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1971/04/04 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第14号
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1971/04/04 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第14号

#1
第068回国会 大蔵委員会 第14号
昭和四十七年四月四日(火曜日)
   午前十一時五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         前田佳都男君
    理 事
                柴田  栄君
                嶋崎  均君
                戸田 菊雄君
                多田 省吾君
                中村 利次君
    委 員
                青木 一男君
                大竹平八郎君
                津島 文治君
                竹田 四郎君
                成瀬 幡治君
                横川 正市君
                野末 和彦君
   衆議院議員
       大蔵委員長代理
       理事       山下 元利君
   政府委員
       大蔵政務次官   船田  譲君
       大蔵省主税局長  高木 文雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#3
○委員長(前田佳都男君) 速記を起こして。
 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。船田大蔵政務次官。
#4
○政府委員(船田譲君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 政府は、今次の税制改正の一環として、当面の経済社会情勢に即応して、法人税の付加税率の適用期限を延長するほか、住宅対策、公害対策、中小企業対策等の諸施策に資するため所要の措置を講じ、あわせて輸出振興税制の整理縮減をはかる等のため、ここに、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。
 まず、法人税率の付加税率の適用期限の延長であります。現行の法人税率は基本税率三五%に一・七五%の付加税率を加えたものとなっておりますが、この付加税率の適用期限が昭和四十七年四月末に到来することとなっておりますので、当面の経済財政事情、わが国の法人税負担の実情等にかんがみ、これを二年間延長することといたしております。
 第二は、住宅対策に資するための措置であります。
 すなわち、自己の居住の用に供する住宅を新規に取得した個人について、昭和四十七年以後二年間の特別措置として、住宅の標準取得価額の一%相当額、最高二万円を三年間所得税額から控除する住宅取得控除制度を創設するほか、住宅貯蓄控除制度の適用対象を拡大する等の措置を講ずることといたしております。
 第三は、中小企業の体質強化に資するための措置であります。
 すなわち、現行の中小企業の合理化機械特別償却制度におきましては、特定の機械を個別に指定し特別償却を認めているのでありますが、これを改めて、中小企業者が取得する新たな機械及び装置で一定価額以上のものであれば、広く初年度五分の一の特別償却が認められる制度を設けることとしております。また、個人の青色申告者について、従来の青色事業主特別経費準備金にかえて、年十万円の青色申告控除を設けるほか、中小企業の貸倒引当金の特例の適用期限を二年間延長する等の措置を講ずることとしております。
 第四は、輸出振興税制の整理縮減であります。
 すなわち、輸出振興税制のうち輸出割り増し償却制度については、これを廃止することとしております。また、技術等海外取引取得の特別控除制度については、その適用対象を縮小し、工業所有権、著作権及び技術役務の提供に係るもの以外のものは、これを廃止することとしております。
 第五は、通貨調整に伴う措置であります。
 すなわち、先般の通貨調整により巨額の為替損失をこうむり事業経営に著しい影響を受けることとなる法人に対し、その換算差損相当額を税務計算上早期に繰り上げて損金に算入することを認め、あわせて、通貨調整後に取得する長期外貨建て債権について、その帳簿価額と期末の為替相場による換算金額との差額を準備金として積み立てる制度を創設することとしております。
 第六は、公害防止に資するための措置であります。
 公害防止対策といたしましては、公害防止費用の負担が大きく、かつ、所得変動が大きいと認められる業種に属する企業について、公害防止準備金制度を設け、売り上げ金額の一定割合を準備金として積み立てることを認めることといたしております。
 第七は、技術開発及び情報化の促進のための措置であります。
 まず、試験研究費につきましては、従来から、その増加額について特別税額控除を認めているのでありますが、この制度の適用期限に二年間延長することとしております。
 また、情報化の推進を資するため、電子計算機の特別償却の率及び電子計算機買い戻し損失準備金の積み立て率を引き上げることとしております。
 以上のほか、耐火建築物の割り増し償却制度等期限の到来するその他の特別措置について、実情に応じ適用期限を延長する等、所要の措置を講ずることとしております。
 以上、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(前田佳都男君) 次に、補足説明を聴取いたします。高木主税局長。
#6
○政府委員(高木文雄君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 まず、第一に、法人税率につきましては、昭和四十五年度の改正により三五%の基本税率に対して五%、すなわち所得に対して一・七五%の付加税率が上のせされて、昭和四十七年四月三十日までに終了する事業年度に適用されることとなっておりますので、この適用期限をさらに二年間延長しようとするものであります。
 第二に、住宅対策につきましては、住宅取得控除の創設と住宅貯蓄控除制度の適用対象の拡大を行なっているのでありますが、住宅貯蓄控除制度については、勤労者財産形成貯蓄を頭金として勤労者が事業主等から住宅の割賦分譲を受ける場合も適用対象に加えることといたしております。また、給与所得者が住宅の譲渡を受けまたは住宅資金の貸し付けを受けた場合の課税の特例等について、適用期限を二年間延長することとしております。
 第三に、中小企業対策につきましては、個人の青色申告者について、青色事業主特別経費準備金制度にかえて、青色申告控除制度を設けることとしているのでありますが、この場合、昭和四十六年において積み立てた青色事業主特別経費準備金は直ちに取りくずし、かつ、課税所得には算入しないこととし、結果的に控除と同じ効果をもたらすよう配慮しております。また、中小企業構造改善準備金及び下請中小企業振興準備金制度等について、適用期限を二年間延長することとしております。
 第四に、輸出振興税制の整理、縮減につきましては、輸出割り増し償却制度はこれを全廃し、技術等海外取引所得の特別控除制度は、運送、建設請負、旅行あっせん等の控除を廃止することとしておりますので、輸出振興税制としては工業所有権、著作権及び技術役務の提供にかかる所得控除と海外市場開拓準備金を残すだけとなり、制度の大半は姿を消すこととなります。
 第五に、通貨調整に伴う措置につきましては、期末の為替相場による換算が任意とされている長期外貨建て債権について、その為替損失相当額を会社決算で計上しない場合において、税務計算上はこれを早期に繰り上げて損金に算入することを認めるものでありますが、これにより生じた欠損金については十年間の繰り越し控除を認めることとしております。また、繰り上げて損金に計上した為替損失相当額は、その後十年間に益金に繰り戻されることとなっております。
 第六に、公害防止につきましては、公害防止準備金を創設することといたしておりますが、その積み立て率は、原則として売り上げ金額の〇・三%、所得変動が特に著しい特定の業種については〇・六%とし、積み立てた後三年後に取りくずすこととしております。また、特定の発電設備または鉄鍋製造設備の燃料用揮発油に対する揮発油税及び地方道路税を三年間免除することとしております。
 第七に、情報化の推進につきましては、プログラム保証準備金を創設することといたしておりますが、これは、電子計算機用のプログラムを作成するソフトウエア業を営む企業について、その販売後の補修の費用に備えるため、プログラムの売上金額の二%相当額の準備金の積み立てを認めることとするものであります。なお、この準備金は翌期には益金に算入するいわゆる洗いがえ方式をとることとしております。
 第八に、土地税制につきましては、公有地の拡大の推進に関する法律による先買い権の行使により土地が買い取られる場合の譲渡所得について三百万円の特別控除を認めることとしておりますほか、古都保存法等の法律の規定により権利制限が加えられている土地が買い取られた場合の譲渡所得の特別控除を三百万円から六百万円に引き上げることとしております。
 以上のほか、沖繩の振興開発の促進につきましては、工業開発地区または自由貿易地域内に機械装置及び工場用建物を新増設する場合に特別償却を認めることとし、また、自由貿易地域内において製造業等を営む法人の株式等を取得する場合には、自由貿易地域投資損失準備金の積み立てを認めることとしております。
 以上、租税特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由を補足して説明いたしました次第でございます。
#7
○委員長(前田佳都男君) 本案は、衆議院から修正議決の上送付されておりますので、衆議院大蔵委員長代理理事山下元利君から説明を聴取いたします。衆議院大蔵委員長代理理事山下元利君。
#8
○衆議院議員(山下元利君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する衆議院におきます修正点を御説明いたします。お手元の資料に従いまして御説明申し上げます。
   租税特別措置法の一部を改正する法律案に
   対する修正
  租税特別措置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
  第八十一条に一項を加える改正規定中「昭和四十七年四月一日」を「租税特別措置法の一部を改正する法律(昭和四十七年法律第  号)の施行の日の翌日」に改める。
  附則第一条本文中「昭和四十七年四月一日」を「公布の日」に改める。
  附則第五条第一項、附則第十一条、附則第十二条第一項、附則第十五条及び附則第二十一条中「施行日」を「昭和四十七年四月一日」に改める。
  附則第二十二条第一項を次のように改める。
   新法第七十四条第一項又は第二項の規定(債務の保証に係る部分に限る。)は、それぞれ昭和四十七年四月一日以後に新築され、又は取得されるこれらの規定に規定する住宅用の家屋についての抵当権の設定の登記で施行日の翌日以後に受けるものに係る登録免許税について適用する。
  附則第二十二条中第三項を第四項とし、第二項を第三項とし、同項の前に次の一項を加える。
 2 新法第七十七条、第七十七条の五又は第七十八条の三第一項の規定は、施行日の翌日以後の登記に係る登録免許税について適用する。
  附則第二十三条第二項を同条第三項とし、同条第一項中「施行日前」を「昭和四十七年三月三十一日以前」に改め、同項を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。
  新法第九十条の規定は、昭和四十七年四月一日以後施行日の前日までに揮発油の製造場から移出された同条第一項第二号に掲げる用途に供ざれる揮発油についても適用する。
 以上で、修正点の説明を終わります。
#9
○委員長(前田佳都男君) 本案の質疑は、これを後日に譲ります。
 次回の委員会は、四月六日午前十時三十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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