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1971/03/16 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第4号
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1971/03/16 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第4号

#1
第068回国会 地方行政委員会 第4号
昭和四十七年三月十六日(木曜日)
   午後一時三十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     吉田忠三郎君     和田 静夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         玉置 猛夫君
    理 事
                寺本 広作君
                増田  盛君
                占部 秀男君
                河田 賢治君
    委 員
                柴立 芳文君
                高橋 邦雄君
                原 文兵衛君
                若林 正武君
                神沢  浄君
                小谷  守君
                杉原 一雄君
                和田 静夫君
                上林繁次郎君
                藤原 房雄君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       自 治 大 臣  渡海元三郎君
   政府委員
       人事院事務総局
       任用局長     岡田 勝二君
       自治大臣官房長  皆川 迪夫君
       自治省行政局長  宮澤  弘君
       自治省行政局公
       務員部長     林  忠雄君
       自治省財政局長  鎌田 要人君
       自治省税務局長 佐々木喜久治君
       消防庁長官    降矢 敬義君
   説明員
       自治大臣官房参
       事官       石川 一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
 (昭和四十七年度地方財政計画に関する件)
 (昭和四十七年度自治省の施策及び予算に関す
 る件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、吉田忠三郎君が委員を辞任され、その補欠として和田静夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(玉置猛夫君) 地方行政の改革に関する調査のうち、昭和四十七年度地方財政計画に関する件を議題といたします。
 まず説明を聴取いたします。渡海自治大臣。
#4
○国務大臣(渡海元三郎君) 昭和四十七年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 昭和四十七年度におきましては、景気の停滞による地方一般財源の伸び悩み、地方税負担の軽減についての強い要請、社会資本の整備、社会福祉の充実等のための財政需要の増大等きびしい財政環境のもとにおいて、国と同一の基調により、従来にも増して財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、節度ある行財政運営を行なう必要があります。
 昭和四十七年度におきましては、このような財政環境の変化に対応することができるよう、地方財源の確保に配慮しつつ、住民負担の軽減合理化を推進するとともに、長期的、計画的に地方の行政水準の一そうの向上をはかり、あわせて地方公営企業の健全化をさらに促進することを目途として所要の措置を講ずることといたしております。
 次に、昭和四十七年度の地方財政計画の策定方針及びその特徴について申し上げます。
 第一は、地方税負担の現状にかんがみ、個人の住民税、個人の事業税などについてその軽減合理化をはかることでありまして、減税額は初年度一千五十三億円となる見込みであります。
 第二は、地方一般財源の伸びの鈍化、地方税の大幅減税、財政需要の状況等を考慮して、地方財源の確保をはかることであります。
 このため、(一)昭和四十七年度に限り、国の一般会計から臨時地方特例交付金一千五十億円を交付税特別会計へ繰り入れ、(二)交付税特別会計において、資金運用部資金から一千六百億円を借り入れ、日公共投資の拡大に伴う地方費の増加に対処するとともに地域の特性に応じて生活関連会社資本の整備をはかるため、前年度に比し、四千九百八億円の地方債を増額する措置を講ずることといたしました。
 また、沖繩の地方団体にかかる地方交付税の財源に資するため、臨時沖繩特別交付金三百六十五億円を国の一般会計から交付税特別会計に繰り入れることといたしております。
 第三は、地域経済社会の変動に対処し、住みよい環境づくりを推進することであります。このため、国庫補助負担金、地方交付税及び地方債を通じて所要の財政措置を講ずることといたしております。
 まず、人口急増地域については、義務教育施設の整備について国庫補助負担制度を充実改善するほか、各種生活関連公共施設の整備を促進するための財政措置を講ずることといたしました。
 一方、過疎地域については、過疎及び辺地対策事業債の増額等により、これらの地域における各種公共施設等の整備を進めるとともに、僻地医療の確保、集落整備等総合的な過疎対策の推進をはかることといたしました。
 また、地域住民の生活環境の改善と安全をはかるため、引き続き、公害対策を積極的に推進するとともに、交通安全対策及び消防救急対策についてその充実整備をはかることといたしております。
 さらに、老人医療特別措置制度の確立等社会福祉の充実、教育振興対策、消費者行政の推進、広域市町村圏の振興などについて必要な措置を講ずることといたしております。
 第四は、各種長期計画の策定及び改定に即応しつつ、地域の特性に応じて、地方財政の長期的見地から社会資本の計画的な整備を推進することであります。このため、都市公園整備、治山、給水事業各五カ年計画等の策定及び改定に基づく明年度の事業の円滑な実施を確保するよう所要の措置を講ずることといたしております。
 また、地方道、下水道、清掃施設、住宅等住民の生活に直結する各種の公共施設を計画的に整備することといたしました。
 第五は、地方公営企業の経営の基盤を強化してその健全化をはかることであります。このため、公営企業金融公庫にかかる政府保証債のワクの拡大等により貸し付け資金を増額し、貸し付け条件を改善するとともに、地方道路公社等を新たに融資対象に加えその業務の充実をはかるほか、公営企業会計に対する一般会計の負担の合理化をさらに進めることといたしております。
 第六は、財政運営の効率化を推進するとともに、財政秩序を確立することであります。そのため、定員管理の合理化、既定経費の節減をはかるとともに、引き続き国庫補助負担事業にかかる地方団体の超過負担の解消措置について検討し、また、住民の税外負担を解消するための措置を講ずることといたしております。
 なお、そのほか年度途中における事情の変化に対処するため、あらかじめ財源を留保することといたしております。
 以上の方針のもとに昭和四十七年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は十一兆七千四百九十八億円となり、前年度に対し二兆三百二十六億円、二〇・九%の増加となっております。
 以上が昭和四十七年度の地方財政計画の概要であります。
#5
○委員長(玉置猛夫君) 次に補足説明を聴取いたします。鎌田財政局長。
#6
○政府委員(鎌田要人君) お手元に「昭和四十七年度地方財政計画の説明」という資料をお配りしてございます。この資料に即しましてできるだけ簡単に補足説明をさせていただきたいと存じます。
 まず第一の策定方針は、ただいま大臣から御説明を申し上げたところでございますので、三ページ目の計画の概要から説明を始めさせていただきます。ただいま大臣から申し上げましたように、昭和四十七年度の地方財政計画の規模は十一兆七千四百九十八億円でございました。前年度に比べまして二兆三百二十六億、二〇・九%の増になっておるわけでございます。四ページ目の注のところに書いてございますように、この財政計画の規模の中には沖繩分の約一千億が含まれておりますので、昨年の計画には沖繩分がもちろん含まれておりませんので、この分を差し引きまして一九・八%の伸びでございます。前年度に対しまする――四十五対四十六の伸び率が一九・六でございましたので、プラス・二%の伸びでございます。なお、国の一般会計の予算規模は、御案内のとおり十一兆四千六百七十六億でございまして、伸び率二一・八%でございますので、財政計画の規模においては国を三千億ほど上回る、率におきましては国よりも二%程度低くなっておる、こういう形でございます。
 次に歳入歳出について御説明を申し上げます。三ページの第一表をごらんになっていただきますと明らかでございますが、歳入面におきまする特色といたしましては、地方税の伸びが非常に落ちておる。地方税の伸びがわずかに三千百十八億、七。七%でございまして、これまた沖繩分を差し引きますというと七・五%しか伸びておらない。それが結局明年度の地方財政対策あるいは地方財政計画というものをたいへん困難なものにしたわけでございまして、なかんずく地方税の三千百十八億の伸びの中で道府県税の伸びが、法人等の伸びの鈍化がございまして五百五十三億、二・五%しかふえておりません。この詳細は六ページ目にございますが、市町村税のほうは一四・一%、二千五百六十五億円の伸びでございますが、いずれにいたしましても、ことしの四十七年度の三千百億余りの税収の伸びと申しますのは、四十五から四十六に対しまする伸びが六千八百億あったことを考えますというと半分以下でございます。伸び率にいたしまして、昭和四十二年以降は毎年二〇%程度地方税が伸びてきておりましたが、これが七・五%、あるいは沖繩を含めまして七・七%ということは、これはまことに異例の落ち込みでございます。
 次に地方交付税、まん中ほどにございますが、地方交付税におきましては、国税三税の自然増に伴う当然増は、これもわずかに千四百六十億、七%の伸びにしかなりませんで、それに先ほど御説明申し上げました千五十億、あるいは特会借り入れの千六百億、あるいは沖繩分の三百六十五億を含めまして、かろうじて例年並みの伸びで二一・九%、四千四百七十五億の増になっているわけでありますが、ここからもまた沖繩分を除きますと四千十八億、一九・六%の伸びでございまして、前年度の伸びの二〇・九%より一・三%程度落ちておる、こういうことでございます。
 で、反面、国庫支出金の伸びが社会福祉の系統――老人医療の公費負担制度でございますとか、あるいは児童手当の平年度化等がございまして、社会福祉系統の国庫支出金が非常にふえております。またこの3の公共事業費補助負担金のところにございますように、公共事業、公共投資の拡大によりまする景気の浮揚をすみやかにはかる、こういうことから公共事業系統におきましては三〇・六%、災害を除きました普通建設関係で二七・三%、非常に高い伸びを示しておるわけでございます。
 それから地方債におきまして、前年度の約一・一倍、四千九百八億という伸びを示しております。このうちの三千五百億はいわゆる財政対策的な意味合いを持った地方債でございます。
 その次の使用料、手数料のところにおきましては、受益者負担制度の拡充をはかる、こういうことから一三%程度の増をはかっておるわけでございますが、この中で高等学校の授業料につきまして、学年進行によりまして、一年新入生から現行の五割程度のアップを考えておるわけでございます。それと見合いに高校の需要費につきましては、需要費を増加をさせる、こういう形で教育内容の充実、あるいは父兄負担の軽減をはかろうとしているわけでございます。
 次に歳出でございますが、歳出面におきましては、まず給与関係経費でございますが、給与関係経費は、前年の給与改定の平年度化、それからこれも時間の関係で省略をさせていただきますが、教育関係――義務教育関係職員を中心にいたしまして教育関係の職員を約一万三千人、それから警察職員で四千名、消防職員で約千四百名、そのほか一般の職員につきまして、公害、それから老人福祉あるいは児童館、清掃施設、こういったものを中心にいたしまして約二千名、正確には千九百五十一名でございますが、こういった職員の増員、全体で二万人余りの増員をはかりますと同時に、国家公務員の例に準じまして、既定職員の定数の縮減を約一万人程度はかっております。この人員の詳細は十六ページにございます。
 それから一般行政経費といたしましては、国庫補助負担金等を伴いまする、いわゆる社会福祉あるいは社会保障行政の充実、こういうことに伴いまして、特に社会福祉関係の行政経費の増加を見込んでおりますことと、それから国庫補助負担金を伴わないものの中におきまして、給与改定の先組み、並びに災害等に充てますための財源留保九百五十億を持っておるわけでございます。それから、ここに含まれておりますところの旅費、物件費、あるいは一つおきました維持補修費、こういったところにおきまして経費の効率的な使用をはかるという見地から、従来のベースの節減にさらに五割程度アップいたしました節減というものを加えておるわけでございます。
 それから公債費が一千億に一億欠ける程度、九百九十九億、かなり高い伸びを示しております。これは御案内のとおり、水田利用債等の増発に伴いまして公債費が増加を示しておるわけでございます。
 一番歳出の中で伸びの大きゅうございますのは、先ほども申し上げました投資的経費でございまして、この中の1と2、直轄事業と公共事業でございますが、これにつきましては、先ほど申しました国庫支出金の増との見合いにおきまして、地方負担におきまして公共事業で二九・三%、直轄事業で二六・八%という高い率を示しております。また、住民の生活に直接関係のございますところの住宅あるいは下水道、市町村道、清掃施設、こういったものを中心にいたしました施設、いわゆる単独事業といわれるものでございますが、それに加えまして過密過疎対策事業、あるいは広域市町村圏振興整備事業、こういったものも含めまして4の一般事業費と特別事業費、これがいわゆる地方単独事業といわれるものでございますが、この両方におきましてやはり三千六百六十億余り、前年度同様の二二%の伸びを確保いたしておるわけでございます。非常に苦しい財源の中で前年度並みの伸びを維持いたしておるわけでございます。
 それから次の公営企業繰り出し金でございますが、これも御案内のとおり交通事業あるいは病院、水道等、公営企業が刻々悪化の状況にございますので、理由のつく限り一般会計から収益勘定あるいは資本勘定に対しまして繰り出し、または出資を行なうということにいたしまして、前年度に比べまして三百億余りの増額をはかっておるわけでございます。
 それから最後の地方交付税の不交付団体における平均水準をこえる必要経費と申しますのは、これは不交付団体におきましては財源超過額がございますので、それに見合うものがここにあがってまいるわけでございますが、本来ならば不交付団体、当然超過財源が減るわけでございますから、ここの経費は減額を立てるということが理屈の上からは筋でございますけれども、不交付団体におきましては、特にいわゆるごみ戦争、あるいはその他の都市におきまする生活環境の悪化という問題もございまして、そういったところにおきまする事業費というものをむしろ増を立てたいところでございますが、増を立てるということはちょっとこの経費の性格上おかしゅうございますので、前年度同様イコールということにいたしております。
 そこで、最後の締めくくりの形といたしましては、五ページでございますが、歳入歳出の構成比でございます。ごらんになっていただきますとおわかりのように、歳入におきまして地方税の伸びが異常に低いということを反映いたしまして、前年度に対しまして地方税の構成比が四・五%落ちております。したがいまして、この地方税、地方譲与税、地方交付税を含めましたいわゆる地方一般財源の構成比におきましても、四十六年度の――ここには書いてございませんが、上の三つで六四・二%が五九・八%に、やはりこの四・四%の落ち込みを示しておる。その分だけ国庫支出金におきまして一・三%、地方債におきまして三・四%構成比のウエートを高めておる、こういうことでございます。また歳出におきましては、先ほど申し上げましたことの繰り返しになりますけれども、投資的経費、それから公債費、こういったところのウエートが高くなりまして、その、反面、給与関係経費等のウエートというものが低くなってきておる、こういう姿でございます。六ページ以下はいわばそれのさらにまた細目になっておりますが、この点につきましては、ごらんいただくということにいたしまして説明を省略させていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#7
○委員長(玉置猛夫君) 本件に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(玉置猛夫君) 次に、昭和四十七年度自治省の施策及び予算に関する件を議題といたします。
 すでに説明聴取は終わっておりますので、これより質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○和田静夫君 所信表明を中心としながら御質問いたしたいと思います。限られた時間でありますから、大都市問題の中心である区長公選制の問題、それから自治省と自治体との関係において一番大きな問題は何といっても起債の関係、そしてもう一つは人事の関係でありますから、起債の関係などについては財政のときにやらしていただくとして、人事問題、それからまた時間の都合によっては、広域市町村行政がかなり強引に進んでおりますので、それについても若干の疑義についてということで論議を進めてみたいと思うのであります。
 まず第一に、昨年の五月十八日に――渡海自治大臣は当然申し継ぎを受けられておると思うのですが、本委員会で私の質問に答えて秋田自治大臣は、特別区の問題を全般的に慎重に検討するとともに、区長の選挙のやり方についてもあわせて真剣に検討していかなければならないと考えております、こう述べています。両大臣の引き継ぎにあたっての検討の結果を、所信表明の中ではこの問題一つも触れられておりませんから、どういう結果になったのか、この機会に明らかにしていただきたい。
#10
○国務大臣(渡海元三郎君) 区長公選制の問題について、いま前大臣のことを申されましたが、私、実は先般区長公選に対して陳情を受けますときに、詳細この点についていままでの経過等を聞かしていただいた中で承知したような状態でございます。この問題につきましては、地方制度調査会でもかねがね御検討を賜わり、前に出されました区長公選制度についてはなお引き続き検討するが、事務配分あるいは区の何と申しますか、区域の整理統合等については積極的にこれを実施された分もございますし、それらの検討をもってなお区長公選制の問題について考えていかなければならないと、このようにお答えさしていただいた次第でございますが、地方制度調査会におきましても引き続きこのような問題も検討していただきたいと、かように考えておるような次第でございます。
#11
○和田静夫君 実は、各議会が開かれるたびに請願運動で、公選を求める請願が非常に上がってきます。しかし大体において委員会は、自治省の意向を受けながら、時期尚早というようなことで採択をしていない、取り上げていない、こういうことが続いてきた。で、この五月の十八日の本委員会での質問をする前段、統一地方選挙をする前の議会の終了にあたっての、速記をとめての話でありますけれども、与党の皆さんも含んで若干のやりとりをここでいたしました。そのときの理由は、事情の変更がない限りということがついている。ところが、統一地方選挙が終わりまして、事情の変更は明確に起こりました。御存じのとおり、社会党などを中心とする勢力というものが各区議会で非常に伸びたわけですね。その結果、野党が多数派を占めるところもたくさん出てきた。こういう中で、区長公選問題については明確に早期に結論を出すべきだ、そういう趣旨に基づいていま申し上げた五月十八日のやりとりが行なわれたわけです。ところが、地方制度調査会にゆだねているのだというだけで一向に前進がないし、新しい大臣は、臨時国会では述べておられますけれども、ともあれこの間の臨時国会ときょうので二つの所信表明が出ているだけであって、そのいずれの所信表明の中にもこの問題に触れられていないということになりますと、どうもプロの大臣が非常に重要なことをお忘れになっているのじゃないかというふうに思うのですが、その辺について決意のほどをひとつ。
#12
○国務大臣(渡海元三郎君) 私、そのときの陳情に参られました方、これは党派を越えての区会に所属しておられる議員さんがおもでございました。それらの方々に対しましても答えたのでございます。
 御承知のとおり、本国会におきましては予定法案にも入れておりませんので、この問題は私の任期中におそらく法案として自治省が出すということはないと思います。しかしながら、皆さんの御意向もわかりますので、この問題は、直ちにわれわれが行なうという問題としては、大きな都制の一環の問題でございますので、前向きに地方制度調査会等におきましても御検討を願うように処理していきたいという旨の答えをしたのでございます。その結果に基づきましては、私、事実行政局に対しまして、私のいま申しました答えに合うような研究調査等を進めていっていただくように各局に指令をしたと申しますか、伝えたような次第でございまして、今後ともそのような方向でこの問題と取り組んでまいりたい、こう考えておるような次第でございます。
#13
○和田静夫君 非常に私は期待をいたします。大臣をいつかもうすぐおやめになるというふうな言い方であったのですが、あなただけは次の内閣で残ってもらってもいいんです。渡海さんは与党の中にあってもこの地方自治の問題では非常な力をお持ちなんですが、ここの点はやっぱりあなたの努力をもって、御存じのとおり東京でずっと上がってきている大臣に対する請願なり陳情の行動というものは与野党一つになっております。自由民主党が反対をされているわけではございません。一つになって動いている問題です。この辺はやっぱり国会の段階でも早急に処理をする、そういう態度が望ましいと思いますが、そういう前提に立って以下幾つかお伺いしてみたいと思います。
 いわゆる区長準公選制の確立運動、これが四十二年に練馬区を皮切りにしまして、そして中野、江戸川という形で量的にも質的にも発展を見せながら、ことしから来年にかけて二十三区全部を包み込もうとしています。そして、おとといですか、準公選制の要求を持つところの江戸川の住民たちが、江戸川の区議会を中心として大きな盛り上がりを見せたことが新聞報道で明らかです。自治大臣は、こういう運動の高まりに対してどういう感想をいまお持ちですか。
#14
○国務大臣(渡海元三郎君) おそらく現在どの住民も、直接市町村長を公選制によって選ぶというのが、東京都の区制を除いて全部の姿になっております。東京都知事に対する感覚が即第一義的な自治体であるところの市町村長という感じじゃなしに、住民とのつながりが離れておるというところに、現在の区長公選制を有しない区民としての何と申しますか、住民の意識的な運動としてあらわれてきたんじゃなかろうかと思います。
 それだけに、区長公選制そのものは、都制全般について考えなけりゃならぬ問題を含んでおるのではなかろうかと私は考えておるのでございます。その意味におきまして、あくまでも慎重でなければならぬというのが地方制度調査会で出ております議論じゃなかったかと思うのでございます。人口五十万も六十万も、小さい県に匹敵するようなものを持っておりながら、その地域の住民に限っては、直接の第一義的な地方団体であるところの市町村という姿の中におらないというところに非常に問題があるんではなかろうか。しかし、このこと自身は都制のあり方の根本の問題もありますので、事務の配分あるいは財源の分け方、あるいは一連をなしておりますところの各区の調整その他の問題を都制全般としていかに取り扱うかということを含めての検討が必要じゃないかと、かように考えますのですが、盛り上がってくる住民意識と都制のあり方をどう調和させていくかということを十分考えて何らかの措置をせなければならない問題であり、しかも早急にこの問題の解決に当たらなければならない時期にきている、こういうふうな気持ちでながめておるものでございます。
 前に、私、当時直接地方行政委員会におらず、離れて厚生省の政務次官をやっておった関係で、私自身は直接当たらないのでございますが、たまたま厚生行政に関与するところの保健行政事務を区におろすんだという問題が自治法の改正で問題になりましたときに、これは厚生関係でもございますので、直接携わらしていただいたこともございましたのですが、現在の都制のもとでは、そのように区で解決するほうがむしろ住民により密接な行政が運営されると思われるものも、なかなか都制というものの中では事務の再配分もしにくかったということを痛感しておるような次第でございます。都制全体の一環として区長公選の問題を一ぺん考え直さなければならない時期にきていると、かように考え、私のほうも行政局に対しまして、そのような事態についての研究を前向きに進めていくように先般申し渡した次第でございます。
#15
○和田静夫君 いま触れられました、いわゆる社会保険の厚生地方事務官、これは身分をおろす問題で、ぜひ大臣も、渡海さんが自治大臣としてもう少し前進させる、そういう論議を一ぺん別の機会にやりたいと思います。
 これはきょうは抜きにしまして、よく市民参加、住民自治ということがいわれますが、これは国政の場合でもそうでありますが、自治体の場合も、大体において、プレッシャー・グループであるとか、あるいはインタレスト・グループの参加がある場合が非常に多いわけですね。地方自治の母国といわれるイギリスあたりでもこのことが前提で、いわゆるプレッシャー・グループやインタレスト・グループの市政参加という形のものが前提になって、その上で、そこから落ちこぼれた一般市民、そのアクチブな参加をいかに確立するかという形で問題が立てられているわけですね。確かに私も、現在の区というもののいわゆる自治体としての権限、内実とのかかわり合いを抜きにして区長公選をただ一般的に主張しても始まらないと、そう思う。しかしそれは当然都制改革全体の中で考えられ、処理をされるべきでありましょうけれども、少なくともいま起こっているところの、せめて区長候補者だけでも住民の手できめたい、そういう準公選の運動というのはプレッシャー・グループやインタレスト・グループを背景に持っていないのですね。こういう意味ですぐれた近代的な私は市民運動だと思うのです。長野前行政局長が練馬区の代表に、あなた方のやろうとしておることは木に竹をつごうとするようなものだ――長野さんとじかにこの部屋でやりとりをしたことがあったのですが、そう言ったとか言わないとかいうことがあって、要するに自治省は、地方自治法二百八十一条の三を持ち出して、そしてこの運動にいままで水をぶっかけてきたのです。これに対しての反省というものが私はあってしかるべきだと思う。この点が一つ。
 時間の関係がありますからまとめてやりますが、それから、かつて練馬区が大島太郎さんという人の条例制定請求代表者証明書の交付申請を拒否しました。この拒否の法的根拠は何であるのか、この二点についてお伺いいたします。
#16
○政府委員(宮澤弘君) 二点についての御質問でございます。
 一つは、候補者を住民の手できめるという運動がいま盛んに起こっているけれども、それに対して自治省としてはいかに反省をしているか、こういう御質問でございます。これにつきましては、かねてから私どもの考え方ということを申し上げているわけでございますが、それは先ほども和田委員御指摘のように、現在の地方自治法のたてまえから申しますならば、区長は、区議会が都知事の同意を得て選任するということになっているわけでございまして、実質上、区議会のそういう選任権を侵すような制度というものについては現在のたてまえに反するのではないかという考え方をいたしているわけでございます。私どもは現在においてもなおそういう考え方をいたしております。ただ現実の問題として、数年前に比べまして、一般にそういう機運が従前に比べまして盛んに出てきているということは、これは事実問題として認識はいたしておりますが、現在の法律の解釈という点から申しますならば、区議会が実質上の選任の権限を持っているわけでございますから、その選任の権限に影響を及ぼすようなものは現在の制度の趣旨に反するという考え方を持っているわけでございます。
 それから第二番目に、数年前に練馬の区議会の、区長の準公選についての問題、これについてのお尋ねでございますが、これは当時、いわゆる準公選の条例を発案をいたしますために、住民の代表者が区長に代表者証明書の交付を請求した。ところが、区の当局は、これは条例で制定をすべき事項ではないということで、代表者証明書の交付の請求を拒否をいたしたわけでございます。それにつきまして東京の地方裁判所、それからさらに高等裁判所の判決がございました。私どもは、現在のところは、その高等裁判所の判決というものも拝見をいたしたわけでございますが、これは代表者証明書の交付自身を拒否をしたということは違法である、こういう判決であったと思います。私どもは、この判決自身は判決として評価をしていきたいと思っております。
#17
○和田静夫君 一言で言えば、区にいわゆる区長公選条例制定権がない、二百八十一条の三、こういうことですね。言われる法律の根拠というのはそういうことですね。
#18
○政府委員(宮澤弘君) 申し上げたいことは、区長は、区議会が都知事の同意を得て選任をするわけでございますので、区長を選びます権限なり責任は、あげて区議会にあるわけでございます。ただいま世間でいろいろいわれておりますような、いわゆる区長の準公選の条例、その条例は、区議会が区長を選びます場合に、準公選の条例に基づいて行なった投票の結果に基づくとか、あるいは結果を尊重するとか、いままでいろいろな書き方がなされておりますけれども、しかし私どもの考え方といたしましては、準公選というようなことで住民の一般投票をいたしますれば、おそらく区議会といたしましては、その投票の結果以外の判断をする余地がなかろうではないかということになりますならば、区議会が区長の選任の権限を持ち、かつ責任を持っているという現在の法律のたてまえに反した結果になる、こういう考え方でございます。
#19
○和田静夫君 そこで、あなた方が替われる法的根拠が、いま宮澤さんが言われましたように四十三年の六月の地裁判決、それから十一月の高裁判決でくつがえされたわけです。しかも区側が上告をあきらめたのですよ、これは。あきらめている。それなのに、なぜ自治省は、中野区の準公選条例案に対しても自治法違反の見解を出したのですか。これは自治大臣、私は、裁判所の解釈に行政解釈が優先をする、こういう形のためにいま二十三区で混乱が起こるなどということは許せないと思うのですよ。いかがです。
#20
○政府委員(宮澤弘君) 法律問題もございますので、私から御答弁を申し上げたいと思います。
 ただいま和田委員のお話でございますが、私どもは、この高裁の判決をただいま和田委員がおっしゃったようには解釈をいたしていないのでございます。先ほども私申し上げましたように、代表者証明書の交付を区の当局が拒否をしたことは、これは違法であって取り消しをしなければならない、こういう判決でございます。で、この理由の中に、いわゆる準公選というものについての裁判所の判断についての幾つかの見解らしきものがございますけれども、判決自身は、先ほども申しましたように、代表者証明書の交付を拒否をしたことはこれは違法である、こう言っているわけでございます。しかも中を見てみますと、これも長い判決でございますが、その中には、この条例の制定自身が一見きわめて違法であることが明白であるということであるならば別であるけれども、これは必ずしもそうとも言えない。それから、しかもその条例自身を、もしそれが違法であるというようなことであれば、当該区の議会で否決をすることもできるではないか、こういうことを言っているわけでございまして、したがいまして、非常に俗なことばを使うことをお許し願えますならば、いわゆる条例の制定改廃について門前払いを食わせたということはこれは違法であるということを言っているわけでございまして、準公選条例自身が区議会の区長の選任権というものを侵すかどうかということについて、侵さないというような判断をしているわけでは私はないと思います。
#21
○和田静夫君 昭和四十三年六月の練馬区の行政処分の取り消し請求事件における東京地裁の判決の原文の一部はこうです。――そう言われるだろうと思って私は響いてきた。「区議会が区民の意向を参酌して適当な区長候補者を選ぶために自己の意思決定の自主性をそこなわないようにして区民投票の結果を適宜利用するということは必らずしも不可能又は無意味なこととは考えられず、またこれをすべて違法として禁ずべき理由もない」、明確です。すなわち、区議会が自己の意思決定の自主性をそこなわないならば区民投票は違法とは言えないということですね。大臣、そういうことです。
 また、同じ事件についての東京高裁の判決もここに書いてきましたが、区民投票方式が「区長公選制と同様の結果となる方法をとることは許されないが、」云々と前提は置いておりますけれども、ところが、こう言っているのです。「もともと区長候補者決定権を持つ区議会は、その候補者の選出の方法について自律的に決定する権限ももつものというべく、自ら決定したその選出方法に拘束されるのは当然であり、」、これが裁判所の解釈であります。解釈はこういうことなんですよ。これは明確なんですね。これに歪曲的な意味合いを感ずるということに私はならぬと思うのです。この辺は大臣、大臣としてはどうお考えになります。
#22
○国務大臣(渡海元三郎君) 私は、準公選の事実そのものが民意に沿うておるかどうかということは別といたしまして、このような区長選任といいますか首長の選び方というものは明確でなければならぬのじゃないかと、かように考えます。その意味において、区長の選任は、区議会の権限として与えられておるという、その一つの方法として、区議会の意思によって、何といいますか準公選制を選ぶときはいいんじゃないかという裁判所の判決でございますが、私はこういったものは明確に厳密に解釈すべき方法、厳格に解釈すべき問題ではなかろうか。こう考えますので、むしろそれがよいというふうであれば、明らかに法によってそういうふうな道を求めておくという姿に行政指導していくほうが正しいんじゃないかという意味から、これを広義に解釈された裁判所の判決、私も具体的な内容いま聞かしていただいただけで存じ上げませんけれども、直ちに私たちの行政指導の中へ取り入れるのはどうかという問題ではなくて、むしろそれを法の欠陥と見て、むしろ準公選制のこの規定そのものも改めていくかどうかということに取り組むのがまあ行政の立場におけるわれわれの立場でなかろうか。いま局長と和田委員とのやりとりを聞きながらそういうふうに感じておったんでございます。率直にお答えさしていただいたらそういうふうな気持ちでございます。
#23
○和田静夫君 いや、何といったって、宮澤さんとやっていますと、法テクニック的にずっと曲げられる危険性がありますから、その辺大臣は正当に判断してもらわないと、やっぱり法律を改正していくということは、そして区長公選を早い時期に実現をするということは、いまのやりとりの中から非常に緊急性を持っていると思う。
 そこで、もう少し突っ込んで聞きたいんですが、あと一、二でやめますが、江戸川、練馬、中野の準公選条例はこれは当然異なっていると思いますが、その内容をちょっと、違いを示してもらいたい。
#24
○政府委員(宮澤弘君) いまここに私はそこまで三つのものを準備をいたしておるわけではございませんが、私の記憶をもとにしてお答えを申し上げたいと思うのでございますが、先ほどの特に論点になっておりました、一体準公選による住民投票の結果の拘束性。こういうような点から申しますと、練馬の条例は「基づいて」と、こういうように書いてあったと存じます。それから中野の場合でございますが、中野の場合は住民投票の結果を「尊重し」、こういう書き方をいたしております。おそらくこれ以降の準公選の条例は大体「基づいて」ではなくて「尊重する、」こういう書き方をいたしていると思います。いまここで三つの条例をこまかく持っておりません。分析をできないのは残念でございますけれども、一番ただいまの御議論の基本になっております区議会との関係という点におきましては、そういう差異があると思います。
#25
○和田静夫君 たいへん恐縮ですが、その三つ、委員会にひとつ、どっちみち大都市制度の問題もっと論議する機会がありますから、資料は出していただけますか……。
 そこで、お尋ねしますが、「区長を選ぶ江戸川区民の会」、これがつくった条例案第二条ですね。「区議会は、区長の候補者を定めるにあたっては、区民の意思を調査するため、あらかじめ区民の投票を実施し、その結果を尊重する」、この考え方は地方自治法二百十八条の三に違反しますか。
#26
○政府委員(宮澤弘君) 二百八十一条でしょうか。
#27
○和田静夫君 失礼いたしました。二百八十一条の三。
#28
○政府委員(宮澤弘君) いま私も練馬あるいは江戸川ということで、区議会の権限との関係で「基づく」とか「尊重する」、こういうふうに表現が変わってきているということを申し上げたのでございますが、ただいま和田委員のお話は、区議会が区民の意向を調査する、その結果を尊重して選任をする、こういうことが地方自治法に違反をするだろうか、こういうお話だろうと思うのでございます。
 確かに純粋の法律用語、一般的、抽象的に申しますと、「基づいて」という場合と、その結果を「尊重して」という場合は、その間に表現が持っております意味なり何なりに相違があるように思われます。「基づく」ということになりますと、やはりそのこと自身に基礎を置いて判断をしている。しかし「尊重をする」ということでありますならば、なおそのほかに判断主体の判断をする余地があるような、まず一般的な法律の用語としてはそういうことであろう。しかし私ども考えますのは、実際に準公選の住民投票をいたしまして、これは区の議会の議員と同じ選挙権を持つ人たちが投票いたすわけでございます。こういう人たちが投票いたしました結果、特定の人物が出てまいりました場合に、その人物以外の人を事実問題としてきめられるかどうかということになりますと、おそらくこれは、まずきめられないというふうに判断をいたすのが常識的であろうと思うのでございます。で、「基づいて」あるいは「尊重して」という、表現こそ違っておりますけれども、やはり準公選を行ないまして、それを尊重して候補者をきめるということは、私どもは二百八十一条の三のたてまえに反するものだ、こういうふうに考えるわけでございます。
#29
○和田静夫君 これ、たいへんな大臣、御解釈をされるのですよね。そういうことにならないでしょう。どうしてそんなことになるのですか。「その結果を尊重する、」これは何も地方自治法二百八十一条の三には違反しませんよ、どんなに言われたところで。あなたとしてもそうでしょう。結果的には、それに区議会の諸君が精神的影響を受ける危険性があるからという現実論を交えながら、また法の原理的な解釈に返って、そうして違反する、こういうことなんです。法律のしろうとですから、あなたのほうが専門家ですから、あなたのほうが正しいかもしれぬが、しろうとにわかることにはなりませんよ。いまの前後の部分はむずかしく法律、全くまあ言ってみれば解釈法的なドグマでずっと通してきちゃって、途中で現実からぽっと入って最後はまたそれに返る、こんなことでは通用しない。ぼくは中野区の住民投票の結果を、もっと江戸川より簡素である、江戸川は中野の経験の上に立って住民、市民の知恵というものがそこまでいったのだろうと思うのですが、これが違反をするなんということに大臣なりませんよ。これはたいへんな問題ですよ、違反なんて。法制局長官呼んでここで聞かなければなりませんな。法制局長官呼んで聞かなければ、ここの部分はひとつこの次の機会に法制局長官も来てもらって明確にし合いたいところです。大臣そうお思いになりませんか。
#30
○国務大臣(渡海元三郎君) 私、そういった法解釈には弱いものでございますから的確に答えることができませんが、前に述べさしていただきましたように、この種の法文の解釈は広義に解釈し得る場合と、広く解釈する場合と、狭義に解釈する、厳格に解釈する場合、私はまあ行政指導といいますか行政運営といいますか、そういった面におきまして、区長選任というふうな、まあ自治体のほんとうに根本に触れる問題はできるだけ私は厳格に解釈すべきが当然である。むしろ私は現在の行政に対する検討の不備である。もしそれが、そうすることが正しいということになったならば、そのものをずばり法改正を行なうような運営をせなければならない。そうしないと、いまやられたような解釈の問題点が起きてくる。そういうふうな感じがいたしているのでございまして、その意味におきまして、いま自治省の宮澤局長が非常に窮屈な意味で解釈して指導をしておるという姿は、私は、宮澤局長もおそらく公選制をやられる行為自身を悪いと言うんじゃなくして、この種の問題の解釈にあたっては厳格にしなければならないんだという観点でお答えをしておるのじゃなかろうか、こういうふうに受け取っておるのでございます。
#31
○和田静夫君 都合の悪いところは非常に狭いんですよね、都合のいいときは広い、どちらが狭い、広いじゃないんです。広狭織りまぜているんですよ。そういうテクニックですよ、いまの地方行政というのは。
 もうちょっと大臣聞きますよ。なぜ言っているかというと、「こっちの法解釈が無理だということは、初めから承知だった。そうやって時間かせぎをしている間に区長を決めてしまおう、というハラだった。実際、高裁判決が出たときには区長が決ってしまっていたから〃区民の会〃が裁判に勝ったからといっても何もできなかったんだ」、これは新聞に載った自治省の最高幹部の発言であります。私はここでその人の名前を言うこともできます。しかしながら、二百八十一条の三の解釈問題がからみますから、この次の機会に法制局長官に来てもらって、黒白を明らかにして、この発言がだれの発言であったか明らかにしましょう。こうした態度こそ、行政当局者のとるべき一体態度であるのかどうかということを自治大臣お含みになりながら答弁をしてもらわないと困るんで、区長公選制の問題はきょう初めてここで討議しているんじゃなくして、少なくとも私が出てきて三年間の経過があるわけです。その結果を踏まえながら、やきもきしながら、いま問題が起きているからあれしているわけです。新聞記者に非公式の発言をして、その政治的効果をねらうというんじゃなくて、自治省としての公式な見解、それというものがやっぱり明確に発表されなきゃならぬ。その一部はいまお聞しましたが、その一部について疑義がありますから法制局長官を招いてやる。これは自治大臣、その時期まで預けます。そういう形にしたいと思います。
#32
○占部秀男君 ちょっと関連。
 いま和田君からお話のあったこの問題は、もうこの委員会では昭和二十七年以来の問題になっておる。そこで、いま和田君も言われたとおり、もうそろそろ決着をつける時期になってくるんではないかと思うんですが、またあとでこの問題中心的にやりますけれども、一言だけ聞いておきたいことがあるんです。
 自治省の中に、東京都をまたもとのように二十三区を市にしようという、いわゆる東京市にしようという考え方があるということを私はある方面から聞いたわけです。こういうことはなければ幸いだと思うんですが、もしもそういうような考え方があると、いまの区はいわば行政区的なものになって、おそらくもう区長公選の問題は初めから要らなくなる。こういうところにまあめどがあるというか、目的があるんじゃないかと思うんですが、そういう考え方は一体いまあるのかないのか、まずそういう点について検討が行なわれておるのかどうか、こういう点を大臣から、簡単でいいですから。
#33
○国務大臣(渡海元三郎君) 私自身がいま言われた東京都を市にするというふうなことは、事務当局からそういう意見もあるというようなことを聞いたこともございませんし、また事務当局以外からもそういうふうな御意見はまだ聞いたことはございません。あるいは私が寡聞であるかもわかりませんが、あるいは東京都全般の問題でそういうふうなことを議論をしておられる方もあるかもわかりません。私自身はいまお聞きするのが初めてでございまして、聞いておりません。
#34
○占部秀男君 実は、続けて、じゃ大臣はどうかということを聞きたいんですが、いま和田君もまたこの次のあれにやると言いますからこのままにしておきます。そのときに大臣に、そういうようなもし動きがあれば、大臣としてどういう態度をとるかということをお聞きしたいと思いますから、きょうはいいです。
#35
○和田静夫君 国家公務員法第五十六条ですね、「採用候補者名簿による職員の採用は、当該採用候補者名簿に記載された者の中、採用すべき者一人につき、試験における高点順の志望者五人の中から、これを行うものとする。」となっているわけですね。きょう人事院から天下りの問題が出ていますから天下りに入りますが、国家公務員上級職甲試験の結果、最終合格者がきまって、これが採用候補名簿に載る。その段階から、各省からそれぞれうちはたとえば法律区分を何名、経済区分を何名、こういう具体的な数の提示があって、その数が十ならば、十かける五の五十名の名簿を届ける、そうしてそれぞれの省に提示をする。そうしてこの人たちを対象に各省がいわゆる幹部職員試験をやってそして幹部候補者ができ上がる。この過程というのは、昨年三月十九日の参議院決算委員会において、人事院によって、私との問答で確認をされましたね。ここは確認をされましたね。
#36
○政府委員(岡田勝二君) ただいま和田委員おっしゃったこと、昨年そういうお話ございまして、そのとおりでございます。
#37
○和田静夫君 そこで人事院にお尋ねをいたしますが、人事院は自治省にこの名簿の提出を四十三年三十名、四十四年二十名、四十五年十五名としたそうですが、四十六年は何名ですか。
#38
○政府委員(岡田勝二君) 四十六年度の試験からの提示は、請求がありましたのは二十三でございます。
#39
○和田静夫君 そこで自治省はこの名簿提出に基づいて、そうして試験によって四十三年に五名、四十四年に四名、四十五年三名、四十六年は何名の職員を採用したのですか。
#40
○政府委員(皆川迪夫君) 四十六年度でございましょうか、四十七年度でございましょうか。
#41
○和田静夫君 四十六年にやったやつ。四十三年に五名でしょう、それから四十四年に四名でしょう、四十五年が三名、四十六年度、七年度――新年度。
#42
○政府委員(皆川迪夫君) 正確な数字をちょっと記憶しておりませんが、大体十三、四名から二十名程度を毎年採用いたしております。いまのお話は十三が三になったんじゃないかという感じがいたします。
#43
○和田静夫君 十三……。
#44
○政府委員(皆川迪夫君) 十三名、十四名というのを三名、四名とおっしゃったんじゃないかという気がいたします。
#45
○和田静夫君 十三ですか。そうすると、いわゆる四十三年からいままでのやつ、四十六年。いわゆる年度でいえば四十四年度から四十七年度総計幾らですか。
#46
○政府委員(皆川迪夫君) ちょっと数字を持ち合わしておりませんで恐縮でございますが、少ないときで十三、四名から大体二十名くらいまでの間を毎年採用いたしております。
#47
○和田静夫君 この人たちはいまどこにいます。
#48
○政府委員(皆川迪夫君) 自治省で採用いたしました新規の学校卒業者につきましては、各都道府県と協議をいたしまして、その御希望によってそれぞれの府県に採用していただくと、こういうことをいたしております。いまお話のありました年次の採用の方は、大体各府県においていま仕事をしていると思います。
#49
○和田静夫君 昭和三十九年には、こうして採用された二十人全部が自治省に採用と同時に、何らとどまることなく全員地方におりていっているわけですね。四十四年、四十五年、四十六年、そして今年の場合はどうですか。
#50
○政府委員(皆川迪夫君) 各年度、一人一人がどういうことでやりましたかは、私は詳細に存じておりませんが、各都道府県が上級職職員を採用するにあたりまして、その一部を国家公務員の採用者の中から採用したい、こういう希望もございまして、そういうところにつきましては自治省で実際にあっせんをいたしている、こういう状況でございます。
#51
○和田静夫君 これは去年の三月十九日の決算委員会における、いま大阪府副知事になった岸さんと私のやりとりですが、当時官房長ですが、岸さんの答弁ですよ。「この人事院の上級職試験の合格者の中から地方公務員を採用するというやり方は、もう多年にわたりまして行なっておるわけでございまして、ただいま二十名とか十五名とかいう数字をお示しになりましたが、これは国家公務員法上の採用すべき数字というものに厳密には該当しないのではなかろうか。先ほど申しましたように、地方公務員として採用するという前提で人事院にお願いをいたしておる次第でございます。」、このことを大臣御存じですか。
#52
○国務大臣(渡海元三郎君) 詳細には存じておりませんが、そういうことも行なっておるということはおぼろげながら承知いたしております。
#53
○和田静夫君 なれた人の答弁にかかるとかなわぬですね。いま私が述べたような過程で、ずっと採用されてきた人がそのまま地方におりていくというのは多少は、出先機関ですよ、出先機関にそのまま配属するのですから、農林省なら農林省がそういう場合はあり得るでしょう。ところが出先機関ではないんですから、自治省の場合は。法律的に疑義がある。これはやりとりしながら、あとになってごまかされたなと私は思う。したがって、きょうははっきりさせたいんです。なぜなら、県は自治省の出先ではないんですから。昨年の三月十九日の参議院決算委員会で、私の質問に答えて自治省の官房長が、「私どもはその国家公務員の上級試験に合格されました人、この試験に合格されたという一つの事実に着目いたしまして、その中から地方公務員を採用いたしているわけでございまして、国家公務員法上の採用すべき数、あるいは国家公務員法に言う名簿の提示とは刑のものと理解をいたしております。」、こう答えている。
 そうすると、人事院にお尋ねしますが、人事院は国家公務員法に基づかない行為を自治省に対するサービスとして行なっているということになる、いかがです。
#54
○政府委員(岡田勝二君) 私ども試験をいたしまして、最終的に採用候補者名簿をつくりまして、その段階で、各省から、何名採用したいから提示してくれいうことで、その数に五をかけたものの数を提示しておりますので、そういったことでございますので、国家公務員として採用される予定の者を提示いたしておる、こういう考え方でございます。
#55
○和田静夫君 人事院は一貫しています。明確に自治省と見解が違います、自治省と明確に違う。これは大臣、いままでほんとうに実際のことをおわかりになっている大臣の登場をまさに、昨日の本会議で言ったように、待ちあぐねていたわけで、あなたとの間で解決したいわけです。きょうおそらくここで答弁できないでしょう。どうですか。できれば大臣いまやっていただきたいんですが、もう違うんです、明確に。いかがですか、ぼくは人事院の考え方が正しいと思う。
#56
○政府委員(皆川迪夫君) 昨年の三月に決算委員会において岸前官房長が答弁されました内容は、ただいまお話ありましたようなことでございます。私もその点をよく読み返してみたのでありますが、確かにいまお話のありましたような趣旨で話をされたのかもしれないという気もいたします。この点はよく確かめてみないとわかりませんが、ただ御承知のように、自治省の職員は地方自治という国家行政の中で特殊な仕事をしておるわけでございまして、そういう立場から見ますと、なるべく地方の経験を持っておる人、あるいは地方に行ってそういう自治行政を実際にやろうという意欲を持っておる人を採用することが望ましい。地方からの求めに応ずれば、いつでもそこへ行って自治体の仕事に全身を投げ込んでやっていきたい、こういう意欲のある人を採用したいという気持ちがあろうかと思います。そういうことで、また一方、地方団体、特に都道府県の場合には、その県において固有の試験を行なった結果採用する者のほかに、国家公務員の上級職試験に合格した者の中から採用してもいい、こういう気持ちもあるわけでございまして、それが相合わさって、御承知のように都道府県の職員として各人事委員会が採用する前段において、自治省がこれを国家公務員の合格者の中から採用をして、これにごあっせんするという形式をとっているわけでございます。私は、いまの点につきましては、やはりこれは自治省が国家公務員に併任をするわけでございますので、その過程において、やはり国家公務員法上の一つの正確な意味の採用をしてかどうかわかりませんけれども、そういう趣旨の行為ではなかろうかと思っております。
#57
○和田静夫君 全然話にならぬです。あなた方の併任、いま併任と言ったんでしょう、それは話になっておらぬでしょう、そんなごまかしで済ましてはいかぬですよ。これでは進まぬです、人事院明確に答えているんですから。矛盾がある。大臣うなずいていらっしゃる。だから自治省統一見解、時間あげますから出してください。理事会で取り上げてやってもらいたい、これ以上進まぬです。
#58
○委員長(玉置猛夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔午後二時四十八分速記中止〕
  〔午後三時二分速記開始〕
#59
○委員長(玉置猛夫君) 速記を起こして。
 ただいまの和田委員の質問に対して、次回に自治省から統一見解を出していただきたい。よろしゅうございますか。
#60
○国務大臣(渡海元三郎君) はい。
#61
○和田静夫君 何もけんか別れするのが目的じゃありませんからあれですが、大臣、これは責任をもって統一見解というのをあまりもめないように出してもらいたいんです。人事院の答弁というのは動いていませんからね。ところが、おたくのほうの答弁は、併任であってみたり、あるいはそうでなかってみたり、いろいろあるんですよ。きのうもとにかく一日かかって、何によって採用しているんだということはちゃんと前もってお調べ願ってきょう出てもらっているはずなんですからね。午後五時まで待ってくれと言うんで五時まで待って、それで返事がなくて、五時ちょっと過ぎてから御返事がありました。ありましたけれども、まあ地方公務員法と関係がないとか、いろいろあって、その辺の十七条、十八条のくだりは昨日公務員第一課長から御返事いただきましたが、それについても私は疑義を持っていますので、単に先ほど述べたことに対する統一見解だけではなくて、その辺のことについても、昨日いろいろ公務員課その他打ち合わせをされたようですが、もう一ぺん検討をしてみられたほうがいのではないだろうか。たいへん失礼な言い方ですが……。過去のやりとりがないのなら別です。私がきょう初めてこの問題やっているのなら話は別です。しかし過去三年間の議事録というものはやっぱり尊重をしてもらわなければなりません。野田自治大臣は、討議の結果については十分に尊重をしてそのことをやらせます、こういうことを御答弁になっているし、秋田さんもそう言われている。ところが、どうも大臣の意思はそこにあるけれども中間でチェックされている危険がありますから、そういう意味で、たとえば人事院の上級職の採用試験受験者の公募のしかた、これは自治省の論法でいったら、たとえば、あなたは愛知県に行くことがありますとか、あるいは京都府の職員になる人ですよと、こんな募集してないでしょう。どこでもこんな募集してないわけですから、その辺のことも考えておいてひとつあれしてもらいたい。
 もう一つは、どんなに自治省的にいままで抗弁されても、三十九年組の状況を見れば明らかです。二十名の採用者は、一斉に、三重県をはじめとして愛知県、熊本県――熊本県はなかったですかね。四十年、四十一年、四十二年――四十二年になったら一斉に本省ですよ。二十名くつわを並べて自治省本省なんですよ。四十三年に本省、四十四年になると、今度は新たな地方の上級ポストを得て、地方は一ぱい人事が停滞しているのにそこにおりていくわけです。天下りと言うと、柳眉をさか立てて、天下りじゃありません、求められたから出したんですよ、サービスだなんて自治省言われますけれども、一覧表で明らかです。この辺についても、あとで統一見解が出ましたあと私は質問を行ないますが、この辺は予告を一応しておきたいのであります。
 それから広域市町村圏の指定の現況ですね、その辺はどういうふうに進めようとしていらっしゃるのですか。
#62
○政府委員(宮澤弘君) 広域市町村圏につきましては、御存じのように数年前から自治省、地方団体の方々と御相談をしながら設定をしているわけでございます。御承知のように、昭和四十四年度五十五圏域設定をされましてから本年度までに二百四十五圏域設定をされております。来年度――四十七年度におきましては、まだ私どものほうに協議がきておる段階ではございませんけれども、大体八十前後の圏域が設定されるだろう、こういうふうに考えております。
#63
○和田静夫君 この論議は、きょうは残念ながら全部終わりません。したがって、私、ちょっと希望を申し述べながら資料だけを求めておきたいのですが、自治省の施策の基本方向というのは、これも何べんも論議をしてきたと思うのですが、人口の大都市集中の抑制あるいは地方分散の助長にあったわけですよね。で、新産業都市あるいは後進地域における地域開発、それから地方中核都市論、それから過疎対策、広域市町村圏、宮澤さんの論文も幾つかありましたけれども、こういう政策の流れの中に自治省的な政策理念を見ることができますけれども、この具体的施策のよしあしということではなくて、地方のほうから都市を攻めるという、そういう自治省的政策みたいなものといいますかね、これは妥当なものであるかどうか。言ってみれば、こういう戦略というものがうまくいっていれば、今日見られる大都市問題が、今日ほど深刻なようなことにはならなかったんじゃないだろうか。結果としては、とにかくうまくいっていないというのは明らかだと思うんですが、ごみ戦争、公害その他、過日、本会議でも述べたとおりですが、こういう基調といいますかね、理念といいますかね、これについてそろそろ反骨を加える。その反省が加えられてくると、いまの広域市町村圏行政に対する反省も出てくるだろうと、これがあるから、前提に広域市町村圏の数を聞いてみたんですが、まず広域市町村圏は抜きにして、いまの理念の問題どうですか、一ぺん反省されたらどうですか。宮澤さんお書きになっている「地方都市の魅力」と現実、この「地方都市の魅力」と現実には開きがあるような気がしてならない、私はずいぶんあなたの本あちこちの演説会で引用しながら宣伝して歩いているんですけれども。
#64
○政府委員(宮澤弘君) たいへん理念でむずかしいお話でございますが、私がただいま和田委員から承ったことを誤解をしておりますれば別でございますけれども、そうでございませんですと、別に私どもは理念というものを変える必要はないと思うのでございます。つまり、いまの過密問題、過疎問題を含めましたいろいろ地域社会の問題、この原因はいろいろあろうと思うのでありますけれども、一つその根本にございますのは、やはり国土の利用というものがたいへんゆがんで利用されているということではなかろうか。そういうことから申しますならば、やはり人口でありますとか産業でありますとか、あるいはそのほかの社会文化的な機能、あるいは生産的な機能というようなものまでも含めまして地方分散をはかっていくということが、国土なり国民生活というものの将来のあり方というものを考えました場合に、私どもが最もなすべきことではないか、こういうふうに考えているわけでございます。もしそれを、ただいま和田委員のおっしゃいましたような理念というふうに定義をいたしますならば、私どもは私どもが考えております理念というのをいまここで変える必要はない、こう思います。
 ただ、それじゃそういう理念に基づいていろいろな施策をやって、それが非常な成功を博しているかどうかというお尋ねでございますと、これはやはりここにはいろいろ問題があろうと思うのであります。あろうと思うのでございますが、たとえば今年度から、政府として国会に法案を提案をし、御審議を願うようなことになっております、たとえば工業再配置を促進をしていくというような考え方にいたしましても、これは単に工業機能だけを分散をさしていくということでは全く意味がないわけでございまして、そういう経済的な機能のみならず社会文化的な機能も含めまして、人口なり産業なりというものをわが国土全般にほどよく配置をしていくということがやはり日本の国土、地域のあり方、あるいは地方自治というような考えから見れば必要ではないか。こういうふうに考えているわけでございまして、もし、それを理念と申しますならば、いまここで自治省として理念を変更するという必要はちっともない。むしろそういう理念が実現をされますようにますます努力をしていくべきではないか、こういうふうに考える次第でございます。
#65
○和田静夫君 されますように――努力をされますけれども過去においてはされないから、そこに反省を加えるべきではないだろうかというのが私の考え方ですが、まあ釈迦に説法ですが、資本主義というのは基本的に都市主体であります。そうすると、都市を独立変数であるとするならば農村は従属変数である。都市を光とすれば農村は影である。したがって、都市計画の中に農村を組み込むという発想が私は基本だと思うのですね、基本だと思う。このアナロジーはやっぱり日本列島全体に及ぼすことができるんじゃないですか。したがって、今日の地方行政というのは大都市問題への挑戦であると言い切っていいほどに私は思っているんです。現実、東京にお住まいになっておって、あなた方の理念がそのまま生きていると思いますか。人間が住んでいるところですか、これ。自治省において、大都市圏における地方行財政のあり方に関する体系的あるいは総体的な政策構想が形成されたことはかってなかったでしょう。ぼくは怠慢だと思うんですよ。国民に対してぼくは責任をとらなきゃならぬと思うんですよ。そこで最近になって、あなた方は国土計画協会に委託をされて、大都市圏周辺地域における広域行政に関する研究などという形で検討を始められたわけでしょう。それが反省の結果ですなんて答弁されればそれまでかもしれませんけれども、こうした調査研究を含めて、大都市問題への取り組みの政策プログラムというのは、自治大臣におなりになってから何か示されたのですか。
#66
○国務大臣(渡海元三郎君) 大都市の都市対策と、もう一つは過密対策。これは現在の自治行政の中で最も基本として処置すべき問題であるという姿でことしの予算編成にも当たったような状態でございまして、はたしてそれが予算の面に十分にあらわれたかどうかということは疑問でございますが、都市問題と並んで過密問題、これを解決することを視点に置きまして、本年度の、四十七年度の予算の編成に当たらしていただいたということは事実でございます。いま御指摘になりました過疎問題を解決するためには、どうしても広域市町村圏というものによって初めて過疎問題も解決していくんだと、こういう気持ちで広域市町村圏の推進もはかっておりますが、御指摘になりましたように、大都市周辺についてもこのことを考えなければいかぬじゃないかということから、これを研究さしていただくという道を開いた次第でございまして、具体的にどうやるかということについての問題は、予算編成を通じて、十分ではございませんが、都市問題と取り組むというつもりで当たらしていただいたのでございます。
#67
○和田静夫君 これは行政局長どうですか、政策的なプログラムというのはいま概観をしてどういうことになるのですか、一体。
#68
○政府委員(宮澤弘君) これもたいへんむずかしい問題だと思います。これはもう私から申し上げるまでもないのでございますが、いまの大都市問題、いろいろいわれておりますものは、おそらく地方制度自身にかかわりあいのある問題もこれはあると思うのでございますけれども、地方制度よりもむしろほかの制度なり何なりとのかかわりあいで、大都市制度という、いまいろいろいわれておりますような公害の問題でありますとか、あるいは地価の問題、住宅難の問題、交通難の問題というようなのができているというふうに考えられるものが少なくないと思うのでございます。しかし、そうは申しましても、そういう問題をかかえておりますのは結局自治体自身の問題でございますから、私どもといたしましては、単にそれが自治省の所管であるなしにかかわらず、むしろ大都市問題を総括をして、自治体としてこれをどう受けとめていくかということを考えていかなければならないわけでございます。
 それでは、そういうものについてのおっしゃいましたような取り組む政策プログラムはあるのかないのか、こういうことでございます。それにつきましては、実は、基本的には先ほど理念ということで和田委員が問題を提起をされ、私も御答弁を申し上げたのでありますが、やはり大都市のいわゆる諸機能というものをどうやって全国的に分散的に配置していくかということが根本の問題であろうと思います。先ほどの工業再配置なども一つのそれを促進するための政策であることは事実でございますが、そういうものをやはり今後総合的に講じていくことが根本の問題であろうと思います。
 それから、それは根本の問題にいたしましても、自治制度というような見地から、いまの大都市問題にどう取り組んでいくかということになりますれば、第十四次の地方制度調査会の答申にもございましたように、広域的な地方団体のレベルにおきますいわゆる計画機能というものを強化をしていくということが一つでございましょうし、それから基礎的な狭域――狭い区域の地方団体におきます事務処理の機能というものを充実をしていくということがもう一つでございましょうし、さらに狭域団体の区域なり規模なり、相互の共同的な処理を充実をしていくということがまた一つのポイントではなかろうか、こういうふうに考えております。
#69
○和田静夫君 国土計画協会の大都市圏周辺地域における広域行政に関する研究報告書ですか、間違いないですね、それを資料としていただけますか、これは。
#70
○政府委員(宮澤弘君) いま部数があるなしという話をしておりますが、たぶん差し上げられると思います。
#71
○和田静夫君 それをいただきましてからまた少し論議をいたしますが、時間だそうですから……。たいへん久しく地方行政委員会にいなくて、地方行政委員会は時間にしばられないところが非常によかったのですが、一人の質問が終わらなければ次の質問が始まらない、何日かかっても。そういう前任の委員長がいらっしゃいますが、理事はかわらずいらっしゃるわけですから、その辺はやっぱりもう少し尊重していただかないと、ほかのところと同じように数でもって単なる時間でこなすということでは、これだけ佐藤さん胸張っているときに、余命幾ばくもないといったところで、いいところだけはこの委員会ではもう少し継続していただきたい、理事会の決定は守りますが。
 人口急増市町村における公共施設の整備等のための特別措置法案を用意をされるやに聞いているんですが、これはその後どうなったんですか。
#72
○国務大臣(渡海元三郎君) 実は、ぜひともこの法案を提出いたしたいと考えまして予算折衝に当たりまして、私たちも各省と連絡をとりまして当たったのでございますが、各省における概算要求は、補助率その他を特別に上げていただくように申したのでございますが、法律案をつくるところまでの成果をおさめることが私はいまの予算ではでき得なかったと、かように考えておりますので、なお努力いたしまして、法律を出す以上は、この法律にふさわしいような予算も獲得するという姿で持っていきたい、前の答弁でいささか歯切れの悪い都市政策に対する考え方を述べさせていただいたのもそのためでございます。しかしながら、部分的には、あるいは小学校の補助率をいままで三分の一であったのを二分の一に今度はしていただくことになりました。これなんかも全国の小学校でございますけれども、最も必要とするのは、人口急増地帯が学校を一番建てておりますのは譲れるものではない、かように考えております。部分的には成功し、この予算獲得をしていただいたのでございますが、全般的に法律をつくるところまで至らなかったものでございますからこの国会で見送らしていただいて、なお検討をし、努力を加えていくという方針をとりたいと考えております。
#73
○和田静夫君 最後です。そうしますと、あなた方、じゃまになると言われるならばそれまでですが、私たちあるいはアベック組むつもりはありませんが、大蔵省に対して自治省が考えている、いいことはいいこととして、われわれだってその立場で要求をし、行動を起こしていくわけですから、そういうことを前提にしながら、基礎的な構想というのはまとまって予算折衝に入られたのでしょうから、そういう内容については資料としていただけますか。
#74
○国務大臣(渡海元三郎君) 一応何ですが、自治省が予算要求するのではなくて、各省にお願いしたものでございますから、御要望どおりのものを差し上げられるかどうか疑問でございますが、できるだけ努力いたしまして、私たちの考えておった分の何を出させていただきたいと思います。
#75
○上林繁次郎君 昨日の本会議であらあら御答弁をいただきまして、昨日の御答弁によりますと、私が危惧しているようなそういった問題についてはすべて手当てしているのだ、こういった感じなんですがね。ですから、きょうは具体的な問題を踏まえて、この点はどうだ、あの点はどうなんだということでひとつお尋ねをしてみたいと思います。
 まず、この自治大臣の所信表明によりますと、「わが国経済は、昨年度後半以降の景気後退に加え、国際経済環境の著しい変化により、いまなお低迷を続けておりますが、その影響で地方財政においても最近にない深刻な局面を迎えているのであります。」、こういったふうに地方公共団体の窮状というものをまずここで暴露いたしておりますね。あとに大臣は、「明年度は、国と地方と同一の基調のもとに、公共投資の拡大を通じて景気の浮揚をはかる」ものである、こう言っております。私はいろいろとこれから一つ一つ突っ込んでいくわけですけれども、こういった地方の状況の窮状について前に述べて、そうしてあとから昭和四十七年度は国と地方と同一の基調でと、こういう表現のしかた、私はこれは矛盾じゃないか、とても同一の基調でもって地方団体が国にこたえていくことはできないじゃないか。こんな感じがするのですけれども、その点をどういうふうにお考えになりますか。
#76
○国務大臣(渡海元三郎君) ことしの国の予算が、景気浮揚のための公共投資の拡大ということを、国自身の予算も御承知のとおり非常に貧困の中から景気浮揚のために、またもう一つの柱を福祉行政ということにしておるわけでありまして、私たちもこの基調を地方財政で受けながら、地方財政運営をやっていきたいという意味を表現さしていただいたつもりでありますので、それに対する地方財源がそのような基調でいけるように地方財政計画でも組ましていただいた、こう考えておるわけであります。
#77
○上林繁次郎君 そこで、いままでにも、今度の予算にからめて地方財政は全くたいへんであるというようなことについては、たびたび新聞紙上等に載せられておりまして、そこでその問題点の一つとして地方債の問題があるわけですね。
 この地方債ですけれども、これは自治省の立場で、私は自治大臣の立場でお答え願いたいと思いますが、昨年の十月には、やはり景気浮揚のために特別な景気浮揚のための資金が地方へいったわけですけれども、これはもうそのときには地方には財源は全然ない、これは全部起債でもって強化をしておる、こういういきさつもあります。その前からいわゆる物価の値上がり、したがって事業に対する単価の引き上げ、こういうことで国の基準単価と合わないためにどんどん金がかかる。そういうものをまかなうために起債を起こすというようなことで、地方債の起債額というのは相当高まってきているのですよ。そういう中で私は、全然地方債の発行は解消してしまえと、こういうことは絶対にできるものじゃないと思うのです。それにはやはりどれだけか認めなければならない。認めなければならないとするならば、これはやはり一昨日も申し上げたように、良質なもの、これを回していかなくてはならない。その点についてはまたあとから触れますけれども、そこで事業費が拡大されていく、どんどん金がかかる。それが何でも地方債によってまかなわれるというかっこうになったのではこれはたいへんなことです。
 そういう意味で、やはり地方債に対する歯どめというものが必要である。ですから、一昨日もどれだけかお答えいただきましたけれども、その歯どめをどのくらいに現在――いままでは四%、あるいはことしは四・六ですか八ですか、上がっていますね。これは事業費が拡大されましたからそれに見合っているわけです。いずれにしましても、これがいわゆる将来、地方財政を大きくまた圧迫するという原因にもなる。だとするならば、自治省はこれは押えようという考えかもしれません。ところが大蔵省は、やはり金の面からいって、足りない分については、じゃ国のほうから出してやろうというわけにはいかぬので、つい起債を認めるというようなかっこうになってしまって、これはますます地方財政は苦しくなっちゃう。だからこの歯どめをやるのが大事だ。どのくらいにこの歯どめを考えておるか、この点はっきりしておかなければ、足りない分は起債、大蔵省のほうは必ずそういうようなかっこうになっちゃうと思うのですよ。ですから、自治省のほうではこのくらいが適当なんだ、これ以上は無理だというような大臣の見解をひとつお聞かせ願いたい。
#78
○国務大臣(渡海元三郎君) 地方債を発行する場合に、一般予算の中でどのくらいのものを歯どめとすべきであるかということは、これはいろいろ議論がございまして一がいには申すわけにまいりません。考え方によっていろいろ議論もある。必ずしも定型なものではないということを考えておりますけれども、私は、ことしの地方財政計画におきまして八%というものを組みまして地方債でまかなうという姿でやらしていただいたのでございますが、この程度であれば地方財政、後年度に格別の、何と申しますか、過重なものとならないであろうということを考えて、ことし八%という起債財源でまかなうことにいたしたのでございます。と同時に、それだけに、やるべき仕事が起債に値する――ほんとうにその住民が後年度にわたって利益を受けるというものに事業そのものの内容をながめなくちゃいけない、こう考えております。この意味におきまして、地方に対する過重な財政負担を加えないということと、起債に求めるときは、少なくともその起債によってやる事業が、後年度の地方住民にとって必ず効果のあるものでなければならぬというふうな財政運営をしていかなければならない、かように考えております。なお、国と違いまして、地方の場合はまたその起債の許可そのものを地方団体ごとの財政規模、あるいはその財政力、こういったものを綿密に見て、許可するにあたりましてはきめこまかい配慮を必要とするのではないか、かように考えておるようなわけでございます。
 ことし、交付税で大体去年と同じ率を確保――まあ借り入れ金も入れてですけれども、確保するという姿で予算を要求し努力さしていただいたのも、少なくとも財政規模の小さい市町村――もちろんこれは大都市を除いて――に対しましてはできるだけ交付税を持っていく。また市町村税は、まあ税源の姿によりまして府県は二・五%の地方税の伸びでございますけれども、市町村におきましては一四%、例年と比べますと非常に落ち込んでおりますけれども、安定した地方財源を持っておりますから一四%程度の伸びを見込むことができる。この上、たとえば自治体全部の借り入れになっておりましても交付税という姿で財源を付与することによって、財政規模の小さいところに対しましては従来とあまり変化のない財政運営をお願いできるのではないか、かように考えております。財政力の弾力的運営をやっていただきます府県において、できるだけ起債をもって事業を実行していっていただきたい。このような運営をやることによりまして、いま上林委員の御指摘になりました、後年度に対する過重にならないような配慮をきめこまかく運営していきたい、かように考えております。
#79
○上林繁次郎君 この問題ばかり申し上げていますとあと時間がなくなっちゃいますから先に移りたいわけですけれども、いまの大臣のお話ですと、これは四十七年度は八%、この程度が歯どめではないかという感じがしたわけなんですけれども、その歯どめは幾ら、どの程度ということははっきり申し上げられないということで、いろいろ内容をお話になったわけですけれども、いままでは、しかし四%なら四%というようなところで押えられてきたわけです。県によってはもっと認めてもらいたいというところもある。それはいわゆる財政力の相違ですけれども、格差の相違というか、あるわけです。力の相違というか、そういうものがあるわけです。そういったところについてもなかなか認められない。そういう一つの起債に対する考え方というか基準があったと私は思うのですね。そういう意味からいえば、これからますます――現在地方財政というものはほんとうに逼迫してきた、そういう段階だからこそ私はそういう歯どめになるようなはっきりしたものが必要じゃないか、こういうような見地からお尋ねをしたわけです。一応大体八%くらいというお話があったわけですが、そういうふうに私は受けとめて進めてまいります。
 そこで、先ほども申し上げたように、起債を全然なくしちゃえという、そんなばかなことはない。そこで、やるならば良質なものでということなんです。そこで、いままでのたとえば財政投融資計画における政府資金、これで貸し出しというのですか、この計画を見てみますと、三十五年からずっと掲げられているのですけれども、結論的にいいますと、だんだん私はへこんでいると思うのです。数字の上からいいますと、逐年金額の上ではふえております。ところがパーセンテージで見ますと、たとえば四十二年からにしましょうか、四十二年が二三・九%、前年に比べて伸びた。ところが四十三年には一九・五%になって低くなっているわけですね、パーセンテージは。四十四年が一九%、また低くなっている。それから四五年、これが一八・三%、これがこういうふうにまた低くなっている。四十六年には一七・九%、だんだん下がってきている。四十七年は一九・九%ということで、昨年四十六年よりもふえる、こういうことなんです。これは私が申し上げるまでもなく、事業の拡大という景気浮揚策、こういうことでこうせざるを得ないのだけれども、逐年の平均を見ますとだんだん下がっている、こういうことですね。これはやはりこの辺のところはそれだけ良質な資金が地方においては借りられなくなっておる、こう見ていいんじゃないかと思うのですね。ですから、その辺に私は問題があると思う。これは地方債を認める限りは、この辺の政府資金というものをもっと地方債の計画に組み入れる、こういう考え方が私は必要じゃないかと、こう思うわけです。その点についてひとつ大臣にお答えいただきたいと思います。
#80
○国務大臣(渡海元三郎君) ことしは大幅な地方債の増額等もございまして、非常に額そのものが上がったものでございますから、いままで地方財政計画の中におけるところの政府資金の額というものが、昨年度五九%であったのがことしは五五%に下がっておるという姿でございますが、非常に量そのものといたしましては九千六百億と、昨年の六千四百億に比べまして三千億あまりふやしていただき、まあ国全体の財政投融資の中における政府資金の伸びと比較しますと、政府資金三三%の伸びのところが地方財政では四八%伸びておるというので、配慮してできるだけ多く獲得さしていただいたと、こういう姿にあらわれております。地方財政である限りにおいては、公共団体でございますので、できるだけ良質な政府資金を充てていただく、このために努力せなければならない。これは当然のことでございますけれども、限界がございまして、それだけではまた現在の需要が多くなっております地方の事業が伸びないのじゃないか。また地方公共団体自身が積極的に民間資金を利用していくというくらいの気がまえで今後の財政を運営せなければ、おくれておりますところの社会資本の充実なんかはできないのじゃないか。この意味では積極的に民間資金を利用することも考えなければならないのじゃないかと、一面このようにも考えておるのでございます。しかし、それはその団体の行なう事業ごと、事業そのものの性格にも合わせてやるべき問題であって、また団体の規模によってやらなければならないと思っております。
 同時に、民間資金を利用し得る場合における金利コストを、できるだけ地方自治団体全部の力をもって引き下げていくという方向でやることによってこれを補完していきたいと、かように考えておる次第でございまして、政府資金の獲得というものは今後とも努力しますが、この必要な政府資金は、貧弱な市町村、民間資金を利用することのできない地方公共団体に多くを持っていくという姿でやっていきたいと思っております。幸い、金融状態も緩和しておりますし、公営企業金融公庫の金利の引き下げ等もまた行なうことが四十七年度においてはできるのじゃないか。そういうような計画もいたしておりますので、金利コストそのものは引き下げる方向で今後とも努力するとともに、償還期限あるいは民間資金、政府資金以外のものにおきましても金利引き下げのために努力いたしまして、社会資本の充実のために積極的に民間資金を利用できるような道を開いてまいりたいと、かように考えておるような次第でございます。
#81
○上林繁次郎君 お話を聞いておりまして、ずいぶんいろいろ矛盾点があると思います。それを一つ一つやっておりますとまた時間がなくなっちゃいますので、良質とか悪質とかということなんですけれども、政府資金というのは利率が安いということ、この辺をとらえて良質と言う、こういうことです。ですから、民間の市中銀行の公共事業に対する利率、これが引き下げられるということならばこれは同じものになるということなんです。そういったことについて、いまの大臣のお話は、努力していく。いわゆる市中銀行の公共事業費に対するそれに振り当てられる起債、その分については利率を下げていく、こういう意味なんですか、いまお話になったのは。金利の引き下げというものは。
#82
○国務大臣(渡海元三郎君) 金利の引き下げ、市中銀行に借ります場合、これは個別の自治体が行ないますので、こんなことは私のほうでは困難でございますが、全般的に、市中銀行に対しましても、資金需要が余っている限りにおいては公共団体に安く貸していただくように私らのほうからも働きかける。また市場公募をやっておる分もございますが、この分も発行債利回りと申しますか、その分は下げ得るのじゃないかと考えております。また公営企業金融公庫は、これの強化資金等によりまして標準金利も下げることができるという姿によりまして、政府資金以外のものにつきましても質をよくしていきたい、そういうことを申し上げたのでございます。
#83
○上林繁次郎君 もう一点、いまの大臣のお答えの中に、地方公共団体が市中銀行からどんどんどんどん金を借りてやるような意気込みがなければだめだ、こういうお話がちょっとあったのですが、その意気込みは私は必要だと思います。だけれども、それができないいわゆる苦しさがある、それを踏まえなければならぬと私は思います。それが将来のことを考え、それではできないところにいわゆる地方財政の問題点があると思う。だからいろいろの点で国がもっともっと手当てをしなければならぬのじゃないか、こういう議論が出てくると思います。だから、その辺のところちょっと大臣に、意気込みを言ったのでしょうが、意気込みと現実とは違いますから、その考え方で進められてしまったのではますます地方財政は苦しくなってしまう。その辺一言申し上げておきたいと思います。
 いずれにしましても、市中銀行の高い金利によって地方債を引き受けてもらう、そういうことを逐次解消していくという努力、それについてはこうするというお話があったのですが、そこにいくまで、解消できるまで政府資金をもっともっと、いわゆるパーセンテージにおいても、これはやっぱり平均して伸びていかなければならない。いわゆる財政投融資という資金ですね。この資金の割合がやっぱり伸びていかなければならない、こう思います。ところが下がってきたという、そうでしょう、ことし四十七年だけが上がったということです。これは地方の事業費というものは年々拡大している。そういう実態を考えた場合には、やはりこういう面でもそのパーセンテージは同じように伸びてこなければ地方の事業というものは停滞してしまう、こういうことが考えられる。その辺のところがいろいろと矛盾が出てくるのじゃないか、こういう感じがするわけです。
 これはこのくらいにしまして、先にまいりたいと思います。超過負担の問題ですけれども、大蔵大臣は、きのう私が何も手当てをしていないじゃないかと言ったら、何を言っているのだ、おまえは何も知らないじゃないか――そうは言わないけれども、こんなに手当てをしているじゃないか、あなたの考え方は間違っている、こういう答弁をもらったわけですけれども、ほんとうに私の言ったことが、手当てをしていないのじゃないかということが間違っているかどうかという問題なんですが、たとえばここに市町村対策で人口急増、これに対しては、いま大臣がおっしゃったようにいろいろ手当てをしているのです。ですから補助率なんかも上がってきております。先ほども和田委員の質問に対して、その答弁の中に、三分の一を二分の一にしたのだ、小学校の補助率を。こういう話があった。これを見ますと、あくまでもこれは急増市町村を対象にしている……。
#84
○国務大臣(渡海元三郎君) 全市町村です。
#85
○上林繁次郎君 だって、これには人口急増市町村対策、こうありますよ。こういう資料が私にはある、そういうものがあるんですよ。先ほど大臣も言ったですよ。人口の急増地域を特に対象にしているという発言がありましたよ。で、私は、超過負担、これはきのう申し上げたように、昭和四十三年赤澤自治大臣当時、それから水田大蔵大臣ですね、その間に、いわゆる超過負担は問題であるというので手当てしようと、それで手当てをすることになったわけですよ。そういう経緯があるわけです。で、だんだんその解消につとめて、予算措置もなされてきたわけです。だけれども、今度のあれを見ますと、大蔵大臣が言ったように、一般的には全国市町村、全国の弱いところも強いところも全部含めて措置なされたというのは、この小学校のいわゆる建築費、これは三分の一の補助金であったのが今度二分の一になった、これだけじゃないですか。これを見てみましてもそんな感じがするのですがね。そうしますと、あれですよ、大みえ切ってみたところで、それだけじゃないかということですね。しかも、これだけではいわゆる拡大された景気浮揚策の予算、それを消化することなんか私はとても現実的に無理だと思います。
 たとえば、これは昭和四十五年なんですけれども、住宅問題を一つの例にあげてみますけれども、公営住宅の建設費が、国の基準単価、これは一平方メートルについて二万一千六百四十七円、これは木造です。それに対して実績は二万四千百六十七円です。これは四十五年の話ですが、もうすでにそれだけのいわゆる超過負担が出てきているのです。手当てをした、手当てをしているのだと言うけれども、手当てしたあとからどんどんそうやって超過負担が出てきている。こういう問題がある。特に四十七年度は大型ですから、事業量も増大するわけですから、ですからそういうものと相まって、たとえ三分の一が二分の一になっても、量がふえるということは、それだけまた超過分が増大するということ、こういうことが言えるわけです。ですから、私から言わせれば、何にも超過負担に対しては手当てしてないではないか、こう申し上げるわけです。その点は重大な問題だと私思うんです。市町村でもって事業が進まなかったならば、せっかく国のほうで大きな予算かけて景気浮揚策だ、景気浮揚策だと言っていても、これはあとで問題になってきますよ。ですから超過負担の問題、土地なんか全然考えられていないのですからね。土地問題、いま大きな問題、土地なんということは全然考えられていないといっていいわけですからね。そういったこと、これでもって超過負担をそのままやはりもろに昭和四十七年度、地方公共団体にひっかぶしちゃう、それで事業がほんとうにできるのかどうかということなんです。そういう心配があるわけですよ。その点をほんとうに踏まえた上で対策を立てなければ、幾ら国が景気浮揚策だなんと言って大型の予算を組んだところで、実際には事業の拡大というものはとても行なわれない。したがって、これは途中で挫折しちゃう、あるいは景気浮揚策は失敗しちゃうのじゃないか、国が単独でやるのじゃないのですからね。この浮揚策は、大臣がおっしゃったように、地方と国が同一基調で、こういうわけですからね。それを受け入れられないとすれば、地方でこれはたいへんな問題が起きる、そういう心配を私はしている、その点一つ。
#86
○国務大臣(渡海元三郎君) 超過負担のことにつきまして、非常に御激励賜わりましてまことにありがとうございます。補助率の引き上げということも、もちろん地方負担をなくする意味におきまして非常に必要でございますが、超過負担を解消してできるだけ実情に合うようにすることの重要なことは、いまも先生御指摘のとおりでございます。実は、四十二年、四十三年にわたりまして実情を調査し、適切な超過負担の解消を四十三年から四十六年までにわたりまして毎年実行してきたことは御承知のとおりでございます。その間におきまして、物価の上昇とかあるいは事業量等の拡大等で、またまた超過負担の姿があらわれてきておるということは事実でございますので、このたびは、予算編成におきまして、大蔵大臣とも話し合い、大蔵省の中にも、このための予算を置いていただき、自治省の中にも調査費、わずかな予算ですが、とにかく予算を置いてそのことを確約さすということで、四十七年度さらに最も大きいと思われる文部省とか厚生省とか、そういったところの協力も得まして調査をやり、この調査がわかり次第、確実な措置方法を考え、計画的に解消していきたいというふうに願っておるところでございます。
 しかしながら、それじゃ四十七年度間に合わないじゃないかということになりますので、これは各省がいただく単価でありますけれども、超過負担があらわれますのは、無理な単価、あるいは補助対象のワクが非常に実際のものよりも狭められておるということについて起こってくるのでございますから、補助対象の拡大あるいは単価の引き上げ等について四十七年度も、計画にはないけれども、超過負担を解消していくんだというつもりで予算編成をやっていただきたいということをくれぐれも年末の折衝以来口をすっぱくしてお願いしたような次第でございます。その意味におきまして、学校に対する単価等もまあ補助金できのう大蔵大臣答えておられましたとおり七%上げた。その七%ではたして解消になるのかどうかという点が疑問でございますけれども、まあ四十七年度は、計画にないがこれだけ知ったのだということをお答えになったのだと思いますが、各省もその努力をしていただきまして、土地におきましても、補助単価をたしか一七、八%、平米当たり単価を上げるというふうな姿で計画を組んでいただいた、かように考えます。この意味を大蔵大臣がきのうお答えになられたのじゃないかと思いますが、なお実情を調査をいたしまして、具体的に解消計画を立てていきたい、かように考えております。
#87
○上林繁次郎君 その点わからないわけじゃありませんけれどもね、大蔵大臣あまり大みえ切って言うものですから、そんなばかな話はないじゃないかと、小学校だけじゃないかと、こう私は言いたいわけです。実際は、単価の問題にしても、それは確かに人口急増市町村を対象にしては、ずいぶんいろいろと盛りだくさんに補助率等が上がっておりますよ。それはわかるのです。それはいわゆる人口急増市町村対策として特に必要なんだということなんですよ。だから、超過負担分ということについてどうのこうのという問題ではない。その辺も大蔵大臣の言うのはおかしいじゃないかと、私に言わせれば。ここにはっきり人口急増市町村対策というふうに、そういう考え方があるわけですから、国のほうには。それを持ってきて、それが超過負担解消分であるのだというような言い方は、これは論理のすりかえみたいなもので納得できないと言うのですよ。
 そこで、もう一点だけひとつ時間をいただきたいと思うのですけれども、きのうもちょっとお尋ねしましたけれども、土地の先行取得の問題――土地の先行取得はやりません、時間がないから。いわゆる農地の宅地並み課税の問題、これはまあ御承知のとおり現実の問題です。七〇%か八〇%は全部可決されて行なわれるのだ、大勢はそういうふうになっているのだ、こういうふうにおっしゃっておりましたけれどもね。私は千葉県に住んでおりますけれども、千葉県の各市町村を回ってみますと、まあ非常に反撃が大きいんですわ。そこで、たとえば一つ一つ例をあげましょうね。船橋は否決です、条例を否決しました。それから鎌ケ谷というのは一たん可決して、また出し直して否決しよったです。こういうことなんです。それからあの大きい千葉市だとか、それから市川市だとかこういうところは見送ろうということです。こういうふうにいわゆるこの法律の趣旨というものはさっぱり徹底しませんよ。どうですか、そうでしょう。ですからこれは私はたいへん大きな問題だと思います。やらなければそれで済んでしまう。やるところはばかみたいで、やってもやらないでも済んでしまう。そんないいかげんな法律なのかどうなのか。だから、きのうも申し上げたように、否決しちゃったのはどうするのか。法律が先行するのか条例が先行するのか。法律の中には、条例に基づいてということがある。だから法律では条例が優先するような言い方をしているのです。だから、条例を出したら、当然議会だからこれを可決するか否決するかはいわゆる議会のきめることですから否決した、こうなるんだ。国が一生懸命で実施するのだというけれども、四十七年から実施するのだというけれども、実際に条例が否決されているのですからどうするのだ。それから見送りだ。これに対してはどうするのだ。一たん出して可決したものを、そいつをまた出し直して否決しようというのはこれはどうするのか。一つ一つケースは違うわけです。さっぱり統一されない。それでますます混乱している。具体的にどうこれに対して措置しようというのかですね、その点をひとつ明快にお答え願いたいのですがね。
#88
○国務大臣(渡海元三郎君) 具体的にどうやるのだということのいま慎重に検討を重ねておる最中でございますので……。
#89
○上林繁次郎君 もう四月一日ではないですか。
#90
○国務大臣(渡海元三郎君) 最中でございますので、その具体的なものがいまここで言えるようでしたら非常にいいのですけれども、四月一日から実施をしなければならないということもよく承知をしております。だから地方に混乱が起きておるということも事実でございますが、これら少なくとも地方自治体において納得しておさめていただきますように努力をしておるというのが現在の状態でございます。その方針を四十七年度から予定どおりやっていただきたい。しかしながら、やるのについては各地方議会で混乱が起きています。そういうふうなことが解消できるように、反対意見等も十分考慮して、慎重にやらしていただくようにいま検討しておりますという答えをきのう本会議で述べさしていただいている状態でございます。その検討事項をいまお答えするのができないのはまことに残念です。
 いまの条例の問題でございますが、御承知のとおり、地方自治体の条例は法律そのままを条例に盛っていただいており、それと標準税率を示したときは、条例そのものができないと課税するわけにいかない。しかしながら、明確に法律でなっておる分は、それも重複的に条例をつくっておるのが常でございますが、明確に法律そのものでもう考慮の余地なくなっておるようなものに対しましては、大体地方自治体の条例では、この条例に載っていないほかは法律によるというのをまあ一般的にうたっておりますので、その条例を使っていただいてやられるような決心をしていただいておるのじゃないかと思います。しかしながら、これが否決されたというふうなところは、少なくともその否決されたというふうなことも尊重しなければなりませんので、再度了解を求めて提出していただく、それらの処置をしていただいておるような次第でございまして、いま申されました、四月一日じゃないか、まだ具体的に言えぬのかと、こういうふうなことを言われますが、そういうふうな行政指導をできるようにしましたならば、これらの問題をそういったところでは再上程していただくか、時期がなかったら専決でおやりになり、後刻納得して措置していただくようにできるのではないか。いずれにいたしましても、的確に地方自治体が行なうことができますよう、たとえ数カ町村にしましてもそのような混乱のないように、行政指導できますように努力したいと目下努力中でございますので、ひとつ御了承を賜わりたいと思います。
#91
○上林繁次郎君 これで終わります。
#92
○中沢伊登子君 私に与えられた時間は十七分ですから、その点お含みの上御答弁をお願いいたします。
 初めに、週休二日制についての御見解を承りたいと思います。最近、週休二日制という議論が盛んになってまいりました。働き過ぎるという日本人に対する外国からのたいへんきつい風当たりもあったりして、もうすでに時代の趨勢となってまいりました。中にはすでに会社、工場で週休二日制をとっているところもございます。そこで公務員も当然希望されることだと思いますけれども、自治省としては基本的にどのようにこの問題を考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
#93
○国務大臣(渡海元三郎君) 週休二日制の問題は、民間におきましても相当そういったところが出てまいっておりますので、自治省としても、各地方自治体は今後職員の採用なんかにもそういったことに進んでいかなければならないという問題が起こるのじゃないか、かように考えております。しかし、現在のところ直ちにこれを実施するというところまでいっておりません。国家公務員との関係、あるいは各地万団体間の勤務の状況等も見なければなりません。また民間の姿もながめながらこの問題と取り組んでいきたいと、かように考えておる次第でございます。
 なお、地方自治体で最も必要なことは住民サービスを低下してはいけない。それで勤務割合をどうするかという問題が一番の問題になるんじゃなかろうかと思っております。先般、愛媛県での週休二日制を自治省も認めてやっていただいたのでございますが、あの場合に、特に土曜日の午後も働くというふうに、住民のサービスをむしろ強化するという方向で勤務時間をきめてやっていただいておるということでございましたので、テストケースとして自治省のほうでもやっていただくというふうにしたわけでございます。実はそんなこともございますので、毎年やっております勤務状況の調査ということにおきまして、この二日制の問題を主眼的に調査する目標の一つに置きながら四十七年度の調査をやりたいというふうに考えておる次第でございまして、そういった準備行為はおくれないように進めていかなければならないというふうに取り組んでおります。
#94
○中沢伊登子君 いまの愛媛県のお話でございますけれども、相当な成果があがっているのかどうか――働く人の側ですよ、公務員のほうで、二日制にした結果たいへん成果があがっていると、そういうふうなお話があったら伺いたいことと、それからもう一つは、いまの住民サービスの低下になってしまっては困る。こういう点で、最近は共働きの夫婦が非常に多いのですね。そうすると、役所が二日休んでしまうと共働きの人が非常に困る、その辺をどうなさるか、こういうことも問題になってこようかと思います。特に、最近ごみが非常にふえてごみ公害だといわれている。こういうときに、そこで働く人たちが二日もごみの処理をしない、こういうことになってくるとこれまた大きな問題が出てくるでしょうし、交通機関の問題、こういったようないろいろな問題が出てくるかと思いますが、その点で、愛媛県の実情、それからまた、もしもそういうものがそちらのほうでつかめていらしたら、それをお聞かせいただきたいと思います。
#95
○政府委員(林忠雄君) 愛媛県は、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、一つのテストケースとしてああいうことをやることを相談がありまして、けっこうだという返事をしたわけでございます。テストケースでございますので、その成果については、わかり次第いろいろな資料で連絡してくれということで連絡はしてございますが、現在のところは、実施がことしの一月一日からでございますので、まだたくさんなデータは入っておりません。しかし、大体において、新聞その他も好意的な論調で成果を書いてもらっておりますし、それから職員の間でもやや好評だと思うというような、その程度の話がいま入っております。年度でもかわりました段階で、実施後何カ月というような時点で、いろいろな世論とかその他をさらに詳細に報告を求めようと存じていますが、現在の段階では大体順調に進んでいるんじゃないか、こう見ております。
 それから、あとのほうの御質問でございますが、役所が二日休むということで、役所のサービスを二日まるまるとめるということでは実はございませんので、愛媛県の場合、土曜日の午後も、半数は土曜日に休みますが、あとの半数は土曜日の朝から午後の五時までやる。窓口としては、従来は昼までしかあいていなかった窓口が午後まであいているということになりますので、共働きの県民の方々も、従来は土曜日の午前中までに行かなければならない手続が午後までやれる。そういう意味でサービスの向上にもむしろなっているということであります。
 ですから、地方自治体が、かりに町勢の進展に応じまして週休二日制を採用するといたしましても、いま申しましたような窓口のサービスとか窓口を開いている時間というような点では、まるまる二日休むというようなことは住民へのサービスの低下になります。交代ででも窓口を開いている時間を延ばすとか、少なくとも縮めない。そういうサービスを常に念頭に置いてやっていかなければならないのだと思っておりまして、そういう問題について、どういうふうにしたらサービスを落とさずに週休二日制が実施できるだろうか、問題点はどこだろうか、そういう調査をしようと思っております。心がまえとしては、地方団体の場合、サービスを落とさないということを前提にこの実施を考えていくべきものと考えております。
#96
○中沢伊登子君 たいへん明るいお話を伺ったわけですが、御成功を祈りたいと思います。
 それから、次に公営企業の健全化についてお伺いをいたします。去る二月二十五日に、経済企画庁の宮崎国民生活局長が運輸、自治両省に対して、東京、大阪など大都市の公党交通運賃の値上げ幅など具体的な計画については弾力的な方向で指導してほしい、こういうことを申し入れられたと思いますが、この問題について詳しくちょっと御説明をいただきたいと思います。
#97
○政府委員(鎌田要人君) ただいまのお尋ねの点でございますが、経済企画庁の国民生活局長名で、私と運輸省の官房長あてにメモという形で、六大都市の公営交通運賃問題についてということで申し入れが行なわれております。
 その第一項目は、六大都市の公営交通の運賃改定については、改定の要否につき民営交通とのバランスを含め慎重な検討を要するほか、かりにその改定が真にやむを得ない場合であっても、改定率及び改定時期について特に十分な配慮が必要だと。したがって、六大都市に対して、その議会にかける、あるいは条例改正案等を議会にかけるという面については、情勢に応じ六大都市の長においてそれぞれ弾力的な取り扱いを行ない得るよう御指導いただきたい、これが第一点でございます。
 それから第二点は、運賃を上げる場合、先ほどのタクシー運賃改定の際の閣僚協議会でも議論があったわけでございますが、やはり路線網の再編成とかサービスの改善、こういったことをひとつ運賃問題処理の前提としていただきたい。したがって、六大都市に対して、そういったサービスの改善ということについて、あるいは路線の再編成ということについて事前に十分な指導をやっていただきたい。
 それから第三点は、六大都市の公営交通再建計画につきましては、いわゆる再建計画全体の見直しと申しますか、私どもなりの表現をもってしますれば、都市交通あるいは公営交通全体の抜本的な見直しといいますか、そういうものの一環として行なってほしい、そのための具体策というものを明らかにしてほしい、こういう三点でございます。
 一々ごもっともな趣旨でございまして、これに対しまして、私どもといたしましては、順番がちょっと違いますが、まず第二のサービスの改善あるいは路線網の再編成、それから第三点の再建計画全体の見直しの問題、これは実は私ども自身がだれよりもかれよりも先に最も心配をいたしまして、そういう面での強い指導をいたし、また三番目の再建計画の見直しにつきましては、先般の予算編成の最終過程におきましても、大蔵、運輸大臣と特にこの問題につきましてお話し合いの機会を持たれまして、具体的な方策というものを引き続いてできるだけ早い機会に検討の上、方策を打ち出すと、こういうところに達しておるところでございます。
 第一点の、当面の運賃の改定問題でございますが、これにつきましては、私どもは、改定は、真にやむを得ない、まことにやむを得ないという前提に立っておるわけでございますが、ただ、それぞれの団体におきましてそれぞれのまた特殊事情もございます。あるいはまた、首長なりあるいは議会の御方針もございまして、私どももちろん画一的な指導ということの前に、それぞれの自治体において、たとえば東京都でございますれば十月から四十円という改定をやられる。あるいは京都なり横浜なりでございますと、ことしの七月から暫定四十円、恒久五十円、こういうふうにそれぞれ地域の特性に応じた料金改定が行なわれるようでございますので、その趣旨というものは十分に尊重をして、今後運輸あるいは経済企画庁に働きかけてまいりたい、こういうふうに考えておるところであります。
#98
○中沢伊登子君 公営企業が赤字になると、じきに、値上げをすればよいというような考え方になりやすくて、値上げが先行する安易な考え方になるのが通常でございますね。そこで、大臣の所信表明にも「料金の適正化を含めた抜本的な対策を検討すること」と、こういうふうにうたっていらっしゃるわけですけれども、その「抜本的な対策」とはどういうことなのか、それを伺いたいと思います。
 この間タクシーの値上げがございました。タクシーは公営企業じゃありませんけれども、タクシーが値上げになったので、実は衆議院の予算委員会で私どものほうの佐々木良作さんがこの点について質問をされました。そのときの運輸大臣の答弁がこういうことなんです。タクシーの値上げをしたら、乗る人がたいへん少なくなったので、乗車拒否がなくなっていいことだ、こういうふうに答弁をされたように承っております。公営企業は、値上げをしたから乗る人が少なくなっちゃったんでは、これでは何ともかんとも言いようがないわけです。また公営企業は、値上げをしたとして、利用価値のあるものなら、私ども値上げをしてもそれには納得がいくわけですけれども、のろのろ走るようなバスではどうしようもない。また新しいところに団地ができますね、遠いところ、相当遠いところです。こういうところにできた団地に向かってバスが一時間に一台しか出なかったり、あるいは夕方早く切り上げてしまったりしますと、夜少しおそく帰る人たちが、もうしかたがないからその高くなったタクシーに乗って帰らなくちゃいけない。こういうようなことで、私はサービスの改善ということも同時に考えてもらわなければ、とにかく値上げだけが先行するような安易な考え方では納得がいかない。このように考えますので、その点を含めて、一体大臣のおっしゃるその抜本対策というのはどういうことなのか、お伺いしたいと思います。
#99
○国務大臣(渡海元三郎君) 公営企業の赤字が出た場合、値段上げたらよいと安易に考える。そんなことは安易に考えるべきではなくして、合理化につとめ、再建、赤字が出ないように、値上げしなくても済むようにやらなければならぬということはどこの企業でも一緒でございますし、公営企業であるだけに、住民の便ということも考えながら、安全で低廉なサービスをやるということにつとめなければならないことは当然でございます。今日問題になっております六大都市の状況というものは、もうそういったものでなくして、現在やるべきことはやったけれどもなかなか赤字が、しかもその赤字の重荷によって公営企業そのものの存位が危うくなっておるというふうな状態でございますので、やむなく上げるというところが現状でないかと、われわれはそう認識いたしております。しかしながら、値段を上げただけでいまの赤字がなくなっちまい、解決するかということになったら問題がございますので、抜本的解決ということを言ったわけでございます。私は、その具体策については、今後検討さしていただかなければならぬいろいろな問題があろうと思いますが、とにもかくにも、四十八年度で横浜を除く他の現在の再建団体の期限が切れるものでございますから、再建計画をやっておりながら、しかも赤字がふえていったというふうなことの起こらないだけの再建計画を四十八年度に抜本的に立てるという意気込みで取り組みたいと、こう思い、関係各市にもそのことを連絡して御研究願うと同時に、予算編成のときに、特に私が大臣折衝をいたしましたときに、予算のときの大臣折衝の課題ではございませんのですけれども、運輸大臣も来ていただきまして申し入れを行ないまして、運輸、大蔵、自治、この三省の申し合わせによって四十八年度には抜本的な解決をはかるということを覚え書きとして了承を願ったという姿でございまして、その具体的な内容については、十分地方自治体の実情等も、また運輸行政のあり方等も、また警察行政、道路行政、建設省あたりとも連絡をとりながら、真にこれをやった以上赤字はできないんだというふうな姿で、ほんとうの意味の再建計画ができるような案を立てさせていただきたいと、かように考えておるような次第でございますので、せっかく御支援、御指導のほどをこの際お願い申し上げたいと思っております。
#100
○中沢伊登子君 二度と再び、また赤字ばっかりが出て、もう一年おきぐらいに値上げをしなくちゃならないというふうなことのないように、ひとつほんとうに本腰を入れて抜本策に取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、もう時間がありませんが、最後にもう一点だけ。それは議員立法で、しかも時限立法であった三万人市法と言うんですか、三万人で市になる法律がございましたね。あれがもうちょうど三月十一日で期限切れになったようですけれども、この時限立法の間に六十二のミニ市が誕生しました。そして全国では、いま現在六百二十九の市ができておるわけですけれども、人口が百万とか二百万とか四百万とかいうような大都市があるかと思えば、都市部では今度は反対に人口が流出して、三万人で市になりながらもうすでに二万人に減っちゃったというようなこところもあると思いますけれども、このような状態を大臣はどうお考えになっていらっしゃるか。市そのもののあり方について、自治省の取り組み方、そういうものにはどのように取り組んでいかれるか。で、また、もう時間がありませんから全部言っちゃいますけれども、こういうようなことがあって、先の見通しですね。まあこういうふうなことも十年ぐらいかかって、こういうふうないろんな紆余曲折を経てこんなことになってきたと思いますけれども、この期限切れになったのを幸いに、今後もこんな問題が起こらないように早急に新しい制度を確立してはどうか。そのような考え方がおありになるかどうか。その点を伺って質問を終わります。
#101
○国務大臣(渡海元三郎君) 私自身、いま市の数字を聞きまして、私が頭の中に入れておったのはまだ二十をこしていないと、こう思っておったのですが、ずっとこう聞いておりましてびっくりしたような次第でございますが、私もずいぶん大臣になりましてから判を押さしていただきました。そのときに、一番気にいたしましたのは、現在は三万こえているけれども切れることのないような都市であろうなということを話してきたのでございますが、といいますのは、三万都市ができまする一番の基礎に、現実に三万の切れておるような市が六百近い市の中で数多くあったということが熾烈な運動になり、各党あげての議員立法になってしまったんじゃなかろうか、こういうことでございますので、新しく生まれてくる市の許可する一番最大の要件を、人口が減って切れてしまうというふうなことのないようにということを念頭に置きながらよく調査していただいたのでございます。市のあるべき姿は、自治法にも書いてあるとおりでございまして、まあいまいみじくもミニ市ができたと、こう言われましたが、現在大都市からいま申されましたミニ市まで一本の市制というあり方でよいかどうかということは、これはずいぶん研究すべき問題であろうと思います。今後、いま御指摘ありましたように、この問題についてこの際早急に取り組み、市のあり方というものについての検討をいたさなければならないと思いますが、三万都市が議員立法されましたときも、私は、自治省当局が、あれは特例法が前にあって特例法によってできたものでございますから、これは特例法の期間だけであって、ぜひともこういうふうな姿にせずに本則のままで置きたいということでずいぶんがんばった姿もよく知っております。今後とも、いま御注意のございました点で、検討してまいりまして、少なくとも市というもののあり方に一ぺん大きな御検討を賜わりたい、かように考えておる次第でございます。
#102
○中沢伊登子君 時間がございませんからもうこれで……。
#103
○河田賢治君 きわめて制約された時間なんで、ひとつ大臣に若干の問題について質問したいと思います。
 第一は、所信表明の中にも「国民福祉の視点に立って、地方公共団体本来の政策課題であります過密・過疎対策、公害対策、交通対策等の推進、住民の生活に密着した地方道、下水道、清掃施設、学校、住宅等の生活関連施設の整備、老人医療等の社会福祉の充実など時代の変化と地域の特性に応じた行財政上の措置を適切かつ積極的に講じ、」、まあこういうふうなことをおっしゃっておるのですが、実は自治大臣の――自治省と言ってもいいですが――姿勢についてまず伺いたいと思います。
 それは、御承知のように、昨年いろいろな概算要求をされたときには計画があったわけですね。それからまた地方制度調査会にも諮問されました。この中で、たとえば過密都市に対しては、事業所の税金ですね、これを新しくかけるとか、まあ先ほどこれについてはちょっとそういう問題がありました。これらは採用されておりません。あるいはまた調査会には地方税の軽減ということは一言もなかった。やむを得ないからまあ認めると、自治省の構想ですね。減税はしないことはまあやむを得ぬけれども認めるということであったんですが、これは国会に提出されるときには地方税減額が出ておる。これはまあ自民党の要求も一般の要求もあったと思いますが、というような問題も出ております。それからまた、そのほか国鉄の問題にしましても、調査会のほうでは、これは国が負担すべきものである、運輸省のこれは責任であるということが言われておりましたが、これらについても自治省の方向はちょっと異なっておるわけですね。それからまた、去年の夏ごろ、先ほど話がありました建設省それから等々と――大蔵でしたかな、文部ですか、三省で御承知のとおり過密都市、人口急増都市に対する要綱が出されたですね。そこでもちゃんと大体四百八十二億ぐらいあればですね、したがって一応の解決はつくというような案も出ておったわけですね、要綱に。ところが、これらのですね、全然今度の地財の計画の中にも、あるいはまたその他にも案としても出ていないわけです。先ほどおっしゃいました三分の一が二分の一になるとか引き上げが若干ありますけれども、とてもこれはいまの急増地帯では追っつくわけじゃないんです。私、たくさん資料を持ってきておりますが、一つ一つについて書いたいと思いますが、これは時間がありませんので後日に保留しまして、一応こういう昨年から自治省でお考えになっておる計画、他省とも連絡してお考えになっておる計画、あるいはまた調査会にも自治省の考え方出されておった。そういうものが今度の国会の中にあらわれ、また今度の国会で法案なりあるいは財政措置などをおやりになるときにいろいろ変化があるわけですね。これらについてどういうふうに一体大臣はお考えなのか。私は詳しく裏話を聞こうと言うのじゃないんです。これらについての論拠なり、あるいはどこにどういう問題があってこれが法律にならなかったとか、こういう点をさしづめちょっと聞いておきたいと思うわけです。
#104
○国務大臣(渡海元三郎君) 予算概算要求の段階におきまして私たちが考えましたことがそのまま実現に至らなかった、まことに微力でございます。その点は御指摘のとおりでございまして、おわびせざるを得ないと思っております。
 ただ、具体的にどの問題がどうであったかということについて蓄えということでございますが、第一番にあげられましたが、事務所、事業所税、この問題につきましては、地方市町村の財源を充実のためにこの税を取るものであるか、あるいは財源の充実ということよりも過密対策としてこの税を起こすべきであるか、その税の性格論等で、性格並びに目的等でいろいろ議論がございましてて一致するところまで至りませんでした。また、取るにいたしますならばどういう対象にするかというふうな点も問題ございました。加えまして、経済の今日のような状態でございますので、景気浮揚のむしろマイナス面も出てくるのではないかというような考慮から、とりあえず四十七年は見送らざるを得ないような状態になったのでございます。これは私は引き続いて努力をし、ぜひとも実現に持っていきたいと、いまも考えておるような次第でございます。
 第二の、減税はしたくてもできないんだというやつを、やったじゃないかということでございましたが、たしか地方制度調査会で社会党の阪上さんの質問もあり、また地方団体からの質問もあったと思いますが、私はそのときに、自治大臣として、今日のような住民の負担軽減をはからなければならないときに住民税の減税をようやらぬようなことであったならば自治大臣はむしろ落第であると、こういうように考えておるが、的確な財源を見出せないときには、市町村長が減税をしてもらっては困る、最もやらなければならない責任の立場にある市町村からそういうふうな意見が出たときに、自治大臣としてこれを申すわけにいきませんというふうな答弁をした次第でございますが、予算編成の過程におきまして、苦しい財政の中からでございますが、どうにか減税し得るという道を開くことができるという確信を得ましたので、住民の税の負担の軽減のために一千五十三億の減税をさしていただくというふうにした次第でございまして、この間の事情方を周知、御了承の上、ぜひとも税法こちらにまいりましたら御審議賜わりたいと思っております。
 第三の国鉄の問題でございますが、この問題はかねがね私たち、国鉄でございますから、地方閑散線の問題、国が全面的に処置すべきものであるという議論をもって当たってきたのでございますが、今回の国鉄の再建策の中で、地方閑散線はできるだけ早期に取り払うんだ、こういうことでございました。私もこの問題については、閑散線といえども過疎地域のそれが唯一の足であるから、足の確保を考えていただけないならば取りはずしてもらっては困るということを運輸省当局にも申し入れたのでございます。それと同時に、取りはずすということがきまって直ちに取りはずされた場合におきましては、たとえ足の確保を考えるにいたしましても、相当なやはり不便を生ずることでございますので、もし地方が望むのであったならば、五年に限って赤字になる路線であっても国鉄が運営を続ける、ただしこれは五年に限る。そのときには、地方も何がしかの負担をするということできめさしていただいたような状態でございますので御了承を賜わりたいと思っておる。なお、この国鉄が閑散線の廃止を決定されます手続がどうなりますか、あるいはそれをどのような姿で費用を負担するのか、予算面では五十億、国が七十五億ときまっておりますけれども、それを県並びに市町村でどう分担するかというふうな問題につきましてはなお各省で検討中でございます。しかし問題は、過疎地帯でございますので財政力もないところでございますから、私たちは十分財政手当て、財源手当て等をしなければならない、目下検討しているところでございます。
 人口急増地帯の要望、先ほど和田委員にも述べさしていただいたような状態で法律を訂正するまでに至らず、まことに申しわけないと思っておりますが、個々の部面におきましては、いま答えさしていただいたように、前進さしていただいた分もございます。まあ先ほど小学校の何が出ておりましたが、昨年から実施に入っております用地に対する補助金に対しましても、昨年二十億に対してことしは五十二億ですが、実際新規の分が三十二億というふうに去年の二十億に対しましてふやさしていただいた、あるいは児童公園等の土地まで見ていただくといったような部面、並びにごみ処理に対しましては、いままで何といいますか定額補助金のような形で出ておりました分を、できるだけ実態に近い補助金を出していただきますような、個々の部面においては本年度の予算で各省ともに努力していただきまして実績をあげていただいた分もございますが、全般といたしまして、私たちが要望しておりました人口急増地帯に対する補助率の引き上げというところまではまいりかねましたので、法律を出すことは見送らしていただいたような状態でございます。しかし、この部面は引き続き、ぜひとも法律が出るまでの姿に持っていきたい、今後ともに努力さしていただきたいと考えております。
#105
○河田賢治君 地方交付税法では交付金が基準財政の需要額、これに不足の場合には地方制度の改革なり改正なり、あるいはまた行政上の措置なり、さらには地方交付税の引き上げをやるということが書いてあるわけですね。これはもう昨年来、御承知のように補正予算を組んで、そうして手当てをされました。ところが去年と同じなんですね。大体ことしの地方財政の動向としましては、大体において公債でまかなっており、四十年それから四十一年の不況のときはいまほどひどくなかった。このときは相当手当てされた、国庫補助で国の一般会計から入れるとかなんとか。ところが去年からことしへかけての不況というのは、以前の四十年ごろの不況とは異なっているわけですね。非常に規模も大きいし、またその深さも深いわけなんですね。ところが、財政の措置というものは大体において公債でまかなわれておると、これは地方が借金するわけです。したがって、財政がますます困難になるわけですね。で、この夏、皆さん方がおつくりになった地方財政の急増市町村の要望というものを地方の諸君が見ました。市の当局あるいは労働組合も、大体あれを実施してもらえば、またこれからは町は大体において赤字にならぬだろうといって皆さん喜んでいたですね。それがそのとおりになっていない。
 こういう事態なんですが、御承知のとおり、この交付税の引き上げなんかは調査会でもこれは問題になりませんでした。引き上げることを主張はしませんでした。しかし大臣は――いまのあなたではないんですけれども、これはまた地方財政のわりあいに裕福なときですね。大蔵大臣と自治大臣がいつも話し合うんですか、で、このときに覚え書きが出されているわけですね。ちょうどそのときは福田大蔵大臣、それから自治大臣は野田武夫さんです。「当分の間、相互に、地方交付税の率の変更を求めることはしないこととするとともに、」といって、まあ四十三年、四十四年度に、地方の比較的経済的にも裕福な時代ですから、政府が借り上げるというような問題を起こしたわけですが、一体こういう覚え書きはいまでもこれは有効なんですか、どうですか。財政法上、これは当然こんなことはあってはならぬわけです。大臣の所存だけでこれを上げないとか上げるとかいうこっちゃないわけですね、これは。どういうことになるんですか。これはもういまはなくなっているんですか。
#106
○国務大臣(渡海元三郎君) 一番最初に、交付税法に書いてあります文でございますが、「引き続き」という文字が入っておったんじゃないかと思いますんですが、ことしの状態、これが長らく続くような姿であれば、国、地方を通ずる姿において交付税率等も考えなければならないであろうと、かように考えておりますが、私たちはこのような景気の落ち込みは非常に異常な姿であると、ぜひともこれを押し戻さなければならないし、また一時的な景気の低下であって必ず基調は変わる。かように考えて、本年度は特に税率の引き上げによらずして、特例交付金という姿で一般会計から繰り入れさしていただき、なお足らざる分を特別会計への借り入れという姿で措置さしていただいたような姿でございます。
 御承知のように、いま御指摘がありましたように、四十一年度におきまして、私もあの当時予算編成にタッチさしていただいたんでありますが、税率の二・五%の引き上げ、そして現在の三二%の姿になる。そのほかに、なお不足する分をことしと同様に特例交付金で入れる。なお景気浮揚のために行ないます事業に対しては、特別地方債という形で国庫のほうから元利を補給するという三つの措置がとられ、本年度の措置と比べてたいへん十分な措置がとられたことは御指摘のとおりであろうと思います。
 しかし、その後の経過をながめてみますと、このときに引き上げさしていただいた三二%が、景気上昇もございまして、毎年毎年二〇%をこえるような地方交付税の増額を見、合わせて地方財政の地方税そのものの増収とも相まちまして、地方財政にとりまして改善するための姿を生んだということは見のがすことができないんではないかと、かように考えております。あの当時は、国の財政状態、見通しと比べまして、これに応ずるところの地方財政の姿があの地方交付税率では非常に少ないということで、税率の引き上げを強力に私たちも要望し、またそれを実現したんでございますが、それらの過程をながめまして、でき上がりました三二%の交付税率というものが、その後、景気の上昇によりまして、いま申しましたような姿もございましたので、今回は交付税率の引き上げによらずして、一時的な景気の落ち込みと見て、特例交付金の形で処置さしていただいたというのが実情でございます。
 いま、あげられました両大臣の覚え書きと申しますか、それはむしろそのような状態でありましたので、絶えず交付税の引き上げということが予算編成当時に問題になったものでございますから、そういうふうなことを言わずに、安定した地方財政を行なう上において、当分の間はもうそのような話はしないんだという意味で覚え書きをかわしたのが両大臣の覚え書きになっているんじゃないかと、かように考えております。その覚え書きがいまも有効であるかどうかということにつきましては、これは有効であるといえば有効でございますし、有効でないといえば有効でない。はっきりと何しておりませんが、少なくとも今回の予算編成におきましては、そのようなものがあるということは頭に入れずに予算折衝をさしていただいたというのが事実でございますので、御了承賜わりたいと思います。
#107
○河田賢治君 これは大体毎年書かれてはおるんですけれども、しかし、そのときにはこういう書き方をしていなかったんですね。大体まあ何をどうするとか、こうするとか、あっちの会計からこうするというようなことなんですけれども、交付税の税率の変更を求めることはしないなんて、こんなことは法律上できぬことですね、大臣だけでかってに。こういうことがやっぱりおろそかにされていちゃ……、あなたの責任じゃないと思いますけれども、その当時の人がやっているんですから。しかし、引き継いだ以上は、やっぱりこういうことがあるんですから、一応これはもう何といいますか、時効になっているというふうに認めていただきたいと思う。認められるべきだと思います。
 さらにもう一つ問題があるんですけれども、宅地開発税ですね、これは昭和四十四年につくられたわけです。これは自治省から出されて、そうして法律になったわけです。だから、法律になった以上は、これは自治省だけの責任じゃないわけですね、立法機関である国会も一応その責任を負わなくちゃならぬ。ところがこの法律ができても、どこの地方自治体も一つも条例をつくってこれを実施していないということを聞いたんです。一体、法律を出して、地方自治体がちっとも受け入れぬというような法律は、これは私はナンセンスで、問題じゃないと思いますね。やはり行政上の立場としては、少なくとも地方自治体が受け入れられるような法律をつくるべきなんで、また国会も、各党の諸君もこれならどうかということはやっぱり論議されたんですから、これが受け入れられるか受け入れられぬか、はねられるかというようなことは、あらかじめわれわれが法律をつくるに際してはある程度責任を持たんならぬ。ところが、自治省がこれを出されて国会を通ったのですけれども、地方自治体が全然やっていないんですね。そして大臣か局長ですか、何かから通達が出て、そしてこの税率をきめられているんですね、自治省が行政指導されている。宅地開発税に関する自治体の依命通達――命による通達。それで通達では、「税率は、当分の間、一平方メートル当り五百円をこえないようにすること」、こういうことでやられているのですが、ところが地方自治体ではもうどんどん宅地の開発が行なわれると、とても自治省の言うような、これをどこに適用するか、どれだけのどういう土地とか、つまり使用目的ですね、これによってはとてもやっちゃいけないと、それからまた五百円では、いまの財政需要が急増市町村は非常にばく大なものですから、とてもやりきれぬといって、みずから条例をつくっていろいろなことをやっているのです。だから、こういう自治体に少しも受け入れられぬというような法律をつくることは私は考えものだと思うんです。なるほど自治体に対してある程度の基準を示すことも必要なんです。けれども、問題によっては、たとえばギャンブル問題、東京では美濃部さんはやめられた、補償金も相当出された、京王閣ですね、今度は。ところが大阪は、さてギャンブルの廃止の補償金を払おうとしたら金がない。一年なり二年なりそれをやってもうけて、それで廃止するということをやっているんですね。京都あたりですと、競輪やっておりますけれども、最初はだいぶこれに反対がありましたけれども、もう京都府の財政がそんなに豊かでない、他の工業県のように。したがって、いまだにまあ競輪はやっているわけですね。そしていろいろ地方財政の若干のこれによる潤いができているわけですから、こういうことはかなり地方、地方によっても差があるわけですね。ところが、自治省のほうでは全国一律に一つの基準をつくってこうやる。ところが、法律が全然地方で受け入れられない。地方では、もう整備の整ったところではどんどん開発税を取って、あるいは建築業者あるいは開発した業者から取ってある程度やっている。もちろんこれに対しては業者からも抵抗がありますけれども、しかしある程度はこれによって土地取得をしているわけですね。だから、こういう一体地方自治体で受け入れられぬような法律をあなた方はつくられたんですから、これに対する責任といいますか、こういう問題に対してどういうようにお考えになっているか、これからの立法上の態度として私はこの際聞いておきたいと思います。
#108
○説明員(石川一郎君) ただいま御指摘がございましたように、昭和四十四年度に宅地開発税が創設されまして、現在これを実施している市町村はございません。これはいろいろな原因が考えられると思いますが、ただいま御指摘がございましたように、宅地開発要綱等によりまして実質的な負担を開発者に市町村が求めております。この方法が非常に便宜でもあるし、また状況の変化にも応じられるというような点でございまして、税を制定いたします際には何ぶんにも市町村の議会の議決を経なければならない。なかなかその実態に応じて例示なり何なりをすぐに変えるというわけにもいかないという点が一つあろうかと思うのでございます。四十四年度に創設されてまだ二年度程度でございます。われわれといたしましては、さらにその実態についてよく検討を加えまして、やはりそうした要綱等による負担の求め方よりは税負担によって求めることが妥当であるというふうに考えられますので、市町村に対しましてできる限りの指導をいたしまして、これを課税する状況に持っていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#109
○河田賢治君 時間がありませんので。とにかくこういうふうな問題がありますから、地方自治体をより自主的に発展させるためには、いろんな条例なんかをつくらせるにせよ、できるだけ大まかな線を出して、できるだけ問題のこまかいところはもう地方自治体にまかしていく。地方自治体にそれだけの能力がないというなら、これはうそになるのです。いまますます能力が出て、住民パワーといわれるほど、いろいろの問題で住民自身も地方自治体にいろいろな要求をしているのですから、こういう点で、この法律がだめならこれはやめるような改正の案を出すとかあるいは改正するとか、こういうふうにやるべきだと思うのです。
 最後に、先ほど大臣も言われましたけれども、今度の国鉄の赤字線というのは、御承知のとおり、一度敷いたものを撤廃してくれというのは少ないのですね、できるだけ残してもらいたい。残すとなれば、これは五カ年間三千キロメートルを廃止するというのが国鉄の案なんですが、そうしますと、ある程度これは残る、相当残ると思うのです。要望としましては、さてそれで五十億というものは、いまの経済状態でかりに都道府県が援助をする、市町村で受け持つというのには財政能力がございません。だからそういう場合になかなか大きな問題だと私は思うのですよ。現に、バスの問題についても十分なまだ補助金が行き渡っていないような事態なんですから、ましてや国鉄の赤字を埋めるためにそれを引き受けるということは、地方自治体としてなすべきことでもないと私は思うのです。そういうことは大臣によって、一応国鉄のほうと自治省がそういう約束をされていたようでありますけれども、いまそういう先走った約束はしていただきたくないわけですね。これは法律も出てないのでしょう。運輸省の、あるいは国鉄の方針の内容として出ているわけですから、こういう点は、今後地方自治はそれによって破壊される私はおそるべき結果をもたらすと思います。そういう点で、こまかいいろいろな今度の問題につきましては、さらに局長などに質問して、きょうはこれで終わります。
#110
○委員長(玉置猛夫君) 本件に対する本日の調査はこの程度にとどめます。
 次回の委員会は、来る二十一日午前十時三十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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