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1971/06/16 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 科学技術振興対策特別委員会 第15号
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1971/06/16 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 科学技術振興対策特別委員会 第15号

#1
第068回国会 科学技術振興対策特別委員会 第15号
昭和四十七年六月十六日(金曜日)
    午後零時二十一分開議
 出席委員
   委員長 渡部 一郎君
   理事 木野 晴夫君 理事 佐々木義武君
   理事 田川 誠一君 理事 藤本 孝雄君
   理事 前田 正男君 理事 石川 次夫君
   理事 近江巳記夫君 理事 吉田 之久君
      大石 八治君    加藤 陽三君
     小宮山重四郎君    堂森 芳夫君
      内海  清君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      木内 四郎君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     井上  保君
        科学技術庁原子
        力局長     成田 壽治君
 委員外の出席者
        原子力委員会委
        員       山田太三郎君
        科学技術庁原子
        力局次長    倉本 昌昭君
    ―――――――――――――
六月十六日
 理事近江巳記夫君同月七日委員辞任につき、そ
 の補欠として近江巳記夫君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 閉会中審査に関する件
 科学技術振興対策に関する件(原子力開発に関
 する問題)
     ――――◇―――――
#2
○渡部委員長 これより会議を開きます。
 まず、理事補欠選任の件についておはかりいたします。
 去る七日、理事近江巳記夫君の委員辞任に伴い、理事が一名欠員となりましたので、その補欠選任を行ないたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○渡部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 それでは、理事に近江巳記夫君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○渡部委員長 次に、閉会中審査申し出に関する件についておはかりいたします。
 本委員会は、閉会中もなお、科学技術振興対策に関する件について調査を行なうため、議長に閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○渡部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、閉会中審査のため、委員会において参考人より意見を聴取する必要が生じましたときは、人選その他所要の手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○渡部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。
 閉会中審査案件が付託になり、実地調査の必要がある場合に委員派遣を行なうこととし、派遣委員の選定、派遣地及び期間並びに議長に対する承認申請手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○渡部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#8
○渡部委員長 引き続き、科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。
 原子力開発に関する問題について質疑の申し出がありますので、これを許します。堂森芳夫君。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#9
○渡部委員長 速記を起こして。
#10
○堂森委員 時間があまりありませんので、簡略に質問を申し上げまして答弁を願いたいと思います。
 福井県の美浜の原電で、十四日、放射能を含んだ一次系の水漏れが発見されまして、同日の午後八時、一号炉の運転休止を決定した。そして、十五日の午前零時過ぎから運転休止をして点検作業に入った。事故や事故のおそれが生じたため原子炉の運転休止をするのは、美浜原電では開始以来これで四回目であります。それで、この美浜原電の再開までには少なくとも一週間あるいは二週間ぐらいかかるのではないか、こういうふうにいわれておるのであります。
 この事情につきまして、詳細に、この事故が起きてきた実情等につきましてまず説明をしてもらいたい、こういうふうに思いますので、説明をお願い申し上げます。あとからまた政治的な問題について大臣にお尋ねいたします。
#11
○倉本説明員 関西電力から、美浜原電炉に関しまして蒸気発生器の細管から蒸気漏れのおそれがあるということで炉の停止を行なったという旨、六月十五日に連絡がございました。
 その概要につきましては、六月十三日の十四時十分に――このモニターがございますが、蒸気発生器のところから出てきますもののモニター、水モニターと、それからガスを外に出しますところのガスモニターと、この二つでチェックをしておるわけですが、このモニターの指示値がだんだん高くなってまいりまして、一応保安規定に基づきます内規等できめております数字にだんだん近くなってまいりましたので、一応この炉をとめるということを決定いたしまして、それで水のサンプリング等を開始をいたしたわけでございます。
 なお、この周辺の影響等につきましては、そのガスが外へ若干出ておりますが、これにつきましては、平常時の大体きめております最大放出率というのがございますが、これよりはるかに低い数値でございましたので、周辺には何らその影響はないというぐあいに判断をいたしております。
 なお、野外モニターの指示値には全く変化は出ておりません。
 なお、現在どういうような状況でこういうことが起こったのかという点につきましては、炉をとめましてこれから調査を行なうわけでございますけれども、調査には大体十日間ぐらいはかかるであろうということで、その調査を待って、大体その状況がわかりましてから、これに対してどう処置するかということをきめていこう、こういう状況になっております。
#12
○堂森委員 私の知っておるところでは、過去、たとえば昨年の五月二十何日ですか、第一次系の水を通すバルブの故障で事故が起きそうだというのでとめた。それ以来四回、今度で五回目ですか。ところが、私が聞いておるところでは、蒸気発生器の細管の水漏れからくるというような事故は、いままで日本の原子力発電所にはなかった、こういうふうに聞いておるのですが、そうでございましょうか、初めての事故でございましょうか。
#13
○倉本説明員 このタイプの蒸気発生器の細管からこれが漏れておるといたしますと、今回初めての事故になるわけでございます。
#14
○堂森委員 さっきの次長からの説明によりますと、おそらく二日か三日放置しておいて、冷却させて、そして総点検がやられてそれが十日ぐらいかかる。そうしないと実際の真相はつかむことはできないだろう、こういうことのようでありますが、何百ですか何千ですかの管がありますね。毛細管みたいな細い管がある。そういうものが故障して何かの理由で水が漏れるということになると、それはどういうことをして修理をするのでございますか。また、どういうことでそういうものが漏れるということになってくるか、われわれどうもわからぬのですが、説明を願いたいと思います。
#15
○成田政府委員 原因調査に十日くらいかかるという状況ですが、その原因調査は圧力を逆にかけまして、そしてどこから漏れるかというのをいろいろ点検をやるわけでございます。それで原因の個所がわかりますと、今度は相当めんどうな補修工事があるようでございますが、溶接その他の工事を、これもまた十日ぐらいかかるのじゃないかといわれておりますが、そういう意味で来週火曜ごろからいろいろ調査に入る予定のようでございます。そして補修に十日かかる、それからいろいろ準備等考えますと、三週間から一月くらい時間をかけて、そして十分安全であるということが確認されてから再運転ということになるものと考えております。そして調査につきましても、敦賀の科学技術庁の事務所、あるいは県の人等も十分立ち会って、そしてほんとうに十分に安全が確認されて初めて再開するということになる予定でございます。
#16
○堂森委員 私、きのう用があって郷里に帰ったのですが、美浜町の役場も敦賀市も電話で問い合わせてみたのです。直ちに発電所からは協定に従って、こういう事故が起きそうだからそれでとめる、こういう連絡は当然のごとくあったそうでありますが、そこで一体こういうような事故、総点検のためにとめるというのではなしに、トラブル等の、何かそういう事故でとめなければならぬというような、そういう例は美浜以外に、あるいは東海でもどこにしても、一体どれくらいあるものでございますか。敦賀で五回目ですか、ちょっとそういう数字をお聞きしたいと思います。
#17
○成田政府委員 外国の例を見ますと、こういう蒸気発生器の細管の事故等によって停止した例がアメリカで四回ぐらい、それからドイツで一回、スイスで三回ほどありまして、日本の場合は安全をとりまして三十五時間ぐらいのところでとめたのでありますが、アメリカ等におきましては、十分モニターをやりながら二カ月とか数カ月運転した場合もあるようでございますが、日本の場合は三十五時間ぐらいで安全をとってとめたということでございます。
 それから、こういう同種の例は日本ではないのでございますが、ただ東海の原電のコールダーホールにつきまして、交換器のチューブの漏洩事故等が二、三回あって、とめた例がございます。
 以上でございます。
#18
○堂森委員 いまも政府側の答弁で、十日ぐらいは総点検に要する、そしてあと十日ぐらいは少なくとも修理に要る、三週間か四週間はかかるのじゃないか、こういうお話でございます。当然これは慎重にやってもらわなければならぬ、こう思うのであります。いま外国のああいう事故数の説明がありましたが、たとえばアメリカに何カ所あってどう、あるいは日本は、ということがないと、これははっきりしないのでありまして、私は、敦賀のそういう事故の数が、第一号炉ができてからすでに五回目だということは、相当事故のトラブルの頻度が高いのではないか、こう思って、地元の人たちがかなり神経質になっておることは、特に政府側に忠告をしておきたい、こう思うのであります。
 そこで、大臣に要望したいのであります。そういうような事故が起きたのは政府の責任であるとか、あるいは関西電力の責任、そういうことを言っておるわけではないのですが、こういう機会にこそ極力そういうような、同じような事故が起きないように、万全の措置をとるように、関西電力に対しても厳重な政府からの、大臣としての通告でありますか、そういうものもあらためてやってもらうように、私は大臣に要望をしまして、時間がありませんから、簡単でございますが実情をお聞きする質問を終わる、こういうことでございまして、よろしくお願いします。
#19
○木内国務大臣 お答えいたします。
 関電の美浜の炉に故障が起きた、この点について非常に御心配を願いまして、また、将来こういうことのないようにという堂森委員からの御注意、まことにありがたく拝聴いたしました。
 私どもは、いま申し上げるまでもなく、原子炉、これは安全第一、これは絶対のこととして私は考えております。そこで、そのためにはあらゆる方策を講ずるように、モニターなどもあらゆるところにつけまして、少しでも何か疑いがあったらすぐにモニターにあらわれてくる、あらわれてきたらそれに対して適切な対策を講ずるようにということを言っておるわけであります。そこで、これは保安規定にこまかに盛り込んでありますが、今回美浜の発電所におきまして、私の聞いたところによると、わりあいに微量のものであったそうでありますが、すぐにモニターに出てきた、モニターに出てきた以上は安全第一、すぐにこれを究明しなければならない。そこでとめてこれをやっているわけでありまして、すみやかにこれが発見され、かつ適切な対策をとっていくということは、私はけっこうなことだと思うのですが、しかし、起こる前に、ただいまお話しのように、厳重に注意してそういうことのないようにするということは大事なことでありますので、御趣旨のとおり、関電はもちろん、その他に対しても厳重な注意をして、できるだけ最大の注意を払うようにというふうに指示し、かつそれを実行させたい、かように思っておりますので、今後ともひとつ御注意の点はよろしくお願いいたしたいと思います。
#20
○堂森委員 ちょっとつけ加えまして、虻虫であるかもしれませんが、今度の美浜の原電のトラブルについて、いち早く会社は市役所あるいは美浜町の町長にも当然のごとく通告をしております。これは私は大事なことだと思うのです。すべて公開のたてまえで、そういう事故があったらあったように正直に――従来、どうも秘密にしようという、役所にしても企業にしてもことごとに大体そういうものです。それはやはり公開して民衆にずっと知らせる。それが今後原子力発電所を各地に建設していくためにも非常によい効果を及ぼすと思うのでありまして、特に大臣に、そういう点について今後も公開をして民衆に知ってもらう、こういうたてまえでやってもらうように要望します。当然のことでありますから、答弁は要りません。
#21
○渡部委員長 次に近江巳記夫君。
#22
○近江委員 きょうは時間が非常に限られておりますので、何点かお聞きしたいと思うのです。
 そこで、この漏れた問題でございますが、三キュリーということを聞いているわけですが、この数値は間違いないですか。
#23
○成田政府委員 こまかい計算では二・四キュリー、約三キュリーということで正しいと思います。
#24
○近江委員 かねて私たちは、原子炉の安全性ということについては、もう何回も本委員会におきましていろいろと政府に申し上げてきたわけです。それで、安全性の確保ということで政府も努力をされてこられたわけですが、この間原子力委員会の発表された計画を見ますと、昭和六十年までに六、七十基、六千万キロワットという計画が発表されまして、今後さらに原子力発電所は建設が進んでいく。したがって、安全性ということについて特にわれわれは深い関心を寄せざるを得ないわけです。今回またこういうようなことが起きまして、以前から私どもこの委員会において軽水炉の安全性ということについて非常に疑問を持っておりまして、いろいろお聞きしてきたのですが、アメリカがこう言っているからだいじょうぶだというような答弁がずっと繰り返されてきておるわけです。ところが、アメリカにおきまして、米原子力委員会、AECのシュレージンジャーですか、今度委員長がかわったわけですが、二月から軽水炉の安全性について公聴会を開催しておるわけですが、四カ月も延々と続いておるというのですね。おそらくまだ七月一ぱいかかるであろう。ここにおいては重大なそういう問題点というものが提起されております。特に暫定基準等についても、基準自体に非常に大きな問題があるのじゃないかということも提起されておるわけです。
 それで、今回のこういう漏れということを見ていきますと、これはやはり重大な事故の発生につながってくる一つの原因ではないかと私は思うのです。軽水炉で一番心配なのは、結局からだきの問題になると思うのです。何かの理由で炉心から冷却水がどっと漏れて出たときに原子炉がからだきの状態になる、この熱で破裂する。そうしますと、これはたいへんな死の灰が出る。もしもこの炉が爆発した場合には、大事故に発展するわけです。そういう点で、いかなる事故であろうと、これは重大視しなければならぬと思うのです。
 それで、米原子力委員会がコンピューターコードでいろいろな計算もやっておるわけですが、その方程式自体も間違いじゃなかったのかと最近はいわれているわけです。この方程式が正しければ、たとえばそういう冷却装置を使った場合に、十分に冷やされて、炉心の温度が急上昇することはないはずなんです。しかし、実験した結果は、非常用の炉心冷却装置がちゃんと作動したにもかかわらず、炉心の温度がぴんとはね上がっているわけです。六回繰り返した実験で六回とも同じ結果が出ておるのですね。こういうようなことを考えていきますと、今度大飯のほうには百十七万キロワットですか、世界最大の原子炉も設置されようとしておりますし、そういう時点において、こういう漏れの事故も起きている。したがって、依然としてその不安というものはぬぐい去ることができないわけです。幾らアメリカがどんどんやっているからだいじょうぶじゃないかとおっしゃっても、こういうことがやっぱり起きているわけですから、よほど慎重にやってもらわなければ困ると思うのです。そういうことで、軽水炉に対する信頼というものを原子力委員会としても、あるいは政府としても、どのように受けとめていらっしゃるのか。時間の関係もありますので、簡潔にお答えいただきたいと思うのです。
#25
○山田説明員 ただいまのお話の大事故の件は、この蒸気細管破断の事故とは直接には関係ございませんで、主蒸気管の破断の事故の問題でございます。その問題につきまして、先生御指摘のように、去年アイダホで実験が行なわれまして、その結果がうまくなかったということが明らかになりまして、それ以後、この緊急冷却系統についての基準というものをアメリカの原子力委員会がつくろうということで、公聴会を一月の末からやっておることは、御指摘のとおりでございます。その計算方式についていろいろな問題があるという御指摘でございますが、確かに完全であるという段階でないことは、御指摘のとおりであろうと思います。同じ問題につきまして、日本も緊急冷却装置検討会というのを原子炉安全専門審査会の中に設けまして、過去五、六カ月にわたって検討を続けております。日本の場合には、アメリカでいっております基準よりもややきびしくしないといけないのではないかということで、そういう新しい基準のもとにおきまして、大飯の原電等あるいは高浜等につきまして許可いたしましたことは、時間がございませんから詳しく申し上げませんが、アメリカが二千三百度Fといっておるものを日本は二千百五十度Fまででとめたほうがいいだろうというように、アメリカとは全く違った考え方のもとにやっております。
 それから、今度の熱交換器の蒸気細管破断事故も、非常に簡単な事故であるというふうに申し上げておるわけではございません。これまた非常に重要な事故でございますけれども、これは先ほどのお話の直径が数十センチというような大きな管の破断ではございませんで、直径二センチ程度の蒸気細管破断の問題でございます。しかし、これまた原子炉の安全については非常に重要な問題でありますので、慎重に検討していきたいというふうに考えております。
 なお、原子力委員会といたしましては、原子炉の安全性及び環境の問題につきまして慎重に検討いたしますために、三月から環境安全専門部会を発足させまして、非常に膨大な委員会になりそうでございますけれども、六つの分科会を設けて、環境問題及び安全問題についての徹底的な見直しをしていきたいというふうに考えております。
#26
○成田政府委員 安全性の問題につきましては、いま山田委員がおっしゃったように、科学技術庁としても最も重要な政策テーマとして取り組んでおるところでありまして、予算でも非常に重点的につけており、また、今後もさらにこの安全性研究の予算の増加をはかっていきたい。それから環境安全専門部分も各分科会に分かれまして具体的な問題を詰めて、一年あるいは必要な場合は来年度予算に問に合うような中間答申ももらって、そして万全をはかっていきたい。
 世界的にも軽水炉はいま原子力発電炉としては安全性が最も高い炉というふうに立証されておりますが、ただ実際の場合にはいろんな問題もありますので、そういう面も安全性の追求ということを怠りなく、最重点の政策要請としてさらに強化をはかっていきたいというふうに考えております。
#27
○近江委員 いま山田委員がおっしゃったように、これは炉心からのそういう漏れではないので直接の――私の申し上げたのは若干の食い違いがあろうかと思いますが、しかし、私は原子力施設自体の周辺も含めての安全性ということをいつも言っているわけです。そういう点から考えるなら、ほぼ中心に近いところのこれは漏れの事故です。そういう点としていま私は申し上げたわけです。
 それで、実際のこの炉の事故の場合、こういうような一つの方向になるんじゃないか。軽水炉が通常の運転をしておりますと、炉心の燃料の表面温度というのは約三百十五度に保たれると聞いておりますが、もし冷却水が急に漏れて炉心がからだきの状態になると、燃料の表面温度が一分かそれ以内に千八百度にのぼり、燃料を包んでおるジルコニウム合金が溶けてしまうということがいわれているわけです。原子炉技術者がそういうように計算しているわけです。そうなると、ジルコニウムと高温水蒸気が化学反応を起こして温度上昇に拍車がかかるんじゃないか。二分後には炉心の崩壊が始まり、十分後になると溶けた破片が炉内にたまり始める。そして一時間後には蒸気の爆発によって炉心を包んでおる鋼製の筒、圧力容器が溶解する可能性がある、こういうことを、これはアメリカでも言っているわけです。そういうことで、これは周辺を含めて安全性ということについてはまだまだ非常に心配な点がたくさんあるわけです。そういう点、山田さんからもまた局長からも、今後はさらにそういう点に力を入れてやっていくということをおっしゃったわけですが、われわれとしてはそういろ心配、疑問の点というものが非常に残るわけです。そういうわけでこの安全性というような問題については、環境問題を含めてこれは重大な問題でございますし、今後さらにどれほど力を注いでいただいても注ぎ過ぎということはないわけでありまして、いままですべての公害を見ましても、産業優先といいますかともかく開発第一で、そういうことが忘れられてきた。これは同じように原子力のこういう平和利用においてもいえるのじゃないか。六千万キロワットという目標に向かって進んでいく。そういうことで、安全性も決してやっておらないということは言いませんけれども、私らから見ればまだまだウエートが非常に低い。ですから、もっと真剣にあらゆるそういう力を傾注してもらわなければ困ると思うのです。これは非常にくどいようでありますけれども、これはもうほんとうに徹底してやってもらわないと、これは重大な事故につながりますよ。そういう点で大臣の決意をお聞きしたいと思うのです。
#28
○木内国務大臣 きわめてごもっともな御意見でございまして、私はもう繰り返し繰り返し申し上げておるように、これからは原子力の平和利用というものは非常に進んでいくだろう。それについてはどうしても安全第一、環境保全というところに力を入れていかなければならない、かように考えまして、あらゆる方法を講じて全力を尽くしてこの問題と取り組んでまいりたい、かように思っておるわけです。
 ところで、こんなことを言うとあるいはしかられるかもしれませんけれども、公害はいろいろありますけれども、公害があってもその公害がすぐに数字になってあらわれてくるというようなのは公害防止のほうにどこにもいまのところないわけなんですね。ところが、原子力のほうは、いまのような小さい管にちょっと穴があいたかもしらぬというようなことになるとすぐにこれがモニターにあらわれてくる。それだけにあらゆる場合に備えておるんですが、もちろんこの点についてもまだ一〇〇%十分であるというふうには私申し上げかねると思うのですが、今後におきましてもこの保安規定を厳重にしまして、そうしてそれを厳重にするだけでなく、それを扱っているあらゆる者がこれに関心を持ってそうして安全管理の対策につとめていくように努力をいたしたい、かように考えておりまするので、私の決意を申し上げて御参考に供したいと思うのであります。
#29
○近江委員 それじゃもう時間がありませんからこれで終わりますが、大飯の点については原子炉安全審査会では一応はパスをしておるわけでありますが、政府のほうではいろいろな配慮をしてまだ許可は出しておられないようでございますが、慎重にやっていただかないと、こういう小さい事故もやはり連続といえば非常にオーバーかもしれませんけれども、起きておる事実から考えて慎重にやってもらわなければ困る。ですからその辺の慎重な考え方、これは大事だと思うのです。その辺の大臣のお考え方を聞かしていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#30
○木内国務大臣 まことにごもっともな御注意でございまして、私どももさっきから申し上げているように、そういう点について今日まで努力してきたつもりでありますが、今後におきましても一そうこまかに気をつけて間違いのないようにしてまいりたい、かように思っております。
#31
○近江委員 それじゃ終わります。
#32
○渡部委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後零時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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