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1971/03/31 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第8号
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1971/03/31 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第8号

#1
第068回国会 地方行政委員会 第8号
昭和四十七年三月三十一日(金曜日)
   午前十時四十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     若林 正武君     鬼丸 勝之君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         玉置 猛夫君
    理 事
                寺本 広作君
                増田  盛君
                占部 秀男君
                河田 賢治君
    委 員
                鬼丸 勝之君
                片山 正英君
                塩見 俊二君
                柴立 芳文君
                高橋 邦雄君
                鍋島 直紹君
                原 文兵衛君
                安井  謙君
                神沢  浄君
                小谷  守君
                和田 静夫君
                上林繁次郎君
                藤原 房雄君
                中沢伊登子君
   衆議院議員
       地方行政委員長  大野 市郎君
   国務大臣
       自 治 大 臣  渡海元三郎君
   政府委員
       運輸省航空局監
       理部長      住田 正二君
       自治政務次官   小山 省二君
       自治大臣官房長  皆川 迪夫君
       自治省税務局長 佐々木喜久治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○航空機燃料譲与税法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○地方税法の一部を改正する法律案(第一六号)
 (衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、若林正武君が委員を辞任され、その補欠として鬼丸勝之君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(玉置猛夫君) 地方税法の一部を改正する法律案(閣法第二六号)を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○占部秀男君 きのうは、今回の税改正と地方財政の問題を主としてお伺いしたわけですが、きょうは、簡単に法案の内容について二、三疑点を明らかにしてもらいたいと思うわけであります。
 そこで、道府県民税と市町村民税の問題でありますが、今度基礎控除をはじめ、だいぶ控除がされるわけです。そこで、今度のこの控除を一応したあと、まあ例の四人の標準家庭ですか、これの課税最低限は幾らになりますか。
#5
○政府委員(佐々木喜久治君) 給与所得者につきましては、夫婦子供二人の世帯におきまして、課税最低限が八十万四千八百七十一円、それから事業所得者の場合には、態様によって若干異なりますけれども、青色申告者の場合で事業専従者がいない場合五十六万二千七百七十八円、白色申告者につきましては五十三万四千六百三十九円、事業専従者が一人おります場合には、青色申告者が七十二万六百十八円、白色申告者につきましては五十六万四百十二円ということに相なります。
#6
○占部秀男君 そうすると、今度の政府案では、給与所得者の場合は八万円までは上がらないわけですね。幾らになりますか、標準家族で。
#7
○政府委員(佐々木喜久治君) 給与所得者の場合、ただいまの事例でございますと、課税最低限の上げ幅が七万六千七百八十円、それが率にいたしまして一〇・五%でございます。
#8
○占部秀男君 国のほうはどうなっておりますか。
#9
○政府委員(佐々木喜久治君) 所得税の課税最低限は、ことし課税最低限の引き上げが行なわれておりませんので、四十六年の追加減税分の平年度化が行なわれるということだけでございますので、課税最低限の上げ幅がいまの世帯で三万四千円程度の上げ幅でございます。
#10
○占部秀男君 いや、最低限の、総額にして……。
#11
○政府委員(佐々木喜久治君) 昭和四十七年の場合に、百三万七千八百六十円というふうになっております。
#12
○占部秀男君 これは国の税金の課税最低限と地方税の課税最低限とが機械的に並ばなければならぬという考えは、われわれは持っていない。やはり国のほうの税金の性格、そして地方税の性格と機能ということを考えますと、多少のズレがあることはやむを得ないと考えておるんですが、問題は、ズレの幅の問題です。いま、局長のお話で国のほうは百三万七千八百六十円、そして地方のほうは、今度課税最低限の引き上げを行なって、つまり各控除の額の引き上げを行なって八十万四千八百七十一円、ここにはちょうど二十万の開きがあるわけです。それで、実は、この二十万の開きというものは相当大きなものだと思うのですが、従来、この委員会でもほとんど一年ごとに課税最低限の問題が取り上げられておる。まあひどいときは、確かに二十万以上の開きがあったときがあると思いますが、たいてい十六、七万のおりに、これは開き過ぎるんじゃないかということで、あの当時はまあやり合ったはずですが、今度こうなると、今後ますますこの開きは逆にふえていくのじゃないかという感じを持つんですが、その点はいかがですか、将来を考えて。
#13
○政府委員(佐々木喜久治君) 最近の年度におきまして、所得税におきましても、この課税最低限の引き上げの幅は非常に大きくなっております。住民税におきまして、できるだけそれに対応いたしまして、その幅を広げないように、できれば近づくようにというような努力を重ねてきたところでございまして、率から申しますと、大体昭和四十年前後のころは、所得税の課税最低限と住民税の課税最低限の比率が大体七〇%前後であったと思うのでございます。それが現在の段階におきましては、おおむね八〇%程度までの開きに縮まってきておるということで、住民税としましては、地方財政の状況もございますけれども、できる限りの努力はしてきたつもりでございます。ただ、現在の状況から見まして、この差が八十%程度のところでいいのかどうかという点につきましては、なお問題のあるところでございますけれども、一面におきまして、住民税が各市町村の税として徴収されております。その場合の市町村の中における住民税の負担をどの範囲の人たちに配分をするかということになりますと、やはり市町村のいわば地域的な経済格差の関係から、やや問題のある市町村も出てきておるということも事実でございます。こうした点をにらみ合わせながら、できる限り負担軽減という方向での検討は、今後とも、さらに進めていくべきものというふうに考えております。
#14
○占部秀男君 自治省がここ十年あまり、この国のほうと地方との格差の問題について非常な努力を払っておる。この点は、われわれも了としておるんです。問題は、地方財政の制約があるからということで、金の、財源の面からこれが縛られるという傾向がやや最近あるんじゃないかというふうにわれわれは考えて、問題点をいま出しているわけです。少なくとも、財源問題は財源問題として、税の負担の公平という税の大原則からいくと、少なくとも国の税と地方税との格差の大きな点については、好ましくないことはこれは明瞭なんですから、したがって、財源問題は財源問題として別にして、この最低限の格差の是正にはつとめていかなければならない。かように私は、まず方向として考えるんですが、その点は次官いかがですか。
#15
○政府委員(小山省二君) お説のとおり、課税の公平な原則からまいりまして、その格差ができるだけ縮小されなければならぬことは御指摘のとおりでございますが、まあ私どもは、財源問題も皆無とは考えておりませんが、原則として、地方税の性格というものがそのような姿になっておるのではないか。言うならば、できるだけ地域社会の費用を住民がひとしく分担してもらう、所得のいかんを問わず多少のそういう費用を住民が負担をするという、そういう地方税法の特殊的な性格から私はさような結果が出ておるのではなかろうかと考えております。しかし、最近の国民経済の実態等を考えまして、できるだけ早期にこの所得と住民税の課税最低限の幅を縮小するように、今後とも、自治省としては全力をあげて努力をいたしたいというふうに考えております。
#16
○占部秀男君 いまの地方税が応能的な性格を持つということについては、次官の言われた点、わからないわけじゃないんですが、ただ、問題は、格差の開きがあまりにも大きいと、応能問題に籍口して、結局大衆課税になっていくという点をわれわれは心配しているわけです。
 そこで、念のためにお伺いしたいのですが、今度の課税最低限の引き上げによって該当する納税者はどのくらいにおよそなる予定ですか。もちろん、はっきりと何人まで出せと言っても無理ですけれども、今年度の場合と明年度のこれによる場合と、両方ひとつ明らかにしてください。
#17
○政府委員(佐々木喜久治君) 昭和四十六年度の課税状況の調査によりますと、所得割りの納税義務者数が二千九百八十五万人でございます。これに対しまして、昭和四十七年度の納税義務者は、減税前におきまして大体一〇%の増と見込みまして、その数が三千二百八十三万五千人、減税後におきまして三千二十四万人、約三十九万人の増というふうに推定いたしております。
#18
○占部秀男君 ところで、国の所得税の納税者の数はどのくらいになりますか。四十六年でも四十七年見込みでも、どっちでもけっこうですから。
#19
○政府委員(佐々木喜久治君) 所得税の統計におきましては、源泉分と申告分の重複が若干ありますようで、所得税の調査によりますと、四十六年度の納税義務者が二千九百七十八万人ということになっておりますが、住民税におきまして、これを重複分を除きまして計算いたしますと、所得税の納税義務者が二千四百八十四万人というふうになっております。大体住民税におきまして合算した重複分を除いたほうが所得税の納税義務者としては正確ではなかろうかと思っております。
#20
○占部秀男君 いまの比較からわかるように、四十六年度分を例にしても、地方税のほうは三千万に近いわけですね。国税のほうは二千五百万人に近い。五百万だけ地方税のほうが、つまり課税最低限だけの問題じゃないでしょうが、多い。つまり納税者の対象として、所得の低い人がそれだけよけいかかっておるということに簡単に言えばなるわけですね。もちろん、応益という関係もあるから、その点についてのいろいろな問題点もあるとは思いますけれども、いずれにしてもそういう状況であるということは、やはりこれは小額所得者、低額所得者に万べんなくかかっておるという意味で、せめて課税最低限だけはもっと格差を縮めるようにしなければならぬじゃないか。私は、一〇%程度は、これはいろいろあると思うのですけれども、少なくともいまのお話では二〇%の格差があるわけですね、こういう点については、自治省としてこれは早急に改めてもらいたいということが一つ。
 それからもう一つは、改める方法として、ぼくは、納税者、国民が期待を持てるようにするためにも、やはりこれを改めるのだということを大きく打ち出せるように、たとえば年度計画を立てるとか、三年なら三年で一〇%の格差――一〇%ときまったわけじゃないのですが、これはぼくの希望ですけれども、少なくとも一〇%の格差くらいのところまではいく、こういうような三年計画なり何年計画をしてやる、そういうふうな点も打ち出してもらえれば低額所得者は非常に希望がわいてくるわけなんです。同時に、低額所得者で非課税範囲の中に入る、課税されない、こういう人たちも自分でわかるわけですから、いわゆる減税問題の中でもこれはもう相当な大きな問題になると思うのですが、そういう点は自治省としてはどうですか。ざっくばらんなことをお聞きしたい。
#21
○政府委員(小山省二君) 御趣旨のような線に当然われわれも努力しなければならないわけでありますが、何と申しましても、地方自治体にとっては最も有力な財源でもございますので、したがって、この課税最低限を引き上げましたためによる減税分、そういう財源の確保というものを一応われわれは十分考えながら、それらのように今後改善をしていかなければならぬというふうに考えておりますので、当然税制調査会の答申等をまちながら、国と地方との税財政、それら一貫した考えの中でこうした問題を処理していきたいというふうに考えております。
#22
○占部秀男君 次に、同じ税金の問題ですが、今度の改正では、いわゆる二十四条の五に出ている「障害者、未成年者、老年者又は寡婦」についての非課税の範囲、これを拡大をしているわけですね。現行の三十五万円ですか、これをたしか三万円ぐらい上げていると思うのですが、それでいいですか。
#23
○政府委員(佐々木喜久治君) 二十四条の改正は、現行三十五万円の限度を三十八万円に、三万円の引き上げを行なっております。
#24
○占部秀男君 どうも私はこの点が納得できないんですが、三十八万円という金額になぜしたか。三万円の非課税範囲の拡大をなぜしたのかという、こういう基準が私たちにはわからない。というのは、やっぱりこれも減税だから、並べて幾らかつけなきゃならぬのじゃないかということで、どんぶり勘定で三万円の非課税範囲の拡大をしたんじゃないかというそういう気持ちがするのです。なぜかというと、障害者の場合もそうですが、特に老年の方々、寡婦の方々、こういう人が内職をしたって、いまもうインフレで物価が高いですから三十八万円ならば月三万円、その程度のことはだれだってやっているわけですね。いっそ、こういう控除の非課税の範囲をきめるならば、もっと親切に、これらの人たちの実態というものを、生活実態というものをよく調査して、そして特に老年者、寡婦、未成年者をなぜ一般の個人の納税者と分けたか、こういう意義が、非課税範囲の中で明確に実っておる、その程度の範囲を、何と申しますか、だれが見てもなるほどと思うところぐらいまで抜本的にこれは変えるべきじゃないかと、かように考えるのですが、その点についてはいかがですか。
#25
○政府委員(佐々木喜久治君) この三十八万円は、所得で三十八万円ということになりますので、これをたとえばパートタイム等での給与所得で計算をいたしますというと、大体五十九万円、年額五十九万八千円ぐらいというような数字になってまいります。この辺の数字でございますと、未成年者等が最初に就職をいたしますと、大体就職の年度、さらにその翌年度ぐらいは、住民税の場合に、大体いまの給与の水準からいいますというと非課税の範囲の程度のものというふうに考えております。そういうことで、この数字、はたしてこれでいいかどうかという点は確かに問題でございますけれども、課税最低限が大体一〇%程度の引き上げを行なうということとのバランスをとりながら、これを給与所得に換算いたしますと、一二、三%の引き上げになるかと思っておりますが、そういうことで一応三十八万円というふうにきめさしていただいたわけでございます。
#26
○占部秀男君 おそらく、ぼくは、未成年者の初任給というか、初めての所得を中心にして答弁するんじゃないかと思ったから、私は未成年者に触れていないんですよ。老年及び寡婦と言っている。未成年者はともかくとして、未成年者を省いてぼくは言ったつもりなんです。確かに、いま局長の言われたことも一つの基準でしょうけれども、未成年者の場合と、それから老年、寡婦の場合とを実体的に同じように取り扱うところにぼくは問題があると言うんです。それをあなたに言いたいために、私はもっと生活の実態というものを調査して、それに見合うところの非課税の範囲というものをこの際抜本的にきめていく考えはないか、かように質問したわけです。
#27
○政府委員(佐々木喜久治君) 老年者並びに寡婦の場合におきましては、さらにこの計算のほかに老年者控除、寡婦控除の計算が行なわれますので、いまちょっと数字の持ち合わせございませんけれども、課税最低限の数字は、先ほど申しました五十九万八千円の数字から、その控除額に見合う所得分だけ、たしか引き上げになるはずでございます。それは未成年者の場合よりは、現実的には高いところにまで非課税になるということになっております。
#28
○占部秀男君 またどうせこの問題は、別の問題として私は質問をしたい点があります。老後保障の問題その他に関連をして質問したいと思いますから、いまの御答弁でけっこうであります。
 そこで最後に、今度の道府県民税の改正では、道府県民税の税率、所得割りの税率ですか、これはこの委員会でたびたび問題になっていたはずの問題ですが、これには手をつけていないんですね。私は、いまきめられている現行の百五十万以上が四%ですか、百五十万以下二%、この百五十万以下の二%の問題は、一応所得割りの性格からしてそのままおくとしても、百五十万以上が一律課税になっておる、こういう点はどうしても納得できない。それは、もちろん国の所得税のように超過累進ですか、これを極端にとれとは言わぬけれども、やはり道府県民税の場合にも、所得割りには所得割りとしての筋があると私は思うんです。少なくとも、百五十万以上の所得には、これは四%と一挙にやらずに、三%から刻みをつけて、三つや四つは上がっていくような形のやり方をとるべきではないか。いまのやはりインフレ経済のもとでは、特にそういうことが必要なんじゃないかというふうに考えるわけです。ですから、地方財政の将来を考えても、やはり税源問題ということを考えると、どうもそういう気がしてしようがないんですけれども、今度これに手をつけなかった原因はどこにあるのか、また、将来はどう考えておるのか、この二点をお伺いしたい。
#29
○政府委員(小山省二君) いま先生から御指摘のように、百五十万以上についての段階の問題でございますが、将来、市町村民税の関連もございますが、お説の方向でひとつ検討をさしていただきたいというふうに考えております。
#30
○占部秀男君 次に、法人関係の問題ですが、道府県民税あるいは市町村民税の中で法人関係、まあ私は社会党だから法人というと何でも大企業と受け取られる、こういうような考え方で言っておるわけではないんですよ。府県と市町村の政治、この政治が果たしているサービス、そのサービスを受ける法人企業、こういう観点からこの質問を行なっているつもりなんですが、私は、高度成長政策以前と以後では、地方行政、地方政治から受けるサービスは、法人関係については非常にふえているんじゃないかというふうに考える。たとえば、公害の問題一つとりましても、公害関係の市町村あるいは府県等の使っておる費用、この費用の中には相当企業関係として受け持っていいようなものも入っているんじゃないか。それは非常に多くなってきておる。いろいろな公共施設の場合もそうであります。したがって、この法人税割りの問題についても、これはもう一ぺん洗い直す必要があるんじゃないかというふうに考えたんですが、今度の改正はこれには手をつけていないわけですね。この点、税務局長にお伺いしたいんですが、これはもうこのまま手をつけずに当分おくんですか、どうですか。私は、いまの市町村の政治、府県の政治のサービスの状況から見て、これは手をつけるべきだというふうに考えておるんですが、どうですか、その点は。
#31
○政府委員(佐々木喜久治君) 今度の改正で法人税割りに手をつけなかったといいますのは、御承知のとおり、現在、法人税におきまして一・七五%の付加税率が課せられております。これが昭和四十六年度限りで一応租税特別措置のほうがおしまいになるということで、この税率を租税特別措置法の規定のとおりこれをやめるか、あるいはまた、これを継続するかというような問題がありましたわけで、私どもとしましては、もしやめるならば、その分はひとつ地方税のほうにいただきたいという希望を非常に強く持っておったわけでございます。しかし、これは国税との関係におきまして、国税のほうも税収入が非常に不足をするということで、結局国税として存続をするということに最終段階になりましてきまりました関係もありまして、私どものほうでそれに対して立候補する機会もなくなりまして、結局取りやめになったわけでありますが、昨日もお答え申し上げましたとおり、法人税割りにつきましては、基本的には現在の法人所得課税というものが、国、地方あわせまして、はたして、この程度でいいのかどうかという問題がございます。私どもとしましては、他の国に比べましても、わが国の場合には法人所得課税がやや低いのではないか。そういう意味におきましては、若干のものはなお法人所得課税を強化することが可能であろう、そういう段階におきまして、何とか地方団体の法人所得課税をふやすという方向で検討していくべきであろう、そういうことが可能ではなかろうかという感じは持っております。この点につきまして、ひとつ本年の税制調査会等におきまして十分検討していただきまして、私どもの考え方も率直に申し上げまして、御審議をいただくように努力してまいりたい、かように考えております。
#32
○占部秀男君 なるほど、そういう事情があったということを聞きまして、今回これが出されていないことについては納得します。しかし、自治省としてもそれにかかりたいという気持ちは持っておるわけですから、これは十分国のほうの情勢を見きわめて、ひとつ万遺漏のないようにやってもらいたいと思うのでありますが、重ねて次官からその点について決意のほどをお伺いいたします。
#33
○政府委員(小山省二君) ただいま局長からお答えを申し上げましたとおり、地方財政の確保というような問題につきましては、そのつど両院からも御決議を願っておりますことでございますので、できるだけ早く、国、地方を通して、一貫してひとつそういう問題を解決いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#34
○占部秀男君 次に、事業税関係です。これは私もそのほうが便利だし、そちらも答弁するのが便利だと思うので提案理由の説明の順序に従って私はやっております。
 この事業税の事業主控除、これは個人事業者ですね、これを六十万円にする、こういうようなことを今度やるわけですが、六十万円ということになると、国の所得税を払わなくて済むような人までこの中に包括されるようになるんじゃないかと私は思うのですが、その点はいかがですか。
#35
○政府委員(佐々木喜久治君) 事業主控除を三十六万円から六十万円に引き上げることによりまして、従来、事業税の納税義務の中で、所得税の納税義務を負わないで事業税の納税義務を負っておった人たち、こういう人たちが、その中の約七割の方が事業税の納税義務を負わなくなることになるわけであります。それからまた、所得税の納税義務を負っておりまして、なおこの六十万円の控除によりまして事業税の納税義務を負わなくなる人もあるわけでございまして、この両方合わせますと、大体納税義務者数が全体として三分の一減少するというようなことに相なります。
#36
○占部秀男君 いま一番初めの納税義務者、所得税のほうの義務は負わなくて、個人事業税のほうの義務を負っている人はその中の七割と言われましたが、そういうことですね。
#37
○政府委員(佐々木喜久治君) そうです。
#38
○占部秀男君 そうすると、いまのその段階の人たちだけ全部あれをするには、所得税を納めなくて、納付するまでに至らない人たちを全部対象外にはずということになると、どのくらい引き上げなければならないのですか、三十六万から。
#39
○政府委員(佐々木喜久治君) 実は、この問題非常にむずかしい問題でございますけれども、所得税の課税所得の計算は、扶養控除その他各種控除がございまして、家族構成によって非常に差がございます。事業税は、事業に対する課税でありますので、いろんな所得控除がございません。そういうことで、必ずしもこれは課税所得の計算が所得税と合わないものでございますから、百万以上に引き上げましても、なお所得税の控除失格者が事業税の納税義務者に残るという例は、少数ながらあるわけでございまして、その段階になりますと、所得税の納税義務者が今度は事業税の納税義務を負わないという人の数が相当ふえてくるということになってまいりまして、その辺が、この事業税と所得税は、直接にこれを比較をするということは非常にむずかしいと思っております。
#40
○占部秀男君 局長の出された答弁は、それは確かに事実そういうものがあるだろうと思うんですが、これは、まあ何でも原則には例外があるということばがあるので、例外は確かに私はあると思うのだが、あまり例外的なものまで取り組むと何にもできないことになるのですが、少なくともいまの七割か九割とか、あるいは一般的に妥当な意味で九割とか九割五分までは、とにかく普通の家族構成の人たちならあれができるのだというところまで引き上げるとしたら、そういう家族構成なんかを、平均の基準というのですか、標準家族構成ですか、そういうことに引き伸ばしていけば、ある程度計算が、そうむずかしく考えずにできるんじゃないですかな。
#41
○政府委員(佐々木喜久治君) この事業主控除額を百万円ということにいたしますと、控除失格者が九七%まで落ちてまいります。あと、七十万から百万の間をきざんでまいりますと、それぞれのパーセンテージが出るかと思いますが、いま手元にありますのは百万のケースがございますので申し上げるわけでありますが、大ざっぱに見まして、大体八十五万程度のところで九〇%ラインじゃないだろうかという感じがいたします。
#42
○占部秀男君 そこでね、私は、個人事業者でも、非常に大きな事業者はこれは別にして、一般的にいわゆる個人事業者というのはまあ零細、中小が多いわけですね。その零細、中小の人たちが事業税――個人事業税と、それからいわゆる所得税も払っておるということになると、二重課税的などうも性格が強いんじゃないかと。つまり、所得税のあり方と事業税のあり方では、いま局長も言われるように、所得税は生活実態というものを重く見るので、扶養控除その他いろいろな問題があると。事業税は、事業だから、これは一本やりだと。こういうふうに性格が違う。その性格の違うところが、案外、両方かかることによって、ごっちゃになってくるのじゃないかという感じがするのです。
 で、所得税を払わなくていいということは、それだけ、所得税を払うに至らないだけの家族含めての生活が低いということなんですね。ところが、一方では、事業をしておるということで、事業だということから、やっぱり事業税を払わなくちゃならない、こういうことになってくるわけですから、その払う国民は、自分の生活実態は一つです。その一つの生活実態の上に基礎を置いて、片っ方は所得税を払うまでの豊かなというか、まあ所得税を払っていたからといって豊かとはいえないんですけれども、まあまあ払える程度の生活である、低所得の人は十分払えない生活である。ところが、事業税のほうは、そんなことにはおかまいなしだと、これじゃどうも私は納得できないので、やはりいまあなたが言われたように、相当高額者もこれは全部重複を避けるということになるというから、そういう点はある程度考えるとしても、少なくとも、九割くらいまでは、そういうことのないようにしてやらぬと、その人の生活がもっていかないのじゃないか、こういうふうに思うんですよ。特に個人事業税を払ういわゆる零細な人たちですね、そういう点は何とか改善する余地はないのですか。きよう、すぐにといったって、それはなかなかできないでしょうけれども。
#43
○政府委員(小山省二君) 確かに、所得税、事業税を同一人が納めるという意味からいうと、そのような感じもするわけでございますけれども、御承知のとおり、事業税は、その事業を行なう、活動を行なうにあたって、いろいろその地域からの行政サービス等も受けます関係もありまして、言うならば、事業の経費の一部として、事業活動を行なうその経費の一部として分担をしてもらう。したがって、その所得から起こる所得税の課税とは、性格が私はかなり違ったものではなかろうか。言うならば、事業経費の一部として納めてもらう経費でございますから、その事業から起こる所得だけで必ずしも制限をするということよりも、広くやはり負担の一部を分担をしていただく。こういう立場に立って、それぞれ課税の制度が定まっておるわけでありますが、しかし、そこにあまり大きな数字の開きがあるということも好ましいことではございませんので、できるだけ、その格差を縮めるという方向で、今後も税制改正に当たりたいというふうに考えておる次第でございます。
#44
○占部秀男君 次に、不動産取得税の問題ですが、「農林漁業者の共同利用に供する特定の施設に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長する措置を講ずる」、こうなっておりますが、これは適用期限はあれは何年でしたかね。
#45
○政府委員(佐々木喜久治君) 本年の三月三十一日、きょうまででございます。
#46
○占部秀男君 私も、この共同利用に供されておる特定の施設というものは、一、二は知っているけれども、実際問題として、農林漁業関係はあまり知らないのであれですが、この中で延長する必要のものも確かにあると思うんですが、もう延長しなくてもいいんじゃないかと、対象によっては、というものもあると思うんですよ。おそらく、これはどういう施設がこの特例措置の対象になるかということは、政令か何かで出ておると思うのですが、そういうように選別する必要があるようなときになっているのじゃないか。これは実際問題として、調べたわけではありませんのであれなんですが、この特定の施設というものは、おもにどういうものがなっておるのですか。
#47
○政府委員(佐々木喜久治君) この範囲は政令できめられておりますが、その政令の内容は、水産業協同組合、農業協同組合、あるいはこれらの連合会、農事組合法人、森林組合あるいは森林組合連合会が保管、生産または加工の用に供する家屋ということになっておるわけであります。その前提には、これらの施設の取得について、政府の補助を受けた施設ということが頭にかぶっておるわけでございます。したがって、そうした施設が、その農林漁業関係の行政面から見て、大体効果を果たしたという場合におきましては、当然補助制度が廃止になるであろうということを前提にいたしまして、国の計画に基づいてそうした補助を受けている施設については不動産取得税のほうも特例を認めていこうと、こういう制度でございます。
#48
○占部秀男君 わかりました。それから、今度電気ガス税の免税点が変わるわけですね。そこで、この変わる中で、公衆のために道路等に融雪用として設置された施設に使用された電気に対しては電気ガス税は課さないと、こういうことなんですが、これは融雪用の施設というのは、これはどこでどういうふうに認定して、一口に言えばどういうようなものなんですか。
#49
○政府委員(佐々木喜久治君) これは豪雪地帯におきまして、道路に、道路そのものをあたためて雪を溶かす施設、それからまた消雪溝といいますか、みぞをつくって、そこで雪を流して雪を消す。そのための動力用に使います電気という、こういう二種類の内容を含んでおるというものでございます。
#50
○占部秀男君 最後にこれはお聞きをしておきたいんですが、料理飲食等の何というか、料理飲食税というんですか、消費税というんですか、あれは取ったものを何か国と県と市町村とで一定の割合で配分をしているようになっておるんですか、あれは。
#51
○政府委員(佐々木喜久治君) 料理飲食等消費税につきましては、これは府県税でございまして、これを市町村に配分をするという制度はございません。ただいまそういう制度がございますのは、娯楽施設利用税のうちゴルフ場にかかる娯楽施設利用税が、ゴルフ場の所在市町村に三分の一配分をされるという制度がございます。
#52
○占部秀男君 私は、そういうことをちょっと聞いたもんだからおかしいなと思って念のために尋ねたんですが、そうですが、わかりました。
 それじゃひとつ、いままでの質問で私の質問は終わりたいと思うんですが、特に私の質問の中で最低限の、課税最低限の引き上げの問題、さらにこの老齢者及び寡婦についての非課税範囲の拡大の問題など、相当次官のほうからも検討していただくようなお話の問題点があったわけです。この点また引き続いて次の国会なり何なりですね、いろいろお聞きしたいと思いますが、ひとつ早急に、なるべく早い機会に問題が決着がつくように御努力を願いたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。
#53
○和田静夫君 時間の関係がありますし、予算委員会との関係もありますから、答弁を簡単にしていただく意味で、きょういただきました資料を、取り扱いとして速記録に載せていただく、こういう形にしていただきたいと思うんです。
 都道府県の税収入と市町村の税収入に関してそれぞれの歳入中に占める割合、これを昭和四十年度以降いただきました。したがって、この自治省がお出しになった数字に間違いないと思いますから、間違いないことが確認できるのならば、このまま速記録に私の質問によって載せていただきたいと思います。よろしいですか。
#54
○政府委員(佐々木喜久治君) けっこうでございます。
#55
○和田静夫君 そこで、いただいたのを見てみましてやっぱりそうだと思ったのですが、昭和三十年ごろは都道府県で税収の割合は二五、六%、それから市町村で四五、六%、こういうことであったんですね。それが、これで明らかなように、現在ではこういう割合に変わってきています。そうすると、これは交付税の歳入割合が高かったことと対照的な関係にあるわけではありますが、やはり市町村税が伸張性に乏しかった、こういうふうに考えますが、いかがですか。
#56
○政府委員(佐々木喜久治君) ただいま御指摘のとおり、都道府県税と市町村税を比べてみますと、ただいまの資料にございましたように、府県税の歳入に占めるウエートが以前に比べますというと一〇%をやや上回るくらい比率が上がっておって、市町村税が逆に一〇%くらい下がってきておるということは御指摘のとおりでございまして、この点は、確かに現行の市町村税収というものがやや伸張性に欠けておるという点は、府県税に比べますと確かにわかるわけでございます。ただ、もう一点違っておりますのは、都道府県税の場合には、市町村税に比べますと、やはりその当時における、いわば昭和三十年代から四十年代にかけましてのころにおきましての都道府県の財政の実態から、市町村税に比べると、より多くの新しい税目が追加をされてきておる、あるいはまた、国税から移譲を受けてきておるというようなことで、都道府県税についてある程度の増強措置もとられている、こういう観点から、都道府県税の場合には、市町村税に比べますと、その伸張性と相まって、そうした措置もとられてきておる点で、税収入の割合が次第に上がってきたということも言えるだろうと思います。
#57
○和田静夫君 次に、道府県税収の地財計画上の見込み額と決算額、市町村税の計画上の見込み額と決算額、これを昭和四十年以降四十五年まで資料でいただきました。これも間違いがなければこのまま答弁として速記録に記載をしていただきたい、よろしいですね。
#58
○政府委員(佐々木喜久治君) けっこうでございます。
#59
○和田静夫君 さらに、この道府県の基準財政収入額の中の税にかかる分、それから市町村の基準財政収入額中税にかかる分に、これをそれぞれの基準税率で割り返すと幾らになるかという問いを発しておきましたが、これもけさほどまとめていただきましたから、数字上間違いがなければ、昭和四十年度から四十五年度までの数値としてこれも記録にとどめてよろしいですか。
#60
○政府委員(佐々木喜久治君) けっこうでございます。
#61
○和田静夫君 そこで問題は、その地方交付税の配分額ですが、かつて道府県一〇に対して市町村分は四くらいの配分割合であったのですね。現在では、これが私は一〇対六ないし一〇対七くらいになってきたと思うのですが、そう認識してよろしいですか。
#62
○政府委員(佐々木喜久治君) 昭和四十年の段階におきまして一〇対五でございます。それから四十一年から四十三年にかけましては大体一〇対六の割合になっております。それから四十四年が一〇対七、四十五年が一〇対八、四十六年が一〇対九、こういう割合に、次第に市町村の割合が高くなってきております。
#63
○和田静夫君 そこで、市町村に対する交付税の配分を厚くするということはけっこうなことでありますが、しかし、これらの措置は基準財政需要額への算入方法の改善によって行なわれたもので、収入額の算定方法について改善を行なった結果ではないように思われます。いま、先ほど来いろいろ出てきた数字、この数値の比較からいうと一覧してみてそういうふうに思えるわけです。どうもここらに税収入額の算定方法に実態に合わないところの面があるような気がしてなりません。本来なら、もっと市町村に交付税が配分されることになると思うんですが、いかがですか。
#64
○政府委員(佐々木喜久治君) 確かに御指摘のとおり、最近におきまして、市町村の交付税額がふえてきておるということは、特に、市町村の財政需要の伸びというものを交付税の基準財政需要額の計算に反映さしてきたということが非常に大きい理由になっておると思います。ただ、基準財政収入額の計算の場合に、市町村と府県と比べましてどうかということになりますと、御承知のとおり、府県の場合には税収見込み額の八〇%、市町村の場合には七五%という割合になっておるわけでございますので、基準財政収入額の計算が市町村にとって不利になっておるということはないだろうと思いますが、ただ、現実の問題として、基準財政需要額に市町村の非常に多様化しておる行財政の需要額を十分に反映できたかどうかという点の問題があるわけでございますので、そういう意味で、この収入額の算定割合というものが違っておるというふうに私どもは理解しておるわけでありますが、特に、府県と市町村を比べた場合に、はたして市町村が不利かどうかということになりますと、ちょっとこれは意見が分かれるかと思いますが、私どもは、そう不利になっておるというふうには考えておらないのでございます。
#65
○和田静夫君 まあこの点、きょうは時間がありませんから、私自身ももう少し検討して、交付税法の審議のときにさらに深い論議をしてみたい、こう思っております。
 そこで、大都市税源の充実については占部さんからも論議がございましたように、いつもこうした税法審議の際に附帯決議がついて、そして地方制度調査会もその必要性を答申をする、こういうことになっているんですね。ところが、この付せられた附帯決議あるいは地方制度調査会の必要性の答申、こういう線に沿って、一体自治省は何をしたのかと問いたいわけですが、これは東京都出身の次官、いかがですか。
#66
○政府委員(小山省二君) 地方都市財源、特に大都市財源の確保につきましては、逐年新しい税源を求めまして新税の開発をはかっておることは、先生御承知だろうと思うのでございます。特に、昨年来より事務所、事業所税等につきましては、内部においても鋭意検討を加えております。残念ながら、まだいろいろの点でこれを立法化する段階にきておらないわけでございますが、少なくとも、できるだけ早い機会にこれらの税体制を整備いたしまして、一日も早く御審議をいただきたいというふうに考えておるわけであります。私どもは、もちろん税制の面からも検討を加えなければならない面も多いと考えておりますが、いずれにしても、国と地方の事務配分その他根本的に国税、地方税、そういう問題を総合して大都市財源というものがどういう地位にあるべきかということを検討しなければならぬもはや段階にきておるのではないか。特に、最近大都市における公害、交通問題等を考えた場合、思い切った財源付与をしない限り、これらの問題はなかなか解決が困難ではなかろうかというふうに考えまして、十分内部でも御指摘のような点を体しまして、できるだけ早くそういう方向で改善をはかってまいりたいというふうに考えております。
#67
○和田静夫君 従来、実は自治省自体がどのような具体的態度で解決、前進のために臨もうとしているか、あるいは努力をしようとしているかよくわからない面があったのですが、税務局関係者の手で書かれたこの昭和四十六年度の「改正地方税制詳解」、これを見て、大体、ようやく考え方の大ワクがわかるような気がしました。これをもう少し突っ込んでお聞きをしたいのですが、一一一ページから一一二ページにかけて、少し長いのですが、ちょっと私は重要だと思うので読んでみますけれども、「指定都市はその区域内の国、府県道を管理するほか、市町村立定時制高校教職員の給与を負担し、さらに、地方自治法第二百五十二条十九の規定によつて十六項目にわたる事務配分の特例を受けており、一都道府県の事務を処理している。そのため、現在でも地方道路譲与税、石油ガス譲与税、自動車取得税交付金、交通安全対策特別交付金の配分譲与に当つて特例措置が講じられているほか、軽油引取税交付金が交付され、また、大規模償却資産にかかる同定資産税の課税について一般市町村とは異なる扱いを受けている。また、地方交付税の算定においては、前記十六項目の事務配分の特例その他行政権能が異なることによる財政需要、さらには大都市としての行政の質および量の差を考慮しての財政需要がかなり手厚く盛り込まれている。しかし、地方交付税による措置には自ら限度があり、やはり税制上の特例をもつと幅広く認めるべしとの主張が強いわけである。上述の各種の意見のうち、道府県民税個人均等割の市町村民税への統合は、税制簡素化にもなるが道府県の性格付けと関連して慎重に検討さるべきである。所得割、法人税割の移譲については、将来の道府県財政の見通しをつけた上で検討さるべきものと考える。料理飲食等消費税については、賦課徴収の現況から一般市町村に移譲することは疑問である。不動産取得税は、地域的には年度間によつて収入の変動が著しいので一般の市町村への移譲は慎重に判断されるべきである。自動車税は道路整備費との関連上一般の市町村への移譲は考えられない。道府県たばこ消費税については、将来の道府県の財政の見通しの上に立つて市町村への税源移譲の可否を検討すべきであろう」。
 要するに、ここに盛られていることは、道府県民税個人均等割りの市町村民税への統合は慎重に、それから所得割り、法人税割りの移譲については検討、料飲税は疑問、不動産取得税は慎重に判断、自動車税は考えられない、道府県たばこ消費税については検討、こういったぐあいです。そこで、自動車税のようにだめだとはっきり言っていたり、疑問として否定的なものは一応わかるのですが――いや、あなた方の考えはわかるのですが、あとは、きわめて微妙な表現があって、どっちを向いているのやらさっぱりこれを読んだのではわからぬわけです。どっち向いているかさっぱりわからぬ部分について、もう少しはっきりさしてもらいたいと思うのですが。
#68
○政府委員(佐々木喜久治君) この表現の中で慎重に検討さるべきである、あるいは慎重に判断さるべきであるというところに書いてありますのは、やはり都道府県の財政収支の見通しをつけてということになっておるわけであります。これは確かに、その前提としては、都道府県も含めての事務配分の問題あるいは税源配分の問題というものを前提にしながら、そうした、特に税源配分というものが、都道府県についても見通しがつけられる場合には、それはその関連において、その性格上、必要があれば、これらの税については市町村財源の移譲も考えられるということを表現しておるものと思っております。
#69
○和田静夫君 その辺、局長の答弁もたいへん苦しいところだと思うんですが、一ぺんこれ、はっきりもう少し整理をする必要があると思うんですよ。われわれももちろん意見を述べますがね。きょうのことにならないのは非常に残念ですけれども、ただいまの税法が終わったって、交付税の中でも、一ぺんこの辺論議をしておく必要があると思っております。それに譲ります。
 そこで、きょう明らかにしてもらいたい部分は、いま私が読み上げた「道府県民税個人均等割の市町村民税への統合は、税制簡素化にもなるが道府県の性格付けと関連して慎重に検討さるべきである。」、この「道府県の性格付け」とあるこの部分はどういうことですか。
#70
○政府委員(佐々木喜久治君) 現在、均等割りの制度が市町村民税、府県民税に設けられておりますのは、市町村、道府県ともに自治体としての性格があるわけでありますから、そうした地域社会の経費をできるだけ多くの住民に負担をしてもらう、そのための制度としての均等割りの制度が設けられているわけでございます。したがいまして、現在議論の中には、府県民税の均等割り、一人百円というような非常に少額の税金については、税制簡素化の見地からするならば、むしろ市町村民税に統合してもいいじゃないかという議論があることは御承知のとおりでございます。しかし、一面、この均等割りの制度が設けられた趣旨からいいますならば、やはり府県も地方自治団体として広く住民からの負担を求めるという考え方をとっておる、その考え方について変更が加えられるという点について問題があると、こういうことでありまして、税制簡素化という観点を強く見ていくか、あるいは府県の自治体としての性格を強く見ていくか、この両者のかね合いの問題だろうというふうに思っております。
#71
○和田静夫君 まあここは議論の残るところです。確かに自治省は、いままで何もしなかったわけではない。それは認めますが、しかし、いままで自治省がとった措置ではきわめて不十分であることも確かであります。これはもうお認めになっていると思うんです。この「改正地方税制詳解」も、そのことを認めていまして、三つの改正方向をこの中に示しています。で、一一三ページですが、「国からの税源移譲による方法がまず検討されるべきである。」、それから「都市計画税を強化すべき」である、それから「道府県と市町村との関係については、広域下水道等従来市町村の守備範囲であった行政のうち広域かつ大規模に処理される必要性の高い行政が増加してくると考えられるので、これらの行政について道府県による処理を積極的に推進し、市町村の財政負担の軽減に努めるべき」である。で、私は、特に早急に税源の移譲をはかる必要があると思っているんです。これがまた最も実現困難な方策であることは、これは大臣に実は聞きたいところですが、皆さんがおわかりなんだと思う。そこをどう突破するかが問題だと思うんです。そこで、いつも国会の附帯決議といったものでお茶をにごすことになっていること、このことを私は避けなきゃならぬと思うんですね。ほんとうに腹を据えてやる気にならないといけないと思うんです。幸いにして、大臣は神戸という大都市を中心にしながら、あるいは次官も東京の実情を十分に知っていらっしゃる立場である、こういうコンビが腹を据えてこのことに取り組むということが必要だと思うんですが、どうですか、その政治姿勢について。
#72
○政府委員(小山省二君) 御承知のとおり、ただいまの税制は昭和二十五年のシャウプ勧告に基づきまして成立をいたしました。その税体系のもとに、多少の変化はございますが、今日に至っておる。しかしながら、当時と今日の情勢を比較いたしますれば、そこには大きな時代の変化があったことは、われわれも見のがすわけにはいかないのであります。特に、第一線の行政事務を担当しております市町村の行政事務というものが非常にウエートが重くなっておる。しかしながら、税制の面から見まする場合に、必ずしもそれを裏づけるだけの財源付与が行なわれておるのかどうか、こういう問題がちょうどいま検討をされておるときでございます。したがいまして、私どもは、あくまでもやはり税制の面のみ改善をいたすことによって問題の解決がはかれるかということになりますと、やはり国と地方――地方の中においても都道府県と市町村、そういう事務的な配分も一応念頭に置きながら、それらの事務配分に基づく財源付与というものを、できるだけ独立税的な性格によって付与しなければならぬという方向で、私も相当早い期間にこれらの問題を根本的に解決する方策というものを自治省が確立をしなければならぬ、もはや、それを免れることのできないところまできておるというふうに理解をいたしております。したがいまして、御趣旨の点につきましては、十分大臣とも相談をいたしまして、そういう方向で責任をもって善処をいたしたいというふうに考えておる次第であります。
#73
○和田静夫君 それとの関連で、制限税率、法定外普通税についてちょっとお聞きをいたしますが、同じく「改正地方税制詳解」には、一一四ページの上段の三段目から、「なお、市町村自身も現行制度の下で許される範囲で税源充実に努力すべきである。現在指定都市やその周辺市町村が広告税、商品切手発行税等の法定外普通税を徴収し、かなりの税収入を得ていることは自己努力の一つとして評価されよう。」、こうなっているんですね。そこで、商品切手発行税というのは、まあきわめて評判が悪いんじゃないかという感じがするんです。法定外普通税すべてが一がいに私は悪いとは思いません。しかし、一地方団体の事情で、商品の流通に関連して賦課するような税というのは、これはちょっと疑問ではないかと思うんです。昨年、酒、ビール券の免税に関する請願というのがありましたね。一応これは自治省の意向でしょうから、われわれ委員会は留保ということにしたわけですがね。しかしこの点は、いまどのようにお考えになっているんですか。六十七国会税制関係留保第一九六号。
#74
○政府委員(佐々木喜久治君) 酒、ビールのギフト券につきましては、市町村により、この商品切手発行税の対象にしておるところと、おらないところ、取り扱いは違っておると思いますが、対象にするという措置をとっている市町村がやや多いのではないかというふうに考えております。
#75
○和田静夫君 いや、そこで、こういう形のものに対してはどういうふうに理解をしますか。現状については、いま言われたことでわかりますがね。
#76
○政府委員(小山省二君) 商品切手発行税、これはまあ法定外普通税でございますが、かなり長い歴史もございまして、今日までこれらの税について特に流通段階から御批判もないようでございまして、私どもはこれが消費者に転嫁されるというようなところは現在見当たらないように考えておるわけでございます。したがいまして、特別に問題の起こらない限り、これらの自己努力によるところの財源調達というものは認めてしかるべきではなかろうかというふうに考えております。
#77
○和田静夫君 議論は別の機会にきょうはせざるを得ませんが、電気ガス税なんて実は私は反対だったので、来月のなかばごろまでかけて論議したっていいと思っていたんですが、どうもそうもいかぬようですから。この地方税は第一条の五号でこういうことになっているわけでしょう。標準税率は、「地方団体が課税する場合に通常よるべき税率でその財政上の特別の必要があると認める場合においては、これによることを要しない税率をいい、自治大臣が地方交付税の額を定める際に基準財政収入額の算定の基礎として用いる税率とする。」ということになっていますね。つまり、制限税率などは特別の事情の場合以外は避けるべきである。で、都市の慢性的財源不足にこれで対処するというようなことは、どうも問題の本質を取り違えた、まず、もってのほかの議論ではないだろうか、私はそう思う。自治省のいまのこの書き方ですね、先ほど読み上げた書き方からしますと、都市は超過課税をかけるべしと言っているようにも実は聞こえるんですよ。これは、局長、非常におかしいんじゃないだろうか。
#78
○政府委員(佐々木喜久治君) 超過課税の運用が、従来、ともすれば惰性に流れた運用が行なわれてきたということについては、私どもも十分反省をし、これに対応する措置をとりながら超過課税の解消には努力をしてきたつもりでございます。確かに、超過課税は、特定の年度において特別な財政需要のあります場合に、一定の期間を限ってその住民の理解を得て、そうした超過課税を行なうというような運用のしかたが正しいであろうということを、私どもも常々指導しているわけでありますけれども、特に住民税などの場合に、昔の課税方式の相違が一本化されるというような関係もあって、超過課税が非常に多くの市町村において行なわれてきたということについては、私どもも積極的にこの解消の努力を重ねておりまして、おおむね、最近におきましては、個人所得割りの超過課税の解消ということは、昭和四十七年度におきましては、特定の二、三十の団体だけになってくるというような事態になってまいりました。大体、所期の目的を達してきたのではないかというふうに考えております。しかも、こうした超過課税が、従来、どちらかというと過疎地域の市町村に非常に多かった。これは、現在、固定資産税においてもややその傾向が見られるわけでありますけれども、むしろそうした財政力の弱い市町村にそうした超過課税が見られてきたということについては、われわれの努力が、どちらかというと都市よりもそうした過疎地域の市町村に対する財政措置というものを厚くしながら、そうした超過課税解消にもつとめてきた、その方向が一応方向づけられてきたような感じがいたします。そのために、最近の財政需要が非常に伸びてきておる都市に対する対策というものが、ややおくれをとってきたという点が問題であろうかと思いますが、そういうような情勢から、特に最近の傾向としましては、都市部において、特に法人税割りを中心とした超過課税が相当行なわれてきておることが一つの傾向として見られるだろうと思っておりますが、この点につきましては、私どももそうした都市部の財政需要の増高に対応して、税制についてもそうした傾向をむしろすなおに認めていくべきではないか、そういう意味におきまして、税源の配分の問題等について、あるいは新しい税制の創設について十分これは検討する必要があろうというふうに考えておるわけでございまして、私どもも、一がいに超過課税あるいは制限税率一ぱいの課税ということについて、それを当然のこととして受けとめておるというわけではございませんが、現在の財政需要の実体というものを、やはりそれぞれの市町村が必要に応じて超過課税をやらざるを得ない、こういう傾向というものが非常にありますわけで、それをやはり税制の上には当然反映していかなければならないというふうに考えておるわけでございます。
#79
○和田静夫君 四十五年の十一月二十日の地方制度調査会の答申の営業所あるいは事業所課税、昨日も若干論議があったようですが、これは大都市、反対していますね。それは公共施設のおくれが問題で、過密の弊害をことさらに指摘すること自体が問題のすりかえだという、そういう考え方に立っているわけですね。私はもっともな言い方だと思う。自治省は税源配分がうまくいかないとすぐ増税案を持ち出す傾向がある、これはこの際考え直す必要があると思うのです。
#80
○政府委員(佐々木喜久治君) 現在の財政需要の実体なり、あるいは国民の租税負担率、それから行政内容の水準の上昇ということを考えますと、私どもとしましては、現在の租税負担率というものが、国税、地方税を通じて一九%程度になっておるこの租税負担率というものがこのままはたして維持し得るであろうかということについては、非常に疑問に思っておるわけでございます。むしろ、いろいろな行政内容の上昇とともに、この租税負担率につきましては再検討をすべき段階にもきているのではないだろうか、こういう感じは私ども持っております。ただ、租税負担率を検討する場合に、そうした租税負担をどのような納税義務者に求めるべきかという点は非常に問題であろうというふうに考えておりますけれども、そしてまた、特に地方税の場合は、ほぼ八〇%近い直接税の比率を持っておるということからいたしますというと、その税制については、その組み立て方に非常に問題があるわけでございますけれども、やはり租税負担率の上昇ということを当然に前提にして考えなければならないだろう、その場合に、納税義務者については、こうした直接税が非常に高いという現状、特に、個人の負担というものが相当高いということも同時に考え合わせなければならない問題であろうというふうに思っております。やはり税源配分という問題はなかなかむずかしい問題でありますけれども、同時に、それらの問題とともに、やはり自主的な税源を求めて税制をもう一ぺん組み直していくということは、私どもも努力しなきゃならない時期にきておるというふうに考えております。
#81
○和田静夫君 以下、少し具体的な問題に入ってみますが、まず、付加価値税が問題になっています。このフランスに始まったEC全段階税額控除方式、こういうものについて、まずどのようにお考えになっていますか。
#82
○政府委員(佐々木喜久治君) 付加価値税の税制の組み立て方について、ただいま国税で考えておりますような方式もあるだろうと思っておりますが、こうした国税で、現在の段階で考えておりますような付加価値税の方式は、地方税としては、なかなかその行政区域の観点から非常に税制としてはむずかしいというふうに考えております。
#83
○和田静夫君 一般消費税としての付加価値税の創設は、料理飲食税あるいは現行の個別消費税との関連で問題となりましょう。また、これが増税の状況は、所得税や住民税、あるいは地方交付税に影響するところが非常に大きい。これは自治省当事者のすでに指摘しているところですね。新税としての付加価値税の創設、その内容については、当然自治省としても相当な心がまえを持っていなくてはならないと思うんです。大蔵省などが盛んにアドバルーンを上げていますね。おそらく現実の政治日程にのぼろうとしているのでしょう。大蔵のあのやり方、形では、これは一体、これについて次官どういうふうな所見をお持ちですか。
#84
○政府委員(小山省二君) ただいま局長から御答弁がございましたように、わが国の税制は比較的直接税に片寄っておるような傾向がございまして、おそらく大蔵大臣は、そういう面から、何らかやっぱり税制の方向に多少の修正をしなければならないだろうという考え方から、EC諸国ですでに取り入れ実施を見ております付加価値税の導入ということを念頭に置いて検討さしておるのではなかろうかというふうに考えております。この考え方がまだ十分国民に徹底されませんうちに、各方面から付加価値税の導入については基本的に反対だというような声が相当起こりつつあることも事実でございます。言うならば、私はこういう税制は、日本の国民性にあまりなじんでおらない。したがって、この付加価値税の本質を十分理解しない面からも、そういう運動が起こっておるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。しかし、こうした国民的感情といいますか、そういう立場をやはりある程度行政という面は十分考えて行なわなければならぬ問題でもございますので、相当やはり付加価値税の実体というものを国民にPRして、国民の理解と協力を求めませんと、実際問題として、これはやはり失敗に帰するおそれがあるのではないかというふうに私ども心配をいたしておるわけであります。しかし、従来のような直接税に片寄り過ぎた税制というものを何らかの形で是正をしなければならぬということになりますると、やはりこれは検討に値する税制度ではなかろうか。したがって、税制調査会におきましても、いま真剣にこの問題については検討中というように私ども承知しておりますので、将来、こうした付加価値税が地方税においてもどのような形で取り入れなければならないかということは、われわれ自治省としても、十分やはりそのことに対して用意して検討しなければならぬように理解をいたしておるわけでございます。
#85
○和田静夫君 いま自治省内部では、局長、この問題について特別に何か検討されていますか。
#86
○政府委員(佐々木喜久治君) 一般消費税としての付加価値税というものが創設されますと、御指摘のとおり、地方税が現在持っております消費税について相当な影響のあるということは確かであろうというふうに考えております。それからまた、その場合に、財政的に見まして、交付税というものの仕組みにつきましてもこれは影響せざるを得ないということにもなるかと思いますが、地方税制として付加価値税というものをどういうふうに考えていくかということになりますと、私どもが従来から検討を続けております事業税における課税標準の中に付加価値というものの取り入れ、この問題については、私どもも事業税の性格から、その課税標準について、現行の所得標準よりはむしろ他の標準、たとえば、現在、電気供給業でとっておりますような売り上げ基準、あるいは従来考えておりました付加価値基準というものについては、むしろ妥当性があるのではないかということで検討を続けておりますけれども、一般消費税としての付加価値税というものと、事業税における従来地方税として検討されておりました付加価値額について事業税の課税標準にするということについては、問題としては、競合はしないであろうというふうに考えておるわけでありまして、この付加価値基準を事業税に入れるといいますのは、あくまでも事業の活動の実態、地方団体との関係というものをより明確にするという意味におきまして、とっていくべきじゃないかということを検討しているわけでございまして、そういう意味におきましては、事業税自体について、一般消費税としての付加価値税というものは影響はないのではないかというふうに考えております。ただ、先ほど御指摘になりましたような消費税につきまして、個別消費税と、一般消費税としての付加価値税というものとの関係をどういうふうに組み立てていくかという問題は、この付加価値税の検討の段階におきまして、十分われわれもその内容について調査さしていただかなきゃならないというふうに考えておるわけでございます。
#87
○和田静夫君 住民税の問題は、おそらく若干の論議があったと思うんです。住民税の課税最低限をさらに引き上げるべきであると私は考えていますが、昭和四十七年度の改正で、給与所得者の標準世帯で課税最低限は九十五万四百八十九円となりますが、所得税の同年度分の課税最低限は百二十一万二千二百九十八円、これと比較しますと、なお相当の開きがあるんですね。自治省流にいうと、前年度の百十七万五千百八十一円と比較しても相当開きがあるわけです。この点の自治省の見解は、何べんもやりとりしたことですから、すでにわかっているんです。したがって、それはあらためて聞きませんが、四十八年度以降も課税最低限引き上げを行なう意思をお持ちなのかどうか、それをお聞きをしておきたいんです。
#88
○政府委員(小山省二君) 御指摘のような方向で税制調査会等の検討を願い、前進をする考えでただいま検討をいたしておるのでございます。
#89
○和田静夫君 所得税中心を緩和をして、そうして間接税を増強をしていく。所得税を軽減して景気の回復をはかる、こういう国民的要請になっている。そこで、住民税だけがいつまでも負担分任とかいって、いわゆる大衆的課税を存続するという、これは私はもう許されない情勢であると思う。そうして、自治省側もそのことを率直に認めるべきだと思う。で、これは意見として申し上げておくところですが、四十六年度の住民税の課税最低限と、四十六年度の生活保護基準、それから基準生計費、標準生計費、これらの四十六年度の住民税と四十五年度については自治省の資料が用意をされていましたが、四十六年度と四十七年度、これはけさ資料でいただきましたから、数字に間違いがなければ、これをこのまま答弁として載せていただきたい、よろしいですか。
#90
○政府委員(佐々木喜久治君) けっこうでございます。
#91
○和田静夫君 そこで、四十七年度は所得税の減税もあり得るという、そういう状況、そこで、住民税もさらに減税をすべきである。今後も所得税の減税は、税率の変更なども課題となると私は思うのですが、その場合は、住民税もこの税率の変更を行なうべきだと、この辺についてはどういうふうに考えますか。
#92
○政府委員(佐々木喜久治君) 御承知のとおり、住民税の中でも市町村民税と府県民税は税率の構造が違っておるわけでございます。御承知のとおり、府県民税の税率は、昭和三十七年におきまして所得税から府県民税に税源移譲が行なわれた。その結果の税率が現在残っておるというような形になっておりますが、それに対して市町村民税のほうは、その当時の所得税の税率とほぼ同じような割合でいまの税率が刻まれておるというような状況で、市町村民税が非常に高い累進度を持った超過累進税率になっている。そうして府県民税のほうは、どちらかというと比例税率に近い累進税率になっている。この点につきましては、その当時から見まして、課税最低限も引き上げられ、所税得の税率緩和も行なわれておるというような状況も考慮いたしますならば、住民税も、そろそろこの税率について検討をし直すべき時期にきているというふうに判断をいたしております。その場合の方向といたしましては、市町村民税におきましては、ある程度税率緩和ということを考えなければならないでありましょうし、それから府県民税の場合には、現在の比例税率というものについては、これを累進税率に直していくという方向での検討が加えられなければならないだろうというふうに考えております。ただ、こうした税率の手直しをいたします場合には、どうしても、その方向としましては、減税の方向で検討せざるを得ない。そこで、財政上の問題とも関連をしてくるということになってまいりますし、また、所得税が来年度どういう形での税負担の手直しを行なうかという点が問題でございますけれども、所得税は昭和四十六年におきましては、追加減税も含めまして、相当大幅な減税を行なって、税率の緩和もし、課税最低限の引き上げも行なうというような減税をやっております。おそらく、来年度もし減税を行なうとするならば、課税最低限の引き上げの方向が強く出るのではなかろうか。そうしますと、住民税との関係におきまして、また、課税最低限という問題が当然出てまいりますわけで、来年はたして、財政上の事情もあると考えるわけでありますけれども、課税最低限と税率の手直しが一ぺんにできるかどうかという点は非常に私どもとしましても心配をしているところでございます。ただ、税率につきましては、もうそういう時期になってきているというふうに私どもは考えております。
#93
○和田静夫君 預金利子の分離課税、これは国税収入は幾らですか。
#94
○政府委員(佐々木喜久治君) 国税におきます昭和四十七年度の利子所得に対する税額が三千七百五十四億円になっております。これに対しまして、貯蓄奨励のための特別措置としまして少額貯蓄の利子分の非課税額が六百九十億、それから利子所得の課税の特例といたしまして、これは分離課税による減収額でございます、これが二百八十億というふうになっております。
#95
○和田静夫君 そこで、この預金利子の分離課税による国税収入の三分の一ぐらいは、地方財源として譲与をさせるべきではありませんか、これはどうですか。
#96
○政府委員(佐々木喜久治君) 確かに、御指摘のとおり、利子所得の分離課税分というものが、現在の地方税の制度の中で、その捕捉が技術的にきわめて困難だというような観点から、利子所得分につきましては所得税しか取られておらない、いわば住民税がこれを追及し得ないでおるという点は、私ども非常に残念に思っておるわけでございまして、これを何らかの形で住民税の中へ取り入れたいということで、いろいろ検討はしておりますけれども、やはりその利子の発生する場所と、地方税の、これは宿命でございますけれども、納税者の住所地というものとがなかなか結びつかない、この点で、
  〔委員長退席、理事寺本広作君着席〕
お説のような御意見も出てくるわけでありまして、この点は、私どももさらに検討を続けてまいりたいと、かように考えております。
#97
○和田静夫君 個人の事業主控除引き上げについてもお聞きをいたしますが、この個人の控除額を現行の三十六万円から六十万円に引き上げられたわけですが、これは昨年三十二万から三十六万に引き上げたのと比べますと、比較上は相当大幅な改善ということになります。四十六年度の所租税における青色事業主の特別経費準備金の創設ですね、さらに、この青色事業専従者の給与の実態、個人事業税の減税に対する強い要望などを勘案をして決定された。こういうふうに聞いていますが、六十万円という額ですね、この額を設定されるに至った背景、理由をもう少し具体的に説明をしていただきたい。
#98
○政府委員(佐々木喜久治君) 一つの問題は、これまで事業主控除の引き上げ額が毎年度非常に小さい額であったという点が一つ問題としては残っていると思います。そのために、調査をいたしますと、青色専従者の平均給与額というものが次第に引き上がってまいりまして、四十五年の所得税の実績を見ましても、ほぼ事業主控除の額に相当するぐらいまで上がってきておる。こういう点で、事業主と専従者の給与額というものがほぼ同じような数字になってきたという点において、事業主控除の額が非常に低く感ぜられておるという問題が一つございます。それからもう一つは、ただいま御指摘のように、青色事業主特別経費準備金という制度が設けられまして、これが所得の五%、十万円限度ということで創設をされたわけでございまして、さらに、この制度が本年の改正によりまして、青色申告控除制度ということで十万円の定額控除の制度に切りかえられた。これを事業税としてどう受けとめるべきかという問題があったわけでございまして、そういう点から見まして、こうした専従控除の額というものが、さらに一年進行した場合にどれだけの数字になるであろうかという点は、最近の給与所得の上昇等から見まして、これを推計をし、さらにその金額に十万円を加えていく、こういうことによって、こうした特別経費準備金あるいは青色申告控除制度というものを事業税の上では事業主控除の中で受けとめていく、こういうことから六十万円ということにいたしたわけでございます。
#99
○和田静夫君 現行法は、事業税の課税標準の算定にあたっては各種の社会保険の支払い金額を、この収入金額及び医療の必要経費はともに算入をしない、そういうたてまえをとっているわけですね。そこで、この社会保険診療報酬に対する課税の特例ですね。これは所得税の場合も問題となっているわけですけれども、どのようにこの辺を次官お考えになるのですかね。もともと議員立法で入った規定です。現在の時点では、どのようにお考えになっていますか。
#100
○政府委員(小山省二君) 御指摘の点につきましては、各方面から相当強い御批判もございまして、税の公平というような見地からも検討しなければならないというようなたてまえに立ちまして、ただいま税制調査会で検討をいたしておる段階でございますので、結論をまちまして、できるだけ早く改正案を提出したい考え方でございます。
#101
○和田静夫君 事業主控除の引き上げというのは、一応この程度が限度と考えていらっしゃるわけですか。
#102
○政府委員(小山省二君) 事業主控除につきましては、御承知のとおり、事業主の勤労性を加味して特別な控除制度というものを設けておる。したがいまして、現状の法の制度の上からまいりますれば、私は、やや限界に近づいてきておるのではなかろうかというふうに理解しております。
#103
○和田静夫君 娯楽施設利用税で聞きますが、まず、このゴルフ施設利用税ですが、定額の税率による課税方法に統一をされて、一人一日六百円一本にしようとすることでありますが、この入会金等があって利用料金が算定しにくいということで、従来からこの税率も他の利用税よりも大きくなる、高くなる。料金課税のほうは百分の三十であって定額制を併用されていたわけでしょう。そこで、選択制であってもよいように思うのですがね。これ何か統一されたのには特別な理由があるのですか。
#104
○政府委員(佐々木喜久治君) ゴルフに対する娯楽施設利用税につきましては、ただいま御指摘のような理由がございまして、現在、各府県の税条例はすべて定額課税六百円を標準にいたしまして、その上下の税率を刻んでおるというようなことで、利用料金に対する定率課税の制度は全く実施されておらないという状況になっておりますので、この際、課税の実態からこの制度に踏み切ったわけでございます。
#105
○和田静夫君 六百円という額は、三十六年度から変わっていないでしょう、これ。統一するにあたって、その合理性があらためて私は問われなくてはならない。六百円がよいという根拠ですね。三十六年度に六百円を設定したときの根拠と比較をして説明をしてください。
#106
○政府委員(佐々木喜久治君) 税率改正の経緯を申しますと、従来から定率課税のほうは三〇%でございますが、昭和三十六年に定額課税のほうは四百円というふうに引き上げになっております。それが昭和四十一年に六百円ということに改正になりまして、これはこの額を計算いたします場合には、いわゆるビジターフィーの料金の状況を見ましてこの額の引き上げを行なってきたわけでございます。
#107
○和田静夫君 パチンコ一台百五十円、このパチンコ台百五十円というのは税率として低過ぎないだろうか。最近におけるパチンコ経営の規模のデラックス化、まあ私やったことは実はないのですが、大規模化ということが目に見えますね。盛り場、駅前への進出の状況、あのところはそんなに安くないと思うところに、じゃんじゃんできますね。そういう意味では、パチンコ台の百五十円というのはきわめて低過ぎるのではないかというふうに、これはしろうと目に考えますがね。たしかこれは四十一年ごろにきめられた額ですね、再検討されたことがあるわけですか。
#108
○政府委員(佐々木喜久治君) パチンコの営業は、最近は昭和三十年代に比べますと、ややその営業には落ち着きを見せてきている。したがいまして、営業店舗の数もほとんど増加を見ないような状況になってきております。それからまた、例の利用料金といいますか、パチンコのたまの代金というものは、まだ値段がそのままでございます。そういう意味におきまして、まず、この営業が安定をし、また、その利用者も大体固定をしてきておる、そして料金も変わっておらない。こういう状況から見まして、まず、いまのところこの税率については特に変更をする必要はないのではないかというふうに考えております。
#109
○和田静夫君 料飲税については、昨日も論議がありましたが、重複しない部分で二、三お聞きをしますが、料理飲食等消費税について、この飲食費等の免税点、それから旅館の宿泊等の免税点、宿泊の基礎控除額の引き上げ、これをなぜ行なわなかったのか。
  〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕
#110
○政府委員(佐々木喜久治君) 昨年の改正におきまして、料飲税につきましては、基礎控除額、免税点等につきまして引き上げが行なわれまして、この額につきましては、昨年の十月から施行されております。その後におきまして、物価上昇等というものを考え合わせましても、いま直ちに改正をするというような状況には至っておらないと考えまして、今年の改正は見送りにしたわけでございます。なお、これらにつきましては、さらに今後の物価状況等も見ながら検討を続けていく必要があるというふうに考えております。
#111
○和田静夫君 もう時間ですからあれですが、昭和四十四年の改正で飲食店の免税点は八百円、宿泊の免税点は千六百円にしたときに、飲食者の九六%、宿泊者の五二%が免税点の適用を受けていると言われたのですが、さらに四十六年度に八百円を九百円に、千六百円を千八百円に引き上げた。自治省のこの言い分のとおりだとしますと、大衆飲食にかかる料飲税は相当収入減になってもよいはずであります。しかし、現実には、四十四年度の飲食店にかかる税の収入見込み額が百七十三億円であったのが四十五年度の実績が二百七十億円となっているわけですね。そうすると、四十六年の、まあ結果は知りませんけれども、免税点の引き上げに関する自治省の説明には、こういうふうに見ていくとどうも納得ができない部分があるのですが、いかがですか。
#112
○政府委員(佐々木喜久治君) 昨年の改正によりまして、免税点あるいは基礎控除の額が引き上げになったわけでありますけれども、この免税点の引き上げによりまして、宿泊の場合には五三%の利用者が免税点以下の利用行為ということで、これは課税されないということになってまいります。また、飲食店等におきましては九五%、あるいはチケット食堂におきましては約九七%というような状況でございまして、大体利用者のほとんどのものが課税対象から除外されるという結果になっております。ただ、現実には、税収としましてはほとんど減っておらない、非常に増加を示しておりますのは、やはりいろいろな面の所得水準の上昇に伴う消費支出のほうが相当ふえているということを反映しているものというふうに考えておるわけでございます。そしてまた、やはりこうした免税点の引き上げというものは、同時に、そうした宿泊料金あるいは飲食料金等の上昇等がこれに反映をしているわけでございますので、そういう意味におきましては、従来の千六百円あるいは八百円のときから見まして、それほど課税対象から除かれる割合というものは変わっておらない。そういう意味におきまして、税収入としては相当な増加を示しておるということになるだろうと思っております。
#113
○和田静夫君 料理店等、あるいはキャバレー、あるいは旅館、飲食店、それら別に最近十年くらいの収入の推移というもの、これどこかに載っておりましたかね。
#114
○政府委員(佐々木喜久治君) お手元に差し上げております参考計数資料の二八ページのところに各税目ごとの指数が書いてございます。
#115
○和田静夫君 いや、これではわからないわけです。
#116
○政府委員(佐々木喜久治君) 営業形態別の課税状況は私どもとっておりますので、別に資料としておつくりいたします。
#117
○和田静夫君 十年くらいのやつをもらいたいのです。
#118
○政府委員(佐々木喜久治君) 十年間分がとれるかどうかちょっとはっきりいたしませんけれども、できるだけ長い年度の推移が見られるような資料を作成いたしたいと思います。
#119
○和田静夫君 三千円以上一五%、三千円以下一〇%、この税率を四十四年に行なったわけですが、このため料理店等の税収は比較的伸びがゆるやかになった、飲食店のほうは伸びが高い。もっとこれ減税していいはずな感じがしますがね。
#120
○政府委員(佐々木喜久治君) 以前にございました三千円以上の消費というものは、特に高級料理店等においてその例が見られたわけでございますけれども、やはり最近における消費の性向がやや変わってきておる。そういう意味におきましては、和風のものから洋風のものに消費が変わってきておるという点においても、若干の傾向線が変わったようにも感ぜられるわけでございますが、その辺につきましては、さらに各年度の数字を見まして分析してみたいと思っております。
#121
○和田静夫君 宿泊に伴う飲食に対する免税点の千八百円ではどう考えても、きのうから論議を聞いていても低過ぎる。これによって宿泊者の何%くらいが適用されているのかということで、昨日資料要求をしてみたら、これは五三%ですね、こういう形でけさ返答が返ってきました。そこで、この免税点というのは、やっぱり三千円ぐらいには引き上げるべきだと思う、いかがですか。
#122
○政府委員(佐々木喜久治君) 宿泊に対します免税点が千八百円ということで、利用人員からいたしますと五三%の人間が課税対象から落ちるわけでございます。この料金総額が全体の三二%でございます。これが三千円ということになりますと、利用人員からいたしまして約一五%、料金総額から見ますと三三%、約三分の一というふうな形になってまいります。この程度のものがいわば他の飲食行為等との間においてバランスのとれた数字であるかどうかという点について、やはり私どもも検討してみなきゃならないだろうと思いますが、同じ料飲税でございますので、この利用形態によりまして、やはり負担についての均衡をはからなければならないというふうに考えておりますので、さらに将来の検討課題とさしていただきたいというふうに考えております。
#123
○和田静夫君 もう大臣見えましたからやめますが、そこで自動車税、ちょっと聞きますが、昨日、自動車税の話がありました。そこで、私の聞きたいのは、この現行法による収入見込みがそのまま改正後の収入見込みになっていますよね。こうなりますと、この改正によって何ら税収には影響受けない、こういうことですか。
#124
○政府委員(佐々木喜久治君) 観光貸し切り用のバスは、ほとんどが大型のものでございます。自家用バスは、その九割までがマイクロバスでございまして、その台数は、自家用バスのほうがはるかに多いのでございますけれども、私どものほうで計算をしてみますというと、ちょうどこれは、偶然の一致といいましょうか、四万五千円が三万円になって、それの乗車定員別のそれぞれの税率について、それぞれの台数を出しまして計算した結果の数字では、減収額と増収額がちょうど一致をしたということになりましたので、その数字を掲げさしていただきました。
#125
○和田静夫君 自動車税の納付義務の免除規定が追加をされたわけですが、売り掛け金の回収不能ですね。この状況を実はちょっと聞きたいんです。それから「一部」を受け取ることができないという、「一部」というのはどういう範囲なのか。それから百五十四条の二の第二項の「真実」とありますね、真実かどうかという判定はどういう方法で行なおうと考えていられるんですか。
#126
○政府委員(佐々木喜久治君) 割賦販売によりまして、売り主が納付することになりました税額が、昭和四十五年度の例で申しますと約四十四億円でございます。これが最終的に、この売り主が現実にかわって納付したもののうち、買い主から回収したものが三十八億円。したがいまして、最終的に売り主が負担をせざるを得なくなったという数字が六億円というふうな数字になっております。
 それから割賦販売の場合におきまして、こうした自動車税の納付が行なわれなくなる、あるいは最終的に回収不能になるというような場合は、最初何ヵ月かは月賦代金を支払って途中でなくなるというのが相当あるわけでございますので、法律の規定では、「代金の全部又は一部」というような表現をしておるわけでございます。
 それから売り主からの申告について、それが真実かどうかという点は、やはり売り主のほうがどういうような代金回収の努力をしておるか、そうした代金回収の努力の裏づけ、あるいはまた、最終段階におきまして売り主もその代金を回収することができなかったために、会社の経理上も貸し倒れ処理をしてしまうというような、そういう会社経理との関係も十分にらみ合わせながら、その判断は都道府県のほうが判断を最終的にはせざるを得ないということになると思います。
#127
○和田静夫君 最後に、大臣に一言お聞きをしますがね。この付加税論が依然として行なわれているのであります。これはあとを断たないと言っていいわけですけれどもね。付加税などというのは、自治の基本精神を私はわきまえない見解であるということを何国会にもわたって言ってきました。これで、大臣の明確なひとつ態度をこの機会にお聞きをして、幾つか、大臣お見えにならない間に、次官、局長との間で善処の約束をしていただいた部分がありますから、それらについてはあとからお聞き取り願って解決への努力をしていただきたい、こういうふうに思います。
#128
○国務大臣(渡海元三郎君) 住民税の所得税に対する付加税論、これは議論といたしまして出ておることは私も承知いたしております。しかし、住民税の地方税の中に占めます位置、また地方税の性格から申しまして、いま和田委員御指摘のとおり、これは付加税にすべきものでない、私は、これだけと申すよりも、当然そうあらねばならぬと、かように考えております。ただ、住民税のあり方について、所得税のあり方についてあまりにも追従したようなあり方、住民税の性格から出たところの所得税割りの考え方、このものを私たちも住民税の性格にほんとうに合致したようなものを発見する、またそう徹していく、このこと自身が付加税論を消す私たちとしての道でなかろうかと考え、事務当局に向いましても、付加税論が国民の素朴な税の簡素化、手続の簡素化等から起こってくるところにわれわれの努力の足らざる現実の姿があるのでなかろうかと思うから、住民税の持つ所得税と違った性格に合わした取り方を考えるように今後ともに努力していただきたいと、このことを常々申しておる次第でございますが、今後とも、その方針で進ましていただきたいと、かように考えております。
#129
○委員長(玉置猛夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#130
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。
#131
○増田盛君 私は、地方税法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党を代表して賛成の意を表します。
 本法律案は、住民税における所得控除額の引き上げをはじめ、個人事業税の事業主控除額の大幅増額、固定資産税等の非課税の範囲の拡大、電気ガス税の免税点の引き上げなどにより、昭和四十七年度において一千五十三億円に及ぶ住民負担の軽減をはかることをおもな内容とするものであります。
 来年度の地方財政は、経済の不況を反映し、きわめて憂慮すべき状況にあります。すなわち、法人関係税の税収伸び悩みで、地方税の収入が停滞している反面、福祉行政の充実、公共施設の整備促進、公務員給与等経常経費の増高等によって、その財源不足額は膨大な額に達するものと予想されていたのであります。このため、国は、地方財政対策として、臨時地方特例交付金の設定、交付税特別会計における借入金の増額等により、明年度の財政措置に対処しているのであります。
 本法律案は、以上のような地方財政の困難な情況にもかかわらず、地方税負担の現状にかんがみ、あえて減税を実施しようとするものであり、減税に対する住民の強い要望にこたえる適切な措置であると考えます。
 しかしながら、地方税制につきましては、税源の再配分、大都市税源の充実、社会経済情勢の変化に伴う税制の合理化等、検討を要する課題が多々残されております。これらの点につきまして、政府において今後とも鋭意検討を進められ、善処されることを要望します。以上をもって、私の賛成討論といたします。
#132
○占部秀男君 日本社会党を代表して、反対の立場から討論をいたします。
 減税をするそのこと自体については、私たちはもちろん反対ではないのでありまするが、しかし、今回の改正は、減税に必要な大別して二つの条件が欠けておりますので、賛成するわけにはいかないのであります。
 その一つは、今回の減税は、一千五十億円という今日地方財政にとっては非常に大きな意味の減税になっておりますが、これに伴って起こる地方財政への配慮が無視されておる、かようにわれわれは考えざるを得ないのであります。たとえばこの委員会の質疑応答にもありましたように、四十七年度の地方財政計画自体を見ましても、税収は減る、さらに国からの交付税等はほとんど伸びていない、絶対額として伸びていない、わずかに地方債の借金でこの財政をまかなっておる、こういうような情勢を打開する柱が今日欠けておるわけであります。現に、税収を見ましても、四十五年度まではそれぞれ前年度に対して二〇%近い、あるいは二〇%をこえる伸びがあった。それが四十六年とそして今度の、特に四十七年にはわずかに七%、こういうような状況であって、地方財政自体が将来に向かって、この点については大きな転機に立っておると思うのでありますが、この転機に対応する措置がない。たとえば事務所税の創設によって自主財源の確立をはかるというような多年の問題はそのまま放置されておる。あるいはまた、租税特別措置法のうち、国からの影響を地方税には切らねばならない、そのための整備、そうした点についても放置されておる。こういうような地方財政への将来への配慮が欠けておる。こういう点が第一に指摘をされなければならないと思うのであります。
 それから二つ目は、今回の改正のあり方についてでありますが、その一、二を申し上げますと、たとえば府県民税等では課税最低限の問題にしても、国税と地方税との格差を自治省は一応縮めつつあるとは言っておりますが、これによって損害をこうむるというか、そうした低所得者の絶対数はむしろふえておるのであります。今回のこの課税最低限の引き上げの問題は、そうした意味できわめて不十分である。しかも、低所得者にとって不十分である。こういう点が指摘をされますし、また事業税にしましても、いわゆる所得税を納付せずに済む個人事業主に対する二重課税的な措置というものは、これはもう今日の経済の実態、特に、インフレ経済の実態から見て速急に改善されなければならない、そうした問題が放置されたままにしてある。あるいはまた、改善をしておるといってもこれは不十分である。こういうような点からして、われわれは、減税をすることにはそれはもちろん反対をするものじゃありませんが、そうした前提条件と内容について納得のできないというところから、この改正案については反対をいたします。
 以上であります。
#133
○上林繁次郎君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております地方税法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行ないます。
 わが党は、税の大衆負担の軽減、市町村税源の充実をはかるための税制の抜本的な再検討を主張してきましたが、今回の地方税法の改正案では、これらの要請にこたえておりません。以下反対の理由を述べます。
 反対理由の第一は、市町村税源の充実の問題であります。昭和三十年代以降の経済の高度成長に伴い、人口及び企業は都市に集中され、それに伴い生活環境は悪化し、一方過疎現象の進行は日常生活の維持すら困難な状態となっております。地方公共団体の態様も大きく変わり、それに伴って財政需要も増大され、かつ、千差万別となってきております。
 しかし、現行の地方税制度は、こうした実態に即応できなくなっております。都市における税源は国にほとんど吸い上げられ、財政需要の構造は大きな変化をもたらしているにもかかわらず、これに見合った税源措置はなされておりません。また、指定都市の特殊事務に対する税源措置には、従来から強い要望があるにもかかわらず、何ら検討のあとが見られず、わが党は、従来から国と地方との間における税財源の配分は、その事務により財源の適正化を主張してまいりましたが、依然としてこの不合理を改正しようとする姿勢がなく、甚だ不満であります。
 反対理由の第二は、住民税についてであります。今回給与所得者の住民税所得割りの課税最低限は、夫婦子三人の五人家族で九万円引き上げられておりますが、所得税の課税最低限に比べますと、依然二十二万四千円と大きな格差を生じております。わが党は、従来から、住民税と所得税の課税最低限の格差を少なくすることを主張してまいりましたが、今回のこうした措置では認めるわけにはまいりません。
 反対理由の第三は、事業税についてであります。今回の個人事業税の事業主控除が大幅に引き上げられましたものの、従来からの二重課税的性格はいまだにぬぐい去られておりません。したがって、法人関係税の引き上げ等を行ない、個人事業の所得税を納付するに至らない者に対しては、少なくとも非課税にすべきであります。
 反対理由の第四は、電気ガス税についてであります。わが党は、これまで一般家庭の電気ガス税について、一貫してその廃止を強く主張してまいりました、佐藤総理も悪税であると明言していながら、最近では、地方財源難を理由に積極的ではありません。三十九年以来税率の改正は据え置きのまま、今回も免税点の引き上げのみに終わっております。また、大企業に対する減免措置についても、既得権化の傾向にあり、不平等な税制度となっているにもかかわらず、抜本的に大企業に対する減免措置の洗い直し等、何ら検討がなされておりません。したがって、電気ガス税の矛盾は緊急に改善されねばならない性格のものであります。
 以上、反対のおもなる理由を申し述べ、本法案の改正に対する反対討論といたします。
#134
○中沢伊登子君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となっております法律案に対し反対の討論を行ないます。
 反対の第一点は、私たちは、地方税は応能の原則によるべきだとかねてから主張をいたしておりますが、本法律案は、やはり応益、つまり負担分任の考え方に立っている点であります。
 反対の第二点は、第一点の考え方から、課税最低限を所得税と同一にすべきであると考えております。しかし、急激に引き上げることが無理であるとしても、とりあえず、昭和四十七年度の課税最低限を、夫婦と子二人で百万円に引き上げるべきであったと考える点であります。
 反対の第三点は、市町村民税の所得割りの税率が十三段階の超過累進税率であるのに、府県民税は二段階のいわゆる比例税率が採用されている点であります。今回の減税については、反対するものではありませんけれども、しかし、なお昨日当委員会において、三、四の点について質問をいたしましたが、さらに前向きに検討されることを期待いたしまして、私の討論を終わります。
#135
○河田賢治君 私は、日本共産党を代表して、地方税法一部改正案に反対する討論を行ないます。
 第一の理由は、個人住民税、個人事業税など、一般勤労者、中小零細業者に対する減税措置がきわめて不十分に終わっている点であります。特に、住民税の課税最低限は、夫婦子供二人の標準世帯で八十万四千八百七十一円と、七万六千七百八十円引き上げられたものの、人事院の標準家族所得を下回り、所得税の課税最低限から見ても二十三万二千四百八十九円も低い、きわめて不十分な措置であります。しかも、インフレ等による名目所得の上昇によって、納税義務者は逆に九十六万人も増加が見込まれており、大衆課税としての性格は一そう強められ、事実上の増税となっているのであります。国民福祉充実への転換が叫ばれ、税財政政策の方向として、個人消費の拡大が強く要請されていることを考えれば、とうてい納得できない措置であります。わが党は、少なくとも、人頭税とまでいわれている個人住民税の均等割りを廃止し、免税点を四人家族、年間所得百五十万円に引き上げるとともに、高額所得者に有利な二段階制税率を改め、高度累進税率の採用を強く要求するものであります。
 第二の反対理由は、地方自治体の反対や、地方制度調査会の答申をも無視して、公害防止施設に対する固定資産税の非課税措置の拡大、外国船舶の固定資産税の非課税措置の延長、自動車停止装置、電算機等の課税標準の特例措置の延長、さらには、法人電気ガス税の非課税品目を拡大するなど、企業に対する各種の特権的優遇措置を引き続き拡充しようとしている点であります。
 あらためて指摘するまでもなく、地方税の非課税、特例措置による減収見込み額は年々大幅に増大しており、四十六年度では、租税特別措置に基づく地方税減収見込み額千三百八十三億円を含めて、三千十億円にも及んでいるのであります。財政危機にあえぐ地方自治体はもとより、地方制度調査会答申も、これらの抜本的見通しを求めてきたのは当然であり、わが党は、これらの優遇措置の撤回を強く要求するものです。
 特に、公害防止施設に対する非課税措置については、去る二月のOECD環境委員会で、汚染者負担原則をうたった綱領が採択され、国が税制上、金融上の各種優遇措置で公害企業の費用負担を補助することを国際的に規制しようとする方向に明らかに逆行するものであり、安易な補助政策は、この際、思い切って断ち切るべきであります。
 わが党は、本改正案が、一般的に、現行法から見て、一歩の前進面を含んでいることを否定するものではありませんが、以上指摘したように、本質的には、住民に対する減税はきわめて不十分であり、一方、大企業にはさまざまな形の優遇措置を拡大している点で、本案に反対するものであります。
 同時に、地方財源の抜本的拡充が強く要請されている現在、税の再配分について早急に具体化をはかるとともに、法人の事業税、住民税等の累進課税の適用、大口の固定資産、電気ガス税その他の特権的減免税の撤廃などを強く要求して、討論を終わります。
#136
○委員長(玉置猛夫君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#137
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 地方税法の一部を改正する法律案(閣法第二六号)を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#138
○委員長(玉置猛夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#139
○寺本広作君 私は、ただいま可決されました地方税法の一部を改正する法律案に対して、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、共産党各派共同による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
  地方税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、住民負担および市町村財政の現状を考慮し、左の諸点について善処すべきである。
一、住民税について、課税最低限の引上げその他の軽減措置をさらに検討し、負担の緩和をはかること。
二、中小企業者に対する税負担の軽減を引続き検討すること。
三、大都市およびその周辺都市等に対する税源の強化をはかるため、法人所得課税の配分の拡充等具体的措置の確立に努めること。
四、市町村道整備の緊急性にかんがみ、市町村の特定財源充当率を高めるよう税源の充実をはかること。
 右決議する。
 以上でございます。何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#140
○委員長(玉置猛夫君) ただいま寺本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#141
○委員長(玉置猛夫君) 全会一致と認めます。よって、寺本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、渡海自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。
#142
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいまいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重し、その実現に努力いたしたいと存じます。
#143
○委員長(玉置猛夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#145
○委員長(玉置猛夫君) 航空機燃料譲与税法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡海自治大臣。
#146
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいま議題となりました航空機燃料譲与税法案について、その提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、近年航空機による輸送量の増大に伴い、空港及びその周辺の整備の必要性はますます高まり、また、空港周辺地域の航空機騒音問題は、次第に深刻化してきておりまして、これら航空機騒音による障害の防止、周辺住民の生活環境の保全等をはかっていくための総合的な空港対策を推進することが急務となっております。
 このため、今般、空港整備等をはかるための財源として、新たに国税として航空機燃料税が創設されることとなったのでありますが、この際、空港関係市町村の航空機騒音対策事業、空港及びその周辺の整備事業その他の空港対策に要する財源の充実をはかるため、この航空機燃料税の収入額の十三分の二に相当する額を、航空機燃料譲与税として空港関係市町村に譲与することといたしたいのであります。
 これが航空機燃料譲与税制度を設けようとする趣旨であります。
 以下、この法律案の内容を簡単に御説明申し上げます。
 第一は、航空機燃料譲与税の額でありますが、すでに御説明いたしましたように、航空機燃料税の収入額の十三分の二に相当する額といたしております。昭和四十七年度は、航空機燃料税の税率が暫定的に軽減された税率となっておりますので、譲与する額は、九億円程度となりますが、平年度におきましては、二十二億円程度となる見込みであります。
 第二は、譲与を受ける市町村でありますが、空港の所在する市町村及びこれに隣接する市町村で、自治大臣が指定するものといたしております。
 第三は、譲与の基準でありますが、航空機燃料譲与税は、総額の三分の一の額を着陸料の収入額で、他の三分の二の額を航空機騒音が特に著しい地区内の世帯数で案分して譲与するものといたしております。
 なお、この着陸料の収入額及び世帯数につきましては、騒音の程度、空港の管理の態容等によって、補正することができるものといたしております。
 第四は、譲与時期及び譲与時期ごとの譲与額でありますが、譲与時期につきましては、九月及び三月とし、また譲与時期ごとの譲与額につきましては、九月にあっては四月から八月までの間に収納した航空機燃料税の収入額、三月にあっては九月から二月までの間に収納した同税の収入額と三月における同税の収入見込み額の合算額のそれぞれ十三分の二に相当する額を譲与することといたしております。
 第五は、航空機燃料譲与税の使途でありますが、その全額を航空機騒音対策事業、空港及びその周辺の整備事業その他の空港対策に関する費用に充てなければならないものといたしております。
 以上が、航空機燃料譲与税法案の提案の理由及びその大要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#147
○委員長(玉置猛夫君) 本案に対する審査は後刻に譲ります。
    ―――――――――――――
#148
○委員長(玉置猛夫君) 地方税法の一部を改正する法律案(衆第一六号)(衆議院提出)を議題とし、趣旨説明を聴取いたします。大野衆議院地方行政委員長。
#149
○衆議院議員(大野市郎君) 地方税法の一部を改正する法律案の提案の理由の説明をさせていただきます。
 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず本案を立案した理由を述べますと、御承知のように、市街化区域内の農地に対する固定資産税及び都市計画税につきましては、周辺の宅地等との間の税負担の不均衡を是正するとともに土地対策に資するため、昭和四十六年度の税制改正において、段階的に税負担の増加を求めることとされたのでありますが、昭和四十七年度の課税にあたり、市街化区域農地の実態をさらに適確に把握して市街化の程度に応じた均衡ある課税を実施することができるようにするため、A農地のうち耕作の用に供されていると認められる一定の農地については、さしあたり従来の税負担に減額するよう、昭和四十七年度分の固定資産税及び都市計画税について特例を設けようとするものであります。
 次にその内容について御説明申し上げます。
 まず、いわゆるA農地に対して課する昭和四十七年度分の固定資産税及び都市計画税につきましては、A農地で耕作の用に供されていると認められるもの、ただし、市街地内に点在しているA農地については都市の緑化に寄与し、または将来緑地として残すことが適当であると認められるものについて、その税額を従来の農地としての税額にまで減額するものとしております。
 また、A農地がこの減額措置に該当する農地であるかどうかを認定するため、市町村長の諮問機関として、農業に関し学識経験のある者、都市計画に関し学識経験のある者及びその他の学識経験者をもって構成される農地課税審議会を設けるものとし、その組織及び運営に関し必要な事項は、市町村の条例で定めるものとしております。
 なお、市街化区域農地に対して課する固定資産税及び都市計画税につきましては、課税の適正化をはかるため市街化の形成状況等を総合的に考慮して検討を加え、その結果に基づき、昭和四十八年度分の固定資産税及び都市計画税から適用されるよう必要な措置が講ぜられるべきものとしております。
 以上が本法律案の立案の趣旨及びその内容の概要であります。
 なお、本法律案の立案にあたり、衆議院地方行政委員会におきましては、本法の施行に関し、「市街化区域農地に対する課税に関する件」につきまして決議をいたしておりますことを申し添えます。
 この法律案は、衆議院におきまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党の合意のもとに成案を得まして、国会法第五十条の二の規定により、地方行政委員会の提出にかかる法律案として提案し、賛成多数をもって衆議院を通過いたしたものであります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#150
○委員長(玉置猛夫君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#151
○神沢浄君 この法律案は、いま御説明ありましたとおり、社会党におきましても同意をして提案をしているのでありますが、私は、質問ということよりか、むしろ文章、表現上の問題等について後日疑義のないような点を考慮して確認の意味でもってお尋ねをいたしたいと思うわけでありますが、まず第一点として、「市街化区域農地で耕作の用に供されていると認められる農地」、こういうことになっておるわけでありますけれども、もちろんその認定は、本案によりますと、課税審議会の議を経て市町村長が認定をするという手続を経るわけでありますけれども、この表現につきましては、原則的な考え方としては、農地としての実態に基づいて措置をするというように解釈をいたしてよいのかどうか、この点をひとつお尋ねをしておきたいと思います。
#152
○衆議院議員(大野市郎君) 農地の実態に徴してこれを措置するようにという趣旨でございます。
#153
○神沢浄君 第二点といたしましては、この法案の主たるものは、四十七年度における問題ですから、結局はA農地ということには主文はなるわけですが、私どもが非常に問題に考えておりますのは、四十八年度以降のむしろB・C農地を含む問題になるわけであります。この点については、附則の中で「課税の適正化を図るため」云々という条項が付されておるわけでありますが、「課税の適正化を図る」という意味につきましては非常に解釈が微妙になる点だと思うのであります。したがって、その点の確認をいたしておきたいと思うのですけれども、「課税の適正化を図る」というその目的は、先ほど申し述べました、いわゆる農地としての実態に基づいて措置をするという、こういう原則的考え方に基準をしておるのかどうかという点をひとつ確かめておきたいと、こう思うわけです。
#154
○衆議院議員(大野市郎君) お説のとおりでありまして、市街化区域農地の全体に対しまして、「課税の適正化」という表現ではありますけれども、この時限立法をお願いする趣旨からいたしましても、農地の実態をやはり基礎にすべきである、この精神は貫かれておると、そういう趣旨でございます。
#155
○河田賢治君 自治省のほうに聞くのですが、いま、この法案は可決されまして施行されるということになりますと、A農地のうちの、いろいろこれは緑化になるとか、将来なり得るというようなものの認定が地方の農地課税審議会というところで決定されるわけですね。そうしますと、御承知のとおり、この問題はかなり複雑で、農民の側からすれば、できるだけ現状を維持したいという人が多いわけです。たまにはそうでない者もおりますが。しかし、また都市サイドの側から見れば、御承知のとおり、都市計画に従ってできるだけ農地を狭めて、そして宅地なりその他の土地にしていきたいということになるわけです。したがって、この審議会に選出される、ここでは人数は書いてありませんけれども、少なくとも農業の側と都市計画側と、その他の学識経験という三者があるわけですが、この人の出方によって、相当都市化の方面が多いとなれば、ここで決定されることが、そうすると農地の緑化の認定についても、現に耕作していると認める農地等々についての認定がかなりそれぞれの力関係によって変わるのじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、これが施行された場合に、そういうことがかなりまちまちに都市によって相当幅ができるのじゃないかということを実は考えるわけなんですが、それはどういうふうにお考えになりましょうか。
#156
○政府委員(佐々木喜久治君) この改正法律案の条文は、比較的幅広く規定されておりまして、その認定につきましては、市町村長が審議会の意見を十分聞いてこれを認定をするというたてまえになっております。ただ、この際、衆議院の地方行政委員会の理事会によりまして申し合わせ事項がきめられておるわけでございますが、この申し合わせ事項は、その提案者の立法の趣旨を明確にしたものでございまして、そういう意味におきまして、市町村長は、こうした提案者の立法の趣旨を十分に尊重いたしましてその判断の基準にしていくというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、こうしたいわば解釈の申し合わせがございますので、相当幅広い規定ではありますけれども、その運営というものにつきましては、それほど各市町村ごとにその取り扱いについて大きい差のないように私どもも指導してまいりたいと、かように考えております。
#157
○河田賢治君 そこで、いま、ないようにとおっしゃるのですが、衆議院のほうの理事会の申し合わせ等では、現在耕作しておる農地ですね、これは大体認定する――よほどのことがない限りですね、そういう方向になっている。ところが、この農地課税審議会が万一、いわゆる都市市街化区域内の農地をできるだけ整理していきたいということで、そういう人が多数で、趣旨がそうでありましても、そういうときに希望が出るわけですね、多く出れば。三人か何人かわかりませんけれども、多数できまれば、結局市街化区域にここはすべきだ。家と家との間に若干の農地があるというような点在農地ですね、まあそういうようなものをかりに認定した場合に、そこで地方自治体がつくりますこの農地課税審議会の見解と、それから中央としては、御承知のとおり、いまこの法の内容として理事会などの申し合わせを基準にしていきたいという、こういう衝突をすることは大体ないというお考えでしょうか。また、衡突した場合はどういう行政的な指導をされるのか、その辺を伺っておきたいと思うんです。
#158
○政府委員(佐々木喜久治君) 市町村によりまして、この市街化農地の置かれる環境等はいろいろ差はあるものと考えておりますけれども、この法律の規定する、耕作の用に供されている農地については減額措置をとるという基本的な考え方が貫かれているというふうに考えております。したがいまして、そうした基本的な方針のもとにその取り扱いをきめていただくことになりますわけで、そういう点から衆議院の地方行政委員会理事会の申し合わせ事項というものは、そうした判断の基準として十分に尊重されるであろうということが考えられます。ただ、いずれにしましても、この判断の最終的な責任は市町村長が行なうわけでございますので、私どもとしても、この立法の趣旨につきましては十分説明をいたしまして、その趣旨が徹底するように計らってまいりたい、かように考えております。
#159
○委員長(玉置猛夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#160
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 地方税法の一部を改正する法律案(衆第一六号)(衆議院提出)を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#162
○委員長(玉置猛夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#163
○増田盛君 私は、ただいま可決されました地方税法の一部を改正する法律案に対して、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、共産党、各派共同による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
  地方税法の一部を改正する法律案(衆議院地方行政委員長提出)に対する附帯決議(案)
 政府は、市街化区域農地に対する課税の減額措置に関し、特に左の点について適切な措置を講ずべきである。
 一、耕作の用に供されていると認められる農地の認定にあたっては、その実態を十分に精査し、現に耕作しているものに不利とならないよう適正に措置すること。
 二、基準財政収入額の算定にあたっては、市町村の不利にならぬよう措置すること。
   右決議する。
#164
○委員長(玉置猛夫君) ただいま増田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#165
○委員長(玉置猛夫君) 全会一致と認めます。よって、増田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、渡海自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡海自治大臣。
#166
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいまいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重し、適切なる措置を講ずるようつとめてまいりたいと存じます。
#167
○委員長(玉置猛夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#168
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 これにて午後三時まで休憩いたします。
   午後一時三十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時六分開会
#169
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 航空機燃料譲与税法案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#170
○神沢浄君 若干の質問をしたいと思うのですが、これは目的税ということになりますか。
#171
○政府委員(佐々木喜久治君) 性格から申します。と、目的税として運営したいというつもりでございます。
#172
○神沢浄君 そうしますと、目的を持つということになりますと、譲与税の問題ですけれども十三分の二ということにした根拠ですね、それを説明を願いたいと思います。たとえばこの法案を見ますと、航空機の騒音対策とか、それから空港周辺の整備事業とかということになっているわけですけれども、これらのこの目的を一定期間に達成をするというふうな、完成をしていくというこの目的と、それから十三分の二という譲与率の関係といいますか、そういうふうなものに分けてひとつ根拠をお願いします。
#173
○政府委員(佐々木喜久治君) これと同じような目的税である譲与税に地方道路譲与税がございます。これも揮発油税、地方道路税として、国税として取りました税金を配分をし合っているわけでありますが、大体この比率が十三分の二くらいの割合になっておる。これは道路についての国と地方の配分割合等からいろいろ計算をされて、大体揮発油の、揮発油税として取りましたものの大体一五%程度を地方税として譲与しているわけでありますけれども、この税に大体根拠をおきまして十三分の二というのをきめておるわけでございます。ただ道路の場合と違いまして、いま地方団体がこの空港関係のいわば周辺整備事業として行なっております事業の負担割合等を見ますと、特に騒音公害関係の事業が多くなっておりますけれども、この分は原因者負担というような観点で、いわば原因者の負担割合が道路の場合よりもはるかに高くなっているわけでございます。そういう点から見ますと十三分の二という数字はやや道路よりもいわば有利だということになるわけでありますけれども、特に、現在の段階で明確な根拠のあるものもございませんので、一応いまの揮発油税に対する税の配分割合というものを参考にしながら十三分の二という割合をきめたものでございます。
#174
○神沢浄君 端的に言うと、つかみ金的な性格になると思うのですけれども、その点はおきまして、大体税が関係をしてまいります関係の有無で、一応いま全国の空港の数を聞きたいと思います。
#175
○政府委員(佐々木喜久治君) 民間航空機がいわば公共用の飛行場として使用しております空港の数が五十七というふうに考えております。
#176
○神沢浄君 民間空港が五十七というんですが、基地空港――基地空港ということばが適切かどうか知りませんけれども、いわゆる軍事目的の空港ですね。それから併用のものもありますね、民間と軍で併用しているもの。それらの内訳を少し詳しく……。
#177
○政府委員(佐々木喜久治君) 現在、いま申しました五十七のうち、純粋に民間分というものが五十でございます。ほかに、衛自隊と共用しておりますものが六空港ございます。また、あと残りました一つは、市町村が設置いたしております公共用の空港が一つございまして、それで合わせまして五十七という数字になっております。
#178
○神沢浄君 このほかに、たとえば米軍が基地として使用しているものとか、そういうものの数はどうですか。
#179
○政府委員(佐々木喜久治君) 米軍が使用しております空港が七つございます。板付が明日から民間空港になりますと七つということになります。
#180
○神沢浄君 そこで、この法案の中身を見ますと、大体着陸料とそれから人口の度合いというようなものが譲与の基準になっているようですけれども、いわゆる着陸料というものが徴収できる航空機というのはどういうものになるわけですか。
#181
○政府委員(佐々木喜久治君) 着陸料を徴収できる航空機といいますのは、国内航空、国際航空を問わず、いわば民間航空に従事しておる航空機ということになると思います。
#182
○神沢浄君 そうなりますと、冒頭伺った本税の目的が、本税が一応目的税の性格のものであって、その目的とするのは騒音の対策でありあるいは周辺の整備事業である。こういうことになってまいりますと、民間航空機の離着陸する空港であろうと、あるいは軍事目的の空港であろうと、その周辺の住民の受けるところのいわゆる被害というものにはこれは相違がないわけであって、こういうことになりますと、結局、民間空港の周辺の住民については、それらの点に関しての対策が講じられるけれども、その余の空港のその周辺の住民は、この税の恵沢を受けられないということになってくると思うわけであります。しかし、私どもの承知しておるところによれば、基地空港の場合は、すでに基地周辺対策の費用というものがあって、その中に騒音に対する対策費が含まれておるというふうにいわれるのですが、その辺のいわば格差や不均衡が生ずるようなおそれがありはせぬかという懸念が一つあります。その辺の関係について少し説明を受けたいと思うのです。
#183
○政府委員(佐々木喜久治君) 確かに、空港周辺の整備事業の場合には、基地周辺におきましても民間空港の周辺におきましても同様な事業があるというふうに考えております。ただ、この航空機燃料税は、本法にもありますように、民間航空機についてのみ課税をされる。しかも、国内航空機についてのみ課税をされるということになっておりますので、この譲与税のいわば税源が特定されておるというような観点から、航空機燃料税の収入が得られる空港の所在市町村、その他の関係市町村に配分するものでございます。そういう意味におきましては、基地空港との間の不均衡が生ずるではないかというような御指摘があることはごもっともでございますけれども、これまで空港周辺の整備事業として、基地のあります関係市町村に対しましては、ただいまお話がございましたような基地周辺の整備事業として、防衛予算の中から事業費が負担をされる。それから、民間空港のあります周辺市町村の騒音対策につきましては、これは運輸省所官で、予算が、それぞれ事業費が計上されておるということになっておりますが、どちらかといいますと、いままでは基地周辺の整備事業のほうが一般の民間空港所在関係市町村の整備事業よりもやや進んでおるというような関係で、こうした周辺整備事業の内容は、民間空港の関係市町村のほうがおくれておるというような現状にございます。したがいまして、同じように騒音問題が起きてまいりましても、ややこうした民間空港関係市町村のほうの事業、あるいはそれに関係する国の事業もおくれております関係で、いまむしろ整備を急務とされておりますのが民間空港の関係だ、こういうことで、この譲与税が創設をされましても、しばらくの間は、おそらく関係市町村における不均衡問題というものは出てこないであろうというふうに考えております。
#184
○神沢浄君 その点について、同じ空港周辺の住民という立場からすれば、民間空港の場合であろうと、あるいは基地空港の場合であろうと、行政によるところの恩沢というか、そういうふうなものに格差や不均衡が出てきてはならないわけであって、そういう意味合いから、たとえば類似の規模を持つような民間空港と、それから基地空港の場合を取り上げてみても、一方は税によるもの、そして一方は基地周辺の対策費によるものということになるわけでしょうけれども、そのような場合に、格差やあるいは不均衡が過度に生じないかどうかというような点についての何か調査等をされておりますか。
#185
○政府委員(佐々木喜久治君) 私ども、どうもそういう関係の調査は十分いたしておりません。現在、こうした騒音防止関係の経費につきましては、防衛庁関係の経費のほうが、民間航空機と共用しております空港の場合でありましても、民間機分まで含めて整備事業を行なっておるというような関係から、どちらかというと防衛庁関係の、基地関係の防音対策、騒音対策事業のほうが進んでおるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#186
○神沢浄君 これは、きょうの問題でなくともやむを得ないと思うのですが、やはり今後の問題として、ただいま申し上げましたような類似規模のそれぞれ民間空港、基地空港との比較検討というようなものもやっぱりやってみる必要があるのではないかと思います。まあそういうのもやっていただいて、いずれまた、それらの結果については示していただきたいと思うわけですが、それからまた、さらにこの内容を見ますと、何といいますか、外国の飛来機というやつですか、外国の飛来機というのは課税の対象にならない、こういうようなことなんですが、その辺のあれがわかりませんでね、これを一べつしただけでは、少し詳しく説明をしてほしいと思うのですが。
#187
○政府委員(佐々木喜久治君) 現在、国際航空機につきましては、これは相互非課税ということで、この燃料税も国際航空に従事いたします航空機につきましては課税されないたてまえになっております。ただ、国際航空に関係のあります空港は、現在の段階では東京と大阪の国際空港だけでございまして、将来あるいは沖繩が返ってまいりますと、那覇が若干の国際航空が出てくるかと思いますけれども、まあ発着回数等からいいますと、これは絶対的に国内航空のほうが大きいわけでございます。そういう意味におきましては、この航空機の譲与税の配分にあたりましても、国際航空の分を除きましてもそれほど問題はないのではないかという感じがいたしております。
#188
○神沢浄君 それから、条文の中の一つに何か「補正することができる。」というふうになっておったと思うのですけれども、「空港の管理の態容、航空機の騒音により生ずる障害の程度その他の事情を参酌して、自治省令で定めるところにより補正することができる。」と、こういうようにありますが、この補正のいわゆる「自治省令で定める」というこの基準ですね、これはどんなような内容を大体考えておらるのかれ、この点をちょっとお聞きをしておきたいと思います。
#189
○政府委員(佐々木喜久治君) まず空港の管理の態容には、大きく分けまして三つに分かれるだろうと思います。一つは純粋の民間空港の場合、もう一つは市町村管理の空港の場合、この市町村管理の空港は、いまのところ例としては一つだけございますけれども、この場合には、空港それ自体の整備費も市町村が持たなきゃならないという問題が出ますので、その管理の場合には、それだけその市町村には割り増しをしてやらなければならないという問題が出てまいります。それから三つ目が自衛隊管理の空港でございます。この自衛隊管理の空港は、その基地周辺の整備事業は、先ほども申しましたように、民間機分、いわゆる民間機による騒音関係などの経費につきましては一切自衛隊のほうが持っておるというようなこともございますので、この空港の管理の態様は大体三つに分かれると思います。そういうことで補正をしていきたいということでございます。
 それから航空機の騒音により生ずる障害の程度というのは、やはり飛行場からやや遠いところでは騒音の大きさが違う。近くになれば非常に騒音が大きくなって障害程度が大きいということでございますので、いま、この騒音のコンターを運輸省のほうで引いておりますけれども、そうした騒音の程度によりまして計数に若干の補正を加えていきたいというふうに考えております。
 そのほか、飛行場が所在をしておりますところが、たとえば東京の羽田空港の場合ですというと三分の一ぐらいが海に面しておる。大阪の空港の場合には人家のまん中にあるというようなことで、だいぶ周辺に与える影響が違ってまいりますので、その辺の補正が必要であろうというふうに考えております。
#190
○藤原房雄君 ただいまもお話がございましたが、航空機燃料税の譲与税ですか、これの関係する市町村、まず空港の所在する市町村及び隣接市町村、これは「自治大臣が指定する」となっておりますけれども、先ほど数がお話ございましたが、内容的にちょっとわからぬところもあるんですけれども、民間共用という、これは入るわけですね、北海道の千歳のようなところについては。それで、これは各市町村については大体自治大臣が指定するわけでありますから、まあきまっていらっしゃるだろうと思うのでありますけれども、隣接する市町村ということについてはいろんな条件がありますので、その点についてはいろいろ御検討なさったと思うのでありますけれども、隣接市町村についての条件、どういうことがあるのかという、まずその点。共用のところ、それから条件、この点についてお伺いしたいと思います。
#191
○政府委員(佐々木喜久治君) 所在市町村は、これは確かに現地そのままがきまってまいりますので、空港、いま五十七ございますが、所在市町村は七十でございます。この場合には、自衛隊と共用いたしております民間空港の場合におきましても、所在市町村としてこの中に計算をされるということになります。それから騒音関係の市町村は、これは所在市町村だけではなくて、騒音による障害を受けております市町村がこれに含まれるわけでございますけれども、現在、騒音につきましては運輸省のほうで騒音コンターをいま引いてもらっております。さらに環境庁のほうとも打ち合わせいたしまして、どの程度の騒音の地域から関係市町村を選んでいくかという点について、まだ完全に協議が終わっておりませんので、的確なことを申し上げるわけにはまいりませんが、そうした隣接市町村が約十市町村ぐらいはふえるであろうというふうに考えております。
#192
○藤原房雄君 そうすると、現在、どこどこの市町村が入るということについてのはっきりしたことはまだ検討中ということでね。
#193
○政府委員(佐々木喜久治君) 航空機騒音の係で政令で指定いたします空港は、大体ジェット機の発着する飛行場ということを考えております。したがいまして、関係市町村もその範囲で、ジェット機の騒音が特に著しいところについて指定をするということになってまいると思いますが、もうしばらくこの指定には時間がかかるだろうと思います。
#194
○藤原房雄君 これも自治省でやることじゃなくて、環境庁とか運輸省に関係するのかもしれませんが、「航空機の騒音が特に著しいと認められる空港」というか、騒音が特に著しい現在何ホンというようなことでいろいろな測定もされるようになっておりますが、公害国会等におきましてもたいへんな問題になっておったわけでありますが、この辺、自治省としては、ここをどのぐらいにお考えになっていらっしゃるのか、また、ほかの省との関係について現在どういうふうになっているか、その点ちょっとお尋ねしたいと思います。
#195
○政府委員(佐々木喜久治君) 私どもも、騒音につきましては的確な御説明がなかなかむずかしいのでございますけれども、現在、運輸省、環境庁等で騒音地区として考える場合の騒音の基準というものが、国際基準としてWECPNLという騒音基準がございます。この数値の七十五ホン以上の地区というものが、いまのところ大体騒音地区として指定をすべきではないかということで、大体意見の調整がつきつつあります。大体こうしたWECPNLという基準で、一応いま騒音のコンターを図面上におろしておりますけれども、それによって世帯数の算定というものを行なって、具体的に関係市町村あるいは世帯数の確定を行なってまいりたい、かように考えております。
#196
○藤原房雄君 航空機燃料譲与税の三分の一の額を着陸料の収入額で、他の三分の二を世帯数で案分するとありますけれども、この世帯数ということですが、これは当然密集都市の世帯数、実態というものを把握しなければならないと思うんでありますが、これは非常に各都市、各空港の周辺都市につきましてはむずかしい問題じゃないかと思います。現在、自衛隊や米軍の管理になっているところにつきましては、基地周辺の、基地に関する防衛施設庁のほうからのいろいろな対策が講じられておりますけれども、このたび新しく設けられたこの譲与税の使途ということからいたしますと、これが非常に今後の民間に関する航空についての防音対策として、非常に大きな位置を占めるだろうと思うのでありますが、今日までの自衛隊との共用のようなところにつきましては、公共的なものや学校とか、こういう施設については相当改善されて防音装置等もされているわけでありますけれども、住民対策ということになりますと非常に進んでいない、こういうことで、世帯数ということでございますけれども、たとえば大きな学校があって、騒音の被害を受けるところの民家がそう多くないという、こういうところもあるだろうと思います。そういう点、現状よく把握して、何々市の何々町というような、個々の一軒一軒の現況ということをよく把握しなければならぬことになると思いますけれども、その辺の問題については、どのように調査し、また指定といいますか、該当するものについては把握するのかという、こういう点についてはどうでしょうか。
#197
○政府委員(佐々木喜久治君) この航空機の騒音公害の対策事業というものは、本来、原因者負担というのがたてまえでございますので、この航空機燃料譲与税が創設をされましても、騒音公害対策の事業を市町村の負担で行なうものというふうにはならないわけでございます。あくまでも原因者負担のたてまえで、空港の管理者あるいは航空会社というものがその経費を負担すべきものというふうに考えておるわけです。ただ、現実にこうした公害対策の事業を行なってまいります過程におきまして、たとえば公共施設、学校等の防音工事をやります場合にも、それに加えて、若干の改良工事を行なうというような地元負担が出てまいります場合に、この燃料譲与税を財源にしながら騒音対策事業をやってもらう、こういうつもりのものでございます。したがいまして、この世帯数の計算におきましても、大体その関係地域の世帯数に応じてそれに対応する公共施設があるというようなことを一応前提にいたしまして、その世帯数の計算がいわば航空機障害の程度をあらわす基準としてとり得るのではないかということからいたしているわけであります。それから、この世帯数の計算は、騒音コンターによりましてその等高線の描かれましたその関係の市町村の中の町というもの、その町に所属する地帯というもので計算をしてまいりたい、かように考えておりまして、現在この計算を行なっておるところでございます。
#198
○藤原房雄君 最初にお聞きしなければならなかったことかもしれませんが、先ほどの答弁にもあったかもしれません。第二次空港整備五カ年計画がございますね。これと譲与税との関係といいますか、この点ひとつ、先ほどちょっとお話ありましたけれども、その点、第二次空港整備五カ年計画というものの進め方、それに対してのこの譲与税の関係、これをひとつ明確にしていただきたいと思います。
#199
○政府委員(佐々木喜久治君) 第二次の空港整備事業の五千六百億円というものは、いわば空港自体の整備事業あるいは保安関係の整備事業費でございます。この譲与税の対象になっております事業は、この空港整備事業のワク外に、市町村としては空港があることによってその周辺について、たとえば道路の整備でありますとかあるいは清掃でありますとか下水でありますとか、あるいは消防施設といったようなものの整備事業も必要になってまいります。あるいはまた騒音対策の事業に伴って市町村の地元負担という経費が出てくる場合もありますので、そういう意味で、この燃料譲与税としましては、そうしたいわば市町村の単独的な事業についての財源に充てたい、こういうことで創設するものでございます。もちろん、先ほど申しましたように、市町村管理空港というものがございますので、その市町村管理空港の整備事業というものは、この五千六百億の中に入っていると言えば言えるわけでありますけれども、これはきわめて小規模の空港でございますので、この燃料譲与税によってまかなわれる事業費というものは、まずこの五千六百億の整備事業のワク外の事業費であるというふうにお考えになっていいのではないか、かように考えております。
#200
○藤原房雄君 いまお話ありましたのですが、このたてまえといたしましては、確かに、この空港関係市町村の空港対策財源を充実強化することとなっております、こういうことのようでありますが、確かに、第二次空港整備五カ年計画そのもののワク外という、いろいろな問題は当然市町村で負担しなければならない問題があると思いますけれども、なかなかたいへんお金のかかることでありますから十分な整備もでき得ない、そういうところもたくさん私どもも聞いておりますけれども、どちらかというと、このたびの譲与税は、航空機の騒音により生ずる障害の防止ということに重点があるのではないかと、こういう感じがしておったわけでありますけれども、ただいまのお話ですと、それだけではない、空港整備ということももちろんありますが、どちらかというと重点がそこに置かれているのではないかというような私どもは受け取り方をしておったんですが、その点についてはどうでしょうか。
#201
○政府委員(佐々木喜久治君) この燃料譲与税を財源にして騒音防止事業をやろうということは直接の目的ではございません。むしろ、騒音防止事業というものは、本来、原因者負担であるべき事業でありますので、当然に空港の管理者並びに航空会社がそうした対策事業費を負担すべきものであると、ただ、そうした対策事業が行なわれることに伴って、場合によっては、市町村の単独事業部分というものが付加される場合がある。その付加された場合において、市町村の財源としてこの譲与税を使うというたてまえをとるものでございます。本来、民間航空の場合の騒音対策事業というものは国が行なうべきものであるというふうに考えておるわけであります。
#202
○藤原房雄君 まあ実際はそういうことなんでしょうけれども、現実、最近の地方財政の落ち込み、それ以前からたいへんな費用のかかることでありますから、市町村としましては、航空機の騒音により生ずる障害の防止という、騒音防止のこの事業というものはなかなか進んでいない。特に、住民対策という問題になりますとまあ各地たいへんな問題が起きております。テレビがよく見えないとか電話がどうとか、そういう騒音による被害というものが非常に大きい。しかし、それに対する適確なる対策というものがなかなか講じられていないという。また、最近は非常に航空機――航空交通といいますか、これも過密化しておりまして、騒音という問題はたいへんな問題になっているわけでありますけれども、実際事が進まないという現況にある。まあこういうことを考えますと、市町村がしなければならないことはたくさんあるわけであります。どちらかというと、どうしても騒音に対する対策というものが急務であろうかと、私はこう思うわけでありますけれども、そこらも市町村の状況によっていろいろ問題があろうかと思いますが、そういう点からいたしますと、早急に市町村としても住民対策上しなければならないということを考えますと、先ほど税務局長もおっしゃっておりましたけれども、譲与税の率は多いんだというようなことをおっしゃっておりましたけれども、現実は、財源が十分でないのは当然であり、もっと税率なんかも上げてもらいたいということもほんとの姿だろうと思うんでありますけれども、こういうことからいたしまして、原因者負担、それはよくわかりますけれども、現在の状況からいたしまして、そういう点について十分の配慮がなければならぬのじゃないかと、こう考えるわけです。大臣、どうですか。
#203
○国務大臣(渡海元三郎君) いま申しましたように、騒音公害というものは原因者負担というものにもうあくまで徹していただかなくちゃいかぬのですが、現実面はなかなかそうまいっておらないという姿はいま申し述べられたとおりでございます。現在、運輸省におきましてもこの点着目されまして、空港管理者という立場で民間の――いままで法に規定されておりますのは、公共施設に対する防音装置というものが規定されておりますが、これを民間のそういった騒音防止の事業に対するまで手を広めようという空気が出てきておることは事実でございます。その間のギャップをどういうふうに埋めるか。たまたまこの譲与税がいきますことによって、そういった実態で、単独事業の姿においてでも民間の騒音防止のためにこれで寄与するというふうに、与えられた財源をそのほうに使われる場合もあるいはあり得ると思いますが、そういう姿によって、これをむしろ管理者やあるいは直接負担すべき企業者負担というものが安易に流れるというふうなことのないように、現実面をよくとらまえて今後の運営に当たらなければならない。私、いま局長と藤原さんとの質疑応答を聞きながらそういうふうに感じておったものでございます。えてしまして、このほうでそれを行ないますと、そのためにこの財源はあるんだという姿になりまして、本来負担すべきものを忘れられがちになると、そういったことに利用されては困ると思いますので、あくまでも税の本質としては、騒音防止を、本来は空港管理者あるいは航空会社、原因者負担に徹すべきものであるというような運営の姿をわれわれとしましては市町村に指導していきたい。しかしながら、現実面の姿をとらまえましては、いろいろの姿で一時立てかえてこの税を使わしていただくというふうなこともあり得るかもわかりませんが、ケース・バイ・ケースによりまして、その間の本質を失われないように今後とも指導していかなければならないと考えております。
#204
○藤原房雄君 この譲与税は騒音に対する対策、これは「空港及びその周辺の整備その他の政令で定める空港対策に関する費用に充てなければならない。」ということになっておりますが、この空港対策ということでありますが、具体的にはどういうことをお考えになっていらっしゃるのか、この点お伺いします。
#205
○政府委員(佐々木喜久治君) 大体政令で規定いたします事業は、一つは、航空機騒音に対します対策事業であります。これは先ほど御説明申し上げましたように、いわばそれに関連する市町村の地元負担分という趣旨でございます。それから二番目が、空港に関連いたします排水施設あるいは上下水道、清掃施設、それから道路、駐車場といったようなものの整備事業でございます。それから三番目が、空港に関連いたします消防力の整備事業、それから四番目が、市町村が設置、管理いたします空港に関しましては、空港それ自体の整備あるいは維持管理の事業というものがこれに入ってまいります。
#206
○藤原房雄君 まあ政令の内容としていまお考えのようでありますけれども、最近だいぶ公害問題、特に、騒音の問題についてはたいへんいずれのところも頭を悩めている問題でありますので、何かグリーンベルトをつくるというようなこと等に対してもいろいろ配慮のあるところも、考えているところもあるようでありますけれども、そういうように広い範囲でこの空港対策というものは考えていいのかどうか、この点どうですか。
#207
○政府委員(佐々木喜久治君) やはりそうしたさらに広い範囲の騒音対策事業というものは、市町村と国との間におきまして、そうした対策が最も効果的に行なわれるように措置すべきものであるというふうに考えております。そういう意味におきましては、グリーンベルトというものが騒音対策として非常に効果的であるということであるならば、やはり市町村としても国としてもその事業の実施を行なわなきゃならないというふうに考えますけれども、当然に、この場合には国がそういう経費について必要部分を負担をしていくということがなけりゃならないというふうに考えております。
#208
○藤原房雄君 終わります。
#209
○中沢伊登子君 私もこの際二、三御質問申し上げたいと思います。
 収入額の十三分の二に相当する額を航空機燃料譲与税にとられるわけですけれども、これの配分ですね、どこの飛行場にいまどのくらい出すという、それはもうきまっているのでしょうか。
#210
○政府委員(佐々木喜久治君) まだきめておりません。原則的には、ここに書いてございますように着陸料収入で三分の一、騒音の関係の世帯数で三分の二ということになっておりますので、いまの発着回数等からいいますというと、相当大きな部分が大阪国際空港に関係する市町村、それに次ぐものが羽田の関係の市町村、それから板付でありますとか、それに準ずる第二種空港的な空港の所在する市町村が多くなるであろうというふうに考えております。
#211
○中沢伊登子君 運輸省来ておられますね。いま出ました伊丹の国際空港ですけれども、私も宝塚ですから伊丹のすぐ隣なんですけれども、もうずいぶん長い前から、この騒音の問題ではいろいろと陳情も受けておるし、いろいろな抗議もきておると思います。そういう中で、ようやくいま航空機燃料譲与税というものができてきて、多少いまの空港整備だの、それから騒音対策にこの金が使われるように、やっとここまできたわけですけれども、昭和三十九年の六月ごろから伊丹空港にジェット機が入ってきて、それまではそれほどやかましくなかったわけです。ところが、ジェット機が入ってきて、それがどんどんジェット機が大型化し、それからさらに回数もふえてまいりました。いま現在では、一日に二百二十便の飛行機がそこを発着しているわけです。その中の約半分はジェット機。しかも、その中に相当大型のジェット機がありますけれども、私の家なんかも、これはガラスがびりびりするほど響くわけです。
 そういう中で、伊丹の市長さんを中心としたあそこの周辺の都市の人たちが、騒音の対策協議会というものをつくって、ずいぶん騒いでいらっしゃると思います。そして、いろんなところで、いろんな決起大会などがありまして、私どももよくそこに呼ばれて行くわけですけれども、とにかくこれだけひどい騒音になったら、あそこら辺で飼っている鶏の産卵率も劣ってきたし、さらに乳牛もお乳が出なくなったし、人間は神経質になっちゃう、赤ん坊は寝ないし、あるいはおかあさんのお乳が出ないとか、あるいは付近にある土地を売ってどこかに行こうと思っても、地価がうんと下がっちゃった。いろいろの問題をかかえているんですね。ところが、幾ら陳情をしても幾ら決起大会をやってもなかなか解決がつかない。こういうことで、きのう、おとついくらいの新聞ですか、これを拝見しますと、もう伊丹市もがまんができないから、独自の基準をきめて、そして国と会社との協定を目ざしていこう、こういうふうな大きな新聞記事等私ども拝見したわけですけれども、おそらく、今度のこれだけの空港対策ではなかなかできないと思います。もっともっとお金がたくさん要ると思いますけれども、去年もようやく、しかたがないから、普通の周辺の民間の家ですね、それに防音工事をしよう、こういう話が出ておりました。しかし、それもおそらくいまの新聞記事や何かを見ますと、まだ調査費がついたぐらいのところで、ほんとうに数軒だけテストとして、その民家の家屋に防音装置をしよう、こういうことのようですけれども、地元からいえば、ずいぶん何べんも陳情して、いろいろみんなで手を組んでやってきたけれども、なかなか国の政治がそれをやってくれない。こういうことで、ほんとうにいらだたしさを感じているんですね。あの人たちのつらさを考えると、もっともっと真剣に早く取り組んでいかなければならないわけです。
 そこで、一体、この譲与税はできたんですけれども、運輸省のほうでは、その空港対策、その騒音対策の費用をどれくらい今年度予算化しておられるか伺いたい。
#212
○政府委員(住田正二君) 四十七年度の騒音対策費は約五十八億でございます。四十六年度が三十億でございますので大体倍近い金額になっております。この五十八億の中に、先ほど先生のおっしゃいました民家の防音工事の調査費が千六百万円含まれております。これは本年度調査をして、できるだけ早い機会に民家の防音工事についての対策を進めたいと考えておるわけでございます。
 それから参考までに申し上げますと、今月、閣議決定をいただきました五カ年計画の中で騒音対策費が四百十億計上いたしております。このうち八十億が新東京国際空港――成田関係でございます。それから、残りました三百三十億のうち大半が大阪周辺ということになろうかと思います。四百十億が非常に少ないという御批判もあろうかと思いますけれども、現在、私どもといたしましても騒音対策をいろいろ進めておりますが、いろいろな障害があるわけでございます。民家の防音工事も、これから調査をして進めていきたいと思いますけれども、御承知のように、民家の防音工事は一軒一軒やっていかなければならぬ。しかも、全部大工さんを使って工事をしなければならぬというようなことで、かりに、やります場合にも、制度を確立しないとなかなかうまくいかないんじゃないかと思います。現に成田のほうでも県のほうで立てかえてやっていただくという話があるんですけれども、制度の問題としてそれを円滑に進めていく場合には、よほどうまく考えておかないと実効があがらないという問題もあろうかと思います。そういうことで、いろいろ障害がございますので、五カ年計画の四百十億というのは額は少ないかもしれませんけれども、まず、この五カ年計画の間にそういう制度を確立して、次の第三次五カ年計画に大幅にそういう対策費を計上するというようなつもりで現在おるわけでございます。
#213
○中沢伊登子君 大臣の時間があるようですから――もう少し伺いたいんですけれども、あとにさせていただきまして、それで、もう一点だけ大臣に御質問しておきたいと思います。
 これは航空機燃料譲与税というんですが、いまのお話ちょっと聞いていただきましても、伊丹周辺の方がどれだけつらい思いをしているかおわかりいただいたと思いますが、そういうたてまえから、あの近辺の人はもう飛行機に乗らない運動というのをやっているわけです。ところが、飛行機に乗らない運動というのをやっても、自分たちが乗らなくても、一番被害を受けておるのはそこの人たちなんです。自分たちが乗って、それで被害を及ぼすなら、そこら辺で何がしかやっぱりやむを得ないということもあると思いますよ。たいへん速くて便利でよかったとか、外国にはこれでなければならないとかいろいろなことがあると思うんですが、あまり飛行機の騒音がひどいから乗らない運動をやろう、こういうふうなことをやっておるわけです。結局は、被害を一番受けておるわけですが、そこで、新しい税をつくるということは私どもあまり賛成ではございませんけれども、もうあそこら辺の人たち、やむにやまれずに、なるべく飛行機の回数減らしてもらうために出国税を取ってくれ、こういうような話すらあるんです。ですから、その出国税を将来お考えになれるかどうか、ひとつお聞かせください。
#214
○国務大臣(渡海元三郎君) いま突然聞きました税で、よく検討させていただきますけれども、先ほど申されました伊丹の市長を中心としますいままでの運動の模様、私も直接陳情を受けまして、丹羽運輸大臣にもそのことをお願いし、大蔵省にも働きかけ、いま事務当局から答えていただきましたように、やっとみんな騒音に対するものの考え方が一歩前進してまいりました。そういう姿を受けまして、いま藤原さんにも、現実面においてギャップがあるだろうということで何したわけでございますが、大蔵省のほうも、これは考えなくちゃいけないだろうということで、だいぶ検討をし始めたようでございます。今後とも、私たち地方自治をあずかるものとしまして、直接の責任者であるところの運輸省と連絡をとりまして、この制度が円滑に進んでいけますようにやりたいと思います。その間のギャップ埋め合わせのためにいろいろな方面で使われる、たとえば千葉におきましても、私たちが起債をお世話しまして、その支払いは全部将来国のほうが持っていただくということを条件にいたしまして、委託工事を県が引き受けてやるというふうな制度にしていただきましたのでございます。そういった方面で御要望実現のために努力さしていただきたい。
 出国税のほうは、ひとつ検討さしていただきたいと存じます。
#215
○中沢伊登子君 運輸省のほうにもうちょっと伺います。
 いま民家の防音工事をなさるんですが、それはうちの中だけ防音したって、今度外に出ればまたガーガーやるわけでしょう。それで、むしろうちの中が防音工事ができれば、それは窓があけられないというと、うちの中の空気の流通だってどんどんできなくなっちゃって、その点もどうかといういろいろの問題があると思うんです。それで、うちの中に閉じ込められてしまうような感じですけれども、これは一体初年度は何戸ぐらいやるんですか。それから、将来どこまで拡大するのか。時間がないので続けて質問してしまいますけれども、それから、一戸どの程度これは貸し付けるのか、あげるのか。そこら辺と、それから、補償区域の拡大をされますね。何か千三百メートルでどうやらこうやらという基準がありましたね。長さが、滑走路からはずれて一キロ三百メートル以内、何か半径描いてのその中だけ騒音対策の対象にするんでしょう。そこら辺をもっと広げられる意思がおありになるのかどうか、考えがあるのかどうか。そこら辺を伺わさしていただきたいと思います。
 それから、とにかくいままで国が何か航空会社、それを相当甘やかしたと思います。だから国鉄であれば、あれだけ赤字出しているわけですけれども、国鉄ならば、土地を買って自分で線路を敷いて、その上に走らせているわけでしょう。しかし、航空というのは、何だか飛行場もみんな国で全部してやって、そして借り料だけぐらいを払って、それで飛行機はどんどん私は発展してきたと思います。それで、ここ十数年ぐらい飛行機の運賃も値上がりしませんでしたから、むしろ新幹線のほうが高いということでみんな飛行機に乗られるわけでしょう。そういうようなことで、ひょっとしたら今度は乗客から騒音料も取ろうかと、一度乗るごとに五百円ぐらいの騒音料を取ろうかというような話も私新聞で見たわけですけれども、まあそういうことになりながら、来年ぐらいから運賃を上げる。こういうことに飛行機のほうも、航空会社もやられるようですけれども、そういうようなことで、ようやく何だか運賃も上がる。上がることには賛成ではありませんけれども、地元の人にしてみれば、出国税もかけろというぐらい、やっぱり飛行機の値段でも高くして、それこそ、いまのタクシーではありませんけれども、乗り手が少なくなって飛行機の数が減ってくれたらいいというぐらいにすらあの人たちは思っているわけですね。これはまた、私、いずれ予算委員会でも質問しますけれども、それとにらみ合わせて関西新国際空港、あの国際空港がもしできれば伊丹の飛行場は撤去してもらえるのか。しかし、とうてい撤去はしないだろう、それならば飛行機を半減してくれるだろうか。いや、それは一時は半減されるかもしれないけれども、将来ますます飛行機が便利で使われるようになれば、とっても半減じゃない。一時は減っても将来もっともっとふえるだろう、こういうようなことで、実際あそこの人たちはもうみんな悩み抜いているわけです。だから、スピードだけが私は最善最高のものだとは思いません。これだけ狭い国ですからね、もしできれば、私は国内の飛行機なんかは、逆戻りだと言われるかもしれませんけれども、もう一ぺんプロペラ機を利用すべきだ。それくらいの私ども考え方をしております。お答えをいただいて、きょうはそういうことですから、またいずれにいたします。
#216
○政府委員(住田正二君) 民家の防音工事をどういうような方法でやるかということにつきまして、先ほど申し上げましたように四十七年度から調査をするということになっております。で、確かに、防音工事をいたしますと通風が非常に悪くなりますし、したがって冷暖房等の装置も必要ではないかというように考えておりますが、そういうものを含めまして来年度、四十七年度、調査をいたしたいというように考えております。
 具体的に、民家の防音工事をやります場合に、どのような補助をやるかということにつきましては、今後の問題になるわけでございますが、おそらくは、成田で今度千葉県がやりますのが一つの基準といいますか例になるのではないかと思います。成田の場合には、既存の家屋を改造する場合には、部屋が一つ、八畳程度の部屋を一つ改造するという場合に、大体基準工事費が五十五万円でございまして、それを県が五十五万円全部持つ。これはいずれ公団が肩がわりするというようなことになろうかと思いますけれども、一応助成という形で五十五万円出ます。それから二室の場合には、八畳程度二つということで基準工事費が百万円で、県の助成が八十万円、それから住宅金融公庫の融資が二十万円、六%、十年という条件のようでございます。それから防音工事の場合は、一室百万円。このうち、七十万円県が助成して、三十万円住宅金融公庫が貸す。それから二室の場合は、基準工事費が二百万円で、県の助成が百万円、それから住宅金融公庫が五十万円、それから県の信連が五十万円ということになっております。まあ大体こういうような基準が一つの例になろうかと思います。
 それから、民家の防音工事をやります対象でございますが、先ほど先生のおっしゃいました一キロ何がしというのは移転補償の場合でございます。民家の防音工事につきましては、昨年末、環境庁長官の勧告が出ておりまして、当面、八十五WECPNLの地域の民家の防音工事をやれということでございますので、それを対象に行ないたいと考えております。大体東京で一万、大阪で四万、福岡で三万、成田で四千、合計八万四千ぐらいがこの基準に該当するのではないかと思います。
 それから、プロペラ機のほうが静かであるから、プロペラ機を使ったらどうかということでございますが、現在、プロペラ機はもう生産を中止いたしておりまして、YSもすでに日本では生産を中止いたしております。国際的にはもっと早くプロペラ機の生産はとまっているわけでございます。したがいまして、今後はジェット機だけになっていくということになるわけでございます。私どもといたしましては、やはり航空機、特にジェット機というものは安全性も非常に高いし、経済性も高いし、いわゆる技術革新の粋を集めたものであって、こういう文明の産物をできるだけ広く皆さんに利用してもらいたい。これがわれわれの航空行政の一つの主眼であるわけであります。しかし一方、そういう新しい技術革新の粋を集めたようなものが出ますと、一方で公害が生ずる。公害の問題については、先ほど申し上げましたように、私どもといたしましても今後の五カ年計画、三次、四次にあたりましては最優先的に金をつけていくということにいたしたいと思っております。
 特に、財源の問題でございますけれども、先ほど航空会社を甘やかしているんじゃないかというお話でございますが、今度の五ヵ年計画の総ワクは五千六百億円でございます。そのうち、利用者負担というのが八五%でございまして、国及び市町村が負担する額はわずか一五%ということで、大半が利用者負担になっているわけでございます。で、今後の財源措置を考えます場合に非常に問題がございますのは、私どもの計画の財源は、燃料税であるとか、あるいは航行援助料であるとか、あるいは着陸料であるとか、あるいは通行税であるとか、そういうようなものが主たる財源になっておるわけでございます。したがって、財源をふやす場合には、そういう燃料税を上げるとか、あるいは航行援助料を高くするとかいうことになるわけでございますが、しかし、この騒音対策というのは東京、大阪、福岡という限られた地域の問題でございますので、一般的な財源を求めるのがいいのか、あるいは東京、大阪で乗るお客さんから財源を求めるほうが妥当であるのか、そこら辺が今後の財源の問題だと思います。先ほど騒音料というお話が出たわけでございますが、そういういま申し上げましたような問題の一環として検討されているということでございます。
#217
○河田賢治君 若干他の委員から質問が出て答えられましたので、それには重複せずに問題を聞きたいと思うんです。
 国の騒音対策で、騒音の防止についての基準を持っておりますが、最近、環境庁から出されました騒音防止――深夜と早朝の飛行禁止という勧告で、運輸省がこれを受けられて、最近、航空会社に提示ざれたわけですが、この内容について、たとえば世界の百四カ国の航空会社で組織している国際航空輸送協会――IATAが、成田などは二十四時間全面飛行ができるようにしてくれというような申し入れをしているようですが、こういう問題については、航空局は、夜間の飛行については大体において禁止すると、若干例外はありますが、そういう方針なんですか。それとも、国際航空輸送協会の要求をいれていかれる方針なんですか。その辺をまず聞いておきたい。
#218
○政府委員(住田正二君) 成田は現在できておりませんので、最終的にどのような飛行制限をするか、まだ案は固まっておりませんが、しかし、いずれにいたしましても、現在、羽田でとられておる制限をゆるくするということはあり得ないと思うのです。IATAからは、先生おっしゃるように二十四時間飛ばさせろという要求が出ておりますけれども、現在の羽田の制限よりもゆるくして、二十四時間いつでも飛べるという方向に持っていくということはまずないと考えていただいてけっこうだと思います。
#219
○河田賢治君 この騒音の規制について、先ほど伊丹の空港、あすこはだいぶいろいろな問題がありまして、御承知のとおり、最近、航空機の騒音についての基準をきめてこれを要求すると市議会が決定したというようなことが出ておりますが、御承知のとおり、国のほうは、四十四年の規制では、午前六時から午前七時が百ホン以下、午前七時から午後の八時までが普通の昼間の百七ホン以下というふうになっておりますが、これについて、伊丹市議会が三月二十五日環境騒音基準をつくったのですが、こういうのよりきびしいのですね。七十七ホンが一日百回以下ですか、そういう基準にしてもらうというような勧告をしているということを新聞でいっているのですが、この基準について、国の定める以下の、もっときびしいものを各自治体がこういうふうにきめていく場合に、それを認められるのですかどうですか、相当問題になると思うのですけれども。
#220
○政府委員(住田正二君) 運輸省といたしましては、環境庁の勧告に基づいていろいろ対策を講じておるわけでございます。しかし、市議会でどういう形でどういう形で御決定になるのかよくわかりませんが、もし、条例等でおきめになるという場合に、その条例の効力の問題はこれは自治省の問題ではないかと思いますけれども、私どもといたしましては、もちろん、地元と十分話し合いをいたしますけれども、当面は環境庁の勧告の線に沿って、できるだけその線に近づけるような形で努力をいたしたいというふうに考えております。
#221
○河田賢治君 それから、先ほど、民家に対しても相当大がかりな防音装置等をつけて、かなり相当な予算を組んでことしから調査ですか、四十八年からやるということに大体予想されておりますが、そういうものの財源の確保、それから、それを実際に実行できるかどうかという見通しについては大体おありですか。
#222
○政府委員(住田正二君) 民家の防音工事は、先ほど申し上げましたように非常にこまかい――一戸百万円とか二百万円という非常にこまかい工事でございまして、しかも、それが大阪の場合には四万戸というふうに数が非常に多いわけでございます。したがって、それを円滑に進めるためには制度をきっちりつくっていく必要があるのじゃないかということで、金だけをつけたからといってすぐその金が使えるわけではないわけでございます。したがって、金の問題と同時に、まず制度をつくりたいと考えております。それから金の問題につきましては、先ほど申し上げたわけでございますが、私どものほうは特別会計で措置いたしておりますので、特別会計で財源措置をする場合に、どのような負担を課することが最も公平であるかということを検討いたしまして、この財源措置を講じたいと思います。
#223
○河田賢治君 先ほど運輸省のほうでは千葉県の問題を例に出されましたが、この問題は、自治省にも伺いたいのですが、御承知のとおり、千葉県では、すでに四十六年度から、航空機騒音防止法での補助対象外にされている民家の防音工事を県独自でするという制度をつくったらしいですね。四十六年度で六億八千万円、四十七年度で八億六千五百万円を計上して、先ほど話がありましたような木造家屋の改造や、あるいは鉄筋プレハブの新設等々に対して八十万とか七十万とか、あるいは百万というふうに補助を県がするということになっております。で、四十六年に、自治省では、先ほど来説明がありましたように、この問題については県が行なう必要はないと、この負担は、当然、航空会社や国が持つべきだと、こういう立場をとっておられたですね。ところが、実際に運輸省あたりでは、さっき、だいぶ千葉県を例にして言われましたけれども、四十六年の六億八千万円、一千戸分を計上したのですけれども、申し込みが何と百七戸しかなかった。で、これの批判としては、自己負担が大きいと。一部屋、二部屋だけ防音しても家が全部防音ではないし、生活の環境維持にならないというような住民の声があって、このような不満のために申し込みがこの千戸に対してわずか百七戸だった、こういうことのようですね。ですから、それだけでなく、学校の防音工事の効果は、窓をあけられない。それから体育の授業なんかでも、運動場が騒音のひどいときには使用ができない。だから、非常に体育場を過密に使用している。こういうふうにして、教育の環境維持ということではほんとうに防音工事そのものは役立たないという不満が学校の教育者あたりから出ているわけです。ですから、この点については、一つは、千葉県がやった程度のことをやろうということが、現実に、四十六年度では千戸の計画に対して百七戸しかない。もちろん、千葉県はまだ具体的に飛行機は飛んでおりませんからそういう申し込みが少ないのかもしれません。それは事実そういうこともあると思いますけれども、いずれにしても、住民は、こういう場合に相当自分の費用も負担しなくちゃならぬということで、これを不満に思っているわけですね。そうだとしますと、さっき航空局の方の言われたような、千葉県をたたき台にしてこれから援助すると申されても、これはなかなか住民に対して十分な、ほんとうに飛行機騒音から住民を守るという立場に、実際には役立たぬ政策になってやしないか、これが一点です。
 それから、自治省に対して。これは、原則的には、御承知のとおり国がやり、あるいは航空会社がやるものだと言って、起債も最初は認められなかったですね。そのあとになって、運輸省とか大蔵省等々の三省が集まって起債を認められたということになっておりますが、この場合に、地方自治体は、このような国の施策のもとで、とにかく住民のために早く防音装置をつくったり、あるいは学校、教育施設その他にも防音装置をつけて、飛行機がいつ飛んでもだいじょうぶなようにしなくちゃならぬという、これは自治体の考えだと思うのですが、こういう場合に、財政上、航空機なんかも、起債なんかしましてこれはやるのですけれども、いろいろ基準財政ですか、そういうものに影響して、よけいな財政を千葉県は計上しているということですね。いろんな財政上のやり繰りがされていると思うのです。それから公債の問題、こういうものがあったのですが、これまでの処置はどういうようになされたのですか。そして、今後、これは国がやるのは四十八年ですけれども、しかし現実に、あそこは開港になれば飛行機がこれはすぐ飛び立つわけですね。そうなれば、防音、騒音対策というものは緊急に必要になる。こう思うのですが、この辺に対する自治省のこれまでの指導と、それから、これからのこういう問題に対する指導ですね、どういうようにお考えなのか。はっきりそういう点、運輸省とそれから自治省にお尋ねしたいと思います。
#224
○政府委員(小山省二君) 騒音対策につきましては、従来から堅持しております発生者負担の原則というものが、やはり今後も守っていかなければならないというふうに私ども理解いたしておるわけであります。しかしながら、騒音対策というものが非常な急務であり、かつ住民からも強く要請をされておりますので、当然国の施策が十分でない場合、あるいは国の施策に先がけて最も利害関係の強い都道府県においてこれらの事業を行ないます場合においては、全額国があとからこれらの費用について肩がわりをしてめんどうをみるという考え方で、それぞれの府県に指導を行なっておるわけでございます。
#225
○政府委員(住田正二君) 私どもといたしましては、騒音対策として一番効果のあるのは、空港周辺の再開発をすることが一番騒音対策上効果があるのではないかというように考えております。その方法といたしましては、やはり移転補償になるわけでございます。現在も移転補償を進めているわけでございますが、実は、これもなかなか効果があがらない。その原因の一つといたしましては、移転先の代替地を確保することが非常にむずかしいということが一つの障害になっているわけでございます。この点につきましては、今回の譲与税が地元へまいりますので、その譲与税を使って代替地の造成をやっていただいて、そこへ空港の周辺の方を移していくということで、できるだけ空港周辺の民家が減っていくということが一番対策上効果のある方法ではないかというように考えております。しかし、そう言いましても、なかなかやはり空港の周辺に住みたい、ここを離れたくないという方がおられるわけで、そういう方に対しては、やはり民家の防音工事をやらざるを得ないのじゃないか。確かに、先生の御指摘のように、民家の防音工事というのは、千葉を例にとりましても、なかなか円滑に進んでいないということでございますが、今後、どういう工事をやったらいいかという調査を行なうのに並行いたしまして、どういう財源手当てをしたらいいのか、それもあわせて検討いたしたいと思っております。
#226
○河田賢治君 成田は、近く開かれるわけですから、これはこの前も地方行政委員会でお聞きしましたわけなんですが、御承知のように、夏に南風が吹きますと、ずっと南へ寄って――現に江戸川区が非常に問題になりまして、飛行機の高度を変えたわけですね。海岸の上を通ることに落ち着いたわけですね。ところが、成田はそうはいかぬですね、内陸地帯ですから。したがいまして、江戸川区ほどの広さをもっても、なおかつ騒音に住民が耐えられないとなれば、成田では、あそこが相当巨大な国際空港になれば、騒音は相当ひどいし、また、海の上を通らすというわけにはいかぬわけですね。そうしてまた、いまおっしゃいましたように、本来ならば移転してあき地にするのが一番いいとおっしゃいましたけれども、これはずいぶん費用がかかると思うんですよ。しかし、イギリスあたりでは――ちょっと私も切り抜きですから――ヒースロウ空港あたりでは、一九六六年から一般住民の防音工事の補助を始めて、周辺六万戸のうち、一万戸について防音工事を実施した。ロンドンの場合などは、外国の建物は比較的壁も厚いし、それからまた、二重窓をつければ防げると思うのですが、日本の家屋というものはそうはいきません、なかなか。二重窓も薄い二重窓になってしまう。とうてい十分なあれはできぬわけですが、しかし、これらの騒音防止予算にしましても、現在、航空局の考えております五カ年計画を配分しても、これはきわめてわずかだと思うのです。現に、四十七年に八億六千五百万円で、今後、防音対策ですね、こういうことをやっていくわけです。つまりこの年度の譲与税が、御承知のとおり初年度は六億だと、地方に渡るのが。それからまた、平年度が大体十四億七千万円だと。してみれば、これが主として航空機の大型のところに集中されるにしましても、現に、ジェット機なんかはずっといなかのほうも飛んでいるわけですね。これから、これらを分配しますと、一地域に対してきわめてわずかですね、千葉県ですら一年間八億も出しているのですから。そうしますと、今日、差し迫ったこの航空機の騒音に対する防音あるいはいろんな環境施設ということになりますと、とうてい今日、この費用では地方自治体もたいへんだと思うのですね。だから私たちは、この案にはあまり賛成できませんし、まあこれは本来、金額なんかの配分もあべこべにすべきだというように考えるわけです。こういう点で、ひとつこの案は、ここで、きようで終わりですけれども、新しく来年に回れば、どんどんとまた成田あたりからも発着をするでしょうが、こういう問題は早急に自治省あたりでも根本的な検討をすること。それからまた、騒音なんぞにつきましてもやはりある程度私は飛行機なんかの騒音をきびしくする。そうなければ、飛行機自体、今日の騒音をできるだけ低くするというような研究なり開発なんかも進むと思うわけです。公害防止もみなそうなんです。やはり会社なぞはかってに、音は出してもかまわぬ、スピードさえ出せばいい、そういう形で航空機の設計に努力をしておりますけれども、やはり騒音の防止、地域住民の幸福、こういう立場からこれらに対するいろんなきつい規制をする、そうすることによって航空機自体の内容も私は相当変わってくると思うんですね。こういう点で、ここでは、そういう点の地方自治体が環境基準のようなものを騒音に対してきめれば、できるだけそれは尊重する。いつでも国のほうがあとからついているわけですから、地方自治体なんかに、相当やはり自主的な騒音の規制基準というものをきめることを、むしろ運輸省あたり積極的にこれをさせていく。と同時に、自治省は、これに伴ういろいろな財源や、またその他の地方住民の航空機による非常な弊害を除くように行政措置をとってもらいたいということを最後に申し述べて終わりたいと思います。
#227
○委員長(玉置猛夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#228
○委員長(玉置猛夫君) 速記を起こして。
 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#229
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#230
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 航空機燃料譲与税法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#231
○委員長(玉置猛夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#232
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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