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1971/05/16 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第15号
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1971/05/16 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第15号

#1
第068回国会 地方行政委員会 第15号
昭和四十七年五月十六日(火曜日)
   午前十時三十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     片山 正英君     小枝 一雄君
     稲嶺 一郎君     高橋 邦雄君
     世耕 政隆君     柴立 芳文君
     神沢  浄君     矢山 有作君
     和田 静夫君     辻  一彦君
     上林繁次郎君     白木義一郎君
     中沢伊登子君     松下 正寿君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     小枝 一雄君     片山 正英君
     矢山 有作君     神沢  浄君
     辻  一彦君     和田 静夫君
     松下 正寿君     中沢伊登子君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     白木義一郎君     上林繁次郎君
     二宮 文造君     田代富士男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         玉置 猛夫君
    理 事
                寺本 広作君
                増田  盛君
                占部 秀男君
                河田 賢治君
    委 員
                片山 正英君
                柴立 芳文君
                高橋 邦雄君
                原 文兵衛君
                安井  謙君
                若林 正武君
                神沢  浄君
                小谷  守君
                杉原 一雄君
                上林繁次郎君
                田代富士男君
                中沢伊登子君
   衆議院議員
       発  議  者  白浜 仁吉君
   国務大臣
       自 治 大 臣  渡海元三郎君
       国 務 大 臣  中村 寅太君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務局取引部長  熊田淳一郎君
       警察庁刑事局長  高松 敬治君
       警察庁交通局長  片岡  誠君
       消防庁次長    山田  滋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       警察庁交通局運
       転免許課長    鈴木金太郎君
       大蔵省主計局主
       計官       加藤 隆司君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部保
       安課長      森永 昌良君
       運輸省自動車局
       整備部車両課長  飯塚 良政君
       建設省都市局公
       園緑地課長    川名 俊次君
       建設省住宅局建
       築指導課長    救仁郷 斉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○離島振興法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○地方行政の改革に関する調査
 (大阪千日デパート火災に関する件)
○道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五月十一日、藤原房雄君が委員を辞任され、その補欠として二宮文造君が、また昨十五日、二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として田代富士男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(玉置猛夫君) 離島振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、発議者から趣旨説明を聴取いたします。白濱衆議院議員。
#4
○衆議院議員(白浜仁吉君) 離島振興法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 離島振興法は、本土より隔絶せる離島の特殊事情よりくる後進性を除去するための基礎条件の改善並びに産業振興に関する施策を樹立し、これに基づく事業を迅速かつ強力に実施することによって、その経済力の培養と島民の生活の安定及び福祉の向上をはかることを目的として、昭和二十八年七月二十二日十カ年の時限法として制定公布されたのであります。
 以来、本法は離島振興のために少なからず寄与してまいりました。しかし、離島の特殊事情からくる後進性は依然として除去されない実情にかんがみまして、昭和三十七年三月二日第四十国会において本法の適用期限をさらに十カ年延長して極力その後進性を除去する諸施策を強力に実施してきております。
 しかし、離島はきびしい自然的、社会的諸条件の制約下にあるため、本土の著しい経済成長に追随し得ず、依然としてその後進性は除去されるに至っておりません。
 このような現状から、今後の離島地域社会の発展をはかるためには、新全国総合開発計画の趣旨に沿い、各離島の向かうべき方向を明らかにして、長期的かつ広域的な見地から、それぞれの島の特性に応じて、農林漁業、観光開発等の産業振興をはじめ交通通信施設、生産基盤及び生活環境の施設の整備、厚生、国土保全等の諸施策を効果的かつ強力に推進する必要があります。
 以上の観点から、本離島振興法は、昭和四十八年三月が時限となっていることにかんがみ、さらに十カ年の延長をすることとし、長期的な振興計画を策定し、積極的な振興をはかり、百四万離島民の生活の安定と福祉の向上につとめてまいりたいと考えるものであります。
 なお、時代の新たな要請に対応した施策を実施していくために次の点について一部改正を行なおうとするものであります。
 第一に、離島の無医地区における医療の確保をはかるための規定を新たに設けることとしました。医療の確保は、人命にかかわる重大な問題でありますが、本土と隔絶した離島におきましては、深刻な悩みとなっております。
 従来から直接住民と密着した離島関係市町村はもとより国、県その他関係機関において離島の医療の確保のため各種の施策が講ぜられておりますが、いまだ満足すべき状態になっているとはいえません。そのため、この問題に対する国及び都道府県の責任を明確にし、より強力に医療対策を推進するため、過疎地域対策緊急措置法の規定にならって第九条の二の規定を設けることといたしました。
 第二に、離島振興事業につきましては、御承知のとおり法令の規定及び予算措置により、本土より手厚い国の負担または補助が行なわれ、財政的基盤のぜい弱な離島における公共事業の推進に大きく寄与しておりますが、今回、その離島振興事業にかかる国の負担または補助の割合を一部改めることといたしました。
 すなわち、近時、生活環境施設の整備が特に緊急な課題となってまいりましたので、本法において簡易水道施設の整備について国の補助率を現行の十分の四以内から十分の五以内に引き上げることとしました。また政令においても、ごみ処理施設及び屎尿処理施設についてそれれぞ国の補助率を引き上げることとしております。なお、この他、生産基盤、国土保全、交通施設の整備のため、従来から強い要望がありました漁港の機能施設の整備、海岸保全事業、港湾、漁港の局部改良事業、市町村道の特殊改良事業、また平地の畑を対象とした一般農道事業などにつきまして、政令または予算措置により国の負担または補助の割合を引き上げることにしております。
 次に、港湾及び漁港の水域施設及び外郭施設並びに空港の整備につきましては、現在、全額国が負担または補助することとなっておりますが、これらにつきましては、他事業との調整をはかりつつ事業量を拡大するため、その一部を関係地方公共団体で負担することとし、国の負担または補助の割合を若干引き下げることといたしました。
 第三に、離島振興計画の計画内容を拡大するため、所要の改正を行なうこととしております。すなわち、これは第九条の二として医療の確保の条文を追加したため、これに対応して離島振興計画の計画事項を改めることとしたのであります。
 第四に、離島振興対策審議会の委員の数を一名増員して、新たに発足した環境庁の事務次官を委員として加えることといたしました。
 以上が離島振興法の一部改正案の提案理由でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第でございます。
#5
○委員長(玉置猛夫君) 本案に対する審査は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(玉置猛夫君) 地方行政の改革に関する調査のうち、大阪千日デパートの火災に関する件を議題とし、渡海自治大臣から報告を聴取いたします。渡海自治大臣。
#7
○国務大臣(渡海元三郎君) 去る五月十三日夜発生いたしました大阪市千日デパートの火災は、百十七名というとうとい犠牲者を出す惨事となりました。まことに痛ましい事故であります。心から遺憾に存じますとともに、不幸にして災いにあわれた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族に対し衷心よりお悔やみを申し上げる次第でございます。
 以下その概要について御報告申し上げます。
 出火場所は、大阪市南区難波新地にある千日デパートでありまして、火災は五月十三日二十二時四十分ごろ消防機関側に覚知され、翌十四日七時四十一分に鎮火したものであります。
 事故のあった千日デパートは、鉄骨鉄筋コンクリートづくり、地下一階地上七階建てで、延べ面積は二万六千五百平方メートル、高さは約二十二メートルございました。この建物は、昭和七年に建築され、昭和三十三年まで歌舞伎座として使用されてまいりましたが、その後昭和四十二年九月に貸し店舗として現在の使用状況の形で建築確認を済ませました。
 現在は、地下一階を機械室及び店舗に、一階、二階をデパートに、三階、四階、五階を衣料品売り場に、六階を遊技場に、七階をキャバレーとして使用しておりました。
 出火したのは三階の衣料品売り場で、出火原因については工事関係者の失火によるものといわれておりますが、なお調査を続けております。
 出火後約四分で消防隊が現場に到着し、直ちに消防、救助活動に従事いたしました結果、二階から四階までの売り場の約八千八百平方メートルを焼損しましたが、七階への火災の拡大は防止することができました。
 ところが、七階のキャバレーには客及び従業員合わせて約百七十名の人でおり、また三階から六階までには工事関係者若干名がおりました。七階は、通常エレベーター二基のみで昇降し、階段に通ずる部分の防火戸はすべて閉鎖してありましたので一当日も出火後停電によるパニック状態もあって避難に困難を来たし、窓から飛び降り墜死した者十六名、墜死したと思われる者五名のほか、避難できず煙により死亡した者、はしご車等により救出後死亡した者を含め死者百十七名に達しました。この間、消防隊のはしご車等による必死の救助作業等によって五十三名を救出しております。
 この建物の消防用設備は、警報設備として火災報知設備、消火設備として屋内消火せん設備、スプリンクラー設備が設けられており、また、避難設備として利用できる階段が四カ所ありましたが、これはいずれも閉鎖されておりました。さらに、七階には救助袋が一個設けられておりながら、使用方法が適切でなかったため有効に使用できませんでした。
 この建物では、消防機関の予防査察上も、消防設備の面では、現行法令上特に指摘すべき点はなかった反面、その運用面に欠ける点が多かったように思われます。今後事故の原因をさらに徹底的に究明し、これを教訓として、避難誘導訓練の徹底、この種複合用途ビルの共同管理体制の強化及び用途規制の検討、避難路を煙から守るための措置などを重点として、建設省とも十分協議の上、今後の対策に万全を期することといたしたいと存じます。
 なお、このため、とりあえず、現地消防機関に対しては、特に上層部に不特定多数の者を収容する建築物、中高層の複合用途建築物等の避難体制及び通報、避難設備の総点検を早急に実施し、緊急時にこれらの機能が十分に発揮できるような指導と査察を強化するよう指示したところでございます。
#8
○委員長(玉置猛夫君) 次に、高松刑事局長。
#9
○政府委員(高松敬治君) 今回の事件につきましては、警察といたしましては、午後十時四十五分事件の認知をいたしました。直ちに機動隊員その他を含めまして、警察官六十九名を付近に配置いたしまして被害者の救出、救護、雑踏整理、交通規制等に当たらせてまいったわけでございます。それと同時に、所轄の南警察署に大阪府警本部刑事部長を長とする特別捜査本部を設置いたしまして、捜査員約百六十名をもって捜査を開始、死体の検視、身元確認、遺族への引き渡し等の作業を並行してまいりました。現在までに身元未確認がまだ一名ございますが、あとはすべて遺族に引き渡しました。
 それから出火の原因の究明も同時に始めました。出火の場所は大体三階の呉服コーナーの付近である。それから出火当時その付近で電気配線作業が行なわれていたということで、それらの関係者についても取り調べを行ないまして、その結果、その電気配線工事作業に従事していた大村電機商会の電気工河島慶次、この男のたばこの火の不始末によって発火したということがほぼ確認できましたので、十四日午後十一時五十分同人を建造物重失火並びに重過失致死傷、こういう犯罪の疑いで逮捕いたしました。
 なお、多数の死者が出ましたことについて、ビルの管理者、キャバレーの経営者、これらの過失責任の有無につきましても目下慎重に捜査を進めてまいっておるところでございます。
 以上、簡単でございますが御報告申し上げます。
#10
○委員長(玉置猛夫君) 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○小谷守君 五月十三日の千日デパートの大火災、たいへん遺憾なことでありましたが、この事実関係については報道されておるとおりだと思います。特にいま自治大臣から詳細御報告を承ったわけですが、渡海自治大臣はさっそく現地のほうにお出向きになったようでありますが、私も昨日あの無惨な現状を視察してまいりました。また、大阪市の消防当局、大阪府警の当局等からも詳細説明を聴取してまいりました。そこでこの不幸なできごとに対して御一緒にこれをひとつ点検して、将来に備えなければならぬと思いますが、いま大臣の御説明の中で、最後に結びとして仰せになりました、教訓三つというふうに集約しておられますが、避難誘導の周知徹底と訓練の実施、複合用途ビルの共同防火管理体制の強化、避難路を煙から守るための措置と、三つほどのことをあげておられるわけでありますが、この当局のまとめを中必にして私からも若干の御質問を申し上げてみたいと思うのであります。
 当局はこの三つにまとめておられるようでありますが、私は、これ以外にさらに大切なものが抜かされておるのではなかろうか。それはあの建物の構造でございます。これは大臣が申されましたように、昭和七年の建造物でございますが、昭和四十五年度に建築基準法の大改正があった。ところが、これが一種の抜け穴があったわけでありまして、いわゆる法律不遡及の原則ということで、既往の建物に対してはこの建築基準法の改正点をさかのぼって適用をしないという抜け穴があったわけであります。私は、まさしく今回の大災害の原因の中にはこの点が大きな部分を占めておるのではなかろうか、こういうふうに思われてなりません。具体的に申し上げましょう。その第一は、まず昭和四十五年の建築基準法の大幅改正の適用からこれがはずされておったために今回の原因となったと見られる大きな原因の一つは、内装の制限、これが抜かっておりました。不燃材料の使用等のいろいろな制限が抜かされておったということが一つ。排煙設備の条項があるわけでありますが、これが抜かされておったということが一つ。さらに、非常用照明の装置が抜かされておった。四つには、非常用進入口の設備、これが抜かされておった。法的に四つの抜け穴が、この建築基準法の改正点の遡及をしなくてもいいということの甘さから、こういう点があったのではなかろうか。とりわけ一番大きな原因は、いま申し上げました最後の非常用進入口の問題です。これがなかったために消防の進入が非常に困難であったという点があろうかと思うのであります。大臣は三つの点をあげておられますが、私は、この建築基準法の改正点がこの建物に及ばなかったというところにむしろ具体的には一番大きな原因があったのではなかろうか、こういう気がしてならぬわけでありますが、その点についてのお考えはいかがでございますか。
#12
○国務大臣(渡海元三郎君) 建設省からも政府委員来ておられますので、後刻建設省から答えていただきますが、消防庁といたしまして三つの点をまとめて出さしていただきました。まさに今回の欠点、災害の起こりました原因の一つに、いま小谷委員御指摘になりました建築基準法の問題がある点は御指摘のとおりでございます。ただ建設省所管でございましたので、私、述べさせていただくのを差し控えさしていただいたのでございますが、昨日のNHKの一〇二におきましても、私は最後の結びとして、この点をぜひ検討さしていただかなければならないということを申し上げ、本日の閣議におきましても、昨日建設大臣が現地を視察されまして、その結果、いま小谷委員が申し述べられました四十五年の建築基準法の改正のときに古い建造物に対しては遡及してこれを適用するということに欠ける点があったと思うので検討をいたしたいということを述べておられ、私たちと今後検討の課題といたしまして早急に検討し、遺憾なきを期したい、このようにきょうの閣議におきましても建設大臣から発言がありましたような次第でございまして、御指摘のとおりでございますので、この点、今回の火災を教訓といたしまして、災いを転じて福となすために十分関係各省とも研究の上遺憾なきを期してまいりたい、かように考える次第でございます。
 なお、詳細の点につきましては建設当局から御答弁させていただきたいと思います。
#13
○説明員(救仁郷斉君) 建設省といたしましては、今回の事故につきましては、まことに残念なことでございまして申しわけなく思っている次第でございます。
 いま御質問の建築基準法の改正が昭和四十五年、これは主として防火避難というものを中心に大改正が行なわれたわけでございますが、この建築基準法の成り立ちは、御質問のとおり、改正前の建物につきましては一般論として新しい改正後の規定は適用しないというたてまえになっております。しかしながら、これは一般論でございまして、非常に保安上危険であるというように特定行政庁、これは県あるいは建築行政を行なっております市でございますが、それが認めました場合には、既存の建物であろうともこれに対して是正命令を出すことができるというような形になっております。したがいまして、一般論としてはそういった既存の建物に対しては新しい法律は適用しないたてまえにはなっておりますが、非常に危険と認めた場合には改善命令を出して是正させるというような形になっているわけでございまして、今回の建物に対しても、査察が適正に行なわれ発見ができていたとすれば、おそらく基準法の第十条によりまして命令を課すべきであったのではないかというように私ども考えている次第であります。
#14
○小谷守君 私は、必要とあれば今回の事態を十分検討していただいて、建築基準法の再改正を検討されるべきであると思う。と同時に、いま指導課長は、はしなくもおっしゃったわけでありますが、現行法の中でも不安であるものについては命令が出せる余地があったのだということであるにもかかわらず見過ごされておったということであるならば、建築指導上の当局の責任は軽くないと思うのであります。過密地帯におきましては、このような多目的複合共同ビルというものはだんだん増大する傾向にありますが、これらのものについて、建設省当局としては一度再点検を早急にやられる必要があるのではなかろうか、いかがですか。
#15
○説明員(救仁郷斉君) おっしゃるとおりでございまして、また、建築行政上法律的に命令を出す制度ができておりながらあの建物が見過ごされていたということは、まことに申しわけないというように考えております。しかしながら、大阪市当局に、昨日、おととい、話をずっと詰めておりますが、御承知のように一昨年、昨年、引き続きまして非常にホテルの火災による人命事故が起こりまして、大阪市の話では、消防当局と一緒になって、主として旅館、ホテルを中心に査察をずっと続けてきていたようでございます。したがって、こういう複合建築物につきましてはなかなか手が回っていなかったというのが実情のようでございますが、したがって、先ほども自治大臣から御説明ございましたように、きょうから大阪市の消防当局と建築行政の当局が合同してこういった複合建築の点検を行なって必要な命令措置をやるというような行動に入っているようでございます。なお、これらにつきまして、大阪市のみならず全国的にこういった危険な建物があることは予想されますので、事務次官通牒をもちまして一斉に点検を行なうよう指示したいと、こういうように考えております。
#16
○小谷守君 当局のおまとめになりました三つの結論について申し上げたいと思うわけでありますが、私もあの現場を見まして非常に残念に思うことは、あの七階のキャバレー、あそこで窒息死をした皆さんが、もし屋上に出ることができたならば、ああいう大量の死者を出さずに済んだのではなかろうか、このことが御同様悔やまれてならないわけであります。しかも、現場を見ますというと、屋上に通ずるドアがあるわけなんであります。ところがそのドアは施錠されておる。しかも御了寧に、その上にですね、分厚いどんちょう用のカーテンで閉ざされておりまして、どこにドアがあるのかというふうなことは、来ておるお客などはもちろんわからぬでありましょうし、毎日あそこで働いておる従業員といえどもそういう点についての認識がなかったのか、またあの際にですね、だれ一人として的確な誘導をした形跡がない。これは維持管理体制の上の、今度の事件のこの致命的な、まさに致命的なこれは落ち度であったと思います。
 加えて、もう一つは、救命袋は装置してありましたが、これは全く正常に作動していない。作動していない。垂直に窓からたれ下がっておるだけで、したがって、あれを綱がわりに使って、ある者は奇跡的に助かり、ある者は途中で転落して死んだ。救命袋の用を全くしていない。これも私は悔やまれてならぬ点であります。この二つの点が、特にあの七階のキャバレーの状況を見て残念でならぬのでありますが、こういう点については消防当局はどういうふうにごらんになっておるのか。平素、一体どのような指導をしていらっしゃるのかお伺いをいたしたいと思います。
#17
○国務大臣(渡海元三郎君) 全く同感でございまして、私も参りまして、三階、四階のエスカレーターの防炎用のシャッターは締まりませんでしたけれども、五階のシャッターが締まったために、六階以上の火災は防がれた。したがって火災による死亡は全然なかった。一に煙による死亡である。しかも避難通路は階段は五つございます。普通使われない階段二つ。これはまあ盗難防止等の関係もありまして、キャバレーからは幾分距離もありますので閉鎖されておってもやむを得なかったと思いますが、少なくとも三つの階段、しかも煙による被害の少ない退避路の階段と、もう一つは屋上へ通ずる階段が利用できたなれば一名の死者も出さずにこの事故は防ぐことができたんであろうと私も痛感いたしました。何と申しますか、設備、施設の完備以前の問題であり、防火責任者の心がまえ、経営者としての心がまえ、これを十分徹底させなければならない。このように感じますとともに、複合ビルにおけるところの防火責任者の統一した体制の整備の必要性と、もう一つは、レジャー産業に従事される方々の日ごろの訓練に対する私たちの指導監督の徹底が不十分でなかったんだろうか、あくまでも徹底を期していかなければならない。いま建設省の政府委員も述べられたように、旅館、ホテルは、たび重なる事故によりまして、ある程度のそういった責任観念を心の中に植えつけていただき、使用人の方々まで宿泊者に対して避難通路あるいは非常用の懐中電燈の置き場所、それらを指示していただけるような状態になってきたのでございますが、キャバレーその他不特定多数のレジャー産業等における体制が不十分であった。この盲点をつかれたというのが今回の惨事の原因でなかったかということを痛感している次第でございまして、今後、これらの点につきまして徹底的に反省をし、そのような事故のないように処置をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
 なお、詳細の点につきましては事務当局から答弁をさせます。
#18
○政府委員(山田滋君) 消防庁といたしまして、今回の惨事に対しまして心から申しわけなく存じております。今後、指導の万全を期してまいりたいと、あらためてかたく心に誓っておる次第でございます。
 ただいま御質問ございました点は、私どもも、私も実は大臣のお供をいたしまして現場に参りまして全く残念に思っております。特に、階段が四カ所ございましたが、そのいずれも施錠されておる。つまり全く防災管理という観点から申しますと、意識が全然なかったに近いようなふうに感じた次第でございます。御指摘のございました屋上に出る階段でございますが、これにつきましても、お話のようにその前にカーテンをやりまして、しかも、ここから入ってはいけないというふうな表示さえもあったようでございまして、そのかぎは、あとで調べてみますと、本来のかぎはその建物の管理者が、下に保安室がございまして、そこで保管いたしておりますけれども、マスターキーはその七階のキャバレーの支配人に渡してあるということを聞いてまいりました。そういたししますと、当日その責任者がああいう緊急の場合に、日ごろの管理者としての自覚が不十分であったのか、緊急の場合にみずから脱出をしたようでございまして、それがどういう経路でどういうふうに逃げ出したかということも現在わかっておりませんけれども、当然下の保安室に言わせますと、マスターキーを持っていたはずであるというふうに言っておりますので、もし、その防火管理というものの意識が十分あれば、当然みずからそのかぎであけるなり、あるいは避難誘導の措置をとるということができたんではないか。その点はたいへん残念に思っております。
 それから日ごろの消防の指導と申しますか、維持管理に対する指導体制でございますが、これは年二回いわゆる予防査察というものを行なっておりますが、最近の機会は、昨年の十二月の八日に予防査察を行ないまして、その際もそういう実際上の措置につきましていろいろ指示を与えておるのでございます。訓練も昨年の十月に一度避難訓練をいたした事実もございます。しかしながら、まあああいうふうな状態は、大臣からもお話ございましたけれども、聞いてみますと、たいへん従業員も始終交代をしておるようでございまして、訓練を常時やるということがなかなか困難な事情もあるようでございます。しかし、そういうことは当然責任者としての防火管理者として当然正式に任命されておる者が果たすべき職責を十分果たすということさえあれば克服できると思うのでございますけれども、遺憾ながら、先ほど申し上げたような実情であったようでございます。
 それから救助袋の問題でございますが、これも規定上は、その設備が七階に一個あるということで、まあ数としては十分でございましたけれども、維持管理の状態が悪くて、聞いてみますと、たいへん袋そのものが、ああいうふうなところでございますのでネズミが穴をあけておるといったふうなこともあったようでございます。そういうことと同時に、また避難袋の取りつけ方が、窓ぎわに十分それを活用できるふうについてなかったということを確認いたしておりまして、当日だれがその避難袋を外に出したのか、その点もまだはっきりいたしておりません。それから、それを作動する措置が十分されておりませんので、せっかく袋がありながら、レバーを起こしておりませんためにもぐり込む穴があいていなかった。したがって、避難する人は、その穴の中にもぐり込むことができずに上をすべって落ちるというかっこうになっておるのでありまして、これなどもまことにせっかくの避難袋が宝の持ち腐れになったというふうな感じもいたしております。こういうふうな点も、さらに私どもは、先ほどもお話ございましたように今後十分現地の指導体制を強化いたしまして、むしろこれまで消防職員の数の不足もございまして、予防査察というものが必ずしもひんぱんに行なうということができませんでした。また、行ないましても一定の時間に限られまして、具体的にその避難器具なりそういうものの実際の作動の機能が十分に発揮できるのかどうか、そこの確認というものがなかなかやるいとまがなかったと存じます。しかしながら、問題は、やはり人命を助けるためにはどうしてもその施設が十分に動くということがなければ意味がございません。今後私どもといたしまして特に決意を新たにいたしておりますのは、そういった査察の際には、ほんとうに動的な査察、生きた査察をしなければならないということを実は昨日もかたく申し合わせをいたしました。静的な状態において施設が完備されているということで甘んずるのではなくて、やはりその実際の訓練をさせて、その袋なりそういった避難器具等が十分ほんとうに動くかどうかということを確認をして、しかもそれを十分責任を持たせるというふうなことに今後いたしてまいりたい、かように存ずる次第でございます。
#19
○小谷守君 私は、このビルについても大阪市消防局は法律できめられておるところの消防設備の点検を、立ち入り検査をしたようであります。その点には抜かりはなかったと思うのでありますが、申し上げたいことは、ややともすると、消防のこの種の点検というものが何か形式化しておるのではなかろうかという心配をいたします。たとえば、いまの七階、キャバレーの救命袋の状況を見ましても、あるいは屋上に通ずる非常口の状況を見ましても、何か消防の立ち入り検査というものが上つらの員数検査に終わっておるのではなかろうか。救命袋というものはどう機能するかということについて、そういう非常の場合にどう動くかということについての具体的な指導というもの、そういうことについての点検が、これはここだけでなくて、全国的に今日不十分なんじゃないかという気がしてなりません。たとえば、消防訓練にいたしましても、最近ではあちこちでそういう状況も拝見しておるわけでありますが、これとて、何か言われるから形だけやるというふうな、そういう形式化しておる心配がないのか、そういう点を感じますが、この点についてはいかがですか。
#20
○政府委員(山田滋君) ただいま先生の御指摘になりました点、私ども全く痛感をいたしておるところでございます。ただ、まあ各消防局等におきまして査察を行ないます場合、先ほども申し上げましたように、非常に膨大な防火対象物に対しての査察をいたしておりますので、なかなか一件について十分な時間をとることができない、そういう実情もございましたので不完全なそしりを免れなかったと存じます。しかしながら、こういったような特に不特定多数の方々が出入りするような施設あるいは危険をはらんでおるような施設等につきましては、やはり十分その目的を達するような査察をしなけりゃならないと、かように存じておりまして、まあこれまでもそういう気持ちはもちろんでございましたけれども、今後、こういう貴重な経験がございますので、十分その趣旨で、私どもこれから、ちょうどたまたま明後日から全国の消防長の集まる機会もございますし、そういう際にも十二分にその指示をいたしまして、われわれ大いにその決意を新たにいたしたい、かように存じております。
 それから問題は、やはり消防だけが笛を吹きましても実際の施設の管理者なり責任者というものがその気にならなければ何ともいたし方ないのでございますが、そういう点につきましても、私ども心から熱意を持って、あくまでもその防災というものが営業以前の問題でありまして、それが根底になければこれは営業そのものもむしろ社会的な機能を果たすということができない。その前提として、そういった責任を負っていただくという気持ちを、十二分にこれからとっくりとひとつ話し合っていくような機会をふやしてまいりたい、かように存じておる次第でございます。
#21
○小谷守君 自治省御当局のまとめの二つ目でありますが、「複合用途ビルの共同防火管理体制の強化」、とりわけこのことは緊急を要する問題だと思います。ところで、先ほど申し上げましたけれども、過密都市におきましてはこの種のものがどんどんふえてまいっております。多目的複合共同ビルという、この混在ビルというものがだんだんふえてきておる。この共同使用ビルというものは、ひっくり返しますと、エゴイズムの雑居したビルだと思うんであります。利己主義の雑居したビルだと思う。それだけに、これをどうやって防火体制をとらせるか、これは私は、その建物そのものに統一的な防火体制というものを確立をしないと、これは二度、三度こういう不幸を繰り返すんじゃないか、こういう心配がしてなりません。いま消防庁の次長が、これはもう防火体制というものは利益以前の問題だ、商売以前の問題だということを関係者に強調したいということをおっしゃいましたが、まさにそのとおりでありますが、こういうものを許可するについては、その一番の前提はこの統一的な防火体制があるかどうかということ、これを前提にしていただかなくてはならぬと思うんであります。もしそれが不十分ならば、乱暴かもわかりませんけれども、その用途を許さぬと、使用を許さぬと、そのぐらいな強硬な措置をとることは今日のこの不幸な事件に照らして世論もこれを許すんじゃないか、私どもはこのように思います。この点についてのお考えはいかがでありますか。
#22
○国務大臣(渡海元三郎君) 複合ビルの問題、今日起きましたこの事件の特徴の一つでございます。問題は二点に分かれるのじゃないかと思います。一つは、複合ビルに現在ではどの階層をどのようなものに使用させるかということについての的確なる使用制限といったようなものはございませんけれども、私は、必要によれば、いま小谷委員も指摘されましたように業種によりましては、複合ビルの場合においては階層によってはそういった用途には使用させないというふうな使用制限、あるいは、もし最悪の最小限の場合でも使用する場合においてはより一そうの規制措置、そういったものが必要でなかろうかと思い、この点建設当局とも今後話し合いを進めてまいりたいと思う問題の一つにいたしております。いずれこの点につきましては建設省側から御答弁も賜わりたいと思っております。もう一つは、統一したところの防火管理体制でございます。現在におきましても防火管理体制を統一してやるように指導をいたしております。現に、このビルに対しましてもそのような指導をいたし、一回そのような会合も行なわれ、責任者もきめられたようでございますが、形式的に流れて何ら具体的な実行計画が話し合いがされていなかったというふうな点も今回の惨事の原因の一つになったかと、こういうことも聞いております。この点の強化、共同防火管理体制というものの強化という点と二点によりまして複合ビルというものに対する災いをなくさなければならないと、このように考えておる次第でございます。
 詳細な点につきましては、建設並びに消防当局から述べさしていただきます。
#23
○政府委員(山田滋君) 実は、いま大臣申し上げましたように、この複合用途ビルにつきましては非常に問題も多うございますので、かねてから心配はいたしておったわけでございますが、建設省と従来以上に緊密な連絡をとりまして、特に今後積極的に常設の機構をつくりましてこの防災管理という問題につきまして話し合いをしていくということになっております。その過程におきまして、特にいまお話がございましたような用途制限等につきましても、その可能性につきまして十分検討を進めまして、さらに最小限度のといいますか、こういったところにつきましては他の施設以上の防災措置を講ずるような努力してまいりたいと思います。
 具体的には、たとえば今回の場合申し上げますと、非常に残念でございましたのは、一階の保安室ではその工事人のほうから連絡がありましてその現場へ直ちに二人ほど派遣をして火災の状況を見さしております。同時に、一一九番のほうにはすぐ連絡をとったようでございますが、非常にいまお話のございましたように不備でありました点は、一階と七階との連絡というものが電話しか方法がなかった、つまり自動火災報知の装置もございませんし、また警報装置も十分でなかったために、電話で七階に危険だと、火事だということを知らせるはかなかったのでありますが、どうも聞いてみますと、当然知らせることになっておりますのに、あわてまして、その保安のほうから七階のほうへ連絡をしておりません。そのために煙が上がってきてから初めて七階の人は気がついた、こういう状態でございまして、まさにこれは複合用途ビルの一つの盲点ではないかと、かように存じます。また、先ほどお話がございました階段の問題にいたしましても、キャバレーは一定の他の店舗が締まりました九時以降の使用になっております。九時以降はキャバレーのみが仕事をしておる、そういう状態でございますが、そうなりますと、他の階段はすべてそのビルの管理者が締めてしまいましてエレベーターだけで七階を往復させる、これは主として盗難防止というふうな観点から他のものとは遮断をした使用の方法をとっておるのでございます。そのことは確かにもう共同の防火管理という意識は全然ございませんで、七階が全くその独自の立場で、お話のようなエゴ――エゴというのはまあことばはどうかと思いますが、そういったような独自の利益判断によってビルを使用しておるという感じでございました。こういった点につきましては、いまお話のように統一的な防火管理の体制というのをぜひ整備させなければならないわけでございまして、いま大臣も申し上げましたように、共同防火管理の責任者は法律上も設けなければならないことになっておりますし、また、それを早急にしない場合には、消防機関から措置命令でそういう管理者を選任するような制度も設けております。そこで、そういう話し合いも今回も行なっておったわけでございますが、十分にはそれが動いていなかった。
 それからもう一つ、これとは少し離れますが、最近の高層ビル等におきましては、非常にこういったいわゆる防災センター的な、あらゆる情報を一元化して一定の部屋で館内のあらゆる状態をキャッチできるような、そういう防災の中心になりますところのシステムをつくっておりまして、したがって、最近のビルにつきましてはお話の共同防火管理の体制というものができやすい状態になっております。しかしながら、こういう既存の特に中層ビル等におきましては非常に不備でございまして、盲点になっておるのは確かでございます。そういう点につきましてはこれから指導を強化しなければならない、かように存ずる次第でございます。
#24
○説明員(救仁郷斉君) 現行の建築基準法におきましては、特殊用途の建築物が混在いたします場合には、その相互間を鉄筋コンクリートの壁あるいは床あるいは鉄のとびらで遮断するようにという規定は一応ございます。あの建物も一応図面だけからの判断でございますが、これは一応できていたように考えられます。しかしながら、御指摘のように最近の複合建築のあり方というものが私どもが予想しないようないろんな形で出現しております。そういった中で、管理体制そのものがはたしてこちらが考えていたような管理体制ができておるのかどうかというような面もございまして、そういう点は確かに御指摘のような問題がございますので、建設省といたしましても消防庁と至急に打ち合わせさしていただきまして、実態を調べて必要があれば法令の改正をいたしたいと、こういうふうに考えております。
#25
○小谷守君 私は、この痛ましい現場を見まして、今度の場合、従来の火災の災害と違う点は、二十二時四十分に火災が発生してこれを消防署が覚知をした、そうして五、六分の間に近くの消防署から多量の消防車が、また消防員がここに展開をした、しかも同じような速度で警察は警備体制を十分とった。したがって、従来の盛り場火事のようにやじ馬が群がったために消防活動が妨害されたというふうな事実はない。しかも、ここに投入した消防の力というものは、はしご車七台、シュノーケル車五台等を含むところの八十一台の日本でも一番進んだ消防体制がとられた、時間を置かずにとられた、にもかかわらず、これだけの事故を起こした、ここに大きな問題があると思うんです。
 その第一は、先ほど申し上げたように、三百二十五名の消防隊員が警戒をしながら建物の中に進入できなかったという点、それからもう一つは、いわゆる有毒ガスの前に手が出せなかった。つまり化学消防としての弱さといいますか、この煙、有毒ガスに対する対応力がやはり今日の消防としては非常に弱いんじゃないか、こういう点を痛感いたします。加えて、先ほども大臣のお話の中にありましたが、夜間に不特定多数人をこのような混在ビルの高層部に集めるような営業については、これは思い切った決断を下すべきじゃないか。営業の自由はもちろんありましょうけれども、この惨事に照らしてこれらの現状をきびしく点検すると同時に、夜間混在ビルの高層部にこのようなものを許可することについてはひとつ特段慎重を期していただかなくてはならぬと、世論もこれを許すんではないかと、こういう気持ちがいたします。そういう点について最後に伺いたいと思うんです。
#26
○国務大臣(渡海元三郎君) 第一点の進入できなかった点、まことに遺憾でございまして、こういったビルに対し建築のあり方として消防活動等の進入路をぜひとも設けなければならないと思っております。
 なお、有毒ガスの対策の点、消防がガス対策としてボンベをつけ、マスクをかぶって中に入るまでに相当の時間がかかると、そのような装備のもとであの直ちの急の場合に対策することができなかった。そのためにあのような多数の死者を出したということは事実でございまして、これらに対する対策は今後とも研究していかなきゃならないと思っております。
 なお、私も重傷者を見舞いまして、現実に中毒のために意識不明になっておられる患者も見舞ってきたのでございますが、医者の説明によりますと、一酸化炭素によるところの中毒だけではないように思うと、有毒ガスによるところの中毒によってこのような症状が起こっておると思うと、しかしながら、なお科学的な研究をせなければ、いかなるガスであるかということはわかりにくいということで、原因究明は聞くことができませんでしたのですが、おそらく建築機材によるところの、いわゆる建築材によるところの有毒ガスでなくして、たまたま火災を起こした現場が繊維売り場であったために、繊維製品から出たところのガスが有毒ガスとなってあのような惨事を起こしたものであろうと思うという証言でございましたが、おそらくそういった点が非常に不幸を重ねた一つの原因になったんじゃないかと思いますが、ガス対策というものにつきましても、今後化学消防のあり方として検討を加えなければならぬ重要なる問題点であるということを感じておるような次第でございます。
 なお、最後の夜間不特定多数の者をああいったビルに、しかも高層の階層に許すかどうかということは、使用制限とこれは建築基準法の問題になろうと思いますが、十分検討に値する問題であろうと思いますので、私は昨日のテレビ放送でも述べさしていただいたんでございますが、ぜひ建設当局と検討さしていただきたいと、最小限の場合にいたしましても、そのようなところで許す場合の許可基準というものは普通の場合と異なる万全を期するような規制のもとでなければ許さぬ、最悪の場合でもそこまでの規制はぜひとも早急に実現いたしたい。きょうも建設大臣と閣議の席上でお話しさしていただいたような次第でございまして、早急に検討してまいりたい、かように考えております。
#27
○小谷守君 特に、建設省に申し上げておきますが、従来ややともいたしますと、この遊技場、キャバレー、こういった方面に対する建築諸法規が日本の場合は特にゆるい。こういう点が、この一々詳細を申し上げませんが言えると思うのであります。これを機会に建築法規全般についても再検討をしてもらわなきゃならぬし、現在あるものについても十分なひとつ点検を即刻始めてもらいたいと思うんであります。なお私は、大臣から、災いを転じてというおことばがありましたが、そのおことばのとおり、この原因を十分きわめていただいて、そして、将来重ねてこのような不幸の起こらないように万全の対策を進めていただきたいと思うんです。
 私は、最後に一つだけ伺って質問を終わりたいと思いますが、このたくさんの死傷者が出た、百十七人という命を失ったわけであります。とりわけその中で、死者のうち六十九人が御婦人である。しかも、伺いますというと、アルバイトホステスと申しますか、家庭の事情によって幼子をかかえて夜間こういうところで働かなければならぬような方が多かったようであります。そういう身の上の方が多いようであります。いまこの原因については警察で究明をされておられるようでありますが、一体この死者に対してはだれが償いをするのか、負傷者に対してはだれが一体責任を持つのか。これは大臣、どういうことになりますか。こういういま点検したとおりの状況でありますが、何とかしなければならぬ、最終的にはどこがこの償いをするのか、こういう点について、いまわかっている範囲のお考えを承って質問を終わりたいと思います。
#28
○国務大臣(渡海元三郎君) 原因その他によりまして法律的に補償をだれが行なうかということにつきましては、私も詳細に存じません。ただ従業員その他の問題は労働省の関係でもあろうと思いますので、労働大臣には帰りましてさっそくその点善処方をお願いをしておきました。ただ、当時参りまして、キャバレーの責任者であるところのドリーム観光のおられました責任者並びに出火の場所でありますところのニチイ産業の責任者、両二方に私は大阪の市長とともに会わさしていただきまして、この両会社が、なくなられた痛ましい方々に対しまして十分なる弔意の意を物質的にもしていただくように私からも御依頼し、そのあっせんの労は必要とあれば大阪市長にとっていただきたいと、大阪市長もそのことを両責任者に確約されたという次第でございます。
 なお、現場の遺体安置所へ参りましたときに、いま小谷委員御指摘のごとく、幼い子供を養うために働いておられる御婦人の方、その遺児となった子供さんが母親の死骸に泣いてすがっておられる姿を二つの場所で私見せていただきました。はたにおられた方が、これらの子供はこれからたよるすべもなく遺児となられるのでございますということをその付近におられた方から教えていただきました。さっそく大阪市役所へ帰りまして、何とかしてあげなければならないですと大島さんにも話ししました。私が帰ります飛行機を待っておる間に、大阪市長から、さっそくあの二人の遺児に対しては民生局長を派遣して十分なる手当てができるように処置いたしましたという報告も受けさせていただいたような次第でございまして、市当局並びに出火なり犠牲を出した責任者の方々が十分の物質的な補償等もできますように今後とも側面的に私も努力してまいりたい、かように考えておるような次第でございます。
#29
○田代富士男君 ただいま千日デパートの火災につきまして大臣からの報告もあり、いま質疑がかわされました。大臣も現場を視察されたと申されましたが、私は火災が起きている当日、その晩に墜落をするそういう人の姿も私はこの目で見てまいりました。この火災全体を私は考えまして、いま大臣の御答弁、いま質疑が行なわれました。これは火災を中心とした質疑ですが、私は今回の事件を通じまして、これは現在の日本の政治のひずみが全部悪い面に出たのが今回の火災じゃないかと思うんです。委員会でございますから時間の制限がありますが、私は時間が無制限であるならば一つ一つ取り上げます。ただ単なる火災で済まされないと思うんです、これは。それを時間の許される範囲内で私はお尋もし、改善もしていきたいと思いますが、いま建築関係の方、当局から、今回の事件は遺憾であった、そのような遺憾の意を表明されました。これは、何か事件がありますと必ずこの委員会ではまず最初にそのことばが出ます。私は今回は許されないと思うんです。
 なぜならば、今回の火事というものは、私はいままでの事件のあれは省略しますが、代表的なものは昨年のソウルのホテルの火事です。このために消防庁からもわざわざ派遣を出しまして、日本でそういうことのないようにということを調査にも行っておるんです。にもかかわらず、同じようなことが起きてしまった。私は、これはソウルの火事が起きてからどのくらいたってますか、大臣、日にちに数えて何カ月です。半年もたってませんよね。そして、何の通達を出してどうしたのか。今回起きている事件というものは、いま大臣が今後対処するのは避難対策と複合ビルの問題と煙の対策をやります、これはいま初めて言ったことじゃないでしょう。いままでの当委員会でホテルの火災の災害が起きるたびにこれは言い伝えられてきた。避難するときの非常口のシャッターがかぎがかかっておりました、そのために今回このような事故が起きました。これは御承知のとおりに郡山の磐光ホテルの火事がありました。そのときも非常口にかぎがかかっていたために多数の人々がなくなったという、そういう教訓があるんです。何一つ取り上げられても新しいことじゃないんです。それをその大きな大火があるたびごとにそういう改善をした、査察をやった、消防長を全国から集めますといま申していらっしゃいます。それは改善をするということを、その姿勢はいいんですが、そのときだけです。じゃ、査察に行ったとして、その結果を再度査察に行って、目で確認し、足で確認し、調査員の気持ちで確認したのか、それがなされてないです。この政府の指導、この姿勢自身の誤まりが同じことを繰り返してしまった。これはどうするかと言うんです。韓国へわざわざ消防庁長官も行かれたと思いますが、行ったにもかかわらず、これが何にもなされていないという、一体まずこの姿勢、政府当局の姿勢と、その姿勢が地方自治体にも同じような姿勢が出ている。今回の電気のスイッチを切ってしまったという、このようなことは初歩的なことです。エスカレーターのシャッターを締め忘れていたということです。これも初歩的なことです。また救命袋の使い方を知らなかったことです。初歩的な指導です。これを知りませんでした。指導不徹底でこれは済まされません。救命袋を落としたときに、この資料を見ますと墜落十六、墜死と思われる人が五名とあります。あの救命袋から、中へ入っておりるのを知らずにエスカレーターみたいに、あるいはそれを帯みたいにして抱き込んでおりた人もあります。おりるときに摩擦で熱くなって手を離して、そうしてそのまま落っこちた人もあります。さまざまです。運よくおりた人も、中にはけがで済んだ人もありますが、そのおりていく姿を見て、七階にいた人は衝動にかられてあの千日前通りのアーケードの上に全部が飛びおりてしまった、あの悲惨さを、大臣がお行きになったときには全部整理されておりました。おそらく大臣が行かれたときには全部そういうあとかたもないでしょう。私はこの目で、あのアーケードの屋根を破り網を破りガラスを破りそして落っこちてきた、女性の人のヘアピースといいますか、それが散乱している、ハイヒールや靴が散乱、腕時計を見ますと外ワクだけであって中身はない、血はどろどろ、そしてアーケードの網に引っかかった人もある、こういう初歩的なことがなされていたならばこの事故は、まあ私は被害者がないとは言いませんけれども、ある程度は被害を少数にとどめ得ていたと思う。政府の日ごろの姿勢、その姿勢が地方自治体に対する姿勢としてあらわれてきている。査察といいましても、いついつ行きますよと消防庁から連絡をして査察に行っている。ほんとうの意味の査察をするならば、通告なしに行って実態を調べるのがほんとうの査察と違いますか、今回のこと取り上げるのはもう幾つもありますが、まずその点いかがでございますか、第一番目。
#30
○国務大臣(渡海元三郎君) たび重なる事件のたびごとに遺憾の意を表するが何ら実行に移されていない、その積み重ねが今回の事故である、決して偶然のものでない、政治の欠陥がすべてとしてあらわれたのだという御指摘、まことにごもっともであろうと思います。いまソウルの事件言われましたが、私率直にお答えさしていただきますが、あのソウルの事件をテレビで聞き新聞で読みましたとき、もし日本でこのような事件が起きたなれば私は責任者として職にとどまることができないであろう、それが私の実感でありました。そのために、その後起きました椿温泉グランドホテルと申しましたか、あの火事も私は劇テレビの途中のテレビ速報で知りましたとぎに、ニュースになるのを待ちかねて事故の状況を知り、その後消防庁長官にも三、四回にわたって、犠牲者がどのくらい出たかということを聞かしていただいたというのが、率直に申して私の心境でございました。もしあの教訓が、いわゆる複合ビル、しかもレジャー産業、そういったところにまで私たちが徹底をしておったなれば、このような惨事は起こらなかった。そのことに対して、責任者としてまことに申しわけないということは痛感をいたしております。まさに、私どもの思わざるところに災害が起きてきた。いま小谷委員の御質問にもお答えさしていただきましたとおり、ホテル等に参りましたなれば、ある程度消火器具も完備され、あるいは接待に出てまいります女中等も避難通路あるいは照明器具の非常時の場合の置き所等、客に一々指示し注意するようなところも多くなってまいりました。相当教訓として徹底していただいておるということを痛感しておったような次第でございます。ところが、たまたまレジャー産業と申しますか、ああいったところでは客の心がまえも違うと思います。また、従業員も、何と申しますか移りかわりが早く、避難誘導も徹底していないと思います。特に致命的なものは、器具は整え設備は法的に完備されておりながら、それが何ら使用できなかったということは、防火責任者が、単に法律さえのがれることができたなればよいのだ――それを使用することが目的であって、法律上許されている、それは目的ではないのだという点の心がまえ、法律以前の問題に欠けるところがなかったであろうか。まさに私たちが盲点として国民の皆さまにおわびしなければならない点がそのままあらわれたのが今回の事故でないか。私はそのために、あの現場へ参りましてそのことを痛感いたしました。安置されております遺体の前に率直におわびをいたしたような次第でございます。起きてしまいましたことは私がどのようにいたしましてももとに返すことはできません。しかしながら、今回、思わざるところに私たちの盲点を発見いたしました。今後は、この点に関しましても徹底的に反省し、原因を究明いたしまして、いま小谷委員にもお答えしましたように、法律以前の心がまえから防火責任の体制等を完備していただきますとともに、法の不備な点も関係各省とも連絡をとりまして今後絶無を期してまいりたい。これが私のただいまの心境でございますので、御了解を賜わりたいと存じます。
#31
○田代富士男君 いま、大臣の決意を新たにお聞きいたしましたが、いま申されるとおりに、設備があって何らそれが使用されなかったところに問題があるということは、今回の管理責任者が専門家であったならば、おそらく七階の九十六人の死亡者は出ていないと思います。飛びおりた人はしかたがない。九十六人は専門家の管理責任者であったならば全部救われている、これは私の結論です。
 だから、消防庁にはお願いですけれども、管理責任者が名前だけということはよくないと思うのです。これを今後どうふだんから指導し徹底していくかということ、これは私の要望です。また後日、私なりにつかんだいろいろなものがありますが、これはまた別の機会に消防庁にじかにお願いしたいと思いますが、私は消防庁の駒方をいま責めるのではないのです。いま大臣が、どう解決していくかということ、問題はそこです。この事件を見まして、私痛切に感じたことは、都市の高層化、地下街の拡大、このようにどんどんとこういうような動きがなされていっている。これにつれまして、この都市生活になくてはならないこれに対する消防の体制といいますか、消防の施設、機械、全般を含めましてこの体制というものが非常におくれている。要するに、いま言うように、都市化の進展につれましてこの消防の対策というものはおくれているということを痛感しました。その一つが、四十メートル級のはしご車は大阪に一台だけ、三十八メートル、三十三メートル、七台ほど来てやっておりました。これじゃ微々たるものです。まあしかし微々たるものだといいましても、五十二、三名の人がこのはしご車のために助かりました。助かるたびごとに拍手がわき起こりました、微々たるものだといいましても。しかし、もうあの七階、八階には手がつけられない、六階くらいから。これはたいへんなことです。技術面では当局としては研究していらっしゃいますけれども、まだこれはこういう都市の高層化、地下街の拡大という時代の発展には技術的な方面においておくれている。技術面がおくれるからそういう資材面においてもおくれているのです。これは根本的な対策じゃないか。そのようにおくれているという根本原因は何か。じゃ、消防当局が怠慢か、そうじゃないのです。研究をしている。研究をしているけれども、研究をしやりたいことを実現できない、そこに問題がある。アメリカやヨーロッパのこういう消防に対する考え方は、大臣ももちろん御承知だと思いますが、私もすぐに調べてみました。アメリカ、ヨーロッパはどうであるか、割り切っております。火事になって損害を受けた物的損害、人的損害の被害の総額と、それを未然に予防する消火のためにつぎ込む予算というものは、被害の総額のたとえば一%か五%を充てたとしても、それを守るだけのそういう施設はでき上がってしまう。そういう予防消火というものに対する国自身の配慮といいますか、それが個人の生命を守り個人の財産を守るのだ。当然消防施設、そういうものに対する予算は大幅にとるべきである。欧米におきましてはどんどんとられている。そういう面におきまして、この予算というものが、ともすれば消防に対する予算は地方自治体のいろんなものを調べてみましたけれども非常に少ない、そういう面から一年間の被害総額はどのくらいになっているのか。それと対比して大臣これをどのようにお考えになりますか。だから、この根本原因は政府の姿勢にあると言うのは、そういう欧米先進国はそのように力を入れている、それほどやっていたならば未然に私は守られていたのではないかと思います。どうでしょうか。
#32
○国務大臣(渡海元三郎君) 欧米諸国との比較と申しますか、その点は私も不敏にしてこの席に資料を持っておりませんので、事務当局からあとで届けられると思いますが、私、長い間消防をやらしていただきまして、日本の消防の成り立ちそのものが、何と申しますか消防団から成り立ちまして、常備消防も置くという体制がなお完備されてない。いま市町村に至るまで広域市町村圏等で常備消防の拡充を毎年急いでいるというのが姿でございます。そのような関係から、従来ややもすると、消防の設備そのものが市町村の予算を離れて、大部分というものが篤志家の寄付によってまかなわれるという制度が戦後も続いておりましたのが事実でございます。このような制度のために消防予算というものが非常に総予算の中でおくれている。もとが少なかったものですから、ふえていく分が多くなりましても、いま申しましたように足らないというのが事実にございます。現在におきましては、少なくとも消防施設そのものは篤志寄付等に仰いでやるべきものでないという姿に、消防は本来自治体が自治体の予算として行なうべきものであるという姿にここ数年来切りかわり、そのもとに逐年増額を見ておるという姿にまで切りかえることができたのが今日の姿でないかと、このように考えております。常備消防の拡充とまちまして、一般消防器具の設備拡充、これに力を注ぎますとともに、大都市におけるところの火災あるいは大きな山林火災等に対する今後の対策もぜひともやらなければならない。本年度わずかながらもその方向にも口火を出させていただくような予算を獲得した次第でございます。いま御指摘のとおりの姿でございますが、今後とも予算の充実のためには努力をいたしてまいりたい、かように考えております。ただ、私まことに残念に思いますことは、昭和四十五年をピークといたしまして、火災件数は生活程度の向上とともにふえておりますが、一件件数に対する被害が平均して減ってきておる、また火災によるところの人員の損傷が減少の傾向にある。このことは、私は私なりに統計をながめながら喜んでおった次第でございますが、そのときたまたまこのような大惨事を出しまして、まことに痛恨のきわみであると胸迫るものを感じておるのが私の実感でございますので、今後、この点を反省いたしまして、予算面におきましても、あるいは訓練、国民の心がまえに対する啓蒙に対しましても、なお一そうの努力をしなければならない、このように感じておりますのが私の現在の心境でございます。
 予算の細部の点につきましては事務当局から答弁させます。
#33
○政府委員(山田滋君) ただいま先生からいろいろ御親切なお話がございました。私どもも消防の予算につきましては極力実情に沿うように努力をいたしておりますが、おかげさまで逐年伸びておりまして、現段階におきましては、消防施設の補助金は約三十一億程度にのぼりまして、これは国の措置でございますが、それから主体は市町村の消防でございますから交付税措置が主体になっております。その関係におきましては、施設関係のみならず全体の消防費というもの、人件費も含めまして四十七年度は約二千億に基準財政需要額がのぼりまして、それから今度は施設費を、まあこれは起債関係でございますが、四十六年度に比べますと四十七年度は相当大幅に起債のワクをふやしまして、百十億から百二十億ぐらい予定をいたしております。そういう実情でございますが、全体の火災被害額と申しますか、そういうものは四十五年が最高でございますが、年間約八百億をこえておりまして八百数十億になっているかと思います。それに対しましてこういった措置が十分であるかどうかという点につきましては、今後さらに検討を進めなければなりませんし、またお話のように、絶対的なこういった社会情勢、社会経済情勢の変転に伴いまして新しい災害に対する需要がどんどんふえてまいっておりまして、それにつきましては大蔵当局も非常に理解を示していただいておりますが、特に、はしご車であるとかあるいは化学車、そういった最新鋭の機械につきましては重点的に国の補助もつけてまいっております。大体年間、はしご車に限って申しますれば七十台程度の補助金が毎年確保されておりまして、それを全国に、特に大都市が中心でございますが、配分いたしておる次第でございます。まあこれをもって十分であるとはもちろん申し上げませんけれども、今後そういう大臣申し上げましたような方向でさらに一そうの努力を続けたいと、かように存じております。
#34
○田代富士男君 私は、ほんとうは大蔵大臣も呼びまして、もっと予算の面からこれは根本的にと思っておりましたが、大蔵省のお方お呼びいたしましたのですけれども、いま申し上げるように、これは火事の人命の被害額が出ていないと思うのです、いま言われたのは。人命の被害額を入れたら――これはとうてい掌握していらっしゃらないと思います。そういう面で、交付税とかいろいろな形を通じで出していらっしゃるのですけれども、今後とも私はほんとうに、今回百十何名死んだということですけれども、私が取り上げたいのは、あの赤軍派が立てこもりました軽井沢におきましては、あの牟田泰子さん一名を救い出すのに機動隊の幹部二名をなくしてあれだけの力を注いでいるわけなんです、一名の人命を救うために。人命と予算とは関係することはできませんけれども、お金で換算できませんけれども、百十数名にのぼるこういう死傷者を出しましたこれは、一束何ぼという考え方で済ませたらとんでもないと思うのです。そういう意味で、一名の人命を救助するためにもあれだけの対策をしたならば、いま欧米並みにもっと検討していくべきだと思う。大蔵省のお方いかがでございましょうか。
#35
○説明員(加藤隆司君) ただいま消防庁の山田次長からお話がございましたが、本年は、特にただいまの化学車とかはしご車、こういうものの充実につとめまして、単価などにつきましても二割を上回るような改善をやっております。数字は先ほど山田次長から申し上げたとおりでございますが、こういうもののほかに、広域市町村圏の整備事業費補助の中に消防車とか消防ポンプとか消防専用の電話とか救急自動車とか相当大きな金額がさらに消防につぎ込まれております。われわれといたしましても、地震の問題もございますし、それからただいまの大阪のような都市化に伴う問題、それから臨海工業地帯における石油化学を中心といたしまするいままでと質の違った火災の問題、こういうような社会経済の発展に伴います消防財政需要の質の変化と量の増大、こういうものを踏んまえまして、できるだけの財源措置をいたすように努力したいと思います。
#36
○田代富士男君 次に申し上げたいことは、建築基準関係で、いまもお話が出ておりますから、時間もありませんから深くは触れません。これはビルの防火対策、安全対策を規定する建築基準法が昭和二十五年に制定されまして、それから昭和三十九年でございましたかね、第一回改正、第二回改正が四十五年の六月、まあこのように建築基準法が改正されてまいりましたが、これは法の附則中の原則によりまして、法の制定並びに改正以前の建築物に適用できないという欠点があるわけなんです。これが今回千日デパート、もとの歌舞伎座です。歌舞伎座からこのような建物に変更するときにも問題があったと思いますが、そういう意味で、大阪におきましても新しいビルには適用されたそういうビルがありますが、古い複合ビルその他の形態のビルの中に多々こういうものがある。これをやはり何とか適用できるような法改正を私は考えていくべきじゃないか。これはまあ建設省の関係になりますけれども、これは断じてここでやらなければ今後たいへんなことになると思うんです。まあこれは地下街の問題にも当てはまると思いますが、それが第一点です。
 それと同時に、この建築基準の関係で、これは消防庁とももうお互いに関係があると思うんですが、最近の火事の現象を見てみますと、昭和三十三年ぐらいまでは陽性タイプの火事の事故が多かった、すなわち死んだ人は全部焼死体であった、焼け死に。ところが、三十五年以降今日に至りましては陰性タイプ、焼け死にでなくして、今回七階で九十六名が有毒ガスによる窒息、そういうようなビルの火災、ホテルの火災というものは、そういうような陽性タイプの死亡から陰性タイプの死亡に変わってきているのです。これはゆるがせにできないと思うんです。そこで考えられることは、新建材の問題、これはもう建築基準法の改正でも触れられておりますが、これでもう一つ触れられてない問題が化学繊維の問題じゃないかと思うんです。化学繊維の問題、これはまあほんとうにたいへんな問題じゃないかと思いますが、普通われわれはそういう繊維の恩恵を受けておりますからそこまで深く考えておりませんでしたが、今回のような千日デパートに限らず、こういう火事が起きた場合、酸素のない空気を吸った人間はすぐに即死してしまうことはもう御承知のとおりだと思うんです。また一酸化炭素が空気中に一%になったら致死量である。大体空気の中に酸素は二六%ぐらいあるということを私も聞いておりますけれども、今回のこの有毒ガスというのは新建材と、化学繊維の上にたばこが落ちた、そこから第一出ているわけです。だから、現在石油からこういう化学産業が発達いたしまして、こういう繊維というようなところまで発展してまいりました。確かに、国民生活の向上に資してきたことは認めざるを得ません。しかしその姿勢です。これを研究した化学者もメーカーも、豊かな衣料、生産第一主義でやってきた、生産第一主義。これは日本のいまの経済成長の姿勢とよく似ております。ところが、それを使った場合にこれがどういう悪影響を及ぼすかという、そういう視野に立ってなかったということです。これは現在公害で問題になっておりますPCB公害と共通性があるんじゃないかと私は思うんです。PCB公害の場合も、使用していた生産者側もそういう公害があるということは知らなかった、そこまで視野に入れてなかったといっている。そうするならば、PCB公害と化学繊維の有毒ガス発生は同じである、私はこのように思う次第です。そういうわけで、おそ過ぎるかもしれませんけれども、安全を確認した上で商品化をするという、生産第一主義の現在の政府の指導ですね、経済成長率を高めるための、そういうところにも私は今回の原因の一因があるんじゃないかと思うんです。すべての政治のひずみの悪い点が全部ここに出ているという面を申し上げましたけれども、こういう化学繊維に対しまして、私はそのPCBと同じような共通性がありますから、これに対する確固たる姿勢をとるべきじゃないかと思いますが、この点どうでしょうか。自治大臣と、まあ前のほうは建設省になりますか、その点ひとつお願いいたします。
#37
○国務大臣(渡海元三郎君) 今回の死亡の原因、これも小谷委員にお答えさしていただいた四十五年度の死亡者のうち四九%、半数がいわゆる煙死と申しますか窒息死でございます。そのような傾向にありますので、建材等につきまして有毒ガスが発生せないようにたびたび研究もし、規制を加えていっておるのはもう御了承のとおりでございます。また、今回も当委員会におきまして、先般特定の場所におけるところのカーテン等につきましては、そういった有毒ガスを発生するような、また燃えやすいようなものを用いてはならないというふうな法規制もやらしていただいたような次第でございます。今回の事件、先ほどお答えさしていただきましたように、むしろ建材によるところの煙でなくして、たまたま三階、四階が衣料品売り場でございまして、おそらくこの衣料品から出た繊維による有毒ガスが今回の窒息死の原因になったと、まだ確定したことは聞いておりませんけれども、重傷患者を扱っておられる医者から私直接、たぶんそれであろうと思うと、今後よく調査するということを聞かされてきたんでございます。おそらくそのようなことが原因になったのでなかろうかと思います。これは通産省の関係の点でございます。もちろん私たちは、そういった多数の者の集まる場所に対しましての防火的な面からの規制は消防責任者としていままでも法規制をいたしておりますが、製品そのものにつきましては、通産当局とも連絡いたしまして、それらに対する規制、またそのようなガスが発生しないような製品の研究ということに最善を尽くしていただくように、十分今後努力さしていただきたい、かように考える次第でございます。
#38
○田代富士男君 それから、それは通産省の関係でございますから、いま大臣としてお答えにくいだろうと思いますけれども、これはまた大臣もいろいろ閣議等での話もありましょうから、PCBと同じ共通性がありますから、また他の機会を通じまして私は取り上げていきたいと思いますが、大臣自身も、または消防庁としましても、そのくらいの強い姿勢を私はとってもらいたいと思う。
 ただ、いま申し上げましたとおりに、そういう売らんかなの主義ですか、商業第一主義というものが人命をこのようにしてきた。いま大臣から、いまの報告では第一番目に避難、第二番目に総合ビルの問題、煙の対策と、今後そういうものを講じていきたいという話がございましたが、私は、これだけではちょっと足らないじゃないかと思うのですが、私、今後の問題として取り上げていくとするならばもう一つあると思うのです。用途規則の必要という、用途規則の問題、これを検討すべきじゃないかと思うのです。これは、いまさっきもちょっと話が出ておりましたが、最上段にそのようなキャバレーだとか、そういうものを持つこと自身に問題がある。六階から下は休業状態です。そういうようなところに今回の大きな問題があった。いま大臣は、厳重な施設をした場合に許可するというような発言をしてらっしゃいましたが、しかし、それはまた拡大解釈されますから、この際きびしい姿勢でそういうことに臨むべきじゃないかと思うのです。まあ今回私調べたのでは、どうして七階にそういうキャバレーを、アルサロをつくったかといえば、やはり商売の都大阪ですからもうけ主義第一だと思いますが、この管理者である日本ドリーム観光の計算では、まあ大阪のあの近くの地価は三・三平方メートル当たり、約七百万円してます。そうしますと、建築面積三千七百七十平方メーターですから延べで二万六千五百平方メーターになるのです。そうしますと含み資産約八十億円ございます。で、いま大臣も視察されておわかりのように、ボーリング場に改装していたところでありますが、それが遊技場になっていたときには三・三平方メートル一カ月の収益は大体千円だった、今回火災を起こしましたニチイが大体三千円から五千円、それがボーリング場になりますと一万円ぐらいになる。そういうわけでボーリング場にこれを切りかえていたと、ところが、今回問題を起こしましたプレイタウンになりますと、それが三・三平方メートル当たり二万円ぐらいだと、だから日本ドリーム観光の目玉商品だった。そういうところで、まあああいう高いところにアルサロがあったためにこういう事故が起きました。煙は高いところに上がっていくということはこれもわかり切ったことです。しかし私は、高いところと同時に、今後は地下、東京でも地下にアルサロ、バー、映画館、たくさんあります。それで私は、地上でしたから五十二、三人の人が一応は救われた、地下の場合これはどうなるか、もうこれは絶望じゃないか、そういう意味でこのような高層建築の場合の、いまほとんどのホテルでもそういう場所をとっておりますが、これはもう検討すべきだ、これはもう建設省のほうの関係にもなると思いますし、これは政府をあげてこの問題は取り組んでもらわなくちゃならない、私はそう思います。ところが、いま大臣も申されたとおりに、そういう施設だとか、そういう力を入れても、一般の人も、この火災に対する法律以前の問題だということばで表現されておりましたが、知識がなければこれは役に立たないんです。これも今回の千日デパートの火災ではっきりいたしました。
 そこで、これは私の一つの提案でございますが、防火教育といいますか、防火放送の徹底と申しますか、いま予算の問題に触れた点はこのことも含んでおります、私は。まあ避難誘導の問題、これは管理責任者自身が今回はやらなかったと、この問題がありますが、いままでのホテルの火事、そういうものを総合して考えるならば、何も知らない人でも最小限度の知識があるならばこれはもっと守られたんじゃないかと思うんです。そういう点から火災に対する無関心、無知というものが今回の小さな原因の一つにもなっていると思うわけなんです。そこで、一般社会人として知るべき基本的な防災知識というものを学校教育の中に少しでも入れてもらうか、あるいはテレビ放送で特に視聴率の高い番組の中にそのスポットとしてもよろしいんです、防災に対する最低の心がまえとしてこういうことを心がけておきなさいと、なぜならば、これは災害が起きたときの一助に私はなるんじゃないかと思うわけなんです。そういう点につきまして、予算がありませんとか、そういうことはあるかわかりませんけれども、この点は大臣いかがでしょう、これは私の提案でございますけれども、その点についてひとつお願いいたします。
#39
○国務大臣(渡海元三郎君) まず前段の、この三つで足りないんじゃないか、制限をしろ、こういうことでございます。この点は小谷委員にも答えさしていただきましたとおりもう最大の重点でございます。私、きのうの一〇二の放送番組におきましても、使用制限と高層ビルにおけるところの用途制限というものを考えていただかなければならないということも強調しておいた次第でございまして、きょうの閣議でも建設大臣に要望し、建設大臣またきのう査察されまして、この点もあわせて検討したいということを述べていただいたような次第でございまして、十分特に混合ビル等においてのそういった不特定多数の者の集まりますところの使用に対する制限等もあわせ考えなくちゃならない、地下も含めましてこれはもう御意見のとおりでございます。さっそく検討さしていただきたい、かように考えております。
 なお、啓蒙の点でございますが、御指摘のとおりでございますので、いま私は議員宿舎に住んでおりまして、議員宿舎には各階ごとに消防の消火せんというものが備えつけられております。また予防装置までできておりますけれども、はたしてその使用方法を私たち自身でもなかなか全部が徹底しておるというふうなことも少ないんじゃないかと、こういうような点からもぜひともあらゆる機会をつかまえて教育をしていかなければならないと、このように考えております。ただ、この点で委員の各位の御協力を賜わりたいへんでございますが、先般、いま消防職員といたしまして女子の消防職員を使用といいますか、雇用しておりますところの市がだんだんとふえてまいっております。全国の代表十人余りと私座談会をいたしました。これらの消防職員の主たる任務は防火に対するところの宣伝、啓蒙でございまして、各家庭を訪れ、また御婦人方に日ごろ集まっていただいて、何と申しますか、打ち解けて防火に対する知識また火に対するところの予防意識というものを宣伝していただいておりまして相当効果をあげておると、また非常にその職業の重要性を考えまして、責任を持って女子職員が働いていただいておるということを聞かしていただいておるような次第でございまして、今後、限られた予算の中でございますが、これらの制度を常時消防の中に充実してまいりまして社会教育の一助として使わしていただきたいと、このような予算の獲得のためにも努力をいたしたいと座談会をいたしましたときに感じた次第でございますが、今回の事件に対しましても一そう啓蒙のために、消防職員は単に火を消すだけでなく、そのことを徹底さす、そのためにはそういった女子職員、家庭の主婦の中に入り込みやすい方々の雇用、またそれらの組織というものをぜひ考えてみたいと考えておるような次第でございますので、皆さま方の格別のひとつ御支援を賜わりたい、あわせてお願い申し上げます。
#40
○委員長(玉置猛夫君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#41
○委員長(玉置猛夫君) 速記起こして。
#42
○田代富士男君 こういう問題は、委員会の規則がありまして規則には従わなくてはなりませんが、これは大事な問題です。ほんとうならば一日も二日もかけて問題を討議すべきじゃないか思いますが、委員会の規則がありますから、時間がきたようでございますから、いま質問したのも間をはしょりまして私は質問しておりますが、警察庁のほうからもおいでいただいておりますが、私は現場を見てまいりました問題点で、今度は現場を中心とした問題から私最後にお尋ねしますが、いま小谷委員から、現場の整理はかなりうまくいったんじゃないかというようなお話が出ておりました。私はこの目で見ておりまして、確かにその面はあった、というのは、幸いあの当日沖繩返還の前日のデモ隊の整理のために大阪府警の機動隊の皆さんが、難波近くにいた機動隊の人たちが応援してくださいまして、それはかなりの効果がございました。今回、大阪の特徴として、御承知のとおりに大阪の北区のガス爆発事件がありましたために、あのボーリング場のところにアセチレンガスがある、これが爆発したらたいへんだというわけで、集まった一般的にはやじ馬といいますか、そういう人たちを後退さして、大阪のガス爆発のときには見学に来た人たちがやられた、そういうあれがありますから、ワクを広げるために府警の機動隊の皆さん方が悪口を言われたりつつかれたりしながら忍耐強くやっていた姿を見ましてたいへんだな――そのための困難はたいへんな困難がありました。しかしよくがんばっていただいたと思います。それでまあはしご車だとか、施設があって役に立たなかったというのは、このはしご車が千日前通りのアーケードがあったために、そちらへもっと入れば救えるところがあったけれども、アーケードが張りめぐらしてあったために役に立たなかった面もある。だから、中心街のアーケードというのは、これはやはり雨をよけるというそういう商店街にプラスの面がありますが、結果論でありますけれども、今回のこれを見た場合に、ある程度これは規制をする必要があるんじゃないかと私思います。アーケードがあったためになかなかはしご車が自由に動けなかった、この点が一つです。これは消防当局の関係であるかと思います。
 今度は、時間が十時半過ぎという時間でございましたし、土曜日ということで、全部の人がほっとして遊びに行くという気分も手伝ったでしょう。千日ビル会社の周囲に不法駐車の車がずらっと並んでいた。そのために消防車、シュノーケル車が思うように動けなかった。だから、不法駐車が交通事故に結びつくということがふだん警察当局でもいわれておりますけれども、こういう点は、違法駐車がなくて、いきなり消防車があるいはシュノケール車が来ていたならば一名でももっと早く助け出すことができたのじゃないか。不法駐車に対する今後の取り締まりにつきまして、これは警察の関係じゃないかと思います。
 それから、これは高松局長おいでになっていらっしゃいますが、直接担当であるかどうかわかりませんが、当日燃えている最中でございます、十一時半ごろ、府警本部の特殊レーンジャー部隊が到着いたしました。二個部隊十六名です。それで、そのうちの五名が防災活動をされました。出動服に空気呼吸器を装備いたしまして三階の窓から中に飛び込んだわけなんです、一番たいへんなところへ。完全装備です。ところが、入って瞬間、だめだ、とても中に入れない。熱いし、煙でちょっと先も見えない。完全装備として誇られていたところのレーンジャー部隊の装備の不備が痛いほどわかる。装備して内部へ入れない以上は、役に立たない。この緊急事態の装備が役に立たない、こういう点に対する今後の検討は、これも警察当局じゃないかと思います。
 それから、いま補償の問題が出てますが、補償の問題で、現在、大阪では問題が起きております。補償の問題に対してどうするか。
 それから母子家庭の問題ですね。これは現在の政治の貧困だと思うんです。今回、ホステスの皆さん方がなくなりましたが、全部ヤマさんホステスです、今度の特徴は。というのは、若い子は全部高級バーだとかそちらに抜かれてしまう。そのために年配者のママさんホステス、そういう三十を過ぎた人が働かなくてはならない、そういうような社会のひずみ。母子福祉法が制定されたときに、第四条には「母子家庭の母は、みずからすすんでその自立を図り、家庭生活の安定と向上に努めなければならない」。とございますが、三十過ぎた女性の母親の就職というのは道が狭い。そこで、比較的収入の手っとり早いホステスになったわけですけれども、こういう人たちが昼間働いてひとつ収入を得られるようなそういう社会福祉という、そういう福祉政策の欠陥というものが今度の問題を生んだのじゃないかと思うんです。
 あと、さまざまな問題がありますけれども、最後でございますけれども、そういうことを一括して御質問いたします。関係当局から御答弁願いたいと思います。
#43
○政府委員(山田滋君) アーケードの問題につきましては、御指摘のように非常に今度の惨事になりました一つの原因であろうかと存じて私ども反省をいたしております。ただ、従来その取り扱いにつきましては、昭和三十年に消防関係とそれから建設省、それから警察庁等が協議いたしまして取り扱いの基準を定めておりまして、原則として、防火、交通、あるいは衛生上の弊害を伴うので抑制の方針をとるということで指導をいたしてまいりました。その中にも、御指摘のようないろいろな実情にかんがみて、特に防火、衛生、あるいは美観を害するというふうなことがあってはならないということで、特に防火という点に重点を置きましてこの抑制をはかっておる次第でございますが、いろいろな実情によりましてなかなか十分の徹底が期せられなかったのではないかと反省をいたしております。御指摘もございましたので、さらにその点につきましては一そう関係各省と十分協議をいたし、その措置を強化するように努力をいたしてまいりたいと、かように存じております。
#44
○政府委員(高松敬治君) 当日の警察活動につきましては、非常に幸運と申しますか、十三日の日の警備活動に備えて部隊を集結しておりましたので、その現場にも機動隊、特別機動隊合わせて二個中隊ばかりすぐ出動できた、それから機動警察隊の車六十台がすぐに周辺に集結することができたということで、わりあいに手っとり早くまいったようでございますけれども、しかし、実際にいろいろ聞いてみますと、やはりやじ馬からのばり雑言とかその整理、交通を遠くで遮断するということにかなり苦労をしてやっておりました。しかし、わりあいに人間の集結はよかったのですが、いまおっしゃったような、たとえば不法駐車の整理とか、それから、中への進入ということは非常に困難であったということも事実のようでございます。
 不法駐車につきましては、私、大阪におりましたころにも、御承知のように大阪の町というのは非常に狭い、ことに裏通りが狭いのでございます。一たんこういう火災その他があった場合にどうするかということで、一方通行を考えてみたりいろいろ整理を考えてみましたのですが、これは日本じゅう全部としましても、不法駐車に対する対策というのは、単に交通が困難になるというだけじゃなしに、やはり災害対策の一環としてもっと考えなければいかぬ。そういう意味では、いま東京で始めておりますようなパーキングメーターを大幅に増設し、駐車できるところとできないところをもっと厳重に取り締まりをやっていくということが、今度の事例に徴して――あそこはわりあい広いところでございますけれども、やはりそういうことがあろうと思います。
 それからレーンジャー部隊の服装の問題でございますが、これは確かに御指摘のような検討を要するものがある。現実に入りましたのは、次の日の朝の七時ぐらいになってようやく入れた、こういう報告を私聞いておりますが、熱に対する服装というものはこれは十分に検討をしなければいかぬと思いますけれども、非常にむずかしい問題でございます。ただこういうふうに技術が非常に進んでおります時代にそういうものが全然できないとも考えませんが、そういう点の特殊な装備というものの開発を私どもとしては今後なお進めてまいりたい。ただ、非常な高熱のときに入っていく装備というものは、考えましてもこれはかなり困難が多い。まだ若干の時日を要するんじゃないかというふうに考えておりますが、できるだけ努力はしてまいりたいと思います。
#45
○国務大臣(渡海元三郎君) 犠牲になられた方々に母子家庭の方々が多いといわれることは、私も現場で見てまいりましたとおりでございまして、先ほども小谷委員にお答えいたしましたように、大阪市当局とも連絡をとりまして十分今後の処置をしていただくようにお願いをしましたし、今後とも注意してまいりたいと思います。
 なお、限られた時間でということでございましたが、幸いに現地で、しかもその時点においてつぶさに観察せられた状況でございますので、委員会等におきましても私たちの参考になる資料としてお教え賜わりましたら幸いと存じますが、よろしくお願い申し上げまして答弁にかえさせていただきます。
#46
○中沢伊登子君 もう同僚議員からそれぞれ詳しい御質問がありまして、私の質問しようと思ったことも大半皆さんがしていただいたわけですけれども、建設省たいへんお急ぎでございますが、よろしゅうございますか。災害は忘れたころにやってくる、こういうことばがございますけれども、最近は忘れるいとまもない間にやってくる、こういうことでございまして、先ほどもいろいろ話題になりました韓国の大然閣ホテルとかあるいは白浜の椿温泉グランドホテル、あるいは先ごろは有馬の満月城の問題、あるいは大阪のガス爆発事故、いろいろと引き続き次から次と起こっているわけですけれども、今度のこの事件も実に大きなショックを私どもは受けたわけでございます。
 そこで、いろいろいま申し上げてみましても、結局はもう済んだことでございまして、これからどうすべきか、こう考えますときに、やっぱり火災を出さない、このことが一番大事ではなかろうかと、このように考えます。今度もたばこの投げ捨てから起こった火災でございますが、消防白書を見ましたときに、火災の一番大きな原因はたばこの火であると、こういうふうに書かれておりましたのに、そしてそのことがここでも、地方行政委員会でも消防法の改正のときに話題になっておりましたのに、またしてもたばこの火から百十七名というとうとい人命を失われたということはまことに残念でならないわけでございます。先ほど田代委員から、ぜひこういったような災害のPRをテレビでもスポットの時間でもやったらどうかというお話がございましたけれども、私もいまその御意見にはたいへん賛成でございまして、何とかこのたばこのこともスポットでぜひやって周知徹底をさせたらどうかと、このように考えるわけでございます。実は、いま、私この地方行政委員会にやって参りますそこのエスカレーターをおりたところに、まだこの火事がきのう、おとといのことで新聞にもどんどん書かれておりますのに、このぐらいのたばこが投げ捨ててあったわけですが、火がついておりました。私はちょうどエスカレーターからおりたところでしたから、それを踏み消してきましたけれども、そういうふうにまだ記憶がなまなましいのに、もうすでにたばこが投げ捨ててある、これは国会の中ですから相当いろんなことに関心を持っていらっしゃる方だと思うんですが、たいへん私これ見て残念でなりませんでした。この辺をひとつ周知徹底させることが大事ではなかろうかと、このように考えます。
 それから消防法の改正のときに私も御質問申し上げたわけですけれども、はしご車の届く高さが大体きまっているわけですね。いまのところ大体三十三メーターですか、階数にすれば十一階ぐらい、こうきめられておりますけれども、しかしどんどんマンションが建てられていく。そのマンションが建てられるのは、宝塚として、はしご車がたった一台しかない、だから十四階建てのマンションを建てるのは困ると市民がたいへん反対したわけです。もし火事があった場合に、十一階以上のところにははしご車が届かないから何とかしてこのマンションを、そんな高層マンションはやめてほしいとたいへん反対があった、そういうことも私ここで申し上げたと思います。しかし、そのときの御答弁では、いや建築基準法にかなっていれば建てるのをやめさせるわけにはいかないという御答弁でありましたけれども、今度のこのようなことを考えてみても、いつ災害が起こるかわかりませんので、その辺を一体今度は、幸い建設省が来ておられますので、建設省はそういう消防の面からと建築基準法の面からと、今後どんどん建っていく高層ビルの建築の面からこのかかわり合いをどういうふうに考えていらっしゃるかお伺いしたいと思います。
#47
○説明員(救仁郷斉君) 都市が再開発という名のもとにどんどん高層化していくということは御承知のとおりでございますし、それをやはり片面から見ますと災害の危険をはらんでいるということを非常に私どもは忘れてはならないというように考えております。
 御質問のいわゆるはしご車、高層化に伴いましてはしご車が間に合わないではないかというようなお話でございますが、一応四十五年の改正によりまして、三十一メーターをこえる建物にははしご車が当然届きません。そのために消防隊用の専用の非常用のエレベーターを設けるというような規定が追加されているわけでございます。そういうことによりまして、いざというとき消防隊がいつでも使えるような非常用のエレベーターをこれは消防庁とお打ち合わせの上設置を義務づけておるわけでございます。ただ、いま事例にお引きになりましたマンションにつきましては、これは建築基準法上、マンションにつきましては非常に各部屋ごとに耐火構造のかちっとした壁で区切られております。したがいまして、三十一メーターをこえる部分が四階以下であったら、これは非常用エレベーターは要らないというただし書きが書いてございます。したがいまして、三十一メーター、四階でございますから、四十メーター以上の階になりますと、これは非常用エレベーターが要りますが、四十メーター以下のマンションで各戸がきちっと耐火構造のコンクリートの壁で区切られておる場合には要らないんだというような規定になっておる次第でございます。
#48
○中沢伊登子君 規定はそうかもしれませんけれども、今度の火事で見る限りエレベーターすら動かなかったわけでしょう。そういうときに一体どうなさるか、このことが問題です。
#49
○説明員(救仁郷斉君) この非常用のエレベーターにつきましては、これは当然御指摘のような心配がございますので、別に予備の電源を備えつけて、そうして停電であってもその予備の電源が働くように、そういうような規制がしてございます。
#50
○中沢伊登子君 これから夏になりますとね、さらに今度は屋上でビヤホールというものが開かれると思うのです。こういうときに、それは火事だけであればいいんですが、もしも地震とかいろいろな災害が起こったときに、この上におる人、屋上におる人――今度は屋上に出るかぎさえあればこれだけ多くの人は死ななかったろうと言われるわけですけれども、今度は屋上でビヤホールが開かれた場合、またそこに相当の人がおるでしょうが、そのとき災害が起こった場合これをどのようにして救出されるか、それが私今後の問題だろうと思いますが。
#51
○政府委員(山田滋君) 今後これは重要な問題として研究を深めていかなければならぬと思いますが、現在そういう場合、最近、これは南米で事例がございましたが、ヘリコプターが相当活躍をいたしまして、ほとんど救出に成功したということを聞いております。これはなかなかヘリコプター自体の何といいますか、救出作業に習熟しておらなければむずかしいと思いますけれども、最近、東京消防庁をはじめといたしまして、相当な都市がこのヘリコプターの充実をはかっておりまして、訓練に励んでおりますので、現段階におきましてはその方法を活用する以外にないじゃないか、その場合にも、個々の都市が一機ないし二機持っておる程度では足りませんので、近隣の都市が即応できるような協力体制を整えまして、直ちに飛来をして作業に入るというような連絡を十分とってまいりたい、かように存じております。
#52
○中沢伊登子君 先日、ここで防炎カーテンが消防法の一部改正の中でこれが取り入れられたわけですけれども、カーテンはなるほど燃えないようになさるかもしれませんけれども、今度の火事の場合煙がほとんどの問題でございますね。そうすると、各建築物の中で排煙施設というのはどのようなものが使われておりますか。
#53
○説明員(救仁郷斉君) これも四十五年の改正でございますが、排煙施設につきましてはまず原則的には窓でございます。これも天井から非常に下に下がった窓は天井に煙がたまりますので、一応天井から八十センチ以内に設けた窓はこれは排煙施設として有効だということになっております。したがって、そういう窓がとれない場合には機械で排煙するような設備を設けなさいというような規定になっておる次第でございます。
#54
○中沢伊登子君 まあ窓がすぐあげられて煙がどんどん出れば問題はないわけですけれども、今度の場合は煙で充満してしまったわけですね。窓をあけられたのかどうか、その辺は私にもわかりませんけれども、煙を出すような施設につきましても、それはどうしても電気が要るわけですね、機械を動かすためには。その電源が切れてしまえばその排煙施設もこれはやっぱりできないわけですから、今後はいろいろ排煙施設の問題もお考えいただけるかとは思いますけれども、建築物にぜひともその排煙施設、的確に早急に煙が出るようなそういった施設をこれから考えて、それを義務づけていかなくてはならないのではないかと思います。特に大都市にあっては、もう隣のビルとこっちのビルとはほとんどひっついていますから、そういうところで窓を開けてみても、煙はたいして出ていかないで、むしろはね返ってくることがあるのではないかと思われますし、その点、これから十分建設省も考えていただかなければなりませんし、また、スプリンクラーですね、これも建築物の中に義務づけているのか義務づけられていないのか、その辺をお教えいただきたいと思います。
#55
○政府委員(山田滋君) 現在、一定の、特に十一階以上の建物あるいは地下街、これにつきましては義務づけられておりますが、今回の場合のような中層のものにつきましては、ちょうど三階程度のところにつきましては義務づけられておりません。たまたま、あの建物につきましては、相当数スプリンクラーがあったというように報告を受けましたけれども、実際には作動するいとまがなかった、かように思っております。
#56
○中沢伊登子君 排煙施設はどうですか、排煙施設を義務づけられているかどうか。
#57
○説明員(救仁郷斉君) 排煙施設は、これは義務づけて現在ございます。
#58
○中沢伊登子君 新聞によりますと、雑居ビルの火災、これを調べた記事が載っておったわけですけれども、雑居ビルというのが昭和三十八年には千八百九十二戸、昭和四十五年になりますと六千四百六戸、この八年間に三・五倍にふえているわけです。しかも、その火災件数たるや、昭和三十八年には二十八件、昭和四十五年には何と二十七倍強の七百六十一件の火災が発生している、こういうような表が出ていたわけですけれども、これから考えてみますと、この雑居ビルというのはたいへん私は大きな問題だと思います。先ほどからも、小谷委員をはじめ皆さんがこの問題を取り上げていらっしゃるわけですけれども、この雑居ビルになりますと、いまのような排煙施設とかスプリンクラーとか、あるいは非常階段とか、いろいろなものの責任がお互いにあるようなないようなことで統一されていない。ここに私は今度の災害の大きな問題があるのかと思いますけれども、この雑居ビルも、向こうから申請があればこれは許可をしなければならないのですか、何とか規制をすることができるのかどうか、その辺について御答弁を伺いたい。
#59
○説明員(救仁郷斉君) 先ほども簡単に御答弁いたしましたが、雑居ビルにもいろいろな種類がございます。ただ単に普通のお店屋さんがずっと並んでいるような、地下街に類するような雑居ビルから、今回の場合のように非常に多数の人数を収容するような特殊建築物を含んだ雑居ビルがございます。現在の建築基準法では、そういった個々のお店屋さんが並んでいるような雑居ビルはこれは普通のビルと同じような扱いになっておりますが、そういった不特定多数の方々を集めるようないわゆる特殊建築物につきましては、他の部分ときちっと区画しなさいというような規定にはなっております。しかしながら、いまの規定で、こういった複雑化してきます雑居ビルに対して十分であるかということになりますと、先ほども御答弁いたしましたように、これから十分消防庁御当局と御相談の上、必要があればどんどん改正してまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#60
○中沢伊登子君 これは雑居ビルかどうか知りませんけれども、非常口の階段ですね、今度も屋上に出るところにかぎがかかっていて、支配人が持っているはずであったのに、それがどうなっているか、まだこれからの調査の段階だと思いますけれども、私、韓国のホテルの火災のときに、あるつとめている婦人から話を聞いたんですが、そのビルは、屋上に出る非常口、それを皆さんがまだ夕方五時までそのビルで働いているのに、もう四時ごろにはベルが鳴って、屋上にいる方はみなおりてください、ただいまから屋上を閉鎖しますと、こういうことで管理人の方が屋上に出る階段のところをかぎをかけてしまう。そしてその人は、もう四時で、まだあと一時間くらい皆さんが残っているのにさっさと閉めて下におりてしまう。それで、帰ったのか保安室にいられるのか、そこら辺はわかりませんけれども、そういうようなことを聞きまして、これはちょっとおかしいんじゃないでしょうかというような疑問を投げつけられたことがございます。そうなりますと、まあ一つのビルにしても、まだ働いている人がいるのに屋上に出るところを閉めてしまう。万が一ということもございますので、その辺の指導をこれからやっぱりきちんとやっといていただきたい、こう思いますのと同時に、その非常口は一体だれが責任を持つのか、この辺も十分徹底をしておく必要があろうかと思います。
 その点についての大臣のお考えをひとつお伺いしたいのと同時に、先ほどからも問題になっておりましたが、今後はやっぱり都市化が進んで地下街というのがたいへん多くなっておりますね。私もしばしば大阪に出ることがありますけれども、しかし大阪で地下鉄に乗るにしても御堂筋線はよくわかっているのですけれども、そのほかにできた地下鉄はどっちにどう行けばいいか、矢じるしはしてあるんですけれども、なかなか遠くて、どこをどう行けばいいのかわからなくなってしまう、こういうようなことが実は私しばしばなんです。そうなりますと、こういう地下街にいたときに、こういったような火事とかあるいは災害が起こったときの避難誘導、あるいはそこら辺の責任を持ってくれる人、一体だれが責任を持ってだれが避難誘導をしてくださるのか、そこら辺の責任体制はどうなっているか、その辺をお答えいただきたい。
#61
○国務大臣(渡海元三郎君) いま、だんだんの御質問でございました。今後、都市再開発で高層ビルあるいは地下街、これらがだんだんふえてくるのではなかろうかと思います。消防はしご車にも限度がございます。現在建てておりますところの近代的な高層ビルには、私の聞いておる限りにおきましては、各層に防火設備が自動的にできておりまして、完備されたものでなければ許可されないという姿で現在できておる。実際において、未然に防ぎました例も、事故になりませんから新聞にあらわれておりませんが、そのような効果もあった事例もあるということを聞かさせていただいております。今後、排煙施設等も含めまして、建設省当局とも連絡をとりまして、防火に対する、何と申しますか科学的な研究というものに一そう注意せなければならないと、かように考えます。その点におきまして、いま御指摘になりました地下街、私もこの間札幌に参りまして、地下街の責任者と、札幌がつくりました地下街を視察させていただきました。その責任者自身が、道路を狭くすることによって、できるだけ商店の面積を広げ、それによって経営が成り立つようにしたいということで、両面に半メーターずつ、一メーター少なくしてくれということを建設省にずいぶん言うたが許していただけなかった、そのために広くした。しかしながら、広くした結果は、現在私たち自身広くしておってよかったということを痛感しております、ということを聞かされまして、私も、今後できます地下街はそのような姿におきまして、防火体制におきましても最善を期するようにしたい。また、各方面に対しての避難通路もできておりますので、煙等に対しましても相当完備されたような説明を受けました。しかしながら、このたびの事故にもありますように、規制をします前に起こりました、いま言われました各商店街のような姿で自然発生的に生まれた地下街、これらに対しましては、一朝事が起こりましたなれば、このような大惨事を起こすような地下街が多数にあることはこれは私も認めなければならないのじゃないかと思っております。徹底的にこれらもこの際に再検討いたしまして、改善すべきは改善し、責任体制を十分とりまして、このような大きな災害にならないようにできるだけの手を打つことを現在考えておるような次第でございまして、雑居ビルとともに地下街の問題についてもこの際あわせて検討さしていただきたい、かように考えておるような次第でございます。防火責任者の点につきましては、雑居ビルは、特にだれが責任者であったかということは、これは統一責任者とまた単独の各経営ごとの責任者と当然あるのでございますが、統一責任者を設けるように、また単独責任者の協議会を開くように法でも規制もやっておりますが、その実があがっていなかったのが今回の事故の原因であろうと思っておりますので、その点も反省いたしまして、その指導に万全を期したい、かように考えておるのが現在の反省の段階でございます。
#62
○中沢伊登子君 最後でございますが、私もひとつ要望しておきたいと思いますが、いまの御答弁ほんとうにけっこうだと思います。統一責任者とその各階の責任者、これはやっぱり話し合いをして、いつでも、いつどんなものが起こっても万全の態勢を整えておくように責任体制を明らかにしておくべきだと思います。それと同時に、先ほど申し上げました火事を出さないことこそ肝要なことですから、たばこの火を消さずにほうり出すのは、よく車の中からでも運転手さんが窓からぽっとほうられるのです。道路ではそれよろしいのですけれども、まだ何とか消えるでしょうけれども、草っ原あるいは何か落ちているところに火がついた、落ちた、それが大きな火災の原因にならないものでもございませんから、その辺を十分にPRしていただきたいと思います。特に女子の、家庭の奥さんの婦人消防、こういうことも最近だんだん整備されていきつつあるようでございますけれども、まあ火を使うのは女性がたいへん多いですから、その点も触れて、女性にも火のあと始末を周知徹底させるように、と同時に、また子供におかあさんから、この前ありましたね、どこか物置きで子供がマッチで遊んでいるうちに焼けてしまったという話もありますので、子供にも火災のおそろしさ、こういうものを徹底させるように、女性にもできればいろいろな点でこれはPRをしておく必要があるのではなかろうか、このように考えます。同時に、先ほど小谷委員も触れられましたけれども、いつでもこういったような大火災や大災害があったあとで、特に火災のあったあとで、あれはいつぞや立ち入り検査をするところであったのにと、こういうふうな終わってからの残念だったというようなことばがよく繰り返えされるわけですけれども、消防署の立ち入り検査がおざなりにならないように、いまの地下街の問題も大臣からいい御答弁をいただいたわけですけれども、おざなりでなく、ほんとうにきびしくやっていただきたい。火災が出たあとで、しまったということでなしに、その点は十分に心して立ち入り検査をやっていただきたい。しかもそれを早急にお願いしておくわけでございます。
#63
○国務大臣(渡海元三郎君) 御要望ごもっともでございますので、十分検討して至急処置さしていただきたいと存じます。
#64
○河田賢治君 他の同僚委員からだいぶ質問ありましたので、ごく二、三の問題を意見を交えて述べたいと思うのです。
 かつて、消防行政に関する行政監察というのが昭和四十四年の十二月八日に勧告されて、自治省では四十六年の二月八日、運輸省は四十五年十一月十三日回答しているわけです。この中に、地下街や中高層建築地区その他についての都市における危険区域、これらの問題については、大体自治省としましては、新しく建築基準法ができた、それで大体安心だということが答弁されているわけですね。これは確かに十一階以上のものなんかについては高層建築物として処置されたわけです。しかしそれとともに、歓楽街、繁華街、特殊三業地区について適切な防火対策を樹立することが肝要であると言って、次の事項について二、三行政監察が書いてあるわけですね。これについても行管のほうでは、個々の住民というのは非常に防火意識が必ずしも徹底しておらない、自衛消防の体制は一般に弱体であるというようなことを指摘している。これに対して自治省は、火災予防の見地から、これからこれらの区域において組織を結成することがきわめて好ましい、すでに一部では消防機関の指導によって特に効果をあげている。まあその他のことについては目下いろいろ検討する。こういう大体においておざなりの回答が寄せられているんですね。ですから、今度の大阪の問題がありまして、突如東京でも消防庁がその日に直ちに監察、査察されたわけですね。やはりどこでもこういう歓楽街等々においては消防意識というのが非常に弱い。まずせっかく備えつけた器具なんかについても全然知らぬとか、こういうことがある。責任者自身もあまりそれに対して関心を持っていない、こういう事実があるわけなんです。これはやはり消防庁が絶えず監察をして、それからどの程度教育されているかもやはり見なくちゃならぬわけですね。そういう点から私は、今度の問題は相当中高層だけでなく、さっきおっしゃいましたように、十一階以下の程度のものでもやはり火事になれば大きな犠牲を出すということがありますので、ここでやはり相当自治省を中心に消防の面から、またいろんな建築の面から根本的に私は考え直す必要があるのじゃないか。なかなか人間の命というものにはかえられませんから^しかも火災というものはずいぶん経験したわけですね。ホテルの火事、それから千葉の百貨店の火事、それからまた最近はガスの爆発とか、こういういろんな火事の経験をしているわけです。しかも、年々御承知のとおり工業の発展でいろんな可燃物が使われ出して新しい事態が発展しているというのですから、どうしても消防行政にしても防火体制にしましてもそれに追いつくようなやはり手段を考え、法律の内容を私はどんどん変えていかなければならぬと思う。先ほど建築のほうでも、基準法ができたけれども、行政的な処置で改善命令ができるとおっしゃっておりますけれども、単なるここを建て直しなさいとか、ちょっとうまくやれとか言っても、法律をつくってある程度強制を伴なわなければ、ぜに金のことばかり考えている人が多いですからなかなかやらないと思うのです。どうしても古い構造物であっても最小限の防火体制あるいは十分な防災体制等々はやはり改善さすような立法措置を私はとるべきだと思うわけです。そうしませんと、私はなかなか今日多数のこういったことがあるのですから直らぬと思うのです。しかも建築というものは、だんだん時代がたてば古い建築物というものはやがて建て直しもするわけなんですから、そういう点から一応やはり建築物なんかについても再検討を加えるということが私は大切だと思うのです。
 特に通産省は――きょうはなるべく質問を長くやりまして、答えは簡単にもらいます――新聞を見ますと、通産省はきょう、十三日のこの火事から教訓を得て、まずいろんな危険な建材をこれから規制しなくちゃならぬ。そのために、試みに買ってテストをするということを言っている。これは実際いいますとおそいんですね。しかし、通産省がこういうことをやれば、それは一つの私は進歩だと思うのです。しかし同時に、こういう不特定多数の者が集まるところでは危険であっても、個人のところで使えばそう危険でないものもあると思うのです。だからこの辺でやはり通産省もできるだけ危険な建材を売らぬようにしなけりゃならぬが、同時に、人間の文化生活が上がりますと、多少危険がわかっていても防火や防災には個人の家ではだいじょうぶだという人があればこれは使うわけですね。そうしますと、やはり売るところ、相当私はこういう問題は検討する必要があるんじゃないか。たとえば百貨店、これは千葉の百貨店ではあまり多くの人は死ななかったと思いますが、時間の関係上。しかし、かつて白木屋あたり燃えて、昔でしたから、そうたいした被害はないわけですけれども、いまだと煙がすぐに上がっちゃいますから、すぐ窒息ですね。ですから、百貨店あたりでもやはり建築――危険な爆薬じゃないけれども、第二の危険なものですから、こういう有害毒ガスを発生するようなものの売り場というのはある一定のところに集める。そういうところに、建築の基準でもできれば、遮閉のできるような鉄扉がおりるとか、百貨店というのは大体全館一つになっておりますね。だから、そういう場所をきめて、そういうところで危険なときはすぐシャッターがおりて、多少でも煙が一般に回らぬようにするとか、いろんな建築上これを規制する必要もあるんじゃないか。そうすれば、ある程度これは防げて逃げる時間もできるのじゃないか。したがって、こういう売り場などについて有毒ガスなんか、販売するところの規制を、これは通産省のほうも関係ありましょうし、建築の側からいけば建設省も関係しますから、総合的に自治大臣あたりが中心になって考えませんと、一つの省だけで、これは建築はだいじょうぶだとか、あるいは通産省のほうで考えれば、売り場はこれはあってもだいじょうぶだというような、こういう問題が出ると、なかなか防災、防火という面から見ますと、かなりやはりしっかりとこれをやるために困難な面が出ると思います。ですから、こういう点で私は今後各省にまたがりますから、少なくとも人命の救済という任務を消防庁は負っているのですから、したがって、自治大臣がこういう問題についても相当積極的な見解を持って、そして建築上の問題も、何といいますか中層の建築物の遡及ができて新しく改善させるとか、こういうことをしっかりとやってもらいたい。新しいものについては、さっき申しましたように、いろんな商店やそれぞれの居住、こういうところにふさわしい火災予防の措置をつけていく。電気が消えて全然まっ暗がりで、どこへ行ったらいいかわからぬようではぐあいが悪いですね。電源が切れれば直ちに別の発電機とか小電池が動くとか、一つの通路なんかは蓄電池でも置けばあるいはつくわけですね。そういう設備をするとかいろいろなやはり建築上、しかも火事のときに十分なあれができるというようなことも必要ですし、それからまた、今度カーテンはやりましたけれども、御承知のとおりいろいろな喫茶店とかキャバレーとか、私、行ったことがないからわかりませんけれども、いわゆるインテリアといいますか、いろいろな室内の装飾物、これらも相当化繊なんかも使ったり、それからいろいろなじゅうたんも敷いたりしていると思います。こういうものにやはり有害な材料を使っているかどうかということを調べてもらって、さらにこの消防法なんかもそういう面から全体的にもっと検討していただく、そして、できるだけ火災の予防をするということをしていただきたいと思う。単にカーテンだけでは私はこのごろ足らぬのじゃないか、こう思います。個人のうちは別としまして、こういう点も考えられます。
 したがいまして、今後私は、個々の問題については申しませんけれども、いま申しましたような点で、自治大臣が、人命と防火をあずかる主務官庁としまして相当責任が重いわけですから、これを通産省あるいは建設とかその他関係各省とも、十分この災害を契機にして、ひとつほんとうの総点検ですね、洗い直すという立場に立って検討していただきたい。このことを申して私は終わりたいと思います。
#65
○国務大臣(渡海元三郎君) ごもっともでございます。現在のように生活様式が非常に多様化してまいりました時代に、火災から財産、人命を守るということは各省に関係あることでございまして複雑多岐の問題であろうと思います。今回の火災に対しましても、各省ごとに、あるいは私自身現地に参り、また建設大臣も現地に参っていただいたのでございますが、建設当局あるいは通産当局等もそれぞれ係官等も派遣していただきまして調査をしていただいておるような状態でございます。きょうも総務長官不在でございまして連絡をとることができなかったのでございますが、副長官に、各省庁のそういった視察が大体片づきました段階におきまして、さっそく中央防災会議を開いていただきまして、総合したところの反省検討を加え、必要とすべきものは法改正まで含めまして実施にこれを移してまいりたいということを話し合いさせていただいた状態でございまして、いま河田委員御指摘のような総合的な対策をぜひ講じてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
 なお、これはいま御質問を承っておりまして、私、私見として感じたことでございますが、売らんかな、もうけんかなの商業政策というものではございますが、これからのレジャー産業、そういったものの進展ということを考えますと、私は各それらの営業対策の中におきましても、何と申しましもサービスをいかにやるかということが最も重要なる問題の一つになってくるのじゃなかろうかと思うわけでございます。そのサービスの根本は一番何であるかと申しましたならば、人命を尊重する、安全であるということが、デパートにいたしましてもそれらの施設にいたしましても一番の私はサービスになるのでなかろうか、この点を強調し、啓蒙するような道を、はたして一般にもわかりやすくできないものであろうかということを昨日来から感じておったような次第でございます。そのサービスの根本は人命を尊重する安全なる施設であるということに徹していただく、それを営業方針の根本にするというふうな方向にあらゆる産業がなっていただきますような啓蒙運動を、ぜひとも今後あらゆる宣伝機関等を通じて世論を喚起してまいりたいというようなことを痛感いたしましたような次第でございますので、せっかく皆さま方のひとつ建設的な御指導を賜わりたいことをあわせてお願い申し上げまして答弁にかえさせていただきたいと思います。
#66
○委員長(玉置猛夫君) 本件に対する本日の審査はこの程度にとどめて、午後二時二十分まで休憩いたします。
   午後一時十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二十七分開会
#67
○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 道路交通法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#68
○神沢浄君 私は、主として法案の内容について質問してみたいと思うんですが、あとの論議にかかわり合いがありますから、それに先立って警察庁の交通局からいただいておる昭和四十六年の交通事故概況についてという資料がありますが、この資料の内容の二、三点でお伺いをしておきたいと思うのですけれども、これで見ますと、昭和四十六年度は全国的に死者数も負傷者数もともに減少したと、こうなっております。しかも、それは死者、負傷者とも減少したという事実は戦後初めての現象である、こうなっておりまして、このことについては私ども一定の評価をしたいと思いますが、しかし、そういう結果が四十六年度に至って出てきたということについて、当局としてはどんなような分析をしているか、その点をひとつ伺いたいと思います。
#69
○政府委員(片岡誠君) その統計にもございますように、全国的に見ました場合に、死者も負傷者も発生件数も若干でございますが減少した、しかし、中身をよく地域的に検討いたしますと、ある地域では相当減少しております。ところが、県によりましてはかえってやはり増加傾向の続いておる県もございます。主として増加しております県が関東地方の周辺県であるとか東北であるとか、あるいは四国の東南部、九州の南部といったような県で増加しております。そういうものを踏んまえて私ども考えておりますのは、相当道路交通の歴史の古いところでは減少傾向にある。それと対比して、最近道路が急速に整備されてよくなってきた、それから自動車の数が急速にふえておるといったような地方部の県で増加しておるということになると思います。
 しからば、歴史の古い県でなぜ減ってきたかということだと思いますが、それは一つには、車社会に対する地域住民の安全性に対する適応がそれなりになされてきたということ。それからもう一つは、何と申しましても大きな県では警察力が相当強うございます。したがって、道路上における秩序維持のための監視力も強い。それから第三として考えられますのが、道路管理者側なり公安委員会の両方の側におきます安全施設の投下量、公共投資の量が多い。そういうことが主たる原因で差ができてきたのではないか、そのように見ております。
#70
○神沢浄君 そうしますと、交通事故の防止についても、歴史的といういまの言われ方をされておりますけれども、それは住民の観念とか意識というものも含めての上だろうと思います。しかし、総約してみますと、やはり事故防止のためには金をかけなければだめだということになってくるのじゃないかと思うのですけれども、その点はどうでしょうか。
#71
○政府委員(片岡誠君) 仰せのとおりだと思います。
#72
○神沢浄君 大臣もおられますから、ひとつ大いに金をかけるような、思い切って惜しげなくかけていくような行政を心がけていただきたいと思うのですけれども、そこで、先ほどの御答弁の中にも出ておりましたが、いわゆる首都圏におきましてはドーナツ現象というものが起こっている。東京だけは減ってきたけれども周辺県においてはむしろ逆にふえてきておる。これは、その原因はいまおっしゃられたようなことに大きい傾向としては基づくことになるだろうと思いますが、しかし、特に首都圏においてはドーナツ的な現象が生じておる。こういうことについては、私は一つの考え方といたしまして、やはり過密都市の東京を中心にしまして、これがおりあるごとに、いわゆる放射的にレジャー交通とでもいいますか、周辺の県に対して進出をしていくということが原因になって惹起されてきておる現象ではないかというような感じがするのですけれども、東京の分析等を含めて、その点についてはどんな見解かお聞きをしておきたいと思うのですが。
#73
○政府委員(片岡誠君) いま御指摘になりましたドーナツ化現象でございますが、ごく最近までは埼玉、神奈川、千葉といったその辺が急激にふえてまいっておりましたけれども、そのほうが若干鈍化傾向をしまして、かえって群馬、栃木、茨城、山梨といった、もう少し外周部のところがふえていくというような、ドーナツの輪がだんだん広がっていっているというような傾向にございます。もちろん、レジャー交通も一つの原因だと思います。やはり幹線道路が整備されてまいりますと、たとえば茨城、栃木のような場合には奥州、東北地方に対する通過交通も非常にふえてまいる。あるいは、茨城が特に問題でございますけれども、例の鹿島臨海工業地帯の開発のためのダンプカーであるとか、あるいはそういう工場建設のためのトラックの動きというものも一つの原因になっておるというふうに考えております。
#74
○神沢浄君 それからさらに、資料によりますと、歩行者事故の中でも老人と子供の事故が増加をしてきているわけですね。まあ弱い者を守るのが政治の要諦でもあるでしょう。その現象については非常に憂慮されるものがあると思うのです。その点に関してはどんなような分析をされておるのか、同時に、今後の安全対策というようなものについてどんなような見解を持たれておるのか、その点をお聞きしておきたいと思うのです。
#75
○政府委員(片岡誠君) 御説明のとおり、歩行者事故の中でもお年寄りとそれから子供、特に学校へまいります前の幼児の事故率が高うございます。私どもそれを非常に憂慮いたしております。それを何とか減らしたいということで、当面考えておりますのは、そういうお年寄りとか幼い子供たちが事故にあっているのは、大体自分の家の近くであっておられる。自然そうだと思いますが、したがいまして、住宅街と申しますか裏通りと申しますか、そういうところの事故防止対策に力を注げば結局はお年寄りや子供の事故を減らすということにもつながる、こういうふうに考えております。ただ、裏通り対策をやって裏通りから通過交通を追い出していくという施策をやっているわけでございますが、それをやるに際して、ことしの春の安全運動では関係省庁寄りましてスクールゾーンというものを打ち出していったわけでございます。したがいまして、小学校の校区を中心に半径五百メートルくらいの範囲にとりあえず環境整備をする、安全施設もつくれば交通の規制もやる。と同時に、その地域内の各学校に通っている子供さんの親御さんたちにも、子供に対する安全教育を徹底的にやっていただくというやり方を始めまして、これでそれなりの成果がございましたので、今後ともそのスクールゾーンを拡大していくという方向でやってまいりたい、そのように思っております。
#76
○神沢浄君 いまスクールゾーンの話が出たのですけれども、いろいろ意見もありますけれども、しかし地方においてもそれなりの評価をされております。なおひとつ検討、お取り組みを期待をしたいと思うのですが……。
 さて、時間をむだにしてもいけませんから、法案の内容に入っていきたいと思うのですけれども、路上練習、路上検定の問題であります。まず第一に考えられるのは、練習者、また被検定者といえば、いずれにしても熟練者じゃないわけです。非常に事故の偶発しやすいような条件というものを持っている。これは相当事故誘発の危険というものが大きく考えられなければならないと思うのですけれども、その際にいろんなことがあると思いますけれども、まず使用する道路ですね、まさか一般路上を使用する、こういうことになりますと、交通が非常にふくそうしているようなところが使用できるものでもないでしょうし、使用する道路の選定ということがまず非常に問題になるところだと思うのですが、大体その選定の基準というものは、たとえば交通量の問題とかあるいは道路構造だとか、そういうような点について一つの基準というようなものを考えられておりますか。その点についてひとつ。
#77
○政府委員(片岡誠君) いま考えておりますのは、原則として、これは当然のことでございますが高速道路は除く。それから先ほど申しました裏通りと申しますか生活道路、そういう裏通り、幅員の狭い生活道路も除く。それから著しく交通がひんぱんな道路、これも除くという、基本的にはそういう考え方でございます。それから一カ所に集中いたしますと、そこへ試験コースが集中しますと、そこでばかり練習するというようなことになっても問題がございますので、試験コースはある程度分散をして、集中しないような配慮をするというふうな基本的な考え方を持っております。
#78
○神沢浄君 概念的にはそういうことなんでしょうけれども、具体的には、たとえば時間当たり通行台数のどのくらい以下のものを基準にするのか、こういうことを検討されておりますか。
#79
○政府委員(片岡誠君) いま申しましたような点で、今後実施いたしますまでに具体的な道路の選定を各府県で慎重にやってまいりたいと思います。基準となるべき交通量の数値も実施までには十分詰めてまいりたいと、そのように考えております。
#80
○神沢浄君 法案の出ておるのは今度ですけれども、私が若干照会調査をしたところによりますと、もうすでに行政上の指導でもって路上使用をやっておるところがありますね。どんな状況だか、それを聞かしてください。
#81
○政府委員(片岡誠君) 路上試験はまだいたしておりませんけれども、路上練習につきましては、普通自動車の免許の取得者の中で八〇%までは指定自動車教習所の卒業生でございます。そして指定自動車教習所では、現在六時間ないし十時間、地域によって異なりますけれども路上練習を現にやっております。それから路上検定につきましては警視庁、福岡、愛知、山梨、愛媛といったような県で現在路上検定もやり始めております。そしてその結果でございますけれども、警視庁の場合、これは従来からずっと路上検定やっておりましたけれども、四十六年中に軽傷の事故が二件と、物損事故が二件と、一年間にという程度のことで、比較的安全に行なわれておるというのがいままでの実例でございます。
#82
○神沢浄君 公式の報告はそういうふうにきっと返ってくるのでしょうけれども、いま御答弁の中にありましたけれども、私の場合は山梨です。山梨においてももうすでに実施がされておりまして、関係者に聞いてみますと、やっぱり道路の選定というのに非常に苦心をするようなんです。結局は、一つの現象としては、何か一般通行車が遠慮をしまして、いわば練習公害というのか、一般通行車側に非常な支障と迷惑が生じておるような状況もあるようですし、それから常に、何といいますかそういう状態ですから、事故が起こってはならないという不安にかられておる、こういうことが実態のようであります。そこで、現実その衝に当たっておる者からいたしますと、こういう希望を共通して述べるのですけれども、将来なお道路の選定というのは、ことに今度法律ができ上がったりしますと、それに基づいて当然義務的に実施をしていかなければならぬということになりますと道路の選定というものが非常に問題になるので、したがって、この法律が実施をされるからには、やはり練習、検定を目的にした道路の特設とでも申しますか、特設道路、こういうようなものをやっぱり考えていかないと、これ、法律ばかりできたって道が選択できないのではないか、こういうことをみんなそれこそ聞くと共通して言います。したがいまして、法律をつくるからには、やはりそこまでは考えなければこれはいけないと思うんですが、そんな点についてはどうでしょうか。
#83
○政府委員(片岡誠君) やはり現実の道路の中で安全に運転できるかどうかということを確かめたいと思いますし、それからまた、現実の道路で最後の仕上げも練習としてやっていきたいと思っております。したがいまして、全然ほかの車の通らない別の道路でやるとすればこれは本来の趣旨に合わないのではないか。しかしながら、いま先生おっしゃいましたような道路の選定についていろいろ問題はあろうと思います。したがいまして、できるだけほかにもそう迷惑がかからないし、しかしながら、実際の道路上で最後の仕上げはするといったようなところを選んでいってやる以外にはないのではなかろうかというふうにも私考えております。
#84
○神沢浄君 教習所も箱庭式の感覚で免許を与えて、これが実際に路上に出ることは非常に危険なことで、したがって、免許を与えるからには路上運転の感覚を身につけさせるこの考え方というものは、それは承知できるところなんです。しかし、また一面、これはもう事故の問題というようなものはより重大なことだと思います。関係者に聞いてみましても、とにかく常に事故の偶発について不安を持ち続けなければならない。こういうような、これはもういずれに聞いてみましても共通して説明するところでありまして、したがって、さっきのことを繰り返すようになりますけれども、関係者の要望としては、今度法律が定められて義務実施になってくるということになれば、やはりただ単に練習あるいは検定のためにのみ使うということのみでなくて、そういうことに使えるような道路をこれはやはり用意をする必要があるんではないか、こういう点が強調されるわけです。私どもも確かにその点はごもっともだと、こう思うのですよ。いよいよ交通事情がさらに変わって推移していくことを考えてみますと、今日よりは交通量が減るということはないでしょう。そうなりますと、確かにその使用道路の選定というものはこれは頭痛の種になってくるのです。ですから、今後とすれば、この法律をつくるからには、やはり道路特設あたりまではこれはひとつの考え方として用意をしなければならない点ではないかと思うのですが、重ねてその点を伺っておきたいと思います。
#85
○政府委員(片岡誠君) 特設の道路というか、そのための道路というのがはたしていいのか、あるいはまた、そうでなくて、道路そのものの一般的な量が足りない、したがって、練習コースあるいは試験コースとしての道路がだんだんとりにくくなるという問題とすれば、むしろやはり道路そのものの改良あるいは整備というようなことで、そういう面でこの問題は解決されていくんではないかというふうに、そのようにも考えております。
#86
○神沢浄君 その問題についてはさらにひとつ検討を深めてください。これは大体今後の推移していくであろう、情勢として当然起こってくることだろうと思いますから。
 次に、路上検定の場合、これは検定員と受験者といいますかね、やはりお互いに人間ですから、一つの人間の心情的な関係というものがこれは避けられぬと思うのです。同乗をしておって、そうして練習のときには別かもしれませんが、検定の際には、いわゆる手出し、足出しをすればそれは失点になる、合格、不合格につながっていくということになりますと、これはもう人間の心情としてぎりぎりまでやはり介助はしないというようなことがあり得ると思うのです。あり得るというよりか人間の気持ちとして必然だろうと思います。そうなってまいりますと、これは非常に事故偶発の危険をはらむことになるわけなんですが、そういうような点につきましてはどんなふうに考えられておるかという点と、同時に、そういうような状況をも含めた上で安全対策といいますか、防止対策といいますか、こういう点をどのように考えておられるか伺っておきたいと思います。
#87
○政府委員(片岡誠君) いまお話のような問題、確かに心理的な問題として指定自動車教習所の検定員の場合には考えられると思います。しかしながら、私ども今後指導してまいりたいと思っております基本的な方針といたしましては、試験官であろうと検定員であろうと、試験または検定をしているときに運転者に違反があったり、あるいは危険な状態が出た場合には直ちに注意をするし、危険な場合には補助ブレーキでブレーキを踏むといったような措置を必ずとる。そして減点もするというそのきびしさ、それをやはりやらないと安全につながりませんし、そういう基本的な考え方でやるように指導してまいりたいと考えております。
 それから、いまちょっと申しましたように、事故防止対策としては、たとえば車の場合には補助ブレーキそれから補助バックミラーといったような試験官が危険回避できる装置もつける。将来はハンドルまで一緒に切れるような装置を考えるべきだと思っておりますが、その開発も考えていくということで安全を保ってまいりたい。
 それから制度的な問題といたしましては、いままでの本試験と同じむずかしさの試験を今度は仮免許の試験でやる。したがって、いままでであれば一人前の運転者として現在みなしているような人が初めて路上で練習をするという仕組みを考えております。しかもそのときに、隣に三年以上の経験者、現在は免許証さえ持っておればよろしいのでございますけれども、三年以上の経験のある人が隣りに乗っておる。しかも試験なり検定を行なうまでに過去三カ月以内に五日以上必ず練習するというような制度的な担保もいたしております。したがいまして、試験に、検定に来るときにはある程度路上の練習もしてきておるということで担保もいたしております。そういう点、それから先ほどございましたように、試験を、検定をやる道路そのものをある程度限定していく、指定していくということによって道路上の交通の安全を保っていきたい、そのように考えております。
#88
○神沢浄君 その辺の相関関係がなかなか私はむずかしいところでして、やはり人間のそういう心情的なあり方というようなものは、きびしく指導するという点はわかりますけれども、しかし、きびしく指導しただけでもって解決できる問題かどうか非常に微妙なところがあろうかと思いますし、同時に、今度は路上ということになりますと、教習所の範囲の中とは違いますから、この際事故が起これば、ただ単にその教習所関係者で終わるのではなくて、当然対向車との衝突その他ということも想定されなければならぬわけですから非常に複雑な問題になっているわけだと思うのですが、いずれにしましても、今回のこの法実施が及べば、検定員といいますか、受験者はもとよりですけれども、検定の任務にある人たちの事故の危険の度合いというものは非常にこれは増すことになっていくだろうと思うわけです。事故が起こらなくても精神的な緊張その他いろいろの部面において非常にそういう点が増していくということになると考えられるのですけれども、したがって、安全対策という、あるいは事故防止対策ということが非常に重要なことになろうと思うのですが、まず検定のためにいま使用されている車ですね、その車が私どもの耳にはさむところなんかではこれはまちまちでして、安全が保証されるような車が必ずしも使用されていないと、メーカー提供の中古車あたりが使われているというようなことなどを耳にはさみますけれども、使用車などの点についてはどんなようになっているのですか。
#89
○政府委員(片岡誠君) 試験または検定に使用する車については、この制度実施までに十分安全を担保できるように予算措置をとるなり、あるいは指定自動車教習所の場合には行政指導いたしまして、問題のある車で路上練習したり路上検定をやるようなことのないようにいたしたいと思っております。
#90
○神沢浄君 いまの御答弁によれば、この法実施後の検定に使用する車については、一定の基準といいますか、こういうものを設けて行政上の指導をされると、こういうように解釈をしてよろしいわけでしょうか。
#91
○政府委員(片岡誠君) そのとおりでございます。
#92
○神沢浄君 それから、万一事故が起こったということを想定をしまして、万一事故が起こったということは、これは不幸のことですけれども、事故が起こったという際には、指導員ないしは検定員というものの責任の関係と、一つ一つお聞きしていきましょう、責任の関係というのについてはどんなようになるのでしょうか。
#93
○政府委員(片岡誠君) 責任にいろいろ種類ございますけれども、まず刑事上の責任についてお答えいたしたいと思います。刑事責任につきましては、原則としては受験者、実際にハンドルを持って運転しているその受験者が負うというのがまず原則だと思います。じゃ、試験官なりあるいはその検定員なりあるいは指導員が全然責任がないかということになりますと、やはり責任は私ある。じゃ、いかなる責任かと申しますと、隣に乗っておって事故を予見した場合に回避するその保安上の責任は独立してある。ただ、自分は運転しているわけじゃございませんから、その試験官なり検定員なり指導員のいわば社会的な注意義務、その限界において刑事上の責任を負うということになろうと思います。
#94
○神沢浄君 その辺、これまた問題のところだと思いますね。とにかく相手はいわゆるいまだ熟練をしていない者というわけですから、それに介助として乗っておって、これは事故の起こりやすい条件というものを持っておるわけです。事故が少なくとも熟練者に比べれば起こる度合いというものは非常に強い。任務上といえどもそれに介助の指導の任務を持って乗っているから、事故を起こすとやはりその責任は免れない。こういうこれは関係になるわけでありまして、したがって、その際にはやはり私は補償の問題というものは非常に重要なかかわり合いを持ってくるのではないかと、こう思うのですが、万一事故の生じたというふうな場合に指導員、検定員に対する補償の問題、これは国家がするわけじゃないでしょうけれども、補償の問題などについてはどのような行政の上での補償の構想というものを考えられておられるのかという点もあわせてお聞きしておきたいと思います。
#95
○政府委員(片岡誠君) 補償と申しますのは、その試験官あるいは技能検定指導員がけがをしたといったようなときの補償の問題でしょうか。
#96
○神沢浄君 そうそう、そういうことです。
#97
○政府委員(片岡誠君) それは公務員である試験官の場合には公務災害補償の問題になりましょうし、それからあるいは共済組合の問題と思います。それから指定自動車教習所の指導員なり検定員の場合は、健康保険なりあるいは労災の適用を受けるということになろうと思います。
#98
○神沢浄君 まあ法律上はそういうことになるんでしょうが、そこで私はやっぱり問題の性質上、それはただ単に指導員や検定員だけの責任で終わるような性格かどうかという点があると思うんですよ。乗りたくて乗るわけじゃなくて、結局はその任務についてやるわけですね。法律があるからまあやるわけです。同時に、それは教習所の場合は、その教習所の企業の中でもってやる。そうすると、その際における教習所とか、法を実施するいわば公安委員会といいますか、の責任関係というものはどんなふうになっていますか。
#99
○政府委員(片岡誠君) 試験をしている、あるいは検定をしている場合の事故があったと、そうして第三者――練習生あるいはその試験官、検定員じゃなくて、たとえば歩行者をはねたとか、ほかの車とぶつかってその運転者をけがさしたといったような場合の民事上の責任につきましては、これは理論的には運転者であり、あるいは検定員、試験官も民事上の責任は負いますけれども、実際上は、たとえば自賠責であれば車の供用者である公安委員会なりあるいは指定教習所が民事上の責任を当然とりますし、それから任意保険として考えました場合には、使用者として当然民法七百十五条の責任を負い、その担保としては任意保険を考えるということで、私どもといたしましては、自賠責だけではなくて、その上積みの任意保険、しかも責任保険じゃなくして車自身あるいは車の同乗者、自分という、その運転者を含めた傷害保険でございますね、その上積み保険もかけるというふうに第一線の府県あるいはその指定教習所のほうを指導してまいりたい。そして、いま申しました法律上の自賠補償だけではなくして、さらに任意保険をかぶせることによって補償を厚くしていくということをやってまいりたい、そういうように考えております。
#100
○神沢浄君 何となく、強制といいますか何といいますか、法制上のものに限らず、この危険の度合いが増すという特殊な情勢を考慮して、企業に対しましても任意保険等についてのやはり指導を行なっていく、こういうように解釈してよろしいわけですね。
 次に、私はまあこれ、みなし公務員と、こういうふうに呼ぶのですが、最近みなし何とかということが非常にはやっている。みなし課税とか、みなし規定とかですね。この法律はたまたまみなし公務員というふうに私はなると思うんですが、指定教習所の技能検定員に対して、公務員とみなして扱うという、こういう条項がついておるのですが、こういう規定を必要とする理由ですね、まずその点から伺っていきたいと思います。
#101
○政府委員(片岡誠君) 指定自動車教習所で検定員が行ないます検定、路上検定、これは実質的には公安委員会の行ないます技能試験を代行しているというような事実社会的な機能を果たしおります。したがいまして、その検定の公正さ、あるいは国民の検定に対する信頼性というものを担保するために公務員にみなす、公務に従事する職員にみなしていくというのが妥当ではないか、かように考えたわけでございます。
#102
○神沢浄君 この法律を一べつしてみますと、私はその理由というのは、大体任務の重要性からして、いわゆる任務の公務性というものからこの規定をしようとするのか、それとも何か罰則の強化のためにやるのかというような点がいささか不明確なんですよね。むしろ、受ける印象としましては、何か罰則の強化のために公務員というみなし方をするように受け取れるほうのが大きいんですけれども、これはどっちでしょうか。任務の公務性のためか、それとも罰則の強化を目的としておられるのか、この辺をひとつ明らかにしていただきたい。
#103
○政府委員(片岡誠君) 言うまでもなく、任務の公務性に着目をして立法を考えております。
#104
○神沢浄君 そうなりますと、これは私もしろうとですからよくわかりもしないのですけれども、指定教習所といえども、やはり営利を目的とした私企業であることには変わりないと思うのですが、日本の法律の中でもって私企業に従事する者を公務員にみなしておるというような例が幾つかありますか。ありましたらその説明をしていただきたいと思います。
#105
○政府委員(片岡誠君) 道路運送車両法の規定によりますと、修理工場の関係者を公務員とみなす、公務に従事する者とみなすという例がございます。
#106
○神沢浄君 その修理工場の関係者というのはどんな範囲の人でしょうか。
#107
○政府委員(片岡誠君) 「自動車検査員」「その他の保安基準適合証及び保安基準適合標章の交付の業務に従事する指定自動車整備事業者並びにその役員及び職員」と、こういうふうになっております。
#108
○神沢浄君 実はね、そのこと自体がうんと末端では評判がよくないことでしてね。どうも陸運事務所が手がないというのか、したがって、これは免許のための試験などということよりはもっと重要だと思うのですが、警察庁の用語をかりれば、場合によっては走る棺おけをつくってしまうような任務についているわけなんですね。それが下請の工場へ出されて、あとはほんとうに形式的に、ただ陸運事務所の手続をする、こういうことになっておるようであります。したがって、下請の工場の車体の検査に従事をする者を公務員としてみなすと、こういうことになりますと、まあ同じようなことに受け取れるんですけれども、そんな必要がはたしてあるのか、どうなのかという点が問題ですし、それからもう一つは、法律の体系上からいって、営利を目的とした私企業の従事員を公務員とみなすという関係が合理性を持っているかどうかという点が一つあると思うのですよ。大体公務員というのは、営利の私企業についてはいかぬということが公務員法でもってはっきりこれはさまっているわけでして、法律の基本の考え方は、公務員たるべき者が私企業との関係を持ってはならないということにこれは基調が置かれていると思うのです、法律の体系というものからいきまして。それをわざわざ私企業に従事する者を公務員にみなすという、何かこの法改正の発想自体が法律の体系をこわしているようなこういう一つの基本的な考え方というものが出てくるわけなんですけれども、そういう点についての検討はされておるんでしょうか。
#109
○政府委員(片岡誠君) まあいろいろ検討いたしました。いたしましたが、先ほど申し上げましたように、社会的機能から見ました場合に、試験官が行なう路上の試験、それから検定員が行なう路上の検定、全く同じような社会的機能を果たしていると思います。しかも技能検定で合格しますと技能試験が免除されるという法律の仕組みになっておりますので、したがいまして、試験官は受験者から金をもらえば収賄になる、しかし検定員はならないというのはやっぱり片手落ちじゃないか。したがって、検定そのものが国民に信頼され、そして公正に行なわれるということを担保していくということはどうしても社会的に必要ではなかろうかということでいろいろ検討いたしました結果、このような扱いにしたわけでございます。ただ私どもは、その面だけをとらえているんじゃなくて、なるほど検定員というのは大切な公的な仕事をしているんだということをその検定員にも自覚をしてもらうし、同時に、プライドも自負も持っていただくということにすれば、それ自身がやはり検定をやっておられる方に生きがいを与えるということにもなるんではなかろうかという点も慎重に検討をいたしました結果、こういう制度を考えたわけでございます。
#110
○神沢浄君 いまの御答弁の中に出てきておるように、私が先ほど触れましたように、どうもこれは公務性に基づくというか、何か罰則の強化のほうに重点が置かれているんじゃないかという印象がそこにあるわけです。それはおっしゃられるとおり、公務員の立場の試験官はこれは公務員としての規制を受けることになるし、まあ同様の任務にありながら、一方では、検定員はそれが免れるということではまことに不平等で不公平である、この側面は確かにあろうかと思うのです。しかしその点につきましては、一方はこれはもう本物の公務員ですからね、当然それは公務員としての規制を受けるのはあたりまえのことだと思います。しかし、まあ片方は私企業の従業員なんですから、その従業員がただその任務に関する限り公務員並みの、しかもあまり恩典のほうはありそうもないですね。こういうことにみなされておるわけです。何か公務員同様に、給料が安ければ人事院が勧告をしてくれて上げてくれるとかいうようなことがあわせてあるんならば、これはわからぬでもないけれども、どうも何か罰則の面だけに重点が置かれておるような傾向というものが明らかにこれはあるわけでございます。しかし、その罰則ということについては、これはやっぱり行政上の指導をもって、その企業内のまあいわば社内罰というのですか、企業内での扱いでも私は十分そのことは解決できると、まあこう思うんですが、わざわざ何か法体系をくずすがごとき措置まで講ずるほどの問題ではないのじゃないかと、こう考えるところなんでして、その点がまずひとつわかりかねる点ですし、それから、これは大体資格がみなされるんでしょうか、それともその任務だけがみなされるんでしょうか。したがって、それはもっと具体的に言うと、その検定の任務についておる時間に限ってのみ公務員とみなされるのか、それとも検定員という資格そのものをみなしていくのか、まあこの辺の関係も明らかにしておきませんといろいろ問題が出てくるところだと思うのですが、それらの点についてお聞きしたいと思います。
#111
○政府委員(片岡誠君) これはやはり業務との関連においてみなされるということだと思います。したがいまして、私ども考えておりますのは、一つはまあ収賄罪といったその汚職の問題、それからもう一つは公文書偽造なり変造という、そういう公文書関係の罰則と、大体その二つに限られるんではなかろうかと、そういうのが法務省なり私どものほうの解釈でございます。
#112
○神沢浄君 まあその辺をひとつ明確にしておきたいと、こう思うのですがね。私は、公務員にみなされても、みなされる側はあまり喜んでいるようにも思えないのですよ。さっきの御説明では、いわば社会的信用、担保性とかいうようなことになるでしょうけれども、しかし当事者たちは別に、先ほど言うように、それじゃ反対給付側の恩典が規定をされているわけじゃなしに、まあ言うならば、罰則の強化だけが有効というような、そういうことではだれも喜んでいる者はなかろうと思うのですが、そこで、いま公務員とみなす、しかも業務にかかわってみなすと、ここら辺が私は非常に重要なところだと思うのです。検定という試験官が行なうところと全く同じ任務についているときに限ってこれは公務員としての扱い、こういうことになると、これは検定をしているその時間に限って生じたものに対する公務員に相当するような、罰則の関係についてもそうなるのですけれども、資格そのものをみなすということになりますと、これは勤務時であろうとなかろうと、何か公務員としてのみなされた扱いを拡大解釈でもされるようなおそれが出てくる。
 特に、まあ一つの例としてあげてみますと、企業に働いている労働者ということにまあなるわけですから、これは労働三法なんかの関係についてはいろいろこう問題点が出てくるのじゃないかと思うのです。公務員は争議も禁止をされておりますし、それからその他相当規制を受けているわけなんですけれども、資格自体がみなされるということになると、それがついて回ることになりますと、そういうような点についてもすべてこれは公務員並みの制限を受ける。もしそんなことだったら、こんな不平等きわまることはないわけであって、労働者としての権利関係についてもみなして制約をして、そうして、それじゃその逆に受けるものは何かというと、罰則の強化だけだというようなことになったら、私はこんな法律じゃちょっと賛成しかねることになってしまうわけですね。したがって、この道路交通法の目的とするまあその免許の公正といいますかね、そういうようなものに限ってということになりますと、これははっきりこれとこれだけは公務員とみなして対応するけれども、その他についてはかかわり合いはございませんというようなことをはっきりしてもらいませんと、ちょっとこれは問題の点だと、こう思うわけです。
#113
○政府委員(片岡誠君) 先ほども申しましたように、公務贈収賄罪、それから公文書偽造、変造といったその二つを私どもは対象と考えておるということでございます。したがいまして、贈収賄の場合には、ただその業務に従事している時間帯だけじゃもちろんございません。家へ相当金を持ってきて、検定員が家で金をもらって、そうして不正を行なった場合にはもちろん収賄罪になると思いますので、その時間帯に限るという意味では正しくないと思います。しかし、私どもが予想しておりますみなす公務員としての罰則関係では、贈収賄罪と公文書偽造、変造といったそのことに限定して考えておるわけでございます。
#114
○神沢浄君 私は、先ほど来からも申し上げてまいっておりますように、みなし公務員規定そのものが法体系上疑義が残るような気がします。しますが、当面の問題といたしましても、それではこのみなし公務員規定の内容とするところは贈収賄、それから公文書偽造ですか、これだけに限って、その他にかかわるものではないという、その点はひとつ確認してよろしいですか。大臣の口から確認していただけますか。
#115
○国務大臣(中村寅太君) そのとおりでございます。
#116
○神沢浄君 それから、教習時間の問題ですがね、教習所の教習時間の問題というのは、これは各都道府県でもって行政の指導の内容がまちまちのようですね。そういうような点について全国的に把握ができておるんでしょうか。たとえば、いまなんか五十分が一時限、そんなふうになっておるようですけれども、それが十時限とか十一時限とか、あるいは十以下であるとか、それぞれ都道府県でもってまちまちのようですけれども、その点のまあ全国的な状況というものが把握されておるかどうか。それから、把握されておるとすれば、最高はどうなっておるか、最低はどうかというふうな点をお聞きしたいと思います。
#117
○政府委員(片岡誠君) 教習の時間につきましては、受講者のほうにつきましては五十分が一時限、そして時限としては、たとえば技能につきましては二十七時限を最低限で、それ以上をやると、それはもう法令できちっと統制しております。ただ、あるいは先生のおっしゃいますのが逆に教えるほうの立場の労働時間と申しますか、それでございましたら……。
#118
○神沢浄君 ええ、教習所ごとに。
#119
○政府委員(片岡誠君) それは各教習所なり各府県相当まちまちでございます。それで、大体一番長いので一日の拘束時間が十一時間ぐらいのようでございます。それから短い拘束時間が八時間、そして実働時間が大体いまの一番長いところで八時間――それじゃございません、別のところですが、長いのは実働時間が九時間といったようなのがございます。それから短い実働時間が六時間といったように、相当各県ごとのみならず、各指定教習所ごとにばらつきがあるようでございます。
#120
○神沢浄君 まあ営利の私企業ですからそういう状況も出てくるんでしょうけれども、しかし考えてみますと、十時間などというと、それはまあ超過勤務の計算などもされておるのかは存じませんけれども、これはやっぱり労基法との関係からしまして非常に不合理なことでして、十一時間などに及んでは何をかいわんやということになるわけですが、そういう点で、まあ一方においてはとにかく従事する者の一部を公務員とみなしてやろうと、こういうのですから、この教習のための勤務の時間などについてももっと強力に行政上の指導というものができぬものでしょうかね。また、それをなさるような御意向があるかどうか。
#121
○政府委員(片岡誠君) まあ本質的には労使の間の労働協約の問題であり、あるいは労働基準行政の問題であろうと私思います。しかしながら、私どもの立場としますれば、その長時間の拘束なり長時間の実働がはたして教養効果の面からいって妥当なものであるかどうか、やはり一番長くてもこのくらいでないと教養の効果そのものが落ちるのではないか、そのような問題では私ども当然タッチし得る問題だと思います。そういう点で、まあ本質的な問題としてはそういう労使間の協約の問題なり労働基準行政の問題とは思いますけれども、あまりにも極端な場合につきましては是正していくといったような措置は今後考えてまいりたいと思っております。
#122
○神沢浄君 それから、こまかいようなことですけれども、何かうっかり失効ということをなくすために、今度お誕生日を基準にして免許の書きかえをやっていこうと、こういうことですが、これは一つの着想だとは思います。しかし、そうであるならば、誕生日に気がつくのは、きてから気がつくんですからね、やはりきてから幾日間なら幾日間の間に書きかえろということのほうがずっと実際的じゃないでしょうかね。これだと、何か気がついたときにはおそかったということになりそうです。その辺はどうでしょうか。
#123
○政府委員(片岡誠君) 実は、衆議院の委員会でもその問題が出ましていろいろ御説明もいたしました。そうして実際衆議院で附帯決議もございましたが、私どものまあこれから申し上げるような方針で運用したいということを御了解いただきましたわけでございます。それは、仰せのように誕生日になった、そうして気がついたときにはもう役所がしまっておったということで、次の日に、あるいは、その次の日が休みだったりしてまた二、三日あとに行くという場合も確かにあり得ると思いますので、その誕生日を過ぎて大体十日間ぐらいは誕生日の日に来たと同じような更新の扱いをするという実務上の処理で御了解いただきましたので、そういうことでやってまいりたいと考えております。
#124
○神沢浄君 そうすると、何かだめ押しするようで恐縮ですが、誕生日に至りまして初めて気がついた、こういう場合も多いと思いますから、誕生日の過ぎる十日の間はこれはどういう呼び方になるでしょうか、猶予の期間というのか要手続の期間というのか、そういうことにそれじゃ解釈をしてよろしいですね、それじゃどうぞ御安心を……。(笑声)
 それから次に、九十八条の第八項に指導員関係、検定員の解任に関する規定がありますね。「不正な行為をしたとき」ということになるんですが、この「不正な行為」ということの内容は大体さっき言ったようなことですが。どんな内容を考えておられるんでしょうか。
#125
○政府委員(片岡誠君) 免許の取得に関して不正のあったときでございます。
#126
○神沢浄君 ですから、その免許の取得に関して不正があったということは、さきのみなし公務員の論議のときに答弁されましたように、贈収賄あるいは文書偽造ですね、こういうことに限りますか。
#127
○政府委員(片岡誠君) 先ほどの何と申しますか、先ほどのみなす公務員は検定員に限定してございます。したがいまして、検定員の場合には、なるほどその検定の合格の証明を、その検定をやっていないのに証明書を書くといったそういうような問題、これは請託を受けようと受けまいと、贈収賄にかかわりなく検定の証明に対して偽りの証明をしたといったような場合もありましょう。それから、あるいは技能指導員の場合には、教習時間を欠落しているのに教習したといったような偽りを書くといったような場合が考えられると思います。
#128
○神沢浄君 そういうことを含めての文書偽造……。
#129
○政府委員(片岡誠君) はい。
#130
○神沢浄君 この「解任」という意味ですが、文字のとおりに読めば任務を解除しようということでしょうけれども、この任務を解除しようというだけのことか、それとも解雇ということか。まあ解雇ということになりますと、その企業でなきゃ解雇できないわけですが、また、解雇ということになれば何か企業の運営にまで介入していくような関係にもなりますし、おそらくこれは任務から除外というか、任務から解除ということだと私は考えるんですけれども、その点をひとつ明確にしておきたいと思うんですがどうなんでしょう。
#131
○政府委員(片岡誠君) 仰せのとおり、その任務を解除することでございます。したがって解雇ではございません。
#132
○神沢浄君 それから、そういう不正の行為等が生じた場合に、これは教習所自体は無関係でしょうか、教習所の関係といったようなことはどうなっておりますか。
#133
○政府委員(片岡誠君) もちろん関係ございます。したがいまして、その事案の内容にもよると思いますけれども、指定の解除、極端な場合には。そうでなくとも一定期間卒業証明書の発行の停止といったようなことで教習所自体にも関連が出てまいると思います。
#134
○神沢浄君 それから、やはり九十八条の二項に技能検定員の資格にかかわる規定が出ておりますですね。それによりますと、運転免許を持つ者で「総理府令で定めるところにより公安委員会が行なう審査に合格したものであること。」と、こういう規定になっているんですが、この「審査」というのはあらためて行なうものなんでしょうか。
#135
○政府委員(片岡誠君) 現在、現に検定員である人、技能員である人につきましては経過規定で、そのままで審査改めを行なわなくてもいいように手当てしております。
#136
○神沢浄君 そこで、こういう問題が出てくると思うんですけれども、いままでは要するに各都道府県公安委員会の定めるところによってやってきているわけです。今回この法でその点が明確にされて、総理府令の定めるところでもって都道府県公安委員会において審査が、いままでのものは経過措置として認めるでしょうけれども、今後ははっきり法の定むるごとくにやっていくと、こうなりますね。そうなりますと、この資格というものは一度取得すれば、それは事故でも起こして失わない限りは、この資格はいわゆる期限なく続くものでしょうか。
#137
○政府委員(片岡誠君) 原則としてはそういうことでございます。しかし、実際問題として、一たん資格を受けてやっておりましたけれども、もう数年にもわたってやってないというような場合には、事実上の扱いとして再審査をいたしております。そうでないと、やはりいろいろ社会的な問題、教える能力自身にも問題があろうということでそういうことをやっております。しかし、引き続きやっている限りにおきましては、一度審査を受けて合格すればいい。ただ、法律が変わりましたり、その後実態も、相当教える技術そのもののレベルアップをはかってまいりたいというようなこともございますので、審査はそのままでございますけれども、講習を今度は義務づけまして、したがいまして、一定期間ごとには必ず講習をやるということによって検定員なり指導員のレベルアップをはかっていくということを考えております。
#138
○神沢浄君 そこで、一つの問題が出てくるんですけれどもね。従来は、したがって各都道府県ごとの資格の取得でありましたが、今回この法が実施をされてまいりますと、総理府令で定めるところによっての資格ということになりますから、これは従来とは異なって、取得した資格は全国にというか、いずれの都道府県においてもこれが認められる、通用するという、こういう扱いになってまいるでしょうか。
#139
○政府委員(片岡誠君) たてまえは、総理府令で定めるその基準によってその府県の公安委員会が審査いたしますので、その府県の中はもちろんそのままでよろしゅうございます。ただ、よその県に参った場合にはもう一度審査を受けていただく。ただ、総理府令で基準を定めまして、全国的に基準を同一にいたしましたので書面審査だけでもいいということで、たとえば東京都公安委員会の審査を受けている人が神奈川へ行くといった場合には、審査の申請はしていただく、しかし、もう書面審査程度で、具体的なきっちりした審査はやらないということで、全国的な動きのできるような取り扱いを行政指導で現在やらしております。
#140
○神沢浄君 専門外のことですからうまくわからぬ点が多いわけですけれども、いまの御答弁を解釈をしますと、都道府県を、全く白紙でまかり通るということにはならないけれども、書面審査ないしはその都道府県で定める講習といいますか、こういう手続によって、実際的には全国共通という措置に扱うと、こういうふうに解釈してよろしいわけですね。
#141
○政府委員(片岡誠君) そのとおりでございます。
#142
○神沢浄君 それから、まあ関連するんですけれども、昨年の道交法の改正によりまして、従来法令、構造、安知というようなことをやっているようだけれども――安全運転知識というわけですか、それに分かれておったものが、一本化されまして学科指導員ということで。法令、構造についてはこれは施行令ですか、にきめられておったものですから、その資格に問題はなかったようですが、安全運転知識については通達によって行なわれていたと、こういうことですので、したがって、この分についてのみ資格を取り直せという措置がとられましてかなり不平と不満があったようです。確かに、通達であろうと何であろうとも、実際に三部に分かれて同様な資格に立ち、認められてやってまいったんですから、ただその形式的なまあ手続の相違といいますかね、というだけのことでもってその資格に差別をつけたような措置というのは、これはもう不平の原因で無理からぬ点だと思うんですけれども、さて、その点について、これまた各都道府県のその後の扱いが何かばらばらになっておるように聞いているわけなんですよ。場所によりましては、資格をとり直せ、そのための審査を受けろと、こうなっておりますけれども、まあ簡単な講習程度の手続によって、実際問題としては他の法令、構造の担当者と変わらないような措置をとっておるところもあるし、中には厳重な試験を行なっておるようなところもあるようですし、そうなりますと、それは都道府県ごとの責任の分野が違うとはいいますものの、実際にはこれはもう不公平なことだろうと思うんですけれども、私の県などの場合は、照会をしてみましたら、ごく簡単な講習でもってもすでに済んでおると、こう言っておりました。全国的な状況はどうなんでしょうか。
#143
○政府委員(片岡誠君) 全国的にも大体簡単な講習程度の審査で済んでいるようでございます。そして一部のごく例外を除いては、全員審査をパスしたということになっているようでございます。
#144
○神沢浄君 その一部例外というのはどんなケースなんですか。
#145
○政府委員(片岡誠君) 本人が辞退したケースのようでございます。
#146
○神沢浄君 それからもう一点。これは衆議院のほうでもすでに論議が終わっているようですけれども、まあ何かだめ押しみたいなことになるかもしれませんけれども、今度は運転の免許証を持っていなければ学科の指導員の資格もとれないと、こういうことにはっきり法令できめられるようでありますが、そうなりますと、従来、学科の指導員であった者が任務上の理由等で身体に障害等を生じて運転の免許を失うと、こういうような場面もなしとしないわけですけれども、この場合には、運転の免許を失うこと、即資格を失うこと、即生活を失うということにこれはなってまいりまして、非常にこれは重大なことになると思うんですが、それではいかにも気の毒でございまして、法はそうなってはおるんでしょうけれども、やはり法も運用ですから、それらに対する措置が当然講ぜられるべきだと、こう思うんですけれども、その点などについてのお考えはどうなんでしょうか。
#147
○政府委員(片岡誠君) 御承知のように、身体障害者にも条件をつけて相当免許証を出しております。したがって、たとえば、まあ交通事故で両眼がだめになったといったような場合はこれはいかんともしがたいと思いますけれども、両足のない人でも免許証を持っておりますし、そういう点で、身体障害者としての条件をつけて運転免許証を付与するということは十分やっていけるんではないかと思います。しかし、問題として、私どもは、自分でハンドルを握った経験もない人が学科を教えるんじゃ困る、学科の教習をするんじゃ困る、やはり自分で運転する人が学科も教えてもらいたいという気持ちでやったのでございますので、したがって、将来の問題としては、一度そういう経験のある人であれば、必ずしもその時点で免許証を持ってなくてもいいというようなこともあるいは考えていったらいいのかもしれませんが、とりあえずの措置としては、身体障害者としての条件をつけた免許証を出すという指導をしてまいりたい、そのように考えております。
#148
○神沢浄君 身体障害者といえども免許証が出せる条件であれば問題ないのでしょうけれども、あるいは両眼失明というお話がありましたが、それは特殊なあれでしょうが、しかし、免許証の出せないという場合も他に方法が考えられなければならないと思うんですが、そういうときには例外措置として救済の措置を講ずる、こういうふうに受け取ってよろしいですか。
#149
○政府委員(片岡誠君) 検討してまいりたいと思っています。
#150
○上林繁次郎君 これからはモータリゼーションの普及といったことによってますます自動車交通というものが混乱をしてくると、こういうことが予想されるわけですね。そうすると、これらの事態を避けるための対策、言うならば抜本対策というようなもの、こういったものがなければならぬと私は思うんですが、この点についてお答え願いたいと思います。
#151
○政府委員(片岡誠君) 抜本の対策というものはなかなかむずかしいと思います。結局、一つのことでできるのではなくして、いろいろな角度から少しでも事故防止に役立つ対策を詰めていくということだと思います。しかし、一番基本の問題としては、道路交通環境を整備していくということが一番基礎にすわるべき問題だと私ども思います。道路の構造なり安全施設の問題なりあるいは交通の規制とか、そういうものも含めまして道路交通環境自身を安全にしていくというのが一番基礎になる考え方であると思います。しかしながら、それだけではなくして、やはりいずれの国でもいたしておりますけれども、一つは、指導、取り締まりと申しますか、警察官の白バイ、パトカーあるいは徒歩による街頭の監視によって事故を減らしていくということもそれなりの効果がございます。それからもう一つは、運転者を含めましての国民に対する安全教育と申しますか、安全な歩行のしかた、安全な自転車の乗り方あるいは安全な自動車の運転のしかたというものを教育をしていく、あるいは運転者の場合には教育だけでは済まなくて、どうしても教育ではできない危険な運転者に対しては公道から排除していく、取り消しなり停止をしていくという仕組みも十分考えていく必要があるのではないかと。そういう面で、私どもといたしましては、現状追随型だけではなくて、少なくとも数年あるいは十年先というものを見通して、それに対してある程度先行的な投資をしていくというようなことがぜひ必要ではなかろうか、そのように考えております。
#152
○上林繁次郎君 これは私は基本的な問題だと思うので、これについて突っ込み出したら切りがないと思いますね。御承知のように、日本の道路というのは非常に狭い。その中で大きな車がはんらんしておるという現実があるわけですが、そんなことやらいろいろで、道路交通についての基本問題というものは、現在の日本の道路に即した道路交通というものはどうあるべきかと、いろいろ論じ出したら限りがない。それに加えて、財源の問題等がからまってきますし、いろいろある。そういう中で、いまの実情から、それじゃ、道路が狭いから広くしろと言ったからといってすぐ広くなるものではない。これは簡単にできるものではないけれども、そこで、どうしてもやっぱりいろいろな環境を整備したり、あるいは施設を設けたりいろいろしていかなければならない。言うならば、それは一つの交通安全への段階というか方法論というか、そういう問題になってくると思います。そこで、わが国において、わが国の道路事情また財政的な問題、いろいろな問題を踏まえた場合に、どうしても当面はやはりそういう方法論的なものを徹底していく以外ないのではないか、こう感ずるわけです。
 そこで、そういう意味からお尋ねをしてみたいんですが、先ほど交通事故がだいぶ減少してきたというお話がありました。その理由としては、スクールゾーンの設置だとか、そういうような理由をあげていらっしゃった。ところが、 スクールゾーンの設置だとか、あるいはショッピングゾーンというんですか、そういうものの設置だとかいうものは確かに好ましいことだと思う。だけれども、これをやるにはやはりいろいろな面との関係性があるだろうと思います。ですから、そういういわゆる町会であるとか、そこの警察であるとか、あるいは学校であるとか、そういう関係性というものがある、そういったものがうまくいかなければ、かってにこっちがスクールゾーンの設定をやったからといって成果をあげるというわけにいかぬのじゃないか、こう思います。そこで、そういう面の徹底というものは、この間の交通安全週間の期間中にもそれが実施されて、そしてその中から、まあ新聞報道によってもそういう連携がとれてないんじゃないかというような批判の声がある。そこで、今後そういったことを徹底していくためにはそういう面との十分な連携が保たれなければならぬ、それを今後どういうふうに推進していくかということが問題だろうと思います。ですから、一方的に考えればこれでいいだろうと思いますけれども、やっぱりそういう他面から考えたときにそういう面との関連性というものがありますから、それをどう推進していくかということについてお答えいただきたい。
#153
○国務大臣(中村寅太君) 上林委員が御指摘になりましたとおり、非常に私は今後の対策上の基本だと思います。警察の面からいま交通局長がいろいろ対策をお答えの中に申し上げておると思いますが、私は、やはり基本は車と人間とが同じとこるを通らないような基本的な道路政策というものをやらなければいかぬ。それから、道路をつくるときはどうしてもそういう基本方針によって五年とか七年とか計画的にやらなければいかぬ。いまスクールゾーンを考えましても、やはりこれは道路を車を通さぬようにしなければなりませんので、現在車を持っておる人がある程度不自由を忍ぶ、そういうことがやはり必要になってくると思います。私は、いま年間に一万六、七千の死者を持ち、八十万人も九十万人もの負傷者を出しておるこの実情は非常に重大なことだと思うのです。日本国民は全部といっていいと思いますが、子供なんかが外へ出たら、帰ってくるまで恐怖感のような気持ちで絶えず交通事故というものを見ておるということ、これは私は政治が何ぼ金がかかっても根本的にやらなければならぬ課題だと思っております。そこで、これは警察とかあるいは建設省とかということでなしに、政府のどこかでそういう力強い総合政策を立てて、そして道路をつくる場合あるいは取り締まりの場合、その他あらゆる方面から力を合わせてこの交通事故から国民の不安を取り除かなければならぬと、かように実は考えておりまして、これは警察の仕事ではございませんが、行政管理庁の一つの仕事といたしまして、この間できました監理委員に近い機会に検討してもらって、そういう力強い一つの方策を打ち出してまいりたい、かように考えております。
#154
○上林繁次郎君 次に、具体的な問題になりますけれども、わが国の交通事故の中で、特に先ほど子供の交通事故のお話がありましたけれども、幼児の事故が全体の二七%、非常に率が高い、しかも、それは同伴者があるということですね。こういうことでこの幼児の事故が非常に多いわけですけれども、幼児の交通教育というのはこれはちょっと考えられない、どうしても保護者の交通安全教育というもの、こういうものが必要だと思いますけれども、そこで、これらに対してどういう方針でこれから臨んでいかれるのか。現実にやはり二七%という高率を示しておるわけです。それをなくさなければならないという前提に立たなければならないわけですから、それがためにはそれをなくすだけの方針なりがなければならぬと思うが、その点をひとつ。
#155
○政府委員(片岡誠君) いまお話がございましたように、三歳、四歳、五歳といった、よちよち歩きを始めた幼い子供さんの事故が一番問題になっております。これに対してのやり方とすれば、やはり一番中心は何といってもおかあさんたち、母親あるいはもちろんおとうさんもあろうかと思いますが、親、それからにいさん、ねえさんといった兄弟、そういう人たちを通じての教育、それからもちろんそういう幼い人たちに一体何を御両親に教えていただくかという中身が問題だと思います。中身につきまして一番世界じゅうをながめましてよくやっているのがイギリスでございます。御承知のようにタフティークラブというものをつくって、子リスのクラブといったようなものだと思いますけれども、それは何をやっているかといいますと、三つの指を出して、アイ・マスト・ストップ、私は必ずとまらなければならないということを徹底的に教えておる。そうして、道を横断するときには必ず前を見て、左を見て、右を見て安全を確かめてさっさと通りなさい、それだけを中心にカーブ・ドリルといっておりますが、縁石訓練といいますか横断の訓練をしております。それにヒントを得まして、わが国でもそれをやったらどうかということで第一線をいま指導いたしております。たとえば、山形県ではカモシカクラブというもの、それから岐阜県では象さんクラブというような、子供のアイドルのような動物を選びまして、そうしていま言った横断の訓練をやっていくということで始めております。ぜひこれを全国的にそれが行なわれるように今後とも指導してまいりたい、そのように考えております。
#156
○上林繁次郎君 そこで、いまお話があったわけですけれども、東京には子供の交通安全の知識、交通道徳を体得させる、こういう意味で交通公園が十二カ所あるわけですね、こういった問題について、全国的にいいますとどのくらいございますか、この交通公園は。
#157
○説明員(川名俊次君) 全国で交通公園は現在五十カ所程度設置されております。
#158
○上林繁次郎君 全国で五十カ所ですから幾らでもないと思いますが、この効果の点についてはこれからの問題だと思います。
 そこで、今後こういった交通公園の必要性といいますか、そういったことについてはどういうふうなお考えですか。
#159
○政府委員(片岡誠君) 私どもの立場から申せば、できるだけ数を多く整備していただく、そうして、できますならば私どものほうからも技術的な御協力もいたしますし、と同時に、学校の生徒、幼稚園の子供さんたちがやってこられるときには婦人の警察官の方、婦人の巡視員というようなものを具体的に派遣して、具体的な即物的な、先ほど申した安全な渡り方とか信号の見方とか、そういうことについて教育していくというふうに全面的に協力してまいりたいと、そのように考えております。
#160
○上林繁次郎君 そうしますと、それはいまのお話ですと、何か側面から協力していくという、こういう感じのお話なんですけれども、そうするとこの主管官庁は建設省が主管になると、こういうことですね。そうしますと建設省は、現在五十カ所なんですが、これに対する建設計画だとか、あるいはまたどのくらいの都市を対象にしてこれを建設していくんだ、将来どういう方向に進めていくんだ、こういうようなものがあるんじゃないか、こう思いますが、その点ひとつ。
#161
○説明員(川名俊次君) 交通公園の設置につきましては、昭和三十七年に「交通公園の設置及び運営について」という都市局長通達を出しております。これに基づきますと、交通公園は、標準面積にいたしまして一カ所二ヘクタール程度でございます。これを設置いたしますのに、用地費は別といたしましても、大体六千万円程度の事業費を要します。したがいまして、現在の計画といたしましては、都市公園整備五カ年計画の中で地区公園を対象といたしまして交通公園を設置してまいりたい、このように考えておりますが、地区公園は約四万人に一カ所程度設ける公園でございます。それで面積は四ヘクタールでございますから、その約半分は交通公園の用地として振り向ければ振り向けられるということになろうかと思います。しかし、地方の実情等がございまして、必ずしもこういった大きな、あるいは中程度の公園がむずかしい場合がございます。したがいまして、近隣公園、これは二ヘクタール程度の公園でございます。あるいは児童公園、〇・二五ヘクタール程度の公園でございますが、こういったような公園におきましても軽易な施設としての交通公園――必ずしも設置要領に基づいたものではなくとも、児童が交通規則を学び、あるいは交通道徳を覚えるような施設を整備することが適当である。場所がございましたならば、そういったことにつきまして公共団体を指導しあるいは助成してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#162
○上林繁次郎君 まあこれが効果のあるものだという前提でこういったことに着手された、こう思います。ですから、やはり強力にこれは推進していく必要があるんじゃないか、こう思います。これはひとつ要望のような形になりますけれども。
 そこで、今度東京都でバス専用の優先レーンといいますか、この拡大をはかって、そしてバスを大量輸送機関の柱とするという、こういうような考え方を持っているようです。ところが、先ほども申し上げたように、日本の道路事情というものは、あのでかいバスの専用レーンができ、そしてバス優先というような形がとられた場合、はたしてそれが実情に即したものの考え方であるかどうかということはこれは疑問であろうと思う。そこで、現在の日本の道路事情というもの、これを踏まえて当局はこの考え方についてどういうふうに考えられておるか、その点ひとつ。
#163
○政府委員(片岡誠君) バス専用レーンなり優先レーンにつきまして私ども考えておりますのは、一つはまず優先レーンを考える、そしてバスの通行量も非常に多くて、さらに実効があがるような場合には専用レーンを考えるというように一般的には考えております。と同時に、優先レーンにしろ専用レーンにしろ、一番効果のあがるのは片側三路線以上の道路が一番ぴったりといくであろう。しかしながら、そういう道路はそうたくさんわが国にはございません。したがいまして、片側二車線の道路でも、時間と場所を限れば使えるのではなかろうかということを考えております。しかし、片側一車線の道路ではこれはもう原則として無理であろう。それから、ただそうは申しましても、たとえば団地と駅の間に片側一車線の道路しかないという場所は相当ございます。そういう場合でも、場合によりましたら、朝のたとえば通勤時間帯の一時間とか三十分とかをとって、バスの優先レーンあるいは専用レーンというものを考えてもいいのじゃないか。それによって、団地と駅との間をマイカーで混雑してしまって、にっちもさっちもいかないというような場所もございますので、そういったところでは、片側一車線のところでもひとつ検討してみてはどうかということを第一線のほうにもいま検討をさしております。それはやはり例外的な場所であって、原則は少なくとも片側二車線以上でなければ使い得ないし、しかも、一番理想的に役立っていくのは三車線以上の道路であるというのが現在私どもの考えております基本的な考え方でございます。
#164
○上林繁次郎君 お話わかりましたけれども、そういうことで、現在の道路事情からいえば三車線というのがちょっと日本の道路からいうと無理である、そうなると、東京都で考えているこういう構想といいますか、それは実情にそぐわないということになる。もう一歩検討する余地がある、こう私は思います。そこで、いわゆる当局としては東京都に対して、こういう考え方を持っておられるわけですから、どういうような姿勢で、どういうような指導方針で臨むか、これがまた一つの問題になる、こう思います。その点どうですか。
#165
○政府委員(片岡誠君) 東京都の計画に対しまして、警視庁としましては、東京都で当初考えたような計画ではとても実情に適さない、しかしながら基本的な思想そのものは賛成、できるだけ公共輸送機関に重点を置いて道路を有効に使っていくという思想そのものには賛成だ、したがいまして、できるだけ一番必要なところで、しかも実効のあがるところから逐次拡大していくという、そういうやり方が一番妥当ではないか。そして、やってみて、なるほどバスもつうつう走るようになった、一般のほかの車についてもさほど影響が出ないというような点で問題なく実施でき、しかも、結果が成績がいいというふうなものを見定めながら逐次実施していくというのがいいのではないかということで、東京都のほうに警視庁からも話をしているというのが現状でございます。
#166
○上林繁次郎君 今度は鉄道関係ですけれども、全国に私鉄、国鉄含めてどれくらいのいわゆる遮断機のない踏切ですね、これはどのくらいあるのか。そしてその踏切で、昭和四十六年度においてどのくらいの事故が発生しているか、この点ひとつ。
#167
○説明員(森永昌良君) まず踏切の数から申し上げます。国鉄、私鉄と合わせた数字でよろしゅうございますか――合計が、国鉄の場合は四十六年度末いわゆることしの三月末の数字がございますが、まず私鉄関係がかたまっておりませんので、四十六年度の見込み数で申し上げますと、第三種と申しまして警報機だけがついている踏切が一万三千百八、それから四種と申しまして、そういう保安設備がない踏切が二万六千九百四十一ございます。
 次に、その踏切で起こりました事故の件数でございますが、これは四十六年度は国鉄だけしか持っておりませんので、国、私鉄合わせた形で四十五年度の数字を申し上げますと、第三種で起きました事故が千百八十四件、四種で起きましたのが千三百五十七件でございます。
#168
○上林繁次郎君 こういうことで、特に新聞等でも無人踏切だとか、あるいは遮断機のない踏切で事故が起きている。それが非常に大きく取り上げられている場合が多いわけですから、そこでこの遮断機をつけたほうが確かに事故防止につながるということは、これはもう間違いないと思う。そこで遮断機をつけるということについての計画、これはどういうふうになっているんですか。
#169
○説明員(森永昌良君) 四十五年の十月に先生御承知の東武線で大きな踏切事故がございました。さらに翌年、四十六年の三月には富士急でやはり踏切事故のために電車のブレーキがきかなくなりまして、たくさんの方々がおなくなりになる大きな事故がございまして、その前後から、もちろん従来もいろいろな対策をやっておったのでございますが、これではいかぬということで、まず四十五年の東武の事故のあとに首都圏、近畿圏及び中部圏という日本の三つの大きな大都市圏を対象にいたしまして、首都圏及び近畿圏は五十キロ圏内、中部圏は三十キロ圏内、そこにある踏切に対して緊急に保安設備を整備しようという、いわゆる緊急対策というものを交通対策本部決定という形で決定して、四十六年、四十七年の二カ年間で整備を終わるということで現在進行中でございます。さらにやはり首都、近畿、中部の三つの圏以外の全国に広げようということで、四十六年二月八日にさらにこれも交通対策本部決定という形で「踏切事故防止総合対策」というものを決定いたしまして、これは四十六年度を初年度といたしまして五年間で、昭和五十年度までに全国についてかなりの踏切関係の整備をしていきたいということで現在進行中でございます。具体的な数字で申し上げますと、まず立体交差をいたしますものが、鉄道の線路の長さに関しまして、いわゆる連続立体交差、いわゆる高架化と称しております。これを約百キロ、それから単独立体交差と申しまして、その場所だけ立体交差にするもの、これを約六百カ所、さらに今後道路の新設あるいは改修等のために新たに立体交差にするところがそのほかに約四百カ所、合わせて単独立体交差が千カ所でございます。それから構造がよくないために事故が起こるというので、踏初道の路面を舗装をよくしたり、あるいは幅を広げたりという、いわゆる構造改良か約千三百カ所、さらに遮断機をつけましたり、あるいは警報機をつけたりという保安設備を整備をいたしますのが約一万カ所を予定しております。
#170
○上林繁次郎君 そうやって事故防止のためにそれらの設備、施設というものを推進していくということはよくわかるわけですが、いまおっしゃった三種、四種という問題、これを最終的にはいつごろまでに整備をし終わろうという、こういう目標といいますか、それはどのくらいにめどを置いているのですか。
#171
○説明員(森永昌良君) 先ほどお答え申し上げました、いわゆる総合対策の中で具体的にきめておりまして、いま最終的な数字は申し上げましたけれども、今度はそれはもちろん、だから昭和五十年度末までに整備を終わるというつもりでございますが、考え方といたしましては、ちょっとこまかくなりますけれども、御説明いたしますと、まず道路の幅員が六・五メートル以上の踏切道につきましては全部遮断機をつけますというものが一つございます。次に、幅員が二・三メートルをこえまして六・五メートルの間の道路につきましては五百メートル置きに踏切道をきめまして、この踏切道は自動車の通行を許すという踏切をきめまして、そこについては原則として必ず遮断機をつけるということで、それ以外の踏切はもうこの際やめてしまおうというのが基本方針でございます。しかし、やはりいろいろ地元住民の生活に大きな支障があるような踏切、あるいはそこにたまたま国道や都道府県道が重なってあるような場合におきましては、特に例外として自動車の通行を認めるケースもございますが、原則的には五百メートル置きに踏切を整備していくというのが基本的な考え方でございます。さらに二・三メートル未満の踏切道につきましては、これはいわゆるオートバイを除きまして、三つ足以上の自動車については通行を禁止しようというのが基本的な原則で、これまたやはりラジカルにやりますと、いろいろと地元住民に御迷惑もかかりますので、地元の生活に直接重大な支障を及ぼすようなケースにつきましては、例外的に農耕用の車両等小さいものについてだけ通行を認めるような例外を考えておる次第でございます。これらの措置を先ほど申し上げました立体交差高架化事業と合わせまして五十年度末までに、いわゆる昭和五十一年三月末までにやりたいというのが現在の計画でございます。
#172
○上林繁次郎君 今度は警察のほうにお聞きしますが、非常にばかげた話なんですが、歩道橋ですね。歩道橋を金かけて一生懸命につくっているわけですけれども、あれはいわゆる歩行者の安全ということを第一に主眼にしてつくっておる、これは間違いない。そこで、その歩道橋の下で事故が多いということを聞いているのですがね、この事故件数、何かおわかりになっておりますか。
#173
○政府委員(片岡誠君) ちょっと調査いたしておりませんので、わかりかねますが。
#174
○上林繁次郎君 わからなければひとつ調べてください。非常に歩道橋の下での事故が多い。信号の関係やら、歩道橋の下に信号がついている、そうして、上を通らずに下を通るというようないろいろな事情があるようですけれども、こういったこと、ちょっと何のために歩道橋をつけたのか、その歩道橋の下で事故が多いということは、こんなばかげた話はない。その辺はやはり当局の指導というか、そういうものが徹底されていないきらいがあるんじゃないか、こういうような感じがするわけです。その点をひとつ御検討を願いたいと思います。
 沖繩が昨日返ってまいったわけですけれども、自動車の交通は右側である、従前どおりである、三年間それが据え置かれる、こういうことになるわけですが、これはもう以前にお聞きしてあることだろうと思うのですが、道路交通に関する条約第九条、これに違反をしないかという問題が一つあるわけです。それと、三年たったら左側に変えるのだ、いわゆるこれは本土並みである、こういうことになろうかと思います。で、三年たって変えるのも現在変えるのもどういう差があるかということなんです。じゃ、三年の間にどういういわゆる左側通行、つまりこれを徹底さすための訓練というか、そういう方針を何か持っているのかどうか、その点ひとつ明らかにしてください。
#175
○政府委員(片岡誠君) これは現在のそういう仕組みに踏み切るまでにいろいろいきさつがございまして、もう直ちに復帰の日と同時に切りかえるべきであるというこういう議論もございます。それから、未来永劫現状のままに固定したほうがいいんじゃないかという御意見もございます。しかし、いろいろな意見もございますけれども、私どもとしましては、まずいいところ三年たって、そのあとで切りかえるぐらいのほうがいいんじゃないか。その理由としては、切りかえに伴って沖繩の社会経済的ないろいろな問題があろう。そういう問題が一応片づいていって沖繩の方々の精神的な安定を得たその時点で切りかえていくほうがやはりいいんではなかろうかということが一つございます。したがいまして、ほんとに切りかえのための作業なり、安全教育をする、ルールの変更を教育していくのには必ずしも三年の期間私は要らないと思う。あるいは二年、あるいはもっと集中的にやれば一年でもその切りかえのための教育はできるんではないかと思っております。そういう事情もございましたので、ほかのそういう心理的な要素も十分加味して、三年たって適当な日を選んで、切りかえに一番都合のいい日を政令で定めるという仕組みを考えたわけでございます。
 ただ、一つ問題がございますのは、その当時まだ確定いたしておりませんでしたので若干気にはいたしておりましたが、海洋博の問題が起こってまいりました。そうしますと、ちょうど三年たつと昭和五十年の五月十五日になるわけですが、海洋博が三月から九月まで沖繩で開かれるということにきまりました。そうすると、その海洋博の期間中に切りかえをするのはこれは何としても妥当ではない、やるとすれば前かあとかという問題が現に起こりつつあると思います。私どもとしましては、その切りかえで一番問題は、ハスの運転者の席あるいは入り口の問題が最大の問題だろう、あとは、道路はこれからつくるのは右でも左でもいいという道路をつくると建設省も言っておりますし、それから切りかえに際して若干信号機とか標識の位置を変えたりする問題はございますけれども、一番問題はバスの問題です。そうすると、海洋博の場合に、ハスを新しくするとか、あるいは道路信号その他もすっかり整備されておるという状態で海洋博に入ったほうがいいんじゃなかろうかというふうな考え方も一部にございます。私どももそれがいいんじゃないかとは思っておりますけれども、その辺もいましばらくしまして沖繩県で知事以下沖繩県民の希望もあるいは意見も十分聞いた上で最終的な判断をしていきたい、そういうように考えております。
#176
○上林繁次郎君 条約との関係はどうですか、道路交通に関する条約第九条。
#177
○政府委員(片岡誠君) 条約の関係は、九条に「道路において同一方向に進行する車両は、道路の同一の側を通行するものとし、その通行する側は、それぞれの国においてすべての道路について統一されていなければならない。ただし、一方通行に関する国内法令の適用は、妨げられないものとする。」、こういう条約でございます。その条約に復帰した時点では形式的には抵触すると私思います。しかしながら、何ぶんああいう占領に伴う異例な事態でございましたので、それが原状に復する間経過的な措置としては条約の精神に反するということでもなかろう。したがって、三年たてばこの条約にも形式的にも合致するような方向でやっていけば問題はないんではなかろうかという解釈をして立法を考えたわけでございます。
#178
○上林繁次郎君 それについてはいろいろと議論をすれば相当突っ込んでできると思いますが、いわゆる条約違反であるという問題については、そこで実質的に考えた場合、先ほども申し上げたように、三年たったら、それじゃもともと左側交通をやっておったんだというような状態になるかならないかということが問題だと思います。それが、もしならないとするならば、これは必ず混乱が起き、事故が起きるという可能性は十分ある。そこで、やはりいまおっしゃったように海洋博がある。海洋博があれば当然いわゆるいままでの本土、そこから沖繩に行く人たちが相当あるわけです。当然そこで自動車の利用というそういったことは考えられるわけですね。もしその時点で右側通行ということであると非常に混乱を起こす。大勢の人が行くだけに事故を起こしていく大きな原因になるんじゃないか、こういう心配もあるわけです。そういう意味からいっても、これは三年としてはあるけれども、それ以前に私は変えるべきである、こう思いますが、この点どうですか。
#179
○政府委員(片岡誠君) 先ほども申しましたように、海洋博の開催という新たな事態を迎えました場合に、私どももできればその以前に、たとえば昭和四十九年夏ごろに変えるということが望ましいんじゃないかというふうに考えております。ただしかし、これも私どもは一方的にきめるのではなくて、やはり一番直接の関係者である沖繩県民の意向も十分尊重しながらやってまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#180
○上林繁次郎君 もうこれ以上この問題については論議しません。だけれども一言だけ、現地の声もよく聞いてみる、けっこうだと思います。そこで、いま私がお話を申し上げたこういうことで事故発生の原因になるのではないか、こういう心配がある。そういったことについて警察当局としてはどう考えるか。やはり警察当局としての主体性というものがなければうまくいかないだろう。ただ向こうと相談すればいいというものではない。やはり将来の事故防止、それがいわゆる生命を守るもとになるというそういう非常に大きな問題だと私は思いますが、その点ひとつ主体性を持って、いま論議した点を十分踏まえていただいて、そして主体性を持った姿勢を私は強く要望いたしておきます。
 そこで、たくさんあるのですけれども、時間が幾らもありませんのでこれ以上申し上げませんけれども、ただ最後に、一般問題の最後として、現在の交通状態、これからいって、いままでの道交法それ自体を私は変えなければならないんじゃないか、そういう部分が相当あるのではないか、こういうふうに思うのですね。たとえば、これは一例でございます。車間距離の問題についても、ほんとに車間距離をそのままとったらどうなるか、東京都内は、こういう問題があるわけですね。これは一例ですけれども、そういった意味から道交法改正ということも考えなければならぬのじゃないかなと私は思うのですが、この点ひとつ大臣どうですか。
#181
○国務大臣(中村寅太君) 私も自動車等が非常に多くなってきておる実態に合うようなやはり道交法というものをつくらなければいかぬのじゃないか、やはり将来を見通した一つの計画的な点からいろいろやはり改正しなければならない点があると思います。今後十分そういうものを踏まえて検討してまいりたいと思います。
#182
○上林繁次郎君 それでは法案のほうに二、三入ってお尋ねしてみたいと思います。
 最初に、小さな問題かもしれませんけれども、初心者に標識をつけさすという問題ですね。これはデザインとか大きさとかいうものはどの程度のものか、どういうふうにお考えですか。
#183
○政府委員(片岡誠君) まだきめておりませんけれども、デザインそれから大きさについても現在専門家も入れまして検討いたしております。これについてなかなかこれは意見が分かれておりまして、たとえば、初心者とか新米といったようなそういうことをはっきり文字であらわすべきだというような御意見も一方にございます。そんなものをつければ若い人はとてもいやがってつけないだろう、何かもう少しあかぬけしたデザインで、若い人も喜んでそれをつけていくというふうにすべきだという意見や相当幅がございます。したがいまして、また大きさについても、どこに取りつけるかという問題とも関連いたしまして、いろいろまだ検討すべき余地がございますので、いろいろなデザインをつくりましたり、大きさのをつくって、そして車に現実につけて、そして遠くから見たり、そういう研究を現在やっておる段階でございます。
#184
○上林繁次郎君 現在、免許証の作成業務、これはどういうようなことで行なわれておりますか。どういうようなことでというかな、作成業務がどのような形で行なわれて、つくられているといいますかな、その所管といいますか……。
#185
○説明員(鈴木金太郎君) 現在の免許証は、免許事項を免許の規格の紙にタイプいたしまして、それに本人が提出したところの写真を張りまして、それに公安委員会の検印を押して、それを本人に交付するということで行なわれておるわけでございます。
#186
○上林繁次郎君 ですから、その作成業務はどこが担当しているのですか。
#187
○説明員(鈴木金太郎君) これは公安委員会でございます。
#188
○上林繁次郎君 だれがつくっているのですか。
#189
○説明員(鈴木金太郎君) 公安委員会の実際の免許証の事務担当者が行なっております。
#190
○上林繁次郎君 行政書士、そういう人たちがつくっておるわけですね。
#191
○説明員(鈴木金太郎君) いや、関係ございません。
#192
○上林繁次郎君 関係ありませんか。
#193
○説明員(鈴木金太郎君) はい。
#194
○上林繁次郎君 これは全然関係はないですか。私の聞いているところによると、そういう行政書士会の人たちがそういう作成業務に当たっておるということを聞いておりますが、全然関係ありませんか。
#195
○説明員(鈴木金太郎君) 行政書士の皆さま方は、免許を交付してもらう申請書を扱っておるのと、それから免許の際、試験それからその他に必要な写真を、写真専門の業者がその写真をとるということをやっておるということでございます。
#196
○上林繁次郎君 そこで、将来、電算機によってカラーのカード式を採用する、こういうような考え方があるようですね。そうなりますと、いままでこの写真を作成したりなんかしていた行政書士会の人たち、これは写真撮影の七〇%はこれらの人たちによってなされておった、こういうことなんです。そうなると、もし電算機によるカラー式というようなことになりますと、この人たちの仕事が奪われるわけですね。この人たちは、いままではそういったことで盛んに協力をしてきた立場なんで、そういった点をどういうふうにこれからこれに対して対処するか、対処するかというか善処するかということが一つの問題点だろう、こういうふうに思いますがね、この点どうでしょう。
#197
○説明員(鈴木金太郎君) 御質問のことにつきましては、在来結論が出ておりませんが、運転免許課において研究中のものでございます。これにつきましては、従来のいわゆる紙に写真を張りつけた運転免許証と申しますのは、たいへん偽造、変造が多うございまして、また耐久力が非常にない。再交付申請が年間四十七万件くらいあるということで耐久性がない。そういう意味で、これを堅牢なものであり、かつ偽造、変造ができないようなものにしたい、こういう意味で、いわゆる免許証を一枚の写真にしてしまおう。これは外国にも例があるわけでございまして、そういう研究をやっておるわけでございます。
 つきましては、御質問の内容でございますが、まず代書の業務でございますが、これは私どもも検討の段階でございますが、代書の業務は一般の業態の実態もございますし、そのまま残すような方向で代書業務自体は研究しているという状況でございます。それから写真業務でございますが、写真の業務につきましても、いわゆる本人が受験申請なり、あるいはその他の申請をして、再交付申請などをしまして、本人であるという確認をするには本人の写真が必要でもございますし、そういう意味において、その面の写真の業務はできるだけ残す方向で検討しておるわけでございます。ただ、免許証そのものにいわゆる写真を張りつけることでございますが、それに要する写真は、これをやることによって偽造をなくするわけです。写真を一枚化することによって偽造をなくするわけでございます。これにつきましては、その分だけは写真の業務は減る、こういうことでございます。御質問の点もございますし、その趣旨も含めまして今後とも十分研究してまいりたいと思います。
#198
○上林繁次郎君 これも要望ですけれども、やはりその人たちがいままで協力してきたわけでありますから、そういったものを全部もぎ取られてしまえばその人たちの生活の問題になる、こういうことになりますから、その点も十分配慮していただきたい、こういうように思いますが、ひとつその点も十分に検討されることを要望しておきます。
 最後に、先ほどから問題になっておるのですけれども、路上検定の問題ですけれども、路上検定の問題、これは確かに路上でならすという必要があると思います。だけれども、たとえば教習所でもって検定試験が行なわれる、その場合にも、いざ検定試験ということになると、平素はちゃんとできているんだけれども失敗してしまう、そこで落ちてしまう、こういうケースが非常に多いわけですよ。路上でもし検定試験が行なわれるということになれば、私はそういった現実の姿から、これは路上試験というのは非常に危険を含んだものだ、こう思うのですね。ということは、いま申し上げたとおりなんですよ。ですから、その点をどういうようにとらえ、踏まえておるのかということですね、その点どうですか。
#199
○政府委員(片岡誠君) これも先ほど申しましたように、いろいろな手を考えておりまして、一つは、路上試験なり路上検定をやる道路を指定して、なるべく安全な道路でやるということを考えております。それが一つでございます。
 それからもう一つは、車自身に補助ブレーキあるいは補助のバックミラーをつけるといったようなこと、将来はハンドルもできれば連動する仕組みを開発していきたいと思っておりますが、そういうことで同乗者検定官あるいは検定員なり試験官が危険防止の回避の措置を即座にとり得るように車の装置の面でも考えて配慮してまいりたい。
 それからもう一つは、今度新しい制度で行ないます仮免許の試験の中身を現在の本免許の中身と同じ程度の高さにする、そうしますと、いまであれば一人になっても十分車を運転しているというそういう人に、なおかつ路上練習をさせて路上試験をするということになると思いますが、そういう手当てもいたしております。そういうことをもいろいろ考えておりますし、それから現に、たとえば東京都の場合には指定自動車教習所の卒業生については路上練習もやっておりますし路上検定もいたしております。そうして警視庁の場合、昭和四十六年、昨年じゅう路上検定を十四万三千六十一人やっております。その中で起こった事故が、軽傷事故が二件、物損事故が二件という、やはりなるほど初めは新しいことでございますので試験官なり検定員の当事者とすれば心配なことでありますけれども、現に東京の実績を見ましても、それほど事故は起こっていないということで、やってみますと案外スムーズにいくんではないかというような気も私どもいたしております。そういう点で、もちろんいろいろな配慮はこれから時間もございますのでさらに詰めてまいりたいと思いますけれども、ぜひ事故の起こらないような手をあらゆる角度から今後とも検討してまいりたい、このように思っております。
#200
○上林繁次郎君 もう一、二ですがね。ここに初心者運転者または仮免許練習中の標識をつけた運転者が普通自動車を運転しているときは、これは初心運転者の保護についての規定ですね、他の一般の運転者は、危険防止のためにやむを得ない場合を除き、その普通自動車の側方に幅寄せをし、またはその普通自動車が前方に追突防止のために必要な距離を保つことができないこととなるときは進路変更をしてはならないものとする、こういうわけですね。これを読みますと、やはり危険が伴うという、ひとつの内容からいいますと、だがらこういうようなことをとるわけです、こういう措置をですね。全然危険がないということであるならばこういうことは必要ないわけですよ。だから、危険があるということを前提にしているからこそこういう規則ができるわけでして、ですから、そういう意味からいっても私は一つ心配である、こういうことですね。
 そこで、これはさておきまして、路上検定の場合にその三年以上――いままでは何年でもよかったけれども、今度は三年以上の熟練者を置くんだと、こういうことになっておる。法律できめられちゃうとこういうことになりますね。そこで私は心配になるのは、そういったことが、これだけの問題じゃなくしていろんなことでそのいろいろな規則をつくり、きめても、それがだんだんだんだん竜頭蛇尾になって守られないという場合がいままでは多いわけですね。そこで、いわゆる三年以上の経験者が、全国の教習所において三年以上の経験者というのはどのくらいの数を占めているのか、あるいはまた、それ以下の者はどれくらいなのか、これを一応出してください。
#201
○政府委員(片岡誠君) 指定自動車教習所の場合にはその三年以上の経験のやつは除いてございます。もちろん特別に審査もし、そして講習もしておりますので、三年以上がかかっておりますのは指定教習所以外の親兄弟がやる、あるいは非指定の教習所の場合にはかかってまいります。だから指定教習所の場合には、いまの指導員、もちろん年齢二十一歳以上にしてございますけれども、三年の免許歴のほうは法律上かからないように手当てをいたしておるわけでございます。
#202
○上林繁次郎君 どのくらいいるかわからないということですか。
#203
○政府委員(片岡誠君) 現在、技能指導員が二万六千三百十七人おりますけれども、それの運転経験についての統計、いまちょっとございません。
#204
○上林繁次郎君 最後に一つ。なぜ私はこんなことを言うかといいますと、法律でこういうことをきめるわけですよ。で、三年以上の人は、もう文句なくいわゆる安全のためにも、初心者の安全のためにもいわゆるわきに乗ってその運転状況というものをまあ監視をし指導もすると、こういうことになるわけですがね。またその三年以上たたなければ資格はないということです。いままではそういうきまりはなかったわけですよ。そうすると三年以上と限定された場合に、いま教習所、私実態はわからないけれども、ちょっと見たところ全国的に教習所というのは大ばやりなんですよ。で、その受験者もしたがって相当な数にのぼる、そういった検定をやる、そういう人たちを対象にして検定をやる場合に、三年以上とした場合に、ほんとうにいまこの法律が施行されてすぐにそういった体制がとれるかどうかということを心配するわけです。そういう自信があるのかどうか。そこの実態がわからないということは、ただ法律をつくって、おまえたちは守らなきゃいけないんだと、守らないのは罰則であるというようなことでは私はその趣旨の徹底というものははかれないと、ですから、そういう意味でどのくらいの数になるんだと、こういうことを言っておる。それもとらえてないとするならば、私はその点が非常に心配になる。三年以上という年限、三年以上の熟練者ということは、それは最も安全性というものを基本にして考えられた数字だろうと私は思います。ですから、そういう意味でその点は重要な問題だろうと、その点どうですか。
#205
○政府委員(片岡誠君) 私の申しておりますのは、指定自動車教習所の技能指導員については審査もいたしております。審査のときに実際に運転する審査もいたしております。したがいまして、現在の指導員、これで路上練習をやっていくという体制で考えていって十分やっていけるということで考えておるわけでございます。
#206
○上林繁次郎君 最後に一つ。やっていけると思うという、非常にまだ心配なんです。この点は法律できめるのですから、法律できめたから、きめておけばいいんだということではうまくないと、やはりそれをやるならば徹底されなければならないので、そういう意味で言っておるわけなんですからね。ということは、事故防止にもつながる問題なんですからね、その点をひとつ明らかにしてくださいよ。現在の全国の教習所にはいわゆる三年以上のこの熟練者というのは何名で、それ以下の人たちは何名いるんだ、そうすると、この法律が施行されたときにはたして現在の三年以上の熟練者の数、それでもってこの法律を完全にまかない切っていけるかどうかという問題、これが私一番心配なんです。ですから、その点ひとつ資料をもしいまわからなければ出していただきたい、こう思います。
#207
○政府委員(片岡誠君) 資料は調査をいたして提出いたします。ただ、私どもの申しておりますのは、指定自動車教習所の指導員の場合には三年の資格という条件がついていない、むしろその中身自身で審査もしますし講習もして、単なる形式的に免許証もらって三年たっているというだけじゃなくて、それ以上の能力を期待し、また、いままでもそれできておりますし、今後実施するまでには、やはりいままで路上練習につきましてはもう各指定自動車教習所で六時間ないし十時間現にやっておるわけでございます。現在は路上検定をやっている県が五、六県あるわけでございまして、またこれからやっていくと、したがって、検定員につきましては路上検定についての講習、これはもちろん十分やって効果のあがる――先生が御心配になっているようなことのないように施行までに十分やってまいりたい、そのように考えております。
#208
○上林繁次郎君 もう一つだけ。私はね、いまあなたは、免許をとって三年以上たてばいいんだ、こういう意味じゃないんだと、こういうお話なんです。ところが、私はそんなことを言っているんじゃない。それはこのいまのお話ですとあれでしょう、免許とって三年たてばいいというものではない、その間にいろいろそれらの人たちに技能検定といいますかね、やるんだと、そうして最もすぐれた者を置くんだということをおっしゃるわけです。それはそのとおりでけっこうですよ。大いにやってもらいたいと思う。私は、それと同時に、いまそういうお話をあなた方がなさるということは、ますますぼくの言っている意味が、規定がきびしくなるわけですよ。そういうきびしくしたその内容で、それじゃそういう三年以上、内容が充実されて、しかも三年たっているということですからね、三年以上たっている、いまのお話ですと、そういう人たちにますますきびしくなるわけですよ。ですから、それがはたしてそういうきびしい状態の中でそれをパスできる三年以上の人たちがほんとうにいるのかどうか、現在。この法律が施行されたときに、すぐそういった人たちによって、路上検定のときに十分それらの人たちがまかない得るかどうかということを、その点を私は聞いているわけなんです。内容を強化する行き方というのは、それはけっこうですけれども、そういう人たちがほんとうにいるのかいないのか、だからその数を教えてもらいたいということですね。だから、いいですよ、それがわかればあと資料で出していただけばけっこうですから。
#209
○政府委員(片岡誠君) 資料は提出いたします。
#210
○中沢伊登子君 先ほど上林委員から道路交通法を根本的に改正するようにと、こういうお話がありまして、長官からもお答えがあったわけですけれども、私の聞いている範囲では、毎年のように道路交通法が多少ずつ改正されている。一体こんなことでいいのかどうか、今後どのようになさるお考えか、その点をまずひとつお聞きしたいと思います。
#211
○政府委員(片岡誠君) 昭和三十五年にいまの道交法できまして、約十年の間に十一回ばかり改正されております。確かに、一部じゃ朝令暮改じゃないかという御批判も受けておりますのは事実でございます。しかし、一方、考え方によりますと、この十年間ぐらいの間の道路交通の事情の変化の激しさ、これが世界に類のない激しい変わり方だと私は思います。したがいまして、道路交通事情の変化に即応した、それに適応した法制というものもこれは必要ではないか、その辺のバランスの問題ではなかろうかと思います。私どもとしましては、先ほど上林先生から、まだ法律改正をやる必要があるんじゃないかという御指摘もございました。しかし、昨年の二回の大改正、それからこの改正を考えますと、できれば、しばらくはもう改正しないでやってまいりたいとは事務当局としては考えております。しかし、そうはいいながら、明らかに不合理な交通の規則がそのままある、あるいは、事情が変わってルールがおかしくなっておるではないかという問題ができますれば、これはやはり変えていったほうがいいんではないかというようないわば若干中途はんぱな気持ちでございますけれども、そういう気持ちで事務当局としては考えておる次第でございます。
#212
○中沢伊登子君 そこで、最近目につくのは、横断歩道がある少し前に何かひし形のマークつけました。あれ、私はたいへんいいと思います。いままで私も車に乗っていて一番心配なのは、こっちが正しい運転をしていても、いつうしろから追突をされないか、これが一番心配なんです。そうしますと、今度の横断歩道の前にひし形のマークをつけたのはとってもいいと思うんです。
 それから運転免許証の書きかえの時期ですね。これにお誕生日を適用した、これもたいへんいいことだと思うんです。こういうものはどんどんどん改正をしていっていただきたいと思うんですが、先ほど上林委員が言われたのは、東京のように交通繁雑の中で、車間距離を六十メートルにしなさいとか三十メートルにしなさいとかいうとこれは少し問題があると思います。ただし、高速道路の場合は、その車間距離はよっぽど守ってもらいませんと、それこそ追突の原因になろうかと思います。そこら辺で、これからの改正も都内の交通事情とそれから高速道路の分と、こういうものは私はやっぱり分けなくちゃいけないのじゃなかろうかと、こんな感じがしております。
 そこで、初心者運転による事故の実態は先ほど聞かれたわけですけれども、お答えがあったようですけれども、運転をされる方、免許をとられる方の中に運転をする適性あるいは不適性、こういう人があるんじゃないかという感じがするんです。といいますのは、一ぺん事故を起こして、たいした事故じゃないから直さないのかもしれませんけれども、車があっちがへっ込み、こっちがこわれしているのを運転している車をよく見ます。相当これは初心者じゃないかと思ってみたり、一ぺん事故を起こされる方は何べんも事故を起こすんじゃないか。非常にみぞの中にはまったりいろいろな事故があるわけですけれども、そういうようなことはないんですか、あるんですか。
#213
○政府委員(片岡誠君) 確かに、運転に関する適性が人によって相違があるという、これは言えるんじゃないかと思います。私どもは適性の問題につきまして、医学的あるいは心理学的なテストができるような、しかも人数が多うございますから、比較的短時間の間にテストができるような方法の開発を一生懸命やっておるわけでございます。科学警察研究所の交通部でも、ある程度実用に適する適性検査のテストの方法を開発いたしました。ただこれは信頼度が八〇%ぐらいということで、したがってこれは、あなたは不適格、あなたは適格ということで、それによって免許を与えるとか与えないとかいうところまで使い得る段階にはなっていない。ただ、たとえば会社でやっております場合に、適性テストをやって本人の癖を修正していくという教育用だとか、あるいは、場合によっては社内の配置転換をやるとか、そういう面には十分活用されておりますけれども、いまのところは、検査の結果不適性だ、不適格だということで免許証を与えないというところには使えないという内容のものでございます。
#214
○中沢伊登子君 私は、やっぱりその問題がもう少し科学的に証明できればたいへんいいんじゃないかと思います。いままで車の係だった人があまり事故を起こすのでそれで配置転換をやった、こういう点でも多少は救われるんじゃないかと思いますけれども、あまりぺこぺこしたような車を見ますと、こういう人でも試験さえ通れば免許証が与えられるというようないまの規則ですか、そういうものに私は多少疑問を感ぜざるを得ないわけですね。
 そこで、先ほど初心者の運転に標識をつけることも御質問がありました。これもやっぱり何といいますか、このごろ車が多いものですから、たいへん皆さんが気が短くなっているわけですね。それですから、初心者で運転をする方は恥ずかしがるとか、いやがるとかいうことがあるかもしれませんけれども、それはやっぱり多少うしろのほうまで見えるような標識にしませんと、そのうしろについている車は、うしろのほうからガーガープープーやられると、こっちまでいらいらすることがありますから、それは恥ずかしがるとか、いやがるとかいうことの前に、やっぱりもう少しその点を重視して、標識をこれから考えられるようですから、そこら辺にも心していただきたいと思います。
 それから今度都市交通がたいへん混雑をしておりますので、その混雑の緩和のために駐車規則をもっときびしくしたらどうか。けさの千日デパートの質問の中に、不法駐車がたいへんあってシュノーケル車が近づけなかった、こういうお話がありましたが、その点はどう考えていらっしゃいますか。
#215
○政府委員(片岡誠君) 仰せのとおり、私どもも駐車規制をきびしくしていくという方向で現在もやってまいっております。ただ問題は、なるほど駐車禁止場所を多くした、しかし、その実効が担保できないということは、これははなはだ困ることでございますので、それにいままで非常に苦慮しておったわけでございます。それに対しまして私どもの考え出しましたのは、御承知のように、交通巡視員制度をつくって駐車違反の取り締まりを強化した。それからさらにレッカー作戦をこのごろ考えております。たとえば、警視庁の場合ですと二十三区内の各署には毎朝一台ないし数台のライトバン式のレッカー車がきております。それで駐車違反を見つけますとすぐレッカー車で引いてまいります。そうすると、駐車違反の反則金は普通の場合四千円でございますけれども、引いていくと五千円とられる。それからまた有料駐車場に保管しますから、保管料をとられるということで一万円くらいかかってしまうということで、これは相当効果をあらわしまして、だいぶ取り締まりがスムーズに、レッカー車を見るとすぐクモの子を散らすように逃げていくというような事態も起こっております。そういうことで、何とか取り締まり力のほうをそういう最小の人員で最大の効果をあげるようにくふうをいろいろいたしております。それと見合いながら駐車規制をさらに強化していく。一般的にはそういうことでやりたいと思いますが、ただ例外的に、どうしても業務上の駐車需要があるんですが、しかしながら、屋内の駐車場が整備をされないという場所で、路上に駐車させても差しつかえないというようなところにういてパーキングメーターを設置しまして駐車さす、そのかわりに四十分以内とか一時間以内ということをきめまして、できるだけ多くの人がローテーションといいますか、使えるようなそういう仕組みもあわせ考えながら、そこはいいよ、そのほかはきびしくというふうな合理性のある駐車規制をさらに強化してまいる、このように考えております。
#216
○中沢伊登子君 それをほんとうにしっかりやってほしいと思うのですね、駐車場が十分ございませんので。どこか用事があって行っても、どこへとめたらいいのか、どこもかしこも、駐車違反になったらそれこそ困りますし、そういうところきちんと区別をして、やっぱりパーキングメーターでもつけて、ここは駐車してもよろしいというようなところを整備をしてもらいませんと、ただ規則だからということで、駐車違反でここはだめです、ここはだめですということばかりでは、これはほんとうに困ってしまうような現状ですから、その辺をひとつ心していただきたいと思います。
 それから居眠り運転ですね、この居眠り運転の防止のために何か特別の措置が考えられていないものかどうか。これは居眠り運転なんていうもの阻止することはできませんけれども、しかし、人間でございますし、いろいろなことで睡魔がおそうこともなきにしもあらず、こういうことで、大体居眠り運転で事故を起こすような場所はたいていあそこら辺だ、あそこら辺だというようなことがあるんじゃないかと思いますね。そういうところで、やっぱり道路交通法のほうからも何かショックを与えてやるというふうな方法は考えられないものでしょうか。
#217
○政府委員(片岡誠君) そのショックが、道路上にたとえば少し何か物を置いてやるということになると、危険の問題もありますので、いままでもそういう意見もございまして、道路管理者等ともいろいろ研究したのでございますが、どうも名案がまだ浮かばない。やっておりますことは、結局もう教育と指導、現場におけるパトカー、白バイ等の指導と、あとは運転者に対する教育しかないのでございます。ただ、道路管理者に言わせますと、たとえば東名とか名神高速道路は、御承知のようにクロソイド曲線というので完全な直線じゃなくて少しずつカーブをとっております。あれはまっすぐな直線道路を走っておると自然に眠けが出てくる、単調なために。それを少しずつでもハンドルを切りながら行くということによって睡魔におそわれるのを防止していくという設計はしているようでございますが、もう少し研究事項として道路管理者と一緒に研究さしていただきたいと思います。
#218
○中沢伊登子君 それから婦人団体や何かから、毎年のようにドライブインでお酒を出すことを禁止してしてほしいという請願がよく出ておりますね。これの取り扱いはどうなっておりますか。
#219
○政府委員(片岡誠君) これにつきましては、前に道交法を改正しまして、車を運転しようとする人に酒を飲ましたり、すすめちゃいけないという規定が、訓示規定ではございますができました。それを中心とする行政指導を、主としてドライブインと申しますか、道路の沿道で飲食店をやったりして酒類を出しているというようなところを中心にしまして、警察署を通じてその趣旨を十分徹底するようにやっているのが現状でございます。ただ、酒を売ることを禁止するということは、なかなかドライブインといってもそこで飲んでいる人は運転者と限らないし、非常にほかの飲食店との関係についても問題があるではなかろうか。ただ、主として運転者しか考えられないというような高速道路のパーキングエリアにある飲食店、これについては酒類の販売を自粛するという、そういう点では徹底してまいっておると思いますけれども、普通の道路の街道筋にあるドライブインについて直ちに販売を禁止するというのはやはりいろいろ問題があるんではなかろうか。したがいまして、私どもとしては、これからハンドルを持とうという人に酒をすすめちゃいけないということを経営者、従業員に徹底することと、それから飲酒がもとで事故が起こった場合に、その運転者はもちろんでございますが、運転することを百も承知で酒をすすめた人は共犯として責任を追及していくということによって一罰百戒的な効果も考えてまいる、かように考えております。
#220
○中沢伊登子君 最後に、車で通って見ますと、人の通れない道というのが相当ございますね、自動車だけ、二車線しかない。そうすると、やっぱり人がそこを通らなければ買いものにも行けないというところが相当ございます。こういうところは一体どうしたらいいのか。人間優先といいながら、そりゃ横断歩道なんかには確かに人間優先を最近していただいておりますが、そういう道路は一体どうすればいいのか。あるいは片側だけでも歩道をつけて、そこにガードレール、ああいうふうなことをしてもらうようにする方法はないものかどうか。そういうことを命令するというのは警察庁のほうか、あるいは公安委員会のほうですか、それができないものかどうか。
 それからもう一つは、車で通って見ますと、標識がありますね、ここは六十メートルが限度とか、こっちは曲がってはいけませんとか、そういうのが、あるところではほとんどガスで見えなくなっている。そういう標識の管理は一体どこがしていて、どこがきれいにするのか、そういうことはどこの管理か、その辺をお聞きしたいと思います。
#221
○政府委員(片岡誠君) 初めの問題につきましては仰せのとおりだと思います。そういう道路につきましては、片側だけでも歩道をつくるべきではないか。建設省のほうも、それはそうだ、やりますということになってきております。ただし、その場合には、車が相互交通でしょうから公安委員会のほうで一方通行にしてくれ一だからそういう狭い道路で、しかし自動車も人間も両方やはり通る必要があるような道路については、できれば片側だけでも歩道をつくり、車は一方通行にして、そうして車も安全に通れるし、通行者も安全に歩けるという仕組みに今後してまいりたい。寄り寄り建設省とも協議いたしておりまして、そういう方向で第一線を指導してまいりたいと思っております。
 あとの問題は、はなはだそういうことがあれば申しわけないことなんで、これは、不良標識につきましては、公安委員会が管理しておりますので、そういう見えなくなっているような標識があってははなはだ困りますので、立てかえるなり洗浄するなり、維持管理にもっと徹底を期するように指導いたしてまいりたいと思います。
#222
○中沢伊登子君 もう一つだけ。いま言い落としましたが、もう一つは自転車の飛び出しが何ともこわくてどうしようもない。自転車に道路交通法を守らせるようにもう少し指導徹底をしていただきたいと思います。それからバイクといいますか、オートバイといいますか、あれが車の間をこうやって行くでしょう。あれなんかこわくてしようがないんですけれども、あれの取り締まりの方法はあるのかないのか伺いたい。
#223
○政府委員(片岡誠君) 取り締まりの方法は、もちろんいたずらに進路を変更してはならないという規定もございますから、取り締まりの方法ございます。しかし問題は、特に自転車の場合あるいはバイクの場合に、子供なりあるいは比較的年齢層の若い人たちの場合におきましては十分教育をしていくというのがほんとうではないかと思います。自転車の安全な乗り方の教育を各地の安全協会で取り組んでおります。それからオートバイの乗り方につきましても、安全協会が自工会、四輪メーカーと協力して安全な運転のしかたについての指導体制をいまつくりつつございます。そうし七ほんとうに安全なとめ方、乗り方、それから姿勢から、そういうものにつきまして十分協議をしていくということをやってまいりたいと思っております。
#224
○中沢伊登子君 それはほんとうに十分教育の徹底をしていただきたいということを要望いたしまして、私の質問これで終わります。
#225
○河田賢治君 これに関して一つだけ最初にあれしておきたいんですが、教習所ですね。私、最近京都にいないんでわかりませんけれども、京都で、国会に出る前に労働争議があったんですね。今度は、御承知のとおり、この教習所というものは準公務員ということになっている。そうすると、やはりここでできるだけ労働争議なんかの起こらぬように、学校の経営者といいますか、これらは、従業員に対してやはりある程度の待遇なり何なりをしていかなくちゃならぬと思うんですね。で、労働争議なんか起こしますと、どうしたって気が荒くなるし、それから教習所の指導員も、学科にしろ実地の指導員にしましても、こうなりますといわば免許証をまあいいかげんに出すとか、そういうことにならぬとも限らぬわけですね。したがって、やはりこういうところで公正な試験が受けられるようにやらなければ、特に交通行政が今日のような状態ですから、できるだけ完全ないわゆる卒業生を出さなけりゃいかぬと思うんです。こういう場合に、やはり確かに経営というものは非常に小規模です。けれども、小規模であっても、準公務員とみなされるほど国も重要視しているんですから、やはり個々の教習所の営業に対しては一々言えぬでしょうけれども、しかし、よほどここらの指導というものが、何といいますか、いろんな面から指導をしていかないと、へたにこれが中がごたごたしますと、結局卒業免状なんかの乱発をするとか、そうでなければまあ個人個人に当たるとか、いろんな不公正なことができると思うわけです。この点について、私はひとつ最初に、この教習所の運営なぞについて、また経営なぞについても十分公安委員会が心するということをまず申し述べておきたいんです。その点ひとつ。
#226
○政府委員(片岡誠君) 私どもとしましては、各府県の免許担当課を通じてのそういう指導監督を十分にやってまいりたいと思いますと同時に、指定自動車教習所の協会がございますが、その協会の組織を通じても、仰せのような、指定自動車教習所自身が私企業でありながらも公的任務を持っているということを十分自覚さして、適正な運営をやっていくように今後とも指導監督は十分にやってまいりたいと、そういうふうに考えております。
#227
○河田賢治君 次に、自動車の問題について伺うわけですが、まあ私も自動車の運転はできませんし、また、きょう集めた材料も大きなメーカーからみな集めたわけじゃないんですが、やはりちょいちょい問題が起こりますし、また、これを見まして相当不審に思えるとか疑問に思えるところがありますので、逐次質問していきたいと思うんです。
 これは日産のCD31KD型ですか、総重量が十九トン八百五キロ、こういうように書かれているわけですね。これはたしか四十六年度の型式だと思うんですが、これまで、こういう自動車の検定なり、あるいは保安基準に該当しないというような自動車があったかどうか、その点をひとつ運輸省の方に聞きたいと思うんです。
#228
○説明員(飯塚良政君) 現在、新車を販売する場合には、大量生産車の場合には型式指定車、そういうふうな審査手続、それから大量生産車でない場合には、新型の自動車といたしましてその性能とかあるいは安全性をいろいろテストをいたします。そうして、そういうふうな状態で自動車検査場へ車を持ってまいりまして検査をするということになっておりますので、現在走行している自動車は、当初においては全部保安基準に該当しておるというふうに思っております。
#229
○河田賢治君 型式指定の場合にしましても、いろいろ車両の重量などについて、大量生産はやっておりますけれども、むしろ、自動車メーカーというのは全くごく一部のところですね、重要なところでしょうけれども、これをやっているわけですね。あちらこちらからかなり部品を集めてやると。したがって、生産の工程やあるいは工場によって若干相違が出ている。車両の重量でも、私が聞いておるのでは、新名和が八トン六百四十キログラム、それから東急が八トン七百キログラム、極東が八トン六百キログラム、全鋼が八トン六百七十キログラム、こういうふうに若干重量においても相違が出るわけですね。これだけでも、一番高いところと低いところとを計算しますと約百キロ相違が出るわけですね。重量も、こういう部品の扱いによって一つの会社がつくったものでも多少差が出る。そういうことが、型式認定ですと、大体大量生産だからそう変わりはないだろうと思いますが、若干こういうような重量の隔たりがあるということは事実ですか。
#230
○説明員(飯塚良政君) 一般の乗用車でございますと、これはある一定の自動車メーカーが全部つくりますし、全部の金属部分とあとタイヤ部分――多少相違部分もございますけれども、そういう一定した重量でございますが、ダンプカーとかあるいは大型トラックのような自動車につきましては、自動車メーカーが運転台とあとは背骨の部分、シャーシーと申しますが、その部分だけを販売店に売って、ダンプカーでございますと、あとの荷台等はボデーの架装メーカーに製作させるわけでございます。そういうふうなわけで、その場合には多少ユーザーの好み等も加味して一台ずつつくるというふうな、ざっくばらんに申し上げますとそういうかっこうになるわけでございます。したがって、たとえば、運転台に乗せるような、荷台に乗せるようなはしごをつけるとか、いろいろそういうふうな仕様がユーザーの好みによって違ってまいります。そういうふうなわけで、一般の乗用車のように重量が全部同じというふうなわけにはいかず、多少重量にはばらつきが出るというのは実態でございます。
#231
○河田賢治君 そこで、道路運送車両の保安基準の第一条三号にある「「空車状態」とは、道路運送車両が、原動機及び燃料装置に燃料、潤滑油、冷却水等の全量をとう載し及び当該車両の目的とする用途に必要な固定的な設備を設ける等運行に必要な装備をした状態をいう。」、これは間違いないですか。
#232
○説明員(飯塚良政君) 間違いございません。
#233
○河田賢治君 そこで、この「運行に必要な装備」の中では、当該車両の固有の固定的な設備以外はその用途に必要な最小限のものに限られる。したがって、予備タイヤ、予備部品、工具その他の携帯物品のように、それらの携帯が運行のつど一定していないものは「運行に必要な装備」に該当しないと、こういうふうにいわれているんですが、これは事実ですか。
#234
○説明員(飯塚良政君) そのとおりでございます。
#235
○河田賢治君 しからば、お聞きしますが、自動車が運行する場合に、予備タイヤもなしに、工具もなしに、また予備部品も、ある一定の若干の予備部品、こういうものも普通は要るわけですね、消火器なんかも要るでしょうし、こういうものを持たずに走るということが一体考えられるんですか、実際にはそういうものを持たなきゃならぬでしょう。規定には、なるほど運行に必要な装備ということは空車状態からのけているんですけれども、しかし空車ではかるとかなんとかということになれば別ですけれども、実際の運行からいえば一定の予備材料、さっき申しましたですね、予備タイヤとか部品とか工具や消化器のようなものは、これはもう当然自動車が運行する場合にはこれは持たぬならぬものじゃないんですか、これを除くのはどういうわけです。
#236
○説明員(飯塚良政君) 通常の自動車の走行状態では、予備タイヤあるいは予備部品というのは最近ではあまりないと思いますけれども、工具類あるいはジャッキですね、そういうふうなもののうちの相当部分は車に載せてそれで走行するということは非常にいま多いと思いますが、ただこれはユーザーの好みにもよりますし、それから最近はロードサービス等が相当充実しておりますので、高速道路等では電話一本でサービスカーに来てもらえるというふうなこと等もございますけれども、通常の場合には、予備タイヤとかあるいは工具箱等は載せて走るのが通例だと思います。
#237
○河田賢治君 そうならばやはり、私は空車状態というのもさっき言いましたが、運行に必要な最小限の装備というものはやはり搭載すべきだと、そうしてそれで重量をはかるべきだというように考えるわけです。ところが、空車状態の中に普通潤滑油から燃料、冷却水等もこれははからなければならぬのですが、実際にいま運輸省がやっておられる三多摩ですか、あそこの交通安全公害研究所ですか、三鷹にある、ここは指定の認定されるわけなんです。それからまた、一般のそうでないものは、よく練馬あたりで検査が行なわれるということを聞いているんですが、実際ここではほんとうにあれをやってないんですね、聞きますと。私の秘書がおとといですか、きのうか行って調べたんですけれども、ここではやはり口頭で聞いているんです。これはどのくらい燃料積んでいるかとか、満タンだとかと言う人はないわけなんです。それから設備も聞いてみましたら、電話で、あそこには燃料とか冷却水なんかは補給して満タンにする設備もないと言っているんですね。それで重量を完全にはかるということはできないわけですね。それからまた、こちらの何ですか、現地で見て、練馬の支所ですね、陸運局の、ここでも口頭で聞くだけで実際に満タンになっているかどうかということは調べないと、調べている間がないと言うんです、忙しくてね。とにかく走行に可能な状態であれば、ちょっとでも走ればいいという程度のものしかそこでは入れてないと。特にメーカーは、できるだけ自分たちのつくった車両を軽くするために、そう満タンにはして来ないと言っているわけですね。だから、とにかく満タンになっているかどうかというのは、そういう誤差があるとかそこまで緻密なチェックなんかはしてないというのが陸運局の練馬支所の鈴木車両課長の答弁なんです。そうすると、これは完全に車両検査について、本来空車状態でも満タンにしなくちゃならぬという規定があるにもかかわらず満タンの、あるいは水あるいはオイル等々が完全にははかられてないということなんですね。こういう点はいかがですか。
#238
○説明員(飯塚良政君) 車両検査の場合には、道路運送車両の保安基準という省令で空車状態で測定するということになっておりまして、一応その条件といたしましては、水だとか燃料だとか、あるいはオイルだとかというふうなものは全量搭載してそしてチェックをするというふうなことがたてまえでございますから、したがって、いま通常は自動車検査場に来る人は、整備業者だとかあるいは販売業者だとかそういうふうな専門家でございますので、常時この保安基準どおり持ってくるというふうなものがたてまえでございますので、先生御指摘のように、一応検査場ではそういうふうな装備状態で来ているかということは口頭で質問することもございますし、また、たまたまそういうふうなものが発見されるというふうなことをかりにあったとすれば、そういう場合には、この保安基準どおりやってほしいというふうなことであろうと思います。それで、あとは自動車審査部のほうでも、これは新型審査で多量生産車でございまして、相手はこれは自動車メーカーが車を持って参ります、こちらのほうの場合は。そういうふうなことでございますので、保安基準どおり一応持ってくるというふうなのがたてまえでございますから、水とか燃料あるいはオイルというふうなものは全量搭載して持ってくるというふうなことで、そういうふうなことを一応たてまえとして想定してやっておるということでございます。
#239
○河田賢治君 おそらく満タンにすれば油だけでも約二百リットルと申しますから、相当な目方がかかるわけですね。会社の仕様書では、車両重量というのがCD31KDの場合八トン六百四十キロということになっていますね。これに満タンにしますと、二百リットルのガソリンが百六十キロぐらいだとしましてももうこれで八トン八百キログラムになる。そうすると、ここではもう余裕が幾らもないんですよ。車両総重量が十九トン八百五キロですから百九十五キロしかない。もしもこれにガソリンを満載にしてオイルも積み、冷却水も積んで、さらに予備タイヤを積んでいけば、これまたタイヤ一つでたしか二百キログラムです。その他積めばもう当然二十トンをオーバーしておるわけです、二十トンを。こういうことは常識的に考えてもちょっとおかしいんじゃないか。この荷重というのは、荷物はこの会社としてはこれはもう十一トン積めるという、固定しているんですね、これで。それで若干ゆとりがあって百九十五キロとかあるいは百四十キロとか、こういうような型によって多少余裕を持っておるんですけれども、いろんなものを積めば、満タンにしそれでほんとうの走行ができるような状態にすれば、これは相当もうこれだけでも二十トンをこすと、そうすれば道路運送法によって道路は通れぬわけですね、こういう問題があるわけです。こういう点は行政上、あなた方はお持ちになっているかどうか知りませんけれども、メーカーで出しました総重量ですね、こういうもので計算すればすぐ出るわけだと思うのですけれども、運輸省では相当こういうものは綿密に計算して、油入れたり何か入れて、そして何キロになるというような計算をなさっているのかどうか、この点ひとつ聞きたいんです。
#240
○説明員(飯塚良政君) 先生がお手元にお持ちになっておりますカタログをごらんになりましてもおわかりかと思いますけれども、車両総重量は一応保安基準では二十トン以下であるというふうなことの規定になっております。それで、ただいま先生から御指摘ございましたように、予備タイヤだとかあるいは工具箱だとかそういうふうなものは、これはそのままユーザーで、これは私はこういうふうなものを持っていきたいというふうないろいろ要望がございますので、それは積載量の中の一部にこれはなっておるという考え方でございますが、重量を審査する場合には、その辺の余裕を三百キロかあるいは二百キロ、それぐらいは余裕を見まして、このカタログにも書いてございますように、たとえば、二十トンの場合でも、十九トン七百八十五とかあるいは十九トン六百八十五とかいうふうなことで、余裕をとって、そうして審査をしておるというふうな状況でございます。
#241
○河田賢治君 私は、その余裕というものは、さっき申しましたようにいろいろなものを積めば、最小限の装備をして、ある程度、このごろはずいぶん遠距離がありますが、そういう場合にこれはもう超過するんですよ、実際に。なるほど積載量ということは十一トンということになっています、この形では。ところが、大体だれでも、使う者から見れば、最大積載量十一トンと言われれば、これはもう荷物が十一トンで、それ以下ならいいと思って積むに違いない。この中から工具箱、あるいは予備タイヤ、あるいは油とか、こういうようなものを引いてこれはやらぬと思うんですよ。まああなたのほうで、何もかも積んで十一トンだと言われれば、それはそうかもしれませんよ。けれども、一般の広告を見て買う者は、積載量というものが、十一トンというものが、車の型式が変わっても十一トン積めるということはずうっと広告しているわけですね。だれでも十一トンなら十一トンで、最大限ですね、十一トンは積むに違いないですね。
 それじゃ、もう一つ質問します。あなたのほうでそう言うなら、今度は乗員が三人乗りになっているんです、三人乗り。そうすると、この計算でいきますと、一人が五十五キロということになっているんです。運輸省では、五十五キロの運転手の、三人乗りの標準というものをどこからお出しになったか、これを聞きたいんです。
#242
○説明員(飯塚良政君) これは五十五キロという数字は、車両法制定当時からたしか、私の記憶十分でないんですが一あまり変わっていないわけですが、これは厚生省の統計のほうからとりまして、それで成人の男子あるいは女子というふうな場合には平均して五十五キロというふうなことで現在まで計算しております。
#243
○河田賢治君 それはいつごろです、厚生省できめられたのは。
#244
○説明員(飯塚良政君) きょう実はちょっと資料を持ってきておらないのですが……。
#245
○河田賢治君 大体何年ごろだということをおっしゃればいいんですよ。
#246
○説明員(飯塚良政君) ちょっと資料がございませんので……。
#247
○河田賢治君 それでは私のほうで言いますよ。大体いま人間の重量は相当ふえているんですよ。あなたのほうの、この五十五キロという計算になりますと、ちょうど高等学校の一年と二年の中間なんです。青少年白書の四十六年版には、文部省ですよ、これは学校の保健統計調査で、大体高校の十五歳で五十四・八キロ、それから十六歳で五十七・六キロです。十五歳半ぐらいをあなた方の五十五キロというのは標準にしたわけです。こんな人間、いまいませんよ、大体平均しましても。大体、また平均もおかしいと思うんですよ。御承知のとおり、貨物なんかを取り扱う運転手さんは、どちらかといえば体格も大きいでしょう。そうすれば平均以上にとらなければ安全性というものはないわけですね。こういうものがほったらかされているわけですよ。いま二十歳ですと五十七キロ、二十四歳で五十九キロ、これは厚生省です。二十五歳が五十九キロ、二十六歳から三十九歳が五十九キロ、四十歳から四十九歳が五十八キロ、こういうふうに年をとりますとずっと下がりますけれども、大体青年層は五十九キロとなっているんです。そうすると、これだけでも三人乗ればちょっと標準が違ってきますわな、十五キロ前後。しかも、これははだかですよ。すべてがはだかではかっているんですよ。これに服も着るでしょうし、寒いときは、ヒーターがかりにありましても、まあオーバーなんかも着る場合もあるでしょう。そうすると、あなたのほうの計算というものは全くこういう乗務員がどんなになっているか、こういう時代に応じたちっともあれをやっていないですね。一体そういうことで、自動車はどんどんふえるわ、交通災害は起こるわ、交通戦争といわれるほどたくさんな犠牲者が出るわけですね。そうすれば、こういうものに当然私はしょっちゅう目を通して改正するのが至当だと思うんですが、あなたのほうはいかがでしょう、これはもう二十年前ぐらいのおそらく計算になると思うんですが。
#248
○説明員(飯塚良政君) ただいまの人間の重量につきましては、もう一度根拠もよく調べまして検討はいたしたいと思います。
#249
○河田賢治君 とにかく日産の広告を見ますと、全部二人ないし三人の乗務員の計算が五十五キロになっているんです。こんなものはありっこないですよ、いま。おそらくはかの大メーカーでもそうじゃないかと思います。これですと、もう十六歳半ぐらいですからね、とても免許もとれないような人のあれになっている。しかも、はだかですわな。これはこういうところはもう少し運輸省が、これだけ交通戦争が起こっている、どうなるかということはやはりたえず検討してもらわなくちゃならぬ。公安委員のほうでも、警察あたりでもこういうことをほったらかしておるということは、やはり交通行政の上から、単に運輸省が検定をするとかいうだけでなく、やはりこういう問題にも目を配っていかれるのが至当じゃないか、こういうふうに思うわけですが、その点いかがですか。
#250
○政府委員(片岡誠君) 私ども保安基準に合理性の欠けているところは、発見した場合には行政事務レベルでいままでも運輸省のほうにいろいろ改善、改正方について御要望もしてまいったということでございます。御指摘の点につきましても、私どものほうでも検討をいたしてみたいと、そして現在の保安基準についても問題点があれば、私どものほうで気づいた点につきましても運輸省のほうに事務的に改善の措置をとっていただくように話を進めてまいりたい、そう考えております。
#251
○河田賢治君 運輸省でも、いわゆる型式指定の場合に、こういう乗車定員それから乗れる者は何人、最大積載量何十キログラム、車両重量何キログラムというふうに、総重量は幾らというふうに報告書をまとめておられるわけですね。ここには燃料の種類ということはありますけれども、燃料やそのほかの重量がどれだけかということは書いてないんですね。こういうものを加えなければ総重量というものが無意味だと思うのです。だから、こういう様式を見ましても、あまりにそういう自動車に固有な必要なものを積んだ場合、二十トン以内でつくるとすれば当然最大積載量十一トンというものは減らさなければならない、そうでなければ私は無意味だと思うのです。統計でもそういうふうなあなた方のほうの統計はとるようになっているのです。この点は、やはりもうちょっと考えてもらう必要があると思うのです。
 それからもう一つは、カタログでは、大体後軸のいわゆる車輪が後に四つありますけれども、その一番後の車輪というものは二つになっていますね、二輪車、一つずつですね。ところが型式の場合は、つまり二つの車輪をつけることができるような設計になっているわけです。それで私のほうでこれもふしぎなんで聞いてみましたら、神奈川の日産ディーゼル厚木営業所です、これは。電話で調べたんですが、こう言っている。カタログでは後輪はシングルになっている、ダブルにすることもできるのですかと言うと、できますと言う。それはおたくでできるのですかと言ったら、うちでやっています。客はダブルで購入していますかと言ったら、車検はシングルで通っていますが、たいていダブルですと、こういう返事なんです。お客さんの希望があればダブルにしています、ダブルのほうが安全性があるものですからと、こういう返事があるわけなんですね。だから大体が大きなダンプ、トラックなんですから、どうしたって荷を積めば二つの車輪を並べてつけるのがまあ当然だと思うのです。会社のほうでは、製作のほうでは、こういうふうにしていつでも、一つだけではなく、二つつけられるように、そういう設計がなされているわけですね。しかし、試験を受けるときはシングルだというのですね。それであなたのほうでも、型式認定のときにシングルとして登録され、それを許しているわけでしょう。これがダブルになれば当然目方もうんとかかります。そうでしょう、二つタイヤも入りますから、タイヤだけで相当なものですよ。そうしたらとうてい二十トンでは済まない。ところが、今日こういうふうにして日産あたりは売っているのです。ほかもそうかもしれませんが、全くいわゆるあなた方のほうの検定というものが、何といいますか、型式の検定というものが全くまあ生産者のほうから無視されている、そしてどんどんこれは売られている。こういうふうな取り締まりなんか、あなた方のほうで一定の点検なんかもされたことがあるのかどうか、この点ひとつお聞きしたいと思います。
#252
○説明員(飯塚良政君) ただいま先生のお話のこの当該車両は、十一トンのダンプカーでございますけれども、後軸が二軸で、その一軸はダブルタイヤで、あとの、いっとう最後の軸のタイヤがシングルタイヤということがこれが標準状態でございます。それで私どものほうは、新型審査の場合には申請によって行ないますので、その状況で審査をいたしまして、そうして検査証も発行するというふうなことにしております。ところが実際は、これはディーラーが車を販売する場合に、客の要望によってシングルタイヤの分をダブルタイヤにするという場合には、これは当然需要によってあり得ることでございますので、その場合には自動車検査証の記載事項が実際の車と違いますので、これは記載事項の変更手続をしなければ規則に触れることになるわけでございます。それが、していないということであろうと思いますし、またこれは、シングルタイヤをダブルタイヤにする場合には、こういう大きい車は相当重量が一つのタイヤでもいたしますから、当然最大積載量を変更しなければ車の安全性の確保という面からちょっとまずいということになります。その辺の手続をしないで、検査を実施してからあとでかってに変えているということでございまして、これは車の安全性の面から見ましても、それから検査行政の面から見ましても非常に好ましくないということでございますし、この点につきましては今後十分行政指導もいたしますし、また、監査も十分いたしまして遺憾なきを期したいと思っておりますけれども、すでにこの種の通達も一回ほどは出しているわけでございますけれども、実態がそういうふうなことでありますということになりますと、これはさらに努力をいたしまして、そういう状態のないようにつとめてまいりたいと思っております。
#253
○河田賢治君 そこで、警察のほうにお聞きしますが、いまはずいぶん、そうたくさんはないと思うのですけれども、そうしてまた私もたくさん荷物を積み過ぎてひっかかったということを弁護しようとは思いませんけれども、いまのお話のように、いろいろ検査のあり方、それから型式なんかも、一つだけはシングルで受けて、ダブルをつくるとか、いろいろなものを積めば当然もう二十トン以上になるわけですね。こういうものは、この場合にこれまでおそらく警察のほうでは積み荷が多過ぎたといって積み荷を減らす、あるいは罰金かけるとかということをおやりになったと思うんですが、まあ大メーカーがつくっているのだから車のほうはだいじょうぶだ、人間が悪いんだ、運送業者が悪いんだというような感じでおそらく大部分がやられていると思うんですが、あまり何といいますかな、交通のほうから見まして、そういうメーカーの車がいわゆる販売の規定よりも重くなっているということに目をつけられたことはありますか、ないでしょうか、その辺をちょっと聞かしてください。
#254
○政府委員(片岡誠君) 私ども、この自動車の検査証の記載事項が公正になされているものであるという前提に立って従来からずっと取り締まりはいたしてまいっております。したがって、記載事項に記入されている重量そのものに問題があって事実に反するということでは、はなはだ困った事態だと思います。したがいまして、この記載事項が正確に記載されているような行政努力を運輸省にもお願いしたいと思いますし、また、それに従ったメーカー、ディーラーの何と申しますかあり方ということを期待したい、かように思っております。
#255
○国務大臣(中村寅太君) 河田委員の御指摘は、私は最近の自動車の積載量が規定をオーバーしておるというところに指摘されている要点があると思うのであります。私もこの間、この委員会であったかと思いますが、お聞きしますと、やはりそういう不正な積載量を実質的には積んでおるというようなことが非常に多いというようなことを聞きますので、私は、最近の交通事故等から考えまして、警察としては積載量の適正化にきびしい規制を加えてまいりたいと思っております。
#256
○河田賢治君 そういう意味で警察に要望することは、積み荷が少々こえていたと、二十トンをね。これ問題が、はたしてこの積み荷によって起こっているのか、それとも自動車自体に、先ほど来から申しました、いわゆるいろんな必要なものを積んで、なおかつそれが超過するような状態にあるのか、これはまあメーカーのほうの責任が大きいですから、こういうようにひとつ分析して、すべての自動車やれというんじゃないんですよ。疑わしいところは、そういうひとつやはり搭載荷物について、あるいは自動車について、やはり別々な形ではかってもらう。そうしないと、メーカーというものは自分たちのつくったものは何でもいいんだ、運輸省が大体めくら判押していると、こういうようなかっこうで現に通っているわけですからな。したがって、そういう点で警察の喚起を私はやっていただきたい。
 それから公取の方、来ておられますか。一つ伺うんですが、先ほど来から言われておりますように、ここのカタログが十一トンの荷物が積めるといっているのですね。その運搬する人は十一トンも積めると思うから、最大限のですね、それで自動車のガソリンだとかタイヤだとか、こういうものはあまり念頭に入れずに十一トン積むと思うのですよ。悪質なものは別ですよ。そうすると、やっぱりこういう広告自体が、少なくとも本来のあれに反して、たとえばガソリンを積みあるいは予備タイヤ一つ持つときは大体これぐらいになるとかいうことで、荷は十一トンでなくしてちょっと減らしてもらえぬかというような広告でないと、この広告ですと十一トンはだれでも積めると思っちゃうんです。ですから、先ほど来から、十分な検査もされてないし、つまりダブルなんかですね、車輪をつけて、むしろ何ですか、型式指定を破った形の車もずいぶん出ておるわけですね。こういう問題についてあなたのほうは、まあこれ私は誇大な広告になるのか、あれが正しい広告でも私はないと思っている。ひとつこの点も、あなたのほう、十分各社のこういうものを取り寄せて、もう少し厳密にどんなに行なわれているかというようなことも調べて私はやっていただきたいと思う。そうでないと、多くの犠牲は運送業者、あるいは個人であり会社である。そして、これから起こるいろんな交通公害が始まるわけなんですから、この点も公取ではひとつ十分調査して、万一これが誇大のものである、あるいは実際と異なったものであるという場合、これは先ほどからだいぶお聞きのとおりなんですから、これをやはり認めてひとつやっていただきたい、これに対していかがですか。
#257
○政府委員(熊田淳一郎君) ただいまのお話を承っておりまして、確かに広告のしかたが、一般の消費者に対して実際のものよりも有利だ、優良だとかいうような認識を持たせるとすれば、そこには問題があるかと思いますけれども、これはやはり先ほど来運輸省あるいは警察庁のほうからお答えのように、まず規制のアローアンスといいますか、そういうようなものをもう少しはっきりしていただくということが第一に必要な問題ではなかろうかと思います。もちろん、一般消費者に有利あるいは優良誤認を与えることによって不当に顧客を誘引する、それによって公正な競争を阻害するというようなことがあるとすれば、これは不当景品類及び不当表示防止法の問題になると思います。しかし、ただいまのお話が直ちに景表防止法違反の問題になるかどうか、ちょっと私疑問な点もあると思うわけでございます。なお、しかしながら、この点は公取としましても十分に検討をさせていただきたいというふうに考えるわけでございます。
#258
○河田賢治君 これはもう最後ですが、とにかくこういうふうな問題で、若干の業者がすでに罰金をとられたりいろいろな損害を受けているわけです。ですから、運輸省も直ちにこの型式について必要な措置をとってもらう。十一トン積めなければ、これは十トン半しか積めないんだぞというように改めさせれば二十トンを超過しないわけです。したがって、広告なんかもそういうふうに訂正さすとかですね。それからまた、これにはいろいろな問題がありましょうけれども、そういう点は、損害を受けているわけですし、罰金をとられれば運送業者がみんな払っているわけですから、どうも型式指定をやられておるものを全部信用し過ぎたという点もあるのですから、この点は警察のほう、運輸省でも、十分ひとつこの問題が早く実際に即するように処置をとってもらいたい、こう思うわけです。
 以上をもって私の質問を終わります。
#259
○委員長(玉置猛夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#260
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#261
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 道路交通法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
 〔賛成者挙手〕
#262
○委員長(玉置猛夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#263
○寺本広作君 私は、ただいま可決せられました道路交通法の一部を改正する法律案に対して、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党各派共同による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#264
○委員長(玉置猛夫君) ただいま寺本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#265
○委員長(玉置猛夫君) 全会一致と認めます。よって、寺本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中村国家公安委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中村国家公安委員長。
#266
○国務大臣(中村寅太君) 政府といたしましては、ただいまの決議の趣旨を尊重いたしまして、万全の措置を講じ、御期待に沿ってまいる所存でございます。
#267
○委員長(玉置猛夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#268
○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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