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1971/06/01 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 外務委員会 第13号
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1971/06/01 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 外務委員会 第13号

#1
第068回国会 外務委員会 第13号
昭和四十七年六月一日(木曜日)
   午前十時十七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         八木 一郎君
    理 事
                佐藤 一郎君
                山本 利壽君
                森 元治郎君
    委 員
                佐藤  隆君
                杉原 荒太君
                塚田十一郎君
                増原 恵吉君
                加藤シヅエ君
                田  英夫君
                羽生 三七君
                渋谷 邦彦君
                星野  力君
   国務大臣
       外 務 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       外務省中近東ア
       フリカ局長    魚本藤吉郎君
       外務省条約局外
       務参事官     穂崎  巧君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小倉  満君
   説明員
       外務大臣官房領
       事移住部長    遠藤 又男君
       運輸省航空局審
       議官       寺井 久美君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国際情勢等に関する調査(テルアビブ空港にお
 ける乱射事件に関する件)
○航空業務に関する日本国政府とビルマ連邦政府
 との間の協定の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
○航空業務に関する日本国政府とメキシコ合衆国
 政府との間の協定の締結について承認を求める
 の件(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(八木一郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 国際情勢等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○田英夫君 まず福田外務大臣に、きのう起こりましたテルアビブの空港におけるあの事件についてお伺いをいたします。
 私ども日本人全体にとって非常に大きなショックを与えた事件だと思います。世界にはもちろんですけれども、日本人の気持ちからすると、何かやりきれない感じが非常にいたしますが、そこで政府としてもすぐにきのう大臣がイスラエル大使館に行かれるとか、あるいは都倉大使が向こうでいろいろ手を打つというようなことをやっておられるようですけれども、最初に、大臣のこの問題についての見解を、お気持ちを伺いたいと思います。
#4
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま田さんからのお話もありましたが、私は今回のこの事件、実はきのうの昼ごろ第一報を聞いたわけです。そのときの時点では、日本人が主犯の中に含まれておるやの情報でありましたが、日本人が含まれておらなけりゃいいなという希望も持っておったわけです。しかるところ午後四時ごろ、イスラエル大使館から外務省に対しまして、犯人は三人である、その三人はいずれも日本人であるという通告を受けたわけでございます。ここでおおむねこの犯人は日本人であるということが事実上確認をされるということになり、まあ田さんと同じく、私も全くショックに打たれたわけでございます。
 私は、この事件が日本の、また日本人の世界に与える影響、つまりわが日本のイメージ、日本人に対する見方、そういうものに多大の損失を与えておると、こういうふうに思うわけであります。こんな不名誉なできごと、これはもう全く想像を越えた問題であります。私どもはまあ深くこれを遺憾とするわけでありますが、とにもかくにもその犯人が日本の者であるということが判明したその上は、とにかくイスラエル政府に対して遺憾の意を表明しなきゃならぬ、こういうふうに考えまして、現地におきましては都倉大使を直ちにイスラエル政府に派遣をいたしております。そして、まあ遺憾の意を表明せしめております。また、東京におきましては、とりあえず法眼次官をイスラエル大使館に参上せしめておきました。私は国会の審議中でありまして、手がはずせない。しかし、国会が済みましてから、私みずからがイスラエル大使館に参上いたしまして遺憾の意を表明いたしたわけであります。
 なお、現地の状況を正確に把握しておく必要がある、こういうふうに存じまして、昨晩十時に中近東アフリカ局の田中参事官が現地に向かうと、なお、事警察に関する問題が多々あるものですから、ローマ駐在の警察庁出向の森田氏を急遽現地に向かわしめることにいたしたのであります。
 なお、これは日本とイスラエルとの間の国交上にもかかわる問題でもありますので、政府といたしましては特派大使と申しますか、政府の代表者をイスラエルへ派遣して、遺憾の意を表明をいたさせるということを考慮いたしております。そうなると思います。
#5
○田英夫君 大臣言われたように、この問題は日本人に対するいわゆる対日感情といいますか、イスラエルのみでなく、アメリカにも多数のユダヤ人がおることですし、世界じゅうから日本に対する信頼といいますか、不名誉な、日本人に対する信頼をなくすような結果になっていると思います。現にけさの新聞に報道されているところを見ましても、各地で特攻とか腹切りであるとかいうような批評が出ていると、こういうことを見ますと、ほんとうにやりきれない気持ちがするんですけれども、まあ警察の森田氏が行かれたばかりで、まだ現地で活動しておられないかもしれませんけれども、その後この三人の人間の背後とか、そういう点で政府で把握しておられる点がありましたら、お知らせいただきたいと思います。
#6
○国務大臣(福田赳夫君) 三人の犯人のうち二人は死亡いたしております。一人だけがいま逮捕されまして警察のもとにある、こういう状態であります。そこで警察の取り調べが進行いたしておる模様でありますが、どうも警察当局の質問に対しまして黙秘をすることが多く、なかなか調査が進めにくいというのが現況のようでございます。ただその間に、これはほんとうのことを言っているのか違ったことを言っているのか、その辺はわかりませんけれども、ぽつりぽつり多少のことはまあ答えておるというような状況でありまするが、そのぽつりぽつりという中に日本の赤軍に関係があるというようなことも漏らしておるという話なんですが、どうも黙秘黙秘というような状態でありまして、まだ多くのことを語っておらぬという状況のようでございます。
#7
○田英夫君 この問題は非常に大切だと思いますのは、この三人の犯人がどういう考えであんなばかなことをしたのかということが、私どもにも日本人の気持ちからさっぱりわからぬわけですが、それを推測を交えながら、まあ憶測で赤軍派であるとか、過激学生に連なる者であるとか、そういうことで、何か日本の中にある組織と結びつけて表に出るようなことがあると、これはなるほど日本にはそういうものがあって、そうしてその一部が国際的に結びついていろいろのそういう活動もするのかと、こういうことになってくると、ますますこれは日本人、あるいはそれを放置している政府ということになるかもしれませんし、非常に国際的な影響がよくない。まあこれもわかりませんけれども、全く三人の人間が突発的に――個人的といいますか、やったのか、あるいは組織的にやったのか、この辺のところはしっかりと把握をしていただいた上で対処をしていただかないと、あるいはこれはまあマスコミ関係にもお願いしたいことですけれども、この辺のところは非常に私は世界に与える影響ということから問題じゃないかという気がいたします。そこでできる限り真相を突きとめるという努力もやっていただきたい。まあ警察関係の方をすぐ派遣されたということですけれども、先ほどのお話によりますと、特派大使ということですね。これもやはり時期を失してしまうと、せっかくのそうした配慮も効果が薄れますので、これは具体的な人選も進めておられますか。
#8
○国務大臣(福田赳夫君) 具体的な人選を進めておりまして、数時間後ぐらいには、あるいはきょうの昼ごろになるかもしれませんが、発表し得ることになるかもしれません。取り急いでおります。もうあしたじゅうにはおそくも出発してもらうように考えておるわけであります。
#9
○田英夫君 それはまあ何といいますか、都倉大使が現地におられるわけですけれども、こちらからわざわざ行かれるという意味は、外務大臣にかわって行かれるという意味を込めておられると思うので、どういうクラスの方であるかですね。
#10
○国務大臣(福田赳夫君) まあ閣僚はいま国会でなかなかむずかしいんじゃないかと思うんです。そこで閣僚級の、まあわが国を代表する一級人物というような意味合いにおいて、なおさらにつけ加えますれば、このイスラエル等のああいう状況にも詳しいようなお方であればなおいいと、さように考えまして選考をいたしておる、こういう段階でございます。
#11
○田英夫君 そうしたことのほかに、政府としてまた大臣の談話とか、つまり対外的に日本人のそうした指弾を受けるようなことに対して、私なんかは、日本の国民全部は、何であんなことをやったのかさっぱりわからぬという気持ちであるにもかかわらず、結果的には、日本人はやはり腹切りだ、特攻隊だ、日本人の残虐性がはっきりあらわれた、民族性だ、こういうふうな反響が一斉に世界じゅうからわき上がっていることに対して、非常に残念に思うわけなんで、そうしたものを打ち消すといいますか、あんなことをしてしまったんですから、これは弁解の余地はないんですけれども、ただ申しわけないと大臣や大使があやまって歩くということだけではなくて、日本人というのは違うんだ、こういうことをむしろ積極的に出すことはできないのか。こういうことはお考えになりませんか。
#12
○国務大臣(福田赳夫君) まさに私が一番心配しておりますのは、日本国及び日本人に対するイメージダウン、こういうことなんです。これはもう何と言っても日本にとっては、また日本人にとって不名誉なことである。この不名誉が挽回されるようにということ、これがこの問題の一番大きな問題だろう。こういうふうに考えますが、そういうことを考えましても、この問題に対する日本政府の当面の姿勢は、非常に遺憾なことに存じておる。特にイスラエル国政府に対する姿勢、こういうことがまずスタートとして妥当なものでなければならぬ。そういうふうに考えまして、あえて特派大使をも派遣し、遺憾の意を表明せしめる。こういうことにいたしたわけですが、さあ、日本人全体はそうじゃありませんよというようなことを口先で言っても、これはなかなかむずかしいことじゃないか。態度をもって示す、それこそがこの際重要なことではあるまいか、こういうふうに存じております。
 私は、先ほど、イスラエル大使館を訪問して大使にお目にかかったということを申し上げました。その際、イスラエル大使の話でありますが、これは一部の気違いの話です、日本人全体の名誉に関するような受け取り方はいたしておりません、こういうことを申しておりました。おそらくイスラエルにおける心ある人々は、日本人というものをあの事件によって違った見方をするというようなことにはならないでしょう、こういうことを言っておりました。私は、あそこには百五十人あまりの在留日本人がおります。この方々に不安な環境というものがありますと、私どももまことにこれは心配事でありますので、よって大使に、現地におけるそういう日本人を囲む環境についてどう考えるかということをお尋ねもいたしたのであります。そういう御心配をされるような環境ではございません、日本人そのものに対する見方、また日本・イスラエル両国間の関係にひびを入れるというような状況、そういうものは見受けられません、こういうことを言っておりましたが、しかし、これは世界じゅうの人々が遠くから見ておりまして、何としても日本人、日本国に対するイメージダウンであるということは、これは私は否定できないことだと思います。一つ一つその名誉を挽回するための措置を態度をもって示していきたい、かように存じております。
#13
○田英夫君 これは国が違いますけれども、かつてケネデイ大統領が殺された、あるいはロバート・ケネディ、キング牧師が殺されたというときのアメリカ人の気持ちは、やはりこんなことをやる人間を自分たちの同胞にかかえているのかという意味で、非常に残念であったと思いますが、ややそれに似たものを日本人の多くの人が感じているだろうと思います。
 三人の持っていた旅券というものが、どうやら報道されているところによると、偽造ではないかというようなこともいわれているわけですけれども、旅券に関係をして、これはまさに外務省の所管でありますけれども、現在までにわかった点があれば、お知らせ願いたい。
#14
○説明員(遠藤又男君) イスラエル政府からわが方に通報のありました犯人三人の旅券番号と名前は、「ナンバ・ダイスケ」――番号は省略いたします。「トリオ・ケン」、「スギザキ・ジロウ」。これに番号と生年月日をつけて通報してまいりました。
 ところが、この旅券につきましてこの点を調べましたのですが、この名前からは出てまいりません。
 それから旅券番号につきましても、全然別の無関係の人三人が出てまいりました。したがって、この旅券は偽造と認めざるを得ないわけです。それで、はたして現在犯人三人が実際だれであるか、それからどういう旅券が出るときに出されていたかということは、まだ事実調べができていないわけです。
#15
○田英夫君 そうなりますと、その旅券を持って出て行ったとは思えないわけなんで、出国のときに、これは密出国と考えるのか。あるいは自分たちの持った旅券はどこかに置いて、そうした偽造のものを持ち歩いているのか。その辺は外務省当局としてはどういうふうにお考えですか。
#16
○説明員(遠藤又男君) まあわれわれの想像でございますけれども、出るときに、最近は密出国ということは考えられませんので、正規の旅券を持って出たに違いないと思われます。そうしてどこかで偽造旅券に切りかえたというふうに思われるわけであります。けさのラジオニュースでは、どこかローマでとかあるいはベイルートとか言っておりますが、そこで偽造旅券を渡されたということを言っておりますので、そこはだんだんはっきりしてくるのではないかと思っております。
#17
○田英夫君 「ナンバ・ダイスケ」という名前を使っているあたりどうも偽名ということでしょうけれども、これは手続を正規にやって、正規の手続で出国されてしまう以上はもうどうしようもないということでしょうけれども、警察のほうとの連絡――警察の方がおいでになれば警察の方からでもいいんですが、そうしたおそらくリストがあるでしょうけれども、およそのめどがつくのかどうか、現在のところ三人と思われる人物。この点はいかがですか。
#18
○説明員(遠藤又男君) 事件が起こりましてから、いろいろな材料に基づきまして警察と連絡しておりますけれども、まだそれらしいという該当するような人について材料は出てきておりません。
#19
○加藤シヅエ君 関連。
 新聞の報道に出ておりましたのですけれども、こういう事件が起こりましたにつきましては、今後旅券の面で何か取り締まりも考えなければならないというようなことが出ておりました。いま旅券の発行はたいへん数がふえてお忙しくおなりになっていらっしゃると思いますが、取り締まりをしなければならないというようなことになると、どんなことができるでございましょうか。また、いままでもヨーロッパ諸国で出先の公館でいろいろ聞きますと、片道切符で来るような人たちも相当たくさんあって、初めから帰りのお金や旅費のことなんかには責任を持たないで出てきて、そうして向こうに行ってからアルバイトその他でどうにかしょうということを考え、それができなかったりして、結局は国費で送り帰されるようなケースも相当多いと聞いております。こういうようなことはやはり一応問題にされなければならない。今度の問題を契機として旅券の取り締まりというようなことが報道されましたわけで、そういうことを考えていらっしゃるのか。もしそうならば、それをどういうふうにして現実の問題としてお取り扱いになるのか、その辺を伺いたいわけであります。
#20
○説明員(遠藤又男君) 旅券発行につきましての取り締まりの問題でございますけれども、御指摘の所持金、それから切符の面がございますが、これらは出るときにはみんな切符はございます。それからお金も持っているということで、ほとんどこれはこの面からの制約は現在はできかねるわけでございます。それで、そのほかの取り締まりといいますか、旅券発給についてかげんをするということでございますと、旅券法の第十三条がございます。これは、外務大臣が発給しないことができる場合を五項目に分けてつくっておりますが、それによりますと、すでに刑罰を受けたことのある人とか、現在刑の執行中の人、それからあと国の援助でもって一度外国から帰された人、それから最後に並びまして、「外務大臣において、著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者」という十三条第一項五号の規定がございます。そのように、まあ「著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者」、こういうことを外務大臣が判定いたしました場合には、発給を拒否することができるわけでございます。ただ、手続上は、その際には「あらかじめ法務大臣と協議しなければならない。」という規定がございますが、いずれにせよ、今度起こりましたような事件からあわせて考えますと、十三条一項五号の規定は今後活用していい規定じゃないかと思います。ただ、これにつきましては、警察その他治安当局と十分連絡をとる必要がございますし、これに判定するまでには非常に慎重な材料の整備と判断が必要になるのじゃないかというふうに考えております。まあ、いずれにせよ、今後この種の事件を防止するにあたりましては第十三条の規定をいろいろと運用していく必要があるというふうに考えておるわけでございます。
#21
○田英夫君 今度の事件のことを考えますと、どうも日本人、正常な日本人では考えられないようなことが実際に行なわれたりかつての赤軍派のハイジャックの事件を思い出されるわけですけれども、そうした中で、ややもすると、そうした過激派はけしからぬ、取り締まりだと、こういう方向に発想がいってしまう。このことを私はやはり非常におそれるわけです。私は、きまり文句のように、政府の責任だとか、そういうふうには言いませんけれども、大体ここ何年来、そうしたハイジャックから始まって浅間山荘事件、あるいは今度の事件というようなことが相次いで起こってきている背景というものを考えてみると、必ずしも偶然ではないというふうに思わざるを得ないわけです。決して私は、繰り返して申し上げますけれども、政府の責任だということだけで申し上げるわけではありませんけれども、アメリカのああした相次ぐ不祥事件というものも今度の大統領選挙でまた起こっておりますけれども、これもやはりアメリカの政治、社会のああした中から生まれてきたと思わざるを得ない。同じように、日本の場合も、私どもを含めてやはり責任があるのじゃないか、こう考えたほうが――考えるべきじゃないかと思います。そういう点で、外務大臣であると同時に国務大臣であり政治の責任者である福田さんとして、こうしたことが起こったゆえん、起こってしまったということについて、そうしたものがなぜ起こったのかという点についてのお考えをこの際お聞かせをいただきたい。
#22
○国務大臣(福田赳夫君) まあ本件の具体的な事実の究明をしないと最終的な所感というものは述べにくうございますが、大まかに私の感触を申し上げますと、こういうような事件が起こるという背景は、これはまあ深いところに根ざしている。やはり戦後の社会的風潮、そういうものが基盤にある、そういうふうに思います。そういう点については、健全な日本社会の風潮というものが、これがやはりいまさらながら痛感される。これを再建しなければならない。そういうふうに思います。しかし、それをこの時点で言っておりますと、これは、それじゃこの起こった事件がこれで一部同情を呼ぶとかあるいは正当化されるとか、こういうようなことになるおそれがある、私はそれも非常に心配します。社会に責任がある、あるいは社会風潮というものがどうも不正常である、そういう問題は深くみんなして反省しなければならぬ問題だとは考えますけれども、起こったこの事件――その事件における主犯が、わが日本人であった。この問題はその問題として、これは別な角度で考えなければならぬ問題である。ことに、これを引き起こした三人の若者、この行為、これにつきまして峻厳な態度をもってこれに臨まなければならぬ、こういうふうに考えている次第でございます。田さんの言われるお気持ちはよくわかります。私も全く違った考え方は持っておりません。
#23
○田英夫君 最後に、こういうことが起こってしまったあとで、とにかくわれわれとして考えなければならぬのは、いまの社会風潮の中で、私は若者の中にそうしたことをやる人間がほかにいないとは言えないと思います。そこで、このようなことが海外で起こらないようにという意味で、何らかの防止策というようなことを考えなければならない。これはなかなかむずかしいことだと思います。さっきの旅券の問題にしても、いたずらに取り締まってみたところで、取り締まるということだけ表に出てしまって、実際の効果はない。非常にむずかしいことだとは思いますけれども、政府で何かお考えがあればお聞かせいただきたい。
#24
○国務大臣(福田赳夫君) その問題は、わが国だけでしなければならぬ問題と、それからもう一つは国際協力をどうしても必要とする、そういう問題とあるだろうと思うのです。わが国でなさなければならぬ問題は、先ほど御指摘のように、旅券の交付、そういうものについてこれは瑕疵があったのかどうかというような点ですね。そういうような点も含めていろんな点でわが国はわが国の自体の問題、これを反省する、これは必要であろう、こういうふうに思います。同時に、この種の問題はこれは国際的な協力、これはもう必要なんです。いま事件の真相というものははっきりはしませんけれども、エール・フランス機がパリを出発している。そしてローマにおきまして三人の日本青年が乗り込んだ、こういうふうにいわれているのです。そして、その三人の若者が、いままでの事実では凶器を携行しておったのです。その凶器の飛行場への搬入、そういうものがどういう過程を通じて行なわれたのか、そういう辺なんかになりますと、これは国際警察、そういう問題でございまして、国際社会においてよほどこれは協力しないと、いわゆるハイジャックでありますとか、それに類似するところの今回の問題とか、そういう問題は解決しないのじゃないか。私はいまさらながら国際協力の必要性の問題、そういうものを痛感をいたしておるわけであります。とにかく非常な問題が起こったわけでございまするから、まあこれを契機にいろんな面で反省し、再びこういうことが起こらないようにということを国際的規模において考えなければならぬ、かように考えております。
 なお、ただいま現地大使館との連絡によりますと、大使館員が生き残っておる一人の青年と面会をいたしたようであります。その大使館員からの報告が大使館から本省に入ってまいりましたが、どうも見たところ二十歳ないし二十二歳ぐらいのまあ感じであると、関西弁と九州弁、これを混合したようなアクセントの日本語を使うと、それから姓名についてはまだ黙して語らなかったようであるが、最後の段階で何か漏らし始めたようであるというようなことがありましたが、どういう名前を語っておるのか、それはまだ確かめられておりません。
#25
○田英夫君 これで終わります。
#26
○羽生三七君 大要は田委員の質問で尽きておると思いますが、この種の犯罪を繰り返すような者はまだ海外に残っておるのかどうか、あるいはまた、日本の中にそれと関連のある者がおって、将来とも渡航するようなことが再度起こるのかどうか、こういう問題がありますが、これは主として警察当局に関連する、治安当局に関連する問題が多分であると思いますので、私はこれはあえて触れません。しかし、これは非常に注意すべき問題であると思います。今後のこれは重要な課題になると思います。それと、まあきょうまでの点は、私はこの事件に関連してとかくいろいろ言われておった外務省が、きわめてスピーディーに適切に対策をやったと思いますが、そこでまた問題は、これも田委員が触れましたけれども、問題は背景だと思います。それで、話が横に飛ぶようになりますけれども、たとえばアメリカがニクソン・ドクトリンを打ち出さざるを得なくなったのは一体何かということを考えてみると、これは高度の戦略上の判断であったかもしれませんけれども、その背景をなすものは、やはりベトナム戦争、それから起こるドル危機、麻薬の横行、犯罪の激増、それから反戦の高まり、こういう一連の国内的要因が存在して、そしてニクソン大統領もああいう政策を打ち出さざるを得なくなったのであるし、特に最近のさまざまな一連のアメリカにおける動きを見ると、やはり特定の政治家なんかを目標にはしておるけれども、戦争に関連するような問題にその契機が、間接的にはその契機があるということが言えると思います。そういうアメリカの動向と関連して、日本では一体なぜこういうことがしばしば起こるのか。これはハイジャック事件から、浅間山荘事件から、今回の事件から、その間にも火炎ピン、爆弾等によって殺傷された何も関係のない市民も幾多ある。なぜこういうことが起こるのか。しかも、日本の近隣諸国でこういうことは日本以外にないのです。アジアの諸国を見たってこんなことをやる国は日本以外にはどこにもない。なぜ日本だけにこういうことが起こるのか。また、日本にはこればかりでなしに、今日まで軍国主義の復活と言われるようなさまざまな一連の動きがあって、今回の事件に関連をしていろいろな批判を受けておる。これは、私は考えてみると、日本の歴史的な事情もあるとは思うけれども、同時に、この高度成長下で、つまり人間が静かにものを考えたり、行動するような環境づくりということに欠けていたと――私は古くさい道徳論をやる意思は毛頭ありません。そういう意思は毛頭ないけれども、そういう意味の環境づくりというものが欠けていたんじゃないか。だから、これも田さんがさつき言われましたが、外務大臣、いま外務大臣であるが、近く総理、総裁になられるのか、あるいはなられなくても、自民党の中の有力な指導者として今後も行動されるであろう福田さんであります。だから、そういう意味で、私はこの背景、バックグラウンドというものをよく考えてみて、どこにそういうものが存在しているのかということ、これを突ききわめることが私はきわめて大切だと思います。だから、この事件の直接の動機そのものはいろいろあるでありましょう。国際的ないろいろな連係や、あるいはいろいろなそういうゲリラの教典に教えられたようなことがあったかもしれませんが、いずれにしても、私は、日本がこの高度成長経済発展だけに目を奪われて、静かにものを考え、志向し、何か新しいものを創造するようなそういう豊かな環境づくりということに欠けていたことが非常に大きな原因をなしておるのじゃないかということを、つくづく昨晩来、私このことを考えさせられました。それで、すぐ特派大使を送ることも大事だし、それぞれ関係国に謝罪することも大事だと思いますけれども、こういうことが二度と起こらないようにするためには、これは警察治安当局の適切な行動も必要でしょうけれども、同時に、長い目で見て、いま私が申し上げたようなことについて、政治家として十分これは、私たち自身も同じことです、関心を持たなければ、日本に対する世界各国のイメージダウンということはたいへんなものだと思いますね。そういうことを、きのう問題が起こったからきょうこの場限りのことでなしに、ほんとうに私たちが肝に銘じて、この新しい今後の日本のあり方というものを徹底的にやはり追求しなければならぬのじゃないかということを痛切に考えさせられるわけです。だから、そういうことでありますので、当面はかなり適切な対策を外務省はとっているということに敬意を払いますけれども、さらに一段問題を進めて、そういうことにまで触れて問題の所在を確かめ、また、それについての対策を打ち立てられることをこの際希望して、先ほど一応のお答えがありましたが、大臣の御見解を承っておきたいと思います。
#27
○国務大臣(福田赳夫君) それは、今回のこの事件を待つまでもなく、日本の国づくりという角度から見まして、日本という国はかたわな国である、こういうふうに思うのです。つまり物心両面ということが言われまするけれども、しかし、物のほうが進んでおる。それに対しまして、心の豊かさというか、精神的安定、そういうような面がおくれておると、そういう現象があると思うのです。国づくり、これからまた新しい姿勢でやっていかなければならぬ、そういう際には、どうしてもその心の面の立ちおくれ、これの取り戻し、そういう面が私は重要視されなければならぬ、こういうふうに考えております。先ほど田さんにお答えいたしましたが、まあ社会風潮健全化、そういうことに深く思いをいたした国づくりの姿勢、こういうことが必要である。これはもう今回の事件、そういうことじゃないのです。そういうことで考えておりますが、しかし、こういう今回の事件なんか見まするときに、そういうことをさらにさらに痛感をする、こういうことでございますが、しかし、それはそれ、今回の三人の青年のとった非人道的な利己主義的な行動、こういうことについては、またきびしい態度をとって考えていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
#28
○羽生三七君 ただ、この場合、いま私の言ったような問題が深く考えられることなしに、単純に考えられて、そして、ただきびしい精神教育だけをやれば事が足りると、そういうものでもないと思う。この点は認識を誤ると逆のことも起こりかねない。逆の結果も招きかねないので、この点は私、問題の本質というものを十分深く掘り下げる必要がある。あさはかな単なる現象、形態だけを見ての反省では足りないほど深くいろんな意味を持っておるということを申し上げたいと思います。
 それからもう一つは、これは警察当局に関連する問題ですけれども、一体三人に関連するような青年がまだ海外に残っておるのかどうか。あるいは日本の内地におって連絡する者があるのかどうか、これを確かめることを警察当局のことで非常に重要なことだと思うのです。それですから旅券の問題等も大事でしょうが、そうかといって正常な人たちの旅券の発行がそれによって妨げられるようなことがあったらこれもたいへんなんですから、そういうこと等とは別に、いまの海外におけるこの種の青年と同じような人間が残っておるかどうか、内地にそういう者がおるのかどうか、今後こういう問題については、警察当局と十分連絡をとって適切な対策をすみやかにとられることを要望したいと思います。
#29
○国務大臣(福田赳夫君) ただいまの羽生さんのお話、まことにごもっともなお話でございまして、そういうふうに最善を尽くしたいとかように考えます。
#30
○渋谷邦彦君 今回の不祥事、われわれ日本人にとってきわめて残念と言わざるを得ないことは先ほども述べられたとおりでありますが、こうした日本の社会環境の中にそういう土壌があるということ、これはまた別の機会に究明されていかなければならない問題かと私は思います。事件の真相がわかりませんので、これからどういう対応策をとるのかという点については、これからの課題になっていくんだろう、こう思います。ただ、やはりこの信用失墜ということはぬぐい切れない事実だと思います。これはメイア首相が、対日関係というものはこの事件を通じて阻害されるものではないという言明をなさっているようであります。われわれにとってはたいへんけっこうなことでございますけれども、しかし、イスラエル国民全体が受ける印象あるいは関係国、たとえばアメリカあるいはまたフランス、イタリア等の国民の受ける印象というのは、やはり日本人というものについての評価というものをあらためて見直さなければならないという行き方になりはしないか。もうすでに昨日のロンドンの新聞において、きわめて侮蔑的な日本人の呼称をもって大々的にこれが報道されるというようなことがございます。これが一時的な問題であるにせよ、できるだけ早い機会に日本自体の信用というものを回復しなきゃならない。そうした場合に、一体具体的にどうすればこれから日本自体の今回受けた傷口というものをなおして、そうして信用回復というものにつとめなければならないことは、当然これは政治の段階で考えていかなければならない問題点ではないかと、こう思います。総体的に福田さんにそのことを伺った上で、あと部分的にお尋ねをしてまいりたい、こう思います。
#31
○国務大臣(福田赳夫君) 今回の日本国及び日本国民に対する打撃、損失、これははかり知れないものがある。そういうふうに考えまことに遺憾千万である、こういうふうに考えておるわけです。これをどういうふうに回復していくか。名誉回復をどういうふうに進めるか、こういうことはこれはもう最大の問題点として考えております。しかし、これはなかなか一朝一夕には回復できない、それくらい深刻な影響を及ぼしておる問題である、こういうふうに思うのです。やはりこれからのわれわれの国が、またわれわれの国民がとっている一つ一つの行為によって積み上げながらこの名誉回復ということを実現をしなければならない、こういうふうに考えておる次第であります。しかし、差しあたりわが国がこの事件につきましてとるところの措置、これも重要である、こういうふうに考えまして、いろんな形における遺憾の意の表明、そういうものについて手抜かりのないように、また、この事件によっていろいろ物的な損害の問題等も出ていると思います。そういうものに対するわが国の態度、こういうものも妥当に行なわれるようにというようなことも考えなければならない。同時に、これからこういう国際社会において御迷惑を及ぼすような行為が再び起こらないように、これは国際協力を待たなければならない問題でありますけれども、わが国として最善を尽くすということも試みなければならぬ。そうしてこれは非常な大きな打撃を及ぼしておりますけれども、粘り強く、また損害の取り戻し、そういうことに取り組んでいくことが必要である、かように考えております。
#32
○渋谷邦彦君 昨日、福田さんが直ちに、これはもう国家賠償の責に応じなければならないのじゃないかという御判断に基づいて、それぞれ適当なと申しましょうか、犠牲者の方々に対しての見舞い金というものを考えたいという、そういう御意向をお漏らしになったようであります。衆議院の内閣委員会ですか、具体的にこれを詰めるということは、いまの段階で非常にむずかしいかと思いますけれども、二通りぼくはあるのじゃないかと思うのです。一つはこちらが自発的にまずどの程度のものをお見舞いするかという問題、それからあるいは時間をおいて関係諸国、というわけイスラエルの国から賠償請求された場合、これをどう応ずるのか、こう分けることができるのじゃないだろうか、こう思いますけれども、その点はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#33
○国務大臣(福田赳夫君) 私はこれは法律的に言いますと、いろいろ御議論があるところだと思います。これを法律論で論じたくはない。やはりこれは日本政府とし、日本人とし、社会通念としてりっぱな行動をとった、こういって評価されるような、そういう措置、これを考うべきだ、法律論を展開しておるというようなことになると、これは非常に私はこの措置としては不満足な形になってくる。そういうことじゃない、政治的な判断に基づいて国際社会において評価されるような措置、そういうことを念頭においての行き方ということを考えたいと思っております。
#34
○渋谷邦彦君 今度の事件を通して言外に福田さんが先ほど触れられましたけれども、死者、重傷者、軽傷者、それから空港自体の損傷というふうに、大別するとそんなふうになると思うのです。これがまず当面の問題としてできるのじゃないか。私はなぜこの問題に触れるかは、言うまでもなく、冒頭に申し上げたように、多少でも日本政府が加速度的な対応措置の一環として信用回復をすべくこの問題の処理がスムーズに行なわれることを念ずるあまり申し上げているわけですけれども、そうしたすでに日本人がやったというその事実関係については、これは明確になった現段階において当然詰めなければならないことではないか。福田さんが昨日述べられたその胸中にはどの程度のことをお考えになっていらっしゃるのかということです。
#35
○国務大臣(福田赳夫君) いま、どの程度という具体的なことを申し上げる段階までまだ来ておらない。私がここで申し上げますことは、これは法律論じゃない、これは国際社会において評価されるような妥当な行動をとるということですね、これは大局的、政治的判断に基づいて行ないたい、こういうことでございます。
#36
○渋谷邦彦君 もう一つ確認をしておきたいのは、これはあるかどうかということはまだわかりません。もし国家賠償というものの請求があった場合は、どういう措置をとられますか。
#37
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、先ほどから申し上げておりますように、法律論、条約論、そういうような法的な問題として扱いたくないのです。これはどこまでも人道上、社会通念上の問題、そういう角度において政治的な判断に基づいてこれを処置したい、こういうことでございます。
#38
○渋谷邦彦君 二つ、私論点を分けて申し上げたんですが、それでけっこうでしょう。この事件が発生してから、当然いろいろな動きがあるやに伝えられております。報復措置までいくかどうかは、これはもう疑問の点もございましょう。少なくとも昨日あたりはワシントンの大使館、あるいはイスラエルの大使館にいやがらせの電話等がかかっている。とりわけ今回殺傷された約八割近い人たちがプエルトリコ人だというふうにいわれております。こうなりますと、特にアメリカに対してもいろいろな考え方というものを持たねばならないでしょうし、とりわけそうした人たちの行動、あるいはニューヨークは特にユダヤ人が非常に多い、こういうこともいわれております。また過激な考え方を持っている人たちもいないわけではない。こういうようなこともあわせて伝えられておるようでありますけれども、そうした、またさらに血塗られていくような不祥事件というものをこの際どうしても阻止しなければならないし、そのためにも、先ほど国際協力の必要性というものを言われたんだろうと私思います。けれども、いま差し迫ったこういう段階になった場合、具体的にどういう手を打って、再びそういう、どこの国の人がやろうとも、事件の起こらないようにしなければならない。それだけに手の打ち方はあるだろうと思います。その点についてはどういうふうに現在進められているんでしょうか。
#39
○国務大臣(福田赳夫君) これは、主として警察関係の問題になろうかと思うんですが、まあ今回は飛行機が関係しておる、関連しておる。ハイジャックのような問題の類似の案件のようですが、凶器の持ち込みは非常に問題になるのじゃないか、それをどういうふうに防いでいくか。かっての平壌に逃げ込んだあのわが国のハイジャック問題、あれ以来わが国においてはずいぶん注意をしておるんですが、これはわが国だけが注意いたしましても、この問題は解決をしない。やはりこれは国際協力、国際社会全体がああいう問題について重大な関心を払うということで、初めて凶器の持ち込み問題というものは解決される、そういうふうになろうかと思います。これからそういう問題を国際的にどういうふうに協力し合うかということ、これが一そう切実な問題になってくるであろう、こういうふうに考えております。かたがたわが国において、いろいろな角度からこういう問題を引き起こすことに手抜かりはなかったかということもここで総点検をしておくという必要がある、こういうふうに考えております。早急にそういう諸施策を検討していきたい、こういうふうに考えております。
#40
○渋谷邦彦君 いま、私お尋ねしたのとちょっとすれ違ったお答えのようですが、報復措置に対して、当然外務省として考えなければならぬわけですね、打つべき手というものが考えられているのじゃないかと思いますが、そういうことをお尋ねしたのですが。
#41
○国務大臣(福田赳夫君) そういう不幸な事態に基づいて、さらに不幸が出てくるということになると、これはたいへんなんです。そこで、さしあたり昨日私がイスラエル大使を訪問する、また、イスラエル駐在のわが国の大使をしてイスラエル政府を訪問せしむる、こういうふうな措置もとり、その会談を通じて、まあわが国政府、またわが国の国民、そういうものに対しまして、イスラエル国が、これが常と違った感触を持っておるというような状態でないということは、私ははだに感じて帰ったわけなんです。また、その際大使の話によりますれば、現地のイスラエル国民におきましても日本人に対する友好の感情、これにさらに変化があるとは思えない、こういうふうに言っておりました。なお、昨日の段階におきましては、一般的に三人の犯人が日本人であるというように考えられておったのでありますが、なお旅券との突き合わせ等から見まして若干のまだ疑義が法的にはあるような状態だったんです。そういう状態でもあり、また同時に、被害者の国籍、そういうものがまだはっきりつかめないような状態であった。しかし、いま御指摘のように、そのうちの相当部分がプエルトリコの巡礼旅行者の方々であったというふうに当時の情報で伝えられた。そこで、法眼次官をしてアメリカ大使館を訪問し、遺憾の意の表明をさせるというような措置をとっておったわけでありまするが、あらゆる手段を講じまして、この不幸な事件が、また第二、第三の不幸を呼び起こすということがないように、最善の努力を尽くしたい、さように考えております。
#42
○渋谷邦彦君 そこで、今後の問題としてもともに考えていかなければならないと思うことは、いまもしばしば述べられたように、国際協力ということではないかと思うのです。これは国内で起こってもいけない問題だし、いわんや海外において起こるのはまたまた日本人全体を傷つけるという、そういう信用上の問題につながる。どっかでチェックをしなければならないというようなことも具体的に起こってくるでありましょう。そうした場合に、たまたま今回はおそらく前例を見ないと言われるような不祥事が日本人の手によって引き起こされたということを踏まえて、これは次の国連総会において具体的に日本の考え方というものを提唱して、そして国際協力を呼びかけるということまでやはり具体的に詰める必要があるのではないだろうか。ただ、国際協力に最善を尽くすといったって、具体性がありませんと、一体日本としてはどういうことを考えているのだ、当然そういうような素朴な疑問がわいてくるのは、いままでもそうでありましたし、やはりそういうことの繰り返しではどうにもならない、厳粛に、冷厳なぐらいにこうした事件というものを踏まえて、詰めていく必要があるのではないだろうか、こう考えます。それは起こった直後ですから、まとまりがないと言われるかもしれませんけれども、しかし、そうは言っておれない要素が幾つもあるわけでありますので、そういうことを考えていいし、具体的にもしこういう考え方で何とか国際協力というものを呼びかけていきたい、日本が提唱国になっても、何にも恥ずかしいことは私はないと思います、いかがでしょうか。
#43
○国務大臣(福田赳夫君) 御説のとおりに思います。今回はとにかくこういう不幸な事件が起こったその主犯がわが日本人であったということでありまするから、日本国といたしまして特別の関心を国際社会において示すということは、これは妥当なこととして理解されると思います。そういう認識の上に立ちますと、国際的にこの問題をどういうふうに打開していくかということについては、精一ぱいの努力をしてみるということにしたいと思います。
#44
○渋谷邦彦君 それ以上のこと、私求めようとしてできない段階だろうと思いますけれども、せめて次の国連総会あたりで各国の協力を求める、その方向に向かってやりますとか、検討するとか――検討ではちょっと弱い行き方だろうと思うんですけれども、そういう御答弁がいただけないだろうか。具体的にたとえばハイジャックをはじめとする最近の航空機を利用した事件というものはあとを絶たないんですね。これは日本だけではなくて、各国とも決して人ごとではない。お互いに共通したそういう課題をかかえているということは衆目の見るところであります。たとえば銃砲等の携行にいたしましても、各国でもあるいは探知器というものを使って事前に防止策というものを考えているかもしれない。しかし、日本国内を見た場合でも、ローカル線なんかは依然としてそういうような設備がなされていないというような問題もあるわけです。確かに一般の善良な旅客にとってみれば、こんな不愉快なことはありませんけれども、しかし、そういう環境が是正されないうちは、やはり次善の策としてそういう防護体制というものをつくっていかなければならない。これはもう常識だと思うんです。たとえばそういう問題についても、せめて主要な空港についてはそういうものを互いに各国の協力を求めるとかいうようなことも必要ではないだろうか。はたして各国全部そういうものが整備されているかどうか、私は材料がありませんのでわかりませんけれども、今回のフランスからイタリアを経由してイスラエルに入ったその経過を考えてみても、その辺が、非常に失礼な言い方かもしれませんけれども、チェックのしかたがルーズであったのか、そういう設備がなかったのかということか――現実的にはもう起こっているのです。そういうことを全部含めて、日本として提唱するような考え方を持たないか。これはもう常識的に考えられる問題ではないか、当然やるべきであろう、こう思うわけです。
#45
○国務大臣(福田赳夫君) 渋谷さんのお話、全く同感です。とにかくこういう問題を国際的にどういうふうに進めていくか、そういうことにつきましては、その筋々があろうと思います。思いますから、その筋に従いまして、最善を尽くす、こういうことで御理解を願いたい、かように思います。
#46
○渋谷邦彦君 それから外務大臣は、さっそくイスラエルに対しておわびの電報を打ったようですが、今回の関係国はイスラエルだけではございません。これはほかの国に対してはどういう措置をとられたんでしょうか。
#47
○国務大臣(福田赳夫君) 昨日の段階では、まだ犠牲者が一体どういう方であるかということがわからない。ただ、そのうちのかなりの部分がプエルトリコの方であるということだけは、状況から判断いたしまして、そのように見られたわけであります。そこで、米国大使館を、取るものもとりあえず、法眼次官が訪問し、遺憾の意を表明するという措置をとったわけであります。その犠牲者の国籍等が判明いたしますれば、同様に私どもといたしましては、丁重に、しかも誠意をもって遺憾の意を表明さしていただくという措置をとらなければならない、かように考えております。
#48
○渋谷邦彦君 次に、先ほど移住部長のほうから旅券発給についてのいろいろな拘束事由についてお話がございました。ただ、先ほどもちょっと問題として出ましたけれども、これから今度の事件を契機として、いたずらに――四項目か五項目あるうちの最後の項目ですね。大臣のいろんな判断によって旅券の発給をとめるという項目がございましたね。これで縛られていきますと、非常にまた別な面での反響を呼ぶようなおそれなきにしもあらず。とかく法律というものは拡大解釈をされますと、一方においては締めつけをやり、一方においては全然もう野放しになっているというようなこと、極端から極端への行き方ということが決してないとは言えない。これはわれわれの希望として、特に今度の事件を通じて――もちろん、海外に参りまして日本人の信用を傷つけるような、そういう旅行者というものは好ましくありませんけれども、いろいろそれを判断する基準というものはむずかしいだろうと思うのです。そういうことで、もう一般の旅客まで十ぱ一からげになって旅券の発給ができなかったとか、あるいは不当な官憲の干渉を受けるという、そういうことが絶対にないように心がけなければならないだろうと、このようにも思いますし、ぜひそういうことをわきまえて、今回の事件が起こったから何でもかんでもきびしくやるのだというようなことのないように、いまから要望しておきたいと思います。
 いずれにしても、一刻も早く真相を探知されて、先ほど来述べられた政府当局としてのすみやかな善後策というものを、円滑にそうしてすみやかにとられて、そのとった行動を通じて、少しでも日本の信用というものが回復できてくるという方向にぜひ向けていっていただきたい。要望を交えてそのことだけを伺って、私は終わりにしたいと思います。
#49
○星野力君 テルアビブ空港の事件を引き起こしたのがいわゆる赤軍派かどうかはまだはっきりいたしませんが、いずれにせよ、彼らと同類のトロツキスト集団一味であると思われます。まことにむざんな、日本国にとっても、日本人にとっても不名誉なできごとであります。世界の人々に日本人の野蛮性、日本人のおそろしさを強く印象づけたのではないかと思うわけであります。例の連合赤軍が浅間山荘事件や集団リンチ事件を起こしましたけれども、あの場合には、集団暴力者とその犠牲者との間に、憎悪であるとか、対立であるとか、そういう対人関係があったわけでありますが、今度の場合は、場所がアラブの敵国であるイスラエル国内ということだけで、犯罪者と犠牲者の間に何の人間関係もないできごとであります。いわば日本が輸出に事欠いて、特攻的な殺し屋集団を輸出したようなことになっておるわけであります。悪くすれば三人だけに終わらないのではないかと考えられるのでありますが、政府の対外関係の責任者である外務大臣として、この事件について一体何を反省されるかということが一点であります。
 それからいち早くイスラエル政府に対する謝罪の処置をとられた。また、特派大使を派遣されるということでありますが、そうしてその場合、口先でなく、態度でもって日本の誠意を示すと、こうおっしゃる。このことは、特派大使派遣と同時に、何らかの具体的な行動をする――先ほどの見舞い金の問題などをさしておられるのかどうか、その二点をまずお聞きしたいのです。
#50
○国務大臣(福田赳夫君) 先ほども申し上げましたように、今回のこの事件は、わが日本国並びに日本国民に対するたいへんな打撃である、つまり非常な不名誉なことをしでかした、こういうふうに考えておるわけであります。こういうことが再び反復されないように、日本国自体の問題としても、また国際協力の問題としましても、双方の面から十分な反省をしてみなければならない、かように考えております。
 また、私がイスラエル大使を訪問したということでありますが、さらに今明日政府を代表する使節をイスラエル国に派遣をいたしまして遺憾の意を表明をするというふうに考えておりますが、あるいは犠牲者に対し、あるいは空港を損傷いたしましたイスラエル国に対しましてどういう措置をとるかと、これにつきましては私は単なる法律論はもういたしません。政治的あるいは社会的、人道的、そういうような見地に立ちまして、国際的に、日本はまあよくやったというふうに評価されるような行動をとりたいと、かように考えております。
#51
○星野力君 こういう事件が引き起こされた、こういう犯罪者を出したということについて、どのような社会的な原因があったにせよ、彼らの行為そのものを少しも弁護することはできないと思います。しかし、国の政治の問題としては、やはり社会的な原因ということについても考えなけりゃならぬ。先ほど外務大臣は、戦後の社会的な風潮ということを言われました。風潮を健全化しなければならないと言われましたが、言われた意味は一体どういうことかということをお聞きしたいと思うのであります。私は、先ほど羽生さんからもお話がありましたが、高度成長下のいまの日本、何とも粗雑で、人間社会の荒廃を感じさせるような世相、環境のもとで、青年たちが自分を含めて生きがいや人間の理想というものを持ち得ない、そういうようなところに一番大きな原因があると思うんでありますが、外務大臣のお考えいかがですか。先ほど申された社会的風潮が背景になっておるという意味ですね。
#52
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、まあいろいろな要素を含めて、日本の社会には一種異様の風潮が流れておると、こういうふうに見るんです。よく一九世紀末においてファン・ド・シェクル、そういうことが言われた、あれに似たような一つの風潮がある。つまり、一番私どもが目につきますのは、自分、自己というものを主張する、自分だけの主張が正しいんだ、また同時に、そのうらはらから言いますると、社会、他人に対する責任、そういうものにつきまして非常にいま欠けておる。やっぱり今日の社会におきましての、社会連帯というか、全体の中に自分があるんだ、その中においてのみ自分の豊かさというものが求め得られるんだというような考え方、そういうものがたいへん希薄になってきておるんじゃないか、そんな感じがするんです。これは占領政策、その中に民主主義というものが取り入れられた。それが自分の権利だけを主張するということが民主主義だというような誤ったとらえ方、自分の主張の裏には常に自分の社会に対する責任というものが伴うというような、その社会に対する責任感というものが忘れられたような、そういうようなところに今日の社会の私は欠陥面の大きな特色があるんじゃないか、そんなような気がしてならないんです。そこへとにかく物質的に非常な繁栄というものがきておる。そして精神面と物質面とのわれわれの生きる中においてのこのアンバランス、そういうものが存在する。いろいろなことが寄り重なって、私はよく昭和元禄といいますが、そういうような累様な風潮をつくり出しておるんじゃないか、そんなふうに考えます。
#53
○星野力君 まあ戦後占領下にあったこと、民主主義ということも言われましたが、もう一つ突っ込んで、それが背景の社会的風潮だということだけでなしに、そういう風潮を何が引き起こしたかをもう一つ突っ込んで考えていただく必要があるんじゃないかと思うんです。昭和元禄と言われましたけれども、元禄はなかなか文運盛んな時代でございまして、むしろ元禄じゃなくて文化、文政のあの頽廃した時代をほうふつしておるんじゃないかと、これはよけいなことでございますが、私いままで最もむざんな凶悪なこういう犯罪が起きるのは、アメリカだと思っておりました。ところが今度の事件は、日本がアメリカを凌駕したというようなことではないかと思うんです。日本で一番、いわばこんな事件が日本だけで、日本人だけがやっておるということを日本の国の政治の問題として厳粛に考える必要があると思うんであります。トロツキスト暴力集団というのは、われわれの日本共産党や日本の民主運動に敵対する存在でありますから、それゆえに保守派の政治家の中には彼らの利用価値を公然と口にしてきた人々もおるんであります。また、警察が暴力学生らと通じて彼らに金を与えていたというような事実も、これは一部のことではありましょうが、伝えられておるわけであります。政府が彼らを甘やかしてきたそのことが、あの連合赤軍の事件や、ひいては今度のような事件を招いた大きな一つの原因ではないか、原因であると言えると思うんでありますが、いかがですか。
#54
○国務大臣(福田赳夫君) わが国の政府はいかなる意味においてもいわゆるパレスチナ問題、これに関連もし、またこれに関与もしておることはないと、これはまあひとつ、せっかくのお話でございますが、誤解ないようにとくと御了承願います。この今回の問題は、政府また多数の日本人、もうほとんど大多数の日本人と関係のない、いわば気違いの行動である、こういうふうに理解をしておる。何らの意味においても日本政府とは関連ありませんから、その辺は誤解ないようにひとつ。
#55
○星野力君 私は、今度の事件が直接日本政府と関係があると、こう言っておるのではないんであります。保守派の政治家の中には、名前をあげるのはきょうはやりませんけれども、福田大臣よく御存じの方々の中に、彼らを泳がしておくのはそれなりの利用価値があるということを広言されてきた人々がおるわけです。そういう態度が反映した彼らに対する甘やかし、そういうものにさかのぼった原因があるということを私申しておるんであります。今度のように、こういうところまでむざんなことをやるとは考えられなかったにせよ、トロツキスト集団が日本の国外で何かたくらんでおるということは、これは予想できなかったことではないと思います。赤軍派は、かねてから国境を越える武装闘争ということも言っておりましたし、世界同時革命――世界同時革命の基地をつくるためにベイルートに代表を送ったということも言っておりました。世界赤軍ということも言っておりました。ここにありますのは一昨年六月十日付で発行されておる赤軍派の機関誌「赤軍」の特別号、これは例の「よど号」乗っ取りのあの連中が出発にあたっての宣言、この題字の下のわき見出しに「世界党建設・世界赤軍兵士へ飛翔する革命的九同志の出発宣言」、こうなっておるのです。そして彼らのその宣言の中には、「我々は多くの同志を、アジアヘ、米国へ、ヨーロッパヘ、中近東へ、中南米へと送り出し……世界革命戦争の下に……世界赤軍を」云々と、現実に「言葉ではなく、現実的に物質化させていくであろう。」と、こう書いておる。口先でなく実行で示していくんだ、こういう意味のことを言っております。こういうことを、もちろんこういうものは警察として入手されておられたわけでありましょうし、彼らの動向についても知っておられたと思うんでありますが、これに対してどういうふうな手を打ってこられたか。一対策を講じられたのか、講じられなかったのか、ひとつお聞きしたいと思います。それじゃ大臣の感想、いまの私が述べたことについての感想をひとつ言ってください。
#56
○国務大臣(福田赳夫君) 先ほど来申し上げておるとおり、こういう問題の再び起こらないようにというためには、これはもうどうしても国際協力が必要である、こういうふうに考えております。国際協力というのは一体何だと、こういいますれば、これはいろいろ航空行政の問題もあります、あるいは旅券行政の問題もありますが、非常に重要な分野を占めるのは、警察的角度の活動の問題である、こういうふうに考えます。そういうことを総合的に対策を講じなけりゃならぬということを、まあこの事件を顧みまして痛感をする次第でございます。国際的にひとつわが国といたしましても積極的な努力をしていきたい、そういう考えであります。
#57
○星野力君 彼らが国境を越える武装闘争であるとか、世界赤軍とかいうことを言っておるのでありますから、それはこういう連中のああいうばかなことを押えるためには国際協力も必要でありましょうし、警察の問題も大事でありましょうが、より根本的には日本自身の問題日本の政治の問題だと思うんです。私先ほど申しましたように、一部の保守派の政治家や財界や警察が、彼らが日本共産党に反対であり、民主運動に対して反対しておるということで彼らを甘やかせるような、そういう政治態度というものを、あるいはそういうやり方というものをこれはやめるということが一番大事だと思うんです。そういう、もつと彼らに対して厳粛な、厳格な立場で対処していくこと、これが根本だと思います。それだけ申し上げまして、私時間きましたから、終わります。
#58
○委員長(八木一郎君) 本調査に対する質疑は、本日はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#59
○委員長(八木一郎君) 次に、航空業務に関する日本国政府とビルマ連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び
 航空業務に関する日本国政府とメキシコ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 以上二件を便宜一括して議題といたします。
 二件につきましては、去る五月十六日に趣旨説明及び補足説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#60
○森元治郎君 メキシコのほうから伺います。一番メキシコの問題で質問点になるのは交換公文だと思うんです。普通は協定ができて批准されて、それから協定が動いていくんですが、交換公文で見ると、協定十九条の規定に従って外交上の公文が交換されるまでの間それぞれの行政権の範囲内で暫定的に協定を実施することを約束するとなっている。それでもうすでに飛行機はわが国会議員も同乗して四月でしたか、メキシコまで飛んでいる。協定が発効しない前に飛ばしているわけです。この理由は、伝え聞くところによれば、メキシコのこの協定批准の国会は秋になるというようなこと、日本のほうは、おそらくこれは想像ですが、かせげ、かせげで、一日も早く、ひとつその間に時間がたってしまうからメキシコ線でかせげるものならかせごうという気もあったんでしょう。こういうような交換公文をつけた。この点がどうもすっきりしないんですが、この間の事情を説明してください。
#61
○政府委員(穂崎巧君) ただいま御指摘のありましたように、この種の協定を結びます場合は国会の御承認を得るのがたてまえでありまして、発効してから実施するのが筋道だと存じます。したがいまして、日本の場合は、今回国会の御承認を得るようにしておりますし、それから他方メキシコのほうも、この秋にそういう手続を経るということになっておりますが、今回の場合を申しますと、この間三月九日にメキシコの大統領が参りましたときに、メキシコのほうからぜひとも早くこれを開いてほしいという要望もございましたので、われわれといたしましてはこれに同意いたしまして、行政権の範囲内でこれを早急に国会の御承認を得て協定を発効さしたいというふうに考えたわけでございます。このような事情は、日本はできる限り早く国会の御承認を得ていくわけですが、国によりましては航空協定が二年も三年も国会の承認を得ないでほうっておかれる場合もございますので、やむを得ない措置といたしまして、こういう措置をとったことでございまして、事情が許す限り国会の御承認を得てからやりたいという気持ちには変わりございません。
#62
○森元治郎君 国会で二年も三年も置かれるなんて変に勘ぐらなくて、こういうものはすっすと国会は通っているはずです。あんまり勘ぐりが過ぎると思うのだが、どうですか、穂崎さん。
#63
○政府委員(穂崎巧君) いま私が申し上げましたのは日本の国会ではございませんで、相手の国の国会で三年も四年も置いておかれるわけでございます。
#64
○森元治郎君 こういうのはいまの話を聞くと、メキシコが早くやりたいからというふうな御答弁でしたね。何でも向こう側におっかぶせるのは、こっちも相当せいたでしょう。たまたま両方が合ったからこういうことができたので、メキシコから言ったからいやだけれども、やったような顔をしないで、やはり両方が合ったというのがいい答弁だと思うのです。答弁は要りません。こんなことはあまり言うことじゃないと思うのですが、初めはもうからないと言いましたが、一週三便飛ばして、成績いいようですね。
#65
○説明員(寺井久美君) 現在のところかなりよい成績をあげております。まだ始めたばかりでございますので、年間を通じてこれはプラスになるか、マイナスになるか判然といたしません。
#66
○森元治郎君 そう他人行儀みたいなことを言わないで、これは容易じゃないと思ったが、案外お客さんあります。年間を通じて、始まったばかりで、年間を通ずる話ができるのですか。そういうことは聞いてやせぬよ。けしからぬよ、そういうことは、そんな答弁をしないで、こっちだって親しく聞いているのだから。
 それからビルマをちょっと伺います。ビルマのほう、これに航空協定たくさんある、二十六、七あるのですか、二十七か、大体以遠権というのをよくとりますよね。これには入っていない、日本は。どういうわけですか。
#67
○説明員(寺井久美君) ビルマとの協定に以遠権がございませんのは、実は日本側といたしましてラングーンを利用いたしまして以遠に飛ぶ計画が当面ございません。また、反面、ビルマ側といたしましても、東京以遠に行く希望がございませんでした。そこでとりあえずラングーンと東京の間という両国間のみの路線で合意をいたしたわけでございます。で将来以遠を飛ぶ必要ができました際には、あらためて航空当局間で協議をいたしまして、この路線を改定する作業を必要とするわけだと思います。
#68
○森元治郎君 まあビルマという国は閉鎖的な国ですね。で、あらためてまた以遠に飛ぶことにしましょうという交渉になると容易でないので、こちらではこれから以遠の気持ちがない。向こうも実力として東京以遠まで飛んで行く力がないとするならば、以遠ということをこの際入れておいても、遠くに実際しないとすれば、そのほうがすっきりしたんじゃないか。なぜ特に以遠を入れなかったのか。ビルマにしてみれば、アメリカまで飛んで行くんだと言えば、向こうも大いに大国になったような気分になっていい気持ちがするだろうと思うし、日航の線なんか見ると、ビルマを通る日航の線はありませんね。それから外国の場合でもたぶん、夕べ時間表を見たらエール・フランスがこちらからビルマへ行くのが一本あるようで、ほかは通らない。いずれにしてもあれから以遠を取っておくということは決して悪いことではないので、これを論議したのかしないのか、向こうが断わったのか、持ち出さなかったのか、その点ちょっと……。
#69
○説明員(寺井久美君) 現実に申しますと、向こうの側から以遠の希望は全くございませんでした。当方といたしましても、ラングーンを利用してどういう路線を引くかということにつきまして具体的な案がございませんでしたので、これは交渉の過程で取引にならなかったということでございます。
#70
○森元治郎君 すでにほかの二十七ぐらいあるうちで、以遠がないのはこれとブラジルですか、ブラジルと二つぐらいでしょう。
#71
○説明員(寺井久美君) さようでございます。
#72
○森元治郎君 やはりこういうものはしょっぱなに取っておくものですよね。いまもうかるといえばどんな無理をしてもがつがつやるが、将来なんというと、長い見通しというとぼやんとしている。悪いくせですよ、商売人の。エコノミックアニマルの、こういうことは直さなければいけない。以遠権まで考えますと、アメリカ航空の北京乗り入れ、東京以遠、これは一体どんな交渉をやっているのか。新聞記事を見れば、向こうの航空会社の大きいのが五つぐらいアメリカの民間航空局のほうに以遠に飛びたいという申請をしているわけですね。それは一体受理したアメリカ政府はどうしているのか、その中の会社がこそこそやっているのか、その事情をお知らせください。
#73
○説明員(寺井久美君) 米国企業が中国に乗り入れたいという希望を表明いたしまして、アメリカのCABに申請をしたということはわれわれも聞いておりますが、それに対してどの会社を乗り入れさせるかというようなことについて、目下のところ残念ながら何ら情報はございません。
#74
○森元治郎君 情報が出てくるのを待っていないで、知る権利ですから、どんなふうになっているか聞かなければだめですよ。大臣どうですか。国と同じような立場でしょう。政府としては何をやるかわからぬということは、絶えず商売上からも日中国交回復からも大きな問題ですよ。
#75
○国務大臣(福田赳夫君) いま事務当局に聞いてみると、そういう情報を聞いておらぬと、こういう話でございますが、なおこれは調べてみます。その上お答えすることにいたします。
#76
○森元治郎君 こういう情報は常時、もう絶えず密接につかんでおらなければ、こういう状態になっているらしいと、五つの中でどれを代表にするか、合同でやっているのだ、そうだというぐらいのお話があってもしかるべきだと思うのですね。ということは、私こういう質問をするのは、これが問題になっているのでしょう。何月か、ことしになって日航の社長が、アメリカが中国へ日本に黙ってああいうところへ以遠権を利用して飛んで行ってしまうというようなことがあるならば、終戦後すぐできた日米航空協定の改定ですか、これも考えると、もつと強く言えば廃棄ですか、そこまでの談話をしているということは、向こうが動いているということを察知しての談話だと思うのですが、大臣どんなふうに考えますか。
#77
○国務大臣(福田赳夫君) それでは政府委員のほうで知っている事情をお答え申し上げます。
#78
○説明員(寺井久美君) 日本航空の社長のアメリカにおける談話につきましては、ちょうどニクソンが中共を訪問する直前のことでございまして、当然米中間の航空問題が討議されるであろうという想定のもとに、もしアメリカの企業が日本の以遠権を利用して中共に乗り入れるというようなことがあれば航空協定の現在のバランスがくずれる、したがって、これについては再交渉を申し入れるという趣旨の御発言だったと考えております。
#79
○森元治郎君 この以遠権を利用して日本に何にも言わないで黙って向こうがやるということはしないのか、あるいはしてもらっては困るというこちらからの一本くぎをさしてあるのかどうか、その点はどうですか。
#80
○説明員(寺井久美君) 航空協定上は米側は権利として行く権利を持っております。しかしながら、これは事務レベルでございますが、日本側の了解なしに中共へ乗り入れていただいては困りますということを申しております。
#81
○森元治郎君 もう権利の問題だけれども、よく政府が言うように、日米間は非常に仲がいいのだということを言いますから、権利、法律論は別として、当然事を起こす場合には日本に一応事前了解は求めるのだということははっきりしていると確認していいですね。
#82
○説明員(寺井久美君) 航空当局間の了解といたしましては、そのような連絡があると考えております。
#83
○森元治郎君 日本の場合、考えたことありますか、中国乗り入れ。これは全然考えていないのか。
#84
○国務大臣(福田赳夫君) わが日本と中国との間に航路を開設すると、こういう問題につきましては、これはまあ航路開設となりますると、航空の安全というような見地、特にその問題につきまして相互の政府が了解し合って、そうしていろいろな取りきめを大所高所でする必要があると、こういうことを考えまするときに、国交が正常化されていない、こういう今日の事態においてはなかなかむずかしい問題となってくるのじゃないか、そういうふうに考えておるのです。私どもは中国との間の航空問題につきましては、これは政府間接触をいずれは始めたいというふうに考えておりますが、その政府間接触の間の問題である、こういうふうな認識でございます。
#85
○渋谷邦彦君 簡単に二、三お尋ねしておきたいと思いますが、いまもアメリカの問題が出まして、非常にむずかしいだろうとは思うのですけれども、今回のメキシコヘの中南米路線ですか、これはバンクーバー経由ということになるのですね。まず技術的な面からちょっと伺っておきましょう。
#86
○説明員(寺井久美君) さようでございます。バンクーバー経由メキシコ行きでございます。
#87
○渋谷邦彦君 これはまあどう考えてみてもサンフランシスコあるいはロサンゼルス経由ということがきわめて合理的であり、旅行客にとってもそのほうがきわめて都合がいい、こうだれしも考えることなんですけれども、こういう隘路というものがどうしてもやはり打開できないものなのかどうか、ですね。いまも森さんからそういう点の御指摘がありましたけれども、どう考えても、この点が、それは民間ベースでやるんだから、あるいはアメリカとしては自分の国のそういう利益というものは擁護しなければならない、それは、いろいろな要素はあるだろうとは、ぼくは思うのです。しかし、やっぱり、もう一歩われわれとして何とか合理的な行き方についての手がかりというものがつくれないものかどうか、こう思いますけれども、どうなんでしょうかね。
#88
○説明員(寺井久美君) ただいま御指摘のありましたように、アメリカ、たとえばロサンゼルスあるいはサンフランシスコ経由メキシコシティということを当然考えまして、交渉に入ったわけでございますが、この地域とメキシコとの間の路線は、メキシコ側にとっては非常にゴールデン・ルートでございまして、この間、アメリカ側の企業も、メキシコの企業に比べますと、三倍くらい入っている。そこで、メキシコ政府といたしましては、自国企業の擁護という立場を非常に強く主張いたしまして、とても中間地点として渡せないということでございまして、反面、日本側の事情といたしましては、アメリカからこの権利を、いま実は使えない状態にございます。そこで、実際的な解決の方法として、バンクーバーまで行っております路線を延ばすということで解決したわけでございます。
#89
○渋谷邦彦君 将来に対する見通しはどうなんです……。
#90
○説明員(寺井久美君) 対メキシコとの関係では、将来とも非常にむずかしいということでございます。
#91
○渋谷邦彦君 今回のあの路線の伸長に伴って、ブラジル等々の、さらに中南米以遠ですか、そのほうの話も出ているやに仄聞するのですけれども、その点はどうなっていますか。
#92
○説明員(寺井久美君) メキシコとの交渉におきましては、ブラジルまでの以遠権をとっております。ただし、まだ問題が残っておりますのは、メキシコ政府のたてまえといたしましていわゆる第五の自由というものを渡さないということでございますので、路線としては持っておりますが、第五の自由、メキシコシティを中心とする第五の自由を獲得いたしませんと、この長い路線を経済的に運航することがかなり困難であるというふうに考えております。
#93
○渋谷邦彦君 いまいろんな御説明いただいたんですが、福田さん、いかがでしょうかね、お聞きになっていて。非常に状況としては、むずかしいという御答弁でございますけれども、これは、やっぱり政治的な折衝の面で何らかの糸口がつかめないかということが考えられるのですが、この辺はどんなふうに……。これはメキシコ路線だけではありませんよ。全体を含めて、どんなふうに、将来、そういうネックになっている問題の解決をはかるのか。日本としてのそういう問題に取り組む姿勢というものは、どんなふうに考えていらっしゃるのか。
#94
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま渋谷さん御指摘の問題は、御趣旨においてはごもっともな問題である、こういうふうに考えますので、なお今後とも努力をいたしてみる、こういうふうにいたします。
#95
○渋谷邦彦君 きょうのいま審議されているこの協定、あまり抵抗ないと見て、福田さんも用意をあまりなされなかったようで、きわめてまずいのじゃないかと思うのですがね。これは非常にこれから問題になる課題だと思うのですよ。もうやはりこの種の問題についても、どれといわず、本気になって取り組んでいただきませんと、政治的な判断を私どもは求めるわけですから、事務レベルの問題についてはともかく、どうしたって、やはり福田さん中心の御答弁をいただかないと、今後のこの種の問題についての方向づけというものは明確にならない、こう思いますので、その点はひとつよろしくお願いしたいと思うのです。
 それから中国との航空協定についての将来の見通し、先ほどもあったようでございますが、できれば政府間の接触において取りきめをしていきたい、現状非常にむずかしいのじゃないかと、こう思うのですね。その場合に民間協定というものが結べないかというような点です。カナダが最近暫定的な民間航空協定を結んだというようなことを考えてみた場合、非常に可能性がむしろそのほうにあるのじゃないか、現実問題として。むしろそういう点で政府側としてもプッシュする必要があるのではないだろうか、こう感ぜられますけれども、それはどういうふうにお受けとりになっていらっしゃいますか。
#96
○国務大臣(福田赳夫君) カナダと中国の場合と、日本と中国の場合、この両者の関係は根本的に違うのです。つまり、カナダの場合におきましては、両国間に承認関係があるわけです。わが国と中国との間には承認関係がない、こういうことであります。そういうことでありますので、先ほども申し上げましたが、これは航空の安全という問題がまつわる。こういうことにつきましては、ほんとうに万遺漏なきを期さなければならぬ。そういうことを考えまするときに、承認関係の存在するカナダ、中国、この間においてはかなりのことができるだろう、こういうふうに思いますが、わが国と中国との間におきましては、その辺はなかなかむずかしいのじゃないか。そういうようなことで、これは日中国交正常化政府間交渉、その過程において取り上ぐべき問題である、そういうふうに考えるわけです。
#97
○渋谷邦彦君 ちょっと記憶が私薄れておりますので、正確さはないと思うのですが、かつて日本航空が、現在もそうだと思うのですが、相当いま積極的に中国側との乗り入れ問題について触手を伸ばしておる。機会があればこれは何とか日本から直接北京へ飛べるという、そういうような関係の締結をはかりたい、こういったことの下交渉ですか、いろんな話し合いが過去においてあったように聞いているのですね。決して不可能なことじゃないのじゃないか。ここにいろいろな中国の事情もございましょう。日本航空としても台湾との問題をどうするか。そういういろんなからみ合いがあって、何か途中で立ち消えになっておる。ですから、見込みがあるなら、たとえ国交が回復されてない現時点にありましても、何らかそういうところから国交回復へのやはり一つの足取りというものがつくれないかという気がしてならないのですね。幾らでもぼくは突破口があるのじゃないかと。しばしば福田さんがいろんな角度から、日中国交回復を模索している。アヒル外交じゃありませんけれども、そういう具体的な問題があるのですよ、考えてみればdそういう点で、もっとやはりそういう点を通じてプッシュしてもいいのじゃないか。再度にわたって恐縮なのですけれどもね。
#98
○国務大臣(福田赳夫君) 日中接触というと、やっぱり人の交流、これが大事な問題ですから、したがって、その交通機関、特に今日におきましては空路の開設、これは非常に重大だと思うんです。思いますが、先ほど申し上げておりまするように、航空の安全ということもこれまた非常に重大な問題です。そういう安全性が承認関係のない両国の間でほんとうにすきがないまでに完全にいくかどうかということなどを考えまするときに、これはやはり両国の間の空路の開設、この問題は承認関係というものを前提としないとなかなかむずかしいじゃないか。それが今日の私どもの認識でございます。
#99
○渋谷邦彦君 それでは確認で二つほど聞いて終わりにしたいと思いますけれども、これは直接この協定に関係ございませんが、シカゴの乗り入れがどうしてできないのかという問題、それからソ連との関係において、現在の路線以外に考えておるのかどうなのか。考えているとすれば、どういう路線を考え、そしてこれから折衝の段階をたどるのかということなんですが、いかがでしょうか。
#100
○説明員(寺井久美君) まず、シカゴの問題についてお答えいたします。シカゴの問題については過去数年アメリカと交渉を続けております。ただたいへん残念なことに、昨年来アメリカの航空企業が非常に収益条件が悪くなっている。われわれとアメリカと考え方が違いますのは、アメリカは両国の企業のあげる収益のバランスということに重点を置いておりまして、彼らの計算によりますと、日本航空は十分利益をあげておる。それに対してアメリカの企業は欠損である。こういう状態のときにアメリカ内の非常に重要な地点であるシカゴを渡すわけにいかないということで、過去二年来押し問答を続けております。この問題は、今年初めに技術的にこの収益を上げるといっても計算方法が違いますので、事務レベルで詰めまして、さらにまたことしの秋あるいはまた来年の初めごろこの問題をさらに続けていく予定になっております。
 それから、第二番目の御質問でございますが、ソ連を中心として現在の運航しておる路線すなわち東京――モスコー――パリ、東京――モスコー――ロンドン、東京――モスコー――コペンハーゲン。それから、これは日本航空はやっておりませんが、東京――モスコー――アムステルダム。現在この四つの路線がございます。ソ連側の希望といたしましては、このほかにまずアムステルダムに日ソで乗り入れようという、あるいはイタリー、ローマに乗り入れたいというようなこともございます。また、日本側としてはモスコー経由フランクフルトというふうなことを考えておりまして、当面この三つの路線の開設について両国間で討議をされ、逐次開設されていく方向に向かうかと思います。
#101
○委員長(八木一郎君) 他に御発言もなければ、二案件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより二案件について一括して討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、航空業務に関する日本国政府とビルマ連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#103
○委員長(八木一郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、航空業務に関する日本国政府とメキシコ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#104
○委員長(八木一郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、二案件についての審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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