くにさくロゴ
1971/06/09 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 内閣委員会 第19号
姉妹サイト
 
1971/06/09 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 内閣委員会 第19号

#1
第068回国会 内閣委員会 第19号
昭和四十七年六月九日(金曜日)
   午後一時三十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月九日
    辞任         補欠選任
     向井 長年君     中村 利次君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田桃太郎君
    理 事
                町村 金五君
                安田 隆明君
                鈴木  力君
                水口 宏三君
    委 員
                黒住 忠行君
                源田  実君
                世耕 政隆君
                田口長治郎君
                土屋 義彦君
                長屋  茂君
                細川 護煕君
                山本茂一郎君
                上田  哲君
                山崎  昇君
                峯山 昭範君
                中村 利次君
                岩間 正男君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  水田三喜男君
       運 輸 大 臣  丹羽喬四郎君
       国 務 大 臣  山中 貞則君
   政府委員
       人事院総裁    佐藤 達夫君
       人事院事務総局
       給与局長     尾崎 朝夷君
       人事院事務総局
       職員局長     島 四男雄君
       総理府総務副長
       官        砂田 重民君
       総理府人事局長  宮崎 清文君
       総理府恩給局長  平川 幸藏君
       警察庁長官官房
       長        土金 賢三君
       大蔵省主計局次
       長        吉瀬 維哉君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  秋富 公正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
   説明員
       警察庁警務局給
       与厚生課長    大塚 惟謙君
       林野庁職員部長  山下 一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和四十二年度以後における国家公務員共済組
 合等からの年金の額の改定に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十二年度以後における公共企業体職員等
 共済組合法に規定する共済組合が支給する年金
 の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等
 共済組合法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のある方は順次発言を願います。
#3
○峯山昭範君 それでは、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案の審査にあたりまして、二、三質問をしたいと思います。
 初めに、今回、人事院がこの法律の改正につきまして意見の申し出を出しているわけでありますが、その背景について概略をお伺いしておきたいと思うんです。
#4
○政府委員(佐藤達夫君) まあ、もとにさかのぼりますと、この災害補償法の制定のなされました昭和二十六年当時にさかのぼるのでございますが、問題として、この補償法制定の御審議の際に、すでに、警察官については特別な扱いをすべきではないかというお声が相当出ておるという事実がございます。で、それはそれといたしまして、私どもやはりそういう点にも関心を持ちながら、近年、昭和四十二年でございますか、五年前になりますが、私どもの部内研究会において一応この問題を検討いたしまして、一つの中間報告が出ておるわけであります。それからさらに警察庁のほうでも近時このほうの問題をお取り上げになりまして、調査会を設けられて、このほうの結果が四十六年の七月に出ておりまして、その御連絡を私どももお受けしたわけです。そういうことから、われわれとしては熱心にこの問題を検討しておったわけでありますが、たまたま最近凶悪犯罪が非常に多くなってまいりましたし、これはもうぐずぐずしてはおれないというようなことから、本年の三月十六日に意見書の提出を申し上げた。たまたまその前に浅間山荘事件というようなものもございまして、タイミングとしても、偶然でありますけれども、一応よかったというような、まあ率直なことを申し上げますとそういう気持ちを持っておるわけでございます。
#5
○峯山昭範君 ただいま今回の法律が出てまいりました背景についてお伺いしたわけでありますが、総裁からほぼ三点にわたって説明がありました。そこで、その背景となるそれぞれの答申についてそれじゃもう一回お伺いしておきたいのでありますが、警察官給与制度研究会ですか、こちらのほうからの報告は、警察官公務災害補償制度の改善に関する報告というのであろうと私は思うんですが、これは昭和四十六年の七月に出ているそうでありますが、これの内容については、今回の法案と比較してどういうぐあいなものなのか、一つはこれをお伺いしたい。
 それからもう一点は、総裁がおっしゃいました昭和四十二年の部内の研究会ですか、人事院災害補償特別調査研究会の中間報告というんですか、何かそういうような名前らしいんですが、こちらのほうの中間答申ですね、そういうようなものと、今回のいわゆる意見の具申との関係ですね、そこら辺のところはどういうぐあいになっているのか。そういうような答申の中から、今回の法案に含めなかった問題等もあるんじゃないか、こういうぐあいに思うんですが、そういう点も含めて、それぞれこの二つの点から説明をお願いしたいと思います。
#6
○政府委員(島四男雄君) お答えいたします。
 まず最初の御質問の警察官給与制度研究会と今回人事院が意見の申し出を行なったその内容の相違でございますが、性格においては全く同じ性格のものでございます。対象職種といたしましては、警察官給与制度研究会は、これは当然警察官の処遇改善のための研究会でございますので対象を警察職員だけに限っておりますが、私どもが、今回この法案に盛られているその内容は、警察官のほかに皇宮護衛官、海上保安官、麻薬取締官、監獄官吏、入国警備官、こういうものが含まれております。それからその職務の対象でございますが、警察官給与制度研究会の答申としては、これは今回の法案もともに高度の危険が予測される状況下に行なう職務という点は同じでございますが、大体においてはほとんど同じ職務を対象としておるわけですが、ごくこまかい点を申しますと、たとえば警察官給与制度研究会においては交通取締官というものをあげておりますが、わがほうではこれを落としております。それから警察官給与制度研究会においては、この支給方法、支給額について、まず、支給の額でございますが、現行補償より平均して三〇%ないし六〇%の増額、特に若年者は最低六〇%増しという答申をいたしておりますが、この法案においては、障害補償、遺族補償一律五割増しと、こういうふうな内容になっておる点が違っております。それから警察官給与制度研究会においては、遺族補償はすべて年金と、こういうような答申がなされておりますが、この法案では、障害補償、遺族補償ともに、年金の額については年金の五割増し、一時金については一時金の五割増しと、この点が違っております。
 それから、さっき総裁からお答えいたしました昭和四十二年の私どもの災害補償特別調査研究会とこの警察官給与制度研究会なり今回の意見の申し出というものとの関係はどうかという御質問に対してのお答えでございますが、警察官給与制度研究会は特に警察官だけについて研究をなされたものでございまして、私どもの災害補償特別調査研究会というのは、警察官だけではなく、すべての公務員の災害補償のあらゆる制度について研究するという性格を持った研究会でございまして、別に何ら矛盾するものではございません。で、今回の意見申し出と私どもが行なった中間報告――これは中間報告でございまして最終的な答申ではございませんが、この中間報告の内容とも若干今回の意見の申し出は違っておりますが、それは、その後の情勢ないし私どもの研究の結果、若干内容において違っているところがございますが、基本的には、私どもの研究会の行なった中間報告及び今回の警察官給与制度研究会の答申等を両方相互勘案いたしまして今回の意見の申し出を行なった、こういう次第でございます。
#7
○峯山昭範君 この二つの、中間報告あるいは答申等々との関係については、大体、背景としてわかりました。
 そこで、この法案の内容についてちょっとお伺いしたいのでありますが、今回の法案の内容を見てみますと、特に、警察官それから海上保安官ですか、そういう人たちの災害補償について特別の措置を講じよう、そういうようなところに焦点があるようでありますが、これらの職員の範囲、あるいはなぜこういうふうな職員にしぼったのか、そういう点を含めて一ぺん説明をお願いしたい。
#8
○政府委員(佐藤達夫君) ここにあげてあります警察官あるいは海上保安官等の職務は要するに一口に申しますというと、危険に直面しながら身を挺して犯人逮捕その他の職務を行なわなければならぬ、そういう任務を持っておる人たちということにひとつ限定をいたして、なお、そういう任務を持っておっても、たとえば警察官が普通の交通取り締まりに従事しておるというような場面はこれは認めないというようなきわめてしぼったところに限定をしておるわけでございます。これらの人々のそういった仕事に対しては、普通の一般の公務災害と同様に扱うことはむしろ適当ではない、やはり特段の配慮をすべきだということは一つ当然前提になっておるわけでございますけれども、ただ公務災害補償法のたてまえ論から申しますというと、たびたびこの席でも申し上げたと思いますけれども、現在の国家公務員公務災害補償法は民間におけるそれとの均衡を失してはならないという至上命令をそこに持っておるわけであります。したがいまして、その点からも検討すべき点があるわけでありますが、いま申しました今回の意見の申し出にのっております警察官等のそういった仕事は、これは民間にはない仕事で、国だけにあり得る仕事である、したがって民間とのバランス等を考慮するその必要もないというところから、これにしぼってくるという結果、こういうことになったわけでございます。
#9
○峯山昭範君 概略その趣旨とするところはわかりましたけれども、この法律に「警察官、海上保安官その他職務内容の特殊な職員で人事院規則で定めるもの」と、こうありますが、これをもうちょっと詳しく説明をしていただけませんか。
#10
○政府委員(島四男雄君) いま御質問の中にございましたように、その職員及び職務の範囲は人事院規則で定めることになっておりますが、私どもが予定しております職員は、いま総裁から申し上げたような六種類の職員に限る。その職務内容との関連でございますが、まず職員につきましては、警察官、皇宮護衛官、海上保安官、それから麻薬取締官、監獄官吏、入国警備官、この六種類を予定いたしております。
 職務内容でございますが、警察官、皇宮護衛官、海上保安官――これは海上保安官補も含む予定でございます――この三つあげました職員の職務内容としては、犯罪の捜査、犯人もしくは被疑者の逮捕もしくは護送または犯罪の制止、それから第二番目といたしましては、天災時等における人命の救助、これらの職務内容を行なった場合をわがほうは対象に考えております。
 それから麻薬取締官については、犯罪の捜査または犯人もしくは被疑者の逮捕もしくは護送、監獄官吏につきましては、犯罪の捜査または犯人もしくは被疑者の逮捕もしくは護送、それから法令により拘禁された者の逃走または暴行の制止、これらを予定いたしております。それから入国警備官につきましては、違反事件の調査、収容、護送、送還警備、これらの職務を私どもは人事院規則で定める予定でございます。
#11
○峯山昭範君 大体わかりましたけれども、いま聞いておりますと、大体非常に危険なといいますか、一般的にいいまして危険な感じのする職場という感じがするわけでありますが、何といいますか、武器の携行を許されているものを一応の基準と考えているというようなことを聞いたことがあるんですが、この点はどうなんですか。
#12
○政府委員(島四男雄君) それはいま私が申し上げた六種類の職務の方々はいずれも武器携行が許されている職員でございますが、これはたまたまそういう高度の危険が予測される状況下にあってあえて職務を遂行しなければならないという職務の特殊性からくるものであろうということで、武器携行が許されるものをあげたというのはむしろ話の筋道としては逆でございまして、たまたまそういう職務の方を拾ってみますと共通の特徴としては武器を携行しているということでございます。
#13
○峯山昭範君 そうしますと、いま警察官、それから皇宮護衛官、それから監獄官吏、入国警備官、海上保安官、麻薬取締官、この六種類とおっしゃいましたが、たとえば入国警備官というのは、出入国管理令の第六十一条の四ですか、これで入国審査官というのがありますね。それとまた同じように、大蔵省の税関の職員ですね、こういう人たちもたとえば同じような立場に私はなるのじゃないかと思うんですが、たとえばいまおっしゃった中から入国審査官あるいは税関の職員等が抜けているのは一体どういうわけですか。
#14
○政府委員(島四男雄君) 入国審査官、たとえば私が先ほど申し上げましたように法令上武器の携行を許されておる職員の中には、入国審査官であるとか税関職員は法令上は一応武器の携行及び使用が許されておる職員でございますが、入国審査官の職務内容としては、警察官の職務に相当するものではない。それからまた税関職員は、現在武器を保持しておらないわけでございます。このことからも、高度の危険が予測される状況下においてもなお職務を遂行しなければならないという義務を負っているものではないという判断で、私どもは落としたわけでございます。
 それから税務職員の収税官吏が国税に関する犯則行為を調査するために行なう捜索等の職務内容はどうかというお尋ねでございますが、収税官吏の行なう国税犯則取締法に基づく臨検、捜索または差し押えは、裁判官の令状を要するという点では刑事手続に準ずるものと解されておりますが、収税官吏は警察官と異なりまして、高度の危険が予測される状況下においてもなおその職務を遂行しなければならないという義務を負っているものとは考えられませんので、今回の措置の対象とはしなかったものでございます。
  〔委員長退席、理事町村金五君着席〕
#15
○峯山昭範君 それは私は非常に一方的な理屈じゃないかと思うんです。というのは、高度の危険が予測される状況、高度の危険と申しましても、最近では何が高度の危険かということは非常に問題だと思うんですよ、実際問題。現在のいろいろな社会情勢からいいまして、この法案をつくった根本の精神から考えてみても、これは何が高度の危険かということは非常に議論のあるところだと思うんです。そういう点から考えてみましても、実際問題現実に入国審査官あるいは入国警備官、どこが違うか、実際仕事の内容としては多少違うかもしれません。しかしながら多少違うところがあったにしても同じような法律的義務を持ってやっておるわけですね。そういう点から考えてみると、やはりこういうところに差別をつけるのはちょっと問題があるのではないかという感じもするわけです。そういう点から考えてみますと、あなた方はここでいう高度の危険というのはどういう状態を考えていらっしゃるのか、この点はどうなんですか。
#16
○政府委員(佐藤達夫君) たとえば卑近なことでございますけれども、相手が武器をかまえてこちらに迫ってくるという場合には、やはり進んで身を挺して逮捕なり何なりのために立ち向かっていかなければいかぬ、こういう仕事を考えますと、いまの審査官その他については、職務としてはそこまでの義務はないだろうというような区別の線が引けるというように考えておるわけであります。
#17
○峯山昭範君 そういうふうな場合、実際問題、入国審査官、入国警備官とありますね、実際現場になった場合、やはりぼくは同じような危険にさらされるのではないか、職務の分担としても多少実務としては違うかもしれませんが、こういうようなことはそう差はないのではないかという感じがするんです。実際問題は出入国管理令の六十一条の四で定められた審査官、警備官というのは、たとえば――まあたとえばの話ですが、これは一緒に含めてもいいんじゃないかという感じがするわけですが、ここら辺のところはどうですかね。
#18
○政府委員(佐藤達夫君) どうも、審査官などの場合は危険性には確かに遭遇する可能性はある、したがって自衛のために正当防衛の趣旨でやはり武器を持たしたほうがいいということは、これはあると思いますけれども、これはむしろ防衛関係に主眼を置いての面が多いんで、積極的にこっちから組みついていかなければならぬという点ではどうもはっきり違うような気持ちがしてなりません。
#19
○峯山昭範君 その点については、あとでもうちょっと詰めて話をしたいと思うんですが、それじゃ、ちょっと質問の方向を変えまして、これは実際問題として、国家公務員――あるいは地方公務員もまあこれは関連してあとでできるでしょうからね。――国家公務員の場合、まあ公務員の場合、公務上災害を受ける。公務上災害を受けるという立場から考えますと、確かに危険の多い警察官あるいは海上保安官、これは私たち――現実に私たちも内閣委員会の視察として何回か海上保安庁の船にも乗ってみました。確かに自衛隊の船と違って海上保安庁の船はおんぼろが多いですね。そういうふうな中で、相当荒海の中をいろいろやっている。そういうようなところから見ますと、人命救助、いろんな点考えてみて、非常に危険性が多いということもよくわかるわけです。また、警察官の場合もそれは確かにわかりますね。そういうような点から考えて、私たちは公務災害のこの法律には賛成なんですけれどもね。賛成なんですけれども、実際問題として、公務員として災害を受けたという立場というか、その災害を受けたというこの事実には、これは変わりないと私は思うんですよ、要するに。そういう点からいきますと、なぜそれじゃおまわりさんだけがほかの公務員に対して特別の措置を受けなきゃいけないのかという点を考えてみますと、何となく理解できるような気もするわけですけれども、現実にそういうふうな災害を受けたという立場になってくると、これはもう全く理解しにくい、また説明をしにくい、こういうぐあいに私は考えるんですが、これはどうですかね。
#20
○政府委員(佐藤達夫君) 結局、その人の仕事、職務とされている事柄の実態の問題、職務ということになりますというと、その職務関係からくる国との関連というようなことを脈絡をつけますと、やはりそこに差別を置いてもこれは十分説明が立つというようなことではないかと私どもは思ってきておるわけであります。
#21
○峯山昭範君 そんなふうな説明じゃ私どうも得心がいかぬのですがね。じゃ、もうちょっと具体的にお伺いしておきたいと思うんですが、たとえば警察官のほうですね、現実に現在、警察官がこういうふうな災害補償を受けた場合、現在どういうぐあいな実態になっているのか、たとえば補償の問題等も含めて警察庁のほうから一ぺんその実態についてお伺いいたします。
#22
○政府委員(土金賢三君) 警察官の場合、公務災害を受ける警察官が相当毎年おるわけでございますが、これらの職員に対しましては、法律に基づく給付としまして、ただいま御審議を願っておりますところの国家公務員の災害補償法または地方公務員災害補償法に基づく補償としまして、死亡の場合は遺族補償及び葬祭補償が行なわれるわけでございます。負傷または疾病になった場合には、治療を要する費用の療養補償が支給されますほか、負傷等のため勤務ができず給与が得られないときには休業補償、あるいはまた障害が残った場合には障害補償が行なわれるわけでございます。さらに福祉施設として補装具の支給とか、あるいははリハビリテーション施設による機能回復訓練等が行なわれるわけでございます。
 以上が国家公務員災害補償法もしくは地方公務員災害補償法に基づく補償でございますが、このほかに国家公務員共済組合法または地方公務員共済組合法による給付として、やはり公務災害による死亡については遺族年金及び弔慰金が、また公務災害による廃疾については廃疾年金が支給される、こういうふうな実態でございます。
 なお、これにつけ加えて申し上げますと、ただいまのは補償でございますが、この補償のほかに、先ほど来お話が出ておりますような、そういう功績と申しますか、そういうふうな観点から功労に対する表彰として授与されるものがございます。これには内閣総理大臣の特別ほう賞金の制度、あるいはまた警察庁長官の賞じゅつ金の制度がこのほかにあるわけでございます。
 大体、以上のような実情になっております。
#23
○峯山昭範君 いずれにしましても、このほう賞金とか賞じゅつ金という問題の制度そのものについても、これは問題が私はあるとは思うんですが、今回の法律の改正によって、もう少し具体的に、たとえば何歳で、どのくらいでなくなったらどうなるかという、もう少し具体的に、たとえばいままではこうだった、それは何歳の年齢をあげてもけっこうでございますが、それで今回の法律の改正によってどの程度上がるのか、どの程度よくなるのか、そこら辺のところはどうですか。
#24
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 これは年齢の仮定になりますけれども、かりに勤続十年で妻、子供一人の巡査が特別公務災害により死亡した場合にどうなるかを申し上げますと、死亡の場合には遺族補償年金が、現行は四十四万七千二百五十三円でございますが、これが今度の改正によりますと六十七万八百八十円に引き上げられることになります。また、同じような巡査が六級の障害を受けた場合にどうなるかと申しますと、障害補償年金が現行の三十八万一千二百二十円から五十七万一千八百三十円に引き上げられることになります。
 それから、勤続二十年の警察官で妻と子供二人の巡査長を想定した場合には、死亡の場合の遺族補償年金は、現行制度でいきますと六十九万八千二百四十五円でございますが、これが百四万七千三百六十八円に改善されます。それから、同じく六級障害の場合には五十三万五千六百四十円から八十万三千四百六十円に改善されることになります。
 なお、現に発生しております事例で申し上げますと、この制度が適用された場合に、先般の浅間山荘事件の際、殉職されました内田警視長の遺族補償年金は現在では百十五万四百九十八円になっているわけでございますが、これが百七十二万五千七百四十七円となりまして、五十七万五千二百四十九円の増額と、こういうふうに改善されることになります。
#25
○峯山昭範君 いずれにしましても、いま聞いておりましても、具体的な金額等お伺いしておりましても、非常にやはりその補償――補償法ですから補償という考え方でしょう。ですから、そういうような考え方でいくから、全体としてやっぱり少ないんでしょうね。
 そこで総裁、先ほど総裁もおっしゃいましたけれども、今回の法律を制定するにあたって、やっぱり何といいますか、民間との均衡ということを先ほどもおっしゃいましたね。これは非常に総裁、いままで何回かこういう法律を出す場合にはこのことは説明してこられましたですね。そこで、実際問題として今回の場合は、これは災害補償法と労災との均衡ということになるんだろうと私は思うんですがね、そういうその均衡をとるというたてまえであっても、今回の場合は、民間にはこういうふうなあれはないわけですね、実際問題。職種がないということもありますが、いずれにしても公務員だけのものと、そういうぐあいになるわけでありますが、総裁がかねがねから言っているバランスということから考えれば、この問題についてはどういうぐあいに理解すればいいんですか。
#26
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど触れましたように、バランスの問題がありますけれども、今度取り上げましたこれらの人々の、かつ、そういった危険な職務というものは、民間には実はないわけです。したがいまして、その点についてはバラスのことを考慮する必要はございませんでしたということになるわけであります。しかし、それならばどこまでその天井を上げてよくしてもいいものかという問題が当然そこにきますけれども、これは補償という概念が一つあります。私どもが運用として、結局補償とは言いながら、やはり社会保障的な、生活扶助的な面に重きを置いてはおりますけれども、やはり形は、たてまえは補償のたてまえになっておりますからして、その面からむやみに上げるわけにもいかないという制約が、天井があるというふうに申し上げてよろしいと思います。
#27
○峯山昭範君 この問題はかねがねからいわれている問題でありますけれども、こういう法律を出す場合に、総裁ね、いつも民間の労災が上がった、それに追随してと言ったらおかしいですけれども、公務員の災害補償が上がる。それにあれして地方の公務員のが上がる。こういうぐあいなシステムになっているわけですね。そこで私は、実際問題として、この公務員の特殊性というか、こういうふうな災害の危険性というのは、公務員というのは当然国民に奉仕するという立場からいけば、当然一般のいわゆる民間企業の人たちとはずいぶん違うと私は思うんですよ。そういうふうな面から考えて、かねがね総裁がおっしゃっているバランスということではなしに、要するにこの際、できたら独自にこういうふうな法律を制定する、あるいは独自に補償してやるというふうな、そういうふうな――補償ということについては、私はほんとうはもうちょっと意見はあるわけです。補償という制度ではなしに、こういうような問題についてはやっぱり賠償という考え方をという私たちの意見もあるわけですけれども、補償の場合でもやっぱりそういうぐあいに、民間に追随するんではなくて、独自にやっぱり公務員の危険性をも織り込んだ法律というのをつくってはどうかと、そういうふうに考え直す時期がきているんじゃないか。何でもかんでも民間に追随するという考え方じゃなくて、新たに公務員は公務員としてこういうふうな法律を制定したらどうかと、こういうふうに思うんですがね。この辺については、これは人事院総裁並びに総務長官も、これはどういうぐあいにお考えなのかお伺いしたいと思います。
#28
○政府委員(佐藤達夫君) われわれの立場から言うとたいへんうれしいおことばと拝聴するわけですけれども、結局まあこの場合については、公務災害補償法の中に一条文はっきりそういうことをうたっておりますわけで、そのほうの法律の趣旨をわれわれとしてはあながち無視できない。ただ、たびたび申し上げたと思いますけれども、法定外給付というものが民間で相当行なわれておるというようなことは、つかみ得るものについてはやはりそれをとらえてわれわれのほうの手がかりに使ってまいりたい、まいりましたし、今後もそういうふうにしてまいりたいということに尽きるだろうと思います。
#29
○国務大臣(山中貞則君) 今回の措置は、公務災害補償に対し、特別の職種、特別の環境条件等を特定をして、それに対してさらに手厚い災害補償をしなさいという、そういう意味の人事院の申し出でありますから、したがってそれに沿って私どもとしては作業をしたわけでありまして、全般的な公務災害補償のあり方については、これはやはり民間の状態その他を考えながら、はたして公務による災害その他の不幸なできごとにあわれた人々について、どの程度国がめんどうを見るべきが至当であるかという問題に対する検討は今後も続けるべきであろうと考えます。
#30
○峯山昭範君 そこでですね、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、この災害補償というこの問題の本質ですがね。これはやはり従来から、補償といいますと、何といいますか、お見舞いというような感じもするわけですね。そこで私は、こういうような現在の公務員災害補償法というのは、災害補償というような考え方ではなくて、先ほどもちょっと私が言いましたら、総裁が首をひねっておられましたけれどもね、これはやっぱり損害賠償というような考えですね、これをやっぱり取り入れるべきじゃないかという考えがするわけです。といいますのは、最近の何といいますか、ここに実は計算した表もついてはございますがね、何といいますか、平均余命といいますかね、要するに年若くしてなくなった人、それから、もう高年齢でそういう災害を受けた人、そういうふなのを比べてみますと、これは相当差があるわけですね。そういう点から考えてみると、一般の概念とはずいぶん内容的にもいろいろ違うわけですね。
 要するに、たとえばここに表で計算したのがございますが、これは遺族年金ですが、二十三歳で勤続二年でそれで遺族が二人でなくなったおまわりさんの年金が、いままで三十二万四千円、今回は四十八万六千円になるというんですよ。ところが、これが、まあだんだん年齢によって違って、だんだんふえていくわけですが、ここに表の中であるのでいきますと、年齢四十七歳、勤続二十六年、遺族四人ということになりますと、いままで百十五万円で、今度は百七十二万円というように、若年の人たちが非常に金額の面におきましても少ないわけです。
 しかし、今日交通事故、自動車事故なんというのはずいぶんありますけれども、そういう人たちのことを思うと、若い人ほど損害賠償というのは高いわけですね。そういう点から考えると、損害賠償というような考え方に立った、新しい公務員のいわゆる公務上の災害についての法制化というのについては、これは一考すべき点があるんじゃないか、そういうぐあいに考えるんですが、ここら辺のところについては総裁どうお考えですか。
#31
○政府委員(佐藤達夫君) いや、私がさっきからちょっと首をひなりましたのは、もっと素朴な意味で首をひねったんでありまして、損害賠償といえば、国のほうに過失があり故意があって、その結果公務員が被害を受けたという場合のこと、いわゆる国家賠償法その他の問題を考えたもんですから、それとこれと比べますと、このほうは、国の側に過失も何もなくても、仕事の遂行上災害を受けた者には補償してやろうというのでありますから、その点が違うがなあという気持ちでひねっただけでありまして、いまお話のような点まで及んで、先回りして首をひねったわけではないわけであります。しかし、大体先ほどもちょっと触れましたけれども、いまの制度のたてまえは、やはり補償とは言いながら、さっき社会保障と申しましたが、たとえば生活の保障というような面をも考えてできておりますために、普通の損害賠償の場合と違った形にならざるを得ない。たとえば平均給与額というようなものも押えてやっているというような点もそういうことに関係があるのかとも思いますけれども、まあそんなところに違いがあると私は思っております。
 なお、詳細は職員局長、専門家でありますから、お答えさせてよろしいと思います。
#32
○政府委員(島四男雄君) 先ほど来の峯山委員の御質問の趣旨は、災害補償法の中にいわゆる民法なり国家賠償法による損害賠償理論をもう少し導入すべきではなかろうか、こういう御趣旨かと思うわけです。御承知のように損害賠償理論の基本的な要件は、故意または過失によるという要件、それから権利が侵害されたと、この二つが要件になっておるわけです。この災害補償におきましては、故意または過失の有無を問わない。また権利が侵害されたかどうかということも問わないということが基本的な違いかと思うわけです。さらに、したがってまた、損害賠償においては、単に身体的な損害のみならずあらゆる物的な損害あるいはまた精神的な損害、慰謝料等も一切含んで損害賠償がなされるという点が根本的な違いかと思います。そのように、現在の災害補償の理論というものは、使用者が無過失でもなおかつ労働者保護という観点からこれを補償するということが大前提でございまして、いわゆる一種の社会政策的な立法かと思うわけです。したがって、国に対しそういう無過失の場合においてもなおかつ使用者が負担するという場合に、使用者がどこまでそれを業務上の災害に対して負担するかということの是非の問題があるわけでございまして、その場合に、はたして一般の損害賠償のように、あらゆる損害、いわゆる財産的な損害のみならず精神的な問題まですべて含ませるのがはたして公平の観念に即したものであろうかという点になりますと、これは従来から災害補償理論の学説その他を見ましても、現在の補償の水準というものがおおむね妥当なものである。したがってまたそのことはILOの条約等にもその趣旨があらわれておるわけでございまして、国際的にも国内的に見ましても、そのような損害賠償理論まで導入してやるということには現在なっておらないというのが私どもの考え方でございます。
#33
○峯山昭範君 しかし現実に、これは人事院の資料らしいのですが、おたくのほうでつくった資料、私たちもいただいているわけでありますが、これは実際問題として、先ほども言いましたように、おまわりさんが二十三歳でそれで遺族二人残してなくなったということを考えてみますと、二十三歳で遺族二人ということは、結婚してわずかで子供さんが一人あるという状態です。そういうふうな状態で公務上の災害でなくなった。それで遺族年金が従来から三十二万四千円であった。これが今回四十八万六千円になる。確かに金額は多くはなりますけれども、ふえても月に直してもやはり四万円、これではどう考えても一人の赤ん坊を育てるということはたいへんだと私ども実際思うわけです。そういうふうな点から考えてみますと、本人が病気でなくなった、あるいは自分の過失でなくなったということではなくて、やはり公務上の災害でなくなったということになりますと、これはやはり国としてもその金額、これだけが国の弔慰だというような感じではやはり受け取りにくい。やはりもう少し何らかの方法を私たちは考えないといけないんじゃないか、そう思うわけです。そういう点から考えてみて、これはやはり総務長官なり人事院総裁なりにもう一回お考えをお伺いしたいのですが、先ほどちょっと申しましたおまわりさんの場合、また消防とかいろいろありますね、賞じゅつ金とかあるいは葬祭料だとかほう賞金だとか、そういうふうな問題もありますけれども、そういうふうな問題とは別にこれを考えて、これはあまりにも少ないんじゃないか、こう思うんですが、どうでしょうか。
  〔理事町村金五君退席、委員長着席〕
#34
○政府委員(佐藤達夫君) 私どももそういう点は念頭に置いて考慮したことは事実であります。そのためには、やはり根本的に災害補償法と離れた立場に立ちませんと、そのほうの完全な解決はできない。いまの特別公務であるからそれだけについて若年者のものをどうするという問題ではございませんので、これはあらゆる公務災害を通じてそうあらねばならぬのではないかという議論に結局なるものですから、そうすると、また労災の問題にもつながりができますし、先ほど局長が言いましたように、ILOの何とか条約というようなもののたてまえなどを考慮いたしますと、なかなか簡単に、このこと自体を機会としてそこまで立ち入って根本的な改革を考えるということにはちょっとこれは間に合わない。相当これは重大な根本問題であろうというふうに意識しながら、今日の意見の提出となったわけであります。
#35
○峯山昭範君 先ほどから局長並びに総裁からILOのたてまえというのが出てまいりましたが、これは何ですか、ILOの何がネックなんですか。
#36
○政府委員(島四男雄君) ILO百二十一号条約、業務災害の場合における給付に関する条約というのがございますが、これはわが国はまだ批准しておりませんが、その条約にいろいろのことが定められておるわけでございます。たとえば、そういった現在わが国家公務員災害補償法なりあるいは労災保険法、いずれも迅速かつ公正な補償をする、いわゆる定型的な補償になっているわけでございます。そのことはこの条約においてもやはり同じでございまして、障害補償なり遺族補償についての給付については、やはりいま申しましたわがほうの災害補償法等でとっております平均賃金の何パーセントというたてまえで、この標準受給者に対する定期的支払い金の額がこの条約の中に定められております。したがって、この条約においてもそういった平均賃金というものを出して、それの何%という考え方はこの条約でもとられている。そういう意味において、わがほうの法律あるいは労災等の現在とっているたてまえとは同じであるというふうなことを申し上げたわけでございます。
#37
○峯山昭範君 まず一つは、ILOの百二十一号条約というのは、これは一つは、公務員は適用除外になっているでしょう。
 それから、いま局長がおっしゃった平均給与額ですね、この問題については、これはわが内閣委員会で前々から問題になっておりましたね、その平均給与額がILO百二十一号に違反するという問題は、これは要するに前々私たちの内閣委員会でもこの問題については何べんかありましたけれども、平均給与額の算定については期末・勤勉手当の算入につき検討することという決議をつけておりますね。この問題がきちっと解決すれば百二十一号条約に違反するということにはならないと私は思うのです。まだ現在批准されていないからこれは問題ですが、これはやはりまず一つは、総裁、これは総務長官も同じでありますが、平均給与額の算定については、四十五年から衆参で何回か私たちの内閣委員会の附帯決議として、期末・勤勉手当の算入につき検討することということを何回かつけておりますが、この点はどういうふうに検討されておりますか。
#38
○政府委員(島四男雄君) 確かに前回の災害補償法の改正の際にそういう附帯決議が付されていることは承知いたしております。現行制度においては期末・勤勉手当が平均給与額の算定の基礎に含まれておらないという理由でございますが、労働基準法の平均賃金の算定においては三カ月を越える期間ごとに支払われるものを除いているということとの均衡の問題からきているわけでございまして、私どもとしましては引き続き検討はいたしておりますが、そういった、先ほど来何回となしに総裁が申し上げましたように、労災との関係の均衡を考慮する必要がある、労災とのバランスを考える必要があるということで、なかなかそこまで踏み切れないというのが現在までの実情でございます。
#39
○峯山昭範君 どうもあいまいで私わからないんですがね。労災は一体どうなっているんですか。それでまたもう一つは、労災とのバランスなんということを言いますけれども、あなた方いままで労災とのバランスということをさんざん言いながら、今回は労災とのバランスでないことをやっているわけだ。労災とのバランスなら今回の法律は出てこない。そういう点から考えても、これはもうちょっとちゃんとした答弁をもらいたいね。
#40
○政府委員(佐藤達夫君) ちょっとつなぎにお答え申しますけれども、結局先ほど来申しましたように、たまたま今回私どもの取り上げました職種なり職務の態様は、これは労災でカバーする民間の企業にはない。したがってそのほうの均衡をそうこまかく考慮する必要はないということから打って出たことになるわけでございまして、その他の点及びその基本的な問題になってまいりますと、先ほど触れましたように、やはりこの災害補償法の根本は労災法の、労働基準法の根本に触れる問題になりますから、そこはやはりバランスの問題というものは出てくるということに論理的にはなるわけでございます。
#41
○政府委員(島四男雄君) 労災のほうの関係はいまちょっと調べております。ちょっとお待ち願います。
#42
○峯山昭範君 労災のほうは調べないとわからないような状態で、そんな労災とのバランスをとってこういうふうにやったなんということを言うことは、あなたがまだ労災のことがぴちっとわかってなくて労災とのバランスをとってやったなんて言うことはおかしいんじゃないかと私は思うんですよ。じゃ、その問題についてはまた後ほど答弁いただくとしまして――いまいきますか。
#43
○政府委員(島四男雄君) 失礼いたしました。
 ただいまの労災との関係でございますが、労災保険法の十二条の二に給付基礎日額の規定がございますが、この規定の中に「給付基礎日額は、労働基準法第十二条の平均賃金に相当する額」となっておりまして、この労働基準法第十二条というのが、その規定を見ますると、労働基準法第十二条では「この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。」と、こういうことになっております。したがって、この三カ月間に支払われた賃金、それを越えたものについてはこの給付基礎日額の中に含めないと、こういうことが労災に規定されておりますので、それとのバランスでわがほうもそうなっておる、こういうことを申し上げたわけでございます。
#44
○峯山昭範君 いずれにしましても、このいまの賞与という、ありますね、これはやっぱり最近のいろんな様相から見て、これはもう生活給だと私は思うんですよ。そういうふうないろんな点から考えても、これは当然平均給与の算定については、私たちがかねがね主張しておりますように当然期末・勤勉手当を全部算入して計算するという方向にしていかないといけないんじゃないかと思うんですがね。総裁、どうですか。
#45
○政府委員(佐藤達夫君) 気持ちの問題としてはそうありたいと思いますこと、これは申すまでもないことでございますけれども、したがいまして先ほどもちょっと触れましたように、民間における法定外の給付というようなことが実行上どういうふうになされておるかという面もやはりわれわれとしては有利な手がかりを得る材料として調べてまいりたい。また予備調査はすでにやりましたけれども、これから本格的な調査に取り組もうという気持ちを持っておるわけでございます。
#46
○峯山昭範君 いずれにしましても、この問題については私たち内閣委員会の附帯決議等にもなっているわけでありますから、当然本気になって取り組んでもらいたいと思いますね。
 それから、先般も読売新聞やいろいろな新聞等にも報道されておりますけれども、人間の命の値段といいますかね。これはまあ、そういうような問題ですがね。実際問題、この先般の新聞の報道によりますと、四十歳で四人家族の人で、年収大体二百万ぐらい、この人が自動車事故でなくなった。それで、その場合この補償の問題ですけれども、いままでのホフマン方式というので計算しますと約一千万、それから新ホフマン方式という計算でやりますと、大体千三百六十一万、それからライプニッツ方式という計算でやりますと、大体一千二百四十六万、そういうような数字が出ているわけです。そこで、今回のこの人事院の資料によりますと、やはりおんなじ年齢層の、これは四十二歳の場合と対比してみますとね、勤続二十二年、それで遺族が三人というような例に、人事院の例がなっております。そこで、配偶者と子供二人ということになりますね。そういう場合に、考えてみますと、この子供さんというのは、きっとまだ中学生か、高校に入ったかどうかわからないと思うような年齢であろうと思うのです。その人たちのほうは年金が九十一万一千円、それで今回五〇%ふえても百三十六万六千円ですね、こういうようになっています。しかし年金とこの一時金と、一がいに計算比較はできませんけれどもね。できませんけれども、まあ今回の国家公務員の遺族補償の一時金というような、ありますね。その一時金と、一時金自身も今回五〇%上がるわけでありますけれども、それで最高千五百日というふうになりますね、それで計算しますと。かりにいまの四十二歳の人の場合ですね、平均給与日額が大体四千九百九十一円、それで年金を受ける遺族がなくて一時金であるとしますと、七百四十八万六千五百円というような金額が出ておりますがね。そうしますと、実際問題比較してみますと、片一方は千三百万あるいは千四百万というような金額が出てまいります。また、この公務災害の場合はやっぱり七百五十万というような金額が出てまいりますね。そういうぐあいにして比較してみますと、自動車事故あるいはそういうような事故と比較してみると、公務員の場合は、災害補償というのは非常に少ないんじゃないか。比較のしかたには多少問題がありますが、低いんじゃないかと、こういうふうに思うわけです。そこで、警察官など、非常に特殊な職員の生命あるいはその身体に対する高度の危険が予測される、今回の法律の中に書いてあります、あるいは先ほどから説明ありました非常に危険な職場というものを考えてみても、これは非常に危険な状態で公務をやるわけですね。そういう点から考えてみても、そういうふうな自分の命をかけてその仕事をしないといけない、その人の高度な危険というのは前もって予知されているわけですね。そうしますと、一般の人たちがぱあっと自動車事故にあったという場合と、またずいぶん精神的な負担も違うと思うのですね。そういう点から考えてみますと、これはちょっと考えにゃいかぬということが、私はやっぱり思うわけですよ。先ほどから言っておりますように、賞じゅつ金とかほう賞金というのが、制度がありますね。ですからそういう面をプラスすれば多少はカバーできるかもしれません。しかしながらそういうふうな賞じゅつ金でカバーしてやっと交通事故並みになるんじゃないか、そういう感じがするわけです。そこで、賞じゅつ金なりこういうものは、少なくともこういうような法律にもともと加えておくべきものじゃないか、そういうような感じもするわけです。こういうような点を含めて、これは総務長官及び人事院総裁に、この点についてどうお考えかをお伺いしておきたいと思います。
#47
○政府委員(佐藤達夫君) 確かにこの周辺の問題として、いま御指摘の賞じゅつ金その他の問題があります。私どもとしては、やはりそれはそれとして今日存在の意義を持っておるわけでございますし、むしろこれは統一的な何か規範のようなもの、法律でなくてももっと統一的な制度的なものをつくっていただいてもよろしいぐらいのものだというふうな気持ちを持っておりますが、いまのそのホフマン方式とかライプニッツ方式というような点になりますと、これはまあそれらによって今回の場合を計算した場合にそう遜色のあるものとはなりませんということを職員局長から答えさしておきたいと思います。
#48
○政府委員(島四男雄君) ただいま先生が御指摘になりました、これはたしか五月二十五日の読売新聞に「命が値切られている」というタイトルのもとに損害賠償額の算出方法が紹介されておったわけですが、私どもこれを一体公務員に換算した場合にどういうふうになるかということを一応試算をいたしてみたわけですが、先ほど先生は年齢四十二歳ということでいろいろお話がございましたが、四十歳で四人家族ということで計算いたしますとどうなるかということでございますが、まず新聞記事と大体同様な条件の年収二百万円の公務員が公務上死亡いたしました場合を想定いたしますと、平均給与額がおよそ四千円程度になるんではなかろうか、遺族の方が三人になるわけでございますので、平均給与額の年額の百分の五十、すなわち約七十三万円の遺族補償年金が支給されることになろうと思います。で、この年金の七十三万円と一千万円の一時金との比較の問題、これはただいまお話もございましたように、なかなか一がいにどちらが高いか安いかということは非常に議論のあるところでございますが、まあかりにその方の奥さんの余命年数を三十五年というふうに置いて、年金額を一時金の額に直してみますると、ホフマン方式では九百二十万、新ホフマン方式では一千四百五十三万、ライプニッツ方式では一千百九十五万と、こういうことで、新聞記事の額とそれほど大差ないんじゃないかというふうに一応私どもは考えたわけでございますが、いま申しましたように、そういった年金と一時金との比較の問題に、いま私が申し上げたような比較の方法がはたして正しいかどうかという点についてはいろいろ御議論があろうと思いますが、一応私どもは事務的にはそのように考えた次第でございます。
#49
○峯山昭範君 私、いまの計算の方法ちょっとわからないところがあったんですが、奥さんの何ですって、奥さんのあと、余命三十五年というのは。
#50
○政府委員(島四男雄君) 奥さんの余命年数と申したわけです。この方が四十歳でございますので、奥さんが何歳ぐらいの方か必ずしも明確でございませんが、まあ四十歳あるいはそれよりか若干若いということが言えると思いますが、現在の大体の女性の平均寿命が七十五歳ぐらいということで計算しますと、大体三十五年ぐらいは余命年数があるんではなかろうかと、こういうことで申し上げたわけでございます。
#51
○峯山昭範君 私はこういう計算はいかぬと思うんですよ。大体、まず一つは、余命年数を最高にとって平均寿命よりもぎりぎり一ぱいですね、しかもその七十三万という金額はこれは年金ですね。そうすると、私は初めから言いました、年金との比較はできないけれどもということで言ったわけでありますけれども、七十三万円年金でもらったとしても、子供さんが二人いるわけでしょう、二人の子供を育てながら実際これだけの年金で非常にたいへんじゃないかと私は思うんですよ。そういう点からいきますと、こういうふうなたとえば現実の交通事故等でなくなった人たちの補償額とはこういう比較はできないんじゃないかと私は思うんですよ。やっぱり一時金で計算しなきゃしようがないですよ、これは。ですから、私は先ほど言いましたように、一時金のほうがまだこれとの比較は、やっぱりそっちのほうが私は理由はあると思うんですよ。年金で三十五年生きることにしてこんなことを聞いたら――それでこれと同じだという考え方はちょっと私は得心はいきませんが、そういう計算のしかたもあるというこはわかりました。いずれにしても、これは交通事故で死んだ場合少なくとも一千万以上の一時金が入ってきますね、現実の問題としてね。そう点から考えてみますと、公務上死んでも実際問題そういうようなあれはないわけですよ、こんな金額にならない、実際に計算してみても。そういう点から考えた場合、これはやっぱりぼくはさっきから何回も言っておりますように、やっぱり災害補償のこの問題ですね、考え方ですね、これに損害賠償という考え方に立たない限りこの問題は解決しないと私は思うんですよ。さっきもいろいろ話がございましたけれども、確かにその使用者が災害の発生にあたって、要するに無過失賠償責任といいますか、そういうような考え方に立っているわけですね。そうである限りは、これはもう現在のこの何というか災害補償法の基本的な性格を変えない限りこれはどうしようもない問題であろうと思うんですよ。そこら辺のところをやっぱり多少考え直す必要もあるんじゃないか、そういうふうな時期にきているんじゃないかということも私は感じるわけですけれどもね、ここら辺のことについてはどうお考えですか。
#52
○政府委員(佐藤達夫君) まあ何ぶん重大な根本問題になりますし、私どもの法制としては、先ほど来申し上げておりますように労災とリンクした形になっておりますために、私どもの一存でお答えするわけにはいきませんし、重大問題としてこれは労働省のほうにも伝えてお互いに研究しようという態度でいかざるを得ないと思います。ただ、いろいろなお答えに対して、たとえばいまの新ホフマン何とかにつきましてもお答えをして、あんまりひどいではないかというお尋ねですから、そんなにひどくはございませんということを答えているだけで、これでけっこう、十分でございますというようなことは、これは給与問題でもそうでありますけれども、これこれの給与が低過ぎるじゃないかと追及されれば、そんなに低過ぎるものではございませんというお答えをせざるを得ませんけれども、われわれの基本的な姿勢は、少しでも理屈がつけばよくしてやりたいという気持ちを持っておることだけは念のため御了承いただきたいと思います。
#53
○峯山昭範君 ただいまの問題については、あと総務長官もどうお考えか、お伺いしておきたいと思います。
 それから、先ほどから何回も申し上げておりますように、この若年者の問題ですね。この問題については、これは衆議院の地方行政委員会でも附帯決議がついていますね。そういう点を考えてみましても、これはやっぱり私たちがこの問題を取り上げる場合、気になる点であろうと私は思うんですよ。そういう点から考えてみましても、この地方行政の皆さんが若年者の公務災害の額については検討することと、こういう附帯決議をつけたということは非常によくわかるわけです。そういう点から考えても、私たちこれはそのとおりだろうと、確かにこの点については現在の法律からいってもこれは何とかしてあげないといけないんじゃないか、こういう気がするわけです。この問題については、これは当然地方公務員独自ではどうしようもない問題だと思うんです、私はね。どうしてもやっぱりこれは人事院として、何らかのあれをしないと、地方公務員としてはもう処置できない。それぞれの都道府県では結局人事院、国家公務員でやったそのとおりになるわけですから、ここのところはやっぱり人事院でこれは何とか考えてもらわぬとどうしようもない問題であろうと私は思うんですが、そこら辺のところはどうでしょう。
#54
○政府委員(佐藤達夫君) その点も災害補償制度のほんとうに根本にかかわる重大な問題でございますから、やはりその心がまえで望まなきゃならぬと思っております。なかなかむずかしい問題だというふうに感ずる次第でございます。
#55
○国務大臣(山中貞則君) 私のほうはこの次にまた審議をお願いする恩給も担当いたしておりますが、私が一番この話をして答弁しにくいと申しますか、納得さしてあげることが困難だと思っていることの一つに、戦争で肉親を失った方々が、自分たちは国家のために肉親をささげた、しかし交通事故で道ばたにむしろをかぶっていても五百万はもらえるんだと、そういう者と私たちと――こういう悲痛な陳情をさせておく国家、政治というものが一体どういうことになるんでしょうかという、これに対しては私もまことに説明がいたしかねることがあります。したがって、比べ方いかんによっては、人の命の値打ちというものは、これは幾ら計算して積み上げてみても金で決定することはできないものでありますけれども、一たび失われた場合における、そのやはり結果的には幾らかということになる、その金額の問題については、確かに一面において若齢、若年者というものは報酬月額その他の報酬は、手取りは少ないわけですから、したがってそれを全然関係なしに年齢だけで、ホフマン方式その他のように、単なる得べかりし生涯の収益の補てんというようなことだけの計算を採用すると、また逆なアンバランスもそこに起こってくるという問題もありますから、人事院総裁のお答えになっておりますように、やはり基本的な問題で考え方の整理がつけば、場合によってはこの問題の検討に着手しなければなりません。しかし、それはいまいずれの手段をとるべきかについて初めから方向をきめて検討に入るべき問題ではないのではないかというふうに考えますから、それは人事院の御検討を待ちながら十分連絡をとってまいります。
#56
○峯山昭範君 関連をしまして二、三お伺いしておきたいのでありますが、一つは、警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律というのがありますが、これは要するに、警察に対する民間の協力という問題は非常に私、重要な問題だと思うんですが、要するにおまわりさんのほうは非常に待遇が少し、まあ、非常にと言えば非常によくなったわけじゃないんですがね、いずれにしても少しはよくなるわけです。しかし、その警察官に協力した民間の人がおりますね。そういう人たちに対する処遇といいますか、待遇というのは、これは現在どういうぐあいになっておるのか、この点ちょっとお伺いしておきたい。
#57
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 民間協力者の方が現行犯人の逮捕等にあたって死亡し、または負傷した場合の給付につきましては、警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律によりまして行なうこととなっておるわけでございますが、この法律が適用される場合といたしましては、職務執行中の警察官が職務執行上の必要により援助を求めて、それに応じてその援助をしていただいた場合、それから、警察官がいない現場で強盗等の現行犯人の逮捕または被害者の救助に当たった場合、それから三つ目として、警察官がいない現場で水難者あるいは山岳遭難者の人命救助に当たった場合、この三つのケースの場合にこの法律が適用されることになっております。しかし、いずれの場合におきましても、給付の種類及び給付の水準は国家公務員災害補償法の規定をしんしゃくして政令で定めておりまして、同一の給付、まあこの災害補償法の場合と同一の給付を行なうというふうなことに相なっておるわけでございます。今度この特別公務災害補償の措置を民間の協力者の方に、協力したために災害を受けられた方の災害補償に導入するかどうかと、こういうことにつきましては、私どもといたしましては将来の課題として検討いたしたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#58
○峯山昭範君 この問題はやっぱり非常に重要な問題だと私は思うんです。特に、この警察に対する民間の協力というのはどういう場合でも重要だと思うんですが、この問題、特に先ほど危険が予知されるというような話がございましたけれども、そういうふうな場合に死亡に至るという民間協力というのは非常に多いわけですね。そういう点から考えてみても、これは当然この災害補償法を準用している点もあるわけでありますから、この点については、これは将来今後の問題として重要だと私は思うんですよね。したがってこの問題についてはぜひとも御検討いただきたいと思うんです。
 それからこの運用の問題についても、まあ先ほど、こういう場合、こういう場合という話がありましたけれども、その運用についても私は、三点先ほど話がありましたけれども、これはやっぱりそこら辺は、運用については慎重にやっていただきたいと思うんです。この点どうですか。
#59
○政府委員(土金賢三君) この運用につきましても、ただいま御質問ありましたように、十分に協力した方々の状況をしんしゃくし調査いたしまして、慎重な運用をしてまいりたいと存じております。
#60
○峯山昭範君 さらにもう一点具体的にお伺いしておきたいのでありますが、先般がけくずれがありましたね。あれはどうなっておるんですかね。実際問題、科学技術庁の何ですか、がけくずれの実験が川崎でありましたですね。ああいうふうな事故が起きた場合ですね、これは実際問題、この事故で国会でも相当問題になりました。科学技術庁の長官が交代したり、国会等でも緊急質問等で相当取り上げられましたですね。こういうふうな場合、これは最近起きた事故でありますけれども、実際問題として、これは要するに職員の補償の額とか、あるいはこういうふうな場合は今回のこの法律の適用はないのかどうかですね、こういう点についてはどうなっているか、お伺いしたい。
#61
○政府委員(佐藤達夫君) いまのがけくずれにどの程度の現実に手当が出ておるかということは職員局長からお答えさせますけれども、今回の法律案との関係でこれを見ますというと、私どもは今回の法律案の取り上げているものとはこれは全然違うというふうに考えます。言うならば、これこそは公務災害補償法のねらっておる典型的なむしろ公務災害である、通常の公務災害である。まあ非常に冷たいような表現になってしまいましたけれども、公務災害補償法は、大体まあ内臓疾患の場合などもあります。ありますが、これらについては、やはりその内臓疾患のために倒れたというその原因が、公務との関係においてどの程度に相当因果関係があるかというようなことで、場合によっては、たとえば役所の職場で倒れられましても公務災害にならないお気の毒な場面もこれはあるわけでありまして、このようながけくずれその他のような災害、事故によるものは、これはもう問題なしに公務上の災害ということでわれわれ扱ってきているわけでございます。そういう意味で、これは典型的な公務災害だと申し上げておるわけで、しこうして、同様の場合は、これは先ほど来たびたびお耳を汚しております民間の事業体の場合においてもこれはあり得ることなんで、一般の労災等と共通の問題であろうという性格になると思います。
#62
○政府委員(島四男雄君) 川崎のがけくずれの事故に際し、民間の方もだいぶおなくなりになった方がおりますが、その補償等の状況を簡単に御説明申し上げます。
 この災害補償のほうは、大体同じベースで、国も民間も同じでございますが、それ以外の、いわゆる法定外に遺族に対して出されている部面が民間の場合には相当ございます。たとえば、読売の記者がおなくなりになったわけですが、この場合には弔慰金として本俸の百カ月分、それからそのほかに見舞い金が十万円。それからNHKの場合は、NHKの方がおなくなりになりましたが、この場合には遺族に対する附加給付として最低一千万円。――一千万円の附加給付、そのほかに見舞い金が十万円。それから八千代エンジニアリングという会社の社員が二人なくなっておりますが、この方々に対しても会社から特別弔慰金として平均賃金の千日分、それから見舞い金が十万円。それから日本テレビ、フジテレビの方がおなくなりになっておりますが、特別弔慰金として平均給与日額の五百日分プラス普通死亡退職の三倍、そのほかに見舞い金が十万円、大体このような法定外の給付がなされております。
#63
○峯山昭範君 いまおっしゃったのは、これは国がやったんですか。
#64
○政府委員(島四男雄君) いま申し上げましたのは会社で行なった給付でございます。
#65
○峯山昭範君 ですからね、これは会社ではこういうぐあいに優遇するわけですよね、これは。いずれにしても、これは一つはこういうふうな、がけくずれみたいな、たいへん非常な事故という、これは事故前に予知することができないなんということになるかもしれませんけれども、これは非常に私はこういうふうな事故等は当然私は、これはこの法律の適用範囲に入れるべきだと思うんですよ。どこで線を引くかというのは、これは非常に問題だと思うんです。だれが線を引くのか、どこでこの線を引くのかですね。これは先ほど初めに適用のあれがありましたけれども、それ以外に、こういうぐあいに非常に危険な職場で働いている人というのはたくさんいると思うんですよ。だからこそ、衆議院の内閣委員会での附帯決議も「一般公務員が、特に危険をおかして業務を遂行しなければならない場合の補償についても検討を加えること。」という附帯決議がついていますが、私はほんとうにそのとおりだと思うんですよ。その点から考えましても、当然これはこういうふうな事故の場合、災害補償法に入るのは当然だと思うんだ、私はね。災害補償法全体は、確かに先ほどから言っておりますように、公務員が事故を受けたという、災害を受けたという立場では同じだと思うんですね。そういう点からも私はこういうふうな問題を取り上げるべきだと思うんです。そういうような主張をさっきから何回もやっているわけでありますけれども、いずれにしましても、こういうふうな問題につきましては、これは一般の職員の補償額の引き上げという問題が、これは問題になってくるわけですね、その法案全体を引き上げるという意図ですね、今回は対象範囲をこれだけにしぼってありますがね、実際は、私は公務員全体にこの法案を適用するというのが、私は一番いいと思うんですがね。そういうことについては、これは全然考えていらっしゃらないのかどうかですね、そこら辺のことについてちょっとお伺いしたい。
#66
○政府委員(佐藤達夫君) どうしても基本的には労災関係との均衡問題がつきまとってまいりますけれども、先ほど来申し上げておりますように、また、いまたまたま、がけくずれの例で御報告申し上げましたように、法定外給付というようなものも民間では出している向きも相当にあるんではないか。われわれとしてはやはり民間均衡主義をとっております以上は、せめて法定外給付の実態ぐらいをつかんで、そうしてそれを手がかりにして、わがほうの公務員の諸君の優遇のほうにこれを使えないかどうかというたてまえでおるわけでございまして、したがいまして、これも先ほど申しましたように、法定外給付を特にねらっての調査というものをことしやるつもりで準備は進めておるわけでありますから、それらの結果を見まして、また適当な処置をとりたいというふうに考えます。ただ、いまのがけくずれの場合の見舞い金、弔慰金というような、そういう給付は、この災害補償法系統ですべてまかなうべき性格のものであるのか、それはそれとしてまた一つのグループとしての措置として考えるべきものなのかというような問題が、だんだん研究が進んでまいりますと出てくると思います。あながち全部これは災害補償法系統の問題でまかなうべきだという結論にはならないと思いますけれども、そういう点も含めて十分検討いたしたいという気持ちでおるわけです。
#67
○峯山昭範君 いずれにしましても、非常に重要な問題であろうと思いますので、この抜本的な改正というのは将来は必要になってくると私は思うんですね。そこで、これは初めに聞けばよかったんですけれども、今回の法案で百分の五十上のせしているわけですね、この根拠についてもちょっとお伺いしておきたいと思うんです。
 それから、さらにこの法案を昭和四十七年の一月一日から適用というふうに聞いておるんですけれども、ここらのところはなぜそういうふうにしなければならないのか、そこら辺のところについてもお伺いしておきたいと思います。
#68
○政府委員(佐藤達夫君) 百分の五十は、先ほど私がちょっと触れましたように、この補償法のたてまえからいうと、これが天井かと思います。したがって百分の五十ということに一応とどめたことになるわけでございます。
 それから実施の適用の時期の問題は、私たちの気持ちから申しますというと、できるだけ過去の分も拾ってあげたいという気持ちがまず出てくるわけでございますけれども、しかしまたそれに対して、一方においては先向きの実施にすべきだと、たとえば四月一日から、これは私どもの意見の提出は三月でありますからして、四月一日から先へ向かって実施すべきだというような見解もいろいろございましたけれども、いずれにせよ過去にさかのぼることは私ども望ましいと思いますけれども、それにもおのずから実際上の限界があるわけでございまして、だんだん事実が資料等の散逸等によってつかめなくなるという面もございます。したがいまして、さかのぼるにしてもそこに限度があるだろうということで、一応切りのいいことしの一月一日にさかのぼるということにいたしたわけでございます。
 たとえばよけいなことを申しますけれども、成田事件までさかのぼったらどうかというようなことがわれわれの頭の中にもありましたけれども、しかしたまたまそういうような新聞の紙面を大きく飾ったと申しますか、大きく新聞の紙面に報道されたような事件ばかりかと申しますというと、実は新聞の片隅にも載らない、やはりお気の毒な殉職者というものはたくさんあるわけでございます。それらの人々のことを考えますというと、やはり何々の事件ということで押えるよりも、はっきり日にちのほうで押えるべきだということから、一月一日にさかのぼるというふうに、そこに線を引いたわけでございます。
#69
○峯山昭範君 ちょっとばらばらになって申しわけないんですけれどもね、先ほど交通整理のおまわりさんがちょっと入らないというのをちらりと聞いたような気がするんですけれどもね、これやはり何ですかね、最近の交通の事故、あるいはいろんな問題から考えてみますと、これ非常に重要な問題だと私思うわけですがね、それからもう一つは、おまわりさんの事故の中で、先般新宿でクリスマス・ツリーに爆弾を置いて、あれをやって事故を起こしましたですね。ああいうふうなのは、ほんとうにあんなところに爆弾があるなんてだれも思っていなくて、これはほんとうにたいへんな事故だったわけですがね、ああいうのは入らないんですか。
#70
○政府委員(佐藤達夫君) 交通整理の警察官の場合を取り上げましたのは、交通整理の仕事は、確かにこれは自動車のひんぱんに往復する街頭において相当な危険にさらされていらっしゃる、これは事実であります。しかしながらその危険というものは、先ほど来きわめて素朴な例を申し上げましたように、相手方が凶器をふるって立ち向かってくるのに、あえてそれに向かうというような場面とは違いまして、その例を考えれば、交通巡査のやっていらっしゃる仕事は、ほかにたとえば道路関係の工事をやっていらっしゃる、これも特殊勤務手当をあげておりますように、ほんとうに車馬の往復の激しいところでああいうつるはしをふるってやっていらっしゃる、また事故も確かにあり得るわけです。ということになりますと、そこに限界は引きようがありませんし、また、たびたび申し上げます民間の労災関係ともつながりが出てきて、ここにやはり違いを求めなければならないということで一線を画しておるわけであります。
#71
○峯山昭範君 話を聞けば聞くほどこの矛盾しているというのはよくわかるんですがね。やっぱりこれは総裁、先ほども私一番に申し上げましたように、この高度の危険が予測される状況のもとにおいてというこの問題は、何も相手がピストルを持って向かってくるから、それだけが危険じゃないと私思うんですよ。現在の交通整理とか、新宿のあの爆弾をクリスマス・ツリーに置いてあって、ボーンと爆発した、たいへんな問題と私は思うんですね。だから実際そういうふうないろんな危険な問題は一ぱいいまあると私は思うんですよ。そういうところのその線の引き方というのは、これは非常に私重要な問題だと思うんですね。それを一がいにきめてしまうのは私はどうも得心がいかぬのですがね。ここらのところはやはり再度何らかの機会に御検討をいただきたいと私思うんですがね、どうでしょうかね。
#72
○政府委員(佐藤達夫君) 基本的の態度は、やはり労災にかかわりのない特殊の勤務、これをつかまえました。したがいまして労災との関係を顧慮することなく、これについてそのものすばりの措置をとりました。その他の部面はみな労災とのつながりのある問題でございますから、労災に均衡をとらざるを得ない。しかし、労災の運用上においても法定外給付を、すなわち民間でもやっていらっしゃる面もあるようですから、それはそれとしてじっくり調べて、それが非常に一般的になっておるとか、顕著にそういう傾向があるということになれば、われわれとしてもそれを手がかりにしてひとつやりましょうということに尽きるわけでございます。
#73
○峯山昭範君 総裁のおっしゃるのもよくわかるわけですけれどもね、総裁、たまにはこの公務員災害補償法のこちらのほうでこう上がって、それで労災のほうがこっちに合わせるということがちょっとぐらいあっても私いいと思うんですよ、こういうふうな問題についてはね。これはもう全部、一から十まで全部労災に――まあ、確かに労災に気を使って、気を使ってといいますか、合わせてバランスを考えながらやらなきゃいけないのはよくわかりますけれども、こういうふうな場合はやっぱり多少考えてもいいんじゃないかと。そういう気もするわけです。で、まあ、この問題についてもあとで御答弁いただくとしまして――もうちょっとでやめます。
 これは、先ほどちょっと私は附帯決議のことを申し上げましたんですけれども、先般の附帯決議の中で、通勤途上の災害の取り扱いにつきましては、これは、前回給与問題をやるときに、これはもう何回か取り上げられた問題ですね。それで、この間の、昭和四十五年です。もういまから二、三年前の内閣委員会でも、この「通勤途上の災害の取扱いについて、検討を加え、その改善を図ること。」ということがありますが、この問題については、これはどういうぐあいにお考えなのか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#74
○政府委員(佐藤達夫君) 通勤途上の問題から申し上げますけれども、これはたびたび御指摘のある事柄でもございますし、私どもとしても、問題意識を持って取り組んでまいったわけでありますけれども、実際の運用から申しますと、ちょっとぐらいは何かあってもよさそうだとおっしゃいますけれども、まあ、ほんとうのちょっとのちょっとになるかとも思いますけれども、労災の場合よりもわれわれとしては多少ゆるやかな扱いをしている例もございます。しかし、これはまた、その問題自体がこれは大きな問題でございまして、幸いに労働省でも、委員会ですか、審議会をつくって最近その検討を始められました。わがほうも、それと別に、関係あるわけではありませんけれども、わがほう独自で、やはり最近の新聞でわりあいに大きく報道してくれましたから御承知だと思いますけれども、公務員の場合についての通勤途上の災害の実態調査というものをやりまして、だんだん問題には取り組んでまいっております。
 それから、それでちょっとの話は大体尽きると思いますけれども、このちょっとの問題について、これもあまり、均衡の問題がありますから大きな声では言えませんけれども、やはり法定外給付などのことを考慮いたしまして、例の千日分というようなのは、こっちのほうは改正を先にやっていただきまして、そうして労災のほうがそれを追っかけて最近なったという例もございますということを申し添えておきます。
#75
○峯山昭範君 総裁、いずれにしましても、総裁のほうでも種々やっていただいているとは思うのですけれども、ことしの給与の勧告の問題も、これは総裁のところで着々と準備を進めていらっしゃると思うんですけれども、この点は、これはちょっと法案とは違いますが、どの程度進んでおられますか。それから、ことしはどういう点に重点を置いて調査を進めていらっしゃるか。ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#76
○政府委員(佐藤達夫君) 御承知のように、民間調査がだんだん締め切りに近づてまいりまして、ほぼ民間調査の段取りは済んだはずでございます。したがいまして、それによって集計をし、官民の格差の比較に入るわけでございますが、われわれの調査に臨む態度としては、大体大きな問題は一応解決済みということでもございますので、扶養手当の関係あるいは通勤手当の関係というような点がおもな調査項目になっておりますけれども、なお、そのほかに、週休二日制の問題というようなことに引きずられたわけでもありませんけれども、そういう面から、民間における勤務の問題、勤務時間を中心としての問題というようなことも今度調べておるわけであります。その結果によってまた勧告申し上げて、いろいろ御審議をわずらわすことになると思います。その節はよろしくどうぞ……。
#77
○峯山昭範君 人事院では、先日、国家公務員の死因の調査についてというのをこれは発表しておられますけれども、この問題についてちょっと二、三お伺いして私の質問を終わりたいと思うのでありますけれども、この資料によりますと、死亡の第一の原因はガンということになっていますね。第二位が不慮の事故、第三位が脳卒中、それで第四位が心臓病、第五位が自殺、こういうぐあいになっておりますけれども、この順位等考えてみますと、これは三十九年以来ずっと変わっていないようであります。しかしながら民間の企業の場合と比べてみますと、心臓病及びじん炎ですね、こういうようなものを除いて国家公務員の死亡率がすべての面で上回っておると私は思うんです。そこで、国家公務員法の七十三条によりますと、「能率増進計画」が規定されておるわけでありますが、これによりますと、職員の保健、レクリエーションあるいは安全保持、厚生に関する施設につとめなければならないと、こういうふうに公務員法で規定をいたしておるわけでありますが、人事院及び政府としては、公務員の死亡率が民間より非常に高い、こういうような結果が現実に出ているわけですね。こういう点から見て、この七十三条に規定しているこれらの職員の健康保持という問題、そういう点について、これは相当やっぱり何らかの点で考えていかなくちゃいけないと思うんですが、この点については総務長官どうお考えですか。
#78
○政府委員(佐藤達夫君) われわれいつも気にして民間との対比というのをやっておりますんですけれども、どうも非常にこまかいデータが民間の側にありませんものですから、たとえば年齢の階層別の分布というようなことから申しますというと、大体公務員のほうが平均年齢が高くなっているというような要素がございますので、そう悲観的にまた見ることもなかろうという気持ちを持っております。ただし、たとえば自殺はわりに多いとか、そういうような個々の現象については相当われわれ神経を使っておることは申し添えておきたいと思います。
 なお、これらの問題については、私どものほうでも職員局のきわめて乏しい人員の中ではありますけれども、今年度から健康関係の班とそれから普通のその他の安全関係の班とチームを二つにいたしまして、多少人手をふやして大いに取り組んでいこうという体制を整えておるわけであります。
#79
○峯山昭範君 私の質問はこれで終わりますけれども、公務員の場合、自殺者ですね、いま総裁おっしゃいましたように、非常に多いわけです。前年度より二十一人減ったとはいいながら、それでも八十人ぐらいいるわけですね。しかも若年層に多い。これはやっぱり非常に私は問題だと思うんです。そこで、これはやっぱりちょっと心配なこととしまして、この定員削減による、何というか、労働過重といいますか、そういうような問題があるんじゃないか、あるいは待遇の面で非常に、何というか、職場にもの足らなくてといいますか、自殺の原因がそういうところにあるんじゃないか、そういうことも心配するわけですが、こういうような問題については、これは政府としてもやっぱりそういうような結論が出たわけでありますから、こういうような問題についてはやっぱり正面からこういうような問題と取り組んでそれに対処していかなければいけないんじゃないか、こういうぐあいに思うのでありますが、この点について総務長官並びに人事院総裁の答弁をいただいて、私の質問は一応終わっておきたいと思います。
#80
○政府委員(佐藤達夫君) 自殺の問題は、たまたま私自身が非常に気にしているものでありますから、ついこちらから先に口走ってしまったようなことになりますけれども、実際どういう原因によるかということになりますと、書き置きを残したという人はごくまれにしかないものですから、やはり人事当局者その他から状況を聞くほかないということになりますというと、わりあいに深刻な、たとえば給与が低過ぎてとかいうような意味の結論は出ておりません。したがって、もう少しこれは突っ込んで今後の帰趨を見守っていかなければならぬではないかという心組みでおるわけでございます。
#81
○国務大臣(山中貞則君) 公務員のそういう死亡率、これは、公務員は老衰とかなんとかという統計は、年齢的にもそういう現象では死なないわけですから、大体そういうことで若干一般の民間統計とは違ったものになるだろうと思いますが、ただ、職場あるいはその福祉施設、そういうような面等で、やはりどうしても中央官庁等において、国家公務員はことにそうでありますが、まあ自殺が何もそういうことに原因があるかどうかは、いまの人事院総裁の言のようになかなか判断はむずかしゅうございます。つい最近も、環境庁のたしか自動車排気ガス関係の課長が蒸発してそのままになっておるようでありますけれども、したがって、一がいには因果関係は言えませんが、やはり国家公務員の諸君が公務の反面において余暇を楽しめるような施設等をつくることも必要じゃないかというので、去年の予算からかかりまして、三年がかりで船橋のほうに公務員のためのレクリエーション施設というものを建設中であります。まあこれも、周辺の人たちが、国家公務員は自分たちだけのレクリエーション施設を国費でつくってという非難を受けないように、周辺にも十分配慮をして、地元とも相談をして、その利用計画も了承願ってつくるわけでありますが、まあ一つの例はそういうことでありますけれども、たえず人事管理の面からの職場における公務員の快適な勤務という環境については、私どもの人事局のほうにおいてもたえず連絡会議等において相談はしておるということが現状であります。
#82
○山崎昇君 峯山君からかなりこまかな点で詳細な質問がありましたから、なるべくダブらぬように、大まかな点で二、三お聞きしておきたいと思います。
 第一にお聞きをしておきたいのは、国家公務員災害補償法の第一条の目的が載っております。全部読みませんが、国家公務員法にいう一般職の職員の「公務上の災害(負傷、疾病、廃疾又は死亡をいう。以下同じ。)に対する補償を迅速かつ公正に行ない、」と、こうなっております。そこで、この法律にいう補償の性格は一体何なのか、これをまず人事院から聞いておきたいと思います。
#83
○政府委員(島四男雄君) 災害補償の性格、本質的な性格は何であるかという点についてのお尋ねでございますが、先ほども峯山委員の御質問に対してお答えしたところでございますが、使用者がかりに故意または過失がなくても、業務上の、つまり公務災害の場合は公務上の災害について国が補償するということでございまして、その内容は、身体的損害に対する補償というものがこの補償の内容でございます。
#84
○山崎昇君 身体的補償が内容ですか。もっと具体的に言ったらどうなりますか。私の考えに間違いがあったら指摘してもらっていいと思うが、私は死亡の場合とけがの場合で違うと思うんです。死亡の場合は、私の見解では、危険なのにその職務を遂行したという、職務に対する評価なのか、それともなくした生命に対する評価なのか、あるいは残された家族に対する生活保障なのか、一体何なのか。具体的に聞きますが、どこに重点があってこの補償というものは考えられるのか。また、けがの場合はこの死亡の場合と私は違うんではないか。けがの場合には、そのけがをなおす、言うならばもとの状態に戻すということが補償の内容なのか、あるいは、もとの健康体に戻してもとの職務執行ができるようにするのが補償という内容になるのか、あるいはまた、勤務が不能中の生活保障ということが補償になるのか。一体この大ざっぱに補償ということばが使われているんだが、この公務員災害補償法にいう補償という性格は何なのか。どこに重点があるのか。もしも生命に対する評価だということになれば、先ほど私は峯山さんから出ている意見がかなり重要視をされてくる。もしそうでないとすれば、じゃどうなってくるんだろうか。これは私が具体的に考えていることでありますが、私のこの分析のほかにまだいろんな要素があると思います。あるいは一つ、二つでなくて、からむかもしれません。だが、人事院や総務長官で考えておられる補償の性格というのはどこが重点なのか、明らかにしてもらいたい。
#85
○政府委員(島四男雄君) 一元的な説明は非常にむずかしゅうございますが、一言で言えば、その職員が災害によって失われたいわゆる稼得能力の喪失に対する補償が補償の中心的な問題でございます。ただ、廃疾または死亡した場合に、その廃疾者の生活保障、あるいは遺族の保障という問題から年金制度が導入されておるところから見ますると、かなり社会保障的な性格が加味されているということは言えようと思いますが、やはり本質は稼得能力の喪失に対する補償である、このように言えると思います。
#86
○山崎昇君 そうすると、先ほどあなたがお答えになった身体的損失に対する補償と稼得能力に対する補償とはうらはらの関係にもあると思いますが、どっちが重いと思いますか。私は、ただ、ですから稼得能力と言ったって、死んじまったら身体も消えてしまうし、稼得能力もなくなっちゃうのですよ。障害の場合は回復するということがあり得る。だから、稼得能力の失った部分について、もとに戻すんだという意味の補償なのか。私は先ほど来申し上げておるように、死亡の場合とけがの場合とでは違うのじゃないか。それからまるっきり廃疾の場合、まだ身体は残っておるけれどもまるっきりあなたの言う稼得能力がないというのは、私はいろいろ中身を分析したら違ってくると思うのです。ただ一括して、こういう法律ですから抽象的になる。そこで、人事院としてはどこに重点があるのか。また、身体的補償というのだが、まるっきり生命がなくなった場合に、先ほど来出ておるように、一体命に対する評価というものはどうなってくるのか。そういうものがやはりある程度明確になりませんというと、今後私はこの抜本策を考えるときにやはり迷ってくるのじゃないかという気がするものですから、深くは追いませんけれども、あなた方の見解だけきょうは聞いておきたい。
#87
○政府委員(島四男雄君) 確かに負傷または疾病の場合と死亡の場合とは、若干説明を異にしなければ一元的に説明がむずかしい問題がございます。もちろんそういう災害を受けた場合に、死亡でない場合、病気なりけがした場合には、国としてはその職員が一日も早く職場に復帰してもらいたいということは当然でございまして、そのために必要な療養を行なうということで、療養補償という問題がございます。療養補償の性格は何かといえば、もちろんそれは、やはりもとのからだになおってもらいたいということで、一日も早く職場に復帰してもらいたいという趣旨で設けられたものかと思います。ただ、療養してもなおかつ障害が残って、その方が本来五体健全であれば当然得たであろう所得がそれによってある程度失われたという場合には、それを補てんしてあげましょう。それから、かりにまた死亡した場合は、その方の将来得べかりし利益の喪失、これは逆のことばで言えばその方の遺族のめんどうをみてあげましょうということでこの補償の体系が成り立っている、このように思うわけでございます。
#88
○山崎昇君 そこで、重ねて聞いておきますが、あなたの答弁でいう稼得能力の補償、身体的な損失に対する補償ということになれば、若くして生命を失ったものほど高くしなければなりませんね。そうでしょう。この補償体系は逆になっていますね。これはどうなりますか。これは先ほど峰山委員は具体的な点でいろいろお聞きしました。私は理念的にいま聞いておるのですけれどもね。そうすると、かりにいま五〇%と出されておりますが、いまの災害補償体制というものは、あなた方が考える身体的補償にもならなければ、稼得能力に対する補償という理念からも遠くなってくる。この点は一体どういうふうにお考えになりますか。
#89
○政府委員(島四男雄君) そこで、補償の額が一体どの程度になるかという問題も一つからんでくると思うのですが、先ほども申しましたように、損害賠償の場合はあらゆる慰謝料まで含んで考慮しているものでございますが、こういう、使用者が、国の場合ですと使用者である国が、故意、過失がなくてもあえてそういう場合に補てんしてあげましょうということでございますので、いわゆる完全賠償にはとうていなり得ない、現在の補償水準というものはおおむね妥当なものとして考えられているわけですが、ただ、いまおっしゃった若年者と高齢者と比べて、若年者のほうが将来得べかりし利益の喪失が大きいではないか、したがってむしろ現在のような平均賃金というものを出して定型補償ということになりますると、どうしても若年者が給与が低い、したがって補償の額が少ないということはいえるわけでございます。その点は確かに御指摘のように一つの問題点はあろうと思います。私どももその点は重々問題点としては意識してはおりますが、何ぶん従来からの民間におけるこういった、いわゆる労災保険あるいは労働基準法等のバランスということで、従来は現在のような形になっておる次第でございます。
#90
○山崎昇君 これは自衛隊の場合ですから必ずしも適当かどうかわかりませんが、この委員会でも議論になりました、八戸の航空自衛隊で十九歳の隊員お死んで、国家公務員災害補償法でわずか七十九万しか支給されなかった。そこで不服で遺族が裁判を起こしましてね。ついこの間これが和解ということになりまして、約八百万支出されているのですね。そうしますと、あなたは盛んに労災保険労災保険と言うんだが、国家公務員の災害補償法を自衛隊は準用しております。これを見習ってやっておりますね。別な体系ではないはずです。そうすると、現実的に防衛庁ではこういう措置がとられておる。これはホフマン方式で計算しまして、さらにそれに上積みしておるんです。ホフマンで計算しまして六百万ぐらいにしかなりません、若いから。そうすると、あなたが、先ほど来私は聞いておったのだけれども、労災労災とこうあなた方おっしゃるけれども、必ずしもそうなってないではないか。それから法律的にいうなら、労働基準法は国家公務員はまるきり適用が排除されているのです。地方公務員は一部排除されている。そういう点からいきますと、労災保険に何でもかんでもしがみつかなければならないということにはならない。ましてや公務災害ということになれば、当然ある程度独自の考えがあってしかるべきなんだ。その点があなた方はほとんど何もせずに単なる百分の五十の上積みだけでお茶を濁そうなんというこのやり方については、どうしても私は納得できないし、冒頭にお聞きしましたように、あなた方の理念でいったとしても、若年者がきわめて低い形で押えられるという形は納得できない。ただ、いますぐこれは私は深追いしませんと申し上げたのは、もちろん根本的なことも含んでおりますから、この場は一応この結論には賛成するといたしましても、この点は単に労災保険だけのことを言わずに、もう少し私は真検に考えてもらいたい、こう思うんです。その点、総裁どうですか。
#91
○政府委員(佐藤達夫君) 訴訟になっている問題はほかにいろいろあると思いますけれども、たとえば自衛隊の場合などは、むしろ国側の過失なり違法、いわゆる不法行為的なものに基づいて、国側のそういったものに基づいての損害賠償ということになりますと、やはりいまのような裁判の結果にこれはなると思います。問題は、この災害補償系統の立法においては、これは先ほど来の国際条約もそうでありますように、まず定型補償の形をとって、これが一般の普遍的な原則になっておるということからそこの違いが出てくるんじゃないかと思います。先ほど来稼得能力の喪失というようなことばを出しますけれども、これは私が考えるところでは、その稼得能力の喪失という性質を持ち出して述べるときには、精神的損害はどうしてくれるんだ、物的損害はどうしてくれるんだと、そういうことはこの災害補償では触れてないではないかという攻撃に対して、いやこれは稼得能力の喪失にとどめております、むしろネガティブな意味で私どもは観念すべきではないかと思います。ですからその基本的な意味においては、稼得能力の喪失ということばは、あんまり表立って出すべき問題ではないんじゃないかと、ひそかにそう思っております。
#92
○山崎昇君 それじゃ局長の言っていることとあなたの言っていること違うじゃないですか。私はまあそのどっちか一つにせよなんていうこといま言っておりませんが、少なくとも人事院はこういうものを考えるときに、やはりある程度理念的なものはきちんとして、それに現実的なものをどう処理するかということをあわせて対策というのは講ずべきではないだろうか。そうでないからいま私は根本的なことを一点だけお聞きをしているわけです。ですから、これはまああらためて私も論議をしたいと思っておりますが、いずれにしても、いまのこの公務員災害補償法というのは幾つかの矛盾がある。この矛盾を解決しなければやはり私はおかしいと思いますから、その点は念を押しておきたいと思うんです。
 それからさらにお聞きをしておきたいのは、一般職給与法の十三条に特殊勤務手当がありまして、そこに危険手当がございますが、現在約三十三種類くらいあるこの危険手当を見ますと、一つ、著しく危険というのがある。二つ目には不快な勤務、三番目は不健康、四番目は困難な勤務その他著しく特殊な勤務と、大体大別するとこう分かれている。そこで、この特殊勤務手当の制度にいう著しく危険という定義の仕方と、今度提案されております高度な危険というものと、どういうふうに違っているか。また、この危険手当をもらっている人はかなり危険な職場におります。こういうものは今度のこの法案の中には入らないのかどうか。まず、その著しく危険な場合と高度な危険の場合と、大体どう違うのかですね、明確にしてもらいたい。
#93
○政府委員(佐藤達夫君) 理論的にずっと堀り下げてみますというと、危険そのものを取り出してこれはあげつらえば、「著しく」と「高度」とどう違うんだという、確かに御指摘のような問題があると思いますけれども、この今回のねらっておりますそういう職務の性質ということから、その義務の面もあわせてこれを考えますと、いまの特殊勤務手当の場合とは違ったそこに性格が出てくるということだと思います。手っとり早くいえば、もう「著しく」の中のさらに高度なものでございますと言えば、きわめて簡単明瞭なお答えになりますけれども、そう簡単には言い切れませんけれども、その職務の性質、危険に対応する、対抗する職務の性質というものがそこに違うということを申し上げるのが一番率直な言い方だというふうに思います。
#94
○山崎昇君 あなたは簡単明瞭だと思っているかもしれない。私のほうはわからないですよ。著しく危険の中に高度な危険というものが入るんですか。あなたはことばをいろいろ使われている。あとで刑事訴訟法の三十九条との関係聞きますけどね、どうもその点が不明確……。たとえば警察庁おいでになっておりますから聞きますが、警察庁に拳銃弾薬工場というのがありますね、ここで弾薬詰めているやつ、これはやっぱり危険だというので危険手当が支給されているわけです。そうでしょう。どうですか。たとえば薬きょうに雷管を、何というのですか、装てんするというのですか、そういう作業などしている者がおりますね。そういう者は、もちろんこれは危険だから私は別なところに移してくれと言うこともあり得るかもしれませんが、そういう場合あなた方どうしますか。こういう朝から晩まで毎日の勤務が全く危険な状態にあるところに勤務させられている者は、何か事件が起きて事故になった場合には、一つもこれは今度の場合に入らない。しかし、いま出されておるのは、あとでも聞きますが、たまさかあの連合赤軍のようなものがあって、命令されて行ったばっかりに死んだ、それは高度な危険だからというんでこの対象になる。危険ということになればどこに差があるんだろうか。この点についてまず警察庁の答弁を聞くと同時に、もう一ぺん人事院総裁の答弁を聞いておきます。
#95
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 危険ということでございますが、警察官の職務の性質から申しまして、警察官の職務は、その特色の一つとしては、その職務を遂行するために危険を回避してはならないと、こういうことでございます。警察官の場合には犯人、殺人犯人、あるいは警察官に向かって凶器を持って警察官を殺そうというふうなことで刃向かってくる犯人もおるわけでございますが、こういった者を逮捕する場合に、自分の命があぶないというふうな場合にその危険を回避してはならないと、こういう一つの特色があるわけでございます。こういうふうな場合のことを「高度の危険」と、こういうふうに言っているものと考えております。なお、一般の普通の職務の中で危険な職務というものもございますが、警察の職務の中で先ほどこれから除かれたというものの中に交通整理というふうなものもございますが、これもいろいろの相手からその交通で車をぶつけられる危険というものもあるわけでございますけれども、そういった場合と、凶器を持っている犯人を逮捕する場合の危険とどこが違うかというふうなことを考えてみますと、片方はこちらに刃向かってくる場合にそれを回避することができないと申しますか、その危険をあえて意識してそれを省みずに自分がその職務を完遂しなきゃならないと、こういう責務を負わされておる、こういうふうなことに対しまして、交通の場合には、自分に刃向かってくる、そういう自分が生命の保存本能を抑圧して職務を執行しなきゃならないというふうなことではなくて、そういう交通整理のような場合には、それを回避するような措置をあらかじめ十分講じて、しかもそういう危険でありますからそれを十分講じてその職務を執行すべきような、そういうふうな前提が一応あるというふうにも考られるわけでございます。ただ、交通整理の場合でも違反者を逮捕するというふうな場合もございまして、そういうふうな場合には、これは高度の危険が伴うという場合に該当するのではないかと、こういうふうに考えているわけでございます。
 なお拳銃工場の場合につきましては、装備課長から答弁さしていただきたいと思います。
#96
○説明員(大塚惟謙君) お答え申し上げます。
 拳銃工場におきまして、いわゆる爆発物関係につきましての取り扱いの手当として現在日額八十円の手当が支給されております。
#97
○山崎昇君 私は、その著しい危険であろうとも、その職場に勤務するからにはやっぱりいつかは予期せざる危険が伴うことだと思います、それは自分は注意したとしても。それから、いま官房長の答弁された例ですが、こういう場合、じゃどうなりますか、たとえばどろぼうをつかまえるに、向こうが向かってきてそれは回避できないんだと、職務上はやらなきゃならないんだと、それから一方、交通の場合ですね、よくあの映画なんかでありますが、向こうの車がその交通巡査に向かってくる場合がありますね。映画なんかでよくある。そうすると、それは本人は回避したくてもできない場合がある。その場合にもしやられたら、これはこの法律の規定になりますか。それから、極端なことを言うようですけれども、向かってくる場合に本人は職務命令に違反になるかもしれぬけれども避けようと思えば避けられる、この場合は。しかし自動車等でやられる場合には本人が避けようとしても避けられない、こういう場合がある。その場合、一体この法律の適用についてどうなりますか。必ずしも回避できる回避できないということだけで私は論ぜられない場合があり得るんじゃないかと思うが、それらの点は運営でやれますか。これは人事院総裁からも聞いておきたい。
#98
○政府委員(佐藤達夫君) 大体警察庁からお答えしたところで十分かとも思いますけれども、もっと素朴な発想で私からお答えをさしていただきますというと、特殊勤務手当の対象になっております著しく危険な業務としていまの交通巡査の場合によく似た例で、道路上の作業手当というのがございます。これは先ごろまでは夜間の作業だけ、これはあぶないからというので特殊勤務手当を出しておりましたけれども、この四月からはさらにそれを広めまして、夜間も昼間も交通のひんぱんなところで作業をやる人には特殊勤務手当をやる、それが普通の場合における交通巡査の仕事の危険性とまあ客観的には私は同じだろうと思うわけです。したがって、先ほど単なる交通巡査の事故に対しては適用にはなりませんということを申し上げましたのはそれでありまして、ただし違反の自動車があって猛スピードでその巡査をはね飛ばして逃げようとしたと、それをあえて身を挺してそのステップにつかまって、そうして相手方の反攻にもかかわらずそれに、逮捕のために身を挺するというような場面が今回の特別公務の場面に入るんで、普通の交通取り締まりの場合とはそこにどうしてもはっきりした一線が画し得るであろうと、そうして普通の交通取り締まりの場合においては、先ほど触れました道路上の作業手当の対象になるような仕事とこれとも同じじゃないかと、共通ではないかというようなことで、そこの点ははっきり限界が引けるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#99
○山崎昇君 私があとで聞いたのは――いま総裁はこの逮捕のことばっかり言っているんだけれども、何かどろぼうを逮捕することばっかり言っているんですが、逮捕ばかりでないんではないか。しかし相手が何か凶器を持っておって、向かえば自分は殺されるという場合もあり得る、この場合でも職務上回避できないというから、回避した場合には業務違反ということはあり得るかもしれないけれども、本人みずからは守ることができる。しかし自動車のように避けようとしても避けられなくて、はねられて殺される場合があり得る、交通巡査の場合ですね。そういう場合には一体この法律の適用があるんですか。だから、本人は回避しようと思っても回避できない場合がある。そういう場合は一体この法の適用についてどうなるんですか。それは運用上やるんですかということをいまお聞きしたのです。それはどうですか。
#100
○政府委員(佐藤達夫君) その点は道路工事に従事しておられる人が酔っぱらい運転の自動車にはねられたという場合と私は同じだろうと思うのです。これも素朴な言い方で恐縮でありますけれども、同じじゃないか。そうしてそれは公務災害の対象になります。まさに公務災害の対象にはなりますけれども、今回お願いしている特別公務の範囲にはこれは入りません。それは民間の場合について見ましても、やはりそういう工事に従事する人はあるわけでございます。先ほど来の労災との関連というものがずっとつながって出てくる問題、これはそこと一線が画されておりますということを申し上げたわけです。
#101
○山崎昇君 いや、酔っぱらい運転が道路の補修員を、あるいは工事人を殺す場合と本質的に違いますよ、私がいま聞いていることは。(「殺意持っている」と呼ぶ者あり)相手が、いま岩間さんが言っておりますけれども、いま言うように殺意を持って向かってくる。しかし逮捕ということではないけれども、本人はそれを避けようとしてもそれは避けられない場合がある。そういう場合は、私はやっぱりこの法の運用の中に入ってくるんじゃないかと思うから、特に警察官の場合を聞いている。これは警察庁の見解も私は聞いておきたいと思うんですが、どうですか。これから多いんじゃないですか。
#102
○説明員(大塚惟謙君) 事務的段階でこの法案を、つまり意見を言います場合におきまして、いろいろ人事院との検討をやったわけでございますが、ただいま先生のお尋ねのような場合、つまり相手方から加害行為の意思を持って直接的に立ち向かってくる、総裁申し上げましたように単純なる事故、災害において。これはなかなかこの法律の対象になるものではないということであります。しかしながら、そのような加害行為をもって立ち向かってくるという場合において、犯罪の規制、もしくはその場合の、そこら辺の近くに幼児あるいはその他の保護すべきところの人命、生命がございますれば、警察官としてはある程度命を賭して職務を遂行せざるを得ないわけでございます。そのような場合におきましては当然に対象になる、このように考えております。
#103
○山崎昇君 わかりました。
 次に聞いておきたいのは、今度のこの法案の参考資料を見ますというと、主として警察、消防になっているわけです。そこで、刑事訴訟法の三十九条の三項によりますと、司法警察官の職務を行なう者が命ぜられておりますね。これはこの警察員の中に入りますか、人事院総裁。
#104
○政府委員(島四男雄君) 司法警察戦員は、私どもがこの人事院規則で定めようとしております職種の方々以外にも、たとえば労働基準監督官あるいは郵政監察官等いろいろございます。ございますが、私どもでは先ほど峯山委員に対してお答えいたしました適用範囲というものを六職種に限るということを申し上げたわけですけれども、警察、皇宮護衛官、海上保安官、それから麻薬取締官、それから入国警備官、それから監獄の職員とこの六種の職種以外の司法警察職員は、この今回の制度の対象にはいたさないつもりでございます。
#105
○山崎昇君 それはどうして入りませんか。この刊事訴訟法の三十九条の三項によれば、「司法警察職員(司法警察員及び司法巡査)」等は「捜査のため」云々と、こうありますね。したがって一般巡査あるいは警察官と同様な戦務を遂行しなきゃならぬ場合がありますよ。どうしてこの者だけはずさなきゃならぬ。これは私はちょっと納得いかないんですがね。
#106
○政府委員(島四男雄君) 今回対象といたしました、先ほどあげた方々に共通して申し上げられることは、まず高度の危険が予測される状況下においてあえて職務を遂行しなければならないという義務を負っているということが一つでございます。で、そういう方々が高度の危険の職務を遂行した場合に受けた災害についてこの制度の対象にしましょうと、したがって、いま司法警察職員ではあっても、そういう高度の危険がない、たとえば、同じそういった犯罪の捜査等の職務がかりにあっても、それは高度の危険が予測される状況下において行なう職務ではない、あるいはまた、かりに高度の危険が予測される状況下にあって行なう場合であっても、そういうことを遂行することを義務づけられてないという、どちらかの要件を欠くという場合にはこの制度の対象にしない。やはり私どもでねらっておりますのは、そういう二つの要件、つまり高度の危険が予測される状況下において職務を行なうという一つの要件と、それから、そういうことをあえてそれを回避できない、それを遂行しなければならない義務を負っておる、こういう点に着目して、今回制度の対象にする。先ほどあげたような六職種以外の方は、たとえ司法警察職員であっても対象にしない、こういう考え方でございます。
#107
○山崎昇君 じゃあ、そうすると、地方公務員の場合は消防職員が入っておりますね。消防職員にはそんなことは書いてありませんよ、職務に。ただ現実的に高度な危険をおかしてやることは私ども認めますけれども、書いてありませんよ、警察官のようなことは。じゃあどうしてそれが入るんですか。そしてあなた方の資料を見るというと、この武器を携行するということがまた一つの基準になっておるようです。しかしこの警察官の職務を行なう者でも、武器を携行している者と携行してない者も――もしもあなたの言うような基準からいうならば、武器を携行している者は何で入らないんですか。あるいは例をあげればたくさんありますけれども、ざっと言っても河川監視員もおる。林野関係の人もおる――山火事なんかの場合のあれもあります。そういう者は高度な危険な場合だってあり得ますよ。あなたのほうは、そんなことはないなんていう断定のしかたは全くの独断だ。なぜそういう者が入らないのか。どうしてその六種類だけにしぼらなければならないのか。当然司法警察職員としての職務を行なう場合には、ただ逮捕に向かうとか、あるいは危険のない場合もあり得るかもしれない。しかし最も危険な場合もあるかもしれない。ですからそういう場合には当然この者が対象にならなければ、法のもとの平等権も犯されることになると私は思う。職務内容から言ったって、どこも違いませんよ。なぜこれをはずすのか、もう一ぺんあなたの見解を聞きたい。
#108
○政府委員(島四男雄君) 具体的に司法警察職員の例をあげて御説明したいと思います。たとえば、先ほども峯山委員の御質問に対して御説明したと思いますが、入国審査官の場合は武器の携帯が認められております。しかしながら、入国審査官の職務には警審官の職務に相当するものがないということで、はずしました。それから税関職員は、これも武器の携帯及び使用が一応は許されておりますが、現在は武器を保持しておらない。これは、その税関職員はなるほど司法警察職員ではあっても、高度の危険が予測される状況下においてもなおその職務を遂行しなければならないという義務を負っているとは考えられないということで、はずしました。
#109
○山崎昇君 あなたの独断だよ、それは。
#110
○政府委員(島四男雄君) それから、たとえば労働基準監督官その他の司法警察職員は、一応すべて犯罪の捜査及びこれに伴う被疑者の逮捕等の職務を課せられております。この点はなるほど警察官と同様でございますが、法令に基づいてこれらの方々は犯罪の捜査等の職務を行なうわけですが、高度の危険が予測される状況下においてもなおその職務を遂行しなければならないという義務を負っているものとは考えられませんので、今回の措置の対象からはずしたと、こういうことでございます。
#111
○山崎昇君 それだから、そういうことを言ったら、何でじゃあ消防が入るんですかと言うんです、あなた方の見解でいったら。たとえば営林署の職員なんかは、木材の盗伐等を見つけた場合にはこれは向かわなければなりませんよ。あるいは山火予防の場合でも、ある程度のことをやらなければなりませんよ。河川監視員も同じことです。あなた方は机の上でそういう独断みたいなことをやっていますがね、たとえば入管にいたしましても、何でそれじゃあ武器まで持たせるんですか、それほどのことがないなら。だから私は、あなた方の言っている高度の危険がない場合は、それはこの法案の趣旨でありますから、別といたしましても、そういう場合にはそういう者は司法警察官の職務を行なうことが法律上なされているわけですから、当然そういう危険が予想される場合がある。それなのになぜこの者だけ適用除外されるのか。それは私は少し行き過ぎだと思うのですよ。ですから私は、いますぐあなた方の人事院規則の中では当然こういうものを考えて入れてもらいたい。もちろん運用にあたってはそれは厳格にやるでしょう。あなた方は、そのときの状況がどうであったかどうかはやるでしょうけれども、当然対象としてはこういう者が入ってこなければ、それこそ均衡を失すると私は思う。その点、総裁どうですか。
#112
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもは、いまのお尋ねのような点を、こまかく表にして逐一検討いたしまして、そうして、その結果を局長から御説明さしたわけであります。したがいまして、私どもといたしましては、ここに明瞭な一線を画し得るというふうに考えておるわけでありまするが、ただ消防の場合は、これは、私どもの一般職国家公委員には消防の現場の仕事に従事する人がおりませんものですから、どうということは申し上げられませんけれども、海上保安官あたりの仕事から申しますというと、船舶あるいはタンカーなどの火災の際に身を挺して入っていかにゃならぬ。もうそれが回避できないという面がある。今度の特別公務員に当たるのじゃないかというふうに考えますから、その点とのあるいは共通の面があるのかもしらぬというふうに考えております。
#113
○山崎昇君 地方公務員のこの災害補償法では、消防がちゃんと入っているんじゃないですか。そして、その他のものについては政令できめることになっているんじゃないですか。しかし、基本は人事院で考えられることを基本にして私はおそらくつくり上げられていくんだと思う。いまあなたのような答弁で、何ら関係のないようなものの言い方はこれは改めてもらいたい。ですから、先ほど来私が申し上げているように、この司法警察官の職務を扱う者については、当然その範疇に考えてもらいたい。現実的にそれをどうするかは、それはそのときの私は状況もあるでしょう。これは十分ひとつ人事院規則をつくるときにもう一ぺん検討してもらいたいというふうにこれは申し上げておきたいと思います。
 それから、次にお聞きをしておきたいのは、この賞じゅつ賜金との関係です。たくさん私はいまここに持ってきておりますが、一番端的な例は、この「法務省職員賞じゆつ規程」というのがあります。この第一条によりますと、「法務省の職員(以下「職員」という。)が、危害又は災害をこうむることを予測できるにかかわらず、これをかえりみることなく職務を遂行した」者には、その災害によって「予算の範囲内で、賞じゆつ金を授与する」と、こうなっています。そして、第二条では、おおむね定額方式をとっております。
 そこでお聞きをしておきたいのは、今度のこの法律と、訓令で出されておりますこれら一連の賞じゅつ賜金との関係はどうなのか。これはかつてこの委員会でも、私が、こういう公務のため死亡した者に対して、きわめて公務員災害補償法では額が低いから、これを補うために賞じゅつという形でやるのはおかしいではないかというのが私どもの追及であって、今回、百分の五十であっても、多少私は割り増しをしてきたんだと思っているのです。もしそうだとすれば、この訓令はこのまま残されるのか、これは形を変えるのか、あるいは廃止をするのか。この賞じゅつ金規程との関係は一体どうなるのか、お聞きをしておきたい。
#114
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもの立場としては、今回の法案によってそれらの、いままでありまする賞じゅつ賜金には影響は及ぼさない。むしろ、そのほうはそのほうで、いろいろまた、今後も改善していただくことが私個人としては望ましい。これは人事院の正式の所管事項ではございませんけれども、そういう気持ちを持っておるわけでございます。したがいまして、これとの法的性格をどうかというところまで突き詰めていきますというと、これは賞じゅつというのですから、非常に何と申しますか、法律的の性格以外の性格を含んでいるかもしれません。しかし、たとえば役所の守衛さんが、本来は何も身を挺してその危険に立ち向かわなくてもよろしい、回避をしてもよろしいという立場にありながら、あえて役所の火災にあたって火の中に飛び込んで、重要な書類を持ち出したというような、やっぱりほめるべき行為というものはたくさんあるわけであります。そういう面は、やはり賞じゅつ系統の扱いによってまかなってしかるべきことではないかと、そういう気持ちを持っているものでありますから、それはそれとして、やはり今後改善されていくことではないかという気持ちさえ持っているわけであります。
#115
○山崎昇君 そうすると、私は国のこういう体系としてはまことにおかしいと思うんですよ。この目的が、危害または災害をこうむることを予測できるにかかわらず、やったのですね。そして二条の二項では、その額のやり方は、国家公務員災害補償法、たとえば不具廃疾なんかの場合は、別表第一のあの区分に従ってやりなさいと書いてある。当然そうなれば、私は今度の法案と直接関係ないにしても、公務員災害補償法で措置すべきものでないだろうか。法務省の職員ならこういうことを許されて、ほかの省の職員にはないというのはどうなりますか。ですから、私は前々からこの委員会で、国のこの種の制度というものはもう少し統一をすべきでないかということを、あなた方に口がすっぱくなるほど言った。そして国の仕事で、あるいは職務遂行でけがしたり、命を落とす場合には、国家として補償すべきであって、こういうあれは、功労があったかないかなんということでやるべき性格のものでないんじゃないかということをあなた方に強く要望しまして、あなたたちも当時は、そのとおりだと、こういうことを答弁されて、私は、一部でありますけれども、今度はこの百分の五十というものが出てきたんだと思っていたんです。ところが、依然としてこういうものが残る。それも、いま私がここに持ってきているのは、法務省と、これは防衛庁であります。違う内容が、ほかの省、警察にもあります。しかし、ほかの省にはほとんどありません。それじゃ、法務省にいる者は、たまさか役所が火事になって飛び込んで――最高額、これは二百万円になっていますが、二百万もらったと仮定します。それで、人事院にいる者は、人事院が火事になって飛び込んで、何にも出ないということになる。同じ国家公務員であって、何で差があるのか。そこに私は、今度の特殊な場合は別にいたしましても、この公務員災害をめぐって、まだまだ本質的にそういう整理をしなきゃならぬ問題があるのじゃないか。そういうことが一向に何にも整理されないで、こういうことだけやられてくるというのは、あまりにも拙速じゃないかという気さえいたします。したがって、もう一ぺん、この賞じゅつ賜金の性格、何でこういうものが一部に残るのか、見解を聞いておきたいと思うんです。
#116
○政府委員(佐藤達夫君) これは公務員法上の根拠からいえば、表彰制度というような関連、表彰に関する事項というのがありますから、そのほうの関連の事柄であると思います。ただ、残念なことに、この間のILO関係の改組、機構改革によって、これはわがほうの所管から離れて総理大臣のほうに移っているわけでありますから、あんまり大きなことは言えませんけれども、しかし、私どもとしては、これはこれ、あれはあれとして、二本立てで考えていくべき事柄であろうという気持ちを持っていることだけは、ここで申し上げておきたいと思います。
#117
○山崎昇君 いや、そんなら総裁、私は人事院規則なり何なりで、統一的な賞じゅつ賜金規程があるならまだいいですよ。これはしかし各省の訓令じゃないですか。それも内容まちまちじゃないですか。そういうあなたの見解というのは、私はとてもとるわけにいきませんね。それから、私がこの問題を一番最初、たしか昭和四十三年だと思いましたが、この委員会でやったときには、あの少年自衛官が死にまして、国家公務員の災害補償法からもらったのはわずか五万円ばかり、賞じゅつ賜金でもらったのが二百五十万円。こんなばかなことがあるのかというのが、そもそも発端だったと私は思っています。何にも直っていないじゃないですか、そういう意味で言うならば。そうして、先ほどの論とも関連をしますけれども、賞じゅつ賜金のほうは、わりあい定額制度、多少のことはあるにいたしましても、最高二百万で、定額制度をとっておる。しかし、依然としてこっちのほうは給与別にとられておる、パーセントでとられておる。そういうことを考えると、もう少し私は、人事院は、この公務員災害問題についてもその他の問題についても、根本的な矛盾があるならあるように、直すとかやってもらいたいと思うんですがね、この賞じゅつ賜金について。それなら、あなたがいま言う二本立てでいくなら、ない省については全部つくるんですか、それとも、人事院規則でやるんですか、基準を統一しますか、その点はどうなりますか。
#118
○政府委員(佐藤達夫君) われわれとしては、先ほど申しました心組みの上に、十分問題意識を持っておるわけであります。したがいまして、どういう形でわれわれのほうで研究の成果というものを得ました場合、これを表に出せるかどうかという問題もありますけれども、われわれとしては大きな関心を持って臨んでおる問題であるということだけは申し上げておきたいと思います。
#119
○山崎昇君 関心を持ってもらうことはけっこうですよ。しかし現実にはもう規程があって、この法務省の場合には昭和二十八年からありますよ、この規程は。ですから、関心を持つだけで終わるものではないです。やはり同じ国家公務員でありましたら、これだけでいい悪いはつけられませんが、少なくとも法務省で勤務する者は、あなたが例にあげられた火事等の場合について言っても、二百万円くらい出る。しかも人事院や自治省にいたら出ない。総理府にいたら出ない。こんなばかなことはあり得ないと思うのですね。その点はひとつ早急にそういうことのないようにしてもらいたいし、もう少し抜本的なことについて人事院は考えてもらいたい。そのことだけ指摘をしておきます。
 それから、ほんとうは中身でもっともっとお聞きをしたいのですが、先ほど峯山委員からだいぶ話がありましたから省きまして、もう一、二点聞いておきたいと思います。
 一つは、警察官給与制度研究会に人事院から職員局長と給与局長が入っているようです。しかし人事院の出してきた意見と、この給与研究会で出されてきているものとやはり違うものがある。そうすると、私は、人事院というのは第三者機関だということになれば、呼ばれて見解を述べることはいいとしても、その中に委員として入って、そして自分が戻ってからは違ったような見解を出してくるというようなことは、少なくともおかしいのではないだろうか。そういう意味でいうならば、こういう委員会の委員に、特にその衝に当たる職員局長や給与局長が委員として入ることは、私は不適当だと思うのですがね。過ぎたことは別として、今後どうしますか、こういうものは。見解を聞いておきます。
#120
○政府委員(佐藤達夫君) これは正式な制度的な根拠のある委員会でもないように私は了解しております。やはりそのほうの専門的な経験・知識を持っておる者としては、応分の貢献をするということは、また、ある意味においては正しいいき方であろうと私は思うわけです。しかし、あくまでいまおっしゃるように、たてまえはたてまえとして、これは当然のことでありますし、また委員会なり何なりのほうでも、それは承知の上で参加を求めておるわけでありますから、その点についてはむしろそう悪いことではないというような気持ちを持って、よかろうということを私が実は許したわけです。なおしかし物事の性質によっては、これはうかつにそういうものに入れないという事柄も問題によってはあります。それらについては断固として、そういうことはさせないという気持ちでおるわけです。
#121
○山崎昇君 その次に聞いておきたいのは、いま共済年金法ですから、一般的には恩給法の適用がないわけなんですが、ただ私は、恩給法といまの災害補償法を比べてみておりまして、旧恩給法では、けがした場合、あるいは不具廃疾の場合には増加恩給が支給される。この増加恩給等の場合には、もちろん、特別項症から第七項症まであるわけですが、これらはそのけがそのものに着目をして支給されておりますから、ほぼ給料があまり高いとか安いとか差がなくて、一応の補償がなされておる。こういうことをみるときに、また先ほどの論に返りますけれども、今度のやり方、百分の五十を上積みするといえども、そういう率が大きければ大きいほど、上下の差が激しくなる。しかし、失う命は同じだ。むしろ若い者のほうがとうとい。こうなってくると、旧増加恩給と比べてみても、今度のやり方というものはあまりいい方法ではないと思うのですが、これについての見解も聞いておきたい。
#122
○政府委員(佐藤達夫君) これはまあ先ほど来問題になっております公務災害補償制度のさらに根本にかかわる問題でございますから、そのくらいの重大問題であるという心組みを持って検討に当たるべき問題であろう、こういうふうに考えております。
#123
○山崎昇君 こまかなことを聞けばとても終わりそうはありませんから、そろそろ公務員災害補償法の問題についてはひとまず置いておきたいと思うのですが、まだまだこの休業補償の問題もありますし、それからその他の問題もありますが、いずれにしても私どもは今度のこのやり方というのは、この範囲といい、それから具体的に先ほど来説明を聞いても矛盾があります。ですから、これから人事院規則なり政令なりあるいは運用をされていくわけですが、その際に十分ひとつ配慮してもらいたいということを申し上げておきたいと思います。
 それからあと一、二点別なことでお聞きをしておきたいのは、先ほど人事院勧告のことに峯山委員からも触れられました。取りわけ昨年の十二月の当委員会で、四月実施の附帯決議をつけたのです。これは新聞の伝えるところによれば、人事院は、理由はあるとは思うけれども、はっきりしてない。この附帯決議についてあなた方はどういうふうにお考えになっておりますか。聞いておきたい。
#124
○政府委員(佐藤達夫君) 一言で申し上げますと、われわれにとりましては非常に大きな御激励であった、ある意味では大きなうしろだてをつくっていただいたというような気持ちを持って、決してとやかくの気持ちはないわけであります。ただ、しかし結局は最後はわれわれの全責任においてこれは処置すべき事柄でございますから、御激励は御激励、うしろだてはうしろだてとして、われわれとしてはなおこの点はそういう責任のある重大な事がらとして慎重に検討を進めてまいりたい。決して従来の五月が正しいという方向に向かって検討をするのではなしは、前向きと申しますか、前向きということばが正確でないと言って私は笑い話で申し上げたのですけれども、普通に言う前向きの形で、なお熱心に検討を進めている段階でございます。
#125
○山崎昇君 そうすると、あれですか、あの附帯決議を実施しようとして一生懸命努力をしております、こういうふうに理解をしておいていいですね。
#126
○政府委員(佐藤達夫君) 附帯決議の御趣旨もありますし、五月が正しいではないかというような意味の検討はいたしませんで、さらに、普通にいう前向きの形で検討を進めている段階でございます。
#127
○山崎昇君 だから、あなたの気持ちを私なりに言えば、附帯決議もあることだし、あの実現に向かって一生懸命やっております。こう素朴に受け取っておきたいのですが、いいですね。
#128
○政府委員(佐藤達夫君) あまり深入りしてお答え申しますと、ことしやるかというようなことにもだんだんまいりますので、そういうことにならないような意味でお答えしているのでございます。
#129
○山崎昇君 もう一点聞いておきますが、人事院では総理府の依頼を受けて退職手当について調査されたようでありますが、この結果はいつごろ発表になりますか。まず、その作業状況といいますかね、そういうものについてお聞きしておきたい。
#130
○政府委員(佐藤達夫君) 私の承知しておりますところでは、もうすでに、最初の予定から言うと出たっていいくらいの時期だと思うのです。しかし現実に事務のほうの手順を聞いてみますと、なかなか未回答のところがあったり、それにまた再三お願いをしたりでおくれまして、まあこの間も衆議院でお答えしたと思いますけれども、今月一ぱいくらいにはこれはもう何とかなるはずだ、またならにゃあ困るというような気持ちで督励をしているような段階でございます。
#131
○山崎昇君 何もどこでどうという意味じゃありませんが、おおむねいまの答弁では今月一ぱいくらいに結論が出る。出たらすぐ私どもにもその内容を発表願えますか。
#132
○政府委員(佐藤達夫君) これはいまのおことばにもありましたように、総理府から頼まれた仕事でございまして、まず総理府にその結果を出すのが筋だろうと思いますが、それから先のことは、また総理府と相談の上で何とかしたいと思っております。
#133
○山崎昇君 それじゃこれでやめますが、いずれにしても、公労協の賃金もきまりましたし、当然八月の中ごろにはまた人事院勧告が出るのだろうと私は思うのですが、さっきの、まあ総裁の気持ちをそんたくをして、附帯決議が必ず守られるものだと私は理解をして、きょうの質問を終えておきたいと思います。
#134
○岩間正男君 だいぶダブリますが、それに私はこの法案には反対ですから、こういう立場から二つただしておきたいと思うんです。
 第一に、なぜこれは警察関係だけに限ったのかということ、この法案の適用範囲を。六つあげられましたけれども、ほとんど警察関係ですね。警察官、海上保安官それから皇宮護衛官、麻薬取締官、刑務所の監獄官吏、入国警備官、ほとんど警察関係。なぜこれだけに限ったのですか。
#135
○政府委員(佐藤達夫君) ごくごくしぼってお答えをいたしますというと、まず、先ほど来答弁に出ておりますように、回避できない危険を承知の上であえて身を挺して仕事をしなければならぬ仕事であるということと、それから、本来均衡をとるべきはずである、また法律的に命ぜられておる普通の労働災害の場合を考えても、そういうような職務というものが民間企業にはない。したがって特別の措置を公務員災害補償法の上でとっていただきたい、そこに尽きるわけでございます。
#136
○岩間正男君 これは山崎委員からも指摘されましたが、これは国家公務員の中でも、特別司法警察職員ですね、これは十分危険にやはり立ち向かうと思うのですね。漁業監督官、営林局の職員とか郵政監察官、鉱務監督官とか、まあいろいろあると思うのですね。それから準特別司法警察職員ということになると、国税庁の監察官なんかもあり得ると思う。こういうのをどうして入れてぐあいが悪いのですか。
#137
○政府委員(佐藤達夫君) 危険を回避できるかできないかという点からしぼってまいりますというと、警察官等とは違って、それほど厳格な危険をおかしてという意味の職務とは考えられないということと、それらを考えれば、他の種類の一般の国家公務員の場合にもずっと連鎖反応を生じて、一般公務員の場合に連鎖反応を生ずれば民間企業の職員の場合にも同じく同様のものがつながって出てくる。したがってここで遮断をするならば、この法案でわれわれの考えておりましたような線で一線を画するほかはないということになったわけでございます。
#138
○岩間正男君 どうもそういう理論というのはちょっとおかしいのじゃないかと思う。どうせこういう事件が起これば、事件を判定するわけでしょう、審査するわけでしょう。その審査をするという条項が入るわけですから、そのとき、はたして高度の危険かどうかというのはそこでやればいいわけだ。だから適用範囲はできるだけ広くしておく。そうしてこのような法の均てんに浴するというのは、これは当然法の、公平の立場に立つ法のたてまえじゃないですか。いまのままだと、警察関係の、ことに権力と関係の深いところだけ全部上げている。これは立法の措置としてわれわれはやはり納得できない面を持っている。どうしてそういうふうにしたのか。審査の機関というのはあるんでしょう。全部これはもう上申すればそれで通るというわけではないでしょう。もしないとすれば、そのような審査機関をつくればいいじゃないですか。そうして、そこでそれは厳重に審査すればいいんだから。そうすれば、この法の均てんを受けるところを均等に広くすれば、当然これは立法の趣旨からいえば法の公正というものは維持される。ところが特に権力に関係の深い警察官だけをここにこうきめてしまったというかっこうでは、これは法の公正というものはやはりここで乱されたと言わざるを得ないのです。そういう立法です。先ほど話がありましたけれども、浅間山荘のあの問題でやった。ちょっとこれはやはりにわか仕立ての感じがする。もう少しそういう点については、十分にこれは検討したのかどうか、この点いかがですか。
#139
○政府委員(佐藤達夫君) これは浅間山荘事件の起こるずっと前から、先ほど来何回も申し上げましたように、前から検討しておったわけであります。権力、権力とおっしゃいますけれども、これは浅間山荘の例でいえば、人質をかりに助けるというその使命なんですね。人質を助けるという使命が一体権力の発動なのかどうかというふうにわれわれは考えざるを得ない。国民の生命、身体、安全を守っていくためにみずから身を挺して向かっていくというのですから、これは権力とは全然関係のない問題ではないかというふうに考えます。
#140
○岩間正男君 私はそういうことを言っているのではないのですよ。まあ浅間山荘が一つの契機になったわけですけれども、ただ権力執行機関、そういうような警察官にこれは適用されてきている。そこのところをいま言った。それならなぜもっとこれを広げてやらないかというのです。どうしたってその疑問は残りますよ。結局はこれは警察官の士気の高揚のためにこれは使っているのじゃないですか。そういうところがねらいじゃないですか。そう言われてもしかたがないのじゃないですか。
 もう一つお聞きしたいのは、これは地方公務員には消防だけが適用されるということになるわけですけれども、まあさきの、これは司法警察職員等指定応急措置法ですか、これは昭和二十三年法律二百三十四号、これによるとどういうのがほかに、これは地方職員の中にありますか。ほかに、消防職員だけでなくあるでしょう。たとえば狩猟に関する罪に対して対決する、それから漁業に関する犯罪に対して対決をする、こういう職種があるじゃないですか。これはどうですか。さっきあげた消防吏員のほかにこういう吏員や事務担当の北海道吏員とか、それから狩猟取り締まり事務担当の都道府県の吏員とか、それから漁業監察吏員、こういうところにもこれは適用されないわけですか。消防だけですか。
#141
○国務大臣(山中貞則君) 人事院のほうではなくてこれは自治省できめておりますから、すでに地方行政委員会を通過して参議院の本会議も通過いたしておりますので、自治省では政令にゆだねておるとすればその内容ももう大体明らかになっていると思いますが、私が人事委員会の意見の申し出を受けて立法作業をいたしました過程において、当然地方のことはどのようになるかについて意見を徴しました範囲の中においては、地方公務員たるべき警察官並びに消防団そして水防団等を対象にするように聞いております。したがって国家公委員についても、先ほど来税務署の職員その他について例をあげられましたように、その周辺の部分というものはなお残ると思いますが、これはたしか政令指定ということになっておると思いますけれども、これは正確には自治省のほうの見解を徴せられるようにお願いをいたします。
#142
○岩間正男君 これは国家公務員災害補償法のいま制定の問題ですけれども、まあ準用の範囲というのをどういうふうにいま想定しているかということを聞いているわけなんですが、これはあとに待ちましょう。
 それから「高度の危険」というようなことを言っているわけですが、これがまあ凶器を持っている犯人というようなものが頭に描かれていると思うのですが、たとえば台風のようなものはこれはどうなるのですか。これは自然現象だけれども、これにもやはり公務員の場合には立ち向かわなくちゃならない。台風の中だってこれは押して職務を遂行しなくちゃならないということが起こってくる。何も凶器というのは、これは単にピストルや刀剣だけじゃないんです。ある場合には、台風なんかはもっと被害を及ぼすものでしょう。それから洪水、それからさっきあげられた凶器としての自動車、ここでもまあ、警官に発見されるというと、もう警官に、ことに人をひいた、殺人やったと、それをまあ誰何される。そうするというと、もう気違いじみて、これは狂気で立ち向かってくるというようなことが起こる。こういうような条件の中で職務を遂行していく、そういう人たちも該当さしておいてどうしていけないのか。
 事件を審査すればいいんでしょう。そうして、もっとこれは当然、私が先ほど申しましたように、法の公平からいったら、こういうものを均てんさせる、そういう立法にしておいていいんです。どう考えても、ここのところが私にはやはり一つ残ります。この点はどういうふうに説明されますか。
#143
○政府委員(島四男雄君) 危険という点だけに着目いたしますれば、私どもが先ほど来あげました職務内容だけに限定するのはやや狭過ぎるということがあるいは言えるかもしれませんが、私どもが今回考えましたのは、高度の危険が予測される状況下においてなおかつその職務を遂行しなければならない義務を負っている職員がそのような職務を遂行した場合というふうに限定したわけでございます。
#144
○岩間正男君 何にも変わりないでしょう、台風の場合、洪水の場合、それからこんな気違いじみた、犯罪化した自動車が向かってくる場合、何かいまのお話と違うところがありますか。高度の危険をこれは伴いますよ。そしてそれを遂行する。そして一命を失う、あるいは大きなけがを受ける、そういうようなことが起こるかもしれない。それを包含しておいてなぜぐあいが悪い。どうもいまの説明では、全然それは説明になっていませんよ。
#145
○政府委員(島四男雄君) 一例をあげますれば、たとえば、庁舎の火災の際に、守衛が重要書類を搬出して、その結果災害を受けた場合どうか。まさに、そういう災害、火災の中に飛び込んで書類を持ち出すということは非常に高度の危険があるという点は、警察官等の場合と同様だと思いますが、守衛は、必ずしも、その書類を火災等の場合に搬出しなけりゃならぬ義務を負っているわけではございません。もしかりにそういう場合に受けた災害については、なるほどその守衛は非常に善行というか、非常に表彰に値することかと思いますが、この制度の対象といたしておりますのは、そういう場合にもあえて職務を遂行しなければならない義務を負っているという点において、いま先生があげられたような例とは根本的に違うということを申し上げたいと思います。
#146
○岩間正男君 そういうことを言われますけれども、どうですか、たとえば気象観測の場合、一つ例をあげますと、気象観測の場合、やっぱり気象観測をやらなければならないでしょう。これは任務なんです。そうすると、天候状態が悪い、そういうときでもそれを遂行しなきゃならぬというようなことだってあるんですよ。それから、まあいろいろこれ、あげればたくさんあると思いますよ。建設関係なんかでも、相当やっぱり危険にさらされる。しかし、そのために職務を怠るというわけにはいかない。そういうところに追い込まれている場合がずいぶんこれはあるわけですよ、現在でもね。そういうものを包含してどうして悪いのかというのが、どうも私は理解できないんですけれどもね。これ、もっとやっぱりわかりやすく説明してほしいんだ、納得できるように。どうでしょう。
#147
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど申しました私どもの一つの大きな柱としては、労災との関係、均衡ということがこの災害補償法の一つの柱となっておる以上は、それらの均衡をまず念頭に置いて処置をしなければならぬということから、民間にもあり得るような危険な業務という面から攻めていきますと、たとえば電力会社の、あるいは電源開発関係の民間の従業員の方々でも、身を挺して相当の危険に向かわれる場合もあるだろうというようなことからずっと逆に押してくれば、それらと共通の面は残念ながら除かざるを得ない、それがこの災害補償法の至上命令だということから煮詰めていって、いま説明しておるようなものは、これは民間にはない職務だということでわれわれとしては割り切った、逆に言えば、そういうことになるわけでございます。
#148
○岩間正男君 その割り切った割り切り方というのは、法のやはり公正というものの均衡を破っている。そういう欠陥をやっぱり伴っているのが問題なんだ。あえてこのような、いわば警察官、そういうところだけを中心にこのような法的措置がなされることについては、やはりわれわれは十分検討しなくちゃならぬ。
 それからさらに、こういうような法案に対して、これは申告があれば、それを受理する機関があって審査するというような、そういう方法は考えられませんか。かりに適用はこれにきめておいたにしても、これを準用するというようなそういう方法は考えられないか。この点どうです、逆に。今度は、この法でそれを一応規定しておいた、しかし準用について考える、そしてそれに伴うところの審査機関というようなものをちゃんと設置するということになれば、いまの問題を相当救済することのできる。これはどうですか。
#149
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもは、ここに提案しております法律に該当するものとして申請がありましたものについて、まさしくこの法律のねらっておるところに該当するかどうかという審査はいたします。それはいたしますが、準用関係と申しますか、その周辺の問題までも取り入れるということになりますというと、先ほど来申し上げております労災保険法なり労働基準法との関係が出てまいりますから、それはむずかしいということになるわけであります。
#150
○岩間正男君 どうしてむずかしいのか、そこのところがわかりません。労災のほうでそういうような処置が十分になされているか。特別でしょう、これは。とにかく、百分の五十というものをはっきりこれは今後増加するんですからね。いわばそういう一つの特権ですね、特権に均てんするそういう権利というものを、一般の公務員というものは持っていないんですね。危険の中にしかもあるんです。そういう公務員がそういうような均てんに浴しないという、私は立法措置としての法の公正の立場からの問題を問題にしておるんですね。だから、そういうところは、どうも私はこれはにわかづくり、先から考えておったと言うけれども、この法律が特別出されてきた動機というのははっきりしているんだ、先ほど言われたように。その背景には、やはり権力支配、このもとにあるところの警察官というものを鼓舞激励する、そういうねらいというものがこれは十分にあるんじゃないか。
 ただ私たちは、こういう特別措置について、むろんこれに、警官関係だけをここで取り上げていることについて、賛成するわけにはまいらぬ。だから賛成はしない。しかしこれは、こういうような一つの、何といいますか、措置というものを単に否定するという立場にも立っていませんから、われわれはこの法案は棄権です。その立場を明らかにして私は終わります。
#151
○鈴木力君 林野庁の方見えておりますか――。それでは、林野庁の方がお見えになるそうですから、それまでの間人事院の総裁に、直接法案と関係ないみたいで恐縮ですけれども、しかし、この国家公務員災害補償法の中にある職業病の扱いにつきまして若干伺いたい。時間がありませんから、簡単に白ろう病に限ってお伺いいたしたいというふうに思います。それで、いま白ろう病の患者が、まあ林野庁にお伺いすればわかりますけれども、四千人ぐらいいるのではないか。これは林野庁の職員だけですね。民間のほうはとても把握できないほど多い。そのうちの認定されている人が、職業病として認定をされた職員がおそらく千三百名ぐらい、まあ正確な数字はわかりませんけれども、大体それぐらいいると思うのです。そこで人事院総裁にもひとつお伺いいたしますけれども、この認定基準について、現在この白ろう病に関してはどういう基準で認定をなさっていらっしゃるのか、まず伺いたいと思います。
#152
○政府委員(佐藤達夫君) お名ざしでございますから、私から答えさせていただきます。
 白ろう病の問題は、数年来非常に顕著な問題になりまして、したがって職業病的に指定をしてくれと、指定の形でやってくれという要望が相当ありましたし、何ぶん実態を十分積み重ねて検討した上でないと踏み切れないうといことで、実態のほうの検討を重ねました結果、四十年ごろ、いわゆる職業病扱いをしたということでございまして、まあその意味では相当前進をしておるということになります。
#153
○鈴木力君 それで、まあ職業病に認定されておるわけです。そこで、いま認定されておる患者がおそらく千三百名ぐらいある。しかし、自覚症状として白ろう病の症状を訴えておる者は四千名ぐらいあるんじゃないかと思うのです。これはまあ人事院にはおそらく登録はないと思いますから、わからない。そこでこの白ろう病の自覚症状を持っておるけれども、そのうちの職業病として人事院が認定をする場合の基準がどうなっていますかということについて。
#154
○政府委員(島四男雄君) 特に私どもがどういう場合に白ろう病にするのであるかという基準は定めておるわけではございません。ただ、そういった林業労働者がいわゆるチェーンソー等を使用することによって起こるレイノー現象については、これは一応白ろう病にするということは規則でそのことをうたっておるわけでございますが、ただ白ろう病については、医学界においてもまだいろいろの問題がございまして、未解決の問題が非常に多いということで、たとえば白ろう病の治癒認定基準というものが、実はこれが非常にできなくて困っている次第でございます。もし治癒認定基準というものがありますれば、一定の時期にそれ以上医者にかかっても無意味である、なおかつ障害が残った場合に、障害補償という措置ができるわけですが、その治癒認定基準ができないために、いまだ白ろう病患者については障害補償というものが実施されていないという問題が実は一番大きな問題かと思います。で、私どもではこの問題について林野庁、労働省、厚生省と、それぞれの関係の方々がお集まり願って研究を重ね、さらにまた、その道の医学界の専門家の意見も徴しつつ今日にきておるわけでございますが、なかなか医学界においても諸説紛々として、必ずしも、一つの例として、どういうのが治療に一番いいのか、たとえば温泉療法というものが非常にいいという説もありますし、それは必ずしも白ろう病に有効であるかどうか疑問であるということを言うお医者さんもおりますので、なかなかそういう療養補償についても、必要かつ適切な療養というものがどういう療養であるか、それについても必ずしも明確に指示できないというような悩みがございます。
#155
○鈴木力君 悩みがあることはよくわかります。ただ、事実、認定していることは間違いないんです、人事院が。そうすると基準がない、何がないからと悩んでおりますけれども、どういう人を認定しているかということを聞きたい。
#156
○政府委員(島四男雄君) その認定は、実施機関である林野庁、あるいは北海道開発庁等で行なっているわけでございます。ただ、私どもに参りますのは、非常にいずれか判断に迷うという特殊のケースだけについてのケースが私どものほうに参るわけでございまして、先ほどお話のございました千三百名近くの方が現在白ろう病で認定されているというお話でございましたが、これはそれぞれ実施機関において認定したわけでございます。
#157
○鈴木力君 それじゃあと林野庁の方に伺いたいと思います。
 実施機関としての林野庁が認定をなさるわけですね。そうすると、いま一体林野庁の職員のうち、白ろう病として自覚症状を訴えている人はどれぐらいおりますか。
#158
○説明員(山下一郎君) お答え申し上げます。
 この白ろう病の問題につきましては、私どもも直接この疾病の発生を見ております事実を所管しておるところといたしまして、厚生省、人事院その他関係の方面とよく連絡をとりながら、その対策に努力をいたしておるところでございますが、最近におきましては、毎年の訴え者が逐次減ってまいっております。四十六年の数字は、現在十二月の末のものしかございませんけれども、四十六年について申し上げますと、訴え者が八十八名、これのうち認定いたしました者が四十四名となっております。なお、レイノー氏病が発生いたしましてかち現在までのと申しますか、四十六年十二月末までの累計の数字で申し上げますと、異常を訴えました者が三千九百四十名で、これに対しまして認定をいたしておりまする者が千二百十一名、こういう数字になっております。
#159
○鈴木力君 それで、どうもさっきの人事院のお答えと、いまの林野庁のお答えでわからなくなってしまった。人事院にお伺いをしたら、認定は実施機関である林野庁がする。林野庁にお伺いすると、人事院と協議してする。どこがほんとうかわからなくなってしまった。どの辺がほんとうですか。
#160
○説明員(山下一郎君) たいへん私のお答えのしかたがまずかったために、先生に誤解をお与えしたようで失札いたしました。認定は私どもだけでやっております。人事院との協議ということはございません。
#161
○鈴木力君 そこで、認定をなさる場合に、どういう程度の患者を認定をするんですか。つまり四十六年ですか。八十八名が自覚症状を訴えた。このうち四十四名を認定をした。その四十四名と四十五名分の境はどこに基準を置いておりますかということを聞いている。
#162
○説明員(山下一郎君) 認定をいたします際には、専門の医者の診断を仰ぎまして、その医者の判定によって認定をいたしております。したがいまして、いまの四十六年の数字で申しますと、八十八名訴え者がございましたけれども、医師の診察の結果、レイノー現象と判定いたしまして、このレイノーの患者であると認定をいたしました者が四十四名になっておる、そういうことでございます。
#163
○鈴木力君 どうもお医者さんまかせ、こういうことですね。
 大体こういうことじゃないですか。白ろう化現象があらわれた、もう一つは、お医者さんのほうでチェーンソーを使ってやる業務から職種を転換しろと勧告をされた、この二つは認定をする、こういうことじゃないですか。
#164
○説明員(山下一郎君) 職種転換はこれは別でございまして、医師の診断を得ましてレイノー現象であるかどうかという医学上の判断を仰ぎまして、それによって判断をいたしております。ただその際に、いわゆる白ろう現象の有無だけでございませんで、そのほかの症状も医学的に診断した上で認定をいたしておりますので、いわゆる白ろう現象と申しますか、指先などが白くなる現象がなければ認定しないということではございませんで、その他の症状も含めて認定をいたしております。
#165
○鈴木力君 なるべく短時間に終わろうと思いますので、どうも私もいまあせっておりますがね……。
 これはお医者さんのほうが、その他の現象というのは何なのかわかりませんけれども、私は実は社会党の白ろう病対策委員長をやっておりますので、ある程度この問題については調査をしているつもりです。そういう意味で聞いておりますから、あまり時間をかけないようにお願いいたしますが、一番問題なのは、一つ認定の段階で問題なのは、自覚症状を訴えておるが大体大部分はもう白ろう現象が出ない人はほとんどはねられているというふうに私は見ます。いろいろな人に、私が調べた限りにおいてはそうです。そうすると、そういう認定をされるそれ以前の人たちを一体林野庁がどういう扱いをしておるかということが、これは直接のこの法案とどうもそれるようで恐縮ですけれども、一つの問題点だと思うんですね。症状がほんとうに悪化してしまわないうちはそのまま働いておるということではどうもなまぬるい。なまぬるいというよりも、ほんとうに症状が出てくるのを待っておるみたいないまの扱い方では、白ろう病というものはなくならないと思う。これは御弁解があるかと思いますけれども、時間がありませんから私の意見として申し上げておきますけれどもね。
 それからもう一つは、認定をされた人の扱い。先ほど人事院からもお伺いいたしましたけれども、まあ非常にこれはむずかしい問題で、確かに医学的にもまだ定説がないとさえいわれておる病気ですから、したがって障害補償の対象にもまだなっていない。ただし、賃金だけはいまのところ、あれですか、日給の方は結局全部で七〇%になるわけですか、総額で。どうですか、その辺は。
#166
○説明員(山下一郎君) 症状によりまして、休んで治療をいたします場合には、災害補償法によりまして賃金の八〇%の補償を行なっております。
#167
○鈴木力君 それは、あれじゃないですか、日給制じゃなくて月給制じゃないですか。月給制の人は公務災害補償法で六〇%、それから援護賃金ですか、何か別途に二〇%出て、計八〇%。日給制のほうは、六〇%にプラス一〇%で、計七〇%じゃないですか。どっちですか、それは。
#168
○説明員(山下一郎君) 失札いたしました。ただいま申し上げましたのは月給制でございまして、日給制の場合は百分の六十の国家公務員災害補償法による給付と、それから共済のほうからの一〇%の休業援護金の給付で、合わせて七〇%でございます。
#169
○鈴木力君 それで、ここに問題がある。私は、先ほど人事院もおっしゃったように医学的にもまだ追求をされていない。公には障害補償の対象にしたりあるいは福祉施策の対象にしたりということは非常にむずかしい。そういう中で、しかし林野庁は林野庁なりに手当てはしておるけれども、その手当ては何かといいますと、たとえば冬にあたたかい弁当をというので、弁当をあたためるものを給付して、そこで弁当を食べさせておるから白ろう病対策をやっているといったような、その対策は私はきわめて貧困だと思う。だから、白ろう化現象が出るのを待っておってというような対策ではなまぬる過ぎる。正直言いまして、職員部長さんは、言えば恐縮ですけれども、白ろう病のことをさっぱり御存じない。こういう状況に置かれているところに白ろう病の問題が解決をしないという根本原因がありはしないのかというふうに思います。したがって、もうあとあまりお伺いいたしませんが、ただもう一つお伺いしましょう。
 それは治療法の研究所です。実は各県に民間でも白ろう病を研究なさっているお医者さんたちがずいぶんいるんです。そういうお医者さんたちがこの白ろう病をやりたくても、いまのところは林野庁の指定をされたお医者さん以外には患者に当たらせていないんです。もう少し、林野庁の指定したお医者さん、あるいは林野庁の療養所のお医者さんも含めながら、民間の研究なさりたいという学者たちには全国的に連絡をとって――本格的に取り組みたいという意見を持っているお医者さんたちがずいぶんいるんですから、こういう人たちを林野庁が積極的に組織をして、そうして治療法についての積極的な探求が必要なのではないか。
 それからもう一つは、この治療については、いつか私が伺った記憶がありますけれども、研究所をつくるというお話を林野庁から伺ったことがありますが、この白ろう病の治療方法についての研究所をつくる計画はいま具体的にどういうふうになっておりますか。
#170
○説明員(山下一郎君) 白ろう病の治療方法につきましては、ただいま私どもといたしましては、東大の医学部でありますとか、関東労災病院あるいは東京労災病院、国立長野病院、労働科学研究所、こういうところの先生方をわずらわしまして、もう数年来委託研究をお願いいたしております。先生の御指摘のように、確かに私どもが委託研究をお願いしております先生方以外にも、民間で、と申しますか、この研究をなさっていらっしゃる方もいらつしっるということも私ども伺っておりますが、その辺につきましては今後できるだけ御指摘のような方向でさらに広い範囲の先生方にお願いできるように努力をいたしてまいりたいと思っております。この病気の研究所の設置の問題につきましては、私ども具体的な検討をいたしたことはございませんけれども、当面のところは、この委託研究を効果的にお願いするという方向で、早く治療方法を見つけていただきたいということで努力をしておるところでございます。
#171
○鈴木力君 そうすると、この白ろう病の研究所については、全然林野庁は研究所についての計画あるいはこれをつくろうとする発表とか、そういうことは一切ありませんか。
#172
○説明員(山下一郎君) 研究所をつくるということになりますと、林野庁だけの問題でもございませんと思いますので、民有林労働者の関係もございますし、労働省あたりとも今後そういう問題についてはいろいろ検討をいたしてまいりたいと考えておりますが、現在のところ具体的な詰めはいたしておりません。
#173
○鈴木力君 それでは、もうこれであと質問をやめますけれども、これは人事院総裁にぜひお願いを申し上げておきたいんですが、いまのように、無理もない話といえば無理もない話みたいですけれども、しかし、たとえばチェーンソーを使う労働者の、これは民間もたくさんあるわけですが、少なくとも林野庁の職員で、先ほどお伺いしても、四千人近くある。それが、この問題が表に出ましてから一日の労働時間が二時間に制約されまして、そういう方法をとってもなおかつまだふえている、ふえる幅は減っておりますけれども、まだふえているという現状なんです。白ろう病を出さないような労務条件というのは林野庁がこれはもっと積極的に取り組むべきことでありますけれども、職業病として一応指定をされている以上、やっぱり公務災害としても将来条件を整えられるような、ひとつ御検討をぜひ人事院にお願いを申し上げたいと思います。
 それから、林野庁にもう一つ御要求といいますか、御要望を申し上げておきますが、いろいろと研究をなさっていらっしゃる。私も茨城県の大子の国有林の山の中で、リモコン式で木を切るように開発された機械も見せてもらいました。しかし、それは見本みたいなものでして、実際の労働者はそれは使っていない。開発をされた機械は若干数はあるけれども、それを使えば白ろう病にならないということがはっきりしていながら、実際の労働者は白ろう病になる機械をまだ使っている。機械の開発ということに――ワンクッション置いたチェーンソーとか、いろいろ開発をされているけれども、それでもまだ出ている。そうしますとですね、やっぱりこの林野庁が今度は未然に防ぐということについては、いままでの取り組みでは私は安心ができないと思う。もっともっとこの点についての追求を積極的にやっていただきたい。さっきの全国の白ろう病を研究している医者の組織化といいますか、交流された中での研究を深める、あるいは労働省とも相談をしての、民間も含めた研究所の設立の問題と、課題はたくさんあると思いますから、そういう点もお取り組みいただきたいし、この国家公務員災害補償法で認定をされたこの労働者の人たちが十分に救われる道は、さらに人事院のほうに御検討、実現方をお願い申し上げる次第でございます。私の質問はこれで終わります。
#174
○委員長(柳田桃太郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。――別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決を行ないます。
 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#175
○委員長(柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#176
○町村金五君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自民、社会、公明、民社の四党共同提案にかかる附帯決議案を提出いたします。
 まず附帯決議案を朗読いたします。
   国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項についてすみやかに善処するよう要望する。
 一、一般公務員が、特に危険をおかして業務を遂行しなければならない場合の補償についても検討を加えること。
 一、民間企業における補償の実態にかんがみ、公務員に対しても公務による死亡見舞金等の支給について検討を行なうこと。
 一、公務災害による遺族補償等の改善とくに若年者に対しては特段に配慮するとともに、国家公務員の退職手当の額の改善についても配意すること。
 一、通勤途上の災害の取扱いについて検討を加え、その改善を図ること。
  右決議する。
 この附帯決議案の趣旨は、案文及び質疑の過程において明らかでありますので、説明は省略させていただきます。
 以上であります。
#177
○委員長(柳田桃太郎君) 別に御発言もなければ、町村君提出の附帯決議案の採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#178
○委員長(柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、町村君提出の附帯決議案は全会一致をもって、委員会の決議とすることに決定いたしました。
 審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#179
○委員長(柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#180
○委員長(柳田桃太郎君) 恩給法等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、及び、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 趣旨説明を聴取いたします。山中総理府総務長官。
#181
○国務大臣(山中貞則君) ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案による措置の第一点は、恩給年額の増額であります。
 昭和四十五年度における公務員給与、消費者物価の上昇を勘案して、恩給年額を、昭和四十七年十月分から一〇・一%増額しようとするものであります。
 その第二点は、遺族、傷病者及び老齢者の恩給の改善であります。
 その一は、短期在職の戦没旧軍人の遺族に対する処遇の改善であります。これについては、公務扶助料等の年額を一般の恩給と同じように一〇・一%ベースアップするほか、その計算の基礎となる仮定俸給を、准士官以下は三号、尉官は二号、佐官以上は一号、それぞれ引き上げようとするものであります。
 また、昭和四十八年一月から、年額二十四万円に満たない公務扶助料については二十四万円に、年額十八万円に満たない増加非公死扶助料及び特例扶助料については十八万円に、それぞれ引き上げることとしております。
 その二は、傷病者に対する処遇の改善であります。まず、傷病恩給については、基準となる第一項症の増加恩給の年額を百四万円に引き上げるとともに、第二項症以下の増加恩給、傷病年金及び特例傷病恩給の年額についても、これに準じて引き上げることとしております。
 次に、傷病恩給に併給される普通恩給については、その計算の基礎となる仮定俸給を、公務扶助料の場合と同様に三号俸ないし一号俸引き上げ、さらに傷病恩給受給者の妻に対してつけられている加給の年額一万二千円を二万四百円に引き上げることとしております。
 その三は、短期在職の老齢旧軍人等に対する処遇の改善であります。
 短期在職の老齢旧軍人の恩給の計算の基礎となる仮定俸給を、公務扶助料の場合と同様に三号俸ないし一号俸引き上げることとするほか、六十五歳以上七十歳未満の者に給する加算恩給については、七十歳以上の者の場合と同様に、加算減算を行なわないこととしております。
 その第三点は、琉球政府職員の恩給の改善であります。
 その一は、琉球政府職員の恩給の計算の基礎となる俸給年額を本土の公務員と同様に、琉球政府職員を退職した当時の俸給年額を基礎としたものに改めようとするものであります。ただし、その俸給年額が、公務員退職当時の俸給年額を基礎とした仮定俸給の三号上位の仮定俸給より少ないときは、その仮定俸給年額をもって、恩給の基礎となる俸給年額とすることとしております。
 なお、琉球政府職員在職中に在職年の通算を辞退して現に恩給を給されている者については、本人の希望により、実際に退職したときまでの在職年を通算した恩給を給することができることとしております。
 その二は、南西諸島において戦務に服した文官について、旧軍人と同様その服務期間一月について三月以内の加算を認め、普通恩給の受給資格を与えようとするものであります。
 その三は、教育職員または警察監獄職員として勤務していた公務員が、引き続きこれらに相当する琉球政府職員となった場合には、本土における教育職員または警察監獄職員と同様の勤続加給を認めようとするものであります。
 その四は、離島等の辺陬地または不健康地に勤務した琉球政府職員に対し、本土の公務員と同様、辺陬地または不健康地加算を認めようとするものであります。
 その五は、行政権分離後に琉球政府に就職し、現在恩給法が適用されていない者について、その琉球政府職員期間を公務員としての在職期間と同視して、年金恩給を給する道を開こうとするものであります。
 その第四点は、在外公社等の職員期間の通算であります。
 戦前外地に設立されたいわゆる在外国策会社のうち特に公社組織をとり、行政機関に準ずる業務を行なっていた旧満洲拓植公社ほか六公社の職員及びコロンス共同租界工部局の職員を、現在通算措置がとられている外国特殊機関の職員と見て、その在職期間を公務員期間に通算しようとするものであります。
 その第五点は、長期在職者の恩給の最低保障額の引き上げであります。
 実際の勤務年数が普通恩給の資格年限以上であるいわゆる長期在職者の普通恩給の最低保障額は、受給者が七十歳未満の場合は九万六千円、七十歳以上の場合は十二万円となっておりますが、これらを他の年金制度における最低保障額を勘案して、今回は十一万四百円、十三万四千四百円にそれぞれ引き上げるとともに、十三万四千四百円の保障額を受けられる者の年齢を五歳引き下げて、六十五歳以上にしようとするものであります。
 なお、扶助料については、それぞれの額の半額を保障することとしております。
 以上のほか、外国政府職員等の在職期間の通算条件を緩和し、旧日本医療団の職員期間及び日本赤十字社の救護員期間の通算制限を撤廃し、警察監獄職員または教育職員として長期間勤務した者に対する勤続加給条件を緩和するとともに、第一の恩給年額増額の措置に伴い、恩給外の所得による普通恩給の停止基準額を引き上げる等所要の改善を行なうこととしております。
 なお、以上述べました措置は、昭和四十七年十月一日から実施することとしておりますが、琉球政府職員の恩給の改善に関する事項は、沖繩復帰の日にさかのぼって実施することといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#182
○委員長(柳田桃太郎君) 水田大蔵大臣。
#183
○国務大臣(水田三喜男君) ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、国家公務員共済組合法等の規定により支給されている退職年金等につきまして、このたび別途本国会に提出されております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じて年金額を引き上げることとするほか、外国政府職員等の期間の組合員期間への通算条件の緩和、長期在職した者にかかる退職年金等の最低保障額の引き上げ等の措置を講ずるとともに、琉球諸島民政府職員にかかる年金につき所要の改善を行なおうとするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び旧国家公務員共済組合法に基づく年金並びに現行の国家公務員共済組合法に基づく退職年金等のうち昭和四十五年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、恩給における措置にならい、昭和四十七年十月分以後、昭和四十六年十月に実施した年金額改定の基礎となった俸給を一〇・一%増額すること等により年金額を引き上げることといたしております。
 第二に、長期在職した者にかかる退職年金または遺族年金及び廃疾年金につきまして、恩給における措置にならい、第一のように改定された額が、退職年金及び廃疾年金については、十一万四百円、遺族年金については、五万五千二百円に満たないときは、それぞれ十一万四百円または五万五千二百円をもって当該年金額とすることといたしております。ただし、六十五歳以上の年金受給者及び六十五歳未満の妻、子または孫である遺族年金受給者につきましては、その十一万四百円または五万五千二百円をそれぞれ十三万四千四百円または六万七千二百円とすることといたしております。
 第三に、外国政府職員等の期間の組合員期間への通算につきまして、恩給における措置にならい、昭和二十年八月八日まで外国政府職員等として勤務していた者に限ることとされていますが、昭和二十年八月八日前に外国政府職員等を退職し、引き続いて公務員となって同日まで勤務していた者についても、その外国政府等に勤務していた期間を組合員期間に通算することといたしております。
 第四に、日本赤十字社の救護員期間の組合員期間への通算につきまして、恩給における措置にならい、その救護員となる前に普通恩給の最短恩給年限に達しないこと等の制限が付されていますが、その制限措置を廃止することといたしております。
 第五に、琉球諸島民政府職員として在職した雇用人相当の者につきまして、その雇用人相当の者として在職した期間等を旧国家公務員共済組合法の組合員として在職した期間とみなし、かつ、同法の長期給付に関する部分の規定を適用したならば年金を受ける権利を有することとなる者には、沖繩復帰の日の属する月分以後、年金を支給することとする等恩給における措置にならい所要の措置を講ずることといたしております。
 このほか、増加恩給の額が引き上げられること等に伴いまして、公務による廃疾年金及び公務傷病による死亡者にかかる遺族年金の最低保障額を引き上げることとする等所要の措置を講ずることといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその概要であります。何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#184
○委員長(柳田桃太郎君) 丹羽運輸大臣。
#185
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 この法律案は、旧国家公務員共済組合法及び公共企業体職員等共済組合法に基づいて公共企業体の共済組合が支給しております既裁定の年金につきまして、このたび別途国会に提案されました恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じて、その額を改定する等所要の改正を行なおうとするものであります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、年金額の改定内容でありますが、公共企業体の共済組合が支給しております既裁定年金の額につきましては、昭和四十六年十月に実施しました年金額改定の基礎となった俸給を一〇・一%増額すること等により、昭和四十七年十月分以後、増額することといたしております。
 また、年金の最低保障額も引き上げることとしておりますが、これは旧国家公務員共済組合法の規定による退職年金、廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を、退職年金及び廃疾年金につきましては現行年額九万六千円を十一万四百円に、遺族年金につきましては現行年額四万八千円を五万五千二百円にそれぞれ引き上げることとしており、さらに老齢者にかかる退職年金及び廃疾年金の最低保障額を、現行年額十二万円を十三万四千四百円に、老齢者並びに妻、子及び孫にかかる遺族年金の最低保障額を、現行年額六万円を六万七千二百円にそれぞれ引き上げるとともに、これら老齢者の範囲の現在七十歳以上とされているのを六十五歳以上に拡大することとしております。
 このほか、旧国家公務員共済組合法の規定による障害年金、殉職年金及び障害遺族年金の最低保障額につきましても引き上げることとしております。
 次に、公共企業体職員等共済組合法の一部改正につきましては、恩給制度の改正措置に準じて、外国政府等職員の在職期間の組合員期間への通算条件の緩和、日本赤十字社の救護員期間の組合員期間への通算制限の廃止等所要の改正措置を講ずることといたしております。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#186
○委員長(柳田桃太郎君) 三案の審査は後日に譲りたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト