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1949/03/24 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 建設委員会 第16号
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1949/03/24 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 建設委員会 第16号

#1
第007回国会 建設委員会 第16号
昭和二十五年三月二十四日(金曜日)
    午後一時四十三分開議
 出席委員
   委員長 淺利 三朗君
   理事 内海 安吉君 理事 江崎 真澄君
   理事 田中 角榮君 理事 内藤  隆君
   理事 松井 豊吉君 理事 上林與市郎君
   理事 砂間 一良君 理事 笹森 順造君
      井手 光治君    瀬戸山三男君
      高田 弥市君    淵上房太郎君
      宮原幸三郎君    前田榮之助君
      八百板 正君    畠山 重勇君
      増田 連也君
 出席国務大臣
       国 務 大 臣 山口喜久一郎君
 出席政府委員
        特別調達庁長官 根道 廣吉君
        総理府事務官
        (特別調達庁長
        官官房長)   岩永 賢一君
        建設事務官
        (都市局長)  八嶋 三郎君
 委員外の出席者
        衆議院参事
        (法制局第二部
        長)      福原 忠男君
        参  考  人
        (東京都建設局
        長)      石川 榮耀君
        專  門  員 西畑 正倫君
        專  門  員 田中 義一君
    ―――――――――――――
三月二十三日
 矢作川明治用水取入れ口えん堤改築に関する請
 願(千賀康治君紹介)(第一七一三号)
 住宅金融に関する請願(有田喜一君紹介)(第
 一七三八号)
 同(村瀬宣親君紹介)(第一七三九号)
 同(河本敏夫君紹介)(第一七四〇号)
 同(吉武惠市君紹介)(第一七四一号)
 同(佐藤榮作君紹介)(第一七四二号)
 同(青柳一郎君紹介)(第一七四三号)
 同(佐々木盛雄君紹介)(第一七四四号)
 同(受田新吉君紹介)(第一七七二号)
 同(成田知巳君紹介)(第一八〇二号)
 同(千葉三郎君紹介)(第一八三〇号)
 同(福田繁芳君紹介)(第一八三一号)
 同(玉置實君紹介)(第一八三二号)
 同(大石武一君紹介)(第一八三三号)
 同(内海安吉君紹介)(第一八三四号)
 同(島田末信君紹介)(第一八三五号)
 同(大西禎夫君紹介)(第一八三六号)
 生活協同組合住宅建設資金融資に関する請願(
 中川俊思君紹介)(第一七五七号)
 同外六件(上林與市郎君外二名紹介)(第一七
 五八号)
 安曇川上流に砂防工事施行の請願(河原伊三郎
 君紹介)(第一七六〇号)
 伊豆半島循環観光道路開設促進に関する請願(
 畠山鶴吉君紹介)(第一七六二号)
 小田原から熱海、伊東、稻取、下田、松崎、土
 肥及び修繕寺を経て三島に至る県道を国道に編
 入の請願(畠山鶴吉君紹介)(第一七八三号)
 熱海、箱根及び三島間道路の舗裝に関する請願
 (畠山鶴吉君紹介)(第一七八四号)
 伊東、下田間県道幅員拡張及び舖裝に関する請
 願(畠山鶴吉君紹介)(第一七八五号)
 熱海国際観光温泉文化都市建設に関する請願)
 畠山鶴吉君紹介)(第一七八六号)
 最上川の工事事務所における防寒作業用被服類
 の割当増加並びに無償貸與に関する請願(圖司
 安正君外五名紹介)(第一八〇八号)
 一俣村梨木にこう(閘)門築設促進に関する請
 願(内海安吉君紹介)(第一八一九号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 連合国軍人等住宅公社法案(内閣提出第一二二
 号)
 首都建設法案(井手光治君外三十七名提出、衆
 法第一一号)
    ―――――――――――――
#2
○内海委員長代理 これより会議を開きます。
 昨日本委員会に付託になりました首都建設法案、井手光治君外三十七名提出、衆法第一一号を議題といたし、提案理由の説明を求めます。井手光治君。
#3
○井手委員 ただいま上程せられました首都建設法案につきまして御説明申し上げたいと存じます。その前に、本法案の提出に関しましては、本委員といたしまして、各位におかれ、特段の御配慮をいただきましたことを、この機会にあつく御礼を申し上げたいと存じます。
 法案の説明の段階といたしまして、まず本法案を提出いたしまする総括的な説明を申し上げまして、逐次、逐條説明をいたしたいと存じます。
 私がここで申し上げるまでもなく、元来、都市の機能といいますものは、国内の他諸地域及び世界各地との関連におきまして考慮されねばならないのであります。敗戦によりまして、わが国は将来永久に戦争を放棄し、自由と平和を愛する文化国家を建設することとなりましたが、東京都がわが国の文化を表徴する文化都市として新たに世界各国と関連を持つ上におきましても、はたまたわが国経済の中心地として、世界経済と密接な交渉を持つ上におきましてもわが国の首都としまして、十分にその機能を発揮し得るように整備されますことが、絶対に必要であります。さきに公布せられました広島平和都市建設法、長崎国際文化都市建設法が、広島、長崎をして、各平和都市、国際文化都市として生れかわることを世界に宣言しましたことが、国際信義を高揚する上におきまして、多大の意義がありますように、わが国経済、文化の中枢であります首都を、首都として十分にその機能を発揮せしめ得るように整備しますことが、絶対に国家再建のために必要な事業であり、これが国際文化の向上、世界経済の繁栄に寄與するところ大なるものがあると信ずる次第であります。
 飜つて過去の東京を見まするに、東京都が明治以来首都でありました点におきましては、いまさらあらためて私が申し上げるまでもないのでありまするが、従来の東京都は、政治、経済、文化等の中枢であり、世界各国と関連を持つ上の中心地であるといいますよりも、むしろ徳川時代におきまして、京都が都でありましたように、宮城を中心としましたきわめて封建的な都、いわゆる帝都として存在しておつたということが言い得るのであります。従つて、そこに建設せられます国家の重要施設も、首都としましての機能を発揮します上に、いかなる影響を與えるかにつきましては、考慮せられることがきわめて少く、個々別々に建設せられる状態でありまして、都市能率の向上等は、全然無視せられていたと言つてもさしつかえがないのであります。また首都でありますために、他の都市と比較しまして、いかなる特別な取扱いをなしていたかにつきましては、その行政におきまして都制を施行します等、ある程度の特別な措置を講じてはいたのでありますが、その首都としましての都市の施設の整備につきましては、何ら他都市と区別を與えられていないのであります。ただ御承知のごとく、大正十二年の大震災の復興事業におきまして、国がその一部を直轄し、あるいは補助をなします等、国におきまして相当な援助を與えているのを見ることができますが、これがはたして首都であるという見地から、特別な措置を講じたものでありますかどうかは、横浜市の復興につきましても同様の措置を講じている点から見まして、疑問とするところであります。
 都市計画は、市区改正以来引続き施行せられてはおりますが、これは他の都市と何ら異るところはなく、都市民の安寧を維持し、福利を増進するという点に立脚するものでありまして、特に全国的あるいは国際的な関連を考慮しまして、総合的に計画され、実施せられたということは覆い得ないのであります。かりにこれを考慮したとしましても、都市計画法第一條には「都市計画ト称スルハ交通、衛生、保安、経済等ニ関シ永久ニ公共ノ安寧ヲ維持シ又ハ福利ヲ増進スル為ノ重要施設ノ計画ニシテ」とあり、従来これに含まれるものであれば、文化的諸施設でありましても、都市計画として決定し得るものと解釈せられ、相当多数にわたりまして決定せられてはおりますが、首都における政治、経済、文化の中枢活動に対しまして、首都を首都としての機能を十分に発揮せしめるためには、これらの施設だけではなお十分とは言い得ないのであります。
 しかしてわが東京都は、罹災面積におきまして実に四千三百万坪、全国の罹災率の二四%、その人口におきまして約三百万、全国の三一%、罹災家屋におきまして約七〇万戸、全国の三一%、その物的損害におきましては、当時の物価におきましても百二、三十億という莫大なる戰災を受けております。今日の貨幣価値に直しますならば、おそらく一兆以上に上る損害であつたと言い得ましよう。こういう莫大なる戰災を受けて終戰を迎へたのでありますが、その復興にあたつては、大震災の罹災面積は戰災の約四分の一であります。関東大震災があれほど大きな災害であつたといいましても、今回の罹災面積からいいますならば約四分の一、罹災人口は戰災の約半分でございます。当時百五十万の大震災復興事業に、国家において與えました助成は、総事業費約六億六千万円のうち、国におきまして施行し、あるいは補助を與えました額は四億四千五百万円で、約六八%に相当する国の特別の措置の例に徹しましても、当然與えられなければならないものを、戰災復興におきましては、事業費に対する助成の比率につきましては、一地方都市と何ら異ることはなく、その復興事業の面積におきましては、地方都市におきましては罹災区域の全面積に施行しているにもかかわらず、東京都におきましては、罹災面積のわずかに約十分の一の区域にしか実施し得ないような状態であるのであります。冒頭に述べましたように、新しく平和日本の首都としまして、国家の協力のもとに整備、建設せられなければならない首都の復興におきまして、かくのごとき状態でありますのは、まことに寒心にたえないところであります。しかしながら終戰後の復興都市計画におきましては、わが国の首都としてその機能を発揮し得るよう鋭意調査研究を遂げ、道路、河川等交通施設におきまして、公館地区、用途地域等土地利用計画におきまして、あるいは公園、緑地等保健施設におきまして、都市計画といたまして決定し得るものにつきましては、極力考慮を拂い、逐次決定をいたしたのでありますが、その計画は依然としまして一地方公共団体の計画であるとの感を與えましたのみならず、都市計画施設といたしまして、たとえば鉄道、軌道、道路、河川、下水等を決定いたしましても、道路には道路法があり、河川には河川法があり、鉄道軌道には鉄道法、軌道法があり、下水には下水道法があるといいますように、ほとんど全部が單独法によつて処理し得られ、都市計画法自体他の法律に上ることを拒否していない以上、計画に従いますことを強制する何らの規定も慣例もないのでありましてそれぞれの施設計画が決定せられた都市計画に即応しませず、これを無視しまして、個々別々に実施せられる実情もありまして、復興計画の将来の完全な実施を困難ならしめる状態に立ち至つていることは、各位も十二分に御存じの通りでございます。人あるいは東京都の人口は大であり、面積も大であり、重要産業、交通施設が集中しているので、これらの事業に対しまする財源を持つているでありましようから、早急に実施すれば、その懸念も解消するのではないかと言うかもしれません。しかしながら戰災の痛手は、公共施設の復旧に例をとつてみまするに、道路におきまして、その復旧に約九十四億を要するのにもかかわらず、施行せられたのは約六億でありまして、その進捗率は終戰後五年にしてわずかに荒廃道路の六%、公園におきましては復旧費一億に対しまして、一千四百万円の約一四%という状態でありますから、復興計画の実施のごときは、とうてい本格的な若手は不可能でありまして、その現況は計画せられた道路区画整理、運河、河川、高潮防禦、排水場、河川埋立、公園緑地、塵埃焼却場、港湾、上水道、下水道等の総事業費約四千億円に対し約四十六億、これは現在の物価に換算してでありまして、約一、一%というまことに心細い限りであります。これは戰災による経済力の復興が依然として進まないのに加えまして、数次にわたる水害がまたその復旧に莫大なる費用を要したのにもよるのでありますが、その状態は次第に首都であるとの構想のもとに立てられた計画が、従来の復旧に大差ない程度に後退せざるを得ない状態に立ち至つておるのであります。これは国家が首都の建設にあまりに無関心であるということが、大なる原因であると指摘し得るのであります。終戰後東京都が首都として国際的な関連を持つてきたことは大なるものがありまして、その結果は交通施設におきまして、または保健施設におきまして、あるいはその他の文化施設におきまして、早急に整備を要するのを感ずるのでありますが、近く行われるでありましよう講和会議後におきましては、ますますその必要を痛感することを予想せられるのであります。
 以上述べましたのが首都建設法の制定を必要とする理由でありまして、以下首都建設法の意図する点につきまして簡單に述べてみたいと思いますが、その第一点としましては、東京はあくまで一地方公共団体としての東京都だけではなくして、新しくわが平和国家の政治、経済、文化等の中心地としまして、また世界各国と交渉を持つ中心としての首都が、新しく誕生することを宣言したものであります。
 その第二点といたしましては、東京都をわが国の首都としまして計画いたし、建設するにあたりましては、その政治、経済、文化その他あらゆる部面におきまして、首都としての有機的機能に着目いたし、首都におきまして、わが国及び世界各国との関連におきまして行われますあらゆる国家の中枢活動を、より能率的に、より効果的になし得るよう計画いたし建設することを定めたことであります。
 その第三点としましては、以上の諸施設を計画いたし建設するにあたりましては、国家的問題としまして、政府がこれを取上げ、全国民がこれに参画し、協力し、援助し、関心を持つて達成される必要があることであります。これを具体的に述べますれば、東京都の区域内におきまして首都としての機能を発揮するに必要な施設の計画及び事業の基準は、都市計画、都市計画事業、特別都市計画、特別都市計画事業のみならず、運輸、交通、供給施設等はもちろん、中央官衙計画等の市街地計画、その他いかなる施設であろうと首都建設計画が決定し得るということでありまして、その計画は、国務大臣、国会を代表する者、東京都知事、東京都会を代表する者、学識経験者より構成する行政機関たる委員会が決定し、その計画の作成及び実施には国、東京都の区域内の関係地方公共団体及び関係事業者、すなわち官、公、民を問わず協力いたし、援助を與えなければならないこととするものでありまして、さらに東京都の区域内で行われる都市計画事業は、東京都が首都であることにかんがみて、首都建設上必要があると認めましたときは、東京都及び関係の地方公共団体の同意を得た場合は、その内容である事業を主管する行政官庁が執行できることとしたのであります。これはたとえば道路については建設大臣、港湾については運輸大臣、あるいは公園について厚生大臣が執行することができることとしたのでありますが、これは国家的要請に基き、首都としての機能達成上必要な施設は、国の事業として執行するのが当然でありますから、この場合こういうように定めたのであります。また東京都知事あるいはその他行政庁が、首都建設計画に基く事業を実施する場合には、一地方公共団体としての活動に必要な以上に規模を大にし、あるいは精密にしなければならない場合があります。たとえば、丸の内の交通状態を見まするに、東京都が首都でなかつた場合は、おそらく現在のような道路の駐車状態を見ないでありましようが、もしこれがために駐車施設を整備するとすれば、当然国家的な要請によるものでありますから、国家におきまして相当考慮しなければならないものであります。または東京駅前の広場の広狭の問題にしましても、首都であるために、国際的にあるいは国内的に整備を要する場合、あるいは国際交歓施設等を含む国際的な中央公園、あるいは国際空港等を知事が実施するとしますれば、これらについても、当然特別の助成を必要とするものでありまして、その方法としまして、国有財産であります普通財産が、その事業の用に供しなければならない場合には、必要とする公共団体に譲渡することができる道を開いて、その事業の容易に完成するよう考慮しようとするものであります。
 以上で本法案を提案いたします大綱の御説明にいたしたいと存ずる次第であります。
 なお逐條につきまして若干御説明申し上げたいと思います。
 第一條は、この法律の目的を定めたものでありまして、その目的には二つの重要な意味が含まれています。すなわちその一つは、東京都を新しくわが平和国家の首都として計画し、建設することを目的とすると規定したことでありまして、東京都に平和国家の首都としての性格を與えた点にあります。もちろん、東京都がわが国の首都である点に関しては、事新しく規定するまでもないのでありますが、従来の東京都は政治、経済、文化等の中枢であるというよりも、むしろ皇居のある都、すなわち帝都として存在して来たのでありますが、今次世界大戰の結果、わが国は武力を永遠に放棄し、新しく平和国家として国際社会の一員に加わることとなつたので、首都である東京都の性格も軍国主義、国家主義のいわゆる帝都より、わが国の政治、経済、文化等の中心地として、また世界各国と交渉を持つ上の中心としての首都が、新しく誕生することを宣言したものであります。
 もう一つの重要なる意味は、東京都をわが平和国家の首都として計画し、建設するにあたつてその政治、経済、文化その他あらゆる部面において首都としての機能を十分に発揮し得るよう計画し、建設することを定めたことであります。従来の都市計画法、特別都市計画法においては、都市計画法第一條に「本法ニ於テ都市計画ト称スルハ交通、衛生、保安、経済等ニ関シ永久ニ公共ノ安寧ヲ維持シ又ハ福利ヲ増進スル為ノ重要施設ノ計画ニシテ」云云とありますごとく、都市計画とは、その都市を單位として住民の安寧を維持し、または福利を増進するための計画であつて、無統制な発展により生ずる交通上、衛生上または保安上生ずる障害を未然に除去するとともに、既成都市の改造を行おうとする、いわば浦極的な性格を有するきらいがあつたのでありますが、この法律は、單に東京都民の安寧を維持し、福利を増進するためばかりでなく、進んで首都としての有機的機能に着目し、首都においてわが国及び世界各国との関連においで行われる政治、経済、文化その他あらゆる国家の中枢活動をより能率的により効果的になし得るよう計画し、建設して、国際文化の向上、世界経済の繁栄に寄與することを目的とするものであります。
 第二條は、首都建設計画の定義を示したものであります。「この法律で、首都建設計画とは、東京都の区域内において施行せられる重要施設の基本的計画」を指す、こう定めてございます。以下「東京都における」云々から「事業の基準となるものをいう」までは、前段の基本的計画を補足説明した規定であります。「東京都の区域内において施行せられる重要施設」とは、首都建設計画をもつて規制せられる土地の範囲内に関して規定したものであります。すなわち首都建設計画は東京都の行政区域に限られるものであつて、本計画は都市計画及び都市計画事業の基準となるものである以上、都市計画法第一條において「市若ハ主務大臣ノ指定スル町村ノ区域内ニ於テ又ハ其ノ区域外ニ亘り施行スへキモノ」と規定せられている区域外にわたり施行せられる計画及び事業は、首都建設計画としても取上げる必要があると思われるのでございますが、しかし形式上は当然首都建段計画に含まれ得ないと解さねばなりません。これはみだりに首都と特別に関係のない他府県の利害に影響ある計画及び事業を決定されるのを防止するものであると考えられます。しかしながら、たとえば小河内の水道の貯水池事業が山梨県に及んでいるのでありますが、このような事業を首都建設計画として研究する場合は、山梨県にわたる計画そのものは決定し得ないとしても、区域内の計画及び事業の内容によつて、その執行者であるものが当然都市計画及び同事業において考慮することとなつて、事実上は大なる支障はないものと考えられます。
 重要施設とは何を指すかということについては、その補足説明において規定せられている通り、都市計画及び同事業並びにその他の施設の中で重要なもので、しかも第一條の目的を達成するに必要なものでなければならないものであります。従つて地域的には相当重要なものであつても、その施設そのものが首都の機能を発揮する上に何ら関係のないものは決定し得ないものであります。
 またこの規定にいう都市計画及び同事業とは、都市計画法にいう都市計画も、特別都市計画法にいう特別都市計画も、もちろん包含されるのでありまして、この場合は法律的にいうものではなく、社会通念上の都市計画を指すものであり、この首都建設計画は決してこれらを排除するものではなく、これらの施設の基準となるものであり、さらにそれよりも一段高次の基本的計画であつて、都市計画、同事業、特別都市計画、同事業のみならず、運輸、交通、供給施設等はもちろん、中央官衙計画等の市街地計画その他いかなる施設であろうと、また都市計画として決定し得るもの、得ないものにかかわらず、その施設の計画及び基準となるべき事柄を包含し得るものであります。
 さらに第三條から第八條までのことについて申し上げますが、これは首都建設委員会及びその事務局について規定したのであります。本條は、この法律を所管し、この法律に基く首都建設計画の作成及びその実施の推進の衝に当る国の行政機関として首都建設委員会を設けること、及び委員会を総理府の外局とすることを定めたもので、国家行政組織法第三條第二項「行政組織のため置かれる国の行政機関は、府、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は別に法律に定めるところによる」の規定に基くものでございます。この種のみずから行政的権限を行使する会議制の行政機関としての委員会制度は、新憲法施行以来、わが国の国法上多くその例をみるところで、国家公安委員会、全国選挙管理委員会、中央労働委員会、証券取引委員会等、わが国行政組織上の一傾向をさえ有するのであります。特に本條において首都建設計画の作成及びその実施の推進に当る行政機関として委員会制度をとつた理由は、以上述べた行政制度の例にならつたものではありますが、より根本的には、首都建設上重要なあらゆる施設の基本的計画の作成というがごとき、愼重にして周密なる調査のもとに、衆知を集めた国家的な構想により作成することが絶対に必要な事柄は、單独行政官庁にまかすよりも、会議制によることがより適当であるという考えに基いています。さらにこの委員会を国の行政機関として設置したことは、一見地方自治に逆行するがごとき感じを抱かせるのでありますが、首都建設計画に含まれる施設は、第二條において説明しましたことく、各省の所管事項にまたがるあらゆる重要施設を包含するものでありますから、とうてい一地方庁のよくするところではありません。しかも首都建設計画は、東京都の建設にあたつて、わが国の首都としての機能を十分に発揮し得るように、国家的見地に立つて各種計画及び事業の基準を與えようとするものでありますから、地方自治をそこなうものでもありません。委員会を総理府の外局としたことも、以上の理由に加えて、各種重要施設の基本的計画が、必然的に各省所管事項中首都建設に関連ある部分の総合調整をはかる役割を持つことによるものであります。これが第三條に掲げてありまする委員会設置の基本的な考え方でございます。
 さらに第四條は、委員会の任務及び権限について規定したものであります。委員会は、首都建設計画を作成するだけでなく、その実施の推進に当るものであります。実施の推進に当るとは、漠然とした言い方ではございますが、首都建設計画にのつとつて各種施設の計画及び事業がなされるよう常に監視し、勧告し、その他実施の促進をはかることで、第九條公告、第十一條の勧告に関する規定は、その任務及び権限の一部を掲げたものでありまして、これのみにとどまるものではありません。
 さらに第五條でございますが、委員会の組織構成について規定をいたしてございます。別に説明を加える必要もありませんが、国の執行機関及び議決機関のうちから、その指名をする者に加えて、東京都の執行機関及び議決機関のうちから、その指名する者を委員としました理由は、首都建設計画が、東京都を日本の首都としてあくまで国家的立場から計画しなければならないのでありますが、首都建設計画に基く諸事業の執行面は、知事が担当する場合も多く、またその施設のほとんどが、公共団体たる都の施設と関連がございますから、公共団体たる都としての立場も、計画の作成に反映させることが望ましいとの政策的見地に立つたものであります。
 なお建設大臣を委員とせられたのは、首都建設上の諸計画及びこれに基く事業は、その大部分が建設大臣の主管する事項に属するものが多いのであります。また第六号に定めてあります権限を行使する事項等も、国会の両議院の同意を得ることになつておりますから、国家公務員法第二條第三項第九号によつてその職は特別職であり、国家公務員法の適用はなく、またこれらの委員は非常勤とするものであります。
 第六條は大したこともございませんから説明を省略いたします。
 第七條は別段これも詳しく述べる必要もありませんが、委員長は会務を総理する権限を有するのでありますから、委員会事務局の内部組織を定めておりますこと。但し国家行政組織法第七條の適用があります。及び必要があれば、委員会議議事規則を設けることもできるし、委員長もまた委員として一箇の議決権を有すると規定しておる次第でございます。
 第八條は事務局に関する規定で、委員会に事務局を置くことは、国家行政組織法第七條第四項にすでに規定されているところでありますが、本條一項にあらためて規定しました。事務局の内部組織をどうするかは今後の問題でありますが、もし部を設置することとなれば、法律でもつて定めなければなりません。国家行政組織法第七條二項、三項、四項事務局の職員の職は、国家公務員法にいう一般職であり、その定員はこの法律の附則第六により、行政機関職員定員法を改正して二十五人と定めてあると思います。第九條は、公告に関する委員会の義務を規定したもので、公告することによつて国、関係地方公共団体及び関係事業者は、首都建設計画の実施にできる限り協力し、援助を與えなければならない義務を負う。これが第十條とともに、委員会は第十一條に定める勧告を行う権限を有することとなります。本條において「首都建設計画を作成したときは」と言い、「決定したときは」と言わなかつたのは第四條に「委員会は、首都建設計画を作成し」とあるのと対応したものでございまして、意味は「委員会会議において決定されたときは」というのと同じでございます。
 第十條は広島平和記念都市建設法において、その第一條に「国及び地方公共団体の諸機関は、平和記念都市建設事業が第一條の目的に照し重要な意義をもつことを考え、その事業の促進と完成とに、できる限りの援助を與えなければならなければならない」と規定されているのと類似している規定で、首都建設計画に基く事業の実施についての援助及び協力義務について規定したものでありますが、広島の場合と異なる点は、單に事業の実施についてばかりでなく、首都建設計画の作成そのものについても、援助並びに協力の義務を與えたこと、及び義務者として国、東京都の区域内の関係地方公共団体のみならず、関係事業者をも含めた点にございます。関係事業者とは、必ずしも意味の明瞭な言葉ではありませんがたとえば運輸交通関係事業者、電気、ガス事業者等をさしておりまして、関係地方公共団体とは、單に東京都及び都の区、布町村をさすものであります。
 次に第十一條は、前條において首都建設計画の重要性にかんがみ、首都建設計画に基づく事業の執行については、広く国も東京都の区域内の関係地方公共団体も関係事業者もその実施について協力し、援助をなすべき法律上の義務を與えたのでありますが、なおこれのみをもつてしては、その実効性を確保しがたいので、さらに本條において委員会に勧告の権限を與えたものであります。行政作用としての勧告の制度が、わが国法上認められた例は戰後の立法例に多くみるところでありまして、勧告を受けた者は、勧告の権威を重んじ、理由なく勧告に違反することを得ない法上の責任を有する点において、單なる建議とは異るが、命令のごとく義務者がぜひともその命令に従うことを要する法の強要性はないものと解せられます。従つて勧告は法律の権威をもつて、かくなすべしまたはかくなすべからずということを要求するものではありまするが、万一勧告に違反する者があつた場合には、何らかの制裁をもつてその履行を確保する手段を持たないものであります。また勧告の相手方は、一般私人よりも国または地方公共団体の機関である場合が多く、立法例においても内閣に対して勧告するもの、これは国家公務員法第三條による人事院の人事給與等に関する勧告及び内閣及び国会に対して勧告するもの、地方行政調査委員会議設置法律三條による委員会の国及び地方公共団体の事務の配分調整に関する勧告、内閣総理大臣または特定の行政官庁に対して勧告するもの、社会保障制度審議会設置法第一條による審議会の社会保障制度に関する勧告、運輸省設置法第七條による運輸審議会の運賃及び料金等に関する勧告各行政機関及び地方公共団体の長に対して勧告するもの、統計法第六條の二による統計委員会の統計機構に関する勧告等でありますが、本條の勧告は、その範囲において以上のどの例よりも広く国、東京都の区域内の関係地方公共団体または関係事業者に対してなし得ると規定をいたしたのであります。本條第一項は、国、東京都の区域内の関係地方公共団体に対して、その所管の施設の計画の決定及び事業の施行または許可、認可等の行政処分について、首都建設計画を尊重するよう勧告するとともに、関係事業者に対しても、その事業の計画及び施行について勧告し得る意味でありまして、たとえば私鉄がある路線の新設または延長をなすがごとき場合、運輸大臣に対し事業の認可について首都建設計画に基かしめるよう勧告をなすとともに、認可申請以前の段階においても、私鉄に対し、首都建設計画に即応した計画を立てるよう勧告することができます。こういう意味を持つております。かくして首都における重要施設が首都建設計画に適合し、総合調整されて建設されることを要請するものであります。
 本條二項は、ある事業が首都建設計画を尊重し、それに基く事業ではありますが、その事業の実施について必要な事項を勧告し得ることを定めたものであります。たとえば事業の執行の順序あるいはその年度、執行方法等について首都建設計面上必要と認めた場合になし得るものと解します。
 以上は委員がなし得る勧告の範囲を定めているものでありますが、以上の勧告を受けたが、ある種の事情により勧告に従うことができない場合については、何らこれを強制する道はないが、あくまで首都建設の重要性を認識し、極力その勧告を尊重するよう期待するものであります。これにより首都建設計画との間の調整をはかる等の努力をする機会を與えるとともに、すくなくとも知らず知らずの間に、首都建設計画に支障のある事業の実施が行われる等のことのないのを期待しておる次第でございます。
 次は第十二條でありますが、本條は都市計画法に行政官庁が執行し得る規定がありますから、その必要を認めないとの意見もあり得ますが、本法にいう都市計画事業とは、第二條に述べましたように、特別都市計画事業も包含せられると解釈せられますので、特別都市計画法の特例でもあり、さらに行政官庁が執行する場合は、東京都及び関係地方公共団体の同意を要することといたしましたので、本條を置いたのであります。
 首都建設計画を実現するために、都市計画法による都市計画事業、特別都市計画法による特別都市計画事業の方法によることが多いのでありましようことが、将来予見せられるのでありますが、特別都市計画事業の執行については、地方の実情に即し、地方民の熱意と創意を反映せしめる趣意の、もとに、行政官庁は直控その執行に当らない旨を定めております。特別都市計画法第一條第四項にこういうことがきめられております。しかしながら東京都の区域により行われる都市計画事業については、それが首都建設計画に即応したものであります限り、單に都民の福利を増進するための施設ばかりでなく、首都としての機能を発掘する上に必要な施設を含むのでありますから、たとえば道路について建設大臣、港湾について運輸大臣、国営公園について厚生大臣その他その事業の内容である事項を主管する行政官庁が、直轄事業によりまして執行することが適当な場合もありますので、本條により行政官庁が執行し得る旨の規定を定めました。しかしがらこの場合におきましては、東京都及び関係地方公共団体の利害に大なる影響があり、地方自治を阻害するおそれもなしとしないので、将来これとの間に起ることを予想せられる紛議を避けるため、東京都及び関係地方公共団体の同意を要することとしたのであります。
 次に第十三條でございますが、本條は首都建設計面の実現を促進する手段として執行する都市計画事業特別都市計画事業も含みますがそれらに対する特別の助成についての規定であります。助成の対象となるものは公共団体でありますから、この場合の事業執行者は当然公共団体を統轄する行政庁であることは明らかであります。従つて首都建設計画に基くものであれば、特別都市計画事業または都市計画事業として八王子市長の執行するものや、立川、武蔵野市長の執行するものも本條に含まれるものであります。
 国有財産法においては、普通財産の売拂いについて、第二十九條に一定の用途に供させる目的をもつて売拂いをすることができることとなつているのに対し、本法において都市計画事業の用に供する場合は譲渡することとしたのは、当該財産を所管する各省、各庁の長がその買受人に対し用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間を指定しなければならないこととなつているのを、首都建設計画に基く都市計画事業においては、その用途指定、期日期間の指定をせずとも売拂いをなし得ると解すべきであり、また普通財産を他の用途に供する目的をもつて売拂いの必要が生じても、首都建設計画に基く都市計画事業により譲渡の必要が生ずる場合は、必要と認めるときは、譲渡することができるとの規定であつても、これは任意に譲渡するかいなかを決定する自由裁量権を大蔵大臣に與えたものではなく、譲渡することができる権限を付與したものと解すべきであつて、他の法律にこれに優先する規定のない現在、首都建設事業が優先すると解すべきであります。なおこの点に関しましては、従来の特別立法におきましては、普通国有財産法二十九條に譲與という言葉を使つてあるのでございますが、諸般の事情から、ここに本法に限りまして、譲渡という言葉を使つていることに特に着目いたしたいと存じます。次に附則でございます。この法律は公布の日から施行するものとせられているが、事務局は当然予算措置を伴わなければ設置できないことになるので、この法律の全文を公布の日から施行するとすれば、ただちに政府において予算措置を講じなければならない義務を生ずるが、今その準備もできていないので、一応法律には事務局は予算措置が講じられたときにあらためて設置することとしたのであります。しかし予算措置を講じないで、いつまでも事務局を設置しないということは、本法の趣旨に反することでありますから、最も争い機会に予算措置を講じられなければなりません。次に日本国憲法第九十五條「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」との規定が、この首都建設法制定につき適用があるかどうかということは疑問のあるところでありますが、この法律と同様に都市計画法の特別法として制定せられだ広島平和記念都市建設法の制定にあたつて、積極、消極両論が行われ、憲法第九十二條から第九十四條までにおいて地方公共団体の組織、運営、機関、事務の範囲、條例制定の権限等を定めた後を受けて、第九十五條が規定されていることから、第九十五條の趣旨は、地方自治の基本的事項に関しての特別法制定の場合にのみ適用になり、国家事務の法としての組織を立てられています都市計画法の特別法たる広島平和記念都市建設法の制定には、適用されないとなす論もあつた模様でありますが、憲法第九十五條の表現が、單に一つの地方公教団体にのみ適用される特別法とありますから、この場合には、適用ありとなす論が多く、遂に議院運営委員会に諮つた結果、適用あるものとすると決定された経緯もありますので、この法律も、都市計画法、特別都市計画法の特別法たる性格を有すること、及び一つの地方公共団体にのみ適用になる点において、広島の立法と同様でありますので、この附則により、住民投票をなすものと定めました。
 次に、憲法第九十五條に基く住民投票の費用に関しましては、法律の制定についての一種の手続でありますから、国家事務であり、当然国費をもつて支弁すべきであると解せられ、地方自治法施行令第百八十五條にも、衆議院選挙法施行令を準用して、公の機関の負担すべき費用、すなわち選挙人名簿投票の用紙及び封筒、特別投票者証明書及びその封筒、投票箱並に点字器の調製、選挙管理委員、選挙長、開票管理者または投票管理者、選挙会場、開票所または投票所の費用等は国庫の負担とせられているが、首都建設法におきましては、その特例として、住民投票に要する費用は東京都の負担とするとの規定を設けたのであります。これは、打割つてお話を申上げますと、本法の制定にあたりまして、予算措置が伴つておりません。この法律が施行せられますと、憲法の規定によりまして、住民投票を要するということになります関係上、どうしてもただいま申し上げました趣旨によりまして、国費の負担においてされることが本筋と考えておる次第でございますが、このことに関しましては、特に法律施行後重要なる意味を持つ本法の制定が、早急になされなければならないという実情にかんがみまして、特に涙をのんでこのような法律にきめた次第でございます。このことにつきましては、地方財政法第十一條の「主として国の利害に関係のある事務を行うために要する経費については、地方公共団体は、その経費を負担する義務を負わない」との関係において異論のあるところでありますが、住民投票は、地方自治法の規定によつて、その行う期日を定められている関係上、その期間内に国の予算措置を期持することは困難であり、しかもこの法律は、東京都の住民に対し、ある種の利益を與えることは事実でありますので、この費用のうち、選挙管理委員会、投票等、公の機関が当然負担しなければならない費用は、東京都が負担するというふうにきめざるを得ない実情になつたことを、ひとつ御了承願いたいと存じます。
 以上で大体の御説明を終つた次第でありますが、十分御審議をいただきまして御決定あらんことを特にお願い申し上げたいと存じます。不十分でございまして、研究の至らないのをまことに遺憾に存ずる次第でありまするが、委員各位の全面的御協力をいただきまして、本案の通過をお願い申し上げる次第でございます。
#4
○内海委員長代理 これより本案に対する質疑を行いたいと思います。この際お諮りいたします。本案に関しましては、東京都の建設局長より参考意見を聴取いたしてはいかがかと存じますので、参考人として本委員会における発言を許可するに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○内海委員長代理 御異議なしと認めます。
 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、通告順によりまして御発言をお許ししたいと思います。瀬戸山三男君。
#6
○瀬戸山委員 ただいま上程せられております首都建設法について、提案者の方からきわめて詳細なる御説明がありましたので、あまり蛇足を加えない方がよいと思いますけれども、数個の点について提案者の所信をただしながら、私の疑点を解いていただきたいと思います。
 ただいまの提案理由に、るる御説明があつたのでありますが、日本が平和国家として立つべき、その首都として、東京都を、政治、経済、文化等について、その機能を十分に発揮させるために、この首都建設法を制定いたしたい、こういう御趣旨であります。そのお考えと申しますか、着想には、きわめて私ども敬意を表するのでありますが、問題は、さような意味の日本の首都である東京都を建設するのに、この法律をつくらなければならない必要があるかどうかということと、さらに、さような必要があるとして、この法律によつてその目的が達成されるようにできておるかどうかということが、この法案の重要な問題点だと思います。そこで、そういう点を中心といたしまして、所信をおただしいたしたいのであります。この法案の主たる目標といたしておりますところは、総理府に新たに首都建設委員会を設けて、各種基本的なる計画を、そこで策定、立案する、こういうことであります。そうしてその基本計画に基いて、提案者よりも強調されましたように、国の力によつて日本国の首都たるの面目を発揮させる施策を行わなければならないという、ただこれだけが本案の目的であると思うのであります。
 そこで私は、こまかい点になるかもしれませんけれども、まず第一番に、本法の第二條に規定せられております――これも先ほど大体の御説明はありましたが、目標がそここ重点があるのでありますから、さらにお尋ねいたすのでありますが、第二條には、首都建設計画の定義を定めてございます。そして委員会においては、その首都建設計画を立て、それを推進するという任務があり、さらに国若しくは各関係行政機関、その他さらに、その事業を執行するものについて勧告等をなす権限が與えられておるのでありますから、問題は第二條の首都建設計画の内容と申しますか、それであります。そこまではつきりいたさなければ、この法律が必要であるかどうかということがわかりませんので、首都建設計画の策定及び実施の推進を首都建設委員会をしてやらせるという点について、大体第二條についての御説明は先ほどありましたけれども、もう少しこまかくつつ込んでお考えを承つておきたいと思います。それによりますと、主要施設の基本的計画であります都市計画及び都市計画事業並びに第一條の目的達成に必要な施設の計画及び事業の基準をこの委員会が定めるということになつておりますが、一体それは具体的にいつて、東京都においてどういうふうなことをやらなければならないのかということを、まずお尋ねいたしておきたいと思います。
#7
○井手委員 これはごもつともな御意見だと思います。いろいろ御説明を申し上げましたように、基本的計画でありまして、常識的に都市計画法及び特別都市計画法のさらに基本的な計画をきめる、こういうのでございまして、具体的には東京都というものは平和文化国家の首都として、わが日本の首都としてかくあるべし、首都としてはこういう体形において首都建設がなされなければならない、こういう様相において計画がなされなければならない。いわゆる東京の首都としてのあり方、計画を委員会できめる、こういうふうに御解釈を願いたいとい思ます。なお具体的には局長から御説明を願います。
#8
○石川参考人 首都建設計画と申しますと、かなり多様にわたつてあるのでございますが、とりわけ取上げられまして各省関係との関係が錯雑いたすであろうと思われますのは、運輸関係、特に地下鉄道、あるいは今後高速度道路というようなものができて参るかと思われます。あるいは港湾関係、大公園の計画でございまして、国立公園に準じますものが出て参らなければならないと思います。その他中央公園とし申ますか、東京都の首都としての性格を決定すべき中心部の公園計画がございます。これは在来の東京の構造が、いわば封建的な構造でございまして、中心部に対しましての大措置がいると思うのであります。種々首都としての面目をここで決定しなければならぬ大事業がいろいろございますが、それぞれ各省関係その他の関係が錯雑いたしておりまして、これを法律といたしまして強い力で決定して参りませんければ、決定ができないという場合が非常にございます。まず取上げまして主要と思われますのは以上のような仕事でございます。
#9
○瀬戸山委員 皮肉を申し上げるのではないのですけれども、石川博士は日本の都市計画の御本尊みたいに――今日まで私どもは石川博士の都市計画に関する各種の計画を、図面で拝見したこともあり、写真で拝見したこともございます。新たにかような首都建設委員会をつくらなければ、そういう計画ができないということは、私はどうしても考えられない。ただいまお話になりました地下鉄道、港湾、中心大公園と申しますか、そういうふうな図面ができておると思うのでありますが、もちろん仄聞いたすところ、また想像されますところによると、さような計画も、日本の、従来の弊害である各官庁のセクシヨナリズムと申しますか、調和がとれないというようなことで、東京都だけではさような計画が推進されないのだというふうなお考えもあるのではないかと思うのでありますが、さような計画は、この首都建設委員会でやるということ自体、私は一つの疑問を持つております。でありますから、特に第二條の内容を承つたのでありますが、これはきわめて簡單でありまして、また簡単でなくても、ただいま申されたような計画が、この首都建設委員会でできるかどうかということを、私は疑うとともに、さような計画が、この計画でぱんと押えて計画通りに行く、これは首都建設委員会の力でありますから、石川氏にお尋ねするのはどうかと思いますけれども、この法律をつくつたらさような計画ができて、第一條に規定いたしておりますところの目的を達成される可能性というか、望みがあるかどうかということを、これは基本的な問題でありますから‥。
#10
○井手委員 お答えいたします。実はこの法律案が今日国会に付議されるという段階におきましては、関係各方面の意向を総合いたしてみまして、むしろおそきに失するのではないか、こういう御意見が実はあるのでございます。それはどういうところから来ているかというと、ただいま御指摘がありましたように、各般の復興態勢というものが、一応事実として具体的になつて来た場合に、現在の都市計画法及び特別都市計画法の定める範囲において、はたして東京都が首都たるの計画実施ができるかどうかということに起因するいろいろなお考えのもとに、そういうことが言われていると思います。私ども、今日この法律をもつて、ただいま御指摘のような厖大な、強力な線がただちに実現するものとは考えていない。しかし、都市計画なり都市計画事業というものは、これは大震災後の復興計画において見られますごとく、または戰災後の東京都の姿におきまして一例をとつてみますと、東京都の芝浦を発生地として、深川の洲崎に至ります第二循環道路というものが計画されてできております。ところが、当時ただちにこの道路に着手し得ましたといたしましたならば、これは焼け跡でありましたので、ただちにこの道路というものが着手され、今日仮設道路でもいいから着工されていなければならない。ところが現段階におきまする都市計画法、特別都市計画法、これに伴います公共費の負担割合等におきましては、今月までこれに着手することができなかつたというようなことを考えてみますと、強力な法律的措置もしくは国家的見地に立ちます委員会の強力な措置によらざれば、私ども考えております首都建設の幾分の計画すら実現できない状況にあるのではないかという観点から、どうしても強力な権限を持つ委員会をつくつて、遅ればせながら平和都市としての東京都の建設に、十二分の機能を発揮できるように進めたいというのが、この法案の趣旨であります。これは具体的な問題にいろいろ困難な事情を伴いますことは、御承知の通りでございます。しかし、この法案が成立いたしますならば、おそらく本法の企図します趣旨によりまして、委員会は十二分の機能を発揮いたしまして、首都の建設につきまして、強力な、自主的な意図のもとに発足するものであることを私ども確信し、あるいは期待いたしております。そういうようにお考えをいただきたいと思います。
#11
○瀬戸山委員 私どもは、法律をつくるときには、必ずその法律を実施しなければならないという気持でつくらなければならないと考えておりますので、かようなことをお尋ねいたしたのでありますが、まあ時期は遅れたけれども、これからでも、将来の改善と申しますか、首都としての面目にかなうような方策がこの法律の制定によつてできると言われるならば、けつこうであります。
 それからもう一つ、皮肉になるかもしれませんけれども、東京都が首都でないと考えた者は今日まで一人もございません。あらためて今日、首都建設法案というものを出されるわけでございますが、今日私から申し上げるまでもなく、都市計画は、東京都においては東京都の都市計画審議会というものがあると思います。そこで都市計画の案を審議いたしまして、そうしてそれが主務大臣、現在でありますれば建設大臣においてこれを決定いたし、さらにそれを内閣の承認を受けて実施に移すということになつておるのでありますが、さようなことであつても、先ほど一例を出されましたような、道路さえできなかつたということは、私はおかしいと想う。さらに今日委員会をこしらえると、都市計画審議会が決定し、主務大臣がこれを認定し、さらに内閣がこれを認可した場合よりも強力である。そういうふうに言われると、ちよつと解しかねるのであります。さらにもう一つ皮肉を申し上げますと、先ほど申し上げたように、今日まで東京が日本の首都であることは、国民の一人も疑わなかつたところである。都市計画審議会の方では、さような首都としての考えを持たずに、今日まで東京都の経営をされておつたのかどうか。その審議会で決定され、建設大臣の決定を受けて、内閣の認可を受けたことでさえできなかつた事情があるかどうかということを、ざつくばらんに局長からお聞かせ願いたいと思います。
#12
○石川参考人 ざつくばらんにというお話でございますので、ざつくばらんに申し上げます。これは東京が首都であるとだれも思わない者はないというお話でありましたが、われわれいわゆる計画当局といたしましても、当然首都とは考えてやつておるのであります。ただいわば内閣が最後に裏打ちいたします都市計画審議会でございますけれども、結局におきましては都知事がその会長になつております地方公共団体の計画機関にすぎない。その力におきましては、結局その原案を作成いたします場合において、公共団体の計画という程度を出ないことは、われわれが今まで非常に痛感しておりました弱さであります。そのために今までの案におきまして、そういう欠陥が現われていたかという御質問になりますと、それはあつたとも申し上げられますし、またそれはないとも言えるのでありますが、もつとさらに強い案が出得たのではないかということも思われるのであります。それよりも私が言いたいのは――私ではありません。いわゆる実施機関として申さなければならないのは、この実施に対する強さでございます。これは計画までは参るのでありますが、実施になりますと、完全にこれはいわゆる公共団体の執行者の持つておりますその実力以外には何ら出て参りません。一応計画といたしましてはよいといたしましても、実施に際しましてはこれができかねて、そのまま流れるということが非常に多いのであります。それで最近われわれが痛感いたして参りましたのは、国民全体としては、東京を首都として涌念的に認めておるとは思うのでありますが、実際に東京を首都として建設するということを、国民全体の理解のもとにやるというところに運んでいない。そういう線が全日本の焼けました都市の復興に対しましてどこにも出ていない。これはやむを得ないことでありまして、政府のその方面の方々といたしましては、ごむりのないところであろうと思うのでありますが、私は再々これに対して申し上げましても、その線が実に出しにくいことが明瞭にわかつて参つたのであります。そのうちにこれが最近見返り資金の問題、あるいは起債というふうな関係になつて参りまして、広島、長崎等の実績を見ましても、やはり法律が出し得る場合には、その出し得る法律によつて保障されるということによつて、見返り資金その他の資金の融通の技術的な措置が非常に円滑になり、国民がそれを承認した形になり得るということが、実際的に明らかになつて参りましたので、われわれといたしましては、まさにこの法律は必要と存ずる次第であります。形式上あるいは計画上と申しますか、この法律がなくてもできるところまではできると思います。しかしその最後の画龍点睛というところにはどうしても行きにくい。それから実施に関しましては、あくまで首都の今日の重要性を認めてもらつて、それを国民が了承してくれて、そうして政府の技術的援助をいただく以外には、今日のところまつたく行き詰まつておるのであります。あまり具体的に言つてはどうかと思うのでありますが、たとえば焼け跡の復興計画費用のごときも、今日東京都が受取つて御配付を願つております量は、名古屋と同じであります。その他におきましても、きわめて首都として不十分であります。これは政府当局の御盡力は非常にあるのでありますが、首都を建設すべしという国民の総意がここにまとまつて参りませんと、あらゆる点でやりにくいということを、実際上われわれは知つております。この点いろいろおつきくださる点はごもつともでありますが、ざつくばらんに概要を申し上げて御了承願います。
#13
○瀬戸山委員 繰返して申しますが、石川氏は各種の計画は今日画餅に帰しおると言うが、計画はともかく、実施に支障を来す、その実施にどこに支障を来すかということは、今の御説明では結局経費の問題であるように承ります。この法律をつくつたら経費が出るかどうかの問題は次に申し上げますが、経費だけの問題ならばこれは簡單であると思います。そのほかにあるかどうか。もう一つ都市局長が見えておるので伺います。私どもは東京都と都市局との関係にいざこざがあるかどうかしれませんが、そういうことを問題にするのではないのであります。ほんとうに首都を建設するなら、すべての隘路を取除くという目標で行かなければ、この法律をいかにりつぱに書きましてもだめであります。それをつくつてもいけないのなら、初めからつくらない方がいいという考え方から、こまかにお尋ねいたしておるわけであります。石川さんはざつくばらんに、実施にさしつかえがある、計画はとにかくと言われましたが、この法案では委員会は計画だけをやることになつております。実施はやはり東京都がやられることになると思いますが、資金の面以外に、実施にさしさわりがあるかどうかということと建設局長は資金が名古屋と同じであると言われましたが、これについては何かさような資金のいらない事情があるかどうかということをお尋ねいたしておきます。
#14
○八嶋政府委員 東京都の問題につきまして、瀬戸山委員からいろいろの御意見を拝聴いたしたのでありますが、東京都の首都としての建設につきましては、従来私ども都市局といたしましては、できるだけ首都の建設らしいことに御協力をして行きたいと考えておつた次第でございます。今石川局長からお話がございましたように、従来戰災復興を初めとする都市計画の予算は、非常に微々たるものであつたということのために、一つの計画が、今日に至りましてもなかなか容易に実現し得なかつたということにつきましては、私はこれも一つの大きな原因をなしておるということが、確かに言えると思うのであります。今後皆様方のお力によりまして、戰災復興並びに都市計画の事業の予算の獲得につきましても、格段の御配慮を願いたいと思うのであります。一面におきましてそれとともに、都市というものはやはり問題がいろいろ錯雑いたしております。人が多いという関係のみならず、いろいろな各省関係を初めといたしまして、各事業者が非常に多くおるということのために、また事態が非常に錯雑いたしておるということ、事業の進行の速度が非常におそかつたということで、名古屋との比較の問題がございましたが、予算が実はかような形になつたのでありまして、私は別に東京都の職員の方方がどうだ、こうだということを申し上げるのではなくして、その事態が名古屋あたりと比べますと、非常に複雑である。これを解決するにつきましても、やはり相当の長時日を要したということのために事業が一向にはかどつて行かなかつたということのために、私どもといたしましては、やはり事業がはかどるためには予算がどんどん出て行く必要がある、こういうことは言えるだろうと思います。そういう意味におきましては、都市計画法だけでは解決し得なかつた部面を、現在この首都建設法によつて強力にやつて行こうという御意図が出ておりますので、場合によりましては、また東京都だけにまかせないで、国みずからが事業施行するというような方面も考えられておりますので、私は従来よりも、この首都建設法案が成立しこの力によりまして事業が推捗し得る度合い、速度が進むのではなかろうかということを信じておる次第であります。
#15
○瀬戸山委員 八嶋局長のお話では、東京都の仕事がきわめてとは申しませんれけども、ある程度鈍かつた。鈍かつたから金の出しようもある程度少かつたというお話でありますが、その仕事の推捗がおそかつたという点は、何も東京都の方々が怠慢であつたのでなくて、各種の事情が錯雑して進行がきわめておそかつた。この法律ができれは――やつてみなければわかりませんけれども、そういう点がある程度解決されて、事業が進行するのではないかという、局長としてもこの法律の成立を希望しておられるように私は付度いたしたのであります。
 そこでもう一つ、それでは東京都の受入態勢はどうなつておるか。東京都からも相当陳情がありましたので、希望されておるとは思いますけれども法律の上から――先ほども申し上じましたが、やはりこれは特殊の都市計画でありますので、都市計画審議会でありますか、これらにかけなければできない問題であると思います。かりにここにありますところの首都建設委員会が基本計画を立て、それを国その他の行政庁と申しますか、東京都に勧告する。それらの勧告については先ほど御説明がございましたが、東京都では都市計画を立てられるについて、やはり東京都の都市計画審議会にかけられるごとになつて、それが具体化されて来ると私は思うのでありますが、そういう組織の中でこの法律ができて、この首都建設委員会の議にかければ、受入態勢ができておるということを提案者でもかまいません、東京都の建設局長さんでもかまいませんが、はつきりさせていただきたい。
 それからもう一つ現在の東京都の都市計画はきちんときまつております。それを変更される考えがあるかどう。か
#16
○井手委員 だんだん御質問がむずかしくなつて来たようですが、大震災の直後におきましての百三十万の罹災人口に対しまして、現在の戰災復旧に対しまする三分の一程度の復興につきましても、当時はこのような首都建設法などというような強力な法律は持つておらなかつたので、單純なる特別都市計画法の範疇におきましても、国家と地方公共団体であります東京府及びその下部組織であります東京市とが、それぞれ復興院、復興局等を創設いたしまして、強力なる事務機構、行政機構のもとに、三段構えで当時のいわゆる帝都の復興がなされたような時代もあつた。そういうことで今日あれだけの復興ができて来ておるのであります。そこで東京都といたしましても、あるいは建設省といたしましても、でき得ればその線まで持つて行きたいという気持を私どもは十二分に持つておるのでありますが、先ほども申し上げましたように、戰災を受けたという考え方ばかりから行きますと、全国の都市、市町村にも及ぶ問題でありまして、その面においての構想というものを、この際取上けることはどうかと考えます。でありますからこの首都建設法のねらいであります新たな平和文化国家の首都としての東京都の体様におきまして、その計画を推進する機構というものを、そういう行政的な、いわゆる従来の封建的態勢に求めないで委員会に求めた、こういうふうに御解釈を願いたいと思うのであります。この法律が通りますれば、現に御承知のごとく、東京都の都市計画につきましては、国家機関の援助のもとにりつぱな計画が推進されつつあるのであります。先ほど局長からお話がありましたように、東京都は複雑をきわめる大都市でありますので、本法の第十條に協力なり援助というような大きな目的を掲げまして、そうして国民の総意を盛る委員会の意図によつて第十條が発動する。さらに関係機関がこれに伴う態勢を整備しつつ、三位一体の態勢において首都の建設に向つて行く。今日の機構では十分とは考えておりませんが、今後大いに整備してもらつて、建設省も国家機構としても大いに整備を要するであろうし、東京都としても、この法の制定によつて大きな機関をつくり上げまして、首都建設の計画を進めて行く段階にあるのでございます。ただいまの点で十分とは考えておりません。なお受入れ態勢があるかどうかという点につきましては、十二分とは申し上げかねますけれども、この法の意図のもとに、着々その方向に進みつつあるということだけは、御了承願いたいと思います。
#17
○瀬戸山委員 大体この法律が通れば東京都はよくなると思うのであります。しかし先ほど大正十二年の震災のことを例に出されましたが、あの当時は、私も東京市におりましたが、きわめて悲惨でありました。しかしながら、そのときには東京及び関東一円だけの問題で、日本全国はまだ健全なときでありましたので、それにさらにアメリカその他の諸外国の援助もあつて、強力に復興に進むことができたのであります。しかし今日では東京都のみならず、日本のほとんど大半の都市が同じ状態に置かれておりますので、東京都だけにさようか震災当時のような強力な手段がとられなかつた。そこでこういう法律が出て来る因になつておると思いますが、それはそれといたしまして、次に提案者におわかりでしたら、提案者の意向を聞いてみたいと思います。大体首都でありますから、普通のいわゆる一地方自法体という考えだけではございませんけれども、先ほど提案理由の御説明の際においても、住民投票のところの御説明では、やはり地方自治体であるというお考えに基いてできておると、私はかように了承いたすのでありますが、この法律のどこそこということはあまり時間がかかりますので申し上げませんが、大体相当程度に東京都の自主権を害するようにできておる。先ほどこの点については多少の御説明もありました。しかしながら今日最も日本で叫ばれております、東京都の、いわゆる地方自治の自主独立と申しますか、自主性と申しますか、その点を相当これによつて阻害される。一々條文を指摘することは省略いたしますけれども、そういうことは当然提案者においても一応懸念されて、それについてのある程度の説明がありましたが、その点ただ首都であるという点が多少他の都市とは違いますけれども、しかし繰返して申し上げますが、やはり一地方公共団体であることは、明文上はつきりいたしておるのであります。その点をどういうふうに考えておられるかということを、もう少しはつきりさせていただきたい。これは当然問題になるところだと思います。
#18
○井手委員 先ほど御説明申し上げた程度に、実は私も非常にむずかしい問題として、あれだけの御説明を申し上げておいたのであります。御指摘の通り、そういうきらいがありはせぬかということは、この立法に当りましても、私たちは重大なる関心を持つたところでありまして、御指摘の点はごもつともだと思うのでございます。具体的に地方自治法に抵触するということはもとより考えてはおりませんが、ただしばしば申し上げますように、確かに法文上現在の地方自治法の範囲内においては、東京都はいわゆる普通地方団体であり、そのもとに包括する二十三区は特別地方公共団体である。こういうものが包据された連邦的な性格のもとに東京都が成立しており、さらに三多摩、東京都下を包括します日本の地方自治団体に例を見ない特異な姿において、東京都が現存しておることは皆様の御承知の通りであります。そこでこの東京都は地方自治法の一般普通公共団体の線において計画され、建設されなければならぬものですが、それが本来の自主性ではないかという御議論ももとより当然でありますが、先ほど申し上げましたように、東京都は地方自治法の特別公共団体と定めておる以外に、内蔵しております諸機関なり、あるいは日本の首都として建設するという方向に向いますならば、さらにそういう自主性の上に国家的自主性を加え、さらにそれによつて東京都の本来の自主性を強くしてやる。こういう意味合いからそこに強力に自主性を保護する、自主性を助長する、自主性を援助する、そういう意味の法律だという考え方で制定されたのであります。また先ほどもそういう意味合いで御説明申し上げたのでありますが、そういう点を十分私どもは慎重に考えまして、御意見の点に触れないように考えた次第であります。御質問の点については、運用にあたりまして、十分地方自治法の精神を汲んで運用しなければならぬと考えております。そういう意図のもとに自主性を尊重し、自主性を援助し、自主性を助長する、そういう方針でこの法律を運用するという考えであります。
#19
○瀬戸山委員 これはきわめてむずかしい問題だろうと思います。東京都はもちろん一地方公共団体でありますが、今提案者の御説明のような部面も多分にあるのであります。ただ私は、あえて首都を建設することに、最初に申し上げましたように反対するものではなく、きわめていい点に着目されたというので、敬意を表しておるのでありますが、ただそれだけに便乗することは、私は許されないと思う。問題は今日税制の改革も始まりまして、地方の各市町村に至るまで、その住民の負担において、住民税やそこに存する土地、そこに存する家屋、それに対する税金によつて、各地方公共団体を、そこに住む人たちの力によつて、独立した形体で建直ししなくてはならないというのが、現在の日本の根本的な行き方であります。そこで東京都は首都であるがゆえに、その精神を没却されまして、單に首都であるという点に――これは言葉が誤つておるかもしれませんけれども、国の力に便乗して、全国民の税金によつて、東京都を建設する。首都という点は私忘れてはおりませんけれども、この際全国民の力に依存して――地方各市町村はその住民自身の力によつて今日その各市町村の経済、文化、政治を建設して行かなければならない段階にちようどあるときにこういう法案が出て来たのであります。その点で、これは提案者に申し上げても、局長さんに申し上げてもしかたはないのでありますが、この法律をつくる根本の精神が――東京都の六百万か七百万であろうと思うのでありますが、住民の方々が、真に東京都に住む者は日本の首都に住んでおるのだ、この本法案の第一條に書いてありますような、意義のある日本の首都に住んでおるのであるから、われわれの力によつて首都を建設するというお心構えがないということになりますと、これは全国各市町村の住民にはちよつと納得が行かないのであります。その点について提案者にお尋ねしてもしかたがないのでありますが、大体空気はおわかりだと思いますから、東京都の住民の各位はいかなる考えを持つていられるかということを、この際御感想の程度でよろしゆうございますから、お伺いしたいと思います。
#20
○井手委員 たいへん大切な急所の御質問のようでございます。私どもも、でき得れば東京都民の負担において、何ら国家的な特別な措置を講じなくても、それこそ東京都民の面目にかけても、世界に誇るべきわが国の首都を建設したいという熱望がありますことは、東京都民のだれもが考えておることであります。しかし今日は地方自治団体といたしましても、財政的に苦難でありますことは、皆様御承知の通りでありまするし、先ほど申し上げましたように、特に諸外国との交流におきましても、また全国的に見ても、流動人口の多いことでは、東京都は特殊な形にあるのでございます。たとえば定時的な人口が六百万でありますと、これに流動人口を入れまして――最近の材料は私知りませんが、一番多い時は八百万から一千万の人口を抱えておるのが、東京都の姿になつております。相なるべくは私はそういう点を御考慮願つて、広島、長崎等の一例によつて示されますように、できることならば国有財産法の第二十八條の規定にかかわらず、その事業執行に要する費用負担、もしくは普通財産の讓與等についても、同じような意味においての好待遇を受けたいという気持はあるのです。実はこれはあまえ過ぎた気持になるかもしれませんが、その気持は十分あるのであります。しかし御指摘のような、どこまでもこれは自主的にこういう問題は解決すべきじやないかという点も考えなければならないと思います。東京都は他の都市に比して、そういう不明の過重負担もありますかわりに、また表に出ない恩恵もあるわけで、そういう点も実は相殺いたしまして、他の特別法に見られない普通財産の讓與ということも、実は譲渡というふうに讓つてあるのでございます。その点も、ひとつこれは東京都民の自主的な立場によつてやつて行くという意図の現われだというふうに、御解釈いただきたい。そういう気持は十分に持つている次第であります。
 なお今後は首都建設についても、住民投票によつて都民の意図を十二分に暢達いたしまして、この高遠な理想に向つて都民が自主的に立ち上つて行くように、われわれは指導しなければならぬ。また輿論をそういうふうに持つて行かなければならないと思つております。費用負担について御意見がありましたが、その自主的な体制においてやるということについて、費用負担についても大分御意見がわかれると思うのでありますが、先ほど申し上げました私の説明にあります通り、こういう際でありまするので、できる限り公の負担も都民の負担においてこれを執行したいという気構えが、この法案の中に盛られておることは、よくおくみとり願いたいと思います。しかしできますならば、私は都市計画法第六條の二の規定にありまする事業執行に要する費用等につきましても、十二分に国も東京都民の総意を受けて立つていただきまして、その負担割合等に対しましても、十二分に援助をいただきたいという希望を持つておるのであります。しかしこれは法文の上にも現われておりませんけれども、実はそういう意図も十分に持つて、先ほどお話がございましたように、地方自治団体たる東京都の自主的な住民の意図を、さらに国家的構想をもつて、国家の裏づけと両々相まつて、誇るべきりつぱな首都を建設したいというのが念願とするところであります。御指摘の点は十分都民もこれを受けて、今後首都建設に十二分に努力するということを申し上げ得ると、私は思うのであります。
#21
○瀬戸山委員 東京都の方々の御決意を感得された提案者の御意見を承つたのであります。私は何も東京都は地方公共団体であるから、東京都の住民の方々だけで建設しなさいという、狭い考えは持つておりません。この法案の第一條に掲げてありますことは、きわめて重要なことであると思います。そこで先ほど提案者が、首都としてほんとうに平和国家として立つて行くところの、しかも国際的に今後どうしてもやらなければならないこの日本の首都東京都として、この際国の力を借りてでも、これを第一條の目的に沿うような都市にしなければならないことは、冒頭の提案理由のときに述べられたのであります。ところが私が東京都民の各位の御決意を承つたときは、遠慮されたと思いますが、なるべく国家には迷惑をかけないような方法で、しかしできるだけ援助を受けたいのだというお考えだつたと思いますが、私は法律をつくるときは――何もそういうことでありましたならばこれは陳情と同じでありますから、そういう気持で提案いたしておる気持はないと思います。少くともどうしてもこの法律をつくつて、この法律の目標に向つて効果を表わさなければならぬという気持でありますならば、むしろこの際もう少し国の力を――日本全国の首部でありますから、全国民の力を借りて、すみやかに首都を建設しなければならないという考え方を持つております。そこでただいま提案者からも触れられましたが、大体この十三條であります。これはきわめて小さい字句の問題でありますけれども、字句ばかりでない。たとえば過般制定されました広島市平和記念都市建設法、それから長崎国際文化都市建設法は、いずれも第四條にはちやんと国の普通財産を譲り與えるということが書いてある。さらに今提案者も申されましたように、国の負担をもつてこれに加勢するという意味の規定があるのであります。ところが日本全国の首都である東京首都建設については、譲り渡すというのは、どういう譲渡上方であるか。これば法制局の方が見えておると伺いますけれども、他の場合においては譲り與える、しかもその上に国の経費をもつてこれに相当の助成をするということが、われわれの国会において制定されておるのであります。これは同じような法律であります。しかも日本国民が中心としておるところの首都の建設については、それはいらないというお気持で提案されたのかどうか。私はどもその点については重大なる疑問を持つております。もちろん長崎、広島、これは原爆でありますから、世界の注目を引いたところであります。これについて援助を惜しまないという気持は、日本国民全体にあると思います。しかし首都であれば、これはいらないということは、それはちよつと受け取れないので、もう少し提案者のほんとうの気持を、十分にこの際委員会に反映さるべきである。かように考えておるのであります。譲渡ということは、有償の場合、無償の場合のどつちにも解釈できるのでありますけれども、こういうふうにどつちにも解釈できるような言葉はあまり使わない方がいい。やるなら譲り與えるのだ、やらないのなら売り渡すのだというふうに、はつきしりいたすべきであると思いますが、この点については、先ほど提案理由の御説明である程度触れられておりましたけれども、首都建設をはかりたいという熱意をもつて提案されたほんとうの気持を、この際披露さるべきであると思いますが、いかがでありますか。
#22
○井手委員 非常にごもつともな御意見であります。最近の国有財産法の二十八條には、譲與という言葉を使つてございまして、私どもが関知しておりまする旧制の立法には、あまり使つておらなかつたようでございますが、最近讓與という言葉を盛んに使つておるようでございます。私どもも、でき得ればそういうことにしたいと考えていたのであります。しかしながら、先ほども御指摘がありまするように、そういう気持は十分にあるのでございますけれども、何と申しましても、東京都は全国の首都でもありまするし、また厖大な人口と財政経済力をかかえておりまする実力のある都市でもございまするので、先ほども御指摘があつたように、あまりこの法案に便乗して、国家の普通財産をただでよこせといつたふうな面までつつ込み過ぎても、どうかという気持で、実は譲渡という言葉に直したのであります。もとよりこれは国有財産法の二十八條にありまする讓與という意味もあり、いわゆる無償譲渡の場合もあるでありましよう、また有償譲渡の場合も、必要に応じてはあり得ると存じますが、大体におきまして、その運用の面にあたりまする実際と照し合せまして、有償譲渡の場合があつてもさしつかえない、また無償譲渡の場合もあり得るというふうな意味をもつて、実はこういうふうな言葉に直したのでございます。これは御趣旨のように、国家的な首都を建設するという建前から、強力な措置を與えるという点から、譲與という言葉にすることは、私どもの最も望むところでございますが、しかしながら、ただいま申しましたような意味におきまして、国民が十二分にその機能を発揮し、また東京都の自主性を発揮できる面においては、有償譲渡を受けても発揮したいという意味から、讓與という言葉を讓渡という言葉に直したということを、御了承いただきたいと思います。これは重要な点でございますから、重ねて申し上げておきたいと思います。
#23
○瀬戸山委員 もう少し小さい点でありますが、これは法制局の方が見えておつたから、きのうの法律ときようの法律と違つておるような法律は、国会の意思は一つでありますから、私どもそういうことはやりたくないという意味で申し上げておきたいと思います。法律の一つ一つによつて同じ問題が別個に規定されるということは、もちろん特別の事情があればやむを得ないのでありますが、そういうことばかりやられたのでは、国会の意思というものは一定されておらないというふうに世間から見られるのであります。それはただいま申し上げました十三條の譲渡という言葉です。その気持については、提案者から御説明がありましたから、そういうことをお尋ねするのではありませんが、昨日も別府の国際観光何とかいう法律が委員会を省略して通遇いたしました。さらにそのほか先ほど引用いたしました長崎、広島に対する特別立法においても、同じく譲與となつている。それが今日同じような特殊立法であるこの首都建設法案においては譲渡になつている。それともう一つ附則の第三項には、先ほど提案者から、これについて非常に苦しい立場の理由が述べられましたけれども、その理由は理由といたしまして、法律は引用いたしませんが、この法律ができたら住民投票をやる。この住民投票をやる費用は、今日まで三つできましたかような特別立法においては、何らの規定がないのであります。
    〔内海委員長代理退席、松井委員長代理着席〕
従つてこれは国費をもつてやるということに相なつておるのでありますが、本法においては、その理由は先ほど御説明になりましたが、同じ法律の形式でありながら、これだけは東京都が負担するのだというようにやりますと、今後いろいろな法律が出て来ると思いますが、一体国の意思はどこにあるのか、国会の意思はどこにあるのか。昨日の法律案は、私どもは知りませんからわかりませんが、いかに民主主義国家であつても、法律というのはそうあつちでもこつちでもいいというのではよくない、かような考えを私は持つておりますが、法律の統制をとつておられる法制局のお考えを、この際参考として承つておきたいと思います。
#24
○福原法制局第二部長 第十三条の普通財産の譲渡という点は、たとえば昨日本会議を通過いたしました別府国際温泉文化都市法、あるいは第五国会の広島、長崎の特別都市建設法についての規定と表現が違うではないかということは、確かにその通りでございまして、その点立法的に統一をとるということは、あるいは望ましいことでないかと私たちも御同様感ずる次第なのでございます。しかしこれはさつきも提案者の方が御説明いたしました通り、むしろ従来の讓與という表現よりは多少対象を広くいたしまして、一般に譲渡できる、すなわち讓與を含む意味の譲渡であるというふうにして広げて行く、こういうことになるのでございます。なお今まで三つ出ました特別法の同種の條文については、これは国有財産法二十八條の規定にかかわらずという表現を使いまして、その趣旨は、国有財産法二十八條には特定の公共用物である普通の財産が、公共物廃止になつたような場合においてその拂下げと申しますか、それを従来のそのものの存する公共団体に讓與することができるというふうに、かなりしぼつた表現があるのでございます。そのような制限を撤廃するという意味だけのように解釈して、適用されているように考えるのでございます。従いまして本法案の十三條では、そのような特別の公共用物であつたものが廃止された普通財産というものに限定されないというだけの差は出て来ると思います。なぜ実体的にかような表現にかえたかといえば、結局実体が違うからかように表現をかえた、こう解釈せざるを得ないのではないかと考えております。またさらに附則の第三項に至りましては、これは先ほどから提案者の方がるるお延べくださつたように、われわれも法律的に見て、これは統一がとれていないという点については、これまたまことに同感でございまして、できるならばかようなことは望ましいことでないとまでも言い切れるのではないかと思います。しかし諸般の情勢、予算措置その他からいたしまして、かような規定を置くことによつてこの法律策が成立するというのならば、これもまたこの点のみにおいて法制的の不統一があるから、この法案は望ましくないとまで言い切れる法制的な技術面から申し上げるほどの強いものではございませんから、これは法制局といたしましても、不都合のないものとして入れてある次第でございます。
#25
○瀬戸山委員 もう一点、とにかく同じ法律が最近これで四つ、これは提案でありますからできるかできないかわかりませんが、三つできて四つ目であります。こういうものが一つ一つ出て来て、この都市については負担させる、この都市についてはただでやるが、この都市についてはやらぬというような法律が続々と出て来ましては、これは国会の意思というものはきわめて奇怪きわまるものになるのでございますから、法制技術的な面からお尋ねいたしたのでありますが、御意見は承つておきます。もう一つ繰返して申しますが、大体法律をつくるときにはそういうものは、実際に国民生活にただちに影響があるように実施するというのが目的であります。こんなものをつくつてこういう法律ができたそうだというくらいのことなら、何もそういうことができるときにやればいいのであります。そこで附則の第一に、本法は公布の日から施行する。但し委員会の設置はこれに要する経費の支出が予算上可能となつたときにまるでこれは専売裁定みたいな、予算上何とか可能な場合とか、そうでないとかいうような奇妙なことになつておりますが、これは現下の財政状態を考慮されての立案だとは思います。しかしながら首都を建設するにはどうしてもこの法律がいるんだ、しかもこの法律を生かすのには、首都建設委員会ができなければ計画もできないし、勧告もできない。従つて先ほど石川局長が言われましたように、きわめて遅々たる、首都にふさわしからざる都市計画を、なお日々夜々続けて行かなければならない。そういうことに相なるのであります。ほんとうにこの法律を施行して、すみやかに国際平和国家の首都として立てなくてはならないという決意があつたら委画会にどのくらいの費用がいるか計算はいたしておりませんけれども、そういうものは国にただちに出させてやるという決意がなければ、この法律は、先ほど提案理由で、近い機会にそういう事態になるという期待を持つておられるということでありましたが、きよう大蔵省の係は見えておらぬかしれませんが、そういう点をはつきりさせなければ、金ができたらかような仕事をするような法律をつくるんだということは、これはちよつとおかしいのじやないかと思います。もし大蔵省とでも折衝されておりましたならば、もう一度提案者から、今日までのいきさつを御説明願いたいと思います。
#26
○井手委員 これはきわめて具体的な適切な御意見だと拝聴いたします。実を申しますと、従事長崎及び広島あるいは昨日本会議を通過いたしました別府の観光法案にいたしましても、お説のように予算的措置を伴う法律案として予算的措置がついておりますならば、あえてここに特別に一項を入れる必要は実はないのでございます。特別法の特殊な行き方と申しますか、予算案が成立後に法律案が成立をして来るというふうな形のものにつきましては、これは財政的措置の立場からいいましても、法律を取扱う立場からいいましても、でき得る限り良心的に、筋の通るようにきめておくのが法律の建前ではないかと私は思います。そこでそうならば従来まで通つております法律はこういうことに触れておらない、現実に触れておらない。東京都の首都建設に関する限り明瞭にこれが入つておるということは、法律案の取扱い方といたしまして、むしろ私は矯激ではないかというふうな気持で、実はきめたのでございます。わずかな委員会の費用でございますから、おそらく私ども今日までの大蔵省の折衝経過につきましては、財政的措置につきましては、大蔵当局もこれに賛成をいたしておるのであります。従いまして法律案の成立と同時に、これはそれぞれの適法な措置によりまして、財政的措置が講ぜられると、実は私は確信を持つておるのでございますが、ただ申し上げますように、住民投票の費用にいたしましても、地方都市のごとく三百万円か五百万円の費用において措置し得るところでありますならば、これは大局の上から、問題なくあるいは措置し得るから、法律上何もそれを明文に表わす必要はないという議論も立ちましよう。しかし東京都のごとく六百万以上の人口をかかえまして、住民投票一つ取上げてみましても、相当莫大なる費用を要するというものにつきましては、その財政的な措置については、法律上明瞭に措置しておくことが適切である、こういう考え方で、実はきわめて正直にこれは盛り込んだのでございますが、おそらく国会の総意によりまして本案が成立いたしますならば、従来賛成の意を表しておりまする大蔵当局も、ただちにこの財政的措置を講じ得るという確信を私は持つておる次第であります。なお国会の権威にかけても、本法案の成立と同時に、それぞれ具体的な財政的措置が講ぜられますように、一段の御支援をいただきたいということをお願い申し上げる次第であります。
#27
○瀬戸山委員 一応これで私は終ります。
#28
○淵上委員 時間がありませんから簡單に一点だけお伺いしておきますが、この第十二條の行政同庁が執行するということ、並びに同意を得なければならぬ。これは東京都が国の首都であることにかんがみて、必要である場合におきましては、特別こういう法律がなくても、協議あるいは同意を得てできることではないかという気がいたします、第十三條の譲渡のごときも状況によつては有償、あるいは無償で譲渡もできるのであつて、十三條なんという特別法文がいるかどうかという疑点がありますので、先ほど来御説明によつて御趣旨はよくわかりましたが、東京都は新しくわが平和国家の首都としての、こういう立法措置をするという趣旨はわかりましたが、もしそうであるならば、この第五條の規定のように、委員会に特別の組織、あるいは十條、十一條の協力、援助勧告等はまことにけつこうな措置でありますが、一面からいいますれば先ほどのお話のように瀬戸山委員からも出ましたように、自治制の抑圧になるかのきらいもありますので、むしろこれは十二條、第十三條を削つて、いまさら首都建設でもありますまいから、あるいは建設計画委員会法となすつたらいかがかと思いますがその点に関する御意見を伺いたいと思います。
#29
○井手委員 これは冒頭に御説明をいたしましたように常識的に東京都がわれわれの首都であるということは議論の余地はないところでございますが、今日日本の段階におきまして、ことに大戰災の復興のあとを受けまして、東京都を新らしく日本の首都として建設するのだという大きなねらいを、国民の総意を盛り込んで立法化するということが、この法案の制定の趣旨であるということを申し上げたのであります。そういう意味におきまして、実はこの法律ができ上つておるのでございます。そこで單純に委員会を設置すれば事が足りるのじやないかという考え方とは、また別の意味の考え方を実はいたしておるのでございます。そういう意味合いで首都建設法という法案にしたことを、私どもはむしろ好んでこういうふうにいたしたのでございます。御意見は十分さうあつても実際にかわりはないのじやないかという意見もごもつともだと思いますが、東京都を今日日本の首都として建設するという国民の総意を、国民の関心のもとにこの首都を建設するという、法案のねらいがそこにあることにおいて、ひとつこれはこのままでお願いを申し上げたいと思ます。
 それから先ほどもお話がありましたように、文化都市、平和都市の長崎、広島の原子爆撃による災害も甚大であつたが、東京都は原子爆弾は受けておりません。しかし御承知のように、昭和二十年の三月九日を第一次といたします空襲によりまして、死傷いたしました東京都民の数は、広島、長崎の実は数倍になつておるのでございます。原子爆弾こそはありませんけれども、両都市の損害の数倍になつておる。これは私らもこの機会に申し上げたいと思つておる。でありますから人的な生命を失つたということは、数字を発表することはちよつとはばかりますが、東京都は非常に大きな損害を受けておるのでございます。これは明らかに発表にはなつておりませんが、相当の痛手を負つておる。そういう意味で首都建設を、その上においても国民の総意を盛り込んでやつて行くという力強い線を出すように、首都建設法というがつちりした態勢で持つて行きたいという気持で、この案を提出した次第でございます。
 またお議のように行政官庁が行うことができる。これは従来の建前でありますと、特別都市計画法及び都市計画法において決定いたしまして、それぞれ各省の措置する事項がきまりますれば、これはどの省がやつてもかわりはないのでありますけれどもこれは先ほど石川局長からもお話がありましたように、東京都の行政の実体あるいは首都の実体がきわめて複雑でございまして、政府の機関が全部東京に集中しておる。たとえば一つのことをきめるにいたしましても、やはり伝統的の各省割拠主義等の弊害もありまして、なかなか困難であります。これは全然ほかの都市とはかわつた複雑なる意味を持つておる。そういう意味で、大きな首都建設という面で計画を想定いたしますれば、どの省がやつてもいいのでありますけれども、その範疇において大きな構想のもとに、相協力して円滑に運んで行くという意味で十二條は必要であると私は考えるのであります。これは東京都の複雑性にかんがみまして、特に十二條を私は掲げた次第であります。
 十三條につきましてはいろいろ御意見もありますが、ただいま法制局部長からも申し上げたように、むしろこれは広い幅をもつて、広く首都建設に参加してもらうという意味合いにおいてという御解釈で、ひとつお許しを得たいと思うのであります。
#30
○砂間委員 私は本案の審議にあたりまして、最初に一つの希望があります。それは先ほど来提案者の御説明を伺つておりましてもわかるように、本法案はきわめて重要な法案であります。
    〔松井委員長代理退席、委員長着席〕
従つてこの審議にあたりましては、十分愼重に審議を盡していただきたい。そのためには、場合によりましては公聽会を開き、あるいは地方自治とも深い関連を持つておりますから、地方行政委員会との連合審査会を開くというふうなことも、必要ではないかと考えております。そういうわけでありますから、匆卒の間に、十分な審議も盡さずに、いきなり採決してしまうということのないように、十分審議を盡す機会を與えられるように、まず最初に希望しておきます。
 そこでこの提案理由の説明についての御質問に入るわけでありますが、まず第二條の重要施設の基本的計画というものは、具体的にどういうものであるかということを、お伺いしたいと思います。この点については、先ほど来提案者並びに石川局長の多少の御説明もありましたけれども、なおもう少し詳しくお伺いしたい。と申しますのは、これまで一応東京都の都市計画なり、あるいは復興計画なりが立てられて来ておると思うのです。ところがそれが不十分であつて、そうして新たに首都建設法を設けて、別に基本的な計画を立てるような、そういう委員会を設けてやらなければできない。そういう計画は一体どういうものであるか。その点にも関連いたしますので、重要施設の基本的計画というものの具体的内容につきまして、もう少し詳細に御説明をお願いしたいと思います。
#31
○石川参考人 東京都の在来やつておりました計画、いずれも重要ならざるはなく、ほとんど盡しておつたのでございましたが、ただその基本計画を、在来は何といたしましても、いわば六大都市の一つというふうな規模、あるいは力においてのみしかできなかつたことを、おわびするより仕方がないと思うのであります、たとえば最も重要な問題といたしまして、先ほど申し上げた以外につけ加えさしていただくといたしますれば、文化国家の首都となりましても、東京の文化性という面が全然はつきり打出してありません。これに対しまして、現在の法律によつてはそれの方法はないのでありますが、首都建設法ができますればさらに御心配いただきまして、たとえば文教関係の学園、その他のある区域に対する文教地区というふうなものを、指定いたしたい考えがございます。あるいはまた観光関係者が非常に集まる関係上、娯楽施設の集団しておりますたとえば観光地区と申しますか、消費観光地区とわれわれは称しておりますが、そういうふうな全国の人々の非常に集まります地区に対しても、特別の措置を講じなければならないというふうなことも考えております。あるいは首都の保健、あるいは、医療関係におきましての性格及びそのあり方を決定いたしますために、医療関係の特別地区も設定いたしたいものと考えておりましたが、これらに関しましては、今までは單に図上計画に終りまして、実際上の施行ができないような状態で参つております。これはきわめて簡單のようにお聞きとりになりやすいのでありますが、現在の東京というものは雑然としておりまして、首都たる性格、首都たる品格その他が、たとえばフランスに対しまするパリ、あるいは英国に対しますロンドンというような、あるいはアメリカに対しまするワシントンというような、首都としての性格はまだほとんど浮き出ておりません。これらに対しましては、特にその地元の公共団体の強力な力、及びそのなし得まする範囲内では、とうてい達し得ないのでありまして、いわゆる上位の力、あるいは国全体の判断というようなものが強く加りまして、首都建設というようなことが、制度上確立された上でなければ、どうしてもそういうことは浮き出て参らないと思うのであります。その他、先ほど来申し上げました交通問題にいたしますれば、たとえば東京駅の玄関口をいずれにするかというようなことに対しましても、今までは、ただお互の間のいわば協議というようなことで、漠然と、そういうような線に沿つて動いておるにすぎません。あるいはまた公館と申しまして、各官庁の所在区域なんかに対しましても、ただ自然発生的に、それぞれの向きにおきまして計画されている場合が非常に多いのでありますが、首府となりまして、首都建設をなすということが、国家において明らかに確立されますれば、それに対しましても、おそらくあらゆる国家の力をもつてしなければできないと思うのでありますが、それらを御発動願いましてやつていただく。これらに対しまして、先ほど来地方自治制度の立場からいたしまして、東京都のその自治権が犯されるのではないかという御心配、まことにありがたく存ずるわけであります。しかしながらわれわれといたしまして、ここ五年間の計画の衝に当りましての経験、あるいはその結論といたしましては、やはりこういうものは、地方自治体としましての責任と、なし得ます範囲内において全能力を発揮すべきでありますが、しかもその上位にありまして、国家の判断、国家の権力、あるいはむしろ国家が首都として、いわゆる最も首都たる基本的な面に対しては、国家が関與してやらなければ、いわゆる世界の首都の列に入る、世界の首都の範疇にこれを入れるということは、むずかしいのではないかということを、この五箇年間において痛切に感じたわけであります。このたび、この首都建設法をお出しになるということを伺いまして、われわれはこれにまことに欣然としておるわけでありますが、この法律が出ますにつきましても、都議会におきましても、全会一致をもちまして、御設定いただくようにこちらに具申いたしております。また都の理事者その他も、この建設法が一日も早くまとまりまして、われわれの責任を達し得るように皆希望しておるのでありますから、こまかい点につきましては、一々あれこれと申し上げることはできないのでありますが、たとえば住宅建設におきましても、あるいは先ほど来申し上げまする、東京都の性格を根本的にかえます公園緑地のあり方につきましても、ただいままではいわゆる六大都市の範疇においてのみやり得るということを、われわれは非常に痛切に感じておつたのでありますが、国家において首都を建設するということは、国家の重要事務の一つである、こういうふうにお考えいただきますならば、私どもの仕事も非常にやりよくなりますし、首都そのものも早くできると思います。これはあれやこれや、どの事業がどうというようなことをこまかく申し上げることは、かなり煩雑にたえないと思いますので、以上申し上げました点でお聞き取りをいただければけつこうだと思います。
#32
○砂間委員 ただいまの御説明を聞いておりますと、計画の実施施行の面におきまして、都だけの力では力が弱い、その他いろいろ支障があつて困難であるというように承つたのとありますが、しかし本法案は、大体基本的計画を立てる。それから施設の計画及び事業の基準となるものというようなことが言われておるのでありまして、もつぱら基本的計画を立てるという点に重点が置かれておるように考えるのであります。ところが今石川局長の御説明を聞きますと、計画はこれまででも十分立つておるけれども、何分力が弱いために、実施施行の面においてはうまく行かなかつたということでありますが、この計画を立てるという面におきましては、ただいま御説明になつたいろいろ、文教地区だとかあるいは観光地区、医療保健地区、その他地下鉄高速度鉄道、港湾、大公園、地方公団、緑地その他運輸交通、教育官衙、市街地計画というふうなことも、従来の機構で計画の面だけは十分できるのでありますか。もしそれが首都としてのそういう計画を立てるに、こういう法律ができなければどうしてもできないという、そこのところを――いわばそこが本法案の提案の一番大き骨子になると思うのですが、そこのところをひとつ、私どもに納得の行くように御説明を願いたいと思います。これは提案者でもけつこうですが、石川局長からお願いいたします。
#33
○石川参考人 ただいまお話がございました、計画ができるということは、これはまあ性格のきわめて一般的なものは、一通りこれはできます。しかしできるにいたしましても、その際の計画がはたして満足に行つたかどうかは、これは十分に反省させられるところが非常に多いのでございますが、特に首都といたしましての性格を東京に與える意味におきまして、たとえば公園のあり方でございますが、公園などと申しましても、上野公園とか何とかいう意味でなしに、いわば中央部における緑地のあり方ということにつきまして、あるいはまた先ほど来申し上げました、東京都の各地区のあり方につきましての、首都としての性格を発揮させる。たとえば公館のありまする公館地区であるとか、あるいは文教機関のあります文教地区、または慰楽機関になりまする慰楽地区というものが、世界の首都に伍してはずかしくないところまで行くという計画は、在来の力ではとうていできません。これは基本的なる国の計画に基いて、国民全体の総意による首都建設が最も重要なことである。だからこの点について強く言つてしかるべきである。こうきまりますれば、他の関係いたします官庁あるいは公共団体といたしましても、当然計画順位といいますか、優先性といいまするか、首都建設に重きを置くということが言えると思います。そうして初めてわれわれが首都であるという刻印を押し得るようなものができ上ると思うのであります。今のところは、微力であると言われますれば何ともお答えいたしようがないのでございますが、五箇年間いかように苦闘いたしましても、首都としての性格をつけますことは、何としてもいたしかねる一線がございます。この点は特にこの法律によつて、平和国家の首都として十分にその機能を発揮し得るように計画するという、第一條が必要であると思います。私が先ほど申し上げましたように、東京都は通念的には首都でありまするが、今回の計画においては、首都建設という面がまだ出ていません。この点において私はやはり第二條というよりも、第一條が非常に力強い裏づけになるのではないかと思います。
 それから建設面についてもむろん同様でありまして、首都建設が国家的な仕事であるということがここでお認めいただけますれば、おのずから建設の方も、首都として優先性を決定して参りまして、われわれの仕事がやりよくなり、またわれわれというよりも、下級官庁としての公共団体が、自分の力の範囲内において、自分の微弱な判断のみで行おうというのではなしに、首都建設としての仕事が行われるということができると思うのであります。われわれはむしろ第一條の目的と申しまするか、この條項をかなり強く、これをありがたく考えておるわけであります。
#34
○砂間委員 先ほど瀬戸山委員も御質問されたのでありますが、東京都が日本の首都であるということにつきましては、これまでも国民のだれでもがそういうふうに考えておりましたので、この法律ができなくても、平和国家の首都としての機能が発揮できるような建設設画が、できないことはないと私は思うのです。東京都のこれまでの力が弱ければ、その方の力を強化して行くことによつてできるのであつて、特にこういう法律をつくらなければできぬという理由は、どうも今の御説明では十分に納得できないのです。むしろこれまで戦災復興にいたしましても、それからいろいろな都市計画にいたしましても、それを阻害していた原因は、單にこういう機構上の問題とか、あるいは権力関係ということだけにあるのではなくて、もつと別なところにあるのじやないかと考えております。しかしこれは意見になりますから、討論のときに私の意見は申し上げたいと思います。
 さてその次には地方自治との関係についてでありますが、この点についても、先ほど瀬戸山委員がいろいろ言われましたが、たとえばそれに対する提案者のお答えによりましても、地方自治に逆行するとか、それを侵害し、破壊することは決してない。むしろ自治制を保護し、援助して行くことになるという御答弁でありました。私はいかにもそういう御答弁は、牽強附会の御答弁のように感じます。と申しますのは、この法案、なかんずくこの委員会の構成や組織に関する第五條等を見れば、これは何と言つたつて、もう地方自治の完全なる破壊であることは明白な事実だと思うのです。たとえば東京都議会あるいは区会等はかすみたいなものになつて、ロボツトみたいになつてしまう。最近道州制ということも一部には言われており、今月の十一日か十二月かの東京日日新聞の夕刊か何かにも、そういうことが出ておりました。東京都の場合には、区をどういうようにするとか、こうするという具体的なことの新聞発表もありました。あの新聞発表がどれだけ権威を持つたもので、どれだけ具体性のあるものかについては、私はここで別に何とも申しません。とにかくそういう論議も行われておるときに、道州制あるいは都議会、区会とこの委員会との関係について、御説明をお願いしたいと思います。
#35
○井手委員 地方自治法との関係については、先ほどるる御答弁申し上げましたが、私どもは、現行の地方自治法による普通地方公共団体としての都政の運用と抵触することはない。またあらしめてはいけないと御答弁申し上げたのでございます。この法律案の第一條にあるように、東京都が平和国家としてのわが国の首都として、十分に政治、経済文化の機能を発揮するように計画し、その計画の基準をきめ、推進し勧告することが委員会の任務であるときめてありまして、自治体の権限においてはおのずから限度がありますし、地方自治法の普通公共団体の権限等においても、おのずから限度があります。また計画し推進するにも、経済的に、財政的に範疇があり、それを国家的な権力によつて牽制しろという考えは持つておらない。どこまでも第一條に明示してありますように、首都としての政治、経済、文化等についての機能を発揮し得るように計画することを一歩も出ない、こういう意味において私は何ら抵薄することはないと申し上げた次第であります。
#36
○砂間委員 しかしこの委員会の構成を見ますと、建設大臣、衆参両院議員各一人、学識経験者四人となつており、東京都を代表する委員は、都知事と都議会の指名した者一人というだけであります。現在の都議会の構成等についても、一応選挙という形はとつておりますけれども、六百万都民の声を、はたしてほんとうに輿論として反映したものであるかどうかにつきましては、いろいろ見解がありますけれども、そういうことはおくとしても、都民の声というものは、この九人の委員の中でも、正式にはたつた二名しか出ていない人で代表される。そこでいろいろなことをきめて、それがほとんど基体的な計画になる。これを勧告するば、関係公共団体はほとんどこれに従つてやつて行く。場合によつては建設省や運輸省その他国がどんどん実行して行くことになつておるのであります。そういう点から見れば、明らかに地方自治の精神はここでまつたく骨抜きにされて、まつたく実をなくしてしまうことは明瞭だと思うのです。但しこの点についておまり深く議論いたしますと意見になりますので、差控えますけれども、地方自治をそこなわないという御説明が、先ほど来の御説明でははなはだ不十分であり、私どもはどうしても納得いたしかねる。ことに区会とか都議会との関係、あるいは今論議されております道州制との関係におきまして、それらの点について重ねて、くどいようでありますけれども、何か御説明がありましたら、もう少し私どもの納得の行くような御説明をお願いしたいと思います。
#37
○福原法制局第二部長 私から、ただいまの御質問の点に関連いたしまして、お答え申し上げます。実はこの法案を法制局といたしまして、提出者の方々の御委嘱を受け、研究いたしました際、法制局として最も関心を持つた点が二つあるのであります。その第一点は、東京都が国の首都としてあるべき姿を、いかような形でこの首都建設法案が取上げるかという点であります。その点を端的に表現いたしましたのが第一條でございます。その点はさておきまして、第二点が、この首都建設法というものが、憲法の保障いたしまする地方公共団体の、いわゆる地方自治の理念を侵害することがないかという点なのでございます。第二点につきましては、あくまでも地方自治の理念は尊重しなければならない、これを侵すようなことがあつては、民主主義政治における基本的なものを破壊するのではないかという理念に立ちまして、慎重考慮して、この法案の検討に当つたのでございます。従いまして、かようなわれわれの考慮が、いかような形でこの法案に出ておるかということを簡單に申し上げますと、まずこの法律の基本的なものは、いわゆる首都建設計画なのでございます。その首都建設計画については、先ほどの御質問の中で多少、何と申しましようか、基本的計画というものの性格が、あるいはわれわれの表現が、未熟のために、御理解が得られなかつた点もあると思うのでありますが、基本的計画というものは、あくまで都市計画あるいは都市計画事業その他の重要施設の計画及び事業の基準であつて、決して計画そのものではないという点なのでございます。計画といいますか、その事業あるいは特別都市計画そのものでないということなのでございます。そして、さような首都建設計画が作成されるにつきましては、これがいかような形で地方自治の理念とマツチできるかといえば、それを二つの点でこの法案は考えたのであります。まず第一点は、かような首都建設計画を作成する場合の作成権を持つ委員会の中に、これが国家的な要請で、首都というものの建設を考えるというところに重点があるのでございますが、その中に、あくまで構成としては東京都知事、それから東京都議会の代表者である東京都議員を、その構成員の中にはつきりと入れるという点、そして、さような形をとつて構成されまして、委員会が作成したところの首都建設計画というものは、あくまでこれはその東京都の都市計画あるいは都市計画事業の基準であつて、これを強制するものではないのである。すなわち、そのような首都建設計画ができますならば、一般に公表する。そして一般に公表して、もちろん国もそうでございますし、関係公共団体、さらに関係事業者がこれを尊重するというふうに仕向けて行く。これを尊重するということは、あくまで地方自治体の自治権を阻害しない、そういう関係でこれを尊重してもらいたいという形で、この法律ができているのであります。あるいはまた、尊重してもらいたいというだけでは、あまり弱過ぎるのではないか、ある程度までは、この委員会がかような高度の、国務大臣を委員長とする総理府の外局である委員会なのでありますから、それが出席してつくつたものを、ある程度は効力を持たせてよいのではないかという点が、先ほどから問題になつております十一條の勧告なのであります。これも勧告でございまして、それではこの勧告をきかなければどうなるのかという点は、るる提案者が御説明申し上げました通り、これはあくまで勧告であつて、強制的なものではないという点で、先ほど申しましたような地方自治の理念というものとマツチさせるというところに留意したわけであります。さらに、もう一点、それと関連いたしまして、勧告の次の、事業の執行の点でございますが、これは現行法では、都市計画法ならば、行政庁がやることについては認められておることであるし、特別都市計画法では、行政官庁がやることは原則としてできないことになつております。この特例を開いたのですが、この場合に、やはり行政官庁がさような事業の執行をするについて、これがやはり天下り式の官僚的なものであつてはならないという観点から、特にこれは新しい立法例なのでございますが、東京都その他関係地方公共団体の同意を要するということを明文にしたのでありまして、かような点で、法制局といたしましては、でき得る限り地方自治の理念というものを尊重し、これを侵害することないよう、大いに努めたと考えておる次第であります。
#38
○砂間委員 私は、この法案は憲法違反の疑いがあると思うのです。憲法第九十五條によりますと、「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」これまで、広島や長崎の場合についても、先に国会でああいう法律をつくりまして、あとから住民投票によつて同意を得るということをやつて来たわけなのであります。しかし、ああいう先例があるから今度もこれで行くということは、これは憲法の精神ではないと思うのです。憲法の精神は、まず先に住民投票をやつて、そうしてその過半数の同意を得て、これはみんながやつて喜ぶということを認めた上で、しかる後国会がそういう法規を制定して行くというのが、ほんとうの憲法の精神を尊重し、地方自治の精神を尊重した国会の審議の行き方だと思うのです。それを、この法案についてまだ公聽会も――私はさつき希望として提案してありますけれども、公聽会みたいなものをまだ持たれておらない。それで国会でやつさもつさつくり上げまして、そうしてあとから同意を得るというような行き方は、これは少くとも憲法の根本精神を尊重した行き方ではないと思うのですが、これについて法制局の見解を承りたいと思います。
#39
○福原法制局第二部長 ただいまの点は、憲法九十五第の解釈の点でございまして、御意見としては、もちろんわれわれもこれを一応お聞きするわけでありますが、現行法制上、憲法九十五條を受けました地方自治法の規定は、あくまで国会両院が一定の法案を通過させまして後に、これを住民投票にかけるという形を地方自治法に明記しておりますので、その形をとつたのであり、前の広島や、あるいは長崎の先例も、その地方自治法によつてやつたのであります。それゆえ、決して憲法九十五條の精神と、現行法制上にたがつていることはないと確信いたします。
#40
○淺利委員長 ちよつとお待ちください。砂間さんの御質問が、今のことに極限されるのか、ほかにあるのですか。もしなければ、もう一つの案がありますから、本日は一応質問をこの程度にとどめて、第一の日程に人りたいと思います。
#41
○砂間委員 打切りにしなければ、けつこうです。
#42
○淺利委員長 それでは、本件に関しましては、本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#43
○淺利委員長 次に、連合国軍人等住宅公社法案を議題といたします。前会に引続き質疑を継続いたします。質疑の通告があります。瀬戸山三男君。
#44
○瀬戸山委員 連合国軍人等住宅公社法案について、私は前回の委員会で中座しておりましたので、あるいは重複いたしますかもしれませんが、この際二、三確めてみたいと思います。
 まず第一番に、この法律をつくつて、そうして連合国軍人等の住宅を供給するその趣旨はわかるのでありますが、大体この公社の理事長以下職員全部に特別調達庁の職員が当ることになつておるのであります。それと同時に、この公社の資金が見返り資金から入ることになつておりますが、その他の維持、修繕、それから諸経費、全部をやはり国の費用で出し、特別調達庁に委託することもできる、こういうふうな規定が散見されるのであります。今日まで連合国人の住宅については、特別調達庁で供給されておつた事実があるのでありますが、今日これを別に公社として、しかも職員は特別調達庁の方々がやられる。特別調達庁でやらないで、さらにそのような公社をつくるという何か根本的な理由があるのでありましようか。これをひとつ承りたい。
#45
○山口国務大臣 お答えいたします。少しお答えが長くなるかもしれませんが、一応ただいまの瀬戸山委員の御質問にお答えいたします。実は一月二十七日付にスキヤツプイン二千七十六号というのが政府に参りました。この建設費は見返り資金から、資金の借入れをもつて支弁するべき旨の指令を受けております。また第二の理由といたしましては、実質的な理由として、この問題が起きたときは、すでに終戰処理費を含む二十五年度予算案は国会提出後でありまして、予算を変更することが司令部によつて回避せられたような形があります。そこで見返り資金は十分な予備金が残されておりますので、これから支出する、こういうことに相なりました。また第三の理由といたしましては、この住宅建設は、日本経済に対する相当の負担でありますから、これを早く償却するためにドルをもつて支拂うことと相なりました。そのためには米国の給與制度の関係上、終戰処理費支弁の国有住宅では家賃がとれない。従つて住宅手当が支給されない。そのために公社をつくるとともに、見返り資金からの借入金と相なつた次第であります。また法的根拠といたしましては、米国の対日援助見返資金特別会計法を改正しまして、資金運用の目的のわくを広げるために、この予算と同時に提出した連合国軍人等住宅公社法案第五條において、所要の改正を求めておるような次第であります。
#46
○瀬戸山委員 ただいまの御説明で、根本的な理由は、家賃がドルで決済されないおそれがあるというところにあるということであります。そういう面がありますならば、特別の公社を建ててやるということがわかつたのでありますが、そこでこの法律案が成立いたしたといたしまして、この法律によつて家が建つて行く。そうなりますれば、現在相当多数の日本人の家が接收されておるわけでありますが、それは家ができるにつれて返つて来るものだと思うのでありますが、それはいかがでありましようか。それと同時に、現在家屋が接收されて、連合国軍人の使用にゆだねられております数は、どのぐらい現在ありますか、お尋ねいたしたい。
#47
○山口国務大臣 現在の接收住宅の総数は約三千戸であります。またこの公社法案が通過して二千戸の建設が完成したあかつきには、お説の通り相当連合国軍人等の住宅難が緩和されることは予想されます。それである程度の解除がある、こう予想はいたしております。また家族が主人と離れて仮住いをしておるというようなホテル等は先に解除する、こういう方針に相なつておるのであります。
#48
○瀬戸山委員 そうしますと、接收家庭が解除されて返還される。全般的にそうであるとは思いませんが、接收された後に風俗習慣によつて相当部分家が改造、改良されておる点があると思うのであります。これはこの法律に直接関係があるわけではありませんけれども、そういう改造、改良された経費と言いますか、そういうものはそのままその家主、所有者に返されるものであるか、あるいはそれに対して何かの支拂いをしなければ返されないというような事情がありますか。関連いたしておりますので、伺つておきたい。
#49
○山口国務大臣 それは接收住宅が改良をされた――改造を加えた、その問題ですか。
#50
○瀬戸山委員 さようでございます。
#51
○山口国務大臣 明らかに家屋の価値が増加しておれば、その金額はまた返してもらわなければ不当利得にもなりましようから、その辺のことは十分勘案して処置さるべきであろう、こう存じております。
#52
○瀬戸山委員 もちろん十分勘案して処置されなければならないと思うのでありますが、接收は解除された、家はそういう改良費を拂えない、それは、一体その後の家はどういうように処置されるような今日計画でおられますか、念のため伺いたいと思います。
#53
○山口国務大臣 いろいろそういう問題について陳情も受け、私もまた実際に当つておるのでありますが、中には非常にお気の毒な面があるようであります。それに向つては、十分それらの方々の事情を聽取して、そして損害を與えないように努力しておるような次第であります。なお詳細にわたりましては、根道長官その他が参つておりますから、十分御説明してもよろしゆうございます。
#54
○瀬戸山委員 その点は十分善処するというお話でありますから、実情に適したように御考慮していただくことを希望して、この点は打切ります。
 そこで今回この法案によつて二千戸を建てようというのでありますが、本年度の終戰処理費の予算の中には、かような連合国軍人等の住宅を建てる計画は全然なかつたのでありましようか、あつた上にさらにこれを建てられるのか、その点をお伺いします。
#55
○山口国務大臣 もちろんお説のごとく、今年度予算の中にはなかつたのでありまして、突然一月二十七日のスキヤツプインによつて、この問題が起きたような次第であります。
#56
○瀬戸山委員 現在接收されて入つておるのを、この際家を建てる計画はなかつたが、さらに新たに二千戸の家を建ててその方に移る、そういうことでありますれば、その事情は日本人が住宅難で困つているから、その家を長く接收しておつてはいけない。見返り資金でも充ててその方を建てて、日本人の化宅を緩和するという気持であつたのでありましようか、それ以外に何か特別な理由があるのでありましようか、お聞かせを願いたいと思います。
#57
○山口国務大臣 お尋ねのごとき事情は必ずしもなかつたと思います。先方の軍の必要上から、かつまた長く日本に滞在している進駐軍将兵が、家族を呼び寄せるとか、主として先方の軍の要求によつてこれがなされたものであるとわれわれは考えております。
#58
○瀬戸山委員 次にこの法案には金額が現われておりません。見返り資金の方から出せるような方法を講じておられますが、大体その建設計画の見返り資金からの繰入れは、どのくらいに見込まれておるかということと、その場合、家具その他いわゆる調度品と申しますか、そういうものもやはりその資金の中から出される計画になりておるかということを、お尋ねいたします。
#59
○山口国務大臣 見返り資金からの借入見込額は約五十二億五千六百万円をただいまのところ見込んでおりますが、しかしこれとても確定的な数字ではございません。なお家具、什器等は終戰処理費からまかなわれることに相なつております。
#60
○瀬戸山委員 建設計画はなかつた、そして現在入つておる家からそれに移るというお話であります。建設資金は見返り資金から出すけれども、その中に入るところの調度の経費は終戰処理費から出す、そういうことになりますと、終戰処理費の予算は建策に関係しておらなかつたということを承つておるのでありますが私どもはちよつと了解に苦しむのであります。さらにこの法案によりますと、第十九條には、家は建てるが、維持から修繕、それからこの公社の事業を運営して行く一切の経費は、日本政府の国庫から負担するというふうになつておりますが、私どもから考えますと、家を建てて貸して、家賃はとるが、その役職員の経費は全部別の会計の国庫から出す、それから今のような家具、什器、維持、修繕まで別の国庫から出すということは、普通われわれの常識ではちよつと了解に苦しむのでありますけれども、その点について御説明をお願いいたします。
#61
○山口国務大臣 この資金に対しては、予算委員会等においてもいろいろ御意見がございました。しかし私の感ずるところでは、大体終戰処理費によつて二千戸建設費をまかなうべきではないかという議論も出ておつてようです。でありまするが、むしろ現在の状況においては、見返り資金から建設費をまかないまして、約十二簡年間で元利が償還される。こういう見返り資金の性質等も勘案され、また平和的に移行する将来の姿をも考慮に入れての、先方の考えが出て来たのだと思つておりますが、家具、什器等は、家具、什器等によつてただちに賃借料というようなものの対象になり得ない面もありましようし、むしろ建設費以外のものを終戰処理費からまかなう、そうするとこの提案いたしておりまする公社の財政的基礎、また将来の見通しも、ここへ明確に計算が現われて来る、こういうことも勘案されておるのではなかろうかと思つておるような次第であります。
#62
○瀬戸山委員 ただいま大体十二年間で元利を償還するというお話でありましたが、元利を償還いたしましたら、この二千戸の建物は公社の所有になるはずであります。公社の所有というのは一面日本の国有になるというふうにも考えられるのでありますが、その点はどういうふうになつておりましようか。
#63
○山口国務大臣 十二年後のことでありますが、もちろん元利が償還された後は公社の所有になりますし、また公社の性格上からも、国有に準ずるものだと解釈いたしております。
#64
○砂間委員 公社を特に設ける必要につきましては、先ほど瀬戸山委員の御質問に対しまして、家賃がドルで支拂われるからという御説明があつたのであります。しかし本法案の提案理由によりますと、「連合国占領軍の需要に応ずるため、連合国軍人等住宅公社を設立し、これをして米国対日援助見返資金からの借入金で連合国軍人等の住宅を建設させることとする必要がある。」ということになつております。連合国占領軍の方から、これこれの住宅が必要であるから建てろと言つて来た場合におきましては、日本政府といたしましては、向うから申し越された住宅を、いかなる方法にしろ建設してやらなければならぬのではないかというふうに考えられるわけでありますが、それを特に公社をつくつて、しかもその公社に関する資金は見返り資金を使わなければならぬという理由といいますか、その必要はどこにあるかということを、まずお伺いしたいのです。
#65
○山口国務大臣 御説の通り、先ほど瀬戸山委員にお答えしたことも理由でありますし、また今砂間君からおつしやつたことも理由であります。しかし私が先ほど御説明申し上げました通り、先方からのスキヤツプインの中に、この建設費は見返り資金よりの借入金をもつて支弁する旨の指令もあります。また日本政府としても、それが今日きわめて妥当な措置であると、こうたまたま意見が合致したような次第であります。
#66
○砂間委員 見返り資金を必ず使つてやれという先方の指令であれば、それはもう指令に従うよりないから、あえて追及いたしません。それで見返り資金からの借入金についてでありますが、これは先ほど五十二億五千六百万円である、一応そういう御説明がありましたが、これは将来増加される見込みでありますか、それとも大体この程度でまかなえる予定でありますか。
#67
○山口国務大臣 大体この程度でまかなわるべき見通しを立てております。しこうしてまた、将来これ以上建設は行われないものだと判断いたしております。
#68
○砂間委員 住宅の規模は新聞等には二千戸と出ておりますが、正式にはまだ政府委員からの御説明を聞いておりませんが、これは大体同じような家を建てるのでありますか。それとも五百五円とか一千万円かかるような、大きなりつぱな家をつくつたり、あるいは五十万円とか八十万円かかるような家をつくつたり、いろいろあるのでありますか、一戸あたりの建設費はどのくらいになりますか。
#69
○山口国務大臣 こちらで一戸あたりの建設費ということを明確にすると、やはり入札以前でありますから、そこに多少の弊害も伴いますが、大体従来の規格によつてこしらえることになつておりますから、今申された千万円とかいうようなものは含まれていないのであります。
#70
○砂間委員 昭和二十五年度政府関係機関予算補正記第一号によりますと、予算総則のところの第二條におきまして、一応二千戸の建設をするために五十二億五千六百万円借入れましても、設計変更等のため建設費の予算が不足した場合においては、予算において予定した金額を超過して住宅建設費を支出することができるということになつておりまして、超過した部分はまた見返り資金特別会計からの借入金を増加することができるということになつております。そういたしますと、最初は五十二億何千万円で大体できるだろうというふうに予定しておりましても、設計変更、設計変更という形で、どんどん追加したりいろいろ変更いたしまして、予算を超過した場合においてもどんどんふやして、また借入金をどんどんふやして行くことができるということになりますと、ちよつとはてしがないように思うのでありますが、その辺は大体どれくらいふえる見込みでありましようか、どういうことになる予定でありますか。
#71
○岩永政府委員 予算総則に書いてございますのは、たとえば暖房等が従来電気なら電気で暖房をする計画を立てましたのが、どうも電気で暖房するには地理的にぐあいが悪いとかいうことで、蒸気の暖房いかえたいとにうようなことが起りましたときに、どうしてもある場所については、予算が足りないということがあるいは起るかもしれないという程度のものを予想しておるのでございまして、設計といたしましては、先日も御説明申し上げました通りに、あくまで現在建てております三十一坪程度のものを、ただ家賃を徴收いたします関係上、従来のものよりは多少材料をよくして建てるという程度の建物を、数多くつくるという程度になつております。
#72
○砂間委員 見返り資金から借入れということにいたしますと、この見返り資金の借入れにつきましては、民間へ貸し出す場合におきましても、あるいは公社その他に貸し出す場合におきましても、元利の償環計画あるいは担保その他において、相当むずかしい條件がついていると思います。この公社が借りる場合の借入れの條件、利息はどのくらいになるか、あるいは年賦で返すか、月賦で返すか、あるいは何箇年で償還するとか、あるいはその担保はどうするとかいうふうな、具体的な條件はどういうことになつておりましようか。
#73
○山口国務大臣 大体二千戸の平均一戸前約一箇月七十四ドルになつております。従つて一箇年が約二百万ドルになつておるのであります。見返り資金に対する金利は五分五厘に相なつております。担保等の話がありましたが、それは政府と同様の公社によつて経営されるのでありまするがゆえに、別に担保ということは考慮されておりません。
#74
○砂間委員 二千戸というお話がありますが、それは一体どこどこへ何戸ぐらいお建てになるのか、大体四月一日くらいあたりから着工されるようなふうに伺つておりますので、相当具体的な計画もお立てになつておると思いますが、おさしつかえなかつたならばお伺いしたいと思います。
#75
○山口国務大臣 大体こちらの方ではわかつておりますから、後ほど速記をとめ、あるいはまたこの会議の終了したときに、委員諸君だけには大体お知らせしてもよろしいと思います。
#76
○砂間委員 それは正式に公表することはできないことになつているのでありますか。
#77
○山口国務大臣 ただいまのところ差控えるように向うから指示を受けております。
#78
○砂間委員 十二箇年で償還するような予定になつているというお話でありますが、そうしますと、この公社が見返り資金を借りまして、それを完全に償却するためには、十二箇年経たなければできない、先ほどの山口国務大臣のお話でも、十二年後のことでありますからというお話でありますが、大体十二年間ぐらい、進駐軍は当分の間日本にとどまつておられるという予定で、そういうことを前提としまして、今度の住宅建設ということが立てられているように私どもは感ずるのであります。それに間違いございませんか。
#79
○山口国務大臣 それは少し御質問が飛躍するようでありまして、公社の経理としては十二年間をもつて元利を返却するという建前でありまするが、これと進駐軍が十二年後までも進駐するという問題とは、おのずから別個の問題であると考えております。
#80
○砂間委員 そういたしますと、かりに平和條約ができまして二年後に、進駐軍は全部撤退したということになりますと、この償還計画は根本からくずれてしまうということになるのでありますが、その場合において單なる流動資金、運転資金として借入れた金であれば返すことができますけれども、こういう長期資金として営造物をつくつてしまう、家屋を建ててしまつたという場合においては、これは売ると言いましても、日本人向きに建つた住宅ではありませんので、一応国有財産となつておりましても、ちよつと持ちぐされみたいなものになるのではないか、そういう場合におきましては、公社の経理はどういうふうに解決される御予定でありますか。
#81
○山口国務大臣 しばしば衆参両院の議場においても、吉田総理大臣が仮定の事実についてはお答えできない、こう言つておりますが、講和会議がいつ行われるかという見通しのもとにおいては議論はできないのでありますが、しかしただいま砂間君から根本的に償還計画が破壊されるという御意見であります。かりにもしも進駐軍がこの住宅が不必要となつた場合においては、ドル建によつて支拂われるものが、また円建によつて支拂われるということもあり得るのでありましようし、決して資金計画がこれによつて破壊されるとは考えておりません。もしさような事態が生じた場合には、国家のために非常に慶賀すべきことではないかと考えております。
#82
○砂間委員 仮定の問題には答えることができないというお話でありますと、政府は大体十二年間進駐軍が今建てた住宅には住んでおられるというものとして、そこから入つて来る家賃でこの償還をするという計画を持つておられるわけですか。
#83
○山口国務大臣 これは先方のスキヤツプインに基くものでありまして、もし講和会議が終結いたしましたならば、その後においてこの公社なりまた政府なりが善処して、今日の資金計画がより以上に成績を收めるように努力すべきであつて、講和会議の終結といなとにかかわらず、この公社は公社の独自の会計、経理をもつて、十二年間に元利を還付するという計画を推し進めて行かなければならぬ、こういうふうにただいまのところ考えております。
#84
○砂間委員 どうもよくわからないのですが、公社が初めから独自の基本金を持つてこの住宅建設ということをやられるのでありますれば、家賃が入つて来なければ建てた公社が損をするということになるのですが、公社には初めから基本金は一銭もなくで、みんな借入れ金でやつているでしよう、そうして借入金の償還は、上つて来た家賃をもつて返して行くということになつて来た場合に、その家賃が二年か、三年後になつても入つて来なかつた場合には、これをどうするかということは、必ずしも仮定の問題ではなくて、この公社法を国会へ提案されるときに、まず政府がその辺までのことは、そのときになつたらどうするということぐらいの御方針、お考えがなかつたら、ほんとうに政治に忠実なるゆえんでないと思うのです。その場合を聞いておるのですから、これは必ずしも仮定々々という問題ではないのです。
#85
○山口国務大臣 いかにすぐれたる経済家といえども、五十三億になんなんとする金が一年や、二年で返済されるというような計画は立ち得ないと思うのです。ただいま少くとも十二年間にそのものが公社の所有となり、しこうして元利が返済されるというようなことは、きわめてすぐれたる計画であると私は信じております。
#86
○砂間委員 家賃が入つて来なかつたならば、その償還の計画はできなくなるのでしよう、そのときどうするかというのです。
#87
○山口国務大臣 家賃が入つて来ないようなことは考えておりません。
#88
○砂間委員 そうすると結局連合国軍が十二年間日本に滞在しておるということを前提として、またそういう見通しのもとに、政府はこの公社法を国会にお出しになつたというふうに了解してさしつかえございませんね。
#89
○山口国務大臣 講和会議終結まではあなたのお説の通りであります。しかし講和会議終結後は、この家賃よりもまだより多く家賃が入るように努力することが、この公社に課せられたる課題であると考えております。
#90
○砂間委員 こんな点で押し問答しても始まりませんから、いいかげんで打切ります。あとから討論のときに意見を申します。その次に第十九條の四項に「公社の事業運営に伴う経費は、国庫の負担とし、国は、国の予算から支出するものとする」ということがありますが、この予算は全額どのくらいになりますか。そうして二十五年度の予算には含んでおるのでありますか、ないのでありますか。もしないとすれば、追加予算としてお出しになるのでありますか。
#91
○山口国務大臣 全般的にごらんいただければわかる通り、大体この公社に従事する者はすべて特別調達庁の職員をもつてあたるようになつております。従つて人件費等は全部特別調達庁の予算に含まれるものと御承知を願いたいと思います。
#92
○砂間委員 そのことはちやんと別のところでうたつてあるのでありまして、問題は一応はつきりしておるわけなのです。そうすると、この公社の事業運営に伴う経費というのは公社の職員の給料だけの問題ですか。
#93
○山口国務大臣 職員の給料その他事務費等も含まれておるのであります。
#94
○砂間委員 事務取扱いに要する経費は、その前の第三項に、これは特別調達庁の年賀として支出するというようになつておるのです。だから何かこんがらがつていて、大臣は法案を説明に来ながら、よく読んでおらないのではないかと思うのですが。
#95
○山口国務大臣 そういうこまかいことは政府委員の方から御答弁いたさせます。
#96
○岩永政府委員 これはただいまお話がございましたように、建設に必要な資金は借入金からというのは第一項でありまして、第二番目が維持修理の費用、第三番目が取扱いに要する事務費となつております、第三番目にある公社の事務を取扱いますものに人件費、事務費が含んでおります。ただ三つきちんと書いてございますので、もう一つ、漏れたものがあつた場合に金の出しようがないということがあつてはという、念のための考慮から、第四項にこの規定を入れましただけでございます。現在のところはまだどういう経費があるかということは、算定をいたしておりませんで、従つて予算には今のところ要求しておりません。
#97
○砂間委員 公社の監督及び会計の検査というようなことについて、少し伺いたいと思いますが、監事というのがありまして、一応監事が監査するということになつておると思います。ところがこの監事は特別調達庁の職員がやるということになつておる。会計検査院のような独立した機関でなく、特別調達庁の職員がやるということになつておりますが、そういたしますと、そういうことはないと思いますが、かりにこの特別調達庁の職員が公社の職員とぐるになつて悪いことをした、公社の職員はほとんど特別調達庁の役人が兼務するということになつておりますので、不正をしたという場合においては、一体だれがどこで調べられるのか、五章、第二十三條の監督のところは、「公社は、内閣総理大臣が監督する」ということになつておりますが、この監督規定はごく一般的の監督であつて、専門的の経理や会計等の内容についての、いろいろな入札の不正、材料の不正、不当支出、横領だとかいうことについては、いくら総理大臣が偉くても、そこまで目が届かないと思いますが、この公社の会計の監督、検査というようなことは、どこでおやりになるのか、会計検査院が調べられるのか、その辺をひとつお伺いしたい。
#98
○岩永政府委員 これは第十八條に書いてございますように、公団等の予算及び決算の暫定措置に関する法律、これを附則で改正いたしまして、その中に公社という文字を第一條に挿入いたしますので、その結果その法律によりまして会計検査院が会計検査をするということになります。
#99
○砂間委員 それはわかりましたが、私は公社の性格がどうもはつきりしないのであります。これは先ほど瀬戸山さんもちよつと言われましたが、公社の職員は特別調達庁の役人が大体兼務である。公社は基本金を持たない、借入金でやる。しかもこの借入金でやるものは住宅の建設だけであつて、維持費はこれは終戰処理費でやる。事務費は特別調達庁で持つ、その他の費用はこれは国の予算でやる。こういうようなことになつておりまして、さつきの公社で借りた借入金の償還計画等についても、何となく不明瞭な点がありまして、どうも公社の性格がちよつと――悪い言葉でいえばぬえみたいのように思われますが、国鉄公社なら国鉄公社を、ああいうコーポレーシヨン、あれはひとつあれで独立採算制の特別会計になつておつて、はつきりしておる。これは公団でもなければ、公社という各前は使つておりますが、何だか一方においては政府の行政機関であるというような性格を持つておりまして、はつきりしないのでありますが、一体この連合国軍人等住宅公社の性格について、ひとつ統一的なすつきりした御説明を願いたいと思います。
#100
○岩永政府委員 この公社の性格でございますが、抽象的に性格を申し上げます前に、この法律の規定に書いてございますことから御了解願いたいと思いますのは、たとえば調度は終戰処理費から出す。修繕は終戰処理費で修繕をする。こういうふうになつております。たとえば現在民間の建物を接收いたしまして、そこに連合国側の軍人が住みますと、その調度は一部例外的に借上げてそこに残さすものもありますが、その調度は一切終戰処理費で――向うが連合軍から終戰処理費で調達したものをそこに搬入をして、そうして雨漏りしたら終戰処理費で修理をするという関係になつておるわけであります。たまたま公社がつくります建物はこれからつくる建物であつて、現在ある建物ではありませんので、その点がちよつとおかしいように見えますけれども、建ち上りました結果、その建つた建物に軍が調達要求書を出しまして調達して、それを接收をして、そうして必要な修理費、調度費等は終戰処理費から出すというふうなことに考えて参りますと、現在民間の建物を接收して住む場合と全然同じであるわけであります。ただこの終戰処理費が関係方面で申しますには来年度も一千億程度ございますけれども、実際は向うの住宅の状況からいたしまして、ヨーロツパ方面では軍人がただちに家族を呼び寄せられますけれども、日本においては八箇月もたたなければ呼び寄せられないという状態であり、これを四年以上しんぼうして参つておつたようでありますが、家族と離れているということでは、いろいろ支障が生じてがまんできない状態になつておるということから、終戰処理費は日本の納税者の負担であるので、それに迷惑をかけないようにという考慮から、他の経費で建物を建てて、それも国が建てるということになりますと、向うの会計検査の規定によりまして、現物給與ということで家賃が拂えませんので、見返り資金を借りるにしても、やはり今度はそれを軍がその見返り資金を返すというような形になるようにいたしまして、結局家賃を拂うという形にすることにいたしまして、その建物を單に所有をして向うの接收に応じているという、その地位だけをその公社に持たしめ、その他は民間の建物を接收したと同じ関係に立たしめるということが根本の思想になつております。
#101
○砂間委員 第一條の「連合国占領軍の軍人」というのはこれはわかります。それから「軍人及び連合国占領軍に附属し、又は随伴する連合国人並びにこれらの者の家族」というところがありますが、この「連合国占領軍に附属し、又は随伴する連合国人」といいますと、どういう人たちがあるのでありますか。またそれらの人たちは現在何名ぐらいおるのでありますか。
#102
○岩永政府委員 その数は存じておりません。
#103
○砂間委員 そうすると住宅を建てる場合におきまして、やはりこういう人たちが入つて住むのでしよう。そうするとその住む人たちの人数もわからぬで、ただあてずつぽに建てるのですか。
#104
○岩永政府委員 それは連合国軍司令官の要求がございまして、政府側として種々折衝の結果、その程度の住宅不足はあるであろうということを認定いたしまして、こういうふうになつておる次第であります。
#105
○内海委員 議事進行に関して‥‥。砂間君の質問は昨日来ほとんど独壇場でやつております。もうほとんど質問の要点をはずれております。もうすでに質問は終つたのであります。この際質問打切りの動議を提出いたします。
    〔砂間委員「かつてにそんな動議を出して横暴だよ」と呼ぶ〕
#106
○淺利委員 内海君の動議が出ておりますが‥‥
    〔砂間委員「国会議員の審議権を無視している」と呼ぶ〕
#107
○内海委員 これは進駐軍最高司令官の命令でありまして、日本政府はこれに協力するのは当然であります。それを微に入り細をうがち、答弁できないようなことを質問して、いたずらに時間を遷延するのみである。私はこの際質問打切りの動議を提出いたします。
#108
○淺利委員長 ちよつと速記をやめて‥‥
    〔速記中止〕
#109
○淺利委員長 速記をとつてください。それでは時間を十分程度ということで‥‥
#110
○砂間委員 次に住宅用地の提供、第二十六條でありますが、用地の問題について少しお伺いしたいと思います。この第二十六條によりますと、政府は公社が住宅を建設するための用地として国有財産たる土地または地上権を必要とするときは無償で公社に使用させることができるということになつておりますが、この住宅を建てる場合において、国が持つておる土地及びこの地上権の場合はそこえすぐ建てることができるわけです。しかしまだどこえ建てるという御発表がありませんから、私どもわかりませんけれども、所によつては民間の土地の上に建てるという場合も出て来るのではないかと思う。その場合にこれをどういうふうにされるか、土地收用法が適用されるのか、あるいはその場合に買い上げられるのか、買い上げるとすれば普通価格で買い上げるのが、あるいは借りるのか、そういう場合の処置はどうですか。
#111
○根道政府委員 民間の土地を使わなければならぬときは、政府がかつてにこれを召し上げて使うことはもとよりできませんので、連合国軍の方から調達要求をもらいまして、それによりまして政府が借上げ、借地料を支拂う、こういう建前であります。
#112
○砂間委員 今の点ちよつとはつきりしなかつたのですが、連合国軍の方から土地を指定して参つて、ここえ建てよという指令があつた場合には、日本政府がその所有者からそこを借上げまして、そうして借地料を拂つて建てるということなんですか。
#113
○根道政府委員 その通りであります。
#114
○砂間委員 この法案によりますと、第三章業務の十七條のところにおきまして、公社は、第一條に掲げる目的を達成するため、連合国軍最高司令官の命令に基き内閣総理大臣の定める計画及び指示に従い、」ということになつておりますので、連合国軍最高司令官の命令に基いて内閣総理大臣が定めたところの計画及び指示によつてどんどん仕事をやつて行かなければならぬということになつておると思います。そういたしますと現在は一応二千戸の住宅建設ということになつておりましても、計画が将来最高司令官の要請ないしは命令なり指示がありまして、総理大臣がそういう命令を出せば、どんどん住宅を追加されたり、それからまたほかの施設をするということになるわけでありますか。
#115
○山口国務大臣 予算委員会においても、共産党の方から、四千戸の建設計画があるということが新聞に出ておるが、事実かどうかというような御質問もありました。特別調達庁としても、そういう新聞記事に基きまして、再三進駐軍当局に対して真否をただしたのでありまするが、今回の対象としては、住宅は二千戸以上は建てないということに相なつております。
#116
○砂間委員 公社の役職員をなぜこの特別調達庁の役人が兼ねなければならぬのですか、これを別個に置くことがなぜいけないのですか。
#117
○山口国務大臣 国費を濫費する必要はないのであります。
#118
○淺利委員長 先刻動議もありましたが、大体質問は済んだようでありますから、本日は本案に対する資疑を終了いたすことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○淺利委員長 御異議がないようでありますから、それではこれをもつて本件に関する質疑は終了いたしました。
 次会は明二十五日午前十時から開くことにいたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後五時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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