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1971/06/12 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 内閣委員会 第20号
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1971/06/12 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 内閣委員会 第20号

#1
第068回国会 内閣委員会 第20号
昭和四十七年六月十二日(月曜日)
   午前十時五十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田桃太郎君
    理 事
                町村 金五君
                安田 隆明君
                鈴木  力君
                水口 宏三君
    委 員
                黒住 忠行君
                源田  実君
                田口長治郎君
                土屋 義彦君
                長屋  茂君
                細川 護煕君
                山本茂一郎君
                足鹿  覺君
                上田  哲君
                山崎  昇君
                峯山 昭範君
                中村 利次君
                岩間 正男君
   衆議院議員
       内閣委員長代理  山口 敏夫君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  水田三喜男君
       運 輸 大 臣  丹羽喬四郎君
       国 務 大 臣  中村 寅太君
       国 務 大 臣  山中 貞則君
   政府委員
       内閣官房内閣審
       議室長兼内閣総
       理大臣官房審議
       室長       小田村四郎君
       人事院事務総局
       給与局長     尾崎 朝夷君
       総理府恩給局長  平川 幸藏君
       行政管理庁行政
       監察局長     小林  寧君
       大蔵政務次官   船田  譲君
       大蔵省主計局次
       長        吉瀬 維哉君
       厚生省年金局長  北川 力夫君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  秋富 公正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和四十二年度以後における国家公務員共済組
 合等からの年金の額の改定に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十二年度以後における公共企業体職員等
 共済組合法に規定する共済組合が支給する年金
 の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等
 共済組合法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○許可、認可等の整理に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 恩給法等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、及び、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案、以上三案を一括議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○鈴木力君 まず一番先に、国家公務員の担当の大蔵省から、現在の恩給受給者の状況をまず最初にお伺いいたします。これは軍人恩給関係と、それから軍人恩給以外の恩給受給者の状況をお伺いいたします。状況といっても、これはまだはっきりしませんから、大体受給者が何人で、平均恩給額はどれくらい、それから平均の勤続年数はどれくらい、そういうふうにひとつお伺いいたします。
#4
○政府委員(平川幸藏君) まず受給者でございますが、総数は二百八十二万人でございます。うち文官が十九万六千人、軍人は二百六十二万人でございます。
 なお平均恩給額は、このたびの一〇・一%のアップ率を見込みまして、文官におきましては、これは文官でも種類がいろいろございますが、いわゆる一般文官――文官を全部平均いたしますと二十六万八千円でございます。さらに分けまして、文官のうちの一般文官、これが平均受給額が二十八万五千円であります。教育職員は三十四万二千円であります。で警察監獄職員が十六万八千円でございます。待遇職員が二十一万三千円でございます。なお、軍人の恩給につきましては、これは加算といいまして、短期在職者の方が非常に多うございますので、この受給額が六万四千円でございます。
 文官平均在職年数でございますが、これも各文官の種類別ごとに申し上げますと、一般文官が二十三年でございます。教育職員が二十五年、警察監獄職員が十八年、待遇職員が二十一年であります。で、軍人につきましては、いま申し上げましたように、短期在職者が非常に多うございますので、平均は六年三カ月くらい、こういうことになっております。
#5
○鈴木力君 その他はどうですか。いまの軍人恩給のうち特に短期を引き出して六万四千円の六年三カ月ですね。そうしますと、短期を除いた部分はどれくらいになりますか。
#6
○政府委員(平川幸藏君) 短期を除きますと十七年でございます。
#7
○鈴木力君 平均恩給額は。その短期を除いた部分の平均が十七年で、十七年の部類の平均の恩給額は幾らになっておりますか。
#8
○政府委員(平川幸藏君) 約二十一万でございます。
#9
○鈴木力君 同じことを国家公務員についての状況をお答えを願いたい。言い方が悪かったです。国家公務員の共済年金の現状をいまのような要領で御答弁いただきます。
#10
○政府委員(吉瀬維哉君) 四十六年十二月末の現況を申し上げますと、人員で十七万三百十九人、一人当たりの給付額の平均でございますが、三十万八千二百五十六円、こういうことになっております。
#11
○鈴木力君 国家公務員のほうは平均勤続年数はどれくらいになっておりますか。
#12
○政府委員(吉瀬維哉君) 三十年でございます。
#13
○鈴木力君 このうち、いまの国家公務員の三十万八千円、十七万三百十九人ですね、このうちの、年金制度の改定の時期において、大体まあ恩給部分と年金部分の比率というと少しめんどうになりますから、年金部分の比率が五年の人に例をとってみますと、その場合の恩給額は平均どれぐらいになっておりますか。もしそれがなければ、あるのでもいいですがね。恩給部分と年金部分が五年のところ、あるいは三年のところ、もし統計があればあるところでもけっこうです。
#14
○政府委員(吉瀬維哉君) 正確なお答えからちょっと変わるかもしれませんが、現在の支給額のうち、恩給部分の占めている割合が大体七割になっております。
#15
○鈴木力君 それは総額でですね。総額といいますか、総計でいいますと恩給部分が七〇%、年金部分が三〇%ですね。いや、私がさっき年金部分が五年といって、そこをちょっと聞きたかったのは、この恩給制度から共済年金制度に切りかわったところの変化が、カーブが、これはやはり制度が変わるからしようがないことでありますけれども、少し下がっているわけですね。その下がり方のカーブの状況を聞きたかったわけですけれども……。
#16
○政府委員(吉瀬維哉君) 個別にある時点をとらえましてお答えできませんではなはだ恐縮でございますが、御承知のように、当初は恩給部分の占める割合が九割というようなことでございましたが、それが七割に下がっており、さらに最近では六割までもいくかというような情勢でございまして、徐々にカーブが是正されていくんではあるまいかということを考えている次第でございます。
#17
○鈴木力君 それはカーブが是正されるのじゃなしに、年数がたてばたつほど、将来は恩給部分がゼロになるわけでしょう。だから年々下がっていくのは、これはあたりまえの話なんですが、恩給制度が、これは正直にいいますと、年金制度に変わったということは、私は改善をされたと見ておりますがね。そうしますと、改善をされた年金制度に移行したグループと、それから一方は恩給のままでいまも進行しているグループは、これは古いグループに入りますけれども、そういう比較ということが、やっぱり三法を討議するときには必要ではないかと、こう思って伺ったんですけれども、統計がおそらくないらしいですから、これはよろしいです。
 ついでですからもう一つ、いまの同じ要領で、公共企業体の状況をお知らせいただきたい。
#18
○政府委員(秋富公正君) 私のほうは三公社ございまして、まず専売から申し上げますと、現在の組合員数は四十五年度におきまして三万九千五百九十八人、国有鉄道が四十六万八千百九十二人、電電公社が二十八万一千百七十名でございます。それから平均組合員期間でございますが、これは御承知の旧法、新法両方ございますが、専売につきまして言いますと、平均組合員期間が二十六年九カ月、新法関係で三十一年五カ月、国有鉄道につきましては旧法関係が二十四年二カ月、新法関係が三十二年四カ月、電電公社、旧法関係二十七年一カ月、新法関係三十六年三カ月。平均年金額でございますが、これも旧法、新法ございまして、専売公社、旧法関係十八万四千六百九十三円、新法関係四十五万四千九百三十二円、国有鉄道、旧法関係十五万八千八百四十七円、新法関係四十四万一千九百八十四円、電電公社、旧法関係十八万五十三円、新法関係五十四万八千八十三円、こういう状況でございます。
#19
○鈴木力君 これは、私はまず政府にといいますか、大蔵大臣ですか、総務長官ですか、この三つのいまの恩給関係ですね。いわば恩給、それから国家公務員の年金共済、公共企業体の年金共済、まあ共済年金です。これは退職年金に限って、いまずっとこの状況を伺ったわけでありますが、このうちの、三つ大体共通した一つの方針でいま実施されていると思いますから、構成的にはある程度統一がとれておると思いますけれども、このうちで何といいますか、年金あるいは恩給二つにまたがった恩給なり年金を受けている、この部分は総体でどれくらいあるかわかりませんか。
#20
○国務大臣(山中貞則君) そこまではちょっと資料つくってないです。
#21
○鈴木力君 資料がないとおっしゃるから、これは言えといったって無理な話ですから、それじゃこの質問はやめますけれども、と申しますのは、私はこれは、それなら御検討をひとついただきたいのですけれども、たとえば軍人恩給の短期の中の平均の勤続年数からいっても、平均で六年三カ月ですから、すると一番短い方では四年程度の方があるでしょう、恩給を取られている方で。十何歳かで少年航空兵なり、あるいは少年何かなりに行きまして、戦時加算等あるいは外地勤務加算がつきますので、四年ぐらいついているわけです。そして終戦時に、あるいは終戦後でもいいんですけれども、帰還をされて解除をされた。そこで軍人恩給がつくわけです。そのあとに今度は公務員に就職をする、あるいは公共企業体に入る。そうしてすでにそれからでも年金の期間部分というものは過ぎておりますから、新しくその新しい職場の年金がついている方が相当あるはずだと思う。で、私はそれをけしからぬという意味で聞いているのじゃありません。けしからぬという意味で聞いているのじゃなしに、いま数字を出していただけるとすれば、それが前のと一本にして継続年金に計算をし直す場合と、二つの恩給と年金で両方を二本立てで受領する場合とでは相当損得があるような気がする。その辺をちょっと伺いたかったんですけれども、その辺は調査なさっているものは恩給局にも共済にもありませんか。
#22
○政府委員(平川幸藏君) 御質問に直接お答えになるかどうかわかりませんけれども、いま先生が申されましたのは、たとえば軍人の普通恩給を受けておるというものは、昭和三十四年の十月を契機といたしまして恩給制度が共済に切りかわったわけであります。そのときにおきまして、たとえば雇用人と一般の事務吏員といいますか、いままでの判任官とは違うわけでございまして、たとえば雇用人が、それは軍人恩給のみならず、普通の恩給をかつて受けておった、その人が雇用人として就職している場合には、引き続いて恩給を受けることもできるわけです、選択によりまして。ところが三十四年十月以降に就職した者につきましては、強制消滅ということになりまして、原則として二本の年金をもらえないと、こういうことになっておるわけであります。まあ二本の恩給が得なのか、一本の恩給が得なのかということは、共済と恩給とについて私はちょっと論ずる資格がございませんけれども、実は恩給自体におきましても、昔は相互通算制がない時代があったわけでありますが、御承知のように、大正十二年以前は、文官と教職員なんかは通算がなかったわけであります。そういう場合には二本をもらってきた人があります、現在でも。そういう場合でも、二本をもらったほうがいいのか、あるいは、これは大正十二年ごろ、恩給法施行後通算になりましたが、一本にもらったほうがいいという場合と、いろいろあるわけであります。というのは、一本に通算した場合、一番最終退職時の俸給がうんと高いというような場合になりますと、あるいは一本にもらったほうが有利だということもあり得るということでございます。共済とこの関係につきまして私どもの所管ではございませんので、よく統計的には持ち合わせしておりません。
#23
○鈴木力君 実はとっぴなことを持ち出したみたいで申しわけありませんけれども、私はこの、いまの法案を拝見をいたしましても、恩給が基準になって、年金額をその同じ基準で、いま公的年金がもう十幾つある、それらがほとんど同じ歩調に全部改善をされていっているわけですね。それは私は一歩も二歩も前進の姿勢だと思いながらいまの点を伺っておるわけですけれども、そういう点からいうと、いま私が申し上げたような例が、何となしに対象といいますか、検討の対象からはずれているのか、まだ十分に共済と恩給との連絡、検討が多少不十分な点が残っていやしないかという懸念を実は持っておるわけなんです。私もよくわからぬものですから多少調べてみたのですけれども、どうも御自身もどれだけあってどうだということはよくつかめない。しかし、実際個々には、たとえばさっき私が申し上げたような例で、もう二十一歳ぐらいで復員をしてきている、その人に軍人恩給がついた、帰ってきてから今度は警察官に就職をしているというような形の人がまだまだどうもいるような気がしてならなかったのでこの点を伺ってみたんでありますけれども、この点についてはなおひとつお調べいただきまして、これは答弁がいまはっきりしないからどうこうというつもりで申し上げるわけじゃありませんが、あとの問題としてでもひとつ私どもにも勉強さしていただきたい、こう思います。この点についてはきょうは質問を終わっておきます。
 それから、いま伺いました恩給額の平均額、それから公務員あるいは公共企業体の年金の平均額を見ましても、全体から見ますとどうも私は非常に低過ぎる。だからいま改善をしているんだとおっしゃるだろうと思いますけれども、特にこの恩給につきましては、今度の改定でも、改定後の数字が、一番高いところでも三十四万二千円ということになっております。それから共済――国家公務員の退職年金、共済年金のほうでも三十万八千円。平均勤続年数が三十年でありますから、そういたしますと、三十年勤続した方が現在平均で三十万の年金、これではやっぱり国家公務員の、公務員年金の特質に見合った年金ということではどうも私は納得できないわけですね。ほんのわずかずつちょびちょび改善をしていく、このことでいいのだろうかどうだろうかという心配があるのです。
 そこで、お伺いいたしますけれども、国家公務員の特質に見合った共済制度あるいは年金長期給付ということがよく議論をされております。これは多分昭和四十三年でありますか、人事院でも公務員の特質ということなんかを出している。それにのっとって年金制度をつくるということになってきますと、いまの制度それ自体を検討してみる時期にきているのではないか、こういう感じがするのです。多分四十三年だったと思いますが、人事院の職員局から「公務員の勤務関係の特殊性について」という通達ですか、出ております。それは御存じでしょうか。いかがですか。
#24
○政府委員(吉瀬維哉君) 伺っております。
#25
○鈴木力君 このうち年金制度をつくる場合に最も重要視しなければならない点はどの辺ですか。
#26
○政府委員(吉瀬維哉君) 国家公務員の年金制度、これが一般の社会保障制度の上にのっとった一つのほかの制度との斉合性を持った体系に包含すべきか、あるいは国家公務員がやはり公務員として、公共のサービスに従事して長年勤務したことに対する一つの報償というように考えるべきか、そこら辺の調和をどうはかるべきかということが私ども――あるいは御質問の趣旨にぴたりと答えることになるかどうか問題でございますが、考えておる次第でございます。
#27
○鈴木力君 考え方はそうですね。だから、そうすると、そのいまおっしゃる考え方にこの年金の平均額が合っているかどうかということが問題だと私は思うのですね。これは皆さんのほうというと、これは口が悪いから取り消しますが、伝えられるように、高級の地位にある国家公務員の方は、それぞれやめられて退職金をとられて、それから次の職場へ行ってまたその一年間何千万とかという退職金だと騒がれる。そういう方は別です。そういう方は別で、おそらく平均勤続年数三十年ということになりますと、その職務に一生をかけた人たち、その一生をかけた人たちが、いま平均年金が三十万で、今日の時世で、いま主計局次長さんですかおっしゃったような国家公務員の特質にこたえる年金ということになりましょうか、どうでしょう。
#28
○政府委員(吉瀬維哉君) たいへんむずかしい御質問でございますが、ただこれはほんのわずかな調整でございますが、先ほど公務員の関係の年金の総平均を三十万と申し上げましたが、退職年金自体だけをとって見ますと、合計で三十六万ということになっております。
 いずれにいたしましても、三十六万にいたしましても月三万円足らず、このようなものが公務員の退職後の将来をささえる額として十分であるかということになりますと、率直に申しましてこの額だけではなかなか生活をカバーするわけにはいかないことは事実ではなかろうか、こう考えております。ただこの問題に関しましては、冒頭に申し上げましたとおり、三十年間の勤務期間中における公務員の給与そのものの処遇、これの水準にもかかる問題でもあり、あるいは人事院等で現在調査しておりますが、退職手当そのものがいかなる水準で支出されるか、三十年間の勤務において公務員がどの程度の蓄積が可能であり、その後退職手当等勘案して、また御指摘が特にございましたけれども、かりに五十歳代のややまだ老年に至る前の段階で退職した場合の再就職、再雇用の問題もからみまして、一がいには申し上げられない問題だと思いますが、私どもといたしましては、他の社会保障制度との相対の関連、また組合員の掛け金負担あるいは国庫負担との関連におきまして、逐次その充実について努力はいたしたいと思っておりますが、一がいにはお答えできない問題ではなかろうかと思っております。
#29
○鈴木力君 いま次長さんはあれですか、この公務員の共済関係の責任を持った立場でいま仕事をなさっていらっしゃいますか。
#30
○政府委員(吉瀬維哉君) 主計局におきまして給与課を所管しておりますので、公務員共済関係は私の分担になっておるわけでございます。
#31
○鈴木力君 それでいまの退職公務員の待遇がわかる、悪いんだということが大体根源をつかめたような気がしてなりません。
 さっきも御答弁いただきましたように、こうあるでしょう。いろいろ人事院が指摘をした公務員の特殊性ということをずっと並べていきまして、「以上のような公務員の特殊な勤務関係と、その中での公務員の忠実な職務遂行に対する功労報償的要素を加味し、あわせて特殊な人事管理政策面からの要請にこたえるための使用者としての国の、特別な配慮に基づくものとして一般国民を対象とする類似の諸制度とは異質なものである」、こう指摘しているわけでしょう。ところが、いま数字でわかりましたように、恩給関係もそうでありますが、代表的に国家公務員で申し上げますと、三十万八千円、平均が三十年、それからさっき伺いますと退職金や何かを加味をしてとかいろいろはっきりしなかったんですけれども、三十六万というものもある。まあそれはそのとおりの数字でありますから、そのとおりですね。私がさっき変な言い方をいたしましたのは、次長さんのいまの答弁で、これは以前の公務員の給与体系が悪かったからだという意味の御答弁だったと思う。それから退職金を加味してと、退職手当についても、こういう御答弁だったと思う。しかし、私に言わせれば、公務員の給与体系ははたしていまよりよかったのか悪かったかという議論は、これは別の角度からの議論があると思うんですね。少なくともいま私は、そこで年金部分の五年間という数字をさっき私が申し上げたのは、年金部分の五年間という方は戦前からの勤務をされていらっしゃる方です。そう見てみますと、戦前の給与といまの給与の――一般職の下のほうですよ。局長さんクラスですとまた天下っていくところがあるから、これはもうケースがずいぶん違います。天下っていくところのないケースですね、そういう人たちのところが年金が低かったのは、給与水準が低かったからではなしに、もちろん低い高いというのは相対的な理屈からいえば低いということになります。そうではなしに、経済的に、この物がずっと上がっていったということに、まあ卑近な立場でいえば、一つは物価が、物価水準が変わった。もちろん社会の進歩に伴った国民の生活水準が上がったということもありましょう。そういう面を加味したものから、この年金額というものをもう一度見直してみる必要があるのではないかということを私はいま申し上げているわけです。この法律に出ておる改定の方式についてはまたあとで申し上げますけれども、そうではなしに、全体としてこの年金制度、額の問題について、いまのしきたりのこのいき方ではないものをも検討する時期にきているのではないか。だれが見ても、これでは公務員、一生公務に身をささげた者の将来の生活の保障にはなっていない。しかも、いまここにあるような功労報償的要素なんかどこにも加味されているとは見られない。だから、この法案で今度改定をされている部分は、私はその前よりはこれはある程度の前進だとは見ますけれども、もはや多少の前進では追いつかないところにきているという見方を私はしているということです。これはもう水田大蔵大臣にお伺いいたしますけれども、将来の問題ではありますが、この法案の改定には、いまこんな議論をしても追いつきませんけれども、政府全体として、やっぱりこの面について検討をしてみたいという気持ちにはなりませんか。
#32
○国務大臣(水田三喜男君) 昭和四十一年度の審議会の総理大臣への要望事項がございまして、それによって公的年金制度連絡協議会というようなものがただいまできておりますが、ここでいまおっしゃられる各公的年金制度の目的、性格、制度の仕組み等についての全般的な検討をするということになっておりまして、この制度全体についての検討はいまこの機関でされておりますので、昨年一月に中間確認が答申されておりますが、非常にむずかしい問題を含んでおりますので、引き続き検討するということになって、現在まだ検討中でございますので、いずれ何らかの結論が出てくることと思っております。
#33
○鈴木力君 まあこれは連絡協議会で検討されていることも私も聞いてはおりますけれども、相当積極的な姿勢でこれは政府全体が取り組んでいただきたいと思うんです。何となしに連絡があるようなないような、そういう形でずるずるいって、そして公務員の退職後の生活というものは保障されない。まあよけいな話を申し上げますけれども、私も該当者の一人なんですが、私も三十二年間勤続で、現在は四十二万円ぐらいになっておりますが、年金額が、これは去年改定をされてそのくらいになっております。しかし三十二年間教育職員をやって、これは地方公務員共済の年金ですけれども、大体国家公務員と同じ水準ですね。これでとてもじゃないが退職後は教員はそれで生活をしろといわれてもとてもできるときではない。前の委員会で防衛の問題で議論をいたしましたときに、自衛官の最高クラスの方がやめられたあと、子供が大学に行くころだから何とか就職を世話しなければいけないという話が江崎長官から出ました。それが実態だと思います。そういう形で退職後にいろいろな国民に疑惑を持たれるようなことをしなければならないような立場に、最高の地位にある方まで置かれておる。それから、われわれのといいますか、私の経験をしたことで言いますと、教員を終わったあとでどうやって暮らしているかというと、たとえばどこかの生命保険会社の外交員に就職をするとか、あるいは大企業の職員募集の仕事に就職をする、そうして前の教え子を義理にからませて回って歩いて、めしを食っておるというような、そういう現状にあることは、私はいま教員の話を申し上げましたが、教員だけではなかろうと思う。そういう形に退職後の公務員をさらしておいて、功労報償的な性格を持った年金といっておるのでは、とてもじゃないがおさまらないだろうと思う。そういう意味で、少しくどく申し上げて恐縮でしたけれども、政府はほんとうに年金制度の抜本的な改善にひとつ取り組んでほしい、このことをまず御要望申し上げておきたいと思います。時間がかかって恐縮でございますから、この次に法案の具体的な点について若干伺いたいのですが、何といいましても、さっきも私が言いましたように、従来と比べればある程度の前進はこれは認められると思います。そしてこの恩給が一〇・一%、単純なところで申し上げますと、スライドされてそれに従って国家公務員と公共企業体の今度の改定がされるのだ、こういうことにはなっておりますが、どうしても私は幾ら考えてみてもわからないのは、恩給のほうの一〇・一%出しました根拠がどうしてもわからぬ。数式は昭和四十五年度の指数の適用を、物価指数とかあるいは公務員賃金の改定の指数とかいろいろやっておりますけれども、これの説明をひとつお願いいたしたい。これは恩給局に。
#34
○政府委員(平川幸藏君) 一〇・一%の内容は、昭和四十五年度におきまする公務員給与のアップ率が一二%であります。昭和四十五年度における物価上昇率は七・三%であります。で、まず一二%から七・三%を引きまして、それの答えに対しまして四割――これは職務給でございますが、これを差し引いたものが一〇・一%になるわけでございます。
#35
○鈴木力君 そうでしょう。七・三%というのは四十五年度の物価上昇指数だと思うんですね。それから公務員賃金の改定額が一二%、公務員賃金の改定額から物価指数を引いたいわば説明はこういうことでしょう。純粋に公務員賃金の上がった部分というのをそこに出したんです。それに〇・六を掛けたのは、職務給を除いたもの、こういう説明ですね。そこで、職務給を除くということですね。なぜ職務給を除かなければいけなかったのか。除かなければ理屈に合わないのか。
#36
○政府委員(平川幸藏君) 実は、この方式は、昭和四十三年に恩給審議会の答申が出たわけです。御承知のように、恩給審議会の諮問にかけた理由は、昭和四十一年に、御承知のように恩給法第二条ノ二が設けられまして調整規定ができたわけであります。調整規定はいわば一般的な規定でありまして、これは具体的な適用につきましては必ずしも明確でない。これを民間の識者である恩給審議会の諮問にかけて具体的な運用のしかたを答申していただこうということでかけたわけでありますが、恩給審議会の答申の内容が、実はいま申し上げましたように、まず消費者物価の値上がりにつきましては、これはまず基本的に確保すべきである。なお、公務員給与と物価上昇率の間に格差がある場合においては、その格差のうち、生活給的な、実質的な改善部分は、これはかつての公務員であって現在の公務員でない恩給受給者に対しても均てんすべきであるけれども、現職者特有の職務と責任の内容に基づくところの職務給につきましては、これは現在公務員でない恩給受給者には均てんすべきでないと、こういう意見をいただきまして、われわれとしましては、いま申し上げましたような方式でこの数年来やってきたわけでございます。
#37
○鈴木力君 職務給は生活給でないという考え方から行なわれておるわけですね。まあ一応の理屈はわからぬわけでもないんですよ。理屈はわからぬわけではないのですが、その職務給が全体の四〇%を占めておるというところが、これが理屈に合うかどうかということなんです。そうでしょう。一二%というのは本俸ですわな。昭和四十五年の本俸の上がった額が一二%でしょう。それから七・三%を引いて――これはまあわかります。そのとおりです。その中に、職務給が四〇%も含んでおるのかどうかということです。どうですか。
#38
○政府委員(平川幸藏君) なぜ職務給を取るかという理由につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、この四割の根拠でございますが、われわれといたしましては、職務給をどのような見方で見ていくかという理論的な根拠といたしまして、現在国家公務員の給与は、御承知のように一等級から八等級までございます。で、一等級から五等級までを格づけ職員とわれわれは呼んでいますが、いわば職務給的な要素が入っている。そういう人たちにつきまして五等級から四等、三等、二等と、こう上がっていくわけでございますが、そういう現実の俸給と、五等級以上に格づけされなかった人々とを対比をいたしまして、その間における格差を求めますと四割。逆に言いますと、生活給と申しますか、生活給的な改善部分が六割ということでございます。
#39
○鈴木力君 そういうことが、私は六〇%あるのかと聞いたのは、一般行政職だけであなたいまおっしゃるでしょう。たとえば国家公務員の中にも教育職員がありますね。教育職員の職務給というのは学校長と教頭以外にはない、そうでしょう。そうすると、大部分は職務給なしで退職をしていくわけです。職務給なしで退職をしていく人たちの退職年金が、この十分の六をかけることによって四〇%ごっそり取り除かれることになる。そういう不合理はどうしてくれますか、こういう意味で私は聞いておる。
#40
○政府委員(平川幸藏君) 私が申し上げましたのは、いまの算出の根拠を申し上げたわけでありまして、やはり一般論といたしまして、一般的な公務員の給与の中に、やはり職務給というものはどういう形で入っておるかということが実は恩給審議会の答申の過程の中で討議されたわけであります。その討論の中を通じまして、そういう形でいわゆる一般的な職務給、個々の職務給ではなくて一般的な職務給というものはどういうやり方で求めるべきであるかということが議論されて、その結果に基づきまして、いま申し上げましたような経過をもって改善してまいったわけであります。
#41
○鈴木力君 そうするとあれですか、いまの賃金に対する思想をこう解釈をしてよろしいのですか。初任給よりその次が一級上がる、この部分はもう職務給が何分の一かは入っている。給与カーブがこう上がっていくにつれて何分の一かは職務給が入っているのだ、この思想を貫いていって、四〇%部分というのは職務給という計算をするのですか。
#42
○政府委員(平川幸藏君) 御承知のように、恩給のアップ率は公務員給与のアップ率と違っております。御承知のように、公務員給与は上薄下厚と申しますか、たとえば一等級のアップ率が一〇%としますと、八等級あたりは一四%から一五%上がっております。ところが恩給は、御承知のように昭和三十四年を境といたしまして、公務員給与と恩給の給与というのは合わなくなったわけであります。合わなくなったというのは、具体的に申し上げますと、恩給は一号俸から八十二号俸までの通し号俸になっております。したがいましていまの公務員給与と全く合わないと申しますか、同額の俸給表はないということであります。したがいまして、アップ率といたしましては一律のアップ方式をとっております。そういう条件の中で恩給審議会の答申が、やはり職務給的な部分は、現職の公務員でない、かつての公務員であっても現職の公務員でない恩給受給者には均てんすべきでないと、そういう理論的な分析から、公務員給与の一般的な解釈といたしましてそういう考え方を打ち出したわけであります。
#43
○鈴木力君 だから原案はそういう考え方で打ち出したことはわかるわけです。私はこの原案が完全でないという指摘をしている。それに対するお答えを伺いたい。いまのアップ率が違うことについては、これも私は問題だと思いますのであとで伺いますけれども、それ以前に、さっき私が例示をしたようなものにどう説明をするのかですね。要するに職務給のついていない、かつてついていなかった職員もいるわけでしょう。たとえば学校の教育職員でいえば、かつては管理職手当もついていなかった。そういう人たちがいま恩給あるいは年金で生活をしているわけです。――よろしいですか、質問聞かないで答弁の相談をなさっているのではぐあいが悪い。――そうでしょう。現在の教育職員とは違うからとこうおっしゃるけれども、しかしそれなら、昔はついていなかったのだからその分は引いてやるのだと、そういう思想なんですか。
#44
○政府委員(平川幸藏君) 御承知のように、恩給法は三十四年十月で共済に切りかえられたわけであります。地方公務員は三十七年の十二月まで続いておりますけれども、原則的に三十四年十月ということになったわけであります。で、恩給受給者はその大部分は、いま先生が言われましたように、昭和二十三年以前の方が非常に多いわけで、で、先ほどから申されておりますように、給与体系も必ずしも、それぞれによりまして相当差があるわけです、いいか悪いかは別としまして。そういう中で恩給のアップをどういう形に持っていくかということについて、われわれとしてはいろいろ検討してまいったわけでありますが、結論といたしまして、やはり恩給に対しましては一律アップ方式を十数年とっておるわけであります。そういう形の中でいま申し上げました恩給審議会の答申を忠実に実行していくということになりますと、私が申し上げましたように、そういう方式になるわけでありますが、この六割が適当であるかどうかというような御議論につきましては、われわれとしてもいろいろな角度から検討したいとは思いますけれども、経過は以上のとおりでございます。
#45
○鈴木力君 経過と結論は、もう原案ができているんですから、そのとおりなんでして、それの経過の説明を何ぼ繰り返したってそれはここへ落ちつく以外の経過はないでしょう。ただ私は、いま局長がおっしゃるように恩給部分だけの恩給計算ですから、そういう考え方というか、言い方もあるいは成り立つ場合も相当ありますわな。ところが今度の法律は、これがこれで計算をするでしょう。それから今度は共済年金の立場に立っていいますと、共済年金のほうは二とおりの計算方式があるわけでしょう。従来の計算方式でやる、それからいまのこの恩給方式の一〇・一%を乗ずる場合と、二つの方式でやって有利なほうをとるということに今度の年金計算方式がなっておりますね。ただし来年度からは一律方式をとると、そういう考え方でしょう。そうなってくると、恩給法の考え方も比較的恩給と年金とからんだ、恩給部分と年金部分とのある人たちの退職者に対する不合理がそのまま今後は定着すると、こういうことになる。だから私はここのところに問題があるのではないかと、こう聞いているわけです。
 そこでお伺いしますけれども、これは国家公務員の例でもよろしいし、公共企業体の例でもよろしいんですけれども、第一方式というのが従来の方式と、こう言いましょうか、そしていまの恩給で今度やった一〇・一%方式、これを第二方式としたら、国家公務員の場合に計算をなさってみると、想定だと思いますが、まだきっちりした数字は出ていないと思いますけれども、第一方式のほうが第二方式より上回る数はどの程度のパーセントになりそうですか。
#46
○政府委員(吉瀬維哉君) 実はけさでございますが、けさもそのパーセンテージを、大体どのくらいになるかということを部内で検討したわけですが、まだ正確な結論が出てなくて恐縮でございます。ただ一般的に言えることは、従来方式、第一方式よりも第二方式のほうが有利になるというような説明は得ておりますが、パーセントでお示しできなくて恐縮でございます。
#47
○鈴木力君 これはちょっと統計的にやってみればあとでどうということが出てくるんじゃないですか。私もよく計算がわからぬし、全部のことわかりませんから、試みにきのう日曜日に自分の場合を計算してみた。まあ、これは地方公務員の共済ですけれども、大体同じところに落ちつきますわな。自分の場合で計算してみますと、どうしても第一方式のほうが一万何円か上にいくような計算になる、端数を切り捨ててやってみると。正確かどうかわかりませんがね。そうすれば、大体私どもクラスの人間の場合には相当第一方式のほうがよくなるんじゃないか、要するにこの一律方式でいくと。だから有利なほうをとるんだと、こういう法律になっている。そこの点の思いやりがあると思いますけれども、ここのさっき私が申し上げたような一律六〇%減額方式ですね、職務給を全部取り去るんだという方式が今後年金制度にそのまま適用されてくると、この欠陥が、私が指摘申し上げたところがもし正しければ、それがずうっとあとまでこれが尾を引いてくるということになる。この辺どうも私は納得のいかない点がある。したがって、私はこれらの点につきましてもなお御検討をいただきたいと思う。
 それから、ついででありますから、その次はいまのアップ率の問題ですね。さっきも恩給局長さんですか、恩給のアップ率とそれから公務員給与のアップ率とは違う。これは違うことは違いますが、ものすごく違うような気がするんです。大体政府で把握しておるその差というものはどの程度に把握なさっていらっしゃいますか。
#48
○政府委員(吉瀬維哉君) 先ほど恩給局長から鈴木委員に御答弁申し上げましたとおり、全体の公務員アップ率一二%のうちの七・三%の物価上昇を除きまして、その残余の六割は見ているということになりまして、全体の一二%に対しまして約一〇%は、その中に物価上昇がありますので、これはどういうものであるかという御議論は出るかと思いますが、一〇%はカバーしている、二%程度が職務給の上昇ということでカバーされてないということになるわけでございます。それで、先ほど来御指摘の職務給の変動による部分をなぜカバーしないかというようなことを考えてみますと、先ほど御答弁がありましたとおり、公務員の職場全体に職務給が非常に上回って補強されていく職域の分野と、それからあまり職務給が是正されない分野といろいろあるわけでございまして、そういう点を、一つ一つの行政的な判断によりましてそういうことが行なわれるわけでございますが、それを一つ一つ歴史的にたどりまして、恩給ないし年金のカバー率に反映いたしまして、非常に計算としても煩瑣になる。こういうような問題があるいはあろうかと。特定の方が、たとえば十年なり十五年前に退職された方を考えてみますと、そのときにおいては一つの恩給のバランスがとれていたわけでございまして、その後の職務給上昇による一つの変動というものが一つ一つ加味されていきますと、一定年次の退職者のバランスが常に調整されなければならないというような問題もあるいは生ずるのではなかろうか。これに対しましては、おそらく鈴木委員、そういうことを言わないで、四割を全部充てれば、バランス、アンバランスの問題はさておいて、一般的に公務員の職務給の変動による上昇までカバーしていいのじゃないかという議論が、反対論として出てくるかと、こう思われるわけでございますが、私どもはあくまでも給与体系の一つの生活水準の上昇と、こういうことによってカバーすれば現在のところ足りるのじゃなかろうか。もちろん先ほど御指摘になりました教育公務員の問題等の問題、私ども御指摘がございましたので、よく実態を究明したいとは思っておりますが、ただいまのところそういう考え方でございます。
#49
○鈴木力君 なるべく低くするようにという方針で当たってみますと、いまのような御答弁になると思いますね。そうして下級公務員の退職者が、そういうあおりを食っていつでも泣かされておる。これが従来の給与なり、給与体系については別な議論でありますからきょうはしませんけれども、そういう谷間といいますか、皆さんの目の届かないところのものをどうやるか、それがむしろ私はこの制度の重要なポイントではないかとこう思う。したがいまして、これはいま検討なさるということですから、この今度の改定には間に合いませんけれども、ひとつ将来の課題としては、私は恩給関係の方式も検討し直すべきだという考えを持っておる。御検討いただきたいと思うわけです。なお、私がいま伺いましたアップ率が違うということですね。たとえばこうでしょう、昭和三十五年度の公務員給与と、それから昭和三十四年度末、昭和三十五年の三月に退職した人の年金ベースはどんなに現在違っているか。
#50
○政府委員(吉瀬維哉君) 鈴木委員の御質問、三十四年に退職した方の共済のベースと恩給のベース、三十四年退職した方でございますと、恩給ベースになります。三十五年年金ベースでございますが、この比較がいまちょっと手元に……。
#51
○鈴木力君 三十四年の退職の方は、全部が恩給ベースだったかな、国家公務員は。
#52
○政府委員(吉瀬維哉君) さようでございます。
#53
○鈴木力君 そうすると、恩給ベースですから恩給局ですか、恩給局ではどういうふうな把握をされているのですか。
#54
○政府委員(平川幸藏君) 指数で申し上げますと、昭和三十五年以前の給与と、私のほうで資料持っておりますのは、昭和四十五年度を対比いたしました指数でございますが、その間いわゆる恩給方式と申しますか、恩給方式で上げていきますと、指数が二・三〇一九になります。その間をもし公務員給与そのままのアップ率を使うといたしますと、二・六三八六になります。したがいまして、二・六三八六分の二・三〇一九ということになりますので、現在の恩給は公務員給与そのままをとった率に対しまして八七%になります。
#55
○鈴木力君 それだけの違いになってくるわけでしょう。だからかりに年金でいっても同じことになるわけです。四十年退職者ということになると、ここにまたとれるわけですがね、こう一〇〇とすると。少なくとも恩給で見ますと、四十七年度、いまの局長さんの数字はあれでしょう、改定後の数字をおっしゃっているでしょう。改定後になって大体八七%に追いつくわけです。ですから私どもの資料ですと、昭和三十五年度を一〇〇といたしますと、現在の四十六年度末で見ますと、公務員給与は二四九・〇七になっています。そうして三十四年度末の退職者の恩給ベースでは二〇九・〇七六になっています。今度改定をしてある程度二三〇・一九三になる。それはそのとおりだと思います。改定をした後においてすらなお二六三・八〇――八〇ですか、これは。この数字はちょっと聞き違いあるかもしれません。八四ですか。
#56
○政府委員(吉瀬維哉君) 六です。
#57
○鈴木力君 八六――二六三・八六。そうして恩給年金のほうは二三〇・一九三、こういう開きがまだあるわけです。そこでこの問題は、私はいまのような計算方式をやっていくといつまでたっても追いつけないのではないか。問題点はここに二つあるような気がするんです。一つは、この計算の基礎がさっきの方式のような、恩給局がさっき言いましたその基礎をどこまでも当てはめていくと、この差というのは追いつけない。それからもう一つは、いまそういう数字が出ておりますけれども、今度の該当者は四十五年度退職者まででしょう。だからいままでの格差よりは、いままではおそらく五年くらいおくれておったと思いますが、今度は二年ぐらい追いついたわけです。追いついたけれども、もう三年は追いつかなくちゃいけない。そういう問題と二つあると思うんです。これらについては、どういう御検討の上で四十五年度に切られたのか。
 それからもう一つは――さっきの計算方式のことはあと回しにします。
#58
○政府委員(吉瀬維哉君) 御指摘がございましたように、従来の、過去にさかのぼって仮定俸給を求めまして一つ一つ計算する方式、これは年金計算実務をやる人のたいへんなる負担にもなりますし、それからまた、いまの御質問の中にもありましたとおり、相当、数年間のおくれがある、こういうようなものを、簡素化の見地と、それからできるだけ最新のデータに追いつくというような見地から、計算方法の簡素化と含めまして今回の法律改正の中に盛り込んだわけでございます。なお、正確にいきますと、四十五年三月退職者までは適用する。それからもう一つは、データといたしまして私どもそのおくれがまず第一にあるということと、それから四十五年中の物価上昇、四十六年中の物価上昇等も取り入れて計算すべきでなかろうか、二つの御疑問が出るのではなかろうかとこう思っております。しかし、私ども、これは恩給局の部面に属するわけでございますが、恩給関係のいろいろな予算の編成というようなことを考えますと、やはり四十六年の最新データというものはまだ正確には確定してない。最新のデータでいきますと四十五年中のデータということになるわけでございまして、そういったような技術的な制約もありましておくれておる。これは衆議院の委員会におきましても山口委員等から御指摘もあったわけでございますが、私どももう一つの問題点といたしまして、一つの社会保障制度の年金水準の確保というものをどこまでの水準のものを取り込んで保障すべきかというような問題もあるわけでございます。財政負担その他将来の年金経理の問題もございまして、できるだけ最新にするということを四十五年三月までにいたしましたことにつきまして、概略的にはそういう判断が成り立つと言えるかと思います。
#59
○鈴木力君 だからさっき言いましたように、たとえば、さっき私が申し上げましたように、もしも、まあ四十七年度は無理にして、四十六年度によってやる、こういうことになってまいりますとだいぶまたこの差が縮まってくるわけです。したがって私はいま次長さんのおっしゃったように、四十六年度末でやると、まだその数字が出てこない。そういう形の上からまあ二年おくれあるいは三年おくれになっておる。ですから私はそういう意味も含めて、それからさっきの六〇%方式の欠陥ということも含めると、どうしても公務員の給与改定にその率を採用すべきではないか。その率を採用することになると、四十六年度の数字が出ておりませんということにはなりません。それからもう少しまた事務的にも簡素化されるでありましょうしね。もっともいまの恩給方式でも、一律にすると事務的には相当簡素化される、こうおっしゃいますけれども、それでは泣かせる人をずっと残しておくわけでありますから、思い切ってこの辺で給与ベースの改定にスライドをするのだという方針をやっぱりもう打ち出していいころではないか。これは前からの、おそらくあらゆる機会に主張されておったことでもあると思いますし、そう言えばまあ財源の都合ということがまた別のほうから出てくると思いますけれども、しかし、一応この恩給にしても年金受給者にしても、それぞれの掛け金というものは負担をしているわけでございますから、ただ単に与えるということだけではない。もちろん国家の負担金は相当ありますけれども、そういう意味では、こういう制度も私は、この際、この法案には間に合わないにしても、来年度あたりまでには抜本的に改正をすべきではないか、そういう意味で申し上げたわけであります。これはひとつ御検討をお願い申し上げたいと思います。
 それで、あともう若干の問題についてお伺いしますが、これは大蔵大臣がいられるうちにお伺いしておきたいのは、この税金ですね。退職年金にも税金がかかる。所得税がかかるわけです。これはまあいまの所得税法からいうとあたりまえだとおっしゃると思うのです。しかし、私は考えてみますと、年金受給者が所得税を納めるのは、二重に税金を納めておるということになりますね。――その意味わかりませんか。要するに、今日までずっとですね、いまは共済組合の長期の掛け金をずっとかけているわけでしょう。昔は恩給基金を納めておったわけです。まあ昔の恩給基金の当時はまだ所得税がかからなかったから大部分はかけていないかもしれませんけれども、最近になるとほとんどの人は所得税をかけられたその金から掛け金を出しておるのですな。だから、納めた掛け金のうちには税金はまた一つ含んでおったわけです。それを納めておいて、全部じゃないにしても、四〇何%ですか、それが今度は年金をもらうとまた所得税法で税金をかけられる。どうも私は二重取りされているみたいに見える。そうすると、そうしたようなものについての所得税の軽減ということが考えられないものかどうか、どうですか。
#60
○政府委員(吉瀬維哉君) 担当の主税局がおりませんので、主計局がかわりにお答えいたしますが、必ずしも正確かどうわかりませんが、私ども従来聞いておりますところは、やはり一定の所得水準ということを基本にいたしまして所得税がかけられるということでございまして、年金受給者といえども、所得水準の高下によりまして、やはり課税対象になるかならないかの判断が下さるべきじゃなかろうかというのが判断の第一点でございます。
 第二点といたしましての、二重に課税されているんじゃなかろうかという問題に対しましては、やはり掛け金に対しては、社会保険料としての一定の控除というようなものを長年にわたって行なわれるわけでございますし、一般の世間の、民間を通ずる年金的な制度というものとのバランスも考えまして、共済年金は、やはり一定水準になりますと、課税されるということに聞いております。ただ、御承知のように退職金に対する課税制度全般にわたりましては、現在、全般のバランスを考えまして、税制調査会でも議論されるやに伺っておりますが、そういう点は十分考えまして、議論が進められるのじゃなかろうかと、こう思っております。
#61
○鈴木力君 社会保険料の控除の対象になっていることはそのとおりです。しかし、全部が対象になっているわけじゃないんです。だから、言えば、みみっちいことを言うとおっしゃるかもしれませんけれども、どうも一ぺん所得税を納めた金の中から、社会保険の保険料の所得控除の対象には入っている中からですけれども、一ぺん納税機能を果たしている金がいっているわけです。それが戻ってくるとまた税金を取られるということになるわけですけれども、ここのところはやっぱり、どうしても私はやや検討に値する対象じゃないかというふうに思うのですけれども、これはまあ別に、みみっちいみたいな話です。しかし、正直言いまして、この受給者の声は――これはさっきの話に戻るのですけれども、一生公務員に身をささげて、そうして、得る年金が三十万とか三十五万とかという金。そのうちの、おそらく源泉徴収はいま三十万ですか、三十万以上が源泉徴収されている。間違っているかもしれません、そう記憶しておりますけれども、大体そこのところはこえている。そうすると、なけなしの金からまた所得税を取られるということで、相当やっぱりこれには該当者の声というものが強く出ているような気がするのです。そういう意味でいま申し上げたわけなんです。
 それから、ついでですからもう一つ伺いますと、これはまことに事務的なことで恐縮なんですけれども、受給者の声として非常に強い声は、手続が非常にめんどうだということがよく言われておる。そのうちの一つに、身上調査書の問題がよく出てくる。これは共済組合の当事者のほうの仕事だと思いますが、しかし、指導上はそういう制度をつくっておるのでやらなければいけない。毎年毎年身上調査書を出さなければいけない。きわめて複雑だということが受給者のほうから指摘をされていると思うのですが、もう少しこういう点の、受給者の立場に立った事務的な簡略化をするような、そういう方法は考えられませんか。
#62
○政府委員(吉瀬維哉君) 御指摘のとおり、毎年身上調査書を出すということは、はなはだ、事務的にも、書く人のほうにもたいへんですし、また、受け取る連合会のほうでもたいへんな手続だと私ども考えております。ただ、年金受給者が、退職後いずれの方面に再就職しているかとか、いろいろな点が年金計算に影響を及ぼし、また、年金の過払い、不足払いになってくるというようなことになりますと、また、受給者の権限をも多少害する、あるいは国庫を害する、連合会の財政を害するというようなこともございますので、取っております。ただ、私まだ寡聞にいたしまして身上調査書を精密に点検しておりませんが、もし、御指摘のようなことがございましたら、また、記載事項その他、あるいは取る時期等につきまして、研究いたしたいと思っております。
#63
○鈴木力君 これは、こういうことがどうも受給者に多く言われるようです。その理由は、また、一面は身上調査書をほしいという理由になるかもしれませんけれども。退職をいたしますと、大体住居というものが動く場合もあれば、あるいは子供が生活している場所に生活の場を移すとか、いろんな形態が変わってくるわけですね。だから、その形態が変わった場合に身上調査書を出せということはよくわかる。ところが、毎年ということになりますと、本籍地に問い合わせて、身分証明書かなんか証明をもらわないと、これがまた有効ではない。非常に受給者にとっては繁雑な面があるわけです。だから、やっぱり、たとえば検討をするとして、住居を移した者は身上調査書を提出をする義務があるとか、その後はせめて一年ぐらいは間引きをするとか、そういう形のくふうというものがされてもよさそうではないか。こんなふうにも一つ考えられるので、いずれ、これはきわめてこまかい事務的な問題でありますが、しかしそれにしても、受給者に対するひとつのサービス面だと思うので、御検討いただきたいと思います。
 最後に、山中長官にお伺いいたしますが、公務員の退職手当については、私はやっぱりどう考えてもいまの手当では不十分だと思うのです。それで、先ほど主計局の次長さんの御答弁にもありましたように、一応、年金というのは退職金というものと、ひとつのからんでおる考え方がある。しかし、年金としては、さっき申し上げたような現状でもある。この退職金の手当制度について、政府側として善処される用意があるのかないのか、あるいは相当検討されているということも伺ってはおりますけれども、現状はどうなっていらっしゃいますか。ちょっとお伺いいたしたい。
#64
○国務大臣(山中貞則君) 退職手当については、委員会の附帯決議等もございましたし、検討はいたしておりますが、実際上の手取り実収入等の問題になりますと、やはり税制等の問題等も、実際の効力としては発揮できるわけでありますから、これはやはり私どものなお全般的な検討課題の一つとして、今後も推進してまいりたいと思います。
#65
○鈴木力君 大体いつごろを目安とか、そういうところまではまだいっていないのですか。
#66
○国務大臣(山中貞則君) よく目安を聞かれるのは、公的年金制度、ことにスライド制の導入等の問題等について聞かれるのでありますが、この退職手当の問題は、別段それと直接の関係はないとは思います。しかし、やはり退職時、もしくは、する公務員の、国がそれに対して報いる道についての検討でありますから、他の制度への波及あるいは民間等の支給の実態の問題等が、やはり人事院等にも調査をお願いしておりますし、まあ人事院に勧告させろという意見もありますけれども、大体調査を委託してやってもらっておりますから、それに対する意見等は、当然人事院が見解を表明して私どもに教えてくださるだろうと思いますので、調査も大体順調にいま進めてもらっておりますから、来年度予算でというように、明快に時期は言えませんけれども、その検討は、その実態調査を踏まえて具体的にしたいというふうに考えます。
#67
○鈴木力君 特に私はお願いしたいのは、この退職手当については人事院が検討なさっていらっしゃる、あるいは人事院に依頼して検討していただいている。これは政府としてもやや積極的に研究しているというふうに伺っていいだろうと思って伺いましたのですが、退職手当というのは、どうもなかなか理屈で、一本でいかないような面が非常にあるような気がするんです。たとえば、おそらく、人事院がどういう研究をしているのか、私はまだ伺っておりませんけれども、民間と直接比較をしてさがしてみましても、民間の退職手当というのはきわめて多様になっている。あるい、は、ある民間の職場なんかですと、いま住宅手当を先貸しをしておいて、そうして家を建てさしておいて、そうして退職金から差し引くなんという制度が相当導入されているようですね。ところが、公務員の場合には、共済の長期のほうの財源から借りる道はありますけれども、そういう制度がない。そうすると、結局退職金というのは、金額がふえてくるけれども、持ち家のところで全部つぶれるか、持ち家の全部にもならないというような結果に終わってしまう。こういう一つの民間と公務員との退職後の条件の差というのはずいぶんあるようなんです。これは、まあ、私がいまあげた例は相当たくさんあるうちの一つだと思うし、退職手当を上げるべきだという議論では有力な例に使えるんですけれども、それだけが客観的にこうだというわけにはまいりません。いろいろなものがあるだろうと思いますが、しかしいずれにしても、いまの退職後の、公務員の退職後の生活保障という面からいいますと、退職手当の制度につきましても、民間のあらわれた数字と直ちに比較をするというような方式よりも、もっと思いやりのある、民間の実際にあらわれていないような多様な退職後の生活保障の問題も勘案しながら、もう、やっぱりこの問題も解決、解決といいますか、改善をする時期にきているような気がいたしますので、これはいまの総務長官のお答えで前に向かっていらっしゃることだけははっきりいたしましたので、それ以上は申し上げませんし伺いませんけれども、善処をしていただきたい、こう思うんです。
 それで、もうこれでやめますけれども、いま若干の問題だけについて伺いました。伺いましたが、どう考えてみましても、この年金制度全体あるいは恩給制度をからめて私がさっき例示的に御指摘を申し上げましたけれども、まだまだやっぱりこの公務員としての退職後の保障ということについてはきわめて不十分だと言ってもいいと思うんです。これは制度が不十分なのか、あるいは経済政策を含めた日本の経済の変動が災いをしているのか、議論のしかたはいろいろあるだろうと思いますけれども、いずれにしても公務員それ自体には罪のない話なんで、そうした点に巻き込まれておるということは現実です。現実であって、しかも退職をされて数年たつと路頭に迷うというような、そういうことがもう大体の退職公務員の常態になっておる。こうした点は、今度の法案の改善も、いままで五年おくれが二年おくれですか三年おくれですか、ある程度追いついた。ある程度のそういう前進の面は見えますけれども、こういう形のものをほっておってはきわめて不十分なんであって、先ほども御答弁をいただきましたけれども、関係の連絡協議会の検討もさることながら、政府が主導的にこの公務員の特質に見合った制度というあの趣旨にどこからでも説明ができるような年金制度の抜本的な改革に取り組んでほしい、こういうことを御要望申し上げまして私の質問を終わります。
#68
○委員長(柳田桃太郎君) 三案の午前中の審査はこの程度にいたします。
 午後二時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三十六分開会
#69
○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 恩給法等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、及び、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案、以上三案を一括議題といたします。
 御質疑のある方は順次発言を願います。
#70
○峯山昭範君 恩給、共済二法に関する質問を二、三やりたいと思います。
 初めに恩給関係の問題の質問をしたいと思うのでありますが、初めに、恩給関係の質問のこれからちょっと勉強したい関係もありますので、資料を要求しておきたいと、こう思います。
 すでに恩給の問題につきましては同僚議員から質問もありましたけれども、その中の昭和四十三年三月の恩給審議会の答申以降、その答申に基づいて毎年恩給年額の改正が行なわれてきたわけでありますけれども、三カ年計画で二十六項目ですか、個別事項の改善を現在まで行なってきたわけでありますが、今回さらに十項目ですかに及ぶ改善をしようとしているわけでありますけれども、これらに伴う恩給受給者の実態を先ほど同僚議員から詳細に、口頭では――議事録等は残るとは思うんでありますが……。これから、問題として全部で七項目申し上げますので、この資料をいただきたいと思います。
 一番初めに、昭和四十三年度以降の年度別恩給種別文官等恩給費、それから予算額、及び同旧軍人遺族等恩給費、予算額、それから二番目に、今回の恩給法改正に伴う改正項目別予算額及び対象人員数、それから三番目に、今回の恩給法改正による旧軍人遺族等の恩給年額増額の内容、それから四番目に、現在における旧軍人等の普通恩給、同扶助料ですね、及び公務関係扶助料別の階級別年齢区分別対象人員数、それから五番目に、傷病恩給の階級別傷病等差別対象人員数、それから六番目に、普通恩給及び扶助料における最低保障適用者数、それから七番目に、公的年金受給者で生活保護法の適用を受けている者の数、及び恩給受給者で生活保護法の適用を受けている者の数、以上でありますけれども、大体古い分につきましては私の手元にもあるわけです。ですが、最近の新しいものがありませんので、参考となる資料が、私がいま申し上げました七項目以外にももしありましたら資料として提出していただきたいと思います。よろしゅうございますか。
#71
○国務大臣(山中貞則君) 峯山君、いまでなければいかぬですか。
#72
○峯山昭範君 いや、あとでいいです。
#73
○政府委員(平川幸藏君) 提出いたします。
#74
○峯山昭範君 それじゃこの問題については後ほど提出していただきたいと思います。
 それでは法案の内容につきまして二、三質問したいと思います。
 今回の恩給法の改正におきましては、特に恩給年額の改正ですね、一つは。それからもう一つは、公務傷病恩給の大幅な改善が柱であると、こういうぐあいにいわれておりますけれども、この内容につきましては全部で十項目の改善措置を講じておると、こういうぐあいに私たち拝見しておるわけでありますけれども、この改善の経緯及び理由、あるいはその根拠等について、初めにお伺いしておきたいと思います。
#75
○政府委員(平川幸藏君) このたびの恩給改善の項目につきましては、大きな項目につきましては先生が言われましたように十項目でございますが、沖繩を五項目と勘定いたしますと約十五になります。基本的な考え方といたしましては、先ほど先生が言われましたように、恩給審議会の答申が昭和四十三年の三月に出ております。それ以後昭和四十四年、四十五年、四十六年におきまして二十六項目にわたりまして完全実施してまいったわけであります。したがいまして、本年度は、四十七年度予算につきましてはそれ以後の問題でありますが、どういう考え方でやったかと申し上げますと、恩給審議会の答申を完全実施した時点におきまして、やはり恩給審議会の答申をそのままの形でやはり踏襲すべきものというのが第一点。それから、恩給審議会の答申の内容は実現いたしましたけれども、それではやはりいまの時点で振り返ってみますと不十分である、やはりこれを補わなければならないという部面も出てまいったわけであります、これが第二点。第三点が、恩給審議会の答申以後全く新しい問題として出てまいった、こういう三つの項目に分かれるかと思います。基本的には、ベースアップにつきましては、先ほど申し上げましたように、公務員給与と消費者物価を勘案いたしまして、一〇・一%のベースアップをやっていると思っております。そのほかに大きな項目といたしましては、遺族、傷病者、老齢者に対して大幅な改善をしていく、御承知のように、たとえば公務扶助料で申し上げますと、現在、年額は兵の階級におきまして十七万三千円でございますが、これを四十七年十月から二十一万七千円に引き上げます。引き上げ率は二五%でございます。さらに、四十八年一月から最低保障制度をとりまして、二十四万円に満たないものにつきましては四十八伸一月から二十四万に公務扶助料を引き上げると、こういうことになります。公務扶助料の引き上げに見合いまして、傷病恩給の一項症を百四万にしたわけでありますが、これは一項症だけではありません、他の二項症以下もパーセンテージによりまして上げるわけでございますが、そういうことで、基準となるべき第一項症の金額を百四万円にしたと、こういうことであります。なお老齢者につきましては、六十五歳以上の老齢者、及び妻子につきましては六十五歳未満でありましてもこの六十五歳のものと同様でございますけれども、准士官以下につきましては三号俸、尉官につきましては二号俸、佐官以上につきましては一号俸の格上げをしております。
#76
○峯山昭範君 これは毎年私たち内閣委員会で審議する場合に、特にこの恩給あるいは公的年金等のスライド制の問題がこの内閣委員会で相当問題になるわけでありますけれども、この問題についてちょっと二、三お伺いしたいのでありますけれども、いま話を聞いておりましても、昭和四十三年の三月のこの恩給審議会の答申以降ですね、毎年の恩給年額の改正を通じまして、一応一定の改定方式が定着をしておる、しつつある、そういうぐあいに言っても過言ではないと思うのでありますけれども、恩給受給者の立場からいたしますと、いま局長の答弁の中にもございましたけれども、経済事情の変動、あるいはこの物価の上昇、まあ同じことでありますけれども、そういう点から考えてみますと、何といいますか、この恩給受給者自身にとりましては、どうしてもそういうふうなことを勘案して、もっと端的に言いますと、生活水準の向上といいますか、物価の上昇といいますか、そういうふうなものに伴って恩給自身が実質的にスライドして上がってもらわないとどうしようもない、そういうふうな考えが現実にあると思うんですね。この問題については当委員会でも何回か議論されておりますけれども、これは当然附帯決議等もたびたび出ておる問題でありますけれども、こういうふうな問題について、スライド制を早急に確立してもらいたいという要望が相当あるわけですね。こういうふうな問題については、政府としては現在どういうふうに検討していらっしゃるか、お伺いしておきたいと思います。
#77
○国務大臣(山中貞則君) 政府としては、政府部内の事務段階におきまして、公的年金制度調整連絡会議をもちまして精力的にその検討を続けてまいっておりますが、これは恩給そのものの何にスライドするかという基本的問題と、先ほど鈴木委員と議論をいたしました、質疑応答がございました、現職の公務員に比べて四割の職務給的なものとしてのカットがなされておる計算のしかたに対する問題点、こういうものが恩給自体にも存在をいたしておりますが、ただいまお話のありましたように、一応恩給としては法文化はいたしておりませんけれども、予算編成上のルールとして確立をいたしましたために、大蔵省としてもこの計算方式について一次査定で全額を出すという、いわゆる受給権者というものの立場、すなわち恩給をもらう者は権利としてもらうものであり、給する者は義務として国が行なうものであるという立場が明確になっておるわけであります。しかしながら、これがはたしてスライド制かと言われますと、この点はいろいろ問題もあります。鈴木委員の言われましたように、実績をとってやりますから、物価も公務員給与も、今年度予算でありますならば四十五年の実績をもとにしてやりますので、実際上十月支給は一年半おくれるという、そういう現実の面もございます。したがってこれらの点が今後の検討に恩給自体でなるわけですけれども、恩給だけでスライド制の確立ということは、周辺に密接した部門があります。したがって公務員の年金等に関する部会、民間の各種公的年金の部会、それから、そのいずれにも属しがたいと見られる農林漁業団体職員共済並びに私学共済等の分野、さらにその周辺になります災害、ことに労災等の分野について、概念上四つの分科会みたいなものを設けて、共通の問題点を掘り出し、あるいは相反する問題点を掘り出し、スライド制に移行する場合において障害は何があるのか、その克服のための手段は何を用いなければならないか、こういうことをただいま検討いたしておるところであります。
#78
○峯山昭範君 いま大臣から出てまいりました公的年金制度調整連絡会議ですか、この問題について私は実は先般からいろいろ調べてはおりますんですけれども、昭和四十二年の六月にできたんだそうですね。そうして私の手元にも「各種公的年金の給付額の調整等について」という文書がきておりますけれども、これを見ますと、この中で、「各種公的年金の給付額の調整等について」これが一応まとめた答申のようなものらしいのですけれども、この内容の中を読んでみますと、「討議は、各制度に共通する改定の基準及び方式を見出そうという方向で進められ、種々の論議が重ねられたが、現段階においては、次のような理由により、すべての制度に共通する年金額改定の基準及び方式を定めることはきわめて困難であるといわざるをえず、事態の進展を求めるためには新たな角度からの検討が必要である。」、こういう結論を出すのに何か三年半もかかったというのですね。実はこれは非常に問題だと私は思うのでありますけれども、この連絡会議というのはどういうふうな人たちが構成委員になっていて、そしてこの運営等についてはどういうぐあいになっているのか、この点、まずお伺いしておきたいと思います。
#79
○政府委員(小田村四郎君) お答えいたします。
 公的年金制度調整連絡会議は、昭和四十二年の六月に社会保障制度審議会から申し入れがございまして、これに関連して四十二年の七月に設けられたわけでございます。
 会議の構成は、総理府の審議室長が議長となりまして、委員といたしましては、総理府の人事局長、恩給局長、それから大蔵省の専売公社監理官、主計局長、文部省の管理局長、厚生省保険局長、年金局長、援護局長、農林省農政局長、運輸省鉄道監督局長、郵政省の官房電気通信監理官、労働者労働基準局長、自治省行政局長、人事院給与局長、職員局長、こういうメンバーで構成されておるわけでございます。
#80
○峯山昭範君 その構成の内容等についてはわかりましたけれども、要するに、ここに第二項目にありますけれども、「各制度に共通する改定の基準及び方式を見出そうという方向で進められ、種々の論議が重ねられた」ということになっておりますけれども、実際問題、こういうところで恩給のあらゆる問題を検討していらっしゃるのだと思うのですけれどもね。もう少しきちっとやってもらいたいと思いますし、こういうこれは報告といいますか、中間的なものであろうと思うんですけれども、この内容を見ますと、何にもないんですね。番いていること、中身がね。非常にむずかしくて何にもできなかった。結局あらゆる角度から検討が必要であるという、検討が必要であるから始められたにもかかわらず、実際はこれは中身何にもないわけですね。これでは私、審議会自体の問題、審議会が何というか、連絡会議がどの程度必要であるのかどうかという問題にもかかってくると思うのです。そこで、種々議論が重ねられたということになっていますけれども、ここではもう少し具体的に、どういうふうな議論が重ねられたのか、おもなものを二、三おっしゃっていただけませんか。
#81
○政府委員(小田村四郎君) それでは、この中間取りまとめが行なわれましたのが昨年の一月でございますが、そのときまでに行なわれました議論につきまして若干申し上げさせていただきたいと思います。
 まずこの会議の目的といたしましては、各種の公的年金制度の内容につきまして、共通的な部分と個別的な部分とを検討し、物価あるいは生活水準等の変動に対応する年金額の改定につきまして、できる限り共通の基準及び方式を求めるということを目的として発足したわけでございます。そうして四十二年七月以降、昨年の一月に至りますまでに総会を六回、幹事会十回、小委員会十一回開催いたしております。そこで出ました問題といたしまして、国民の生活水準、物価、給与、その他の経済的諸条件に著しい変動を生じた場合に年金額の改定を行なう必要があることにつきましては、意見の一致を見たわけでございます。また、これを行なう場合にできる限り共通の基準及び方式によることが望ましいという点につきましても、一致を見たわけでございます。
 そこで、まず改定の対象となる給付の問題でございますが、給付の内容につきましては、老齢給付、障害給付、遺族給付すべてについて改定を行なう必要があるということでございまして、この点につきましても意見の一致を見たわけでございます。
 次に、改定の対象となる部分の問題でございますが、この点につきましては、各年金の内容によりまして若干の相違がございます。たとえば恩給あるいは公務員関係、あるいは私学、農林関係の年金につきましては、内容的に定額部分という区分がございません。そこで、それに対しまして、民間におきますところの原告年金あるいは国民年金あるいは船員保険、こういうものにおきましては、定額部分とそれから報酬比例部分と二つに分かれております。この改定をどういうようなやり方で、どういうふうにやっていくかということにつきましては、それぞれの特殊性がございまして、いま直ちに一致して統一的な取り扱いをするということは困難だ、さらにこれらの内容について深く検討する必要がある、こういうことになったわけでございます。
 それからその次に、改定の対象となるものと申しますか、どういう方を対象にするかという点でございますが、この点でも一部に意見の対立がございまして、たとえば他に収入がない、一定の年齢以上のものについて優先的に行なうべきである、こういう意見がございましたのに対して、その対象について区分すべきではない、こういう意見がございまして、必ずしも一致を見ることができなかったわけでございます。
 また、改定につきまして、用いるべき指標にどういうものを使うかということでございますが、この点につきましては消費者物価指数が最も重要な指標であるという点につきましては、意見の一致を見たわけでございます。しかしながら消費者物価以外に、たとえば給与水準をどのように織り込むべきか、あるいは生活水準をどのように織り込むべきか、これらの点につきまして、必ずしも意見の一致を見ることができませんでした。
 それから改定の方式でございますが、方式につきましては、いわゆる完全に自動的に改定が行なわれる完全自動方式、あるいは一定の指標に基づいて政策的に改定を行なう半自動方式、あるいは完全にそのときどきの政策判断によって行ないます政策改定方式、三つの方式が考えられるわけでございますけれども、この点につきましても、必ずしも意見の一致が見られなかったわけでございます。
 それから最後に、一番大きな問題といたしましては、改定に要する財源の問題がございます。この問題につきましても、いわゆる三者負担方式でやるべきである、あるいは国の負担部分をさらに重くすべきであるという意見、まあ各種の意見が出まして、これは必ずしも意見の一致が見られなかったという状況でございます。
 概括して申し上げますと、そういうような問題点が出てきたわけでございますけれども、これを考えてみますというと、やはり各年金制度につきましては、それぞれの目的、沿革等から、体系が異なっております。これを一括して、急に一斉にまとめあげるということは非常に困難であるということで、ただいま総務長官から御答弁申し上げましたように、四つのグループに分けて、そうして個別的に、類似したグループの中において問題点を掘り下げようということで、昨年の一月以来、この各グループごとに検討するということになったわけでございます。
#82
○峯山昭範君 いま概略をお伺いしましてよくわかりましたけれども、この連絡会議というのは、これは、何といいますか、会議録のようなものはあるんですか。
#83
○政府委員(小田村四郎君) 議事録はございません。
#84
○峯山昭範君 それじゃ、もし会議録がないとしますと、多少、もう少しまとめたやつを、一ぺん資料として出してくれませんか。
 いま資料説明がございましたけれども、私たちの手元にあるのは、どうもあんまり貧弱でどうしようもありません。検討するにしても勉強するにしてもどうしようもないものばかりですので、もう少しちゃんとした資料をいただきたい。こういうことを検討し、いま説明がありましたけれども、まあ確かに、各制度の目的とか沿革、こういうふうなものから言いますと、どうしても、異なっているものを全部一括してやるということは無理だと思うんですよね。
 いま、四つのグループに分けてというお話でございました。それは昨年の一月から検討を始めているということでありますけれども、私はいろいろ聞きたいわけですよ、それは一体いつごろ結論が出るのか。そしてそれについては、何というか、政府はその結論に基づいていつごろから実施できるのか、そういうようなめどもお伺いしたいわけです。
 それが一つと、それからもう一つは、できたら、こういうようなものの、いま検討している問題も含めて、資料を二、三いただきたいと思うんですがね、どうですか。
#85
○政府委員(小田村四郎君) ただいままでの検討の経過の概要、それから現在の検討状況等につきまして、それでは内容をまとめまして提出させていただきたいと思います。若干時間をいただきたいんですが。
#86
○峯山昭範君 ええ、けっこうです。
 それから、昨年の一月から検討している四つのグループの結論というのは、いつごろ出るんですか。
#87
○政府委員(小田村四郎君) これは各グループごとの検討でございますので、いつごろ出るかということは、まあその四つのグループの取りまとめに当たっております私として、はっきり申し上げかねるわけでございますが……。
#88
○峯山昭範君 めどでもけっこうです。
#89
○政府委員(小田村四郎君) まず一番大きな問題は、民間グループの問題であろうかと思います。民間グループは、先ほど申し上げましたように、厚生年金、国民年金、船員保険、この三つを所掌しておるわけでございますけれども、この三つの年金につきましては、非常に問題が広範多岐にわたっております。しかも公的年金の圧倒的な大きな部分を占めておるということでございまして、実は、これを担当しております厚生省におきまして現在この問題を検討しておりますが、この厚生年金及び国民年金につきましては、それぞれ、四十九年及び五十年に財政再計算が一応予定されております。これを四十八年に繰り上げてはどうかと、こういう意見が出ておりまして、その点、社会保険審議会及び国民年金審議会におきまして、現在審議が進められております。この審議の進行と呼応いたしまして、厚生省自体においても検討を進めておられるわけでございますが、この両審議会の審議結果を見ながら、厚生省としては検討してまいる、こういう状況になっております。
 で、民間グループの結論がここではたして出るかどうか。これはまあ両審議会の審議の結果を持たないとわからないわけでございますけれども、もし何らかの結論が出せれば、民間グループとしてもなるべく早くまとめてまいりたい、こういう意見を持っております。そこで、この民間グループの結論がある程度はっきりしてまいりますというと、他の、公務員グループその他のグループにおきましても、それを参考としてまた検討が進めやすくなる、こういうように考えておりますので、私ども取りまとめに当たる者といたしましては、できるだけ早く結論が出ることを期待しておりますが、現在、いつごろになれば出るかということは申し上げにくい状態にあるわけでございます。
#90
○峯山昭範君 それでは、次に、多少具体的な問題をお伺いしたいと思いますが、重度の戦傷病者に対する恩給改善についてお伺いしたいと思います。
 先日横井庄一さんの問題が大きく新聞紙上で取り上げられましたときに、戦争で下半身を失って、現在もなお、箱根の国立療養所ですか、向こうで生活している一人の傷病軍人が、おれの人生を戦争が奪った、横井さんもかけがえのない三十年を戦争によって奪われた、しかし彼にはあすがある、だがおれたちにはあすはないと、こういうぐあいに語ったということが新聞報道等で伝えられました。
 そこで、今回の改正におきまして、内容を見てまいりますと、公務傷病恩給については、これは大幅な――大幅と言っていいかどうかわかりませんけれども、第一項症で、基本年額五十五万九千円ですか、これが百四万円になっております。約八六%の引き上げになっているようでありますが、これは確かに大幅な改善と言うことができるかもわかりませんが、こういうふうな、いま例をあげましたような場合、たとえば両手両足を切断、あるいは両目を失明、あるいは脊髄の損傷等、こういうふうな重度の戦傷病者というのがたくさんいるわけですね。こういうふうな人たちに対する改善は、今回の法律改正ではどういうぐあいになっているのか、お伺いしたいと思います。
#91
○政府委員(平川幸藏君) 先ほど私の説明の中で一項症百四万円と申し上げましたが、実は恩給法の別表に、それより高い程度のものがあるわけであります。特項症でありまして、その特項症に対しましでは、一項症の金額の七割までを加算できるということになっております。
 で、いま先生が言われました例二、三ございますが、私どものほうの資料で御説明申し上げますと、いわゆる両手両足を完全に亡失したという人たちは、これは一番商い額になりまして、割り増し率が一項症に対して七割ということになりまして、金額が百七十六万八千円になります。それから、たとえば腰から下だけを完全損傷したような場合――全身麻酔の場合はいまの両手両足完全亡失と同じく十分の七の加算でございますが、腰から下だけが完全に麻卸したというような場合におきましては四割二分の加算になります。これは百四十七万六千八百円ということになります。
 で、最後に御指摘になりました両眼完全盲でございますが、これは一割四分の積み上げになりまして、百十八万五千六百円になります。こういった例はどういうことでこういうことが出てまいったかといいますと、これは御承知のように、このランクづけにつきましては、私のほうで顧問医が十人いまして、過去恩給裁定例がたくさんございまして、こういうランクづけをしておるわけで、症状等差によりましてこういうぐあいにランクづけをしておる、こういうことでございます。
#92
○峯山昭範君 そうしますと、第一項症の上がまだあるんだと、最高七割までいけるんだということですが、これはちょっとわからないわけでありますが、特項症とおっしゃいましたが、これはいま例をあげたのを金額に直して説明ございましたが、七割の場合、四割二分の場合、一割四分の場合とまあ説明ありましたですね。そうしますと、これはたとえば項症でいきますと、第一項症と第二項症両方あると、第一項症とたとえば第三項症ぐらいの人とあるわけですね。そうしますと、これは百四万円プラス幾らかということになるわけですけれども、特項症の七割というのはこれはどういうふうにしてきめたんですか。また、この特項症自体が幾つかに分かれている感じですね、いま説明聞いておりますと。幾つに分かれているんですか。それで、大体第一項症から第七項症等については、たとえばどういう場合ということについては多少具体的な説明がありますけれども、特項症もこの恩給の本の中に一から四までは書いてございますが、いま説明聞いていますと、これだけじゃなさそうですね、どうも。何かもっとようけ区分しているみたいな感じなんですが、これはどうですか。
#93
○政府委員(平川幸藏君) 実は特項症は一項症の七割増しと申し上げましたが、これは昭和四十二年までは五割増しだったわけであります。で、四十四年の改正におきましては、実は恩給審議会の答申でこれが出てまいりまして、七制まで底上げしたわけであります。で、特項症の症状等につきましては例示的には二、三あげております。これの格づけは、私がいまちょっと例示的に申し上げましたが、大体おわかりかと思いますが、七%ずつの刻みになっておるわけです。したがいまして、一項症から特項症の一番上までは七%ずつ十段階に分かれておると、こういうことでございます。従来は五%ずつで十段階に分かれておった。これを七割に上げた結果といたしまして七%ずつ十段階に分かれている、こういうことになります。
#94
○峯山昭範君 それじゃ、なるほど第一項症から特項症、特項症の部分は第一項の金額の七%ずつ十段階に分かれておる、こういうことですね。
 それじゃそういうふうな十段階に分かれた目安というようなもんだろうと私は思うんですが――審査の場合にはですね――そういうような表記というのはどこにもありませんね。ちょっと見たことないんですが、これは一ぺん資料として出していただけますか。
#95
○政府委員(平川幸藏君) そういう資料につきまして提出いたします。
#96
○峯山昭範君 そうしますと、まあ局長は四十三年までは五割だった、それが七割になったんだと、だから非常に優遇されるようになったと、おそらくは、おっしゃいませんでしたが、しかし実際問題これは非常に重要な問題だし、また非常に何といいますか、重度の戦傷病者にとりましては非常に生活の面、いろいろな面でたいへんだろうと私は思うんです。特に特項症に入る人たちという人たちは、自分でどうしようもない人たちだと思うんですね。そういう点から考えますと、これはとってもじゃないけれども、この程度じゃ生活ができないんじゃないか、そういう点も非常に心配しているわけです。
 そこで、私の手元には昭和四十三年の三月の資料がここにあるわけですが、その資料によりますと、この特項症の適用者は八百三十七名と、こういうようになっておりますが、現在はこの特項症に当たるような人たちは一体何人ぐらいいるのか、そうしてこういう人たちはどういうふうな療養生活を送っていらっしゃるのか、その実情等について、これはぜひともこういうふうな、特に重度の方々につきましては、まあ横井さんと比較しては非常に申しわけないですけれども、これは非常にこういう点には気を配っていかなけりゃいけない点だと思うんですね。こういう点を考え合わせて、現在の実情はどういうぐあいに把握していらっしゃるのか、お伺いしておきたい。
#97
○政府委員(平川幸藏君) 現在の受給者の数は、特項症の数は七百五十九名でございます。御承知のようにいま特項症の類別は十段階に分かれておると申し上げました。そこで実はこの程度もかなり差があるわけでございます。したがいまして、たとえば全身麻痺のような方は、私の知っている限りでは、たとえば風祭とか、そういったところでかなり療養しておられます。まあ完全盲のような方につきましては、これは日常生活につきましては相当御不自由はもちろんしておられますけれども、社会的にある程度動いている方もおられます。程度によって千差万別だと思いますが、こういった方々につきましては、そういう背景をわれわれ頭に入れまして、実はこのたび八六%のアップをしたわけでございます。
#98
○峯山昭範君 いまの答弁、ちょっと私聞き漏らしたんですが、こういうふうな方々の生活の実情というのはつかんでいらっしゃるんですか。いま説明ありましたですかね。
#99
○政府委員(平川幸藏君) 実は私のほうは恩給裁定をしておりまして、実情等につきましては厚生省でないと、私のほうで全部把握するということはできませんが、たまたま私のほうが実は昭和二十八年までに小田原に役所があったわけであります。そういうことで、まあ私神奈川県のことを申し上げたわけでありますけれども、個々の具体的な、たとえば国立病院に何人おられてどういう療養をしておられるかという点につきましては、厚生省でないと、私どものほうでは知りようがございません。
#100
○峯山昭範君 私、何でこんなことを言うかといいますと、この傷病の程度によりまして、私は特項症の中身を教えてもらわないとわかりませんが、最高七割だと、それを十段階に分けて第一項症から合併症の場合に七%ずつ加算していくと、そういうふうな何というか算術的なやり方をやっていてですよ、あなた方ね、確かに実態というものは、これは厚生省がやるのかもしれませんね。しかしながら、こういうふうなやり方はちょっとおかしいんじゃないか。合併症で、たとえばもうあなたおっしゃったように両手両足がない、ぼくは非常にたいへんだと思うんですよね。そういうような場合には、少なくともあなた方のところでこの問題が検討され、いろいろ決定されるわけでありますから、少なくともあなた方は、厚生省の担当者はこれはチェックをするのは当然でしょう。しかしあなた方もいそういうような実情というものはどうなっているのか、やっぱり自分の目で確かめる必要があるんじゃないか、こういう感じがするわけですよ。要するに第一項症から特項症の最高七割まで加算できる。最高七割は確かに加算できる。しかしながら、その中身はといって見ると十項目にも分かれておる。それは手が片方なくなって〇・一割、どこがなくなってどうと、いろいろあるんでしょうね。しかしながら、そういうふうなものじゃないんじゃないかというような感じもするわけですよ。だからそういう点では――まあ、あなた方つかんでないのがいかぬとは私言いませんがね、いかぬとは言いませんが、やっぱりそういうふうな実態に即してこういうふうなきめ方はすべきじゃないかと、こういうぐあいに私は思うんですがね、そこら辺のところはどうですかね。
#101
○政府委員(平川幸藏君) 私どもの説明が不十分でありましたが、実はこのランクづけは、毎日こういった患者を見ておられます私どもの顧問医、これは斯界の権威の方が十名おられるわけです。こういう方が実はランクづけを決定されたわけでありまして、私が決定したわけではございません。したがいまして、そういう先生方はそういう臨床的な知識も持っておられますし、実態をよく御存じでありますので、そういう方々からも実は意見を聞き、主としてそういう方々が相寄って相談されて決定されたわけでありますが、われわれのほうといたしましては、法律案の考え方とかあるいは恩給年額の計算のしかた等を先生方に説明し、先生方からはそういった実情について十分な意見も聞くと、こういう意見の交流のしかたをしておりますので、私は確かにそういう点については知識が不十分でございますけれども、私どもの顧問医は斯界の権威でございますから、この点につきましては十分知識を持っておるものと、そういう前提でこれができておると、このように考えておる次第でございます。
#102
○峯山昭範君 私は決して局長に文句を言ったりどうこうしようというつもりは全然ない。あなたのおっしゃるとおりだろうと思います。しかしながら、あなたは恩給の一番の、局長さんなんですから、あなた自身が実際にこれが実態に即しているかどうかということを、実情に合っているかどうかと、新聞等にもそれは出ているわけですしね、やっぱりあなた自身がそういう点をよく知るべきじゃないか。私は絶対そうでなくちゃいかぬと言っているんじゃない、要するにそこまでやっぱり実態を見て、こういうふうな問題をただ算術で、七%ずつずっと割ればいいというんじゃなくて、私は根本的にはもう――私の言いたいのは、私はまだ一つも言ってない。あなたは五割から七割にふえたと言いますがね、私はほんとうはもう少しふやしてもいいんじゃないか、十割ぐらいにしてもいいんじゃないかと、そういう気持ちもあるわけです。そういう気持ちも含めて、あなたにもう一回お伺いしておきますが、要するに直接の担当者としては、あなたの専門の方々によく実情を聞いてもけっこうですが、生活の実情というものを知って、その上でこういうふうな恩給の問題と取り組んでもらいたいと私は思うんですがね、どうですか。
#103
○政府委員(平川幸藏君) 御意見のあるところを私も十分理解するわけでございますが、この問題についてはそういった気持ちを持ちつつ、技術的な面もございますから、よく今後私のほうの顧問医と意見も交換し、私自身も機会あるならばそういう機会をできるだけつかまえまして、実態を理解するように努力してまいりたい、このように考えております。
#104
○峯山昭範君 いずれにしても重要な問題でありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 先ほどあなたの説明の中で、両眼失明の場合というのがありましたね。その場合の増加率は、私が聞き間違いでなければ一割四分増しという話がありましたですね。これは合うてますか。それで、この場合、実際問題として今回の改正でどの程度の増額になるのか、また実質、月額または年額でもけっこうですが、どのくらいになるのかお伺いしておきたい。
#105
○政府委員(平川幸藏君) 一割四分の増に間違いございません。さらにちょっと補足説明いたしますと、百四万が一項症でございますから、これに一割四分の額と、それからそのほかに兵の場合を仮定しますと、必ず増加恩給には普通恩給がつきますから、これは普通恩給は九万四千円でございます。それから二項症以上には介護手当という手当がつきまして、これが三万六千円つきます。それから妻がおられますと二万四百円の加給がつきまして全部で百三十三万六千円になります。したがいまして月に十万以上ということになるわけでございます。
#106
○峯山昭範君 あなたが言うのを聞いていると非常に生活は楽なような感じがいたしますがね。いまあなたがおっしゃったようなことを全部含めますと、人間が三人暮らす分ですね、それじゃ。奥さんの分と介護手当の分と本人の分と三人ですな、これは。そうしますと、実際問題、たとえば両眼失明ということは全然見えないわけですから、これはもう非常な苦痛だと思うんですね。そういう点からいきますと、私はたとえば特項症の中の一割四分増というのはちょっとやっぱり不十分じゃないか、もう少しふやしてもいいんじゃないかと、こういう気がするわけです。それが一つです。
 それから、ついでにお伺いしておきますが、いま話の中に介護手当の話が出てまいりました。いまあなたは介護手当は三万六千円とおっしゃいましたね。年額三万六千円でしょう。これは年額三万六千円ということは、一年は三百六十五日ですから一日百円でしょう。一日百円で何せいというんですか、一体。この介護手当の問題だって、実際何を基準にして――年額三万六千円というと、だまって聞いていると非常に多いように思いますが、しかし三万六千円という、その一日百円で実際何にもできませんよ、いま。看護婦さん雇うにしたって何にしたって、どうしようもない金額じゃないですか。あなたのことを聞いていると、介護手当があるからだいぶいいように見えますが、実際は私はそうじゃないと思うんですよ。奥さんがいる人はいい、介護してもらって生活する人という立場になってくると、これは私は非常にたいへんなことになってくるんじゃないかと思うんですが、そこら辺のところはどうお考えですか。
#107
○政府委員(平川幸藏君) 御質問は二点あるわけでありますが、まず完全盲の場合一割四分では低きに失するのではないかという御意見でございますが、これは一割四分が適当であるかどうかというよりも、先ほど申し上げましたようにたとえば上下肢完全亡失が一番上にきておるわけですが、この症状のランクづけの問題だと思うんです。したがいまして、これを完全盲を上に上げますとやはり他のものを下げるというわけにいきませんから逐次上げていきますとやはりバランスがくずれるんではないかという感じがいたします。したがいまして、一四%の底上げが適当であるかどうかという問題と同時に、やはりランクづけをどうするかということになると、これは大問題になるかと思います。この点が一つ問題になるわけでございますが、もう一つは、介護手当と私申し上げましたが、法律上介護手当と書いてあるわけではございません、実は。御承知のように、先生が言われたましたように月三千円では介護人は雇えないではないかと、ごもっともだと思います。恩給法上のこういう手当て類はたくさんございます。たとえば妻の加給というのは月千七百円に、今度増額して千七百円ということでございます。それから父母の加給等につきましても六百円ないしは四百円でございまして、これでとても妻あるいは父母を扶養できるということはないわけでございます。いわばこういった加給類の一般的な考え方といたしましては、やはり本来の額にプラスできるだけ何とか底上げしたいという考え方が基本的にあるわけでございまして、そういう考え方に基づきまして、恩給法といたしましてはできる範囲で加給をつけていこう、特に重症者にはやはりそういう名目がつくわけですから、そういう意味でひとつ処遇の改善ということでつけてまいったわけでありますが、先生が言われるように、はたして三千円でどうなるかと、あるいはもっと上げるべきではないかというような御意見につきましては、確かに今後検討してまいりたいと、このように考えておるわけであります。
#108
○峯山昭範君 まあ局長のほうも相当苦心をしてやっていらっしゃるようでありますけれども、いずれにしても、考えれば、そこだけに目をしぼって考えれば非常にたいへんだというのはわかりますが、そのほかいろいろあるとは思いますが、いずれにしてもこれは大事な問題でありますので、検討してもらいたいと思います。さらにたとえば第二項症以上の方たちというのは、これはよく見てみますととてもじゃないけれども一人で生活は不可能じゃないかと思うんです。そういうことになってまいりますと、これは奥さんがたとえいたにしても、どうしても主人の介護のためにどうしようもないと思うんです。何といいますか、内職といいますか、そういうようなものも思うようにできないのじゃないかと、こういうような気がするわけです。また奥さんのいらっしゃらない人というのは、これはとてもじゃないけれどもだれかを雇うなり何なりしないとどうしようもない。そういうようなことを考えてみますというと、結局こういう方々は一家の生計費というのはほとんど恩給にたよる、そういうことになります。そうしますと、私は、正式に介護手当というのはないんだそうでありますが、そういうふうな介護手当に類するようなもの、あるいは扶養家族加給というんですか、そういうようなもの等も含めて、これは現在の生計費というものがあるわけでありますから、そういうようなものに基づいて恩給全体の引き上げをやっぱりすべきじゃないか。現在の引き上げぐらいではどうしようもないんじゃないかという気がするわけです。また何といいますか、いまの実情をお伺いしておりましても、これは全般的な引き上げというもの、これは当然必要だと私思うんです。こういうふうな全般的な引き上げということになると非常にたいへんだと私は思うんです。しかし具体的に一つずつ検討していくと、これはやっぱり引き上げたほうがいいんじゃないかという問題も出てくると思うんです。そういうふうなこまかいところにも配慮しながらこの恩給の問題と取り組んでもらいたいと思うんですが、どうですか。
#109
○政府委員(平川幸藏君) 実は重症者に対する処遇の問題ですが、基本的な見解といたしましては、われわれも先生と全く同じ立場に立つわけでありまして、問題は、第一項症の金額がはたして客観的に、理論的に幾らが適当であるかということは実はわれわれもずいぶん検討したわけであります。実は恩給審議会の答申にも、傷病恩給の年額というものは傷病恩給の障害の内容、程度、与える影響等をよく考えてきめるべきであるということを言っております。それで、私のほうとしましてもずいぶんいろいろ検討し、私どものほうの専門家にも聞いてみたわけでありますが、いかなる経験者でも、第一項症がはたして幾らであることが適当であるかということを答えた人はいないわけであります。そういうことで、われわれといたしましては、他の公的年金とか、あるいは先ほど私が申し上げましたように恩給部内の均衡、たとえば公務扶助料との均衡、今回は、軍人恩給が発足しました当時第一項症の金額が十一万六千円であったわけです。その当時の公務扶助料が二万六千七百円であったわけです。それが公務扶助料が二十四万になりますからその倍率が八・九七倍になるわけです。それを十一万六千円にかけまして百四万を出したわけでありまして、もう一つのめどといたしましては、国家公務員の五等級の九号というところが一番階層的には多いわけでありますが、この方が国家公務員の災害補償年金を受けると、大体この程度の額になるということもめどにしてきめたわけでありまして、学問的にも、私どものほうの医者にも聞きますと、一項症の金額がはたして幾らが適当であるかということがほんとうをいえば一番いいわけでありますけれども、なかなか出ないようでございまして、そういう一つのそこへ至る過程といたしましてそういう手段を使ったわけであります。
 そういう手段の選び方が適当であるかどうか、確かに問題があると思いますけれども、これはわれわれといたしましては、恩給審議会の答申にもありますように、また政府の政策といたしましても、遺族、傷病者、老齢者という人たちにつきましてはできるだけ処遇をしたいと、これは率直な考え方でありまして、昭和二十八年、軍人恩給が発足しましてから、厚薄の度はありますけれども、終始一貫そういう考え方できております。今後とも先生のそういった御趣旨をよく体しまして、私どもとしてもできるだけのことは研究、検討してまいりたい、このように考えておる次第であります。
#110
○峯山昭範君 それでは次に、外国政府職員の通算の問題について二、三お伺いをしますが、この問題につきましてはたびたび衆議院等でも議論が行なわれておりますが、当委員会でも昨年まで始終行なわれてまいりました。そこで、昭和三十六年の法の改正によりまして特別措置が認められて以来、この問題についてはいままでたびたび改正が行なわれてまいりました。このことにつきましては私も承知いたしておりますが、今回の改正を含めて、外国政府、特に外国特殊法人及び外国特殊機関の職員の通算措置について、現在までのものも含めて、改正の概要について初めにお伺いしたい。
#111
○政府委員(平川幸藏君) 昭和三十六年から説明しますと、若干あれがありますから、戦前の実はこれは規定がありまして、ちょっと長くなりますけれども、それから御説明申し上げますと、実は戦前満州国ができましたときに、日本の優秀な官吏を満州国へ持っていって雇用したいといろ考え方で、恩給年限がつかないから自分は行かないという人が出てくるものですから、やはりある程度強制的に連れていくためには外国政府職員を通算しなければならないというので、恩給法の八十二条ノ二というものを戦前、昭和十八年につくったわけであります。基本的にはそのときに、外国政府職員だけですが、それの通算の端緒ができておったということでございます。ところが、恩給法が御承知のように昭和二十一年に軍人恩給がなくなりまして、昭和二十八年に復活したわけでありますが、満州国がなくなりまして、いわゆるその周辺の問題が戦時処理的な問題として浮かび上がってまいったわけであります。たとえば昭和三十六年に、いま先生が御指摘になりましたが、外国特殊法人、率直に申し上げますと、これは満鉄、電電、専売、いわゆる日本で言う三公社でございますが、こういった方々は外国政府の職員と全く、内地で言えば同じように恩給法が適用されておったという趣旨で、まずこの特殊法人の期間が通算されたわけであります。しかしその間、最初出発したときは、たとえば在職年を十七年で切るとか、たとえば二十年ありましてもそういう制限はありました。こまかい話は抜きまして、考え方といたしましては、昭和三十六年に特殊法人を通算した。それから昭和三十九年に至りまして、いま申し上げました政府職員あるいは特殊法人以外に、そのやっておる機能が行政的な機関に非常に近い、準ずるといってもいいのですが、そういう機関が実はあるわけであります。一例を申し上げますと、満州開拓義勇団というのが当時つくられておりましたが、それは内原訓練所の先生が主として行ったわけでありまするが、そういった方々は、公務員を退職していただきまして半強制的に向こうへ行きまして、開拓団の先生をやっていただいた。全くその職務の内容は、日本の先生と同じような仕事をやっておられた、こういう方々。ほかにいろいろありますが、たとえば、他の一例を申し上げますと、上海共同工部局というところで警官をやっておられた方があります。これは全く職務の内容は治安維持でありまして、警察官の、あるいはそれ以上の内容さえあるというように考えられますが、こういう方々につきましては、日本の公務員からいわば半強制的に向こうに招請したという事情を考慮いたしまして、その公務員期間そのものと全く同じではありませんけれども、それにみなすという形で通算した、こういうことになっております。大体以上が大まかなものでございます。
#112
○峯山昭範君 そこで、まず一つは職員期間の通算の問題につきまして、昭和二十年の八月八日まで在職しているということがいろんな問題の要件になっておりますね。そこで、自分の意思によらないで、戦争の激化に伴って、国策によって満州国政府から、いま局長がおっしゃらなかったそのほかの満州国の会社、あるいは団体でもけっこうですが、そういうようなところへ行かされた者、あるいは八日以前に死亡した者、こういう人たちの問題については、現在まだ救済されないままになっておるということなんですが、そういう人たちの実態及びその処遇についてはどうお考えですか。
#113
○政府委員(平川幸藏君) 先ほどの説明の中で、私が、戦後におけるこの外国政府職員あるいは外国特殊法人、外国特殊機関の通算の基本的な考えといたしまして、戦後処理的な考え方があるということを申し上げましたが、御承知のように、先ほど私がちょっと申し上げましたように、こういった法人の期間は、日本の公務員が前提となりまして、それに加えられる期間であります。したがいまして、それ自体は公務員の期間ではないということになるわけです。したがいまして、通算するときの条件がかなり制約されるということはやむを得ないということでございます。
 で、その制約の条件の中に、八月八日まで在職したことの条件があります。この趣旨は、やはり終戦という事態がなければなおさらに満州にあって勤務したであろうと思われる人を、特例的にやはり救済しなければならないと、こういう戦後処理的な考え方が基本的な考えになっておるわけであります。したがいまして、これが一つの条件になっておりますが、今回の改正の中に、外国政府職員あるいは外国特殊法人あるいは外国特殊機関として在職していなくても、その前に、たとえば五月ごろでもいいですが、五月ごろに満州国をやめまして――やめた理由は、本人の意思によらずに、たとえば日本の公務員になったというような場合が、いままで通算できなかったわけであります。というのは、外国政府職員として八月八日まで在職しなかったから通算しないわけでありますが、こういう場合も、日本の公務員になっておる限りは、しかもその理由が本人の意思によらないということでありますから、これは、八月八日まで外国政府職員として在職したものとみなして通算するとしても本来の制度に矛盾しないのではないかということで、この一つの緩和措置をとったわけであります。
 したがいまして、いま先生が言われましたように、その前に死亡された方、あるいは単に民間会社に行かれた方につきましては、通算することは現在の制度としてはできないわけであります。ただ、死亡した場合でも、たとえば満州国の軍人で八月八日以前に死亡した場合の例でございますが、たまたまその方が戦死をされたような方、日本の国籍をもちろん持っておることが前提でありますけれども、その方が戦死されたような場合におきましては、取り扱い上、召集をかけまして、公務扶助料といいますか、それなりの恩給を給しておるという取り扱いはしております。
#114
○峯山昭範君 いま局長のおっしゃったことはよくわかりました。
 で、いま局長の答弁の最後のくだりにありました満州国の軍人の問題ですね、この問題については、衆議院の内閣委員会でもいまと同じようなことをおっしゃったんだろうと私は思うんですが、そのときの議事録によりますと、いま局長がおっしゃったことと大体同じですけれども、満州国の軍人で二十年の八月八日以前になくなった方でも、これは、日本人で召集されて死亡した方については、事務取り扱い上処遇していると。いまと同じですね、大体。そういうような話がありまして、私も議事録で読みましたが、これについては、事務取り扱い上処遇をしているということは、要するに、こういう人たちは、一応公務員、日本の公務員であるということが前提なわけですが、そのほかのいろんな問題については、それがなくても事務取り扱い上の処遇をしているということなんですか、これは。ここのところはどういうことなんですか。
#115
○政府委員(平川幸藏君) これは、事務取り扱い上と申し上げましたのは、在職年の通算という意味ではなくして、いわゆる戦闘行為に参加して死亡した日本人でございますから、これは何といいますか、全くの一つの特殊的な扱いでございまして、召集をかけてその結果戦死したということで取り扱っておるわけでありまして、在職年の通算そのものではございません。
#116
○峯山昭範君 そうしますと、要するに、日本の軍人じゃなかった者でも、結局、満州国の軍人として死亡した者についても、一応、事務取り扱い上とはいえ恩給法の適用を行なっていると、こういうことなんですね。
#117
○政府委員(平川幸藏君) そのとおりでございますが、さらに正確に申し上げますと、戦死した場合だけであります。
#118
○峯山昭範君 そうしますと、これは、いまと同じことが、国策でやっぱり満州の政府なりそういうところで働いておって、これは戦争じゃない場合ですね――ああ戦死、なるほど。戦死ということはあり得ませんけれども、――なぜ戦死ということをつけたのかわかりませんがね。いずれにしても、内容的には、ぼくはこれと同じような人が一ぱいいると思うんですよね。戦死という場合じゃないかもしれません、一般の人たち。たとえば満州のいろいろな会社につとめている場合。そういうような場合も、私は当然、事務取り扱い上とはいえ、何らかの形で適用すべきであるということが、一つあるわけですね。
 それからもう一つは、国策によって、先ほど答弁あったかもしれませんが、もう一回お伺いしておきますが、内地の公務員から外国政府職員に転出されて、そして二十年の八月八日の前に、同じく、先ほどあなたがおっしゃらなかった、政府の――政府のというより満州のいろいろな機関に転出された人がおりますね。そういうふうな者、またはその八月八日以前に死亡した者、こういうふうな人たちについては、当然これは国の責任において、少なくとも満州国の軍人と同じように、何らかの処遇をすべきじゃないか。そうしたほうがやっぱり均衡は保たれるんじゃないかと思うんですが、ここら辺のところはどうですか。
#119
○政府委員(平川幸藏君) 先ほど申し上げましたように、終戦という一つの契機が起爆点になりましてこの問題が起こってきておるわけであります。したがいまして、八月八日まで在職した者につきまして、実は政策的な判断から通算しておるというのが率直な気持ちであるわけであります。現在の制度もそうなっておりますから、それ以前にたとえば退職されたとか、あるいは戦死以外の発病でなくなられたという場合におきましては、やっぱり八月八日の時点、われわれとしては、国家責任といいますか、われわれが見るべき範囲内はどこかといいますと、その時点が限界だろうと、こういう実は制度的な内容になっておるわけであります。そこら辺で、われわれといたしましては、そこにつなぎ得るような範囲内での緩和措置といたしまして、今回、国家公務員になった人につきましては、これは、ずばりそのとおりやるということは問題あるかもしれませんが、従来の趣旨をあまり曲げるもんではないと、ただし国家公務員以外の、まあ満州国にはいろいろ建設当時国策会社がたくさんあったわけであります、私の調べた範囲では九十三ぐらいございますけれども、そういう国策会社に行かれても、その期間そのものはやはり公務員の期間ではございませんし、そういう意味における判断が、いま申し上げました評価のしかたがあるいは若干違いましたけれども、これはやむを得ないところではないかと思います。今後もいろいろの角度から検討はしてみたいと思います。
#120
○峯山昭範君 局長のその一番最後にありました、検討するということに期待しまして、次の質問に行きたいと思います。
 非常に私は、いま九十幾つもあるとおっしゃいましたけれども、やっぱりそういうような情勢にいくのも、やっぱり戦争の激化に伴って、本人の希望じゃなくて、自分の意思によらないで行かされた場合というのがずいぶんあるんじゃないかと思うんですね。そういうようなのはやっぱり何らかの形で救済してあげるべきじゃないかということをしみじみと感じるわけです。
 そこで次に、これもちょっと問題なわけですが、現地で採用された外国政府職員とありますね。それでしかもこの人たちは昭和二十年の八月八日まで在職して、しかもその後抑留されたりいろいろやって、それで戦後公務員に一日でも、幾らでも公務員になった者については救済されておるわけでありますが、公務員にならなかった者について、これはもうどうしようもないということでありますけれども、これはやっぱり何らかの措置をすべきじゃないかと思うんですが、この点どうですか。
#121
○政府委員(平川幸藏君) 先ほども説明申し上げましたように、これらの法人の在職年を通算する基本的な考え方といたしまして、これらの期間そのものは公務員の期間ではないが、したがって他に、たとえば日本の公務員の在職期間がありまして加えられるべき在職年であるわけであります。したがいまして基本的な考えといたしましては、この外国政府職員あるいは外国特殊法人だけで実は恩給を給するということは、恩給制度上一番大きな基本点に触れる問題であると考えます。まあ実際問題といたしまして、たとえば外国特殊法人といいましてもいろいろあるわけでございますが、たとえば満鉄だけでそういうことになりますと、やはり恩給制度上基本的な問題に触れるということで非常に問題があるかと、このように考えておるわけであります。
#122
○峯山昭範君 これは確かに局長のおっしゃるのもわからぬでもないんですが、恩給の基本に触れるとはいいましても、やっぱり非常に不公平になっているわけですね、現実の問題として。この人たちは現実に戦後もうあなたはいろんなところで何回も何回も聞かされていると思うんですよ、実際問題ですね。しかし、よく考えてみますと、戦後こういう方々は、日本の敗戦によって、何というか戦勝国に連れていかれてそして抑留されて、それでさんざん何というか個人の犠牲を払って、そして戦後日本に帰ってきた。就職しようと思ったときに、年齢の若い人は公務員として就職できた人もいるわけですね、あるいは一カ月二カ月、まあたとえば一年就職できた人もいるでしょう。しかしながら私のもとに言ってきているような人たちのあれを聞いてみますと、現実に満州国政府の職員として十六年間つとめて、そして現地に十一年間抑留されて、それで合計して二十六年、こういうところにつとめて、何というかつとめたのと抑留されたのと両方合わせて、帰ってきたらもう定年を過ぎておった、就職しようにも実際年齢とか健康とか思想的な問題でどうしようもない。ところがその人のちょっと後輩の人は、年齢が若いためにほんの一年かちょっと就職して、そして満州のいろんな期間を通算して恩給を受けておる。片っ方のほうは全然受けられない、そういうような非常に不合理が出てくるわけですね。そうすると、それじゃその人の責任かというと、その人の責任になるところは何もないわけですよね、結局ね。ですからこういうふうな問題は、これはやはり何らかの形で私はその実情を掌握し、あるいは考慮してあげて、何らかに準じた――それは局長がおっしゃる恩給の基本の点に触れるという重要な問題であろうと私は思うんです。ですからそういうことになってくると、恩給の基本に触れるんだから恩給の基本までひっくり返してということは、これは非常に言いにくい問題でありますが、何らかに準じてとか、また事務手続上とかいうことも、局長はそこら辺のやり方はよく知っておると思うんですよね、そういう点から考えてみても、何らかの措置を私はしてあげるべきだと思うんですが、そこら辺のところはどうでしょうか。
#123
○政府委員(平川幸藏君) いま先生の御趣旨は、まあ外国政府職員だけのものを通算するということではなくて、その人たちが抑留された場合にだけ認めたらどうかという御意見だと思います。そうしますと、やはり抑留者だけを認めるということは理論的に私のほうとしてはやはりどうかと思います。したがいまして、それでは抑留されない人も結局日本の公務員じゃないということは一緒でございますから、理論的には一緒になると思います。そうしますともとへ返りまして、私が言うその恩給の基本問題に触れるんで非常にむずかしいということを申し上げたわけであります。ただ御心情としては私もよくわかるわけであります。たまたま先生が言われた例は実は私よく知っております。たまたま陳情を受けましたのでよく知っておりますが、そういうことで、こういった問題につきましては、これはあるいは恩給の守備範囲外ではないかと、そういった面で、これは私がこれ以上申し上げる権限はございませんが、そういうことでということになるかもしれませんが、まあ恩給で考えろということになりますと、いま申し上げました答弁を繰り返すのははなはだ恐縮でございますが、そういう結果にならざるを得ないという感じがいたします。
#124
○峯山昭範君 これは私は今後も、私たち話を聞かされれば聞かされるほど恩給の問題で解決できないとすれば何かほかに解決の方法があれば教えてもらいたいくらいなんですがね。これはやはり同じ恩給という問題から考えてみましても、こういう人たちのことも何らかの処置を考えたほうがいいんじゃないかということはもう痛切に私たち感じるわけです。そういう点から考えてみても、これはやっぱり確かにこういう人たちの言うことも私は一理はあると思うんですがね。大臣、これはどうですかね、こういうところ、こういう問題については。
#125
○国務大臣(山中貞則君) これは逐年改正をしてはまいっておりますが、元日本の公務員歴があって引き続き満州において指定される対象となる機関にソ連参戦の八月八日まで勤務していた者、あるいはまた、その前の公務員歴はなくとも、八月八日まで勤務していて日本の公務員の勤務に継続した者、こういう者等は通算をするように逐次改正をしてまいりました。しかしながら、ただ現地において満州の各機関に就職したり、あるいは満軍といわれておりましたものにつとめたというだけの経歴でもってそれを見るかどうかという問題は、これはやはり恩給法のたてまえからは、日本の公務員として国家のために働いた人たち並びにその遺族に対して給付するものでありますから、全然日本の公務員歴に全く関係がないというような者でありますと、たとえば今回出しておりますコロンス租界における問題等についても、ただその租界につとめておった機関だけで恩給の対象にしろという意見等もあるわけです。できれば私どもは、もうすでにそういう権利を過去に持っていて今後新たに権利の取得者も発生しないような方々を対象にして恩給をやっておるわけでありますから、なるべく広げてあげたいとは思いますが、しかしこの法律のたてまえからいって、そこまではとてもその対象にはなり得ないものであるという範囲は、やはりいずれかの時点において切らなければしかたのない問題である、時点という言い方はおかしいんですが、いずれかのケースまでしか取り込めないこれは必然性を持ったものであるというふうに考えております。別段これを冷たく扱うつもりはないわけでありますし、局長としては出過ぎたことを先ほど言ったようでありますが、恩給法の解釈だけ申し上げておればよいのであります。これに対してどうするかという問題はまた別のケースだと思います。
#126
○峯山昭範君 大臣ね、この問題は現実の問題として、局長は恩給法の問題を、解釈を言えばいいだけでしょうがね。これは現実に先般からの従軍日赤の看護婦ですね、あの問題を衆議院やうちの参議院の社労の委員会等で取り上げられたときも、厚生大臣は相当前向きなんです。厚生大臣はどういう答弁をしておるかといいますと、これはやっぱり同じ問題ですね、内容としては。現実にこの従軍看護婦の人たちがどういうふうな状態であったかということはもう私がここで再度これは言うまでもなく、これは要するに日支事変から太平洋戦争にかけて戦場へ軍人と一緒にどんどん行ったわけですね。これだって本人が希望して行ったんじゃ、私、ないと思うんですよ、実際問題。国から同じように召集されて行った人が多いわけですね。質問主意書なんかも出まして、政府は答弁なんかもしておりますが、この問題については相当この間委員会でやっておりますが、先ほどから言いましたように、厚生大臣はどういうふうに言っているかと言いますと、この問題については、「現実をよく、恩給局かあるいは大蔵省の共済組合関係を扱っているところとも現状をよく調査いたしまして、さらに何かしなければならぬ点があるかどうかという点を、これは日赤看護婦の戦争中にかり出された人に対する処遇の問題として一ぺんよく検討いたしますから、さよう御了承願います。」と、まあ、すると言っているわけではないんですが、要するに、多少なりとも何らかの――これをよく何べんも何べんも読むと、何にもやらないことじゃないかという私も気がするわけですけれども、しかしながら、ちらっと見には、少なくともこの問題については一ぺんやはり何らかの検討をしたいという感じの答弁なんですね。ところが恩給局の答弁は、恩給の基本に触れるから全然だめだという答弁で終始しているわけですね。しかしこの問題は、これをよくよく内容等を検討してみますと、非常にかわいそうな人が多いわけですね。ですから、これは恩給の基本にひっかかるからだめだといってばんとはねるというわけには、私はどうしようもないものがあるんじゃないか。やはり実情というものもある程度掌握して、何らかの処置をすべきじゃないかということを感ずるわけですがね。それで、そこらのことについては、恩給局としては詳細に調査し尽くして、そしてこの問題については、もうどうしようもないといういままで最終的な結論に達しているのか。あるいはまた、もう少しそれじゃ恩給審議会等にはかって何らかの形でそういう人たちをも処遇したいと考えていらっしゃるのか。そこら辺のところはもうちょっと何とかならぬものでしょうか。
#127
○政府委員(平川幸藏君) 先生の指摘されました問題点は、日赤看護婦の中で、日赤救護員の中で、実はいままで判任官待遇でありました、たとえば薬剤師でありますとか看護婦長、これは通算になっておるわけであります。問題は雇傭人の期間でございますから、雇傭人に相当する期間でございますから、先生が言われましたように、恩給法上は、雇傭人は一般公務員の場合におきましても、たとえば上海等におきまする陸海軍部内の雇傭人も通算になっていないわけでございますから、日赤の看護婦は公務員そのものではなくて、雇傭人のクラスでございますから、恩給の基本問題に触れて非常にむずかしい、困難であるということを申し上げたわけでありまして、そのときに答弁いたしました考え方と現在では、段階的には同じ考えを持っております。
#128
○峯山昭範君 この日赤の看護婦の問題については、大臣どうお考えですか。
#129
○国務大臣(山中貞則君) 私も傷痍軍人で、戦地でやはり召集同然の形で、自分の意思というものに場合によっては反して、そういう職務として来ておられる方々に看護をしてもらった立場の者でもあります。したがって、それらの人々に対する感謝、あるいはまた遇すべき道ということについては、個人としても、政治家としても、私は人後に落ちるつもりはありません。しかし、恩給法というもので救えということになりますと、恩給法というものはどういう人を対象につくられたものであるかということの問題に帰するわけでありますから、これは冷たい言い方をしているのではありませんで、恩給法の対象に入れるのには、やはり恩給法の拡大解釈であっても、ぎりぎり一ぱいの限界が存在をするということを申し上げておるわけであります。厚生大臣が、現在の厚生省の所管である日赤、そしてその日赤の戦争中の協力という問題について、政治家として、あるいは所管大臣として、何らかの具体的な考え方がありますならば、私は恩給法というものによって処理する、しないは別として、十分にその問題には相談に乗りたいと考えます。
#130
○峯山昭範君 それでは、次に共済組合法についてちょっと二、三質問をしたいと思います。
 まず、今回の法案の改正の内容を見ますと、まず共済年金につきましても、恩給と同じように一〇・一%の引き上げをはかることになっておりますけれども、これを見ましても、全部恩給に追随した形になっているわけですね。かねがねから私たちは、その内閣委員会でも、この問題については、共済年金の独自の引き上げということを附帯決議なんかにしたこともありますがね。要するに独自の引き上げをはかれということをさんざん私たちは言ってまいりました。こういうふうな問題についてはどういうぐあいになっているのか。まあ当然その恩給に追随せざるを得ない何ものかがあるのじゃないかとも思うのですがね。しかしそれができない理由というのは一体どういうことなのか。あるいは今後共済年金についての独自の引き上げができないかどうか、具体的に実際それができないかどうか、そこら辺の見通しについてまず初めにお伺いしておきたい。
#131
○政府委員(吉瀬維哉君) ここ数年間恩給の引き上げにほぼ追随いたしまして共済年金の給付水準の改定を行なってきているわけであります。御承知のように、現在の共済年金制度は、恩給法を引き継ぎまして、現在の共済組合の年金支給対象者の相当多数がなお旧恩給期間を持っておる、こういう状況でございますので、実際問題といたしまして、恩給の改定率と共済年金の改定率を異ならしめるということは、その恩給期間の長い短いによりまして、いろいろ組合員の中で議論を巻き起こすというようなこともありまして、恩給改定率に準じて行なっているわけでございます。
 ただ、いま御指摘がございましたとおり、将来共済年金が恩給のまあ残滓、というとあれでございますが、恩給の色彩を漸次払拭していきまして、一つの年金制度としてどう考えるべきかという場合には、やはり共済年金独自の引き上げ額あるいは引き上げ率の議論が生ずるかと思います。ただ、いろいろ御議論はございますが、私、現在の恩給の改定の考え方、いわゆる審議会の答申等を受けまして、物価の上昇及び賃金の上昇、こういうものに準じまして行なっているやり方は、必ずしも大筋から大きく逸脱したものだとは考えておらない次第でございます。ただ、先ほど来御指摘のございました、たとえば職務給の充実による部分をどうして切り捨てるのか等いろいろな問題が提起されておりますが、現在の改定率、ここしばらくはその方針をとっていくということになろうかと考えております。
#132
○峯山昭範君 今回の法案の改正を見ておりますと、新しく年金の引き上げ方法について退職時の本俸に一定の率を乗ずる方法がとられているようでありますけれども、これは事務の能率化が主たるねらいで、能率化といいますか、簡素化ということもあるかもわかりませんね、特別に恩給のやり方と異なったものではない、こういうぐあいに理解しているわけでありますが、そう理解していいですか。
#133
○政府委員(吉瀬維哉君) そのとおりでございます。
#134
○峯山昭範君 そこで、国家公務員共済組合法によりますと、共済組合の期間については三年間の平均俸給で年金が算出されるようになっておりますね。また一方、三公社の職員では、これは最終退職時の本俸で計算されるということになっているように私は思うのです。そういうふうにしますと、これは三公社のほうが有利といいますか、何といいますか、年金が多くなる、そういうぐあいになると思うのですけれどもね。またそこで、最終退職時の本俸に一定の率を乗ずるやり方、この方法の退職時の本俸というのは、国家公務員の場合は三年間の平均俸給っていうのか、それとも三年平均をしないものなのか、ここら辺のところはどうなんでしょうかね。
#135
○政府委員(吉瀬維哉君) ただいまの御質問のように、公共企業体は退職時のそのままの俸給、それから一般公務員のほうは三年間平均、まあこれは歴史的なずっといきさつを踏まえましてこういうことになっているわけでございますが、御承知のとおり、退職手当、この最終退職時の俸給に準拠するというようなことで、公共企業体の退職手当につきましては、二十年をこえた場合には三%ずつのカットが行なわれている、そういうような調整が行なわれているわけでございます。それから御質問がありました公務員の今回の退職年金の計算の簡素化、これにおきます最終俸給は、やはり従来どおり三年間の平均でございます。
#136
○峯山昭範君 その場合、国家公務員の場合、その三年間の平均というのを、三公社と同じように最終退職時の本俸といいますか、俸給ですね、そういうようなものと、要するに三公社と同じように最終退職時の俸給で算出するっていうわけには、そういうふうに是正することはでぎないわけですか。そこら辺のところはどうですか。
#137
○政府委員(吉瀬維哉君) 実は前々から出ている議論もございますが、たとえば公企体の共済関係につきましては、国庫負担、いわゆる使用者としての負担以外に国庫負担がなぜ出ないかとか、いろいろ問題があるわけです。そのほか現在、先ほど申し上げましたように、退職手当を三公社のほうでは調整するとか、従来の歴史的ないききつを踏まえまして、単に退職最終時の俸給か退職までの平均三カ年かという問題のほかに、現在の公企体と一般公務員との共済制度にはいろいろな差があるわけでございます。もし全部の制度を合わせるということになりますと、そこら辺の周辺にある諸問題をも解決しなければならないということになるわけでございます。しかし、私どもといたしましては、やはり公的な年金制度、特に公務員関係の年金が将来いつまでも制度的な仕組みが違ったままで継続できるかということにつきましては、やはり統一できるものはできるだけ統一していくというような思想で、現在連絡調整会議その他を通じまして検討を続けている次第でございます。
#138
○峯山昭範君 この問題につきましては、昭和四十三年の当内閣委員会におきましても附帯決議をしているわけですね。その附帯決議によりますと、「国家公務員共済組合法における年金額算定基礎については、他の共済制度との均衡を考慮して改善すること。」、こういうふうになっているわけですね。それで、こういうような附帯決議ですが、ここに具体的には何も出てきておりませんけれども、他の共済制度との関連を見ますと、国家公務員は三年平均、それから地方公務員の場合も大体三年平均、三公社は最終俸給、それから農林漁業団体職員及び私立学校教職員はそれぞれ標準給与制度、まあこういうふうなそれぞれ違った算定のしかたをとっておりますけれども、私たちが附帯決議で述べたこの附帯決議の趣旨の改善という意味は、これは先ほどから申し上げておりますように、最終の俸給にしろということを言っているんだと私は思うんです。そこで、まあこの問題についてはいまちょっと答弁ございましたけれども、この附帯決議を受けてある程度検討し、あるいは将来どういうぐあいにしようという、どういうぐあいな方向に持っていこうというようなことは考えていると思うんですが、そこら辺のことについてはどうですか。
#139
○政府委員(吉瀬維哉君) 今回の退職手当の計算制度の簡素化でございますが、これはいままで連合会なりあるいは組合員おのおのにとりましても、相当各年度の改定ごとに複雑な計算を行なっておった。この複雑な計算を簡便法によりまして簡素化するということになったわけでございます。それと同時に、一つの便益としましては、午前中鈴木委員が御指摘になりましたとおり、従来でございますと四、五年のおくれが計算方法で出てきていた、これが見方によって一年おくれとか二年おくれとかいろいろございますが、相当最終現在の時点までも短縮されてきたと、こういうような効果は付帯的な効果ではございますが、私どもといたしましては御趣旨を体しまして、できるだけ最近の実勢に応じた俸給月額というものに近づけてきたつもりでございます。将来の展望でございますが、先ほど申し上げましたとおり、諸種の公的な年金制度と関連をはかりまして、できるだけ統一された方向に進めるように検討していきたいと、こう思っている次第でございます。
#140
○峯山昭範君 次に、年金の掛け金の問題ですね。費用の問題についてちょっとお伺いしたいんですがね。いずれにしましても掛け金が高いということを非常に私たち何回か聞くわけです。そこで国家公務員の場合、年金の改定に要する費用は国が原則として負担する、ただ一定のものについては国と職員が相互に負担をする、こういうふうなかっこうになっているわけですね。そこで、そうしますと職員の掛け金率が非常に高くなる、そこで五年ごとに計算することになっているんですか、この掛け金の率については。そうしますと、毎年毎年改定があって、しかも掛け金の率が三十四年ですか、三十四年以来改正されていないわけですね、現在。そうしますと今後は掛け金の率が一ぺんに上がるじゃないか、そういうようなことを心配している人がずいぶんいるわけですね。そこで、現在は本俸の千分の四十四ですか、そういうような掛け金の率になっているようでありますが、大蔵省は今後組合員の掛け金の率についてどういうぐあいに見通しを持っているのか、ここら辺のことについてはどうなっているのですか。
#141
○政府委員(吉瀬維哉君) 結局年金数理の問題に帰するのではなかろうか、将来におきまして年金のスライド等が相当なハイピッチで進むようなことになりますと、年金数理の計算上五年ごとの掛け金の改定においては相当程度の負担を組合員にも願わなければならないという形にはなるかと思います。ただ現状における経理の推移ということだけ考えてみますと、一般の国家公務員の共済組合の掛け金負担、これが増加する、あるいは急増するというような形はいまのところ私どもは予想しておらないわけでございます。
#142
○峯山昭範君 きょうは三公社の方はお見えになっていますか。
 そこで、年金の改正に要する費用ですね、これについては少なくとも国が私は全部負担すべきじゃないか、こういうぐあいに思いますが、この点についてはどうお考えかというのが一つと、それからもう一つは、三公社の場合ですね、現在の職員の掛け金率と年金の改正に要する費用は具体的にどういうぐあいになっているかということ、それから掛け金率の今後の見通しについて、できれば各公社の担当者から説明を賜われば幸いと思うのですが。
#143
○政府委員(秋富公正君) ただいまのお話でございますが、三公社の共済組合関係は運輸省が担当になっておりますので、運輸省の部長でございますが、かわってお答え申し上げたいと思います。
 今回の改正によります掛け金率でございますが、これは専売公社、国鉄、電電公社それぞれによって違うわけでございまして、財源率の影響でございますが、掛け金率につきましては、専売公社は千分の〇・四九七、国有鉄道が千分の〇・六一、電電公社が千分の三十一というふうに、それぞれの企業体によりまして、それと職員の構成あるいは過去のいきさつ、あるいは給与問題、こういった関係で財源率掛け金がそれぞれ違っている実情でございます。それからこれを全部国が持て、あるいは公社サイドで持てということにつきましては、やはり共済組合制度、こういった根本的問題といたしまして、いわゆる負担金、掛け金両方で相持つべきである。またこれの公平な負担につきましては、それぞれ運営審議会において、使用者あるいは組合側それぞれが相談してきまっていくべきだと思っております。なお、今後のこの掛け金率あるいは負担金の問題でございますが、いわゆる過去勤務債務の増加、すなわち年金の改定その他によります影響というところは、現状におきましては、まだそれほど大きくございません。現に国有鉄道におきましても、いま再建計画につきまして御審議いただいておる件につきましても、それぞれこれは組み入れておりますけれども、将来この給与改定、あるいは年金の改定が大きくなりますと、過去勤務債務の負担が国有鉄道におきましては大きな問題になるおそれがあるということは、先生御指摘のとおりでございます。
#144
○峯山昭範君 三公社の場合、特にまあ国からは全然費用の負担がないわけですね。そこで国鉄きょうお見えですけれども、特に国鉄の場合は、最近の三K赤字というんですか、その赤字の中の一つなわけですがね、年金受給者も今後の年金改正、改定の問題について非常に不安を抱いていると思うんですよね。そこで、監督官庁である運輸省、あるいは財政当局である大蔵省は、今後三公社、特に国鉄の退職者の年金改正について、国家公務員と全く同様に処置すると約束できるかどうか、そこら辺のところはどうですか。
#145
○政府委員(吉瀬維哉君) ただいま国庫負担を行なっていない共済関係といたしましては、三公社のほかに、地方公共団体もそういうわけでございます。地方公共団体もやはり地方交付税等で国から財源補給は受けておりますが、一つの税の独立徴収主体というような形で、いわゆる国庫にかわるべき一つの負担、地方の金庫の主体としての負担をなす能力があるという判断で、そういうことが行なわれているわけでございますが、公企業体がやはり国と同様の機能を果たす、公経済の主体といたしまして、料金その他でそういうものをカバーできるという判断から、国庫負担が行なわれてないわけでございます。ただ、御質問にもございますように、日本国有鉄道につきましては、累積赤字が相当な額に及び、この負担が日本国有鉄道の財政に相当の重荷になってのしかかってくるんじゃなかろうか、こういう御疑問が再三、衆議院におきましても提示され光わけでございます。私ども、今回、日本国有鉄道の財政再建の十カ年計画を、予算編成におきまして関係当局と相談しながら行なったわけでございますが、そのときにおきましてはいろいろな問題が提示されたわけでございます。たとえば、日本国有鉄道が相当なるまあ貨物輸送等において負担をこうむっているとか、あるいは戦争直後の荒廃、こういうものの復旧費用が相当なものであったとか、国有鉄道をめぐる赤字増高の要因というものは、ほかにも、たとえば地方ローカル線の維持というようなものもございますし、大きく種々の角度から議論されたわけでございます。ただ私ども国有鉄道の予算を編成する上にあたりまして、主眼といたしましたのは、日本の国鉄がこのような種々の負担にたえ得るような財政体質の再建ということを主眼としたわけでございまして、したがいまして、現在提案いたしまして御審議願っております再建法案におきましても、十カ年で一兆円の国の出資、その他工事費補助金等で二兆円に及ぶ財政的な骨格の援助を行なおうじゃなかろうかと、こういうことによりまして、国有鉄道が電電公社とか専売公社並みに、いろいろ他の共済組合関係のみならず、他の負担にたえ得るような財政体質の改善が行なわれるであろうという見込みをただいま持っておるわけでございます。そういうような点で、やはり一つの社会保障体制といたしまして、公企業、公経済の主体たる三公社につきまして、国庫負担を行なうという予定はいまのところ持っていないわけでございます。
#146
○峯山昭範君 それでは、最後にもう一問だけお伺いして私の質問は終わりたいと思うのでありますが、昨年の内閣委員会で、私たちの委員会での附帯決議の中に、「外国政府職員等の雇傭員期間を職員期間として通算する措置については、他に就職することなく内地帰還後一年以内に公務員、公共企業体職員等として就職した場合に限定する取り扱いが行なわれているが、共済組合法の建前に十分に配意し、合理的な措置をとること。」こういうふうな附帯決議をつけておるわけでありますが、この問題については、先ほどの恩給の問題とも多少関連もあるわけでありますけれども、すなわち、その外国政府の職員が外地から引声揚げてきて一年以内に就職をしなければならないという、この何といいますか、一つの制限があるわけですね。これは要するに公務員の場合は大蔵省の通達ですか、それから一方、公社のほうは法律解釈の運用の点で公務員と同様の取り扱いをしておる、そういうぐあいに聞いておりますけれども、この一年以内という条件で、救えない職員がいると思うのですね。私は、こういう公務員及び三公社に、こういうふうな法律解釈があって、こういうふうな条件があって救えない職員が三公社にどの程度おって、この問題については今後どうするつもりなのか、あるいは、運用の点でやっておられるとすれば、この附帯決議の趣旨から言いましても、これはすみやかに大蔵省の通達を変えて、そして処置をするべきだと思うのですが、こういう問題についてはどうお考えですか。
#147
○政府委員(吉瀬維哉君) 第六十五国会の附帯決議もございますし、また関係の団体の方々からの陳情もいろいろ伺っておるわけでございます。現存、私どもは調査を行なっておりまして、大体八月には調査書ができ上がる。そういうものの実態を十分見きわめましてから処置いたしたいと、こう思っておる次第でございます。
#148
○峯山昭範君 以上で終わります。
#149
○中村利次君 恩給制度の問題と戦後処理の問題をこれは何回繰り返し繰り返しやっても、やはりその時点、時点では新しい課題だと思うのですね。それですから、私はやはりまずその問題から質問したいと思うのですけれども、恩給制度の基本に触れるからその限界はここまでだという、先ほどからの峯山委員の質問に対する答弁をお伺いをしていますと、非常にやはり矛盾を感ずるんですよね。恩給制度というのは公務員に対する年金制度なんだが、したがって、戦前だったらば日本国官吏ですか、現在の国家公務員あるいは公共企業体の職員、それ以外にはもう断じて絶対にやらないんだという、まことにはっきりしたものがあれば、これは文句のつけようがないわけですけれどもね、しかし、特殊事情として、やはり戦争の犠牲者に対するその戦後の処理をしなければならないし、ならなかった。それがやはり恩給法に基づいて処理をしたというところに、私はやはりこれはたいへんなこんがらがっちゃって非常にややこしい根本原因はそこにあると思うのです。他の方法で救済ができればという御答弁もございましたけれども、しかし現実には、やはり恩給法の準用といいますか、公務員に準ずるものだという解釈をして、戦後処理をやられた。ですから、そうなりますと、たとえば日本の公務員とあるいは満州国の官吏は、これはもう準ずると言えるんだ。したがって、ここまではやるんだと、まず。その次は、今度は日本の公務員と満鉄の職員を比較すると、幾らか何だか満鉄はだめだと言えそうだが、満州国の官吏と比較するとそれが言いにくい。そうすると、今度は満鉄の職員を準用してみると、やはりその他の国策に基づく特殊法人、特殊機関というものとの今度は比較は、どうもこれはなかなかそうはいかぬというぐあいに発展をするところに非常なややこしさがあると思うんですよ。ですから、そうなりますと、どうも私は、これはやはり戦後処理、冷たいとかあったかいではなくて、要するに、限界を越えた不満の残る解決を、処理をしてはいけないという立場からいきますと、やはりこれは、いままでの答弁等からいって、不満が残らないものではありません。あるいは、制度上どうしてもそこまではいけないと言って割り切れるもんではないと思うんですね。
 たとえば、満州国軍人が戦死なら対象になって、病死ならば対象にならない。こんなのなんか、何ともこれは解釈、言いわけのしようがないわけでありまして、日本国の官吏、公務員だったら、これはどうも、何と言うんですか、殉職であろうと一般の死亡であろうと、これは差異がないでしょう。あるいは、旧官吏及び旧官吏相当官と雇用員、確かに恩給法はそういう差別はありましたけれども、いまのやはり共済組合による年金制度というものは、そういうものはない。そうすると、現時点で、いまのこれは恩給審議会の答申にもありますように、たとえば公務員給与、あるいは、何ですか、一般国民的な生活水準なんということもいわれておる現時点での解釈、現時点の常識にはまるような、そういうやはり戦後処理のしかたをやるのが当然だという気がするんですが、そういう点、たくさんある問題、私は、できれば納得のできる立場から御答弁をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#150
○国務大臣(山中貞則君) いまのお話は、過去の経過を踏まえて、いろいろと、なるべや救うための便宜を講じてきたと。これも、理論的に全然成立しないものまでは広げていくつもりはありませんが、今回も、満拓等について数十のものから徹底的にその公社の性格その他を洗いまして、そしてこれならば客観的に見て対象として限界内のものであるということで、それぞれの、農林省その他の役所からも十分当時の経緯等も聞き、証拠品類等も調べて、そして今回提出をいたした内容等もありますから、絶対にこれ以上は広げられないということを私は言っているつもりはありません。
 しかし、やはり、もし日本人であるならば当然受けられたはずのもので、かつて、たとえば台湾を一例にとりますならば、いまは台湾人でありますが、当時、日本人としてともに戦争にまで参加して、そして高砂族あたり等は、非常な勇名をはせてまで、ほとんど全滅に近い状態になり、あるいはまた、生き残った者もほとんどが重度の戦傷者であっても、何にも私たちはそれに対してしてあげることができません。これは、国を異にしてしまったということであると思いますし、できれば、そういう、かつて日本人であった立場において、日本の国家の進路と運命をともにしたために、いま残っておるそういう人たちとか、遺族の人たちに、何らかの手段が外交上とり縁れば、そういうことはしなければならない日本には義務があるということも私は考えておりますが、それらの典型的な例は別としても、現在の日本国並びに日本人という範囲内においても、先ほど峯山君といろいろ議論をいたしました看護婦さんの問題、その他、私は、現実には、恩給法からいえばなるほどなかなか困難な対象であっても、それをほっておくのには忍びない問題があることは承知いたしております。それらについては、いろいろと陳情が、それこそ無限なほどいっぱいそれぞれのケースでございますし、私どもも、政治の良心において一生懸命検討しておるわけでありますが、どうしてもやほり、現実的に、理論的にその対象としがたいもの、限界外のものが生まれてくるということについて、きわめて私どもも申しわけのない遺憾な気持ちであると思っております。
 なお、個々のケースについての問題でありますならば、局長等に意見を申し述べさしてみたいと思います。
#151
○中村利次君 これは、私は、聞きようによっては、いまの大臣の御答弁は、たいへんに前向きな答弁だと思いますね。
  〔委員長退席、理事町村金五君着席〕
そこで、恩給審議会の答申が、いろんな問題点を仕分けをして、六十四項目ですか、六十四項目あった中から二十六項目を答申をされた。政府は、三年間にわたってこれを完全に消化措置をされた。そういう中から、新たな問題もやはり出てきているわけですね。いま大臣からお話のあった満拓の問題も、やはりその一つだと思うのですね。
 そうなりますと、やはり、繰し返してくどいようですけれども、恩給制度の根本からいけば、どうもやはり、拡大解釈できないようなこともなぜやらなければいけなかったかというと、これはもう、戦後処理という特殊事情であります。したがってそうなりますと、特殊事情を、これもまあくどく繰り返すようですけれども、恩給法によって対処をしようとしたところに問題があったのかもしれない。しかしまあやっちゃったことですから、今度は、その特殊法人あるいは特殊機関、そういうものの間で、どうしても納得できぬという、この比較はどうなんだというものは、これは考えようによってはどこまでも尾を引いていくことでしょうけれども、私はやはり、恩給法の制度の基本に触れるからということでこれを逃げるわけには断じていけないんで、ぜひともこれはやはり前向きな措置といいますか、解決といいますか、そういうものを、何か基準をびっしりきめるなり、あるいはその他の方法――まあ恩給法の改正によってやっちゃったんだけれども、私ども恩給法を勉強しようったってわかりませんよ、これはもう。ほんとうにややっこしい。それほどの措置をしてまで恩給法でやられてきたわけですから、まあそれでおやりになれればこれはもうそういう方法、あるいはその他の方法がいいようでしたら、何ら私は恩給法にこだわる必要はないんですよ。それは、限界を越えた不満が残らない解決を、ほかの方法でも、ぜひこれはやってもらわなければ、いつまでもいつまでもこういうのが続いていきますと、どうも、恩給の財源を見ても、当然減らなければならないのが、ふえているんですよね、これは。そういう理由からこれは言えるものでありますし、いろんな意味から言って、政治的にもうまことにこれはぐあいの悪い問題をかかえ続けていかなければいけない、こういうぐあいに考えますので、もう一回ひとつ関係者の皆さんから、一通り、今後のこの問題についての対策をお伺いしたいと思うんです。
#152
○政府委員(平川幸藏君) 外国特殊法人、あるいは外国政府職員、それから特殊機関等の通算の問題についての基本的な考え方でございますが、これは実は恩給審議会の答申の冒頭のほうに載っておりまして、その考え方は、私が申し上げたことを概論的に述べておるわけでありますが、そういう線に沿ってわれわれとしても処理してまいったわけであります。で、いま先生が言われましたように、いろいろな処置を講じてきておるが、その基本的な考えは何かと、こう問われますと、われわれといたしましても、基本的には、恩給制度の中にそういうものを受け入れるわけでございますから、恩給制度以外に別個な制度をつくれば別でございますけれども、恩給制度の中に受け入れるわけでございますから、恩給的にやはり制限なり条件なりがつくということはこれはやむを得ないことだと思います。たとえば通算の条件なり、あるいは指定する会社なり法人なり、あるいは通算する条件として、たとえば最短恩給年限を取るとか、あるいは日満でないと認めないとか、そういった理由等につきましては、一々ここで詳しくは申し上げませんけれども、それなりに恩給法的に理論構成をしておるわけであります。問題はそういう理論構成の判断が、率直に申し上げまして、私がいま申し上げているのは、現時点における判断でございますから、今後の問題はちょっとわかりませんけれども、そういう判断の材料としてわれわれが頭の中にあるのは、やはり過去における恩給制度が歩んできた沿革なり、それの持つ社会的、経済的な意義なり、それから受給者の実態等をやはり勘案しながら、許される範囲で取り入れていくということでございます。しかし、その範囲自体はやはり一つの判断でございますから、これは今後いろいろ問題があるとは思いますが、私どものほうとしましては、率直にいろいろな問題につきまして取り組んでまいりたいとは思いますが、基本的な考えは、いま申し上げたようなとおりでございます。
#153
○中村利次君 ほかの方は御答弁ないようですが、これはしつこいようですが、そういう答弁があるとやはり納得できぬということになるんです。これは恩給法の理論構成の判断とおっしゃいますけれども、しからば、いまやられておることははたして恩給法、恩給制度の根本、あるいはその理論構成の判断で解決できることばかりですか。そうなると、これは大いに議論になってくるわけなんです。私はそうじゃないと言っているんですから、そうじゃありませんと。幾ら恩給制度の基本に触れるということを言われ、あるいは理論構成の判断の範囲内ということを言われても、これはどういう理論構成をしますか、あなた。どういう制度の、恩給制度の基本なんていうものは、これはやはり日本国の公務員に対する年金制度でしょう。そういう恩給法だとか恩給だとか、あるいは共済組合の年金というのは、公務員に対する、あるいは公共企業体職員に対する年金制度ですから、したがって、それ以外のことはどういう理論構成をしようたって、本来ならできないはずなんです。しかしながら戦後処理――戦争というそのあと始末をしなきゃならないという特殊事情から、いろんな理論構成がそこから発してくるんでしょう。そうなりますと、やはりその限界ということを、恩給制度あるいは恩給法というものをその基礎に持って、そのとりでによって理論構成をやってみようたって、そんなのはしょせんこれは無理なんです。ですから、これも先ほど申し上げましたけれども、恩給法の改正によって処置をしたのはよかったのか悪かったのか、これは議論も大いにあって、いけなかったのではないかという議論も前々からあるようですけれども、しかしおやりになったんだから、だからそういう理論構成の判断なんていうことをおっしゃらないで、やはり何といいますか、何らかの方法を講ずるという姿勢がないと、これは議論はどこまでも尽きませんよ。そういう議論でしたら、私は一つ一つ満州国政府、あるいは軍隊、あるいは特殊法人とか特殊機関、そういうものの中にある具体的な例を一つ一つこう比較しながらやっていかざるを得ないと思うのですよ。これはまあ恩給局長は大臣から恩給法の解釈をやったらいいんだ、出過ぎたことをやるなというおしかりを受けたので言いにくいことかしれませんから、大臣に伺いましょうか。
#154
○政府委員(山中貞則君) 私たちは、やはり法律というものを扱います場合は、その法律の目的に沿って、不公平が生じないように、あるいはまた救済的な法律でありますならば落ちこぼれがないように、そしてなるべくそれらの恩典は広く及ぼされるようにというつもりで法の運用、解釈、そういうものをしていかなければならない、これは私はおっしゃるとおりでありますし、私もそう思っております。しかし、恩給法でいままでやってまいりました改正に次ぐ改正、これはやはり少なくとも恩給法のたてまえの上から解釈して、割り切れたものについて取り入れておりますし、国会の附帯決議等においても、やはり与野党でここまでは附帯決議をつけておいてもこの表現ならばよかろうというような御相談があってつけられたものでありますから、附帯決議についてなるべく採用するよう、その次の年度に実現化するための努力を重ねて今日まで至っておるわけであります。まさに満拓などは、昨年の附帯決議を受けて、そしてもう絶対にこれ以上取り残しはないだろうかという全体の、設置されたと見られる団体、協会等を全部調べて、今回は満拓外全部で六の公社について措置をいたしたわけでありますが、先ほど来、具体的なこのケースという話はしていないのだと、しかし、やはりこれは恩給法という法律のたてまえはとるけれども、しかし、それは戦後処理としての性格を入れてきたのだということでありまして、私もそういう面が入っていると思います。なおまた、その周辺には厚生省所管の援護法というものが、恩給法で救えない人に対してまたさらに国家としての手を差し延べているという点もございまするし、したがって制度論、現実の実態論、そしてその両者の帰一する点で採用できるかどうか、こういうときにはやはり政治的判断が決断として要ることは、私、わかります。おっしゃることについて気持ちは私も同感でありますので、決して冷たい気持ちで答弁をしているわけではございません。
#155
○中村利次君 沖繩の問題については、大臣はたいへんにどうも前向きの大活躍をされたんですから、いまの御答弁も、やはりそういう今後の実践活動を伴うものとして私は解釈して、次に進みます。
 恩給審議会の答申を受けて、先ほど申し上げましたように、昭和四十四年度から三年間にわたって、この答申に沿った改正をやってこられた。ことし、また新たな課題として改善をされた、こういうことになっているわけであります。私は、やはり先ほど戦後処理の問題等も含めて、恩給法というものはほんとうに難解というか、ややっこしいというか、勉強しようと思って取り組んでもなかなかわからぬということをしみじみ痛感をしておりますけれども、いまの年金制度というのは、確かに相当これはすっきりしてきたと思いますし、あるいは筋目からいっても一応の筋目が通っていると思います。議論になったようでありますけれども、いわゆる現職の公務員の給与引き上げですか、それと物価の差し引き分の六掛けをして、一二%の場合には一〇・一%にする、これはまあ六〇%がいいか悪いか、大いに議論のあるところでしょうが、
   〔理事町村金五君退席、委員長着席〕
戦後、職務給制度が取り入れられてから、民間賃金なんかでも、生活給と、それから職責給といいますか、職務給といいますか、そういうものとの比率を六、四にするという議論をして、労使で大体そういう確認まではいかないまでも、そういう体制にあるところも相当にあるわけでありますから、大いに議論の対象にはなりましょうけれども、これがいいとか悪いとかじゃなくて、一つの方法であるということは言えると思いますけれども、しかしこれは恩給審議会の答申にもありますように、国民の生活水準とのかね合いということを考えますと、その年度、年度、その瞬間、瞬間はこの六掛けということが、ほかにいろいろ方法はあろうけれども、まあこれも一つの方法だよということを言い得るにしても、それがずっと累年累積をされていきますと、ある時点、時点での国民生活の水準との見合いというもので、はたしてこれがどうも合理的、妥当的なものと言えるかどうかという疑問があるんではないかと思いますけれども、そういうことがあり得るとお考えになりますかどうかですね、まず。もしあり得るとお考えになるんでしたら、それがどういう方法をもって是正されようとなさるのか、お伺いしたいと思います。
#156
○国務大臣(山中貞則君) いまの六〇%分をとるという問題で、四〇%がはたして職務給であるかどうか。その問題も問題点があることは、これはやはり否定できないと思います。四、六について私どもはそういう立場をとっておる。そのことが著しく不当ではない、こうは言えると思うんですが、しかし七、三ではそれは著しく現実と乖離している。あるいは八、二になったら、それはきわめて不当なのか。十分の十というのはもうそれは乱暴なのか、ここらになると、やはり実際上に公務員である職務をとっておる人たち、兼職も禁止されてほかに収入を得る道もありませんし、そういう人、職務のための非常なきびしい公務員法に従わなければならないというたてまえも、また精神的にあるわけです。しかしやめている人は、かつて公務員であった、そのために恩給を給せられる。しかし現在は現職の公務員としてのそのような法的な精神的な負担もありませんし、兼職禁止などという、職業を、他に何か収入の道を求めるということをチェックされている手段、立場もないわけですから、そういうことから考えれば、現職にある公務員と全く同じ十分の十ということは、やめておられるかつての公務員にふさわしいかどうかについては、これは議論が、やはりもう少し議論し、なおかつ議論が分かれるところであろうかと思います。
 そこで、いまおっしゃった問題点の具体的な例としては、退職時の給料をとるために、その後逐年の累積の問題もありますが、典型的な例を言いますと、老校長先生、かつての校長先生で年寄られた方が、自分が教えた子供が、自分と同じような道をたどって、そして校長にまでなって、そしてやめたと、しかしそのやめたのは自分の教え子でありますから、相当あとにやめておる。ところがその人の受ける恩給というものは、かつての師であった自分の受ける恩給よりもはるかに高い、あるいはまた自分の教え子は、いまもう恩給制度のもとではありませんが、おそらくやめてから受けるであろう待遇は自分の何倍にもなるだろう、そういうような、自分たちは社会的に、やはりかつて学校の校長先生であったという人は、そう地域社会において自分の意に反した生活というものは――思うとおりの生活ができない尊敬される立場にもあられるわけでありますから、なりふりかまわぬ生活もできませんし、あまり金銭のことは言いたくない。かつての教育者として言いたくないけれども、自分が教えた者がやめるときに比べて、自分のいまの待遇というものは、これでは何としてもつらいというようないろいろの具体例の中で、ことに胸を打つ、しかもまた何の反論もなし得ないような意見も私は直接もう承っております。まあこのようなことは、文官とかつての武富とのバランスの問題とか、あるいはその後の文官の是正の問題とか、いろいろ小さい問題としてまださらに問題がありましょうが、基本的にはそのようなことが現在の制度では起こってくる必然性を持っておる。この点は、私も実際これに対して申しわけないし、反論することばもありませんので、心からの同情と、何らかの手段があるならばということを考えておるわけでありますが、しかし、いまここでそれを急速に、かつての同じ勤務年歴と同じ職階であったならばそれは最終退職者と同じ内容の待遇ができるかどうかについて、いまここで具体的な例を申し上げるほど自信はございませんので、ただ私のいまおっしゃったことに対する考え方として、そのような気持ちを私もいだかせられておりますということだけを申し上げておきます。
#157
○中村利次君 これは、たとえばこういう中に出てきているのではないかと思うのですけれどもね、恩給審議会の答申によって、いままで、何といいますか、二万円ベースのころですね。あれは仮定俸給と言うんですか、その表をおつくりになって、それから答申によって見直して、答申を見直してみたところが、三十六年ですかね、二万四千円、そこでベースをそろえた。ところが、それから十一年か十二年たった現在では、そこではそろったかもしれないけれども、いわゆるこの計算上はまことにぴたっといって、なるほどと納得のできる計算方式をとられていますけれども、しかし現実にいまどうなんですか、この公務員の現職者のこの年金算定対象の金額と、それからいわゆる仮定俸給表との格差というものはたいへん、これは少なくとも三年間の平均俸給をとっても七万台ぐらいで、片方の仮定俸給のほうは四万六千幾らと、こういうようなことを聞くんですけれども、実際にはどういう格差になっておりますか。
#158
○政府委員(平川幸藏君) 先生がいま言われましたように、昭和三十六年で公務員ベースは二万四千円でございましたが、基本の出発点は二万円ベースから出ておるわけです。それから約十一年でございますから昭和四十五年までこの改善はやってきたわけでありますが、それをいわゆる恩給式の指数で出しますと、昭和三十五年を一〇〇といたしますと恩給法の率は二三〇・一九になります。それから公務員給与のアップ率そのものをそのまま掛けていきますと二六三・八六になります。で、その比率は八七%でございまして、まあそれだけはとっておると、こういうことになります。
#159
○中村利次君 あれですね、公務員あるいは三公社の、この恩給の、何といいますか、算定基礎といいますかね、これは本俸というんですか、俸給というんですかね、その年金の算定基礎の対象になる金額ですね、それから仮定俸給表による平均の金額と、こういうものを比較をすると、昭和三十六年の時点で二万四千円とぴたっとそろえて、いまおっしゃったように当時を一〇〇として二三〇・幾ら、あるいは二六三・幾らで、八七%、それは改定をしましたよとおっしゃったんですけれども、その現時点でそういう年金の算定の対象になるこのものを比べてみるとえらいどうも格差があるんだと、こういうことは事実ですかどうですか。その本俸というんだか、俸給というんだか、それを教えてください。
#160
○政府委員(平川幸藏君) ただいま申し上げましたのは、昭和三十五年からの比率を申し上げましたので、現実に、現時点のいわゆる現実の俸給額から実は試算してみたわけであります。先ほども申し上げましたように、文官の普通恩給年額はこれは一〇・一%上げますと恩給年額で二十八万五千円になります、二十八万五千円になる。これは実は平均在職年が二十三年の人でございますから、これを割り直しますと、年俸といたしまして仮定俸給は七十六万二千円になるわけであります。要するに七十六万二千円の年俸だと、こう考えていただいていいと思います。一方、現職公務員の給与、これを考えますと、昭和四十六年一月十五日現在の国家公務員の給与の実態調査の結果、全員の平均俸給の月額は六万三千円でございます。先ほどちょっと申し忘れましたが、年額七十六万の俸給額でございますが、これは月額に直しますと約六万三千円でございます。国家公務員の給与はいま申し上げましたように六万三千円でございますから大体合っているようでございますが、実は六万三千円そのままでは不十分でございまして、これを大体二十三年平均ぐらいに割り直さなければいかぬわけです。割り直しますと大体七万六千円ぐらいになります。したがいまして、現存の平均的な行政職の俸給は約七万六千円ぐらいになるであろう。現在の受給恩給額からベースを――まあかりにベースといたしまして算定いたしますと六万三千円になるわけです。そういうところが大体の現状からの分析の一つの比較になると思います。ただ、基本的にちょっとお断わり申し上げたいのは、先生も先ほどおっしゃいましたように、三十五年を境といたしまして恩給の俸給表と国家公務員の給与表は全然違う形態をたどってまいっております。御承知のように現在は一等級から八等級になりまして、その間たとえば四等級でも五等級よりも低い額がありますし、入り組んでおる俸給表になっております。ところが、御承知のように恩給は一号俸から八十二号俸まですべて上へ上がっていく通し号俸制でございますから、そういう点からいきますと、技術的に完全な形において比較することはなかなかむずかしいわけでございますが、われわれが現状の時点から考えますと、いま言ったようにそういう若干の格差がある。また、指数からいいましても若干の格差がある。これは大体われわれといたしましては、指数の面と現状からの分析ではほぼ間違いない数字ではないかというふうに私のほうは推定しております。
#161
○中村利次君 まことにお答えの数字はどうもこれはよく合うんですね。先ほどおっしゃった、まあこれは恩給審議会の答申以前はこういう制度らしきものがなくて、非常に悪いことばで言えばそのときそのときのつかみ金みたいなもので予算が出ればそれに合わせた改正をやるということだったようですけれども、昭和三十四年から合理的な方法をおとりになったということになっているんですが、これはどうも何かまゆにつばをつけたくなるくらいぴたっと数字が合うようですけれども、しかし要するに受給者の皆さんが実感として受け取っていらっしゃる、あるいは一般にいわれる平均というのは、いまお答えいただいたものとはずいぶん差があるんです。私はこれは追跡調査をやったり、あるいは非常に精度の高い調査に基づいて言っているんじゃないんですけれども、聞くところによりますと、ここでは七十六万二千円、これは六万三千円ばかりになるわけですね、ところが実際には四万六千幾らにしかならぬと聞いているんですけれども、これはうそですか、四万台というのは。
#162
○政府委員(平川幸藏君) 先ほど私、指数が二三〇と申し上げましたわけですが、もし単純に二万円に二三〇を掛けますと四万六千円になるわけです。そのことを言われておるんではないかと思いますが、したがいましてそれと比較する上においては指数を持ってこなければいけないということで、私のほうは指数は指数同士で計算いたしますと、公務員給与の指数だけでは二六三になる、これはそのまま掛けていった数字でございますから。で、片一方のほうの四万六千円ということは、おそらく二万円ということを前提にされて二・三倍されたんだろうと思いますが、比較する以上は両者指数でもって比較しなければ筋が通らないのではないかということでございます。
#163
○中村利次君 わかりました。それじゃ間違いないですね。
 それじゃ恩給の何といいますか、現在は年金制度、いろいろな年金がたくさんありますけれども、公務員関係でもたくさんあるようでありますけれども、そのほか厚生年金、国民年金、船員保険とか、さっきも言われておったように、あるいは民間では企業年金制度がだんだん取り入れられてきておりますけれども、これはおのおのばらばらです。これは何も政府におのおのばらばらの責任が直接あるわけじゃありませんが、しかし、これも指摘をされましたように公共企業体等の共済組合による年金と国家公務員の場合の年金とは違う。これは退職時の俸給とそれから退職時点過去三年間の平均、これは厚生年金なんかは被保険者全期間の平均ですね、まことに実情にふさわしくないものになっております。これはいろいろ財源等の関係もあるでしょうが、まあ公共企業体と国家公務員との違うのはそれなりの歴史なりあるいはいろいろの実情があるでしょうが、こういうばらばらなあれでは、これはどうもやはりどういう事情があろうとも、政策を交えてまことにうまくないことだろうと思う。民間の企業年金なんかは、これはほとんど例外ないくらいでしょう、退職時の俸給がこれがやはり算定対象になっておるはずです。これは過去三年間の平均とする根拠を、これはいままでずいぶんいわれてきたんでしょうけれども、しかし、現在ただいまの時点でやはり承っておきたい。
  〔委員長退席、理事町村金五君着席〕
#164
○政府委員(吉瀬維哉君) 御指摘のとおり三年というのは特別の理論的根拠があると私どもは考えておりません。ただ年金推算の一つの判断の基礎といたしまして、退職時にできるだけ近いところの俸給平均、最近のように毎年ベース・アップがあるということ、あるいは物価上昇があるというような事態を想定いたしますと、三年ということは相当過去にさかのぼることになりまして、退職時の俸給まで減額されるような形になりますが、かりに経済成長も平常化いたしまして、特に多額の給与水準の上昇が毎年続くということはないという時代を想定いたしますと、三年というのはひとつの年金計算の最終時の俸給の基礎としても成り立ち縛るのではないか、最近の時点を勘案してみますと、最終俸給表とはだいぶ違うと思います。
#165
○中村利次君 これは、日本はたいへんに高度成長を遂げまして、最近の政府答弁からいきましても、生産第一主義あるいは輸出第一主義から福祉優先主義に発想の転換をしなければならぬと言われておりますし、特に週休二日、時間短縮の問題を含めて、これは国際的にも国の政策としてでも、やはり労働時間を短縮して高賃金時代に入っていかなければ、どうも日本の健全な発展、国際社会の中における経済大国としてのありようというものは、また袋だたきを受けることになりかねない実情ですから、そういう意味では賃金のやはり相当の上昇というものはほとんど今後そんなに、これは一時的な現象じゃなくて、そういう方向に進まざるを得ないと思いますよね。そういう場合、これは物価の問題も相当深刻な影響がありましょうけれども、はたして過去三年平均というものが現時点あるいはこれからいろんなそういう国の政策なり、あるいは産業界の実情、日本の国際社会における位置づけ、立場、そういうものを総合的に考えてみて、はたして現時点あるいは将来に向かってこれが妥当なのかどうか、大いに疑問を感ずることになりはしないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#166
○政府委員(吉瀬維哉君) 今後ますます経済面で一つの急激な成長を避けるというような御議論からする、ひとつ賃金の分け前をふやして、内国消費をふやして、そのために輸出ドライブがかからないようにするとか、あるいはそのために高度成長が一つの抑制効果を持つんじゃないか、こういう御議論はたしか行なわれているところかと思います。ただ、年金の一つの基礎といたしましての最終の俸給の水準、これは過去三年となっておりますが、平均的な上昇率を想定いたしますと、一年おくれというふうな形に、中間が前年といたしますと、一年おくれというようなことになるかもしれないと思う、こういうような御指摘に対しましては、私どもといたしまして一つの将来の年金数理、掛け金率のあり方等を勘案いたしまして、そういうものとの相関において検討すべき課題じゃなかろうか、こういうふうに思っております。
#167
○中村利次君 そうしますと、これはやはり退職時の過去三年の平均というのが、これでいくんだということではなくて、現在はそういう方式をとっておる。しかし実情に応じてこれを見直しをする可能性もあるわけですね。見直しをする、実情に応じてですね。これは固定的なものじゃないんだと、こういうぐあいに解釈してよろしゅうございますか。
#168
○政府委員(吉瀬維哉君) むしろ先ほど先生から御指摘がございましたように、厚生年金などは全期間というようなたてまえでなっておるわけでございます。ここらはおそらく掛け金が、従前に払い込んだ掛け金が物価上昇とともに減価してきている、掛け金の運用によっても年金原資をまかない切れないというようなことから、保険数理からすれば全期間を対象とする平均収入、報酬というものが一つの安定的なる給与水準のめどになるのではないか、こういう議論もあるわけでございます。したがいまして、過去三年ということで、そういうような他の制度と比べまして、公企業と比べれば若干年次はバックいたしますけれども、そういうような考え方もあり得るわけでございまして、先生御提案の一つの最終報酬に近づけるべきだという御議論に対しましては、掛け金とか、あるいは国庫負担とか、最終の年金数理、年金経済の見込み、こういうものを最終的に勘案して決定すべきものじゃなかろうか、こう考えております。
#169
○中村利次君 これは私は、やはり年金制度というのは、社会保障制度の一環としてとらえておりますから、したがってやはり恩給審議会の答申を受けて、政府がこの三年間にその答申に沿って対処をしてこられた、ことしその上に立ってまた改善を提案していらっしゃる。これは私はそういうものに沿っておると思うのですよ。これは大いに、先ほど大臣からもそのお話があった、大いに議論のあるところでありましょうけれども、公務員の賃金の上昇に見合ったやはりスライド方式をとっていこうとしておるわけでありますから、したがって国民生活水準に見合った年金にしていこうという方向性というのは、私はこの年金制度の中に生かされておる。そういうたてまえになりますと、これは厚生年金の場合はともかく、公共企業体あるいは公務員の年金に対して、財源がどうだとか、払い込んだ支払いのあれがどうだとか、そういう議論はたいへんに、これはいま政府が実施されておる年金制度の三年間の対象あるいはことしの改善というたてまえからいっても、まことにちぐはぐな議論になるのですがね。いかがでしょう。
#170
○政府委員(吉瀬維哉君) 究極的には社会福祉水準の全体のバランスでございますね。また一つの保障制度に関する見通し、こういうものと関連されることになると思いますが、一挙に、最終俸給を基礎とするという議論を確立するためには、なお相当の検討を要する、こう私どもまだ考えておる次第でございます。
 それからもう一つ、まあ社会保障制度の充実にからみまして、あくまでもこれは社会保険年金数理、自己の掛け金とそれから使用者の掛け金、そういうものに基づいて自転的に回転していくというものがたてまえになっておりますので、そういう点をも判断の基礎にする必要があるのじゃなかろうか、こう考えております。
#171
○中村利次君 私は恩給法の一連三法の改正で、ことしこうしてはどうかといって問題提起をしているのじゃないのですよ。この年金制度そのものは、年金審議会の答申を受けて、確かに時代の流れに即したようなそういう方向性を持っておると私は考えますから、したがって過去三年というのは、いろいろな理由があったでしょうけれども、少なくとも理論的根拠は何もないということでありますから、そうなりますと、やはり年金法の趣旨に沿っても、あるいは審議会の答申の趣旨からいっても、そういうものはしかるべき時期に、可及的すみやかにがいいでしょうけれども、とにかくやはり見直しをして、必ずしも過去三年平均というものに固執しないという、そういう見直しを考えておるということになるのかどうか。そうでありませんと、これは非常にちぐはぐになるのですよね。
  〔理事町村金五君退席、委員長着席〕
こっちでは非常にりっぱなことをやりましたと、こういっておきながら、片方ではどうも現状に固執し過ぎてちぐはぐの違和感が生ずるわけでありますから、これを一致させてもらえばいいわけですよ。
#172
○政府委員(吉瀬維哉君) 先ほど中村委員の御質問、十分にお答えしなかったので恐縮なんでございますが、理論的根拠はないと申し上げましたのは、三年という三という数字に、特に三がいいか、四がいいか、五がいいかというきわ立った論拠はない。ただ最近の報酬水準を取り上げるとすると、三ということだということで、申し上げたわけであります。なおいま御指摘のありましたとおり、全体の将来の年金制度の改善、検討という場合にあたりましては、スライド制だとかあるいは賦課制度だとか、そういうような大きな問題が提起されておりますけれども、最終報酬の水準というものは議論の対象になり得るものだと、こう考えております。
#173
○中村利次君 それでは最後に、これはこの委員会でもいつもこれは議論になります。ことしも公務員給与の問題で繰り返し指摘をされたことで、大臣がそのときの御答弁では、これは確かに民間は四月から給与改定をやる、残念ながらことしは公務員給与の改定は五月から、これは附帯決議はつきましたけれども、五月からになった。八月半ばの答申、十二月ぎりぎりにやっときまるという、そういうことはどうなんだろうというあれに対しては、これは前向きに検討しなければならないけれども、少なくとも国会段階では、これは改正案を出して、国会でお前さんたちが早くこれを上げてくれると幾らか早くなるんだという、そういうおしかりを受けたわけですけれども、同じあれで、これは繰り返し繰り返し指摘されていることでしょうけれども、どうも一年八カ月というズレは非常にこれは何とかしなければならないということは皆さんがお考えになっておるんでしょうが、これはぜひ、やはりある意味ではその何といいましょうかね、公務員給与の何カ月ズレになりますか、七、八カ月のズレ以上にこれはやはりどうも好ましくない問題とも思われますが、これはもう何回も答弁して飽きられたかもしれませんが、これはひとつ大臣から最後に御答弁をいただいて、私の質疑を終わります。
#174
○国務大臣(山中貞則君) 先ほどちょっと答弁しましたように、ことしの十月実施でありますと四十五年の公務員給与と物価をとりますから、したがってまあ大蔵省に予算作業を開始いたしますのが、四十六年の八月の三十一日で締め切るというような作業の過程から見ますと、なかなかそれを当該年度の公務員給与並びに年度末を終わらなければならない物価というものをとることはきわめて困難です。しかしながら、十月実施という点については、これはまあ財源の問題等は別な理由になります、理由の問題ではありませんから別におくとして、やはり三百万近い証書書きかえその他の作業が実質上かかって、やはり十月実施ぐらいが一ぱい一ぱいだというような事務当局の見解もあります。しかし、やはりこれは四月から給されるべきものとしてそのような作業を続ければ、この一年六カ月のうちの六カ月は短縮し得るものである、そういうふうには考えております。したがって、そこらのところはやはり具体的にできるかできないか、そういう問題も含めて、あり得べき姿に、すなわち一年半おくれとか一年おくれとかということを少しでも現実に近づけるための努力というものは、これは怠りなく努力してまいりにいと考えます。
#175
○山崎昇君 もうだいぶこまかな点、議論があったようですから、二、三点聞いて私は質問を終わりたいと思います。
 第一に総務長官にお聞きをしますが、最近政府から白書というのがたくさん出ます。私の手元で見ますというと大体二十七種類ぐらい出るようでありますが、その中で、法律等に根拠を置いてどうしても出さなきゃならぬというものと、そうでなく、硬直的に報告の形を白書ということにして出すものとあるようでありますが、一体この白書というのは何なのか、どういう趣旨で政府がこれを出されるか、それをまずお聞きをしたいと思うんです。
#176
○国務大臣(山中貞則君) これはどうも私だけの答弁で政府の答弁とするにはたいへんむずかしい問題ですが、まあしかし、白書というのは戦後のスタイルでありますから、大体法律の中で、国会に対して当該年度とった措置並びに次年度とろうとする措置等について報告をせよというような法律上の要請、根拠によって出されているものが大部分であります。またそれは、単に配付にとどめるもの、あるいは院の慣例によってそれを本会議場で文字どおり概要を報告して、その白書に基づいて場合によっては質疑等が行なわれる等いろいろ軽重の度合いがあるようでありますが、法律によらざるものでも、やはり国会というものは一般国民よりも優先的にあらゆる資料というものを提供すべて立場にある。三権の立法の府でありますから、政府としては国会を優先的に考えた白書に――まあ白書と言っていいかどうかわからない程度のもの等の取りまとめた資料を年内に一回ずつ出しておるというようなケースもあると思います。――どのような御質問があるのかまだ私わかりませんが、白書全体のことについて、数が幾つあるかとか、法律の根拠が幾つかというところは、いま突然お尋ねになっても私もわかりません。
#177
○山崎昇君 私がこの問題を聞きますのは、いま私のところに大蔵省の印刷局で出している白書の話という印刷物があります。これを読んでみますと、二十七種類あって、そのうち法律に根拠のあるのが約十種類、十七種類は言うならば任意と言いますか、そういうことになっている。それはいいとして、私はこの白書というものの性格はこう理解するのだが、間違いあるかないか、長官のひとつ見解を聞きたいと思います。
 それは、まず現状分析が行なわれておる。その現状分析の中には、過去の政府のとった政策等織りまぜながら現状について述べる。それから第二は、いま問題になっている点は何なのか。ことばを縮めて言えば、問題点の整理がなされている。第三点目は、将来の政策と言いますか、この現状分析と問題整理とを前提にして、政府としては将来こういうふうに向かっていくのがいいのではないかという、こういう政策が述べられてあるのではないだろうか、私はいろいろなものを読んで見てそう感じるのですが、それに間違いありませんか。そのほかにもいろいろあると思いますが、要約すればそういう内容なんじゃないかと思うのですが、どうですか。
#178
○国務大臣(山中貞則君) 白書全体私の所管というわけでもありませんので、間違いがあったら許していただきたいのですが、大体私の承知している範囲では、白書の様式というものはそういう一定のパターンに従ってとられておるようであります。しかし、私自身が目を通します白書の中で、ただとった措置と、問題点と、これからとらんとする措置等について、予算措置等が中心で――総理府は各省庁の予算に盛られたものをずらっと列挙するようなことが多いのでございますが、それよりも私は、ちょっとこれは今後の問題として研究したいと思うのですが、白書の様式で、そのような措置をとったけれどもこれはうまくいかなかったというような点などはあまりないのです。実は、私も在任期間が相当長かったわけですけれども、自分でこういう新しい何かつくろうというところまでのものまでは持ち出し得なかったのでありますが、政治家の一人として、今後その点は問題点だなあということは考えております。
#179
○山崎昇君 私がこれを聞いているのは、私のさっき述べた三点が大筋で間違いないということになれば、政府はこれを出すについては閣議決定で出しているわけですから、したがって、将来の政策もある程度含めて閣議決定が行なわれて国民に示したとすれば、当然政府はこの白書に拘束をされるのじゃないか。拘束ということばが妥当かどうか、必ずしも正確な用語でありませんけれども、しかし、国民に示したからには、その政策に基づいて政府は将来の政策というものを速めていかなければならないのではないだろうか、こう考えるわけです。
 そこで、白書の一般的な性格についていま聞いているわけなんですが、そういうことが正しいとすれば、これから論じようとする、たとえば年金の問題につきましても、厚生白書ではかなりいろいろなことが述べられておる。特に特徴的なのは、昭和四十三年以降の毎年の厚生白書、これを見ますというとかなりなことが述べられておりまして、特に四十四年の厚生白雪は異色だといわれております。この中では、将来やはり年金のスライド制というものもやらなければならぬのだ、という意味のことが強く書かれております。
 こう考えますと、私は白書全体の性格は骨頭に申し上げましたけれども、特に政府のとろうとする福祉政策優先の政策から言っても、この厚生白書に盛られておる年金のスライド制というものは重要視をしなければならぬのではないか。白書一般の性格から言っても、政府が現状分析をして、そうして問題点の整理をして、将来こういうことをやるのですという、こういうことが盛られたとすれば、当然恩給、年金と関連をして、この厚生白書に盛られておる年金のスライド制というのは実現をしなければならぬ政府の私は責任があるんではなかろうか。こう思うものですから、まず一般論として白書を聞いたんですが、この年金のスライド制をうたった特に厚生白書について、厚生省が来ておられれば見解を聞いておきたいと思う。どう考えるのか。
#180
○政府委員(北川力夫君) ただいまお話のございましたように、厚生自書で、昨年、老齢者問題をとらえつつというサブタイトルのもとに、特に最近問題になっております高齢者社会問題、狂人問題にアクセントをつけまして、アニュアルレポートとしての白書を出したような次第でございます。その中で、御指摘のようにスライド制の問題は、今後の年金を考えます場合に、特に現在のような変動の激しい時代には年金として欠くことのできない大きなファクターである、このように私どもも考えております。私どもが所管いたしております厚生年金あるいは国民年金につきましては、すでに先生も御承知のように、先般の四十四年改正で、いわゆる二万円年金ということで一応水準といたしましては国際水準に達するだけの改正をしたわけでございますが、通常のベースでまいりますと、法律の規定にもございますように、大体五年目ごとの財政再計算期に合わせまして相当大がかりな改正をやってまいったわけであります。しかしながら、白書との関連もございますが、最近の非常に激しい変動を踏まえまして、特に厚生年金の次の財政再計算期は四十九年でございますけれども、昨年の十一月から緊急、暫定的な措置として、従来の例にとらわれることなく、とりあえず一〇%の年金額の改善をやったわけでございます。このようなことをいたしまして、ある意味におきましては政策スライド的な改定をしたわけでございますが、今度の国会におきましても、現に参議院のほうで御審議いただいております国民年金法の一部改正におきまして、拠出制の障害、母子等につきましては昨年の厚生年金の例にならって一〇%の改善措置をお願い申し上げております。今後とも年金問題の重要なことは、やはり年金額の水準を引き上げますこととそれからそれの実質価値を維持するということ、またそのためには長期的にどのような考え方で負担増をはかっていくかというような問題が重要な問題であろうと存じます。そういう意味合いで、私どもはできますれば明年度に、厚生年金につきましては四十九年に予定されている財政再計算を繰り上げて計算をいたしまして、また国民年金につきましては五十年でございますけれども、これも四十八年度に繰り上げることを目ざして、全般的な制度の相当大がかりな大きな改正をしたいと思っておるような次第でございます。そういった意味合いで、今後ともスライド問題には、その中の重要な一環として、いわゆる実質価値の維持という意味で取り組んでまいる所存でございますけれども、何ぶんにもスライド問題はいろいろ問題点がたくさんございまして、完全な自動スライドでいくのか、あるいはまた政策的なスライドでいくのか。さらにまたスライドの指標といたしましても、物価がいいのか、賃金がいいのか、さらにまた生活水準がいいのかといったふうな議論、それから、いま申し上げました非常に将来膨大化を予想されます費用負担というような問題もございますから、単に年金制度だけの問題ではなくて経済全体に及ぼす大きな影響もございますから、そういった点を踏まえまして現在も私どもも検討いたしておりまするし、また関係の審議会である社会保険審議会あるいは国民年金審議会等におきまして、相当長い期間にわたって全体的な制度の改正の一環として慎重なかつ御熱心ないま検討を願っておるような実情でございます。
#181
○山崎昇君 そこでお聞きしますが、いま厚生省から厚生年金の今後のあり方についていまの答弁がありました。そこで、私は総務長官と大蔵省に聞きたいのですが、厚生省ではすでに厚生白書で昭和四十四年に取り上げている。昭和四十五年、四十六年の白書ずっと見ますと逐次年金のスライド制ということに向かってきておると私は思う。ところが、この問題は厚生年金あるいは国民年金ばかりでありませんで、いま議論されております共済年金ももちろん中に入らなければいかぬ。そうしますと、これを担当する大蔵省並びに関連して恩給もそうでありますが、そういう意味で関連する総務長官として、この年金のスライド制についてはいま厚生省で一歩進めているようでありますが、一体どうなるのか、この点ひとつ総務長官と大蔵省から聞いておきたい。
#182
○国務大臣(山中貞則君) すでに恩給としては、一応スライド制とは言っておりませんし、法制化しておりませんが、実質そのような予算編成が行なえるような仕組みをつくっております。その結果、法律を国会にお願いしておりますし、私はやはり厚生省あたりが先頭切って飛び出していくということは、その牽引単としての立場は厚生省あたりの特徴ある役所としての当然の仕事だろうと思います。したがって、私どものほうで進めている公的年金調整連絡会議、こういうようなところで厚生省はその実現のための数年来の調査を経た上で一定の方式を導入する結論を出す、こういうことでありますれば、これはおそらく他の制度に、しからばどのようにこれを及ぼすべきであるか、あるいは他の制度から考えると、その厚生省の検討した結論に達した案というものはちょっと問題があってのみにくいものなのか、これは大蔵省も含めての議論になると思いますが、諸外国のスライド制等も、イギリス、西独、あるいはアメリカ、それぞれ特徴があるようであります。したがって、わが国で採用いたします場合の諸外国の検討等も当然最終的な採用の場合には、検討した後やらなければなりませんが、私は厚生省が恩給としてはすでに先発したと思っておりますし、その次に――厚生省がスタートを切るということにおいて当然歓迎していいことだというふうに考えております。
#183
○政府委員(吉瀬維哉君) ただいま総務長官の御答弁がありましたとおりでありまして、私どもは厚生省においての議論の結果を十分見守りながら、こちらのほうの共済制度の審議会あるいは公的年金制度の調整連絡会議等におきまして、種々問題ございますけれども、十分検討を続けていきたい、こう考えております。
#184
○山崎昇君 重ねて大蔵省に聞きますが、第六十四国会の際に、本会議で、当時の福田大蔵大臣は、わが党の戸田議員の質問に答えて、年金のスライドよりも物価を押えることが先である、このような簡単に言えば答弁をされまして、年金のスライドについてきわめて消極的な態度をとったのです。したがって、私がいまお聞きしたいと思うのは、厚生省は少しだけ先を進んでいるように思う。総務長官は、厚生省は索引軍となってやってもらいたい、すでに恩給は実質的な年金スライドのような方向に向かっている、そこで年金についてもできるならばやっていきたいという趣旨の答弁のようであります。一番ガンは大蔵省なんですな。そこで、きょうは大蔵大臣いませんから私は聞くことができませんが、大蔵省はどういう態度をとるのですか。単に公的年金制度調整連絡会議なんというのは、もうこれができて五年経って何も進んでいないのですね。あなたはここへ出てきても責任ある答弁できぬかも知れぬし、少なくとも大蔵省が消極的であることは間違いないと思う。もっと積極的な態度をとりますか。その点、きょうあなたしかきておりませんから、ひとつ責任ある答弁といっても無理かも知れませんが、少なくとも前向きの答弁をしてもらいたい。どうですか。
#185
○政府委員(吉瀬維哉君) 全般的にスライド制をとるという問題につきましては、なおそれに関連いたしまして財政的見地からも検討すべ章ものも多々あると存じます。これは繰り返すようになりますが、これはおととしの段階におきまして、物価を押えるのが先というような大臣答弁があったそうでございますが、それと同時に、私どもこの三、四年間恩給が実質的に毎年改定されるという面を踏まえまして、共済制度につきましても所要の改定を行なってきているわけでございます。なお、去年からことしにかけまして、先ほど申し上げました調整連絡会議におきましても、一つの大きな事項としてスライド制を取り上げておるわけでございます。私どもそれを前向きとかうしろ向きとかいろいろなことばはございますが、できるだけ早期に検討を進めるという方針でおることには間違いございません。
#186
○山崎昇君 そこで、きょう大臣がおりませんからなかなか政策についてあなたから答弁を聞くのは困難だと思うんで、私のほうもなかなか質問やりにくいんです、正直なこと言って。しかしいずれにしても、いま申し上げたように、大蔵省の態度というものはきわめて消極的だと私は感じておるわけです。少なくとも今後はそういう態度を放てきをしてもらわなければなりません。特にいま政府のとっている政策そのものが福祉優先政策と、こういうんですから、その限りにおいては、一番いま福祉の中でもおくれているといわれる老人対策、その中でも所得政策というのは重要なんですから、その点はひとつ十分配慮してもらいたいと、こう思うんです。
 そこで総務長官に重ねてお聞きしますが、あなたは前に、この委員会だったと思いますが、いまの公的年金制度調整連絡会議では事務的な段階で行き詰まっているから、その上に位するような何か会議を設けて検討しなきゃならぬであろう、こういう答弁をされたことを覚えておるわけなんですが、その後、じゃそういうあなたの答弁についてどういう考え方が出されて、行なわれたのか、何もやってなかったのか、その点についてあなたから聞いておきたいと思います。
#187
○国務大臣(山中貞則君) その上となりますと、結局は関係閣僚の協議会みたいなことをやらなきゃならぬと思うんですが、事務段階で、やはりまだ四つのブロック制の検討は、これは行き詰まっておりましても打開のための努力をしておりますし、目標はスライド制の導入可能な方向への検討を進めておりますから、その事務段階で詰まらない時点において閣僚同士が話をしてみても、これは実際上それぞれの事務当局が上に問題点を上げて、それぞれの所管省の大臣は自分たちの役所から見た問題点を繰り返すだけであるということになると思いましたので、したがって現時点までは、その上の段階の会合といえば閣僚会議でありますが、そこまではやっておりません。したがってこの問題は、現在の四つのブロックに分けた検討、そして予算編成等にあたって厚生省等が持ち出すとすれば、厚生省は厚生省なりの具体的な最善の案というものを出すと思いますので、そういう場合においては、そういう案を厚生省の段階において結論を得るとするならば、それをさらにその連絡会議にかけて、それを一歩前進の案として入れるか、そのような検討に当然入っていくだろうと思います。
#188
○山崎昇君 ちょっと人事院に聞いておきますが、人事院も公的年金制度調整連絡会議のメンバーに入っておりますね。そこで私は毎度毎度聞くわけなんですが、この国家公務員法の百八条によって、人事院は年金について検討されなきゃならない、そしてその意見というものを述べることになっておるんだが、一体どういう検討をされて、またこの公的年金制度連絡調整会議の中においてはどの程度のあなた方の意見を述べられておるのか、現状についてひとつ御説明願いたい。
#189
○政府委員(尾崎朝夷君) 公務員法の中に、百七条、百八条といたしまして、退職年金に関する条項がございますことは御指摘のとおりでございます。で、私どもとしましては、退職給与の問題といたしまして、現在退職年金、退職手当というような二つの給与がございますけれども、それに対しまして総合的に検討するというたてまえで考えております。最近のように国家公務員の年齢構成が非常に高まりまして、退職給与という問題についてのいろんな要望が非常に高まってきておりまして、したがいまして、一方におきましては現在の公務員のやめ方と申しますか、現在何等級何号俸ぐらいの形でやめていっているか、で、その場合何歳くらい、したがって平均余命がどの程度であるかといったようなそういう実態について調査を片方では行ないながら、他面におきましては退職手当の関係の調査をいたし、退職年金の関係につきましては、当面やはり物価変動下、経済変動下におきましてのあり方という点が問題でございますので、そのやはりスライドの問題ということが検討の当面の課題にどうしてもなります。で、もちろんそのスライド問題といたしましても、物価にスライドするか、いろいろなスライドの方式そのものがやっぱり問題でございまして、現在のように物価プラスアルファというやり方そのものも、続けてまいりますればやはり一種の事実上のスライドであるわけです。したがいましてどういうスライド方式でいくかという点が、技術的にいってどういうスライド方式が適当であるかどうかという点が、やはり何といってもそういう点の合意というものが前提になりますので、そういう関係をいろいろ検討をしつつ、関係各省と同時に協議しつつあるという状況でございます。
#190
○足鹿覺君 関連。
 大蔵省に一、二伺いますが、先日農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案が本院で議決をされました。衆議院の修正どおりであります。その際附帯決議が満場一致で五項目ついております。先ほど山崎委員からもお尋ねがありましたが、昭和四十八年度に厚生年金制度を抜本的に再検討をすると、こういう考え方で現在御検討をされており、閣僚協議会等も今後長官のお話によりますと御検討になるであろうと思いますが、その際一番問題になるのは、各種各様な歴史と経過をもつ現在のこの年金制度が非常にアンバランスなんですね。特にこの給付に要する国庫補助率が、たとえば厚生年金の場合は二〇%、これを来年の抜本改正では幾らにされますか。われわれの聞いておるところによりますと二五ないし三〇というところに想定を置いて検討をされておると聞いております。とにかく二〇%の据え置きということでは、これは非組合員の掛け金の増高を来たす。ちょうど今度の健保の掛け金率を――労働省のような総報酬額を対象にして掛け金率を求めるものと、厚生省のように標準報酬額を基準として掛け金率をきめていっているものと、こういうふうに行政官庁の中にあっても基準の立て方が違っておるんです。これは御承知のとおりでありますね。そういうアンバランスから、同じ国民であり、同じ労働に従事しておりながら、あるいは国家公務員でありながら、あるいは公共企業体職員でありながら、あるいは法律に基づく特殊法人でありながら、アンバランスが出ている。たとえば農林年金と私学年金を対象にとってみますと、給与資源の問題についても大蔵省はきびしいことをいつも言う、ところが農林年金の場合は整理資源がきわめて低い、その上に他に援助機関がない。ところが私学年金の場合は、この農林年金の改定に準じて整理資源の補助金をもらいながら、私学財団から別に整理資源をもらっておることは御存じでしょうね。そういうふうに、いわゆる自動的に進んでいきながら、二つの団体は同じ法律に基づいて、同様の趣旨に基づいて進んでおきながら、一方においては別な一種の援助機関があって、それが整理資源の充足に充てられる。したがって掛け金が低率で済む。こういうふうに見ますと、補助率がアンバランスであり、また整理資源の補助対策がまちまちであり、特に本年の農林年金の法の改正を見ますと、資金運用の面について国の干渉がきびしい。たとえば国庫債を三分の一は持て、そうしてなるべく高率に運用して、その利差益でもって掛け金の負担の軽減をはかれ、こういうあなたたちはきびしい方針でやっているんです。そしておって、ここでいま山崎委員にもきれいごとをあなたは言っておりますが、大臣の答弁なら通りますよ。しかしあなたは実務を担当しておりながら、こういうアンバランスなことを知っておりながら、さてこれは具体的に是正するという答弁ができますか、できないでしょう。私はいまあとから来ましたから、途中からでありますが、この問題について他の同僚議員からも御質問があったと思いますが、少しおざなり過ぎやしませんか。来年厚生年金の抜本改正が行なわれると、国の給付補助金も引き上げられるであろう。その際には整理資源も充実していくであろう。いま問題になっておるスライド制も当然これは検討されていく場合もあるし、各年金、その背景や経緯は違っておっても、同じ国民でありますから、法の前に平等のたてまえのもとに検討してもらわなければ困ります。一々大蔵官僚がこまかいことまで干渉するのであれば、山中総務長官がいかに閣僚協議会等で御検討になっても私は実現できないと思う。その点は、私がいま指摘した問題等について具体的に検討なさいますか、これを伺いたい。また総務上長官にも、いま私が指摘したように背景なり経緯は違っておりますが、来年の厚生の抜本改正の際には、これらを同一の大体条件に近からしめていく、その基本方針があるかどうかということをひとつ御検討の上、善処願いたいと思いますが、その点二点だけ……。
#191
○政府委員(吉瀬維哉君) 私、一般の社会保障年金制度を担当しておりませんので、共済と給与を担当しておりますので、正確なお答えになるかどうかあれでございますが、農林年金は先生御承知のとおり相当掛け金率が高いというようなことから、ことし特に国庫の負担率を一六%から一八%に上げた。それと同様に私学につきましても、一六から一八に上げたわけでございますが、先生御指摘のとおり、先ほど、国会の審議の過程におきまして、私学の団体につきましては別途の助成がある。そういうようなことをもって附帯決議がついたように聞いております。私どもそういう趣旨、よくその実態を見まして検討を続けたいと思っております。
#192
○足鹿覺君 補助金の問題どうですか、補助金、補助金、給付補助金。引き上げの問題。あなたが答弁できなければ専門の説明員でもいい。
#193
○政府委員(吉瀬維哉君) 担当次長がおりませんので、ちょっと、掛け金率の細密な話になりますとちょっと私の手元のあれではお答えできかねるのでございます、はなはだ恐縮でございますけれども。
#194
○足鹿覺君 政務次官でもいい。これは一番大事な問題ですよ。
#195
○国務大臣(山中貞則君) いま公的年金制度の調整連絡会議をやっておりますが、現在のところは、検討の重点はスライド制の問題になっております。しかし、農林漁業団体職員共済年金の掛け金率が、国庫負担率が一五%から結果として一六%になった。この結果としてという意味は、一六%であるべきだという理論でもって一六%が実現したのではなかったいきさつは私も知っております。それが今度一八になっても私はそれは理論的な根拠はないと思います。一五か二〇であればまだ根拠があるし、バランスの問題もありますけれども、したがってそういう意味で、私どもの年金制度の検討の段階でも、私学と農林漁業団体職員のグループは別に一グループとして仕分けしておりますから、ただいま言われたような問題は、今後検討作業の段階で、やはりスライド制の前提として当然検討をその問題もしていかなければならぬことであると思います。
#196
○山崎昇君 どうもきょうは時間制約されて、はしょっているから困るんですが、あと一、二点だけ聞いてやめたいと思います。
 総理府に、恩給について二点ほど聞きたいと思います。恩給法の五十八条の四にこの所得制限があります。いまこの所得制限を受けている者はどれぐらいの人数がおって、そしてどれくらいの金額が制限を受けているのか、わかったらひとつ説明してもらいたい。
#197
○政府委員(平川幸藏君) 適用人員は、約三千五百人であります。で、それによって節約される予算は約二億五千万でございます。
#198
○山崎昇君 そこで、重ねてお聞きをしたいんですが、これは自治大学の教授なんかやっております行政法の田中二郎さんの定義によると、こうなっています。恩給とは「退職又は死亡後、本人又は遺族の生活費に充てるために支給される金銭」であって、「公務員の身分に伴う権利で、給与請求権の延長」であると、こう述べられています。もしこの定義が大体この行政法の解釈として定着するものであるとすれば、この恩給はあと払い、賃金あと払い説になりますね。給与請求権に基づくものだと、こう言うんです。もしそうなれば、この五十八条の四というものは再検討されて私はしかるべきではないか。なぜ三千人ばかりの者がこの支給制限を行なわねばならぬのか。私はこの恩給の定義と反してくるのではないのだろうかと思うんです。そういう意味で、この五十八条の四については検討をされるおつもりがあるかどうか。私から言うならば、それは削除すべきじゃないかと思うんだが、どうですか。
#199
○政府委員(平川幸藏君) この高額所得制限の問題でございますが、この制度につきましては、実は昨年改正いたしまして、従来は五割まで停止しておったわけであります。それを本来の制度の二割まで緩和したということでございます。
 で、今後どう考えるかということでございますが、実は恩給審議会の答申にも、今後の問題等につきまして示唆している点はございます。そういった点につきましては、今後われわれとしては事務的にいろいろ研究してまいりたい、このように考えております。
#200
○山崎昇君 本来の制度の二割とは何ですか。私にはわからないんです。それから、あなたいま検討すると言うのは、説明のようであるし、そうでもないようである。しかし、少なくとも学界の通説というのは、給与の請求権だということになれば、当然、本人はもらう権利がある。そういう意味で、言うならば、この五十八条の四というのは、従来五割も削っておったから、まずいから、二割ぐらいにあなた方だんだん下げたのだろうと思う。当然、これは私は再検討すべき条文だと思うのですね。そういう意味で、いま恩給審議会の答申もあったと、こうあなたは言われるが、今後この問題について、もう少し、具体的にどうされるのか。検討されてだんだんこれはなくするというのか。あるいは二割を一割にするというのか。その辺のことをもう少し明快にしてもらいたい。
#201
○政府委員(平川幸藏君) 将来の目標と申しますか、それは恩給審議会である程度示唆されておりますが、検討する方法といたしましては、二点あると思います。まず、これは事務的な検討のしかたでございますが、現在、たとえば、ことしで言いますと、二十九万が実は三十二万になっておるわけであります。片一方の恩給外所得が百六十万になったわけであります。こういう上げ方自体が、やはり現実に即しているかどうかという検討のしかたと、率の問題との検討のしかたがあるわけでございます。こういった点につきましたは、われわれ事務的に、他の年金等の状態等も考えまして、ひとつ段階的にやっていくかどうか、こういうこともひとつ研究の課題にいたしたい、このように考えておるわけであります。
#202
○山崎昇君 ほんとうはこまかいことを、私はかなり聞きたいと思って来たのだけれども、きょうは時間がないようでありますから、やめますが、もう二つほど聞いておきます。
 その一つは、増加恩給の中で、特別項症、あるいは第一項症、第二項症等の場合には、特別加給、これは俗に介護手当ともいわれる、あるいは扶養家族加給等も行なわれているのですが、今回の場合に、特別加給が増額されていないように思うのです。どうしてこれがやられなかったのか。
 それからもう一点は、この介護手当に相当する特別加給というのは、きわめて私は低額ではないだろうか。現在、三万六千円ぐらいですね。月になおすと三千円ぐらいです。一日百円の介護手当で、この重傷者をどうされようとするのか。もう少し私は真剣に考えるべきだと思うのだが、時間がありませんから、その一点ひとつ聞く。
 それからもう一つは、扶養家族加給が少し増額になった。これを見ますというと、千七百円ぐらいに上げたようでありますね。これはどうも、私の勘でありますけれども、公務員の扶養家族手当に見習ってただ上げた程度であって、別段あなた方がそう考えてこれをやったものじゃないんじゃないだろうか。こう考えるのですが、なぜ、この扶養家族加給がこんなに低いのか。この点もあわせてひとつ御答弁願いたいと思います。
#203
○政府委員(平川幸藏君) まず、介護手当でございますが、これは年額三万六千円、月三千円でございます。この趣旨は、二項症以上の重症者に対しまして、実際上この額でもって介護人を完全に雇用できるという額ではないことはわかっておりますが、できるだけ重症者には何とか処遇をしたいというひとつの発想から、戦後できた制度でございまして、実はそういう意味における介護手当でございますから、ほかの年金にはない制度でございます。これにつきましては、他の年金に制度がございませんから、本年は実は上げていないわけでございますが、扶養加給につきましては、先生がいま言われましたように、公務員給与に合わしたわけでございます。千二百円、妻加給は、公務員給与に合わしたということでございますが、ただ、加給全体について言えることは、たとえば恩給の場合には、子供の場合には扶養加給がつきますけれども、公務員給与の場合には十八歳以下でないとつきませんが、恩給の場合には未成年の子につきますから、二十未満にはつきます。それから、たとえば父母に対しても、その一人につきましては六百円給するというように、恩給独特の制度を実は導入しておるわけでございまして、必ずしも、適用のしかたについては公務員給与そのまま適用しておるわけではございません。
#204
○山崎昇君 いや、そうじゃないじゃないですか。第一子は七千二百円ですね、普通六百円でしょう。第二子は四千八百円−四百円でしょう。公務員と同じじゃないですか。今度、妻の場合千七百円に上げたという、必ずしも一致しませんなんて、どこからあんた出ますか。ですから、それが私はやっぱりもう少し増加恩給の性格から考えて、そうして重症者のことをこれは考えてやっているわけでありますから、当然、もっとこれは考えるべきだし、それから介護手当、なるほどほかのものにはありません。しかし、なぜこれは設けられたかと言えば、特別項症なり、第一項症なり、第二項症なり、きわめて重症者の介護をしなければならぬからこういうものを設けたのでしょう。これだけ物価が上がって、これだけ窮屈になってきているのに、これだけ据え置くという法は私はないと思う。一日百円でどうやってあんたやれますか。単に名目だけつけておけばいいというものではないと思う。そういう意味では、大蔵省で削られたのか、あんたのほうでやらなかったのかどうか知りませんが、大蔵省、こういうのはどうしますか。今後総理府であなたのところへいったときに、あなたのほうでは考えますか。聞いておきたいと思います。
#205
○政府委員(吉瀬維哉君) 総理府から要求がございましたら、その内容をつぶさに検討いたします。
#206
○山崎昇君 総理府どうしますか。
#207
○政府委員(平川幸藏君) 今後よく、十分検討いたします。
#208
○山崎昇君 十分検討って、あんた、いま言っただけで、一日百円の介護でどうしますか、あんた。私はほんとうにきょうは残念なんだ。もう今度の恩給、かなり改善はされておりますが、こまかなことを言ったらもうたくさんありますわ。これはいずれまた別な機会にやるといたしまして、この重症者の扱いだけは、やっぱり、法はいますぐ変えるということも困難でしょうけれども、少なくとも来年度予算等の場合には十分考えてもらいたいということを述べて、私の質問を終わっておきます。
#209
○岩間正男君 時間があまりないようです。ことに国会のいまの情勢の中で、私の立場からは、あんまり時間をとっていられませんので、簡単に基本的な二、三点、これはお伺いしたいと思う。非常に端的にこれは質問をしますから……。
 山中長官にお答え願いたいのでありますが、現在の憲法の精神からいって、恩給法ですね、特に軍人恩給の規定、その中にも特に階級制度がそのまま残っている。そうして格差支給が原則とされている。こういういわば上に厚く下に薄いというような、これはまあだいぶ格差は手直しされておりますけれども、依然として、しかし、それは残っておる。こういうような制度というのは、これは憲法の精神から考えてどう考えておられますか。
#210
○国務大臣(山中貞則君) 軍人恩給の場合は、月給はすなわち階級ということに結びつくものでありますから、そういう意見もあると思いますが、一般の公務員の場合でありますと、やはり退職時の俸給は、その人のやはり職階というものによって給与せられていたわけでありますから、すべてが同一価格で、同一金額でなければならないということは、ちょっと私は無理かと思います。そこらのところは、しかし、やはり日本はいくさに負けた結果、新しい恩給法等で軍人恩給を復活させたわけでありますから、それなりの敗戦国家としての反省の上に立って、権利としての支給は認めるけれども、しかし、それに対しては、今回も佐官以上は一号俸であっても、兵の階級は三号俸というふうに、いろいろと、今日までずっと経過的に上薄下厚という改善措置を講じてきておるのは、ただいまお話しになったような点を考慮してのことであります。したがって、今後もそういう姿勢は貫いていきたいと考えます。
#211
○岩間正男君 この侵略戦争の犠牲者、ことに軍人にきているわけです。ことに、非常に下級の軍人にきているわけで、これを救済するというのは、これは当然のこととしてわれわれも主張しているわけです。しかし、やはり憲法の精神からいえば、いわば戦争時代の後遺症みたいなものが残っている。これは軍人恩給という形でやはり残っているわけですね。こういう形は、これは真に社会保障の立場に立てば、望ましい姿だというふうには考えられないと思うんですね。したがって、われわれは、当然これは原爆被害者をはじめ侵略戦争による犠牲者がたくさんいるわけです。これを救済する立場から、当然総合的な社会保障制度を確立する、その上に立って基本的にこの問題の解決をはかる、これは当然憲法の精神からなさねばならない大きな改革だというふうに考えておるわけですが、この点に近づくという方向じゃないですね。依然としてそれは残しておく、いままでのこの軍のそういう階級的な差別というのは残しておく、そういう形というのは非常にやはり望ましい態度とは考えられないと思うんですが、基本的にこれは長官どう考えますか。
#212
○国務大臣(山中貞則君) 社会保障制度が徹底をいたしますれば、日本はこれから軍というものは二度といわゆる外国に影響を与える意味の存在として持ち得ないということでありますから、そういう社会保障の完備した体制であれば、あるいはこの恩給制度というものが全部それに吸収されていくということも理想としては私は考えられていいと思います。しかし、ほとんど毎年失権者がふえるだけでありまして、これが今後新しい恩給受給者が新たなる権利を持って法律の中に入ってくるという者はもういないわけでありますので、私たちとしては、御指摘のような点は十分戒心しながら、理想としてはそう思いますが、現在の恩給法の運営に遺憾なきを期して配慮をしていきたいと、そのように現時点においてはお答えをいたします。
#213
○岩間正男君 まあ基本的には社会制度そのものが非常に貧弱だという、そこから起こってくるのですね。そうして、結局その分配において非常に差別的なものを持っていかなければならぬ。ことに下級の軍人についてはその犠牲が非常に大きい。私もこれは肉親に何人もいますよ。三人ぐらいやっぱり犠牲者を持っているんだから、知ってます。そして、わりに上級の者もいる。そういう者の差別というものとこれは見ていいわけですね。そういう点から、われわれは当然この恩給法そのものを恩給という形で残して、しかもその間に依然として軍人の階級制というものがまだ存続している。いわばこれは後遺症だと考えるわけです。だから、こういうものをもう少しやっぱり検討する段階にはなっていない、過渡的なこれは法案だという点については、これは長官も異存ないだろうと思うんです。基本的にはやはり憲法の指向する方向からいえば、この社会保障の充実強化、そういう面へ全面的にこういうものを吸収していくという方向こそは望ましいんじゃないか。そうでないと、逆に軍人恩給が存在することによって、実際はやはり軍国主義の復活の問題ともこれは一脈の関連なしとはしない、そういう面がこれは出てくるわけです。そういう点についてやはり明確にしておく必要があると思う。まあやむを得ないところの過渡的措置だ。基本的には全面的な総合的な社会保障制度をはっきり確立して、その上でこの問題を吸収すべきだ、こういうふうに考えるべきだと思いますが、この点、あらためてお聞きしておきたい。
#214
○国務大臣(山中貞則君) まあ今後の政策の指向する方向としての御議論でありますから、私もそういうふうに相づちを打っているのでありますが、しかし恩給というものは消滅させて社会保障制度の中に移っていくべきだということで言われますと、私は、社会保障というものと、恩給受給者が権利として国家から給付を受けるものとは性格的に違うと思います。金額が多い少ないは別にして、やはり恩給は国が給する義務を持ち、受給権者はそれを受ける権利を持つということの上に成り立っておる給付でありますから、当人の責めに帰すべき場合、帰すべきでない場合等も含めて、ある意味の人生の落後者というような人たちをまず救い上げなければならない社会保障制度というものと一緒にしていくということは、その意味において性格上は私はやはり判然とすべき事柄であろう、そう思っております。将来しかし恩給というものは、もうほとんど人は減っていくだけでありますから、三百万近く残っておるとしても、これはさらに新しい受給権者が生まれるわけではありませんということを先ほど申し上げましたので、基本的には別段そう私は異を唱えているつもりはございません。
#215
○岩間正男君 その点の論議はこんな時間では実際はできないわけです。むろん若いときのいろいろ尽くしたそういうものに対する補償のことは社会保障の中で十分にこれは補償されなければならない、そういう体制になってくれば、そんないまのような議論は成り立たないわけでございますが、そういう点で基本的な態度はこれは明確にしておく必要がある。いまのそういう議論には必ずしもこれは同調できないですが、まあ時間の関係からおいておきますが、今度の改正は一番下級の軍人の、あるいは遺族、こういうところの改正が非常に重点的に行なわれている、こういう点ではわれわれは反対する理由はないわけです、部分的改正になりますけれども。しかし基本的には、軍人恩給の場合に対してわれわれは反対の態度をとってきた。わが党は今度この法案に対して棄権の態度をとる。それは何かというと、基本的にはこれは反対、しかし今度の改正の部分については反対すべき理由がない、これに対して棄権の立場をとっておる、そういう点は明確にしておきたい。共産党はこの前反対しておったんだが、今度棄権というのはどういうわけだ、これをやっぱり明らかにしなければ、われわれの政治責任というものは明らかでない、そういう点から、そういう点での一歩前進というものは認めるべきだから棄権の態度をとりたい。
 それからもう一つですが、これは国家公務員の共済制度の問題ですが、この問題はわれわれは関心を持って何回か質問した問題でございます。そういう中で、これは先ほども問題が出ましたけれども、なぜ最初の基本的な共済金の計算、これが二年もさかのぼって三年間の平均という方法をとるのですか。これは最終年のときの俸給、こういうことになったらどれくらい違うかという計算、できていますか。これは計算はっきり示してもらいたいと思う。ことにいま非常に物価の高騰が激しい、それに従って給与改定もまあ一〇%前後というようなことで、相当大幅な改正、それを二年前にさかのぼって、しかもその間の三年間の平均ということになるというと、相当な開きが出てくる。これの理由についてはいろいろさっき答弁を聞いております。聞いておりますけれども、納得できないんですね。ことに国鉄や全逓の人たちの場合との差について言っておりますね。それなんかも、負担金が現業の場合ないのだ、三公社の場合ないのだというようなことでありますけれども、そういう条件というやつを非常にこまかに、何ていうのかな、分裂支配に通ずるようなやり方でやっていったらまずいのじゃないか、こう思います。したがって、その点なんかももう少し、やはりこの共済年金なんかはもう大きな立場で、あまりこまかな、それによって公務員を分断支配するというようなそういう方向に使われちゃこれはまずいです。そういう点ではどうなんですか。具体的には、つまり三年間の平均、二年前にさかのぼってやるという方法をとらない場合どうなるか、その比較を出しておいてください。これはできているでしょうな。
#216
○政府委員(吉瀬維哉君) 過去三年間というのは最近の俸給の水準ということでとらえたものでございまして、毎年の給与上昇ないし物価上昇率が最近のような事情にあるときには、やはり一年おくれという印象はいなめないかと思います。ただ先ほど申し上げましたとおり、厚生年金などが掛け金との比較から全勤務期間の平均ということをとっており、一方、さらに最近時点まできている制度といたしましては、三公社などの制度のことは御承知のとおりでございます。私どもやはり年金財政の全般の見地から、掛け金とかそういう種類のものの将来の年金財政の改正という見地から、これを大きな議題として、スライド制とか賦課制度と同じように、検討は進めたいと思っております。それからただいま、かりにさかのぼってこれを過去三年しなかった場合にはどういうことになるかということになりますと、正確なる計算は後日提出してもよろしゅうございますが、大ざっぱに申し上げますと、現在の年金受給総額、これは退職年金だけに限りますと四百三十一億ございます。過去三年間といいますと、ざっと計算しますと一年のおくれ、中間が、二年前といたしますと一年おくれ、こうやって計算いたしまして、かりにこれが一〇%の改定が行なわれたということになりますと、ほぼ四十億を若干上回った形ということに推定いたしております。
#217
○岩間正男君 これは一人分だとどのぐらいになりますか、大体、平均。
#218
○政府委員(吉瀬維哉君) 一人分の平均が三十六万二千円でございます。したがいまして、一割上がりますと三万六千円、大ざっぱな計算でございます。
#219
○岩間正男君 どうもこれは現状に合わぬね。受給、受ける立場に立ったら、これはちょっとおかしいと思いますよ。最終年度でしょう。最終年度が基準にならないということは、二年前にさかのぼって、しかも三年間の平均なんということになると、結局三年さかのぼるということと同じになります、大体。物価の変動がそんなになければまだしもです。ところが、一〇%ずつ変わっていったらどういうことになりますか。三年間に三三%ぐらい違ってしまうのです。これは計算して出してみてください。おそらくたいへんなことになる。だから、非常に簡単な議論だけでやっていると、具体的な数字を見ないとそれほどと思っていないが、具体的な数字を見たら、これはたいへんな違いになっています。それをもとにしてすべてが計算される。たいへんなことになる。あんた自身が受ける立場になったらどういうことになるか。これはだれが考えてみたっておかしい。この点は非常に劣勢なんです。公務員の共済組合の場合劣勢な問題ですから、こういう問題については、あまりつまらないこんなところで差別を設けちゃまずいと思う。
 時間がありませんから、もう一つ最後に聞きましょう。もっとたくさんありますけれども、もう一つだけ。連合会ですね、共済の連合会の問題が問題になった。そうすると、これは積み立て金、それから負担金、掛け金、そうしてこれは年々資産がずっと残っていくわけですね。その資産の運用というものはどういうことなんです。これは民主化されているのかどうか、ことに連合会そのものが非常に金を食い散らしておったというのは、三年ほど前の当委員会で取り上げられて、そしてずいぶん大きな問題になったわけですね。そういうものは民主的な運営の方法に変わりつつありますか、これはどうなっているのか。それから各単位組合の意見というものは反映するような組織になっておりますか。そういう点、あわせてお聞きしたい。
#220
○政府委員(吉瀬維哉君) 共済組合の連合会には運営審議会がございまして、そこで組合員の代表等も参加しまして、具体的に組合の運営を行なうというようなことにやっております。それから共済制度審議会におきましては各単位共済組合、それから代表が出ていただきまして、学識経験者とか共済組合員、こういうものを中心にいたしまして、たとえば定款の変更とか、基本的なことに関しては議論を行なっておりますが、それと同時に、いま岩間委員御指摘の共済組合連合会の具体的な運営につきまして、共済組合連合会の職員のいろいろな意見が反映されるような運営協議会、これを随時開催いたしまして、事業の実態に反映させるように努力いたしている次第でございます。
#221
○岩間正男君 これは共済に入っている公務員のアンケートでもとってみたらどうです。運営についていろいろ希望があるだろうしね。それから連合会の運営についても、これはいろいろ希望がある。部課長が代表して出ておったのだが、これは幾ぶん、少しはこの前の問題にこりて幾ぶんこれは変わっておるのかどうか。そういうものはやはり報告を十分に求めて審議する期間がなかったわけです。これはこの法案が上がっても、あらためてこれはやってもいい問題です。こういうものについて、これはひとつ報告をもらえないかな。
 もう一つ、この経理について、これは一応出ておるのですけれども、もう少し要約したやつでいいですがね。負担金がどうなるのか、それから掛け金、それから資産はどういうふうにこれはなっているのか。それからその運営のしかたがどうなのか、だから、当然これは資金運用部資金としてこれは大幅になっているでしょう。そういうものはどうなのか。その金利とかそういうものはどうなのか。こういうような点から言うと、これは非常に重大だと思います。これはしかしまあこういう紙がいま来たので、私はまた出ていかなくちゃなりません。やめますから、いまの答弁はなんなら資料で出してもらってもいいです。これで、その点について答弁してください。
#222
○政府委員(吉瀬維哉君) 先ほどの問題に関する資料とあわせまして、後日先生のお手元に提出いたします。
#223
○委員長(柳田桃太郎君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終了したものと認めます。
 これより三案を一括して討論に入ります。――別に御発言もないようですから、三案に対する討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。
 まず、恩給法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#224
○委員長(柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#225
○鈴木力君 私はただいま可決されました恩給法等の一部を改正する法律案に対し、自民、社会、公明、民社の四党共同提案にかかる附帯決議案を提出いたします。
 まず、附帯決議案を朗読いたします。
   恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について速やかに検討の上善処すべきである。
 一、恩給法第二条ノ二の規定については、その制定の趣旨にかんがみ、国家公務員の給与にスライドするようその制度化を図ること。
 一、旧軍人に対する一時恩給に関しては、引き続く実在職年が三年以上七年未満の兵に対しても支給の途を講ずること。
 一、旧軍人の加算年の取り扱いについて改善を図ること。
 一、外国政府、外国特殊法人および外国特殊機関の職員の在職期間の通算については、昭和二十年八月八日に在職していたことが要件となつているが、同日前に自己の意思によらず退職または死亡した者についても実情に即しその制限の緩和を図ること。
 一、今回、旧満洲拓植公社等の在外特殊法人または在外特殊機関の職員期間と公務員期間との通算措置が図られているが、なお完全通算するよう検討すること。
  右決議する。
 附帯決議案の趣旨は、案文及び審議の過程で明らかでありますので、説明は省略させていただきます。
 以上でございます。
#226
○委員長(柳田桃太郎君) 別に御発言もないようですから、鈴木君提出の附帯決議案の採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#227
○委員長(柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、鈴木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
    ―――――――――――――
 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、及び、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案、両案全部を問題に供します。両案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#228
○委員長(柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、両案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#229
○町村金五君 私は、ただいま可決されました共済組合関係の二改正案に対し、社会、公明、民社、共産の四党共同提案にかかわる附帯決議を提出いたします。
 まず附帯決議案を朗読いたします。
   昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の諸点につき速やかに検討の上善処すべきである。
 一、国家公務員共済組合法第一条の二、公共企業体職員等共済組合法第一条の二の規定については、その制度の趣旨にかんがみ、国家公務員の給与および公共企業体職員の給与にスライドするようその制度化を図ること。
 一、療養の給付については、組合員が退職後一定期間内に罹病した場合にも適用し得るよう配慮すること。
 一、外国政府職員等の雇傭員期間を職員期間として通算する措置については、他に就職することなく内地帰還後一年以内に公務員、公共企業体職員等として就職した場合に限定する取扱いが行なわれているが、共済組合法の建前に十分配慮し、合理的な措置を講ずること。
 一、沖繩県における国家公務員等に係る共済組合短期給付の掛金率については、沖繩県における医療制度の実情にかんがみ、その整備拡充が行なわれるまでの間、特例措置を設けること。
 一、公的年金の給付内容については、各制度の沿革を考慮しつつ、適切な調整措置を講ずること。
  右決議する。
 附帯決議案の趣旨は、案文及び審議の過程で明らかでありますので、説明は省略させていただきます。
 以上です。
#230
○委員長(柳田桃太郎君) 別に御発言もないようですから、町村君提出の附帯決議案の採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#231
○委員長(柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、町村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、政府側から発言を求められております。順次これを許します。山中総理府総務長官。
#232
○国務大臣(山中貞則君) 政府は、ただいま決議されました附帯決議については、その趣旨を尊重して十分検討してまいりたいと存じます。
#233
○委員長(柳田桃太郎君) 水田大蔵大臣。
#234
○国務大臣(水田三喜男君) ただいま御決議のありました事項は、政府といたしましては、非常に困難な問題もございますが、御趣旨を体して十分検討いたしたいと存じます。
#235
○委員長(柳田桃太郎君) 丹羽運輸大臣。
#236
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま附帯決議のありました事項につきましては、政府といたしましては、非常に困難な問題もありますが、御趣旨を体して十分検討いたしたいと存じます。
#237
○委員長(柳田桃太郎君) 審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#238
○委員長(柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#239
○委員長(柳田桃太郎君) 許可、認可等の整理に関する法律案を議題といたしまして、趣旨説明を聴取いたします。中村行政管理庁長官。
#240
○国務大臣(中村寅太君) ただいま議題となりました許可、認可等の整理に関する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 政府は、行政の簡素化及び合理化を促進するために、行政改革三カ年計画に基づき許可、認可等の整理を行なってまいりましたが、本年も引き続きその推進をはかるため、この法律案を提出することとした次第であります。
 法律案の内容について御説明申し上げますと、第一に、許可、認可等による規制を継続する必要性が認められないものにつきましてはこれを廃止し、第二に、規制の方法または手続を簡素化することが適当と認められるものにつきましては規制を緩和し、第三に、下部機関等において処理することが効率的であり、かつ実情に即応すると認められるものにつきましては処分権限を委譲することとしております。
 以上により廃止するもの五、規制を緩和するもの九、権限を委譲するもの六、計二十について、十六法律にわたり所要の改正を行なうことといたしました。
 以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#241
○委員長(柳田桃太郎君) 続いて、衆議院の修正部分について説明を聴取いたします。衆議院議員山口敏夫君。
#242
○衆議院議員(山口敏夫君) ただいま議題となりました許可、認可等の整理に関する法律案に対する衆議院の修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府原案では、無線局の無線設備等の検査についての規制の緩和、電波の周波数の表示の変更等に関する電波法、放送法及び郵政省設置法の改正規定は、昭和四十七年六月一日から施行することとしておりましたが、衆議院における議決の時期がすでにその日を経過しておりましたので、これを公布の日から施行することに改めた次第であります。
 以上が修正の趣旨であります。
#243
○委員長(柳田桃太郎君) 本案の審査は後日に譲りたいと存じます。
 暫時休憩いたします。
   午後六時三十八分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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