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1971/04/18 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第10号
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1971/04/18 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第10号

#1
第068回国会 地方行政委員会 第10号
昭和四十七年四月十八日(火曜日)
   午前十時三十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     杉原 一雄君     戸田 菊雄君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     戸田 菊雄君     杉原 一雄君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     神沢  浄君     上田  哲君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         玉置 猛夫君
    理 事
                寺本 広作君
                増田  盛君
                占部 秀男君
                河田 賢治君
    委 員
                片山 正英君
                塩見 俊二君
                柴立 芳文君
                高橋 邦雄君
                原 文兵衛君
                小谷  守君
                杉原 一雄君
                和田 静夫君
                上林繁次郎君
                藤原 房雄君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       自 治 大 臣  渡海元三郎君
   政府委員
       自治政務次官   小山 省二君
       自治大臣官房長  皆川 迪夫君
       自治省財政局長  鎌田 要人君
       消防庁長官    降矢 敬義君
       消防庁次長    山田  滋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       消防庁予防課長  永瀬  章君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○消防法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十七日、神沢浄君が委員を辞任され、その補欠として上田哲君が選任されました。
#3
○委員長(玉置猛夫君) 昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡海自治大臣。
#4
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいま議題となりました昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案の提案の理由とその要旨について御説明申し上げます。
 昭和四十七年度分の地方交付税については、経済の停滞を反映してきびしい状況下に置かれている地方財政の現況にかんがみ、地方交付税の総額の特例を設けるとともに長期的見地から社会資本の計画的な整備を促進し、特に最近の地域社会の著しい変化に対応する生活環境施設の整備及び社会福祉の充実をはかるため、地方交付税の算定方法を改正する必要があるのであります。
 これがこの法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、昭和四十七年度分の地方交付税の総額については、地方財政の状況にかんがみ、現行の法定額に臨時地方特例交付金千五十億円、臨時沖繩特別交付金三百六十五億円並びに交付税及び譲与税配付金特別会計における借り入れ金千六百億円を加算する特例規定を設けることといたしたのであります。なおこの借り入れ金については、昭和四十八年度から昭和五十五年度までの各年度に分割して償還することとしております。
 次に、昭和四十七年度の普通交付税の算定方法については、市町村道、公園、下水道、清掃施設等住民の生活に直結する生活環境施設の計画的な整備を進めるとともに、過密・過疎対策、公害対策、交通安全対策及び消防救急対策に要する経費を充実し、老人医療費の公費負担制度の新設等各種の制度改正に伴い増加する経費を算入する措置を講ずるほか、地方債を大幅に増額することに伴い、投資的経費の一部を地方債に振りかえることといたしております。
 さらに、沖繩の復帰に伴い、沖繩に対して交付すべき地方交付税の一部に充てるため、昭和四十八年度から昭和五十年度までの各年度においても臨時沖繩特別交付金の制度を設けることとし、また、沖繩県及び沖繩県内の市町村に対して交付する普通交付税の算定上必要な経過措置を設けることとしております。
 以上が、昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(玉置猛夫君) 次に、補足説明を聴取いたします。鎌田財政局長。
#6
○政府委員(鎌田要人君) お手元の資料の初めのほうでございますが、昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案というのがお配りしてございます。この条文に従いまして簡単に補足説明をさしていただきます。
 まず第一条でございますが、第一条は、先ほど大臣から御説明申し上げました昭和四十七年度分の地方交付税の総額に関する規定でございます。現行法におきましては、貸しておりましたものが四十七年度返ってまいります三百億を含めまして千四百六十億しかふえないわけでございまして、それに千五十億、三百六十五億、それから特会借り入れの千六百億、これを加えまして四千四百七十五億というものを四十七年度の総額にしようとするものでございます。ちなみに、この額は前年度に比べまして二一・九%の伸びになっております。
 二枚目にまいりまして二項でございますが、二項は、昭和四十七年度分におきましては、先ほど申し上げましたこの臨時特例交付金の千五十億、それから特会借り入れの千六百億、これは普通交付税の伸びが著しく低うございますので二千六百五十億はまるまる普通交付税としてとる、特別交付税として回りまする分は、したがいまして千四百六十億と三百六十五億のこれの六%分だけが加わる、こういうことでございます。したがいまして、増加額の四千四百七十五億のうちの四千三百六十六億が普通交付税に回りまして、百九億が特別交付税に回る、こういう勘定に相なるわけでございます。
 次の三項でございますが、三項は、市町村分の公園費につきまして、従来都市計画費の中で見ておったわけでございますが、それを公園費ということで独立をさせまして、その測定単位といたしましては、従来の人口集中地区人口に対しまして人口をとる、それからそれに対しまする補正といたしまして態容補正及び寒冷補正というものを用いる、こういうことにいたしておるわけでございます。
 それから五ページ目でございますが、四項は昭和四十七年度分の単位費用の改正に関する部分でございます。これにつきましては、経常的経費につきましては給与費等の増を例年ベースで見ておるわけでございますが、投資的経費につきましては著しく従来と変わった点がございます。それは明年度の財政対策といたしまして、交付税が伸びない、税も伸びない、そういうことから例の三千五百億の地方債を増発することにいたしております。したがって、都道府県、大都市部におきまして、投資的経費を事業費補正等を中心にいたしまして起債に振りかえておるものがございます。そういった関係で道路とか、あるいは河川、港湾、こういったところの経費につきましてはほとんど伸びないか、あるいは若干の減が立っておるところがございます。それから全般的な傾向といたしましては、市町村につきましてはこれはできるだけ交付税でまかなう、それから大都市、府県等比較的財政力の強いところは起債に振り向ける、こういうことをいたしますとともに、市町村道あるいは下水道、清掃施設、広域市町村圏あるいは過疎過密、こういったことにかかわりまする分につきましては投資的経費の単位費用の引き上げをはかっております。
 それから二二ページ目でございますが、「備考」と書いてございます。これは沖繩県及び沖繩県内の市町村がこの五月十五日から復帰をいたしますので、これにつきましては、本土の市町村でございますればまるまる一年分でございますけれども、沖繩県、市町村でございますと五月十五日以降でございますので、大ざっぱに申しまして十二分の十・五という率を乗ずるということでございます。
 次に二三ページでございますが、第二条は、四十八年度から五十五年度分までの地方交付税の総額の特例でございまして、四十八年度から五十年度までは、この法律の規定によりまする額に臨時沖繩特別交付金を加えました額から、昨年とことしにかけまして、昨年で千二百九十五億、それからことし千六百億借りるものでございますから、その両年度分を一緒に合わせましで、昭和五十五年度まで逐次返還してまいるわけでございますが、その額を差し引いた額をもって総額にするのだという趣旨の規定が第二条の改正の規定でございます。そこで、この第二条の改正の中で、沖繩の臨時特例交付金につきましては、ことしはこの親金を五百十億円と置きまして、そのうち五月十五日以降の分として四百五十七億円、それの八掛けで三百六十五億円ということになります。来年はその五百十億を国税三税の伸びでスライドいたしまして、その額の六割、再来年はその額の、同様に国税三税の額でスライドいたしました額の四割、その次の年度は同様の額の二割、それで最終年度、すなわち五十年度でそれが終わりまして、五十一年度からは全く臨時沖繩特別交付金というものはなくなりまして、本土の交付税から一本で配分していく、こういうことに相なります。
 それから二四ページから附則でございますが、二五ページの二十七項というのがございます。これは沖繩県及び沖繩県の市町村に対しまするこの四十七年度から五十年度までの普通交付税の額を算定いたします際、第十二条第二項の測定単位なり、あるいは補正あるいは基準財政収入額の見込み等につきましてまだ基礎数値というものが整わない、こういう理由等がございまして、自治省令で算定方法について技術的な特例を設けようとするものでございます。
 それから次の二六ページの三項でございますが、これは市町村民税減税補てん債につきましてはその償還費を見ることになっておるわけでございますけれども、御案内のとおり、法人税の臨時増徴の期間はその補てん債の元利補給を停止するという規定でございます。
 それから次に二七ページの五項でございますが、これは交付税、譲与税配付金特別会計法の一部改正でございまして、先ほど申しました千二百九十五億六千万円、昭和四十六年度の補正の際に借りまして、それから今年度千六百億借りたわけでございますが、この両方を合わせまして、二八ページにございますが、この年度に従いましてこれだけの額を大ざっぱに申しまして返していくという趣旨の規定でございます。あとは技術的な規定の整備でございます。
 以上が補足説明の大要でございます。
#7
○委員長(玉置猛夫君) 本案に対する審査は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(玉置猛夫君) 消防法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○杉原一雄君 消防行政上の一般的な問題として、今春の火災予防運動のこと、第二点として東京ヒルトン火災の問題、第三点として婦人消防隊、少年消防クラブ等の運営の問題、あと逐条、法案に従って二、三質疑を行ないたいと思います。
 第一点の問題というのは、きわめて平凡な質問でございますけれども、すでに全国的な火災予防運動がほぼ終わった段階のように思います。富山のごときは雪が降りますから四月段階に入ってこの運動を実は展開しておるわけでございますけれども、年々歳々同じことを繰り返す、横断幕に何か書いて流すというような程度のものであってはいけないと思いますので、ことしは新しいくふうを行なわれて運動が展開されているものと理解いたしますけれども、町内会長をしております私のところへ一通の手紙が警察からくる程度でございますが、私たちはあまり協力しておりませんが、そこで長官に対して、ことしは、去年の消防白書等からも教訓を見出して運動として新しい目標の設定はなかったかどうか。そうしてまた、それがどのような具体的な展開をして、現在すでに運動がおおよそ総括されている段階だと思いますので、総括点検の結果はどうだろうかというようなことを含めて、一括して御答弁をいただきたいと思います。
#10
○政府委員(降矢敬義君) 本年の二月二十九日から三月十三日まで春の火災予防運動を実施いたしました。今回の重点といたしまして、主婦のための防火教室の開催ということを第一番目に取り上げたわけでございます。この点は、火災のうちで大体建物火災が一般に六割ぐらいでございまして、四十六年の出火件数は六万三千七百八十七件でありますが、そのうち三万九千三百四十九件、六二%が建物の火災になっております。その建物火災のうちの半数以上が住宅の火災でございます。そこで私たちは、やはり一般家庭の火災予防というものをどうしても重点に置いて展開いたしたい、こういうことを今回の春の第一の目標にしたわけでございます。そのために、火災の予防あるいは早期発見、早期通報、初期消火、同時に避難の問題でありまして、特に老人、子供、病人等の人命確保という点に一つの重点を指向いたしました。それから次は、御案内のとおり、たばこによる火災が何といたしましても第一位でありまして、それは投げ捨てと寝たばこでございます。これはここ数年来ずっと火災原因の中で第一位を占めているのでございまして、この点を専売公社等とも協力いたしまして重点事項の第二に取り上げました。それからその次は、外出時、就寝前の火のもとの点検、それからその次は、旅館、ホテル等、多数の人が出入りする建物における消火、通報、避難の訓練の実施ということを重点にいたして火災の予防の運動を実施したわけでございます。確かにいま御指摘のように、たばこ以下三点は去年もその点を重点に取り上げました。これは御案内のような状況でありまして、どうしてもここ何回か繰り返してこの運動を実施目標として実施する必要があるという考え方でございました。
 で、その結果、この予防運動期間中に、昨年の四十六年の春の実績と対比して申し上げますと、出火件数は、四十七年は三千四百八十六件、四十六年は三千八百八十三件で、減少出火件数が三百九十七件でございました。で、内訳としては、建物火災が三百三十七件減、それから林野が百四十九件減、それから車両火災が二十四件減。で、反面、増がありまして、私たちのほうではその他火災と、こう言っておりますが、たとえば都市の中の空地の草が燃えたとか、あるいはごみ箱が燃えたとか、あるいは下水にたばこを投げた結果、その下水にシンナー等が入っておりまして燃えたとか、そういうものをその他火災とまとめておりますが、これが百三件ふえたのでございます。
 それから死者は、四十七年は百十二名で、四十六年九十三人でありますから十九人の増になっております。出火件数それ自体は、私たちの考えました、重点施策にいたしました建物火災が大きな減少を見ておるわけでございますし、また林野につきましても見ましたのは、一つはたばこ、特に林野は、御案内のとおり、たき火とたばこによる火災がまず圧倒的な数を占めておるわけでございまして、この点が結果としては一応改善をされておる。建物火災については、いま申し上げたような数字でございます。死者の点につきましては、ふえておりますが、これはやはり住宅火災によってなくなった方がそのうちの九十五名を占めておるわけでございます。こういう結果でありまして、やはり御案内のとおり、火災のほとんどが、八割ちょっとこえる数字が失火でありまして、しかも建物火災がどうしてもこの死者と結びつき、また件数をふやしておる状況でございます。
 そこで、いま申し上げたように、まず家庭の主婦の方々を対象にして、火気使用状況等、あるいは初期消火、避難というふうなこと、たとえば初期消火におきましても、具体の例としてはたくさんございますが、バケツ一ぱいの水で初期消火を成功させた例は枚挙にいとまないのでありまして、そういうことで地域地域単位に家庭の主婦の方々を中心にひとつどうしても進めなければならぬと私は考えております。それからもう一つは、行政局のほうでいわゆるコミュニティーの活動というものを展開しております。私のほうからもこれについては意見を申し上げておりまして、コミュニティーの活動の中に家庭防火、家庭救急というものを入れていただきまして、要するに、大きな施設をつくると同時に、そういう具体の運動を通して地域の安全を守るということを進めておるわけでございます。そういうことで今後家庭から地域ぐるみの防災防火というものにどうしても発展させていかなければならぬと、こう思っておりますが、ただ一つだけ、たばことそれから不特定多数の人が出入りする場所の防火対策につきましては、私は今後とも予防運動の重点の中に入れて継続していかなければならぬ、こういうふうに考えているところでございます。
#11
○杉原一雄君 非常に詳細な御説明をいただいてありがとうございました。ただ、運動は集約段階に入っておりますから、総点検した結果、かくかくの、思想の問題はものさしはないのですけれども、しかし設備その他の問題についてのいろいろな欠陥等がお手元のところに集約されているかどうかということなんですが、私が町内会長に就任したのが昭和四十二年なんですけれども、私が町内会長になったということで、もちろんそのころは国会議員でありませんが、あわてて消防団が私の町内を臨検してくれたのですが、臨検した結果、水道の消火せんのところにホースを入れて消防ポンプで水をあげましたら、一度目はけっこうあがったわけですが、二度したらだめで、ネコのしょんべんみたいになって話にならなかったわけで、私がくどく言わなくても消防団長が中心になって防火用水をつくってくれたのです。ですから、そういう運動のあとの点検と申しますかね、そしてまた、それに伴う行政措置というものは必ず必要であります。これは公式的のことですが、ただことしの防火運動、火災予防運動の中から出たこういう種の欠陥があるのだなどということ、去年の消防白書ではある程度の指摘がありますが、新しい問題提起のようなものがあるのかないのか、その辺のところ長官のところに資料が集まっていましたら、統括的な数字でけっこうですからお聞きしたいと思います。
#12
○政府委員(降矢敬義君) まだ、この運動の期間につきましても、それぞれ地域によってずれているところがございますので、全体の調査の結果は出ておりませんが、いま私が申し上げたようなことから申し上げまして、私たち一番強調しておりますのは、火災による人命事故というものを絶対になくさなきゃならぬということを人命尊重という見地から強調し、これを中心にやっておるところでございまして、今回の場合におきましても、なくなられました百十二人のうちで六十一歳以上の方の死者というものがちょうど四十人、約三割ございます。これは、その中で、起きておるときにも逃げおくれてなくなっているというケースがございまして、私たちは、やはり子供、老人、特に老人の火災による事故というのは、いま申し上げましたようにかなり多いわけでございまして、この点は、各家庭における老人の所在、あるいはその家庭におけるある一定の時間に孤独になる、夜間孤独になる、こういうようなところは各現地の消防署単位によく承知しておいていただくようにしておりまして、万一その付近に、あるいはそこに火災が出たような場合には、そういう方々をいち早く救出をするというような作戦といいますか、そういうものも、具体の現地に即しまして、私たち立てるように指導しておるわけでございます。こういう点は、やはり今後とも、この火災予防週間の一つの収穫として一そう徹底をしていかなきゃならぬ、こういうふうに考えておるところでございます。
 それからもう一つは、この火災予防週間の前に、いわゆるホテルを中心に防火設備、避難設備の点検をやらせました。これは、昨年の暮れの韓国における大然閣ホテルの火災の直後に、約一カ月かかってホテル、旅館の設備、防災設備というものの点検を全部させまして、その結果、悪いところは指摘をして改善させるようにしておるわけでございますが、この点につきましても、あるところでは、設備の適当でないところは、むしろ住民の協力を仰ぐという意味で公表をして、それによって積極的にそういう大衆の出入りする旅館、ホテル等を中心にする設備の改善等もやらせたわけでございます。今回の火災予防運動におきます重点事項の中においてもそれを取り上げ、かつ、具体の現地におきましては、特定のホテル、旅館あるいは地下街等における防火訓練、避難訓練というものをそういう所在するところは全部取り上げまして、一つの訓練を実施しておるところでございます。で、なお詳細は、今後まとまりましたならば機会を得ましてまた御報告さしていただきたいと存じます。
#13
○杉原一雄君 ちょうど長官の答えが、私の大きな第二項目の東京ヒルトン火災の問題と関連をしてまいりました。
 第二問に移ります。ヒルトン火災は、いまの京城のホテルの火災の教訓から得て、点検あるいは行政指導なさった御苦労のあとで起こった事故であります。四月の十四日の朝の七時四十分でありますが、これは大体新聞報道等で原因その他みな私おおよそわかりましたが、消防庁としてはどのように理解しておるかということになりまするが、項目的には、まずその原因は何だと、防火体制等については、先ほどの行政指導が徹底していたのかどうか、また問題点はあったのじゃないか。その結果、総点検をなさったと思いますが、その結果のあらましの報告をひとついただいて、最後に、京城に学ぶとともにヒルトンに学ぶということで、この火災から得た教訓、しかもその教訓から得た消防庁としての、それぞれの機関を通しての指導行政はどうなっておるかということ等をお伺いしたいわけです。
 あわせて、ことしの春、富山市で一番有名な繁華街に総曲輪というところがございますが、十数軒、食堂から発生した火災のために焼けたわけですが、その場合、やはり教訓的に学び得ることは、アーケードの問題、同時にまた、木造と鉄筋との優劣の比較の問題等がきわめて歴然と出ておりまして、結果的には、鉄筋コンクリートでつくられたパチンコ屋さんは、火災があったその日から店をそのまま引き続いて始めておるわけです。まさに近代文化の皮肉な姿であったと思いますが、そうした問題等についても、そういう人がたくさん集まるところ、総曲輪でなくてもよろしいのですが、これは一般的な問題として、そういう商店街等の建造物についていまなお多くの問題を持っているんじゃないか。その点を明らかにしていただき、また、できればそれを都市計画等の中で自治省あたりで指導をしていかれる点について、やはりこうしたことはすでにおやりになっていると思いますが、火災という観点から見てなお指導を強化する面があるのではないか。総曲輪のことは御承知ないと思いますけれども、私は、友人の店がございますので、すぐ国会から帰って見舞いに行って現場を見たわけでございますが、そういう中から私なりの教訓を学びとってきたわけでございます。でありますから、要約すれば、ヒルトンの問題、あわせて繁華街のそうした商店街等の防火に対する建造物、家屋建築の問題等を含めて、今日まで強力に指導してこられた重点的なもの、またヒルトンから学び得たように、今後の指導の重点と申しますか、そうしたものが要約されておれば御披露いただきたい、こういうことです。
#14
○政府委員(降矢敬義君) 四月の十四日、ヒルトンのホテルで火災になりました。で、いわゆるぼや程度で済んだわけでありまして、厨房用の排気ダクトを焼損した程度で済んだわけでございます。この出火の原因は、一階の厨房で、料理の色づけをする電気器具――サラマンダというんだそうでありますが、それで肉や魚の色づけのため振りかけたブランデーが燃えて飛び出し、ダクト内に着火したと考えられるわけでございます。ヒルトンの火災が起こりまして火災感知器が作動したわけでありますけれども、出火の場所、つまり火点の確認がなかなかできないで、そしてホテルから火災通報をすることがおくれたということであります。そこで、この消火にあたりましては、ホテルの保安要員が、九階と七階の屋内消火せんによって、ダクト内に注水をして消火いたした次第でございます。このダクトは、厨房部分と客室の部分が防火隔壁で区画されておりまして、他のダクトのほうに延焼拡大するおそれは全くなかったわけでございます。このヒルトンの施設につきましては、先ほど申し上げましたように、大然閣ホテルの直後に査察を行ないまして、若干欠陥があったようでございます。たとえば、新しく五階の従業員控え室というところに自動火災報知機がまだ未設置の状態と指摘されておりまして、そういうものにつきましてはその後改善が行なわれているようでございます。全般としては、消火用防災施設というものについては大きな欠陥を見ておらないのでございますが、いま申し上げたような点については、さっそく補修を命じて改善をされておるところでございます。で、この問題につきまして、いま申し上げましたように厨房用ダクトに油がやはりはねる、同時にちりがある程度そこに堆積をする。そこに火点が――火が飛び散って燃えるということでありまして、やはり従来もこの点は指摘されておりまして、この厨房用ダクトの清掃ということについて、つまりそういう意味の保守管理というものの徹底をもっとはかる必要があるということがわれわれが得た教訓の第一でございます。それから、火災が発見されましたけれども、通報がおくれておりまして、これはやはり平素の訓練とともに、この通報をすみやかにするという体制をもっと強化しなきゃならぬという点が第二点でございます。それから避難誘導の点でございまして、幸いに、構造上他に及ぶようなしかけにはなっておりませんけれども、宿泊されている方には、避難誘導のための通知というものについてもやはりこれはしなきゃいかぬわけでありまして、この場合には、客室にそういう放送がなされておりませんでした。もとより、それは一定の指示をして、避難をいま直ちに開始する必要があるのか、あるいはどうなのかということも判断しなきゃならぬわけでございますが、いずれにしても、火災が起きたということを宿泊している方々にすみやかに放送をして伝達するということをやっておりませんでした。こういう点はやはりこの火事の具体的な教訓として得たところでございます。こういう点は、さらに私たちこういう事例をもとにして指導をするという考え方でおります。
 それから第二点の市街地にある商店街の問題でございます。この点は、杉原委員も御案内のとおり、市街地の中におけるこういうものにつきましては、特別の融資制度で、耐火構造にするように指導を建築行政のほうでやっておるわけでございますし、私たちも木造商店街のようなところは、木造としては、どうしても火災の危険、延焼の危険というものが、これは経験的に十分理解できるところでありまして、こういうところについては耐火構造のものにぜひしていかなきゃならぬと、こういうふうに考えておりますし、そこで、いま都市計画というようなお話もございましたが、やはり都市計画の中でいま申し上げましたような方向で商店街の改造といろものを進めていかなければならないというふうに感じておるところでございます。特にアーケードというものにつきましては、あるいはいろんな観点から商店街として設けられておるわけでございますが、消防の活動からいうと、あるいは多少状況によっては障害になるようなことがないとは私は断言できないと思いますけれども、いま設備も、そういうものに対処する、たとえば十五メートル程度の屈折はしご車というようなものがありまして、ある程度の商店街ならば、そういうことで対処できるわけでございまして、したがって、特にアーケードを消防の見地からどうしなきゃならぬということを積極的にいう理由は私はないと思いますが、基本的には、やはり耐火構造的なものに商店街を変えていく。たとえば鳥取市の去年の火災でも、やはり木造の商店街がかなり大きな焼失面積を出した例がございますので、こういうことを考えていくと同時に、やはり防火体制といたしまして、現在、業界の方々がいろいろ研究されておりまして、私たちの消防研究所のほうでもそれをやっておるんですが、商店街単位あるいは地域単位に防災、防犯というものをシステム化して、同時に、それが一カ所で火災になれば直ちに消防署に連結できるような防災、防犯のシステム化ということをかなり業界のほうでも研究をし、また、消防研究所のほうでもいろいろ相談にあずかっているところでございまして、近く、東京のあるところではそういうものにぜひ着手したい、商店街が一緒になってそういうものをやりたいという希望のところもあるというふうに承知しております。こういうことによりまして耐火構造自体と同時に、早期発見、早期通報というものをシステム化するということをぜひ考えていきたい、こういうことでこの問題に対処したいと、こう思っておるところでございます。
#15
○杉原一雄君 先ほどのヒルトンの場合、地上一階じゃないでしょう、地下二階の調理室と報道されておるのですがね。まあそれはどうでもいいことですが、通報のおくれの問題とかいろいろ避難誘導の問題が出ておりますが、われわれ飛行機に乗った場合に、必ずスチュワーデスがいろいろなことを、まあ救命衣のつけ方とか、そういうことをいろいろ指導してくれるわけです。うるさいくらいに必ずやる。特にヒルトンは五百何十名のお客さんがおったわけですが、そういうことは常時やらねばならないという形にはなっていないのかどうか、あるいは非常口とか、あるいはそうした案内図、そういったものはかなり最近では徹底しておるようですが、ただ、そういったことは今度はお客さんが毎日かわるわけですから、そのつど何かそういったようなことで文書通達とか指示とかいう程度だけでなしに、飛行機に乗った場合のような、ああいうようなことをやらせておられるところがあるのかないのか、また、そのことが好ましくあるのかないのか、その辺の実情はどうなっているか、ちょっと聞きたいんですが。
#16
○政府委員(降矢敬義君) いわゆるホテルにおきましては、ボーイがお客さんの一人一人にいまお話があったような指示をするということは、あるいはやっておるところもあると思いますけれども、私の経験ではございません。それから一般の旅館、いわゆる日本式の旅館では、着いて座敷に上がったときにある程度の指示をするのがだいぶ普及しているようでございます。御案内のとおり、いわゆる部屋には非常避難の場合の経路を図示したものも置かせておりますし、それから、それよりもやはり非常口を表示する緑色の電灯をつけた表示灯を足元のほうに設置するということで規定も改正して、そういうふうに指導をやらせておるわけでございまして、いま御質問のようなことがすべてのところで全部行なわれているかどうかということについては、私は確信をもって答えることはできません。
#17
○杉原一雄君 それで、第三点に移るわけですけれども、ちょうど私一月六日に、私の居住地の富山市の消防出ぞめ式に市長の招待で参加したのですけれども、まあ閲兵ということは当たりませんけれども、隊員の並ぶところをずっと観閲やったわけですね。非常に感ずることは、幹部の皆さんが勲章みたいなものをつけておられるということもこれは問題ですけれども、非常にお年が老齢化しておるということは、これは非常に目立ちます。
 その次に、わずかでもぼくは軍隊生活をしたわけですから、軍隊はたいへんにより抜きの者がおるからそれはなんですけれども、消防隊が並ばれると大中小さまざまの方が並んでおって、何か頼みがいのある消防隊という印象は受けませんけれども、これはどうあっても常備の場合と違いまして、かなり人を得るのは困難だろうというふうに思います。そうしたことなどもう少し――まあ去年いただいた白書では、二八ページに「消防の人づくり」という項目があるわけですが、その中で「魅力ある消防人」という表現をとっております。これは私は、本来なら「魅力ある消防人」ではなくて「頼みがいのある消防人」というふうに書きかえると同時に、そういう思想転換の中から消防体制の強化が出てくるんじゃないか、そういうふうに実は思います。
 そういう中で、これまた白書の中の九ページの上から五行目のところに、「婦人消防団員による消防力の充実についてもこれを推進していかなければならない」、一行ほど婦人消防団員のことについて書いてあるわけであります。これは、私のお聞きしたいのは、婦人消防隊ないし少年消防クラブ等の全国的な状況ですね。状況ということは、もしあれば、常勤――多くは非常勤だと思いますが、常勤、非常勤の関係、同時にまた、どうしても婦人消防隊を編成しなければならなかった理由、これはおそらく少年消防クラブとは設立の趣旨が違うと思います。同時にまた、そのことからくる、これでは簡単に「消防力の充実」ということになっているわけですが、補う意味における充実なのか、それともそうせざるを得なかった、あるいは過疎、過密の問題等もあるわけですから大体見当はつきますが、そういったことをいま一度再確認しておきたいのでありますが、同時に、それらの消防隊、少年消防クラブ等におけるすぐれた面とマイナスの面、ここらあたりで男女差を出しますと中沢さんおこりますが、そういうところはやはり消防という激しい業務でございますから、あるのではないだろうかということを考えます。その点ひとつ簡単でようございますが、概括的に報告をお願いしたいと思います。
#18
○政府委員(降矢敬義君) 私たち、民間の防火防災組織の中に婦人消防隊あるいは少年消防隊というものを育成をすることを何年かやってまいりました。で、婦人消防隊につきましては、名前は婦人消防隊でございますが、二種類ございまして、いわゆる市町村で消防団員として任命を受けて、男子の消防団と同じような組織の中で活動する方方が全国で、最近の一番新しい統計で二千百十七人ございます。この方々は御指摘のいわゆる過疎の市町村、漁村、山村におきまして、あるいは一番火災の多い十月から四月までの間、男子の消防団の方々が出かせぎに出られますその留守の間部落を守るという意味で、いわゆる消防団員として活動をすることを前提にして任命されている方々でございます。この方々につきましては、私たちは、いわゆる部落という単位に防火水槽と小型の動力ポンプ、これは重さは六十キロ程度でございますが、こういうものを配置いたしまして、万一火災の場合には、とりあえずそれで初期消火をできる体制にする、その間に常備消防が到着をするというかっこうで、あまり過重な消火活動というようなことをお願いをするのは無理かと存じまして、そういうかっこうで活動を期待しているわけでございますが、しかし、この方々と同時に、婦人消防隊といわれておるいわゆる消防団員でない方々、これが現在全国で五千五百三十団体、九十八万九千九百人おられます。この方々は、名前は防火クラブとかあるいは地域防火婦人会とかいろんな名称を持っておりますが、これは主として、先ほどお話がありましたような家庭の予防、火災予防運動、あるいは、ところによっては家庭の救急、ちょっとした救急処置の普及ということに従事されておるわけでございまして、こういう方々は、いわゆる火災の現場に出て消火活動をするということは全く期待もしておりませんし、またそういう訓練もいたしておりません。むしろ、家庭の防火、予防、こういうことで、火気使用とかそういうことの実際的なお話をする。言うなれば、いわゆるコミュニティー活動の一環として行なわれるようなかっこうになっておるわけでございます。
 それから、少年消防クラブという名等で呼ばれておるものは、これは小中学校のクラブ活動の一環として、防火思想の徹底、あるいは、いわゆる火災予防として火の用心というようなことで呼びかける運動、あるいは、そういうことからして将来防火思想を強く持って社会に立ってもらう、こういうようなことでクラブ活動を主体にやっていただいておるわけでございまして、これが全国で五千百五十団体、四十九万二千人現在活動しておるわけでございます。この人たちにつきましては、現地の消防の方々と協力をして、いわゆる予防運動、呼びかけ運動、こういうことを中心にやっていただいておるわけでございます。この育成指導につきましては、それぞれの現地の消防当局者におまかせしておるわけでございますけれども、私たちとしては、全国の数ある中から数団体を選んで、毎年三月に、その年の実績を見まして、そうして長官表彰として東京で表彰をするということをやっておるわけでございます。いずれにいたしましても、この方々はいわゆる地域の防火防災の民間活動団体としてこれを育成をし、今後とも私は、コミュニティーというようなものの活動の中に定着をさせるように行政局とも十分相談をしてこれを発展させていきたい、こう思っておるところでございます。
#19
○杉原一雄君 それでは、提案の消防法の逐条について二、三の問題を明らかにしていただきたいと思いますが、消防法等の一部を改正する法律案新旧対照表のほうがよさそうですから、それの二ページ、八条三の3のところで、「何人も、防炎対象物品又はその材料に、前項の規定により表示を附する場合及び工業標準化法その他政令」、たとえば家庭用品品質表示法の法律などをさすのでありましょうけれども、この指定表示の問題、これは後ほど政令で出されるわけでありますが、一体どういうことを想定において、政令等が準備ができていると思いますが、この表示の問題、非常に技術的な問題ですけれども、どのようなことを内容的にお考えになっているのかお聞きしたいと思います。
#20
○政府委員(降矢敬義君) これは表示の形式でありまして、たとえば縫製されたカーテンの場合にはこういうラベルをつける、あるいはカーテンの原反の場合には下げ札、スタンプ等の様式を定める。こういうことでございまして、それから、たとえば表示の貼付の方法としては、包装されたカーテンの場合には、カーテン一枚につき一枚貼付をする、原反の場合には一巻きに、あるいは一包装に一枚ずつ貼付をするというようなことを考えております。
#21
○杉原一雄君 次に、同じく横にすべって三ページですが、そのところに5があるのですね。そこで「第一項の防火対象物の関係者は、」ということばでありますが、法律用語、ぼくはそうたくさん知りませんけれども、この「関係者」という表現で事足りるのかどうか。これはあとで罰則規定があるわけでしょう、そうすると、「関係者」という表現以外にもっと詰めた表現はないものか。これは法技術の問題ですから、いろいろ検討された結果「関係者」という表現になったのかと思いますけれども、ぼくらしろうとではちょっとばく然としているように思うのですね。そこらのところ、詰められた過程において第二案、第三案のことばがいろいろあったかと思いますが、私の期待するのはもっときちんとして責任の所在を明確にしてもらいたいと、こう思うわけですが、討論の内容と見解をお聞きしたいと思います。
#22
○政府委員(降矢敬義君) 「第一項の防火対象物」は、高層建築物、地下街、キャバレー、旅館、病院等でございます。その「関係者」ということばと、それから消防法では、たとえば四条の第一項には「関係のある者」という表現を使っております。で、「関係のある者」というのは、所有者とかあるいは占有者、管理者のみならず、いわゆるそこで働いている従業員の方々も含むような広い意味でございます。ここで「関係者」というのは、それよりも狭い意味でありまして、所有権を有する者、いわゆる所有者あるいは管理あるいは占有をする権限を有する者というふうな限定した意味で用いているところでございます。
#23
○杉原一雄君 その次に、七ページに飛びますけれども、そこに附則があるわけですね。附則だから不足を言うのじゃないですが、そこの2のところで「昭和四十八年六月三十日までの間、適用しない。」と、あたたかい配慮をしてあるわけですが、昭和四十三年にこの法改正が行なわれて、その時点でこの種の討議が行なわれていたはずであって、いま、これを公布と同時に適用するということがどういう点で問題点があるのか、その辺のところ、来年まで待たなければならないという、それを明らかにして下さい。
#24
○政府委員(降矢敬義君) 御指摘のように、この防炎規制は四十四年の四月一日から施行になりまして、この古い規定は、そのときに使っておったカーテン等につきましては、防炎性能を有するものを使わなくてもいい、そのままでいいという規定になっておったのであります。それが七ページの第二項の規定でありまして、その結果、たとえば防炎カーテン等の普及、防炎物品の普及というのはかなりおくれまして今日まできておるところでございます。そこで、今回こういう表示をしてだれでもわかるようにする。それから同時に、高層建築物、地下街、旅館等においてはそういうものを用いるということで、いままでそうしなくてもよかった物品についても今回そういうふうにするというふうに義務づけたわけでございますので、どうもいままでの普及率から見まして、移行措置を、若干期間を置かないで、かりにこの法律がすぐ公布になって施行になりましても、直ちにそうはならない。そこで私たちは、一定の猶予期間、約一年ぐらいの猶予期間を置いて、従来防炎処理を必要としないもので現に使っているものについても、一年間の間には必ず全部防炎処理をさせるということで、非常に現実的な、移行の具体的な状況を勘案して若干の猶予期間を設けたわけでございまして、それ以降は、どんな物品でもすべて特定のところでは防炎性能を有するものでなければならぬというふうにするわけでございます。
#25
○杉原一雄君 先ほど消防の人づくりの問題に言及したわけでありますが、人づくりの問題は精神論で解決つかないものでございまして、やっぱり物の問題が行政上考慮さるべきですが、現在の消防職員の給与支払いの根拠、基礎になっているもの、いわゆる給料表、公安職給料表あるいは行政職の給料表、これは国、県、市町村段階において統一されているとは思われませんけれども、その辺のところは、現状はどういう形になっていて、しかも、高いところへこれの水準を持っていく、適用の給料表をそこへ持っていくというような行政努力と申しますか、そういう努力目標等が年次的に設定されているのかどうか、やる気があるのかどうか。最後に、もの言わぬ消防夫ということになりがちでありますが、私たちも教員生活の中では、やはり教員組合等があったりして、今日の経済的な条件をかなりぼくらはやっぱり高めてきたというふうに思いますね。自主的な努力によってそれを高めるという、消防職員がそうした自主的に高める力といいますか、それはやっぱりばらばらではいけませんので、団結権とか団体交渉権とか、そういうものも憲法にございますので――それを先進国家で与えている。日本も先進国、大きな国家、大国であるようですが、大国日本がなぜそれをまねできないか。そういうような事情等、非常に高い政治的な問題に関連しますが、いま統一されている消防庁関係の考え方をお聞かせいただければと思います。
#26
○政府委員(降矢敬義君) 消防職員の給料につきましては、市町村の条例でそれぞれきめるわけでございまして、いまお話ありましたように、公安職俸給表を使っている団体が職員数で五六%、団体で二三%ございます。それから行政職給料表を適用している団体は、職員数で四四%、団体で七七%となっております。行政職給料表を適用しているところでは、一号から五号までの号俸調整を行なって一般の職員よりも優遇しているところが非常に多うございます。この点につきまして、実はこういう給料表の適用の面あるいは処遇の面につきまして、私たちは、市町村の規模等が千差万態であります。こういうことを前提に踏まえながら、全国消防長の会がございまして、そこでもこういう給与、人事、教養面からこの問題を取り上げて約一年間ぐらい研究をしてまいりました。いま申し上げたような市町村の規模等、千差万態の状況は、それを踏まえながらやはり警察官等と同等の処遇あるいはそれ以上の処遇ということでこれを直す努力をしておりますし、また、交付税の措置のほうでも私たちそういう努力をしてまいっております。ただ、御案内のとおり、市町村の仕事ということでありますし、その規模が万態でありますので、一律の俸給表の適用をきめるということについてはなかなか困難な事情がございます。そのところはやはり私たち全国消防長の方方と相談をして、ある程度の基準といいますか、そういう若干の幅を持ったようなものを将来ぜひつくりたいという努力をしているところでございます。いずれにいたしましても、勤務の態様に即しまして、そういう給与の問題あるいは特殊手当の面につきましても、交付税措置等について十分財源措置をして、実態に即するような給与というものを支給できるように今後とも努力をしてまいる所存でございます。
 それから消防職員の団結権の問題につきましては、現在地方公務員法におきまして、現場に働く消防職員につきましては禁止されておるわけでございますが、この理由につきましては、いわゆる私たちは警察と同じように消防法一条あるいは消防組織法に書いてありますとおり、公共の安全を維持するということを最大の任務として活動するものでございまして、その団結権については、やはり警察職員と同様に扱うべきものではないかというふうに考えているところでございます。しかしながら、御指摘がありましたように、そういう反面、やはり給与の面、待遇の面あるいは住宅の面、特に都市における消防職員の宿舎の問題、こういうものにつきましては、私たちもここ何年か前からいわゆる待機宿舎に対する補助金というものを予算に計上いたしまして、これと別ワクの起債を用意をして住宅の対策についても進めておるところでございまして、そういう点もあわせて処遇改善については私たち十分な努力を今後とも続けてまいる所存でございます。
#27
○杉原一雄君 引き続いて一一ページです。
 今度は法案に移りますが、消防団員等公務災害補償等共済基金法の第九条の三、福祉施設の問題ですね。これは改正提起されているのは「公務上の災害を受けた非常勤消防団員並びに非常勤の水防団長」云々ということで、福祉施設を「するように努めなければならない。」こうなっておるわけですね。法文体系から考えた場合でも、努力規定でございますので、義務規定ということには一躍できない理由は何かということですね、一つは。
 その次に、その他消防活動なり水防活動の中で町内会あたりの協力を求めたり、とりあえず、火事やそういうものにはやじ馬がつくものですけれども、やじ馬じゃなくて積極的に防火活動なり水防活動に進んで参加する、いわゆる団員ならざる協力者、こうした人たちが、これは必ず事故なきにしもあらずでございますから、そういう人たちに対するところの施設のいろいろの問題ですね、おそらく検討されたと思いますけれども、どういう意味でこういう中に包括されなかったか。厳密な意味でむずかしいということも想定されますが、そういったことなど、そんなにぼくはむずかしいことじゃないだろうと思います。そういう意味で、いま申し上げた努力規定が義務規定にできなかった間の事情。それから、いま申し上げた団員ならざる人たちの民間協力によって起こった災害、身体障害、それに伴う福祉施設の利用、リハビリテーションの問題等含めて、これは挿入することはむずかしいのかどうか、これを私の質問の最後にしたいと思いますが、御答弁いただきたいと思います。
#28
○政府委員(降矢敬義君) 福祉施設について、いま御指摘ございましたように努力目標的な表現にしてございます。この点は、公務災害プロパーの問題でありますと、純粋にこれはいわゆる使用者側の責任で行なう、つまり、反対にいえば相手側は権利として当然請求するものでございます。で、その上に、福祉施設ということで考えますと、これはたとえばリハビリテーションにおきましても、ある程度社会に復帰するための機能回復というようなことになっておりまして、そこで、この国家公務員及び地方公務員の現在の公務災害補償に関する法律によりましても、福祉施設につきましては、こういう「努めなければならない」という表現にしてあるのでございます。そこで、表現はこのように他の福祉施設と同じように合わせて書いたわけでございます。しかしながら、実際、現在国家公務員及び常勤の地方公務員についてやっていることは、まあいわばつとめなければならないんじゃなくて、全部やっているわけでございまして、したがって、中身は、ここに書いてありますようなことは全部実施するわけでございます。そのために必要な市町村の財源も全部交付税で算定してございます。そういうことで、形式的には国家公務員なり地方公務員の常勤の方々の規定と同じような表現をいたしたわけでございまして、気持ちは全部実施をするという意味で事務的なことで考えております。その点は御了承をお願い申し上げたいと存じます。
 それからもう一つは、民間協力者につきまして、この制度を考えなかったかということでありますが、いろいろ検討いたしました。しかしながら、他の制度におきましても、あるいは警察の協力者についても福祉施設まではまだいっておりません。そこで、もう少し検討をして、他の制度とあわせて実施するという考え方に立たない限り、今回これをまとめて御提出申し上げるまでには至らなかったわけでありまして、将来の問題としては、ぜひ他の制度とあわせて検討さしていただきたいと、こう思っております。
#29
○委員長(玉置猛夫君) 本案に対する午前中の審査はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五分開会
#30
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 消防法等の一部を改正する法律案を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
#31
○上林繁次郎君 時間がありませんので、ぶっつけで聞いてみたいと思います。
 昭和三十六年に消防力の基準が制定されたわけです。で、昨年四十六年に新たにまた改正をされた、こういうことなんですが、四十五年までのこの基準に対する現状はどういうふうになっているだろうか、この点ひとつ。
#32
○政府委員(降矢敬義君) 三十六年に消防力の基準を定めまして、それに対して悉皆調査をやりましたのは、これは四十一年の三月の資料が新しいのでございます。その後は計画的に整備をし、あるいは広域市町村圏設定とともに常備化してまいりまして、新しい資料がございませんので、傾向だけはつかめると思います。つまり旧基準に対しまして、当時消防ポンプ車で充足率は五四%、それからはしご車は四四%、化学車が六一%、消防艇が二四%、それから消防水利、これが四八・九%、約四九%ということになっております。
#33
○上林繁次郎君 消防署の数とか、それから消防職員、それから消防団数、それから消防団員数、こういうものはどういうふうになっておりますか。
#34
○政府委員(降矢敬義君) 消防署所は八三%になっております。それから消防署員の充足率は四四%になっています。それから消防団の人員でございますが、これが当時は八〇%でございます。それから申し落としましたが、消防団における消防力――動力消防ポンプの充足率は五〇%でございました。
#35
○上林繁次郎君 そこでですね、この昨年、四十六年度に改正された新しい基準ですね、これに対する内容、これはあれですか、最も新しいもの、この点は出ておりますか。
#36
○政府委員(降矢敬義君) いま実は新しい消防力基準に基づきまして、消防力整備の五カ年計画を今年中に策定する考え方を持っております。そのために各市町村に、県を通じましてそういう計画の立案の素案となるものを求めておるところでございまして、全体の資料はまだ正確には把握しておりませんが、傾向として私たちのつかんだところを申し上げますと、署所、本部・署が九五%、それから人員につきましては四三%、大体似たようなところでございます。それから消防団の関係では、基準どおり一〇〇%、この数字は百十九万くらいの予定をしております。それから常備消防の消防ポンプ車が、これが大体六六%、それからはしご車が五一%、化学車が五二%、それから消防艇が一七%であります。それから消防水利のほうは五七%になると思っております。それから消防団における消防力でありますが、動力消防ポンプは六三%と考えております。
#37
○上林繁次郎君 そこで、私は、たとえば三十六年に消防力の基準が設けられた。それから十年たっておるわけですね、昨年、四十六年まで十年たっておる。それでしかもまだ充足されていないという面があるわけですね。その間に十年間あったわけですね。それでなお充足されてない面があると、こういうことなんで、一例をあげますと、消防団員数なんていうのは、あれじゃないですか、昭和三十九年と四十五年を比較しますと、かえって滅っちゃっているわけですね。こういう姿でもってほんとうに充足できるかどうかということが私は問題じゃないかと、こう思うわけです。そこで、局長のいまお話では、何とか充足できるようなお話のように伺いましたけれども、新しい基準というのは、いまの社会情勢に対応できるだけの、それを十分踏まえた上でつくられている、こう思う。ですから、そうなると、もう一段といままでのものよりも高度なものが出てくる。そうすると、この基準に到達するためにはやはり相当な努力も必要だろう。その具体策というものがなければならぬと、私は思うのですね。そういう、いままでのおくれを打開するための具体的な対策、これはどういうようなことなんですか。
#38
○政府委員(降矢敬義君) 同じような、三十六年に基準をつくりまして約十年間持続してまいりましたが、いま申し上げましたような充足率で、大体平均して五〇%から六〇%くらいのところでございます。今回、新たに消防力基準を改正いたしましたのは、新しい時代に対応すると同時に、機械器具というものがだいぶ機能がよくなりました。それからもう一つは交通事情というものもよくなった反面がございます。つまり協力関係がかなり容易になった面もございます。かたがた、反面、過疎地帯あるいは豪雪地帯ということになれば、そういう事態に対応して消防力の充実をはからなければならぬ。両面を考えて新しい基準をつくったわけでありますが、先ほど申し上げましたとおり、やはりこの基準に基づく具体の計画というものを各市町村ごとにつくりまして、これを一つの目標として、年次計画的に到達するようにしなければならぬという基本的な考え方で、四十七年度を初年度とした五カ年計画をつくって達成をはかってまいりたいと、こう思っておるわけでございます。ただ問題は、達成をするときの順番なり、どこに重点を置くかということと同時に、どういう施策を講じていくか、こういうことでございます。都市やそういうところにおきましては、高層ビルその他のものがどんどん出てまいりますし、また、コンビナート地帯には特殊の事情がまた生じてまいります。したがって、私たちはその都市の具体の状況に応じた整備のしかたをぜひ指導してまいりたい。このためには、やはり財源を相当用意しなければなりません。
 実は、四十五年の決算におきましても、市町村の消防費の決算額は、基準財政需要額よりも若干下回っておるのでございます。基準財政需要額は、要するにひもつき財源じゃありませんから、交付税は、したがって、下がっているからどうということは申し上げられませんけれども、やはりこの辺をめどにして、もう少し財源の有効的な使い方を考えなきゃいかぬし、それから従来多少起債の面におきまして、大きい施設はどうしても起債を見てやらなければいけません。消防ポンプにしても、小さい町村ではそうでございましょうし、あるいは、はしご車にしても、それから化学車にしても、やはり起債を少なくとも七割ぐらい充当できるようなものに見ていかなきゃいかぬと思います。この財源手当てについても今後どうしても充実しなきゃいかぬ。来年、四十七年度におきましては、昨年大体起債財源九十億程度でありましたが、私たちはこれを三十億程度ふやして百二十億程度にする見込みが現在ついておりまして、何とかこういう手当てをもってやっていきたい。それからもう一つは、基準財政需要額の引き上げによる一般財源の充実ということで、ことしもやはり基準財政需要額二千億ぐらいに引き上げたわけでございますが、そうして財源手当てをして、計画的に、しかもその当該町村の具体の事情に即したところから重点的に整備をしていきたい、こういうことを考えておるわけでございます。この点は、かなり市町村長さんをはじめとして、消防を、私は従来のように単に火事の予防、火事の消火、鎮圧という見方でなしに、当該市町村における安全防災を一番具体的に守る出動部隊という認識に立って、こういうものに財源措置をしていかなきゃならぬ。したがって、私たちは、交付税におきましても、消防の直接の機材のほかに、たとえば塩素ガスを運んでおるタンクローリーが道路で引っくり返った例が御案内のとおりに相当ございます。そういう場合に、素手で立ち向かうというわけにはまいりません。これには必要な防毒面とか防火手袋とか、そういった具体の市町村に、基準財政需要額に算入をして、実際の防災活動ということができるように措置をしてきておるわけでございまして、やはり私は、いままでの金の使い方についても、また、消防というものの見方についても、もう少しいまの社会に応じたものの見方をしてもらうようにいろいろお願いをして、そうして計画的な整備をぜひ進めてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#39
○上林繁次郎君 いまのお話を伺っていますと、結論的には、財源措置、これが一番大きな問題である、こういう感じです。私もそう思います。財源だけで解決のできない問題もあろうと思います。それはあとからまたお尋ねをしてみたいと思いますけれども、結局、財源は現在のいわゆる社会情勢、これに対応する、即応できる、そういう強力な消防体制をつくるためには、どうしても財源が必要である。そこで長官は、起債の問題やらいろいろの問題を取り上げられたわけだけれども、実際の例としましては、ある市では、たとえば五億六千万円が消防関係の経費として計上された。それに対して四億六千万円しか使用されておらない。あと一億は、これはもうほかに回されてしまう。こういうような実例が実際あるわけですね。こういった問題を私はどうするか。交付税はいわゆるひもつきではないから、どういうふうに使おうともそれはやむを得ないのだと、こういうことであるならば、こういう実例から照らして、今後この充実された消防体制というものは、財源の面からいうならば非常にむずかしいのじゃないか、こういう感じがするわけですね。この点どうでしょう、何とかこの点対策を考えなければ、来る年、来る年、同じようなことを繰り返す以外ない。結局は、この消防体制の充実というのはほど遠いものになってしまう、こういう感じがするわけです。その点どういうふうにお考えですか。
#40
○政府委員(降矢敬義君) 交付税の問題につきまして、御指摘のような例があると思います。総体的に申し上げますと、多少基準財政需要額には至っていない決算額になっております。この点につきましては、私たち自身のやれることとして、補助金、起債あるいは基準財政需要額の増加、こういうことに通じた交付税の一般財源の増加の問題でありますが、同時に、最近、御案内のとおり、ことに、ここ三、四年の間に府県というものが地域防災計画を策定いたしまして、市町村がそれに基づいた当該市町村の防災計画を策定しております。こういう面で、防災のやはり責任をになうということで府県自身にも貸し付け金あるいは補助金というものを支出するようになりましたし、それからもう一つは、そういうことで府県の体制の中で変わってまいりましたのもここ一、二年でありますが、従来、たとえば消防防災課というものは消防だけを取り扱う、あるいは、取り扱っても水害程度でございましたが、最近では火薬から電気から、あるいはガス、こういう従来商工部系統で扱っておった仕事も集中的に消防防災課で取り扱う傾向が非常に顕著になってまいりまして、要するに、住民に密着した安全体制というものを一つの窓口でやる、こういうことを通じて、従来以上に現地における消防というものとのつながりが非常にできてまいりました。そういうことで、実際の指導と、それから貸付金、起債、こういうものによって府県自身にも分担してもらう、同時にコンビナート地帯におきましては、ひとり当該市町村にだけいろんな防災関係の資機材を期待することは無理でございますし、したがって私たちは、いわゆる自衛消防の強化ということと、つまり会社その他においてみずから守るための自衛消防の強化という体制と、府県が市町村の消防活動を補完する意味で資機材をいろんなものを備蓄をする。たとえばあわ薬剤を備蓄すると同時に、それを発泡するために必要な放水砲というようなかなり高価なものも県で準備して、地元の市町村にそれを保管してもらって、それで訓練してもらう。そして、いざという場合に、それに備えるというようなことで、市町村自体のレベルアップと同時に、府県の補完的な任務をもっと私たちも強化してまいりたいと思いますし、そういうことで、消防力の機材そのものについての基準に対するアプローチといたしましては、市町村の財源強化の指導とともに、府県あるいは自衛消防というものによって、それも補完的に強化をすることによって、全体としての地域の防災体制をレベルアップする、こういうことを考えておって、これを推進しているところでございます。
#41
○上林繁次郎君 あまりよくわからないんですがね。大臣、いまのたとえば国の交付税がそういったことで消防――ひもつきじゃありませんから消防に幾ら幾らというわけじゃないけれども、しかし、消防体制というものを、体制というか内容の充実ですね、これからは非常に大事な問題だと思う。そこで、そういう財源が、市でもって計画された消防に対するいろんな経費ですね、それにいわゆる見てない。たとえば、いま言いましたね、五億六千万が四億六千万、一億が足りない、こういう形になっております。ですから、一億はどっかに削られてしまったというような感じになるわけですがね、その点を私は何とかしなければうまくない。まず市としても、市の行政を運営をする責任者、このいわゆる消防に対する認識不足というものもあるかもしれません。だから、当初組まれたものをそれに見てない、こういういわゆる姿になっている。その点を何とかしなければ私は消防体制というものはなかなか充実できるものではないのじゃないか、こう思うわけです。その点について、大臣のひとつお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#42
○国務大臣(渡海元三郎君) いま具体的にあげられました五億六千万が一億ほど削られた。現実に、その市が当初計画で予算面では五億なんぼの予算を組んでおきながら実際実行は四億なり幾らしかしただけ。その何が予防――消防は予防でございますから、予防のための分を含んでおった分を他に回したか、具体的な内容の面と、私軽々に論ずることはできぬと、かように考えますのですが、近時は、大体地方財政計画で組みました消防の費用が、ほぼ決算面におきましても各地方公共団体において使用されるということにまでレベルアップしてまいりましたが、いままでの経験からいきましたら、相当数地方財政計画に組まれた内容よりも実際出しておる消防の費用というものが決算面で見ると少なかった、これが過去の実例でなかったか、また、ある程度近づいてきたというのが現状でなかったかと、そうなりました原因、前にも小谷委員に答えましたのですが、財力は要るんでございますけれども、いままでのわが国の消防の実態を、特に、地方におきましては、町村財政の中から見ずに、一部の篤志寄付あるいは町内の割り当て等によって充実していくと、団員の一般的な給与等も篤志家のものによってまかなわれておったというふうな昔ながらの姿が残っておって、消防運営そのものが近代化されなかった、そのために、実際は使っておるんですが、決算面においては財政需要額が出てこないというふうな経過があったのではないかと思います。相当これが近代化してまいりまして、消防任務こそ市町村のこれは任務であるというところから、だんだんその方面に近づいてきているんじゃないかと、かように考えますので、今後ともその方向で充実さしていきたいと思っております。
 ただ、いま御指摘になりました消防基準に対しまして十年たっても五〇%、六〇%、しかも新しい基準を設ける、一方、財政面でながめたら、あるべき姿の金しか使っていないというふうなところに、非常にいま上林委員御指摘のとおりの御疑問も当然だろうと思うのです。これはつくった基準そのものが現在の情勢に向かわしてオーバーであったのか、あるいはそれに対する各市町村の認識不足か、あるいは基準そのものに至るまでに、より一そう社会経済状態が進歩したものでございますからその進歩について行けずにそういうふうな誤差が起きたか、いろいろ検討すべき問題はあろうと思いますが、何と申しましても、私は基準の策定のしかたにも、消防力というものの実際のあり方というものが、各市町村の計画的なものがそのまま実情に反映しての基準はつくりがたいようなまだ情勢にあったというのが一つの根本でないかと思います。今度の策定にあたりましては五カ年計画、いま県に頼みまして各自治体の状態を調べておるのでございますが、実情に合うた基準であり、実情に合うた五カ年計画を立てるという姿で基準財政需要額をつくり、必要な消防力を強化していくために各自治体の認識を高めましてやることが一番必要であろうと思います。その点、いま最も消防に欠けておりましたのが府県の体制であろうと思います。元来、消防は最も住民に密着な姿で行なわれなければならないものでございますから、市町村消防という形で今日まで成長してきたのでございますが、今日の段階におきましては、単に一市町村においてこれを完備することができない。広域の範囲によってお互いが助け合うことによって初めてできる。また技術面におきましても、あるいはこれに対するところの防火の器具におきましても、一市町村がこれを持つ能力を越えての必要性が生まれてきておる。そういった意味から、技術の指導あるいはそういったものの整備に対しましても、補完行政としての県の消防に対するあり方、任務や責任が非常に重大化してきたんじゃないかと思います。そういった姿で、県の消防体制に対する充実を通じまして、基準が各市町村に徹底するよう、実情に応じたように計画が生まれるよう指導していくことによりまして、いま申されました御指摘のギャップを埋め合わしていくように指導してまいりたい。これがいま長官がお答えしたことの概要であろうと思いますので、今後ともに御指摘の点努力してまいりたいと存じます。
#43
○上林繁次郎君 時間がありませんのではしょります。
 いずれにしましても、たとえば都市における建物はだんだん高層化されていく。これに対する消防体制、はしご車の問題にしても、とうていいまの高層建築に対しては、極端な言い方をすれば役に立たないような状態になっておる。こういった問題も解決しなければならぬでしょう。また解決しなければならない問題、いわゆる化学消防の問題にしてもまだ問題点はたくさんあると思います。そういった一つ一つを詰めてやりたいのですけれども、時間がありませんので、特に最近起きた問題についてひとつお尋ねをしてみたいのですけれども、先ほども杉原委員から話がありましたけれども、ヒルトンホテルのダクトの問題ですね。私は、あの火災がどういう原因でということについてお尋ねするのじゃなくて、今月の十日にも名古屋の五階建てのマンションが火災になった。そのときにいわゆる各部屋のダクトから煙がどんどん吐き出された、それで煙に包まれた。これはいわゆる新しい一つのケースということだと思う。こういったダクトに対する消防体制といいますか、予防体制というか、そういうものが私はこれから考えられていかなければならぬ、こういうふうに思うんですね。そういった点については、どういう考えでおられるのか。
#44
○政府委員(降矢敬義君) ダクトにつきましては、火災になりました場合に煙道になっていく可能性が多分にございます。で、建築基準法におきまして、ダクトの中には一定の温度になればダンパーがおりるようなしかけをするように義務づけられておるわけでございますが、どうもいろんな実験によりましても、やはりダンパーがうまく動かなかったり、それから古くなればまたこの点が、中に入っているものですから点検もなかなか困難だという事情もあるようでございます。いろいろな実験もやりまして、結局、いまのところ、火災になりました場合にはやはり煙がその中を通り、同時に火が通って火災を拡大するような可能性がございますと同時に、消防活動の面から見ますと、ダクトを通って部屋に煙が流れるために活動が非常に困難になるという面もございます。それで、たてまえ、原則としては、やはりこの延焼防止とかあるいは防煙のために、空調設備は原則として停止するというたてまえでこれをやっておるわけでございますけれども、やはり技術的にもう少しダクトを、空調をはじめとするダクトの防煙、つまり煙の流れないようにする防煙の技術的な検討というものをもっと進めなければならぬような事情にあるのでございます。この点につきましては、私たち消防研究所もありますが、建設省ともよく連絡をいたしまして、実際の火災の実例の上に立って、このダクトの問題を防火の見地、防煙の見地からもっと研究しなければならぬという気持ちを持っております。
#45
○上林繁次郎君 これからの研究課題である、こういうことですね。
 それでは、大臣にお尋ねをしたいと思いますけれども、いままでの話の中で私はいろいろ感ずるわけでありますが、これからの消防体制というもの、消防組織といいますか、これは従前どおり市町村の体制でやっていこうという、こういう考え方なのかどうかという点ですね、この点ひとつ。
#46
○国務大臣(渡海元三郎君) 本来、住民に直結する行政というものは、第一義的に、自治体である市町村が担当すべきが当然でございまして、予防ということは、初期消防が必要であるという観点からも私は市町村消防を充実させていかなければならない、かように考えております。ただ、先ほども申しましたように、非常に生活様式が変わってまいりました。いま御指摘のようなマンションの生活、ビルの生活というふうな姿になってまいりましたが、市町村消防だけでは技術的、能力的にもこれを予防し得ない、一面においては、消防力にたよるのではなくして、はしごの長さが足らぬから十一階以上についてはビルそのものがその防止の機能を果たさなければならない、また、科学の進歩によりまして企業そのものが自衛手段を講じてもらわなければならない、こういった方向に進んでおります。反面、他方には広域消防、また、その上に立つところの府県消防というものの責任が非常に科学の進歩、生活様式の変化等につきまして多くなってきたんではないか、その意味におきましての私は補完行政としての府県の消防行政というものをぜひとも強化していかなければならない、こういうふうな方向で今後消防行政というものを運営し考えていかなければならないとかように考えておるような次第でございます。
 それともう一つは、いままで消防につきまして、あまりそういった面まで考えられなかったんですが、私も自治省に入りましてから非常に痛感したんでございますが、関係各省との間に、消防に対する規制というものを非常に密接に連絡をとりながら進めていかなければならないということを痛感いたしております。たとえば、通産省におけるところの各生産工場に対する規制のあり方、また、建設省の行ないます建築基準に対するところの防災に対する配慮、そういったものを私たちといたしましては十分に行なっていかぬことには、現在の社会情勢に応ずることができない、かように考えております。根本は、しかし市町村消防でございますので、この面の責任と内容の充実につきましては一番基礎を入れまして臨みたい、このように考えておる次第でございます。
#47
○上林繁次郎君 そうしますと、ここで問題になってくるのは、市町村の消防体制というものがまずこれが基本である。言うならば、それにまさる体制はないとするならば、いわゆるこの市町村消防の利点、それから欠点、こういったものをやっぱり明らかにしていかなきゃならぬと私は思うんです。そこで、これは消防庁でけっこうですけれども、消防庁長官でもけっこうですけれども、その点について、利点と欠点についてひとつどういうふうに把握されているか。
#48
○政府委員(降矢敬義君) 市町村の消防、それは、消防組織法第一条にも書いてありますとおり、人命の安全、財産の保全ということを任務としております。したがいまして、身近なところでそれを果たすということが一番適当なことでありまして、この点で、市町村が実働部隊としての消防を持つということは、そういう任務から照らしまして私は最大の利点だと思っております。したがって、日常生活における住民の安全を身近に守るというための市町村消防ということは、これは、基本に置いて私はしかるべきだと思っております。しかしながら、反面、生活の様式が変わってまいりまして、危険物施設が増大してまいる、あるいは数市町村にまたがってコンビナートというものができる、こういうふうなことになりますと、その市町村だけでそれを、災害を守るということは実際問題として現在非常に困難でございます。したがって、この点がある意味では弱点でありまして、そこは、まず第一義的には市町村の協力体制をつくる、援助協定を結ぶということでありますが、同時に、防災の責任の一端をになう府県が、その能力の足らざるところを補うということによってそれをカバーする。同時にまた、そういう施設自体においてみずからを守る。要するに、そういう施設も地域社会における施設でありまして、施設における大きな災害が地域社会に及ぶことを施設自体において防御する。こういうことで、自衛消防といいますか、こういうものを充実しなければいかぬ。この点が、当該市町村の力を越える問題として補完体制をとらなければいかぬ。弱点といえば、このところが一つの弱点だろうと思っております。
#49
○上林繁次郎君 やはりこれは、いまお答えになった問題は、これは効果の面から一応論じられましたね。こういう面が効果があるということなんで、やはりそういう一面もあります。しかし、消防法なり消防組織法というものは昭和二十二年あるいは昭和二十三年当時に制定されたものである、大きな時代的な変遷がいままでにあったわけです。こういう現在の実情というものをこれは予期したものではないと私は思う。そうなると、やっぱり現在の状態に即応できる体制というものが必要になってくる。そのためにいろいろと手を打っているわけですけれども、そこにはいろんな欠陥が私はあると思う。何といっても、いまの時代の社会情勢に対応できるそういう体制を早く築き上げていかなければならないという、これが私は基本になってくるのじゃないか、これからは。こう思うんです。そうなると、いろいろと私はいまの市町村消防についての欠陥というものがあると思うんです。
 たとえば、これはお聞きをしてみたいと思うんですけれども、予防査察の問題。予防査察についてどういうふうな効果をいままであげてきておるのか、あるいは、あまり効果がなかったのか。先ほどのいわゆる消火というような問題だけでなくて、もっと大きな次元でこの消防というものを考えていきたい、それは理想としてはけっこうなんです。しかし、現実の問題として次々と大火がある、火災が起きる。そのたびにとうとい人命が失われておる、こういう実情。そういう実情に照らして、やはりそういったものを一日も早く解消し、それを防いでいかなければならないという考え方が必要だと思う。それができないということは、どこに欠陥があるのかということを考えていかなければならぬ。そこで、いま申し上げたように、予防査察という点についてどういう効果をあげておるか。たとえば、先ほど長官が言われたけれども、ダクトの問題でも、ふたをかぶせるようになっているんだけれども、それがさびついてうまくあかないとかなんとかというようなことになっているんです。それで、大体において、いままでの火災というのは、そういう予防査察が十分でなかったという感じが強いわけです。こういった問題をこれからはどうしていくか。これは、いままではそういうふうに十分行なわれていなかったので、今後しっかりやらせますと言うだけでは私は解決できる問題ではないと思う。そこで、その予防査察という点についての効果、あるいはまた、これからどういう姿勢で取り組んでいくか、こういった点についてひとつ。
#50
○国務大臣(渡海元三郎君) 長官から補足させますが、私、予算委員会のほうに参りますので先にお答えさしていただきます。
 この点、前に小谷委員から御質問ありまして、現在のそういう監視の責任は市町村消防に置かれております。ただ、消防署の、常設消防を持たないところの町村に対しましては、団ではできないものでございますから府県がやっておる。これを、現在の消防法改正ができれば府県のほうの査察もできるという姿に法の上からもしておくほうがよいのではないかという御提案が小谷委員から出たところでございます。現在、非常に技術的にも高度化されておりますので、常設の消防署を持っておる団体にいたしましても、それだけの査察をする知識を持っておる職員を得られるかどうかというところに一つの問題点があろうと思いますが、これは補完行政としての県におきまして、消防学校等で教育、訓練をしてもらうことによってその資質の向上をはかり、常設消防で責任を持つ、そこにそれだけの能力を与えるということによってやっていただくということの必要性を痛感するものでございますが、同時に、身近なためにかえって査察がなおざりになったり、また、ややもすると、あり得べからざることでございますが、情実に流れるといったような点もなきにしもあらずでございますので、そういった点の重要性を資質の向上によってまかない得るか、あるいは、法改正をしていただきましてというほうの姿で、抜き打ち検査の方法によって励行していくか検討さしていただきたいということでお答えさしていただいたのでございますが、いま御指摘になりましたような点、今後とも、生活様式の変化によりまして十分進めていかなければならない行政の一環であろうと思いますので、御指摘の点、今後ともに検討し善処してまいるように指導、運営していきたいと、かように考えておるような次第でございます。
 なお、長官から補足説明させますので、よろしくお願い申し上げます。
#51
○政府委員(降矢敬義君) 大臣から、先般、小谷委員の御質問に対しましてお答えしたとおりでありますが、要するに、立ち入り検査が十分にいかないという一面のあることは私も否定いたしません。しかし、反面、この検査をりっぱになし遂げておる市町村も現にございます。したがって、そこの評価をどう見るかという問題であろうかと存じます。この点は、私は、やっぱり市町村消防というものを基本に置いて、これを伸ばしていくという観点からこの問題にアプローチをして、なお、いま大臣のおっしゃったような点でさらに研究をしてみて、うまい方法があれば、そういうことについての成果をいずれ取り入れるようにいたしたいと、こう思っておるところでございます。何といいましても、やはり、いま、私たち常備消防の創設ということで、大体ことしで千八百八十団体ぐらいこういう常備消防を持つようになり、人口で八八%おおうようになります。そういうところでは、やはり火災予防という見地からの立ち入り査察というものを相当力を入れてやっていかなきゃなりません。このためのいろいろな障害が、法律の制度だけではなしに、実際の運営上もあることを私も承知しておりますので、その辺を踏まえて、この問題、大臣のおっしゃったような方向で少し検討してみたい、こう思っております。
#52
○上林繁次郎君 それでは、予防査察というものがあまり効果があがっていないという点、いま大臣も認めた発言だろうと私も思うんです。そこで、なぜそれでは効果があがらないのかという点をどういうふうにとらえているのか、この点についてお答えいただきたいと思います。
#53
○政府委員(降矢敬義君) 予防査察が効果があがっていないというのは、私たちはそう考えておりません。もとより、あがらない場合もあると、あがっていなかった場合もあるということは、私も申し上げた点でありますが、全体が予防査察の効果があがっていないんだというのは、少し私たちは考え方を異にしております。ただ、最近急速にここ三、四年自治体消防の常備化ということを進めてまいりました。そこのところについてやや欠けるところがあることは事実でございます。そこが御指摘の問題でもあり、大臣がおっしゃったところでもありますので、そこは私たちも十分もっと検討をして、御提案のような方法がいいのか、あるいはもっと別な方法がいいのか、そういうことを制度と運営の両面からぜひ検討さしていただきたい、こう思っております。
#54
○上林繁次郎君 私は、いままでのあれですよ、たとえばヒルトンホテルですね。この問題、先ほど長官が言われましたよね、ふたがしまるように……、それがしまらなかったでしょう。それから名古屋の火災もそうですよね。今月の十日ですか、これだって各部屋に煙が充満したわけでしょう。それがまた、とうとい人命を失う原因にもなるということ、こういうことになると思うのです。いま長官は、効果があがっていないということはないと思うと、私もそう思います。全然あがっていないとは言わないです。しかし、大きな問題が起きたときには必ずそこには欠陥があったということです。それをどうあなたはとらえているかという問題、これは重要な問題じゃないかと思うのです。こういうことも聞きますよ。白浜の、これは和歌山県ですね、椿グランドホテル、この間火災を起こしたところですよ。消防署が設置を指示した煙に対する感知器、これをつけていなかったために発見がおくれて惨事を招いたという、こういうことなんです。これだって消防署がちゃんと一応は指示しているのだけれども相手が受け入れなかった。まあ極端な言い方をするならば、消防署のほうでも考え方が甘かったということが言えると私は思います。あるいはまた、具体的な例をあげるならば、たとえば先般千葉で田畑というデパートが火災を起こした。これはたいへんな火災であった。社長までが焼死したということなんですけれども、このときの問題も、何回もいわゆる増築工事をやっておる。そのたんびにスプリンクラー、これをつけるように指示した。ところが、次の増築工事にと、こういうわけです。その次に、じゃ、やったかというとやっていない、また言った、また、その次の工事には、こういうことです。それで結局ついていない。だから、おそらくそのスプリンクラーがついておったならば、あそこまでいかなかったのじゃないか、こういういわゆる判断もなされるわけです。そういうふうに問題点が多いわけです。そこで、私はこれ以上聞こうとはしないですけれども、結局、悪いことばでいえばなれ合い、消防署と、いわゆる指示されたとおりにやらなければならない側とのなれ合いですね、こういったものがいわゆる長い間にできてしまった。そういったものを強く規制をする、強くこれを実施させるというところまでいかない、これがやっぱり一番の大きな私は原因ではないか、こう思うわけです。そういうふうに申し上げておきたい。
 そこで、次にいきますけれども、消防職員がまだ基準に達していないわけですね、消防職員が。で、これは消防車もずいぶん機械化されたのでしょうけれども、やはり基準があって、その基準を見出すには、あらゆる角度から検討されてその基準が生まれたと思う。いわゆる現在の社会情勢からいって、これだけは必要であるというはじき出しをしておると思う。ですから、職員が足りないということは私は問題だと思う。当然、いわゆる一人一人の職員に、消防職員によけいな負担がかかってくるということもいえる。その結果、消防力の弱体化を招くというようなことも考えられないこともない。ですから、消防職員を充足させるということは私は大事なことだと思う。にもかかわらず足りない、その足りない原因はどういうところにあるのか、その点をひとつお答えいただきたい。
#55
○政府委員(降矢敬義君) ちょっと前段のことについて答弁をさしていただきます。
 確かに、いまおことばがございましたが、なれ合いというおことばがありましたが、その点は全くないと私は思いません。それは査察をしたあとの処理が適当でないんでありまして、査察をしたときに、私たちは、いつまでに直せということを必ず文書で期限を指定をして出しなさいということを再々指導してまいりました。その点が、この具体の場合、二つおあげになりましたが、励行されておりません。今回、椿温泉ホテルのこの火災を契機にいたしまして、和歌山県の場合におきましては、全部自治体消防の関係者が集まりまして、その点を確認すると同時に、期限までに直さない場合には、むしろ直さないという事実を公表をして住民の協力を求めるということ、場合によっては告発をするということまで申し合わせたように聞いております。確かに、いま御指摘のような姿勢の問題がございます。この点は、こういうような多くの人々が、不特定多数の人が知らない場所に行ってホテル等に宿泊をする場合における災害の人命救助という見地から見まして、確かに、今後もっともっと是正をする必要があり、私たちも、さらにあの温泉を契機にして、再度そういう点を徹底させるようにしておりますが、なお、今後とも努力をしてまいる考え方でございます。
 それから、職員がなぜ充足しないかという御質問でございます。この点は、四十年の不景気を境にして、かなり景気が回復したときに、この方面にくるということよりも他の方面に就職をするという傾向が一般的に強うございました。これは一般的な傾向でございます。それから、同時に、自治体消防におきまして、充足の問題として、大都市消防と、いわゆる最近常備化して、今後新しく発足しようとする広域消防との間には若干の差がございまして、いわゆる大都市消防の場合には充足率はかなり高うございます。東京都の場合で申し上げますと、条例定数がおそらく一万三千人くらいに対しまして、現在一万二千何百人くらいおりまして、大体三カ月か四カ月に一回ずつ採用試験をして、学校で教育をするような体制になっておりまして、その点と、それから、いま発足いたしました広域消防のところでは――比較的町村部でございます、中にはもちろん市が入っているところもありますけれども、そういう点がありまして、そういうところでは、なかなか若い方を採用をして、この職務に従事していただくということには努力を非常に要しております。そういうことで、職業の選択における一般的な傾向もあると思います。もとより、給与、手当、その他についての処遇の問題も、一般職員に比べまして調整号俸等を用いて改善をはかっておりますが、それももちろん極端な開きをつけるわけにはまいりません。まあ他の職員との比較においてかなり号俸調整をやっておりますけれども、そういう面も多少あろうかと存じますが、非常に最近の町村部における広域化消防としての自治体消防においてはかなり充足が困難になっておる事情がございます。
#56
○上林繁次郎君 そこで、いま長官は広域消防、そういう立場に立った場合といいますか、いわゆる過疎地帯、こういうところでは充足がなかなかむずかしい、こういうようなお話のように思えるんですが、いずれにしても足りないことは事実だ。で、都市部のほうは比較的充足率はいい。それは比較的いいということであって十分であるということではない、基準に対して。私はその辺のところを問題にしているわけなんですが、もっと根本的な問題があると思うのです。市町村消防において職員が足りないという根本的な問題が私はあるというふうに考えられる。それは一つは人事交流が行なわれない。それからもう一つは、したがって将来に希望が持てない。小さなところに、一つの市に末長く、人事交流もたいして行なわれないし先行きどうなるのか、そういった状態では先行きどうなるのかわからない、いわゆる将来に希望が持てない。こういうような点が職員が定数に足りないという一つの大きな原因になっているのじゃないか、こういう感じがするわけなんですが、この点についてどういうふうに考えていますか。
#57
○政府委員(降矢敬義君) まあ率直に言って、おそらくそういうこともあろうと存じます。ただ、いま私が申し上げましたような広域化して自治体消防になるという、常備消防になるという、そういう町村におきましては、同じような事情が市町村のいわゆる役場の問題にもあるわけでございます。私たちは単独では持てないので、いわゆる組合として、ある意味じゃかなり広い範囲で仕事をやるということでこの問題に対処しているわけでございますが、いま上林委員のおっしゃるようなことが全くないということは私は申し上げられないと思います。
#58
○上林繁次郎君 全くないということは言えない、非常に消極的なお答えなんですけれどもね、私はそういうふうに思う。それで、たとえば人事交流の問題にしても、先ほど申し上げた予防査察、この問題に結びつくと思うのです。いわゆる市町村消防で定着してしまう、なれ合いになってしまう。それがいわゆる予防査察が効果をあげない原因である。これはいわゆるその人事交流が行なわれるならば私はもっともっとそういった点をきびしくやることができる。これはこういうことを言ってはどうかと思うのですけれども、たとえば県警察の場合でも、選挙違反取り締まり、その選挙が終わると署長がみなかわってしまうというような、そのときばっちりやる。これは選挙違反と違って人命に関係のある大きな影響を及ぼす問題です。起きてから、ああでもない、こうでもないと言っても問題にならないのです。完ぺき――完ぺきということは言い切れないかもしれないけれども、そういう方向に向かって努力をするということが私は大事だと思うのです。そういった点からいえば、私は消防庁のいまの答えは、まるっきりないというわけではないと思うなんて、いいかげんな返事では私は困る。将来希望が持てないというのは事実ではありませんか。いま自治省は、これは余談になってしまうけれども、自治省株というのは、うんと上がってきた、みなそこに集まってくる。そういうようなものが人間の心理というか、人間の考えることは、自分の将来というものを無視してかかる人というのは少ないのではないですか。そういったことからいっても、こういった点は、私はこれから十分にやはり検討しなければならぬ問題と同時に、市町村消防としての欠陥である。こういうように申し上げたいわけです。
 最後のまとめをだんだんやっていくわけですけれども、たとえば財源問題、先ほどお聞かせ願いましたけれども、財源問題にしても、もう昭和二十三、四年ごろの情勢とは違うですから、小さな市町村財政にこれからの大切な消防をまかしておくという、その考え方それ自体がいまの時代にそぐわないということは私は言えると思うのです。私はそう思うのです。それを先ほどの話で、あくまで市町村財政でということなんですけれども、その辺も私は考え方にズレがあると思う。そこで、そのお尋ねをするわけですけれども、消防法の総則の第一条、「この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害に因る被害を軽減し、もって安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。」、こうあるのですね。こういうように消防法の第一条にあるのですね。そこで今度は、消防組織法の第三章の「自治体の機関」、この第六条、「市町村は、当該市町村の区域における消防を十分に果すべき責任を有する。」、いわゆる当該市町村の区域における消防を十分に果たすという意味であります。こういう責任を持っている、こういうわけであります。いま消防法の第一条については申し上げたとおり、消防法の第一条は、この消防の働く分野というのは非常に大きいということがいえるわけですね、そうですね。そうすると、いわゆる地震の周期説ということばがひんぱんにいわれている今日、一たび大地震がくれば、これはたいへんな火災等が生ずるということを予想しなければならない。そういうときに、この組織法によりますと、いわゆる当該市町村の区域における消防を十分に果たすべきであるというそういう責任がある。そういう任務がある。そうしますと、そういう大地震による震災が起きた。それに伴って、大地震というのは火災だけではありません。水の心配も出てくる、あらゆる問題が出てくる。その時その時いわゆる市体制で間に合うと思うのかどうか。そういう大問題が起きたときに市消防という体制だけで、しかも法律ではそういう自分の区域だけということをうたってある。それでほんとうに対処できるかどうか、その点どういうふうにとらえていますか。
#59
○政府委員(降矢敬義君) 地震のような複合災害ということになりますと、これは一市町村の全体の機関の問題あるいは一消防の問題ではなくなるわけでございまして、それは国、県、市町村を通じまして住民の安全ということを徹底的に守らなきゃならぬわけであります。このために、私たちは消防審議会の答申、それを受けまして、国におきまして、中央防災会議において国、府県、市町村の役割りというようなものについてある程度検討をし、そして、それを具体化するためにさらに、たとえば私たちのほうでいえば担当する部門として、出火防止、初期消火、避難、こういうものを消防として担当して、全体としての活動の中における消防の果たすべき任務というものを限定をして、そしてそれに従った計画を立てて、いざという場合に対処するようにしておるわけでございます。もとより、水の問題あるいは避難の問題、衛生の問題あるいは治安、警備と、いろんな問題が当然そのときに出てくるわけでありまして、そういう事態において、消防の果たすべき任務というものについては、それぞれいま申し上げたようなことで、主としてそういうところに力を置き、また救助等につきましても、もちろん消防は救急を担当しておりますが、地震のような場合には救急車だって自由に動けない、病院だってそれ自体が活動の低下を来たす。こういう場合には救護所というようなものを設けて民間組織と一緒になってやる。そういうときに、消防なり、あるいは消防隊員、消防職員が何をするかと、こういうようなことで、そういう異常災害に対処するようなしかたが必要でありまして、いまお話のように、市町村がひとり全部災害に対して消防が全責任を負ってすべてをやるんだというのは、具体の問題として、地震のような場合にはとうてい果たし得ない問題でございまして、それに対しては、いま申し上げたような考え方で、消防もその一翼をになって当然活動をするという考え方でございます。
#60
○上林繁次郎君 それはおかしいですよ、そんなゆうちょうな考え方では。それじゃ、たとえばあなたが中央防災会議でどうのこうのと言うけれども、事が起きてからでは間に合わないんで、そういった、たとえば一つの県、埼玉県なら埼玉県、この消防を統轄し、そしてそのいわゆる防災会議というのはあらゆる消防、県内にある消防を動かすだけの指揮権を持っているんですか、指揮権を。
#61
○政府委員(降矢敬義君) 一つは、都道府県知事の指示権というのがありまして、地震、台風等の異常災害の場合において、緊急の必要があるときは、市町村長、市町村の消防長または水防管理者に対して災害防御の措置に関し必要な指示をすることができる。それからもう一つは、消防庁長官の措置でありますが、異常な、ただいま申し上げたような災害が発生した場合においては、都道府県知事の要請があり、かつ必要があると認めた場合には、他の都道府県の知事に対し応援要請をすることができるという規定も、新潟地震を契機にいたしましてこの規定を消防組織法の中に挿入したわけでございます。
#62
○上林繁次郎君 そこで、そうすると防災会議というのは、いわゆるいろいろなことが練られるのであって、この防災会議それ自体には指揮権がないということですね、防災会議それ自体には。
#63
○政府委員(降矢敬義君) 防災会議そのものにはございません。
#64
○上林繁次郎君 そこで、まあ知事がいまそういう権限があるんだと、こういうことなんです。で、私は、いざという、そういうときには、こういうような法律がありますということではなくて、たとえば県の警察体制、そういうような警察体制のような体制というものが必要にこれからなってくるのじゃないかという、こういうような感じがするわけです。
 そこで、最後の結論については、大臣がお見えになったときに私はお尋ねをしてみたいと思うんです。委員長、そういったことでその点はひとつ保留しておきます。それで、これで一応終わります。
#65
○中沢伊登子君 だんだんと質問が重ねられてまいりまして、もう私の質問をするのが皆さんと重なる点があるかもしれませんが、お答えをいただきたいと思います。
 まず第一点は、先ほどからもいろいろお話がありましたように、最近高層建築がふえております。スノーケル車が上まで届かないような例もたくさんあるわけですが、韓国の大然閣のホテルのようなこともありますので、今後どのような消火方法を考えているか、あるいは器具や資材はどのようなものを考えていらっしゃるか。私どもはたいへんしろうとではございますけれども、あのテレビを見ておりますと、窓から飛びおりる人を助けるために網のようなものを持っていって早く張ったらいいじゃないかというような感じもしたわけです。その辺をひとつお尋ねいたします。
#66
○政府委員(降矢敬義君) 御指摘のように、現在のはしご車は標準三十三メートルが最高でありまして、例外的に四十メートルのようなものが最近できました。しかし、それはごく例外的でございます。したがって、一般に十一階以上の建物につきましては、建物自体が火災に対して強いものにしなきゃならぬと同時に、それが人の避難、同時に消防活動にも有利なように施設自体がそういうことをしなきゃならぬという考え方で、消防法及び建築基準法におきまして防火防災の見地からいろいろな規制を加わえているところでございます。
 消防法関係で申し上げますと、一つは、ああいう建物にはすべて防火管理責任者というものを置いて、最近の建物でありますと中央防火管理室、防火センターというものを置いていろいろなシステムを採用して、ボタン式でいろいろな操作をできるようなそういう仕組みを義務づけたわけでございます。それからカーテン等は当然防炎性を有するものをつける。それから屋内消火せんあるいはスプリンクラー、非常コンセント設備、こういうものについては当然非常電源をつけたものをしなきゃならぬし、また自動火災報知設備、非常警報設備、誘導灯、排煙設備、こういうものについても非常電源を付置したものをつけるということにしております。それからスプリンクラーにつきましても、普通の場合よりも面積を狭くしたものにして、そこに義務づける。あるいは自動火災報知設備についても同様でございます。それから誘導灯あるいは非常警報設備の強化、こういうものは放送設備も当然それに含めて設置を義務づける。それから連結送水管というものにつきましては、途中加圧式の装置をつけまして上まで水が上がるようなことを義務づけてございます。それからまた建築基準法関係では、非常エレベーターというものを設置いたしまして、避難と同時に消防がそのエレベーターを利用して階上に上がるということにしてあるわけでございます。それから防火区画を強化するという措置をしてあるわけでございます。それから十五階以上の階においては、直通階段につきまして、居室から十メートル――普通は二十メートルありますが、歩行距離を、他の階においては二十メートルのを十メートルに短縮する。それから特別避難階段というものは十五階以上の建物には必ず付置する。それから内装制限、その他排煙設備等を義務づけまして、建物自体が火災に対して強いものであると同時に、万一火災になった場合には、避難、それから初期消火、消防活動をしやすいようにする、こういうしかけを消防法と建築基準法のほうで義務づけるようにしておるわけでございます。
#67
○中沢伊登子君 たいへんいろんな具体的な例をあげていただきまして、しかし、これだけいろいろ万全を期されても、いつでもホテルや何かの火事があったときは、ここを直しなさいと言ってたやさきだったというようなことがよくございますので、いま上林先生からも、けさの杉原先生からも言われたことですけれども、どうか十分に、注意をされましたらそれが守られているかどうかということをもう一ぺん点検をしていただいて、こういったようないろいろなところに配慮されたものが十分威力の発揮できるようにひとつ要望をさしていただいておきます。
 それから、それと同じようなことですけれども、今度は一般マンションですね。マンションがたいへんふえてまいりましたけれども、一般のマンションにおける防火設備、避難設備はどのように規制されているか、その点をお伺いします。
#68
○政府委員(降矢敬義君) いま申し上げました高層、つまり十一階以上ですか、三十三メートル以上のマンションにつきましては、いま申し上げたような種類のものを義務づけておるわけでございます。ただ、それ以外の普通共同住宅と称せられるマンションにつきましては、いろんな施設について従来多少措置を講じてまいりましたが、これは各居室がそれぞれ独立をしておりまして一戸の住宅というふうに考えてまいりました。もちろん、それはすべて防火区画で、すべて耐火づくりでございますが、そういう一定の条件にはまるものにつきましては、各戸がそれぞれ独立しておるものというふうに考えておりまして、そこで、たとえば非常警報設備とかあるいは消火器具とか、そういうものについての設置を義務づけることを免除してまいっております。この点は、発端は、多少家賃にそういう特別なしかけがはね返るという配慮もあったように聞いております。しかしながら、現在、下が商店街で、二階、三階が事務所で、それ以上がマンションであるというような新しい様式のものがかなり出てまいりましたので、したがって、そういう状況を考えますと、いままで義務を免除してまいりましたことは私は妥当でないと思っております。この点につきましては、建設省当局とも御相談申し上げまして、たとえば自動火災報知設備を義務づけるとか、そういうようなことで、少なくとも早期通報、早期避難ということを重点に置いたものについてはまず何としても義務づけておきたい。それから、少なくとも初期消火に役立つような消火器具等につきましてもこれは至急義務づけるように、建設省とも私たち相談をいたしているところでございまして、今後できるもの、あるいは、いまできているものについてもぜひそういうものを義務づけて、少なくとも人命損傷のないようにいたしたい、こう考えておるところでございます。
#69
○中沢伊登子君 わずかなことを節約して、火事になってしまってまる焼けになったらもう台なしでございますから、建設省との関係もあるでしょうけれども、義務づけるべきものはぜひ義務づけたほうがよかろう、こんな感じがいたしております。
 そこで、先ほど申し上げました高層建築の問題もございますけれども、小さな都市でははしご車が何台も何台もはまだそろっていない。私のいます宝塚なんかでもやっと一台か二台そろったところなんですけれども、そういう状態でありながら、やっぱりいろいろな何といいますか業者がやってきて大きなマンションを建てるわけですね。九階、十階というようなのを建てるわけです。付近の住民は、もし万一といろことをおもんぱかって、消防体制ができていないからそんなマンションを建てることは反対だというような反対運動を起こすわけです。しかし、やっぱり住宅は足らないし、適当に土地を確保してしまえば住宅を建ててしまうのです。こういうときにはその調整をどうなさるか、その辺をひとつお答えいただきたいと思います。
#70
○政府委員(降矢敬義君) これは非常にむずかしい問題でありまして、確かに、先にも御質問ありましたが、市町村の消防力の整備のスピード、それから建物、特にマンション、高層ビル、そういうものとのスピードが都市におきましてかなり違ってきておる事情もございまして、実は私たち消防を担当する者としては苦労しておるところでございますが、そうかといって、消防の側からいえば、いま申し上げましたように建物自体の消防設備について建築同意を建築関係のほうから求められますが、それについては、設備が一定の条件に合っておれば、これは消防としてもマンションを建てることを拒否するというわけにはまいりません。したがって、建築の関係のほうで、そういう場所にそういうものを建てることがいいかどうかという判断はいただかなきゃならぬので、消防の側から、自分の持っておる消防施設がまだ十分でないからということでマンションを建てることを同意しないということは、ちょっといまの段階では法律的にもできがたい状態でございまして、具体の問題として、そこは市長のところで調整してもらう以外に方法はないと、こう思っております。
#71
○中沢伊登子君 そこら辺の問題が、先ほど上林先生が一生懸命に質問された点に関係があるかと思いますが、これは市自体の問題でもありますけれども、ずいぶんほんとうは住民は反対した。万一のときにはスノーケル車がないのでどうするんだとずいぶん反対しましたけれども、結局は二つも建ってしまったというような現状です。むしろ、この点は自治大臣に御質問申し上げるほうが適当だったかもしれませんが、ついででございましたからお答えをいただいたわけです。
 そこで、今度は消火活動について。道路がたいへん狭くて消火ができなかったというような例もおそらくあろうかと思いますね。その率、過去一年間でどの程度あったか、お答えいただきたい。
#72
○政府委員(降矢敬義君) 道路が狭くて消防車が入らないために消火活動がうまくいかなかった事例としてどのくらいあるかということでございますが、この点はどのくらいあるのか具体の数字を把握しておりません。ただ、御案内のとおり、消防ポンプにつきましては、大体二十メートルのホースが標準になっておりまして、それを十本程度は普通の消防ポンプ車は積んでおるわけでございます。したがって、標準的には大体五本から七本ぐらいこれを連結して、消防水利のあるところに消防ポンプを部署して、あとはホースを連結して活動するのが普通でございます。したがいまして、いま、道路が狭くて消火活動が非常に困難である、あるいは不可能に近いというようなことは一般にはないのでありますが、私、一件だけ話を聞きましたのは、いわゆる昔の――昔といいますか、戦後建った密集した地域、木造密集地域におきまして火災がありました。消防のほうではこれを火災危険区域というふうに指定しているところで火災がありました。このときにはむしろ入れないというのは、いわゆるLPボンベを、LPガスのボンベを燃料として使っておるものですから、どこでどう破裂するかわからないのでなかなか筒先を持って現場まで入れなかった事例がございます。したがいまして、一般には、どうも道路が狭くて消火が非常にむずかしかった、あるいは妨げられてできなかったという事例は、これはあまり私たちのところに報告もありませんし、また、私自身も聞いておりません。
#73
○中沢伊登子君 それは、また私、地元のことを引ぱり出して恐縮なんですけれども、大阪城が落城するとき、豊臣方が。あのときに逃げてきた兵士がたくさんあります、宝塚や伊丹の辺は。そこら辺は、いまでは私どもが歩いても迷路みたいになっていてわからない道がとってもたくさんあるんです。そうすると、新しい国道がついたところはいいんですけれども、国道から、あるところまで行こうと思って、五十メートル、百メートルじゃないんです、迷路みたいになっていてなかなか普通の車でも入らないようなところが相当まだ残っている。そういうのはこれから市で区画整理をすべきだと思いますけれども、万一そういうところで火事が起こったときにはどうするのだろうかというようなことはその地域の人がよく話されることで、二十メートルのホースを三本も四本もつないでも、実際にまたそのまわりをこわしていかないと消火活動というのはできないでしょう。そういうようなときにも間に合わなかったり、それで、さあ火事だというので消防車があちらからこちらからたくさん来ると、かえってたくさん来てくれたおかげで消防車同士がぶつかり合いをしてしまりて、むしろ動きがとれないというような例が相当あるわけです。これは消防庁だけの問題ではなくて、やっぱり建設省とのかね合わせだと思いますが、先ほどの御質問と同じようなケースになるんじゃなかろうかと思います。ですから、これは消防の問題としても、消防庁あるいは自治省だけではなくて、建設省とのかかわり合いのある問題ではなかろうかと、こんな感じが私はするわけですが、これは、今後の問題にまかせなければやむを得ないと思いますが、それでは、消火活動のとき一番の障害は何でございますか。
#74
○政府委員(降矢敬義君) 現在、火災現場に向かうときに、昼間非常に交通が混雑しておって、これが障害といえば一つの障害でございます。それから、御案内のとおり、火災のときに現場に消防が到着するまでに、いわゆるやじ馬といいますか、こういう人たちの集合がありまして、これが現場活動をかなり妨げることでございます。もとより、これにつきましては、消防法にも、消防車両の優先通行あるいは火災現場における火災消防警戒区域の設定等によって、一般の人たちの出入を禁止したり、あるいは早く追い越していくという規定はありますが、具体の問題としては、かなりこれが現場活動では妨げになっておることでございます。それからもう一つは、消火せんあるいは消防水利の防火水槽等設置されておるところがございますが、ここのところにいろんな車があったり人が集まったりすると困るわけでございます。この点につきましては、昨年の道交法におきまして、消防水利あるいは消火せんの標識が設けられてあるところについては駐車禁止の規定を設けていただきましたので、この点は解消されたところでございます。
#75
○中沢伊登子君 そのやじ馬の問題はほんとうに御迷惑だと思いますが、こういうことをもう少しPRする方法はないものかどうか、こんなことを私ども常々思うわけです。
 それで、今度は消火器の問題に移るわけですけれども、消火器の寿命というのはどのくらいあるものですか。この前も一度消火器のことでちょっと御質問いたしましたけれども、消火器の寿命について、それから消火器についてのアフターケア、これはどのように業界同士でされているか、その辺を伺いたいと思います。それからもう一つは、この前も質問をしたわけですけれども、詐欺行為のようなことがございますね、詐欺行為的な販売について今後どう対処していくか、その三点、お伺いしたいと思います。
#76
○政府委員(降矢敬義君) 消火器につきましては、いま、寿命の問題でありますが、大体五年を目途にして生産されているのが普通でございます。
 それから、アフターケアの問題でありますが、これは消火器によりまして詰めかえを要するものもございます。こういう詰めかえを行なう際に販売業者がアフターケアをするというようなことで私たちは業界を指導しておるわけでございます。業界自身としても、消火器の性能というものの保持ということは、彼らの業務のためにも非常に大事なことでありますので、私たちは、業者に、いまのようなことで定例的な点検整備をする、あるいは組織的にそういうものを行なうような指導をしております。と申しますのは、この消火器のみならず、業界にはいろんな施設がございます。こういうものにつきまして大事なことは保守管理であります。この保守管理の問題につきましては、多少部分的に、業者とその設置をした施主との間で契約を結んで部分的にはやっておりますが、これを私たちは組織的なものにして、保守管理を全国的な組織あるいはブロック単位の組織でこれをやらせなければならないということで、いま、寄り寄り業界ともこういう保守管理を中心にした組織をつくろうじゃないかということで相談をしておるところでございまして、こういうものができ上がります前までは、いま申し上げましたような指導をして、業界をしてやってもらうようにしておりますけれども、これじゃ、なまぬるいと思っております。したがって、やっぱり保守管理の組織をつくってこれを担当するようなことで、専門的にやってもらうようなことをぜひ考えたいと思っておるところでございます。
 それからもう一つは、家庭におきまして詐欺的な行為によって販売をするというお話でございます。この点につきましては、私たちは、消防署等を通しまして、特に火災予防運動期間等におきましては、消火器には、一つは全部国家検定というものを受けてこれを販売しなければならぬようになっておるのは御案内のとおりでございまして、検定マークというものが必ずついておる。したがって、その点をぜひ確かめてからこれを購入するようにしていただきたいということと、それから、できればもよりの消防署に相談をして、そして消火器を確認をするということをやってもらうように消防署にぜひそういう体制を、そういうことをPRするように指導をしておりますし、また予防期間中には、このことをぜひ励行するようにも指導したわけでございます。しかしながら、この前もお話がございましたとおり、消火器の販売体制というものは、どうも流通機構が一般のものに比べまして必ずしもしっかりした組織の上に立っているとは言いがたい場合もございます。これは、この前中沢委員からも御指摘のあったところでございます。こういう点は、結局業界自身の信用の問題にもかかわりますので、再三そういう販売組織の確立ということにつきましても申し上げましたし、現在もまたその点で予防課を中心に業界と話し合いをしているところでございます。そういうことで、ぜひルートに乗せたものとして販売するようにいたしたい、こう思っているところでございます。
#77
○中沢伊登子君 法律を見ればわかるんでしょうけれども、各家庭に消火器を必ず置かなくてはいけないと義務づけられているんでしょうか。
#78
○政府委員(降矢敬義君) 家庭には設置の義務づけはございません。
#79
○中沢伊登子君 次に、今度の改正の中で防炎カーテンの問題が出てまいりますけれども、防炎カーテンにはJISマークだの自治省の認めているラベルをつけるんでしょうけれども、まず、防炎カーテンは燃えるときに有害ガスが発生するおそれはないかどうか。新建材はこの問題がずいぶん大きかったんですね。せっかく防炎カーテンで規制していただいても、その点がちょっと心配になりますので聞かせていただきたい。
#80
○政府委員(降矢敬義君) 防炎の処理をしたカーテンは火点を近づけますと燃えますが、その燃える範囲は非常に局限をされます。燃えるということは結局、しかも局限をされるということは炭化をしまして必ず煙を発します。もとより、それが塩ビ系のものであればそれに伴う有毒ガスを当然発生いたします。しかしながら、これを処理しない場合においては一面すぐ火になってしまいます。そうして、より多くのガスを発生することになります。と同時に、それは天井に火を燃え上がらせて全体が火炎とガスになります。したがって、この煙を、防炎をしたために煙は絶対に発生しないんじゃなくて、煙の発生量が、しない場合に比較してはるかに少ないということと同時に、それが天井にすぐ火炎として上がるということを防止するということによって、防炎処理をする効果のほうがはるかにガスの関係から見てもよろしいと、こういうふうに考えております。
#81
○中沢伊登子君 それからいろいろラベルをつけられますね。それはJISマークがつくんだろうと思いますし、それからもう一つは、自治省側で定めている何かラベルがあるんですか、JISだけでなくて、それは何種類あるんでしょうか。
#82
○政府委員(降矢敬義君) この法律で予定しておりますものは四種類ございまして、一つは、カーテンにつきましては家庭用品品質表示法による表示がございます。するようになるはずでございます。それから工事用シートにつきましては、これは工業規格、JISマークを現在つけております。それから合板につきましてはJAS、日本農林規格によるマークが使われております。それからもう一つは、消防法によるマークを原反とかそういうものにつける、四種類考えております。
#83
○中沢伊登子君 これはだいぶ前の話ですけれども、JISマークについてずいぶん大きな違反がありましたね。その点はひとつ十分気をつけてください。これから来年の六月までにカーテンを皆さんがえられることになるんでしょうけれども、ホテルだのマンションだの、いろいろなところで。そうしますと、一ぺんにまた違反まで起こして、これこそJISマークのついた防炎カーテンですというふうなことで、ああいうふうな違反が起こらないようにひとつその点は十分御注意をしていただきたいと思います。
 それから次に、消防署の救急車、これはたいへん評判がよろしゅうございます。お産のときも出ていただいたり、何かたいへん皆さんに喜ばれておりますが、消火活動のときの出動と一般救急活動のための出動との比率がどれくらいになっておりますか、ひとつ聞かせてください。
#84
○政府委員(降矢敬義君) 四十六年の救急出動件数は九十九万八千三百九十二件でございますが、約百万件になんなんとしております。これに対しまして、出火した場合にどのくらい出動したかというお話でございますが、出火した場合の出動件数は、実は統計をとっておりません。しかしながら、四十六年の出火件数は六万三千件でございますから、最大限見ても、九十九万のうち六万三千件ということでございます。
#85
○中沢伊登子君 ちょっと伺ってびっくりしました。そうしますと、それくらい救急活動に出られますね、もしも深夜だのいろいろな普通の昼間の時間でないときの出動が多いかと思いますが、そのときの特別手当というふうなものは出るのですか。
#86
○政府委員(降矢敬義君) 交付税でその点の手当を特別に見ております。
#87
○中沢伊登子君 それではもう一つ、最後にお伺いして終わりますが、非常勤の消防団員ですね、それから非常勤の水防団員、こういう人の手当はどのくらい出ているものですか。私ども、その水防団員の話はあまり聞いたことはないのですけれども、非常勤の消防団員の手当というのは一年間で千円か二千円とかいうふうに、それこそ微々たるものだと聞いておりますが、お聞かせいただきたい。
#88
○政府委員(降矢敬義君) 消防団員が出動した場合には一回千二百円ということで交付税の計算をしております。それに基づいて各市町村は条例で支給をすることになりますけれども、二千円を出しているところもございますし、それから四百円とか三百円という低い額をまだ出しているところもございます。四十五年に七百円であったのを四十六年に千二百円に引き上げたわけでありまして、引き上げた額で交付税の処置をつけておるところでございます。この点につきましては確かにまだ低いと私も思っております。しかし、同時に、市町村によりますと、いま言ったように三百円とか四百円、ところによっては全然支給をしていないという市町村もまだかなりございます。ずいぶん指導はしてまいって改善されてまいりましたけれども、全然支給していない市町村もございます。こういうところは多少考え方が違うようでございまして、もう少し私たち支給していないような町村についても考え方をまとめてみたいと思っておりますが、昔流の考え方で支給していないようなところもございます。こういう点については今後もぜひ改善をしてまいりたい、こう思っております。それから水防団員につきましても、大体水防関係は、充実するといっても、消防団が八割から九割くらいまで兼務しているわけでございまして、同じ人が水防にも従事しているところでございまして、手当については私のほうでそういうふうな処置をしているところでございます。
#89
○中沢伊登子君 非常勤の消防団員ですけれども、どこか仕事をしていても、つとめていても、火事だといえばすぐにその仕事を放棄して飛んでこなくちゃいけない。こういうお話を私はよく聞かされるわけですけれども、いま消防庁の長官のおっしゃるように、これは昔なら何といいますか奉仕的な気分があったし、責任感があったし、それで済んでおりましたけれども、最近はなかなか昔のような気分ではそのまま通用しない時代ですから、その辺は十分に消防団員あるいは水防団員の人が報いられるように、そしてまた、全然出していないところがあったり、出すところがあったりというようなことでなくて、交付税でちゃんと見てもらっているなら、その辺を十分何といいますか通達をして、同じようにしてあげていただくようにひとつ努力をしていただきたい、このように考えます。
 私の質問はこれで終わります。
#90
○河田賢治君 予算委員会のほうに出ておりましたので、ほかの委員の質問と重複すると思いますが、ごかんべんいただきます。
 今度の消防法の改正にあたって、まず最初に聞いておきたいのは、消防協会ですか、というのがありますね、日本消防協会ですか。これに何ですか補助金がだいぶ出ておりますね。これは、ことしはどのくらい出る予定になっておりますか。また、この協会の性格ですね。そういうものをちょっと教えておいていただきたいと思うんです。それから、役員とか職員とかいうものはどれぐらいおるものか。
#91
○政府委員(降矢敬義君) 本年度の補助金は三千三百万でございます。財団法人でございまして、役員、職員はいまどのくらいあるのか、ちょっと手元に資料ございませんが、役員は、評議員が各県の消防協会長だったと思います。それから、あとブロック単位に、協会の代表者として副会長制度をとっております。職員はどのくらいおるのか、ちょっと手元に資料ございませんので、いまお答えできませんので御了承願いたいと思います。
#92
○河田賢治君 今度のこのカーテンの防炎について、キャバレー、劇場、それから地下街、高層建築、旅館、病院と、こういうふうに並んでいるのですが、これなんかにはかなり――日本防炎協会というのが出しているパンフレットですね――これには、いま飲食店というのがありますね。飲食店といいましてもいろいろこれには段階があると思うのですが、カーテンなんかも、どこのうちでもやっておるというわけじゃありませんけれども、若干人の集まるところはちょっと一枚くらいのカーテンをしてあるところもあると思いますし、一ぱい飲み屋もありますし、どの辺までの限界がこのカーテンを使用する場合の規定に入るのか、ちょっとその限界を教えておいていただきたいと思うのです。
#93
○政府委員(降矢敬義君) 飲食店は全部でございます。
#94
○河田賢治君 これは自治省の管轄ではないと思うのですが、大体お客の集まるところというのがあれになっているわけですね。そうすると、汽車なんかでも、いまカーテンがあり、それから敷きものなんかも非常に延焼しにくいものを使う場合もありますし、それから飛行機、船、これは消防庁の管轄外かもしれませんが、大体それはどういうふうになりますか。
#95
○政府委員(降矢敬義君) 汽車のやつは、新幹線のカーテンは防炎処理をしてあるカーテンでございます。それは、私もこの前映画で見ましたから承知しております。その他は、おそらく汽船とかなんとかも全部防炎のものを使用しておると思っております。
#96
○河田賢治君 防炎について、要するに、生地が防炎地であれば比較的これはいいんですが、たとえばクリーニングするとかというのがありますね、これの一応有効期間というのは一体どういうふうになるのでしょうか。たとえば、これは三年もつとか、あるいは二年とか、あるいはものによっては一年以内でだめになるとか、そうすると期間を、これを加工した場合のかりに期日を入れて、そうしてそれを過ぎればだめだ、これは無効だ、かえなければならぬというようなことになるのじゃないかと思いますが、この辺の技術的な方面から見まして、一定の有効期間、これをまた調べる場合には、消防署がずっと入って全部それを点検していくそれだけの力があるのかどうか、ずいぶんこれは多くなりますから、この辺のところをちょっと聞きたいと思うのです。
#97
○政府委員(降矢敬義君) 予防課長にお願いします。
#98
○説明員(永瀬章君) カーテンの防炎処理をいたしましたものの有効期間でございますが、これは、ものによりまして非常に大きな違いがございます。したがいまして、一般的には、あと処理で加工をいたしました場合には、二、三年はそのままであれば効力が続いてまいりますが、あと処理のものは水に溶けやすい関係がございますので、先生御指摘のように、洗たくをした場合は一般的には能力が欠けてまいります。で、なお現在では加工処理の方法につきまして技術的に進歩しつつあるところでございまして、二、三回の洗たくではなお効力を残すような処理方法も次第に開発されております。したがいまして、一見いたしまして、まだ効力が残っているかどうかということは非常に判断しにくい問題でございまして、この点、今後の方法をいろいろ考えたいと思っておりますが、でき得れば、端ぎれのようなものを何かつけておくというような方法も今後の行政指導の上では考えなきゃならないのではないかというように考えております。
#99
○河田賢治君 はっきりそれがしていませんと、点検に行った場合に、これはどうも消防法の違反になるとかいうようなことがあれば、これは勧告かもしれませんが、問題になると思います。ですから、加工して、大体いまの技術でどうだというようなことが一般にもわかり、それで、それがいつ加工されたかぐらいは何か標識でもつけないとこれはぐあいが悪いと思うのです。そうでないと、また点検に行った場合に非常な煩瑣な手続を要するのじゃないかと思うのですが、この点をひとつ注意しておきたいと思うのです。
 それから、あと消防力の基準ですね。これは行管からも出まして、いろいろ自治省も骨を折って、できるだけこの基準に対してそれが満たされるようにということですが、まだまだ、ちょっと青森県なんか調べましても、一応ポンプの基準百五に対して六十三とか、あるいは岩手県にしても六十六が五十三だとか、そのほか消防吏員その他でも三割ぐらいしかいっていない、よくいって四割四分とかいうふうに吏員の問題がありますが、基準は、大体現在の消防のいろいろな機械、それから設備、これらの能力から、大体日本の大部分の都市なり、それから消防団、消防が基準にほぼ達するのはいつごろになる予定ですか、その辺をちょっとお聞かせ願いたい。
#100
○政府委員(降矢敬義君) これは先ほども御質問いただいた点でございますが、私たちは四十七年度から五カ年計画でこれを、基準をぜひ達成いたしたいということで、いませっかく各市町村から計画の素案をとっておるところでございます。ぜひ努力をして、何とかこの基準を五カ年計画によって達成いたしたいと考えておるところでございます。
#101
○河田賢治君 常備消防力のあるところは一応基準もあり、また、人間もそれに全力を投ずるわけですから、この基準というものがやりやすいのですけれども、そうでない、最近の、先ほど委員の中からも発言がありましたように特に農村ですね。ここではもう、特に東北なんかでは出かせぎが非常に多い。したがって、火事があって、火事もそんなにしょっちゅうあるわけじゃないですけれども、しかし自分が、三十年前に火事があったとか四十年前に火事があったとか、一生のうちに一回ないし二回くらいの火事しかないところがあるわけですね。しかし、それによっても大きな火事になった。これは、ことしの三月二十七日の農業新聞に出ておるのですけれども、たとえば岩手県の一戸で、ここなども火事がありましたけれども、ほとんどの人が出かせぎに出ておった。したがって、消防車が着いたのが三十分後なんですね。しかも、山奥ですから消防車が五、六台来ても水ためも何にもない。したがって、ちょろちょろ川が流れておりますけれども、その川を使って消火することができなかった。ですから、これは五軒十一棟総なめで、三十三人が被災しておるというような記事があります。ここの村の人で、とにかく農村に残って、若い人ですけれども、村を建設するんだといって出かせぎに出ずにおった家なども焼かれてしまって、おやじさんが、その日に東京で給料を早くもらえば、その火事に間に合うくらいに家に着いたんですけれども、これは間に合わなかったというような実情があるわけです。
 御承知のとおり、昔の場合の消防団員というものは、農家が中心で、いろいろと昼間でもいつでも集まれたわけです。ところが、いまは大体外へ出かせぎに行って若い人がいない。したがって、人数ばかりありましてもほんとうに消防に従事できる能力のある人が少ない。こういうところで火事があれば、特にわらぶきであり、また水の少ないところ、こういうところが多いですから非常に火災の蔓延する力があるわけなんです。もちろん、しょっちゅう火事はありませんけれども、一たび起こりますと大きな被害を与える。したがって、今日、常備消防でないところに消防団員というのが、先ほどもおっしゃいましたように、かなり町々村々につくられておりますけれども、実際の消防能力になる人はいないというところが多いわけなんです。しかも、先ほど手当の問題出ておりましたが、全然年に手当がゼロのところもあれば、五百円とか千円のところもある。一年に一回の消防の訓練やりましても、とても五百円ぐらいでは出る気力もないじゃないかと思うんです。やはり一定の、こういう場合には一律大体日当に近いくらいの費用を与えて訓練してもらい、そして必要なときには、実際に出たときの手当を出してもらうというふうにしませんと、なかなかいまの状態では、第一、人間がいないし、いてもそういうような実情だと思うんです。ですから、この辺は相当農村における消防力というものを考える場合には、現在の社会の変遷とそれからその地域におけるいろんな協力関係、どこを中心にして常備力を置いて、その力が機動力を持ってどこまでいけるかというようなことも相当計算して農村地域では消防の問題を考えませんと、たとえ一生のうちに一回くらいの火事にあいましても、これは大きな不幸なんですけれども、国民経済にとってもこれは大きな損害ですから、相当至難な問題ではありましょうけれどもこの問題は考える必要があるんじゃないかと思うわけです。この点について、こういう農村地域における消防力をどのようにいまの経済情勢やいろいろな発展の情勢の中でお考えになるのか、その辺をちょっと聞いておきたいと思います。
#102
○政府委員(降矢敬義君) 過疎地帯の消防につきましては、実働の団員が、いま御指摘のように私たちの調査でも大体平均して約七割程度でございます。低いところは六三%ということでございます。そこでわが国は、現在の広域化の中で、かつ、過疎市町村をできるだけ常備化体制にもっていくということで、毎回申し上げておるとおり、四十七年度常備化になる市町村は千八百八十六市町村でございますが、その中で、過疎市町村で常備化をするところが四百二十八市町村でございます。大体法律で千四十八市町村指定になっておりますが、それのうちの約四百二十八市町村は本年度常備化になります。あと、大体五十年までには、少なくとも千のうちの七百くらいは常備化をされる過疎市町村になると思います。それだけでは実は御指摘のように足りないのでありまして、私たち補助金の配分におきましても、過疎市町村分については補助率三分の二にいたしておりますと同時に、一つの部落単位に小型の動力ポンプを配置する、同時に、それに必要な水利として水槽をぜひつくる、そこで水槽は三百三十個、小型動力ポンプは四百二十個を予定しておるわけでございます。もちろんそのほかに、それを積載する車とかいうものも補助金の対象に加えまして、でき得べくんば、部落で初期消火である程度拡大する火災をとめるということ、これをどうしても進めていかなければならないと思っております。ポンプにつきましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、小型動力ポンプは一番軽いので大体六十キロ程度ございます。しかし、これではやはり操作に少し重いので、消防研究所で、性能を落とさないでもっと軽い動力ポンプの開発というものを急いでおります。こういうものによって部落単位に火災の拡大を防いでいく、これをぜひ進めていかなければならぬと思っておるところでございます。
#103
○河田賢治君 大体わかりましたです。やはりいま農村地域は、御承知のとおり非常に経済的にも困難な状態でありますし、また、農村の経済を、工業を導入したりいろいろな事業を政府も試みておりますけれどもなかなか進まない。したがって、財政的にもほとんど自立できるような財政状態ではないというんですから、どうしてもここは政府も腹をきめて、ここらに対する交付税なんかも、できるだけ消防力をうんと盛り込んで強くやっていくとかいろいろな方法で、とにかく身体なり財産の安全をはかるということがやはり何といっても大切なことなんですから、その点は、自治省としましてもその方向でひとつやっていただく。また、補助金制度なんかもいろいろ問題がありますけれども、身体、生命に関するような問題はできるだけ早く一応の段階まで引き上げることが大事だと思うわけですよ。ですから、消防の基準なんかもできるだけ急いでもらい、また、過疎地域におけるこういう体制やまた非常勤の人々の訓練、あるいはまた消防の能力を高める問題、研修等々も、やはり単に家だけでなくて山火事なんかも相当多発しておるところもございますから、そういうところから重点的にひとつこの方向で完備するように進めていただきたい。こう希望して質問を終わります。
#104
○委員長(玉置猛夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#105
○委員長(玉置猛夫君) 速記を起こして。
#106
○上林繁次郎君 大臣、いままでいろいろお話、お答え願ったわけですが、それで結論としまして、消防組織法、これは二十二年、消防法が二十三年、こういうふうに制定されているわけです。時代が違いますね。ほんとうにこれからの消防体制というものはこの当事考えられたものではとても追いつかない、こういう感じがするわけですよ。そこでいろいろな欠点を申し述べてきたわけです。
 そこで、大臣が中座しましたので、その間にいろいろとお尋ねしたわけでありますけれども、予防査察の問題で、これはどういうところにその効果があがらない原因があるのか、こういう問題があります。これはなれ合いという、こういう問題であります。一つの問題点じゃないかと、こういったようなこと。それから消防職員が充足されない。こういう問題点については、希望が持てない、したがって、人事交流の活発にできるような体制をつくるべきではないか、こういうことですね。それから財源措置の問題にしても、これは現在の市町村ではあまりにも弱体である。これからの消防の財源を、これをまかなっていくだけのものはとてももう無理である。こういうところからこの財源の問題が起きています。それから地震の周期説とかそういう問題にからめて、大震災等が起きた場合には、これはもう消防の活動する範囲というものは非常に大きくなるわけです。そういうことについて指揮系統がはっきりしていない。こういうようなことをあげてきたわけです。
 そこで、五分間と言いましたが、まだ二、三分ありますね。先ほど長官は、組織法の第二十四条の二をあげて、知事にこういう権限があるのだということを言われたわけです。あえて読みません。これはあくまでも「必要な指示をすることができる。」ということなんで、これは指揮権ではない。ですから、私の言っているのは、指揮権を持たす、いわゆるそういう体制が必要じゃないか、こういうことを言っているわけですね。こういうようなことを申し上げて、結論的には、これからの消防体制というのは市町村消防体制では無理である。したがって、県の段階での消防体制、こういうものに切りかえていくべきである、こういうふうに考える。そのためには、いわゆる消防組織法あるいは消防法にもかかってくるかと、こう思いますけれども、抜本的な改正を必要とするのではないか、こういうふうに私は思うわけです。いわゆる県段階での消防体制に移行すべきである。そのために、この消防組織法あるいは消防法、これの抜本改正を行なうべきであるというふうに私は思うわけです。その点についての大臣の見解を最後にお尋ねしたいと思います。
#107
○国務大臣(渡海元三郎君) 補完行政としての県の消防に対する行政事務というものが非常にあらゆる面から強化されなければならない、これはいま上林議員御指摘のとおりでございます。立ち入り検査権の問題につきましても、ほかの委員からの御指摘もございました。しかし、消防という本来の任務、これは基礎的地方自治体であるところの市町村が第一義的に責任を持たなければならぬ行政である。警察行政等が市町村自治体警察から府県自治体に変わってまいりました経過等も、戦後の時代の変遷によりまして状態が変わってきたということもございましょうが、この点、警察行政と消防行政の根本的なあり方というものに、私は警察が府県に移ったために消防もそうあるべきじゃないかということには直ちにくみしかねるのでございまして、やはり消防行政は第一義的責任は市町村にあると、こういう姿で強化してまいるとともに、いま御指摘になられましたような分につきましては、補完行政としての府県のあり方というものを強化していくという方向で臨みたいと思います。その際、現在の消防のこの法制の面あるいは立ち入り検査権等につきまして、法改正を行なうことがよいかどうかということにつきましては今後十分検討さしていただき、御趣旨に沿うような実があがるよう検討を加えさせていただきたい、かように考えるものでございます。
#108
○上林繁次郎君 最後に私は、いま大臣がおっしゃったように、警察の体制が市から県に移った、それと同じように、だから消防もやるべきである、そんな単純な考え方で私はお尋ねしたんじゃないんです。あらゆる欠陥というものをずっと列挙してきまして、そして、こうだからこれからの消防体制というものは県に移行すべきである、こういうことを申し上げているのであって、その辺のところが大臣のおっしゃった考え方とはちょっと違うところなんです。そのためにいままでずっと煮詰めてきたわけですからね。ですから、こういうところに市町村消防の欠陥がある、したがって、これからは県に移行すべきだということを申し上げているわけです。そこをひとつ誤りないように、いままで詰めてきたことをもう一度よく御検討いただきまして、そして今後の消防体制のあり方、消防のあり方について十分にひとつ検討されると同時に、改革すべき点については改革していただきたい、そのことをお願いしまして終わります。
#109
○国務大臣(渡海元三郎君) よくわかりました。私も、そういった意味で警察の例を引いたのでございませんでして、ただ時代の変遷と申しますか、ただ、消防業務と警察業務とは違うので、消防は市町村が第一義的に責任を負うべき業務であるということを強調したいために例をあげましたので他意はございませんでした。しかしながら、いま申されました市町村消防にあるところの欠陥、あるいは財政の問題、あるいは人事の問題、いま申しましたような査察権等の問題、これらを補完行政としての県の消防ではたしてどの程度に補ない得るかということを検討を加えながら、この体制というものは基本にして、もし必要とあれば法の改正も考えながら、市町村消防という立場を堅持しながら、御指摘の実があがるように最大限の検討を加え、またその方向で努力をいたしたいと、こう考えますので、よろしく御協力賜わりたいと存じます。
#110
○委員長(玉置猛夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 消防法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#113
○委員長(玉置猛夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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