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1971/04/13 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第17号
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1971/04/13 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第17号

#1
第068回国会 大蔵委員会 第17号
昭和四十七年四月十三日(木曜日)
   午前十時三十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     河本嘉久蔵君     高橋文五郎君
     栗原 祐幸君     山下 春江君
     吉田忠三郎君     須原 昭二君
     戸田 菊雄君     杉原 一雄君
     鈴木 一弘君     内田 善利君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         前田佳都男君
    理 事
                柴田  栄君
                嶋崎  均君
                多田 省吾君
                中村 利次君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                大竹平八郎君
                高橋文五郎君
                棚辺 四郎君
                津島 文治君
                西田 信一君
                桧垣徳太郎君
                藤田 正明君
                山下 春江君
                須原 昭二君
                杉原 一雄君
                竹田 四郎君
                成瀬 幡治君
                松井  誠君
                松永 忠二君
                横川 正市君
                内田 善利君
                渡辺  武君
                野末 和彦君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  水田三喜男君
   政府委員
       大蔵政務次官   船田  譲君
       大蔵省主税局長  高木 文雄君
       大蔵省証券局長  坂野 常和君
       大蔵省銀行局長  近藤 道生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
   説明員
       法務省民事局参
       事官       田邊  明君
       大蔵省主税局税
       制第一課長    高橋  元君
       中小企業庁計画
       部長       西田  彰君
       建設省住宅局住
       宅企画官     京須  実君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 前回に引き続き、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○成瀬幡治君 私は、分離の問題でいろいろとあったんですが、広告費のことでひとつお尋ねしておきたいと思うんです。まあ、いろいろと検討しようじゃないかというような御答弁がありましたことは承知しております。補助金もちょっと調べてみたら、補助金の中で日本商工会議所へ三千ちょっとくらい、まあ四十六年度から始めたというんだが、二分の一、商工会議所なら商工会議所がある数量を計算すれば、二分の一それに対して補助しようというようなことが四十六年から始まっているようです。それは読んでみると広告の適正――消費者との話し合いをするとかなんとかということでやられているようですがね、さてその広告が過大だというような意味があり、そういうことに対して自粛してもらうというような意図を含めての補助金を支出しておるのか、どういう関係で補助金を出しておるのか、これは主税局長の守備範囲じゃないかもしれぬけれども、一体広告に取り組む姿勢というものは那辺に大蔵省にあるのか、そういう点が知りたいと思う。まあ、あなたが知らぬと言うなら答えは留保でもいいけれども。
#4
○政府委員(高木文雄君) ただいまの御質問のうち広告費について現在どのような補助金が支出されているかは、いま直ちに調べればわかりますが、ここでは私ただいまは承知いたしておりません。ただ、私どもが広告税の問題に関連して若干承知いたしておりますことは、いま広告で一番問題になっております点は、独占禁止法の上でいろいろ不当な広告といいますか、それが広告についての規制では独占禁止法上の規定がございます。しかし、公正取引委員会は御存じのような組織になっておりますので、きわめて人員も少のうございますし、地方機関はほとんど持っておりません関係もありまして、その関係である程度の仕事を、一部はたしか都道府県に頼んでおるはずでございますが、そういう関係を商工会議所等に頼んでいる関係があるのではないかと想像するのでございますが、すぐ調べてみたいと思います。
#5
○成瀬幡治君 まあ広告費について言いたいことはそういう問題が一つある。補助金問題云々という問題が一つと、それからこれもあなたの守備範囲でないと言われればそれまでですが、一ころ専売公社がたばこをのんでくれという――私もたばこを吸うていかぬが、のんでくれという、こういう広告が出ておった。一体たばこということについて、最近はアメリカ等では非常に害があるじゃないかと、だからむしろお吸いになるのはかってだけれども、命に差しつかえますよ、ガンになりやすいですよという注意書きすら書かれて売られておるときに、専売のほうはそうじゃなくて、もっとうんとのんでくれというような、そういう意味があると思うんだ、宣伝をされるということは。そうすると、公害に対する取り組む姿勢だな、大蔵省全体としては何でもいい金さえ入ればいい、専売益金がよけい入ってくればいいという趣旨だと、片方の企業でいえば、公害はどれだけ出ようと、金もうけさえすればいいという思想に通ずると思う。同じことだと思うんです。そういうようなことについてどういうふうに考えておられるのか、これも政務次官がおられますが、こういうような問題について、大臣がお昼から出てくるというから、お昼からでもただしてみたいと思うけれども、私は一ぺんこういう問題については十分検討してもらわなくちゃならぬと思います。
#6
○政府委員(高木文雄君) これも所管外でございますが、実は昨年まで官房長をいたしておりましたから、専売の関係も若干扱っておりましたので、そのときのことでお答えいたしますが、ちょうど喫煙と健康との関係ということが昨年から問題になりまして、専売事業審議会で喫煙と健康との関連をどう処理すべきかということについて、特別委員会といいますか、特別に審議をいたしたことがございます。で、その際にもたばこをやはりつくって売るということが専売公社の仕事でございますから、そして財政収入を上げるというのが一つの目的でございますから、やはり商品を知ってもらうということは必要なので、広告をやめるというわけにはいかないのでありますけれども、いかにもどんどん吸ってほしいという宣伝をするのは望ましくないというのが一般的ないまの考え方でありまして、そこで広告等についても多少、ある時期には新しいたばこができましたとか、まあたばこを吸うと気分がよくなりますとかいう式の宣伝を公社がやっておった時期がございますが、最近ここ二年ほどはそれをやめておるはずでございます。現在公社でも一部、広告費の予算は公社の予算の中に計上されておりますし、現に広告はいたしておりますけれども、いかにもたくさん吸ってもらう、たばこがいかにも一種の気分転換のために役立つものだと言って宣伝をするというにおいの強い広告はそれを避けて、そしてむしろ一種のこういう商品がありますよという意味での宣伝だけにとどめるようにする、現在の公社の方針としてはそうしております。ただその辺はなかなかやはり物をつくって売るという仕事が公社の仕事でございますから、その辺のところをどの程度にとどめるかは現実の問題としてはなかなかどの辺に線を持っていくかむずかしいと思いますが、心がけとしては特に最近は気をつけているはずでございます。
#7
○成瀬幡治君 これは一ぺん、この問題に専売の問題が出てくれば一度議論していいと思うのですが、やはりたばこというものはむしろたくさん吸ってもらいたい。たとえば今度新しいたばこも出てまいりましたね、細巻きでタールなりニコチンを少なくしている、公害は少なくしていこうという努力はされておることはわかりますが、しかし、片方では女の人もたくさん喫煙してもらいたい、だから婦人向けにこういうものをつくっていこうというようないろいろことをやって、専売益金というものが相当なウエートで国の財源になっておるというようなことから、売らんかなの気がまえというものはわかるわけですけれども、片方ではおそろしい公害というものがありますよ。いまや非常にきついですよ、特に紙巻きたばこはそうですよ、というようなことがぼくは国の責任においてむしろなされるほうが好ましい姿だと、公害に取り組むという姿勢に欠けておると思う。いまこれから移行するのは公害だとか、社会福祉だとか、そういう方向に移行しようとしておるわけでしょう。税制もそういう方向で行こう、こういうようなことが出ておるわけですから、そういうときに、専売公社の売らんかなの、それは新しいものができたときだけ一度しかやりませんよとか、あるいはその間だけわずかですよとおっしゃればそれまでかもしらぬが、大臣もお見えになったら一度そのことについて議論をしようと、一度意見だけは言っておこうと思いますけれども、これは意見として十分ひとつお聞き願って、一ぺん検討をしていただきたいと思います。
 そこで、次にお尋ねしておきたい点は、交際費なり、それから広告費を一度検討しようじゃないかという気運が大体の方向ですが、寄付金ですね、寄付金は大蔵省令で認めて、これはもう損金算入がよろしゅうございますよという、そしてやはりそのつど申請をして認可をされておるものと、そうではなくて、もう資本金の何分の一、利益の何分の一の、何か基準があるようですね、それの範囲内においてはやったって差しつかえございませんという、これは大体社会福祉ですか、社会奉仕への寄付金をとやかく言うものではなくて、やはり政治献金が一番大きな問題ですよ。政治資金規正法に基づいていろいろな話が出ておるとき、この寄付金に対する損金算入ということはちょっとおかしいと思う。そこであなたのほうに、まあどのくらいの寄付金があるものなのか、そういう数字が調べてあるなら一度お聞かせ願いたいと思う。
#8
○政府委員(高木文雄君) 昭和四十五年度の寄付金の状況でございますが、四十五年度になされました寄付金は、一般の寄付金、ただいま成瀬委員が言われました損金、一般の寄付金が三百三十四億でございます。それからそれとは別に、試験研究法人に対する寄付という制度がございますが、これが五十二億円。端数の関係をちょっと四捨五入で申し上げますと一般の寄付金が三百三十五億円でございます。試験研究法人に対する寄付金が五十三億円でございます。
 それからそのほかにもう一つ、第三種、第三番目の種類のものとして、いわゆる指定寄付金、ただいま成瀬委員が言われました個別に指定をする、こういう寄付金ならばよろしいといって指定をする。そういう寄付金、あるいは指定はしませんが、国、地方公共団体に対する寄付金は全額損金になります。この指定寄付金これが百九十二億円でございます。合わせまして五百八十億円、これが四十五年度で損金に算入された寄付金でございます。限度を越えまして所得の二・五%と、資本金の〇・二五%の平均というのが一般の寄付金の損金算入限度額でございますが、この損金算入限度額を越えました損金に算入されない寄付金の額が百二十五億円ございます。したがって、損金に算入されましたものと損金に算入されませんものの合計、つまり支出寄付金の全体が七百四億円になります。端数の関係で多少一億円ぐらいずれているかもしれませんが、億の単位で四捨五入して申し上げました。
#9
○成瀬幡治君 これは大体大づかみに言って、片方じゃ政治資金規正法に基づいて届け出す制度がございますから、それとの数字が合うか合わないかは別として、とにかく政治献金が寄付の中に大きくウエートを占めていると言ったらそれは間違いですか。
#10
○政府委員(高木文雄君) この統計といいますか、この調査の中にどのくらい政治献金が占めておりますかは、ちょっと調べておりませんのでよくわかりませんです。
#11
○成瀬幡治君 まあ交際費と、それから広告費の問題が議論されておりますが、寄付金の問題については、あなたのほうとしては広告の問題について何か三つぐらいのケースがあるというようなことで、この一昨日ですか委員会で何かお話しになっておりますが、寄付金についてはどういうような見解をとっておいでになりますか。
#12
○政府委員(高木文雄君) 寄付金の問題については、まあ交際費あるいは広告費の問題ほどには、実は今まであまり強く何か制度を改めなければならないという意味での実は関心を私ども持っていないというのが正直なところでございます。それは二つほど理由があるのでございますが、一つは、まあ本来いま御指摘のように、確かに政治献金の問題というのはひとつの問題であろうと思いますが、本来この現在の寄付金の制度というのは、政治献金のことを全然まあ頭に置かないと言ったら言い過ぎになるかと思いますが、政治献金の問題とは全く別に、企業がまあいろいろ活動をいたします場合に、やはり所在の市町村なり、あるいは取引関係なりというところとの関連上、まあ世の中のいろいろなつき合いということで、寄付金を求められることがあり得るということで、ある程度のものは社会通念上必要であろうというところから限度が置かれて、そこまではまあよろしいということになっておるわけでありまして、したがって、現在この制度は租税特別措置法上の制度としてではなしに、法人税法の本法上の制度としてその限度も置かれておるわけでございます。
 で、政治献金その他の問題つきにましては、実は私どもは確かに問題であることは承知しておりますが、これも税法のほうで何か規制をすることによって、全体としての秩序を正すということに持っていくには、少し荷が重過ぎるのではないか。交際費、広告費についてもそういう問題は同様の問題があるわけでございますから、寄付金の問題については、特にこの税法に何らかの規定を置くことによって、政治献金の秩序といいますか、ルールが正されるようにする、そのいわば交通整理の役を税法に求められるということについては、実は少し荷が重過ぎるのではないかという感じがするわけでありまして、別途政治献金自体の問題として、何らかの措置が必要であるということを御判断であれば、それ自体の問題としてお考えいただきたいというのが私どもの本心でございます。
#13
○成瀬幡治君 まあ政治献金は、政治資金規正法でいいじゃないかといえば、それまでかもしれませんが、しかしあなたがおっしゃるように、その寄付金というものはつき合い上どうしたって必要なんですよと、だからある一定額というものは必要だということは私も認めます。しかし、その資本金の千分の二・五と当期の所得の百分の二・五、これの合算額の二分の一は損金算入を認めるという、そのこと自体について、これは租税特別措置法じゃないのだと、法人税法なんだといえばそれまでかもしれませんが、ぼくは一度洗い直してみる必要がある。やはりあなたがおっしゃった全部で七百億円をちょっとこしているようでございますが、寄付金がですね。それからなるほど試験研究五十三億円、これは必要でしょう。それから指定の寄付、百九十二億円というのも当然なことだと思いますけれども、一般の寄付の三百三十五億円なり、あるいは損金不算入になっている額の百二十五億円の中の多くは、あるいは交際費の中にも政治献金が入っているかもしれませんけれども、とにかく政治献金めいたものが非常に多いと思うのですよ。あるいはもっと言えば、後援会の会員ですと、だから私はそれを一口幾らのやつを百口入っておる、千口入っておるから一千万円出すとか、あるいは何億円出すと、まあこういうのは十数億円にもなるというような問題になってくると思うのですよ。ですからぼくは一度、交際費と広告費とあわせて寄付金についても検討がしてもらいたいと思っております。
#14
○政府委員(船田譲君) ただいま成瀬委員から御質問がございました、また御意見もございました広告費、交際費と政治資金との問題でございますが、先ほど高木局長が申しましたように、政治資金規正法の改正の問題は、これは税のほうからと申しますか、主税のほうから取り組んでまいりますのには、あまりにも大きな問題でございますので、これはやはり政府全体、あるいは各政党全体がお取り組みなさることでございますが、主税の関係から申しますと、特別の扱いをして、特別にその寄付金の中から、それだけ特定にという扱いをしておりませんので、私は、今後広告あるいは交際費の問題は改正を検討すべき時期には、当然その問題も入ってくるべきものであろうと思いますけれども、やはりイニシアチブは政党及び政府全体として政治資金規正法に五分に取り組むということから出てくる問題だろう、こういうふうに考えております。
#15
○成瀬幡治君 政治資金規正法の問題ですから、そちらのほうにウエートがあるとおっしゃるなら、それはわからぬわけではないですよ。それは受けるほうの側の問題です。出すほうでいえば、いま申しましたような一つの寄付金の損金算入に限度額というものがあって、その限度額というものが、私は少し高過ぎると思うのです。だから、それをもっと下げることは当然大蔵省として検討していいと思う。これは税のほうとして検討していいと思う。法人税なら法人税の中で検討すべき問題だと思うのです。それはもう政治資金規正法ですよと言って逃げずに、損金算入のあなたのほうは基準額はちゃんときめているのだから、率は。これが私は認可したり、いろいろなことをするから、そういうものに対しては特別なものにやるという――それでは一度こういうこともできませんか。それではもう寄付金の中身をある程度資料として出していただくことはできましょうか。私どもはとてもこれが政治献金か、これが何だということがわからぬから、出せぬというのが、――まあ出せぬと言われればそれまでかもしれませんが、どうなんです。私はなぜこういうことを言うかというと、交際費をある程度落としますね、制限をしますね。そうすると、寄付金へ逃げ込んでいくと思うのだが。
#16
○政府委員(高木文雄君) 第一の、全体としてワクが多いか少ないかという点は、率直に申し上げまして、私まあ、現段階ではちょっと勉強不十分でございますから、明確にお答えいたしかねますが、政治献金の問題には直接触れない、お尋ねに対するお答えにならないのでございますが、私どもが一番この寄付金に関連いたしまして日常の仕事と申しますか、関連しておりますのは、この指定寄付の指定の仕事で実はかなり私どもの事務にウエートがかかっておるのでございます。そこで、その指定の仕事を通じて感じております点から申しますと、本来寄付というものは、各企業が、たとえば社会福祉事業であっても、あるいは文化財を保護するような仕事であっても、あるいは教育のようなものであっても、あるいは最近では自然保護というようなことで鳥獣保護であるとか、そういうことであっても、いろいろ非常に望ましい仕事があって、そういうところにも出したらどうだということがある。で、それを企業に一部そういう好ましい仕事に寄付を求めるということがありましても、なかなか企業がおいそれと出してもらえないということがありまして、指定寄付であれば出しやすいということで、指定寄付をわれわれに求めてくることがございます。で、そういうことで、そういうまあ全然違った窓から寄付というものをしばしば見ているわけでございますが、そちらのほうの感じから申しますと、現在まあ一般の寄付のワクが必ずしもそう大き過ぎて十分であるという実は感じはいままであまり強く持っておりませんでしたものですから、そこで、いま成瀬委員の御質問がありましたけれども、適切にお答えし得るような材料を持っていないわけなんでございます。
 で、おっしゃるように、確かにしかし、交際費なり広告費の問題との関連で検討すべきではないかということであれば、そしてしかも、いろいろ似たような限度があるわけでございますから、限度を動かすというときに相互に比較をしてみないと、片方の限度を押えると、片方のほうに移るという関係があるのではないかという点は、若干そういう関係があるかと思いますが、しかし、交際費の限度を押えたら、直ちにその交際費から寄付金のほうへずっと回ってくるという関係にあるかどうかは、ちょっとそうやはり経費の性質上、税務署も見ていることでありますし、そういままで交際費で支出したものが、急にあしたから寄付金として経理するというわけにもいかないのではないかとも思いますので、そう直接には関係はないのではないかと思います。で、その点もしかしよくもう一ぺん、そういう角度での日ごろ勉強が十分でありませんので、あまり責任ある明確なお答えができませんから、そういう角度でもう少しよく調べてみたいと思います。
 それから実態はどうかという点でございますが、これは税務署が個別にこの調査をいたします際に、寄付金の中をどういう寄付金、どういう寄付金ということで区分して調べるようなことになっておりませんので、何か特別の調査をして、サンプル調査でもやれば別でございますが、現在のところは寄付金の内訳がどんなふうになっているかということを数字的、統計的に把握することはいたしておりませんので、現在はお示しするのがいやだとかいう意味ではなくて、お示しする材料を現在の段階では持ち合わせていないということでございます。しかし、先ほどのようなことで少し勉強してみろということでありますれば、やはり私ども自身もそういうことを調べてみなければ検討ができないわけでございますから、そういう交際費等の研究をします際に、なかなかそれはとても悉皆調査なんかはできませんけれども、何といいますか、多少抜き取り調査的なことはしてみる必要があるかと思っております。
#17
○成瀬幡治君 私も、何というのですか、宗教上、たとえば神社に寄付、そこの町内に住んでおって、お祭りがあって、それにおつき合いするというようなことで寄付があり得るということは、これはもうわかるのですよ。しかし、そうじゃないものがあまりにもあると多過ぎるわけです。元来ならば社会保障的なものにするとか、どこかに寄付するとかいうもの等は、大体国がなすべきが原則なんですね。ですから、私は税金をそういうところから吸い上げておいて、そこで支出していくというほうがよくて、ある特定の会社が損金算入になるのだからあなたに寄付してもよろしいよというやり方というものは、本末転倒した行政になっておると思うのですよ。ですから、こういうところは少し交通整理をする必要があると思うのです。ですから、まあ資料不足で検討もされていないというならば、ぜひひとつ早急にぼくは資料等を集めることを考えられて、そうして少なくとも来年度予算上にいろいろなことが出てくると思いますから、それと関連しながら税制調査会等にはかられる十分な用意はしていただきたいと思うが、いかがでしょう。
#18
○政府委員(高木文雄君) 交際費の限度等について検討する際に、それとの関連において比較検討するということは必要であろうと思いますので、そのように処理いたしたいと思います。
#19
○成瀬幡治君 それからもう一つ、ぼくはこれから、税調の答申にもありましたように、いままでの税のあり方というものが、産業基盤なり企業を大事にし、そして輸出をひとつ振興していこうじゃないかという、そういうための税制であったんだと、それが今度はそうじゃないですよと、公害だとか社会福祉だとかそちらのほうにウエートを置く、そういうことで考えたらどうだというのが税調の意見であり、円も再切り上げというようなこともいわれておる、そういうときですから、いろいろ考えたときに、いままでの租税特別措置法のあり方というものは変わってこなくちゃならぬと思うのです。あるいは住宅にうんと力を注ごうじゃないか。住宅はどうなっておるかというと、二万円の優遇措置ということになっていますね、三年間。これ、二万円という基礎計算はどういうところからはじき出された数字なんですか。
#20
○政府委員(高木文雄君) 二万円という額を御説明いたします前に、いままで住宅対策としては、政府全体といたしまして公営住宅であるとか公団住宅であるとかを補助もしくは出資、融資等を通じて家を建てることをやってまいりました。それから住宅金融公庫等の融資等を通じてやってきたわけでございますが、個人が家を建てることについての施策、持ち家奨励策というものは、住宅金融公庫の融資以外にはなかったわけでございます。だんだん住宅対策に、重点がそっちのほうに移るからということで、今回税額控除の制度を、所得税法上、所得税の上で、住宅、持ち家取得控除制度を置くことにきめたわけでございますが、私どもといたしましては、戦後二十年の聞こういう制度を設けてはどうかということは、かなり長い間の懸案であったわけでございます。しかし税額控除というのは、やはり相当、所得税のように非常に大量の処分であり、まず第一に大量の納税者から申告していただかなければならない仕事につきまして、いろいろ簡素化ということを非常に重視して考えるべき所得税の場合に、そういう例外規定を置くことについては、いわば一面弊害が考えられるわけでありまして、今日まで置かなかったわけでございます。しかし、こういうような事情、最近のような事情をいろいろ考えまして、この際踏み切ったわけでございますが、その場合どの程度の優遇策にすべきかということを考えたわけでございますが、二万円と申しますのは、実はこれは税額で二万円でございます。したがって、これは所得控除に換算してみますと、税率が、上積み税率どの辺のところで考えるかということによって違いますけれども、一番低い一〇%の税率で考えますと、所得控除で二十万円に当たります、つまり所得で二十万円控除したのに一〇%をかければ二万円になりますから、二十万円の所得控除と同じ意味を持つことになります。現在、所得税法上、基礎控除が二十万円になっております。それから配偶者控除も二十万円になっております。この所得控除なり、配偶者控除なりという制度は、所得税法の一番基本的な控除制度でございます。で、決して基礎控除、配偶者控除二十万円を高いとは思っておりません。将来もっと改善すべきだと思いますが、その一番基礎的なものである基礎控除なり配偶者控除というものが二十万円であるということを考えますならば、政策上の措置である住宅取得控除についての控除幅というものが、やはりそれをこえて大きいというのもいかがなものであろうかということをひとつ頭に置きまして、そこでそれと、いわば合わせるというのが一つの考え方でございます。
  〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕
それから現在もう一つ、住宅貯蓄についての税額控除という制度がございます。これは将来住宅を建てるということで貯蓄をした、つまり頭金を一生懸命積んでおるという貯蓄につきまして、その利子について税額控除の制度が数年前から税法上ございます。失礼しました。利子でなくて、貯蓄額の四%を限度としてその制度がございますが、このほうも貯蓄額の四%または二万円ということで、二万円になっておりますので、それと合わせる趣旨もあったわけでございます。いまの二万円の計算基礎というのはそういうことでございます。
 もう一つ二万円が少ないかという点から見ますれば、これを三年間にしないで、もっと延ばしたらどうかという議論もあったわけではございますが、これまたサラリーマンの方が家を建てて、その場合にはほとんど全部の方が借金をして家を建てる、借金をして家を建てた場合に、その利子返済、資金の負担が非常に重いということが問題になっておるわけでありますが、まあこれは非常に達観的なものでありますけれども、関係者の話によりますというと、家を建てて最初の三年間ぐらいが元本額も大きいという関係もありますし、それから最近の状況では、年々ベースアップ等で所得額がふえてくるという関係もありまして、家を建ててから最初の数年間の負担が非常に重いのだということがありました。それは長ければ長いほどいいでありましょうけれども、まあよくいわれるのは、三年間ぐらいが非常に重いのだということがありまして、そこで三年ということにしたわけでございます。二万円の三年間ということにしたといえば、そのようなところでございます。
#21
○成瀬幡治君 あとはぼくの意見なんですが、百二十平米ですか、適用されるのは。これがひとつ頭打ちになっていますね。それから、おっしゃるように、所得等と、いろいろな基礎控除その他いろいろなものの関係から二万円とおっしゃるのだが、ぼくはこういうようなときに需要を喚起すると申しますか、いろいろなときに、住宅を一つの政策の重点に据えたとするなら、まあ建設業界のほうにいろいろなことをやるというよりも、やはりそのうちをつくる人のほうにウエートを置いた優遇措置というものが非常に大切だと思うのです。税の公平――いろいろなところから見て、大きなうちじゃないのです。床面積が百二十平米以下というわけですから。そういうことに制限をして、いま少し重点政策を重点的にやりますよと、公害、住宅、老人、そういうような問題に一生懸命やりますよというなら、それにしちゃ少しお粗末過ぎるのじゃないか、額からいってみても、あなたのほうが計算しておる額からはじき出したものから見ても、非常に少な過ぎるのですが、まあしかしこれも一度きめちゃったのだと、おれたちのほうとしては修正の用意がございませんよと言われればそれまでの話ですが、もう一度私は住宅政策といった、日本の今度のこのいまの金融がゆるんで、そういう基調の中で、何をしたら、どうやっていくのだというような、大きな一つ政策の中から、一度この住宅の優遇の問題について検討してもらいたい。これは時間がございませんから、要望にとどめます。
 それから中小企業の方が見えましたから、一言だけお尋ねしておきますが、今度の中小企業の優遇対策としての特別償却の制度で、中小企業が取得する一定価額以上の機械及び装置で、しかもその他業種は「政令で定める」とありますが、これの中身について御説明が願えれば非常にいいと思います。
#22
○説明員(西田彰君) ただいま先生の御指摘の制度は、これまで中小企業の合理化を進めるという見地から、特定の指定機械につきまして特別償却制度を実施してまいったわけでございます。これは機械を指定してやるという、選ばれた機械、選ばれた企業に対する税制の引き下げがございましたが、このたびこれを改めまして、中小企業全般の機械に広くこの特別償却制度を及ぼそうという趣旨でございまして、政令指定にあたりましては、製造業はすべてこれを包含して、あと建設業、その他必要な業種になるべく広く適用するという形に考えております。
#23
○成瀬幡治君 時間がないから、私もあまりこまかくは――通産等でおやりになると思いますが、一定価額というと、それは機械によって、いろいろとありますから――ということか、そうじゃなくて、全く一千万なら一千万、五百万なら五百万、こういうふうにすべての機械でそういうふうにしかれるのかどうか。
 それからその次ですね、製造業と建設業と、「その他政令で定める」というその他の業種とは何なのか。それは政令で何を予定しておられるのか、そこを聞きたい。
#24
○政府委員(高木文雄君) いまの機械の価額は五十万円と考えております。これは一個といいますか、一つといいますか、五十万円と考えております。
 それから、政令で定める事業は、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、卸売り業、道路運送業、港湾運送業、倉庫業、ガス業、そこまで政令で定めまして、なおその他大蔵省令で定める事業ということを政令で定めておくつもりでございます。で、大体の考えといたしましては、料理飲食であるとか、いわば特殊なレジャー産業であるとか、そういうものを除きまして、普通の中小企業全般に及ぼすつもりでございます。
#25
○成瀬幡治君 これで最後ですが、大づかみに言って、機械と装置になっていますですね。ですから、中小企業の方たちがその仕事で――この業種もいま聞きましたが、非常に広いですね。ですから、そういう人たちが何かの仕事をするためにいろんなことをやったものに対しては大体この制度が適用されると理解していいですか。
#26
○政府委員(高木文雄君) 業種にまあよると思いますが、いわゆる小売り業その他の場合にはあまり機械、装置というものは使わないことになると思いますが、そこにあがっております業種等であれば、五十万円という機械であればかなり広範囲に適用になるんではないかと、で、むしろ私どもとしてはよほどこの零細、こまかいものは除くという趣旨で五十万円というところを切っておるわけでありまして、広範囲に及ぼしたいという趣旨でございます。
#27
○横川正市君 最初に建設省の係の方にお尋ねをいたしますが、住宅建設の年次計画に基づいて、大体、この需要と供給の関係ですね、ことしの計画にはどの程度の充足率を見込んで住宅建設が行なわれますか。それは公営、民営と合わせて戸数と、それからそれを区別して……。
#28
○説明員(京須実君) お答え申し上げます。
 第二期の住宅建設五カ年計画、四十六年から発足しておりますが、その中で、公的資金による住宅が三百八十万、それから民間自力による住宅が五百七十万、合計九百五十万戸の住宅の建設を予定しております。
 その内訳としまして、各年度別の戸数はどうなっておるかという点がまず第一点でございますが、年度別につきましては、当初から各年度ごとに五カ年分きまっておるわけではございませんので、公的につきましては、毎年度の予算においてきまります。それから民間につきましては、まあ毎年度の政府経済見通し、そういうものに従いまして一応の予定がきまるわけでございます。そういたしまして、昭和四十六年度の建設戸数でございますが、これでは補正も含めまして公的資金によるものでは六十四万四千五百、民間自力によるものが百六万戸、合わせまして百七十万四千五百と、このような予定でございました。そういたしまして四十六年度の実績の見込みでございますが、公的住宅につきましては六十六万八千戸、それから民間自力につきましては百二万一千戸でございまして、合計いたしまして百六十八万九千戸でございます。
 この内訳で申しますと、結果的には民間自力につきましては三万九千戸ほどの落ち込みになる。まだ全部の計数出ませんが、そのような試算をいたしております。しかし、そのために特に公的につきましては、これを補う意味もありまして、財政投融資の追加とか、あるいは補正予算等をいただきまして、当初の予定よりも二万三千五百ふやしております。しかしながら、四十六年度の全体の計数からいいますと約一万五千五百戸の落ち込みといったような数字でございます。
 なお、四十七年度について申し上げますと、四十七年度はただいまの見通しといたしましては、民間は百八万戸、公的住宅につきましては六十八万五千戸を計画しておりますが、まだこの最終的な見通しについては、特に民間についてははっきりわかりません。
 以上でございます。
#29
○横川正市君 これは需要に対してどの程度の供給率になっているんですか、大体見込みでです。
#30
○説明員(京須実君) 四十七年度についての御質問と思いますが、需要と申しますのは、きわめて計算しづろうございまして、一応私たちがつくりました第二期の五カ年計画では、全体の需要を織り込みまして九百五十万戸が達成されますると、まあ一人一寝室と申しますか、国民に健康で文化的な住宅を一応充足できると、戸数的にまかなえるという数字でございまして、各年度別につきましての、どのような需要と申しますか、そういったような数値はとっておりません。
#31
○横川正市君 それは都市の場合と、それから都市以外の場合とでの需要あるいは供給率というものには、どうですか、バランスがとれているわけですか。
#32
○説明員(京須実君) 五カ年計画のさらに下位のプランといたしまして、各地域別に細目の戸数の企画がございます。十分大都市その近傍につきましては配慮いたしております。
#33
○横川正市君 たとえば家賃の状態を見ますと、坪当たりで、あるいは一平方メートル当たりですか、それの単価は、たとえば東京の場合とか、仙台の場合とか、札幌の場合とかいうように区分して単価をとっておりますか。
#34
○説明員(京須実君) 民間の住宅につきまして、家賃の問題が特にきわめてきびしく起こっておりますのは、主として大都市でございます。したがいまして、建設省といたしましてとっておりますのは東京、大阪等の大都市だけでございますが、やはり東京が一番高いといったような数値がいま出ております。
#35
○横川正市君 住宅政策を進める立場から、今度住宅取得控除制度が創設されたんですが、これはどの程度効果があると見ておりますか。
#36
○説明員(京須実君) このたびの特別措置法のいわゆる持ち家取得控除制度でございますが、三年間最高限二万円の減税でございまして、これによりましても相当数の民間住宅の戸数増と申しますか、そういったものが期待できるかと思うのでございますが、遺憾ながらはたして何戸できるかということについては、私どももはっきりお答えしかねる点がございます。しかしながら、戸数は別にいたしますと、これは一つの計算例でございますが、二万円減税になりますと、たとえば大部分の方が最近住宅ローンを使っておるのでございますが、この住宅ローンは、最近の銀行協会の発表等見ますと、平均いたしまして年九分六厘で十五年償還といったものが普通でございますが、この二万円の減税分、たとえ三年でございましても、四年目ごろには相当所得も上がっていると考えまして、この分だけよけいにローンを借りようということを考えてみますと、約十五万五千円だけよけいにローンが借りられるといったようなことが計算されます。そういたしますと、われわれの試算でございますが一坪よけいに買える。たとえば四畳半の部屋なら六畳が買えるといったようなことで、そのために、はたして戸数が幾ら伸びるかということは遺憾ながら申し上げかねますが、それによりましてやはり住宅の規模増といったものに非常に効果がございますし、また別な意味で申しますとその分、たとえば十五万五千円だけよけいに住宅投資が行なわれる。まあ住宅が一坪よけいにとは申しませんが、かりに四分の一といたしましても約三百十億の投資がふえるといったような意味で、何といいますか、景気対策上からも非常に効果がございますし、それから規模増といった面でも効果があるかと思っております。
#37
○横川正市君 所得の階層別にいたしまして、私は住宅に投入する所得の割合というのは、これは必ずしも公平ではないではないか。たとえば所得の少ない人が高い家賃を払い、部屋代を払い、ある程度の所得の人が、言ってみれば安い住居費で済んでいる、そういう傾向が出ているんじゃないかと思いますが、その点はあなたのほうではどうお考えですか。
#38
○説明員(京須実君) 数字的にはただいまはっきり持っておりませんが、御質問のように、賃貸につきましては所得の高い方が高い住宅費を払っている、安い方が少ないというぐあいに、特に民間の場合には必ずしもいっておりません。むしろ賃貸住宅の賃料等見てみますと、むしろ入る入居時期の差によりまして、前から入っている方は安い住宅に入っておるが、新しい方が高い、つまりあとになりますほど高くなる、あるいは家を取りかえるほど上がっていくといったような傾向もございまして、少しアンバランスがございます。
#39
○横川正市君 これは大蔵省のほうでは、この住宅取得控除の創設によって、持ち家の意欲といいますか、そういったものにどの程度の刺激があるとお考えになってこの税が新設されたのですか。
#40
○政府委員(高木文雄君) ただいま建設省のほうから御答弁がございましたように、この二万円の税額控除によりまして、たとえば何戸家がよけい建てられるだろうかとか、どの程度に持ち家の住宅建設が進むだろうかという意味での効果は、率直に申し上げてあまり多くを期待できないことと思います。ただ、むしろ問題は、戦後焼け野原から復興してまいります過程におきまして、住宅対策にはかなりいろいろと財政金融上いろいろな対策がとられ、税制上もとられてきたわけでございますが、その中で持ち家対策だけがいわばエアポケットのようにほとんど対策がとられていなかった。先ほども申しましたように、住宅金融公庫からの低利融資というものはございましたけれども、それ以外にはないわけでございます。民間住宅につきましても、持ち家でなしに、会社が建てて職員のために社宅を供与する、あるいは民間のいわば業としてアパートを経営する方が家を建てるという場合には、新築貸し家住宅の償却制度というような制度が税法上もあります。
  〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕
しかし、持ち家そのものについては、一定の規模以下の持ち家についての住宅金融公庫の融資があっただけでございまして、その意味で一種の政策上空白のようになっておりましたので、その意味でだんだん持ち家対策に重点を移していくという政策に切りかえるのについてのいわば姿勢といいますか、そういう意味は私ども大いにあると思っておりますが、それによって具体的に何戸どういうふうにふえるであろうかというふうな形での効果というものを、直接は計算上あるいはまた実際上もそう強く期待することはできないのではないかと思っております。
#41
○横川正市君 建設省の方にお聞きしますが、大体都市における住宅資金がローンの依存度がだんだん高くなっていますね。その場合の公庫の金利、月大体何%ですか。それからあと市中銀行は月〇・八二%ですか、下がって。その金利の面からいきますと、同じ住宅資金の場合であってもだいぶ違いますね。それはどの程度違いますか、それぞれの金融機関。
#42
○説明員(京須実君) 金利で申しますと、公庫の個人住宅融資は五分五厘でございます。ただし、これは通常三十五年でございますから期間も長うございます。それに比べまして民間でございますと、平均いたしまして十五年で九分六厘と相当高うございますが、しかしこれでも民間は最近だいぶ下がっているようでございます。しかし大ざっぱに申しますと、毎月の割賦にいたしまして、公庫資金を借りた場合には約半分で済むということで、また期間が長うございます。そういうことでございます。
#43
○横川正市君 一律こういうかっこうでの税の特例が設けられるということと、それから実際上住宅に一応認められた二十坪なら二十坪という坪数に対しての個人のいわば支払いの額といいますか、相当上下があるように思うのですよ。もちろん公庫の金というのは限られておりますから、これを使って住宅を建てる人というのは非常にまあ希少価値があることになるわけですが、あとは民間の、市中銀行を通じて相当高い金利を払いながら持ち家をしなければいけない。言って見れば個人差が非常に激しいわけですね。そういう個人差が激しいものがあっても、一律同等の税の控除額ということでいくわけなんですけれども、そういう税上のことからいって、幾らかこれは不公平が出てくるのではないかと思いますけれども、どうですか。
#44
○政府委員(高木文雄君) その点、今回税額控除制度をつくりますときに、相当そうなってはいかぬという意味で考えたつもりなんでございますが、まあ、先ほど成瀬委員から御指摘がありましたように、二万円という額は非常にある意味では少ないのではないかという御指摘があったわけでございますが、どうしても税でやります場合には、税を納め得る能力のある方にしか働いていかないわけでございます。つまり、所得のある方だけしかやりようがないわけでございます。したがいまして、税で大幅な措置をとろうとすると、所得の比較的大きい方にメリットが大きくくるということになりますから、そこで、非常にけちであると言われますが、その額が非常に少ないことになったわけでございます。先ほど御説明いたしましたように、ある意味では二万円というのは少ないかもしれませんが、ある意味では、いまの基礎控除額二十万円とある程度合うという額でございますので、その程度であれば、著しく負担の公平を害するということにならない、ぎりぎりぐらいのところではないかということで、その辺で切ったと。先ほど来御指摘のように、もっと民間住宅をどんどん建てることを奨励するという意味で、誘因的効果を強く見るのであれば、もう少し何か大きいメリットがあるような制度にすべきではないかと思われますけれども、ただいま御指摘のような、公平のほうからいきますとそうもいかないということで、最初でもありますし、いまの程度にしたわけでございます。私どもも、いまの程度であれば、さほどいまの不公平感ということにつながることにはならないのではないかと考えております。
#45
○横川正市君 建設省の方に……。
 大体、私どもは住宅を、おおよそ頭の中に入れているのは新聞広告なんですね。もちろん、これは首都圏の中の交通その他によって地価が違いますから、単価もおのずと違いますけれども、しかし、建蔽率からいきますと、どうしてこんな小さな坪数の中にこれだけのうちが建てられるだろうかというふうなくふうをされた家であっても、いまは六百万から八百万ちょっと、多いのは一千万円以上という、そういう供給住宅が建てられているわけですね。もちろん、これは売れるわけですからね、購入能力というものはまた別途あるのだろうかと思うのですけれども、大体どの程度に見ているわけですか。いまの住宅の二十坪という一つの単位にして、土地、地価、それから建設費合わせて、平均化としてはどの程度に見ておりますか。
#46
○説明員(京須実君) 地価の関係がございますので、一律に申し上げるのは非常にむずかしいわけでございますが、建物で申しますと、やはり二十坪の、建物だけでございますと四百万円以上、四百万から五百万。土地も入れまして八百万くらいのところが標準かと思います。
#47
○横川正市君 大蔵省の局長さんに……。
 いまの個人の能力で、少なくとも都市において持ち家を希望する人のいわば支払い能力といいますか、それはふところぐあいというのはどの程度に見ているわけですか。たとえば、個人の頭金としての金はどの程度で、それから借り入れ金でどの程度にまかなっているというふうに判断しておりますか。
#48
○政府委員(高木文雄君) この制度をつくりますときに、私どもが頭に置きました考え方は、一般的に、現在建てられる方はどういう方が多いか、ということを、建設省から資料をいただいたりして立てたわけでございますが、それによりますと、土地を一応別にしまして、大体建設費の三分の一を頭金、これはいわばへそ繰り、あるいは日ごろの貯蓄等で建てられる方もありましょうし、親戚縁者から借りてこられる方もありましょうが、そういう意味の頭金、三分の二ぐらいを新しくローンで借りてくるというのが平均的な姿のようでございます。それから借り入れ能力の点につきましては、大体年収の倍というのが常識的なところのようでございます。でございますから、かりに、年収百五十万ということでありますと、借りられるのは三百万前後と。そうすると、頭金等入れますと、四百五十万から五百万くらいのものというところが平均的な現状の姿のようでございます。その辺のところを頭に置いて、いろいろのことを考えます場合に計算をさしていただいたわけでございます。
#49
○横川正市君 ちょっと、やはり何といいますか、いまの都市の住宅価額の平均的なところから見ると、やや適当でない価額の設定になっている。もちろん、私はこういう所得控除が、持ち家需要に対して著しい効果があるとあまり判断をしないわけで、やみ夜に一円拾ったということならばこれは拾った気持ちはしないけれども、五円玉ならば五円拾ったという程度の効果ぐらいしかないんじゃないかというふうに思うわけなんで、本来的には、これは建設省の住宅政策は、こんな程度の税制で左右されない。困難な住宅事情をもっとやはり政策的に解決すべきだというふうに思いますけれども、それにしても、いまの基本になっております支出の面から見て、これはどうかと、やはり低いんじゃないかと。
 それからもう一つは、年限なんですがね、三年、二年という、そういう決定のしかたなんですが、支払いが、十五年が大体基準であれば、十五年間を適用するという考え方には立たないわけでしょうか。それで、二万円というものを、もう少し、持ち家政策を加味した場合に、もちろん、配偶者控除その他基礎控除とほぼ同額ということでは、いささか困難ではないかと判断するのが常識じゃないかと思うんですけれども、その点はどうでしょうか。もちろん収入は、パーセンテージにいたしますと、いままでは十何%かずつ上がっていっていますね、年の所得というのが。ですから、支払い能力は必ずしも減退するのじゃなくて、先に借りた者が支払い能力はだんだん楽になるという傾向はありますけれども、しかし、年次的に家族が核化していって、住宅の持ち家を希望する人の数というのは、いわば核化されて増大するのであって、必ずしも古い借金を十五年で払うというかっこうで、永続的に固定化するものじゃないわけですね、その持ち家を希望する人の数というものは。だから、そういう点から言えば、所得がふえるということにあまり依存度を置かないで、長期にわたって、十五年とか、三十五年とかという長期にわたって返済をするという、そういうたてまえに立っての控除額を考えるべきじゃないか。ですから、三年とか、二年というのはいかにも短いし、額にしても少し不足なんじゃないかと私は思うんですけれども、それが、基礎的に、支出する額とにらみ合わせてみても、基礎的な数字がやや低過ぎるんではないかというふうに思いますが、その点はどうですか。
#50
○政府委員(高木文雄君) お答えになるかどうかわかりませんが、私どもこの制度を考えますときの気持ちを申し上げますと、住宅政策に多少とも税のほうでもお手伝いをいたしたい。特に、住宅政策と、もう一つは景気浮揚策ということもあって、お手伝いしたい、こういう気持ちが片方にあり、片方において税の公平という、それとの調和点をどこに見つけるのかという点なんでございますが、特に、後者の点で一番問題がありますのは、家を建てられる方についてだけこのメリットが及ぶわけでございまして、もう一つ、ことばは悪いんですが、その下に家を建てられない所得階層、あるいは所得の大きさに関係なく、家を現在建てることができない階層というものがある。それとの関連で、かねがね各方面から短い御要望がありますのは、税制上異常家賃についての控除制度を考えてはどうかという問題がございます。しかし、家賃は住居費の中心をなすものでございまして、食糧費、衣料費、住居費というのは生活で一番基本的なものでございますので、これこそ基礎控除、配偶者控除、扶養控除等で見るべきものでございますので、別途その基礎控除、扶養控除等の控除のほかに、家賃控除等の制度を設けるということになりますと、きわめて税制として複雑になるということで、従来から私どもは否定的になっておるわけでございます。そういう考え方が片方にありますものでございますから、それとの関連上、家を建てられる方について、どの程度のメリットでやるべきかということについては、どうしてもいわば憶病といいますか、ある程度制限的にならざるを得ないという気持ちが働いているわけでございます。それが一点。
 もう一点、ただいま御指摘のように、せっかくやるならば、どうしても一年の額がふやせないならば、年限を延ばしたらどうかという点でございますが、この点につきましても、やはり実際の納税の手続きとの関連を考えてみますと、確かにある方が家を建てたという何か証明がないと税額控除ができにくいわけでございます。この制度は今回も大部分の方はサラリーマンの方が多いと思いますが、この仕事を源泉徴収義務者にやっていただくのはぐあいが悪いと思われますので、税務署のほうでいたす。別の例をとりますと、年末調整でなしに、確定申告でやるということにしております。その際に、ある程度の簡素なもので考えておりますが、ある程度の家を建てたという証明を出していただくことになっております。その証明に基づいてこの税額控除を認めることにしておるわけでございますが、まあ二年なり三年なりでありますれば、税務署のほうにも昨年なり一昨年なりの申告書が残っております。そうしますと、毎年毎年証明書を持ってきていただかなくてもよろしいわけでございますけれども、これが長期になりますと、いつまでも証明手段という問題が残ってまいりますものですから、私どもとしてはある程度の期間内で処理をしたいと、それがたまたま先ほど成瀬委員の御質問にお答えいたしましたように、民間の金融機関、こういう関係の方の御意見を聞いてみますと、非常に負担が重いと言っておられるのは、金を借りて家を建てた当初のときである、そのうちに給与ベースも上がってくるからということで、だんだん負担感がなくなってくるというお話も聞きましたものですから、それもにらみ合わせて三年ということにしたわけでございます。何ぶんにも今回初めてスタートしたことでございますので、なお今後そういう点は推移を見てみないとわからないと思いますが、御質問にお答えしたことになるかどうかわかりませんが、いまの二点だけ何らかの理解をしていただく上の材料として申し上げておきたいと思います。
#51
○横川正市君 まあ言っていることはわからないわけじゃないですが、せっかく新設された制度ですから、確かに落ちこぼれの出てくる点が不公平だと、こう指摘される点があるでしょうが、それはやはり住宅政策で救済をするということで、非常に無理をして持ち家された場合の処置としては、やっぱり創設された処置に従って、なるほどこれは大きな助けになるわという程度のものになっていくのが新しい政策なんじゃないかなというふうに私は思うわけなんですが、そういう点では、いま大体土地その他入れて八百万というふうな額を三分の一、三分の二と分けて、頭金とローンで支出している。それに対して実際上大蔵省で検討した場合には、大体五百万程度と、三百万の開きが基礎的に出てきているじゃないか。それからローンの支払いも当然最低で十五年、最高三十五年などというような長期にわたって支払われているわけですから、かりに年次的に支払いの能力が逐次増大して楽になっていくとする面もあるかもわからないけれども、あわせて核化していくわけですから、新しい住宅希望者が出てくるので、そういう意味では、ある程度年限をパーセンテージの面からも分けて考えていく必要があるのじゃないか、こういうふうに思うわけなんで、その点はひとつ検討を将来もしていただくようにお願いをいたしたいと思います。
 もう一つは、贈与税と、これとの関係はどういうふうな関連になっているでしょうか。たとえばむすこが三人いる、一軒のうちでおやじ夫婦とともに四世帯なんていうものは都市にはないわけですね。むすこが嫁をもらって一軒家を持つという場合、住宅を建設する能力がない、そのために四畳半に台所のついたようなところへ入り込む、つまり一人何坪というような供給度合いが政策的に生まれてこない、そういたしますと、勢い親は無理をしてでもむすこのために、娘のための住宅供給、住宅に対して関心を持たざるを得ない。そうなってまいりますとこれは贈与の問題が出てくる、それとこの税制の関連はどうお考えになったでしょう。
#52
○政府委員(高木文雄君) その問題は実は解決がついてないわけでございます。今回の制度では、自分で家を建てて、そして自分が住むということを前提としておるわけでございます。そこでいま御指摘のように、親戚縁者のために家を建てて、子供さんなら子供さんを住まわすという場合についてどう考えるかという問題が残っておりますが、今回はちょっとそこまでどういうふうに仕組むべきか、贈与税との関係をどう仕組むかなかなかむずかしい問題がございまして、申しわけございませんがそこまでは処置がついてないということでございます。
#53
○横川正市君 これは建設省の住宅建設の政策上のこともあわせて、それから大蔵省は税制上の点で将来ひとつ検討していただくようにお願いをいたしたいと思います。
 次の問題ですが、公害防止準備金の創設の問題なんですが、公害防止準備金の創設は、企業側では一体どういう要望を持っておったとお考えになっておるでしょうか。
#54
○政府委員(高木文雄君) 公害問題は、ここ数年の問題として非常に大きな問題になってまいりました。税制の上におきましても、一昨年の秋よく公害国会と言われましたころに、もろもろの法制が整備をされました。税制の上におきましても、その前後に大部分整備をされたわけでございます。それでほとんどまあいろいろ整備すべきことは整備されておったのでございますが、今回取り上げました公害防止準備金の制度というものだけが、いわば一点残っておった問題だということができると思います。それはどういうことかと申しますと、公害防止のために新しく機械を入れる、その入れた機械については特別償却の制度がございますから、所得があるときにたくさん償却できるということで、企業が機械を整備しやすいような制度がすでにできており、それからいろいろその地域全体で公害防止のためのいろいろな設備をする、それのために企業が出さなければならないという負担金については損金については損金にするという制度もすでにできております。ただ、一点残っておりましたのは、今度は公害防止のための機械そのものを運転をして、毎年汚水だとかあるいは煙を出さないようにその機械を運転していくわけで、その追加費用がかかるわけでございますが、それは当然毎年のコストになり、ものの価格に織り込まれているわけでございますけれども、一方においていろいろな経済事情によりまして、売り上げに変動があり、所得に変動があるということのために、その公害追加費用が、経常的費用が、それが非常に企業の経理面に圧迫になる場合がありますので、その面だけが残された問題としてかねがね問題になっておったわけでありまして、その年による売り上げ、あるいは所得の変動に伴うところの公害費用の経理面への圧迫を多少とも何らかの措置で軽くするというのが、今度の公害準備金制度をつくりました理由でございます。
#55
○横川正市君 企業側は、この創設に対して何らかの意思表示はしなかったのですか。たとえばいま局長の言われるように、所得の変動が大きく、公害防止の費用の支出が相当多額にのぼる鉄鋼、セメントなどの場合とか、それから公害を非常に多く発生する電力とか石油精製関係とか、そういうような企業の企業体質の差が非常に大きい場合は、企業で一体この公害防止についてのそれぞれの支出について意思表示というものがあったのじゃないかと思うのですが、それをお聞きになっておらないのですか。
#56
○政府委員(高木文雄君) 意思表示というのは、私どもに通産省を通じてありました話では、鉄鋼のように、非常に輸出依存度の多い企業の場合に、価格が動きますから、そこで所得変動がある程度大きい。で、その場合に、決算期決算期ごとにこの所得変動が大きいものですから、いわばその落ち込みの時期に、公害防止のための経費の増分が負担になる。そういう意味で、このような制度の創設を非常に強く求めているということを通産省を通じて聞いておりました。で、私どもそれを受けてこの制度を設けたわけでございます。
#57
○横川正市君 他にだいぶ質問たくさんあるのですが、割り当ての時間がきわめて短いですからきょうはこの程度にいたします。
#58
○委員長(前田佳都男君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#59
○委員長(前田佳都男君) 速記を起こして。
#60
○政府委員(高木文雄君) ただいまの答弁、ちょっと不正確な点がありますから補足をしておきますが、実は企業側からもう一つ公害防止施設を整備したときに、その施設を整備した投資について税額控除を認めてほしい、投資税額控除を認めてほしいという強い要求がございました。ただし投資税額控除という制度は、最近アメリカで始めたわけでございますが、わが国の場合には特別償却制度が非常に進んでおりますので、税額控除と特別償却制度をダブらすということは、二重引きになりますからそれは認めるわけにいかない。もし税額控除を認める場合は、特別償却は働かなくなる。それを十分御承知の上で、税額控除の御要請があるのであろうかという議論をしたことがございますが、そういう議論の過程を通じて、税額控除はわれわれとしてもあまり望ましい制度だとは考えませんが、そういう議論を繰り返すうちに、税額控除のほうはいわば断念するというか、そういうことになった経過があるということを申し上げておきます。
#61
○成瀬幡治君 局長、租税特別措置法というワクを少しこえますが、これからずっと見通しを見て、相当長期にわたって、ぼくは、国債を相当数、大量というか多量に発行をしなければならないときが続いてくるだろうということが一つ考えられると思うのですよ。それであなたのほうも、財源は、所得税は伸びていくでしょう、しかし、法人税その他いろいろのものが減ってくるじゃないかというようなことで、財源というものについて、ある程度税というものは、増税というのですか、税収というのですか、そういうものを確保しなければならないという立場で、何か全体としていろいろなことを主税局長として構想を持っておいでになりますか。
#62
○政府委員(高木文雄君) いろいろに問題がございますが、一番長期的には、福祉国家へだんだん移っていくという場合に、その財源といいますか所要資金をどこに求めるかという問題があると思います。
 で、その求め方としては、まずその福祉国家への転換をしていく場合に、テンポが、どのくらいのスピードでいくということになっていくのか、それがわかりませんので、それの見当がつきませんと、私どももなかなか見当がつきにくいわけでございますが、かりにその問題を別にしました場合に、次に所要資金というか、財源をどこに求めるかという問題が出てまいります。それは一種の受益者負担的なものといいますか、たとえば掛け金であるとか、雇い主負担という形になっていくのか、一般財源に求めることになるのか、その総合的なものに求めることになるのか、そしてその大きさがどのくらいかという問題が起こってこようかと思いますが、長期的な見通しとしては、やはりどうしても財政負担を求めることになるのではないかというふうに考えております。そうしました場合には、社会資本の充実という場合と違いまして、社会福祉負担の場合には、これは何か生産的な支出と違いますから、公債でもって処理をして、後年度の子孫に負担をしてもらうという性質のものではない。たとえば年金とか何とかになってきますと、あまりうしろに負担をさすというわけにいかないと思いますから、その年々の負担で少なくとも処理をしていかなければならないということになりますれば、やはり税にいろいろなものを求める傾向になっていくだろうという一つの問題がございます。
 それからもう一つは、四十七年度予算は、建設国債を多額に発行する前提になっておりますが、赤字国債は発行しないということになっておりますけれども、こういう景気情勢でもございますし、それからここ数年経験いたしましたような高度の経済成長ということは、これからちょっと予定されないと思いますから、したがって、最近数年のような、いわば大きい自然増収ということはあまり考えられないのではないかと思われますので、そういう意味で、赤字公債は発行しないという前提でものを考えるということでありますならば、相当やはり税が――負担になりましょうけれども、税にいろいろ財源を求められるということになろうかと思っております。
 そこで、やはり、しばしば御説明いたしておりますように、国民所得に対する税負担の割合から見まする限り、諸外国に比べて、比較的というか、かなり低いわけでもございますし、それを前提にして税制調査会等でも、急激な変化はいけないけれども、なだらかな国民の負担率の上昇は、これはもとより税だけではなくて、社会保険負担等も含めての話でございますけれども、なだらかな負担の上昇はやむを得ないのではないかというのが、税制調査会の考え方でもございますが、私どもも方向としては、そういう方向ではないかと思うわけでございます。そういう前提に立ちました場合に、さて具体的にどういうところに税源といいますか、そういうものを求めるべきかということになりますと、一般論としては、まあかりに御理解いただけるとしましても、具体論としてどこに税源を求めるべきかということになりますと、なかなかまあいろいろ関係者としては、負担を強く求められるところは当然反対ということになってまいりますから、なかなかむずかしいわけでございますが、やはりそれにいたしましても、長期の方向がそういうことであるとすれば、いろいろと、いわば負担可能な分野というものを求めていかなきゃならぬというふうに考えておるわけでございます。ただ、いま具体的にそれじゃどこにそういう負担能力ありという、求めたらいいかというふうに考えますと、なかなかむずかしいわけでありますし、さりとて付加価値税のような非常に抜本的といいますか、あまりにも日本の風土にまだなれておりませんものを、一挙に短期間の間に持ち込むということは、私ども現実、現場で仕事をする者からいいますと、なかなかむずかしいと考えておりますので、もう少し実現可能なものとしてどのへんのところに求めていくべきか、これはまあたとえば交際費の重課とか、広告税の課税というような面も、確かにそういう面では一つの検討に価する問題だとは考えておりますが、それ一つ一つとりましても、なかなかむずかしい問題なので、それでおわかりいただけますように、具体的にどこに求めるかということになると、たとえうんと将来のことでなくて、来年の問題にしてもかなりむずかしい問題だと思っております。
#63
○成瀬幡治君 まあ非常にぼくら増税という問題を議論するのはいやなんですよ。ということは、四次防があるのです、次に出てくる五次防という、そちらのほうへいろんなことをやっていかれるというのは非常にいやなんです。しかし、福祉政策と申しますか、社会資本を充実していくということになれば、どこに財源を求めるかというと、それは国債というのも一つの行き方なんですけれども、やはり税に財源を求めざるを得ないだろうというのが常識論としてわかるわけです。そのときに何をそれじゃあやっていくかと言えば、まああなたのほうは、昭和五十年だとか、いろいろな年次を切って、一つの計画的なもの、いろいろなものがあると思うのです。たとえば分離課税の問題一つとってみても、あるいは株式譲渡の問題でも、一ぺん当たってみてはどうですか。長期間所有とか、売買五十回以上とか、いろいろの制約もありましょうが、税率が一万分の一五ですか、しかもこれは二十八年以降据え置かれている。こういう問題も一つある。こういう租税特別措置法なり優遇で少しやっていって、本来ならもうこれはとっていいものを、当時の輸出振興なり、あるいは産業基盤を育成するために優遇をしてきたものがあると思うのですよ、いわゆる減税をしてきたものが。そういうものは、あるいは証券買いを云々されなければならないというような立場でやってきたものについてははずしていく、まずはずしていくという姿勢をとる。それから、たとえばいま言う公害という問題が出てきておる、あるいは道路財源等であるとするなら、自動車などについてはもう一ぺん考えてみるとか、いろんなことをおやりになってから新しいものをやる、あるいはギャンブル税等を考えてみる必要があると思いますよ。いろんなことをやって、それは新しい税をつくるというのはなかなか容易なことではないということは私らもわかりますが、とにかく税が公平になるような立場から、それに政策目標というものを明確にして考えてみられる、そういうことが必要じゃないか。そういう意味で、いわゆる私たちは、分離課税を問題にし、交際費を問題にし、寄付金を問題にし、広告費を問題にし、株式の譲渡税の問題について問題にし、あるいはギャンブル税というものもそういう意味で問題にしているというふうにひとつ理解を願って、あまりいままでの税調の答申、こんなことがあったということで、二、三年前のものと、きょう置かれておる時点とは違っておるのですよ。もう円の再切り上げも必至だという時期にきておるときに、いろいろな意味でひとつ税というものを考え直していく必要があるのではないかと思うのですが、どうですか。
#64
○政府委員(高木文雄君) まあ私どもも全体の財政の長期的な姿というものがあまりはっきりしておりませんので、税というのはでき得ればあまり増税したくないというのが本来のことでございますので、しかしおっしゃるとおり、財政需要、必要やむを得ざる財政需要というものがあるということであれば、納税者の納得のいただけるものであれば何らかのことを考えなければならぬ。その場合に、いま御指摘のように、あまり急激な変化というものはいけないとしても、非常に、何といいますか、なかなかある一つの税目で急激に大きな税額を、税収を期待するというようなことは現実には無理でもありましょうし、また必ずしも望ましくないのではないかと思っております。そうなりますと、おっしゃいますように、いわばこまごましたもの、いろいろとあれこれ考えるということになるというのが現実のことではないかというふうに考えております。
#65
○成瀬幡治君 まあ私らも、増税を議論するということは非常にいやですよ。いやでしてね、反対しているのですが、税は低いほうがいいというのが常識です。しかし、その前に公平でなければならないのです。したがって、公平であるならば、しかもそれが軍事費等に回らずに、ほんとうに社会福祉に使われるということが明確になるなら、やはりそこにはコンセンサスが生まれてくると思うのです。しかし、四次防にいったり、五次防にいくから問題になっちゃう。
 そういう問題は別として、次に少しお尋ねしておきたいのは、これは通産省に関係があるかもしれませんけれども、何か原油を備蓄するのに対して、割り増し償却するのだと、こういうお話がありました。そして中身を聞いてみたら、現在四十五日分在庫がある。それを三カ年間で六十日分までやるのだ。それじゃどんな人が石油精製業者としてどうなんだというと三十二社ある。そして、しかも系列会社になるけれども、備蓄専門のは一つなんです。それに対して特別償却せねばならぬ、こういうことなんですが、これなんかはそれほど特別償却までして原油の備蓄施設というものをつくらなければほんとうにならぬものですか。
#66
○政府委員(高木文雄君) 通産省からお答え願うのが本来でございますが、私どもが承知しておりますところでは、日本だけでなくて、石油資源を持たない国での備蓄水準を調べてみますと、日本がたいへん少ないということでございます。たとえばイギリスは八十一日分持っておる、それから西独は五十九日分持っておる、その他各国の数字を平均しまして、OECD各国の石油備蓄水準の平均が七十一日分というふうになっております。それに比べて日本の場合はたしか四十五日分で非常に少ない。それで、この少ないということが非常に心配でもあるし、いろいろ価格交渉上不利でもあるという前提で、まあ少なくともよそ並みには持つようにしたいということから、とりあえず三年間で十五日分ふやしたいという前提に立っているわけであります。この前提について、どうしても十五日ふやさなければならないものなのか、あるいは日本のような国の場合に、備蓄量をふやす必要はないのかという点については、私どもは実はよくわからないのでありまして、しかしまあその点につきましては、通産省を中心として専門家の間で御検討の上で、また私どものほうといたしましても、主税局は必ずしも担当ではございませんので、他の部局等もそれに参画をいたしまして、十五日程度の備蓄量の増はとにかく、いずれにしても現行の四十五日間というのはいかにも少ないという認識に立っているようでございます。私どもが今回税制上の措置をとりましたのも、そういう前提でございます。私自身はその十五日どうしてもふやさなければならぬということについての理由、根拠づけ等についていまここで十分御説明するだけのものを持ち合わせておりません。
#67
○成瀬幡治君 その四十五日が少ない、六十日がいいんだという、それはたくさん備蓄してあればいいにきまっている、ない国ですから。だけれども、だから優遇措置を講じなければならないという、そういう三段論法がわからぬわけです。だから、税で優遇しなければならぬという論法が、みな税制に適用されたら、税は全部そういうことになってしまうと思うのですがね。もう少しぼくは慎重さというものがあっていいと思うのですよ、こういうものでやるときに。そうしないと、各省が通産省は通産省、農林省は農林省、建設省は建設省、みな一つか二つ特別措置でたくさん恩典をやったというと、どうも縄張りのほうでいうと、点数というか、一生懸命やっておらぬというのが見えてしまう。これを強行して、どんどん大蔵省にしわが寄って、バランス上あっちへ許す、こっちへ許すということになりはしないか。
#68
○政府委員(高木文雄君) ちょっと不勉強で申しわけありませんが、実はこれは税だけでこうしているということではなくて、まあいままでの重油の関税を財源といたしまして、石炭対策をとってきたわけでありますが、それを今度は石炭石油特会ということにして特別会計を改めました。これを財源として予算の面でもいろいろ石油対策をとることになっているわけでございます。それで私どもといたしましては、それとの関連もありまして、企業自身に備蓄量の増加を求めるということになるわけでございまして、その企業自身に備蓄量を求めるために、企業の設備をふやすという場合に、これが国家的な政策目的として備蓄量をふやすということが必要であれば、何らかの意味において一種の補助金を関係企業に渡すということは意味があるのではないか。何もかもとおっしゃいましたが、実は率直に申しますと、私どものほうに毎年各省各庁から御要求があります特別措置というのはたいへんな量でございまして、項目数にいたしますと非常に大きな量、数でございます。その中で、まあこれはやむを得ないかなということで、新しい制度をつくりまして御審議を願います量というのは、ほんのほんとうにごく一部のものでございます。で、この制度つきにましても、全体としてまあいわば国の政策として石油の備蓄をふやすことが非常に必要である、それは企業にまかせることが望ましいということであれば、企業に補助金を出す。企業に補助金を出す出し方が、企業が納める税を軽減することによって、それでその税の誘因効果をねらうというのは有意義であろうかと判断したわけでありまして、いまのお話のように、必ずしも私どもとしては御要求をそう何もかもというわけではなくて、ほんとうに、申し上げればびっくりするくらいたくさんの御要求がある中で、これは大事であろうかというものだけを認めたという感じのものでございます。
#69
○成瀬幡治君 ぼくも石油関係のことはあまり詳しくございません。しかし、石油業法で非常にまあ業者を、外国資本をはじき出すためにいろいろな努力がなされてきたわけですよ。保護政策というものがうんととられてきた。それの何か流れというものがここに出てきてしまったのではないかと思うのですよ。そういう疑いで私はものを見ているわけだ。もうあの当時、外国に石油資本が全部やられてしまっておるという時代の石油業法を必要としたああいう時点と、今日では少し客観的な情勢というものが変わってきているのじゃないかという認識があるから、そういう私の認識が誤っておるかもしれませんけれども、私はそういう立場に立って少しこの過去のいきさつからイージーに、それはいろいろなものがたくさん出てきた、それを削ってこれだけ残したのだと、こうおっしゃるかもしれぬけれども、そういう気持ちが非常にしてならないのです。ですから、どうしてもこれを租税特別措置法によって割り増し償却をしなければならないのだと、それは国の政策なんだから、国が命令をして、国でその業者にお願いをして、そうしてやっているのだから優遇措置をやるのだということでは、ちょっと納得しかねるのですがね。
#70
○政府委員(高木文雄君) 石油備蓄に関しましては、予算のほうでは石油開発公団が石油精製企業に新たに融資を行なうことになっておるようでありまして、その融資を行なうことについて二%の利子補給をするということが四十七年度予算に計上になっております。で、これは利子補給でございますが、まあそれはランニングエクスペンスに対する負担でございますけれども、こちらの税の措置は、これはそのタンクをつくるわけでございますが、そのタンクは当該石油精製業者の財産が増加するわけでございますから、その増加する財産について、財政といいますか、歳出面から補助をするということは適当でないということで、ただ、いわばその当然ふえますところの資産でありますタンクの償却を早からしめることによって、設立、新設当初数年間の税負担を軽減するということでありますが、これはまあいまおっしゃいますように、石油業界全体に対して、あるいは石油業法全体に対する考え方がどうあるべきかという基本問題になりますと、私ちょっとここでお答えいたしかねるわけでございますが、そういう設備の増強に対して特別償却を認めるという制度は、税の公平論のほうだけから申しますと、結局一種の税の繰り延べを認めるわけでございまして、償却を先にやるか、あとにやるかということでございます。特別償却でございますから、先へやるかあとへやるかということでございまして、で、ストックでたまるわけですから、それによってある回転をしだしますれば、それによって回収が、企業としては利益といいますか、所得の回収がつくわけでありますから、その意味でたまる時期に償却を促進することによって、経理負担を軽減するということでありますので、税制上の公平さということばを使うと、あまり適当でないかもしれませんが、そういう意味では、他の、措置法の他の制度と比べて、さして非常に大きな不公平な措置であるというふうには考えないわけでございます。
 それからもう一つ、ちょっとつけ加えておかなければいけませんのは、従来から、実はこの原油備蓄のためのタンクの増設についての特別償却制度はないわけではなかったわけであります。ただ今回、これは従来の制度を若干拡充をしたということであることをつけ加えさせていただきます。
#71
○成瀬幡治君 ここに渡辺君もおられますから、これで最後にしますが、先ほど交際費の問題について、これは多田君要求の資料で交際費を見ますと、贈答で、アメリカなりあるいはイギリス、そういうものと、あるいは西独もそうでございますが、大体一人幾らというような頭打ちのことを考えておるわけですね。日本でも、交際費の中に贈答というものが、相当あると思うんですね。盆、暮れ等であると思う。この前、金が相当大量に輸入されて、そうして小判になって、その小判が売れておるのは何でだといって聞いたら、会社がたくさん買っていくんだ。会社はどういうところに使うんだと言ったら、それが贈答品になっているわけだな。その小判が、たとえば一つ十万円するとか、あるいは二十万円するというようなので、大体金が加工してあるからといって、小判で純金度二四%とか、あるいは二〇%とか、一八%とか、そのこと自体がもうすでに法律違反の疑いがあると思うのですが、交際費で何かこういう問題について、チェックをされるようなことがいままであったかなかったか。
#72
○政府委員(高木文雄君) いまその金額をちょっと覚えておりませんが、記念品等を、たとえば企業が会社創設十周年とか、十五周年とかいうときに、お得意さん、あるいは取引先等に記念品等を配ります。たとえばタオルだとか、カレンダーとかというものを配られるのならよろしいが、非常に金目のものを配るという場合に、それをどう見るかという点つきにましては、それは記念品として、いわゆる損金扱いは必ずしもできないのであって、それは交際費として扱うということにはしております。
 で、いま、各国でこういう制度があるんではないかという御指摘がありましたが、それは、あるいは交際費として扱わない。交際費として扱えば七割で済むということだから、あるいは足切り制度が働いてくるから、交際費として扱わないで、全額課税にしたらどうかという意味での御指摘かと思いますが、そういう意味から申しますと、その点も、今後交際費の問題を検討するときに、交際費課税の強化問題を検討するときに、われわれも検討すべき問題の一つだと考えております。
 ただ非常に私ども困っておりますのは、先般、多田委員の資料御要求に対してお答えをいたしましたが、こういう制度に各国がなっておるということは、各国の税法なり、あるいは運用上の、日本でいいますと、通達のようなものを見ますとわかりますので、これが調べることができるわけでございますが、それでは各国でこれを現実にどういうふうに運用しているかという実態はよくわかっていないわけでありまして、非常に断片的に聞いておりますところでは、たとえばアメリカのほうでも、アメリカの国税庁でも、実は交際費課税の問題は、たてまえはこういうふうになっておるけれども、現実の税務署のほうの否認率といいますか、そういうものがどういうふうになっておるかというのは実は私どももよくわかりません。アメリカの国税庁に聞きましてもよくわかりません。こういう贈答者一人につき幾らまでは全額が損金にならないというふうないき方というのは、これは、きわめて現実的な話で恐縮でございますが、税の執行面では非常に困る制度でございまして、たとえば一人につき二十五ドルという場合に、二百五十ドル払ったときに十人なのか、八人なのか、十二人なのかということによって、一人当たり額が変わってくるものですから、税務署の調査が、支払い額までのところは領収書というものを見ればわかるわけでございますが、それは一人につき幾らであるという規制を設けますと、今度はそれは何人であるかという調べもしなければならぬということになりまして、そこで税務署の調査の企業介入度というものが非常に高くなりますので、決して手間がかかるということじゃなくて、納税者との間で非常にトラブルが起こってくるという問題がありますので、アメリカでは制度上こうなっておるということなんですが、アメリカのほうでは、よくそういうふうな調べができますねという質問をしばしば発するわけでありますが、それに対しましてアメリカ側の答えがあまり明確でないというのが現状なのでございます。いずれにしましても、各国こういう制度が制度上とにかくあるということになっておりますので、今後とも調べてまいりたいと思っております。
#73
○成瀬幡治君 書画、骨とうですね。書画、骨とうなんかでも高いものを買って贈る。それから小判も、私が承知しておるのは十万円のが出ておりますね。そうしますと、それも交際費の中に入って、あるいは書画、骨とうといっても、何十万もするものが贈答品として贈られておる。それは交際費として落ちてくる。今度所得のほうでいうと、もらったほうの側でいうと、かりにラジオに出て五千円謝礼をもらったとすると、これは所得として申告をせにゃならぬ。必要経費が若干引かれるかもしれぬけれども、とにかくそういうふうになっておる。これはもらったらどういうことになるのか。もらったほうの側は所得税の対象になるかどうか。書画、骨とうの何十万というのをもらったのは、それは所得税の対象になるかならぬか。小判十万円をもらったのは所得税の対象になるかならぬか。
#74
○政府委員(高木文雄君) これは私がお答えするより、本来国税庁のほうでお答えすべき問題でございますが、たてまえとしては、それはそのものを評価をして所得税上個人の所得となるべきものでございます。で、ただもらった場合に、いろいろ贈答品があるという場合に、その贈答品を幾らに評価すべきかという問題がありますが、というのは、取得価額がたとえば十万円なら十万円であっても、もらったほうからいって、それの交換価値が幾らあるかという問題がありますから、それの評価を幾らに見るべきかという問題がありますが、それを除けば、たてまえとしては所得税法上所得になるべきものでございます。ただ現在それを税務署の執行の段階でどの程度いわば追及をするか、それは個人の法人税法のほうの調査からいいますと、贈答があったということはある程度把握できる場合がありますが、それを個人のほうの場合に、個別にどの程度追及するかということになりますと、何といいますか、非常に税務署と納税者との関係の問題として、いわば非常に摩擦的になるということがありますので、私、最近どういうふうに運用しているか、いまここですぐお答えができませんが、非常に、何といいますか、とうてい放置し得ないといいますか、極端な場合には課税しております。極端な場合には課税しておりますが、ただいま御指摘の小判というような場合に、それがすべての場合課税をしているということではないというのが事実でございます。
 で、小判の例でございましたが、かつてもやはり問題になったことがありまして、金のこういう記念品ということで配られた小判について課税した経験を私自身は持っておりますけれども、しかし、一々そういう贈答品について課税するということにつきましては、現在の事務の量の問題からいいましても、それから納税者との摩擦の問題からいいましても、なかなか厳格に一〇〇%網の目を張りめぐらすということは困難な実情にございます。
#75
○成瀬幡治君 じゃお願いしておきますが、こういうことだと思うんですよ。零細企業にいきますとなかなかきびしいんだな。これはまあ国税庁の問題で、あなたのほうじゃないけれども、全くきびしいわけなんだ。ところが書画、骨とうは点数がわかりますよ。小判も何枚買ったということがわかるわけです。そうすれば、どこへ配ったかということもおおよそわからなきゃならぬわけです。それは追及していってやるというのが原則だと思うんですよ。しかし、そういうことよりも、ここではそういうようなものについても、限度額というものを交際費の中でひとつ考えましょうということなら、私もわかぬわけじゃないですよ。今度交際費を厳格に課税対象でやっていく中で、たとえば料理屋へ行って百万円払ったと、それは何人招待しておったと、十人だと、一人十万円ずつの招待をしておったというような、そういうことについても一つの基準というものをきめていこうというような、そういう姿勢があるとするなら、私もそれは了承しますね、検討してみると、やるということは別として。
#76
○政府委員(高木文雄君) ちょっとこの執行の面がいろいろありまして、執行サイドの意見を聞いてみないとなかなか申し上げにくい状況でございます。
#77
○渡辺武君 私は持ち時間が少ないんで、答弁は端的にお願いしたいと思います。
 法務省からおいでいただいておりますので、まず最初に伺いますが、提案されております租税特別措置の改正案ですが、この六十八条で、長期債権超過からくる為替差損についての繰り延べ措置ができることになっております。ところで商法では為替差損についての繰り延べ措置を規定しておりましょうか。
#78
○説明員(田邊明君) 商法では、損失の繰り延べというものを認めた規定はございません。
#79
○渡辺武君 企業会計審議会が昨年の十二月二十四日付で「企業会計上の個別問題に関する意見第四」というのを出しております。これは「基準外国為替相場の変更に伴う外貨建資産等の会計処理に関する意見」というものです。御存じだと思いますが、この最後のところに「附記」というのがありまして、読んでみますと、「この意見により会計処理した結果、特定の業種においては巨額の為替損失が生ずることが考えられるが、当該損失が企業会計原則注12にいう臨時巨額の損失に準ずるものと認められる場合には、法的措置により繰延経理を認めることも差し支えない。」ということが書かれております。つまり、繰り延べ措置をやるには法的措置が必要なんだということをいっているんだと思います。ところが税法のほうはこうしていま提案されているわけですけれども、商法のほうは改正案が出ておりましょうか。
#80
○説明員(田邊明君) 商法上は、商法及びその特別法についても御指摘の措置を講ずる立法はいたしておりません。
#81
○渡辺武君 そうしますと、商法と税法との間に食い違いが生まれてきているということだと思います。で、商法ではまだ認めていない繰り延べ措置を、税法ではもしこの法案が通ればできるということになって、そういう措置を行なった企業は商法違反を犯すことになるんじゃないかと思いますが、その点はどうお考えですか。
#82
○説明員(田邊明君) 問題の措置でございますが、商法上は先ほども申しますように、問題の外貨建て繰り延べ債権につきまして損失を計上いたしますと、会社の決算上はその期の損失として全部処理されることになります。問題の租税特別措置法のほうの長期為替差損の繰り延べ措置と申しますのは、税法上の措置でございますが、商法決算とは関係のない事項であると、このように私どもは考えております。
#83
○渡辺武君 どうもその辺がおかしいんですね。商法ではこの為替差損もとよりのこと、損金についての繰り延べは認められていないんですという御答弁なんですね。私どももそう思っているんですよ。ところが、税法のほうでは繰り延べ措置ができることに今度なるわけですね。とすると食い違いが出てくる。そこで税法のほうでこの繰り延べ措置をやった場合は、商法の上からいうと認められていない繰り延べ措置をやったことになるわけですからね。税法上はそれは法違反にはならないけれども、商法上は法違反になるんじゃないですか、どうでしょう。
#84
○説明員(田邊明君) 商法上は言うまでもなく繰り延べ措置は認めないのでございますから、商法上の決算はそのような措置がとれない、しかし、その決算に基づきまして、今度は税務の申告をなさる場合には、税法の認める措置に従った申告がなされる、これは法律体系が違いますものですから、私どもは税法の措置が商法に違反するとは考えておらない、それは別個の場面の問題だと、こう理解しております。
#85
○渡辺武君 それがおかしいんですよ。とにかく税法に基づいて繰り延べ措置をやれば、事実上これは繰り延べているわけなんですよ、そうでしょう。ところが、その繰り延べは商法で認めていないんだ、そうでしょう。そうしたらあなた、これは法体系が違うと言って済まされる問題ではない、法体系の違っていること自身が問題になってくる。これは商法上では法違反になるんじゃないですか、どうですか。その点、大事な問題ですよ。
#86
○説明員(田邊明君) お尋ねの点は、私のお答えが適切でなかった点、法体系の問題を出しましたが、税法上の措置として認められるものと、商法上の決算が別であるということを申し上げたわけで、もし商法上の決算として株主総会の承認を得る決算措置を、税法の認めておるような処理をいたしますと、それは言うまでもなく商法違反でございます、と言わざるを得ないと思います。
#87
○渡辺武君 そうしますと、事は非常に重大になってくるんですよ。たとえば法人税法の七十四条には、法人は確定した決算に基づいて確定申告を行なうことになっておりますね。で、この何ですか、確定した決算の方法や財務諸表の様式の基本はこれは商法できめられておりますね。ところが商法の認めていない繰り延べ措置を税法に基づいて行なった場合は、商法の認めている確定した決算に基づかないことになってしまう、そうでしょう。法人税法七十四条に違反することになると思いますけれども、これはどうでしょう。大蔵省のほうの答弁になるかと思います。
#88
○政府委員(高木文雄君) 税制一課長に答弁させます。
#89
○説明員(高橋元君) お答えします。
 渡辺先生のいまの御質問の点は、この決算方法が正規の決算に従わないから、したがって、確定された決算と言えないのではないかという御趣旨かと思いますが……。
#90
○渡辺武君 いや、そういうことじゃないんだよ。
#91
○説明員(高橋元君) そうでございましたら、ことしの三月期以降ということになると思いますが、そのような決算がなされてまいりました場合には、これは商法上の手続を経て決算が行なわれ、それに基づいて申告が行なわれるという点は変わらないと思います。
#92
○渡辺武君 いいですか。もう一回繰り返しますよ。よく聞いてくださいよ。つまり、法人税法の七十四条によれば、確定した決算に基づいて確定申告するということになっていましょう。その確定した決算というのは、商法上で認められている原則に基づいて財務諸表がつくられるわけですね。それに基づいて確定申告しなきゃならぬ。そうでしょう。ところが今度のこの租税特別措置法によれば、商法で認めていない繰り延べ措置を認めているわけなんです。そうでしょう。もしそういうことをやったら、確定した決算に基づいて確定申告しなきゃならぬという法人税法七十四条に違反してくるんじゃないですか。どうですか。
#93
○説明員(高橋元君) 確定した決算に基づきまして、取得時の価額で債権を評価して利益が出ておるわけでございます。それに基づきまして、租税特別措置法の今回改正をお願いいたしております六十八条の二の規定によりまして、申告によって、取得した為替の期末の実勢相場での価額の差額を引いた価額を算出して申告をしてまいるわけでございます。したがいまして、法人税法七十四条に基づきます正規の申告でございます。
#94
○渡辺武君 そうしますと、今度の措置で、繰り延べ措置をする場合には、決算時で評価しているわけです。そうですね。決算時で評価して、そうして財務諸表をつくらなきゃならぬということに当然なってまいりますね。そういうことですか。
#95
○説明員(高橋元君) これはむしろ企業会計の話でございますから、証券局からお答えがあるかと思いますが、今回の御指摘の企業会計審議会の意見第四では、決算日の為替相場によって長期の外貨建て債権の評価をいたす場合と、期末の実勢相場によって長期外貨建て債権の換算をいたす場合、いずれも正当な決算処理の方法として認められているわけでございます。したがいまして、たとえて申して恐縮でございますが、三百六十円相場のままで三百六十円としてドル建て、ドル決済の際の換算をいたしてまいります場合も正当な決算でございますし、三百八円になりました後の現実の期末の為替相場に従って長期外貨建て債権の換算をいたします場合も、これまた正規の決算ということだと承知しております。
#96
○渡辺武君 いや、それはぼくも知っていますよ、それくらいのことは。あなたの答弁によれば、つまり今度繰り延べ措置を受けるためには決算時の相場で評価して、そうして損失が出たという確定決算をしなきゃならぬと、こういうわけでしょう。
#97
○説明員(高橋元君) そうでございますから、決算日の為替相場によらずに、取得時の価額を付してまいって、取得時の価額によりまして決算をいたしました法人につきまして、申告によって、決算日の為替相場によって換算した場合に生じたであろう損失額を除算して税額を算出して申告することができる。かようなことを申し上げているわけでございます。
#98
○渡辺武君 どうもよくわかりませんね。そうすると何ですか。商法上で、財務諸表つくりますね。決算やりますな。決算やって財務諸表つくりますね。そのときは取得時で評価してそうして財務諸表をつくる。ところが、税法上この繰り延べ措置を受けるためには、今度は決算時で評価をして損失を出して繰り延べ措置を受ける、こういうことになるわけですか。
#99
○説明員(高橋元君) 租税特別措置法の御審議を願っております六十八条の二という条文は、「通貨調整前に取得した長期外貨建債権等を期末為替相場で換算しなかった場合の課税の特例」でございます。換算しなかった場合と申しますのは、会社の確定決算において換算しておらない場合の課税の特例と申しますのは、期末の為替相場との差額を、申告によって損金に算入をするという措置でございます。
#100
○渡辺武君 いや、つまりね、取得時で三百六十円で評価すれば為替差損なんて出ないですよ。そうでしょう。決算時で評価して初めて為替差損というのが出るのじゃないですか。そうして初めて繰り延べ措置というのが受けられるのじゃないですか。
#101
○説明員(高橋元君) 本文方式とただし書き方式と、意見書の第四に二つ並んで書いてございます。これが選択的に企業の決算によっていずれでもとり得るということは御承知のとおりだと思いますが、本文方式をとりまして決算日の実勢相場で換算をいたした場合には、その法人には損失が計上されるわけでございます。ところが、ただし書き方式によりまして――一定の公示の原則はございますけれども、公示の必要はございますけれども、取得時の価額で換算をいたしまして決算をいたしますと、これは損失が計上されません。ところが、実態としては、両者の間に差がないではないかというふうに考えられます。したがいまして、差がない部分、すなわち決算日の実勢外国為替相場で換算をしたならば、生じたであろう損失に相当する分を今回御審議をお願いしておる六十八条の二の第一項によりまして、まあ計算の方式を示しまして、それに基づきまして申告によって除算をするという道を開くことをお願いしておるわけでございます。
#102
○渡辺武君 それはおかしいですね。こういうことなんですよ。つまり、確定申告やる場合、これはもう確定したこの決算に基づいて確定申告することになっておる。その確定した決算というのは、もう商法に基づいてやられるわけですね。あなたのことばによれば、取得時でそれは評価するのだと、こう言う。ところが、今度繰り延べ措置を受ける場合は、これは損失出すのですね。これだけの為替差損も出ております。これはとにかく取得時のこの為替相場でもって評価するのじゃない。そうじゃなくて、その後の決算をしたときの為替相場でもって評価しなきゃ差損出ようがない。そうして繰り延べ措置をやる。そうしたら、確定した決算書では損が出てないのに、繰り延べ措置を受ける場合にはちゃんと損を出して、そうして繰り延べ措置を受ける。こういうことになったら、確定した決算に基づいて申告しなきゃならぬという法人税法七十四条違反になるじゃないですか。
#103
○政府委員(高木文雄君) その点についてちょっと、七十四条との関係を御指摘でございますので、その点を御説明いたします。
 法人税法の七十四条は、法人税の申告の原則を記載してございまして、ただいま渡辺委員御指摘のように、まさに確定した決算に基づき申告書を出せと、こう書いてあるわけでございますが、それではすべての事項が確定決算のとおりで、それ以外何も調整ができないかというと、この現在の申告制度はそうではないわけでございます。で、ある意味では七十四条が書き足りないのかもしれませんが、たとえば例を法人税法五十二条以下の引当金のところで、どの条でもよろしゅうございますが見ていただきますと、確定申告書にこれこれという規定がいろいろ入っておりますが、この確定決算以外に申告書で、申告調整と私どもは呼んでおりますが、確定申告書で税法上認められる申告調整をしたならば、それはその前提で法人税法上の所得計算が行なわれるわけでございます。でございますから、現在の法人税法のたてまえというのは、確定決算の上に立ってすべてを計算するというのを第一前提とし、法人税法の各条に書いてございます申告調整によって調整してよろしいという規定があるものについては、その確定決算と違う調整をしてもよろしいというのが法人税法の各条に書いてあるわけでございます。
 そこで、今度のただし書き方式をとりました場合には、評価がえをしてないわけでございますから、三百六十円のままで評価された額が、確定決算に上がっているわけでございますが、ただし書き方式でいきまして、そうなりましても、今度の措置法の六十八条の二の八項で、確定申告書にこれこれ書いてくださいということが記載をしてございまして、先ほど引例をいたしました引当金と同じように、申告調整でやっていただけばそれでけっこうですという規定になっておるわけでございます。そこが現行の法人税法のたてまえが、御指摘のように七十四条では「確定した決算に基づき」と書いてありまして、各条のそれぞれの条を見ませんと、確定決算によらない場合がはっきりしないものですから、ただいまのような御議論になったのでございますが、それは現行法人税法を貫く全体のたてまえでございます。
#104
○渡辺武君 それは納得できないですな、説明。まあ、きょうは時間がないから次に進みますが。
 それじゃもう一つ伺いますが、企業会計審議会の第四意見では、またただいまの御答弁でもそうだと思うんですが、長期債権債務は決算時の為替相場で円換算するのを原則としているけれども、取得時または発生時の為替相場で円換算しても差しつかえない。つまりどっちをとってもいいんだと、そういうことになっていますね。それはつまり、いまあなた御答弁されたとおり。ところが、いま申しましたように税法では、臨時巨額の差損を十年間繰り延べるためには、決算時の為替相場で円換算しなければ出てこない、そういうことでしょう。そうすると、現実には二通りの計算方法が行なわれる可能性が出てくる。そうですね。つまり公表される財務諸表、これは取得時で損は出ていませんという財務諸表が公表される。ところが税法上によれば、事実上損を出して繰り延べ措置を受けている。こういうことになるんですよ。つまり臨時巨額な損を出して、国家の租税特別措置でいわばたいへんな援助を受けている。その企業が財務諸表の上では損が出ておりませんといって株主に配当しているという現状が出てくる、そうでしょう。これは事実上粉飾決算をやっているということになるんじゃないですか、どうですか。
#105
○政府委員(高木文雄君) もっと非常にどぎつい表現をとれば、事実上粉飾決算をすることを認めるというのが――六十八条の二の制度は、配当をしながら税を納めなくてもよろしいという制度をつくるわけでございますから、粉飾決算をまさに認めるという制度をお認め願うというのが六十八条の二の制度でございます。これはまさに、申告調整というのはすべてそういうかっこうになります。
#106
○政府委員(坂野常和君) ちょっといまのに関連しまして、企業会計の上で成規の手続き、企業会計原則にのっとった経理をいたしますので、これは粉飾決算ではございません。税法上それがどういう恩典を受けるかというのは別の話でございまして、税法上恩典を受けたからといって、企業の経理が粉飾であるということにはならない。私どもはそういうふうに解釈しております。
#107
○渡辺武君 まあ担当の役人さんから言えば、粉飾決算しているということになればたいへん。政府が認めているということになるとたいへんなことになるから、そういう答弁も出てくるでしょうけれども、これはやっぱり高木さんの答弁のほうが私は実情に合っていると思います。いわゆる一般大衆の目から見たってそうでしょう。巨額な差損を出して政府から繰り延べ措置を受けているその会社が、損失は出ておりませんよといって財務諸表を発表して、そして株主に配当している、大株主に配当を保証しているんだよ。これ、粉飾決算でなくて何と言いますか。とんでもない話です、それは。えらいことですよ、これは。これは法務省もこの点はひとつ十分に検討して追及してほしいと思うのです。特に株主に配当している会社が、補助金にひとしい税の繰り延べ措置を受けているなんということは、こんな重税で苦しんでいる国民が納得できますか。たいへんな措置ですよ、これは。あまりにもひどい大企業優遇措置だと思いませんか。
 私は時間がないので次に移りますが、私は、法人が商法に定められた、公認された原則や基準に基づいて財務諸表を作成して公表することを義務づけられているというのは、これは一般株主の利益を守るためだというふうに言われていることを知っております。税法も、また負担公平の原則に基づいて、先ほどもこれは確実申告の原則だと高木さんも証言された。つまり商法に基づいてやられた、確定された決算に基づいて、課税することを当然のたてまえとしなきゃならぬと思うのですね。したがって、商法や企業会計原則と税法とは整合性を保っていなければならぬ。これは法の体系からしても、また自由競争をたてまえとする資本主義企業の通念からしても、これは当然のことだと私は思う。これはブルジョア法のたてまえからしたってそうならなきゃならぬのです。そうでなければ、資本主義社会の社会正義というものは貫けないし、法の整合法というのは必要なんです。ところが、いま問題になっている租税特別措置、特定の大企業の利益を守るためにこれまでも、先ほど高木さんいみじくも引当金の問題出しましたけれども、引当金の問題だって、商法で許されていない引当金を、租税特別措置でもってまず最初に認めておいて、そしていわばその例外措置として税法の中に入れてきたというのがこれが実情です。こうして法の整合性を税金のほうから踏みにじってきているというのが、いままでの大蔵省のやってきた常套なんです。いまここでもって問題になっている為替差損についての繰り延べ措置、これはそういう法の整合性を踏みにじることに著しいものだ。ますますひどくしているというのが実情じゃないですか、私どもは、国民の立場からいえば、さっき言ったように、こういう大企業本位の優遇税制をやめなければならぬと思っておりますけれども、しかし、いまの法体系の上からも、こんなひどいものをやるのはあなた方恥ずかしいと思いませんか、どうでしょう。その点御答弁いただきたい。
 またこの法務省のほうも、粉飾決算だとはっきりここでもって答弁された、――あとで取り消すかもわかりませんけれども。そういう点については、やっぱり商法を守る上からこれは検討して、追及してほしいと思います。やっていただけますか。あわせて御答弁いただきたい。
#108
○委員長(前田佳都男君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#109
○委員長(前田佳都男君) じゃあ速記を起こして。
#110
○政府委員(高木文雄君) お答えの前に、一点だけ。
 先ほど粉飾――実態は粉飾だと申しましたが、ただ一点だけ補足して申し上げておきますが、ただし書き方式を適用した場合には、「ただし書を適用した金銭債権及び金銭債務については、取得時又は発生時の為替相場による円換算額を付した旨、その金額及び決算日の為替相場による円換算額との差額を貸借対照表に注記するものとする。」というのが企業会計審議会の意見できまっているところでございますから、まあちょっと紛飾という表現をとりましたのは、私やや言い過ぎでございまして、その金額は天下に明らかになっております。
 それからいまの御指摘の配当と税務の関係でございますが、いまの企業会計審議会の御答申にありますように、現実には損が出てしまっておるという現状でございますから、その意味においては、要するに換算がえを行なわないというのは、企業会計審議会の意見では選択になっておりますが、実態としては損は実現をしておる、そういう意味において税の負担能力はないということになるわけでありまして、私どもは現在お願いしております租税特別措置の規定が、租税負担公平の概念からいって、著しく負担公平を阻害するというふうには考えていないわけでございます。
#111
○説明員(田邊明君) 大蔵省のお答えは、私も今度の措置が粉飾決算だという趣旨でおっしゃったのではないと解しております。商法上は、先生御指摘のとおり、株主はもちろん、債権者の利益を守るために商法にのっとって決算が行なわれることを期待しているわけでございます。ただその決算に基づいて、先ほど来御答弁になったように、税法上の申告にあたっての御調整ということは、税務政策上あり得るだろう、こういう考え方でございます。しかし、もし御指摘の点の会計処理が、さかのぼって商法に影響を及ぼすということであれば、当然検討しなければならないので、将来ともこの問題については検討してみたいと思います。
#112
○渡辺武君 とにかく企業会計審議会でも、法の改正は必要だということを言っているんです。法の改正措置をやって、初めてこれこれこういう措置ができるんだということを言っているのに、商法の改正はない、あなたも言ったように。しかも、税法のほうではそれをやろうとしている、けしからぬですよ、こんなことは、とんでもないことだ。そのことを私は言っているんです。その点はあなた方だって真剣になって検討しなければならぬ問題よ。
#113
○委員長(前田佳都男君) 午後一時五十分から再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後一時十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二分開会
#114
○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。
#115
○成瀬幡治君 大臣にお尋ねしたいのは、これは私の調べた数字ですから、あるいは間違いかもしれませんが、昭和四十五年に設備、運転資金、合わせて大体十二兆六千二百五十九億のうち、法人の借り入れ金が大体十一兆二千六百四十億、そして株式に依存しておるのが約一兆、それから事業債でやっているのが大体三千六百億あるわけです。それから四十五年で増設した設備資金はどのくらいかと思ってみると、大体五兆六千六百十四億である。そのうち借り入れ金が大体四兆五千億円。株式や事業債がその残りですから約三〇%、約七〇%は金融機関によっておる。こういうことなんですね。そこで、こういうふうに長期、短期ともに大体企業が金融機関に依存してきたということなんです。その依存してきた理由というのは、これはいろいろあると思いますが、金融、証券界に人がなかった、あるいは証券の公社債市場が育成されておらなかったという大きな理由があったと思います。しかし、こういう姿というものが好ましい姿か、そうじゃないかというと、やっぱり長期安定資金というものは、自主性の得られる資金を得て、すなわち社債その他で、あるいは株式等で得ていって、短期運転資金等を銀行から得るというのが、大体本来の姿だろうと思います。しかもそれは、金利が安くなきゃいけませんけれども、そういう姿に、しかも金融がゆるんでおるいろんなときに、私は地固めをしていかないと、せっかくのチャンスを逸することになりはしないかと思っております。したがって、そういう問題についてどういう手を、私の言うような認識ですね、たとえばこれから株式の時価発行だとか、国債も今後も出続けるだろうと思います。あなたはそんなことはおっしゃれないけれども、私は相当な額を出さなければならないいろいろなことがあると思いますから、それで公社債市場というものを育成をしていかなければならぬじゃないか。そういう政策といいますか、そういうポリシーを出すとすれば、そういうことについてどういうような手を打とうとしておられるのか、その辺のあら筋をひとつ承りたいと思います。
#116
○政府委員(坂野常和君) いまのお話は、ちょうど昨年の十一月から大蔵省に証券取引審議会の特別委員会を設けまして、ただいま検討中でございます。大体の点は、公社債市場育成の非常にいいチャンスがきているんではないか、いまの環境が、金利機能が働き得るような環境ができつつある。こういうときに、市場機能を高めていくためにはどうしたらいいかということで、そのためには、金利機能の一そうの働きを進めるような政策がとられるべきである。流通市場の機能が十分に、流通価額が発行条件にはね返るような、そういう機能を高めるべきである。第三に、発行条件についても従来やや固定的であったものを、もっと弾力的にさせていく必要がある。発行の媒体となるアンダーライターの機能も高める必要があるというような諸点について目下検討をしておるということでございます。
#117
○成瀬幡治君 証券審議会を設けてチャンスを逸せずに、適切にタイミングをつかみつつやっていこうじゃないか。そして四つほどあげられましたが、その一番育たなかったネックは何というふうにお考えになっておりますか。証券局長でいいです。
#118
○政府委員(坂野常和君) 戦後の復興から高度成長というわが国国民経済のたどってきた道を振り返ってみますと、国民の貯蓄あるいは法人の蓄積というものがない時代に早く復興し、かつ成長するということが必要であったわけでありますが、そのためには、やはり金融機関を使い金融機関による資金供給というものを、そういうルートを使っていかざるを得なかった。その結果やはり間接金融中心の金融政策を進めざるを得なかったということであったかと思います。直接金融と申しますか、株式なり公社債というような形についての資金調達をやり得る市場も育っていなかったし、またそういう方法は当時としてはやや迂遠である、そこまで余裕がなかったということであったかと思います。その結果、それが卵と鶏の関係になりますが、市場が発達しにくくなった、またそういう原因にもなっておるということだと思います。
#119
○国務大臣(水田三喜男君) それともう一つは、いまの問題と、やはり私は、むずかしい問題ですが、税制が関係しておるというふうに思います。増資するよりも、銀行資金にたよるほうが、税の関係があって、どうしても自己資本比率というものが減っていかざるを得ないような現行税制というものが、やはり関係しておるのではないかと思います。
#120
○成瀬幡治君 私も実はなぜ育たなかったかという理由の中に、大臣がいみじくも指摘されましたけれども、税制も一つの大きな理由だと思います。しかし、ほかにここであげられた金利なり、あるいは流通機構の問題なり、発行条件なり、アンダーライター、いろいろな問題が出ておりますが、これはおよそ結論はいつごろ出ますか。
#121
○政府委員(坂野常和君) まださだかなめどがついておりませんけれども、今後の議事、と申しますのは、今後の議事がどの程度進行が早まるかどうかということでございますが、いまのところ大かたのめどとしては、ことしの秋には何らかの形でまとまった意見が出されるのではないかと期待しております。
#122
○成瀬幡治君 直接方式にウエートを置くということになってまいりますと、いわゆる長銀関係の問題が一つ出てくるわけですね。たとえば興銀をどうするとか不動産をどうするとか、日本長銀をどうするとかという、証券関係と長銀との関係までこの審議会で議論されますか、どうですか。
#123
○政府委員(近藤道生君) 金融制度調査会が今月から再開されるわけでございますが、その金融制度調査会におきましては、ただいまの証券取引審議会の情勢を受けまして、証券取引審議会の議事の進行に応じた議論を、金融制度調査会においても必要に応じて並行的に行なっていただくという連携態勢をとっております。そのために、たとえば人的にも、金融制度調査会の特別委員長が同時に証券取引審議会にお入りになっているという形をとっておりますが、それはそういう必要のためにそういう人事配置になっているわけでありますが、そういう点から、今後証券取引審議会の議論の展開いかんによりましては、ただいま御指摘になりましたような問題も当然金融制度調査会あるいは必要の範囲において証券取引審議会においても取り上げられてまいるというふうに考えております。
#124
○成瀬幡治君 当然まあ金融機関でいえば、これはどうしたって金利の問題が出てまいりますから、資金コストの問題等がありますから、大きいというか広い立場で議論をされるのは当然だと思いますが、まあ十分、私としてもいいチャンスだから、ぜひこの際チャンスを逸せず、公社債市場が育つようにしていただきたい。
 そこで、金利の問題で一言お尋ねしておきたいと思いますが、これは大臣がいいのか、あるいは銀行局長になるか、あるいはわしには関係ないという――郵便局の関係が問題になっております。一番ネックになっているのは、やっぱり郵便貯金の金利が一つの大きな問題だと思います。そこで金利は、コールレートが下がった、貸し出し金利は若干下がったと思いますが、この預金の問題に関連して、預金金利はこれは見直すと。たとえば定期で一年もので五分となっておりますが、これを動かす大体用意があるのか、いやこれはもう固定的なものと考えておられるのか、その辺はどうですか。
#125
○政府委員(近藤道生君) ただいまいみじくも御指摘になりましたような問題がいろいろございます。しかし、結論的には、預金金利というものは決して硬直的なものであってはならないというふうに考えております。
 そこで、預金金利の水準を考えます際に、片やこれを低下の方向で考えるべきであるという要素といたしましては、当面の景気振興の必要性、それから海外金利の動向、あるいは今後産業、金融中心から、次第にウエートが社会資本の充実といったような方向、つまり付加価値率の低い方面に金の流れが変わってまいりますようなことから申しまして、当然全般的に金利水準は低下の方向で考えなければならぬ。その際に、かりにも預金金利が下ざさえになって、硬直的障害要因となるようなことがあってはならないということは当然のことでございます。
 ただ、わが国の場合の特殊性といたしまして、一方におきまして、預貯金が最も一般的な国民の貯蓄形態であるという特異な現象がございます。この点からまいりまして、社会心理的と申しますか、広い意味での政治的な観点から、預金金利の引き下げに対する抵抗感というものがあることは事実でございます。それら両者を考え合わせながら、時期、幅等については、慎重に考えてまいらなければならないと存じますが、方向といたしましては、当然弾力的な考慮をしなければならない問題だというふうに考えております。
#126
○成瀬幡治君 まあ非常に慎重で、預金金利を下げますよと言うのはなかなか容易なことじゃないと思います。しかし、おっしゃるように、とにかくこのままじゃいかない。とにかく下げるんだと、それは幅はどれだけかは別だ、時期は別だと。しかし、預金金利は下げるんだと、これは間違いありませんか。そういうふうに了承してよろしゅうございますか。
#127
○国務大臣(水田三喜男君) 情勢はそういうような方向でございます。
#128
○成瀬幡治君 それが一つと。
 もう一つ、これで関連して考えていきたい点、まだいろいろな問題があるかと思いますけれども、たとえば簡易保険の掛け金というのですか、料率の問題ですね。それから生保、火災保険、こういうような問題も、もちろん公社債の関係の発行条件の問題も、金利を入れておりますから、そちらのほうで検討するとして、そちらのほうには触れませんが、こういうような問題についても、当然一連のものとして検討されてこなくちゃならぬと。特に簡保のいま料率の基準が何歳になっておるか私よく知りませんけれども、実体とは大体十年くらいずれているのではないか。私が承知しているのでは、ここ何年間も改定がございませんですから実体とずれている。そういうような問題もどこでこれはおやりになるか。これは銀行局長、私の守備範囲でない――。ですから大臣、これはどういうことになりますか、こういう問題も当然一連のものとして検討される問題だというふうに理解してよろしゅうございましょうか。
#129
○政府委員(近藤道生君) 簡保のほうは担当外でございますが、民間の生保、火災保険につきましては、ただいま御指摘のとおりと存じます。事故率も、たとえば昭和三十年と比べますと、ほぼ半減いたしております。まあ、この間、保険料率のほうも、六割ほど下がっておりますが、さらに極力料率の引き下げという方向で努力をいたしたい。そのような検討を続けてまいりたいと考えております。
#130
○成瀬幡治君 いままで、非常に金融タイト時代が続いて、なかなか容易じゃなかった。しかし方向は、金融緩和は相当長期にわたると見ているわけなんです。それで企業負担からいっても、金利というものは、非常な負担になっている。それで企業も合理化すると同時に、公害等にこれから一生懸命やろう。これからいろいろな点で努力しようとするときですから、ぜひ、ひとつ、こういうような問題について十分やって、そして早いところ私は結論を出していただいて、来年度なんていうようなそういう話じゃなくて、私は、早く秋ごろには結論が出るようなふうに期待をしておきます。そのころには内閣も改造になっちゃってどうなるかわからぬというようなことになるかしれませんですけれども、少なくとも事務局としては、十分そういうことができるようにしていただきたいということは、要望として申し上げておきます。
 それから次に、ちょっと承りたい点は、昨日の新聞等に、オーストラリア国債の問題が出ております。これから円建ての国債というものが相当出てくるだろうと思います。その発行条件等は、たとえば一カ月に一銘柄だとか、それからいろんな条件が三つほどあるようですが、その条件のことは別として、あとどんなのがその引き合いにあるとか、それから発行順位というものがございますね、国の問題だとか、その信用度とか、いろいろなことがございますが、その発行順位のようなものについても、何かお考えになることがあるのかこの二つ、いかがですか。
#131
○政府委員(坂野常和君) 円建て外債は、だれがどうやって日本で発行するような段取りにしているかという仕組みでございますが、これは日本のアンダーライター、すなわち証券会社が発行主体、これは外国の国際機関の場合もございますし、また国そのもの、あるいは地方団体というようなのがただいまのところ対象にございますが、そういう発行主体と相談いたしまして、そうしていつごろどんな条件でどのくらい発行するということをきめるわけでございます。
 なお、これは国際金融局の所管でございますが、そのかわり金の送金等につきましては、外国為替管理法上の許可がございますが、その許可は、その内容がいいとか悪いとかいうような種類のものではございません。またいままで発行されましたアジア銀行債、世界銀行債につきましては、これは加盟国の条約で発行地の政府の承認ですから、日本の場合は、日本の国の承認が要るということになっておりますが、これは特殊な事例でございます。一般はそういう国の許可とか承認とかいうことなしに発行されるというものでございます。そこでしからば、どんな銘柄がどういうふうに発行ざれるのが望ましいかということになってまいります。御承知のとおり、まあ俗に東京市場というようなことばで言われておりますが、これはわずかここ一年半ないし二年の間にこの金融緩和をめぐってようやく芽ばえてきた市場でございまして、非常に経験も浅く、また投資者も十分なれておりません。したがいまして、いまのところここで発行される円建て外債は、国際的に見まして相当著名度のある銘柄であって、いわば超安全の銘柄というようなものに限っていくのがいいのではないかというようなことから、まずわが国の加盟している国際機関ということで、世界銀行なり、アジア銀行の債券が対象にされたわけでございます。
 次に、いまお話しのオーストラリア国債というものが、いま発行準備中という段階でございまして、そのあと御質問のどういうものがあるかということについては、それぞれのアンダーライターがいろいろ検討いたしておりますので、まださだかでありませんけれども、私どもの耳に入っておりますところでは、その他一、二の国の国債あるいは州債というようなものがあるというふうに聞いておりますが、まだ具体的にいつごろどういうことでというところまできまっておらないようであります。
 いずれにいたしましても、日本で発行されます円建て外債の市場が、世界的に見て一流市場に育つように十分慎重な配慮をしていく必要がある。これが一時的な現象にとらわれて、いまの非常な大きな金融緩和というこの現象だけにとらわれて、無理をいたしますと、市場そのものがこわれるおそれもありますので、そこは十分慎重な配慮をしていく必要があるというふうに考えております。
#132
○成瀬幡治君 これは全く私もよく知らない。たとえばカナダのある州のものが出てくる、あるいはメキシコの州のが出てくるというような、そういう州債なり、あるいはある会社の今度は私的企業が出てきた場合、そういうものまで、これはひとつ外貨減らしの問題とも関連してくるわけですから、そういう問題については、許可をする大体方針なのか、私的なものはもう一切認めませんと、こういうことになるのかどうか、その辺のところはどうでしょう。
#133
○政府委員(坂野常和君) ただいまの許可というおことばがございましたが、これは先ほどの御答弁で申し上げましたとおり、為替管理上の問題でございますので、その中身がいいとか悪いとかいうような許可ではないと思います。したがいまして、これは国際金融局から御答弁するのが筋と思いますが、債券が発行されることになった暁には、その送金についてはこれを許すという、許可になる、こういう性格のものだと思います。そこで問題は、これから先どういう種類のものが発行されていくかということでありますが、いまお説のように二、三の外国の地方団体の債券について検討中であるというふうに聞いております。民間の債券については、いまのところ何ら検討すらもされていないというふうに私どもはそういう情報を持っておりますが、将来について、全くこれがわが国の円建て債の対象になり得ないものかどうかは、これはこれからのわが国の円建て外債市場がどういうふうに発達していくか、そうして投資家がどういうふうになれていって、投資家保護の見地からそういうものを発行しても差しつかえないような状況になるかどうかというような環境の問題ではないかというふうに理解しております。
#134
○成瀬幡治君 相当な幅を持って検討されるのだと、外貨のたまりぐあい、あるいは信用度合い等いろいろ問題があるから……。
#135
○国務大臣(水田三喜男君) ちょっと途中ですが、成瀬さんにおことわりしておきたいのですが、さっき銀行局長が、預貯金の利子について申しましたが、預金という形が国民の最も一般的な貯蓄形態であるということからこれは慎重に考えておる、引き下げということを慎重に考えておると答弁しましたが、そのとおりであって、私どもも一般的に金利を下げるという方針はとっておりますが、まだ実勢金利を下げ得る余地がたくさんございますので、そういう点についていろいろいま努力しているところでございますので、そこまでまだいっていないというのが実情でございますが、さっき私が将来長期的な方向としてどう考えるかと言われましたので、長期的な方向としてはやはりこれは下げる方向へ考えるべきものだということを言いましたが、これまた誤解されて、すぐにこの問題にとりかかるというふうに誤解を受けるといけませんから、一言訂正しておきます。
#136
○成瀬幡治君 まあ長くかかってやるというものなら、早々ここで議論する必要はないと思いますが、大臣やはりあなたのおっしゃったように、公社債市場を育成するということは、税の問題、特に金利の問題と税の問題と二つあると思うのです。やはり金利が大きくネックになっていると思うのです。だから、実勢と合っていかないわけで、ですから、ここは金利というものは十分考えていただかなければならぬ。しかしいま言ったように、早急に、秋ごろまでに私は結論をどうするのだということ、結論を出してほしいということを言っているのです。それはそうじゃないぞと、ずっと先の話だとおっしゃるならちょっとおかしいのですが、あなたのおっしゃる長期ということはどういうことなんですか。秋までに結論出ませんか、やるかやらないかの。
#137
○国務大臣(水田三喜男君) いますぐではないということであって、いずれ結論は出さなければいかぬ問題であります。
#138
○成瀬幡治君 わかったようなわからぬような話であって、まあいいのですが。
 それじゃ次に問題を進めまして、大臣、この委員会で租税特別措置法をやっておる中で、非常に矛盾が出てきた、何とかしなくちゃいかぬじゃないかということについての議論しておりました中で、利子の分離課税、それから配当の分離課税、いわゆる分離課税の問題があります。それから交際費の問題がおかしいじゃないか。それから広告費の問題。もう一つ寄付金はあまりないとおっしゃるが、寄付金、これは政治資金の問題と非常に関連があるわけです。こういうような問題について一度洗い直してみる用意がございますか、どうですか。
#139
○国務大臣(水田三喜男君) これはもう何年も前からこの問題が言われておりまして、相当洗い直しをやりました結果、この利子・配当の分離課税というような問題は、一応この現行のような制度が改正ができて、そして昭和五十年までの漸進的な措置まできめられておるときでございますので、これはやはりこの途中で見直すといっても、これを再び変更することはなかなか大きい問題でございますので、昭和五十年になってからこの問題を再検討することが私はいいんじゃないかというふうに思っております。
 交際費の問題につきましては、これはもう来年の三月に期限がきますから、それまでの間に次の交際費課税をどうするかはいま検討中でございますので、これはいわゆる洗い直しと申しますか、これについての作業を私どもは今年度現にいたしております。
 それから広告税の問題につきましては、衆議院側からもいろいろ要望が出ましたが、来年度においては私どもやはりこの問題は一応検討したいということで、この検討をいま始めておるということでございまして、まあ毎年この問題が起こるたびに一応税制調査会にもお願いするし、役所自身においても真剣な考慮を払ったつもりでございます。もうきめたものをすぐ翌年度これを変えるというようなことがやはりむずかしいことでございますので、一ぺんきまったらその期限までは落ちついておって、その次のこの洗い直しを考えることがいいんじゃないかというふうにいま私どもは考えておりまして、来年度はこの交際費課税の問題、広告費の問題ということについては考えておりますが、利子課税、配当課税の問題は、昭和五十年まではできたらこのままでもう少し見守っていきたいという気持ちでおります。
#140
○成瀬幡治君 寄付金はどうですか。
#141
○国務大臣(水田三喜男君) 寄付金はいま申しました交際費課税との関連で検討課題になるものだろうと思います。
#142
○成瀬幡治君 大臣、分離課税のほうは五十年までだと。それから交際費のほうは四十八年の三月が期限だから、四十九年からひとつ考えましょうと。広告費はどういうことになるんですか。広告費はことし検討するということはどういうことなんですか。この秋の税調にかけるということなんですか。
#143
○政府委員(高木文雄君) 交際費につきましては、それは実績数字等もございますから、その実績等を検討すれば大体まあいまのままでいくか、さらに課税強化をするかという検討を、わりあいに検討はつきやすいと思いますが、広告に関する課税、これにつきましては、そもそも広告を課税対象とすることがいいか悪いかという基本論がございます。それから広告費というのは一体どういう範囲の問題かという問題がございます。それから交際費と同じように経費性を否認するといういき方で課税をするのか、流通課税的な方法で課税するのかというような問題がございます。というようなことで、かなり検討対象が広いわけでございますので、検討を開始をするのは、直ちにでございますが、この秋にも相当程度突っ込んで検討できると思いますが、さて結論がどの辺へ行き着くかということについては、われわれ事務の立場といたしましても、交際費のように現行制度があって、期限切れになるものとは若干ニュアンスが違う、雰囲気が違うといいますか、また材料等の持ち合わせも違うということがございますので、四十八年度から必ず何らかの形で結論が出るかどうかということまでは、事務的には申し上げかねるというのが現状でございます。
#144
○成瀬幡治君 そうすると、広告費の問題については、大蔵省の事務当局として検討する、税調で検討してもらうんじゃないと、そういうふうに理解していいですか。
#145
○政府委員(高木文雄君) まだ大臣ともよく御相談はいたしておりませんが、私は一応税調にもある程度は御相談する。たいへんまあ広く各方面からいろいろな議論が出ておりますから、一応御相談することにはなろうかと思いますけれども、しかし、その御相談の程度は、どういうつもりで四十八年度税制の問題として御相談することになるか、もう少し幅広の問題として御相談するか、そこまではちょっとまだ私ども自身の気持ちもかたまっていないということでございます。
#146
○成瀬幡治君 答弁聞いておりますと、衆議院でも広告費の問題が議論になった。だからどうだというようなことがあったから、大臣にこれは、大蔵省はある程度腹をくくって税調のほうにある一つの意見を持ちながら諮問をするというふうに受け取った。いまお聞きしておると、これをまたどうかなっちゃうんですかね、どういうことなんですか、もう一度そこを明確にしていただけませんか。広告費の問題については――寄付金の問題は交際費との関係があるから来年どうしてもやるんだと、来年検討すると、これでわかった。広告費はどうなりますか。
#147
○政府委員(高木文雄君) 広告費については、確かに何度もここでお答え申しておりますとおり、交際費と非常に似た関係があります。最近非常に広告支出が多過ぎる、よってもって過当広告支出については否認をしたらどうかという考え方が一つと、それから過当とかなんとかといっても、過当基準を見出すことは非常にむずかしいということとも関連して、戦前にありましたように、一種の流通税的な課税方式で考えたらどうかというような考え方もあるわけでございます。何といたしましても、販売促進手段としての広告というものは非常に重要でございますし、特に新規の商品の販売促進手段としてはきわめて重要な手段でございますし、そしてまた、交際費のように個人消費につながるものではないというような点から、非常にこれに対しては反対も考えられるわけでございますので、四十八年度からそういう税制を置くということで、つまりタイムリミットをきめて準備を進めるということができるかどうか、そこまでは現段階ではなかなか申し上げかねるという現状でございます。
#148
○国務大臣(水田三喜男君) いまの問題ですが、衆議院大蔵委員会で昨年の三月に附帯決議が行なわれましたが、そのときに、広告費については過当広告及び不当広告についての規制措置の一環として、これらの広告に対して税法上の措置を検討しろということでございましたが、不当広告か過当広告かという、これを規制する措置の一環としてということになりますというとなかなか問題がむずかしくて、何が不当広告であるか過当広告であるかは、これは結局税務署が判断するということについては、もっとむずかしい問題を起こしますので、衆議院においても今年度同じような附帯決議が行なわれましたが、そういういまのようなものを、全部広告費に対する課税措置については、実施の方向で検討しろというような決議になったというようないきさつもございますとおり、なかなかこの方向はそういう方向で検討するといいましても、内容にむずかしい問題がございますので、したがって、いま主税局長の言いましたように、来年すぐこの適切な案がわれわれ税務当局として立案できるかどうかというような問題も、いましばらく検討をやってみた結果でないと、税制調査会に来年度の問題として出せるか、もっと長い問題として出せるか、出し方がやはりございますので、諮問するについても、こちら側の検討のほうがもう少し進んでからでないと態度がきまらないということでございます。
#149
○成瀬幡治君 販売促進のために広告が必要だということはだれも否定しないわけです。
 もう一つは、後進商品と申しますか、後発商品と申しますか、そういうものに広告が必要だということもこれは当然のことだと思うんです。ただ、いま言ったように、それではどこら辺が妥当かというと、非常にむずかしい問題だということもわかるわけなんです。しかし、このままでいいかというと、なかなかこのままじゃいかぬだろうという、全く常識の問題として私どもも申し上げておる。ですから、落ちつく先は販売促進ですから、交際費というものと広告費というものと区別のできぬようなものもあるわけなんですよ。ですから、交際費がぼくは期限がくるならば、その際に広告も十分検討してもらわなくてはいかぬですよ。たとえばいま三〇%まで損金算入ですか、交際費は。ということになれば、たとえば限度額をひとつ交際費のほうにも設けていくというようなやり方もあるでしょう。あるいは交際費と広告費というものを一緒にしてものを見ていくという考え方もありましょう。あるいは寄付金の問題もございましょう。寄付金などもいろいろやってまいりますと、一般寄付というのがおかしいことになってくるわけですよ。単にお祭りがあるから寄付をするというようなものではないと思うのですよ。政治資金の問題になってくる。ですから、そちらは政治資金規正法の問題だからと、こう言うけれども、損金に算入する一つの基準があるわけなんです。ですから、こういう問題について私は、税源を確保しなくてはならない、新税をつくらなきゃならぬ、増税をしていかなきゃならぬというような方向で、いろいろな議論がされたときに、たとえば付加価値税の問題が出てくるくらいなら、なぜこういう問題について検討しないのか。ものごとには順序というものがあるわけですから。分離課税などの問題をあと回しにして、付加価値税を検討するのはおかしいじゃないですか。いま申しましたこういうような問題についての十分検討がされて、これの処置がなされて後にいろいろな問題が出てこなくちゃならぬというふうに考えておりますが、大臣どうですか。
#150
○国務大臣(水田三喜男君) ですから、先ほど言いましたように、この問題は十分検討した結果、それぞれ一応の結論を得て、そうしてこの制度の適用期限まできめた措置がとられておるのでございますから、その期限の到来を待って次の措置を検討することが妥当ではないかということでございます。
#151
○成瀬幡治君 私は一ぺん考えていただきたいと思っておりますことは、これは主税局長にも申し上げたわけですが、株式の譲渡課税の問題でございます。これはまあいろいろなむずかしい問題があるということは私らもわかりますけれども、昭和二十八年以降据え置かれておるというところが問題だと思うわけです。しかも、それは千分の一・五というようなことになっている。もちろん長期のものと短期のものとはいろいろな区別もございますけれども、とにかくこういう問題をひとつ考えていただきたい。
 それから次にギャンブル課税の問題については何かお考えになっているかどうか。
 それから三つ目の問題として、これだけ自動車ができ、そしてどんどんとふえていく状態、そして道路を何とかしなきゃならない。もうガソリン税だけではとてもやっていけそうもない。そこで、国債等も相当にお出しになっておりますが、何か自動車の問題、自動車そのものについて、たとえばトラックに課税をうんとふやせば運賃にはね返ってくる。タクシーに使われる車にかければそれが料金にはね返るという、あるいは自家用車等でも非常に営業用と普通のそうでないのとはいろいろと区別しようとするなら区別することはできるわけですが、ある程度自動車を持っている人たちのために道路が云々になってきたり、それから通行的な幹線的な道路ができてくるわけですから、そういうような問題について何かお考えになっているか、この自動車税の問題について。
 それからギャンブルと株式譲渡、こういうような問題についてはどういうふうにお考えになっているのか。
#152
○政府委員(高木文雄君) 先に事務の考え方を申し上げます。
 株の譲渡所得につきましては、先般もこの委員会で申し上げましたが、譲渡所得の非課税措置をいま改めるということはたいへん執行との関連からいってもむずかしいと思いますが、いま御指摘がありました有価証券取引税の税率の問題等については、二十八年から約二十年間実施されておりますので、その点は一度一ぺんよく立法当時の経緯等にも照らし、また最近の売買状況等にも照らして、洗い直すといいますか、よく見てみたいというふうに思っております。
 それからギャンブル税については、これまた先般、数日前に申し上げましたように、四十七年度税制改正の際の税制調査会にもおかけしたわけでございまして、方向としては賛成意見のほうがどちらかといえば多かったわけでありますが、細目といいますか、なお前提となるべき公営企業等のあり方について触れる、もう少しなお残された問題がいろいろある、税の前にそっちのほうの問題があるということで、それは現状のまま放置して税の対象にするのはいかがかということで、もう少しその辺を見てみろというような感じの御答申であったわけでありまして、そこでそういうふうな指摘を受けた点を中心に意見統一すべきものと思っております。
 自動車につきましては、御存じのように、四十七年度に自動車重量税が初めて通年課税になったわけでございます。四十六年度税制で重量税がスタートいたしましたが、これは途中からでございまして、四十七年度から通年課税になったわけでございます。で、なおその際にも、非常に税種が多過ぎる、非常に複雑になっているというような御指摘も受けているのでございますが、ただいま言われますように、なお自動車が非常に、何といいますか、はんらんをしておるという状況もございます。で、抑制的な何か制度が要るのではないかという議論もございますし、道路財源の問題もまたあるいは出てくるかもしれぬと思います。しかし、現在の段階でいまそういうことで自動車重量税につきまして、まだ制度が始まって半年になるかならないかという状況でもございますので、いまのところ事務的には私どもは特に自動車関係についてさらに何か負担を求めるということはいまのところは考えていないわけでございます。ただまあ、昨年も地方税のほうで軽油引取税等について若干税制調査会に諮問をするというか、伺うところまではいきませんでしたが、多少検討したこともございました。ということもありますので、国税、地方税を合わせて、これは毎年のことでもありますので、多少検討してみるところは残っているかと思っております。
#153
○横川正市君 一つは為替差損金の算入措置の問題ですが、結論からいいますと、この為替差損対策というのは、もっと小幅に、なるべく税制外で行なうべきではないかという考え方でありますけれども、一つは、六十八条の二には円の切り上げ前に取得をした対外長期債権の純残高が、切り上げによって為替上の損失を受ける企業に対して、換算差額金額を、税務計算上その損失が実際に発生するときよりも早期に繰り上げて損金算入をする。こういう規定になっておるわけですが、差損をこれは十年間にわたって逐次出ている利益と相殺するというのは、特別措置としては少し長過ぎないか、これは。従来は大体最高五年で処理をされていたのではないか。その点はどうお考えになるのか。
 二つとしては、為替差損の損金算入の措置は、現在納めるべき法人税を、最大十年にわたって猶予することを意味する。このメリットは約一千六百五十億円といわれているわけですが、これほど大きな優遇措置を税制上認める理由は一体どこにあるのか。これが二つ目です。
 それから三つ目は、税の納入を将来延ばすことにより得る金利上のメリットは四百三十億。資料で調べてもそういうふうに出ているわけですが、税制上このような金利の恩典まで与えたことは、源泉徴収の所得税等の均衡上からいったら好ましくない措置ではないか、こういうふうに三点理由をあげるわけですが、最初に言いましたように、為替差損対策としてはもっと小幅に、なるべくこれは税外で対処すべきではないか、かように思いますが、大臣の所見をお伺いしたい。
#154
○政府委員(高木文雄君) 先に事務的にお答えいたします。
 損失の繰り越し控除を十年認めているのは長過ぎるのではないかという点でございますが、これは特例がございません場合には、繰り戻しが一年ありまして、そして繰り越しが五年あるわけでございます。それで今回は、実はいろいろな議論がございましたんですが、こういう財政事情でもございます関係もありまして、実は繰り戻しを認めないことにしたわけでございます。これは相当、実は問題がありまして、本来ならば税法上普通の本則上繰り戻しが認められているのを、この規定を適用する場合には繰り戻しを認めないということにしたのでございまして、これはかなり、ある意味からいいますと、まあ強烈といいますか、強い規定でございます。そこで、繰り戻しを認めない、ただし、午前の御審議の際にも御議論になりましたように、配当をしながら、しかし税は納めなくていいということにするわけですから、そういうように恩典があるわけですから、そこで繰り戻しは、この規定の適用を受けるならば繰り戻しは認めないと、そのかわり繰り越しのほうは延ばすと、こういう形をとったわけでございます。
 そこで、それをどういうふうに評価するかということについていろいろ御議論があろうかと思いますが、過去におきましても、昭和三十六年に、硫安会社についての輸出損失というものについて同様の処理がとられたことがございます。それ等との先例に徴しまして、十年の繰り越し制度を認めたわけでございます。
 第二番目の、千六百五十億の税制上のメリットというお話がございましたが、これはまあ総体として長期外貨建て債権による造船並びにプラント輸出等によりますところの為替損失が四千億であるということを前提にして、そのうちそれをどう処理するかということについての問題でございますが、損が出たわけでございますから、当該関連企業は、通常でありますと、通貨調整が行なわれません場合には、当然納めるべき法人税を納めないことになります。損が出ますから納めないことになります。そこで約四千億の損のうち、四五、六%が税だと考えますと、千六百五十億ぐらいは自然に税を納めなくても済むという関係で処理される、という意味の数字が千六百五十億でありまして、これは今回審議をお願いしております租税特別措置法の規定によって、それだけの救済措置が行なわれるという趣旨ではなくて、そもそも損が出るので自動的に納めなくなる税があり、それによって四千億の損のうち、それだけのものが処理されるという意味でございます。つまり四千億の損というものがどのように処理されるかという処理のしかたの問題としての計算上の金額でございます。
 それから三番目に、四百三十億の金利メリットの問題でございますが、これは四百三十億のメリットありというふうに考えるか考えないかは実は問題がありまして、メリットであるという考え方と、全くメリットなしという考え方がございます。と申しますのは、午前中も渡辺委員の御質問に対して詳細に議論がございましたように、企業会計審議会では、長期外貨建て債権は昨年の十二月二十日を含む決算期において、本来ならば新しい為替換算率によって評価がえをするのを企業会計上本則にしておりまして、それを本則によらないで、いわゆるただし書き方式によって取得時価のままで決算をしておいて、そして税務申告上だけそれを計算をして残してきた場合にそれを認めるというのがこの制度でございますから、そこでそのただし書き方式をとった場合に、つまりこの税制があることによって課税が繰り延べになる部分を金利計算をしてみたという、仮定計算で金利計算をしてみた金額が四百三十億でございますが、本来、本則方式をとれば、そもそもそういう税は納めなくてもいいわけでありますから、それをメリットというべきかどうか、一つ問題がございます。
 そこで全体としてこういう制度を税制上とりましたことについての、まあそんなにする必要があるのかどうかということは、これは全体として高い見地から御判断になったことでございまして、税だけの問題ではないわけでございますが、やはり何と申しましても戦後初めての通貨調整があったわけでございますし、その通貨調整によります最大のやはり影響を受けましたのは、長期外貨建て債権を持っておるところの関係者であることは間違いありません。短期の債権の場合には、すぐ次の期に実現をしてまいりますから影響が少ないわけでございますが、長期外貨建て債権の場合には、それが非常に大きく集中的にあらわれるわけでございます。そこで通貨調整措置に伴うところの企業の受けますところの経理的ショックというものを、何らかのかっこうで取る方法があるとすれば、やはり税で処理をするのが一番よろしいのではないかという判断でございまして、何かほかにも方法があったのではないかといま御指摘がありました。私どももそういう点も考えたつもりではございますが、他の方法によるよりは、やはり税法上の措置によることが一番穏当なのではあるまいかという判断に立ったものでございます。
#155
○横川正市君 そうすると、これは逆にお聞きいたしますが、この為替差損の損金算入措置がこのように行なわれなかったときに、実際上どういう状態になったと判断されるわけですか。
#156
○政府委員(高木文雄君) この税法がなければどういうことになるかといいますと、おそらく企業は、何といいますか、まずどういう会計をとったか、決算をとったかということになるわけでありまして、この税法がなくても、ただし書き方式をとるということになったといたしますと、おそらくは三年間で損失の繰り越しが切れますから、長期外貨建て債権を持っておりますところの企業のうちの相当部分の企業は、この制度がなくても処理がつきますが、比較的底の浅い企業につきましては、損の持って行き場がないということになりますので、大企業はそう心配ありませんが、造船、プラント輸出等の企業のうちの中型の企業、これはかなりいろいろの意味でのショックを受けることになったであろうと思います。大企業でありますと、長期外貨建て債権以外に他の利益もありますから、その利益で繰り越し損失を消していくことができますから、それほど大きな、若干そのショックはありますが、処理がつくと思いますが、中型企業はかなり経営的に苦しくなったのではないかと思います。
 それから、もしこういう措置がなければ、非常に多くの企業はただし書き方式によらずして、企業会計原則のほうの本文方式をとったと思いますから、その場合には配当ができないということになります。そのかわり一年間の欠損の繰り戻しがきいてくることになるわけであります。
 なおまた、いまの私の答弁のうち、一カ所間違えまして、この制度がなかったならば三年間欠損の繰り越しがきくと申しましたが、五年間繰り越しがきくわけでございますから、大部分の企業は制度がなくてもただし書き方式でいった場合には、大きな企業の場合には解決がつくというふうに考えております。
#157
○横川正市君 証券局長がいないが、私はいまの日本の証券の株価がどうしてこういうふうに上がっていくのかふしぎでならないわけで、それを解明してもらいたいのですが、それはこういうような処置がとられることによってなお証券への影響力もあるというふうにお考えでしょうか。それとも、これをとらなければ、証券のいまのような株価維持がある意味においてできないような状態が起こったと判断するわけですか。どうですか。
#158
○政府委員(高木文雄君) まあ当時、この制度を置くか置かないかを議論したときの感触で申し上げて恐縮でございますが、私どもの判断では、必ずしも株価全体に影響があるというようなことではないのじゃないかと思いますが、造船なりプラント輸出なりをしております企業につきましての株価にはかなり影響があっただろうと思います。特に、もしただし書き方式によらずして、本文方式によって配当しないということになりますれば、配当をやめるということになりますれば、直ちに株価にはかなり影響があるだろうと思います。むしろ影響が非常に大きく響いてまいりますのは、株価の問題以外にやはり、何といいますか、造船企業とプラント輸出をしている企業は、かなり大きい企業の場合が多いわけでありまして、その地方地方、地域産業に及ぼす影響がかなりあるのではないか。まあたとえば関連企業、当該企業だけではなくて、関連企業等に及ぼす影響がかなりあるのではないか、経理全体が圧迫されるところから、そういう影響が出てくるのではないかということが一番心配されたところでございます。
#159
○国務大臣(水田三喜男君) それから、先ほどこの措置がなかったらというお話でございましたが、なかった場合には、この長期債権の評価損というものは、民間の責任ではないということははっきりしておりますので、その損失に対する補償の要求が業界から当然出てくる。現にそういう要望が出てきておりましたが、国としては、この円の切り上げ問題についての国の補償というものは一切しない、こういうもうはっきりした立場に立っておりますので、そういう線に沿って、こういう民間に責任のない損に対してどう対処するかということになりますと、いま主税局長の言ったような税によってこういう措置をとる。しかも、民間から見ますというと、金融の面等はあるにしても、税をまけてもらったのではない、五年間繰り延べられただけで、払うべき税は全部払うということですから、これに対してもずいぶん不満がある。それよりも、補償の要求というような空気が強かったのを、これを全部かためてこういう措置にしたというようないきさつもございますので、こういう方法がとられなかったら、別の形のもっとむずかしい問題が展開しておったと私は思います。
#160
○横川正市君 私は、これは日本の企業体質がほんとうに強化されてゆるぎないものなのかどうか、そういった点での判断がよくつかないうちに、株価だけはきわめて異常な値上がりをするという問題で先般いろいろ質問をいたしたわけで、いまの問題も、日本の企業体質というのは一体つかみどころがあるのかないのか非常に心配で、端的に言って大蔵大臣は、大衆投資家その他に、このような状態が持続的に続いた場合であっても、ショックを与えるような、そういう事態というものはおそらく起こり得ないだろうと判断をされて、いるのかどうかという問題ではどうお考えでしょうか。
#161
○国務大臣(水田三喜男君) 証券会社の体質が非常によくなっておることと、取引の中に占めておる信用取引の比重というものが非常に少ない、したがって、投機的な要素というものが、この取引の中にあまりないというような一連のいろんなことを考えますというと、そう株高であっても、これを国が規制しなければならない不安な問題はないというふうに思っておりますが、しかし問題は、金融機関がこれを持つ、法人が株式を保有するということが、どんどん多くなってきますが、この状態はそういつまでも続くとは思われません。金融情勢の変化、経済情勢の変化が将来あるというときに、これが不当に多い比率で持つということは、ある程度これは考えなければならぬと思いますので、あまり法人、金融機関が保有量を多くしないようにというような指導をいま実際はいたしておりますが、そういうことによって、とにかく株式の保有、取引が異常であるというふうに認められる要素を注意深く見て是正していくという措置をとっておるなら、これが急速に株価が下がって、一般投資家に迷惑をかけるという事態はすぐにはないというふうに、いまのところ私どもは判断をしております。
#162
○横川正市君 次に、大蔵省が三月の三日に、衆参の予算委員会に提出した「昭和四十七年度租税特別措置による減収額試算」の内容を見ますと、その額が四千七百三十億というふうに出されておるわけです。これは大体特別措置を受ける分類のしかたはどういうふうにされておりますか。一説では、たとえば百四十あるいは百五十といわれておりますが、分類のしかたはどういうふうにされておるかですね。
 それから、その内容ですが、この優遇措置を受けておられる企業とか、あるいは団体とか、あるいは個人とか、そういう人たちの大体階層といいますか、これは一体どうなっているのか。
 で、ある報道によりますと、この減収試算額との対比をしたわけではありませんけれども、大体この特別措置による財源があれば、いま配偶者だとか扶養だとか給与等の控除がありますけれども、これなんかでも、大幅な一つの減税措置が可能になるだろうというふうに、まあひが目で見ている節もあるわけでありまして、ここに、このものの実は一般大衆からの不公平視される要因があるのではないかというふうに思うのです。実際上租税特別措置の所期の政策目標といいますか、そういったものがある程度達成された後までも、何か既得権が残っているような気風まであるんじゃないか。
 そういうことから、この処置については強く、税の公平上からゆがみを早く直して、そして整理すべきものは整理すべきだと、こういう声が、これはもう年を追うて高くなり、質問に立つ者がほとんどこのことを指摘をするわけなんですが、このことについてはどうお考えでしょうか。
#163
○政府委員(高木文雄君) まず第一に、四十七年度の租税特別措置による減税額がどのくらいあるかということでお出ししております数字は、四千七百三十億ということになっておりますが、これは毎年慣例的に予算委員会に御提出しておりますところの分類に従って一応出しておるわけでございますが、項目といたしましては、まあこれはどういうふうに分類するかによりますが、全体としてはもう少し細目に分けて分類をいたしますと、現在百四十八項目あるというふうに私ども御説明をいたしております。
 それから、それが階層別にどうなるかということでございますが、これはそもそもこの四千七百三十億自体が、実は先回も一応ここで御説明いたしたと思いますが、ここにあげております項目だけではこういう金額になるということでございまして、それぞれ非課税の規定なり、特別償却の規定なり、それから準備金の規定なり、それぞれ違う税制上の目的を持ったものをただ集計しただけでございまして、その合計の数字そのものはあまり実は意味のない、ある意味では意味のない数字になっておるわけでございまして、しかも、ここにあがっております項目についてだけの計算でございますが、したがって、あまり階層別等についてこれを分類することは非常に困難でございまして、一応の試算で申しますと、階層別に対するお答えにはならないのでございますが、これをまず所得税と法人税とその他に分けてみますと、所得税関係が三千五百九十二億、七六%、法人税関係が千五十六億、二二・三%、その他の税が八十二億で一・七%ということになっております。
 それからまた、別の形で分けてみますと、企業関係が二千八十億、それから企業とは関係ない分、これが二千六百五十億、企業関係二千八十億のうち、いわゆる大企業、資本金一億円以上の法人に及ぶであろうと推定されまする分が七百六十一億、中小企業関係が千三百十九億というようなことになっております。これが、何といいますか、軽減割合といいますか、そういう角度から見た場合、どういうふうになるかということがあるいは御質問だと思いますが、なかなかそういう数字を出すことがむずかしいのでございまして、御質問に対するお答えになるかどうかわかりませんが、いまのような分類はできると思います。
 それから、基礎控除とか配偶者控除だとか、そういうものと比べて、非常に大きいのではないかということのお話がございましたが、本年度、四十七年度所得税減税が行なわれました。ただし、その法律は前国会にお願いしたわけでございますが、そのときに基礎控除一万円上げていただいたわけでございますが、基礎控除一万円上げていただいたことによって、四十七年度減税になっております額は四百八十四億、配偶者控除、扶養控除はそれぞれ一万円ずつ上がっておりますが、それぞれ配偶者控除が二百十億、扶養控除が四百六十六億、あと若干のものがございまして、四十七年度の所得税の改正によります減税額は千百八十四億ということになりますから、諸控除一万円について大体千億強ということで、租税特別措置によります約五千億の減税を、かりに控除に置きかえた場合に、どれだけの意味を持つかというのは、いまの数字と見合わしていただくと、あるいは見当をつけていただくことができるかと思います。
#164
○横川正市君 これは私どものほうでは、ひとつこういう説明のしかたをぜひしていただきたいと思うのですが、租税特別措置によって、どれだけ本来の税制が、一般国民からゆがめられて見られておるかという点を、逆に行政庁は、そのゆがめられていると思われる問題にこたえる。そういう立場をとってこれらにこたえていただくような、そういう努力が必要なんじゃないかと思うんです。たとえば個人の所得について、所得の種類別に、また所得の階層別に、この関係を明らかにずるとか、それから法人の所得については、業種別に、また資本階級別に、租税特別措置による税負担のゆがみというか、どういう税負担をされておるかという点を明らかにすることが、そのことが、日本の産業活動にどのような関係を持つのかという点を明らかにされて、こたえる必要があるんではないかと思うのです。
 そこで、たとえば大蔵省は、企業優遇を今度はやめて、ことに交際費課税はきびしくするんだとか、こういうような方針をとっているということが新聞で報ぜられているわけなんですけれども、一体、課税方針を、いままでの状態に対して、どう転換しようとされているか、そういう構想があれば、この際明らかにしていただきたい。
#165
○政府委員(高木文雄君) 四十七年度の租税特別措置法に関する部分について、税制改正の最も大きな点は、先般来御説明申し上げておりますように、租税特別措置法の整理によりまして、特に輸出振興税制の整理によりまして、六百四十億円と、それからこれは租税特別措置法ではございません、法人税法のほうでございますが、貸倒引当金の引当率の改正によりまして四百八十七億、この二つによりまして、平年度計算でございますが、これによりまして、いわば増収をはかっておるわけであります。それをいわば財源といたしまして、所得税の改正に伴います老人、寡婦対策なり相続税の改正に伴いますところの妻に対する相続税の軽減措置なりというようなこともいたすと同時に、租税特別措置法上は、住宅対策、公害対策、中小企業対策、それから技術開発等のいま御審議願っております措置、それから先ほど御質問いただきました通貨調整に関連する所要財源等に充てたわけでございまして、廃止になっておりますほうの輸出振興税制なり貸倒引当金の整理なりは、いずれも企業関係のものでございますのに対しまして、新たにその財源をもって措置されましたものの相当部分は、住宅なり老人なり、あるいは相続税上の妻の優遇というようなことになっておるわけでございますから、そういう意味から言いますと、若干企業関係の税制は圧縮をして、一般のほうに回しておるということは言えるわけでございます。ただ、税制はそう急に一ぺんに方向転換ができませんものでございますから、四十七年度ではそういうふうに若干方向転換がはかられ始めておるということでございまして、来年度以降も大体こういう方向でいきたいという気持ちでおりますが、いまここで来年度どういうふうにさらに持っていくかということについて大きな、大見当といいますか、方向としては、ことしと同じ方向と思いますが、それ以上こまかいことは、いま申し上げかねるわけでございます。
#166
○横川正市君 いまのちょっと答弁の中にも出ておりますが、それなら海外市場開拓準備金とか海外投資損失準備金というのが残されているわけですが、残された場合であっても、損金算入率を引き下げるというような処置とか、そのままの形にしておかないで、何らかの処置を必要としたのではないかという考え方があるわけですが、それについてはどうお考えですか。
#167
○政府委員(高木文雄君) 輸出関係のもろもろの振興税制は約七百五十億ほどであったわけでございまして、そのうち六百四十億ほどを平年度計算――いずれも平年度計算でございます。六百四十億ほどに整理して残りましたのが、いま御指摘の市場開拓準備金と技術等海外取引の所得控除とが残っております。減税額として約百三、四十億であったと思いますが、そのくらいのものが残っております。これにつきましては、何ぶん通貨調整が昨年十二月二十日に行なわれました、そして税制改正のもろもろの案を立てましたのが、ちょうどその前後でございましたので、今回の通貨調整の幅がたいへん大きいということで、かなりやはりいろんな意味で貿易にショックがあるであろうということも、一面においては心配されましたので残したわけでございますが、なお今後の推移を見ました上で、私どもとしてはでき得れば、そういうものも情勢次第によっては今後整理の方向に向かいたいというふうに考えております。
#168
○横川正市君 そうすると、一つのまた転換の時期なので、従来の方針と、それから新規にとるべき構想とがなかなか転換できない時期だということは私たちもよくわかるわけですが、いま税制そのものに対して持っている一般の人たちの評価といいますか、非常に不公平じゃないかという考え方、これにこたえてやらないと、実際には税負担をする側が、税に対して、あるいは税そのものに対して非常にいやな思いをしながらおつき合いをしなければいかぬということになるわけで、そのことは徴税そのものにもずいぶん大きな影響力を持つと思うのですね。それで、これはまあ大蔵大臣、率直に言いまして、企業の交際費が一兆円以上あるということは、これはどう評価すればいいわけですか。まあ一兆円という中には、もちろん必要なものもあるし、それは潤滑油的に効率的に動いている面もあることは、これは私どもも承知をいたしておりますけれども、しかし交際費、飲んだり食ったりとすぐ言われるものが一兆円もあると、こういうことは一体、単に潤滑油としての評価だけか、それとも旧来の衣を捨てて、発想の転換に立ってこの際大なたをふるわなきゃならないものなのか、そういうおばけみたいなものなのか、大蔵大臣としては一兆円というばけもののような金額に対して、どういうお考えを持っておられますかお聞きしたいと思います。
#169
○国務大臣(水田三喜男君) この昭和四十年度の交際費の支出額で五千七百四十九億、四十一年四十二年とずっと上がって、四十四年度で九千百五十億、四十五年で一兆をこしているというふうに、ふえてはおりますが、これはやはり経済が大きくなっていることの一つの反映でございまして、営業収入の千円当たり幾らかといいますというと、この計算で見ますというと、年々千円当たりのこれは減って六円から五円になるというふうに減っておりますし、損金不算入の割合も、五〇%から否認割合を一〇%ふやしたときには、二七%否認割合になっている、その前の二〇%前後が二七%に、なったのを、これは四十五年でございますが、今度四十六年でさらに六〇%を七〇%というふうに否認割合を上げたことによって、この不算入割合がどうなってくるかというようなものも、私はこの実態を見たいと思っておりますが、それによって、いつも答弁しておりますように、いままでのようなあれで、ただ否認割合を上げればいいというものであるのか、そうでなくて、やはり外国であるように、交際費として認める、個別のいろんな経費について、これは交際費として認めるとか認めないとか、そういうような問題にまで入っていくのか、いろいろ考えなきゃならぬ問題がたくさんあると思いますので、例の四百万円の問題も、これを下げる必要が出てくるかどうかというようなものも、全部合わして今年度中に検討して、来年とにかく期限が来るんですから、来年度までに成案を得たいと、来年度の成案を得たというふうにいま努力しているところでございますので、金額が一兆円になったということは、年々企業活動が大きくなるに従って、順当に年々ふえている数字でございますので、この数字が特別に急に多くなったというふうには考えていないわけでございます。
#170
○横川正市君 細部にわたって検討する時期が来たということだけは当局もお考えのようですから、その線で十分検討していただきたいと思うのですが、この中で、たとえば役所の予算が年度末になりますと、旅費が余ったからあそこへ行ってこい、ここへ行ってこいというふうに使われるような性格の使われ方ですね。使わなきゃ損だという使われ方、そういう交際費があるんだから、この際税金で納めるよりか使っておいたほうがいいというような使われ方、そういうようなものには、ひとつきびしいやはり手を入れてもらわなければいかぬと同時に、このことにみんなが注目するのは、やはり他に財源がなくてやれないことがあるわけですね。これもやりたい、あれもやりたいというけれども、それは財源がないからこの程度にしておこうとか、いやこれはしばらく置いておこうという非常に大切ことがあり過ぎて、この交際費がねらわれるということもあるわけです。だから、そういう点で比重の置き方を、どういう比重の置き方でやるのか、私はずいぶん前の予算委員会だったと思いますけれども、総理か大蔵大臣に、同じ使うのならばお金を湯水のごとく使わないで、使ったものが次には生きて使われるような、そういう金の使い方に転換をしたらどうなのか、そうすれば、企業はたとえば職員の住宅について、いままで一DKのものを二DKにするということも可能になってくるだろうし、あるいは企業自体が企業の体質を改善するために、自己資金でまかなえるということにもなるだろうし、いろいろな意味で生きた金の使い方というのがあるわけだから、ネオンサインが輝いて、そして建物がりっぱになるという方向よりか、そのほうが健全財政じゃないのかと、そういう方向に金の使われ方がなされるべきではないかという要望を混じえて質問したことがありました。その方向で努力するということで今日まで何年か過ごしてまいりました。しかし、そもそも私はこの金の使われ方には、もっと本腰を入れてメスを入れる時期が来ているんじゃないか、ことに人心がうみ、何となく精神的な面が欠けて、何かとらまえどころのない民族の浮遊している姿というのを見ますと、やはりどこかに何か締める金の使われ方というのが予算の中に出てこないといけないんじゃないかという、私どもはそういう発想でこの問題を見ているわけですから、ぜひひとつ十分な検討をしていただきたい、かように思いますので、大臣からひとつお答えいただきたいと思います。
#171
○国務大臣(水田三喜男君) その点は全く同感でございます。
#172
○横川正市君 それから、先般大臣おらないときに、社会保険医療報酬課税の特別措置についていろいろ論議をいたしました。私は実は、医は仁術という意味で、実に社会的に高い評価をされて、さらにそのことが犠牲をしいられているという、そういう立場に立って、いろいろな優遇措置というものがあり、そのことは不平も不満もない状態であった時期と、今日の医師会を中心とした非常に圧力団体的な権力的な、政治的な、しかも、自分の生活権を擁護するためにはストライキ権も行使するというような転換のしかたというのは、これは医療の持っている技術に対する報酬という形のものでは、これが正当かどうかということはおくといたしましても、税の優遇措置として、これほど高いものを実は医師会それ自体が返上してきたと考えていいのではないか、そういうふうな時期ではないかと判断をいたしたのでありますけれども、大臣はどうお考えでしょうか。
#173
○国務大臣(水田三喜男君) この租税措置につきましては、いろいろ御批判があるところでございましたので、税制調査会におきましても、昨年特別部会をつくって、この問題についての実際に実行し得る具体的な現実的な案を部会においてつくるということをきめて、近くこの部会を発足させるというところまできておりますので、この税調の答申を待って、その結論を尊重して、今度はこの問題の改善をしたいというふうにいま考えておるところでございまして、長い間なかなか意見はたくさん出ておっても手のつかない問題でございましたが、今度は税調がそういう具体的な案を答申してきますなら、それによってこの問題の改善に一歩踏み出したいというふうにいま思っております。この答申を待とうというわけでございます。
#174
○横川正市君 これは政府の態度が非常に弱腰だと言われているのですね。そのことを税調の東畑会長が非常に強い意思表示をしてその点を指摘をしている、承知のことだと思うのです。ですから、税調にまかせてしまうという、その政府の態度そのものに問題があるのじゃないかと思うわけですが、その点では大蔵大臣いかがでしょうか。
#175
○国務大臣(水田三喜男君) 一応税調はいままで政府に意見を述べた。しかし、なかなか政府が具体案をつくってこれを実施しなかった。したがって、今回は自分自身で部会をつくってひとつ実施案をつくってみたい。政府はそうしたらそれを実行してくれるかというようなところまでいっている問題でございますので、私は税調に出席しまして、税調自身がそういう立場でやってくれるなら、その結論を尊重して、政府は今度は実施するように努力するという約束を私もしてあることでございますので、これは税調がそういう決意のもとに、自分自身で部会をつくるということでございますから、しばらくこれは税調にお願いしておくのがいいのではないかと思っております。
#176
○横川正市君 八回税調から意見が出ている。八回も出ているのに、今度は税調自体が実際に手をつけなきゃならぬというふうになったのは、そうすると政府はどういうことになるのですか。
#177
○国務大臣(水田三喜男君) これにはいきさつがございまして、昭和二十五年でございましたか、医療報酬の点数単価問題のときに、まあ当時政府は、財政の非常に悪いときでございましたので、この正当な医師会が言う報酬というようなものになかなか政府は応じられなかった。こういうことから、医師会の要望には応じられないかわりに、税においてこういう措置をとるということできめられた当時のいきさつがございますので、したがって、適正な報酬というものと、税制というものはいままで常にからんできた問題でございまして、何が適正であるかというものがなかなかむずかしい。そういうことから、この問題の解決がおくれておるということは事実でございますが、まあいろいろその後医療報酬の問題もだんだんに解決を見ておるときでございますので、したがって、あの当時とは事情が違っておりますから、もう何らかの解決をなし得る条件は現在できておるというふうに私は思います。
#178
○横川正市君 その状態で解決されることを期待をして、最後の質問をいたしたいと思うのですが、電算機関係の特別措置の問題点で、十一条で電算機の特別償却率を五分の一から四分の一に上げ、それから適用期間を二年間延長するほか、電算機買戻損失準備金、第五十六条の九の積み立て率を一五%から二〇%に引き上げる。ソフトウエア業務についてプログラム保証準備金、二十条の三を設けて売り上げの二%を認めているわけでありますが、全般的に見て電算機関係を税制上優遇し過ぎるのではないか。これには関係団体からの相当な圧力があったのではないかと、こういうふうに見られている節があるわけでございますけれども、当局のお考えはどういうことでしょうか。
#179
○政府委員(高木文雄君) 昨年の春からことしの春にかけまして、御存じのように自由化問題というのが、日米の関係を中心にして通貨調整にからんで非常にやかましい問題になったわけでございます。農産物につきましても、二次製品につきましても、資本の自由化なり、あるいは取引の自由化が進んでいったわけでございます。二次製品について一番日本の産業全体として重要な問題として、電算機関係が最も、何といいますか、焦点になったわけでございます。というのは、電算機産業というものは、単に電算機産業自体の問題ではなくて、電算機産業の水準というものが、その国の産業水準に非常に影響するところが大きいという前提で、いまの状態のままで自由化をするということは、日本の産業界全体としてのショックになるという認識であろうかと思います。そこで、まあそうは申しましても、全般的な全体的な国際協調の観点からいって、なるべく早く自由化は進めなければならないという前提がございます。そこで一部周辺機器部分等について自由化を進めながら、本体部門については、何年でございましたか、そう遠からざる時期に自由化をする。それまでの間にこちらの現在まだ競争力が十分でない電算機産業の力をつけるということでございまして、税だけでなくて、他の分野、歳出あるいは金融を通じて電算機産業についてはかなりウエートを置いた対策をとることになっておるわけでございます。で、おっしゃるとおり、電算機についてはかなり傾斜した対策をとっております。しかし、それは私どもの認識としては、電算機産業自体の問題というよりは、電算機産業が機械産業、電機産業のいわば頂点の産業である、
  〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕
技術水準という意味からいって、非常に重要な産業であるというところから出ておるわけでございます。
#180
○中村利次君 大臣は、付加価値税について検討をしたいという答弁をされておられますが、この付加価値税について、現在ただいまどういう検討をされておるのか、まずお伺いをいたします。
#181
○国務大臣(水田三喜男君) 付加価値税につきましては、税制調査会にも取り上げていただきまして、長期の課題として税制調査会もただいまこれを取り上げてくれておりますし、大蔵省の主税局自体におきましても、この問題の検討に入っておりますが、なかなかこれは税体系が相当変わる問題でもございまして、影響の大きい問題でございますから、よほど時間をかけ、勉強しないというと、わが国で実施できるような案というものをつくることはなかなか困難でございますので、今回はやはりこの制度の発達している欧州諸国の勉強をする必要がございますので、いままで係官が向こうへ行って勉強もして参りましたが、この際フランスの特に専門家を招聘して、いろいろわが国も指導を受けることも必要であるということも考えまして、フランスの大蔵大臣にその依頼をいたしましたところ、気持ちよく承諾してくれまして、近く向こうの主税局次長が日本に来るということになりましたので、その主税局次長の来日を中心にして、大蔵省自身でもその勉強を始めるというような段階でございまして、まだまだこの結論を出すまでにはなかなかひまのとれることだろうと思っております。
#182
○中村利次君 そうしますと、具体的な検討を始めたし、また進めていくのだけれども、何といいましょうか、結論は、相当これは長期構想として考えていくのだというお考えと受け取ってよろしいですか。よろしいかどうか、簡単でけっこうですから。
#183
○国務大臣(水田三喜男君) そういうことになるだろうと思います。
#184
○中村利次君 確かにおっしゃるように、付加価値税の採用については、これはたいへんに問題の多いところだと思うのです。ここでは時間も非常に少のうございますので、省略をいたしますけれども、私はやはりいまの租税特別措置ですね、これはもうそういう検討構想の段階ではなくて、まあ同僚議員から本委員会においてもたいへんにこれはきびしい指摘があっておるわけでありますけれども、租税特別措置は、税調の累次の非常に強い指摘にもありますように、とはかく喫緊の課題でなければならないと思うのです。先ほど横川委員の質問に対して大臣の御答弁を聞いておりますと、まことにこれは私は不満でありますけれども、たとえば社会保険の診療報酬に対して、適当な報酬とのからみでこれはなかなかむずかしいのだ。税調が何回指摘してもだめだから、大蔵省はたよりにならぬからわれわれがやるのだと、こういう姿勢をとっておるようでありますけれども、これはどこにそのむずかしさがあるのか。これは、たとえば適当な報酬とは何だということになりますと、私はこの間も委員会で申し上げたのですけれども、医学部に入学手形をとるのに一千万、これはもう中学で五百万というような相場があるといわれていますよ。そういう庶民がおよそ手の届かないような、そういうばかばかしいことのほとんどはお医者さんだといわれている。そうなりますと、大臣が国会答弁として、適当な報酬はどうなんだということはむずかしいんですということは、あるいは通るかもしれませんけれども、しかしこれは、庶民心情からいって、国民感情からいって、そんなものは断じて通りっこありません。しょせんこれは、やはり医師会という強力な圧力団体があって、いまの佐藤内閣の体質ではどうにもならないんではないかという、そういう疑惑が持たれても、私はこれは言いわけのしようがないと思うんですよ。租税特別措置全般につきましても、その時期になりますと、たいへんな各団体からの陳情等がございまして、この間も私は申し上げたんですけれども、各省庁にとっては迷惑千万、与党にとってはどういう利用価値があるかもしれませんけれども、そういうことをはたして繰り返していて政治責任がとれるものかどうか。これはまだほかにも一ぱいありますよ。配当所得に対する課税の問題にしましても、これは国会の場でどういう答弁をされても、やはり国民心情からいえば、断じて納得のできないようなことが、租税特別措置法で行なわれておるというこの事実に対して、それが非常に政治的圧力のにおいが非常に強いという、こういう印象に対して、はたして大臣はどういうぐあいにお考えになるのか、あるいはそれに対してどう対処すべきだとお考えになるのか伺います。
#185
○国務大臣(水田三喜男君) 要するに、租税特別措置ということは、産業政策の一端を税制を通じて行なうというものでございますので、これは必ずしも全部がいけないというものではないんで、一定の政策目的を持っておれば、これを税の誘引力を利用して行なおうとすることは少しも差しつかえないことであろうと思います。現在も全体の税に対して五%程度の減収となる措置が行なわれておるわけでございますが、問題は、すでに政策目的を果たした措置が依然として、まあ慢性化したり既得権化して温存されておるかおらぬかということが問題でございまして、これを絶えず見直して、どんどん新しい政策目的の措置とかえていくということが一番望ましいことだろうと思います。
 で、たとえば四十七年度におきましても、そういう点では、先ほど主税局長が御説明しましたように、ずいぶん中身は変わっております。やめたのが十一ございますが、新たにできた項目が十二と、できたほうが一つ項目が多いということになろうと思いますが、しかしその中身は全く変わって、国民福祉の向上という方向へみな政策が転換しております以上、その線に沿った新しい措置がたくさん今度は出てきておるということでございまして、この点は決して悪い方向では私はないだろうと思っております。で、現在のところを見ましても、一般国民に対する影響のあるものは五六%ぐらいで、企業関係は四四%ということで、そのうちでも大企業と中小企業との比較をしてみましたら、もう大企業の率というのは非常に少なくなっておるというのですから、一時よく言われたような、この特別措置がいま大企業にだけ恩恵を与えておる措置ということにはなっておりませんし、この傾向はもっともっとこれからさらに進んでいくと思いますし、そうだとすれば、私は全体の税収に対して一割、二割というような大きい減収措置をとるんでしたら、これは国民にとっていろいろ問題があるかもしれませんが、四、五%の範囲内においてこれが国民のためにいい政策目的のために使われるということでしたら、私はそう悪いことではないだろう、中身をどんどんこれを見直していけばいいというふうに私は考えます。
#186
○中村利次君 これは大臣が答弁されるような答えが出ておれば、税調もうるさいくらいに指摘をしないでしょうし、私どもも問題提起をしないでも済むと思うのですよ。政策目的を達成するための手段として租税特別措置があるということを、私どもも否定するものではないんですから、中にはいいものもあるけれども、それはまだ足りぬじゃないかというものもあるし、見直しをし、改廃をしたとおっしゃいますけれども、手をかえて、やはりどうも名目は違って、そういうものがすりかえられておると解釈されるようなもの、疑惑を持たれるようなものもありますし、あるいはこれも税調が指摘をしておりますように、とにかくややもすれば特権化しがちなもんだから、こういうものはやはり短期に改廃をすべきであるというようなものが、長年にわたって、たとえば先ほど触れられましたように、配当所得なんかでも、非常に長年にわたって、特にこれはもう議論の余地なく、他との比較で問題があるのを、五十年まで暫定措置をきめられておる。これは大臣も、五十年になってこれが切れるときに考えようとおっしゃる。それでは私は、やはり不満とそれから不信、これは納税意欲の問題にもかかわりを持つのが放置をされておる。それから有価証券の取引税にしても、なかなかこれはまことに庶民心情からしますと、どうも納得のできないようなことがそのまま残されておる。ですから、大臣の御答弁をお伺いをする限りでは、これはなるほどごもっとものように聞こえますけれども、出てきた答えが、決して大臣の御答弁と一致しておらないところに問題があると思うのですよ。ですから、私が先ほど質問をいたしましたのは、いろいろな政治的な圧力があるのではないか、そういうものに対してやはり国民の疑惑を解消をし、庶民心情に合致するようなそういう勇気がおありかどうか、そういうことをお伺いしておるんですけれども、どうもすれ違い答弁されまして困っているのですが、いかがでしょう。
#187
○国務大臣(水田三喜男君) さっき五十年と申しましたが、五十年になったら考えるというんじゃなくて、五十年にいくまでに、四十五年から六年まではこうとか、八年から五十年まではこうとかというふうに、もう漸進的な措置が考えられて、五十年ということになっているんですから、それまで何にもしないのじゃなくて、それまでの間にいろいろな改善策はとられておるということでございますから、それはそれとして見守りたいということでございまして、そういうふうにもう一応の見直しのできておるものもございますし、まだできてないものもございましょうし、そういうものについては、今後さらに、いままで申しましたような方針で、ここで見直しをして、どんどん内容を変えていくということは、当然これはやらなければならぬことだろうと思います。
#188
○中村利次君 もう時間が尽きるころになったのですけれども、これはどうも大臣からナマズ問答をやられまして、私が幾ら追っかけてみても届きそうもありませんので、限定された短い時間では、これは幾ら私がさか立ちしてみてもやむを得ないのであります。
 最後に、これはまたどういうお答えになるかしれませんけれども、私は繰り返して申し上げますけれども、租税特別措置に対しては、税調がもう繰り返し繰り返しやはり指摘をしていることは、大臣よく御承知のとおりだろうと思うのです。同じことをやはり国民も考えているんですよ。で、それをやはりこの国会答弁のナマズ問答みたいなものにすりかえられますと、これは政治不信というものが私はますます強くなるはずだと思うのですよ。そういう点についてほんとうに勇気をもって――特に来年なんかはたいへんでしょう、これは。もう予算を組むのにいまから大臣は頭痛はち巻きだと思うのですけれども、ひとつそういう点について不退転の決意がおありになるかどうか。これはそうあまり的をはずさんでお答えください。それで終わります。
#189
○国務大臣(水田三喜男君) 決意は十分ございますが、私は、大体税調のこのいっていること一つ一ついまやっておると思います。なかなか実現できなかったのは、さっきから申しましたように、医療法人については、これは確かに実行しておりませんでしたが、そのほかのことについては、とにかく一応全部これはその方向に沿った措置をいままでとっておるつもりでございますが、まだ何か残っているか――まあいずれにしましても、今後とにかく私はやる決意を十分持っていることを申し上げます。
    ―――――――――――――
#190
○理事(柴田栄君) 委員の異動について御報告いたします。
 ただいま、河本嘉久蔵君、栗原祐幸君が委員を辞任され、その補欠として高橋文五郎君及び山下春江君が選任されました。
 また、鈴木一弘君が委員を辞任され、その補欠として内田善利君が選任されました。
    ―――――――――――――
#191
○渡辺武君 今回の改正案で、外貨建て長期債権にかかわる為替差損の繰り延べ措置が認められております。輸出入銀行融資についての特別措置にあわせまして、造船、プラントあるいは鉱業など、ほんの少数の業種の大企業の約四千億円に及ぶ為替差損、これの六割近いものが補償されるというふうに言われております。これはほんとうにもう大企業優遇の租税特別措置の中でも、特にその性格の顕著なものじゃないかと思いますけれども、なぜこのような措置をおやりになるのか、これをお伺いしたいと思います。
#192
○政府委員(高木文雄君) この長期外貨建て債権は、具体的には、なるほど造船会社なりプラント輸出会社なりということになるわけでございます。そこに集中的にあらわれた結果になるわけでございます。それは一つには、そういう延べ払い輸出ということをやっております企業が、長期外貨建て債権を、昨年の十二月二十日現在で、集中的に持っておったからであります。で、それに対して特別の措置をとるということは、第一義的には、確かにおっしゃるように、それらの造船なりプラント企業なりに対する対策になるわけでございますが、私どもの認識といたしましては、その当該大企業の株主対策といいますか、企業対策といいますか、そういうことよりは、むしろその会社に関係がありますところの、造船にいたしましても、プラント輸出にいたしましても、非常に一種のアッセンブル企業でありますので、関連企業が非常に多いわけでございますし、また、その所在いたします地域、その工場の所在いたします地域のもろもろの産業に影響があるわけでございますから、長期外貨建て債権の処理を放置いたしますならば、当該企業自体だけで問題がとどまるということではないというふうに理解をいたしておるわけでありまして、ただいま御指摘のように、もっぱら大企業対策だというふうには私どもとしては考えていないのでございます。
#193
○渡辺武君 資本主義の企業ですから、もうかるときもあれば、損をするときもあるのです。何で為替差損についてだけ国が補償しなければならぬのですか。
#194
○政府委員(高木文雄君) この措置は補償措置ではございません。
#195
○渡辺武君 事実上の補償措置、その税の、損の繰り延べでしょう。十年間にわたって。この次は利益が出た、――この損が繰り延べられてだんだん減らされるわけだから、それだけ税金を払わないで済むことになるわけでしょう。事実上の補償措置ですよ。なぜ為替差損についてだけこういう措置をやるのですか。
#196
○政府委員(高木文雄君) 通貨の調整に伴いますもろもろの損失につきまして、さきに昨年の臨時国会におきましていろいろの企業、長期外貨建て債権を持ちません企業につきましても、三年間の欠損金の繰り戻し措置ということを租税特別措置法でお願いをいたしたわけでございます。あの措置は、大企業ではなくて中小企業だけに限定をいたしたわけでございますが、反面これは長期外貨建て債権ということではなしに、通貨調整に伴いますところのいろいろのというよりは、その前でございましたが、いわゆるドル・ショック等によりますところの景気後退等に関連いたしまして、中小企業へ影響する、しかもそれが輸出産業だけでなくて、それが順次影響して、広く日本の各産業に影響するということでああいう措置をとったわけでございます。で、あの措置によって――非常に多くの各産業には、大きなショックを受けた企業には対策としてはとられていると思うのでございますが、今回とりました措置は、長期外貨建て債権を持っている企業に集中的に損が発生するということに着目してとられた措置でございまして、通貨調整に伴います影響は、それは御指摘のようにいろいろあろうかと思いますが、やはり五年なり十年なり、ないしはそれ以上長い長期外貨建て債権を持っておりますと、非常に集中的に経理上の圧迫になるという事実は否定できないと思うのでございます。
#197
○渡辺武君 私は持ち時間が非常に少ないのです。だから、伺ったことに端的に答えていただきたいと思うのです。それはお答えになっていないですよ。この前も私この問題でちょっと伺いましたら、とにかくいままで国が為替管理などをやっておって、今度また円の切り上げになった。国の責任だから、だから、こういう措置をとるのはやむを得ないのだという御答弁がありました。私、それを聞いて思いましたです。それはなるほど片方で損をしたところもあろう。しかし、企業の中には、長期の外貨建ての債務を持っているものがたくさんある。今度の円の切り上げで、ばく大な為替差益の出る企業がたくさんあると思う。これは円の切り上げという、企業のみずからの努力でやったのではない、国の措置によって出た利潤、もうけですね、こういうものは、全額吸収するような特別措置をとるべきだと思う。差損のほうは救済の特別措置をとっている。差益のほうの吸収する特別措置はとらない、これは片手落ちだと思うのです。そういうことをやるべきだと思うけれども、どうでしょうか。これは大蔵大臣、せっかく見えているのだから、大蔵大臣にひとつ御答弁をいただきます。あまりお見えになるときないですから大蔵大臣、御答弁くださいよ。これは政策の問題だから。
#198
○政府委員(高木文雄君) 長期外貨建て債務を持っております企業はたまたま出ますが、長期外貨建て債務を持っている企業にほとんど集中しておりまして、長期外貨建て債務については、この今回の措置で、つまり両者をオフセットして、なお長期外貨建て債権がオーバーした分についてだけ今回の措置が認められることになっております。長期外貨建て債務だけを持っておる企業というものが多量にあります場合には、御指摘のような問題があり得るわけでありますが、その点については、一応個別的にも検討いたしましたけれども、長期外貨建て債務を大量に持っておる企業というものは、きわめて例外的でございますので、そのことについては、通常の法人税による処理ということにまかせるということにしたわけでございます。
#199
○渡辺武君 その答弁納得できませんね。あなた方ほんとうに調べたのですか。それは長期の外貨建ての債務を持っている企業、その企業が長期の外貨建て債権を持っておる企業と同じだという場合はたくさんありますよ。しかし、差し引きすれば、長期の外貨建て債務のほうが多いという企業、したがって、為替差益が出るという企業もたくさんある。それは調べましたか。端的に答えてください。
#200
○政府委員(高木文雄君) 長期外貨建て債務のある企業というのは、大部分はいわゆる外貨債を借りるというようなことで、外貨債を発行して、外国から金を借りたというような企業が大部分でございます。したがって、まあ電力会社等、いわば公益企業といわれているものにあるわけでございます。これを課税するかどうかという問題は一応あるわけでございますが、全然皆無だとは申しません。皆無だとは申しませんが、非常に数も少ないわけでございますし、しいてそれを追及するほどのボリュームでもないし、社数でもないというふうに認識しております。
#201
○渡辺武君 そうすると、数が少なくて、それで差益の額も少ないからやらないというのですか。つまり原則的にはやるおつもりがあるのですか、どうですか。特別措置でもってこの差益を吸収するということをやるおつもりがあるのでしょうか。
#202
○政府委員(高木文雄君) 原則とかなんとかということでなくて、具体的な事実に基づいての判断でございますが、今回の場合、将来どういうことになるかわかりませんけれども、今回の場合の通貨調整措置についての具体的な事例では、長期外貨建て債務を大量に集中的に持っている企業が大量にあるということではなかったということを申し上げておるのでございます。
#203
○渡辺武君 これは国の政策上の問題なんですから、大臣ひとつ御答弁いただきたいと思うのですよ。それはお聞きのとおりです。一方でこの円の切り上げによって為替差損が出た、この企業に対しては繰り延べ措置でもっていろいろ優遇措置を講じる。ところが、他方同じ円の切り上げで為替差益が出ている、そういう企業があるのですよ。しかも、これは同じようなあれで、労せずしてもうけた、そういうものなんです。これは普通の法人税の課税対象とは違うのです。こういうものは当然国が吸収すべきものだと思う。特に額が少ないとか、数が少ないとか言われるけれども、たとえばここに日本経済新聞の切り抜きを私持っていますが、関西電力一社だけで為替差益が十億円計上できるという記事もある。それから、私、経団連に問い合わせて聞いてみました。経団連の調べたもので、円切り上げによる差益業種ベストテンというのを経団連が計算している。それを見てみますと、電気・ガス七社が、百七十四億三千七百万円の為替差益が出る。石油、これが十二社で百十五億千二百万円、鉄鋼が十一社で五十七億五千六百万円、肥料が七社で三十八億九千九百万円、化学四十三社で三十八億三千二百万円、繊維十六社十四億千八百万円、その他たくさんあります。時間がないから何しますけれども、総額四百六十三億三千六百万円の長期の一これは短期を除いてあるわけです。短期を入れるともっとでかいです。長期の外貨建て債務から出てくる為替差益がこれくらいだということを経団連が計算している。何でこれはかけないのですか。
#204
○政府委員(高木文雄君) ちょっとよく調査してみないとわかりませんが、短期を除いた長期の外貨建ての債務、中期の外貨建て債務につきまして、ただいまお読み上げになりましたような数字は、私どもはそんな数字にはならないと思っております。
#205
○渡辺武君 大臣、これは問題の本質をすりかえて、数字が合っているか合っていないかという議論をあなた盛んにやっていますが、そういうことではない。多い少ないにかかわらず――何回も申します、国の円の切り上げという、みずから労せずしてもうけた、円の切り上げ措置によってもうけが出ている。一方で、そのことによって出てきている損失、これについてはカバーする措置をとりながら、何で為替差益、これを吸収しないのか。しかも――時間がないから簡単に申しますけれども、私、ここに金融財政事情研究会というところから出した「金融財政事情」という雑誌を持っております。ここには大蔵省の国際金融局の次長の林大造という方が、「通貨不安のなかの為替管理政策」というのを書いておる。その中でどういうことを言われているかというと、「リスクのヘッジは国への転嫁」という題で、その為替差損を何とかカバーしようと思って、ドルを取り込んだり何かして回避しようとする、これは結局回り回って国の負担になるんだということをはっきり言っている。私、日本銀行から、今度の円の切り上げによって、日本銀行の評価損はどれくらいになりますか、それからいま外為会計の評価損はどれくらいになりますかと言って聞いたところが、驚くなかれ外為会計評価損で四千百十七億百万円、四千億円ものばく大な損が外為会計で出る。それから日本銀行のほうで四千五百八億円の評価損が出る。この長期債権については、まだ評価がえしていない。だから、その一部分でも四千五百八億円、そんな評価損が出る。なぜ評価損が出るかと言えば、いまここで問題になっている長期の外貨建て債務のところで言えば、三百六十円レートでドルを取り入れて、これは外為会計で日銀にいっているのですよ、そうでしょう。それで、それを返すときにはどうなるか、今度は三百八円でドルを買って返す、そうして企業のほうには差益が出ますよ。しかし、外為会計や日銀には差損となってあらわれる。大企業がもうけた場合は、日銀もしくは外為会計の差損となってあらわれる。国の負担になってくるのですよ。不労所得であり、しかも、国の負担、これが企業に為替差益となって出てくる。
  〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕
当然これは特別措置によって吸収すべきものではないですか、どうですか、大臣。
#206
○国務大臣(水田三喜男君) それはいわゆる輸出前受け金などのことを言っているのじゃないかと思いますが……。
#207
○渡辺武君 いや、そうではないですよ。長期のやつを言っているのですよ、長期の。
#208
○国務大臣(水田三喜男君) 全体としては結局、大きい差損になるというものを、前受け金なら前受け金という形で早くお金を回収して、これを外為会計に入れることによって、損となるべきものを減少させるということであって、それをやったからといって、全体として長期債権が利益を得たことにはならないんでございますから、したがって、ドル売りをやった一時的の差益、国に損失をかけたという部分が、同時に民間の企業の利益にはなっていないということでございますから、これを押えて為替差益ということでどうこうするということは、これはできないことだろうと思います。
#209
○渡辺武君 委員長、最後に一言。
#210
○委員長(前田佳都男君) だいぶ時間もきておりますから、簡単にひとつ……。
#211
○渡辺武君 大臣、そんなことを言ったって、それでは全然経済の実情に合っていないですよ。大蔵大臣ですからね、もう少しやっぱり経済のことを深く見て御答弁いただきたいと思う。そんな答弁じゃだれが聞いてもせせら笑いますよ。そうでしょう。三百六十円でもって取り入れたドル。これでできた債務ですよ。ところがそれを返すときにはどうですか、三百八円でもって返す。だから差益が出るんですよ。そうでしょう。いいですか。さて取り入れたドルはいまどこへいっているかというと、外為会計や日銀へいっている。そうして三百六十円は彼等の手に渡っているんですよ、大企業の手に。それを三百八円で返す。だから為替差益というのが企業に出るし、またそのドルを買ったり売ったりした外為会計や日銀には差損が出るんです。国の負担になっているんですよ。だから当然吸収すべきだと申し上げておるんです。もしこれをやらないとすれば、あまりに露骨な大企業奉仕の政策になりますよ。一方で為替差損は、いろんな理屈をつけてカバーする。他方で為替差益は吸収しない。あまりひどい大企業本位の政策じゃないですか。吸収しますか、どうですか。これは大臣に御答弁いただきたいんです、大臣に。時間があまりないんですから。
#212
○委員長(前田佳都男君) 時間がございませんので、どうぞ簡単にひとつ。
#213
○渡辺武君 これは国の政策のことですよ。大臣ぜひお願いします。
#214
○国務大臣(水田三喜男君) いま言ったのはよくわからないのですが、私の言ったのは、いままで
 一般に差益、差益と言われておる問題は、損失を減らすためにやったことであって、それ自身が差益では、全体としては差益になっていないということであって、したがって、これを差益としてとらえるというわけにはいかないということを言ったわけでございまして、そういう問題はたくさんあろうと思います。
#215
○渡辺武君 答弁にならぬですよ。
    ―――――――――――――
#216
○委員長(前田佳都男君) 委員の異動について御報告いたします。
 ただいま戸田菊雄君及び吉田忠三郎君が委員を辞任され、その補欠として杉原一雄君及び須原昭二君が選任されました。
    ―――――――――――――
#217
○多田省吾君 現在、審議されております租税特別措置法につきましては、現在百四十八の租税特別措置があり、当初から引き続いて無期限にあるものは六十八と、このようにいわれております。で、衆議院におきましても、大蔵大臣に対しまして、税負担の公平という立場から国民に強い不満がある。ことに租税特別措置の中に交際費課税の、いわゆるまだ優遇措置がとられているんじゃないか、あるいは配当分離課税等も廃止すべきじゃないか、こういうような強い要求があります。その国民の期待にこたえるためにも、この百四十八ないしは六十八といわれるような租税特別措置を洗い直して、そして再検討すべきときがきたんだ、そのためには、やはり税調において特別部会を設けて、学識経験者あるいは中立委員等も入れて早急にこれを洗い直すべきであるという議論も強いのでございますけれども、前向きに大臣はどう考えていらっしゃるのか、まずそれをお伺いしたい。
#218
○国務大臣(水田三喜男君) さっきお答えしたと思いますが、これは前向きに常に洗い直さなければいけない問題であると思っております。
#219
○多田省吾君 まあよくわからないんですけれども、洗い直すべきだという、そういう抽象的な御答弁じゃなくて、私が申しているのは、まあこの四月の中ごろに、税調においては医師課税等の問題について租税特別措置の一部を審議するというような部会が設置されるというようなことも聞いておりますけれども、税調の中に特別部会を設けて、中立委員や学識経験者を含めて早急にこれを具体的に洗い直すべき時期に来ているのじゃないかと、そういうことをやられるおつもりはないのかどうか、それをお尋ねしておるのです。
#220
○国務大臣(水田三喜男君) 利子課税については、先ほど申しましたように、洗い直しをやりました結果、選択課税制度もできましたし、それから漸進的に……。
#221
○政府委員(高木文雄君) 利子ですか、医師ですか。
#222
○多田省吾君 お医者さん。
#223
○国務大臣(水田三喜男君) お医者さんですか――利子課税と聞いたものですから……。診療報酬についての特別課税、特別措置につきましては、御承知のように、税制調査会は特別部会を設けまして、ここで具体案を検討するということになっておりまして、明日、この部会が設置されて検討を始めるということになっておるそうでございます。そこで今度は、政府としてもこれなら実施できるだろうというような具体的な案を税調自身の手によってつくるということに、昨年の暮れ、税調ではきめております。
#224
○多田省吾君 ですから、それは私はそういうように聞いていると、ですから、そのほかの百四十八の租税特別措置全部に関して洗い直すべき時期が来ているのだから、特別部会を設けてやるべきじゃないかと、やられるおつもりはないのか、このようにお聞きしているわけです。
#225
○国務大臣(水田三喜男君) いままでのところでは、明年三月に交際費課税の臨時措置の期限がまいりますので、これまでには交際費課税をどうするかということを、一応、案をつくらなきゃなりませんので、この検討をただいま大蔵省内においてやっておりますので、これも時期を見て税調に相談をかけるということになろうと思います。
 そのほか、広告税の問題も、いろいろ国会から附帯決議をつけられておりますので、この問題の検討にもいま私どもは入っておりますが、これも税調に一応諮問する問題にこれからなろうと思います。
 そのほかの問題につきましては、利子課税の問題にしましても、一応洗い直しの結果、一定の期限をもってその間にどうするかという暫定措置まできめられてある問題でございますから、それはそれとして見守っていきたいというふうに考えております。
#226
○多田省吾君 それに関連しまして、この租税特別措置百四十八を見ますと、法人企業、特に大企業にとっては非常に優遇措置が多いわけでございます。その適用範囲を見ますと、法人税をはじめ所得税、相続税、財産税、登録免許税、酒税、物品税、揮発油税、地方道路税、砂糖消費税、印紙税、租税特別措置のいわゆる幅が非常に広いわけでございますが、その中でも法人税関係で、企業が恩典を受けるものが、ざっと数えて、引当金を含めて大体七十六種類、計算してみますとそうなります。ところが、一般勤労サラリーマンが受ける所得控除を含めたところのいわゆる租税特別措置というのはわずか十四種類でございます。このように比較しますと、片や法人企業は、特に大企業は七十六種類、一般勤労サラリーマンは十四種類というぐあいに、あまりにも大企業に片寄り過ぎている、優遇し過ぎる、こういうきらいがあります。この点を大臣はどうお考えになっておりますか。
#227
○国務大臣(水田三喜男君) 金額から見て、私は大企業に片寄っておるという数字にはなっていないと思います。中小企業と大企業に関する減税額を見ましても、これは大企業に関するほうがはるかに減税額が少ないものでございますし、項目は多くても、大企業に偏しているという形はだいぶ改められておると思います。特に今度の輸出振興税制の見直しそのほかによりまして、内容が本年度は変わっておりますので、私は決していまの租税特別措置が大企業と偏しているという姿には実際にはなっていないんじゃないかと思います。
#228
○多田省吾君 大臣は配当所得の課税の特例をここで廃止するお考えはありませんか。
#229
○国務大臣(水田三喜男君) これは法人税の法人の性格とからんだ問題で、長い間税調が取り上げていながら、まだ結論の出ない問題でございまして、私どもとしては何らかの結論をここで出したいと思っております。
#230
○多田省吾君 この租税特別措置について、まあ代々の大蔵大臣は漸次改廃、縮小、整理すると言っておきながら、毎年租税特別措置の金額はふえております。それで、税収に対する割合も四十六年度、四十七年度ともに五・六%と横ばいでございます。決して減っておりません。また一つの、非常にふに落ちないのは、まあこれは名目上はそうでございましょうけれども、租税特別措置の実質面を考えますと、交際費課税の特例、これだけがまあ増収でどんどん計算されているわけです。法人税と租税特別措置を比べれば、これは増収でも間違いはないと思います。しかしながら、法人税でもっと交際費についての、いわゆる損金算入の限度を外国のように制限していけば、イギリスとかアメリカとか西ドイツとか、そういった外国のように制限していけば、こんな昭和四十六年度一兆七百億、昭和四十七年度見積もりで一兆一千億以上というような膨大な、文教予算にも値するような、またアメリカの五倍にも達するようなこういう租税特別措置による法人税における交際費の使われ方というものは私は生じないと思うんです。それで交際費課税の特例だけを別に抜き出して計算しますと、昭和四十六年度で租税特別措置による減収額は五千五百九十億円、ところが昭和四十七年度の減収額は六千二十七億円。ところが一方、この交際費についての損金算入を大幅に認めておりますので、どんどん使われる。使わないと損だというような傾向すらある。それにこの租税特別措置によって若干課税を強化しつつありますけれども、この増収額が昭和四十六年度で千百九十六億円、昭和四十七年度で千二百九十七億円と、こうなっております。少しずつふえております。このふえた分だけ今度はほかの租税特別措置をつくって、またこの減収をふやそうとしているわけです。これはもういつまでたっても漸次改廃、縮小、整理どころか、ますますこの租税特別措置による減収額というのは実質的にふえていくわけです。見せかけよりふえていくわけです。こういう点を考えますと、いままでの大臣のいわゆる改廃、縮小、整理するという政府の、また大臣の公約というものは当てにならない、このように思うわけです。ですから私は、この交際費課税の特例というものを、これは増収額のほうですから、別個に考えて、これは法人税のほうでもっと損金算入の限度をきびしくすれば、外国のようにきびしくすれば、こんな一兆円以上の額にはのぼらないわけですから、これは別個に考えて、そうしてもっと昭和四十六年度の五千五百九十億円とか、昭和四十七年度の六千二十七億円とか、こういういわゆる租税特別措置による減収額の年々ふえていく傾向をやめるべきだ、もっともっと縮小すべきだ、このように考えますけれども、大臣はどう思われますか。
#231
○政府委員(高木文雄君) 租税特別措置の減収額というものの持つ意味をどういうふうに評価されるかということでございますが、非課税措置、預貯金、保険等の法人関係のもの等につきましても、やはり経済が伸びてきますと貯金がふえます。したがって、減収額はふえてまいりますし、特別償却等につきましても、投資がふえますればふえるわけでございます。よって、経済の成長が大きくなりますと、どうしても大きくなるわけでございまして、数字の上でそれを減らすということは非常に困難でございます。もちろん、租税特別措置の減収額がふえるということは決してよくないことでございますから、税の公平感という点からいって非常に好ましくないことでございますが、今後とも圧縮につとめることに努力はいたしますが、なかなか一朝一夕にしてそれを目立って減らすということはむずかしいわけでございます。
#232
○多田省吾君 郵政省の提唱しているいわゆる庶民金融構想が、大蔵省から非常に強い反対がありまして、意見の調整ができないということで、今国会は無理だろうともいわれております。それでまた、一部自民党のいわゆる部会におきましては、議員立法ででもこれはつくりたいというような姿もあるようでございます。いままで大蔵大臣は、金融制度全体に影響する問題だとか、あるいは大蔵省のいわゆるまあいろいろ財源を握っておきたい、こういうような一本化というような、一元化というような考えもあって、大蔵大臣は反対しているようでありますけれども、私はこの問題は、国民本位の庶民金融ということ、そうして国民が強く要望しているこの国民本位ということを根本に考えて、これはもう積極的に推進すべきものではないかと、このように思いますけれども、現在の大蔵大臣の心境なりお考えはどうでございますか。
#233
○国務大臣(水田三喜男君) これは前にも申しましたように、相当郵便局の、いま郵便貯金の性格を変えるということは影響の大きいことでございますので、これは大蔵省だけでもきめられる問題ではございませんので、過般郵政大臣とも相談いたしまして、関係省のまず事務当局の連絡から始めようということになりまして、参議院において予算審議の進行のぐあいを見て、なるたけ早い機会に、二十日過ぎのなるたけ早い機会に、関係省の事務当局協議会を開いてこの問題の相談を始める、そうしてこういうものをまず軌道に乗せていこうという相談がきまりましたので、今月の後半からこの庶民金融の問題と取り組む体制がようやくできましたので、これからこの話が軌道に乗っていくだろうと思っております。
#234
○多田省吾君 これをやるやらないの決定は、今国会中に間に合うようにしたい、こういうお考えですか。
#235
○国務大臣(水田三喜男君) これは、郵政省におきましては、郵政審議会に諮問する問題でもございますし、また大蔵省でいいますというと、金融制度調査会にも相談しなければならぬ問題でございますし、まず事務的にいろいろ相談を始めていっても相当の期間はかかると思いますので、私は、この国会においてどうこうできるところまではいけないんじゃないかというふうに思っております。
#236
○多田省吾君 最後にお尋ねしたいのは、前から本委員会でもいわれておりますいわゆる外貨を減らす方法といたしまして、大臣からも二、三の方法を聞いたのでありますけれども、その後いろいろ相談されておるようでございますが、最終決定しなくても、現在、外貨減らしの方法、そして円の再切り上げというような陰謀を粉砕するためにも、どうしたらいいかというお考えですね、これはどのようにお考えでしょうか。
#237
○国務大臣(水田三喜男君) 相当支払い準備が多くなっておることでございますから、そう流動性の問題を重視しないで、この活用する方法を考えるという方針のもとに、いまいろいろの活用策を考えておりますが、大体あとは法令の変更によらなければ思うようにできないというような問題を残して、そのほかの問題はもうすでに実施しておりますから、いま残った問題は、現行法の上では活用が無理だというような問題について、それをどうするかというようなことを関係省で相談中でございまして、まだ最後の結論が出ておりませんが、この四月中には結論をつけたいと急いでおるところでございます。
#238
○野末和彦君 今度の住宅取得控除なんですけれども、いままでの委員から質問があって、もし重複するようでしたら簡単に教えていただきたいのですが、大体この住宅取得控除によって、どの程度住宅建設が促進されるのですか。
#239
○政府委員(高木文雄君) 午前中の委員会で御答弁申し上げましたが、この制度でどの程度促進されるかという性質のものではないと思っております。
#240
○野末和彦君 しかし、一応財源も百億ぐらいを見ているわけですから、そうすると、これは単にこれから家を建てる人へのサービスということになるのですか。
#241
○政府委員(高木文雄君) いま立てております住宅設計画では、従来に比べますと、持ち家をどんどんふやすという方向にいっております。ところで、政府の方策といたしましては、住宅公団なり、あるいは公営住宅なりについての財政金融上の対策はとられてまいりましたが、個人の持ち家住宅に対する財政金融、税制上の対策はいままで欠けておったきらいがございますので、そういう意味で、今後持ち家奨励という角度から、何らかの対策が必要だという見地からとられたものでございます。
#242
○野末和彦君 持ち家奨励ということになります――最高額二万円の税額控除によって、新たにこの取得控除ができたからといって、家を建てようという気になるかどうか、ちょっと疑問だと思うんですが、どうでしょうか。なりますか。
#243
○政府委員(高木文雄君) 幾らの税額控除があればそうなるかということは、非常にむずかしい問題だと思います。その金額いかんの問題かどうかは、非常にむずかしい問題だと思っております。
#244
○野末和彦君 それはむずかしいですけれども、せっかくこういう制度ができて、どんどん家を建てようという気になればいいと思うんですけれども、しかしいずれにしても、金額がちょっと焼け石に水的で少な過ぎるので、むしろそれよりも、やはり根本の住宅の土地問題とか、何かほかのほうに使ったほうがはるかにいいというふうに思えてならないんです。
 それと、こういうような恩典がある場合に、やはりかなりPRをしないと、せっかくあってもPRが十分行き届かないと、わりと知らない人が多いわけですね。そういう点でPRというのは十分行き届いていくだけの用意があるんですか。
#245
○政府委員(高木文雄君) 住宅政策全体としていろいろな問題があると思います。この税の問題もその中の一つであるにすぎないと思っております。その中でこの制度を、税としては多分に不公平になるわけでございますから、かなり税のほうとしては、税の公平論からいいますと、若干税の立場から申しますと犠牲を払うものでございますので、これを建設省を中心に、住宅担当官庁のほうで積極的に御活用を願いたいと私どもも願っているところでございます。
#246
○野末和彦君 いろんな政策の中の一つということになるとわかるんですが、それにしても、やはり家をつくる気になれるようにしてもらって、しかもやはり土地のほうが先ですから、土地のないところに家が建たないわけで、どうもこういうのは中途はんぱだという気がするんですけれども、もっと何かどかっとやったほうが一般の人が喜ぶんじゃないかというふうに思うんです。今後こういう非常に庶民、一般国民に恩典になるようなことがあったら、みみっちくちょびちょびやるというのはどうもはんぱでおもしろくないと思うんです。今後大臣検討してもらいたい。大臣だいぶ元気がないようですから、あまり期待はしていませんけれども……。
#247
○政府委員(高木文雄君) ただ、一言申し上げておきますが、二万円で三年間で六万円になります。税額で六万円ということは、所得で計算します場合に税率を幾らと見るかということでございますが、所得税の最低税率一〇%で逆算いたしますと、所得控除で六十万円になるわけでございます。六十万円の所得控除というのはかなり大きな額でございまして、ただ二万円と言われますとあるいはみみっちいかもしれませんが、現行所得税法上六十万円の所得控除という額は、他のもろもろの誘引政策との関連からいいますと、かなり大きい額というふうにお認めいただけるんじゃないかと思っております。
#248
○野末和彦君 それはわかりました。でもやはりそれによって家を建てる気にならなければ意味がないし、また現実に実を建て始めなければ意味がない、そういう意味で私言ったんです。
 それから今度は、一番不公平になっている、さっきから出ている医者の経費の問題です。これはいままで何回も言われていてやっとあしたから検討が始まるそうですけれども、いままで手つかずになっていたというのは、医師会とか特殊な圧力団体の影響がずいぶんあるんですか。
#249
○政府委員(高木文雄君) 一番問題はやはり、先ほど大臣から答弁がありましたように、事の経緯から今日までずっと続いているわけでございますが、適正診療報酬ということとの関連があって、適正診療報酬問題がなかなか片づいておらないということとの関連だろうと思っております。
#250
○野末和彦君 そうしますと、大蔵省としては、これはやはり絶対的に改めるべきだという方針はもうかなり前から堅持しているわけですか。
#251
○政府委員(高木文雄君) 適正診療報酬問題について解決がつかないうちは、税のほうも片づかないということであっては、いつまでたっても片づかないということになるのと同じことでございますので、そういうことでなしに、昭和二十九年当時とは、適正診療報酬とは言わないまでも、これは診療報酬単価の内容はたいへん変わっておるわけでございますから、その点まで入って検討するということでございまして、その特別委員会を設けられましたのも、そういう方面の専門家の方にも入っていただいて検討するという意味でございます。
#252
○国務大臣(水田三喜男君) いまの二十九年というのは、話は二十五年からなんです。
#253
○野末和彦君 そうすると、大蔵省としては、今後これを具体的に、何年後にどういうふうにしようとか、具体的な構想というのは全然ないわけで、今後検討の結果によってまたあらためて見直していこうというわけなんですか。
#254
○政府委員(高木文雄君) これは昨年の答申にありますように、税制調査会自身が自分で案をつくってみるという御答申になっておりますので、私どもは事務局としてお手伝いはいたしますが、どちらかというと、税制調査会自体がある程度具体案をおつくりいただくことになると思っております。
#255
○野末和彦君 そうすると、税調で出てきた答申は、それを検討するんですか、それともそのとおりに実現するように持っていくんですか。
#256
○国務大臣(水田三喜男君) 私は税調に出席して、それを自分たちがつくったら尊重してくれるかということでございましたので、税調自身が特別部会をつくって具体案をつくるなら、尊重するというお約束をしましたので、これは尊重しなければならぬと思っております。
#257
○野末和彦君 尊重するというのと、実現するというのとはかなり違うと思うんで、税調の答申が出たらやはりそれは当然――いままでもあまりにも置き忘れられていたという観点から考えるならば、尊重でなくて、少なくもそのままに実現するのが当然じゃないかと思うんですがね。
#258
○国務大臣(水田三喜男君) さっき主税局長が言いましたように――事の起こりは昭和二十五年で、ちょうど私関係ございまして、大蔵省の政務次官をしているときでございまして、診療報酬の点数単価の問題が起こったときに、時の大蔵大臣が池田さんでございましたが、当時財政の余裕がなくて、医師会の要望にもなかなか国は従えない、したがって、そこで要望どおりの報酬を政府はのめないかわりに、税においてこういう優遇措置をするというお約束をしたのが一番始まりであって、したがって、そういういきさつのもとに今日まできましたので、一体じゃ、医師会側から言いますというと、もういまの報酬が適正な報酬と言えるかどうかということで、常にこの問題とはからんでいる問題で、なかなか税制調査会の意見が出ても、最後に実行することができませんでしたが、しかし、その後何回も報酬については改善策がとられておりますし、もう何らかの解決策をとれる条件は成熟しておると私は思います。したがって、それらの点を考えて、税調自身が自分の手で、そういう診療報酬の改善ぶりとからんで一定の案というものを、実現性のある案を自分たちがつくるというようなことで、部会の構成にとりかかっており、明日からこれを開くというところまでいきましたので、私は従来のいきさつからいきまして、必ず現実的な案を税制調査会はつくるであろう、こういうことを思っておりますので、これは尊重していいと思います。尊重と実行とは違うということでしたが、政府は人事院勧告というのは代々尊重するということになっていますが、これは必ず実行しておりますので、大体同じことばと思っていただいていいと思います。
#259
○野末和彦君 しかし、今度はやってくださいよ。やはりこれは不公平感の一番大きい原因だし、しかも、これは税制上最大の何か矛盾というか、ガンみたいなこともいわれておりますので、まあひとつ尊重と実行がイコールである前例を破らないようなことで……(笑声)笑っている場合ではなくて、ほんとうに頼みますよ。笑ってごまかされては困ります。
 それからもう一つ、さっきからずっと出ている交際費ですが、大臣にこの間伺いましたら、冗費を省いて企業体質の合理化をはかるのが交際費課税の強化の目的だということをおっしゃったのです。私が考えるのに、冗費という点では、むしろこれが個人消費につながって、物価の値上がりなんかを誘発するというそっちの感じが強いので、企業体質の合理化なんというのはあまりこの際考えないで、強化していくのがほんとうだと思うのですが、これまでの強化で、企業体質なんというものは合理化ができているわけですか。やはりそういう目的にはふさわしく強化してきたのですか、いままで。
#260
○政府委員(高木文雄君) 交際費の課税というのは、これはやはり交際費が過大に使われるということは、要するにむだ使いだ、社会的にも批判さるべきであるという意味で、経費であることを認めながら否認をしておるものでございます。したがって、その会社が、企業がもっと経費を有効に使うのであればよろしいのに、それをむだ使いと認められるふうに使うから、それを否認をするということであると思います。大臣はどういう意味で企業の合理化とつなげておっしゃったのかわかりませんが、そういう意味では、若干のつながりがあるということではないかと思います。
#261
○野末和彦君 この交際費の場合、私が考えるのに、もう一回交際費の意味というのを根本的に考え直しますと、ほんの少しずつ強化していくというようななまぬるいやり方というものはどうも違うという気がするのですね。大体交際費というのは、本来利益を生むための経費というふうに考えるならば、本来景気の悪いときにはたくさん使わなければいけないものなんです。ところが、日本の企業は、景気のいいときにはお金をじゃんじゃん使うけれども、不況になるとすぐ交際費を引き締めるとかなんとか言う。そうなると、根本的には交際費は経費であるというよりも、むだ使いに近いというふうに考えられるのですね。ですから、そうなりますと、大体交際費でもって利益をあげようという企業の姿勢自体がおかしいのであって、企業の利益はほかの面であげるべきだと思う。だから、交際費そのものは、もうむだ使いで、本来は経費として考えるのもおかしいのじゃないか。私は個人的にそう考えるのです。ですから、この交際費課税強化というものは、むしろもっとあいまいなものをやめて、企業はいろいろな点で国の保護を受け、恩典を受けているわけですから、少なくもこの交際費に関しては、もう強化でなくて、優遇措置をやめるぐらいの強い方針で検討すべきだと思いますが、そこまではいかないですか。やっぱり必要だとお認めになるのですか。
#262
○政府委員(高木文雄君) 交際費の課税というのは、昭和二十七年以来でございまして、非常に長い過程を経ておるわけでございますが、どうしても交際費というものにつきましては、会社の経理のやり方の問題と関連いたしますし、実務上把握がなかなかむずかしいというようなことがありまして、あまり急激に制度を変えますと、また税務署の仕事がなかなかついていかれないというようないろいろな問題があるわけでございまして、確かに基本的にはおっしゃるような点がございますので、来年度以降検討いたします場合に、あまり急激な大きな変化を加えるということは、会社側と税務署側との間でなかなかスムーズにそこが行なわれなくなるおそれがありますので、私は、強化をする場合にも、漸次強化をする方向ではないかと考えております。
#263
○野末和彦君 まあしかし、それを言っていたらいつになってもはっきりしないので、総理の口ぐせじゃないけれども、発想の転換を行動に移すというならば、やはりもっとどんどん生活優先の税制に変えていくのがあたりまえで、ちょっと企業優先が、あまりにも企業の優遇措置が多過ぎるというふうに私も思っております。
 最後に、一つ聞きますけれども、この交際費課税につきましては、企業側、つまり財界などがかなり反対をしたり、いい顔をしないということをよく聞くのですが、現実にはそういう面は大蔵省のほうにもありますか。影響がありますか、それによって。
#264
○政府委員(高木文雄君) これはむしろ財界とかなんとかということよりも、中小企業を含めて、一切、すべての企業との間にありまして、税務署と会社との間のフリクションのもとになっておるわけでございます。そこで本来、これはちょっとお触れになりましたように、販売操作のための経費でございます。そこで、それをあまり過大なものをただすために税務がこういうことをやっているわけでございますが、どうも税務だけがやるのは限界があるわけでございまして、本来、企業自体の倫理の問題というか、そういう問題があるわけでございます。反対というよりも、私どもはむしろ現場におきます仕事のフリクションをおそれて、急激な変化は、やはりそういう点でいろいろ問題が起こったり、あるいはそれが会社の表面から、いわば裏のほうに逃げたりということで問題がありますので、急激な変化は、私どもは非常にヘジテートするわけでございます。
#265
○委員長(前田佳都男君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#266
○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#267
○成瀬幡治君 社会党を代表いたしまして反対をいたします。
 第一の理由は、租税特別措置法は、企業優先、輸出優先という政策の重点で運用されてきた。しかし、円再切り上げなど、国際情勢、また、国内の事情も変化してきました。したがって、政策重点目標が、公害、住宅、生活環境など、国民福祉へと変更をされなければならない、こういうことを税制調査会が指摘しておりますが、こうした観点から、今回の改正を見ますと、旧態依然としておる。特に見るべきもの、評価すべきものが少ないというのが第一の理由でございます。
 第二の理由は、所得税の分離課税についてであります。最低課税限度額は、四人家族で、勤労所得では百三万七千八百六十円、配当所得では三百四十三万一千円、汗を流して得た所得と、働かないで得た所得――不労所得のほうが優遇をされておるということは、だれが何と言っても許されることではございません。税は、公平のために、総合で、税率は累進で課税されるというのが原則でございます。この大原則を破った、不公平な措置を認めることは許されません。
 第三の理由は、交際費、広告費、寄付金についての損金算入は、単に販売促進という名目だけでこれを見のがす問題ではありません。企業の恣意を許すべきものではなく、その運用については、きびしい制限、条件を付すべきだと思います。
 第四は、為替差損についての税の特別優遇措置を行なうなら、差益についても何らかの特別措置をしなければ片手落ちになるのじゃないか。国の施策と申しますか、国の責任において損をさせたのだと、だからめんどうを見ますよというなら、それは損をした側はそれでいいでしょう。しかし、片方では、この円切り上げで利益を得た人がおります。その人についても何らかの特別措置を講じて吸い上げることを考えなければ、公平を失しておるという点を指摘されても、政府としては言いのがれをすることはできないのじゃないかと。とにかく、片手落ちだという、以上の理由によりまして反対をいたします。
#268
○嶋崎均君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題になっております租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、賛成の意を表するものであります。
 本案は、昭和四十七年度税制改正の一環をなすものでありまして、わが党が強調いたしました国民福祉重視の財政政策の趣旨に十分沿うものであると考えます。
 以下、数点にわたって賛成の理由を申し上げます。
 まず第一は、昭和四十七年度税制改正全体について見ますと、前国会で審議された所得税の一般減税に加えて、一千億円近い地方税減税を行ない、減税による景気浮揚をはかるとともに、老人、寡婦対策、配偶者・障害者の相続税の軽減等、低所得層に対する負担軽減にも十分役立つよう、租税全体について軽減合理化をはかろうとしていることを高く評価したいのであります。
 第二には、本法案も、その一環として、住宅取得控除制度の創設、公害防止準備金の創設など、国民の福祉向上のため、現在緊急にその推進を迫られている施策を充実させるための諸措置が講ぜられていることであります。
 第三に、企業課税につきましては、法人税の付加税率の適用期限を延長し、千二百億円の財源を確保するとともに、法人税法による金融保険業の貸倒引当金の繰り入れ率の引き下げなどによりまして、租税負担の維持、強化をはかり、その税収を国民福祉充実のための財源に充てることにしている点であります。
 第四に、租税特別措置のあり方について、これが租税負担の公平の原則を阻害することを指摘される向きもありますが、確かにお説のとおりの面もあります。したがいまして、このような措置の慢性化と、既得権化は排除されるべきものであることは言うまでもありません。
 本年度においても、この点については、十分見直しを行なっており、最近の国際情勢に即応して、輸出振興税制の大幅な整理、縮減を行なう一方、円の切り上げといった新たな経済環境の変化に対応するための諸措置を講じているのであります。
 さらに、中小企業者に対しては、従来の個別指定による合理化機械の特別償却制度を簡素化し、一そう広範で、利用しやすい税制度に整備しようとしているのでありまして、いずれも時宜にかなったものであると確信いたすものであります。
 なお、本年度の税制改正においては、特別措置の新設、拡充を極力押え、その財源は既存の措置の整理、合理化によってまかなわれていることを申し添えて、本案に対する賛成の討論といたします。
#269
○多田省吾君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております租税特別措置法の一部を改正する法律案について、次の理由により、反対の意を表するものであります。
 その第一の理由としては、漸次改廃、縮小、整理するという政府の公約に反して、最近数年の特別措置の改廃は、一方で廃止をして、一方ではそれ以上の措置をつくって、ますます拡大されている現状であります。過去のそれらの実績を見ますと、昭和四十四年度の特別措置による減収額は三千二百億円、四十五年度が三千八百億円、四十六年度が四千三百億円で、四十七年度見込みにおいても、四千七百億円と増加しているのであります。政府は、口を開けば財源難と言われるのでありますが、歳入の中における不合理な租税特別措置の整理や、各種所得間の負担公平化など、多くの問題を温存したままで、どうして財源難と言えましょう。これではきびしい所得税に悩まされている国民は納得できず、納税意欲を著しく阻害するものであります。
 第二の理由は、提案理由にあるような「当面の経済社会情勢に」全く即応していないということであります。わが国の経済運営の基本的な方向は、昨年の通貨調整を機にして、従来の生産第一主義、輸出第一主義、あるいは設備投資至上主義から、国民福祉優先の国民生活第一の福祉型に転換したことは、政府の施政方針にも明らかであり、国民的合意でもあると思うのであります。しかるに、今回の改正では、為替差損に対する大企業優遇措置の創設をはじめとする各種の特別償却制度が引き続き温存され、また、輸出振興税制を改廃するといいながら、今回も海外市場開拓準備金の特別措置を踏襲するなど、OECDをはじめとする国際会議や、欧米諸国から、わが国の国際収支が通貨調整後も依然として大幅黒字を続けていることに批判が集中し、円の再切り上げが常識化され、政府は、これらの批判、攻撃回避のため、やっきになって外貨減らしや特別立法による輸出税や輸出課徴金制度も検討しようとする段階にまで追い込まれているとき、一方では依然として輸出産業についての特別償却や準備金制度が存続され、適用限度の再延長をはかっていることは、時宜に即応どころか、経済の基本政策に逆行する措置であると思うのであります。
 第三の理由としては、前国会において、ポスト円切り上げの経済運営について、特に租税特別措置については、輸出振興税制、金融機関に対する特例及び交際費課税の適正化については再検討し、次期国会にこの改正案を提案することを衆院で確約しておったにもかかわらず、交際費等、最も国民の批判のきびしいものについては手をつけなかったのであります。一方では、財源難を理由に所得減税を行なわず、他方では当然整理、改廃して増収をはかるべきものを見送って手をつけず、これでは国民は絶対に納得しないのであります。
 第四の理由は、特定の政策目的を実現するため、税の負担公平の大原則を阻害しても、あえてこれを実施するのならば、租税の特別措置はあくまでも臨時的な暫定措置であり、その適用時期もきわめて厳選をし、いやしくも既得権化することは厳に戒めなければなりません。現行の百四十八項目をこえる課税の特例の中には、無期限ですでに既得権化されているように誤解されているものもあり、特にむだな消費に使われる公算の大きい交際費等は、少なくともまず、西欧、ヨーロッパ水準以上にすべきであり、しかも、負担公平の原則を曲げて実施する以上は、それなりの実績効果を明確に示すべきであると思うのであります。総理の施政方針や、大蔵大臣の財政演説のごとく、昨年来の国際通貨問題を契機に、今日までの日本経済の運営を転換して、国民福祉重点の経済政策を実施するということが虚言でないならば、さきのその証拠として、租税構造のアンバランスを抜本的に是正し、国民多数が納得する公平な税制改正が提案されてしかるべきであります。しかるに、今回の改正案は、それどころか、依然として六〇年代の従来どおりの税制の基調が踏襲され、むしろその減収額は一段と上昇をたどっております。
 以上の理由から、私は、この有言不実行の最たる租税特別措置法の改正案に対し、強く反対の意を表明し、討論を終わります。
#270
○中村利次君 委員会審議の過程で、その答弁の中で、今日以降私どもが強く期待をしたいようなものもございましたけれども、ここに審議をされております租税特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、これは税調が指摘をし、あるいはこの指摘に対する答え、あるいは国民の合意を得られるような、そういうものではとうていないわけでございまして、よって私は民社党を代表して、この租税特別措置法の一部を改正する法律案に反対をいたします。
 委員会審議の過程で、大体その問題の提起、その問題点等は指摘し尽くされておると存じますので、細部にわたっては私は触れることを避けますけれども、ます第一番に、この租税特別措置法は、政策目的達成のための手段として用いられるものでありますけれども、その反面、多くのやはりデメリットを持っているわけであります。負担公平の原則や、租税の中立性を阻害をし、あるいは納税モラルに悪影響を及ぼすようなやはり数多くのデメリットを持っておる、こういうものに対する、まあ政府の答弁では整理、縮小をしたとおっしゃいますけれども、出てきた答えは、この中では、決して国民的納得の、合意のできる整理、縮小はされていないわけでありまして、特に佐藤内閣が生産第一主義、輸出第一主義から政策転換をして、発想の転換をして、福祉政策に変えたというものが、この特別措置法の一部を改正する法律案の中には何ら盛られていないわけでありまして、そういう意味では、政策の転換はまさに口頭禅と断定せざるを得ないと思います。
 次に、ややもすると、租税特別措置法は特権化をするおそれがあるから、したがってこれは、短期に改廃をしなければならないのは当然でありますけれども、そういう意味でも、これもるる委員会で指摘をされましたように、医師の所得に対する課税あるいは有価証券取引税等、これはもう実は二十年の長きにわたって納得のできない形で放置をされている。また配当課税にいたしましても、重税感を強く持っておる勤労所得者が、これは国民の三分の一以上おり、何としても納得のできないようなそういうものがそのまま存置をされておる等々、まさにここに提出をされました租税特別措置法の一部を改正する法律案は、とうてい勤労者国民の合意を得るものではございませんので、私は民社党を代表してこれに反対をいたします。
#271
○渡辺武君 私は、日本共産党を代表して、租税特別措置法の一部を改正する法律案に反対するものであります。
 反対の第一の理由は、政府がこの措置によって、少数の大企業に対する税の特権的な減免制度をさらに一そう拡大し、租税負担公平の原則を著しく踏みにじろうとしているからであります。今日、国民がひどい物価値上がりに加えて、生活費に食い込む重い税金によって苦しんでいるときに、政府が租税特別措置及びすでに本法に繰り込んだ引当金制度などによって、国税だけで二兆円にも及ぶ特権的な税の減免を、主として大企業にだけ保証していることは、世論のきびしく指弾しているところであります。ところが今回の改正案は、造船、プラント、鉱山など、特定の業種の大企業の外貨建て長期債権にかかわる為替差損に対する繰り延べ措置、公害の加害者である大企業に対する公害防止準備金制度の創設による特別減税、船舶、大型コンテナ等に対する特別償却の拡大、電算機や航空機に対する優遇措置の拡大、原子力、宇宙開発などの試験研究費の税額控除制度の適用期間の延長など、少数の特別な大企業に対する減免措置をさらに拡大しようとするものであります。特に一方で大企業の為替差損に対し救済措置を講じながら、他方で同じ円切り上げによる大企業の為替差益を吸収する特別措置を講じようとしていないのは、あまりにも露骨な大企業奉仕の態度と言わなければなりません。
 反対の第二の理由は、このような大企業本位の優遇措置は、日本経済が当面している深刻な矛盾を一そう激しくする要因となるものだからであります。
 今日、日本経済が円の大幅切り上げ、不況など深刻な事態におちいっている根本的原因は、自民党政府が対米従属のもとで、大企業の高度成長第一、輸出第一の政策をとってきたところにあり、租税特別措置その他による税の特権的減免措置が、その責任の一端をになうべきものであることは議論の余地のないところであります。ところが政府は、依然として海外市場開拓準備金など輸出優遇税制をほとんど残し、輸出割り増し償却制度を申しわけ程度に廃止しながら、その振りかわりとして、船舶、コンテナ等への特別措置を拡大し、また原子力、航空機その他軍事的性格をも持つ成長産業への特別措置を拡大するなど、依然として大企業の高度成長、輸出第一主義の政策をとっております。このような措置が、円の再切り上げなど一そう深刻な事態に日本経済を追い込む一因となるだけでなく、大企業の危険な海外進出を促進する要因ともなることは明らかであります。
 わが党は、大企業に対するこのような特権的な税の減免を直ちにやめて、正当に課税し、さらに国の負担による不労所得にほかならない大企業の為替差益を全額吸収する特別措置をこそとるべきことを主張するとともに、これを財源として、所得税、住民税、個人事業税の免税点を四人家族百五十万円に引上げて、大幅な大衆減税を断行すべきことを要求して、反対討論を終わります。
#272
○委員長(前田佳都男君) ほかに御発言もなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#273
○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 租税特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#274
○委員長(前田佳都男君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において本案に対する可否を決します。
 本案については、委員長はこれを可決すべきものと決定いたします。(拍手)
#275
○柴田栄君 私は、ただいま可決されました租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四派共同による附帯決議案を提出いたします。案文を朗読いたします。
   租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、租税特別措置については、経済社会情勢の進展に即応し、国民福祉の増進のため必要とされる施策について重点的に措置することとし、その際既存の特別措置について極力その既得権化や慢性化を排除するよう、特に次の諸点に配意しつつ、整理縮減の方向でのぞむべきである。
 一、社会保険診療報酬の課税の特例等期限の定めのない措置については、税制調査会の答申を得て速やかに改善すること。
 二、法人の交際費について、なお社会的批判が強く、また、広告費について過大の支出が論議されている現状にかえりみ、これらの課税の在り方につき、さらに検討すること。
 三、租税特別措置による減収額については、その実績を常時把握するように努め、政策手段としての有効性についての判断資料を整備すること。
  右決議する。
 以上でございます。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#276
○委員長(前田佳都男君) ただいまの柴田君提出の附帯決議案を議題といたします。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#277
○委員長(前田佳都男君) 全会一致と認めます。よって、柴田君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、水田大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。水田大蔵大臣。
#278
○国務大臣(水田三喜男君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って十分配慮いたしたいと存じます。
#279
○委員長(前田佳都男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#280
○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回の委員会は、四月十八日午前十時三十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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