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1971/05/23 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 内閣委員会 第13号
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1971/05/23 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 内閣委員会 第13号

#1
第068回国会 内閣委員会 第13号
昭和四十七年五月二十三日(火曜日)
   午前十時五十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十二日
   辞任          補欠選任
     岩間 正男君     星野  力君
 五月二十三日
   辞任          補欠選任
     星野  力君     岩間 正男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田桃太郎君
    理 事
                町村 金五君
                鈴木  力君
                水口 宏三君
    委 員
                黒住 忠行君
                源田  実君
                世耕 政隆君
                田口長治郎君
                土屋 義彦君
                長屋  茂君
                細川 護煕君
                山本茂一郎君
                足鹿  覺君
                上田  哲君
                山崎  昇君
                沢田  実君
                峯山 昭範君
                中村 利次君
                岩間 正男君
   国務大臣
       外 務 大 臣  福田 赳夫君
       国 務 大 臣  江崎 真澄君
   政府委員
       防衛庁参事官   鶴崎  敏君
       防衛庁長官官房
       長        宍戸 基男君
       防衛庁防衛局長  久保 卓也君
       防衛庁人事教育
       局長       江藤 淳雄君
       防衛施設庁総務
       部長       長坂  強君
       防衛施設庁施設
       部長       薄田  浩君
       防衛施設庁労務
       部長       安斉 正邦君
       外務省アメリカ
       局長       吉野 文六君
       外務省条約局長  高島 益郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
   説明員
       外務省アメリカ
       局外務参事官   橘  正忠君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国の防衛に関する調査
 (国の防衛問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 国の防衛問題に関する件を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○鈴木力君 最初に、最近、特にベトナム戦争が、米軍による北爆あるいは機雷の封鎖、こういう形で激しくなってまいったあとに、日本にあるアメリカの軍事基地の、基地内においての行動なり現象なり、そういう変化について、政府が把握しておることを一応説明していただきたいと思います。
#4
○国務大臣(江崎真澄君) 防衛局長から申し上げさせていただきます。
#5
○政府委員(久保卓也君) 資料として、先般御要求もありましたので差し上げることにいたしておりますが、初めに沖繩と本土と二つに分けて、初めには沖繩から申し上げますと、嘉手納につきましては、KC135が当初十三機ないし十五機と見込まれておりましたが、最近四十五機ないし五十機程度にふえておるようであります。そしてKC欄の動きが活発化しておるということで、さらにC5AギャラクシーやらC141の輸送機の発着回数もふえているというふうに見られます。またF105の一スコードロンが嘉手納におりましたが、これは四月二十七日までに米本国に撤退をいたしております。それから普天間については、隊員の外出制限をいたしておりまして、ヘリコプターの出入も活発になっております。またホワイトビーチ、艦艇の基地でありますが、入港艦艇がふえておりまするし、ここからの人員、給油、弾薬の積み込み等が行なわれております。それから牧港の第二兵たん部、これについては、先般全軍労の長期ストで混乱をいたしておりましたが、その業務を動員体制によりまして作業を始めております。それからキャンプ・ハンセン及びキャンプ・シュワブにつきましては、海兵隊の動きが活発化しております。先般申し上げましたように、第七艦隊には通常二個大隊が乗船をしておりますけれども、現在二個大隊が乗船していると見込まれております。なお二個大隊と申しますと三千名でありますが、支援部隊も含めまして約五千名が第七艦隊の艦艇に乗船していると見られております。それからSR71、これは数日おきに偵察飛行に出ているといわれておりまして、機数についての変更はございません。また第七心理作戦部隊及びいわゆるグリーンベレー、この二つについては、格別動きはないように見ております。それから那覇空港については、海兵隊の動きが活発化しておりまして、訓練も強化されておりますが、岩国から那覇に、いわゆるクロスカントリーと申しますが、交代して訓練に行くわけでありますが、そういったものは現在おそらくべトナムに行ったと見えまして、F4あるいはA4などの訓練は現在は那覇では行なわれておらないというふうに見ております。
 それから本土でありますが、横須賀について見ますると、第四及び第五のドックの返還の再延期が先般きまったわけでありますが、この艦艇修理、造船修理所では、米艦艇がベトナム沖に集結しております関係上、逆に仕事がなくなっていると見ております。週刊誌などではかえって忙しくなったというふうに書いてありましたが、われわれのほうではむしろ逆に仕事がなくなっているんではないか。そこで、そういう理由で三日間の連休を実施しているというふうにいわれております。また横須賀への米艦船の出入りは、三月が二十八隻、四月が十七隻、五月は、十九日まででありますが、十三隻になっております。それから横田の基地については、C5Aの飛来がふえております。機数は数機程度だと思いますが、明瞭には把握しておりません。それから岩国につきましては、C141約四十機によってベトナムへ兵員、物資の空輸が行なわれておりまするほか、先般も申し上げましたように、F4あるいはA4の航空部隊及び支援部隊が岩国から沖繩あるいはフィリピンを経てベトナムに行っておると見込まれております。それから厚木については、米軍機の発着の数はおおむね横ばいで、格別の変化は見られておりません。三沢については、米軍機の発着あるいは部隊の配置、兵員の増減、基地の運用など格別の変化は認められておりません。なお、ことしの七月以降におきまして基地管理部隊の機構が縮小される見込みであります。
 以上です。
#6
○鈴木力君 あとでもう少し詳しく伺いますけれども、長官に、いまこの説明を聞いただけを見ましても、日本にあるアメリカの軍事基地がベトナム戦争と直結している、こういう見方がこれは私どもは正しいと見ざるを得ないのであります。長官としてはどうですか。
#7
○国務大臣(江崎真澄君) 在日米軍がベトナム戦争の激化によって緊張をしておる、確かにその事実はあると思います。全体としては、先般の内閣委員会でも申し上げましたように、さほど大きな動きはないというふうに私ども見ておりまするが、沖繩の基地につきましては、いま説明がありましたように相当動きが激しい、これは否定することができないと思います。そういうふうに見ております。
#8
○鈴木力君 これはさほど大きな動きはないという長官の見方、これは大きいということがどういう規模を大きいと言うか小さいと言うかによってこれはまあ解釈はそれぞれあると思いますから、したがってさほど大きな動きではないという長官の御答弁に一々文句をつけるつもりはありません。ただしかし、いま非常に大きな問題になっているのは、飛行機が飛んだ数の大小ということよりも、日本にある米軍基地が、たとえば安保条約の協定の趣旨なりあるいは交換公文の趣旨なり、そういう趣旨の――政府が国民に説明をした趣旨ですよ、これはあとでいろいろ伺いますけれども、そういう趣旨で心配がないんだと言っているにもかかわらず、こうした行動が国民に非常に大きな心配を与えておる、あるいは不安を与えておる、これだけは間違いないと思うんです。したがって私は、これはわかり切ったことを伺いますけれども、いままでこういう心配がないんだと政府が一貫して答弁をされておるのに、こういう現象が出てきておる。それを日本の政府として処理できないということがほんとうのことどこにあるのか、それをぶちまけてひとつ御答弁いただきたいと、こう思うんです。
#9
○国務大臣(江崎真澄君) もともとがアメリカとは信頼関係に立っておりまするので、向こう側がいろいろ日本に要求する問題も、妥当なものについてはこれはあとう限り受け入れると、了承をすると、こういうたてまえになっております。しかし事前協議の問題は、わが国が関係のない国際紛争に巻き込まれてはならぬわけでありまするから、これはやはり的確に巻き込まれるか巻き込まれないか、わが国に危険が及ぶか及ばないか、このことを十分察知しながら判断をして、ノーと言うべきものはノーと言う、これはやはり実行されなければならぬことであるというふうに私どもは考えております。したがいまして、いずれあとから御質問に出るでありましょうB52等々の問題につきましても、これはやはりこういうことがたびたび繰り返されることは望ましくないことだというふうに思っております。
  〔委員長退席、理事町村金五君着席〕
#10
○鈴木力君 だんだん御質問申し上げていきますけれども、先ほどはまあさして大きくないという御答弁で、それから今度は、日本の軍事基地は関係のない戦争に巻き込まれないという御答弁ですね。そのことばの限りにおいてはそのとおりだと思うんです。だから問題は、もうこの種の問題は、そういう長官の御答弁はおそらく政府の統一された解釈に基づいた御答弁だと思いますが、その解釈が正しいのか正しくないのかという議論をしていかないと、おそらくこの問題は解決しないのではないだろうか、解明ができないのではないだろうか、こういうふうに考えます。
 したがいまして、私はまず、いま御答弁をいただいたような趣旨を一応の一つのものさしとしておいて、あとでまたそのものさしが是か非かは私のほうも多少意見を持っておりますけれども、そのものさしに、いま局長から御答弁をいただいたような現象がものさしにびっしり合っているのかどうかですね、これは政府がそういう答弁をした以上は、ものさしに合っているという解明をする義務があると思いますから、そういう意味で、私はこれから若干の御質問を申し上げたいと、こう思うのです。
 まず、B52もありますけれども、だんだんB52の質問を申し上げますが、その前に、たとえばいま報告の中になかったと思いますけれども、最近の新聞なんかにも盛んに出ておりますのは、佐世保の軍事基地がここ一週間ぐらいの間にさまざまな具体的な動きが出ておる。それから、広島県の呉の基地から砲弾を積み込んだ。これがベトナムに直接行ったということもニュースとして流れておる。局長は、大きな変化があるといういまの御答弁の中に、まず、私はどうも人が悪いんでありますけれども、この二つをあえて答弁からはずされた意図は何なのか。
 それから、もしそういう意図がなければ、この二つの佐世保と呉の、いま私が申し上げたようなことについての事実関係についてまず御説明をいただきたいと、こう思います。
#11
○政府委員(久保卓也君) 私が申し上げましたのは、第一線部隊が配置されているところでありますので佐世保は入れるべきでありますが、具体的に把握しておりませんでしたので、きょうの段階では間に合っておりません。
 それから、たとえば相模原でありますとか広、秋月その他の弾薬庫などについては、施設庁のほうから答弁いたします。
#12
○鈴木力君 はい。
#13
○政府委員(薄田浩君) お答えいたします。
 秋月でございますが、私のほうはこの施設を提供しておるというふうな面からの把握しか実はできておりませんので、その面から御答弁申し上げます。
  〔理事町村金五君退席、委員長着席〕
 御承知のように秋月につきましては、広弾薬庫と秋月弾薬庫がございまして、ここでわれわれはその全面海面を制限海域にしておるという、そういう関係で把握した情報でございますが、そのうち特に秋月につきましては常時制限になっておりまして、米軍から当庁に対する通知は、当然行なわれておりません。そういう意味で、直接私のほうが把握したわけじゃございませんが、私のほうの局を通じまして、呉の海上保安部、あるいは国内業者が荷役をやります場合は港則法の規定で、やはり海上保安部に届け出が行なわれると、こういう関係になっておりますので把握しておりますが、やはり四十七年度になりまして相当隻数がふえておりまして、積み込みで、これはまあそのほうの情報でございますが、二万四千トン、積みおろしが一万六千トン、計約四万トン、こういう概数をつかんでおるだけでございます。
#14
○鈴木力君 佐世保については具体的に情報が入っていないという御答弁でありますから、まあやむを得ないと思いますが、これはちょっと話が、といいますか御質問がそれるかと思いますけれども、こういう種類の連絡は、どこが責任を持って連絡を受けるか、あるいは米軍の動きや何かについても連絡を受けて、それに対してのいろいろな検討をするというセクションはどこになっているのですか。
#15
○政府委員(久保卓也君) これは実は厳密に申しますと、情報収集上は穴を生じていると私は思います。つまり米軍の日本本土におけるあるいは沖繩を含めましての活動状態、運用の状態を常に掌握しておる役所は実はないと思います。で、私どものほうは実は自衛隊の配置、装備、編制、その他に関する情報を集めておる。したがって、またそれに関連をして、一般的な国際情勢という範囲内で情報を集めておる。その中に米軍も当然入りまするし、日米安保体制という基本がありますので、それに必要な範囲内の情報を集めるということで、具体的な個々の活動状況というのは実は把握されておりません。したがいまして、どういうふうにやるかと申しますると、問題が国会で取り上げられるたびに、現地の部隊に問い合わせをいたします。ところが最近は、非常に政治的な問題にも関連をするようになってまいりましたので、大使館を通じてやってほしいという要望が参ります。そうしますると、外務省、大使館のルートを通じて問い合わせる。われわれのほうも可能な限りは、いろいろな情報を駆使し、また公開あるいはその他、われわれの知っておる範囲の情報を整理をしまして、ここで御報告しているということで、その点で、常に隔靴掻痒の感をお受けになると思うのですが、結局、ぴしゃっとした担当官庁がないということではなかろうかと私は思います。
#16
○鈴木力君 外務省では、こういう情報を、米軍の日本の基地を使っての動きについての情報収集のルートなりあるいはそういうセクションはありませんか。
#17
○政府委員(吉野文六君) この点はすでに久保局長が指摘したとおり、われわれも網羅的にアメリカ軍の行動につきまして、情報収集しておる機構はございません。ただ御存じのとおり、政治的に日本側に関心のある、たとえば潜水艦の入港とか、あるいは特別に関心のあるB52ないしはP3の飛行機等の基地内の移動その他につきましては、アメリカ側が日本国民の特殊な感情を考慮して、われわれに事前に連絡してくるわけであります。
 なお、特殊な問題につきましては、そのつど外交ルートを通じて先方に照会をすると、こういうことでございます。なお、御承知のとおり、安保条約及び地位協定によりまして、事前協議の対象とならない事項につきましては、アメリカ軍といたしましては、基地内の移動、ことに基地内の移動は、これは自由に行ない得るわけでございますから、したがって、その範囲内においては、先方は特にわがほうに知らしてくる義務はないわけでございます。もっともこのようなことは公然と行なわれているわけでございますから、われわれがそのような情報を独自の立場からとろうと思えば、これはもういつでもとれる態勢にあるわけでございます。
#18
○鈴木力君 私が、いまそれをお伺いしましたのは、これは政府の判断と、われわれの判断とは基本的に違うからそういうことになるかもしれませんですがね。たとえば佐世保の基地が、いまもうベトナムと直接結びついているでしょう。ベトナムの戦争の動きと正比例をして、いま具体的な数字は要りませんが、佐世保の基地に対する艦船の出入りというものが高まってきておる。しかも出ていくものは、やはりどうしてもベトナムとの結びつきが非常にはっきりしておるわけですね。そういうようなことについて、日本の政府自体がいまのところはそういうシステムになっておるといえばそれまでの話でありますけれども、それでいいのかどうかということをまず一番先に私は問題にしたいと思うのです。いわば、米軍の基地を日本が認めた場合に、安全保障条約を締結をした場合に、あるいは交換公文なり地位協定なりによって米軍の基地を認めたというときには、政府が口をすっぱくして――いつの幾日にだれが言ったということを繰り返しはしませんが、あのときから今日まで、一貫して政府が国会でも答弁し、あるいは国民にも談話の形でも言っておるのは、米軍の基地があるけれどもそれを日本の政府は野放しにはしていないのだという説明をしておったと思うのです。野放しにはしていないのだというその説明がいまのような機構で納得されるのかどうかということを、私はいま点検をしてみる必要がある、あるいは検討してみる必要があると思う。それは、おそらく安保条約を締結あるいは改定をするときには、現在のようなベトナム戦争――もっともその途中にも一ぺんありましたけれども、北爆というのが。こういう形でいま出るということを予想していなかったかもしれない。しかし予想していないにしても、少なくともいま局長からずっと御報告をいただいたように、沖繩だって本土並みになったと言ってるのですから、そうならなければいけないわけでしょう。沖繩にもそういう動きがある。それから横田がきわめて大きな動きがある。あるいは佐世保にしても呉にしても非常に大きな動きがこう出てきておるわけです。これが沖繩と結びついている。それを、巻き込まれない範囲では平気でございますと言っているところに、どうも私は政府の基本的な姿勢に――まあいままではそういうたてまえでやってきたと思うからそういう解釈できたと思うけれども、そういういままでの態度にメスを入れる必要があるかないかということを、ここで議論をしてみたいと思う。これはどうも防衛庁長官に伺うのが筋かどうかわかりませんけれども、まあ政府から、しかも関係ないわけじゃないはずでありますから、防衛庁長官にまずこの点をひとつお伺いをしてみたいと、こう思います。
#19
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は確かに重要な問題だと思います。ただ米軍としましては、やはり日本の憲法、置かれておる特殊な軍事に対する考え方というものをよく知っておる。で、そういうたてまえで、日本の基地で、アメリカ軍といえども従来のかってなふるまいといいますか、自由なふるまいはとれない、そういう認識に立っておる。このことが友好関係のやはり基調をなす考え方だというふうに私思っております。
 それから、基地を提供いたしまする以上は、やはり基地の内部はこれは米軍が管理するところでありまするし、それについては信頼関係に基づいてあまり立ち入ったせんさくはしない。これは国際儀礼の上からいいましても当然なことであろうと思います。しかし、いまさっき御意見がありまするように、もともとニクソン大統領が生まれます経緯を見ましても、ベトナム戦争というものを早く終息させる、これも一つの大きな理由であったと思います。また沖繩返還ということも、政治的にはそれが決定されるときに、おそらくベトナムの争いも終息を見ておるであろう、こういう背景を考えながらあの話し合いが進められた。それが先般の返還の時期でもあったのではないかと思います。しかし予想と反しましてベトナム戦が逆にエスカレートするというようなことを見ましたのは、いかにもふしあわせなことだと思っております。したがって米軍の基地が従来にも増して、特に沖繩の基地が使用される、これは想像にかたくないわけですし、また現実にもそういう傾向になっております。したがいまして、政府としましては、国民的な不安を除去することが何といっても大事なことでありまするので、現在では極端なあらわれはないというふうに私どもは考えておりますが、今後とも国民的な不安を醸成するような事態が沖繩の基地に起こるという場合には、これは一々取り上げまして、外務省を通じて大使館筋との話し合いなり何なりというルートで注意を喚起する、また好ましくないことについては、これは自重、自粛をしてもらうという場面もあろうかと思います。当然こういうことについては十分国民世論の動向等をながめまして、かりそめにも国民に不安や動揺ということのないように配慮をしたいと思います。
#20
○鈴木力君 どうもくどいようですけれども、私は政府のいう、米国との信頼関係に立つのだ、これを否定するつもりもございません。ただ信頼関係に立つのだということを終始一貫説明をしておる。それならば、米国にしても信頼関係を裏切らないような行動を日本側が要請をしていなければいけないのではないかということなんですね、ほんとうを言いますと。だからこの限りにおいては、もちろんいま長官が言われたように、基地内の、基地にいる米軍の行動を、基地内におけるさまざまな動きについて、一々疑惑の目で見たり、どうこうというような拘束をしたり束縛をするということは、信頼関係にある両国間については望ましいことではない。これは私はその点はそのとおりだと思います。しかし、その基地を利用して基地の外に出る場合はどうか。これはだんだん事前協議の解釈がどうかというところと関係があると思いますけれども、いきなりそこまではいかないにしても、米国と日本が信頼関係にあるということをほんとうに柱にして、政府がそういうことで、長年こういう政策を続けてきているなら、その信頼関係は国民にも信頼関係を持たせる義務があるわけです。ところが米軍が独占しておる基地内の行動はそれはいいとしても、基地を一歩外に出て国民の目の前で行動する場合に、それも基地内の行動だからという考え方でやっていることが、しかもあけてみればそれはベトナム戦争と結びついているのだ。まあ法律や条約の解釈のしようは別にあるにしても、ベトナム戦争と結びついていることは間違いがない、先ほど聞いた範囲におきまして。そしてベトナム戦争については国民が重大な関心を持っておるわけです。そのときに、信頼関係があるから、米軍の行動について一々聞くということがこれは望ましくないという態度をいつまでもとっていいのかどうかということです、基本的に。私はそういう点から、今日までの政策を改めるべきではないかということをいま言っておるわけです。具体的にはこれから若干また申し上げますけれども、まず基本的に私の考え方についての長官の御答弁をいただいて、それから進みたいと、こう思います。
#21
○国務大臣(江崎真澄君) おっしゃる点は確かに私重要だと思います。したがいまして、さっきも申し上げまするように、このことによって国民的な不安が醸成される、国民にも動揺がくるというようなことがかりそめにもあってはなりませんので、今後疑惑を招くようなことがたび重なれば、当然安保協議委員会なりしかるべき機関を通じて話し合いをする。まあ現在の段階ではこの程度までは認められるのではないかというふうに考えます。まあその辺は見解が分かれるかもしれませんが、それにしても、いろいろ疑惑があれば果敢に外務省を通じて真相を究明し、また相手に注意を喚起する、これは当然のことだと思います。
#22
○鈴木力君 これ以上はあまり議論をするつもりもありませんけれども、どうしても私は先にこの質問をする前提は、こういう一連の米軍の行動が、ベトナム戦争とからんで国民はきわめて重大な関心を持っており、もう不安な目をもって見ておるという認識に立っておる。それから、政府は、この程度ならば何でもないという認識に立っておる。この認識の違いだと思いますけれども、しかし、いま、たとえば最近の連日の新聞の報道を見ても、少なくとも国民はこの程度ならだいじょうぶだと思っておるというふうな判断に立つことが、私は間違いだと思うんです。あるいは統計をとって、国民の何%とかという議論で、あるいは、いまの政府の得意のところでありますけれども、第一党で絶対多数を占めておるのが国民の代表だという解釈に持っていくけれども、しかしそういう解釈に持っていっても――こんな話は言いたくない話ですけれども、そういう話であれば、佐藤内閣に対する支持率は五分の一以下に減っておる。だからどの面から見ても、いま国民がこの問題に重大な関心を持っており、不安感を持っておる、このことだけは認めないで、現状は心配がないんだという見方でいくとすれば、これは私はきわめて重大な問題だと、こう思います。これは、私の意見としていま申し上げておきます。
 そこで、具体的に、いま信頼関係にある日米関係なんですけれども、やっぱり私は、B52ですね、これについてももう少し具体的にお伺いしたい。大体、B52がどうこうというようなことは、もういまさらここで議論する必要がないわけでありますけれども、少なくとも、沖繩でB52というあの飛行機が今日までに犯した重大な問題が二つある。
 一つは、直接沖繩からベトナムに例の渡洋爆撃といいますか、戦略爆撃をやっておるという、あの戦争行動があったということ。もう一つは、事故を起こして、沖繩県民にたいへんな不安を与えたという過去の経験を持っておる。もちろん、あのB52、あるいはいまのKC135とか、その他の大型の飛行機が来ることによっての、沖繩の県民生活に与える影響というものも非常に大きいわけです。だが、そのB52が沖繩にこの間三機入ってきた。着陸をして五時間で飛んでいったんですが、その間の連絡はどういう連絡があったのかを伺いたいわけです。
#23
○政府委員(吉野文六君) 御存じのとおり、五月二十日午前八時十分から十七分の間に、爆弾を搭載しないB52三機が、西太平洋地域における悪天候に由来する燃料不足のためということで、嘉手納飛行場に緊急着陸いたしましたが、これらの三機が着陸するおよそ一時間前、すなわち七時十分ごろでしたか、われわれのところへ、アメリカ側すなわち府中から電話がございまして、こういう事情で緊急着陸するからよろしく頼むと、こういうことで連絡がございました。それから、その後、これらの飛行機は、午後零時五十分ごろだと思いますが、全部飛び立ったということを、また再びわれわれのほうに通報してまいりました。
 大体以上が先方の通報であります。
#24
○鈴木力君 最初に、これは、政府の、外務省の説明という新聞記事でありますけれども、悪天候のために飛来したと、こういう説明を外務省がした事実はありますか、ありませんか。
#25
○政府委員(吉野文六君) これは、アメリカ側がそういうような説明をいたしまして、われわれも、それをそのまま情報として伝えたと、こういうことでございます。
#26
○鈴木力君 それで、外務省としては、B52の飛来ということを好ましいと思っておるんですか、好ましくないと思っておるんですか。
#27
○政府委員(吉野文六君) B52は、御存じのとおり、かつて沖繩に一時的に常駐したことがございまして、その間に事故があったとかいろいろ問題がございまして、いずれにせよ、沖繩地域の住民の感情及び日本国民全体の感情からいたしましても、このような飛行機が沖繩の基地におることは好ましくないと、こういう強い気持ちを持っておりました。そして、そういうような関係もありまして、御存じのとおり、B52は二年ぐらい前に沖繩の基地を出たわけでございます。その後、台風等の原因で、一時緊急避難ということで数機飛来したことがございますが、これについても、やはり沖繩地域の住民の強い反発もありまして、また、それでなくても台風のための緊急避難だということでございまして、その原因がなくなり次第彼らは飛び去ったわけでございます。
 今回の件につきましても、われわれとしては、沖繩周辺の悪天候のための緊急着陸だと、こういうことでございましたから、人道的な見地からこれを拒むわけにはいかないと、こういうような気持ちでございましたが、やはり一刻も早く飛び立ってもらいたい、こういうことを先方にも申し入れまして、先方も、そうでなくても、緊急着陸であるから給油し次第出ていくと、こういうことで今回も出ていったわけでございます。
#28
○鈴木力君 これも直接私はまだ気象庁に聞いておりませんが、もしここで政府が認めなければ、気象庁に来てもらって説明をしてもらわなくちゃいけないのですけれども、気象庁の、新聞なんかに出した説明では、当日は、グアム島並びに南洋地区では台風も何もなかった、B52が飛べないような天候状態ではなかったと説明をしております。こう報じられておりますけれども、この点については、外務省は調査しましたか、しませんですか。
#29
○政府委員(久保卓也君) 気象関係だけ私のほうで調べましたので、私から御答弁いたしますが、当日の気象関係は、中部太平洋といいますか、南太平洋といいますか、グアム周辺は好天であります、高気圧であります。そして不連続線が、日本本州の南から、台湾、それから南中国、海南島の北にかけて出ております。当然沖繩がその中に入っております、不連続線の一環に。そして、気象の関係は、海南島の東海上に低気圧がございます。それから、南に、特に本州の中部地区の南、ここも低気圧がございます。そしてこの前線帯――先ほど不連続線と申しましたが、この前線帯の南約百キロ、北約五百キロ付近では雨となっております。
 まだありますけれども……。
#30
○鈴木力君 大体わかりました。
 そこで、いまの局長の気象条件の説明ですね、われわれが聞いておるのも、いまの局長の説明と近い。グアム島から南洋の天候は、気象は好天であった。そして逆に日本本土側のほうに、本州側のほうに悪天候の条件が出ている。不連続線はその下にある。そうすると、気象条件のために沖繩に着陸をしたという説明にはならないですね。気象条件が悪いほうに飛行機が来て着陸をしておるということになる。そして、よいほうには行かないんです。こういうことで、私はどうしてこれを政府が納得したものかどうかということを言っているんです。私はさきに、外務省にB52が来ることが望ましいか望ましくないかということを最初に伺ったのは、それはもちろん、沖繩時代には施政権がなかったのですから、直接どうこうと政府は言えなかったという説明は成り立つわけですね。いずれにしても、しかし、あのころにB52が来たんですね。その経緯を見ておって、今度また、一時間前に気象条件が悪いから沖繩に着陸をさせますぞという連絡があったときに、その気象条件がどう悪いかをいち早く日本の政府は調査してみて、そしてそれはそちらに行けないはずはないから、グアムに戻ってくれとどうして言えないのか。あれだけのことをやったB52を、騒がせたB52を、アメリカが気象条件が悪いからというから、緊急着陸だから、燃料がないからといって、はいはいとどうしてそれを受けなければいけなかったのか、その点を外務省からもう少し詳しく聞きたいですね。
#31
○政府委員(吉野文六君) この点につきましては、われわれも先方に問い合わせたわけでございます。で、御存じのとおり、B52はグアムへ向かっていく途中でございましたから、何も燃料がなくならない限りはまっすぐグアムへ飛んでいけるはずでありますし、わざわざ嘉手納におりてきて人騒がせする必要もなかったと思いますが、おそらくわれわれの想像では、沖繩周辺の天候不順のために沖繩周辺における空中給油ができなかったのじゃないか、したがってその関係から緊急着陸をせざるを得なかったんだろうと、こういうように想像する次第でございますが、その後、二十日の日の午前九時、インガソル大使もわざわざ福田大臣を尋ねまして、やはり緊急着陸をせざるを得なかったということを説明に来られたわけでございますが、その際、先方も沖繩県民のB52に対する気持ちは十分知っておる、米側も好んで嘉手納の飛行場に着陸したわけではないんだと、これは事情やむを得ず、油がなくなったから着陸したんだと、こういうことを申しております。
 なお、御存じのとおり、B52のような大型の飛行機になりますと、やはり爆弾を積んだり、あるいは満ぱいで着陸はできないわけでございますから、当然着陸するには着陸するだけの理由があったとわれわれは考える次第でございます。
#32
○鈴木力君 あのね、これから私が質問をするのは、日本の政府として日本国民に答えるという姿勢で答弁をしていただきたいわけです。よろしいですか。
 私がいま聞いておりますのは、たとえばB52が沖繩に着陸をした、これの発表が何となしに気象条件が悪いからしかたがなかったんだという報道でずっと報告をしていこうとしたわけですね。しかし調べてみると――いまの答弁がほんとうだと私は思うんですよ。要するに気象条件というのは、沖繩周辺の気象条件が悪いんだ。したがって空中給油ができないから着陸をして給油をするためだったんだと、どうしてこれを正直に最初から国民に言えないのかということなんです。政府は米軍の側に立ってどうして国民の目をごまかそうかというところに一生懸命努力しておる、こうしかとれないでしょう、いまの御説明の順序を聞いてみてもですね。初めからいまのような御答弁をいただければ私も多少は疑いが解けるかもしれませんよ。最初は何となしに気象条件で緊急着陸だ、そうして、空中給油のそれができないから給油のために着陸をしたという説明は、何べんかやりとりしなければ出てこない。これがアメリカと日本との――−政府との信頼関係はわかるけれども、国民を含んだ日本とアメリカとの信頼関係は政府がぶちこわしの役をしているとしか思えないんです。だから、そういう答弁はひとつやっぱり改めていただいて、いま私が申し上げた立場でもう少し御答弁いただきたい。つまり、いまお答えいただいた――私はそのとおりだと思うんです、来た事情はですね。そうすると一体どういうことになるのか。一体、福田外務大臣が最近の国会答弁の中でこういうことを言っていらっしゃる。空中給油は事前協議の対象にならない。しかし、地上での給油の場合には事前協議の対象になるという意味のたぶん答弁をされたと思うんですね。これはまあ私が間違っておれば御訂正いただいてもけっこうです。ところがそういう立場にもし立っているとするならば、一体あの給油というのは何で行なわれるのかですね。これは空中給油が事前協議の対象にならないという答えに対して、私はまたあとで、重複して言いませんから、あとで若干また伺いますけれども、それは一応とっておいても、大体沖繩の基地からベトナムに飛んでおった過去の事実においても、爆弾の積載量が多過ぎるために片道とちょっと戻るだけの燃料しか積んでいかなかった、計画的に。そうしてKC価があとから燃料を持って追っかけて、それで帰りに空中給油をして一緒に帰ってきた。これは、私はその発着を沖繩までわざわざ行って、あそこの発着のところで私もこの目で見た経験も持っております。そういたしますと、もしそのことがわかったら、しかも、沖繩県民感情を害するから困るんだと、政府がほんとうにそう思っておるなら、直ちにこれに対しては政府は抗議すべきだったと私は思うんです。沖繩付近の天候はどうなるのかということは、これはもう気象条件を調べればすぐわかることです。それならそのときには往復分の燃料を積んで、日本と関係しないでやったらいかがか刀計画的に関係をして沖繩に着陸をしたという、そういう解釈をする以外にこれは解釈のしようがないわけでしょう。それを認めながら適当な弁解をしようとしているところに問題があるんです。どうですか。これは外務省にまず……。
#33
○政府委員(吉野文六君) 先生の御指摘の諸点はわれわれとしても十分考慮をしておりまして、やはりそのラインでわれわれとしても先方にいろいろ問い合わせたわけでございます。で、まず第一に、われわれは、今度の飛来があくまでも緊急着陸であるかどうか。第二は、こういうようなことをたびたび繰り返すようなことが、かりに緊急着陸であっても、あり得るかどうか。それから第三は、恒久的にB52が日本に移駐するための準備的な行動でないかどうか。この三点につきまして先方に念を押しましたが、先方は、今回の飛来はまことに例外的な緊急着陸である、したがってこのようなことをたびたび起こすことは絶対ない、ましてやこれが将来B52が沖繩に移ってくるというような準備的な行動ではないということは確認できる、こういうことを申したわけでございます。したがいまして、その点につきましては、政府としても十分先方の、本件に対する事情を承知した上で、結局、緊急着陸やむを得ないと、こういうようにわれわれは判断した次第でございます。
#34
○鈴木力君 それが緊急着陸だったかどうかということが問題なんですね。グアムからB52が飛び立つときに、気象条件を見ておると、沖繩上空が、その気象が、もし空中給油に適当でない気象条件であれば、これは当然B52がグアム島を発進するのを中止すべきでしょう、沖繩に着陸をしないというたてまえをとれば。でなければ、往復分の燃料を積載をして、そして爆弾の積載量を減らすのがほんとうなんです。それをあえてやって、緊急着陸として入り込んで来た。例外であるか常例であるかはこのあとの問題なんです。意図的ですよ。それを緊急着陸だと言われて、今度たびたびは困りますとか言ってその場をにごしておる。これはどう見たって、国民感情からいえば、あまりにもアメリカになめられた行動じゃないのか。なめられた態度じゃないのか。日本の外務省はそれでも独立国の外務省なのかどうなのかとさえ言いたいようなことなんです。これはB52の戦略的な行動から見れば、計画的だということがはっきりしているのです。しかし、それは過ぎ去ったことですから、そのときやらなかったということをどうこう言ってもしようがないと思いますけれども、しかし、そのときの外務省の態度は、国民を納得させる態度ではなかった。もう少し厳然として、アメリカ当局に日本の態度をはっきりさせるべきであった。この点についてはどうですか。そういう反省は、必要があるということはお認めになりますか、どうですか。
#35
○政府委員(吉野文六君) B52につきましては、先ほど先生の御指摘のとおり、沖繩県民及び日本国民全体の感情はすこぶる反発するものがあるわけでございます。そして、そういう経緯もありまして、アメリカ側も、沖繩復帰のまだ二年前に、B52を嘉手納からグアムに移したわけでございます。したがってそのころから、米側も十分B52による沖繩基地の使用というものは、少なくともいわゆる戦闘作戦行動については不可能であるということは彼らも十分知っていたわけでございます。したがって、今回の事件がありましたときも、われわれは念のために、先ほど申し上げました三点につきまして念を押したわけでございまして、先方はそれに対してわれわれの満足のいくような返答をくれたわけでございます。こういう経緯もありまして、われわれも今回はやむを得ないと、こういうように認めたわけでございます。
#36
○鈴木力君 そうすると、そのときの外務省の処置は適当だったと、こういうことですか。
#37
○政府委員(吉野文六君) 何ぶん先方は、この沖繩上空において悪天候のために給油ができない。つまり、悪天候のためにガソリンを消費した、こういうことでございますから、われわれとしても、人道的な見地から、これらの飛来を認めざるを得ないというのが、当時の情勢判断であったわけでございます。
#38
○鈴木力君 だから、そうすると、そのときは人道的な見地ということは一応成り立ちますよね。どうあろうとも、計画的であろうとなかろうと、ガソリンを持っていないものを、グアムまで飛んで行けと、絶対来ちゃいかぬと、これまで言うということも、また、これでは困るかもしれません。それは次善の処置ですね。着陸をするという連絡を受けた場合に、次善の処置としてはそういう判断をすることは私もやむを得ないと思うんですよ。ただし、その緊急着陸という、その着陸の性格が、先ほど以来私が口をすっぱくして申し上げているように、計画的だと。沖繩上空の天候が空中給油に適当でないということはわかっておりつつ、こうやって来ている。そうして緊急着陸だと言えば着陸できるというところに、きわめて計画的なものがあるわけですよ。それは明らかなんです。そうすると事後の処置として、この三項目では、私はいまの国民感情なり、沖繩の県民感情などを代表した三項目にはならないということを言っているのです。それはなぜかといいますと、いま、緊急着陸を認める、そうすると、例外であって、たびたびはやらないということでしょう。たびたびはやらないということは、一体どういうことなんですか。これは、ともすると、こういう表現でずるずる、ずるずるいかれる。要するに、今後、沖繩の上空が空中給油に不適当な天候のときにはちょいちょいと来る。これはたびたびではありませんと答えられれば、どうにも逃げようがないじゃありませんか。しかも、常駐しない。これはもちろんそういう道を開いておけば、常駐の必要はないわけです。もっとも、沖繩から直接飛んで行けりゃ一番便利だけれども、それはもう施政権が返還された今日はできないことはわかり切っている。そうすれば、常駐しないということはあたりまえの話で、こんなことはわかり切っている。そんなわかり切っているようなことを、米軍が承知したからと、手柄顔らしく外務省が国民に説明をしているようなことではだめだと
いうことです。しかも、B52については前科があるでしょう。かつて、四十五年ですか、沖繩に来ましたときにも、最初の理由は何だったか。グアム島周辺が台風であって、緊急避難だということでやって来ておる。その緊急避難を繰り返して常駐になっちゃった。確かに、県民感情を理解してグアム島に戻ったのは、その通りです。しかし、これはもうたび重なるB52に対する沖繩県民をはじめ日本人の反対行動、抗議行動によって、とうとう帰ったということなんですよ。政府からは、そんなに強い、帰ってくれというような、それほどのこともあんまりなかったように記憶しておる。
 そういう経緯にかんがみても、このB52の処置については、どうしても私はなまぬるい。だから、今後は緊急着陸という場合といえども、事前に察知できるような給油のための緊急着陸は認めないぐらいの気持ちをはっきりと米側に通告をしておくべきです。それは、不可抗力の場合に緊急着陸ということになれば、これはもう作戦行動とかなんとかという理屈以前の問題ですから、それは私は言うつもりはありません。しかし、それぐらいの、いまの国民を代表した態度を外務省がはっきりとしておくべきだと、こういうことを申し上げるのですけれども、私のそういう、いま言っていることを外務省は御理解できるんですか、できないんですか。
#39
○政府委員(吉野文六君) 先生のいまの申された点は、われわれも十分理解しておるわけでございまして、われわれが第二点として、たとえこれが緊急着陸であっても、たびたびこのようなことを繰り返してもらっては困るということを、特に念を押して言ったのも、まさにその点があったからであります。したがいまして、いまおっしゃられた諸点につきましては、十分われわれも心得た上で先方に申し入れたわけでございます。
#40
○鈴木力君 じゃあこれ以上は申し上げませんけれども、これはもうほんとうにはっきりしてもらいたい。少なくともあとでことばや文章で国民の目をごまかしたり、そういうような態度は少しでもとってはいけないと思うのです。重ねて申し上げておきたいと思います。
 今度の緊急着陸なんていうのは、はっきりと、われわから言えば明確なことなんです。こういう事態を回避できることは十分可能だったはずです、発進時点において心得ておれば。
 そういう点を重ねて申し上げて、その次に、これからこの事前協議という問題に入ってまいりたいと、こう思うのですが、まずその前に、さっき防衛庁長官から伺いました、この広、秋月弾薬庫からの弾薬の積み込み、このことについては、まあさっきも伺いましたけれども、いまは政府では、これを補給行動であって事前協議の対象にならないとたぶん説明なさっていると思います。だがしかし、日本の基地から弾薬がベトナムに直接いったと、このことについては、これはまた日本の国民感情をさかなでしたようなものでしょう。そうすると、こういう問題を今後政府は、補給活動でありますから、補給行動でありますから御自由にお使いくださいという態度なのか、あるいは、こういうベトナムに直進するような行動については、日本側としては、米側に何らかの申し入れなり何かする民持ちがあるのか、その点について伺いたいと思うのです。これは長官に伺ったほうがいいでしょうか。
#41
○国務大臣(江崎真澄君) 補給、補修活動はまあ法律上認められておるわけでありまして、その弾薬の補給が行なわれる。このこと自体を日本政府が抗議の議題にすることはいささか問題があろうかと思います。しかし先ほど来お話のように、まあその弾薬が現地にいって人を殺傷する。平和を愛好する人道主義的な日本の立場から言うならば、望ましくないことであります。したがいまして、まあ法律的にはこれはどうもやむを得ませんが、何となくそういうことを契機に国民的な不安が起こる、これは避けられないことでありまするので、今後こういった事態等についても機会あるごとに、国民の不安、動揺を来たすような基地の使用、そういったことは自粛を願うように十分ひとつ、これは外務省側とも検討をしまして、話題の対象にしてまいりたいと思います。先ほどのB52の点ではアメリカ局長が申し上げておるとおりであります。これは私は念のために申し上げておきますが、計画的にこれを行なって今後これをだんだん国民に了解させる一つの契機にしていこうということは、これはいささか思い過ごしではないだろうか。で、まあそういう言い方をしては失礼ですが、やはりインガソル大使がちゃんと外務大臣のところに了解を求めに来ておりますですね。それから着陸をする前、時間的には一時間余以前に、こういう場面で緊急着陸をするが何とか御了解を願いたいという一つの大使館筋からの礼儀もあり、通告もあり、そして九時ごろには、例外中の例外である、緊急着陸であるということを大使が了解を求めに来ておる。そうすると、今後これが繰り返されるたびに、第一回目は大使が来たが二回目、三回目は来なくていいというものじゃありません。したがって、まあ大使がわざわざ断わりに来たということは、やはり沖繩県民の感情、日本国民全体の国民世論の動向というものに配慮をしながらやって来たということにもとれないことはないわけでありまして、これは今後十分ひとつ私どもも注視をいたしたいと思います。
 まあ補給活動については、前段で申し上げたように考えております。
#42
○鈴木力君 午後に外務大臣が出席なさるそうですから、これらの問題はまた外務大臣にも御質問を申し上げますので、この辺でやめておきますが、しかし事前協議と関係がありますものですから、これは防衛庁の長官に、あるいは長官でなくてもけっこうでございますけれども、防衛庁として自衛隊を教育する場合に、何といいますか、兵たん部といいますか、後方活動といいますか、こういう活動は戦闘行動とどういう関係で位置づけて現在訓練しておりますか。その基本的な考え方、態度をひとつ伺いたいと思います。
#43
○政府委員(久保卓也君) 日米安保条約の運用上の問題と、私どものほうの場合とではおそらく違うと思いますけれども、私どものほうでは、戦闘遂行の一場面には後方という部門があります。そういうような把握をしております。
#44
○鈴木力君 いまおっしゃるとおり、大体わかります。まあ日米安保条約とは違う、それもそのとおりだと思います。やっぱりあれでしょう、自衛隊の訓練では多少の自衛隊の、何ですか、ここに普通科連隊の教育の何とかというのがありますけれども、それを読んでみても、たとえば宿営というような行動さえも戦闘行為と一つの重要な関連があるという位置づけをしておるのですね。ですからその点を伺いますと、自衛隊の隊務ということが理解できます。
 あとの質問は外務大臣が来てからやりたいと思いますから、これで一応打ち切らせていただきます。
#45
○委員長(柳田桃太郎君) 本件に関する午前中の調査はこの程度にいたします。午後一時まで休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十分開会
#46
○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 委員の異動についてお知らせいたします。
 本日、星野力君が辞任され、その補欠として岩間正男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#47
○委員長(柳田桃太郎君) 国の防衛問題に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次発言を願います。
#48
○水口宏三君 午前中に鈴木委員のほうから御質問いたしました具体的なB52の問題、あるいはその他日本の本土並びに沖繩、すべての基地を使っての米軍の行動が非常に活発になった。その背景は、結局、今月の初めからアメリカがベトナムで行なっておる新しい軍事行動、具体的には北爆の再開あるいは海上封鎖、これらのアメリカの行動と不可分のものであるというふうに考えてよろしいかどうか、まず伺いたいと思います。
#49
○国務大臣(江崎真澄君) 確かに影響されておるというふうに思います。
#50
○水口宏三君 影響されておるということばだと、ちょっと、非常に幅が広過ぎまして、たとえば間接的な影響もあれば、直接的な影響もあれば、あるいは直接的な因果関係もあるわけで、私など、どうも単なる影響というばく然としたことばでなしに、アメリカでの新しいベトナムでの行動と具体的な因果関係があるんじゃないか。たとえば砲弾が積み出されるとか、あるいは非常に砲身の焼けた駆逐艦が佐世保へ来て修理をするとか、あるいはB52が緊急とはいえ沖繩に着陸をする、こういう事態というものはベトナムの行動と直接的因果関係があるというふうに印象づけられておるんでございますけれども、その点いかがでしょうか。
#51
○国務大臣(江崎真澄君) アメリカの軍隊でありまして、在ベトナムの米軍と直接的には在日米軍が関係をする部分、関係しない部分、いろいろあると思います。もとより同じ米軍でありまするから、関係ありというお答えのほうが正確だと思います。
#52
○水口宏三君 さらに限定いたしまして、いま長官、ちょっと在日米軍とおっしゃいましたけれども、在日米軍である必要は私はないと思います。軍事基地でいいと思います。そうすれば、直接的な因果関係があると考えてよろしいわけですね。――そういうことを前提にいたしまして、そうしますと、われわれ、今度の具体的な、先ほど鈴木委員のほうから御指摘しました具体的なさまざまな問題というものの背景にあるベトナムに対するアメリカの行動について、去る参議院の本会議で福田外務大臣は国連憲章五十一条による集団的自衛権に基づく行動であるということを国連に通告をしてある、したがって、それが妥当であるかどうかは国連が判断するであろうという、非常に突っぱねた答弁をなさっておるわけでありますけれども、言うまでもなく、日本も、常任ではないけれども安保理の理事国でございますね。当然安保理の理事会が開かれれば日本は理事国として出席をする。そのときに日本はどのような判断を持ってこれに出席なさるおつもりなのか。これは外務省――本来ならば外務大臣に伺いたいんでございますけれども、おいでにならないのでアメリカ局長にひとつ伺いたいと思います。
#53
○説明員(橘正忠君) 御存じのとおり、アメリカは集団的自衛権の発動として説明しております。したがって、私どもも現段階においてはその内容をよく聴取している段階でございます。
#54
○水口宏三君 これは聴取しておる段階というお話でございますけれども、だいぶ前の話でございますね。それで、しかもアメリカ側が国連へ通告したのは、行動を起こすおそらく直前か直後か、その時期だと思う。どこから何を聴取していらっしゃいますか、アメリカ局長に伺いたい。どこから何を聴取していらっしゃるのか。――御答弁いただけないでしょうか。
#55
○説明員(橘正忠君) 米側から、あるいは国連の場を通じて接触の機会を持って聞いております。
#56
○水口宏三君 具体的にはどのようなことを問い合わしていらっしゃるんですか。
#57
○説明員(橘正忠君) ただいま、この問題が起こりました契機になったのは機雷の敷設の行為でございます。したがいまして、機雷の敷設の行為の内容等について問い合わせているわけでございます。
#58
○水口宏三君 私が申し上げましたのは、五十一条に基づいて行なったということをアメリカ側が国連に通告をした、したがって外務大臣は、まあそれならやむを得ないだろう、ただし、それが妥当かどうかについては国連が判断をするだろうという答弁を本会議でなさっているわけです。当然外務省としてその後それらについて具体的に御検討になっていると思うんでございますね。それをいまだに聴取中だというようなことで、一体安保理事国の、ことにアジア代表の一員として任務がどうもつとまると思えないのでございますけれども、その点どうなんでございますか。もうちょっと具体的に、五十一条との関連においてどういう点を一体お聞きになっておるのか、また五十一条との関連でどういう点があればあなた方は不当とお考えになるのかそういう点についてのお考えを伺いたいと思います。
#59
○説明員(橘正忠君) 権利の発動の事由とか、それから発動の一切の内容とか、そうした材料をもって判断すべきものでございますので、それに必要な材料を、われわれもただいま判断の材料を求めておるということでございます。
#60
○水口宏三君 それじゃ、まだ全然入手もなさっておらないし、日本政府としてはそれが妥当であるか不当であるかは判断ができないということでございますね。材料の入手いかんによっては不当だということが言えるわけでございますね。
#61
○説明員(橘正忠君) ただいま具体的なその軍事行動の、米側の軍事行動でございますので、その内容についてはなかなか判断のむずかしいところもございますし、判断しかねるところもございますが、でき得る限りの材料を集めた上での考えというものを持つことになると思います。
#62
○水口宏三君 そこで、私は二つ伺いますけれども、それでは現在、米側がとっておるベトナムにおける軍事行動について、少なくとも日本政府はそれが妥当であるか不当であるか、言いかえるなら国際法に基づくものであるのか国際法に違反しておるものであるのかもわからない。わからない段階で何で安保条約に基づいて日本の軍事基地を利用させるんでございますか。当然それが前提になるんじゃないですか。
#63
○政府委員(高島益郎君) 先生御承知のとおり、自衛権は、国連憲章上唯一の例外といたしまして、加盟国が自衛の行為のために発動し得る権利ということになっております。したがいまして……。
#64
○水口宏三君 聞こえない、はっきり。
#65
○政府委員(高島益郎君) したがいまして、ただいまの自衛権の、国連憲章上の自衛権と申しますのは、国連憲章で唯一の例外といたしまして、加盟国が武力の行使をし得る権利として明記してございます。したがいまして、私ども、ベトナム問題に限りませんけれども、一般的に個別的自衛権、あるいは集団的自衛権を加盟国が行使して、これを、武力を行使した場合に、その行動については第一義的にその加盟国自体に判断の権利がある。したがって、これを客観的に、かつ公正に、その行為が違法かどうかということを判断し得るものは国連の安保理事会しかないというふうに考えております。現在、先ほど橘参事官から御説明いたしました日本自体としてどうだという先生の御質問でございますけれども、これはもちろん先生のおっしゃるとおり、われわれも何らかの判断をせざるを得ない立場にあると思います。しかしこれはどこまでもたてまえ上、安保理事会が決定を下すまでは、われわれとしましては一応これを行使した国が言っているとおりの集団的自衛権の行使であるということを一応前提として日本は行動するということになろうかと思います。もちろん先生おっしゃるとおり、安保理事会のメンバーでございますので、将来これが国連安保理事会で審議される際には日本としても何らかの態度をきめざるを得ないと思いますが、現在の段階ではまだそういう段階に至っておりません。
#66
○水口宏三君 私はどうもいまの御答弁、主権国としては非常に情けないと思います。それは当然でございます。これは安保理事会がきめるということは、まあ拒否権がございますからきまらないかもわかりません。しかし、安保理事会は論議の場であることはこれは事実でございますね。だれが論議をするのか。理事が論議をするわけです。そこへ出席する日本代表がみずからの判断、そういうものを持たずに出席するはずはないでしょう。みずからの判断というものをまずきめることによって理事会で論議がされ、その結果拒否権が使われるのか、あるいは満場一致でもって否決されるのか、これは結果の問題です。安保理事会の結果を待たなければわからぬというなら、何も日本は理事国になる必要はないわけです。理事国としての日本の判断を伺っている、日本の外務省に。
#67
○政府委員(高島益郎君) 私がいま申し上げましたのは、客観的に自衛権行使の結果を判断し得る機関として安保理事会しかないということを申し上げたわけでございます。日本としましては、その決定があるまでの間は、一応アメリカが行使しているわけでございますので、アメリカの言い分をそのままそのように理解しているということでございます。
#68
○水口宏三君 どうも非常に御答弁があいまいなんで、私不満なんです。これだけ重要な問題を、アメリカが一応そう言っているから日本はそういうことを考えているのだということ、参事官のほうは、それを判断するためにもう二週間以上になりますか、外務、防衛、問い合わす材料を集めつつあるのだと、どれを一つとってみても、これだけの世界で大騒ぎになっている問題について安保理事会の理事国たる日本が主体的な判断を下そうとする意欲がないじゃないですか。アメリカが一応言っているから一応、そんな答弁じゃ満足できません。もう少し主体性のあるお答えいただけませんでしょうか。それとも、それしかできないということなんですか。
#69
○政府委員(高島益郎君) 今回の措置に限りませんで、ベトナムヘの米軍の介入と申しますのは、当初からベトナム共和国の要請によりまして集団的自衛権に基づいて介入しているわけでございまして、一連の米軍の措置がすべて国連憲章第五十一条のもとにあるというふうに理解しております。ただ、いままで遺憾ながら国連安保理事会では議論されたことはございませんで、六四年の最初の安保理事会のときに南北両越を招請したときでございますけれども、北越のほうの反対によりまして結局審議に至りませんで、現在に至っております。そういう関係で、従来から憲章五十一条による集団的自衛権であるということは米国も申しておりますし、そういうふうにわれわれも理解しておりますけれども、それについての決断は、決定は国際的になされておらないというのが現状でございます。
#70
○水口宏三君 いま条約局長は前からそういうように言っているというお話でございますけれども、最初にアメリカがベトナムへ介入したときには、少なくともSEATOの第四条に基づいて、SEATOの第四条に該当する地域として南ベトナムに軍事的な援助もし、介入もしてきたというふうにわれわれは理解しているのでございますけれども、今度はSEATOとの関係はどうなるんですか。またこの前のときには、五十一条との関係はどうなるんですか。
#71
○政府委員(高島益郎君) SEATOの中で特にベトナムはいわゆるプロトコルの地域ということで、この地域が侵略をされた場合に、その地域の国から要請があった際にはSEATOの加盟国がこれを援助できるという体制になっております。したがいまして、SEATOのメンバー同士の間の相互援助というかっこうではございませんで、あくまでもその国の援助要請があった場合に初めて米国は集団的自衛権に基づいてこれに介入するというたてまえになっておりますので、もちろん初めはアメリカは随時協議し合うということを言ったと思いまするけれども、その根拠は集団的自衛権の発動であるというふうに考えております。
#72
○水口宏三君 それじゃ最初の介入のときに、これはアメリカ側は非常にSEATOを前面に出して、なおかつ、SEATO加盟国の、私が申し上げるまでもなく、だいぶ多くの国が出ました。今回の場合には、少なくともアメリカが単独で、もっとも韓国兵は残っておりますけれども、そのほかには出ておりません。そういう意味でSEATO第四条との関連というのは私は非常にむずかしいんじゃないか。むしろアメリカ側の言う国連憲章五十一条をストレートに前面に出しているというふうに理解してよろしゅうございましょうか、どうなんでしょうか。
#73
○政府委員(高島益郎君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
#74
○水口宏三君 それじゃ防衛庁長官にちょっと伺いたいのでございますけれども、われわれは、日米安保条約というものは、これはまず第一義的に日本の安全というものを守るということが、われわれ日本国民の日米安保条約に対する理解の一つだと思うんです。それと付随して、極東における平和というものがなければ日本の安全もないというのがこれまでの政府の御説明でございますね。そういう意味で、それじゃはたして今回のベトナムにおけるアメリカの軍事行動というのは、こういうものは、日本の安全、これは一番基本的です。一体、日本の安全を脅かすものがあったらアメリカがああいう行動をとり、なおかつ日本はそれに協力をしていく、防衛庁自身はそういうふうに御理解ですか。
#75
○国務大臣(江崎真澄君) ベトナムの争いが直接日本に脅威を与えるというふうに思っておりません。ただベトナムというものが、御承知のとおり、極東にやはり関係はもちろんある国柄であります。したがってもしその脅威というものを私ども日本がどう受けとめるかということになりまするならば、直接的には脅威はありませんが、自由主義国と友好信頼関係に立ち、わけてもアメリカとは日米安全保障条約を締結しておるというたてまえに立っておる日本から見まして、アメリカが、集団的自衛権云々はともかくとしまして、一つの協力的な立場でいま争っておるこのベトナムにおいて、アメリカが後退をしてくるということは、やはり日本にとってはそれだけいわゆる反対勢力の跳梁といいまするか、勢力伸長といいまするか、そういうものが一つの間接的な脅威になるということは言えなくはないと思います。しかし直接的に脅威があるとは私ども考えられません。
#76
○水口宏三君 いま防衛庁長官非常に新しいことばをお使いになったのでありますけれども、アメリカが後退をするということを言いますが、今度はアメリカが後退したのではなくて、アメリカが前進をしたわけなんです。
 それからもう一つは、反対勢力が跳梁するということばは、これはことばじりをつかまえるのはいやでございますけれども、どうもちょっと不穏当な気がするのでありますが、反対勢力の跳梁ということはどういうことを意味するのか。なおかつ、アメリカが後退するとおっしゃったけれども、アメリカが前進したから問題が大きくなったと思います。二点について伺いたい。
#77
○国務大臣(江崎真澄君) 確かにことばの足らない点があったかと思いますが、要するにベトナムにおける紛争というものがだんだんエスカレートしまして、これに一方ではソ連が補給をするとか、中国側も補給を、武器援助等をしておる。一方ではアメリカがまたこれに援助をし、まさに代理戦争のような形で協力体制に立っておるというようなことがだんだん極東地域全般に広がると、そういったほうが表現として正しいと思います。そういうふうで、だんだん極東地域にエスカレートすること自身は間接的にはやはり日本の脅威になり、またその広がり方によっては直接的な脅威にもなる、こういうふうな表現が正しいと思います。さっきのことばの足らなかった点は訂正いたします。
#78
○水口宏三君 ではいまのお答えをむしろ正しいものとして私は受けとめまして、むしろこれは極東地域にエスカレートさしてきているのはだれでございますか。少なくともベトナム民主共和国は極東地域に何ら軍事行動を起こしておりませんし、極東地域にどういう影響を与えているか。ところがアメリカは、今度の海上封鎖なり爆撃なりによって、まさに極東地域のまん中の日本の軍事基地を相当程度使っておる。国民に不安を与えておる。そういう意味で、一体今度のベトナムの問題が極東地域に大きく波及してきたのはむしろアメリカの行動が原因じゃないでしょうか。
#79
○国務大臣(江崎真澄君) これはいろいろ見解が分かれるところかもしれませんが、アメリカの行動、これも確かに私影響するところがあったと思いまするが、まあ話し合いをしよう、地上軍は撤退するというあたりから始めて、せっかくそのベトナム戦争終息の気配が感じられたにもかかわらず、何となくやはり北越に対する武器援助等がソ連邦、中国等々において活発に行なわれた。特にソ連邦側の武器援助というものがひとつの南への積極的な浸透の原因をなしておる、これも見過ごすわけにはまいらないと思います。したがいまして、ベトナムの人々に関係なく、いわゆる協力戦争といい、援助戦争という形でこういう争いが展開されておるこの事態が私ども日本にとっては決して好ましいことではないというふうに思っております。
#80
○水口宏三君 これは防衛庁長官も防衛に関しては御専門なんで、われわれしろうとだから伺いたいのですけれども、武器援助をしているという面においては、それは確かにソ連も武器援助をいたしております。しかしアメリカがどれだけチュー政権に対して武器援助をしているか、武器援助どころじゃございませんね。まさにベトナム戦のベトナム化と称し、武器援助から訓練まで、それこそもう手を取り足を取って自分たちの武器を与えて訓練している。こういう事実が前提なんだろうと思うんです。それに対応して実はソ連も武器援助したのかもわかりません。今度の事態というのは武器援助から起きたのじゃない。むろんアメリカの爆撃あるいは海上封鎖によってこれは極東地域に波及したのであって、武器援助そのものは両方がやっていることですよ。そこを私は伺っているわけです。だから極東地域について直接的影響を与えたのはまさにアメリカの行動ではないかということを伺っているわけで、善悪じゃないですよ。客観的事実を伺っているだけなんですから、その点はひとつ冷静にお答えいただきたい。
#81
○国務大臣(江崎真澄君) これはなかなかむずかしい点でありまするが、要するに北ベトナムがかりに短期的にもしろ、南に対して非常な攻勢をかけてきた。本来アメリカ側としては地三軍を撤退し、何とかテーブルにつくことはできないかという再三の呼びかけをしておりましたが、これは戦争の常としてそれとは逆な方向にエスカレートした。そこで、それにアメリカ側としては対応しておる。これがおそらく米軍の立場であろうというふうに思います。
#82
○水口宏三君 いや、それを伺っているんじゃないのですよ。それはあまり長官はアメリカのことをそんたくなさっているが、価値判断を伺っているのではなしに、最初、私が申し上げたましたように、沖繩にB52が着陸するとか、それから弾薬があふれて騒いでいるとか、砲身の焼けた駆逐艦を修理するとか、あるいは相模原の工廠からどんどん修理された戦車が出ているという事実があることはお認めになるわけで、こういう事実というものがまさにベトナムの紛争というものを極東の中心である日本にこれは波及している。それも直接に因果関係があることは長官お認めになっているわけです。そのことを私は防衛庁長官が再度御確認なさるかどうか伺っているのであって、アメリカの態度をあまり弁護なさる必要はない。簡単に事実だけ伺いたい。
#83
○国務大臣(江崎真澄君) これはやはり影響ありというふうに御答弁するのが正しいと思います。たとえば今朝来も鈴木委員からも、あるいは、いままでまた水口委員から、こうして一つの国民的不安を背景にしながら御質問があるということは、これは影響がある。影響がなければこういうことにならぬわけですから、やはり影響ありというのが正しいと思います。
#84
○水口宏三君 それでは、外務省の御答弁で、今回のアメリカの行動は国連憲章五十一条に基づく行動として、いまのところは何となく外務省はこれを支持していらっしゃる。もう少し調査をしてはっきり決定したいとおっしゃっているけれども、従来の経緯から見ると何となく承認をし、何となくアメリカについているのが事実だろうと思いますけれども、いずれにいたしましても、アメリカの五十一条の集団的自衛権の発動ということをお認めになっているわけですね。そういたしますと、私は日米安保条約に基づく第六条の問題、一体第六条の問題とこのアメリカの持っている集団的自衛権というのはどう結びつくのですか、今回の行動について。
#85
○政府委員(高島益郎君) 第六条は、米軍に対しまして日本が施設・区域を提供する目的を書いてございます。ただ、この安保条約全体のたてまえといたしまして、御承知のとおり第七条に国連憲章優先の原則をうたってございますし、米軍の行動は、これは当然米軍も――米国も国連加盟国でございますので、国連加盟国として国連憲章に従うことは当然でございますので、それはいかなる場合にも武力を行使する際には必ず、自衛権の行使以外には、国連の措置として行なわれる場合を除きまして、考えられないという大前提に立っております。これが安保条約のたてまえでございます。
#86
○水口宏三君 少なくとも、ではいまアメリカが沖繩の嘉手納基地にB52を着けたり、あるいは佐世保でもって修理をしているという事実は、これは第六条に基づくことでございますね。そう理解してよろしゅうございますか。
#87
○政府委員(高島益郎君) そのとおりでございます。
#88
○水口宏三君 第六条の場合には、これは私から申し上げるまでもなく、日本の安全に寄与するのが大前提になっているわけです。次に「並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、」となっておりますけれども、ただいまの政府の御答弁ですと、極東というのは、大体当初六〇年にこの条約が締結されたときに、台湾あるいはフィリピン以北、韓国を含む日本周辺というようなお答えだった。その後、極東の周辺地域も極東の安全に関係があるからベトナムも関係があるんだというふうにおっしゃった。今回のアメリカの行動は、少なくとも極東の平和のためということではなしに、アメリカの固有の集団的自衛権による行動だというふうに局長はおとりになっているわけですね。そうすると、六条とはどういう関係になってくるのですか。
#89
○政府委員(高島益郎君) これはアメリカがいかなる行動をとろうと、安保条約に基づきまして行ないます行動は、すべてこの第六条にございます「日本の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、」提供される施設・区域の使用を目的とした範囲内でなければならない、というのが当然の前提でございます。
#90
○水口宏三君 私が伺いたいのは、アメリカは集団的自衛権によって今度ベトナムに対するああいう行動をとった。その行動が逆に今度はね返って、日本の各基地を使い日本の国民に不安を与えている、これは事実でございますね。そこで、本来第六条から発したものであるなら、第六条を基礎にして行なったものであるならわれわれは納得しやすい。ところが、アメリカが第六条とは無関係で、言いかえれば、逆に五十一条の集団的自衛権の発動によってああいう軍事行動を起こした。そのことは、逆に極東の平和のためにプラスになるのか、マイナスになるのか、われわれは、かえって極東の平和を乱しておるのではないか。ベトナムという一局地的な軍事的な行動が、アメリカが、この六条によって日本の基地を使うことによって、日本の国民まで非常に不安におとしいれている。しかもこの前提になるのが、たとえば外務大臣は、少なくともニクソン・周会談の以後アジアにおける情勢というものは平和共存のほうに向かいつつある、台湾条項そのものについても多少ニュアンスのあるお答えをしていたわけですね。そういう情勢の中で、私は、どうも六条の発動によって今度のアメリカのベトナムにおける行動を日本が容認するということには、大体条約的にいったって初めから無理があるわけですね。極東の周辺というが、この前も申し上げたように、近代兵器で見れば、極東の周辺じゃないキューバでキューバ事件が起きたって在日米軍が全部スクランブル体制に入るんですから、あえてそれを延長するというのはもうグローバルな問題である。だから、そういう極東というようなものをかなりシビアーに考えた場合には、まさに六条というものを中心にして、これで日本の軍事基地をアメリカが今度のベトナムのああいう行動に使うということは、まああなた方の条約上の法律的な解釈はいざしらず、国民は納得できないんじゃないですか。それから政治的にも不当なんじゃないですか。もしそうお考えになるなら、当然そういう基本的な背景になる問題についてアメリカと交渉なさる機会はあり得ると思う。安保条約第四条において、ほんとうに極東の平和について問題が起きたときには随時協議できるわけでしょう。そういう協議をなさったのですか。協議なさって、極東における平和に大きな脅威を与えておる、したがって日本としてはそういう六条に基づくアメリカの行動を認めるというような協議をなさったのですか。
#91
○政府委員(高島益郎君) 私、最初に法律論だけについて御説明いたしました。今度の米軍のとった機雷敷設の措置、それ自体は日本の施設・区域を使ってやった行動ではございませんので、これが安保条約に関係あるとは私たちは考えておりません。ただ、ベトナムとの関連におきまして米軍が日本の施設・区域を使って諸種の補給行動等を行なっております。これはもちろん第六条にございます施設・区域の提供目的に合致する範囲内のものでなければならないというのが法律論上のたてまえでございます。
#92
○水口宏三君 ですから、私は順序を分けて御質問したんであって、まず第一に、ベトナムに対する今回のアメリカの行動は、外務省の解釈では国連憲章五十一条による集団的自衛権の発動であるということを大体御了承になっている。しかもそれが原因になって日本の各基地が使われているということは、これは防衛庁長官もお認めになっておる。そうでございますね。しかもそれによって国民が非常な不安におちいっている。だから、当然安保条約との関連でいうなら、これは六条の発動以外にはあり得ないはずですよ、日本の基地を使うということは。そうでしょう。しかもその六条では、少なくとも「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため」となっておるのであって、第四条には「日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締約国の要請により協議する。」となっておるわけですね。そうすると、あなた方は、何かわからないんだ、あいまいだ、いま調査中だ、大かたアメリカが言うからいいであろうなんて言っていますけれども、まず四条を発動してアメリカとはっきり協議をして、今度の事態がほんとうに極東の平和に脅威を与えておるのか、あなた方が安保理事会で堂々と発言できるようになぜ努力なさらないのですか。四条によって協議なさったのですか。
#93
○政府委員(吉野文六君) 先生の御指摘は、安保条約の第四条に基づく随時協議を今度のベトナム戦争との関係においてやったか、こういうことでございますと思いますが、われわれといたしましては、米側と必ずしも安保条約第四条を引かずに、しょっちゅう情勢分析や、そのつど必要な協議をしているわけでございます。
 そこで、ベトナム戦争に関する監視――わが国の基地が補給の役目をなしておるということにつきましては、すでに第六条で、それはわが国の基地がそのために使われるのは条約上も正当である、こういう解釈をしておるわけでございます。
 で、御存じのとおり、ベトナム戦争は何も今回の機雷敷設や北爆の激化によって始まったわけではなくて、長い歴史がございまして、その長い歴史の過程において、われわれはベトナム戦争に対してアメリカが集団的自衛権を発動することは極東の平和及び安全に寄与するんだ、こういうたてまえでやってきておるわけでございます。
#94
○水口宏三君 どうも御答弁が逆になるんですね。六条から入らずに――私は、だから初めから、なぜ六条と関係があるかと言ったら、あるとおっしゃるから、当然六条との関係で、極東の平和の維持のためにアメリカ側が日本の軍事基地を使うということは、極東の平和に対する脅威があるというそういう前提に立つのが当然なんですね。そういう前提というのが四条の協議によって合意されないで、アメリカが一方的にきめるんですか。何のために四条があるんですか。少なくともいままではベトナムも逐次鎮静化に向かいつつあるとおたくの外務大臣も言っているように、アジアにおける情勢も定着はしていないが平和共存の方向に向いておると楽観的なことを答弁していたじゃないですか。それが今度のアメリカの行動によって、ベトナム戦争だけでなしに、日本の国民までが不安に巻き込まれているわけです。こういう状況の中で、当然日本の外務省が第四条による協議によって、新たなる脅威が発生したのかどうか、何でアメリカが急速にあんな北爆を再開したのか、機雷を投下したのか、そういうことは当然極東に新たな危機が発生したからでしょう。それをいままでのベトナム戦争の何となく延長でなんて、そんなばかげたことはないですよ。それで一体安保理事会で何を発言するのですか。はっきりしてください。そんな国民に対する無責任なことがありますか。毎日、国民は新聞を見てみんな心配しているんですよ。
 外務省御発言できないなら防衛庁長官どうですか。そういう状況の中でもし、防衛庁長官は、少なくともこれはアメリカ軍ばかりの関係でないことで、日本の安全保障あるいは国民の感情の立場に立って、こういう状況の中でアメリカの今度の行動について直接的に日本の基地がさまざまに利用されつつある。これは四条による私は協議が行なわれてしかるべきだと思うのですね。協議によって日本が納得して、それで六条が発動される、これが私はものの順序だと思うのです。これは長官どうお思いになりますか。どうも外務省のほうの御答弁がないらしいので、日本の安全を一番守っていらっしゃる長官に御答弁をお願いします。
#95
○国務大臣(江崎真澄君) 非常に問題のあるところだと思いますが、やはり補給・補修活動というものは、日米安全保障条約上これはどうも認めざるを得ない。まあ、一つの同盟条約というか、この条約というものが果たす役割りというものはわがほうにとってやはりいろいろ問題もありましょうが、まあ広義にはこのことが、さっきも申し上げまするように、極東地域にだんだんエスカレートして、だんだん応援団戦争というものがそれぞれ協力国が表に出て争いになるということはこれはやはり望ましくありませんばかりか、極東の平和の上からいっても将来大きな脅威をもたらす可能性なしとしないわけです。したがって六条に基づいていろいろな補給・補修活動等に協力をする、これはどうも安保条約上もやむを得ぬのではないか、協力しなければならぬというふうに私どもは解釈をしておるわけでございます。
#96
○水口宏三君 長官ね、それで私が最初に伺ったのでございますよ、通常の補給とか補修、これは現在安保条約がある以上、われわれは反対ですけれども、安保条約に基づいてアメリカが行なっていることをあえてこれは法律的には文句を言いませんですが、少なくとも今回異常な事態、これはあなたもお認めになりましたね。これがベトナムのアメリカの軍事行動と直接的な因果関係があることもお認めになった。国民も知っている。だからこそ国民は心配しているわけですね。新たなるこれは極東の危機だと。それなら当然これは四条による協議を日本側から申し入れる。何も外務省がまるで手さぐりでもって、さっきの参事官のお話ですと、情報を集めておると言っているけれども、手探りで情報を集めてみたり、あるいはわけがわからぬことを言って、何となくアメリカがこういっているからそうだろうなんて言ってないで、この四条によって協議を申し入れて、また出してもらうべき資料は出してもらい、そこで日本としての主体的な判断をどうして持たないんです。何も長官、外務省をかばう必要はないんであって、あなたがお認めになった事実をそのまま延長していけば、当然新しい事態に対して、どこにそういう特殊な行動をとらなければならぬような極東の危機というものがあるのか、その原因は何であるか、それはどうすればなくなるのか、そういうことについては、私は当然四条による協議が行なわれてしかるべきじゃないか。それを何で四条によって行なわないか。これは外務省にお聞きします。
#97
○政府委員(吉野文六君) 先生のおっしゃられた、第四条により、まず日本の安全及び極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたかどうかを協議し、しかる後に、第六条によりアメリカ側に基地の使用をその目的のために許す、この点につきましては、根本的にはわれわれも同様に考えておるわけでございます。しかしながら、事、ベトナム戦争に関する限りは、すでにこのベトナム戦争にアメリカが参加したときから、われわれは当時の情勢のもとにおきましては、この第四条の極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたと、こういう認識で、第六条に基づきまして基地を、それに必要な範囲内において、すなわち補給のためには使用することはやむを得ないと、こういう判断に立ったわけでございます。で、もちろんいまからみますれば、ドミノ理論とかその他の理論が当てはまらないような現状になりましたが、当時は少なくとも、やはり極東の平和及び安全に脅威であるというようにわれわれは認識しておりましたし、また、米国があれだけの犠牲を払ってベトナム戦争を遂行していなかったならば、あるいは事態は変わっていたかと、こういうように認識しておる次第であります。
#98
○水口宏三君 どうも外務省の御答弁というのは何か目的をはずすことばかりなさるんですね。日米共同声明の第四項で何と言っております。あなたはベトナム戦争の延長だ延長だと言っておるけれども、河と言っておりますか。御存じでしょう。何と書いてありますか、一九六一年、日米共同声明の第四項に……。
#99
○政府委員(吉野文六君) 第四項は、おそらくベトナム再協議のことだろうと思いますが「両者は、万一ヴィエトナムにおける平和が沖繩返還予定時に至るも実現していない場合には、両国政府は、南ヴィエトナム人民が外部からの干渉を受けずにその政治的将来を決定する機会を確保するための米国の努力に影響を及ぼすことなく沖繩の返還が実現されるように、そのときの情勢に照らして十分協議することに意見の一致をみた。」
#100
○水口宏三君 いずれにしても、あなたはベトナム戦争のそのままの延長だ、延長だと、われわれはかつてベトナム戦争をこういうふうに理解したんだから、今度のアメリカの行動もそう理解していると言っているけれども、その日米共同声明の中では沖繩返還時、まさにあなた方のおつくりになった五月十五日ですね、返還されたんだ。この時点においてベトナム戦争は逆にエスカレートしているじゃないですか。これは沖繩条項とは関連しているけれども、それは当時予測されたベトナムの情勢から見たら全く新しい事態が発生したわけでしょう。当然その事態について第四条に基づく協議を行ない、その協議に基づいて、第六条が発動されるかどうか、日本の外務省として主体的にはっきりした意見を持ち、それでもし国連で安保理事会が開かれるなら、理事国としての責任を果たすべきじゃないのか。それをこっちが聞かなきゃそのままほおかぶりして、いままでのベトナム戦争をこういうふうに理解しておりました、その延長だと思っております。共同声明の中にも言ってないじゃないですか。逆のことじゃないですか。
#101
○政府委員(吉野文六君) 共同声明第四項につきましては、これはわれわれといたしましては、あくまでも沖繩返還協定に関連しまして、ベトナム戦争の関係で、この返還協定自体を改めたり、あるいはその効力の発生時期を延ばしたりする必要があるかどうか、こういうことを先方が懸念したものでありますから、このような共同声明の字句をわれわれとしても受け入れざるを得なかったと、こういうことでございまして、もちろん、当時の予測ではベトナム戦争自体がこのころには終息しているだろうというように一般的には考えられていたと思います。なお、随時協議によりまして、さらに今回のベトナムの新事態につきまして米側の意向を聞いてみるということにつきましては、われわれも決してこのことを怠っているわけではございませんでして、随時協議という名がついておるかどうかは別問題といたしまして、随時、外交ルートを通じまして米側に疑問の点は照会しているわけでございます。
#102
○水口宏三君 それはあなた方はどういう外交ルートを通じてどういうお話をなさり、それをマル秘にして机の中にしまっておれば済むかもわからない。国民はそうはいかないんですよ。毎日の新聞を見て心配しているんですよ。何が随時、あなた、外交ルートを通じて協議し、あなた方が知っていて、それでどうなるんですか、一体。当然、条約に基づいてアメリカ側と公然と協議をし、その結果を国民にも発表し、そして六条に基づいて新しい――あなただって新しい事態と言ったのでしょう。新しい事態に対応して日本の基地をアメリカに使わせるということを国民に納得させる努力をするのが、これがあなた、外務省の任務じゃないですか。それを全然怠っているじゃないですか。どういうルートを通じてどういう外交折衝をしたのか。結果はどうなっているんですか。全部秘密でしょうが。秘密でないなら全部出してくださいよ。資料として要求しますよ。第四条に基づく協議をなさるのかなさらないのか、それをまず伺いたい。もしいつまでになさるという確答がないなら、あなたがおっしゃった随時外交ルートを通じて接触、いつ、何月何日にどういう接触をして、どういう回答を得たか、資料として要求いたします。
#103
○政府委員(吉野文六君) 安保条約第四条に基づく、いわゆる随時協議というものを正式にこの第四条で申し入れるということにつきましては、これはわれわれ事務当局では判断がつきかねますから、われわれの答弁を差し控えさしていただきますが、少なくとも安保条約の運営に関しましては、第四条ということをことさら引くことなく、随時先方と協議をしているわけでございますし、また今回の機雷敷設とか、B52の飛来とかいうようなことにつきましては、そのつど先方に実態を照会しまして、必要であればわが方から抗議する、こういうことをやっておるわけでございます。で、そういうような事情でございますから、この点につきましてもし御質問でもございますれば、その具体的なケースにつきましてはひとつお答えさしていただきたいと思います。
#104
○水口宏三君 もし御質問でもございますればとは……、あなた、質問しているから言っているんじゃないですか。だから、あなたのほうで第四条に対する協議が事務当局では答えられないなら、ちょうど外務大臣あとで見えますから、この点は外務大臣に伺いましょう。ただし、少なくともあなたがいまおっしゃった外交ルートを通じて随時協議をしているという問題、ここ一カ月間の何月何日にどういうルートを通じ、どういう協議をし、どういう事項をまとめたのか、資料提出を要求いたします。委員長、ひとつお願いいたします。
#105
○委員長(柳田桃太郎君) 吉野アメリカ局長に申し上げますが、外交交渉の内容を全部資料として出せるかどうかということは、アメリカ局長限りで御判断できれば回答してください。そうでなければ、やがて外務大臣がお見えになりますから、外務大臣とお話し合って御答弁を願います。
#106
○鈴木力君 関連。
 もしもいま委員長の言うように、出せることと出せないこととあるというなら、随時、協議しておりますなんて、ぬけぬけそんなことを言っちゃ困る。しかも御質問があればお答えしますと言っている。それをあとで、外交交渉についてはできるかできないかなんといってこの場をおさめることは絶対できない。これは必ず出しなさい。
#107
○国務大臣(江崎真澄君) 委員長。(「だめだよ」「外務省に対して聞いているんだ」と呼ぶ者あり)ちょっとまあ……。委員長。これはですね、私横からたいへん恐縮でございますが、いまアメリカ局長の言っておる意味は、四条に基づいてはいろいろ協議をするというたてまえはとっておりません。したがって、ときに応じいろいろ折衝をしておりますと。で、これは御質問があればと言った意味は、これは悪い意味じゃないんで、私こっちで聞いておりまして、それはたとえば相模原の補給廠問題がこの前からいろいろ問題になっています。そうなるというと、一体どんなものをどのようにどうしているんだということは、やっぱり外務省として話し合いをし、そうしてその実態を把握しておると、そういうような一々の問題についてもし何か御質問があればお答えしますというふうに言うのが、多少ことばが足りなかったんではないかというふうに私聞いておったわけでございますが、そうじゃないかね――。だから補足したらいいですね。
#108
○水口宏三君 長官、そう外務省をかばわぬでもいいんだ。私が聞いていますのはそういうことじゃないんですよ。別にいまそのことは、もう鈴木さんがけさ午前中ずっと聞いていらっしゃるわけです。外務省は今度のアメリカの行動に対して、国連憲章五十一条に基づく集団的自衛権による行動として、それが妥当であるかどうかの判断を、いまのところするためにいろいろと資料を集めて接触をしていると言ったから私は言っているんです。条約局長のほうは、大体アメリカがそう言うんだから何となくというようなことを言ってことばをにごしていますよ。しかしアメリカ局長は、接触をしていると言っているんです。だからその点が一番問題なんですよ、われわれにとっては。いまもちろんそれは相模原から自動車が出ることも大事な問題です。それから佐世保に砲身の焼けた駆逐艦が来て修理するのも問題です。それがベトナム戦争と直結しているという防衛庁長官の判断があり、われわれもそう思うから心配するんですよ。これがどっかで演習して、少しやり過ぎて砲身が焼けたのを補修しているというんなら、これは普通の補修でしょう。そんなのはわれわれ何もこんなところで、国会で大騒ぎしませんよ。そうでしょう。だから、私がいま外務省に聞いているのはそんなことじゃないんです。しかも理事国ですよ、あなたも御承知のように。理事国自体が、アメリカ自身が安保理事会にそういうふうな通告をしているんですから、その通告に対する判断を持つのは当然でしょう。それが持てないと言うんだ、持つためにいまいろいろ接触をしていると言うから、それでぼくは聞いているんじゃないですか。それがだめならば四条による協議をやれと。ところが外務大臣でなければわからぬと言うから、そのことは外務大臣に伺いましょうと言っているんです。だから、私が要求しているのは決してそんなことじゃないんです。まさにアメリカ局長が言ったのは、その接触について、あなたは、御質問があれば答えますと言うから、私が質問しているのは、あなたがどういう時期に、どういう折衝をし、どういう回答を得たかを聞いているんですよ。基本的に今度は、アメリカの集団自衛権に基づくベトナムにおける行動というあなた方が言っているこの行動について。そうでしょう。私が聞いていることははっきりしているじゃないですか。それをあなた、質問があればお答えしますって何事ですか。だからちゃんといまの、接触した時期と内容の資料を全部出してください。
#109
○政府委員(吉野文六君) よく事情はわかりました。そこで問題は、私が、もし具体的な問題がございましたら、ひとつアメリカとの折衝分についてお答えいたしたいと申し上げましたのは、先ほど江崎長官が……。
#110
○水口宏三君 こっちの質問をよく聞いて言ってくださいよ。もうややっこしい。時間がかかってしようがないんだから。出すか出さないかですよ。
#111
○政府委員(吉野文六君) 御説明願いましたように、私たちも具体的なケースについて先方にいろいろ照会しているわけでございます。そこで、先生のおっしゃるのは集団的自衛行為であるかどうかと、この点についてだけの問題だと、こういうことでございますか。
#112
○水口宏三君 あなたは途中から――。参事官どこへ行ったんですか。
#113
○政府委員(吉野文六君) 参事官、ちょっとほかの会議に。
#114
○水口宏三君 参事官が私にそう答えたんですよ。私が聞いたらば、アメリカがそう言っていますと。日本は理事国でしょう。理事国である以上、安保理事会に出るときに、あなた方どういう一体意見を持って行きますか。理事会できまったらと言うから、理事会できまったことなんということも何も聞いているのじゃないのであって、理事国たる日本が理事会でどういう発言をするか。まあ独立国日本の当然のそれは任務ですよ。日本が選出されたのはそのために選出されたのでしょう、理事国に。それをどうかと聞いたらば、いまアメリカと接触をしてそれを確かめていると言うから、ずいぶんまぬけた話だと思いました。まぬけた話だとと思ったけれども、これはどうにもしようがないから、どういう接触をし、どういうふうな具体的な情報をつかんでいるかを、それをここへ出してくれと言っているのですよ。
#115
○政府委員(吉野文六君) われわれがアメリカに照会し協議しておりますのは、当面はたとえば相模原の補給廠をどういうように……。
#116
○水口宏三君 そんなことはもういいんですよ。だから……。
#117
○政府委員(吉野文六君) こういうことでございまして、集団的自衛行為であるかどうかの具体的な事例につきまして特に照会していることはございません。
#118
○水口宏三君 それじゃ参事官のお答えと全然違うじゃないですか。参事官はそうは言っていないですよ。私が聞いたらば、アメリカからそういう通告があったと、日本の外務省としてどう考えるか。いまアメリカと接触中で確かめております。そういう御答弁です。どっちがほんとうなんですか、一体。
#119
○政府委員(吉野文六君) 橘参事官のお答えしたのは、むしろその集団的自衛権であるかどうかという法律的な面につきまして、先方に、いろいろ疑義があったから照会したのだろう、こういうように思います。またその点につきましてはわれわれも同様に、一体集団的自衛権という場合にアメリカはどういうようなことを考えておるのか、こういう形で、これはわれわれ常時先方に質問しておるわけであります。
#120
○水口宏三君 どうもあなたは常時ということばがお好きですね。常時聞いていらっしゃるならなおさらいいから、そんなら、常時って、何も一年、二年とは言いません、一カ月間常時おやりになったことを具体的に、何月何日どういう質問をして、アメリカがどういう回答をくれたかを資料としてお出し願いたい。いいですね、それは。
#121
○政府委員(吉野文六君) われわれはそういうことを設問する場合に、記録というものはございませんですから、ですからその意味で、先方の返答ぶりとかその他はひとつわれわれの資料といたしまして、検討したいと思います。
#122
○水口宏三君 何ですか。出していただけるのですね、資料として。どういう質問をし、どういう回答を得たかと、議事録がないとおっしゃるから、あなた方の印象でもけっこうです。また相手方の答弁。何もこれを証拠にして私アメリカ大使館にねじ込もうとは思いませんから、これ出していただけるのですね。常時とおっしゃるのだから、まあ少なくともあれでしょう。ここ一カ月間に十回や十五回やっていらっしゃるでしょう。どうなんです。私が伺いますのも、私も今回の行動を国連憲章五十一条の集団的自衛権の発動と見ることに無理があると思うから伺っているんですよ。私の意見は申しません。もちろん私はいまは外務大臣でもなければ、アメリカの別にその責任者でもないのだ。だから、外務省が、あなた方が常時接触をして聞いている、あなた方が大体納得をしているというのだから、その具体的な、何月何日にどういう事項を聞いて、それでいまさっき条約局長が言ったように、何となく集団的自衛権だという、アメリカのああいう何となく……何となくですよ、ね。第一、何となくなんてばかな話ないですよ、あなた。外務省が、理事国がですよ、そんなあいまいなことでもって一体あなた日本の、日本を理事国に選出した国に対して一体顔向けできますか、そんなあいまいなことで。だから、何となくなんてつまらぬことばは使わずに、確信の持てるような接触をして、その議事録全部、議事録ないやつも全部出してくださいよ、ここへ。
#123
○政府委員(吉野文六君) 先方の答弁ぶりをここで簡単に御説明いたしますと……。
#124
○水口宏三君 いや、いま聞くのじゃない、その……。
#125
○政府委員(吉野文六君) 結局ですね、ベトナムに対してアメリカはこれを防衛するというコミットメントを持っておる。したがって、アメリカ軍がベトナムにおいて参戦しこれを助けるのは、これはアメリカとしては集団的自衛権の発動であるんだ、こういうような趣旨で先方は常に訴えているわけでございます。
#126
○水口宏三君 私は、二つ問題がある。あなたは随時連絡をして情報を集めていると、しかも今度は、今回の行動というものはいかに世界を震駭させたか、あなたも新聞で御承知でしょう。それからまた、そのために日本の基地が使われ、B52がやってくる。潜水艦や駆逐艦がやってくる。相模原からはどんどんタンクが積み出される。毎日、新聞の報道を見て国民がどんな心配をしているか御存じでしょう。そういう中で私はあなたに質問しているのであって、抽象論を言っているわけじゃないのですよ。だから私は、当然安保条約第四条の問題ですから、外務大臣に聞きましょう。協議やるのかやらないのか。これはあなたは大臣でないから判断できませんと言えば、きょうは保留いたします。しかし、あなた方は外交ルートを通じて常時連絡をしていらっしゃるというから、だからおそらく最初に北爆が始まったときにも聞いたでしょう。海上封鎖をやったときも聞いたんでしょう。あるいはB52が来たときも聞いたでしょう。そうでしょうね、おそらく。これは私が親切に言うのだから。そういう常時接触をした、いつどういう問題で接触をし、どういう回答を得たかをまず伺いたいのですよ。それらを総合して――大体あなたはあれでしょう、アメリカが南ベトナムに防衛するコミットメントしているから集団的自衛権が発動できるなんと言う。それが五十一条の集団的自衛権なんですか。
 まず第一に、私が前に言ったそういうことは、これはひとつぜひ資料としていただきたいのです。それが第一点です。それはいいですね。出していただけますね。
#127
○政府委員(吉野文六君) 先ほど先生のおっしゃられた具体的な個々のケースにつきましてわれわれが照会し先方が答弁した、これはいずれも口頭でございますが、これらにつきましては一応資料として提出いたしたいと思います。
#128
○水口宏三君 私は事例をあげたのであって、ただそれはB52が来たときとか、その限りのときじゃないですよ。一連のさまざまな行動がありますね。これらについて、国民が心配をしているから、あなた方として国民に対してこれを明らかにする義務もあるし、国民を安心させる政治的責任があるから言っているんです。私はたまたま三つあげた事例だけをとらえているのじゃなくて――それなら事例全部あげますよ、十幾つ。そんなことはめんどうだから、あなた方が常時やっているというのだから、重要な点だけ全部記録として出してください。よろしいですね。じゃそれは出していただけますね。
#129
○政府委員(吉野文六君) 集団的自衛権という点につきましては、返答は先ほど申し上げたとおりでございます。
#130
○水口宏三君 いや、あなた方が集団的自衛権であるということを納得するために接触したんでしょう。その接触の過程を聞きたいということを言っているのですよ、私は。よろしいですね。その資料、じゃ委員長よろしゅうございますね、御答弁ありましたから。
#131
○委員長(柳田桃太郎君) 吉野アメリカ局長に委員長から御質問申し上げますが、はっきり出せるんですか。どうですか。
#132
○政府委員(吉野文六君) これは先ほど申し上げましたとおりあくまでも口頭でやっておりますから、それらのものを簡単にまとめたものでしたら提出できると思います。
#133
○水口宏三君 じゃ、まあ出てから伺いましょう。
 最後に一つだけ。あなたはさっき、アメリカが南ベトナムに対して援助をするというコミットメントをしているから集団的自衛権を発動したとおっしゃいましたね。そうすると、アメリカはどこの国に対してでも、援助のコミットメントをした場合には、その国が攻撃をされると集団的自衛権が発動できるのですか。
#134
○政府委員(高島益郎君) 通常は、コミットメントは相互防衛援助条約という形でもってコミットされております。したがいまして、その条約の規定に基づいて自衛権が行使されるというかっこうになろうかと思います。
#135
○水口宏三君 じゃ、いまアメリカ局長のおっしゃったのは、アメリカが南ベトナムに対してコミットメントをしているから集団的自衛権の発動ができるというお話でした。それはよろしいんですね。
#136
○政府委員(高島益郎君) 少し補足して説明させていただきますが、先ほど先生おっしゃいましたとおり、いわゆるSEATO条約のプロトコル・エリアとしてベトナムがございまして、その南ベトナムが侵略を受けたという理由で、南ベトナムからの要請に応じて米国が援助しているというふうに理解しております。
#137
○水口宏三君 その点は条約局長、もう少し明確にしていただきたいんですね。これはお答えもありましたので、再度いたしません。
 ただ、国連憲章五十一条における集団的自衛権というものは、相手国の安全を守るために他国が防衛に協力するわけじゃないんですよ。そうでしょう。自国の安全というものが隣国なら隣国の、隣国に対する攻撃によって脅かされた場合、共同して安全を守り行動をとるのがこれが集団的自衛権でしょう。まあ、地球の裏側にあるアメリカが、ベトナムにどういうものを感じたか知らぬけれども、少なくとも五十一条で規定されている集団的自衛権というものは、何も相手に対しておまえの国がもし攻撃されたら援助してやろうというコミットメントをしたら、いつでもできる、これじゃまるで攻守同盟と同じじゃないですか。それを禁止したのが国連憲章じゃないですか。それを何とかアリの穴から抜け出してきたのが五十一条なんです。ですから五十一条の行使に関してはきびしい規定があるはずなんですよ。それをアメリカ局長のように、それは南ベトナムに援助のコミットメントをしたから、南ベトナムが攻撃されたからアメリカがこれに対して参加したんだ、こんな程度のいいかげんな答弁で納得できますか。もう少し、あなた外務省なら外務省らしく、憲章ぐらいきちっとした上で答えてください。
#138
○政府委員(高島益郎君) 先生の御指摘のとおり、集団的自衛権というのは、もともと隣国とか、その国に非常に地理的、歴史的に密接な関係のある国が、自分の国に対する攻撃と同じように認めて侵略を排除するということから出発した概念だろうと思います。しかし、現在世界の各国との関係が相互に非常に密接になりまして、必ずしも地理的に隣の国だけに限りませんで、自分の国といろいろ考え方、生活その他を同じくする国との関係においては、そのような集団的自衛権を行使して相互に防衛し得るという慣行が国連憲章発足以来の各国の慣行として生じてきているというのが現状だろうと思います。
#139
○水口宏三君 それじゃそういう慣行ができたから国連憲章はどうでもいいということにはなりませんですね。もし慣行が誤りならば、当然これは正されるべきですね。これはこの前のときにも御質問したんですけれども、アメリカが大体SEATOをつくり、南ベトナムをSEATO第四条適用地域としたのは、まさにドミノ理論ですわね、御承知のように。現在アメリカはやっぱりそういう立場をとっておりますか。
#140
○政府委員(吉野文六君) ドミノ理論を全面的にアメリカ政府がとらない、こういうようなことを言った例はわれわれは聞いておりませんが、少なくともいまの一般のアメリカ国内の世論は、ともかくダレス、ラスク外交によって深入りしたベトナム戦争については、アメリカ政府としても必ずしも現在さらにこれ以上深入りしていくのは賢明でないというような意見が高まっておるわけです。したがって、アメリカといたしましても、一日も早くベトナムから抜け出たいという気持ちが強いだろうと思います。ただその際アメリカといたしましては、いままで自分が支持してきた南ベトナム政権を見捨てるわけにはいかぬ。あるいはその自分たちをサポートしてきた南ベトナムの人民を裏切るわけにいかない。これがアメリカの当面しているジレンマじゃないかとわれわれ考えております。
#141
○水口宏三君 それではっきりいたしました。アメリカ局長は全く国連憲章を踏みにじった考えを肯定していらっしゃいますね。私はなぜドミノ理論を出したのか。アメリカが当時SEATOをつくり、第四条の適用地域として南ベトナムがあるんだ。もしインドシナが共産化されるならばアジアは全面的に共産化されるであろう。そのことは直接アメリカの安全に脅威を与える。したがってこれは国連憲章第五十一条の集団的自衛権に基づいて行なわれるんだという説明をしているじゃないですか。だからしてドミノ理論を出したんです。ところが、いまあなたはそう言っていない。むしろいままでアメリカが深入りをし過ぎてきたことに対して反省をしている、むしろ逐次引き揚げておさめようとしている、ただしチュー政権に約束をした、あるいは南ベトナム人民を救いたい、だから今度の場合介入したんだと。これは全く五十一条と関係ないんじゃないですか。そういうことがもし許されるならば、あらゆる攻守同盟というのが出てきますよ。おれはあの国と仲よくしたいんだ、あの国を守りに行くんだ。国連憲章を全く否定するものじゃないですか。何で五十一条を発動するのか。もしあなたのおっしゃるようなことが常時接触をしているアメリカ大使館からの感触であったならば、あなたどういう接触をしたんですか。もしそういう感触がいままであなたがやってきた接触の結果であったとするならば、五十一条を全く踏みにじるものじゃないですか。そう考えられないですか。
#142
○政府委員(吉野文六君) 法律論と政治論と多少混同させたきらいがあるかと思いますが、私が申し上げましたのは、いわゆるドミノ理論がいまでもアメリカにおいて信じられておるかどうか、こういうことだろうと思いまして、その点につきましてはアメリカの一般的な考え方は、ドミノ理論は正面からは否定していないけれども、しかしながらそれに基づいて行動するということではないと思います。なお、一方におきましては、アメリカのドミノ理論自身がいわゆる実現しなかったということの理由といたしまして、ドミノ理論を間違っておったのか、あるいは実際にドミノ理論が適合すべき基盤がなくなったのか、この点については依然としてアメリカ側は、ドミノ理論が適合しなくなったのは、われわれがあの当時戦争に参加して、そして北側と戦ったからドミノ理論の適合の基盤がなくなったんだ、こういうような解釈をしている面もございます。
#143
○水口宏三君 どうもちょっとわけのわからない御答弁ですけれども、あなたは政治論と法律論とごっちゃになって御答弁なさるそうですけれども、少なくともここでもって審議いたします以上、政治論けっこうですよ、しかし法律を無視した政治論ではまずいですね。少なくとも法律というものを全く無視した形の政治論であるなら、何もアメリカ局長、条約局長あたりに御答弁願いませんよ。私が申し上げているのは、一応非常に無理はあるが、あなた方は五十一条の発動として認めているとおっしゃるからそれで私は聞いているんです。そうしたらあなたは何とおっしゃいました。いまのチュー政権に対してこれを守ると約束をしている、南ベトナム人民がかわいそうだからアメリカが助けに行ったんだ、それで北爆をやり海上封鎖をやったんだ、それを五十一条の集団的自衛権の発動であるというお答えをなさったから、それではあまりにも法律論を無視したというか、法律をむしろ踏みにじった政治論になるではないかということを私は申し上げたわけです。そうでしょう。あなたはそう思いませんか、今度のアメリカの行動ですよ。
#144
○政府委員(吉野文六君) この点につきましては、結局ベトナム戦争を全体として見ていただきたいと、その点につきましてアメリカの参戦したのは国連憲章五十一条によるんだというのが先方の解釈でございます。なお、具体的に個々の北爆ないし機雷敷設の事態が新たに新しい法律論を必要とするということではないんじゃないかと思います。
#145
○水口宏三君 それではこの前の本会議における福田大臣の答弁はどうなるんですか。今度の北爆並びに海上封鎖について、アメリカは五十一条に基づく集団自衛権の行使として安保理事会に申し入れました、だからわれわれは納得していますと言っているじゃないですか、今度の行為についてですよ。あなたは今度の行為じゃないと言っている。どういうわけですか、一体。そう答弁をごまかしてはいかぬですよ。あなたの大臣が言っているんだ、はっきり。アメリカは今度の行為について五十一条による集団的自衛権の行使として安保理事会に申し入れたと言っているんですよ。ベトナム戦争全体についてじゃないじゃないですか。
#146
○政府委員(吉野文六君) 今度の行為につきましても、安保理に手紙を書いて、これは五十一条の集団的自衛権の発動であるということをいっておりますのは、これはやはり全体としてベトナム参戦につきましてアメリカがそういう法律的見地から参戦しているんだ、その一つの行動のあらわれとして北爆ないしは機雷敷設をやっておるんだ、こういうふうに解すべきものであろうとわれわれは思っております。
#147
○水口宏三君 まただんだん話を元に戻してきましたね。私は何回も申し上げますように、アメリカがかつて北爆をやり、五十数万の陸軍を上陸させ、あれだけアメリカがベトナムに深入りした背景をなしているのはまさにドミノ理論であり、ドミノ理論によってつくられたSEATOであり、SEATO第四条適用地域としてベトナムに対する軍事介入、これはあなたお認めになるでしょう。それが失敗であった。したがってアメリカはこれから引き揚げをやるということは、これはあなた自身が言ったこと、そうでしょう。なおかつ、これは前々から福田大臣もおっしゃっているように、半年間少なくともアメリカにおける情勢は平和共存の方向に向かいつつある――定着しておるとか向かいつつあるということでは私は不満ですが、あなたのほうの大臣だから、あなたも大臣の言ったとおりだというから。向かいつつある。情勢は変わりつつある。そういう中で今度アメリカが新しいこういう行動をとったわけですね。そうでしょう。その行動がどういう根拠に基づくものか。SEAT〇四条適用地域として南ベトナムに対する五十一条に基づく集団自衛権の発動であるならば、何も新たに安保理事会に通報する必要は全然ないじゃないですか。新たな行動だから通報したんでしょう。
#148
○政府委員(高島益郎君) アメリカの安全保障理事会に対する報告の中で、追加措置としてこのような措置をとったということでもって国連憲章五十一条に基づく報告ということを書いてございます。これは憲章の五十一条に、自衛権行使をする際にはそういう報告をする必要があると書いてございますので、その規定にしたがったものだと了解しております。
#149
○水口宏三君 それではあなた方は、これまでのアメリカの一連のベトナム戦争というのは、当初アメリカが発想したいわゆるドミノ理論に基づくベトナムヘの介入の延長である、今度の行動はたまたま何らかの原因によってこれに付け加えた付加的行為でしかないんだというふうに御理解なんですか。
#150
○政府委員(高島益郎君) これも安保理事会に対する報告の中に書いてございますけれども、つまり北側が一九六八年における南と北との秘密了解に違反してDMZラインから武力侵攻してきた、これに対抗してこういう措置をとらざるを得なかったということが書いてございます。したがって私どもの理解では、そのような措置が、従来機雷敷設というようなことは行なわれておりませんでしたので、非常に重大な措置と考えまして、米国が新たな追加措置という観点から国連憲章に従って報告したというふうに了解しております。
#151
○水口宏三君 そうすれば、今度の行為というのはいままでのベトナム戦争の延長である、さっきの日米共同声明第四項に基づく予測というものは全く誤まっていたのだ。新たな情勢判断をくださなければならないのじゃないですか。それをあなた方は第四条に基づく協議をやっていらっしゃらない。これはどういうわけですか。アメリカは国連まで追加措置として報告しなければならない重大な軍事行動をとった。これは明らかに大きな情勢の変化です。そういうことに対して、なぜ第四条に基づいて協議しなかったか。これは外務大臣でなければ言えないということであれば、来てから伺いますが、常時接触する中で、あなた方はそれは最も妥当であるという判断はお持ちになったわけですね。国連の理事会でもそういうことを主張なさるということなんですね。
#152
○政府委員(吉野文六君) 国連の理事会において万一この問題が取り上げられたときに、日本政府がどのような態度をとるかという問題は、これはまあ脚問題といたしまして、われわれが米側と常時接触している範囲におきましては、われわれはベトナム戦争自体ははなはだこれは不幸なことである。一日も早く南北が平和のテーブルについてほしい、こういうことでございますが、しかしながら従来の経緯もあって、米側がこれを急にやめ得ない。ましてや今度の事件のように、いわゆるDMZラインを北側が正面から突破して進攻してくる、こういうような事態においては、アメリカとしてもまた新たな追加措置をとらざるを得ないのじゃないか、こういうようにわれわれとしては、事務当局としてはある程度理解せざるを得ない、こういうように考えております。
#153
○水口宏三君 それでは、アメリカ局長の答弁はどうも行ったり来たりしているのでわからないのですが、まあいずれにしても、その点については御報告を出していただいてから伺うことにいたします。
 それから、外務大臣お見えになりましたので、外務大臣にさっそく伺いたいのですが、おいでになってすぐじゃあれでしょうから、その前に条約局長にもう一つだけ伺っておきたい。
 条約局長の立場としては、これは追加措置であるから、これは現在のベトナム情勢についてはSEATO第四条の適用地域として、アメリカが国連憲章五十一条の集団的自衛権を行使した、そう理解してよろしいですか。
#154
○政府委員(高島益郎君) 最初の米軍の介入それ自体は確かに先生のおっしゃるとおり、SEATO条約に基づくプロトコル地域としての南ベトナムに対する援助要請に基づく措置というふうに考えます。しかし、その後米国はSEATOということをあまり申しておりません。したがって、私どもも、かたがたまたSEATO自体が、先生御承知のとおり、非常に加盟国の意思もいろいろ分裂しておりまして、実際に有効に作用しているとは私ども思っておりません。したがって、現在そういう観点から、米国もSEATOということにあまり言及しなくなったというように考えております。
#155
○水口宏三君 それでは外務大臣に伺いますが、先ほどから論議になっておりますのは、今度のアメリカのベトナムにおける北爆の問題、あるいは機雷敷設の問題、そういうエスカレートに伴って、先日は沖繩の嘉手納基地にB52がやってくる。あるいは相模原ではタンクがどんどん直されてベトナムに送り込まれている。あるいは佐世保でもって砲身の焼けた駆逐艦がそれを修理しながら出ていく。こういう事態が連日新聞に報道され、国民は非常に不安を持っている。実はこの前の本会議のときの福田外務大臣の御答弁では、アメリカ側は今度の措置は国連憲章五十一条の集団的自衛権に基づく行為であるというふうに国連に報告している。したがって、これらのことは国連でもって十分協議されるであろうという御答弁をなさった。ところが幸か不幸か、わが国は少なくともアジア諸国から信頼され選出された理事国なんですね。当然、理事国として、理事会に臨むにあたって、今度のアメリカのそういう行為が五十一条の集団的自衛権として肯定できるものであるか否定できるものであるかということの決意をしなければならぬ。そのためには一体どうするのかということをさっきから伺っていたわけです。ところがアメリカ局長並びに参事官のお話では、いろいろ話は聞いているけれども、どうも的確になったとはいえない。まあ、アメリカ側はそう言っているというにすぎない。
 そこで私は一その前にもう一つ、今度の佐世保なり、あるいは相模原なり、あるいは嘉手納におけるそういういろいろな基地の動きというものが今度のベトナムにおけるアメリカの軍事行動と直接結びついて起きたものであるかどうかについて、これは防衛庁長官も、直接結びついておるものであるということを御答弁いただいた。そこで私が伺いたいのは、そうすると、これは非常に重大なやはり極東における平和を脅かす事態が発生した。だからこそアメリカがそういう行動をとったというふうに見るべきであろう。そうなれば、当然それに基づいて日本の基地を直接出撃に使うのは、これはもちろん事前協議と関係がありましょう。そうでなくとも、第四条に基づく随時協議というものが行なわれ、それを前提にして、第六条に基づいてアメリカが日本の軍事基地を使うというのが私は国民感情としては妥当だと思うのです。それをただアメリカ局長のように、何となく随時外交ルートを通じて接触をしております、と言ってはおりますけれども、しかしこういう、これだけの事態に対しては、第四条に基づくアメリカとの随時協議をなさるおつもりがあるかどうか、これは大臣に伺っておきたい。
#156
○国務大臣(福田赳夫君) まず国連の問題ですが、国連に、アメリカが国連憲章五十一条に基づく行動であるという提訴をしている。私はその結論というものは国連が出すことが妥当であると、こういうふうに考えているのです。それで、出先に対しましても安全保障理事会を開くように――まあ消極的な国が多いのです。多いのですが、開くようにという要請をしております。それから、事前協議まではいかないが、随時協議はどうかという話がありますが、アメリカも非常に気を使っているのです。わが国とすると、修理、補修、これは認めざるを得ない。そういう範囲でアメリカも行動している。非常に気を使ってやっておりまするから、その抗議をするとかあるいはそれに類似の協議を申し入れるとか、そこまでする必要はないのじゃないか、いまの段階ではそう考えております。
#157
○水口宏三君 いや、大臣のお話の、国連が一つ結論を出すのは妥当である、これは当然でございます。さらに国連加盟国であり、国連加盟国がとった行動について国連が判断を下すのは当然でしょう、しかもそれは最終的に安保理事会が。しかし安保理事会というのは特別な椅子が並んでいるわけではないのであって、常任理事国と各国の選任理事国によって構成されるわけです。当然それぞれその理事国の意見というものによって安保理事会の結論が出るのだ。したがって日本が理事国である以上、今度の行動について大国日本としての主体的な判断があってしかるべきではないか。その判断がないということはおかしいということで、先ほどから伺っているわけです。何も日本がかってにきめて、これをアメリカに押しつけるとか、あるいは他国に押しつけるということじゃないと思う。しかもその判断をつけるにあたって、この間福田外務大臣の御答弁も、どうも時々刻々情勢が変わるので、よく情勢がわからないから何とも言えないというお話だった。実に私は情ないと思いました。きょうアメリカ局長に伺ってみると、随時外交ルートを通じて接触はしているけれども、何となく五十一条でいいのじゃないかと思うというような、条約局長の御発言、御答弁もある。それほどわかりにくいものであるなら、第四条に基づいて明確にアメリカ側と話し合いをして、その結果を国民に明らかにする。国民は毎日の新聞を読んで心配をしているではないかということを私は申し上げているのです。だから国連の安保理事会できめるのは当然のことです。その一理事国である日本の主体的な意見というものをまずつくるためにも、この間の外務大臣の御答弁あるいはきょうのアメリカ局長、条約局長の答弁を聞いても、要するに手探りをして、よくわからない。だから、第四条があるのだからアメリカと正式に協議をして、そうしてそれに基づいて日本としての判断をまずつくる、そうして安保理事会に臨んでいただきたい。また日本の国民に対しても、新聞を通ずるなり、特にこの国会を通じて政府の考え方を明らかにしていただきたいのです。
#158
○国務大臣(福田赳夫君) アメリカ側からは事前通報というものがあるのです。たとえば岩国の問題あたりにいたしましても、あるいは数日前のB52ですね、あの問題にいたしましても事前に通報をしてきているのです。そういうようなことで、これはかなり緊密な連絡はとっておる。しかし事前協議の対象となるような事態はない、こう判断をいたしているわけです。わが国はどうしたってこれは日米安全保障条約を必要とする立場にあるわけなんで、その立場から言いますると、補修、修理、これはもう認めなければならぬ立場にまたあるわけなんです。ですからそういう条約上の義務は履行しなければなりませんけれども、国民が不安、不安というふうにおっしゃいますが、しかしベトナム戦争の関連におきまして、わが国がこの戦争に巻き込まれるというような事態があっては断じて相ならぬというふうに考えておりまして、事前協議を要するというような事態がかりにある、そういう際には、もう断じてこれはノーと言うかたい決意を示しておりますので、私は国民はそうは心配はされておらないんじゃないか、このように考えております。
#159
○水口宏三君 これで私の質問は終わります。一つは、外務大臣、ちょっと勘違いをしていらっしゃるんじゃないかと思うんですけれども、いわゆる事前協議を私は申しておるんではなくて、安保条約第四条に基づくこの協議を正式にやってくれと、つまり極東の平和を脅かすような事態ができた場合には随時協議をするという第四条があるわけですね。それをやってくれということを申し上げたのが一点。
 それからもう一つは、それとは並行的に、外務省が外交ルートを通じてさまざまな接触をしていらっしゃるそうです。その結果については議事録はとっていないが、何月何日にどういう事態についてどういう協議をしたという、そういう報告をまあアメリカ局長から出していただけることになりましたので、それは外務大臣の御了承をひとついただきたいということでございます。その二点でございますから。
 これで私の質問を終わりますけれども、私が申したのは事前協議じゃないんでございます。これは第四条を申し上げておるのでありますから、それは誤りのないようにひとつお願いいたします。
#160
○国務大臣(福田赳夫君) 第二点の資料の点はしかと承りましたが、それから随時協議の点は、非常に事前協議を要する事態にして、事前協議を行なっておらぬというようなまぎらわしい事態がありますれば、随時協議をいたします。
#161
○鈴木力君 今度のこの事前協議ですけれども、事前協議を私はやり直すべきである。あるいは事前協議の対象になるこの対象をですね、総点検をして協議のし直しをするべきである、そういう気持ちで若干伺いますけれども、時間がありませんから簡単に伺いますが、まあ一つの例で申し上げますと、沖繩に着陸をしたB52三機の問題がありますね、このB52が着陸をしたときに、たぶん福田大臣が、外務大臣が、それは緊急着陸でやむを得ないことで、今後はB52は着陸をしないように、あるいは常駐しないと思うというような、そうしてさらに事前協議の対象にならない、そういう答弁をしておったと思う。ですが、先ほど局長さんにもいろいろ伺ったんですけれども、一体あのB52が沖繩の嘉手納空港に着陸をしたということが、ほんとうに不可抗力であったのかどうかという問題。私はもしもこれが事前協議の対象になっておれば、来なくて済んだはずである、そう考えますけれども、外務大臣いかがですか。
#162
○国務大臣(福田赳夫君) 私はあの朝、二十日ですね、あの朝八時ごろ外務省の局長から連絡を受けまして、B52三機が気象上の理由で嘉手納へ着陸しました、どうしますかという話がありました。これはもう一時着陸、これはやむを得ない、こういうふうに指示したわけです。その後はっきりした事実は、西のほうから飛んで来て、そうして東のほうに飛来する、その途中のできごとで、滞在時間は数時間である、こういうことであります。そういう事態でありまするから、これは私どもが常々申し上げておる、B52は再び沖繩に移駐することはなかろうという、その問題とは全く別の問題であるわけでありまして、まあ気象条件でどうも嘉手納へとまらなければならぬというのを、これを阻止するというのもおかしな話なんで、私もこれは応諾するのが当然だというふうに、いまでも考えておりますが、とにかく、事前協議の対象とする、そういう性格のものじゃない。それだけははっきりしておると、こういうふうに考えております。
#163
○鈴木力君 問題はその気象条件でということなんです。これはもうやりとりはあまりしませんがね、大臣、さつき局長からそのことははっきりいたしました。気象条件というのは、出発点である、発進地であるグアムの気象は好天であった。いい天気だった。沖繩周辺の気象が空中給油をするのにふさわしくない悪条件があった。これが気象条件で表現されている中身であります。これはもう午前中の私の質問ではっきりいたしました。
 そこで、もし福田外務大臣が、これは前にしばしば言っていますように、空中給油は事前協議の対象にならない、こう言っておられるのですね。だから空中給油は事前協議の対象にならないという、そこを認めておるもんですからね、結局あの飛行機はどこをどう通ってきたかというと、グアムを発進をして、爆弾を積んで、そうしてベトナムに行って爆弾を落として、帰りに沖繩で空中給油をすべきものを、気象が悪いから沖繩に着陸した、こういうことでしょう。気象条件というのはそれだけ。
 そうすると、B52が沖繩に着陸をするということが、これが事前協議の対象になると、政府がはっきりしておけば、あのとき飛んできた飛行機は、発進のときから沖繩の上空の気象が空中給油がむずかしくなるということがわかれば、発進しないはずだ。あるいは空中給油が事前協議の対象になるということにしておれば、初めからグアムに戻るだけの燃料を積んで来たはずですね。
 これは大臣、いろいろな説明をなさるかもしれませんけれども、私もある程度調べておる。かつて二年ほど前に、沖繩から直接ベトナムを攻撃したときにも、あのときにも、爆弾を多く積載するために燃料が足りなかった。そしてKC135が迎えに行って、燃料を積み込んで着陸をしてきた。それをいま公然とやっているわけですよ。その場所が沖繩の上空だ。だから天気が悪いから緊急着陸という形でやった。そうして地上で給油をしておるわけだ。そうしてB52が来たということで、日本中が大騒ぎをやっておる。沖繩の現地はあんな騒ぎになっておる。だから、大臣が常駐しないということ、これは当然な話なんだ。こんなことは説明にならないと私は午前中にも局長にも申し上げたんです。なぜ常駐しないということになるかというと、沖繩の施政権が返還をしたんですから、日本の国から直接ベトナムに爆撃を加えられないということになっていますから、だから常駐しないことはあたりまえだ。ただ空中給油という形で行って、そのとき天候が悪ければもう一度来る。これを頻度はどうこうと言っている、米軍にですね、例外とか何とか言っておるけれども、例外だ例外だといって常駐した過去の例もある。だから私は、こういう問題については、事前協議というほんとうの立場から言えば、もう少し厳密にこのものを考えなければいけないのではないか。事前に連絡がありましたからと、それは連絡だけの話でしょう。そういう形に話しておけば、気象が悪ければ、油を持っていないから、これはしようがないというのはあたりまえだ。私もその点はそう思います。そうならないように手を打つのが事前協議ではないのかと、こういうことなのですが、時間がありませんから、そこで外務大臣にはっきりしておいていただきたいのは、大臣は、補給は事前協議の対象にならないと、しばしばおっしゃっていらっしゃいますね。しかし、この補給は事前協議の対象にならないと言っておっても、いままでのこの国会答弁でも、直接戦闘作戦行動に結びついているものは事前協議の対象になるという答弁もずいぶんあったわけですよ。いかがでしょう。そうすると、空中給油というこのこと自体は、帰りであるからということでは全くのごまかしだ。言いのがれですよ。戦闘行為というのは行ってきて帰ってくるまでが戦闘行為なんだから、こういう形のものを許すということは、どうしても私にはわからない。
 そこで一体政府が、作戦行動と補給行動ですか、これらをどういうふうにはっきりと見解を持っていまの事前協議の対象をきめておるのか、まずその点を、はっきりしたことを伺いたいと思うんです。
#164
○国務大臣(福田赳夫君) これはかなりはっきりした統一見解を示しておるわけでございます。つまり補給は自由である、しかしその補給行為がその行為そのものとして戦闘作戦行動と理解されるような、別のことばで言いますると、戦闘作戦行動と密着不可分の関係にある補給活動、これはよく例に引かれるのでありまするが、落下傘降下部隊が降下をする、それに対して上空からたまを補給いたします、これのごときは、補給という一面があるけれども、これは戦闘と一体だというので、これは事前協議の対象とする。それから給油の場合は、非常にこれはむずかしいんです。むずかしいんでこれも統一見解を示しておるわけでありまするが、地上における給油、これは事前協議の対象とする、しかし空中給油については事前協議の対象としない、こういうことです。その理由は、同じ給油ではございまするけれども、地上において給油する、何のためにするかというと、その基地を根拠といたしまして、作戦軍事行動がそれから始まるわけなんですから、そういう意味においてその給油活動は、これは補給ではありまするけれども戦闘と密接不可分の関係にある。しかし、空中における給油、これはそこまで密接不可分とは言い切れない、こういうので、明快に私どもは統一見解を前からお示ししておる、こういうことでございます。
#165
○鈴木力君 かりにですね、B52でも何でもいいですよ、ある基地から戦闘行為をして帰って来ますわね、そのときに大臣は帰りだからということでいまのような答弁をなさる。行くときに空中給油をしたら戦闘行動には関係がありますか、ありませんか。
#166
○国務大臣(福田赳夫君) 帰りであろうと行きであろうと、いやしくも基地で、沖繩の基地であるいは本土の基地で補給を受けまして、それから出撃をするという際は、これは事前協議の対象といたします。また行きであろうと戻りであろうと、空中において給油を受ける、これは事前協議の対象とはもちろんならない。
#167
○鈴木力君 私の言うのは、対象になるかならないかというふうに聞いているのじゃないのです。対象にならないと言っているから私はこういうことを言っているのです。そうじゃなくて、戦闘行為と直接結びつく結びつかないと言うから、空中給油がほんとうに戦争に結びつかないのかということを言っているのです。たとえば飛行機が行って爆弾を落して帰って来るでしょう。その帰りに空中給油を受けるということがあるから、ここからのこれは戦闘行為が成り立つんであって、空中給油が受けられなければ、その戦闘行為は成り立たないでしょう。どうですか。
#168
○国務大臣(福田赳夫君) 要するに、わが国の基地が戦闘作戦行動の基地になるということになると、これは重大ですからそこで事前協議をするわけなんでありまして、その基地には絶対にしないと、こういうことを申し上げているのでありますから……。
#169
○鈴木力君 私の言うのは、いまのKC135は沖繩の基地から油を持って行っているわけですよ。日本の基地から行っているわけだ。だから空中給油というそのことが戦闘行為であるということを認めれば、直ちに日本の沖繩の基地が戦闘行為に使われているということになるじゃないですか。それを帰りだからどうとか、これは三百代言的なものの言い方であって、まさに常識的のものの言い方にはなっておらないのです。だから、私は時間がないから詰めてものを言いますけれども、したがって午前に、大臣いらっしゃいませんでしたけれども、防衛庁の見解も伺いました。これははっきりと前提がありますが、防衛庁の御答弁は、安保条約とは関係がないと。そのとおりだと思います。そのとおりだと思うが、防衛庁では、自衛隊の訓練にはそういう補給あるいは給油を、これも戦闘行為の中に一つ入れてある。これが国民になるほどと信用させるものの言い方なんであって、大臣のような特別な関係で特別なひねり回した三百代言的な答弁は、逆に国民を信頼させない答弁になっておる。だから思い切ってそういうものはきっちりと認めて、そして空中給油というような、これは直接戦争に結びついていないという説明は、福田外務大臣でなければできないような、よほど悪知恵のある人でなければできませんよ、その説明は。だからそういう説明は、「悪知恵」は取り消してもいいですけれども、そんなごまかしでなしに、すっきりしたものにする気はないかということが一つと、それからもう一つすっきりしないのは、外務省の見解で機雷の敷設ですね。機雷の敷設は戦闘行為でないからこれも事前協議の対象にはならないのだとおっしゃっているように聞いておりますけれども、これはほんとうですか。これもついでですから一緒に伺っておきたいと思います。
#170
○国務大臣(福田赳夫君) 私どもはひねくり返しているわけでも別にないのでありまして、ただ、鈴木さんと私ども立場が違うのです。私どもは日米安全保障条約というものはこれを堅持する、これが非常に大事な点なんです。その上の議論なんですね。で、日米安全保障条約を無力化すると、こういうようなことは考えておりません。ただ日米安全保障条約を堅持はいたしますが、しかし、これあるがゆえにまた戦争に介入するというような事態になっては困るので、そういうようなことも考えながら事前協議という制度もある。その事前協議の制度、これにつきましてはだから私どもは非常に慎重でありますが、その適用について、鈴木さんのほうは、日米安全保障条約というものは、これを押えようというような考えがおありになるんじゃないか、そういうような感じがする。そこに御意見の、この事前協議条項の適用につきまして議論のすれ違いというものが出てくるんじゃないか、そんな感じがしてならない。私どもはどこまでもこの日本の基地というものが、これがベトナム戦争の作戦行動の基地化すること、これにつきましては断固として応じないという方針をとっておりますから、そのことはとくと御了解を願いたいと、こういうふうに存じます。
#171
○鈴木力君 機雷の話はあとで聞きますけれども、立場が違うという話はちょっとやめてもらいたい。安保条約廃棄という立場でいうと、私はこんな質問はしない。いま安保条約が基礎になって、そして交換公文があり、事前協議制というのがある。その事前協議制を洗い直す気はないかと私が聞いておるのに、立場が違うと言うのは少しおかしいじゃないか、そうでしょう。自分の立場を捨てて、政府の見解に基づいて国民を納得させる方法として、私がむしろ進言をしておる。安保条約を廃棄をすればこんなものは解消しますから、それなら安保条約を直ちにやめる気はないかと私は言います。そんなよけいなことを言ってもらわないでまともに答えてもらいたい。私は安保条約があって、その交換公文があって、それに事前協議制というものをつくってある。政府はこれが歯どめだといままでこう言ってきた。その歯どめがいままでの解釈では歯どめにならなかったからB52が飛んできた、こういうことです。空中給油が事前協議の対象になりますと福田外務大臣が言っておれば、あの飛行機が飛んでくるはずはないのです。空中給油というのを計算をして飛んできたが、天候が悪いから沖繩へおりたと、こういうことです。そうでしょう。それを直接戦闘行為に結びつかないなどという説明は、いまや説明にならないということを私は言っておる。そういう、説明になるような説明の立場に立って洗い直しをやるつもりはないか、やるべきだということを私は言っておる。安保条約廃棄の立場では事前協議洗い直しなんということは言いはしませんよ。その点はおわかりいただけると思う。そういう点で再点検をすべきだ。
 もう時間がありませんから、もう一つ、さっきの機雷の敷設についての見解を聞きたい。
#172
○国務大臣(福田赳夫君) 機雷の敷設のためにわが国の米軍基地を発進した飛行機が機雷を搭載してベトナムに向かい、そうしてそういう機雷敷設活動をする、これが事前協議の対象となるかならないかと、そういう問題だろうと思いますが、これは態様によると思うんです。これは抽象的な一般論を申し上げておるわけでありまするけれども、これがほんとうに戦闘作戦行動の一環として理解されるという性格のものであれば、これは事前協議の対象となる、しかし、そうは理解されないというものであれば、これは事前協議の対象とならないと、こういうふうにお答えするほかはないわけです。そこで、現実は、わが国の基地から爆弾を搭載して機雷を敷設いたしたという事実はないと、こういうことをアメリカでは証言しております。
#173
○鈴木力君 事前協議というのは前の協議ですから、できてしまったあとを追っかけるというのは事前協議じゃないわけですから、今後ある場合というのを想定してものごとをはっきりしておかなければいけないわけです。したがって、いま大臣がおっしゃったように、日本の基地から機雷を搭載していって機雷を敷設をしたと。あるいは軍艦が持っていってやることもありますよね。その場合に特定国1いまやそんなこと言わずに、ベトナムとはっきり言ったほうが率直でいいと思いますよね。ベトナムの領海にあるいは沿岸に機雷を敷設をする、こういう行動は作戦行動となって事前協議の対象になると、私はそう思いますけれどもいかがですかと、こう聞いておる。
#174
○国務大臣(福田赳夫君) そういう場合はいまないんです。わが国から発進した飛行機が機雷を搭載して、そうしてベトナム水域で機雷を投下したと、こういうケースがないものですから、それはどうも判定がむずかしいんですが、これは抽象論で、なかなか言えないのです。つまり、その行動の態様、これが問題なんです。これが作戦行動的な態様であるかどうか、その辺が問題なんですね。そのケースがありますれば、われわれもこれはどうだということのお答えもできまするけれども、ケースがないんです。そこでお答えがいたしにくいと、こういうことを申しあげておるわけです。
#175
○鈴木力君 何べんも言っておりますが、ケースがないということでは事前協議の対象にならない――将来あり得る場合のことをはっきりしなければ事前協議の議論にならないでしょう。だから私は、いまたとえば、それならはっきりするためには、今度ベトナムに米軍が機雷を敷設しましたですね。それは日本から行ったと私は言いませんよ。もしあれが日本の基地から直接行って機雷を敷設した場合には事前協議の対象になるものであったのかなかったのか、それをはっきり聞きたいと、こういうことです。
#176
○国務大臣(福田赳夫君) これは、私どももベトナム現地の戦闘の状況というものをつまびらかにしておらない。そこで的確には申し上げられませんけれども、ベトナム軍がこの飛行機に対して地上砲火をもって応戦をする、それをおかして機雷を敷設する、これはまさに私は、そういう際には、機雷の投下、これは戦闘作戦行動の一環であるというふうに思います。そういう際に、かりにわが国の基地からそういう性格のものが発進をすると、そういうようなことであると、事前協議の対象事項になるんではないかと、そういうふうな感じを持っております。いずれにしてもケースがないものですから、そこで的確なお答えがいたしにくいと、こういうことを申し上げておるわけです。
#177
○鈴木力君 もう私の時間がありませんで、これでやめますが、最後に私はやっぱり大臣に強く要求をしておきたいんです。
 一つは、ケースがないから考えないという政府の姿勢ですね。事前協議の対象になるかならないかという場合に、いろいろなケースを想定をしてみて、こういうケースの場合には事前協議になるんですと言っておかないと、できてしまってからあとで追っかけていったのでは事前協議にはならない。私はいままでの日本の政府の姿勢では、そういう点ではきわめてこの事前協議制というものについてはなまぬるい。何となしに三百代言ということばを使って恐縮でしたが、悪ければそのことばば取り消してもいいんですけれども、常識でいえば政府のいままでの、たとえばB52の空中給油の説明なんかはまさにごまかしもいいところ、これはごまかしというよりも、いかにしてアメリカ側の作戦行動を合法化するかというために苦労してものを説明している、そういうふうにしか見えないんです。
 だから繰り返して言いますが、あのB52がくるのは、空中給油が作戦行動であって、これはもう、あるんですから、はっきり言っておきます。それが事前協議の対象になるということでアメリカと交渉し直してくればああいう問題はすぱっと一ぺんに安心ができるんです。そういう点で私はもうこの点をはっきりとしていただきたい。
 もう一つ、いまの機雷の例なんです。この機雷については、大正八年の条約では、侵略の定義の条約ですか、これには、機雷を敷設するということは侵略行動であるということがはっきりと条約で締結されているはずなんです。その後の条約は私も勉強していないのでよくわかりませんけれども、そういうような形になっている。もういま有効かどうか、時間がありませんから議論をしませんけれども、さっき大臣がおっしゃったように、明らかにこれが戦闘行為である、そうなる場合には事前協議になる。先ほどお答えいただいたように、一つ一つそういうケースをはっきりとして、そして日本がいま現実には、午前中に伺ったように、政府の見解はそれほど心配がないという見解、われわれは心配だという見解ですけれども、しかし、いずれにしても日本全土がベトナムの戦争のエスカレートによって非常に大きな影響を受けておるこの際に、き然とした政府の方針、態度、これを出してほしいし、事前協議についてはどうしてもいまのような解釈論で押し通す時期にはもうきていない。そういう点で、ひとつ再検討を要望して私の質問を終わります。
#178
○沢田実君 きょうの委員会の議題が一つに制約されておりますので、端的にお尋ねをしたいわけですが、B52の問題についてはいまも、また午前中の外務委員会でも、外務大臣は同じように気象条件のことだけ繰り返しております。それで、その前提として防衛庁長官にお尋ねをしたいんですが、なぜ沖繩の上空までB52が飛来したのか。いまお話しのように、グアムから発進してベトナムへ行けば、グアムへ帰ればよさそうなものだけれども、なぜ沖繩に三機だけ来たのか、その辺の事情はおわかりになりませんか。もしそういうことが、空中の給油が常時行なわれているんだ、たまたま気象が悪いから三機だけ地上におりたんだ、こういう状況なのか。あるいは全く三機だけ突然来たのか。なぜ三機だけ沖繩の上空に来たのかという理由については、防衛庁ではどんなふうに掌握していらっしゃいますか。
#179
○国務大臣(江崎真澄君) これは午前中から外務省当局が答えておるところと違わないわけでありまして、外務省の説明をわれわれは了承をしておるわけで、外務省の見解と特に防衛庁が違った情報を持っておる、こういうことはございません。
#180
○沢田実君 外務省がアメリカから聞いた話だけじゃなしに、防衛庁は防衛庁なりにいろいろな軍事上の問題も専門的な立場から御存じでしょうから、そういう点から考えて、いま申し上げたように、常時ベトナムへ回ってグアムへ帰っているのか、あるいはたまたま三機だけ来たのか、その辺はどうですか。
#181
○国務大臣(江崎真澄君) その辺はいま防衛局長とも打ち合わせましたが、よくわからないということであります。したがって先ほど外務省から答弁がありましように、KC135によるいわゆる給油作業ができなかったかというような想像もなされるわけです。これはB52が燃料を使い果たしたのであるか、また気象条件が西太平洋地域が悪くて燃料を使い果たしたのか、あるいはKC135によって当然そこで給油すべき事態であったが、KC135が的確に給油をするというのにはどうも気象条件が合わなかったのか、その辺についてはやはりつまびらかでございません。想像するのに、まあそのどちらかであろうと、こういうことです。
#182
○沢田実君 外務大臣もその辺の状況は同じですか。もしそうだとすれば、なぜその気象条件が悪いからやむを得なかったんだという判断になったわけですか。
#183
○国務大臣(福田赳夫君) 気象条件が悪くてどうも飛行に支障があると、一番近い嘉手納に着陸したいと、こういうのを阻止するというのはいかがであろうか。私どもは阻止するというわけにはいかぬ、こういうふうに考えましてこれは了といたしておると、こういうことなんです。
#184
○沢田実君 そうじゃなしに、私が申し上げるのは、要するにグアムを基地にしているB52がベトナムを爆撃している。それは爆撃してみんなグアムに帰っているのか、あるいはほかの飛行機もみんな同じようにベトナムを回ってグアムに帰っているのか、その辺の状況がわかりませんと、その三機だけたまたま来たのか、あるいは常時来ているんだと、その三機だけは空中給油ができなかったんだと、こういうふうなのか、それは防衛庁ではわからないんですか。
#185
○政府委員(久保卓也君) 正しい意味でお答えはできませんけれども、AP電によりますると、ちょうどあの飛行機が来た以前、過去四十時間以内にB52約百機がコンツム付近を爆撃しているといわれておったようであります。そこで、今回嘉手納におりたのは三機だけでありますから、たまたま何らかの理由によってこの三機については給油ができなかったのであろう、おそらく給油技術というのは非常に高度の技術を要するものでありますので、しかも給油する場所というものがあらかじめ特定されておるはずでありますので、その局所的な気象が特に悪かったためにうまくいかなかったんではなかろうか。これは想像であります。
#186
○沢田実君 そうしますと、グアムから北爆をしてグアムへ帰るんじゃなしに、特定の上空で給油して必ず帰るということが北爆の普通の作戦になっているわけですか。
#187
○政府委員(久保卓也君) 必ずそうであるという情報、資料は持っておりませんけれども、そうではないかと想像いたします。
#188
○沢田実君 その百機なり二百機なりが爆撃して三機だけたまたま来たと、こういうことですが、常時、防衛庁の資料によりますと千八百五十キロが行動半径ですから、沖繩から千八百五十キロのところまでしか給油のためのKC135は行けないわけですから、そうすると、そんなところをわざわざ回ってグアムへ帰っているというようなことを、なぜそんなことをするのか、その点については外務省としては、それを繰り返しておりますと、また気象条件が悪いから沖繩へということが今後また起こります、これは。そうすると外務大臣は、同じように、気象条件が悪かったらやむを得ない、また五機来た、これもやむを得ない、こんなことを繰り返すおつもりですか。
#189
○国務大臣(福田赳夫君) 今回の通報を受けたときに、私のほうはアメリカに対しまして注意を喚起しておるんです。こういうことが反復されるということがあってはならない、こういうことです。これについて注意してほしいと、こういうことです。それからB52が沖繩に移駐をしてくるということにつきましては、これは絶対にそういうことをしてもらっては困る、この二つのことを要請しておる、アメリカはこれを了としておる、そういうことです。
#190
○沢田実君 そうしますと、私が申し上げましたように、北爆をして帰るのはまっすぐグアムへ帰って、そんな変なところを回ってわざわざ空中給油をしないというほうが私はいいと思うんです。そういうようなことについてのアメリカとの外交交渉はしているんですか。
#191
○国務大臣(福田赳夫君) それは外交交渉の問題であるかどうか、外の問題じゃないと、こういうふうに思いますが、そこのアメリカの航空機の通り道まで私どもは話し合ってはおりませんです。
#192
○沢田実君 そうおっしゃいますが、われわれ国民の立場に立ってみますと、まっすぐにグアムへ帰ればいいのに、なぜ沖繩の上空を経由して帰るのかという疑問を持ちます。ですから、そういうことを繰り返す危険があります。そういうことを確認しませんと、外務大臣が気象上の都合だと幾ら言われても、なるほどそうなのか、これはやむを得ないんだなあと、こういうふうに納得できないわけなんです。それに対して外務省では、あなた、気象条件が悪いんだからそれはやむを得ないんだということで私のところに話があったから許可をしたんだと、こういうお話ですけれどもね。やっぱりそこにくる前提があると思うんですよ、これだけ問題になっているときですから。ですから、なぜそれが沖繩の上空に来なくちゃならなかったのかということがはっきりしませんと、私はグアムから行ったら爆撃してグアムへ帰ればいいんじゃないか、単純にそう思います。ですから、専門のあるいは防衛庁なりあるいは外交を担当している皆さんが、そういう単純な考えじゃいけないんだ。こういうわけだからどうしても空中給油をしなくちゃならないんだというわれわれを説得するものがなければ、気象条件だからやむを得ないんだというその外務大臣の答弁、私は納得できません。
#193
○国務大臣(福田赳夫君) まあ外交当局といたしましては、とにかくそういうことが反復されないように注意してもらいたいと、こういうことを言っておるわけなんです。その注意の方法論ですね、これはアメリカ側が考えることであって、どこの道を通りなさいと、この道は通っちゃ困ります――そこまで言うのはどうか、私は外交当局としては行き過ぎじゃないか、そんなような感じがいたします。
#194
○沢田実君 アメリカにどこを通ってどうするんだということを聞いているわけじゃないんですよ。国民の立場に立てば、グアムから行ってまっすぐグアムへ帰ればいいじゃないかと思うんです。わざわざ回ってきているんですから、その点についてあなた方がほんとうに納得してこれはやむを得ないんだと、こういうふうにしなくちゃどうしようもないんだということを納得していらっしゃるならいいですよ、どこまででも行って給油できるのじゃないですから。行動半径は千八百五十キロしかないんですよ。ですから沖繩の近くまで必ず回るわけですよ。なぜそんなことをするのか、私は納得できないわけですよ。防衛庁はどうですか。
#195
○政府委員(久保卓也君) このB52の航続距離が爆弾を搭載しない場合に一万六千ないし一万九千といわれておりますけれども、問題は、爆弾を満載した場合の航続距離あるいは行動半径というのはわかっておりません。したがいましてその点がわかれば少し明白にお答えできますが、若干の仮定を考えてみますると、グアムからかりにベトナムを爆撃しましてタイのウタパオというやはりB52の基地に着陸すればこれはもう全然問題はありません。しかしながら、御承知のようにいまB52が増配されております。したがっておそらくウタパオに行く余裕がないといたしますると、グアムに帰ってまいらねばなりません。そういたしますると、グアムからベトナムまで四千数百キロございます。四千二、三百キロ程度であります。たしか、ちょっと記憶違いがあるかもしれませんけれども、爆弾を搭載した場合にたしか九千キロ前後がこの航続距離ではなかったろうかと私は思います。その数字がいまちょっと手元にありませんが、まあそういたしますると、グアムとベトナムの往復は、これは戦闘時間、つまりベトナムにおきまする爆撃時間とそれからグアムに帰着しまするときの余裕の燃料というものを考えてみますると、普通航続距離というのは大体――行動半径は航続距離の三分の一強というふうに見られます。したがいまして、普通にグアムからベトナムを攻撃してグアムに帰ってくるということは困難であろう。そこで途中の段階で給油をする。もしその給油ができなければ、先ほど申し上げたタイにおりるか、もう一つはフィリピンにおりますか、あるいはもう一つは台湾におりる手もあります。それと沖繩しかないということだろうと思います。
#196
○委員長(柳田桃太郎君) 沢田君、時間です。
#197
○沢田実君 要するに、爆弾を積むために油を少なく積んで行くわけですよ。どこかで補給せんならぬ、こういう条件になっているわけですから、ただ外務大臣、二度とないようにしてくれと言ったって、いまのままでは二度三度来ることになると思いますよ。そういう点をひとつよく考えて、厳重な交渉をしてもらいたいと思います。
 それからもう一つ、時間がないそうですが、一点だけ。社会党の皆さんからお聞きになった点ですけれども、要するに外務省の考えが、アメリカ局あるいは条約局を中心にして検討した結果、最近機雷封鎖についての考え方が変わったというようなことが新聞に報じられておりますが、その点についてはどんなふうに変わったのか、機雷の封鎖について。あの当時には要するに事前協議の対象にはならないというのが外務省の考えであった、その後検討した結果、これはいわゆる戦闘作戦行動と見ないところに無理があるというような考え方が大勢を占めてきて、外務省の考え方が変わっているというようなことが新聞に報道されておりますが、その内容はどうでしょう。
#198
○国務大臣(福田赳夫君) これは外務省の考えは初めからしまいまで変わっておりませんです。つまり、機雷の敷設活動が、これが戦闘作戦行動の一環と見られるような行動でありますればこれは事前協議の対象となる。しかし、これがそういう性格のものじゃないというような場合におきましては、事前協議の対象とならぬと、こういうことで、一貫してそういうふうに言っておるのです。
#199
○沢田実君 その判断は、先ほどもお話がありましたが、要するにその行動が終わったあとからでないとわからない、こういうことでしょう。
#200
○国務大臣(福田赳夫君) これはそうじゃありません。補給というものですね、これが密接に戦闘作戦と癒着している、こういう行動はこれは事前協議の対象となる、こういうふうに言っておるわけです。それと一環の問題でございますので、あらかじめそういう判断をしておるわけです。アメリカ側がこれは戦闘作戦行動の一環でない、こういうふうな判断をいたしますれば事前協議の対象とはならぬ。しかし、わが国からそういうものが発進をされる、これはどうも戦闘作戦行動の一環だというふうにわが国が考えるというような際には、随時協議という道があるわけであります。
#201
○沢田実君 時間がありませんのでやめますが、この問題は次の機会に……。
#202
○委員長(柳田桃太郎君) それでは、また……。
#203
○中村利次君 従来の政府の見解及び先ほどからの外務大臣のお答えから、私は非常に明確なものをここで再確認をしてみたいと思うんですけれども、戦闘作戦行動というのは、基地を発進をして戦闘行為を行なって基地に帰還着陸をするまでが、これが戦闘作戦行動であるということですね。それから地上の給油はこれは作戦行動の中に入る、したがってこれは事前協議の対象になる。しかし空中給油はこれは事前協議の対象にはならない、戦闘作戦行動のうちには入らないのだという、こういうきわめて明快な、明確なお答えが出ておりますけれども、地上給油はどうかということは、これはたいへんに苦しいあれでして、後ほどぜひ私は明確な政府の統一見解にしてほしいと思いますが、しかしそうでなくって空中給油は現在では、明確にこれは事前協議の対象にならない、戦闘作戦行動の対象にならないとおっしゃっている。そういう立場をとってみても、今度のB52の嘉手納への緊急着陸は、理由はいろいろあったでしょう、空中給油ができないのだからこれは人道上やむを得なかったのだという御答弁が午前中からありましたが、しかし作戦行動中に、とにかくどんな理由があったにしても、空中給油ができなくって地上で、嘉手納基地におりて給油をしたというそういう事実が出たわけです。ということは、これはやはり嘉手納基地がB52の戦闘作戦行動の直接の給油地になったという、こういう事実は否定できないと思うんですが、いかがでしょうか。
#204
○国務大臣(福田赳夫君) ちょっと答えがデリケートになりますが、これは、私どもが空中給油と地上給油を区別しておりますのは、地上の給油もひとしく給油です。ではありまするけれども、給油を受けてそうしてベトナム戦争に向かって戦闘参加のために発進をするがゆえに、空中給油とこれを区別しておるわけです。そこまではおわかりですね。したがって、今度は帰りに給油を受けまして、こういう行為、これは給油を受けた後ベトナムに向かってまた発進をするというのであれば、これは事前協議の対象といたします。しかしそうじゃない。現実の問題はグアムに向かって帰還をする、こういう問題なんですね。ですから法理上は、私は事前協議の対象とはならぬというふうな性格のものである、こういうふうに考えまするが、しかしとにかく地上で給油するんだから、これは素通りというか、ごあいさつなしにというわけにもいくまいと、こういうので、アメリカではわざわざ事前にわが国の了解を求めるというか、通報をするとか、そういう行為をとっているわけです。あくまで地上で給油することはわが国としては事前協議の対象としてこれを要求する、こう言っておりますが、それは、給油を受けてそうしてそれで戦闘地域に発進をするというところに理由がある、そういうことに御理解願いたいんです。
#205
○中村利次君 大臣、首尾一貫しないんですよ。私は、途中の経過はこれはいろんなことがございましょう。しかし戦闘作戦行動というのは、基地を発進してから基地にとにかく復帰するまでというのは、さっきも――これは大臣速記録をごらんになれば後ほどわかりますけれども、そういう答弁をなすったんですよ。それで空中給油は戦闘作戦行動には当たらない、しかし基地の給油は、着陸をして基地で受ける給油はこれは対象になるんだ、こういうお話でしたから、したがって今度の場合は、これはいろんなものが途中にはございましょう、それなりのやむを得なかったという理由があると思いますし、それを納得できるかできないかは刑にして、とにかく結果は、やはり大臣のおっしゃった戦闘作戦行動の途中において嘉手納の基地に着陸をして給油されたという結果になった。その結果から見れば、経過はともかくとして結果だけをとらえてみれば、これはやはり戦闘作戦行動の中に入るし、事前協議の対象になるべきであった。こういう結果になったということはお認めになってもらいませんと首尾一貫しないんです。
#206
○国務大臣(福田赳夫君) まことに申しわけございませんけれども、そういうふうには認めませんです。つまり私どもが言っているのは、地上給油、これにもいろんな場合があるんです。戦争に何も関係のない場合のわが国の基地における地上給油、これは何も事前協議の対象となるべき性格のものじゃございません。問題はそうじゃないんです。給油を受けること自体がこれが戦闘作戦行動だ、つまり、沖繩からベトナムに向けて戦闘に参加するんだ、そこにこそ事前協議の対象となるゆえん、根拠というものがあるわけです。何が何でも地上給油が事前協議の対象になるんだ、そんなことは言っておりませんです。
#207
○委員長(柳田桃太郎君) 中村君、時間の都合がありますから……。
#208
○中村利次君 そんなことはおかしいですよ。先ほどからの質疑応答の中で、やはりB52が当日北爆をしたというそういう事実関係も全部これは政府答弁として出ているわけでしょう。
#209
○国務大臣(江崎真澄君) それは出ていない。
#210
○中村利次君 いや出ていますよ、先ほど。会議録をひとつ読み返して首尾一貫した答弁をやってほしいと思うんです。時間がありませんから、問題はそのことの是非じゃなくて、私はやはり筋道の通った一貫した答弁をしていただきませんと、これはおかしくなってしまうんですよ。こう言えばああ言う、ああ言えばこう言うんではね。ですから、私は答弁を聞きながら非常に疑問に感じたことをしぼって、しからばこれはどうすればいいか。これはあとの問題もあると思うんです。時間があれば私は聞きたいんですよ。今後、沖繩の基地に――いろんないきさつ、経過があって沖繩の基地からB52は撤去をしていったわけですから、だから、今度緊急着陸をした。今後このB52が沖繩に来るということは好ましくないという、やはり政府の見解もある。そうすれば、それじゃどうすれば来なくてもいいようになるかと、ずっとつながっていくわけですけれども、それにしても、その基本がやはり首尾一貫した答弁をやっていただきませんと、あとの質問にもつながっていかないわけです。まあ、これはいずれまた……。
#211
○委員長(柳田桃太郎君) 岩間君。非常に時間がなくて失礼ですが。
#212
○岩間正男君 時間がないから簡単にやります。
 第一にお聞きしたいのは、外相はぐあいが悪くなるというと、あなたのほうは安保反対、私のほうは安保賛成だとこういうふうによく言うわけです。それじゃ私はいかぬと思うんです、これは。そうじゃなくて、共通の土俵でやっているんですから、つまり、事前協議はどうかというのでやっているんですから、ああいうやり方はいかにもこれはみっともないですから、今後はおやめになっていただきたい。そういうことをまず要望いたしまして、まずお聞きしたいのは、これは単なる条文のごまかしや解釈ではもう国民の疑問は解けない。政府部内にも、今回の一連の事件は、条約論的には説明がつくかもしれないが、国民感情に与える影響は好ましいものではない、国民に不安感があることも事実なので、この場合、これこれだと説明できるようにしておく必要があろうというような意見があるやに聞いております。外務大臣はこれに対してどうお考えになりますか。
#213
○国務大臣(福田赳夫君) さように考えます。
#214
○岩間正男君 そうすれば、まずお聞きしたいんですが、大体、事前協議が求められたというのは――事前協議がきめられた、これは十二年前、私も当時この問題に関係して論議をしたわけですけれども、この事前協議というのはどういうところから必要があってできたものですか。――簡単にやってくださいよ、要領尽くして。
#215
○政府委員(高島益郎君) これは、旧安保条約時代に全く日本の基地が自由に使用されていたことに対しまして、わがほうからこういう提案をいたして解決いたしたわけでございます。
#216
○岩間正男君 安保条約でやっていくというとアメリカの戦争に日本は巻き込まれるかもしらぬ、したがって、この不安をチェックするために、どうしてもその安全弁みたいなものとして事前協議が必要だと、こういうことですね。そういうことでこれはつくられたんだと。
 そこで、私は原点に立ち返って、いまこの日本の情勢の中ではっきり考えてみなくちゃならないと思う。そういう点で、いま安保の空洞化が非常に大きな問題になっておる。条約のまことにへ理屈的な解釈が行なわれておるんですが、これでは国民の不安は解消しない。むろん、安保条約の厳密な適用の問題についてははっきり確立しなけりゃならぬという点について、私は何もこれを否定するものじゃない。しかし、原点に立ち返って、あくまでもこれは外交ルートでこの国民の不安を解消するためにアメリカと交渉するということも、これは私は非常に重要な、いまの時点での政府のなさねばならないことだと思うんですが、この点についてはどうお考えになりますか。
#217
○国務大臣(福田赳夫君) 先ほど冒頭に岩間さんから話されたようなその考えですね、それはもう十分そういうふうに体しております。そういう趣旨においてアメリカ側とも話し合っておる。今度のB52の三機不時着、こういうことにつきましても、これが反復することがないようにできる限り気をつけてもらいたいと、これほどまで申しておる。また、B52が再びわが国土に移駐することのないように気をつけてもらいたい、これも申し出ておる。まさに岩間さんのおっしゃるとおりのことをやっておると、そういうことであります。
#218
○岩間正男君 山積みしている問題が一つ一つ出されているんですね。日に三つぐらいずつ案件が出ております。一つ一つこれは重大問題ですね。そういう問題について、まとめて、とにかく現時点で直接すぐに交渉を好める必要があるんです。そういうことなしには国民の不安は解消できません。秋になれば日米安保協議委員会にはかります、そのために洗い直しをいたします、そのために事前協議の問題について検討いたしております、と、こんなゆうちょうなことではこれは解決がつかぬ。鉄は赤いうちに打てといわれている。いま、国民の不安は全国的に非常に高まっている。ことに、沖繩県民の不安というのは、いままでがいままでであっただけに、この体験の上に立ってたいへんな不安が、ことに、このB52の問題その他の問題で起こっている。こういう現実の中で、政治家として、当然、そういう時点における国民のそういう具体的な問題にはっきり答えていくという姿勢が最も重要だと思う。あなたの立場は、やっぱり次期政権のなにで忙しいかも知らぬけれども、(笑声)そんなことは言っていられないんです。外務大臣、国の安危が平和と安全をになうあなたの肩にかかっているという立場からいえば、そんなことは言っていられないんです。それをはっきり打ち出す考えがあるんですか、ありませんか。
#219
○国務大臣(福田赳夫君) 安保条約下において事前協議はたいへん重要なものである。これはそのとおり考えております。さらばこそ、ケースが起きる、何か問題が起きるつど適正な措置を講じておるというわけでございますが、今後とも何か問題がありますれば、その問題ごとにこれを適正に処理をいたしていきたい、かように考えております。
#220
○岩間正男君 そうなれば当然、たとえば、いま非常に不安に思っているのは、B52がこのまま沖繩に移駐する、そういうきっかけがつくられるんじゃないか。ことに、一昨年の九月に撤去するときの声明の中に、先ほども外務委員会で申しましたけれども、これはまた戻ってくるかもしれない、その権利は保留すると、こういっているんです。そういうことになりますというとこれは非常に不安なものですから、これはもう再配置はしないんだと、こういう問題をはっきり明確にする。それから、あれは沖繩が返還される前のことですから、昨年九月の段階ですから、現在は全く次元が変わっております。したがいまして当然そういうものは効果がない、そういうふうに考えます。こういう問題が一つ。
 それからもう一つは、空中給油の問題なんかもありますが、これは明白ですよね。何ぼ言いくるめようたってこれはごまかしがきかぬ。地上給油と空中給油を区別する理由はないんです。なぜかと言うと、給油をするのはなぜかと言えば、当然、戦力を増強して、足を延ばしてそれで爆撃効果を大きくする。それは地上も空中も変わりはない。この目的によってこの問題をはっきり審判すべきなんです。それを何だかんだというような、そんな官僚答弁でここをまかり通ろうなんということは絶対できませんから。その点については、当然、過去の岸内閣そして愛知外務大臣も明確に国会で明らかにしましたそういう方針に戻るべきである。
 第三は、沖繩さらに本土においていろいろな動きがございました。これは私も時間の関係からやりません、まことに不十分なものでありますけれども。とにかく山積みだ。ここではあげません。とにかく、横須賀、それから横田、それから厚木、それから佐世保、呉までもう……、板付の問題もあります。富士山の演習場の問題だってあります。たいへんな問題ですから、 これらの問題について、あくまでも国民の立場に立つならば、このような戦争に巻き込まれ、あるいはアメリカの戦略戦争に協力をするという態勢は絶対しないんだと、こういう日本国民の意思を明確にして折衝すべきであると、私はこういうふうに考えますけれども、時間の関係で、これで質問を終わりますが、答弁願いたい。
#221
○国務大臣(福田赳夫君) まず、B52につきましては、これが再びわが国に移駐をしないようにこれはかねがね言っておるんです。今回も……
#222
○岩間正男君 毒配置しないようにちゃんと申し入れてありますね。
#223
○国務大臣(福田赳夫君) 申し入れております。
#224
○岩間正男君 確認していますね。
#225
○国務大臣(福田赳夫君) アメリカもこれを了としております。
 それから空中給油の私の見解につきましては、遺憾ながら妥協はいたしません。それから補給につきましては、これは、補給は米軍に認めておることでございます。これを差しとめるということは困難だと、こういうふうに思うわけです。
#226
○岩間正男君 戦闘作戦行動につながるかもしれない……
#227
○国務大臣(福田赳夫君) しかしながら、御心配は、わが国がベトナム戦争に巻き込まれるというようなことのようでありますが、そういうことは絶対にいたさせませんから、その点は御安心願いたいと、かように思います。
#228
○委員長(柳田桃太郎君) 外務大臣どうぞ。本会議に呼ばれておりますから。
#229
○沢田実君 先ほど時間がなくて、私が質問する要旨がよくわからなかったと思いますし、結論もはっきりしておりませんでしたので――外務省関係の方いいですか――外務省にお伺いをしたいんですが、五月二十二日の朝日新聞の報ずるところによりますと、要するに、アメリカ局及び条約局を中心にして、外務省ではいろいろ検討したけれども――内容はですよ――日本の基地から発進した米軍機による機雷封鎖である場合には、これは戦闘作戦行動とみなさざるを得ない、だから事前協議の対象となるのが当然ではないかというような解釈に達したと、ところが、これは実際にアメリカの機雷封鎖を行なった当時は、対象にならないというふうな見解を発表しておった。で、その辺に外務省としての考え方の変化があったように報じておるわけですが、その辺の内容について詳しく説明をしていただきたいと思います。
  〔委員長退席、理事町村金五君着席〕
#230
○政府委員(吉野文六君) この点につきましては、先ほども福田大臣がお答えいたしましたように、外務省といたしましては、機雷投下につきまして見解を変えたということはございません。そこで、われわれの考えを申し上げますと、あくまでも今回の機雷投下については、その具体的な事実関係が明らかになるまでは、これがいわゆるわが国の基地を直接機雷投下のために使われる場合も事前協議の対象になるかどうかを抽象的に議論できないというのがわれわれの見解でございます。御存じのとおり、今回の機雷投下は、われわれの聞く範囲では、航空母艦から発進した飛行機によって主として投下されたということでございますから、わが国の施設・区域を直接使ったということになりませんから事前協議の対象とはなりませんが、かりにこれがわが国の基地を直接使った場合にどうかということにつきましては、あくまでもその機雷投下の態様が戦闘作戦行動であるかどうかということを見きわめるまでは的確にお答え申し上げられないというのが現状でございます。
 なお、事前協議である以上、そういうことを事前にわかっていなければ米側に事実関係をつくられてしまうんじゃないかという御心配つきましては、これは米側といたしましては、万一戦闘作戦行動に当たる機雷投下を直接日本の基地から行なう場合には、当然向こうから事前協議をしかけてくるわけでございますし、またそのような怪しい事態があれば、わが国といたしましては、第四条に基づきまして、随時協議によりまして米側の機雷投下の実態を聞くことができるわけでございますから、じたがって、米側が先に事態をつくってしまって、そしてこれは事前協議でないんだというような事態は、われわれとしては起こり得ないと考えております。で、いずれにせよ、機雷投下自体が事前協議の対象になるかどうかという問題につきましては、むしろ抽象的には論ずることができない、実態を把握してきめざるを得ないというのがわれわれの見解でございます。
  〔理事町村金五君退席、委員長着席〕
#231
○沢田実君 そうしますと、この記事は、外務省の真意に反する記事だ、ごらんになったと思うんですが、ということですか。――なければお見せしますよ。この記事は、いわゆる誤報だと、あるいは観測記事だと、どういうふうにお考えになるか知りませんけれども、あなたのおっしゃるのは、ここに書いてあるのと違うんです。だからおそらく記者の方も、外務省の記者クラブかなんかで発表したのをお書きになったのだと思いますので、発表が間違っておったのか。発表が間違っておったというのならそれでいいですよ。どっちかはっきりしてください。
#232
○政府委員(吉野文六君) 外務省といたしましては、今回の機雷投下につきまして正式な見解を発表したことはございません。ただし、この問題につきましては、新聞関係の方々から質問があり、かつわれわれもそのつどいろいろの仮定に基づきましてそのような質問に対して答弁しているわけでございます。したがって、そのような一般的な答弁の経緯から、あるいはこのような印象を当該者に与えたのかと推測する次第でございます。
#233
○沢田実君 終わります。
#234
○中村利次君 やはり初めに、これはぜひ外務大臣にお尋ねしたいところですけれども、外務大臣のお答えを通じて政府の姿勢というか主張、統一見解――政府の見解に同調する、しないはこれはたな上げしておきまして、その政府見解に基づいて質問をいたしますけれども、B52が沖繩にやはり緊急着陸をしたということで沖繩ではゼネストをやるとかやらないとか、だいぶ県民感情はよろしくないということが報じられておりますけれども、これは政府が常日ごろおっしゃる、はたして日米の親善にどうつながるものか。これは政府のほうは、とにかく舟とかして、先ほどからずっと政府答弁を聞いていましても、日米親善のために何とか役割りを果たしたいという、そういう気持ちがある。しかし、そうであっても、結果して起こる現象に対して、はたしてやはり日本国政府あるいは日本国民はきわめて日米関係に信義をもってこたえておるという、そういう受け取り方をするようなことに結果してなるのかどうか、そういう点を含めてまずお答えを願いたいと思います。
#235
○政府委員(吉野文六君) B52の嘉手納飛来につきましては、われわれも現地の状況がどのようなものであるか現地に照会し、その結果もある程度つかんでおりますし、また新聞その他によりまして、沖繩県民のこの問題に対する感じも了解しておる次第でございますが、何ぶん今回の件につきましては、米側が再三釈明しているとおり、悪天候のための緊急な着陸であるということでございますから、これは少なくとも安保条約及び地位協定のたてまえからいえば、法律的には特にこれに対して異議を申し出るわけにいかない。しかしながら、先ほど説明いたしましたとおり、われわれはこういうことを反復して行なってもらっては困る。ましてや、将来、B52が移駐するような事態は避けてほしいということを申しまして、先方はこの点は十分了解しておって、そのようなことはしない、こういうことを申しておりますから、そのような事情を踏んまえまして、われわれはこの問題をこの程度にしておきたいと、こういうように考えます。
#236
○中村利次君 そうなりますと、やはり沖繩の県民感情あるいは本土を含めた国民感情から言っても、B52の沖繩1どういう意味であっても、沖繩着陸ということは、これは好ましいことではない、避けたいと、これはまた、日米安保条約下においても、日米親善の上にも決して役立たないという前提に立って、なおかつやむを得なかったと、こういうぐあいに解釈してよろしいですか。
#237
○政府委員(吉野文六君) そのように解釈してけっこうでございます。
#238
○中村利次君 そういうことであろうと思うんです。そうなりますと、これは事前協議の対象になるのかならないかは別にいたしまして、そういう好ましからぬことが現実に起きたわけでありますから、したがって、ベトナム戦局が緊迫化をして特段のやはり作戦を立てなければならないという、そういう事態になったことは、これはもう外務省もよく御承知でありますので、したがって、グアムから北爆をするという、こういうことはもう、当然これは予想される。その場合に、政府見解によると、空中給油というのはこれはもう戦闘作戦行動の中に入らないんだから、したがって、事前協議の対象にならないという解釈をとって、事前協議はなさらなかった、あるいは随時協議もなさらなかった。しかし現実に、長い間の期間中にやはり沖繩の上空あるいはグアムの上空、そういうところが、どうもグアムに着陸できない事態になる、途中で空中給油はしても、あるいは沖繩の天候が悪いために空中給油が不可能になるという事態は、当然これは予想されるわけですね。現実にそういう事態が起きた。そんだったら事前にそういう事態に備えて、事前協議だとか、あるいは随時協議があろうとなかろうと、そういう事態は好ましくない、日米関係もそこねるような、そういう沖繩の緊急着陸を避けるためにはどうすればいいかということを、どうしてこの措置をおとりにならなかったのか。これは、法律上のことをとやかくおっしゃるんなら、随時協議の対象にしてこれは十分できたはずだ。なお、これは、沖繩が復帰してまだ旬日を出ずしてそういうひまがなかったとおっしゃるんなら、百歩譲っても、そういう事態を政府もよく御認識ですから、だったら可及的すみやかに、そういうことにならないように、たとえば沖繩に緊急着陸をすることは今後はやめてくれと、こういうことじゃなくて、具体的にこれは――少なくとも戦闘作戦行動をやるときに気象状況も全く無視した戦闘作戦行動というのはあり得ないんですよ。ちゃんとわかっておる。だから、そういうことを含めて十分随時協議の対象にして、そうして沖繩にB52が再び着陸をしない、そういう交渉をおやりになるおつもりがあるかどうか。
#239
○政府委員(吉野文六君) かつてはB52が沖繩に移駐しておりましたわけでございますが、これは御存じのとおり住民の非常な反対もあり、結局米側といたしましても、沖繩の基地をB52のために使い得ないということを先方も察知いたしまして、沖繩を去ったわけでございます。そこで、先ほど防衛庁のほうから説明がございましたように、B52は現在グアム及びタイに配置されておる。それから、いわゆる補給に必要な基地として、KC135がグアム、タイ、それから沖繩にある。こういう関係にございますから、通常の場合には、B52がグアム及びタイを基地といたしまして、ベトナムの作戦に支障がないわけでございます。したがって、この沖繩の嘉手納に着陸するということは、やはり非常に緊急な場合しかこれはあり得ないことだと思っておりますし、先方もそういうこと、そういう予期しないような緊急避難のような場合以外には沖繩の基地を使うという意図は全然持っていないわけでございますから、したがって、今回のようなことは、われわれとしてはそうたびたび起こるものとは思っておりませんですが、それにもかかわらず、このような事態を反復して起こすようなことでは困るということを特に先方にも申し入れた次第でございますから、したがって、現在といたしまして、これ以上事態を深追いしないというのがわれわれの見解でございます。
#240
○中村利次君 これはまことにお気の毒ですがね、しかし、それでは答弁にならないんですよ。沖繩が返るまでは、これはいろいろはっきりものを言いたいことでもどうもやはり言いにくいというものがあったという点については、これは賛成、反対を越えてやはり理解できるものがあった。それで政府もやはりそういう答弁をしてこられたんですよ、沖繩が返ったらという答弁を。いまの答弁を聞くぐらいなら、あのときにやはり、沖繩が返ったらこうします、ああしますということをおっしゃらなければよかった。国民はそこにきわめて強い期待を持ったわけですから、返った時点では少なくとも――B52の今後の沖繩嘉手納飛来は困るということを言って米側もそれを了承したと言うんでは、これはもう前と同じですよ、全く復帰以前と。そうではなくて、やはり現実に起きたんですから、緊急着陸という事態が現実に起きたんですから、いまアメリカ局長おっしゃるように、こういうのは異例中の異例であるということですけれども、異例なことが今後何回起こるかわからないわけでしょう。と同時に、そういうことが言えますね。あるかもしれない、ないかもしれない。三回、五回、十回あるかもしれない。そういうことは、異例の事態については、そういうものが三回も五回も十回も続いても、これはやむを得ない、認めるということですか、それじゃ。どうでしょう。
#241
○政府委員(吉野文六君) 先方も、われわれも、これは異例中の異例の事態であるという認識でございますが、しかしながら、これが反復して起こるような事態になりますと、これはまさに異例ではなくなるわけでございまして、そしてその意味では、やはりたとえ緊急避難といえども、そういう事態をわれわれとしても認容するわけでございませんから、そういうことがないようにこちらから先方にも申し入れて、先方もこれを了承したというのが現時点の了解でございます。
#242
○中村利次君 どうもこれは、たとえば突拍子もない例を引くようですけれども、原子力発電の事故は、世界の先進国の学者に言わせますと、一万分の一から百万分の一の確率だと言う。百万分の一であってもそれを追求するのが安全なんですよ、これは。異例の事態が起きた。現実に起きた。また起きないという保証をなさるんですか。あるでしょう。ある可能性もある。そうだったら、やはり政府としてはこうしますよ、こうしましたよという、なるほどそうしたか、それがやはり日米の親善関係にとっても、あるいは国民感情にとってもぴたっとしたものだという措置がとられてしかるべきものだと思うから、その措置をおとりになるのかどうか伺っているのですよ。
#243
○政府委員(吉野文六君) 先生のおっしゃられることも、われわれはよく理解するわけでございますが、現にB52は、昭和四十五年の九月に沖繩を去って以来、台風のために三機ばかり四十六年の五月ごろ緊急に避難してきたことを除けば、沖繩復帰前といえどもB52は沖繩の基地に飛来してこなかったわけでございます。で、今回も、実は、米側は全然このような事態を予期していなかったとわれわれは思っておるわけでございます。いろいろ人の名前を申し上げるのもはばかりますが、この点は、米側の責任ある人がそのように私に申した経緯もございますから、したがって、このような事態がそうひんぱんに将来起きるということをわれわれは全然予想していないわけでございます。
#244
○中村利次君 これはもう、これ以上言ったってしようがないことですから、これは出た答えで国民の皆さんの批判にまつ以外にはないと思います。
 そこで、いままでの答弁からしますと、それでは、また二十日みたいな事態が起きたら、政府はやはりやむを得ないものとしてこれを認めるということですね。この辺ははっきりしておいてください。
#245
○政府委員(吉野文六君) これはまあ法律論と政治論と二つあると思いますが、法律論から申し上げますれば、これはアメリカの飛行機が日本の国のアメリカ側に提供した基地に飛来することは、それ自体としては何らさしつかえないことであり、ましてやそれが緊急着陸のような性格のものであれば、これは人道的にも拒むことができない性格のものだと思いますが、しかしながら政治的には、先生のおっしゃるとおり、非常に日米関係に問題が起きるということでございますから、この点につきましては米側も十分配慮していることだろうと考えております。
#246
○中村利次君 どうもはっきりいたしませんけれども、まあしようがないでしょう。これはいずれまた外務大臣等の出席されたところで、十分納得のいくまで質問をしてみたいと思います。
 次に、先ほどからのずっと質問の中で、日本からの作戦戦闘行動、いわゆる事前協議の対象の問題でずいぶん納得のできないやりとりがあったわけですけれども、これはまあしかし、福田外務大臣も、日本からの戦闘作戦行動については、日米の解釈の調整をしてみたい、これも含めて細目をきめたいと、こういう答弁をしていらっしゃるわけですね。ところが、佐藤総理は、配置、装備、そういうものに対する重要な変更をも含めて細目の協議をやりたいという、こういう意味の答弁をされているんですが、その後これは政府の統一見解はどういうぐあいにいったでしょう。
#247
○政府委員(吉野文六君) この点につきまして、政府の統一見解というものはわれわれは承知しておりません。しかしながら、事前協議という制度は、安保条約及びそれに付属する交換公文によりましてはっきりきまっておりまして、この交換公文それ自体を修正するということは、これは技術的にもまた政治的にも行ない得ない性格のものだと思います。したがって、あくまでも事前協議について種々の問題をおさらいするということは、この運営につきまして、いろいろ起こり得る問題につきまして日米の見解を交換し、お互いに誤解のないようにしておこう、こういうことだろうとわれわれは了解しております。
#248
○中村利次君 これは、たとえば配置、装備等も、あれは昭和三十五年のものでしょう、ずいぶん変わっていますよね。そうなりますと、当然総理がおっしゃるように、こういうものも含めて、いまアメリカ局長がお答えになったような、日米双方の解釈の調整の作業をおやりになるのですね。
#249
○政府委員(吉野文六君) この点につきましては、すでに国会においてもいろいろの問題が提起されましたし、そしてまたわれわれもそのような問題を踏まえて、どのような点がこの運用面において対象となるかということで、いま具体的に検討を始めております。
#250
○中村利次君 外務大臣の答弁では、具体的な日米間の意見の調整、解釈の調整をやるのが七月以降というような答弁をされておりますけれども、その七月以降というのはどういうわけですか。
#251
○政府委員(吉野文六君) これは、われわれの推測するところでは、国会開会中はいずれにせよ四囲の関係上困難である。したがって、国会終了後さらに準備を進めまして、なるべく早急にこのような日米間の話し合いに入りたいと、こういうことだろうと思いますが、具体的に七月以降のいつごろであるということにつきましては、何ら見通しを持っておりません。
#252
○中村利次君 これはきょうすでに相当問題になりましたように、空中給油あるいは陸上給油、これだって、やはりもう政府のいわゆる見解、空中給油を改めるつもりは全くないというお答えでしたけれども、だれが聞いてもこれはやはり無理なものになっておるんですね。ですから、日米安保条約で政府がどういう立場をおとりになるかは別にして、少なくともやはり首尾一貫をした、なるほどという、そういう――賛成、反対は別ですよ、反対であってもなるほど政府の立場からすればそういうことになるのかという、そういうものがありませんとね。そういうものを日米間でやはりその見解、解釈の調整をやるべきじゃないですか。そうでありませんと、ますます苦しくなって、全く政府なんというものは、先ほどから指摘されておりますけれども、三百代言みたいで、国民を欺瞞して、国民をだました上に立って日米の親善をはかっていこうという、そういう結果論になるわけでありまして、こんなもうばかげたことは、私はやはり続けてはいけないと思う。ですから、七月以降いつになるかわからないなんということではなくて、それはもうアメリカ局長の立場からはあまりはっきりしたものは言えないでしょうけれども、可及的すみやかにこういう交渉を始める、そういう方向に努力をなさいますか、どうですか。
#253
○政府委員(吉野文六君) いま先生のおっしゃられたとおり、可及的すみやかにそういう協議ができるよう、われわれとしては努力するつもりでございます。
#254
○中村利次君 これは局長もなかなかたいへんでございましょうから、また外務大臣がいらっしゃるときにあらためて質問することにしまして、きょうはここら辺でやめます。
#255
○岩間正男君 まず、この前お願いしました資料を出していただいたのですが、この御努力は多とするところでありますが、どうも中身はあんまり感服できないんですね。非常に粗末です。これは、なんですか、防衛庁と外務省の合作ですか。
#256
○政府委員(久保卓也君) 資料の御要求がありまして、きょうの委員会までということでありましたので、可能な範囲で、外務省と協議をしましてまとめたものであります。
#257
○岩間正男君 二つの省のこれは合作。これはきわめて通り一ぺんのものではないか。ことに、この出典はどこかというのを見ますと、「各種報道等によると、おおむね次のとおりである。」、そうすると、これは、各種報道をかき集めた、そういうものなんですね。こんなことは、あんた、参議院の委員会の権威を失墜することはなはだしいと私は思うんですね。
 お聞きしますが、大体、外務省の調査費は幾らありますか。それから防衛庁の調査費は幾らありますか。ついでに、調査人員も何人いるか、人員を言ってください。調査費、人員。
#258
○政府委員(久保卓也君) この種のものの調査費というものはございません。一般の報償費というのはありますが、これはあとで調べて御報告いたします。
 それから、人員でありますが、このための人員というものは格別ございません。ただし、私どものほうの調査課におりまする、これはいろんな国際情勢判断その地をやる人間でありますが、その人員は二十四名でありますが、このための人員というものは格別ございません。したがいまして、御要求がありますれば、それぞれ手分けをして各幕、あるいは沖繩の場合には沖繩におりまする人に要望してやらせるというような形になっております。
#259
○岩間正男君 外務省は。
#260
○政府委員(吉野文六君) われわれも、同様に、これらの調査を行なう場合は、職員に命じましてそれぞれの方面に当たらせるわけでございまして、特にそのために調査費が要るということはございません。また、このために調査費があるということはございません。
#261
○岩間正男君 そういうことを聞いておるんじゃないんで、外務省の機構はどうなんだ、予算はどうなんだということを聞いておる。そういう機構や予算を持ちながらこれしきの資料しか出せないというのは一体どういうことだということを聞いてるんですよ。これは、いま資料はないでしょうから、うしろのほうで調べてわかったら言ってください、時間の関係がありますから。
 それでいいんだが、第一、これはどうして米軍に聞かなかったんです。こんな、単なる「各種報道等」というようなことでごまかせない問題です。じかにやっぱり米軍に私は聞くべきじゃないか。なぜなら、あんたたちは相互防衛条約を結んでおるんでしょう、安保条約。そういう体制になっている。それぐらい水くさいんですか。アメリカは知らせないんですか。ベトナム戦が始まった、そうなってから本土ではどういう変化が起こっているぐらい、それから沖繩でどういう一体変化が起こっているぐらい、それぐらいのことが知らされない、それぐらいのものなんですか。安保体制というものの中にいる両政府の関係というものは、そんな水くさいものなんですか。どうなんですか。
#262
○政府委員(久保卓也君) 米側との特報交換は、一般に常に行なわれております。ただし、米軍の行動自身については、米側に尋ねてはおりまするけれども、必ずしもはかばかしい回答はもらっておりません。しかしながら、全くもらっておらないというわけではありませんで、部分的には入手しておるのもあります。
#263
○岩間正男君 まあこれを見ますと、あとのほうに断わり書きがありますね。「米側から「(1)軍隊としての性格上これらの運用状況を明らかにすることはできない。」、しかし安保条約の締約国でしょう。それで協議委員会を持ち、合同委員会を持ち、接触を保っているんでしょう。これでいいんですか。「(2)いずれにせよ、在日米軍基地における部隊の活動は、日米安保条約の目的の範囲を逸脱するものではない。」」、むろん、こうでない答弁したらたいへんなことになるから、こう言うでしょう。ところが、国民の不安と疑惑は高まっているんだ。だから、当然、これに対してやはりはっきり、向こうのそういう情報を追求するのはあたりまえです、客観的な情報を。それから、この判断は安保の目的にはっきりかなっているかどうかということは、われわれがするのであって、何もアメリカにやってもらう必要はない。アメリカは、違反しておりますなどということはこれは言いっこないのです。したがって、この資料そのものの資料的価値というのは、非常に――ゼロとは申しません、非常に御苦心をいただいたのでございますから、御苦心は多とします。しかし、これは、ゼロとは言いませんけれども、はなはだひどいものだと思う。たとえばわれわれの、ほんとうに乏しい、そういう中でもこれは調べました。これは調べたんです。単にあなたたちにだけ調べてもらっているわけじゃないんです。そういうものだって、はるかにこれはまさるんじゃないかと思うんですよ、そう言っちゃ悪いけれども。――これは違いますかな。
 たとえば嘉手納のところをやってみましょうか。あなたのほうのたしか嘉手納のところを見ますというと、これがまあ、三くだり半にもなっていないのですね、三くだり半にも行きませんよ。いいですか。「嘉手納基地」、「給油機KC‐135の動きが活発化し、C‐5AやC‐141の輸送機発着回数も増えているごとくである。」――「ごとくである。」、ね、「なお、同基地駐留のF−105は四月二十七日までに米本国へ撤退した。」、たいしたことだ。これがあなたたちの情報でしょう。嘉手納は、いわばアメリカの核戦略のこれは中心地であったんだ、最近までね。そうして、そういうふうにまたこれはされる危険性さえもあるこの嘉手納、そうしてベトナムの侵略のためには最大の機能を発揮しているこの嘉手納が、これだけだ。一行半だ。三くだり半と言うけれども、一くだり半しかないのであります。こんなことでは、あなたたち一体、国民から当委員会そのものが権威を問われていると思うんだな。こういう資料を出してもらって、はいさようでございますか、こう言うわけにはこれはいかぬと私は思うんです。
 それで、かりに私たちの調べたのをこれは出してみますけれども、たとえば嘉手納、給油機、これは、給油のためにはたとえばKC135が五十機常駐している。ひんぱんな給油活動をやっている。それから補給の面でありますが、これは、輸送機C141大型輸送機が離着陸が非常にひんぱんである。これは、言うまでもなく、爆弾を輸送しておるものであります。それから、輸送機C5Aギャラクシー、これが三、四機常駐しておる。横田にも、同様、最近は三、四機常駐しているはずであります。それから、このC5Aギャラクシーは、ついででありますが、これは板付にも最近一機来たということが報道されております。偵察機SR71、これは四機、それからEC135、電子偵察機でありますが、これがある。それからRC135偵察機、こういうものがある。その他、この動静について、時間の関係からあげませんけれども、とにかくこれはもう、そういう中へB52が飛来をしてきたのであります。そうしますというと、この資料価値というものはこれはおのずからはっきりするんじゃないですか。こういうものでお茶を濁されちゃ困るんです。国会の論議はできないのであります。国民の負託にこたえられないのであります。どう思いますか、防衛庁長官。
#264
○国務大臣(江崎真澄君) きょうまでに間に合わせるように事務当局を督励して鋭意調製したわけでありまするが、どうもお気に召さなくて恐縮でありますが、十分今後調査をいたします。
#265
○岩間正男君 米側に、まあ相当執拗でもいいですよ、それを聞いて、そうして出し直していただきたい。いかがですか。
#266
○政府委員(久保卓也君) 要求されました資料は、十分性が高くなれば時期がおくれまするので、間に合う範囲で出しました関係上、たとえばけさほども御質問のありました佐世保が抜けております。いま一部入っておりますが、そういったことで、若干の時間をいただきますれば、もう少し補足したいと思います。
#267
○岩間正男君 国会も二十六日まででありますから、それまで待ちましょう。さらに追加して、その後の返還について、いままで事情を少しなにするところはあるけれども、われわれがちょっとなにをやっても一、二、三日かかれば――これは一日でまとめたものですけれども――まとまるわけですよね。ずいぶんこれよりは詳しいですよ。これはわれわれの何で……。だから、あなたたちのそういう優秀な能力を持ち、そうして膨大な予算をお持ちの防衛庁さんでしょう。それで、外務省さんでしょう。この力でこれしきのことでは、これは、だれも国民は満足しないということをはっきりしておきたい。で、これは、ぜひそういうふうに出し直しをしていただきたい。これは確認しておきたい。いいですな。
#268
○国務大臣(江崎真澄君) 時間をいただきまして、極力調査したものをととのえたいと思いますが、まあこれも、そういいかげんなものでもないように思います。
#269
○岩間正男君 いいかげんなものだとは言ってないですよ。それは、そう言っちゃ失礼になりますから。いいかげんなどということは、少しも、これは申しておりません。ただ、まあ非常にに手抜きで、資料価値としては非常に低いもんだということを申し上げているわけです。
 それでは、次の質問をしたいと思うのですが、やっぱり一番問題になるのは沖繩のB52のこのたびの飛来の問題で、大きいのは再配置の問題。この再配置をするのじゃないか、この点がいままでの米軍のやり口から見て、それからいろいろ私たちはいまのベトナムのこの戦況から見て、そういう戦略的な構想からも、当委員会として、これは明らかにしていく必要があると思うのです。
 第一にお聞きしますが、最近、嘉手納の整備要員が非常に増強されておると聞いておりますが、いかがですか。
#270
○政府委員(久保卓也君) 整備要員の増員件については、承知いたしておりません。
#271
○岩間正男君 そういうことになりますからね。こういう基礎資料が違っておりますから困るのですよ。増強されている。これは現地からの報告を得ている。
 第二にお聞きしますが、昭和四十年七月二十八日、台風避難を口実にグアム島から二十五機飛来して、そうして爆撃をやったわけですね、ベトナムの。それから昭和四十三年の二月から二十機が常駐して、ベトナム爆撃を強化した、こういう前歴がある。このことは、非常に沖繩の人たちはいままでの体験として身にしみているのです。身にしみている。だから、こういう点から考えると、こういうものはないんだと言われても――そのときにもないんだ、ないんだと言いました。当時、これは横田にも来たわけですよね。台風を避難して、二、三機来たはずだ。ずいぶん当時、これは本土でも問題になりました。ところが、はたせるかな、本命は沖繩にあったわけだ。こういうかっこうで居すわったわけだ。こういう居すわりをまたやらないという保証があるのですか。あるとすれば、これをどういうふうに、一体具体化するのか。この点をお聞きしたい。
#272
○国務大臣(江崎真澄君) これは、先ほど外務大臣がお答えしておりましたように、そういうことはしてもらっては困る、先方もいたしません、こう言っているというわけですから、これは、もとよりそういうことにはならないというふうに、確信をいたしております。
#273
○岩間正男君 前例があるんだね。前科者なんだ。前科者。それは信用して――あなたたち信用される。それは、その立場になれば、これはそうかもしれません。しかし、国民は疑惑を持っている。沖繩の県民はさらに大きな疑惑を持っているのです。
 そうすると、これに対して、やはり、向こう側がそう言ったからということだけで、これは一つも安全弁にはなりませんよ。だから、これは、はっきりとこの点を明確にすべきだというふうに思います。
 同時に、これと関連してお聞きしますけれども、先ほども外務大臣にお聞きしたのでありますけれども、これは四十五年九月に米側が撤去声明をしました。十二月に撤去をしました。そのとき、臨時配置していたB52は撤去する、しかし、将来、作戦の必要が生じた場合再配置することを排除するものではない。これは、いまでも生きておりますか。
#274
○政府委員(吉野文六君) これは昭和四十五年九月二十四日、在日米大使館よりわれわれに対して口頭で通報があったわけでございますが、その後御承知のとおり事情が変わりまして、沖繩はわが国に復帰したわけでございます。したがって、今後沖繩の基地は安保条約がそのまま適用される。したがって事前協議も適用される。この事前協議につきましては、ベトナム出撃のためにはわが国はノーと言う、こういう方針がきまっておりますから、したがって、先生の御指摘のようなB52がベトナム出撃のために再配置されるというようなことは考えられないと考えております。
#275
○岩間正男君 佐藤・ニクソン共同声明には何と書いてありますか。沖繩の基地の機能をそこのうことなく返還、これはどうなります。そうすると、こういうものの裏づけがこういうもので生きているのじゃないか。幽霊ならいいけれど、いや幽霊だってだめだ、息の根をとめなければ。はっきりこれは確認しなければいけませんよ。口頭でこういうものがきておるのです。これは生きている、こういうことになったのでは困るのです。次元が違うのです。施政権は返ったのです。したがってこれに対して対外的なそういう外交上のきちんとした手段を講じておかなければならぬというふうに言っておるのです。あなたたち全くそこのところあいまいでしょう。まるでこれは、こういうやり方では、とても日本の平和と安全をまかせることができないようなやり方でしょう。きちんとこれは、こういう口頭もあったが――これは再確認したい――これはもう当然施政権返還とともに撤去されるべきものである。こういうものは現在生きていないということを確認しなければならぬ。これは当然文書なり何なりではっきりして国会に報告すべきものだと思いますが、いかがでしょう。
#276
○政府委員(吉野文六君) 佐藤・ニクソン共同声明の第四項のベトナム再協議条項につきましては、これはあくまでもわれわれは沖繩協定の交渉最中、ないしは交渉終了後も、批准前に万一のことがあれば復帰の日をおくらせるとか、あるいは場合によっては条項自体を、これはまあ考えられないことなんですが、修正するというような事態を考えてつくられたものだと考えております。しかしながら、そういう事態がなくして、五月十五日に本土に復帰したわけでございます。したがって、さらに共同声明の第四項の趣旨を生かすとしたら、これはまあ事前協議以外に手がないのじゃないか。しかしながら事前協議につきましては、ベトナムに関する限りはノーと言うというのが政府の方針でございますから、この点についてもわが国の立場は非常にはっきりしておると、こういうふうに了解しております。
#277
○岩間正男君 そういうことを言っているけれども、そんなことは通りませんよ、あなた。沖繩協定の前文見てください。そうでしょう。佐藤・ニクソンの日米共同声明を基礎にしてとはっきり書いている。あれは生きている。協定に持ち込まれている。そしてこれは六項ですか。共同声明にはっきりうたわれているんでしょうが、やっぱり。そうなると、私はここのところが非常に、これが失効しているのかはっきりさせなければならぬ問題です、これ。失効していなければ、やはりどうしても繰り返してくるのだ。苦しくはなる。背に腹はかえられない。そういう態勢の中でやすやすと復帰後六日後にああいうことをやるのです。その根源はここにある、はっきり。協定にはっきりありますよ。前文見てください。この基礎に立って、日米共同声明の基礎の上に、そうしてあの協定は結ばれた。この協定は条約ですよ。いままでの委員会のなにで外務大臣は何と言ったか。外務大臣はこう言いました。あれは共同声明でございます、条約でございませんから大したことございません。とんでもない話です。われわれは発言できないから、関連とれれば関連でこれはやりたかったんですが、できなかった。しかし、はっきりちゃんと前文に持ち込んだんじゃないですか、協定の。そして、それを具体化しているじゃないですか。こういうことでありますから、いまの処置はやっぱりとられなければ、これは不安が残ります、いかがですか。
#278
○政府委員(吉野文六君) われわれは、この前文の基礎としてということは、あくまでも共同声明が本件協定のいわば出発点となったと、こういうように解しておりますが、この点の解釈はいずれにせよ、協定の第二条におきまして、安保条約その他の関連取りきめがそのまま適用されると、こういうことになっておりますから、当然沖繩の基地はいわゆる事前協議の対象になるわけでございます。したがって、この事前協議をやるときの日本政府の態度がしっかりしておれば、その点の御憂慮はないものだと考えております。
#279
○岩間正男君 一般論、そんなこと言ったってだめですよ。いま事前協議発動しなかった。具体的に言うなら事前協議発動しなかった、安保事前協議を適用するんだと言ってるのに実施しなかった。あれだけ事前協議の対象になる重大なそういうような要因を持っていました。それが実際はされないでしまった。こういうことですから、この点は私ははっきりやはりあらためて明確にしておく必要がある。やっぱりなま殺しはいかぬ、なま殺しは。ぴしゃっとやっぱり国家の意思で、国民の意思で明確にしておく、こういう努力は必要だと思いますが、検討されるお考えございますか、防衛庁長官、安保協議委員会の委員として、この際お伺いします。
#280
○国務大臣(江崎真澄君) まあこの沖繩協定は発効したときにこれはきまっておるわけですが、ただB52を再配置するかどうかということについては、当然向こうが黙ってまたやるということはないと思います。したがって、そういうときには、さっきも外務大臣が言っておりましたように、ノーと、それは困ると。またそういうことをしないでしょう、日本の実情もよくわかっておりますから。まあもうちょっと様子を見てみたらどうですか。
#281
○岩間正男君 もう意思をはっきり、やっぱり国民の前に明らかにしないでね、そういうことをあんたたち実際いつでも――この前もそうでしょう。例をあげれば三、四日前だ。上田議員から言われたでしょう。沖繩にB52がやってくる危険がある、これに対しては絶対来るなとあんたは言われた。そのとき、いや、そういうことはございませんからだいじょうぶでございます。これで逃げたんじゃないですか。またやりますか、同じこと。だから、もう少ししゃんとしなさいよ、しゃんと。
#282
○国務大臣(江崎真澄君) しゃんとしてます。
#283
○岩間正男君 背骨がしっかりしてないんだ、背骨が。これは答えられますか。答えてくださいよ。これだけ。それをやるべきだ。協議委員として当然はっきりやるんだと、やるべきです。どうですか。国務大臣としても答弁要求します。
#284
○国務大臣(江崎真澄君) さっきもお答えしたように、これは向こう側も絶対そういうことはいたしません、こちら側もB52を持ってこられては困る、そういうことで合意しておるわけですから、これくらいしゃんとした話はないので、もう自今これによって二回、三回ならしていくというようなことは私はない。これはやっぱり信頼関係に立っとるんですから、向こうがないと言うとわれわれもそれを信用するわけですが、こういうことが二度、三度繰り返されるということであったら、これは全く問題だと思います。ですから、向こう側はやはりわれわれの要望を聞いてくれるであろうというふうに考えます。
#285
○岩間正男君 仏の顔も三度というくらいですから、もうほんとうに飽き飽きしていますからね。たとえば原潜の寄港のときどうですか、長崎。最初はこれは一時寄港するんです。横須賀しかり。ところが今日はもうどうですか。これは居すわりになっちゃった。そうしてもう常駐だ。もう寄港は普通でしょう。そうしてもう何回です。これは数を出してくださいね。こういう例があるので、そうしてこういう例にさらに前述の前科があるわけです、居すわった。そうすると、こういうものが今度また行なわれないという保証はないと国民は考えています。この不安に明確に答えるようにしてください。具体的なそのような法的措置でも外交折衝でも明確にするというのは当然の私は国民の要求であり、これは当然の政府の意思でもなければならぬ。国会の意思もそうあるべきでなければ国民の平和と安全は守れない、こう考えるわけです。次に聞きます。――いまのはこれ考慮中ですか。はっきり言えませんか。もう一回くどいようだが念を押しておきます。もう三日前みたいなこと起こらないですね。どうです。
#286
○国務大臣(江崎真澄君) これは今後こういうことはそうめったにあることではないと思います。まあ今度の場合でも、不時着ということばをさっき外務大臣が言っておりましたが、やはりよほどの事情があって、気候上の問題とか、まあやむを得ざる事情でおりた。沖繩の県民感情というものはよくわかっておりますから、これは今後ともそういうことのないようにいたしてまいりたいと思っております。
#287
○岩間正男君 まあいままでも、実は一昨年の十二月に撤去してからあったんですね。昨年の二月ですか、これは一機やってきました。それからまあぐあいの悪いもんだな、向こうにしては。ちょうど私たち沖繩に行っていたんですよ、五月に。五月五日にカーニバル祭というので嘉手納を開放した。入っていった。三機いる。B52の姿を見たんですよ。見たんです。だから、これはもうごまかしができないんだね。ちゃんと私は見たのですから、この目ではっきり見たんですから。そういうやり方で、そうし今度の問題が起こった。それで背景が背景だ。そういう情勢の中でございますから、こういう国会ですらすらと何かきれいに答弁したからって済む問題じゃないんだということをこれは確認しておきたい。
 さらに、これはお聞きします。戦略的意味でどうですか、沖繩ベトナム間というのはこれはどれぐらい、それからグアムから沖繩間は幾ら、それからウタパオまで行けば――この距離をお聞きしておきます。
#288
○政府委員(久保卓也君) ベトナムの場合に、サイゴンをとりますと、サイゴン沖繩が二千八百キロ、それからグアムとサイゴンが四千百六十二キロ、たしかハノイとグアムは四千二百キロであったと思います。それから沖繩とグアムが二千五百七十四キロであります。
#289
○岩間正男君 ウタパオ、どうです。ウタパオまで行けば、グアムからサイゴン経由で……。
#290
○政府委員(久保卓也君) タイですか。
#291
○岩間正男君 タイのウタパオ。
#292
○政府委員(久保卓也君) 数字持っておりませんが、すぐ調べます。
#293
○岩間正男君 とにかく、沖繩を経由して、そうしてサイゴンに行けばどうなります、グアムから。何キロになります。
#294
○政府委員(久保卓也君) 沖繩を経由して……。
#295
○岩間正男君 ええ、沖繩を経由して。グアムから沖繩に行って、それからそこで空中給油と、こう言っているでしょう、いま。
#296
○政府委員(久保卓也君) 空中給油といいますのは、言うまでもなく洋上のどこかで邂逅しまして、あらかじめ設定されました地点で邂逅して、まあ往路でありますか帰路でありますか、往復をするわけでありますが、したがって、その給油地の地点がわからないとグアム――沖繩――サイゴンの、あるいはベトナムの距離がわかりませんが、かりに沖繩上空と仮定をいたしますると五千三百七十キロばかりであります。
#297
○岩間正男君 そうすると、沖繩からサイゴンまでの三倍近くありますか。
#298
○政府委員(久保卓也君) 二倍。
#299
○岩間正男君 二倍以上ですね。そうしたら、これは油代どのくらいかかります、こまかいようだが、こういうものまで計算して見せてもらわぬと、われわれ納得できないんですからね。
#300
○政府委員(久保卓也君) 米側のガソリン代は承知いたしておりません。
#301
○岩間正男君 これ調べてくださいね。これは軍事技術的な問題ですから、B52がこれは一キロで消費するガソリン量、それを入れて計算していけば、結局これは沖繩から、嘉手納からサイゴンまでいく費用と、それから沖繩の、グアムからこれを経由していく場合の費用というやつは出るわけだ。
 それで現在大体百三十機おるわけですか、ウタパオとそれからグアムと、こういうのを合わせると。
#302
○政府委員(久保卓也君) われわれの見ているところではグアムが約八十機、ウタパオが約五十機、合計百三十機と見ております。
#303
○岩間正男君 一日の油代というのは、これはたいへんなものになりますね、たいへんでしょう。これは計算してちょっと見せてくれませんか。百三十機、またふえるかもしらぬけれども、まあ百三十機でいいでしょう。そうして、もし沖繩を使った場合はどれだけ、一日だけでも、これはもう何百万、もっと多いでしょう。そういう軍費の、それを節約できるんです。ドル防衛の中のアメリカ、依然としてドル防衛の中のアメリカ。どうしたって手が出るほどやはり嘉手納がほしいんだ、恋しいんだ、これは。そうじゃないですか。そういうことを考えますと、これはやはりそういう経済的基礎があるんだということ。もう一つ、これはグアム、ウタパオは現在こういうので合わせると百三十機になっているようですが、これは最近はベトナムの爆撃はむしろもう、このウタパオのほうは非常に狭くなって不便だ。そういうことから、やはりどうしても近いところが必要だ。百三十機ということになると身動きできなくなっていますから、どうしてもこれを疎開し、移駐する、そういう戦略的な必要も出てくる。そういうのはどうですか。
#304
○政府委員(久保卓也君) 経費的な面で見れば、グアムから沖繩を通ってサイゴンに行くのは遠回りでありますから、米側としてはなるべくそれを避けたいと考えるであろうと思います。
 それから軍事技術的に申せば、グアムよりも沖繩が近い。また、言われるようにグアムもタイのほうも飛行機が非常に多いわけでありますから、別の基地がほしいということもありましょう。そういう意味では沖繩を使いたいと思うかもしれませんが、外務省あるいは防衛庁長官が再々答弁しておられますように、米側としては使えないということを承知いたしておると思います。
#305
○岩間正男君 防衛庁長官どうですか。こういう点から、私はいろいろな要因をあげたわけです。そうして、どうしてもこれは沖繩に再配備される可能性なきにしも――もう非常にあるんです。こういうとき、これは沖繩の県民も非常に不安に思っているわけだ、日本の国民もこれは不安に思っているわけだ。こういうものを払拭する、そういう手を打たなきゃ、これは政治家とは言えないです。この辺どうなんです。
#306
○国務大臣(江崎真澄君) 御心配されることはわかりますが、私はそんなにこのベトナムの争いも長引かない。やはりもとよりこれを終息させるとが日本としては大事なことだと思うんですね。ですから、いまアメリカにいろいろと注文をつけることも大切だと思いますが、おそらくこれはアメリカのいまの国民世論からいって、これを長引かせるということはとうていできないんじゃないか、こういう推測に立っておりまするので、岩間さんの御心配もそのうち遠からず解決する、こういうふうに思っております。
#307
○岩間正男君 終息させるというんなら、やっぱり一番いいのは基地の使用を禁止しちゃうことです。これが早いんだ。そして、これは平和への意思にもかなう。ベトナム問題の平和的話し合いということをあなたたちは看板にかけている。しかし、やっていることはまるきり違うんだから、これじゃ話になりませんから、どうしたってそこのところは明確にこれはやるべきだし、アメリカとも話し合うべきだし、そうして当然日本の平和への意思というものを明確にする必要がある。
 まあ、もう一点お聞きしますが、このB52 飛来を認めた。これは何か人権の立場だというふうに防衛庁長官午前中――私は外務委員会に入っていたものですから聞きませんでしたが、そうお答えになったそうですが、そうですか。
#308
○国務大臣(江崎真澄君) これはまあ外務省側からの答弁の中にあったことばだと思います。要するに燃料がなくなってどうしてもそこへおりたいんだと、不時着的な意味もそこにある。これは人道上の問題である、こういう表現で外務省側が答えておったようであります。私も同感に思っております。
#309
○岩間正男君 人道的と言うならもう少し考えがあると思うんですね。これはおそらく人殺しをして帰ってきた。こういうものはこれは刑罰に値するんですよ、平和の立場から考えると。こういうものは保護する。しかし殺されたほうは何百万――何十人、何百人です。私は見たんですよ。一昨年の六月、あすこに行って、嘉手納から、もう爆弾を満載して、そしてもう五十メートルくらいの地上すれすれのところをもう大地が動くようなところで立って、ようやく耐えて、あの編隊が通り過ぎるのを見たんです。これはまさにベトナムを爆撃して人殺しに出かけた殺し屋なんです。――私はまあへたな歌ですが歌をつくっていますけれども、こういう歌です。「腹に翼に爆弾かかえた黒い巨体が視野いっぱいにひろがってくる」、あれ、見てくださいよ。あれはもう上のほうが黒い。下のほうが艤装をして、そして翼に一ぱい積んでいるんです、爆弾を。腹に一ぱい。これはどのくらい一ぺんに運べるのだか、あとでお聞きしますけれども、こういうかっこうで、そういうやつが、あすこの滑走路は、もう五十メートル――からだがゆれ動くんですね。「重苦しくわれの視界にのしかかりのしかかりくるものを憎悪す」、ほんとうにあれは憎い、あの姿を見たら。「爆音が地軸震わすこのひまもアジアの幾百人がまた殺さるる」これは実感なんですね。これは人道じゃない。これは人道じゃないです。人道の立場であの殺し屋のB52を、あれ、着陸さしたと言うけれども、そういうことなんですか。安保条約というものはそういうものなんですか。私は具体的に、これは情感の上から考えたって、言ったって許すことはできないと思うんです。もう爆弾が見えるんですよ。「浮上して幾ほどもなき巨体にて腹の爆弾をありありと見す」、もうものすごいんだ。わあっと驚いた。あれがみな落ちる。そして老人が殺され、婦人が殺され、学校まで焼かれ、そして子供が虐殺されているんだ。こういう姿を、あなたとめるのかどっちなんですか。それに手をかすほうが人道的なんですか。これをとめるほうが人道的なんですか。私はこの対決が迫られていると思う。こういう点が明確にならないで、どうして一体この問題に対決できますか。私は平和の立場から考えるならば、この点に立って日本の政治が、これは憲法の指向する方向ではっきりこれが行なわれるかどうかというところにこそ防衛の問題もなければならないと思う。ところが現在は安保体制、安保条約の中で何でもかんでもアメリカの言いなりほうだいになって、国民の要求、国民の平和と安全の願いが、何よりも沖繩、この百万の県民の願いが踏みにじられようとまたしているんです。この問題は私は非常に重大な課題だと思うので、当然私はこういう点から、はっきりB52のこのような飛来については絶対に今後許さない。同時に、はっきりそれを法的にも確立をする。これは単に事前協議がどうだこうだという問題ではない。先ほども話したように、原点に立ち返るべきだ。なぜ一体事前協議が行なわれたか。なぜあれがつくられたか。これは国民の不安、戦争に巻き込まれる不安、そういうものをなくする、それをチェックする。そして国民を安心させるというかっこうでつくられたが、今回それが空洞化されている。ですから、原点に立ち返って、私ははっきり政府がいまこの立場に立って考えなければならぬときがきているんじゃないかと思う。最後に国務大臣のこれに対する見解をお聞きして私は終わります。
#310
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は、まさにそのとおりだと思います。やはり戦争というものをわれわれは否定しておりますし、戦争というものはいままた歌に託されたように、非常に悲惨なものですし、狂暴なものです。こういうものはだんだんわれわれ積極的に否定をしなけりゃならぬと思っております。まあ、ちょうどきょうはニクソン大統領が訪ソをしまして直接的に向こうの責任者ともいろいろ話し合っておりますから、それが実ることを心から期待をいたしております。まあ、日本は、従来、直接的に関係がないということで、政府としては積極的にこの問題に介入をしなかったわけでありまするが、戦争否定ということであるならば、その点は全く同感であります。十分、今後、これがこれ以上エスカレートしないように、われわれとしてもとるべき措置があればとりたいというふうに思います。
 しかし、御心配の点は、私、アメリカにおいてもすでにもう市民世論が否定しておりますし、ニクソン大統領そのものが、選挙を控えて――もともとベトナム戦争を終息させるため、と言っては言い過ぎかもしれませんが、非常にに大きな任務を帯びて選ばれた大統領ですから、その人の選挙がもう目睫に迫っております。かれこれ考えていけば、まあ、ここらあたりで、ソ連邦も大きいところを見せて話し合いをすれば、終息するんじゃないかというふうに思います。
#311
○委員長(柳田桃太郎君) 本件に関する本日の調査はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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