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1947/08/19 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第8号
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1947/08/19 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第8号

#1
第001回国会 厚生委員会 第8号
  付託事件
○教育の恩給増額に関する請願(第六
 号)
○食肉統制價格撤廃に関する陳情(第
 二号)
○聖霊生命眞理療法保護法規の制定及
 び名誉恢復に関する陳情(第四号)
○兒童の福祉増進に関する法令制定の
 陳情(第七号)
○恩給法の改正に関する陳情(第十二
 号)
○都市官公廳職員の生活安定に関する
 陳情(第三十八号)
○戰死、戰災遺家族並びに傷病者の更
 生に関する陳情(第五十号)
○恩給法の改正に関する陳情(第六十
 四号)
○國民健康保險組合制度を改革するこ
 とに関する陳情(第六十六号)
○傳染病予防法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○保健所法を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○國民健康保險金に対する國庫補助金
 の増額等に関する陳情(第九十八
 号)
○青少年禁酒法案(小杉イ子君発議)
○恩給増額に関する請願(第三十九
 号)
○大学等への死体交付に関する法律案
 (内閣提出)
○大正十二年勅令第五百二十八号司法
 警察官吏及び司法警察官吏の職務を
 行うべき者の指定等に関する勅令の
 一部を改正する法律案(内閣提出)
○災害救助法案(内閣送付)
○兒童福祉法案(内閣送付)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第五十八号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第七十一号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第七十三号)
○恩給法の改正に関する陳情(第百五
 十三号)
○國民健康保險組合の振作促進に関す
 る陳情(第百五十五号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月十九日(火曜日)
   午後一時四十八分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○大学等への死体交付に関する法律案
○大正十二年勅令第五百二十八号司法
 警察官吏及び司法警察官吏の職務を
 行うべき者の指定等に関する勅令の
 一部を改正する法律案
○傳染病予防法等の一部を改正する法
 律案
○保健所法を改正する法律案
○兒童福祉法案
○右案審査のため議員派遣に関する件
○医療制度調査に関する小委員の選定
  ―――――――――――――
#2
○委員長(塚本重藏君) それではこれより本委員会を開会いたします。
 議題は、大学等への死体交付に関する法律案、大正十二年勅令第五百二十八号司法警察官吏及び司法警察官吏の職務を行うべき者の指定等に関する勅令の一部を改正する法律案、傳染病予防法等の一部を改正する法律案、保健所法を改正する法律案、以上四案を一括しまして、大体質疑を終了しておるのでありますが、この機会に簡單なる補足質問を許します。先ず私よりお尋ねいたしたいことがあります。傳染病予防法等の一部を改正する法律案、保健所法を改正する法律案、この兩法案を改正した結果必要とする予算額は何程になりますか、御説明を願いたいと思います。
#3
○政府委員(三木行治君) 保健所法を改正する法律案を施行いたすといたしまして、これを本年九月から実施いたしますならば、年度内におきまして約一億四千八百九十万円を必要とするのであります。これに対しまして、國庫から約五千二百万円の支出を要するのでありますが、この中、年度当初の予算及び予備費ですでに決定済の分がございまするので、これを差引きまするというと、約二千三百万円の追加支出を要する見込であります。尚、保健所建物の整備に要する費用といたしましては、公共事業費として約九千万円の國庫補助を要求中でありまして、只今尚大藏省と折衝中でございます。
#4
○政府委員(濱野規矩雄君) 私から審議をお願いしております法律案の中、法定傳染病費の予防費は二百八十四万五千円であります。それから結核予防費の補助が三百十四万八千円、トラホーム予防費十五万八千円、寄生虫予防費が十三万三千円でありますが、これは補助費等になりますので、最後に計算いたしまして、縣がそれ以上使つておりますれば、補助費等で又殖えて参ります。さよう御承知を願います。
#5
○委員長(塚本重藏君) 他に御質問ございませんか。
#6
○中山壽彦君 私前囘御質問申上げて置いたのでありますが、先だつて保健所の改正に関しまする予算書を拜見いたしますと、私共素人ですから、よく予算の運営上についても分り兼ねる点があるのであります。結局この保健所の改正によつて非常に仕事が殖えて参りまして殊に傳染病の予防源、細菌の保菌者の檢策等も保健所でおやりにるということになりますと、その方の費用は予防局からお出しになることになるのではなかろうか。なかなか今日はプランクを一つ買うにいたしましても相当に費用がかかる。又経常費においても、運営上非常な多額を要することと思いまするが、これらの費用は予防局の方でも相当多額にお出しになることができうるのかどうか、予防の方の費用は國庫が二分の一の負担になり、地方が三分の一というようなことを聞いておりますが、最近地方の経済状態というものは非常に惡い。なかなか三分の一の予防費は出し兼ねるというような風説も耳にいたしておりますので、この辺の事情を一つ承つて置きたいと思います。どうか前囘も申上げました通り、改正されました以上は、名実共にその実續の挙りますることを、私は希望いたしておる点から、この予算の関係をお尋ねして見たいと思います。
#7
○政府委員(三木行治君) 先般お手許にお配りいたしました予算の説明書並びに先程、私から御説明申上げました予算の額は、これは保健所固有の事務に関する経費でありまして、只今中山委員から御指摘になりましたように、例えば檢査室の設備であるとかいうようなものにつきましては、予防局の予算からこれを保健所に加えて、そうしてプラス・アルフアーとして動かして行くと、こういうことに相成つておるのであります。
#8
○政府委員(濱野規矩雄君) 各保健所に設けます細菌檢査費でございますがこれは今三木政府委員からお答えしましたように、予防局関係の防疫の方でいたしております。只今各地方を調べまして、大凡そ百ケ所程増設しよう、一ケ所が約二十五万円ぐらいの予算で二千五百万円、今の法律でありますと二分の一補助になります。先程申上げました二百八十四万円というのは、過去五ケ年間の計算をしたものは二百八十四万五千円であります。補助費でその後作つたものは、法律でいくらでも殖えて参ります。只今二千五百万円程度の百ケ所の細菌檢査室を作りましてそれから國庫補助が二分の一でありますから、千二百五十万円縣内にできますればそれが行きます。傳染病の方は急の時にはそういう式でやります。できるだけ極力その方の拡充をいたして参りたいと存じております。
#9
○中山壽彦君 地方の負担はどうでありますか。
#10
○政府委員(濱野規矩雄君) それは向うの縣と連絡をいたしまして、各縣の予算、先般申上げましたように、一遍皆さんでお調べ願つてもそうでありますが、縣の衞生費用というものは少ないのでありまして、縣費の約一%内外ということで、頃常に僅少なものでありますから、今中山委員も仰せの如く若干縣は財政困難であると思います。府縣費全体に対する一%内外では、衞生費用は殆んど出すことができないのじやないかという縣もあります。これについては兩方相携えまして、協力いたして、國民保健のために十分努力いたして行きたいと思います。
#11
○姫井伊介君 お尋ねするというよりも、むしろ希望でありますが、先の質疑の場合に、保健所法を改正する法律案で、第六條に関しまして、保健所の將來の民主的な運営を、委員会を設けて、完全を期して行くということがありまするし、又当局でもそうした考えを是認されて御返事があつたのでありますが、この六條の「保健所の設置及び運営に関して必要な事項を命ずることができる。」という問に、できるならば「委員会の設置その他必要な事項を」と入れたい程の要望を持つておるのでありますが、これは無修正で衆議院を通過いたしました関係もありまするし、たつてとは申上げませんが、是非この運営の完全を期するために、中央並びに地方におきましては、この委員会の設置が必要だと思います。從つて政府におきましては、この私共の希望に対しまして、積極的にそういうふうな委員会を設置させるような手をお打ちになりますかどうか、それをはつきりしたお約束的な御返事が願いたいと思うのであります。
#12
○政府委員(三木行治君) 設置並びに運営に関して委員会を設置するというようなことについて、積極的に考えろという御意見でありますが、私共の方も全く同感に存じております。且つ本省におきましては、これを政令で以て設置することもできるわけでありまするので、さような形式によりまして、確固たるものを作りまして、御期待に副うようにやつて行きたいと考えております。
#13
○委員長(塚本重藏君) 外に御質問ありますか。質疑を打切ることに御異議ありませんか。
#14
○委員長(塚本重藏君) それでは四案を一括して討論に移りたいと思います。別に御意見はないようであります。採決に移りますことに御異議ございませんか。
#15
○委員長(塚本重藏君) それでは四案一括して……。
#16
○中山壽彦君 大学等への死体交付に関する法律案の中で、第四條にこの間「特別の事情のない限り」ということを削除なさつた方がむしろ分りいいじやないかということを申上げましたのですが、これは政府当局でどういうふうに……。
#17
○政府委員(東龍太郎君) 御意見に御同意申上げた次第であります。
#18
○中山壽彦君 これは削除になるのですか。
#19
○政府委員(東龍太郎君) 削除して頂いて結構だと思います。
#20
○委員長(塚本重藏君) ちよつと速記を止めて。
#21
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めてそれでは四つの法案の中、大学等への死体交付に関する法律案、この案の採決は次会に留保いたしまして、その他の三案について一括採決したいと思います。
#22
○草葉隆圓君 以上の三案は十分委員会等で檢討いたしました結果、原案の通り直ちに採決を以て御決定になるようにお進めを願いたいと思います。
#23
○委員長(塚本重藏君) 草葉委員から討論を省略して採決するの御動議がありました。御異議ございませんか。
#24
○委員長(塚本重藏君) それでは他に別に御意見もないようでありますから討論を終結したものと認めて、採決に入ります。御異議ございませんか。
#25
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めまして、これより採決いたします。一、大正十二年勅令第五百二十八号司法警察官吏及び司法警察官吏の職務を行うべき者の指定等に関する勅令の一部を改正する法律案、一、保健所法を改正する法律案、一、傳染病予防法等の一部を改正する法律案、以上三案を原案通り可決することに賛成の方は御起立を願います。
#26
○委員長(塚本重藏君) 全員起立であります。全会一致でございます。仍つて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。尚本院規則第百四條により、本会議における委員長の口頭報告の内容については、予め多数意見者の承認を経なければならんのであります。この三つの法律案の内容及び本委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することについて、御承認を願うことに御異議ございませんか。
#27
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書には、多数意見者の署名を附することになつておりますから三案を可とされた方は順次御署名を願います。
#28
○委員長(塚本重藏君) それでは日程の追加をいたしまして、兒童福祉法の予備審査に移りたいと思います。御異議ありませんか。
#29
○委員長(塚本重藏君) それでは兒童福祉法案について、政府から提案の理由の御説明を願います。
#30
○國務大臣(一松定吉君) 只今議題となりました兒童福祉法案について提案の理由を説明いたします。我が國現下の情勢を見まするに、戰時中より戰後に掛けての社会的混乱は、罪なき兒童を重圧し、戰災孤兒、引揚孤兒、浮浪兒等が多数発生増加し、又一般青少年が惡い環境の中で著しく不良化しつつありますことは、誠に憂慮に堪えない問題と申さなれけばなりません。又乳幼兒及び妊産婦の保健状態は敗戰後の物資難等に影響せられて、極めて不良にして乳幼兒の死亡率の如きは他國に比べて著しく高率でありまして、我が國の一大恥辱であるばかりでなく、國民保健の將來を脅かす由々しき問題と存じます。
 從いましてかかる不幸なる兒童の保護を徹底すると共に、その未然防止を図ることは焦眉の急務と申さねばなりません。政府といたしましては、この実情に対処してでき得る限りの方策を講じて参つたのでありますが、現在兒童保護に関する法律は、僅かに少年教護法及び兒童虐待防止法があるばかりでございまして、現行法律によつては保護に洩れる兒童も少くないので、この際兒童全般の福祉を増進しようとする綜合的法律が必要でございます。又日本が將來民主的な文化國家として力強い歩みをするためには、兒童福祉の問題を大きく採り上げる必要を痛感いたしましたので、今囘この法案を提案するに至つた次第でございます。
 この法案の内容を大体申上げますならば、先ず第一に法案の冒頭に兒童を心身共に健かに育成するために國民挙つて協力しなければならんという道議的な規定を設けまして、更に國及び地方公共團体は兒童の保護者と共に兒童育成の責任を負うという兒童福祉の原理を宣明いたして置きました。
 第二には兒童保護の機関を整備せんとする点でございまして、兒童福祉委員会を設けて、兒童問題全般の強力な推進力とし、又有給或は名誉職の多数の兒童委員の活動によりまして、個々の兒童問題を具体的に解決し、又兒童相談所を設けて、兒童につき、科学的な措置や、相談指導を行わんとするものでございます。
 第三は妊産婦及び乳幼兒に関し、保健指導妊娠の届出、母子手張の制度を整備強化した点であります。
 第四は現存の兒童福祉施設に関し、各種特殊兒童の收容施設は勿論、一般兒童に対する保育所、兒童厚生施設等の内容の充実を図ると共にその最低基準を定めて、設備及び運営の向上を期しようとするものでございます。
 何卒御審議の上速かに可決せられんことを希望いたします。
#31
○委員長(塚本重藏君) 尚詳しいことは兒童局長から説明を願う筈でありますが、この機会に山下委員から大臣に緊急質問をいたしたいということであります。
#32
○山下義信君 兒童福祉法案の御説明のありました機会に伺いたいことができましたのでお伺い申上げます。実は今月十日の毎日新聞にこれは関西版でございますが、掲載がされてございました。廣島市にありますところの海外引揚孤兒の問題でございます。毎日新聞に報道せられてあります要点を申上げますと、廣島市基町営團住宅にありまする同胞援護会経営の引揚孤兒收容所は厚生省から設備不完全という理由でまたまた引越しを命ぜられ加茂郡仁方町元海軍工廠工員宿舎に移ることとなつたが、地元町民の猛烈な反対で立ち消えになつて、今移轉先が問題になつている。同收容所には現在二歳から十七歳までの九十名の孤兒が收容されている。この收容所は二十年ミンダナオ島ダヴァオから引揚げ、第一船で帰つて來た百二十名の孤兒たちを中心に廣島市宇品町元曉部隊兵舎の一部を收容所にあて設立されたもの、その後市内草津町さくら寮に移轉したのを手初めにこの二年間に引越しすること四度、そして本年六月現在の営團住宅に引越して來た。一坪の耕地もなく、水道もないバラックの家であるがここに落付けると思つたらまたまた移轉を命ぜられたので、栄養失調とマラリヤに悩む引揚孤兒をかかえた十四名の保姆さんたちは行先の定まらぬ不安に駆られている。こういう記事でございます。只今廣島市を中心にいたしましてこの問題で非常に騒いでいるということの情報が最近本員の手許まで参つたのでございます。若干この收容所につきましては本員も承知いたしている点があるのでございますが、たまたま兒童福祉法案が今やこの委員会にかかろうといたしておりますので、これはどういうふうな始末をいたすべきでございましようか。経営主体は同胞援護会でございますが、同胞援護会は言うまでもなく厚生省が御覧督相成つているのでございまして、殊に况や新聞紙の報道によりますれば、厚生省の事務官が廣島においでになつて移轉を御命令に相成つたという関係もございますので、地元の縣廳の厚生課も盡力いたすべき筋合と存じまするが、こういう現実の問題に対しまして小さいようでございますが、一般收容所に関する問題を厚生省がどういうふうにお世話に相成り、御心配に相成り、それぞれ関係筋に十分なる御手配を下さるかどうかということは、兒童福祉法案を審議いたします上にも、私共委員といたしまして最大の関心を拂いまするのでこの間の事情がお分りでございましたら、且つ又只今申上げましたような事態に対しまして当局はどれだけの御盡力を下さいますか、御答弁を願いたいと存じます。
#33
○國務大臣(一松定吉君) 只今御質問のような事柄が若しあるといたしますれば、それはどうも小さいどころではございません。兒童福祉法の必要を痛感しておりまする厚生省の立場といたしましては、そういうような点については大いにこれを是正し、肅正し、左様なことのないように努めなければならんと考えております。実は私只今お示しのような事実を詳細承知しておりません。幸に兒童局長が見えておりますから、私に代りまして、詳細の事実をお答えさせて頂きます。
#34
○政府委員(米澤常道君) 山下委員の御質問に対しまして、大臣の御答弁に附け加えまして、私からお答え申上げます。お尋ねの廣島の同胞援護会廣島縣支部経営の引揚孤兒收容所は、御指摘の通り廣島の草津東町より先般廣島市基町に移轉しておるのであります。移轉しましてから厚生省の係官が参りまして、その事実も分つておるのであります。別にこれは厚生省の命令で移轉した訳ではなかつたのでありまするが、多分現在の所が差支えないというふうに認めておりますので、ここで今後運営されて行くものと考えておるのであります。御承知のように終戰以來、戰災孤兒、或いは浮浪兒童等の施設につきましては極めて應急的な対策をやつて参りましたために、それぞれの施設におきましては、その運営なり、或いは設備において不充分なものも多多あることが認められるのでありますが、お尋ねの施設につきましては、同胞援護会の経営でもありまするし、十分廣島縣当局とも連絡し、督励をいたしまして、特に注意されなくてはならない戰災孤兒の保護に遺憾のないようにしたいと思つております。
#35
○山下義信君 只今兒童局長から十分注意し、且つ廣島縣当局にもそれぞれ手配をするということの御答弁に與しましたので、どうかよろしくお願い申上げたいと存じます。
 こういうことはただ一つの廣島縣の一收容所の問題ではないのでありまして、全國到る所あるのであります。さればこそ兒童福祉法案が今囘御上程に相成りましたので、我々は十分努力いたしまして、この審議に当り、当局とも御協力申上げたいと存ずるのでありまするが、取敢えず只今の問題は御当局がこういう問題を御処理相成りまする一つの範例といたしまして、十二分の御協力を下さいますことを重ねてお願い申上げます。
#36
○委員長(塚本重藏君) 尚この機会に兒童福祉法とは関係のないことでありますが、大臣は他にもお急ぎのようでありまするし、特に発言を求められておるのですが……。
#37
○草葉隆圓君 丁度緊要な一、二の問題がありますので、この機会にお尋ねをし、又お願いを申上げておきたいと存じます、実は八月五日の本委員会におきまして、医務局長にお尋ねをし、十分その意を得ましたから承知をいたし、又大変喜んでおつたような次第であります。現在もそうであります。それは國立療養所並びに病院の患者の有料問題についてであります。去る八月五日の委員会におきましては、この点につきまして各方面から局長にお尋ねをいたしまして、最後には現在と変らない状態において全部事務を進めるということで、私共委員一同は十分了承をいたし、且つ喜んだのであります。その後八月八日だつたと記憶いたしますが、東京の療養所を視察いたしましたときに、療養所長に、実はこの問題はどういうふうになつておるかということを聽きましたところが、療養所長は、十分政府当局の内容を具さには承知をいたしておらない状態であつたのであります。いわゆる入所規定にある通りの状態において、各患者に有料の処置をせしめるという大体の方針を、東京療養所長は持つておられたと存じまして、帰つて参りましてから翌日の委員会におきまして、更に医務局長に昨日の視察の結果がこうこうでありまするから、全國の療養所長並びに國立病院長宛に御答弁の内容と同じように、一つお取計らい方を御通牒を願いたいということを御依頼を申上げてこの問題は進んだのであります。その後私は或は都内、或は各地を廻りますたびに、國立療養所の患者諸君が、或は街頭において、或いは駅頭において多数通行人の署名を求め、寄附金を募集いたしましておるのを各地において発見いたしたのであります。それを見ますると、八月一日から療養所等が有料になつたので、いろいろとお話を申上げたところが、多数の國民の輿論に愬えて、それで輿論が多数であつたならば、多分從來通りの改正ができるのではないかというような意味のことが……。恐らくこれはこの委員会以前からのことだと思いますけれども、そういうようなことで、我々は全國患者同盟等の連絡によつて驛頭でされたようなことをいたし、又その運動資金を一般から求めておるというような話を聞きましたので、又そういう状況をいくつも認めましたので、その都度私は、その話は実は十分政府御当局も、今後は從來と変らない状態において、取扱うということに決定をいたしておるから、その運動はもう止めたらどうか、且つそういうことは余り適当ではないと思うし、病氣にも適当ではないと思うからというので話をいたしましては引揚げて参つておつたような次第であります。最近主務課長等の会議をお開きになつたようでございますから多分この問題に当つて十分細かい御指示を賜つたことと存じまするが、結局從來から現在と同じ状態においての取扱いをするという御答弁があるに拘わらず、尚一般患者にややともいたしますると、不安な心持を起させますのは現在の入所規定による規定の改正、ただ病院の改正がなされておらんからの問題ではないかと存じます。出來まするなら從來通りにいろいろ現在と同じ取扱いをして、更に生活保護法等によつて、一々個人々々を調べて、無謀の取扱い等をいたすことをしないという御当局の御説明のように現在の療養所及び國立病院入所規定を御改正願つてそうして安心しながら療養のできるようにお取計らいをお願い申上げておきたいというのが一つであります。もう一つは療養所を視察いたしまして、一番困つており、困つた結果いろいろといたしておりますのは食事の問題であります。誠に現在支給されておりまする食事では不十分である。從つてこのままでは到底おなかが空いてやつていかれないので、買出しにいく。これはもう常識的なことに相成つておるようでありまするから、私共視察に参りました一行は、異口同音何とかこの食事問題を政府当局が御解決を願いたい。そうしないとより以上の療養というのは困難ではないかということを口を揃えて申しておつた次第であります。この点につきましても、特に厚生大臣におかせられましては、十分御了知のことと存じまするが、何とかこの問題を一つ御解決を賜りたいと存じます。もう一つは実は先殷の委員会で大臣御出席ございませんでしたから、委員長を通じて厚生御当局にお尋ねを願うように申上げておきましたのは、多分去る八月の九日あたりのラジオであつたと存じまするが、和歌山縣のさる民生委員の言葉として放送をいたしておりましたのは、生活保護法による費用が自分の地方では四月まで頂いた切りで、その後五月以降は貰つておらない。誠に困るのだということを、確か「私の言葉」かなんかのラジオの放送で講演しておつたのであります。これは実は生活保護法の問題につきましては、他にいろいろな問題もありますし、別な機会にこの中の委員でもゆつくりと政府当局の現状なり、或いはお考等を承つて、そうして委員会においてでも、十分一つの檢討をしよう。こういう強い御希望があるようでございますから、生活保護法全体につきましては、いずれはその機会に譲ることにいたしまして、ただこの緊要な四月までしか金が行つておらずに、五月以降においては自分の地方ではいわゆる該当者が金を頂いておらないということをラジオで公然と申しておりまいたから、そのことを実は伺つて置いたのでございます。或いは後刻御返事があることになつておるか存じませんが、丁度この機会に…
#38
○國務大臣(一松定吉君) 草葉委員のお尋ねの中で、國立療養所並びに病院に入つておる患者の有料問題、これは少しく草葉委員の御理解が事実と反しておるのじやないかと私は思うのです。政府委員なり私からこの待遇問題に対して從前の通りと変らない待遇をするということを申上げたことはないように思います。なぜかと言いますると、從前は陸軍病院、海軍病院等におきましては、全く國庫がそれだけの費用を全額負担いたしまして、少しも個人からは療養費用は徴收しなかつたのが、いわゆる從前の取扱である。ところが本年の六月一日からは関係方面の御指示もありましたし、又憲法の十四條の規定から行きましても、國民はすべて平等であつて差別待遇をすることはできないということになつておるために、特に白衣の勇士であるから、或いはその他の事情によつて、他の國民と差別してこれを待遇するということは、法律の建前から今日情勢ではできないことになつておるのであります。そこで從前の通りの待遇をするということは、私は勿論言いませんが、政府当局でもそういうことは言わない。然らばこれらの國家に功労のあつた人が、自分から進んで國難に当つたのではなく、政府の強制力のために強いて兵に取られて、前線に活躍をして不幸にして敵彈に中り、疾病を蒙つて内地に送還された者が、今までは國家が全部その費用を負担しておつたのが今俄かにそれらの制度を変えて、そうして実費の負担をしなければならないということは、誠に相済まんことだ。であるからそれらのことについてはなんとか手を打ちたいけれども、それは今ではできない。そこへいわゆる生活保護法の規定を活用して、その法律に認められた範囲内においてでき得る限りの善処をしよう。善処という意味はこれは余程含みのあることを一つ御了承を賜りたい。善処する。但しこの善処ということが関係方面の指示に反するような善処は勿論いけないが、その関係方面の指示に反しない程度において興う限りの善処をする。その結果それらの人々の間において生活ができない、実費の支拂をすることが非常に困るというような人には、この生活保護法を活用して、なるたけ困らないような方法を取りましよう。そういうような私は考えであるし、又そういうような私の考えを、全國の療養所、病院等の患者にそういう取扱をするようにということを、末端に至るまで徹底させる必要がある。然るに今草葉委員のお話のようないろいろなことがあつて末端にまでそれらの趣旨が徹底していないがために誤解を生じた。そういうようなことは甚だ私の意に反しておることでありますから、これは急速にこれらのことをそれらの関係者に徹底せしめる必要があるというので、本月四日五日に全國の民生部長を本省に招集いたしまして、それらの取扱について私口ずからそれらのことをそれらの民生委員諸君に十分にこれを徹底するように指示いたしました。そうして速かに帰つてそれらのことが末端に徹底するようにして、なるたけそれらの人々の感情を害しないように、それらの人人の失望にならないようにしななければならないということを指図をいたしました。それが八月四日、五日でありましたから、もう今頃は全國の末端にまでそれらのことが徹底しておろうと私は考えておるのであります。ところが最近、今草葉委員の御指摘になつたと同じような、いわゆる白衣の勇士が街頭に出て、我々は國家のために忠勤を擢んでて不幸にしてかくのごとき不具の体になつたに拘わらず、政府は我々から有料とは何事であると言うて、人人に訴えて、寄附金を、義捐金を集めておるというようなことを私は耳にして、まだそれでは私の意見が徹底しないのであろうか、早くそれは手を打たなければならんというように私考えておつたのであります。でございますから、今御心配に相成りましたようなことは、余り遠からないうちにこれは是正せられようと思いますから、どうかその点は一つ御了承を賜りたいのであります。ただここでお願いして置きますることは、余りにこの声が大きくなると、却つて関係方面から、まだそういうことを言うておるというて、却つて藪蛇になることを実は私は惧れる。非常に惧れておる。であるから、それは一つ私にお委せ頂いて、なるたけそういうような人は生活保護法の精神に反せない程度において、でき得べき限り保護の手を延ばしたい。こういうような考へであることを、一つ御了承を賜りたいのであります。
 それから食事の問題でございますが成程非常に今日のような物價高でありまして、生活保護法によつて支給せられておるだけの金では足りますまい。そういう点につきましては私共実は心配しておるのでありまして、最近今までのような保護法において支給される金額も幾分増額いたしました。尚これでも物價が段々騰つて生活が困るということになれば、それはやはり増額して詰り最底の生活のできるだけのことは國家は当然しなければならんと考えておりまするから、どうかそれらの点においても御了承を賜りたいのであります。
 それから和歌山縣の民生委員が、「生活保護法の費用を四月だけより外貰つていないということをラジオで放送したというようなことは、今初めて承りましたので、若しそういうことがあるとすれば、それは以ての外である。さなきだに給與が十分でない、生活に困つておるときに、四月までだけ支給を受けて、それから後支給を受けないということになると、本当にそれらの人の生活が思いやられるのであります。これは早速事実を取調べまして、若しそういうことがありますれば、急速にこれを是正するというような手を打つことをお約束申上げますから、左様御了承を賜りたいのであります。
#39
○草葉隆圓君 大体の筋は大臣の御答弁で、私共もその通りだと存じます。併し更にこの前はこれは本当の問題として、突込んで医務局長に御質問申上げまして、その医務局長の御答弁の内容とは全く違つております。これはいづれ速記録をよく見ますると分ることであります。ただ生活保護法の取扱いという問題は、これは普通の問題で、その生活保護法で取扱つてその範囲内においてやるという問題以上に当時は突つ込んでお話申上げましたので、今日はこの程度でこの問題は打切らして頂きます。
 更にこの前申上げました点を又後刻ゆつくり御相談申上げたいと思います。食事の問題は生活保護法の食事でなしに、病院の食事の問題でございますから、これも別に御答弁を要しませんが、一つ是非御心配願いたいと思つております。これだけを一つお願い申上げます。
#40
○政府委員(東龍太郎君) 只今お話の食事の問題につきまして一言だけ申上げて見たいと思います。病院、療養所等の食事がいろいろの点において不十分であり、不完全である。そのために療養中の者が買出し等をして療養に妨げのあるような行動をしなければならない。これは大変遺憾なことでありまして、何とかして療養に妨げのないような栄養食を給食いたしたいとかねがね考えておりましたが、御承知のような現在の食糧事情で、我々の力といたしましては療養者の、患者のみにそういうことをいたす途がなかつたのであります。最近この病人に対していわゆる栄養給食という問題が取上げられて参りまして、厚生省の公衆保健局栄養課が主として中心になつて只今立案中でございますが、これは特別にそのために栄養食品の輸入放出を仰ぎまして言い換えますれば、その他の日本國民の栄養食を割愛することなく、エキストラの栄養が病人のために配慮せられる見込みがあるのでございますので、関係方面と只今案を作成中でありまして、これが具体化いたしまするならば今までよりもやや満足すべき栄養食が療養者に供給されることと存じております。目下その方法等について計画中であることを申上げて置きます。
#41
○小杉イ子君 優生学上で見ますことで、不良少年審判所の調べでは、全部煙草を吸つておる。煙草というものは抵抗力がないから……
#42
○委員長(塚本重藏君) ちよつと大臣への質問を先にお願いします。
#43
○小杉イ子君 それと劣等兒の母親たちが酒飲みで大変惡いということ、それからどういう方を委員にお選びになるか、これを伺いたいのであります。妊産婦でございましたならば、やはり婦人の人は妊娠からお産をするまでの苦しさもよく知つておるし、兒童の教育にしても、又兒童は三つではこう、七つではこう、九つではこういう心理と動作であるということは、やはり男子よりも女の方がよく知つておるのではなかろうか、こう思いまして、この委員には婦人もお入れになるつもりであるかということを伺いたい。
#44
○委員長(塚本重藏君) 只今小杉委員の質問に対して当然政府当局の答弁がある筈でありますが、尚兒童福祉法案は今法案だけが提出になりまして、これに関する参考資料の配布が近くあるべき筈であります。尚災害救助法につきましてもできるだけ早く参考資料を合せて御提出を願いたいと思いますが、それらを見た上で質疑を続行して行きたい。小杉委員の質問に対してもその時に説明があることと存じます。
#45
○小川友三君 動議を提出いたします。兒童福祉法案審議につきましては関係施設の調査をし、又政府から提出される参考資料も調査をする必要がありますので、特に関係施設の調査をいたしたいと存じます。関西地区は京都大阪を中心に、並びに中國方面を視察し、これが日数、委員数、氏名その他細部は委員長に御一任する動議を提出いたします。
#46
○委員長(塚本重藏君) 今小川委員から兒童福祉法案審議に関して調査のために委員を要地に派遣したいということの動議が出ましたが、御異議ありませんか。
#47
○委員長(塚本重藏君) それではその通り取計らうことにいたしまして、小川委員の提案説明の中にありましたように、員数、日数、経費或いは視察費その他細かいことを一切委員長に御一任下さいましようか。
#48
○委員長(塚本重藏君) それでは御異議ないものと認めてさように取計らいます。
 尚前囘に決議になりました医療制度調査会の小委員を設置することが可決になりまして、議長の承認を求めておつたのでありますが、議長の承諾を得ました。この機会に前会の決議に基きまして委員を指名したいと思いますが御異議ありませんか。
#49
○委員長(塚本重藏君) 尚私の記憶では、前会にはその委員数を十人とお諮りしたかと思いますが、この機会にこの員数を十一人に改めたいと思います。御異議ありませんか。
#50
○委員長(塚本重藏君) それでは十一名の委員を指名いたします。今泉委員谷口委員、中山委員、小林委員、藤森委員、井上委員、小川委員、穗積委員姫井委員、中平委員、合せて私も参加さして頂くことになります。以上十一名を指名いたします。
#51
○小林勝馬君 動議を提出いたします。先程から色々生活保護法問題で、まだよく承知してないことも多々あると思いますから、その生活保護法について厚生省当局の御説明をゆつくり聽きたいと思いますので、この委員会を一遍お開き願いたいと思います。その動議を提出いたします。
#52
○委員長(塚本重藏君) そのように取計らいましよう。明日は午前十時より開会いたします。本日はこれを以て散会いたします。
   午後三時散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           今泉 政喜君
           宮城タマヨ君
   委員
           内村 清次君
           河崎 ナツ君
           草葉 隆圓君
           中山 壽彦君
           木内キヤウ君
           小林 勝馬君
           井上なつゑ君
           小川 友三君
           小杉 イ子君
           服部 教一君
           姫井 伊介君
           穗積眞六郎君
           山下 義信君
           米倉 龍也君
  國務大臣
   厚 生 大 臣 一松 定吉君
  政府委員
   厚生政務次官  金光 義邦君
   厚生事務官
   (兒童局長)  米澤 常道君
   厚 生 技 官
   (公衆保險局
   長)      三木 行治君
   厚 生 技 官
   (医務局長)  東 龍太郎君
   厚 生 技 官
   (予防局長)  濱野規矩雄君
ソース: 国立国会図書館
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