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1971/03/21 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第5号
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1971/03/21 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第5号

#1
第068回国会 地方行政委員会 第5号
昭和四十七年三月二十一日(火曜日)
   午前十時四十三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         玉置 猛夫君
    理 事
                寺本 広作君
                増田  盛君
                占部 秀男君
                河田 賢治君
    委 員
                片山 正英君
                柴立 芳文君
                高橋 邦雄君
                安井  謙君
                神沢  浄君
                小谷  守君
                杉原 一雄君
                和田 静夫君
                上林繁次郎君
                藤原 房雄君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       自 治 大 臣  渡海元三郎君
       国 務 大 臣  中村 寅太君
   政府委員
       警察庁長官    後藤田正晴君
       警察庁長官官房
       長        土金 賢三君
       自治政務次官   小山 省二君
       自治大臣官房長  皆川 迪夫君
       自治大臣官房参
       事官       立田 清士君
       自治大臣官房参
       事官       森岡  敞君
   説明員
       自治省行政局行
       政課長      遠藤 文夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○警察法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○地方行政連絡会議法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 警察法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○高橋邦雄君 警察法の一部を改正する法律案につきまして二、三の点について質問いたします。
 指定市を持つ道府県の公安委員は、五名のうち二名は指定市の市長が市の議会の同意を得て推薦する者について道府県知事が任命をするということになっておるわけでございますが、来たる四月一日から札幌市と並んで川崎市及び福岡市が指定市となることになっておるわけであります。この結果、神奈川県と福岡県は二つの市を包括するということになるわけであります。したがって、市長の推薦する公安委員は横浜市、北九州市、川崎市、福岡市については一人ということになります。他の指定市は二人推薦される。こういうことになるわけであります。ある指定市は推薦される者が二人で、またある指定市は一人という結果が生ずるのでありますが、この点、その間に不公平といいますか不合理、こういう点はないのか、その点をまずお聞きいたしたいと思います。
 それから二番目は、公安委員は知事が任命するわけでありますが、その場合に知事は都道府県議会の同意を得て任命するということになっておるのであります。その場合に、市長が推薦をした者が都道府県議会の同意が得られないということになりますと、県と指定市との間にトラブルが起きる可能性があるわけでありますが、過去においてこうした事例があったかどうか、また法的な解釈はその場合にどういうことになるかお伺いいたしたいのであります。
 第三番目に、指定市には市警察部というものが置かれることになっております。市警察部は、道府県警察本部の事務を分掌するために置かれるわけでありますが、札幌市の市警察部はどのような形態を考えておられるか、またどのような運営をするのか、その点をお伺いいたしたいのであります。聞くところによりますと、大阪、名古屋、京都、横浜、神戸の五市は県警察本部の職員が兼務をしておる、そういう形をとっておるようでありますが、事実上市警察部としての機構を持っておるのは北九州市だけであるというふうに聞いておるのでありますが、札幌市の場合はどういうように考えておられるのか、お伺いをいたしたいのであります。
#4
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 まず第一点の川崎市、北九州市、それから福岡市、ここがいままでの市の推薦の公安委員が二名であったものが一名となるけれども、その点について不公平の点はないのか、こういう御質問でございますが、警察法の第三十九条の第一項ただし書きの規定に基づきまして、指定市の市の特殊性というものを勘案しまして、公安委員の数を、特に指定市を包括する府県の委員を五名とし、そのうち二人を指定市の市の議会の同意を得て市長が推薦する、こういうふうにされておるのでございますが、この趣旨は、指定市の特殊性ということにかんがみまして、公安委員の任命につきましてその市議会の、市の意向を反映させる、こういうことでございますが、同時に、この委員を二人にしたということは、公安委員会というものが知事の機関である、府県警察の機関であるという意味におきまして、これが知事の選任する公安委員が三名である。これとの関係において二人にしておる。こういうことでございまして、現行警察法第三十九条第一項の解釈によりますと、県の任命する公安委員が三名であり、指定市から推薦される委員が二名であるということは、これは現行法上、その指定市が一つである場合であっても二つである場合であってもそういう関係にありますので、これは現行法上当然そういうことになっておる、こういう解釈でございます。したがいまして、この点は一人であるから不公平であるとかいうことでなく、公安委員の選任につきまして、その構成の選任につきまして、当該指定市の意向をこれに反映させるということにおいてすでに目的を達成しておるということは言えるわけでございまして、特に一人であるからその公安委員会の運営がへんぱになるとか、そういうことは考えられないわけでございます。一人であっても二人であっても、一たんこれが県の公安委員として任命された場合には、一体として県全体の立場に立ってその公安委員会の運営に当たるということになりますので、この点については不公平という点はない、こういうふうに私どもは考えております。また、それが現行法の精神であり、また立場であると、こういうふうに考えておる次第でございます。
 第二の点でございますが、指定市の市長の推薦した議員が知事の、県のほうの同意を得られなかった場合があるか。こういうことでございますが、三十九条のこの規定によりますと、指定市の議会の同意を得て当該指定市の市長が推薦した者につきまして知事が任命すると、こういうふうになっておりますので、これは現行法上、それについて知事が同意するとか同意しないとかいうことでなく、その市議会の同意を得て市長が推薦した者をこれをそのまま知事が任命する、こういうことになっておりますので、御質問の趣旨のようなことは起こらない、こういうふうに私どもは考えておりますし、またそういうふうに運営されておるわけでございます。
 御質問の第三点の市警察部の問題でございますが、現在市警察部が各指定市にございますが、ただいま御指摘のように、北九州市を除きましては、それぞれの市警察部はすべて府県本部の所在地にその市警察部が置かれておるわけでございます。したがいまして、その運営が県本部の事務を分掌する市警察部としては、それを特別の、別個の運営をするという必要が特別には認められないわけでございます。もちろん、その当該指定市当局とは密接な緊密な連絡をとって、その市の特殊性に応じた、たとえば交通とか外勤とか、そういう運営はするようにいたしておりますけれども、組織としてこれを別個の運営にするという必要もございません。まあ行政の簡素化という面からもそういうふうな配慮をいたしまして、現在組織はできておりますけれども、その職員については兼務をいたしておるのが実情でございます。こういった点から考えますと、札幌市警察部におきましても、これは北海道警察本部の所在地と同じ場所に市警察部が設けられることとなりますので、おそらくそういった前例が尊重されて、市警察部というものが設置されることになるのではないかというふうに考えられるわけでございますけれども、まあ市警察部というものの設置されておる理由と申しますか、そういうことを尊重いたしまして、その市の特殊性ということに合った市警察部の運営というものを考えてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#5
○杉原一雄君 今度の改正案は、いま高橋委員から解説をいただいたわけですが、まあ大体三プラス二は五であるといったような法改正のほとんど技術的な改正だというふうに理解をいたすわけでございますけれども、しかしまあ一応二階に上がるには階段が必要だということでこの種の改正提案が行なわれておると理解するけれども、私は二階に上がる前に、こういう時点で、われわれは公安委員制度というものについて、その任務とかあるいは権限とか、あわせて今日までこの委員制度が戦後かなり長い期間続いているわけですから、歴史的経過を顧みて、その功罪等について若干の検討を加えてみることはあながち国政上むだではないだろうという、こうした素朴な視点に立って問題提起をしていきたいと思います。
 そこで第一点として、言うまでもなく、警察行政の原点は警察法にあるわけでありますし、警察法の第一条では目的などかなり明確に打ち立てられていることは言うまでもないわけです。個人の権利と自由を保護するとか、公共の安全と秩序を維持するとか、民主的理念を基調とする警察の管理と、ここらあたりは特に私たち強調をしたいところですが、管理、運営を保障していく、能率的にその任務を遂行するに足る警察の組織を定めることなどといろいろ明記されているわけですが、この警察行政を進める中で、公安委員会の位置づけと申しますか、はたしてこの第一条の目的に即応した位置づけと活動成果等があがっているということが総括できるかどうか。総括というと連合赤軍の総括は死刑になりますが、そういう意味ではなくて文字どおりの総括ができるかどうか。これは官房長でもどなたでもいいですから一応の総括をいただきたい、公安委員制度について。
#6
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 警察制度を管理する公安委員会制度が法の目的に沿った成果をあげておるかどうかと、こういう御質問でございますが、ただいま御指摘のありましたように、現在の警察法の理念は民主的な管理方法、民主警察を理念といたしておるわけでございます。その線に沿って公安委員会制度というものができておるわけでございますが、この公安委員会制度は、日本のこの警察制度を民主的に運営する上において非常な効果をあげておると、こういうふうに申し上げることができると存じます。申すまでもなく、公安委員会、現在一般の府県においては三人、警視庁それから指定市においては五人ということになっておりますけれども、この公安委員会の制度によって、合議体によって中立性、つまり民主的と申しますと、何と申しましてもまず警察の中立性を確保するということが大事でございますが、この中立性の確保のためには、この公安委員会制度というものが非常にその成果を発揮しておるわけでございますし、また同時に、警察の特性といたしまして、警察運営の迅速性と申しますか、あるいは意思決定を明確にすると、こういう警察の職務の性質上そういう要請もございますけれども、この公安委員会の制度というものが非常に適正な規模を維持しておりますために、そういうふうな点におきましても非常に効果を発揮しておりまして、何と申しますか非常によく民主的な警察が運営されていると、こういうふうに申し上げることができると、こういうふうに存じます。
#7
○杉原一雄君 官房長の答弁を聞きますと、きわめて今日までの結論は良好である、好ましいことだと、こういうことのようですね。で、私は一応仮説を立てたいわけですが、欠陥があったという一つの仮説を立ててみて、一応判断の基準を警察法第二条第二項に求めて、そうした点について万遺憾なかったかどうか、その点を明らかにしたいと思うのでありますが、ここまで言えば官房長も御承知だと思いますけれども、具体例は差し控えまして、第二条の第二項は「警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであって、その責務の遂行に当っては、」先ほど御説明の中に出てまいりました「不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない。」、この規定は、一警察官から上は公安委員に至るまで全部かぶさっていくきわめて厳粛な規定だと思うのです。そういう点で、いま官房長が非常によかった、よかったということなんだが、顧みて、この点について全く問題はなかったというようなことで官房長明確にお答えができるかどうか。またそのような点検を十分になされているかどうか、その辺もう一度確認をしたいと思うのですが、どうですか。
#8
○政府委員(土金賢三君) その点は、第二条の線に沿った運営がなされたと、こういうふうに申し上げて差しつかえないと、こういうふうに考えます。
#9
○杉原一雄君 これは一まつの危惧かもしれませんが、えてして政府並びに与党の私兵に堕落している側面がないだろうかという、一つの野党的ひがみでございましょうけれども、そういう観点からいろいろ見てもきたし、見てもいきたいと、こう思うわけであります。それなくしては、やはり第一条なり第二条の精神が正しく貫かれることがまたあり得ないだろうと思いますので、こうした常に視点を持って問題を見ている一人でございますけれども、ある県において――これは具体的にこうだ、ああだということじゃないですけれども、これはほんとうの感じでございますけれども、高等学校授業料の陳情に女の方が押しかけた――押しかけたというと、それも集団暴力のような印象を与えますが、そういうのじゃなくて、陳情書を持って、御婦人のことですから県議会のある政党をたずねて、いかがでしょうかと説得これつとめたと。女性のことですけれども、中沢さんがおってあれですけれども、かなりしつこかった。かなりしつこかったものですから、その党の人が、おまえたちのような者は全部警察のリストに載っているという、言い方をかえれば、連合赤軍のおまえら女性派じゃないかと、こういう暴言でその部屋から追っ払われたという事実があります。
 それは現象的には非常にさまつな現象ですが、私はその人たちの暴言の背景にあるものは、何をおまえらもたもた言っているんだと、おれらのうしろにはすばらしい警察群がいるんだという自負と、何かそういう錯覚を持っているんじゃないかと思いますが、その種の自負なり錯覚を与えたところに、今日までの警察行政、公安委員会等の選任その他をめぐっての一つの経過が伏在するのじゃないかと。これはもうかなり濃度の薄いスモッグだと思いますけれども、そういうものがやはり存在するということで、いま官房長が、いや、第二条第二項を非常に貫き通してせいせいとしているんだというような、胸を張ったような答弁は私すなおに実はいただけないです。これは私のコンプレックスかもしれませんが、そういったような情報などここでお聞かせくださいと言っても、官房長は口を割っても言わないと思います。それはやはり皆さんがこうした問題を担当なさる場合に、企画なさる場合に、管理運営なさる場合に、それは謙虚に配慮していただきたいと実は思うわけでございます。
 そこで、次の第三点に移りますが、それでは具体的に警察行動のさまざまの場合に、公安委員会という、合議体の公安委員会というものがどういう位置づけにあるのか。法的には、国家公安委員あるいは都道府県公安委員のいろいろな位置づけがあるわけですが、それは法の問題として、いま私はなまの具体的な問題として的はずれな質問をあえていたしますが、そういう問題の場合に、公安委員会というのはどのような位置づけをしているのか、企画、立案、決断、そうした問題等をめぐって。
 それで二つの具体例をあげていきます。具体例をあげるというのは、その具体例の場合はいかがでしょうかとお尋ねするわけですが、第一は「あさま山荘」事件の場合、これは主たる公安委員会の担当は長野だと思いますが、長野県の公安委員会はどのような位置づけにあったのか。事実これはなまの問題ですから、その辺のところを明確にお願いしたい。ぼくらのようなものにわかるような説明をお願いしたい。なかんずく、その中で他府県へ協力を要請されたと思います。それからまた警察庁の多くの指導があったかに思いますが、その辺の警察庁との関係、長野県公安委員会等の関係、他府県公安委員会等の関係、そうした関係等についてどういう位置づけにあったのか。法的なことはもちろんのこと、具体的にどうであったのか、それをひとつお聞きしたいと思います。
#10
○政府委員(土金賢三君) 杉原委員から御指摘のありました公安委員会の運営についての問題ということにつきましては、私どもも従来第二条の精神に沿った運営を行なうようつとめてきたところではございますが、今後とも、先生のそういった御指摘もございますし、私どもといたしましても、謙虚にこういうような点を反省して、警察法の運営に誤まりのないよう努力いたしてまいりたい。こういうふうに考えておる次第でございます。
 御質問の公安委員会の運営上における位置づけの問題でございますが、公安委員会は、御承知のように、警察法によりまして「都道府県警察を管理する。」、こういうことになっておるわけでございます。管理するというのは、都道府県警察の運営全般についてこれを管理する。つまり警察法第二条の責務に、公安委員会が管理を通じてその責務を負う、こういうことになるわけでございますが、ただ、この管理と申しますと、この意味は、この大綱方針を定めて、その大綱方針によって事前事後の監督を行なって、そしてその大綱方針を守らせていくというところにあるわけでございます。それでこの管理の規定を受けまして、本部長は公安委員会の管理に服して、そうして本部の事務を統括していくということが法律上も規定されておるわけでございます。つまり公安委員会はその大綱方針を示して、そうしてこの運営に関する指揮監督は内部的には本部長を通じて行なわれる。つまり個々の事件について具体的な指揮をするということではなく、大綱方針を本部長に示し、本部長がその管理の趣旨を受けて、そうして具体的な事件を処理していくと、こういうふうな法律のたてまえになっておるわけでございます。
 したがいまして、たとえばただいまの「あさま山荘」の事件のような場合におきましても、他府県の応援を受けるかどうかと、こういうふうな問題は、これは大綱の問題といたしまして、本部長が公安委員会の御指示を受けて、そうしてほかの県の公安委員会に応援要請の手続をいたすわけでございます。それによって、その応援要請を受けた県の公安委員会が応援派遣の決定をする、こういうことに相なっておるわけでございます。しかしながら、個々の具体的な、「あさま山荘」事件についてどういうふうな戦略作戦をとるかというふうな問題までも一々公安委員会の御指示を受けてやるということではございません。御承知のように、こういった事案の捜査というものは、そのときどきに応じて機敏な作戦をとらなければいけませんし、そういうふうなことにつきましては、たとえば人命尊重あるいは人質の無事救出と、こういった大きな方針について公安委員会の管理方針を承って、その線に沿って本部長が具体的な運営をすると、こういうことに相なっておるわけでございます。
 なお、警察庁との関係でございますが、警察庁とも公安委員会というものは密接な関係にあるわけでございます。しかし、法的に申しますと、国家公安委員会のもとに警察庁がございまして、警察庁は、先ほどの公安委員会、県の公安委員会と同じように、警察庁長官が国家公安委員会の管理のもとにあるわけでございます。そうして警察庁長官が都道府県警察を指揮監督すると、こういうことになっております。ただ、その指揮監督のしかたがその事案によっていろいろ違っておるわけでございますが、この間の「あさま山荘」のような事案につきましては、一般的な、何と申しますか調整と申しますか、ほかの県の、関東管区内の各県の応援要請も受けておることではございますし、そういった関係各県の連絡というか、そういうもの全体の調整をはかると、こういうふうな意味で、長官の指揮監督のもとに警察庁から職員が派遣されてそうして参謀的な役目を果たすと、こういうふうなことをいたしておった次第でございます。
#11
○杉原一雄君 きわめて形式的なことを尋ねますが、長野県公安委員会は、「あさま山荘」のような事件が起こった、そこで警察本部長は年間の大綱方針に従って行動するということなのか、あるいは、その事件に対処する場合、緊急公安委員会を開いてかなり具体的なことについて相談をしながら、いわゆる基本的な問題を決定した上で行動していかれるのか。
 もう一つ明らかにしていただきたいのは、いわゆる公安委員会の例会というものがあるわけですね。ぼくらもいろいろな団体の運営をやってまいりましたからあれなんですが、大綱決定というとかなりすなおできれいなことのようでありますが、それだけで済まされないような――「あさま山荘」事件のごときは、私も左翼で「新」の字がつかないだけですからまあ旧左翼でしょうが、われわれのような旧左翼でさえも想像もつかないようなああいう事件でございますね、こういうときにはかなり奥行きの深い施策とイデオロギー的ないろいろな分析が必要だと思いますが、こういうときにこそ公安委員会の持っておる広さ、奥行き、そうした公安委員会という一つの組織の良識的な判断が私は必要だと思います。結局、今度の場合、どういう形で公安委員会が具体的に持たれたとは聞きませんし、全然開かれないで、年度初めの大綱方針に従って警察本部長は迅速果敢に問題を処理していったというふうにとっていいのか、その辺の具体的な運び方。私が聞きたいのは、緊急の場合にはどういう処置を公安委員会は従来とってきたのか、今度の場合特にどうとったのか。例会というのが月一回とか、あるいは第何週に行なう等々、それぞれの機関の何によっていろいろ違いますけれども、その辺のところは全国的に一体どうなっておるのか。長野県はどうしたかと、こういうことですね。
#12
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 公安委員会の運営につきましては、いま御質問にもありましたように、例会というのが毎週一回ございまして、その例会の席におきまして、各県本部の幹部が出席しまして、本部長のみならず各幹部も出席いたしまして、その週間のいろいろの重要な問題について御報告し、そうして基本的な問題について御指示を仰ぐと、こういうことが常態の運営になっておりますが、こういう重大な事件が突発したという場合には、多くの場合、緊急の公安委員会というものが開かれるのが通例でございます。緊急公安委員会を開いていただくいとまがないという場合には電話等の連絡によってそれぞれ御報告して、根本の方針については御了解を得て、そうして本部長がその趣旨に沿って運営をすると、こういうことで、おそらく今度の長野の場合におきましても、そういった措置がとられているものと考えます。
#13
○杉原一雄君 それ以上の域を越えた答弁はできないと思いますが、もちろん公安委員会というのは、大体秘密会議方式をとっているわけでしょう。その辺はどうでしょう、公安委員会の運営の場合。
#14
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。公安委員会の議事の内容につきましては、これは公開はいたしません。いたしませんが、一般的には、こういうことが問題になったというようなことは定例の記者会見等において公表というか、公表のしかたもいろいろあるわけでございますけれども、こういうふうな点を公安委員会で報告したというふうなことは公表する場合もございます。
#15
○杉原一雄君 この問題は、これ以上要求してもなかなか無理だと思いますし、いわんや、警察官二名の人命を断ってまで問題に積極的に取り組まれたわけですから、こうした問題は歴史の中で正しく審判なり批判なり、いろいろ行なわれるものと思いますから、私はこの問題をいまことさら深追いしようとは思いません。
 次に、もう一つ具体的な例として、いま非常にマスコミ等に大きく騒がれている映画の問題ですね。映画の問題といってもちょっとぼやっとしていますが、日活に手を入れられたわけですが、具体的にはポルノ映画の問題が捜査活動に入ってどんどんいま進んでいるわけですね。これは警視庁の仕事ですが、この問題等については、「あさま山荘」事件のような場合、刑法とかいろいろな法的にも国民がうなずけるような面が非常に多いわけですが、映画の場合は、この中でみな意思統一をしようとしたらぼくはできないと思うのですね。どれがポルノであって、どれが公安、秩序に触れないかということで議論が百出すると思うんです。これほど文化の問題、芸術の問題、いわゆるレジャーの問題、国民生活には幅の広いかかわり合いを持っている問題、こういう問題に対して警察権力が刑法に従って捜査、逮捕、起訴、こういう手続をおとりになるわけですが、そのことをおやりになる場合に公安委員会はたなに上がっておったのかどうか、その辺のところを。そういう場合にこそ、私は、大綱というよりも、基礎論議をする場として公安委員会が非常に必要ではないだろうか。一捜査課長が、あるいはまたそういう担当の課長が敏速に判断して行動をとる――逃げも隠れもしない相手ですからね。こういう問題等の場合に、芸術の問題、文化の問題――まあ学術の問題まではいかぬけれども、あるいはいま国民生活に大きな幅を持ってきたレジャーの問題ですから、このレジャーの問題のように奥行きと間口の広い問題を、警察権力がそこに中央突破をやる場合に、かなり私は高度な議論をする必要があると思います。私たちにまず相談してくれとは言いません。警察法に従って、公安委員会という既設の機関がございますから、この公安委員会の中で、こうした問題に手をつける前に適切な公安委員会の討論なり意思統一なり打ち合わせなりが、かりに大綱ということばで結ばれていようといまいと、行なわれたものかどうか、その辺のところを土金さん、どうですかね。
#16
○政府委員(土金賢三君) ポルノ映画というか、こういうふうなものにつきましての基本的な警察の方針と申しますか、そういうわいせつかどうか、こういうふうな判断、これは最高裁の判例等においてその判断の基準と申しますか、そういうものが示されておるわけでございます。と同時に、そういった判断の判例等に基づいて、最近のこういった風潮に対処して、どういうふうに風俗警察を運営していくかと、こういう問題については、かねがね良識を非常に持っておられる公安委員、特にそういう見解と申しますか、見識の高い公安委員さんでございますので、公安委員さんの日ごろのそういった御意見を伺っておるということは、これは間違いないと思うんでございます。
 ただ、そういった公安委員会、その具体的な個個の事件に着手する前に、公安委員会の御決裁と申しますか、そういうものを得たかどうかという点につきましては、私、この事案について、警視庁のほうの事案については、ちょっと調べておりませんので何とも申し上げかねますけれども、全般的な考え方ということについては、公安委員会の御意向と申しますか、そういうことは日ごろいろいろと、この大きく新聞に取り上げられた事件は今度のこういったポルノ映画の事件でございますけれども、こういうわいせつ事案というものは、今度の事案に限らず、いままでも間々あるわけでございます。そういった事案の処理を通じまして、日ごろ公安委員会の御意見なり御方針なりを承っておりますので、そういう線に沿って事案を処理していくと、こういうことになっておるのが実情であると、こういうふうに考えます。ただ、したがいまして、ポルノについての取り締まり方針ということは、日ごろお考えを承っておりますけれども、具体的な、何日にそれに着手するということについて、事前に公安委員会の御指示を得るというふうなことは必ずしも、どうも私自信がございませんが、とってないのではないかという感じもいたします。
#17
○杉原一雄君 この場でポルノ論争をぼくはやりたいとは思いませんが、ぼくほどセックスに対する潔癖なきびしい考え方を持っておる者はおらないと思います。そういう意味では、ポルノ論争にぼくは参加をする資格がないだろうと実は思っておるわけですがね。ただ、国家公安委員長がそこにおりますから、国家公安委員長は、よく警察官の諸君は努力してくれておる、まあ「あさま山荘」の問題は別として、このポルノの問題についても、委員長の判断としては、これは当を得ていると、こういうふうにお考えか。いま官房長が言ったように、常識ということばがありますね、良識ということばがありますが、しかしこれも非常に明治時代と大正、昭和と、なかんずく昭和、最近の動向等には非常なぼくは激変があると思うんです。
 「現代の眼」というインテリ雑誌があるわけですが、これに上坂冬子という人、評論家のレポートがあるんですが、この中に、私も驚いたんでありますが、「父なし子を産む会」というのがあります。子供を、腹が大きくなっても、これは私の子供だとか中村さんの子だとか、そういうことはどうでもいいんだ、だれでもいいから腹がでかくなったら子供を産めばいいではないか。つまり、そのねらいは何かというと、現在の婚姻法を否定する、こういうショッキングなクラブが下井草にあるというのですが、これは警察の対象にはおそらくならぬと思うんですが、ただセックスなり夫婦なり婚姻法なり、われわれ常識的だと思われることがもののみごとに粉砕されているという、ごく一部のできごとでありましょうけれども、上坂冬子のレポートにそれが出ているわけです。私は驚きました。それが私の良識であって、それを驚かないで、それに意義を見出している人があるわけですね、婦人グループに。そういうことなどを考えると、ポルノ問題なども、公安委員長もたいへん苦労されたと思うんですが、現時点では委員長発言しにくいかもしれませんが、警察官の皆さんよくやってくれた、徹底的に日活洗えという判断には変わりないですか、いかがですか。
#18
○国務大臣(中村寅太君) このポルノ映画の件でございますが、やはりこれは限界が、わいせつの中に入るかどうかということが基準だと思いますが、杉原議員も仰せられますように、わいせつというようなものに対する国民の観念といいますか常識といいますか、そういうものが、やはり時代の動きとともに少しずつ変わってきておるということは否定できないと思うのでございます。私は、こういうものの取り締まりは、やはりできるだけ時代の動き等とにらみ合わせながら、きびしきに過ぎないように、ゆるやかにまた過ぎないようにという、きわめてむずかしさがあると思うのでありまして、警察当局としても、ああいう映画に手をつける前には慎重に慎重を重ねて私はきておると信じております。そういう大体が指導の方針でございます。あの問題に手をつけるまでに、いろいろ内部でも検討もしたろうと思いますし、私も直接聞いてはおりませんが、公安委員等の意見等もおそらく聞いておると思いますが、そういう手を尽くすだけ尽くして、慎重に慎重を期した上で私はあの問題には手をつけたんだと、こう考えております。そういうことでございまして、大体の取り締まり方針としましても、やはりいま言いますように、千編一律に、五年前も十年前も同じような線というわけにはなりかねるのではないかと、それで国民の一つの目というものも非常に大きく刺激を受ける時代と、何となしに刺激が薄くなってくる時代がありますので、そういう点を勘案しながら適正を期していくという方針でやっていきたいと思っております。
#19
○杉原一雄君 問題が提起されてから、新聞なりいろいろなマスコミ等があらゆる角度から議論をされているわけですから、官房長の手元にいろいろ意見が舞い込んできていると思いますね。がんばれ、がんばれという協力、激励の意味のいろいろなものとあわせて、そうじゃないんだと、高橋誠一郎さんがおっしゃるように、それは表現の自由に対する警察権力の介入だ、けしからぬじゃないかと、アメリカを見なさい、ヨーロッパを見なさい、アメリカ等ではもっと刺激的なポルノ映画等がはんらんをしているけれども、最近は国民はそれに対する適正な判断と抵抗力ができて、もはやこういうものは見向きもしないところまで前進をした。つまり社会全体のそれに対する対応の力が非常に変わってきていることなど報道されているわけですが、全体的な評価として、これに手をつけてからこれほど論争を呼んだことはないと思うんです。「あさま山荘」の事件のごときは、大体方向づけがいろいろ危惧される点はあるとしても、大体の国民の心理は同じ方向に向いているということです。ポルノに関する限りは、かなり私は複雑怪奇な姿をとって世論が動いていると思うんですが、そうした点については、公安委員長は部下を信頼するということに尽きているわけですが、しかし、もう少しここの時点で踏みとどまって、いま進行中のそうしたことについての警察行動について世論もたいへんきびしいですから、どのような判断をしておいでになるか。とにかくこれは統計的な考察でもいいですけれども、どうですか、最近かなりきびしいのじゃありませんか。
#20
○政府委員(土金賢三君) ただいまのポルノの警視庁で検挙に着手したということについての反響につきましては、警視庁並びに警察庁の主管部のほうにはいろいろと大きな反響があるやに聞いております。新聞の投書欄等を見ましてもそういった点がうかがわれるわけでございますが、私、主管の部長ではございませんが、私の直接伺いする範囲では、大いにひとつあれはやれという御意見のほうが多いように、これは個人的なので恐縮でございますが、主管部長でございませんので、その点あるいは主管の部長は印象が違うかもしれませんが、はたから見ております私の判断としては、どうもそういう御意見のほうが多いような印象を持っております。
#21
○杉原一雄君 いろいろ私も冷静に論評を読んでいるわけですが、あるいは黒田清輝の裸婦等は、あの時点ではやはりこれは抹殺されたわけです。大衆の目から姿を消したわけです。ところが、私もそれほど絵を好きというほど好きじゃないけれども、ちょっとひまがあればデパートの無料展覧会を見る程度ですが、このごろ見ておりますと、容易ならない絵がたくさんあるわけです、昔の私たちの古い思想から見れば。だから、結局私の言いたいのは、刑法に基づく警察発動であろうと、問題は、そういう文化性の問題、芸術性の問題。最近はまあレジャーというのが生活の前面に大きく顔を出しておるわけですから、そういう角度からものを見る場合に、非常に多角的な柔軟な、しかも適正な判断をするということになりますと、その中につらを突っ込んでしまうとなかなかむずかしくなりますから、今後の警察運営、統括の面に、後藤田長官も来ましたけれども、その場合にこそ公安委員会等の幅広い良識と判断をある程度持たせるのが運営上きわめて妥当じゃないか。だから私は、公安委員会の権能なり職務をより一そう重視をしていきたい。例会は例会であったじゃないか。年度初めにこういう大綱をきめたから、あとおれらやるんだというような、とかくそういうふうになります、こういう機構というものは。そういうことについて、いまこそ公安委員会の必要性と申しますか、任務、権限を再検討して、原点に立ち返っていくべきじゃないかということを念願するあまり、二つの例をあげながら実情をお伺いしたわけで、この問題についての私の見解を述べる場ではございませんので、これで終わります。
 第四点は、そうしたことから、私らの発想は皆さんもすでに御想像ができますけれども、一応私仮説をとってみますから、仮説でございますから失礼な分もあると思いますけれども、先ほど警察法第一条なり第二条第二項によりまして、警察のいわゆる公平妥当な活動ということ、その間における公安委員会の任務ということが問われたわけですけれども、私は仮説として、最近の警察が自治体警察から国家警察にかわり、そうしてまた警察庁等が、後藤田さんのような人格者は別として、機構そのものは非常に中央集権化の方向に進んでおると、これは仮説ですから腹を立てないでくださいよ。その中央集権化の方向に進んでおる。しかもそれを動かしておるイデオロギーは――イデオロギーはすべて悪いのじゃないのですから、いいことも悪いこともあるけれども、国家主義的イデオロギーの方向に逆行しつつあるのじゃないか。しかも、とみに最近加速度化されておるのじゃないかという仮説ですね。この仮説を一応ぼくは立てますから、それぞれお三人の方々から否定なり肯定なり――肯定したらたいへんですから否定されると思いますが、その場合にまず主要点として第一点、第二点、二つあるのですが、全国の公安委員の職業、それから選任直前の政治歴、それはわかりやすく言えば政党歴ですね、政党歴はなかったとは言えませんよ、必ずありますから。年齢等その他についてのことを明らかにしていただいて、これを見てどう思うかという――そのどう思うかということは私が思うのじゃなくて、あなた方が先ほどの私の仮説に近づいておるということを否定できるような状況にあるかどうか、それを明らかにしてほしい。
 第二番目は、公安委員に対するところの報酬――月額、年額――月額でわかりますけれども、報酬は一体どうなっておるのだろうか。つまり、やはり人間は衣食足りて礼節を知るわけでありますから、衣食住まではいかぬまでも、公安委員会ですから非常勤ですから、常勤じゃありませんのでそれほどのことは期待できないでしょうけれども、その面については、いま議論しておるのは都道府県ですから、都道府県の公安委員の報酬は一体どれぐらいか、全国最高、最低、平均、そうしていろいろ行動なさる場合があると思います。県会議員の報酬と私らの行動費を考えてみると県会議員のほうが多い。こうしたことが公安委員の場合に、出張その他の行動諸費がどういう手当を各都道府県において行なわれておるだろうか。これについて、政府委員のほうに御連絡を申し上げたのでありますけれども、まだ私の手元に出ておりませんし、たいへんにやっかいな資料かもしれませんけれども、官房長かどなたからか御答弁をひとついただきたいと思います。
#22
○政府委員(土金賢三君) 全国の都道府県公安委員の方々の職業でございますが、全部で百五十二名だけをとりあえずこれは調査したものでございますが、会社の社長をやっておられる方が七十二名、それから役員の方が十三名、大学教授――名誉教授を含みますが――の方が八名、学校長の方が二名、弁護士さんが九名、それから医師が十九名、僧侶それから宮司が二名、団体役員の方が五名、農業をやっておられる方が九名、無職が六名、その他七名というふうな状況でございます。
 なお政治歴、政党歴と申しますか、公安委員の選任前の政党歴、これは指定府県のみについて調査をいたしましたのでございますが、東京都では政党歴がある方はおられません。神奈川県で一人、横浜の市議会議員をやっておられた方がございます。これは政党関係はなかったようでございます。
 それから愛知、京都ではございませんで、大阪で就任前に自民党の市議会議員をやっておられて、議長をやっておられた方が一人おられます。
 それからそのほかでは北九州もおられません。福岡も北海道も、これは現在の公安委員の三名の方にもおられないわけでございます。したがいまして、結局政党歴のあった方というのは、政治歴のあった方が二名現在おられるというのが指定府県の実情でございます。
 それから年齢別の構成でございますが、四十歳代の方が四名、五十歳代の方が二十四名、六十歳代の方が八十名、七十歳代の方が四十八名、八十歳代の方が七名おられます。大体年齢別構成は以上のようでございます。
 それから報酬でございますが、報酬はそれぞれの県の特別職の給与に関する条例によって定められておるわけでございますが、東京都の例で申し上げますというと、委員長が月額十三万円、委員が十万円でございます。大阪が月額、委員長九万五千円、委員が八万五千円。大体ほかの県でもその程度、あるいはそれを若干下回っておるような状況でございます。
 以上のようなことでございまして、最初の御質問の御趣旨にありましたような、警察の機構が中央集権化しておるというようなことは私どもでは考えておりませんし、また、そういうふうなことにならないように日ごろの運営につきましても十分注意いたしておると、こういうふうに注意いたしておるところでございます。簡単でございますが。
#23
○杉原一雄君 そこで、こういう数字だけでものを見るということは非常に軽率でありますし、私もそういうことはあまり好まないのでありますけれども、かりに百五十二名のうち一番多いのは会社の社長ですね。しかもこの社長は、私の県あたりで見ますと、地場産業でも一、二を争う会社の社長ですね。これは私の県だけではございませんが、この会社が公害を多発している会社等がないわけではないと思うのです。この七十二の社長というところが気がかりになりますね。これは経済的にこの人たちは豊かであるからということでお選びになったものか、分析ですよ。それはあなた方が選んだわけではないのですから、それともこういう立場にある人が第二条第二項にあるように不偏不党、公平なのでしょうか。ぼくは会社の社長という人種からは杉原一雄という名前の投票をもらった覚えはないですよ。社会党には少ないと考えられる。そこらあたりにこの不偏不党でない、やはり党派が明らかじゃないですか。現行体制維持、現状維持、現在の社会秩序を維持するという方向でこれはがんばるというのは、これは政治的表現をすれば保守的傾向ですわね。そういうのが社長じゃないでしょうかね。この中に社長もおるでしょうけれども、社長で共産党になったり社会党になる人はまれですよ。この数字自体が私公安委員会の性格をあらわにいたしておると思うんですがね。その辺の分析をどうしてくれということをあなた方に要望することはやぼですけれども、これは法第三十九条なんかできめておるわけですから、それに従って各県知事が選任し、いま政令市長が議会に相談してきめるわけですから、その自主性までおかそうとは思いませんが、こうした中で適正な警察行政、第二条第二項に基づく不偏不党な判断と決定が行なわれておるという判断をしておること自体が、私は仮説を裏づける結果になると思う、というふうに思われるのですよ。思われるのが危惧であればなおけっこうですから、その危惧を補うようなやはり公安委員長等の指導行政が必要になってくるんじゃないか。しかし、どう見たってこれはやはり疑いますよ。私らまあ労働運動をしてきたもんだから、そこは会社の社長は、私は時と場合によっては、ある場合には敵呼ばわりをするくらいですからね。あまりかんばしくないんですよ、こういうのはね。そういう点が一つあるでしょう。
 それから官房長、年齢ですよ。これでかなり良識ある年齢ですかね。ぼくも年がいきましたので、これはあまり言いたくありませんが、これが誇り得る年齢とは思いませんですよ。先ほどのような複雑な警察行政のあり方というものを判断する場合に、その年齢がたいへん問題ですよ。どうしてもこういうところから私想定できるのは、失礼だけれども隠居仕事になっているんじゃないですか。私、町内会長をしているんですよ。私の年で町内会長をしているのは、これは若いほうですね。いまここに七十歳以上が四十八人という統計が出ているんですが、私も五年間かわらぬですよ。なぜかというと、聞いてみると、「せめてこんなことでもしておらぬとさみしくて」という、これが心境ですよ。政界は定年退職はありませんけれども、ここらあたりでちょっと胸を張って、おれは満足するというような、何かそうした年齢構成じゃありませんか。どういうお考えですか、ここら辺のところを。まず社長の多いこと。それから年齢が六十歳以上八十人、七十歳以上四十八人、こういうところにポイントを合わせて、後藤田さん一ぺんも答弁しておりませんが、どうですか、長官一ぺんやってみてくださいよ。あなたの良識のあるところを。
#24
○政府委員(後藤田正晴君) 御案内のように、公安委員会の制度の大きな柱が政治的に警察の中立性を確保する、こういう趣旨にあるわけでございます。したがって、府県での公安委員の選任の状況等を見ておりますというと、非常にその点にむしろ神経過敏であるといったぐらいの配慮が加えられているように思います。そういったことも影響をいたしまして、とかく無難な人選におちいりがちである。無難という人選は、非常にいい面もございますけれども、同時にまた、御質問のように、ややもすれば退嬰的な人事になりがちである。これもおおいがたい点であろうと思います。そこで、とかく一たん任命をせられた方が再任をする。これは一番楽でございます。そういったことで任命等も次第に老朽化する。いま少しく私はやはり各県の公安委員の皆さん方については、私から言うのはまことに失礼ですけれども、やはり年齢等も相当にバラエティーを持った構成が適当ではなかろうか、かように考えております。会社社長の経歴の者が多い、こういうことでございますが、これらの方の人選にあたっても知事としてはよほど配慮をせられて、この人ならば無難な人事であろう、公安委員という特殊な地位にふさわしい人であろう、こういう観点から選んでおるものと思います。したがって、御質問のように必ずしも政治的な意味での保守政党に属す保守政党的考え方を持っておる人に偏するといったような私は考え方でなくて、やはり無難な、公安委員という仕事にふさわしい人を選ぼうというようなことから、県内の人材を見回してどうしてもこういうところに数が多くなる、こういう傾向であろうと思います。しかし私は、やはりこういう点についても年齢の点と同じように、いろんな職種の人が公安委員に時代時代によって入ってくるということがベターであろう、こう考えます。
 実は、昭和二十二年に警察制度が改正になりまして、当時から私警察庁におるんですが、一時は公安委員といえば坊さんと医者です。ほとんど坊さんか医者だったというのは、あまりにも選任条件がやかましい。そこでどうしても広く人材を求めたいという知事さんの意向があるにかかわらず必ずしもうまくいかない、こういうような面もございました。最近はそういう点は逐次よくなっておりますが、御質問の点については、これは先行き私はあらゆる種類の人がその時々の状況に応じて就任していただくのが警察全体の政治的な中立の確保、並びに警察の民主的運営という観点から見て好ましい姿であろう、かように考えております。
#25
○杉原一雄君 もう最後に、時間がございませんから終わりますが、先ほどの警察の中央集権化という仮説をぼくは出したわけですが、資料とかやりとりの中で、もうだいじょうぶだ、心配ない、警察はだいじょうぶだ、公平だ、不偏不党の形で行なわれているということは、それほどの私自身まだ確信もつかめません。これをお聞きしても無理だと思いますが、このいま申し上げました仮説を上塗りして、最終的な仕上げという方向で、警察庁を独立させ、長官を国務大臣にする、いま公安委員長ですから、そういう意図は内々ひそかに実は計画されているということはないのかどうか、これはひとつ公安委員長からお伺いしたいわけです。そういうこと等を含めて、私はいま公安委員会の制度の問題で警察法の一部改正案についての質疑応答をやってきたわけですけれども、少なくとも警察法の第一条、第二条これは戦後の新しい憲法と同時に、日本の民主警察確立への原点であると思います。そういう観点に立って、その原点をもう一度お互いが、想像もできないような連合赤軍のようなできごと、あるいはいま国内の世論を二分しているこの論争のごとく、こうしたものに対応するために、いまこそ公安委員制度の確立、その責任、そしてその権限、そして人選等を含めた体制の強化が必要であるというふうに理解している。
 あまりいろいろ回りくどいような実は質問をしたわけですが、最後に、先ほど申し上げたことについて、委員長のお手元にそうした計画等が立てられているかのごとき情報も伺ったわけですが、その点明確にお答えをいただきたいと思います。それをもって私の質問を終わります。
#26
○国務大臣(中村寅太君) 私は現在の警察制度としまして、杉原委員の再々おことばの中に出ておりましたように、公安委員会制度というもの、これは一つの大きな効果をあげていると確信をいたしておるのであります。私らが地方の公安委員の人たちに接触してみましても、その人柄といい、あるいは識見、見識といい、きわめてりっぱな人がおる。さらに先ほどいろいろ資料を見ますと、いろいろな問題もあるようでございますが、大体においてきわめて民主的な人が選ばれておる。こういうことを考えますときに、私は公安委員会制度というものは非常に定着してきておると思いますが、効果もあげておると思います。
 そういうことを考えますときに、今後この公安委員というものをもっと強化していく必要がある。それは先ほど年齢等も問題になりましたが、私はやはりもっと手当を十分出しましてもっと活躍の……、人生の中で一番盛りの人であるというような人でもやれるような私はやはり処遇を考えなければならぬのじゃなかろうか。そういうことを考えることは将来必要だと思いますが、そうして民主的な公安委員会制度というものを強化することによって私は日本の警察制度というものが庶民生活と密着していけるのではないか。かように考えておりまして、警察庁を大臣制度にするとかいうようなそういうことは必要ないのではないか。いまの行き方で大体私はいいのじゃないかと考えておりますし、警察庁を省にするとか、あるいは大臣にするというようなことは、いまの時点で考えられておるということは私はないと信じております。
#27
○委員長(玉置猛夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#28
○委員長(玉置猛夫君) 速記を始めて。
 本案に対する午前中の審査はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十一分開会
#29
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 地方行政連絡会議法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#30
○和田静夫君 地方行政連絡会議法等の一部を改正する法律案、これに関連をしまして、都市制度全般についてお尋ねをいたしたいと思います。
 まず、三市を指定した理由について。
#31
○説明員(遠藤文夫君) 私からお答え申し上げます。
 簡単に申し上げますと、札幌、川崎、福岡の三市が、既存の指定都市と比べまして、何といいますか、実態――人口その他都市の実態として、同様な実態を備えるに至ったということと、関係市並びにそれを含むところの道・県というものも指定してほしいという要望があった、このようなことから指定した状況でございます。
#32
○和田静夫君 遠藤文夫さんですよね。
#33
○説明員(遠藤文夫君) はい。
#34
○和田静夫君 あなたの論文とあまり違ったことを言わずにおいてくださいよ。あなたの論文をもとにしながら質問したいと思うのですがね。
 そこで、既存のいわゆる、いま言われたとおり、大都市との均衡ですね、そういうものが要望のもとにあって、それを受けて、それを理由にしながらやられる。そこで、その比較をもう少し具体的にちょっと示していただけませんか。
#35
○説明員(遠藤文夫君) 計数的にいいますと、やはり人口、いろいろその比較のしかたがあろうと思うのでございますけれども、その最もはっきりいたしますのは、やはり都市の機能というものが集中的に表現されます人口というものが一番中心になろうかと思います。もちろん、それだけではございませんですけれども、ただ人口以外の要素になりますと、必ずしも計数的に申し上げるということが、非常に何といいますか困難かと思いますし、そのようなことだと思います。
#36
○和田静夫君 この指定都市制度というのは、旧の五大都市ですかを対象にして、そして考えられたものである。そのあとからほかの大都市がこういうような形で指定をされて加わってくるというような予定をしていなかったのではないか、いかがですか。
#37
○説明員(遠藤文夫君) やはり先生御指摘のように、昭和三十一年に指定都市制度ができた当時におきましては、その当時の文献などを見ましても、御存じと思いますが、やはり旧五大市というものだけを念頭に置いて制定された制度であろうとは思います。
#38
○和田静夫君 そうだと思うのですね。あなたのお書きになっているものの一貫している考え方もそうだと思うのですが、そこでそれが、そういう前提であったものが、既存の指定都市と、そして社会経済的実態において同様な大都市が形成された場合には新たにこれを指定するという考え方、これがあらわれた裏には、北九州市の誕生ということがどうもあったような気がするのであります。北九州市があるものだから、これと札幌、福岡、川崎との比較が問題になってきて、これがなかったならばこういう問題は起こっていなかったかもしれない、そういうように考える。そうすると、北九州市の誕生というものとの関係ではかなり政治的なにおいがするのですよ。この辺次官いかがですか。たとえば遠藤さんのこの表で見ても、北九州市の場合、人口でいって九十八万六千四百一ですね。で、神戸市でいえば百十一万ですから、こうすれば札幌やその他の問題、いわゆる人口の変遷からいって、そうして四十五年の十月一日現在で札幌が百万、ここでも神戸百三十万ですね。そうすれば、これだけの懸隔があればあまり問題にならない。ところが、北九州市のときに論議しましたとおり、ある意味では、上からの合併が進められたというような関係から前提にあった五大都市を考えた、それらのものがくずれる、そういう原因につながってきておりませんか。
#39
○政府委員(小山省二君) 御指摘のように、この指定市を設けましたその制度のいきさつは、先ほど課長から御答弁申し上げましたように、五大市を基盤としてこういう制度が発足をいたしたわけでありますが、北九州市が指定をされなかったならば今回の三市も同様に指定されないのではなかろうかというような御指摘でございますが、私どもは、この五大市の指定に引き続いて、同様な資格条件を備えてきた場合には、当然それらの五大市に準じて指定をしなければならぬというような考え方を持っておりまして、したがって、それに一番最初に適合してきたのが北九州市である。したがいまして、今回も同様な条件を具備してきたから三市を指定したということで、必ずしも北九州市に準じたという強い理由も私はどうもない。言うなれば、五大市に大体近い、そういう市街化がいま指定いたしました三市並びに北九州市に起こってきた、こういう関係から相次いで指定をしたというような事情でございます。
#40
○和田静夫君 問題は、北九州市の答弁の後段の部分ではなくて前段の部分なんですが、私は指定都市に指定されるかどうかという問題は、今日の都市問題に対処するというそういう観点から考えてみますと、これはそれほど根本的な問題であるとは考えていないわけです。根本的な問題ではないと思う。都市制度全般が論議されている中で、北九州市を政令市に指定したということが、根本的問題の回避の方向を生み出した一つのそういう要素になっていると、まあわれわれ考えているわけです。しかも北九州市というのは、御存じのとおりかなり強引な合併によって生まれたわけです。で、自治省が政令指定都市にすることを、悪いことばで言うと、えさにしてあの合併というものが私たちの反対があったにもかかわらず進んだ。で、いまきれいな議論をされているけれども、いまの問題を惹起せしめる契機となった北九州市の指定の裏には、合併のためのきわめて政治的な要因がからんでいた。そういうふうに実は思うのです。これはいかがですか。
#41
○政府委員(小山省二君) 御承知のとおり、政令市は、まあ一応人口を基準に五十万以上ということになっております。したがって、政令市の資格条件というものが必ずしも法的に明確でございませんから、あるいは北九州市の政令市指定のときにそういう指導方針のもとに合併が行なわれたんではないかというような御疑念があると思いますが、私どもはできるだけ住民負担の軽減その他から自治体の合併というものに対しては積極的な態度で臨んでおります。したがって、北九州市のこの合併問題が私はそういう意味において行なわれたことはございましても、それによって政令指定都市を条件で合併を慫慂したり促進をさせるというような指導はいたさなかったように承知いたしております。
#42
○和田静夫君 まあ小山政務次官の承知のしかたと私たちの承知のしかたが違っていると言えばそれまでですけれども、どうもいま私が指摘をしたようなことは事実関係としてやはりあったんです。したがって、その後におけるところの混乱もかなり続いたことも間違いなくあったんですね。そこでこれはまあ事務的になりましょうが、北九州市の合併によって、遠藤さん、どの程度都市の一体化が促進をされましたか、住民の福祉が向上しましたか。これはどなたが御答弁になられるか知らぬが、行財政の推移等に即して、まず北九州の場合に、説明、いますぐできますか。
#43
○説明員(遠藤文夫君) 北九州市自体の合併問題につきまして御説明申し上げる材料は持っておりません。材料は現在手元に持っておりません。
#44
○和田静夫君 これはすぐ、私の質問の趣旨に基づいて、何もきょうに限ったことではありませんから、どうせ、法律案を別としても、都市問題というのはずっとこれからこの委員会として慎重に取り扱わなければならない問題ですから、一ぺん資料として出していただけますか。北九州市のああいう合併に基づいて政令都市になった。で、それが都市の一体化を、一体なったことによって、どういう形で促進をしたのか、あるいは住民の福祉があの中からどういう形で具体的には向上したのか。行財政の推移との関係で、そういう説明を一ぺんされる必要があるんじゃないだろうか。むやみやたらに政令市をふやすだけが能ではないんじゃないかという感じがすることもあって一ぺんお聞きしたかったわけです。これはよろしいですね。出ますよね。
#45
○説明員(遠藤文夫君) 合併関係は、合併問題自体は実は私ども所管課ではございませんので、関係課とも相談しなければいけないと思いますけれども、おっしゃるような、たとえば合併によりまして、さらにその後の運営状況に応じて、はたして都市の経営がどう変わったかという運営の実態の中身の問題ということになりますと、すぐにどの程度まで担当の振興課におきましても、御質問のような形で資料をまとめているとは思いませんし、かりに何らかの資料がどこまで出せるか少し研究してみないと、直ちにお答えすることはなかなか時間がかかるかと思います。
#46
○和田静夫君 いや、それは時間がかかることはあまりかまいませんが、大臣どうですか、いま申し上げたようなことをまとめていただけませんか。
#47
○国務大臣(渡海元三郎君) 北九州市が、はたして北九州市として五市が合併されたためにどれだけ住民福祉が向上したか、私たちもこれは当然検討すべき課題の一つでなかろうかと思いますので、できるだけ御趣旨に合うような資料を集めましてお出ししたいと思います。
 従来、私も町村合併その他を通じまして合併を見てまいりましたが、最初のうちにおきましては一体感が非常に成り立ちにくいという点もございましたが、徐々に行政が進むにつれ、住民感情も一体化してくるというような姿におきましては、各施設その他が効率的に運用され実効をあげている点もある。そのかわりに、交通機関等の不便はだんだんと解消されていきますにしましても、小さい区域における庶民直結の姿というものが、従来と比べて、遠隔地に至るというふうな事務処理が残るのではなかろうか。この両方の問題を解決して、真に効率ある行政機能を発揮できますように持っていかなければならないと常々考えているところでございますが、そういった観点から、北九州市が現在のところどういった状態になっているかよく調べさしていただきたいと思っております。来たる四月十日には、新市庁舎が合併のシンボルとして生まれるそうでございますが、私も招かれておりますので、ぜひとも直接現地におきまして、行きますことができましたならば、それらの点についても拝聴させていただきたい、このように考えておったような次第でございます。
#48
○和田静夫君 なるべく早い機会にまとめさしてもらうようにしていただきたいと思います、別にこの法案ともからめようと思っておりませんから。思っていませんけれども、だからといって、ずるずる引っぱっておかれても困る。都市問題として論議ができる条件を持った時期にまた出してください、いですね、いまの大体……。
#49
○国務大臣(渡海元三郎君) できる限り御趣旨に沿うように努力さしたいと考えております。
#50
○和田静夫君 政令都市の人口要件としては一応百万ぐらいを目途にしている、そうして行政区の制度のかかわり合いにおいて出されてきた。そういうようなことであるようですが、既存の指定都市の区の数、それからその人口並びに今度の三市の状況ですね、それをひとつ説明していただきたいと思います。
#51
○国務大臣(渡海元三郎君) 政令都市という制度ができましたのは、こういう特別市制と申しましたが、その制度が三十一年にそのまま政令指定ということでなったものでございますから、法律上は人口五十万以上の都市ということになっておりますが、既存の市と比べて遜色のない程度のものを慎重に指定するという姿で臨んでおります。したがいまして、現在でも五十万をこえて、人口の点では五十万をこえている市が仙台とか、あるいは尼崎とか堺とか数市ございますけれども、今回指定しました三市はまあこれら既定の市、その後指定された北九州市と比べて遜色ないという意味で指定さしていただいたような次第でございます。なお、区の数並びに人口等につきましては事務当局から。
#52
○説明員(遠藤文夫君) ちょっと既存の市の区の数は手元にありますので、ただいますぐ調べさしてお答え申し上げます。札幌、川崎、福岡市の行政区は、札幌市が七区、川崎五区、福岡五区、かように承知しております。
#53
○和田静夫君 人口は。
#54
○説明員(遠藤文夫君) 四十五年の国勢調査の結果でございますが、こまかく申し上げますか……、大阪市が二百九十八万四百八十七人、名古屋市が二百三万六千五十三人、京都市が百四十一万九千百六十五人、横浜市が二百二十三万八千二百六十四人、神戸市が百二十八万八千九百三十七人、北九州市百四万二千三百二十一人、札幌市が百一万百二十三人、川崎市が九十七万三千四百八十六人、福岡市が八十五万三千二百七十人、間違いないと思います。
#55
○和田静夫君 そうしますと、いま大臣の御答弁にもありましたが、地方自治法二百五十二条の十九のいわゆる人口五十万以上、これをこの辺で八十万以上に直す必要がないですか。
#56
○国務大臣(渡海元三郎君) 私も、今回の三市はまあ前大臣のときからほぼ決定いたしておりましたので、私の時代になってからこれをやったものではございませんが、既定の事実として私あとを追うたものでございますけれども、五十万という法律があるということを考えまして、直す必要があるんじゃなかろうかと、そういうふうな感じもいたしました。しかしわれわれは指定都市――政令都市と呼んでおりますが、また別名百万都市というようなことも言ってきたんでございます。私は直すんであったなれば百万という文字なんですけれども、そうしますと、具体的にいま答弁いたしましたような川崎、それから福岡等がそれに達しないというような場合も起きるのじゃないかということを考えながら、そのまま見送ったような次第でございますが、八十万というのも、現実にはそうなんですが、おそらく福岡、川崎等ももう数年たたずして百万をこえるような市になってくるのじゃないかと思いますが、もし数字をいらうとしたなれば、いま御指摘になりました八十万にすべきか、それを百万にすべきかという点で、これ一つの議論があるのじゃないかと、こういうふうに考えますが、御趣旨のような点もございますので、今後の検討課題として検討さしていただきたいと思います。
#57
○和田静夫君 大臣言われましたその辺は、やっぱり検討する必要がありますよね、あると思います。さっき大臣言われました堺、尼崎、仙台、広島、東大阪、こういうところが指定都市の仲間入りをしてくるという要因は全くいまありませんか。
#58
○国務大臣(渡海元三郎君) 現在のところ、尼崎市が六十万に達しない五十万台、千葉まで入れましたら、ちょっと五十万切れておりますけれども、仙台、広島、尼崎、堺、千葉、その程度の市でないかと、こう考えておりますけれども、いまのところ、近い将来にも指定都市となってくるというふうな動きもございませんし、そのようなことも考えられない、かように考えます。
#59
○和田静夫君 実は、そもそも指定都市制度というのは、大都市と府県との間の論議に根本的に原因がある。特別市の制度を廃止するということにポイントがあったわけですね。そうして指定都市制度が生まれた。したがって、政令都市の指定をふやすということは、自治省が大都市制度というものは二重構造がよいとの判断に立って、そして今後それ以外に大都市制度の改革はあり得ないという判断の上に立っている、こういうふうに理解していいのか、どうなんですか。すなわち、わが国では、大都市制度で、遠藤論文にいうところのフランス型ではなくてイギリス型の行政改革が指向される、こういうふうに見ていいんですか。この辺、大臣どうですか。
#60
○国務大臣(渡海元三郎君) 私、そのイギリス型、フランス型、ちょっとどういう何で御発言になりましたか承知しかねておるのでございますけれども、自治省が、少なくとも指定都市をできるだけ多くつくるのだというふうな姿には持っていってないと思います。私、この大都市、政令都市の方々からの指定に対する、大都市の住民の方方が、政令指定都市になられるということを望んでおられることはもちろんでございますが、同時に、その大都市を含んでおりますところの都道府県、これもそういった制度に変わっていかれることに対して、少なくとも賛成的立場を、祝福されるというふうな意味で賛成しておられるということがあって初めて指定都市として認めるという姿でございまして、この意味では、慎重に扱ってまいったという姿でございまして、人口要件だけじゃなく、少なくとも規模、風格、またいま申しましたようにその市の住民の意思と同時に、県民の意思も指定都市になることを祝福しておられ、望んでおられるというようなときに、初めて指定するという姿で臨んでおるのが今日の自治省としての指定の方針であろう、かように考えております。
#61
○和田静夫君 ちょっと事務的な論議をしますが、あなたの、「地方自治」ナンバー二八八の「指定都市の指定に当って」ですが、「中でも最も基本的なかつ困難な問題は、大都市における地方制度の基本的構造について通常の地域と異なった特別の制度を採用するかどうか、及び二重構造にするか一重構造にするかの問題であろう。わが国においては、東京のみが特別の都制という二重構造制を採用し、他の大都市については、府県及び市という通常の地域と同様の二重構造制を採用している。これに対して、イングランドにおいては、ロンドンは一九六五年の改革において大ロンドン及びロンドン区という特別の二重構造制を採用し、ロンドン以外のイングランドの都市については特別市(カランテイ・バラ)という特別の一重構造制であるが、地方制度の全面的改革の一環として――ロンドンの改革を成功とみてか――大都市圏についても特別の二重構造制の採用を検討中であると聞き及んでいる。しかし、反面一九六七年のパリ大都市圏の改革においては、中心のパリ市に限り特別の一重構造制を採用している。私は東京、大阪のような巨大都市圏については、パリの改革のように中心の特別市及び周辺の県という構造も検討に値する一つの考え方であるとは思っているとして筆者の考えを述べたことがある。しかし、東京、大阪の巨大都市圏のような規模のないいわゆる百万都市についていえば、特別市の制度は、どちらかといえば都市中心の考え方に近く、一般の府県と異なる特別の制度を考えるとすれば、イングランドの地方制度の改革案のように当該大都市圏を周辺部を含めて一体として把えたいわば大都市圏制度とでもいうべき考え方があり検討に値する気がしてならない。」、ここのところで私は、先ほど言ったように、フランス型ではなくてイギリス型の行政改革が自治省の考え方として指向をされる、こういうふうに割り切っておいてよいのかどうかですがね。
#62
○説明員(遠藤文夫君) その前に、先ほどの行政区の御質問に事務的にお答え申し上げておきます。横浜が十四、名古屋が十四、京都が九、大阪が二十二、神戸が八、北九州五でございます。
 私個人の論文、御引用いただいて非常に恐縮でございますけれども、実はこのことは、この指定都市制度の事務に携わって、ここにありますように関連して気がついたことということで、私自身の研究課題というようなことで書いておりますので、そういう意味におきまして、しかもこの中身に書きましたこと自体確定的なことというより、私自身として今後こういうことを勉強してみたいというふうな意味のものとして実はお聞き取りいただきたいんでございますけれども、自治省といたしましては、先ほど御指摘がありました指定都市制度というものは、やはり現在の府県制度のもとにおける制度ということになっておるわけでございます。したがいまして、その意味におきましては現在の制度は二重構造になっておるわけでございます。一昨年でございますかの地方制度調査会の答申におきまして、大阪、東京というような問題につきまして御答申をいただいておりますけれども、その中にも述べられておりますように、おそらくそのような特別市とそれから大都市制度につきまして、一重構造にするか二重構造にするかというのは、先生御存じのように、やはり府県制度にからむ地方制度の基本的問題ということに波及するんだろうと思います。そういう問題は、私どもといたしましては今後の研究課題でございまして、現在の指定都市制度のもとにおきましてはやはり二重構造というもとに運用される、これは当然のことかと思います。
#63
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいまの議論を聞いておりまして、おそらく私はイギリスのロンドン、フランスのパリ、こういった都市そのものを考えての姿でございます。その意味におきまして、日本では東京が都制という制度を採用したという点等に似通ったものがむしろあるんじゃないか、かように考え、その他の指定都市、大阪あたりはいろいろ東京と同じようなことも考えたらどうかという議論があることを聞いておりますが、現在少なくともほかの指定都市にはそういったような議論も出ておりませんし、私は府県の下の、府県に含まれる二重構造としての指定都市としていきたい、かような意味でございまして、先ほどの御質問、私、意味を解しかねたものでございますから、よう答えませんでしたが、そういうふうにお考え願っていいんじゃないかと思っております。
 ただ、これは私の個人の意見でございまして、自治省の中に申しておりませんけれども、現在日本の都市は、人口二百万をこえる都市から人口三万、しかもその三万がすでに切れておる市が相当出ておる。その下に町村があるという姿でございますが、三万から二百万に至る市というものを一括して、同じような市として、ただわずかに政令都市だけが権能、機能が変わっておるという姿でございますが、その政令都市を除く部分、三万から五十万をこえるような都市の間を同一に見ていいんだろうかどうだろうかというふうなことも、今後検討課題でなかろうかというふうなことをむしろ考えておるような次第でございまして、その意味におきまして、私は府県というものの下にある、二重構造の中における政令都市としてとらえ、しかも百万近い政令都市だけが、いま私が申しましたものにこたえ得る権能が与えられておるんだ、しかしほかのものはまだ未解決のまま置かれている、その未解決の部分は今後検討課題として解決していかねばならぬ、そういうふうに考えておるような次第でございます。これは私見でございますけれども、御質問に関連しまして私見を申し述べさせていただきました。
#64
○和田静夫君 私もその辺が言いたかったところなんだが、実はくどくどしましたけれども、要は、均衡論の上に立って指定市をふやすかどうかといったことではないと思うんですね。そんなことを続けておっちゃいかぬと思うんですよ。いわゆる都市問題についての展望が必要なんだという感じがするんです。そういう質問すれば、大臣、おそらく地方制度調査会の議論を経てということになるだろうと思いますけれども、いま言われましたようなその中でも、特に大都市問題について、大臣、所信をこの機会に一ぺん聞かしていただけませんか。
#65
○国務大臣(渡海元三郎君) 所信と申されまして、それにこたえ得るものがはたして述べられますかどうかわかりませんけれども、私は少なくとも、現在、発展的に制限なく伸びてきた日本の都市というものに都市的な、ほんとうにいわゆる都市的な機能を与えるためにいかなる形態でよいかということを振り返ってながめることが都市問題の解決ではないか。現在、公害問題とかあるいは環境保全とかいうことばがやかましくいわれておりますが、要は、人口の密集した居住の場としての都市、その機能を持たすためには、どれだけの地域に連帯性を持ち、住民意識というものを植えつけながら、住みよい環境の場を与える都市、その機能を発揮するためにはいかなる形態、いかなる組織に持っていくべきであるかという一つのビジョンを掲げて行政に当たり、指導をし、その一つのビジョンに向かって整備することを私たちの目標にせなければならない。かように考え、進まなければならない。このようなばく然たる希望は持っておりますが、いま申しましたように、まだそれの行き方につきまして、あり方につきまして、具体的なる施策を掲げておらないというのが現在の状態でございます。これらの点等につきましては、私は今後都市問題として十分検討していただかなければならないんじゃないか、かように考えております。
 ただ、現在、自治省は長期ビジョンといたしまして、百十兆円のこれら施設を掲げておりますが、その中には、現在の市町村が当然いま申しましたような理想に向かって、あるべきその施設をやらなければならない公共投資、少なくともそれだけの金はひねり出せるのでなかろうか、またひねり出したならば、それをどういうふうに持って、何を重点としてどの程度の規模を下水に充て、どの程度のものを清掃に充てるというふうなことで長期的な展望を立てなければいけないんじゃなかろうかということで、一応長期ビジョンを立てたのが昭和四十五年でなかろうかと思います。この長期ビジョンの中の部分に描かれました数字についても考えあわせながら、今後各都市においてあるべき姿を検討していくというのが、いま和田委員の言われた一つの私に対するいかにとらまえておるかという御質問でなかろうかと思いますが、残念ながら、まだそこまでの具体的な案は持ち合わせておりませんが、抽象的なそれらの考え方に対して、大都市のあるべき姿というものを今後研究さしていただきたいと、かように存じております。
 地方制度調査会に逃げるという問題ございましたですが、私はこれらの問題、地方制度調査会が任期一年のために現在何と申しますか、当面の問題にばかり終始しておるという姿で、まあ悪く言えば、その場しのぎになりかねないという姿でございますので、私は任期を二年にしていただくことによりまして、従来調査会がやっておりますように、一方で長期的な展望に立っての施策を検討願いながら、片一方において、当面の問題を長期展望の一環として研究していただくというふうな姿に改めてこの問題の具体化をはかってまいりたいと、こう考えておるような次第でございます。
#66
○委員長(玉置猛夫君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#67
○委員長(玉置猛夫君) 速記を起こして。
#68
○和田静夫君 そうしますと、昭和四十五年十一月二十日、いまお話がございました、あそこのときに出された地方制度調査会の大都市制度に関するいわゆる答申ですね、この内容を遠藤さんですか、ちょっと……。
#69
○説明員(遠藤文夫君) これは四十五年の答申、これは内容から言いますと、「大都市制度の現状および問題点」と、それから「改革の基本的方向」と、それから第三としまして「大都市制度当面の改革」、三つに分かれておりまして、「現状および問題点」は省略いたしまして、「基本的方向」といたしましては、大都市制度というものにつきまして「計画機能の問題」と「実施機能の問題」とに分けて問題点を指摘した後に、東京及び大阪の大都市圏における地方制度の基本的構造は二重構造、大都市圏全体を対象とし計画機能及び広域にわたる実施機能を担当する広域行政組織を整備すると同時に、狭域の地方団体を充実強化するという基本的方向でいいのではないかという考え方を述べ、しかしながら、その具体的な面についてはなお検討を、議論が分かれておるのでより研究を重ねた後に決定をいたすべきであるとしまして、それに基づきます大都市制度のそのような考え方のもとに、当面の改革といたしまして、東京都につきましては、さしあたり改革案といたしまして「国からの権限の移譲」、それから「広域行政への対応」の方式といたしましての連合組織の問題、「特別区」につきましての区域事務あるいは周辺職員あるいは周辺市町村の問題、さらに国の措置というものについて述べまして、さらに大阪につきましては、やはり「広域行政への対応」としまして連合組織の活用を述べ、さらに大阪市の周辺の市町村あるいは事務再配分の問題について合理化をはかり、さらに財政措置の充実をはかるというような措置によりまして当面の問題に対処するのが適当である。かような中身が全体の簡単な内容になっておるかと思っております。
#70
○和田静夫君 その答申が出てくるまでにどういうような論議経過があって、そしてその論議経過を経ながらどういうような帰結がこの答申を生み出したのか御説明できますか。
#71
○説明員(遠藤文夫君) この点につきましては、論議経過と申しましても、非常に、だいぶ長期間にわたりまして御議論がありましたので、私ここで簡単に要約するだけの、要領よくその論議経過を申し上げることができますかどうかでございますけれども、できますれば、どのような点か、具体的にどういう点についてというような点で御指摘でもいただければ、むしろそれに関しましてどういう論議があったかというようなことを申し上げやすいかと思います。
#72
○和田静夫君 それでは、それに入る前に、第十四次地方制度調査会のことで、いま言われたとおり、具体的に少し聞いてみます。
 第十四次地方制度調査会の資料によりますと、「社会経済情勢の変貌と地域社会の構造変化に対処する自治行政のあり方と地方財政のあり方に関する委員の意見の要約」というのがありますね。で、これで大臣にお聞きをしますが、私がここに持っているのは、四十五年二月二十三日の都道府県会館別館二階大会議室における第三回総会、その各委員の要約ですが、こうした地方制度調査会における個々の論議についての実は自治省の考え方、大臣の考え方をお聞きをしたい。私は、要約をいたしますと、まずこの「一般的事項について」という項がありまして、そして人口の都市集中について三つの考え方が見られます。まず「人口の都市集中を是認することなく、これを阻止する方針を確立すべきである」、それから「都市化現象の一般的な流れの中で、大都市集中は阻止し、新産業都市など地方拠点都市への人口流入を図るべきである」、それから「政府は、農村生活を都市化して人口の都市集中を避ける足止め策を講ずべきである」、こういう集中阻止という考え方ですね。これが一つ。ア、イ、ウに分かれていますが、まとめてみれば一つにまとめられる。集中阻止という考え方だと思います。それからエに、「市民生活を高度化していくことは、結局都市化の方向に進まざるを得ないということであるから、都市への全国的な人口移動が行なわれるのはあたりまえだ。都市化がもっと進まなければ、農山漁村の高度な変革、合理的再編成はできない」、これは言ってみれば集中是認型です。それからオですが、「大都市集中に対しオール・オア・ナッシングの態度ではなく、大都市集中を抑制し分散を誘導する一方、過密都市を住み良い都市とするという二本建ての方策をとるべきである」、これは集中阻止と集中是認との中間派ともいわれる意見です。こういうことにいまなっているんですが、自治大臣としてはどの考えをおとりになるんですか。
#73
○説明員(遠藤文夫君) 御質問の点につきましては、実は地方制度調査会におきましても、地方制度の議論をする前提として、おっしゃるような大都市問題に対するいわゆる地域政策とでも申しますか、そのようなものをどう考えるかということの議論はあったと記憶しております。ただ、その場合に、これは地方制度調査会なのであって、地域政策そのものが調査会の主たる任務ではあるまいというような見地から、大都市制度に関する答申におきまして、まとめといたしまして、「はしがき」の最後におきまして、「当調査会が従来から繰り返し指摘しているように、政府および地方公共団体においては、大都市地域に対する人口、産業の集中を極力抑制し、積極的に人口、産業の地方分散を図るための総合的な施策を一層強力に推進するよう重ねて強調するものである。」として、調査会といたしましては、このような考え方のもとにこの答申がなされている、かように私どもは承知しております。
#74
○和田静夫君 ここでは残念ながらお役人の意見を聞きたくないんです。自治大臣は先ほども、私見であるがと前提されながらも一定の見解を述べられました。いままでの意見のやりとりの中ではなかったことですから、私はそういう意味では渡海さんに非常な期待をしながら、いま三つ言った中で――いままでの答弁では地方制度調査会で論議してもらいますということでのがれられておりまして、委員会が主体なのか地方制度調査会が主体なのかさっぱりわからぬ。そして自治省の考え方はいつまでたっても出ない。気がついたらわれわれ抜きにしてぱっときまっている。こういうことが多いものですから、したがって、いま言った三つの中で自治大臣としてはどれをおとりになりますか。
#75
○国務大臣(渡海元三郎君) 私、四十五年度の地方制度調査会のいま三つの類型をあげられましたけれども、軽く読んだ記憶もあるんですが、いまあげられた中で、具体的な内容そのものを端的に三つに分けてお答えするということはちょっと回答に苦しむのでございますけれども、内容そのものがわかりませんのであれですが、しいてお答えするとすれば、最後の中間型と申しますか、私たちは過密都市といわれるところも、市民生活についてほんとうに私たちの目ざす理想的な環境のもとの都市にしなければならぬ。同時に、地方の農村地域におきましても、それら都市と比べまして、人口その他の態様は異なりましても、生活面におきまして、何と申しますか、いわゆる文化生活が亨受できるような環境をつくり上げていかなければならない。こういう姿で現在都市問題、過疎問題と取り組んでおる、またそうした取り組みをしなければならない。その中におのずから人口の、何といいますか適度な地方分散をねらっていくという姿で臨みたい、かように考えております。私の言い回し方がいまあげられました三つの型のどれに当てはまるかしりませんが、私は、しいて言えば、中間型というのがわれわれの考えておる方向ではなかろうかと思いながら、いま和田さんの質問をお聞きしておったような次第でございます。
#76
○和田静夫君 遠藤さんのほうから具体的に問題の提起を、とありましたから具体的に問題の提起をしているんです。
 で、次に、「地域開発および行政水準について」という項があるんです。そこでは「国土の総合開発計画は、国土の均衡ある発展、地域格差の是正をめざしたものでなければならない。新全国総合開発計画に示された大規模プロジェクトの構想も、総合的な地域開発を並行させなければかえって地域格差を広げるものである」、こうなっているわけです。こうなっていますが、そうすると、新全総の超大型開発プロジェクト、これについて自治省の考え方はどうですか。
#77
○国務大臣(渡海元三郎君) 新全総の超大型プロジェクトの開発、これは単にその地域の拠点としての開発でなくて、大きくとらまえまして、わが国国土の地方分散都市、たとえば、私いまやらせていただいております北海道の大型プロジェクトもございますが、それは単に苫小牧なら苫小牧だけの大型のものでない、北海道そのものを開発するためのプロジェクトでなければならぬ。こう考えますと同時に、それが即日本全体の総合的な開発に通ずるものであるという意味での大型プロジェクトの開発、それを中心としてその地域全体に通じ、またそれが日本全体に及んでくるというふうなあり方の開発というのが新全総のねらいでなかろうか。かようにいま考え、私たちもそのような方向で大型プロジェクトの開発というものと取り組んでいきたいと、こう考えておるような次第でございます。
#78
○和田静夫君 そこで、「地域開発および行政水準について」のイの項ですが、「社会経済情勢の変化に対応して、行政需要も多くなってきているので、これに即応する行政水準の計量化を検討すべきである」、ウ、「社会資本の整備について、あるべき行政水準を設定し、現在の財政支出の姿で何年位かかるかという資料ができないか」、こういう意見があるのです。行政水準の計量化ということがいわれるのですが、これはどこまで一体可能なのですか。
#79
○政府委員(森岡敞君) たいへんむずかしい問題だと思いますが、先ほど大臣がお答え申し上げましたが、私どもが試みましたのは、各公共施設ごとに、たとえば下水道でありますとか、あるいは道路でありますとか、あるいは清掃施設でありますとか、学校、また社会福祉施設などにつきまして、現在必要と考えられる行政水準、たとえば道路でいいますと舗装率、あるいは社会福祉施設でありますと収容率というふうなものを算定いたしまして、それに達するに必要な投資量、建設投資量というものを出してみる。その辺のところの作業をいわゆる長期ビジョンというものの中でやってみたわけでございます。その場合に、やり方といたしまして、いま申し上げました必要な投資量というものを一応の目標水準を設定してやるというやり方と、それから現在におきます公共部門の資源配分を前提といたしまして、それでもって通常の経済成長率、あるいは公共部門への資源配分の状況を考えながら、どの程度の投資が可能であるか、いわば投資可能量と投資必要量の両面から算定していく、こういうようなことがいま御指摘の行政水準の計量化という提案に対する一つのお答えではなかろうかというふうに考えております。なお、新経済社会発展計画もおそらく改定するという運びになってまいると思いますので、私どもといたしましては、四十五年に検討いたしました長期ビジョンの中身もそれに即して合理化をするように試みてまいりたいと、かように思っております。
#80
○委員長(玉置猛夫君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#81
○委員長(玉置猛夫君) 速記を起こして。
 本案に対する本日の審査はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#82
○委員長(玉置猛夫君) 警察法の一部を改正する法律案を議題とし、午前中に引き続いて質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
#83
○和田静夫君 警察官の増員がずっと行なわれているわけですが、ここ数年における年次別増加状況をちょっと教えていただけませんか。
#84
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 警察官の定員はその基準が警察法で規定されておりますが、その基準の改正、つまり増員の年次別の経過について御報告しますと、昭和三十三年度には十二万一千九百三十人でございましたが、昭和三十四年以降、社会情勢の変化に対処いたしまして逐次増員されておりまして、現在では、つまり昭和四十五年度になっておりますが、十七万五千三百五十人ということになりまして現在に至っております。その間の年次別について御説明申し上げますと、昭和三十四年度から昭和三十六年までの三カ年間に一万人の増員が行なわれたわけでございます。これは交通警察官、刑事警察官、少年係警察官、警備警察官、外勤警察官、それぞれ増員されております。それからさらに昭和三十八年度から一カ年間におきまして、交通警察官の一万五百人の緊急増員が行なわれました。さらに昭和四十年度には刑事警察官五千人の増員が行なわれ、さらに昭和四十一年度には、第一線における外勤警察官の整備を目的といたしまして三カ年間に一万八千人の増員、つまり外勤警察官の増員が行なわれたわけでございます。さらにこのほか昭和四十四年度には、一部の過激学生等による集団不法行為の続発の状況にかんがみまして、集団警備力の増強のために三千五百人が増員されたわけでございます。以上がその大体の経緯でございます。
#85
○和田静夫君 その数の積算根拠ですね。
#86
○政府委員(土金賢三君) 警察官の増員にあたりましては、ただいま申し上げましたような最近の刑事、警備、外勤、交通それぞれの警察の対象事案が逐年増加しておるということに対応してそのつどお願いしてきておるわけでございます。たとえば犯罪の発生状況等におきましても、特に交通事犯の増加というものが著しくふえてきております。こういう状況に対応しまして、これに対応するそれぞれ必要な警察官を増員してきておりますし、また外勤警察官等につきましては、たとえば人口の都市集中化によりまして、いわゆる団地が急増してくると、この団地が急増してきたというふうな場合にそこにやはり警察官を置かないわけにいかない。といって、過疎地の警察官をそこに転用するというわけにはいかない事情があるわけでございます。そういった観点から、どうしても新しく増員をお願いしなけりゃならないというふうな状況がございますし、あるいはまた警備事犯におきましても、最近のああいった過激派集団に対処するためには、警察の集団警備力というものを増強していかなけりゃならない。あるいはまた人口の都市集中化によりまして、警察も、市民サービスと申しますか、第一線の警察官が一般の市民の日常生活の安全を確保するということがより一そう大事になってくるわけでございまして、そういった日常生活の平安を維持するためのサービス活動と申しますか、そういう点もゆるがせにすることができない。いろいろこういうふうな事情を勘案いたしまして、そのつどお願いしてきておるわけでございます。
#87
○和田静夫君 実は、こういうことを聞いたのは、前に警視庁がはじき出された増員計画に対して、東京都知事が、そんなにたくさんの数は要らない、こういうふうに言ったことがあるわけですね。警察庁のはじき出される数がいわゆる官僚的な恣意であってはならないと、こういうふうに思うので、あの事態を思い浮かべて実はお聞きをしたのですが、いま言われました――警察庁長官にお聞きをしますが、数字がはじき出されるいわゆるメカニズム、それをちょっと詳細に説明していただけませんか。
#88
○政府委員(後藤田正晴君) ただいま官房長から抽象的な考え方でお答えをいたしたわけでございますが、その中身は、数字に関することですから、その数字のはじき出しの根拠というものは、そのつど私どもとしては十分検討をして、そして自治省なりあるいは大蔵省等のきびしい査定に耐え得るものでなければならぬわけでございます。
 そこで、一例を申しますというと、たとえば外勤警察官と交通警察官を先ほどの説明でも一番ふやしておりますが、たとえば外勤警察官について見ますというと、全国で警察署の数が幾つある、派出所が幾つある、駐在所が幾つあると、で、それぞれの勤務の態様が、三部制の勤務になっておるところと二部制勤務になっておるところがある。三部制勤務の場合には勤務時間が何時間、二部制の場合には勤務時間が何時間、拘束時間が七十何時間と、いろいろそれぞれのきまりがございます。ところで、今日の役人の勤務時間から見てこれは非常に長時間にわたっております。そこで、との二部制を三部制に切りかえるという場合には最小限どれだけの数が要るか。端的にいえば、一人制勤務の交番で三部制といえば、どんなことをしても三人は要るわけですけれども、二部制であれば二人でやっておる、これは一番簡単な例ですけれども。そういったことで勤務条件を緩和して、合理的な勤務環境をつくり上げるのには時間勤務をどの程度にすればいいのか、それには人がどれだけ要る。それからまた夜間の勤務時間が何時間になる、昼間が何時間になる。これでは規定の上では夜間勤務がかりに週二時間ときまっておっても、これはとてもじゃないができない。
 さらには、外勤について言いますと、今日いなかの警察等では人が足りないということで、しょっちゅう外勤を留置場看守へ引き上げ勤務させるというのがございます。そうすると、これはすべて休みがとられる。これをすべてもとに復するというためには、一体どの程度の刑事警察官をふやすことによって外勤の負担を軽くすることができるか。先ほど言いましたように、刑事警察官の夜間勤務がふやされておりますが、そういったようなことで勤務態様を合理化するにはどれだけ要る。さらにまた勤務の中身が、都市の場合であるならば、一週間の勤務時間が五十二時間程度だったと思いますが、現在、多少短くなっておりますが、そのうち地理案内の時間が何時間、あるいは警ら時間が何時間、あるいは見張勤務が何時間。こういうような勤務時間がそれぞれきまっておりますが、そのきまりと現実の勤務の態様がどれだけギャップがあるか。これはきまりどおりやらせるというためにはどれだけ人が足りないかといったような詳細な資料を積み上げまして、そして、たとえば、昭和四十一年度以来三カ年間で一万八千名の外勤を増員するという点については、それを基礎にしてはじき出して、そして要求したものでございます。
 交通の警察官等について見ますれば、全体の交通警察官の勤務の中身が、一人負担が一体どれくらいになっておるであろうか。書類の作成にどれだけかかる、あるいは事故の処理にどれだけかかる、あるいは検問の時間にどれくらいかかる、こういったものをすべて調べ上げまして、そして今日の交通の実態に対応するためには、それをどの程度の仕組みでどの程度の時間を必要とするのか、それによって総交通警察官の負担の時間割りを出すわけであります。これでは交通警察官はしょっちゅう超過勤務をせざるを得ない。超過勤務で済めばけっこうですけれども健康にも影響がある。これではとてもじゃないが交通警察を十分にやることはできない。しかし、きまりはきまりとして、警察のことでございますからあるわけでございます。そうすると、どっかで勤務を削るということが行なわれる、これでは相済まぬじゃないか。それを完全に行なわせるには、それじゃ交通警察官が何名要るだろうか、こういうような詳細な実はデータを基礎にして、そして総人員をはじき出して、現在人員を差し引いて、これだけどうしても必要だということでお願いをしておるのが実情でございます。
 しかし、現実に容認せられる数はどうかといいますと、残念ながら全部認められた例はございません。やはり査定官は査定官の立場もございまして無理もないと思いますが、勤務の中身に暗いという事情もございます。それに対する私どもの説明の力の不十分というものもございます。いろいろな点で、十分に認められておるとは私は考えておりませんが、大体、まず要求の八割程度を私は認められておるのではなかろうかと。今日、私は率直に申しますというと、十七万五千三百五十名おりますけれども、私はこれでは警察力はまだ不足をしておるのじゃないのか。しかし、かりに不足をしておっても、警察官というものは、むやみに採用するということは質の低下を招来するおそれがございます。ここらもよく考えまして、かりに増員をしなくちゃならぬとするならば、今日、婦人の力というものを警察の中に使う余地もあるのではないかと、こういったいろんなことを考えながら、私は将来に対しては対処していきたいと、かように考えている次第でございます。
#89
○和田静夫君 全国知事会議が昨年の十一月三十日に出した「地方超過負担の解消のための補助金改善に関する要望」で、大臣にお聞きをしますが、「装備費関係の八二・二%をはじめ、警察行政費全体で七一・四%の超過負担を生じているが、実績と補助単価との差が著しいので地方の実情に即するよう是正の必要がある。」と言っているわけです。この数値そのものを妥当と考えるのか、それとも異論があるのか。さきの本会議における私の質問に対して、国家公安委員長は、大蔵省の予算措置に預けたような答弁であって非常に私は不満だったのですが、大臣としては、この全国知事会議の意見を妥当なものと是認をしてあの答弁をされたのですか、いかがですか。
#90
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げますが、地方警察費の超過負担の問題につきましては、私どももその事実がやはりあるわけでございまして、これを何とか解消をいたしたいということで毎年努力をいたしているわけでございまして、その改善策はどういうふうにするか、こういう点がいろいろと苦心を要するところでございますが、毎年度の予算要求におきまして、超過負担の原因となると思われます施設費の問題とか、あるいはその他の行政費の補助の問題につきまして、あるいはまた交通安全施設整備費等の問題につきまして、こういう点につきまして国の予算をなるべく多く取りまして地方費の負担の解消ということに、これは毎年予算要求の重点といたしまして努力いたしておるわけでございます。遺憾ながら、まだ、いま和田委員の御指摘のとおり、完全に解消をしておるというところまで至っていないことはまことに遺憾に存ずるわけでございますが、今後ともそういう点につきましては、さらに全力を尽くして解消につとめたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#91
○和田静夫君 ちょっと質問の趣旨とそぐわなかったのですが、本会議における国家公安委員長の答弁というのは、私が質問の骨子とした全国知事会議の出したところの資料ですね、いま読み上げましたような数字というものをそのまま是認した立場であった答弁であるのかどうか。
#92
○政府委員(土金賢三君) 四十六年の十一月の全国知事会議で要望が出されておりますが、この資料が提出された当時、私どものほうといたしましても、その内容につきまして、どういうふうな方法で調整をされてこの数字を出されたかについて実は事務局のほうにもお伺いをしたわけでございますけれども、その具体的な計算方法については教えていただけなかった点もございまして、はっきりその資料で御指摘になった数字がそのままのものかどうかという点については、実は私どもも自信がないわけでございます。しかし、私どもの考えております点とそう差はない。もう少し少ないようにはちょっと感じておるのでございますけれども、そう差はないようにも思っておりますが、これを否定する――ああいう数字ではございませんということを私ども自信をもって否定をするほどのあれではございませんのでございます。
#93
○国務大臣(中村寅太君) ちょっと補足をして。
 和田議員の質問に官房長が答えたのでございますが、私はやはり知事会議の要求そのものを是認も否定もいたしませんけれども、単価等におきまして実情に沿わないというようなものがかなり出てきておるのではないか。それに単価是正をやはりやることが大切だと思いますけれども、建設省とかそのほか各省とのやっぱりにらみ合わせ等もございまして、なかなか意のようにならぬのでございますが、予算要求の際には、やはり単価を是正して地方の要求にこたえていかなければいかぬ、地方に負担をかけないようにせなければいかぬということで、努力はいたしておるところでございます。
#94
○和田静夫君 これは国家公安委員長にお願いになりますが、われわれも、そういう意味では一緒に大蔵省にものを言う立場ということでしょうが、官房長が言われましたとおり、もっと少ないかもしれぬと言われたが、大体そんなに違っていませんよね。超過負担があることはお認めになっている。それで大臣、これはかなりの政治力が伴わないと解決への方向性というものは出てこないような気がするんですよ。で、かつて自治大臣と大蔵大臣との間で三カ年解消計画というようなものがなされて努力をしてきた経過がありました。三カ年たちましたが、ゼロになったわけじゃありませんけれども、残念ながら警察関係と文部関係の地方における超過負担が非常に目立ってきておりますから、これはぜひ大蔵大臣と四つに組んで解決への努力をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
#95
○国務大臣(中村寅太君) 今後、超過負担の解消のために全力をあげて努力をいたしたいと思います。
#96
○和田静夫君 最後の質問ですが、市警察部というものはどんなものですか。
#97
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 現在、指定市の県には全部市警察部というものが設けられております。その性格でございますが、警察法の規定によりまして、「指定市の区域内における府県警察本部の事務を分掌させるため、当該指定市の区域に市警察部を置く。」と、こういうことになっておりまして、この性格は、その警察本部の事務のうち、その当該指定市の区域内の警察の事務をこの市警察部が分掌する、警察本部の下部機関でございます。したがって、その市の内にある警察署については、本部長の指揮を受けてその警察署を指揮、監督するというかっこうになりますが、一種の中間的な機関ではございますが、そういう警察本部の事務をその区域内においては分掌いたしまして、そうしてその市の、指定市の警察事情と申しますか、治安情勢に適応した措置をとる、こういうことを任務といたしております。
#98
○和田静夫君 そうすると、部長は当然指定都市の警察署長とは別の人がやっていらっしゃる……。
#99
○政府委員(土金賢三君) この市警察部長は、現在市警察部に大きく分けて二つの型というか、法律上そういう型はないんでございますけれども、実際上は、運営上から見ますと二つの型がございまして、一つは府県本部でございますね。府県本部の所在地が指定市になっておる場合がございます。その指定市の場合には、ちょうどその指定市の区域内に県本部がございますから、県本部と市警察部がダブるようなかっこうになるわけでございます。したがいまして、こういう場合には、たとえば横浜とか愛知の名古屋、大阪、京都、兵庫、これすべて同じでございますけれども、これは県本部の部長ないしそれに準ずる職にある者が兼務しておるというのが実情でございます。特に、その市警察部内の特殊の情勢の、たとえば交通とか外勤とか、そういうことの情勢に適応しやすいような部長がそれを兼務しておるというのが一つの類型でございます。いま一つは、北九州市でございますが、これは県本部からちょっと離れておりまして、これはそういったわけにもいきませんので、専任の部長が置かれまして、独自の活動をしているというふうに申し上げてよろしいのではないかと、こういうふうに思います。
#100
○和田静夫君 そうすると、今度の三市の場合、新しくできる場合は、川崎は別、その他は兼務、こうなりますか。
#101
○政府委員(土金賢三君) 今度市警察部が三つできるわけでございますが、このうち、ただいまおっしゃいますように、川崎市の場合には府県本部の所在地とは違いますので、ここをどういうふうにするかということが一つの問題でございます。ほかのところは、北海道と福岡市は、これは大体従来の市警察部の運営の方法と同じようなやり方でも差しつかえないのではないかというふうに考えられます。ただ、川崎市の場合はちょっと違う、北九州市の場合と若干違うと思われます点は、北九州市は非常に離れておるわけでございます。川崎市の場合は横浜市とわりあいに近い、近接しておりまして、したがって横浜、川崎というものが一体となった運営をしたほうが便利であるというふうなことも考えられますので、その辺を考慮した上で考えなければならぬと、しかしこれは市警察部というのは当該指定市の中に置かなければいかぬことになっておりますので、これを横浜市に置くというわけにいきませんので、そういう意味では川崎市内に置かれる、こういうことになると思います。
#102
○和田静夫君 それだから、専任になる可能性のほうが強いということですね。そうでもないんですか。置かれて、兼任ということもあり得るわけですか。
#103
○政府委員(土金賢三君) これは専任になる可能性もありますけれども、場合によれば、たとえば川崎には警察署が幾つかございますが、その中の一番大きな警察署の署長ということも可能ですし、あるいはまた、必ずしもそうでなくて、県本部の部長が兼務して、それでこちらに勤務してくるというふうなことも考えられまして、部長の専任制という問題と、必ずしも警察部が県本部の所在地と別のところにあるということとは一体ではないんではないか、その辺も早急に詰めておるところでございます。その実情に勘案して、やはり地元の警察の意見も尊重しなければいけませんので、そういうような点も勘案の上、早急にいま詰めておるところでございます。
#104
○和田静夫君 これは、職員は各都市に大体何人ぐらいずついるのですか。
#105
○政府委員(土金賢三君) 市警察部の職員の数につきましては非常にまちまちでございます。現在の横浜市警察部では十数人おりますけれども、これは課が、庶務課という課がありまして、十数人おりますけれども、これは本部の職員が兼務いたしております。それから名古屋市は二十数人おりますが、これも兼務でございます。京都が五十数人おりますが、これも兼務でございます。それから大阪市が、これは約三十人ばかりでございます。それから神戸が約十人。ただ北九州市は、先ほど申し上げましたように……
#106
○和田静夫君 大阪も神戸も兼務ですか。
#107
○政府委員(土金賢三君) 兼務でございます。ただ北九州市だけは全部で四百八十一人、これは兼務でなくて専務の警察官四百八十一人で市警察部を運営しているわけでございます。
#108
○和田静夫君 そうすると、新しい三市はどういうことになりましょうか。大体予定の人数は、これは全部兼務ですか。
#109
○政府委員(土金賢三君) これは札幌とか福岡の場合は、おそらく兼務になる可能性が強いと思いますけれども、川崎につきましては、まだその辺、市、神奈川県当局とも具体的な打ち合わせはいたしておりません。
#110
○和田静夫君 北九州が四百八十一と非常に多いのは何か別に理由があるわけですか。
#111
○政府委員(土金賢三君) 北九州市には、いままでのいきさつがございまして、ここは市警察部が設置される以前から、ここにいわば県本部の連絡所的な性格を有するところの、連絡センターと称しておりますが、そういうものがその前から設置されておったわけでございます。
#112
○和田静夫君 五市にあったわけですか、それは。
#113
○政府委員(土金賢三君) 連絡センターですね、これは北九州市の五市を中心としましてそういう連絡センターがあったわけでございます。
#114
○和田静夫君 五市を区域として……。
#115
○政府委員(土金賢三君) そうでございます。したがいまして、そういった特殊の事情、実際にもう北九州市となる以前からそういうふうな、あの辺は事件も多い特殊な事情がございまして、一々本部から警察官が何か事あるごとに向こうに派遣されるということでは間に合わないというふうな事情もございまして、特にそういった連絡センターが設けられておったわけでございまして、したがいまして市警察部になってからも、そこにやはり刑事とかあるいは防犯、交通課と、いろいろそういった課も設けると同時に、若干の機動警ら隊と申しますか、市内を巡回して歩く機動警ら隊というふうなものもここに付置しておりまして運営しておるわけでございます。
#116
○和田静夫君 この各都市は、年間どのくらいの予算で、そして具体的にどういう活動をしているわけですか。
#117
○政府委員(土金賢三君) 市警察部の予算につきましては、これは中央の警察庁のほうの予算として特別に組んでいるわけではございません。これは都道府県それぞれの警察の内部の予算としてそれぞれ組んでいただいておるわけでございまして、私のほうから特に市警察部関係の費用ということで配分はいたしておらないわけでございます。
#118
○和田静夫君 活動状況というのは、概括的にいったら……。
#119
○政府委員(土金賢三君) 市警察部の活動状況でございますが、やはり市警察部が設置されております趣旨と申しますのは、その指定都市の実情に応じた警察運営をはかるということでございまして、そのために、たとえ兼務の場合でありましても、その市の警察部長は、当該指定市市長、市当局と緊密な密接な連絡をとりまして、そうして市の御要望に沿ったような外勤警察の運営とか交通警察の運営とかいうことをはかっておりまして、その点においては、市警察部はいままでも十分御要望に応じてきておる、こういうふうに申し上げて差しつかえないと存じます。
#120
○和田静夫君 最後に、これは大臣にお聞きしますが、私はかねて行管の意見に沿って管区警察局の廃止をこの委員会で前の国家公安委員長に主張をいたしました。警察庁長官も同席であったと思うんですが、大体前向きでの検討を約束をしていただいたと私のほうは理解をしているわけです。そこで、この市の警察部で、いま大臣、私とのやりとりでおわかりのとおり、実際問題としては、実態は有名無実なんではなかろうか、これは行政簡素化の観点から廃止をされるほうがよいのではないだろうか、支障は私はないと、実はしろうとですが思うのですが、国家公安委員長として、いまのやりとりをお聞きになっておって、やっぱり廃止への検討というのは行管の意見をくみ上げながらやるべきではないか。幸いにして行管の責任者でもいらっしゃるわけでしょう、手始めにひとっここのところを処理されるのがいいのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
#121
○国務大臣(中村寅太君) 私は指定都市というものの実態から見まして、非常に人口が多い、百万以上というような特殊性がございますから、やはり大都市には他の中小都市と違う一つの警察官の職務があるのじゃなかろうか、そう考えられますので、すべての行政が指定都市になりますと県から離れてやっておるような実態もございますので、いまの時点では、私は市の警察部を廃止するのがいいのじゃないかという考えは持っておりません。やはり大都市の最近の犯罪事情等考え合わせますと、大都市は大都市なりに大きな役割りがふえつつあるという実態でございますので、いまの時点ではこれを廃止しようという考えを持っておりません。
#122
○和田静夫君 何もとっぴにここで廃止するということは、もちろん国家公安委員長として言われるはずはありませんが、行管の長官としては、やっぱりこの辺は検討してみる価値があるのか、行管で何回か問題になっておる、それはそっちの立場に立つと、その辺はなるほどと思われるのじゃないですかな、どうですか。やっぱり検討は一ぺんくらいこの機会にこれらの部分についてされてしかるべきではありませんか。
#123
○国務大臣(中村寅太君) 私はいろいろの行政――各省庁の行政組織の簡素化ということには従来関心を持ってやっておりますが、最近のこの犯罪情勢等を考えますときに、警察組織のいまの実態が、私は何と全面的に考えましてもやはり十分でないという一つの考え方を持っておりますので、警察組織というものはもっと強化をして、そうして犯罪等を未然に防ぐという体制をもっと強化していかなければならぬと、こう考えておりますので、いま警察の組織をすぐ縮小の方向で検討するという考え方は持っておりません。
#124
○小谷守君 関連して。
 先刻来、和田委員の御質問を拝聴しているわけでございますが、私は政令都市所在地にありますいわゆる市警本部なるもの、これはことばが適切でないかもわかりませんが、今日では形骸化しておる、こう申し上げても言い過ぎでないように思うのです。元来これは五大都市におきます自治警を廃止をして県警察に統合します際、たしか二十九年から三十年ころにかけてだと思いますが、その際に、特に五大市の自治体警察を存置しなければならぬというたいへんな運動が起こりました。その際の一つの経過措置として、これが市警本部というふうな非常に折衷的な、不徹底な形で残ったものだと、こう記憶をしておりますが、その後十五、六年、十六、七年の経過の中で、いまおっしゃったような形で大都市のいろいろなローカルな警察事象に対応するため、民主的なものとしてこれが運営されてきたというふうな事実は、国家公安委員長の御答弁でありますけれども、私はないと申し上げても差しつかえないと思うんです。むしろ、いまでは困ってしまっておる。各県の県警本部は困ってしまって、まあまあ交通部長でもひとつ兼務さしておけという程度のあしらいで今日残っておるというのが実情だと思うんです。
 そこで、これが何か縮小につながるのだというそういうなわ張り意識ではなくて、よく実情をごらんになって、将来どうするかということについては十分お考えになる必要があるんじゃないか。第一線の警察としても、実はもてあましておるというのが現状のように私は思うんでありますが、そうしてこれが、事は、昭和二十九年、三十年ごろの五大市の自治体警察存置運動に由来して今日に残っておるわけでありますが、これがさらに最近のように政令市がまたぼつぼつふえてくるというような状況で、そこにはまた、そういう一つのかたまりを置かにゃならぬというふうなとらわれになって再生産されてきておるということはますますまずいのじゃないか、こういう気持ちがするわけであります。和田委員さんの御質問に関連して、少し私は中村公安委員長は実情について御存じの度合いが薄いのじゃないか、こういう感じがしますので、もう一回御答弁を。
#125
○国務大臣(中村寅太君) 小谷委員のお話、さらに和田委員のお話にもありましたが、私はやはり市の警察部というものは、先ほど大都市に残してくれという運動が起こったことによって残ったということは、やはりその当時、大都市には大都市なりの必要があるという見解に立っておったろうと思いますが、御両所の御指摘の点につきましては、私はやっぱり県警本部と市警察部との間にいろいろ連絡とか、あるいは調整とかやっていく上に多少問題はあるかと思いますけれども、いまの時点で、人口がどんどん膨張していっております大都市のほうの要求としては、やはり続けてもらいたいという意向がやっぱり強いと、こう私らのほうでは感知しておるわけでございます。
#126
○小谷守君 実情は、先ほど申し上げたように、まあ交通部長くらいを兼務さして、すみのほうに看板らしきものをちょっとかけておけと、何々市警本部というものをすみのほうに看板を一つ置いておくという程度のものであって、内容は市警としての独自の活動も何もありません。私は、今日、大都市の中で、これをぜひ存置せいなんという意向があるとは察知しておりません。ただ、大都市のやはり特殊性というものを尊重しなきゃならぬということはもう一つの点で救済できるのではなかろうか。それは、午前中杉原委員さんから御質問がありましたが、いわゆる若干名の公安委員を市のほうで推挙していくと、こういうふうな形で、大都市の警察に関するところの関与のパイプというものはその程度で足りるのではなかろうか。いずれにいたしましても、今日の現状は、市警本部というものは盲腸の程度のものであって、盲腸的な虫様突起以外の何ものでもない、こう申し上げざるを得ない。
#127
○政府委員(後藤田正晴君) お説のように、この市警察部というのは、昭和二十九年の警察法改正の際に五大市側と五大府県側が非常な対立がございまして、その一つの妥協の産物として市警察部を置くということになったことは御指摘のとおりでございます。その後、私どもも、これをどのように制度がある以上は有効に活用するかということでいろいろやっておったわけですが、先ほど来お答えしておるような現状になっておることも事実でございます。ただしかし、市警察部、これやはり一がいに私は全部否定するわけにもいかぬのじゃないか。というのは、やはり市側としてはやはりその市、ことに大都市特有の警察、これは主として私は交通と外勤の問題だと思います。これらについていろいろな御要望があるようです。その際に、こういう部があるということが、市側に理解と納得を得ることができる一つの安全弁になっておるということも、これまた今日までの経過を見て私は否定できない。さらにまた、いま一つは、かりにこういうものをなくしてしまったという場合には、やはり私は府県本部の中に、今日の大都市の実情から見て方面本部というものをつくらざるを得なくなるであろう。だとするならば、もう少しこの市警察部の運営そのものを合理化するということによって十分役割りを果たし得る道があるのじゃないかと、かようにも実は考えるわけでございます。しかし私は、実はこの法律の改正案を作成する過程で、市警察部は存置させるべきか、それとも廃止させるべきかということは、これは率直に言って検討いたしました。しかし、やはりこれをいま廃止をしなければならぬというだけの積極的な理由もまた乏しい。ことに北九州市との問題がございます。さらにまた市側のそこはかとないいろいろな御意見もございます。こういった点を考えまして、この際は現状のままにしておこうということで、市警察部というものを廃止をするということには踏み切らなかったということを率直にお答えをいたしたいと思います。
 さらにまた、これを廃止をして委員の数をどうこうしたらどうだと、これも一つの御意見でございますが、私はやはり公安委員の数というものは、公安委員が受け持っていらっしゃる仕事の中身、管理の仕事ではありますけれども、警察という組織体を管理する、その組織体はやはり緊急の要請にも応じなければならぬ、即断即決をしなければならぬ、あるいはまた意思の決定は明確でなければならぬと、こういったいろいろな要素がございます。そういう警察体を管理をしていらっしゃるということを考えました場合に、合議制ということを前提にした場合に、やはり複数の奇数構成、複数の最小限の奇数構成が私はベターだと思いました。そういう意味合いで、この数も実は二十九年の際には御案内のように三名の原案であったわけです。ところが、いろいろな法案審議の過程で、これも警視庁は五人にしなさい、それから五大府県については五人にして、そのうちの二人を市の推薦にしなさいと、こういうことになって現状に至っておるわけです。
 ところが、かりに、午前中の御質問にございましたように、特別市というものが県の中に二つできたといった場合に、現行法規を改正をしてやはり二人をそれぞれ確保させるのだという問題これも検討いたしました。しかしながら、これをやりますとどうしても奇数構成にせにゃならぬ。しかも警察は、やはり都道府県の警察であるという前提に立った場合に、どうしても知事が任命――知事のイニシアチブで任命できる数が、市がイニシアチブをとって知事が任命をする数より少ないというわけにはいけない。やはり知事のイニシアチブの数を多くしなきゃならないということになりますと、どうしても九人にならざるを得ないわけです。七人では知事のほうが三人になっちゃう。それはいかにも公安委員の先ほど言った仕事の性格から見て必ずしも適当でないだろう。だから、やはり五人という数は確保したい、これが現行法規でございます。そういう意味合いで、これは先ほど午前中に官房長が答弁しましたように、二名が一名になると、なるほどそれは既得権の侵害のようでありますけれども、やはり市から一名の公安委員をそれぞれお出しになっているということによって市の御意思というものは県警察運営に十分反映できるのではないのか。しかも、それは都道府県警察という性格は失わないというような意味合いで現行法規どおりにしたのであって、特別に改正を検討しなかったという問題ではございません。
 以上でひとつ御了承願いたいと思います。
#128
○上林繁次郎君 私はごく常識的に、また現実的に問題をとらえて、それでお尋ねをしてみたい、こう思います。
 まず最初にお尋ねする点は、いわゆる公安委員が五名と三名の県ができるわけですが、それは五名のところは政令都市をかかえている、こういうことなんです。そういういままでのお答えで、ある程度のことはわかりましたけれども、なおここで、なぜいわゆる三名と五名にしなければならないかという根拠、この点についてひとつ。
#129
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 公安委員の数の問題でございますが、先ほど長官からもお答え申し上げましたとおり、公安委員会はその民主的な運営のために複数の合議体でなければならない、こういう大前提があるわけでございます。なお、この複数の合議体である場合に、さらにこれを警察の事務の特殊性から申し上げますと、迅速性と申しますか、公安委員会の意思決定が迅速、しかも緊急の事態に適応できるような、あまりに人数が多いと、いざ意思決定をする場合に、たくさんの委員さん方に集まってもらわなきゃならぬ、こういうふうな場合に、その迅速性に間に合わない、こういう場合がある。そういう点を考慮する必要がある。いま一つは、意思決定が明確でなければならない。つまり二対二というふうなことになりますと、どうにもきめようがない。こういうことではいけない。そうすると、どうしても奇数の人員であることが必要である。こういう点から考えますと、一番いいのは三名である、こういうことになるわけでございます。これは終戦後初めて新警察制度ができたときから、公安委員はしたがって三名というのが原則であったわけでございます。それ以後の運営の実情を勘案して見ましても、この三名が一番いいという実情があるわけでございます。その線に沿って実は昭和二十九年の現在の警察法の改正のときも三名ということを、そういう案をつくったわけでございますけれども、先ほどもお話が出ましたような特別の事情で、二名というものが、これが指定市の特殊事情という観点から追加された、そして五名になった。こういうことでございまして、本来ならば、そういうただいま申し上げましたような特殊性に合う合議体としては三名が理想である、こういうふうなことであると、こう存ずるわけであります。
#130
○上林繁次郎君 いまの答えからいいますと、たとえば民主的な運営をするという立場からいった場合には、私は多いほうがいいと思うのですね。民主的な運営というそういう立場に立ったときには、ぼくは多いほうがいいんじゃないか、こう思います。
 それから迅速、かつまた意思の決定をする場合に、あまり多い場合にはちょっと困る。こういう点からいえば、なるほど言われたとおり少ないほうがいい、こういう感じがするわけです。ですから、その辺のところ、実際に政令都市ができたから二名ふやすのだという考え方、先ほども申し上げたように民主的な運営、それから迅速、それから意思の決定、こういうものを含めて、それであえて政令都市ができたからといって二名そこからふやさなければならぬということはないのじゃないかと思いますが、どうですか、その点、こういう意味も含めて。
#131
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 やはり政令によって指定市ができるという場合には、その指定市のできる趣旨というものは、その市の特殊性に応じたやはり警察制度の、警察の運営が必要である。こういうことがやはり現行の警察法の精神になっておると思うわけでございます。この点につきましては、先ほど長官から御答弁申し上げましたように一種の妥協であったかもしれません。しかし、妥協であっても、一応それが制度として、法律としてそれが制定されたという趣旨は、そういう指定市の警察運営について、指定市の市民の意思を反映させるということが法律の趣旨になっておるわけでございますので、公安委員の数につきましては、やはり特定の今後できる市だけについてはそういうふやさないということは法の精神から見てどうかという問題ではないかと、こういうふうに考えます。
#132
○上林繁次郎君 それでは、いまあなたがお答えになったように、いわゆる政令指定都市ですね、それはいわゆる市の特殊性がある、こういうことなんですね。そうしますと、私は、市だけの問題じゃなくて県全体の立場に立ったそういう立場というものがあると思うのです。
 そこで申し上げてみたいのですけれども、埼玉県は三百九十三万七千人、これは四十六年三月三十一日現在ですね。それから千葉県が三百四十四万、静岡は三百十三万六千、広島が二百四十八万、新潟二百三十七万、こういったことです。京都の場合には二百二十七万四千、こういうことですね。京都の場合には指定都市があります。政令指定都市がありますね。そのほかのいま申し上げた五つの県はないわけです。特に埼玉県は三百九十三万、千葉県は三百四十四万、こういうふうな状況になっておるわけですね。そうしますと、いつこの政令が効力を発するようになったのか知らぬけれども、その時分とは大きな差ができてきておると思うのですね、その時分と現在とでは。ですから、そういった点を踏まえて、こういう県の大きさというものを考えなければならぬ、これをやはりこの辺で考える必要があるのではないか、私はこう思うのですね。市だけの問題でなくて、市は五十万以上という一応そういうふうにきまっておりますけれども、県独自の立場、そういう立場にあっても、いわゆるもう四百万になろうというような県、これはいわゆる政令都市がないから三人しかないんだと。政令都市を含んでいるところは、県として二百万人ちょっとでも五人の公安委員を置くのだ、こういうこと。だから、公安委員というものが重要なその地位を占めるということならば、そういう発展した県全体の立場というものを考える必要があるんじゃないかと、私はこう思うんです。この点どうですか。
#133
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げますが、県の人口によって公安委員会の委員の数を増減させるという考え方は警察法ではとっておらないわけでございまして、本来、先ほど申し上げましたように、警察の中立的な民主的な運営をはかるためには合議体の公安委員会でこれを管理する。こういうことで、しかもそれが先ほど申し上げましたようなそういう事情もありまして、これを最小限の三名にとどめる、そういう考え方は人口によって左右するということでは本来ないわけでございます。ただ、この指定市の場合につきましては、当時の警察法改正当時の五大市というものが、特別のそういった自治体警察としての特別のそういう何と申しますか事情がございまして、それを尊重した立場で、これが新しい警察法の中に公安委員の数というものを特別に二名を追加させると、こういうことになったわけでございまして、この公安委員会の委員の数を人口によって左右するということは、そういうたてまえは警察法にはないし、また、そういう人口によって今後も公安委員の数を案分するというようなそういうふうな考え方は、これはやはり必要はないのではないかと、こういうふうに考えております。
#134
○上林繁次郎君 それでは、特別の事情というのはどういう事情なんですか。
#135
○政府委員(土金賢三君) 特別の事情と申しますと、やはりその指定市というものがそういう特別のまあ財政状態、あるいはその他いろいろの状況から地方自治法におきまして指定市というものが設けられておると、そういう制度を背景にいたしまして、さらにこの指定市の中における歴史的な背景と、さらに現実的な問題といたしましては、交通情勢あるいはそのほか外勤制度というふうなものにつきまして、そういう指定市という特別のこの制度をとっておる当局の意思を反映すると申しますか、あるいは市民の意思を反映させるという、そういう事情に基づいてこういう制度がとられておるわけでございます。
#136
○上林繁次郎君 どうもその辺が私はっきりしないんです。いわゆる特別の事情――いま具体的な問題として交通事情というような問題が出てきました。あとは非常に抽象的でね、はっきりしないのですがね。いわゆるそういうような特殊事情ならば、たとえば一つ例を千葉県にとりますと、千葉県は農村地帯から工業地帯へと大きく発展してきているわけですね。そういうふうにまるっきり事情が変わってきているわけですね。もちろん交通問題もたいへんな問題だ。いわゆる公安委員が取り扱うような問題は非常に量がふえてきておるということは言えるわけです。そういういわゆるものの考え方からするならば、いまあなたが言った特別の事情というのは、こういうことなんだということであるならば、いわゆる県全体の立場でそういった問題を検討しなければこれはおかしいじゃないかと思う、こう私は思うわけですね。ですから、特別な事情というその辺がもっと明確にならないと、ちょっとこの辺のところが私詰められないと思うんです。
#137
○政府委員(後藤田正晴君) 御意見まことによくわかるわけでございますが、経緯を申しますと、私どもは実は三名という考え方を持っておったわけですが、この指定市を含む指定府県の公安委員を五名にするというのは国会の意思によって修正をせられたものでございます。したがって、私どもとしては、その国会の御意思を尊重して、その線に立って実はお答えをせざるを得ない、こういう事情でございます。一つはそういう事情がございます。いま一つは、やはり特別にそういう市という制度を地方自治法上の特別な公共団体として認めざるを得ないという、現在の地方制度上のたてまえというものがあります。このたてまえはですね、やはり同じような地方の自治体警察というものを考えた場合には、その立場もやはり特殊事情として私どもは尊重せざるを得ないのではないか。さらに申しますれば、埼玉と京都との比較もございましたけれども、なるほど県全体として見れば埼玉県のほうが人口が多うございます。しかしながら、警察事務の中身から見ますればですね、やはり大都市警察特有の事象というものは、これはやはり指定府県の指定市の側にあるのだという、こういうような以上三件考えまして、今日こういう制度をとっているんだということを御理解願いたいと思います。
#138
○上林繁次郎君 いま一番最初にお答えになったあれですね、国会においてきめられたと、だからそれはどうしようもないのだと、こういうお話だった。それはしかし、国会できめたからといって、それが漸次時代の変遷によって変わってくるということは言えるわけで、いま申し上げたように時代が変わってきておる。で、まるっきり農村県であったちっぽけなところがいまは大都市、いわゆる大きな県に発展してきておるのだ。そういう中で、やはりそういう県を対象にして考えるという必要もあるんじゃないかということを申し上げている。ですから、それは国会で議論されたんだからしようがないのだというんでなくて、いわゆるその当事者である皆さんが、そういったことについて、現在の状況から見て、これはこうあるべきだというものがあるんじゃないかと思う、私はこう思う。だから、あなたが言う国会できめたからこうだという、そういう返事を私は待っていたんじゃない。あなたの立場からこうであるという、それは確かにそういった面も今後は考えていかなければならぬ問題だろうと、こう思うというような、何かその話が返ってくるかと思ったけれども、非常に何か国会できめたんだからもうしようがないんだみたいな、一つも前進がないような考えでは私は非常に遺憾だとこう思います。よくわかりました、その点は。ですから、もう一度も二度も三度も、やはりそういった実情というものを考える必要があるんじゃないかということを私は提起をしておきます。
 それから、非常に現実的な問題になりますけれどもね、この公安委員という立場が非常に重要な立場であるということですね。先ほどからいろいろ政令指定都市に二人送って、ああだ、こうだということを伺いましたけれども、実際にその政令指定都市から二名を選ぶということは、これはあれですか、この公安委員の重要性という立場、またその人材を、その公安委員を選ぶ場合に、その選定の基準というものがあると思う。そういったものに合致しない事態が出てこないか、その辺どうですか。必ず一市から、政令都市から二名出すというんですからね。ですから、必ずしもその選定基準ですね、これに当てはまらないような人が出てきたんでは、つくったって何にもならぬですよ。もしその基準に当てはまらないような――当てはまらないようなというよりも合致しない人、合致しない場合ですね、合致するような人がいない場合、この場合はどうなりますか。何でもつくっちゃうということですか。まず、それじゃ基準から言ってください、選定基準。
#139
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 委員を任命する場合のその委員の欠格事項みたいなものが警察法に規定してございます。これはたとえば準禁治産者でない者とか、あるいは禁錮以上の刑に処せられてない者、こういうふうなことだけでございまして、それ以外の場合においては、その選任は、二人の委員の任命については、これは市議会の同意を得て市長が推薦する、知事のほうに推薦する、こういうことになっておりまして特別の制限はございません。ただ、公安委員の中立性を保つために、その委員のうち一定数以上が同じ政党に属するということになった場合にはこれは制限がございます。任命できない、あるいは自動的に解任させられるというふうなこと、そういう規定はございますけれども、それ以外の場合においては何ら制限はないということになっております。
#140
○上林繁次郎君 その点ですけれども、ますますこれから社会情勢も変わってくるということで、公安委員の仕事それ自体重要な仕事である、それをやっぱりこなしていくだけの人材でなければならぬ、私はそう思う。ですから、いまおっしゃったような、これを選ぶ場合に、その前提、いわゆる基準というものが非常に簡単な表現であらわされているということでは、その辺が何か十分な機能を発揮できないんじゃないか。こんな感じがするのですけれども、その点もう少しこの基準を明確にする必要があるんじゃないかと思いますが、どうですか、その点。
#141
○政府委員(土金賢三君) 警察の運営、民主的な運営をはかるための公安委員の選任ということにつきましては、知事があるいは県議会の同意を得て任命し、あるいはまた市長が市議会の同意を得て推薦する、こういう制度になっておりますので、やはり市議会なり県議会の見識と申しますか、そういうものによってこの警察の運営を、民主的な運営を確保するという、そういうたてまえになっておりますので、これにつきまして法律でその資格要件についてあまり厳格な規定を設けるということはいかがかと、こういうふうな感じがいたします。と同時に、先ほど、何ら制限がないと、こういうふうに申し上げましたけれども、なお、こういう委員の選任等につきましては地方自治法に基本的なそういう制度と申しますか規定がございます。したがいまして、そういう地方自治法の制度がやはり公安委員にも適用になるということは、これは申し上げられるわけでございます。
 なお、制限につきましては、先ほど申し上げましたことのほかに、もう一つ法律で制限が定められておりまして、補充さしていただきたいと思いますが、任命前五年間に検察、警察の職業的公務員でなかった者、これはまあ当然だと思いますけれども、そういう制限がつけてございますので追加して御説明申し上げます。
#142
○上林繁次郎君 なぜ私はこんなことを言うかといいますと、現実には、先ほど和田委員が言ったかと思いますけれども、年齢の問題がありましたですね。七十歳代が四十八名、八十代が七名とか言いましたね。実際に、先ほどあなたが答えたように、迅速性だとか、意見を決定する場合あまり多いと困るというような問題、特に迅速性の問題、迅速性といっても、これはやはり集まらなければどうにもならぬですからね、公安委員が集まらなければ。そこで、七十歳、八十歳の方は、現実にいわゆる非常に歩行もなかなかむずかしくなっているというような方がいらっしゃるわけですよ、実際に。これは迅速性ということになりますと非常に現実的な具体的な問題なんですけれども、そういった方は、かえって任命してやっていただくこと自体がお気の毒だと、こういう問題が現実的にあるわけです。ですから、そういう年齢についてもやはり考えなければならないのじゃないかというふうに思います。ですから、国会でも、こういう人事が回ってくるときに、非常にこれは年齢が多過ぎるんじゃないか、こういうことが問題になります。ですから、もちろんこの場合においても、現実的な問題を取り上げてみても非常に困る立場の方がいらっしゃるというわけですから、年齢的な問題、これはもっともっと十分に検討をして、そしてお願いするにしてもお願いしなければならぬ、こういうふうに思いますが、その辺どういうふうに考えておるのか。実際に、現在そういう状態のところがあるわけですから、そのままにはほっておくわけにいかないでしょう。
#143
○政府委員(後藤田正晴君) 現実の公安委員に任命せられていらっしゃる方の一部を頭に置きながらの御質問でございますので、そういうような事実もあるいはあろうかと思います。これは必ずしも私は適当ではないと思います。しかし、公安委員というものは、先ほども答弁にございましたが、専門的な知識をもって警察をコントロールするというのはむしろ排除すべきだ。そうでなくて、市民感覚をもって警察をコントロールするもの、これが私は公安委員会制度の本質だと思います。そういうような立場に立って見識のある人を選ぶということになるならば、これは指定市の場合であれば百万の人口をかかえておる。また、それぞれの県には県で相当の人口を、大小ございますけれども、かかえておる。これらの多くの人の中から私はりっぱな人を選ぶことは十分可能であると思います。それらの点については、むしろやはり選ばれる知事さん、同意を与える県議会、あるいは推薦をせられる特別市の市長さんなり、あるいは市の議会の方々の見識、良識にまって選んでいただくのが一番いいのではないか。やはり法律で規制するのは最小限にとどめるのが私は適当であろう、かように考えております。
#144
○上林繁次郎君 それは、あなたのお話は私はわからないわけではないのです。県なりそういう行政機関でもって良識をもってやってもらえばいいじゃないかと、こういうことなんです。良識をもってやってきたことは間違いないと思う。ところが、そういう立場で選定したにもかかわらず、非常に現実にそういう方があるということです。それはいわゆる県まかせであるというのでなくて、国家公安委員長あるいは警察庁長官、そういう立場で、やはり法的にはどうにもならぬかもしれぬけれども、一歩譲ってどうにもならぬかもしれぬけれども、それに対しては十分に働いていただけるだけのやはり条件を備えていなければならぬと思うのですよ。それでは、県に三人となると、県だって広いですからね、二時間もかけて中央まで出てこなければならぬ県もある。それも非常に困難であるという状態では、大切な国会のこういう場で検討をなされておるというような一つの問題、そういう問題をここで幾ら論じたって現実はそうだということでは、何もここで論ずる価値はなくなってくる。ですから、そういった点は、先ほどから言っているように現実的な問題なんだけれども、その現実の姿というものは私は大事だと思う。そういう意味でここで答弁をいただこうとは思いませんけれども、やはり何らかの手を国としても私は打っておく必要があると思います。こういうふうに思うわけです。あるいはまた申し入れるという方法もあるでしょう。やはりそういった点は、国のほうとしてもこれをいわゆる善導をしていくという立場に立ってそしてこれを見ていかなければならぬ、こういうふうに思います。それだけを申し上げておきます。
 それから、これは全部非常勤ですね、そうですね。私は非常勤がいいのか常勤がいいのかという、私自体的確に結論を出すわけにいかぬのですけれども、この公安委員がなさる仕事というのは、量としては相当ふえてきているんじゃないですか、どうですか、この点。
#145
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 公安委員の権限と申しますか、そういう仕事の面を考えますと、最近、たとえば運転免許の交通関係のいわゆる行政処分、これが非常にふえてきておるというふうな事情もございまして、公安委員さんもなかなかたいへんのようでございます。そういった事情もありまして、先ほど御指摘のありましたような、そういう方々とそぐわないようなそういう実際は実情になっておる、公安委員さんはたいへんな仕事になっておる。こういうことのように思います。ただ公安委員さんの、先ほど長官から御答弁申し上げましたように、専門化ということに主眼があるのではなくて、やはり一般市民感覚によって警察を管理していただく。こういう立場からすれば、一般の仕事、他の仕事をやっておられる方が非常勤として警察の運営に関与し、その良識を反映していただくという趣旨がやはり本筋ではないか。そういう点から申しますと、常勤のということよりも非常勤という形態のほうが適当であろう、こういうふうに考えているわけでございます。
#146
○中沢伊登子君 私は、地方行政初めてで、質問がたいへんへたかもしれませんが、二、三質問をしてまいりたいと思います。
 まず第一点は、警察法の三十八条の五項に、国家公安委員と都道府県の公安委員の関係のことがちょっと書いてございますけれども、国家公安委員会と都道府県の公安委員会との関係を一度お伺いしたい。
#147
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘がございましたように、国家公安委員会と都道府県公安委員会とは常に緊密な連絡を保たなければならない、こういうふうに法律で定められておりまして、この法律によりまして、全国の公安委員連絡協議会というような組織ができておりまして、これは定期的あるいは臨時に全国の何と申しますか、会合がございまして、いろいろのその時々の問題について意見を交換していただいておる。さらには管区ごとに、その管区内の都道府県の公安委員さんが定期的あるいは臨時の会合を開きまして、それに国家公安委員さんにも御招待がございまして、国家公安委員がそれに臨席していただく。そしていろいろと意見を交換していただくというふうな仕組みになっております。これが一つの点でございます。
 さらに、そのほかの点につきましては、警察庁が、法律の十六条と十七条の規定によりまして都道府県警察を指揮監督するということになります。つまり国家公安委員会の管理に服する警察庁長官がおりまして、それで警察庁長官が都道府県警察を指揮監督する。警察庁の所管しておる、法律の第五条に規定してあるそれぞれの所管事項につきまして警察庁長官が都道府県警察を指揮監督する、こういうふうになっております。したがいまして、その限りにおきましては、国家公安委員会の管理を受けておる長官が都道府県警察、つまり都道府県公安委員会を含めて指揮監督する、こういう関係にあるわけでございます。
 それからいま一つの点は、警察本部長の任免についての問題がございます。この点につきましては、これも法律で規定されておるわけでございますが、この警察本部長の任免権は国家公安委員会にあるわけでございますが、この国家公安委員会が警察本部長を任免するにつきましては、都道府県のそれぞれの公安委員会がこれについて同意をするということになっております。また、懲戒あるいは罷免というふうなことにつきましては、必要な勧告を国家公安委員会にすることができる。こういうふうな関係が法律で規定されております。
 大体、以上の三点によって国家公安委員会と都道府県の公安委員会というものが関係づけられておる、こういうふうに申し上げられるかと存じます。
#148
○中沢伊登子君 そうすると、その会合というのは、いま月何回くらいあるのですか。
#149
○政府委員(土金賢三君) 定期的に春と秋と全国会議が二回ございますが、そのほかに各管区ごとの会合が、これが四半期に一ぺんくらいずつあるのではないかと存じます。
#150
○中沢伊登子君 そうすると、一カ月に何べんということでなくて、年に春と秋が定期的と、そのほかに四半期に何べん、こういう程度でございますか。そうしますと、都道府県の公安委員会と警察の本部長との関係ですね、いま任免権、これが、都道府県の公安委員会が、国家公安委員会にやめさせるとか任命するとか、そういうときに意見を申し上げることができる、この関係はそういう点だけでございますか。
#151
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 都道府県公安委員会と警察本部長との関係でございますが、これは都道府県公安委員会は都道府県警察を管理する、こういうことになっております。その管理するということは、別の法律の条文にも書いてあるわけでございますが、警察本部長を通じて都道府県警察を管理する、こういうことになるわけでございます。これはちょうど国家公安委員会が警察庁を管理する場合に、警察庁長官を通じて管理するということと同じような関係になっておるわけでございまして、したがって警察本部長は公安委員会の管理に服して、そして公安委員会の示した大綱に基づきまして警察本部の事務を統括する、こういうふうな関係になっております。
 そのほかに、先ほど申し上げました任免についての権限ということがございますが、それはいまの管理に服するということの裏づけと申しますか、そういうふうな意味で、そういった権限が法律で規定されておるわけでございます。
#152
○中沢伊登子君 次に、都道府県の公安委員会の委員の政党別ですね、先ほど午前中に杉原委員だったと思いますがお尋ねをしたときに、いままでは大阪で自民党のかつて議員だった方が二名だった。あとはほとんど政党に関係のあった人はないように私承ったように思いますけれども、四十一条の三項、四項、五項に相当詳しくこの政党との関係のことが書いてございますね。現在、都道府県の公安委員会の委員の政党別はどの程度になっておりますか。
#153
○政府委員(土金賢三君) 現在、都道府県方面の公安委員会の委員の数は総数で百六十四名でございますが、このうち、現在政党に所属しております委員は、自民党に所属しております委員一名でございます。
#154
○中沢伊登子君 それでは、もう一ぺん話を午前中の話に戻しますけれども、杉原委員からだいぶわいせつの映画のことが問題になりましたね。これは私は、別にそのことに触れようとは思わないのですが、ここに兵庫県の県会議員をしておられた小谷先生がおられるわけですけれども、兵庫県の公報をずっと私ども送ってもらっております。そうしますと、その公報のいつでも一番初めぐらいに兵庫県の愛護条例というのがあります。青少年愛護条例、この愛護条例によって、何々しかじかの映画、図画あるいは文書、そういうものは子供たちの性感情を刺激するから、これは上映あるいは文書、図画をあまり読ませることはいけないとかどうとかというふうなことがいつでも出ているのですよ、公報のまず第一に。それで、いつか兵庫県の知事や副知事と食事を一緒にしたときに、ああいうふうなことがいつでも書いてあるけれども、あれは何か兵庫県では上映をしないとか、そういう本は兵庫県では売らないとか、そういうふうなことになっているのかと聞いたら、いえ、そこまではできませんので、ただ公報にそうやって書くだけですというふうな話を私聞きまして、それは少しおかしいじゃないですかと言って、ただ、公報を見る人は、それはなるほどこういうものは兵庫県では愛護条例に抵触するということがわかるけれども、それだけではどうしようもないですねと、こう申し上げたら、たぶん原労働大臣だったと思いますが、それは国家の問題で、県だけでそれをどうするわけにはいかないんだというふうなことをおっしゃられまして、私、当時、知識がなかったものですから、ああそうですかと、こういうふうに申し上げて、それで質問しなかったわけですが、けさたまたま聞いておりますと、この間の新聞記事から、ポルノ映画がどうとかこうとかいうことを盛んに論じられているわけですけれども、県の愛護条例でそういうものを禁止したいと、そういうことであれば、都道府県の公安委員がそれに対して発言をする権限を持っているのかどうか承らせていただきたいと思います。
#155
○政府委員(土金賢三君) 先ほど御答弁申し上げました公安委員会の全国の総会、あるいは管区内の会合等におきまして、法改正を要望する意見等がそれぞれの公安委員会から提出されることが多いわけでございます。で、その点につきまして警察庁の見解を御答弁申し上げ、必要なものについてはそれを参考にし、それに基づいて法律を改正するということはしばしばございます。ただいまの御指摘の青少年愛護条例の問題等につきましても、県のそういう御方針であるならば、そういう御意見はそういう会合で十分言っていただくことができるはずであると、こういうふうに私ども考えております。
#156
○中沢伊登子君 それでは最後に、そういったようなたいへん裸を主体にしたような映画の看板、広告や、そういう本だとかいうようなものはずいぶんはんらんをしておりますね、最近。それで、まあこれは杉原委員は男性でございます。私は女性でございます。そういう立場もあり、また母親という立場から、どうもやはり男の子を育ててみると、ああいうものはやはりあまり好ましくない。あまり手きびしいものはちょっとおとなでも顔をそむけたくなる。こういうようなことで、私もこの問題を再々予算委員会で取り上げたことがございます。ほとんど毎年の予算委員会でやっているような感じがするのです。いつでも文部大臣は、それに対して、言論の自由、表現の自由が憲法で保障されているからそれは干渉するわけにはいかない、世論が起きなければどうするわけにもいかないので……、そういったようなものが幾ら私どもがいやだなあと思っても、それを取り締まってしまうわけにいかない。それはもう言論の自由を封ずることになるし、表現の自由を侵すことになるから、世論を盛り上げてくださいと、こう言われるわけですけれども、そうかといって、やはりああいうのが好きと言っては語弊があるかもしれませんけれども、それほどいやだなと思わない方もいらっしゃるでしょうし、なかなかそれは女性だけにまかされても、婦人会でそれをやってみようといって少し気炎を上げてみても、それが通るどころか、ますます最近は激しくなってきて、それはもうえらい映画の看板が出ているわけですね。参考のために一ぺん見てみようかと思うのですけれども、どうも地元ではおそらく顔を知っておられると思うと、幾ら頭が白くてもちょっと入るわけにいかなくて、見てみるわけにいかないし、広告、看板だけがあんなにひどいのか、実際中に入るともっとひどいのか、そこら辺、私も入ったことがないのですけれども、あれはどうにかする方法はないものですか。
#157
○政府委員(後藤田正晴君) けさほど来ポルノ問題の御意見がございましたが、この種の問題の取り締まりについては賛否両論がございます。また、私どもも非常にこれはむずかしい問題だと思っております。というのは、やはり表現の自由の問題とのからみ合いがあるということでございます。しかし、今日の実態を見ますと、ものによっては、これは表現の自由の以前の問題だといったようなものすらあるのが実態でございます。実態は、私は年に何回か必ず見ることにいたしておりますが、非常にこれはもう口にすることができないといったようなひどいものがはんらんをいたしております。したがって、こういうものには、けさほど少し警察の頭がかたいのじゃないか、こういう御意見がございましたけれども、私はやはり何らかの線を引いてやるべきことは断固としてやるという態度でなければならぬ。しかし、さればといって、これはやはり表現の自由の問題との関連もございますので、あくまでも慎重にせなければならぬ。で、私どもは、そういう意味合いから年齢等も十分考え、また現に従事していらっしゃるお仕事等もいろいろなバラエティーを考えまして、風俗問題については懇談会をつくりまして、そういった方に現状を見ていただいて、これはひどいではないか、これはどうして警察は手を入れぬのだといったような御意見等も十分聞いた上で手を入れているというのが実態でございます。
 基本的な考え方を御披露しておきますと、私は最近のこういう問題につきましては、やはり性の解放というのは、これは何といっても世界的な風潮である。この風潮に背を向けるというのは私は必ずしも正しい態度ではない。これはやはり世界的な風潮ということをわれわれも踏まえて考えておかなきゃならぬ。これが一点でございます。
 二番目は、さればといって、スウェーデンがどうだ、デンマークがどうだ、だから日本もどうだというような無責任な議論がございますけれども、こういう問題は、やはりその国それぞれの歴史的な背景なりあるいは宗教の問題なり、いろいろな複雑なからみ合いのもとで、その国その国の態度で処理していってしかるべきで、必ずしもスウェーデンがどうだから日本がどうでなければならぬというような考え方はとってはいけない。これを二番目として私は考えております。
 三番目は、やはりこの種の問題については、およそこういう問題は、やはりその当時の社会的な常識から見て公々然と人前でやっていいことと、そうでないこととの区別はあるはずだ。そこに私は、むずかしいけれどもそこに線を引いて、取り締まるべきものは取り締まっていいのではないかと、こういう基本的な考え方で全国の警察に対処させるということでございます。
 で、先般来、警視庁で日活のポルノの問題でしたか、やっておりますが、ごらんになった方もいらっしゃるかもしれませんが、まことにひどいものです。さらに、日活等はああいう大会社でございますけれども、いかに映画が斜陽化したとはいえ、いたずらなる商業主義を、これを性の解放という名のもとに、表現自由の名のもとに無制限にやられるということは、これは私は許しがたい。こういうような意味合いからいろいろ検討の結果踏み切ったものである、こういうことでございます。
 以上が、私のこの種の問題に対する基本的な全国警察に対する指導の方針でございまするので、お答えいたしておきたいと思います。
#158
○中沢伊登子君 私どもとしてはたいへんありがたいと思います。というのは、それは幾ら性の解放かもしれませんけれども、もしも、家の中にだれが父親かわからないような子供を娘が産んだとしたら、それは私どもどうしようもない感じです。その辺は十分踏まえてやっていただきたい、私はこういうふうに思うのです。
 それから、この間、私のところの主人がちょうど東南アジアを約三週間回ってまいりまして、たったこの間帰ってきたところなんですけれども、その第一のおみやげ話を一つだけ御披露して質問を終わりたいと思いますが、私のところの主人も古いといえば古いんでしょうけれども、一番シンガポールで感心したのは、男の子で髪を長くしたのがおらなぬだということなんです。あれがきらいでしょうがないんですけれども、それはいいんですけれども、でも、このごろみんなあれがはやっていて、なかなかかっこよくて似合っているのがたくさんいますよ、あまりきびしいことを言いなさんなと言ったのですがね。ところが、シンガポールの国では、あそこの国の若い者が毛を伸ばしていないだけでなくて、そういう長髪をしている者は外人であるといえども入国を許しておらないと、こういうふうなことをまっ先に私にみやげ話として聞かしてくれましたので、私はそれだけ御披露して、御答弁も何もいただきませんけれども、質問を終わらせていただきます。
#159
○河田賢治君 公安委員の問題について二、三質問したいと思うのです。
 この四十六条の二ですね。今度新しく指定都市として九州の福岡、それからまた神奈川の川崎もこれが入りますが、これの公安委員会の組織等に関する特例というのがありますが、これは政令に譲られているわけですがね、これはどういうふうになっていますか。
#160
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 四十六条の二という規定は、これは昭和三十七年に設けられた、追加された規定でございまして、さきに指定市として発足しております北九州市が、初めてこの指定市となった際の規定でございます。つまり、新しく指定市になったことに伴いまして公安委員が二名追加されるにとになったわけでございますが、その二名が、その市で推薦されて知事から任命されるまでの間は経過的に三名だと、まあこれは当然のことでございますけれども、そういうことを規定したということが一つと、それからいま一つは、その公安委員の任期がそれぞれ違うわけでございます。現在、公安委員の任期が三年でございますけれども、三人の委員がそれぞれ三年でございますけれども、つまりどうしてそういうふうにしているかと申しますと、公安委員が任期が一度に切れるということは困る、継続性というものがありますように、公安委員の任期を一年、二年、三年と、こういうふうにずらしておるわけでございます。したがいまして、新しく任命される公安委員のその二人が同時に二年だということになりますと、その次に任期が切れるのがまた二人同時に切れますので、そういうことがないように一人は一年、一人は二年、こういうふうに規定いたしたい。そういうことを法律で規定するわけにいきませんので、四十六条の二でこういう規定を設けまして、政令で経過措置をそういうふうに定める――失礼しました、新しく任命される公安委員は一人が二年で一人が三年でございます。失礼申し上げました。そういうふうに経過措置を規定しておるわけでございます。それがこの四十六条の二の規定に基づきまして警察法施行令の第三条の二という規定が、政令でそういうふうな手続規定が、経過措置が定められておるわけでございます。
#161
○河田賢治君 そうしますと、今度できますと五人になりますね、新しく福岡県と神奈川県。この場合に、市から二人ということですが、これはまあ一人ずつということになるわけですね。神奈川県は横浜が一人と、それから川崎が一人というふうに。そうしますと、任期の切れるときと、それから、そこから選ぶときに二人と、こう出ておりますけれども、任期が切れなければ片一方も出られぬのですね。具体的には、そうすると北九州の福岡と、それから川崎は何年になったら何名出るか、ちょっとそれを教えていただきたい。
#162
○政府委員(土金賢三君) ただいまお答え申し上げました規定は、これは北九州市みたいに、いままで指定市でなかった県が初めて指定市になった場合に関する規定でございまして、今度の指定市になる都市の例で申し上げますと、札幌市の場合がこれに該当するわけでございます。したがいまして、札幌市の場合はこの規定によって、準用しまして、二年、三年と、こういうふうになるわけでございます。川崎と、それから福岡市の場合には別の規定が適用になるわけでございまして、それは警察法の施行令のやはり改正が、昨年の八月二十八日に政令二百七十七号によって改正されております。ここに政令の第三条の三という規定が昨年の八月二十八日に施行になっておりまして、その規定によりますと、つまり現行法の法解釈は、先ほども御説明申し上げましたように、指定市が二つになる場合には、指定市から推薦される委員は一人ずつになると、こういうことが法律の解釈上きまっておりますので、その規定に基づきまして、それならば、その一人一人はどういうふうに選任されるのかということに関する経過措置の政令が規定されております。つまり、その政令によりますと、いままでの指定市のすでに委員が二人任命されておりますが、そのうち、二人のうちのいずれかが任期を満了し、または欠けることとなったときに、初めて新しく今度指定市になるところの指定市が委員を一人推薦していただくと、そうして二人目の委員が任期が満了し、または欠けた場合には、今度は従来の指定市の市長が自分のところの、当該、従来の指定市の委員を推薦する、こういうふうなことになりますということを政令で規定しておるわけでございます。したがいまして、この規定によりますと、大体四月一日から指定市は発足するわけでございますけれども、二つになります川崎と福岡市の場合は、四月一日から直ちに委員が一人になるというわけではないということになるわけでございます。
#163
○河田賢治君 三十九条の、市長が議会の同意を得て推薦するということになっておりますが、この場合、同意ということは、結局地方の都市におきましても、まあかなり政党色がだんだん激しくなってまいりますと、いろいろと党派の問題が出てくるわけですね。そうすると、同意ということは全員の同意ということになりますか、それとも多数決で同意が決定されるのか、この辺をちょっとお伺いしておきます。
#164
○政府委員(土金賢三君) これは多数決でございます。
#165
○河田賢治君 それから次は、四十二条の三項ですね。つまり、公安委員は「政党その他の政治団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。」と、まあこれはこれでわかるんですけれども、大体これまでの政府の説明によりますと、ずいぶんと社長さんとか、それから取締役とかいうような会社の重役の方が多いわけですね。もちろん、この人々が必ずしも政党に所属しておるとは限りませんけれども、しかし、かなりやはり有力な経済団体なりあるいは商工会議所とか、こういうところにおる人も含まれるわけですね。ところが、なるほど労働問題とか、あるいはそのほか経済問題などについては、これはまあ、それは政治問題でないといえばそれまででありますけれども、しかし今日経済政策を論議したり、それの意見を発表する、あるいは労使問題についてもいろいろ労働者の要求がやれ過大であるとかいうようなことを発表するわけですね。われわれから見れば、これは一つの広い意味における政治行動であると思うんですが、この積極的に政治活動をしてはならぬというこの辺は、どの辺に線を引いておられるのか、この辺をちょっと聞いておきたいと思うんです。
#166
○政府委員(土金賢三君) この点につきましては、委員につきましては、やはり政党その他の政治団体になってはいけないと、こういうことが一つございます。と同時に、積極的に活動してはならないと、つまり政治運動、すなわち政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、もしくはこれに反対し、または公職の候補者、特定の政党その他の政治団体、特定の内閣等を推進し、支持し、もしくはこれらに反対するような運動を積極的に行なうということはいけないと、こういうことでございまして、たとえば政党人として個人的に政治的な見解を述べる等の通常の政治行為はこれには該当しないと、こういうふうな解釈になっておるわけであります。
#167
○河田賢治君 まあこれは私も全国を調べたわけじゃないんですけれども、そういう政治活動の範囲をあなた方のほうで大体きめられた程度に、つまり公安委員のそれぞれの諸君が一体守っているかどうか、こういうことはお調べになったことがありますか。
#168
○政府委員(土金賢三君) これは特別に調べているということではございませんが、たとえば選挙の場合とか、そういうふうなときには選挙運動をしてはならないという規定も他の法律にもあることでございますし、それぞれ公安委員さんにもそういうふうなことを御連絡申し上げておるわけでございます。
#169
○河田賢治君 それだけ聞いて、あとまたわれわれのほうで探査しますけれども……。
 この前まあ公安委員会の問題で、神奈川県の公安委員がですね、連合赤軍の連中に猟銃の使用を許可したという問題取り上げました。いまここではそれは取り上げませんけれども、まあ御承知のように、きのうあたり、きょうにかけまして、新聞でですね、これは警察のことではありませんけれども、公安当局が御承知の、ああいう問題起こして新聞に出ているわけですね。まあ大体いま下のほうでは、警察のほうと公安当局がお互いに競って、ああいう赤軍派なりあるいは中核派とか、いろいろな今日のいわゆるまあ革命的な言辞を弄する中にいろいろまあ食い込んで援助もしているとかですね。だから私、この問題を申すわけじゃありませんけれども、少なくとも国家公安委員と地方の公安委員が連絡を緊密にしなくちゃならぬ。まあ地方の公安委員は常に国家公安委員の、まあ直接の指導やらなんかではなくて、この公安委員会の性質からして、いろいろな治安上緊密な連絡をするということがここにうたわれているわけですね。こういう点で私は、今後ですね、やはり盛んにまあ共産党をいま目のかたきにしてですね、これまで治安対策で始終破防法の該当団体だといって目を向けられているのですね。しかし、いまその大きな穴が、今日「あさま山荘事件」やその他を生んでいるわけですね。ですからこの点、まあこの前も私が話しましたのでさらにここで追及しようとはしませんけれども、警察の中にもずいぶんこういう問題を、いま公安当局がやっているようなことがちらちら私たちのほうにも報告が上がっているわけです。一応この公安委員会の問題を審議するにあたって、国家公安委員会は地方の公安委員会に対するまあ十分な行政的な指導あるいは連絡ですね、これらをやっていただきたい。このことを申し添えて私の質問を終わります。
#170
○委員長(玉置猛夫君) 本案に対する本日の審査はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後五時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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