くにさくロゴ
1971/06/08 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 外務委員会 第15号
姉妹サイト
 
1971/06/08 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 外務委員会 第15号

#1
第068回国会 外務委員会 第15号
昭和四十七年六月八日(木曜日)
   午前十時十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     松下 正寿君     中村 正雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         八木 一郎君
    理 事
                佐藤 一郎君
                山本 利壽君
                森 元治郎君
    委 員
                杉原 荒太君
                塚田十一郎君
                長谷川 仁君
                増原 恵吉君
                加藤シヅエ君
                田  英夫君
                西村 関一君
                羽生 三七君
                渋谷 邦彦君
                中村 正雄君
                星野  力君
   国務大臣
       外 務 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       科学技術庁研究
       調整局長     千葉  博君
       外務大臣官房長  鹿取 泰衛君
       外務大臣官房会
       計課長      柳谷 謙介君
       外務省中近東ア
       フリカ局長    魚本藤吉郎君
       外務省条約局外
       務参事官     穂崎  巧君
       外務省国際連合
       局長       影井 梅夫君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   柏木 輝彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小倉  満君
   説明員
       外務省アジア局
       外務参事官    前田 利一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務
 する外務公務員の給与に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○国際電気通信衛星機構(インテルサット)に関す
 る協定の締結について承認を求めるの件(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(八木一郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 一昨六日、松下正寿君が委員を辞任され、その補欠として中村正雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(八木一郎君) 次に連合審査会に関する件についておはかりいたします。
 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とオーストラリア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件について、科学技術振興対策特別委員会から連合審査会を開会したい旨の申し入れがございました。これを受諾することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお連合審査会は本日午後三時から開会することといたしたいと存じますので、御了承願います。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(八木一郎君) 次に、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、前回趣旨説明及び補足説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○森元治郎君 在外公館の質問は大体二つ、三つくらいにします。
 一つは、モンゴルですが、どうして兼館にして、専任の大使を置かなかったのか。私はいろいろ過去に経過のあった国ですから、その他の国と違って、やはりあそこには私は置くべきである。何かソビエトの衛星国だから、日本の新関大使を兼轄にしてやれば済むのだというのじゃ少し軽過ぎやしないか。しかも現状、中国、ソ連いろいろな複雑な関係のまん中に位置しているというようなことを感ずれば、あそこにはやはり大使を置くべきであろう。政府に言わせれば、商売もないし、大国でもないし、西ヨーロッパの外交官は一年のうち半年くらいは国に帰って六カ月くらい勤務しているんだ、寒過ぎる等、いろんな理由があるかもしらぬが、どうしてそういうことをしなかったか。それから、ことしの二月に、新関大使と向こうの大臣がモスクワでコミュニケを出した。その中に、外交関係を設定し、大使級の交換をする。普通なら、外交関係を設定して、開いて、大使を交換することを決定したと、こうなっているのに、わざわざ大使クラスと。初めから大使館を置くなんというつもりのないような、何か気のないコミュニケが出ているんだな、あれは。私は時間を短縮するために一問一答をやめて、言いたいことの大半を質問の中に入れました。どうぞ。
#7
○国務大臣(福田赳夫君) モンゴルとの国交開始につきましては、モスクワのコミュニケは、こまかいところにつきましては忘れましたが、ただいま森さんのおっしゃっているように気のないコミュニケというふうには考えておりません。結論を申し上げますと、実館も置きたい考えです。そこで、ただあれがきまりましたのは二月の時点でありまして、すでに予算が出ておる。そこで実館を置くとなりますと補正予算を提出しなければならぬ。おそらく森さんからもそういうふうに言われる。実館を置くと言ったら補正はどうしたのだと、こういうふうに御質問を受けるであろう。そういうようなことも配慮いたしまして、まあとにかくこの実館はあとの問題にしようというふうに考えておりますが、これは情勢を見まして、場合によりましては予備費をもってそういうふうにいたしますか、あるいは事情によりましては来年度の予算でその実館を設置することをお願いいたしますか、その両者を考えておる。あるいは場合によりましては、万やむを得ざるという場合におきましては、まあ既定経費の差し繰りというようなことも考えられないことはないかとも思いますが、いずれにいたしましてもそういう積極的な心がまえでおるということを御了知を願います。
#8
○森元治郎君 そうあるだろうと思って、――それでけっこうです。それでモンゴルと商売の貿易量だって百万ドルになる、往復で。及びもつかないぐらい少ないのですがね。何といっても歴史的にも研究、文化的にもおもしろいところ。それから日本は北海道大学あたりでやっているかもしれぬが、温度の低いところにおける植物の研究ですね。あのさすがのソ連も、毎年毎年農業問題にいじめられて、賠償問題では思うようにいかないのは、寒いところをだいぶかかえておるのですね。これに対してはまだ今日結論が出ない。こういうところにも日本がひとつ頭、技術、あるいは金をぶち込んで、ともに研究して、不毛と言われるシベリアの開発というための。プロジェクトを置いて協力してやる。お互いにあの広いシベリアをうっちゃっといてはだめですから、われわれはお互いに将来、食物も詰まるだろうし、住むところも狭くなるから、そういう意味から経済の援助をぜひやってもらいたいと思うのですが、何か向こうは賠償を従来請求してきたのだが、――どうも日本にノモンハンでやられたやつが約一億ドル近く、九千万ドルぐらいあって要求してきて、今度はそれを不気味にドロップしてしまったような顔をしているのですから。何せ私たちがわからないというので、経済協力みたいな話はたいへんしたがらないようなふうに、ハイカラな外務省の方々から私は印象を受けるのです。これはやっぱり積極的にこちらから何かしてもらいたいことがあるかというふうなことを尋ねても、十分協力をしてやるべきだと思う。貿易といったって向こうは牛か馬ぐらいしかいないのですから、これに還元するものは。なかなかいい馬できますよ。私は馬を買いたいと思いますけれども、馬といっても幾らもできないのだから、これはこちらからやるほかないのですから、ひとつ大いに経済援助、技術協力をやってもらいたい。それだけでけっこうです。
#9
○国務大臣(福田赳夫君) 森さん御指摘のような気持ちでおります。そこで、まあ貿易量といってもなかなかこれはむずかしいのだろうと思いますが、いよいよ国交が開始されると、こういうことになりますれば、いろんな接触があるだろうと思います。向こうから技術援助等につきましていろいろ頼まれることもあるだろうと思いますが、とにかく国交を開いた以上は、私どもはその要請にできるだけこたえるというその姿勢で対モンゴル外交を進めていきたいと、こういうふうに考えています。
#10
○加藤シヅエ君 関連。
 モンゴルをできるだけ好意的に協力、経済的にも援助してくださるお気持ちがあればたいへんけっこうだと思いますが、いまさしずめモンゴールで一番困っているのは、東京に大使館をつくらなくちゃならぬ。土地があんまり高いのでびっくりしてしまって、どうしたことかと思ってたいへんいま困っていらっしゃるので、おまけにそれは公のところで持っているような土地、そういうようなときにはやはり外務省で少しあっせんしておあげになるようになすったらいかがでしょう。
#11
○国務大臣(福田赳夫君) 国有財産の東京にあるものはたいへん局限されてきまして、ことに大使館を設置する、そういういい環境に国有財産があるというような状態はもう過去になっちゃったんです。しかし、設置につきまして私どものできることがありますれば、できる限りの御協力をする、こういうふうな気持ちでおります。
#12
○森元治郎君 やっぱり大使館を相互に設置する場合は、日本は、寒いからといって西洋人みたいに帰ってきてしまったんでは、アジアの国ですからまずいので、やっぱり金かけて家建てなければだめですよ、寒さに耐える家を。そしてやはり十二カ月滞在するという心がまえで、補正予算ででも来年度予算ででもがっちりやらなければだめだと思うんですが、どうですか。
#13
○国務大臣(福田赳夫君) これはモンゴルとの国交開始ということについて積極的な考え方を前から持っておったわけでありますが、それは何かというと、やはりこれは中ソの間にはさまれました一つの政治上の接点である、こういうような意味合いもあるわけです。そういう意味合いにおきまして、モンゴルに大使館が設置されるというと、その機能はかなり重要なものになってくるだろう、こういうふうに思いますので、そういう考え方に基づいて人事配置等も考えたい、かように考えております。
#14
○森元治郎君 そこで思い出すのは、これは私はポーランドに駐在したわけです、戦前、昭和十二年ですか。あそこは東西の接点で、あらゆる情報、うそもほんとうも一ぱい集まった。非常に日本は力を入れた、ポーランドに。だから情報取りの基地だ、あそこでもってうまくやろうということで、あそこは昔兵隊さんが、参謀本部の若い将校あたりが毛なんか伸ばしちゃって、そうして領事館のだれだれですといってきたんですよ。しかし目の玉が違いますわね。おっかない目をして、おじぎするときに不動の姿勢で、こんなかっこうでおじぎしちゃったんじゃ、わかっちゃうんですよね。だから、そういう防衛官みたいなものを外務省の三等書記官みたいにほっかぶりして行くようなげすなまねはこの際はやめたほうがいいと思うんですね。重要な地点であるが、スパイの根拠地のような目で見られないように、またやられないように、情報というものは堂々と取れる範囲のものしかないんです。アメリカがあれだけ力を持ってたって、ベトナムで情報判断できないようなむずかしいものなんですよ。まして日本のいまの外務省程度の力では何ともなりませんから、これはきれいにやってもらいたい。これは希望で、よろしゅうございます。
 それからバングラデシュ、これも兼館なんですね。何かおどおどしているような兼館。政府はどっちかというと初めはパキスタン寄りであって、さあできた、待ってましたと大使館つくったんじゃパキスタンにぐあいが悪いんじゃないだろうか、インドはソビエト、バングラデシュには中共は大使館を置くどころじゃない、仲よく、仲よく、こういう中で日本がはっきりするのはまずかろうというような下心かどうか、これもやはり人口からいっても、将来のいろいろな関係からいっても実館をすみやかに置くべきじゃないかと思うんですがね。今度はどうして置かないのか、あるいは来年度すぐやるのか。
#15
○国務大臣(福田赳夫君) これはモンゴルと違いまして、まあ建物はあるわけなんです。総領事館もそのまま使える、こういうことになっております。ただ人を充足する、こういうだけの問題です。まあ大使を新たに任命すると、こういうだけの問題であります。その大使の定員ですね。これがまあ問題でありますが、これを、何とか早く名実ともに実館を設置するということがいいと思いますので、この人事の定員の差し繰りで早急にやってみたい、こういうふうに考えております。
#16
○森元治郎君 それから、これ、あなたが大蔵大臣のときだったろうと思うんだが、円借款に二億五千万円与えているわけですね、パキスタンに。それが今度分かれちゃった。そうすると、この金ですね、一体債務の引き継ぎといいますか、この円借款の目的は、もう大部分はいまのバングラデシュの地方の開発援助がおもだったと思うんですよ。これ一体どうなるのか。債権国会議――パキスタンの債権国会議がありますね、ああいうところで議題にするのか、御説明をお聞きしたいと思います。
#17
○国務大臣(福田赳夫君) これは一つの問題点なんです。わが国はパキスタンに対して多額の借款を供与いたしておるわけでありますが、それが二つの国に分かれてしまう、こういうことになる。これはやっぱり東西パキスタンですね、パキスタンとバングラデシュ、この両者の間の話し合いの問題で解決する、こういうことが筋だろうと、こういうふうに思うわけです。それで、ただいままでのところはまだ。パキスタンはバングラデシュの独立を承認しておりませんものですから、だからまあ外国からの借り入れ、これはわが国が全責任を持つ立場にあるというので、利息なんか自分のほうで払うんです。そういう状態になっておる。しかし、いま森さんのお話のように、実際にどうだということになるというと、東パキスタンに注入された額が借款の中でも相当額にのぼるわけです。そういうようなわけですから、これは東西両パキスタンが、いずれは私は、これは話し合いが始まるだろうと、そういうふうに思いますが、とにかく西パキスタンがバングラデシュの独立を承認をするというような事態になりませんと、この最終的な分け方ということがなかなかきまってこない、こういうふうに存じまして、これは注意深くわが国としては東西両国間の関係、この成り行きを見守っておる、こういうことなんです。これはひとり日本だけじゃない。日本もかなりのシェアを出して借款に応じておりまするけれども、まあ各国だいぶ金を借しておるということなんですから、一方において各国ともこの問題については相談を要する問題であると、協力を要する問題である、かように考えております。
#18
○森元治郎君 まだ独立したほやほやですから、そう借金の取り立ての会議までにはいってないわけですね。これからそういう情勢を見ながら債権国が集まる機会もあるわけですが、いまのところは両者の話し合いを待っている……。
#19
○国務大臣(福田赳夫君) そうです。
#20
○森元治郎君 それからもう一つは、アルバニアですね。これの承認はおもしろいんじゃないか、アルバニア。いま大使館見ると、法律できまっていて実行しない国と、それから法律で大使館設置をきめてないのと、たとえばモンゴルとかバングラデシュなんというのはそっちに入ると思うんだけれども、アルバニアというのもたいして資源のある国ではないが、あの小さい国はよく中国の代表で各国を引きずり回して国連であそこまで持ってきたおもしろい国だし、小さい国といっても昔から独立国であったんだが、いろんな戦争のたびごとに、つぶされちゃ起き上がり、つぶされちゃ起き上がりしてきた国ですがね。これは十分承認するに値する国だ。おそらく外務省もぬかりなく勉強はしているはずだと思うんですがね、どんなような状態ですか、今日は。
#21
○国務大臣(福田赳夫君) アルバニアにつきましては、森さんお話しのように、私どもはまあ非常に関心を持っております。で、この国との間の関係の調整、つまり国交の開始、これはわが国の当面している一つの外交課題である、こういうふうな受けとめ方をいたしておりまして、まあ私どもいまこの問題検討いたしております。まあそう遠くない時期にどうするか結論を出したい、こういう段階まできておる。
#22
○森元治郎君 そうですか。遠くないというのは、私の外から見ている見当では、来年の三月までの間には、この一年ぐらいの間にはそこまで進むのじゃないかというふうに非常な期待を持ってるんですが、そういうふうに理解してようございますか。
#23
○国務大臣(福田赳夫君) そのような御理解でけっこうだろうと思います。
#24
○森元治郎君 そういうふうに進めてもらいたいと思います。
 それからもう一つは、これは政府委員でけっこうですが、こっちから大使館設置だの何だのと在外公館ができますが、これに対する相手側ですね、みんなこっちへ大使館を置くわけじゃないので、そこらのぐあいはどうなんですか。小さい国なんかとても大使館なんか置けっこないでしょう。大国はみんないろいろな、石油だ、国連加盟だとかっこうつけている。これに応答するのに、たとえば小さい国が日本に対して他国に自国の利益をお願いして頼んでいるのか。領事館とか、あるいは小さい政府機関が何で連絡してるんだろう、日本に置かない小さい相手側の国。
#25
○政府委員(鹿取泰衛君) そういう場合はございまして、たとえば中華民国に本任の大使を派遣して、そしてわが国を兼轄している場合がございます。そういう場合は中華民国――台湾から東京にたびたび出張して事務を行なっているということでございます。
#26
○森元治郎君 承認している独立国は百四十一くらいになるようですね。これはみんな内容の、実体のある大公使館、総領事館を持ってるんですか、全部が実体のある。
#27
○政府委員(鹿取泰衛君) 先ほどアルバニアのお話がございましたけれども、アルバニアはわが国承認しておりますが、大使館を設置していない。ではそういう例がほかにあるかと申しますと、アルバニアのほかにサンマリノ、モナコ、リヒテンシュタインの三ヵ国がございます。しかし、御承知のように、サンマリノとかモナコとかリヒテンシュタインというのは、いわばミニステートと申しますか、非常に小さな国でございますので、この三つの国には大使館設置の必要は将来も存在しないのではないかと考えます。アルバニアにつきましては、先ほど外務大臣のほうから御答弁になったとおりでございます。
#28
○森元治郎君 南イエメン、コンゴー(ブラザヴィル)、中央アフリカ共和国……。
#29
○政府委員(鹿取泰衛君) こういう国は承認し、しかも法律上は大使館が設置されているけれども、実施していないという国でございまして、それは御指摘のように南イエメン、コンゴー(ブラザヴィル)、中央アフリカ共和国及び南アフリカ共和国の四カ国でございます。
 で、なぜそれでは法律上設置しているけれども未施行かという理由でございますけれども、それぞれ国によって理由がございますが、法律制定した後に、たとえばコンゴー(ブラザヴィル)は、わが国の承認しているコンゴー(キンシャサ)との関係が悪化したために開設できなかったというような事情がございますが、これはガボンに大使館ございますので、ガボンの大使館からの兼轄というようなことを考えております。
#30
○森元治郎君 あと一つ、南アフリカ共和国は何でこれ大使館施行していないんですか。
#31
○政府委員(鹿取泰衛君) これは御存じのように、国連その他でいろいろ制裁措置と申しますか、いろいろな措置の対象になっている国でもあり、アフリカ諸国との関係をよくしなければならないわが国として、完全な意味の外交関係を設置するのはわが国益にとってどうかという問題がございますので、見合わしている次第でございます。
#32
○森元治郎君 ほかの国はみんな大使館、実館持っていないんですか、政府館。
#33
○政府委員(鹿取泰衛君) これはやはり国によって違いまして、いま私ここに資料持っておりませんけれども、わが国のように総領事館でやっている国がございますので、わが国もそれにならっている次第でございます。
#34
○森元治郎君 それで向こうはどういろ態度ですか、南アフリカ共和国の態度。
#35
○政府委員(鹿取泰衛君) 先方も同様にわが国――これはあとで確かめますけれども、私の記憶に誤りなければ、やはりわが国と同じような完全な大使館を設置しないでおるわけでございます。総領事館を東京に設置しているわけでございます。
#36
○森元治郎君 向こうはそれで強く大使館設置は要求しないんですね。
#37
○政府委員(鹿取泰衛君) ただいまのところ、ほかにいろいろ問題ございまして、そういう形式的な点については先方も理解している。むしろ実体問題として、たとえばわが国の投資が先方にいま許可を得なければいけないということで、しかも一般の投資を許可しておりませんけれども、そういう実体問題については先方から非常に強い要望がございますが、この総領事館を大使館に昇格するというような形式の問題については、先方から要望がまいっておりません。
#38
○森元治郎君 はい、けっこうです。
#39
○渋谷邦彦君 いまいろいろ審議されております法律案に関係がないかと思いますけれども、関連がありますので、この機会にお尋ねをしておきたいと思うんですが、一つは現在の在外公館とその陣容ですね。これで十分外交上の機能というものが発揮できるのかどうなのかということから伺いたいと思います。
#40
○政府委員(鹿取泰衛君) 現在大使館、それから総領事館、それからそのほかに代表部――国連代表部、それからOECD代表部というようなものがございますけれども、現在わが国百三十九館を在外に置いておるわけでございます。
 それから陣容はそれぞれ大使を派遣したり総領事を派遣していくわけでございますし、そのほか公使以下一等書記官等の館員がおるわけでございますが、大体申しますと――もちろん完全ではございませんけれども、大体充足しつつあるという感じを持っております。ただし一番問題になりますのは、一番小規模な公館とわれわれ呼んでおりますけれども、大使以下、実際にはほかに館員が三名しか行っていない、あるいは大使を含めまして、そのように四名定員がいるところでも実際には三名しか派遣できないというような公館がございますので、こういうような非常に小さい公館の整備充実ということが必要であるかと考えております。特にこういうような小さな公館は、アフリカ等の非常に気候の悪い所に多いわけでございまして、電信官とか会計の担当官というのはかわりがいないために休暇もとれないというような情勢でございますので、こういう小規模公館の充実ということが大切であると考えております。
#41
○渋谷邦彦君 私が承知しております現在の外務省の員数ですか、これが二千七百名中本省が千五百、それから在外が千二百、この千二百のうちに、各省から出向しているのが二百と、こういうふうに伺っておりますけれども、間違いはございませんか。
#42
○政府委員(鹿取泰衛君) 大体そのとおりでございます。
#43
○渋谷邦彦君 いまお話がありましたように、確かにアフリカなどを中心とした国々の場合に、きわめてその大使館の規模も小さいと。今後、整備充実をはからねばならない個所もあるというお話しでございますけれども、必ずしもこれはアフリカに限った問題ではないんではないだろうか。私が調べた範囲ではだいぶありますよ。いまここで一々列記する必要はないと思いますけれども。それで、いまお話しされた中で、四名前後ですね、三名ないし四名前後、これが――百三十九館とおっしゃいましたけれども――三十三館あるそうですね。これで、実際、冒頭に申し上げたように、大使館あるいは総領事館としての機能が発揮できるのだろうかという、当然の疑問がしろうとながら出てくるのは言うまでもないと私は思います。今後こういう点を一体整備充実をはかるのか。総定員というワクもございましょうけれども、それらを具体的にどういうふうに是正してやるのかということを、まず伺っておきたいと思います。
#44
○政府委員(鹿取泰衛君) 先生御指摘のとおりでございまして、したがって、外務省といたしましては、第一に在外定員の増加ということを、毎年の予算要求の最重点の一つとしております。本省定員ももちろん重要でございますけれども、御指摘のような問題点がございますので、外務省といたしましても、実はほしい本省定員を多少その要求を低位に下げても、在外公館の定員を最重点にして要求しております。今年度の予算におきましても、本省定員よりは、在外定員について大方の御理解を得て、ある程度の伸びを示したわけでございますけれども、もちろんこれでは足りませんので、今後ともその点に努力したいと思います。
 それから、第二の問題は、いかに定員をふやしていっても、これにはやはりいろいろな事情がございまして、急速には伸びないという問題がございます。したがって、もう一つの便法と申しますか、手段といたしましては、現地補助員を活用するという問題がございます。現在、百三十九公館と申しましたけれども、その百三十九公館で約二千名の現地補助員を使用しております。この現地使用人には、もちろん運転手とか、それから家の番人とかといったような者もございますけれども、中には高級クラークと申しますか、相当程度、実質的な仕事ができる優秀な人材もおりますので、場合によっては、この現地使用人の活用ということもあわせて、そして在外公館の機能を充実して、その能率を上げたいと考えておるわけでございます。
#45
○渋谷邦彦君 大体、四名前後の割り振りを考えると、大公使あるいは総領事一名、それから参事官もしくは一等書記官一名、それから電信、会計、庶務、おそらくこれは二名か一名ということになるだろうと思います。病気だとか何かした場合にどうするのか。出張なんかの場合、長期に出張した場合どうなるのかということのおそれが当然出てきますね。そうすると、一体ほんとうに、ただ大使館がある、公館があるというだけの話で、実際の機能というものが、外交上の機能が発揮できているのだろうか。むしろ、これは福田さんに伺ったほうがぼくはいいと思うのですけれども、これでは全然少ないと思うのですよ。おそらくぼくらが常識で考えても、六名ないし七名ぐらいは最小限必要ではないか。事故があったり、病気があったりということを想定に入れなければならないと思いますね。そこら辺をどういうふうに考えて、たとえば四十八年度の予算の中に定員増を振り込むための予算獲得をするとか、当然お考えになっていらっしゃると思います。
#46
○国務大臣(福田赳夫君) 外務省といたしましては、この予算上の定員を獲得する、これはもう毎年毎年の予算折衝における最大の課題として取り組んできておるのです。総力をあげてこれをやりますが、一方、政府のほうで定員を抑制する、その増加を抑制するという方針がありまして、これはなかなか関門を突破することがむずかしい。そこで、最大限の努力をするにかかわらず、その成果はなかなかあがってこない、こういうのが実情なんでございますが、ことしも、しかし、困難なそういう事態の中においても、若干の成果はあげておるわけでございます。ねばり強く、なおやっていきたいと、ひとつ御声援のほどをお願いを申し上げます。
#47
○渋谷邦彦君 関門突破することはたいへんむずかしいとおっしゃったんですが、福田さん御自身は、もう大蔵大臣としても、たいへんな腕をふるわれた御経験もあるし、いろんなその穴場を御存じだろうと私は思うんですね。したがって、先般、国際交流基金というのが成立いたしましたね。日本のことを理解させるためにも、私は館員の増員というものは、これはむだじゃないと思うんですよ、実際問題として。だれが一体出先の人で政治のことを担当しているのか、経済を担当しているのか、文化を担当しているのか、こうなると、外務省、いまの四人前後なんというのじゃ――そこへもってきて、今度は日本のほうから、いろんな視察団が行くということになりますと、そのほうの接待のほうだけでたいへんです。これはもうまるきりその期間は機能停止。一体、何のための在外公館かという――私は当然、福田さん御自身も、私から何もそんな常識めいたようなことを申し上げなくても、十分御存じだと思うんですが。要は、これをどう、いま、これから解決をはかっていかなければならないかということでしょうね。だから、具体的に、四十八年度には、もうこのくらいの定員増を見込んだ予算折衝やるんだとか、努力をなさるという、そのことばの中には、それも含まれているだろうと、こう理解したいと思うんです。いずれにしても、私いま申し上げたように、相手国の政治情勢、あるいは文化、あるいは経済、やはり専門的な、そういう角度に立って折衝しなければならない。そういう専門官というものが必要じゃないでしょうか。将来、そういうふうな、それぞれのパートに分かれた専門官も当然置いてもらいたい。そこで初めて、まあこじんまりとはしているかもしれませんけれども、七人か、八人、十人くらいのところでやったって、それはこじんまりには変わりありませんそれでも、最小限度の館員でもって最大の機能を発揮できる。これがいま一番望ましいことじゃないかと思うし、いわんや、国際情勢がこうして激動しているさなかに、一番大事なことが、一番足元のところが置き忘れられているのじゃないか。あわせて、もう一ぺん、福田さんが、これからそういう問題にいかに取り組まれて、その機能充実のための現体制を確立するかというお考え方を述べていただきたい。
#48
○国務大臣(福田赳夫君) いま在外公館で館員が三人だ、四人だというところはずいぶんあるんです。これは一つは歴史的な事情があると思うんです。前ならば、これは領事館でありますとか、総領事館でありますとか、そういうような配置をした。戦後におきましては、そういうものは少ない。国交を持っている国に対しましては、領事館、総領事館というのでなくて、大使館を設置するという方針をとるに至ったわけです。戦前は、大使館というと、七館とか、八館とかごく限られた数でありましたが、そういう戦前の領事館意識ですね、そういうものが残っておる。そういうようなことから、なかなか、大使館にはなったが、実際は元の領事館の規模であるというような体制がずうっと続いてきたと思うんです。まあしかし、これを一挙にというわけにもまいりません。したがって、まあこれはねばり強くやらなければなりませんけれども、大使館は大使館にふさわしいような陣容を持ったものにしなければならぬと、そういうふうには考えておりますので、まあ着実に、お話のような問題の解決をいたしていきたい。まあ来年も最大の努力をいたす方針でございます。
#49
○渋谷邦彦君 先ほど官房長のお話の中に、現地人の優秀な人の採用というお話がございましたけれども、やはりこの間の話じゃなくても、機密に属する問題については、現地人というわけにいきませんなあ、これは。そういう意味から、やはり私は最小限度七名前後ぐらいのところがワクとして必要じゃないだろうか。こういうことを申し上げておきます。福田さんのいまの御答弁の中で、四十八年度においても最大の努力をお払いになるということですから、どういうふうに結果があらわれるか期待したいと思うんですけれども、ただ、特に南米関係だとか、それから南米のみならず、ヨーロッパにおいても、あとはまあアフリカになるでしょうか。特に南米だとかヨーロッパの一部に、やはり現在も三ないし四名の在勤者しかいない。これじゃやっぱりまずいと思いますね。事はアフリカだけじゃないと思うんですよ。それはもう私から申し上げなくたって、外務省のほうでよくそれを承知しておられるわけですから、この中では、今後、日本と経済的な面においても文化的な交流の面においても、積極的にやはり推進しなければならないと思われる国がございます。しかし、現状においては、おそらく現地にいる人たちが一番そのことを痛切に感じているだろうと思う。官房長自身がそのことは一番痛切にお感じになっていらっしゃると思うんですがね。これはやはり是正しないと、要するに参事官あるいは一等書記官等のクラスの方々が、たいへんな負担を背負ったまま、常にうしろ髪を引かれるような思いで仕事をやられたんじゃ、自信のない外交しかできないじゃないかということを私は心配するから、そのことを特に福田さんに要望を申し上げて、根本的な改善をすみやかに進めてもらいたい。このことを要望しているわけなんです。
 それから次に、これは現在定員は減っているんですか、ふえているんですか、どっちなんですか。
#50
○政府委員(鹿取泰衛君) 今年度の定員要求の結果、先ほど私が申しましたように、在外定員では相当――若干程度の増加を見ました結果、大臣のほうから御指摘になった定員の削減と相殺いたしました結果、相殺いたしましても増加しております。
#51
○渋谷邦彦君 増加している。それは非常にわずかですね。その辺も先ほどの福田さんの御答弁と兼ねて、十分官房長のほうで検討もし、整理をして、これは必要なんですから、必要なものはやっぱりふやしてもらわなければならないということで、前向きに取り組んでもらいたい。こう申し上げる。
 それから、この手当関係の問題でございますけれども、これはいまダッカ、ブリスベン、イスタンブルのあれが出ております。まずこれから、ちょっと御参考までに伺っておきたいんですが、六号俸というと大体どの程度の役職でございますか。
#52
○政府委員(鹿取泰衛君) 六号俸と申しますと、大体三等書記官の程度でございます。
#53
○渋谷邦彦君 これは外国との比較をするわけには、日本の国情といろものがございますのでできないかもしれませんけれども、やはり、一般的に先進国と言われる国々と比較をして見た場合に、在外勤務手当あるいはその他のもろもろの手当についてはどうなんでしょうか。
#54
○政府委員(鹿取泰衛君) 先生御指摘のとおり、比較というものは非常に客観的な比較がむずかしいわけでございまして、それぞれ制度が違う点もございますけれども、そういうものを一応平均し、いろいろ比較をしましたところによりますと、今回の給与改定のあとの状態で見ますと、大体ヨーロッパのドイツとかイタリアというようなところの給与水準には近づきつつあるという感じでございます。ただアメリカその他の国の程度には及んでいないというのが現状でございます。
#55
○渋谷邦彦君 まあ基本給については、これは国家公務員としてきめられたワクしかいただけない。これは当然なことだと私は思うのですが、やはり、海外に出た場合には、それに相当した、個人としてもその力を十分に発揮できるだけの生活保障というものが当然必要ではあるまいかというふうに考えられます。
 現在、これは一般的におっしゃってくだすってけっこうです。いま、ヨーロッパだとかアジア地域だとかアフリカだとかアメリカとか分けると、また格差があるだろうと思います。ただこの給与表を見たって格差があるわけですから、一般的に見た場合に、十分なのか、まあまあなのか、不足なのか、大別してその三つのうちのどれに入りますか。
#56
○政府委員(鹿取泰衛君) 今度の改定の結果は、いま先生のおっしゃったカテゴリーで申しますと、まあまあという感じでございます。
#57
○渋谷邦彦君 そこなんですよね、問題は。まあまあというのは、ずいぶん御遠慮された答弁じゃないかと私は思うのです。なかなか自分のところの給与を上げてくれなんということは、間違っても言えませんからね。しかし、やはり一たん外に出た場合には、時には総理大臣の役割りを果たさなければならない、外務大臣の役割りを果たさなければならないという立場に置かれておるわけです。またいろいろな海外のそれなりのレベルの人と接触もしなければならない。あるいはいろいろな会合にも出なければならぬといった場合に、まあまあじゃずいぶん見劣りがするんじゃないかなと、きょうは何かずいぶん外務省を持ち上げているような質問で申しわけないですけれどもね、その点どうなんですか。非常に心配なんですよ、ぼくは。
#58
○政府委員(鹿取泰衛君) そういうふうに、さらに具体的な問題まで掘り下げてまいりますと、たとえば、住宅手当という問題につきましては、これは今後相当改善しなければならない余地があるというふうに考えております。
 それから、先ほど私は大体ドイツ、イタリアの外交に近いところまで来ているというふうに申し上げましたけれども、そのドイツ、イタリアと比較いたしましても、たとえば参事官クラスと比較しますと、日本の参事官の給与は非常に低いというような点がございますので、いろいろ先生は地域別に問題を言わなくてもいいという御指摘でございましたけれども、地域別、それからそういう位別、さらに住宅とかなんとかという、そういう項目別に見ますと問題の点はまだあるので、今後ともその改善に努力していきたいと思っており申す。
#59
○渋谷邦彦君 いまおっしゃった中で、具体的な問題に触れられたものですから、私も触れておきたいと思うのですけれども、まあ公館長だとか公使、総領事クラスはともかくとして、特に参事官クラス、一等書記官から三等書記官あるいは理事官ですか、ここらあたりになりますと、たいへん私生活の面でも不満というよりも苦しいということをお感じになっている方々がほとんどだということを私は海外へ参りまして感じております。それも率直には言っておられません。みんな遠慮してものを言うものですから、とりわけこの住宅の問題にいたしましても、私はアメリカ大使館のかつて三等書記官クラスの人とねんごろにしていたんです。自宅にお伺いして懇談した機会がありました。非常にりっぱなんですね、若いけれども。これはアメリカはちょっと比較にならないかもしれない、確かに。けれども、堂々たる、やはりアパートメントの一室ではありますけれども、相当の広さの部屋を持っているというのを見まして、今度逆に私がヨーロッパなんかへ行って日本の館員さんのお宅へお伺いする。天地雲泥の相違なんだね、これは。ここらあたりにも、おそらくいろいろなおつき合いの中に向こうの方をお招きすることもございましょうね。まあ体面ということをあまり表面に出していいかどうかわかりませんけれども、やはり日本を代表する一つの顔でございますからね、公館は。公館員はやっぱりそれなりの、何もぜいたくをしろということを言っているのではございませんけれども、やはりそれにふさわしい、そして自信を持った働きをしていただくためには、それなりのやはり保障というものはあってしかるべきではないか、こう思いました。それから一番お困りになっているのは子弟の教育ですよ。大体参事官クラスになるとあれでしょう、中学校あるいは高等学校に行く子供さんを持っていらっしゃる。日本にも置けない、二重生活になるから。そうすると、どうしても勢い向こうのそれぞれ国立のミドルスクールかハイスクールに入れなければならない。聞くところによりますと、安いところで五百ドルだそうですね、一カ月の月謝が。それは国で保障してくれない。まさかやらないわけにもいかない。どういうふうにその辺操作していらっしゃるのか。イギリスあたりは七百ドルぐらいという話なんですけれども、こうした点を一体どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、ここらあたりにもやはり考えなければならない問題というものが残されているように思いますけれども、福田さんいかがです、将来こういう点は。
#60
○国務大臣(福田赳夫君) まあ確かにそういう問題が私もあるように思うんです。そこで、まあ居留民の多いところですね、これはまあ日本語学校というようなことで大使館員の子弟もその一環といたしまして日本人としての教育を受けるという機会があるわけであります。どうも居留民の少ないところ、そういうところにはまあいろいろ問題があると思いますが、事務当局においてもその辺たいへん苦心をしておるところでございます。たいへん外務省の在外職員の勤務上重大な問題でありますので、まあいろいろくふうをこらさなければならぬかとかように思います。どういうことをやっているか、また官房長からお答え申し上げます。
#61
○政府委員(鹿取泰衛君) 先生御指摘の二つの問題のうち、住宅につきましては、私、依然改善すべき余地があると申し上げましたけれども、そのとおりでございますが、従前に比較いたしますと、在勤手当の中へ住宅の費用も突っ込みであった時代に比較いたしますと、住居手当という制度をお認めいただいた以後は若干改善されているというふうに考えております。
 次に、子女の教育の問題でございますが、これは先生御指摘のとおり、まさにわれわれが今後真剣に取り組むべき問題であると感じております。で、現在の在勤手当制度によりますと、子女を持っている館員と、子女を持っていない館員との間に確かに不均衡がございまして、教育のための特別の手当というものは現在ないわけでございます。したがって、今後子女に対する何らかの手当の設定ということを検討しなければならないというふうに考えております。外国の例を見ましても、そういう制度を持っており、それがうまく運用されている国がございますので、そういう国の例などを参考にして、今後そういう制度を検討していきたいと存じております。で、御参考までに現在在外職員でどのくらい子女を同伴しておるか、そして教育年齢に達している数はどのくらいかということを申し上げますと、昨年、昭和四十六年七月現在で在外職員の同伴子女数は千百二十四名でございます。で、残念ながらつれていけない、学校が、大学等も含めまして現地にないために日本に子女を置いているという数が三百十名でございますので、同伴率といいますか、同伴している数が、パーセンテージは七八・四%でございます。先ほど申しました千百二十四名の同伴子女のうち、学校に行っていない子が四百五十七、これはまだ学齢に達していないという意味でございます。それから小学生が三百二十八名、中学生は九十四名、高校生は七十七名、その他十八歳以上大学に行かなけりゃならないお子さんが百六十八名となっております。
#62
○渋谷邦彦君 たとえば住宅の問題なんかについて、これは私の一つの考え方を申し上げたいと思うんですが、特にワシントンなどだとか、ロンドンだとか、パリだとか、あるいはモスクワ、それからローマですね、こういう大きな公館のあるところについては、そこに公館員のためのアパートメントをつくってあげるということも一つの方法じゃないかと、これみんなそれぞれ独自にさがさせる。そんな苦心よりもがっちりしたものを国の財産として買い上げる。住居については何にも心配ないというふうにしてあげたほうが、将来、これからもう何十年も続くわけですから、そのほうが一番得じゃないかという感じがいたしますね。それは住宅手当をやるからおまえたちかってにさがせと、右も左もわからないようなその土地へ行ったときに非常に困る場合があるんじゃないかと思うんですよね。それは先輩の人たちが心を砕いても、やはり自分は自分の仕事を持っておってでありますから、そこまでなかなか手が及ばないと思うのですね。むしろそういう場合に、アメリカなんかでもやっておりますように、大きな一つのアパートメントを借り切っちゃう、あるいは買っちゃう。いろんな方法があると思うのです。そういう具体的なスケジュールを組まれてやったほうが、むしろこれから非常に現地に赴任される方々についても安心して行けるんじゃないか。一番困るのは奥さん方だと思うんですよ。御本人は一つの責任感と使命感というものを持っているから、仕事の面でそういうわずらわしさというものは考えないかもしれない。けれども一番困るのは家族ですよ。そこらあたりをもっとやっぱり考えてあげることは、ぼくは必要じゃないかと思うのですが、福田さんいかがですか。ぼくがいま言ったみたいな考え方に立って、これはむしろ早くやったほうがいいんじゃないかと思うのですね。
#63
○国務大臣(福田赳夫君) ごもっともな御意見と思います。なかなかこの財政上の問題もありまして、そう急にはまいりませんけれども、逐次そういう努力を着実にやっていくというふうにいたしたいと思います。
#64
○渋谷邦彦君 福田さんとやりとりしていますと、たいへんもうそつのないお答えなものですから、むしろここで明確に、それは財政的な問題があることは承知していますよ。それは何もかにも一挙に百三十九館を全部やれという、そんなむちゃくちゃなことを聞いていません。それは私なりに、毎年の予算があるわけですから、せめてこれからのスケジュールの中に、こことこことは大事だと、せめて毎年三つだとか四つだとか、五つぐらいの目標を置いてこれから考えていきたいというんなら、私は具体性があって非常によろしいのじゃないかと思うんですがね。そこら辺はどうでしょうか。
#65
○国務大臣(福田赳夫君) 官房長から。
#66
○政府委員(鹿取泰衛君) 館員の宿舎につきましては、全然国有化がされた館員宿舎がないというわけではございませんで、従来は発展途上国と申しますか、気候、風土が悪い。しかもいい住宅施設のない、たとえばインド、インドネシア、べトナム、カンボジア、マレーシア、ラオス、セネガル、ナイジェリア等々に若干ございまして、その数の合計が三十九になっております。それから四十六年度予算、昨年度予算ではザイールが三個、ザンビアが二個、合計五個建設中で、現在工事を進めております。それから本年度の予算で認められました建設予定のものはザンビア一個、象牙海岸共和国が三個、合計四個でございます。しかし先生御指摘のとおり、これでは全く不十分でございますので、こういう発展途上国以外にもニューヨークとか、パリとかというような都会におきましても、なかなかいい宿舎が見つからないという現状でございますので、われわれとしては将来そういう都市の中にあっていい住宅のない場合にも国有の宿舎を建設していきたいと考えております。ただ外務大臣から御説明しましたとおり、いろいろ財政上の問題もございますし、現在われわれは大使館の事務所とそれから大使の公邸というのを先に国有化を進めておりまして、それとまあ同時にこういう官員の宿舎の国有化を進めるというふうにやっておりましたために、どっちかといいますと、官員宿舎のほうがあとになっていたという現状でございます。しかし今後はやはり公邸事務所の長期的な国有化のスケジュールもだんだん見通しがついてまいりましたので、官員宿舎につきましてもやはり計画を立てて、順次国有化を進めていきたいと考えております。
#67
○渋谷邦彦君 いまアフリカ等の例を出されて、建設中の点を述べられましたけれども、私は、急がなきゃならぬのは大きな国の公館ですよ。大体そういうところは過密地帯でございましてね。したがって、家賃も高いと、まあ当然でしょう。日本とその点については共通したものがあるだろうと思うんです。むしろそういうところを急がなきゃならない。それは当然でしょう、これは。これは何かというと銭がない、こう言っちゃう。それじゃやっぱり官員がそれはかわいそうですよ、はっきり申し上げて。それでどんどんえらくなってくるとあとのことはめんどう見ないというようなことじゃ、あとの後輩の人たちがかわいそうです、ほうとうに。そういうことだからやっぱり自分の心の中にそういう、口には出さないかもしれませんが、うしろ髪を引かれるようなものがあったら、自信を持った行動というものはどうしても削減されるものがあるということはこれは私があと申し上げなくても皆さま方は重々御承知だと思うんですよ。その非常にふしぎだと思うことは、どうしてこういう問題が戦後二十数年間にわたって改善されなかったのか、考えもつかなかったのか。どうしてそういうことがスケジュールの中に組み込まれてそうして日本外交のほんとうの機能を発揮させるための出先の城というものをどうして掲げることができなかったのか、ふしぎでならないですね。いまふしぎでならぬということをとやかく言ったって始まらないかもしれませんけれども、せめていまの時点に立ってこれからますます、先ほども申し述べたとおり、激動する世界に対応していくために、やはり日本の顔といわれる公館員の方々が勇敢に戦っていける、そういう背景をつくってあげなければかわいそうだとぼくは思う。これはやっぱり福田さん、ほんとうに真剣に考えてもらいたいと思うのですけれども。くどいようでございますけれども。
#68
○国務大臣(福田赳夫君) 原則はまことにそのとおりでございます。これをどういうふうに具体化するか、こういう問題だろうと思います。まあ御鞭撻賜わりましてせっかく努力をしてまいりたいと、かように思います。
#69
○渋谷邦彦君 この話であまりやりとりするのもどうかと思いますので、この辺でとどめたいと思いますけれども、いま一番困っている差し迫った問題として、いま取り上げております住宅の問題と子弟の教育の問題、これはやっぱり本気になって考えてもらいたいと思うのです。特に住宅の問題もさることながら、この子弟の問題については、私に、何人なんというものじゃない、何十人から来ているのですよ。名前を一々あげませんよ。あげたりするとまた変な問題になって、おまえよけいなことを言ったんじゃないかと言われて、また外務省の人たちがおしかりを受けたりすると困りますから。聞きにくるのです、実際。だから特に公館長あたりはぼくはいいと思うのです、たいへんな高給取りなんですから。むしろ参事官、一等書記官、それから理事官補に至るまでのその辺の人たちのことを考えてあげなけりゃいけないと思うのです。将来持っている人なんですからね。そういうところから行動を制約し萎縮したような考え方を持たしていくのだったら、日本のこれからの外交なんというものは五十年たったって百年たったってほんとうに開けやしないのじゃないかという心配すら抱きますよ、率直に申し上げると。この点はいま福田さんがとにかく善処をするということを約されたわけですから、これからそれがどういうふうに具体的に成果をおさめていかれるかを私は期待をしたいとこう思います。あとまあこの辺の給与のいろいろな違いについてはもうやめておきますわ。その点だけを強く申し上げて、いずれにしても、出られた方々がほんとうにもう本気になってやられるという、そういう環境をつくっていただきたい。
 最後に一つだけ伺っておきたいことは、まあ人事の交流も、おそらくそういう面からいきますと適材適所ということもございましょう。まあ私たちはあえてその人事というものについては介入したくございません。しかし、やはり有能な人をどんどん引き上げていく、これは当然でしょう。そのためにこの交流がどんどん行なわれなくちゃいけない。ただいままでのは、これは私まあ間接的に聞いた話ですから、信憑性があるかどうかはこれは別問題でございますけれども、たとえばアジア関係を回る人はアジア関係ばかりだというのですね。ヨーロッパ系統はヨーロッパ系統ばかりだというのです。そこに何かが、要するに俗世間でいわれる主流だとか反主流というものが生まれちゃって、そういうことでせっかくあたら――たとえその学校の経歴がどうあろうともですよ、それによっても多少また色分けが違ってくるというようなことを聞きますと、これもまあ考えていただかなきゃならぬ問題じゃなかろうかということですね。人にはおのおのの持ち味がある。また特性がある。それでまたその中に最高の能力を発揮する力を持っていると私は思うのです。だからいままで言われておるような、やっぱり火のないところに煙は立たない道理のとおり、アジアならアジアというところでぐるぐる回っておると、アジアが終わったらアフリカへ行ってこいと、これじゃね、どうも、それぞれその若い人たちの気持ちの中には、せめてヨーロッパも回ってみたいと、あるいはアメリカも回ってみたいなという、そうして視野を広げて、そうしてさらに自分なりに高い立場に立った、ものの見方に立った日本の将来の外交というものを身につけていきたいと思っていらっしゃるとぼくは思う。それを先輩の姿を見て芽をつまれるようなことになったんじゃ、これはいつまでたっても変なふうに萎縮しちゃって、日本の外交というものは、くどいようですけれども、いつまでたっても伸びないのじゃないかということを私は心配いたしておりますので、この点も最後にあわせて意のあるところを福田さんに伺って、私はきょうの質問を終わりたいと思います。
#70
○国務大臣(福田赳夫君) 渋谷さんからお話のありました点も、これはまあ非常に私は外務省人事の重要な一点であるとこういうふうに考えておるのです。で、いままでの外務省の人事配置を見ますと、欧米に在勤しないとどうも将来のキャリアに明るい道が開けない、こういうような傾向があったわけです。しかし、いまやわが国は欧米だけと道を通ずるという立場でない、世界じゅうに網を張るという必要のある立場になってきたわけであります。そういう世界情勢の中におけるわが国の立場の変遷というものを考えまするときに、ここで欧米中心の人事配置、これを根本的に改正をする必要がある、こういうふうに考えるわけであります。御承知かと存じますが、キンシャサの駐在大使、これを最近更迭いたしたわけでありすす。これはニューヨーク総領事をそこへ回すというような措置をとったわけです。やはりああいうアフリカでも中心になるところには、欧米のことにも経験のあり、また将来も大いに活躍が期待されるという人を配する必要がある、そういう見地に基づくものであります。なお、近くかなり規模の広い人事異動を行ないたいと思っておりますが、従来でありますると、やはり将来性のあるというような人は欧米へ行く傾向です。それを今度は改めて、あるいは中近東でありますとか、そういういままで日本と非常に経済的にも政治的にも重要なところであるにもかかわらず、地域的伝統から、どっちかというとあまり重点が置かれなかったというような傾向がありましたが、そういうところに将来中央の幹部になるというような人の配置、そういうようなことも考えてみたい、こういうふうに思っております。ごもっともなことでありますので、御激励に従いましてひとつ邁進をいたしたい、かように考えます。
#71
○星野力君 私、一つだけお聞きします。
 今度名称を変えたザイール共和国、あの国の政情についていろいろ報道もされておりますが、たしか十万人ぐらいの虐殺が行なわれたというような報道があったんではないかと思います。事実そういうことがあったのかどうか。最近ではさらにブルンディにおいて十五万人の虐殺というような新聞報道がありましたが、十万、十五万の虐殺というのはこれはたいへんな問題だと思うんですが、その二国の虐殺事件についてわかっておられることを御説明願いたいと思います。原因については、部族間の争いとかなんとかいろいろいわれておりますけれども、それ相応深刻な背景があったと思います。外国勢力の背景などがあるのかないのか、その辺のことも含めてひとつ御説明をお願いしたいと思います。
#72
○国務大臣(福田赳夫君) 政府委員のほうから……。
#73
○政府委員(魚本藤吉郎君) お答え申し上げます。
 ザイールに関しましては、それほどの虐殺事件があったという報道はあまりないのでございますが、ブルンディに関しましては、ごく最近、先月末ですか、十万あるいは十五万の虐殺があった、そういう報道が流れております。これはわれわれ知っておりますところによりますと、六七年のクーデターによりまして現在のミコンベロ大統領が政権についたのでありますが、このときに国を追われました元国王ヌタレ五世、これは西ドイツに亡命しております。そして、その国王が三月二十一日ですか、突然、予告なしにウガンダのアミン大統領のところへやってまいりまして、実は自分はもとの国へ帰って平和に暮らしたい、あっせんしてくれという話をされたようであります。ミコンベロ大統領との和解あっせんということを頼まれたアミン大統領は、けっこうでしょうということで、ミコンベロ大統領に取り次ぎまして、そういう平和な一市民としての帰国はけっこうでしょう、こういう条件ができたようであります。そうして三月三十日でしたか、アミン将軍の専用ヘリコプターで帰国されたわけでありますが、帰国したとたんに直ちにいずれともなく連れ去られた。そういう報道が新聞に出ております。それからしばらくして、四月二十九日夜に、実はブルンディの国内各地で暴動が発生して、そうして暴徒は旧王宮のある軍のキャンプを襲いました。その際に、最近帰ってこられましたその国王もこれに巻き込まれて殺された、こういう報道があったのであります。ところが、それから実はその直後に政府は外出の禁止あるいは外国人の出入国の禁止、外部との通信の禁止等の措置をとりまして、その関係で二十日から約一カ月にわたりまして全く外部から隔絶されたというような状況になっております。ところが、外交官だけはある程度移動が許されておりまして、ベルギーの大使が本国に帰りまして報告した。それからたまたまそれを目撃したというベルギーラジオの、テレビ放送の記者が帰りまして報告したのが五万から十万虐殺、こういう報道であったのであります。六月一日ベルギーの国会で大使の報告に基づきまして外務大臣がこれを報告いたしまして、事態はきわめて憂慮すべきものである、こういう声明を発せられたわけであります。
 なお、脱出した宣教師の談話も一部新聞に報道されたようです。こういうことで初めて世界中は相当な虐殺事件が起きたのではないかということを知るに至ったわけであります。したがって、これでわれわれちょっとその背景を考えてみますと、これはおそらく二つの部族間の殺し合いであったろうという感じを持っております。御承知のように、ブルンディの人口の八五%がフツ族と申しまして、大体体格はわれわれと同じくらいだそうでありますが、それが八五%、それから一四%を占めますのがツチ族といいます。これはジャイアント、長身族、それから一%のピグミ族となっております。この長身族のツチ族が大体国を押さえておる。もともとあの国は三百年前から王様はツチ族出身の王様だったそうでありますが、その王政の場合は部族間の対立はあまり先鋭にあらわれなかった。それは王様の王位継承といいますか、王族の中に四つの族があったようでありまして、そのうち今度だれが王様になるかというところに争いがあったので、異民族間ではほとんどなかったのでありますが、ところが共和制になりまして、ちょうど御承知のようにブルンディの北になりますが、ルワンダというところ、このルワンダの民族の対立問題が出まして、当時新聞報道のあったというのは、長身族のツチ族がだいぶ虐殺されていなくなったとまで言われたのでありますが、この逃亡したツチ族がブルンディのほうにやってきた、その辺から部族問題が非常に先鋭化したという状況があったようであります。そこに今回はこの王様というのはもともとツチ族でありますが、北部のツチ族といいますものを代表するのが王族だそうでありまして、ミコンベロ大統領は南部のツチ族を代表する。そこで前の王様のときには民族の対立があまりなかったということを考えると、あるいは現ミコンベロ大統領の政権に反対するフッ族の連中がいたんでしょう。そういう人たちが今回内乱を起こしたというようであります。ただ、内乱を起こした場合に、あそこは約三千名くらい兵隊がいるようでありますが、ザイールのほうからモブツ大統領が一個中隊を派遣したそうでありますが、これを派遣しまして大体中央部において直ちに鎮圧したようでありますが、しかし南部のほうにおきましては、そのフツ族の反乱に対する、逆に今度ツチ族が逆襲をやりまして、中学校以上全部殺すとか、いろんな報道が流されておる、そういう状況になったようであります。したがいましで、申し上げましたように、何しろそういう報告だけにいま基づいておるところですから、それ以上のところはなかなかわからないのでありますが、これはわれわれは、大きな部族間の対立問題が勃発したものと考えております。それで、ただしかし、先生も言われましたように、片方外国の何かが入っているんじゃないかと、こういう情報が流れておりますが、その真偽のほどは全然わかりません。それは、外国といいますのは北京政府のことでありまして、北京政府がかつて六四年ですか、そこへ大使館を置きましたときに、コンゴで内乱が起きた。コンゴの東部地区の内乱の場合に、北京政府の指導によると言われたのですけれども、まあツチ族の内乱があったと、それからここのツチ族に対して軍事教練を非常にやったとか、そういうようなことが言われまして、当時中共の大使館は国外に退去いたしまして、国交が断絶しておったのでありますが、ことしの一月になりまして、再び国交が再開されまして、外務大臣が北京を訪問し、それから経済協力協定を締結されまして、非常にいまや関係がよくなっておるところでありまして、そのよくなっているところの関係で、今回の報道というのは、ちょっとなかなか外部にはわかりにくいものですから、われわれそういう情報があるということだけ感じておるしけでございます。
 そういう状況でございますので、国連でも非常に心配しまして、また赤十字のほうでも心配しまして、何か手を打つべきだという、目下対策が考えられております。なお旧宗主国のベルギーは直ちに、先ほど申し上げましたように、外務大臣の声明の中で、声明のあと、ミコンベロ大統領に対して、早急に事態を鎮圧されたい――そのあとには鎮圧されないと経済協力を進めませんという含みがあったようでありますが、そういうメッセージを出した。それからローマ法皇も特使を派遣しまして、これも約百六十万ばかりカトリックの信者がいまして、それで特使を派遣しまして、対策を早急に進めているということです。アメリカは十万ドル以上の食糧及び薬品その他を決定したようですが、わが国に対しましても、キンシャサの大使館を通じまして緊急援助の要請がありまして、いろいろ聞きましたところ、薬がほしいという話ですから、約一万ドル相当の医薬品の緊急援助方を検討いたしまして、目下準備中であります。
 以上であります。
#74
○星野力君 ザイールのほうでは、そういう虐殺事件というのは、これはなかったというお話ですが、そうなのかどうか。それからブルンディと日本との関係、それから在留邦人なんかはどの程度おるのか、その辺のことは。
#75
○政府委員(魚本藤吉郎君) ザイールのほうはそういう報告には接しておりません。それから、ブルンディと日本との関係は、あそこから大体輸入するものは非常に少ないものですから、数年来ほとんどなかった。昨年度ようやく数十万ドル、八十七万ドルの輸入がありました。主として輸出は綿製品と自動車とがいっていると思います。それから、在留邦人は全然おりません。まあ場所が場所なもんですから、旅行者も非常に少のうございまして、大使館員が行っておりますのと、私のところの外務省の職員が数回行ったということがございます。
 そういう状況でございます。
#76
○羽生三七君 これは案件に直接関係したことじゃないのですが、バングラデシュの最近の政情ですね、これはひところあれほど新聞をにぎわしておったのに、最近政情についてはほとんど報道がない、安定しておるのかどうなのか、最近の事情をお聞かせいただきたい。
#77
○説明員(前田利一君) お答え申し上げます。
 バングラデシュの現在の政情でございますが、西パキスタンに協力した人たちが一部の地域にそのまま残っておる、また、動乱の最中に武器がそのまま流れて、その回収にラーマン首相はじめ現在のバングラデシュ政府は種々努力をされたわけでございますが、その回収も必ずしも十分にいっていないというようなことで、動乱が終息しましたあとにおきましても、治安の問題についてはなかなか心配が多かったわけでございますが、幸いに現在のラーマン首相の統率力ないしは国民のラ一マン首相に対する尊敬の念というものが独立とともに非常に強うございまして、現在のところ表に出ているような大きな治安の乱れだとか、そのような不祥事件、そういったものはないように聞いております。
#78
○羽生三七君 それで、そういうことも政情の中に入るには違いないけれども、その後生産なんかはどういうことをやっておるのか、財政的に経済的に成り立つのかどうか、それがもし足りないところがあればどういう形で国を維持しておるのか、その辺のところをごく簡単でいいですからお聞かせください。
#79
○説明員(前田利一君) 長い間の動乱の結果、経済的にも非常にむずかしい状態に置かれたわけでございますが、現在ラーマン首相のもとにおきまして、経済復興省あるいは経済計画省というような政府の機構整備に鋭意努力してまいりまして、その計画のもとにおきまして現在鋭意経済の再建復興につとめておることは御承知のとおりでございます。
 特に国連におきましては、つとに現地にも国連のバングラデシュに対する救済機関といたしましてUNRODという機関を送っておりまして、これが世界各国からのバングラデシュに対する救済復興援助の基金ないしは物資を、総合的に民生の安定復興に寄与するように、鋭意バングラデシュ政府と協議を進めながら、その分配等に努力をしております。御承知のとおりバングラデシュには、特にジュートという非常に重要な外貨獲得手段がございますので、動乱のおさまるに伴いまして、その集荷、輸出等が順調に進んでおりまして、外貨のホールディングも漸次ふえておりまして、現在は全体としていい方向に進んでおるように聞いております。
#80
○委員長(八木一郎君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は本日はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#81
○委員長(八木一郎君) 次に、国際電気通信衛星機構(インテルサット)に関する協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 本件につきましては、前回趣旨説明及び補足説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
#82
○森元治郎君 この前の補足説明で大体大筋は伺ったのですが、あまりに事務的な補足説明だから、もう少ししろうとわかりがするように御説明を願いたい。この協定のポイント、それから従来あった暫定協定をただ正式な本協定に直すためのものだということ、その説明、そういうのを少しわかりやすく、要領よく説明してください。それによっては質問時間は短縮されます。
#83
○政府委員(影井梅夫君) 第一に、従来ございました暫定協定、これを今回の本協定と申しますか、これに移行させる。その要点の一番大事な点は、従来の暫定協定、これがどちらかと申しますと、私企業と申しますか、企業的な色彩がかなり強かった。これに対しまして、今回の本協定、こちらのほうでは、なるべく国と申しますか、政府の意向を反映させたいということが大きな相違点であろうかと存じます。
 もう一つ。これに伴いまして、今回の新しいインテルサット組織、これに法人格を持たせまして、いろいろの法律行為をインテルサットとして行なうことができるというふうに定めたこと。
 もう一つは、やや技術的になるかと存じますけれども、確かに、このインテルサットによりまして、世界の通信衛星の大きなワクをつくる。しかしながら、地域衛星、これの打ち上げの権利を確保された、これも一つの大きなポイントであるかと、このように考えております。
#84
○森元治郎君 これは、そもそもアメリカが打ち上げたものにみんなが寄ってたかって、便利だからおれにも使わせろというようなことから始まったのですね。専門家に伺うが、そもそものスタートは……。
#85
○政府委員(柏木輝彦君) この実用衛星の開発能力は、当時、アメリカしかございませんので、一九六一年にケネディが大きな方針を世界に宣明いたしまして、この開発した星を世界じゅうの、一つの共同の利用を無差別にしたいという提案をいたしました。それに基づきまして、アメリカ並びにヨーロッパ各国、それに日本、カナダ、オーストラリア等が入りまして、一九六四年にできましたのが現在のこの暫定協会でございます。
#86
○森元治郎君 そのころは、アメリカを除く日本やイギリスとか、その他の国は、銭を払って使わしてもらっただけで、何にも権利はなかったわけですね。共同の所有物ではなくて、アメリカの星を使わしてもらった……。
#87
○政府委員(柏木輝彦君) 現在の暫定組織におきましては、それぞれが使用する分に応じます出資をいたしまして、この衛星等は各国の共同所有ということになっております。
#88
○森元治郎君 いま打ち上がっているのは、これは動かない、静止している衛星なんで、しかも太平洋とか大西洋とかに幾つかあるのですが、とまっている。この所有は、もうアメリカの手から離れて、一つの法人格を持った機構にアメリカはゆだねちゃったことになっているのですか。
#89
○政府委員(柏木輝彦君) 恒久協定が発効すれば、いまお話しのような所有関係に移るわけでございますが、現在は、それぞれの出資率に基づく持ち分によります共同所有ということになっております。
#90
○森元治郎君 その共同出資というのは、いま参加している、あるいはこれから参加する国々が、資本の、どういう出資の形になりますか、出資は。
#91
○政府委員(柏木輝彦君) 現在は、この資本限度額を三億ドルと定めておりまして、打ち上げ計画の実施に基づきまして、それに必要な資本出資を各国に求めるわけでございます。その出資分は持ち分、つまり共同使用の見込み分ということに基づきました計算をいたします出資率を定めまして、それに基づきます資本出資を各国に求めるということでやっております。
#92
○森元治郎君 ずるい考えで、これに入らないで、日本なんかは、もうこのごろ地上局というのか、そういうところで受信する能力のある国で、入らなくても、向こうで飛ばしたやつを途中から拝借することができるのですか、できないのですか。
#93
○政府委員(柏木輝彦君) 技術的にはそういうことを防止することができておるわけでございますが、ただし、これに共同出資した参加国でなくても、たとえば先般ニクソン訪中の際に、中共としての地上局が、これが利用できたというふうに、出資国以外のものでも利用の道は開いておるわけでございます。
#94
○森元治郎君 だけれども、そういろインチキはやらないで、堂々と参加して、共同財産としてこれを育成していこうというような趣旨だから、それはけっこうだが、そこでよく問題になるのは、日本の場合、日本も自分で衛星を打ち上げていきたいという考えはかねがね持っておる。いつできることかわかりませんがね。そういう場合にたいへんな金もかかるし、それに自分だけが利用するのではペイしないのか、ペイするのか。ロケットの能力もあるだろうし、星をつくる能力もあるだろう。一体こういうのは日本の実力というのはどの程度ですか。
#95
○政府委員(千葉博君) 実は二年ほど前に、一昨年の十月でございますが、宇宙開発委員会がわが国の宇宙開発計画を策定いたしております。それによりますと、打ち上げ能力は、昭和五十年から五十二年にかけまして実験の衛星を四個上げる。それに必要なNロケットを開発するということになっておりまして、いま御指摘のインテルサットで使いますような衛星を打ち上げることができるようになりますのは、それからあとの五十三年以降になるかと思います。
#96
○森元治郎君 これはあくまでも日本で、自分でこういうふうな通信、インテルサットと同じようなものを日本の地域で打ち上げる――日本の地域といっても、打ち上げるのは赤道のほうで打ち上げるのかどうかしりませんが、自分は自分のものを使うのだという考えは持っておるのですか。
#97
○政府委員(千葉博君) 現在ございます宇宙開発計画におきましては、先生のおっしゃるような考え方でございます。
#98
○森元治郎君 これはもうかっているのですか。これはもうかりそうに思うのですが、どうですか。もうかったものはやはり配分するのでしょう、資本の出資額に応じて。どうなんですか。
#99
○政府委員(柏木輝彦君) 一九六四年以降、この星を打ち上げて実用化しているわけでございますが、当初は資本支出に対する償却等の関係もございますし、当初二、三年の間はもうかるという状態にありませんでしたが、最近では十分収支を償いまして剰余を生じております。これはその分だけ衛星の使用料を引き下げるということで、これが結局各国の通信利用者に還元されるわけでございまして、これがまた一般通信の利用者のほうに利益になるということで、最近ではかなりいい成績をあげているわけでございます。
#100
○森元治郎君 これに参加する国はだいぶ多いようだけれども、これは全部受信能力を持っているのですか、地上局で。
#101
○政府委員(柏木輝彦君) 現在八十三カ国かと思いますが、発展途上国も含めまして非常に多い数の国がこれを利用しているわけでございますが、自分の国で地上局を所有して運営しているという国は四十カ国前後かと思います。一国で数個の地上局を持っておりますので、その地上局の数は五十ないし六十局程度に現在なっているかと存じます。
#102
○森元治郎君 そういうケニアとかモロッコとか、もう批准している国もありますが、小さい国、こういうのはこれを利用するつたってたいへんな金もかかるのだろうし、見せるったって、公衆通信とはいうものの、ケニアで公衆通信というのはどのくらいあるのか。政府のお役人が見るくらいのものだと思うのだ。むしろここへ投資をしたほうがいいだろうなんていうつもりで入っているのじゃないかとさえ思うが、どうですか。
#103
○政府委員(柏木輝彦君) これら新興独立国の国際通信というのは非常に重要性があるかと存じます。特に従来短波通信に依存いたしまして、国際通信の分野での短波の取り合いということがかなり激しいものでございますので、自分の通信施設で外国と直接通信ができなかったという国がこれらの国にたくさんあるわけでございます。今度はこういう新しい手段によりまして、一挙に自前の国際通信施設が持てるということで、たいへんこれはこの技術をわがものにしようということで、地上局の承認につきましては熱意がたいへん強いわけでございます。先ほど申しました四十幾つの国と申しますのは、アフリカの後進国も入っているわけでございます。
#104
○森元治郎君 そうすると、これは本部とかあるいは重役ですね、重役――運営する本部がどこにあって、日本からもだれか――大口の出資の、何か順番はいいところにあるのですよね。そういう人はだれが一体行って、どこで運営をやっているのか。それは運用協定に入っているのですか。
#105
○政府委員(柏木輝彦君) 現在の暫定協定下にありましては、この運営をいたす事務局のようなものは、マネージャーという形でアメリカのコムサットという会社がこれを引き受けているわけでございまして、ここでこれらの宇宙通信の開発、運営をいたしているわけでございまして、その所在はワシントンでございます。この事務局の中には日本からも数名の優秀な技術者が参加しておりまして、日本の関係技術の伸長にはたいへん貢献をしているわけでございます。
#106
○森元治郎君 いま空中にある星から出す電波は動いているものでは受信できないと思うのですが、固定した施設、ああいうところが受信している。動いているものですね、それはだめなんですか。
#107
○政府委員(柏木輝彦君) かなりアンテナの大きさが大きくなるものでございますので移動するのは都合が悪いという面はございますが、しかし移動用の地上局というものは現にございまして、たとえばニクソンの北京訪中の際にはこの移動用の小型のアンテナを持った地上局を北京まで運んでおります。
 そのほか、船の上にこれを設置いたしまして船上で通話をする、あるいはテレビの送受信をするというような方向も一部現在行なわれておるわけでございます。
#108
○森元治郎君 いま打ち上がっているものを利用して日本の気象とか航空とか農業資源の開発とか、そういうものはいま上がっているものの利用ではできないのですね。新たに打ち上げなくちゃできないのですね。
#109
○政府委員(柏木輝彦君) 現在打ち上げております通信衛星は、三号型、四号型とも非常に性能の高い通信衛星でございますが、これは電信電話あるいはテレビの送受信というようなものに限られておりまして、さらに気象あるいは航空用の用途にするには、これと別な設計を持ったものを別個に打ち上げる必要がございます。
#110
○森元治郎君 新しい容量のでかいやつを、今度五号、六号か、そういうでかいのを打ち上げるというのだが、前のやつは使わないで、ただ空中に浮かばしておいて、新たに打ち上げるのですか。
#111
○政府委員(柏木輝彦君) この星の寿命が比較的短かくございまして、三号衛星で五年、四号衛星で七年でございます。ただいま開発中の四号半あるいは五号衛星と言われておるものも寿命は大体七年ないし十年じゃないかと思われますので、この四号半あるいは五号が打ち上げられるときは、大体現在の四号衛星は寿命が尽きるころになるわけであります。
#112
○森元治郎君 ホットラインというのがありますね、アメリカと。ああいうホットラインというのはどういう経路で行くのですか。海底ケーブルとか、どんな経路でしょう。
#113
○政府委員(柏木輝彦君) 日米ホットラインは専用線でございまして、従来の日米海底ケーブルによることもできますし、また、太平洋四号衛星によることもできるわけでございます。回線の事情によりまして切りかえもできるようになっております。
#114
○森元治郎君 海底と星と二つあるけれども、利用率は半々ぐらいなんですか。
#115
○政府委員(柏木輝彦君) 現在の日米太平洋ケーブルの容量は百二十数チャンネルでございまして、すでにこれはもう一ぱいになっておるわけでございます。現在開発中のものは九百六十あるいは千八百あるいは三千六百チャンネルというような、いまの四号衛星に匹敵するような容量を持つものをすでに開発中でございますが、現在のところ比重といたしましては大西洋方面、太平洋方面におきましても衛星のほうがかなり高くなってきておる。したがいまして、この通信の安定性というものから衛星と海底ケーブルの利用のバランスをとって、いついかなるときも間違いなく利用ができるというためには、そろそろ海底ケーブルのほうを増強しなければならぬというような問題も現在出ているわけでございます。
#116
○森元治郎君 海底ケーブルの増強ということはどういうことなんですか。新たに線を引っぱるわけですか。
#117
○政府委員(柏木輝彦君) すでに数年前から、アメリカのアメリカ電信電話会社、ハワイのハワイ電信電話会社、それからオーストラリアの主管庁、それから日本の国際電信電話株式会社、それらの間におきまして、現在開発中の新型のケーブルによります第二太平洋ケーブルの敷設という問題を専門的なレベルでいろいろ検討しておりまして、すでにアメリカの本土とハワイ間の分につきましてはアメリカ電信電話株式会社のほうから昨年の暮れにアメリカのFCC、主管庁でございますが、ここに設置の申請を出しております。その後それに続きましてハワイ−グアム、グアム−日本間の問題につきましても、現在関係者間でいろいろ具体的な協議を進めている段階でございます。
#118
○森元治郎君 商売人にとっては非常にのどから手の出るような仕事だろう、これは。ハワイからこっちに引っぱるのに、技術屋さんなんか張り切っているようなおもしろい仕事だろうと思う。
 そこで、衛星の使用率、各国の。どこが一番これを利用しているか、順番はどうですか。
#119
○政府委員(柏木輝彦君) 国が新しく参加するごとにその使用率が変わるわけでございますが、現在八十数カ国参加しております中で、一番比率の大きいのはアメリカ合衆国でございまして、現在五〇数%になっていると思います。その次がイギリスでございます。これが約八%ないし一〇%程度で二番目でございまして、その次が四%ないし五%、これが日本ということになっております。
#120
○森元治郎君 将来日本はどのくらいまで、四%まで伸びているそうですが、近い将来は……。
#121
○政府委員(柏木輝彦君) 五%程度までには近い将来に伸びるんじゃないかと考えます。
#122
○森元治郎君 アメリカが五〇%も使っているそうですが、何に使っているのか。これは軍事的なんかには使っちゃいけないし、何に使うかということは加盟理事会の、加盟国はだれも知っておるわけだと思うのですね。変な使い方、上手な使い方はさせないというこの点と、それからこの運営について執行機関なんかでも出資率に応じて、投票の数といいますか発言権といいますかそれは平等なのか、金を多く出した国が発言権がとれるのか、この二点。
#123
○政府委員(柏木輝彦君) この星を利用するにつきましては、技術的な一定の条件がございまして、その点の審査をインテルサットの理事会が行ないまして、これを利用する地上局の承認ということをまず行ないます。その上で各国の利用に基づきます回線の使用の要求に対しまして、この回線使用の割り当てをいたします。この使用は国際公衆電気通信協定国に限るということに現在なっているわけでございます。なお、アメリカは世界各地と非常に国際通信の量が多いものでございますので、またその上にハワイ−米本土等の準国際通信も多量にございますので、先ほど申しましたような大きい使用比率になるわけでございます。
 現在の理事会の運営は、これらの出資比率に基づく、出資比率そのままの形で票数を与えているわけでございますが、今度恒久協定になりましてこの点を大きく改善いたしまして、国際通信の利用に関する分だけの票数しか与えないということと、一国最大四〇%、理事会の全体の票数の四〇%以上は与えないということ等、大幅な改善措置を考えた改正案になっておるわけでございます。
#124
○森元治郎君 その点は、四〇%以上与えないといったようなことは、日本がかねがね主張していた点だったんですか。
#125
○政府委員(柏木輝彦君) このアメリカのいわゆる独占的な体制ということにつきましては、この協定が、現在の暫定協定ができる過程におきましても、ヨーロッパ諸国との関係での大きな問題であったわけでございます。さらに、日本といたしましても、今後新しい国がたくさんこれに参加しまして、真に国際的なベースでこれが運営されるためにも、この点についての改善は必要があるという基本的な考え方を持っていたわけでございます。
#126
○森元治郎君 それから最後に、ソビエトも自分でこの種衛星を打ち上げて自分で利用していますが、これとこの星との相互連絡ということはないんですか。
#127
○政府委員(柏木輝彦君) 現在ソ連では静止軌道によらない長楕円形の軌道、つまり北半球の受信の時間が長くなるような軌道を持たせたモルニヤ衛星を打ち上げまして、地上局三十数局あると聞いておりますが、主としてテレビの国内電送にこれを使っているようでございます。
 なお、この相互利用の問題でございますが、これは技術的には十分可能でございまして、昨年アメリカとソ連とのホットライン協定をいたしておりますが、これは相互にモルニヤ衛星とインテルサット衛星を利用するということで、それぞれのタイプに合った地上局をワシントンの近く、一方はモスクワの近くに設置するというような協定もできておると聞いております。
#128
○森元治郎君 じゃあもう一点。これはちょっと飛び離れたすっとんきょうな質問になりますが、スパイ衛星が飛んで何か地上三メートルくらいまでのものでも三百キロぐらいでわかるという、ああいうものはだれも飛ばすなというようなことは言ってないんですか。抗議はないんですか。
#129
○政府委員(穂崎巧君) スパイ衛星は、もちろんこのインテルサット協定とは関係ございませんが、宇宙の平和的な利用を規制する宇宙条約がございまして、宇宙条約では禁止されていることといたしましては、大量破壊兵器を軌道に乗せること、それから天体を軍事的に利用するということでございまして、宇宙条約の中ではスパイ衛星は全然禁止されておりません。したがいまして、現にそういう種類の偵察衛星等も上げていると、かように聞いております。
#130
○田英夫君 いまの森さんの質問に関連して、一、二だけ。この協定の前文を見ますと、いまお答えがあったことに実は含まれるのですけれども、「衛星による通信が世界的かつ無差別にできる限りすみやかに世界の諸国民の利用に供されるべきである」ということからすると、いまのモルニヤ衛星とインテルサットというものの関係をもっと密接にするということが当然望まれるのじゃないか。また、最近の米ソ関係というようなことからすれば、そのことは国連の状況から見ても望ましいのじゃないかという感じが非常に強いし、実際に衛星を使ってテレビの中継を、私もだいぶお世話になったほうですけれども、やってみると、たとえば。パリから東京に宇宙中継やるのに現在はやはり大西洋をインテルサットで渡って、アメリカ大陸を有線で渡って、また太平洋を星で渡ってくるというようなやり方をした記憶がありますので、非常にややこしいですな。それでモルニヤを使えば非常にやりやすいという場合もあり、他方TBSはモスクワからやるのにわざわざヨーロッパに出して、ヨーロッパからインテルサットにのせて持ってきたということがあるので、これは国連のいまの状況から全部結びつければ、日本だけじゃなくて、世界的にたとえばテレビにしても、通信にしても結果がよくなるのは当然だと思いますが、そういう動きは政治的にございませんか。
#131
○政府委員(影井梅夫君) 望ましい姿といたしましては、ただいま先生おっしゃったとおり、一つの体系で世界中が全部カバーされるということが望ましいと思います。ただ現実の問題といたしまして、この衛星通信につきましてアメリカ、ソ連いずれも自分の主導権と申しますか、これを確保していきたいという現実がございまして、いま直ちにこれが一つの体系になるということはむずかしいのではないか、かように見ております。
#132
○田英夫君 その点で確かに望ましいけれども、現実としてアメリカもソ連も自分の、世界的な動きとしては米ソ非常に接近ムードにあるにもかかわらず、その点にかけてはばかに主張しているということからすると、心配されるのは、何と申しますかインテルサットをやはりアメリカが握っていようと、四〇%以上は発言力を制限されるということまではのんでいるようですけれども、依然としてコムサットが実際の実質的な動きを握っている以上、理事会でその程度の制限をされてもだいじょうぶなんだということで、結果的にはアメリカが握っていくことになっているのじゃないかと、この新しい正式協定になっても、そういうことはどうですか。
#133
○政府委員(柏木輝彦君) この組織は、元来各国の国際通信事業者、この中には政府がやっているものもございますが、これらの共同事業として、共同事業運営の形で発足したものでございますが、いわばコマーシャルベースの、企業体ベースの国際通信業務の一環としてこのようなサービスを開始したわけでございます。しかしそれにしましてもさらに宇宙条約の成立以後等の問題も考えまして、各国の主権国家としての意向を十分この組織に反映すべきであるという議論が強いのでありまして、これにつきましては出資者であります通信事業体のみならず、政府がこれに参加するという形になりまして、さらにこの組織の最高の機関といたしまして政府間総会というようなものも設けております。で、運営の基本的な問題につきましては、一国一票の原則でものごとを決定するというような、新しい要素がこの新協定の中には入っているわけでございます。
#134
○田英夫君 もう一つ、こだわるようですけれどもね。この署名国、参加国の名前を見ると、いわば西側の国であるわけですね。アメリカ中心にしてつくられている。そうすると、一方でモルニヤがあってということになると、何かこの問題に関してだけは東西対立とまではいっていないけれども、そういう状況があるように思えるのですがね。このソ連以外の共産圏の国の動きというのはどうなっているのか。
#135
○政府委員(柏木輝彦君) この暫定協定によります組織ができましたのは、一九六四年でございますが、当時このような通信衛星としての打ち上げ能力を持っておった国はアメリカだけだったわけでございます。その後、ソ連が中心になりましたモルニヤ衛星というものの打ち上げ利用が始まったわけでございますが、このインテルサットの恒久協定の審議、これは三年かかったわけでございますが、これにつきましては、終始ソ連並びに東欧諸国もオブザーバーとして参加いたしまして、きわめて熱心にそれに積極的な参加をいたしております。さらにまた、ソ連はまだ参加を決定しておりませんが、東欧圏におきましてもユーゴースラヴィアはすでに加入をしておるわけでございます。
#136
○田英夫君 もう一つ、日本はこれは当然理事国になるわけですね。
#137
○政府委員(柏木輝彦君) 暫定協定におきましては、出資比率が一・五%以上のものは理事国とするということで、いま十八のメンバーが理事国になっております。日本は使用率は上から三番目ということで、新協定におきましてもこのような出資率を基礎とした理事国の性質の形になりますので、当然有力なメンバーになって私ども参加するわけでございます。
#138
○森元治郎君 関連。
 コムサットは、国際電電というような事業体としていまでも残っているのですか。
#139
○政府委員(柏木輝彦君) コムサットは、国際電電の電信電話の送受を直接取り扱う会社ではございませんで、アメリカが一九六二年の通信衛星法という特別の法律に基づきまして設立いたしましたコロンビア特別区の会社でございます。この会社は一般の会社でございますけれども、理事のうちのあるものは大統領が任命するということのほかに、アメリカとして実用衛星の開発並びにこの運営につきましての中核にするという意図がその中にあるわけでございまして、全体では暫定協定に基づきましてマネージャーとしまして事務局のような役割りをするとともに、この星の開発運用につきまして、これが主として当たっているわけでございます。本協定ができますと、これは新たに契約ベースで技術的な打ち上げ開発、打ち上げ運用分だけを担当するということで、暫定期間を経過いたしまして六年たちますと、これらの任務をすべて一つの事務局の組織の中で吸収をするということになっておるわけでございます。
#140
○渋谷邦彦君 若干きょう伺いまして、残りをまたこの次の機会というふうにさしていただきたいと思いますが、本協定の作成交渉の過程でだいぶ議論があった。議論があったということは問題点が非常に多過ぎたと、少なくとも一九六九年二月以降においては数回にわたって、長期間にわたってそれらの問題点というものが論議の対象になったと、こういうふうに伝えられております。その一体問題点とは何であったのか、議論の一番焦点であったのは何か、これをまず最初に伺っておきたいと思います。
#141
○政府委員(影井梅夫君) 問題の根本はアメリカ側、アメリカグループと申しますか、こちらのほうは私企業的な形態、これをなるべく強く残したい。これに対しましてヨーロッパグループ、日本を含めまして、なるべく政府の色彩を強くしたいというのが問題の根源にあったように考えております。この両方の間の対立点、これは大体三点ないし四点に要約できるかと思いますけれども、まずこの組織の総会、これにつきまして、アメリカ側は締約国政府とそれから署名当事者それぞれの総会を設けるということを主張いたしましたのに対しまして、ヨーロッパ側、これは締約国総会――政府の総会でございますが――のみで十分であるという主張をいたしました。結局この点につきましては、アメリカの主張を入れまして、総会に二つの種類を設けるということで妥結がはかられた次第でございます。
 第二点は、管理業務、これをどのように行なうかということでございます。アメリカ側は当然と申しますか、現在の管理者でございますコムサット、これを引き続きまして管理機関としたい。これに対しましてヨーロッパグループ、これは固有の国際的な事務局を設けるべきであるということを非常に強く主張をいたしました。結局、妥協点といたしましては、先ほど御説明がありましたとおりに、この協定発効後最初の六年間、これはコムサットがインテルサットとの契約によりましてこの管理業務を行なう。しかしながら、六年を経過いたしましたのちには、国際的にはまさしくこれに管理業務を行なわせるということで、妥協に達したわけでございます。
 それから次の衛星の問題でございますが、これにつきましてアメリカ側といたしましては、これに対して消極的な態度、地域衛星は要らないのではないかという態度を終始とっていた。これに対しましてわが国を含めましてヨーロッパ諸国、これは地域衛星の打ち上げ、少なくともこの権利は確保したいということで、結局この点につきましては、地域衛星の打ち上げの権利が確保されるということで妥協点に達しました。これが大体交渉の過程における大きな問題点ではないかと思います。
#142
○渋谷邦彦君 この三つのいまあげられた問題点は非常に重要であったと思います。先ほど監理官の説明の中にも、アメリカの独占企業的な色彩が濃いというところに一つの対決点があったのではないか、ごもっともだと私も思います。ただ、いま話をされた中で、今後総会の二つについては、六年後には一本になると理解してよろしいですか。
#143
○政府委員(影井梅夫君) 事務局のほうでございますか。
#144
○渋谷邦彦君 先ほど総会を二つ持っておるというお話があったでしょう。
#145
○政府委員(影井梅夫君) これは六年という期限はございません。
#146
○渋谷邦彦君 六年という期限がないということになりますと、何か非常にへんぱな運営というものが行なわれる危険性がございます。危険というよりも可能性ですね。同時に利益を受ける側と利益を受けない側と二つに分かれるような感じがするのです。私は感じでものを言ってはならぬと思うのですけれども、どうも総会が二つ持たれるという、これが今後のやはりインテルサットの機能を発揮し、そしてまたその管理運営ということを考えた場合に、はたして合理的な行き方であろうかと、こう思いますけれども、どうなんでしょうか。
#147
○政府委員(柏木輝彦君) 二つの総会につきましては、それぞれの機能が分かれておりまして、政府間総会につきましては、当然主権国としての各参加国がおもに関心を持つような事項が、たとえば先ほどの地域衛星の打ち上げにつきましての問題でありますとか、あるいは宇宙条約に基づきます無差別利用の原則が確保されるようなルールをきめるというようなことは、これは当然政府間総会の任務に入っているわけでございます。
 なお、事業参加の総会のほうは、事業者でありまする出資者の利益を主に考え、さらにまた運用面におきましての技術的な面も含めましての日常運営業務につきましての問題をここで討議する。たとえば資本の限度額を一体幾らにするとか、あるいは衛星使用料を幾らにきめるとか、あるいは宇宙部分、つまり衛星に対しまして地上局の使用に対する基準、これはひとつ技術的な問題でございますが、そういうようなルールをきめるというようなことが署名当事者総会の任務とされているわけでございます。
#148
○渋谷邦彦君 今回のインテルサット協定については、日本が資本参加をするということでありまするけれども、将来において技術提供ということは考えられますか。
#149
○政府委員(柏木輝彦君) 現在、国際電信電話株式会社がこれに出資し、参加しているわけでございまして、さらに技術的な面におきましては、このインテルサットの使用します宇宙部分等につきましては、これは国際競争の原則でこれを調達するということになっておりまして、日本もその部面で得意な通信部面につきましてかなりの実績をあげるに至っております。なおまた、インテルサットで開発しました技術特許等につきましては、これは参加国が平等に、無差別に利用できるのを原則としております。この結果、日本の地上局の技術というのは非常に進んで、もうすでに十数カ国の地上局が日本の技術をもってつくられているというような実績もあるわけでございます。
#150
○渋谷邦彦君 次にフランスと西ドイツが共同で行なっているといわれるシンフォニー計画ですか、この現状はどんなふうになっているんでしょうか。
#151
○政府委員(柏木輝彦君) これは一九六七年六月に両国が協定をいたしまして、実験用の通信衛星をミュンヘンのオリンピックまでに打ち上げたいという構想で発足したわけでございますが、いろいろの事情でこれがおくれておりまして、この打ち上げは七四年になろうというふうに予測されております。打ち上げロケットは、いろいろのヨーロッパのロケットの開発のための共同事業でございますが、ここの提供するロケットを使いまして実験用の、テレビ用を含む通信衛星を関係国の間に行ないたいというのが目標になっているように聞いております。
#152
○渋谷邦彦君 いま御説明になりましたように、すでにフランス、西ドイツにおいても地域衛星の一環となるべきシンフォニー計画、あるいはソ連におけるスプートニク計画ですか、これはもうすでに具体的に始動しているはずだと私は思うのですけれども、こういった一連の動きを通じまして、日本はしからば今後地域衛星については、どう一体取り組むのかということであります。
#153
○政府委員(千葉博君) 実は先ほど申し上げましたように、政府の公式の宇宙開発計画というものの中では、実験用の静止衛星を昭和五十二年に打ち上げるというところまできまっておりまして、その地域通信衛星につきましては、実はそれ以降の問題かということでございます。それで、本年度中にそれ以降の地域通信衛星も含めまして、気象衛星それからそのほか資源衛星、その他実用衛星の開発につきましてのビジョンをはっきりしょうということが宇宙開発委員会でいま審議されているところでございます。それで、先生御指摘の地域通信衛星については、一体政府として、まあ大体関係方面、どんなことを考えておるのか、またどの程度の実用性があるのかという点でございますが、この点につきましては非常に技術的、経済的にいい、最も適したような通信組織を設立しまして、地域内の通信需要を満たすとともに、地域における文化、経済面での交流を推進するのに非常に有効であり、意義があるということで、実はこの宇宙開発委員会での現在における審議の中では重要視をいたしております。それで民間におきましても、御案内かと思いますが、アジア地域におきまして直接放送のほか、放送番組の交換を目的とするような多目的の地域通信衛星が必要であるというような構想がいまあるというように私どもも聞いております。こういったような状況でありますので、このビジョンの中にはこれが重要なポイントとなるかと思いますが、何といたしましてもこの通信衛星を打ち上げるためには、関係各国の意向とか、それから各国の技術的な協力、それからまた経費の問題、そういったような点で解決すべき問題が非常に多いというように考えております。まだ、具体的にその計画を持ち出すということはむずかしい、かように思っているわけであります。わが国としても、これは積極的に取り組みたいというふうには考えております。
#154
○渋谷邦彦君 いまのお話を伺って、何かやはり日本の技術がおくれているのか、それとも各国とのいろんな関係というものを考慮しなけりゃならないということで、必要性は非常に高まっていると、で、特にNHKの前田会長なんかも放送衛星ですか、この打ち上げをやるべきであるというような考え方を明らかにされているというような事実がございますね。こうして確かにこの必要性というようなものが非常な勢いで高まっていると、もし各国間のそういう協力を得なければならないということになれば、これは私は案外にスムーズにその辺の道というものが開けていくのではなかろうかと、こう思います。そこで福田さんに、時間がないようですから、御退席になる時間のようですから伺っておきたいんですが、いまこうして伺った話を通じまして、政府としての、特にもう地域的には地域衛星というものが上げられていると、日本でもその必要性が高まっているという現状を踏まえて、やはり積極的にこれに取り組むべきじゃないだろうかと、五十二年度というと、まだ五年かかりますよ。そのうちにフランスだとか、西ドイツとかいう国がもっともっと進歩した地域衛星を上げることができるだろう、こういう現状を考えた場合に、政府としてこれからどういうふうな一体姿勢で取り組んでいこうとされているのか、その辺のお考えをこの協定の審議を通じまして述べていただければと思います。
#155
○国務大臣(福田赳夫君) 宇宙開発につきましては、わが国もおくればせながらまあかなりの追いつきの体制に入りつつある、こういう状態であります。すでに衛星は打ち上げた。この衛星の規模は非常に小さいわけでありまするが、しかし、私は精度はかなりいいものであると、こういうふうに伺っておるわけであります。とにかく宇宙時代でありまするから、わが国といたしましても、わが国の持っている高度の科学技術、これを生かしまして宇宙開発には協力していかなければならないという立場にあると、こういう意識を持って科学技術庁でありますとか、あるいは文部省のほうにもひっかかりがあります。政府間においてよく調整をとりながら、さような方向でやっていきたい。これはもうそういう考え方で、昨年度の予算におきましてもずいぶん努力はしてきておりますが、この上とも私ども政府の一員として努力してみたい、かように考えております。
#156
○渋谷邦彦君 もう一点だけ。
 これはまた全然違った話ですけれども、先ほどの話の中に出てきました、ニクソン訪中に伴って中国とアメリカとの間に衛星回線の話が出ましたが、おそらくこれからどんどん進んでいくだろうと思いますね。そうすると、アメリカと中国との間にも当然国交が結ばれていきます。日本も同じであります。その面では全く条件は同じだと思うのですね。したがって、国交回復に先立ってこうした問題のやはり解決というものが先行しても、私は非常に大きな効果があるんじゃないかというふうに考えるのです。日中関係のそういう衛星回線というものを、何らかの手がかりをつかんでこれを積極的に推進する用意がないのかどうなのかということをきょう伺って、私の質問を終わりにしたいと思います。
#157
○国務大臣(福田赳夫君) その問題につきましては、まだ具体的にどうしようああしようということを考えたことはありませんけれども、御着想の筋は私も同様に思います。今後この問題がどういうふうに活用できるか、その辺はよく検討してみたい、かように考えております。
#158
○委員長(八木一郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#159
○委員長(八木一郎君) 速記を始めて。
#160
○星野力君 大臣にお聞きする分はこの次にしまして、二、三お聞きします。
 通信衛星を各国の協力で打ち上げて利用し、国際公衆通信を発展させることに異存はないわけでありますが、先ほど来いろいろお話もありましたように、インテルサットが国際公益事業を営利企業ベースでもって経営していく。資本の配当を保証する営利的な運営が行なわれる。その点につきましては、先ほどそういうもうかった部分は結局は料金引き下げになるというお話もありましたが、ほんとうにこれは料金の引き下げになっておるのか。これからなるのか。その点をお聞きしたいと思いますが、そういう営利的な運営という問題、それからそのことを反映しまして、表決方法でもコムサットが四〇%の表決権を持って参加し――まあコムサットの発言権を制約するようなことも若干中にあるようでありますけれども、それにしましても、コムサットの独占的な運用が協定発効後六年間と聞いておりますが、その後もそのおそれが多分にあるわけでありますか。まずこういう根本的な点について政府としてのお考えをお聞きしたいのです。
#161
○政府委員(柏木輝彦君) このインテルサットは、世界商業電気通信衛星組織ということで商業的ベースで運営されるというのが一つの原則になっているわけでございますが、これにつきましては、ただいまお触れになりましたように、各国が国際通信事業として商業的ベースで行なったものを世界的な共同事業として行なうということで、現在暫定協定のインテルサットの事業が行なわれているというものを引き継ぎました恒久協定でありますので、そのような基本的な性格が残っているかと思います。しかし、これは営利追求という原則ではございませんで、この財政原則あるいはその関連の基本的な条項につきましては特別協定のほうに詳しく規定してございまして、その原則を申しますと、出資に対しまする適当な補償、これは危険負担分と世界的な金利を考慮した適当な率で、これに対してもし収支に差額ができればこれを還元するということがございまして、またその出資に対します適当な減価償却相当分もこれを補償として還元するわけでございますが、それ以上の収支差額を目的とするわけでございませんで、各会計年度におきまして出ました差額は次年度以降の使用料、これはインテルサットの基本収入でございますが、これの使用料を引き下げていくという原則になっております。すでに現在、ことしの初めからこの使用料は一割五分程度引き下げておりまして、それに見合いまして国際電信電話株式会社におきましても専用料の値下げ等も行なっておりますし、また、今後これらは国際通信のサービス面におきまして料金の低廉という面に好影響を持っていくことと考えております。もちろん、宇宙部分のコストといいますのは全体の通信施設の中の二割程度のものでございますので、インテルサットの使用料が引き下がれば、当然国際通信料が二割下がるという関係にはないわけでございますが、しかし、非常に大事な要素でございますので、今後とも国際電信電話の料金引き下げの要素として私どもも十分この点は留意してまいりたいと思っております。
 それからまた、コムサットがマネージャーとしての現在地位を保っております。また、インテルサットが契約いたします場合にも、一々コムサットがこの代行をするわけでございまして、インテルサットと対外的な契約というものをコムサットの名前で行なうという現状になっておるわけでございますが、これは恒久協定におきまして法人格を持たせまして、固有の事務局を置き、その事務局長にインテルサットを法的に代表するという地位を与えまして、このような変則的な状態を是正するということをいたしておるわけでございます。
 また、理事会の運営におきましても、最も大きい票数を行使するものの制限を理事の票数の全体の四〇%に制限いたしましたほか、さらに拒否権を発動できないような仕組みを理事会の表決の方式の中にも持ち込んでおりまして、その点は相当改善をされているというふうに考えております。もちろんインテルサットの最高機関は政府間総会でございますので、この政府間総会の表決は一国一票の原則で行なうということで、このような新しい方式がこの際つけ加わったわけでございます。さらに、マネージャーとして現在持っておりますコムサットの事務的な役割りは、暫定的には六カ年間、技術的な面を除きましては、暫定事務局長が行なうこととし、六カ年を過ぎますれば、技術的の面も含めまして、暫定事務局長の責任に統一するわけでございますが、何しろ宇宙開発の技術と運用というものは、現に上がっておりますインテルサットの星の運用自体につきましても、いま直ちにこれを引き継いで行なうだけの実力があるものが参加国の中にいないというようなこともございまして、これに相当の期間をかさなければ、全くコムサットに依存しないものはできないだろうというのが各国の認識であったわけでございます。まあ妥協といたしまして、いま申し上げましたようなことで恒久協定が成立したということでございます。
#162
○星野力君 この袋に入っておりました条約局の資料を見ますと、署名国の中にフランスが入っておらないようですが、ことしになってから参加したというふうにもお聞きしておりますが、フランスの参加がおくれたのはどういう理由でしょうか。
#163
○政府委員(柏木輝彦君) フランスは、先ほど御説明申し上げましたヨーロッパグループの代表と申しますか、この機関において政府の権限を非常に強くしたいということで一貫しておりました。今回の協定の結論につきまして、政府の権限が、フランスが考えるほどに強いものにならなかったという点に不満を感じていたということであろうと考えております。ただし、この協定に署名はいたしております。
#164
○星野力君 先ほど来お話もありましたが、ユーゴーを除きまして、ソ連をはじめ社会主義国が参加しておらない理由はどこにあるのですか。ソ連はインタースプートニクを持っておりますし、ソ連、東欧、ヨーロッパ間の通信というのは、マイクロウェーブのあれもかなり行き渡っておるように聞いておりますし、そういうこともあるのかと思いますけれども、ソ連としても、東欧圏の諸国としても、参加したほうが都合がいいと思われるし、ソ連自身関心を持っておったようであるにもかかわらず、結局参加しなかった。キューバも参加しておりません。その理由、簡単でよろしゅうございます。
#165
○政府委員(影井梅夫君) ただいま先生御指摘のとおりの原因があったのではないかというふうに考えております。この衛星を使います通信、これについてやはり主導権争い――アメリカ、ソ連、いずれも主導権を握りたいということが根本にありました。そういう関係から、おそらく社会主義諸国はこのインテルサットヘの参加を控えているということであろうというふうに考えております。
#166
○星野力君 インテルサットとインタースプートニクとの間の業務提携ということは、将来考えられるのかどうか。このインテルサットは、こうやって世界をおおっておるわけでありますが、それでも北極圏はカバーできないというふうに聞いておりますし、インタースプートニクのほうは北極圏も入っておるという話でありますが、これは当然業務提携をやっていく余地はあると思いますが、その辺はどうでしょうか。
#167
○政府委員(柏木輝彦君) ただいま御指摘のように、その技術的な方式が現在では違っておるわけでございますが、これらを相互に利用するということが全然できないということではないわけでございまして、先ほどちょっと御説明申し上げましたように、米ソ間のホットラインにもこういうようなものを使うということを、すでに始めているわけでございます。しかし、そのためにインテルサット以外のものに対します地上局を設けるということは、かなりそれぞれの技術標準と違う内容の地上局を新たに設ける必要がございますし、また、それの費用というものは、やはり二十億なり三十億というような、相当の費用を必要といたしますので、現在では、ソ連及び東欧諸国と他の国々との間の通信は、地上のネットワークにおいて十分まかなわれるというのが現状でございますので、いますぐ、急いで両方に加入するというような動きはないようでございます。
#168
○星野力君 もう一点。十四条の一番終わりの(g)項ですか、「この協定は、インテルサット宇宙部分施設とは別個の宇宙部分施設の設定、取得又は使用であってもっぱら国家の安全保障を目的とするものについては適用しない。」――わかりにくいんですが、これは要するにあれですか、安全保障を目的とするところの局地衛星は幾らでも打ち上げてよろしい、こういう意味かと思いますが、国の安全保障を目的とする衛星とは、一体どういうものか。大量破壊兵器を宇宙軌道に乗せてはいけないということは、乗せることについては、宇宙条約で禁止されておるのでありますが、大量破壊兵器でない軍事衛星はよろしいということでしょうか、ここは。また、そうだとすると、どの範囲のものがその「安全保障を目的とする」ものになるのか。偵察衛星、俗にスパイ衛星と言っておるようなものは含まれると思うのでありますが、それ以外にどういう範囲がここへ含まれるのか、お教えいただきたいと思うのです。
#169
○政府委員(穂崎巧君) お答えいたします。
 最初の「もっぱら国家の安全保障を目的とする」衛星という意味でございますが、先ほど御指摘のありましたように、大量破壊兵器を宇宙に打ち上げるということは、宇宙条約で禁止されておりますから、これはこの中に入らないだろうと思います。ただ、それでは具体的にどういうものがそれになるか、個別的に指摘するのは、私、専門じゃございませんので、なかなかむずかしいかと思いますが、さっきおっしゃっていました偵察衛星、もちろんこれに入ると思います。要するに「国家の安全保障を目的とする」というのは、いわば、軍事目的のものと、これはほとんど同意語じゃないかと、かように考えます。
 それから(g)項の意味は、その前の、十四条の(c)からずっと、各国は、自分で衛星を打ち上げる場合には、どういう手続を踏まなきゃいかぬかという、インテルサットの衛星との技術的な競合等考えまして、あらかじめ相談するようにできているわけですから、ただ、この(g)項に規定しております目的は、軍事的な目的のものを打ち上げる場合には、そういう手続を踏まなくてよろしいということでございまして、全然インテルサットの協定の範囲外になっておると。すなわち、軍事的な目的のものは、インテルサット協定に全然無関係にやってよろしい、そういう意味でございます。
#170
○星野力君 いいです。
#171
○委員長(八木一郎君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト