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1971/03/23 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第6号
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1971/03/23 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第6号

#1
第068回国会 地方行政委員会 第6号
昭和四十七年三月二十三日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         玉置 猛夫君
    理 事
                寺本 広作君
                増田  盛君
                占部 秀男君
                河田 賢治君
    委 員
                片山 正英君
                塩見 俊二君
                柴立 芳文君
                高橋 邦雄君
                原 文兵衛君
                安井  謙君
                若林 正武君
                神沢  浄君
                小谷  守君
                杉原 一雄君
                和田 静夫君
                上林繁次郎君
                藤原 房雄君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       自 治 大 臣  渡海元三郎君
       国 務 大 臣  中村 寅太君
   政府委員
       内閣法制局長官  高辻 正巳君
       内閣法制局第三
       部長       茂串  俊君
       人事院事務総局
       任用局長     岡田 勝二君
       中部圏開発整備
       本部次長     佐土 侠夫君
       警察庁長官    後藤田正晴君
       警察庁長官官房
       長        土金 賢三君
       首都圏整備委員
       会事務局長    川島  博君
       自治大臣官房長  皆川 迪夫君
       自治大臣官房参
       事官       立田 清士君
       自治大臣官房参
       事官       森岡  敞君
       自治省行政局長  宮澤  弘君
       自治省行政局公
       務員部長     林  忠雄君
       自治省税務局長 佐々木喜久治君
   説明員
       近畿圏整備本部
       調査官      清水 泰吉君
       経済企画庁総合
       開発局参事官   山東 良文君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政連絡会議法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○警察法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査
 (昭和四十七年度自治省の施策及び予算に関す
 る件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方行政連絡会議法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○和田静夫君 この第十四次地方制度調査会の資料に基づいて、先日に引き続いて若干の基礎的な質問をしておきたいと思うのですが、地方行政のあり方についての意見ですね。行政局長は――この前のときは、私はだまっていたのですが、行政局長はどうなっているのですか。この前のときは、まあ一回ぐらいしかたがないと思ったけれども、これを大臣に全部答弁させて知らぬ顔をしているのですか、自治省というのは。
#4
○委員長(玉置猛夫君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#5
○委員長(玉置猛夫君) 速記を起こして。
#6
○和田静夫君 地方行政のあり方について、「地域開発の可能性を実現させるためには、全国的道路輸送網の整備が必要であり、速かにこれを整備してそれぞれ同じ条件で地域の特性を発揮できる体制にしなければ、国土の合理的な開発はできない。」、あるいは「都市開発行政のための責任ある体制を確立するため、国土開発省あるいは都市開発省のようなものが検討されてよい。」、「自治行政の範囲をどうするかの問題がある。現状のままでは、自治行政のコストは高くなっていく。」、こういう意見ですね。この意見について大臣の見解を求めたいのですが、同時に、その中で特に国土開発省あるいは都市開発省という考え方について、どのように自治省としてはお考えになるわけですか。
#7
○国務大臣(渡海元三郎君) これは地方制度調査会で一つの意見として出されたのであって、地方制度調査会そのものの意見じゃないと、こう思いますのですが、私もつぶさにこの状態を知らないものでございますから、全般的に……。私は、いまのこの三つの考え方、一つの意見であろうと思いますけれども、私個人といたしましては、こういった考え方を直ちに受け入れることはできないというふうな感じで、この三つともを並べて読ましていただいたという感じでございます。
#8
○和田静夫君 事務の再配分について、時間の関係がありますから基本的な考え方だけ聞いておいて、後ほど時間があったら私の考え方は述べたいと思うんですが、事務の配分の問題について「府県、市町村間の行政権能の分担を再検討すべきである。」、こうなっていますね。自治大臣、この間、社会保険などのいわゆる地方自治法の附則八条に関する「当分の間」の事務官の問題については答弁で触れられましたが、それとの関係でも、この事務の配分についてのいま考えられている見解ですね、これらについてはどういう形でお進めになりますか、取り上げられようとされますか。
#9
○国務大臣(渡海元三郎君) 行政権能の分担といいますか、国と地方の組織の問題で、いまの事務官制度とかああいったものは、私は、何といいますか、二重制度的なものは廃止したいと、これは行管等の方針でもございますし、できるだけいまの地方事務官という制度は一本のものにまとめて、はっきりと府県職員として持っていきたいという方向で現在関係各省と協議中でございます。これはたびたびの機会で答弁をさせていただいたのではないかと思いますので省略させていただきますが、府県と市町村間の行政権能の分担を再検討すべきである、との問題につきましては、私は、第一義の自治体は市町村である、府県は補完的な自治体であるという観点に立って事務は検討すべきであろうと思いますが、しかしながら、単に市町村が人口的に、その他の条件で能力があるからといって、直ちに事務をおろすべきではなく、府県の中において統一的事項があるときはやはり府県の事務として残していく、ただ単に能力だけによって決すべき問題でない、府県というものの中で統一的に行なわれるべきものは府県に残していく、こういう姿で考えていくべきである。かような方針でやるべきものであって、府県、市町村間で、現在のところさしあたり、これは市町村におろすのだというふうなものは、具体的なものは考えておりませんけれども、方針といたしましてはそういった考え方で進めなければならない、こう考えております。
#10
○和田静夫君 地方事務官の身分の問題に触れましたから、ちょっと。渡海自治大臣とは私初めてですから確認をしておきたいのですが、野田自治大臣とも、あるいは秋田自治大臣とも、言ってみれば、本来は地方公務員であるべきものが当分の間措置をされて二十五年間たってしまった。その本来は地方公務員であるということは、前自治大臣、元自治大臣とは確認し合っているのですが、これは現自治大臣としても異存がないことでしょうね。
#11
○国務大臣(渡海元三郎君) 本来は地方公務員であるべきはずであると、この点は、私たちは前大臣と同じように考えております。
#12
○和田静夫君 そこで、当時厚生、労働、自治の三省間で一定の覚え書きができ上がって、そして早急にいま確認をし合った趣旨に基づいて作業を運ぶ、こういうことになっておりましたが、それからもう二年以上経過している状態です。渡海自治大臣としては、このような状態について一体どういう時期的なめどを立てて労働、厚生それぞれの関係の処理をされようとしているのか。
#13
○政府委員(宮澤弘君) 大臣が御答弁申し上げます前に、事務的に現在どういう段階になっているかということを私から申し上げたいと存じます。
 地方事務官は、おっしゃいますように厚生省関係、労働省関係、運輸省関係三つがあるわけでございますが、数年前に一応処理の方針を関係各大臣の間できめました。和田委員が先ほど御指摘になりましたが、きめましたのは労働省関係とそれから運輸省関係でございます。厚生省関係のほうは、関係大臣の間で取りきめをいたしたという事実はございません。ただ、当時の話といたしましては、厚生省関係の地方事務官につきましては医療保険制度の抜本改正の時期に合わせて考える、こういう話にはなっておりますけれども、取りきめというような形にはなっていないわけでございます。そこで、取りきめが行なわれましたのは運輸省関係と労働省関係でございます。
 まず、労働省関係でございますが、労働省関係の取りきめの大体の中身といたしましては、当時労働省といたしましては、労働省の地方出先機関の改革についての一つの考えを持っておりまして、その地方出先機関の改革に合わせて労働省関係の地方事務官の解消をはかりたい、こういう考え方のもとに取りきめをいたしたわけでございます。しかし、その後労働省関係の出先機関の改廃整備につきましては、労働省の方面の意見が必ずしもなかなか熟してまいりません。いまに至るまでその線に沿った改革の具体案というものがまだできていない段階でございます。しかしながら、そうは申しましても、私どものほうの立場あるいは地方自治の立場からいたしますと、労働省の地方出先機関の改革整備の問題がいかように向こうの主張でありましょうとも、地方事務官制度の解消をはかるということはかねての念願でございます。私どもといたしましては、後に運輸省関係につきまして申し上げますけれども、大体、運輸省関係の地方事務官制度の解消がはかられるときには、労働省関係のほうの地方事務官の制度の解消もはかっていきたいということで、事務当局と話し合いをいたしているというのが現状でございます。
 そこで最後に、陸運行政、運輸省関係の地方事務官の問題でございます。これにつきましても、先ほどもお話がございましたように、関係大臣の間の話し合いから数年たっているわけでございます。当時の話し合いといたしましては、県内の陸運行政というものは陸運当局の責任において行なうけれども、県に移譲可能なものは移譲をしていく。何が移譲可能であるかは両省の事務当局間で協議をしてやろう。それから、御承知のように、現在陸運事務所でやっておりますものは、いわゆる陸運行政のほかに車両検査、あるいは登録事務があるのでございますが、車両検査の仕事はなるべく早い機会に民間に委譲する、こういう方向で考える。それから登録事務は、これはコンピューターの導入等の事由もございまして、国のほうで一元的にやっていこう、まあ大体こういう話でございます。したがいまして、中心は、何の仕事を県なり県知事にまかせていくかということであったわけでございます。で、そのことにつきましてだいぶ時間がかかったわけでございますが、運輸省の当局と話し合いをいたしまして、運輸省の当局のほうも、単純に仕事を移すという問題の背後には、やはり運輸省関係の職員組合と申しますか職員団体、こういう方面の意向というものもそんたくをしながら話を進めていかなければならない、こういう事情もあったようでございます。そういう事情もございましたが、大体私どものほう、事務当局間で折衝いたしまして、おおむね、府県知事にまかせるもの、それから国の機関で行なうものというものの事務の仕分けの作業もほとんど終わりのほうに近づいております。私どもは、運輸省の事務当局との間には大体四十八年度中に実施をするということを目途に仕事を進めようということで、現在話し合いを最終的に煮詰めております段階でございます。
#14
○国務大臣(渡海元三郎君) 事務的な運び方につきましては、いま局長から述べさせていただいたとおりでございますが、この間の経緯につきましては、私自身も側面から承知いたしておりますが、なかなか言うべくして行ないがたいものであるということは、私自身、都の行政事務である衛生行政、あるいは福祉行政を国に移譲する場合のいきさつをたまたま厚生政務次官として体験いたしまして、いかに困難なものであるかということを十分承知いたしましたが、ただいまの御質問もひとつ御鞭撻の意味と思いまして、いま進めております方向で、運輸行政の面の目標のついたものの解決をぜひとも進めてまいりたいと、このように考えております。
 なお、厚生行政につきましては、両省間の覚え書きその他はございませんけれども、抜本的医療行政の解決の際に考えるという一つのめどはつけております。その時期も今日、間もない機会にできるんじゃないかと、かように考えておりますので、その時期を失することなく前進せしめたいと、このように考えておる次第でございます。幸いにいたしまして、何と申しますか、運輸大臣並びに厚生大臣、いずれもそのほうの経験者でもございますので、よく事務的な内部事情にも通じておられるようなお方でございますので、御協力を得まして前進への道に持ってまいりたいと、かように考えております。
#15
○和田静夫君 運輸の四十八年度中はわかりましたけれども、労働、厚生について、さらに困難な問題、幾らでもあると思うんですが、やはり二十有余年間も当分の間というような形は、これは好ましい状態ではありませんから、早急に私は解決すべきだと思いますが、これは別の機会にもう少し時間をとってこの問題について論議をしてみたいと思いますから、ぜひ、いま大臣が述べられたような方向でスピーディーに事を運んでもらうことを希望しておきたいと思います。
 次に、「住民に直結した事務は、狭い単位で処理するのが好ましい。広域的に処理すべきでない。」という意見と、「人口が少ないため広域地方団体に事務を委譲した方が自治行政の効率性が高まるものについては、広域地方団体に事務を委譲し、それに応じて税財源配分も考える方向が望ましい。」と、こういう意見があるわけですが、これは自治省としてはどっちをおとりになるわけですか。
#16
○政府委員(宮澤弘君) これは私、ちょっと途中からまいりまして恐縮でございますが、地方制度調査会の場等を通じましていろいろな方のいろいろな御意見を個々に並べてある資料であると思いますので、必ずしも論理的に二者択一というようなことで並べているのではなかろうと思います。そこで、ただいま御指摘の「住民に直結した事務は、狭い単位で処理するのが好ましい。広域的に処理すべきでない。」、私はこれはまさにそのとおりであろうと思うのであります。何をもって住民に直結した事務かということについては、個々の事務ごとにいろいろ議論があるだろうと思うのでありますけれども、住民に直結した仕事というものは、やはり一番狭い、最も住民に身近なところで処理をするという原則、これはまあ当然であろうと思うのでございます。
 そこで、その次にもう一つ、御指摘のウでございますが、これは「人口が少ないため広域地方団体に事務を委譲し」というのは、まあより上位と申しますか、市町村で申しますと、あるいは県ということをこの意見を述べられた方は考えておられるのかもしれません。本来市町村がやるものを、県にまかしたほうが自治行政の効率性が高まるというようなものについては、それにまかしたほうがよくはないか、こういう議論でございます。これも私は一つの議論であろうと思います。ただ、御指摘のように、イのなるべく住民の身近で処理をするということと、それから、効率性の見地から広域地方団体に事務を移譲するということとの間には、やはりどこかで調和点を求めなければならないわけでございます。したがいまして、一がいにどっちの原則に従うべきだということでは私はなかろうと思うのでございます。基本的には、やはりなるべく住民に直結した事務は住民の身近で処理をすべきだ。しかし、非常な過疎地帯、おそらくここでウの議論をなさっておられる方はそういう議論をしておられるのだろうと思うのでありますけれども、非常な過疎地帯というようなものにつきましては、あるいはそれにつきまして上位の団体が広域的に事務を処理したほうが効率性が高まるし、あるいはその効率性が高まる結果といたしまして、住民に対するサービスもよくなるというようなものもこれはあるに違いない、こういうふうに考えるわけでございます。
#17
○和田静夫君 府県制度について「交通・通信の革命的ともいうべき発達のみられる情勢のもとにおいて、区域の点からも行政単位としても現在の経済の発展と行政の広域化に対処できない。したがって、現在の府県の区域・機能について再検討がなされるべきである。」という意見と、「自主合併の道が開かれていないことが、府県を完全な自治体にしている今日において無理がある。」という意見と、「府県合併については、全国的、画一的な措置によることなく、地域住民の積極的な希望のある地域について、合理的、民主的に合併できるよう制度的方途を開いておくこととする。」という意見、これらについて自治省の考え方を実は聞きたいんですが、たとえば最初に読み上げた、ここで言えば「3 府県制度」のイの項、これは府県の区域面の拡張を前提とした議論でありましょうが、この答申全体が「道州制、都府県合併等のような地方制度の基本的構造にかかわる改革の問題については、さきに答申を行なったところであるが、その後における社会経済情勢の変化に対応し、大都市制度の問題と併行してこの際根本的な再検討を加える必要がある。」、こういう方針になっている以上、大都市制度の改革についての方針が確定するまで、渡海自治大臣預かりになって、まあきていたのだろうと思うんですが、都道府県合併特例法などというような法律案をちらつかせるのはやめるべきではないか、こういうふうに考えるんですが、これは自治大臣いかがですか。
#18
○国務大臣(渡海元三郎君) 都道府県合併法案というものが、何と申しますか、具体的にこの方向へ府県はなければならないんだという意味であの法案を御審議願うことは、私はいま言われたような意味からむしろ検討すべきじゃないか、こう思います。ただ問題は、具体的にそういった議論も起こっておる際に、私は、何と申しますか、いまの現行法でございましたら、自主的にそういった道が開かれていないと、これはあくまでも地方の自主的な考えに基づいて行なわれるべきものだという道をやはり法的にもあけておく、自主性を認めるんだという意味では、あの法案の意味もなきにしもあらずであると、そういった気持ちでございますが、前者にとられる場合が多いものでございますから、その場合は、これは慎重に考慮すべきものであるという考えから法案の取り扱いをさせなければならないというふうな姿で、提案は予定いたしておりますが、検討さしていただいておるのが現在の偽らざる姿でございます。提案いたしますにいたしましても、私はあくまでもこれをもって一つの方向というのでなくして、法律的に府県の自主性というものを認めておくという道は、むしろいまの現行法がそれを認めてないということ自身が、考え方があまりにも住民自治に対する自主性を欠いておるんじゃないかという点の修正であるという意味では、私はあってもかまわないと、しかし現在の状態が、あの法案をつくることによってそのような意味で解釈されるかどうか、要らざる混乱を起こすことがないかどうか、この点は十分検討しなければならないと、かように考えておる次第でございます。
 それと同時に、府県合併の問題は、私は全般の問題と考えまして、この地方制度調査会の答申にも示されておりますとおり、非常に重要なる問題であり、単に府県だけの問題としてとらまえることなく、全体の地方行政のあり方、ひいては事務、財政にわたるところの今後の理想像というものを築き上げて初めて考えるべき問題であって、いまこの答申の一つのあらわれとして、大都市問題の後に考えるべきじゃないかというのも、そういった意味で、単に大都市問題が解決したら今度は府県だという意味じゃなくて、全般を通じて私は秩序ある目標を定めるべき時期にきておるのでなかろかと、それは、特に社会経済情勢の大きな変化というものをとらまえての、自治体が行なうべきほんとうの意味の住民のための自治行政という事務の内容に立脚しての考え方から生まれなければならないんじゃなかろうかと、その時期にきておるんじゃなかろうかというふうにも考えますので、私は慎重にやらなければならないと、まあかように考えておるような次第でございます。
 そのために、私は地方制度調査会のあり方も、単に当面の問題を、答申が言うような、従来の行き方でなくして、この問題とほんとうに真剣に取り組んでいただきたいという意味から、任期を二年にいたしまして、長期の内政の充実を目ざさなければならない。社会情勢に応じるような自治行政のあり方、それを真剣に、長期的な展望に立って、市町村から府県に至るまでの組織的なあり方について御研究賜わりたいと、こういうふうな考えから、任期も二年という姿で、当面の問題を御審議願うと同時に、長期的な展望につきましても御審議賜わりたいと、その上をもってこの問題と取り組みたいと、かように考えております。
#19
○和田静夫君 いまの答弁の中から、この国会で都道府県合併特例法案は提出をされないという意向が大体くみ取れました。したがって私たちは、当然、前に論議をしましたときこれは反対でありましたのですが、特に憲法九十五条との関係においてもたいへん疑義があるし、そのようなことはいま内容について触れませんが、すでに一ぺん論議をしたんですけれども、態度を明確にこの機会にしておきたいと思います。
 そこで、道州制についても賛否これは二つに分かれています。この機会にちょっと聞いておきたいのですが、昭和十一年、二・二六事件のあと、広田弘毅内閣が道州制を発想した。そして十二年に日中戦争に入っていって、十六年、太平洋戦争に入った。十七年四月に東条英機首相の翼賛議会選挙が行なわれた。そして翼賛議会が生まれ、そして敗戦まで総選挙が行なわれなかった。それから昭和十七年九月二十六日から九月二十九日まで四日間、大政翼賛会第三回中央協力会議が持たれた。日本の資本の代表である膳桂之助氏が道州制を唱えた。それに対して内務次官山崎さんが反対した。そして折衷的に地方運営のああいう形が敗戦前後まで残るところの状態が出た。
 こういう一連のこの道州制の歴史をいまずっと追憶してみまして、私は、四次防の問題で私も後ほど予算委員会でいろいろやろうと思いますが、非常に大きな問題が出ている時期に、日本商工会議所会頭永野重雄さんなどから道州制が強く主張された。こういうものに対応して、いま自治省が道州制についてどういう形のことを考えていらっしゃるのか、この機会にちょっとお伺いしてみたいと思います。
#20
○国務大臣(渡海元三郎君) 私は、商工会議所の意見も、ここにあらわれておりますような各界の並列されております一つの意見としては敬意を表しております。しかしながら、直ちにこれを具体的に御検討賜わるというところまではまだ率直に申しまして考えておりません。私は、さきの御質問にお答えしましたように、市町村まで含めた自治体のあり方、それが社会経済情勢に、住民の要望に合い得るような姿の、住民が望むような効率的な自治行政のあり方というものを根本にいたしまして、その上の補完、地方公共団体としての府県のあり方、これを持っていくのにはどうしたらいいかという上に立って考えるべきものである、そのためには、そういった根本的な考え方に立って御審議賜わりたい、こういうふうな考えを持っておりますので、その意味におきましては私は全く白紙であると、こうお考え賜わってかまわない。これは自治省の考え方というよりも、現在自治大臣としての私の私見と申すほうが正しいのじゃないかと思います。この問題につきまして、自治省としまして意見をまとめたこともございませんので、許されまするなれば、自治大臣の私としての私見というお気持ちでおくみ取りいただきたいと思います。
#21
○和田静夫君 都市問題に入りますが、この都市問題にアプローチする態度としては、企業の支配に対する人間の主張という観点、それから自治意識を育成するという観点、それから職住分離の実態からの出発といった観点などというようなことで論議が幾つか出ているようですが、自治省としては、いま、どういうような態度を都市問題についてはおとりになりますか。
#22
○政府委員(宮澤弘君) これもたいへんむずかしい御質問でございます。いまの御指摘は三点ございまして、一つは、企業の支配する都市から人間の支配する都市への改造の問題でございます。この問題は、ここでは企業支配から人間の支配へと書いてございますけれども、こういう考え方の基本には、最近の、たとえばGNPに対する国を通じての一つの反省的な考え方、こういうものがおそらく根拠にあるだろうと思うのでございます。いままでのような経済性でございますとかあるいは効率性というようなものを追求をした生活から、むしろ、快適でありますとか安全でありますとか健康でありますとか、そういう生活本位というようなものに国民の考え方なり生活全般を変えていくという考え方が基礎にあるだろうと思うのでございます。そういう意味でございますれば、都市づくりというものも、人間の生活を中心に考えていくという点におきましては――和田委員は、いま、自治省の考え方はという御質問でございますが、そういうことにつきましては、必ずしも私ども自治省として統一的な考えを持っておるわけではございませんけれども、少なくとも私あるいは私ども同僚の大多数は、そういう考え方にもちろん賛成であろうと思うのでございます。
 それから御指摘になりました二、三の問題、これは一、二、三おのおの、これは同じ段階の議論ではないと思うのでございますが、第二番目の問題は、自治意識というものを中心に、地域社会の建設と申しますか自治行政というものを考えていくべきである。特に大都市地域という地域におきましてはそういう問題があるという指摘でございます。これも、その点につきましては何らの異論のないところでございまして、大都市地域のみならず――あるいは特に大都市地域と言ってもいいかもしれないのでありますけれども、やはり自治というものは住民の意思、意向というものを把握をいたしまして、あるいは住民の意思、意向に基づいた行政でございます。大都市地域におきます団地社会というものにおきましては、住民と当局との間にそういう意味合いにおいてはすき間があるということがよく指摘をされておるところでございますので、こういう考え方は、もちろんこれは自治行政、特に都市行政を考えます場合には一つのポイントであることはこのとおりであろうと思うのでございます。
 それから第三番目に、「大都市行政について、職住分離の実態をいかに自治行政制度に反映させるかが問題である。」とございます。これは、このことでこの論者は何を指摘されておられるのか必ずしも明らかではないと思うのでございますが、想像をいたしますのに、私どもも職住というものは分離をしているほうが近代社会の人間の生活であろうと思いますけれども、この分離というものがあまり地域的に離れているところに問題がある。職住は分離でありますけれども、職住が、近接と申しますか、そういうことが望ましいわけでございます。この指摘は、おそらく、職住が非常に離れている、そういたしますと、たとえば特に東京なり大阪なりの大都市圏というものを頭に置いて考えますならば、住んでおりますのは千葉なり埼玉なり神奈川に住んでおりますサラリーマンといたしまして、住居はそういうところにございますが、仕事は毎朝東京に出てきて仕事をしている、こういうことになりますと、住んでおります地域と働いております地域が非常に離れて、明白に違っておりますし、それから、これは古典的な考えであるかもしれないのでありますけれども、地方自治の一つの考え方といたしまして、自分たちが使う施設についてはその負担を自分たちが行なうという一つの原則があるわけでございますけれども、ただいま申し上げました例で申しますれば、負担――税金等は千葉や埼玉や神奈川で払う者が多いわけでございますが、しかし日中は東京の施設を使うというようなところから、そういう意味の一種の乖離というものが生じてくる、この辺がやはり今後の地方行政を、特に都市地域におきます行政なり財政のあり方を考える場合に一つのポイントではないかという指摘であろうと思うのでありまして、その限りにおきましては、その指摘自身は誤った指摘ではない、こういうふうに考えております。
#23
○和田静夫君 大都市の機能の問題について先日の委員会でも触れたんですが、要するに、特別都市方式でいくのか、あるいは府県、大都市の二重構造でいくのか、あるいは現行でいって二十五万以上の都市をたとえば指定市並みにするのか、こういうような三つに分けられたような議論があるようですがね。自治省はいま言った第二の道ですか。
#24
○政府委員(宮澤弘君) この問題も、おそらく現在とそれから将来を展望した場合には、考え方があるいは違ってくるかもしれないと思うのでございます。将来を展望するということを申し上げたのでございますが、今後の地域社会あるいは国土全般というものの変化いかんによりましては、この地域社会を基礎にして成立する自治体のあり方というものは、これは当然変わってまいります。したがいまして、将来どのくらいの時点で展望するかということによっても問題が違ってくると思うのでございます。しかし、私どもが現状に立ってものを考えております限りは、ただいま和田委員の御指摘の、二重構造と申しますか、そういう考え方に立ってものを考えているわけでございます。大都市というものはやはり現在の指定都市の方式ということで、府県、市町村という二軍構造というものを考えまして、その市町村の中でも特定の市につきましては、その事務処理の権能なりそれに伴う財源措置なりというようなものにつきまして特別な地位を考えていくということでございますけれども、かつての特別市のような考え方というものは現在いたしていないわけでございます。
#25
○和田静夫君 この答申は「交通行政、公害行政をはじめとする各種の行政が国の機関により縦割りで行なわれ、責任の所在が不明確となり、都市の総合的な経営が確保されていない。」、こう述べております。こういう状態が直されるという見通しというものは、自治省はどのようにお立てになっているわけですか。
#26
○政府委員(宮澤弘君) ただいま御指摘の点は、大都市制度の現状及び問題点についての指摘でございまして、国の権能と自治体の権能との関係について触れた点でございます。そこで交通行政、公害行政という指摘をいたしているわけでございますが、このうちで、公害行政につきましては、御承知のように、公害立法――公害の各種の立法ができました際に、私どもあるいは地方自治体の意向を受けまして、私ども関係省庁といろいろ折衝いたしまして、現状におきましては、公害の規制に対しましてはかなり大幅な権限が自治体に与えられている、こういうふうに申し上げてよかろうかと思うのでございます。ただその場合、自治体という場合に、府県と市町村というものが考えられるわけでございます。特に、ただいま御論議の中心になっております指定市というものと、指定市を包括する府県との機能の配分というものがございますけれども、これも私ども見ます限りは、大部分の権限が指定市のほうにおりておりますので、この点につきましてはかなり問題は進捗をいたしている、こういうふうに申し上げてよかろうかと思うのでございます。それに対しまして、ここに交通行政の権限という指摘がございますけれども、この点につきましては、むしろ問題は今後に残されている、こういうふうに率直に申し上げざるを得ないのでございます。
 交通行政、特にここで指摘をしておりますのは、たとえば私鉄なり私バスなりというものの事業の免許、あるいはそれに属しますいろいろ新線をつくりましたり駅をつくりましたりといったような場合についての規制の権限でございますけれども、こういう権限は、これは指定市あるいは大都市のみならず、都道府県を含めまして地方公共団体にほとんど与えられていない。しかし、私ども考えますのに、たとえば都市行政を考えまして、どこかに団地ができるといった場合に、これはすぐ足の問題が出てくるわけでございます。あるいは足の問題を考えないで団地ができたところに、いままでの大都市地域におきます一つの団地行政と申しますか、大規模な宅地開発行政ある、は住宅地造成行政の問題点があったというふうに言っていいかとも思われるのでありまして、私どもは、大都市を含めまして、地方公共団体が地域の開発整備に当たりまして、もう少しそういう交通についての発言権があっていいのではないかということをかねて主張をいたしているわけでございます。こういうことにつきましては、まだ関係省庁との間で具体的な問題の進展を見ておりませんのは残念でございますけれども、この点は私は、国と地方との機能配分を考えます場合に、この交通行政についての発言権と申しますか、自治体が発言権を持つということは一つの大きなポイントであろうと、こういうふうに思っております。
#27
○和田静夫君 いまの都市交通問題というのは、明らかに大都市問題です。自治省関係者が、あるところに、だれがどう書いたとは言いませんが、それにそういうふうに書いているのですから、全く私もそのとおりだと思うのですが、しかし都市交通問題への自治省の取り組みというのは、大都市問題への大胆な取り組みという形になっているかどうかということを常日ごろ思うんです。せいぜいこの赤字をどうするか、こうしよう、それで大蔵省とあるいは運輸省と折衝しよう、そういう問題の処理に追われているという感じ、それが実情ではないかとこう思うんですが、これは大臣どうですか。
#28
○国務大臣(渡海元三郎君) いままでの取り組み方と申しますか、今日まで、いま行政局長が指摘いたしましたように、この点は十分でないということを率直に申し述べておりましたので、私たちも認めざるを得ないんじゃないか。いまの御質問の姿をそのまま認めなければならないのではないかと考えます。まあ言いわけになるかもわかりませんが、私はそのようなことも考えまして、横浜を除く他の大都市の再建計画が本年、四十七年をもって終了いたします。しかしながら、終了と同時に赤字が解消するのでなくて、むしろ赤字がふえておるこの実情を考えまして、本年の年初に行なわれました予算における大臣折衝の際に、私と大蔵大臣との折衝の際に、特に運輸大臣に来ていただきまして、三者で、新しく再建計画を始めなければならない、四十八年度いま御指摘になりましたような問題を含めて抜本的な解決をはかりたいと思って、私からの申し入れという姿でございますが、そういった点も合わせて研究いたしたいと、こういう申し入れをし、大蔵、運輸両大臣の御了承を特に得ておいたという形でございます。私があえて本年度を取り上げずに一年間の余裕をもって四十八年度とこう申しましたのは、再建計画を改めなければならない時期が大部分の都市にきておるというだけでなしに、いま申しましたような観点からほんとうに根本的に取り組むことによって初めて現在の赤字問題も解決されるのである、またそれ以上に都市住民の足の確保という問題で考えていかなければならない問題じゃないかと、かように考えております。役所といたしましても十分努力をいたしますが、ひとつできますれば、この問題につきまして、衆議院の地方行政委員会の方々にも、非公式でございますが私はお願いしておりますように、当委員会におきましても関係各省、多数にわたると思いますが、御審議賜わりまして一つの御示唆を与えていただけば幸いだと、こういうふうな方向で取り組んでおります。
 特に、多摩ニュータウン等ができまして、この問題も新しい問題として運輸、建設その他が御研究を賜わっておりますので、時期的にも私たちはこの問題を総合的に考えなければならない時期にきておると、こう考えておりますので、この間の申し合わせは、単に大蔵、運輸、自治、この三者で行なっただけでございますが、その上に関係各省も入っていただきまして、根本的なひとつ総合的な対策を打ち立てる上におきまして都市問題の大きな一つの問題である交通問題と取り組んでいきたい、そのために一年間の余裕を持ちたい、それで、四十八年度をぜひともその出発のめどとしたい、そのような気持ちでいま準備をいたしておりますのがいまの自治省の姿でございますので、何ぶん御鞭撻と御指導を賜わればまことに幸いであると考えております。
#29
○和田静夫君 自治省サイドでいろいろ議論をして調査会で答申が出るけれども、実際は実施に移されるのはいつも末端のことで、根本的な問題に何ら手がつけられない。そういう意味で、私は自治省の大部市問題を解決する能力を残念ながら疑い始めているわけです。
 交通問題は後ほど若干やりたいと思うのですが、首都圏、中部圏、近畿圏にこの機会にお尋ねいたしますが、この地方制度調査会の資料に基づきますと、「大都市圏、すなわち社会経済的に一体的な都市を形成している地域社会を対象とする総合的な計画が策定され、その実施を確保するしくみが整備される必要があるが、現在の首都圏整備計画、近畿圏整備計画等は、このような要請に応えているとは認めがたい。」としているのです。これについて、それぞれの委員会、あるいは整備本部はどういう御見解をお持ちになるか、まずそれぞれから承りたい。
#30
○政府委員(川島博君) 私どもは、首都圏整備法という法律に基づきまして、山梨県を含む一都七県を管轄する圏域計画行政を担当しているわけでございます。首都圏整備委員会並びに首都圏整備法、これのあり方につきましては過去何回も議論があったわけでございますが、私どもも現行の法律体系並びに制度のあり方が必ずしも今日の時勢にとって最適最善のものであるとは考えておりません。
 御案内のように、昭和三十九年でございましたか、当時の臨時行政調査会が当時の首都圏整備委員会のあり方を批判をいたしまして、まあ結果的には、首都圏庁と称する新しい強力な行政機関を設立すべきであるという答申を行なっております。当時私も首都圏整備委員会の計画第一部長をいたしておりまして、和田先生にいろいろ御質問を受け、また御意見も申し上げたわけでございますが、当時の首都圏庁案なるものにつきましては、当時、私どもは全面的に賛意を表して、その実現方を強く期待しておったいきさつもございます。しかしながら、いろいろな事情で実現を見ずに今日に至っておりますが、当時から見ましても、今日の東京並びにその周辺をめぐる都市問題の深刻さは深まるばかりで、少しも緩和のきざしの見えないことは御案内のとおりでございます。したがいまして、今後におきましては、当時と比べましても一向に情勢の緊迫度は緩和したとは思われません。したがいまして、私どもは、今日の首都圏整備法並びに首都圏整備委員会のあり方につきましては、できれば臨時行政調査会が御提案になりましたような方向で今後強化されることが望ましいというふうに考えております。
#31
○政府委員(佐土侠夫君) いまの御質問のお答えになるかどうかわかりませんでございますが、私どものほうもこれは中部圏開発整備法という法律がございまして、御承知のように議員立法でできております。これは首都圏、近畿圏の場合はそれぞれ整備法になっておりますけれども、中部圏の場合には特に開発整備法という、開発という字が入っておるわけです。これは、御承知のように首都圏と近畿圏の中間に位しておりますし、日本列島のまん中である、しかも非常に開発余力があるという形で、中部圏という、これは県でいいますと九つの県にまたがっておりますけれども、この九県を舞台にして総合的な計画をつくって、その計画に基づいた事業を進めていく、それのおもりをするというのが、国家行政組織法でいいますと三条でなくて八条の機関でございますが、首都圏とか近畿圏のように過大な人口なり産業が集中をしておるからそれを分散をするという、いわば一種の過密解消対策という形にわれわれの計画はなっておりませんで、ちょうど東京、大阪に相当する地域として名古屋という地域がございますが、中部圏を都市整備区域とそれから都市開発区域、それから、これは環境自然保護の関係でございますけれども保全という三つの区域の制度を持ちまして、区域を中心にして開発整備をはかるという、拠点開発方式という方式をとっております。
 そこで、問題を大都市問題というのにしぼりますと、名古屋がその対象になると思いますけれども、名古屋のとらまえ方も、名古屋駅を中心にして四十キロ圏を一応都市整備区域というとらまえ方をいたしておりまして、これは先ほどちょっと触れましたように、東京、大阪のような過大な人口、産業を分散するという形じゃなくして、確かにその都市整備区域――名古屋市を含めた都市整備区域は産業の程度も高い。しかし、なお一そう都市機能を高めていく地域であるという形になっておりまして、名古屋だけが発展するんじゃなくして、それぞれ中部圏の各地域がおのおの所を得て均衡ある発展をするという形になっております。したがって、大都市問題という立場でものをとらまえていくか、いまわれわれが考えておりますように、中部圏開発整備をするために拠点開発という考えでいくかという立場がございますが、われわれはこの法律に基づいた形で、都市整備区域の問題につきましては、その都市機能を高めていくという方向で現在いろいろ努力しておるという状態でございます。
#32
○説明員(清水泰吉君) 近畿圏におきましては、中部圏、首都圏と同じような状態でございますけれども、近畿圏は特に土地上、六甲、生駒、金剛というような、周囲に恵まれた自然環境があります。したがいまして、そういう環境を保全しながら、大阪に集中しております人口を分散するという方向で、昭和四十年の基本計画、それから昨年改正されました基本計画等に基づいて進めておるわけでございます。
 最近の趨勢を数字的に見ますと、人口、産業の集中というのは徐々に解消といいますか、微減している傾向にあります。それで人口は周辺地域、いわゆる近畿圏におきます都市開発区域等の遠隔地に工場が立地し、あるいは人口、産業が分散しているという傾向が最近徐々ではございますが出てきているわけでございます。そういう方向におきまして、近畿圏におきましては、基本整備計画を各府県と十分協議の上、昨年つくったわけでございますが、各府県もその方向に従いまして近畿圏の整備を進めるという方向でいま一生懸命やっているわけでございます。近畿圏整備計画の方向に向かって、将来に向かって進むものだと信じております。その意味におきまして近畿圏の基本整備計画というものの今後の推移というものについて、いわば京阪神の大都市圏問題を含む、北は福井から南は三重、奈良、紀伊半島のほうにつきましても、いわゆる広い意味での整備をはかりたいと、こういうふうに思っておるわけでございます。
#33
○和田静夫君 地方制度調査会のこの答申、きょうは時間がありませんから、その趣旨に基づいてそれぞれの整備委員会の整備本部は対応する努力を、建設大臣が本部長ですから十分伝えておいてもらいたいと思うのですが、ところで、それぞれの委員会、法律に基づく事業計画はできましたか。
#34
○政府委員(川島博君) 私、一昨年の十月から事務局長をいたしておりますが、それ以前におきましていろいろな関係で事業計画が作成されずにまいってきたため、国会でたいへんおしかりを受けたことは私も聞いております。その後、昭和四十五年から事業計画を毎年つくることになりましたので、四十五年、四十六年と、いずれも年度末――五月でございますかに策定をいたしまして、国会にも報告を提出しております。四十五年、六年、これは策定済みでございます。四十七年度につきましても、年度が変わりましたら、できるだけ早い機会に策定をいたしたいというふうに考えております。
#35
○政府委員(佐土侠夫君) 中部圏でございますが、これは三圏とも同じと思いますけれども、中部圏の場合には、開発整備をする場合に基本計画というのをまずきめまして、それから基本計画に基づいて事業計画をきめるという形になっております。したがって基本計画は、私どもの役所は四十一年にできましたけれども、四十三年に、しかもこれは関係県の協議によってきまってきまして、内閣総理大臣がきめるわけですけれども、審議会並びに関係行政庁と協議をしてきめるという形で、いわば下から盛り上がってきめていくという形をすべてとっておりますけれども、基本計画に基づいて行なう事業計画というものは、これは毎年度事業計画をつくらなければならないというふうに法律になっております。私どもの事業計画というのは、各県単位というのではなくて、中部圏という立場で、広域的かつ根幹的な事業を、政令でいろいろな事業をあげておりまして、それに基づいて事業計画をきめるということで、毎年その事業計画をきめております。したがって、四十六年度はもちろんきめましたけれども、四十七年度は、この予算が終わればきめていくという段取りになろうと思います。
#36
○説明員(清水泰吉君) 近畿圏整備本部も同様に、昭和四十五年度、したがいまして一昨年の五月でございますが、四十五年度を一昨年の五月につくりました。それから昨年の六月に昭和四十六年度の事業計画をつくりました。したがいまして、四十七年度の事業計画は目下作業中でありまして、昨年と同様な時期に作成し得るのではなかろうかと思って、現在作業中でございます。
#37
○和田静夫君 これは御存じのとおり、六十一国会、六十三国会と、あなた方が法律違反を犯してきた。十五年間にわたって法律違反をしてきて、われわれ徹底的に追及をして、それから保利建設大臣も約束したができない。それから坪川建設大臣も約束したができない。根本建設大臣になってようやく事業計画ができた。ところで、その事業計画そのものについて、資料としていただきたいのですが、これはあれですか、建設委員会なら建設委員会で、それが爼上にのぼって論議されている状態がありますか。どなたからでもけっこうですから……。
#38
○政府委員(川島博君) これはあまり国会では議論されたことはないと思いますが、私どもが原案を作成いたします段階で、首都圏整備審議会という諮問機関がございますが、ここに諮問をいたしまして、いろいろ御議論願っております。で、この審議会には国会の衆参両院の与野党の先生方、それから関係各省の次官、地方公共団体の首長、それから議会の議長、それから指定都市も含めましてすべて網羅されております。そういう場面で十分御審議いただきますので、まあ皆さんの御納得のいくような内容のものになっていると思います。
#39
○和田静夫君 これはもうぜひ地方行政委員会としての法案の審議の日以外のときに、一ぺん三圏の整備計画並びに基本計画並びに事業計画、これらを中心とした論議の機会を持たせていただきたいと思います。そうでないとどうも――そうでなければ建設委員会と地方行政委員会の合同の委員会、連合委員会ですか、そういうものでやるか何かして一ぺんやりませんと、国土の開発計画なり、あるいは大都市問題なり、この常任委員会ごとに、何というか、ニュアンスが違った方向でばらばらに動いていく危険性がどうもあるように思うのです。したがって、きょうはこの問題についてはこれでやめておきますけれども、そういう機会をぜひ考慮していただきたい、理事会に預けておきますから。三圏の方けっこうです。
 そこで、公営交通問題ですが、あとわずかの時間になりましたけれども、何といっても要求の時間が削られましたものですから急ぎますけれども、公営交通問題の研究会、これがかなり突っ込んだいい研究報告を実は出していますね。この研究報告を受けて、自治省は何をやったかということを聞きたいのですがね。それはここに書いてあります「このような研究報告を受け、自治省としては、直ちに四月十四日付で財政局長名をもって関係各省庁の局長・官房長宛に、これの実現方について協力要請を行なうとともに、更に基本問題について四十六年度中に研究を実施してもらい、交通問題の解決に努力したい考えである。」、この自治省の行動の成果がどう一体あがりましたか。ここには四十六年中に基本問題を実施してもらうと書いてありますが、四十六年中に基本問題は実施されましたか。これは地方財務協会が出している自治省財政局長他著の「改正地方財政詳解」三五六ページ、四十六年度版です。
#40
○政府委員(森岡敞君) ただいまの御指摘は、おそらく公営交通問題研究会が出されました中間報告を踏まえてのお話だと思います。公営交通問題につきまして、お話のように公営交通問題研究会を自治大臣の諮問機関として設けまして、いろいろ御研究をいただいてまいりました。基本的な大都市交通全体のあり方、あるいはその中核をなします公営交通のあるべき姿、方向という問題、さらには民営、国鉄、公営というふうな各種の経営主体が現在併存いたしておりますけれども、それらの経営主体のあり方についても、非常にむずかしい問題でございますけれども、御研究をお願いしておる、こういう状態でございます。ただ、非常に問題がむずかしく、かつ広範にわたっておりますので、いまお話のような中間報告をいただいたわけでございます。しかし、何ぶんにも中間報告でございますので、その報告で御指摘いただいております事項は、それほど具体的な中身はちょうだいいたしておりません。方向づけと申しますか理念と申しますか、そういうふうな事柄が中心になっております。したがいまして、その中間報告を各省庁、関係省庁にお届けいたしまして、それぞれ善処方をお願いいたしましたけれども、率直に申しまして、四十六年度中にそれに基づく具体的な措置というものはまだ手がついていないという実態でございます。そこで、そういうふうな事態でもあり、かつ先ほど大臣が申されましたように、四十八年度で公営交通の再建計画が横浜市を除きましてほぼ完了をいたします。しかし、完了いたしますけれども、その中身というものは非常に暗たんたる深刻な状態にあるわけでございますので、この際、公営交通問題研究会で、急いで四十八年度を目途に抜本的な対策、財政措置を含めました全体的な対策を御検討願って、適切な御示唆をいただいて、それに基づいて、関係各省庁と協力いたしまして適切な措置を講じてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#41
○和田静夫君 美濃部知事がやろうとした、たとえばバス・レーンの問題を考えてみましても、警察のチェックでほとんどできない状態になっているのだというような形で、こういう状態を見ますと、できないことは言うなと言いたくなるぐらいですよね、ほんとうのところ。したがって、これはわれわれ十分協力しながら、先ほどの自治大臣の話ではありませんけれども、衆参の地行委がこれらの問題についてもっと創意をこらして、そうして強力に解決、前進への努力をするということが非常に必要だと思います。そういう意味でもっと力を入れてもらいたいと思うのですが、自治省の関係者がどこかにも書いておりましたが、今日の大都市問題を解決していくには、何といっても大都市制度の大胆な改革が絶対に必要だと、自治大臣、思うのです。自治省の行政改革への熱意は私はあげてここに向けられるべきだ、そういうふうに思っている。しかるに、この自治大臣の所信表明をお聞きしましたが、相も変わらず広域社会、行政改革というふうに一般的に流されて、「なお、かねてから懸案となっております行政改革の問題につきましては、地方公共団体の意見を尊重しつつ、各省庁と協力し、引き続きその具体的な実施につとめるとともに、地方公共団体の行政運営の合理化、能率化をはかるための方策につきましても検討してまいりたいと存じます。」、こういうふうに流されている。何というか、相も変わらないことをおっしゃっているという感じなんです。で、自治省関係の皆さん方がやろうという行政改革、これはことばではなくて、ほんとうにこれを始動させるチャンネルは一体どこにあるのか、こういうことを聞きたくなってきたのですが、大臣いかがですか。
#42
○国務大臣(渡海元三郎君) 所信表明の中で大都市問題、非常に重要な問題であるのに取り組み方が少ないじゃないか、姿勢がそれになっていないじゃないか、この御指摘、そのとおりであろうと思うのであります。実はその点は私も重々承知いたしております。ただ、私たち今度の予算編成に対しまして、大都市を含む周辺人口急増地帯に対する諸施設のあり方等につきまして、できるだけ予算を伴わないものを中心とした法律案の提出をいたしたい、このような目標のもとに、各省の応援を得まして予算編成に取り組んだのでございます。成果をあげ得た部分もございますが、法律を出してこの根本問題――立法のもとに、財政的に解決もはかっていくという立法をいたすまでの準備が整わずに予算編成が終わったというのが実情でございます。そういった実情もございましたので、あえてそういうふうなことばにさせていただいたのでございまして、傍観してそのようなことばにしたのでなく、そういった予算編成に対する反省を加えまして、そのような所信表明にとどめさせていただいたのでございます。ないといたしますれば、むしろ反省のために、姿勢が悪いというふうな御批判を受けたのではないかと思いますが、そのような表現にいたしましたのは、そのような反省に立った上でございまして、今後、いま和田委員御指摘のような問題は、私たちは次年度を控えて真剣に取り組まなければならないと、こういうふうな気持ちでおりますことは事実でございますので、ひとつこの点は、いま御指摘の線に沿いまして、今後とも、これは単に私たち自治省だけの問題でなくて、いま御指摘のように各省にまたがる総合的な施策で初めてできることでございますので、関係各省とも連絡の上、問題になっております都市問題に向かって鋭意努力いたしたいということを、その所信表明の裏にありますものを御質問にお答えさせていただきまして、ひとつ御理解を賜わりたいと、かように考えております。
#43
○和田静夫君 時間がきましたから最後に一まとめに。
 例のロブソン・レポート、特に第二次の報告ですが、私はこれほどすぐれた東京問題解決の手がかりはいまだかつてないと実は思うのでございますが、それ以上におれのほうがりっぱだと宮澤さん言われるなら、その論文を拝見してもいいんですけれども、自治省はこのロブソン・レポートについてどういう評価をまずお持ちですか。
 それから第二に、このロブソンの提起した問題について自治省は都側と何らかの討論の場をお持ちになりましたか。
 第三に、このロブソン・レポートの線で都と一緒になって改革に乗り出すお気持ちはありますかいなか。この第三の点は大臣からひとつ答弁いただきたいと思います。
#44
○政府委員(宮澤弘君) ロブソン・レポートを私も当時読んだ記憶はもちろんあるわけでございますが、たいへん恐縮でございますが、和田委員のほうから、ロブソン・レポートのどういう点についておまえのほうはどういう反応をして、意見はどういうことか、その辺を、御質問のポイントだけちょっとお示しをいただきたいと思います。
#45
○和田静夫君 そうしますと、所信表明について全部まだ終わっていませんから、三時から、残されている公務員行政の問題、あるいは区長公選の問題、それから過疎対策問題、都市対策問題、地方税財政は別の機会にやるとして、それから消防行政についても消防法のときにやるとして、所信表明に残されている部分がありますから、ロブソン報告について二、三の問題の質問を後ほどする機会を持ちたいと思います。
 一つだけ言っておけば、たとえば横浜と東京との関係におけるところの、言ってみれば、居住と職の問題における評価、あるいはニュータウンといっている、たとえば多摩ニュータウンなどといっているニュータウンの日本のものの言い方というのは、ニュータウンというような概念からおよそほど遠いもののとらえ方だというようなああいう発想のしかた、こういうものを中心にしながら、二、三東京問題に関連をして問題を設定をしたいと思います。そういうことで用意をしていただきたいと思います。
#46
○委員長(玉置猛夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#47
○委員長(玉置猛夫君) 速記を起こして。
 本件に対する午前中の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時七分開会
#48
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 地方行政連絡会議法等の一部を改正する法律案を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#49
○上林繁次郎君 最初にお尋ねする問題は、これは大臣でなくてけっこうだと思いますけれども、まず、地方行政連絡会議法の持つ最大のねらいですね、その点ひとつお答え願いたいと思います。
#50
○政府委員(皆川迪夫君) 連絡会議法は、地域における広域的な仕事に対して、これを計画し、実施する上において、地方公共団体相互間、また国の出先機関と地方公共団体との間において十分連絡協調をはかって総合的な事業の進行をはかっていきたい、こういう趣旨で設けたものでございます。
#51
○上林繁次郎君 そうしますと、おとといですか、御提出いただきました会議の状況、この資料をいただいたわけですけれども、この資料によりますと、これは各グループの特殊性、そういう立場から、それぞれその地域の要望ということがこれに出されておるわけですね。そこで、せっかくこういうものが出てきたのですから、これに対する実現、推進、こういったことに対して、国はどのように検討し、またこれに対処していくかという点が私は一つ問題じゃないか、こう思うのです。この点はどうでしょう。
#52
○政府委員(立田清士君) いまお尋ねのとおり、各行政連絡会議で、地域の特性に応じましていろいろな論議がなされておりまして、その論議の中には、地方団体と国の行政機関との間でいろいろな意見交換がなされておるわけでございます。したがいまして、その論議の過程において、それぞれ相互間で意思の疎通がはかられておるという点が一つございます。したがいまして、いま御指摘のこの資料等に出ております意見書をまとめる過程におきましても、すでにその連絡会議のその場所において意見交換がされ、そして国のほうにもこの意見書が関係大臣のほうに実は提出されております。そうして、なお、国も地方行政機関もその場で論議に加わっておりますので、そちらの国の行政機関とそれぞれの各本省との関係でも、その意見が持ち上げられて、したがいまして、各それぞれの提出された省庁におきまして検討が進められ、そこにおいてそれぞれその検討の場が持たれておりますとともに、もう一つは、実は自治大臣のほうにもまとめてそういう意見が提出されてまいりますので、私らのほうでも、今度は各行政連絡会議のこの意見書を、自治省といたしまして関係省庁にやはりその処理の状況というものを照会をいたしまして、それの関係各省庁の見解も聞きまして、それをそれぞれ提出された行政連絡会議のほうにも御連絡をする、こういうような措置をいたしております。
#53
○上林繁次郎君 いま私がお尋ねしたのは、こういうふうな状況になっていますという一つの過程を聞いているのではなく、実際にいまこういった問題が要望事項として出てきているわけです。で、具体的に言うならば、これは昭和四十六年度の分ですね。しかも、会議が開かれたのは四十六年の八月とか十二月ですね。四十六年三月ですか。こういうふうに四十六年度の会議において出された問題であって、比較的期間が短いということがある。だけれども、その期間が短いけれども、その連絡会議法、これができて、その上に立って、それじゃ地方の広域行政をどうするとかこうするとかという、そういう地方の特殊性に基づいていろいろな問題点がある。そういったものを国のほうでいち早く察知をして、それを何とか実現できるものは早急に実現し、そして地域の発展に寄与していこうという、こういうねらいがあると思うのですね。ですから、そうだとするならば、この、四十六年ではあるけれども、これをどういうふうに国のほうとしては受けとめ、そしてどういうふうに対処しようとしているのかということ、そういうものが具体的にここには載せられているわけですから、ある程度具体的にこれに基づいて御説明願いたい。
 それともう一つは、この一番よくわかるのは、昭和四十五年に、たとえばこういう会議が開かれていて、そうしていろいろな要望事項が出た。その分についてはどういう要望があり、どれだけの要望があって、そのうちこういうふうにそれが処理されてきているのだ、こういう実績があるんだということがわかれば非常に私は幸いだと思うのですが、その点どうですかね。
#54
○政府委員(立田清士君) 全部の例を申し上げるのはなかなかむずかしいかと思いますけれども、たとえば、いま御指摘の資料の二枚目に四十五年度の意見書がいろいろ出ておりますが、この中で、たとえば自然保護の関係につきましての問題がいろいろ提起されております。その点につきましては、私から申し上げるまでもなく、自然保護関係のいろいろ最近においては地方団体で条例措置もやってきておりますが、なおそういう関係の法的措置が必要だ、あるいは財政措置が必要だという御意見が出てきておりますので、そういう点につきましては、現在環境庁を中心とされまして、われわれもそういう意味では関係しておるわけでございますが、そういうふうな検討が進められております。
 それから、たとえば過疎対策につきましても、当面の財政措置についてもいろいろ御意見が出ておるわけでございますが、これにつきましても毎年度過疎債の増額をはかっていくということとか、あるいはこの四十五年の十二月に、二枚目の一番最後にございますように、公害対策の推進につきまして財政措置の要望というものが強く打ち出されておるわけでございますが、こういう点につきましては、実は当時からいろいろ自治省でも検討はいたしておったわけでございますが、関係各省の協力も得まして、御承知のとおり、公害防止事業に対しての財政特別法の制定までいっている。こういったような、一、二の例でたいへん恐縮でございますが、そういうことで、そういうような実現されているものと、なお引き続き現在において検討されているもの、いろいろあろうかと思います。なお、各連絡会議の御意見の中には、具体的に当面の措置の問題あるいは基本的な問題、いろいろな問題が提起されておりまして、中には直ちに実現しやすいものと、なお検討を要するものと、いろいろある状況でございますので、これはなるほど御意見として出されたのはその年度でございましても、そういう趣旨の点は引き続いて検討していく、こういうことになろうかと思います。
#55
○国務大臣(渡海元三郎君) ここに掲げております一覧表の要望事項でございますが、これはむしろ国の予算編成の際に要望されるような事項のみを羅列されているのじゃないか。予算編成にそれなりに各省庁に努力していただきまして――私、これをながめまして感じたのでございますが、私が出ましたのは関東と、これにはございませんけれども東北と、二回出させていただきました。―東北は実はこれに載っていないのでございます。関東のこの水資源確保の問題ですが、これ以外の問題もいろいろな問題点について討議されましたが、それらの問題は、それぞれの出先機関等の連絡調整の上で実現可能なものでございますから出なかった。水資源の問題は、これは長らくいわれている問題でございまして、水を受けますところの南部、東京を中心とするところの、東京、埼玉等の水を必要とします府県と、水資源になります群馬等の府県との共通の理解を得まして、水源を確保するためには、水源地になる地帯の抜本的な総合対策を法的にも制度的にも設けてもらうことによって初めて協力することができる。また、そのこと自身が下流の水不足も救い得る方策になる。だからぜひやっていただきたいという要望でございまして、これらの問題につきましては、経済企画庁あるいは建設省その他いろいろに関係がございますので、私なりにその要望を受けまして、厚生省、通産省あるいは経済企画庁、建設省等とも各大臣に、関東の連絡会議に出ました要望事項をつかまえまして、その下部機構において研究していただきたいということを申し、できれば法制化まで持っていきたいと、こう考えておったのですが、まだ本段階ではそこまで至らないという姿でございます。ここには、そのような問題として、要望事項として特に掲げられておりますので、今後ともに努力してまいりたいと思っております。
 東北地帯でこういった要望が出ていなかったのは、議事がなかったのではございません。例のドルショックに伴う地方財源の非常に窮屈なときでございまして、輸出産業を中心とした分に対する措置、東北地方の特殊産業についての要望も相当出ました。これらについては、私からそれぞれの中央の機関に連絡するとともに、出先機関にも中央の方針等を伝えまして、各団体ごとに適切な措置をとっていただけたのじゃなかろうかと思っております。なお、そのとき感じましたのですが、たまたま地方財政が窮屈なときでございましたが、補正予算の概貌等もお知らせしまして、しかしながら、補正予算の概貌をお伝えしましても、それに伴うところの公共事業なんかの推進を各出先機関がそのつもりになって推進していかぬことには直ちに手を打つことはできませんので、出先機関にも要望いたしまして、補正予算をきめていただきます前に、これに対して、きまりましたならば直ちに手を打てるというふうな、出先機関と各府県との間の連絡が密にできて、補正予算に対する財源措置等も適切に行なえる希望ができたのじゃないかと思いまして、この会議の要望には載っておりませんけれども、そういった姿で効果をあげておるのじゃなかろうかと思います。また、これは地域が近畿圏、中国間、四国圏というふうにまたがっておりますものですから出ておりませんけれども、例の瀬戸内海を美しくする会議といいますか、これらも数圏域にまたがるところの広域行政の一環として環境庁のほうでも取り組んでいただきまして、具体的に、ここで一歩前進したというふうに実績をあげておるんじゃなかろうかと考えております。この事項に出ておりませんところで、そういう処置が相当行なわれておるということをあわせお答えさしていただきたいと思います。
#56
○上林繁次郎君 大臣のお答え、これ以上この問題についてお尋ねすることはないとも思うんですけれども、しかし、こういう制度ができ、その地方の、地域の開発というもの、こういったものを満たしていく以上、これが充実した形だけでなくて、充実したもので、しかもそれがほんとうに地方発展のために大きな寄与をする、こういうふうになってこなきゃならない。そういう意味で、やはりこれで完ぺきであるとは言い切れないと私は思う。
 そこで私は、たとえばこういう事項が討議された会議の席上、この事業に対する見通し、通産省なり大蔵省なり自治省なりあらゆる省庁に関係してきますから、そういう各省庁の段階でもってこういうものが検討されるわけですけれども、総合したいわゆる見通しですね、この総合した見通しというものがいわゆる現地のほうに伝えられるのかどうか。この見通しというものが、いわゆるこちら側の見解に基づいて、この問題については大体この程度において実現できるだろうとかいうような見通し、そういうものが伝えられるようになっているのかどうかという問題ですね。
 それからもう一つは、いま申しましたように、各省庁にわたるということで各個に検討されて、うちのほうはいい、うちのほうはうまくない、こちらのほうはもう少し時期を待たなきゃどうだとか、いろんな立場もある。これをやはり総合していく一つの機関、そういうものがあったほうがいいんじゃないかという感じもするんですね。そうじゃないとまとまりがつかない。まとまりがつかなかったから、せっかくの地域のいい意見もこれは推進がおくれる、こういうことも言えると思うのですね。その辺についてどういうふうにお考えになっているか。
#57
○国務大臣(渡海元三郎君) 行政の弊害を打破していく上に、連絡会議の効用と申しますか、これはいま申しましたような点ではっきりしていると思います。ただ、いま御指摘になりましたように、総合的なものをやらすべき機関がないじゃないかというふうな御意見、ごもっともだろうと思いますが、その役割りこそむしろ地方自治体が、総合的な立場でものごとを考え、運営に当たっていただくように、常々それを任務としてやっております自治省がこれを行なわなければならないのじゃないかと思っております。その意味におきまして、私もそれなりに検討、もちろん水資源等の問題におきましても、次官会議で話題にする前に――まず各省の事務次官におろします前に、大臣に一言、機会をとらまえて関係各大臣に御認識賜わり、事務次官がやはりまた次官会議等を利用して連絡もとるというふうな形で推進をはからしていただく。具体的に総合調整する機関がないから、それがどうなっているからというふうな姿が、九大都市に、各地方のブロックに連絡ができないじゃないかという御指摘でございますが、幸いにいたしまして、現在県知事会議――全般的な知事会議は年数回ということでございますが、非常にブロック会議というものが、大体お集まりになられる方が、その各ブロックのこういった広域連絡協議会まやっていただくところの当番県というふうな形にもなっておりまして、その機会をつかまえまして、それらの地区の問題をそれぞれの行政機関で取り扱っていることを連絡さしていただき、連絡協議会で盛られたことが一歩でも前進に具体的に近づきますように御報告願えるような機会の機能を果たしているというのが現状でございまして、これらの機能を県と、御指摘のような点を十分注意いたしまして、今後とも密にいたしましてやっていきましたならばその効果があげられるのじゃなかろうか、かように存じます。
#58
○上林繁次郎君 もうよくわかりましたけれども、自治大臣、渡海自治大臣ならば心配ないと思うのです。そういうまあ一つのそういう検討をする機関といいますか、そういったものが何かによってきちっと制度づけられるというか、きちっとしたものがあれば、これはもうそれに基づいてこういった問題について検討しなければならぬという一つの義務づけみたいな形になる。そういうものが全然ないと、非常にゆったりとした方が大臣にでもなったら、そのとおりに進まないのじゃないか、こういう心配もあるわけです。そういうことでちょっとお尋ねしたわけですけれども、その点ひとつそういうことで、せっかくあるこういう制度でありますし、こういう体制をつくったわけですから、これが最も効果的に推進されるようにひとつ御努力願いたい、こう思います。
 そこで、次にまいりますけれども、地方自治法による指定都市制度ができたのは昭和三十一年六月二十七日、こういうことになっておりますね。指定都市が、この時点では五十万以上というと五大市ですか、大阪、名古屋、京都、横浜、神戸、この五つが、したがって指定されたわけです。このほかにこの当時は五十万都市というのはなかった、こういうことになりますか、この当時。
#59
○政府委員(皆川迪夫君) 当時は五十万の都市はほかになかったと思います。
#60
○上林繁次郎君 そうしますと、これはどなたかお聞きになったか知りませんけれども、政令都市の指定というものが五十万以上、こういうことになっておりますね。その五十万以上というそういう線を引いた、これは全然わからないわけじゃありませんけれども、なお明確に、五十万以上にした意味、その点について、私の知っている範囲でなくて、もっと明確に、正確にひとつその点お答えをいただきたい。
#61
○国務大臣(渡海元三郎君) 当時のことをちょっと沿革的に申しますならば、いままでは特別市制というふうなあり方で、いまお名前をあげられました五大市、その上に都制ができる前の東京市が加わって六大都市と古くからいわれてきた。それが都制ができまして、五大市が特別市制という姿であった。その特別市制をいかにするかということで、政令で指定する都市というふうに制度が変わったのが当時の姿でなかったかと思います。この都市が一名百万都市という姿で呼ばれておりますように、たしかあの当時も、人口を百万ということにすべきでないかという議論もあったのじゃなかったかと思いますが、そうしますと、従来特別市として扱われておりました、たしか神戸でありましたか、当時の横浜でありましたか、百万に達しないというふうなところがあった関係上、五十万という姿になったんじゃなかろうかと、こういうふうに考えます。
 この間も、質問で、五十万なれば、現在、堺それから尼崎、それから仙台、広島は五十万をこえておりますけれども、五十万に近い千葉市というふうなところができております。そういった都市もある関係もありまして、もっと人口を上げるべきじゃないか、八十万にすべきじゃないかという和田委員のお尋ねもございました。今度の指定につきましても、そういったことを考えたんでございますが、今度も、実は指定します三市の中に百万に満たないのが、福岡と川崎でしたか、福岡と川崎という点がございました。八十万というのもいかがか、するのであれば百万というふうな点もありまして、そういった法改正は見送ったという実情でございます。しかし沿革的に申しまして、前に述べられた特別市制の中に入っておりました五大市にふさわしいような、単に人口だけでなくして、規模と能力と機能を持っておる、しかも指定するという運営によりまして、人口だけに限らず、そういったものによって指定をするという姿の運用によりまして、人口問題の、ちょっと何といいますか、矛盾はございますけれども、今後ともそういった運営にいたしたい。今回の三市の指定もそういった意味におきまして、従来の五大市、北九州を含めましての六つの市に遜色のないような姿をながめまして、しかもこれを含みます府県も、指定されることをともに祝福しておられるという姿をながめて、指定さしていただいたというふうな経緯になっております。人口五十万は、いま御指摘になりましたように少しおかしいのじゃないかという点もあろうと思いますが、人口だけでなく、従来の経緯等も考えての運営によりまして、これを補っておるというのが実情でございます。
#62
○上林繁次郎君 昭和三十一年という時点、そのときに五十万という考え方、で、その当時、ですから三十一年の時点でもって五十万というふうに基準を置いたというそういう考え方ですね。その発想はどこから何を基準にして出てきたかという、その辺を私もう少し明確に知りたいのですね。
 なぜかといいますと、昭和三十一年の時点と現在昭和四十七年、この十六、七年の間、この間のいわゆる経済にしても、あらゆる問題について、たいへん大きな発展、進歩を示してきたのは事実です。ですから、当然三十一年当時に考えた五十万というものと現在の五十万は、内容において、都市のいわゆる構成内容ですね、それ自体、また事務量にしたって事業量にしたって、あるいは財政の拡充の問題にしたって、これはもうたいへんな相違があると思うんですね。ですから、そういう立場からいうならば、これは当然あの当時の五十万といまの――あの当時五十万といったのは、いまの百万以上に、その内容からいうならば、匹敵するかもしれない、こういう考え方が持たれるわけです。だとするならば、いまの時点で五十万という考え方、これは私から言わせれば適切じゃない。当然あらゆる内容を考えたときには、現在の五十万というのは、昔のあの当時の、つまりそれ以上の値打ちのある都市ということが言えるのじゃないか。だとするならば、五十万なら、法律どおり五十万以上の都市をそういう方向に持っていくべきじゃないか、この法律に基づいてその方向に持っていくべきじゃないか、そういう感じがするわけです。その点、どういうふうにお考えになりますか。
#63
○国務大臣(渡海元三郎君) 前のお答えによって意味が通じなかったと思いますが、この法制そのものが従来申しましたような沿革的な性格を有しておるものでございます。いま申しましたように、昭和三十一年当時、百万にすべきものが、実際において人口が切れておる特別市があったというところから、一応五十万という数字につくられたというふうな意味で、五十万というものが、数字そのものがこれをあらわすものでなくして、いわゆる指定都市といわれるものにふさわしい都市機能、都市の風格というものを人口であらわした、そういう意味からいったら、現在の五十万都市、都市集中が盛んに行なわれている現在と、三十一年の当時五十万で表現された都市との内容が違っておるということは御指摘のとおりでございます。今回のの指定にあたりましても、この意味において端的にあらわしますところの数字そのものをそれらの概念に合うように訂正すべきでなかったかとも考えますのですが、訂正するのであれば、端的に人口で表現するのであれば、むしろ昔からいわれておりますように、百万都市、人口であったならば百万というものがいいのじゃなかろうかという点もございましたが、現実には福岡の八十五万というふうに、百万に満たない、しかも指定する風格としてはあるという意味から現在考えまして指定するというふうなこともございまして、人口の規定そのものは改正せずにおるというのが現状でございますが、これは将来、御指摘もございましたように、検討課題として考えなければならない問題である。現在は、ただ三十一年当時にこういう五十万都市の五十万という人口の中にあります都市の機能、風格、それらを考えながら指定するという運用でこれを補っておるというのが実情でございまして、人口だけで規定する場合においては法改正ということも検討しなければならない問題である、こういうことは重々承知いたしておりますので、今後ともに御指摘の点は検討してまいりたい、かように考えております。
#64
○上林繁次郎君 それでは、政令都市の指定があると、これは県の事業、国の事業の一部、そういうものはいわゆる政令都市にはこの権限が移譲されるわけですね。そこで、この政令指定都市になった場合のメリット、デメリット、これがあると思うのですね。それをどの程度、こうだというふうに国のほうでは把握していらっしゃるのか、この点ひとつ。
#65
○政府委員(宮澤弘君) 政令指定都市になりますと、御承知のように、一つは、従来県が処理をしておりました仕事が政令都市の仕事になってまいりますが、それに伴いまして税財源措置というのも行なわれてくるわけでございます。さらに、事務を処理いたしますために市の区域を分けまして、行政区というものが置かれることになるわけです。それから、いろいろ上位団体の監督権というようなものにつきましても、従来でございますと、たとえば市町村がいろいろ仕事をいたします場合に、都道府県知事の許可なり認可なりを必要としたというものが、政令都市になりますと、その許可なり認可なりを必要としなくなったり、あるいは直接主務大臣の許認可を必要とすると、こういうようなことになってくるわけでございます。ただいま申しましたように、総じて住民に身近な仕事を市自身が片づけられる体制ができ上がってくるというのが政令指定都市の制度のメリットである、こういうふうに申し上げてよいかと存じます。
#66
○上林繁次郎君 わかりました。だから端的にいいますと、その事務的な処理だとかそういう問題は確かに国と直接――いままで県を通さなきゃならなかったとかいうような問題が国直接でもって、非常にそういった面では迅速になり、これが即住民に、速いということは、それだけ住民に対して大きな利益を与えることになるんだと、こういうことだと思います。そこで、御承知のように、前回にもいろいろ問題になりましたけれども、いわゆる地方行財政という点がいま非常に大きな問題になっているわけです。まあ超過負担の問題とかいろいろあります。これは和田先生も先日お話になった。そういう問題がある。速くなるのはけっこう。けっこうだけれども、速くなると、ただでさえも財政が困難なんだから、その財政のやりくりにまた苦しむということが言えるのですね、逆に言えば、いまの時点では。したがって、その財政というものをどう確立していくかということが政令都市の最も大きな課題ではなかろうか、こう思うわけですね。ですから、そうなりますと、財源措置についてはどういう、政令都市になったことによってその財源措置はどういうメリットがあるんだということが問題だろうと思います。その辺はどうですか。
#67
○政府委員(森岡敞君) 先ほど行政局長からお答え申し上げましたように、都道府県からの事務移譲、それから区役所の設置というふうな各般の新たな事務が加わります。そこで、それに見合った財源措置を、御指摘のようにしてまいらなければならないわけでございますが、税制の面では、一般の市町村と政令指定都市とは住民税の均等割りの金額が違うばかりでございまして、それほど大きな差異はございません。ただ事務移譲の中で一番大きな点は、国道・府県道のほうの管理を、通常の場合は府県がやっておりますが、指定市の区域内は指定市が行なう。そこで、国道・府県道の管理に要する経費といたしまして、御承知のように地方道路譲与税と石油ガス譲与税が譲与されております。その分が、指定市になることに伴い道路管理事務の増加に見合って新たに譲与される、こういう仕組みが一つあるわけでございます。
 それから第二に、交付税を通じます財源措置でございますが、これにつきましては、事務が新たに加わります分を的確にとらえまして、交付税の基準財政需要額に算入する。したがって、その分だけ基準財政需要額は当然ふくらんでまいります。そういう形で、譲与税及び交付税を通じまして的確な財源措置を講じてまいる、こういうふうになる仕組みになっております。
#68
○上林繁次郎君 そこで、たとえば道路の問題についても、管理は指定都市が今度は金を出さなきゃならぬ。それから、新設についてはそれなりの補助があるけれども、管理並びに補修については政令都市がやらなきゃならない。そのために、たとえば道路に対する関係ある譲与税、これがそれに見合ったものとして還元されておる、こういうこと。で、そういう政令指定都市に対して、私は、そういう面の、いわゆる政令指定都市の財源確保のために税の洗い直しということが必要じゃないかという感じがするのですね。具体的にいまここでちょっと申し上げてみましょうか。これはよくつかめないのですけれども、たとえば学校、住宅ですね、この建設、これについてのいわゆる補助はどういうことになりますか。政令指定都市に直接入りますか、国の補助は。住宅あるいは学校、これらの建設費に対する補助ですね。これは政令指定都市が行なう場合に、直接国から政令都市にいくのか、あるいはまた県に入るのか。これはどうなんですか。
#69
○政府委員(森岡敞君) 先ほど申し上げました道路関係の事業でありますとかそういうものについては、直接補助金が国からストレートに出てまいります。教育施設につきましては、県の教育委員会を通ずるのではないかと――ちょっと確信をもってお答えできませんので、いますぐ調べましてお答えいたします。
#70
○上林繁次郎君 私は、県のほうに入っちゃうと思う。こういうふうに聞いているんですがね。
#71
○国務大臣(渡海元三郎君) 補足してお答えさせていただきますが、いまの問題は調べますけれども、おそらく県へ金が入って、そこから渡すという姿じゃなくて、ただ県へ与えられます教育補助額の割り当て、それが県に一括示されるのか、県と分けて指定市には同等に持っていかれるのか、私たちがいままで感じておりますのは、一応県へ一括するような補助金に対しましても、指定市の分と県の分というときには、あらかじめ三者の意向が一致する姿で、これだけ県に渡すけれども、この中のこれだけは指定市だというふうな姿で、たとえ県に渡っている分でもやっておられるということを、私たち実際自分でそれらの補助のお世話をさせていただいて感じておりますので、おそらくそういった扱いになっておるんじゃなかろうか、こう思っております。
 なお、財源の問題についてでございますが、いま事務当局からお答えさせていただいたとおりでございます。しかしながら、今日の行政需要の要望によりまして、いままで富裕都市であるといわれた大都市が現在では交付団体という姿で非常に財源が苦しい。これは市町村の税源が安定するという意味で住民税とそれから固定資産税というものが置かれておる。その固定資産税は、地価の急激な暴騰によりまして地価そのとおりを固定資産として取ることは負担にたえられないということから、段階的に取っておるのが実情でございます。ところが一方、財政需要で、その上がった地価で公共事業等をやらなければならないというところが一つの大きなネックになっておるんじゃないかと、こう思っておりますが、各団体とも現在の財政需要に見合うだけの収入を得ない、いわゆる交付団体に転落したと申しますか、そういった姿であることは事実でございます。したがいまして、指定都市の税源を、指定都市に必要なだけ財源を持っていかなければならないということは、今日まで十分私たちも考えなければならないことである。長い間、都市税源の充実ということは一つの大きな目標として唱えられながら、今日まで抜本的な解決はできていないということでございますが、そういう意味におきまして、四十三年度は、これは一般的な市町村財源でございますけれども、一般的な市町村財源、特に大都市では一般的に与えられた市町村財源が大都市に非常に多くいくということは事実でございますので、自動車取得税の配分にあたりまして徴税をやります県を三割にして、市町村のほうにその七割を持っていくという姿で拡充をし、また四十四年度には、道路譲与税の基準改定で、府県の分を市町村に回すということでこれを補い、四十五年度には、法人税に暫定的に二年間一・七五の率アップをしましたときに、その上がりますところの法人所得割りを府県に与えずに全部市町村に持っていくという姿でやらしていただき、四十六年に新設されました自動車重量税、これも全額市町村の財源として与えるという姿で、逐次大都市に対するところの税源の充実をはかっていっているというのが今日までの経過でございます。本年もその意味におきまして、事業所、事務所税をぜひ新設いたしまして、都市財源の一助にしたいというつもりでがんばりましたんですが、まだ微力にして実現を見るに至りませんでしたが、近い将来にぜひとも大都市財源の充実のための努力の中でこの問題も解決したいと、今後とも努力いたしたいと、かように考えておるような次第でございます。
#72
○上林繁次郎君 いま、その学校とそれから住宅の問題、ちょっと具体的な例としてお尋ねしたわけですけれども、これについては後ほどお答えがあると思いますけれども、これはやっぱりあれだと思うんですよ。大臣のお話では、一たんその県に入ると、その場合でも、これは県の分、これは政令都市の分だと、こういうふうに振り分けているんだろうと、こういうお話でありました。それはそうかもしれない。しかし、これはそうであっても、県の段階で操作は幾らでもできるんです、国だってやっているんですから。借金を実際しているんです。国自体が、地方公共団体に現に渡さなければならないものをこっちでもって操作して、ことしもその分が何百億かあるでしょう。そういうふうに操作されてしまったら何もならないんで、そういった心配をなくすために、こういったものは県に一たん入るということならば、直接政令都市にやったほうが効果的である。やはりたてまえからいっても、その仕事を迅速にやらす、そしてその仕事を迅速にやることによって地域住民にそれが大きくはね返ってくるんだということがねらいならば、当然これは財源的な問題であるけれども、これは一番大事な問題ですから、やっぱり直接政令都市に、国から直接に補助金として渡すべきではないかと、そういうふうに思います。ですから、その点はひとつ御検討願いたいと、こういうふうに思います。いずれにしましても、政令都市の一番いま問題になっている点は、やはり超過負担が多いこと、政令都市になったことによって事務量だとか事業量、そういったものが拡大されてきておるということが問題。それに伴う財源がない。したがって超過負担がおおいかぶさるというようなことで、そういった点が一つの大きな問題になっているようです。
 そこで、超過負担の問題については、この前もお話をいたしましたのでこれは省くといたしまして、そこで先ほど申し上げましたように、財源確保ということが、これは自主財源の確保ということが大きな問題だと、こういうことで、いままでも話がありましたように、いままでのいろいろな事務、事業、こういうものが移譲されているわけですね。政令都市については、それに見合った財源というものはこれはどうしても必要だと思う。そこで、そういうものは一応小さな県みたいな形でもっていろいろ移譲されてきておる。それに対して財源が伴わない。いわゆる税の配分も、私からこれは言わせると不公平じゃないか。なぜかと言えば、たとえば自動車税についてはいま大臣がおっしゃいましたが、遊興飲食税、これなんかは、横浜の例からいうならば大体年間四百億だ。そういうものはそっくり県に入ってしまう。いわゆる政令都市で上がってきた遊興飲食税というものは、これは四百億です。それが全部県に入るというわけで、横浜市には来ぬことになりますね。こういう問題も、これは不公平じゃないか。事業量はふえる、事務量はふえる、県の仕事がどんどん政令都市に入ってくる、国の一部も入ってくる。それでいて、金の面になると、財源の面になると、それは県だといって持っていかれてしまう。これでは、その点私は非常に不公平で納得できない。あくまでもこういうものをそのまま政令都市に還元すべきじゃないか。いわゆる政令都市の財源として、政令都市においてこれが徴収され、そうしてこれが使われるという、こういうやはり形にならなければうまくないじゃないか、こういうふうに思うんですがね。その辺どうお考えになりますか。
#73
○国務大臣(渡海元三郎君) 遊興飲食税を府県税にせずに、その遊興の行なわれる市町村へ還元しろということは、政令都市だけじゃなくして、むしろ温泉地とかその他の都市からの長年の要望として出ている分でございます。御承知のとおりシャウプ勧告では、付加税というような方式によって分割せずに、一括して独立税をそれぞれの団体に与えよという趣旨のもとに、地方税の中で府県が取るべきもの、市町村が取るべきもの、これを分けて、それぞれが独立して自分の財源とするのだということにしましたときに、遊興飲食税は府県税でこれを取るべきであるという姿で分割されたいきさつがございます。そういったいきさつがございまして、長年温泉都市なんかから要望されておりますが、この原則はほかの税にも通ずることでございますので、総体的な大きな税源配分というときまでは、少なくともシャウプ勧告が現在の税制の根幹として残っている現行税制においてはむずかしいという姿で、今日まで実現を見ていないというのが今日までの姿でございます。これを府県の中の事務移譲がされている政令都市であるから、政令都市だけに限っては、府県と同じように扱う意味において遊興飲食税をおろしたらどうかという、いろいろまたそういう御意見もあろうと思いますが、これは長年の間のそれらの温泉都市等からの要望等にもからむ大きな問題でございますので、直ちに御意見どおり実施するということは、いまのところ非常に困難なる問題でないかと思いまするので、今後ともに検討さしていただきたいと、かように思います。
#74
○上林繁次郎君 その点、よくわかりますがね。いわゆる政令指定都市というのは、言うならば県並みのような形態をとるわけでしょう、そこまでいかないかもしれないけれども。だとするならば、その中でもって上がってきたものは、常識的な考え方かもしれぬけれども、当然そのほかのものはみんなくるんですから、金だけは持っていくのだという行き方は、これは常識的な話かもしれないけれども、だれが考えてもそう考えざるを得ないんじゃないかということです。そこで、シャウプ勧告でどうにもならぬのだというお話ですが、そういったことでどうにもならぬという、それをいつまでも自治大臣としてはどうにもならぬのだ、おれもおまえの言うように考えているけれども、シャウプ勧告なるものによってどうにもならぬのだと、こういうふうに、これからもそういう考え方でいくのか、それを何らかの形でもっておまえの言うように私もやっていきたいと、こういうふうに考えているのか、その点どうですか。
#75
○国務大臣(渡海元三郎君) まず第一点の、県並みになったんだから、そこで上がってくる、県がいままで取っていた税金を当然やれと、こういうことでございますが、この事務移譲になりました分に伴うところの財源というものは、それぞれの財政事情に応じまして交付税その他で処置さしていただきたいというのが実情でございます。その事務移譲されたものに対してこれだけの財源を置くべきじゃないかというのが長い間五大市の主張になっておることも私知っております。法律に示されました事務移譲が、私もその当時初めて国会に出まして、十七項目のうち全部が実際事務移譲になっていなかったという姿でもって、長い間、むしろ財源は要らないから事務移譲だけしろというふうな姿できたために財源がおくれたという経過もございますが、しかしながら、これはいずれにしましても地方財源でございますから、全般を通じて地方財源そのものを充実して、府県と市とが取り合いをしてけんかすべき問題でないという方向で進むべく、いま申しましたように、市町村に税源を与えることは一番人口の多い大都市が一番それだけ税金が入るのでございますから、大都市のことも考えながら、ここ数年来市町村の税源充実ということで解決し、事務移譲の問題の解決に当たろうとしてき、今後も努力しようというのが私たちのとる立場でございます。
 いまのシャウプ勧告の件でございますが、私はシャウプ勧告にあるからだめだとかなんとか言うのじゃございません。シャウプ勧告は絶対的なものでございません。しかしながら、少なくともシャウプ勧告の行なわれました基本的な考え方、ものの考え方というものに立ってやっておる限りにおいては、こまかしい一つの税をとらまえての問題として考えずに、税制全般の――シャウプ税制ももう長いことなっておるんですから、税源配分、事務移譲とあわせて考えなければならない問題のときに解決さしてもらうべき問題であって、まだシャウプ勧告の税制そのもの、骨組みが残っておる間に、私はその骨組みの中において小さくいらうということは避けたほうがよいのではなかろうかというのが私の考えでございまして、シャウプ勧告、もしこれを変えるのであったならば、その骨組みそのものも洗い直すときに考えなければならないのじゃないか、そのときに考えさしていただく問題でなかろうかと、こんな意味で答えさしていただいた次第でございます。
 なお、遊興飲食税につきましては、御議論のような点もあると思うんでございますが、遊興飲食税という税金は非常に取りにくい税金でございます。それからまた、取りにくい税金だけに、県内の均衡を保たなければならない。私たちのとらまえ方は、政令都市というものは県と対立すべきものでなくして、政令都市も含めて府県の一体化というものを常に考える。だから府県と二重構造の中にある政令都市であるという考え方に立ちますというと、その府県内の遊興飲食税の徴税のあり方というものがやはり統一されるのが望ましい。そういう姿からは、税そのものの性格上、直ちにその市町村におろすことはいかがかという点もございますので、十分今後検討さしていただきますけれども、その骨組みの点と、いま申しましたような税の性格上の点から十分に慎重に検討しなければならないものである。かように考えておりますので、そのまま述べさしていただいたような次第でございます。
#76
○上林繁次郎君 まだ言いたいことがありますけれども、この辺で……。
#77
○政府委員(森岡敞君) 先ほどちょっと御答弁を保留しておりましたものにつきましてお答えいたしたいと思います。また、先ほど申し上げたことについても若干誤りがありましたので、その訂正を含めて申し上げます。
 道路、学校、住宅、いずれも補助金の支出行為といいますか、お金の流れは全部県を通しております。これは支出負担行為担当官を都道府県の出納長ということで補助金の交付をやっておりますから、いわばお金の流し方の技術的な問題でそういうことになっておると思います。ただ、大臣から御答弁申し上げましたように、具体的な補助金額の決定、中身につきましては、これは建設省なりあるいは文部省が、指定市については直接その額の確定をいたしておりますので、県の段階でそれに調整を加えると申しますか、そういうことは実質問題としてはない、かようになっておると思います。
#78
○上林繁次郎君 先ほどまっすぐ、直入方式じゃないけれども、まっすぐ政令都市に、それを……。
#79
○国務大臣(渡海元三郎君) いまおすわりのままのお話のようでございますので、私も率直になにいたしまして――実際私たちがやっておりまして、県が自分の権能内に金を入れてこれを割り振りするということは、はっきりと、これは行なえない、これは政令都市の場合、これだけのものは政令都市だというふうな姿で。ただいま申しましたように、会計上の事務的なことで県を通じておるという姿だと、いま上林先生御指摘の点は十分御意思のとおりの行政が行なわれておる、こう御理解願ってかまわないのじゃないか、私はそういうように了解しております。
#80
○藤原房雄君 時間もだいぶたっておりますので、各委員からいろいろお話がありましたので、なるべく重複を避け、項目的に何点かお聞きしたいと思います。
 最初に、お話が出たかもしれませんけれども、地方行政連絡会議、これが四十年から発足するに至りましたその背景といいますか、知事会議とか、ブロック会議とか、こういうことはあるわけでありますけれども、そのほかにこれを設けなければならなかった背景という、この問題についてどうであったのかということからお聞きしたいと思ったのです。しかも四十年からずっと開催された状況を見ますと、これは各ブロックにより地区別によりましていろいろ状況は違うようでありますけれども、最近は本会議も、部会、幹事会等につきましても開催の回数が非常に少なくなっているような傾向が全体に見えると思います。これは私ども考えますところ、非常にこれは重要なことであろうと思うのでありますけれども、こういう傾向にあるということはそれだけ実効があがっていないといいますか、こういう制度が法律ができて実際やっても、それだけの結果があらわれないという、そういうことではないかと、このように懸念するわけでありますけれども、この点について自治省からお伺いをいたしたいと思います。
#81
○政府委員(皆川迪夫君) お話のように、確かに最近開催の回数等が、総じていえば減少の傾向にあろうかと思います。これはいろいろの理屈があろうかと思いますが、一つには、地域の大きな問題――早い時期に提起をされてなかなか解決しない。新しく出てくる問題よりもむしろ提起された問題の処理にずっと追われておって、ひんぱんに新しい問題に取り組むまでに至っていないというような事情もあろうかと思います。ただ根本的には、この連絡会議は、単に数府県のあるいは指定市の長、議長といったような地方団体のみではなくて、国の出先機関が実にたくさん参加をする会議であります。したがいまして、そういった会議としては、必ずしもひんぴんと開かなくても、そこで提起された問題をどのように処理をしていくか、あるいはそれを具体的に処理する方策についてどう考えていくか、こういうことについては、それぞれの機会に検討なり伝達ができるわけでありまして、国の機関はもちろん、国の各行政機構を通じまして中央各省のほうに上がってくるわけでございます。地方の団体間におきましては、それぞれの機会にまたこれを検討する、あるいは一歩前進したらさらにこれをどう処理するかということを考えていけばいい、こういうような事態もあろうかと思います。したがいまして、開催回数が減るということをもって、直ちにこの会議体が効果がないというふうに断定してしまうのもいかがかと思います。もちろん、最近のように公害問題、あるいは水問題というような問題が大きくなったとき、あるいはその地区においてはしばしば会議は持たれておるわけでございまして、これはその地区の実情に応じて適当な運用がされているんじゃなかろうか、かように考えておるような次第でございます。
#82
○藤原房雄君 お話のようなことであればけっこうなんですけれども、実際お話にあった、議題にのぼった項目を見ましても、自然保護とか森林開発がどうだとか、こういうことでして、ほんとうに地方でたいへんな問題があまり議題にのぼっていない――というと語弊があるかもしれませんけれども、最も地元で悩んでいる問題が、いろいろ共通問題あるわけでありますけれども、私はこういうことから、先ほど上林委員からもお話がございましたけれども、この地方行政連絡会議で話し合ったことを中央でそれを強力に受けとめるという、こういう姿勢といいますか、そういうものがしっかりしてなければ、こういうことを、会議を開くよりも、予算折衝等具体的に各県ごとに問題になっている直接的な問題を中央と直接折衝したほうが早いといいますか、こんなことであってはならないんじゃないか、そういう気がするわけであります。そういうことで、この地方行政連絡会議というものが実効のあがるように、今後につきまして、今日どういう検討をなさってきたか、これからに対する考え方等、大臣の考え方ございましたらお聞きしたいと思います。
#83
○政府委員(皆川迪夫君) 事務的に私から一応お答え申し上げますが、ここに提出してありますのは、連絡会議から正式の意見として提出されたものを掲げておるわけでございます。こういう意見として出すもののほかに、その現場におきまして具体的に処理をする事項もたくさんあるわけでございます。むしろ連絡会議のおもな任務というのはそういうところにあろうかと思います。したがって、それがどの程度のものかという資料は取りまとめておりませんけれども、そういう点も御判断をいただきまして、私たちはなるべく現場の仕事がスムーズにいくようにいたしたい。それから、ここにあげてありますような非常に大きな問題、たとえば関東地区において提起されておりますところの水資源の開発、特にダム補償の問題、これは長年検討しておるわけでございますが、なかなか成果があがっておりません。そのほかに水質保全対策というような問題につきましては、かなりこの連絡会議等を通じまして提起された意見が公害関係の諸立法に反映をしてきたというふうにも考えております。もちろん御指摘にありましたように、現在の姿が必ずしも十分なものであるというふうには私たちも考えません。将来ともに十分に活動できるように一そうくふうし、努力をしてまいりたいと思います。
#84
○国務大臣(渡海元三郎君) この点の運用につきましては、私も二回出していただきました実情を基礎に、先ほど上林委員のお尋ねに答えさせていただいたとおりでございますが、私、二回とも参りまして感じたのでございますが、国の出先機関等はこれは全員出ております。そういった関係で、その地区全般に通ずる問題でなくても、一つの具体的な問題につきまして、あるいは二県にまたがるもの、あるいは数府県にまたがるもの、それらを密接にその機会に連絡をさせていただいておるというふうな問題も多々見受けましたし、むしろその地区を担当するところの国の出先機関が、その連絡会議の地域の問題として解決を果たしていく上からは非常に役目を果たしておるのでなかろうかと、かように感じます。出先の機関の御意見も、私、東北地方では後刻懇談する機会を持ちましたので、あるいは農政局長あるいは地建の局長なんかとも話をさせていただきましたが、非常にこの会議を利用していただいておるという姿でございましたので、今後とも縦割り行政の弊害を打破する上からいきましても、この会議の充実を期していきたいと、かように考えておるような次第でございます。その意味におきましても、私参りましたのは二回でございますが、できるだけ私があいておりますれば私自身参りまして、会議の御要望等も聞かせていただき、直接これを行政の上に反映するようにつとめておりますが、私が出られぬ場合におきましても、自治省の首脳部の者を差し向けまして、この会議の実をあげるように今後ともはかってまいりたい、かように考えております。
#85
○藤原房雄君 次は、先ほども上林委員からお話がございましたが、財源の問題ですが、これも先ほどいろいろお話ございましたので、その点については省きますが、ただ今度新しく札幌と川崎、それから福岡ですね、これが指定都市に四月一日から発足するわけでありますけれども、昨年からたいへん地方財政が落ち込んでおるということで、まあ現在のきめられた範囲内でありますと、非常に財政事情のいいときですといいかもしれませんけれども、発足にあたりまして、先ほどお話ありましたように、いろいろな事務量なんかふえますし、それに対する国の配慮もあるわけでありますけれども、さしあたってすぐ仕事が始まるというふうなことで、こういう国全体の地方財政全体が落ち込んだ状況の中にあって発足するということで、特別にこの点については配慮がなされているかどうかということ、この点お聞きしたいと思うのですけれどもね。
#86
○国務大臣(渡海元三郎君) 現在、地方財政が非常に苦況にあるということは御指摘のとおりでございます。その際に、新しく指定都市として発足する際に、財源のないために発足するにあたって非常に困難するのではないかという御質問でございます。御指摘のとおりであろうと思います。このためには発足をするときの都市運営に非常に困難を伴うことであろうと考えますので、私たちもできるだけきめこまかく、起債その他の財源の付与等につきましてきめこまかく行政指導をしていかなければならないと、かように考えておりますが、具体的には、各市ともそれらに支障のないようにそれぞれ連絡をとらせていただきまして、財政当局と万遺憾なきを、できるだけの努力をさせていただいておるというのが実情でございまして、私も直接市の理事者の方々と、それぞれ三、四の市につきまして、財政事情も聞かせていただきまして、実際は事務当局同士、私のほうの財政局と市の財政主任者と具体的にやらせていただいておりますが、総括的なことではできるだけ私らのほうも発足にあたって支障のないように努力させていただくことも、各市の理事者の方とお話しさせていただき、両方各下部機構へそのことを伝えて、万遺憾なきを期させていただきますように、具体的な問題に当たっておるというのが現状の姿であります。
#87
○藤原房雄君 今度指定都市になります札幌につきましては、新産都市になっておるわけでありますが、そういうことから、新産都市のことについて二、三お伺いしたいと思うのでありますが、この新産都市の発足当時から現在、たいへん社会情勢も変わってまいりました。新産都市の計画の本来の目的とかその後の経過ですね。まあ時間もありませんので概括だけでけっこうでありますから、企画庁の方いらしていますね。その間のことについてお伺いしたいと思います。
#88
○説明員(山東良文君) 新産都市の問題につきましては、昭和三十七年に法律が通りまして、三十九年あたりからぼつぼつと本格的な計画に着手されたわけでございますけれども、申すまでもなく、この新産都市はまあ何といいますか、大都市地域における工業の集積というものをできるだけ地方に分散させていこう、そういうようなことのために、いわゆる拠点開発方式というようなことでもって、十五の地区を指定いたしまして、これによりましてまあ地方開発、工業を地方に分散させよう、そういうようなことでできた制度でございます。
 それで、それ以後の経過を振り返って見てまいりますと、まあいろいろと主要な指標がございますけれども、工業の出荷額あるいは人口、あるいはまた建設事業の進捗率、そういったことについてごく大ざっぱに申し上げてまいりますと、まず工業の出荷額につきましては、昭和四十五年の目標の額をほぼ達成いたしておりまして、一〇七・三%というようなそういう達成率になっております。しかし、他方人口の集積とその状況を見てまいりますと、これは遺憾ながら十分に当初の目的を達することができない状況でございまして、当初、十年間で二一・九%の増加率を見ておったわけでございますけれども、それが一〇%を切る、そういうような状況でございます。ただ、建設事業の整備状況という点につきましては、昭和四十五年現在でもって約五〇・七%、昭和四十年度の当初の予定を入れますと六五%程度というようなことになっておりまして、こちらのほうは一応予定どおり進むというふうに見てよろしいのじゃないかと思います。ただ、建設投資のほうをさらにしさいに見てまいりますと、生活関連施設と申しますか、下水道とかあるいはまた公園、そういった生活関連の投資のほうにはかなりのおくれを見ておりまして、これは全国的にそういう状況であったわけでございますけれども、今後下水道の五カ年計画ができ、あるいはまた公園についてもさらに力を入れていくというようなことで、国全体の生活関連投資のほうへの傾斜というものはかなり強くなってまいりましたので、その点はかなり今後改善していく、そういうふうに思っているわけでございます。
#89
○藤原房雄君 新産都市建設促進法の一条には、国土の均衡ある発展、地域格差の是正とうたわれております。いまいろいろお話がございましたけれども、全国を見れば大体目標には達したということでありますけれども、この地域おのおの個々に見ますと、必ずしもそれに沿ってないところもあるわけであります。こういうことからいたしまして、確かにこの新全総と新しい国づくりが、社会の大きな変化がありまして変わっていることは事実であります。そういうことからいたしまして、現在のこの新産業都市計画というものはこのまま現在の考え方を推し進めていくのか、今後についてはどう考えているのか、この点についてはどうですか。
#90
○説明員(山東良文君) 新産都市の建設につきましては、ただいまも申しましたように、また、いま先生から御指摘がありましたように、地域格差の是正を進めていこう、あるいはまた地方に対する工業の分散を促進させていこう、そういうふうな趣旨でもってできたことでございますので、その点に関する限りはいままでの方針を踏襲していってよろしいかと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、全体といたしましても、投資のやり方と申しますか、その点ではやはり若干生活環境のほうにおけるおくれというものが見られましたものですから、今後このほうの点につきましてさらに充実した投資をやっていくと、こういうふうに思っておるわけであります。
#91
○藤原房雄君 自治大臣より。
#92
○国務大臣(渡海元三郎君) 新産都市の基本的な構想は、大都市の人口集中を避けて過密を防止し、地域格差を是正する、雇用の安定をはかるということでございますので、この点の目的は今日もなお果たさなければならないことであるということは、いま経済企画庁のほうから述べられたとおりであろうと、かように考えます。しかしながら、当時と今日とでは公害問題に対する取り組み方あるいは環境整備等の問題につきまして十分検討されなければならない問題が――新全国総合開発計画というふうな点もこういった意味から検討されたのではなかろうかと思いますし、また今後ともに検討しなければならない課題としていま話題にのぼっておるような状態でございますので、その線に応じた姿に持っていきたいと、かように考えておりますが、その意味におきまして経済企画庁のつくられます計画に関しますが、特に地方自治体としてのとらまえ方は、現在までの重化学工業を中心としての新産業都市あるいは工業整備特別地域のあり方でいいのかどうか、この点は地域の特性を生かした産業の育成ということに考えなければならないじゃないかという点と、もう一つは、環境整備という点でいままでの構想に誤りないかどうかという点を十分念頭に入れながら今後の推進をはかっていかなければならない、このように考えておる次第でございます。
#93
○藤原房雄君 先ほどのお話もありましたが、国家的な要請によりましてこの新産都市が発足したわけであります。それに伴いまして膨大な公共投資が行なわれました。その地方の地方自治体の負担の増大というものはたいへんなものだったと思います。いろいろ金額はございますけれども、詳細は省きますが、いずれにしましても、全体としては目的を達成したという先ほどのお話でありますが、個々に見ますと、あれほど人口の減少しておる当初の目的の達せられなかった常磐、郡山ですか、向こうのようなああいう地域もあるわけですね。地方自治体としては、国の方針として相当力を入れてまいったわけであります。しかしその目的が果たされない。これは社会の変化があって炭鉱の閉山等があったと思いますけれども、かって相当公共投資をしながらそれの実効をおさめることができなかった、こういう地域に対しましては、国としては何らかの形で対策を考えてあげなければならぬじゃないかと、このように考えるのでありますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
#94
○国務大臣(渡海元三郎君) 具体的に常磐の問題を提起されました。まだ具体的な問題として私たち聞いておりませんが、今回の法改正によりまして工業再配置促進法案というものが出ておりますが、これを具体的に実行に移す段階として受け取っております団体が、石炭関係のいままで扱っておりました地域の問題をとらまえる団体と同じ団体に置かれておるという姿もございますので、これら石炭鉱業を中心として発展してきました地域に対する今後の産業立地のあり方等につきまして具体的に取り組んでおられるという姿でございます。その一環として、重点事項の一つとして常磐地区を考えていただけるのではないか、かように思っております。これらが具体化いたします場合におきましては、これを受け入れるところの地方自治体の姿、あり方につきましては私たち自治省といたしましてもその受け入れに遺憾なきように努力さしていただきたい。関係各省とも連絡を密にいたしまして、地域産業の受け入れに努力するだけの財政面の措置等を講じてまいりたいと、かように考えております。
#95
○藤原房雄君 先ほど大臣からもちょっとお話があったのですが、四十年の新産都市が発足する段階では、新しい都市づくりということで、各指定になったところはもちろん、相当力を入れてやってきたわけでありますけれども、しかし、今日たいへんな公害が――日本列島をおおう公害のために、最近はたいへんにものの考え方が変わってきております。今日の住民の要望というのは、かえって工業の発展といいますか、大規模な工場の誘致ということよりは、住民生活を守るといいますか、生活環境の整備、住みよい都市づくりという、こういう方向に最近は方向が変わっておる、こういうふうに思うわけでありますが、まあ指定になっておりながら企業なんか来なくてもいいという、最近そういう考えのところもあるようであります。こういう住民の立場に立って考えるとき、この新産都市というものは、現時点においては特に考え直さなきゃならないときがきているのではないかと、こういう考え方をするわけでありますけれども、この点について、新産都市のあり方と今後の運用面、これらの関係につきまして大臣がどのようにお考えになっているか、簡単にひとつ所見をお伺いして終わりたいと思います。
#96
○国務大臣(渡海元三郎君) 私は、むしろいまのような消極的な受けとめ方ではなくて、積極的にもっていかなければならない。経済の発展というものは目的でなくして手段である、その点は、私はあくまでもわれわれの生活をより豊かにするということが――経済の発展そのものが私たちの究極の目的ではないということは、いま御指摘になったとおりであります。それだからといって、工業なんかきていただかなくてもよいというふうなことで、はたしてそこに人が職業なくして住むだけのことができるかといっても、そればかりとも考えられないと、こう思うのでございます。要は、工業を受け入れても、その工業によって汚染されないような環境づくり、都市づくり、これを推進していくことがほんとうの町づくりでなかったか。その点に対する配慮が欠けておったという点について反省を加えながら、より積極的に、現在発展の過程にありますところのそういった都市、前車のわだちを踏むような過密工業都市というものをつくらないように、いまこそ新産あるいは工特地域の都市を、働く場もあり、しかも住みよい豊かな生活のできる都市づくり、そのためにこそ私たちは、むしろ積極的にそういったための投資をしていくことこそが新産、工特のほんとうのねらいではなかったかと思いますので、そういう意味の積極的な意味で今後とも充実さしていくことが、新しい考え方の総合開発計画、また今後とるべき新産都市の生き方ではなかろうか、そういうふうな方向で持っていきたい、かように考えております。
#97
○藤原房雄君 まあ、企業なんか来なくてもいいということの理由は、こういう住民のたいへんな公害に対する意識というものが非常に高まった今日においてでございますね、極端な話でありますけれども、そういう住民の生活を脅かすような企業というものは入って来ないほうがいいというような、こういう住民の声となってあらわれておるということでありまして、企業なんか来なくても
 いいということでは決してないわけであります。当初、四十年発足当時から見ますと、たいへんに住民の意識というものは変わっておる。この点を勘案しまして、今後の日本全体の発展計画というものが策定されなければならない。また地方によりましては、今後の発展すべき要素ももちろんありましょう。しかし所によっては、かえって大企業の誘致よりは、現在のままで生活環境というものを十分に整備するということが住民の大きな声となっており、こういうところも現在指定になっているところにあるというのですね。こういう社会情勢の大きな変化、ことに公害というものに対する住民の意識というものが非常に高まっておる今日、新しい都市づくりにつきましては十分な配慮がなければならない、こういう点を申し上げたわけでありますけれども、今後ともひとつよろしくお願いいたします。
#98
○河田賢治君 ほかの委員からだいぶ質問がありましたので、私、三点ばかりに限って質問したいと思います。
 その一は、この法律が上がりましたときは昭和四十年ですから、たとえば東京−大阪の新幹線ができたちょうど前後だと思います。このときなどは、御存じのとおり運輸省はやはり期限を切って、いつになったら新幹線を通すという目標を持っておりました。ところが、地域の住民が立ちのきを迫られてもなかなか話がまとまらない。そこで川なんかは、これはだれも住んでいないというので、すぐ運輸省あたりからくい打ちが始まったわけですね。しかし、河川は知事が権限を持っておりますので、そのくい打ちはやめさせることができます。それ以後、おそらくこの法律もできたのではないかと思います。しかし、こういう問題は現にやはり起こるわけですね。たとえばいま東京では、御承知のように成田の空港に対する新幹線の問題、江戸川区あたりは区長をはじめ区議会やそのほかが、新幹線が通ると予定される地域の人々は、やはりこの問題についてかなり反対を唱えておるわけですね。そうすると、やはり新幹線であるとかあるいは高速道路であるとかというようなものはかなり大きな影響を与えるわけですから、十分地方行政連絡会議というものをもっと生かされていかなければならぬのじゃないか。これはやはり去年の三月に、北陸あたりの北回り新幹線の建設促進ということで、ここで議題になってやられているわけですね。おそらくそれが敷かれるときには、自分のところは通らぬでもいい、ごく近くを通ってもらえばいい、被害は自分のところは与えてもらいたくないというのが、かなりの住民の持つ気持ちだと思うのです。しかし、そこをうまくやるのが行政なんですから、その点で、やはり現在でもそういう事態が――各省が進める事業がその地域の住民にいろいろな利害があるけれども、これらが十分解決されない、あるいは話し合いもされないで進行する場合には、そこの住民ともトラブルが起こるわけです。ですから、年に一回知事やあるいは指定都市の諸君が集まりましても、これはもう問題の解決にならぬと思うのです。よほど大臣が――相当上のほうがきちんとしたある程度の指導方針を出し、住民に対して納得のいくようなやはり指導のしかたをしていきませんと、相当私はこの問題は解決の困難な問題がたくさんあると思う。ですからこういう問題について、これは年一回で、そうしてあとは部長とか課長さんあたりが専門で集まって会議を開いておられるようですけれども、やはり行政連絡会議というのは、そういう中央の施策と、それから地方における施策ができるだけスムーズにいき、今日の地方の自治権を侵害しないような方向でいくのが目標ですから、その点、やはり各省の大臣あたりは十分話を進めていただかぬと、この地方の出先機関だけが出ましてもなかなか解決がうまくいかぬのじゃないか、この点をひとつちょっと伺っておきたいと思います。
#99
○国務大臣(渡海元三郎君) たまたま新幹線の例をあげて述べられて、北陸の新幹線についてはここに建設促進が出ておるじゃないかということは、北陸地域に早く新幹線を持つことによって、北陸地域全体の何といいますか、発展を早くしたいという意味で、全体の地域の問題として要望が出たのじゃないかと思うのです。成田の線は、東京と千葉県の問題でございますし、私も現実に関東連絡会議に出ましたが、その当時話題になっていなかったか、問題にならなかったかと思いますが、個別の問題、各自治体と各省が連絡を密にしてやっていただかなければならないという点につきましては、河田先生の御意見、同感でございますので、私もその点は十分なにしますが、連絡会議というものの場だけがその場でございません。連絡会議というものは、地域団体が共通する問題をそこで取り上げていただくというふうな問題で、縦割り行政をできるだけ調整していくという姿でございますので、まあ年一回ないし二回、あとは理事者の会合でもっていくという運営の方法で、現在、地域全体の問題についてははからしていただいておるというのが実情でございまして、すべての国と地方団体との連絡協調をその場を通じなければならぬ、こういう姿ではございませんものですから、各省庁に連絡を密にしていただくようにはかねがね私たちの要望として申し述べておりますが、連絡会議は地域的な共通の問題をとらまえての場でございますので、できるだけこの場を利用していただく。個々の問題についても利用していただくということは願っておりますけれども、元来がそういったことを目的として生まれたものでございますので、御了承を賜わりたいと存じます。
#100
○河田賢治君 第二は、要望の中でだいぶ取り入れられて、いろいろな法案ともなり、あるいは若干の予算措置をつけられたということなんですが、大体においては、やはり一番共通しておるものは、これは財政措置の問題ですね。指定都市にしましても、あるいは過疎地域にしましても、あるいはその他の問題にしましても、かなりどこでも財政措置の問題が住宅問題でもついております。やはりこういう点で、自治省は思い切ってこれらの意見を尊重して、そして財政措置をやっていだたきたいと思うのです。まあ私もいろいろきょうその問題について資料は持ってきておりますけれども、指定都市あたりがいろいろと財政措置の要望をしたり、あるいはその他の要望を持っておりますけれども、これはあとまた他の法案のときに話したいと思うのです。
 それから第三に、大臣は縦割り行政、このことをできるだけ、あまりにはなはだしい縦割り行政をできるだけ中間のここで結び目をつくって、これをスムーズにやっていくというので行政連絡会議ができたのですけれども、しかし昨今の自治省は、努力しておられるといいますけれども、たとえば最近できました農林省と通産省ですかな、これの共管で、農村の工業導入ということが法案になっておりますね。これは自治省は入っておるのですか。
#101
○政府委員(立田清士君) 主務大臣という形では入っておりませんけれども、事業の促進については十分に意見を申し上げたり、そういう発言を機会あるごとにしたいと思います。
#102
○河田賢治君 やはりそこが私は問題だと思うのですね。自治省は確かに過疎問題、かなり今日では過疎といわれる地域がずっとふえてきております。大きな十万都市でもだんだん人口は減るというような事態も起きております。そこで、農村で工業を導入して、そして多少でも農村から余剰労働力を工業に注入する、そしてまた経済地盤をつくるということで農村工業の導入の法案ができたわけですけれども、やはりこういう問題について、自治省は積極的にそういう産業配置、全国的な産業配置もあるでしょうけれども、できるだけ商工業を農村にも入れて、そして通勤の可能な範囲で、ある一定のところで通勤ができて労働ができる、そして過疎をなくしていく、できるだけ文化的な水準も引き上げていく、まあこういうことにはやはり自治省も相当これは発言力を持たぬと、単に産業基盤で農民をどうするかとか、あるいは工業をどうするかとかいう問題じゃないと思います。やはり地方自治体を全体としてどういうふうに経済力をつけ、また一般にそこの産業並びに生活、文化、こういうものを向上させるか、こういうものになりますと、やはり自治省あたりがこれに一本かんで、そうして縦割り行政のあまりにもはなはだしいやつをやはりチェックする必要があるのじゃないか。チェックというよりも、むしろ自治省が積極的にそういう導入をそちらのほうへより多くやってもらうような努力をすべきじゃないかと思うのですよ。先ほど大臣は、できるだけ縦割り行政の弊をなくすのだということをおっしゃっておりますけれども、最近の法律を見ますと、まあ大体工場の再配置でもここは素通りしちゃって、大体所管の省なりあるいは関係省だけの産業だけで問題を解決しようという点があらわれていると思うのですね。この点は私はやはり直接地方連絡会議の問題ではありませんけれども、しかし、これもやはり大都市を中心にして、いろいろな過疎地帯もできたりしておるのですから、こういう点から見ましても、できるだけもっと自治省は積極的に市町村の統一的なやはり発展ということを考えて、その主務省でなくても、そこ一本ぐらいはかむように私はすべきじゃないか、こういう考えを持っておるのですが、一応大臣の意見を聞いて私の質問を終わりたいと思います。
#103
○国務大臣(渡海元三郎君) 地方団体で実施いたしますところの各省の業務、その意味から申しましたら、自治行政に関係のないものはほとんどと言うてございません。その意味からいいまして、自治大臣が、少なくとも何かの姿で法的にも関与するという姿を置いていくことが望ましいということでございまして、かねがね、これはもう私だけじゃなく、伝統的に自治省はその態度を堅持いたしてきておりますが、なかなかこれ、ざっくばらんに率直に答えさせていただいて、私、大臣になった経験から率直に答えさせていただいて、そういう意味からは、自治省は地方団体が困らないように、実情に合うようにチェックもしてやらなくちゃいけないというふうな立場もあるもんでございますから、非常に地方団体の立場に立っていつでも発言をさせていただくという姿におるもんでございますから、煙たがられておるというのが偽らざる実情でございます。しかしながら、いま申されましたように、過疎地域に対する工業導入ということは非常にいいことなんだから、積極的にこれをやらせるという姿でございますので、私たちは単にいまの法律的に自治省は関与するなという点よりも、地方にとってよい事柄であったならば、姿勢としては、積極的にこれを応援するという立場で応援させていただいておると、私たちが少なくとも足を引っぱって、この法律案を、他省が立てておられる構想を、よいことであるので、あまりにも自治体のことを言い過ぎるために足を引っぱるという姿のないように、しかし、それといって、自治体を守られなければならぬ一線だけははずさぬようにしておるというのが現状でございます。すべてのものを、各省も喜んで私たちを迎え入れて、私たちの意見を聞いてくれるというふうな姿にもっていってこそ初めて総合行政としての価値があがるという姿でございますが、御指摘のとおり現状はまだそこまでいっておりません。率直にいま述べさせていただいたような現状でございますので、各自治体のそれぞれの要望を通じて、私はたとえ主務大臣になっておりませんでも、それらの問題がほんとうに自治体に合致して実現ができますように、それらのものを受けます地方財源措置あるいは行政措置等を通じまして、いま申されましたような自治体に対する応援、またそれに合うような各省に対する要望を実現することによって運営面で法の不備は補なわさせていただくという方向で今後とも努力さしていただきたいと、これが率直な私の現在の、いま河田議員御指摘の問題に対する姿でございますので、率直に答えさしていただきました。
#104
○委員長(玉置猛夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#106
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 地方行政連絡会議法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#107
○委員長(玉置猛夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#109
○委員長(玉置猛夫君) 速記を起こして。
    ―――――――――――――
#110
○委員長(玉置猛夫君) 警察法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#111
○藤原房雄君 警察法の一部改正、だいぶ質疑ありましたので、できるだけ重複しないように何点かについて、二、三点で終わりたいと思いますが、最初にお聞きしたいのは、都道府県の公安委員会、これは「都道府県知事の所轄の下に、」とありますが、また「都道府県公安委員会は、都道府県警察を管理する。」とありますが、所轄と管理というこの問題について具体的にお話いただきたいと思いますが。
#112
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 都道府県公安委員会が知事の所轄のもとに置かれる。こういうふうなことになっておりますが、所轄と申しますのは、最も弱い所属の関係を示すものであるというふうにいわれておりまして、指揮命令権のない監督を意味するものである。こういうふうになっております。具体的に申し上げますと、都道府県知事は公安委員の任免権は持っております。これは県議会の同意を得て任命いたしますので、委員の任免権は持っております。さらに、知事は警察関係の条例案の提出とか、あるいは予算案の提出、こういった権限を持っておりますが、こういうふうな点において所轄ということが具体的には意味されておりまして、指揮命令権のない、こういういま申し上げましたような点についての監督を意味するというふうな関係に相なっておるわけでございます。したがいまして、知事は公安委員に対して、具体的な警察運営についての指揮命令権というものはない。こういうことになっております。これに対しまして、公安委員会は、都道府県警察を管理すると、こういうふうになっておりますが、この公安委員会の管理の場合は、これは警察運営の全般につきましてその大綱、方針を定めて、それによって、警察運営について事前、事後の監督を行なう、こういうことになります。具体的には、この公安委員会等を通じまして、本部長が公安委員会の管理に服することになっておりますので、本部長を通じまして都道府県警察の運営を管理する。したがいまして、これは個々の事件について指揮監督ということではございませんけれども、大綱、方針については、警察運営全般についてやはり何と申しますか、管理、指揮しておる、こういうふうなことになっておりまして、その点、所轄とそれから管理というものとは内容が違うわけでございます。
#113
○藤原房雄君 そこでお聞きしたいのですが、北海道の場合は方面公安委員というのがございますね。道の公安委員のほかに地方を五つに分けて置いておりますが、これは方面公安委員会というのはどういうことになりますか。
#114
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 方面公安委員会は、道公安委員会の管理のもとにありまして、北海道の公安委員会の、つまり道公安委員会の道警察に対する管理権をその方面別に分けて、分掌して方面本部を管理する、こういうことになっております。つまり北海道には五つの方面が分けられておりまして、この五つの方面、つまり札幌方面、それから函館方面、旭川方面、それから釧路方面、北見方面、この五つに方面が分かれておりますが、このうち札幌方面については、方面本部がございません。したがって、これについては方面公安委員会は設けてございませんが、他の四つにつきましてはそれぞれ方面本部が設けられております。この方面本部を管理する機関として方面公安委員会が置かれておりますが、この方面公安委員会の任務は、北海道全体の警察運営を管理する道公安委員会の任務のうちの管理権をその方面について分掌して、そうして方面本部を管理しておる、こういうふうな関係になっているわけでございます。したがいまして、たとえば方面本部長の任免権とかそういうものはこれは道公安委員会に所属しておりまして、方面公安委員会にはございませんが、その地域の実際の警察運営について分掌しておる、こういうふうなかっこうになっているわけでございます。
#115
○藤原房雄君 方面公安委員を任命する場合には、そうするとどこになりますか。それから各方面公安委員は何名になっておるか、その点ひとつ。
#116
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 方面公安委員の任命は、北海道の知事が任命する場合に、知事が道議会の同意を得て任命することになっておりますが、また定員はそれぞれ三名でございます。
#117
○藤原房雄君 任命は知事でありますが、その推薦といいますか、どういう形で行なわれますか。各方面ごとにこの方面委員の方々がどういう形で推薦されて、任命は知事だということはわかりましたけれども。
#118
○政府委員(土金賢三君) これは指定市の場合には、その特定の指定市の市長が推薦するということになっておりますけれども、県あるいは道公安委員は特別に推薦するということでなく、知事が選んだ、それぞれの県議会の同意を得て任命する、それと同じ形式で、その方面の公安委員につきましても、その方面内に居住しておられる方の中からそれぞれ選ぶ、こういうふうになっているわけでございます。
#119
○藤原房雄君 札幌には方面本部はないわけでありますから、当然、道の公安委員会が道の問題については取り扱う、かつ方面本部は道のものを分掌すると、こういう形と了解してよろしいですか――その点につきましてはわかりました。
 次は、過日の委員会で問題になったと思うんですが、過疎、過密の問題、それに伴う警察官の問題でありますが、札幌は、御存じのようにどんどん発展しておりまして、どうしても不足ぎみである。北海道全体といたしますと、人口はだんだん過疎化しておりまして、御存じのとおり自動車事故一つ取り上げてみましても、過去二年間全国一という事故率といいますか、こういう状況でございますので、過疎だからといって交通警察官を減らすわけにはいかない。警察官一人当たりの道路に対する管理といいますか、これはたいへんな、北海道の場合非常に多いわけでありますけれども、過疎だからといって警察官を減らすわけにはいかない。一方においては、過密都市はどうしても不足するという、こういう非常に問題点がございまして、この点につきましてはいろいろな対策が講じられておるだろうと思います。都市においてはパトカーが回って不足した交番の補いをしておると、こういうことも見ておりますけれども、いずれにしましても、総体的には警官の増員ということになるのかもしれませんが、しかし、いずれにしても、治安維持という上からいきまして、北海道のようなこういう典型的な過疎現象、これはまた札幌を中心にする過密現象、こういうところについてはどのように考えていらっしゃるかということなんですが、窮余の策としてパトカーが回って歩いた。それでもいいかどうかということであります。やはり問題がいろいろ起きておりますし、全国一の事故率を何とか防ぎたいというそういう要望も強くありますが、こういう点に対しまして、まあいま北海道ということを一つ取り上げておるわけでありますけれども、一つ地域の中でこういう現象も、これはほかのところにもあるわけでありますけれども、これは増員されればそれにこしたことはありませんが、現況として、こういう問題についてはどのように対処していこうとしていらっしゃるのか、基本的な見方をお聞きしたいと思います。
#120
○政府委員(土金賢三君) ただいま藤原委員の御指摘どおりでございまして、私どもも人口の都市集中と、その反面における人口の過疎現象と、こういう事態に対しまして、警察としても、その駐在、その警察官の配置等、その事態の変化に即応して、いかにして住民の御要望に沿う警察体制をつくるか、あるいはまたさらに時代に先がけて、その体制に沿うような警察運営というものをどういうふうにしてもっていくべきかというふうなことにつきまして長期的な計画も立てながら分析、検討し、それに対して対処していくと、こういうことを基本的な方針といたしまして、全国的な立場でそういうふうな検討を進めておるわけでございます。まあ外勤警察官の合理的な再配分ということも、その中の最も重要な課題の一つと相なっておるような次第であります。北海道におきましても過密、過疎が、御指摘のような非常に著しい現象としてあらわれておりまして、現状と将来を見通して警察官の定員の合理的な再配分を検討いたしまして、たとえば炭鉱地帯のようなところで、従来、相当の人口があった地域が、これが廃止されるとかいうような場所につきましては、それに即応する駐在所の配置がえというようなことも考えて実施しておるわけでございます。
 しかし、ただいま御指摘のように、過疎になったからすぐそこの駐在所を廃止していいというふうには簡単には考えられない点がある。と申しますのは、過疎になればなるほど、その地域住民のほうにしてみれば警察がたよりである。ほかに人がいない、老人ばかりだというふうな場合に、何かあった場合にたよりになるのは警察だけであるというような点もございますものですから、私どもはそれを機械的に、人口が少なくなったからすぐ減らすということは考えておりませんけれども、いろいろそういった事情を勘案しながら、やはり合理的な再配分というふうな問題について取り組んでおるわけでございます。ただいま御指摘のように、また北海道につきましても、必ずしも十分な効果があがっておるというわけにはまいらない点もあろうかと存じますが、今後とも、そういった実情に適合するようさらにくふうをして住民の期待と要望に即応する、そういった再配分という問題について、今後ともくふうしてまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#121
○藤原房雄君 最後になりますが、在のほうに行きますと、相当年輩のおまりさんがいらっしゃるわけですが、その待遇ということなんですけれども、現在、警察では昇格試験――試験制度になっておると思うのでありますけれども、相当勤続年数が長くて昇給できないような方、社会的にもたいへん信頼の厚い方もいらっしゃると思うのでありますけれども、こういう方々に対する、肩書き云々ではないのでありますけれども、待遇という面では、やはりこれを相当考えてあげなければならない方がいらっしゃるのじゃないかということを思うわけであります。こういう点につきまして、まあいろいろ対策が講じられておるようにも伺っておりますけれども、やはりどんな職業にも希望の持てるということが大事だと思いますので、この点についてどうお考えになっていらっしゃるか、また今後の対処のしかた等ございましたらお聞きしたいと思います。
#122
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の点、私どもといたしましても非常にこれは大事な問題である。警察官の士気にも影響いたします重大な問題であると考えまして、この解決策について自治省当局にもいろいろお願いした結果、この万年巡査の解消ということについて一応の対策を立てることといたしたわけでございます。
 その概要について申し上げますと、現在その巡査の階級にある者が、全警察官十七万五千三百五十人のうちの現在約半分はおるわけでございます。その半分が巡査である。こういう職場はほかの職場にはそういうのはないと、つまり、たいていの職場が一定の年限がたてば相当幹部の階級にのぼっていくということでございます。半分が巡査ということになりますと、二十年たってもなおかつ巡査であるという、そういう巡査の階級にとどまっておるこういう警察官が一万五千人もおる。二十年たってなおかつ最下級の巡査である。こういうような状況にも相なっておりますので、二十年たったら、少なくともこれは幹部にしてあげなければならない。こういうことをめどにいたしまして、階級別構成の是正をすることといたしておるわけでございます。これは五カ年計画でやりたいということなんでございますが、つまり現在の半分が巡査であるということを改めまして――いや、失礼しました、三分の二が巡査。これを改めまして、半分まで減らすと、巡査の階級にある者を、階級別定数を半分に減らして、残りの差をこれを巡査部長ないしは警部補の階級のある者に引き上げていくと、こういう対策をとることにいたしております。こうなりますと、現在、幹部である巡査部長ないし警部補の全国平均が二七・五%しかございませんけれども、これが四三・八%まで巡査部長ないし警部補の階級にある君がふえる、つまりそれだけ巡査の階級にある者が減る、こういうことになりまして、この計画が実現すれば相当の改善になる。しかも、さらに大事なことは、現在そういった定数の問題のほかに、たとえば犯人逮捕で毎日歩いておるこういう刑事の諸君、あるいは街頭に立っておるそういう警察官諸君がなかなか試験勉強なんかしているひまがないわけです。そういう一生懸命やっている警察官に限って試験には受からないということがあってはこれは問題であるということで、この階級別定数を是正する場合には、これは原則として試験といういわゆる筆記試験、ペーパーテストというものはやらない、やはり日ごろどの程度そういう仕事に熱心にやっていただいているかということによって階級を幹部に上げる、こういうふうなことで改善していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#123
○藤原房雄君 最後、先ほどの過密、過疎のことや待遇問題につきまして、国実公安委員長に所見をお伺いしたいと思います。
#124
○国務大臣(中村寅太君) 北海道等のように地域的な特殊性の場所につきましては、過密、過疎等の問題等を考えまして、先ほど官房長が言いますように、人員の再配分、あるいは私はやはり機械化等を十分取り入れて治安の確保に万遺憾のないようにしてまいりたい、かように考えております。
 さらに、最後の、万年巡査、二十年も巡査をしてまじめにつとめても、やめるまで巡査であるというような姿は、私はこれはきわめてよくない傾向であると思います。これはまあことばが適当でないかと思いますけれども、やはり不都合な実態であると、こう考えますので、私はやはり年期というものを尊重する、平素の勤務状態等を尊重して、それでいま五カ年計画ぐらいで万年巡査というものを減らしていくというような傾向でありますが、私はさらにこれは進めて、十五年くらい以上つとめた人でやめるときはやはり巡査部長ぐらいになって退任していけるような、そういう心を込めた処遇の方向で実施できるように努力をしてまいりたい、かように考えております。
#125
○委員長(玉置猛夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#127
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 警察法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#128
○委員長(玉置猛夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記中止して。
  〔速記中止〕
#130
○委員長(玉置猛夫君) 速記を起こして。
    ―――――――――――――
#131
○委員長(玉置猛夫君) 地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡海自治大臣。
#132
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、その提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。
 明年度の地方税制の改正にあたりましては、地方税負担の現状にかんがみ、地方財政の実情を勘案しつつ、個人の住民税及び事業税の減税を中心として、負担の軽減合理化をはかることといたしております。
 以下、順を追って改正の概要について御説明申し上げます。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、住民負担の軽減をはかるため、課税最低限の引き上げを行なうこととし、昭和四十六年の所得税法の改正に伴う給与所得控除の引き上げのほか、基礎控除、配偶者控除及び扶養控除の額をそれぞれ一万円引き上げることといたしました。また、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額についても、一万円ずつ引き上げるとともに、障害者、未成年者、老年者及び寡婦についての非課税の範囲を、年所得三十八万円まで拡大することといたしております。
 このほか、中小事業者の負担の軽減合理化をはかるため、白色申告者の専従者控除の控除限度額を二万円引き上げることといたしております。
 その二は、事業税についてであります。個人の事業税につきましては、個人事業者の負担の軽減合理化をはかるため、事業主控除額を引き上げて六十万円とするとともに、白色申告者の専従者控除の控除限度額を二万円引き上げることといたしました。
 また、個人の事業税の申告手続を簡略化するため、個人の道府県民税の申告書を提出した場合には、個人の事業税の申告書を提出したものとみなすことといたしております。
 次に、法人の事業税につきましては、電気供給業にかかる関係道府県ごとの分割の方法につきまして合理化をはかることといたしております。
 なお、経済変動に伴う当面の緊急中小企業対策の一環として国税において繰り戻し還付の期間の特例が認められた個人または法人の純損失または欠損につきまして、住民税及び事業税において繰り越し控除期間の延長をはかることといたしました。
 その三は、不動産取得税についてであります。不動産取得税につきましては、海洋科学技術センターが業務の用に供するために取得する不動産にかかる不動産取得税を非課税とする等負担の軽減合理化をはかるとともに、農林漁業者の共同利用に供する特定の施設にかかる課税標準の特例措置等の適用期限を延長する措置を講ずることといたしました。
 その四は、娯楽施設利用税であります。娯楽施設利用税につきましては、ゴルフ場の利用について、道府県における課税の実情にかんがみ、定額税率によって課税するものといたしております。
 その五は、自動車税及び軽自動車税についてであります。自動車税につきましては、バスの標準税率について合理化をはかることとし、一般乗り合い用については年額一万四千円、その他のものについては年額三万円とするとともに、所有権留保にかかる自動車及び軽自動車に対して課する自動車税等について、自動車及び軽自動車の所在及び買い主の住所等が不明である等一定の要件に該当する場合においては売り主の納付義務を免除することといたしております。
 その六は、固定資産税についてであります。固定資産税につきましては、砂利汚水の処理施設その他の公害防止施設等を非課税とするほか、海洋科学技術センターが業務の用に供する家屋及び償却資産について課税標準の特例を設ける等負担の軽減合理化をはかるとともに、外航船舶の非課税措置及び自動列車停止装置等の課税標準の特例措置の適用期限を延長することといたしました。
 その七は、電気ガス税についてであります。気ガス税につきましては、電気にかかる免税点を八百円に、ガスにかかる免税点を千六百円にそれぞれ引き上げて負担の軽減をはかることといたしました。また、公衆のために道路等に融雪用として設置された施設に使用する電気に対しては、電気ガス税を課さないこととする等の措置を講ずるほか、綿紡績糸等に対する軽減税率の適用期限を延長することといたしております。
 このほか、地方税制の合理化をはかるための規定の整備等所要の規定の整備を行なっております。
 以上の改正により、昭和四十七年度においては、沖繩分を含む、個人の住民税におきまして七百五十六億円、個人の事業税におきまして二百三十四億円、電気ガス税その他におきまして六十三億円、合計一千五十三億円(平年度一千百三十一億円)の減税を行なうことになりますが、一方、国の租税特別措置の改正に伴い百四十二億円の増収が見込まれております。
 以上が、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその大要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#133
○委員長(玉置猛夫君) 次に補足説明を聴取いたします。佐々木税務局長。
#134
○政府委員(佐々木喜久治君) ただいま説明されました地方税法の一部を改正する法律案の内容につきまして、便宜お配りしてございます新旧対照表により補足して御説明申し上げます。
 新旧対照表は、地方税法の一部を改正する法律案関係資料のちょうどまん中辺にとじてございます。それをお開き願いたいと思います。
 まず、道府県民税の書いてございます一ページ、第二十三条の改正は、配偶者控除及び扶養控除の適用要件である配偶者及び扶養親族の所得限度額を引き上げようとするものでございます。
 次に二ページ、第二十四条の五の改正は、障害者、未成年者、老年者または寡婦の非課税限度額を現行の年所得三十五万円から三十八万円に引き上げようとするものでございます。
 同じく二ページ、第三十二条の改正は、白色事業専従者の専従者控除限度額を十五万円から十七万円に引き上げようとするものであります。なお、初年度である昭和四十七年度分につきましては、所得税の場合と同様に十六万五千円といたしております。
 次に四ページの第三十四条第一項第六号から九号までの改正は、障害者控除、老年者控除、控除及び勤労学生控除の額をそれぞれ一万円引き上げて、現行の九万円から十万円とし、特別障害者控除額を十一万円から十二万円に引き上げようとするものであります。
 次に第三十四条第一項十、十一号の改正は、配偶者控除額を現行の十三万円から十四万円に、扶養控除額を十万円から十一万円に、基礎控除額を十四万円から十五万円に引き上げるとともに、配偶者のいない世帯の一人目の扶養親族にかかる扶養控除額を十一万円から十二万円に引き上げようとするものでございます。
 次は事業税の改正でございます。七ページでございます。第七十二条の十七第一項の改正は、昭和四十六年、所得税について設けられました青色事業主特別経費準備金の制度を事業税においては適用しないこととしようとするものでございます。
 次に八ページ、第七十二条の十七第三項の改正は、白色事業専従者の専従控除限度額を十五万円から十七万円に引き上げようとするものであります。なお、昭和四十七年度におきましては十六万五千円といたしております。
 同じく八ページの第七十二条の十八の改正は、個人の事業税の事業主控除額を現行の三十六万円から六十万円に引き上げようとするものでございます。
 次に九ページ、第七十二条の四十八の改正は、電気供給業にかかる法人の事業税の分割について、課税標準額の総額の二分の一を事務所等の固定資産の価額に、他の二分の一を発電所の固定資産の価額に案分することにしようとする改正でございます。
 次に九ページから十ページにかけてでございますが、第七十二条の五十五の二の改正は、個人の道府県民税の申告書を提出したものは個人の事業税の申告書を提出したものとみなすこととしようとするものでございます。
 次は不動産取得税の改正でございます。一〇ページ第七十三条の四及び第七十三条の五の改正は、海洋科学技術センターの不動産等を非課税とするものでございます。
 次が娯楽施設利用税の改正でございます。一一ページから一二ページにかけてでございますが、第七十五条及び第七十八条の改正は、ゴルフ場の利用に対しては、道府県における課税の実情にかんがみ、定額税率によって課税しようとするものでございます。
 次が自動車税の改正でございます。一二ページから一三ページにかけてでございますが、百四十七条の改正は、バスの標準税率について、一般の乗り合い用のものについては年額一万四千円、その他のものについては年額三万円としようとするものでございます。一三ページ第百五十四条の二の改正は、所有権留保自動車について、自動車の所在、買い主の住所が不明である場合において、売り主が自動車の代金を受け取ることができなくなったときは、売り主の納付義務を免除しようとするものでございます。
 次が市町村民税の改正でございます。それが一三ページから一八ページにかけたところでございますが、市町村民税につきましては、障害者等の非課税限度額の引き上げ、各種所得控除の引き上げ等の改正は、道府県民税の場合と同様でありますので説明を省略させていただきます。
 次は固定資産税の改正でございます。一九ページでございます。第三百四十八条第二項第二号の七の改正は、道路の改築に伴い改良された地方鉄軌道の立体交差化施設を非課税としようとするものであります。同じく一九ページの第二号の八の改正は、地方鉄軌道業者が所有する一定の地下道または跨線橋を非課税としようとするものでございます。
 次に一九ページから二〇ページにかけてでございますが、第六号の二、第六号の四、第六号の六及び第六号の七の改正は、粉じんの処理施設、公害防止施設を非課税とするものでございます。
 次に二一ページ、第十八号の四の改正は、日本万国博覧会記念協会の固定資産を非課税とするものでございます。
 次に二三ページでございます。第三百四十九条の三第十七項の改正は、河川事業等により新設または改良された地方鉄軌道の橋梁の取りつけ部分についても課税標準の特例を適用しようとするものであります。
 次に二四ページ、第三百四十九条の三第二十三項の改正は、海洋科学技術センターの家屋及び償却資産について、課税標準の特例措置を設けるものでございます。
 次が軽自動車税の改正でございます。二五ページ、第四百四十九条の二の改正は、所有権留保軽自動車にかかる売り主の納付義務について、自動車税の場合と同様の取り扱いをしようとするものでございます。
 次が電気ガス税の改正でございます。二五ページから二六ページにかけまして、第四百八十九条の改正は、非課税品目について、焼成燐肥に燐酸液を作用させた肥料を削除し、無水フタル酸を加えるとともにアクリル酸を三年間の暫定非課税とするものでございます。
 次に二六ページ、第四百八十九条第四項及び第十項の改正は、道路等の電気融雪装置その他の施設に使用する電気等を非課税とするものでございます。第四百九十条の二の改正は、電気ガス税の免税点を、電気は現行の七百円から八百円に、ガスは現行の千四百円から千六百円にそれぞれ引き上げようとするものでございます。
 次は本法附則の改正でございます。二七ページから二八ページにかけまして、附則第四条第二項、第八条、第九条、この改正は、国税において繰り戻し還付の特例が認められた純損失または欠損金について繰り越し控除期間を、個人の住民税、事業税にあっては三年から五年に、法人の住民税にあっては五年から七年に二年間延長しようとするものでございます。
 次に二九ページ、附則第十一条の改正は、農林漁業者の共同利用施設及び農業委員会のあっせんに基づく交換分合による農地についての不動産取得税の課税標準の特例適用期限を延長しようとするものでございます。
 二九ページから三〇ページにかけまして、附則第十一条の二の改正は、市街化区域農地を譲渡した者が市街化区域外の土地を取得し、引き続き五年以上農地として使用すると認められるときは不動産取得税を減額しようとするものでございます。
 次に三〇ページから三一ページにかけまして、附則第十四条第一項の改正は、外航船舶にかかる固定資産税の非課税措置の適用期限を延長しようするものでございます。
 次に三一ページ、附則第十五条第二項の改正は、自動列車停止装置にかかる固定資産税の課税標準の特例措置の期限を延長しようとするものでございます。
 次に三三ページ、附則第十五条第六項及び第十項の改正は、特定地中配電設備及び電子計算機にかかる固定資産税の課税標準の特例措置の期限を延長しようとするものでございます。
 三三ページ、附則第十五条第十一項の改正は、大規模の償却資産にかかる固定資産税の市町村の課税限度額を算定する場合について、昭和四十七年度分の特例措置を講じようとするものでございます。
 次に三四ページ、附則第三十一条の改正は、綿紡績糸、毛紡績糸等及び紙の製造に使用する電気にかかる電気ガス税の軽減税率の適用期限を延長しようとするものでございます。
 以上でございます。
#135
○委員長(玉置猛夫君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#136
○委員長(玉置猛夫君) 地方行政の改革に関する調査のうち、昭和四十七年度自治省の施策及び予算に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#137
○和田静夫君 法制局長官にお尋ねをいたしますが、江戸川の「区長を選ぶ江戸川区民の会」、これがつくりました条例案の第二条、「区議会は、区長の候補者を定めるにあたっては、区民の意思を調査するため、あらかじめ区民の投票を実施し、その結果を尊重する」、こうなっているわけでありますが、この条例案は地方自治法二百八十一条の三に違反をしていますか。
#138
○政府委員(高辻正巳君) 御案内のように、自治法の御指摘の条項は、「特別区の区長は、」「特別区の議会が都知事の同意を得てこれを選任する。」ということになっておりますし、施行令にはそれに応じた規定がありますが、問題は、このいまの条例の当該規定が区議会の意思を拘束ないし制約して、区議会に区長公選の決定権を与えている自治法なり、あるいは施行令の規定に違反することになるかならぬかというのがお尋ねの点であり、それを端的におっしゃったのでありましょうが、その結果を尊重してというのは、やはり私どもが見れば尊重すべき拘束を受けることになるのではないかというような見方をせざるを得ないと考えております。したがって、自治法なり施行令の規定に違反する疑いがあるというふうに思います。
#139
○和田静夫君 ここで、実は忙しい法制局長官に来てもらったのですが、自治省は明確に違反をする、これは後ほど若干論議をもう少し続けますが、聞いていただきたいのですが、いま疑いがある、こういうことです。そこで、自治省の善い方というのは、住民が公選で、ある人の名前を区長候補者としてあげてしまう、そうすると現実に区議会はそれ以外の人を選べなくなる、したがって自治法二百八十一条の三に違反する、こういう答弁なんです。これは先日も私は指摘をしたんですが、法律解釈と現実論とがまさに混在をいたしております。こういう解釈について、一体どういう見解をお持ちになりますか。
#140
○政府委員(高辻正巳君) 法律の解釈というのは、まあこれは釈迦に説法かもしれませんが、法律の論理的意味を明確にするのが一つと、それからもう一つは、正当な行為とかあるいは公共の福祉とかいうような認識の問題がそこにまざる場合が当然にございます。したがって、法律の文理解釈あるいは論理解釈というような、文言だけにかかずらわってこの法規の解釈をすることはむろん可能でありますが、具体的事案について判断をするについては、やはりその規定に及ぼす一つの認識といいますか、そういうものを考えざるを得ない場合がございます。この自治省の答弁、じかに聞いたわけではございませんが、やはり尊重してということになれば、区民投票のことでもあるし、その影響力から考えて、単なる、尊重してということばだけでも、先ほど申し上げたように、この拘束的な性格を帯びるものであるということを申し上げましたが、その尊重するという点は、相手方、対象、それがまさにこの区民の投票であるということになれば、その尊重するというところに及ぼす影響力というものはやはり大きいだろう、そうすれば、一つことばで同じように尊重するといっても、その場合の尊重というのは、やはり相当拘束力をになった尊重にならざるを得ないではないか、こういうふうな意味合いで言われたのだと思いますが、そうだとすれば、それは間違いではないと思います。
#141
○和田静夫君 そうしますと、このいまあなたの解釈、まあ疑いがある。それから違反だということについては後ほどもう少しあれですが、あなたの解釈を含んで先日来の自治省的な解釈の上に立つならば、住民が一人ではなくて、二人、三人、四人というような形の、順位がつくかつかぬかは別として、ともあれ、三人とか四人の候補者の名前をあげて、それを参考にして区議会に示すというやり方が出てくる。これは違法ではないということになりますね。
#142
○政府委員(高辻正巳君) ともかくも、区議会が候補者の決定権を持つ、その決定権を持つという法律上の要請に対して、それをそこなうような結果になるかならないか、それがまさに問題の中心であるわけでありますから、何ら拘束的性格を持つものではないということになれば話はむろん別であります。
#143
○和田静夫君 したがって、たとえば中野区の場合に、住民の投票の結果を尊重して取り上げるか取り上げないかは区議会がきめることですからね。そういう形でもって二人、三人の候補者を住民が用意をする、そのことは現行法上許されている、そのことを何も否定するということにはならない、いま答弁にありましたように違法ではない……。
#144
○政府委員(高辻正巳君) 先ほどの御質疑の中には、尊重してというおことばがなかったのを私は注意深く聞いたつもりでございますが、ただいまの御質疑の中には、尊重してということばが出てまいりました。私は、その尊重してということばと、それから、前に自治省がお答えしたそうでありますが、それが区民投票というものの意向を尊重するということになれば、それは区議会が決定するという決定権に対して、これは大きな拘束になることはもう明白ではないかというふうに考えますので、やはりいまおっしゃった点については、私はいわば、あとで疑いがあるということばはお確かめになるそうでありますが、疑いがある、このように思います。
#145
○和田静夫君 そうなりますと、疑いがあるということばの中に、あなたは何を一体含めていらっしゃるのですか、自治省の側は違法だと、こう言っている。
#146
○政府委員(高辻正巳君) 何といいますか、であると言ったほうがわかりがいいのかもしれません。というのは、こういうものについて、実は内閣法制局が最終的な法律判断をして判定権を持っているわけではございません。法律的な最終決定権は、御承知のとおり法律問題としては裁判所が決定するわけでありますので、そういう意味合いで疑いがあると申し上げたわけでありまして、おまえの意見はどうだと言われれば、私は違法だと思うということを申し上げていいと思います。
#147
○和田静夫君 そういうことだろうと思うのです。したがって私は、疑いがあるという回答のほうが正しいと思うわけなんで、まあ自治大臣には後ほど聞きますが、はっきりさせる意味で、違法だと、こう言っているのだというのが大臣の前の答弁なんです。それについては後ほど法制局長官の見解を求めますけれども、いま言われたことなんだと思う、疑いがあるということ。
 そこで、そうなりますと、例の練馬の事案に対しまして東京高裁の判決ははっきりとこう言っているわけです。「右条例案が法及び令の規定に違反するものと即断するのも早計であるといわなければならない。」、判決でこうはっきり言っているわけですね。いま言われたとおり、その判断は裁判所でありますから、裁判所の判断はこうです、しかもこれは高等裁判所ですが、最高裁に対しては区側が上告していませんから一応有権的なものと認められる。こうなってきますと、これであるにもかかわらず、自治省が、準公選条例案を自治法違反であると即断する、こういうことはたいへんな行き過ぎだと私は思うんですが、自治大臣、いま法制局長官とのやりとりのいきさつからいって、自治大臣はそうお認めになるでしょう。
#148
○政府委員(高辻正巳君) 私も、実は正直申しまして、判例を平素から研究していたわけではありませんが、いま御指摘の個所は「法及び令の規定に違反するものと即断するのも早計であるといわなければならない。」、これは反面からいえば、条例案が法及び例の規定に適合するものと即断するのも早計であると言わなければならないということでありますから、何かこれは違反するものでないと言っているわけでもございませんので、その辺はお含みの上での御質疑だと思いますが、その点だけは一応申し上げておきたいと思います。
#149
○政府委員(宮澤弘君) 過日も私はお答え申し上げたわけでございます。これはもう和田委員御承知のように、この判決自身は、いわゆる区長の準公選というものが違法であるかないかということを直接判示をしているわけではありません。代表者証明書を交付をすることを争っておるわけでございます。判決の理由の中に、ただいま和田委員がお引きになりましたような個所があるわけでございますが、私、過日も申し上げましたように、この判決自身はいわゆる区長の準公選というものにつきましては、明確に判示をしておるわけでは私はないと思うのであります。ただいま和田委員がお引きになりました前の部分におきましては、今度のいわゆる準公選というものは、「いわゆる区長公選制と同様の結果を得ようとするもので、強行法たる前記法の規定するところを潜脱しようとするものではないかともみられるのであって、被控訴人がこれを条例で制定し得ない事項であるとしたのは、かなり理由があるようにも考えられる。」というような言い方もいたしておりますし、それから、いわゆる先ほど御指摘のような言い方もいたしているわけでございます。
 なお、過日も私申し上げましたように、いずれにしても、いわゆる門前払いを食わせるということはこれは違法であるということを言っておりまして、その理由といたしまして、そういう条例案が「区議会に付議されることとなった場合においても議会はなおこれが採択を拘束されるものでなく、議決の要なしとして全面的にこれを否決することができるばかりでなく、」云々というように判決理由の中にも述べているわけでございます。したがいまして、この高裁の判決自身が、いわゆる区長公選条例というものが適法であるということを明白に判示をしているということには私はならないと思うのでございます。
#150
○和田静夫君 先ほど私が申しましたように、法制局長官それを認められたわけですが、尊重するということばを使わずにいけば、たとえば三人とか四人とかの候補者を区民の側があげていって参考にそれを区議会に示すというやり方については違法ではない。これはまあ明らかですね、さっきの答弁で。
#151
○政府委員(高辻正巳君) 要は、さっきの繰り返しになりますけれども、区議会が決定権、候補者の決定権を持っておる、それについて拘束をすること、つまり区議会で決定権を持っておるわけでありますから、決定権は自己の裁量に基づいて決定すればいいわけで、それを法律が要請をしておるわけです。だから、基づいてということになれば、これは一番重いと思いますけれども、他人の意思に基づいてでありますから、これは典型的な拘束の一態様だと思います。尊重してというのも、やはり同様に、とにかく他人の意思を尊重してやりなさい、自分の意思だけで、確かに最終決定権は持っておるにしても、やるのは、さっき申し上げたような区民投票というようなことと関連して言えば、それがやはり拘束の結果をもたらすことはほとんど明らかではないかというような点から、いけない、違法であると思うということを申し上げました。かりに、どういうことばか知りませんが、もう何ら、たとえば住民がかってに人気投票でもやって、そしてやってみた、なるほどこういうものかなということでやるのなら、これは法律的な拘束状況ではございませんから、これは話が違うと思います。それを先ほど申し上げたわけであります。
#152
○和田静夫君 そうなると、住民が三人か四人か候補者名をあげて、それを参考に底議会に示すというやり方、それは言われるとおり違法ではない、こういうことですね。私はこの前、明らかにする意味で、違法なのだと、はっきりしておいたほうがいいのだと、それは政策的な判断ですから、その判断は了としているのです。しかし、実はここでこの前から取っ組んできたのは、厳密な意味で法解釈、法律解釈というものを実は迫っていたのです。いつもたいへん厳密な意味で解釈法的なドグマで言われる法制局長官が、きょうはたいへん現実的な意味で、論理的な部分よりも非常に幅広く言われておることにたいへんふしぎな思いにかられているのだけれども、その部分はおくとして、この問題について、なお都市問題その他のときに論議をしなければなりませんし、区長公選問題をめぐって前向きの検討のお約束もこの間自治大臣からいただいておりますから、それらの法改正の内容との関係で論議を続けていきますが、先日も申しましたように、いま答弁がいろいろありましたが、「こっちの法解釈が無理だということは、初めから承知だった。」――「こっち」というのは、私のほうではありません、自治省のほうですよ。「そうやって時間かせぎをしている間に区長を決めてしまおう、というハラだった。実際、高裁判決が出たときには区長が決ってしまっていたから〃区民の会〃が裁判に勝ったからといっても何もできなかったんだ」、これはちゃんと名前が載って新聞に載っているのですからね。この新聞、言ってみれば特定の人が述べているわけですよね。こういう形の自治省の最高幹部の発言ですが、これは私はその自己の職責を逸脱をしている、政治的効果をねらった一種の発言だ。こういうふうに思うのですが、こういう風潮というのは非常に問題だと思う。自治大臣いかがでしょうか。
#153
○国務大臣(渡海元三郎君) 具体的事例、いまお述べになりましたことについて、私、事実を存じ上げないものですから的確にお答えすることはできないと思いますが、私はあくまでもこれらの問題は、何と申しますか、それぞれの権限に基づいてはっきりすべき問題であって、そこに意図的な方法によって解決すべきものでないと、私はかように考えます。いま、いろいろございましたが、私はこの前にもお答えいたしましたように、条例が違法であるかどうであるか、この問題は、私はいま違法の疑いがあるということばで言われましたその疑いがあるということは、最終決定はこれは裁判所がなすべきものであって、最終決定権者でない法制局長官が表現することばとしては、違法の疑いがあるという意味で言ったのだ、その意味では、個人的な見解としては違法である、こう言われました。おそらく自治省もそういうふうに述べているであろうと、かように考えます。
 私は、法律の問題はそういうふうな解釈で、私、法律論に弱いものでございますから、ここでお答えもよういたしませんし、また述べようともいたしませんでしたが、私は、この種の問題の取り扱いについて私なりに考えたときに、この前答えさせていただきましたように、違法、違法でないを論ずる前に、少なくとも自治体の長を選ぶ方法といたしましては、法的疑義のないような法律をつくることが私たちの任務でなければならぬ。したがって、もしそれが必要とするのであれば、一刻も早くそういうふうな法律をつくるべきであるし、もしそれがいけないということになりましたならば、はっきりとまあ違法や違法でないという疑義が起こらないようにすべきである。いまの法律だけでそういうふうな条例をつくれば、区長公選というものも、準公選というような制度が認められるのだというふうなことであると、公選でない、やはり区議会の推薦で知事の同意でやるという現行法をもしとるとするならば、いまのような準公選の条例が、法律に疑いのあるような条例ができないような姿で、私は、いずれにしましても区長公選、区長を選ぶ方法というものは法的疑義のない姿の法律にすべきものである、こういうふうな個人的な見解を持っております。したがいまして、一つの手段を通じて、その間に政治的効果をあらわそうとしたというふうな意図は、少なくとも自治省の中においてとるべき態度でない、こういうふうに考えます。
 具体的な事例はわかりませんから直接の答えにならぬかと思いますが、私自身としては、この問題についてはそういうふうな見解で進んでおります。したがいまして、法的疑義がある問題でございますので、前にも申しましたように、いずれにいたしましても、前向きで取り組んで、そのような疑義の起こらないような姿にしたい。どちらにきまりますか、これは私たちよく慎重に検討させていただきたいと思いますが、そんな疑義の起こらないように、問題が起こっております以上、前向きで取り組んで、疑義の残らないように解決をいたしたい、これが私たちのつとめである、こういうふうに考えております。
#154
○和田静夫君 いま、私は、人名をあげて食言問題を追及しようと思えば安易です。自治省にとってもたいへんなポストにいらっしゃる方ですから安易です。しかし、きょうはあえてだれの発言であるかということは言いませんが、私が期待することは、そういう食言問題よりも、いま自治大臣が前向きに検討されると、こう言われました。その前向きの検討の結果が、何べんも言ったとおり、事情の変化が地方選挙で起こっているわけですから、野党の側が区議会に多数を占めるという議会も非常に多くなってきているわけですから、したがって、私が期待をするような方向で結論が出ることを期待をしながら、自治大臣としてそれだけ言われるのですから、あなたの任期中にひとつこれは手がけられませんか。任期中にこれを解決する、それぐらいの意気込みで仕事をされることをお約束できますか。
#155
○国務大臣(渡海元三郎君) 実は、これも和田さんに向かいまして率直にお答えさせていただきます。
 私の任期がいつまでありますかどうか、これは疑問でございます。まあ常識とするところでは、一国会一大臣という姿でないかと思います。私、区長公選の問題につきまして、区会議員の超党派の陳情を受けましたときに、私はここで答えますと同様に、前向きで取り組みますという答弁をいたしました。同時に、この国会において、この問題を政府提案の姿で検討する、提案すると、まあいま和田先生がそういう意味で申しておられるのでしたら、すでに法律、予定法案を提出した段階であり、その中に入っておりません。入れておりません。しかもこの問題は、そう早急にきめるような問題でなくして、都制のあり方全般を通じての検討の上に立って考えなければならない問題も含んでおる。そういうふうな意味合いから、前向きに取り組むということが、直ちに今国会に提出するということを意味するものではございませんので、その点は御了解賜わりたいということをはっきりとその際も申しておきました。ただ、私が前向きに取り組むと申しましたのは、事務当局に向かいまして、それらの検討をするように、私自身が答えると同時に、それぞれに慎重に検討すべき手順を踏むべきことを、ただいまから初めて御研究を願うという意味で、前向きに取り組むということをお約束したのでございまして、そういう意味でひとつお聞き取り賜わりたい、かように考えます。
#156
○和田静夫君 まあ佐藤内閣、言われるとおりこの国会で終わりでしょう。しかし、あなたはお残りになってもいいのですよ。私たちは区長公選問題について自治法の改正案を用意をするつもりです。したがって、その私たちの提出をするところの法律に基づいて、いま大臣が答弁をされたような形で前向きに対処してもらいたい。こんなものは初めから野党が出したものだから論議をする必要もないというようなことであっては、この前、きょう、区長公選問題について前向きの答弁をしていただいてきた、それがほごになります。そのことだけは十分に大臣に対して要請をしておきたい。自治省の皆さんが、こんなものこの国会で何も取り上げる必要はありませんというような形であなたに耳打ちをしましても、あなたは断固として、いや、これはやるべきだと、慎重にやるべきだというような形で、前向きの検討を要請をしておきたいと思います。
#157
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいま議員立法の場合は前向きで取り組めと、こういうことでございましたが、議員立法の扱いその他、これはむしろ政府当局でなくして委員会そのものがおきめ願うことであろうと思いますので、私たちは委員会が御審議なさる上におきましては、私たちの立場で参画しろという点につきましては、前向きで参画さしていただき、意見も述べさしていただく、このように受け取らさしていただきたいと思います。
#158
○占部秀男君 関連。
 いま和田委員から大臣のほうに区長公選問題についての要望というか希望も含めてあったんですがね。私もそれでいいわけなんですけれども、ただ大臣の答弁の中で、法律的な疑義の起こらないような形の、はっきりした形でこの問題の結着をつけることが大事じゃないかということを言われましたね。たとえば準公選運動のような、いまここで法的な解釈問題が起こるような、こういうことのないような形でやりたいと、そこが大事じゃないかということを大臣さっき言われておったと思うんですが、そうでしたかな。
#159
○国務大臣(渡海元三郎君) ちょっとことばが足らなんだかと思いますが、私が述べましたのは、自治体の首長を選ぶ法律というものは、準公選制度というふうなものが違法か違法でないかということが疑義があって論議されるというふうな姿のものでなくして、はっきりした規定でなければならぬ。その方法がいかなる方法にきまるにしてもはっきりしたものでなければならぬと、そういうふうな感覚で考えておりますと、こういう受けとめ方をしたんです。
#160
○和田静夫君 法制局長官ちょっと、もう一つ問題ありますからね。
 まず、この前の統一見解のことについて。
#161
○政府委員(皆川迪夫君) 今月の十六日の委員会におきまして私が答弁を保留をいたしておりました和田委員の御質問に対してお答えを申し上げたいと思います。
 御承知のように、自治省の職員には、その特殊な職責上、地方行政に対する深い理解と愛情とが必要とされております。そして、そのためには、若い時代から直接自治行政の体験を持つことが最良である、このように一般に考えられております。沿革的に見ますと、最初のうちは、自治体が自主的に採用した職員のうちからその推薦を受けて自治省が幹部要員として採用したり、あるいは自治省が独自に採用した職員を自治体にあっせんするという方法がとられておりました。最近では、あらかじめ自治体と自治省が協議をいたしまして、そうして国家公務員上級職採用試験に合格した者の中から自治省が適任者を選考し、これを自治体にあっせんし、自治体が直接採用するという方法がとられてまいりました。自治省と地方団体と共同の利益のために、共通の人材を採用し、養成をするという意味で生まれた慣行であると思います。問題は、このこうしたやり方の法律的な意味でありますが、この点について、昨年の決算委員会において岸前官房長が、このやり方は国家公務員法上の採用手続とは無関係のものであるというような趣旨のことを申し上げました。これは地方団体の職員を採用するという手続に着目した答弁でありまして、私はいささか正確さを欠いておったんじゃないだろうかと、率直に考えております。自治省における採用内定までの手続は、御指摘のように国家公務員法上の採用手続に従ったものでありまして、その手続に従って一たん採用に内定した者を、今度は自治省の職員として正規に採用することなく直接地方団体が職員として採用するようにあっせんする、こういうやり方をしておるわけでありますけれども、この点について、私は法律的には問題はないと考えておりますが、ただ何年もそういうことを繰り返しておるということは適当でないと考えます。したがいまして、来年度からはこれを改めてまいりたいと、かように思っております。
#162
○和田静夫君 「自治体が自主的に採用した職員のうちからその推薦を受けて自治省が幹部要員として採用したり、あるいは自治省が独自に採用した職員を自治体にあっせんするという方法がとられておりました。」、ここの部分についてですが、自治体が自主的に採用した職員のうちからですね、その推薦を受けて自治省が幹部要員として採用した例ですね。具体的に昭和何年にだれがどういう形でありましたか。
#163
○政府委員(皆川迪夫君) それにお答えする前に申し上げますが、自治省の職員は、まあ女子職員あるいは技能職員とを除きましては、ほとんど全部が、地方団体で採用をし、地方団体で経験をした者の中から、その人たちの希望なりあるいは本人の適性なり、こういうことを考えまして地方団体が推薦される、それを自治省の職員として受け入れる、こういうことで成り立っておるわけでございます。ただ、その中で、まあ実は初めから別に幹部要員であるとかいうことを区別をしているわけではありませんけれども、まあ地方の幹部要員として採用された方々、そういう方々はおいでになる際にやはりこれは幹部要員になるつもりでこられるのだろうと思います。私たちもそういう能力のある方であろうということで採用をすることがございます。それは別に、一般の方々と同じような採用手続でありまして、法律的には何ら幹部要員であるとかなんとか、あるいは一般職員であるとかという区別はないわけでございますけれども、まあ実質的にはそういう過程で府県が採用された方々の中から将来の自治省の幹部要員にもなれるだろうと思われる方を採用した事例は、私、はっきり手元には持っておりませんけれども、昭和二十三年、四年、五年、六年、そのころにかなり大ぜいおられるはずでございます。その方の中には、現在また自分の府県に帰られて部長なりあるいは副知事になられる、あるいはよその府県に行って部長になる、あるいは副知事になっておられる、こういう方もあります。一々名前は正確に記憶しておりません。
#164
○和田静夫君 自治省が幹部要員として採用したり、または――いま言われたように戦後の混乱期は別です。少なくとも、三十年以降においてこういう事例があるならばひとつここへ出してもらいたいと思いますよ。
#165
○政府委員(皆川迪夫君) 三十年以降は私ちょっと記憶がないのでありますけれども、あるいはちょっとあったかどうかはっきり存じませんが、ないように思います。それは一つには、状況が落ちつくと同時に、まあ給与上の問題とかいろいろな点もあろうかと思いますが、そういう希望の方々がだんだんなくなったという事情にあるのじゃないかと思います。
#166
○和田静夫君 いや、そういうことじゃなくてね、言ってみれば、戦後におけるところの民主的な要件というものが模索をされている時代にはいわゆる地方尊重という風潮があった。しかしながら、あなた方がね、行政組織その他を通じて支配統合を強めていこうという考え方が外的に見た場合に明らかになってくる段階から、幹部要員というのは上から下へ、こういうような形になってきている作用が三十年以降、いかにこういうふうに答弁をされても、あなたがここで答弁ができない、具体的な事例についてはありませんと言わざるを得ない、そういう事情になっているのですよ。したがって、そういう意味でこの問題というのは出てきている、根は。そのこと考えてみなければならない。自治体に対する天下り問題などというのは、発想的にいって、それは自治を破壊するというようなものが伴うから出てくるわけでしょう。そこら辺の反省がない以上は、これは、大臣、たいへんなことだと実は思うのです。ここの部分についてだけ、大臣、いかがですか。
#167
○政府委員(皆川迪夫君) まあ私から一応申し上げますが、先ほども申し上げましたように、実は、最初から幹部要員であるかどうかということを区分をしておるわけではないのでございます。まあ結果的に、幹部になられる方々も、中級幹部になられる方々も、いろいろあるわけでございます。三十年以後にも実は大ぜいの方が府県から自治省に採用になっておりますが、その方々は、まだ年齢的にも、経験的にも、そういう段階にきておらないということも一つにはあろうかと思います。それからまたもう一つは、自治省として地方団体に人材を求めても、なかなか給与の条件、勤務の関係ということから、そういう希望者がなくなっておるということも、率直に申し上げて事実であろうかと思います。
#168
○国務大臣(渡海元三郎君) いま和田委員の御質問の中から、たまたま和田委員が何を言わんとしておられるかということを私なりに受けとめまして、この点自治大臣どう考えるかという御質問になったと、こう考えましたので、私、質問のやりとりを聞いておりまして、その点答弁さしていただきますと、私自身、この問題は人事の交流といいますか、自治省の幹部になるべき者が、一回なり数回なり、少なくとも自治体運営のあり方を身をもって体験した者が自治省幹部として地方行政の全般の企画運営に当たるというのはこれは非常によいことであると、かように存じております。その意味におきまして、また地方自治体におきましても、他府県で経験を積んだ有能な者を自分の県へ、または中央において全般的な視野からながめた者が自治体において働くということも私はこれは決して悪いことではないと。ただ、その間に、中央の意図によって、中央の意図どおりに府県の行政をならすためにやったんだ、こういうことは、何と申しますか、中央統制的でよくはない。私たちは、おそらく三十年以後、国家公務員の試験その他が戦後の混乱期を過ぎまして整備されましたために、そういった安易な手続といいますか、そういった本質的な美点というものを、安易な手続によって、また中央でそれが確立をしたものでございますから、ややもすると中央から送り込むというふうな姿であらわれております。私たちは、そんなことを、これが中央支配だということを感じずにやっておるという姿でございますが、これを客観的にながめた場合は、あるいは、これがもしほんとうに和田委員が指摘されるように中央支配の姿になって、地方自治のかりそめにも侵害であるという姿であらわれてきておるのであれば、十分その辺は反省しなければならない一つの点ではなかろうか、かように存じます。少なくとも、自治省当局の者がそういった地方自治の侵害であるというふうな点を考えずにやった問題であるという点は、官房長の答弁の中から、私、うかがえます。ですが、客観的に外からながめられて、そういった事実が、意識はしておらぬけれども、そういうふうな形になってあらわれておるということであれば十分反省しなければならぬ問題である、こういうふうに受けとめます。
#169
○和田静夫君 大臣、かなり善意にいろいろお答えになっておりますし、その答弁、期待したいのですが、官房長、しからばこの名簿は一体何ですか。この名簿は一体どこで出しているのですか。どこで出ているものやら、値段は幾らのものやら、さっぱりわからぬのですがね、これは。
#170
○政府委員(皆川迪夫君) その名簿は、たしか内務省が解体をした後に、しばらくたってからだと思いますが、当時在職した人たちがどういう形でおられるのかなかなかお互いにわかりにくい。そういうことで、現状を年次別につくってもらいたいというような希望がございまして、各省それぞれ資料を取りまとめてつくっておったものでございます。その後、新しい人が新規にそれぞれの省に入ってくるに従いまして逐次追加をいたしております。
#171
○和田静夫君 どこでつくっていらっしゃいますか。
#172
○政府委員(皆川迪夫君) これは自治省が取りまとめております。
#173
○和田静夫君 これは部数、費用は。
#174
○政府委員(皆川迪夫君) ちょっと私よく存じませんので、これ、もし何でしたら後ほど調べましてお答え申し上げます。
#175
○和田静夫君 それじゃ、これは担当は自治省のどこで、何の費目から支出がされて、そしてどこに一体配られているか明らかにしていただきたい。
#176
○政府委員(皆川迪夫君) これは自治省の官房総務課でつくっております。
#177
○和田静夫君 あとのところは、ちょっと資料で……。
#178
○政府委員(皆川迪夫君) ちょっと私存じません。調べて、後ほどお答えいたします。
#179
○和田静夫君 後ほど出してもらえますか。
#180
○政府委員(皆川迪夫君) 調べまして、後ほどお答えを申し上げます。
#181
○和田静夫君 そこで自治大臣、たいへん前向きの御答弁をいただいたのですが、二百万人の地方公務員の中で、この名簿に記載されているわずかな人だけが特殊な扱いを受けているわけです。そうでしょう。したがって、私が言うところの論点が出るわけです。ここに記載をされているわずかの人、二百万の地方公務員の中のわずかな人です。一にぎりです。その人だけが特殊な扱いを受けるというのはなぜか、その根拠は一体どこにあるのですか。
#182
○政府委員(皆川迪夫君) 先ほど来申し上げましたように、自治省の職員は、全部地方から推薦を受けて勤務をしてもらっておるわけでございますが、自治省に勤務された方と、個々の地方団体に当初から勤務をされてずっとそこにおられる方、これとの間におきましては、ある面におきまして、私たちが全部同じように終始どういうふうにしておられるかということを調査をしておるわけじゃございません。自治省のほかの職員につきましても、地方にあっせんをしたりすることはございますけれども、そういう意味におきましては、全部の地方団体の職員について私たちのほうで名簿をそろえて、その方々の状況を把握をしておるということにはなっておりません。
#183
○和田静夫君 言ってみれば、ここに名簿に記載をされている方々、私は昭和三十九年のことを先日申し上げました。三十九年の採用組は自治省に一日もいなくて、ともあれ二十人は全部地方へ行きました。そして三年たって四十二、四十三年と一斉に本省へ帰りました。そして四十四年にまた――残る人は残っておりますけれども、それぞれの自治体のかなりのポストを得てこれらは天下って行った。昭和三十九年、一覧表にまとめたものがここにあります。ところが、この名簿を手に入れてから見てみますと、昭和四十年、四十一年、四十二年、四十三年、四十四年組も、それから四十五年組も四十六年組も大体同様です。二、三年いて帰ってくる。そして自治省にいて出ていく。こうなってきますと、自治大臣が先ほど前向きな答弁をされましたが、こういうような上からの人事計画に基づいて地方の人事というものが介入をされてきますと、下で非常に苦労をしながらきた諸君というのは、一般的に役人が云々といわれるような形の状態におちいる条件というものはこういう人事配置の中から出てくる。また、自治は、そういう意味では破壊をされる、こういうことに明確になるんです。一覧表にまとめてみました。
#184
○国務大臣(渡海元三郎君) いま和田委員の言われたような弊害の起こること、要素はあり得ると、私も率直に思います。しかしながら、人事交流という点は、私は自治省の要員たる人間の資格としても必要であろうと思います。それが地方にわずかに行っております間に、いま言われましたような地方自治体の行政を阻害するような、あるいはその自治体に採用され、その自治体で終わる者の昇進の道をふさぐような姿で自治が運営されるようであればこれはよくない。自治省の要員となるために地方を体験してくることもこれは必要でございます。同時に、そういった地方で体験していただいておること自身が、地方自治体の多数の、本来その県で採用され、その県で終わられる方々との調和がとれていく、地方自治をこわさないような姿で働くような場面こそ私はねらわなければならない問題であろうと思います。私自身、まあ代議士になりましてから、県会の職員とも、私は県に職を置きましたから、よく知っております。また、代議士になりましてから、自治省の諸君とも心やすくしていただきましたので、自分の県へ来ていただいておる職員もよく存じております。その間における、そういう摩擦が起きないように、私は、行っておられる方々の兵庫県における行動その他につきましても、それとなく観察し、それとなく見ていただいておるものでございますが、私は弊害ばかりのものでないと、かように考えておりますが、今後とも十分その点注意してやらなければならない。ただ、若い年次の者につきましては、私自身直接人事をやっておりません。したがって、いま和田委員が指摘されましたように、天下り的に地方の人事計画を無視して押しつけておるのであるか、私、決してそんなことやっていないと、かように考えますけれども、ただいま御指摘もございましたので、今後とも御趣旨に沿うように運営をやりたいと思っておりますが、私が関与するような人事に関する限りにおきましては、私は天下りと申すような姿で一ぺんも人事をやったことはございません。むしろ自治省で私の手助けとして、幹部職員として働いていただいている方も、本来、自治省の目ざすところは、各地方団体が円滑なる地方自治をやっていただくことが最も必要なことである、こう考えまして、私自身幹部として残っておっていただきたいような人材も割愛をしたという例も、一、二持っております。少なくとも、名前をあげずに自治省に要望された場合におきましても、少なくとも他から来ていただいて最も適任者であるという方をできるだけ名ざしでその方を割愛することにいたしましょうと、また、一任されたような場合も、その府県に最も適するような人を割愛するという姿で運営に当たらしていただいておりますので、この点だけはひとつ御了承賜りたいと思います。今後とも、私が関与せぬような行政のあり方につきましても、おそらくそういった意味での扱い方を次官以下、人事的にもやっていただいておられると思いますが、御指摘の点はよくわかりましたものでございますから、その趣旨に合うよう、この制度の運営のあり方を十分注意して行ないたいと、かように考えます。
#185
○和田静夫君 そこで、まず、この間の三十九年、きょう私があげました四十年以降の採用者、これを見ると、私はアマチュアですが、当然人事計画がありましょう。三年後にみんな帰っていらっしゃるというのは、人事計画がなかったならば帰ってくることにならぬでしょう。自治省に全部くつわを並べるということは偶然ですか。
#186
○政府委員(皆川迪夫君) 何年間か勤務をさした後に自治省に帰すかということについて、正確な計画というほどのものは必ずしもないと思いますが、おおむね三年前後で、第一線で経験をさしてもらって、それから本省に勤務をする、こういう一般的な取り扱いになっております。ただ、それから先になりますと、必ずしも計画……、一番最初の時期についてはある程度そういう気持ちを持ってやっております。
#187
○和田静夫君 行政局長急いでいるようですから……、実は大臣、私はここへ出てきて昭和四十四年三月十八日の本委員会で人事計画があるだろう、出してくださいと言いました。言いましたら、当時の宮澤官房長は、人事計画はありません、いま官房長は人事計画がある方向をお認めになりました。私は出たばかりの国会議員でありますから、あのときだまされたのだろうと思うのですが、人事計画がなくて、自然にまずこんなことになるわけがないわけです。したがって、私はその人事計画というものはやっぱり出してもらいたい。明確にあります。行政局長急いでいらっしゃるようですから、このことを要求いたしておさます。
#188
○国務大臣(渡海元三郎君) 長年の慣行によりまして、下部組織につきましては三年くらいしたら本省へ帰る、また、他の府県へ行くというふうなこと、初めの機会におきましては、いま和田委員御指摘のように、三年たったらみな帰ったのじゃないかというふうなことがありますが、計画という姿でそれを行なっておるものじゃなくして、それが長年の慣行で、大体この程度の期間をとれば、また、中央の空気を吸うて、また適当な自治体に行くという姿で、お互いが認め合ったような姿でやったのじゃないか。したがいまして、個々の姿において、自治体に必要とするときは、計画があるからというふうな姿で帰してくるというふうな意味の計画というものは持ち合わせず、長年の慣行でそうなっているのじゃないか、その意味では、計画がないというお答えをしたのではないか、かように考えております。私自身、自分の県で、そういうふうな姿で兵庫県ではやった。ところが、数年たたずしておそらく中央へ帰られるのじゃなかろうかと思われるような方で、そのまま兵庫県にとどまりまして最高幹部になっておられ、むしろ県職員もみなこれは中央に籍がある者じゃというふうな感じを受け取らず、行政になじんでおられるというふうな方も一、二をとどまらず知っております。そういう姿で運営されておるのが実態でなかろうか、かように考えます。
#189
○政府委員(皆川迪夫君) いまの点にちょっと補足いたしますと、私、先ほど、一般的にそういう形になっているのが多い、これはある程度私たちも予想してまいります、こういうことを申し上げましたが、これは基本的に申し上げますと、私のみならず、前官房長時代からたびたび申し上げておりますけれども、共通の人材として採用した、こういう気持ちがあるわけでございます。ただ、人にはいろいろ向き向き、持ち味がございます。中央に非常に向かない人もございます。地方に行ってそこが非常に……、まあぜひ終生やりたいという気持ちを持たれる方もございます。したがって、採用されたまま、ついに自治省には戻ってこない、府県にずっとおられる方ももちろんございます。それはその人のある意味においては希望を若干そんたくする、それから府県の事情を考えるということにいたしているわけでございまして、個人的に見れば、かなりその間に差はあるわけでございます。ただ、大勢的に見れば、三年くらいたったところで本省に帰ってこれる機会があるんだと、こういう感じは持っておられるんじゃないか、こういう意味で申し上げたわけでございます。
#190
○和田静夫君 法制局長官待っていますから、これあまりやっててもあれですが、こうしましょう、妥協として、三十九年の私一覧表をつくってみましたけれども、昭和三十一年以降、表にまとめてください。三十一年から四十六年までの採用者。そうすれば歴然としてありますから。あるとかないとかいう論議じゃなくて、それを資料としていただきたいと思いますがよろしゅうございますか。
#191
○政府委員(皆川迪夫君) 後刻提出をいたします。
#192
○和田静夫君 行政局長帰られるのはいいですけれども、ロブソン報告はほかの人がやられるわけですか、答弁は。さっき残っているやつは。
 そこで、「あらかじめ自治体と協議の上」ですが、この協議というのは、いつ、だれとだれの間で行なわれるのか。
#193
○政府委員(皆川迪夫君) 毎年国家公務員の採用試験が行なわれますころに、これはまあ随時いろんな機会に、ことしは若い職員をよこしてくれと、こういうような話があるわけでございますが、正式には、次官名をもちまして各知事あてに、御要望があれば、ことしは法律職はこういう形になっている、行政職はこういう形になっているというような連絡をいたしまして、その府県で御希望の職、これは全部実は御希望の職種をごあっせんできる事情にはございません。二年に一ぺんぐらい回ってくるところも多いかと思いますが、そういう連絡をとりまして、そしてあっせんをしているということでございます。
#194
○和田静夫君 そうしますと、その連絡は文書でとられているわけですか。
#195
○政府委員(皆川迪夫君) そのとおりでございます。
#196
○和田静夫君 そうしましたら、その文書を資料として要求いたしましょう。そして、その協議結果は当然文書で上がってきていましょうから、三十九年組なら三十九年組、何年度組、どちらがいいですか、つまり三十九年組で……、それじゃその資料、返答の資料……。
#197
○政府委員(皆川迪夫君) 全部文書にはなっていないのもあるかもしれません。私は文書になってみるのを見ておったわけでありますけれども、口頭で申し入れがあったというものもあると思います。
#198
○和田静夫君 ともあれ、その文書であるのを、それから口頭であるのは資料として出していただけますか。
#199
○政府委員(皆川迪夫君) 後刻提出をいたします。
#200
○和田静夫君 昨年の決算委員会において、岸前官房長が、国家公務員法の採用手続とは無関係のように言われたのは、地方団体の採用手続に着目した答弁であって正確さを欠いていたようであります。そこで、この部分について、あの岸発言、岸答弁のどの部分がどのように正確さを欠いていたのか。正確さを欠くという言い方は、全く間違いではないが、正確な言い方ではないということでしょうから、岸答弁のどの部分が間違いなのか。それを正確に言い直すとどういうことなのか。あいまいな言い方ではなくて、これは大臣きっちり答えてもらいたいと思うんです。
#201
○政府委員(皆川迪夫君) 三月十九日の和田委員の御質問に対して、これは採用すべき者が何人であったかというような御議論から進んでまいったわけでありますが、前回、前々回の委員会において和田委員から御指摘がありました個所であります。「私どもはその国家公務員の上級試験に合格されました人、この試験に合格されたという一つの事実に着目いたしまして、その中から地方公務員を採用いたしているわけでございまして、国家公務員法上の採用すべき数、あるいは国家公務員法に言う名簿の提示とは別のものと理解をいたしております。」、こういう答弁の個所でございます。この点が、あるいは当時の官房長の中にちょっと波乱があったのではないかと思いますが、御承知のように、地方公務員法には、職員を新規に採用をする場合に、当然各人事委員会が採用するわけですけれども、それを共同で採用したりあるいは国に委託をして採用することができる、こういう制度が設けられておるわけでございます。自治省が扱っておりますのは、その法律上の委託に基づいてやっておるものではございませんけれども、そういう実質上の御要請に応じましてあっせんをしておるということでございまして、そういう事情が頭の中にあって、地方公務員を採用しておるのであって、これは国家公務員の手続ではない、こういうことをお答えになったのだろうと思うのです。そこで、その点は正確を欠いたのじゃないか、十分に言い尽くしていなかったのじゃないかと私は判断をいたしたのであります。そこの点で、どこが正確でないかという点でございますけれども、人事院から候補者名簿を提示を受ける、それを一応内定をする、この段階までは、実は国家公務員法上の手続によっておるわけでございまして、この点は前回人事院の局長からお答えになったとおりでございまして、したがってその点については岸答弁は正確でなかったと、こういうふうに思っておるわけでございます。
#202
○和田静夫君 そうしますと、この昨年の決算委員会での岸前官房長、彼の答弁によりますと、地方公務員に任用された者に対し、三カ月間自治省において研修を行ない、その研修期間中国家公務員に併任されているということであるが、と答弁されております。この部分は、きょうの統一見解の中では取り消されているわけですか、いないわけですか。
#203
○政府委員(皆川迪夫君) これはそういう事実は別に取り消しておりません。そのとおりでございます。ただ、その点については、直接のことではないと、私はこの間の人事院の局長の答弁と岸前官房長の答弁との食い違いというふうに理解しましたので、その点は関係ないと思って触れなかったわけでございます。
#204
○和田静夫君 そうなりますと、ここが取り消されないということになりますと、この併任ですね、あなた方、併任、併任と言われているわけですが、この併任は一般職国家公務員の身分を有しない者を任用するわけですね。そして国家公務員法上は採用すると、そうすると、国家公務員法の三十六条一項ただし書き、及び同条二項による手続がどうしても必要になる、こういうふうに思うのですが、この手続はとられていますか。
#205
○政府委員(皆川迪夫君) 国家公務員法上の併任と申しますのは、国家公務員の職を持っておる者を他の職にあわせて任命する。つまり同じ国家公務員の中の二つの職をあわせて発令をするという手続でございます。地方団体の職員と国家公務員というものを同じ人に任命するという形式は、実はこれは別個なそれぞれな法律なものでございますから、そういうことを予定した規定はないわけでございます。ただ、国家公務員法の中には、他の職にある者をいまの併任をするという場合のいろいろな条件がございます。たとえば任命権者が違っておる場合にはその同意が必要であるとか、あるいは本務に支障がないというような条件が幾つかあるわけでございます。ただ、法律にない地方公務員と国家公務員の併任でございますので、しかし、実体はやや同じであろうと思うのです。そういう意味におきまして、私のほうでは国家公務員の併任に準じたような取り扱いをいたしましておるわけでございますが、したがって、いまお話のように、国家公務員法上の併任の手続はとっておらないわけでございます。
#206
○和田静夫君 そうですからね。したがって、その併任の問題についての手続がとられていない併任なんですね。もっとあれしてみますと、たとえば人事院規則の八−一二の九条、地方公務員の職に「現に正式についている者をもつて補充しようとする官職でその者が現についている職と同等以下と人事院が認めるものであり、かつ、選考による採用について人事院の承認を得たもの」とありますね。この場合に人事院の承認を得ていますか。
#207
○政府委員(皆川迪夫君) これは採用の場合でございます。国家公務員として新規に採用する場合の規定でございます。ただ、現実には、先ほど来申し上げておりますように、地方公務員の中から国家公務員に採用する者は全部でございます、そういう場合には全部承認を受けております。それから併任については、国家公務員法上の併任の規定ではありませんので、その手続はしておりません。
#208
○和田静夫君 少し進めておきますけれども、そこはたいへん疑義があります。
 自治省において三カ月間研修を受ける期間中、国家公務員として任用されているわけですね。そうすると、その官職の職務と責任の内容というのは一体何なのですか。
#209
○政府委員(皆川迪夫君) 研修を受けている職員は、地方公務員におきましては新規採用でございますから、その職務の内容と、国家公務員としての同じような新規採用の職員でございますので、一般事務でございますから、これは大体同等の仕事をしておるということになろうと思います。
#210
○和田静夫君 これは法制局長官どうなんですかね。そういう官職が、いま言ったような官職が自治省設置法その他の法令上存在をしますか。
#211
○政府委員(高辻正巳君) 和田委員は、ただいまの問題について、いろいろいままでの答弁等とあわせてお尋ねのようでございますが、実は私、その中身を全然承知しておりませんのと、それからものごとの、事案の中身について全然承知しておりませんので、この点については、もう少し自治省当局から話をよく承ってからでないとお答えをするわけにはまいらぬと思います。それはお許しを願いたいと思います。
#212
○和田静夫君 法制局長官から答弁がないと実は進まないんだけれども、これぜひ検討していただいて、また、次の機会にでも答弁いただくようにお願いします。
 いま官房長が答弁をされたような官職というのは、定員外の官職として認められるんですか。
#213
○政府委員(皆川迪夫君) これは地方公務員として本務を持っておって、もちろん給与も地方団体から受け取るわけでございます。ただ、地方公務員としてある期間研修をさせたほうがいい、その研修としてはいろんな手段があるわけですけれども、この場合には、国家公務員の仕事を研修をさせる、こういう意味で、現場研修といいますか自治省においてこの仕事を研修させる。こういう取り扱いでございまして、定員外といたしております。
#214
○和田静夫君 外と言ったんですか。
#215
○政府委員(皆川迪夫君) 外でございます。
#216
○和田静夫君 それじゃ、人事院に対して一定の数を出したときには、自治省というのは、一体自分のところで定員が欠けているんですか、満ちているんですか。
#217
○政府委員(皆川迪夫君) 自治省が人事院に対して新規採用を何名ぐらいいたしたい、こういう要請をいたします場合には、もちろん、その採用の時点において定員がどうなるかという とはあろうと思いますけれども、その段階においては、自治省の職員として採用できたらしたい、こういう気持ちでおるわけでございます。
#218
○和田静夫君 もう一ぺん言ってください。
#219
○政府委員(皆川迪夫君) 先のことでございますので、小さな世帯でございますから、常時たくさんの欠員をかかえておるわけではございません。
 なお、追加しますと、もちろん四月にやめる人もあって、その時点において採用できるということもあり得るわけであります。
#220
○和田静夫君 ここの部分の討論を、後ほど法制局長官の返事を聞いてからもう一ぺん煮詰めます。そこをちょっと調整しておいてもらいたい。ぼくはよく理解できませんから、少し考えてみます。
 いままでのところを要するにまとめてみますと、自治省の言い方によりますと、自治省職員としての採用のための国家公務員法上の手続が採用内定の段階で一ぺんストップするわけですね。そうして採用内定者を自治省の職員として採用するのではないわけですね。採用しないで、直接地方団体の職員として採用するようにあっせんをしている、こういうものだということなんですね、そういうことですね。
#221
○政府委員(皆川迪夫君) 結果的にそうなっておるわけであります。
#222
○和田静夫君 結果的であろうが何であろうが、問題は、言われたとおり、計画的にそれをやっているから問題になる。
 そこで、昨年の三月十九日の決算委員会での任用局長の答弁。「自治省のほうで」「採用を内定されるわけです。そうして最終的には、採用になっていきますと、そのうちからこれこれこれを採用したという名前の連絡をいただきまして、私どものほうは採用候補者名簿から採用になったということで削除する、こういう手続を踏んでいく、それで名簿からは消えていくと、こういう形になっていくわけでございます。」ということなんです。これは「採用になっていきますと」というのは、仮定の問題を言っているのではなくて、手続が進行して採用となり、その段階でという意味ですよ、これは。としますと、この自治省の言い方と人事院のこの答弁とは、統一見解を出されましたけれども、やっぱりまだ食い違っているわけです、食い違っているのが明確ですよ。
 で、たびたびこの問題で三回ぐらいごまかされてきましたから、ここでごまかされてもまたかというぐらいに麻痺していると思われるなら、これは大きな間違いですよ。私はなかなか麻痺しないで、きょうはごまかされずにおこうと思っているのです。
 大臣、私がこの問題を取り上げて自治省がいま半分ぐらい取り消された答弁があったでしょう、統一見解で。ところが、これを取り消されたのは三月十九日の決算委員会だけの問題ではないんですよ、私の言っているのは。その前の昨年五月二十一日にこの地方行政委員会で同様のことがあったわけなんですよ。そのときも私は自治省と人事院の矛盾を同じく指摘しているのです。ところが、自治省はこれに対してどう答弁をしたかと言いますと、政府委員岸昌君ですが、「人事院が国家公務員法の五十六条に基づいて提示をしておる上級職試験合格者の名簿である、こういうふうに解釈をいたしております点につきましては、なお私どもの実際に行なっておりますところと実情に合わない点もございますので、この点につきましては人事院と十分調整をいたしまして、日本政府の意見としてそごのないようにいたしたいと、かように考えておる次第でございます。」――「日本政府の意思としてそごのないようにいたしたい」と私に約束したのです。ところが、自来一年、何ら自治省と人事院との間ではこういうふうな約束をして調整をされると言っておりながら調整をされてこなかったんです。で、私はその間ごまかされたんじゃないか、ないかと思いながら何べんも読み返し、ほかの文献なんかにも目を通しながら、この前の委員会の発言になったわけですね。この自治省のその場のがれ、その場のがれで答弁をされている、たいへん官僚的技巧には敬服をいたしますが、しかし、そんなことがいつまでも続くと思われたらたいへんなんで、確かに私はアマチュアとしての国会議員ですが、プロとしての官僚が答弁技術であしらうというのはたいへんです。残念ながら、法制局長官はっきりした御見解を述べられませんでしたが、いま私が読み上げましたように、昨年の地方自治法の審議のときにも実はやりとりがあったんです。単にアマチュアとしての私に対する侮べつではない、委員会全体に対するところの官僚的答弁技術の侮べつだと思う。しかも佐藤内閣になってからの審議の中で起こっているわけです。そして、いま明らかに、人事院と自治省の見解の相違が明らかです。ですから私は、久しぶりに地方行政委員会に総理に来てもらって、この問題の解明をしたい、佐藤総理に来てもらって。佐藤総理の出席を要求いたします。
#223
○国務大臣(渡海元三郎君) 総理の出席を御要望でございましたが、これは委員会のほうで後刻御協議願うんじゃないかと思いますけれども、ただ、前にそういうふうな答弁をしておきながら、私はその後に責任者となったものでございますけれども、いま申されましたように、一年間決着をつけずにおったということに対しましては、これは後任者としての責任がございますので、私いまやりとりの答弁を聞いておりまして、私自身事実は知っておりますが、それが法的にどういうふうになっているかという点、いま少し法に照らしての任用のあり方、職務のあり方、事実は私は承知いたしておりますけれども、その点私自身も法律に照らしてのそのしっかりした御答弁ができないことをまことに遺憾に思いますが、それらが現行のおそらく法改正の中では少し無理なような姿であるからそうなんだ。そうなれば必要とするなれば、法の解釈のできるような範囲にとどめなければなりません。もし、これが必要であれば、そういうようなことができるように人事院その他にもお願いいたしまして法改正をしていただくという姿で決着をつけたい。いずれにいたしましても、人事院と統一した見解のもとに処置ができますように検討をさしていただきまして、答えました責任を果たさしていただきたいと、かように考えます。御了承賜わりたいと存じます。
#224
○委員長(玉置猛夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#225
○委員長(玉置猛夫君) 速記を起こして。
 本件に関する本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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