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1971/03/24 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第11号
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1971/03/24 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第11号

#1
第068回国会 大蔵委員会 第11号
昭和四十七年三月二十四日(金曜日)
   午前十時三十三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         前田佳都男君
    理 事
                嶋崎  均君
                戸田 菊雄君
                多田 省吾君
    委 員
                青木 一男君
                大竹平八郎君
                河本嘉久蔵君
                栗原 祐幸君
                棚辺 四郎君
                津島 文治君
                桧垣徳太郎君
                竹田 四郎君
                成瀬 幡治君
                松永 忠二君
                横川 正市君
                吉田忠三郎君
                鈴木 一弘君
                渡辺  武君
   国務大臣
       国 務 大 臣  木村 俊夫君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務局長     吉田 文剛君
       経済企画庁調整
       局長       新田 庚一君
       経済企画庁国民
       生活局長     宮崎  仁君
       大蔵政務次官   船田  譲君
       大蔵大臣官房日
       本専売公社監理
       官        福間  威君
       大蔵大臣官房審
       議官       中橋敬次郎君
       大蔵省関税局長  赤羽  桂君
   説明員
       外務大臣官房領
       事移住部領事課
       長        太田 正利君
       大蔵大臣官房審
       議官       森谷  要君
       国税庁間税部長  守屋九二夫君
       農林省農林経済
       局国際部長    吉岡  裕君
       農林省畜産局参
       事官       斎藤 吉郎君
       農林省蚕糸園芸
       局参事官     内藤  隆君
       食糧庁総務部長  森  整治君
       通商産業省公害
       保安局公害防止
       企画課長     島田 春樹君
       通商産業省鉱山
       石炭局鉱業課長  佐藤淳一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○航空機燃料税法案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 前回に引き続き、関税定率法等の一部を改正する法律案及び航空機燃料税法案の両案を便宜一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○横川正市君 昭和三十六年の関税改正が行なわれましてから、この関税改正の関税体系は、非常に基本的な考え方が改正の要点としてあがっておったわけですけれども、今日に至るまで関税体系の骨子として、わが国の貿易政策を方向づけてきたことと、それから今日のわが国を取り巻く内外の経済環境はさらに一段と変わりつつありますけれども、そういうような変わり方に対して一体体系としてはこのままでいいとお考えになっているかどうか、その点お聞きします。
#4
○政府委員(赤羽桂君) ただいま御指摘のございましたように、現在の関税法の体系は、昭和三十六年の大改正に基礎を置いているわけでございます。この昭和三十六年の大改正と申しますのは、一口に申しますと、あらゆる産業の分野にわたりまして、輸入品の流入に対してこれを保護すると、こういうような基本的な理念に立っているわけでございます。この基本的な理念は、その後十年間のいろいろと内外情勢の激変があるわけでございますが、それを根本的に変えるというところまでには至っておりません。昭和三十六年度以降、累次の改正によりまして、特にその問KR、関税一括引き下げというような大改正をも含んでおるわけでございますけれども、基本的には変わっていないと、かように申し上げられるかと存じます。しかしながら、かような考え方に対しまして、昭和三十九年ごろから漸次違った面からの施策の要請、関税にいろいろな機能を期待されつつあるわけでございます。まっ先に出てまいりましたのは物価対策でございまして、これが昭和三十九年度初めて意識的に関税体系に取り入れられた、かようないきさつがあるわけでございます。その後ここ両三年、公害対策の面から関税機能を特に活用いたすというような、それからさらに昨年の特恵に見られますとおり、南北問題というような大きな世界の政治経済の問題からも関税機能を活用するというのが、世界の関税機能にそういった面からもこれを活用するといった傾向がだんだん出てまいっておるわけでございます。で、今後かようないろいろな違った面からいたしますところの施策の要請が、ますます量的、質的に出てまいるかと存じます。
 そういったことのほかに、さらに十年前と比較いたしまして、ただいま日本の国内の産業構造でございますとか、経済情勢あるいは貿易構造といったようなものは、非常な変化を見せておるわけでございまして、そういった内外情勢の変化に即応いたしまして、関税体系の見直しをはかる、かようなわれわれは認識に立っておるわけでございます。それで、中期もしくは長期の関税政策、関税体系をどういうぐあいに持っていくかということにつきまして、昨年度からすでにその検討を始めておるわけでございまして、率直に申し上げまして、そういった産業保護一辺倒の関税体系を、今後そういった経済あるいはまた政治といった面からどういうぐあいにこれを修正し、どの程度この理念としてこれを変えていくかというところに中・長期の関税体系の問題点があるかと存じます。
#5
○横川正市君 この体系の現状のとらえ方と、それから少なくともこれからの日本の産業の体質的な変化とあわせて、非常にいま、いわばポイントにきているように思うのですね。そのポイントにきているのだが、実は私どもちょっと懸念されるのは、重工業ないしは精密工業とか、そういうような産業の体質の改善をやるとはいいながら、実は低開発地域等と同じような家内工業とか手工業とかというような、そういうような産業の体系というものの両面というものを著しく、しかも急速に転換することはできないような状態にあると思うのですけれども、そういう、いわば産業の体質上のとらえ方としては、これはあるべき姿に対しての税制、関税のあり方であり、大宗から変えるのは、また別の面から体質を変えるという政策が必要なんですけれども、それらの連係は当局はどう行なっているのですか。
#6
○政府委員(赤羽桂君) 御指摘のとおり、国内の産業構造というような点だけをつかまえましても、最近の日本の経済の伸長、成長に従いまして、いわゆる労働集約的な産業の後退が、国内の産業あるいはまた貿易構造からもはっきりとうかがわれるわけでございます。これは一方、いわゆる開発途上国からの追い上げというような面も一面あるわけでございますが、そういった種々の面から、いままでの日本の産業構造の特質とされていたものが漸次変化を遂げてきたといったようなことがあるわけでございます。
 それからまた、公害問題に端を発しまして、いわゆる公害を出す企業と、特に日本のような国土が狭い、人口稠密というようなところにおける公害企業のあり方というようなところから、いろいろ議論が出て産業構造の問題にまで及んで、いろいろいま産業構造審議会あるいはエネルギー部会等におきまして真剣にそういった問題が議論されているわけでございます。ところで、こういつた産業構造の将来のあり方、変容等に即しまして、関税をそれに即応させていくということは、これはもちろんでございますが、ただいまのお尋ねは、むしろ関税面から、そういった面を積極的に一歩進んで先にやるべきではないかというようなぐあいに実は拝聴いたしたわけでございますが、さような面ももちろん十分に考慮に入れまして、今後関税体系をどういうぐあいに持っていくかという点につきまして、関税率審議会を中心にして検討を続けてまいりたいと存じております。
#7
○横川正市君 三十六年の大改正の際に、緊急関税制度が新たにつくられた。その後この制度はほとんど一回もといっていいぐらい発動されておらない。そういう理由はどこにありますか、原因は。
#8
○政府委員(赤羽桂君) 御指摘のとおり、いわゆる三十六年の大改正のときに緊急関税制度が設けられたわけでございます。これは昭和三十六年、ちょうどこれはいわゆる開放経済、いまで申します国際化ということで自由化をいたします。この自由化に対処いたします一つの方向といたしまして緊急関税制度というものが設けられております。その後十年間これが発動されておらないのは事実でございます。この原因につきましては、これは発動しなければならぬということではないわけでございまして、発動されないままいままできたということは、むしろこれはたいへん幸福なことではないかと存じておりますが、それでは緊急関税制度が議論されたことが一つもないかと、そういったような事態はないかということになりますと、必ずしもそうも言えないわけでございますが、そういった場合に対処いたしまして、日本のいわゆる関税定率法等の改正のあり方と申しますか、改正の方法は御案内のとおり実は毎年毎年これは暫定法でもってやっておるわけでございます。それで一年間の当該商品の需給状況でございますとか、国内の同種産業の企業の合理化でございますとか、そういったところを常時把握をいたしまして、毎年毎年調整をはかっていくというような方法をとっておりますために、緊急関税制度をもう常に、いつでも、すぐに、しょっちゅう発動をしておるという必要がなかったのではないかと、かように考えておるわけでございますが、一年一年とは申しながら、これは毎年国会に御審議をお願いしなければならぬわけでございますが、もしその間に不測の事態によりましてこの制度が必要である、こういうことに相なりますれば、いつでもこの制度を発動するという用意は常に持っておるわけでございます。
#9
○横川正市君 いわゆる自由貿易のたてまえからとりまして、それで日本の現状の輸出入の関係を見ておりますと、それは輸入の自由化という進推がややおくれぎみである、そのおくれぎみであることは国内の産業体制、生産体制、あるいは低生産部門、そういったものの体質改善がおくれているということにもなるのではないかと思いますけれども、この自由化そのものが有効な効果をあらわしていない、しかもそれが非常におくれている、内の産業体制が足をひっぱっているために、効果をあげ得ないというところに、実は緊急関税制度の新設された趣旨が生かされない、発動されないで今日を迎えたということにならないですか。ただこれを発動しなかったことは、ある意味ではよかったというふうに見るのか、もっと非常に切実な問題があって、その解決に手おくれをしたために発動されなかったというふうに見るのか、そのどちら側に立ちますか。
#10
○政府委員(赤羽桂君) 私は、率直に申し上げまして、やはり緊急関税制度が発動する必要がなかったということは、自由化なら自由化に伴いまして、ただいま申し上げましたように、一年一年の見直しを行なうとか、その他まあ国内産業に対してまして非常なショック、一時的なショックを与えないように、種々、関税面からのみならず、ほかの面からも対応措置をとってきておるわけでございまして、その意味におきまして、緊急関税制度にまで至らずに自由化がスムーズに行なわれておるという点につきましては、まあこれは発動されなくてよかった、かようにわれわれのほうは考えているわけでございますが、しかしこれは、何と申しますか、伝家の宝刀と申しますか、そういった意味でわれわれは決して考えておりませんので、激動いたします国際経済、貿易の動向に対処いたしまして、いつでもこれは発動する用意があるわけでございます。
 それからもう一点、いろいろの問題でおくれてしまって、緊急関税を発動するタイミングを失ってしまっているのではないか、かようなお尋ねでございますが、さような事実はないと考えております。
#11
○横川正市君 十一年前の昭和三十六年の税制改正の際に確認をされております税率設定の基本原則、これはいまもその基本原則でよいとお考えになっておりますか、それとも基本原則に再検討を必要とする、こういう時点だとお考えになっていますか。
#12
○政府委員(赤羽桂君) 先ほどもお答え申し上げましたとおり、三十六年度の税率の改正によりまして、思想的には、これは産業の保護であると申し上げましたわけでありますけれども、そのためのいわゆる税率設定の原則と申しますのは、いわゆる原料に非常に安い、半製品に従って高くなる、あるいはまた製品に従って一番高くなるというような構造でございますとか、あるいはまた消費物資、奢侈品といったものに高い、資本財に安いといったような原則が当時いろいろと定着されておるわけでございます。こういった面につきましても、ただいま先生御指摘のとおり、まさに再検討を必要とするという内外経済の情勢、現況ではないかと考えておる次第でございます。
#13
○横川正市君 たとえば加工段階に対応した税率体系とか、それから産業発展段階に対応した税率体系とか、消費面の必要性に対応した税率体系というふうに、大体当時の基本原則をきめられたものとあわせてみまして、その税率体系そのものが現状著しく改正を必要とするという、そういう状態になっているのではないかと思うのですけれども、具体的にはどうお考えですか。
#14
○政府委員(赤羽桂君) その三十六年から十年の間におきまして、三十六年当時のただいま申し上げました税率設定の原則が、完全に一〇〇%守られてきて、現段階によって初めてこれを変えるということではないわけでございまして、この十年間は漸次的な手直しが行なわれつつ来ておるわけでございます。特に最近に至りまして、そういった問題意識を強く持ちまして、当時税率の設定をされました原則を、ただ単に個々ばらばらの商品につきまして、これはこういうことで変えようと、それがまた結果的に、いま申し上げました原則の修正になったというようなことでございますので、考え方といたしまして、そういったものを理念の問題として今後変えていくという意識が固まったのは、まあここ一、二年ではないかというぐあいに考えておるわけでございます。
#15
○横川正市君 企画庁は来てないかな――まあこれは担当でない省に聞くのは少しどうかと思うのですけれども、あなたのほうから見ていての具体的な事例がもしあれば説明を加えていただきたいと思うのですが、一昨日の朝日新聞に、結局税率の変更を行なっても、そのことは国内の消費物価に何らの影響力を持っていない。すなわち国内の消費者生活はやはり依然として税率操作によるところの恩恵というものをこうむっていないという記事が大きく一面に出ておるわけなんですけれども、これが率直に市民生活をやっていての感じだと思うんです。ですから行政面で、もしも税率そのものが、たとえばこの輸入の自由化ということが需要と供給とのバランスを常に維持しながら適切に行なわれておれば、恩恵をこうむったと感ずるんじゃないかと思います。ところが、その点が、いまあなたの言われるように、まああまり発動する必要もなかったし、適切な段階を維持してきておったのでよかったというふうに言われていることとあわせて見て、はたしてこの輸入自由化というようなものが、需要と供給のバランスを正常に維持しておったのかどうかという点で、市民生活をしている人たちは、やはり疑問を持つわけなんですが、税当局としてはこの点どうお考えですか。
#16
○政府委員(赤羽桂君) この関税引き下げが少しも消費者物価に反映をいたさない、またその原因はどこにあるかというお尋ねかと存じます。この関税引き下げによりまして、その当該商品の価格が下がったと、こういう点から申し上げますと、これは幾らでも例があるわけでございますが、逆に申しますと、これをやりましても少しも下がらない、あるいはまたかえって上がっておるというような例もまた同様にあるという意味におきまして、まあ全般的にあれをやってもむだじゃないかと新聞などにいろいろ書かれるわけでございます。
 たとえば、四十六年の引き下げによりまして、どういったものをやって、どういったものがどのくらい下がったというような点につきましては、資料もお出ししておるわけでございますけれども、結局関税を下げても、全般の物価が必ずしもはかばかしくそのとおり下がらないという点につきましては、これは価格はきわめていろいろな複雑な要素からでき上がっているわけでございまして、そういった要素が関税とは必ずしも直結をしていないというような面から、いろいろとむずかしい問題も出てくるんではないかと思われるわけでございます。
  〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕
 ことしになりまして、一月の終わりでございましたか、二月でございましたか、通産省のほうでいわゆる――これは関税引き下げというようなことではございませんので、平価調整ということが輸入品の価格にどういうぐあいに影響を及ぼしたかというような調査の結果を発表いたしておるようでございますが、まあその中にも、結局円切り上げということよりも、当該商品の需給関係でございますとか、あるいは輸入業者の販売競争、あるいは、また国内の輸入品を扱っておりますところの代理店、これが総代理店になっておる、一種の独占でございますが、そういったものでございますとか、あるいは輸入品の中でも、いわゆる高級品であるというイメージをくずさないということで、なかなか値下げが行なわれないといったようないろいろな原因がからみ合っているようでございます。しかしながら、まあいま申し上げましたような事情は、平価調整に関連する統計調査の中に述べられていることでございますが、これは関税引き下げについてもそのまま当てはまると存じておるわけでございまして、そのような事情から、なかなか引き下げが末端の消費者の方々に直結をしないというようなことは、現実の問題としてあるようでございます。ただ、下がらない、下がらないという面が非常に強調され過ぎておるような感じが率直に申し上げますとするわけでございまして、関税を下げるぞと言っただけで、下げるという発表をするような種類の商品もございますので、そこら辺のところは十分お含みおきいただきまして、この下がらないほうの面につきましては、これはことしの三月三日にも物価関係閣僚協議会の決定もございますとおり、その原因を徹底的に究明するということで、企画庁を中心にしてやっておるわけでございます。そういった結果を見ながら、関税行政の面からどういう方向に持っていったらいいかということも、あわせて考えて検討してまいりたいと存じております。
#17
○横川正市君 いろいろその面からは多様な問題があるわけなんですが、どうなんですかね、やはり行政面を担当しておって、下がらないというものの原因の、何といいますか追及調査といいますかね、これは企画庁にまかせておくわけですか。あなたのほうもやはり追及調査をやって、その原因を究明しながら他省との連携をとって、その出てきた原因に対処していく、そういう適切な措置をとるわけですかどうなんですか。もう税率を設定したら、その次の改正までそのままにしておくということになるわけですか。
#18
○政府委員(赤羽桂君) さような面におきましては、関税率審議会のほかの政策、ほかの審議会の関係をどうやっているかというお尋ねが最初にあったわけでございますけれども、これは物価のそういった調査は、一応これは企画庁が統合してやるということで、すでにもうこれはやっておるわけでございますが、そういった結果をそれぞれの行政、それぞれの審議会に反映をいたしまして、私らのほうの関税率審議会と十分なる連携をとりまして、毎年毎年の関税定率法の改正に反映をさせていくと、かような態度であろうかと存じます。
#19
○横川正市君 日本のNTB――非関税障壁については、どういうお考えですか。
#20
○政府委員(赤羽桂君) このいわゆるNTBと申しますのは、非関税障壁と訳しておるわけでございますけれども、これはどういうものが非関税障壁かということにつきましては、実はこれは世界的な基準、定義づけというものはないわけでございます。そこで、ガットの規約上も、NTBの最も典型的な、最も代表的のものであるところのいわゆる輸入制限、これがけしからぬということははっきり言っております。あるいはまたダンピング、反ダンピングの問題、こういったものも、これこれこういう条件のもとに反ダンピングというものも許されるとか、ダンピングはいけないとか、かような規定が個々ばらばらにあるわけであります。したがいまして、NTB全般につきまして定義がこうで、各国のこれこれこういったものはNTBだぞということで、今後これをなくしていくのだという意味におきましては、実は観念が必ずしもはっきりしていない点があるわけです。しかしながら、明らかにこれはNTBだというのは、これはまああるわけでございまして、そういった面から申し上げますと、日本のNTBはどういうぐあいに対処していくか、かような御指摘でございますけれども、その最も典型的な面の輸入自由化につきましては、昭和四十六年度四十品目残っておりまして、今回の定率法改正等に伴いまして、これは三十三品目となって、これはまあ先進国、ほかの国と比較をいたしまして何ら遜色がないということになっておるわけでございます。
 実はそのほか日本のNTBであるということで、各国からまあいろいろ言われておりますこのNTBは、先ほど申し上げましたとおり明確な定義はないわけでございますが、それぞれ各国同士におきまして、あれがNTBだと思うのはガットに通報をしろということに二、三年前になっておりまして、その中で日本のNTBとして言われておるところのものがどんなものがあって、それに対していま現状はどうであるかという点につきまして申し上げますと、その諸外国からガットに通報をいたされておりますのは、まずこの海外市場開拓準備金制度、このいわゆる海外の新市場開拓のために、各企業は前年度の輸出額について、まあ資本金別に何%以内を準備金として積み立てると、これは損金に算入するんだという税法上の措置でございますが、これがまず一つであります。
 それから輸出割り増し償却、これは今回のこの租税関係の法律のほうで廃止をいたす予定になっております。
 それから政府調達、この政府調達というのは、これは日本のみならず、アメリカなんかもきわめて先鋭な形で行なっておりますし、それからまたヨーロッパあたりの先進国でもこれは例があるわけでございまして、これは相互に、こういうものはいかぬというようなことに相なっておるわけでございますが、日本の場合の政府調達というのは、まあ国産品の使用を奨励するという意味におきまして、予決令の臨時特例の制度があるわけでございます。これがまあNTBであるということでございます。
 それから外国企業の支店活動の制限と、これは外為法上の問題でございますけれども、送金をする際に制限があるではないかというようなこと。現在は御案内のとおりかなりこれは緩和をしておりますし、実際は障害というほどではございませんで、大体申請どおり認められているようでございますから、実質的に障害にはなっていないとわれわれは考えておりますけれども、こういう制度が残っているということで、NTBになるという、これは国際の場に出ればそういう感覚で受け取られるわけでございます。
 それから国家貿易として塩、アルコールがある。こういうことがいけないということになっておりまして、この国家貿易それ自体はガットの規定でもその必要性は認められているわけでありますが、おそらくこの意味は、そういう国家貿易として塩とかアルコールというものまでやる必要はないんではないかというようなことでございます。
 それからまたいわゆるAA、AIQ、輸入承認制の問題でございますが、これも実は実質的な貿易制限というような話ではございません。通産省のほうの意見によりますと、貿易自由化のいわゆる商品の統計的な動向をつかむと、こういったところが言われているのであって、実質的な貿易制限ではないということを言っております。ただ現実の問題としてAIQ、今回の日米通商交渉の過程においても、これは非常に問題になっておりまして、撤廃方を強く迫られたわけでございますけれども、現実の問題として、これはことしの二月二日から全部なくなっております。
 それからこの輸入割り当ての場合にワクを公表しないということに相なっておるわけでございます。まあこれはワクを公表いたしますといろいろなスペキュレーションが起きる。あるいは関係業界からいろいろ文句を言われるというようなことで、これは発表しないのがNTBだという言われ方をしております。しかしながら、これにつきましては全然秘密だということでもございませんで、大体食糧でございますとか、機械でございますとか、そういったある程度の大きなカテゴリーは発表いたしておるというのが実情でございます。
 あとは輸入担保金でありますとか、あるいは乗用自動車の国内的物品税、この物品税は今回の特別法によりまして下げることに相なっておるわけでございますが、こういった問題から、さらに、何と申しますか、決済方法、貿易手続とか、いろいろな実はものがすべてこれNTBだということで扱われやすい環境にあるわけでございます。いわゆるNTBとは何だということに関連をいたしまして、こういうものはやっておりませんということで、現在の日本のNTBについて政府が承知をいたしておりますところをお答え申し上げたわけでございますが、今後第二次国際ラウンドというようなことが来年から行なわれるということになりますと、このNTBの問題がケネディラウンド時代と比較いたしまして、はるかに今回大きな重要性を持ってくるのじゃないかというぐあいに考えております。それで、われわれのほうの立場からいたしまして、これは明らかに誤解であるというようなことは、進んでPRと申しますか、説得しなければならぬということと同時に、ただいまいろいろ言われておりますような、NTB項目の中で、それは確かに貿易の障害になるという観点から、撤廃をすべきものは進んで前向きにこれは検討していくというような感じではないかと思っております。
#21
○横川正市君 農産物に対するNTBについてはどうお考えになりますか。日本の農産物といいますか、日本の農業保護の手当てが少し厚過ぎているのではないかという意味からくる日本の農産物に対するNTBの問題ですね。
#22
○政府委員(赤羽桂君) 日本の農産物に対するNTBの問題は、結局この輸入自由化の問題に集約をされておると、かように存じておるわけでございます。ただいまの残っておりますのは、今回法案がもし成立をしたあとの段階においては三十三あるわけでございますが、そのうち農林水産物が約二十四品目残っておるわけでございます。
 それで、農産物の自由化につきましては、これは非常に実は日本のみならず、世界ある程度共通の問題でございまして、特にECあたりと共通の農業政策をとっております。それが非常に議論の種になっておるということは御案内のとおりかと存じます。日本の農業でもいまやそういった同じ事情があることは事実でございます。しかしながら、この農産品の自由化につきましても、年々自由化に相つとめておるわけでございまして、あと残りましたものは、たとえば牛肉でございますとか、オレンジでございますとか、ジュースでございますとか、きわめてセンシチブなものが残っておるという状態になっておるわけであります。
#23
○横川正市君 農林省の方にお聞きをいたしますけれども、日本の農業の保護は非常に厚過ぎて消費者に悪影響を及ぼして、国内農産物市場の拡大を防いでいる、あるいは農業はそもそも保護しなければやっていけないが、農業には個別自由農業というものは現在なく、多少とも国家管理農業というようなそういう形態をとってきているので、これが適切かどうかということは別問題として、現在これをとらざるを得ない。あるいは農業といえども、国際貿易においてオープンであるべきだが、各国の特殊条件から考えれば保護はやむを得ない。これはあくまで国際競争力をつけるべきで、これまでの過渡的処置としては保護を行なうべきであったという農林省の一応の農産物に対する、NTBに対する考え方があるわけですが、これはそのまま現在も維持しているわけですか。
#24
○説明員(吉岡裕君) 農産物の貿易の問題につきましては、いまお話がございましたように、農林省としては国民食糧を安定的に供給をする義務がある。その場合にできるだけ効率的な国内農業の生産を振興して、できるだけの量を国内で供給するということが最も安定的な食糧供給の方法でございます。しかしその場合に、需要の動向をもちろん十分考えなければなりませんし、消費者価格の動向ということもございますので、そのような国内農業との調整をはかりながら、必要な輸入量は輸入をしていくと、こういう基本的な考え方に立っておるわけでございます。ただ最近、いわゆる米の過剰問題から、米作から他の需要の伸びるものに転換をしていくという政策を非常に強力に進めておるものですから、その過程におきましては、必要な将来の日本農業の基幹となるような農産物については、これは国際的な格差が非常にあるという状態のもとでは自由化は行なわない、こういう考え方できておるわけでございます。ただ、日本に入ってまいります農産物の関税水準などを見てみましても、非常に高いということではございませんで、たとえば、わが国の全体の関税率というものは、約六・八%くらいでございますが、これが農水産物全体をとりますと、確かに一二、三%になって高いのでございますが、一部のたとえば砂糖、バナナというような輸入量の非常に大きい、関税の高いものを除きますと、これは約四%程度ということになっておりまして、このような状態から見ましても、日本の農産物輸入に対する態度が非常に閉鎖的なものであるということは言えないのではないか。また国際的に見ましても、ヨーロッパ等と比べてみましても、日本農業の保護の水準というのが飛び抜けて高いということではない、こういうふうに考えております。
#25
○横川正市君 まあ結局市民生活の面から見た場合と、それから生産者の保護という面から見た場合とでは、表面では結局、理論的には非常にかみ合わない状態が出てきますね。そういうかみ合わない状態に対応して、具体的には農業の場合も産業の場合も変わってきているのだと思うのです。高い生産あるいは精密な生産を持った場合の産業と、それから国民が消費する度合いというものを、どの程度国内で生産をするかという、その政策上のとどめ方とは非常に似ているのじゃないかと思うのですね。農業の場合には国内で消費する生産量のうち何%は自給するのだという押え方が一つあるだろう。それから産業の場合、これはまあ通産省あるいは経企庁の方がいればお聞きをしたいのですが、産業の場合も、保護関税で幼稚産業の保護と、それから少なくとも先進国型の産業に対する成長ということとの間には非常に大きなギャップというものがあったのじゃないか、なおあると思うのですね。後者の場合には、いずれ遠からぬ将来に開発途上国に追い上げをされて、その追い上げをされた結果、どこまでも日本がこれを国内産業の中で守るのか、あるいは相手側に譲るのかという問題と関係して、関税政策というものは生まれてくると思う。こういうふうに思うわけですが、農林省としては、私どもはパーセンテージを押えることは非常にむずかしいとは思うけれども、自給の度合いというのは、国内でどの程度は絶対守らなければいけないのだという、そういう目標があるわけですか。それともその点はきわめて自由に考えておられるのですか、どうでしょう。
#26
○説明員(吉岡裕君) 自給率の問題でございますが、これは最終製品で、たとえば畜産物というふうなもので考えるか、あるいはもとのオリジナルカロリーと申しますか、えさの段階で考えるかということによりまして、いろいろ考え方、あるいは計数的には変わってくるわけでございますが、現在のところ最終的な消費、製品で考えた際に、日本の自給率は八〇%から七〇%の問くらいのところにおおむねあるわけでございます。農林省といたしましては、このような自給率、総合的な自給率というものを、国民食糧の安定的供給という観点から考えますれば、全体としては現状程度は維持したいというふうにも考えておるわけでございます。ただ物別に見ますと、いろんな問題がございまして、たとえばえさ穀物のようなものは、今日ほとんど国内生産はございませんで、ほとんど全部が輸入に依存をしておる。ただしかし、そのような国際的な原料を入れまして、かなり、養鶏でございますとか養豚でございますとか、効率的な畜産というものが日本に育っている、こういうことでございますので、この物別に日本の将来の伸ばすべき産業というものを考えまして、自給率の問題は考えていく必要があるだろう、こういうふうに思っております。
#27
○横川正市君 産業の場合、これもやはり同じようにいずれも始まっておるわけですけれども、低開発地域の産業に対するある程度の譲歩といいますか、あるいは育成といいますか、そういったことから、国内産業というのが一体どこまでそういう低開発国に対する生産維持をしていくか、こういうことが遠からず、もうすでに起こっているわけですが、そういう立場に立っての関税政策はどうかという問題と、いまの農林省の言っておられるように、大体国内生産の農産物について七〇、八〇%程度に押えながら、なおかつ輸入政策で一般の価格維持をはかっていく、そういうことと同時に、日本の農村経済の一つの安定度をはかっていくと、こういう場合に、二つの面から見てこの関税政策というのはどう変わっていくか、この点はどう考えておりますか。
#28
○政府委員(赤羽桂君) 前半の御質疑でございますが、低開発国等に対しまして、特恵あるいは経済協力・援助というようなことで、低開発国の工業発展の成長をはかっていく、それがひいて世界貿易の拡大につながると、こういう理念で特恵とか経済協力をやっておるわけでございますが、それと国内産業とのバランス、それは何と申しますか、そういった経済協力あるいは特恵によります国内産業への影響、こういう面からの御質疑でございますれば、関税面から特恵をやりましたときに、昨年の八月一日からやっておるわけでございますけれども、昨年の国会におきましてもいろいろと御質疑をいただいておるわけでございます。そういった点につきまして、特恵の実施に際しましては、特恵のスキームそれ自体の中に、品目別シーリングを設ける、あるいは農産物の場合には、一定の品目以外に特恵を供与しないと、こういうようなスキームでございますとか、あるいはまた関税面以外の面におきまして、中小企業に対しまして、特恵による影響から守るという法律も出しておるわけでございます。しかしながら、やはりこれは両方のバランスをよく調整をとりませんと、一つの目的を強調いたしますと、他方がだめになるということでございまして、そこら辺の調整をはかりながら、それを関税面の率、あるいはまたシーリングの設定のしかた、あるいはシーリングの管理の方法といったものに、きめこまかく反映をさせていくという態度であろうかと存じます。そういった態度に基づきまして、ただいまでき上がっておりますところの、特恵のスキームというものが動き出しておるわけでございますが、そういった面につきまして、今度は逆に、後進国のほうから、少しきつ過ぎるではないかというような声があることもまた事実なわけでございます。
#29
○横川正市君 農業の関係では、どうですか。農産物輸入問題、これは、私どもがいずれの立場に立つかということになれば、やはり国内産業に従事する人たちの経済的な安定という面を重視するわけですよ。ところが、日本のように、貿易がどんどん進むことによって利益をこうむり、それが縮小することによって非常に不利な国というのは、特殊な経済体系にあるわけですね、この生産段階――加工生産を中心としている国としては。ですから、ある程度の犠牲を払ってでも、やはり相手側に利益をこうむらせながら生きていくという方向をとらざるを得ないのは、これはやむを得ないと思うのです。しかし、やむを得ないけれども、事実上、たとえば、低生産性部門の状態を見ておりますと、労働時間の問題とか、それから社会福祉の問題とか、そういったものが整備をされてきますと、どうしてもコスト高になっていきますね。そのコスト高になってくるものを、できれば低開発地域に移して、生産を維持したいというふうに変わってくるのは、当然だと思うのです。そういうことを目の前にしながら、なお国内のそういう部門を生かしながら両立させる方法として、税体系その他のあり方というものを考える必要があるんじゃないか。これは一つの考え、私の問題点としての提起なんであります。
 それからもう一つは、農産物なんですけれども、いま過密、過疎で、農村へ行きますと、周囲の物価の上昇率あるいは生活費の高騰といいますか、それと生産とが全くアンバランスになってしまって、そうして急激に過疎化しているわけですよ。私は、そういうようなものは、日本のいわば持てる力のうちの一部なんだから、遊ばしておく必要はないんじゃないか、何か生かす必要があるんじゃないか。その中である程度経済生活ができれば、当然それはやるべきだと。そうしてその維持の度合い、生産の一つの比率を、国内生産と輸入の度合いというのをどの程度に押えるかということでいまちょっと農林省にお聞きしましたが、七〇から八〇、それだけをやりながら、なおかつ輸入にたよって、国内の物価の安定というものをはかりながら生活に貢献をしていくということになれば、この面もまた関税問題が非常に必要な一つの手段になるんじゃないか。いまのままでいっていいかというと、いまはどうも、先ほど私が言いましたように、ずいぶん手を尽くしているようだけれども、国内の物価というのは一向に下がらないで、上がる方向にある。そうではなしに、横ばいなら横ばいで、あるいは、日銀あたりがいっているように、二%程度というような押え方ができるとすれば、一体政策的にはどこに問題があって、それを解決すればこの程度になるのだというような論理というものがあっていいのじゃないかと思うわけですがね、その点でお聞きをいたしておるわけなんです。
#30
○政府委員(赤羽桂君) 農水産物の点につきまして御質疑でございます。
 これは、関税の立場からながめておりまして――まあもちろんこれは関税の立場からながめなくともみんな同じではあろうかと思いますが、工業品と農水産物というのは、どうもやはりこれは違うわけでございます 農水産物の問題は いずれこれは、日本のみならず、各国におきましても、これは世界共通しまして、もっともアメリカみたいな非常に進んでいるところは別といたしまして、近代化の最もおくれているところでございまして、しかも農水産物問題というのは、ほとんど大部分が、経済問題であるのみならず、政治・社会問題を含んでおるわけでございます。したがいまして、各国とも共通に、この処理、考え方につきましていろいろと議論、検討をいたしており、またそのはっきりとした処理に悩んでおるような状態であるわけでございます。ガットが成立をいたしました当時、まあその規約をつくるといった前後の時代におきましても、かような問題を含めまして、鉱工業品とは別に、農水産物についての特例と申しますか、考え方が違うという点があるわけでございまして、
  〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕
たとえば、農水産物の輸入制限という問題につきましては、特に一項を設けまして、一定の条件に従ってこういった場合はやむを得ぬぞといったようなことをいっておるわけでございます。
 ところで、現在問題となっておりますのは、そのガットの規定に書いてありますような、たとえばガットの規定には、過剰ストックを吐き出すためにやむを得ず国内に低価格でやらざるを得ないときには、輸入制限をやってもいいというような、ことを書いてあるわけでございますが、現在の問題としては、そういったガットの規定上に該当するというような問題ではもちろんないわけでございますけれども、最初にこういった規定が置かれたところの問題意識というのは、依然として同じ形で各国ともかかえておる、こういう問題であろうかと存じます。
 そこで、日本の農水産物の輸入制限あるいはまた関税率の設定の考え方でございますけれども、日本も、輸入自由化の過程などにおきまして、こういったものにつきましても、非常に前向きにいままで輸入の漸次自由化を行なってきておるわけでございますが、依然としてまだ残っておる。しかも、それが非常にセンシチブな商品であるといったような事態でございます。われわれといたしましては、農水産物につきましても、そういう非常に大きく広い、むずかしいバックグラウンドがあると、工業品とは違った問題があるということを十分に踏まえながら、農水産物問題、輸入自由化あるいは関税引き下げの点については対処をいたしておるつもりでございますが、その場合の基本的な考え方と申しますか、そういった点は、やはり非常に、もうほとんど自給率がわずかで輸入に仰がなければならぬと、二%あるいは三%しかないというようなものにつきましては、これはもう関税を下げる、あるいは無税にする、あるいは輸入制限をやめるという立場で行なってきておるわけでございます。今回の紅茶でございますとか、大豆なんというのは、まさにそういった観点から行なってきておるわけでございますけれども、問題は、じゃ二%、三%ならいいけれども、五%になればどうなるか、一〇%になればどうなるか、そこら辺の実際問題になりますと、なかなかはっきりとしたそこで線が引けないというのが実情でございますが、私ら関税の立場からいいますと、そういった面、つまり輸入物資の国内消費に占めますところのシェアの問題でございますとか、さらにこういった問題を議論してまいりますと、これは当然、何と申しますか、国際分業的な考え方をいろいろ議論しなければならぬということにもなるわけでございます。ガットの場でまた、国際分業的な考え方というものはまだはっきりとした形をとってあらわれておりませんけれども、おそらく次期国際ラウンドの場におきましては、非関税障壁がケネディラウンドよりも大きく取り上げられた。あるいはまた第一次のケネディラウンドにおける中心は、何と申しましても工業品でございまして、今回は農産物もまた同時に表面に出てまいるというような事態も見きわめまして、その次の問題は、あるいはそれに伴っての問題というのは当然、これは国際分業の問題に入ってくるのではないか、かように考えておる次第でございます。
#31
○横川正市君 最後に、対中国関税政策についてなんでありますけれども、ケネディラウンドという特恵関税の実施と、中国に対する関税政策との間に非常に大きな格差が存在している。これはいままでの政府の対中国政策と関連しているわけですから、今日では事情があるとは思いますけれども、日中貿易という観点から考えてみて、現在の中国政策というのは非常に障害になっているんじゃないか。もちろん、これは早期に再検討すべきではないか。部分的な点では一応改正はされましたけれども、そういう時期に到来していると思いますけれども、この点ではどう考えますか。
#32
○政府委員(赤羽桂君) 対中国貿易のお尋ねでございますが、言うまでもなく、対中国貿易は年々伸長いたしておりまして、対社会主義国圏との貿易の中でも、一番のウエートを占めている状態でございます。
 それで、関税率のほうから、これを関税の立場からながめてまいりますと、申すまでもなく、いわゆる中国大陸に対するところの関税格差の問題がここ数年来大きな問題であったわけでございます。それにつきましては、毎年毎年解消につとめてきたわけでございまして、今回の審議をお願いいたしております中国大陸産品に対します格差解消をもちまして、もうほとんど中国からの輸入品中約九三%程度まで全部解消を済ませる、こういうことに相なってきておるわけでございます。ところであとの七%程度、逆にいいますると残した率は何かと申しますと、生糸とか絹織物八品目残っております。これは国内産業に対する影響を考えた場合に非常にむずかしい問題でございまして、残りました八品目につきましては、今後ともすぐに、来年までにこれを解消をいたすというようなこともなかなか申し上げられないような実情の商品目でございます。しかしながら、それを除きまして、質実的にいわゆる中国大陸産品格差の問題は私らはこれでほとんど片づいたと、かように考えておるわけでございます。
#33
○竹田四郎君 関税局長は税関研修所の所長をいま兼任されておられますか。
#34
○政府委員(赤羽桂君) 御指摘のとおりでございます。
#35
○竹田四郎君 税関研修所の新人教育の指導方針といいますか、教育の方針というのはどういうふうにお考えですか。
#36
○政府委員(赤羽桂君) 税関研修所におきますところの研修は、いろいろと一番最初の、新たに採用をいたしました職員の、いわゆる基礎科研修、基礎的な研修からいろいろの段階に応じまして、いろいろの研修形態があるわけでございます。その一環といたしまして、研修所の目的といたしますところは、職員にいわゆる税関実務知識等を十分に教育研修をさせることによりまして、特に税関の仕事は対国民に、直接第一線に接する仕事でございますので、そういった心がまえとかを研修をさせる、かような方針でおるつもりでございます。
#37
○竹田四郎君 新しく研修所に入る人たちの、あとでもけっこうですから、年齢別、学歴別、この資料をひとつ出していただきたいと思います。いまはわからないでしょうけれども。
#38
○政府委員(赤羽桂君) 後ほど資料としてお届けいたします。
#39
○竹田四郎君 局長は、そうした研修所の所長を兼務されているわけですが、月にどのくらい研修所にあなたは行かれますか。そうして指導官の指導とかそういうようなことを当然おやりになっているだろうと思いますが、あなたはどのくらい現場を見、現場へ行ってそうした教育に参加されておりますか。月にどのくらい行っておりますか。
#40
○政府委員(赤羽桂君) 昨年の十月一日に着任いたしまして、その間研修所に、市ケ谷にあるわけですが、市ケ谷に参りましたのは二回でございます。ただし、研修所副所長というのが市ケ谷の研修所に常駐をいたしておるわけでございまして、この研修所副所長を交えまして、いわゆる幹部連絡会というのを毎週一回やっておるわけでございます。
#41
○竹田四郎君 税関の職員というのは、たいへん国民の各階層だけではなくて、外国の人とも接する機会が非常に多いと思います。しかし、税関職員の権限というものもまた非常に強いものが当然あると思うのですが、人に対する態度というものは一体、どういう教育をしているのか、特に国民の基本的な人権を侵して捜査をしなくちゃならぬ、調査をしなくちゃならぬ、こういうこともあろうと思うのですが、国民の基本的人権というものに対して、税関の職員はどうあるべきだと、どういうふうに考えていらっしゃいますか。
#42
○政府委員(赤羽桂君) これは公務員のあるべき姿、あり方といたしまして、国公法に「国民全体の奉仕者」と、こういうことがうたわれておるわけでございます。その精神を体しまして、内外人に当たる、あるいは税関行政の遂行に当たる、かようなことであろうかと思います。
#43
○竹田四郎君 新聞報道を見て実は私は、驚いたわけでございますけれども、「これじゃカゴの鳥だ」という見出しで、実は書いてあるわけなんですけれども、たとえば、この新聞報道を読みますと、自習時間というものがあるのだそうでありますけれども、「自習時間にトランプをしているのがみつかると、便所掃除や腕立て伏せ、さか立ちなど体罰」を加える、こういうことが書いてありますが、こういうことがあった事実がありますか。
#44
○政府委員(赤羽桂君) 本日の朝刊の東京新聞にたいへんショッキングな記事が出ているそうであります。私も本日、自宅よりここに直行いたしまして、ここにこういう記事が出ておるということで、実はまだ完全によく読んでいないわけでありますが、たいへんにこれは考えられない記事が出ております。
 ところで、実は二、三日前に衆議院の予算分科会の御質疑で、実は時間があまりなかったものでございますので、最後のちょうど終わりごろになりましてこの問題をおっしゃったが――この問題に関連いたしまして、具体的ではございませんが、そのときの先生の御質疑の最後の段階で、私覚えておりますけれども、旧軍隊の内務班と同じであるということを、御質疑ではなかったわけで、そういうこともやっておると、最後に締めくくりのお話でございました。
 で、この内務班というのは、私も戦中派でございますので知らないわけではないわけでございますが、さようなものがここで行なわれていると、こういうことは、私も実はそういうことはとても信じられない、何か具体的にあるのかというようなことは、ちょっと口に出かかったわけでございますが、まあ時間がございませんものでしたから、一応分科会としましては終わっておるわけでございます。どうもこれ、「グループ全体が連帯責任としてランニング、外出禁止、腕立て伏せなどの懲罰を受ける。」、こう書いてあるわけです。まずこれははっきりと申し上げておきますが、かような事実はございません。それから「休日も集団外出として引率者に監視され、単独行動はほとんど許されない」という記事がございます。この点につきましては、かような御質疑があったわけでございまして、デパートなんかに行くときに、一々みんな幼稚園の生徒みたいに連れていく、これは事実かと思います。これははっきりした御指摘でございましたのでお答えをいたしたわけでございますけれども、税関研修所におきます最初の初めてとった若い職員は、これは全国から全部集めるわけでございまして、東京が初めての人もたいへん多いわけでございます。そこで、たいへん大きな町でもありますし、危険な町でもありますし、複雑な町でもありますから、まず道なんかを教えるという意味におきまして、一−二カ月間は、休日に、デパートなんかへ連れていくのは休日しかないわけでございますが、そういった場合に連れていくことがあるわけでございます。それは一−二カ月の間だけでございます。そのような答弁を申し上げております。
#45
○竹田四郎君 聞いたことだけ答えてくださいよ。
 この調査というのは、組合のほうが研修所へ入った新人の人にアンケートをやって調査した事項であります。でありますから、あなたのほうはおそらくこういうものがあるとは口が裂けても私は言えないだろうと思います。もしこういうことがあれば直ちにやめさせますか。腕立て伏せとか、さか立ちとか、まさにこれは軍隊時代よりもっと実はひどいと思うんです。こういうようなことが、公然と寮の中で、しかも国民への奉仕者としての者が、常にこういうようなことにおびえているとしたら、一体そういう教育を受けた者が一般国民に対してどういう態度で接するか。昔、われわれも経験がありますが、大体新しい兵隊をいじめるのは、かつていじめられた人たちです。こういうようなことが少しでもあるとすれば、私は、国民の基本的人権というのは、公務員の手によってこわされていく、その基礎をつくるのじゃないか。いささかでもこういうことがあっては私はならぬと思う。
 もう一つお聞きしますが、研修生の部屋に入るときには指導官というのはノックしないでかってに入ることができる。こういうようなことは私はたいへん大きな問題だと思うんですよ。これはよく調査をしてもらわなくちゃいかぬし、こういう態度で教育されたらろくな税関職員にならぬと思う。この点はどうなんですか。ノックをしないでかってに研修生の部屋へ指導教官であれば入っていいんですか。これは今日親だって子供の部屋に入るのにだまってなかなか入れない時代ですよ。そういう中で育ってきている人たちが、研修所に入ったらかってにぽんと入っていく、こういうばかなことは私はないと思うんですが、あるからこう書いてあると思うんですよ。全然ないとは思いませんよ。どうですか。
#46
○政府委員(赤羽桂君) 腕立て伏せだの、体罰を受けるという、ここに書いてある事実はございません。
 それからノックの話でございますが、さようなことも公然と行なわれているというようなことは全く信ずべからざることでございまして、副所長といえども、用があるときはきちっとノックして入っていくということでございます。
#47
○竹田四郎君 あなた方の口からは、先ほども言いましたように、こんなことがあるとはおそらく言えるべきものではないと思うんですよ。あっても、おそらくそれをなるべく秘密のうちに処理をしていくというのが、いままでの官僚的な私は体質だと思うんですよ。こういうようなことは、私どもも研修所へ行きまして一回見なくちゃいかぬと思うんです。まさに国家の研修機関であるだけに、私は、そうした人権というものは、職員の人権を守るとともに、それが同時に国民の人権が守られていくわけです。なぐったり拘束して、そうして国民の人権を守れったって、これは守れるはずがない。もしこういう事実が具体的に一つでも出たら、局長どうしますか。責任とりますか。これは人権問題ですからね。ただ単なる規則の問題じゃないと思うんです。
#48
○政府委員(船田譲君) ただいま竹田委員が非常に御心配なさいまして、国家公務員の、特に重要な税関公務員の研修所にこのようなことがかりにもあってはいけないという御注意につきましては、私も実はきょう新聞を見たばかりでございますが、胸に刻みまして、かりにも、そのようなことがないと私は信じますけれども、そういうふうな誤解を受けるような類似のことがもしありましたときには、十分注意をいたしたいと思います。
 なお、これはたいへん個人的なことになって恐縮でございますが、私も実は自分で高等学校を経営いたしております。そこに寄宿舎がございますけれども、寄宿舎の子供たちの指導につきましては、やはり同様の心配をしばしば持つものでございます。教育基本法の中にも、教師には懲戒権はあるけれども、ただし体罰にわたってはならないと明記してございます。同時に、特に高等学校を卒業した、いわば未成年でありましても、一人前のおとなと遇すべき税関の研修生でございますから、体罰にわたるようなことを上司が、いかに熱心な指導のあまりとはいえ、やってはならないことは十分私も存じておるところでございまして、そういう御注意を十分に受けまして、研修所長であります赤羽局長ともども今後注意してまいりますが、私はそういう事実があったか、ないかということにつきましては、つまびらかにいたしませんので、その問題についてかりにこうだったらという御答弁を申し上げるのは慎ましていただきたいと思いますが、十分注意してまいりたいと思います。
#49
○竹田四郎君 時間がありませんから、詳しくさらにお尋ねするわけにいきませんけれども、寮の自治権、寮生の自治権については、これは認めますかどうですか。いささかも寮の自治会の役員について、研修所側がいろいろ指図したり何かするというようなことはこれからするかどうか。これはもうまさに私、あちらこちらで行なわれている日常の集団外出なども、郵政の中で行なわれているブラザー制度と同じだと思うのですよ。常にその者の思想を統制する、あるいはその者の行動を統制する、自由を束縛するということになるんではないかと私は思うのですよ。だからこのような集団外出なんていうのは、これはむしろ、十八歳にもなっているんですから、三つや五つの子供じゃないのですよ、それは寮生が相談して、今度はどこへ行こうじゃないか、みなであそこへ一緒に行ってみようじゃないか、寮生自体がそれはやることであって、研修所がデパートを教えるとかなんとかいうことは、研修所のやるべきことじゃないと思うのです。やるなら研修時間中にやりなさい、こういうことは。日曜日にそんなことをやらせるというのは――日曜というのは各人が自由にしていい日です。そのために日曜があるわけです。ですから私は、ここで寮の自治権というものを当然認める、そして日曜日にそういうふうな拘束をする、こういうようなことは一切やめるべきだと思う。これ明確な御回答をください。
#50
○政府委員(赤羽桂君) 税関研修所におきますところの全寮制度でございますが、それ全体の生活につきましては、学生と申しますか、職員と申しますか、寮生の自主性、協調性を十分にこちらは尊重をして運営をしているわけでございます。それは強制とか非常に自由を剥奪するとか、こういうような記事でございますが、この研修、これは九カ月間行なわれるわけでございますけれども、学生生活を終えまして、初めて社会に入る、しかもそれが税関という非常に内外人に接する重大な仕事でございますので、そういった面から研修を第一義に考えているわけでございます。しかしながら、生活全般の問題につきましては、先ほど申し上げましたとおり、自主性と協調性の上に立って運営してまいっておる次第であります。
#51
○竹田四郎君 ひとつ委員長にお願いしたいのですけれども、こういう事実があって、これは私どもも新聞報道以外に現在のところわからぬわけでありますが、こういう人権がいささかでも阻害されるということは私は大問題だと思います。この取り扱いについて、現地を見るなり何なりひとつ理事会のほうで対処をしていただかないと、ただ単にこの問題は研修生一人の問題ではなしに、国民との関係が非常に深いわけでありますので、ぜひ善処方をお願いを申し上げて終わりたいと思います。
#52
○委員長(前田佳都男君) ただいま竹田委員からお申し出の件につきましては、まことに重大な問題でございますから、理事会においてよく検討、相談をいたしたいと思います。
#53
○戸田菊雄君 いまの竹田委員の質問に関連をして私は要望しておきたいと思うのですが、新聞に出たものの信憑性があるのかないのか、これは政務次官からもいまもお答えがありましたけれども、その点の調査をひとつお願いしたいと思います。これを要望しておきます。
 それから、あまり時間もありませんから、直ちに具体的な問題に入りたいと思いますが、生活関連の輸入関税が七十三品目今回あるわけですけれども、その中に砂糖がないですね。きのうもちょっと質問いたしたわけでありますけれども――先ほど資料いただきました。よくわかりましたけれども、大体このCIF価格と関税、内国税等全体を含めますと四三・五%の負担率になりますですね。だから、ビールや酒、そういうものから比較すると、まだ安いということが言えるわけですけれども、この砂糖税については、私はもっと軽減をすべきじゃないかというような気がするのです。と申しますのは、たとえばこの予算で、四十七年度の租税及び印紙収入予算、これを見ますと、関税総額が三千九百九十六億四千六百万円、こういうようになっておりますですね。関税水準というものが、国際的に日本が高いのか安いのかということについてはあとから質問いたしますが、いずれにしても四〇数%の砂糖税がかかっている。さらに内閣のきのう官報が配布になり、ずっと見せていただいたのでありますが、三月二十二日の一三五七二号付録、官報七二一号でありますが、これによりますと、二月の消費者物価指数が、内閣総理府で調査した内容があるわけですが、これは費目別に前年同月の物価上昇率との比較が出ておるのでありますが、これによりますと、依然として砂糖、食用油、マーガリン、酢、ソース等々が四・三%上昇しております、二月現在。こういうことになって、一方砂糖の値段が上がる。それから各消費税、関税等々を含めますと、四十数%の負担を消費者は負担しなければならない。こういうことになっているわけですけれども、この辺の判断について、今後の取り扱いですけれども、何らかの検討というようなことは考えられませんか。その辺はどうですか。
#54
○政府委員(赤羽桂君) 砂糖の関税の問題でございます。この砂糖の関税につきましては、何と申しましても、これは粗糖が一番大事でございます。今回精製糖の自由化に伴いまして、四十一円五十銭を五十七円に上げるということにいたしておりますが、大体砂糖消費国というのは、粗糖を入れまして、これを精製するということでありますので、粗糖の関税が一番大事なんでありますが、粗糖の関税は、これは四十一円五十銭、基本価格四十一円五十銭ということで、ただいま先生おあげになりました、ほかの国よりも安いということもございますけれども、それ自体として、決してこれは安くない関税であることは事実でございます。
 そこで、最近の糖価の統計をお述べになった、これに対しまして、糖価安定法に基づきまして、いわゆる糖価安定事業団に安定資金の放出を行なって、ただいまやっておるということは、これまた御存じじゃないかと存ずるのであります。
 ところで砂糖の問題でございますが、御案内のとおり、いわゆる糖価安定のメカニズム、その中に現在の関税水準でございますところの粗糖四十一円五十銭といったものは、これは国内におきますところの糖価安定のメカニズムを考えて、その運用を行なう第一の前提として、関税の四十一円五十銭というものを前提にして組み立てられておるわけでございます。ところで国内におきますところの糖価安定法に基づきます砂糖価格の安定制度に対しまして、ただいまのように、関税率というものに非常に基本的な要素がある。これを動かすということは、直ちに国内のそういった糖価安定問題の基本に触れる、こういうことに相なるわけでございまして、これを動かす、この制度を根本的に変えていく、これを検討していくということもあわせて検討しなければならないわけでございます。そういった観点から、まずいわれますことは、ただいま糖価安定法に記載されております糖価合理化価格四万二千八百円ということになっておりますけれども、これを五カ年ごとに改定をされて、この改定期が来年参るわけでございます。またこういったことのこまかいことにつきましては、農林省からいろいろと御説明があるかと思います。
 それからもう一つ、糖業、いわゆる砂糖業界全体の問題といたしまして、例の四、五年前のチクロ騒ぎのときに、全部いろいろ設備を、転換事業を当て込みましていろいろ新設した。それがいよいよ活動し出す。それが供給というものが、消費に対して非常に供給過剰に数字的に相なっておるというような大きな問題もかかえているわけでございます。そういったような問題が来年度、これは一斉に出てくる問題として大きく出てくるんじゃないか。そういった動向を見きわめまして、また関税のほうもその際調整をいたしたいと、われわれはかように考えておるわけでございます。詳細は農林省のほうから答弁を……。
#55
○戸田菊雄君 確かに物価安定政策会議提言集、こういう中にも農産物価格政策の中で明らかに国内産糖について最低価格の保証制度であるとか、いまのような国内産業としての育成、保護政策、こういうものは具体的に載ってはいるんですよ。だから私は、そのことをいますぐに急速にはずせということじゃないけれども、どうも砂糖のそういった消費税というものは、国際的に見てもひとつ割高になっているんじゃないか。大体五〇%台は、西ドイツ、イタリー、とのあたりが大体五〇%をこえていますが、それよりは確かに日本の場合は低いですけれども、しかし、アメリカあたりは七・九%ですね。だから段違いですよ。おそらくこれはもうアメリカあたりは砂糖なんというものは生活必需品だから、そういうものについては税負担を軽減して、産業は産業で別に保護してやっていこう、こういう仕組みじゃないかと思うのですけれどもね。そういった面からいけば、今後の保護政策と消費税とのいわば軽減策、非常にむずかしいところでありましょうけれども、私は検討していかなければいけないのじゃないか。なぜ一体この二月の内閣調査によるところのこういう最近の調査でも、砂糖が四・六%と上がったか。これはどういうところに基因していると農林省のほうで考えておりますかね。その辺の調査その他やりましたか。ないようですが、ひとつお答えいただきたいと思います。
#56
○説明員(内藤隆君) ただいま先生御指摘のように、昨年の暮れから実は国際糖価が非常に高騰してまいりまして、ロンドンの相場等も、キューバ動乱を上回るような高値をつけるというような事情がございました。そういう海外の価格の高騰を反映いたしまして、国内の糖価の水準というものは若干そうしたような傾向がございます。ただ先ほど関税局長からも申し上げましたように、国内の企業を含めまして、砂糖の需給問題、それから価格行政というものが非常に複雑な面がございまして、特に国内産糖の保護という観点を一応はずして考えてみましても、現在の粗糖とそれから精製糖の溶糖能力、需要というような関係で、国内の砂糖自体の価格というものは必ずしも国際糖価を直ちに反映するような形にはなっておりません。その具体的な徴候といいますか、例といたしまして、この三月に入りましてからは非常に国内のメーカーの出し値等も下がってまいりまして、砂糖の相場自体も二月水準に比べますとかなり低下しているような状況でございます。現在はおそらく百十六円程度に下がっているんじゃないかと思いますけれども、そういうようなこともございますので、もちろん砂糖協定に加入しております権限の行使、それから糖価安定事業団によります価格の調整というようなことを通じまして、内外を通じまして調整というものを基本にはしておりますけれども、消費者価格の面につきましても、メーカーの供給価格の指導その他を通じまして適正を期してまいりたいというふうに思っておりますが、先生直接の御質問の、昨年来の砂糖消費者価格というものの若干の上昇の傾向というものは、国際糖価の高騰を心理的に反映して若干上がったというような事情にあったというふうに私どもは理解しておるのであります。
#57
○戸田菊雄君 まあ確かにキューバ糖あるいはソ連糖においてもそういう事態が発生している。国際糖価はそういう事情で上がったから、日本としては自動的にスライドさせる、これはやむを得ないのだというようなことは、私はあまりに芸がないのじゃないかと思うのですね。だから、そこをひとつ何とか検討してもらわなくなっちゃいかぬだろう。砂糖の場合は輸入依存度がどのくらいですか。それをひとり教えてください、あとで。
 それからもう一つは、どうしてもやっぱり関税局長、関税総額の中で砂糖税の占める割合が、千百二十六億円ですよ。税収の中で占める割合で千百二十六億円、相当のウエートを占めているのですね。総体三千九百億ですから、四分の一程度砂糖で占めているということになる。このくらい多額の負担をしたやつを、これは糖価安定事業団のほうにそれぞれ会社に保護政策として、ちょうどこの重油の石炭会計繰り入れと同じようなかっこうでやるわけです。これは全部国民の税金ですよね、早い話が。だから、そういうことになると、これはそういう活用部面においてもどうなっておるのかということは問題がある。だから、どういう砂糖会社にいま具体的にどれくらい、その内容がわかっておったらひとつ教えていただきたい。その二つね。
#58
○説明員(内藤隆君) 計数にわたる点だけ申し上げます。
 第一番目の海外依存度の問題でございますが、概数で申しまして、大体現在の国内の砂糖の需要量が三百万トン前後でございまして、国内で供給いたしますものが、北海道のビート糖、それから沖繩南西諸島の甘蔗糖を含めまして約六十万トン、したがいまして、その八割程度海外の、これはほとんどと申しますか、全部に近いくらいが粗糖でございまするけれども、海外の供給に八割方を依存しておるというような状況でございます。
 それから二番目の点でございますが、御案内のように、糖価安定事業団におきましては、輸入価格と国内の下限価格の差額、輸入粗糖の価格が平均輸入価格になるわけでございまするけれども、それが国内の安定帯の下限価格を下回ります分はその差額を徴収しておるわけでございます。それが昨年の秋まで非常に国際糖価が安うございましたので、その差益金が安定資金として積み立てられていたわけでございます。それで先ほどのロンドン相場の高騰以来、入ってまいります平均輸入価格が上限価格を上回るというような事態になりましたので、その上限価格を上回りました分につきましては、安定資金の払い戻しをやるというようなことをやっておりまして、現在まだ国際糖価の水準が非常に高うございますので、安定資金の払い戻し、これは精糖業者に対する払い戻しでございまするけれども、を継続中でございます。いま各社別に安定資金を幾ら払い戻したかというようなケースはここに持っておりませんので、後刻先生のほうにお出ししたいと思います。
#59
○戸田菊雄君 農林省としてはこの砂糖消費税等を含めて全体の値上がり傾向には何かいま具体的に手当てを考えておるのですか。そういう施策ございますか。その点はどうです。
#60
○説明員(内藤隆君) これは先ほど来、関税局長の申し上げましたように、まあ国内産糖の保護――先生も御指摘になりましたが、国内産糖の保護と、それから国内糖価といいますか、国際相場の変動の調整というようなことを通じまして、安定制度を仕組んでおりますので、その運用というのは非常に多方面にわたりまして、私ども苦慮しておる次第でございますけれども、御指摘のように、総体的に申しまして、わが国の砂糖の関税というようなものが総体的に高いということも、これまた否定のできない事実でございますが、幸いと申しますか、輸入粗糖の運用、国内の精糖企業の現況というようなことから申しまして、現在の消費者価格の水準自体は決して安いほうとは申しませんけれども、国際的に見ましてまあ高いほうの部類の平均的なところにいるというような事情でございまして、先ほど申し上げました安定資金の払い戻しを通じます価格の指導、業界の自縮を求めておりますけれども、そういう価格の指導等のあらゆる手段を使っておるわけでございますが、なお砂糖というような基本的な物質でございますので、国内産糖の問題等も含めまして将来とも検討は続けてまいりたいと、こういうふうに思っております。
#61
○戸田菊雄君 関税局長にお伺いしますが、日本の関税水準ですね、これは高いほうでしょうか、低いほうですか、国際的に見て。それは関税負担率ないし有税負担率両方でひとつ割合でお示しをして見解を述べていただきたいと思うんですがね。
#62
○政府委員(赤羽桂君) 日本の関税水準がどうなのているのか、高いのか安いのか、かような御質疑でございます。この関税水準を国際的に比較いたします場合に、実はいろいろ国によって個々の輸入構造が違っているとか、あるいはまた関税制度が違うとか、あるいは具体的なことを言えば、関税以外のいろいろな制度それ自体を、もうお互いに比較検討しないといけない、そろいった意味の厳密な比較というのはなかなかむずかしいわけでございますけれども、一応関税水準で幾らかというようなことで、われわれが使っておりますところの統計は、関税収入額と総輸入額との比率と、いわゆる関税負担率と言っておるわけでございますけれども、これでございますと、各国の統計もややおくれておるわけでございますけれども、これによって比較をいたしておる次第でございます。
 そこでその関税水準がどうなっておるかと申し上げますと、四十六年現在におきまして、関税負担率は六・六%ということに相なっております。それから四十七年度、この改正が行なわれたあとの関税負担率の見込みといたしましては六・三%と相なっておりまして、まあ〇・三%ぐらい下がると、こういう見込みでございます。
 ところで、かような水準が国際的に見てどうだかと、こういう数字を申し上げますと、若干これ比較の基準年次がもとへ戻るわけでございますが、一九六九年、昭和四十四年でございますが、四十四年について日本並びに諸外国の例を申し上げますと、日本の場合は七・一%でございます。それでEC全体でこれが四十四年、一九六九年で六・五%でございます。それからアメリカが一九六九年、四十四年で六・八%ということに相なっておりまして、若干まあ日本が四十四年当時では高いという感じがいたします。
 で、ただいま申し上げましたとおり、四十六年あるいは四十七年で、日本は六・六ないし六・三になるわけでございまして、そのときの各国の様子がどうかと、これがポイントになるかと存じますが、ただいまのところちょっと統計資料がとれておりませんので、その点ちょっと完全な比較には相ならないわけでございます。ところで、日本の――われわれはこういったことで判断の基準にいたしておるわけでございますけれども、ガットの場におきましては、いろいろなやや一歩精密な方法でいろんな方法論を議論をいたしておりまして、それによりまして試算というようなものも出しております。それによりますと、四つぐらいの方法があるわけでございますが、だいぶ達観をいたしまして日本のやつがやや高いのではないかということに相なっておるのでございます。しかしながら、この数字は多年、いわゆる関税定率法上いろいろ減免でございますとか還付の制度――こまかにいろいろあるわけでございますが、かようなものまで全部盛り込んで国際比較をやっておる数字ではございませんのですから、そういったものを盛り込んでもしやるとすれば、まあ水準も下がるのではないかと、われわれはかような認識に立っておりまして、結論といたしましては、まあ水準それ自体としてはそう高いといって非難をされるという現段階ではないのではないかという感じがいたしております。ただ高い高いと言って非難される向きは、具体的に農産の何がどう、工業の何がどうとかいうような、具体的な例を一つ一つ口の端にのぼされるということが多い点はあるようでございますが、水準自体としては、私どもといたしましては、そう高いことはないのではないか、かように考えでおるわけであります。
#63
○戸田菊雄君 いまの関税制度設立の趣旨は実はそこにあるんですが、ガットの実は精神もそうだろうと思うんですけれども、大体この近代先進諸国家といわれる西ドイツあるいはEC体制ですね、あるいはアメリカ、これは日本より低いことは間違いないのですね。だからどうしても関税収入で国益をはかっていこといういわば後進地域ですね、開発途上国といいますか、そういったところは、比較的水準は上がっていくという傾向がいままでの情勢じゃなかったかと思うんです。そういうところにいきますと、この日本の関税水準というものはどうもやはりまだ高い、国内税収態勢を見ても、さっきちょっと発表したように、第五位にランクされるというような状況ですから、そういうことになって年々ふえてきているわけですよ。だからほんとうに政府が目ざす自由貿易化体制、そういうもので国際競争にぶつけていくというならば、やはりそういうところにもう少し有効活用して、そうして産業というものを拡大強化、そういうことを一面では具体的にはかっていく――相当検討してやっておられることはあるんでありますけれども、そういう面がないから、結果的にはこの関税水準が高まっていく、こういうことになりはしないかというように危惧をするわけでありますけれども、かりにこの関税負担率やあるいは有税の負担率、こういうところで見ても日本は相当高いように思われるのですね。いまこの無税はおおむねどのくらい品目があるかわかりませんが、三分の一程度じゃないかと思うんですね。あとは二〇%以上の関税負担分が三分の一くらい、そのくらいじゃないかと思うんですが、その辺はどういうことになっていますか。無税品目とそれから二〇%以上の関税負担、相対の割合、それはわかりますか。
#64
○政府委員(赤羽桂君) きのう先生の御質問にいわゆるこの税目数がどのくらいあるかということでございました。そのときに、その数字を基礎にして無税品日数としてどのくらいあるかという点について、ちょっとわかりませんが、きのう申し上げました総数の数字が二千三百十四という数字でございます。その中に無税品が三百二十一でございますので約一三、四%くらいじゃないかと、そういう数字じゃないかと思います。
#65
○戸田菊雄君 大体どうでしょう、局長の感じとしては、今後やはり減少して、そういう水準は下がっていくという、そういう見通しでしょうか今後は、将来。
#66
○政府委員(赤羽桂君) 先ほど現段階において日本の関税水準はちょっと高いかもしらぬ、そう高いという感じではないと申し上げたわけでございますが、それはこれで十分だということではもちろんございませんので、ほかの国ももちろん下げるわけでございますし、わが国といたしましても、関税水準の低下、関税率を下げていく、これが世界貿易の拡大に資するゆえんのものでございますので、特にまあ第二次国際ラウンド等も控えておる際でございますので、引き続きこの低下をはかっていくという基本姿勢でございます。
 毎年毎年下がってきた状況をちょっと申し上げますと、昭和四十二年に約七・三%の負担率でございました。それから七・一の時代が四十三年、四十四年と続きまして、四十五年が六・九、それから四十六年が六・六、四十七年の見通しが六・三ということで、毎年この水準を下げてきておるわけでございます。
#67
○戸田菊雄君 確かに年比を見ましても、四十五年四千七百億何がし、約四千八百億に近いですね、ですから、それから見まして、ことしの予算で三千九百億ですから、相当下がったことは私は認めます。だから、今後はこういう傾向をたどってますます減少方向にいくと、こう理解してよろしゅうございますか。
#68
○政府委員(赤羽桂君) さような方向に向かって関税の改正を考えてまいりたいと思います。
#69
○戸田菊雄君 そこで問題は、そういう減少に対して、どうしても今回の改正を見ましても、まあわりあい今回の改正では産業育成と、そういう部面に対する減少はあまり少ないわけですけれども、内訳見ましても、今後何かの関係でそういう方向にいかれるのじゃないか。ことに非鉄金属ですね、たとえば銅、鉛、亜鉛、こういった問題については、一面では金利上の操作、たとえば輸入ユーザンスによって、金利上の操作によって一定の、いわば金利補給みたいなかっこうで援助をしていく、片や関税でそういう産業に対してもまたやっていく、こういうもう至れり尽くせりの形が各般の問題から出てきているような気がするのです。だから、関税減少もそういったところにいったんでは、私は独自的にもうすでに成長して強化できるようなものに対して、そういう選別の問題ですね、これをやはり厳密にやらないと、非常に困るんじゃないかと私は思うんですけれども、そういう見解については、これからどういう考えを持っておりますか。これは通産省も含めてひとつお願いしたいと思います。
#70
○説明員(佐藤淳一郎君) 先生御指摘のように、非鉄の銅、鉛、亜鉛につきましては、四十七年度の関税につきまして若干上げる方向の改正をお願いしているわけでございますが、実はこの非鉄の関税は、これはもう大蔵省のほうからお答えすべき筋かもしれませんが、いかなる値段のときにでも税率がかかるという仕組みではございませんで、値段がやすいときにかけるという仕組みでございまして、いわゆる免税点を定めておるわけでございます。したがって、従来、昨年の八月の円の切り上げによりまして、この非鉄の国際価格が一時下がったと、それで非鉄のほうは地金につきましては全部まる裸で自由化いたしておりまして、自由にロンドン相場できまった価格で入ってきておりますが、それの値段で国内の建て値がさまっておりますが、それに従って変動相場制で下がった時期において初めて――従来関税の制度がございましたけれども、従来一度もこの非鉄について関税がかかったことはございませんで、昨年の九月以降非常に国際的に価格が下がって、CIF価格は総体的に下げざるを得ない、そういう実態でずっと関税がかかり始めたわけでございますが、これもいずれ世界的に見て、いまの非鉄の価格は全般的にいって、産業といいますか、生産者の価格を割っている状況でございますので、いずれこれは適正なプロデューサープライスに戻りますと、これはいまの免税点をこえてしまいます。こえてしまいますと関税がかからないという仕組みになっておりまして、われわれも今度突如として全般的に関税を下げなきゃならない時勢にかかわりませずそういうとこをお願いしましたのは、そういうような非鉄が国際商品でございまして、そういう円の切り上げを直ちに、もろに受けなければならないという実態のためにあえてお願いしたわけでございまして、これもただ、上げ方につきましては、まあケネディラウンドできめられました協定の範囲内でお願いしているわけでございまして、まあ今後できるだけ方向としては――われわれとしては決していいことをやったつもりはございませんので、できるだけ合理化によってこういう事態は避けなきゃならないと、こういうふうに考えているわけでございます。
#71
○戸田菊雄君 時間がありませんから、一括して三つほど問題をお伺いします。
 一つは、タマネギ関税ですね、今回の関税引き下げに予定しているところにも入っておるわけですが、国内産が約八十七万トン、四十五年比で一〇%増になっているわけですね。ですから、大部分が国内産でまかなっているということになりますが、資料にもありますように、一万八千トンぐらい、大体総体の二%ぐらいでしょうか、非常に低い率ではありますけれども、一応輸入されておる。ところが、いままでの関税局長の説明でも、総体関税引き下げによって一万分の六百四十三、事務的な計算だが、大体値下げ幅は〇・三%、実質〇・一%、この程度は下がるだろうと、こう想定しているんですね。すでに円切り上げ後三カ月たっているわけです。そうしてこの関税引き下げに入るわけです。ですから、円切り上げの値下げ分と、今後の関税引き下げによる実質的値下げ分〇・一、これはどうしてもやはり消費体制の中で下がっていくという形になっていかなければならないと思うんです。これも同じ内閣の二月の消費者物価指数の中に、わずか微騰ではありますけれども、タマネギ、レタス、キュウリ、トマト、ピーマン、カリフラワー、こういった野菜類、鶏卵、これが漸減じゃなくて、〇・一%逆に上がっているわけですね、消費者物価指数で。だから、こういう原因がどういうところに一体あるのか。確かに物価対策会議としては、経済企画庁が総元締めになっていろいろ対策はいまやっている。これはあとで企画庁長官が来ますから、いろいろ聞きますけれども、やってはいるけれども、追及調査をやっている報告書もずっと見せてもらったんですけれども、この報告書の中身を見ても、対策というのは何も出ていないんですね。ただあえていっていることは、抑制効果があるだろうと、こういうことだけなんですね、結論として抑制効果。だから物価を引き下げるというところまではいっていないんですね。この調査結果を見ましても、上がるやつを押えるだけだと、こういう効果はあるだろうということをいっている。それも断定的じゃないんですね。非常に自信のない報告書なんです。だから、そういうことで、はたして関税局長が言うところの、実質〇・一%体制が、各般の値下げ品目に対してそのとおり消費体制の中に持ち込まれる、あるいは持ち込ますためにはどうしたらいいのか、その辺の見解を、ひとつ関税局としての見解、局長の見解を聞きたいし、通産省のほうの考えも聞きたい。農林省の見解も聞いておきたい。
#72
○政府委員(赤羽桂君) 関税を下げまして、それが末端になかなか影響が出ないというお尋ねで、関税局としてどう考えているかという御質疑でございます。
 われわれのほうといたしましても、いやしくも生活関連物資の関税引き下げという柱を立てまして、関税率の引き下げをお願いをいたしている以上、もちろん末端までは――それは所管の問題としては、これは所管外ではございますけれども、われわれとしては、そこら辺が何らの役にも立たないで、かえって中間の流通マージン等に吸収をされるという事態につきましては、まことに遺憾であるわけでございます。
 そこで、関税を下げて、それがどういうぐあいに浸透し、また浸透しないかという点につきましては、先ほどの引用されました企画庁の調査でございますとか、それからまた通産の物価の調査でございますとか、まあさようなものを拝見をするわけでございますけれども、非常にいろいろな複雑な要素がからんできておるようでございます。
 で、私らといたしましては、やはり今後のそういった問題に対する基本姿勢といたしましては、そういった所管行政並びに関係の審議会を通じまして、関税局の関税率審議会との関連をはかり、そうしてただ単に関税率の引き下げ、これをいかに末端の行政にまで浸透させるかということにつきまして、十分配意をしていかなければならぬのではないか、かように考えておる次第でございます。
#73
○説明員(内藤隆君) タマネギの輸入関税についてでございますが、これは申し上げるまでもないことでございますが、現在のタマネギの供給につきましては、大体内地が三、北海道が一というようなことになっておりまして、北海道のほうは北見地方等を中心にいたしまして漸増する傾向にございますが、内地におきましては、大体横ばいというようなことで、国内の供給構造ができているわけでございます。おのおのの出荷時期によりまして、ちょうどこの三月末というような時期が端境期にあたりまして、内地のものが市場に出回ってくるまでの間、その端境期に高騰するというような例が間々あったわけでございます。したがいまして、先生御指摘のように、台湾産のタマネギにつきまして、この端境期の価格暴騰を抑止するというような目的で輸入を行なっている次第でございまして、通産省の指導によりまして、輸入組合を通じまして、本年におきましてはその末端価格についてもある程度の規制をしていくというような考え方でいるわけでございます。
 本年の需要につきましては、幸い昨年北海道産のタマネギというものがある程度豊作でございまして、昨年に比べますると、本年の春の時期の国内の供給量と申しますのは、北海道の在庫、それから内地府県の冷蔵ものの在庫量から申しましても、昨年よりは相当多いというようなこと、さらに非常に春が早いというような関係で、府県のものの春の出回り時期が繰り上がるというようなことでございまして、端境期の暴騰の心配は現在のところ全く考えられないというような事情でございます。
 小売り価格、卸売り価格等につきまして若干の変動がございまするけれども、そういう需給の実情を反映いたしまして、大づかみに申し上げますと、タマネギの現在の消費市場におきまする国際価格水準は、昨年に比べますると相当安いし、これからもむしろ若干低下する傾向にあるんではないかと、こういうふうに見ておりますが、台湾産タマネギの輸入につきましては、そういう指導の手がかりの一つと申しますか、そういう意味合いにおきまして関税の、今度御案内のように、価格水準によりまして関税の徴収のしかたを変えるというようにいたしておりまするけれども、そういうシステムと申しますか、価格に対する有効な機能というようなものを十分それに生かすように指導してまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#74
○戸田菊雄君 時間がないですから一括して。
 一つは、紅茶の問題ですけれども、これはまあ大体輸入依存度一〇〇%、まるまる大体入れているんですが、現在の輸入はティーバッグ、いわゆる小型容器に入れたものとバラ、この二通りあるんですが、大部分はこのバラできているわけですね。ですから、それを国内で加工して販売していくわけだろうと思うんですが、通貨調整後それから関税引き下げ後、この販売価格ですね、この推移はどういうふうになっていましょうね。その内容についてひとつ教えていただきたいんです。
 それからもう一つ、この大豆ですね。大体輸入は搾油に使用されているわけでありますが、国内産は大体みそ、しょうゆ、非常に希少価値だといわれているんでありますが、そういう大豆関係の問題についても同様のケースでひとつ内容を教えていただきたい。
 それからもう一つは、ジョニーウォーカーですね。スタンダードクラスでけっこうですけれども、これが一体関税引き下げで今後どういう経路で、どのくらいになってくるか、定率引き下げによって国内販売価格が一体どのくらいになるか。あるいは資本がどのくらいかかって、そのマージンはどのくらいとられているか。この内容について同様にひとつお答えを願いたいと思います。具体的にひとつ説明していただきたい。
#75
○説明員(内藤隆君) いま先生の御指摘の点につきまして、紅茶について申し上げます。
 紅茶につきましてのCIF価格につきましては、これはキログラム当たりでございますけれども、四十四年、四十五年、四十六年というようなものと、四十七年の見込みというようなものをとっておりますけれども、四十四年の四月時点におきまして年平均がキログラム当たり五百九十四円でございまして、四十五年段階におきましては六百四十円、四十六年が六百五十九円、こういうふうなことに相なっております。
 それから、紅茶の小売り価格でございまするけれども、四十四年の平均が、これは八十グラム入りのものでございますけれども、九十八円四十銭というようなことでございまして、四十五年の四月に御案内のように関税の引き下げがバラものについてあったわけでございますが、四十五年につきましてはそれが九十八円、それから最近四十六年の末と申しますか、四十六年若干一部資料が欠けておりまするけれども、統計資料の価格の調査が行なわれておりますけれども、ティーバッグ十袋で九十四円と、こういうような状況でございます。
#76
○戸田菊雄君 どうも紅茶の場合は、関税局長の過日の説明で、私が記憶しているのは、改正五%――これは関税ですね、今回の改正。CIF価格でキログラム当たり八百二十円見当。低下予想を入れて計算すると六百六十七円、低下は百五十四円。市販のティーバッグが二十五袋入り百五十円、これを引き下げ幅を入れると百三十円、約一〇%低下をする、こういう説明をいままで聞いているんですが、いまの農林省の内藤参事官の話でいくと、どうも合わないようなんですが、その辺はどうなんですかね。
#77
○説明員(内藤隆君) ちょっと手元の資料が不備でございましてたいへん失礼いたしましたけれども、実は紅茶につきましては、御案内のように、昨年自由化いたしましてから非常に種類等が豊富になっておりまして、どの銘柄をとるかということによりまして非常に違ってくるわけでございます。それでいま申し上げましたのは、総理府の価格調査の数字を一応とったものでございまして、関税局のほうにおかれましては、特定の品目について、追跡調査、類似の価格段階別の調査をなさった結果であると、こういうふうになっておりますので、調査の傾向といたしましては、関税局長が言われた価格の傾向と同様であろうと私どもも理解しているような次第でございます。
#78
○戸田菊雄君 そうすると、この関税局長のいまの説明した内容で理解していいんですか。それでいいんですか――。
 それから大豆はどうですか。
#79
○説明員(吉岡裕君) 大豆は、御承知のように今回まあ無税にしたいということでございますが、これを現在輸入品についてみますると、大部分のものがアメリカを中心にします製油用のものになるわけであります。それで計算をしてみますと、結局大豆は原料として値下がり分が製油工場に原料として安くなって入る、こういう関係になるわけでございますが、それで理論的に計算をしてみますと、工場の出し値の値段で、大豆油がキログラム当たり百五十円六十一銭というふうな値段から、百四十四円七十九銭というふうに下がるという理論的な計算ができ上がるわけでございます。ただ実際問題といたしましては、この前お出しいたしました資料にもございますように、現実の大豆油の値段と申しますものは、すでに円切り上げの効果とか、あるいは現在大豆製油用の設備がやや過剰ぎみであるというふうなことから過当競争も行なわれておりまして、去年の十二月の実勢価格は約百四十一円ということで、先ほど申し上げました理論的な計算価格を下回っておる、こういう状況でございます。
#80
○戸田菊雄君 時間がありませんから、ジョニーウォーカーの関係のあれはあとでひとつ資料でもけっこうです。
#81
○説明員(守屋九二夫君) ただいまお話しのジョニーウォーカーの赤でございますが、円の切り上げに伴いまして、本年の二月からすでに二百円、デパートの建て値でございますが引き下げになっておりまして現在五千円でございますが、ただいま御審議いただいております関税率の引き下げが行なわれますと、さらに関税で四十六円、これに酒税がスライドしますので、酒税が百一円、合計百四十七円というものが引き下げになることになります。ただ、さらにこれに販売マージンが加わりまして一応二百六十五円ぐらいさらに引き下げになるのじゃないか。したがいまして、円の切り上げ、関税の引き下げ前に比べますと、五千二百円ですから、五千二百円に対しまして四千七百三十三円というような計算に相なります。われわれとしましては、輸入ウイスキーの価格につきましては、昨年末の円の切り上げの効果及び今回の関税率の引き下げ、これを消費者に還元すべきであるということで、昨年末以来再々にわたって業界に考慮方を要請しまして、すでに円の切り上げ分については、ただいま申しましたような引き下げが実施されておる実情でございます。
 つけ加えますと、小売りの実勢価格につきましては、輸入の自由化で相当だぶついているというような状況ではないかと思いますが、相当値段が下がっておりまして、現在われわれの調査したところでは、実際の取引は四千三百円くらいで取引されているんではないか、そういう状況でございます。
#82
○鈴木一弘君 初めにちょっと伺っておきたいのは、ハム、ベーコン、そういうたぐいのものでありますが、けさのテレビでもやっておったのです。はっきり申し上げて、非常に国民の食生活が変わってきて、まあ子供の食事等については特にハム、ベーコンというようなもの、あるいはソーセージいうようなものが非常に食べられている。その消費は非常に大きくなってきているということはよくわかるわけであります。その実態をひとつ伺いたいのですが、一体年間の消費量はいまのところの推移では何トンぐらいずつになってきているのですか。その中で輸入によるものと国内生産によるものと二色あると思いますが、伺いたいと思います。
#83
○説明員(斎藤吉郎君) ただいま先生おっしゃいましたハム、ベーコン等につきましての四十六年度の数字でございますが、国内の生産といたしましては、ハムにつきましてはおおむね十二万四千トン、それからベーコンが八千百トン、合わせますと国内生産量といたしましては十三万二千トンでございます。これに対しまして輸入でございますが、ハムは非常に小さい数字でございますが二十八トン、それからベーコンが百二十ミトン、合わせまして百五十一トンでございますから、総体を含めますと、おおむね輸入量というのはほとんど問題にならないと思います。
#84
○鈴木一弘君 問題なのは、今回の関税率の改正で変わるようになっておりますけれども、現在の輸入価格をひとつ伺いたいのです。アメリカ産のもの、デンマーク産のもの、これはどのくらいの輸入価格になっておりますか。
#85
○説明員(斎藤吉郎君) ハム、ベーコンの輸入価格でございますが、いま国別にというお話でございますが、ちょっとただいま平均的な数字を先に申し上げさせていただきたいと思います。
 ハムにつきましては、四十六年度の実績でございますが、これがキログラム当たり輸入価格は六百九十六円、ベーコンにつきましては四百三十二円、これが平均価格でございます、輸入の。
#86
○鈴木一弘君 アメリカ産が大体キロ七百円ぐらいというような話であるし、デンマーク産がキロ四百円くらいという話なんですが、その辺はわかりませんか。
#87
○説明員(斎藤吉郎君) ちょっとお待ちください――。
 先生ただいま御指摘のように、アメリカものが大体CIFで七百円近くでございます。それからデンマークものは約五百円でございます。
#88
○鈴木一弘君 それに対して日本製のものは幾らですか。
#89
○説明員(斎藤吉郎君) 大体四十六年度の平均でございますと、国産品の卸売り価格がキログラム当たりハムが千二百四十円、ベーコンが八百二十五円程度でございます。
#90
○鈴木一弘君 その中身を聞きたいのですが、アメリカ産のものがキロ七百円ぐらい、すると関税額は今後幾らになる。問屋、卸売りの価格は幾らぐらいになる。小売りでは幾らになる。デンマーク産についてはどうである。日本産についてはどうなるという三色ひとつ伺いたいのですが。
#91
○説明員(斎藤吉郎君) ただいまの、先ほど申し上げましたアメリカ産CIF七百円といったものにつきまして申し上げますと、ただいまのをもっと正確に申し上げますと六百九十七円のCIF、それに関税額が百七十四円、それから諸掛かり等を足しまして輸入品の価格といたしましては九百四十一円、それからデンマークのものにつきましては五百円と申しましたのを詳しく申し上げますと四百七十七円、それに関税額が三百六円、それから諸掛りを入れまして輸入価格が八百三十一円ということになります。
#92
○鈴木一弘君 小売り価格は。
#93
○説明員(斎藤吉郎君) たたいま数字を申し上げましたが、こまかい積み上げの数字から出てまいります小売り価格のところまではちょっとわかりにくいのでございますが、積み上げましてこまかい数字でお答えできないので恐縮でございますが、ハムのほうが大体百六十円、ベーコンのほうが大体百円でございます。
#94
○鈴木一弘君 百六十円というのは千六百円ということですね、キロで言えば。そうですね。そうすると、国産のものは小売りは幾らになっていますか。
#95
○説明員(斎藤吉郎君) 失礼いたしました。ただいまの小売り価格は、国内産の小売り価格でございます。ハム、ベーコンの例が非常に少ないので、輸入のものが少ないものでございますので、小売りの値段の点で、輸入のものがどういうことかと実例がないのでございますので、ちょっといまのところは数字としてははっきりいたさないというのが実情でございます。
#96
○鈴木一弘君 輸入の自由化ということがいわれてきているわけですけれども、この関税の一つの例を取り上げても、輸入は、国内の産量に対してはわずか一割にもいかないという非常に少ない数ですよね。少ない量なのに、デンマーク産のものは四百七十七円のものに三百六円の関税をかけるというので、これではほんとうに自由化に対する措置というふうなことで、セーフガードみたいな、そんなふうなことだけであって、はっきり言うと、これでは私は、消費者についてはあまり恩恵がないんじゃないか。あまりにも関税については高過ぎるという感じを受けてならないわけです。どうしてこれは安い価格でもって輸入をさせるということができないのか。はっきり申し上げると、国内産のものが高いから、そこまで持っていこうというような考え方。そうじゃなくて、輸入品が安ければ、それだけ生活のほうに消費者にとっては恩恵になるわけですから、国内産のほうについて、ほかの手を打ってもいいから、小売価格は下げていくという手を考えるのがあたりまえ。高いほうへ高いほうへ合わせることを考えているような感じがするんですよ。その点についての意見を伺いたい。
#97
○説明員(斎藤吉郎君) 確かに先生御指摘のとおり、消費者物価という観点からだけこれを見ます場合には、全く先生のおっしゃるとおりのことであろうと思うわけでございます。
 おことばを返すようになりますけれども、やはり国内生産ということにつきましての影響というものを、ある程度緩和いたしませんことには、非常に、ハム、ベーコンの製造業もございますが、やはり養豚農家といったものに重大な影響があるというぐあいに考えるわけでございまして、実は豚につきましては、豚肉、つまりこれの原料になりますところの豚肉についてとっておりますところのいわゆる安定価格制度、これとの関連がございまして、御承知のとおり、ハム、ベーコンというものは、非常になま肉からの加工度の低いものでございます。したがいまして、なまの豚肉との関係ということをどうしても捨象することはできません。したがいまして、おはかりいたしておりますような、法案に出ておりますような算式を用いまして、豚肉と制度との整合性と申しますか、豚肉に対してとっております国内産の価格安定制度、それからいわゆる豚肉自由化に際しましてとらせていただきましたあの関税の方式、これとの整合性を保たせるという形で計算いたします。さらに、内外のいわゆる工場の格差が非常に違っておりますので、これを組み合わせました非常に見にくいような算式になっておりますが、その二つをからみ合わせまして機械的に計算をするという形をとったわけでございまして、ひとまずこれでもって進めさせていただいて、さらに今後の展開をはかりたいということでございます。
#98
○鈴木一弘君 それでは、私はいま食肉の問題あるいは養豚農家の問題等のことから、農業政策としては考えざるを得ないと思うのですが、それじゃ、農業政策としては農家さえ守っていけばいいと。いわゆる外国の小売り価格よりも高くてもかまわないかどうかという問題があるわけですね。ちょっと、外国の小売り価格は一体どれくらいになっているか、それを聞きたいわけです。
#99
○説明員(斎藤吉郎君) これは、恐縮でございますが、手元にただいま資料がございませんので、調べさせていただきます。
#100
○鈴木一弘君 それじゃ、これは質問を留保しておきますから、あとで御答弁をいただいたら、それについて質問をしていきたいと思います。
 それから、これは農産物のいわゆる農産品の関税、これがたとえば、アメリカとの比較を見ても、牛肉にいいてもパーセンテージでいけば実に四倍、バナナについては無限大ということですね。こっちは四〇%の季節関税、六〇%ということになっておりますから、どうしてもこれは無限大、アメリカは無税です。紅茶についてもいま質問がございましたけれども、今度五%引き下げることになりましても、やはりアメリカに比べれば、向こうは無税です。これに対して考えれば無限大。チーズにしても、バターにしても、ノリにしても四〇%から四五%という高率な課税がされている。ほんとうからいえば、国内物価の安定ということからいえば、これは関税の障壁というものはなくしていかなければならない。むしろ農業政策としての基本的なものは、養豚農家を守ると。もし、関税が引き下げられれば養豚農家は全部だめになってしまう。こういうものの考え方、発想がおかしいじゃないか。安い消費をやってもけっこうだから、今度はそのかわり価格差の補給をするというような、そういうものの考え方に立つのがあたりまえだと思うのですが、そういう点の国際価格の何倍といったような値段で、われわれ消費者国民が食べさせられなければならない。との辺が政治のどうしてもゆがみだと思う。政治というのは、国政をあずかっているほうから見れば、国民全部が安定した生活が得られるようにするのがほんとうだと思うのですが、下げられるものも下げないで、高くしておいて、そうしているというのでは、ちょっと納得ができないわけなんです。だから、そういう関税のいき方、これは一体、関税当局はどういうふうに考えておられるのか、一つ。それから農林省はどういうふうに考えておられるか、二つを聞きたいのです。
#101
○政府委員(赤羽桂君) ただいま御指摘の点でございますが、いまおあげになりましたバターでございますとか、牛肉、まあ、そういったたぐいの商品が依然として、いわゆる輸入制限下にあるわけでございます。先ほど来から申し上げますとおり、輸入制限につきましては、わが国といたしまして、非常に前向きの姿勢で取り組んでおりまして、累年だんだん下げてきて、自由化をしてきておるわけでございますけれども、依然として残っておる。しかも、その中には、いま御指摘になりましたような、非常にセンシチブな農産品が残っておるわけでございます。で、関税局といたしましては、全くこういうものをすみやかに自由化をいたしまして、この安い農産品を国内で自由に入手できるようにするという根本方針は、もちろんまことに御指摘のとおりでございまして、私らといたしましても、さような方向について、常々心がけておるわけでございますが、何ぶんにも関税と申しますのは、そのものの本質が、先ほど来から申し上げましたとおり、国内産業の保護というようなことで出発をしておるわけでございまして、輸入の自由化あるいは関税引き下げの際にも、必ずこの両者、国内産業との関係、両方バランスをとりまして、その間の調整をはかってまいるというのが、ただいま行なっておりますわれわれの作業の実態でございます。しかしながら、そういった場合におきましても、常に自由化をしたからといって、直ちに形式的な関税をストレートに上げてしまうというような単純な発想は、これはもうやめにいたしまして、たとえば、今度のハムの場合にいたしましても、非常にこれはくふうをいたしておるわけでございまして、これによりまして、まあ一律全部上がったということではございませんので、まあただいま農林省のほうから、いろいろこまかな数字をおあげになったわけでございますけれども、大体今回、このお願いをいたしておりますところの関税率の組み合わせ方でまいりますと、すべてがこれは上がるということではございません。たとえば、中級品のアメリカの産品は、大体実質的にはいままでとはあまり差異はございません。それに対しまして、非常に高級品のほうは、たとえば、カナダから入ってくるようなやつはむしろ関税が引き下げになると、まさに御指摘になりましたように、安いやつは高くなる、こういうようなこともございますけれども、全体としてそこにくふうをこらしておるわけでございます。
 で、かような措置はもちろん自由化に伴いまして、一時的なショックをやわらげるという意味でとっておるわけでございまして、これは毎年毎年国内産業の合理化、体質の改善に伴って調整、修正をしてまいるという基本的な態度を常に持っておるわけでございます。
#102
○説明員(斎藤吉郎君) ただいま御指摘になりましたのは農産物全体のことでございますので、私のほうからお答えするのが適当かどうかわかりませんが、先生御指摘になりました酪農関係品あるいは肉の点が畜産局の扱いでございますので、とりあえず申し上げさしていただきます。
 いま関税局長が申されましたように何が何でもとにかく全部国内産保護という観点だけに立ってということではないわけでございます。御案内のとおりに、ただいまハム、ベーコン等につきまして、関連を持たせなければならないと申し上げました、その素材でございますところの豚肉、この制度につきましても、御案内のとおりに関税のとり方は、いわゆる安定帯価格の中心価格というところに連結を持ちまして、そこまでの差額関税制度ということを先年お願いいたしまして、通して、御承認いただいたわけでございます。つまり、これは安定帯の中心価格でございますから、やはり生産者のほうからいきますと、安定帯の上位価格までを期待できるわけでございますが、そこまでは行かず、一方消費者の方々から言わせれば、下位価格でよいのではないかという御意見もあったわけでございますが、その辺のところ両方踏まえまして、安定帯の価格の中心価格をせきどめの価格とするというような配慮もいたしたわけでございまして、全く生産者保護ということだけで仕組んだわけではございません。それとの関連におきまして、今回のハム、ベーコン等につきましても、いまのようなことに関連ししたということでございます。
 さらに、この間関税制度でもって全部入ってこないようにして、その間何もしないということをやはり基本的な理念にするということではございません。関税の率もほどほどにお願いいたし、かつその間に抜本的な種々の施策、国内の生産の力づけをいたしますところの諸施策、これはまた予算でいろいろお願いをいたしまして、これを合わせまして、国際的な競争力に合うようなものに、なるべく早く持っていくということが必ず裏にあるわけでございます。それと相まちまして、結局一時期に非常に安い形でもって国内の経営を脅かすようなことでやってこられますと、結局そのショックでもって国内産が倒れてしまうというようなことになりますと、ひいては、消費者の方々にも御迷惑をかけるという形になるということで、そこのところをひとつ御理解願いたいと思うのでございます。
#103
○鈴木一弘君 御理解できないんですね、だから伺っているんですけれども、はきっり申し上げまして、安定価格云々の問題がありますけれども、その安定価格自体が、もうすでに適正かどうかということは問題なんです、はっきり申し上げて。そういうものを今度は直していかなければならない、そんなことをすれば事業団が困るじゃないかとか、いろいろあるかもしれませんけれども、それはそれで打つべき手はあると思う。そういう根本的なことをやらないでおいていくということはどう考えてもわからない。今回の施政方針演説の中でも、福祉国家を目ざしておるわけですと言っていながら、一方では全然国民生活ということを目ざした方向にいかないということは、これはどう考えたって、総理の言っていることと全然違うことを各省考えているのだということになっていっちゃう。そんな福祉国家なんというのはありはしない。そういうことで私は非常に不満なんですけれども、理解できないんですけれども、それじゃ一体いま申し上げた畜産品なら畜産品、これは輸入依存度を引き上げていく気があるのかないのか。もし自給率を考えているというなら一体どこまでの自給率を考えているのか、ハムなら一体どの程度まで自給したいということなのか。日本のいまの輸入の依存度、食糧の輸入の依存度、こういうものを見ると農業国と同じですよ。わが国は農業国という定義でもって出発していくというのであるならばそれでけっこうですけれども、そんなフランスのような農業国じゃないんですから、そういう点考えると、いまとろうとしている政府の方針自体違う方向へぼくは行っているんじゃないかという気がする。そこで一体適正な自給率はどのくらいにしたいと考えているのか、それに伴ってこれは関税も考えなければならないことだと思います。その辺のところをひとつ伺いたいのです。
#104
○説明員(吉岡裕君) 先ほどもお答えいたしましたように、現状の総合自給率というのは七〇ないし八〇というようなことで推移しておるわけでございますが、農産物の輸入問題を考えます際に、私どもとしましては、将来長期にわたって安定的な、国民に対して安定的な食糧の供給を確保する、こういう責任があろうかと思うわけでございます。そういうふうに考えました際に、日本の主要な国民食糧の大部分を外国に依存するという姿は、食糧が持ちます経済上のみならず、国のあり方として非常に問題のあるところかと思います。国際市況と申しますのは非常に変動がございますし、また農産物の特殊性からいたしまして、年により非常に豊凶の差も激しい、こういう環境にあるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、そういう総合的な国民食糧の安定的供給をはかるためには、やはり何としてでも相当の部分を国内で効率的に生産をして、国民に供給をするという体制をやはりできるだけ早くつくり上げていく、ただそういう期間に到達しますまでには、相当な時日がかかるということも事実でございますので、輸入に依存しなければならぬ部分というのは、なるべく供給ソースというものを多角化いたしまして、安定的に輸入が行なわれる、こういうことを考えていかなければならぬだろう、こう思うわけでございます。したがいまして、個別の産品につきましては、いろいろな自給の考え方、輸入の考え方があるわけでございまして、こういうものは今後の需要の動向、それから最近起きておりますいろんな物価の問題、それと同時に、国内で生産をしていくその根をつみ取ることのないような価格というふうなものを総合的に考えて、輸入政策を国民食糧の全体的な、安定的な供給という観点から考えていく必要があるのではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。
#105
○鈴木一弘君 非常に抽象的な話なんで、長期安定供給という責任がある、それはわかります。安定供給というのが、国内に依存しようと、外国に依存しようと、長期安定ならいいわけです。その場合、いわゆる国内の自給率がかなり高くなければ、そうでなければ困るだろう。つまりそういうおそれは、戦争であるとか、あるいは地球上全体に起きる災害であるとか、そういうような不測の事態に対処するときのことであって、食糧の安全保障として、そのような危惧というものが今後あり得るということは出てこないと思う。国内依存度を高めるという、そこのところがわからないわけです、それが一つ。
 それから個別品目についても、はっきり申し上げて長期安定するならけっこうです。それが自給率がどこまで持っていくのかというめども立たないで、つまり羅針盤もなしでもって、何でもいいから輸入を押えちゃえということにはならないと思う。輸入品が安ければ安いところまでの価格に、たとえば、生産費が高ければ、差額を補給してもいいから安く小売りに出させることを考えなければいけないと思う。それがそういうような行き方でなくて、つまらないというとおこられちゃうかもしれないけれども、補給金のようなものにむだに金を使っていくと、そんなやり方ではなくて、集中的な効果をねらっていくやり方をすれば、農業政策としても消費者にも喜ばれるようになると思う。いまのようなお話を聞いていると、長期安定をして自給率を高め、はっきり申し上げれば一億の国民の犠牲で、一握りの人たちを守らなければならないというみたいな、そういう考え方があるわけです。それは困ると思う。どうせそれならば、現実の家庭には響かないように税をもっていくとかということを本格的に考えるのがほんとうじゃないか。価格差をするとか、補給をすることがほんとうだと思うんです。いまの。安定供給の責任があると、全部を外国にたよるわけにはいかないと――全部とは言いません、大部分たよるわけにはいかない、一体自給率はどうなのかというと答えがない。それじゃわからないわけですよ。相当長期にわたると、相当長期というのは一体何年なのかというと、これもはっきりしない。それで関税だけについてはきびしいというのではどうもこれは納得はできないですね。これ消費者の立場からいったら、まるっきり納得いかないということだと思うんです。その点はもう一度答弁をしていただけませんか。
#106
○説明員(吉岡裕君) たとえばそういう国境保護につきまして、ただいま関税のお話があったわけでございますが、先ほどアメリカの例を先生申されたわけでございますが、一つは、アメリカはああいう広大な土地を持った農産物輸出国でございますので、関税というのは、一般的に当然その立場からは安いということであるわけでございます。しかしながら、そのようなアメリカにおきましても、たとえば、酪農製品につきましては、日本と同じようにIQ制度をとり、たとえば、チーズなどについては三五%というふうな高い関税を採用しておるというふうなこととか、そのほかにいろいろ例を申し上げればあるわけでございますが、そういう農業の持ちますむずかしさというものが、やはりアメリカの中におきましても同様な問題としてあるわけでございます。また一方、日本と非常に似ておるヨーロッパのECの農業を考えてみますと、この保護水準と申しますのは、主要な農産物については、国際価格の倍近いような課徴金制度を設けておるというふうなことでございまして、これはやはりそれぞれの国が持っておりますそういう国際農業と、国内農業との調整、それから同時に食糧の供給のあり方ということとの調和としてこういう姿が出てきておるであろう、こういうふうに思うわけでございます。もちろん農林省としましても、できるだけ短い期間にそういう効率的な生産ができ、またできるものからできるだけの関税の引き下げもはかっていくというようなことで、今回もいろいろ関税の引き下げをはかっておるわけでございまして、こういうことで、今後の食糧供給のあり方ということを努力してまいりたい、こう思っておるわけです。
#107
○鈴木一弘君 省内ではおそらく自給率については個々の品目、こまかくはいかないかもしれませんが、ある程度の討議はされた、プランニングもあっただろうと思うんですけれども、これを資料としてぜひいただきたいんですが、いかがでしょう。
#108
○説明員(吉岡裕君) これまで個別品目の自給率の目標というふうな姿で算定をしたものはございませんが、いろんな物別の長期にわたる計画を立てておるものもございます。今日までのところ、総合的な自給率を現状程度よりも落としたくないと、こういうことで進んでおるわけでございます。
 個別産品について、これから全体の農業のあり方と、国際化に対応し、国内の農業生産のあり方、あるいは所得のあり方、価格政策のあり方ということで、この一年間総合的な検討をしたいということで、農林省もこれから進んでいくということになっておりますので、そういう過程を通じまして、ただいま先生の御指摘のありました点は検討してまいりたいと思います。
#109
○鈴木一弘君 その次に、これは大蔵省だと思いますけれども、物価対策閣僚協議会で一連の対策をきめて、政府所管の輸入物資である小麦、たばこの値下げをきめたと、どの程度まで一体価格引き下げに全体として役立っているのか。
#110
○政府委員(赤羽桂君) 御質疑の点は、おそらく三月三日の物価対策閣僚協議会の決定のことをおっしゃっているかと存じます。これは、いわゆる輸入品の価格に対して、徹底的な追及調査をやる等を主眼といたしまして、種々な対策を述べてあるわけでございますが、ただいま御指摘になりました小麦、たばこの問題でございますが、小麦、たばこは劈頭に書いてあるわけでございまして、輸入小麦については、本年六月におきますところの麦価の算定にあたって、通貨調整後の麦の製品の流通事情、その他の経済事情を参酌して、政府売り渡し価格を算定をすると、こういうことになっておるわけでございます。
 それから外国製の製造たばこにつきまして、小売り定価について検討を行なう、こういうことになっております。
 そこで、これをどういうぐあいなテンポで、どういうぐあいな結論に持っていくかというお話でございますが、これにつきましては担当官参っておりますので、そちらのほうから御答弁申し上げます。
#111
○政府委員(福間威君) 小麦については私の所管外でございますから……。
 外国製造たばこにつきましては、ただいま専売公社のほうで、外国の輸入先との間で本年度の下期の購入価格の交渉をやっておりまして、その結果を勘案しましてどうするかをきめたいと思います。
#112
○説明員(森整治君) ただいまいまお話のございました輸入小麦の件でございますが、先ほど関税局長から御答弁ございましたように、六月の麦価算定で、いろいろ麦製品の自由化でございますとか、通貨調整後の麦製品の価格の流通事情等を見まして、米価審議会にはかった上で価格算定をいたしたいというふうに考えておりますが、小麦の価格の問題は、すでに予算の編成段階におきまして、年間を通じまして約七十億食管の損失の減、そういう形で編成をされております。
 なお、売り渡し価格の問題につきましては、先ほど物価対策閣僚協議会におきまして確認されておりますとおりに、新しいデータに基づきまして食管法の趣旨から、価格の算定を六月にいたしたい、こういうふうに考えております。
#113
○鈴木一弘君 問題は、政府のいわゆる輸入小麦の問題から、いまの麦価の問題が出てくるわけですけれども、その場合、たとえば、値下げされたと、そういうときに、これについての管理の問題として、いわゆる製パン業者であるとか、製粉業者であるとかというような一部の中間業者だけが潤う結果になっては困る、その点は十分な対処をしてほしいと思うのですけれども、その点が一つ。
 それからもう一つは、まあ食管の制度からいえば、今回の七十億円の損失減、こういう計算から見て、はっきり申し上げれば、輸入小麦による黒字で、国内産の赤字を補てんするというような、そういう事情があるということから、なかなかこれは実現がたいへんだろうということはわかります。反対もあるということはわかりますけれども、ぜひともこれだけは実現をしてもらいたいと思うので、その点についての、ただ、いまのところは見通しだけをおっしゃっておりましたけれども、基本的な態度、姿勢というものをここでひとつ伺っておきたいと思います。
#114
○説明員(森整治君) 第一点の、製品にどのぐらい還元されていくだろうかという点でございますが、たとえば、先ほど申しました七十億を製品に反映させていきますと、計算ではパン一斤当たり七十銭――六十八銭程度ですか、そういう計算になってまいりまして、御承知のように、原麦がパンの中に占めますウエートといいますか、それが約二割から三割の間でございます。その原麦が製品の二次加工製品、小麦粉になりまして、パンになると、非常に少ないものになってまいります。その点非常に問題がございますが、少なくとも、そういう小麦の価格の問題もございます。流通過程の中で、やはり何らか物価に関連をさせていくということはぜひ必要であろうとわれわれも考えておりますが、ただ、食管全体の中で、差益といいますか、簡単に申しますと差益というものを別にわれわれどうこうするというつもりは毛頭ございません。むしろやはり物価対策、また流通の過程の中で、何らか国民に有利になるように考えていくという考え方につきましては、毛頭異存はございません。そういう考え方で六月にも何らか算定をしてまいりたいという考え方でございます。
#115
○鈴木一弘君 たばこのほうですが、下期という話でありました。どのくらいの見込みに、いま値段の交渉中であるというが、どのくらいになるのかということと、それからもう一つの輸入葉たばこの場合、その場合は一体どうなるのか、その辺についてお伺いしておきたいと思います。
#116
○政府委員(福間威君) 外国製造たばこの小売り定価につきましての検討は、できるだけ早く結論を出したいと思っております。
 それから、輸入葉たばこにつきましては、ただいまのところ特段の措置をとるつもりは持っておりません。
#117
○鈴木一弘君 特段の措置をとるつもりはないというのは、円切り上げ後になっても価格については下げないと、こういう意味ですか。
#118
○政府委員(福間威君) 御承知のとおり、葉たばこは製造の原料になるものでございまして、葉たばこについて為替差益対策を考えるということになりますと、葉たばこの値段そのものの問題ではなくて、それを原料としてつくった製品の値段に関係をさせるかどうかという問題になるかと思いますが、葉たばこにつきましては、確かに為替差益は出ておりますが、他方国内の、国内産葉たばこの収納価格と申しておりますが、値段が、毎年かなりな率でふえておりまして、原料費全体としては相当な出費になっておりますものでございますから、その辺を考えまして、今回、外国製造たばこの定価について検討いたします際には、葉たばこの関係は除外して考えたいということでございます。
#119
○鈴木一弘君 くどいようですけれども、外国製たばこが、ほとんどといいますか、八割以上がアメリカから入っておりますけれども、いま、できるだけ早くと言いますが、一体その値下げ幅はどのくらいに大体なりそうなんですか。
#120
○政府委員(福間威君) 外国製造たばこの購入原価は、ものによって違いがございますが、おおよそのところ、二十本入り一箱当たり四十円ぐらいでございます。で、為替差益、かりに一五%ではじきますと、四十円の一五%でございますから六円でございます。したがって、為替差益分は、小売り価格が一箱――これもいろいろございますが、大体百八十円ものが多うございます。小売り価格百八十円ものにつきまして為替差益が幾ら出ておりますかと申しますと、大体六円ぐらいのものというような数字の関係になっております。したがいまして、値下げを考えるといたしましても、そう大きなものは考えられないということでございます。
#121
○鈴木一弘君 時間まだいいんですか。
#122
○委員長(前田佳都男君) 時間、もう来ていますが……。
#123
○鈴木一弘君 ではあと二問。
 これは大蔵省のほうでございますけれども、今回、関税率の引き下げの行なわれたものもあるし、いろいろあります。引き上がったものもありますけれども、例の円対策八項目という中の一環になっているわけですね、関税率の問題も。それがもう少し早目に実現していたら、あのようなショッキングな円の切り上げはなかったんではないかという、そういう私どもは感じを持っているわけです。一つには・直接の原因はアメリカの農産物の輸入問題が大きなネックであったというようにも言われておりますけれども、この確実な実施が、例の政府が八項目を打ち出した中で行なわれていたならば、このような大きな円の切り上げはなかったんじゃないか。その点は、関税そのものをいじるときにもう少し考慮といいますか、配慮というものがどうしてなされなかったのかということ、その点をひとつ伺っておきたいんです。
#124
○政府委員(赤羽桂君) ただいま御指摘の点でございますが、昨年六月に、いわゆる八項目施策が打ち上げられたわけでございまして、その劈頭に関税の引き下げ、輸入自由化の項目が掲げられているわけでございます。それで、これは当時、前任者の引き継ぎによりますと、昨年の秋の臨時国会にこれを出すという当初の予定であったようでございます。しかしながら、諸般の事情でこれが通常国会におくれてまいっておるわけでございますけれども、ただこれが臨時国会に出ておれば、通貨調整がああいう大きいかっこうでは行なわれなかったのではないかという御指摘につきましては、実はこの関税定率法の改正は、何も去年の場合に限らず、毎年非常に早く準備を開始をするわけでございまして、たとえば、四十七年の現在御審議をいただいておりますところの内容は、すでに、特に大きな問題のようなものは、昨年はもう六月に八項目が出る前あたりから事務的な折衝を開始しておるわけでございまして、ほとんど一年間ぐらいをかけてやってまいっているわけでございます。そういうような状況で、例の八月のニクソン声明後、日米合同委員会が開かれているわけでございます。その席上で、まあかようなものについて関税引き下げ、もしくは自由化をはかる用意があるんだというようなことは、当日本側の閣僚からアメリカ側にちゃんと告知をしている状態でございまして、これが実際上国内手続の問題といたしまして、おくれたからといって平価調整に影響を及ぼすというようなことは、私らといたしましては考えておらないところでございます。
#125
○鈴木一弘君 時間がないようですから、これで終わりにしたいと思いますが、これは通産省ですね、OECDの環境委員会の例の発言でありますが、各国政府が――企業の公害の防止に助成金、補助金を交付している、それは結局、そういう交付をしないで企業自身が負担している国に対しては非関税障壁と同じである、国際競争力においても違いが出てくるわけでありますが、そういう点で、これを非関税障壁とみなして禁止するということに合意したというふうに伝えられているわけであります。こういうことから見ますと、今度は非関税障壁の問題として、ガットの席上でも、あるいはそのほかの国際会議の席上でも、新らしい国際ラウンドとしてはこの問題が大きく出てくるのではないか、そういうことが考えられるわけです。そうすると、公害防止費用に対して、今回はまだここにあがっておりませんけれども、租税特別措置等で考えている。そういうようになってくると、はっきり申し上げて、これはあまりにも政府の助成色が強過ぎるのではないか、そうなると、今度は非関税障壁ということで強く迫られてくる。小さい中小企業や何かならけっこうでありますけれども、そういう点から公害対策の基本的姿勢をここで直さなければ、これはいままでの国内の産業を育成するということだけではもう間に合わない。もしそういうことをやれば、逆に今度は世界からいじめられるということになりかねないわけでありますが、そういう点についてどういうふうに考えておるか。
#126
○説明員(島田春樹君) お答え申し上げます。
 いま先生御指摘になりましたOECDの問題でございますが、これは御案内のようにこの二月、OECDの環境委員会で一応委員会として合意を見たいわゆるガイディングプリンシプルと普通呼ばれているものでございます。そのガイディングプリンシプルの中に、汚染者負担の原則ということがうたわれております。この汚染者負担の原則は、考え方は、公害防止措置については、汚染者がその費用を負担すべきであるという考え方で、先生いまおっしゃいましたような基本的な考え方でございまして、ただこれは、環境政策の国際経済的な側面という点に特にウエートを置いた指針でございまして、したがいまして、政府のいわゆる補助という問題につきましては、国際貿易あるいは国際投資に著しいゆがみをもたらすような補助を行なってはならないというような一応考え方をとっております。この議論の過程で、やはりヨーロッパの各国の中でも、いろいろ硬軟議論があったわけでございますが、一応こういうかっこうで意見の一致を見たということのように承知いたしております。
 わが国のこの問題に対する私どもの考え方といたしましては、基本法にもありますように、公害防止というのが、事業者のいわゆる公害防止のつまり責務であるというふうに基本法にもうたわれておりますし、したがいまして、公害防止費用を汚染者が負担するという考え方は、基本的には当然であるというふうにもわれわれも承知いたしております。ただ現在御承知のように、わが国の環境は非常に悪くなっております。これをいかに改善するかということに全力をあげておる段階でございまして、そういう段階で、企業の公害防止対策というものを促進して、できるだけ早く円滑に環境の改善をはかるという必要があるわけでございます。そういうことを行なうのは政府の役割りとしてある。で、汚染者負担の原則というのが、そういった政府の役割りを必ずしも否定するものではないというふうに考えておるわけでございます。
 なお、OECDのこの指針の中でも、国際貿易と国際投資に著しいゆがみを引き起こすに至らない範囲では、原則の例外というのがあり得るのだということがうたわれておるわけでございます。
 いま申し上げましたような考え、いわゆるガイディングプリンシプル、われわれとしてはいま申し上げましたような考え方でございまして、現在の状況、非常に日本の特殊な状況というものを考えますと、こういった政府の措置というものをいまとっておるということも、現在わが国の国情からいって、先ほど申しましたガイディングプリンシプルの考え方からいいましても、必ずしも原則に抵触するものではないだろうというふうに考えております。
#127
○鈴木一弘君 非常にいまのところは著しい影響ということばで、そういうことから、おそらくは心配ないだろうという話なんですけれども、これは日本の国が三流四流の工業国であり、国際競争力を持たない国ならば問題ないと思いますけれども、いまや世界の一流ですから、そういうことになってくると、わが国特有の、いわゆる環境汚染全体としての政府の投資というものが必要だと思います。公園であるとか、河川であるとか、下水道とか、これはわかりますけれども、それ以外の、企業に対する助成、補助あるいは公害準備金制度というものが今度発足しようとしている、あるいは特別償却を認めようとしている。こういうことは、どう考えても私はひっかかってくるのではないか、少しその点に甘さがあるのではないかという感覚がしてならないのですけれども、その点はだいじょうぶなんですか、ほんとうにおっしゃるとおり。
#128
○説明員(島田春樹君) これが具体的にどう動くかにつきましては、今後この委員会で検討されていく段階、徐々にこの委員会でこの原則の具体化について検討が行なわれていくことになるであろうと思います。私どもがいま申し上げましたような考え方をとっておるわけであります。また実際に各国でも、詳細に承知しておるわけではございませんが、たとえば、特別償却あたりにつきましては、ほかの国でもいろいろ公害についてやっておられる国もあるようでございますし、今後いろいろ議論が行なわれていくであろう、われわれとしては、いわゆる公害のたれ流しというかっこうで、国際的に非難を受けるようなことは絶対やっては困りますので、まず、公害対策といいますか、環境改善に全力をあげるということを当面考えていきたいというふうに思っております。
#129
○委員長(前田佳都男君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#130
○委員長(前田佳都男君) 速記を始めて。
#131
○委員長(斎藤吉郎君) 先ほど先生の御要求の資料まとまりましたので……。
  ハム、ベーコンについての小売り価格でございますが、外国のこれはILOあるいはFAO等の資料からとりまして、フランスが千二百十九円、西独が千百五十三円、イギリスが九百七十九円、それからアメリカが千五百円から二千円、先ほど日本が千六百円と申しましたハム。
  〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕
 それからベーコンにつきましては、アメリカが七百円ないし八百円、デンマークが大体五百円程度ということでございまして、日本につきましては先ほど千円と申し上げました。以上でございます。
#132
○渡辺武君 昨年十二月十一日のサンケイ新聞と、ことしに入りましてからは三月十七日の各紙の報道によりますと、伊藤忠その他の大手商社が、中国産の生糸をイタリア産と偽って申告して、イタリアから輸入し、両国との間の関税率の差額を脱税するなど不当な利益をあげているという事態があります。大蔵省は、この事件をいま調査中だというふうに言われておりますけれども、事件の内容と問題点、これはどういうことなんですか。
 それからまた十二月以来すでに日もたっておりまして、いろいろ調査も進んでいるかと思いますが、その結果はどうなっておるか、それをまず伺いたいと思います。
#133
○政府委員(赤羽桂君) 御指摘の事件につきましては、昨年十月の終わりでございましたか、わが国の輸入業者が、イタリアから輸入をいたしております生糸のうち、中共原産ではないかという疑いのあるものが発見されておるわけであります。現在この税関等において犯則調査を行なっておるまっ最中でございます。これは御案内のとおり、イタリア原産ということに相なりますと、関税率が七・五%、協定税率七・五%。中共原産のものでございますと、これは一五%ということに相なっておるわけでございます。
 この問題点というお尋ねでございますが、問題点といたしましては、これはいわゆる当該商品の原産地をいかにして認定するかという問題にかかるわけでございます。この原産地をいかに認定するかという問題につきましては、これは国際的にいまのところ統一した基準というものはございません。わが国の原産地の認定の基準といたしましては、何と申しますか、いわゆる関税率表の商品番号が変わる程度の加工が行なわれたものにつきましては、これは当該国の原産地という認定基準によっているわけでございます。まあ本件の事件、いわゆる生糸、この生糸がイタリアにおいて何らか加工されたかどうかという点につきましては、いまのところ調査の結果そういった点につきましてはっきりとした結論がまだ出ておらないわけでございますけれども、何らかの加工が行なわれたということに相なりましても、その加工のやり方、程度によりましては依然として生糸は生糸でございます。そこら辺のところの認定が一つ大きな問題に相なろうかと存ずるのでございます。
 それからもう一つは、昨年十月の話で、依然としてまだ結論つかないのはおそいじゃないかというお話でございますが、先回の御質問にもお答え申し上げましたとおり、若干かようなことはほかにも行なわれているのではないかという疑いがございますので、そういった点につきましてもあわせて調査をいたしておる最中でございますので、まだいまのところ結論は出ておらない、かような状況でございます。
#134
○渡辺武君 その原産地の認定の問題はいずれあとから伺いたいと思いますが、さしあたってお聞かせいただきたいのは、伊藤忠商事の名前は新聞などに出ておりますね。一番最初から出ているのですけれども、いまも御答弁の中で、ほかにもそういう疑いがあるというふうにおっしゃっておられましたが、現在どういう貿易商社を調査しているのか、これを伺いたいと思います。
#135
○政府委員(赤羽桂君) せっかくの御質疑でございますが、その業者の名前を特定してあげますことは何ぶんにもこれは犯則調査案件でございまして、最終の結論から申し上げまして、非常にこれは情状が重い、あるいはこれは調査したが情状が軽い、あるいはそういう証拠がなかったという点もございまして、犯則調査の案件でございまして、具体的に正式に私から本委員会の席上において申し上げることは控えさせていただきたいと存ずるのでございます。
#136
○渡辺武君 新聞にはおそらくこれはもう大蔵省から、特に関税局から出なければ、こんな名前出そうもないと思われるような名前が出ているわけですね。具体的に名前を言えないというのだったら、調査しているのは何社ぐらい調査しているのか、社数くらい言えると思うのですが、どうですか。
#137
○政府委員(赤羽桂君) 複数の数社ということでございます。
#138
○渡辺武君 数社といえば二社も、三社も十社も入っちゃう、毎日新聞の記事によりますと、伊藤忠と東洋企業という二つの社名が出ております。関税局はそういう名前を新聞記者には言っているのじゃないですか。このイタリアから生糸を輸入している商社、これはいま数はどのくらいでございますか。
#139
○政府委員(赤羽桂君) 四十六年にイタリアからの生糸として扱いました商社は十でございます。
#140
○渡辺武君 そのイタリアから生糸を輸入している十の商社、これはどういう商社がありますか。
#141
○説明員(森谷要君) 現在生糸を扱っておる商社の名前を言えというお話でございますが、扱い量に多寡はございますが、扱っている商社はいま御指摘のございました二社、それからそのほかには丸紅飯田、望月商店、三井物産、ジャリー、日本デスコ、トーメン、市田株式会社、それからオリエンタルコマーシャルと、かような会社がございます。
#142
○渡辺武君 その商社別のイタリアからの生糸の輸入高ですね、これをここ四年ばかりのものをちょっとおっしゃっていただきたい。
#143
○説明員(森谷要君) この商社、それぞれ非常に激しい競争をやっておりまして、一体、生糸が港別にどのくらい入ったかということは申し上げることは可能でございますが、商社別にどのくらい入ったということにつきましては、私ども通関の仕事をやっております公務員といたしまして、秘密を守る義務がございまして、さような観点からごかんべん願いたいと、こう思います。
#144
○渡辺武君 毎日新聞で二社だけあがっておりますけれども、この二社のほかにもいま調査をやっているということでしょうか。
#145
○説明員(森谷要君) 先ほど関税局長が申し上げましたように、同じようなものを扱っているところもございますし、全く扱っていないところもございます。したがいまして、同じものを扱っている商社につきましては、同様なことがあるのではないかということで目下調査しておるわけでございます。
#146
○渡辺武君 それでは質問を先へ進めますが、中国から生糸を輸入した場合、関税率が一五%で、イタリアからの場合だと七・五%とおっしゃいましたが、その関税の格差ですね、これはいつごろからついているものですか。
#147
○政府委員(赤羽桂君) 四十三年ごろから格差が出ておるわけでございます。四十三年の七月の一日から四十四年の終わりまで、四十四年の十二月三十一日でございますが、税率格差三%になっております。それから、四十五年の一月一日から四十五年一ぱいこれが四・五%でございます。それから、四十六年一月一日から四十六年三月三十一日が六%でございます。現在七・五%、かようなことでございます。
#148
○渡辺武君 そうすると、かなり前から関税の格差がついているわけですけれども、いま大蔵省は大体何年からの輸入を調べておられますか、この事件に関して。
#149
○政府委員(赤羽桂君) ただいま調べておりますのは四十六年中のものについて調べておるわけでございます。
#150
○渡辺武君 四十六年だけというのはおかしいじゃないですか。イタリアから日本が輸入している生糸の量ですね、これはその格差が始まった四十三年からですか、おっしゃっていただきたいと思います。
#151
○説明員(森谷要君) いま関税局長が申し上げましたのは、現在さしあたり四十六年中のものを調べておるということでございまして、当局といたしましては、犯則の嫌疑のあるものにつきましては当然調べるべきものであると思います。規定の上から申しますと遡及して五年以内に行なわれた悪い事件は、これは犯則として処理することにいたしておりますが、事実上資料あるいはデータその他によっておのずから限界があることは御了承していただきたい、こう思います。
#152
○渡辺武君 ですから、四十三年からイタリア産の生糸の輸入量ですね、これはどういうふうになっているのか、それをちょっとおっしゃっていただきたい。
#153
○政府委員(赤羽桂君) 四十三年千三十九俵でございます。一俵六十キロでございますが、千三十九俵、それから四十四年千六百七十一俵、それから四十五年四千二百五十九俵でございます。四十六年四千七百七十三俵でございます。かようになっております。
#154
○渡辺武君 そうしますと、関税の格差が始まってから、その格差が開くにつれて、イタリア産の生糸の輸入が急増しているという事態があらわれているわけですね。ですから、法律の上では五年先にさかのぼることができるということでありますから、ひとつそういう点も含めて徹底的に調査していただきたい。徹底的に調査するおつもりがあるかどうか。
 それからまたあわせて、どういう罰則が、もしこの事件が犯則事項だということになれば、どういう罰則が適用されるのか、その辺もあわせて伺いたいと思います。
#155
○政府委員(赤羽桂君) 税関といたしまして、これは犯罪ありと思量いたしますときには、これは調査の義務があるわけでございます。その点につきましては、そういう疑いが出ました場合には調査をいたすつもりでおります。
 それから、ただいまどういう罰則があるかというお尋ねでございます。構成要件に該当いたしますれば、ただいま申し上げるような罰則が適用されることに相なるわけでございますが、関税法百十条に、「偽りその他不正の行為により関税を免れ、又は関税の払いもどしを受けた者」ということでございまして、「五年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」という規定がございます。それから関税法百三十八条に、「税関長は、犯則事件の調査により犯則の心証を得たときは、その理由を明示し、罰金に相当する金額及び没収に該当する物件又は追徴金に相当する金額を税関に納付すべき旨を通告しなければならない。但し、左の各号の一に該当すると認めるときは、直ちに検察官に告発しなければならない。」と、かような規定がございます。
#156
○渡辺武君 三月十六日の毎日新聞によりますと、四十六年一月以降の生糸輸入で関税格差を利用した脱税額は、わかっただけで東洋企業二千六百万円、伊藤忠一千二百六十万円に達するというふうに大蔵省は見ている。で、罰金額はそれぞれ一億一千九百万円と七千五百万円になる。というふうに書いております。これは事実でしょうか。
#157
○政府委員(赤羽桂君) 新聞にいろいろ実は出ておるわけでございます。大蔵省が言わなければ、そういうことは言わぬだろうとおっしゃっておられるわけでございますが、私らといたしましては、さようなことを言うはずはないわけでございます。ただいまの罰金の具体的な金額につきましても、われわれといたしましては何らあずかり知らぬところでございまして、これはもし調査の結論といたしまして、先ほど申し上げましたような構成要件に該当すると認められれば、そこで罰金その他の計算をいたすわけでございます。さような数字は関知いたしておらないのでございます。
#158
○渡辺武君 私の問題にしたいのは、大蔵省以外にはこういう数字はおそらく出せないと思うわけですね。大体脱税額に比べて罰金というのはほぼ六倍か七倍だろうというのが、いままでの事例でも判断できるところです。ちょうどその計算で発表されておる。こういうことです。一方でこれからなお捜査すると言っていながら、他方でもうすでに脱税額や罰金額を発表するということでは、もう捜査は完了したんだという趣旨で発表したんじゃないかというふうにしか考えられない。一体今後も徹底的に捜査されるおつもりがあるのかどうか、その点重ねて伺いたいと思う。
#159
○政府委員(赤羽桂君) 新聞に一たん出ますと、まことに影響力が非常に重大かつ広範でございます。取材源がどこであるか、私らはわからないわけでございます。先ほど来申し上げますとおり、この事件は非常に遺憾な事件だと思います。十分心証を得るまでに調査をやるつもりでございます。
#160
○渡辺武君 神奈川新聞――われわれ新聞の記事でしか知るよしがないから、きょうは質問まで新聞しか見てないわけですが、神奈川新聞を見てみますと、大蔵省の見解として、もし故意とすれば証拠を集められるかどうかにかかっている。というようなことを言っておられるようです。こういうことを新聞に出すということは、これは業者に証拠隠滅をすすめているようなものではなかろうかという感じがするんです。もし現実に証拠隠滅のおそれがあれば、先ほども御答弁の中で言われておりました、関税法百三十七条の三号で、検察官に告発できることになっておるはずですね。私はこういう大きな事件、局長自身も遺憾な事件だというふうに言っておられるわけですから、そういうものについては当然これは検察庁に告発して、そうして身柄を押えて、十分証拠も調べるという措置を当然とるべきだと思いますけれども、どうですか。
#161
○政府委員(赤羽桂君) ただいまの法律の規定にも「税関長は、」「犯則の心証を得たときは、」と書いてございます。まさにそのために、ただいま調査を総行しておるわけでございますので、いま直ちに、そのやるというのは、これは当然その心証を得た後のお話でございまして、そのためにいま調査をやっておるわけでございます。
#162
○渡辺武君 そうすると行政措置だけにとどまらず、もし犯則の事実があるという心証を得たら告発することもあり得るということですね。
#163
○政府委員(赤羽桂君) 構成要件に該当いたしますときは、当然法律の規定によって処置をいたすわけでございます。
#164
○渡辺武君 時間がないのでさらに進みますが、公正取引委員会からおいでいただいていると思いますが、業者はイタリア産と税関には申告しておいて、しかも実際その生糸を売るときには中国産であるという表示をして売っている。これは新聞記事にもはっきり伊藤忠の責任ある人がそういうふうに言っておる、これは不当景品類及び不当表示防止法違反というふうなことになるんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
#165
○政府委員(吉田文剛君) 景品表示法によりますと、不当表示の規制というものは、一般消費者を誤認させ、不当に顧客を誘引する行為の禁止、これを目的としておるわけでございます。で、その対象になる取引は、一般消費者との取引の場合に限られるというふうに考えております。したがいまして、御指摘の件は、景品表示法上不当表示として問擬することは困難ではないかというふうに思われますが、当該生糸が加工されて完成品となり、一般消費者に販売される場合におきまして、当該商品について日本の国内で加工縫製されているにもかかわらず、イタリア製あるいは中国製というふうな表示をされまして、その商品につきましてイタリア製あるいは中国製が日本製に比して一般に優良であるというふうに認められている場合には、不当表示の疑いが生じてくるというふうに考えられます。したがいまして、そういう場合には、関係者等から事情を調べてみたいというように考えております。
#166
○渡辺武君 日本生糸との間の問題じゃない。問題は、中国産の産糸を、イタリア産だというふうに、いわば表示している、そして輸入をしている、そして実際業者に売るときには、これは中国産のものだと言って高く売るわけですね。これは、そういうイタリアからの輸入という便宜がない業者にとってみれば、これは非常に競争力の強い手段となるんですね。つまり、不当な表示をやって、そして競争力をつけてやっている。しかも、一般消費者がこれを買うときには、これはやはり中国産の生糸でつくった布として買わされるわけですから、そういう値段がつくわけですよ。当然のことながら、これは不当表示だというふうに見なきゃならぬと思いますが、どうですか。
#167
○政府委員(吉田文剛君) さっき申し上げましたとおりでございまして、中国産のものを、イタリア産として輸入し、それをまた中国産として売るという場合に、売り先が一般消費者である場合は、疑いの余地がありますけれども、一般消費者でない場合は、景品表示法は、一般消費者に誤認を与えるという場合にだけ限定しておりますので、先ほど申し上げましたとおり、その糸を加工して布をつくって、それを日本でやったにもかかわらず、イタリア産あるいは中国産という表示をすれば、これは疑いが出るというふうに考えられます。
#168
○渡辺武君 いずれにしても、私はこれは明らかに税のほうにはイタリア産だと申告しておって、実際業者に売るときには、これはもう中国産だということで売っている。これは明らかに不当表示だというふうに思いますけれども、いずれにしましても、こういう疑いが出ているという状態で、公正取引委員会として調査されるべきだと思いますが、どうですか、調査されますか。
#169
○政府委員(吉田文剛君) まだ疑いがあるかどうかはっきりいたしませんが、一応事情は調べてみたいというふうに考えております。
#170
○渡辺武君 それでは次に移りますが、先ほど局長も言われましたように、イタリア産と言えるほどの加工がしてあったかどうかが問題だというふうにおっしゃいました。あなた方の検査結果では、どんなふうな加工がしてあったのか、これを伺いたいと思います。
#171
○政府委員(赤羽桂君) このいわゆる生糸でございますが、生糸につきましては、繭からとるわけですが、ちょっとお話申し上げますと、繭から繰り糸、再繰り糸という工税をして生糸になります。これは今回の事件に関連をいたしまして、イタリアで繭を加工して生糸にしたら、これは明らかにイタリア原産だというふうに認めてよろしいわけです。ところがこの生糸に糸を一本、二本よるという加工工程がございます。それからまた精練をして色をつける、これはやる場合と、やらない場合とありますが、こういった加工工程を経ますと、生糸から絹糸になるわけでございまして、これも同じく背番号が変わってきまして、これはもうイタリア原産地ということに相なるわけでございます。ところが、生糸から、何と申しますか、生糸の表面にくっついている夾雑物、にかわ質のセリシンを除去する工程とか、あるいはまた節どりとか、かようなものをとるという加工工程はよく行なわれておるようでございますが、かようなものは、実は生糸の同一性を変更するものではないわけでございまして、生糸ということに相なるわけでございます。したがいまして、イタリア原地におきまして、いま私の申し上げましたいかなる加工が行なわれているか、そこら辺のところが一つ今回の事件のポイントに相なるのではないか、かように考えておるのでございます。
#172
○渡辺武君 いや、本件の場合、あなた方調査しておって、これはおかしいと思って調べ始めたのでしょう。ですから、どの程度の加工がしてあったのかということを伺いたい。
#173
○政府委員(赤羽桂君) ただいま、いわゆる節どりとか巻き返しのようなことをやっていると向こうは主張しておるわけでございますが、現物について直接調査をいたしました横浜税関について当たりますと、まずこれは見ただけではとてもわからないものである。かようなことに相なっておるわけでございます。
#174
○渡辺武君 専門の人が見ても加工したかどうかわからぬという程度、しかも、現に商取引の中では中国産と称して堂々と売り買いされておる。絶対これはイタリア産じゃないと、これは専門家が見てイタリア産じゃない、中国産だと判断して、中国産だとして買っておるわけでしょうね、おそらく。ですから、おかしいのですよ。それはあなた方綿密に調べられることは必要だと思いますけれども、しかし、やはりイタリア産と称するには、あまりに加工してない、そういうものじゃないですか、これは。どうでしょうか。
#175
○理事(嶋崎均君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#176
○理事(嶋崎均君) 速記起こして。
#177
○政府委員(赤羽桂君) 先ほど申し上げましたとおり、巻き戻しでございますとか、節どりというような加工工程でございますと見てもわからない。それから、いま言ったような加工工程は生糸の同一性を変更するものではないと私申し上げたわけでございます。さようなことをやりましても、当方といたしましては、生糸は生糸である、かように考えておる次第でございます。ただ、あまり綿密にやる必要はないじゃないかというお尋ねでございますが、これは非常に綿密にやりませんと、いやしくも犯則事件でございます。裁判にいってこちらが負けるというようなことに相なっては、これはどうも何ともみっともない話でございますので、これは綿密にやるつもりでございます。
#178
○渡辺武君 それじゃ最後に、ほんの一、二問だけ固めて申し上げます。
 私は、綿密にやる必要ないなんて言ってないですよ。綿密におやりなさい。しかし、どうもこれは客観的に見ても加工されたとは考えられないじゃないかということを言っておるのです。
 さて、外務省からお見えになっておられると思うので、外務省の方から伺いますが、イタリアから輸入する場合に、イタリアの原産地証明書がついてきているそうでありますけれども、これにイタリア駐在の日本総領事が裏書きをしておるという話を私耳にしております。これは事実かどうか。もし、イタリア駐在の日本総領事が裏書きしておるとするなら、日本の税関で疑わしいと思って調べておるようなものについて、何で総領事がこれはイタリア原産のものだということに裏書きをしたのか。その辺の根拠はどこにあるのか、これを伺いたい。
 それからもう一つついでに農林省の方に伺いたいのですが、毎年イタリアに生糸事情を調査に調査官を派遣しておると思うのですね。専門の人が行っていながら、どうしてこういう事件がわからなかったのか。これを第二点として伺いたい。
 それから第三点として、これは関税局長に伺いたいのですが、こういう事件が起こるのは、同じ生糸でありながら、中国から輸入すれば一五%の関税がかかり、イタリアから輸入すれば七・五%だというおかしな関税の制度、ここに一つの大きな原因があるかと思います。今度の関税定率法の改正案の中に、生糸は現行どおり据え置きということになっておりますけれども、これも協定税率並みに引き下げをしたらどうかと思いますが、その意図はおありかどうか。
 以上、三点をお伺いします。
#179
○説明員(太田正利君) ただいま御質問ございましたミラノの総領事館で裏書きをしたということでございますが、これはイタリア商工会議所発行の文書についております署名及び公印が、誤りなく会議所及び代表者の公印それから署名であるということの証明を行なっただけのことでございます。その根拠規定といたしましては、外務省設置法第四条第一項二十三号に「日本と外国にわたる身分関係事項その他の事実について日本及び外国の官公署が発給した文書を証明すること。」というのがございます。それを受けまして、外務省領事官の徴収する手数料に関する政令第一条第一項二十二号で領事官が「署名証明」するということができるということになるわけでございます。したがって、ミラノの総領事館が、その内容についてそれを裏書きしたという事実はないのでございます。
#180
○説明員(内藤隆君) 先生御指摘のように、農林省といたしましては、国際絹業会議の出席等を含めまして、ヨーロッパに海外出張者もいるわけでございますけれども、何せごく最近になりまして、わが国でも気がついてきたというような事情がございまして、会議出席等の目的も多様にわたっておりますので、従来そういうことに対する調査が十分行なわれなかったという点は事実でございますので、今後とも出張者等の行動につきましては十分注意するようにしたいと思います。
#181
○政府委員(赤羽桂君) 中共格差の問題でございますが、生糸、絹織物等を、今回ほかのやつはほとんど自主的に全面的に解消したわけでございます。絹はこれはセンシチブな商品ということで残ったわけでございます。特に生糸につきましては、これは国内産業に対する影響が非常に大きいと考えられるわけでございまして、昨年の臨時国会におきましても、生糸の一元輸入に関する議員立法がなされているわけでございます。さようなバックグラウンドで、この生糸につきましては、直ちに格差解消をはかるというようなことは、現段階においてなかなかむずかしいのではないかと考えているわけでございます。
#182
○成瀬幡治君 長官お見えですから、同僚の議員も質問等があるようでございますから、意見を交えて若干お伺いをしたい。
 まず最初伺いたい点は、いろいろと新経済社会発展計画等、いろいろな計画などをお出しになって、昭和五十年には、消費者物価の最終目標を三%にしたいというような、そうした案と申しましょうか、政府の方針が明らかになっているわけですが、今回五・三%に押えようじゃないか、持っていくのだ。努力目標といえばそれまでかもしれませんが、逆に言えば、五・三%というものは、単に思いつきの数字じゃないと思うのです。一つの、いろいろなデータをお持ちになって、そうして算定をされたものだと思うのです。したがって、ここでどういうふうに御答弁願えるのかよくわかりませんが、かくかくというもので算定基準を出したという説明を承りたいと思います。
#183
○国務大臣(木村俊夫君) 数字的なこまかいことはまた局長からお答えいたします。
 来年度五・三%のこれは政策目標でありますが、経済見通しで、私どもの政策努力を十分見込んだ上での数字でございます。したがいまして、客観的情勢を申しますと、一般的物価環境というものは決して悪くございません。私どもで、公共料金の一部値上げはいたしましても、一般物価動向が非常に落ちついておりますので、私どもはいまのところ政府の政策努力を十分見込んで五・三%の見通しは十分これが達成できる、こういう考えでおります。
 こまかいその算定数字をどの計量モデルを使ったり、あるいは中分類、特殊分類いろいろな作業がございますので、そういう面についてお尋ねがございましたら、局長からお答えしたいと思います。
#184
○政府委員(宮崎仁君) いま長官からお答えいたしましたとおりでございますが、御承知のように、消費者物価につきましては、中分類という分類で通常取り扱われておりますが、この中分類の各項目ごとに推定をいたすというやり方で大体つくっております。この場合に、来年度の成長率その他の見通しによりまして、大体三つくらいのケース、非常に低く出るだろうと思われるようなケース、それからかなり高く出るだろうと思われるようなケース、その中間というようなことで、結局中間をとるわけでございますが、それにはいろいろ前提を置いて、調整局のほうで実施いたします経済見通しの各種の数字との相関関係を見ながらこれを出していくわけでございます。もちろん、中には、たとえば主食の米というと、これは一応据え置きという前提をとっておる、それから野菜などにつきましては、これは非常にむずかしいわけでございますが、四十六年度が比較的低下をいたしましたので、来年度は暴騰をするという前提になっております。これは、そういう季節的な動きも入れました算定方式によりまして出しておるわけでございます。そういったようなことで、それぞれの項目ごとに四十七年度の見通し、四十六年度に対する上昇率を出してまいります。そういう形で出しました係数に対しまして、来年度物価政策として特にどういうふうな政策がとられるかということで、政策的に動かし得る要素がございます。ということは、この推計では、過去のデータを使いまするので、たとえば円の切り上げの問題などは入ってまいりません。こういうことによる価格の低落ということが織り込まれるわけでございます。それから、ただいま御審議をいただいておる関税の引き下げ、これによりますところの消費者物価の低下を〇・一%程度実は織り込んでおりますが、そういうようなこともやっております。あるいは予算でいろいろ問題になります低生産性部門の構造対策、これによる低下も若干織り込んでおります。
 そういった各種の政策的に、ある程度考えられる面をこれに織り込みまして、そうして五・三%という数字をつくっておる。こういうことでございます。
#185
○成瀬幡治君 これは物価対策特別委員会あるいは商工委員会等で議論される点だと思いますから、逐一どうこうということは言いませんが、少なくともこういうことだけ資料としてお願いできませんでしょうか。
 いまおあげになりました、たとえば何品目についてやっておみえになるのか、あるいは分類のいろいろなしかたがあると思うのです。あるいは公共料金は何%になるのか、あるいは関税引き下げがどうなるのか、主食はどうか、あるいは生鮮食料であれば野菜と魚と分けてやっておみえになっているのかもしれません。あるいは住宅はどうか、光熱費、そういうようなことについて、だから私たちが一見して、なるほどこういうふうになってくるから、ここで五・三%という数字が出たわいというようなので、あまり膨大なものを私は資料としていただかなくてもけっこうですが、少なくともわら半紙に一枚くらいのかっこうで抜き出して、われわれが見てもわかる程度の資料というものをお出しいただくわけにはまいりませんでしょうか。
#186
○国務大臣(木村俊夫君) あまり専門的なあれになりますと、私自身もよくわからないのでございますが、一般的にわれわれの常識で判断ができるような推計でようございますか。――そういう資料を提出するようにいたします。
#187
○成瀬幡治君 卸は非常に問題だと思いますが、卸については、先ほど長官は、消費者物価には努力しておる最中だから、大体達成ができるとおっしゃったが、卸はどういうふうにお考えですか。
#188
○国務大臣(木村俊夫君) わが国の全体の物価の特色と申しますか、消費者物価がずいぶん上がっておりますが、卸売り物価は非常に落ち着いておりますので、したがって、これは卸売り物価の対象になります品目が、消費者物価と違うわけですから、多くは大企業の工業製品、そういうものが対象になるだけに、卸売り物価の趨勢は非常に落ち着いておるのみならず、先々月ころまではむしろ下落しておると、ようやく横ばいに転じ、二月は〇・二−〇・三上昇に転じておりますが、総じて落ち着いておる。したがいまして、ことし昭和四十六年度は、むしろ九九九・一%、〇・九%の下落である、来年度は横ばいと、ゼロということに見込んでおります。
#189
○成瀬幡治君 まあ見込んでおるのを、それは御答弁いただくのわかります。それじゃあ消費者物価でげた分ですね。普通いうげたは現時点でどのぐらいに踏んでおみえになりますか。
#190
○国務大臣(木村俊夫君) 先ほど御説明する際に、ぜひこれはげたの問題は御説明しなきゃならぬと思いましたが、落としまして申しわけございません。
 昭和四十六年度の三月ですから、もうあと数日で三月の物価指数が出るわけです。それが大体私ども実績見込みで、いままでの五年間の平均とりまして、まあ高くても〇・四と、こういうようなことを見込んでおりますが、そうなりますと、昭和四十六年度の物価上昇率というものは六・一%という修正見込みを下回りまして、まず五・七というところで落ち着くんではないかと思いますが、そうしますと、げたと申しますのは、御承知のとおり昭和四十六年度内の指数の平均値と、それからいま申し上げた三月の上昇率、これが実勢をあらわします、それとの差――ギャップがげたになるわけです。それが、われわれは六・一の修正見込みのときに二・三%考えておりましたところ、幸いにして五・七におさまってくれるものですから、それが一・四、すなわち昭和四十七年度へ進みます際のげたは一・四で済むのではないかというような、いまもうすぐあらわれることですからわかります。そういう見込みでおりますので、したがいまして、五・三から一・四引いた三・九というものが、昭和四十七年度の年度内における余裕ということになります。御承知のとおり、大体平均いたしますと、いままではげたがその五年間の平均で二・八ぐらいです。その上に三という余裕を見ておるわけです。それがことしは三・九まで余裕が見られる。それは決して政策的にそういうことをもって足れりとするものではありません、低いほどがいいんですから。これは五・三を下回れば、このような政策努力をしなければなりませんが、実際の数字上ではそういうことを見込んでおります。
#191
○成瀬幡治君 巷間いわれておったことは、その平均と申しましょうか、二・三ぐらいじゃなかろうかといわれておったんですが、いまお聞きすれば一・四だと、そういうことになれば余裕があるわけで、前のときには余裕が、かりに一・八にでもなってしまえば、平均のようなことになってしまえば、たいへんなことだと思っておりますし、ですから、これは数字の上のことでございますから、私もとやかく申し上げませんけれども、一・四におさまってきたというようなことになれば非常にいいことと思うんです。そういうことと関連して、それではそういうふうに例年よりもまあ横ばいと申しましょうか、少し横ばいになってきたということの主たる原因は、まあ、非常に物価行政というものがしみ出てきて、そして効果をあげてきたと、こういうふうに認識しておみえになるのか、それとも、いわゆるドル・ショック以来の不況ムードの中でこうなったとしておみえになるのか。いや、これは両方ですよと、こうおっしゃってしまうと、議論するところはなかなかなくなってしまうんですが、主たる原因は何だというふうにお考えですか。
#192
○国務大臣(木村俊夫君) いろいろな総合的な要因があると思います。
 第一は、やはりいま成瀬さん御指摘になった不況、これはまあ一昨年から続いているわけですが、それでやはり消費者物価に末端に影響を及ぼしてくるのは一年ないし一年半のタイムラグというものがあると思います。それが物価にじりじりと最近になりましてあらわれてきたというのが第一の原因。
 それから第二は、これは政策努力ではなしに、気象条件に幸いされまして、御承知のとおり野菜価格が非常に下落しております。これはもう下落そのものに、また生産供給面で問題があるくらい下落しております。これがたいへん大きな影響があると思います。
 それから第三は、やはり何といっても、先ほど御指摘になったように、円切り上げ、また為替変動相場制以来の、そういう一連の現象が物価に影響を及ぼしてきている。これはまだ政策努力がこれに続かなければいけませんけれども、現時点におきましても、関税引き下げにしましても、輸入自由化にしましても、そういう面の影響があらわれてきております。
 そういうようないろいろな原因が総合いたしまして、いま物価環境に非常に落ち着きが見えてきた。こういうことだろうと思いますし、また間接には、卸売り物価が横ばいであるし、あるいは下落をしておったということも、これはもちろん不況の原因と同じようにオーバーラップするのですが、そういう面もあろうかと思います。
#193
○成瀬幡治君 まあ、この政策努力の点についてはあとでお尋ねすることにして、公共料金は大体物価に影響をするのは約二〇%であろう、こういわれておりますが、今度その中で、上げましたね、それをどれだけ――国鉄運賃は五月一日なんということをいわれておる。いやいや、そうじやなくて、連休後だということもいわれておるから、連休後になるかもしれませんが、一体、公共料金の引き上げというものは何%影響するというふうに踏んでおみえになりますか。公共料金というのは授業料まで含めておるわけですか。
#194
○国務大臣(木村俊夫君) まず、私どもがもうすでに決定いたしましたものがございます。
 二月一日の郵便料金、それから診察料、二月五日のタクシー料金、これがきまったものであります。三月一日から電報料金も引き上げがございました。そのほかに国鉄運賃、これはもう国会でおきめになることですから、その期日については政府のほうではとやかく申せません。これは予算的にはもうきめたことでございますから、それも影響を含めて申し上げておきます。また大学の授業料は、御承知のとおりもう前期は取らないということになりまして、これは一応この際あとに置きまして、いま申し上げたすでにもう引き上げられたもの、あるいは国鉄運賃のごとく、時期は別として、われわれが予算的に決定しておるものというものを全部含めますと、まずそれが、消費者物価に対する影響というものは〇・七三%程度ではなかろうか、これがまたいろいろ便乗的に波及効果があるのではないかということをよくいわれますが、まあ普通に考えてそれは確かにそのとおりです。どうもいまの不況下にありますと、えてしてそういう料金の引き上げをコストの面に転嫁させるということが非常にやりにくいような環境でもございます。そういう面から見て、われわれは多少の便乗、心理的波及効果はあるとしても、それはそうたいしたものではないのではないか、こういうような見方でございます。
#195
○成瀬幡治君 〇・七三%、それから関税のほうは〇・一%というようないま数字のお話ですが、そういうようなものもどうせお出しになってくる資料等があると思うから、資料等をいただいて、もし何かのときにはまたお尋ねをするという機会だけは留保しておきたいと思います。
 次にお尋ねしたい点は、この政策の点について、物価政策というものは、相当強力に進推しなければならないということはしばしば政府のほうで言明をしておみえになります。そこで、あるいはいろいろな会議等もお持ちになって、いろいろ答申等を受けておみえになっておるようですから、ここでお尋ねしておきたい点は、実際やろうとしても、なかなか官庁のなわ張りがあり、権限が失われたり取り上げられたりすることは、官庁の抵抗が一番多くて、しかもいままでは生産者保護の大体立場においていろいろなことがなされてきたわけです。消費者行政というものは日本にはなかったと思うのです。しかしまあ、今度の政府が物価対策ということばを出してきただけでも私は非常にいいことだと思う。これはまだ何もなかなか効果は上がっていないようですが、それが今度のほんとうの消費者行政だと思うのです。そこで消費者行政をおやりになるとすると、いろいろなネックがある。しかしネックを乗り越えてやらなければならぬ。そのときに何を先に実際問題として手をつけてやろうというような重点政策といいますか、たとえば直接介入しておるようなもの、あるいは間接的に介入しているもの等があって、いろいろあると思うのですが、それでこれだけは、ぜひここしばらくの間のうちにとってやろう、やってやろうというようなものがあったらひとつお聞かせ願いたいと思います。
#196
○国務大臣(木村俊夫君) ややもすれば、いままでの官庁行政が生産者保護に流れておった、これは私は供給面がやはり潤沢になることが物価対策上の大きな要因になるのですから、必ずしもそのこと自体が私は悪いとは思いませんが、やはり消費者本位という行政の姿勢というものが、この最近の中に十分あらわれてきているかというと、まだ私は不十分だと思います。率直に申し上げて不十分だと思いますが、農林省の今回の機構改革でもごらんいただけるように、たいへん消費者行政にウエートを置いている政府機構の姿勢がはっきりしてまいっております。またそういう野菜対策一つをあげてみましても、もう昨年に倍する野菜対策費を計上しております。そういう意気込みだけはぜひひとつ買っていただきたいと思います。
 ただ、そういう際に、何から一体手をつけていったらいいか。まあ物価対策というのは、私は総合的でなければならない、こう思いますが、大きくかまえれば、やはりいままでの急激な高度成長というものをそのままにおいては、物価対策はどういう個別的対策をとっても、これは私は効果は上がらない。
  〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕
そこで、昨年以来の政策転換で適度な安定成長というものを、もうこれは現実にやらざるを得ない、客観的にもやらざるを得ないということになりまして、それが一番私は物価全体の対策としては大きなことではなかろうかと思います。その中にあって、個別に一体何をやるか。国民が一番毎日、日常感じを深くしておりますのは、やはり生鮮食料品、日常の生活品の価格だと思います。魚介あるいは野菜、そういう生活必需品、生鮮食料品の価格対策というものが、まずこれを取り上げることが、一番国民の要望にこたえるゆえんではないかと思います。やはりその際に考えなければならぬのは、どうして日本の消費者物価というものは各国に比べて上がりやすいかといえば、やはり生産性が低い部門が日本に一つの二重構造的なものがある。その構造対策を推進しないことには、個別のただ流通段階――流通段階もちろんございますが、大きくいって根本的な物価対策にならないということが言えると思います。やはり構造対策というものを推進する、近代化あるいは合理化する。その次には、いまちょっと触れましたが、流通対策であろうと思います。生産地でせっかく安いものが、小売り段階になっていつの間にか高くなる。その流通段階にメスを入れるということが、これは必ずやらなければならない。なかなか流通段階、快刀乱麻を断つがごとくにはまいりませんけれども、先ほど申し上げましたように、農林省の機構改革もその決意のあらわれと思います。まあそういう面で、物価対策は第一にはやはり適度の経済成長、第二は生鮮食料品あるいはそういう低生産性部門の生産性の上昇、それから、まことに言いにくいのですが、やはり公共料金ということは、政府主導の料金ですから、これを極力押えるということは、これはもちろん政府としての責任でございます。最近一部公共料金を上げましたことは、たいへん心苦しいので、最後に申し上げたわけでございます。
#197
○成瀬幡治君 まあ総需要の問題については、今度の不況対策とも関連があって、私もどうこうと言うことは、いろいろちゃんと話したり、うんとしていかないと……、その点はのけまして、そうじゃなくて、やはり現に行政として実際あなたがたは供給を確保するためにいろいろと行政が干渉してきたと、間接、直接にやってきたということがあるのだが、それはいま申しましたように、供給を確保するためによかったということもあるが、反面これが管理価格のような形になって、物価が下がるべきものが下がらない、あるいは不当に上げてしまったというもの。たとえば、理髪の料金が一番よく上がっておるようですが、あれが適当かどうかということは別として、一番よく上がった数字になっているのですね。そういうようなことについて、私はもう少し行政の具体的な問題についていろいろなことをやっておみえになるから、そういうことについての御意見が実はお聞きしたいのです。いかがでしょう。
#198
○国務大臣(木村俊夫君) 御指摘の、行政が介入したために管理価格――大きく言っては管理価格ということもありましょうし、また経済政策以外の目的でもって行政が介入しておるために、かえって価格が硬直しているものもありましょう。いまおっしゃったような床屋さんあるいは浴場、そういったものもあげられると思います。またたばこ、そういうものは、しかし、独占価格であれば、価格自体に影響がないはずですけれども、そういうものも一種の競争制限といいますか、そういうような影響が、ある面では確かに下がるべきものが下がらないという効果があるわけです。これは一つの過度の行政介入として、それを過度の、過ぎた、オーバーな行政介入としてこれはなおしていかなければならぬということは、物価安定政策会議から提言を受けておりまして、それはいま実施中でございますが、管理価格が、いま御指摘になったのですが、これがやはりいま、わが国のそういう大工業製品の下方硬直性といいますか、そういうものに相当影響があるのではないかと思います。そういう面では、公取で非常に厳格な監視を続けてもらっておりますが、えてして行政介入が物価安定のために用いられる場合もあれば、むしろ物価安定効果を阻害しておるような行政介入もあるということは確かなようでございます。
#199
○成瀬幡治君 いや、それだから、たとえばタクシーならタクシーのああいう免許制がいいものかどうか、あるいはもしそれがいいとするなら、今度はたとえば、理髪の料金を決定するような場合には、いまは組合でやって、員外はそれに従わないとどうこうするという、いろいろなことになってくると思います。あるいは入っておらなければ、環境衛生金融公庫からは金が貸してもらえないものですから、公庫から縛られておるからみんな組合に入る。入れば組合で決定したものを要請される、それが高いか安いかは別としてそうなる。テレビを見れば、おふろ屋さんもどうにもならぬ距離制限があって、片っ方では自治体が認可制にしておるのだが、えてしてやっていけないととろがあるから、それをやめるというところがある。いろいろなことがあるから、そういうようなことについて、具体的にどうしようとしておみえになるのか。いわゆる直接介入という、いまたばこの話も出ましたけれども、これを民営に移管するのか、そういう方向であなたのほうは検討して、そうしてやっていこうとしておるのか、そういうようなことについて、もう少し私は具体的に大方針というものが承りたいわけです。いわゆる自由競争を主体にしてやっていこうとするのか、それとも、そうじゃなくて、いまのような行政介入というものは、やはり供給面から見て必要なんだから、それはある程度残しておくんだよという方針なのか、その辺のところがちょっと受け取りかねますから、ずぱっとはなかなか言えぬかもしれません、どうするか。
#200
○国務大臣(木村俊夫君) まあ行政介入の目的によっていろいろあると思います。たばこのごとく、これはやはり専売収入という財政面が多いのですから、これを直ちに民営に移すということは、どうも経済企画庁としても考えておりません。ただたとえば、タクシーの問題、これは私はいい例をおっしゃったと思いますが、これはもう免許をはずすべきだと思います。自由企業にして、現に、この間タクシー料金を上げましたら、もうすでにお客さんのほうから乗車拒否をされているような、あれはやはり需要の弾力性がある企業でございます。そうなりますと、そういうものを免許企業にしておく理由は何ら私はないと思う。しかし、それを自由企業にするためには、やはり公共の足といいますか、バス路線を強化するとか、あるいは深夜バス営業するとか、新しい団地へバスを十分入れるとか、そういうことを整備してから、タクシーというものは自由企業にすべきである、こういう考えでいま運輸省とせっかく実施の計画を立ててもらっております。おおむね昭和四十九年ぐらいからそういうことに相なると思います。
#201
○成瀬幡治君 まあ、だからそういうように、私はまだほかに、たくさん直接、間接に介入しているから、これはこうなるぞということについて、そうたくさんないですから、十ぐらいあると思いますから、そういうようなことについて、お答えが願えれば非常に幸いだと思うのですが長官じゃなくて局長のほうからお答え願いたい。
#202
○政府委員(宮崎仁君) いま長官からお答えがございましたように、四十五年に、行政介入と物価ということで、個別にいろいろ御指摘をいただいております。
 タクシーについては、いまお話のとおりでございまして、これは自由化する方向にいくということでございますが、とりあえず個人タクシーをふやすということで、四十五年十一月末、六千件ほどの未処理件数があったものを一掃するということで、これは行なわれております。その後の処理を短期にやるようにするということで、改善が行なわれております。
 それから、薬局の距離制限の問題がございます。これは実は申しわけないんですが、厚生省で研究会をつくっていただいていろいろやっておりますが、まだその結論が出ないということでございます。大都市地域と地方でだいぶ実情が違うようでございまして、なかなか一律の考え方が出てこないというような状況のようでございます。
 公衆浴場、これも厚生省のほうで研究会をつくってやっていただいております。近くこれは報告が出るはずでございます。ただ、公衆浴場は行政介入という問題では議論になっておりますが、現実にはなかなかおふろ屋さんがだんだん減ってしまうというような実情がございまして、これは全体としてもう少し別の観点も考えなきゃなるまいということで、必ずしも料金抑制介入を廃止という単純な形ではおそらく結論は出まい、こういうふうに考えております。
 それから次が酒屋さん――酒類でございますが、これにつきましては、四十五年秋に値上げなどもございまして、相当きびしく国税庁のほうで処置をしていただいたわけでございまして、新規参入についても、従来の要件を大幅に緩和していただいておりまして、生協あるいはスーパー等の参加も認められております。それからさらに卸、小売りの従来別々になっておりました販売業者の免許を一本化するということも行なわれましたし、さらに生協、スーパー等の進出についても相当行なわれております。また生産カルテル、これを期間を短縮するということもやりました。そういうことでかなりの措置が行なわれております。
 それから理髪、パーマ、クリーニングでございますが、これは環衛法によるカルテルがあるわけでございますけれども、これにつきましても、なかなかあまりはっきりした方向がまだ出ておりません。現在環衛法による料金の規定は、たとえば東京地区でいきますと、理髪で百五十円でございます、最低料金。それは意味はないわけでございます。そういうようなものをなぜ置いとくかということもかなり議論になっているようでございますが、どうも現実と乖離してしまっているものですから、廃止したからどうなるというものでもない。一方、これにかかわっていろいろの業界の規制のような問題もあるようでございまして、厚生省のほうではちょっとまだいつまでに結論を出すという方向が出ておりません。
 それから次は、かなり大きな問題でございますが、再販問題でございます。これについては、公正取引委員会の事務局長おいででございますが。非常に努力していただきまして、昨年四月に再販行為の規制についての方針が出されまして、これは物対閣僚会議で採用されました。その方針に基づいて調査が行なわれ、さらにこの際にも一部指定の取り消し等が行なわれておりますが、全体としての調査は大体完了したようでございまして、近く公正取引委員会のほうで御措置がとられる、このように聞いております。
 それからカルテルの整備の問題、これは中小企業団体法によるカルテルの問題その他ございますが、通産省等によって大体この趣旨に基づく措置がとられておりまして、かなり減ってきております。ただ、最近また不況カルテルの動きが出てきておりますけれども、ただいま問題にしたようなものは減っているということでございます。
 それから百貨店業法の事業活動の規制でございますが、これについても、四十五年十月に改正が行なわれまして、従来の規制をかなり緩和するという措置がとられております。
 それからたばこ、塩の管理価格制度、これは大臣からお答えございましたようなことで、まだこのときには議論ございましたけれども、こうするという方針はきまっておりません。
 それから、豚肉の価格安定制度の問題でありますとか、砂糖の価格支持制度の問題でありますとか、農林物資についての価格支持の問題で、これはかなり大きな提案がされております。これについては、いずれも現在農林省において研究会等をつくっていただきまして、価格問題のみならず、検討が進められておりまして、私のほうでも勉強しております。なるべく早い機会にこういうものについても何らかの方向づけをいたしたいと考えている次第でございます。
 それから、管理価格問題については、公正取引委員会のほうでも独占禁止懇話会という形で取り組んでいただいておりますが、私のほうでも物価安定政策会議の第二調査部会というところでこの問題を取り上げまして、いま鋭意検討中でございます。このほうは早勉中間報告を出すという段階になっております。
#203
○成瀬幡治君 いろいろ努力されているようですが、長い統制経済と申しましょうか、戦争中からいろいろなことがあって、こちらに続いてきている。そうして業界からいえば、非常にありがたいことになっている問題ですから、なかなかおいそれといかぬと思いますが、せっかく努力を各省がやっているようです。で、それをあなたのほうで催促すると申しますか、プッシュしていく。こういうようなことに関して何か行政が、いわゆるあなたのほうと、たとえば農林省とか、この問題は厚生省とか、ばらばらでたいへんなんですが、これを何か一元化すると申しましょうか、消費者保護と申しましょうか、消費者行政を中心にして推進していこうというようなところをつくるという、何か抜本的なことについての御検討はお持ち合わせになっていらっしゃいませんですか。
#204
○国務大臣(木村俊夫君) 国会でよくそういう御意見を承るのですが、やはり各物価を構成する品目、それについての実施行政というものは、やはり各省で構造対策、生産対策あわせてこれはやるのがよかろうと思います。適当であろうかと思います。ただ、それを特に私ども経済企画庁がこれを全般的な物価対策の面から調整するということは必要であるし、またそのためにもう少し調整権限を強化したらどうかというきわめて親切な御意見もあるのですが、行政の仕組みとして、そこまで経済企画庁が各省に対していわゆる指示権限を持つということは、ちょっといままでの仕組みからいってもなかなかむずかしい点があります。したがって、経済企画庁はもちろんこれは一つの大きな調整機能は持っていなければなりませんが、問題のあるときには閣議あるいは物価対策閣僚協議会にも持ち出して、そこで調整するということが、いまの行政の仕組みの中では最も穏当ではなかろうかと、こういうような考えを持っておるわけでございます。
#205
○成瀬幡治君 時間もあれだと思いますから、私はカルテルのことについて一言だけ申し上げておきますが、十年以上続いておるカルテルというものがあると思うんです。これはおかしいと思うんですよ。どんなに理屈があろうとも、それがためにぼくは合理化なりいろんなことがおくれてしまって、カルテルでその生産部門を擁護するということは、これは全く一時的なことであって、あとはぼくはほかの面で見ていくべきだと思うんです。それが十年春続いておるものがあるということは非常に遺憾だと思っております。
 そこで、公取の事務局長さんお見えでございますから、お聞きしますが、いま十年以上のものが何件ある、そしてこれまだ続けていくのかどうか。
#206
○政府委員(吉田文剛君) いま資料を私持ってきておりませんが、ちょっと数字わかりませんので、あとで御報告をしてもよろしゅうございます。
#207
○成瀬幡治君 数字は私もそうこだわらぬですよ。数が相当あるととだけは承知しておるんですが、どうするんですか、これは。
#208
○政府委員(吉田文剛君) あまり長期にわたって、五年以上で見ましてもかなりあるという状態でございまして、この点については、たとえば、中小企業団体法による不況カルテル、こういうのもかなりございますけれども、これは主として中小企業を対象にして、一方において構造改善事業等進めておるわけなんですけれども、あまり長期にわたって、しかも業者数が逆にふえている、あるいはまた価格が著しく上昇しているといったようなものがございますれば、これはわれわれとしてもできるだけ協議を受けるわけでございますので、認可の場合に、そういう場合には厳重にその点をチェックしていきたい。できるだけこういうものは減らしていきたいというふうに考えております。
#209
○成瀬幡治君 これはどっかの場で二、三年前に議論しまして、同じような答弁でなっておるが、少しも変わっていないわけですよ。ですから、私たちも、低生産部門ですから、何らかの手を差し伸べてやらなくちゃならぬということはわかるわけですよ。しかし、その切り札が不況カルテルであって、五年、十年続くということはおかしいことなんですよ。ですから、カルテルは認めませんよ、たとえば五年以上は認めませんよと、どこかで線引きなんかして、そして対策を立てると、逆な方向で手を差し伸べてあげるというような、そういうことにはいかんものですか。
#210
○政府委員(吉田文剛君) 具体的に何年以上という線が引けるかどうか、これは私はわかりませんが、あまり長期にわたるものについては、そういう点もひとつ検討してみたいということでございます。
#211
○成瀬幡治君 検討してみたいとか、これはまあ事務局長とここでやり合ってもしようがないわけですが、これはひとつ真剣に考えてもらいたいと思います。確かに物価の面で言うならば、二重構造がたいへんだということはだれでも承知しておるわけです。ですから、不況カルテルも一時的には必要だということは認めておるわけです。しかし、それが五年も十年春十五年も続いておる。そういうものがあるということはどうかと思うんです。ですからこれは、私は行政が間違って、いわゆる安きについて、その日の腹が、何といいますか、満腹しておれば昼寝しておるのと同じで、行政の昼寝だと思うんです。ですから、生産者の団体、中小企業団体の関係の方たちでもそれで満足はしておいでになっているとは思ってないですよ。いつかはやめなきやならぬというふうに思っておるわけですから、意欲がある。その意欲を何か起こす手だてというものをあなたのほうからぴしっとしてしまって、そうすれば通産省のほうでもやらざるを得なくなるのですから、他の手をやるのですから、いまの昼寝状態の続く悪循環と申しますか、悪い根を断ち切るという心がまえ、その心がまえというものをぴしっとしてもらいたいと思うんです。これはまあ要望ですからいいですから、この次来たときにまた検討中ということを言わないようにひとつしていただきたいと思います。
 それから次に申し上げたい点は、今度また八幡の問題、実際の場合、合併しておいで、独禁法に違反かどうかということは、ほんとうは不況カルテルをやるということはおかしい話なんですけれども、それはそれとして、実はお尋ねしておきたい点は、ここでも輸入のものが関税を下げることによって物価が下がってくるのだ、こういうことなんですが、なかなか下がらぬと思うのですよ。実は税法上でもいろいろな優遇措置をやって、それが消費者物価が下がるようなことをやったのだ、しかしほんとうは、上がるべきものが負けて上がらないので、それだけ下がったのだという、ものの言い方はあるかもわかりませんが、たとえば入場税があります。そうしてそれは映画館なら映画館に、劇場の入り口に張り出してやったことがあるのです。酒もやったことがあるのです。ところが大体半年ぐらいで立ち消えまして、紙は一ぺん張っておくと雨風にさらされていって、いつぞや知らぬうちにもとどおりになっていく。こういう苦い経験がある。そこで今度もいろいろと資料をいただきましたが、なかなかいろいろと輸入がありますから、あまり下がりそうになると、すっととめちまうような緊急措置、関税がこのようにできている。こういうものが実際消費者にどうなっていくのかということの追跡調査を始めておいでになるというふうに聞いております。そこで、追跡調査をやられた結果が出ているならここでお聞かせ願いたい。
#212
○政府委員(宮崎仁君) 四十六年度にも関税の引き下げが行なわれまして、その際に私どもとしてもいろいろと要望いたして、物価政策上の要望をいたして、それが実現したということもございまして、さっそく物価担当官会議におきましてこの追跡調査をやろうということで、この際に追跡調査が行なわれました。実際にやりました品目は、カラーフィルムとバナナ、それからレモン、羊肉というようなものでございましたが……カラーフィルム、自動車それからバナナ、羊肉、四品目をやりましたが、カラーフィルム、自動車は、関税引き下げの額あるいはそれ以上に引き下げが便宜行なわれたということは記憶しております。
 それからバナナにつきましては、これはかなり価格は下がったのでございますが、関税の問題というよりも、むしろ需給関係であろうという分析になっております。
 それから羊肉につきましては、輸入の価格といいますか、業者に入った価格は下がるということはわかったのでございますが、一方では、わりあいに品質のいいオーストラリア産あたりについては、FOB価格の値上げ等もございまして、結局その当時の数字としては、末端の段階では下がっていないということに調査の結果出ております。これはもっと強力にひとつ値下げの指導をしてもらおうということでやっておりまして、その後若干下がっておりますけれども、まあいずれにいたしましても、それほどはっきりとした結果はあらわれていない。
 結局カラーフィルムそれから自動車、バナナ、これについては効果が大体そのまま出ておる、こういうふうに判断しております。
#213
○成瀬幡治君 これで最後です。
 今度関税を下げたということは、一つは国際環境でいろいろな問題があると思いますが、一面は物価対策というような面からも関税を考えるというようなふうにも承っておりますが、そこで今度の下げられたものについて、また特定の品目を出してずっと追跡調査をされる、そうしてそれはなかなか恒久的なこととして今後こういうような追跡調査というものをやっていこうとされるのか、ある時期がきたらそれは打ち切りだというようなものなのか、ずっとこれから追跡調査をされて、あるいは流通機構の問題等が生鮮関係について言えば一番大きい問題だと思いますが、そういうものについて調査をされて、それに対する対策というものをやっていく、こういう考え方ですか。
#214
○国務大臣(木村俊夫君) 関税引き下げの問題、円切り上げの効果も、ぜひ輸入価格の低下に結びつけるためには、どうしたって常時、これを永続的に追跡調査を進めなければならぬと思います。また、そのために予算もいただきました。もちろん、各省の協力がなければできませんので、各省の物価担当官会議で追跡調査班というものを設けまして、これをずっとやっていきたいと思います。ただ、追跡調査だけでは効果がありませんので、その結果を消費者に提示する、公表する。あるいは公取とよく連絡をとって行政指導を強化する。いろいろな手を打っていかなければならぬ、こう思います。その間もちろん、お尋ねがございませんでしたが、それがたとえば、総代理店契約の介在するものであれば、公取でひとつそれに対して強力に指導をしていただきたい。いろいろな手を用いてやっていきたい、こう考えております。永続的にやっていきたいと思います。
#215
○戸田菊雄君 関連。いまの問題でちょっと伺いたい。「輸入商品の価格動向と流通機構」、経済企画庁から最近発表したものです。その中身を見ますと、いろいろ追跡調査した結果、なぜ一体価格引き下げによる、いわば為替差益ですね、そういうものが消費の場までいっておらないか。結論的には、何といいますか、抑制効果――物価上昇を抑制した、この程度にとどまっているのですね。しかし、その言い方も非常に自信のない言い方をしているのですね。だから、いま長官が言われましたように、終局的には何といっても消費者のほうに具体的にそういった利益というものが還元されていかなければいけないものだと私は思うのですね。ですから、その点今後厳密にやっていただきたい。しかし、項目の中には、一つの行政指導を強めると、こう言っているのです。具体的にはどういうことかというと、書かれている事柄からいうと、直接、商人のほうに上げないように説得をする。あるいは競争条件の整備をはかっていく。四つくらいの各種大綱を立ててやっているようでありますけれども、まだ具体的に何ら利益還元のため、こうと思われるようなことはやっておらない。だから、ひとつ今後はやはり追跡調査と同時に、具体性を持って還元できるような、これが一つほしいと思うのですね。
 それから、一番最初に成瀬委員が聞いて、どうも私、ふに落ちないのですが、物価上昇の見通しについて、確かにそういうことになって、長官も非常に努力をされているわけですけれども、官報も、これはナンバー七二一号でありますけれども、内閣の二月の消費者物価指数をあげている調査結果、これを見ますと、前月に比べて〇・五%上昇、それから前年同月に比べ四・六%上昇――確かに一部野菜類は二三・七%暴落したことは間違いありません。だけれども、総体的に見ますと、各品目別に見ますと相当上がってきているのですね、この調査でいくと。先ほど長官の言ったように、四十七年度四・五%でいくかというと、昨年は五・何%で、とても五・三%で押えられるかという不安感が非常に大きいですから、その辺についてはひとつ、時間がありませんから、あと竹田委員が質問する予定になっていますから、私は終わりたいと思うのです。十分その点やっていただきたいと思うのですね。それだけです。
#216
○国務大臣(木村俊夫君) 五・三%に押えられるかどうか、これは先ほど成瀬さんにお答えしたことで御了承願います。せっかく政策努力を続けているところであります。
#217
○竹田四郎君 国民生活局長にちょっと先にお願いしたいのですが、この間四省で出された、「関税引下げにより想定される消費者物価への影響試算」という資料をいただいたのですが、これは関税引き下げによるものであって、これにプラス円の切り上げですね、これを加えたら一体どれだけのものが下がっていくかというのをひとつ加えていただきたいと思うのですが、これは、おそらく輸入先が違うことによって、切り上げ幅も当然違ってくるでしょうし、どこの国の通貨建てによるかによっても違ってくるでしょう。あとでけっこうです。ひとつ、できたらプラスしたものをいただきたい、こういうふうに思います。
 それから長官にお伺いするのですが、一月出されました「輸入商品の価格動向と流通機構」という配付された資料の五ページでございますか、この中に「取引契約における制限行為の改善」という項目がありますが、「香水・高級紅茶などについては、取扱い業者が限られていること、」云々、それから下のほうに「輸入商社あるいは総代理店との間に契約上、販売先の選定もしくは価格上の取り決めなどが十分考えられるところであり、これが競争制限に起因していることもあり得る。」こういうふうに指摘をされているわけでありますが、いろいろないままでの調査で見ましても、レモン等においては確かに、たとえば日本に輸出するところのレモンの価格と、それからその他西欧地域に輸出するレモンの価格とはまた当初から違います。しかも、それが総代理店によりまして、特定の仲買いを通じて小売り商へ出しているということで、実際上はここで価格のある程度の硬直化といいますか、価格を指定した疑いのあるような、そういうようなものはかなり多いと思うのです。輸入でせっかく関税を下げ、円の切り上げ効果というものも、そういうことによって途中で吸収されてしまう。このことが私はかなり大きい部面を占めているのではないかというふうに思うわけでありますが、通産省が二月二十一日で発表しているものにつきましても、総代理店等特殊な流通形態にあるため値下がりを見ていないものもある、こういう指摘で、かなり総代理店あるいは輸入商社、そうしたものが価格操作をやって、せっかくの円の切り上げ、関税の引き下げ、こうしたものを消費者にあえて還元していない。こういうことがありまして、したがいまして、経企庁のほうでも「これらに対する行政指導も考慮する必要があろう。」こういう、断定ではなしに、一つの分野だろう。一つの分野であることには間違いないと思うのですが、この点については一体どのようにお考えになるのか。おそらくこの辺は実際上はかなり広範囲にわたってこうしたことが行なわれている。場合によってはこういうものが特定なもの、権利的なもの、こういうふうになってしまっているというのが私は非常に多いのじゃないだろうか、こういうふうに思いますけれども、この辺は具体的にどのように指導されているか、今後どういうふうにその辺を変えていこうとなさっているのか、その辺をお伺いしないと、ここで幾ら関税を下げた、円の切り上げで値段が下がるはずだと言っても、実際上には何にもならない、こういうことなんですが、どのようにお考えですか。
#218
○国務大臣(木村俊夫君) いま御指摘の総代理店、これが一番そういう意味では流通段階の大きな支障になって、なかなか値段が下がらない、こういうととは事実でございます。
 そこで、先般も連合審査会で通産大臣もお答えしたのですが、そういう場合には、ひとつ総代理店がいわば単数である場合にはこれを複数にするとか、これに輸出国との関係がございますから、なかなかむずかしい点もあるけれども、それはぜひ考えてみたい。また取り扱い業者が非常に限定されているのが、そういう硬直性をもたらす原因であるから、その取り扱い業者をふやすことも考えなければならぬ。いろんな流通段階が二段、三段に分かれている点をよくひとつ調査した上で改めさせたい。これはしかし法律に基づく権限じゃございませんので、やはり行政指導でやっておる次第でございます。また、私どもは、公正取引委員会にお願いして、そういう場合にはぜひひとついままでの公正取引委員会の、何と申しますか、事情聴取ですか、そういうような権能を十分発揮していただいて、それに刺激を与えていただくというようなことでなければ、なかなかこういうものが下がらない。ただ、その際に、いまここにあがっておりますような高級の香水だとか紅茶、どうもブランドに対する消費者の高級品イメージというものが、それが障害をなしておる。消費者面にもそういう原因があることは、これは否定できないと思います。いずれにいたしましても、総代理店契約がせっかくの関税引き下げとか、円切り上げの効果、自由化の効果を薄らぐようなことのないように、これは当然経企庁でも考えなければいけませんが、さしあたりは通産省とか、あるいは公正取引委員会で強力な行政指導をしていただくようにお願いをしております。
#219
○竹田四郎君 木村長官にはこの前私、小麦を何とかしろということを強くお願いいたしました。この間も、水田大蔵大臣から、学校給食用のパンについては、特別にそれをそこへ集中的に引き下げるというような形でやったらどうだろうかというような案を御提示されましたし、さらにこの間は、何かひとつクーポンみたいなものを、パンならパンにクーポンみたいなものを入れて、何枚かたまったらそれをひとつ、無料交換をするというような形で、目に見えるような形でそうしたものが国民のところに届けられるというようなことが必要だと、こういうふうに言われたわけですが、そうした意味では私は、輸入総代理店をふやせとか、あるいは輸入のワクをふやせとか言ったところで、まず第一に、きょうもくどく言うようですが、政府の態度が、やっぱりそれを消費者に還元するという態度がなければ、人にだけ要求して自分は知らぬ顔する、これでは国民は協力のしょうはないと思いますがね。たばこなんかにつきましても、外国製たばこについては何かそういう方向にあるそうですが、しかし、日本のたばこにいたしましても、国内産に比べまして、外国輸入の葉たばこというのは、これは相当な量だろうと思うんです。こういうものも、これは、政府の考え方として、これは一つの、一箱にすればそれこそ何十銭とか、あるいはごくわずかな金だろうと思うのですが、こういうものも、たとえば下級たばこ、「しんせい」なら「しんせい」にひとつそれを集中的にそこへ持ってきて、その分は五円下げるとか、こういう、私、やり方もあると思うんですね。あるいはお年寄りなんかが吸っている――いま刻みたばこがどれだけ出ているか知りませんけれども、そういうところにひとつ合わして、そして全体的としてこういうふうに下がってきているじゃないか、こういうようなものを私、見せる必要があると思うんですね。また、政府関連のもので、私は、そういうもの、うんとあると思うんですがね。そういうところからまずはっきりと国民に値下げを示していく。まあ、塩なんかどういうふうにやりますか、これはかなり専売的なものでありますが、塩なんかも私は、そういう意味ではかなり影響のあるものだろうと思います。これは、一回経企庁でそういうような、政府が特に販売なり製造なりに関与をしているような、そういうものについてはぜひ政府から、おれのほうはこの円の切り上げなり、あるいは関税の引き下げのものを具体的にこのように転嫁して、国民にそれだけの引き下げの結果というものを示したのだということを私ぜひやってもらいたいと思うんですがね。小麦では大体そういう方向だということですから、私たいへんうれしく思うんですが、その他の件でもたくさんあると思うんですよ。その辺のことを、ひとつ物価担当の経企庁長官として私はぜひ一回洗い直していただいて、そういう形で、何らかの形で還元をしていく、そういうことを何らかできないものでしょうかね。
#220
○国務大臣(木村俊夫君) 小麦は竹田先生非常に強く――これは食管のたてまえとか、そういうことを超越して、ぜひひとつやってもらいたいと言って、私も食糧庁のほうにお願いしました。額にしますとわずかなものですけれども、これは気は心といいますから。またそれを反映させる一つの――いろんなやり方もあると思います。これをパン一斤に換算しますと、あるいは七十数銭、うどん一ぱいで二十五銭というのじゃ何のことかわからない。いまちょっとおあげになりましたような、何かそれを目に見えて、民間のそれに対する政府の範を示したのだというような、効果があるような方法をいま盛んに研究しております。
 それから、たばこは大蔵大臣もお答えになったと思いますが、これは明瞭に引き下げていただくということです、その時期は別といたしまして。ただ葉たばこですが、これはよく私わかりませんが、何か葉たばこを輸入してから熟成期間というのが約二年あるようです。ですから、もうすでにストックのある葉たばこは前の値段で入っておりますから、行く行くはいま竹田さんがおっしゃったようなふうにこれはぜひやってまいりたい。
 それから、そのほかの政府関与品目で言えば、国際航空運賃がありますし、これもわずかですが下げるでしょうし、そのほか塩とか、そういうものを一応洗い直しておりますから、事務当局から答弁させます。
#221
○政府委員(宮崎仁君) 現在、この政府関与物資といいますか、そういうもので円切り上げに影響があると思われるものにつきましては、この問題を検討いたします段階で一当たり全部洗っております。たとえば、いまの塩の問題なんかも出ておりますが、これについては、工業塩の価格はもう御承知のとおりに下がってしまうわけでございますが、一般の食用塩が問題になるわけでございますが、国内塩との関係がございまして、これもなかなかたてまえ上も、また実際問題としてもむずかしいというような検討がなされております。実際に食用塩はコストを割って売っているような形になっておるのでございますから、どこら辺にどうしたらいいかわからないというような感じがしております。あるいはワクチンでちるとか、外国に対する電話料でありますとか、いろいろのものについて調べてみましたが、やはり物価問題として取り上げて、この際かなりの影響をなし得るというように議論が行なわれたのがいまおあげの小麦とか、たばことか、あるいは国際航空運賃でありますとか、そういったものが浮かび上がってきたわけでございます。
 このほか石油の問題でありますとか、これはもちろん民間物資でございますが、非常に議論がいろいろ行なわれました。あるいは畜産振興事業団による肉の問題、いろいろ議論がございました。こういうものにつきましては、政府関与物資としてではなくて、民間物資として一応方針を出しておりますが、われわれとして、一応この問題になりました段階で一当たり全部調べましたわけでございますが、結果は以上のような状況でございまして、今後とも努力したいと思います。
#222
○委員長(前田佳都男君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#223
○委員長(前田佳都男君) 速記を起こして。
#224
○竹田四郎君 公取の事務局長さんにお伺いしたいんですが、独占禁止法の第六条ですか、これに特定の国際的協定または契約等の禁止ということで、その第二項ですか、「事業者は、」云々ということで「当該協定又は契約の成立の日から三十日以内に、当該協定又は契約の写を添附して、その旨を公正取引委員会に届け出なければならない。」、こういう規定がありまして、これは規則に書式もあるわけでありますが、これに該当するものというのは一体どのくらいあるんですか。
#225
○政府委員(吉田文剛君) 独占禁止法第六条におきまして、おっしゃいましたように国際的協定あるいは契約は公取に成立の日から三十日以内に届け出ることになっておりますが、この件数でございますが、昭和三十年度から申し上げますか……。
#226
○竹田四郎君 資料あとでいいです。こまかいことはあとでいい。
#227
○政府委員(吉田文剛君) 四十六年度におきまして、これは現在までわかっているわけでございますが、二千二百七十件でございます。
#228
○竹田四郎君 それは全部そういう書式で公取のほうに出しているんですか、どうですか。おそらく総代理店とか、あるいは輸入商社が価格操作するといっても、実際上そういうものをはっきり握っているような状態にあれば、先ほど長官がおっしゃられたことがどんどん私はできると思うのです。しかし、そういう契約内容なら契約どういうふうにやっているかということがわからなければ、これは口で言っているだけだと思うのですが、公取さんのほうもだいぶ努力をしているようには私聞いておるのですが、その辺どうもそういう届け出が出ていない、そういうものがかなりある。こういうことであれば、幾らどういうふうにしようとしても、契約内容まではっきりわからない、こういうことになればやりようないと思うのですよ。またそういうことでどういう価格操作しているかどうかわかりませんが、そうしたものがいいとも悪いとも判断つかないという形になると思うんです。たまたま調査したものは、それはわかるでしょうけれども、公取のいまの陣容ではそうそうおそらく調査はできないでしょうから、結局目こぼしが非常に多いということになれば、幾ら口で言っても実際はできない、こういうことになるんじゃないかと思うんですがね。その二千二百七十件というものは、おそらくこれは承知をしているだろうと思うのですが、これっぽっちじゃないだろうと思うのですがね。これは二千二百七十件というのはどのぐらいの程度のカバーをしているわけですか。
#229
○政府委員(吉田文剛君) ちょっと先ほどの数字は訂正いたしたいと思いますが、昭和四十六年の四月から、ことしの二月末までの間の国際契約の届け出件数は二千六百二十一件でございます。こういうふうに訂正をさしていただきます。
 それで、このうちいま問題になっております輸入総代理店の契約の届け出件数が三百十八件、約一二%というふうになっております。これらの総代理店契約に対しまして、独占禁止法上の問題ありとして指導を行なったものが契約件数にしまして十一件、それから指導事項別では十四件ということになっております。その内訳を申し上げますと……。
#230
○竹田四郎君 こまかいのはあとでいいです。
#231
○政府委員(吉田文剛君) そういうことでございます。
#232
○竹田四郎君 ことしの二月の十四日に四百十八社に対して、独禁法六条の国際契約の届け出督促を七品目についてしたというのですね。これは去年もおやりになったというのですか。どうして出してこないのですか。罰則がないから、出してこなくても罰則受けないということなんでしょうけれども、こういう四百十八社に対して去年も督促を出している。ことしも出している。こういう状態というのは一体私どもちょっと常識では考えられないわけなんですがね。これは一体どういうことなんです。どうしてこんなことが起こっているのか、そうしてまた、同時にこれをこのままにしておくということになれば、ますますそういうところが価格操作をして値下げを吸収してしまう、こういうことになってしまうんじゃないかと思うのですがね。ちょっと考えてみてもおかしな感じがするんですが、これはどうなんですか、この点。
#233
○政府委員(吉田文剛君) 御質問の督促の件でございますが、昨年度におきまして、四十六年の七月十二日に六業種、事業所数にしまして五百七。六業種と申しますと、これは主として対象を消費者に関連の深い物資ということで選びまして、洋酒、食料品、化粧品、機械、ゴム、貿易商社、こういうものに対して督促をした。それでことしも四十七年の二月十四日に、水産物、羊毛、油糧、砂糖、食肉、バナナ、時計、この七業種四百十八社に対して督促をした。この業種が違いますので再度督促をしたということではございません。
 それから、特にこういうのを選んだのは、やはり一般消費者に対して非常に密接な関係を持つ物資であるということでございまして、ただ従来国際契約につきましては技術提携契約でございますとか、あるいは合弁会社設立契約、これはたとえば、外資法等によります事前許可などの手続がありましたために、そのほとんどが届けられております。しかし継続的販売契約、この中には総代理店契約を含むわけでありますが、こういうものにつきましては、届け出の義務があるということが、われわれの周知徹底が不足しておる点もございまして、どうも届け出が低調であるということで、二回にわたって督促をしたわけであります。
 それで本年の督促後の状況でございますが、本年の三月一日から三月の二十一日までの間におきまして、届け出てきた件数が百四十件にのぼっております。それでなお届け出の準備中のものがたくさんございます。この中には、先ほど申し上げました七品種のほかに、カラーフィルムあるいは万年筆、洋書等が含まれておりまして、これらの総代理店契約に対しましては、現在ヒアリングを行なうなど、厳重な審査を行なっておる状況でございます。
#234
○竹田四郎君 ひとつこの点、総代理店が云々と言われていても、つかむところでつかんでいてくれなければ、これは何をされても実際手の施しようがない、こういうことですからね。公取、人が少なくてたいへん気の毒だとは思うけれども、これを一々つかんで、実際どういうことをしているのか、やはり厳重注意をしていかないと、おそらく価格操作をして、不公正な取引の原因をつくるのじゃないか、これは特に公取に御要望を申し上げて、その結果はひとつ政府の各省で、そういうことのないような指導を特にお願いしたいと思いますが、先ほどの資料は後にひとつまたお示しいただければけっこうです。
#235
○鈴木一弘君 これは初め大臣に伺いたいのですが、公共料金の問題、公共料金の中で特に路面電車であるとか、バスであるとか、これは運輸省認可になるわけでありますけれども、一面、私営といえども公共的性格が非常に強いわけです。特に路面電車等の例を見ますと、いわゆる黒字経営のものが赤字経営に変わっていくのは、一般自動車の乗り入れを軌道内に許してからということです。それまでの間は、路面電車が走っている場合に、うしろから進行してくる場合には入ってはならない、こういうようないわゆる路面電車の優先規定があった。それが取り払われて、自由自在に入れるようになってから、京都においてもとたんに赤字になってきておる。それからバスについても同じように、いわゆる優先路線なり専用路線をつくっておけば、これはいわゆる非能率的な乗用車の場合ですと、一人当たりで占める道路の占有度が高いのですから、そういう点から考えれば、これは黒字というものも出てくる、そういう点で、公共料金の値上げが、結局赤字から起きてきているということが、一つの、経営の問題がいつも問題にされるわけです。一番の大きな根本原因は、優先路線がないと、こういうことが一つあると思う。これをやると非常に車が込むじゃないかという非難がずいぶんあるわけですけれども、車が込めば込むでまたバスのほうに切りかえていくわけでありますから、やはり目先だけを何とかして、若干のお金を出してやって、公共料金をできるだけ、バスについても何についても、上げないようにしようしようだけではならない。そういう点のお考えはいかがですか。
#236
○国務大臣(木村俊夫君) 先般タクシー料金の改定の際に、そういうことを総合的に取り上げまして――いま鈴木さんのおっしゃったバス等の優先レーンを増加するということは、これは行なわなければならない。確かにそういう交通混雑から乗車効率、運転効率が非常に落ちる。これは赤字転落の一つの原因にもなっている。その点は十分物価対策としても考えていかなければならないと、こう考えております。
#237
○鈴木一弘君 特に優先レーンというのは、バスが赤字線になれば、これは営業会社としては線を廃止せざるを得なくなる、あるいは間引きをする。そうすると足の弱い者は、運転免許を持たない者は、今度は陸の孤島のようなことになる。バスを待っても来ない。そうすると自分で車を持ちたいということになってくる。それがさらに交通混雑を増してくる。道路投資を幾らやっても、ロスのように都市面積の四〇%が道路であっても、交通混雑はなおらない。理想的に言えば、都市面積の五〇%以上が道路になれば、交通混雑しないということになってくるが、そんなばかなことはできない。そうするとやはり陸の孤島をつくらないようにしなければならないということになる。
 もう一つは、だんだん路面電車なんかが廃止されればされるほど、もう年寄りの方でも自家用を持たなければならないということになるわけです。そうすると、運転免許の基準をどんどん落としていって、しまいには生活のためにはやらなければならないということになってくる。これはまた交通災害の大きな問題になってくる。いま優先レーンということだけをおっしゃっておられたのですけれども、専用レーン、優先レーンということをいまちょっと試行錯誤的におやりになっておるようですけれども、全面的に採用されるようなお考えはないのですか。
#238
○国務大臣(木村俊夫君) ややこの問題になりますと、道路交通上の問題になりますけれども、総じて総合交通体系というものをもう一度取り上げて考えなければならぬという時期ではなかろうかと考えます。したがって、先ほどいろいろ話のありましたタクシーのようなものは、これは選択的交通機関として、自由営業ですから。そのかわり公共の交通機関はこれを十分整備する。そのための道路交通上の問題になれば、その障害を除くというようなかたい決意で、この問題に取りかかるべき時期ではなかろうかと思います。
#239
○鈴木一弘君 もう一つ、先日アメリカで金価格の引き上げ法案が採決されたわけですけれども、その公聴会でエバリー通商代表が、米国の日本に対する輸出、それについての障害というのは、政府介入の行政指導、そのほかに非常に複雑な流通機構があるということ及び非関税障壁だということが報道されてきたわけです。そういう言い方をしている。したがって、これからのいろいろの場合にも、こういうような対日攻撃が、輸入割り当て関税ということから、わが国の経済の仕組みにまで入ってくる。こういうふうになってくる。特に流通機構等が出てくるであろうということがわかっているわけですが、そういう点から見ると、一つ言われているのは、アメリカがドルを切り下げ、円が切り上がる。それに対してその為替差益というもの、この為替差益というものが、日本の複雑な流通機構のために中間業者に食われてしまって、末端までいかない。そういうことや、また中間業者が、そうでなくても非常に複雑な流通機構のために利益を取って、消費者価格というものは高くなっている。これが一つの障壁だという、こういうものの言い方をするわけです。そういう点は確かにいままでも、いまの質問、先ほどの質問等で事実でありますけれども、そういう複雑なものについて、今度は国際的な目で、日本を見なければならないというメスが入ってきたわけですから、それについてわが国もほんとうに改革する時期が来ているだろう。まあ時期が来ているだけでは困るわけでありますから、政府の認識と、企画庁として物価問題全部に引っかかってくる問題でありますので、どういうように今後対処していかれるかという大きな問題だと思います。
#240
○国務大臣(木村俊夫君) 確かに御指摘のとおりだと思います。何もエバリーさんから指摘されるまでもなく、これはわが国としても物価対策上ぜひやらなければならぬ事柄だと思います。そういうアメリカのASPその他非関税障壁が一ぱいございますので、これはもっと大きくガットの場とか、そういう場で国際的に解決すべき問題は多々あると、こういう考えでございます。
#241
○鈴木一弘君 先ほど物価安定対策会議の提言集、これを読ましていただいたわけですが、その中にも、塩の専売をやめろとか、あるいは先ほど御答弁になったことがほとんど載っております。そういうことが、こういう提言集だけで終わったのでは、また大臣の御答弁だけで終わってしまったのでは、実際問題の効果がない。そういう点で精力的にお願いしたいと思います。
 それからもう一つ、先ほどの竹田委員の質問に関連して、いわゆる総代理店制の問題、公取からの指摘もあったようでありますけれども、野党がいま寡占価格規制法案というものを出しているわけです。私ども寡占価格というものを規制していかなければ、ほんとうの物価の安定はできないのじゃないか。消費者を守ることは不可能になる、こういうことから出てきておるわけでありますけれども、先ほどは強力な行政指導をしたいというお話だったのですけれども、その寡占価格規制法といいますか、そういうようなものを――これは野党の案に、そのまま賛成しろということは申し上げませんけれども、こういうことを考える、そういう態度はありますか。
#242
○国務大臣(木村俊夫君) いまのオーソドックスな独禁政策、これをやっておるわけですが、どうも市場の現状を見ますと、やみカルテルでないけれども、事実上市場が寡占状態になっておる、そういう面がわりあい目につきます。
 そこで、いまの独占禁止法だけで足るかどうかになりますと、これは私個人的な見解を申し上げれば、なかなか不十分ではないかと思います。したがって、将来独占禁止法の改正をやるべきか、あるいは野党が御提案の寡占価格の規制法、あのようなアイデアを取り入れてやるべきか。まだこれはそう早急に私ども結論は出せないと思いますが、十分私は、検討しなければならない問題であろうと思っております。
#243
○鈴木一弘君 いま不況カルテルその他ほかの問題がちょっと出てきておりますけれども、これは十分検討したいというお話だったのですけれども、これは公取の問題になるんですけれども、これは物価をあずかるほうとしても考えなければならないと思いますので、いわゆる公取法を改正して、現在されている指定業種、不況カルテルの適用がかなりございます。非常に数が多いわけです。これが一般消費者の目から見れば、不況カルテルとかなんとかというものよりも、これは独占価格というものに完全に移っているわけです。そういう点で、行き過ぎというような印象を長官もお持ちのようでありますが、独占禁止法改正というような方法はおやりになるのですか。その点ではいまの寡占価格法かどっちかを考えるというか、検討するというだけですか。やるとすればいつごろになりますか。
#244
○国務大臣(木村俊夫君) なかなかその点がむずかしい点でございまして、まだいまの管理価格そのものが、いまの自由企業体制の市場経済というものに根底を置いております以上、そのメリットもあることも考えなければなりませんし、デメリット方面だけを考えて、早急にこれに対処するということも、いまの政府の態度としてはなかなかむずかしい。しかしながら、そういう不十分な点があることは十分認識しておりますので、その点については十分検討さしていただくというお答えしか、きょうはできないと思います。
#245
○鈴木一弘君 これは国民生活局長のほうだと思いますけれども、先ほどは国際商品のブランドの問題ですか、出ておりましたが、そうじゃなくて、国内メーカーのほうにも、ブランドイメージというものはあるわけです。いわゆる百円化粧品という問題が出てきて、内容についてはそう変わらないけれども、そのイメージによって左右されている。そういうものがある。あるいは日常の食料品であるところの納豆であるとか、そういうものについても、同じ製品でありながら、安い価格の袋に入れると売れない。ちょっと包袋を変えて高い価格のものにすると売れる。そういう風潮があるわけです。それならば、はなから包装をよくして高くするというようなやり方をやらせるというような行政指導というのは、かなり強力にやっていいと思うんです。過包装という以前の問題ですね、その点はいかがか。
#246
○政府委員(宮崎仁君) この特にいま御指摘の包装の問題でございますが、これにつきましては、実は昨年秋の消費者保護会議におきまして、総理から御指摘を受けたこともございまして、関係各省でいま消費者行政の担当官会議、そこに特別の委員会をつくりまして、これをどういうふうに取り組んでいくかということを検討いたしております。これはもちろん物価としても非常に重要な問題でございますし、一方では、御承知のように廃棄物の問題として非常に重要な問題です。そういうことで、ともかく現在わが国のいろいろの商品について非常に過大な包装をしておるということで、どうかと思うものがいろいろあるわけでございます。なかなかこの取り扱いはむずかしいということでございますけれども、いまのようなことで取り組んでおります。
 なお、一般的な問題としてあげられましたブランドの問題でございますが、これはやはりこの数年の新しい、何といいますか、マーケティングの方法その他において、値ごろというか、適当の値段をつけたほうがむしろいいというようなことが理論的に言われております。たとえばビールなんかでありますと、この前ちょっと聞きますと、キリンビールは三百三十円くらいすると一番いいそうであります。そういう理論的な係数も出るそうであります。しかし、そういう形で、実際に運営されておったんでは、物価問題というのは非常にひずんでまいります。化粧品等の一部のものでやむを得ないものもありますけれども、私どもとしては、そういうことについてもちろんメーカー側のほうの啓蒙も十分やっていかなきゃならぬと思いますが、消費者団体等に対しても、いろいろの面でこういうことについての働きかけをし、情報提供をやっていく、国民生活センターあたりでもこういうことを重点的に取り組みたいと思っております。
#247
○鈴木一弘君 前回の一六・八八という予想外の大きな円の切り上げがあったんですけれども、それが経企庁の追跡の調べにも、中間業者に全部吸収されてしまっている。こういうことができていて、何のための一六・八八%の切り上げだかわからぬ。今度の関税の引き下げが生活関連物資で行なわれても、やはり同じことになるんじゃないか。先ほどの竹田委員の質問に対して、重点的に何か方法を考えるという、その提案には御賛成のようでございましたけれども、これは追跡調査をした結果というものをどう指導していくかということ、これは非常に大きな問題だと思います。結果はわかったと、ではどうするかというと、こういうことになってくる。それが利益として上がるんだから、所得・法人税でもってかかってくるからいいではないかでは済まされない問題だと思いますので、はっきり申し上げまして、価格にかかるということは逆進性がうんと強まるということ。そうすると、物品税という毛の以上の脅威というものを国民に与えるわけですから、その点をどういうふうにやっていくかということですね。これはその点を伺います。
#248
○国務大臣(木村俊夫君) 十二月に円切り上げが行なわれまして、この追跡調査をいたしました。まあわずか一カ月ちょっとぐらいでございますから、商品によりましてはもうすでにストックとして円切り上げ前に輸入された、これは当然なかなかすぐ下げるものではありませんし、また原料として輸入するもの、これはやはり加工段階に二、三カ月あるいは半年ぐらい必要なものがある。これもその時期でないと、円切り上げの効果が出てこない。これはしかたがない。そのほかに、いまいろいろ御指摘になったような、総代理店があるために実際下がらない。あるいは消費者の高級品イメージのために下がらない。いろいろそういう障害要因がございますが、先般やりました追跡調査は、円切り上げ直後の調査でもございますから、なかなかその効果があらわれてこないのもまあ了承いただけると思うのですが、そこで、これからやる追跡調査で下がらないものは、実際それは何かの阻害要因が明白にあって下がらないものですから、それについてはもうその段階で、先ほどいろいろあげましたような単なる調査で終わらせずに、これを取り上げて、あるいは業者に直接当たる、あるいはこれを公表する。消費者のモニターを使いまして、消費者モニターにそれをいろいろ摘発してもらって、消費者に情報を提供する。そういうような社会的制裁といいますと、少しことばが過ぎますが、そういう社会的な影響力も行使して、十分これは切り上げ効果を完全に反映させたい。こういうようなことを考えております。
#249
○鈴木一弘君 だからその公表ということになると、輸入商社なら輸入商社の名前も出る。それからそのときの流通のいわゆるマージンも出てくる。もう一つは輸入原価もはっきりと明示する。こういう形をとられるという、それが新聞等に公表される。こうとってよろしゅうございますか。
#250
○国務大臣(木村俊夫君) なかなかその点はむずかしい点がございますので、方法は、あるいは間接的な、これが効果をあらわせばいいですから、政府自体が業者あるいは品目を具体的にそれをやりますことは、また一面いろいろ差しさわりもあるかと思いますが、しかし、やることは同じ効果をあげるような方法があると思いますので、そういう面も考えております。
#251
○鈴木一弘君 いずれにしても、通産省の試算でも為替差益ですね、それが加工段階、流通段階で吸収されなければ価格が一二%の引き下げになる、輸入物価はそれで。総物価では一%か二%の下がりになるはずだということになっている。それがはっきり出てこないということになると、これは問題になってくるわけであります。ものによっては四%、五%というものも実際にあらわれてこなければならないわけですから、その点いまのお話しのように、政府みずからというような問題があるからということで、何か考えたいということですからそれを信用して、そのとおりひとつやっていただくようにお願いを申し上げておきます。私は以上で終わります。
#252
○成瀬幡治君 関税局長ね、お尋ねしておきます。
 ほんとうにですね、肉や何かが入りかけてきますね、肉です。肉は実際輸入をして、そして手持ちで持たしておいて、あるところにたまつてっおて、それがある値段よりも高くなってきたときにそれを出して、そして値段の調整をするというような、そういう役割りを、肉だとかそれからノリというものなんかは、食用のノリですね、そういうものは、そういうことを期待しておるんじゃないですか。それはちょっと関税局の守備範囲じゃないか。
#253
○政府委員(赤羽桂君) 肉につきましては、ただいま御指摘のとおり、畜産振興事業団を中心といたしまするいわゆる安定制度があるわけでありますが、ノリのほうは、実はそのノリにつきまして、はっきりとした、肉の場合におけるがごとき法律の根拠をもちまして、そういったことが行なわれておると承知しておりませんが、実はそのノリについて、どうも業界の自主ベースと申しますか、そういったことでおそらく事が行なわれておるんではないかということをちょっと耳にはいたしておるわけでありますが、実情はよく関税局としましてはちょっと把握をいたしておりません。
#254
○成瀬幡治君 割り当てになっておるわけですね。これは通産省の守備、あるいは農林省の守備範囲、とにかくノリなんか割り当て制になっていますね。国内産業を保護するという意味で、いろんな意味でずっと関税というものがとられてきたんですね。今度は国際協調と申しますか、特にいろんな面で、日本の貿易の自由化等の問題とも関連しながら、関税を引き下げていくという方向なんですが、まあラウンドはこれで終わったとあなたのほうは見ておられるのか。ドルのたまり過ぎ、いろんな問題が出てまいりますから、来年度もう一ぺん大ざらいに洗ってみる、そういう用意があるのかどうか。
#255
○政府委員(赤羽桂君) 終わったのではございませんので、これから実は始まるのではないかという認識が非常に強いわけでございます。非常に卒直に申し上げまして、ガット成立後、関税引き下げにしましても、あるいは輸入自由化にいたしましても、私らといたしましては、この国内産業との権衡を保ちつつ前向きに累年処理をしてまいったわけでございます。ございますが、先ほど来から申し上げましたとおり、だんだんやはり進んでまいりますと、残ったものはいよいよ非常にむずかしい産品、商品が残るわけでございます。しかもこれからの、たとえば第二次の国際ラウンドにいたしましても、KR時代とは非常にもう客解情勢も違っておりますし、また逆に日本の地位というものが非常に上がっておる、国内の農業体質も非常に強化されてきた、輸出力も非常に飛躍的に伸びておるという面もまた同時にございますけれども、全般的に申し上げれば、だんだん少なくなるに従って、残るものはますますむずかしいものが残ってまいりますという点と、それからKRのときには、関税水準を下げるということが主体であったわけでございますが、いよいよ今度はいわゆる非関税障壁の面が前面に出てくるのではかろうかということも容易に想像されるところでございます。またKRのときは、むしろ鉱工業製品のほうが中心であったかと存ずるのでございますが、いよいよ今度はむずかしい農産品の問題も表面に出てくるということでございまして、第二次国際ラウンドは非常にKR時代と比べてむずかしくなってきている。その意味におきまして、これで終わったという意識よりも、むしろこれから非常にむずかしい、険しい道が始まるんではないか、われわれはかような認識に立っておるわけでございます。
#256
○成瀬幡治君 認識と申しますか、当然そうなるところへいくと思いますが、それではずしていく順序ですね。いろんな問題があると思いますね。外国等の要望が――残っているのは農産物が一番最終的に残っていかざるを得ないだろう、また当然残るだろうと思いますが、そこでそういうときに、農産物関係で言うなら、はずす前に、たとえばいまからそういうものに対して国内で手を打っておいて、そしてはずしていこうという、そういう準備期間と申しますか、そういうような全体の、あなたのそういうお気持ちの中で、たとえば四十七年度では、そういうような手を事前に打っておるというふうにわれわれは理解していいものなのか。そうじゃなくて、そのときになってきたら、またあわてていろんなことをやるというふうになるのか。たとえばグレープフルーツ一つ例をとってみても、ミカンではどうだった、いやこれから夏ミカンにならぬとわからぬぞというような意見がこの間テレビで出ておった。ですから、そういうようなことになると容易じゃないと思いますから、そこら辺はどういうふうに手を打っておいでになるか。
#257
○政府委員(赤羽桂君) いま御指摘の点は、これは一がいに言えないかと存じますけれども、基本的な考え方ないしいままでやってきたことを申し上げますと、やはりこれは第一次産業、低生産性部門の合理化、体質改善と申しますのは、これは古くからずっとやってきているわけでございます。そういったものの効果があらわれていると認められるものから、漸次われわれははずしていくという基本的な態度でございますが、また同時に、いよいよ自由化をいたすと、こういうことに際しましては、もちろん当然そのまま自由化をしてよろしいものもございます。言いかえれば、自由化をするに際して、何ら、国内的な財政的な措置でございますとか、金融的な措置、あるいは関税上の措置をとらないで、そのままはずしていいものも現実の問題としてあるわけでございます。今回の自由化に際しまして、たとえば関税上の措置をとっておらないもので、しかも自由化をしたのはトマトピューレ、トマトペーストというものがございますのですが、そういったことのほかに、やはりある程度一時的なショックとか、激変緩和という観点から、まあ関税上もしくはほかの財政金融上の措置をとらざるを得ないものもある。かようなものはやはりこの自由化の進展とにらみ合わせて、順次これははずしてしかるべきものではないか。関税上の問題につきましては、過去において自由化をいたしましたものにつきまして、順次、実効状況を見ながら、さらにこの関税率を下げていくというふうな過程をとっているものは幾らでもあるわけでございます。そういった意味におきまして、これから自由化やるのだから、これからは新しく何か国内的な保護措置をやるというような、どろぼうを見て縄なうというようなことでは決してないわけでございまして、またそういうことがあってはならぬかと存ずるのでございます。
#258
○成瀬幡治君 いや、第一次産業のものがずっと残っていくわけですね。そうすると、第一次産業のものでも、その自由化をせよと迫られますね。そうしてやらざるを得なくなってくる。そうなってきたときに、さあそれならやりますというと、いろいろとやられる側のほうがたいへんなことになると思うのですね。ですから、それに対して構造改善をやるとか、あらゆる面をやって、国際間の自由競争にも耐え得ますよという、そういう体制をつくることがより大切だと思うわけですけれども、そうでないと、あなたの認識とはずれたことになってしまって、はさみ打ちにあなたのところが出会うことになると思うのです。ですから、そういうことに対してどういう手を着々と打っておられるかということを私は聞くわけですよ。またそういうことをすべきじゃないだろうか。方向がそういう自由化の方向にある。第二次産業とか何かが一番大きかったわけですね。だけれども、これから輸入がふえてくるから、自由化してくるのは第一次産業的のものが多いわけですから、それに対してどうだと、こういうことをお聞きしているわけです。
#259
○政府委員(赤羽桂君) そういったものにつきまして、もうすでにいまいろいろ、農林省の所管の問題でございますけれども、いろいろな財政面もしくは金融面から種々の保護措置がとられていることは御承知かと存ずるのでございますが、そういった措置がいかに効果をあげているかというその進歩、その進展の度合いによりまして、順次それに見合って自由化を進めていくというのが、基本的な態度ではなかろうかと思うのでございます。
#260
○成瀬幡治君 まあこれはいろいろな原則論の問題ですから。
 ただ一つ、そういう手を、そうトラブルがあまり――ガットの会議で、あるいは低開発国との間のいろんな問題が起こらないような、いろいろなことをやっていただきたいというのが私要望なんですから、そういうことで御努力願えればいいし、いままでもやってきたというならそのとおりでございましょうし、今後もやっていただきたい。
 それから次にお尋ねしておきたい点は、税関でいまあなたのほうは麻薬が入ってくる。まあいろんなことがあって、一番困ってみえるのはやっぱり麻薬ですか。何かポルノの問題もあるでしょうし、いろいろのものがあるでしょうが、何がいま一番困ってみえますか、税関では。あるいはピストルが、飛行機に乗ったときにどうだということで、照射したらいろいろ音が出るとか、いろいろくふうがあるようですが、発着に備えていま何を一番苦労されていますか。
#261
○政府委員(赤羽桂君) 第一線の税関におきまして、そういった取り締まり上何が一番むずかしい、たいへん困るかというお尋ねでございます。これはまあそれぞれ各関税の状況によって違うこともございましょう。特にいまのおっしゃられました麻薬の問題、まあ日本は全般的にいいまして非常に麻薬に対する感覚は、各国と比較いたしますとどっちかというと、幸いにそう麻薬の量が多いという面もないようでございますが、アメリカにいたしましても、日本に来ておりますところの各国の、いわゆる、関税関係の担当官というのは、これはわれわれと関税政策の問題をいろいろ連絡し合うということではなくて、これはほとんど密輸、しかもこれは麻薬に集中をいたしておるようでございまして、その方面の専門官が、いわゆる関税アタッシェというような形で出てきておるわけであります。そういった意味におきまして、日本におきましては、麻薬がそれほど非常に税関取り締まり上大きな問題、ほかに比べまして特に大きいというようなことは幸いにしてないようでございます。私どもの立場から申し上げますと、非常にいまそういった取り締まり上、何と申しますか、基本的に困惑いたしておりますのは、これは別に冗談を言うわけじゃありませんが、ただいま御指摘になりましたように、ポルノの問題じゃなかろうかと思うわけです。衆議院におきまして、この問題につきまして御質問があったのでございますが、まあたまたま国内的に警視庁のほうで、日活のポルノ問題を摘発したというようなことがございまして、私らのほうにいたしましても、この基準をどこにどういうぐあいに求めるかということは、たいへんこれはいつも古く新しい問題でございますし、単なる行政権力をもって割り切るということがなかなかむずかしい問題――哲学の問題もございますし、宗教の問題もございますし、人生観の問題もございます。またさらにこういう時代になりますと、世代間の相違というのが、これはいつの時代でもあることでございますけれども、特に鮮明、先鋭に出てきているというようなこともございまして、取り締まり面から申しまして、いま非常に考えているという点をあげろというならば、その問題ではなかろうかと思います。
#262
○成瀬幡治君 ぼくは、非常に御苦労なことで、人を見たらどろぼうと思え式にやったら悪い感じを与えますですね。しかし、日本の税関というのは非常にきびしいと、こう言われておるわけですね。それはまあ日本の人たちが貴金属などいろいろなものを持ってくるということもあるかもしれませんが、なかなかきびしいことだと思う。したがって、これから税関の態度というものが、北欧、ヨーロッパ並みのようにフリーパスということにいきませんかもしれませんけれども、そういうふうになかなかチェックがやりにくくなってくるでありましょう、いろいろと。そういうようなときに備えて、よほどの私は、税関の職員の人たちの資質というものが向上し、そして待遇等もよくならなければならないと思う。深夜でも飛行機というものがずんずんふえるばっかりですし、しかも、観光で日本へ来る人も多いでしょうし、出る人も非常に多いというようなことがいろいろとあるわけでありますが、そういうようなことに関して特別な何か待遇、あるいは危険な面もあるんじゃないかと思いますね、そういうようなことについて、何か税関職員なら税関職員に対して特別な優遇措置ということを考えておみえになっておりますか、どうですか。
#263
○政府委員(赤羽桂君) そういう面からの御質疑でございますれば、御案内のとおり、税関業務が、毎年毎年非常な勢いで貸物が伸び、あるいは出入国人の数がたいへんな勢いで伸びておるわけでございます。それに伴いまして、税関のほうは、これは人数をふやすというようなことはもちろんできないわけでございまして、さらにそのワク内において業務の合理化をはかっていかなければならないというような問題に帰着をいたすわけでございます。もちろん税関につきましては、きびしい定員規制の中におきましても、特に毎年毎年の業務量の増という必要を認めていただいておるわけでございまして、まあ人事にいたしましても、関係のその他部局にいたしましても、そういうきびしい定員規制の中で何がしか毎年毎年予算上、定員法上の増加を認めてもらっているわけでございます。
 そこで、ただいまの御質問でございますが、そういった忙しい税関職員に対して何らかの優遇措置を講じているかという点でございますが、これらの点につきましては、われわれはもちろん、また労働組合のほうのいろいろな要望もいれまして、過重なる業務負担にならないようにいろいろくふうをいたしておりますほか、超過勤務問題でございますとか、あるいは休暇の問題でございますとか、あるいはまた旅費の問題でございますとか、たまたま今年度の予算上そういった点につきまして数字をもってを示しする資料、ちょっと手元に持っておりませんですが、まあ昨年に比較いたしまして十分な予算計上をしておる次第でございまして、まあそのほかの職場と比べまして、毎年毎年とにかく伸びていくというのが確実なる職場でございます。そういった意味におきまして、これはこれこれの措置をとったからもうおしまいということでなくて、やはり毎年毎年、われわれといたしましても、合理化と同時に、そういった職員の優遇面につきましては、予算その他の運営を通じまして万全を期したいと、かように考えております。
#264
○成瀬幡治君 最後ですが、外国旅行をしたときに、一番初めに接するのは税関の人たちなんですね。それがいやな感じを持ったら、全くその国がいやな思いだと思うのです。出るときにまたいやな感じを持たされれば、やはりいやである。ですから、非常に――物と接する場合でも、あるかもしれませんが、機械と接する場合は苦虫つぶしとってもいいかもしれませんが、人と人と接する機会が非常に多い職種でもあると思うのです。ですから私は、いろいろな意味で優遇の問題等は考えていただきたい。そのことが結局、日本という国のいろいろな意味で私は、得することが非常に多いわけです。ですから、そういう一つの外交官のようなものだと思うのですよ。ですから、そういう立場で税関職員の優遇の面についても、今後ひとつ努力してもらいたいということだけ申し上げて、私は質問を終わります。
#265
○委員長(前田佳都男君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次回の委員会は、三月二十八日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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