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1971/05/30 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第19号
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1971/05/30 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第19号

#1
第068回国会 地方行政委員会 第19号
昭和四十七年五月三十日(火曜日)
   午前十時三十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     二宮 文造君     藤原 房雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         玉置 猛夫君
    理 事
                寺本 広作君
                増田  盛君
                占部 秀男君
                河田 賢治君
    委 員
                柴立 芳文君
                高橋 邦雄君
                原 文兵衛君
                神沢  浄君
                小谷  守君
                杉原 一雄君
                上林繁次郎君
                藤原 房雄君
   国務大臣
       自 治 大 臣  渡海元三郎君
   政府委員
       警察庁警務局長  浅沼清太郎君
       建設大臣官房審
       議官       小林 忠雄君
       自治大臣官房長  皆川 迪夫君
       自治大臣官房審
       議官       立田 清士君
       自治大臣官房審
       議官       森岡  敞君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○公有地の拡大の推進に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
  〔理事寺本広作君委員長席に着く〕
#2
○理事(寺本広作君) それではただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 本日、玉置委員長が所用でおくれますため、私が委託を受けましたので、暫時委員長の職務を代行いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○理事(寺本広作君) 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡海自治大臣。
#4
○国務大臣(渡海元三郎君) ただいま議題となりました地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及びその概要を御説明申し上げます。
 警察官、消防吏員等は、国民の生命、身体及び財産を保護し、公共の安全と秩序を維持するという任務を有しておりますが、この任務の遂行にあたっては、その生命、身体に高度の危険が予測されるにもかかわらず、職責上あえてその職務を遂行しなければならないものであります。ことに最近は、社会情勢の変化に伴い集団犯罪の凶悪化、災害の多様化を見ており、警察官、消防吏員等の職務遂行はますます危険性を帯びてきております。
 これらの職員が高度の危険が予測される状況のもとにおいて、その職責を遂行し、そのため公務上の災害を受けた場合には、公務災害補償上特別の措置を講ずる必要があります。このことに関しては、人事院から意見の申し出があり、この意見を受けて、国家公務員について国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を今国会に提出し御審議を願うこととしておりますが、地方公務員の災害補償制度につきましても、国家公務員災害補償法の改正と同様の措置を講ずる必要があります。これが、この法律案を提出した理由であります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一は、今回の措置の対象となる職員は、警察職員、消防職員その他の職務内容の特殊な職員で政令で定めるものであります。
 第二は、対象となる職務は、犯罪の捜査、火災の鎮圧その他の政令で定める職務であります。
 第三は、今回の措置は、これらの職員及び職務にかかる障害補償及び遺族補償について、現行の補償額に百分の五十の範囲内で政令で定める率を乗じて得た額を加算しようとするものであります。
 第四は、この特例措置は、昭和四十七年一月一日から実施することといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○理事(寺本広作君) 本案に対する審査は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#6
○理事(寺本広作君) 公有地の拡大の推進に関する法律案及び公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案を一括議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○上林繁次郎君 前回に引き続きまして、今回は職員関係ですね、職員関係の身分、こういう点についてお尋ねしてみたいと思います。
 現在ある地方公社は職員総数の二六・七%が地方公共団体の職員である、こういうふうにされておりますが、これの身分関係はどういうふうになっておりますか、この点について。
#8
○政府委員(立田清士君) 現在ございます私法上の地方公社におきます役員なり職員でございますが、これは地方公社全体の数字でございますけれども、土地関係以外の現在の地方公社も含めまして、役員数は約二万、職員数が約三万という数字になっております。そうしてこの役員なり職員――職員に限って申し上げますと、職員では地方公社自体が独自に採用しておりますいわゆる固有職員の方、それからもちろん任命は地方公社自体がやっておられるわけでございますが、職員がその設立されている地方団体から出ておりますものと、両方の種類がございます。そこで、地方団体のほうからそういう職員が地方公社に出ておりますかっこうといたしましては、やはり地方公社の業務自身が地方団体と非常に関係あるという観点からいたしまして、地方公社自体の活動がしやすいようにという配慮からそういう措置がなされておりますが、その職員の身分取り扱いにつきましては、それぞれの県におきまして、それぞれのくふうがなされておりまして、職員自身のその取り扱いにおいては、不利にならないような取り扱いがそれぞれ各県において考慮されておるわけでございます。したがいまして、その職員が地方団体から出ております分につきましては、いろいろな形の、その県による方式によって行なわれているというのが実態でございます。
#9
○上林繁次郎君 そうしますとね、今度この法律によってできる土地開発公社、この職員はどういうことになりますか。
#10
○政府委員(立田清士君) 今度この法律で、ただいま御審議をいただいております土地開発公社でございますが、土地開発公社は公法人でございますが、たてまえといたしましては、土地開発公社自身で任命をしていくというかっこうになろうかと思います。その場合において、土地開発公社自身でもちろん別個に採用する場合もあるわけでございますが、土地開発公社自身の仕事が従来と比較いたしまして、さらに地方団体の土地需要に対応していくという関係、それから、そういう意味では地方公共団体の、表現が適切ではないかもしれませんが、分身的な機能を持ちますので、そういう関係では、土地開発公社自身の業務を、本来の法律による目的の趣旨に適合するように発揮するためには、地方団体からの職員が地方公社の仕事に従事していくというようなことは当然予想されるかと思います。その場合におきまして、すでに公法人になっております住宅供給公社あるいは地方道路公社等の例もございますので、それぞれ従来の地方団体の実態を踏まえて、そういう地方団体から土地開発公社の仕事に行く職員については取り扱いがそれぞれの県でなされていくと、そういうふうに考えております。
 それで、一番実際に、その職員の身分取り扱いが、現実に私たちとしては、せっかく土地開発公社でそういう仕事をなさるわけでございますので、そういう意味では取り扱いにおいて遺憾のないよう、つまりそういう意味では不利になることのないように措置されるように、それぞれの地方団体でその取り扱いについて配慮をされたということを期待をしておりますし、また、そのように指導していきたいと、そういうふうに考えておるわけでございます。
#11
○上林繁次郎君 そうしますと、あれですか、いままでの形と全然変わりはないんだと、こういうことになりますか。
#12
○政府委員(立田清士君) 言い方があるいは少し大ざっぱかもしれませんが、大体従来と変わりないというふうに御理解いただいてよろしいかと存じます。
#13
○上林繁次郎君 そうすると、共済関係だとか労働三権の問題だとか、こういった問題はいままでの公社と同じ形で扱うということになりますね。
#14
○政府委員(立田清士君) 御指摘の点については、大体従来と同じようなかっこうというふうに私たちとしては考えていきたい、こう考えております。
#15
○上林繁次郎君 自治大臣官房企画室の「地方公社等に関する調べ」、こういうものがありますけれども、これで、この中のを検討してみますと、「地方公社の役職員の約三割が地方公共団体の一般職の職員であるが、地方公務員法上の正規の手続き」をとられずに違法の状態にあるなどの問題がある、こういうように指摘しておるんですが、それはいわゆる「地方公務員法上の正規の手続き」をとられずにという、「正規の手続き」というのはどういうことなのか。それからまあ「正規の手続き」がとられていないということであるから、いわゆる違法なんだと、こういうことだろうと思いますけれども、その点をひとつ御説明願いたいと思います。
#16
○政府委員(立田清士君) ただいま御指摘の点は、だいぶ前に私らのほうで調査した資料についての御指摘だと思いますが、一つだけちょっと申し上げておかなければなりませんのは、いまお読み上げになりました、その「所要の手続きが取られておらず、違法な状態である」という点は、確かに最初そういうようにこの資料にはございましたのですが、これは実は正誤――表現が多少原稿と印刷になりましたものと違うのでございまして実は訂正をいたしております。その訂正の内容は、いまの「所要の手続きが取られておらず、違法な状態であること。」、その部分につきまして「適当と思われない状態であること。」、そういう正誤を実は出しておりますので、あるいはお手元に参っておりますものには、正誤表があるいは入っていなかったかと思いますので、その点はまず申しわけないと思っております。
 そこで、ここでそういうことでございますが、つまり内容的には、現在の民法の、ここで言っております地方公社は土地ばかりでなくて、広く全般的に実はやっておりますので、現在御審議いただいておるような土地関係ばかりではなくて、非常に観光とか、そういうものを含んだ一般論として実は申し上げておりますので、そういう場合に、やはり地方公共団体によりましては、いろいろな手続をとっておられるところ、必ずしも従来そうでなかったところ、実はこの調査自体がある程度過去のものでございますので、そういう点について、実はそういうようなそれぞれ必要な手続をとっていただくことが必要じゃないかという意味でこういう表現になったかと思います。なお、重ねて申し上げますが、先ほどの点はそういうことで、したがいまして、原文自身をちょっと全体を読ましていただきますと、「地方公社の役職員の約三割が地方公共団体の一般職の職員であるが、地方公務員法上の正規の手続きをとることが困難なため、適当と思われない状態であること。」、こういうことが訂正いたしました結果のそういう文書になっておるわけでございます。
#17
○上林繁次郎君 そうすると、困難だからということで、あれですか、ということで、そのようではないということなんですか。
#18
○政府委員(立田清士君) この地方公社自体が、実は現在、従来のものはいわゆる民法等の私法上の公社になっておるわけでございまして、そういう意味では、地方団体との関係が必ずしも明確でないという点が基本にあろうかと思います。そういう意味で、現実には地方公社自身には、ただいまお述べになりましたとおり、また私から申し上げたとおり、三割方の職員が実際にその仕事に従事をしておる実態もございますし、またそういうことで、実際地方公社自身の活動が従来もなされておる、こういう実態があるわけでございますが、そういう際にこういうような私法上の法人でありますために、そういうところにどういうような地方団体――これは私らと申しますよりは地方団体のいろいろな御判断で、その辺にどういうふうなやり方をしていくかという点で、だいぶ私御苦心をされた点が実はあろうかと思います。そこで、むしろそういう意味で、今度のように公法人とする公社ということで地方団体の関係を明確にしていくことによりまして、そういう関係で、その辺に、実際に地方公共団体としまして、その地方公社自身の活動を充実していくといいますか、活動をしやすくするというような観点から、そういう意味では、従来と比べましてはっきりしてくるという点があろうかと思います。したがいまして、従来のものは、逆に申しますと、そういう意味では、いわゆる表面的には民間の法人ということになっておりますので、その辺に、実はここで申しておりますのは調査の結果の実態でございますので、そういう意味で非常に困難な状態があったのではないか。しかし、そのこと自体が必ずしもはっきりしていないという点では、必ずしも適当な状況ではないのではないか、こういうようなふうな調査の結果の記述になっている。そういうふうに御理解をいただいてはいかがかと思います。
#19
○上林繁次郎君 一つ心配な点があると思うんですがね。これはいままでの既存のいわゆる公社、これと同じいわゆる形で、人事についても同じ形でやっていくということか、その場合に、人事の交流なんという問題はどういうことになるのか。今度できる土地開発公社、この人事というのは土地開発公社という一つのワクの中で身動きがとれないような形に置かれるのか、あるいは、いわゆる市町村を舞台にしてそして自由に交流できる、こういう形になるのか、その辺はどういうふうに考えておられますか。
#20
○政府委員(立田清士君) 人事の点につきましては、実は役員と職員とは多少別であろうかと思います。と申しますのは、役員自身といたしましては、やはり公社自身の全体の運営について責任をもって選任されるわけでございますから、そういう意味で別であると思いますので、一応職員についてだけ考えてみました場合において、やはり人事の動きといたしましては、公社自体の中における人事の動きというのは当然あろうかと思います。しかし、その地方の土地開発公社自身の活動を充実していくという観点から、設立団体の、その地方団体の職員の応援と申しますか、ことばが必ずしも適切でないかもしれませんが、そういうことを実質的に求めざるを得ないという問題もございますので、そういう際には、やはりそこの設立団体の関係等を含めまして、そういう意味で、土地開発公社が真に地方団体の分身としての機能を発揮できるような観点から人事の交流ということも考えられてくるというふうに考えておるわけでございます。
#21
○上林繁次郎君 大体わかりましたけれども、なぜこんなことを言うかといいますと、人事の交流というものは、やはりこれははっきりしていませんと、どうしても小さなワクの中で定着してしまうということになると、若い職員の人たちも将来の希望というものが私は失われるという可能性が強いんじゃないか、こう思うわけですがね。ですから、その辺のところをはっきりしておかないと私はうまくないんじゃないか。うまくないというよりも、そこへ行くことそれ自体を、いわゆる拒否という問題も出てくるだろうかと思います。ということは、せっかく公社をつくりながらその運営が活発に、また効果的に行なわれない原因になってしまうんじゃないかというような心配もあるわけですね。その点を十分にひとつ気をつけてやっていただきたい、こう思います。私、このくらいでいいです。
#22
○政府委員(立田清士君) いまの点につきましては、全く御趣旨のとおり私たちも考えておりますし、その場合において、先ほども申しましたとおり、実際に職員の方は十分に心配なく活動していただけるというようなことで、個々の職員の方についての身分の安定等についても十分配慮していくようにしていきたいと、そういうふうに考えておるわけでございます。
#23
○神沢浄君 この前の質問に引き続いてですけれども、第一点として、ちょっとあのとき時間の関係でもって御答弁があまり十分でなかったような点もありましたので保留をしておいたのですけれども、それは届け出の分と申し出の分の税制の特別措置が不均衡になっておるという点について、私は、これは運用上均衡をはかるべきだということを特に強調をしてお尋ねをしておいたのですけれども、その点についてはっきりした御答弁を重ねていただいておきたいと、こう思うんです、大臣に。
#24
○国務大臣(渡海元三郎君) 前回も申し上げましたとおり、むしろ地方公共団体の行なうことでございますので、地方公共団体が事を実施していきます場合、むしろ住民の協力があって初めてこういうような問題も解決していくのじゃないか。その協力していただく、いわゆる強制的でなく協力していただくという体制に税制が恩典を与えることはできない、税理論では。強制だから特に税制の点において優遇するんだという税理論でございますが、その点、私たちの考えと異なります。いろいろ議論いたしましたが、税制の立場上、いままでのこの税が金額がふえ、また、税そのものが法律上設けられました等の経過等からながめまして、財政当局――大蔵当局と協議が一致するに至らず、やむなくこのような姿で提出さしていただいたような次第でございます。しかしながら、御指摘の点、私たちも重々御議論のとおりであろうと、こう思いまして主張してきたところでありまして、今後ともにぜひともそういった方向で努力をし、努力するだけでなく、近い機会に必ずこれを実現するということによって運営をスムーズにしていきたいと、かように考えておる次第でございまして、法律が発足いたしましたら、おそらく税制がなかったなれば、それだけ地方自治団体が何らかの形で協力願う方に税制にかわるものでお報いするというふうな措置がとられるんではなかろうかと思います。それらの実態を基礎にいたしまして、ぜひとも税制上同等の処置をしていただくように努力をいたすということをここで私からお述べさしていただいて、今後の努力を誓いさしていただきたいと思います。
#25
○神沢浄君 いまの大臣の御答弁、たいへん前向きでございまして、私もそれを信頼して了承いたしたいと思います。
 そこで、次にひとつ、私はこの法案をながめて最初から疑問に思う点なんですが、開発公社を設立させる、こう言うんですけれども、これは市町村ではできないわけですか、その点について。
#26
○政府委員(立田清士君) 市町村でもできるわけでございます。地方団体というふうな表現にいたしておりますので、地方団体である市町村自体もできるわけでございますが、その場合に市町村自体で、一つの地方団体の市町村がおつくりになるか共同しておつくりになるか、これはそれぞれの地域の実情によって御判断があろうかと思います。
#27
○神沢浄君 そういたしますと、市町村でできるけれども、特に開発公社を設立をさせるという点についての理由、これをひとつ説明をしていただきたいと思います。
#28
○政府委員(立田清士君) ちょっと私の答弁が不十分だったと思いますが、市町村におきまして土地開発公社をつくります場合に、実際に将来を見通しまして、たとえば一つの例として考えますと、都市周辺において、市町村において相当いろいろ今後の土地の需要があると、そういうようなことを見通してつくられるという場合があろうかと思います。そういう意味で、市町村でつくる場合もございますし、また今後は、逆に市町村で実際にいろいろ将来の土地需要に対応する方向といたしまして、たとえば御自分のところで、そういうところで、市町村でおつくりになるか、あるいは場合によりますれば、都道府県のほうの土地開発公社でそういう土地の取得をしてもらう、いろいろな方法がまたあろうかと思います。
#29
○神沢浄君 私が最初お尋ねしましたのは、土地開発公社の設立をするまでもなく、市町村独自でもってできないかと、こういうことをお尋ねしておるわけですけれども、その点はいかがでございますか。
#30
○政府委員(立田清士君) 市町村で土地需要に対応する場合に、やはり市町村みずから御自分で土地を取得されるということは当然あろうと思います。また、それである程度まかなえるという見通しでございますれば、そういう方向でひとつ市町村自身でおやりになる。したがいまして、その場合において、もしその市町村で御自分でも土地取得をやっていただく、あるいは相当長期を見通して、場合によれば市町村でもやられるほかに、こういうような土地開発公社によってある程度相当先の先行取得をしていくといったような場合もあろうかと思います。したがいまして、そこはやはり地方団体で御自分でまず取得される、それがどうであるかというようなまず御判断があって、その上で、やはりそういう土地開発公社がさらに必要であるかどうかというそういう御検討が実際にはなされると考えておるのであります。したがって、私どもの公有地拡大法におきましても、地方団体がみずからおやりになることについては、現在いろいろの仕組みがありますけれども、そのことはもちろん今後においても充実強化していく、こういう前提に立って、その上でただいま御審議いただいておるようなこういう仕組みを新たに加えていきたい、こういう考え方であるわけでございます。
#31
○神沢浄君 くどくなりますけれども、この法案に盛られておる開発公社を設立をして一つの機能を付与される。この法案でもって開発公社に付与されておる機能は、開発公社をつくるまでもなく、市町村自体が行なうことができるかどうか、開発公社でなければ、市町村ではできないという部分があるかどうか、そういう点を少し明らかにしていただきたいと思います。
#32
○国務大臣(渡海元三郎君) まあ市町村で行ないます場合は、おそらく予算で審議され、予算ということになりましたら財源のワクがございます。当然起債で行なう、まあ民間資金にいたしましても縁故債という形で許可をもらわなくちゃいけないというようなワクができてくるのじゃないかと思います。したがいまして、町村が先行取得するためには、先行取得債とかなんとかいったような事業計画外のものを先行して、特定の事業に予定していなくてもおおよそのことができるような資金の面等ができて、初めて市町村として行ない得るのじゃないかと、こう思いますので、ここに予定されておるようなことは、国の機関等の委託事務による公社の買い付け以外のことで、私は市町村が全部行ない得るものであろうと思いますが、そういうようなところに制限が起きてくるのではないかと思います。それからもう一つは、土地の売買でございますので、あらかじめ予算をとっておくというふうな姿でなくして、臨機応変にやっていかなければならないということから、概括的な事業計画といったものでもって迅速なる処理のできる土地開発公社のようなものがより事業を進展させることができる。そういうような実際上の問題から、いま自然発生的に八百四というものが、公法人ではございませんが、土地関係においても公社ができておる。そういった必要から生まれてきたのじゃなかろうかと思っております。八百四でございますから、県でございましたら四十六都道府県、いま沖繩を入れて四十七になりましたが、あとのものは全部これは市町村がやっておられる開発公社がほとんどがそうじゃないかと思いますが、そういった必要性から自然発生的に生まれたのじゃなかろうかと、かように考えますが、その自然発生的に生まれました私法人では、いろいろいままで御説明申し上げておるような欠陥がございますので、このたびそういった必要によって生まれた私法人の公社というものを、積極的にこの法案で公法人に切りかえるような法制をつくっていただくことによりまして、より適確な運営と実情に応じた活動ができるのではないかと、かように期待をしておる次第でございます。
#33
○神沢浄君 私がちょっと疑問に感じましたのは、出資は市町村による、債務保証も市町村がする、そうなりますと、わざわざ公社をつくらなくても市町村自体がやれば一向に差しつかえないならば、しかも八百四存在する既存の公社の中で、七百四十くらいの数がありましょうか、市町村の中で、これをこの際整理をするというようなねらいが一つおありになるとすれば、それは先ほどからの論議の中でも明らかにされておりますように、必ずしもこれを整理してしまうことはむずかしいというようなことになりますと、なおまた複雑化していくような懸念もあるのではないかというような疑問点が一つあるのですが、いまの大臣の答弁の中からうかがいますと、たぶん資金関係などの自由化を目ざすといいますか、そういう点があれば、その意味において理解をいたしますが、そうなりますと、公社になってまいれば、この資金関係というのがどのように自由化されてくるか、こういう点をひとつお尋ねしたいと思います。
#34
○政府委員(立田清士君) 土地開発公社になりますと、従来の地方公社と違いまして、公法人というかっこうになるわけでございますが、従来の地方公社につきましても、すでに御承知のとおり、相当の資金の運用を実はいたしております。いたしておりますが、さらに公法人になって、この法人によって相当公法人としての取り扱いがなされますので、そういう関係で、多少ことばは抽象的かもしれませんが、信用力の増大ということが実は期待されるわけでございます。そしてその結果、従来いろいろ量的にもあるいは資金の借り入れ条件等についても、はっきり申し上げればやや民間的な扱いに実は従来の公社でありますとなっておりますが、その点については、こういうかっこうで地方団体との関係も明確にされておりますが、その点の改善も実際に期待されるという問題がございます。これは一般の民間資金の関係でございます。
 それから二番目には、現在御審議をいただいておりますとおり、本年度の貸し付けワクは一応別といたしましても、今年度から新たに公営企業金融公庫の貸し付け対象にしていただくということになりますと、そういう意味におきまして、今後の新たな、従来の資金とはまた別な資金の増加ということが今後において期待されるという問題がございます。
 第三番目におきましては、すでに大臣からもこの前御答弁があったかと思いますが、この土地開発公社が、この法案が制定をされました暁におきましては、農協の系統資金につきましての員外利用の制限の緩和がこの公社にはかられる予定になっておるわけでございます。そういうようなことで、資金問題につきましては、土地の需要に対応しては相当な資金量が要るわけでございますが、その点については、なおそういう意味で、この土地開発公社が公法人化されてまいりますと、今後におけるこういう意味の資金の量の確保、あるいはすでに御議論もあったわけでございますが、資金等についてのいろいろな改善ということがしやすくなるという点があろうかと思います。
#35
○神沢浄君 そこで、たしかこの前、二十五日の委員会の際に、大臣の御答弁だったと思いますけれども、まあ前年度の需要が大体一兆八千億ぐらい、ことしの見通しについてはおそらく二兆円を下回らぬだろうというようなお話だったように記憶をいたします。そうなりますと、それじゃその二兆円という一つの見通しを持った、まあ資金対策といいますか、その調達の計画というようなものが、その際の御説明の中では公社関係が一兆円ぐらい、こういうふうにおっしゃられておったんですけれども、そうすると、いま公社でもって一兆円出すわけですね、それだけの出せるだけの状況にあるのかどうなのか。まあ一緒に出されております公営企業のほうの法案の改正案については、道路公社へも金を出しておるというようなことであったようですが、それは別問題にしましても、公営企業の金融公庫のほうから、それじゃ一兆円ぐらいのものはいわゆる開発公社のほうへ出せるような仕組みになっておるのかどうなのか。それから農協から借りると、こう言うんですが、これは農協のほうから残余の大部分の資金調達ぐらいは可能なようなことになっておるのかどうなのか、この辺を明らかに知りたいと思うのですが。
#36
○国務大臣(渡海元三郎君) 御承知のとおり、公社の設立の、最も資金的に公社が生まれてきました理由は民間資金の活用でございまして、結局民間資金から各県なり市町村なりが地方の銀行等を通じまして借り入れるという姿でございまして、公庫金融というものは本年度道路公社で五十億ですか、それから土地開発公社で十億というものを予定し、将来はこれを伸ばしていきたいと思っておりますが、わずかなものでございまして取るに足らないんじゃないかと思います。なお、私が事務当局から聞いておりますところでは、農協関係の員外貸し付け制限の撤廃によりましても、まず初年度は千億程度のものは期待できるんじゃなかろうかと、こう考えております。したがいまして、一兆円といいましても、その他の部分は大部分従来どおりの民間市中銀行等を通じての民間資金の借り入れということになるんでございますが、四十六年度の実績を見ましても、すでに七千億円を、今日の土地の買いつけをそれらの資金によって行なっておるという姿でございますので、まあ現在の金融の状態からながめましたなれば、一兆円という額も各地方団体の努力によりましてこれをこなし得るんじゃなかろうかと、かように考えておる次第でございます。ただ私たちは、力のある地方団体と力のない地方団体とで相当の違いが出てくるのじゃなかろうか、県の起債におきましても、公営企業をつくっておりますところの力のあるところのように、みずからの団体で市中公募を行なっておる地方債もございますので、そういった関係も顧慮しまして、
  〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕
力の弱い地方団体のために土地開発に対する資金的な公営企業金融、これにかわるようなものをぜひ設立することによって、資金面の拡充も得て、法制的にも公法人になるようなことによって推進できるんじゃなかろうかというように思いまして、そういったものの設立も当初は要望したのでございますが、なかなか新しい機関の発足ということはいろいろな面で困難な面もございまして、一応公営企業金融公庫――土地開発公社の行なっております事業の中で公営企業に相当する宅地造成、整地等の問題を公営企業金融公庫から出すと、まあ本年は初めてでございますから、十億ということになっておりますが、弱い自治体の資金源を、やはり中央において、いわば市中、公庫を一括して準備して貸し付けるような制度を何らかの形で今後は考えていかねばならないと考えておるような次第でございまして、今後ともこの点につきましては努力してまいりたい、かように考えております。
#37
○神沢浄君 そこで、援助の関係でもってどうもわからないことが出てくるのですが、いいのかもしれませんがですね。不動産業者ではないわけですから、民間から金を吸い上げて、そうして先行投資された金には利息がかかっていくわけですね。不動産業者なら、それを有利にさばけば幾らでもこれは恩恵はつくわけでしょう。ところが、そうでなくて、要するにただ先に買っておくということなら、これはおいおいと利息にでも追い立てられていかなければならないと思いますが、つまり市町村が最終的にはこれはもう保証責任ということになると、こういうふうな仕組みでもってはたして市町村で持ちこたえられるものなのかどうか、持ちこたえられないような場合にはどうしたらいいか、そういう疑問も少し解明をしておきたいと、こう思うのですけれども。
#38
○政府委員(皆川迪夫君) いろいろこの公社の運用、ことに財政上の見地からそういう問題を考えればいろいろあろうかと思います。お話のように非常に長期にわたりまして、何年先の需要かはっきりしないというような土地を先行取得する、これがなかなか持ちこたえられないのじゃないかということも、これはまあ設例をいろいろあげればあろうかと思います。しかし、ここで考えておりますのは、そういったもっと現実的に個々の自治体が自分のところの事業計画というものを頭の中に置いて、これはもちろん認定された計画ではなくても大体見当がつくわけでございますから、そういうものを頭に置いて、どうしてもまあ数年なりあるいは十年ぐらいまでの間に必要だと思われる土地をその判断において取得をする、現実に事業を着手する場合には、それを公共事業費のほうで見直していく。こういうことにいたしていくつもりでございますので、実際上の問題としてはそうむちゃくちゃな土地取得は行なわれない、極端な財政圧迫ということがないだろう。もちろん、財政上健全な運営を期待するならば先行取得そのものが否定をされてきまして、単年度予算で買うといういまの財政上の仕組みに立ち返ってくるわけでございます。これではなかなか事業が進展しないというところからこの公社を公認していく、こういうことに踏み切ったわけでございます。その点につきましては、財政運用上あまり極端なことはできないという限界はあろうかと思います。
#39
○神沢浄君 まあこの辺にも、私は、この法案の消極性の一端を感じざるを得ないのですが、一応の都市計画が構想をつけられて、必要な土地というようなものがおおむね明らかにされて、それだけを対象にしてやるんでしたら、こんなことをしなくても幾らでもほかに方法があるだろう。そうではなくて、いま企業なんかのいわゆる乱取得とでも申しますか、何といいますか、もうほとんど無秩序、無規制に襲いかかってきておるようなその情勢に対応して、公的な立場から、まあ一つにはこれは地価の問題にまでも及んでいくべきだとも思いますし、要は、一つの土地政策として考えていかなければならない意義が存在するのだろうと思うんです。そうであるからこそ、二千平米以上のものはその使途のいかんを問わなくてもというようなことになっているのだろうと思います。そうであるとすれば、やっぱりそれらの目的に十分対応できるような資金対策と申しますか、資金の関係の対応策というものをこれは用意してなければ、私はただ法の条文だけをきめてもあまり意味がなくなってくるじゃないかというような点を実は問題に考えるわけなんです。そんな点についての御見解はどうですか。
#40
○国務大臣(渡海元三郎君) この法律がいわゆる土地対策、地価対策そのものでありましたら御指摘のようなことが当然考えられ、資金的にも何にもそういうような意味から十分なものがなければその目的を果たすことができないということであろうと思いますが、この法律は、あくまでも地方団体の公有地の拡大でありまして、地方団体が公有地として使います土地が現在非常な取得難におちいっておりますので、それを円滑に実施し得るような、そのことが間接的に土地対策、地価対策の一環として好結果を及ぼすであろうと期待し、また土地対策、地価対策の閣僚会議におきましても、一つの法律だけでこれは解決することができませんので、いろいろな政策を総合的に実施することによって実施し得るその一つがこれなんだというふうに指摘されまして、その線に沿って出しておるのでございますが、この法律に定められておりますところの目的そのものは、いま申しましたような点でございますので、本来の土地対策、地価対策をこれによって全部期待しようというような御趣旨でございましたら、まだ消極的な面が御指摘どおりあることは当然でございますけれども、この法律によりましては、そこまでを直接には行なうものでございませんので、この程度にとどめたような次第でございます。しかし、民間資金の活用にあたりましても、その中には、単に地方公共団体が使用する分だけでなくして国が利用するものもございますし、また、地方公共団体が今後行ないます事業にいたしましても、その補助金となるものは国からいただくというふうな姿になりますが、その補助金とかあるいは国が買い上げるとかいうふうな場合には、現在では、先行いたしました開発公社の金利等につきましては、十分それを織り込んで補助金の基準単価を定め、あるいは、国が直接事業を行なわれる場合においては、その地価で買い取っていただくというふうにすることによりまして、公共事業に利用する際に金利負担を地方公共団体がしないように実施していくということの了解は、建設省を主といたしまして、各省庁との間に大体そのような運用をはかりたいと、こう思っておるような次第でございます。
#41
○神沢浄君 その辺で少し矛盾を感じざるを得ない。ただ、それを突き詰めようとは思いませんけれども、いまのような御趣旨であれば、まだまだ開発公社をつくるまでもなくて、市町村自体がやる範囲で十分これはもう可能である。開発公社を設立をしてやろうというには、やっぱりこれはもっと土地政策的な、それは地価対策にまで及ぶような一つの政治的な意義というものが考えられねばならぬのじゃないかとまあ思うわけなんです。その点をお尋ねをしているわけです。
 そこで、それに今度は関連をするわけなんですけれども、公社の場合は、そうすると必要な借り入れは自由ということになるんでしょうか。市町村の場合は、起債のワクなどがありましてなかなかやっかいのようですけれども、公社ということになれば必要な借り入れは自由にできるのかどうか、この点をお尋ねをしたいと思います。
#42
○政府委員(立田清士君) 土地開発公社が借り入れをいたします場合には、たてまえ上は自由だと思います。しかし、この土地開発公社がどういうような土地を買っていくかということにつきましては、いわゆる設立団体の地方団体との関係におきまして、毎年度事業計画等でいろいろ地方団体との関係の調整がはかられていく、こういうことになります。それからなお公社自体が借り入れをしますのにつきまして、この法律案にもございますように、債務保証の問題をできるようなことになっておりますので、そういう債務保証を行なうという場合においては、地方団体におきまして、やはりそのこと自体が予算の形におきまして議会の議決が要るということになりますので、そういう関係で、どの程度の事業においてどの程度の資金を必要としていくかということは、設立団体の地方団体との関係では、公社との間で意思の疎通がなされてくるということになります。そのもとにおきまして、そういう事業計画なりを公社として行なっていく際におきまして、その債務保証等も得られました場合において、そうして公社自体においてその資金をどのように調達していくかという点におきまして、借り入れの点では、公社自身でそういう努力もなされていくわけでございますが、ただいま申しましたように、公法人としての公社ということになりますと、その辺におきましても、従来と違ったひとつの信用力の増加といいますか、そういう点における今度は金融機関側の配慮も出てくるのではないか、そういうふうに考えております。
#43
○神沢浄君 ですから、いままでの御答弁を要約してまいりますと、公社ということになれば市町村とは違ってある程度かた苦しくないまあ運用が可能だと。そのかた苦しくない範囲というのは、やはり市町村の財政力を背景にして、そのワクの中でやるわけですから、いわば雰囲気的に楽になるという程度であって、市町村自体の場合と特別相違のあるものではない。こういうようになってまいりますと、どうもまだまだ公社を設立しなければならないという点が私は必ずしも明確にならないわけなんです。そこで、公社でやる場合は、たとえば市町村自体では起債などのワクづけなどでもって非常に不便だけれども、公社の場合ではそういう点がないから、ある程度これは自由にできるのかということになってまいりますと、それもいまの御答弁でもって必ずしもそうでないということになるわけですから、その辺がはっきりしないんですよ。それじゃなぜ公社でやらなければならぬのかというその理由が、どうも私ども不勉強のゆえかどうか明確にならぬ点があります。そうなりますと、一つの意見としましては、この公有地の問題を通じて、国なり県なりの立場からして、いい言い方をすれば一つの指導性といいますか、悪い言い方をすれば、いわゆる介入の範囲といいますか、そういうようなものをやはり強化する形として、法案にいうところの公社の問題が出てきておるのではないか、こういう言われ方もあるのですよ。あるいは、けしからぬというような気持ちにもなってまいるのでして、その辺はどうなんでしょうか。
#44
○国務大臣(渡海元三郎君) 法律にも何にもなしに、自然発生的に八百余りの公社が生まれるというのは、結局のところ、公社のない市町村等の実態をながめておりましたなれば、そのような土地を買うからという起債が無制限にないものでございますから、小学校の用地として予定するような場合は、大体その地方の農協あるいは銀行等から一時借り入れ金をもってやっておる、それで翌年度一般会計に広がる。しかし、翌年度それが行なわれないというふうなときには一時借り入れ金がそのまま残るという姿で、いわゆるやみ起債というふうな姿で運営されておった。そのやみ起債が焦げついて財政再建団体になったというふうなところが多々ございましたが、そういった面を、実際の運用面を、一般会計は一般会計とし、民間公社というものは民間公社で吸い上げようということによりまして、ときには、そういったところは県の公社に買い上げていただくというふうな姿で、一たんは県の所有地とするというふうなことで解決しておるところもございますが、発展的な市町村にありましては、地方公社をつくりたいというふうな要望から、県によりましては、最初のうちは、公社というものは県だけの公社にしておきたいというふうな傾向でございましたが、市側におきましてもそういうふうな要請があるしして、自然発生的に生まれたのが八百余りの公社じゃないかと、かように考えます。そういった状況から、現在自然発生的に生まれたものをながめておりましたなれば、公社そのものをつくりたいということがいけないことである、むしろ一般会計でやって、縁故債なら縁故債として、ワク外起債を認めたらいいじゃないかというふうな御意見もあろうと思いますが、現在の情勢をながめましたなれば、現在あるものを認めることによって、しかし、それだけでは地方団体との間、議会等の間において監督関係というものが非常に不明確でございまするので、むしろ積極的にこれを公法人として認めることによって、現在の実体を明確化し、しかも運用の妙を期し得るのじゃなかろうか、このように考え、公有地の拡大という法案にむしろ積極的に認めたほうがよいのじゃなかろうかというところから、この法案を出さしていただいたという姿でございます。なお、それなればそれとして、それに対する資金源等、中央においてもっと配慮すべきじゃないかという御意見は当然あろうかと思いますが、その点につきましては、先ほども御答弁さしていただきましたとおり、弱い自治体に対する分といたしまして、何らかの中央における資金措置というものをあわせて考えていかなければならないと、このように考えております。
#45
○神沢浄君 もう時間も過ぎてしまいましたから、最後に一つだけ。
 広域市町村圏とこの公社の関係というようなものは自治省ではどういうふうに考えておられるのか。広域市町村圏構想というようなものを一応土台に置いて、この公社の設立の指導というようなものをなされるようなお考えでいるのか、それとも、それとは全くこれは別の問題にしておられるのか、その辺をひとつ確かめておきます。
#46
○国務大臣(渡海元三郎君) 広域市町村圏とこの公有地拡大、特に地方公社というものは直接的な関係は全然ございません。しかし、広域市町村圏の中におきましても、おそらく土地開発公社を必要とするような地域があり得ることは事実であろうと思いますが、そういうふうな地域におきましては、むしろ地方公社というものが、一つの市でも、または共同してでもできる仕組みになっておりますので、広域市町村圏のような場合でしたら、広域市町村圏内に含まれる市町村の共同出資というふうな形で、広域市町村圏の中で二つも三つもの公社ができるのではなくて、一つは、共同出資のような形で公社がつくられるというふうな姿になるのじゃなかろうか。おそらくこれの認可に当たられる地方、県あたりの指導がそういうふうな姿になるのじゃなかろうかと、こういうふうに運営上考えておるだけでございまして、直接的な関係はございません。
#47
○河田賢治君 すでに他の委員諸君から質問がありましたので、できるだけ重複を避けて質問したいと思うのですが、公有地の拡大について、先ほど来からこの法案が非常に消極的なものである、つまり一定の土地に対して届け出をする、あるいは申し出をするという、いわゆる待った姿勢なんですね。しかし、公有地というものは、単に待つだけでなく、道路をまずつくらなければならぬとか、それからまた、いろんな公共施設、学校にしろ、あるいはその他の施設、これらを積極的にやはり住宅の建つ段階に合わして取得していかなければならぬのですね。ところが、畑のようなところはわりあいに簡単に手に入りますし、また、売りもするわけですけれども、水田地帯で、大都会のすぐそばの水田である、しかも市街化区域に入っている、こういうところでは、非常に零細な土地しか持っていないわけですね、一軒当たり。本人が売ろうとしましても、これはなかなかわずかな土地であるというので、たとえば学校の用地一つつくるにしましても相当な努力が要るわけなんですが、この公有地の法案によりますと、御承知のとおり、そういう積極的に買い入れるという、建設省でいま出しております大きな法案である土地の基盤整備ですか、ああいうふうになりますと、一応広大な土地を何らかの形で取得する。そうしていろいろ整備をして、その中に公有地も取得できるということになれば比較的やりやすいんですが、そうでない場合は、なかなか待っておるだけでは土地取得ができないという問題があるわけですね。こういう問題については、大まかにいいまして、一般的にいって一体どういうふうに考えておられるのか、ひとつ聞いておきたいと思います。
#48
○政府委員(小林忠雄君) 別途御審議を願っております新都市基盤整備法のようなものは一つの事業法でございますので、これは一定期間内に計画的に町づくりをしようということで、相当の資金量を用意し計画を立てて積極的に建設をするわけでございます。したがいまして、その土地取得につきまして収用権を認めているわけでございます。この公有地の拡大の推進に関する法律案のうちでも、この第三章の「土地開発公社」の関係につきましては、必ずしも受け身でなくて、積極的に公有地を先買いをしていくということになっております。しかし、第二章に限りましては、御指摘のように受け身のかっこうになっているわけでございます。と申しますのは、現実に事業が進みました場合には、最終的には土地収用という段階があるわけでございます。その前の段階におきましては強制的な先買い権というのが働くわけでございます。この法律の第二章で考えております先買いは、それよりさらに前の段階で、いつ事業をするかということが必ずしも確定しておらないわけでございます。しかし、いずれは公共用地として確保しなければならないという状態にございますから、これが何らかの権利移動が行なわれる。権利移動が行なわれるということは開発のために取得される場合が多いわけでございますから、公共施設以外の目的に一たん使われてしまいますと、事業段階においてこれを取得することに非常な困難が伴う。たとえば、そこに建築物等ができますと、さら地の場合よりもはるかに取得するのにも費用がかかりますし、また手間もかかる。また、その土地に家を建てた人も非常に迷惑するということでございますから、いわば相当長期先行取得ということでこの二章はできているわけでございます。すなわち、法律の体系といたしましては、この公有地拡大法の第二童の先買いが一番前の弱い段階で、いわゆるその次の段階で、事業のめどがついた段階では強制的な先買い権を行使する、さらに実際の事業に着手する段階になりますれば収用権を発動する、こういう段階になろうと思います。
#49
○河田賢治君 そういう段階もあろうかと思いますが、まだまだ大都市に近い町村なんかは人口もふえ、こういうところこそまた公有地の拡大で非常に先行を要望しているのだ。ところが、まだ、例の都市計画法に基づいてなかなかそういう基盤整備をやろうとか、あるいは都市の事業整備、区画整理をやろうというところが非常におくれているわけですね。しかもスプロール化では家はどんどん建ってくる。そういう場合に、必要な適当な場所になかなか土地が取得できない。現に東京あたりも、葛飾ですか、どこかあの辺で学校を建てた。そうすると県境ですね、埼玉県に近いところに建てた。さて、建てたは、学校に入学生が予定した半分くらいしかこない。歩いて四十分から四十五、六分かかるというわけですね。そういうようにやはり比較的計画的に都市計画を先行させませんと、そうしませんと、やはりなかなかこのスプロール化というやつを食いとめることができないというような事態が起こるわけですね。そういう点で、私は、一応この法案の非常に消極的な面で指摘されるわけなんですが、しかし、それにしましても、水田なんかはまあなかなか一町歩――一ヘクタールですな、を持っている人は非常に少ないわけですね。非常に零細なものがある。ですから、そこに予定しておりましても、最初に買っても次の人が売るまでにはいつになるかわからぬというような場合がありますから、何としてもやはり都市計画や何かでは、相当そういうことを先行させる行政的な指導や、大体人口の増加というものも見込まれますし、それから大体都市は、土地が安いところ、安いところとは言っておりますが、都市を形成する場合には、一定の農地、田畑をつぶしていかなければならぬ場合があると思うのですよ。ですからその辺は、やはり農民との納得の上で都市計画を早く先行させる、こういう指導が必要じゃないかと思うわけです。
 それで、次に一つ質問したいのは、宅地の開発につきまして、これは昭和四十二年六月ですか、いわゆる五省協定、「宅地開発又は住宅建設に関連する利便施設の建設及び公共施設の整備に関する了解事項」ということで大蔵、自治、建設、文部、厚生ですか、こういうので取りきめができておる。これはまだいまもあるわけですか。
#50
○政府委員(小林忠雄君) 現在でも有効でございます。
#51
○河田賢治君 そこで、この住宅公団が中心になって大規模な宅地開発をやり、住宅建設――原則として三十三ヘクタールですか、十万坪以上、または一千戸以上に対して小、中学校や幼稚園、保育所、それから下水道、都市公園、道路等々を義務づけて、これらの費用の負担、それから支払いに要する費用についての補助金の交付、地方債許可等を措置するということがはかられているわけですが、実はこの住宅公団の建てます都市で、その中の特に学校がひどいのですけれども、非常に基準というものが、国、地方自治体が要求しているものとははるかに異なってきている。これは非常に私は問題だと思うのですよ。これは千葉なんかをずっと私のほうで調べたのですが、千葉市は昭和四十一年以降急激な住宅開発が続いている。いま大体五十二万、五十二年には約百万人を見込んでいる。こういうのですが、この中で住宅公団が相当これまで開発してきたわけですが、ところが開発しまして、四十四年に二万四千人ですか、こういうところをはじめとして、四十一年もありますね。あやめ台、千草台、幸町とか、それからまた最近は、新検見川とか朝日ケ丘、ことしは東寺山ですか。四十八年になりますと鎌取、これは大きな、人口が九万五千になるというような、全体で十九万人の人口を擁するのほどの都市ができてくる。さらに五十年になりますと、東南部住宅公団が、やがて九万人の公団を建てられる見込みである、こういうことになっているのです。さて、こういう中で学校の――できるだけ問題を簡単にしますけれども、学校用地の面積が一戸当たり住宅公団では小学校がコンマ四五、中学校がコンマ二二人ですね。こういう基準に算出して用地を確保しているといわれているのです。これに譲渡価格も五〇%以上とかいろいろありますが、そのほうの価格はいま別にしまして、この学校だけについて申しますと、この基準でいいますと、実際にはどんどん若い世帯の人が入ってくれば、これはもう子供さんが非常に小さくて学校へは行かぬわけです。ところが、やはりだんだん年齢がたてば、小学校に行き、中学校に行き、やがて高等学校に行くというふうになりまして、人間がふえればそれだけ学校への入学者というものは非常にふえてくるわけですね。だから、現在の千葉県の教育委員会の調査では、小学生が一戸当たり、一世帯当りでコンマ八から一人ということになっていますね。中学生は大体これと同じようになっている。そうすると、住宅公団の基準からこれを比べますと、住宅公団の基準というものは実際の約二分の一だといわれております。住宅公団も自分たちの土地を、区画を整理して家を建ててしまう、学校用地は用地としてきちんとやってしまうということになりますと、学校をさて増設しようにももう土地を広げるわけにいきません。さて、その公団の住宅が建ちますと、周囲がまたずっとどんどん商人や他の人々がそこへ入り込んでくる。したがって、公団の付近が非常に早く開発される、地価も上がってくる。さて、人口のふえた、児童数のふえた学校をその近所に建てようとしても、これまた土地を手に入れることがなかなか困難にもなるわけですね。ですから、今日千葉市の教育委員会の調査、現実に調べた結果と、住宅公団の基準というものにこういう大きな開きがあるようでは、公団の中に公有地を取得するわけですけれども、地方自治体が満足な土地を得られないということになるわけですね、これでは。それで学校も、まあ普通あまり高い建物を文部省が要求しておりません。ですから、大体十八クラスくらいですか、八百人くらいを大体基準にしているのですね、指導要綱としましては。ところが、大きな学校になりますと千四、五百も入っているというような学校もあるわけです。私は埼玉のほうへ行きましたときに、大宮ですけれども、人数が多いので、学校の生徒を全部一度に休憩時間に運動場へ出すことができない、それで半分交代でこれは出していますね。それじゃ子供の発育にとっても非常な有害な学校になってしまうわけですね。その付近に農家がありますけれども、立ちのきを要求して、代替地を出す、家を建てるからと言ってもなかなか引っ越さないというわけですね。ですから校庭を広げるわけにもいかぬ、こういう事情があるわけですね。しかし、まあ住宅公団というのは、建設省の指導のもとに置かれる国の公社なんですから、これらが、まずきちんとこういう学校その他の公有地を確保できるようなやり方をやらなければならぬのじゃないかと思うのです。で、住宅公団というのは、やはり何といっても自分の土地をあまりほかへは渡したくない、できるだけ住宅の、家のほうに一戸でも多くとりたいというのは、これはまあ人情でしょうけれども、しかし国の機関なんですからね、公共施設に対しては十分ゆとりのあるような、こういう学校数を確保できるようにしなければならぬ。現在花見川団地でも四校ありますけれども、これは実際昭和五十二年になりますと、七校から九校、三校から五校不足すると言っているのですね。こういうようなことになりますと、なかなか今度は周囲にとろうとしましてもこれもできない。中ではもちろんできない、こういう事情があります。これに対して建設省のほうは、こういう住宅公団の、これは五省協定ではありますけれども、こういう問題についてどういうようにお考えになっているのか、ひとつ聞いておきたいと思うんです。
#52
○政府委員(小林忠雄君) 現在、大都市近郊の大規模な住宅団地を建設いたします際に、開発者側と地元市町村との間で一番問題になっておりますのは、御指摘になりました義務教育施設、小学校、中学校の用地取得及び建設の問題でございます。その点につきましては、五省協定が結ばれました当初におきましては、上物につきましては住宅公団が立てかえをして、事後文部省の補助金で、三年以内に市町村がこれを返還をする。それから土地につきましては、起債によってこれを取得する、こういうようなことになっていたわけでございますが、もう土地のほうの取得が非常に困難になりましたために、四十六年度から、文部省のほうから、土地につきましても、人口急増地帯につきまして土地についての補助金を認められたわけでございます。しかし、それでもまだ市町村の負担がございますので、五省協定外の問題といたしまして、大体住宅公団等におきまして、学校用地の二分の一を負担をする、これはもう全額持ち切りで負担をする、こういうことにしておるわけでございます。これによりまして、かなり財政的な問題は解決を見つつあるんじゃないか、もちろん十分でございませんけれども、かなり前進をしたと考えております。問題は、この小、中学生を一体どのくらい見込んだらいいかという見込み方でございます。先ほど住宅公団の基準としてお話がございました小学生は一戸当たり〇・四五人、中学生は一戸当たり〇・二二人という基準は、文部省の全国的な基準でございます。したがいまして、人口構成というのが各年代に均等に分布しております通常の市町村におきましては大体これでいけるはずでございます。しかし、問題になりますのは、団地というのはきわめて特殊な人口構成を持つというところに問題があるわけでございます。団地ができました際に、最初に入居いたしました場合には、子供の数がむしろこの基準をはるかに下回っているわけです。と申しますのは、住宅公団に入居をされる夫婦というのは、たいてい民間の一間のアパート等に住んでおられた方が多いわけでございます。こういう方々は、居住条件が悪いために子供を産むのを手控えていたという事情がございますので、住宅公団が調査いたしましたところによりますと、大体小学生は、先ほどの文部省の基準で申しますと、一戸当たり〇・四五人ぐらいいるはずでございますが、入居当初におきましては、大体〇・一人ないし〇・二人程度ということで、はるかに基準を下回っております。中学生に至りましては、これをまたはるかに下回るわけでございます。したがって、当初におきまして〇・四五人分をつくるというのは、当初の投資としては過大でございますけれども、これは大体六年ないし七、八年たちますとこの基準に達するというのがいままでの調査でわかっておりますので、その範囲内で用地の確保を住宅公団はしているわけでございます。しかし、御指摘のように、入居をいたしましてから、いままで抑制しておりました子供を一ぺんにまあ生産し出すという事情がございますので、ピーク時におきましては、御指摘のようにこの基準を相当上回るという現象ができるわけでございます。しかし、これが何年かたちますと、またそのピークを過ぎまして、かりにふえた基準でつくりました場合には、教室のほうに余裕が逆に出てくるというような異常な事態が起きるわけでございます。この点が住宅公団としてもありますし、地元の市町村としても非常に問題があるところでございます。しかし、現実問題として、ある年数入居してから、まあ入居してから七、八年から十年前後の段階におきまして、文部省の基準をかなり上回って児童数がふえているというのは事実のようでございますが、財政当局、具体的には大蔵、自治両省とこの実情に合ったような形にもっていくように現在折衝しておりますし、ぜひこういうことはなるべく早く実現にもっていきたいと考えております。
#53
○河田賢治君 前の私の話を裏づける千葉の小、中学校のあれで、文部省の学校適正規模というのが、小学校では面積が七千坪、四十五人の児童で十八クラスということを適正にしているわけです。千葉市ではこの七千坪を五千坪にしているわけです。それから四十五名の十八クラスを二十四クラスにしているわけなのです。ですから、文部省の言う十八クラスよりもさらに六クラス、三分の一多くしているのですね。そういう規模になっているわけです。そうしますと、用地にしましても、本来ならば文部省の規模を上回らなければならないのに、七千坪が五十坪ということになっているのですね。なるほど人口の移動、年齢や、それから人口の増加、出生率、これらによって多少の差は出てくると思いますけれども、しかし、そんなことをあまり先の先まで見通せるわけじゃありません。しかし、現実にはこういう問題が起こるのですから、こういう問題を、特に公団なんかがあそこに非常な大きな団地を今後どんどんつくられる、人口九万も入るような団地がつくられるとするなら、そこでは十分なこういう公共施設についてのやはり用地だけは確保する必要があると思うのです。現に、千葉市の課長さんあたりは、この問題でも、何か地方自治体ではできるだけ学校の用地ぐらいはただでくれというような要求もありますけれども、しかし、ここの方はこういうことも言っているのですね。少々金がかかってもいいと、全額これは払ってもいいと、しかし用地だけはこれは早く確保しておきたい。そうでないと、土地を途中で公団の中にも確保するところがありませんし、周囲だってこれもなかなかできないというので、もう費用のことはともかくとして、少々のことがあっても、われわれは全額でもいいからそれを買いたい、こういうことをおっしゃっているわけです。それほど用地を確保することが今日困難になってきておると見ていいわけだと思うのです。だから、今後住宅公団なんかは、特にこういう公共用地については、住宅を建てるのもこれは使命ではありますけれども、しかし、十分に公共用地というものを確保しなければならぬ。しかし、保育所やあるいはまた幼稚園ですね、これなんかもだんだん義務化になれば、これはやはり相当なところに、しかも居住に近いところにこれは建てていかなければならぬのですね、遠いところはなかなか通えませんから。そういう意味からいっても、こういう団地の公共用地というものは、まず、みずからこういう点は国が模範を示すような運営が私必要じゃないかと思うのです。
 それで、御承知のように、最近地方自治体は、とにかくいまどんどんどんどんと用地が、特に東京近辺、周辺は上がりますので財政的にもかなり困難です。ことしあたり若干人口急増市町村の用地とかあるいは学校の建築なんかについては改正ができましたけれども、それでも一カ年に三つも四つもわずかなところに学校どんどん建てるということはこれはたいへんな財政の問題になるわけです。坪なんかにしましても、いま二倍から三倍すぐ上がっちゃうという事態なんです一こういう点で、住宅団地の公共施設について、これ政府のいろんな機関の人々もまじって研究もしているわけなんで、一九七〇年代のことですけれども、いろいろ問題が出ておりますが、こういう点はひとつ改めるようにしてもらいたいと思うわけなんです。さらに、御承知のように、最近は横浜あるいは千葉等々、それから町田とか、住宅地の開発要綱というものを出しまして、とにかく公団はきらわれているわけですね。とにかく公団だけではない。公共施設がたいへんですから、そういう点からして、また、こういう急激な発展をするところでは公共、公益用地の原則というようなものをつくって、公益用地の提供価格、一平米三千円出すとか、あるいは何分の一を出すというふうにかなり規制を、住宅公団なんかやっている以上のことをずっといま地方自治体でやっているわけですね。こういうものについてはどういうふうなお考えですか。これは実際の要求から、どこでもこういう問題が出てきたわけですが、一応これについて御答弁願いたい。
#54
○政府委員(小林忠雄君) ただいまの大都市周辺の市町村の宅地開発指導要綱と申しますものは、これは実体面の評価と法律面の評価と二つあるわけでございますが、法律的に申しますと、この開発要綱と申しますのは、都市計画法によります開発許可の段階において、市町村がこれに条件をつけるという形で行なわれております。開発許可をする権限というのは知事にございますので、市町村は、本来は公共施設を将来管理するという立場で開発許可について意見を言うのが法律上の立場でございますが、実は、その公共施設の管理者としての意見を言う際に、開発許可申請書に、いろいろ要綱で条件をつけまして、市町村段階で握り込んでしまう、府県に進達しない、こういうことが実際でございます。都市計画法によりますと、一定の条件を具備した場合には許可をしなければならない。市街化区域内におきましては一定の政令、省令等で各種の公共施設の基準がきまっておりますので、この基準に該当した場合はむしろ開発許可するのが行政当局として義務づけられておりますのに、それ以上のいろんな条件をつけまして握り込むということについて、行政上の運営としては不当、場合によれば違法の疑いがあるんじゃないかというな問題があろうかと思います。これが法律上の判断でございます。しかし、実際問題として、市町村がそういうような不当、あるいは場合によれば違法覚悟の上でそういうことをやられますにはそれだけの理由があると考えております。これはやはり開発許可なりあるいは五省協定ができますのは団地の中だけの問題でございます。したがって、団地の中につきましては、一応開発許可なりあるいは五省協定等によって開発者がかなり負担をいたしますので、その点については一応目的は達せられますけれども、そこに人口がふえましたために、その地域の外における公共施設の整備費というものが非常に多額なものになるわけでございます。これはとうてい、従来の方式によりまして市町村財政で負担をするということがかなり無理になっておりますので、根本的にこれを開発者と市町村だけにまかしておくというのはいまや不適当ではないかと考えます。これに対して、財政上何らかの措置を国において講ずべき段階であると思いますので、自治省当局と相談いたしまして、早急にそういう周辺市町村の財政についててこ入れをしていただきたい。それ以外に根本的な解決の方法はないのじゃないか、こういうように考えております。
#55
○河田賢治君 とにかく問題は、事実からどんどん出発するわけですから、法律でそうきめましても、法律が時代おくれになるとか、さっと通せないというわけで、しかも地方自治体自身は、必要に迫られてそういう行動するわけですから、できるだけ地方自治体のそういう意思を反映するような方法で、やっていないところは、それでもやられるような行政指導も必要だと思います。そういうことをここで申し述べておきたいと思うわけです。
 さらに、公有地拡大法案の適用地域は市街化区域ということに一応なっているわけですね。開発公社自身は、これは調整区域でもいろいろな事業ができる。ところが、いま最近の土地開発を見ますと、だんだん東京周辺とかあるいは大都市の周辺は、もうかなり市街化区域として、土地会社あるいは不動産会社があまりもうからなくなった、また、大きな土地をすぐ入手できないということでだんだん調整区域に入ってきているのですね。私の調べたあれを一々読むわけにはいきませんけれども、たくさんな数が、最近のこの地域における不動産会社、調整区域に非常に大きな土地をどんどん手に入れて開発しておる。もう調整区域のほうにほとんど回っているわけですね。日高町ですか、ちょっと何ですが、日鉄不動産というのが百八十一万平米ですね、あとまた東急が六十六万とか西武が六十六万、こういう大きな土地を調整区域内でやっておる。それから飯能あたりでは全部調整区域で、西武なんか三百八十万というところを一カ所持っている。あるいは九十九万とか五十四万とか、こういうふうに何カ所にもわたって広大なものを持っている。これはみな調整区域なんですね。そういうふうにして調整区域へ手が伸びていく。これが住宅街を中心に建てられますと、この町、その周辺における少々の規制をやりましても、なかなか周辺の公共用地あるいは公共施設の投資というのは、その地域の町村あるいは市にとってもたいへんな金になると思うのですね。ですから、こういうところに一定の公有地の拡大に伴う、やはりまあ非常に大規模ならば、さっきあなたのほうでおっしゃったように、何万平米以上ならば、これはどういうような施設をつくらすということもある程度できますけれども、それをちょっと下回っているところ、そういうところがまあ多くなるのじゃないかと思うのですよ。そうしますと、もうそこでは学校用地なんかたちまちその周辺に――周辺ではなかなか不便だという場合もあるでしょうし、またいろいろ財政上の事情で土地がすぐに手に入らなかったという場合もあるわけですね。こういうように公有地というものがあまり市街化だけに区切られますと、いま民間資本が順次調整区域に乗り込んでそこで大きな宅地開発をやり出しているうちに、そこにおける公有地の問題というのは、相当その地域内あるいは地域の周囲に持てるようなやはり規制を何らかの方法でやりませんと、これは公有地拡大と名前はつけましても何か内容のないものになってしまうのじゃないか、そういうふうに考えますが、この点についてはいかがですか。
#56
○政府委員(小林忠雄君) 確かに、御指摘のような現象が市街化調整区域において進行しておるのは事実であろうと思います。そこで、この法律の第二章の先買いが市街化区域に限られているということとの関係でございますが、これは突き詰めてまいりますと、公有地拡大法のねらいとするところの法律の性格の問題にも関係をいたすかと思います。で、公有地拡大法の先買い等の制度が広く土地対策一般にまで広がるということでございますれば、いま法人が盛んに買い占めております地域等に公共が介入をするという必要があろうかと思うわけでございます。しかし、現在のこの法律案におきましては、一応公共施設用地を先行的に確保するという範囲に限っておりますので、都市計画法のたてまえから申しまして、優先的、計画的に市街化をはかるという地域が市街化区域とされております。これに反しまして、市街化調整区域は市街化を抑制すべき地域ということになっております。そこで、たてまえといたしまして、公共施設の計画というものは、市街化区域だけに都市計画をきめる、原則としては、市街化調整区域には大規模な公共施設計画というものを立てないたてまえになっております。これは市街化区域につきましては、市街化を促進するために基盤となる公共施設を先行的に整備をするというわけでございますし、市街化調整区域におきましては市街化を抑制する、こういう手段からいきましても、公共施設の整備というものを、むしろ意図的に手控えるという政策をとっております。そこで、この公有地拡大法が、都市の基盤となります公共施設の用地を先行的に取得をするという範囲内に限って先買いをいたすということになりますと、市街化区域の中に限られる、こういうことになるわけでございます。しかし、それでは市街化調整区域が全く市街化が認められないかと申しますと、例外といたしまして二十ヘクタール以上のまとまった開発について、県の開発審査会で認めたものにつきましては、例外許可として開発が認められるわけでございますが、この際は、必要とされるすべての公共施設をすべて開発者の負担において整備をするということが義務づけられておりますので、原則として、その開発によりまして地元の公共団体に多額の公共負担が生じないというたてまえになっております。そういうことから申しまして、市街化調整区域におきまして、かりに例外的に開発許可が行なわれるといたしましても、先行取得までして公共施設用地を取得する実益は、ただいまのところあまりないんじゃないかというように考えております。しかも、首都圏の周辺の各都道府県におきましては、調整区域の開発ということについては非常に現在抑制的な方針をとっておりますので、企業が土地を買い占めておりまして、これに対して開発許可の要請は非常に強いわけでございますけれども、各県の方針といたしましては、原則としてはあまり認めないということになっております。しかし、住宅需要あるいは土地需要等からいきまして、将来大規模開発についてかなりの開発を認めるという方向になりますれば、これに伴って最小限度、やはり公共施設というものが何らかの形で市町村の負担になることも考えられる。その段階におきましては、調整区域につきましても先買いということを考えなければならないのじゃないかと考えております。しかし、ただいまの段階におきましては、財源にも限りがございますので、一応市街化区域に集中的に投資をするというたてまえから、先買いは市街化区域に限ったわけでございます。
#57
○河田賢治君 とにかく、いま大企業、これはいなかのほうにもいま進行しておりますし、特に、この近辺は大企業はほとんどどんどん調整区域を買っているわけです、私、資料を持っていますけれども。だから、公共用地をできるだけそういうところではつくらないのだとかおっしゃいますけれども、住宅なんか建ったら、これには引き続いて学校とか、あるいは幼稚園とか保育所とか、あるいはちょっとしたまた健康や何かの問題ですね、いろいろ公共用地も必要になってくるわけですね、百万、二百万という大きな団地をつくり上げるわけですから。そうすると、やはりこれがいよいよつくられるということになれば、地価はまたどんどん周囲も上がりますし、それから乗り出したのでは、公共用地を取得するのは財政的にも確かに困難でしょうけれども、そういう問題が出てくるわけですね。大体こういうところで、そういうものが私的な資本の中で行なわれた場合には、それに応じた行政でなければ、やはり公共取得のできるような方法を講じませんと、これは調整区域はらち外だといって公有地の問題はあまりこう軽く見ておったのでは、このような時代に応じていけぬのじゃないかという私は心配をしているわけです。これからいろいろとこれらが開発されるにつれて、おそらく公共用地は、さらにまた一般の人民の生活水準やあるいは文化的な要求というものが高まれば、それに応じたやはりいろんな施設が必要になってくるわけですね。そうしますと、緑地をどうつくるとか、あるいはどの方面にはどうするという計画を地方自治体あたり相当前もってきめておいて、そうしてそういうところの私的な資本は、まず開発はやめさすとかなんとかしませんと、これはどうにもならなくなっちゃうのじゃないかと私は思うわけですよ。いま適用区域がこういう市街化区域にだけにとどめられておるということ、それから非常に受け身の姿勢の公有地の拡大であるのだから、本来的な、これは建設省で土地の開発についての積極的な基盤整備をどんどん打ち出すとかなんとかすれば一定の公有地の確保はできると思いますけれども、しかし、これをやらぬ限りは、地方自治体のサイドで開発公社をつくりましても、なかなか有効な働きはしないというふうに私たちは考えております。そこで、いま地価の公示制は、これはだいぶんいまお調べになっておるので、この間四月一日の官報に出ておりましたが、あれが完了いたしますのはいつなんですか。
#58
○政府委員(小林忠雄君) ただいまの予定では、四十九年の四月一日に市街化区域全域に完了する予定でございます。
#59
○河田賢治君 そうすると、現在この法律がすぐ発布される、直ちにそういう問題が起きてきたというときに、まだ公示の調査などができていないような地域ではどうなりますか、基準にするというのは。
#60
○政府委員(小林忠雄君) これは地価公示法におきまして、公共事業用地取得については公示価格を基準にしろという規定がございます。しかし、ただいままでの地価公示の実施では市街化区域の中の七割程度しかおおってないわけです。したがいまして、その残りの部分につきましては、基準にしろといっても実際は従わない。したがって、そういう場合には不動産鑑定士等の評価によって適正な買収をするということになろうかと思います。
#61
○河田賢治君 それでは、次に開発公社の問題に入りますが、開発公社は、市街化区域では公示制によって一定の基準があるわけですが、それ以外のところを買うというのはやはりその辺の時価ということになってしまいませんか、調整区域などで買う場合。
#62
○政府委員(立田清士君) 土地開発公社が、いわゆる市街化区域以外の調整区域あるいはそれ以外の地域があると思いますが、その場合において、土地を取得いたします際の価格につきましては当然相手方との協議の結果によると思いますけれども、その場合、やはり基準とされる価格というのは時価等を中心にしたものになると思います。しかし、土地開発公社が公有地としての土地を確保するわけでございますので、やはりその価格につきましては、従来の地方団体のその周辺におきます土地の取得の状況、あるいはそういうものも十分に参考にして適切な価格を協議によって求めていく、こういうことになろうかと思います。
#63
○河田賢治君 一部の、あるところでは、住宅供給公社ですね、あれなんかも若干土地の造成をしたり、それから同時に建築もして住宅を供給するという仕事をやっていたわけですね。この開発公社が今度認められるとなると、これはもう全然仕事は分離する予定なんですか。
#64
○政府委員(小林忠雄君) 住宅供給公社は住宅の建設というのが主目的でございますが、これとあわせて、あるいは別個に宅地開発もやはりできるようになっております。現在におきましては、住宅供給公社がかなり土地の造成もしているわけでございますが、今後の問題といたしましては、土地開発公社のありますところにつきまして、直接土地を取得するか、あるいは土地開発公社を通じて取得するかというのは運用の問題でございます。法律案の内容といたしまして、この法律案の第二条の第二号におきまして、「地方公共団体等」、こういう定義の中で、「政令で定める法人」という規定がございますが、この「政令で定める法人」の一つといたしまして、地方住宅供給公社を指定するつもりでございますので、先買いにつきまして、知事が、これは住宅地の開発あるいは住宅建設に適当だと考えられる場合におきましては、土地開発公社を通じないで、直接地方住宅供給公社が先買いの主体になるということを予定しております。
#65
○河田賢治君 この公社については、先買い、買収行為等定款で定める一応の事業計画、こういうものは議会の議を経るわけですが、これの事業の内容とか、それから損益計算書、これは議会へ報告するということになっているわけですね。しかし、議会の報告だけでなく承認は必要ないんですか、この辺をひとつ伺っておきたいと思います。
#66
○政府委員(立田清士君) 土地開発公社の毎年度の事業計画あるいは決算に関する書類等につきましては、この法律が制定されました暁においては、政令におきまして、そういう議会に提出する義務を義務づけるように地方自治法の施行令を一部改正する予定にいたしております。その場合におきまして、そのやり方としましては、現在の住宅供給公社と同じような仕組みで議会に提出を求める、提出をするということにいたしております。ただ、その提出されたものを通じまして、いろいろ議会の御審議はあろうか思いますけれども、形の上において、その承認というようなかっこうはとらないということにいたしておるわけでございます。
#67
○河田賢治君 住宅公社や開発公社、これは十分法定されていなかったという事情もありますけれども、地方で非常な汚職があったわけですね。住宅公社なんか近年、ここ三、四年の間いろいろ問題があった。とにかく千葉の住宅供給公社なんかは、何ですか、三人が逮捕されて、それで何千万円という金をちょろまかしたとか。あるいは大阪府の住宅給供公社が用地買収で甘い汁を吸い、公社の副参事が去年の十月ですか逮捕されているとか。あるいはまた埼玉県の住宅給供公社も汚職で甘い汁を吸ったとか。これは私一々言いませんけれども、とにかくこういう事件が東京にも起こっておる。それからまた、御承知のとおり、東京都の住宅公社でも汚職がずいぶんあって、いわゆる汚職天国だといわれるほどのことが行なわれておる。あるいは長崎県の開発公社で三億円の使途不明があったとかいうので議会で問題になったり、あるいは大分県でも開発の問題で、木下さんですか、前の知事の奥さんなんかが用地を買収しておったとかというような問題があったわけですね。いろいろこういうことを起こしているわけです。これが公法人となる前にしましても、自治省としてはこういう問題について、なぜこういう公社で汚職が起こるかという点についてどういうふうにお考えになっておるか、これまでどういう指導をなさっておったか、この辺を少し、全般的にでもけっこうですから、一々の事例で私は問いませんけれども、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
#68
○政府委員(立田清士君) ただいま御指摘のとおり、従来の地方公社の中で、運営においていろいろ適正を欠き、あるいは問題のある事例があったことも事実でございます。それで、その点につきましては、従来私法上の法人ではございましたけれども、いろいろ運営について、極力その適正な運営をはかるような指導は従来もはかってきておったわけでございますが、ただ、ことばがあまり適切でないかもしれませんけれども、従来の地方公社につきましては、いわゆる一つの私法上の法人になっている関係もございまして、もちろん設立されても、主たる設立団体になっておられます地方団体におきましても、そういう点についての十分な配慮はなされておったとは思いますけれども、なお地方団体との関係が明確でないような点がそういう場合に出てきておったわけでございます。そこで、従来もちろん私らのほうでも、いろいろそういう点につきましての一般的な適正な運営についての指導あるいは注意の喚起等行なってきたわけでございますが、必ずしもこれが十分に行なわれていたかどうかという点については、なお私たちとしても反省をしておるところでございます。そこで、今度の場合は公法人にいたします結果、そういう意味で地方団体との関係が明確になってくると思います。さらに、土地開発公社としては、公有地拡大のための重要な役割りをになうわけでありますので、そういう意味で、公社に対しますいわゆる監督等の関係の規定も法律上明らかにしていくということがなされておるわけでございます。
 それとともに、先ほどお話がございましたとおり、その公共団体との関係におきましても、たとえば議会との関係におきましては、土地開発公社の設立あるいはその後における定款の変更等も議会の議決事項になりますし、それから先ほど御指摘のございました、いわゆる毎年度の事業を行ないます場合に、当然土地開発公社としては事業計画をつくるわけでございますので、その事業計画を通じての、あるいは一年ごとの決算における決算の状況等、そういうものを通じましていろいろ議会の十分な御審議をいただくという問題、それからさらに公社自体がいろいろ資金の借り入れをします場合に、多くの場合、地方団体の債務保証ということがこの法律でもできるようになっておりますが、そういうふうな債務保証を通じて実質的に公社自身に対しての内容の御審議ということもあるわけでございまして、そういうわけで、この法律において公法人にいたします結果、さらに土地開発公社の運営の適正あるいは万全をはかっていくようにしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#69
○河田賢治君 だから、私は単なる報告だけでなく、それが議会によって承認されなければならぬということを強く主張するんですよ。と申しますのは、何といいましても、こういう公社というものが、現に住宅供給公社は公法人になっているわけですね、前から。それでもなおかっこういう問題が、しかも、わりあいに高い地位の者に起こっているわけです。議会なんかで監視の目が光り、そこでガラス張りにされるような運営がなされないと、どうしても県の仕事とは別個な一つの自分たちの事業をやっているんだというような感じがあれば、そこの理事長なりあるいはそこの事業をまかされている人は、何と申しますか、自分が親方で、かってな仕事ができるんだというようなそういう考えを持ちやすいわけですね。ましてや、比較的いろいろな官庁なんかにいて長い間そういう気風がついておりますから、すぐそういうところへ行くと気のゆるみが出てしまうというふうなことですから、どうしてもこれは議会などでちゃんとチェックをして、そして公然と議会の中へ運営の状況がガラス張りにでき、そこで十分事業に対する批判を受ける、そしてその問題についての決定をしてもらう、こういう態度でなくちゃ私はならぬと思うんですよ。なるほど知事がしっかりしておれば、ある程度目がきく場合もありますけれども、なかなかそう万全な知事さんがどこも一〇〇%いるわけじゃないんで、また汚職というものも、必ずしも全部が全部なくなると思いませんけれども、しかし、最小限こういう公社、しかも一般の住民に対していろいろな公共施設を取得してこれを貸していく、あるいはくれていく、そういう事業をやっているわけですから、いわば国民の間から指弾されないような仕事をやはりそこはしなくちゃならぬと思うんですよ。そういうことが欠けておって、こういう開発公社なんかが特に土建業者やいろんな請負業者、こういう業者との接触が強まるでしょう。そうすると、そういうところにいろんな汚職のあれができるわけですから、できるだけ議会がこれに対して関与していく、こういう方式を承認という字句を入れてそういう運用をすべきだというふうに私たちは考えます。その点は、また政令や省令などで相当この辺は考慮していただく必要があると思います。
 それから、これは事務的な問題になると思いますが、開発公社、ここでは余裕金は全部これを積み立てておくということになっていますね、金が余った場合。ところが、鳥取市の開発公社ですね、金が余った、ところが毎年市に対して一定の金を寄付しているんですね。四十六年ですか三千万円、四十五年もそれぐらい寄付しているんですね。しかも、住民の間から、工場用地のほうはうんと安く売っている、そして住民に対しては高う売っている、それで利益が出ている。そして、そのうちから市のほうへ公社は寄付をしているわけですね。また、自治体のほうも、今度はこれぐらい要るだろうからよこせというふうなことで金を取り上げている、こういうことが報告されているわけです。今度のこのあれでいきますと、経費の中へ入れるのかどうかこれはわかりませんけれども、損益計算書の中へそういうものを入れないとしたら、当然これはこの法案でいきますと積み立ててあれするということになるわけではないんですか。どうなりますか、この辺は。
#70
○政府委員(立田清士君) いま御指摘の点はこの法律案の十八条の関係になろうかと思います。十八条におきましては、土地開発公社自体の財務についての規定を置いておるわけでございますが、この財務の規定は、いわゆる公法人としての公社としての一つのやり方の方式を規定いたしておるわけでございます。そこで、この法律案の四項におきまして、そこにございますとおり、「毎事業年度の損益計算上利益を生じたときは、」、もちろん前年度からの赤字等がございますれば欠損を埋めまして、そうして、なおそれ以外の残余がございますれば準備金として公社自体でそれを積み立てていく、こういうような方式を想定されておるわけでございます。したがいまして、この公社自体の財務につきましては、そういう意味で、一般的に十八条の七項にもございますとおり、六項までに規定する以外については「主務省令で定める。」、こうなっております。その主務省令におきまして、公社自体の財務の適正化をはかるようなひとつの省令の定め方を、多少技術的な問題になりますが、していきたい、そういうように考えております。
#71
○河田賢治君 もう一ついまの問題、鳥取開発公社ではこういうことをやっておる。ことしの、四十七年の公社の事業計画で十九億円にのぼる事業計画の中に、市が新調した小中学校の机やいすの購入費三千二百万円が組まれておる、この中に。市が公社への債務負担行為で五年払いにすることから行政責任を公社にすりかえておるという批判が出ているわけです。ですから、開発公社というのはいろいろなことをやっておる。単なる開発だけではない、学校のつまり設備費ですね、いすや机とかこういうものまでも予算の中に入れてそうしてそれを納めておる、こういう債務負担行為の中にこれを加えていく。これでは地方自治体自身が責任を持ってやらなければならないことを公社のほうに何でもまかしていく、こういうことになっているわけです。こういう運用が、やはり現在の公社の中にいろいろな問題が私はあると思う。だから、現実には開発公社などいま八百余ありますけれども、自治省はいま力を入れてこの現実を調べてみる必要がある。新しい出発なんですから、こういうくされ縁を早くなくしてしまって適当な措置をしてそうして発足しませんと、こういうことが習慣づけられると地方自治の財政や地方自治自体が私は危険なものになると思うんです。この点について、ひとつこの問題に関する大臣の御所信を伺っておきたいと思います。
#72
○国務大臣(渡海元三郎君) いま地方財政運営につきまして、現在の運営が、公社の運営におきましては私法人である関係上御指摘のようなルーズな部面があるという御指摘でございますが、そういうような点は厳に戒めなければならないと思っております。今回の自然発生的に生まれました私法上の公社を公法上の公社とする理由も一つはそこにあるのでございますので、切りかえにあたりましては、十分そういった点調査いたしまして、今後そのような安易な何といいますか地方財政運営が行なわれないように厳に指導してまいりたい。切りかえにあたりましては、そういった実情につきましても十分調査をして善処させていきたい、かように考えております。
#73
○委員長(玉置猛夫君) 両案に対する本日の審査はこの程度にとどめます。
 これにて散会いたします。
   午後零時四十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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