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1971/03/30 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第13号
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1971/03/30 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第13号

#1
第068回国会 大蔵委員会 第13号
昭和四十七年三月三十日(木曜日)
   午前十時四十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         前田佳都男君
    理 事
                柴田  栄君
                嶋崎  均君
                戸田 菊雄君
                多田 省吾君
                中村 利次君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                大竹平八郎君
                栗原 祐幸君
                棚辺 四郎君
                津島 文治君
                西田 信一君
                桧垣徳太郎君
                竹田 四郎君
                成瀬 幡治君
                松井  誠君
                横川 正市君
                吉田忠三郎君
                渡辺  武君
                野末 和彦君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  水田三喜男君
   政府委員
       大蔵政務次官   船田  譲君
       大蔵大臣官房審
       議官       中橋敬次郎君
       大蔵省関税局長  赤羽  桂君
       運輸省航空局監
       理部長      住田 正二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○航空機燃料税法案(内閣提出、衆議院送付)
○沖繩派遣の報告に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 それでは、関税定率法等の一部を改正する法律案及び航空機燃料税法案の両案を便宜一括して議題といたします。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#3
○横川正市君 航空機燃料税法についての質問を少しいたしたいと思いますが、最初に、空港整備五カ年計画の案を事務当局からいただきました。
 第一にお伺いいたしたいのは、最近の飛行機の安全度に対する一般の市民の受け取り方といいますか、その点から二、三お聞きをいたしたいと思うんですが、きのうも私のところへ係の方が来ましたから、あなた飛行機に乗るときに、全く何の不安もなしに乗りますかと質問いたしましたら、やっぱりこう、乗るときからおりるときまで何となく不安というか、やっぱり安心感というものはないという返事が返ってきて、私もちょっと意外に思いました。何ということなしにそういう不安が一般市民の中にあるということと、それから、航空機というのは、近代社会ですでに国民の足としては一般化し普遍化しているわけなんですが、そのギャップについて、一体どうこれを、全く安心できる国民の足にしていくかと、こういう点が、かかっていまの問題点ではないだろうかと、こう思うわけなんです。
 そこで、航空機の事故というのは、一体どこからどこまでか。たとえば人身事故というようなものやら、新聞報道されておりますように、器材の取り違えによるところの、途中で予定外のところへ着陸をするようなものとか、いろいろあるわけですが、事故という範囲というのはどこまでいうのか、その点をひとつお聞きをいたしたいと思います。
#4
○政府委員(住田正二君) 航空機の事故につきましては、航空法に規定がございまして、人身事故が起きた場合とか、あるいは機体がこわれた場合というのが、事故の扱いになっております。先ほど先生からお話の出ました、途中で故障が起きて引き返したというようなものは、事故でございません。事故は、飛行機がこわれたとか、あるいは乗っておられるお客さん、あるいは貨物に損傷があったというものを事故として取り扱っております。
#5
○横川正市君 そこで、いま大体三社ですね、日航とそれから全日空と東亜国内航空ですか。そのほか大体こまかいのを入れますと五十ぐらいあるようですが、そのこまかいところは一応おきまして、この三社の大体運航に対する事故というようなもののパーセンテージは、どういうふうになっておりますか。
#6
○政府委員(住田正二君) 昭和四十一年から昭和四十五年度までの統計について申し上げますと、まず日本航空につきましては、昭和四十一年度は事故率がゼロでございます。昭和四十二年、四十三年、四十四年もゼロでございます。四十五年におきまして、十万時間当たりの件数でございますが、一・九二件ということになっております。これは事故の件数は、一件でございますけれども、それを十万時間で割りますと、一・九二になるということでございます。
 それから全日空でございますが、昭和四十一年に事故件数が二件ございました。これを十万時間に換算いたしますと、十万時間当たり二・一二件ということになります。それから昭和四十二年に一件、これを十万時間当たりに換算いたしますと一・〇二件。それから四十三年に一件ございまして、十万時間当たり〇・八八件。昭和四十四年に二件ございます。十万時間当たりが一・四一件。昭和四十五年はございません。
 それから国内航空でございますが、昭和四十一年はございません。四十二年に三件ございまして、十万時間当たり一四・二九件。四十三年がございませんで、四十四年は一件ございます。これが十万時間当たり二・四二件。それから四十五年はございません。
 大体過去の実績は以上申し上げましたような現状でございます。したがいまして、日本航空が非常に少ないということが言えると思います。
#7
○横川正市君 この航空機事故、ことに人身事故が起こった場合は、もう他の事故と比較にならないぐらい凄惨な状態になるわけなんですがね。大体国際的な先進国あたりでの事故率と、それからこの三社のそれぞれの事故率と比べてみますと、これは大体どうなんですか。多いですか少ないですか。それともきわめて良好なんですか。
#8
○政府委員(住田正二君) 死亡事故について申し上げますと、死亡事故のあった年と、何もなかった年と差があるわけでございますが、最近の、先ほどと同じような年率で申し上げますと、昭和四十一年、死亡事故につきましては、日本では二件ございます。死亡者数が百八十三人、で、十万時間当たりの事故件数が〇・九八件。一億人キロ当たりの死亡者数が三・三二という数になっております。そのときにおきますアメリカの件数が五件ございます。死亡者数が七十二名。十万時間当たりの事故件数が〇・一一。一億人キロ当たりの死亡者数が〇・〇四ということです。それから、世界の統計――ICAOの統計でございますが、昭和四十一年に三十二件ございます。十万時間当たり〇.三四件。死亡者数は千一人。一億人キロ当たりの死亡者数が〇・四四ということで、昭和四十一年に限って見ますと、日本のほうが、アメリカや世界の平均よりもかなり高い数字になっております。しかしながら、昭和四十二年から昭和四十五年までは、日本におきまして死亡事故はございません。そのときには世界では四十二年が三十件、死亡者数が六百七十八人、四十三年が事故件数が三十七件、死亡者数が九百五十人、四十四年が事故件数が三十二、死亡者数が九百五十七人、四十五年が事故件数が二十八、死亡者数が七百人ということで、これは日本がゼロでございますから、そのときには日本のほうがはるかに低いということになります。不幸にいたしまして、昨年二回の事故によりまして二百三十人の人が死んでおりますので、数字は変わってまいりますが、いま申し上げましたような点から申し上げまして、日本の事故数というものは、必ずしも高くないということが言えると思います。
#9
○横川正市君 先般参考人の意見の中にちょっと私どもとしても非常に、何といいますか、斬新的な意見だと思う点が一つあったんですが、それは頻度に伴う輸送力から大型化という、そういう方向をとらざるを得ない。その大型化ということになれば、ジャンボを国内幹線に飛ばすということになるが、そのジャンボを飛ばせる場合には、日航独占でなしに、他社との間にフィフティー・フィフティーで利益率を分配するというような、そういう方向で運航計画を建てたらどうかという提案をしたが、実は受け入れられなかった。こういう参考人の意見がございました。私はそれと全く関連させて聞くわけじゃないんですが、今度の場合、全体の計画としては五千六百億ですかの総予算が一応この計画の中に乗ってきておりますけれども、しかし、実際にそれが妥当な完全なる法案、あるいは営業その他からくる企業性といいますか、そういったもの等に十分な対応策ができるかどうかという点を含めてちょっとお聞きしたいのですけれども、企業性の立場に立って、三社が幹線あるいはローカルでそれぞれ競争しなければいけないような状態に置かれていると、この状態は、いわば資本主義社会における、言ってみれば一つの、言ってみればじゃなくて、それが全くの体質だと、こういうふうに見られているんだが、航空機事業のような場合に、いわゆる営業的に、企業的にものごとを考えないで、何らかの方策というものがあるんじゃないか。たとえば国際線については、これは日航が担当いたします。それから、国内の主要線については、これは全日空が担当いたします。それから、まるっきりのローカルについては東亜航空、あるいは国内航空が担当いたしますというような、そういう企業形態で完全なる企業性から脱却した公共性といいますか、そういう経営のあり方で、同時に、この整備のしかたその他は、各社ごとにやるんではなしに、これは一つの事業団なら事業団が整備を一括して行ない、あるいは乗員の供給も同じように統一して行なわれる、そういうようなことが、この航空事業の場合に考えられないかということをちょっと私、感じたわけなんですけれども、事務当局はその点どうお考えですか。
#10
○政府委員(住田正二君) いま日本の国内航空運送が競争しているというお話でございますけれども、実情はむしろ独占の傾向にあると言っていいんじゃないかと思います。現在競争関係にありますのは、幹線だけでありまして、ローカル線は原則として独占的に運営されているという現状でございます。幹線のようにお客さんが多いところは、やはり独占の弊害が出ますので、二社で、現在日航と全日空でございますけれども、二社で競争したほうが、サービスの向上につながるということで、現在競争をやっているわけでございます。
 ローカル線のほうは、これは独占でございますが、しかし、今後お客さんがどんどんぶえてくるという傾向にあるわけでございまして、この点に特に着目いたしまして、一昨年運輸政策懇談会の答申、あるいは閣議了解に基づきましてローカル線でも、原則として競争させるという原則を承認いたしております。したがいまして、今後お客さんが非常にふえるという点から考えまして、お客さんに対するサービスの向上ということを考えて、ローカル線についても将来は競争関係、競争原理を導入するという考え方をいまとっております。
 整備のいまの安全の問題でございますけれども、航空企業というものは、安全が営業の基本になるわけでございまして、企業として安全を無視したような経営をやるということであれば、これはもう航空企業としての経営の資格がないんじゃないかというようにわれわれは考えておるわけでございます。したがって、競争するから、安全性がそこなわれるというような考え方では非常にまずいのであって、私どもといたしましては、やはり競争はもちろんするけれども、同時に企業の経営の基本を安全に置いてやってもらうということで、現在指導を続けておるわけでございます。したがいまして、いま先生御指摘のような、日航は国際線だけをやらせるとか、あるいは全日空はどうする、国内航空はどうする、いわゆる独占体制を前提とする航空というものは、現段階では考えておりません。
#11
○横川正市君 たとえば幹線という考え方ですね、その幹線という考え方は、逐次プロペラ機、あるいは半ジェットからジェットへ切りかえていく、それから航空機利用のシェアは、これはまあ幹線というようなものに匹敵するような地方ローカルの趨勢というものが変わってくる、そうすると幹線という考え方というのは変わるわけじゃないですか。たとえば鹿児島なら鹿児島への、東京−鹿児島間の路線というのは、これは一応ローカルなのか幹線なのか、しかし、やがて福岡便より以上に利用者がふえてくる場合、これは幹線という取り扱い方に変わってくるのか、ですからその幹線というのは、あくまでも東京−大阪、札幌、福岡問の一つの、いわゆる日航が就航しておるところだけが幹線というのではなしに、やがてはその経済的な一つの要請とか、あるいは利用者の数とか、そういうことによって将来のいわゆる幹線というものは変わってくる性格のものだと、こういうふうに見ていいと思うのですが、そういうふうに変わってきた場合は、変わってきた状態に対応する考え方で進めるわけですか。
#12
○政府委員(住田正二君) 幹線の定義といたしましては、法律に書いてあるわけではございませんし、正確な定義はないわけでございますが、従来の行政上の扱いといたしましては、いわゆる幹線空港、千歳、東京、大阪、福岡、この四つの空港を結ぶ路線を幹線ということにいたしておったわけでございます。
 いま先生の御指摘がございましたように、今後ローカル線、特に鹿児島のような空港は、お客さんが非常にふえておりまして、特に東京−鹿児島と、東京−福岡と、旅客があまり変わらないようなことになることも予想されるわけでございます。したがいまして、そういう旅客需要の変化に応じて幹線の取り扱いをどうするかということは、この場でたびたび議論されておりますし、先ほど申し上げました運輸政策懇談会で答申をいただく際にも、幹線についても再検討したらどうかという話が出て、一応の討議がなされたわけでございますけれども、最終的には、現段階では、現在の幹線の定義を変える必要はないんじゃないかという結論で、問題を将来に残したという形になっております。したがいまして、今後旅客需要の変化がありました際には、またあらためて検討するということになっております。
#13
○横川正市君 そうすると、東京−福岡−沖繩という路線と、それから東京−鹿児島−沖繩という路線が、利用者の、いわば匹敵する状態になるというような場合は、これは幹線の考え方というものは、変えるということが言えますか。
#14
○政府委員(住田正二君) 先ほど申し上げましたように、旅客需要の変化によっては、あるいは幹線の定義を再検討するということになると思いますので、その際、かりに鹿児島はやはり幹線空港としての扱いをすべきであるということであれば、幹線の定義は変わってくると思います。ただ、実際問題といたしまして、幹線になるかならないかの実益というのは、日航がやるかどうかという問題になるわけでございます。したがって、別の判断といたしまして、鹿児島に日航を入れたほうがいいか悪いかということもからんでまいると思います。したがいまして、そういう点を考えながら、将来、検討してきめるということになると思います。
#15
○横川正市君 そこで、さきの質問と関連してくるわけなんですけれども、企業性というものは、これは安全性と私はうらはらのものだと思うんです。たとえば企業性がある程度ペイしていく、あるいは利益率を上げてくるということによって、人の問題というのは、こういうふうに雇用条件というのが変わってきますね。たとえば、人間の知能指数を一〇〇にいたしまして、一〇〇のうち航空乗員として適性のある者を何%全体の中から見るか、これはもちろん海外からのパイロットを補充するということもありますよね、実際には。しかし、国内でパイロットの養成をするとすれば、これは民間航空もありますし、自衛隊もありますし、そうすると、一〇〇の大体知能指数のうちの、まあ三%とか二%しか事実上適性な人はいない、こういうふうになってまいりますと、いわゆるパイロット養成の適応性といいますか、養成することに適応性を持っている者の数というものは、国内的には実は限られてくるわけですね。あなたが言うように、安全性というものが企業の生命なんだから、それはおまえたちかってにやるべきで、それがなければ企業はつぶれてしまいますよという、そういう一面と、また、当然需要に応ぜられる能力というものの限界があって、その限界をフリーに動かして、安全性というものを維持していくということになれば、そこにはおのずと、やはり行政とか、政治とか、運営とか、教育とか、いろいろなものがかみ合って安全の対策というものが必要になってぐるわけですよ。相手側の企業性、営業性、サービスとか、そういったものに依存するものとして、限界が私はあるんじゃないかと思う。そういう限界を考えながら、いまの各航空会社が完全なる安全性を維持して、国民の足としての機能を持つということになれば、いまのままの体制でいいかどうか、この点を私どもやはり疑問として持つわけですが、さきの答弁とあわせてひとつ答弁していただきたい。
#16
○政府委員(住田正二君) 航空の安全性というのは、国のサイドから行なう分野と、民間企業が自分でやる分野と、二つあると思います。国の行なう分野といたしましては、今度五カ年計画で明示されている航空保安施設を整備するとか、あるいは飛行場の滑走路に援助するとか、そういうのが国の分野である。その他、管制官を養成して、管制方法を円滑にやるという、そういう国の分野があるわけです。
 同時に企業がやる分野があるわけです。企業がやる分野といたしましては、航空に必要な整備の人間を十分確保する、あるいは十分教育する、あるいは必要なパイロット数を養成し確保する、教育するというような企業の責任に関することだと思います。したがいまして、もし企業が整備も自分でやらないと、あるいはパイロットも自分でやらないということになると、航空企業としての存在価値があるかないかという問題になろうかと思います。先ほど申し上げましたように、とにかく航空企業におきましては、安全ということが営業の第一といいますか、安全を除いて営業はないわけでございまして、その意味から言うと、安全な整備をやる、あるいは安全に飛ばし得るパイロットを自分で養成するというのが、航空企業の使命といいますか、企業それ自体ではないかと思います。したがって、それをほかの人がやるということは、現段階ではわれわれとしては考えていないわけであります。むしろそういうことになると、現在の航空企業のあり方それ自体を根本的に再検討することになろうかと思います。
 で、まあ整備パイロットのソースの問題になるかと思いますけれども、現在、毎年六百人ぐらい養成いたしております現状におきましては、パイロットの質が悪くなっておる、パイロットの質といいますか、パイロットの試験を受ける人の質が落ちているということはないと思います。
#17
○横川正市君 私の意見とあなたの考え方とすれ違っている一点は、国が保安設備としてやるべき分野と、それから企業が当然企業としてやらなければならない分野とに一線を画そうとするのがあなたたちの考え方で、私はやはり一線を画することが非常にむずかしい一つの限界があるんじゃないか。その限界を国がある程度カバーしていかないと、将来いろいろな大きな問題が起こるんじゃないか、その点を指摘しているわけです。たとえば佐藤内閣が、事故が起こりますと、本会議でかかることは一切今後行なわないようにいたしますという答弁をいたしますね。これは何回かあるわけです、たとえば炭坑の事故あるいは国鉄の事故、航空機事故。行なわないと言いながら、事故が絶滅できないというのは、一体これは、何といいますか、不可抗力という範疇なのか、それとも当然は可能な、いわゆる人身事故としては可能な防止のできる範疇なのか、こういう点を私どもは考えてみますと、後者が多いと思うのですよ。どこかが手を抜いているんですよ。このどこかが手を抜かないようにするための方策というものはないだろうかと、私どもはそういうふうに考えるわけです。それで航空関係では、先ほど報告受けましたように、いまあなた自身が福岡に出張する、何日か。飛行機を利用いたしましょう。どの飛行機を利用しますか。あいている飛行機を利用しますか。それとも、日航をまず利用し、なければ、しかたがないから全日空に乗りましょうと、こういう国民の一般的な航空機に対する不信感というものをあなた自身がどうやったらぬぐうことができるとお考えになりますか。私どもは、一般の国民の利用者の立場に立ってみて、Aの航空会社であろうとBの航空会社であろうと、これはもう安全であります、一〇〇%ですと、こういう信頼度合いというものを持つべきだと思うわけですけれども、それが持たれておらない現状というものをどう判断するか、こう思うわけですがね。
#18
○政府委員(住田正二君) 先ほど申し上げましたように、確かに事故率等を見ましても、あるいは会社の運航体制、整備体制を見ましても、現在の三社の間に開きがあるということは明らかであろうと思います。そういう結果、たとえば幹線のお客さんを見ましても、日航が七〇%くらい乗っているのに、全日空は五〇%くらいしか乗っていないというような結果が、そのために出ているのじゃないかと思います。で、そういうことは非常に不幸なことと思うのでございますけれども、しかし、それはやはり企業の問題ではないかと考えております。やはり安全性という問題については、企業が措置すべき問題である。日航の場合を例にとりましても、もちろん全日空とか、あるいは東亜国内との対比において、安全性の面ですぐれているというだけではなくて、やはり世界的なレベルにおいて他の外国の航空会社に比較しても、安全性の点においてやはり相当すぐれた体制が整備されているということが言えると思います。これはやはり日航自体が努力してここまで持ってきたということであろうと思います。したがって、全日空の場合も、東亜国内の場合も、当然自分の企業の努力において安全性の向上につとめるべきものであって、運輸省といたしましては、会社がそういうふうに努力するという方向に指導するのが、われわれの任務であるというように考えております。われわれが企業の中に立ち入って、実際にこまかいことまで指示するというのは、現在の企業体制からいえば、そこまで航空局が、運輸省が介入すべき問題じゃなくて、やはり会社自体が努力して、安全性を向上するということにつとめる、運輸省としては、その方向に指導していくということが、現在の任務であるというふうに考えております。
#19
○横川正市君 ですから、行政がそういうふうに、自分の分限だけは守っているけれども、その分限以外なところで出てきたものは、自分の責任に帰さないという、そういう考え方ではなしに、事実上運輸省というお役所は、ただぽつんとあるわけじゃないですよ、これはやはり国民の運輸省としてその業務を担当しているわけですよ。その国民の考え方の中に、Aの企業とBの企業について大きな隔たりがあるのだと、それは一体何なんだといったら、それは資本構成の問題とか、営業率の問題とか、それから利益率の問題とか、それからくるところの乗員の養成の問題とか、整備の問題とかにも全体的に関連してくることであって、それを企業の責任だということで、帰することで済まされるかどうかという、こういう問題があると私は思うのですけれども、どうですか。たとえば、いま幹線におけるところの乗客は、日航はきわめて黒字ですと、あるいは全日空は赤字ですと、赤字は、おまえのほうが企業能力がないから赤字なんだということでおけるかどうか。いわゆるシェアの問題というのは、幾ら資本主義社会においても、バランスがとれるように、たとえば一つの路線に対して二つのバスを認可するときに、シェアがあって、そうして一四〇%か五〇%乗客があるが、その会社は一〇〇しか能力がない。それならば二社をひとつ許可しましょうと、こういうふうになって、その路線における競争というものを認可するわけでしょう。六〇%か四〇%しかないところに二社許可するわけはないわけです。これは一社で当然まかない得るならば、一社が営業的に成り立つような許可のしかたをやるわけでしょう。だから、あなたのほうの言う、いわゆる企業の努力によってカバーすべきものだという範疇から、はみ出した点は、一体あなたのほうでは実際上どう考えますかという点で、先ほど私が例を出したように、たとえば福岡−沖繩線が幹線か、あるいは東京−鹿児島−沖繩線が幹線かと。いや、それには日航を入れましょう。そうすると、ここでは七〇%のシェアを日航が取るでしょう。そうすると、ますますそれは、いままで鹿児島なら鹿児島の七〇%か八〇%持っておった会社というものは、三〇%に企業成績が落ちてくる。そういう企業成績が落ちたことが、安全、保安というようなものを、万全対策がとれない、完全な乗員を養成できない、そういう結果にならないかということを私どもは思っているわけなんです。
 これは具体例を出しましたけれども、一般論としても、そういうことは言えるわけじゃないですか。
  〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕
シェアが五〇%のところに、資本主義社会の競争で、サービスさえやればおまえたちは企業は成り立つんだから、三社営業を許可しましょうなんということはやらないでしょう。運輸省として、そういうあなたのほうの許可方針から逆に考えてみて、現在のいわゆる保安とか安全とか、あるいはそれに伴うところの対策とかというものは、各社とも完全かどうか。事故が起こった場合に、運輸大臣が引責辞任をするだけじゃ済まされぬですよ。運輸大臣だけがやめればいいという問題じゃないでしょう。そうではなしに、事故を完全に一〇〇%なくするための方策というものがあっていいんじゃないかと私は指摘をしているわけです。あなたの考え方からいえば、非常に企業というのは、おれはここまでは責任を持ちますけれども、そのほかはもう責任を持ちませんよという考え方だが、事故が起こった場合の責任の度合いというものは、そういうものじゃないでしょう。これは航空会社だけの責任ではなしに、もう総合的にやはり事故の責任をとらなければいけないという問題が出てくるんじゃないですか。そういう点から、私どもとしては、いまのこの状態がこのままでいいかどうかということを指摘しているわけですよ。
#20
○政府委員(住田正二君) 現在運輸省の航空局で、約三千三百人ぐらいの人間がおるわけであります。このうちの九割以上というものは、先ほど申し上げました国の行なうべき保安業務に従事しているわけです。管制官とか、あるいはその施設を整備する人あるいは飛行場の整備をする人、それが大体九割ぐらいになろうかと思います。残った一割あるいは実際には全体としては五%程度の人が、航空会社の監督の業務をやっているということで、したがって、監督行政というものは、少数の人間でやっているわけでございまして、それには限界があろうかと思います。もし企業のやること自体について、監督行政が責任を負うということになれば、やはり企業の中に立ち入って仕事をやっていくということでなければ、監督行政といいますか、企業のやることについての最終的な責任を負うことはできないことになると思います。そういう現状でありますので、やはり監督行政としての限界があるわけで、先ほど申し上げましたように、企業が努力しているかどうか、あるいは企業の努力の方向が妥当であるかどうかというようなことを見て、指導していくというのが、われわれの監督側の立場あるいはやるべき任務ではないかというように考えておるわけであります。
 幹線の需給関係についてのお話があるわけでございますが、幹線が日航、全日空二社で現在運営されておりますけれども、これは運営されてからすでに十五年ぐらいたってきているわけです。したがって、シェアの問題といっても、全日空がやっているところへ日航を入れたということじゃなくて、逆にむしろ日航がやっているところへ全日空を入れたということであって、十五年間両社が対等で競争しているわけでございますから、この競争の結果、日航のほうにお客さんが乗る、あるいは全日空のほうにお客さんが乗らないということになっても、それは一応企業の責任の問題で、役所は日航に乗らないで全日空に乗りなさいとか、そういうようなことを言う筋合いのものではないわけで、お客さんが日航のほうが便利であるとか、あるいは日航のほうが信頼できるということで日航に乗っている、その流れを役所が強制的に変えるということはどうかという感じを持っております。
#21
○横川正市君 これは少し平行線のようですからね。もう一回お聞きをいたしますが、一般の国民の感じとして、飛行機を利用する場合に、まず日航を選んで、座席がなくて、急用だから全日空を選びますという、そういう安全の問題についての不安感といいますか、あるいは信頼感といいますか、そういうものは企業だけの責任であって、あなたのほうには全く責任がないという、そういう考え方ですか。
#22
○政府委員(住田正二君) むしろ私のほうで問題があるとすれば、全日空に対する指導が十分でなかったということではないかと思います。全日空に対しましては、これまでたびたび勧告もいたしておりますし、あるいは定期的な監査あるいは臨時的な立ち入り検査等を通じていろいろ指導をしてきておりますが、役所の指導が十分徹底されるかどうか、そのとおり実行するかどうかというのは、やはり企業の責任の問題であると思います。現在、日航のほうが信頼性が高い、全日空のほうが低いということは、役所の責任ではないというふうに考えております。
#23
○横川正市君 これは変な例を出すようですけれども、プロ野球が幾つあるのか――十二かな、十三社かな、大学とか高校を出てきた優秀な選手を自分の金のあるにまかせて集めて絶対強いチームをつくるということ、これは成り立たないから、言ってみればおまえ順番でだれをとれ、順番でだれをとれと言って、一応各社でもって努力していますよね。私はその意味では、たとえばあなたのほうがかりに口出しをしない場合であっても、日航は全日空へ、あるいは全日空は東亜航空へというふうに、航空企業全体が国民の足としての信頼感を高めるようなその処置を、そういう対策を常時行なっていないと、エゴイズムだけでは、自分だけはいいけれども、他社はかってにやりなさいだけでは、航空企業全体の信頼というものというのは、これは低下するだろうと思うんですよ。これは国民にとっちゃきわめて不幸なできごとなんですね。そういう点では、そうすると運輸省としてどういう努力をいたしておりますか。
#24
○政府委員(住田正二君) 先ほど申し上げましたのは、運輸省として直接企業にどの程度介入するかという点について申し上げたわけでございますけれども、企業間の技術援助あるいは提携ということについては、これまでたびたび指導いたしておりますし、現に、たとえば全日空の727という航空機でございますけれども、このオーバーホ−ルは日航にやらしておったわけでございます。最近、日航が727の継続を取りやめることとしましたので、ことしあたりからはやめておりますけれども、それまでは全部727は日航でオーバーホールをして、それに伴って全日空のほうから整備員が行っていろいろ勉強するということで、全日空の整備の腕があがってきているわけでございます。それから一昨年の閣議了解に基づきまして、後発会社である東亜国内航空に対しては、先発企業である日航あるいは全日空が援助するということになっておりますし、これは整備の面につきましても、パイロット養成の面につきましても、現在行なわれております。そういうような技術的な援助ということは、私どもの指導によりましていたしております。
#25
○横川正市君 だから私は、大体三社あるいは五十社あるというような、事故が起こった場合に、きわめて大きな影響力を持つ企業ですから、その企業ができるだけ――できるだけというより、完全にそういう事故をなくするという意味での対策として、方針があるのじゃないか。たとえば整備などについては、企業独自にやるのじゃなしに、そういういわば共通性を持たせてやったらどうかということを、一番最初にぼくは聞いたわけなんです。そういうことが逐次小部分から拡大されていって、それで各社のマイナスがカバーされていって、完全に安全性が保たれていくということであれば、私の考え方と違わないわけですよ、実際には。ただ、運輸省がそういうようなことをやったらどうかということは言えないが、企業間がそういう努力をして、一〇〇%事故をなくするための努力をする、こういう方向にいわば示唆か何かを与えるようなことはあってもいいのじゃないかと私は思うのですけれども、それは企業間の努力、企業努力でやっているわけですか、それとも運輸省のある程度意思が入っているわけですか。
#26
○政府委員(住田正二君) 先ほど申し上げました日航の全日空に対する援助あるいは日航、全日空の東亜国内航空に対する援助というのは、運輸省の指導によるものでございます。
#27
○横川正市君 一番問題は、こういう事故が起こったときに、非常に大きなショックになる問題ですから、その事故をなくするための一つの方策として、私は単に企業努力、航空事業の企業努力だけに期待しないで、やはり行政的にも、ある意味で適切な指導というものがあってしかるべきじゃないか。そうして事故が起こったときに、大臣がやめましただけで事が済まされておったのでは、それは問題だという点を、強く私どものほうで指摘をいたしておきたいと思うのです。
 それから今度の場合、この間の参考人の意見の中にも少しあったわけなんですけれども、課税される額を上回って値上げの申請というのが出てきておるわけですが、運輸省としては、これをどう取り上げるつもりですか。
#28
○政府委員(住田正二君) 現在、航空定期三社から二三%の運賃の値上げ申請が出ております。
 現在、値上げの理由あるいは資料についていろいろ検討中でございますので、その段階でどういうような認可をするか申し上げるわけにいかぬわけでございますけれども、基本的には、航空会社の運賃というのは、民間航空再開以来二十年たっておりますけれども、ほとんど大きな値上げはいたしていないわけでございます。大体、横ばいで来ておるわけであります。
 その理由は、二つあろうかと思いますけれども、一つは、技術革新が非常に顕著であったということであります。もう一つは、航空需要の伸びが非常に著しかった、二つの理由をあげることができると思います。この二点につきましては、今後ともなおある程度期待できる。飛行機も大型化されるでありましょうし、需要も相当の伸びがある。したがって、そういう点を十分考慮して、今回の燃料税あるいは経費増というものがどの程度吸収できるかどうか現在検討いたしているわけでございまして、その結果によって、最終的に何%上げるかをきめたいと考えております。
#29
○横川正市君 これは需要と供給で、高ければ乗らない、安ければ乗りますという、それからAの会社はもうかっているから安いけれども、Bの会社はもうからないから少し高くいたしますと、そういうようなことにはならぬわけですね。実際にはもうかっていれば安くしてもいいわけなんで、それは当然なんだけれども、もうかっていても、そのシェアに従ってもうかる率が高くなってもやむを得ない、それからある程度赤字をかかえて金利その他で追われている企業であっても、それは安全性その他から見て、これだけ費用が必要だから、料金はこう改定しますというようなものでもないと思うのですが、どこにポイントを置いて検討されるわけですか。
#30
○政府委員(住田正二君) 査定の方針になると思いますけれども、会社がもうかっているから値上げ幅が低くていい、あるいは赤字であるから当然値上げ幅が高くていいというような感じは持っておりません。
 値上げの原因といたしましては、この燃料税と、それから昨年設定いたしました航行援助料というのがございますが、それが今回の値上げの動機になっておりますが、それがどういう形で吸収されるだろうかということが一つのポイントだろうと思います。まあ実際問題といたしまして、日航と全日空の幹線を比較いたしますと、日航は七〇%持っている、全日空は五〇%ぐらいしか持っていないということになると、その五〇%あるいは七〇%を基礎として計算しますと、違った運賃が出てくるわけでございます。しかし、その場合には、やはり適正な――ロードファクターと言っておりますが、適正な座席占有率が一体幾らであるかということをきめた上で原価計算をする。したがって、それより上回るような会社は利益が出るでありましょううし、それからそれを下回るロードファクターの会社は、赤字が出るということになろうかと思います。
#31
○横川正市君 私は、一番どうしてもひっかかるのは、これは企業の場合であっても、優秀な企業は、たとえば週休二日制を早く実施をし、それから労働時間は四十時間にし、厚生施設は完備し、労働条件というのはどんどんよくなってくるわけですよ。これは企業の責任でやっているんだから、うらやましがる必要はない。ところが、ひとつ零細企業を見ますと、労働時間は五十時間も六十時間も働き、超勤をやっても金はでてこない、ベースは低い、罹病率は非常に高い、そういう極端な例だけれども、そういう状態があるわけでしょう。だから、いま言われているようなシェアに対して、これだけの許可したことは、あなたのほうでは順当な分配率を持てば企業経営として成り立っていくんだと、しかも、それは安全その他から見ても、十分対策がとれるんだという考え方でやったんだろうと私は思うのですよ。ところが、それが一たび今度値上げの問題になりますと、同じパーセンテージで上がってくると、ますますそこに企業の格差というものが出てき、結果的には企業の内容からくる安全性に対する危険も増大してくるという、そういうことがあるんで、事航空企業に対しては、そういうことがあってはならぬと私は思うのですけれども、あなたのほうでは、そのことについては、ただやはり企業努力だということでしょうか、それとも何らかの行政的な指導を行なおうとされておるわけですか、どうでしょうか。
#32
○政府委員(住田正二君) 先ほど申し上げましたように、ローカル線につきましては、原則として独占されているわけでございます。将来は競争原理を導入するということを考えておりますけれども、現状におきましては、独占されているわけでございまして、したがって、ローカル線については、シェアとか、あるいは競争によって企業の経営というものが脅かされるということはないわけでございます。問題は、幹線の問題でございまして、幹線につきましては、先ほども申し上げましたように、十五年間にわたって日航と全日空とが競争してやってきているということで、その結果、競争の結果、日航のほうの信頼度が高くて、お客さんも非常に多くなっているという現状でございますけれども、それを変えて、日航にお客さんは乗ってはいけないんだ、むしろ全日空にお乗りなさいというような指導というのは、役所の側としては、ちょっととりかねるのではないかと思います。確かに企業経営というものが、安全性に非常に大きな影響を持つということは、先生のおっしゃるとおりでありますし、われわれといたしましても、過当競争にならないように、行政指導はしてきているわけでございますけれども、幹線の問題についていえば、最近確かに日航と全日空の間に格差が生じておりますけれども、これは需要が非常に落ちてきた場合に、その影響が全日空に非常に大きく響いたということでありまして、一昨年の万博の当時を考えますと、それほど日航と全日空の間に差がないわけでございます。したがって、日航と全日空の間のシェアを役所の側として調整するということは、当面考えていないわけでございます。
#33
○横川正市君 そこで、ちょっとさっき例にも引いたわけなんですが、幹線の考え方は、いまのところ変える考えはないわけですね。
#34
○政府委員(住田正二君) 先ほど申し上げましたように、現状では変えるということは考えておりません。
#35
○横川正市君 この空港整備五カ年計画の推進に伴って、滑走路が、ジェットを受け入れる態勢が逐次出てきておりますね。で、その態勢が出てきても、それは現状のままと、こういうふうに考えていいわけですか。
#36
○政府委員(住田正二君) 先ほど申し上げましたように、将来、旅客需要の流れに変化があった場合には、再検討する必要があるかと思いますけれども、単に飛行場の滑走路を長くしたとかということだけで、幹線の定義を変えていくということは考えておりません。
#37
○横川正市君 その場合、幹線ということになれば、幹線にはこれは二社が常に競争してサービスするという考え方ですか、もし幹線というものの定義を変える場合ですね。
#38
○政府委員(住田正二君) 一昨年の運輸政策懇談会の答申あるいは閣議了解によりますと、現在、幹線は日航と全日空の二社がやっておりますけれども、将来、東亜国内航空が会社が大きくなって、安全性について問題がないという場合には、幹線に東亜国内航空を入れるということがきめられております。したがって、将来は三社になる可能性もあるかと思います。ただ、先ほど来のお話でございますけれども、幹線空港にするかしないかということの実績といいますか、幹線空港であるのと、ローカル空港との差は、日航が入るか入らないかということにあるわけです。したがって、かりに鹿児島を幹線空港にするということをきめた場合に、それは当然三社がやるか、あるいは従来どおりこれは全日空と東亜国内の三社にやらせるか、これは別の問題でございまして、したがって、幹線だから当然日航が入る、将来幹線空港を広げる場合に、当然日航が入るということには必ずしもならない、そういうふうに考えております。
#39
○横川正市君 私は再三、収益率の問題から、シェアというものは、行政的にこれは相当検討した上で、妥当な線を出すべきだ、そうしないと、そのこと自体が企業全体での体質改善その他にも影響してくるし、安全性の問題にも関連してくる、こういうふうな幹線をやったから、おまえとおまえはやりなさい、あとは企業努力でやりなさいではなしに、そういうやはり総合的な指導のしかたというものがあっていいんじゃないかと思うんですがね。その場合に、たとえば東京−福岡−沖繩という線は幹線だが、東京−鹿児島−沖繩というのは幹線ではないという考え方に立ちますか、それとも立ちませんか。どちらですか。
#40
○政府委員(住田正二君) 沖繩を復帰後どうするかということは、現段階でまだきまっておりませんが、現在、日航が東京−沖繩、大阪−沖繩、福岡−沖繩の路線を運営いたしておりますので、おそらくは幹線空港としての取り扱いがなされることになろうかと考えます。したがって、その場合には、五つの幹線空港を結ぶ路線が幹線である。したがって、東京から鹿児島に行く路線、あるいは鹿児島から沖繩に行く路線というものは、ローカル線になるわけでございます。
#41
○横川正市君 そうすると、その場合は、日航は沖繩路線は福岡−沖繩も利用し、それから鹿児島−沖繩も利用するということになるわけですか。それとも沖繩への線は、福岡−沖繩線だけ、こういうことになるわけですか。
#42
○政府委員(住田正二君) 日航がやりますのは、福岡−沖繩だけでございます。
#43
○横川正市君 需要が大きくなって鹿児島−沖繩間の航路が開発された場合には、これは、そうすると全日空とか東亜航空とかというものが担当するということになるわけですか。
#44
○政府委員(住田正二君) そのとおりでございます。
#45
○横川正市君 何にいたしましても、この航空事業の安全の問題で、私どもやはりいまの国内企業の中に、企業努力という面もあろうけれども、相対的な、たとえば日航は非常に長い時間をかけたとか、全日空はまだ歴史が浅いとか、東亜航空は期間的にまだできて日も浅いとか、そういう会社それ自体の体質上の問題からも問題があるんじゃないか。で、そういった点で、たとえば東亜航空なら東亜航空に対して、資本の充実であるとか、あるいは整備すべき内容であるとか、何と何と何とが必要であれば、何と何と何とが必要であるというような意味での行政上の、いわば現状でもいいがというのでなくて、現状は改革すべきだというような意見はいまお持ちになっておりますか、どうですか。
#46
○政府委員(住田正二君) 東亜国内航空につきましては、昨年の「ばんだい」号の事件のあとに、経営面あるいは運航面、両面にわたりまして検査をいたしまして勧告を出しております。その中に、資本をさらに充実するようにということを言っております。それから、先ほど申し上げました日航、全日空の技術援助についても触れております。
#47
○横川正市君 今度の場合ですね、航空燃料に対する課税、それが目的税的な性格を持っているわけなんですが、実際にはこれはいま、この問題もそうですが、関税その他の論議のときにも中心になってきたわけですけれども、どうしても上げなければならないやむを得ざる事情なのかどうかという問題ですよ。しかもそれが、物価その他へどういうはね返りをするのか、この点を非常に心配をいたしておるわけですが、あなたのほうでは、この問題については、いわば公共料金というふうな範疇から考えてみてどういうふうに踏んでおりますか。
#48
○政府委員(住田正二君) 第二次五カ年計画の総額は五千六百億ということになっております。その財源手当てをどうするかという問題でございますけれども、最近航空の大衆化が進んできているということは言えるにいたしましても、やはり財源対策といたしましては、利用者負担を原則にすべきであるというように私どもとしては考えております。その一環として、昨年航行援助料を取るという措置をとりましたし、今回の航空燃料税もその一環になっているわけでございます。利用者負担の原則に立つ以上、利用者への転嫁、運賃の値上げということになりますけれども、これはやむを得ない。しかし、できる限り現在の経営の中で吸収させるということで、先ほど申し上げましたように、現在作業を進めているわけでございます。
 航空運賃の物価に対する影響でございますが、〇.〇八%ということになっております。一万分の八でございます。したがって、航空運賃の値上げといいますか、航空運賃の物価に対する影響というのは、国鉄とか、私鉄とか、そういうものと比較しますとかなり低いものになっているわけでございます。
#49
○横川正市君 いまは岡山までしか新幹線は走っていないわけですね。やがてこれは鹿児島まで延びますし、それから北海道まで行けば、ずっと北まで延びていくわけです。この新幹線網というのが完全にでき上がった時点は、われわれはどうせこの世にいないかもわかりませんけどれも、しかし、この新幹線網というものと、それから国内の航空運賃とのバランスはどうとろうとされておるのですか。
#50
○政府委員(住田正二君) 総合交通体系におきます航空輸送の役割りでございますけれども、私どもといたしましては、長距離の都市間の輸送において航空輸送が大きな分野を持つというように見ております。で、中距離になりますと、新幹線の分野もあろうかと思いますけれども、長距離になりますと、やはり航空の分野ではないかと思います。将来、新幹線網が全国的に整備されるという場合に、私どもといたしましては、新幹線と航空とを競争させるというようなことは考えておりません。むしろ航空の将来というものは、もちろんある程度バラ色ではあるわけでございますけれども、しかし一方いろいろな制約があるわけでございます。一つは飛行場がなかなか得られないということ、あるいは騒音問題とか、そういう点を考えますと、航空需要がどんどん伸びていって、日本の国民の相当数が常に飛行機で旅行するということにはならないわけで、やはり新幹線で運べる分野については新幹線でやってもらって、航空はできるだけ航空の特性に合った輸送分野を担当するということになろうかと思います。で、総合交通体系上、航空の運賃と国鉄の運賃とをどう調整するかということでございますけれども、現在、航空法のたてまえでは、適正な原価、適正な利潤によって運賃を算出するということになっておりまして、一応国鉄運賃がどうあるかということとは無関係に判断するたてまえでございますけれども、総合交通体系上許される範囲内で何らかの調整をしたい。具体的に申し上げますと、航空でなくて済むような輸送分野については、できるだけ国鉄との摩擦を避けるような運賃体系を導入するというようなことに考えてみたいと思っております。
#51
○横川正市君 最近の航空機利用のシェアですが、これは趨勢としてはやや伸びということなのですか、それともある程度伸びていたものがやや低下と、こう見るわけですか。その原因は一体何ですか。ただ、「ばんだい」号とか、あるいは自衛隊機の衝突事故とか、そういうことですか。他に何か原因というものは考えられますか。
#52
○政府委員(住田正二君) 昭和三十五年から昭和四十五年までの十年間における航空需要の伸びは年率約三〇%でございます。で、四十二年から四十五年の間の伸びが特に著しいわけでございますが、年率三四%ぐらいの伸びになっております。で、四十六年、本年度は大体八%ぐらいにそれが下がるという見通しでございます。この八%に下がります大きな原因といたしましては、やはり景気の後退ということが大きいのではないかと思います。しかし四十六年から四十七年度にかけてはかなり回復いたしますし、昭和五十年には四千万人になる。昭和四十六年が千六百七十万でございますが昭和五十年には四千万人になる。これは年率約二五%の伸びでございます。
#53
○横川正市君 この伸び率の低下は、そうすると将来は絶対予定どおりな伸び率へ回復をすると、こう見ておるわけですか。
#54
○政府委員(住田正二君) まあ現状で、いまの段階で確実に四千万になるということは申し上げにくいわけでございますけれども、大体その程度の数字になるのではないかというように考えております。
#55
○横川正市君 そこで、今後大体五千六百億円の五カ年計画による空港整備、保安整備をするわけなんですが、その中で、成田あるいは関西空港の設備に二千六百六十億円、その他羽田とか伊丹の整備に千百八十億円、保安設備に七百億円、騒音対策四百十億円、その他六百五十億円となっているわけなんですが、この中の騒音対策というのはどの程度の完遂率を目的にしているわけですか、騒音対策としては。
#56
○政府委員(住田正二君) 現在私どもが運輸省でやっております騒音対策は、空港周辺の病院、学校の防音工事、それから共同利用施設に対する補助、それから騒音地帯の民家の立ちのき移転補償でございます。そのうち学校、病院あるいは共同利用施設につきましては、昭和五十年までに当面必要なものは大体いけるのではないかというように見ております。若干遠いといいますか、ボーダーラインにあるような場所にあるところは残るかと思いますけれども、当面だれが見てもこれは防音工事をしなきゃならぬというようなものにつきましては、手当てができるというように考えています。まあ一部病院などにつきましては、工事はなかなかむずかしいということで、あるいはおくれる場合があるかと思います。
 それから移転補償につきましては、現在のところあまり進んでおりません。これは代替地を取得することが非常にむずかしいとか、あるいは移転補償をする場合に土地を買い上げるわけでございますが、土地の価格の算定についていろいろ問題があってなかなかきまらなかったということが大きな原因でございますけれども、鑑定制度をもう少し確立するなり、あるいはこの航空燃料税に関連いたしまして譲与税が地元に交付されることになりますので、そういう譲与税を使って代替地を補償するということで移転補償を促進したいと考えております。
 今後の大きな問題といたしましては、民家の防音工事をどうするかということがあるわけであります。これは現在やっておりますのは、いわゆる航空機騒音防止法に基づいて騒音対策を実施いたしているわけでございますけれども、これは民家の防音工事が対象になっておりません。最近、御承知だと思いますけれども、成田の周辺について、千葉県が当面公団の肩がわりというような形で、民家の防音工事をやることになっておりますし、それから昨年の環境庁長官の勧告中心にも、民家の防音工事をやるということで盛られております。本年度の予算におきましても、民家の防音工事に関する調査費を千六百万円ほど取りまして、かりに防音工事をやる場合には、どういう工事をしたらいいかということで現在調査をしております。したがって、今後四十八年になりますか、四十九年になるかわかりませんけれども、民家の防音工事についても前向きで検討していきたいというふうに考えております。
#57
○横川正市君 民家の防音工事の結論については、そういうふうにいまの時点で言えることは、四十八年ないしは四十九年の間ということですか、それともある程度はっきりとした目標を立てて検討するということですか、どうですか。
#58
○政府委員(住田正二君) 環境庁の勧告も出ておりますし、私どもとしてはできるだけ早く実施したいというふうに考えております。
#59
○横川正市君 最後に一問、まあ今度方針として打ち出されたその方針によれば、かつて岩手県の上空で起こったような自衛隊機との接触事故というようなものは、日本のこの空域では絶対起こらないという、そういう万全な対策を立ててその方針をきめられたものと思うわけですがどうですか。
#60
○政府委員(住田正二君) 今度の五カ年計画は、保安施設の整備に関連する経費でございます。で、昨年の雫石上空の事故というのは、この保安施設の問題ではなくて、空域の利用のしかたの問題ではないかと思います。
 あの事故のあと、運輸省と防衛庁の間で話をいたしまして、民間空路とそれから、防衛庁の自衛隊の訓練空域を分離するということで、自衛隊専用の訓練空域を設定いたしておりますが、また今度現在国会のほうへ提出いたしております航空法の一部改正の中で、管制権、これはまあ民間の航空の管制をやる空域でございますけれども、その中で、自衛隊が訓練をするという場合には、運輸大臣の許可を受けて、場所とか時間等を限定して行なうということにいたしております。そういう措置がとられますと、原則として自衛隊機と民間機が一緒に飛ぶということがないわけでございますから、昨年のような事故は起こらないというように考えてよろしいかと思います。
#61
○横川正市君 あと一問ですが、運輸省としては、日本のいわゆる航空企業の体質をもう完全に独立独歩、一本立ちでやっていける企業として成育されたと、こういうふうに見ますか。それともまだ多面にわたっての補助あるいは育成を必要とする企業というふうに見ますか、どうですか。
#62
○政府委員(住田正二君) 現在、日航と全日空、東亜国内の三社があるわけでございます。三社について共通では必ずしもないかと思いますけれども、現状では保護育成の必要ない程度には成長してきているというように考えております。日航の場合には世界のランクの六番目ぐらいに入る会社になっていますし、全日空につきましても運んでいる旅客の数で言えば、やはり十番以内に入る大きな会社になっているわけでございます。
#63
○戸田菊雄君 おととい、大体大綱については質問をいたしておりますから、その続きを質問してまいりたいと思います。
 まず第一点は、今後の乗員養成について運輸省としてはどういうふうに考えているか、あるいは現行のパイロット数はどのぐらいで、それからスチュワーデスがどのぐらいおるか、この辺の内容について定期三社でけっこうですが、説明をしていただきたい。
#64
○政府委員(住田正二君) 現在のパイロットの数は約二千二百名であります。そのうち外人パイロットが約三百名。
 それで現在の養成の規模でございますが、年間約六百名を考えております。で、その内訳といたしましては、運輸省の航空大学校で養成するものが百三十五名、それから防衛庁に訓練を委託したり、あるいは防衛庁のジェットパイロットを割愛してもらって民間航空のほうに使っておりますが、それが百二十名。それから日航、全日空、東亜国内の三社が自分の会社で養成しているものが三百五十名、計六百名でございます。現在は外人パイロットを含めまして不足の状況であるわけでございますが、その六百名の養成規模を続けますと、大体昭和四十九年以降にバランスがとれるということになろうかと思います。
 それからスチュワーデスの数はいま調べまして後ほど御報告いたします。
#65
○戸田菊雄君 各社ごとの養成内容はわかりますか。日航は幾らで、全日空が幾らで、東亜が幾ら、内容はわかりますか。
#66
○政府委員(住田正二君) ちょっと調べまして……。
#67
○戸田菊雄君 わかりました。いま説明がありましたように、年間六百名、一応運輸省関係が百三十五名、それから防衛庁で百二十名、こういう説明があったんですが、これは歳出科目は何によってなされておりますか。大体一人当たり、この前日航社長の説明によって四千万円見当かかると言われております。これはどういう歳出科目でまかなっておられるわけですか。
#68
○政府委員(住田正二君) 運輸省の航空大学校で養成しております経費は一般会計でございます。航大でパイロット一人当たりの経費が約九百万ぐらいかけております。それから先ほどのパイロットの数でございますけれども、日航千百名、全日空が七百名、それから東亜国内が三百名ということでございます。
#69
○戸田菊雄君 この防衛庁養成については、何か運輸省と特定の協定か何かあって、あるいは話し合いがあって、そして年次計画でもって養成していくという、こういう関係になっておるわけですか、それが一つ。
 それから、運輸省が航大に出してパイロットに送り込むわけですが、それは直ちに操縦可能なそういう状況ですか。それとも各社にいってからいろいろ、当然すぐに運転はできないでしょうから、それぞれ見習いとかそういう関係になるんだろうと思うのですが、その養成体制はどういうかっこうになっているでしょうか。
 それから定期三社がそれぞれ養成しているというのは、結局養成の内容としては、航大その他に運輸省でさしてやっているんですか。それとも日航社長が言ったように、大部分がその必要に応じてジャンボ養成などはアメリカへ連れていってやるとか、そういう随時必要に応じて条件を考えて養成している、いろいろなケースがあるだろうと思うのですが、その辺の養成の内容等についてはどういう状況になっておりますか。
#70
○政府委員(住田正二君) 防衛庁のほうに現在民間航空会社三社から委託しております数字は約六十名でございます。この六十名という規模につきましては、毎年運輸省と防衛庁の話し合いできめております。
 それから民間の三社がやっております自社養成のやり方でございますが、三社それぞれ別でございまして、日航の場合には主としてアメリカにもっていって、アメリカで養成しております。それから全日空の場合には、アメリカあるいはイギリスのほうに委託して養成いたしております。一部は岡山空港のフライイング・サービスという会社がございますが、そこに養成を委託しております。それから東亜国内航空の場合には、日本の使用事業者に委託して訓練いたしております。
 それから、航大の卒業生の技能程度でございますけれども、航大では単発を終えまして、双発を一部やって卒業するという形になっております。卒業いたしましてから日航に入った場合と、全日空に入った場合と養成方式が違いますが、いずれにいたしましても日航、全日空におきましてさらに双発過程について訓練を受け、日航の場合にはターボパイロットの訓練を受け、全日空の場合には双発からYSに進んで、YSの操縦士になるという過程を踏むことになります。
#71
○戸田菊雄君 将来航空機がだいぶ増勢の傾向にあることは、この問の説明でもそのとおりなんです。やはりその基幹であるところのパイロット養成について一つ方針を持つべきじゃないかと思うのです。あるところは航大、あるところは自衛隊とか、あるときは各社ごとにやらせる、こういう状況ですね。だからこういう養成に対しては、やはり飛行機増勢に対して安全各般の問題からいって、当然国が一定の指針を持って養成すべきじゃないか、こういうふうに私は考えるのですけれども、経費の分担等についてはこれはいろいろあるでしょう。それはあるけれども、方針はやはり運輸省なら運輸省で明確化していく必要があるんじゃないかと思う。そういう考えはどうですか。
#72
○政府委員(住田正二君) いま戸田先生のおっしゃったように、養成のソースがばらばらであるということは、将来の問題として非常にまずいのではないかということがこれまでたびたび議論されておったのでございますが、その一つの考え方といたしまして、これを全部集めて、特殊法人の航空大学校として、そこで訓練したらどうかということも検討いたしたわけでございます。特に一昨年来、航空審議会にこの問題を諮問いたしまして、その中で乗員部会というものを設けて約半年にわたって検討いたしたわけでございますけれども、最終的な結論といたしましては、やはり日本の現状では、特殊法人の航空大学校をつくって、そこで統一的に訓練するということはまずいのではないかという結論になったわけでございます。その理由といたしましては、いろいろあるわけでございますが、一つは、なかなか日本の内地では適当な訓練飛行場がないということもありますし、そのほか経費分担の問題等もありまして、最終的にはやはり航空大学校で百三十五人というものを養成し、それから防衛庁にも従来どおりお願いし、それ以外に各社でそれぞれ養成したほうがいいという結論になって、その線に沿った答申が出た。したがって、私どもといたしましては当初先生のお話のような方向で考えておったわけでございますけれども、民間の識者としては、現状のままでいいんじゃないかという結論が出ているわけでございます。
#73
○戸田菊雄君 ことに私は思想的にものを判断するわけではないけれども、防衛庁等にいって養成をする、確かに技術革新、そういうものからいけば何も問題ないじゃないかということになるかもしれない。いまのように民主化の時代の中で、いろいろな好ましからざる労務政策とか、そういうものが入ってくるわけですから、そういうもののやはり疑惑を持たれるような養成内容というのは清算したらどうかという気がする。
  〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕
いま住田部長が言われるように、明確に航大なら航大中心に国としては養成をしていくこと、あるいは実地見習い等については定期三社にやらせる、しかし飛行機の開発でジャンボ等についてはやむを得ない、ただアメリカならアメリカの生産地に行ってやるとか、そういう順序立てた方法を一体化して、何もそれは官僚統制をやるということじゃないのですから、そういうやはり養成、見通し、計画というものが私はあっていいんじゃないか。これは要望です。
 それで、小型機なり、いわば固定翼なり回転翼に基づくものが今後も増傾向にあると私は思うのですけれども、運輸省としてはどういうように考えておりますか。
#74
○政府委員(住田正二君) 小型機につきましては、いわゆる事業会社といいますか、企業としてやっている会社が扱っている小型機と、それから自家用機と、二つあるわけでございます。
 それで、まず事業会社のほうでございますが、これは先日も申し上げたと思いますが、最近は農薬散布の需要が減っているとか、あるいは広告宣伝がやりにくくなっているとかいうようなことで、むしろ現状では過剰ぎみではないかと思います。したがって、使用事業会社の全体として、航空機が今後相当ふえるということにはならないのではないかと思います。
 それから、自家用といいますか、スポーツ航空として飛行機に乗る人の数が非常にふえているわけでございますが、その点につきましても、そういう飛行機を収容する飛行場があまりないということ、それから同時に、民間のいわゆる旅客機が飛んでおります空域が方々にあって、それと分離して訓練場を設けるということは非常にむずかしいというようなことと、それから、こういう、何といいますか、日曜日だけしか飛ばないような飛行機が、のこのこ航空路に入ってくると非常にあぶないという問題もありまして、私どもとしては一そうは伸びないのではないかというような感じを持っております。
#75
○吉田忠三郎君 ちょっと関連して。
 四十二年、四十三年ころですが、この問題ぼくは運輸委員会で提起したことがあります。その当時は、国内における遊休飛行場というのがかなりありますね。
 それと、もう一つは、当初、運輸省の航空局の試算だと、ぼくは記憶しているのですが、沖繩等含めて、訓練飛行場の計画を国会の場で答えていますよ。いまの部長の戸田委員に対する答えを聞いていますと、きわめて後退して、わが国の国内では訓練飛行場をつくるような場所がない、こういう言い方をしていますね。重大な問題じゃないかというふうな気がするのですよ。
 アメリカで訓練しておることがいいとか悪いとかいうことをぼくは言うのじゃなくて、たいへんこれはむだな経費ですよ、アメリカでやるということは。そういうことですね。器材を持っていくにしたって、あるいは訓練をいたさなければならぬ乗員をアメリカに持っていくにしたって。同時に、航空局だってそうじゃないですか、ただ単に乗員の養成だけじゃなくて、試験官がそのつど――各種の、コーパイの資格を取る、あるいはキャプテンの資格を取る、それぞれの資格要件があるわけですから。しかも、航空機の場合には、各機種ごとにあるわけでしょう、資格要件が。そのつど、運輸省の試験官が同行して行かなければならないわけです。これだってかなりの経費ですよ。運輸省にはそういう経費がないから、結局は日本航空とかなんとか、会社経費で負担しておる。これが国会で指摘された最大の問題なんです。いまだってそれは改まったかどうか、改めるということだったが、おそらく改められていると私は思いますがね。非常にこれは理解できない。あなたの答えは、当時われわれ扱った者として問題になりますが、当時の、たとえば北海道の帯広の空港だって、ほとんどあいているではないかということから、航大の学生の定員をふやしていく以外にないんじゃないか、日本の乗員を確保するためには。これは戸田委員がおっしゃったとおりですよ。やはりある一定の限度のものは国が責任をもってやるべきだと、こういう言い方からいって、宮崎の航大の分校が帯広に設置されていま行なわれていますね。一つのこれは例ですよ。たとえば北海道の中標津というところに飛行場がありますよ。これは遊休、遊んでいますね。建設するときには、国民の税金で何億という金をかけてつくったものです。いまは遊んでいますね、これは。そういうもの等を、やはりやろうという意欲に燃えてやるならば、国内で練習飛行場というものはできる、可能であると私は考えていますが、しかも、重ねて申し上げますけれども、四十二年から三年、四年にわたって、こういう議論がされたんです、国会の場で。前田委員長も当時運輸委員会におりました。その当時の答えから見ると、あなたの答えはまるっきり後退しちゃって、当時のことを忘れているような感じがするのだな。これはどうなんですか。
#76
○政府委員(住田正二君) 飛行場の問題といたしましては、二つの問題があるわけでございます。一つは初歩訓練をやる飛行場の問題と、もう一つは実機の訓練、いま吉田先生から話が出ましたような、資格を取る訓練をやる飛行場と、二つの問題があるわけでございます。
 で、まず、その基礎訓練をやる飛行場につきましては、現在、宮崎と帯広で単発の訓練をやっております。それから、双発の訓練を仙台でやっております。で、これで百三十五人が手一ぱいでございまして、もし航空大学校の養成規模をふやすといたしますと、どこかよその飛行場をさがさなければいけないということになるわけでございますが、確かに遊休の飛行場は全国に幾つかあると思います。しかし、天候の問題等を考えますと、一年のうち訓練をやる時間が非常に少ないとか、あるいは、初歩の訓練でございますので、霧が出るとか、あるいは視界が悪いような飛行場は使いにくいということになりまして、現在の遊休の飛行場を活用して基礎訓練をやるということは非常にむずかしいのではないかと思います。
 さらに、現状におきましては、宮崎はすでに民間航空が非常にふえておりますので、むしろ宮崎の訓練をどこかよそに移さなければいけないという問題も現実の問題として出ておりますし、それから、仙台のほうも、民間の航空機がふえたということと、それからこの百三十五人が全部あそこで訓練することになりますと、双発課程として仙台だけで処理するということも非常にむずかしくなってきておるので、将来どこかに分校程度をもう一つさがさなければいけないという現状でございます。したがって、基礎訓練をやる飛行場を国内にさがすということは、現状として非常にむずかしいわけでございます。
 それから、実機の訓練の問題でございますが、これは確かに、昭和四十一年に羽田で試験中の飛行機が大破して、乗員が全部死んだという非常に痛ましい事故がありまして、それを契機に、訓練飛行場を日本でどこかにつくるべきじゃないかということで、いろいろ日本内地をさがしたわけでございますが、当時、硫黄島に持っていくとか、いろいろな案があったわけでございますが、この数年前から、沖繩の下地島に非常にいい場所があるということで、現在、琉球政府のほうで、下地島の土地を買い上げて、本年度から工事に着工するということになっております。したがって、訓練飛行場の問題といたしましては、その基礎訓練のほうは、先ほど申し上げましたように、内地で新たに飛行場を求めるということは非常にむずかしい。実機のほうは下地島で三、四年先になると思いますけれども、完成の暁にはそこで集中的に訓練をするということになろうかと思います。
#77
○戸田菊雄君 そこで、その回転翼といわゆる固定翼の関係の資料があったわけですけれども、これを見ますと、非常に広告宣伝は各地域ごとにやられているわけですね。各航空会社、それからもう一つは写真ですね。それから報道取材、それから視察調査というのが非常に多いんですね、視察調査。それから操縦訓練。で、この操縦訓練というのは、たとえば、各社いろいろあるわけですけれども、ほとんどがアジア航測とか、あるいは国際航業とか、こういう五つくらいの会社を除いてはほとんどここで操縦訓練というのをやられている。その法的根拠はどういうところにあるわけですかね。この固定翼の場合、あるいは回転翼の場合ですね。これも操縦訓練としては、この回転翼の場合は非常に少ないですね。これは営業種目、分類の種目を見てもこれは少ないですが、この固定翼の場合は非常に多いですね。これはどういう定めがあって、これは各社ごとにやっているようですが、これはどういうことになっておりましょうかね。
#78
○政府委員(住田正二君) ここに掲げてあります操縦訓練には二通りございまして、一つは先ほど申し上げました全日空、あるいは東亜国内航空から委託を受けてやっている操縦訓練がございます。もう一つは、いわゆるスポーツクラブというようなものが各飛行場にできておりまして、そのスポーツクラブの加盟会員の操縦訓練をやるというのが二番目の操縦訓練でございます。ここに各社でずっとやっておりますのは、むしろ後者の操縦訓練が多いわけでございまして、ここで訓練を受けて国家試験を受けて自家用機の免状を取る。そういう訓練をいたしておるわけでございます。
#79
○戸田菊雄君 この傾向というものは今後やはり増勢傾向にあると思うんですね。その見解はどうですか。
#80
○政府委員(住田正二君) 国民所得は非常に向上いたしておりますので、航空のほうに関心を持つ人がふえておりますから、今後も使用事業の大きな部分がこういう操縦訓練でまかなわれることは間違いないと思います。ただ先ほど申し上げましたように、こういう自家用機が将来大きくふえるかどうかという点については、私どもとしてはあまりふやしたくないという気持ちもあります関係から、そう大きくは伸びないのではないかというように考えております。
#81
○戸田菊雄君 それはわかりましたが、次に、この輸送需要の予測の旅客、貨物、あるいはGNPに占める交通関係社会資本投資関係で資料をいただいたわけですけれども、この内容をずっと一応見てみましたけれども、大体この計画の二番のフレーム、全国フレームを見ますると、大体新経済社会発展計画五十年、新全国総合開発計画六十年、本答申は六十年まで行なわれるとあります。これは政府全体としては、新経済社会発展計画は見直さなければいけないだろう。こう言っている。多分に私はこの計画でいけばそごを来たすだろう。だから、いずれにしてもこの計画フレームについては、運輸省自体としては検討をしていただかなければいけないのじゃないか。その辺の見解が一つ。
 それからもう一つは、これでいきますと、だいぶシェアが相当拡大する傾向にございますね。倍率でいっても鉄道やあるいは民鉄各般の交通機関対比でいっても、航空関係は最高という倍率になっています。だから航空機拡大と需要量、こういうものは増大の傾向にあるだろうと思う。
 そこで問題になるのは、いわゆる施設整備計画策定のフローチャート、いわゆる流動図だと思うのですが、これを見ますと、スタートからずっと見ていきますと、まあ経済社会指標をマクロ的に見ているようですけれども、こういう関係で徐々に拡大をされるような流動図になっているようです。ところが、私聞きたいのは、四十七年の三月末でありますが、この定期三社の航空会社の資産状況、これを見ますと、日本航空の場合は流動資産、固定資産あるいは航空機、建物、繰り延べ資産等々ございまするけれども、日航は黒字で、まさしく三十何億かの黒字状況になっておるわけですね。あとの二社はもう赤字ですね。これはどういうことか。まあ資本金、資産そのものも非常に日航と比較すると小さい。そういうことになってくると思うのですが、こういういわば定期三社のフラックス・チャートに基づく拡大方向というのは一体どういう見通しを持っているのですか。その辺の見解が一つです。
 それからもう一つは、ここで問題になるのは、日本航空の場合確かにもう幼稚産業から脱皮をして、まさしく一人歩きができるという資産状況になっておる。しかし、この全日本航空なり東亜国内航空については、まだこれは赤字をかかえていますね。たとえばこの経常収支の中身を見ましても、三十数億か何かの全日空の赤字、それから東亜国内航空においての同様の状況があるように見たんですが、こういうことになると、三社の自由競争帯、こういう条件整備が何らかの形で考えられていかなければ、こういう日航偏重傾向は、今後のやっぱり国内航空にしても、国際航空にしても、そういうところに何かこうすべてが偏重していくような状況になりはしないか、どうしたってこれは、自由競争やれば、資本の大きいものにかなわないから、いまの資本主義社会の中では。こういうものをコントロールというかね、いわば育成、そういう問題は運輸省として一体どういうふうに考えますか。その辺の見解についてひとつお聞かせ願いたいと思います。
#82
○政府委員(住田正二君) まあ昭和五十年の需要見込みは、現在新経済社会発展計画で計算をいたしておるわけでございますが、この点については最近見直しをするということになっておりますので、その見直しに基づいて、私どもの航空需要の見通し、見直しもする必要があろうかと思います。
 それから昭和六十年につきましては、新全総に基づく数字でございますが、これもおそらくは最近の経済情勢の変化に応じて見直しがされることになると思いますので、その一環として私どもも見直しをする必要がある、そのように考えております。
 それから、定期航空三社の経営状況につきましては、確かに御指摘のように、日航、全日空と国内、この三社の間にはかなりの開きがあると思います。ただ全日空につきましては、昨年度までは相当大きな利益を上げてきておるわけでございます。で、全日空の場合には、日航と比較いたしまして償却の方法は異なっております。したがって、まあ現在の定率に近い償却でございますと、これでは本年度赤字になる見通しになっておりますが、日航と同じような定額償却でやりますと、赤字にはならないことになろうかと思います。まあ四十七年度以降現状のままでは全日空の場合には赤字になろうかと思いますけれども、しかし、現在運賃値上げの申請が出ておりますので、運賃値上げが行なわれなければ赤字になると思います。
 東亜国内の場合には、業者の経営基盤が薄弱であって、しかもYSだけで通しているということであって、現在経営上かなりきついものがあろうかと思います。ただ先ほども申し上げたわけでございますが、現在ローカル線が全部独占が維持されているわけでございまして、その意味では相当手厚い保護が行なわれておるというようにお考えいただいていいんじゃないか。幹線については確かに二社競争いたしておりまして、日航のほうが利用率が七〇%、全日空が五〇%そこそこという大きな開きがございますけれども、これは一昨年まではそれほど大きな開きがなかったのが、景気後退等によって日航を選択するような結果、こういうような差になっておるわけでございますが、これは競争の結果としてやむを得ないのじゃないか。こういう大きな差があるから、日航のお客さんを全日空に移せと、利用者の撰択を妨げるというような行政は私どもとしてはちょっととれないかと思うのです。
#83
○戸田菊雄君 そこで、この前もお伺いしたんですが、結局運賃値上げは、いま運賃変更申請の概要を出されたけれども、この資料によると結局日本航空が実働で一四・九%、それから全日本空輸が一六・八%それから東亜国内航空が一七%とこうなっておる。ですから、東亜国内航空は全日空、日航よりは高いわけですから、その高いというのは、一面において、とかく利用者に負担がかぶせられると同時に、いま言ったように資産その他経営収支からいってどうも成績が悪い、赤字だという、そういうものの補てんまで入っているという理解でいいんですか、この運賃値上げ。これを承認するかしないは、この前一応回答されておるが、その中に、結論は見なかった、中身については検討する、こういう答弁でしたけれども、その辺の理解のしかたはそういうふうでいいんですか。
#84
○政府委員(住田正二君) 運賃の値上げの申請などは、三社の場合は日航も全日空も同じ値上げ幅になっております。日航の場合は二〇・六%、全日空の場合も二〇・六%でございます。それに対しましてローカル線の場合に全日空が二五・八%、それから東亜国内が二四・九%という値上げ申請でございます。したがって、幹線とローカル線の間に差があるというように考えていただいていいのではないかと思います。
 幹線とローカル線の間になぜこういうような差ができたかということでございますが、一つは、幹線のほうは、各空港も原則として二十四時間営業を行なっております。騒音対策の関係から大阪の場合が十時、東京の場合が十一時という制限となっておりますけれども、ローカル空港に比べて営業時間が非常に長いわけでございます。したがって、幹線に入っております飛行機の回転率が非常に高いということが言えるわけでございます。
 それからもう一つ。幹線の場合は全部ジェット機でございますけれども、ローカルの場合はYSとか、フレンドシップとか、プロペラが主でございまして、ジェット機とプロペラとの間には相当採算が違っているわけでございまして、そのためにローカル線のほうが高くなるということでございます。したがって、経営、会社の内容が悪いから高くなるということでなくて、幹線とローカル線の間では、いま申し上げましたような差があるためにこういう差が生じるというふうに御理解いただいていいんじゃないかと思います。
#85
○戸田菊雄君 資料として一つ要求しておきますが、輸送需要の予測ですね。別表1、2、旅客、貨物。それからここにある昨年のGNPに占める交通関係の社会投資積算基礎の資料をあとで御提示願いたいと思います。
 それから予算説明の中で、これはあの八三ページですけれども、騒音対策として、ことに大阪国際空港を重点に取り上げているわけですけれども、全体で四百十億ですね、五カ年間で。そういうふうになっているのですけれども、騒音の判断規準ですね。日本の場合はどっちをとっているのか、いままでですとずっとホンでいっているのですが、国際連合機構等でWECPNL、こういうことで最近の騒音の基準判断というものをもっときびしくしろ、こういうことになっているようですけれども、日本の場合はどういうふうにやっているのか、その辺が一つ。
 それから大阪国際空港等ではたいへん非難がありますが、市長以下政府に対していままでも何回も要請してきたと思うのですね。しかし一向に改善措置をとられていない。したがって地域住民があれでノイローゼになってたいへん病人がふえるというような状況、あるいは学校の児童等がたまらないといういわばヒステリック症状ですね、そういうものが非常に起きている。いままでの政府の説明ですと、大体小学校の先生が授業やるのに大体八〇ホン、この程度の以内なら授業も可能だというような説明をしてきた。たとえば自動車のブザーがポンと鳴ると、あの程度のものがくれば大体騒音対象になるだろうというようなことを言われてきたのですが、その辺の現状の認識と、今後の改善の措置というものを一体どういうふうに考えておるのか、その辺について、まず二点について答弁をしていただきたい。
#86
○政府委員(住田正二君) 騒音の単位でございますけれども、一般的にはホンという数字が使われております。しかし、最近ホンだけではなくて、人間に感ずる、人間の感覚から、あるいは季節とか、音が続く時間であるとか、そういうものを加味した単位であらわしたほうがいいのじゃないかということで、最近使っておりますのはWECPNL、今後民家の防音工事とかそういうものをやる場合にはWECPNLという単位を使うことになると思います。大阪周辺の騒音対策につきましては、本年度も五十八億ということで計上し、その大半が大阪に使われるということになっております。それで学校、病院というものを重点にこれまでやってきているわけでございまして、今後とも学校、病院については重点を置いて対策を講じていきたい。先ほど申しましたように、大体五カ年計画の終了段階で、ボーダーラインにあるところは別として、従来問題になっているところは全部防音工事を実施するという計画を立てております。民家の防音工事につきましては、先ほど申し上げましたように、今後検討してできるだけ早い機会にやっていきたいということでございます。これだけで地元の反対がおさまるかどうか、これは非常に疑問だと思いますけれども、まあ今後も私どもといたしましては空港整備計画においては騒音を重点にやっていきたい。第二次空港五カ年計画では残念ながら四百十億程度の予算しか計上されなかったわけでございますけれども、第三次空港五カ年計画ではこれを大幅に引き上げたい、こういうふうに考えます。
#87
○戸田菊雄君 大体現状のそうしたあれは解消する、こういうふうに考えているのですか、大阪は。それからもう一つは確かに病院、学校が一番重要ですけれども、同時に地域住民のこういう状態が、私は何らかの形でこの措置をされなければいけないのじゃないか。ですから、この新東京国際空港等については、おおむね四地域等に地域住民を分けて騒音対策というものをやっていこうという計画がいまあるようですけれども、何らかの、大阪に対しても、そういういわゆる地域住民に対して――もう飛行機が非常に密度が多くなっていくわけですから、騒音も波状的にやってくるわけですね。家庭生活そのものがたいへん損害を受けるわけなんです。だからそういう意味合いにおいては、いまの航空関係の騒音防止対策というものは非常におくれていると思うのですね。ですからそういう面での今後対策措置というものも、私は十分検討されていかなければいけないのじゃないか、こういうふうに考えるのですけれども、この四百十億程度では、確かにいま指摘されるように、病院と小学校、その程度に限定されちゃうのじゃないかと思うのですがね。それはどうですか。
#88
○政府委員(住田正二君) 四百十億全部を学校、病院、共同利用施設というわけではございませんで、その中には民家の移転補償も相当計上いたしておりますし、また予備費のほうには、民家の防音工事の金も一応予定をいたしております。したがって、この四百十億では非常に少ないという御指摘があると思いますけれども、一方、この民家の防音工事をやり出しましても、非常に対象がこまかくなって、これは一軒一軒工事をやっていく、それに対して補助金を出していくわけでございますので、やはり軌道に乗るためには何年かの期間が必要じゃないか。それからまた移転補償につきましても、先ほど申し上げましたように、いろいろ促進策は講じておりますけれども、現状では代替施設がないとか、あるいは時価の点についての折り合いがつかないということで進んでいないわけでございますから、今後この五カ年の間にそういうルールをまず確立をして、第三次空港五カ年計画でそのルールに従って、金をつけても使えるような体制整備、第二次五カ年計画では必ずしも多いとは思いませんけれども、まず体制づくりが先決ではないか。体制づくりがないと、四百億でもはたして使い切れるかどうかという問題もあるわけでございまして、まあ当面はそういう体制づくりに重点を置いて、その上で第三次空港五カ年計画で大幅な騒音対策を実施したいというふうに考えております。
#89
○戸田菊雄君 審議官に。第一点は、四十六条の納税の猶予の要件等でございますが、これは航空機事故発生、人身障害その他いろいろ事故の内容がございますけれども、これはこの四十六条の適用ということで理解してよろしゅうございますか。
#90
○政府委員(中橋敬次郎君) 四十六条という規定はございませんのですが……。
#91
○戸田菊雄君 大蔵省主税局の航空機燃料税法案参照条文の中で、一〇ページ、「納税の猶予の要件等」、四十六条、これがございますが、この中に含まれているということで理解してよろしゅうございますか。
#92
○政府委員(中橋敬次郎君) いまお話しの四十六条といいますのは、国税通則法の四十六条の御趣旨だと思います。この四十六条は、納税者が震災、風水害、落雷、火災その他の災害を受けましたときに納付しがたい事由がありまして、税金の微収を猶予するという規定でございますので、かりにこの航空機燃料税を納めるべき航空会社等について、そういう事由が生じまして、そうして正当な納期にこの税金を納めがたいということがあれば、適用になり得る機会が出ると思います。
#93
○戸田菊雄君 これは結果的に政令に制定ということになっているのですね。そうすると、航空機燃料税の設定に伴って、そういうことを政令の中に織り込んでいくという考えですか。
#94
○政府委員(中橋敬次郎君) 政令で規定いたしますところの国税につきましては、四十六条の一項一号に書いてございますように、「その災害のやんだ日の属する月の末日」というものがございますが、そこに規定いたしておりません国税につきましては、「その災害のやんだ日」というのが、それ以前に納税義務の成立した国税は、ただいま申しました徴収の猶予に当たるわけでございますので、この航空機燃料税は、「その災害のやんだ日」というのが、納税義務が成立しておるか、していないかという基準になります。
#95
○戸田菊雄君 ですから私の聞いているのは、結果的にこれらの問題は、政令で処理をされるというように理解して条文を読みますと、もちろんこの通則法四十六条には、それぞれ表題でいう「納税の猶予の要件」、こういったことに対する震災とか風水害、あるいは落雷、火災、その他と、こういうことになっておりますけれども、詳細はこの政令決定ということになっているではないだろうか、だからその政令の中に、航空機燃料税の、いわゆるこの「納税の猶予の要件等」が該当事項に入れば、そういうものは当然政令の中で処理されるのかどうか、こういう質問なんですが、その辺の見解をひとつ教えてください。
#96
○政府委員(中橋敬次郎君) ちょっと私が先ほど御説明申し上げましたのは訂正させていただきます。通則法四十六条の一項一号のイにつきまして、今回の航空機燃料税法の附則でもって修正改正をいたしております。それで先ほど私はイに掲げました国税以外の国税にありましたのを申し上げましたが、それは間違いでありますので訂正させていただきます。それは有価証券取引税、あるいは印紙税と書いてございますところに、航空燃料税が改正で入ることになりますので、それは災害のやんだ日の属する月の末日をもって納税義務が成立しているか、していないかという判断をすることになります。
 それで政令で定めることで云々という御質問でございますけれども、手続等につきましては、すでに国税通則法第四十六条に基づきます政令もございますので、その政令でもって、徴収猶予をいたしますところの手続で十分まかなえているわけでございます。
#97
○戸田菊雄君 ですから、いま審議官が言うように、航空機燃料税設定に伴って、法四十六条に改正手続をとって挿入されたことはわかる。だから、それはいま審議官が言うとおりだと思う。それに基づいて、いわゆるこの納税の猶予、その他の要件の中に、具体的に航空機等の事故発生、事故の内容はいろいろあると思いますけれども、これはいずれにしましても、資産の損失になっていくわけでありますから、そういうことについて政令で具体的に定められるこの納税期日ですか、納期限、こういったものの中に、そういう該当事項が挿入されていくのかどうか、そういう点の見解についてどう考えますかということなんです。
#98
○政府委員(中橋敬次郎君) 災害の種類につきましては、すでに国税通則法の第四十六条に、先ほど申しましたとおり、「震災、風水害、落雷、火災その他」と書いてございますので、その災害だけが、徴収猶予の起因となります災害となっておりまして、これについて、特に航空機燃料税に関して、追加するものではございません。
#99
○戸田菊雄君 そうなりますと、確かに納税の猶予要件というものは、「震災、風水害、落雷、火災」こうございます、明快に。しかし、「その他」というのがあるんですね。だから、この「その他」というものに対して、いまいったように、航空機事故等の発生によって損害をこうむるというもの等については、じゃどういうふうに取り扱われていきましょうか。
#100
○政府委員(中橋敬次郎君) ここに書いてございますのは、大体自然的な災害を想定いたしておりまして、その災害を受けた納税者の資産状況から、いろいろな国税についての徴収猶予をいたすわけでございます。したがいまして、「その他これらに類する災害」というのも、いわばそういう自然的な災害に類するものというのを書いてございまして、その後、多分にこれに類しますものといたしまして、たとえば自動車が突然うちの中に入ってきましたとか、あるいは航空機が落ちて人家に損害を与えたという場合に、その損害を受けました納税者の納税の猶予をいたしておるわけでございまするので、むしろ想定されますのは、航空会社がみずから航空機事故を起こしまして、そうしてそれで受けた損害というのは、あまりこれには当たらないというか、そういうものを想定していなかったわけでございます。
#101
○戸田菊雄君 いなかったけれども、現行までの既存法律によれば、いま審議官が言ったような解釈で適用措置をやってきたのだけれども、今後は、どういうようにこれらの問題について考えられますか。全然検討の余地なしですか、どうですか。
#102
○政府委員(中橋敬次郎君) 確かに、航空機事故によりまして、航空会社がその持っております航空機という財産について相当な損害を受けた場合ということに読めるとするならば、納税猶予の要件に当たるのではないかというのは、確かにお説のとおりでございますので、この点については、ちょっと私ここでお答えできませんが、できるだけ早くこれについての国税庁の見解等まとめましてお答えいたしたいと思います。
#103
○戸田菊雄君 まあ時間も迫ってきましたから、じゃただいまの問題はそういうことで、ひとつ、あとで詳細に内容を知らしていただきたい。
 それからもう一つは、この沖繩関係について、これは今回の改正で五十年まで適用除外ということになっていますね。で、本問題について、大体減税分としてどのくらい税額を考慮しているのでしょうか。できれば、いま沖繩関係についてはどのくらい灯油、ガソリンの消費量があるのか、その辺もあわせて答えができればひとつ説明していただきたい。
#104
○政府委員(中橋敬次郎君) 沖繩関係につきましてのこの航空機燃料税は、実は、沖繩に関しますところの暫定措置法に基づく政令で規定をいたすべく、いま検討しておる最中でございますが、大体の考え方は、現在向こうにあります航空会社が、一社ございますけれども、それにつきましては、ただいまもっぱら小型機を使用いたしております。いわゆる五十一社の場合と同じように、一年間おくれまして、それから漸次段階的にキロリットル当たり一万三千円の税額になるようなことを考えております。
 それから航空機以外の揮発油等につきましての燃料課税は、現在の琉球におきますところの税負担と、もちろんその中には軍に納めております課徴金の問題がございますけれども、それを含めまして、現在の負担が五年間は変わらないということで、その政令の内容を検討中でございます。
 それから石油ガス税につきましては、復帰後大体本土におきまして石油ガス税を設けましたと同じような段階的な課税を行なって、三年くらいたって本則の税率になるようなことを現在検討中でございます。
#105
○戸田菊雄君 どうも理解ができないのですけれども、いまの審議官の説明ですと、沖繩関係については暫定措置法を別途制定したい、こういう見解ですね。ところが、すでに今次改正で、第八十条、「内国消費税等に関する特例」ということで、すでにこの改正措置をとっておる。とって、今回の改正案というものは、適用除外を五十年までやりますと、こういう内容になっておる。ですから、さらに暫定措置をとるということになりますと、たとえば租税特別措置法にこの一項を加えて、そして何らかの税制の手続法というものを定めていく、こういうことを意味するのか、この点が一つ。
 それからもう一つは、「航空機燃料税沖繩県の区域内の各地問を航行する航空機の航空機燃料(航空機燃料税法第二条第二号に規定する航空機燃料をいう。)で、昭和五十年三月三十一日までの間に当該航空機に積み込まれるものに係る航空機燃料税の免除又は軽減に関する措置」こういうように条文上はなっているわけですけれども、結局沖繩に行くものはすべて免税と、こういう解釈でいいですか。沖繩県の区域内のその中に入っていくものはすべて免税と、こういう解釈でいいのですか。その辺どうですか。
#106
○政府委員(中橋敬次郎君) 沖繩県内の区域内の各地間を航行する航空機でございますので、その中でいわゆる消費をされるために航空機に積み込まれる航空機燃料を頭に置いてございますので、大体現在のいわゆる南西航空が沖繩の中で運航しますために消費される航空機燃料というのが、ただいま申しました経過措置の対象になるわけでございます。
#107
○戸田菊雄君 前段の質問はどうですか、暫定措置は。
#108
○政府委員(中橋敬次郎君) 沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律で、直接税のみならず、間接税、さらには今回新たに設けていただきます航空機燃料税についても経過措置を政令で規定する道が認められておりまするので、先ほど申しましたように、やがてそういったものの一連の経過措置を規定いたします政令の中で、先ほどの航空機燃料税の特例も盛り込むつもりでございます。
#109
○戸田菊雄君 そうしますと、租税特別措置法等について暫定措置的なものを法律として制定するのではなくて、この改正案の趣旨に基づいて、政令等でその必要事項を整理をしていく、こういう理解でいいのですね。
#110
○政府委員(中橋敬次郎君) 沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律に基づきます政令で、おっしゃるように規定するつもりでございます。
#111
○戸田菊雄君 もう一つ、罰則関係でございますけれども、これが非常に従来の税法に比較をして高いような気がするのですがね。たとえば二十一条、「次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金又は科料に処する。」云々ということで、こうなっております。それから二十条の二項に、「前項の犯罪に係る航空機燃料に対する航空機燃料税に相当する金額又は還付金に相当する金額が百万円をこえる場合には、情状により、同項の罰金は、百万円をこえ当該航空機燃料税に相当する金額又は還付金に相当する金額以下とすることができる。」、これは他の税法と比較してどうでしょう。私、ちょっと、そこ当たらなかったのですけれども、その辺はどうなっておりましょうね。「同項の罰金」というのは、ちょっと私もいままでも……。
#112
○政府委員(中橋敬次郎君) 航空機燃料税に関します罰則をいかなる税に比準して設けるかということを検討いたしました際には、大体同種類の、いわゆるサービスを予想いたしましたところの税金、最も端的に申せば、現在通行税法について同じような罰則規定がございます。で、この航空機燃料税法、たとえば航空機に乗る人が運賃のほかに払いますところの通行税をみずから払う場合に、特別徴収制度というのがございまして、それに関しますところの罰則がございます。それで今回の航空機燃料税も、航空会社がみずから積み込みまして、そうしてその税金をみずから負担するというものでございまするので、大体この通行税に比準したほうがいいのではないかということで、法務省ともいろいろ検討いたしまして、通行税の罰則にならったものでございます。したがいまして、二十条の三年以下の懲役あるいは百万円以下の罰金と申しますのも、また二十一条の、いわゆる秩序罰につきまして十万円以下の罰金と申しますのも、通行税の罰則に合わせたものでございます。
#113
○政府委員(赤羽桂君) こちらの関税でございますが、代表的な例を申し上げますと、関税法第百十条に、関税逋脱犯がございますわけでありますが、「五年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金」という規定がまずございます。ところで、この五十万円以下の罰金につきましては、同条の第四項によりましてこの十倍までの最高限度額がございまして、その範囲内におきまして、情状によりまして、その五十万円以上のものをも課し得ると、かようなことになっております。
#114
○戸田菊雄君 まあこの定めはそうなっているんだろうと思うのですね。しかし、この科料や罰金というのは、まあ一つの例外措置ですからね。本来は正しく納めてもらうという趣旨にあるわけですから、どうも最初の締めくくり、強権的にそういうものをすべて納めていかなければというのは、思想的にどうも納税者をどろぼう扱いをするとか、そういうものはまあないでしょうけれども、どうも重い軽いによっては非常に国民に対する悪印象を与えるというようなことになるわけでございまして、いろいろな制度上の設定については、いま関税局長や審議官が言われたようなシステムがあるでしょう。できるだけ私はこういうものについては付随的なものとして、十分国民が納得できるよう、そういう額や制度に置きかえていってはどうか、こういう希望があるわけですけれども、まあもちろん経済諸情勢、物価の変動、こういう経済情勢というものが背景にございますから、その時宜に適して、全くそういうものを無視しろということは言いませんけれども、何らかの形でそういう制度設定については、特段の御配慮あってしかるべきじゃないかと、こういうふうに考えるわけですが、政務次官の見解を聞いて私の質問を終わりたいと思います。
#115
○政府委員(船田譲君) 罰則規定は、まあいわば伝家の宝刀でございますから、抜かないのをもって最もよしとするわけでございますけれども、いま戸田先生言われましたように、決して今回の、たとえば懲役三年以下、百万円以下と、あるいは関税のほうの五年以下、五十万円以下という額なり体刑の期間なりが重きに失して、それが納税者を威圧するのではないかというような御心配もあることはあると思いますけれども、しかしこの運用においては、+分その伝家の宝刀を抜かないで済むと、しかも正直な善意な納税義務者が、正直者がばかをみるということがないような歯どめはやはりしておかなければならぬ、こういうふうに私は考えております。
#116
○委員長(前田佳都男君) 午後二時から再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後一時七分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時開会
#117
○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 御報告いたします。
 先般行ないました沖繩現地の実情調査のための議員派遣につきましての報告書を、本日、内閣委員会と合同で議院運営委員長に提出いたしました。
 この際、おはかりいたしますが、提出いたしました報告書と同文のものを、本委員会の本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#118
○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#119
○委員長(前田佳都男君) 休憩前に引き続き、関税定率法の一部を改正する法律案及び航空機燃料税法案の両案を便宜一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#120
○多田省吾君 まず、関税局長に二、三お尋ねしておきます。
 関税定率法の一部改正の問題でございますが、最近通産省で、いままでの原材料に片寄ったわが国の輸入構造というものを、製品輸入を主力とする貿易構造に転換するという方針で、通産省が輸入に関する施策のあり方と題する長期政策を発表いたしましたけれども、大蔵省の関税当局の基本的な考え方は、この通産省の考え方と同じだと考えてよろしいのかどうか。
#121
○政府委員(赤羽桂君) 過日、新聞に記事として載っておりますところのいわゆる通産の、輸入に関する施策のあり方、かような記事が載っておるようでございます。通産省に対しまして問い合わせをいたしたわけでございますが、まだ正式にかようなことを発表したことはないということでございますが、通産も、もちろん現下の内外経済情勢のもとにおきまして、かようなことを検討いたしておることは事実のようでございます。ところで、御質疑のこの原材料に片寄ったわが国の輸入構造というものを、製品輸入を主力とするようにだんだん転換をするという点につきましては、またそれに即応いたしまして関税率を考えるという点につきましては、当委員会におきましても御答弁申し上げますとおり、全面的に私らといたしましては賛成でございます。来年度、あるいはまたそれ以降の関税率等の改正に関しましては、総論賛成、各論友対というようなことに絶対にならないように政府全体といたしまして努力をいたすつもりでございます。
#122
○多田省吾君 今後関税体系の見直しを具体的にやっていくということでございますけれども、具体的にどのようなものをさすのか、要点だけでけっこうですからお答え願いたいと思います。
#123
○政府委員(赤羽桂君) 現在のこの関税定率法が、昭和三十六年度の大改正のときの基本的な考え方の基礎に立っているということを前回、あるいは前々回に申し上げておるわけでございますが、そのときの基本的な考えといたしまして、ただいま御質疑のございましたいわゆる原材料は非常に安い、しかし、製品のほうは、輸入製品に対しては関税を高くするというような、関税率がだんだんに上がってまいるというのが一つの考え方であったということを申し上げておるわけでございます。その他そういった考え方のみならず、当時におきますところの幼稚産業を保護する、あるいはまた将来発展して中核になるような産業も保護する、また斜陽の産業も保護するというようなことで、全面的に産業部門の考え方の上に立っておるというようなことを申し上げたわけでございます。それからまた、その他生産財に安く、いわゆる消費、奢侈品と申しますか、消費物資に高いというような考え方も、当時の考え方としてはあったようであります。そこで、これらの理念につきまして、今後特に量的に質的に真剣に取り組んでまいらなければならないという点も申し上げたわけでございますが、ところで、そういった点から何を今後検討の対象にするかというお尋ねでございます。そういう基本理念に立っておりますところの現行関税定率法等を考え直すということははっきりと申し上げられるわけでございますが、それじゃ、こういうものがあって、これは来年ぜひやりたいという点につきましては、まさに来年度の問題としてこれから本格的な検討に入らなければならないわけでございまして、その過程におきまして、漸次実現をはかってまいりたいと存じておるわけでございますが、そこで今回は、御質疑でございますので、ただいま申し上げましたような基本的な理念に立って、当時いろいろなものをどんなぐあいに上げたかというような簡単な実例を申し上げまして、ただこれは必ず将来やるということは、ここではいまのところまだお引き受けかねるわけでございますが、こういう例があるということをお含み置きいただきたいと思います。
 ただいま、原材料は安く製品が高いというのは、たとえば木材なんかでは丸太のままで入ってまいりますと、これは無税でございますが、中間段階の半製品になりますと一五%、製品になりまして合板になりますと二〇%、かようなかっこうになってまいる。それから皮の問題がございまして、牛の皮でございますと、そのまま原皮で入ってまいりますと無税でございますが、半製品――牛の革ということで半製品で入って二〇%、これがくつに製品化されてまいりますと二七%というようなことに相なっておりまして、同様な事例はほかにいろいろとあるわけでございます。鉄鋼でございますとか、大豆が当時そういう考え方ででき上がっておったのでございますが、これは今回全部解消いたしたわけであります。そのほか綿花でございますとか、そういったところ、そのほかいろいろ残っております。そういった点を今後の検討課題といたしたいと存じます。そのほかいろいろ申し上げますとあるわけでございます。時間の関係もございますので、もし御質疑がございますればお答えいたしたいと思います。
#124
○多田省吾君 先日わが党の竹入委員長等が訪米した際、アメリカの経済関係者等も、来年になったら強く日本に資本・貿易自由化とともに、関税や非関税障壁の撤廃というものを求めてくるという、こういう強い態度を示しているわけでございますが、われわれとしては、平価調整のときのアメリカの態度等について非常に疑問もあり、また強く抗議しなければならない点もございますが、一方こういった非関税障壁の軽減、撤廃というような面も考えますと、わが国が非常に追い込まれるような姿もあるわけであります。このような新しい自由化スケジュールとか、それからわが国の生産者保護制度のあり方とか、こういったものを検討した上で、今後の関税体系の見直しというものをやらなければならないと思いますけれども、その点についてどの程度再検討が行なわれているのか、要点でけっこうですからお答え願いたいと思います。
#125
○政府委員(赤羽桂君) アメリカの態度といたしまして、今回の日米通商交渉、平価調整にからみました日米通商の経過を見てまいりましても、さような強い態度でことし以降いろいろな機会をつかまえまして、わが国側に迫ってくることは、当然想像されるところでございまして、今回の交渉におきましても、すでに自由化の関係で申し上げますと、牛肉でありますとか、オレンジでございますとか、あるいはオレンジジュースといったような、国内的にセンシチブな産品につきまして、強く自由化もしくは関税引き下げといったようなことを迫ってきたことは事実でございます。これはもちろん現段階におきましては、国内産業との関連もございますので、これをきっぱり断わっておりますけれども、引き続きアメリカ側といたし、あるいはまたアメリカのみならず、国際ラウンドの検討を一九七二年から始めるという現体制のもとにおきましては、アメリカのみならず、あるいはほかの国からもいろいろ迫られるということは当然予想しておかなければならないわけでございます。
 そこで、ただいま御指摘のございましたとおり、自由化にいたしましても、関税引き下げにいたしましても、日本も累年いろいろと言われている中で、非常にそれに対する努力をいたしまして、前回あるいは前々回の御答弁の中で申し上げたのでございますけれども、かなりいい線にきていると、いよいよ残っているやつがたいへん重要な、国内産業との調整の上からいいましてもむずかしいやつが多いわけでございまして、ただいま申し上げましたオレンジ、牛肉なんというのは、残りました自由化の中でも非常にセンシチブなものではないかと存ずるのでございます。
 そこで、そういった今後の自由化あるいはまた関税の引き下げの問題について、統一的にどういう考え方で運んでいくかということでございますが、何と申しましても、現在の置かれております日本の国際的、経済的地位が非常に上がったということ、平価調整後も依然として輸出の増勢は非常に大きいものがございます。そういった事情あるいはまた同時に、国内的にいいまして、ただいまあげたような品目はなかなか全部あと一年間で残った約三十三品目をやれるかということになりますと、これはまたなかなかむずかしい問題がございますわけですが、そこら辺のところの調整をはかりながら、しかもなおかつ、前回の日米共同声明あるいは日本のただいまの国際的な地位といったものに十分に意をいたしまして、貿易自由化、世界貿易の拡大というものが常に日本の国益に合するということを頭に置きまして、今後とも取り組んでまいりたいと思います。
#126
○多田省吾君 大蔵大臣は、しばしば、今後特に四十八年度から物品税の全面的な手直しを考えていきたいと、こうおっしゃっているわけでございますが、当然、これは関税体系の見直しとも関連してくるのじゃないか、このように思いますが、今後物品税との関係においてどういうお考えで進めていかれる御予定なんですか。
#127
○政府委員(赤羽桂君) 物品税の見通しというお話でございます。それに伴いまして関税法もまた考え直さなければならないのではないかと、かような御質疑かと存じますが、物品税と関税とは、これは税の性格といたしまして、これは両方税金で変わりはございませんが、物品税のほうの見直しに伴って、こちらもある程度の調整と申しますか、修正と申しますか、さようなものが起きてくるということは当然出てまいるかと存じますが、基本的な考え方といたしましては、物品税はもちろんこれは財政収入、財政を目的とするものでございます。それで、関税のほうは、これは本来的な機能といたしまして、産業保護であるということを申し上げたわけでございます。もちろん、その中に、財政収入を目的とするものも残っておると、たとえて申しますと、石油でございますとか、砂糖でございますとか、そういったものにつきまして残ってはおるわけでございますが、本来的な機能からいたしますと、物品税と関税とは全然逆と申しますか、むしろ反対の理念に立っておるかと思います。
 で、しかしながら、いままでの関税と国内消費税との関連を見てまいりますと、たくさん例はございませんが、ほんの一、二の商品につきまして、消費税との権衡と申しますか、消費税をこれだけ下げるから、じゃ、そのかわりに関税を上げるかというような話もわずかではございますが、あったこともございますので、そういった意味におきまして、物品税の政正に伴って、こちらのほうにも調整を要する点が出てまいるかとは存じますけれども、物品税の改正によって、当然こちらも直すという基本理念的なものはないかと存じます。
#128
○多田省吾君 それでは次に、航空機燃料税法案についてお尋ねいたします。重複する点もあると思いますし、また、一昨日の参考人の供述等も含めまして、質問したいと思います。
 最初に、この提案理由の説明の中で、この航空機燃料税の創設の理由といたしまして、「免税措置の期限到来を機に、」緊急を要する空港整備の財源云々とありますけれども、免税措置の期限到来というものは、いままでも何回かあったわけでございますが、そしてまた、航空機燃料に課税すべきであるという有力な意見もたくさんあったのでありますけれども、いままで非課税措置の延長をはかってきたということは、税制上大きな問題であろうと思いますし、これが空港整備等のおくれをもたらし、また、さらに、事故続発の原因にもなったんじゃないかということを考えますと、これは航空行政上の大きな失政ではないかとも思われますけれども、当局は、一体、どのように考えておられるのか、まずお尋ねしたい。
#129
○政府委員(中橋敬次郎君) お話しのように、昭和二十七年に揮発油税なり、あるいは地方道路税につきまして、航空機燃料に対して免税を始めて以来、かなり年月を免税してまいったことは事実でございます。で、その期限切れのたびごとに課税すべきかどうかということも、おっしゃいましたように、検討されましたけれども、今日に至りまして、御指摘のように、そのおくれが空港その他の整備に支障を来たしたのではないかという御批判は、率直に申しまして、私どもそれは受けなければならないと思います。しかし一方、航空機燃料に対します課税を行なわないでいて、それによりまして、航空会社がその目的を達しつつ、今日までの経過で曲がりなりにも成果をあげてきたこともまた事実でございます。いわばやはり、課税を起こしますには、タイミングというのがございまして、それは確かにおそいと言われれば、全くそのとおりでございますけれども、やはり最近におきますところの総合交通体系の問題から、あるいは空港整備が緊急であるということで、第一次計画、それから第二次計画と進んでまいりまして、しかも、その第二次計画の中で所要財源がかなり要ります。あるいはまた、そのうちでも足りない部分が出てまいりまして、何らかの手当てをしなければならないという事態になったもんでございまするので、この際、航空機燃料に対する課税を行なうべきではないかというふうに考えたわけでございます。また、別途、いろいろ最近の所得の状況から、航空運賃の問題が出てまいりましたし、それと相関連いたしまして、受益者負担という思想もかなり強く出てまいったこのごろでございまするので、おくればせでございますけれども、やはり、今回の期限切れを機会に、航空機燃料に対しての課税を試みようということでございます。
#130
○多田省吾君 一方、ヨーロッパ諸国、欧米諸国を見ますと、アメリカあたりは着陸料を取っているとか、あるいはフランス、イギリスあたりは、相当高い税率の航空機燃料税を取っておるようでございますけれども、主要国の現在までの航空機燃料税に関する経過について、また、その内容について、ひとつ要点だけでけっこうですから、おっしゃってください。
#131
○政府委員(中橋敬次郎君) アメリカ合衆国におきましては、実は、当初は航空機燃料につきましてそれ自体の課税を行なっておったわけでございますけれども、最近になりまして、一九七〇年でございますけれども、商業用の航空機につきましては、その燃料について非課税にいたしております。非商業用の航空機につきましてだけ燃料課税を行なうということに改正いたしたわけでございます。かたがた、別途商業用航空機の問題といたしましては、国内的には通行税で処理をいたしますし、海外に出る人については出国税的なものをつくったということは御案内のとおりでございます。
 そのほかの国につきましては、ちょっと経過までは十分承知をいたしておりませんけれども、ただいま御指摘のように、今回お願いをいたしております航空機燃料税の負担から比べまして、安いところ、高いところはございます。これはもちろんその国々のいわゆるガソリンに対しますところの課税の高さ低さの問題と、わが国におきますガソリンの税率の問題が一つございます。それから、航空機燃料としてのガソリンの税金と、ジェット燃料に対しますところの課税の税率の差というものもございますけれども、今回わが国で御審議をお願いしております航空機燃料税は、ガソリンも、それからジェット燃料も一律に取り扱うことにいたしておりますし、そういう点では、ほかの国と権衡をとってみますと、一般的には安いほうの部類に入ると思っております。
#132
○多田省吾君 次に、航空機燃料揮発油というのは、揮発油税法に定義する揮発油と同意義かどうか。
 それからまた、揮発油税法に定義する揮発油以外に、法的に定義した揮発油はほかにあるのかどうか。
#133
○政府委員(中橋敬次郎君) 揮発油税法におきますところの揮発油と、航空機燃料税法におきますところの揮発油とは、全く同じものでございます。そのほかの法律といたしましては、あまり規定をしたものはございませんけれども、関税定率法にほぼ似たような範疇のものを対象にいたしまして規定いたしております。
#134
○多田省吾君 まあ同じ揮発油であっても、用途や規格によって免税になるものもあり、課税になるものもあり、また単位量による税額が異なる等々、あるいは輸送用として使用する場合の燃料によっても格差がありますけれども、LPG、それから自動車用ガソリン、航空機燃料の単位量当たりの税額というものは、おのおのどのくらいになっているか、ちょっとおっしゃってください。
#135
○政府委員(中橋敬次郎君) 自動車用のガソリンにつきましては、揮発油税及び地方道路税を含めまして、一キロリットル当たり二万八千円でございます。それからLPG、石油ガスに対しますところの石油ガス税でございますけれども、これは一キログラム当たり十七円五十銭になっております。これを大体キロリットル当たりで換算をいたしますと、九千八百円ぐらいになろうかと思います。それに対しまして航空機燃料税は、一キロリットル当たり一万三千円でございます。
#136
○多田省吾君 先ほどの御答弁にありましたように、昭和二十七年に租税特別措置によって航空機燃料用揮発油というものを非課税といたしまして、その後期限が満了するたびにこれを延長に次ぐ延長を重ねて今日に至っておりますが、全航空機燃料の九九%を占める大型航空機の燃料を、いままで非課税として、わずか全消費量の一%にしか該当してない小型機の航空機燃料にいままで課税してきた理由、これは何ですか。
#137
○政府委員(中橋敬次郎君) 二十七年以来続けてまいりました免税は、航空機の用途に使いますところの揮発油については全部免税にいたしておりましたので、御指摘のように、小型機に使っております一%くらいの揮発油も、それからジェットに使っておりましたところの揮発油約四一%くらいでございますけれども、そういったものも、ともに非課税、免税措置を受けております。
#138
○多田省吾君 課税対象として条文の第三条で、航空機に燃料として積み込まれる炭火水素油となっておりますが、もしこれ以外の燃料が開発されたり発見されたりした場合は、航空機燃料と認めるのか認めないのか、それはどうですか。
#139
○政府委員(中橋敬次郎君) 現在規定をいたしましたのは、いままでのところで航空機燃料として使われておるものを頭に置いて書いたわけでございまするので、炭火水素油であれば課税対象になるわけでございまして、たとえばそれ以外で固型の燃料とか、あるいはもっと進歩しました航空機の燃料が開発されてまいりますれば、現行の規定では課税のできないわけでございまするので、そういうときには、そういう事態を踏まえまして改正をお願いしなければならないことになると思います。
#140
○多田省吾君 次に、米軍関係の揮発油について若干お尋ねしたいのですが、日米安保条約第六条及び地位協定によって、米軍関係の用途に供する揮発油は免税措置がとられておりますけれども、この免税額は、推計でけこうでございますが、大体年間どの程度の額になっておりますか。
#141
○政府委員(中橋敬次郎君) 駐留軍用として免税対象になっております揮発油は、四十五年度でございますけれども、三十五万六千キロリットルでございます。その中には自動車用のものも含み、また航空機用のものも含んでおるようでございます。ほとんど大部分が航空機用のようでございまするので、税率を今回の一キロリットル当たり一万三千円で計算をいたしますと、約四十六億円になります。
#142
○多田省吾君 このように、米軍が使う場合、燃料揮発油は非課税になりますけれども、その他米軍以外にも非課税になっているものがあると思いますが、そういう非課税の燃料揮発油を他の用途に流用使用したことに対する歯どめ措置というものが考えられているかどうか、これはどうですか。
#143
○政府委員(中橋敬次郎君) いまお話の、米軍でありましたり、あるいはたとえば国連軍でございましたり、そういうものについては、それぞれ協定に基づきまして揮発油税、地方道路税を免除いたしているわけでございますが、それが、たとえば用途外の目的で、米軍なり国連軍以外の者に譲渡されました場合には、それぞれただいま免税をいたしましたそういう特例法の同じ法律の中で、譲り受けを受けました者について直ちに課税をするという規定が設けてございます。
#144
○多田省吾君 次に、三月十七日に第二次空港整備五カ年計画の閣議決定がございましたけれども、総額は五千六百億円となっておりますが、そのうち航空機燃料税の収入の占める割合は、全体の何%で、どのくらいの額になりますか。
#145
○政府委員(中橋敬次郎君) 五千六百億円の中で、航空機燃料税は約六百億円でございます。その中のウエートを申しますと、約一〇・六%になっております。
#146
○多田省吾君 次に、税収額の十三分の十一相当分を国の空港整備財源とする。残りの十三分の二の相当額を空港関連市町村に譲与することになっておりますけれども、この配分率の根拠はどうなっておりますか。またこのうち国及び市町村関連空港の騒音対策費はおのおのどの程度と見込んでおられるのか。
#147
○政府委員(中橋敬次郎君) 一万三千円のうち十一対二に区分いたしましたのは、全く道路財源として結びつきましたときの揮発油税なり、地方道路税の時代のことを頭に置いたわけでございます。したがいまして、一万一千円のほうは国の空港整備財源のうちで、ただいま予定いたしておりますもので足りない部分をこれでまかなうということでございますから、そういった配慮だけを頭に置きながら六百億円をこれによって求めるということになるわけでございます。その際地方分として幾ばくを賦課したらいいかということは、昭和二十九年、三十年のときのあの道路に結びつきました揮発油の税負担を、地方分としてどれくらい取ったかということから、これに大体比準をいたしまして、当時、三十年に地方道路税をつくりましたときに、揮発油税一キロリットル当たり一万一千円に対しまして、地方道路税を二千円取りまして、この二千円を地方の財源にしたということよにって発足をいたしたいと思っておるわけでございます。
 それから騒音対策費は後ほど運輸省のほうからお答えをいただきますが、地方分のほうではいまの十三分の二に当たりますものは、第二次五カ年計画の間で約百億円ございます。そのうち一体騒音対策費に幾ら使われるかということは、全くこれを受けました市町村の支出の状況に待つわけでございますけれども、大体その百億円を関係市町村に配賦いたしますときにも、かなりのウエートを持ちまして、空港周辺の住宅地域の騒音がどの程度であるかということに応じて配分されるものがございますので、かなりの部分がそういった対策費に充てるものと予想いたしております。
#148
○多田省吾君 いまのお答えによりますと、この航空機燃料税収の、国とそれから関連市町村に譲与する分との配分率は、自動車用燃料の揮発油税と、それから地方道路税の配分率に準ずると、こういう発想から同じように考えたということでございますけれども、この道路整備財源というものと、それから空港整備財源というものを、同じに考えているということ自体が少しおかしいのじゃないか。この点に少し安易な考え方があったんじゃないか。性質が本質的に異なるのじゃないか。十分な検討がなされずに安易に振り分けられたのじゃないか。こういう疑惑がありますが、これはいかがでございますか。
#149
○政府委員(中橋敬次郎君) 御指摘のように、十分の検討がないではないかと言われればまさにそのとおりでございますけれども、二十九年、三十年の当時も、まだ実は道路整備計画の発足の当初でございまして、どれくらいの財源を地方団体のほうにこういうものから割り当てたらいいかという確たる目安というものがなかったわけでございます。それでその当時におきますところの国の道路整備の所要財源と、それから地方団体におきましてやっております道路整備のそのための財源とういものを頭に置きながらつくりましたけれども、その後の進捗状況を見ますと、やはり国は国なりに地方財源が必要であれば揮発油税を増税いたしましたり、それに対応いたしまして、地方の負担部分をもう少し余分に地方道路税で取るというときには、地方道路税のほうの増税をやった経緯がございます。そこで今回も、地方のほうで一体どれくらいの財源を所要するかということ自体は、今後に待ちます部分がかなりあるわけでございまして、それは多ければ多いほど市町村といたしますれば空港関係の整備をやりましたり、あるいは騒音対策事業を拡充するという部面に走りましょうけれども、やはり負担という面もございまするので、しばらくの間はこれでもって発足いたしまして、その後の市町村の所要財源というものを見合わせながら、今後こういった税率の問題も考えてまいりたいと考えております。
#150
○多田省吾君 次に、航空機燃料の中で、大型航空機なんかのジェット燃料と、それから小型の軽飛行機なんかのプロペラエンジンの場合の燃料の燃料費単価が違うと思いますが、これらのキロリットル当たりの標準単価はどれくらいか、ひとつ教えていただきたい。
#151
○政府委員(住田正二君) 企業が航空燃料を一体幾ら使っておるか、まあ営業の秘密にもなっておりますので、正確な数字はつかんでおりませんが、灯油の場合は大体一万一千円前後じゃないかと思います。灯油といいますか、ジェット機燃料として買っておる油は一万一千円前後じゃないかと思います。大型ジェット機の場合には、灯油の場合もありますし、それから粗製ガソリンと申しますか、揮発油の場合もございますが、大体一万一千円前後じゃないかと思います。
 それから小型機の場合には、非常にいいガソリンを使っておりまして、大体二万五千円から三万円ぐらいの間ではないかと思っております。
#152
○多田省吾君 このように燃料単価が非常に違っておるわけですが、単位量に対する課税額が、キロリットル当たり一万三千円ということはちょっと矛盾があるのじゃないかと、このように思いますが、それをまずお伺いいたします。
#153
○政府委員(中橋敬次郎君) その点は確かに従量税と従価税の問題が常にまといついてくる問題でございます。やはり従量税をとりましたときには、おっしゃいますように、たとえばこの場合で申し上げますと、上等な揮発油に対する一万三千円と、ジェット燃料のようにそれ自体としては精度の低い、安い燃料に対しましての一万三千円とは少し違ってまいるわけでございます。もちろんこれを従価税に直せば、おっしゃるような御指摘は解消すると思いますけれども、やはり執行面の簡素化という点から申し上げれば、従量税というほうが処理がしやすいわけでございます。また、かたがた今回の航空機燃料税は、航空機燃料によりまして生じますところの効用というものもほとんど同じようなものでございますし、先ほど申しましたような執行面の簡素化という点も勘案いたしまして、従量税ということに割り切った次第でございます。
#154
○多田省吾君 次に、運輸省の航空局に若干お尋ねしたいと思うのですが、航空機燃料税の課税税率というものは、キロリットル当たり一万三千円、実際、運賃へのはね返り等を勘案して、附則の第二条では、激変の緩和措置と申しますか、三年間にわたって税率の暫定的軽減措置というものがとられておりますけれども、今回の航空運賃の値上げ申請は一挙に平均二三%アップ、こういう膨大なものでございます。燃料税に対しては暫定的軽減措置がとられておるわけでありますから、この航空運賃値上げ申請に対して、当局がこの値上げに対する緩和軽減措置というものを考えておられるのかどうか、また全然考えていないのかどうか。
#155
○政府委員(住田正二君) 航空運賃の値上げにつきましては、現在私どもといたしまして審査をいたしておるわけでございますが、その場合の基準といたしましては、航空法に定めております適正な原価、適正な利潤ということにあるわけでございます。値上げをする場合に、一律といいますか、一度に上げるか、あるいは段階的に上げるか、二つの方法があろうかと思いますが、まあ安定ということを考慮いたしますと、毎年毎年上げるよりも、一ぺんに一回に上げたほうがいいんじゃないかというような見方もあろうかと思います。いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、適正な原価を織り込むわけでございまして、適正な原価という場合には、今回の緩和措置によります五千二百円、一万四百円、一万三千円という緩和措置を織り込んで適正な原価をきめていくということになるわけでございます。
#156
○多田省吾君 時間もあまりありませんので詳しことをお聞きできないのが残念でございますけれども、一昨日の参考人供述のときも、日航の社長の朝田参考人から、まあ今回の平均二三%の航空運賃値上げは、特にやはり航空機燃料税、それから昨年八月に行なわれた航行援助施設利用料、それが中心になって値上げが行なわれるのだ、もしこの航空機燃料税が発足しなかったら、値上げも考えていなかったと、はっきり供述もしているわけです。ところがどう考えましても、この航行援助施設利用料でも、大体四・三%の影響がある。また今回の航空機燃料税の分も九%ないし一〇%と言っておるわけですね。ところが今回の値上げによって実収として約一六・一%ぐらい値上げ分があるわけです。その差もありますし、結局、これは便乗値上げ分も相当含まれておるのじゃないかということもあります。
 それからもう一つは、学者の参考人からは、航空機燃料税が創設されても、やはり企業努力によって半分ぐらいは解消していくべきだというような意見も出されたわけです。そういったことを考えないで、平均で二三%も値上げ申請があるということは、これは非常に利用者としても異論があるところだと思うのです。ですからここで、はっきり当局として、この燃料税の企業負担分が、航空運賃の収支面でどの程度の赤字落ち込みになるのか、具体的に示していただきたい。また今回の二三%の運賃値上げ算定の根拠を明確に示してもらいたい。いままではやはりどうしても特急のグリーン車の料金とか、そういったものを参考にして、あまり正確な厳密な算定がなされていないのじゃないか、こういうことも言われておりますし、一昨日も朝田参考人から、この計算したらしい、たとえば弾性値マイナス〇・二三と計算しているというようなことを言われましたけれども、それがはたして妥当な計算であるのかどうか、その辺をひとつはっきりと示していただきたい。
#157
○政府委員(住田正二君) 航空運賃の値上げにつきましては、現在審査中でございまして、この段階でどういうような査定をするということを申し上げるのはむずかしいわけでございますけれども、この席でたびたび申し上げているわけでございますが、民間航空再開以来二十年間航空運賃というものはほとんど値上げをしてこなかったわけでございます。その理由は、一つは技術革新が非常に顕著であったということ。もう一つは、航空需要の伸びが非常に高まった、この二つの理由によるものと考えられます。二つの理由によってコストの上昇を吸収してきた。その結果値上げをしないで済ましてきたということだろうと考えております。その二つの点は今後ともある程度期待できる。今後とも航空の需要の伸びは、従来ほどではないにしても相当のものが期待できるでありましょうし、技術革新にいたしましても、今後航空機の大型化の傾向は続くわけでございますので、今後ともある程度の経費の上昇というものはそういう二つの要素によって吸収できるのではないか。したがって、今回の燃料税の創設、昨年の航行援助施設利用料の創設によって、今後どの程度吸収できるかということが査定をする場合の一つの根拠ではないかと思います。航空会社が申請しております二三%というのは、燃料税が大体一〇%、航行援助施設利用料が四%、経費の値上がり分が二%、実収は一六%。一六%の実収を確保するために、先ほど先生のおっしゃった弾性値でマイナス〇・二三をとりまして二三%という値上げの申請があったわけでございます。そういう弾性値というものは、新しい要素でありますので、一体そういうものがあるかどうかについても十分検討はいたしたいと思っております。いずれにいたしましても、先ほど申し上げたように、適正な原価、適正な利潤ということで十分検討した上で結論を出したいと思います。
#158
○多田省吾君 いまちょっと触れられましたけれども、国内総需要の見通しを当局はどのようにお考えになっておるか。一昨日は今野参考人から、アメリカの場合、人口二億五千万人で、年間の総需要が二億五千万人で、大体国民一人一回乗る程度まで発展している。日本も将来そういうようになるだろうという見通しから、いま円切り上げのショック等でちょっとお客さんが減っているようでございますが、今度の国鉄運賃の値上げ等も考えれば、また国内総需要もふえるのじゃないかと思います。現在年間二千万人近い。昭和五十年までに海外への一千万人を含めて約五千万人。昭和五十五年までに七千万人。昭和六十年までに一億あるいは一億二千万人となって、昭和六十年ぐらいは、アメリカと同じような状態になるであろうということを参考として述べておられましたけれども、これは現在常識であると思いますが、当局は大体国内総需要をどの程度に考えておられますか。
#159
○政府委員(住田正二君) 先ほど話に出ております、第二次空港五カ年計画を策定いたしますときの航空需要の伸びは、いま先生のおっしゃった、昭和五十年が四千万人、昭和五十五年が七千万人というものが基礎になっております。昭和六十年の一億二千万人というのは、一昨年の運輸政策懇談会で航空需要の見通しを立てたときの数字でございます。その後運輸省の別の資料では一億人という計算もございまして、昭和六十年のところは年間一億ないし一億二千万人というふうに御理解いただいていいのじゃないかと思います。
#160
○多田省吾君 そのように考えますと、弾性値なるもの、あるいは今後の総需要に関しまして、あまりにも今度の二三%の値上げ申請というものは大き過ぎる。これは航空機燃料税を全部負担したとしてもこれは多過ぎる。学者の参考人等も、これは非常に大き過ぎるのじゃないかという意見が圧倒的に多いわけでございます。これは希望でございますが、やはり今後の国内総需要の見通しとか、あるいはやはり公共料金のたび重なる値上げによる国民生活の不安とか、そういった面も十分考えられて、そのほかにもお述べになりましたようにほんとうに航空機の場合の運賃値上げの資料の計算の算定がはっきりしているのかどうか。こういった点も大いに問題のあるところでございますので、われわれとしてはなるべく少ない値上げになるように強く希望したいわけです。これは希望でございます。
 次に、騒音公害対策について若干質問します。整備五カ年計画の中で騒音公害対策費四百十億円となっておりますけれども、この対象の具体的なもの、それから四十七年度ではどの程度の予算額を計上しているか。
#161
○政府委員(住田正二君) 五カ年計画の四百十億の内訳でございますが、そのうち八十億が新東京国際空港の騒音対策になっております。残りました三百三十億を東京、大阪、福岡の騒音対策費に使いたいと思います。三百三十億のうち学校とか、病院とか、あるいは共同利用施設についての対策として百七十億円を予定いたしております。それから移転補償でございますが、移転補償に約百五十億円、それからテレビ等の電波障害、騒音障害に対しまして十億円、計三百三十億円を予定いたしております。
 それから本年度の予算でございますが、本年度は五十八億円の騒音対策費を計上いたしております。昭和四十六年度が三十億でございますので約倍近い額でございます。そのうち学校、病院、共同利用施設に対しまして三十三億円、それから移転補償に二十四億円、それからテレビの受信料の免除対策についての補助が九千三百万円、そのほかに民家の防音工事をどういうふうにやったらいいかということの調査費が千六百万円ということです。
#162
○多田省吾君 今度の新空港の成田空港の場合は、騒音対策として国が民間の住宅に対しても助成するということになるらしいのですけれども、いままで十数年間悩まされてきた既設空港などはそういう点は全然考えられていないのですか。
#163
○政府委員(住田正二君) 成田空港の場合には、空港の管理者が新東京国際空港公団でございますので、国といいますよりも、公団が騒音対策の責任者になると思います。成田につきましても学校、病院あるいは共同利用施設の対策費をやっているわけでございますが、そのほか民家の防音工事をやるということで、これはまだ正式に公団の事業として取り上げたわけではなくて、一応千葉県が立てかえてやるということで、将来民家の防音工事を国の施策として一般にやることがきまった段階において、公団に肩がわりするということになっております。民家の防音工事につきましては、先ほど申し上げた調査の結果に従いましてできるだけ早い機会に実施をいたしたいというふうに考えております。
#164
○多田省吾君 航空機騒音防止法の第四条には、空港の設置者及びその使用者に対して騒音により生ずる障害の防止を義務づけておりますけれども、いままではその対策というのは限られた範囲になっておりまして効果を上げていない。現在こういった既設空港の近くの民家防音工事のために、相当の苦情も出ておりますし、また工事の対象なんかも学校、幼稚園、病院など一部に限られておりますし、民間の住宅は全然入っていない、そういうこともあります。こういった面もおりおりただしていきたいところでありますけれども、この航空機騒音防止法の早急な手直しを考えているのかどうか。
#165
○政府委員(住田正二君) 現在の航空機騒音防止法では、民家の防音工事をやることになっていないわけでございまして、この点につきましては、先ほど申し上げましたように、本年度の調査結果に基づいていつから実施するかをきめたいと思いますが、そのきめる段階においては、当然法律の手直しをやるということになると思います。
#166
○多田省吾君 一昨日の参考人のお話で、特に航空行政に明るい今野参考人等は、今回の第二次空港整備五カ年計画というものは非常になまぬるい、港湾でも大体五年で二兆円、道路では十一兆円、しかるに空港整備はわずか五千六百億円、民間借り入れ等も含めてもいいからいまの三倍くらいにしてほしい。それから五千六百億円の財源であるならば、五年じゃなくて、二年、三年でやってもらわなければ、今後ますます過密になってまた事故を起こす危険性もあり得る。日本の空で大事故が起きることが考えられる。こういうことで、非常に不安を持たれているわけです。ですから、航空局でもこの五千六百億円というのは非常に不満だと思いますけれども、まあ閣議決定をした段階でもございますし、なかなか手直しもたいへんだと思いますが、これを五年じゃなくて、二、三年でやるという分にはまだ希望が持てるわけです。そういった面で、もっと前向きにこの空港整備行政というものを考えるお気持はないのかどうか、これをお尋ねしたい。
#167
○政府委員(住田正二君) 五千六百億円の規模が大きいか少ないかという点でございますけれども、五千六百億円のうち、七百億円というものを航空保安施設の整備に充てているわけでございます。航空保安施設等いろいろやることはたくさんあると思いますけれども、大体当面必要なものを全部拾い上げても七百億円程度でございます。これを早急にやれということになりますと、どこに基地を設定するかいろいろ調査しなければいかぬということで、やはり一年ないし二年間の調査期間が必要でありますし、簡単に二年以内と言ってしまうことはむずかしいわけでございます。したがって、七百億円というものが少ないという考え方もあると思いますけれども、五年間に整備する額としては、この程度が実行可能な数字ではないかという感じでございます。
 それから五千六百億円のワクに関連いたしますけれども、空港というのは、道路や港湾とは違いまして、一つの飛行場をつくれば、その飛行場は十五年とか二十年使えるわけでございます。飛行場がパンクするには、十万回とか十五万回の離発着回数になるかもしれない。そのためにはやはり十年とか十五年かかるわけです。一つの飛行場を整備するのに一応百億円あればできるわけでございます。全国四十県くらいに一つずつ飛行場をつくりまして四千億あれば足りるわけでございます。そういう点から考えますと、五千六百億円という数字は必ずしも少ない数字ではないというふうに考えております。かりにいま五千六百億円で実行するといたしましても、御承知のように飛行場の土地を買収することが非常にむずかしくなってきまして、そういう点を考えますと、五千六百億円の計画を、二年、三年でやるということは非常にむずかしいのではないかと思います。
#168
○多田省吾君 相当航空行政に明るい今野参考人あたりが非常に強調しているのはこの点である。しかし当局は、非常にそういう点消極的なのは私は遺憾だと思うのです。前から言われているように、航空管制だって諸外国と比べて十年おくれている。あるいはレーダーシステムだって、自衛隊との関係では全然相関連いたしておりませんし、またローカル空港の貧弱さは世界一である。こういう状況において、五千六百億円というお金が必ずしも少ないと言えないというのは、ことに二年や三年でやってもむだだというような、そんな考えでは、ますますこの航空事故の危険性はあるし、最近もニアミスですね、自衛隊機との、あるいは韓国機との、あるいは旅客機同士のこういう問題だってずいぶんこれはあるわけです。だから、そういった問題も含めて、もっともっとローカル空港なんかに対しては財源をつぎ込んで、もっともっとこれは整備してもらいたいし、航空管制だってこんな状態じゃいかぬと思いますし、それから今度日航なんかでは、いわゆるジャンボジェット機を国内幹線で使いたい、エアバス構想なんかもあるわけでございます。それに伴う空港整備なんかもあると思いますけれども、その点は一体どうお考えなんですか。
#169
○政府委員(住田正二君) 現在御承知のように東京、大阪の空港能力というものが限界にきているわけでございます。日本の航空路網というのは二眼レフ型になっておりまして、東京、大阪を中心に各地方ローカル都市という線が大半であるわけでございまして、したがって、東京、大阪がパンクいたしますと、日本の航空が伸びないということになるわけでございます。といって新しい飛行場をつくるということはそう簡単にはできない。そうなりますと、やはり航空機を大型化していく以外には救済策がないわけでございまして、傾向といたしましては、国内幹線あるいはローカル線に使われる飛行機がますます大型化されるということになってまいります。ただその時期がいつかということになりますと、最近は需要の後退もありますし、大型機を入れることによって供給過剰になる事態は、やはりある程度避ける必要もあろうと思いますので、需要の動向を見ながら大型機の導入をいたしたいと思います。特に安全の面からいいますと、新しい大型の飛行機ほど安全であるということでございまして、そういう意味からいいましても、できるだけ大型機を導入したほうがいいと言って差しつかえないのではないかと思います。
#170
○多田省吾君 最後に政務次官に要望でございますけれども、やはりこの航空機燃料税の創設とともに、一つはやはり航空運賃の値上げを二三%も値上げしようとしております。これは運輸省の問題ではありますけれども、同じ閣内として、やはりその点はなるべく少なくするように、それからいま運輸省の監理部長からいろいろ騒音対策あるいは安全確保の問題お話ありましたけれども、私は非常に不満です。第二次空港整備五カ年計画も非常に中途はんぱでありますし、いま航空事故の危険性も大きくはらんでいる今日、またおとといの参考人の御意見等も、次官もそこで聞かれていたわけで、そういう点はひとつ考慮に入れて、もう少し航空行政に関しては前向きに積極的に、また事故防止や騒音防止のためにつとめられるよう強く要望したいわけでございます。
#171
○政府委員(船田譲君) 一昨日の各参考人の公述の中で、特に航空事業においては安全性を最優先にしなければならないという強い公述がございましたことは、私どもも十分骨身に徹しなければならぬことだと思っておりますし、なお航空機燃料税の創設によりまして、これが消費税である以上は、ある程度利用者の方に負担をお願いすることはこれはやむを得ないと思いますけれども、そのことが航空会社の経営等を著しく圧迫することによって、このファースト・プライオリティーでありますところの安全性というものが、いやしくもそこなわれるようなことがあってはならない。こういう点におきましては、航空当局とともに私ども十分注意をしてまいりたい、こう考えております。
#172
○委員長(前田佳都男君) 先ほど戸田先生の御質問に対しまして、少し答弁漏れがあったように思いますので、中橋審議官。
#173
○政府委員(中橋敬次郎君) 先ほど戸田委員から通則法四十六条の規定の適用についての御質問がございまして、すぐお答えができませんで申しわけございませんでした。国税庁とも、解釈について打ち合わせをいたしましてお答えを申し上げます。
 通則法四十六条におきまして「震災、風水害、落雷火災その他これらに類する災害」と規定いたしております中には、航空機の事故も含むことになります。したがいまして、通常の場合、航空機の事故で、航空機の災害によりまして航空機燃料税の納税義務者が、その持っております財産、航空機につきまして相当な損害を受けることになりますから、したがいまして、その納税者が納めるべき航空機燃料税につきまして、四十六条一項の規定の適用を受けて納税の猶予を受けることができます。もちろん震災、風水害等、天災に類する災害と規定いたしておりますから、人為的に回避できるような災害、たとえば飛行機事故で、めったにそういうことございませんでしょうけれども、人為的に回避できるようなものは、もちろん対象にいたしません。
 それから、どれくらいの期間猶予できるかということは、失いましたその財産と、現実に持っておりますほかの財産との関連から、たとえば二割以上の場合には八カ月ぐらいとか、非常に有形固定資産を持っておる部分が多い会社につきましては、その損害を受けましたものが一〇%をこえておれば八カ月猶予をいたしますとかいうような基準はございますけれども、いずれにいたしましても、航空機の事故で納税者がその財産に損害を受けましたときには、納税の猶予を受けることができるわけでございます。
#174
○戸田菊雄君 わかりました。その内容はわかりましたけれども、人為的に回避でき得るもの、いろいろむずかしい事故判定だろうと思うのですね。この間自衛隊機と衝突をした、ああいうものは、一体人為的に回避できると、こういうふうに判断するのか、税法の適用上。それとも全くそれは天災として万やむを得ないということで、飛行機が墜落をした、まあこれは問題であろうと思いますね。だから、その辺の事故判定に基づく適用条件というものは、非常にむずかしいものを含んでおると思うのですけれども、今後いずれにしても、政令の内容でこれから検討されていくんだろうと思うのですが、その辺は時期的にはいつごろまで、これはすでに四月一日以降実行されるわけでありますから、そういう天災による、あるいは人為的による各般の事故は、いつ突発的に起こるかわかりません。だから政令の内容も急がなければいかぬと思うのですけれども、その辺の見解はどういう解釈をとっておられるんでしょうか。
#175
○政府委員(中橋敬次郎君) ただいま申し上げました納税の猶予を受け得る起因となります災害の範囲は、これは政令で規定をいたしませんで、もっぱら解釈によっておるわけでございます。しだがいまして、先ほど申しましたように、人為的に回避できるものはこの場合の災害に含まれない、といいますのは、たとえば火災について申しますと、放火の場合はこれに入らないということでございまして、大体の失火の場合には入れておるようでございますから、この前起こりました航空機事故のようなものは、当然この納税の猶予の起因となります災害に当たろうと思いますけれども、いずれにいたしましても、今後とも、新しいこういう税金ができましたものですから、御趣旨に沿いまして解釈、内容について詰めてまいりたいと思います。
#176
○戸田菊雄君 まあこの法解釈の内容によってということになると、一面非常に弾力的であっていいようにも解釈されるのですが、非常に不同なものになってくるんじゃないかと思うのです。だから、いろんなケースが考えられますが、たとえばニアミスでもって自衛隊機が、国の公務員がそういうことをやったというような場合には、国で何らかの別途補償はやられるわけでしょうから、その場合といえども、やっぱり税法上どういう措置をするのか、あるいは人為的に避けられるような事故で、人身傷害その他非常に損害が大きい、ともすれば東亜国内航空なんかは非常に資産も定期三社の中では少ないですから、そういう意味じゃ非常に負担量が大きくなってくる。そういういわば経営収支の面からいって判断する場合とか、あるいはあまりにも死亡者が多かった、この間のように八十何名かがなくなってしまった。その損害に会社としては数億の金を用意しなければいけないとか、いろんなケースが考えられるわけでありますけれども、そういうものを弾力運用で常にやっていかれるというようなことはどうでしょうかね。あらかじめ何らかの基準というものを制定をして、その上に立って、逐一適用部面について、解釈その他適用というようなものをやっていく、そういうことにならなければ、法制上は、税法上いままで例がないのじゃないかと思うのですが、その辺はどうでしょうね。
#177
○政府委員(中橋敬次郎君) 四十六条の一項の災害の範囲でございますが、これは実は当初ずっと長い間は「震災、風水害、落雷、火災」と書いてございますので、もっぱら天災を規定しておるということから、これらに類する災害も天災に限っておったわけでございます。その後だんだん交通事情がふくそうしてまいりまして、たまたま自動車が突然うちの中へ飛び込んできましたことによる災害というのが入りましたし、あるいは自衛隊機の墜落でうちがこわれたというような場合も出てきたものでございますので、それらはむしろ天災に近い、人災と言えない部分があるだろうということから、そういう交通事故のものも、これらに類する災害として読んでまいったわけでございます。したがいまして、今回航空機の会社が納める航空機燃料税につきまして、みずからの運転します航空機が、そういった交通事故に類する災害によりまして、航空会社などが持っております財産について損害を受けたという場合には、大体この場合に当たると思います。
 それからいま御質問の、たとえば航空機の事故によりまして、乗客が非常に多くて、賠償金を多く支払わなければならないというような事態になりますれば、四十六条の二項に規定がございまして、納税者がその事業について著しい損失を受けたということから、税金を納めがたいという事由がありますれば、また納税の猶予を受け得る道を開いてございまするので、その条項を活用いたしましても、先ほど御指摘のような事態という場合には、航空機燃料税の納税猶予ということも可能になると思っております。いずれにいたしましても、四十六条の規定につきましては、そういったいろいろな場合を想定いたしまして、国税庁で通達などで局署に示達をいたしておりますから、そんなに個々別々の事態について非常に不均衡な取り扱いが行なわれるとも思っておりませんが、さりとてこれをまた政令上で規定をいたしますと、具体的に必要なケース・バイ・ケースの取り扱いもできないものですから、やはり国税庁の通達によりますところの取り扱いというのをお認めいただきたいのでございます。
#178
○戸田菊雄君 まあ回答わかります。時間もありませんから……。
 ただ要望しておきたいのは、一つは、現行の四十六条の法律解釈上、航空機事故、想定をされる補償態様、適用できるようなものが例示としてもし具体的に考えられることがあったら、あとでけっこうですからひとつ御提示願います。
 もう一つは、法人税なりあるいは所得税、各種の免税事項がありますが、そういったものとの併用適用、これはあり得ることですから、それは当然やらなければならないと思うのです。たとえば資産形態が、事故によって大なる損害を受けたというような場合について、納税義務者としての納税の負担能力がないという場合には、その面からのたぶん各税法に基づいて適用されてくることになるだろうと思うのです。そういうものと、この航空機事故による損害に対する併用規定ですね。そういうものが可能なのかどうか、この辺の見解をひとつ聞いて、いまあと民社党のほうで質問する予定ですから、私はあとこの予想される法律上、解釈上のそういう例示がもし考えられるならば、あとでひとつ出していただきたい。
 この二つを要望して終わりたいと思います。
#179
○政府委員(中橋敬次郎君) 第一の点につきましては、できるだけ早い機会に想定される事態についてどうなるかということを御報告申し上げたいと思います。
 第二の御質問でございますが、先ほど私が航空機燃料税についてお答え申しましたけれども、法人税につきましても、先ほどの四十六条の納税の猶予の適用がございますから、それぞれの場合に適用があります。
#180
○中村利次君 航空機燃料税の提案にあたって、その理由として、空港整備等の緊急性、これに大きな関連があるようですけれども、受益者負担もぼつぼつよかろうと、これは当然だろうという考え方、それから航空事業に対する育成の見直しということなどが航空機燃料、揮発油に関する特別措置法の期限切れの時点でこういうことを考えて、航空機燃料税法案を提案したということですが、私はこれは、受益者負担は当然であるという考え方からいいますと、ほかの特別措置法に大きく関連をしてくるわけでありまして、大いに議論のあるところだろうと思うのです。
  〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕
ただ航空事業には、戦後特別措置法をもって、燃料、揮発油税の免税をやってきたわけでありますけれども、この間の参考人の供述等に照らしても、航空事業の育成を見直す時期にきておるという点につきましては、それなりの理由があるかと思うのですけれども、念のためにもう一回この法案を提案される理由をお伺いしておきたいと思います。
#181
○政府委員(船田譲君) 御承知のように、昭和二十七年以来、租税特別措置法をもちまして、揮発油税の航空機燃料に関する部分は免税措置をとってまいりまして、国内の航空事業の整備充実に資してまいったわけでございますけれども、すでに国内の定期航空会社等の内容が充実してまいりました。かたがたこの三月三十一日で一応特別措置法上の免税の期限が切れますので、この際航空機燃料税として取り出して、特にその場合、従来の揮発油に依存する度合いが多かったのでありますけれども、ジェット燃料の場合は、かなり灯油の占める率が多いのでございます。ところが一方において、灯油のほうは非課税、免税になっておりまして、もっぱら揮発油をもって運航しておる航空機と、灯油のまぜる率の多い定期航空路のジェット機との間に均衡を失するようなことも考えられまして、そういった諸般の事情を考えまして、今回の航空機燃料税の創設に踏み切ったわけでございます。
#182
○中村利次君 どうも私の質問に対する的確なお答えをいただけなかったと思うのですけれども、そうしますと、いろいろ理由はありましょうけれども、その最たる理由は、やはり戦後航空事業の育成措置を、育成のための特別措置を講じてきたけれども、この航空機燃料、揮発油の特別措置の期限切れの時点で育成措置を見直してもいいという判断をされたと解釈をしていいですね。これが重点であると解釈していいですね。
#183
○政府委員(船田譲君) ただいまの私の答弁で、空港整備五カ年計画のことに触れておりませんでしたけれども、もちろん片や財源として必要な部門の中に、昭和四十六年度を起点といたします空港整備五カ年計画の財源の不足を充当していく、それについては、もちろん一般財政からも見るべき面もたくさんございますけれども、同時に航空機を利用される方の一種の消費税のような形に最後においてはなりますが、そういう形で、航空機燃料税を創設してもいい時期ではないか、こういう判断のあることは事実でございます。
#184
○中村利次君 これは私は、受益者負担というものを強調されると大いにこれは異論がありますし、特別措置法そのものに関連をしてきますけれども、これはまあこの委員会の後ほどの審査案件になっておりますから、ほかの例をとりましても相当やはり批判のある――これはたとえば自治省関係の遊興飲食税にしても、二万円も三万円も一人で遊興飲食をやるのにたった一〇%なんです。これなんかはもう利用者負担ということを前提としてお考えになっておる。そこに私は問題があるんで、それなら十数%のこの航空機燃料に対する課税をして、いまの遊飲税と比較をしても、そしてそれがダイレクトに料金、受益者負担につながっていくんだという思想は、これはえらい問題があると思うんですよ。そうではなくて、やはりそういう特別の助成をする必要がないほど航空事業が経営内容その他もよくなって、いろんなこまごました問題もあろうけれども、そういうことを重点としてこの法案を提案したということに解釈してよろしいのかどうか、もう一回、時間も非常に短いですから、これは簡単でいいです、お答えは。
#185
○政府委員(船田譲君) あと専門の審議官に補足してもらいますが、私これはまあ多少個人の意見が入りますけれども、航空運賃の場合におきましてはまだかなり一般のたとえば国鉄の運賃とか、その他の問題とは違いまして、この航空機燃料税を課税いたしましたときに、それが消費税である以上、運賃の中に多少入ってきましても、これはやむを得ないと私は考えておるのでございますけれども、なお詳しい解釈については審議官から……。
#186
○中村利次君 どうもこれはげすの勘ぐりかもしれませんが、たとえば朝田参考人が私の質問に答えて、いやこれは参考意見として言われたんですが、営業収入に与える圧迫の率が九%と言われたんですよ。それから航行援助施設利用等の負担増が四・三%、何・何%というぐあいに非常にこまかい、これは私はもう企業経営者としては当然〇・一であろうと〇・〇一であろうと、そういう数字はきびしく経営圧迫要因というものは追及される、その経営の最高責任者が九%とおっしゃっているんです。ところが運輸省の航空局ではこれは九.五だとおっしゃる。私どもはやはりこれは、法案を少なくとも国会で審査するのは、政府の資料を中心として審査せざるを得ないんですけれども、これがどうも九%、九・五%と、これは参考人がおっしゃったんですから、速記録もあるはずなんですよ。そういうことから考えますと、勘ぐりたくはないけれども、とにかく何だか今度のこの燃料税の新設は、これはもう料金値上げにつながらせるんだということを、政府が何か公共料金主導型の物価値上げを、佐藤内閣では総理以下物価を押えるんだと言いながら、どうもそういう傾向が、ずっと御説明を聞いていますと、どうも強く私は印象づけられてしかたがない。そこで、いまもう話が出ましたから、この九%、九・五%というのはどういうことでそういう誤差が出るのか、少なくとも非常に数字に敏感な経営の最高責任者が九%とおっしゃっているのを、なぜ政府は九・五%と言わなければならないのか、そこらの辺のひとつはっきりした数字を教えてください。それとその根拠を。
#187
○政府委員(住田正二君) 九・四%と九・五%と二通りの数字が……。
#188
○中村利次君 いや、九%と言いましたよ。これは速記録を調べてもらえばわかると思いますが。
#189
○政府委員(住田正二君) 四十五年度の営業ベースで計算した場合には一応九・四%と考えております。
#190
○中村利次君 それは計算根拠はどういうことなんですか。
#191
○政府委員(住田正二君) 四十五年度に航空三社があげている収入と、四十五年度に航空三社が使った燃料の量に対しまして一万三千円を掛けるとこれが税金になるわけでございますが、その税金の比率が九・四%、そういう計算になっております。
#192
○中村利次君 私は、非常に数字に敏感な経営責任者が九%とおっしゃる、いまの計算で九.四とか五とか、九・四になる理由がどうもまだ釈然といたしませんけれども、しかしまあ一応国会の審査というものは、政府のお出しになった数字を中心とするしかないと思いますから、これは後ほどいわれなく誤差があった場合には、私はもう一回取り上げてお聞きをしたいと思いますけれども。
 それから、この大蔵省でお出しになった航空機燃料税収入見込み額、各年度の。これは大体この表を拝見いたしますと、需要増を見込まれた表だと思うんですけれどもね。この表です、私どもがいただいた。これは大体各年どれほどの需要増を見込んでおられるのか。百四十億、二百二十五億、二百八十億とありますね、各年度。これは需要増を見込んだ見込み数字だと思うんですけれども、この計算根拠を教えてください。
#193
○政府委員(中橋敬次郎君) 私どもが五十年度まで航空機燃料税地方分まで合わせまして約七百億といっております数字の算定根拠は、まず国内線旅客需要というものを見込みまして、たとえば四十九年度は三千二百二十二万人、五十年度は先ほど来お話しがございますように、四千万人というようなものをとりまして、それにつきまして伸び率が一体どういうふうになっているか、これが二四・二%になります。それに対応しまして消費燃料はどれくらい伸びるのかというのを見まして二一・四%ととってございます。この二一・四%というのをもとにいたしまして、定期航空の燃料消費量が一体どれくらいになるのか、たとえば五十年度で申し上げますと二百十四万九千キロリットルと踏んでございます。
 それから例の小型機を使っておりますような使用事業の燃料消費量をたとえば五十年度では二万一千キロリットルになりますという見込みを立ててございます。そういうものの合計に対しまして、税額をそれぞれはじき出しましたものが、五十年度までの合計で国分が五百九十六億円、地方分が百九億円、合計七百五億円ということに積算いたしました次第でございます。
#194
○中村利次君 これは需要の伸びについてはいろいろの見方があるようでありまして、昭和五十年度は大蔵省の想定では四千万人、参考人今野教授でしたか、たぶん五千万という想定をお立てになっておる、これも勘ぐるようですけれども、これは需要増が激しければ激しいほど、ここに五十年度に一千万人の利用者の違いというものが、私はふえればふえるほど効率がよくなるはずでありますから、これは経営上の関連はたいへんな差異が出てくると思うんですよ。これは後ほど料金に関してどうお考えになっているかというところでもう一回質問をしたいと思いますけれども、空港整備特別会計の予算で、新東京国際空港公団分の出資が八十億円、これは計上明記されておるわけでありますけれども、この新東京国際空港、これは正式な名前はどうなるかわかりませんが、造成費の歳入はどういう種類のものですか。
#195
○政府委員(住田正二君) 新東京国際空港公団の収入といたしましては、まあ各年度で違いますが、基本的には出資金が二割、残りの八割を借り入れ金でまかなうというたてまえにいたしております。
#196
○中村利次君 これは公団方式をおとりになっていらっしゃるわけですけれども、関西もまあ新しい空港の建設があるわけですね。その関西の新空港建設の場合でも公団形式をおとりになるおつもりですか。
#197
○政府委員(住田正二君) 運輸省といたしましては、新関西空港の建設のような大事業を運輸省みずからやることは非常にむずかしいということで、新しい公団の設立を求めたいと思っております。
#198
○中村利次君 関西の新空港も公団形式でやるということですね。
 それから航空機燃料に今度課税しようというわけなんですけれども、ほかの交通機関ですね、これは自動車用はその燃料、揮発油に税金がかかっております。これはもっと高率ですけれどもかかっておりますけれども、船だとか、特にこれは船ですね。それから国鉄、私鉄の鉄道等、これも燃料使うものがありますね、電気だけじゃなくて。そういうものは課税されておらないわけですけれども、この点についてのお考えはどういうことなんでしょうか。
#199
○政府委員(中橋敬次郎君) いま御指摘のように、総合的に交通機関の燃料に対する課税がどうなっておるかということから、もちろん私どもも必要な部面につきましては、船の燃料であれ、あるいは鉄道の燃料であれ、課税の必要なときには課税をすべきものと考えております。しかし、いままでの状況から申し上げますれば、やはり鉄道ならば鉄道の利用者、それの支払います運賃が一体家計なら家計にどういうような影響を及ぼすかということ、また船の運賃が旅客なり貨物の価格に対してどういう影響を持つかということから、特別にそういう船なり鉄道なりの燃料について課税をし、その運賃コストを高めることまでして財源を生む必要はないと判断をいたしております。したがいまして、たとえば鉄道でございますれば、現在電気ガス税というのが通常ならかかるはずでございますけれども、鉄道の使います電気については電気ガス税になっておりますし、船が使いますところの重油につきましては、これはおそらく国内運送でございますれば、関税を支払ったものだけで運航いたしておりましょうし、外航船についてならば、それも払っていない燃料でもって動いておると思います。したがってそれを、特に財源が必要な場合には、そういうところの燃料にまで課税をする必要も将来ないとは申せませんけれども、やはり船なり鉄道なりが果たしております広い効用というものから申し上げますれば、さしあたってそれに対する課税というのは考えなくともいいんじゃないかと思います。
 それにひきかえまして、自動車ということになりますれば、これはかなり昔といまと自動車に求める効用というのも見方は違ってまいったと思いますが、何しろやはり自動車の運行のために必要な道路の整備財源というのが急速に膨大化し、これを満たさなければならないという事情がわが国にはあると思いますから、やはりこれに対応しましては、それなりの負担を燃料課税なり、あるいは自動車の保有課税なりについて求めてもいいのではないかと思っております。
 さらに航空機につきましては、先ほど来、いままで放置しておったのはおそいじゃないかというおしかりは、これは十分私どもも反省をいたしますけれども、やはりこの際第一次、第二次五カ年計画でもって、急速に航空路の安全なり空港の整備なり騒音対策をやろうとしているときでございまするから、それに必要な財源というものは何らかの形で求めてこなければならないわけでございます。もちろんこれを一般の納税者の負担いたしております税金からまかなうのも一つの手でございましょうけれども、やはり先ほど来申し上げておりますように、総合的な交通機関の中で飛行機が占める地位、飛行機の運賃が占めます家計への影響というようなものから考えれば、やはり、しかもさらに一昨日参考人からもお話がございましたように、長い間生産性の向上もありまして、運賃が据え置きになってきたというような事態も考えますれば、やはりいま御批判のございました利用者の負担金というような形をもう少し高めてもいいのではないか。それ相応のためには、航空機の燃料の課税をすることから、それを通じましてもう少し負担をしてもらってもいいのではないかということから、航空機燃料につきまして今回課税をお願いしたわけでございます。
#200
○中村利次君 これはお伺いをしておりますと、鉄道、船等に比べて航空機の運賃がまだ割り安だという、そういう印象を受けますね。私は、これはたとえば空港整備その他多額の財源が要る。したがって、受益者負担も考えるという当初のあれだったんですけれども、これは鉄道だって、やはり操車場も要れば、あるいは操車場の整備あるいは駅等の整備等々、相当巨額な資金を要します。それから船舶にしても、港湾整備等々、これはやはり巨額に資金を要するので、そういう限りでは、航空機だけは特に緊急性があると、それは何といいますか、目先、当面は安全等も含めて相当の緊急性があることは認めますけれども、しかし、ほかの、私がいま申し上げたようなものと比べて、特に受益者負担をやっても当然だという考え方には、航空機料金は安いというような、こういう思想があるように思いますけれども、これはこの間の参考人がいらしたときの皆さんの質疑等を通じても、たとえば東京−仙台間、東北新幹線が開通した場合の料金、あるいは東京−大阪間の新幹線を利用した場合と、航空機の料金比較、いろいろこれはローカル線なんかまた別ですけれどもね。それで今度は値上げするという段になると、弾性値がどうのこうのと、六%に近い、何といいますか、心配分をよけい料金に加重負担をするというようなやり方をした料金値上げ申請が出されている。これは私は、そういうことを総合して考えますと、これは国民の立場からしますと、全くどうも納得できないということにならざるを得ないと思うんです。ですから航空料金は、これはもうそのことだけお尋ねします。
 航空料金は、ほかの交通機関に比べて値段がまだ安いとお考えになり、したがって、受益者負担をかけても差しつかえないんだということなのかどうか、そのことだけ簡単に一つお答え願いたいと思います。
#201
○政府委員(中橋敬次郎君) 私は、各種の交通機関の運賃の中におきまして、現在航空運賃は割り安であると思っております。
#202
○中村利次君 これは、まことにもって私は時代感覚の違いだと思いますよ。やはり陸運、海運、空運、これはやはり七〇年代以降は、今野参考人か宇田川参考人からも御意見として出ましたけれども、これの総合的な輸送政策というものがあるべきであって、新しい時代には、高額所得者の足は航空機であるという、それはもうすでに過去の思想であって、近代社会では、これはもう三位一体になった総合的な交通行政なり、政策でなければならないと考えていますから、そういう点からいって、いまの航空運賃はまだ安いという考え方には納得できませんけれども、しかしまあ次に進むことにいたします。
 さっき弾性値のことを申し上げましたけれども、これは朝田参考人が、やはり経営責任者として、この航空機燃料税ができなければ、航空運賃の値上げは必要なかったということを立証されておるわけですけれども、そうなりますと、まあこれは大蔵省ですか、運輸省ですかのあれで、九・四%としますと、なお一そう経営努力をやると、九・四%以下ですね。それから、弾性値が平均で二〇・六%の場合には五・七%ですかの弾性値をやはり経営者としては見込まざるを得ない。しかし、この弾性値の取り方についてはいろいろ御議論もあろうという参考意見だったのです。二〇%が一〇%になり、あるいは六%になれば、この弾性値はもっともっと、議論の対象どころかもっと下がってもいいと思うのですが、そういう点について、違うという御意見がありましょうか、そうだとお考えでしょうか。
#203
○政府委員(住田正二君) 弾性値の問題は非常にむずかしい問題でございまして、現在、国鉄運賃の値上げの場合には弾性値を見込んで計算いたしております。航空運賃の値上げは、今回が初めてでございますので、はたして航空運賃を上げた場合に、弾性値を織り込む必要があるかどうか、非常にむずかしい問題で、現在検討いたしているわけでございます。理屈からいえば、運賃幅、値上げ幅が少なければ弾性値はほとんどない、こういう場合には弾性値を考えざるを得ないということだろうと思います。
#204
○中村利次君 もう時間もなくなってきましたけれども、そうなりますと、一月に出された料金値上げの申請に対して、まだ一カ月くらい時間がかかろうというお答えだったのですけれども、しかし、いままでのお答え等の中からも、とにかく日航の社長が、この航空機燃料税ができなければ、値上げを企業で――これは何ですか、いままでの航行援助施設利用費その他一あるいは人件費高騰等のそういう要素は、これはもう企業努力で消化できたという、参考人としての公述をなさっておるんですから、したがって、監督官庁としての運輸省は、何も政府独走をなさる必要はないんでありますから、最小限度、それ以下、それからなお一そう企業努力をして、これはもう当然のことでございまして、値上げ幅が少なくなれば、弾性値もそれほど考えなくてもいいということになると、相当下回った、かりに値上げをするとしても、しないほうが一番いいんでしょうけれども、値上げをするという前提に立って、一〇%を相当、九・四%を相当下回った値上げで用は足りるという議論になりますし、それ以上の値上げをもし認可されるとすれば、航空会社の経営者が、その必要がなかったというのを、何か政府が値上げを押しつけるような印象にこれは理論的になっちゃうんですが、審査中ですから、はっきりしたことはお答えできないのは当然のことでしょうけれども、値上げはそういう意味を含めて最小限に押えるということを信頼してよろしいかどうか、お伺いします。
#205
○政府委員(住田正二君) 運賃値上げの問題につきましては、たびたび申し上げておるわけでございますが、値上げの要素である昨年の航行援助料と、来年度の航空機燃料税、これが今後の需要増あるいは技術革新の中で、どの程度吸収できるかということが、一つのポイントになると思います。したがって、もし吸収できるということであれば、値上げ幅はそれだけ低くなってくるということだろうと思います。いずれにいたしましても、十分利用者の方が納得できるような値上げ理由をはっきり示した上で結論を出したいと思っております。
#206
○中村利次君 最後に、これはやはり今野参考人も、先ほど来相当御指摘もあっておりますけれども、日本の航空事業の保安その他施設というのは十年のおくれがあるというのは指摘されておるとおりで、これは万人の認めるところだろうと思うのですけれども、そういう意味で、第二次五カ年計画が過小か、適当か、過大かという、いろいろのことがございましょうけれども、しかし、まあこれはやはり専門家からも、しろうとからも航空管制関係、これは施設及び管制官の処遇、それから養成の問題を含めて、いろんな問題点が指摘をされておりまするし、それから複線化、複々線化をやっていくというようなお答えがあったわけですが、これはやはりなお、十年のおくれを取り戻すためには、三兆円の資金が要るという参考意見が出されておるわけでありますけれども、なお、これに関連をして、借り入れ金等も考慮をしていいんではないかという参考意見も出されております。重々これは日本の将来の空の輸送を安全かつ、それから騒音その他の公害等も含めて、やはり国民の納得できるものであり、なおかつ、先ほども申し上げましたように、陸、海、空輸送の、ほんとうに時代にマッチしたそういうものにしていくためには、二次五カ年計画のみでなく、三次計画等についても、思い切った措置がとられることを、資金も相当投入をして、そういうことが要望されておると思いますが、こういう点に関して、思い切った措置をおやりになるおつもりがあるかどうか。これは政務次官がせっかくいらっしゃるのですから、政務次官にお伺いして、私の質問を終わります。
#207
○政府委員(船田譲君) ただいまの中村委員の御質問、特にこの問の今野参考人の公述の中に、フレナー報告を例にとられまして、日本の保安その他の施設については、先進国に比べて十年のおくれがある、投資額が三兆円今後必要だ、だから第二次空港整備五カ年計画の五千六百億円でははなはだ足りないと、第三次計画は少なくともその三倍の一兆五、六千億円は投下すべきであるという御意見を承ったわけでございます。それといまの先生の御意見を十分踏まえていかなければならないと思います。その意味からも実は、先ほどの答弁の重複になって恐縮でございますけれども、空港整備五カ年計画において国の財源の不足が約六百億円、それから地方が百億円、合わせて七百億円の財源調達をしなきゃならぬということがございますので、もちろんこれがはなはだしく運賃の高騰を招くようになってはいけませんけれども、適切なる範囲においてでおさめ得るものでありますならばお認めいただきたいと、こう考えておるわけでございます。
#208
○渡辺武君 私は、関税定率法の一部改正案の中にあります加工再輸入の問題について幾つかお伺いしたいと思います。
 今度の改正案では、従来の対象品目十八品目に加えて、さらに七品目が追加されております。また適用期間についても今年三月三十一日で期限の切れるものを、さらに三年間延長するというような措置もとっているわけであります。これを見ましても、政府はこの制度を一そう拡大させようとしているんじゃないかというふうに考えられますけれども、この制度のこれまでの実績と、それから今後の政府の方針を伺いたいと思います。
#209
○政府委員(赤羽桂君) 加工再輸入制度についてのいままでの実績というお尋ねでございます。昭和四十四年度、この制度が発足をいたしました最初の年でございますがこの年におきまして加工再輸入減税制度が適用になりました対象の品目の輸入額は四千八百万でございます。四十五年度に至りまして十六億九千七百万でございます。四十六年度は四月から十二月までの実績でございますが、十六億九千百万でございます。
 この制度を将来どういう考えで運用していくかというお尋ねでございます。この制度はもうこれは御存じのとおり、四十四年度に発足をいたします当時に、わが国の労働需給の関係を勘案をいたしまして、海外のより潤沢な労働力あるいはまたより安い賃金というようなこともございましょう、そういった事情と、それからまた委託をいたします先の開発途上国におきまして、かような制度についての要望が非常に多くあったわけでございます。さような傾向は、この制度を発足いたしまして三年、来年四年目になるわけでございますが、依然としてなかなかその要望があるわけでございますが、この制度全体といたしまして、ただいま申し上げましたように、国内労働需給との関係あるいは全般的に見まして開発途上国の工業化促進あるいは雇用の増大に資するとこういう観点から、これは漸次拡大をしてよろしいのではないかと、かように考えておるわけでございますが、この制度が発足をいたしまして、この法律を出しますときに附帯決議をいただいておるわけでございまして、国内の関連中小企業及び勤労者に不当な圧迫が生ずることにならないよう、今後とも対象品目の選定にあたり十分配慮しろと、かような附帯決議をいただいておるわけでございます。毎年毎年対象品目は漸次ふえてきておることは事実でございます。その品目の選定にあたりましては、ただいま申し上げました委員会の附帯決議の趣旨を十分尊重をいたしまして選定をしておるつもりでございます。
#210
○渡辺武君 いま輸入額の御答弁がありましたけれども、四十六年度は四月から十二月までということですが、その後の見通しですね。これも含めて大体四十六年度は年度として総額どのぐらいになる見込みでしょうか。
#211
○政府委員(赤羽桂君) 大体の感じでございますが、ただいま申し上げました四十六年の四月から十二月が、これが十六億でございます。月割りで申し上げましてまあ大体一億五、六千でございます。三カ月あるわけでございますが、大体二、三億ぐらいでございましょうか、もうちょっと……。全体で約二十億ぐらいになるのじゃないかという見込みでございます。
#212
○渡辺武君 輸入額が急増しているわけですね。四十四年度が四千八百万円、四十五年度が十六億九千七百万円というようなことで約四十倍近くになっておると、四十六年度も相当の増加率ということで、ずいぶんふえているんですが、減税額ですね、これもそれに応じてふえているだろうと思うんですが、これは各年度別にはわかりませんですか。
#213
○政府委員(赤羽桂君) 昭和四十四年度の減税額は二百四十五万一千円でございます。昭和四十五年度は一億六百五十五万六千円、四十六年度が四月から十二月まででございますが九千四百八十八万一千円、なお、四十四年度の四千八百万の輸入額、先ほど申し上げました数字でございますが、これは発足しました当初でございますし、しかもこの年は韓国関係がございませんのでこれはちょっと数字が低いわけでございます。
#214
○渡辺武君 この制度で日本に再輸出している国ですね、これはどういう国がありますか。そしてそれは各年度ごとにどのぐらい日本に再輸出しているのか、その辺もあわせて伺いたいと思います。
#215
○政府委員(赤羽桂君) 加工再輸入制度の委託先でございますが、韓国と台湾と香港でございます。
 それで毎年は、まず四十四年度、全体が先ほど申し上げました四千八百万のうち台湾が三千七百万、それから香港が千百万でございます。それから四十五年度全体が十六億九千七百万のうち、韓国が八億二千七百万でございます。それから台湾が七億五百万、香港が一億六千四百万。四十六年度四月から十二月までの間におきまして、総体が先ほど申し上げました十六億九千百万でございますが、うち韓国が六億百万、台湾が十億七千万、それから香港が千九百万でございます。
 韓国、台湾、香港と三カ年度全部足しましてどこが一番大きいかと、かようなことになりますと、台湾が一番多うございまして、三カ年度足しまして十億七千万、それから韓国が――失礼しました、ちょっとそれは、全部足しました三カ年の数字は取り消さしていただきます。
#216
○渡辺武君 そうしますと、台湾が第一で、韓国が第二番目ぐらいの順位で、その次香港ということになっていますが、この相手国の政府ですね、これはこの委託加工方式について、今後の意向としてはどういう意向を持っていますか。
 また、この方式を望んでいるんだというふうに先ほど言われましたが、その望んでいる根拠ですね。これは、どういう理由で望んでおられるのか。その辺もお伺いいたします。
#217
○政府委員(赤羽桂君) このただいま三国のうち、台湾と香港につきましては、政府ベースでかようなものはどんどんやってくれという正式の申し入れには接しておりません。ただ、韓国は、これは非常に要望が強うございまして、御案内のとおり、日韓の定期会合というものが交互に東京と京城で開かれているわけですが、この席上では、韓国側からはほとんど毎回と言っていいほど要望が出されておるわけであります。それで、先ほどの御指摘にも関連するわけですが、その要望がなされておる中で、日本の中小企業に対する影響を十分勘案をいたしまして、不採用ということで決定をいたしております品目もあまたございます。
#218
○渡辺武君 そうしますと、輸入額が急増しているわけですが、これらの国別に、韓国、台湾、香港、この三国別にそれぞれの国の輸出高の中で、日本にこうして加工再輸出している額の占める割合ですね、これはどのくらいになっていますか。
#219
○政府委員(赤羽桂君) 四十四年度から申し上げますと、台湾の場合三千七百万あります。その三千七百万が、全輸出額の何%になっているかというお話でございます。〇・〇五%でございます。それから、四十四年度、香港が千百万と申し上げました、これは〇・〇四%。四十五年度、韓国八億二千七百万と申し上げましたが、これが〇・九五%、台湾が七億五百万と申し上げましたが、これが〇・七三%、香港が一億六千四百万と申し上げましたが、これが〇・四九%。四十六年度の数字を申し上げますと、パーセンテージだけ簡単に申し上げますが、韓国が〇・八二%、台湾が一・三%、香港が〇・〇七%。
#220
○渡辺武君 いま総輸出高の中に占める日本への再輸出額伺ったわけですが、こういう委託加工方式を日本からこの三国に出しておるもので、日本に輸出するだけでなくて、ほかにも輸出しているのがあるんじゃないかと思うんですが、もしあったら、それらのものが輸出額の中でどのくらいの割合を占めているのか、その辺をお知らせいただきたいと思います。
#221
○政府委員(赤羽桂君) 日本から原料を出して、向こうで輸入をいたしまして、それを加工して日本以外の国に出しているというのは、これは当然であろうかと思いますが、これは日本の国内におきまして統計としてちょっととっておりません。これはわかりかねるわけでございます。
#222
○渡辺武君 それでは質問を次に移しますが、先ほど対象品目の選定について、中小企業に被害がないようにというような点をおっしゃっておられましたが、対象品目の選定の基準ですね、これ、もう少し詳しくお伺いしたいんです。
#223
○政府委員(赤羽桂君) これは、はっきりした明文の規定があるわけでございません。関税率の問題につきましても、いかなる関税を引き下げるか、自由化するかということにつきましても、これは明確な基準があるわけでございませんで、その段階におきますところの個々の国内産業につきまして、競争力あるいは体質、合理化ができているものということで、関係者と十分協議をいたすわけでございます。本制度の運用につきましても、物品は結果的にこれはほとんど通産関係、工業製品が多うございますが、これにつきましては、十分政府部内におきまして、通産省もしくは中小企業庁と相談をいたしまして決定をいたす、かようなことでございます。
#224
○渡辺武君 そうしますと、今度新たにつけ加えられる七品目ですね。この中には中小企業の製品というのは入っていませんか。
  〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕
これらの品目ごとに、たとえば製造会社の数ですね。これは何社くらいが製造しているものなのか。もしわかりましたら、お知らせください。
#225
○政府委員(赤羽桂君) 今回七品目の追加をお願いしておるわけでございますが、中小企業産品であると認められるものは継目なし黄銅管、中間周波変成器それから高周波変成器、ポリエチレンバリコン、これは中小企業産品と認められるわけでございます。ほかのワイヤメモリスタック、陰極線管、それから電磁遅延線と、かようなものは大企業の産品として認められます。これがそれぞれ何社くらいがつくっているかというお尋ね、ちょっといま資料を持っておりません。
#226
○渡辺武君 中小企業に影響のないようにという衆参両院の大蔵委員会の附帯決議があるわけですね。ところが、中小企業製品も入っているということになりますと、それなりの影響が出てくるんじゃないかという気がするわけです。従来はどういう選定方法をやっていたんですか。やっぱり中小企業製品が入っているんですか、従来の十八品目の中に。
#227
○政府委員(赤羽桂君) この制度の目的といたしまして、冒頭に労働需給の逼迫ということをあげたわけですが、その点から申し上げますと、大企業よりも中小企業のほうにそういった傾向が強いということは認められるわけでございます。したがいまして、現実の問題としまして、委託加工を行ないます場合に、そういったものはもちろんそれに限局するわけではございませんが、そういったものが当然入ってくるのは、ずいぶん最初から想像しているわけです。過去の十八品目につきまして、さような意味におきまして、中小企業産品が入っていることは当然予想されるところでございます。
 そこで、国会の附帯決議に盛られているような点をどういうふうにチェックするかという点でございますが、これは通産省なり中小企業庁なりを通じまして、当該業界と十分な折衝の上、政府部内では決定をいたしておる。
#228
○渡辺武君 その辺がちょっとあいまいでよくわからないんです。もう一回申しますと、とにかく衆参両院の大蔵委員会の附帯決議では、中小企業に影響のないようにという趣旨のことがはっきりいわれているわけです。ところが、品目の選定にあたって、いま言ったような手続きに沿って選んでおられて、結果が出てきているわけですけれども、その中になおかつ中小企業製品が含まれておるということで、これは中小企業に対する影響という点で疑問視されるところがあるんじゃないか、そういう質問なんです。
#229
○政府委員(赤羽桂君) 御指摘の点は、個々のいろいろな品目につきまして事情がそれぞれ違う点もございますが、いまここで今回の追加をお願いしている七品目のうちで、例示で御説明さしていただきたいと存じますが、継目なし黄銅管の場合は、これは中小企業産品で、全国で三十三社がつくっておるわけでございますが、これは非常に需要が多うございまして、この中小企業三十三社だけでは需要をまかないきれない、こういうような事情がございまして、この加工再輸入減税の対象品目にしてもらっていいと、こういう結論を通産省、中小企業庁から受けておりまして、踏み切っているわけでございます。
#230
○渡辺武君 そうすると、そういう三十三社もつくっているもののほかですね。これは大体、何ですか、製造会社というのはそう数多くないですか、やっぱり同じように多いのがほとんどですか。
#231
○政府委員(赤羽桂君) 大体いま申し上げたのが、数が一番多うございますし、政府部内で折衝いたしておりました過程におきまして、われわれといたしましても、心配をしたとか、したと申しますか、そういったことで頭に置いた品目でございまして、ほかのもちろんこのいろいろその業者数とかいうのはございますけれども、今回の七品目の中ではこれを一番頭に置いて折衝したと、こういう経緯がございます。
#232
○渡辺武君 いままで認められておった十八品目にしても、今度新たにつけ加えられる七品目にしても、ずうっと品目を見てみますと、私しろうとでよくわからないんですが、大体自動車の部品関係ですね。それから電気機械の部品関係というようなものが非常に多いと思いますが、その点どうですか。
#233
○政府委員(赤羽桂君) 自動車、電機関係の部品とおっしゃいましたのは、まさにそういう――自動車関係は、たとえば今回七品目の中でいま申し上げました継ぎ日なし黄銅管というのが、これが自動車に一部使われるということでございまして、あとは弱電関係が多うございます。
#234
○渡辺武君 自動車がほんのわずかということですけれども、たとえば以前にあれで認められたものでは、ベアリング用の内輪及び外輪というようなものもあって、これはおそらく自動車関係と非常に密接な関係があるんじゃないか、内燃機関用の吸排弁というのも、それから自動車用のワイヤリングハーネスというのもありますし、かなり自動車関係というのが多いんじゃないですか、どうですか。
#235
○政府委員(赤羽桂君) 現行の品目の十八の中で、自動車関係をとりますと、ただいま御指摘になりました内燃機関用の吸排弁、これは自動車用でございます。それから自動車用ワイヤリングハーネス、確かにおっしゃるとおりこれは自動車用でございます。それから、このお手元の資料の五番目に書いてあると思いますが、ベアリング用の外輪及び内輪、十八品目のうち三品目あろうと思います。
#236
○渡辺武君 そうしますと、私申し上げたいのは、こういうことですよ。電気機械関係にしましても、自動車関係にしましても、いま大企業が中心になって、いわば高度成長を続けている企業ですね。それの部品がこういう形で、委託加工で韓国及び台湾、香港というようなところに出されているということになろうかと思いますね。そうしますと、これはどうでしょうか、大企業の部品の下請生産ですね、これを外国にやらしているというような関係になるんじゃないでしょうか。
#237
○政府委員(赤羽桂君) この自動車生産の形態が、国内におきましてどういうことになっておるか、私もはっきりと不勉強で勉強いたしておりませんが、当然この下請加工というものを使っているかと思います。さような下請加工の中で中小企業が入っている。これは当然予想されるところでございます。しかしながら、この自動車の例をおあげになりましたわけですが、これは御存じのとおり非常な勢いでいまアメリカ、EC等に倍以上というような伸び率をもって伸びているわけでございまして、そういった意味から、需給関係からいたしまして、ただいま申し上げました三品目、こういったものにつきましてこの制度の適用をおととし来からはかっておると、かようなことではないと存じております。
#238
○渡辺武君 どうも答弁が、よくひとつ私の質問の趣旨を理解して答弁していただきたいのですが、こういうことなんですよ。電気機械にしましても、自動車にしても、いま大企業が中心になって、国内では高度成長を続けている業種ですね。それの部品が韓国なり台湾なりに下請加工として出されているのじゃないか、結局そういうことになっているのじゃないかということを伺っているのですよ。
#239
○政府委員(赤羽桂君) そういうような面もあるかと存じております。
#240
○渡辺武君 そうしますと、はたして、ごれが経済協力だというふうにいわれているわけですけれども、しかし、これが相手国の経済的な自立に役に立つものなのかどうなのか。この点はどんなふうに思っていますか。
#241
○政府委員(赤羽桂君) 先ほど韓国からの要請等について申し上げたわけでございますが、そういうところから、これにつきましては大いに希望がある、希望があるということはそういう意味におきまして役に立っておる、かように考えております。
#242
○渡辺武君 その役に立っているという意味なんですよ。この生産体系からすれば、完成品をつくることができないような状況のもとで、部品の生産について委託加工をやる、そして、そこで生産したものは日本に再輸入するというような仕組みになっているわけですから、生産体系そのものからして、相手国の経済的な自立に役に立つのではなくして、むしろ日本の大企業の下請化という関係が、こういう機構を通じて進むのじゃないか。どうですか。これは別のことばで言えば、これはまだ比重は大きくないのですけれども、それはいま急速にふえつつあるわけですけれども、結局のところは、相手国の経済的な従属ということを生み出す可能性が十分にあると思いますけれども、その点どうでしょうか。
#243
○政府委員(赤羽桂君) 相手国の経済的な従属というような意味でこの制度が発足をいたしておらないと存じております。
#244
○渡辺武君 表面上の趣旨はとにかくとして、こういう仕組みそのものが、そういう結果をもたらすだろうということをぼくは言っているのです。
 なお次に伺いたいのは、この日韓経済協力委員会などでの議論を見てみますと、こういう仕組みで委託加工をし、日本が再輸入するということは、韓国なり台湾なりに対する日本の輸出超過ですね、相手国からすれば貿易上の逆超ですね、これをカバーする意味で非常に役に立つのだというような議論もあるようでありますけれども、相手国の貿易逆超の改善にどの程度役に立っているのか。これを伺いたい。
#245
○政府委員(赤羽桂君) ただいまの御質疑に対しましては、先ほど輸出額に対して何%ぐらいになっているか、この数字で一応お答えができるかと存じます。全般といたしましては、いずれも大体一%以下ということに数字的にはなっておるわけでございます。
#246
○渡辺武君 これは、輸出の場合だけを計算しているわけですから、つまり輸出するのに、日本から原材料を輸入して、それに加工して輸出しているわけでしょう。それ以前に輸入という問題があるわけですね。ですから貿易の逆超はその絶対数から出てこない、どのくらいカバーするかということは。結局付加価値分だけじゃないですか。どうですか。
#247
○政府委員(赤羽桂君) 御指摘のとおり、ただいま輸出額との比率で申し上げたわけでございますが、こちらから輸入をいたしますところのそれを差し引き計算しないといけないわけでございますが、その現在額から平均的な意味で割り戻しをするというようなことも簡単には考えられますが、いまのところちょっとそういう数字を出しておりません。
#248
○渡辺武君 だから、相手国に役に立つといっても、これはたかが知れたものだというふうにしか考えられない。かりに役に立つとしましても、日本と韓国、あるいは日本と台湾との問の貿易で、日本が異常な程度まで出超になっているということは、これは日本の大企業が、かつての植民地であった韓国や台湾に猛烈な勢いで、われわれのことばで言えば、帝国主義的な輸出進出をやっている。そのあらわれとして、異常な形の輸出超過ということが起こっているわけであって、いまここで、委託加工方式で日本が再輸入するというのは、それを言えば、ほんのちょっぴりだけでもしりぬぐいをするというような役割りを演じているということじゃないでしょうか、どうでしょうか。
#249
○政府委員(赤羽桂君) 御指摘のような事態が現実に起こっているとは思っておりませんし、またそういう制度自体の理念といたしましても、いま御質問のあったようなことはないと信じております。
#250
○渡辺武君 客観的な現実に基づいて申し上げているのです。否定しても事実ですから、あなたも肯定せざるを得ないのじゃないかと思うのです。
 それからなおもう一つ伺いたいのは、この委託加工、再輸入の方式でつくられたものと、もしかりにこれをそういう形でなくて国内で加工した場合と、製品の原価はどのぐらい違いますか。おそらく安くなるだろうと思いますが、安くなる場合の一番大きな要因はどこにあるのか。それもあわせて伺いたい。
#251
○政府委員(赤羽桂君) これはたまたま一例でございますが、継ぎ日なし黄銅管の場合で、日本国内で加工いたしますと、製品の原価といたしまして、トン当たり五十二万五千円という一応の試算をしております。で、これを委託加工で外に出したという前提に立ちますと、トン当たり五十万円ということに相なるわけでございます。
#252
○渡辺武君 時間がないので、質問にまとめて答えてください。
 その五十二万五千円で国内でできるはずのものが、委託加工、再輸入すると五十万円で済む。その安く済む最大の要因は何ですか。
#253
○政府委員(赤羽桂君) 労務費でございまして、国内で加工いたしました場合は、労務費がトン当たり十二万円、委託加工の場合はトン当たり三万円、これが一番の、最大の原因であります。
#254
○渡辺武君 最後に。
 そういうことで、結局のところ、韓国や台湾の低賃金労働を利用している、そうしてやるということで、これは相手国にとっては非常に屈辱的な問題だと思うのですね。それを今後日本政府の方針としてさらに拡大するということでは、これはやはり非常に危険な問題だというふうに考えざるを得ない。しかも、生産体制の上から言っても、経済的にいわば下請化するという方向がはっきりとこれに出ている。しかも、特に韓国や台湾というのは、あの日米共同声明にもあらわれております韓国、台湾条項というのがあるように、国の今後の軍国主義復活、アメリカとの関係からいったら、特別に政治的に先鋭な地域、そこへそういう形で経済的な進出をはかる、非常に危険だと思う。特に台湾は、御承知のような事態にいまなっているわけですけれども、今後も台湾に対してこういう委託加工方式を拡大するおつもりがあるのか、あるいは韓国などについてさらに拡大しようとしているのか。その点をあわせて伺って、終わります。
#255
○政府委員(赤羽桂君) 台湾の問題につきましては、かような問題あるいは特恵の問題あるいは経済協力等の問題を含めまして、これは国交正常化と申しますか日中国交正常化と申しますか、回復と申しますか、そういった過程を通じまして、その一環として解決をすべき問題でございまして、先にこちらのほうがきまって向こうのほうがあとということは、本末転倒かと思うのでございます。もとが今後どういうかっこうで正常化してまいりますか、それに伴ってかような問題も考えていくべき問題じゃないかと存じております。
#256
○委員長(前田佳都男君) 他に御発言もなければ、両案の質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#257
○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両案の一括討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、両案の討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#258
○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、関税定率法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#259
○委員長(前田佳都男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、航空機燃料税法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#260
○委員長(前田佳都男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#261
○嶋崎均君 私は、ただいま可決されました関税定率法等の一部を改正する法律案及び航空機燃料税法案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四派共同による附帯決議案を提出いたします。案文を朗読いたします。
 以上でございます。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいいたします。
#262
○委員長(前田佳都男君) ただいまの嶋崎君提出の両附帯決議案を議題といたします。
 両附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#263
○委員長(前田佳都男君) 全会一致と認めます。よって、嶋崎君提出の両附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの両決議に対し、水田大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。水田大蔵大臣。
#264
○国務大臣(水田三喜男君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたす所存であります。
#265
○委員長(前田佳都男君) なお、ただいま可決されました両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#266
○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回の委員会は、公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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