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1971/06/07 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 物価問題等に関する特別委員会 第12号
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1971/06/07 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 物価問題等に関する特別委員会 第12号

#1
第068回国会 物価問題等に関する特別委員会 第12号
昭和四十七年六月七日(水曜日)
    午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 井岡 大治君
   理事 青木 正久君 理事 竹内 黎一君
   理事 武藤 嘉文君 理事 武部  文君
   理事 有島 重武君
      上村千一郎君    別川悠紀夫君
      阿部 助哉君    田中 恒利君
      楢崎弥之助君    渡部 通子君
      栗山 礼行君    谷口善太郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      木村 俊夫君
 出席政府委員
        経済企画庁国民
        生活局長    宮崎  仁君
        運輸省鉄道監督
        局国有鉄道部長 秋富 公正君
 委員外の出席者
        通商産業省公益
        事業局ガス課長 原田  稔君
        日本国有鉄道貨
        物局長     泉  幸夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月七日
 辞任         補欠選任
  阿部 助哉君     楢崎弥之助君
同日
 辞任         補欠選任
  楢崎弥之助君     阿部 助哉君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 物価問題等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○井岡委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。楢崎弥之助君。
#3
○楢崎委員 私が要求しました政府委員は、全部出ておりますか。
#4
○井岡委員長 一人だけしか出ておいでになりません。
#5
○楢崎委員 だれですか。
#6
○井岡委員長 おいでになっているのは原田ガス課長、久留公益事業課長がお見えになっております。
#7
○楢崎委員 私がお伺いしたことについて、通産省代表というか、責任をもって御答弁なさるのでしょうかね。それは答えられませんなどと言われたら困りますが……。
#8
○原田説明員 できる限りそうしたいと思っております。
#9
○楢崎委員 東京瓦斯の値上げの問題について御質問をしたいわけです。せんだって、わが党の武部委員から非常にきめのこまかい質問が行なわれ、私もその議事録を勉強させていただきました。で、この料金値上げと密接な関係がある東京瓦斯の経営の問題について、きょうはお伺いしてみたいと思います。
 いま、東京瓦斯の社長、副社長はどういう人がしておりますか。
#10
○原田説明員 東京瓦斯の社長は安西氏、副社長は都留氏でございます。
#11
○楢崎委員 副社長都留勝利、この方は、ことしの九月で副社長を辞されるという話を聞いておりますが、そうですか。
#12
○原田説明員 私は、そういう話はまだ伺っておりません。
#13
○楢崎委員 昨年十二月の二十四日に、四十七年の九月末までに副社長を辞して日常業務に専念したいという念書が入っている、その事実を御存じですか。
#14
○原田説明員 いいえ、私は、そういう事実は全く存じておりません。
#15
○楢崎委員 なぜことしの九月一ぱいに副社長を辞さなければならないか、なぜそういう念書が入れられておるか、全然御存じないですか。
#16
○原田説明員 はい、私は全く存じておりません。
#17
○楢崎委員 その程度のことじゃ、いまから私が質問すること全部、御存じないかもしれませんね。いまの事実は確かめてください。いいですか。なぜそういうことになっておるのか、理由があるはずです。
#18
○原田説明員 私は、そういう話は全然存じておりませんが、一応確かめてみたいと思っております。
#19
○楢崎委員 一応じゃ困るのです。約束してくださいよ。
#20
○原田説明員 確かめてみたいと思います。
#21
○楢崎委員 ガス事業法の十二条に、一般ガス事業以外の事業という項がありますね。この中で「一般ガス事業者は、通商産業大臣の許可を受けなければ、一般ガス事業以外の事業を営んではならない。」――この、事業を営むとはどういう形態をいうのですか。
#22
○原田説明員 これはガス事業者が、本来のガス事業、あるいはそれに密接な関連がある通産省令で定める一定の事業がございますが、それ以外の事業を行なうという場合には通産大臣の許可が要るということになっております。
#23
○楢崎委員 それはここに書いてあるとおりのことでしょう、いまおっしゃったのは。事業を営むとは、具体的には、どういう内容のことをやれば事業を営むことになるのですか、それを聞いておるのです。
#24
○原田説明員 通常は、一つの営利の目的を持って継続的に一定の事業を行なうということだと思います。
#25
○楢崎委員 では、ほかの事業に出資をするというような行為はどうなるのですか。
#26
○原田説明員 会社のいろいろな財産、資産の一つの運用の形態として、いろいろな株式を持ったりあるいは社債を持ったりということはあり得ると思います。
#27
○楢崎委員 つまり、事業を営むといううちに入るというわけですね。
#28
○原田説明員 私が申し上げた場合には、ここでいう事業を営むということには入ってまいりません。
#29
○楢崎委員 全額出資、全株を持っておるというようなときはどうなんですか。
#30
○原田説明員 そういう場合も入ってまいりません。
#31
○楢崎委員 それでは、この十二条で通産大臣が許可を与えておる東京瓦斯の関連事業というのはないわけですね。
#32
○原田説明員 現在のところは、私が記憶するところでは地域冷暖房事業というのがございます。これは新宿新都心地区で、あの地区の冷暖房関係の事業を、ガスを燃料としてやるということで事業を進めておりますが、こういったものがこの十二条にいうところの付帯事業ということで、通産大臣の許可を得て現在行なっておるということになっております。
#33
○楢崎委員 ガスはもちろん公益事業でありまして、厳重な条件のもとで許可がされておるわけですね。そのガス会社がほかの事業に手を出す、つまりいろいろな出資をやるということは、通産省の監督の対象になりますか。
#34
○原田説明員 それが会社の財産の運用の形態として、いわば通常の範囲内であるといいますか、そういうことであれば、ガス事業会社として行なうという範囲に入ってまいると私は思っております。
#35
○楢崎委員 監督の対象になりますかと聞いているのです。
#36
○原田説明員 ガス事業の行なう事業につきましては、これはすべて通産大臣の監督の対象に入ってまいります。
#37
○楢崎委員 そのほかの事業に出資するというような場合、通常の経営あるいは運用の範囲内であればいいという、いまお話のようでしたが、通常とはどの程度ですか。
#38
○原田説明員 なかなか量的に申し上げるのは、たとえば出資の何%とか、総売り上げの何%とか、そういうことで申し上げにくい問題だと思っておりますけれども、やはりケース・バイ・ケースで判断していかざるを得ない問題じゃないかと思っております。
#39
○楢崎委員 ケース・バイ・ケースということですから、二、三ケースをあげてみたいと思います。
 東京ガス不動産株式会社というのがありますね。これと東京瓦斯との関係はどうなんですか。
#40
○原田説明員 東京ガス不動産会社は、東京瓦斯の本社のビルあるいは独身寮、そういったものにつきまして、東京瓦斯のいわば全面的な子会社として、その部門だけを引き受けて管理をしているという会社でございます。
#41
○楢崎委員 これは十二条の許可の対象にならないのですか。
#42
○原田説明員 それは東京瓦斯自身が行なっている事業ではございませんです。
#43
○楢崎委員 子会社ということは、具体的にはどういう関係になっておるのですか。
#44
○原田説明員 私の存ずる限りでは、この不動産会社は、東京瓦斯が全額出資という形で運営をしておる会社だと聞いております。
#45
○楢崎委員 この東京ガス不動産の社長は、歴代、東京瓦斯の役員が兼務しておるのじゃないですか。
#46
○原田説明員 ただいま正確な資料は持っておりませんが、大体そういうことになっておると思っております。
#47
○楢崎委員 私の調べたところではそうなっております。これも確かめておいてください。
 そこで、いまも御答弁のありました、東京瓦斯が全額出資しておる東京ガス不動産が、一体どういうことをやっているか、それをひとつケースをあげてみたいと思います。
 昭和四十年の四月だと思いますが、当時の東京瓦斯の本田社長、この方は北海道の新登別温泉株式会社の重役になられた事実がありますか。
#48
○原田説明員 ただいま私、その件については存じておりませんです。
#49
○楢崎委員 この新登別温泉株式会社の前身は新登別温泉観光開発株式会社、昭和三十五年十月三日に設立されたと思うのです。資本金千六百万円、社長は鹿野彦吉さん、これは自由民主党の代議士だと思います。登別温泉のさらに奥地のほうの火山灰地帯に、約二百四十町歩の土地を買われて会社をつくられた。そして分譲を始められたというのです。三十七年一月十七日に、これがいま申したとおり、新登別温泉株式会社に改称された。同時に、資本金は二億円に増資された。三十九年の九月十九日に東京ガス不動産は、その新登別温泉株式会社所有の土地を買収しておる。半造成地二万坪で一億四千万、坪当たり七千円になります。それから未造成地一万坪、これは四千万円で買収した。だから坪当たり四千円。ところが、調査したところによりますと、これに隣接した土地、そして買収時期もほとんど同じで、三井不動産、三井建設が坪当たり二千円で買っている。東京ガスの七分の二の価格ですね。それから富国生命、これは坪当たり五百円で買っている。東京ガスが買った価格の十四分の一ですね。どうして東京ガス不動産だけが、同じような土地、同じような時期に、あるいは七倍あるいは十四倍という高値で買われておるのか。そして、先ほど申したとおり、四十年の四月に、東京瓦斯の当時の本田社長が重役になられた。しかも、重役になられてすぐ、四十年十月にはこの新登別温泉株式会社は、不渡りを出して倒産をしておる。
 私がお調べ願いたいのは、以上のような事実と、現在その土地はどうなっておるか、これであります。もし買ったままにしてほっておいたらどのような損害が出てくるか。たとえば金利だけ見ても、いろいろ利率によって違うでしようが、八分と仮定すれば、八年間で金利だけで一億五千万になるわけでしょう。どういうふうにこれがなっておるか、お調べ願いたい。
 こういう事実、お聞きになったことがありますか。
#50
○原田説明員 私は、そういう事実はよく聞いておりません。
#51
○楢崎委員 子会社の関係にある、東京瓦斯が全額出資をしておる東京ガス不動産が、納得のいかないようなその種の経営をやっておるとしたら、これは問題だと思うのですよ。これは東京瓦斯の経営の内容とも関連をしてくるから、厳重にひとつお調べをいただきたい。もしそういう経営のずさんさがあるとすれば、これは当然ガス事業法の三条ですか、許可が正しいかどうかの問題に関連してくると思うのです。だから私は、これは厳重にひとつ調査をいただきたいと思うのです。
 それから、中伊豆観光株式会社に出資しておるという事実を御存じですか。
#52
○原田説明員 いいえ、存じ上げておりません。
#53
○楢崎委員 これは鷹崎正見という人が社長で、現在資本金は二億三千万になっておると思うのです。この方は、ほかにも数社の社長を兼ねておられる方です。この中伊豆観光に二千二百五十万出資しておる。これがその後、株式でいえば四万五千株でございますが、四十三年の二月に東京ガス不動産株式会社、ここに二万五千株、東京コークス、これは都留さんが社長でしょう、これに二万株、それぞれ売却をしておる。
 ところが、この間、非常に疑問に思われる土地の操作がなされた。つまり、東京ガス不動産が、今度は中伊豆観光から土地を買収しておるわけで、これは昭和四十年の暮れでありますが、この中で、出資者としての割引分の土地をいただいておるわけです。ところが、四十年当時は、東京ガス不動産は出資してない。東京ガス不動産が出資の形になったのは、東京瓦斯から株を譲り受けたのは四十三年ですから、四十年の段階では出資されていないのです。それが出資者としての割引分をもらっている。非常にそこに問題のからくりがある、私はそのように思わざるを得ないわけです。こういう点もひとつ徹底的にお調べいただきたい。
 それから、関東ガス器具株式会社というのがありますか。
#54
○原田説明員 たしか似たような名前の会社は記憶しておりますけれども、正確にそうであるかどうかという点は、ちょっとつまびらかではありません。
#55
○楢崎委員 現在は株式会社ガスターとかいうのになっているのじゃないでしょうか。
#56
○原田説明員 それなら存じております。
#57
○楢崎委員 これは三十四年八月十七日に設立された。資本金二億円。これはどういう出資の状態になった会社か御存じですか。
#58
○原田説明員 これもたしか東京瓦斯の全額出資ではないかと思います。
#59
○楢崎委員 お答えのとおりでありまして、設立当時は東京瓦斯が一億、トーメンが一億で、二億の資本金で発足したわけです。これが昭和四十年、発足間もないわけですけれども、十億の赤字を出した。しかし、これは株主総会には報告されていないはずであります。これをどのように消していったか。これも私の調べたところですけれども、なお通産省で追跡調査をしていただきたい。
 三十四年の八月には、いま言ったように資本金は二億。トーメンが一億、東京瓦斯が一億。これが四十一年の十二月に減資をやって、資本金を二千万円にした。だから減資の差益金は一億八千万。ところが、四十二年の四月には、今度一気に六億二千万に増資している。そして二カ月後には、二千万に今度は減資している。減資差益金は六億円。そしてまた減資をやりて、現在東京瓦斯が一億八千万全額出資、トーメンの持ち株を買い取った。そうなっておるはずであります。つまり、いまちょっとお話ししましたとおり、だれが見てもおかしいような減資と増資を繰り返すことによって、反復しながら、そしてその減資差益金をずっと浮かしている。私は、これも御調査いただきたいと思うのです。
 それで、こういうところに全額出資をしておる東京瓦斯も全責任があると思うのです。しかも役員は兼務している。だから、こういう出資の状態が、いわゆるガス事業法にいうガス事業の適確な遂行に支障を与えないのかどうか。これは私は問題があるところだろうと思うのです。こういう経営のずさんさというか、もし私がいま指摘をした点が事実であれば、全くこれは、何をやっておるんだ、こういう会社が三二%の値上げをするなんというのは一体何事かというようなことにならざるを得ないと思うのです。こういう経営の内容についてメスを入れないで、やれ、経営の状態がこうだから、あるいは人件費がかかり過ぎる、労務費がかかり過ぎる、あるいは設備投資が云々――それはあと回しです。私は、こういう事実がやはりきちんと整理と申しますか、明らかにならないと、とても値上げどころじゃないと思うのです。来月あるいは再来月、ガス料金について結論を出されるかもしれませんが、その前にひとつ、きょうあげたような幾つかのケースについて厳重な調査をされ、当委員会に御報告いただきたい。よろしゅうございますか。
#60
○原田説明員 本日御指摘のありましたいろいろな事項につきましては、さっそく調査をいたしたい、こう思います。
#61
○楢崎委員 私は以上の調査を待って、その報告が行なわれるときは大臣以下出てきてもらいたいと思う。
 以上要望いたしまして、一応保留にしておきます。
#62
○井岡委員長 谷口善太郎君。
#63
○谷口委員 企画庁長官が見えていないので非常にぐあいが悪いのですが、企画庁のどなたか来ていらっしゃいますか。――国鉄の貨物輸送の中の運賃の問題で、公共負担の問題です。いろいろ伺うつもりでおりますけれども、去年の十月四日の物価対策閣僚協議会で、暫定割引それから特別措置割引、これを継続しないということをおきめになったようですが、これは長官がおいでになったら聞くつもりでしたけれども、あなたでわかりますね。そういうふうに閣僚協議会でおきめになったんですか。
#64
○宮崎(仁)政府委員 結論は、全くいま御指摘のとおりでございます。この経緯は、もう御存じのとおりだと思いますが、昭和二十五年の運賃改定の際の措置としてとられました暫定割引、それから四十一年にとられました特別措置割引、この二つの割引についてかねて議論があったわけでございますが、国鉄運賃全体が非常に問題になるようなこの時期に、こういう特定目的による割引ということを国鉄の負担においてやることはやはり問題があるだろう、こういうことがいろいろ議論が出されました。私どもといたしましても、もちろん深い関係のあることでございますから十分検討いたしましたけれども、もし必要があれば、それぞれの目的ごとに補助金なりなんなり出して、割引に相当する負担軽減をはかるほうが筋である、こういうことに原則的にはなるだろう、こういうことでございまして、昨年十月とそれから本年十月、二回に分けてこの割引はやめよう、こういうふうに十月四日の閣僚協議会できめたわけでございます。
#65
○谷口委員 公共負担といいますか、そういう範囲で、その範囲のこの割引をやめるということになったのだが、工業製品なんかの運賃について、営業割引だとかあるいは包括割引なんかをやっているのでありますが、これについては、その経済閣僚協議会で何かお話がありましたか。
#66
○宮崎(仁)政府委員 ただいま申し上げました公共割引といいますのは、農産物等もございますが、もちろん鉱産物――工業製品はあまりないかもしれませんが、そういったいろいろのものについて行なっておったものをやめたわけでございまして、その扱いは一緒になっておる、こういうふうに私は考えております。
#67
○谷口委員 それはあとでまた聞きます。私がいま伺ったのは、公共割引あるいは公共負担という範囲じゃないけれども、工業製品に対して割引をやっておるのです。これはこの前私が聞いて、はっきりしている。それからまた、その上に包括割引なんかをやっている。そういうものについての割引については、閣僚協議会では話が出たかどうか。
#68
○宮崎(仁)政府委員 いま御指摘になっておられることは、おそらく国鉄の貨物についての営業割引といいますか、個々の会社の荷物をとるためにそういった形でのサービスをするということがあるようでございますが、この協議会では、こういった制度についての方針をきめたわけでございますので、そういったことについて、特に営業割引等についていろいろ議論があったということはなかったように、私は記憶しております。
#69
○谷口委員 大臣でないと話にならぬけれども、では、私ちょっと、国鉄の方もお見えになっているようですから、別のほうに入っていきますが、この特別措置割引あるいは暫定割引というやつですね、この対象はどういう範囲になりますか。
#70
○泉説明員 暫定措置と特別措置と二つあるわけでございますが、農林水産物資及び鉱石等が大半であります。
#71
○谷口委員 これは資料ではっきりわかりますので、暫定割引では鮮魚、なま野菜、大豆、みそ、しょうゆ、木材、薪炭、肥料など九十九品目、四十二年度の割引料金全体では二十三億ですか。それから特別措置割引、これはいろいろございますが、全体で七十品目、これも米、なま野菜、鮮魚、肥料、それから麦、まき、木炭、みそ、しょうゆ、それから石灰石、焼きちくわ、これは食べ物ですね。そういうように全体で七十品目、その金額が四十二億、こういうふうになっているようですが……。
#72
○泉説明員 さようでございます。
#73
○谷口委員 こういう割引制度をつくりました趣旨は、どういう趣旨だったのですか。
#74
○秋富政府委員 ただいま経済企画庁のほうからお話がございましたように、この制度ができましたのは、昭和二十五年に貨物の運賃を改定いたしましたときに、いわゆる激変緩和というために暫定措置割引ができましたのが最初でございます。これはその後、その期間を延長いたしまして、昨年の秋まで至るわけでございます。
 特別措置割引につきましては、昭和四十一年の運賃改定に際しまして、同じくその措置を激変緩和の意味においていたしたわけでございます。
#75
○谷口委員 長官がお見えになりました。いま、あなたがお見えにならぬ先にちょっと伺ったのですけれども、国鉄貨物運賃の中で公共負担といいますか、そういう意味で、生活必需品あるいは農産物その他非常に生活に関係の深い品目の相当の部分に対して、暫定割引とかあるいは特別措置割引とかいう制度をつくっている。これは去年の十月の四日ですか、物価対策閣僚協議会でこの制度を存続しないということをおきめになって、四十六年の十月でその二分の一、ことしの十月で全廃するということをおきめになったようですが、この制度をつくりました意味ですね、いま伺ったのですけれども、その意味についてはお話はなかった。これは長官御存じだと思うが、こういう非常に国民生活に関係の深い品目に対して、国鉄なり政府なりが公共負担するような形で割引しているというこの制度をつくったことの意味ですね、それはどういうことか、長官から伺いたい。
#76
○木村国務大臣 先ほどから経済企画庁また運輸省、農林省からお話があったと思います。鉄道運賃を改定いたします際に、やはり国民の日常生活に一番影響の深いそういう農林水産物、生鮮食料品に対する影響に対する激変というものがございます。そういう激変緩和の意味で、そういう特別の品目に対する公共割引を実施したと思うのでございますが、その当時の国有鉄道というものは、まだ現在の国鉄の現状ではございませんでしたので、それに耐え得るような体質をまだ持っておった。また、耐え得るような力を持っておったわけでございます。現在の国鉄は、国会で御審議を願っておりますように、非常に経営のピンチに見舞われておりまして、国鉄財政の再建ということが非常に大きな問題になっております。その際に私ども、日常生活品あるいは国民の日常生活に対する影響というものを担当しております経済企画庁としては、この公共割引の廃止ということについては相当問題があるという意見を持ったのでございますが、しかしながら、その当時とは違って、その生鮮食料品に対する政府の取り組み方あるいは農林省のそれに対する生産対策、流通対策等も相当完備してまいりました。そういう公共割引についてのそういう効果というものは、むしろ本来なればそういうプロパーな分野、農林省がなすべき、あるいは政府全体がなすべき生鮮食料品の生産流通対策を通じてそういうことをやるべきである、いま経営のピンチに見舞われておる国鉄にそういう公共割引の負担をかけることはむしろ二次的に考えるべきであるということから、昨年十月の物価対策閣僚協議会で――これを試算いたしますと、その影響は、産業連関表等を用いてすれば〇・〇〇四というようなものでございまして、それによって直ちに生鮮食料品の末端価格に大きな影響はないであろうというような見通しのもとに踏み切ったわけでございます。
#77
○谷口委員 おっしゃるとおり、これをつくりましたのは、ここに四十一年の三月四日の、運輸大臣が国鉄総裁に出している通達みたいなものがありますが、これについては、生活必需物資その他国民生活に関係の深い物資というものを対象にやっているわけですね。したがって、これはなかなか意味を持っている。企画庁長官、これは物価問題の責任閣僚なわけですね。だから、あなたの御答弁としてはちょっとふしぎなお話だと承らざるを得ないというように私は思うのです。なるほど国鉄の財政問題、いまやかましくいわれている。ピンチだとおっしゃるけれども、私どもはピンチだと思っておりませんけれども、いずれにいたしましても、そういう運賃値上げの問題が出ております。しかし、こういう農産物とか水産物なんかは農林省の行政指導でやれ、そこでやれるんじゃないかというふうな言い方なんですけれども、国鉄の財政問題として、国民の生活に関係の深い物資に対してわずかな公共割引をやっているということすらやめるというのであれば、これは物価問題からいったら、あなた影響はないとおっしゃいますけれども、そう簡単に割り切るわけにはいかぬ。これはあとに触れることになると思いますか。
 だから国鉄再建、ピンチということについて言えば、私この間予算委員会で、この間といってもずいぶん前ですが、この問題を取り上げたのですけれども、国鉄のほうでは、大企業の工業製品なんかの輸送にあたりましては、これは営業割引をやっております。その上に、今度の国会の審議中で明らかになったのですけれども、包括割引と称して相当の、二〇%近いものをやっている。これは全部じゃないと思いますが、そういうこともやっているということでございますから、その問題についてやはり話があったかどうかということですな。それをどう考えておりますか、あなたとしては。それは長官に伺います。
#78
○木村国務大臣 これは国鉄自体の営業政策の問題でございましょうが、しかし、ものによっていろいろの違いもありましょうし、私は物価政策の全体の面から見ると、そういう問題としては、むしろ国鉄の営業政策の面から考えてしかるべきだ、こう考えております。
#79
○谷口委員 そういう御答弁は、私は非常に不服です。あなたはいま、生活必需品に対して公共割引をやっておった、それをやめることを国鉄再建のために必要だ、こう言っている。そういうことなんでしょう。わずかの、これはそうたいした金じゃないのです。この公共割引というのはたいした金じゃない。それ以上に、国鉄再建の問題だったら――私は予算委員会で明らかにしましたとおり、また国鉄当局も運輸大臣も答えておりましたけれども、現在の貨物輸送で大きな赤字を出しているということを国鉄は言っている。その中で、大企業の製品の輸送に対しては特別の割引をやっている。営業割引とかあるいは包括割引とかをやっているというような問題が、国鉄の再建の問題としてあなた方話をなさったんなら、そこに問題があるわけです。ところが、生活必需品に対してわずかの公共割引をやっていることをとっちゃうというようなのは、あなたの立場としてはちょっとおかしいと私は思います。これはあなたの立場とすれば、工業製品に対するそんな大きな割引をやっているなら、そこにメスを入れるにしても、生活必需物資に対する公共割引なんかとるべきじゃないという立場をとるべきだと思いますが、そういう戦いをやりましたか。その点どうなんですか。あなたのお考えを聞きたいと思います。
#80
○木村国務大臣 いま御指摘のような品目のものは、これはいわばトラックとの競合関係があって、もしそういう措置をとらないと、国鉄の輸送にそういうものが回らない。これは国鉄の営業の問題でございまして、それがひいては国鉄再建に響くというような観点からそういう措置をとっておる、こういうことから私、営業政策の問題である、こう申し上げたわけであります。物価政策から言いますれば、そういう場合においても、むしろそういう営業割引は考えないでもらいたいということでございますが、しかし、それかといって、もしそれがトラックに転換すれば国鉄にとってそれだけ荷物が減る。また、トラックによる輸送がそういう物資の価格に対していい影響があるかというと、私は必ずしもそうではないという意味からいって、総合的判断のもとに、これは国鉄の営業政策として、むしろそういう貨物を国鉄からトラックに転換させないような政策、方針をとっておる国鉄の方針が適当ではないか、こういう考え方から出たものでございます。
#81
○谷口委員 そこのところの考え方の相違なんですね。皆さんのこの文書の中に、今度公共割引を廃止して、それが物価にどうはね返るかということについての試算をなさっているようであります。これを見ますと、なるほど、たとえば東京のキャベツの例を言いますと、一週間の売り値が最高五十四円から最低二十五円まであって、その幅が二十九円だ、売り値の幅がそれぐらい変動があるのだから、この公共割引の制度をとったにしても、わずかに一キログラムに対して四銭ぐらいの値上げになるだろう、だから問題にならぬのだという意味で、たいしたことはない、こういう試算を出してある。
 私は、事実、計算すればそうだと思う。そんなものじゃないかと思うのだ。たいしたことはない。しかし、これはそんなものじゃないですよ。生鮮食料品、魚や野菜に対して運賃が、いままでの割引がなくなったということ自体が、単にこの計算上の何銭だったというようなそういうことではなく、社会的な一つの影響としてはもっと大きな影響を持ちます。物価というものはそういうものであると思うのです。そういう影響を持つ重要なことなんです。だから簡単に、たいしたことはないということでこの公共割引をとるということは、これはやっぱり、物価問題についての責任を持っていられるあなたとしては、そう簡単なことじゃないと私は思うのです。さっきどなたかの、政府委員のお話なんですけれども、影響があって困ったら別個に、個々に何か対策を考えればいいということを言っていられる。こういうことについてはあとに聞きますけれども、そういう影響があって別な対策をやるというなら、こういうことをとる必要はないでしょう。とるべきじゃないと思うのです。そこらの問題は、あなた、どうお考えになりますか。やっぱり、数字で計算すればわずかだから、たいしたことはないということで済むと思いますか。物価問題はそういうものじゃないです。
#82
○木村国務大臣 確かに、公共割引そのものだけをとられて考えますと、これはたいしたことではありません。私どももこの問題については、公共割引を廃止しないぼうがより適当であるということは、依然として変わりません。ただ、物価対策、これは総合的に判断しなければなりませんので、これによって生ずる消費者物価への影響、これも軽視はできません。できませんが、また一面、国鉄としては、その他の面で輸送の改善をやっております。流通面の改善に資するための輸送上の非常にいろいろな努力をしております。そういう努力によって、この公共割引の廃止によって生ずる物価への影響を緩和しようという国鉄の努力、これはもう当然必要でございます。また、これは私の多少個人的見解にわたりますが、そういう公共割引のあり方というものがはたして筋として適当なものかどうか。むしろ国鉄にそういう負担を与えるよりは、国自身が、政府自身がそういう負担は負うべきである。そのためにそういう生鮮食料品、生活必需品に対する政府の予算も、これは十分つけるべきである。そういう面から今年度の予算、いろいろ御審議願ったとおり、今回の農林省の予算には、そういう生鮮食料品対策費が昨年の二倍以上に増加をしております。そういう面で政府が責任を負うべきであって、いま経営のピンチに立たされている国鉄の公共負担によってそれをカバーするということは、ある意味においては決して筋ではない、私はこういう考えを持っております。
#83
○谷口委員 あなたはそうおっしゃるけれども、国鉄の負担といいましても、この二つの割引を廃止いたしまして――先ほども申しましたが、暫定割引で二十三億、それから特別措置割引で四十二億、そうしますと六十五億ほどの金ですが、これを廃止することによってどんなに大きな心理的影響を与えるかという問題でございますね。これは、あなたが考えていらっしゃる以上にはかり知れないものがあると思う。そういう政治をあなた方がやったということ自体、国民に与える影響というものは大きいと思う。国鉄はわずかこんなものを吸収できないことはないので、しかもこういう生鮮食料品、なま野菜とかあるいはみそとかしょうゆとかいうものは直ちに国民生活に影響することであり、しかもこれを吸収するだけの力を持たないから、国鉄に特別なこういう公共割引というやつを考えさせたわけです。大企業の場合は違うのです。これはどっさりもうけておるのだから、これは不当に赤字を生んでいるこの割引制度その他を解消しましても、利益の中でちゃんと吸収できるだけのそういう経済力を持っている。国鉄再検の問題は、ここで話は別になりますから、これ以上言いませんけれども、しかし、あなたは経済企画庁長官であると同時に閣僚の一人である。だから全体の立場から見ることができる。そうしますと、そういう全体の中で、こういうものをやめるというようなことをやること自体、どんなに大きな影響があるか。金はわずかであります。国鉄再建に四十億や五十億の金はたいしたことない。そういう意味で私は納得できぬのです。
 そこで、もっと進みますけれども、生鮮食料品その他については、御承知のとおりに公共負担の中では、単に暫定割引と特別措置割引だけではなくて、いわゆる政策等級という制度といいますか、考え方があるわけでしょう。これも、今度の料金値上げの案の中ではかなり大きな問題を含んでいると思うのです。そこでその点に入りますが、今度の等級は、四等級あったのを三等級にしましたけれども、この中で現在の、つまり現行やっております一級、二級、三級、四級、これはどれくらいの上がり方になりますか、それぞれについてパーセントをお知らせ願いたいと思います。
#84
○秋富政府委員 現在、国鉄におきましては等級制度をとっておるわけでございますが、これはいわゆる国鉄の独占時代、公共性が非常に強いという時代におきましては、これを非常に細目に分けておりましたのですが、かつて昭和三十五年には、国鉄の貨物輸送は三六%のシェアを占めておりましたのが、現在は一八%のシェアになっておりまして、国鉄の貨物輸送というものは、輸送構造上そのシェアが小さくなってきたわけでございます。そして国鉄におきましては、この貨物運賃につきまして従価制度をとっていたわけでございますが、他のトラックあるいは船舶というものは従量制度をとっておるわけでございまして、そのため、先ほど経済企画庁長官からもお話がございましたように、他の、トラックあるいは船というふうに荷物が移っていって、国鉄のシェアがいよいよ狭まっていくということにおきまして、このためにいわゆる従価制から従量制に移っていくべきだということでございますが、一挙にそれをいたすというわけにもまいりませんので、今回は、四段階でございましたものを三段階に変えたわけでございます。
 で、現在ございます四等級が、今回の改正によってどういうふうに上がるかということでございますが、一等級については六・八%、二等級については二五・四%、三等級におきましては二九・二%、四等級につきましては二九・六%、こういった値上げ率でございます。
#85
○谷口委員 この四級というやつですね、これは全部がそうとは言いませんけれども、大体公共割引の対象になる品目が多いというふうに見てよろしいと思いますが、これが今度の値上げの中で、私どものあれでは二九・五八%の値上げ、三〇%近い値上げになる。それから一級、これは御承知のとおりに、大体従来の料金決定にあたっての等級制の方式では値段の高いもの、上等のものです。だから、いろいろな、たばこやその他も入っておりますけれども、乗用車とか家庭電気製品、工作機械というもの、それから化学繊維とか鉄鋼、金属製品、工業薬品、それから揮散性毒物、そういうような非常に高度な工業製品になっているのですが、これの値上がりは今度の場合六・八%、生鮮食料品その他の生活に非常に関係の深い物資が二九・五八、約三〇%近い値上げです。こういうことをやっておる。
 ですから、全体として値上がりになっているわけでありますけれども、しかし、その値上がりの幅からいいますと、やはり生活必需品が非常に大幅に値上げをされる。一級に対比いたしまして非常に大幅な値上がりになっているという面があるわけですね。そこに割引の廃止なんです。これは何か意図的なものをわれわれは感ぜざるを得ない。企画庁長官、どうお考えになりますか。
#86
○秋富政府委員 ただいまの御指摘でございますが、この政策等級におきましていわゆる生鮮食料品、そういったものにつきましては、普通でございますと、価格でいきまして、たとえて申しますと現在の制度で二等級であるべきものが、米だとか小麦粉といったものは四準級にしておるわけでございます。それから鮮魚、肥料、こういったものは、価格から申しますと当然三等級であるべきものを四等級にしておる。こういうことによりまして極力生鮮食料品、そういった国民の必需物資というものにつきましては、当然の価格等級よりも低い等級に置いておるというのが現状でございまして、今回はそれを、その等級につきましてはいままでの形で存続するということになっておるわけでございます。
#87
○谷口委員 それはあなた、あべこべですよ。今度四等級を落としていって、新たに一等級の中に入っていくのはむしろ工業製品のほうが多く、それがわずか六・八%。三等級に落とされたものは、これが三〇%近くの値上げということになる。そんなことを一方ではやっておるわけです。生活必需品に対する価上げは、今度の運賃改定ではどえらい値上げをやっている。平均二四・六%ですか、それよりはるかに水準を上げている。それから、テレビとか電気製品とか、そういう機械類は六・八%です。そういうことをやっている。
 長官、これは物価の問題からいったらたいへんでしょう。生活必需品を三〇%上げて、一方、一級貨物は平均して七%弱というようなことなんです。その上で生活必需品に対して割引をとる。また、工業製品に対してはその上での割引がある。一体どういうことです。これは国鉄の営業政策ということになってしまうが、物価の問題としても、長官としては黙っているわけにいかぬと私は思うのですが……。
#88
○木村国務大臣 結論するところ、私は、各品目の運賃負担力の問題、これがまた大きく言っては、国鉄の従来の非常に独占的であった時代と違いまして、トラック、海上輸送その他に対する競争力の低下、そういうものが国鉄の営業政策に非常に大きく響いておる。これは国鉄の営業方針としてわかりますが、それが各品目、特に生活必需物資に対する影響が他の工業品目に比べてより大であるということは、物価対策上非常にまずいと思います。しかしながら、その面だけをとらえますと確かに好ましくないことではございますけれども、物価対策ということは、先ほど申しましたように、もっと総合的に考えなければならぬ問題でございまして、ほかの面でより一そう生活必需品に対する政府の対策を強化していくという面でこれを補いたいという考え方でございます。
#89
○谷口委員 あなた、全然話が違いますよ。おっしゃるとおりに、いろいろ総合的に物価問題をやっていくことは、私は賛成だ。当然だと思う。だから、国鉄の問題もやはり物価問題として、生活必需品に対してはいままでやってきたのだから、それを続けていくのは当然じゃないか。まして今度の料金改定では、いま申しましたとおりです。国鉄はそういうことになっている。この分だけうんと上がるのです。普通の平均より上がるのです。その上で割引をなくする。だから、物価対策を総合的にやるからこの問題は要らぬということじゃないのです。総合的にやるならこの問題も非常に重視して、やはり継続するという立場を大臣としてはとるべきだと思う。それはあなた、そういうふうにしなければ違うと私は思うのです。
#90
○木村国務大臣 おことばを返すようですが、私は、総合的に考えればこそ国鉄の再建というものもその考えの中に入れて、国鉄再建のためには、ある程度その面における私どもの好ましくないことも、他の面でこれをカバーするという考え方の総合的判断でございます。
#91
○谷口委員 実は、私がここにこの問題を取り上げましたのは、全国農協中央会から切実な陳情がありまして、あなたにきょう御足労願ったのですが、大きな問題じゃないじゃないかとおっしゃればおっしゃいますけれども、しかし、農協といたしましては死活問題だということで陳情に来ているのです。
 ここに農協の諸君が、今度の運賃改定及び割引の廃止によってどういうことになるかというような資料を持ってきています。一、二の実際上の例を申しますが、バレイショ、これは富良野というところから秋葉原まで持ってくると、千四百五十八キロメートル、これを十五トン積みのやつで持ってきますと、現行は五万六千八百円、これが運賃改定で七万三千五百円に上がる。その差が一万六千七百円、二九・四%上がる。そこに割引率がなくなりますから、それを換算いたしますと、五万一千五百円のものが七万三千五百円になる。二万二千円上がって、運賃が四二・七%上がる。タマネギ、これも同じところでやりますと、現行が五万五千三百円、これが七万一千五百円に上がる。その差が一万六千二百円、二九・三%。割引率がなくなることを加えますと、四万八千七百円から七万一千五百円に上がって、二万二千八百円、その値上げ率が四六・八%。農協はびっくりしますよ。それはいいというわけにいかぬです。
#92
○宮崎(仁)政府委員 確かに、いま御指摘のような長距離の輸送になる野菜等についてかなりの運賃の上昇があるということは、私どもも、この廃止をする際に十分検討いたしました。しかしながら、これは小売り価格に対する割合ということでまいりますと、たとえばいまのジャガイモの場合でありますと、これは一番大きいわけでございますが、公共割引分で上昇する分が〇・四九%ぐらいということでございまして、そう他のもので全体として産業連関表で出してみますと、先ほど長官がお答えをいたしましたように、〇・〇〇四%というぐらいのところでございます。
 そういうことから見まして、こういった長距離の野菜の輸送等については、最近国鉄のほうでは、コンテナあるいはそれ以外の直送列車と申しますか、そういったようなサービスをいろいろとやっていただいておりまして、そういうむしろ実体的なサービス改善によって全体としての鮮度の維持、したがって価格が上がる、こういうことから運賃の負担をある程度相殺できる、こういうことも一方にやっていただく。そういうことを彼此勘案してやっていこうということで踏み切ったわけでございます。
 なお、それでも問題があるような場合があるかもしれぬということで、先ほど長官からお答えがございましたように、たとえば九州の野菜を東京あるいは大阪に送る場合に、非常に必要があるといえば運賃補助を考えていってもいいということで、昨年の補正といいますか予備費でもってそういった制度をつくろうということをきめてあったわけでございます。幸いにして、今年一月以降生鮮食料品の価格が下がりましたので、この制度は使わずに済みましたけれども、今後とももし必要があればそういうような形で、むしろそれぞれの物資を所管する省庁の政策として運賃の問題等も考えてみよう、こういうようなことでわれわれは考えておるわけでございます。
#93
○谷口委員 あなたのお答えの第一点については、先ほど私が申したとおりです。私どものほうでも試算をさっき出した。数字でいえばたいしたことはないです。一キロ当たり何銭かということになる。さっき私はキャベツか何かで言った。だけれども、今度は生活必需品の輸送運賃が六〇%も七〇%も上げられるんだということになりますと、そういう紙の上で計算した数字、そういう関係じゃないのです。運賃が上がるということが物価をつり上げていく絶好の口実になるということで、そういう雰囲気をつくっていくという点が物価問題では重視しなければならぬ。もし生活必需品の輸送運賃が従来よりも下がったんだということになれば、物価政策の上からいったら大きなプラスをもたらすでしょう。おわかりでしょう。だから、数字だけで言って、何でもないんだ、心配ないんだという言い方は、それは政治じゃないです。長官、物価問題をそんな考えでやっていられたら困る。
 それから、もしどうしても困るなら別な施策でやるとおっしゃる。非常にいいことですよ、大いにやるべきだ。だけれども、同時に国鉄の問題でも、従来やってきたんだから、こういうだれが考えても納得できないような料金の上げ方だとか、あるいは割引をとってしまうというようなやり方をやらなくてもいいと思う。さっき申しましたとおり、国鉄の経理からいったら五十億や八十億はたいしたことはないです。しかも物価政策の上からいったら大きな影響を持つ。そういう問題だということを私どもは主張したい。もしまた実際に制度としてやっていくなら、国鉄のこの運賃の問題でも、従来どおりの制度を継続することは必要だということを、私は主張したいわけなんです。これはどうです。
#94
○木村国務大臣 確かにその面は私も同感でございますが、先ほど申し上げましたとおり、やはり国鉄再建という一つの大きな目標のためにやむを得ずとった措置でございます。また、昨年十月すでに公共割引の半分を実施したわけでございますが、その後の状況をずっと注視しておりますが、幸いにして、公共割引の廃止に伴う影響はわれわれのほうでは見ておりません。そういう面で今後、ことしの十月にとられるべきあと二分の一の廃止、その意味では大きな影響はないというような判断をしております。
#95
○谷口委員 どうも私、納得できないのですよ。それじゃ、さっきからのことを、もう一ぺん具体的事実でなにしますが、工業製品はどういうことになりますか。これは私は幾つかの例を持ってきましたが、日産自動車の場合でありますとこういうことになります。これによりますと、東京の小金井から宮城県の宮城野まで三百六十六キロメートル、これに二十六トン積みでやりますと、改正前ですと一トン当たり四万九千八百円、改正後になりますとこれが五万三千二百円、わずかの六・八%の値上がりです。ところが、包括割引その他の割引がありまして、実際上は六・六%の値上げにしかならないということです。こんなふうに工業製品に対しましては安い料金でやっていながら、しかも割引をしている。国鉄の経理の上からいったら重大問題でしょう。これは見ていないのです。これは見のがすのです。そして、生活必需物資に対してだけべらぼうな値上げをする。六十何%、七十%近いのです、農協中央会の試算によりますと、これはちょっと国民、納得しませんです。長官としては、もちろん物価対策として、いろいろな総合的なことをおやりになることはけっこうだけれども、この国鉄の料金問題でも、この点はきちっとチェックして、そういうことをやらすべきじゃないと思うのです。これはどうです。そういうふうに考えていただけませんか。この割引の問題は、これは国鉄の総裁が運賃法八条によって自由にできる。政府の指示が一応必要になると思いますが……。だから、何も国会に出してきめなければならぬことはないです。皆さんがそういうお考えになれば、国鉄に命じてやらせることはできるのです。私どもは、いま参議院で審議しております国鉄運賃改定につきましては反対です。反対ですが、それが通る通らぬにかかわらず、こういうことは何も国会できめなくたってできるのだから、経済閣僚としてのあなた、物価問題の担当大臣としてのあなたは、こういう点を訂正させるということをおやりになることは必要じゃないか。これはひとつ、あなたの御所見を伺いたいと思うのです。
#96
○木村国務大臣 私も、その具体的な内容については詳しくはございませんけれども、物価対策の面から、今後運賃法案がかりに成立いたしましたとしても、その後の国鉄運賃の実施面において十分国鉄ともよく連絡をして、物価対策上遺憾なきを期したい、こう考えます。
#97
○谷口委員 これは通産大臣は、なかなかいいことを言っていますよ。通産大臣は、これは必ずしも生活必需物資じゃないけれども、石炭の輸送についてこういうことを言っていますね。石炭は斜陽だから、運賃上げられたら困るという質問に対しまして、これはことしの三月十六日の石炭対策委員会ですが、田中さんはこう言っています。「運賃が上がらないように、いま業者と国鉄の窓口で相談してもらっている。しかし、これが上がるようであれば、上げないというふうに約束している。約束というよりも、通産省の考え方にはほぼ運輸省が同調している。こう言っておるのでございますから、これは上がらないということで御了承願います」ということを言っております。
 これは石炭のことですけれども、生鮮食料品とか国民生活に非常に関係の深いこういう物資を運賃が上がらないようにするということは、あなたとして当然じゃないですか。そういうふうに活動されるのは当然じゃないですか。あなたも経済閣僚協議会に出られた。そしてこれは、割引をとることに賛成されたのでしょう。そうでしょう。だからきまったのでしょう。あなた一人できまるわけじゃないけれども。それは木村さん、あなたの立場としては、国民は納得しませんですよ。私はこの際、あなたにお願いしたい。これは法律によらなくてもできるのだから、あなた方の考えだけでできるのだから、経済閣僚懇談会できめて、そして制度上運輸大臣が指示することになると思いますが、断固としてやってもらって、この割引をとるというようなこと――運賃の改定の問題になりますと法律問題になりますから、これは軽々にはここでは、あなたに責任ということにならぬけれども、割引の問題はできるわけだ。それはひとつそういう方行でやってもらいたい。私は、ここできょうはあなたに、よしやろうというお返事をいただいて、農協中央会に大いに面目を施そうと思ってきたんだが、そういうことぐらいやるべきですよ、たいした金じゃないんだから。どうですか。
#98
○秋富政府委員 ただいま石炭の問題が出ましたので、私のほうからお答えいたしますが、石炭につきましては補給金といたしまして、ことし石炭対策として相当な助成を考えておられるようでございますが、たまたま運賃問題とからみましたために、この間をどう調整していくかということにおきまして通産大臣のそういった御発見があったことかと思うわけでございますが、私たちといたしましては、この問題につきましては、先ほどございましたいわゆる営業割引という意味におきましていかに処理をしていくべきかということを、通産省のほうと現在種々協議している段階でございます。
 先ほど、一等級の自動車の例を小金井から宮城野まで、御指摘がございましたが、自動車の輸送、これにつきましては、いわゆる鉄道輸送以外に、陸送と申しまして直接道路を使って輸送するということもございます。あるいは海上輸送という方面もございまして、国鉄といたしましては、極力鉄道の施設を活用するという意味におきまして、他の輸送機関に逃げるものを鉄道に引きとめたい、こういうことでやっておるわけでございます。
 それから、いわゆる生活必需品物資、これにつきましては、いろいろと経済企画庁のほうでも御対策を講じていただいておるわけでございますが、私たちといたしましても、いわゆる値上がりを極力押えるという意味におきましても、あるいは生産者の方に与える影響を緩和する意味におきましても、あるいは国鉄自身といたしましてもその輸送力を活用するという意味におきましても、先ほどから議論がございましたいわゆる営業割引という制度、これの活用につきまして、私たちといたしましても現在検討いたしておりまして、この点さらに今後、経済企画庁のほうとも十分御相談いたしながら考えていきたい、措置していきたい、こういうふうにこの問題についての検討を続けてまいりたいというふうに考えます。
#99
○谷口委員 そうすると何ですか、野菜や魚なんかに対しても営業割引をやるということですか。そういうことを検討しているというのですか。いつそういうことがきまりますか。
#100
○秋富政府委員 先ほど営業割引については、いわゆる機械類とかそういったものだけではないかというお話がございましたが、現在におきましては、季節割引あるいは包括割引というものを、いわゆる野菜とか生鮮食料品についても活用しておるわけでございます。現在でも行なっておりますが、さらに、先ほど経済企画庁の長官のお話がごございましたように、フレートライナーあるいは基地、こういったものの整備、これによりまして急速に、できるだけ早くせりに出せるように、あるいは市場に持ち込めるように、鮮度を落とさないように運ぶということにつきまして、いろいろといわゆる輸送方式あるいは輸送設備、コンテナ、こういったものについての改善を極力やっておるわけでございまして、本年度予算におきましても、こういった面につきましては、昨年に比べまして飛躍的にその整備をすでに予算的にも考えて、実行に移しておるわけでございますが、営業割引というものにつきましても、現在までも生鮮食料品あるいは農産物につきましてもこれがございますけれども、さらにこれの活用ということについて検討を重ねていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#101
○谷口委員 ですから聞くのですけれども、営業割引はこういう面にもやっている、それは従来からでしょう。今度暫定割引や特別措置割引をなくするということに見合って、新たに営業割引をその面で、それがちゃんと補てんできるような、そういうふうな運用をするという意味ですか。
#102
○秋富政府委員 公共割引と申しますものは、いわゆる一般の公共政策上におきまして国鉄がこれを負担しているというものが公共割引でございます。営業割引と申しますものは、国鉄自身にとりましても有利になる。有利になると申しますのは、他に荷物が逃げるのを引きとめる、あるいは輸送上の簡略化と申しますか、合理化と申しますか、人件費、物件費を節約する、こういった意味におきましても国鉄にプラスになる。営業割引と申しますのは、荷主にも国鉄にも両方に有利になるというものが営業割引でございまして、これにつきましていわゆる包括契約とか、あるいはその他のいろいろな方策をきめこまかく考えて、両者とも有利になる営業割引というものの活用を検討していきたい、こういうことでございます。
#103
○谷口委員 それなら返事じゃないじゃないですか、営業割引と公共割引とは性格が違うとおっしゃるなら。私がいま言っているのは、公共割引をなくしてしまって、実際上、生活必需物資を輸送するにあたっては高い運賃になるということが、物価にもはね返るし、これを生産している農民や漁民に対しても大きな障害になる、だからこれはとるべきじゃないということを言っているのに、あなたは営業割引の話をするからそう言うのですよ。だから、それは答弁じゃないのです。問題は違うのです。私が営業割引を持ち出しているのは、大企業の製品に対して営業割引をやっておって、その上に包括割引なんかやっておる、国鉄の再建とか財政を言うならばそのことを問題にすべきであるということを、さっき長官に言っておったのですけれども、いま言っているのは、そういう国鉄の再建や財政のことについて、日常品の生活必需品に対する割引すらなくする、それは国鉄の財政ピンチになっているからと長官おっしゃるから、その問題を出すのであって、私のいま言っているのは、生活必需物資に対する割引をやっておったのだから、それをなくするのはいかぬから、しかも今度の運賃改定では、こういう生活必需物資に対してもより高い運賃値上げになるから、それを合わせるとたいへんなことになるから、これに対しては何とかしろ、少なくともいままでやっていた公共割引というものを、法律によらなくてできますから、これをひとつ実施するように長官に頼んでおるわけだ。だから長官、お答えになればいいのです。私はやる気がないとか、いややると答えてもらえばいいのです。
#104
○木村国務大臣 国鉄は本来の使命は輸送である、したがって国鉄自身が政府にかわって物価対策をやるということは、これはそうあるべきでございましょうが、どっちかというと国鉄にとってはより以上の負担である。国鉄が輸送の面で物価対策に資することは、これは当然でございますが、政府にかわって公共負担を引き受けるということは、これは政府の責任を回避するゆえんであるということすら私自身は考えております。そういう意味で、今後は政府自身が物価対策上生活必需物資に対する、あるいは農林あるいは通産両省における十分な生産対策、流通対策を予算上も講じて、その面から物価対策を考えるべきである、こういう本来の趣旨に立って申し上げておるわけであります。
 しかしながら、もともと公共負担のよって来たるいきさつもございますし、二分の一の公共負担の廃止をすでに実行いたしまして、その影響は、先ほど申し上げましたとおり、私どもが懸念するような影響はあらわれておりませんが、しかし、これから実施するあと二分の一の公共負担の廃止につきましては、筋ではございませんが、できる限り物価対策上悪い影響がないように、十分私どもとしては努力をしたい、こういう考えでございます。
#105
○谷口委員 もうやめますが、やる気がないということですね。二分の一残っておるから、それをある程度影響しないようにやるということであって、実行するという意味では実行するということだから、公共割引を廃止するということについての政府の態度は変わらぬというふうに伺ったわけでありますが、これは、あなたは間もなくおやめになるから、あとの内閣になると思いますけれども、あなたとしては非常に悪政を残すことになると思う。その点、私は非常に惜しいと思いますが、これはほんとに木村さん、あなた方にできるのだ。だから、この点はぜひ再考してもらって、やはり復活するようにしてもらいたいと思います。終わります。
#106
○井岡委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後零時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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