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1971/04/28 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 本会議 第12号
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1971/04/28 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 本会議 第12号

#1
第068回国会 本会議 第12号
昭和四十七年四月二十八日(金曜日)
   午後六時三十五分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十二号
  昭和四十七年四月二十八日
   午前十時開議
 第一 地方自治法第百五十六条第六項の規定に
  基づき、輸出品検査所の支所の設置に関し承
  認を求めるの件(衆議院送付)
 第二 麻薬取締法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第三 食品衛生法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 第四 沖繩国際海洋博覧会の準備及び運営のた
  めに必要な特別措置に関する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第五 昭和四十七年度分の地方交付税の特例等
  に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 労働保険特別会計法案(内閣提出、衆議
  院送付)
 第七 空港整備特別会計法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、衆議院送付)
 第八 石炭対策特別会計法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、衆議院送付)
 第九 国立学校設置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、昭和四十七年度一般会計予算
 一、昭和四十七年度特別会計予算
 一、昭和四十七年度政府関係機関予算
 一、日程第一より第九まで
 一、国会議員互助年金法等の一部を改正する法
  律案(衆議院提出)
     ―――――・―――――
#3
○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、昭和四十七年度一般会計予算昭和四十七年度特別会計予算昭和四十七年度政府関係機関予算
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長徳永正利君。
   〔徳永正利君登壇、拍手〕
#5
○徳永正利君 ただいま議題となりました昭和四十七年度予算三案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 昭和四十七年度予算三案は、一月二十八日に国会に提出されたのでありますが、衆議院における審査が大幅におくれ、四月三日本院に送付されたものであります。なお、この間、一般会計予算について政府修正が行なわれたことは、すでに御承知のとおりであります。
 まず、予算の概要及び修正の要点について簡単に御説明申し上げます。
 昭和四十七年度予算は、通貨調整後の内外の諸情勢に対処するため、財政の健全性を保ちつつ、積極的に有効需要の拡大をはかり、かつ、国民福祉の向上を強力に推進することを主眼として編成されたものでありまして、当面する国内経済の停滞を克服するため、公債政策を活用して予算及び財政投融資計画の規模を拡大したこと、社会資本の整備、社会保障の充実、物価対策、公害対策等国民福祉向上のための諸施策を推進したこと、個人住民税を中心に租税負担の軽減合理化を行なったこと、これら三点をその特色としております。
 一般会計予算についての政府修正の要点は、防衛庁の航空機購入費二十六億三千万円、装備品等整備諸費一億六千百万円、計二十七億九千百万円を歳出予算から減額し、これに関連する国庫債務負担行為を衆議院議長あっせんの内容に沿って取り扱うこととしたこと、及び歳出予算の減額に見合って歳入予算から国有財産売り払い収入を同額減額したことであります。この結果、一般会計予算の規模は歳入歳出とも十一兆四千六百七十六億円となり、財政投融資計画の規模は五兆六千三百五十億円となります。
 このほか、予算の内容及び修正の詳細につきましては、すでに大蔵大臣より本議場で説明されておりますので、これを省略いたします。
 委員会におきましては、二月四日に四十七年度予算の趣旨について、二月二十八日に一般会計予算の修正について水田大蔵大臣の説明を聴取し、四月四日から質疑に入りました。自来、本日まで委員会を開くこと十九回、その間二日間にわたり公聴会を、また、四日間にわたり分科会を開くなど、慎重に審査を行なってまいりました。
 以下、質疑のおもなる点につきまして、その要旨を申し上げます。
 まず、外交及び安全保障政策につきまして「ニクソン訪中後の国際情勢は、米、中、ソに欧州と日本を加えた五極体制に入ったともいわれるが、政府は今後わが国外交をどのように進めていく考えか。日中間の国交正常化問題は、原則論で行き詰まっているが、日華条約に決着をつけなければ国交回復は困難ではないか。日ソ平和条約締結の見通し及び北方領土問題に対する政府の考えはどうか。日本の安全保障は、いまや防衛力の増強や日米安保条約より周辺諸国との不可侵条約締結による太平洋集団安保に求むべき時期と思われるがどうか。日米安保条約の極東の範囲は、日中国交回復が実現すれば再検討する必要はないか。また、最近、米軍が日本の基地から戦闘作戦行動を目的としてベトナムへ発進したことが明白であるにもかかわらず事前協議が行なわれていないことは、制度の事実上の空洞化を意味すると思われるが、この際再検討すべきではないか。沖繩復帰後米軍が沖繩基地から出動する場合、事前協議があればどう回答するのか」などの質疑がありました。これに対し佐藤内閣総理大臣及び福田外務大臣より「ニクソン訪中後の国際情勢については、政府は、多極化したとの認識のもとに日米関係の一そうの緊密化をはかりつつ日中国交の正常化、日ソ平和条約交渉等を進めようとしており、バングラデシュ、モンゴルの承認もその一環として行なったのであるが、当面最大の課題は隣国中国との国交正常化である。日中国交の正常化については、原則論ばかり先ばしって議論するより、一日も早く話し合いの機会を持つことが大切と考えており、中国は一つであり、中華人民共和国は中国を代表する政府である、台湾は中華人民共和国の領土であるとの中華人民共和国の主張に対し理解を示すとの認識のもとに国交正常化のための政府間交渉を持ちたいと考え、いろいろな方法で中国の理解を求める努力を続けている。長い歴史を持ち、一衣帯水の関係にある中国と今日まで話し合いの機会に恵まれなかったことは残念であるが、政府間交渉にあたっては、過去の不幸なできごとをわびるとともに、新しい憲法のもとで平和に徹している日本のあり方について十分説明したい。国連における新しい中国の代表はきまっているので、その意味でいままでの諸条約は整理されることがあろうかと思うが、ただいまの段階では、国民政府との間に結ばれた現存の条約を直ちに無効とするわけにはいかない。日ソ平和条約の交渉については、ソ連の領土問題に対する態度に微妙な変化も認められるので、国民全体の協力を得て、なるべく早く平和条約を締結して北方領土を回復したいと考えている。日本の安全保障については、周辺諸国との不可侵条約の締結による集団安保の考え方は、実現性は困難と思われるが、できればけっこうである。ただ、侵略の抑止力が十分でなく、間隙が見られる限り、日米安保条約は必要であり、やめる考えはない。しかし、極東の範囲については、日中国交が正常化され、台湾が中華人民共和国の一省であるというようなことになれば、当然適用範囲で米国と話し合いが必要となろう。また、事前協議については、日本が戦争に巻き込まれないための歯どめであるので、制度自体については改める考えはないが、運用方法については、発足後相当年月も経過し、沖繩が日本に返ってくるこの際、日米安保協議委員会で協議してみたいと考えている。また、話し合いにあたっては、日米間の見解を調整整理し、疑義が起こらないよう、形式的でなく実態的に詰めて日米間の合意を得たいと思っており、その時期は秋以降になると思う。また、沖繩復帰後の同基地よりの直接出撃発進について事前協議を求められた場合はノーと言いたい」との答弁がありました。
 次に、防衛問題につきまして「今回四次防の先取りが問題になったのは、防衛力の整備がなしくずし的に進められていることから国民の疑惑なり他国への脅威感が生じたものと思う。これらの誤解を解くためにも、この際、防衛の基本原則と防衛力の限界を明確にすべきではないか。四次防策定を急がねばならない理由、その内容及び時期はいつか。中曽根試案と四次防の関係はどうなるのか。文民統制の強化についてどのような具体案を考えているのか。自衛隊の沖繩配備計画を再検討する考えはないか」などの質疑がありました。これに対し佐藤内閣総理大臣及び江崎防衛庁長官より「わが国の防衛力整備は、昭和三十二年に閣議決定された国防の基本方針に基づいて進められており、平和外交の推進や国内施策との調和、日米安保条約を基調とした侵略抑止と民主主義を基調とした独立と平和を守ることを基本としている。防衛力の限界については、憲法上の制約があること、他国に脅威を与えるような武器は持たないこと、海外派兵はしないこと、非核三原則を厳守すること、徴兵制はとらないこと等が何よりの限界である。また、四十七年度の防衛予算は、沖繩分を除けば伸び率は前年度より減少している。軍国主義化に対する海外の批判については、理由はよくわからないが、経済大国になっても軍事大国にはならないとの考えに立って、福祉施策の充実と海外援助に積極的に取り組んでいるわが国の態度について今後とも理解を求めたい。四次防がないと自衛隊の訓練や装備に欠落が生ずるので、来年度予算の概算要求が始まる八月中には策定したいと考えている。内容については、三次防末期の装備の維持更新、補充等を考えているが、今後慎重に検討して国防会議にかけてきめる。中曾根試案は白紙に返ったものと理解願いたい。文民統制については国防会議の強化等も検討しているが、国民の代表である国会が何よりも文民統制の中心であるので、専門の委員会が設置され、十分論議を尽くされることを望んでいる。自衛隊の沖繩配備計画については、久保・カーチス取りきめで決定した人員を変更することは国際信義の上からも好ましくないが、沖繩の県民感情等を配慮された総理からの強い指示もあったので、なお、さらに慎重に検討している」との答弁がありました。
 次に、財政、経済政策につきまして「佐藤内閣は池田内閣時代の高度成長政策を批判し、安定成長と社会開発を約束したが、今日まで実効をあげ得なかったことの責任をどう考えるか。日本経済の現局面はこれまでの景気循環と本質的に異なっているのではないか。この観点からすれば、今後の経済政策は国際的におくれている個人消費支出水準の引き上げに重点を置いた福祉政策を必要としているのではないか。四十七年度予算は、減税や年金、給与改善等所得面の配慮が足りず、輸出優先型から福祉型に軌道修正した予算とは言えないのではないか。所得税の減税をなぜ見送ったのか。今年度の経済見通しは実質七・二%の成長を確保できるか。外貨準備はふえ続けているが、円再切り上げの心配はないのか。その対策はどうか。四十七年度予算では公債を大幅に増発しているが、これはやがて日銀に買い入れられ、通貨の増発を通じインフレの原因にならないのか。今回、公債対象経費のワクが広げられているが、将来防衛関係費にまで拡大されるおそれはないか。福祉重視のもとにおける今後の財政運営はどうあるべきか」などの質疑がありました。
 これに対し佐藤内閣総理大臣及び関係大臣より「経済政策の運営については必ずしも予想どおりいかなかったことは認めるが、四十年不況を克服し、その後長期にわたって成長を見たこともそれなりに評価してもらいたい。今後はこれまでの政策によって生じた国際収支のゆとりを踏まえ、経済運営の基本姿勢を福祉重点に転換していかなければならない。日本経済の現局面については、これまでの景気循環と違い、国際環境の変化による体質の変化に基づく要因が大きいと考えており、個人消費支出水準の引き上げも重要と考えているが、最近は生活環境の安全性とか快適性を望む声が高まっているので、これらを含めた社会的消費の充実に今後の福祉政策の重点を置いていくことが必要と考えている。昭和四十七年度予算は、福祉年金の大幅引き上げを中心に社会保障の充実に力を入れるとともに、公共事業の生活関連事業の比重を高める等、福祉政策と不況対策の両面から考えた軌道修正予算であると思う。所得税の減税については、四十七年度に予定していた減税を昨年末に繰り上げて行なっており、それによる減税効果は二千五百三十億円と見込まれるので、今回は住民税を重点に減税を行なった。今年度の経済見通しは、上期は底固めの段階を出ないとしても、下期には大型予算の効果により加速が予想されるので、七・二%の成長は可能と考えている。外貨準備については、黒字基調は依然として続いているが、ふえ方には最近鈍化の傾向が見えるので、今後外貨の預託等の活用策が本格化し、大型予算等による国内需要が大幅に回復されれば準備高は微増あるいは減少に向かうことも考えられる。したがって、現状では円再切り上げを迫られるおそれはないと思うが、今後再切り上げの圧力を防ぐためにも、恒常的な貿易収支の黒字の仕組みを変える必要があり、とりあえず輸出価格を上げるよう指導している。公債については、今年度一兆九千五百億円の公債を発行しても、現在の金融緩和の基調から見てインフレになるとは考えられない。防衛関係費は、資産であっても公債対象経費にはしないつもりである。また、今後の財政運営にあたっては、実質成長率七ないし八%の定着を予想し、福祉優先財政を目ざして高福祉高負担の原則や受益者負担の原則にけじめをつけるとともに、公債政策の積極的活用、物品税の洗い直しを含めた間接税割合の引き上げ等の方針をもって予算編成に当たりたい」との答弁がありました。
 次に、福祉問題につきまして「社会保障の現状は、先進国に比較して三十年おくれているといわれるが、今後何年ぐらいでおくれを取り戻せるのか。核家族化等により老人問題が大きな問題となっているのに、所得、医療、税制面の施策が不十分ではないか。年金の給付額を西欧のような賦課方式にすれば給付額を大幅に引き上げられるのに、なぜ切りかえないのか。心身障害者等の福祉施設を今後どのように充実していくつもりか。また、公共事業の内容は、住宅、下水道等生活環境整備が道路港湾等産業基盤の整備に比し圧倒的に低い、これではたして福祉優先といえるかどうか。生活関連公共投資の長期計画をこの際全部つくり直す考えはないか。福祉政策を遂行するための財源の確保についてどう考えているのか」などの質疑がありました。これに対し政府側から「先進諸国に比べ立ちおくれている社会保障をいつごろまでに西欧の水準まで取り戻せるかは明言できないが、昨年、児童手当の創設により制度は一応全部整ったので、今後は十年くらいをめどに計画的に整備を行なえばおくれは取り戻せると思う。老人問題については、今年度は医療の無料化、福祉年金の引き上げ、相続税の軽減等を行なったが、今後もあらゆる面にわたって施策を拡充していきたい。年金の積み立て方式をいま直ちに賦課方式に切りかえるには、年金加入者数と受給者数の関係から将来の保険料負担が過大となり、切りかえは困難であるが、さらに検討してみたい。厚生年金等については、来年度あたり、再計算期を待たず、生活水準、物価、賃金の上昇と見合った手直しを考えている。身体障害者等の福祉施設については、現状で決して十分とは考えていないが、現在進めている五カ年計画によって一応整備されるものと考えている。また、公共事業費のうち生活関連事業と産業基盤整備事業の格差は分け方の便宜の問題でもあり、これによって生活重視でないといわれても困るが、今後とも生活関連事業の比重を高めることに努力したい。住宅、下水道に加え、今年度さらに都市公園、廃棄物処理の二計画が実施され、生活関連公共投資の長期計画は一応そろうが、必要があればさらに再検討する。また、今後の福祉政策の財源については目下慎重に検討中であるが、目的税という特定財源をつくることはむずかしいと思う。いままでの軽い負担のままで財源調達をはかることも疑問であり、所得の上昇に伴い国民負担は若干高まらざるを得ないと思う」との答弁がありました。
 次に、物価問題につきまして、「佐藤内閣はこれまで一貫して物価の安定を約束してきたが、物価は施政七年間に約四〇%も値上がりしているではないか。不況下において消費者物価が下がらない理由は何か。円を切り上げても輸入物資の価格が下がらない原因及び対策はどうか。消費者物価の安定のためには生鮮食料品を需給調整により安定させることが必要であるが、広域の需給計画を立てる考えはないか。国鉄をはじめ各種の公共料金は軒並み値上げされているが、なぜ抑制しなかったのか。金融緩和で大法人等が土地を買いあさり、地価高騰の原因になっているが、これを規制する考えはないか」などの質疑がありました。これに対し政府側より「物価の安定については最大の努力を払ってきたが、むずかしい問題なので遺憾ながら実効をあげ得なかった。しかし、その間に雇用者所得も一三八%と大幅に上昇しており、実質所得は六八%ふえている。今後の物価見通しについては、昨年度の上昇率が予想より下回る見込みなので、今年度は政策努力により五%そこそこにとどめたいと考えている。不況下で物価が下がらないのは、その影響が一年ないし一年半のおくれがあること、低生産性部門の賃金平準化、国民の所得上昇に伴う消費需要の増大等が原因である。円切り上げがあったにもかかわらず輸入品価格が下がらない原因についてはいま追跡調査をしているが、その原因としては、円切り上げ前のストック分が残っていること、原油のように輸出段階で引き上げられているもの、流通段階の寡占状況で値下げにつながらないもの等が考えられるが、円切り上げが行なわれた以上、そのメリットは国民に還元されなければならないので、今後とも対策を強力に進めていく。農業生産物のうち、米は生産調整を行なっている一方、野菜や畜産、果樹等は供給不足の状況なので、今後とも需給の調整に力を入れ、価格の安定につとめたい。公共料金については極力抑制する方針に変わりはないが、公共料金といえどもサービスの対価である以上、無理には押えられない。国鉄については、政府の助成、企業努力を行ない、必要最小限度の値上げにとどめた。大法人等の土地投機については、現在法人の土地購入の実態について調査中であるが、今後地方公共団体への届け出制、土地税制の強化について検討する一方、金融機関等に対しては、銀行監査や日銀の指導を通じてチェックする方針である」との答弁がありました。
 次に、公害問題につきまして、「PCBは、母乳や食品などからも検出され、重大問題になっているが、対策をどうするのか。また、休廃止鉱山から流出する有害物が飲料水や土壌を汚染し、米や魚を通じ人体に被害を及ぼしているが、すみやかに総点検を行ない、対策を示してもらいたい。公害無過失損害賠償法案は、原案にあった因果関係推定規定を削除し、対象を健康被害だけに限定したのは公害対策の後退ではないか」などの質疑がありましたが、これに対し政府側より「PCBによる環境汚染は重大であるので、製造を禁止することとし、開放性のものは一切使用させず、……(「休め、休め」と呼ぶ者あり)どうも申しわけございません。
   〔徳永正利君降壇、拍手〕
#6
○議長(河野謙三君) 予算委員長に事故がありますので、委員長報告は理事が続けます。玉置和郎君。
   〔玉置和郎君登壇、拍手〕
#7
○玉置和郎君 閉鎖性のものも回収可能なものに限定したので、これ以上の汚染は出ないと思う。すでに出回っているものについては極力回収し、研究機関を総動員して実態の解明に当たる。食品汚染については一、二カ月のうちに暫定基準をつくり、これを上回るものは摂取しないように指導したい。休廃止鉱山の有害物については、実情が明らかになり次第、毒物排出に対する規制方法、環境基準の問題等あらゆる点から検討を行ない、遺憾なきを期したい。無過失損害賠償法案については、三年越しの懸案であるので、まず、無過失責任の思想を確立することが第一と考え、いわゆる複合汚染の状態を持つものを対象にし、適用対象も範囲の明確な健康被害だけにとどめたが、財産被害についても将来は取り上げる考えである。公害についての一般的な因果関係の推定は困難でもあり、また、判例で推定を認める方向にあるなどの事情から今回は削除した」との答弁がありました。
 次に、外務省の秘密漏洩問題につきまして、沖縄国会において事実と違う答弁をした政府の政治責任、米軍用地の復元補償と対米支払いとの関係、国民の知る権利と国家秘密及び国益との関係、取材、言論の自由等をめぐりきわめて真剣なる質疑が行なわれました。これに対し佐藤内閣総理大臣及び福田外務大臣より「沖繩国会における政府の答弁は当を得なかった点については、衆議院における所信表明のとおり遺憾に存じている。しかし、対米支払い額については一切密約はない。国民の知る権利については、憲法に規定する表現の自由と一体をなすものとして保障されていると考えるが、無制限なものとは考えない。国の秘密は、これを取り扱う責任者としての立場から政府がきめるが、これも絶対なものでなく、国会における批判なり、最高裁の判断等を経て最終的には国民がきめるものと考える。国益とは何かということはむずかしい問題であるが、外交交渉等の守られなければならない秘密を守ることも国益に通ずる。言論の自由は民主主義の基底として大切なものとして考えるが、取材の自由、報道の自由にもおのずから限界はあると思う」との答弁がありました。
 このほか、ベトナム問題、沖繩問題、農業問題、中小企業対策、医療保険制度の問題、財政投融資計画、地方財政、貿易、経済協力、教育問題、離島問題、日中新聞記者交換協定、北富士演習場の契約問題、春闘等々、内政、外交を通ずる広範な問題について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
 かくて本日をもって質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して矢山委員が反対、自由民主党を代表して若林委員が賛成、公明党を代表して鈴木委員が反対、民社党を代表して向井委員が反対、日本共産党を代表して河田委員が反対の旨、意見を述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、昭和四十七年度予算三案は、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上をもって御報告を終わります。(拍手)
#8
○議長(河野謙三君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。松永忠二君。
  (松永忠二君登壇、拍手〕
#9
○松永忠二君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました昭和四十七年度予算三案に反対いたします。
 いま、佐藤内閣に抱いている国民の不信感は、言うこととすることが一致しないのみでなく、言っていることとやっていることと全く違うということであります。社会党が公表した愛知・マイヤー会談に関する極秘電報の内容は、われわれの視線をさえぎった外交折衝の場で、政府の公式言明とは全く違う、まさかと思っていたようなやりとりが現実に行なわれていた事実を暴露しました。こうなりますと、日米繊維交渉にも、第四次防先取りも、国民の知らないところで密約が行なわれたのではないかという疑念の生ずるのは当然のことであります。
 佐藤総理はさきの臨時国会で、戦後体制のワクの中で処理し切れない国際の諸問題が生じていると述べ、本国会でも、世界情勢が激動し、わが国の国際環境がきびしさを加えていることを指摘し、いまこそ発想の転換を行動に移すべきときであると述べています。まさにそのとおりであります。しかし、それがことばだけの政治に終わっており、事実によって示されていないのであります。米国との関係は他のいかなる国との関係にも増して重要であると強調されても、アジアの平和と安定と繁栄に貢献できる役割りを果たすために、朝鮮民主主義人民共和国、中国、北ベトナムとの新しい外交の転回はどこにも認められません。日米安保体制と国民の国を守る気概が強調され、四次防の実施を急ぐだけで、国際的通念となりつつある日本軍国主義化をどう打破し、非軍事的な新しい安全保障の方法について多角的な提案と論議をしようとはしません。新しい国際通貨体制、貿易の新秩序、高福祉国家への軌道設定が強調されますが、事実は、外貨準備高は増加をして円再切り上げにおびえていますし、長期的な展望と具体的な施策に欠く福祉政策は、不況回復の遅延から再び産業優先へ逆戻りする危惧をぬぐうことはできません。
 しかも問題は、その発想の転換がショックという外圧によってもたらされ、自主的な判断で行なわれていないことであります。国際経済社会でも「外圧によってしか変わらない日本、多圧を加えさえすれば変わる日本」という陰口がたたかれるようになりました。しかも、四次防問題に始まる諸問題による国会の空転混乱は目をおおうものがあります。まことに佐藤政権の末期現象であり、保守長期政権の退廃であります。外交、経済とも歴史的転換に直面しているとき、国内政治の不毛に国民は焦慮を感じておりますし、政治不信はますます増大されつつあります。佐藤内閣の責任、自民党の責任は甚大と言わなければなりません。(拍手)
 佐藤首相は、政権を担当した最初の国会で「国民の一人一人が新しい内閣に何を求めているか、時代が要求するものは何か、これを正しく把握し、それを愛情と理解をもって実践に移してゆくことこそ、政府の課題であり、政治の根幹であると思います。」特に内政問題については「私は、人間尊重の政治を実現するため、社会開発を推し進めることを政策の基調といたします。」と述べました。七年有余を経た今国会で首相の口から「いまこそ、発想の転換を行動に移すべきときであります。社会開発への前進をはかり、人間性豊かな社会をつくることは、私のみならず、全国民の願いである」となぜ再び述べなければならないのでしょうか。首相の演説や国会の答弁の中には、みずからの政治がどういう目標で発足し、いまこの目標にどこまで迫ったか、目標への達成を妨げた要因は何かを率直に反省し、これを次の時代にバトンタッチするという展望に欠けていると言わなければなりません。予想をはるかに越えた高度経済成長のもとで、人間尊重の政治を実現するための社会開発や豊かな生活がなぜ実現しなかったのか。それは、福祉水準が所得水準に比例してふえるには一定の制度的な条件が必要であり、思想的な転換が必要であるということを証明しているのであります。経済社会発展計画に大きな食い違いが生じたのは、昭和四十一年から四年間にわたって民間企業設備投資が年率二五%から三〇%の成長を遂げたのにかかわらず、これを減速しようという有効な政策がとられなかったからであります。しかも、低い政府の固定資本形成さえ産業優先の姿が変更されませんでした。
 社会保障についても、昭和四十年まで若干の進展があったが、その後は停滞ぎみで、その実質はむしろ後退ぎみだと社会保障制度審議会が指摘しているのであります。また、社会開発が自力建設にまかされ、社会資本の供給を独立採算の公共企業、公営企業によって行なったり、その財源を受益者負担でまかなう政府の企業化の傾向が中央地方とも著しくなってきました。
 また、民間資本投資は過剰で、かつ地域配分も無計画であるため、公共投資の不足が異常に表面化し、公害、交通、都市問題、地価上昇などの深刻な難問題が次々に起こってきたのであります。
 こうした結果に終わった社会開発、人間尊重の施策の現状を直視し、この上に立った反省の施策が本年度予算にどうあらわれているかの問題であります。
 政府は公共事業関係費二兆一千四百八十五億円、特に上下水道、公園、廃棄物処理施設の生活環境施設の整備には前年度当初予算より五八・九%多い予算を組み、都市公園、廃棄物処理施設についても五カ年計画を策定したことを強調しています。また、公害対策予算千六百五十四億円、財投二千六百三十八億円、住宅対策にも一般会計、財投計画で一兆円を計上したと述べています。しかし、公共事業関係費の構成は、道路整備、港湾、漁港、空港に四八・三%の予算が組まれているのに、住宅対策、生活環境施設整備に一三・五%が組まれているのみで、資源配分の転換などと言える性質のものではありません。ごみ処理施設整備費補助が五十一億九千万円と約三倍になったと言っていますけれども、東京都のごみ対策費は六百八十九億円であることと比較すれば、国の努力の乏しさを知ることができます。公害対策の五八・九%を占める下水道整備をそっくりそのまま公害対策費に入れることにも疑問があります。
 老人医療の無料化と老齢年金三千三百円は社会保障関係の目玉商品であります。しかし、老人医療無料化は、多数の市町村及び三十七都道府県がすでに実施済みのことを国がやっと実行したにすぎません。せめて福祉予算というなら、野党修正にもあるように、老齢年金を五千円まで引き上げなくては福祉予算の看板が泣くというものであります。高福祉政策を実現するのには、政府経常支出を国際水準並みにするため、現在より四%から五%高めるとか、個人への移転支出を八%程度にするとか、国民所得の一五%を社会保障に充てるとか、最も根幹的な方針を確立することが大切であります。
 近く策定をされる新経済計画は、国民福祉のための重要な、さまざまな分野について達成すべき目標をできるだけ数量化して明示するし、これらの目標を達成するための必要な計画期間中の政府支出額をできるだけ詳細に推計するとともに、この財政支出計画に対応する収入調達計画も具体的に明らかにする必要があります。しかも、これらの計画は、予想されなかった条件の変化に対応できるよう、一年あるいは二年ごとに改定延長作業を定期的に行なうとともに、各年度予算と経済計画との間に緊密なつながりが確保されなければなりません。かくて初めて高福祉政策は定着し、政策の転換が具体化されるのであります。
 ここで特に強調したいことは、福祉政策システムを実施するために、財界の絶大な政治的発言を抑制しなければならないという点であります。そして、各種審議会の人選が改められ、天下りの福祉ではなく、国民との対話を重視する経済計画策定の方式が採用されることが重要であろうと思うのであります。福祉国家における財政の特色を膨張ということばであらわす人もあります。政府は、景気回復と国民福祉向上の二つの目的を達成するため、一般会計に十一兆四千億円余、財投計画に五兆六千億余を計上し、その財源を得るために一兆九千五百億の国債、四千億の政府保証債を発行することになりました。また、地方債は一兆七千二百七十八億円であります。国債と政府保証債と地方債だけで四兆七百七十八億円、これに弾力条項の発動による年度途中の追加発行や政府保証のつかない公社、公庫、公団債を入れると、まさに国債に抱かれた財政、借金財政と言わなくてはなりません。政府は、建設公債と市中消化の歯どめがあると言っていますが、公共事業の対象範囲を拡大していることや、金融機関の公債引き受け一年後の日銀買い受けを考えれば、真の歯どめとなり得ないことは明らかであります。財源不足をカバーするため国債発行をある程度行なうことはやむを得ないとしても、単なる景気対策として、安易に国債を増発するようなことはとうてい賛成できません。国債発行には、財政支出の合理化という前提と、日本経済の基本的な方向を踏まえて、長期的なビジョンの上に立っての計画性がなくてはなりません。政府の国債発行にはこうした展望はないのであります。社会資本の形成が一時的なものでなく、今後も一定の比率で長く行なわれていくとすれば、国債発行はそのための一時的措置としても、その背後に税制改正の長期方針が用意されなければなりません。
 政府は、所得税については、四十六年度補正の千六百五十億円の年内減税は本年二千五百三十億円の減税効果を持っていると言っていますが、もともと四十六年度当初の、千六百六十億円程度の減税が少なかったのであります。本年地方税減税、住民税減税一千億を行ないましたが、国税で果たせなかったことを、財源補てんに苦しむ地方団体に代行させた感があります。特に指摘しなくてはならないのは、財源不足で苦しんでいるときに、法人税付加税一・七五%を継続したという見返りとして、電子計算機特別償却率引き上げ、船舶特別償却率引き上げなど、大企業関係の特別措置が行なわれ、しかも税制調査会答申後に、自民党税制調査会の手で新しく組み込まれたものがあることは、正しい税制改正を妨げるものとして非難を加えなくてはなりません。(拍手)
 いま政府は、成長率鈍化による税収の伸びの低下、建設国債発行の限界から財源さがしに夢中になり、付加価値税の導入、物品税の大幅手直し、公害税の新設などが次々打ち出されています。しかし、その底流には、日本の租税負担率は国際的に低いということと、高福祉、高負担の考え方があります。しかし、新しい長期的な税制構想を確立するのには、政府支出の内容が福祉優先型に切りかえられ、魅力ある高福祉計画を国民に提示をされるとともに、税制の公平性についての信頼を得ることが前提であって、これらの努力を怠って、負担感は軽いが実際は大衆課税である間接消費税の増収を安易にはかるべきではありません。法人税は国際的に税率も低く、実効税率もはなはだ低いのでありますから、まず法人税率の引き上げ、特別措置の全面的洗い直しなど、法人課税の強化をはかるべきであります。こうした政策の実行なくして資源配分の転換はあり得ません。
 いま国鉄運賃値上げ、政管健保、国立学校授業料等、軒並みに公共料金引き上げが行なわれています。公共料金は、本来行政的に提供される財貨サービスを公営ないし公益企業の商品として提供される場合の対価であります。したがって、国家、公共団体がこれを経済的、政治的観点から必要であると判断するならば、行政的に国家資金を投入して供給されるのが原則であります。私立学校の授業料と格差がある幼稚園より安い大学の授業料値上げはあたりまえだという程度の考え方では、世界各国が大学の授業料を無料にしていることも、私学に大幅な国家資金を出すことも理解できるはずはありません。
 政府は、本年、卸売り物価は横ばい、消費者物価は五・三%上昇という見通しを持っています。しかし、生活関連物資の関税引き下げは消費者物価にほとんど反映していません。地価対策費も計上されていますが、ほとんど実効をあげていないのみか、公共事業費の増大、法人の土地投機などで地価の暴騰の傾向は一そう顕著であります。不況下の物価高、インフレーションによる貨幣購買力の低下、不況による賃金上昇率の鈍化、所定外労働時間の大幅な減少や、雇用の減少に加えて、累進的に増大する租税負担だけが労働者に加えられて、労働分配率の改善、週休二日制の実施など、円切り上げの教訓を生かす労働政策はどこにも見られません。激しい春闘の行なわれるのも当然と言わなければなりません。
 深刻な景気後退と国の公共事業の拡大は、地方税や交付税の減少と反対に、地方の負担を増大させています。住民要求も向上してきた現在、地方の行政水準を切り下げることは許されず、地方歳出は一段と膨張を続けていくことは明らかであります。国民生活により密着する公共施設の建設は自治体であります。しかし、地方税収入の歳入に占める比率は低下し、公共事業の財源の中の国庫負担率は減少しつつあり、地方債の中の政府資金はむしろ低下しつつあります。懸案である中央、地方の行政事務、財源の再配分を断行すべきときであります。
 政府は、国際経済との調和をはかるため、通貨調整を行ない、自由無差別貿易、特恵関税供与、経済協力を強調しています。しかし、経済協力の主要な目的が反共かいらい政権に対するてこ入れであったり、日本独占資本の市場確保にあるという批判が強いのであります。また、経済援助がひもつきで、金利が高く、援助は輸出と同じで、他の国の援助分まで吸い取ってしまうという批判が開発途上国、先進国からもあります。不況による原材料輸入が減るため、貿易収支が来年度七十億ドル以上の大幅黒字になろうという見方が多く、外貨準備高も二百億ドルに迫ると考えられます。いわゆる外貨減らしを政府はくふうしていますが、ふくれ上がった鉄鋼生産が生産の三五%を輸出しなくてはならないような過剰体質にさせておいて、同時に苛烈な輸出圧力をかけた日本経済の体質をそのままに置いては問題の解決はありません。ふえ続ける輸出にブレーキをかけようとするなら、重化学工業に片寄った産業構造を根本から変えることが必要となってきます。一方、アメリカの黒字国に責任をかぶせる身がってな通貨政策に転換を迫る日本の自主性も必要であります。
 以上私は、今年度予算の主たる問題を取り上げ、その欠陥の原因と解決の方策について意見を述べました。総理は、冒頭申し述べましたように、国民一人一人が内閣に何を求めているのか、時代の要求するものは何かをいまこそ的確に把握しなければなりません。佐藤内閣の支持率は、三十九年十一月内閣が成立して以来最低の支持率の二四%になりました。(「一九%だ」と呼ぶ者あり)一九%になりました。岸内閣末期安保強行採決後の支持率に次ぐ最低のものであります。政権末期の政治の空白や、議会の混乱はあらためて申すまでもありません。
 私は、佐藤総理の決断を強く要望して、反対の討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○議長(河野謙三君) 西田信一君。
   〔西田信一君登壇、拍手〕
#11
○西田信一君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十七年度総予算三案に対し、賛成の討論を行なうものであります。
 いまやわが国は、内外のきびしい諸情勢のもとに、あらゆる分野において一つの転換期を迎えております。戦後二十有余年の長きにわたって米国の施政権下に置かれていた沖繩が、あと十七日の後にいよいよ祖国に復帰いたします。これは佐藤内閣の政治生命をかけた偉業として、歴史に残るわが国外交の輝かしい成果でありまして、百万沖繩県民各位に対し、心からお祝いを申し上げまするとともに、全国民ともども、その喜びを分かち合いたいと思います。(拍手)
 この沖繩復帰というわが国の戦後外交史に光輝ある一ページを画する歴史的事実に加えて、わが国を取り巻く国際環境は、多極化時代の中で次第に明るさを取り戻しておるのであります。二千年の交流の歴史を持つ隣国中国との正常化への前進、日ソ間の平和条約の交渉をはじめ、米国との関係もまた、貿易経済関係の改善を通じて一そう緊密な友好親善関係を強化しつつありますことは、政治、外交面における国民世論と、現内閣の真摯な努力によるものと申さなければなりません。
 一方、経済産業面においては、これまた、かつて経験したことのない新しい事態を迎えております。四十五年秋以来の景気後退に続いて、昨年夏突如発表された米国の新経済政策、これを契機とした国際通貨体制の動揺は、年末に至って多国間通貨調整により一応の収束を見ましたけれども、その後の世界経済の動向は必ずしも安定せず、わが国経済は、すでに十六カ月余に及ぶところの長期不況の様相を呈しております。このような景気停滞の要因につきましては、内外を通じて幾つかの考え方をあげることができるのでありまするけれども、本質的には、わが国経済の体質的変化に基づくものと思われます。国際収支に見られる黒字基調の定着化、金融の超緩和状況に置かれながら、わが国の技術革新がすでにきわめて高い水準に到達をいたしており、これから先は、労働生産性をこれまでのように高いテンポで向上させることが困難なこと、また、従来成長要因として景気浮揚の主導力となっていた民間設備投資に多くを期待することができないことが今日の景気停滞につながるものと思われるのであります。したがって、今後わが国経済の成長をはかるために、民間設備投資にかわり、これを政府支出と個人消費支出に多くを求めざるを得ないのでありまして、とりわけ、財政の果たすべき役割りがますます重要さを加えているのであります。しかも、同時に、長年の高度成長時代のひずみ現象が先鋭化し、社会的緊張が高まる事態を招きつつあることを考慮するならば、今後の財政運営のあり方が那辺にあるべきかはおのずから明白であります。
 四十七年度予算がはたして国民の要請にこたえたものであるかいなか、これを評価する最も重要な指標は、第一に、当面する景気後退を早期に克服し、わが国経済を安定成長の軌道に乗せること、第二に、社会資本の拡充、社会保障の充実等いわゆる福祉優先型経済運営への転換をはかること、この二点に存することは言うまでもありません。昭和四十七年度予算は、まさしくこの課題と使命にこたえ、画期的な発想の転換が行なわれておるのであります。景気が停滞し、租税収入に期待されない場合におきましては、収支均衡という財政の常道から申すならば、財政規模の膨張には消極的であることが通常でありまするけれども、財政法の許す限り最大限に公債政策を活用した積極大型財政の編成に踏み切ったことであります。すなわち、一兆九千五百億円の公債発行額は、四十一年度に初めて建設公債を発行して以来の最も大きな発行額でありまして、この結果、一般会計予算総額は、ここ十年来の最も大幅な増加率を持つ十一兆四千六百七十六億円を計上しており、五兆六千三百五十億円に及ぶところの財政投融資計画もその伸び率におきまして戦後最大の拡大がなされておるのであります。
 今回の公債発行について、一部には、赤字公債を発行しなければわが国経済の急速な浮上は困難であるとの主張もあるのでありまするけれども、これを財政法のワク内におさめ、かつ、市中消化の原則という歯どめを完全に順守して健全財政を堅持したことは、高く評価に値するものと言わなければなりません。しかも、金融の超緩慢期にあり、十兆円にも達するといわれる需給ギャップがあるとき巨額の公債を発行することはきわめて適切なる財政金融政策でありまして、世上言われているような公債即インフレという批判は全く当を得ていないのであります。
 また、財政面から見た効果的景気浮揚策としては、公共事業費と減税があげられるのでありまするが、昨年末の四十六年度補正予算において、十五カ月予算の構想に基づいて大幅な年内減税と巨額の公共事業費の投入が断行され、最近になって徐々にその効果があらわれ、景気の底入れが確認されつつあるのであります。政府はこれまでも社会資本の充実について努力してまいりましたが、目ざましい経済成長の中で、社会資本の立ちおくれはなお解消いたしておりません。本予算の持つ大きな特色の一つは、社会資本の整備拡充に重点を置いて、公共事業費に二兆円をはるかにこえる思い切った予算の配分を行なっていることであります。
 ようやく回復のきざしが見られる日本経済は、引続き実施される四十七年度の積極大型予算によって、上期の底固めを経て、下期には急速に立ち直りを見、政府見通しの実質七・二%の成長率は達成できるものと確信をいたしております。
 四十七年度予算が福祉予算と呼ばれるゆえんは、社会保障、社会福祉関係予算のほか、住宅、下水道、公園、環境衛生施設等の社会資本の整備、公害対策、交通安全対策、物価対策等々、広範な分野にわたった真に人間福祉の向上のために真剣に取り組んでいるからであります。しこうして、今回、福祉型経済へ転換、前進姿勢をとり得たのも、一に戦後二十数年にわたる保守政権の政策よろしきを得たこと、これにこたえた国民各位のたゆまざる協力があればこそ、今日の繁栄と、それがもたらした蓄積とをもって軌道を修正し得る条件を持ち得たからであります。
 GNPで自由世界第二位、百六十億ドルの外貨準備高を持つに至ったわが国経済を直視したとき、保守政権のとってきた財政運営は決して間違っていなかったことを明白に立証しているものであり、同時に、今後、との充実した国力をもって福祉優先の経済運営を推進せしめ、同時に、国際経済社会における調和と協調を維持していくことに大いなる使命感と誇りを禁じ得ないのであります。
 政府は、社会資本の充実のため、予算及び財投計画を含めて、飛躍的に増額した配分を行なっておりますが、なかんずく、直接国民生活に結びついている住宅、下水道、公園緑地、環境衛生施設等の整備に重点が置かれており、まだ、新しく都市公園整備事業、廃棄物処理施設整備事業等にも、それぞれ五カ年の長期計画を策定し、既存の道路、住宅等の長期計画とあわせて、意欲的な姿勢を示しておりますることは、住みよい国土建設の実現がそう遠い将来ではないことを断言できるものと信ずるのであります。
 また、これに並んで、公害対策につきましても、一般会計、特別会計を合わせて、前年度に対して五割に近い予算の増額を行ない、水質の保全、大気や土壌の汚染防止を推進するなど、快適な国民生活の実現に格段の努力を払っているのであります。
 社会保障の充実も、桂会資本の整備拡充と並んで、わが党の最も力を注いだ基本政策でありまして、新年度の社会保障関係予算は飛躍的な伸びを示しており、特に「日の当たらない人に光を」という、社会福祉の拡大に力を注いでおります。中でも特筆すべきことは老人対策であります。人口の老齢化と核家族化によって、老人対策は、いまや社会保障のかなめとして、適切なる施策が急がれているところでありますが、今回、新たに老人医療の無料化がはかられており、まさに画期的な制度として高く評価さるべきであります。なお、老人医療と並んで緊急性の高い老齢福祉年金についても、これまでにない大幅な増額が行なわれているほか、税制上の優遇措置をも講ずるなど、こまかい配慮がなされておるのであります。
 そのほか、生活扶助料の引き上げをはじめ障害福祉年金、母子年金についても大幅な増額をはかるとともに、社会福祉施設の整備と職員の処遇改善、身体障害者対策、特定疾患対策など、各分野にわたって改善充実がはかられましたことは、経済成長の成果が全国民の生活の中に浸透してきたことを裏づけるものでありまして、御同慶にたえません。しかしながら、現在わが国は、この面におきまして、先進諸国に比べてなお相当のおくれを見ておることにかんがみ、新年度を出発点として、今後十年間ぐらいに先進諸国並みの水準に追いつくよう、政府の格段の配慮を期待してやみません。
 沖繩復帰対策の充実も、新年度予算の大きな柱の一つであります。太平洋戦争の最後の激戦地として、また、戦後二十数年の長きにわたり米国の施政権下に置かれておるという最悪の条件のもとで、経済、社会、文化のあらゆる分野において、本土に比べ著しい格差が生じておりますることはまことに御同情にたえません。一日も早く本土並みの水準に引き上げ、百万県民の生活向上と安定を確保するためのきめこまかな各般の措置が講ぜられなければなりません。沖繩祖国復帰の初年度である四十七年度予算におきましては、本土諸制度への円滑な移行をはかるとともに、各種社会資本の整備、産業経済の振興、社会保障ないしは文教の充実など、各般にわたる施策を遂行いたしまするために、一般会計において二千二百億円、財投計画で二百二十億円に及ぶ予算措置が講ぜられております。また、これらの諸施策を強力に推進するため、沖繩開発庁を設置することとなっております。
 以上のほか、地方財政の改善、物価対策の充実、総合農政の推進、中小企業対策の充実、文教の振興、経済協力と貿易対策等、各般にわたって福祉国家の建設、国民福祉の向上のための配慮がなされていることを特に指摘しておきたいと存じます。
 以上、昭和四十七年度予算は、当面する経済の動向に即応したきわめて適切な予算でありますと同時に、福祉優先を指向した、まさにわが国戦後の財政史に特筆さるべき歴史的な予算として、満腔の賛意を表するものであります。(拍手)
 最後に、私はこの際、一、二の点について政府の善処を要望いたしたいと存じます。
 その一つは、防衛問題についてであります。政府は、わが国防衛の基本原則、防衛力の限界等を明確にするとともに、いやしくも文民統制の原則を疑われることのないように善処をせられることはもちろん、国土防衛に関する国民的コンセンサスの形成、諸外国の理解を求めることについて最善の努力を望みたいということであります。
 その第二は、高度な福祉社会を育成し、その実現を達成するため、政府はすみやかにその進むべき方向と手段を明確にすべきであり、国民もまた適正なる負担の甘受と私権の乱用を戒める等、政府、国民ともに発想の転換が必要であると存じます。
 新年度予算案は、衆議院の審議のおくれから四月三日本院に送付されましたが、以来、参議院は国民の立場に立って、連日にわたり、きわめて精力的に、きめのこまかい充実した審議を行なってまいりました。幸いにして憲法第六十条第二項後段の適用をまつことなく、四日間の余裕を残して本日ここに議了されようといたしておりますることは、まさしく参議院の自主性と良識を発揮して、国民の期待に沿い得たものとして欣快にたえないところであります。
 今後、予算の執行にあたっては、現下内外のきびしい諸情勢に対処して、いやしくも財政の政策的効果を減殺することのないよう、政府の十分な配慮を特に要望してやみません。
 以上所懐の一端を申し述べて、賛成討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○議長(河野謙三君) 鈴木一弘君。
   〔鈴木一弘君登壇、拍手〕
#13
○鈴木一弘君 私は、公明党を代表して、昭和四十七年度一般会計予算外二予算に対し、反対の討論を行なうものであります。
 反対の第一の理由は、基本的政治姿勢であります。佐藤内閣の無定見な外交、防衛政策は、多極化しつつある国際情勢の中で十分に対処していないものがあります。
 昨年秋の中国国連復帰が実現し、ニクソン米大統領の訪中が行なわれ、新たな局面に入ったにかかわらず、国連下部機構への中国の参加に対し棄権の態度をとってきております。今日、中華人民共和国の存在を無視してアジアの平和はあり得ないのは周知の事実であり、かつ、日中の国交回復はわが国の世論とさえなっているのであります。また、日台条約を破棄し、日中間の戦争状態を最終的に解決することが政府に強く要請されているのであります。しかるに政府は、日台条約に固執して一歩も踏み出そうとしていないのであります。このままにして推移せんか、日本外交は必ずやアジアの孤児となり、世界に失笑をもって迎えられるようになるおそれが生ずるとしか言えないのであります。外交問題の肝心かなめである中国問題に対し的確な外交指針がないということは、多角、多極化した外交の展開が望めないということであります。
 予算審議の過程で明らかになった沖繩返還協定にまつわる密約問題は、官僚独善外交の姿を余すところなく露呈しております。国会と国民を欺瞞して、沖繩軍用地の復元償補を実質的には日本国民の税金で行なうことは許せないことであります。しかるに、国家機密を云々し、みずからの欺瞞行為を、記者逮捕、起訴というすりかえを行なって、国民の知る権利を押え、表現の自由を踏みにじったことは、秘密外交だけが日本外交の基本方針であると国民は受け取らざるを得ないのであります。まさしく、暗く危険な外交姿勢であると言わざるを得ません。
 また、防衛問題については、四十七年度予算において第四次防衛計画の先取りを行ない、前代未聞の政府修正に応ぜざるを得なかったこと、沖繩への自衛隊物資のやみ輸送とその送り返し、さらに立川基地への不意打ち移駐などは、文民統制が空洞化し、危険な状態にあることを立証しているものであります。
 以上申し上げたこれらの問題に対する責任はまことに重大であります。
 佐藤総理は、衆議院の予算通過に際して「責任を感じている」と述べられたのでありますが、すでに予算成立を目前に見ている現在、国民の福祉のため、国際的孤児を避け、平和国家をつくるため、一日も早くその責任に基づいて退陣するべきであり、強く要求をするものであります。
 反対の第二の理由は、経済財政運営が、政府の宣伝とはうらはらに、福祉優先になっていないことであります。佐藤内閣は予算編成にあたって、従来の経済成長、輸出優先の政策から、国民福祉重視への発想の転換をはかったと言っているのであります。しかし、すでに公害国会の際に、佐藤総理は「福祉なくして成長なし」と国会で所信表明を行なっておりますし、さらにさかのぼれば、第一次佐藤内閣が誕生した当時、ひずみ是正と人間尊重を旗じるしとしていたのであります。このことを考えてみると、いまさら発想の転換を云々せざるを得ないということは、七年の在任中、所期の目標が全く達せられないで、佐藤内閣が公約違反をしたことをみずから告白したものと言わざるを得ません。この政治責任をどうなさるのか、あらためて国民とともに問いたいほどであります。
 数年来の政府の経済財政演説では、経済大国を誇らしげにうたっておったのでありますが、その結果国民が得たものは、一六・八八%の大幅な円切り上げと不況、さらに世界一の公害、消費者物価の連続上昇という、たいへん苦い苦い贈りものであったのであります。このことは、いままでの経済財政政策が完全に失敗であったと断言せざるを得ないのであります。不況克服と福祉型経済への転換を目標に掲げた昭和四十七年度予算は、いかに割り引きしても、不況克服に重点が置かれているとしか見えないのであります。
 政府は、福祉優先を言うために、公共事業費の中では生活環境重点の資金配分を行なったと言っておりますが、一般会計を見ても、道路整備費は八千五百七億であるのに対して、生活環境施設整備費はわずか千四百一億円でしかありません。また、財政投融資においても、総額五兆六千億円のうち、政府の使途別分類で見ても、生活環境整備は七千九百億円にすぎないのであります。このような一つの例からもわかるように、決して生活環境関連の社会資本の充実をはかることに重点を置いているのではなく、過去何回か行なわれた不況克服のために産業基盤整備予算の拡大を行なったのと何ら違わないのであります。発想の転換は単なることばに終わっていると言えるのであります。
 さらに、四十七年度には、新たに公共事業投資の五カ年計画がいろいろつくられておりますが、私どもが前々から要求しております長期、短期の福祉計画は全然考慮されておりません。これは財政運営を福祉重点にすることを拒否している何よりの証拠であります。長・短期の福祉計画がつくられ、将来の資源配分の見取り図が国民の前に示され、これが実行されるというのでなければ、従来の財政運営の姿勢と大差ないと言ってよいのであります。生活環境に例年より若干予算がふえたというようなことをもって福祉型経済への転換などと宣伝する政府の心臓には、ただただ驚くばかりであり、それが財政資金を使って不況克服を要望する財界と、過剰生産におちいっている産業界救済のためのメッキに使われているとしか言えないのであります。
 第三の反対理由は、あまりにも劣悪な社会保障についてであります。
 昭和四十七年度の社会保障関係費は一兆六千四百億円、これは前年度比二二・一%の伸びで、これは一般会計予算の伸び率とほとんど同率で、決して社会保障の分野にウエートを置いた福祉型予算が組まれたとは言えないのであります。さらに、一般会計の中に占める構成比は一四・三%、これは佐藤内閣の七年間ほとんど変わってきておりません。社会的な弱者のめんどうを十分に見ない政府が、どうして人間尊重を口にすることができるでありましょうか。先進資本主義国の社会保障関係の構成比は、西ドイツ三〇%、英国二二%、米国三八%というように日本の倍程度になっております。経済大国の社会保障としてはあまりにも劣悪貧弱な内容であります。政府は、四十七年度の社会保障の目玉商品は、老人医療の無料化、老齢福祉年金の大幅増額と言っておりますが、七十歳以上の老人の医療無料化は、すでに四十三県が何らかの形で取り上げており、また、千五百をこえる市町村が実施をいたしております。政府の施策はあと追い行政で、野党から政府の怠慢が追及され続けてきていたものであって、政府が麗々しくことさら言えるものではないはずであります。老齢年金は、二千三百円を三千三百円と、千円の引き上げをたいへんなことのように宣伝しておりますが、三千三百円になっても一日当たりわずか百十円で、たばこ代にしか当たりません。しかも、三十四年当時、生活扶助基準の二分の一程度であった老齢福祉年金が、四十七年度には四分の一程度に低下しているのであります。大幅に引き上げたという老齢年金も、これではあめ玉年金にすぎないのであります。
 ここで問題なのは、一体、老人福祉政策を考えるとき、目玉商品などという考え方で、いいのかどうか、政府の反省を求めておきたいのであります。また、社会福祉施設に入っている子供たちの予算の積算は、四十七年度、飲食物で一日十四円アップの二百五十三円、小づかいは三十九年以来据え置きの月額百円、日用品費は一日十六円となっております。この物価高の日本で、はたしてこの金額で人間として尊重され、最低限度の生活を国が保障していると言えるでありましょうか。経済大国の仮面のもとで、こうした不幸な人たちにしわ寄せをする財政運営が許されるものでありましょうか。
 反対理由の第四は、物価政策についてであります。
 佐藤総理は、国民生活の安定と物価安定政策を最大の公約として首相の座に着いて、戦後の最長不倒記録を樹立した内閣であります。しかしながら、在任期間中において、はたして国民生活は豊かになり、消費者物価は安定したでありましょうか。国民の期待は残念ながら裏切られたばかりか、かえって昨年の大幅な円切り上げと不況というダブルパンチを受け、国民大衆の間では佐藤内閣の従来の経済運営に対して深い疑問を投げかけているのが現実であります。
 国民福祉の充実と景気振興を柱とした経済運営を遂行するためには、まず消費者物価の安定を最重点施策とする予算の編成方針が欠かせないはずであります。ところが、政府のとった物価対策は、今年に入ってタクシー、バス、郵便料金、物統令廃止による消費者米価の値上げを誘発させ、国鉄運賃、医療費、国立大学の授業料などの一連の値上げが予定されているのであります。公共料金の値上げは、他の諸物価の一斉の値上げを誘発することは明らかであり、現に多くの製品、物価の値上げが予測されているのであります。こうしたことから見て、政府が公約した昭和四十七年度に消費者物価五・三%に押えることはとうてい不可能と言わざるを得ないのであります。佐藤総理が勇断を持って公共料金の値上げを阻止することこそが、政府の国民に対する義務であるにもかかわらず、聞くところによると、強行採決という暴挙をもってしても国鉄運賃値上げ法案、健保法案を通そうという動きがすでにあり、この姿は国民無視をそのまま示しているものであります。また、この一連の値上げをこのまま放置するならば、スタグフレーションという最悪の状況を招き、国民生活はますます深刻になり、危機を招くことは明らかであります。
 また、円切り上げによって輸入価格が低下し、消費者物価に反映することを国民は期待していたのでありますが、予算委員会で政府の答弁は、単なる行政指導をとるという抽象的な答弁に終始し、具体的な品目の値下げを示さなかったことは、物価対策に対する政府の熱意がないことを示しています。
 第五の反対理由は、一兆九千五百億円の国債発行についてであります。
 昨年の円切り上げにより、本年は戦後最大の不景気に見まわれるとの予想から、政府は今回の大型予算を組んだわけでありますが、その一七%を国債収入にたよっていることは重大な問題であります。なぜならば、いままでは国債政策は、押えぎみに発行するという方向できたのであります。それをここで百八十度転換し、完全に国債に抱かれた財政に変質するからであります。政府は、この国債発行を社会資本拡充と景気回復のための公共投資の財源確保策として発行すると言っております。しかし、政府の社会資本の拡充とか公共投資というのも産業基盤の拡充であり、産業優先のものであります。生活環境施設の投資を軽視した上、さらに国債の利子支払いの返済に国民の血税が使われることは、金持ち優遇、大衆重課の国民不在の国債政策であります。土地買収代金に多くを食われている公共事業の拡大は、必然的に地価の急騰を招き、土地成り金や大手不動産業者に利益をもたらし、国民大衆のささやかなマイホームの夢さえ打ちこわしてしまうのが、今日の国債政策の実情であります。国債を使っての不況克服の救済策は、実は財政を悪用して所得の逆再配分だけを強めるものであり、こうした国債発行は国民を愚弄するもので、強く反対するものであります。
 最後の反対の理由は、所得減税についてであります。
 四十六年度に年度内減税を十三年ぶりに実施したとの理由から、四十七年度において所得減税を見送っていることであります。はなはだ残念なことであり、政府の先見の甘さを露呈した以外何ものでもないと思うのであります。
 まず、経済成長率の政府の見通しの実質四・三%でありますが、これを達成することはむずかしい状況にあります。最近の機械受注の動きを見ても、四十五年一月から二月をピークとして停滞してきており、四十六年に入ってからも一段と色を濃くしてきているのであります。このような状態は、さらに、四十七年の七、八月ごろまで続くと思うのであります。民間調査機関などでは、四十七年度予算が企業面に寄与ずるのは四十八年以降にずれ込むと見ており、景気の先行きはかなりきびしい面を迎えることになると思うのであります。物価高に悩む庶民は少しでも余裕があれば直ちに買いものをし、消費してしまうのであります。昨年の年度内減税が景気刺激のための施策であったというならば、景気などの点からも四十七年度も減税に踏み切るべきでありました。公明党の主張する夫婦子二人の四人世帯で課税最低限を百三十万円まで引き上げるべきであります。また、大蔵省が予算委員会に提出した資料を見ますと、四十七年度に所得税を支払うサラリーマンは前年度より二百五十万人もふえて三千万人に迫る見通しとのことであります。すなわち、サラリーマンがこんなにふえているのだから、九百億円近い減税をしなければ物価が上がる分だけ逆に増税となるということであります。したがって、減税のないことはただただ一般大衆にのみしわ寄せがくるということであり、この点からも反対するものであります。以上をもって反対の討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#14
○議長(河野謙三君) 柴田利右エ門君。
   〔柴田利右エ門君登壇、拍手〕
#15
○柴田利右エ門君 私は、民社党を代表して、ただいま議題となっております昭和四十七年度予算三案に対し、以下申し述べる理由により、反対の意向を表明いたします。
 申すまでもなく、明年度予算は例年になく国民の非常に高い関心を集めていたところであります。わが国が昨年の秋、円の切り上げにより、これまでの高度経済成長、輸出中心の政治が、内にあっては福祉の貧困、物価高、公害をもたらし、外にあっては国際経済上の摩擦を引き起こすなど、完全に破綻し、いまこそ国民の福祉向上を中心にした政策への転換が強く求められていることは、御承知のとおりであります。しかるに、政府予算案は、対前年度費二一・八%の伸びを示しながらも、福祉予算に名をかりて実は財界迎合の景気刺激のみを最大のねらいとしたものであると断言してはばからないと思います。
 この予算案を具体的に吟味するとき、私が反対する第一の理由は、勤労国民の希望を無視して所得税減税を見送っていることであります。
 政府は、その理由として、昨年秋の年内減税は明年度の減税を繰り上げたということ、そして、不況下において歳入の大幅増収が見込まれず、財政難であると詭弁を弄しているのであります。しかし、これは大きなごまかしで、昨年の年内減税はあくまで景気刺激を目的にした補正減税であったはずであります。それだけではなく、減税の内容は、税率の緩和を中心にしたいわゆる金持ち減税であったことは、広く国民の知るところであります。
 さらに、政府は、財政難を理由にされておりますが、それならば、不公正な税制を改め、取るべきところからなぜ取る努力をしなかったのか。この点、私には理解できないところであります。特に、利子配当優遇の廃止、交際費課税の強化、銀行の貸し倒れ引き当て金課税の抜本的改革並びに法人税の引き上げなどの配慮がなされたならば、大幅な増収がはかられたはずであります。これを怠り、財源不足を理由にするがごときはまことに言語道断と言わなければなりません。
 第二の反対理由は、公共料金の値上げがメジロ押しに並んでいるということであります。
 国鉄旅客運賃二三%、貨物二五%の大幅値上げをはじめ、大学授業料、健康保険掛け金、航空運賃、タクシー料金、郵便料金などの値上げがすでに決定されております。これらは、物価値上げムードを助長し、他の関連物価への波及を呼ぶことは必至であります。また、公共事業の推進が地価対策なしに行なわれようとしていることも見のがすことのできない問題であります。政府は、今年度経済見通しにおいて、消費者物価の上昇を五・三%に見込んでおられるが、以上申し上げた諸点からして、絶対に五・三%におさまる可能性はございません。
 第三の理由は、社会保障関係費について指摘せざるを得ないのであります。政府が真に社会保障の充実を考えるならば、そこには長期的なビジョンがあり、それに基づいた計画的な措置がとられなければならないのであります。ところが、予算案を見る限りでは、全く計画的な質的な改善の方向はなく、ただ各部に金を割り当てるという量的な面にのみ重点が置かれているのであります。これでは福祉優先政策への抜本的転換という国民の強い要請は無視され、国民の期待を裏切るものと断ぜざるを得ないのであります。今度の目玉商品といわれる老人医療の無料化も、実施時期は四十八年であります。なぜ一日も早く実施されないのでありますか。あまりにもおそきに失するものであります。
 さらに老齢福祉年金は月額わずか三千三百円であります。昭和三十四年発足以来十三年間にわずかに二千三百円しか上がっていないのであります。まことにお粗末の三百に尽きるが、はたしてこれが年金と言えるでありましょうか。また医療行政についても、今後は医療体制の質が大きな問題とされるのであります。これについては全く目が向けられていないのであります。しかるに、今回すでに医療費が一二%引き上げられ、これを受益者負担という名において国民に大きな犠牲をしいる政府の態度は、断じて許しがたいところであります。医療制度の抜本改正をそのままにして、保険料の値上げのみを行なうのは、福祉予算に逆行するものであり、これを要するに、うたい文句や看板は実にりっぱであるが、いかにもインスタントの感が強いと思うのは、ひとり私のみではないと存じます。
 第四の反対理由は、公共事業費が対前年度比二九%の伸びを示しながら、依然として産業基盤整備が中心に置かれているということであります。私は、これをあえて全面的に否定するものではありませんが、今日その必要性の叫ばれているのは、住宅建設、公団整備、下水道整備をはじめとする環境保全、生活基盤を中心とした社会資本の充実に重きを置くべきではなかったかと考えるものであります。あまつさえ政府は、国債を増発してまで公共事業を景気浮揚策として打ち出したのであれば、それだけ地方自治体の財政を圧迫するのでありまして、地域住民、広くは国民の生活基盤強化に重点を置いた公共投資に努力を傾注すべきであります。しかも、環境を保全し、国民の住みよい生活環境を整備することが国民福祉への最低の条件であり、土台であることを思うとき、本予算案の内容はまことに遺憾のきわみであります。
 反対する最後の理由は、大型福祉予算と自画自賛する中で、防衛庁の当初目標すら上回る防衛費についてであります。むろん私どもは、独立国である以上、最小限度の措置を必要と考えております。しかし、防衛力の増強については、国民の合意が得られ、なおかつ米中接近など、世界の緊張緩和の方向ともあわせ考えながら善処すべき問題であろうと思うのであります。はたして今日、それほど防衛力を増強する必要があるのであろうか。政府は、当初予算において四次防の先取りを行ない、次々と新規予算を認めたのでありますが、衆議院段階において強く撤回を迫られ、予算案の組み直しを余儀なくされたことは御承知のとおりであります。しかし、これで問題が片づいたのではないことを銘記すべきであります。政府は、防衛予算に対する国民的合意の必要性を痛感すると同時に、シビリアン・コントロールの具体的措置を早急に講じ、四次防そのものの再検討を全国民的規模で行ない得るよう、あらゆる努力を傾注すべきであります。
 以上、私のこの予算案に対する反対理由を申し述べましたが、最後にこの際、佐藤総理に一言申し上げたいと存じます。
 今国会の推移を思うとき、国民の政治不信の念は一そう広がり、まことに憂慮すべき事態にあります。いまや佐藤内閣の挽歌の響きはおおうべくもありません。すみやかにその責任を痛感し、退陣されんことを要求して、私の討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#16
○議長(河野謙三君) 河田賢治君。
   〔河田賢治君登壇、拍手〕
#17
○河田賢治君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十七年度一般会計予算外二案に反対する討論を行なうものであります。
 まず最初に、本予算案の審議の過程で露呈された佐藤内閣の憲法無視、国会の権威と審議権をじゅうりんする不当行為とその政治責任についてであります。
 四次防予算の先取りに端を発し、台湾領土帰属をめぐる総理食言問題立川基地への自衛隊やみ討ち移駐、沖繩への自衛隊資材の強行配備、沖繩交渉密約と言論報道弾圧など、どの一つをとっても内閣退陣に値する不当行為を積み重ねながら、最小限の責任さえとろうともしなかった佐藤内閣の政治責任は重大であります。特に、沖繩協定発効を前にして明るみに出た日米密約は、協定の持つ屈辱的、侵略的内容の氷山の一角を示すものであり、交渉の経過をすべて国民の前に当然明らかにすべきものであります。しかるに政府は、国民を欺く虚偽の国会答弁が暴露されるや、卑劣にも言論・報道弾圧というファッショ的暴挙をもって国民に挑戦し、機密保護法制定の意図さえにおわせたのであります。事ここに至って、佐藤内閣の国民欺瞞の反民主主義的、対米従属的本性を、国民の前に余すところなく示したものと言わざるを得ないのであります。
 第二に、本予算の持つ危険な軍事的性格についてであります。防衛予算は、伸び率、絶対額ともに、自衛隊発足以来最高を示し、国庫債務負担行為二千四百億円を含む四次防計画の先取りを行なっているのであります。しかも、その内容は攻撃型装備の強化、兵器国産化による産軍混合体制、沖繩への自衛隊配備など、ニクソン新戦略に基づく軍国主義復活を一段と推し進めるきわめて危険な内容となっており、絶対に承認し得ないものであります。
 第三に、本予算案が、財界の強い要求にこたえて、徹底した独占に奉仕する救済政策を最大の眼目としている点であります。
 二兆一千四百八十四億円に及ぶばく大な公共事業は、その大半が高速道路、港湾、新幹線建設など、もっぱら大企業救済に役立つ産業基盤整備に投入され、国民が切実にその解決を求めている深刻な過密過疎問題、特に、大きく立ちおくれた下水道、住宅、公園、地方生活道路など、住民生活に直結する生活環境整備は、わずか一三・五%しか占めていない点に、独占資本救済本位の景気対策という本質が端的に示されているのであります。その上、ドル・ショック対策を口実にした為替差損補償、交際費課税強化の見送り、譲渡所得税非課税など、大企業に対する各種の税財政上の優遇措置を強めながら、最も不況のしわ寄せを受けている下請産業、中小企業、労働者、農民など勤労住民には何ら見るべき施策を講じていないのであります。わが党は、このような大企業本位の景気浮揚対策予算に断固反対し、いまこそ、勤労住民の税負担の大幅軽減、社会保障の充実などによって国民の購買力を大幅に高めるとともに、緊急かつ切実な要求である住民の生活環境整備の抜本的強化を行なうよう主張するものであります。
 第四に、一兆九千五百億円に及ぶ、事実上歯どめを失った国債発行に踏み切っている点であります。
 一般会計総額の実に一七%も国債に依存する公債政策がインフレを激化させるとともに、国民にその元利返済のための大きな負担を押しつけることは明らかであります。しかも、こうした赤字公債の乱発は、原則として公債発行を禁止している財政法第四条のたてまえをじゅうりんするものであります。かつての戦時国債による塗炭の苦しみを経験した国民に重大な危惧を呼び起こすものと言わねばなりません。
 さらに、許しがたいのは、こうした赤字公債乱発に加えて、タクシー、バス、電報郵便料金に引き続き、国鉄運賃、大学。高校授業料、さらには物統令廃止に伴う消費者米価の値上げなど、とどまるところを知らない公共料金値上げを押しつけていることであります。わが党は、このような、かつてない国民大収奪予算をとうてい認めることはできないのであります。
 第五に、本予算案は、政府が鳴りもの入りで宣伝した国民福祉向上予算とは似ても似つかないものとなっている点であります。
 今日、いわゆる寝たきり老人は全国に四十万人をこえ、十万人をこえる心身障害児は、何らの施設にも入れないまま放置され、その大半が義務教育を受ける権利さえ奪われ、言うに言われぬ苦しみと将来の不安におののいているのであります。政府が大型福祉予算を誇り、目玉商品とした老齢福祉年金も、たばこ一箱分、わずか一日百円にすぎないのであり、寝たきり老人対策がたった十億九千万円で事足れりとしているのであります。これをも福祉向上予算だと頑強に主張する政府こそ、まさに厚顔無恥と言わねばなりません。事実、総予算に占める社会保障費は一四・三%で前年と変わらず、国民所得に占める比重はヨーロッパ先進国の三分の一以下という現状は、改善されるどころか、ますますその格差を広げるものであります。
 最後に、私は、佐藤内閣が行なっているベトナム侵略への新たな積極的加担について触れなければなりません。
 政府は、今回のアメリカのハノイ、ハイフォン爆撃などベトナム侵略の拡大を公然と支持するとともに、事前協議を全く空洞化し、日本全土からの自由出撃を認め、国民のきびしい糾弾を受けているのであります。最近の新聞世論調査が示したように、内閣支持率がわずか一九%と、歴代保守党政権の最低を記録した事実は、こうしたベトナム侵略加担はもとより、最初に指摘した佐藤内閣の憲法無視、国民主権と国会の権威をじゅうりんして恥じない反動的、ファッショ的政治姿勢に対する国民の峻厳な審判の結果であります。いまや佐藤内閣退陣は、国民の圧倒的多数の要求となっていることを明瞭に示しているのであります。
 私は、佐藤総理の即時退陣を強く要求するとともに、本予算案に反対の意を表明して討論を終わります。(拍手)
#18
○議長(河野謙三君) これにて討論は終局いたしました。
 これより三案を一括して採決いたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#19
○議長(河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#20
○議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#21
○議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数       二百二十六票
  白色票         百二十五票
  青色票           百一票
 よって、三案は可決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 賛成者(白色票)氏名     百二十五票
      中村 登美君    久次米健太郎君
      亀井 善彰君    川上 為治君
      熊谷太三郎君    温水 三郎君
      濱田 幸雄君    森 八三一君
      棚辺 四郎君    中村 禎二君
      橋本 繁蔵君    原 文兵衛君
      桧垣徳太郎君    志村 愛子君
      竹内 藤男君    高橋 邦雄君
      柴立 芳文君    古賀雷四郎君
      黒住 忠行君    小林 国司君
      大松 博文君    玉置 猛夫君
      永野 鎮雄君    山崎 五郎君
      長田 裕二君    菅野 儀作君
      石本  茂君    佐田 一郎君
      安田 隆明君    藤田 正明君
      源田  実君    長谷川 仁君
      二木 謙吾君    河口 陽一君
      木村 睦男君    土屋 義彦君
      栗原 祐幸君    木島 義夫君
      米田 正文君    丸茂 重貞君
      平島 敏夫君    江藤  智君
      鍋島 直紹君    新谷寅三郎君
      植竹 春彦君    木内 四郎君
      杉原 荒太君    上原 正吉君
      松平 勇雄君    郡  祐一君
      古池 信三君    安井  謙君
      重宗 雄三君    細川 護煕君
      岩動 道行君    上田  稔君
      佐藤  隆君    中山 太郎君
      川野 辺静君    河本嘉久蔵君
      金井 元彦君    片山 正英君
      梶木 又三君    岩本 政光君
      若林 正武君    長屋  茂君
      増田  盛君    矢野  登君
      山本敬三郎君    渡辺一太郎君
      鈴木 省吾君    山崎 竜男君
      高田 浩運君    佐藤 一郎君
      中津井 真君    寺本 廣作君
      久保田藤麿君    園田 清充君
      鹿島 俊雄君    植木 光教君
      玉置 和郎君    町村 金五君
      橘直  治君    高橋文五郎君
      大森 久司君    岡本  悟君
      吉武 恵市君    大谷藤之助君
      塚田十一郎君    小笠 公韶君
      前田佳都男君    柴田  栄君
      大竹平八郎君    平井 太郎君
      塩見 俊二君    剱木 亨弘君
      青木 一男君    迫水 久常君
      西田 信一君    増原 恵吉君
      赤間 文三君    斎藤  昇君
      林田悠紀夫君    船田  譲君
      今泉 正二君    嶋崎  均君
      稲嶺 一郎君    初村滝一郎君
      星野 重次君    山本茂一郎君
      山内 一郎君    柳田桃太郎君
      宮崎 正雄君    楠  正俊君
      高橋雄之助君    内藤誉三郎君
      西村 尚治君    後藤 義隆君
      伊藤 五郎君    白井  勇君
      平泉  渉君    田口長治郎君
      八木 一郎君    山本 利壽君
      山下 春江君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名       百一票
      塩出 啓典君    松岡 克由君
      野末 和彦君    山田  勇君
      内田 善利君    藤原 房雄君
      栗林 卓司君    藤井 恒男君
      中村 利次君    青島 幸男君
      原田  立君    中尾 辰義君
      木島 則夫君    柴田利右エ門君
      上林繁次郎君    矢追 秀彦君
      阿部 憲一君    萩原幽香子君
      峯山 昭範君    田代富士男君
      柏原 ヤス君    黒柳  明君
      田渕 哲也君    中沢伊登子君
      沢田  実君    渋谷 邦彦君
      鈴木 一弘君    宮崎 正義君
      向井 長年君    高山 恒雄君
      二宮 文造君    多田 省吾君
      小平 芳平君    中村 正雄君
      村尾 重雄君    伊部  真君
      工藤 良平君    竹田 現照君
      戸田 菊雄君    前川  旦君
      沢田 政治君    野々山一三君
      杉山善太郎君    松永 忠二君
      森中 守義君    西村 関一君
      中村 英男君    阿具根 登君
      森 元治郎君    瀬谷 英行君
      羽生 三七君    加藤シヅエ君
      藤原 道子君    鶴園 哲夫君
      鈴木  強君    片岡 勝治君
      辻  一彦君    佐々木静子君
      須原 昭二君    加藤  進君
      水口 宏三君    小谷  守君
      神沢  浄君    鈴木美枝子君
      宮之原貞光君    小笠原貞子君
      杉原 一雄君    竹田 四郎君
      安永 英雄君    和田 静夫君
      塚田 大願君    田中寿美子君
      大橋 和孝君    川村 清一君
      中村 波男君    鈴木  力君
      森  勝治君    村田 秀三君
      佐野 芳雄君    松本 賢一君
      小林  武君    矢山 有作君
      茜ケ久保重光君    渡辺  武君
      須藤 五郎君    山崎  昇君
      占部 秀男君    大矢  正君
      横川 正市君    小柳  勇君
      戸叶  武君    河田 賢治君
      岩間 正男君    加瀬  完君
      吉田忠三郎君    小野  明君
      田中  一君    足鹿  覺君
      成瀬幡 治君    藤田  進君
      野坂 參三君
     ―――――・―――――
#22
○議長(河野謙三君) 日程第一 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、輸出品検査所の支所の設置に関し承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長高橋雄之助君。
   〔高橋雄之助君登壇、拍手〕
#23
○高橋雄之助君 ただいま議題となりました承認案件について、委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
   〔議長退席、副議長着席〕
 この案件は、東北地方におけるリンゴ、種ガキ等の輸出農林水産物の輸出検査実施、日本農林規格の検査格付機関等に対する指導監督等の業務の円滑な遂行をはかるため、東京輸出品検査所仙台支所の設置について国会の承認を求めようとするものであります。
 委員会におきましては、提案理由の説明を聞き、別に討論もなく、採決の結果、本案件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#24
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#25
○副議長(森八三一君) 総員起立と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#26
○副議長(森八三一君) 日程第二 麻薬取締法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 日程第三 食品衛生法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長中村英男君。
   〔中村英男君登壇、拍手〕
#27
○中村英男君 ただいま議題となりました二法律案について、社会労働委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 まず、麻薬取締法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、沖繩復帰に伴い、九州地区麻薬取締官事務所の沖繩支所を那覇市に設置することとし、その要員に充てるため、麻薬取締官の定数を十名増員するといろ内容のものであります。
 委員会においては、沖繩における麻薬事情の特質と、これに対する取り締まり方策を中心に質疑が行なわれました。
 質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、食品衛生法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、大別して三つの改正を含んでおりまして、第一に、食品の安全性確保の手段を強化すること。第二に、営業者責任の強化をはかること。第三に、検査制度の充実、表示広告の規制強化をはかることを内容としております。
 委員会においては、食品行政の一元化、情報収集体制の拡充、食品添加物の規制強化、試験研究機関の充実、食品による被害の救済制度等を中心に質疑がなされました。
 質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、委員会での論議事項を内容とする附帯決議を付しました。
 以上報告いたします。(拍手)
#28
○副議長(森八三一君) これより両案を一括して採決いたします。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#29
○副議長(森八三一君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#30
○副議長(森八三一君) 日程第四 沖繩国際海洋博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長大森久司君。
   〔大森久司君登壇、拍手〕
#31
○大森久司君 ただいま議題となりました法案について、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法案は、昭和五十年に開催されます沖繩国際海洋博覧会の円滑なる準備と運営に資するため、大阪の万国博の例にならい、国等において特別の援助措置を講じようとするものであります。
 委員会では、慎重な審査を行ないましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上ご報告申し上げます。(拍手)
#32
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#33
○副議長(森八三一君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#34
○副議長(森八三一君) 日程第五 昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長玉置猛夫君。
   〔玉置猛夫君登壇、拍手〕
#35
○玉置猛夫君 ただいま議題となりました昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案は、地方財政の状況にかんがみ、昭和四十七年度に限り、同年度分として交付すべき地方交付税の総額につき、現行の法定額に、臨時地方特例交付金、臨時沖繩特別交付金並びに交付税及び譲与税配付金特別会計における借り入れ金の合計三千十五億円を加算する特例規定を設けることとし、これに伴い、同年度分の普通交付税の総額、普通交付税の額の算定に用いる単位費用及び昭和四十八年度から昭和五十五年度までの地方交付税の総額の特例等を設けようとするものであります。
 また、沖繩の復帰に伴い、沖繩に対して交付すべき地方交付税の一部に充てるため、昭和四十八年度から昭和五十年度までの各年度においても臨時沖繩特別交付金の制度を設けることとするほか、沖繩県及び沖繩県内の市町村に対して交付する普通交付税の算定上必要な経過措置を設けようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人より意見を聴取する等、慎重に審査を行ないましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して占部委員より反対、自由民主党を代表して増田委員より賛成、公明党を代表して藤原委員、民社党を代表して村尾委員、日本共産党を代表して河田委員よりそれぞれ反対の意見が述べられ、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案に対し、各派共同提案にかかる附帯決議を付することに決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#36
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#37
○副議長(森八三一君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#38
○副議長(森八三一君) 日程第六 労働保険特別会計法案
 日程第七 空港整備特別会計法の一部を改正する法律案
 日程第八 石炭対策特別会計法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長前田佳都男君。
   〔前田佳都男君登壇、拍手〕
#39
○前田佳都男君 ただいま議題となりました三法律案について申し上げます。
 まず、労働保険特別会計法案は、第六十二回国会で成立した労働保険の保険料の徴収等に関する法律により、労働者災害補償保険事業及び失業保険事業における保険料の徴収が昭和四十七年四月一日より一元化されたことに伴い、現行の労働者災害補償保険特別会計及び失業保険特別会計を整理して、新たに労働保険特別会計を設置し、その勘定区分として労災勘定、失業勘定及び徴収勘定の三勘定を設ける等、所要の措置を講じようとするものであります。
 次に、空港整備特別会計法の一部を改正する法律案は、従来一般会計で経理していた空港整備事業についての出資、航空保安大学校の管理・運営、その他航空保安業務に密接な関係のある業務について、この会計において一元的に経理すること、及び当分の間、沖繩県が下地島に設置する訓練用の飛行場の設置費に対する補助金等をこの会計の歳出とするとともに、空港整備事業等の財源強化のため、航空機燃料税収入の十三分の十一を一般会計からこの会計に繰り入れる等の措置を講じようとするものであります。
 次に、石炭対策特別会計法の一部を改正する法律案は、原重油関税収入のいわゆる十二分の十相当部分を財源として、石炭対策に関する経理を行なってきた現行の石炭対策特別会計を、石炭及び石油対策特別会計に改めるとともに、原重油関税収入の総額を財源として、石炭対策に関する経理は石炭勘定、石油対策に関する経理は石油勘定に、それぞれ区分する等、所要の措置を昭和五十二年三月末日まで講じようとするものであります。
 以上三案については、施行日を公布の日に改めるほか、本予算成立のおくれに伴う所要の規定を設ける等、内閣修正が行なわれております。
 委員会における三案の質疑の詳細は、会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終了し、討論なく、三案を順次採決の結果、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、労働保険特別会計法案に対し、嶋崎委員より四党共同の附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上報告を終わります。(拍手)
#40
○副議長(森八三一君) これより三案を一括して採決いたします。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#41
○副議長(森八三一君) 過半数と認めます。よって、三案は可決されました。
     ―――――・―――――
#42
○副議長(森八三一君) 日程第九 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教委員長大松博文君。
   〔大松博文君登壇、拍手〕
#43
○大松博文君 ただいま議題となりました法律案について、文教委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、東北大学外三大学に五学部を設置するとともに、国文学研究資料館等を新設しようとするものであります。
 委員会におきましては、大学等の授業料の性格とその値上げの理由等の問題について、熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#44
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#45
○副議長(森八三一君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#46
○副議長(森八三一君) この際、日程に追加して、国会議員互助年金法等の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○副議長(森八三一君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長鍋島直紹君。
   〔鍋島直紹君登壇、拍手〕
#48
○鍋島直紹君 ただいま議題となりました法律案について御報告申し上げます。
 改正の第一点は、国会議員互助年金法の一部改正でありまして、これは、互助年金の最低基礎歳費月額十八万円を二十四万円に改めることとし、これに伴い納付金の額を改定するとともに、公務傷病等にかかる遺族扶助年金を増額しようとするものであります。
 第二点は、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部改正でありまして、議会雑費の日額の限度額を、千五百円から二千五百円に改めようとするものであります。
 第三点は、国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律の一部改正でありまして、立法事務費を月額八万円から十万円に改めようとするものであります。
 第四点は、議院法制局法の一部改正でありまして、新たに両院の法制局の部に副部長を置くことができるようにするものであります。
 以上が改正のおもな内容でありますが、議院運営委員会におきましては、審査の結果、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#49
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#50
○副議長(森八三一君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後九時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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