でしょう。それなら、組合員としての不満のいろいろなものが届くようにしていくのがしかるべきでしょう。いままで不都合がなかったからと。それは、なるほど、刑事上のいろいろな責任はなかったかもしれない。しかし、いろいろな不満というものはうっせきしておるんですよ。ほんとうに私学共済というものを民主的に運営しようとするならば、私はこういう機会にこそ文部省は積極的にその趣旨に沿ったところの指導をします、考えますと、こういう答弁があってしかるべきじゃないかと思うのですけれども、どうなんですか。ただ意見として承っておくというだけでは私は合点がいかぬのです、この問題は。
#77
○国務大臣(高見三郎君) 私は、御意見として拝聴しておきますと申します限りにおいては、この問題を前向きに検討いたしますという意味でお答えしたつもりでおります。
#78
○宮之原貞光君 大臣の答弁は、よく前向きにと言って、まあしかし佐藤内閣も終わりだといわれているので、これは少なくとも事務当局がきちんとしておかなきゃならぬと思います。
 それで、いま参考人として来ておらるところの私学共済の経営者の皆さんがこの運審のあり方について私の質問に対してどうお感じになっておるのか、その辺もあわせてお聞かせをいただきたいと思います。
#79
○参考人(三浦勇助君) お答え申し上げます。
 まず、ただいまの運営審議会の構成から申し上げたいと存じます。これは、定款にうたわれてありますように、二十一名からの構成でございます。いわば平教員の方七名、それから理事長、委員長といった経営者の方が七名、それからいわゆる学識経験者と申しましょうか、私学共済運営の経緯にかんがみましてのそれぞれの知識経験をお持ちであった方七名、こういう方々によって運営されてまいっておるわけでございます。文部大臣発令でございまするから、それまでの経緯は、先ほど大臣、管理局長から申し述べられたとおりでございますが、私ども実際理事長を補佐して運営の実態を見きわめてまいりますいままでの段階では、ただいま宮之原先生が御懸念なさっておるような形での平教員の方々の意見というものは十分代表しておられるように受け取っておるわけでございます。したがいまして、目下のところ、この運営面におきましては、それほど支障、そごのないように理解しております。
 以上でございます。
#80
○宮之原貞光君 それは、あなたは当事者だから、当事者がそう言うのは当然でしょうけれども、それは形だけ平という名前がつけばいいと私は言っておるのじゃないんですよ。少なくとも経営者とかあるいは管理者という立場を離れて、自分自身実際身をもって組合員になっておるところの人々の意見を結集しているそういう団体からも推薦をさせて、その中で委嘱をしてやっていくということが運営されてこそ、法で言うところの民主的な運営ができると思うんです。それを、ただ形を整えて、平からやっておるからみんなそういうことはありませんというのは、私は納得いかないんです。現実に私が前に所属しておりましたところの教職員組合、そこに私学関係が十七、八万前後結集されておるのだけれども、そういう皆さんの中から非常な不満が出ておるんです、この問題については。一体、そういう現実にあるところの団体というのは、先ほどの大臣答弁もそうだけれども、局長も、何か私学関係の組合は小さいからと、そういうものの言い方では、私はほんとうの運営というのはできないと思うんですよ。少なくとも、私がここで言いたいことは、ほんとうの運営委員というものを委嘱する限りにおいては、そういう立場を十分考慮をした者を皆さんが委嘱をする、それで行ってこそ、私はほんとうに明るい運営というものができていくと思うんです。現に、公立学校共済の場合は、以前はそうではなかったでしょう。それが例の法改正の過程の中できちんと数がそろい、具体的に出てきた、法文上はないけれども。運営の妙味があるから、たとえば日教組と文部省というのはいがみ合うけれども、事公立共済の問題については、事前によく話をするから、いわゆる組合員と実際の管理の立場であるところの文部省との間の摩擦というものは全然ないでしょう。そういうものがあってこそ、私は、はじめて運営審議会の妙味というものを発揮できると思うんですよ。そういうものこそ法のいうところの精神だと思うのです。
 私は、重ねて強調し、また皆さんのお考えを聞きたいのは、そういう前例もあるし、実際の経験から考えて、運営審議会というものを積極的に前向きに文部省が――最終的に委嘱するのはあなた方なんだから、そういうことを考慮してもらいたいと思いますが、どうなんですか、それは。
#81
○政府委員(安嶋彌君) 基本的な考え方につきましては、宮之原先生のおっしゃるとおりだと思います。私も同感でございます。具体的な処理につきましては、ただいま文部大臣から御答弁申し上げましたように、前向きに検討するということでございます。私ども事務当局も、そうした方向で検討してまいりたいというふうに考えます。
#82
○宮之原貞光君 次に移りますが、いま一つ運営の問題で申し上げておきたいのは、個々の組合員の資格問題です。私学共済法の十四条から見ますと、組合員の資格の取得あるいは資格の喪失というこの判断の権限というのはどこにあるかわかりませんけれども、おそらく学校法人の理事会からの申請によって加入を認めたり資格の喪失があるという形で運営されているのじゃないだろうかと思う。その場合に私が問題にしたいのは、私学の場合には学園紛争がわりに多い。しかも、最近になると、ベビーブームが過ぎたからといって、高等学校、中学校の場合は、学校閉鎖、あるいは定員の縮減、縮小という問題等が起きてきておる。その中で、よく経営者側が一方的に馘首をし、そのことによって資格を剥奪されてくるという例が相当あるわけなんで、その場合に、それに対して、いわゆる馘首されたところの人が地労委とかあるいは地裁に提訴をする。そういう地裁や地労委の段階で不当労働行為とか解雇権の乱用ということが認められた場合、そうして、しかも、地位保全が確定をし、給与が現実に支給されており、復元したという例が相当ある。そういう場合にもかかわらず、共済組合の組合員の資格はいつまでたってももとに返っていかないという例が少なくないんです。その点はどうお考えになりますか。
#83
○政府委員(安嶋彌君) 私学の場合は、国公立と違いまして、任用関係が必ずしもきちんといっていないという実態があるわけでございまして、そうしたきちんと任用関係がいっていないというところから、いろいろ身分関係について紛議があるわけでございます。さらに、それに組合活動等の問題がからみまして、いろいろなケースがあるようでございます。そうした組合員の資格に伴う問題につきましては、四十三年以来、私学共済組合の審査会というものが設けられておりまして、これは九人の委員をもって構成されております。法人側三人、組合員側三人、学識経験者三人という構成でございます。従来この審査会で審議されましたものがいろいろございますが、資格に関するものが六件、短期給付の内容に関するものが十件、長期給付の内容に関するものが七件、貸し付けに関するものが一件ということでございまして、この審査会で御指摘のような問題が組合員の資格に関する限りは審議され結論が出ておるわけでございますが、具体的な問題の扱いにつきましては参考人のほうからお答えいただくことにしてはいただけないでしょうか。
#84
○参考人(三浦勇助君) ただいま御指摘の件でございますが、審査会におきましては、この構成された委員で、しかも、きびしい制約がございまして、議事を運営する段階におきましては、学校法人を代表する委員、組合員を代表する委員及び公益を代表する委員各一人を含む過半数の者が出席しなければ、会議を開き、及び議事を決することができない、こういうようなきびしい制約のもとで審査をいたしました結果といたしまして、もし組合員の方々が正当であるという形の結論が出ますれば、すべて原職に復帰しております。
 以上でございます。
#85
○宮之原貞光君 いまの御答弁は、審査会でそれがパスするならば、そういうものは無条件に復帰していますと、こういうことですか。
#86
○参考人(三浦勇助君) 届け出がありますれば、すべて復帰しております。
#87
○宮之原貞光君 こういう意味ですか。たとえば、紛争が起きて地裁とかあるいは地労委の判定があって、しかも地位保全が確定をして給与が支給されるようになったら、無条件に組合員に復活するのだと、これはもう審査会の審議により無条件にパスするのだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。それがあまりにも学校法人のほうから申請がないために、握りつぶされているという例が多過ぎるんですよ。それで私はあなたにお尋ねするわけです。そうなった場合に、無条件にあなたは入れてくれるのですか、そこだけはっきりしてくれればいいんです。
#88
○参考人(三浦勇助君) 届け出がありますれば、無条件で復帰しております。
#89
○宮之原貞光君 届け出というのは、学校法人側から届け出るという意味でしょう。それとも、本人からいま申し上げましたところの客観的なものをつけて届け出があったという場合ですか。
#90
○参考人(三浦勇助君) すべて組合員の加入は学校法人を通しておりまするので、その場合も学校法人を通して届け出のあった場合でございます。
#91
○宮之原貞光君 その学校法人がなかなか届け出てくれないんです。サボタージュするんですよ。そこに私が質問したところのポイントがあるんですよ。形式的には学校法人が届け出なきゃならないことになっているけれども、事実問題としていわゆる地位保全が確定をし給与も復活しているという事態であるにもかかわらず、学校法人側がその人を届けない、いつまでたっても。そのために、その人が宙に迷っているという例が相当あるんですよ。そこで、私が先ほど来質問していることは、そういうことのないように、少なくとも客観的に地裁とかあるいは地労委というもので出て、学校側がそれを認めて給与を支給しているという以上は、法人側が云々というあれを得なくても、自動的に認めるような指導を私は文部省がするべきだと思うのです。どうなんですか、その点は。
#92
○参考人(三浦勇助君) ただいまのところ、各学校の運営はやはり学校法人の主体性を認めざるを得ないわけでございます。しかし、そういう事態がありました場合には、私学共済といたしましては、学校法人責任者を呼びましてできるだけ届け出をするように慫慂の努力はしております。
#93
○宮之原貞光君 少なくともここに書いてありますところの「(組合員)」の十四条の資格関係からいえば、私はやはり無条件で認められなきゃならぬ性格だと思うのです。それを、おたくのほうは、学校法人側の届け出るのがたてまえですと。その学校法人が先ほどから申し上げるように届け出をサボタージュするものだから、一カ月も二カ月も三カ月もおくらされて、実害は組合員がこうむっているという例は少なくないんです。それならば、こういう例等は、直ちに直訴に及んだ場合は、皆さんが学校法人等を指導してすぐ入らせるような処置をされますかされませんか、その点をお聞きしたい。
#94
○参考人(三浦勇助君) 努力いたすつもりでございます。
#95
○宮之原貞光君 それでは、その点は、この法が示すとおりにやっていただくということですから、これ以上は申し上げません。
 もう一つお聞きしておきたいことがあるんですが、実は講師の問題なんですね。御承知のように、私学の場合、特に小中学校の場合は、講師という名目で先生方が勤務しておるというのが相当多いのですね。しかし、私は、この講師というものは、普通常識的な講師であるならば、これは十四条に言うところのものに該当しないのじゃないだろうかという点はよくわかる。しかしながら、名前は講師でも、いうならばその私学の学校運営の経営方針やいろいろなところから、名前は講師であっても、実質専任教員同様の勤務を、ホームルームの担当から、あるいは一人で二十時間三十時間も担当しておるという講師名目の教諭が少なくないんです。そういう中には、七年も八年も事実常勤と変わらぬように勤務をしながら、講師という名前のもとに、君は組合員に入るところの資格がないと除外されているところの例が相当あるんですが、これも、機械的に、これは十四条に当てはまらないと、頭からおまえは組合員じゃないと否定しなければならぬのですか。そういう場合の実際の扱いはどうお考えになりますか、局長。
#96
○政府委員(安嶋彌君) 第十四条の規定の適用でございますが、これはやはり勤務の実態からして判断すべきものだと考えますので、その実態がどういうことであるか、その辺のところが判断の分かれ目かと思います。具体的には共済組合自体でそこら辺の判断はされるわけでございますが、講師と申しましても、御指摘のようなケースがあると思います。現に常勤の講師というものはあるわけでございますから、そうしたものは私は組合員になってしかるべきだと思いますが、ただ、その勤務の実態をどういうふうにつかまえどう判断するかという問題が場合によればあるかと思いますが、たてまえとしては先生おっしゃるとおりだと思います。具体的な判断は、共済組合自体で行なわれておるわけでございます。
#97
○宮之原貞光君 だから、私は具体的にお聞きしたんですよ。講師にもピンからキリまであるから、名前は講師だけれども、実際はホームルームから一週二十時間とか何十時間という専任教員と同じような勤務をしている。それでありながら、講師であるがゆえに、おまえは組合員でないと、あるいは七、八年同じような形が続いても、なお共済組合の中には入れてもらえないという例がこれまたあるんですよ。そういう場合は、いま局長が勤務の実態によってそれは判断すべきだと、こう御答弁があったが、私もそうだろうと思うんです。その点は、やはりそういう運営をされておりますかどうですか。これまた学校の側から申請がなければだめですか。
#98
○参考人(三浦勇助君) やはり原則として学校法人からの申請が必要でございますが、私どもの現在の処理の姿勢は、名称にこだわらない、常勤であり、専任であるということでありますれば、すべて組合員としての措置を講じております。
#99
○宮之原貞光君 それなら、名称にこだわらないで、先ほど管理局長から答弁があったように、勤務の実態が実質専任の教員と変わらないような形であれば、自分たちとしてはそれを認めていくという方針だと理解してよろしゅうございますね。
#100
○参考人(三浦勇助君) 宮之原先生のおっしゃるとおりでございます。
#101
○宮之原貞光君 もう一つ運営の面でお尋ねしたいのですが、これは共済施設の運営の問題ですが、昨年の初めでございましたか、愛知会館の問題というのが問題になりましたですね。だいぶ県議会でまで問題になってたたかれたようでございますが、その点はどういう反省をされていらっしゃいますか。まず、文部省に、その愛知会館事件なるものを御存じかどうか、お伺いしたい。
#102
○政府委員(安嶋彌君) 実は、あまり詳しく聞いておりませんが、問題があったということは承知をいたしております。一般的な指導といたしましては、福祉施設というものはこれは組合員の福祉のために設けられるものでございますから、その目的に従って当然運営されるべきものでございまして、いわゆる独立採算というようなことが行き過ぎましていろいろ問題を起こすようなことがないようにということの注意はいたしておりますが、愛知県における具体的な問題の詳細につきましては、十分承知をいたしておりません。
#103
○宮之原貞光君 とにかく、これは、私学共済側も県会でもだいぶあやまっていることですから、運営が私学共済の本旨からもとった運営を当時はやっておったということは間違いない。
 私は、私学共済の実際の運営の問題について、いま三点ぐらいの立場から問題を指摘したのですが、運審の民主的なあり方、ほんとうに運審が公平に運営されておるかどうかという問題がひっかかってくるというのはここなんですね。当事者はスムーズに何でもないような形で運営されているとおっしゃいましたけれども、現実の問題として、組合員の資格の問題あるいは紛争があった場合の後ほどのそういう問題、あるいは会館の問題、こういう点の具体的な問題からいっても、少なくとも私は公立共済みたいな一点非の打ちどころがないと言うと大げさだけれども、そういうみんなの合意を得て運営されておるかどうかということは問題だと思うんです。だから、先ほどの人の問題に戻りますけれども、運審の選び方というものを、ただ従来の全国私立学校連合からだけの任命であるから無条件に認めますと、こういうのでは私は困ると思うんです。この点は、私がいまあげたところの事例から見ても問題があるという点は文部当局もおわかりだろうと思います。ぜひとも、ひとつ、もとに返りますけれども、今後の運審の任命という問題については、ほんとうに実質前向きの方向で検討してもらいたい。これがされない限り、毎年私学共済が掛け金の問題で審議になりますから、ことしは私は認めるにしても、今後はこれは認めないというかっこうでやらざるを得ないと思う。肝心かなめのこの問題というものをみんなの納得のいくようにしていくべきである、そういう点をもう一回念のため申し上げておきます。
 なお、時間もございませんので、一、二申し上げておきたいと思いますが、それは先ほど触れたところの未加入校の問題ですけれども、現在未加入校は幾つあるのですか。
#104
○政府委員(安嶋彌君) 短期・長期ともに私学共済に入っていない学校が百十五校、それから長期は入っておりますが短期だけ入っていない学校が三十六校、それから短期は入っておりますが長期は入っていない学校が二十校、計百七十一校でございます。それからこれを職員の数にして申し上げますと、短期・長期ともに入っていない人員が約三万人、それから長期は入っておるが短期は入っていないという人員は約四千五百人、それから短期は入っておるが長期は入っていないという人員が約六百五十人で、計約三万六千人の組合員が、組合員と申しますか、職員が入っていないということになっております。
#105
○宮之原貞光君 いま、私の手元に、私学共済加入促進協議会というところから、ぜひとも今度の法改正の中に入れてもらいたいという陳情書があるんですがね。この陳情書を見ましても、その学校には百七十二校が入っておるのですね。おそらく、これは、希望しないところの早稲田とか慶応はこれの外じゃないかと思うのです。したがって、そういう点から見れば、この数字は百七十一校というのはまだ上回るのじゃないだろうかと思うのですがね、この陳情書が正しければですよ。少なくとも、陳情書は、外百六十一校と書いて百七十二校の陳情書があがってきておるわけですから。それはまあ大きな問題じゃないからいいでしょうけれども、これだけ多くの学校がこの法律によって疎外されておる。入りたくても入れないというところにやはり政府としても責任を感じてもらわなければ困ると思うんです。先ほど来、いろいろ厚生省のものの考え方も問題があったわけですが、私どもから言わせれば、端的に言えば各官庁のなわ張り争いとしか思えないんですね。もう解決済みだと、まるで厚生省あたりではこの私学共済にいままでの者が入れば自分のところのなわ張りが侵されるみたいな気持ちを持っているのじゃないだろうかとさえ思われる。したがって、こういうものを、単に厚生省と文部省との間の話というごとじゃなくて、むしろ政府全体の施策として一体どうするのかという、より高度な立場からこの問題を解決しなければ、いつまでも文部省と厚生省でこの問題を解決しなさいということでは解決がつかない問題だと思うのですが、どうですか、大臣、そこらあたりは。
#106
○国務大臣(高見三郎君) この問題は、お話しのように、政府全体の問題であることは、言うまでもございません。しかし、実は、昭和四十二、三年ごろでありますが、全私学を加入させますということで百分の十六になりました際に、私学の側から入らないといってがんばられた多くの学校があったのであります。実は、当時の文部大臣は、厚生大臣に非常なうそをついたというかっこうになりまして、まことに困ったことがあるのであります。その連中が、今日になって入れてくれという話を持ってきているのが相当多数ございます。これは名前を申し上げることははばかりますけれども、そういう事例もございます。と申しまするのは、私学共済に入るほうが学校の教職員組合よりは有利だという判断に立って、将来また有利になるという判断に立って、そういう申し出をするようになりました。いまお話しの百七十何校というものは、確かにあると私は思います。その中で、入りたくないというのは、約三割ぐらいなものなんですね。だから、あとの七割はみんな入りたい。入りたいというなら入れてやったらいいじゃないかというのが私の考え方であります。したがいまして、ごく内輪な話でありまするけれども、内々の意見交換はいたしております。必ず目鼻をつけてお目にかけますが、それにいたしましても、全校加入ということはなかなか容易でないということは、あらかじめ御承知を願いたいと存じます。
#107
○宮之原貞光君 私も、それは、私学共済の発足の経緯の中で、それらの私学関係ですでに共済関係を発足さしている中では、行く先不安なものがあったからちゅうちょしたところの学校が相当あったということは、知っています。しかし、また、いま、おまえたちはあのときにノーと言ったじゃないかというふうに責めつけるのは、妥当じゃないと思う。それは、やはり、努力の結果、次々に私学共済というものの基礎が固まり、しかも政府が次々に国庫補助のほうを見ていくという形に改善をされてきておるから、それぞれの独立しておったところのいわゆる政管に入っておったところの組合員も、これならば同じじゃないか、入ろうじゃないかと、こう来ておるわけですから、そこら辺の変化というものは、あのときおまえたちは入らぬと言ったじゃないか、それがけしからぬからと言ったって解決しない。だから、そういう点はさらさら文部当局も考えておられないでしょうけれども、私はやはり積極的にこの問題を進めてもらいたい。もちろん、これは、強制的に加入さしていく筋合いじゃないと思う。いままでのものについては、それは限界があるということも承知しています。しかし、このことと同時に、先ほどもちょっと触れましたように、加入しやすいような、加入できるような条件をつくっていくということが日常の中で行なわれなければ、私はこれは単に百分の十八が百分の二十になったからということだけでは解決つかない問題だと思うのです。たとえば、私の手元にいま慶応なり早稲田の健保組合の実際の一覧表がありますけれども、条件がやはりいいんですよね。たとえば掛け金の問題で申しますと、早稲田のほうは千分の十七ですね、本人負担は。慶応が千分の二十。そして、いまの私学共済の場合は、これは先ほどの答弁で千分の三十八が三十四になるにしても、大きな開きがありますね。あるいは、給与の面でも、標準給与では早稲田の七万八千二百二十八円、慶応六万七千百十八円と、私学の手元の資料にありますところの五万七千四十七円では、たいへんな差がある。この辺にも運営のいろいろな問題が出てきて、やはり給与の面で低く押えられている。あるいは、それ以外に、早稲田、慶応もまた学内年金という独自のものを持っている。こういうふうにして見てきますと、給付水準の短期のものの引き上げということも、あるいは付加給付という面についても、積極的な改善をして、先ほど来私が申し上げるように、国公立の学校並みまではやはり皆さんが努力をして持っていく、そういうことを並行して行なわない限り、この問題の抜本的な解決は私はつかないと思うのです。ですから、厚生省との交渉もさることながら、この給付面の改善ということはきわめて重大な課題になると思うのですが、その点はいかがですか。
#108
○政府委員(安嶋彌君) 基本的には、先生おっしゃるとおりだと思います。したがいまして、そうした方向で今後努力をしてまいりたいというふうに考えますが、ただ、先ほども申し上げておりますように、財源の問題がございまして、そうした給付を新たに起こすということになりますと、その財源が必要だ。掛け金を上げなければならない。掛け金を上げれば、学校法人と組合員で折半負担ということが原則的に行なわれるわけでございます。それとは別個に国庫補助という問題もあるわけでございますが、共済組合というものの大筋から申しますとそういうことになるわけでございまして、そこで、組合員の負担の能力の限界、あるいはその学校法人の経営状態からする負担能力の限界の問題等を十分検討いたしました上で前向きに対処してまいりたいというふうに考えております。基本的には、おっしゃるとおりだと思います。
#109
○宮之原貞光君 だから、先ほど来主張したように、単に百分の二十にしたからといってこの問題は解決する問題じゃない。ですから、秋山委員も指摘をしておったように、短期給付の面にも――健保だって国がやっているんだから、実際は。それにも国の補助が行くように前向きの姿勢をしなければ、短期給付のものはそれは組合員や学校にみんな負担させるということじゃ、私は解決はつかないと思うんです。だから、これは、長期のだけじゃなくて、短期の面についても国の補助を取って、できるだけ組合員の負担があまり増にならないように、そういう立場を貫きながらぜひともやっていただきたい。おそらくまた来年もこの法案が出てくるでしょうけれども、来年のときには、努力しましたけれどもだめでしたというような形にならぬように、ぜひともその面は実現してもらいたい。
 最後に、一つだけ質問しておきますが、それは沖縄の私学共済の問題です。今回、復帰にあたっては、四十六年以降、言うならば沖縄共済が発足した以降、これは全面的に一〇〇%勤務年数も引き継がれておる。しかしながら、私学共済が発足したところの二十九年の一月一日から沖縄共済が発足するまでの間ですね、その間は、私が聞くところによると、勤務年数は五〇%しか計算をされていないというふうに聞いたんですが、そうですか。それとも、一〇〇%ですか。そこらあたりを明確にしてください。
#110
○政府委員(安嶋彌君) 沖縄の共済組合から本土の共済組合の引き継ぎの問題でございますが、沖縄の私学共済組合は、御承知のとおり、昨年の十月一日に発足をいたしております。制度の内容は、本土の私学共済と全く同じでございます。したがいまして、四十六年の十月一日以後の期間につきましては、一〇〇%その期間を通算をするという措置を講じておることは、これは当然なことかと思います。
 それから四十六年の九月三十日以前、四十五年の一月一日以後の期間でございますが、これは沖縄における厚生年金法の適用を受けておった時期でございます。この期間につきましては、旧法ルール、つまり、二十年未満は一年について六十分の一、二十年をこえる場合は一年について九十分の一という旧法の率に対しまして二割減額調整をするという形でこの過去期間を通算いたしております。これは、本土のと申しますか、四十六年の十月一日以後の共済組合の長期――ただいまの場合は長期のことを申し上げているわけでございますが、長期の掛け金と沖縄の厚生年金の長期の掛け金の間に格差がございまして、つまり、簡単に申しますれば、その掛け金が安かった分だけ減額し調整をしておるということでございます。
 それから本土で私学共済が発足をいたしました二十九年の一月一日以後四十四年の十二月三十一日までの間につきましては、四十五年の一月一日の沖縄の厚生年金制度施行の期間に引き続く期間につきましては、いわゆる控除期間といたしまして旧法ルールに対しまして百分の四十五の減額調整をいたしております。それから四十五年の一月一日に引き続かない期間につきましては、資格期間という扱いをいたしております。
 ただいま申し上げましたような扱いをいたしておるわけでございますが、御承知のとおり、共済組合というのは、掛け金を負担した場合にその期間について給付が行なわれるというのが大原則でございます。したがいまして、沖縄の場合でございますと、二十九年の一月一日から四十五年の十二月三十一日までの間は、これは掛け金が全く納付されていないわけでございますから、本土の私学共済制度その他の――またここでバランスを申し上げて恐縮でございますが――例からいたしますと、掛け金を納めていなかった期間は組合員期間に算入しないということが大原則でございますが、しかし、沖縄の場合は、御承知のとおり、非常に特殊なケースでございますので、ただいま申し上げましたように、掛け金を本人も学校法人も全く負担していないわけでございますが、引き続く期間につきましては、つまり、二十年までの期間について申しますと、旧法のルールで申し上げますと一年について六十分の一でございますが、それを百分の四十五減額をいたしまして百二十分の一・一、それから二十年をこえる期間につきましては九十分の一を百分の四十五減額調整をいたしまして百八十分の一・一、こういう計算にいたしたわけであります。
 まあ、繰り返しになりますが、本土の場合でございますと、こうした期間は全くゼロでございますが、沖縄の特殊事情にかんがみて百分の五十五は認められておるということでございます。
#111
○宮之原貞光君 本土だったらゼロだけれどもいろいろ配慮して百分の五十五にしたという話なんですけれども、沖縄の私学関係の先生が共済制度は要らないといって初めからやらないのならわかりますよ。しかし、これは、異民族支配下にあって、アメリカの当時の占領政策のもとからこういうことが来ておるわけなんです。自分たちが好んでそういうことやったわけじゃなくて、そうさせられたわけです。つくりたくてもつくれなかったわけですが、ようやく昨年沖縄復帰ということが明らかになったからやったということですから、少なくとも政府の皆さんのおっしゃる本土並みとか、あたたかい心で沖縄の皆さんを迎えようという政治的配慮をするとするならば、私は百分の五十五では困ると思う。少なくともこれについては特殊な事情としてこの点は政府が誠意があるならば国会に出したって、国会の皆さんもこのことは了解して財源的な措置の面についても協力したであろうと思うんです。したがって、この問題は、今後私は問題としてぜひとももう一回検討してもらいたいと思うんですね。それから数としても、そう多くの数じゃないでしょう、私学ですからね。いままで質問の中であったところの大臣の言う私学振興ということを考えるとするならば、そういう恵まれない条件にあったところの人々にも手を差し伸べていく、そういう面についてはほんとうの意味でバランスをとらすように本土並みにしてやるというのが私は政治の要諦だと思うんですよ。したがって、その点は、私は文部省でも今後の問題としてもう一回検討してもらいたいと思うんですが、どんなものでしょう、大臣。――大臣から聞きたいんだ。
#112
○政府委員(安嶋彌君) 一応私から……。沖縄の特殊な事情に対する理解につきましては、全く先生のおっしゃるとおりでございます。本土の私学共済とのバランスの問題、それから沖縄における公立学校共済職員の中の吏員相当職以外の者との扱いのバランスの問題、その他一般行政職についてもおそらくそういう問題があろうかと思いますが、そうした問題を考えますと、なかなかむずかしい問題だと思います。国公立につきましては恩給公務員期間というものが全面通算されておりまして、これが非常に特殊な扱い――特殊なと申しますか、有利な扱いになっております。公立学校の助教諭、非常勤講師等につきましては、ケースは比較的少ないかと思いますが、しかし、筋道からいたしますと、そうした少ない者の扱いと、それから同様のただいまのケースとのバランスという問題は、やはりかなり大きな問題として考えなければならない非常にむずかしい課題であろうと思います。が、しかし、先生の御指摘でございますので、今後とも何かいい方法はないか検討はいたしますけれども、事柄がなかなかむずかしい課題だということだけは申し上げておきたいと思います。
#113
○宮之原貞光君 現行ではむずかしいということは承知していますよ。現行法でできるのだったら、これは文部省自体もやられたであろうと思う、指摘されるまでもなく。しかし、沖縄復帰に伴うところのいろいろの施策の全体を見てみれば、特別立法でいろいろの手だてをしているでしょうが。たとえばほかの農林や建設のいろいろなものを見てごらんなさい。たとえば建設あたりは、道路法にもないものを拡大解釈して、みんな国道をつくっているわけでしょう。それくらいにやはり二十年間のいままでの苦労に報いようという気持ちがにじみ出ているんです、政治の姿勢の中で。けれども、事文教関係については、こういう問題については、私は、むずかしいでしょうということだけでは終わらせたくないんです。このことは、私自身も、あの沖縄国会の中ではっきりしておれば、その段階で問題にしおったですけれども、これを調べていく中でわかってきたものだからいま申し上げているわけですけれども、やはりこの問題はこのままむずかしいということで放置することはできない。もし公立関係の中でもバランスとの関係で不十分なら、よりよく改善をしてもいいじゃないかと思うんです。だから、その点、むずかしいとは承知しているけれども、もう一回文部省としてもこの問題について検討してもらいたい。これこそ、大臣の政治的な判断と政治的な行動によってこの問題を解決できるように御奮闘願いたいと思うのですが、最後に、どうですか、大臣。
#114
○国務大臣(高見三郎君) 宮之原さんも、十分むずかしいことを承知の上で御質問になっていることだと存じます。しかし、お気持ちは私もまさにそのとおりだと思いますし、実は、共済の問題というものは実にややこしい法律でありますので、私もずいぶん共済の問題は取り扱ってまいりましたが、いま管理局長の話を聞いておりまして、おそらく何のことかわからぬとお考えになるかもしれないと思います。が、しかし、私学に対しまする考え方につきましては、私はこの問題はやっぱり検討してみる値打ちのある問題であると存じますので、十分これから検討をさせます。私もいたします。皆さんも、いい知恵があったら、ひとつお出しいただきたいと存じます。
#115
○委員長(大松博文君) 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時五十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十分開会
  〔理事楠正俊君委員長席に着く〕
#116
○理事(楠正俊君) ただいまから文教委員会を再会いたします。
 学校図書館法の一部を改正する法律案を議題とし、提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院文教委員長代理西岡武夫君。
#117
○衆議院議員(西岡武夫君) ただいま議題となりました学校図書館法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 学校教育の進展に寄与するため重要な使命をになっている学校図書館は、去る昭和二十八年に本法が制定されて以来、関係者の努力により、逐年整備され、今日では蔵書等の設備は一応充実されたのであります。しかしながら、学校図書館に関する校務及び専門的事務に従事する教職員の配置等については、いまだ十分でなく、今後一そうの充実向上が要請されているのであります。
 よって、この際、現行の司書教諭の制度を整備するとともに、学校図書館の実務を担当する職員の職制に法的根拠を与え、その職務、資格等を明らかにして、その地位を確立することが急務であると考え、本法律案を提案した次第であります。
 その内容の第一は、現行の司書教諭の制度を整備するとともに、新たに学校司書の制度を設けることであります。
 第二は、学校には、司法教諭を置かなければならないこと、ただし、文部省令で定める特別の事情がある場合は、この限りでないことであります。
 第三は、学校には、文部省令で定めるところにより、学校司書を置くものとすることであります。
 第四は、司書教諭は、校長の監督を受け、学校図書館に関する校務を処理し、学校司書は、司書教諭の指示のもとに、図書館資料の整理、保存その他の専門的事務に従事することであります。
 第五は、司書教諭は、教諭をもって充てることとし、学校司書は、当分の間、事務職員をもって充てるものとすること、この場合において、当該教諭または当該事務職員の必要とする資格について定めることであります。
 第六は、その他関係規定の整備をすることであります。
 第七は、この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行することであります。
 第八は、この法律の施行のため、次の経過措置を定めることであります。すなわち、その一は、この法律の施行後五年間は、司書教諭はその資格を有しない教諭をもってこれに充てることができること、その二は、学校司書の資格を有する者が得られないときは、当分の間、事務職員で高等学校を卒業したものまたはこれと同等以上の学力があると認められたものに学校司書の職務を行なわせることができることであります。
 以上が本法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 本法律案は、衆議院文教委員会において、各党の意見を十分尊重し、慎重に検討した結果、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党の合意のもとに成案を得、委員会提出の法律案といたしたものであります。
 何とぞ、御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  〔理事楠正俊君退席、委員長着席〕
#118
○委員長(大松博文君) 本法案の質疑は、次回に譲りたいと存じます。
    ―――――――――――――
#119
○委員長(大松博文君) 次に、私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#120
○萩原幽香子君 大蔵省が、私学共済に対して社会保障上のバランスということを強調されておるようでございますし、私学振興の立場というものをあまり大蔵省のほうではお考え願っていないような感じを私は受けたわけでございますけれども、そういうことにつきましてはどのようにお考えでございましょうか。
#121
○政府委員(安嶋彌君) 主計局における私学共済の予算の査定は、御承知かと思いますが、実は文部省担当の主計官ではございませんで、厚生省担当の主計官が担当いたしております。つまり、健保、厚年、私学共済、農林共済、これが厚生省担当主計官の査定の対象ということでございまして、そこにもうかがわれますように、やはり先生おっしゃったような観点が強く出ておるわけでございます。私どもは、そうした考え方に対しまして、私学振興という趣旨のことを強調するわけでございますが、他の社会保障制度との関連、バランスということがやはり議論の焦点になりまして、なかなかそこのところの御理解がいかないということでございますが、先ほども申し上げましたように、都道府県あるいは私学振興財団からは私学振興という観点から特別な助成をしておるわけでございまして、そうした面では先生おっしゃるような趣旨は生かされておるということでございます。今後とも、そういう方向で、先生のおっしゃるような御趣旨で努力してまいりたいというふうに考えます。
#122
○萩原幽香子君 私は、この大蔵省の考え方の中に、私学のことは私学人でというものがまだいまだに強く根を張っているのではないかと、こういうことを考えるわけでございます。そういうことを私が申しますのは、このいただきました「私学共済」をいろいろ読んでみますというと、「「四十六年度の、国家公務員上級甲種採用試験の合格者は、東大が四百五十三、京都大学が百七十四と、絶対多数なのに、慶応は四人、これに早稲田、中央大学、日本大学を含めても六十四人にしかならないというのが現状である」ということなんです。そのあといろいろありまして、「こういう彼らが国の行政政策の中心を扱っているところに問題がある」んだ、」と、こういう指摘があるわけでございますね。
 そこで、伺いたいのですが、大蔵省のそういった中に私学出身者の方は何%ぐらいいらっしゃるのでございましょうか。
#123
○政府委員(安嶋彌君) 大蔵省の職員の中で私学出身者がどれぐらいいるかということは私は承知をいたしておりませんが、おそらく主計官クラスの中では私学出身者はきわめてわずかであろうと思います。まあその程度のお答えでひとつ……。
#124
○萩原幽香子君 おそらくそういうことで私学の問題については御承知おきいただくことがむずかしくて、そういうところにも問題があるのではないかというように考えるわけでございます。私学共済が社会保障制度の一環としての面と私学振興という二面の目的を持っていることは、私ももう重々承知をしているわけでございますけれども、私学振興の面から考えますと、すべての私学が加入できるようなまことに魅力のある給付、掛け金、そういったものの内容がなくてはならないと思います。それには、まず、私学教職員の現状からも、私学共済に対する国の強力な財政援助が必要だと考えるわけでございますけれども、先ほどから文部省のお考えもいろいろ承っておるわけなんですが、重ねて、来年度以降、どのように努力を重ねてくださるおつもりか、もう一度大臣のほうから承っておきたいと存じます。
#125
○政府委員(安嶋彌君) 大臣のお答えの前に、私から事務的なことを申し上げておきたいと思いますが、大蔵省の主計官には私学出身の方は少ないかと思いますが、しかし、それだからといって、私は、担当主計官が私学に理解がつまりその理由によってないとは実は思いません。文部省担当の主計官等も私学のことはいろいろやはり考えてくれているわけでございまして、そんなふうに理解をいたしております。
 それから今後の課題といたしましては、短期給付の内容の充実ということ、それからそれに関連いたしまして短期給付の経理の内容の改善ということ、そのために赤字をどうして解消するか、さらに、先ほど来御論議がございますように、短期給付についての国庫補助という問題をどう処理していくかというような点が具体的な課題であろうと思います。
 それからもう一つは、長期給付についての補助でございますが、これも本年度補助率を百分の二だけ引き上げたわけでございますが、将来さらにこれを増額していくというようなことが今後の課題であろうかと思います。
 ほかに、こまかいことを申しますれば、事務費の単価等もこれはぜひ上げていただきたいと思っております。
#126
○萩原幽香子君 文部省関係の方でございますと、いま局長さんがおっしゃいましたように、私学の出身者でなくても非常に御理解をいただけるということは私も理解できるわけでございますけれども、ここにも書いてございますように、自分たちが国公立の出身でございますならば、やはりその理解の度は私学に対しては薄いということは、私はやはりいなめないところであろうかと思います。そういうことの中でこれから問題を考えていただかなければならないというところに文部省のたいへんな御努力も必要になってくるのではないか、また、私学の苦しさもわかっていただくような御努力も必要になってくるのではないか、そういうふうに考えるわけなんでございます。私学共済の財政困難の原因は、何といっても組合員の給与水準の低いことにあろうかと考えます。そこで、また、私学の教職員の給与の低さというものが、私学に有為な人材を集め、希望を持って教育に専念させる上からも大きな障害になっているということは、もう御案内のとおりでございます。そこで、この問題は、私学振興の上からも大いに論じていただかなければならないと考えるわけでございますが、しかし、この私学と国公立との格差という問題は、必ずしも給与の問題だけではないというようなことも指摘をされているところでございます。そういう実態について、文部省はどのように把握をしていらっしゃいますか、承りたいと存じます。
#127
○政府委員(安嶋彌君) 私学と国公立の格差の問題でございますが、給与のほかにどういう点があるかというお尋ねでございますが、一般的な話になって恐縮でございますが、やはり教育の水準が国公立に比べて低いということが一口に申して言えるかと思います。具体的に申しますと、たとえば、児童生徒一人当たりの施設面積が狭いとか、あるいは教員一人当たりの学生数が多いとか、それにもかかわらず学生の納付金が国公立に比べて著しく高いとか、そうした格差はほかにも数えれば多々あるかと思います。
#128
○萩原幽香子君 それは、先生一人当たりの人数というものが非常に違う、こういうこともあるわけでございますね。どれぐらい違いますのか、いかがでございますか、その点につきましては。
#129
○政府委員(安嶋彌君) 私学と国公立の比較ということになりますと、ほんとうは学部学科の種類等からして詳しく分析する必要があると思いますが、それを一括して大づかみについて申し上げますと、たとえば本務教員一人当たりの学生数でございますが、大学につきましては、私学が二七・三人でございますが、国立は七・九人でございます。それから短期大学におきましては、本務教員一人当たりの学生数は、私学が一六・八人でございますが、国立は二・一人というようなことでございます。
 もっとも、高等学校、中学校、小学校等になりますと、格差は実はこれほど開いてはいないわけでございますが、幼稚園について便宜申しますと、幼稚園では専任教員一人当たりの園児数は私立も国立も二四・八人、小学校はむしろ私立のほうが少なくて二三・二人、これに対して国立が二六・七人、それから中学校も私立のほうがやや低いわけでございますが、二二・五人に対して国立が二二・七人、高等学校にまいりますと、私学が二六・三人に対して国立が一六・六人ということでございます。
 学校種別によって多少のというか若干の違いはあるわけでございますが、総体として申しますならば、特に高等教育の段階におきましては私立の教員一人当たりの学生数は国立に比べて著しく高いということが言い得るかと思います。ただ、理工系学部等の占める割合ということになりますと、国立のほうが若干高いというようなこともございますけれども、全体として申しますと、そういうことでございます。
#130
○萩原幽香子君 小中学校はそのようになっているようでございますけれども、大学になりますというと学生数は三倍くらいあると、そういうことで教員を三倍にするということもなかなかにむずかしい。また、施設の上から申しましても、大体は二分の一くらいにしかなっていない、こういうことがあるわけでございますね。そこで、経営の上から教員をふやすということもむずかしい現状などを考えあわせますと、私学の運営というものはなかなかきびしいものだということが考えられるわけでございます。
 そこで、六月八日の本委員会におきまして私学の給与と国公立の比較をしていただいたわけですが、大きな格差がございました。特に、私立の幼稚園の給与は、平均三万二千四百三十三円と非常に低いわけでございますけれども、それにつきまして、文部省は、こういう給与改善にどのような努力を現在されておりますのか、具体的に承りたいと存じます。
#131
○政府委員(安嶋彌君) 私立幼稚園だけではなく、全体的なとらえ方といたしましては、高等教育につきましては、四十五年度からの私立大学等に対する経常費の補助というものを通じまして、大学、短大等の教員の給与の改善をはかっておるわけでございますが、高等学校以下につきましては、交付税の措置でもって給与の改善を四十五年度以来推進しておるということでございます。交付税の基準財政需要額といたしましては、四十七年度におきましては約二百四十億円、四十六年度におきましては約百四十億円、四十五年度におきましては約八十三億円という基準財政需要額を交付税上算定をいたしておりますが、この大部分は私立の高等学校等に対する人件費の補助がその内容でございます。これが基準財政需要額の総額でございますが、実際の補助額といたしましては、昭和四十五年度百六十四億、昭和四十六年度二百三十四億、昭和四十七年度はこれは予算額でございますが三百五億円というものが私立の高等学校以下に対する補助として予算上用意されておるわけでございます。こうした財政上の措置を通じまして高等学校以下の私立学校に対する経費の助成が行なわれ、その大部分が人件費に充当されるということを私どもは期待いたしておるわけでございます。
#132
○萩原幽香子君 四十六年度私立幼・小・中・高に対しての地方交付税はいまお聞きしたようでございますが、それを子供一人当たりにしてみますというと、どういうことになっておりますでしょうか。
#133
○政府委員(安嶋彌君) 実は、いま先生おっしゃったそのものの数字はございません。高等学校以下の全体ではなくて、幼稚園だけの数字を御参考までに申してみたいと思いますが、昭和四十四年度の績でございますと、私立幼稚園に対する、これは国、都道府県、市町村の分を含めてでございますが、園児一人当たりの補助金額は六百五円ということになっております。幼稚園は、御承知のとおり、個人立、宗教法人立等を含むわけでございますが、その中で学校法人立だけを抜き出してみますと、四十四年度におきましては、公費による補助は園児一人当たり千四百五十四円というふうになっております。この額は、四年前の四十年に比べますと、約三倍程度の増額ということに相なっております。
#134
○萩原幽香子君 幼稚園の一人当たりというものが非常に少ないと。小学校から高等学校までの分と幼稚園の分を比べてみますというと、幼稚園は小学校から高校までの四割程度のものしか出ていない、こういうことでございますね。それをいま局長さんがおっしゃってくださったのは、どういうように割ってくださったのでしょうか。
#135
○政府委員(安嶋彌君) 私が申し上げましたのは、公費による補助金の実績を幼稚園の園児の実数で割った数字でございます。
#136
○萩原幽香子君 それは地方公付税の……。
#137
○政府委員(安嶋彌君) いいえ、そうじゃございません。
#138
○萩原幽香子君 私がいまお聞きしたのは、地方交付税の問題をお聞きしてみたわけなんでございます。
#139
○政府委員(安嶋彌君) 実は、地方交付税の積算というのは、御承知かと思いますが、大づかみな積算でございまして、学校種別に幾ら幾らという振り割りはございません。四十七年度の積算で申しますと、御承知のとおり、人口十万の標準団体というものが基準でございますが、その人口十万の標準都道府県における基準財政需要額が二億四千六百万円ということでございまして、そのうちの大部分の一億九千四百万円がただいま申し上げておりますような人件費の補助ということでございまして、それ以上に高等学校分が幾らとか幼稚園分が幾らとかという積算は明らかにされておりません。したがいまして、先生お尋ねの点に正確にお答えすることができないわけですが、それに代えて実績として算定をいたしますと、いま申し上げたような数字になるということでございます。
#140
○萩原幽香子君 地方の幼稚園の先生なんかの会に出てみますというと、地方交付金というものが幼稚園分として組まれているのだけれども、一体どれくらい組まれているんだろうかということをよく聞かれるわけでございますね。それで、給与改善というものにどのように役立てていただいているのだろうか、こういうことをよく聞かれるわけでございますけれども、そういうことについて文部省としては実情を調査されたことがございますでしょうか。
#141
○政府委員(安嶋彌君) ただいまお尋ねの点につきまして、正確に調査したものがございません。ただ、学校基本調査とか、あるいは地方教育費調査とか、そういった毎年きめてやっておりまする調査があるわけでございますが、それを調べますと、年々の学校種別の給与水準というものの大体はつかめるようなことにはなっております。交付税でもってどの部分がどうなったかという資料は、ございません。
#142
○萩原幽香子君 地方交付金というもので積算基礎というものがそれぞれあるわけでございますね。ですから、そういうものに対して幼稚園の先生たちの給与改善というものがどのようになされているのかということは、私は、県としても、一応大づかみでもけっこうでございますが、知っておいていただいたほうがよろしいのではないかと思います。そして、また、県に対しましても、文部省としてはこれぐらいの予算が組んであるんだが、こういうことについて幼稚園の先生の給与改善に役立ててもらいたいといったような、幼稚園の先生側に立っての要請というようなものをしてくださったことがおありかどうか、こういうことについて承りたいと思います。
#143
○政府委員(安嶋彌君) ただいまも申し上げましたように、交付税の積算には学校種別の数字はございませんので、この分を幼稚園にという言い方は非常にむずかしいわけでございます。公立でございますと、そこのところが一応明確な積算があるわけでございますが、私立ではそれがございませんので、そういう言い方はできないわけでございますが、しかし、私学関係の基準財政需要額なり交付税の内容が定まりますと、私のほうから、これはまあ念のためでございますが、各府県の総務部の私学担当の部課に対しまして内容を知らせ、このような交付税の積算になっておるので、各府県における私学助成についても参考にし、十分配慮してもらいたいということは申しております。ただ、それも、いま申しましたように、学校種別ではございませんで、都道府県知事所轄の全私学についての配慮をお願いするという形になっております。
#144
○萩原幽香子君 公立の場合は、大体きまっておりますようでございますね。そうして、それは、幼稚園でも五千四百四十円くらいとかいうようなことを私も聞いておるわけでございますけれども、それに対して私学でははっきりしないというお答えなんですが、はっきりしないところにまた私立の幼稚園の先生たちのほんとうに悩みもあろうかと思います。いつか私が私立の幼稚園の先生の給与をお聞きしましたときに、つまみというのがあったわけでございますね。そこで、私は、前の坂田文部大臣のときだったと思うのですけれども、給与のつまみというのは一体何でございますかというお尋ねをいたしました。そうしますと、文部大臣は、私は寡聞にしてそういうことは聞いたことがないと、こうおっしゃったわけでございますけれども、そういった中で働いていらっしゃる私立の幼稚園の先生の問題をぜひここらあたりで考えていただかなければならないのではなかろうかというふうに思うわけでございます。
 この改正案で、きょう午前中にも出ておりましたが、標準月額の下限を二万六千円に引き上げられた。そうしますと、二万六千円に満たない組合員の数も幾らか出てきている、そういうことでございますね。それは大体何%くらい出ておりますのか。その内訳は、幼稚園・小・中・高というように分けてみますと、どういうふうな割り振りになっておりますのか、承りたいと存じます。
#145
○政府委員(安嶋彌君) 総数がございますが、実は学校種別が手元にございません。四十六年の十月現在でございますと、引き上げ対象になる数が約一万六千人、比率にいたしまして約七・八%でございますが、この下限引き上げの実施は本年十月でございます。昨年の十月から今年の十月までの間の給与改善もあるわけでございますから、従来の傾向線を延ばして考えますと、一万六千人が約六千人と減少する見込みでございます。もしそのとおりでございますれば、全体の職員の三%がこの対象者ということになろうかと思います。ただ、個別の資料がございませんけれども、先般資料として差し上げてあるものの中にもございますように、私立幼稚園の標準給与が一番低いわけでございますから、おそらくは幼稚園の先生で該当する者が多いのではないかというふうに考えております。
#146
○萩原幽香子君 先ほど午前中の御質問の中に、その二万六千円に満たない組合員のいろいろなこういう問題があるのじゃないかという問題点の指摘もございましたし、また、局長さんのほうからは、こういうことによって給与が上がるという、どちらかといえばメリットがあるのではないかというようなお話もあったわけでございますが、そういうメリットがあるにしても、いま現在はつらい立場にある人もあるということも十分お考えをいただかなければいけないのではないか。必ずしもそれがメリットになって返るかどうかは、いまのところは私もよくわからないような感じがいたします。そういうわからないものに対して、こういうことがあるであろうということで上げられるということについては、実際問題としてはやはり問題が残るのではないかというふうに考えます。その点もひとつ十分お考えをいただきたいと存じます。
 それから、長期給付についてでございますが、財源の種類にはどのようなものがございますか。
#147
○政府委員(安嶋彌君) 財源の種類と申しますと、これはいわゆる財源率という観点から申しますと、数理的保険料率と整理資源率というその二つのものが財源率でございます。これは必要経費からの分類でございますが、一方、それを充足する収入の側から申しますと、これは掛け金とそれから国庫補助金が主でございまして、ほかに、振興財団からの整理資源としての助成金でございますとか、それから資産の運用による利益でございますとか、そうしたものがあるわけでございます。
#148
○萩原幽香子君 そういったような財源の、これは私は負担と言ったほうがよかったのかもしれませんが、そういうものの占める割合と金額、たとえば国庫補助は、先ほど御説明があったように、百分の十八に今度はしていただけますと。それでは、日本私学振興財団の助成はどれくらいございますのか、あるいは掛け金が学校法人と組合員とでどれくらい掛けますのか、そういったようなものの割合、金額、こういうものをお尋ねしたいと思います。
#149
○政府委員(安嶋彌君) 長期給付の必要な財源の率でございますが、これは四十六年度の計算といたしますと、千分の百一・一八ということになります。そのうち百分の十八が国の補助でございますから、その百一・一八のうち十八・二一が国で補助をするということになります。それから私学振興財団からは、これはたてまえとしてではございますが、千分の六の助成がございます。それから学校法人からは三十七、組合員からは三十七、計七十四の負担がございます。もっとも、これは、都道府県からの補助によりましてさらに軽減されておるわけでございますが、そうした負担がございます。
 それからちょっとここでつけ加えますと、午前中の宮之原先生にお答えをいたしましたのとここで千分の一違うわけでございますが、これは長期の掛け金の中には千分の二だけ給付財源にはならない事務費の財源と福祉事業の財源が入っておりますので、長期給付に充てられる部分だけを申しますと、いま申しましたように、法人、組合員それぞれ三十七で、合わせて七十四でございます。したがいまして、全体の所要財源が千分の百一・一八、いま申し上げましたような収入があるわけでございますので、差し引き実は千分の二・九七ばかりの長期財源における不足というものがございます。
 この長期財源の再計算は五年ごとに行なっているわけでございまして、実は直近の再計算は四十五年に計算をいたしておりまして、四十五年の財源計算でもって現在全体の経理を考えているわけでございますが、いま申し上げましたような問題点がございまして、これにつきましては、第一には、やはり国庫補助の増額にまつということが私どもの趣旨でございますが、そうした形で第一にはこの問題を処理していきたい。それから第二には、私学振興財団からの助成をさらにふやしていただきたい。それでなおかつどうしても不足が出るというような場合には、やはり掛け金の問題として考えていかざるを得ないのではないかと思いますが、当面、この掛け金をそうした理由から引き上げるという考えはございません。
#150
○萩原幽香子君 いただきましたこの資料を見ますと、不足分については、財源調整資金あるいは資金運用面の利差益によって埋めると、こういうことがいわれているわけでございますね。そこで、財源調整資金というのは一体どういう性格のお金でございますか。
#151
○政府委員(安嶋彌君) これは予測しがたい支出の財源とするということでございまして、そこのところが非常に具体的ではないわけでございますが、長期給付全体の不足に充当される財源であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#152
○萩原幽香子君 そうしますと、非常に不安定なような感じを受けるわけでございますが、この財源調整資金は四十五年度では七千五百万円、四十六年度では一億五百万円、四十七年度では八千万円と計上されているわけでございますが、四十七年度に減額された理由を承りたいと存じます。
#153
○政府委員(安嶋彌君) これは、ただいま御審議をいただいております長期給付の事業費に対する国庫補助率が百分の十六から十八に引き上げられたことに伴う措置でございます。それに伴うというふうに申し上げますと多少説明が不十分ではございますが、実際上の扱いといたしましては、国庫補助率の引き上げという形でこの長期給付の財源を処理するということが一番望ましいわけでございまして、そういう望ましい形に、従来のような先生おっしゃる財源調整資金というものは何のために使われるのかわからない、そういうあいまいな性格のものから、長期給付の一定率を補助すると、そういう明確な形のものに振りかわってきたというふうに御理解をいただきたいと思います。
#154
○萩原幽香子君 それでは、二%引き上げられたことによって、そのあいまいなものの数が減ったと、こういうことなんでございますか。
 それでは、参考人にお尋ねをいたします。この法案について、長期の国庫補助が一六%から一八%になった、これは先ごろから皆さん非常に文部省の御努力があったということでございましたが、これによって長期の給付というものは所要財源がどれだけ改善されることになるわけでございますか。
#155
○参考人(三浦勇助君) 給付に直接響くというようなことは、現在のところ考えられません。ただ、この長期給付の二%引き上げということによりまして、長期経理面でのわれわれのほうが採用しております責任保険方式の数理的保険率の上で出てまいります責任準備金の不足額百九十六億円というものが八十三億円に減額されたということでございます。したがいまして、午前中、大臣、局長から再三お話に出てまいりました百分の十八、加えてなお百分の二十までの引き上げの必要性ということは、この残っている八十三億円の責任準備金の不足額を充当してまいる――百十三億円の誤りでございます。百九十六億円の不足額が百分の二の引き上げによりまして八十三億円の減額が予想され、そして残りました不足財源は百十三億と相なるのでございますが、百分の二十の国庫助成が確定いたしますればこの百十三億円がほぼ解消するということによりまして、長期財源の安定性がきわめて強固に相なるということでございます。
#156
○萩原幽香子君 不足分については先ほどからもお話がございまして、資金運用面の利差益とかあるいは先ほどのお話にございましたいわゆる財政調整資金とかいったようなもので何とかやっていけるのだということでございますけれども、この利差益による金額というのは大体年どのくらいございますでしょうか。
#157
○参考人(三浦勇助君) 昭和四十六年度におきまして、利息の配当、財産処分益、それから償還差益、財産処分損、それから償還差損、これら一切を合わせまして差し引きといたしまして四十二億一千三百十八万円何がしと相なるわけでございまして、このうち、いわゆる法定利回りと申しましょうか、五・五%に見合う三十二億五千九百三十万円程度を差し引きいたしますると、九億五千四百万円程度に相なるのでございます。これが利差益でございます。
#158
○萩原幽香子君 国が最近低金利政策というのを打ち出しておりますけれども、今後この政策が続きます場合に私学共済の長期経理に及ぼす影響というものをどのようにお考えでございましょうか。
#159
○参考人(三浦勇助君) われわれのほうで操作いたします総額といたしましては財源的な規模がきわめて大きいのでございまするけれども、利差益という点になりますると、十億に満たない金額のワクの中で操作しなければ相ならなくなるわけでございます。したがいまして、この低金利政策による影響は、百十三億の不足金を解消する角度から考えまするときわめて大きな影響があるというふうに考えられるわけでございまして、この低金利政策の見返りとしては、やはり当然――と申してはいかがかと存じまするけれども、国庫の助成が必要であるというふうに考えるわけでございます。
#160
○萩原幽香子君 いま参考人のほうからもああいうお話が出ておりまして、利差益といったような不安定な財源ではなくて、そういう低金利政策をとられるとさっそくに差し響きがあるといったよったものではなくて、この際は特にそういったような影響も考えて早急に二〇%に国庫補助を引き上げるということを考えるわけですが、文部大臣、いかがでございますか、この点は。
#161
○国務大臣(高見三郎君) 私は、四年前であったかと思いますが、一五%を一六%に上げますときに、非常な孤軍奮闘をいたした記憶を持っております。今回も、農林団体のほうの突き上げでいろいろなデマが飛びました。文部省がおりたとかなんとかいうデマが飛びましたけれども、私は断じてこれはおりるわけにはいかない。私、当面の問題は、百分の二十というのは何を基準に百分の二十と言うかというと、基準はないのであります。これは、しいて申しまするならば、厚生年金が百分の二十だから百分の二十にするのはあたりまえじゃないかという、きわめて機械的な言い方なのであります。私立学校の振興という観点から申しますると、百分の二十で満足すべきものではないということは申し上げるまでもないことでありまして、当面さしあたっての問題は、明年度予算においてはやっぱり百分の二十という当面の目標を達成する努力をいたしたいと、かように考えております。
#162
○萩原幽香子君 大臣のお話を承っておりますと、私も何か急に目の前が明るくなるような感じがするわけでございますけれども、先ほどの三浦参考人のお話を聞いてみましても、百分の二十にしてもらえればまあ不足分の点から考えても非常にありがたいのだと、ぜひこれだけはお願いをしたいと、こういうことでございます。私も、その点は、ぜひぜひ来年はそうしてもらいたいというふうに考えているわけでございます。
 次いで、未加入校問題に触れたいと思います。未加入校の問題につきましては、先ほどからるる皆さんがお尋ねにもなり、また、御答弁もあったわけでございます。しかも、これは、毎年委員会で論議をされ、また、附帯決議も行なってまいったわけでございますけれども、まだこれが実現を見ていないわけでございます。
 そこで、先ほどもお話がございました未加入校の百七十一校と言われることでございましたが、その教職員の数も大体出されておったわけでございますけれども、加入を希望している学校数、そしてその希望する理由、その希望している学校の先生方の平均給与、それについて伺いたいと思います。
#163
○政府委員(安嶋彌君) 未加入校の数につきましては、先ほど申し上げたような数でございまして、百七十一校ということでございますが、このうちどれだけが加入を希望しておるかと申しますと、これは推計でございますが、約七割というふうに見込んでおります。
 その七割の学校の平均給与がどれくらいであるかということにつきましては、実は、具体的な資料はございませんけれども、現在の未加入校の大部分というのは早稲田、慶応をはじめとするいわゆる大きな大学でございますので、おそらく給与の水準も現在の私学共済の大学の標準給与の平均額を上回っておると推定をいたします。
 それからなぜ入りたがるか、なぜ入りたがらないかという点でございますが、入りたがらない学校がある点につきましては、先ほど御指摘がございましたように、健保組合を結成しておりまする学校の掛け金なり給付の内容に比べますと、短期のほうが内容がよろしくないという点がございます。それからなぜ入りたがるかという点でございますと、これは実は厚年よりも私学共済の長期給付のほうが有利でございます。従来は、学内年金という制度が未加入校の大部分にございまして、厚生年金に上積みをして学内年金を支給しておった、合わせて私学共済とそんなに見劣りがしなかったというわけでございますが、最近の私学経営の実態からいたしまして、学内年金制度を維持するということは非常に困難になってきておる。大部分の学校におきましては、学内年金制度は法人側が経費の半ばないしは半ば以上を持っておるわけでございますが、その半ば以上の法人負担がなかなかむずかしくなってきた。そこで、学内年金制度というものの先行きがいわば不安になってきておる。それが確実なものであれば、厚生年金と合わせてそこにおってもいいということになるわけですが、それが先行き少し心配が出てまいったものですから、むしろ私学共済の長期給付に入ったほうが得ではないか、こういう判断が出てきておるようでございますが、ただ、私どもといたしましては、共済制度のたてまえといたしまして、まあいいほうだけとるというのもいかがかと思いまして、やはりお入りになるときは両方一緒でないと困るのではないかというような意見でもっていろいろ検討いたしておるわけでございます。
#164
○参考人(加藤一雄君) 未加入問題につきましていま局長からるる御説明がありましたが、ちょっとつけ加えさしていただきたい問題が一つあるわけですが、それは、未加入校は、初めの加入当時は選択であったために、同じ学園でも、たとえば大学は入っていないけれども高等学校以下は入っておると、こういうことがあり、そのために、現在、人事交流をやろうとするときに非常に困ってしまう。たとえば高等学校で優秀で大学に向けていこうという人材が、入っていない関係上、拒否されてしまうと、こういうものが一つ。いま一つは、私学関係で、Aの学校に人員が足らないからBの学校から補充しようとする場合に、Bは入っておるけれどもAは入っていない。これで、せっかく話を進めておいても、最後になってくると共済組合問題でだめになってしまう。これでは私学振興にならないという陳情もあるわけで、われわれといたしましても、私学振興という立場からすれば、ぜひそういう形で全部が私学として入ることによってよりよい成績があげられはしないか。そのためには、先ほど大臣、局長からお話がありますように、共済組合自体をよりよいものにしなければならない、こういうのが現状であろうかと、かように考えております。
#165
○萩原幽香子君 長・短ワンセットでいま入っていらっしゃるわけですけれども、そうでないところもあるわけでございますか。そういうような数はどれくらいございますか。
#166
○政府委員(安嶋彌君) 実は、この選択は二十九年に行なわれたわけでございまして、百七十一校がいわゆる未加入校でございますが、両方とも入っていないという学校が百十五でございます。それから長期は入っているが短期は入っていないという学校が三十六校ございます。それから長期は入っていないが短期は入っているという学校が二十校ございまして、これはいずれも二十九年の発足のときの選択の結果こういうことになったわけでございまして、それ以後の新設校等につきましては、これは強制加入でございますから、すべて両方に入ってきておるということでございます。
#167
○萩原幽香子君 それで、これは参考人にお伺いしたいのですけれども、私学共済に加入してもらうときは、必ず長・短ワンセット、こういうことでおすすめになるわけでございますね。いま、この未加入校に対して、加入してもらうようにという働きかけをやっていらっしゃるわけでございますか、いかがでございますか。
#168
○政府委員(安嶋彌君) ちょっと私からお答え申し上げておきたいと思いますが、実は、そのことにつきましては、法改正が必要なわけでございます。御承知のとおりでございますが、二十九年の法律の附則二十項で選択の規定がございまして、それが今日までそのままの状態で来ておるわけでございます。いわば凍結されておるわけでございます。これを法改正でもって凍結を解く必要があるわけでございまして、そうでなければ、いずれの形におきましてもいまの未加入校は法律的にはいれないということになっておるわけでございます。そこで、関係者といろいろ相談をしておる、こういうことでございます。
#169
○萩原幽香子君 けさほどから、大臣は、入りたいところはみんな入れてやりたいんだというお話でございますね。そうしますと、局長さんのいまおっしゃるようなことを考えますと、法の改正をやらなければならないのでということなんですね。では、いつごろまでにその法改正というものはやってくださるおつもりですか。
#170
○政府委員(安嶋彌君) その点につきましては、従来しばしば国会の委員会等でも御決議がございまして、法改正の方向でいろいろ努力をいたしておるわけでございますが、厚生省のたてまえ論等もございまして、今日まで政府部内の意見統一が残念ながらできないということでございます。先ほど大臣からもお話がございましたように、私ども鋭意努力をいたしまして何らか実際的な法改正の案をまとめることに努力をいたしたい、こういうことでございます。
#171
○萩原幽香子君 大臣は、この前のときにも、未知入校が全部希望しているところは加入できるめどを一、二年ぐらいというようにおっしゃったわけでございますね。ということは、法の改正もそれまでにはやれると、そういうことなんでございましょうか。
#172
○国務大臣(高見三郎君) 私は、率直に申し上げまして、来国会――これは私は通常国会のことを申し上げておりますが、来国会までには法改正をやれる段取りに持っていきたい、また、持っていけるというひそかな期待を持っておるわけであります。さよう御承知をいただきたいと思います。
#173
○萩原幽香子君 これはたいへんうれしいお話を承ったわけでございますが、ぜひぜひ早急に法改正をしていただいて、入りたい人はみんな入れてやる、こういうふうにお願いをしたいと思います。私は、共済というものの本質から考えますというと、私学共済であれば、私学連帯感の上に立たなければならないものだというふうに考えているわけでございます。ですから、教育の場でこそそういったものがまず実践されなければならない。先ほどいろいろお話を承っておりまして私は一つ考えますことは、何か得になりそうなものは入るんだけれども、得にならないものは入らないんだ、それがまた人間としてあたりまえだといったようなことをちらほらと聞き、私は考えさせられたわけなんです。しかし、共済というものを考えたときには、まあ損も得もございましょうけれども、しかし、やっぱり連帯感というものが一番基本にならなければ伸びないのではないかというふうに私は考えるわけでございます。そういうことが実践されてこそ私はやはり教育の場であろうかというふうに考えるわけでございます。そういう意味でこの未加入校の問題もまた善処をしていただきたいと考えるわけでごさいますけれども、時間がございませんから、最後に、この私の申しました私学の連帯感の問題を文部大臣並びに三浦参考人の御所見を承って、質問を終わりたいと存じます。
#174
○国務大臣(高見三郎君) 共済の問題は、まさに本質論から申しますると、萩原先生のおっしゃるとおりであります。私も、私学全体の共同の連帯感というものを基本にして考えなければならぬことだと思います。ただ、現在の私学の中には、長い伝統を持っておるものもございます。したがって、すべてがすぐにはいれるという状態をつくりますためには、私は、福祉国家というものがうんと充実してまいりまして、そんな個々人のやっております相互救済機関でない状態を一日も早くつくることが必要だ。その上に立って、長い伝統がありましても、なるほどこっちのほうがいいという、連帯感とともにやはり利害の問題もございましょうから、文部大臣としてはあるいは文部省としてはそういう姿をつくってあげて入りやすい状態をつくるということが一番大事な問題じゃないかと考えておるわけであります。
#175
○参考人(三浦勇助君) 私学共済組合法が制定されましたのは、二十八年の第十六特別国会でございます。そのころにこの法律が厚年、健保の特別法として制定されましたのは、基礎の脆弱なそして給与の低い私学の教職員が社会保険出張所へ参って加入したいと言っても、給与の低いがゆえに、そして運営基盤が脆弱なゆえに、拒否される。そういう弱い者が助け合って自分の努力で共済制度を打ち立てていこうといって共済制度が発足したそこに基盤となっている声を踏まえて立法化されたものだというふうに私ども聞いております。それは、僻地の一万八千円に満たない給与月額をもらっている保母さんも、大大学の天下の学者さんといわれる高給をもらっている教授の人々も、私学の職員という同じ基盤の上に立って私学教育を行なっていこうという人々の共通の理念を踏まえ、考え方を踏まえて発足してまいったものだと私ども聞いております。したがいまして、この基盤の上に立ちまして私学共済を伸ばしていくためには、先ほど萩原先生が指摘された連帯感というものが何といってもその根幹を流れる一つの大きな柱だと考えるのであります。したがいまして、共済組合というのは、長期経理と短期経理とそして福祉事業の三本の縄がより合わされたもので一本の強いきずなになっているわけであります。そこで、個々の学校の事情、個々の個人的な立場というものを超越して、私学振興という大目標に力を合わしていこうという、そういう私学教職員の方々の心情というものが一つにならなければ発展していかないと思います。また、そのことが日本の教育を振興していくためにはきわめて大事なことであるというふうに考えます。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。
#176
○加藤進君 去る六月の五日、六日の新聞によりますと国民が非常に衝撃を受けた事件が報道されております。それは、大阪の浪速医科大学の不正問題が大学設置審議会の委員にまで波及している、こういうことでございまして、ある委員は一千万円の収賄をした、こういう衝撃的な記事があったのでありますけれども、この浪速医大不正事件というのは文部省としてどのように把握し理解しておられるのか、簡潔に御説明をまずお願いしたいと思います。
#177
○政府委員(安嶋彌君) 単純に申しますと、申請された資金計画の内容に虚偽の部分がございまして、私立大学審議会といたしましてはその理由をもって不可の決定を昨年の十二月十五日にいたしております。大学局長もお見えでございますが、その翌日、大学設置審議会におきましては、私立大学審議会で不可の決定があったものでございますから、設置審議会はそれで審議を打ち切るという決定をいたしておりまして、したがいまして、浪速医大の認可の問題はそこですべて終止符が打たれたということでございます。ただ、その後、私のほうでさらに書類を精査いたしますと、どうも不審な点があるということで、大阪の法務局の該当出張所で調査をいたしましたところ、提出された登記簿謄本が全くの偽造であるということが明らかになりまして、告発は大阪法務局の高槻出張所から行なわれたわけでございますが、捜査の結果やはりそのことが確認されまして、現在検察庁に送られておるということでございます。その間、ただいま御指摘がございましたようなきわめて遺憾な事故が起こっておるわけでございます。私どもといたしましては、まことに遺憾千万な事柄でございまして、深く責任を感じておる次第でございます。
#178
○加藤進君 この問題に関連をして、文部大臣は、四月十二日の衆議院文教委員会で、こういう答弁をしておられます。浪速医科大学については、初めから認可しないという方針であったから、汚職事件なんてないと、こういう趣旨の答弁だったと思います。ところが、汚職事件なんかないと言われたそのことばとは反して、新聞に出ておるように、大阪府警捜査二課によって、寺中から――寺中というと、これは設立責任者だね、理事長ですね、浪速医大創設の。寺中というのから一千万円を受け取って書類送検された、こう出ておるわけでございます。となると、文部大臣みずからがこういう不正、汚職が起こるであろうことも御存じなかった、また、そういうことを信じておられなかったと言われるわけですけれども、文部大臣の見解はいかがでしょうか。
#179
○国務大臣(高見三郎君) 私は、資金計画がずさんであるという意味からも不可にするという方針が、大学設置審議会それから私立大学審議会それぞれの各審議会で不可という決定が出ておったのであります。不正の行なわれる余地はないと思っておりましたし、たまたま新聞でちょうどあの去年の十二月の時点において文部省に波及するのじゃないかというような事情を「読売」かで見まして、そういう事実があるかないかということを確めてみました。ところが、そういう事実は文部省にはないという確答を得ましたので、私は、この問題に関する限りは、大阪府選出の国会議員さんが与野党みんな発起人代表ということで名前を並べておられますので、お一人一人に電話をいたしまして、これには関係されないほうがいいということを申し上げましたところが、だれ一人相談を受けた人はないというお返事で、ことごとく取り消されましたようないきさつから申しまして、これに不正が万あろうとは思っておらなかったのであります。しかも、今度の事件の設置審の委員が受け取りました金というのは、不許可というのがきまりました後に受け取ったのか、伝えられるごとく株を買うのを頼まれたのか、そこは捜査の結果を待たなければわかりませんけれども、不許可ときまった後に金を受け取ったという事実から見ましても、どうにも理解のいきかねるところであります。いずれにいたしましても、文部省としては、遺憾千万なことである、これは深くおわびを申し上げなきゃならぬと思っております。
#180
○加藤進君 安嶋管理局長も、同じ日の答弁で、次のように言っておられます。「職員につきましても、あるいは私立大学審議会の委員に対しましても、この件の取り扱いは慎重な態度で臨むようにということを、特に指示をしあるいは要望をしてまいっております。したがいまして私は、新聞等に伝えられるごとき不正ということは絶対ないというふうに信じております。」と非常にはっきりとおっしゃっておりました。にもかかわらず、こういうことが審議会の委員にまで波及した、これはもう事実でございます。私は時間が十分ありませんからこまかいことを問いただすわけにまいりませんけれども、では、このような事態は今後許しがたい、こういう立場に立って、どのような措置がいま文部省として必要なんでしょうか、その点をぜひお聞かせ願いたいと思います。
#181
○政府委員(安嶋彌君) ただいま先生お読みになりましたその速記は、あるいは私が決算委員会で安永先生の御質問に対してお答えをした部分ではないかと思いますが、そのときの安永先生のお尋ねは……
#182
○加藤進君 いや、文教委員会です。
#183
○政府委員(安嶋彌君) そうですが。文教委員会でも私は同じ御答弁を申し上げたかと思いますが、そのときは、私は、管理局長という立場からいたしまして、管理局の職員、広くは文部省の職員に不正がないということを確信しておる、同時に、管理局長という立場から、私立大学審議会の委員につきましては不正はないということを確信しておるということを申しておりまして、実はその後ちょっとそこの私の発言が気になりまして速記録を調べましたところが、やはりそういうふうになっておりましたのでございますが、しかし、それにいたしましても、私立大学審議会の委員からそうした問題の人物が出たということは、文部省としては、はなはだ遺憾なことだというふうに考えます。
 そこで、これからこうした事態にどう対処するかということでございますが、管理局ないしは私立大学審議会といたしましては、先般、医科大学、歯科大学の設置につきまして私大審から建議がございまして、二段審査という方式をとることにいたしております。これは、法人審査の面から申しますと、初年度は資金計画に重点を置くということでございまして、資金計画の審査をパスしたものについてのみ土地の造成であるとかあるいは建物の建設を認める。そういたしますならば、大臣もたびたびおっしゃっておりますように、建物をつくり上げてあとに引けないということで認可を文部省に迫るというようなこともなくなるはずでございますので、そうした改善を一つはかりたい。それから第二の点は、自己資金の率を、従来三分の二でございましたが、これを四分の三に引き上げたい。それから資金につきましては、見せ金を防ぐ意味におきまして、供託あるいはそれに準ずるような方法をとりたい。また、設置の責任者につきましては、特に教育的な識見であるとか人格であるとか社会的な信望であるとか、そういう点を大いに重視をしていきたいという、そういう具体的な方法を近く省令として公布する予定でございます。
#184
○加藤進君 審査をさらに厳重にする、その基準を厳格にする、これは当然な措置だと思います。しかし、いま国民が非常に疑惑と不安にかられておるのは、大学の設置、わけても医科大学というような国民の健康を大事にしてもらわなくてはならないこの医者をつくるべき大学の設置審議会の中に不正と汚職が発生した、こういう具体的な事実だと思います。そこで、これは先ほども共済組合の問題につきまして審議会の民主化という問題が提案されました。私は、いま文部省が考えておられることにあわせて、現在のような審議会で、はたして、今後安心である、二度とこのようなことは起こしませんと、こう言い切れるかどうか。人選、構成の面において、また運営の面において、重大な欠陥があるということを今度の事件は示した、こう私は見てよいと思うわけでございますけれども、その点につきまして高見文部大臣の所見はいかがでしょうか。
#185
○政府委員(木田宏君) 先ほど、大臣並びに管理局長から、今度の六月初旬の新聞に出ました大学設置審議会の委員の一人であります佐瀬委員に疑惑があるということについて、まことに残念な遺憾だという表明がございました。いま端的に大学設置審議会の委員の人選その他についてのお尋ねでございますので、私から御説明を申し上げたいと思います。
 大学設置審議会の委員は四十五名の定員で構成されるということになっておりますが、そのほとんど大部分が大学関係団体のほうからの推薦によりましてその委員の人選をいたしております。過半数に近いところが大学基準協会――これは歴史的に日本の大学基準の運営について、新制大学発足以来、いろいろ大学基準向上のために努力をしてこられた国公私立の有力大学をもって構成しております協会でございますが、その協会から二十二名だったかと思いますけれども推薦がございます。問題になりました佐瀬委員は、日本私立短期大学協会のほうからの御推薦によりましてその委員をすでに三期にわたって御委嘱申し上げておった方でございます。この新聞に出ましたときに、即日私どもへの御連絡もございまして、御本人としては全く違った事柄というふうに考えておるのだけれども、いろいろな意味で御迷惑をかけた点は申しわけないということで、即日辞意の表明がございまして、書類も速達で届きましたので、依願免ということで委員の辞任免職を発令させていただきました。文部省のほうで私どもで自主的に発令をしておりますのは学識経験者の数名についてでございまして、あとは大学関係団体からそれぞれ御推挽によって委員を人選してまいりました。今後、関係団体からの御推挽による委員の御推薦という点につきましては、現在のところ直ちに変える考えはございませんが、こうした点等について疑惑のないように関係団体とさらに十分な相談をして人選を今後進めていきたいと思っております。
 なお、佐瀬委員は、短期大学の御関係であったこと等もございますし、医科大学の設置につきましてはいろいろ小委員会等もできて浪速医科大学の審査には当たるわけでございますが、全然御関係のない方でございまして、およそ私どもといたしまして予想できない事態でございました。しかし、予想できない事態といいましても、こうした疑惑を持たれるに至りましたことは私どもまことに遺憾に思っておりまして、今後大学設置審議会の委員の人選等につきましては十分配慮をしてまいりたいというふうに考えます。
#186
○加藤進君 大臣、一言……。
#187
○国務大臣(高見三郎君) いま局長からお答えをいたしましたとおりであります。私は、佐瀬さんという人がどういう人であるか、短大協会からの御推薦で委員に任命したのでありまするが、どうも常識では割り切れない、一たび決定したものをその後になって金を受け取るというのはどういう神経の持ち主か、理解に苦しむという感じがするのであります。だけれども、事実は事実であるということになりますというと、たとえ短大の御推挽であろうとも、任命をいたしましたのは文部省でありますから、最高の責任者としての私の責任である、かように考えております。ただ、今後は、この種の人選につきましては、慎重の上にも慎重を期して、人格、識見ともにすぐれた人を選びたいものである、かように考えておる次第でございます。
#188
○加藤進君 もう一つ、私は、委員の選定につきまして疑問に思う点を申し上げたいと思います。たとえば、私立大学審議会の委員の中にも、また大学設置審議会の委員の中の名簿にも載っておられる方でございますけれども、フルタケと読むのかコタケと読まれるのかは存じませんけれども、この古武氏が委員に任命された当時は関西大学の教授であったはずでありますが、その方が昨年度兵庫医科大学が新設されると同時にその副学長にきまっておるという事実があると思いますけれども、その点は事実に反するのでしょうか。
#189
○政府委員(木田宏君) 古武委員は、御就任の日時等はいまつまみびらかにはいたしませんが、現在兵庫医科大学の副学長であるということは承知をいたしております。
#190
○加藤進君 この古武氏が委員であられ、そして兵庫医大の設立についてこの委員を含む審議会で審議がされているわけですね。そうしますと、直接この兵庫医科大学に関係の深い、そして設立されたらもう副学長になる、こういうような方がちゃんと委員の中に選ばれておるというような事実は、これは一体国民から見て許されるんでしょうか。私はそういう一、二の事例だけしか本日は申し上げませんけれども、いまやこの審議会のメンバー自身にきわめて重大な不正が行なわれているという事実があるわけでございまして、もうこのような審議会は、今後改組することは考えておりませんなどというようなことになるなら、これは文部省自身が当然直接責任をとらなくちゃならぬ問題だと思いますが、どうでしょうか。
#191
○政府委員(木田宏君) 大学設置審議会は、先ほど御説明申し上げましたように、大学基準協会、あるいは国立大学協会、公立大学協会、私立大学連盟、私立大学協会、あるいは私立大学懇話会、私立短大協会等々、大学関係の団体から委員の御推挽がございまして、その御推挽に基づいて私ども設置審議会の委員の御委嘱を申し上げて、もう二十数年になっておるわけでございます。大学関係の団体から委員が出てこられますために、その委員の御関係の向きで新たな大学の新増設等の御要請が出てくることはございます。全部が全部防ぎ切れるわけではございませんが、そうした場合に、大学設置審議会におきましては、御担当からはずして、別の方にそれぞれその大学の御審査を願うというような配慮はいたしてございますし、また、最終的な判断はすべて投票によることに大学設置審議会ではなっておるのでございますが、投票におきまして御関係の委員は除斥するということになっております。委員の方々は、先ほど申しましたように、国立大学の御関係はあまりないわけでございますけれども、私立大学の御関係では、御自分の所属のところでそういう新増設の御要請が出ることはあり得るわけでございまして、それが絶対にあり得ていかぬということには計らいかねるかと考えております。しかし、従来過去二十数年間、いままでこうした遺憾な事例というものは私もあまり聞いておりませんし、審議会の運営につきましては会長以下その辺の分担等は十分配慮いたしまして慎重を期してきたつもりでございますので、今後も一そう留意をいたしたいというふうに考えます。
#192
○加藤進君 あなたの説明によりますと、二十数年来あやまちを生み出すようなことは万々あり得ないような説明でございますけれども、こういう審議を通じて九州歯科大学の問題も起こり、愛知医科大学等々の問題も発生し、さまざまな医科大学設置にからまる問題が出ておることは、もう衆目の認めるところであります。この点について、監督にあるべき文部省が一段とこの審議会の構成と運営について真剣な配慮を今後加える、こういうことが私は当然の仕事ではないか、こういうふうに考えます。
 もう一つ申し上げるならば、人選や構成だけではなく、この審議会が全く秘密のもとで審議を進めて、われわれには何らその審議の過程なり内容なりは知らされておりません。たとえば、どんな大学からの新設の申請が出たのか、われわれ文教委員だって知らされておりませんよ、これは。国会にも知らされておりません。そういう秘密のべールのもとで進められて、そうして事が明らかになると、意外だ、たいへん重大な事態だと。これではわれわれ国会議員も国民も納得し得ないと思うのです。この点につきまして、ぜひとも審議をガラス張りの中で明朗な国民のだれしも心配し得ないような状況のもとでしっかりと進めてもらうこと、そして人選につきましてはぜひとも一段と検討を十分に加えられて以後このような不安は存在し得ない、こういうあかしをぜひとも立てていただきたい。その点、文部大臣、よろしくお返事をちょうだいしたいと思います。――文部大臣にお願いします。
#193
○政府委員(木田宏君) 大臣のおことばの前に、ちょっと御説明を申し上げておきたいと思います。
 大学の設置申請並びにその結果につきましては、私ども、報道機関を通じまして、これだけの申請があり、審査の結果かくかくであったということは、審議会の結論が出ました時点で御説明をいたしてきております。ただ、個々の大学の申請の内容等については、関係者の方以外には御発表申し上げないことになっております。これは、職員の構成でございますとか、あるいは資金がどっからどのように集まっておるとか、こういうことは、申請書を審査いたします私どもの関係者だけで処理をすることが適切であるという判断に基づくものでございます。また、設置審議会の正式の委員につきましては、いまお手元に名簿も行っておるかと思いますが公表いたしておりますけれども、専門分野別にいろいろと細部の調査をお願いしております委員の方々がおられますが、これらの方々につきましては、調査をなさいますその専門委員の方にも御迷惑がかかるとかいろいろなこともございまするので、一般的には公表しない調査制度をとっております。事柄の性質上、外部にお知らせし得るものにつきましては、今後も十分御連絡も申し上げていきたいと思いますし、また、審査のやり方につきまして慎重を期すべき点につきましては、一段と留意をいたしたいと考えております。
#194
○国務大臣(高見三郎君) 私からお答えを申し上げておきます。
 事は行政の問題でありまするので、一々これを公表することが必ずしも適当であるとは私は考えておりません。しかし、事柄の結果につきましては、十分御報告も申し上げたいと存じますし、ことに委員の人選につきましては、今後とも、私は、二度と再びかような事態が起こらないだけの慎重を期したいという考えを持っております。
 同時に、また、私立医科大学などというものが金もうけになる道理はないのでありまして、もしこれが金もうけになるというのであれば、これは明らかに不正であるということを申し上げざるを得ないと、かように考えておりますので、十分な調査をいたしまして、ほんとうに情熱を持ち、ほんとうに社会的な信用があり、ほんとうにりっぱな資産を持っておる人が浄財を出すというのでなければ、将来とも私立医科大学は認可しないといり決意を持っておるということだけはひとつ加藤先生に御理解をいただきたいと思います。
#195
○加藤進君 その点についてもう少し聞きたいところがありますけれども、時間も迫っておりますので、その点は大臣をはじめ文部当局の積極的な善処を期待します。よろしゅうございますね。
 そこで、最後に二つだけ聞きますけれども、こういう問題が起こる一番のもとは、何といったって医師の不足にある。したがって、学校をつくらなければならぬ、医師を早急に養成しなければならぬ、そういうことのために、従来文部省がとっておられたように、私学に依存する――この十年間に六つの新設学校ができたうちで、ただ一つ国立をつくっただけで、あと五つは私学に依存している。こういう行政ではなしに、国立医科大学を創設する、こういう決意をぜひとも今回の事件を通じてさらに一そう固めていただきたい。これは文部省自身も国会ですでにその点の答弁はされておりますから、あえてこまかくお聞きする必要はないと思いますけれども、本年度においては三校の国立大学を新設されるということは確定しておると思いますが、来年度は幾つおつくりになるおつもりか、その点を聞かしてもらいたいと思います。
#196
○政府委員(木田宏君) いま御指摘がございましたように、昭和四十七年度の予算で国立の三医科大学等の創設準備費がついておりまして、それぞれ御関係の向きと相談をしながらいま創設準備を急いでいるところでございます。
 なお、その後、医科大学の設置を見ておりません地域、特に不足する地域等についての将来の医科大学がどのようにあるべきかという点につきましては、別途調査費もついてございますので、私ども、なお引き続き真剣に今後の医科大学のあり方等について調査をしてまいるつもりでございますが、たびたび大臣からもお答えがございますように、私どもといたしましては、国公立を中心にして、既存の医科大学の定員の増その他、あるいは国公立の医科大学の新設等に向かって十分な手だてを考えてみたいというふうに考えております。しかし、来年すぐ幾つにするかどうかというようなことは、現在まだ固まっておる段階でございません。今後の医科大学等のあり方についてさらに検討を進めたいというふうに思っております。
#197
○加藤進君 ぜひとも、国立大学、特に医学部をつくるのに、少なくとも数カ年の計画を持って、完全にこの事態を克服するというような努力と配慮をぜひお願いしたいと思います。
 それから最後に、裏入学という事態は、これはもう私学において一般化しておりますから、これについて文部行政の上で十分な歯どめをしなくちゃならぬという問題は、再三国会で論議され、また、文部大臣自身もこの点については十分努力すると言われておるわけでございますけれども、願わくは、来年度からこのための特別助成金というような措置をとるべきであると私たちは考えておりますけれども、その点、文部大臣、最後に御答弁をお願い申し上げたいと思います。
#198
○国務大臣(高見三郎君) 実は、今年も予算を要求いたしましたけれども、今年は私立学校全体の経常費の補助が五割二分ふえたわけでありまして、どうも私立医科大学だけに対する補助というものを出す名分というものがなかなか容易でございません。けれども、何としても裏入学金だけはやめてもらわなければならぬということを私も真剣に考えております。何か妙手はないものかということを考えておるのでございますが、一たん認可をいたしまするというと、学生を人質にとられておるのでありますから、その学校に対して閉鎖を命ずるとか、あるいは入学をやめさせるとか、一年休めとかいうような命令を出すということにもまいりかねます。そこで、設立の際に十分慎重な態度をとらざるを得ない。私も非常に苦心をいたしております。どうぞ、ひとつ、加藤先生も、いい知恵があったら出していただきたいと存じます。ただ、補助金ということになりまするというと、私は百億以上の金を私立医科大学に支出してやらなければ裏入学を押える手はないと思っておりますので、その辺のところは私立学校全体の補助率を来年は少なくとも五百億ぐらいにしろということでがんばっていただきたいと思いまするし、御激励をいただきたいと思います。私は、たとえ大臣をやめましても、文教委員として残る関係上、私立学校の助成の問題につきましては全力をあげてやるつもりでおりますので、どうぞひとつ御一緒にやっていただきたいということをお願いを申し上げておきます。
#199
○委員長(大松博文君) 他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#200
○委員長(大松博文君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。――別に御発言もなければ、これより直ちに採決に入ります。
 私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は、挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#201
○委員長(大松博文君) 全会一致と認めます。よって、本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#202
○委員長(大松博文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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