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1971/03/09 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 外務委員会 第2号
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1971/03/09 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 外務委員会 第2号

#1
第068回国会 外務委員会 第2号
昭和四十七年三月九日(木曜日)
   午前十時五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         八木 一郎君
    理 事
                石原慎太郎君
                佐藤 一郎君
                山本 利壽君
                西村 関一君
                森 元治郎君
    委 員
                佐藤  隆君
                杉原 荒太君
                塚田十一郎君
                増原 恵吉君
                加藤シヅエ君
                田  英夫君
                羽生 三七君
                渋谷 邦彦君
                中村 正雄君
                星野  力君
   国務大臣
       外 務 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       外務大臣官房長  佐藤 正二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小倉  満君
   説明員
       外務省条約局外
       務参事官     穂崎  巧君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○国際民間航空条約の改正に関する千九百六十二
 年九月十五日にローマで署名された議定書の締
 結について承認を求めるの件(内閣提出)
○国際民間航空条約の改正に関する千九百七十一
 年三月十二日にニュー・ヨークで署名された議定
 書の締結について承認を求めるの件(内閣提出)
○国際民間航空条約第五十六条の改正に関する千
 九百七十一年七月七日にウィーンで署名された
 議定書の締結について承認を求めるの件(内閣
 提出)
○所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
 脱税の防止のための日本国とフィンランド共和
 国との間の条約の締結について承認を求めるの
 件(内閣提出)
○国際情勢等に関する調査
 (昭和四十七年度外務省関係予算に関する件)
 (今期国会における外務省関係提出予定法律案
 及び条約に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(八木一郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 この際、おはかりいたします。
 西村関一君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に森元治郎君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(八木一郎君) 次に、
 国際民間航空条約の改正に関する千九百六十二年九月十五日にローマで署名された議定書の締結について承認を求めるの件
 国際民間航空条約の改正に関する千九百七十一年三月十二日にニュー・ヨークで署名された議定書の締結について承認を求めるの件
 国際民間航空条約第五十六条の改正に関する千九百七十一年七月七日にウィーンで署名された議定書の締結について承認を求めるの件
 及び
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィンランド共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 いずれも本院先議でございますが、以上四案件を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。
 福田外務大臣。
#6
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま議題となりました、国際民間航空条約の改正に関する千九百六十二年九月十五日にローマで署名された議定書の締結について承認を求めるの件、国際民間航空条約の改正に関する千九百七十一年三月十二日にニュー・ヨークで署名された議定書の締結について承認を求めるの件、国際民間航空条約第五十六条の改正に関する千九百七十一年七月七日にウィーンで署名された議定書の締結について承認を求めるの件、及び、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィンランド共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の四件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 まず、議定書につきましては、国際民間航空機関は、一九四四年の国際民間航空条約に基づき、国際民間航空の安全な、かつ整然たる発展を確保する目的をもって設立され、国際連合の専門機関の一つとしてきわめて活発な活動を行なっております。
 この三つの議定書は、同機関の一九六二年八月にローマで開催されました第十四回総会、一九七一年三月にニュー・ヨークで開催されました臨時総会及び一九七一年六月にウィーンで開催されました第十八回総会におきましてそれぞれ採択されたものでありまして、これらの議定書の目的は、同機関の加盟国数の大幅な増加に伴い、それぞれ、同機関の臨時総会の開催を要請するために必要とされる最小限の締約国数を現在の十から締約国の総数の五分の一に増加すること、同機関の理事会の構成員の数を二十七から三十に増加すること及び同機関の航空委員会の委員の数を十二から十五に増加することにあります。
 これらの議定書の趣旨は、同機関の円滑な運営にとって適切なものでありまして、わが国がこれらの議定書を締結いたしますことは、同機関における国際協力を増進する上に有益であると考えられるのであります。
 よって、ここに、これらの議定書の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、政府は、フィンランドとの間の所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約を締結するため、かねてよりヘルシンキ及び東京において交渉を行ないました結果、昭和四十七年二月二十九日にヘルシンキにおいて、わがほう飯村駐フィンランド臨時代理大使とフィンランド側テッテルマン外務次官との間でこの条約に署名を行なった次第でございます。
 この条約は、本文三十カ条から成り、その規定は、OECDモデル条約案にできる限り従ったものであります。条約のおもな内容は次のとおりであります。事業所得につきましては、相手国にある支店等の恒久的施設に帰属する所得についてのみ相手国において課税できるものとし、船舶または航空機による国際運輸からの所得につきましては、相互に全額免税としております。投資所得に対する源泉地国での課税につきましては、配当については一五%、利子及び使用料については一〇%をこえない税率で課税し得るものとしております。さらに、政府職員、短期滞在者、短期滞在の教授、学生等の受け取る報酬、給付等につきましては、原則として滞在地国で免税としております。
 この条約の締結によりまして、二重課税の回避の制度を通じ、両国間の経済、技術及び文化の面での交流は、一そう促進されるものと期待しておるのであります。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 以上四件につきまして、何とぞ御審議の上、すみやかに御承認あらんことをお願い申し上げます。
#7
○委員長(八木一郎君) 引き続き補足説明を聴取いたします。
 穂崎条約局参事官。
#8
○説明員(穂崎巧君) ただいま提案理由の御説明がございました、国際民間航空条約の改正に関する議定書三件の締結について承認を求めるの件及びフィンランドとの租税条約の締結について承認を求めるの件の提案理由の補足説明を申し上げます。
 まず最初に、国際民間航空条約の改正に関する議定書三件につきまして、最近の国際民間航空は、世界の経済規模の拡大、諸国民の交流の増大と相まって飛躍的発展を遂げ、特に近年は大量高速輸送時代を迎えるに至りました。
 国際民間航空機関は、国際民間航空条約に基づいて設立されたものでありまして、一九四七年四月に二十六カ国の加盟で発足いたしましたが、その後参加国は大幅に増加し、現在では百二十二カ国の多きを数えるに至っております。国際民間航空機関は、国際民間航空の原則及び技術を発達させ並びに国際航空運送の計画及び発達を助長することを目的としており、このため民間航空の技術、経済、法律等の各分野において広範多岐にわたる活動を行なっております。
 わが国は、一九五三年十月八日に国際民間航空条約に加入し、主要民間航空国として同機関の理事国の地位を占め、同機関における国際民間航空の発展のための国際活動に積極的に協力いたしております。
 国際民間航空条約の改正に関するこれら三つの議定書は、いずれも加盟国の大幅な増加に伴う必要な改正を行なわんとするものでありまして、同機関の円滑な運営を確保する上に有益であると考えます。
 次に、フィンランドとの租税条約でございますが、この条約は、ただいま提案理由でも御説明がありましたように、OECDで作成されましたモデル条約にできるだけ沿ったものとなっておりますので、内容につきましては特に補足して申し上げることはございません。
 フィンランドとの経済関係について見ますと、わが国とフィンランドの間には戦前の一九二四年に署名されました通商航海条約がありますが、この条約につきましては、戦後一九五二年に両国の間でその存続が確認されております。またフィンランドは、貿易面においていわゆる対日差別を全く行なっておらず、対日輸入を完全に自由化しております。フィンランドにおいては伝統的に親日的な空気が強く、わが国とフィンランドとの間には友好的な関係が続いてきておりますが、この条約が御承認いただけますならば、わが国とフィンランドとの間の交流が一そう円滑化するものと期待されます。
 以上でございます。
#9
○委員長(八木一郎君) 以上をもって四案件についての説明は終了いたしました。
 以上の四案件に対する質疑は、後日に譲ることといたします。
#10
○委員長(八木一郎君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。
 この際、昭和四十七年度外務省関係予算及び今期国会に提出予定の法律案並びに条約について、概要の説明を聴取いたします。
 佐藤官房長。
#11
○政府委員(佐藤正二君) お手元にこういう大きな表で、「昭和四十七年度外務省予算重点事項」と書いてありまするのがございますが、これに基づきまして御説明いたしたいと思います。
 昭和四十七年度の外務省の予算の政府原案の概要ということでございますが、総額は、一番上の行に書いてございますが、六百五十九億四千九百万円、前年度の予算が五百二十九億一千四百万円でございますから、差し引き増が百三十億何がしということで、伸び率が二四・六%でございますが、今回の国家予算の伸び率が二一・八%でございますから、国家予算の伸びよりは幾らか外務予算のほうが伸びているということになりますが、依然として、国家予算に占める外務省予算の比率と申しますのは〇・五八という。パーセントで、非常にささやかな予算でございます。
 今回の外務省の予算を大蔵省と折衝いたしました際に、重点としてわれわれが考えましたのは、この「事項」と書いてあります一番左のところに、大きな字で一・二、三、四と四つ出ておりますが、一番初めに出ております「対日認識の是正」ということでございますが、これはもう御案内のとおり、世界の至るところで、エコノミック・アニマルだとか、あるいは日本株式会社だとか、軍国主義だとか、いろんな話が出ておりまして、正しく日本を認識させるということが、必ずしもいままでお金の面でも十分でなかったというような反省に基づきまして、「対日認識の是正」ということを一つの重点にいたしまして、今回の予算といたしましては、特に対米の広報というものを中心にいたしまして予算を伸ばしていただいたわけでございます。それからもう一つは、文化活動を拡充するということで政府原案をつくったわけでございます。
 二番目が「経済協力の強化」、これはもう読んで字のとおりで、後進国の経済協力に対してこれを強化したい。
 それから三番目が「在外邦人の生活環境改善」、これは、まあ何と申しましても、非常に日本人が外国に出ていく数がますますふえてまいりますし、それと同時に、やはり外国にいっていらっしゃる方々の子供さんもふえますし、あるいは病気される方もある。いろいろ問題が起こってくるので、それに対するお世話、これも重点的に考えなくちゃならないということで、三番目の重点として考えましたわけであります。
 四番目が「外交実施体制の整備」ということで、これは外務省自身の台所経費でございますが、たとえば定員の増加だとか、それから大使館の増加、その他在勤手当の増強とか、そういうふうなことを考えたわけでございます。
 それで、またもとに戻っていただきまして、最初のほうから、重点をなすところだけぽつぽつ拾って御説明いたしますと、一ページの「事項」でいいますと、ちょうど中間ごろに「対外特別広報費」というのがございますが、これが二億八千七百万円。これが、先ほどちょっと申し上げました対米広報――いわゆる対米PRと申しますか、それのための新規のものでございます。
 二ページに参りまして、一番初めに「対外文化活動」というのがございますが、これの十一億何がしの金と3の「国際交流基金出資金」という五十億の金、これが相まちまして、新聞にも報道されておりますようないわゆる国際交流基金というものをつくりまして、いわゆるベーシックな日本の宣伝と申しますか日本の認識是正と申しますか、そういうふうなことをやりたい。したがって、いわゆる特殊法人をつくりましてこの種の仕事をやりたいということでこの出資金を五十億、来年度にもまた五十億をやっていただくようにお願いをいたしまして、それで百億の基金で文化交流の仕事をやりたい。これが一つの目玉商品でございます。
 それから、その次の「経済協力の強化」でございますが、経済協力は御承知のとおり無償援助――このページに(1)「無償援助の拡充」とありますのが、これが昨年度の十四億から今年度――四十七年度は三十三億になっております。これはまあ非常に伸びた一つの点でございます。これは御承知のとおり、後進国に対する、何と申しますか、インフラストラクチュアを通じた無償援助でございます。
 それからその次のページに参りまして、(2)の「技術協力」は、これはやはり後進国相手のいわゆる専門家の派遣及び向こうの研修生のこちらでの受け入れ、これの費用でございまして、これも非常にこまかい予算でございますが、専門家の待遇、あるいは研修生の受け入れの場合のこちらにおける、何と申しますか、待遇と申しますか、受け入れ体制、そういうものを整備するために、八十億だった予算を九十八億ばかりにしておるわけでございます。
 その次のページに「多数国間経済技術協力の拡充」というのがございまして、これは、国連の関係でいわゆる後進国援助の問題がございまして、これの大宗をなしますのが(1)の「国連開発計画はじめ国連諸機関等に対する拠出金」で、これの中の一番問題になりますのが、「国連開発計画拠出金」と申しまして、これがUNDPと通常言っておるものでございます。二十四億の拠出金を出しております。これも年々ふやしておりますが、依然として日本は必ずしも上位に位しておりません。これも今後ふやしていかなくちゃならない予算だろうと思います。
 その次のページの中間くらいのところに「在外邦人の生活環境改善」と書いてありまして、「海外子女教育の強化」というのがございます。これが一億六千万円のふえ方になっております。これは御案内のとおり、海外における日本人の学校の問題でございます。日本人の学校は、御承知のとおり、子供さんが行かれて、向こうのことばではなかなか十分な教育ができないというところには全日制の日本人学校、それから、ある程度まで向こうの学校に行ってもいいというところでは補習的な学校をつくってやっております。今回、四校の増設をいたしまして、いままでありました二十六校から三十校にいたします。新たにつくりましたのは、ここに書いてありますとおり、ソウル、サイゴン、カイロ、クウェートということでございます。
 それから、次のページに行っていただきまして、これは外務省の予算でございますが、われわれ非常に重点に置きましたのは、何せ、非常に相手にする国の数が多くなり、仕事がふえますために人間が足らなくなっておりますので、役人を削減するという趨勢に全く逆行しているのでございますが、定員の増加ということを非常にやりまして、本省に二十人、それから在外に六十四人という定員の増加をやっていただきます。これは、これだけでは足りませんのでして、毎年毎年行政整理をやっておりまして、頭から五十人ずつ減らされております。それと差し引きになるために、結局は純増は少ないものになる。したがって、純増は三十四人ということになるわけでございますが、それでも、通常ならば減らさるべきところをふやしていくという意味で、非常にわれわれはこれはアプリーシエートしているわけでございます。
 それから、その次に御説明したいのは、旅券というものが非常にふえてまいりまして、旅券の事務というのが急激にふえているわけです。この四の(3)というところに「都道府県に対する委託費の増加」というのがございまして、これが三億四千六百万円から五億七千三百万円、すなわち二億ばかり額がふえております。これは各都道府県に対して旅券の申請受理、交付というような仕事を頼んでいますが、これに対する委託費でございます。これでも、なかなか都道府県の方々は、事務費のほうが委託費よりも多いといっていろいろ文句を言われておりますが、この費用です。
 それから一番下に参りまして、在外公館の増強、これで、四十七年度リビア大使館、リベリア大使館をふやしたいと思っております。
 それから、その次のページ一番上に「在勤手当の大幅改訂」というのがございます。これは、四年くらいの間在勤手当というものがそのまま据え置きになっていたのでございますが、一つは、円の切り上げ――いわゆる通貨の調整の問題も出てまいりまして、それからもう一つは、全世界的に非常に物価が高くなっておりますので、今回大蔵省とも相談いたしまして、在勤手当の大幅改訂をいたしました。
 非常に簡単でございますが、予算の説明を終わらしていただきます。
#12
○委員長(八木一郎君) 穂崎条約局参事官。
#13
○説明員(穂崎巧君) 今期国会に提出を予定しております条約十四件について御説明申し上げます。
 お手元にお配りしてあると存じますが、「第六十八回国会提出予定条約」を御参照いただきたいと思います。先ほど提案理由を御説明申し上げました四件の条約につきましては説明を省略させていただきまして、残りの十件につきまして御説明申し上げます。
 まず、お手元の紙の最初の「二国間条約」から御説明いたします。
 最初の条約は、先ほど御説明申し上げました所得に対する二重課税の防止のための条約でございます。
 その次に航空協定が二件ございます。これについて御説明いたします。
 まず、ビルマとの航空協定につきましては、ビルマが近い将来日本に乗り入れを強く希望し、わがほうといたしましても、わがほうの航空企業の東南アジア路線及び南回り欧州路線の一環としてビルマヘの乗り入れ権を確保しておくことが望ましいという見地から交渉を行ないました結果、本年二月一日署名を了しました。
 次に、メキシコとの航空協定につきましては、わが国航空企業の中南米路線開設の見地から交渉を行ないました結果、明三月十日メキシコ大統領訪日の機会に署名の運びとなったものでございます。
 いずれの協定も、わが国が従来各国と結びました航空協定とほぼ同じ内容のものでありまして、それぞれの国の指定航空企業が特定路線において航空業務を運営する権利の相互許与並びにその業務の開始及び運営に関する手続、条件等について規定するとともに、それぞれの指定航空企業が業務を行なうことができる路線を定めております。
 その次に、原子力の協定二件でございますが、それについて御説明申し上げます。一つはオーストラリアとの間の協定であり、もう一つはフランスとの間の協定でございます。わが国は従来米国、英国及びカナダとの間に原子力協定を結び、国際協力に基づくわが国原子力平和的利用の発達をはかってまいりました。わが国の原子力利用の今後の発展を円滑に促進する見地から、世界有数のウラン資源を有するオーストラリア及び原子力利用に関する高度の技術を保有するフランスとの間に協力関係を設定すべく、これら両国と交渉してまいりました。その結果、日本・オーストラリア協定は二月二十一日に、また、日本・フランス協定は二月二十六日に署名をいたしました。これらの協定は、いずれも従来わが国が結んでおります原子力協定とほぼ同じ内容のものでありまして、原子力の平和的利用分野における協力並びに協定に基づいて提供される資材、設備等が平和的目的にのみ使用されること及びそれらに保障措置が適用されること等を定めております。
 次に、お手元の紙には「日米間渡り鳥保護協定(仮称)」と書いてございますが、正式には、「渡り鳥及び絶滅のおそれのある鳥類並びにその環境の保護に関する日米間条約」について御説明いたします。政府は、鳥類保護に関する国際的世論の高まりを背景にして、この条約を締結するために、昭和四十三年以来二回にわたり日米間で専門家会議を開催する等、米側と話し合いを進めてまいりましたが、このほど合意に達し、去る三月四日に東京で署名いたしました。この条約は、日米間の渡り鳥について双方がその国内で原則として捕獲を禁止し、不法に捕獲されたものの流通を規制すること、次に、双方は、絶滅のおそれのある鳥類及びその加工品の輸出または輸入を規制すること、第三に、鳥類の環境を保全するため適当な措置をとるようにつとめること、などを骨子としております。附表は日米間間の渡り鳥として百八十九の鳥類の種を掲げております。鳥類及びその環境の保護に関する国際的協力の気運は近年とみに高まりつつありますが、この条約の締結は、日米両国における鳥類保護に対する関心を深めるのみならず、右の国際的協力の気運をさらに高めるものと期待いたします。
 その次に、多数国間条約について御説明申し上げます。
 最初に、千九百七十一年の国際小麦協定につき御説明いたします。
 この協定は、千九百六十七年の国際穀物協定にかわるものとして昨年の国際連合小麦会議において採択されたものであります。前回協定と同様に、小麦貿易規約と食糧援助規約との二部から成っておりまして、小麦貿易規約は、ほぼ前回の規約同様、小麦の市況の安定化等について規定しておりますが、小麦の価格並びにこれに関連する権利及び義務についての規定は欠けております。食糧援助規約は前回の規約をほぼ踏襲しておりまして、開発途上国に対する食糧援助について規定しております。
 次に、国際電気通信衛星機構――インテルサット――に関する協定でございます。国際公衆電気通信において、通信衛星の利用による通信が近年重要度を加えつつありますことは御高承のとおりであります。この協定は、通信衛星による国際通信の拡充に関心を有する七十八カ国の参加を得て昨年ワシントンで作成されましたものでありまして、インテルサットと略称される国際電気通信衛星機構を設立し、同機構が通信衛星及び関連施設を提供すること等を定めております。
 次に、国際民間航空条約の三件は飛ばしまして、「税関における物品の評価に関する条約」について御説明いたします。一九四七年にブラッセルに設立されました欧州関税同盟研究団による検討の結果、一九五〇年に「関税協力理事会を設立する条約」「関税率表における物品の分類のための品目表に関する条約」及びこの条約の三条約が作成されました。わが国は、前二者の条約については、それぞれ一九六四年及び一九六六年にすでに加入いたしており、今回第三番目の条約に加入することとするものであります。この条約は、価額を課税標準として関税を課する場合の物品の価額の定義を定めることによって、税関における物品の評価方式の統一をはかることを目的とするものであります。
 次に、「北西大西洋の漁業に関する国際条約の改正に関する議定書」につき御説明いたします。北西大西洋の漁業に関する国際条約は、北西大西洋水域において国際的な資源保存措置をとることを目的として一九四九年に作成されたもので、わが国は一昨年これに加入いたしました。同条約は、その運用の強化をはかることを目的として随時改正が行なわれますが、同条約には改正手続を定める規定がないために、条約の改正発効につき不便な事態が生じておりますため、一九七〇年にこの議定書が作成され、条約の改正手続を新たに設けることとなった次第であります。
 最後に、「世界保健機関憲章第二十四条及び第二十五条の改正」につき御説明いたします。世界保健機関は、一九四六年の世界保健機関憲章に基づき設立され、国際連合の専門機関の一つとして、保健衛生の各分野において活発な活動を行なっております。同機関の執行理事会は、総会の決定及び政策を実施する重要な任務を有しておりますが、その構成が、加盟国の増加に伴い加盟国全体を衡平かつ適切に反映しがたいものとなっております。この改正は一九六七年の総会におきまして採択されたもので、執行理事会の構成員の数を増加するよう憲章の関連規定を改正するものであります。
 以上でございます。
#14
○委員長(八木一郎君) 引き続き法律案の説明を聴取いたします。
 佐藤官房長。
#15
○政府委員(佐藤正二君) この小さな薄い二枚の紙の「第六八回国会(常会)提出予定法案」と書いてありますものに基づきまして御説明いたします。
 本国会に提出いたしますのは法律案が三件ございまして、第一番目は、「在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案」というので、この「要旨」というところに書いてあることに従って御説明いたします。
 第一番目は、アラブ首長国連邦外九館の大使館を新設するということでございまして、これは、四つの大使館が、南太平洋にあります島嶼国家に対する大使館でございます。トンガ、ナウル、西サモア、フィジー、それから、あとの四つがアラブ、いわゆるペルシア湾の新しくできました独立国に対するものでございます。アラブ首長国連邦、オマーン、カタル、バハレーンと、これで八つになりまして、それからもう一つはブータン、これで九つになりますわけでございますが、その後、バングラ・デシュとモンゴールとの外交関係の設立の合意ができましたために、本件法律案の修正の提案を昨八日衆議院に提出いたしまして、それと一緒に御審議願うようになりますので、これにバングラ・デシュ、モンゴールというものがつきまして十一館になるわけでございます。で、これはすべて予算の措置はございませんで、兼館でいくわけでございます。兼摂になるわけでございます。で、バングラ・デシュにつきましては、ダッカに現在総領事館がございますために、その費用を――費用を、と申しますか、それに充てられた予算を使いまして、さしあたって臨時代理大使で発足いたしたいと思っております。
 それから二番目が、ブリスベンとイスタンブルの領事館を総領事館に昇格させること。
 三番目が、在アラブ連合日本国大使館とコンゴー日本国大使館の名称を変更すること。これは、実は相手方の国が国名を変更いたしましたために、アラブ連合のほうはエジプトということになりまして、在エジプト日本国大使館、それからコンゴー(キンシャサ)のほうはザイールという名前に変えましたので、在ザイール日本国大使館。それぞれ相手国の国名変更に伴うものでございます。
 それから四番目が、在勤基本手当及び研修員手当。先ほどちょっと触れましたいわゆる在外手当の改訂の法律でございます。
 それから五番目の、「一部公館の住居手当の限度額を増額する」ということは、これは毎年やっておりますのでございますが、全世界でいろいろ家賃の値上がりが起こりますので、大体今回は通貨調整の問題も含みまして、八十一館につきまして住宅手当の改訂をいたしました。
 それから六番目が、「新設公館の在勤手当を設定する」。これは、兼館ではございますが、今度つくります十一館の在勤手当をつくっておかなければなりませんために、この在勤手当を設定するということ。
 それから七番目が、在勤手当の額を、いままでドル建てでございましたのを、今回、大蔵省とお話ししまして円建てにしたい。これだけ円が強くなっておりますのに円建てにしてないのはおかしいじゃないかというようなことで円建てにいたしました。それが第一番目の法律の御説明でございます。
 それから二番目が外務公務員法の一部改正なんでございますが、これの第一の「大使及び公使の待命制度の改正」と申しますのは、実は主として大使でございますけれども、大使がある任地から帰ってまいりまして次の任地に行くまで、幾らか時間があるわけでございます。その間は待命という形で身分を現在法律でつないでいるわけでございます。その間に、それが大体一年で切れることになっておるわけでございますが、その待命の制度を利用している大使に対して、たとえば国連総会に出席するとか、ある会議の首席代表をやってもらうとかというようなことがたびたび起こるわけでございます。すると、国連総会のような長い期間の会議に出席している間にその一年が切れてしまうという場合がたびたび起こりますので、それで大使の身分を失ってしまうというのはまことに不都合なものでございますから、それでこの改正をいたしまして、そういういわゆる国際会議に出席している間はこの一年の期間が延びていくのだということをきめたものでございます。それから二番目の改正は、現在長く在外におりました場合に、健康地では四年でございますけれども、四年たちますと家族ぐるみで休暇帰国ということをやらせておるわけでございます。これは四年と申しますのはいかにも長く、ほとんど利用する人間がいないわけでございます。不健康地でございますと二年でございますけれども、不健康地の二年というのも非常につらいということで、これも大蔵省と話しまして、四年を三年にし、二年を一年半にするということにきめまして、それでこの改正をいたしましたわけであります。
 それから三番目の「国際交流基金法案」でございますが、これも、先ほどちょっとお話しいたしましたいわゆる国際交流基金というものをつくって、国際文化交流の資金にしようという考え方で特殊法人をつくろうということでございまして、それに伴う分法でございます。ここに書いてありますとおり、「国際文化交流を行ない、国際相互理解に寄与するために特殊法人「国際交流基金」を設立する」ということと。基金には政府から四十七年度五十億、最終的には百億の資金を出資するということ。それから、政府以外の民間からもこの資金を出していただくということ。それから役員の問題、それからいろいろこの基金の事業、目的その他を定めてある法律でございます。
 以上簡単でございますが……。
#16
○委員長(八木一郎君) 以上をもって説明は終了いたしました。
 本件については、本日はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時四十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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