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1971/06/16 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 外務委員会 第17号
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1971/06/16 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 外務委員会 第17号

#1
第068回国会 外務委員会 第17号
昭和四十七年六月十六日(金曜日)
   午後二時四十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     鍋島 直紹君     佐藤  隆君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         八木 一郎君
    理 事
                石原慎太郎君
                佐藤 一郎君
                山本 利壽君
                森 元治郎君
    委 員
                佐藤  隆君
                杉原 荒太君
                塚田十一郎君
                長谷川 仁君
                増原 恵吉君
                田  英夫君
                羽生 三七君
                黒柳  明君
                渋谷 邦彦君
                中村 正雄君
                星野  力君
   国務大臣
       外 務 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       防衛庁防衛局長  久保 卓也君
       防衛施設庁労務
       部長       安斉 正邦君
       科学技術庁原子
       力局長      成田 壽治君
       外務省経済局長  平原  毅君
       外務省条約局長  高島 益郎君
       外務省条約局外
       務参事官     穂崎  巧君
       外務省国際連合
       局長       影井 梅夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小倉  満君
   説明員
       外務省アメリカ
       局外務参事官   橘  正忠君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○原子力の平和的利用における協力のための日本
 国政府とオーストラリア連邦政府との間の協定
 の締結について承認を求めるの件(内閣提出、
 衆議院送付)
○原子力の平和的利用に関する協力のための日本
 国政府とフランス共和国政府との間の協定の締
 結について承認を求めるの件(内閣提出、衆議
 院送付)
○国際情勢等に関する調査
 (日米安全保障条約に関する件)
 (戦闘地域上空を通過する民間航空機の安全確
  保に関する件)
 (キッシンジャー米大統領補佐官の来日に関す
  る件)
 (在日米海軍横須賀艦船修理部労務者の海外研
  修に関する件)
 (米国農産物の輸入に関する件)
○世界連邦建設に関する決議に関する請願(第二
 六六号)(第三〇八号)(第三二八号)(第三二九
 号)(第三三〇号)(第三三八号)(第三六五号)(第
 三七八号)(第三八四号)(第四二二号)(第四三九
 号)(第四八七号)(第五〇九号)(第七五六号)(第
 八〇四号)(第一〇一八号)
○日中国交回復実現の決議に関する請願(第八九
 三号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(八木一郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とオーストラリア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 以上二件を便宜一括して議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○森元治郎君 簡単に二、三点。成田政府委員、これまで結んだ日米、加、英の協定と今度の二協定の違い、まあ時代の違いもあり、日本の科学技術の力も上がってきた、いろいろな違いがあるが、特徴的なこと、特に大きな変化だという点を明快にもう一ぺん伺っておきたいと思います。
#4
○政府委員(成田壽治君) 現在日米、日加、日英、三つの原子力協定がありますが、特にこの日米と今回の日豪、日仏との違いといたしまして、まあ日米の場合は燃料、濃縮ウランを日本がアメリカからもらう、一方的にもらう関係で、総量のワクが協定に明示されておりますが、日仏、日豪の場合は、燃料、資材、情報、技術者、そういう交流を円滑化するということで、ワクの提示はないのでありまして、特に豪州の場合は、ウラン資源を日本が買う、前文にも強調しておりますが、そういう趣旨は非常に強く出ておりますが、ワクの制限がないということであります。それから保障措置につきまして、アメリカと日本の場合は、日本がアメリカから資材、燃料等をもらった場合はアメリカの保障措置、移管協定によりましてIAEAの保障措置を受けるということ、一方的に受ける規定が入っておりますが、日仏、日豪の場合は、相互的な、両方とも資材、燃料をもらった場合には受けるという相互的な保障措置の規定が入っておるのでございます。その他、今度の場合は、改善された点といたしましては、保障措置の重複的適用の排除、たとえば豪州から燃料ウランを買って、これをアメリカへ持っていって濃縮した場合には、アメリカの保障措置、まあ結局はIAEAの保障措置でありますが、そのほうの適用になるというような、重複排除の規定が出ておりまして、これは従来言及しなかった点でございますが、そういう点の改善もなされております。それから平和目的を徹底しております。平和目的に限るという趣旨と、それから保障措置の関係等は趣旨は大体同じでございますが、いろいろそういう点の違いがあって、まあ内容的には改善されたところもかなりあると思っております。
#5
○森元治郎君 こうやってどんどん発電所ができてくれば、問題の六十年あたりになれば当然プルトニウムが四十五トンたまるわけですね。このプルトニウムというのは、われわれどんなしろうとでも、これは爆弾の原料ということで心配をしているわけです、しろうとは、くろうとはどうか知らぬが。これは一体どうたまったものを処置していくのか。一部はもちろん軽水炉あたりの核燃料としてリサイクルすることもあるでしょう。それだってそう大きなパーセンテージにはならないわけですね。たまったものをどうするか、それはどうですか。
#6
○政府委員(成田壽治君) 御指摘のように、原子力発電を推進してまいりますと、プルトニウムが生成されるわけでございます。これが長期の見通しとしましては、昭和六十年度まで大体プルトニウムの生成量が累計いたしまして四十五トンくらいになる計算になっております。このプルトニウムをどう使うかという問題でございますが、現在は研究用にプルトニウムを使っておりますが、この量はかなり少ないのでありまして、昭和六十年度までに大きく見ましても七トンぐらいしか使えない。それから、これは新型転換炉あるいは高速増殖炉、動力炉、核燃料事業団が研究開発をやっておりますところの新しい動力炉に使う量もかなり考えられるのでありますが、ただ、昭和六十年までのところは大体五トンくらいしか使えないということで、合わせますと、昭和六十年度までの消費量は十二トン、したがって、三十トンくらいがまあ残るかっこうになるわけでございます。これが将来、高速増殖炉がほんとうに本格的に発電系統に入ってくる場合の主たる燃料として保管しておくことも一つの考え方でございますが、相当まあ年限もかかるし、その他保管料、あるいはいろいろな問題もありますので、むしろこれを現在の軽水炉の燃料として使う方法が欧米等において検討されておりまして、日本の電力会社でもこの軽水炉にプルトニウムを使う研究がかなり行なわれ、アメリカ等では実用段階に近いところまでいっていると聞いておりまして、共同研究等に参加しておりまして、これが行なわれるとこの三十トンの残りというのがかなり有効に利用できる。それで、まあ長期計画におきましても、大体これが成功した場合には、将来六十年度までのウラン濃縮の所要量の一割か一五%くらい節約になるのじゃないかということを原子力委員会の長期計画でうたっております。ただ、このプルトニウムは非常に核物質として厳重な管理を要するものでありますので、この保管中といえども厳重な査察あるいは国内的な管理法による安全管理等厳重に監査して、安全性あるいは平和利用に徹するという、そういう点は十分に管理してまいることになっております。
#7
○森元治郎君 いまのお話聞いたって、軽水炉のほうに使うリサイクルという方法、アメリカでもだいぶ進んでおるというが、それでもいまのところ一五%くらいしか利用できない。また残る。これは非常に高いものですよ。値段の高いものを長く寝せておく、これはたいへんな不経済でもあるわけですね。それはそういう新しい開発が必ずできるものと限らない。成功した場合といういま条件つきのお話だからね。これはどういうふうに――将来どんどんたまってくるわけですから、発電所ができてくれば。その長い見通しがどうかというのが一つと。
 あわせて伺いますが、アメリカの場合でも、ヨーロッパでも、相当な数、長期利用計画の本か何かに書いてあったが、アメリカは二百トン六十年にプルトニウムが蓄積される、ヨーロッパでも百数十トンだろうと。向こうはどうしているのです。この二問。
#8
○政府委員(成田壽治君) まあ六十五トンの生成量で残り三十トンということでありますが、これが軽水炉にリサイクルする場合は所要のウラン濃縮の一五%くらいということで、三十トンの一五%ではないのでありまして、したがって、計算すると、まあかなりのものが使われるということになると思います。
 それから、欧米におきましても、いまのところ研究炉等に使う以外、あるいは軍事利用等もあるのかもしれませんが、平和利用の問題としては、保管して、そして軽水炉に使う研究に相当突っ込んでやっておるわけであります。それで、かなり実用化に近いところまでアメリカのヘルミ炉等の研究でいっているということでありますので、一部、関西電力でも、これは非常に微量でございますが、まぜて使う研究も検討しておりまして、近いうちに軽水炉にリサイクルすることが必ず実現されるんではないかというふうに考えております。
#9
○森元治郎君 われわれはウラン、ウランと言っているけれども、これは協定文で見るとuraniumと横文字で書いてあるんだけれども、ウラニウムと書いてあるものをウランとそう読みかえるんですか。どうなんですか。
#10
○政府委員(成田壽治君) われわれ、ウランと言いますが、ウラニウムのことでございまして、正式にはウラニウムでございます。
#11
○森元治郎君 正式にはウラニウム。ウランと呼ぶことにきめたというように、何か政府で発表したんじゃありませんか。よく文字もウランと書くのだが。
#12
○政府委員(成田壽治君) 原子力基本法、あるいはその体系の核燃料物質、核原料物質等の定義に関する政令という法令がありまして、日本ではウラン二三五、ウラン二三八ということばを法令的には使っております。したがいまして、厳密な規制法等の読み方としてはウラン二三五、二三八という表現が正しいと思いますが、英語等、国際的に、ウラニウム等の表現が使われる場合が非常に多いと思います。
#13
○森元治郎君 こまかいことだけれども、日本の政府でもって、そうやって印刷までして、何とかガイドブックまで書いてある。ほんとうはウラニウムだと。通称はウランと日本では呼ぶ、ウラニウムは長いから。はっきりそう書いといて、条約ではウラニウムなんというのはちょっとおかしいですね。小さいことだが注意してください。
#14
○政府委員(成田壽治君) 条約の英文ではuran−iumという表現を使っておりますが、日本文の協定文では「「特殊核分裂性物質」とは、次のものをいう。」「ウラン二三三、ウラン二三五」というふうに、日本文の成文としては「ウラン」という表現になっております。
#15
○委員長(八木一郎君) 他に御発言もなければ、二件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認めます。
 二件に対する審査はひとまずこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#17
○委員長(八木一郎君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
#18
○田英夫君 福田外務大臣に伺いたいんですが、ここのところ相次いで飛行機事故が起きまして、特に日航機の事故、国際的に非常に影響が大きいと思いますが、一つ気になりますのは、きのう起きましたキャセイ航空のほうの事故、これは南ベトナムの上空で起きまして、もちろんまだ原因がはっきりいたしませんので何とも言えませんけれども、これは人ごとではありません。現にアメリカの爆撃機が始終飛びかっているというべトナムの上空で、わずかに回廊のような民間航空の通過区域を空の中に認められて、アメリカの軍用機が飛びかっている中を、民間機が飛んでいるというのが実態のようであります。このことから、実は日本自体の空も、これはベトナムとは違うというふうにはいえないわけで、現に、日本の基地からたくさんのアメリカ軍の飛行機がベトナムに飛んでいるという事実は、これはもうすでにかなり公になっているところであります。したがって、きのうの事故というものを見て、私は、ベトナム戦争に対して日本の基地からアメリカ軍の飛行機が飛び立っているという問題を、ここであらためて取り上げる必要があると、こういうことからひとつ大臣の御見解を伺いたいわけでありますけれども、私がいま申し上げたような意味で、日本の空を米軍機がいわばかなり自由に飛び回っているというこういう事態を、大臣どういうふうにお考えになりますか。
#19
○国務大臣(福田赳夫君) きのうまた重ねてキャセイ航空の事故がありまして、その第一報を受けたときに、ニアミスじゃないか、接触事故じゃないかというようなこともいわれておりましたので、とにかく私どもといたしましては、その事故の原因がどうかということの情報を集めておるのですが、米軍機またはベトナム空軍、あるいはベトナムの航空機、そういうものによる接触事故ではないようだというふうにただいま報告されております。ただ、その他に第三国の飛行機が関連があるのかどうか、その辺はまだ確認は得ておりませんが、少なくとも米軍機、それからベトナムの航空機、こういうものとの関連はないというような情報を受けております。とにかくニアミスというか、そういうようなことにつきましては、昨年も、わが国といたしましてはずいぶん不幸な経験をいたしたわけでありますが、その反省に基づきまして、この種の事故が再発しないようにということにつきましては、運輸省が万全の対策をとっておるというのが現状でございます。
 ベトナム戦争に関連しての問題でございますが、ベトナム戦争がいろんな意味においてわが国の米軍基地に影響を及ぼしできておるということは、これは否定はいたしませんけれども、しかし、わが国からベトナムに向けて直接発進をするという事態はまあないわけでございますが、それにしても、ベトナム戦争がわが国の在日米空軍に及ぼすいろんな影響はあるわけでありますから、そういうことによりまして不幸な事態が起こるということのないように、政府といたしましては万全の対策をとらなければならぬと、いまお話でございまするけれども、思いを新たにしてそういうことを考えておかなければならぬと、かように思います。
#20
○田英夫君 そういうことで、大臣のただいまのお答え、まさに国民の側が非常に心配をしている。ところが、国民一般に知られていない実態を見ると、在日米軍基地の使用状況、そこから飛び立つ飛行機の状況というのを見ると、非常にそれはあぶないと言わざるを得ないのです。
 私の手元でそういう状況をある程度つかめるような資料を幾つか調べてみまして、たとえばこれは膨大な資料がありますので、全部を申し上げている時間がありません。これは、アメリカ軍の飛行機が日本の基地並びに日本の上空を飛ぶ場合に、当然、日本の空を使うわけですから、何らかの形で交通整理をしなくちゃいかぬというのはしろうとでもわかるのでありますが、これはアメリカ軍がやっている電報のやりとりですね。その写しを私、これはほんの一部です。一日分の一部です。そのくらいたくさんの飛行機が実は飛んでいるという事実なんですね。たとえばキッシンジャー補佐官が来日するということになれば、当然その特別機が入ってくる。これは民間の場合も当然そうでしょうけれども、軍用機の場合はアメリカ軍によってその通報が行なわれている。すでに常識的になっているのは、KC135がB52に給油するというような場合に、上空の何千フィートというところをあけろというようなことで、民間機を押しのけてそこで給油が行なわれているというようなことも従来言われておりました。それをさらにそんなものじゃなくて、これを全部見てみると、まあたいへんな交通量をアメリカの軍の飛行機が占めておる。それをいわばわれわれの知らないところで、いわばかってに自分たちの中のこういう通信で日本の空を飛び回っている。岩国にファントムが、大臣のことばを借りて言えば、南を経由して、南方を通ってベトナムに行っているという事実も、これを見れば、ある日のこれを見れば明らかに出てくるわけです。その中の一つ、ごく最近の例をとってみても、こういうのがありますよ。これはグアムから嘉手納を経由して府中という、これは私も実は専門家でないのでこれを防衛庁に伺いたかったわけですけれども、間もなく来られるということですから、来られたらあらためて繰り返してもいいですけれども、電報――電信ですから秘密ではないようですけれども、暗号的なもの、符号が使ってあるものですから、私もしろうとでわかりませんけれども、私の理解する限りでもグアムから嘉手納――府中というふうに電信で連絡をされて、CLOPというのは、これはまあ飛行機の名前のようですけれども、95という番号の飛行機が何月何日何時何分にグアムを飛び立って、時間も入っています、そして北緯何度、東経何度、あるいは北緯何度、東経何度と、こうポイント、ポイントが記してあって、最後に嘉手納――那覇と、こういうふうに通過している。そしてここで非常に注目しなければならないのは、そういう通過地点を通っていく飛行機は、USMILと書いてあるのですが、ミリタリーですね、アメリカ軍ですね。USMILのスペシャルミッションである。USMILと書いてある。つまり米軍の特別任務を帯びた飛行機がここを飛んで、こういう経路で飛んでいる。そしてそれに対して一つのKC135が一つのB52に対して給油をした。つまりこの電報から見ると、B52がグアムからそういう経路を通ってずっと飛んでいる。この時間だけ見てもおよそ五時間です。五時間十五分。その間に一機のKC135が給油をしているという電報があるわけですよ。これを見るとスペシャルミッションというのは一体何なんですか。外務大臣もこれはお聞きになったことがありますか。特別任務を帯びたB52が日本の上空を飛んでいるという事実ですね。これはお聞きになったことありますか。
#21
○国務大臣(福田赳夫君) そういうことは聞いておりませんです。
#22
○田英夫君 これは防衛局長が来られるそうですから、専門家の立場からあらためてお聞きしたいわけですけれども、話を進めますと、これはいろいろ想像すると切りがありません。私の調べた限りで、これが一日分のうちのまた一部というほどの膨大な通信量の中で、専門家によると、スペシャルミッションということばは出てきたことはない、過去一年さかのぼってみても。それくらい非常に特別な任務を持った飛行機が飛んでいるという、これはもうつい最近のものですよ。ベトナム戦争が激化してきた中で、一機のB52ですけれども、それがアメリカ軍の特別な任務を持っているということになると、当然想定されるのは、いやなことですけれども、かつてヨーロッパのスペイン沖に水爆パトロールのB52が誤って水爆を落としてしまったという事故がある。こういうことを想定したくもなるわけですね。ところがこういうものがアメリカ軍のかってな通信によって行なわれているということ、かってなというか、われわれのほうには知らされない。日本の政府のほうにはこれがつかめない状況の中で、アメリカ軍は自由に、かってに飛行機を飛ばしている。外務大臣もこのスペシャルミッションの飛行機が飛んでいることは御存じない。あるいは防衛局長は知っておられるかもしれませんけれども……。いま防衛局長が来られましたので、いまの点をちょっと重ねてお尋ねします。
 久保さん、いま外務大臣にお尋ねしていたというのは、私が調べたこれはアメリカ軍の電信ですね。交信ですけれども、それはアメリカの飛行機が日本関係の、つまり日本の上空を沖縄を含めて飛ぶ場合に交信をしているものの電報なんですが、その中にごく最近の、ある日の一つの電報を例にとれば、グアム島を飛び立った飛行機が、この電信はグアムから嘉手納――府中というように、記号を読み取ると、そういうように電信自体は交信されているようです。中継されているようですけれども、その飛行機が北緯何度、東経何度という、ポイント、ポイントがここに出てきまして、そういう経路を通って、沖縄を通っているわけですね。おりてはいないようですけれども通っている。それに対して、この飛行機はUSMIL、ミリタリーでしょう。スペシャルミッション、こう書いてある。USMIL、スペシャルミッションですか、それは一つのKC135が一つのB52に対して給油をする。こういう交信内容です。したがって、これは私しろうとなんで、記号を読み取ることがようやくなんですけれども、間にわからないところがたくさんあるわけなんですけれども、私の推定では、これはおそらくB52がグアムから一機飛び立ってスペシャルミッション、特別任務を持ったB52が飛び立って、それに対してKC135が給油をする、こういう通信で、一種のこれは航空管制といいますか、そういうことで飛行機が飛んでいることを知らしている電報ですね。ですからそういうことだろうと思うのですよ。これは、こういうものは防衛庁のほうでは御存じですか、こういう交信があるということは。
#23
○政府委員(久保卓也君) 私どもはそういった交信は全然入手いたしておりません。
#24
○田英夫君 そういうことになると、日本の空なんですね、いやしくも。これが最後は嘉手納を通って、嘉手納という字が最後出てきた。嘉手納というのはRODNという字で示されておりますけれども、いまや沖縄県の嘉手納、そこをこういう飛行機が飛んでいる。いま私が大臣にも申し上げかけていたのですけれども、スペシャルミッションというのは、一体軍の用語としては何をさすのか、これはほんとうに一日のうちのほんの一部ですよ。膨大な通信が行なわれているということは、膨大な飛行機が日本の上空を飛び回っているわけですけれども、これらを調べていってもスペシャルミッションという字は、過去一年間出てきたことがない。ところがここにぽんと一つ六月になってベトナム戦争が激化している中で出てきて、まあ私はいやだけれどもこれは水爆パトロールじゃないかというところまで思いを発展させざるを得ないわけですけれども、こういうものが防衛庁のほうでは全然つかまれていないようでは、政府ではどこでもつかまれてないということになる。これでは一体日米安保体制、事前協議というものが存在するといえるかどうかですね。これは全くつかめないんですか。久保さんいかがですか。
#25
○政府委員(久保卓也君) いまの電文はお読み取りになりますように平文であります。したがいまして、平文の中でのスペシャルミッションでありますからどういう範囲のものを意味するか、これは非常にいろいろな広範なものがおそらくあり得ましょう。特定のものをさすとは限らないと思うんですが、したがって、もし非常に秘密を要するならば当然暗号電報で交信するはずだろうと思うんですが、そういうようなものについて、米軍の通信関係の内容については日本側で全然キャッチする体制になっていませんので、これはいい悪いは別といたしまして、われわれの能力の範囲内には入っておりません。
#26
○田英夫君 私が申し上げたいのは、日本は独立国家であって、いかに日米安保体制、事前協議というものを持っている、日米安保体制というものがあっても、日本の空はやはり日本の政府においてしっかりとつかんでおいてもらわないと、いかに軍が自衛隊含めて――去年の727の問題もありましたし、きのうのキャセイはこれはまあ違うかもしらぬけれども、日本の空であんなことがあったらとんでもないことになる。日本の空はしっかりと日本の政府において交通管理をしておいてもらわなくちゃ困る、主権は日本にあるはずですから。こういうことを言いたいわけですよ。ところがこれを見ていくとまあそれにはずれるようなことがたくさん行なわれて、あまりたくさんあり過ぎて私はもう実例をあげ切れないくらい、いまのスペシャルミッションというのもその一つですけれども、直接ベトナム戦争に関連をして、前から国会でも問題になったたとえば五月九日ですか、ニクソンの機雷封鎖の強硬措置がとられたその日に、これは事前協議の対象ではないと言われましたけれども、例の岩国――岩国はこの電報の上ではRJOIと書いてある、その岩国からP3が飛び立っている。P3と書かずに電報の上ではL188と書いてある。これは飛行機の専門家に聞けばすぐわかるわけですが、L188というのはもともとターボプロップの飛行機であって、それを改良したのがP3であるということですから、RJOI、岩国のL188が飛び立ったということは、P3が飛び立ったというふうに解釈していいと思うんですが、あるいは那覇のP3も同様に飛び立っている。そしてRPMB、これはキューピーポイントですね、これが大臣の言われる南方、ルソン島――フィリピンですね、を経由して給油をして、それから先はこれは出てこないわけです。しかしちょうど機雷封鎖が二日間にわたって行なわれた。機雷敷設が終わった二日後にくしくも、まさにくしくも岩国と那覇にP3が再び入ってきておるということがこれを見るとわかります。いま久保さんは全然こういう交信は日本政府はつかめないんだと言われたけれども、これはこういうことが実際に行なわれておれば――大臣のお答えによると直接発進ではないと、フィリピンに寄っているじゃないかということかもしれぬけれども、国民の常識としては岩国と那覇から飛び立っていった飛行機P3が、まさしく機雷敷設が行なわれた時期にいなくなってまたちゃんと飛び帰ってきておるということになれば、常識で考えればこれは機雷敷設をやったとしか思えない。途中で給油をしようとしまいとそんなことは、これは戦闘作戦という意味では給油をすることがあたりまえじゃないか、距離的に。だからそれは事前協議の対象にならないというのはしろうとが考えてもこれはあたらない。これは福田外務大臣いかがですか、こういう事実がありますけれども。
#27
○国務大臣(福田赳夫君) アメリカの見解はB52が南方へ行く、あるいはF4戦闘機が南方へ行く、これは米軍の見解では移駐である、こういう見解なんです。そういうような見解をとっておるので、まあ移駐したあとでどういう行動をとるか、これは私ども知る由もありませんけれども、とにかく軍事作戦行動の基地となるのは岩国ではなくてその移駐先であると、こういうことになりますので、事前協議の対象とはいたさないと、こういう見解をとっておりますので、私はまあいろいろたぐりたぐっていきますれば、ベトナム戦争とわが国の軍事基地が関連がないというふうには申し上げませんけれども、安保条約にいうところの事前協議の対象という性質のことじゃないと、こういう見解なんでございます。
#28
○田英夫君 まあその御見解というのが、ここでそれを論争してもしかたがないかもしれませんけれども、まあ世間一般には私はもう明らかに通用しないと思います。そしてこれはわれわれの手で確かめなければいけない、われわれというのはつまり日本国民の手で確かめなきゃいかぬことでしょうけれども、たとえばいまの岩国からP3が飛び立ったという場合に、はたして機雷をそこで抱いて行ったのか、キューピーポイントで機雷を積むのか、こういうのも一つしろうととしては関心がありますね。これは岩国から積んでいくならば、これはもろ大臣が何と言われようとそこからすでに目的は明らかであるわけですから。しかしこれはなかなか米軍のことであり、われわれにとって残念ながらわかりにくい。わかりにくいけれども、いかに日米安保条約があるとはいいながら、日本の基地から機雷や爆弾を積んで出かけていくということがあっていいだろうかと、こういう気がいたします。そこで、この電報を見ると、この中にもたくさん出てきますけれども、デインジャラスカーゴー、つまり飛行機の名前がずっと出てきて、それにはディンジャラスカーゴーを積んでいるという意味のことばでございます。DC――ディンジャラスカーゴー、これはまあ明らかに爆弾その他危険物ですね。大体想像できるのは五百ポンドとか普通の爆弾ならばもうすでに前線の嘉手納あたりはそうでしょうけれどもね、あるいはタイの基地とかそういうところから大量に持っていっているでしょう。したがって、軍事専門家の話によると大きな橋を破壊するとか特別の軍事施設を破壊するというようなときに三千ポンドの大型の爆弾を必要とすると、それを飛行機で持ってくる。あるいはミサイルを持ってくるというようなときにどうやらデインジャラスカーゴーと書いてあるようです。これまた中身について残念ながら私どもは知る由がないわけですけれども、アメリカ軍の中の内部のことに詳しい人の話によるとそういうことを言っている。しかも非常に注意しなければいけないことは、この日本の上空を通過するデインジャラスカーゴーを積んだ飛行機は必ずと言っていいほど横田に着いていますね。横田はRJTYと書いてあります。RJTYに立ち寄って給油していずこへとなく飛び立っていく。こうなると一体このデインジャラスカーゴーというのは何なのか、日本の国民としてはきわめて関心を持たざるを得ないところです。大臣はこれまた事前協議の対象という問題について国会でしばしば補給は対象にならない――これはまさに補給かもしれない。だからやっぱりいまのお話と同じように対象にならぬという、補給だから対象にならぬのだと、いかにデインジャラスカーゴーであってもこれは補給だと、こういうふうに言われるかもしれぬけれども、しかしわれわれ国民の側からすれば、特に横田周辺――東京都民という立場からすれば、これは場合によっては三千ポンドの爆弾が頭の上から誤って落っこってくるということもあり得るかもしれぬ。あるいはそれがBC兵器であるかもしれない、毒ガスであるかもしれない、こういうことだってないとは言えない。あるいはさらにもっと推測すれば核を運んでいく途中であるということもあり得るかもしれない。これはさきに衆議院で楢崎委員が岩国の問題を取り上げた例でもはっきりしている。こういうものが、しかも政府が全然つかんでいない。交信の中で、アメリカ側はゆうゆうとしてこういうものを運び、運び去っている。これは事前協議の対象にならないというふうに言われるけれども、大臣どうでしょう。こういうものが実際に飛んでいますよ。
#29
○国務大臣(福田赳夫君) これは、田さんのいまお話を伺っていますと、いろんな電報をお持ちでありまして、その電報を基礎にして、たいへん危険なものを米軍が運んでおる、しかもその危険なものの中には核があるかもしらぬということまでおっしゃいますが、核を日本に持ち込む、こういうことは絶対にあり得べからざることであります。もしあるとすれば、これはたいへんな日米上の国交問題にも発展する性格のものです。なおまた、生物兵器、化学兵器、そういうものにつきましてもこれはそういうことは私どもはあり得べからざることである、こういうふうに思うわけです。
 まあ田さんの一方的な話を聞いておりますと、どうもあぶないことがありそうだというような感じを持つ人もあると思いますので申し上げますが、私どもはさようなことは絶対にあり得べからざることである、かように考えます。もしそういうような外形上の疑いというようなものがありますれば、私どもはよく調査をいたしますが、私どもはそういうことはないということを信じて疑わないと、これははっきり申し上げる次第であります。
#30
○田英夫君 まあ信じて疑わないというおことばを信じたいのですけれども、われわれはこういうものまでも出てくると、まあ核が――一つの想定でありますので、核でもこれはこういう形でアメリカが運んでもわれわれはわからない。わからないわけですよ、われわれには一切。われわれというよりも、政府にもわからないんじゃないでしょうか。久保防衛局長がさっき言われたように、これは政府じゃつかんでないんですから、アメリカはまた政府がつかんでないことを知っていますから、まあそこは日米友好関係ということで信じるんだと、こういうふうにおっしゃるかもしらぬけれども、過去にアメリカが必ずしもすべて日米友好であったとは言えないと思うのです。これはまあ昨年の経済問題など見ればすぐわかる。残念ながらそう思わざるを得ない。特に軍事的な問題についてアメリカが日本のことを自分たちよりも優先して考えるとはどうしても思えない。となると、いまの大臣のおことばですけれども、核はともかくとしても、三千ポンドの爆弾が運ばれているということでも住民、国民感情としては私は大いに不安があると思いますけれども、それをなおかついやだいじょうぶなんだ、あるいは安保条約があるんだからしかたがないということで済まされるかどうか。ここのところはちょっと重ねてお聞きしたいのですね。
#31
○国務大臣(福田赳夫君) 爆弾が運搬される、これは私どもは安保条約上容認せざるを得ない立場にあるわけです。ただ、田さんが核のことについて思いを及ぼしたり、そういうような、まあ先の先までを御心配されるものですから、そういうことはあり得ないと、こういうことなんです。
 それから爆弾等につきましても、運搬ということはこれはあると思います。あると思いますけれども、わが国が軍事作戦行動の基地として機能するような、そういう運び方はこれは絶対にいたさせませんし、アメリカとしてもさようなことをいたすとは私どもは信じておりません。なお疑いがあれば私どもは調査をいたしまするけれども、いままでそういうような具体的な疑いを持つというようなことはございませんでした。
#32
○田英夫君 材料をこの電報の中からとるだけでもたくさんあるのですけれども、これはひとつぜひお願いしたいのは、こういう日本の上空を危険物を積んだ飛行機が飛ぶ、あるいは戦争に行く途中の飛行機が給油を受けて飛んで行く、こういうことがしばしばいま行なわれているということは、これは私は何と言われようと国民の名において黙っているわけにいかないのでして、何とかこれはわからないんですか。これは防衛局長に伺いたいけれども、私は軍事問題しろうとですからわかりませんけれども、こういうものを全くつかめないでいるということは、これはほんとうにキャセイ航空は持ち出さぬにしても、去年の自衛隊とボーイング727という問題、これはアメリカ軍のほうとだって大いにある。航空管制という問題と米軍の問題ですね、これは何とか日本政府のほうでしっかりつかむことはできないんですか。
#33
○政府委員(久保卓也君) 飛行機の運航そのものにつきましては、いまお話の管制の面もございます。従来もしばしば指摘されていることでございまして、この点は運輸省が中心になりまして日米合同委員会で協議が進められていると承知いたしております。
 それから爆弾関係の、先ほどお話のデインジャラスカーゴーなどにつきましては、これは一応爆弾などについては、つまり日本政府が持ち込みを禁止しているもの以外については米側の日米安保条約あるいは地位協定に基づく運航としてやむを得ないと認められているということを言わざるを得ないわけでして、やはり日米の相互の信頼、信義ということが基礎になってできておるわけでありますから、こういった運航の中身についてわれわれが聞く立場にはやはりないのではなかろうかというのが私どもの感想であります。
#34
○田英夫君 この電報の中には、それはもう一般にも知られていることですけれども、KC135の給油というのは実にひんぱんに行なわれているんですね。いま南ベトナムあるいは北爆にまでB52が出かけているという中で、グアム島を飛び立ったB52に対して嘉手納のKC135が飛び上がって給油している。これは政府のほうの従来の見解によると事前協議の対象じゃないんだ、空中給油というのは事前協議の対象じゃないんだと、こういうふうに言ってこられたわけですね。この論拠というのは一体専門の立場から防衛局長どういうことですか。
#35
○政府委員(久保卓也君) 法律の解釈もそうでありますけれども、文言、用語というのはやはりその法律なり条約なりあるいはそのことばの使われている場所のいわめるシチュエーションといいますか、立場に立って解釈されるのでありまして、われわれの場合に、たとえば戦闘行動というものあるいは作戦行動というものは何であるかという解釈と、それから日米安保条約、これは日米双方で協議をして解釈が進められるものと思いますけれども、そういったものとの間には、やはり区別があるのではなかろうかということで、これはやはり安保条約の解釈の問題として処理しなければならないのではないかと思います。
#36
○田英夫君 これは安保条約の解釈ということならば条約局長に伺うべきところですが、防衛局長に伺ったのは、軍事的に言っていまの爆撃機、これはファントムの戦闘爆撃機も含めてそのつくり方からすれば常識として軍事的だ、私のようなしろうとでもわかる。常識として、爆弾を満載したら燃料は半分あるいはそれ以下しか積めない。こういうふうにつくって、それで航続距離どのくらいといって表現するときには爆弾を積んでいない状況で計算をしている。これが私は常識だと思いますよ。そうすると、B52がグアムから飛び立ってベトナム爆撃に行くというときに、燃料を満載する、燃料を満載すれば爆弾を減らさなければいかぬ、爆弾を満載すれば燃料を減らさなければいかぬというときには、当然爆弾のほうを満載していって途中で給油するというのはこれはオペレーションの常識ですよ。それをアメリカ軍やっているんです、これは。現に嘉手納にいるKC135は嘉手納の部隊に所属するんじゃなくて、グアムのB52の部隊に所属をしているということは、これは初めからB52と嘉手納のKC135というのは一対のもの、一組のもので、初めから空中給油をやるということを想定し、予定して途中のところに置いてあるということですね。これはもう安保条約の解釈とかなんとかということじゃなくて軍事行動の常識として、グアムから飛び立ったB52というのは、ベトナム爆撃にまさに戦闘作戦行動に向かいつつある、従事している飛行機である。これに対してまさに一対のものとして、当然必要なものとしてあらかじめ配置されたKC135が飛び上がって給油をするというのは、この給油という行動自体が戦闘作戦行動であると考えるのがあたりまえで、そうじゃないということを言うのはこれはちょっと無理じゃないですか。詭弁を何かうまいこと使わない限り、これはそうじゃないとは言えないはずですよ。それを政府の御答弁では、空中給油は事前協議の対象にならぬ、そして防衛局長は、軍事的な面からじゃなくて日米安保条約の面から解釈して事前協議の対象じゃないと言われる。そうなると、これは日米安保条約というものがありて日米間はとにかくアメリカの言いなりにならにゃいかぬのだから、しょうがないからこれは事前協議の対象じゃないというふうに言っているんだというふうに国民はとりますよ。そういうことが私は政治不信を招くと言うんです。そういう意味で、このことは私は単なる技術的な問題じゃなくて非常に基本的な大きな問題。いま世の中の人に聞いてみて、こんな一対になっている、B52にKC135で給油するのは事前協議の対象にならない、作戦行動じゃないなんということを信ずる人は国民の中にはいないんじゃないでしょうか、常識があれば。これはいま大臣おられないうちに防衛局長に伺ったんですけれども、この前も実は私は大臣に伺ったわけです。空中給油は事前協議の対象にならぬと言われた。これは軍事的に見たら明らかにB52というのは初めから給油を受けるために燃料をある程度減らして爆弾を満載して飛んでいるんですよ。爆弾満載したら燃料は半分しか積めない。これはもう飛行機の専門家、軍事的な専門家ならだれでも知っている。だから専門家ならこれ笑っちゃいますよ、そういう論は。一般国民でもそれは信じないでしょう。これはあえて押し通されるつもりなのか。いま防衛局長は、まさに日米安保条約の解釈上の問題だと言われた。それは大臣いかがですか。
#37
○国務大臣(福田赳夫君) そこが安保条約という問題についての見解の問題があると思うんです。やはり米軍といえどもただでわが国を守っているわけじゃない。やっぱりわが国が基地を提供するというところに一つの代償を求めておる、こういうふうに思います。そこからわが国のアメリカに対する義務というものも出てくるわけです。安保条約が全く片務的なものである、全然片務的なものであるということになったら、これは私は安保条約自体の存立にもかなり問題が出てくるだろうと思う。そこは田さんなんかと私どもは見解の違うところなんで、私どもは安保条約はこれを堅持していきたいという考え方を持っておるんで、そういうところから見解の相違というものがおのずから出てくるんじゃあるまいかと思いますが、KC135の場合、これは地上で給油をする、これは地上給油そのこと自体をもって事前協議の対象となると、こういうふうに言っているんじゃないんです。その給油自体が沖縄からのべトナムへ向かっての発進と一体となる、そこに安保条約の事前協議の対象となるという問題が出てくるんだと、こういうふうに申し上げておるわけなんです。空中で補給をする、これはただ単たる補給行為じゃないか。これはあるいは台湾の基地から飛び立ったKC135で給油をする、これとどこがどう違うんだと、あるいは台湾にわが国が油を輸送すると、そこでB52が補給を受けると、そういう行為と実態上どこが違うんだということを考えますると、これは地上で補給を受けて、そうしてその地上よりベトナムに向けて戦闘目的のために発進するという場合と非常に違うんじゃないか、そういうふうに思うんです。まあしかし似た面もそれはあるかもしらぬと、補給という点において。しかし、その辺は安保条約の適用、これはまぎらわしい形にしておいちゃいかぬ、これは割り切った考えにしておかぬといろいろ疑義を残しますから、そういうふうに割り切った考え方をとると、こういうふうに申し上げているんです。
#38
○田英夫君 いまの解釈は非常に初めからなるべく――なるべくというか絶対に事前協議というものをしないと、こういう前提に立っているというふうにしか思えないんですね、われわれから見ると。これは私のようなほんとうのしろうとでもいまの爆撃機というものの機能、私の知識の限りでも、いま台湾に油運んでおいてそこにおりたらどうだとか、それと同じじゃないかと言われたけれども、おりちゃまずいですよ。おりられないですよ。おりたら意味がないんですよ。グアムから飛び上がって空中を飛び続けていく、そこで給油をするところにいまの爆撃機の意味があるんですよ。爆弾を満載して途中で上がったりおりたりして、また燃料を食って危険を増大して、上がりおりは言うまでもなく危険がある、しかも爆弾を満載しておるから非常に危険がある、そういう中でさらにまた飛び上がるときには油がたくさん要る。こういうふうなことやるのはオペレーションとして愚の愚で、初めから爆撃機というのは一回飛び上がっておいて、重いものを持って飛び上がっておいて、燃料のほうはもう半分しか積めないから半分だけ積んで飛び上がっておいて、そこで空中給油をやるというのが現代における爆撃機の、ファントムも含めてのオペレーション、常識ですよ。そういうことをこっちが知っていると、いま政府が言っておられるような答弁というのは全くこれはナンセンスなんですよ。もう軍事的な基礎的な常識でわかることです、これは。これはもうB52、ファントムというような爆撃機に対してのみ空中給油をやっているということもその意味からですよ。輸送機なんというのは空中給油やらんのですから、爆撃機だけ空中給油をやるというのは、爆弾を満載しておいて燃料はわずか――満載できないから空中給油をやるんで、これがまあ常識です。まあしかし、私はここで、国会という場は、ここで福田さんをやりこめて、論破して勝った、勝ったということが目的ではないと思います。いかに政府のおっしゃっていることがおかしいかということを国民の皆さんに知っていただければ私はそれでいいんですから、そういう意味で問題を提起しておきますけれども、そういうことからすると、もう一つ別の問題ですけれども、やはり事前協議の問題について配置の変更、まあ安保条約六条についての交換公文という中で、「日本国への配置における重要な変更」というものが一つ対象になっている、それが陸軍なら師団あるいは空はそれに相当するもの、海軍であれば一機動部隊、こういうふうに日米間できめられているということですけれども、これも私は非常におかしいと思います。抜け道があると思う。現にその抜け道をアメリカがやっている。これは一つの例は分遣隊ということだと思うんですね。たとえば今度非常に問題になりました、沖縄返還に伴って、いま返還の目玉商品といわれた那覇空港の返還がおくれている。なぜかと言えば、那覇空港にいるP3が普天間に移るべきところが普天間の工事が予算がおくれたというようなことがあっておくれているので、沖縄返還の五月十五日に間に合わなかった。こういうことで目玉商品はなくなったわけですけれども、このP3の那覇から普天間への移動というのは私は見のがせない問題があると思うんですよ。というのはこのP3の部隊の分遣隊というのが台湾の台南にいると、そしてこれが台湾海峡の哨戒にもっぱら当たっている、つまり那覇空港からどうして目と鼻の先の普天間に移る必要があるのか、これはしろうとでもわかる疑問である、それで調べてみたわけですよ。そうするとあのいわゆる玉つき移駐で普天間のほうから本土のほうへ、岩国や何かに来て、その最後は三沢へまで移動していくという玉つき移駐をやる、そうしてどうして那覇空港にいたP3の部隊が普天間に移る必要があるか。しかも自衛隊は那覇にP2Jですか、これを六機も配置することになっている。来年一月からは沖縄における防空の責任を全面的に自衛隊が負う、こういうふうになっている。これは久保さんがおつくりになった計画ですね。そういうことからしますと、本来なら那覇空港、自衛隊のP2Jでいいんじゃないか。なおかつ、なんでそこへ残るのだと調べてみたら、台南の分遣隊がある。いま日中国交回復を大いに福田さんも推進しようと言っておられる。アメリカもニクソン訪中ということをやっている。そういう中で、まあ敵視ということばが当たるかどうかわからないけれども、台湾海峡の問題の多い地域を哨戒している飛行機の本隊が沖縄県にある。その分遣隊が台湾にあるから、依然として日本にとどまっているということは非常に問題点です。こういう事実は防衛局長どうですか、御存じですか。
#39
○政府委員(久保卓也君) 大体おっしゃるようなふうになっていると思います。ただ問題は、いま配置変更の場合に陸の師団でありますとか海の場合のタスクフォースというような一つの基準がありますけれども、たとえば海兵隊でありますとか、P3のような哨戒部隊とか、そういったその他の部隊については必ずしも明示されておらないというところで若干の御疑問があったのじゃなかろうか、そういうふうに思います。
#40
○田英夫君 私が申し上げているのは、こういうやり方がもっともっと拡大して――分遣隊方式というやり方ですよ、アメリカの。これをアメリカは初めから予定していたから、さっき申し上げたような事前協議――師団とか機動部隊ということをやってきた。ところが海軍の機動部隊というのは、私も海軍にいたことがありますけれども、たとえば第二次世界大戦のウルシー海戦のときには、一機動部隊に二十隻の航空母艦をアメリカは配置したという事実があります。機動部隊なんというのは実は常識としては空母が四、五隻あるわけであります。そういうことはあるけれども、アメリカの軍のやり方は、必要に応じて一つの機動部隊の単位の中で幾らでも増強する。あるいは分遣隊をつくっていったり、あるいは一カ所にぱあっと全部集める。そういうやり方をとれるように実はしているわけですね。だから、こうやって一個師団とか一機動部隊という形で事前協議の対象になるかならないかをきめるのは全くしりが抜けているということですね、初めから。ここのところが非常に問題じゃないですか。だから分遣隊を第三国、韓国とか台湾において、一時そちらへ持っていって、三沢や横田のファントムが行っているのは、その一つのあらわれだと思います。そういうやり方をとる一方で、ある場合には集中的に横田あたりにファントムを持ってくることもあり得る。しかもそれは第五空軍の配置下である。府中の第五空軍の配下であるということにすれば、まあ空の場合は数え方がウイングとか、あるいはスコードロンという形で単位をきめているようですけれども、それはたとえば三つのウィングが一個師団であるというのは、五つ六つのウイングを持ってきて、まあそれについて、いやこれで一つの師団だといわれてしまえば、ウイングを単位にして、まあ昔の陸軍のことばでいえば旅団を単位にして三個旅団が一個師団ですけれども、それが五個旅団でも十個旅団でも一個師団だと言われれば事前協議の対象にならない。実際は三個師団くらい集まってきても事前協議の対象にはならない。それがアメリカ軍の通常のやり方です、海軍にしても陸軍にしても空軍にしても。そういうことをアメリカは自分のことだから知っているから、こういう約束を日本と取りつけておけば、もう第五空軍さえ置いておけば空軍は幾らでも増強できる。第七艦隊を置いておけば海軍は幾らでも増強できる、こういうことなんですね。初めから事前協議というものはおしりが抜けていたのです。政府はそれを御存じでやっておられるのか。もし御存じだったらこれはたいへんな背信行為だと思いますけれども、福田外務大臣もこれは御存じですか。
#41
○国務大臣(福田赳夫君) いま部隊の配置の問題は、私はもうそう問題のない事項である、こういうふうに考えているのです。アメリカから新しく一個師団がやってくる。その規模についてはいろいろありましょうが、しかし一個師団程度の陸兵がやってくる、こういうことは想像できませんね。だんだん引いていくという事態はこれはあるかもしれない。それからアメリカから新たに一個師団がやってくるにしても、あるいは国内で移動をするとしても、どうしても施設が要る。この受け入れる施設というものにつきましては、わが国がこれを担当する、こういうことになっている。事前協議の制度がなくてもこれはどうしたってわが国に相談しなければ実行できない。そういうものですから、私は部隊の配置ということについて御議論がいろいろあるようでありますが、これはもう御議論をする必要はない。議論をしなくても日本政府に相談しなければできないことである。そういうふうに考えて私は安保条約、事前協議問題につきまして、総ざらいをするということを言っておりますが、この辺には重点を置いておりませんです。何か御心配がありましょうか。
#42
○田英夫君 大いにありますね。これは現実の問題として、ベトナム戦争はいまにも終わりそうなことをついこの間まで政府は言っておられた。佐藤総理も言っておられたのですが、現実にはこれは――まあ終わるのかもれないけれども、負けるやつが最後にほえるみたいに北爆強化をやっている。現実に日本の基地からそっくりファントムなどが移動している。それでも足りなくなればさらに増強することだってあります。その場合に、実際に岩国なら岩国のファントムが増強されても、それは一個師団分くらい増強することだってあり得るかもしれない。あるいはこういうことがあってはならぬけれども、朝鮮半島に再び緊張が増大したときに、アメリカ軍は、かつてプエブロのときに第七艦隊が大挙出動したような形で艦隊が出動し、あるいはさらに本国から増強するかもしれない。今度の北爆の強化と機雷封鎖のときに現にアメリカ本土から海軍を増強してきております。しかしながら、それがあくまでも日本にやってきても第七艦隊だということを言われてしまえばそれでおしまいなんです。こういうところに問題がありますので、私は、いま当面だいじょうぶだからだいじょうぶだ、これでは、安保条約というのは一、二年のものじゃないのですからね、政府のおっしゃっているところによると。かなり恒久的なものにして結んでおられるところを見ると、国民の立場からいえば、いま緊張緩和だからということでは通らないと思うのです。この点は大臣のおことばですけれども問題が多い。
 時間がなくなりましたから最後に具体的なことだけ。これは防衛庁のほうの問題かもしれませんが、これは沖縄返還に伴っての具体的な問題ですけれども、従来韓国軍のパイロットの身体検査ですね。これはまあパイロットの身体検査というのは、御存じのとおり非常に圧力室に入れて減圧したり、いろいろこまかい検査をやるわけですけれども、それが韓国にそういう施設がないのでしょう。いままで沖縄の嘉手納でやっておりました、米軍基地で。しかもアメリカ軍の輸送機に乗って韓国軍人、パイロットが飛んで来てそれをやっていたはっきりした事実がある。今後はこれはどういうふうになりますか。防衛局長に伺います。
#43
○政府委員(久保卓也君) ちょっと条約上の問題だと思うのですが、基地の、従来の外務省あるいは地位協定に関する施設庁のほうの答弁によれば、外国の軍隊のために提供施設を使用させることは不適当である、こういうふうに私ども聞いておりますので、おそらくそれは適当ではないのではないでしょうか。条約局長にあらためて御答弁いただきます。
#44
○政府委員(高島益郎君) 事実問題は存じませんけれども、安保条約及び地位協定の解釈といたしましては、わが国が提供しました施設区域をそういう目的のために使うということはできないと思います。
#45
○田英夫君 この点はひとつ具体的にお調べをいただきたいと思うのです。これは一年に一回定期検査という形で韓国のパイロットがやっております。しかも今度返還と同時に沖縄には国連軍の旗がひるがえったというのですけれども、韓国軍は言うまでもなく国連軍ではないということですから、国連軍の名のもとにこれをやることはできないわけですから、これはひとつ早急にお調べいただいてお返事をいただきたい。
 それからもう一つ。これもこまかいことですけれども、嘉手納の基地――これはまあ法務省の入管のことですけれども、嘉手納基地に入管事務所はありますか、返還後。その前は、これはアメリカのあれですからもちろんなかったでしょうけれども。
#46
○説明員(橘正忠君) 嘉手納の飛行場に、復帰に伴う暫定的な措置として入管事務所を基地の中に共同使用のかっこうで置いております。
#47
○田英夫君 共同使用ということは、アメリカの軍の側と。しかし、これは横田の場合は基地のすぐ入り口のところにありますね。これは建物の共同使用ですか。どういう形になっているのですか。基地の中にあるのですか。
#48
○説明員(橘正忠君) 通常の状態でございましたらば、基地の外に建物をつくるということもできるかと思うのでございますけれども、復帰の時間の関係もございまして、米軍が使っておる基地の中の建物を、一部共同使用というかっこうでとりあえず入管の事務のために使っておるという状態でございます。
#49
○田英夫君 これは、私はこんなこまかいことを申し上げたのは、先ほどからの空の使用の問題も含めまして、日本の主権ということを非常にしっかりと守っていただきたいということを言いたいわけですよ。特に、沖縄が返ってきたという中で、いま共同使用――ことばじりをとらえるわけじゃありませんけれども、橘さんが時間がなかったからということを言われたけれども、沖縄返還はもうほぼ調印が一年前ですからね、これは、もう時間がなかったなんということはあり得ない。しかも入管の事務所をつくるぐらいは、プレハブでつくればわけないわけですから。それさえもできてない。何かそういうところに、主権をきちっと守っていくんだというき然たる態度が私はないんじゃないかと申し上げたくなる。さっきの、この空の問題は特に非常に問題があると思うのですね。しかも、現実に目の前で航空事故が起きているという、昨年はまさに衝突というような惨事まで起きている。そういう中で、日本の空をアメリカの飛行機がかってに、全くかってに、日本の政府も知らないような状況で、自分たちの中でだけ交信をして、おい飛ぶぞというような調子で、しかも爆弾を積んだB52に給油が行なわれたり、ディンジャラスカーゴーを積んだ飛行機が横田に堂々とおりてきている。こういう状況というのは、いかに日米安保条約からいえども、私はこのまま放置しておいては国民感情として――主権という問題ですね、その点からきょうはいたしましたので、ひとつぜひこの空の問題はお調べいただきたい。残念ながら福田外務大臣が御出席いただく外務委員会はきょうが最後なんです。次はもっと違った、大きな肩書きで御出席いただけるかもしれませんけれども、ひとつ、その機会がありましたら、あらためてその後のことをお聞きいたしますので、ぜひこれは、防衛問題を含めてこの問題は調査をしていただきたいということをお願いして終わります。
#50
○森元治郎君 ちょっと一問。この前からもちょっと気になっていたんだが、いま田さんの質問ですね、事前協議の配備の問題。この前私が伺ったときにもたいしたことないと。たいしたことなければ、いままでのあの説明、政府の説明はいまの時代に適応しないんだよ。もうああいう説明で配備の問題では答弁しないでください。訂正するんだ、あるいはドロップするんだ、新たに検討し直すんだ。いままではあれでもって国会をずうっとやってきたのですよね、ずうっと。この前私も冗談に、あれでうまくしのいできたものだ、――いつの間にかアメリカと相談してああいうふうなことになったけれども、これはアメリカと少しも了解がないのですよね。あれだれもふしぎでなくて通しちゃったのだな。われわれも少し甘かったかと思いますが。いまや時代おくれで、あれをドロップするのか改定するのか。もう師団なんか来ないよというだけでは済まないのですよ。いま言ったように、分遣隊方式もあるし、名前は小さくても内容が大きいのだから。飛行機の数とか一機動部隊とかあるいは陸軍一個師団というような話は通用しないのですから。訂正しますか、いままでの説明は。何でも国会の答弁というのは、いつの間にかそれが固まって、あたかも決定したような形になってきているのだね、非常におかしなことだが。大臣、これは訂正するのですか。それだけ。
#51
○国務大臣(福田赳夫君) 事前協議の配備対象ですね、配備を対象とする問題、これにつきましては、私はいまこれに修正を加えるという考えは持っておりません。一応はまあ検討はしてみますけれども、私の主たるこの検討対象は、この軍事作戦行動のための出撃の問題、この問題にとにかく重点を置いて検討してみる、こういうことでございます。
#52
○森元治郎君 事前協議は配備、装備、作戦行動、この三つがポイントになるのですよ。配備はどうでもいいのだと、こういうふうに聞こえるのですが、歴然と第六条の実施に関する交換公文で明記されている。甲乙はないのですよ。そういう答弁ではこれからえらくなってもたいへんですよね、これは。きょうはいいです。
#53
○渋谷邦彦君 今度のキャセイ航空の墜落事故で私も初めて発見したことは、香港からベトナムの上空を飛んでシンガポールからバンコクを通って入る。これは常識的に考えても、地図の上からはなるほどこれは経費節約の上で、もうできるだけその直線コースを通ると。これは当然そうだと。しかし事が人命に関する限りにおいては、しかもそれが外国で起こると。結局外国で起これば窓口はどうしても外務省になるわけですから。
 それで、今度の遺体収容にいたしましても、しかも一番激戦地に近いところに落っこつちゃったということで、非常に困難をきわめているということが伝えられております。こうなったんではもうあとの祭りでございまして、はたして全遺体が収容されるということが可能なのかどうなのか。あるいはどのくらい時間がかかるものなのかどうなのか。残された家族の方のお気持ちを察するとまことにもういたたまれない気持ちであることは、これは福田さん御自身もそれはお感じになられると思うのです。そこで日航をはじめとしてこの種の航路変更、むしろこれは運輸省だろうとは思います、質問する問題の内容がですね。けれども海外において起こるということを考えると、外務省もそれを無視するわけにいきませんので、当然航路変更をする、そしてとにかく安全なコースを選べということを政府から航空会社に対してそういう話し合いはできないものかどうか。今度は料金の問題が出てくると思うのです。これはやむを得ないと思うのです、それがもし料金問題がからんでくるという場合には。これはベトナムに限って割り増しを若干でも出して安全なコースを遠回りをしてもいいから通るとか、やはり政府がもっと責任を持ってそういう航路の問題については、いま申し上げたように、指導監督すべきではなかったのかと。また外国系の航空会社に対しても、そのくらいのアドバイスをしてしかるべきではなかったのかという感じがしてならないのですけれども、この点は政府としてはできなかったのでしょうか、またできる余地が残されているのでしょうか、いかがなものでしょう。
#54
○国務大臣(福田赳夫君) キャセイ航空の場合につきましては、これがわが国の飛行機会社の問題じゃないものですから、直接の調査権、そういう調査というようなことをいたしませんが、とにかくああいう事件が起こったこと、これは重大なことであります。これは香港政府、そういうところで調査をする、そういうような結果を待ちまして、もし危険があるというようなことであれば、わが国としても、わが国の航空機にそこを飛ばせるかどうかということについてこれは考えなきゃならぬ問題でありましょうし、また、その他いろいろな点について反省を要する点が出てくるかもしれませんけれども、とにかく原因調査ということを見まして、これは人命尊重という見地に立って、改めるべきは改めるという姿勢でなければ相ならぬ、かように考えます。
#55
○渋谷邦彦君 従来は、米軍機とニアミス等を起こさない、絶対それが避けられるという前提のもとに、民間航空機については高度一万メートル以上、米軍機についてはそれ以下を飛ぶという約束で、いままで一週間に約五十機以上ベトナムの上空を飛んでいた。それは、事故がなければそれで済むかもしれませんけれども、実際いま戦闘が行なわれているその地域において、万が一ということは常に考えなければならないやはり問題ではなかったのか。いつの場合でもそうなんですけれども、事故が起こってから、ああしまったなと。そしてそれに対するいろんな補償のごたごたが起こる。いずれにしても、やり切れない気持ちですね、これは。
 ですから、こうした問題を、国際航空協定あたりに補則として入れられないものなのかどうなのか。そういうような交戦状態に置かれている国の空を飛ぶ場合には、いままではそこが定期航路であった、けれども、その定期航路を飛ぶにはあまりにも危険が多過ぎると。そういった場合には、便宜的に、その航路を変更して別な航路を飛ぶとか、そういうことを国際間においてきめていくとか、そういう問題については、今回、日本としても人ごとではないわけですから、何らかのイニシアチブをとって、そういう取りきめなり、もし取りきめがなければ取りきめをする必要があるんではないかという感じすらもするんですけれども、今回の事故を非常にきびしい教訓として何とか生かしていただきたいもんだと、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
#56
○国務大臣(福田赳夫君) いずれ本件につきましては、調査結果が判明すると思います。その調査を見た上、わが運輸省当局においても善処するようによく申し入れます。
#57
○渋谷邦彦君 それと関連する問題は、その前日に起きたジャイトプール村における墜落事故、これで墜落したその瞬間に、何かインド人が巻き添えを食って二、三人死亡したということが伝えられております。これは当然航空会社で補償しなければならない問題でしょうけれども、これも、はたしてどういうような補償のしかたがされるのか。これについても十分満足のいけるような対策が講じられるように、政府自身が鞭撻をすべきではないだろうかというふうに思います。これは答弁要りません。そのようにひとつ善処方をすべきであろうと、このように思います。
 いずれにしても、真相が明らかにならないうちは、この問題をエスカレートして聞くわけにもいかないでしょうから、特にいま申し上げたベトナムみたいな戦闘状態にある国においては、念のために、くれぐれもその点を今後の課題として考えておいていただきたい。
 それから次に、先般十日でございましたか、日米民間会議が、たしか伊東のほうで開かれたと思います。いろんな問題点が出されたやに伝えられておりますけれども、その中で、特に米側から提起された問題の一つに、朝鮮半島の防衛については日本も分担すべきだという非常に強硬な意見が出された。その当時の会議の雰囲気だとか、はたしてどういう話の順序、その前後の関係でもって出たのか、私にはつまびらかにわかりませんけれども、アメリカとしては、日本に対するそういう朝鮮半島等を含めたアジア地域における防衛の分担ということがかねがね問題になっているように、何とかその負担をさしたいものだというこういう考え方が、民間の階層の中にもあるのじゃないか。何も国防省側だけにあるのじゃなくして、そういう考え方が民間のやはり指導階層の中にもあるのじゃないか。こうしたアメリカと今後友好関係のきずなというものをさらに継続していくためには、いろんなまた注文も、日本としては、まあ向こうさまのごきげんをそこねないくらいに、あるいは聞かなければならない問題も出るのではないだろうかという、よけいな心配をするわけですね。だから、こうした場合に、いままでの基本的な、政府が一貫してとってきた考え方に間違いがないのか。それとも、一九六九年十一月に述べられた、朝鮮事項ですか、ああいったものにやはり何らかの関連があるのか。関連があって今度それが表面化したのか。その辺、私どもとしては、どう受けとめて判断したらよろしいのかですね。
#58
○国務大臣(福田赳夫君) 下田会議においてアメリカ側からどういう発言があったか、私はそれはよく存じておりません。また、特に朝鮮半島の安全保障について日本に責任を負えと、こういうような議論があったことは全然承知しておりません。わが国は、海外に派兵するということにつきましては、全然さようなことは考えないということを国是といたしておると、アメリカ側でいかなる議論がありましょうとも、わが国が軍事上朝鮮半島に責任を持つということはあり得べからざることである、かように御承知置き願います。
#59
○渋谷邦彦君 そのほかに、日中関係の正常化を期待する――というのはまあ当然のことでしょうけれども、述べられたやに聞いておりますけれども、今回のこの下田会談には自由民主党から中曾根さんあたりも出られて、たいへん活発に、この点なり、今後の日米関係の方向づけといいますか、そういうものが検討されたと聞いておりますし、決してこれは軽視できない一つの会合であっただろうと、こう思います。
 福田さん全然御存じなければ、あとそれ以上のことを伺ってもどうしようもないのですけれども、ただ、今回キッシンジャーが来ましたときに、福田さんも相当長時間にわたって、いろいろなことの確認なり、あるいは今後のことについて話し合われたのだろうと思うのです。特に十九日からキッシンジャーがまた訪中をするということですが、かねがね福田さんのいままでの答弁を振り返ってみましても、まあアヒル外交ではなくしても、何とか中国との国交正常化への足がかりをつくりたいという、非常に真剣な御決意を持っていらっしゃる。それをわれわれは言外に受けとめているつもりでありますが、それだけに、キッシンジャーにそういう橋渡しを頼まれたのかどうなのか。あるいは、日本が今後日中国交回復への一つの手がかりとして、どうすればひとつその手がかりがつかめるのかというような話は、当然これはわれわれが常識で考えましても大きな課題でございますから、隔意ない意見の交換の中には、そういったことが話し合われたんではなかろうかと。その辺の事情を、差しつかえのない範囲においてお聞かせ願いたいと思います。
#60
○国務大臣(福田赳夫君) キッシンジャー補佐官と私との会談におきましては、まず私のほうから、日本がこれから世界に臨む国としての姿勢ですね、つまり、経済力はあるけれどもしかし軍事国家としてでなく、平和国家として世界の平和に貢献したいという基本的考え方をるる申し述べたわけです。
 それから特にこれは、キッシンジャー氏が近く北京を訪問するという予告があったのです。そういうようなこともありますので、日本の中国政策について申し上げたわけです。これは、皆さんに申し上げていることと少しも変わりはございませんですから内容は省略いたします。
 さらに、キッシンジャー氏から米ソ会談についての話がありました。それにこたえまして、わが国のソビエトロシアに対する考え方、そういうものを話す、そういうことから始まりまして、それから続いてキッシンジャー氏より米中会談の話、それから特に米ソ会談の話があり、さらにこれからの日米関係、こういうものに言及があったわけでありますが、結論といたしましては、まあこの多極化時代というふうに言われるけれども、とにかく米ソ二大国が平和共存を誓い合ったということはたいへんいいことである、これを足がかりにして世界の平和を前進せしめるように努力せられたいと、こういうわがほうの要望に対しまして、アメリカもそういうふうな方向で努力するということ、それから日米はその間にありまして、とにかく日本はアメリカとの同盟国である。その同盟国の相手方であるアメリカがソビエトと対話が持ち得る状態が確立されたというととは、日ソ関係というものに非常にいい影響があるし、また同時に北京会談、ああいうまあ対話の米中会談が実現されたこと、これもアメリカの同盟国としてのわが日本の対中国政策には非常にいい影響がある、それらを踏んまえまして、わが国としては対中国政策、また対ソビエト政策、これを前進をさしていくいい環境ができたと思うので、そういう方向の施策を進めたいという話をいたしたわけでありますが、具体的にキッシンジャー補佐官に対しまして橋渡しを頼むというようなことはいたしておりません。これはわが国の主体的立場においてきめられるべき問題である、こういうふうに信ずるがゆえであります。
#61
○渋谷邦彦君 結語に申された主体的な外交、これは当然だと思いますね。自主外交、これは独立国家としての当然の立場でございます。しかし膠着した状態における両国間における解決をはかるためには、ときには介添え役というものも必要になってこないとは限らない。むしろそれのほうが円滑に事が運ぶという場合もございましょう。そこで私は、あるいは日本のいまの政界が激動している。まあ自民党も総理、総裁がこれから変わる、転換期がくる。そうした中で福田さん御自身はたいへん焦点に置かれているお立場でございますので、あるいはキッシンジャーとの間に親書でも託されて、あるいは向こうの意向打診をされたんではあるまいかと、これは私推測でございますから、そういうことのはからいをされたんじゃなかろうかということが一つと、それからもう一つは、やはりいま米ソ関係の問題をおっしゃいました。彼の一つのスケジュールの中に、グロムイコがこの一月に来たときに、まあ本年の末までに日ソ条約の締結の素案をつくろうじゃないかという話も進んでおるさなかでもありますから、ことさらに米国に日本の意向をお話ししないでもいいと思いますけれども、日本としてはかねがねやっぱり執念を持っております北方領土の返還ですね、こうしたことも一つの基本の中に、具体的な問題のいま一番日本の当面大きな課題でございますだけに、こうしたこともやはり話の中に話し合われたというふうに受け取ってよろしゅうございますか。いま二つ申し上げました。
#62
○国務大臣(福田赳夫君) まず日中関係につきましては、アメリカに対しましてこれが仲立ちをすると、形のいかんを問わず、いかなる形におきましても仲立ちをするということはお願いをいたしておりません。これははっきり申し上げることができます。
 それから日ソ間の重要問題は平和条約締結交渉であります。その平和条約の実態は何かというと領土の確定である、こういう問題でありますが、この問題はサンクレメンテ会談でまあ出た問題でありますが、今回の会談で、もう米ソ会談が過ぎたあとの問題でありまするから、あらためてアメリカにこの問題についてわが党が依頼をするというような段階ではなかったおけであります。
#63
○渋谷邦彦君 それからもう一点だけ、これは確認でお尋ねしておきたいのですが、もちろん限られた時間でございますので、あれもこれもという話し合いがされたかどうか、たいへんまあ時間的にもこれは無理があったろうと思うのですが、しばしばやはり問題になります事前協議の問題で、私が先般お尋ねをしたあの御回答の中でも、やはり矛盾した要素がまだ残されていると、それはどうしてもこれからもいろいろな話し合いを詰めた上で一つ一つその矛盾というものを解消していかなければならないというふうに、そういう趣旨のことのお話があったように思います。これは私はそのように理解しております。まあそういった特にこれからの日米安保体制というものがいろいろな形でどう一体変形していくものなのか。特にその事前協議ということが非常にこれまでやかましく国会の論議を通しても言われてきておるということを考えた場合に、やはりこの辺、この時期で一ぺん整理してみて、特にこれはその事前協議というものがどうしてもこれから何となく、幾ら政府からの答弁をいただいても疑問として何かこうすっきりしないものが残る、また政府のほうでもいま申し上げたように、福田さん御自身がお答えになったように、矛盾したものがあるということなんか早く解決すべき問題であろうと思うのですが、そうした個々のやはり具体的な問題については、その話し合いを積極的に進めて解決の糸口をつくらねばならないという日本側の考え方の主張というものはございませんでしたか。
#64
○国務大臣(福田赳夫君) キッシンジャー補佐官は、その種の具体的な問題についての話し合いというために来たわけじゃございません。日本を知り、まあ日本に友人をつくるというような意味合いにおいて来たわけでありまするから、事前協議というような具体的な問題に私のほうからも、また先方からも触ればいたしません。しかしまあ安保条約の問題につきましては、これを堅持する必要があるということについてはお互いに意見の一致を見たわけでありますが、なお、安保条約の運営につきましては、基地のあり方、それから米軍の地域社会との融合の問題、そういう問題がこれから安保条約を堅持していく上において重要な問題であるということは指摘しておいたのであります。
#65
○渋谷邦彦君 次に、きょうはもうばらばら、脈絡のない問題を聞きますけれども、最近米軍基地に従事している労務者が海外に研修という名目で出張していると、これは地位協定の問題がありますので、あとでそれ伺うのですけれども、相当回数あるのですね、調べてみますと。こうしたことがはたして許されるのだろうかという素朴な疑問が出てきているわけです。
 最近の例を申し上げますと、これは先月の二日から十一日にかけて十日間ですか、これはフィリピンのスービック海軍基地に横須賀の基地の従業員が、全部で十四名ですか、派遣されていますね。で、名目は研修という名目だそうです。それは研修といえばたいへん聞こえがいいんですけれども、その米軍基地に勤務している従業員が、たとえどういう名目であれ海外に出張をいたしまして、いわゆる結論からいえば、ベトナム戦争に関連するようなそういう仕事に従事していいものだろうか、そういう点からまずもう一ぺん洗い直して、これは確認しながらひとつ政府の考え方を伺っていきたい、こう思いまして、この問題をお伺ねするわけです。
 最初は、そうした問題は防衛庁の関係で、そちらのほうから答弁いただきまして、福田さんにあとで結論的に答弁していただくというふうにしたいと思いますが、まず事実関係から伺っておきます。
#66
○政府委員(安斉正邦君) お尋ねの点につきましてのまず事実関係を申し上げます。
 御指摘のように、五月の二日から十一日までの間、横須賀にありますところの艦船修理部、SRFと略称しておりますが、この従業員、これは地位協定に基づきまして、施設庁長官が雇用主となっている基地で働く労務者でございますが、十四名の者がフィリピンのスービックベイに出張をしております。目的は艦船修理の見積もりの実習の訓練ということでございます。
#67
○渋谷邦彦君 そうした研修という名目で、今回が初めてでないだろうと思うんですが、過去においてはどうだったのですか、いつごろからこういう研修制度というものが組み込まれたのですか。
#68
○政府委員(安斉正邦君) これは基本労務契約というのがございまして、これは昭和二十七年当時から締結されております。それからそのほかに船員に関しましての船員契約というのもございます。すべてこれは在日米軍の業務に携わるために労務者を提供するということで、施設庁長官が契約をし、雇っておるわけでございますが、この契約のたてまえというのは、もともとは在日米軍の仕事を、原則としては日本国内でやるということになりますけれども、その仕事の一端として、やはり海外に行ってしなければ、在日米軍としての仕事の役に立たないという部分がございますので、その部分につきましては、海外出張するということがあるということで、出張の条項がございます。そしてこれによって旅費等を支給するわけでございますが、その目的は、研修あるいは訓練、連絡というような範囲に限るということで運用されております。
#69
○渋谷邦彦君 その命令系統はどうなってますか。
#70
○政府委員(安斉正邦君) 命令系統は、米軍基地におります現場の米軍の中に人事担当の部がございます。これは略称してCPOと言っておりますが、この現場のほうの人事担当の部署から、私どもこの業務は全部県に委任しておりますので、その出先にあります労務管理事務所、ここへ出張の許可書というのが最初にまいります。そしてその労務管理事務所でチェックをいたしまして、その目的がいま申し上げましたような研修、訓練、連絡というような範囲であるならば、よろしいだろうということで、それの許可を与えるという形で、同時に旅費については概算を払い、そして一方において出国の手続は一般の旅券を出すという形になって行なわれておるわけでございます。
#71
○渋谷邦彦君 研修、連絡ということは伺ったんですが、その連絡というのは、一体どういう目的のための連絡なのか。研修というのはきわめて短い期間で研修が行ない得るものなのかどうなのか。
#72
○政府委員(安斉正邦君) 非常に千差万別でございますけれども、概して期間は短うございます。実際の例から申し上げましても、そう長い例はございません。
 研修というのは、実際にその従業員が、在日米軍基地で仕事をするのに必要な知識技能をたくわえるということでございまして、たとえばある講習会がある、そこへ出席をして技能を学んでくる、ものによりますとある材料、ある機械、そういうものがございませんと、そこへ行って研修しないとできないという場合もあります。そういうある機械などがありまして、そこで統一的な手続等を学ぶために行くというような場合もございます。大体例を申しますと、いろいろございますけれども、十日くらいというのが多いのじゃないか。たくさんございますけれども、実例はそんな見当でございます。
#73
○渋谷邦彦君 いま問題にしておりますフィリピンのスービックですが、この海軍基地の中にある海軍工廠ですか、艦船修理廠というんですかと、横須賀を比較して見た場合、横須賀のほうがはるかに規模が大きくて設備が整っているのに、設備の整わない、横須賀の規模から見るとはるかに劣るスービックになぜわざわざ研修のために行かねばならないのか。むしろ、常に研修というときにはより高い価値を求めて、そこで訓練を行なわせるというのならば、これは常識的にも判断できるわけですけれども、その点については、どう解釈したらよろしいのですか。
#74
○政府委員(安斉正邦君) そういうことで、スービックベイの修理部と横須賀の修理部との規模あるいは設備の程度というものの比較というものは、私どもちょっとつまびらかではございませんけれども、この五月の二日から行きました出張、この訓練というのは、実際には私米軍のほうに問い合わせた結果では、現場にある船があった、そうしてそれを修理するためには、どういうふうな手順とどういう材料が要るか、あるいはどのくらいの見積もりを要するかというようなものを実際に現物に当たってみて、そうして具体的にやってみる、そういう材料がこちらにないので、そこへ行ってやってみたということで、それをやって帰ってきておる。それで実際にはそういうものの見積もりの訓練といいますか、そういうために材料を使ったということだそうでございます。
#75
○渋谷邦彦君 スービックベイに修理の目的をもって曳航されてくる米艦ですね、これはどういう破損状況の艦船が多いんですか。
#76
○政府委員(安斉正邦君) その点は私はつまびらかではございません。ただ、この出張しました目的そのものについて尋ねましたところ、アメリカ側の回答は、実際にどういうことをやったのかということにつきましては、艦船の修理についての見積もりのための訓練、したがって、別に修理そのものをやってきたものでも何でもないのであって、そういう修理をするためには、どういうような見積もりができるのか、どういうふうにやるべきかという訓練のための出張であったということでございまして、それ以上は、どういう目的でどの程度の何をやってきたかというところまではつまびらかではございません。
#77
○渋谷邦彦君 それは監督官庁としてたいへんいただけない答えじゃないでしょうかね。全然無責任きわまるんじゃないでしょうかね。一体命令系統がどうあろうと、究極においては防衛施設庁として、それをやはり指揮、監督する立場におかれておりませんか。あるいはまた、そういうことが違うなら違うでけっこうですけれども、いずれにしても全体の事実関係というもの、状況というものを掌握すべき責任というものが生まれてきませんでしょうか。
 それで、聞くところによりますと、スービックベイの艦船のほとんどはベトナム海域において砲弾による破損が大部分であると、そういう艦艇修理であると思われる。平時の場合の艦艇修理にはスクリュウに故障が起きたとか、あるいはペンキの塗りかえだとか、いろんなそういうことも考えられます。けれども実際には砲身を取りかえなければいけないとか、あるいは甲板であるとか、あるいはその艦艇の部分に砲弾によって損害を受けた、その修理を行なう、何のことはないかもしれませんけれども、結局それを今度横須賀に持ち帰ってきて、同じことを繰り返すわけでしょう。そうすると、それも先ほどの事前協議の一環である補給の対象になるのか、そしてまた、その修理というものはそれも含まれているのか、いや全然修理は別問題で、修理は修理として考えていかなければならないのか、その辺がどうもいろんな議論が依然として残るんですね。修理をするということは、それが直接的であれ間接的であれ、何らかの形で日本自身がベトナム戦争に参加をさしている、参加をしているということになるのは、もうだれが考えても当然思い浮かぶことではないでしょうか。そういう危険をわれわれは心配するわけです。だからそういう点で施設庁が神経をこまかくして、全然そういう、どういうふうな仕事をやったのかわからないでいいのかどうかということに、ふに落ちない点もあると、その辺を、私あちこち話の順序を飛ばしながら言いましたから、ちょっとわかりにくい点もあったかもしれませんが、その辺を整理していただいてどうなんだと。それは修理もかまわないんだと、要するに結論から言えばそういうことに参加させることもこれはかまわないんだという解釈でいいのかどうかですね。
#78
○政府委員(安斉正邦君) 今回の出張の目的は訓練ということでございまして、実際に現場へ行きまして修理すべき船の材料を使いまして、それの修理のための見積もりの訓練をしたということでございます。したがいまして、そこへ行きまして船を修理するということになれば、これはいかがかと思いますけれども、そういう知識技能を習得するために出かけて行った。そして帰ってきて横須賀で通常の業務をやっていると、そしてそういういろいろな見積もり等についての知識を得ているということが、将来在日米軍としていろんな船を修理する場合にも、技能の習得として有意義であるということで訓練に行ったということであれば、この労務の提供は差しつかえないというふうに私どもは考えております。実際に現場で修理をやったという問題でなくして、いわゆる研修といいますか、そういう目的で行って、約十日間研修をして帰ってきたということでございますので、こういう程度までは差しつかえないということに私どもとしては考えております。
#79
○渋谷邦彦君 そうしますと、現在横須賀で修理されるべき米軍の艦艇ですね、その修理の内容はどういうものが多いんですか。砲弾によるものか、自然のいろんな摩滅によって起こる損傷がおもなのか、いろいろあるわけでしょう、修理といっても。何が一体おもな修理の対象になっているのかということです。そうでなければこれはわざわざスービックベイまで行く必要がないだろうと私は言いたいんです。距離的に言ったってベトナムからスービックベイまで近いんですよ。当然あのベトナム海域において被弾した艦艇がスービックベイに運ばれて、そうして修理の対象になるだろうということは容易に想像がつきますよ。それ以外に一体何が考えられるのかということです。いままで横須賀においては、ベトナムにおいて被弾した艦艇の修理は全然なかったのか、そういう点はどうですか。
#80
○政府委員(安斉正邦君) 横須賀における艦船の修理というものは古くからずっとやっておるわけでございますが、いわゆる在日米軍としての艦艇、これが回航されてくるわけで、それに関してどういう損傷というか、一般的通常のオーバーホールといいますか、そういう問題も含めているのかもしれませんが、いずれにいたしましても、結論的に申し上げますならば、在日米軍の機能を果たすための船舶が入ってきていて、それの修理をしなければ目的を達しないということで修理を行なっておるというふうにわれわれは解しております。
#81
○渋谷邦彦君 ですから、いま修理のおもな内容は何かと私お尋ねしておるんですが、やはり部局が違うとお答えできませんか。しかし労務提供する場合だって、当然その修理の対象が何であるかということを掌握して労務の提供をすべきが当然でしょう、これは。
 それが一つと、もう一つ、もし従業員がその労務につくことを拒否した場合はどうなりますか。
#82
○政府委員(安斉正邦君) 前段の、その横須賀の艦船修理部において行なっております。艦船の修理というのは、先ほど申し上げましたようにどのような形態、あるいはどのような程度のものかというものは、個々の具体的な例を、データをつかみませんと、これは御説明できないわけでございますが、いずれにいたしましても、在日米軍としての艦船がその勤務の遂行に必要なという目的のための修理だということに私どもは解しております。
 それから従業員が業務を拒否するという問題でございますけれども、これはもしその業務の命令といいますか、それが提供されておる従業員にとって、いわゆる労務の契約の中身に逸脱するような目的、あるいは範囲というようなものでございますならば、これは当然拒否して差しつかえないと思いますし、雇用主である施設庁長官としてもこれはいけないということをはっきり申し上げますわけでございます。しかしこの目的が労務の提供、あるいは労務契約の目的なり範囲なりを逸脱していないという業務であるならばこれは差しつかえない、またそれを拒否することは、これは契約上従業員の方が労務契約の業務に服すべきである、その範囲を逸脱しない範囲であれば差しつかえないけれども、その範囲を出るならけしからぬと、こういうことになろうと思います。
#83
○渋谷邦彦君 それなら最近そういう艦艇の修理をする工廠のあるところに従事しておる従業員ですね、どう考えてもこれはベトナム戦争に直結する、そういう仕事についてはこれはどうしても拒否しなければならない、ほうはいとしてそういう空気が高まっております。それは当然であろうと思うのですが、間接的であれ、日本はベトナム戦争に加担することは日本国がベトナム戦争に巻き込まれるおそれがある、日本の国益を大前提として考えた場合に、それを拒否した、そう言ってやはり労務契約というものをたてにとりますか。
#84
○政府委員(安斉正邦君) その内容の問題になると思いますので、その実際に携わっております、従業員が携わっておりますところの業務というものが、いわゆるこの従業員を提供しておる地位協定の範囲、あるいは労務提供の契約の範囲ということであるならば差しつかえないというように考えますが、その範囲の判断につきまして、個々の従業員の方が判断されるという問題もありましょうけれども、具体的にやはりこの提供しております労務契約を結んでおります私どもといたしましての一つの判断というものがございます。
#85
○渋谷邦彦君 今回の場合につきまして、労務契約違反だとはお考えになりませんか。
#86
○政府委員(安斉正邦君) 今回のと言われると、このスービリクベイの問題でございますね。この問題につきましては、現在私どもが知り得ております範囲の材料によります判断といたしましては、別に差しつかえないというふうに考えております。
#87
○渋谷邦彦君 これはむしろ高島さんにお伺いしたほうがいいのかもしれませんが、いままでの答弁の中で地位協定違反でないと、それから基本労務契約では、日米行政協定に関する基本労務契約、こうした点からもその契約違反の疑いはないという答弁については疑義がございませんか。
#88
○政府委員(高島益郎君) 労務の提供につきましては、地位協定の第十二条第四項に規定がございまして、この文を読んでみますと、「現地の労務に対する合衆国軍隊及び第十五条に定める諸機関の需要は、日本国の当局の援助を得て充足される。」。この規定にありますとおり、「現地の労務に対する合衆国軍隊」の需要ということでございますので、たてまえはあくまでも日本における労務に対する需要を日本が充足させるということでございまして、あくまでもこの「現地の労務」の解釈の問題だろうと思います。で、現地の労務と全く関係のない労務のために日本が提供するということでありますと、この地位協定に違反するという問題もあるかと思いまするが、現地の労務を充足する必要の範囲でも、たとえば訓練とか研修とかいう解釈ができ得るといたしますれば、それは差しつかえないというふうに考えております。
#89
○渋谷邦彦君 限られた時間がありませんので最後の締めくくりに持っていきたいと思うんですが、いまおっしゃったように、「アメリカ合衆国軍隊が日本国内において使用するため、A側」というのは米側ですね、「が随時要求する場合に、地位協定第一条に定義されている合衆国軍隊の構成員、軍属又はそれらの家族以外の者で、通常日本国に居住するもの(船員を除く。)を、この契約に定める規定及び条件に従って提供するものとする。」と、こうあるわけですね。そうすると、この研修ならば国外へ出てもよいという項目はどこにもないわけです。その点についての解釈をどうするのか。そしてまた最後に福田さんにお尋ねしておきたいことは、こうした疑わしいような労務提供というものが今後もはたして許されるものか。そしてざらにわれわれが国民として一番懸念しているベトナム戦争へ加担するみたいなそういういき方というものが、たとえそれが正当な理由であるにせよ、そういう危惧を抱かせるようないき方というものはこれからも認めていいものかどうなのか。これはやはり大きな問題になり得る可能性というものを十二分に含んでいると、こういうふうに私は判断せざるを得ないんですけれども、この点について、まあきょうはこの程度にしておきますが、御答弁をいただいて終わりにしたいと思います。
#90
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、日米安全保障条約におきましては、米軍はわが国の基地において修理、補修等の行為をなすことができる、そのためにわが国はまた労務の提供をするという立場にある、そういうことから補修、修理等の行動はこれは是認せられておる、これはまあ大前提です。その修理、補修等の行動の能率を高めるという上におきまして、研修のために海外に出かける、これは別に私は安保条約、またその地位協定の目的を逸脱するということにはならない、こういうふうに考えます。たとえそれがベトナム戦争と間接的に何らかの関係があるといたしましても、これはやむを得ざるところである、こういう見解でございます。
#91
○渋谷邦彦君 高島さんね、研修ならば国外に出てもいいという項目はないですよ。それでも拡大解釈すれば、研修のためでも国外に出てもいいという、そういう理解でよろしいですか。
#92
○政府委員(高島益郎君) なるほど先生のおっしゃるとおり、国外に出ていいという積極的な規定はございません。ただ、現地の労務をより効率化するという、あるいはそのためにどうしても必要だという範囲において労務者が海外に出張することまで禁じているというふうにはわれわれ考えておりません。
#93
○渋谷邦彦君 けっこうです。
#94
○星野力君 五月にアメリカのエバリー大統領特別通商代表が日本政府に対して農産物の対米買い付けをもっとふやしてほしい、三億ドルという数字も上がっておりました。それからまた同時に、日本の生産者米価、これを引き下げろという注文、生産者米価を上げるとアメリカの農産物を日本が買わないからということらしいですが、私これを新聞報道で知ったんでありますが、まずそれらのことに関連した事実関係を政府委員の方からでもひとつお聞きしたいと思います。
#95
○政府委員(平原毅君) エバリーがことしの五月まいりましたときに、農林大臣と会見いたしました際に、アメリカの農産物の対日輸出の量をふやしてもらえないだろうかという話が出たということは聞いておりますが、生産者米価云々の点については私全然伺っておりません。
#96
○星野力君 アメリカの農産物の問題につきましては、いろいろこのごろ問題が日米間に表に出てきておるというふうに私たち感じます。先ごろもアメリカの農務省が日本関係の報告書を発表して、もっとアメリカの農産物を日本に買わせる必要があるということを言い、日本の政策に対してもいろいろ注文をつけておるというようなこともこれは御存じのことと思います。それから昨日から始まっております日米経済協議会でございますか、私あれが政府間レベルのものか民間レベルのものかつまびらかにしないのですが、おそらく民間レベルのものじゃないかと思いますが、そこで日米間貿易資本問題委員長の永野重雄新日鉄会長が日米貿易の不均衡是正の具体策として幾つかのことを強調することを言われ、その一に、日本は農水産品の輸入量拡大や、関税引き下げにつとめるということが上がっております。民間レベルの会議にしろ永野重雄氏のように非常に自民党政府に対して影響力の強い人の発言でございますから、当然政治的な影響もあるわけでございますが、一体このいま日本の対米農産物の輸出入、これは総額だけでいいのですが、四十六年度はどのくらいになっていましょうか。
#97
○政府委員(平原毅君) 七一年度におきましてわが国の対米輸入が約十二億ドル、これはアメリカの統計でございますから、七〇年の七月から去年六月まででございます。わがほうの農産品、これは分け方がございましょうが、大体三億ドルを考えております。
#98
○星野力君 どうでしょうか、大臣にお聞きしますが、日本の農業、御存じのように現在もアメリカを主とする外国農産物の輸入ということでいわば破壊的な影響を受けておるわけであります。日本の農業が現在の程度の生産性の状態でますます外国農産物の輸入をふやすということになったら、その破壊的な影響というものは非常にひどいことになると思います。それから永野氏の発言のように、農民の犠牲でもっていわば大資本の利益を擁護するような貿易対策、これは私賛成しかねるのはもちろんでありますが、こういう状況について大臣どういうふうにお考えですか。
#99
○国務大臣(福田赳夫君) 永野重雄さんはこれは日本商工会議所の会頭でありますので、商工業者の利益を代表する立場にある。また農業団体につきましては農協の会長という立場の方がおられる。そういうようなことでやはり永野さんの発言は永野さんの発言で商工業者の立場に立っている。農協の連合会の会長の発言ともなれば今度は逆に農業重視の考え方を出される、それは立場、立場において違いまするから、商工業者の立場を代表する方の考え方だけに政府が立って行動すると、そういうようなことはあり得ざることでありますから、その辺は御安心願いたい、そういうふうに思います。
 それからもう一つ、日米の貿易バランス、これは農業関係においてはわが国がたいへんな入超になっておるわけであります。しかし日米全体として見ますると、まあアメリカに対するたいへんな出超、三十億ドルにもなろうかと、こういうような状態でありますから、アメリカ全体として見ますると日本に対して何とか物を買ってもらいたい、その中でもアメリカは農業国でございますから農作物を大いに買ってもらいたい、こういう考え方を持つのは当然であろうと思います。しかしアメリカがそういう考えを持ちましても、わが国にはわが国の農業の問題、非常にむずかしい問題をかかえておるわけでありまするから、そう簡単にアメリカの言うことをおいそれと聞き得る状態にはない。わが国はとにかくわが国の農業を国際的生産性の水準、そこへ持っていく努力をしておるわけでありますから、その努力と見合いながらこの農産物につきましても自由化というか、そういう方策をとる必要があると、そういうふうには考えておりまするけれども、これは農業につきましては非常にデリケートな、注意深い考え方を用いながら世界の情勢に対応していくという考え方でございます。
#100
○星野力君 私、永野氏の発言だけを問題にしておるんでございませんで、先ほども申しましたように、アメリカ政府の側から日本に農産物を買わせるためには非常に強い発言を出してきておる。現在でもいま大臣もおっしゃいましたが、日米貿易全体としては確かに日本の輸出超過でありますが、農産物について考えたらまるであべこべでございます。その上にさらに農産物の輸入をふやすということになったら、その影響というものは非常に日本の農業にとって破滅的であるということを心配するわけであります。日米安保条約の第二条でございますか、経済協力の条項もあるのですから、日米安保条約ということ、そう言っては悪口に聞えるかもしれませんが、皆さんたいへん弱い、これを押しつけられるようなことになっては困るということから申し上げておるのでございます。
 時間ございませんから、次の問題へまいります。
 先ほども話の出ましたキッシンジャー特別補佐官の来日の問題、これは公式の政府間の会談が行なわれたわけではありませんが、実質的には米日首脳の非常に重要な話し合いが行なわれたと思います。新聞報道を見てもそうでありますが、キッシンジャー氏との話し合いで相互理解、意思疎通を深めることができましたか、どうか。
#101
○国務大臣(福田赳夫君) このキッシンジャー氏の訪日は、これはキッシンジャー氏自身が日本を勉強したい、日本人に友人を持ちたいということなんで、そういう目的はかなり到達された、こういうふうに思います。同時に特に外交政策についてのアメリカの実力者でございますから、その機会にわが国の考え方もよく伝え、同時にアメリカの考え方、これも伺うということでかなり私は実効ある会談をなし得た、かように考えております。
#102
○星野力君 ベトナム戦争についても話し合われたようでありますが、話し合われた上でベトナム戦争の今後の動向についてどういう印象、大臣お持ちになったでしょうか。
#103
○国務大臣(福田赳夫君) これはベトナム問題に限らず、会談の内容の細部につきましてこれを明らかにすることは相互の申し合わせによってできませんが、私の印象を申し上げますと、アメリカは今日ああいうベトナムにおける戦闘のエスカレーシヨンという事態に当面しておりますが、要するになるべく早い機会に平和的な話し合いの場を持ちたいという願いであるということははっきり看取しておる、かように思います。
#104
○星野力君 五月八日に声明され、実行された北爆の無制限強化とか、北ベトナムに対する海上封鎖、いわゆるニクソン大統領の強硬措置についてもいろいろお聞きになったことと思いますが、新聞などによりますと、戦争終結のためにはああいう措置が必要なんだというふうに説明されたということでありますが、そうですか。
#105
○国務大臣(福田赳夫君) キッシンジャー補佐官との間の会談の内容につきましては、これをつまびらかにすることはできませんが、要するにアメリカは平和な話し合いの場をすみやかに持ちたいということを念願しておるということは申し上げてよかろうかと、かように存じます。
#106
○星野力君 アメリカのいまとっておるような強硬措置、結局アメリカの目ざすような戦争終結に持っていくにはああいう措置が必要なんだということになるだろうと思うのでありますが、そうなりますと、いかにもこれはニクソン、キッシンジャー流といいますか、力の立場からの戦争、戦略戦争理論という感じがするのですが、戦争を早く終わらせるために強く戦う。これはかつて日本もやった。満州事変以後、支那事変にかけてやって失敗したことなんですが、これをどう思うかと言って大臣にお聞きしてもお答えないだろうと思いますが、どうですか、国際環視の停戦ということをアメリカは言っておるわけでありますが、もしもいつかこれは戦争は終わるわけでありますから、国際停戦監視委員会というようなものが設けられるような場合に、日本にそれに参加してほしいというような打診があったでしょうか。
#107
○国務大臣(福田赳夫君) さような打診はありませんです。
#108
○星野力君 時間がありませんので、この問題はそれだけにしておきます。
 福田外務大臣に質問できるのはこれが最後になるかもしれませんので、ひとつそういう意味ではお聞きしておきますが、外務大臣はよく世界に平和がなければ日本の平和と安全はない、アジアの平和がなければ日本の平和と安全はない、こういうことをおっしゃっておられます。まことにけっこうなことばでございますが、現在ベトナム戦争の状況を見ますと、アジアに平和はまだないわけであります。ベトナムであのような戦争が行なわれ、激しい戦争が行なわれており、日本がその重要な拠点になっておる、戦争の拠点になっておるというような事態の中で、国民の多くが日本の平和と安全に不安を感じておるわけでありますが、このような現実に立ってアジアに平和をもたらすために大臣、政治家として今後どのように努力されるお考えか。私たち見てきますと、いまの政府がベトナムに対するアメリカの戦争に協力し、中国とはいわゆる三原則の上に立って、これに立たなければ国交正常化というものは不可能と私は思うんですが、三原則に立っての国交正常化ということにはきわめて消極的な否定的な態度です。それから経済援助などを通じていわばアジアの反共国家の旗頭の役割りをしている。これはアジアの平和のための努力ということにはならないと思うのでありますが、大臣どのように今後努力していかれるお考えか、それだけをお聞きしておきます。
#109
○国務大臣(福田赳夫君) 星野さんが、私が世界に平和がなければわが国に平和はない、アジアに平和がなければ日本に平和はないという考え方を持っておるということを正しく認識してくださいましたことに対して深く敬意を表します。
 そこでお尋ねは、アジアに対してどうするか、こういうことでございますが、やはりわが国は、当面する問題は日中、日ソの関係の正常化である、こういうふうに考えております。この問題にまっ正面から取り組んでいくという考え方でございます。同時にその他の国々に対しましては、平和日本という立場におきまして、軍備を持たないがその余力を持っておるわが国といたしまして、経済力を持ちましてアジアの国々との間に友好親善と、またそれらの国々の社会的、経済的安定のために協力をしていくという考えであります。なお、当面のベトナム戦争につきましては、これが一刻も早く平和の交渉の場につくことを念願をいたし、そういうためにいさささかでも機会がありますれば協力をいたしていきたいと、かような考えでございます。
#110
○委員長(八木一郎君) 本調査に対する質疑は、本日はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#111
○委員長(八木一郎君) 次に先ほど議題といたしました原子力関係の承認二案件を便宜一括して再度議題といたします。
 両件につきましては、先ほど質疑を終局いたしておりますので、これより二件について一括して討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とオーストラリア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#112
○委員長(八木一郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#113
○委員長(八木一郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお二件についての審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○委員長(八木一郎君) ご異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#115
○委員長(八木一郎君) 速記を起こして。
    ―――――――――――――
#116
○委員長(八木一郎君) これより請願の審査を行ないます。
 第二六六号世界連邦の建設に関する決議に関する請願外十六件を議題といたします。
 まず専門員から説明を聴取いたします。
 小倉専門員。
#117
○専門員(小倉満君) 外務委員会に付託された請願は、お手元の表のとおり全部で十七件でございます。
 まず、二六六号外十五件は、わが国民の間に世界連邦達成への熱望が高まりつつあり、国会においても超党派で「世界連邦日本国会委員会」が結成されているので、この際本院で「世界連邦建設に関する決議」を採択されたいというものであります。
 次に八九三号は、日中間の国交を回復するため、中華人民共和国政府が中国を代表する唯一の合法政府である、台湾は中国領土の不可分の一部である、日台条約を直ちに廃棄すべきである、日中間の平和条約を締結する、という基本原則を絶対条件とする決議を国会で採択し、政府がこれを順守してその実現のため万全の策を講ぜられたいというものであります。
 以上でございます。
#118
○委員長(八木一郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#119
○委員長(八木一郎君) じゃあ速記を起こして。
 請願の取り扱いについて協議結果を御報告いたします。
 世界連邦建設に関する決議に関する請願、日中国交回復実現の決議に関する請願は、いずれも採択すべき旨の発言及びなお検討を要する旨の発言がありましたが、意見の一致を見るに至りませんでしたので、今後検討するということで保留とすることになりました。さよう決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#121
○委員長(八木一郎君) 次に、継続調査、要求に関する件について、おはかりいたします。
 国際情勢等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#124
○委員長(八木一郎君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
 閉会中、国際情勢等に関する調査のため委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、委員派遣地、派遣期間等はこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、議長に提出する委員派遣承認要求書の作成につきましては、便宜委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#127
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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