くにさくロゴ
1971/03/10 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第6号
姉妹サイト
 
1971/03/10 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第6号

#1
第068回国会 大蔵委員会 第6号
昭和四十七年三月十日(金曜日)
   午前十時六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         前田佳都男君
    理 事
                柴田  栄君
                嶋崎  均君
                戸田 菊雄君
                多田 省吾君
                栗林 卓司君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                大竹平八郎君
                河本嘉久蔵君
                津島 文治君
                西田 信一君
                竹田 四郎君
                成瀬 幡治君
                松井  誠君
                松永 忠二君
                横川 正市君
                原田  立君
                渡辺  武君
                野末 和彦君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  水田三喜男君
   政府委員
       大蔵政務次官   船田  譲君
       大蔵大臣官房審
       議官       前田多良夫君
       大蔵省主計局次
       長        吉瀬 維哉君
       大蔵省主計局次
       長        長岡  實君
       大蔵省銀行局長  近藤 道生君
       大蔵省国際金融
       局長       稲村 光一君
   説明員
       大蔵省関税局輸
       出課長      川野二三夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○準備預金制度に関する法律の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○租税及び金融等に関する調査
 (当面の財政及び金融等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案並びに租税及び金融等に関する調査の両案件を便宜一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○戸田菊雄君 大臣に四点ほど質問をいたしたいと思います。
 その第一点は、国際金融問題について質問してまいりたいと思います。いま事務的な質問をいたしますが、外貨準備高はどのくらいになっておりますか、現況。
#4
○政府委員(稲村光一君) 先月末で約百六十五億ドル弱になっております。
#5
○戸田菊雄君 もう一つはですね、今年度末でおおむね予想額はどのくらいになるでしょうか。
#6
○政府委員(稲村光一君) 今後の外準の動向に関しましては非常にいろいろいな要素に左右されますので、額がどのくらいになるかという予想を立てることは全くむずかしいわけでございますが、国際収支の新年度の、来年度の見通しにおきましても、やはり相当大幅な貿易収支の黒字が続くと予想されておりますので、大体基礎収支で二十七億ドルぐらいの黒字という予想がされております。したがいまして、それが新年度の外貨準備の動向にどういうふうに左右するかという点につきましては、その基礎収支の動向にさらに短期資本収支、あるいは銀行部門のあれがどうなるかというようなことに左右されますので、それがそのまま外貨準備に影響をいたすわけではございませんが、この点につきましてはどのくらいになるだろうかということは、ちょっと算定がむずかしいわけでございますが、大体いま申し上げましたような、基礎収支において二十七億ドルくらいの黒と申しますことは、やはり今後も、新年度におきましても、傾向としては外貨準備の増加というものが続いていく傾向にあるということは申し上げられると思います。
#7
○戸田菊雄君 もう二、三点事務的なことでお伺いいたしますが、四十六年度国際収支、これで貿易収支はどのくらい黒字になったのか、総合収支でどのくらい黒字になったのか。
 もう一つは、四十七年度は明確に予算で示されておりますからこれはけっこうですけれども、その国際収支について。
#8
○政府委員(稲村光一君) 四十六年度の見通しにつきましては、これは先般予算に関連いたしまして提出しております政府の見通しでは、貿易収支は七十五億五千万ドルの黒字、経常収支で五十五億ドルの黒字でございまして、それに対しまして長期資本収支が十五億ドル程度の流出超でございますから、したがいまして基礎収支では四十億ドルぐらいの黒字になるであろうという見通しを御提出いたしております。
 それからそれに対します新年度は、ただいま申し上げましたとおり基礎収支で二十七億ドルぐらいの黒字という見通しでございます。
#9
○戸田菊雄君 大臣、それで質問するわけですけれども、いま国際金融局長がおっしゃられたように現行百六十五億ドル外貨準備高があると、さらに今後の貿易収支その他を考えてみても相当多額の黒字というものが予想される。したがって、通産大臣が過日発表いたしましたように、おそらく年末までには二百億ドルになるんじゃないか、こういうことを言明されておるわけです。こういう外貨準備高が増加の一途をたどっておるわけでありますけれども、この基本はどういうところに一体原因があるのか、その辺の見解について大臣ひとつ答えてください。
#10
○国務大臣(水田三喜男君) 根本的な原因は、貿易収支の黒字基調が依然として続いておるということでございます。それは御承知のようにこの暮れに多国間調整をやりましたが、その効果というものはまだいますぐには出てまいりません。現在の黒字基調はいままでとおんなじように、日本が不況であるために輸入が伸びなくて輸出圧力が非常に強くて輸出が依然として伸びている。この状態がまだ続いておるために、したがって、国際収支が黒字になり、窮極的に外貨保有がふえるということになってきているわけでございまして、当分この傾向はすぐには避けられないことではないかと考えております。
#11
○戸田菊雄君 まあ八月の十六日にニクソンショックがあって六カ月間になるわけですけれども、その間に輸出競争力がきわめて強いということは、いまの黒字増加傾向を見ても私は明らかだと思うんですね。だからいま必要なことは、輸出競争力を弱めていくということが大事じゃないか。そうでないと、これは大臣どういうふうにお考えになっておるかわかりませんが、外貨準備高二百億ドル、どの辺が一体再円切り上げの機会と考えているのか、その辺もお伺いしたいと思うわけですけれども、当然そういうところに追い込まれていくんじゃないかという気がするわけですね。たとえば国際収支統計で日本の輸出、これは四十六年の九月二二%の増ですね、十月が一九%、十一月が三二%、十二月が二一%増です。この国際収支統計からも明らかなように、大体毎月日本の場合は二割前後の増をなしておるという状況。それから四十六年のこの一年間の輸出総額、これは二百三十七億――これは数字的に間違っておったら国際金融局長のほうで御指摘いただきたいと思いますけれども、時間がないから私のほうの資料で言うわけですけれども、こういうふうにどんどんどんどん外貨がふえていく、その結果はやはり円が強い、結果的に再切り上げと。たとえば西ドイツの状況を見ても、私はそういうところにあると思うんですね。こういうものを何とか根本的に解決をしていくためには、何らか発想の転換をやって政策を転換していく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、政府のこの考えを見ますると、第二外為を設定をして若干黒字の増加を埋めていこうとか、あるいは開発途上国というんですか、そういうところに対する海外投資、こういう援助の形で、若干肩がわり融資体制でもって黒字幅というものを消していこう、あるいは最近発表になった輸入ユーザンス、これは融資しないと新聞発表ではなっておりまするけれども、結果的に金利の優遇措置、そういうことになるかもしれませんけれども、いずれにしてもそういった諸施策で政府は現行の大幅な黒字増加傾向というものを何とか表向きだけ消していこうという、こういう考えになっているんじゃないかと思うのですが、それはしょせん根本解決にはならぬのじゃないかと思いますね。ですから、どうしてもこの辺で政策転換、いわば社会資本の充実ですね。まあ一つは労働者がきわめて低賃金で押えつけられている、長時間働かされている、こういうものを、労働分配率というものを高めて、あるいはもう一つは、たいへんな公害が発生しているわけですけれども、そういうものを企業負担でもって公害を整備をさしていくと、こういうやっぱり発想転換もやっていかなければ、この傾向というものは私はいつまでも直らないんじゃないか。ですから、そういう面に対する対策というものは大臣としてどう一体お考えになるか、基本的な問題としてひとつお伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(水田三喜男君) いまの黒字の原因が、経済の不況にあることははっきりしているんでございますから、やはりこの不況を克服するということが対外均衡回復のやはり一番のこれが本筋の政策でございますので、この政策を、今度の予算もそのために編成された予算でございますので、その予算の執行をできるだけ早くして、その目的を達するということに全力をあげるのが一番必要なことだと考えます。で、たまってくる外貨をいろいろ細工をする方法はたくさんございますが、それではほんとうの解決になりませんので、やはり不況克服ということにもう全力をあげることが対外均衡対策の本筋であるというふうに私は考えます。
#13
○戸田菊雄君 不況克服と言われるのですけれども、結局労働者の賃金を上げて、そして消費購買を拡大をしていく、これも一つの景気浮揚の一因になるのじゃないんですか。
 それでこまかい数字的なことをお伺いいたしますけれども、いま各国の比較で労働分配率は一体どういうことになっていましょう。鉄鋼それから電気、自動車それから化学、製紙、石油、この程度でけっこうでございますけれども、日本とアメリカを比較した場合ですね、どのような労働分配率になっていましょうか。
#14
○国務大臣(水田三喜男君) 資料はあるそうですが、ちょうどここに持ち合わせがございませんのですぐ取り寄せます。
#15
○戸田菊雄君 通告がおそかったからあるいは各般のこまかい資料についてはないところはやむを得ませんが、あとから充足していただきたいと思います。
 そこで、これは労働行政研究所の、「円切り上げこれからの労働問題」という文書、あるわけですが、それからの資料によりますと、労働分配率、鉄鋼の場合ですね、日本は四二・四%、アメリカの場合は七〇・四%になっているわけですね。それから総合電機の場合ですけれども、日本の場合は五〇・六%、アメリカが七二・四%。自動車の場合は、日本が三〇・九%、アメリカは五三・二%。それから化学が、日本の場合が三六・三%、アメリカは四八%。製紙が、日本の場合が四三・二%、アメリカが六〇・三%。石油の場合が、日本は三〇・二%、アメリカは一六・八%――石油を除いてはほとんどアメリカは五〇%台をこえておりまするけれども、日本の場合はほとんどが五〇%以下ですね。だから、いかに労働分配率が、各産業ごとに見ても低いかということがわかると思うんです。これはおそらく大蔵省、あとで資料がくると思いますけれども、やはり同様の統計だろうと思うんですね。こういうところに一つは、この外貨準備高がどんどんたまっていくという、貿易収支が大幅に黒字になっていくという、こういう状態があると思うんですね。この点を一体どうお考えになりますか。
#16
○国務大臣(水田三喜男君) やはり、不況が克服されるのでしたら、賃金が増加する余地というものが出てくるでしょうが、いまのような不況というようなことでしたら、内需がとにかく減っておりますから、どうしても企業は無理しても輸出せざるを得ないということで、輸出に専念するというようなことになりますので、輸出が伸びるということは、これは異常な状態に基づいた輸出増でございますので、したがって、こういう状態が続くときには、賃金への分配というようなものは、これは増大させようとしても、事実上できないという事情でございまして、そういう問題から見ても、やはり不況を克服するということがこの際は本筋な政策であるというふうに考えます。
 まあ、民間に外貨の保有を自由にしたり、外国への送金をしやすくしたりというようなものをやる、いろんなことを、ありとあらゆる考えられることはいたしますが、何をしても、本筋はやはりいまの貿易収支の黒字の原因がはっきりしておるんですから、この克服に専念するよりほかしかたがないというふうに思います。
#17
○戸田菊雄君 さっき私が、一応国際収支統計で九月から十二月までの貿易収支の増加傾向をお話ししたわけです。こういう状況は、私は世界を見ても、おそらくアメリカがかって第二次大戦当時に武器貸与法、こういうものをつくって、どんどん外国に武器を売りさばいた、あるいは戦後、この日本の食糧事情がああいうふうに悪化したような状況の中で、経済援助という名目で大量に物資を輸出した、こういうとき以外は、こういう大幅な黒字は、貿易収支上大幅な黒字が発生したためしはないんですね。それがいま日本でもってどんどんやられておる。これはだから、まさしく私は異常事態だと思うんです。
 そこでお伺いするんですけれども、だから、いまのそういう状況からいけば、八月以降のニクソン・ショックによってたいへんなドル・ショックを受けた。しかしこれは自動車とか電機、造船、鉄鋼、各般の主要産業を見れば、完全にこういったドル・ショックなり円切り上げの弊害というものは私は克服したと見ていいと思うんですがね。そういう結果については、大臣はどういうふうに考えておられるのですか。
#18
○国務大臣(水田三喜男君) いまの貿易収支の状況は、今度の通貨調整が響いているということはございませんで、通貨調整の効果というものは、各国とも少なくとも一、二年先でなければこの効果はあらわれてこないという認識がほとんど共通のものになっております。日本の場合も同じことで、この通貨調整というものの効果というものは、これから徐々に出てくると思いますが、相当この効果がはっきりしてくるのにはひまがかかると思います。いま出てきている現象は、明らかに前と同じような事情――不況ということから起こっている現象であるということは間違いございません。
#19
○戸田菊雄君 ですから大臣、こういうことじゃないんでしょうかね。いまの自動車や電機、造船、鉄鋼、こういった主要産業は、大体諸外国と比較して一歩も見劣りがしないという、そういう仲間入り態勢まで私は来たんじゃないかと思いますね。資本の側はそういう状況になっているけれども、そこで働いている労働者の側といえば、さっき私が数字的に発表したような労働分配率になっている。これをもう少し上げていくという必要はあるんじゃないか。そういう状況を根本的に改善をしていくならば、この黒字大幅増高傾向というものは若干薄まってくる。したがって、輸出競争力というものは必然的に弱まってくるという状況になると思うんですね。そういうやっぱり政策を転換することが、いま非常に大事じゃないか。だから、これをやはり政府の指導その他によって、各主要産業に対して、当該労働者に対して、もう少しやっぱり優遇措置をとっていくということが非常に大事なことだと思うんですけれども、どうもその辺になると明確に、きちっと、かゆいところに手の届くような回答をしてくれないのですが、大臣、その問題に局限してどういうふうに考えますか。
#20
○国務大臣(水田三喜男君) 私は、ここへきて、そういう問題がすぐに国際収支の改善というものにどれだけ即効的な効果を発揮できるかというようなことについては、あまり自信がございません。
#21
○戸田菊雄君 それはどうも大臣、逃げの答弁なんですけれどもね。実質問題として、私がいま読みあげたように、非常に低いでしょう、アメリカよりは、分配率は。ここにやっぱり一応いまの輸出競争力がついているという一因があるんじゃないですか。その辺はどうなんですか。
#22
○国務大臣(水田三喜男君) 一因があると同時に、企業としては内需がもう落ち込んでおります以上、これは何としても輸出せざるを得ないという事情に追い込められておるのですから、したがって、企業としてここで賃金部門への支払いをふやすというような政策が、この不況期においてこれをとる、とらせるというような方向へ持っていくということは実際上は私はむずかしい問題で、これが経済が回復してきて、そうして円の切り上げというものの効果が出てくるというときには、日本はこれは安売りを避けられるという正常な状態の貿易に入るわけでございますから、その過程において初めていまおっしゃられるようないろんな問題が解決される、実際にはそのときには解決されるということで、いまの段階でその解決を求めるということは非常に無理だという気がします。
#23
○戸田菊雄君 いま大臣が言われたように、むしろ日本の製品は外国へ行ってたいへんな非難を起こしているわけでしょう。ダンピングだというようなことでね、早い話投げ売りでしょう。そういうものも私はここに一つの一因があるだろうと、こう思うんです。ところが、政府の今度の予算を見ますと、日本の貿易収支、これは経済見通しで七十二億ドルですね。それから経団連の見通しでいきますと七十九億ドルです。三菱銀行の見通しでいくと八十億です。依然としてこの黒字収支というものは減っておらないんです。だから、一貫して従来やってきたことをそのまま踏襲していっているから、政策的にですね、こういう予算というものが私は出てくるのだろうと思うんです。これでいけば、かつてアメリカがやったような武器貸与法なり、あるいは経済援助法に基づいて大量の黒字収支を見ていったという、ああいう状況と何ら変わりない傾向が出てくるんじゃないですか、また。そういうことが結局ECをはじめ日本に対する各般の非難がむしろ攻撃となってあらわれてきた。ダンピングもあり、いろいろあります。だから、そういうものをいま解消していかなければ、私は世界的に日本は孤立化しちゃうんじゃないかと思うんです、その面から。そういう情勢については大臣はどう一体お考えになりますか。
#24
○国務大臣(水田三喜男君) ですから、輸出しなくても済むという内需の確保がされるのでしたら、私はこのいろいろな問題が片づいていくだろうと思いますが、その余裕がないからこそ輸出に向かっておるということでございますので、こういう問題を解決するためには、どうしてもここで輸出に向かわなくてもいいだけの内需の旺盛さというものを確保しなければならぬ。そのことは同時に、この不況をやはり克服するということでございますので、ここにやはり政策の中心を置くということが問題を解決する本筋の道だというふうに考えて、ことしの予算編成においてもその問題をねらった措置をとったわけでございまして、幸いに――予算は少しおくれるようでございますが、しかし、昨年来補正予算そのほかを通じてあれだけの手が打たれておりますので、これがいま現実に動いておって、経済のこれ以上の不況への落ち込みを防いでおるということは一般から言われておることでございまして、この効果がいま現に出ておるときでございますから、若干の予算執行のおくれがあっても私はそう心配はしておりませんが、これが早く動き出して、この不況が克服されるということが、一切の問題を解決する私はかぎであるというふうに思います。
#25
○戸田菊雄君 内需の問題ですけれども、これは賃金上昇はそれに入りませんか。大臣、どうですか。
#26
○国務大臣(水田三喜男君) やはり賃金の上昇というものは、内需の増大という過程でこれは形成される問題であろうと思います。
#27
○戸田菊雄君 私は非常に今後のそういう状況で、日本が何ら転換をせずにこのまま押し通していった場合には、確かに私は世界から孤立化されると思う。この間ECのマルファッチ委員長、この方が来られましたですね。外務大臣は、さしあたってこのECとの定期協議会を開催しようじゃないか、もう一つは、統一通商協定というものを締結しようじゃないか、こういう二つの問題を提示したけれども、第一項の前段の問題についてはていよく断わられたですね。こういうことになって、ECは従来六カ国のものが、今度十カ国になって、四カ国――これは英国が入りましたし、デンマーク、ノルウェーあるいはアイスランド、こういうところが入りまして十カ国、人口においてもGNPについても膨大なものになっているわけですね。こういう状況の中で、彼らは彼らで結束をして、一つのブロック体制をつくろう、それが東南アジア全体――フィリピンあるいはタイ国、マレーシアあるいはインドネシアですね、こういったいわば旧植民地支配関係を通じてそういうところまで進出しようという考えを持っている。そういう中で、日本に対しては一貫してダンピング政策を批判し続けてきているわけですね、そういう態度を改めない限り、外相がこういった内容の提案をしてけられるのは当然のことであろう。そういう意味合いにおいて、今後の貿易収支関係というものを厳密に考えるとき、やはり内需需要でもって消費を大幅に拡大して、全体が何らかの形で生活が上がって、景気浮揚の一翼をになっていくことが、そういうことを一つ一つとっていくことが大事じゃないか、そういう面については、口では発想の転換とかいろいろ言っているけれども、何ら具体的に政策になって出てこない、従来のものを踏襲するだけなんですね。
 もう一つは、私はやはり重大な問題は公害問題だと思う。たとえば製紙工場から排出される悪臭、こういったものを全部各市町村でやったってほっぽり投げですね。あるいは廃液、ヘドロ、各般の公害がいま日本全列島をおおい尽くそうという状況です。それが人命まで直接いためつけているというきわめて深刻な事態でしょう。こういった公害問題に対してやはり企業の中でそれらの負担をやって、そして整備させていくという、こういういわば問題になっておる企業負担の原則というものをもっと強力に指導すべきだ。そういうものは何らやらないのですから、そういうところから日本国民の生活全般が、命まで含めてたいへんな危機にさらされている。この辺に対する政策転換が私は政府の言っている発想の転換ということになるのだと思う。ところが、現実の四十七年度予算が出てきても、そんなことは全然採用していない、全く旧来のものと変わりないんですね。一体、大蔵大臣が考えた発想の転換ということはどういうことなのか、具体的に私がいま指摘した内容についてどう考えられるか、ひとつ答弁してください。
#28
○国務大臣(水田三喜男君) 発想の転換という、前回にも御説明いたしましたが、要するに、従来の財政政策を私どもはここで転換するということでございまして、その転換の一歩を今度の予算編成方針で踏み出したつもりであります。福祉政策への踏み出しというようなものもこれは一挙にはなかなかいきませんが、四十七年度においては、少なくとも従来の考え方とは違った構想の上に編成されたものでございまして、これを土台に私は日本の、いま私どもが主眼としている景気の克服ということができましたら、このあとからいまの発想はほんとうに実を結ぶものとなって、日本の転換、いままでの発想の転換というものははっきり具体的に出てくるということであろうと思いますが、こういう転換が実現されるためにも、何としても前提条件として経済情勢の、いまの情勢から脱するということがやはり急務である、その上に考えられているいろいろな発想の転換というものが実を結ぶものだと思っておりますので、私はむしろ前提条件とすら思って、この問題といま取り組みたいと思っております。
#29
○戸田菊雄君 そこで、大臣は景気浮揚の問題を非常に気にされておるけれども、いままで、四十七年度予算を編成するにあたっても、再々言われてきたんですけれども、切れ目をつくったらたいへんだということを言われておるんです。切れ目をつくったらたいへんだと。しかし現実の問題としていろんな問題が重なって今日は暫定予算を組まざるを得ないのでしょう。その辺の見解はどうでしょう。
#30
○国務大臣(水田三喜男君) 遺憾ながら暫定予算を組まざるを得ない状態でございます。
#31
○戸田菊雄君 暫定予算の中身と期間はどの程度で考えておりますか。
#32
○国務大臣(水田三喜男君) まだただいま準備はしておりますが、編成方針というものをはっきり現在きめておるところまでいっておりません。
#33
○戸田菊雄君 暫定予算を組むことによって大臣が主張してきた最大の心配である切れ目が生じてきたということになりますね。
#34
○国務大臣(水田三喜男君) これはもう暫定予算をつくる事態を回避したいということが念願でございましたが、なかなかそうはいかなくて、ただ遺憾に思っております。しかしさっき申しましたように、昨年の補正予算以来相当の措置をしておりますので、これが現在働いておるときでございますので、それによっていま考えられている程度の暫定予算であるんなら、そう大きい支障なくやっていけるのじゃないかというふうに考えております。
#35
○戸田菊雄君 そうしますと、景気見通し等については、当初、大臣が言明されておったように、十月ないしその程度には一定のめどがつく。ただ暫定予算が組まれてもそれにやや近づく自信があると、こういうことですか。
#36
○国務大臣(水田三喜男君) 大体そういうふうに考えております。
#37
○戸田菊雄君 内容については当初発表したように七・二%、実質成長ですね、しかし四十六年度は四・六%ぐらいだと思うんですけれども、大体実質成長七・二%で押し通せる、こういう考えですか。
#38
○国務大臣(水田三喜男君) 一応政府の見通しを立てましたので、この見通しとそう離れない成長率を達成させたいというためにいろんな努力をしなければならぬと思っておりますが、非常に私はむずかしい事態であるというふうに思います。
#39
○戸田菊雄君 いずれ同僚議員が予算委員会で詳しく質問するでしょうから、私は概括的に質問しておきたいのですが、もう一つは、景気指標の問題で、輸入問題ですね、大体円切り上げの二カ月日の一月の通関統計によりますと、輸入商品統計が発表されている。これは大蔵省発表ですから通産省にわたらない範囲で質問してまいりたいと思うんです。これによりますと、非常に輸入増加というものが目立っておると思うんです。その輸入増加の事務的な問題でひとつ質問したいのでありますが、大蔵省発表の一月の通関輸入額、これは一体どれくらいありますか。それから季節調整値でどれくらいあるか、この二つをひとつ……。
#40
○説明員(川野二三夫君) ただいまの御質問に対し申し上げます。本年一月の通関輸入の金額は十六億五千九百二十万ドルでございまして、四・九%の伸びでございます。季節調整値でいたしますと十七億一千三百三十七万ドルでございまして〇・三%でございます。
#41
○戸田菊雄君 いま発表になりましたように、通関輸入額が十六億五千九百万ドル、こういうことになって、前年比が四・九%の増ですね、それから季節調整値で十六億九千万ドルですから、大体前月比で横ばいだと思うのですが、こういうことになって非常に輸入の伸びが最近高まってきているのですね。従来はこういう方式をとっておらなかったと思うのですが、大臣、これは輸入の動きが非常に拡大しているのですけれども、これは基調を転換したと見ていいのですか。輸入政策に対する基調を転換したと見ていいのですか、その辺はどうですか。
#42
○政府委員(稲村光一君) ただいまの通関統計によります輸入、まあわれわれのほうはまた別途国際収支統計の輸入の数字がございますが、それは別といたしまして、本年に入りましてから、やはり基調が転換したと言えるかどうかということは別問題といたしまして、全体の趨勢からいたしますと、やはり輸入が増勢を示してきたということは言えると存じまして、この点はやはりわれわれといたしまして歓迎すべき傾向が出てきたというふうに考えております。
#43
○戸田菊雄君 その輸入増加の原因はどういうところにあるのでしょうか。
#44
○政府委員(稲村光一君) これはただいま申し上げましたとおり、本年に入りましてからの傾向でございまして、まだ的確に原因をはっきりと言えるまでの傾向が出ておるかどうか、もうちょっと長く期間を見ないとわからないと思いますが、品目等で見ましても、やはり消費財等もふえておるようでございます。やはり従来からとってきておりましたいろいろな施策がだんだんと浸透して効果を出していきつつあるのではないか、こういうふうに考えております。
#45
○戸田菊雄君 その生産活動資材と、その他と分けてどっちが多いですか。たとえば具体的に言いますと、食料品あるいは総原材料、機械、木材、この辺ではどういうふうになっておりますか。
#46
○説明員(川野二三夫君) ただいまの御質問に申し上げます。
 輸入の内容を見てみますと、工業用原料品が四十七年一月のウエートで申し上げますと、輸入総額のうち六七・八%を占めて、まあこれが一番大きなウエートを占めておるわけでございます。で、それに引き続きまして消費財が二一・二%でございます。それから残りが資本財でございまして一〇・一%となっております。
#47
○戸田菊雄君 私が見ました資料は、国際貿易統計の中から拾ったやつですけれども、それによりますと、主要商品で拾ってみたのですが、食料品が二一%の増ですね、それから総原材料が三%の減、機械が〇・五%の減、木材が五%増、ですからいまおっしゃられたような消費商品がふえておることは間違いない。生産活動に関係する機械とかそういったものがやや減少になっておる、こういう傾向になっておるわけですけれども、この生産活動関係品が低迷しておるということは、結局日本のいまの設備投資の歩調は、そういうもののいわば生産活動、主要産業の低迷に私は関係があるのじゃないかと思うのですが、その辺はどう一体御判断になっておりますか。
#48
○説明員(川野二三夫君) 主要なウエートを占めております、六七%を占めております工業用原料は対前年伸び率わずかに二・五%でございまして、しかしながら、全体の輸入の伸び率が四・九%と高まりましたのは、消費財が二八・八%になっているわけでございます。で、これはやはり御承知のように、鉱工業生産が低迷しておりますために、鉄鉱石あるいは石炭、銑鉄その他の諸工業用原料の需要を喚起するに至っておりませんで、一方、消費財につきましては、政府のとりましたいろいろの自由化あるいは関税引き下げ等の効果も加わりましてかなりな伸びを示していると、このように考えております。
#49
○戸田菊雄君 それから価格問題ですけれども、実質的には変動相場を実施した八月以降で考えてけっこうですが、それ以降円切り上げに伴って輸入価格の低下ですね、これはどういう状況になっていますか。品目でいうと雑品目でけっこうです。金属でけっこうです。食料品でけっこうです。機械でけっこうです。この程度です。
#50
○説明員(川野二三夫君) ちょっと手持ちの資料がその点まで持ってまいりませんでしたので、あとで調べてお答え申し上げることでいかがでございましょうか。
#51
○戸田菊雄君 私の統計とこの統計の資料によりますと、大体総平均で六・八%下降です。これは八月水準に比較をしてですね。で、いま言ったこの雑品目の場合一〇%減です。金属の場合が九・二%、食料品は五・二%減、機械類が二・八%の減、軒並みに円切り上げ以降における輸入価格は下がっている。下がっていることは間違いない。しかし、国内の物価の関係で見ますると、これがいささかも影響しておらないですね。だから、円切り上げによって低価格で輸入物資が入ってくる、そのことによって十分物価措置を考える。これは大蔵大臣だったと思うんですが、総体において〇.二%程度の価格低下というものを希望しておるということをいつか言ったような記憶がするのでありますが、これが全然やられておらないのですね。そういう原因というものは一体大臣、どういうところにおありなのか。さっぱり国内物価には影響しておらぬ。輸入価格が総体的に下がっておる。しかし、これが全然政策的にも実態的にもそういうものの効果というものがあらわれていない。これはどうなんですか。
#52
○国務大臣(水田三喜男君) この問題で最近、関係閣僚の協議会も開いていろいろ協議しておりますが、関税の引き下げも行なうことでありますし、また円の切り上げが行なわれていることでございますので、これが物価に響かないということについてはいろんな、たとえば流通過程でこれが吸収されてしまうというようなことだったら、そこに行政のしなければならぬ余地もたくさんあるということが言えるでしょうし、先般、この問題をひとつ各省協力して洗って、はっきりと輸入品が下がった部分は国民にこれが還元されるという実をとにかく見せることに努力したいということで、いろいろ協議会を持っておりますが、そのためには、まず率先して政府が関係している物資について値下げをしようということになって、いまいろいろ検討しておるところでございますが、たとえば小麦は、これは食管会計でやっております。いままでの会計よりもこれは値下がりしておることは事実でございますが、これをそれだけ分かりに安く払い下げたとする場合にどういう響き方をするかと言いますと、たとえばパンにしますと、パン一斤六十何銭かの大体影響を持つということでございますが、そうなりますというと、この六十五銭とかいうようなものが、現実に値下げするように指導するということは、なかなかこれははんぱな金額になりますので、それをどうするかということになりますと、いろんな案が出てきまして、そういう零細な響きしかないというようなものだったら、むしろ政府が何も食管会計でもうける必要はないんだから、ここで七十億の余裕が出るんなら、この七十億をたとえば子供の食べるパンに集中して、そこではっきりとそれだけの値下がり分は国民に還元してあるんだというようなことを示せばいいとか、くふうをこらしてとにかく下がっただけは何かの形で、少なくとも政府が関与しておる物資については値下げしよう、そこから一般の行政指導をしようというようなことを相談して、いま私のほうの管轄で言いますと、ウイスキーがあり、たばこがあるということでございますが、ウイスキーは、これはなかなか御承知のようにむずかしい問題ございまして、ウイスキーの製造会社は日本において一社しか代理店を許可しませんので、事実上は販売独占ということになって、しかもかってに売れないような国際的ないろんな制約がございますので、したがって、値下げをさせるというのにはむずかしい問題がございましたが、いずれにしろ相当強い指導によりまして、たとえばジョニー・ウォーカーの赤は二百円、黒は五百円というようなことで、とにかく関税で下げた分よりは下げさせるというような措置をとっているんですが、この次たばこについての同じようなことを考えていますが、そういうふうに各省担当で一品ずつこれは流通過程の改善とあわせて解決していかなければ、なかなか今後効果が出てこないというふうに思いますので、これは相当精力的に政府としては、物価対策もこれは相当大きい問題でございますので、行政問題として力を入れたいと考えております。
#53
○戸田菊雄君 大臣の意欲的な答弁はあったんですけれども、実質的には何ら国内の末端消費者に対するメリットはいってないんですね。だから、これはぜひ当初の公約どおりに今後十分検討していただきたい。
 この検討にあたって私がぜひ考えてもらいたいのは、一つは何といっても、いまそういう低価格で入ってきた品物が消費者に渡る中段階においての流通体制に全部吸収されてしまっているわけですね。だから、どうしてもこの流通体制をどうするかということを本格的に検討していただかないと、幾ら大臣がいまのような意欲的な答弁で物価引き下げをやろうと言っても、現行のままでは私は不可能だと思う。ですから、そういう面について十分今後御検討願いたいと思うんです。時間ありませんから要望にしておきたいと思うのであります。
 それからもう一つは、円再切り上げの問題について。アメリカのいま一九七三年度の予算教書が一月にニクソンが発表されましたですね。この内容をちょっと見聞いたしますと、一貫してやっぱり軍事増強政策をとっていますね。通常兵力に対する予算は確かに総額においては一億ドル程度の削減をいたしましたが、たとえば技術開発とか、核戦略部隊とか、こういったいわば新科学兵器に対しては相当ふやしておりますね。こういうことからいけば、アメリカのいままでの総体予算から受ける印象としては、日本やドイツに対しては、それぞれマルクの切り上げや、円の切り上げを強制しておりまするけれども、通貨調整に対して彼ら自体が反省して、みずからこれを救済していこう、あるいは全体的な均衡体制をとっていこうというような意欲は何ら受け取れないですね。だからそういう面からくる日本としてのアメリカに対する態度というものは非常に大事になってくる。ですから、そういう面に対する対応措置というものを十分立てていかないと、日本というものはまた多くの被害をこうむるというようなことになりかねない。そういう面については、一体大臣としてどうお考えになっているか。
#54
○国務大臣(水田三喜男君) アメリカが非常に失業対策を中心とする一連の政策をとっているということは私どもにわかりますが、しかし国際収支というものについてどれだけの考慮を払っておるかというような問題については、これは私ども十分納得できないものをいま持っておりますので、おそらくこの環境も、単にアメリカの金利水準とかなんとかいろいろの問題だけじゃなくて、この問題も、先般のこのドルの弱くなったこととも私は関係しているのではないかと思っておりますが、これは前にも言いましたように、基軸通貨国というものはこの点についてはなかなか他の国と同じような感覚を持ちませんので、私はアメリカに対して、常にこの国際収支というものについての節度というものをアメリカにいろいろ話してきたところでありますが、今後もやはりこのドルが節度を持ってくれるというのでないというと、国際通貨の安定ということは得られない一つの原因になると思って、私どもこれは重要に考えたいと思っております。
#55
○戸田菊雄君 ぜひその点は、日本の経団連自体もそういうものに対して一定の態度を打ち出しているわけですから、政府はそれをひとつ先行して十分警戒と反省をアメリカに求めてもらいたいと思うのです。
 それから、時間がありませんから、予算関係で、これも同僚議員があとでいろいろやると思いますけれども、骨格についてひとつ質問しておきたいのですが、国債発行額について今年度は一兆九千五百億、対象経費は二兆一千億と、こうなってるわけです。で、この対象経費の中に官庁営繕費あるいは社会福祉費というものが入っております。これが非常に従来のものより多くなっていると思う。この官庁営繕費とか社会福祉費、そういった対象経費の配分はどういう基準によって配分しているのですか。
#56
○政府委員(吉瀬維哉君) 配分の基準という御質問の趣旨、あるいは取り違えているかもしれませんが、一応公債発行対象経費には従来含まれていなかった種目、官庁営繕費それから社会福祉の施設費、これを対象経費に加えております。それから一般的なものはすべて公債発行対象経費に加えた次第でございます。
#57
○戸田菊雄君 私のいま聞いているのは、加わってることはわかってる。だから対象経費と非対象経費をどういうふうに配分するのか、これを聞いてる。だから配分基準があるなら聞かしてください。
#58
○政府委員(吉瀬維哉君) 一般的なものは全部含んでるわけでございますが、おそらく戸田議員から御質問出るかもしれませんが、その中でやや消費的なものと認められているもの、これを除くということを原則としております。やはり公債発行対象経費とするについては、将来資産として残るものというものを対象経費として加えております。
#59
○戸田菊雄君 具体的に聞いてみますが、今度の予算で、防衛庁では防衛医科大学を設置するという方針ですね。これは入るのですか。
#60
○政府委員(吉瀬維哉君) 防衛費の性格につきまして、私どもとしては防衛費はやはり消費的な性格を持っているものであるという観点から、防衛大学校の建物とか、防衛本庁の建物、そういう種類のものは除いてございます。隊舎も同じように公債発行経費としては除いてございます。
#61
○戸田菊雄君 これは資産という面だけからいくなら配分は当然じゃないですか。私は配分を希望して言うのじゃないんですが、その見解です。配分基準。たとえばいま医科大学の設置であるとか、隊員の隊舎であるとか、あるいは防衛庁本庁の建物であるとか、あるいは営繕費、そのほか、これは筋道としては入ってくるのがたてまえじゃないですか、どうですか。
#62
○政府委員(吉瀬維哉君) 建物であり、資産であるということには間違いございません。ただ私どもといたしましては、防衛費全体の性格がやはり消費的な性格のものである、こういう観念から、そういう御議論がありますが、そういう見解で従来からやっております。これは昔のことになりますが、昭和四十一年に、福田大臣からもそういうような方針を述べておられる次第でございます。
#63
○戸田菊雄君 財政法第四条とのかね合いでどういう見解ですか。どうも私は納得できないのですけれども、配分を希望しているわけじゃないけれども、財政法四条とのかね合いから建設公債云々、これは入らないのですか。純粋の法律的な解釈からいってもこれは入らないのですか。現状予算に入れておく、入れておかないは別ですよ、別ですけれども、財政法から照らし合わせて入るのか入らないのか。入ったほうが正しいのか、どうですか。
#64
○政府委員(吉瀬維哉君) 財政法第四条の建設公債の定義でございますが、私ども公債を発行いたしまして、後年度の負担に残すという方針をとる場合には、その対象のいろいろな経費の資産的価値というようなものを、単にその対象経費の物理的な性格だけじゃなしに、それが長い年月にわたって資産としての効用を発揮するというような感じでとらえたいと思っております。したがいまして、私どもの方針といたしまして、財政法四条の公債発行対象経費には、防衛関係経費は含まれないという解釈でいっておるわけでございます。
#65
○戸田菊雄君 いずれその点はあとで時間のあるときに公債関係についてやりたいと思います。
 最後に、大臣、沖繩のドル交換の問題です。その方針だけ伺っておきたいのでありますが、過日私が大臣に質問した際には、実勢相場で交換せざるを得ないだろう、こういう回答をしておった。大蔵委員会でも御存じのように六日から三日間にわたりまして現地調査をやっており、県民の一様に要求しているのは、何といっても一つは、早期交換ですね。もう一つは三百六十円レートで交換してくれ。したがって、円切り上げ後の三百八円、こういう問題については強硬に反対です。これは経営者においても、労働者においても、県民全体がこの問題については一様だろうと思う。きのうも大蔵委員長から一端の実情調査等に対する報告もございましたので、いずれあらためて、詳しいことはやりますけれども、そういった県民の要望にこたえて、屋良主席なんかも政府にいろいろの要請に来ておると思いますが、こういう取り扱いの基本方針についてどういうお考えを持っておられますか、大蔵大臣。
#66
○国務大臣(水田三喜男君) これは御承知のとおり通貨交換は実勢レートによる交換という、この原則は曲げるわけにはまいりませんので、交換は実勢レートによるつもりでおりますが、ただ先般行なった措置によって、あのときに登録されている人の所持しておるドル及び債務を差し引いた残りの債権というものについては、実質的に三百六十円で交換したと同じになるように、その差額を交付金として交付する、こういう措置をとって、それ以外にドル所有にいろいろな変化があろうとも、それはもう考えないという一応措置をとってきておるところでございますので、これでもう措置は終ったと私どもは考えておりましたが、しかしその前に、やはり復帰前に一応円を通用させるという措置を島民が望むということで、いろいろ要請がございましたので、それならそういうことができるように一応米国との相談もしようということで、この一月にサンクレメンテでその相談をアメリカ側に持ち出して検討をしてもらうことにしました。そこで、この二月中に担当官を向こうに派遣していろいろこの交渉を持ちましたが、まだ技術的にむずかしい問題がたくさん残っておりますので、これはさらにお互いに検討しようじゃないかということで別れて、いま引き続きやっておりますが、しかしこの復帰前に円を通用させるということになりますと、同時にやはり為替管理というものも行なわなければなりませんので、これを行なうについてどれだけの協力が得られるかというような問題も具体的に詰めなければなりませんので、まだ話しは残っておりますが、しかし三百六十円で交換するということは、これだけはもうできないことははっきりしておりますので、この点は一応県民も大体理解してもらっていると私は思うのですが、この要望があるいは早期交換という要望になっているとしますというと、この実勢レートの交換ということになると、あるいはそう急がないというような問題が出てこないとも限りませんし、いまいろいろな問題を勘案しながら、とにかく早期に実施できるとすれば、どういう形で実施できるかというようなことで、まあいま米国と私のほうでも検討を続けておる最中でございます。
#67
○戸田菊雄君 これで終わりますけれども、ぜひいま大臣が答弁されたように、実勢相場交換が原則だけれども、実質的には三百六十円レートで交換したような具体的措置をとりたい、それをぜひ今後実行していただきたいと思うんですね。
 それからもうすでに政府関係職員の賃金の問題とか、あるいは銀行関係とか、これは税の優遇措置からそのような大体態勢ができるようでありますから、そういった拡大方式をとって県民全体に、ひとつ何らかの知恵をしぼって実質的に三百六十円レートで置き換える、そういうようにひとつ政策として御検討願いたいと思います。そのことだけお願いして終わります。
#68
○竹田四郎君 三十分しか私持ち時間がございませんので、ひとつ要領よく答えていただきたいと思いますが、先ほどの戸田委員の質問に関連して、大臣は、内需を旺盛にしてそれによって景気浮揚をはかる、まあこういうお話しであったわけですが、その中で、賃金問題を中心としてお話しがあったわけでありますが、内需を旺盛にするということであるならば、私は賃金だけに目標を置かなくても、たとえば減税手段ということが一つあると思うんですね。この前の年内減税にいたしましても、当初は四十七年度でその減税をやる予定であった。しかしドルショック以来の景気の停滞があるから、景気を回復するために早く繰り上げなきゃいかぬ、こういう理由でわざわざ千六百五十億の減税を年内減税として行なったわけですね。そういたしますと、私は当然そうした立場からいきますならば、内需を引き上げるという意味で、まあ大臣は公共事業の一点ばりというような感じを私ども非常に強くするのですが、公共事業一点ばりでそれじゃほんとうに内需が回復するかということになりますと、これも私はやはり問題がある。そういたしますれば、これは世論でもやかましいように、当然もう一回減税を実施をする、そういうことによって、まあ前回はどちらかといえば年収三百万円以上の人、この人たちの減税で、それはどちらかというと、貯蓄のほうに回る可能性が非常に多くて、消費のほうに回る可能性が少ないと、そのときにも私は強調いたしましたけれども、そういう意味では、今度は三百万円以下の人を中心にして私は減税をやるということも内需を引き上げる一つの手段だと思う。先ほどのお話では、冷え切ってしまってしようがないというふうな感じを私は受けたのであります。そういうことをまずやるべきことが必要だと思うのです。
 それから、その他ですぐにでもやれるということは、やはりこの不況の中で雇用の関係というのはかなりあちらこちらでいま摩擦を起こしている。そうしてみますれば、たとえば解雇された失業者の労働保険の給付期間というものを延長するというやり方も、私は内需をふやしていくやり方であるし、それから来年度の予算の中で示されているところの、老齢者の医療保険にいたしましても、これが来年の一月一日から実施だという状態があるわけでありますが、こういうものを繰り上げていく、こういうことをすれば、その財政の面から、こういう面でも国民生活を通じて国民の消費をふやしていくということが私はできるのではないかと思う。そういうことは内需を旺盛にしていくにしても、そういう点は全然関係がない、こういうお考えなんですかどうなんですか、その点をはっきりしてください。
#69
○国務大臣(水田三喜男君) 問題は、御承知のように、来年度の減税は、地方税と合わせて個人所得中心の負担減で三千五百億というふうに私どもは考えて、あとは社会保障費の増額ということも、これは一面不況対策にもなることでございますので、そういうものとのかみ合わせということを考えて予算を編成しているわけでございますが、これ以上の減税を特にやれということになりますと、御承知のように、いまの財政事情から見ましたら、赤字公債を発行して、そうしてそれを減税に充てろという、事実上はそういう主張になることでございまして、その方針がいいか悪いかということについては、なかなかこれは問題があって、それこそはインフレとの関係において、それがはっきりと関係が出てくる問題でございますので、ことさらに私どもがこの問題を避けたわけでございますが、ただ相当重要な問題であろうと思います。
#70
○竹田四郎君 議論をしていると長くなりますから、議論はもうしませんけれども、今度の防衛庁の費用にしたって、大蔵省のほうではもっと削れ、こういう大きな主張があったわけですね。それがあけてみれば防衛庁の要求よりも上回るというような事態が実は出ているわけですな。そういうことを考えてみますと、私はもっと減らすべきところはあると思うのです。そういうところを節約をしていけば、当然そういう形でのものが私はできると思うのです。まあ時間がありませんからこれはまた後に議論をするということにしたいと思います。
 それから次は、外貨の関係でありますけれども、この前も国金局長に外貨減らしの方策をお尋ねしたわけですが、どうもまあ明確に説得力のある外貨減らしの話はありませんでしたけれども、その後新聞等見ますと、かなりいろいろ動いておられて、あれやこれやとアドバルーンあげていらっしゃるようでありますけれども、いまのままでいきますと、先ほど大臣は効果があらわれてくるのは一年ないし二年である、こういうことでかなり長期的な見通しを持っておられるようでありますが、現実にはおそらくことしの下半期あたりへいけば二百億ドルを突破するようなおそらく情勢になろうと思います。そうなってまいりますと、再び円の再切り上げの国際世論というのは非常に大きなものに私はなってくるんではなかろうかと、こういうふうに思うわけでありますが、一体、政府として日本の外貨準備というものはどのくらいが適当であるのかという基準を、まあ現在時点だというふうに申し上げておいたほうがいいと思いますが、大体現在の時点ではどのくらいが適正である、そして今後の外貨をふやさない、あるいは現在その適正基準以上に持っている外貨というものはどのようにして減らしていくのか、この辺の点をひとつここで明示していただきたい。
#71
○国務大臣(水田三喜男君) 準備資産をどれくらい持つのが適正かということについては、別にきまった通説というようなものはございませんが、いま私どもの考えておりますのは、百六十五億ドルの外貨のうちで、すでに長期的な運営をしておるもの、あるいは金、それからSDRというようなものを全部除いて、百十億ドル前後が手元にあるということでございますが、そのうちで、私どもの考え方は、まあこれは流動性というものが一番重要であるはずでございますが、ここまで外貨がふえたら、もう安全性、収益性というようなことに比重を置いて、流動性というような点から考えるんならこの半分ぐらいの外貨、六十億ドルぐらいの外貨を充てておいて、あとの六十億ドル前後、今後ふえる外貨というようなものは、これはこの新しい観点からひとつ活用策を考えることがいいということで、大体その辺を中心のいま活用策を考えておるということでございますので、それだけあればいいというふうにきめているわけではございませんが、国としてはいま持ってる半分の六十億ドルぐらいの流動性というものはこれはやはり確保しておく必要があるというふうに思います。
#72
○竹田四郎君 その外貨減らしのほうは一体どういうふうに考えていますか。具体的にどういう方向でどういうふうに活用していくか、外貨減らしの対策をひとつ。
#73
○国務大臣(水田三喜男君) まあいま考えられている方法、検討されている問題、たくさんございますが、何としても、いま外貨がこれだけあるといっても、その反面為銀は七、八十億ドルの債務を持っておることでございますし、これと外貨が何か直接結びついているものでなくても、これだけの対外債務を持っておるということは、これがやはり外貨保有のかさ上げになっているということは間違いございませんので、そうなりますというと、外貨の活用というようなことを考える場合には、やはり一定の外貨の預託をやって、それによってそういう債務の返済をさせるというような方向も、これは順序としては先に考えていい順序ではないかというふうに考えております。そのほかいろいろのことを検討しておるわけでございます。
#74
○竹田四郎君 一つだけ出してくれたのですけれども、あとはしまって国民に実は見せてくれないのですが、これ一つの方法であろうと思います。確かに外銀の借り入れ債務を為銀が返済するためにそれを出していくというのは一つの方法であろうと思います。おそらくこれも全部返すという意味じゃない。全部返せば大体先ほど言ったのとバランスがとれて六十億ドルぐらいの適正な準備ということになるわけですが、そういうことではなさそうでありますから、まだぼくはほかにもいろいろなことを考えておられると思うのですが、いま国民が一番心配しているのは、このままではまた再切り上げがあるのじゃないか、アメリカのほうにものを申しても、ちっともアメリカのほうは聞いてくれそうもない、そういう感じも国民はしていると思うのです。またこの上再切り上げというところに押し込まれてしまうと、もっとわれわれ経済の不況というものが長引くのじゃないかという、こういう心配は非常にあると思うのです。ですから、新聞、雑誌――いろいろの、このごろは日常売られている週刊誌にさえ、円再切り上げの対策はいかに、どう防衛するか、というようなことがまことしやかにあるわけですから、そういう意味では、再切り上げがない、ただそういうふうに言っただけでは、国民はあまり信用しないと思うのです。特に外国との金融関係じゃ、うそをついてもいいと、この前どなたかの大臣がおっしゃっていたくらいですから、全然国民の信頼というのはないわけです。私は、具体的に外貨減らしの方法を幾つかやはり国民に対して示すべきだ、そうでなければ国民はとても再切り上げというものに対する心配というのはぬぐえない、こう思うのです。ですから、ひとつそういう意味で、これは国金局長でもけっこうですから、そういうものを出してください。
#75
○政府委員(稲村光一君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたとおりでございまして、われわれといたしまして、いま御指摘のような点を考えまして、基本的には先ほどから大臣が御答弁申し上げておりますように、経済の不況を克服する、そういうことが基本的な問題でございまして、御承知のとおり一番問題は貿易収支が非常に黒字であるという点でございますが、それで、もう当然のことでございますが、そのほかに問題は、そういうような政策が効果をあらわしてまいりまして、経常収支がもっと好ましい姿になっていく、このためには景気の回復その他で、あるいはことしの末、あるいは来年というところまで待たなければ効果が出てこないかもしれませんので、その間におきまして非常に、御指摘のような心理的と申しますか、さらに外貨がふえていくということによって、心理的な不安というのが起こることは当然避けなければならないと存じておりますが、一つには、元来外貨準備がふえたからといって、それが切り上げにつながるというものではないことは当然のことでございますけれども、他方、確かに一般的にそういう場合にはやはり心理的な不安が起こるということも当然でございますから、その点におきましては、さらに今後、現在ございます外貨準備の中で、いまのように活用し得る部分は、大臣が申されましたような点で、そのまず第一には、為銀が外国から借り入れております部分の返済に充てる。すなわちMOFが為銀に預託をいたしまして、そうしてその借り入れを返してもらう。そういうことによって一つの活用の道があると存じます。そのほかには、先般も御答弁申し上げましたように、さしあたって現行法のもとでできますこと、それから現行制度ではできないものもございますので、いろいろと検討いたしておりますが、さしあたって現行制度でできます部分といたしましては、いまの対外借り入れの返済ということのほかに、いままでアメリカの大蔵省証券等の短期のものに運用して、流動性を主として運用しておりました部分を、もっと利回りのいい長期の債券――市場性のあるものでないと買えませんが、そういうものを購入いたしますとか、そういうことによりまして活用をはかってまいりたいというふうに存じております。
#76
○竹田四郎君 これは私、大蔵省はそういう点ではけしからぬと思うのですよ、新聞にはどんどんどんどん情報を流しておいてですね。新聞では今度は資源金融に外貨を活用させるとかなんとかという情報をどんどんどんどん流しているわけですね。けさの新聞だってそうでしょう。そういうことを片方でやっていながら、ここで聞いてもそういうことを述べない。こういうことは私はあまりいい姿じゃないと思うのですよね。
  〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕
新聞には流して、どうしてここで正式に、しかも新聞に流したあとで聞いてもそういうことを言えないのですか。私は非常に遺憾だと思うのですがね。これは委員長のほうでもこういうやり方がはたしていいのかどうか、われわれは非常に心配をしているわけですね。ですから明らかに、検討中なら検討中でも私はいいと思うのです。そういうものを具体的にここに、新聞に出しているのだから出したっていいのじゃないですか、幾つか出していますよ、たくさん。そういうものをどうしてここに出せないのですか。こういうことでは私は審議ができないと思うのです。
#77
○戸田菊雄君 関連。
 関連で対策をひとつ要望しておきたいのですが、外貨の実態、運用についてどういう状況になっているか。これは外部発表がまずいというなら理事会、非公開でもけっこうです。一切資料を出してもらいたい。いわばアメリカの銀行等にも預託をしておる金もあるでしょう。輸出入で損害を受けてなおかつアメリカと日本の金利差があるわけですから逆ざやになっておるでしょうし、そういういろんな実態があるんだろうと思う。ですからぜひ当委員会として外貨の実態等について一切の資料の提示を願って、その運用はどうなっておるのか、こういうことを検討したいと思うのですが、これは委員長そのような取り扱いをぜひお願いをしたいし、それから大臣はじめ関係当局の御賛同をいただいて、いまの竹田委員と含めてひとつ提案をいたします。
#78
○国務大臣(水田三喜男君) いまの御質問にお答えしますが、新聞に出たとかなんとかというお話でしたが、私の知っている限りでは、まだそういう問題はきまっておりません。いまいろいろ検討しておる問題はたくさんあるとは思いますが、どういうふうにするという方針をきめたものはまだございませんので、したがって、特に隠しているというわけではございません。と申しますのは、御承知だと思いますが、保有ドルは単なるドルじゃなくて、円を払って民間から買ったドルでございますので、また民間が必要になって買いに来た場合にはいつでも円と交換にこれは売るべき性質のものになっておりますので、したがって、そういう形ですでに円が何兆というふうに出ておるものを、たまったこれだけを特別に変な活用をするということは、これはなかなか問題がやはり大きい問題でございますので、その辺で簡単に、いろんな業界そのほか民間からの要望がございましても、この政府、日銀の公的な保有である金を特殊な業界にだけこれを利用させるということはできませんので、そういう意味で、また、それを単にドルはドルだけで運用するということになりますと、四兆円、五兆円という出た円をたれ流しにして、そのままでいるということは、これはまた別の問題として大きい問題でございますので、そういう点を勘案しますというと、ただ単にドルを貸せばいいというようなことには結論は出ませんので、そういう点についてはいま慎重に検討しておるところで、結論は出しておりませんので、ことさらにきまったことを隠しているわけではございませんので、これは御承知を願いたいと思います。
#79
○竹田四郎君 私は一つの例でそういう話を出したのですよね。
#80
○理事(柴田栄君) 竹田さん、ちょっとお待ちください。
 ただいま戸田君からお話のございました問題については、それについて理事会において後刻相談をさせていただきたいと思いますが、さような措置に対しまして大臣からお約束をいただけますか。
#81
○国務大臣(水田三喜男君) これは御承知のとおり各国とも外貨の運用についてはどこでも発表しないことでございますが、大まかな発表でよろしゅうございましたら理事会で御説明申し上げます。
#82
○戸田菊雄君 原則的に大臣も了承されたようですから、あとの具体的な内容等については、いま委員長がおはかりしたように、理事会で一切の検討は進めてまいりたいと考えますので、そのようにひとつ委員長においてお取り計らいを願いたいと思います。
 それからやはり竹田委員の言っているように、新聞等にはどんどん発表になっているのですね。今回の外貨減らしのために外為の特別会計を設置してそこでやろうとか、外資を投資してやっていこうとか、いろいろな方法を考えられておる。それを発表になっておるでしょう。だからそういうものが削られたと言えば別ですよ、別ですが、おおむね火のけのないところに煙が立たないということで、それは大蔵省でちゃんと検討案は持っておる、そういうものであれば検討案でもけっこうです、確定案がなければ。審議の方法は幾つもあると思う。だからそういうものはひとつ大臣今後督励をして、十分審議にことを欠かないように御配慮を願いたいと思います。要望をしておきます。
#83
○理事(柴田栄君) ちょっと竹田君に申し上げますが、社会党の持ち時間がたいへん経過しておりますので、たいへん恐縮でございますが、ひとつ端的にお願いいたします。
#84
○竹田四郎君 いまの資料にひとつつけ加えて百六十五億ドルの内容ですね、たとえばドルばかりではないと思うのです。ポンドもあるでしょうし、あるいはマルクもあるかもしれません。そういう形のものをひとつつけ加えて示していただきたいということをお願いしておきますが、先ほどの大臣の答弁は、私が大臣に聞いたときには、為銀等の外国の銀行から借りている債務がある、この点をひとつ出してもらいたい。きょうこの問題を大臣に初めて出したわけではないですよ。この前、国金局長にこの点は聞いておるわけですよ。きょう初めてすぽっと出したわけではないのです。大臣に対する質問についても、私は外貨減らしについてどういう対策を持っておるのかということを聞くということは通告してあります。大臣に聞いてさらに今度は国金局長に言えば、いやアメリカの中・長債を買い入れて運用するという話が出てくる。私の持ち時間は三十二分しかないということは宣言してあるわけです。そういうことで二回も三回もこの問題をやって人の時間を浪費させるということは私はけしからぬと思うのですがね。そういう点はもう少しはっきり答弁してもらいたいと思うのですよ。ここで突然出た問題なら別ですよ。この辺あまり言いますと時間がなくなりますから次へ移ります。
 いま、なかなか市中金利が下がらないということが言われているわけであります。その市中金利が下がらないというようなことを反映して、むしろこれはある新聞に載っていたことでございますけれども、たとえば自動車はアメリカへ持っていってしまう。その在庫投資の費用は外国銀行から、そのほうが金利が安いから借りる。そして販売代金のほうは早くこっちへ持ってきて円にかえるというようなこともあるそうです。これは現実に確認したことではありませんが、新聞等に出ております。こういうことはやはり日本の金利が本来的にはもっと自由化して、そのときどきの金利情勢に応じて適切な資源配分のできるような金利体系というものをとるべきだと思うのです。現実にはとれていないからそういうことが起きるというふうに思われるのでございますが、今日の情勢では、金利が高いというようなことがそういう事態を起こしているんではないだろうかというふうに思うのですが、そうした意味では金利の自由化を中心としての金利の引き下げということをもう少しやっていかない限りは、やはり日本に外貨が向かってくる可能性があると思う。そして一方では、為替管理の自由化というようなことも、これはあんまり、何といいますか、いつまでもきびしくやっているということになりますれば、また為替管理に対する不信という問題も起きてくるわけであります。この二十四日からまた為替の管理をきびしくしたそうでありますが、こういう点でもかなりの不信がすでにわいてきているようでありますけれども、金利を引き下げていく必要が私は現在の時点ではあろうと思うのですが、その対策というものを一体どう考えられるか。特に郵便貯金がいま金利を安くできない、預金コストの関係からそうした面が一つあるのだと、こういうふうに言われておりますが、これは中小企業の金融の場合でも私はそういう点は同じだろうと思うのですけれども、そういう点では金利を引き下げていくということが必要だろうと思うのです。これが実際にはかなりの大きな抵抗が私はあろうと思うのです。それは、日本の預貯金の性格というものに私はあるだろうと思います。
 これは大臣、よく聞いておいてもらわなければいかぬと思うのですが、大臣は、そういうことはないと思います。余った金を貯金されるだろうと思います、大臣個人は。しかし、一般の庶民にとっては、貯金ということは、これは結局、社会保障が充実していないから、これからの人生への一つの、何といいますか、保険的な意味が私はたいへんあると思うのです。そういう意味で、この前の所得税問題のときも私申し上げましたけれども、生活が不安になり、インフレになれば、かえってよけい貯金をするというのが日本の特徴であります。これはやはり自分の後生、これからあとの人生の生活というものを保障しようということで預金というのが行なわれるわけでありますから、そういう意味では、大衆の貯金というのは、ただ余って金を積んだから、これは金利政策でどうでもいいというようなものでは私はないと思うのです。そういう意味で非常に大切な預金だろうと思いますから、ただ私は金利を下げるということだけを主張しているわけではなくて、金利を下げる前提というものをつくって下げなければいかぬと思うのです。そういうところにむずかしさがあるのですよ。しかし、これをやっていかなければ、日本の金利政策というものも、国際化されてきている今日の経済情勢の中では、私はいけないだろうと思うのですが、その辺は一体どう考えているのか。いまの実情は、私は金利は下げるべきだと思うのですがね、ただ簡単にはこれは下げられないだろうと思います。しかし下げなければならない。そうでなければ、また円の再切り上げという形でどろ沼に入っていかざるを得ないような形になると思います。この辺は、方針が立っていたらひとつ方針を述べていただきたい。
 それから、もう時間がありませんから、最後にひとつ聞いておきますけれども、公定歩合は、いま四・七五%ですか、しかし国際的に見て決して安い段階では私はないと思います。公定歩合を下げたから、国内の景気がどうこうなるというようなまた金融事情でないことも私知っております。しかし、金利が高いということは、やっぱり短資を招く一つのメルクマールになってしまうわけでありますから、公定歩合については、下げてはどうかという意見もかなりあるわけでありますが、その辺については、これは日銀の権限でありましょうが、大蔵大臣としてはその点どう考えるか、以上の二つの点についてひとつお答えをいただきたいと思います。意を尽くせない点があったかもしれませんが。
#85
○国務大臣(水田三喜男君) おっしゃられるとおりだと思います。
 低金利政策がこれからの金融政策の方向でございますが、その場合、私どもは、いままで預金金利ということについてはきわめて慎重な考慮をしておりまして、暮れの公定歩合の引き下げのときも、一応こういう問題は切り離した措置が日銀によってとられているということも、この問題について特に慎重であったことのあらわれだろうと思います。今後、さらに国際情勢に応じて低金利政策をとるという場合には、当然この預金金利の問題もこれは避けられない問題になるかもしれませんが、しかし、そうかといって、必ずしもこの次の低金利政策が直ちにこれと結びつかなければならぬかどうかということにつきましては、まだすべきいろいろな問題がたくさんあると思いますので、そういう点についてよく考えたいと思います。
#86
○竹田四郎君 公定歩合どうですか。
#87
○国務大臣(水田三喜男君) 公定歩合はまあ日銀総裁のあれですから、私はどうこう言わないことにいたしましょう。
#88
○政府委員(近藤道生君) ただいまの大臣の御発言どおりでございますが、若干補足をさしていただきますと、先ほどの御質問のうちで郵便貯金金利との関係が一つでございます。これは、現在、御承知のように郵便貯金総額九兆円に達しておりまして、相互銀行業界全部の資金量、あるいは信用金庫業界全部の資金量を上回る資金量を有しております。そのような関係からまいりましても、金利の整合性という観点から、やはり同じ動きをするということが必要であるという点と、それから預貯金金利全体につきまして非常に慎重な態度で臨むということは、ただいま大臣もおっしゃいましたし、また竹田委員の御質問にも同じニュアンスがあったと存じます。
 それから、金利低下を必要とする理由といたしまして、かねがね申し上げておりますように、大体三つぐらいの理由があろうかと存じます。一つは、海外金利との関係。一つは、国内的に産業中心の金融から次第に社会福祉、社会投資というようなことに重点が移ってまいりますと、勢い付加価値の低いものの利子率を下げざるを得ないということになるという観点からまいりまして、金利を下げざるを得ないということ。それからさらには、先ほど来お話がたびたび出ておりました景気振興という観点からも必要になる。ただそのうちで海外金利との関連につきましては、これもかねて申し上げておりますように、各国の金利体系の立て方がそれぞれ違っておりますので、なかなか一がいの、一律な比較ができにくいという問題はあろうかと存じます。そのような点を含めまして竹田委員が先ほど来仰せになられましたようなニュアンスで私どもも考えているところでございます。
#89
○竹田四郎君 時間がないからいいです。
#90
○多田省吾君 初めに外貨問題で質問いたします。
 先ほどの竹田委員の質問に対しまして、適正外貨保有量をいま大蔵大臣は、百六十四億ドルの中で、金や何かありますから、これは五十数億ドルと、それを除いた流動性のあるものが百十億ドルでありますけれども、半分の六十億ドルで大体間に合うのだと、こういう答弁がありましたが、
  〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕
そうしますと、金を含めてわが国が持つべき適正外貨保有量というのは大体百億ドルから百十億ドルあればいいのだと、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
#91
○国務大臣(水田三喜男君) それは、最初に申しましたように、どのくらいという、別にこれは各国とも、この問題についての定説というものはもうございません。一般にいわれておるのは、せいぜい三カ月の輸入をまかなえるぐらいの準備資産を保有しておったらいいじゃないかというようなことが一時いわれておったことがございますが、何カ月分持たなければならぬというようなことは別にございません。したがって、いま私が六十億ドルと言ったのは、それだけで十分だとかいうようなことではなくて、大体いま持っている約半分ぐらいは流動性というものを確保しておいて、そのほかは流動性ということを少し考えないで、もっと安全性、収益性ということを考えた活用をしたらどうかという大づかみな予定をただここで考えておるというだけでございまして、この六十億ドルにも別に根拠はございません。
#92
○多田省吾君 その次に、すでに円の再切り上げの懸念が出ておりまして、産業界では一部に自社レートで二百九十円台とか、重電機プラントなどでは二百七十円、二百八十円という自社レートをきめて取引をしているような傾向もございます。このドル減らしのために、まあ先ほどからいろいろ話がありましたけれども、去年の六月にきめたような円対策八項目、新しい円対策八項目のようなものを考えるお気持ちはないのかどうか。これはいかがでしょうか。
#93
○国務大臣(水田三喜男君) あの八項目をさらに強く遂行すれば大体足りる、ほとんどやるべきことはあの八項目の中にもう盛られておると思います。
#94
○多田省吾君 去年の六月に作成された八項目をきめただけで二ヵ月ほとんど運用されないで、そのうちにいわゆるドル・ショックがやってきたのです。今回もそういうことであってはならないわけでございまして、先ほど話のありました対策の中で、まあ手持ち外貨を国内の外国為替銀行に預託するとか、あるいは外貨借り入れの返済、あるいは中期、長期の外債の購入、こういった三つのことを対策として申されましたけれども、これは四月一日ごろから始めるのか、いまの時点でもうすぐ始めるのか。やはりこれは実行が一番大事だと思うのです。これはいつから始めるかということはどうですか。
#95
○国務大臣(水田三喜男君) これはもうすでに、いま言ったような措置は現在とられつつある方針でございます。
#96
○多田省吾君 それからけさの新聞等を見ますと、資源の引き取り金融を一向日中にきめるとか、いろいろ報道されているわけです。それから輸入促進のために関税体系を洗い直す、こういったお考えはありますか。
#97
○国務大臣(水田三喜男君) 一応関税の引き下げにつきましては、きまったことを今度国会に御審議を願うということになって、いま法案を提出しておりますが、これが済んだあとで、いわゆる国際ラウンド問題もこれから起こってまいりますし、そういうときを機会にさらに一段の関税引き下げ問題等に私どもは取り組みたいと思っております。
#98
○多田省吾君 やはり外貨減らしの方策といたしまして、特に私たちは経済外交の一つのあり方といたしまして、いま東南アジア方面では、いわゆるエコノミック・アニマルということで、非常に日本はきらわれ、また軍国主義化ということで非難を浴びているわけでございますが、私はそういうひもつきの経済協力ではなしに、ひとつは政治抜きにですね、自由主義国だけではなしに、やはり国際緊張の緩和という点から見ましても、共産主義国に対しても同じように政府ベースの低利のいわゆる経済協力をやっていく、特に最近は北ベトナムにも政府の高官が行って話し合いをやっているという状況でもございますし、まあ米中会談以来そういった東南アジアの緊張緩和ということがいわれているわけでございますから、そういった政府ベースの経済協力、したがって外貨減らし、それによってこれは一年二年では効果は出ませんでしょうけれども、将来のことを考えれば、それが日本のやはり国益にもつながると思うのです。そういうお考えはないかどうか。
#99
○国務大臣(水田三喜男君) それはさっき国金局長から言われましたように、結局、必要によってはやはり法律を要するかもしれないというような問題の一つになっておりますので、そういう点とのからみ合いで、やはり一つの検討の対象となっておる問題でございますので、もう少し結論を出すまでにひまがかかると思います。
#100
○多田省吾君 次に、今度の衆議院予算委員会の総括質問でも言われましたけれども、いわゆる郵便局の庶民金融でございますが、総理大臣も、少し時間をかしてほしいというようなことを述べているわけですけれども、すでに農協なんかから庶民金融を始めたいという意向を漏らしております。それで、国民本位のやはり金融ということがいま一番大事だと思います。詳しいことは言いませんけれども、政府の反対理由は、財投計画が縮小されるとか、資金運用部資金の一元運用が困難になるとか、民間の中小金融機関を圧迫をして、金融政策上の支障を来たすというような理由を言っておりますけれども、私は、それは非常に根拠が薄弱だと思うのです。もうすでに郵政大臣等も言っておりますように、過去四回も衆参両院で貸し付け制度をすみやかに検討し、実施すべきだという決議がなされているわけでございますけれども、外国の主要国のほとんどこれは当制度を実施いたしております。また郵政省で言っているのは、大きな額ではなくて、結局、財投原資とか、国庫に預託する額の二兆円の一%の二百億円にすぎません。決してこれは民間の中小金融機関を圧迫することにもならないと思うのです。また財投計画や資金運用部資金法によってもほとんど影響はない。郵政省では二百億円、そして三十万円、あるいは六%金利、こういうことですが、自民党の逓信部会、これは一千億円にして、大体十万円にしたいということを言っておりますし、私たちは三十万円のほうが適当であろうかと、このように思っておりますが、これはほんとうにここでいろいろ支障はありましょうけれども、大臣は前向きにやるべきだと思うのですが、これはどうです。
#101
○国務大臣(水田三喜男君) 問題は、制度、たてまえの問題で、それから見ますというと、簡単でない問題をたくさん含んでおりますので、いまある点で私どもは検討しておる最中でございます。
#102
○多田省吾君 これは早急に検討の上、前向きで実施されることを強く望みたいと思います。
 次にお尋ねしたいのは、今度の暫定予算は何日間くらいの予定で、どういう方向で組もうとなされているのか、お尋ねしたいと思います。
#103
○国務大臣(水田三喜男君) これは衆議院の従来の例によりましても、衆議院の予算が終わったあとに暫定予算をお願いすることになっておりますので、まだ衆議院で審議中でございますので、したがって、その結果を見ないと、暫定予算を幾日にするかということは、実際問題としてはまいりませんので、まだきめてございません。
#104
○多田省吾君 ひとつ要望したいのは、やはり暫定予算の性格から見まして、一カ月以内の暫定予算だと思いますが、必要最低限の事務的経費のみにとどめて、新規政策予算は絶対に入れない、こういうことが私たちは強く望ましいわけでございまして、特に国立大学の授業料値上げのものなんかは、暫定予算にはこれは絶対に入れてもらいたくない、このように思いますが、ひとつ可能な範囲でお答え願いたい。
#105
○国務大臣(水田三喜男君) 従来の原則が、新政策は暫定予算には盛らないというのがいままでの大体例でございますので、その方針で編成することになるとは思いますが、しかし、これはいままでの前例を見ますというと、たとえば生活保護費のようなもの、これはやはり、暫定予算であっても、これは国会として承認されるものとして、このものは新しい政策であっても、これは暫定予算に盛ろうじゃないかということで、いままでそういういろいろ合意によって得た慣例がございますので、そういうものはやはり新政策であっても取り入れることになるだろうと思いますが、原則としては新政策は盛らないという方針でいきたいと思います。
#106
○多田省吾君 当然、生活保護費等の問題は全野党また国民も要望している問題ですから、そういうものは私もかまわないと思いますけれども、やはり野党が全部反対し、国民からも大きな批判のある公共料金の値上げの問題などはとめてもらいたい、これは当然でございます。この前も銀行局長等からも答弁がございましたが、いま大きな問題になっております金融緩和の状況において、都銀が不動産あるいは建築業に多額の貸し出しをいたしまして、そのために地価が暴騰している、こういう状況がございます。これは政府のいわゆる大きな公共事業をやろうということにも支障を来たし、また国民の住宅対策にも大きな問題だろうと思うので、これは大臣としてこの点に対してどういう指導をなさろうとしているのかお伺いしたいと思います。
#107
○国務大臣(水田三喜男君) これは金融検査の際には重点的にこれを見て指導しておるのが一つでございますが、詳しいことは銀行局長から……。
#108
○多田省吾君 じゃけっこうです、まあその答弁は銀行局長からこの前もありましたから。
 時間もありませんので、最後に、今度の法案である準備預金制度につきまして一つだけお尋ねしておきたいと思います。今度の準備預金制度の改正におきましては、一つは金融引き締めの方策といたしまして準備率を二〇%まで引き上げる。で、この問題は、国際収支の黒字下において、また金利を引き下げた金融緩和の状況において、国内景気の過熱を防ぐためにやはり準備率を引き上げるという対策がございます。もう一つは海外の短資流入対策といたしまして非居住者自由円勘定に対して一〇〇%までの準備率を適用するということは、これはヨーロッパ各国においても今度のドル・ショックで相当活用されたといわれておりますけれども、特に今後、ことしの後半から来年、七〇年代におきましてこの準備預金制度というものが活用されるだろう、また活用されなければならないというわけで、この改正案になったわけでございますが、大臣としてこの二つの金融引き締め政策、また海外短資流入対策としての効果ですね、いつごろから大体見通しとして使われるか、ひとつその見通しを述べていただきたいと思います。
#109
○国務大臣(水田三喜男君) 短資の流入対策というほうはなかなか為替管理では防げない問題がございますので、こちらのほうは早くそういうものの活用をしたいと思っております。
#110
○原田立君 時間があまりないので、冒頭に、七問ぐらいありますけれども、全部言いますから、メモしてもらいたいと思います。
 先ほど戸田委員から主要のことについて、三百六十円の旧レートによる保証をしてもらいたいということについて基本的にはお話し申し上げました。これは私たち行きましたところ、ちょうどその日が全軍労をはじめとしてストライキに入った当日でありまして、もう全島民の人たちが三百六十円による保証をぜひしてもらいたい、これは全島の世論でありました。これに対して手厚い処置を十分してもらいたい、こう私も要望したいし、考え方はどうかというのが、これが一つであります。
 それから第二問は、十月八日の通貨確認により個人の預貯金は三百六十円保証のめどが立ったわけでございますが、その後のものについても旧レートによる保証をぜひしてもらいたい、これが要望でございまして、これについてもお考えをお聞きしたいと思うのであります。
 それから、この十月八日のときの確認に漏れたものに、いわゆる法人企業、あるいはまた組合の共済会団体預金、生命保険等が漏れたのでございますけれども、実際沖繩の場合には、これらのものがいわゆる貯金的なそういうような性格のものであって、実際問題それが三百八円になった場合には、非常に先々の不安が多い。これについてぜひ三百六十円の保証をしてもらいたいという要望が非常に強うございました。これに対する考え方をお聞きしたい。
 次に貿易上の差損補償についてでございますが、これが実際問題は事務が繁雑のため価格政策になっておりません。中小貿易業者あるいは小売り業者はどうしても物価に上乗せしてしまう。そのために価格が上昇しているのが現状であるのは御承知のとおりであります。これを何とか事務の簡素化をしてもらいたいということが琉政のほうの要請でございました。お聞きになっているだろうと思いますが、その基本的なお考えをお伺いしたい。
 それから、官公労に関係する給与の三百六十円保証については、ある程度のめどがついたようでございますが、民間企業の場合には、まだまだそのめどがついていないような状態であります。この民間企業のうち担保力のないそういう非常に弱い企業、これらのところについてはその融資条件をぜひとも緩和してもらいたい、こういう要請が非常に強うございました。これに対してどういう考えかお伺いしたい。
 次に、沖繩の輸入業者、貨物取り扱い業者でございますが、現在は二十四社、二百八十人の従業員がいるそうであります。このうち八割方は対本土貿易業者でございまして、復帰と同時に廃業しなければならない、こういう人たちでございますが、これに対する手厚い処置を講じてもらいたいというのが現地の強い要請でございました。これについてどういうふうに処置するのか。
 それから、現行のまま推移した場合には二千百六十九万六千五百六十九ドルの財源不足が琉政として生じる。これについては琉政も非常に苦慮しているわけでございますが、復帰後この赤字が県に引き継ぎになると、それがまた大きい財政困難を来たすので、ぜひこれを、負担の肩がわり的なものをしてもらいたいという要請がございました。これについてのお考えをお聞きしたい。
 もう一つは、沖繩の所得税及び住民税等については、本土法に比べてみると非常に高い税率になっているのは御承知のとおりであります。本土法によりますと、前年度課税というふうになりますと、前年度、すなわち復帰前の沖繩の高い税率でまた所得税及び住民税等を払わなければならない。こういうことになって、復帰にはなったけれども、税金はまた復帰前の状態である、こういうおかしな現象になるわけでございますが、これについてもぜひ負担の軽減をしてもらいたい、そういう要請が強うございました。基本的にどういう処置をなさるのか、お考えをお聞きしたい。
 最後に、自動車重量税についてでありますが、この施行は、施行を猶予してくれという希望が現地でございました。現実には一年おくれの実施、すなわち四十七年十月一日より実施というふうにきまっておると聞いておりますが、現実に五月の十五日復帰で、そうして実施が十月というのではまだ少し早過ぎる。だからこの自動車重量税の適用については、もう数年先に延ばすというふうなことをしてもらいたいということを言っておりました。これらについて、どういうふうなお考えなのかお聞きしたいと思います。
 私の持ち時間は十分でございますので、飛び飛びに質問していると時間切れになりますから、最初に全部申し上げましたので、お答え願いたいと思います。
#111
○国務大臣(水田三喜男君) 相当専門的なこともございますし、沖繩問題と専門に取り組んでおります審議官からお答えいたさせます。
#112
○政府委員(前田多良夫君) お答えいたします。
 まず第一の三百六十円による保証を手厚くやってほしいという点でございますが、これは御承知のように、昨年の十月八日に、沖繩県民の方々の長年の御労苦に報いるために、実質上三百六十円と実勢レートとの交換差額、これをそのときの持ち高に応じて後日、復帰後、県民の方々に給付金として支給する、こういう措置をとったわけでございます。これは御承知のように三百六十円で通貨交換をしてほしい、こういう県民の方々の強い要請でありますが、実際に三百六十円で交換するということができない。そこで、それにかわる次善の策ということでとったものでございます。その場合に、その十月八日現在で現金、預貯金というものを調べまして、その額だけは、たとえ復帰の際にもっと小さい額しかなくても、その額までは給付金を支給する。しかしまた逆に、個人個人見た場合に、そのときからふえておりましても、その分は見ない。まあそういう意味におきましては、個人個人からいたしますと、減った人とふえた人、それぞれアンバランスができるという御指摘はまことにそのとおりでございますが、とった趣旨が、あくまでそういった三百六十円による交換ができないということの次善の措置である、こういう点をひとつ御勘案の上御了承をいただきたい、こう存ずるわけでございます。
 それから第二点の、十月八日の措置の中に、生保とか団体共済組合の預金あるいは貿易上の差損の事務の簡素化、こういうような問題がございますが、生保、団体預金というような問題につきましては、これは実はその当時すでに琉球政府とも非常に密接に打ち合わせまして、この際はひとつ現金と金融機関預貯金だけに限りたい。それ以外は実行上非常にむずかしい点がある、こういう結論に達しまして、そのように措置をとったわけでございますので、その点も御了承をいただきたいと思います。
 それから貿易上の差損補償の簡素化につきましては、これは対策庁と琉政との間で極力そういう点については実施しようということで、現在も随時協議を行なっておりますので、そういう方向自体については、今後ともその方向で進めてまいりたい、こういうふうに思います。
 なお民間企業の三百六十円切りかえの問題につきまして、担保力のない企業についてのいろいろな措置というような御指摘がございますが、この点につきましては、これは政府がそういう一つ一つの企業の労使間の問題に直接介入するというようなことは適当ではないと思いますが、すでに民間企業につきましては、税制上その他につきまして、かなりの措置をとっておるということにつきましても御了承いただきたい。
 なお、税関、貨物取り扱い人の問題、あるいは負担の肩がわり問題、それから税率、自動車重量税について、事こまかな御質疑がございましたのですが、そのような諸点につきまして、十分今後とも検討を継続してまいりたい、こういうように考えております。
#113
○原田立君 ぼくは時間がないからまとめてやったのですが、まあ、いいわ。もう少し詳しく聞かしてもらいたいですね。
#114
○多田省吾君 特に最後の重量税の問題は、ひとつ前向きに御検討をしていただきたいと思いますが、それだけでもひとつ詳しく答弁してください。
#115
○政府委員(前田多良夫君) 重量税につきましては、御指摘のようにすでに実施の日にちが一年後ということできまっておるわけでございまして、法律上もそういうことになっておりますので、これをはたして変更することができるかどうかという問題は、かなりむずかしい問題があろうと思います。しかし御指摘のような点も十分今後検討させていただきたいと存ずるわけでございます。
#116
○原田立君 大臣、どうですか、その点審議官は検討を約束したわけだけれども、前向きの答弁をぜひしてもらいたい。
#117
○国務大臣(水田三喜男君) それは法律をきめるときにいろいろ議論がございましたが、自動車重量税を、沖繩を特に延期しなければならない理由というものはないという結論で踏み切ったことでございますので、検討はいたしますが、私はなかなかむずかしいのじゃないかという気がします。非常に議論が多かったのですが、最後はそういう結論に落ち着いたものでございます。
#118
○栗林卓司君 これまでのほかの委員の御質問と重複する点があるかと思いますけれども、私も円の再切り上げの可能性、危険性というものをやはり強く感ぜざるを得ないので、重ねて二、三基本的な問題について大臣の御所見を伺いたいと思います。
 一つは、ただいま御提案になっております準備預金制度の改正についてでございますけれども、先ほど外貨準備高の累増傾向がやまない理由として、大臣のほうから、これはとにもかくにも不況がおさまらない。幸い外貨がたまったことだから、これを活用しながら、何とか不況を抜け出していきたいという御説明がございました。今度の準備預金制度の改正は、一言で言いかえますと、外貨準備高に見合う円資金も凍結をして、金融引き締めの措置を開く道具をつくるということ、端的に言って景気引き締めの道具を用意するわけですけれども、それは先ほど大臣が言われた、何とか不況から脱出をしたいのだ。そのためには、外貨準備高の見合いとして、だぶついている円資金を活用してでもということと整合しないように見えますが、この点で大臣としてどうお考えになっているのか、まずその御所見を伺いたいと思います。
#119
○国務大臣(水田三喜男君) これはもう説明されていると思いますが、金利操作だけでは金融調整ができないという時代になってきましたので、この準備預金制度をやはりここで準備する必要が出てきている。今後の調整はもっぱらこれによる以外にはないだろうということから、備えのためにここでこの制度を持つことと同時に、差し迫っては、さっき申しましたような問題がきているということでございますので、まずその必要から先にこの制度は活用されることになるだろうと思います。
#120
○栗林卓司君 将来を見通した準備としてこういう制度をつくりたいということはわかるんですけれども、私たちが、国民を含めて、政府が一体どっちの方向に向いているんだろうと考える場合には、そのときどきの政府のやっぱり態度で判断していかざるを得ない。現在はとにかく不況を脱出しなきゃいかぬというときに、むしろ引き締め用の道具をとにかくつくるんだというと、それだけでは説明がつかない、理解ができない。当然見合うものとしてほかの政策がなきゃいかぬ。それは何かといいますと、先ほど来委員の発言にも出ておりましたし、基本的にもその方向でということを大臣もお認めになりました金利引き下げの問題であり、あるいは大幅減税の問題であり、どうやって内需を豊かなものにしていくかという政策が片方にあって初めて、そうはいっても歯どめがなきゃいかぬ、したがって、準備預金制度のほうもこの際充実しておかないと安定した経済運営が期待できない、そういう御説明なら実はわかるんです。
 で、私がお伺いしたいのは、じゃ、大幅減税なり金利引き下げとなると、なかなかはっきりしたお答えが出てこない。で、お伺いしますと、いろいろむずかしい問題がある。それはそのとおりだと思います。これまでを振り返ってみるといろいろむずかしい問題があると、慎重審議しながら一日一日状況が悪くなっていく。そういう中で何かを思い切ってもうやらなければいけない時期に来たと思いますし、だから先ほど来委員の方々からしばしば質問が出ていたんだと思います。
 そこで、今後どうやってそのむずかしい問題を切り開いていくのかという問題について、大臣の、これもまた御見解を伺いたいのですけれども、内外の均衡を同時に達成するということは、ことばで言うことは簡単であっても、なかなかむずかしい問題です。そこで、大臣としては内的な均衡を重視されていこうとされているのか、あるいは外的な均衡のほうに重点を置かれるのか、どちらをお考えになっておられますか。
#121
○国務大臣(水田三喜男君) これは、内的均衡策と外的均衡策というものは、事実上において切り離せないものになっておりますので、そういう意味から申しますと、やはり金融調整の手段としてはこういう制度が準備されなければならぬというふうに考えております。
#122
○栗林卓司君 いや、この制度の事のよしあしをいまここでお伺いするつもりはありません。ただ、ほかの財政政策あるいは金利政策、税制を含めてどちらの方向で主としてかじをとっていかれるのかという質問なんです。で、内的均衡と外的均衡は切り離すことはできないと言われましても、たとえば金利という問題を考えますと、外的均衡の面からは当然低金利政策を急がなければいけない。この点は御異論はないと思います。じゃ急げるかというと、国内ではいろんな問題がある。したがって急げない。まあこの影響だけを見ますと、むしろ内的均衡のほうに重点を置いておいでになるように私なりにはうかがえるのですけれども、その意味ではどちらなんですかというのです。
#123
○国務大臣(水田三喜男君) どちらが重要かというのは非常にむずかしい問題で、しいて言うなら、内外均衡の同時達成ということでございまして、これは関連がございますので、一方だけ切り離してやるというわけにはいかないので、これは二つからんでいる問題ですから、これはやはり同時に解決する政策をとる以外にはないと思います。
#124
○栗林卓司君 いや、御答弁として同時ということは言いやすいということはわかるんです。
 そこで、前回の円の大幅切り上げを顧みてみますと、当時日本は不況であった、不況であったことが結局輸入の減少あるいは横ばいを招き、輸出ドライブをかけていく。したがって、経済の実力にもあらずして外貨準備高がふえてしまった、まあこういう御主張をされてきたと思います。
 じゃ、なぜ不況になったかといいますと、物価対策ということもあって、景気の過熱を何とかして押えなければいけない。どちらかといえば、国内の均衡を重視した政策がとられたために、片方では、これは米国の経済運営の面での責任もありましたが、結果として対外均衡を失してしまって一六・八八%の円の切り上げとなった。その状況といまとどう似ているかというと、先ほど大臣も御指摘のように、不況であるという点では全く同じです。じゃ、アメリカの経済運営の態度が変わったかといいますと、前の本会議だったと思いますが、大臣に一六・八八%の大幅な円の切り上げを押しつけられた見返りとして、アメリから何を取ってきたのかと私は質問しました。そのときに、大臣は、今後、アメリカは基軸通貨国としての責任に立って、国際収支を重視した経済運営の節度を保つという約束をした、これは大きな成果だし、たいへんなことだったと言われました。事実はそうはなっていない。とすると、このまま行きますと、円の再切り上げというものは、可能性は強まる。強まることはあっても弱まることはない。じゃ、再切り上げはいけないのかというと、いけないというようなかた苦しい議論をしていくつもりはありません。国内の均衡というものを重視されるなら、結果として通貨調整ということで結着をつけてしまうのが一つの方向だと思う。だから、両方一緒にといっても、かってできなかったものはいまもなかなかできない。いまどういう政策をお持ちかというと、一兆九千五百億、あるいは昨年の補正予算のいわゆる景気刺激の効果とおっしゃるけれども、若干、その点はいかなる経済効果があるかというと、これはやってみなければわからない。じゃ、即効性があるものは何かというと、それは実は減税であるということで、千六百五十億円の減税の年内実施を行なわれました。即効性という点で考えれば、もっと大幅な減税が四十六年で必要だったのかもしれませんし、あわせて金利の低水準化という問題も出てくる。そういうものをとにかく全部横に置いておいて、今日のまま前にいこうとすると、国内ではいろんな問題が残っている、見かけは均衡は保つかもしれませんけれども、対外均衡は失してくる、こういう見方というものは間違っておりましょうか。
 ですから、いまの政府のやり方を見てみますと、結局通貨の再調整で決着をつけるしかない道を歩いているとしか見えない。真偽のほどはわかりませんけれども、公定歩合制度について日銀総裁が、これは国内の均衡を主として考えてきめていくべき問題だという御発言をされたという新聞記事を散見いたしました。それやこれやあわせて、やはり同時達成じゃなくて、結局どっちなのかということを伺いたいという気がいたします。
#125
○国務大臣(水田三喜男君) 国内均衡をしなければいけないということは、これは正論でございまして、これは先でございますが、その政策はいままでと違って、円の再調整をし、そうして為替管理をゆるめるという方向へもう踏み出してしまってからは、こういう国内均衡政策は同時にもう対外均衡政策とからみ合ってきておりますので、これはもう切り離せない問題になっているということを言っていることでございます。この不況回復というためには、やはり国内均衡策というものを強くやっていかなければ当然これはいけないことだろうと思います。
#126
○栗林卓司君 時間がありませんから、これ以上はお伺いいたしません。
 最後に一つだけ、これも基本的な問題で御所見を伺いたいのですけれども、今回の準備預金制度の改正にからんで、金融政策の一元化のことが、これは審議会も含めて御議論されたということを伺っております。そういうことも制度改正に含んで対象を拡大する配慮に入っていたと思います。
 そこで、金融政策の一元化といっても、実際には政策が多様化している、そういうことだと思います。で、金融政策を一元化するということは、どこに一元化されていくのかというと、現状では中央銀行、すなわち日本銀行に一元化される仕組みになっております。日本銀行の運営はどうかというと、政策委員会があって、政府はそこでは議決権を持っておりません。片方では政府主導型、財政主導型の財政運営をしていかなければならないという要請は高まりつつあります。そこで、金融政策の一元化というと、聞こえはたいへんいいんですけれども、結果として日銀中心になり、日銀の政策委員会においては政府は議決権はない。これは通貨価値の安定ということを主たる任務にして日銀がある場合、そのときどきの政治の思惑で動いちゃたまるものかということはわかるのであります。それはポリシーミックスと言わないまでも、政策を多様化していくのだということになってみると、そういう仕組みをやはり再検討する必要はないんだろうか。たとえば公定歩合の問題にしても、先ほど、これは日銀総裁の問題ですからこれはお答えしないでおきましょうということは、現在の制度を前提にする限りは理解ができる御答弁ですけれども、じゃそれでいいんだろうか、その意味で金融政策の一元化の要請はそれなりに理解するにしても、あわせて財政金融政策の仕組みについて見直す必要があると思いますけれども、御所見をお伺いいたします。
#127
○政府委員(近藤道生君) ただいまの御質問の焦点は、中央銀行の中立性というものをどう考えるかということになろうかと思います。中央銀行の中立性につきましては、実は金融制度調査会において過去何度か議論が行なわれました。結局結論を得ずに両論併記という形、一方は完全な中立性を主張し、他方は相対的中立性と申しますか、ただいま先生御指摘の財政金融全体の中における相対的中立性という主張が出まして、その両論併記のままで終わっているわけでございます。今後とも最も検討を要する点であろうかと存じます。
#128
○渡辺武君 従来の日本の金融情勢について、この準備預金制度改正案などの提案理由説明の中にも述べられておりますが、政府は過少流動性の時代だというふうに従来の金融情勢、これを述べております。しかし、これは高度成長を至上命令とした大企業の立場からの評価であって、国民の立場からいえば、いままで消費者物価の急速な上昇が示しているように、通貨の増発、インフレの高進の時代であったというふうに言えると思います。ところが昨年来顕著にあらわれておりますのは、これに新しいインフレ要因がつけ加わっているということではないかと思います。昨年一年間に外為会計の払い超が四兆四千億円になった。また日本銀行の通貨増発要因の一番大きいものが、海外資産勘定の急増で、昨年一年間だけで三兆六千億円近い増加があらわれている。そうしてこれらを背景として、若干の数字を申し上げてみますと、昨年一年間実質GNPは四十五年に比べて六・一%しかふえないのに、日本銀行券の発行高は前年に比べて一五・九%ふえている。それから預金通貨の増加率は前年に比べて三三・七%というものすごい増加の状況です。そうしてこういう状況がインフレーションを新たに高進さしているという事態があらわれております。
 それからまたこの四十七年度の予算案の中では、これはもう大臣一番御存じのとおり赤字公債が一兆九千五百億円も発行されておる。赤字公債というと不満でしょうけれども、財政収入の不足を補うために出されているものだという点についてはこれは赤字公債であることは明らかです。これはやがて日本銀行に持ち込まれて、そうして新たなインフレーションの要因になるんじゃないかと思うんです。そういう状態ですから、国民生活にとって最も重要な物価問題をどう解決するかという見地に立って、今後インフレ抑制のための通貨金融政策を考えなきゃならぬと思うんですね。その点まずどのような政策を考えていらっしゃるか伺いたいと思います。
#129
○国務大臣(水田三喜男君) ちょっと質問の焦点がはっきりいたしませんでしたが、公債というものは全部赤字だという意見でしたら、今度の公債も赤字公債と言えると思いますが、私はそうは思いません。赤字公債ということになりますというと、やっぱりおっしゃられるようなインフレというものにはっきりつながってくるということをおそれて、赤字公債にならぬ範囲内のいろいろの考慮を払っているということが、今度の予算編成の一つの特徴だろうと私は思っております。
 で、御承知のようなこの需給のギャップというものが相当大きいときでございますので、これだけの国債を発行し、そのほか公債的ないろいろの民間資金の活用方策を講じても、私はいまの需給ギャップから見ましてこれがインフレにつながるというような心配はない。まだむしろこれで解決できるのかという声のほうが非常に強いという状態でございますので、私はその点は御心配がちょっと逆じゃないかとすら思っております。
#130
○渡辺武君 どうも質問の趣旨がよく御理解いただけなかったと思うんですがね。こういうことなんです。大臣も、総理大臣も、施政方針演説その他の中で発想の転換ということを盛んに強調されました。ところで従来の消費者物価の上昇、インフレの高進の最大の根源は、大企業が高度成長のためにオーバーボローイングを行なった、そうしてそれをまかなうために銀行がオーバーローン、すなわち過度の信用創造を行なってきた、そうしてまたさらに政府、日本銀行が、成長通貨の供給ということで、この銀行のオーバーローン、大企業のオーバーボローイング、これを日銀貸し出しその他で保証してきたというところに従来のインフレーション一番の大きな原因があるんじゃないかと思いますね。それに先ほど申しましたように、西ドイツに典型的にあらわれたような外貨インフレがすでにわれわれの目の前で進行しつつあるし、それから大臣はいま否定されましたけれども、やはり赤字公債の発行はやがてインフレーションの原因になることは、これはもう衆目の見るところです。過去の経験も示しております。
 で、そういう時代に立ちながら、先ほど大臣の御答弁を伺っておりますと、景気の回復あるいはまた内需の増大というようなことを至上命令として、依然として同じ政策を続けようとしている、これじゃ発想の転換などということはとうていもうこれは考えられないと思います。発想の転換を行なおうとするならば、いま申したような、大企業に必要な資金を何よりもまず第一にまかなうという政策ではなくて、インフレを抑制し、物価を抑制するという、そこに最大の眼目を置いた通貨金融政策をとるべきだというふうに思いますけれども、その点どういうふうに考えておられるのか伺いたいのです。
#131
○政府委員(近藤道生君) 通貨金融面からのインフレ抑制の施策につきましては、あらゆる方面から努力すべきであろうかと存じます。ただ、ただいま御指摘の基本的な問題でございます通貨量と、物価との関係、あるいは通貨量とGNPとの関係、これは昨日もお答え申し上げましたように、その間のプロセスにつきましては非常に複雑な中間項が存在いたしますので、これらについての研究は今後とも進められていくと考えております。
#132
○渡辺武君 そういう点の論争をやっているきょうは時間がないのです。しかしこれは大臣、発想の転換と言われた以上今後のこの通貨金融政策ですね、一体どういう点にめどを置いてやっていくのか、その点は御答えいただかないと困ります。特にいままでは通貨金融政策をやっていく上で、消費者物価の上昇なんというのは全然度外視されてきているのです。そうして大企業に成長通貨をまかなえばいいというのですけれどもね、そうして景気の変動に応じて若干の調整をやるという程度のことです。しかし物価安定政策会議の論議の中でもありますように、今後の通貨金融政策は、消費者物価、これをめどにしてやるべきだという提言まで出ているわけですから、今後消費者物価の上昇を押えるというところに政策の重点を置いてやるべきだというふうに思います。その点どう思われますか。
#133
○国務大臣(水田三喜男君) それは賛成でございます。
#134
○渡辺武君 賛成という御答弁がありましたので、きょうは時間がないのでその点に立って具体的に一、二の点を伺いたいと思うんです。
 それでは、外貨が急増して、そしてそのために先ほど大臣いみじくも言われましたけれども、外貨の流入の急増するに伴って円のたれ流しが行なわれているというふうに言われましたが、こういういわゆる外貨インフレですね、これを具体的にどういうふうに抑制されますか。その点をまず一つ伺いたいと思います。
#135
○国務大臣(水田三喜男君) たれ流しが行なわれているというのではなくて、いま諸方面から要望されておる外貨の活用策というものは、そのまま実施するなら外貨のたれ流しになると、それはいま言ったインフレにつながる問題がございますので、円のそれだけの収縮なしに外貨を無条件に使用するということはむずかしい問題になりますので、そういう点で検討を要する問題がたくさんあって、いま検討しているということをいま申したわけでございまして、この外貨の活用――いいことでございますが、活用のしかたいかんによってはいま言ったたれ流しになるという危険性が十分あるということを申したわけでございます。
#136
○渡辺武君 そういう点を伺っているんじゃないんですよ。とにかく外貨の流入が急増して、外為会計の払い超だけでも一年間四兆四千億円にもなっている。日本銀行の海外資産の保有高も一年間で三兆六千億円にもふえておるという状況で、この日本銀行券や預金通貨が増発されているわけですから……。
#137
○委員長(前田佳都男君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#138
○委員長(前田佳都男君) 速記起こして。
#139
○渡辺武君 ですから、その外貨急増に伴うインフレですね、これをどういう抑制措置をとられるのか、これが第一点。
 第二点として、今後日本銀行の公開市場操作ですね、オペレーション政策、これが金融政策の重点になるだろうというふうに思われますけれども、このオペレーションをやるにあたって、消費者物価の安定ということをめどにしておやりになるとさっきおっしゃったが、どの点でそういう点を生かされるのか。これが第二点。
 第三点として伺いたいのは、銀行のオーバーローンや、大企業のオーバーボローイングですね、これを抑制しなければいかぬと思うのです。その点についてどういう政策をお持ちなのか。
#140
○政府委員(近藤道生君) 銀行のオーバーローン、オーバーボローイングを抑制することによりまして、全体としての金融の姿を是正をしてまいるということにつきましては、全くそのとおり考えております。そのために昭和三十七年に新金融調節方式がとられ、また昨年の四兆四千億の外為散超を契機といたしまして、こういう状態を前提としたいわゆる発想の転換に基づく金融政策が行なわれてまいる、そうしてその際消費者物価等につきましても、十分の配慮をはかりながら政策運営が行なわれていくということが望ましいと存じております。
#141
○渡辺武君 答弁足りない。外貨インフレの場合と、オペレーションはどうですか。
#142
○政府委員(近藤道生君) ただいまの答弁に補足をさせていただきます。
 外貨インフレについての対策ということにつきましてでございますが、これはやはり外貨インフレに限らず、いわゆるインフレ傾向に対処いたします手段といたしましては、これはもう釈迦に説法でありますが、伝統的な金融三手段、そのほかにポジション規制というようなことも考えられるわけでございますが、現在はポジション規制というものは次第に後退いたしまして、伝統的な三手段、なかんずくそのうちただいま御審議を願っております準備預金制度の発動を見ました暁には、それらを中心にした政策によりまして、それをもって対策とするということが一番よろしいのではないかと考えております。
#143
○渡辺武君 オペレーション……。
#144
○政府委員(近藤道生君) 伝統的三手段と申しますのは、オペレーション、準備預金制度、公定歩合操作、その三者でございますが、そのうち準備預金制度に次ぎましてオペレーション政策というものの重要性も高まってまいる。そうしてそれらと、さらに財政等を通じましてのポリシーミックスによりまして対策といたしてまいりたいと考えておるのでございます。
#145
○渡辺武君 やむを得ないです。いいです。
#146
○委員長(前田佳都男君) 両案件に対する本日の質疑はこの程度でとどめます。
 次回の委員会は三月十四日午前十時から開会いたすこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト