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1971/03/01 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 物価問題等に関する特別委員会 第2号
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1971/03/01 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 物価問題等に関する特別委員会 第2号

#1
第068回国会 物価問題等に関する特別委員会 第2号
昭和四十七年三月一日(水曜日)
    午前十一時六分開議
 出席委員
   委員長 井岡 大治君
   理事 青木 正久君 理事 武藤 嘉文君
   理事 山口シヅエ君 理事 有島 重武君
   理事 和田 耕作君
      石井  一君    西岡 武夫君
      向山 一人君    山下 元利君
      阿部 助哉君    松浦 利尚君
      渡部 通子君    栗山 礼行君
      谷口善太郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      木村 俊夫君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     谷村  裕君
        経済企画政務次
        官       木部 佳昭君
        経済企画庁国民
        生活局長    宮崎  仁君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 物価問題等に関する件(物価対策及び国民生活
 行政等)
     ――――◇―――――
#2
○井岡委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 この際、木村経済企画庁長官から、物価対策及び国民生活行政について発言を求められておりますので、これを許します。木村経済企画庁長官。
#3
○木村国務大臣 物価問題等に関する特別委員会が開かれるにあたりまして、物価対策及び国民生活行政について所信の一端を申し述べたいと思います。
 最近の物価動向を見ますと、卸売り物価は、景気情勢を反映して、総じて横ばいに推移しており、消費者物価につきましても、最近その騰勢が鈍化してきております。これは、昨年九月の異常天候により高騰した野菜等季節商品が値下りを示すとともに、これら季節商品以外の一般物価の騰勢も鈍化の傾向にあり、各般の政策努力に加えて、景気の停滞が消費者物価に影響してきたものと考えられます。
 このような物価その他の経済情勢を総合的に勘案いたしまして、さきに閣議決定を見ました経済見通しにおきましては、四十七年度の消費者物価上昇率を五・三%と見込み、消費者物価の上昇をこの範囲にとどめるよう最善の政策努力を傾注することといたしました。
 このため、政府といたしましては、農業、中小企業、サービス業等低生産性部門の近代化、流通対策、競争条件の整備等の施策を強力に推進いたすことといたしまして、昭和四十七年度予算においては、一般会計、特別会計を通じ、前年度当初予算に比べ二七%増の一兆四百二十一億円にのぼる物価対策関係経費を計上するほか、財政投融資計画におきましても事業規模の大幅な拡充をはかることといたしております。特に野菜対策につきましては、四十六年度の二倍を上回る予算措置を講じ、近年の野菜需給の構造的変化に対応いたしまして、野菜指定産地の拡充、近代的モデル団地の育成を行なう等、供給の増大をはかるとともに、秋冬期の主要野菜を中心といたしまして、その価格安定と需給調整等の対策を大幅に拡充することといたしており、その実施体制につきましても、食品流通局を新設するなど、万全を期しているところでございます。
 また、円切り上げの効果による輸入品価格の低下を消費者物価の引き下げに結びつけるよう、輸入品の追跡調査を行ない、その監視、指導体制の強化につとめるとともに、食料品等を中心とする消費関連物資の積極的な輸入の拡大、輸入物資の流通機構の整備を進めるほか、関税政策や輸入制度等の運用にあたりましても、物価対策の観点から十分配慮いたす考えでございます。
 次に、公共料金につきましては、政府は、公的サービスの適正な供給等をはかる観点から、このたびその一部を改定することといたしましたが、その引き上げを極力抑制するという基本方針は、今後とも堅持してまいりたいと思います。
 国鉄運賃の改定につきましては、国鉄自身の合理化努力と千百億円を上回る財政措置を前提に、その再建のため真にやむを得ない範囲にとどめることといたしております。
 消費者米価につきましても、物価統制令の適用廃止と関連し、小売り業者に競争原理を導入して、その合理化を推進するため、その新規参入規制の緩和、配給計画の弾力化などをはかるほか、現在の統制額以下の価格で販売する標準価格米を常時店頭に備え置くよう指導することとし、消費者米価水準の安定を期することといたしております。
 その他の公共料金につきましても、極力抑制的に取り扱い、その引き上げが真にやむを得ない場合であっても、その程度、時期等については、特に慎重に配慮してまいる所存でございます。
 物価政策と並んで国民生活において重要な消費者行政につきましては、消費者保護基本法の精神に従い、また、消費者行政に関する本委員会の御決議を尊重いたしまして、法令、制度の改善、財政措置、行政運営の改善等を通じ、諸般の施策を進めてまいっており、相当の成果をあげつつあるものと考えております。
 しかし、依然として種々の消費者問題が発生しており、消費者利益の維持増進のためには、なお一そう各般の施策を強化することが必要であると痛感しております。
 このため、政府は、毎年、消費者保護会議におきまして、危害の防止、計量、規格及び表示の適正化、契約関係の適正化、消費者組織の育成等につきまして具体的施策を決定しており、この決定に基づいて必要な制度の改正を行なう等、消費者保護の積極的推進をはかっておるところでございます。
 また、国民の直面する生活上の諸問題につきまして円滑な意見の交流をはかるため、一昨年十月に発足させました国民生活センターにつきましては、一応の準備期間も終わり、国民の生活全般にわたる相談、苦情の処理、商品テスト、消費生活に関する各種情報の提供収集、各都道府県の消費生活センターとの情報交換等、ようやくその活動が軌道に乗ってまいりましたが、なお一そうの充実をはかり、国民との対話の場を確保してまいる所存であります。
 政府は、以上申し述べました諸施策を一そう強力に推し進める所存でございますが、本委員会におかれましても、このような政府の考え方を御理解いただきまして、よろしく御支援、御叱正を賜わりますよう心からお願いいたす次第でございます。
#4
○井岡委員長 次に、公正取引委員会の業務の状況について、谷村公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。谷村公正取引委員会委員長。
#5
○谷村政府委員 昭和四十六年中における公正取引委員会の物価対策関係業務につきまして御説明いたします。
 御承知のとおり、ここ数年来物価問題が非常に大きな課題として取り上げられてまいりましたが、物価対策の面で公正取引委員会の果たすべき役割りは、私的独占禁止法等を厳正かつ強力に運用いたしまして、公正かつ自由な競争を促進することによって経済の発展を促進し、究極において一般消費者の利益を確保するという本来の任務に尽きるわけでありまして、具体的には次の四点に重点を置いております。
 第一点は、価格協定等違法なカルテルについて厳重に取り締まるとともに、私的独占禁止法の適用除外となっておりますカルテルの許容にあたりましては、公正取引委員会の認可する不況カルテルについてはもちろん、主務大臣等が認可する際の同意または協議にあたりましても、きびしい態度で臨むことでございます。第二点は、再販売価格維持行為の弊害の規制についてであります。第三点は、管理価格などの硬直的な価格の実態を究明いたしまして、その対策を検討することであります。第四点は、商品の不当な表示を排除し、過大な景品つき販売を規制することにより、消費者の商品選択にあたっての価格意識を高めるようにつとめることであります。
 まず、第一点の違法な価格協定等の取り締まりでございますが、私的独占禁止法では、これを不当な取引制限として禁止しております。昭和四十六年中においては、同法違反被疑事件百八十二件について審査を行ないましたが、このうち価格協定に関するものが百二十七件を占めております。また、審査いたしました事件のうち法的措置をとったものは四十五件でありますが、価格協定に関するものは四十件にのぼっております。
 次に、私的独占禁止法では、原則としてカルテルを禁止いたしておりますものの、例外といたしまして不況カルテルの制度を認めており、昭和四十六年十二月末現在で四件の不況カルテルを認可しております。また、私的独占禁止法の適用を除外する法律といたしまして、中小企業関係として中小企業団体の組織に関する法律、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律、貿易対策の見地からする輸出入取引法など四十の法律があり、これらの法律に基づきカルテルが認められておりますが、その件数は、昭和四十六年十二月末現在九百九十二件にのぼっております。これらのうち、中小企業団体の組織に関する法律に基づくカルテルが一番多く六百四件、次いで、輸出入取引法に基づくカルテルが百九十五件、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律に基づくものが百二十三件となっており、これらが大部分を占めております。公正取引委員会といたしましては、主務大臣等がこれらを認可するにあたって当委員会に同意または協議を求めてまいりました場合には、それが必要最小限度のものであるかどうか、あるいはそれが関連事業者や一般消費者の利益を不当に害するおそれはないかどうかなどを厳重に審査いたしまして、同意または協議に応じております。
 第二点は、再販売価格維持行為の弊害の規制の問題でございます。
 最近における再販売価格維持行為のうちには、価格や流通マージン等について消費者の利益を不当に侵害しているものがあるとの観点から、その弊害を一そう規制するための方策について検討を行ない、昭和四十六年四月に「再販売価格維持行為の弊害規制等について」を取りまとめ、さらにこの弊害規制方針を具体化するための検討を進めてまいりました。
 なお、昭和四十六年中における再販売価格維持契約の成立届けは八社、九件であり、再販売価格維持契約を実施しているものは八十八社、百二十六件となっております。
 第三点は、経済実態調査の一環としての管理価格の調査であります。
 これは、比較的少数の大企業が支配的な地位を占めているような業界におけるある程度価格が硬直しているような商品につき、その原因がどこにあるかということを調査することであります。
 最近、物価対策の見地から大企業における生産性向上の成果の一部を消費者にも還元すべきであるというようなことがいわれておりますが、管理価格についての調査はこのような要請にも寄与するものと存じます。公正取引委員会といたしましては、調査の結果、たとえば価格協定などの事実がある場合、あるいは新規企業の進出を不当にはばむ等の私的独占禁止法に違反する行為が行なわれているような場合には、同法に基づき排除措置をとることとしておりますが、管理価格問題については、単に独占禁止政策の観点からだけでは律し切れない面もありますので、有効かつ適切な規制を行なうにはどのようにすべきであるか幅広い検討を行なっていく必要があると考えております。
 第四点は、過大な景品つき販売及び不当表示の規制であります。
 過大な景品つき販売、虚偽誇大な表示は、消費者の正しい商品選択を妨げるばかりでなく、これが行なわれますときは、品質や価格による本来の競争が回避されがちになるため、公正取引委員会といたしましては、不当景品類及び不当表示防止法を厳正に運用することにより、これらの規制につとめております。
 昭和四十六年中には、六十一件の排除命令を行ないましたが、その内訳は、過大な景品類の提供に関するもの三十七件、不当表示に関するもの二十四件でありました。また、表示に関して七件、景品に関して三件の公正競争規約を認定いたしました。
 なお、不当景品類及び不当表示防止法の権限の一部を都道府県知事に委任することにより、同法の運用をより一そうきめこまかくかつ効率的に行なうため、同法の改正案を本国会に提出しております。
 以上が、昭和四十六年中における公正取引委員会の物価対策関係業務の概要でありますが、今後、公正取引委員会の業務は一そう重要性を増すものと考えられますので、何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどお願い申し上げる次第でございます。
#6
○井岡委員長 次に、昭和四十七年度物価対策関係経費及び消費者行政関係予算の概要について、宮崎国民生活局長から説明を聴取いたします。宮崎国民生活局長。
#7
○宮崎(仁)政府委員 お手元に資料として差し上げてございます予算関係の数字につきまして、簡単に御説明をいたしたいと思います。
 まず大きいほうの、物価対策関係経費という資料でございますが、この一ページにございますように、昭和四十七年度の物価関係予算、一般会計及び特別会計、合計いたしまして一兆四百二十億ということでございまして、前年度に比べまして二千二百二十一億、約二七%の増加、こういうことになっております。
 その内容といたしましては、まず第一に低生産性部門の生産性の向上ということでございまして、これは次の二ページに内容が書いてございますが、内容は、農林漁業及びその次のページにあります中小企業、こういったものに対しますいわゆる構造対策の予算でございます。野菜の価格対策、あるいは生産対策等もこの中に入っております。内容はここに示してありますとおり、各種の経費があるわけでございます。
 それから、第二の項目といたしましては、三ページにございますが、流通対策でございます。全体といたしまして六十五億ほど増加をいたしておりますが、卸売市場の整備、畜産物関係の倉庫等の経費、野菜、果実、水産物等の流通関係の経費が計上されております。
 それから、四ページに労働力の流動化の促進という経費がございます。内容はごらんになるとおわかりのように、職業の訓練、転換、あるいは農業者の離職者対策、こういったような形で労働力の流動化をはかろうという関係の経費でございます。なお、これには労働保険特別会計のほうでいろいろの施設費がございます。
 次に五ページでございますが、競争条件の整備。公正取引委員会の経費でございまして、いま御説明のあったところでございます。
 それから、第五が生活必需物資等の安定的供給ということで、ここに環境衛生施設の経費とか、それから今回だいぶ問題になると思います日本国有鉄道財政対策経費、前年度三百八億に対しまして五百十七億、二百九億の増加でございます。このほかに、今回国有鉄道に対する出資が六百十五億ありますが、これは従来の形式をとりましたためにここに計上いたしておりませんけれども、そういった形になっております。地方鉄道軌道その他、いろいろあるわけでございます。
 それから、第六の項目は住宅及び地価の安定。公営住宅の補助金、土地区画整理事業関係、そういったものが主たる内容でございますが、四百九十六億の増加、かなり大幅にふえております。
 六ページにその他として書いてありますものは、主として経済企画庁の物価関係の事務費でございます。
 それから、七ページ以降に財政投融資の数字がございます。
 まず、企業対策の低生産性部門の生産性向上ということで、農林漁業金融公庫その他中小企業金融公庫等の財投の金額が計上してございます。ごらんのとおりでございます。
 それから、八ページに流通関係。これも農林漁業金融公庫のたとえば卸売市場近代化資金でありますとか、日本開発銀行における流通近代化のためのワク、これは新設をされました。それから中小企業金融公庫、国民金融公庫、それぞれ流通近代化の関係のワクがあるわけでございまして、こういったふうに増額をしているという状況でございます。
 それから、労働力の流動化促進では、雇用促進事業団の財投が書いてございます。
 次に、生活必需物資等の安定的供給として、一般会計の数字と見合いまして、国有鉄道、各種公団等の財投がここに書いてございます。
 住宅関係は一〇ページでございますが、住宅金融公庫、住宅公団、日本開発銀行の住宅関係のワクというようなものでございます。
 大体以上のようなことで、財投につきましても実質的には相当大幅な増額になっておる、こういうふうに考えております。
 次に、もう一冊の「昭和四十七年度消費者行政関係予算額」ということで資料がございますが、一ページをお開き願います。
 消費者行政の予算は、ごらんのとおり四十七年度において二十六億四千四百万ということでございまして、四十六年度とほぼ同額でございますが、これは実は施設費等で当然減のものが相当ございまして、これを考慮に入れますと、実質的には三六%程度のかなり大幅な増額になっております。
 内容は、危害の防止関係で、八億四千百万円の前年度に対して五億二千二百万と、減額いたしております。これは、主として運輸省関係の施設費等が四億ほど減額いたしました関係でこういった形になっておりますが、実質的にはかなり増額になっております。内容は一ページ以降二五ページまで、かなり詳細な内容として書いてございますので、後ほどごらんを願いたいと思います。
 第二の計量の適正化でございますが、計量法の関係において六九%の増加ということでございます。
 それから規格の適正化。農林省、通産省関係等、この内容は、二八ページ以降にございますいわゆるJASとかJISといわれるものの施行の経費でございます。これも三八%の増加ということでございます。
 表示の適正化、これは三二ページ以降にございますが、公正取引委員会、通産省、農林省等いろいろ経費が計上されております。ごらんのとおりでございます。
 その次が公正自由な競争の確保、これは公正取引委員会の関係でございまして、省略をいたします。
 その次に、消費者金融、不動産取引及びその他契約の適正化ということでございまして、建設省、通産省その他の所管の予算でございます。これも最近の問題といたしまして、予算としてはかなりふえております。
 消費者の啓発関係、これも大体消費者行政に関係ある所管すべてにわたっておりますが、経済企画庁も、これの関係では予算を計上しております。全体として三六%増ということでございます。
 次の項目は意見の反映ということでございまして、これも各般にわたりますが、内容といたしましては四九ページ以降にございます。モニターとかそういう制度によりまして消費者の意見を行政に反映させていこうという経費でございます。
 次が試験、検査施設の整備の関係でございます。これは当然減がございますので、減少になっております。
 苦情処理体制の整備、これは大体前年同額程度の予算が計上してございます。
 消費者組織の育成、これは消費生活協同組合の貸し付け金でございます。
 その他といたしまして八億三千万ほどございます。その内容の主たるものは国民生活センターの活動経費でございまして、約七億六千万でございますが、その他というような状況でございます。
 大体以上のようなことでございまして、実質的にはかなり増額されておるという状況でございます。
 以上で説明を終わります。
#8
○井岡委員長 以上で説明は終わりました。
 本日はこの程度にとどめ、次回は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。
   午前十一時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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