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1971/04/21 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第12号
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1971/04/21 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第12号

#1
第068回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第12号
昭和四十七年四月二十一日(金曜日)
    午前十時四十二分開議
 出席委員
   委員長 田中 武夫君
   理事 始関 伊平君 理事 八田 貞義君
   理事 林  義郎君 理事 山本 幸雄君
   理事 島本 虎三君 理事 岡本 富夫君
   理事 西田 八郎君
      梶山 静六君    久保田円次君
      中島源太郎君    葉梨 信行君
      村田敬太郎君    阿部未喜男君
      古寺  宏君    米原  昶君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 大石 武一君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       城戸 謙次君
        環境庁企画調整
        局長      船後 正道君
        環境庁自然保護
        局長      首尾木 一君
        文部政務次官  渡辺 栄一君
        林野庁長官   福田 省一君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部保安課長  関沢 正夫君
        環境庁自然保護
        局鳥獣保護課長 仁賀 定三君
        林野庁業務部長 辻 良四郎君
    ―――――――――――――
四月二十日
 狩猟考団体法制定に関する請願(久保田円次君紹介)(第二六五〇号)
 同(江藤隆美君紹介)(第二六九七号)
 瀬戸内海の汚染防止対策に関する請願(橋本龍太郎君紹介)(第二八一六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
四月一九日
 瀬戸内海の環境保全に関する陳情書(芦屋市精道町七の六兵庫県市議会議長会長神井清太郎外二十名)(第二一〇号)
 琵琶湖の水質保全に関する陳情書(大津市議会議長三宅純夫)(第二一一号)
 剣山国定公園内三嶺付近を国民休暇村に指定に関する陳情書(徳島市幸町三の一徳島県町村議会議長会長橋口弟三)(第二二四号)
 公害行政に対する国庫補助金引上げ等に関する陳情書(札幌市議会議長松宮利市)(第二三三号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律案(内閣提出第八〇号)
     ――――◇―――――
#2
○田中委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
#3
○島本委員 長官にまず、この特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律案の内容をきょうは十分に詰めさしてもらいたいと思いますから、その点ではひとつ簡直に答弁を願います。
 まず第一番。渡り鳥及び絶滅のおそれのある鳥類並びにその環境の保護に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約、この条約に基づいて、いま両国間の渡り鳥協定が外務委員会のほうに付託されておりますが、その審議の状態はどういうふうになっておりますか。
#4
○大石国務大臣 御承知のように外務委員会にはすでに付託になっておりますが、まだ審議が始まっておりませんので、来週中に、つまり連休前にこれを衆議院を上げたいという方針のようでございます。
#5
○島本委員 これは念のために、その協定がもし国会のほうで認められなかった場合、それに基づいて、この特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律案が通る場合があるとすると、その関係等については何もございませんか。
#6
○大石国務大臣 これは御承知のように、日米渡り鳥保護条約との車の両輪の関係で、これは条約を相補完する意味において出されたわけでございますしですから、すでに調印は終っておりますし、この法案が委員会において満場一致の御賛成を賜われば、これは間違いなく考え方が反映いたしますして、これは間違いなく向こうは通過するものと確信いたしております。
#7
○島本委員 その確信の上に立って、では次の点を伺いますが、絶滅のおそれのある鳥または相対的に数が減少した鳥の種類、それと減少の原因、これについて事務当局からはっきり見解を述べていただきます。
#8
○首尾木政府委員 今回私どもがこの法律によりまして指定される鳥類の予定といたしましては、わが国の鳥類につきましては二十一種、さらに今度沖繩が復帰になりますと七種類が追加されるということになっております。それからアメリカ側のほうにつきましては四十六種類というものが予定をされておるわけでございます。当面そういったような数字になっております。
 なお、先生のお尋ねの特殊鳥類が減少した原因でございますけれども、減少の原因のおもなものといたしましては、トキ、コウノトリ、タンチョウなど今回特殊鳥類として保護しようとする鳥類の場合は、もともとその個体数が少ない種類であったところに、近年の環境の悪化等もありまして、それに対応する適応性が弱いというようなことが考えられます。またそのほかに、サギなどの近似種との間でえさや生息地等についての競合が加わりまして逐次衰退したものと考えられるところでございます。
#9
○島本委員 それはこの特殊鳥類に対してのみの原因でしょうか。全部の鳥獣に対しての原因でしょうか。この減少の原因ということになると、これはもう重大な今後の一つの対策を要することになりますので、この点はっきりしておいてください。特殊な絶滅に瀕している鳥類のみにあてはまる原因ですか。全島または獣にも及ぶ影響ですか。
#10
○首尾木政府委員 環境の原因というものはおそらく全般的なものであろうと考えますが、特に特殊鳥類等個体数の少ないものにつきましては、先ほど申し上げましたように、これらに対する適応力が弱いというような点も加わりましてそういう衰退が起こったものと考えられるわけでございます。
#11
○島本委員 適応性ということになると、もう一回、普通の鳥である場合は環境の悪化、これに最近は普通の鳥でも、たとえカラスでもPCBあたりの影響、またその体内の脂肪にはそういうようなものの集積、こういうようなものがあって、そのために死んでいる例が方々から指摘されているのです。これは特殊な鳥だけに対する影響ではないはずです。したがって、これはもう全環境の悪化は鳥が先行しているということになって、犠牲は鳥が先行している、こういうことになるのじゃないかと思っているのです。ですから、これは特殊な鳥類に対する、また獣類に対するだけの問題ではなくて、これはもう全鳥獣に対する原因じゃないか、こう思いますが、そういうように解釈していいですか。
 それともう一つは、特殊な絶滅に瀕しているその鳥に対しては、特にその原因となるもの並びに対策、これについて伺いたい。
#12
○首尾木政府委員 先生のおっしゃいますように、全般的な影響があるものと考え、全鳥類に対しましてやはり影響があるものと私どもは考えております。ただ、どのような影響がどういう形でもって影響をしていくかというような点につきましては、これは必ずしも学問的にはっきりと証明されるというところまで至っておりませんので、そういうような点につきましては、今後の研究にまたなければならない点が多かろうと考えております。
 なお、今後の問題といたしましては、全般的に鳥類の保護につきましては、特に環境の保全ということが重要な問題であろうというふうに考えておるわけでございますが、なお、絶滅に瀕する鳥等につきましては、その人工的な養殖でございますとかそういうような点も考えまして、そういう鳥類の種の保存ということを考えてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#13
○大石国務大臣 いま局長からお答えしましたが、それについて私はこう思うのです。おっしゃるとおり私は、日本――世界的にそうでしょうが、日本の極端な環境の悪化が特にそのような環境の変化に敏感な鳥類に一番影響をして、絶滅とは申しませんが、鳥類の繁栄に非常な脅威を与えておるのが一番現実だと思います。しかしそのほかに、やはり絶滅に瀕しているのはそれなりの理由があると思います。いろいろな理由があるのでしょうけれども、たとえばトキなんて鳥は、昔は日本全土にいたらしいのであります。ですから、たとえば伊勢神宮の遷座祭にも必ずトキの羽を使ったということは、これはやはり美しい鳥でありたくさんいたからだと私は思うのです。その鳥が美しいために乱獲をされまして、先ほど局長が申しましたように非常に数が減ったということは、トキの保存なりトキの繁栄には非常に悪いマイナスの影響になりますから、数が非常に激減してまいったということが一つの大きな原因ではなかろうかと思います。またそのほかに、たとえばいろいろきれいであるために、あるいは珍しいために心ない一部のハンターからねらわれて、あるいは好奇心の強い人間にねらわれて、数が減っているほかに、ねらわれてよけいとられたということもあるのではないかと思います。またその鳥類の個性そのものが、性格がたとえば非常に適応しにくいような性格を持って――鳥の性格と申しますか、習性があるために、そうしてなお数が少なくなるということが、なお絶滅に拍車をかけているのではないかという、そういういろいろな原因があるのではないかと考えています。
#14
○島本委員 やはりいろいろ核心に触れて、この問題に対しては今後対策をはっきり講ずるのでなければならないと思いますが、したがって環境の悪化ということがとりもなおさず――あるいは条約等を締結し批准し、そして関係国内法がそれによって制定される、しかしながら環境だけが悪化していくような状態をそのままにしておいては何ら実を結ばない、こういうことになってしまうわけです。それに並行して行政も進めなければならないんじゃないかと思うわけですけれども、生息環境の悪化、この原因になるいろいろな農薬だとか大気汚染だとかまたは水質汚濁であるとか、または地域開発による自然破壊もある。それから、林野庁にも及びますけれども森林の伐採、こういうような影響もあるのじゃないかと思います。こういうような重大な影響を及ぼしている要素について、今後やはり環境庁政全体としてこれを統括して、あるいは法律外のものであっても、調整という名において環境庁長官が十分意見を具申して、環境の保全にだけはつとめなければ、法律ができても何ら実を結ばない、画竜点睛を欠く、こう思うわけですが、この行政全体に対してやはり環境庁長官は調整権を持つべきであると私は思います。ことに地域開発による自然破壊、こういうような点で環境庁は、たとえば琵琶湖の水資源利用のための開発計画、これに対してはっきり意見を申し述べましたでしょうか。それから地域の開発行政、これに対してやはり意見を申し述べておるでしょうか。こういうようにしなければ、せっかくこの法律をつくっても何にもならないことになる、こういうように思うわけです。この点等について、やはり長官のはっきりした意見を伺いたい。琵琶湖の問題についてどうしたか、この点等についても、ひとつ、事務当局を通じてもけっこうですが御意見を伺っておきたい、こう思うわけです。
 それとあわせて、林野庁長官も見えておりますから、環境保全行政に対する林野庁の今後のあり方等についての意見も伺います。
#15
○大石国務大臣 御承知のように、いま日本全体がいわゆる経済開発によりまして自然が無秩序に破壊されてまいりました。これがやはり日本の鳥類に対する大きな脅威だったと思います。幸いに心ある政治家、そういう中心の方々のいろいろな考え方が実を結びまして、日本の政治の方向もいわゆる経済最優先から人間尊重の方向に向かいつつあるようになってまいりましたことは、まことにありがたいことでございますし、そのようになってまいりまして初めて鳥類の保護ということもできるようになってまいったと思うのであります。いまの日本の国では幸いに自然保護運動が燎原の火のように広がっております。これはとりもなおさずわれわれの生活環境を健康な豊かな明るいものにするものだと思います。同時にそうすることが鳥類に対する大きな幸福をもたらすものだと思います。また鳥類の生存ということはわれわれ人間の生存とむしろ並行的な関係にあるのではないかと思うのです。鳥類のいない世界になったら人間の正しい生存というものはなかなかあり得ないと思います。そのような世の中になると思います。そういう意味でわれわれの健康なあるいは快適な生活の一つのバロメーターに鳥類はなるのではないかと考える次第でございます。
 そういう意味で、われわれは何とかして日本の自然環境が正しく国民の手によって保存され、それがわれわれの子孫にりっぱに伝えられるような、そうしてそれに伴って鳥類もりっぱな鳥類に繁栄してわれわれの子孫に伝えられるような日本の行政にいたしたいと考えて努力しております。われわれが近く皆さまにお願いしたい自然環境保全法もその考えの基本的なものでございます。今度お願いする自然環境保全法というものは、ごく小さなものであって、ごく狭い範囲に限られるものでありますけれども、これが将来このような考えのもとに日本の国土全体を保全する一つの基本的なものにいたしたいという気持ちからこれも考えておるわけでございます。しかしそれもいま林野庁との意見の調整に非常に苦慮しておりまして、何とか近いうちにぜひとも意見の調整を得たいものだと願って努力しておる次第であります。
 琵琶湖につきましても、琵琶湖の問題は、なるほど水の問題でございますが、これも以前はこの水を工業用水その他でいわゆる経済発展に利用することが目的で考えられてまいりましたが、やはり現在の日本の政治的なものの考え方にだんだん押されてまいりまして、あの琵琶湖の総合開発もこれの水の利用がいま中心になると考えられております。これもやはりわれわれの生活環境を相当うるおす一つの土台にするという方向にいま変わりつつありますので、われわれもけっこうなことだと思っておるわけでございます。この琵琶湖の水はいろいろ利用されますが、琵琶湖そのものの水位は特に下がるわけではございません。そういうことで、われわれはこの琵琶湖の水の利用は正しく利用していくことはけっこうだが、ただ琵琶湖周辺、あの地域の自然というものをりっぱに保全してまいりたいと思います。めちゃくちゃなちゃちないわゆる娯楽的な観光開発にしたくない、そういう考えのもとにあそこの自然をりっぱに保全し、周囲の森林を保全するためにいろいろ考えまして、なお何か国立公園――いまも国定公園になっておるはずでありますが、これをもっと強力な国立公園に指定して、そうしてそのような自然を破壊しないようなりっぱな環境に残したいと考えておりますし、今後もそのような方針で臨んでまいりたいと考えます。
#16
○福田(省)政府委員 ただいま御質問のありました森野庁の自然保護についての考え方でございますけれども、従来はしばしば御指摘がありましたように、木材の生産ということに重点を置いた経営がなされておった時代がございます。最近はその件については非常な反省をしておるわけではございますけれども、特に森林の公益的な面についての機能というものは当然あるわけでございますので、これについての国民の要請が非常に強くなってまいりました。こういう要請を率直に受けまして、森林資源に関する基本計画を年度内には改定する作業をただいま進めておるところでございます。基本的な考え方は、従来のような大面積の皆伐をやめまして、できるだけ原生林を残す、あるいは伐採するにしましても原生林のようなところは間伐する、また皆伐するにしましてもきわめて小面積の皆伐をして、その周囲にある天然林を残す、こういうことによりまして自然保護に重点を置いた施業方針を確立してまいりたい、かように考えております。
#17
○島本委員 そういうことになりますと、林野庁と環境庁を合併して環境省にでもしたら一番いいことになるわけです。とりあえず大石大臣に、それから林野庁のこれまた福田次官、こういうようなことになって一大躍進が遂げられるのではないか、こう思いますが、しかし環境保全に対してだけはいかに林野庁が、これが経営面に対してどうにかしなければならない、この悪化に対して何とかしなければならないという状態に到達しても、この緑の保全にだけはいつでも気を配っておいてほしい。ことに鳥の生息環境である原生林、この方面の大規模な伐採とか、または大型の林道、こういうようなものをつくり上げたり、また強力な除草剤といいますか、これは何か別なことばがあるようですけれども、そういうようなものを空中から散布を強行することによっていろいろ被害を及ぼし、また、いわば害虫の駆除並びにいろいろな伐採のみにとどまらず、いろいろな意味で水にも土壌汚染にも全部影響を与えておる、こういうようなことになるのではないかと思いますから、そういうような点では十分鳥やこういうような生息圏を考えて、そして今後運営しなければならない、こういうようなことになるわけなんであります。林野行政、これももし私自身も心配するように収支の悪化している現在、赤字を口実にして、国有林の事業の徹底的合理化を進めることを口実にして今度もこういうような手を省くような行き方によって環境悪化をするようなことは一切避けてもらいたい、こういうふうに思うわけですが、その点は懸念には及びませんでしょうか。
#18
○福田(省)政府委員 御指摘ございましたように、最近の国有林の特別会計の状態は非常に悪化してまいっております。これは特別会計制度ができましたいきさつは先生御承知かと思いますけれども、戦前はこの森林から伐採しました収入の約四割ぐらいしか森林に戻っておらず、半分以上は一般財源に回っておったわけであります。端的に言いますと略奪林業と申しましょうか、そういう状態であったわけであります。そこで山の保全をするためには、やはり森林の伐採収入は山に返すべきである。それによって治山工事なりあるいは造林の事業を起こすべきであるということから、戦後国有林の林政統一が行なわれまして特別会計制度がしかれたわけでございます。ところが、その発足しました当時からしばらくの間は木材の価格が非常に上がっておりまして、人件費の伸びに比べてその差は非常に大きかったということから財政の状態は非常によかったのでありますけれども、最近は外材の影響等を受けまして木材の価格は横ばいである、ただし人件費はまた上がる、こういう状態でございますので、その収支の悪化した原因がそこにあるわけでございます。先生御承知のように、収入の約九割以上は木材収入でございまして、支出のほうは約六割は人件費でございます。したがいまして、御指摘ありますように、これをただ黒字にすることだけを目的とした経営をいたしますと、非常に本末を転倒するおそれがあるわけでございます。先ほど申し上げましたように森林の機能は木材の生産もございますけれども、酸素を出すとか、あるいは国土の崩壊を防ぐとか、水を涵養するとか、あるいはよい景色をつくるとか、自然の鳥、動物、魚類をふやすとか、いろいろな多目的な機能を持っておりますから、そういう多目的な機能にこたえるような経営をするという意味で、私は木材生産以外のいま申し上げた広域的な機能を重視した自然保護を積極的に考える経営をしてまいりたいということで、今度の基本計画を改定する予定にしておるわけでございます。順序はそういうことでございます。ただし、放慢な経営をしていくことは、やはり国民の皆さんの所有物である森林の経営を私たち預る者としては当然反省しなければなりません。近代化、合理化はやはり徹底的にやらなければならぬ、かように考えております。その上で一応広域的な面についての財政負担をいかにするかということはあらためてまた検討しなければならぬ、かように思っております。
#19
○島本委員 具体的に野鳥の森の設置についての具体策はございますか。
#20
○首尾木政府委員 野鳥の森につきましては、本年度新しくその設置についての予算を計上をいたすことにいたしておりまして、本年度は四カ所を計画いたしておりますが、具体的な場所につきましては目下その選定を、専門の方々の御意見を伺いながら急いでおるところでございます。
 なお、野鳥の森には、鳥獣の保護、増殖を積極的にはかるために、給餌、給水の施設でありますとか、あるいは巣箱、食餌植物等の保護繁殖設備等を整備するとともに、野鳥の観察のための観察歩道でありますとか、あるいは観察小屋、説明板等を設けるということにいたしまして、鳥と人が親しめるような形の計画を考えておるわけでございます。特にこの野鳥の森というのはそういったような意味で愛鳥思想といいますか、そういうものを特にこれによりまして普及することのできる絶好の施設であるというふうに考えておるわけでございまして、今後ともこの四カ所に引き続きまして全国的にこれを造成していくということを考えておるわけでございます。
#21
○島本委員 干がたの保存については、これは自然生態系に即したものでなければならないはずですけれども、この干がたの調査の具体策はでき上がっておりますか。
#22
○首尾木政府委員 最近埋め立て等が非常に進行をいたしておりまして残された干がたというものが非常に少なくなっておりますことは、これはやはり渡り鳥等の保護の上においてはきわめて重大な問題であるというふうに考えておるわけでございますが、今後残された干がたというものを大切にするという観点で、特に渡り鳥の飛来するようなところにつきましての干がたの保存ということにつきましては力を尽くしていきたいと考えております。本年度その調査を行なうということにいたしております。なお、干がたの減少に対応する一つの対策といたしましては、今後人工干がたの造成といったようなことも考えておるわけでございます。
#23
○島本委員 この人工干がたというふうなものの造成、これはやはりいろいろな点で考えなければならぬ点もあろうかと思います。しかし、これは水鳥が十分に休養できるようなものでなければならないのが原則です。それと同時に、自然生態系に即したもので環境がはっきり確保できるような人工干がたでないとだめなんです。こういうようなことになるわけです。いま計画されている、千葉県ですか、新浜、ああいうふうなところはそのためにやるものが逆になって、ヘドロで一ぱい埋まっているという話ですが、こういうようなことはやればやるほど環境を悪化させることになり、いうこととやることは結果において相異なる状態を招来するのは遺憾なんですが、この点等については、環境庁発足以来日も浅いのですが、十分配慮してございますか。
#24
○首尾木政府委員 人工干がたの造成等につきましては、おそらく従来まだそういった実験というものが十分に行なわれませんでしたために、必ずしも良好な形で干がたの造成というものが進むということについての技術的ないろいろの問題につきまして十分な研究が行なわれていなかったというのが実態ではないかというふうに考えておりますが、新浜の問題につきましては、これはただいま造成中でございまして、それが造成のいわば途次でございまして、完成をいたしました際には十分に野鳥の、渡り鳥のための人工干がたとしまして機能し得るような形のものになることを期待をいたしておりまして、千葉県等に対しましても、その点環境庁のほうからすでに昨年来いろいろ千葉県とも御相談を申し上げておるというような状況でございます。今後干がたの造成にあたりましては、やはりそういったような過去の経験もあわせまして今後十分干がたとして機能し得るような、そういう造成につとめてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#25
○島本委員 現実、考え方よりも行政のほうが先行しておるのです。もうすでにヘドロで一ぱいになるような状態にしておいて、人工干がたをやったって、これは効果をあげる理由がない。
 それから、皆さんのほうで琵琶湖の環境保全について先ほどあの計画に対して、答申するが、何か意見を入れたかのようで、入れないかのようで、何でもないのだという長官から話があったのですが、しかし、この琵琶湖の周遊道路をつくることによってアシ、ヨシ、こういうようなものがあり、三角洲の形態ですから、そういうようなものがみんな枯れちまって、二年まではもつか、それ以後はだめになるだろうということをあの滋賀の大学ではっきり表明しているのです。したがって、もしこれをつくるならば、一キロとは言わぬが、五百メートルほども波打ちぎわから離した個所へつくってくれという、ところがそんなに離したならば周遊道路にならないということで、ごちゃごちゃしている。そういうような点、環境保全の点については意思表明してしかるべきだ。遊ぶために道路をつけて一年、二年はいいけれども、そんなことで環境ががっくり破壊される。こんなことではどうにもならぬのです。その総合計画に対しては熱のあるほんとうの意味の環境保全行政をぶち込んでやってもらいたいのです。どうも行政のほうが先行して、それが汚染の原因になるのです。どうもその点はおざなりの環境行政では、いかに長官が幾らがんばってもおくれている、こう言わざるを得ません。
#26
○大石国務大臣 いまだいぶ島本先生からおしかりを受けましたが、確かに行政面でまずかった面もございます。たとえば新浜のあの八十ヘクタールくらいの問題、あれも非常に思慮の足りなかった行政であったと思いますが、当時はあのような急激な経済開発の波に押されまして、それでも何とかあそこを守りたいということの一部の人の情熱が実りまして、あのような計画になったわけでございます。当時は環境庁もございませんでしたし、たとえば自然保護を守るための国立公園部にしましても、どちらかといえば力の弱い存在であったために、他のいろいろな行政に押されてあのようなことになったと思いますが、それでも確かに計画はあまりうまくありませんでしたが、あのようなものを残し得たということは、当時としては私はやむを得なかったと思う、けっこうであったと思います。これからそういうことはいたしません。たとえば琵琶湖の道路にしましても、十分に向こうの、滋賀県の野崎知事に申し入れてあります。私、先ほどこれは国立公園にまで繰り上げてきちんとしたいというのは、そういうものをやめさせたいということです。初めから完全なこっちの了解なしにいいかげんなことをさせないという方針のもとに、そういうことを考えておるわけでございまして、せっかくの自然を破壊するような計画は一切させないように、また、それをさせないことができるような、これは行政のあまり強いのも、語弊がありますが、自然保護については私は行政が強くともやむを得ないと思うのです。そういう意味では行政独善とは申しませんが、強いものにして守りたいということを考えておるわけでございます。たとえば、干がたにしましても、御承知のように、千葉県から東京都にかけての幕張とか、あるいはこっちのほうの葛西から、あるいは新浜沖、これはああいうところは、いま実のところ申しますと、干がたでなくなりつつあります。これはもちろん海水が汚染されているとか、あるいは埋め立てが行なわれておるという問題もありますけれども、同時に地盤沈下がだんだん進んでまいりまして、干がたがなくなりつつあるというのが現実でございます。しかし、干がたがなくなっては困りますので、何とかして干がたを残したいという熱望によりまして、御承知のように東京都の葛西沖には四百ヘクタールの干がたをつくることに、それは人工的なものでありますが、わざわざ四百ヘクタールの干がたを、つくることに東京都との間にいま合意ができまして、その仕事を進めております。これは魚を釣る人も簡単に不用意に入れないような非常にきびしい自然を守るための規制までしてりっぱなものをつくろうという計画を立てておりますし、たとえば新浜にしましても、あそこのところは約一千ヘクタールの埋め立てが行なわれるわけでございますが、それをどのように利用したらいいか、どのように干がたをつくったらいいかまたどのように自然を楽しむ人のためにこれをつくったらいいかということを十分に検討して、りっぱなものをつくるために千葉県と環境庁と相談してチームをつくりまして、一番理想的な計画をつくりつつあるというようなことでございまして、おっしゃるとおり、これから遺憾なことはいたしませんで、きちんとしたほんとうに役に立つ行政を行ないたいと考えておる次第でございます。
#27
○島本委員 渡り鳥条約に指定された渡り鳥のうち十五種類くらいが狩猟鳥に入っているのですけれども、このような鳥の保護強化、こういうようなことは当然考えられなければ、もう撃たれますから、狩猟鳥になっておりますから、せっかくやってもいまに種族を絶やすことになるおそれがないかどうか。
#28
○首尾木政府委員 御指摘のとおりに、現在条約で指定をされております保護対象のうちでマガモ、コガモ等の十五種につきましては、これは狩猟による捕獲を認めておるところでございまして、しかしこれは一応全部の保護対象鳥の中で生息数を勘案をいたしまして、その中の約半数のものを狩猟鳥から除外をしまして、残ったものがこれが十五種の狩猟鳥になっておるわけでございます。一応生息数から考えますと、現在そのような狩猟鳥といたしましてもその数が減少することはないというような判断のもとに、そのようにされておるわけでございます。しかし、今後ともこれらの狩猟鳥の生息状況に対応いたしまして、捕獲規制について適切な運用をはかりますとともに、特にその生息環境保全のために、今後はそういう問題につきまして、たとえば鳥獣保護地区の増設というような方法によりまして、その生息数の維持というものをはかっていきたい、かように考えておるわけでございます。
#29
○島本委員 では、この鳥獣の保護地区の増設を今後考えたいというのですが、けっこうです。
 それならば猟区、これは猟区狩猟制ですか、こういうようなものの構想もあってしかるべきだと思いますが、事務的にこういうような点も考えていますか。
#30
○大石国務大臣 この猟区狩猟制につきましては、われわれはそのような制度をつくりたいと考えまして、いま努力している最中でございます。
 いま日本の国では禁猟区、つまり鳥獣保護区というものをつくりまして、そこでこれは日本で大体二百万ヘクタールございます。そこの中では鳥を保護しよう、それ以外のところでは自由にどこでも撃ってよろしいというのが日本の制度でございます。しかし、先進国ではあまりこのような制度は少ないのでございます。やはり諸外国を見ますと、いろいろな形になっておりますけれども、猟区において鉄砲を撃ってよろしい、それ以外認めないというのが大体世界的な傾向でございます。私はこれは正しい考え方だと思うのです。ですから、できるならば、私は鉄砲を撃つ方々も、それからスポーツでございますから、これは非常にけっこうでありますが、やはり一定の範囲内で、つまり猟区を設定して、その猟区の中で十分にハンティングを楽しんでいただく、それ以外のところはやはり鳥が安心して住めるように、人々が安心して鉄砲のたまに、音におどろかされないで生業ができるような、そんなものをいたしたいと考えまして、猟区においてのみ狩猟する。それ以外のところは一応鉄砲は撃たない。その猟区というものは日本の各地に広くつくりまして、そこの中でできるだけ撃ってよろしい鳥をふやしてやってもらう、そういうふうに生かしたいというのがこの猟区狩猟制度の考え方でございます。
#31
○島本委員 世界的には大体三つほどいろいろな国によって違う考え方があるようでありますが、日本の場合は一番自由に撃てるような体制のようであります。各人の狩猟の自由を認めて、ただ狩猟するためのみ制限を設けるという狩猟自由主義、こういうような考え方に立っておるのが日本だとかアメリカだとかスペイン、ポルトガルなどであります。それと同時に、フランスやドイツやベルギー、こういうようなところではやはり土地所有者のみ狩猟設定権を認める。そして狩猟許可を受けた者だけが狩猟をするというような、ほんとうに限定されたいわば地主狩猟主義というか、こういうような立場をとっておる国もそれぞれあります。そのほかにも国家、地方公共団体、こういうのが設定権を認め、特に入猟許可を受けた者のみが狩猟できるという、いわば国家狩猟主義、こういうようなのもあるようですが、これはスイスでやっているわけです。いま日本は一番この点では自由な、鳥には過酷な国になっているわけであります。したがって、いま長官がおっしゃったような猟区狩猟制というようなものは一つの大きい課題として十分今後は実を結ばせるようにすべき問題ではないか、こう私ども思っておりますが、何か圧力もだいぶ加わっておるようですが、あなたはおそれないで、堂々とやってこそあなたは生きるのであって、自由民主党政府がだめなら社会党政府にきて環境庁長官をやってもらってもよろしゅうございますが、鳥のためにもひとつがんばってやってもらいたいと思います。このことをひとつ要請しておきます。
 それから鳥類や家禽の輸出入については現在どのような規制がございますか。
#32
○首尾木政府委員 現在輸出入のうち輸出につきましては、適法な捕獲をしたということの証明がございますれば輸出ができるということになっておるわけでございますが、今回の特殊鳥獣の保護にあたりましては、これについて特に輸出の許可制を厳重にいたしまして、特別の目的に対応、学術目的でございますとかそういう限られた目的の場合に限って輸出をするということを認めることになっておるわけでございます。また輸入につきましても、これも今回の法律によりまして、特殊の鳥類につきましては厳重なその国の政府の証明があって初めて輸入ができるというような形にいたしておるわけでございます。
#33
○島本委員 ではその次にお伺いしたいのですが、これはどうなっていましょうか。狩猟の規制についてですが、現行法では規制しておられるようですけれども、乱場における取り締まり指導、こういうものはどうなっておるのか。だいぶあぶないような状態にあるということを聞いている。これについてはどういうふうになっているのか。人身事故というようなものは一番乱場におけるものが多いようであります。先般のテレビもそういうような危険のあることを報道しておりましたが、この対策等は十分でございますか。
#34
○首尾木政府委員 そういう狩猟の場所における人身事故の問題でございますが、これは昭和四十五年度におきましては約二百三十人ということでございますが、本年度四十六年度のものは今日入っております報告から推定をいたしますと、約その半数というものに想定をされておりまして、約百一件ということが想定をされておるわけでございます。今後この問題につきましては、やはり人身事故の徹底的な防止ということをはかりますためには、そういう講習でありますとかということが重要でありますので、そういう点につきまして十分な講習をやり、銃器の取り扱いに対する実技訓練等を行なうことといたしておりまして、今後ともそういう事故の絶滅につきましては万全を期していきたい、かように考えておるわけでございます。
#35
○島本委員 コウノトリであるとかトキであるとか特殊鳥類ですね。またこれに類するような鳥に対する保護、それからだんだん減ってきますので増殖、こういうのは環境庁として具体的に考えておりますか。
#36
○首尾木政府委員 すでにキジ等につきましては人工増殖の技術というものが開発をされまして、それをどんどんやっておるわけでございますが、こういったような特殊鳥類、コウノトリあるいはトキといったようなものにつきましても、個体数が非常に減っておるというような現状にかんがみまして、増殖ということが必要であるというふうに考えておりますが、目下具体的にその方策を定めるまでには至っておりませんけれども、今後そういう点につきまして十分努力をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
#37
○島本委員 長官、これは端的に言って狩猟を規制することによって反射的に鳥獣の保護をはかろうとするだけがいままでの行政のあり方だった。いま言ったように、増殖という点についてもこれからの課題のようでありますから、やはり積極的に今後、繁殖に必要な対策を打ち出すまでにいままで至っておりませんでしたから、財源の確保とこれに対する十分な対策が必要である、こういうように思うわけであります。それが一つ。もちろんこれは間違いないのだから、そのとおりであるということになりましょう。
 もう一つは、三十五年五月二十二百から二十八日までの間に第十二回の国際鳥類保護会議が東京で開かれました。それも日本鳥類保護連盟が主体になってやった。そうして十六項目の決議がされて、そのうちの一つに、アジア諸国がその地域の渡り鳥の保護のための条約を締結することを勧告するということになっておるのです。それが三十五年、いまは四十七年、この間にようやく日米渡り鳥保護条約の締結というのがいま出されておる。十年以上たっている。これはせっかくやりながらサボってきておるというこくになるのじゃないか。この決議はいまでも生きているはずであります。そういうアジアの他の諸国との間に条約を結べというものを自分の国の東京できめておきながら、いまようやく環境庁ができてから一つの条約の締結だけやったということはおそきに過ぎるのじゃありませんか。今後やはりこれは進めなければならないはずでありますが、この点等についても十分配慮すべきである、こういうように思います。
#38
○大石国務大臣 前段の鳥の保護増殖をはかるべきであるという御意見に全く賛成でございます。やっぱり鉄砲で撃たない、狩猟をやらないことも大事でありますが、それよりも鳥が安心して生息して子供をつくれるような環境をつくる、これが一番大事だと思います。そういう意味ではやはりできるだけ日本の森林資源を大事にし、あるいは日本の自然の状態を大事にする、あるいは毒性のある農薬を使わないとかいうことにできるだけ意を用いなければならないと思います。
 ただ人工増殖につきましては、私いろいろな疑問を持っております。たとえば昨年コウノトリはほとんど絶滅しましてどうにもなりませんが、トキも十羽とか十一羽、これをつかまえてきて人工増殖によってふやすということは最後の決意であると思います。いまの自然の状態がどうしてもだめだという結論が出て、しかも人工増殖によってこうやればだいじょうぶ十分やれるのだという見通し。これは一か八かのかけのような考え方と思います。そういうことでない限りは二羽、三羽つかまえてきて人工増殖をはかれといったって、こんなことはかえって有害であろうと私個人では考えておるわけでございますが、いずれにしても、とにかく自然に増殖できることが一番望ましい、そのように国全体の保護行政をやるべきであると考えております。
 それから、最後の渡り鳥条約の問題でございますが、おっしゃるとおり十年間ほうっておいたのはまことにすまない次第でございます。これもそのような決議をしながら、やはり日本が経済優先の政治の方向に押しまくられまして、今日までそのことがなし得なかったことは非常に残念でございますが、幸いにおそまきながらようやく日米渡り鳥保護条約ができ上がりました。今度はさらにソ連にもそのような申し入れをいたしております。
 私はストックホルムの人間環境会議に参る予定でございますが、その前にモスクワを訪問いたしまして、その渡り鳥保護条約締結についての申し入れをして、そして来年度あたりにはそのような条約が結べるようにしてまいりたいといま考えて計画いたしております。なおこのような地球全体の渡り鳥の保護につきましても、いろいろなことをしようという一つの提案を、私はストックホルム会議でしようかともいまひそかに考えておるところでございます。
 中国につきましては、国交がありませんが、民間の手を通じましてそのようなことを申し入れてございますし、これもできる可能性があると思います。そういうことを順次、さらに豪州とかあるいは東南アジアの諸国もございます、こういう国もいろいろなむずかしい事情もございますけれども、一つ一つ努力すれば、これは必ずしもお互いの国のかけ引きとか利益にはほとんど関係ありませんから、非常にやりやすいことじゃなかろうか、いい効果をあげ得るのではなかろうかと考えて、そのような方針を、今後環境保護行政の中につけ加えてまいりたいと考えておる次第でございます。
#39
○島本委員 時間でありますから、これで終わらざるを得ないのは残念でありますが、与えられた時間は短うございます。ただ一つ、最後に、日本はいままで自由な狩猟国だったのですが、やはり保護国へ行政的にも政治的にも向きを変えなければならないのだ、こういうように私ども考えております。この法律をつくるのは一つの転換期である、こういうように思います。日本の高度経済成長、そのために犠牲になった国土を、今度きれいにして保全して、それによってまず一番いままで疎外しておった鳥獣類の保護、これに対してはっきりと世界に模範的な、日本の国民の品性の高さ、こういうようなものを示すべき一つの足がかりにすべきだ、こういうように思いますから、今後の行政には十分気をつけて、立ちおくれのないように、心からこれを希望しておきたいと思うわけであります。
 それと同時に、いま狩猟そのものはスポーツと解されておるようであります。そうすると有害な鳥獣の駆除、こういうようなものとこれは明確に区別されるのが妥当だと私は思っております。スポーツだとすると、それが当然正しいのであります。どうもこういうのが混同されたままになっている。それと同時に、かすみ網のようなものは自由に輸出されたりつくられたりしておるということは、いろいろな意味で行政の質が日本ではうらはらになっているような気がして、この点はどういうようにお考えでしょうか、最後にそれを伺いまして、私は終わるわけでありますけれども、ひとつ簡単に答弁を願います。
#40
○大石国務大臣 いまのいろいろなお説には、まことにありがたいことと心から共鳴する次第でございます。
 かすみ網につきましては、絶対にこれは禁止しなければなりません。ただ、この風習がまだ残っておりまして、それを実行しているものがあるということは非常に残念でありますが、これはどのような権力を発動しても押えなければならぬと考えております。ただ、問題はかすみ網を売る、あるいはつくることに問題があると思います。これは以前からいろいろと議論があったようでございまして、むずかしいと申しますか、私はいろいろ考えまして、これはかすみ網を売った場合に処罰をすべきだ、このようなことを考えて、そのような方向に向けていかなければならぬ、こう思います。
#41
○島本委員 終わります。
#42
○田中委員長 次に、岡本富夫君。
#43
○岡本委員 きょうは当法案の最後の詰めをしておきたいと思います。
 そこで文部政務次官に伺いますが、愛鳥教育、日本の現在を見ますと、非常に鳥を愛するという気持ちがなくなっておる、鳥のほうが逃げていくというような現状でありますので、この愛鳥教育についての提案として、一つは大学の教育課程の講座に野鳥保護を入れる、なぜかならば、現在技術者が少ないわけでございますので、こういった法律ができましても、日本の現状では、結局鳥を非常にかわいがる愛鳥家が寄っていろいろなことをやっておるということで、いかにたくさんの法律をつくりましても、これを監視監督する者がいないという面を考えますと、そういった技術者が必要であろう、同時に愛鳥精神が必要であろう、そういう教育をする必要があるであろう、こう思いますので、その面について文部省としてどういう方向でいくつもりか、またどうするのか、この点をひとつ御説明いただきたいと思います。
#44
○渡辺(栄)政府委員 お答えを申し上げます。
 岡本先生の鳥獣愛護の精神ということにつきましては、私ども全く同じような気持ちを持っておるわけであります。
 御承知のように小中学校では理科、社会を中心としまして生命を尊重する態度を養っております。また自然の保護に関心を持つように配慮もしておるつもりであります。
 特に指導要領等につきましても、その中の道徳というところにおきましてやさしい心をもって動物や植物を愛する、こういう方向で指導を行なっておるわけであります。愛鳥精神ということにつきましても、この中におきましてそれぞれ指導をいたしておるところであります。なお特別活動、科学クラブ活動の一環としまして巣箱の架設等、鳥獣保護施設の設置、あるいは傷つきましたあるいは病気を持っております傷病鳥獣の保護等の活動が行なわれておりまして、その実績発表大会が毎年日本鳥獣保護連盟の主催で行なわれておりまして、その際優秀校には文部大臣もそれぞれ表彰を行なっておるところであります。しかし、今後とも鳥獣を愛する精神の涵養ということにつきましては徹底をはかってまいりたいと考えておりまして、先生の御提案になっておりますカリキュラム等において、愛鳥の精神を指導するようにということにつきましても、御承知のようにことしから改定したところでございますが、また今後機会を見ましてなるべく早く前向きに検討してまいりたい、かように考えております。
 次に、鳥獣保護の専門家を育てるための講座を設けたらどうかというお話でございますが、この点につきましては御承知のように公害の排除、自然環境の保全、また育成ということにつきまして、これが育成されるものと私は考えておりまして、こういうものにつきましては理学部、農学部等におきまして基礎的な教育研究を行なっておるところでございます。したがって、そういう中でそれぞれ研究をいたしておりますが、先生お説のように学科講座を設けろということにつきましては、今後それぞれ大学の要求等も踏まえまして前向きで対処をいたしてまいりたい、かように考える次第でございます。
#45
○岡本委員 渡辺政務次官は当委員会の理事でございましたし、特に公害については、また自然環境保護については力を入れてもらえる、こういうことできょうは来ていただいたわけでございますので、どうかさらに検討をし、環境庁長官ともよく相談をして、そしてりっぱな実効ある対策をやっていただきたい、これを要求いたします。
 そこで、次は環境庁長官の談話の中で、小鳥がさえずる日が遠からず日本じゅうにあふれる日がやってくるでしょう、こういう談話を、私見たことがあるのですが、日本を中心にした愛鳥ネットワークを推進したいという発言、これは大いに私どもも歓迎するところであります。日米に続く渡り鳥条約の今後の推進、先ほど島本委員に対してソ連ともやっていきたい、こういう熱意に対しては非常に私どもも喜んでおる、また了とするところでありますが、そこで、一つだけ具体的に長官にこの法律の審議にあたってお聞きしておきたいことがございますが、大きないろいろな抽象的なことをお話ししましても、結局実効がなくては何にもならない、こういうように思いますので、これは大阪とそれから兵庫県との間にある猪名川という川がございまして、ここに自然林が残っておるわけでして、ちょうどいま猪名川の河川敷の改修が行なわれまして、川がほかにできたわけですね。そこでそのあとを自然公園にしてもらいたい。この場所は、御承知のように、これは伊丹市役所の調査室の調査結果でありますけれども、渡り鳥あるいはまた漂鳥ですね、そのステーションみたいになるのでしょうかね。そういったところでございまして、ここをいま開発をしてしまえば、長官がおっしゃったような小鳥のさえずるところがなくなるわけでございますので、これについて環境庁のほうにも地元の方、あるいはこれは京都大学ですが、岡野教授が来られていろいろと意見具申をしておられるようでありますが、これはどういうようになさるおつもりか。こういう一つの事例をとらえまして、今後の鳥獣保護法の、いろいろな法律の改正あるいはまた自然保護法の成立にあたっても、そういうこまかなところに配慮した法律でなければ結局実効があがらない。アドバルーンだけであと実効があがらない、こういうことになってはいけない、こういうように思いますので、この一つの点を取り上げて長官に御意見を承りたい、こういうわけでございます。
#46
○大石国務大臣 ただいまの猪名川の自然保護の問題でございますが、これはやはり私のほうでもたびたびほんとうに熱心にずいぶんと陳情いただいておりまして、私もぜひそれに協力してあげたいと心から願っておるところでございます。ただ、この面積が非常に小さいところでございます。小さいけれども、あのような阪神間の人口稠密の公害の多いところで、たとえ小さくてもそのような自然が残っておることはきわめて貴重でありまして、何とかして残さなければならぬと思います。ただ、いま申しましたように、これを国立公園とか国定公園に指定すればある程度保護はできますが、とてもそれだけの規模のものでもございませんし、ほんとうのことを申しますと、これを県立公園等に、県で自然保護条例でもつくりまして、県のほうでそれを守ってもらえば一番いいと思うのです。ただそれには県の自然保護条例をつくっても、それを裏づける法的な根拠がいままでありませんでした。それで今度は、私どもこれからお願いしたしたいと考えております自然環境保全法案の中にも、この各県の自然保護条例を法的に裏づけてあげることが一つの大きな骨子になっているわけでございますので、早くこれをつくり上げまして、そうしていま言ったような猪名川のそのような河川敷を、県のほうでも保護していただければ一番ありがたいものだと考えておるわけでございます。
 直接私は、これを守りなさいという、どうしなさいという権限はいまのところ実はないのです。ですから、西村建設大臣にもしょっちゅう言いまして、これをめんどう見なさいということを言っておるわけですが、一番問題になりますことは、市のほうが、何市でしたか、あの市で、何か妙なことで、すでにあれを持っておる旧地主の方々と、何か土地を交換とか、話し合いをして、一部を何か地主に渡して、一部だけを公園にするような計画が、すでに約束ができておるということが非常に隘路になっておるようでございます。こういうことも、やはり市がそれを体して反省をして、それを守る、自然を残すということに何とか協力してもらわなければならない、それが一番先のことでございまして、そういうことで、地主は私の権利だといってかってに土地の一部を使ってしまえばどうにもなりません。そこに問題があるわけです。ですから、いま言ったような県の自然保護条例を適用させるとか、あるいは市長あるいは市議会当局にそのような理解をしてもらうとか、そういうことをいろいろいたしたいと考えて苦慮いたしておりますが、直接いますぐ私どもの手でこれを守るという適切な手がないことだけは、非常に残念に思っておる次第でございます。
  〔委員長退席、島本委員長代理着席〕
#47
○岡本委員 しかし、あるいは県にそういった自然公園をつくらせるということにいたしましても、何と申しましても民有地、こういうところを買い上げていくという、そういった方向、そして自然を確保していくというような方向に、ひとっこれは将来長官のほうで指導もし、あるいはそれに裏づけになる法制化と申しますか、あるいは法の運営、こういうようなものが必要であろうと私は思うのです。それについて、ここ一つ例をとりましても、民有地が十一万五千平方メートルですか、それから公有地が九万平方メートル、こういうことになっていまして、民有地が非常に多いわけですね。しかし、これをつぶしてしまうということは、いま審議しております法の精神にも反するわけでございますので、特段の長官の援助あるいはまた応援あるいは指導、これはお願いしておきたいと思うのですが、もう一ぺん……。
#48
○大石国務大臣 喜んで私はできるだけの努力はいたしたいと考えておりますので、ひとつそのうちに市長さんにでも来てもらいまして、いろいろな具体的な、どのようにして考えたらいいのか、どのくらい金がかかるのか、そういうこともいろいろお聞きいたしたいと思います。いまわれわれのところに金はございません。ただ御承知のようにことしは幸いに国立公園の中の民有地を買い上げる交付公債制度ができまして、六十億の予算をとっております。これは非常にありがたく、今後ともこの政策を伸ばしてまいる考えでおりますが、これはことしは要するに国立公園内の地域しか買うことができません。しかし、私はこれはできるならば将来もっともっと伸ばして、国立公園ばかりでない、県立公園でもいい、地方自治体でそういう意思があるならば、ある地域を買い上げるような制度にまで広げたい、私はこれをいま希望して、そこに一るの望みをかけておるわけでございますから、こういうことで今後は、いますぐ役に立ちませんけれども、こういうことも考えまして、そういう問題は解決の方向に向けてまいりたいと願っておるわけでございます。
#49
○岡本委員 そこで次にもう一つ念を押しておきたいことは、鳥獣、特に特殊鳥類の保護について、たとえば千葉県で人工干がたをつくっておるようでありますが、最初はひっくり返しますからたくさんいろいろな虫とかあるいは食べものがあるかもわからない。しかし、それが何年かたつと変わってしまって、今度はなくなるかもわからない。そういった生態学的ないろいろな面を考えますと、はたして人工干がたがうまくいくのか。あるいはまた鳥類の保護についていろいろな研究が必要であろうと思うのですが、いまそういった知識のある方、これは私が調べたところでは、山階研究所ですか、世界で有名なところだといって、行ってみましたら、小さい、ほんとうにもう外国の人が見てびっくりするようなところでがんばっていらっしゃるわけですから。そういったことを考えますと、環境庁の付属機関としても、こういった独立の研究所というようなものをつくる必要があるのではないか。そうでなければ、いかに法律をつくりましても、結局、そういった基礎的な研究がなくては、ほんとうの鳥類の保護ができないのではないか、こういうように私は思うのですが、これに対する長官の御意見を承りたい。
#50
○大石国務大臣 それは私も、日本に大きな鳥類なら鳥類全体の、あるいはいろいろなことについてのそういう研究所があれば一番望ましいと思います。ただ、御承知のように環境庁では、基本的な公害についての国立公害研究所もようやく昭和四十八年度にでき上るという情勢でございまして、なかなか思うようにそのようないろいろな大事な自然保護についての研究所も、いますぐ二、三年のうちにつくるという見通しはまだありません。しかしおっしゃるとおり、いずれ近い将来にはそういうものを持ちたいと考えております。それまでの間は、民間でもあるいは大学でもどこでもけっこうであります。そういう研究所が十分に活動ができるようにお手伝いをしてまいりたい、そしてその機能をできるだけ発揮して、われわれに協力してもらうようにいたしたい、こう考えて進めてまいりたいと思います。
#51
○岡本委員 そこで、国立の公害研究所を四十八年度からということですが、そういうところにもこうした鳥類保護のための一つの研究部門といいますか、最初は小さいでしょうけれども、そういったものからでもつくっていく考えはないか。
 もう一つは、いま民間のそういったところに協力をしてもらうというような話でありますが、そうはいいましても、いろいろな費用も要るわけですね。そして、そういうところに対する助成措置といいますか、あるいは研究依頼と申しますか、そういうようなものを育てていくという長官のお考えがなければ、ほんとうに苦労してやって、何とか灯がともっているというような状態でございますから、将来国の研究機関の中に入れていくというような考え方があるのかないのか、またそうしなければならないのではないかということを、ひとつお聞きしておきたいと思います。
#52
○大石国務大臣 国立公害研究所は、とりあえずいまのところは、いわゆる狭い意味の公害を中心になすところでございますが、おっしゃるとおり、近い将来にはやはりこれを拡大しまして、自然環境保護のものにつきましては、これは別個のものではありませんから、当然根は一本のものでありますから、その方面も研究できるよそなものに大きく拡大してまいりたいと考えております。
 なお、民間のものにつきましては、でき得る限り協力して、いろいろな調査の依頼なり、そういうことも実際いろいろとお願いして、協力を仰いでまいりたいと思いますが、やはり大きな問題を根本的に研究するには、大きな予算を持った大きな機関が必要であろうと思います。そういう意味では、おっしゃるとおりのものを近い将来には考えていかなければならないと思っておる次第でございます。
#53
○岡本委員 そこで長官、鳥類のために人間が犠牲になるということもおかしい話でありますけれども、鳥類はちょうど、人間の環境として生息できるかできないかというものの斥候兵みたいなものですね、どっちかといいますと。彼らが生息して、ほんとうに小鳥がさえずるというような環境であれば、人間も安心して住める。どっちが先かわかりませんが、相互関係になると思うのです。そういうことを考えますと、これは相当力を入れなければならぬ問題であろうと思います。
 最後に一つお聞きしておきたいことは、これは長官がおいでにならなかったときに、林野庁と政務次官でしたかにいろいろお聞きしたのですけれども、林野庁は約四万人の人たちを特別会計でまかなっているわけです。それはやはり木を切ってまた新しい植樹をする、こういう利益によって生活をする、あるいはまた動かしておるということになりますと、大事な原始林なんかもマツクイムシだということで切っています。行ってみますと、マツクイムシの食べる期間というものは大体きまっているのですね。それ以外のときにじゃんじゃん切ってどんどん安く売っているという実例も私は知っているわけです。こういう原始林の伐採というものに対して、環境庁長官が何らかのチェックをするといいますか、そういう法律はないかもしれませんが、これについて最後に念を押して、そして長官、将来そういう方面に力を入れていただきたい、そうでなければ生息が危うくなるのじゃないか、こういうように考えるのです。
#54
○大石国務大臣 環境庁は、環境を保全するために、いろいろなほかの省庁に対しても行政上これを協議する権限がございます。ことに勧告権というものがございます。これで、どうしてもこのような方向に協力してもらいたいという場合には、環境庁が具体的に他の省庁に対して勧告する権限がございます。そうするとその役所は、その勧告に対して十分に努力しなければならない義務がございます。また、どのような努力をしたかを直ちに報告する義務がございます。そして、それを怠っている場合には総理大臣に私のほうから申し出て、総理大臣から今度はこれを命令するという権限もございますので、そういう権限を十分に発揮しまして、日本の自然保護のために努力してまいりたいと思います。
  〔島本委員長代理退席、委員長着席〕
 すでにわれわれは勧告第一号は運輸省に昨年の暮れ出しまして、伊丹と羽田の航空騒音に対する措置をいたしたわけでございますが、幸いにこれにつきましてはほとんど大部分の勧告をいれてもらいまして、そのように実行に移してやってもらっているわけでございますので、あるいは森林行政に対しましても、われわれは近い将来にはそのような勧告をするかもしれません。いまいろいろと検討いたしておる最中でございます。
#55
○岡本委員 長官、伐採なんかする林野庁のいろんなものについては、よく監視をしてそして勧告をする。そうでなければ、大かたきまってやりかけてから勧告をしたりするのもおかしいし、要するに、住民がやかましく言って初めて環境庁が動くというようなことでは権威がないと思いますので、大きな伐採なんかやるときにはひとつ環境庁がチェックをして、そしてよく検討していくというようにして、ひとつきびしくやっていただきたい。
 これを要求し、環境庁長官が特段のお力を発揮していただくことをお願いいたしまして、終わります。
#56
○大石国務大臣 御要望は十分にこれを体しまして、努力いたします。
#57
○田中委員長 次に、西田八郎君。
#58
○西田委員 最初に、愚問のようになりますけれども、いただきました資料の中で特殊鳥類の種類が日本二十八種となっておるようでありますが、その二十八種のおもな鳥の名前とその生息地をひとつお聞かせを願いたい。
#59
○首尾木政府委員 お答え申し上げます。
 この二十八種を全部一応申し上げますと、タンチョウ、カラフトアオアシシギ、アカガシラカラスバト、アホウドリ、シジュウカラガン、トキ、コウノトリ、オガサワラノスリ、ニホンイヌワシ、シマハヤブサ、エゾシマフクロウ、エゾミユビゲラ、オオストンオオアカゲラ、ナミアカヒゲ、オオトラツグミ、ニホンオオセッカ、トリシマウグイス、ハハジマメグロ、オガサワラカワラシワ、ニホンライチョウ、ルリカケス、それからさらに琉球関係につきましては、ヨナクニカラスバト、カンムリワシ、ノグチケラ、ダイトウミソサザイ、ウスアカヒゲ、ホントウアカヒゲ、ヤエヤマシロガシラ、以上、二十八種が……
#60
○西田委員 おもなる生息地……
#61
○首尾木政府委員 課長のほうから説明させていただきます。
#62
○仁賀説明員 御案内のように、タンチョウヅルは釧路地方の湿原地帯に住んでおります。それからなお北海道ではカラフトアオアシシギでございますが、これは北海道のほうに住んでおります。それからシジュウカラガンというのがいま局長からも話が出ましたが、これは非常に珍らしい鳥でございまして、いままで宮城県の伊豆沼に来たというふうな事例が残っております。そうたくさんいるという感じのものではございません。御案内のように、トキは佐渡、そういうふうな形でございまして、総じて申し上げますと、ほとんどのものは環境がまだ十分残っておる離れ小島がその生息地になっております。離れ小島でないものというのはほんとうに数えるほどしかない、ほとんどは離れ小島に住んでおる。多くの場合、無人島のような形あるいは灯台守がそこにおられるというような形で環境が残っておる、そこに生息しておるという形態をとっております。
#63
○西田委員 ということは、人間も住みにくい世の中になってきたわけですけれども、鳥自体も非常に住みにくくなって、だんだんと自分の住みよいところを求めていっているように思うわけですね。したがって、その原因は、大気の汚染であるとかあるいは騒音、または水質汚濁、さらには農林業の薬剤散布といったようなことがおもなる原因になってこようと思うのですけれども、そういうふうに考えていきますと、現在の経済情勢並びに産業構造の中で、ほんとうに環境庁長官の言われるような、自然を保護して、そうしてそれらの鳥類の生息を可能にし得るだけの措置がとれるのかどうか、非常に大きな疑問を持つわけです。その点について、長官としてどう考えておられるのか。
#64
○大石国務大臣 おっしゃるとおり、いま日本の自然環境が片っ端から破壊されまして、ことに、森林の伐採が私は一番鳥の生息には影響があると思いますが、そういうことで非常に鳥が少なくなる。鳥が少なくなれば、人間が住みにくい状態になることは確かでございます。おっしゃるとおり、日本は十分なそれだけのいま自然が残っているかと言われますと、私は自信がありません。しかし、自信があってもなくても、これ以上やはり破壊させてはいけない。たとえ不十分であっても、これ以上は守っていかなければならないと思うのです。そういう意味では、やはりぜひこれ以上は破壊を進めないように、鳥が安心して住めるような、それがわれわれが安心して住める社会になるわけですから、そういうことで私は努力してまいりたいと考えております。
#65
○西田委員 そこで、国土開発計画等も立てられておるわけですし、その中にこれからのレジャーブームなんかに乗って観光開発というのも考えられているわけですが、どうも考えてみますと、国立公園は別としましても、国定公園等でありますと、かなり地方自治体そのものが観光開発等に手を入れて、そして野鳥の生息しそうなところまで自然を破壊しようとするような動きさえ見られます。そういうふうなことがはたして許されるのかどうか。そうした点について、現在の政治機構の中で一体どういうふうにそうした自然保護対策なりあるいは環境保全対策というものがとられているか。機構と、それに対する環境庁長官の持っていられる権限といいますか、どの程度のものがあるか、お伺いしておきたいと思います。
#66
○大石国務大臣 この権限でございますが、環境庁長官の持っております自然を守るための権限というのは、ごく小さいものしかございません。いわゆる自然公園法の中にあります国立公園、国定公園、そういうものの内部に対してはいろいろな権限がございます。しかも国定公園となりますと、環境庁長官だけではなくて、県知事との共管の事項になっております。しかし、それでも権限はありますから、環境庁長官がそれをだめだといえばできないことになります。ところが、残念ながら、いままではほんとうに国立公園であっても、あるいはもちろん国定公園はそうですが、めちゃくちゃに道路がつくられたり、スーパー林道がつくられたり、あるいは妙なレジャーブームでの設備ができたりいろいろなことがされております。これは残念ながら環境庁ができる以前にすでに許可を与えてしまったものであります。ですから、工事が六、七分どおり進んだりあるいはもうどうにもならないというものはどうしようもございません。たとえば尾瀬を通る道路の場合もそうであった。これだけは権限を使いまして作業を認めないということにしたものですから、あれでおさまりましたけれども、こういうことでありまして、非常に残念ながら、いままで、いろいろな、要するに行政上のバランスの強弱によりまして、強い者に弱い者が押されたという形がこういう姿になっているのです。ですから、われわれは今後は、できるだけわれわれの持っている権限をフルに発揮して、狭いながらもできる限り日本の自然を守ってまいりたいと思います。さらに寸自然を守るいろいろな新しい考え方、要するに、いままでの日本の行政というものは、自然に対しては何ら愛情を持たない行政だったんです。林野庁にしても監督行政にしても。ただものの価値とか札束の判断においてのみ初めて行政の価値があったのであって、自然を愛するとか自然を尊敬するという、愛情とか思想がなかったと思います。これを変えなければいけないと思います。そういう自然に対する尊敬、愛情、そういうものに私は行政を変えまして、そうしてできるだけ自然を守ってまいりたいというのが、いまの私の願いであります。
#67
○西田委員 いまのこの法案では、要するに、輸出入の規制並びに譲渡あるいは譲り受け等の規制を、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に定められたこと以外にこれを規制していこうということなんですが、ただそれだけで私はほんとうの鳥類というものの保護は期せられないのではないか。要するに、いまおっしゃるように、自然の環境保全というものとそれから人間の鳥類に対する愛情というものとが兼ね合わされて初めてそこにこれらの特殊鳥類を保護するということができるのではないか。そういう面からいきますと、どうも国民の鳥類に対する愛情というものもこれは薄いものがあるんじゃないか。それは家庭環境からくる教育問題もあろうと思うのです。先ほど文部政務次官から岡本議員に対しての御答弁がありましたけれども、これから自然歩道等もどんどんとおつくりになっていこうとすると、その自然歩道の中へ足を入れていく国民全体のそれらの自然を愛護するという、こういう姿勢がなければどうにもならない問題だと思うのです。それに対して、長官が、今後一体どういうふうに文部省等と社会教育の中で取り組んでいこうとされておるのか、お伺いいたしたいと思います。
#68
○大石国務大臣 このいま御審議を願っております法律は、日米渡り鳥条約を補完する意味のものでございまして、これだけではとうてい鳥類を保護するということにまいりませんが、その日米渡り鳥条約を補完する意味のものでございますので、そういう点で御了解を願いたいと思うのでございます。
 確かにおっしゃるとおり、私は、日本の国民というのはりっぱな国民であると思いますが、鳥やけだものに対しての愛情は事実非常に少ないと思います。なぜ少ないのか、本質的に少ないというより、これはいろいろな日本の長い歴史の間に日本的なものの考え方に変わった。たとえば日本の農民というものは何百年にわたってあらゆる貧乏をしてまいりました。ですからこれっぽっちの土地でも、作物に対してでも何でも非常な関心があったわけです。ですから、たとえば鳥を愛したい、けだものを愛したいと思っても、鳥が一粒の種をついばむとか、あるいは一つのイモをとって食うというようなものは、ほんとうにきびしい自分の生活に直接影響いたしますから、そういうものを害獣、害鳥として殺すということになったわけです。そのようなものの考え方がやはり日本の国民の中にずっと残っているんじゃないかと思うのです。ですから、そういうことをやはり変えていかなければなりません。元来日本人は愛情の深い国民だと思うのです。ただ、そのようないろいろな経済的な日本の長い歴史の間にそのようなものの考え方に変えられたのではなかろうかと思います。そういう意味で私は、根本的な動物愛護あるいは植物愛護に対する精神というものが必要である、教育が必要ではなかろうかと考える次第でございます。
#69
○西田委員 必要であることは私も認めるわけでありますが、問題は、それに対してどう取り組んでいくかということですね。環境庁長官として文部大臣との折衝をして、社会教育の中に入れてくれ、あるいは地方自治体が今日公民館を利用して成人教育をやっておりますが、そういう中に鳥獣に対する愛護の精神というようなものも、人間の生きていく条件の中の一つとして取り入れさせるのかどうか、そういう面についてのお考えを承りたい。
#70
○大石国務大臣 私は、人間が豊かに健康に生存していくためには、絶対にそのような教育を基本的にしなければならぬと思います。環境庁としてできることはどれか。これは一々申し上げるわけにはまいりませんが、幸いに日本全国に自然を愛そう、自然を保護しようという運動が猛然と起こっております。こういうものを通じてみんなで取り上げまして、環境庁が中心になってもどこが中心になってもけっこうですが、こういう人たちは自然を愛する人々ですから、どのような自然の愛し方をするかという具体的な愛し方、鳥の守り方、花の守り方、自然の守り方、そういうものを一つの啓蒙として話をして、そのような考え方を国民に定着させることが必要ではないかと思います。
 私は、その前に文部省としてやることは、一番望みたいのは、人の役所のおせっかいですけれど、小学校、中学校の義務教育、あるいは幼稚園を入れてもけっこうですが、約十年の間に、子供たちに毎日毎日、朝礼のときでもけっこうですから、われわれが守るべき公衆道徳あるいは自然愛護、こういうものはおそらく十もあったらたくさんだと思うのです。一つ、われわれは何をしましょうとか、そういうものを朝礼のときに毎日全校の生徒が繰り返す。たとえばそういうことをすれば、十年の間には完全に子供の精神に定着すると思うのです。その子供が大きくなっていけば、十年、二十年、三十年たてば、そういう子供が日本の国を支配するようになる。そういう子供は、なお家庭に帰っても、理解のない両親に対してある程度啓蒙するでしょうから、三十年もたてば、私は、りっぱな時代が来ると思うのですが、そのような教育が望ましいのではないかと考えておる次第でございます。
#71
○西田委員 いまのあげ足をとるわけではないのですが、朝礼というのは小学校でも中学校でもいまはほとんど行なわれていないわけでありまして、それを言われると、いわゆる戦時教育の復活だなんということもありますので、長官、老婆心ながら、注意されたほうがいいように思います。
 先ほど長官の話の中に、伐採という問題が出てきたわけでありますが、林野庁からお見えになっておると思うのですが、伐採について今日までどういうような方法をとってこられたか。個人所有の山林の植林をしたものに対する伐採はもちろん自由だと思う。そうして国有林なりあるいは保安林に指定されたものについては許可制がとられてきたと思うのですけれども、そういういままでの伐採についての方法についてひとつ伺いたい。
#72
○辻説明員 森林の伐採につきましては、森林法に基づきまして地域森林計画及び森林施業計画を立て、これによりまして計画的に行なわれております。また森林の所有者は、森林施業計画をつくりました場合には、都道府県知事の認定を受ける必要があることになっております。このつくられましたものを順守する義務が定められております。また順守いたしてない場合には、都道府県知事は施業の勧告を行ないまして、また森林所有者は伐採にあたりましては、都道府県知事に伐採の届け出をする義務があることになっております。こうした義務に違反いたしました場合には、罰則が課せられるようにもなっております。
 保安林につきましては、伐採の方法等は特にそれぞれの保安林種によりまして指定されます。施業要件がきめられております。こうした伐採にあたりましても、都道府県知事の許可を必要といたしまして、もしそういう要件に違反いたしました場合には、同様に罰則が課せられることになっております。
#73
○西田委員 それが厳格にやっておられるにかかわらず、いま環境庁長官が、原因の一つに乱伐があるということを言われたわけであります。そうすると、伐採というものがはたして自然保護あるいは鳥獣、ここでいう鳥類の保護というものも加味されて行なわれてきたのかどうか。将来は加味して、そうしたことは十分行なっていくのかどうか。同時に、環境庁はそれに対して農林省との十分なる連携がとれるのかどうか、伺いたいと思う。
#74
○辻説明員 お答えいたします。
 森林の自然保護、特に鳥獣等の保護との関連におきまして、どのような伐採がなされておるか、あるいはするつもりかという御質問であったかと思いますが、森林につきましては、御承知のような鳥獣保護区を全国的に設定いたしておりまして、そういう保護区につきましては、それぞれの伐採につきましての制約も課せられております。また特に国有林におきましては、そうした点を重視いたしまして、今後、自然保護なりあるいは鳥獣の繁殖等に必要な施設は、たとえば自然休養林その他の地区におきましてのえさをやる施設であるとかあるいは水をやる施設であるとか、そういう点につきましても、従来ともに配慮いたし、今後ともに十分配慮いたして、伐採等はいたしてまいりたい、そのように考えております。
#75
○西田委員 それに関連して、さらに植林上、あるいは日本は御承知のように段々畑になっておりまして、いま減反政策なんかも進められておりますけれども、主として減反されておるところは、米がたくさんとれそうな平野部における、売れば高く売れそうなところは休耕しておって、そして段々畑なんか、なくしたらよさそうなところが残っておるわけですね。そういうようなところに農薬が散布される場合は、これは指導的にやられる場合は別ですけれども、最近農家の人手不足も手伝いまして、空中散布という問題があります。そうすると農薬の拡散ということが当然出てくるし、そのことが鳥獣特に鳥類の生息に悪影響を及ぼすのではなかろうかと思うのですが、農薬の散布について、特に空中散布についての規制をしておられるかどうか。その規制も、要するに散布していい地区を定めるというような地域の規制、もう一つは使われる農薬の規制。聞くところによりますと、環境庁では、非常に弱い農薬についてはこれは認めるというようなことらしいのですけれども、いずれにしても害虫駆除なり除草ということを目的といたしますれば、これは害がないとは考えられないわけですから、そういう点についての規制方法をひとつお聞かせいただきたい。
#76
○大石国務大臣 これは農林省その他とも相談いたしまして、毒性の強い農薬は一切使用させないようにいろいろな手段でこれを規制しておりますが、害虫を殺すということから考えますと、他にもいろいろな生物なりいろいろな植物に影響がないとは考えられません。ですから、使用については十分な心得のある規制をしなければならぬと私も考えます。しかしいままで日本の国や世界、日本の国というのは、ことに科学というものを十分に活用しようとしまして中途はんぱな科学によってかえって振り回された感じがございます。現段階におききましては、いろいろな農薬を使い、新しい中途はんぱの農薬を使いまして、日本全土が汚染されて、いまさら後悔をしてまたもとの自然に帰ろうという考えになっております。この傾向は私はいいことだと思うのですね。やはり自然の循環と申しますか、生態系を十分に考慮に入れまして、やはり自然の循環系を十分に活用したそのような農業政策その他のものでなければならないと考えつつ、そのように進めてまいりたいと願っております。
#77
○西田委員 時間のようでありますから終わりますが、鳥類が生息するということは人間が生息するにもいい環境であるということに逆説から成り立つと思うのです。また人間が住みよいところに鳥類も寄ってくると思うのですね。そういう意味で自然環境の汚染というものはきわめて重要な問題であると思います。今日まで環境庁長官があちこちでいろいろ談話を発表されておりますが、どうも談話どおりにもいってないように思いますので、ひとつ強力にその姿勢を貫かれるように要望いたしまして質問を終わります。
#78
○田中委員長 次に、米原昶君。
#79
○米原委員 時間がありませんからごく簡単に二、三の点だけ質問します。いま長官からもお話がありましたが、いままで自然環境の保全ということが全く軽視されてきたと思います。野生鳥類の生態の汚染は実際は人間の汚染の前ぶれだということですね。ですから、そういう点でいままで経済優先のやり方のために前の公害対策基本法の場合も、いわゆる生活環境ということについて経済との調和ということで、実際は環境の汚染を軽視する、そういう傾向があったと思うのです。現在大気の汚染などが野生鳥類の生息環境に及ぼしている影響ですね。この問題について全国的な調査はやられているのかどうかということを第一にお聞きしたいと思います。
#80
○首尾木政府委員 お答えいたします。
 全国的な調査は残念でございますけれども、いままで実施されたことはございません。
#81
○米原委員 では、ひとつそういう点、自然保護という観点からすれば、また実際は人間の前ぶれですから、こういう点に今後最も力を入れていただきたいということをまず申し上げます。
 この法案は鳥獣保護法をある意味で強化するものですが、現在鳥獣保護法に基づく取り締まり体制、これは非常に不十分だと思うのです。都道府県で司法警察員の職務を行なう者が全国で千百七十六名と聞いておりますが、これで狩猟鳥獣の識別、それから二千百七十六に及ぶ鳥獣保護区、一千七十四の休猟区、六百四十八の狩猟禁止区域の取り締まりをやるということになっておるが、はたしてこの程度の人員でできるのかどうかということを大臣に聞きたいのです。
#82
○大石国務大臣 おっしゃるとおり千百人の警察権を持った職員だけではまだまだ不十分でございます。これはもっともっとふやさなければならないと思います。ただ、御承知のようにこれはだれもかれもがなれるわけではございません。やっぱり鳥に対する愛情、鳥に対する知識、そういうものを持った、いろいろな条件を備えた人が必要でございますので、なかなかそういう人は、給料が高ければ来やすいのですけれども、そういうことがありますので、そういうことを十分に考えましてできるだけこれからふやすように努力してまいりたいと思います。ただ、いまお話のように鳥獣保護区であるとか休猟区という問題がございますが、これは確かにそのくらいでは日本の十分な鳥類保護はできないわけです。だから猟区狩猟制度というものをいま考えましてこれを早く、五、六年の間に全国で実施いたしたいと願っておるのでございまして、おっしゃるとおりいままでの法律では欠点が多くてどうにもならないという段階にきておると考えております。
#83
○米原委員 警察庁の方にも来ていただいておりますが、警察のほうでも取り締まりを行なっておられるわけですけれども、中心は猟銃の取り締まりで、保護のほうにまでいってないのじゃないかというふうに思うのです。たとえば昭和四十五年度で第八条の二第五項に違反した人が十人、それから第十三条の二に違反した人が二人、こういう報告が出ておりますが、全国でわずか十二人の違反者、こんなことは実際にはないのじゃないか。現実はもっと違反者は多いのじゃないか。こういうふうに思うわけですが、どうでしょう、警察の方に聞きたい。
#84
○関沢説明員 お答えいたします。
 警察といたしましては狩猟の取り締まりは比較的長い伝統を持っておりまして、確かに御指摘のように銃砲の取り締まり、それからさらには狩猟に伴う被害の防止、これは人身事故にもつながりたいへん重要でございますので、これに重点が置かれるのも事実でございますが、そのほかにも鳥獣の保護とという見地からの取り締まりももちろん実施しておりまして、総件数で申しますと、大体年間二千件から三千件の件数を検挙しておりますし、たとえば一条の四の保護鳥獣の捕獲あたりは、四十六年度二百十四件、百九十三人検挙しておりますし、いま御指摘の十三条に関しましては、警察統計といたしましては三十八件、十二人、そう多い数ではございません。できるだけ努力はしておるつもりでございます。
#85
○米原委員 さっきも長官の言われた保護員の問題ですが、都道府県で現在約二千三百名の非常勤の鳥獣保護員がおりますね。ところがその半分はハンターです。これでは日本の現状で保護ができるかどうか疑問だということを感ずるのです。そういう点で野鳥の会とか実際に鳥を守ろうとしている人たちを保護員として起用すべきである、こういうふうに考えるわけです。この点どうでしょう。
#86
○大石国務大臣 私は賛成でございます。以前からそのようなことであるべきだと思っておりましたが、やはり日本のいろいろな政治的な考え方、行政のあり方がそういうことを許さなかったと思うのです。これから幸いに方向が変わってまいりましたから、ぜひそのような方向に進めてまいりたい。各県にもそのようなことをぜひ指導いたしたいと考えております。
#87
○米原委員 それからさっきもちょっとこの問題でたのですが、鳥獣保護区が二千百七十六、約百八十万ヘクタールのうちで民有地が百万ヘクタールに及んでいるわけです。国有地のほうもいままで林野庁のやらずぶったくりということをよく聞きますが、そういうやり方の中で保護の観点には非常に弱かったという点で批判されておるわけですが、民有地についていうと、これを鳥獣保護という観点から真にこれを守っていくためには、自然公園と同様に、さっき県営の公園とかいろいろな話が出ましたけれども、思い切って国などが買い上げたらどうかということを感じるわけです。特に保護区の中の特別保護地区についてみますと、民有地は三万ヘクタールですから、これを買い上げるといったってたいした金額ではないという感じがするのです。思い切って国のほうで買い上げて保護するという手を打ったほうがいいんじゃないか、こう思いますが、どうでしょう。
#88
○大石国務大臣 国立公園の中の民有地ですか。
#89
○米原委員 ええ、そうです。
#90
○大石国務大臣 これは買い上げる方針でおります。
 先ほど申し上げましたようにことしは六十億初めて予算がとれまして、これは交付公債になりますけれども、それで買い上げまして、それは県有地にいたします。ただし県有地にしましても、国からは十分の十あるいは十分の八を補助いたしますから、それは県でもたいした負担にならない。十分の十補助したものはこれは国の所有になりますが、いずれにしても公有地にしてこれを保護することにいたしております。
 その制度はできるだけ今後広げてまいりまして、これは近い将来には、いま申しましたような県立公園のようなものとか、そういうこまかいところにまで及ぶようにいたしたいものだと私は願っておるわけでございます。ただ鳥だけの問題でなくて、全体の自然保護の意味からそういうふうにいたしたいと思っておるわけでございます。
#91
○米原委員 最後に、鳥獣保護は広く自然保護の一環であるという意味で、現在伝えられるように自然環境保全法が難航していることは非常にわれわれ遺憾に考えております。鳥獣保護区について、この法案が成立しても、全体としてそういう政府の姿勢では実効をあげることは困難ではないか、こういう点を痛感するわけです。そういう意味で、もっと大きな見地から自然環境の保全法を必ず早急に立案してもらいたいと思うわけです。この点について最後に……。
#92
○大石国務大臣 自然環境保全法案を何とかしてこの国会に提案して、日本の国土全体としての正しい自然の保護のあり方の基本にいたしたいと願っておるわけでございます。
 もっとも、いまこれから御審議をお願いしょうと考えております法案は、そう大きいものではございません、ほんとうにいわば小さいものでございますが、これを一つの踏み台として、土台として、お考えのような、またわれわれが考えておりますような日本国土全体の自然環境の保全にいま広げてまいりたいということでございまして、おっしゃるとおり、ただいま他の省庁との間に、要するに理解度と申しますか、それの違いがありましていま難航いたしておりますが、何とかしてこれを調整いたしまして国会に出す決意でいま努力いたしている次第でございます。
#93
○米原委員 じゃ、もう一つだけ。
 先ほどからも話がありましたが、国有地、国有林についてですが、国有林は、単に鳥獣保護の問題だけではないけれども、それも含めて自然保護の観点から環境庁として思い切った手を打ってもらいたいのです。いままでの林野行政のやり方ではたいへんな破壊をやってきたと思うのです。この点について思い切った措置をとっていただくということを要望しまして、私の質問を終わります。
#94
○田中委員長 これにて内閣提出の特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#95
○田中委員長 午後二時再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
 午後零時三十分休憩
     ――――◇―――――
  午後二時九分開議
#96
○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律案を議題といたします。
 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律案について、直ちに採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#97
○田中委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
    ―――――――――――――
#98
○田中委員長 次に、本案に対し、山本幸雄君、島本虎三君、岡本富夫君、西田八郎君、米原昶君より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず提出者から趣旨の説明を求めます。山本幸雄君。
#99
○山本(幸雄)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び日本共産党を代表いたしまして、内閣提出、特殊鳥類の譲渡等に対する附帯決議を付すべしとの動議について御説明いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
    特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は本法施行にあたり特に次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。
 一 渡り鳥及び絶滅のおそれのある鳥類並びにその環境の保護に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約の実施にあたっては、渡り鳥及び絶滅のおそれのある鳥類の共同研究計画および保存対策に万全の措置を行なうとともに、関係各国との間において同種条約の締結を促進するよう努めること。
 二 特殊鳥類の生息環境保全のため、生息地の買上げ等必要な措置を検討するとともに、各種公害対策の徹底及び原生林の大面積皆伐、鳥類の生息に悪影響のある除草剤の空中散布の規制の検討その他自然環境保全対策の推進等により、鳥類の生息環境の十分な保全を期すること。
 三 特殊鳥類の人工飼育施設を含め、鳥類保護の積極的な推進をはかるため、環境庁の付属機関として、これを担当する研究所の設置を検討すること。
 四 鳥獣保護に関し、青少年を対象とする学校教育に、正規のカリキュラムを織り込むことを検討すること。
 以上でありますが、この動議の趣旨につきましては、案文中に尽くされておりますので省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
#100
○田中委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#101
○田中委員長 起立総員。よって、さよう決定いたしました。
 この際、大石環境庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。大石環境庁長官。
#102
○大石国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重いたしまして、善処してまいります。
    ―――――――――――――
#103
○田中委員長 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○田中委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#105
○田中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
 午後二時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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