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1971/03/18 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 予算委員会第二分科会 第1号
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1971/03/18 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 予算委員会第二分科会 第1号

#1
第068回国会 予算委員会第二分科会 第1号
本分科会は昭和四十七年三月十四日(火曜日)委員
会において、設置することに決した。
三月十七日
 本分科員は委員長の指名で、次の通り選任され
 た。
      相川 勝六君    川崎 秀二君
      正示啓次郎君    田中 龍夫君
      灘尾 弘吉君    野田 卯一君
      森下 元晴君    楢崎弥之助君
      鈴切 康雄君    小平  忠君
      東中 光雄君
三月十七日
 野田卯一君が委員長の指名で、主査に選任され
 た。
―――――――――――――――――――――
昭和四十七年三月十八日(土曜日)
    午前十時六分開議
 出席分科員
   主査代理 森下 元晴君
      川崎 秀二君    正示啓次郎君
      田中 龍夫君    楢崎弥之助君
      横路 孝弘君    小平  忠君
      東中 光雄君
   兼務 上原 康助君 兼務 久保 三郎君
   兼務 広瀬 秀吉君 兼務 桑名 義治君
   兼務 松本 忠助君 兼務 和田 耕作君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
 出席政府委員
        総理府総務副長
        官       砂田 重民君
        防衛庁参事官  鶴崎  敏君
        防衛庁装備局長 黒部  穰君
        外務省アメリカ
        局長      吉野 文六君
        大蔵政務次官  田中 六助君
        大蔵大臣官房会
        計課長     山崎 一男君
        大蔵大臣官房日
        本専売公社監理
        官       福間  威君
        大蔵大臣官房審
        議官      前田多良夫君
        大蔵大臣官房審
        議官      中橋敬次郎君
        大蔵省主計局次
        長       大倉 眞隆君
        大蔵省主計局次
        長       長岡  實君
        大蔵省理財局長 橋口  收君
        大蔵省理財局次
        長       小幡 琢也君
        農林省畜産局長 増田  久君
        運輸省航空局監
        理部長     住田 正二君
 分科員外の出席者
        防衛庁防衛局防
        衛課長     伊藤 圭一君
        防衛庁経理局会
        計課長     吉野  実君
        防衛施設庁施設
        部施設管理課長 坂尻 哲夫君
        法務省民事局第
        五課長     時岡  泰君
        外務省アジア局
        外務参事官   前田 利一君
        国税庁直税部長 江口 健司君
        消防庁予防課長 永瀬  章君
        日本専売公社総
        裁       北島 武雄君
        日本専売公社理
        事       稲川  徹君
        日本専売公社営
        業本部副本部長 飯田 頼之君
    ―――――――――――――
分科員の異動
三月十八日
 辞任         補欠選任
  楢崎弥之助君     横路 孝弘君
同日
 辞任         補欠選任
  横路 孝弘君     楢崎弥之助君
同日
 第一分科員広瀬秀吉君、桑名義治君、松本忠助
 君、第三分科員上原康助君、第四分科員久保三
 郎君及び和田耕作君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十七年度一般会計予算中大蔵省所管
 昭和四十七年度特別会計予算中大蔵省所管
 昭和四十七年度政府関係機関予算中大蔵省所管
     ――――◇―――――
#2
○森下(元)主査代理 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。
 野田主査は、本日都合によりおくれますので、指名により私が主査の職務を行ないます。
 本分科会は、会計検査院、防衛庁、外務省及び大蔵省所管につきまして審査を行なうことになっております。
 審査の方法は、お手元に配付いたしました日程により進めたいと存じます。あらかじめ御了承をお願いいたします。
 まず、昭和四十七年度一般会計予算中大蔵省所管、昭和四十七年度特別会計予算中大蔵省所管、昭和四十七年度政府関係機関予算中大蔵省関係を議題として、説明を求めます。田中大蔵政務次官。
#3
○田中(六)政府委員 昭和四十七年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明いたします。
 まず、一般会計歳入予算額は、十一兆四千六百七十六億八千万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと一兆八千八十六億八千百万円の増加となっております。
 以下、歳入予算額のうちおもな事項について、その概要を御説明いたします。
 第一に、租税及び印紙収入は八兆八千四百八十五億円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと一兆二百七十九億四千二百万円の増加となっております。
 この予算額は、昭和四十七年度の政府経済見通し等を基礎として見積もった租税及び印紙収入見込み額八兆八千六百九十五億円に、今次の税制改正による増収額四十八億円を加え、他方、石炭及び石油対策特別会計への税源振りかえ額二百五十八億円を差し引いたものであります。
 第二に、専売納付金は三千百六十二億七千八百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと二百五十八億一千九百万円の増加となっております。
 これは、アルコール専売事業特別会計納付金が一億四千五百万円減少いたしますが、日本専売公社納付金が二百五十九億六千五百万円増加することによるものであります。
 第三に、公債金は一兆九千五百億円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと七千三百億円の増加となっております。
 この公債金は、公共事業費、出資金及び貸付金の財源に充てるため発行する公債の収入を見込んだものであります。
 最後に、前年度剰余金受け入れにおきましては、昭和四十五年度の決算による同年度の新規剰余金九百九十五億一千六百万円を計上いたした次第であります。
 次に、当省所管一般会計歳出予算額は一兆三百六億二千二百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと二千六百五十九億二千五百万円の増加となっております。これは、国債費において一千三百二十九億六千五百万円、公務員宿舎施設費において十二億百万円、政府出資において十一億五千万円、アジア開発銀行出資において二十六億七千六百万円、沖繩返還協定特別支出金において三百八億円、予備費において八百五十億円増加いたしましたが、他方、特殊対外債務等処理費において三十四億八千九百万円、産業投資特別会計へ繰り入れにおいて百六億円減少いたしましたこと等によるものであります。以下、この歳出予算額のうちおもな事項についてその概要を御説明いたします。
 まず、国債費につきましては四千五百五十三億七千二百万円を計上いたしておりますが、この経費は、一般会計の負担に属する国債及び借入金の償還、国債及び借入金の利子等の支払い、並びにこれらの事務の取り扱いに必要な経費の財源を国債整理基金特別会計へ繰り入れるためのものであります。
 公務員宿舎施設費につきましては百二十九億三千四百万円を計上いたしておりますが、この経費は国家公務員に貸与する宿舎の建設に必要なものであります。
 政府出資につきましては、中小企業信用保険公庫等三機関に対し、一般会計から出資するため必要な経費として五百七十六億円を計上いたしておりますが、その内訳は、中小企業信用保険公庫百五十億円、海外経済協力基金四百二十億円、本州四国連絡橋公団六億円であります。
 産業投資特別会計へ繰り入れにつきましては六百九十七億円を計上いたしておりますが、この経費は、産業投資特別会計において行なう産業投資支出の財源の一部に充てるため、一般会計から同特別会計へ繰り入れるものであります。
 予備費につきましては、予見しがたい予算の不足に充てるため一千八百億円を計上いたしております。
 次に、当省所管の特別会計といたしましては、造幣局特別会計をはじめ十の特別会計がありますが、そのうちおもな会計につきまして、その概要を御説明いたします。
 まず、造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも百十六億四千百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、いずれも十一億二千百万円の増加となっております。これは補助貨幣等の製造数量の増加によるものであります。
 印刷局特別会計におきましては、歳入二百五十八億一千三百万円、歳出二百三十億九千万円、差し引き二十七億二千三百万円の歳入超過でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入は二十二億九千九百万円、歳出は十八億九千七百万円の増加となっております。これは日本銀行券等の製造数量の増加によるものであります。
 以上、申し述べました各特別会計のほか、資金運用部、国債整理基金、貴金属、外国為替資金、産業投資、賠償等特殊債務処理、地震再保険及び特定国有財産整備の各特別会計につきましては、お手元の予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。
 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算につきまして、簡単に御説明いたします。
 まず、日本専売公社におきましては、収入一兆六十億一千三百万円、支出六千九百八十九億九千六百万円、差し引き三千七十億一千七百万円の収入超過でありまして、専売納付金は三千百四十億一千七百万円を見込んでおります。
 なお、日本専売公社の事業のうち、たばこ事業につきましては、昭和四十七年度の製造たばこ国内販売数量を、対前年度百十六億本増の二千四百六十八億本と見込んでおります。
 次に、国民金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、医療金融公庫、環境衛生金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行並びに昭和四十七年度新たに設立を予定しております沖繩振興開発金融公庫の各機関の収入支出予算につきましては、お手元の予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。
 これをもちまして、大蔵省関係の予算の概要について説明を終わります。
 なお、時間の関係もございますので、お手元に配付してあります印刷物を主査において会議録に掲載せられるよう御配慮願いたいと存じます。
#4
○森下(元)主査代理 この際、おはかりいたします。
 大蔵省関係予算の詳細なる説明につきましては、お手元に配付されております印刷物を会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○森下(元)主査代理 御異議なしと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#6
○森下(元)主査代理 以上をもちまして大蔵省所管の予算の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○森下(元)主査代理 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、その他の方は三十分程度にとどめ、議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は的確に、要領よく簡潔に行なうよう、特に御注意申し上げます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。楢崎弥之助君。
#8
○楢崎分科員 まず一番最初に、暫定予算の編成方針、規模、提出時期等について報告を承れたらお願いしたいと思います。
#9
○水田国務大臣 ただいま準備中でございますが、まだ最終的にこの方針をきめてはおりません。予算案が衆議院を通過して後に提出するものでございますので、その前後に最後の方針をきめて確定したいと思っておりますが、方針といたしましては、やはり従来暫定予算の編成はしばしばやっておりますので、いままでの慣例に基づいた編成でやっていきたい。つまり新規の政策経費というようなものはできるだけ暫定予算にはのらないという方針でいきたいと思っております。
#10
○楢崎分科員 そのうち、特に防衛関係予算でお伺いをしたいわけですが、まず、五月十五日、沖繩返還か実現する日には、那覇空港は完全開放、懸案のP3B九機、これは那覇空港から移転させる、そういう言明をされてきたわけですが、その方針との関連で、P3Bの移転費というものは暫定予算との関係でどのようにお考えになっていますか。
#11
○水田国務大臣 暫定予算の期間を、たとえば二十五日にするか一カ月にするかということも、まだ最終的にはきまっておりませんが、かりに一カ月というようなことになりましたら、この一カ月間にどうしても必要と思われる経費は当然暫定予算に計上しなければならないと思っております。
#12
○楢崎分科員 そうすると、私は具体的にP3B移転の費用の問題を出しておるのですが、どのようにお考えですか。
#13
○大倉政府委員 お尋ねの件につきましては、御承知のとおり、四十七年度本予算にP3移転関係費約三十八億円を計上いたしまして御審議をお願いいたすわけでございますが、暫定予算期間中にこの一部を契約あるいは支出しなければ間に合わないかどうか、その点、現在関係当局と慎重に検討を続けておる段階でございまして、もう少し時間がかかるかと思います。
#14
○楢崎分科員 アメリカ局長、お見えですか。もし五月十五日、P3Bの那覇からの移転を完了させるためには、この移転費というものは、ぎりぎりリミットとしていつごろまでに明確にしなければならないとお考えでしょうか。
#15
○吉野政府委員 この点は現実に具体的に工事を始めてみないとわからないわけでございますが、一応いま当面必要であるという経費は、普天間にP3が移るわけでございますが、普天間の飛行場の一・五インチのかさ上げ、これが完成することが一応P3を普天間に移転させるための条件というか、それができればP3がスムーズに普天間に動き得る、こういうことでございます。
#16
○楢崎分科員 だからその移転費との関係はどうなるのですか。日本政府が支払う移転費との関係です。
#17
○吉野政府委員 日本政府が支払う移転費は、先ほど主計局次長から御指摘のありました三十八億円何がしの金、あの中にこの普天間のかさ上げ分が入っているわけでございます。
#18
○楢崎分科員 私さっきからお伺いしておるのですが、五月十五日までに、あるいは五月十五日時点でP3Bが那覇から普天間に移ることができるためには、いま言ったような工事が行なわれなければならないわけですよ。そうすると費用の関係が出てくるではありませんか。ところがその移転費はまだきまっていない。だから、ぎりぎり五月十五日以前でそれを明確にするためには、移転費を出すぎりぎりのリミットはいつごろとお考えですかとさっきからお伺いしておるのです。
#19
○吉野政府委員 この点につきましては、防衛施設庁が現地でいろいろまだ検討中でございます。しかしながら、いずれにせよ確かに残された期間があと二カ月でございますから、相当短時間でこれを行なわなければいかぬだろう、こういうようにわれわれ見ております。
#20
○楢崎分科員 そういう抽象的な段階じゃないでしょう。そうすると、移転費がきまらなくては工事に入らないのですか。それともあらかじめ米軍は工事をやるのですか、移転費が現実にきまらなくても。どうなんですか。
#21
○吉野政府委員 アメリカ側は、この飛行場のいわゆるかさ上げができなければP3の移転は困難である、こういうことを申しております。
#22
○楢崎分科員 どうもかみ合わないのですが、それはさっきからおっしゃっているとおりなんです。そうすると、移転費がきまらなくては米軍は工事に入らないのですか。どうですか、その辺は。
#23
○吉野政府委員 工事は日本側が行なうわけでございますから、したがってこれはむしろ日本側の工事能力の問題になると思います。したがって業者と施設庁がこれからろいろいその辺のことについても話し合う、こういうことになっておるのが現状でございます。
#24
○楢崎分科員 どうも困るのですね。移転費が正式にきまらない段階でも、施設庁は業者に工事に入らせるのですか。それはどうなんですか。それをさっきから聞いているのですよ。
#25
○大倉政府委員 私どもが現在聞いておりますところで申し上げますと、先ほど申し上げました三十八億二千八百万円だと思いますが、その工事の中には、格納庫を新しくつくってほしい、それから飛行機に付随して移ります下士官の宿舎がほしいというようなものが含まれているわけでございます。それらにつきましては、五月十五日までにでき上がらなくては困るということは米軍当局は言っていないようでございます。したがいまして、まさしくお尋ねのように、五月十五日までにできないと困るものは何かという点にしぼられておるわけでございます。
 できないと困ると向こうが現在要求しておりますのは、私が理解しておる限りでは、普天間飛行場の滑走路の一部をでこぼこを修復し、上塗りと申しますか、それだけはぜひやってくれないか、こういうお話になっておるようでございます。そのための経費はそう大きな金額ではございません。ただ問題は、それが暫定予算には新規政策は盛り込まないという原則とどうかみ合うかという点で現在苦慮しておりまして、暫定予算期間を終わったあとで、つまり本予算成立の時点で契約をして、五月十五日に間に合うのか、かりにそれが間に合わないとなると、P3はのいてくれるのかということが現在問題点なのであります。
#26
○楢崎分科員 まさしくいまの点を私のほうがお伺いしておるのでありまして、それが問題点だというようなお答えじゃ困るのです。もう時期は明確でありますし、たとえば、いまのスケジュールでいくと、衆議院は二十八日通過したと仮定しても、もう四月末でしょう。それから契約をして、移転のための最低の条件が二週間ぐらいの期間でできるのかどうかというその見通しを、私は突き詰めていけばお伺いすることになる、そういうことですよ。どうでしょうか。
#27
○大倉政府委員 その見通しにつきましては、実は私がいまはっきりとお答えできないのがまことに残念でございますが、現在、外務省、防衛施設庁がアメリカ側とも連絡をとりながら問題を突き詰めておる。いずれにしましても、あと両三日のうちには暫定予算編成方針をきめていただかなくてはいかぬわけでございますから、できるだけ早く結論を出したい、そういう状態でございます。
#28
○楢崎分科員 そうすると、二、三日うちとおっしゃいましたね。二十一日十二時から外務省関係を私はお伺いするようになっているのですが、それまでに御返答できましょうか。
#29
○吉野政府委員 先ほども御説明いたしましたように、これは何ぶん現実の工事でございますから、場合によっては突貫作業を夜も日も通してやるというようなことであるいはできるのかもわかりませんし、あるいはそれでも無理かということもあり得ると思いますから、確定的なことは申し上げられませんが、二十一日前後になると、その見通しもわれわれとしてはつけなければいかぬだろうと思いますから、はっきり二十一日までにその回答が出るかどうかはお約束できませんですが、われわれとしては努力いたしたいと思います。
#30
○楢崎分科員 そうすると、五月十五日、那覇を完全開放するというその方針は、断固として堅持することでやられておるのですか。
#31
○吉野政府委員 この点は御存じのとおり、那覇の完全返還ということは、あくまでも、P3の撤去と、そしてP3撤去のためには必要な施設をわがほうが先方に提供する、こういうことが前提となっておるわけでございますから、したがって、その前提が物理的にできない、こういうことであればまた話は違うと思いますが、少なくともいままでのわれわれの見通しでは、五月十五日、返還日までにP3が那覇から撤去する、こういうことで話し合ってきた次第であります。
#32
○楢崎分科員 そうすると、そういう方針が厳としてあれば、暫定予算の編成方針は政策は盛り込まないという従来の慣行があるということで、暫定に組まれないということになると、一般会計予備費などからでも出すということになるわけですか、大臣。
#33
○水田国務大臣 これはもう事前からわかっていることでございますから予備費は無理だろうと思いますが、私はさっき申し上げましたように、どうしてもこれは必要であるということであるならば、事の性質によってこれは暫定に組むということになろうかと私は考えております。
#34
○楢崎分科員 五月十五日、那覇完全開放という、たびたび総理あるいは外務大臣等が国会で明らかにされてきたその大前提との関係で、これは早急に明白に方針を示されたい。それについて私どもも意見があります。その際にその意見を明らかにしたいと思うわけです。
 そこで、三十八億というこの移転費はどういう性格ですかね。これは三億二千万の協定上のあの費用とは関係ないわけですか。
#35
○吉野政府委員 三億二千万ドルの協定上の費用とは関係ございません。御存じのとおり、那覇空港は本来アメリカ側はわがほうには返還しない、こういう方針であったわけであります。しかしながら、われわれとしては、ぜひこれを復帰時までに完全に返還してほしい、こういうことをいろいろやりまして、この交渉は相当長く続いたわけでございますが、昨年の六月九日、パリにおいて愛知大臣がロジャーズ長官と会った際に、最終的に、P3は撤去しましょう、しかしその前提条件として、P3がほかの飛行場に移らなければいかぬ、それに伴う諸種の費用は、日本側がこれの撤去を要求した以上、日本側が持つのが公平の原理にかなうのではないか。かつまた、御存じのとおり、今後、沖繩を含めまして日本全国の基地の統合整理をやっていく、その過程において、一つの基地を返してもらうために新たな施設なり基地を提供しなければいかぬ、その趣旨ではいわゆる地位協定の条項とも合致する。したがって日本側が負担するのが適当だ、こういう判断で、これは協定上の金額とは別に日本が負担する、こういうことになった次第でございます。
#36
○楢崎分科員 そうしますと、那覇空港からP3Bを移転させることに伴う費用は日本の負担になるという、昨年六月のパリにおける愛知・ロジャーズ話し合いのそのことは、いま突如として問題が出てきました。P3Bを普天間に移せば、普天間が手狭になって、普天間のいわゆるKC130給油機が岩国に移る。そうすると、今度は岩国が手狭になって、岩国のP3Bオライオンが三沢に移るというような、一連の玉つき移転といわれておりますが、そういう一連の移転費も、その愛知・ロジャーズ話し合いのP3B移転に伴う費用の中に含まれるのですか。
#37
○吉野政府委員 これは、先ほども御説明いたしましたように、日本全国の基地がこれから整理統合にかかっていく。そのためには、必要な施設をのいてもらうために、新たな必要な施設を日本側でつくっていかなければならぬ、そういう全般的な政策の中で行なわれるわけでありますから、これは地位協定のたてまえから申しましても、別に何ら疑問とするところはない。
 ただし、今度のP3移転に伴いまして、はたして、この普天間のKC130が岩国に移り、岩国のP3が三沢に移るという一連の行為が起こるかどうか、この点につきましては、米側でもいまいろいろ検討しております。しかしながら、まだわがほうに対しては正式に通報してきておりません。したがって、われわれとしては何ら申し上げることはございません。
#38
○楢崎分科員 大蔵大臣、もし正式にそのような申し込みがあり、移転費の問題が起こったときに、その玉つき移転分の費用が、愛知・ロジャーズの話し合いの例のP3B移転に伴う費用の中に入るなんという、そんなばかな話はありませんよ。かってに、そういうあふれるようなところへP3Bをわざわざ持っていって、そのあふれる分の費用をまた今度持つなんて、そんなばかな話はないのでありまして、大蔵大臣、そういう那覇から普天間へのP3の移転費用は話し合いの対象になっておったかもしれないが、それから先の移転費用などを日本政府が負担するなんてばかなことは私はあり得ないと思うが、大蔵大臣、その辺はどうでございますか。
#39
○水田国務大臣 大蔵省としても、いま那覇からの移転費用という点について承知しておるだけで、そのほかの問題については、別に米国からの通知に接しておるわけでもございませんし、また、外務省のほうからのそういうお話も、いまのところ大蔵省にはございませんし、したがって、その問題は、これは検討すべき大きい問題でございますので、いまここで私としては確答できませんが、そういう方向の経費であるということはいままで私は承知しておりません。
#40
○楢崎分科員 形式的に言えばそうかもしれませんが、現実の問題となっておるのでしょう。どんなにあなたが、まだ正式の申し出は受けていないとおっしゃりながらも、現実の問題になっておることは事実でしょう。話し合いのまた下話か何か知りませんけれども、そうじゃありませんか。
#41
○吉野政府委員 御存じのとおり、いま沖繩を含めまして日本全国の基地の統合整理の問題を日米ともにいろいろ研究しておるわけでございます。これは米側としては、これを統合することによって彼らの費用を倹約する、それからわがほうとしては長期的にはそれだけ基地が少なくなる、こういう利点があるわけであります。したがって、その一環として、今後も米側に対して、新たな施設をつくってやるかわりに、この基地はどいてくれとかあの基地は整理してくれ、こういう交渉をわれわれはしなければいかぬだろうと思います。その一環といたしまして、将来も本土のいろいろの基地につきまして、新たな施設を提供したり建物を建てるというようなこともあり得るかと思います。これは地位協定上わがほうが負担するのに何ら差しつかえない性格のもので、過去においてもこのような例がたくさんある、こういうことでございます。
 ただし、いまのP3の関係の玉つきの一環につきましては、先ほど申し上げましたように、まだ先方から正式な通告はございませんから、その点については何らお答えすることはありません。
#42
○楢崎分科員 私がまだ聞いてないことをわざわざ前段で言われたが、地位協定上はそういう問題が起こってもちっとも差しつかえないのだというようなことを私は開いてないのです。それをわざわざあなたが前段でおっしゃるということは、もしそれが正式な話し合いになっても地位協定上やむを得ないというふうに私は聞こえるのですが、そうでしょうか。
#43
○吉野政府委員 御質問は、たとえばアメリカの飛行機がある地点からある地点に移ってくる、それが整理統合の一環である、こういう場合にわがほうがその費用を持っていいのかどうか、こういうように私は実は御質問を受け取りましたものですから、そのようにお答えした次第でございます。
#44
○楢崎分科員 そうすると、また問題が新しく起こるのですよ。われわれを含めて国民の皆さんが受け取っておるのは、整理統合ということばじゃないのです。整理縮小じゃありませんか。整理統合なんてしてもらわなくてもいいのです。そんなあなた、こっちの基地が小さくなって、その分がよその基地が大きくなるのでは何にもならぬじゃありませんか。われわれが問題にしておるのは、基地の整理というのは縮小ということなんですよ。あなた、そういうことばの上の遊戯をしてはいけませんよ。そうして、そのための措置は地位協定上差しつかえないから、そういう整理統合の費用も日本が持つというふうにあなたはアメリカに約束しているのですか。日本政府はそういう約束をしているのですか、整理統合のための費用は日本が持つと。どうですか。
#45
○吉野政府委員 そういうような具体的な約束は何らいたしておりません。しかしながら、われわれは、今後、整理統合と申しますか、整理縮小と申しますか、いずれにせよ米側の基地をもう少し少なくしてほしい。これは沖繩も含めてでございますが……。その交渉をやっておるわけでございまして、したがって、その過程におきまして、われわれが有利と認めるような場合には、やはりそのための必要経費――もちろんこれは最小限度でございますが、それをもって基地を整理してもらう、こういう方向で交渉せざるを得ないと思います。
#46
○楢崎分科員 それは外務省の正式の方針ですか。
#47
○吉野政府委員 これは外務省の正式の方針というわけではございませんでして、過去においてもそのような例が多々あるわけでございます。したがって、そのような過去の例に従いましてわれわれは話を進めておる、こういうことでございます。
#48
○楢崎分科員 そうすると、仮定の問題ですが、これは全くあり得ない仮定じゃないのですよ。あり得る仮定の問題として、もしKC130を岩国に移転、岩国のP3の三沢移転という問題が現実にもし正式に申し入れがあったときに、そのための費用は大体概算どのくらい日本が負担すべきものと思われますか。
#49
○吉野政府委員 この点は、まだ具体的に先方から計画も方針もわれわれとしては受けておりませんから、幾らであるかというようなことは一切申し上げるわけにはまいりませんですが、しかしながら、われわれが最初P3の那覇からの移転ということを要請した際に、先方は、その移転のためにはおそらく二千万ドルくらいかかるだろうというようなことを申しておりました。それが概算でございますが、いままでのところわれわれの手元に入っておる資料に基づきましていま御審議願っておるのは、三十八億何がしの金額でございます。
#50
○楢崎分科員 その二千万ドルというのはどの費用なんですか。向こうが言っておったのは……。
#51
○吉野政府委員 これは先方が、そのくらいかかるだろう、こういうように……。
#52
○楢崎分科員 内容はどこから……。
#53
○吉野政府委員 これは別に場所も何も先方は――その当時は普天間までは行ってないわけでございます。
#54
○楢崎分科員 そうすると、その際、ちょっといま話がややこしくなったのですが、普天間とも言わずに全体的な関係から、那覇空港よりP3を移動させる場合に、付随する費用としては二千万ドルくらいかかるであろう。二千万ドルというと日本円で六十億円くらいですね。そうしたら、その当時はまだレートが変わってなかったでしょうが、三十八億が那覇から普天間へのP3の移転分とするならば、それに伴ういわゆる玉つきの問題をアメリカは考えておったのだから、そうすると二十億円ないし二十五億円くらいになりますね、あとのKC130、あるいは岩国のP3の三沢への移転分等は。そういうふうに考えていいですね。
#55
○吉野政府委員 必ずしもそのようにお考えになる必要はないと思います。と申しますのは、いずれにせよアメリカの計算は大ざっぱでございますし、何ら特別の積算の資料というようなものを持ち合わせておらずにそういうことを申すわけでございます。そしてまた、アメリカ側は工事の見積もりその他につきましては、過去の経験によりますと、われわれよりもいつも上目の数字を出してくる。こういうような関係からその数字が出てきたと思いますから、別にわれわれは、その数字に根拠を置いて何か作業する、こういうことはしておりませんでして、先方の具体的な要求を見て、それをわれわれが見積もって予算の御審議を願う、こういう形でやっております。
#56
○楢崎分科員 それでは最後にもう一ぺん、この問題についてお伺いします。
 まだ正式に話し合いがあっていないということは、さっきからの御答弁はよくわかります。私が申し上げているのは、現実の話になったときには、その那覇から普天間へのP3の移転費用以外のいわゆる玉つき費用の請求がもしあったら、大蔵大臣、どうされますか。
#57
○水田国務大臣 私どもはそういうことじゃないと理解しておりましたが、もしそうだとすれば、やはりその段階において考えるよりほかないと思います。
#58
○楢崎分科員 もう性格はわかっておるのですからね、どういう費用か。もし問題が提起されるとしたら内容もわかっておるのです。
#59
○水田国務大臣 わかっていないと言っているのです。
#60
○楢崎分科員 じゃ、私が提起したような問題が起こったらどうしますか。――大蔵大臣に聞いているのですよ。
#61
○吉野政府委員 ちょっと御説明させていただきます。
 先ほども申し上げましたように、地位協定に従ってわれわれが負うべき費用はわがほうが持つ、先方が出すべき費用は先方が持つ、これが地位協定の協定でございます。したがって、その協定に照らしまして、わがほうが持つべき金は持たざるを得ないし、先方が持つべき金はわがほうが出す必要はない、こういう形でやっていきたいと思います。
#62
○楢崎分科員 そんなことはあたりまえの話でしょう。あなたがいまおっしゃらなくてもあたりまえの話なんです。私は具体的に聞いているのです。では、もし二十五億円の玉つき費用を要求されたら、あなたのいまのあれからいったら、日本が負担すべき費用はどのくらいになるのですか。
#63
○吉野政府委員 これは仮定の問題でございますから、具体的な先方の要求の内容を見ないと、われわれは一切お答えするわけにはまいりません。先ほど申しましたように、われわれの方針は、地位協定に従ってわがほうが負担すべきものは負担せざるを得ない、こういうことでございます。
#64
○水田国務大臣 いまの三十八億で移転費用が残って、さらに役務の費用を含んでおるものになるのか、そうでなくて三十八億自身が第一次の移転で足らないものになるのか、これはその内容を見なければわからないと思います。ほんとうなら、地位協定によって出すべき金は出すべきでございますから、私としては、その協定によって出すべき金は出すべき金で、別に出して差しつかえないのですが、この問題は一応移転だけの経費としてケリをつけるということが、私は一番いいと思いますが、そこら辺は向こうとの話し合いによって交渉する。当局がどういう話し合いをこれからするのか、その場になってから検討しなければ何とも言えませんが、ほんとうなら、これは私は分けたほうがすっきりするというふうに考えます。
#65
○楢崎分科員 いや、三十八億円というのは、那覇から普天間への費用というのははっきりしているのです。今度は、さっきから言うように、普天間のKC130が岩国に行く、岩国にいるP3が今度は三沢に行く、その分が三十八億以外に、なおいまの二千万ドルという話からくれば大体二十五億ぐらいになるが、その費用を請求されたらどうしますか、ということを言っておるのです。
#66
○水田国務大臣 それは、いま私が言いましたように、性質が完全に違う問題でございますから、新しい地位協定の問題としてこれは外務省が交渉に当たるということになりますので、その結果がどういうことになるか、それによって私は、これに支出するかどうかをきめるよりほかないと思います。
#67
○楢崎分科員 それでは吉野さん、那覇から普天間へP3が移るということは、KC130が普天間から岩国へ、岩国のP3が三沢に、そういうことが全体的にきまらないと、那覇のP3は普天間に移れないのじゃないのか。からんでおるのじゃないのですか。
#68
○吉野政府委員 われわれのいままでの受けておる通報は、ともかく普天間の飛行場の上塗りを五月十五日までに完成してほしい、これがP3が那覇から撤去するために必要である、こういうことであります。しかしながら、先方は別にこれが最後だと言っているわけではございませんから、今後またどのような要請があるかどうかわかりませんが、いままでのところは、われわればそれだけを聞いておる次第でございます。
#69
○楢崎分科員 そうすると、P3が那覇から普天間に移ることと、それから先の玉つきの問題とは絶対にからまないと、そうあなたは確信をもって返答できますか。
#70
○吉野政府委員 先ほども御説明いたしましたように、いま全般として沖繩の基地も含めまして日本全国の基地の縮小を考えておる……。
#71
○楢崎分科員 P3の話を聞いているのです。具体的な問題を聞いておるのです。一般の問題はいいのですよ。
#72
○吉野政府委員 P3もその一環として、那覇空港の開放ということに関連いたしまして、P3の措置その他も考えているわけであります。したがって、その関連において今後検討していくより手がない、こういうように考えております。
#73
○楢崎分科員 それでは、いずれにしても、この二十一日に大蔵大臣、外務大臣が見えたところでもう一ぺんこの問題は詰めましょう。
 立川自衛隊移駐の分の費用はどうなっておりますか。
#74
○大倉政府委員 実行予算上の問題でございますので、現在、防衛庁内局へ問い合わせをいたしております。少しお待ちいただければ幸いでございます。
#75
○楢崎分科員 では、私が調べたところを言っても、正しいかどうかお答えできますか。
#76
○吉野説明員 いまわかりませんです。
#77
○楢崎分科員 では、四十六年度の分と四十七年度の分とを御回答いただきたいと思います。
#78
○吉野説明員 先生へ直接にですか。
#79
○楢崎分科員 いや、ここでです。
#80
○吉野説明員 では後ほど……。
#81
○楢崎分科員 では、それはあと回しいたします。
 四次防先取り予算問題の議長裁定については御承知のとおりであります。夏以降に新経済社会発展計画が策定されて後、四次防の策定、国防会議決定、こうなるのであろうと思います。もし各省概算要求の時期までに四次防計画の策定ができない場合は、四十八年度の防衛予算はどういうことになりましょうか。
#82
○大倉政府委員 要求官庁の側から……。
#83
○伊藤説明員 防衛局長がいま来ておりませんので、私、防衛課長でございます。
 夏ごろまでに、四次防の策定が終わっていない段階、その時期におきまして、いま国防会議で決定していただいておりますのは、四次防の大綱というのがございます。この内容といたしましては、先生も御承知のように、三次防の大綱に似たような形のものができております。したがいまして、三次防の防衛計画に準ずるような形で概算要求をお願いするようになろうかと、そういうふうにいま考えております。
#84
○楢崎分科員 その可能性は十分あると思うのです。そうすると大蔵大臣、あなたは昨年十二月十日に江崎防衛庁長官と竹下官房長官と三人で、まず四次防の初年度を四十七年度とするという方針をきめられた。大体四次防の先取り予算の間違いはあそこに発しておるのです。そうして私は十二月十三日にその問題を取り上げて沖特でやったわけです。そうすると、いまのような形にもしなったら、またことしと同じように、今度は四十八年度は、四次防の正式策定がなくとも、四次防の第二年度と、こういうことになるのですか。
#85
○水田国務大臣 理屈ではそうなってしまいますので、私は、四十八年度の予算をそうしてはいけないということから、いまいろいろ考えておりますが、結局、長期経済計画というものが完全にできるのを待つと、夏以後と言いましたが、いまあの企画庁のぐあいを見ますと、夏以後すぐにできそうもない。私はこれは非常におくれると思いますので、そうしますというと、この夏までには、企画庁の作業も相当進んでおることでございますし、いろいろな資料もそろってくることでございますから、私は、この長期計画の大体の見込みを一応つけて、確定的なものでないものでも、それに基づいて主要項目の内容をきめ、やはり資金の総ワクをきめて、四次防をはっきりと早目にきめる必要がある、そのほうが事態を紛糾させないし、いま繰り返したような問題を避けることになるというふうに考えますので、私はやはり、長期計画を待ってということになっておりますが、大体の見当がついたところで、一応四次防の大綱はできておることでございますから、大綱に基づいて主要項目を決定し、そうして次の予算編成にまごつきのないような措置をとることがいいのではないかというふうに、まあ先のことでございますが、ただいまそういうふうなことを考えております。
#86
○楢崎分科員 先ではございません。もう桜の花もぼつぼつ咲きますが、もうすぐ夏ですよ。先の話ではないのですね。それで、大体新経済社会発展計画の策定がおくれる、確実におくれますよ。そうするとまた問題が起こる。そうすると、いまの大蔵大臣の見通しでは、その新経済政策の策定がおくれた場合でも、おおよその見当をつけて、四次防は、やはり夏過ぎの段階で、大づかみに計画を策定して国防会議にかけるべきであるという御意見ですね。そのように承りましたが……。
#87
○水田国務大臣 私は、そうすることがいいと思います。
#88
○楢崎分科員 そうすると、いままで、われわれは、防衛力増強の限界というものをずいぶん問題にしてきたが、そのうち、政府側からお答えになる点で、計数的にはっきりしているのは、GNPの対比をよく出されるのですね。それで、問題の中曽根四次防原案は、五年間のGNP対比〇・九二ということでありますが、大蔵大臣としては、予算上の観点から見られた場合に、その限界はGNP対比どのくらいであるべきという見当を持たれておりますか。国防会議の議員としてでもけっこうですから、お考えを承りたい。
#89
○水田国務大臣 社会保障費がGNPの何%であるべきだとか、予算総額において教育費が何%であるべきだというふうな比率をきめてかかるというようなことは、これは適当なことじゃございません。これは、そのときの経済情勢や政策の動向が、いずれに比重がかかるべきかというような、いろいろな要素によって変わっていい問題だと思いますので、あらかじめこれをきめてかかる必要はないと思いますが、しかし、各政策費の間には、自然な均衡がいままでもあることでございますので、その均衡をそう急に害するというようなことは好ましいことではございませんので、したがって、防衛費のあり方というものも、一つの均衡のとれた規律というようなものは、やはりおのずからあると思います。いままでの例で見ますと、GNG〇・八%から〇・九%の間。国の予算の総額に対しては七%前後。ことしは六%台に初めて少し落ちましたが、いままでずっとその辺で、防衛の強化をはかって、漸増政策をとってまいりましたので、各政策間の比率は、そういうところがやはり一つのめどになっておるというようなことを私は考えています。しかし、幾らになるべきかということをあらかじめきめてかかることはむずかしい問題だと思います。
#90
○楢崎分科員 そうすると、いままでのGNP対比〇・八あるいは〇・九という線がやはり常識としてはある。こういうお考えのように承りましたが……。
#91
○水田国務大臣 これは、日本の場合のいままでの常識でございますが、これは、よそに比べては非常に少ない率になっておりますし、また、戦前の日本に比べたら問題になりませんが……(楢崎分科員「それは聞いていない」と呼ぶ)ですから、幾らでなけりゃならぬということは言いませんが、そう大きい変化がない限りは、従来の比率というものが大体妥当なものであるというふうに私は考えます。
#92
○楢崎分科員 それでは、大蔵大臣の個人的なお考えとしては、あるいは国防会議議員としてのお考えとしては、新経済政策は策定されないでも、夏過ぎには四次防をつくって国防会議にかけたほうがいいというお考えのようでありますが、もし、そのお考えが通らずに、四十八年度の予算編成に四次防の策定もできないとすると、今度の四十七年度予算案で議長裁定にあったような、ああいう装備項目というものはやはりずっと削られたままいくということになりますね。その場合に、国庫債務負担行為は、やはりずっと凍結したままになるんでしょうか。
#93
○水田国務大臣 四次防計画が策定されなければ、凍結は、ずっと続くということになると思います。
#94
○楢崎分科員 そうすると、大蔵大臣個人あるいは国防会議議員としての水田さんのお考えでいって、もし、新経済政策が作成される前に、夏過ぎに四次防が決定されたら、補正予算に組まれますか。今度減額修正した部分を補正予算で生き返らせるわけですか。どうですか。
#95
○水田国務大臣 それは、組む必要があるかどうかは、そのときでなければわからないと思います。と申しますのは、そのとき、できるだけ、削られたままで契約することに政府は努力すべきだろうと思います。解除になった場合、ですね。しかし、頭金なしに契約するということは非常に困難なことでありますので、どうしてもこれが支障となってできないというようなときには、補正予算の必要が出るということも考えられますが、そうしなくても、いろいろな努力でやり方はあるんではないかというふうに私は考えます。
#96
○楢崎分科員 装備局長、いまの点はどうですか。頭金なしで契約可能ですか。経験から申して。
#97
○黒部政府委員 従来、航空機のような場合は、本体価格の大体一割は頭金で払いまして、部品製作の段取りをさせます。かつまた、この頭金は、その分の企業における金利負担が助かるわけでございますから、防衛庁側としては、その分だけ安く買い得るという長所もあるわけでございます。今回頭金の予算が減額になりましたことは、私どもの経験では初めてのことでございますので、何とも申上しげられないわけでございますけれども、われわれといたしましては、当初の要求予算どおりの金額で何とか調達いたしたい。かように考えます。
#98
○楢崎分科員 いわゆる契約をするメーカーは、正式の契約は、実際には、いろいろ生産に入って、その年度の一番終わりに正式の契約を取りかわすというように聞いておりますが、そうですか。
#99
○黒部政府委員 従来、航空機あるいは艦艇のような、いわゆる大物の装備品につきましては、契約が、予算を決定いたしましても年度末になるのが大体普通でございます。ただ、たとえばエンジンのように、ある部分品を外国から輸入しなければならないというときには、業者の負担で、契約前に業者間で、外国の輸出業者と日本のメーカーとの間である程度の交渉を進める、あるいは、場合によっては、その負担のもとで生産を始めて、それで防衛庁とプライムの業者との本契約は年度末になる、こういう場合があるわけでございます。
#100
○楢崎分科員 そうしたら、今度減額修正されましたT2とRF4Eはどうなっておりますか。
#101
○黒部政府委員 国会での御審議の状況などから判定いたしまして、私が業者にも問い合わせたところでは、業者では、当初から、かりに予算が成立しても、自己負担で事前の準備行為に入り得ないであろうということでございます。したがいまして、かりに、今度の予算要求が何らの修正なしに成立を認められた場合には、あるいは、プライムのメーカーあるいはその下の部品メーカーにおいては、準備行為がこの予算成立と同時にスタートをしたかもしれませんが、おそらく今度の場合は、さようなことはなしに、正式に議長の裁定があって、大蔵大臣からの国庫債務負担行為の承認が行なわれた時点から初めて一切の準備行為が進行する。かように理解しております。
#102
○楢崎分科員 しかし、メーカーは、実際生産体制に入っておるじゃないですか。
#103
○黒部政府委員 現在、T2につきましては、四十五年度の実用試験機二機がございまして、それの生産はいたしておりますが、今回の予算要求に関しては、何ら手を打っていないと私は思っております。
#104
○楢崎分科員 それはあなた、確かめられましたか、工場に行って。T2とC1ですね。正確に言ってください。
#105
○黒部政府委員 工場に行って現実に確かめたわけではございません。しかし、責任者からも聞きました。
#106
○楢崎分科員 これはもう取りかかっております。あんな減額修正なんて行なわれても、どうせつくるんだからと言って。それは、私は、明確にしていただきたいと思います。何なら、証拠を出してもよろしゅうございますが、おたくの手で、ひとつ明確にしてください。思いますじゃ、これは困るのです。実際に国会でわれわれがどのようなチェックをしても、現実は、そんなことおかまいなしなんです。それは、防衛庁責任で明確にしてください。
#107
○黒部政府委員 先ほども申し上げましたように、T2については、四十五年度契約の分、それからC1については、四十六年度の予算で二機購入いたすことになっております。この本契約は、もちろんまだできておりません。年度末、この三月三十一日までに最終契約に持っていきたいと思っておりますが、その分については、もちろん準備は進めていると思いますけれども、新規のC1十一機分、T2二十機分については、何らの手は打たれていないと私は思います。
#108
○楢崎分科員 実用試験機分も知っていますよ、私は。二機分。それを言っているのじゃないのです。量産体制に入っているということを言っているのですよ。その準備行動が行なわれていますよ、材料関係すべて。あなた、確信持ってそれを言えますか。言えますなら、いいですよ、それで。
#109
○黒部政府委員 たとえば、C1の二機を四十六年度で調達するということで、この春ごろから準備いたしておりまして、米国あたりの資材の値上がりというものを見越して、業者が、将来の分も自己負担で若干のものは手配する、二機以上のものは手配する、ということはあるいはあったかもしれません。そうして、言うなれば、そこまでは業者といえども踏み切るだけの自信はないと思います。
#110
○楢崎分科員 あくまでもあなたの想像でしょう。それで、三菱と川崎に明確にそれをしてください。
#111
○黒部政府委員 承知しました。調査いたします。
#112
○楢崎分科員 いまの点については、防衛関係のところでまた時間がございますから、引き続いてやりたいと思います。
 さっきからの、立川のあれ、できましたでしょうか。
#113
○吉野説明員 お答えします。
 立川の移転経費でございますけれども、執行上の問題は、たとえば赴任旅費は幾らで、運搬費は幾らかかっておるかということは、いま計算の締めくくりをやっておりますので、必要があれば、後刻先生のところにお届けするなり、御報告することができると思います。
 それで、関連をいたしますので、予算の積算内訳といたしまして、四十六年度にどのくらいの金額がついておるかということを申し上げたいと思いますが、四十六年度予算におきましては、消防車とか、救難作業車とか、あるいは通信器材等の購入費でございますが、二千九百五十一万二千円歳出予算としてついております。
 なお、四十七年度についてお尋ねがありましたので、金額を申し上げますが、五億三百九十二万二千円。その内訳といたしまして、維持費、機材購入費、施設整備費が入っておりますが、こまかい内訳は後ほどお知らせいたします。
#114
○楢崎分科員 そのうち、四月分の費用はどのくらいになりますか。
#115
○吉野説明員 四十七年度、四月ですか。
#116
○楢崎分科員 そうです。
#117
○吉野説明員 五億三百九十二万二千円の内訳につきましては、これから実行計画を組んで、大蔵省とも相談して執行することになりますので、四月分どれだけ金を出すかということは、たしかまだきちっとしてはいないはずでございます。
#118
○楢崎分科員 そうすると、暫定予算の中に全然入れないわけですか。入れなくちゃだめでしょう。
#119
○吉野説明員 暫定予算のところには入らないだろうと思います。
#120
○楢崎分科員 そうすると四月は、何で、どこのお金でやられるのですか。
#121
○吉野説明員 先ほどちょっと言及いたしましたが、維持関係の費用があります。たとえば赴任旅費とか、光熱水料、そういうものは当面暫定予算の中に入れていただきたい。こういうことであります。
#122
○楢崎分科員 それをはっきりしてください。何何を暫定予算に入れるつもりですか。
#123
○吉野説明員 維持運営の関係で、全部中へからみまして、どういう項目で、金額は幾らになるかということは、いまここで私が申し上げるほど詰まっておりませんので、後ほど御説明できると思います。
#124
○楢崎分科員 そうすると、大蔵省のほうではどのようにこれは見てあるのでしょうか。
#125
○大倉政府委員 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、防衛費関係の暫定予算分は、御指摘のP3の分はまだ詰まっておりませんが、それ以外につきましては、人件費、糧食費、燃料費といったたぐいの、必要最小限度のものを計上いたしたい。したがいまして、P3以外のものでは、これは、現に立川にいる人員の人件費、糧食費、また、あの中に車両がございますれば、私ちょっとよく知りませんが、その燃料費も入ってくると思います。その意味で、暫定予算には立川のものも入ってくる。人件費、糧食費、燃料費は入ってくると考えております。
#126
○楢崎分科員 これは、具体的に明らかにしてもらいたい。防衛庁の次のときまでこれも明らかにしていただきたいと思います。少なくとも、私どもの立場としては、この立川への自衛隊移駐はもとに戻してもらいたいということを言っておる以上、暫定予算の中にそういうものが入ってくることは絶対に反対をいたします。まあ、沖繩への物資輸送を引き返された。あの費用は当然かかるのでしょうが、今度も引き返す費用はかかるかもしれませんが、それはよろしゅうございます。もとに戻すんだから、旧に返すんだから、新規じゃございませんから、そういう立場ならけっこうでございます。これはなお、暫定予算がやがて出てくるのでしょうけれども……。
 先ほど残しましたメーカー側、これは実際に先取り生産しているのですね。実際に生産体制に入っているのです。これはゆゆしい事態だと思いますので、ひとつ明確な御調査をしていただきまして、二十三日、私の防衛庁の質問のときにひとつ御報告をいただきたい。
 質問を終わります。
#127
○森下(元)主査代理 和田耕作君。
#128
○和田(耕)分科員 きょう、私は、関連のない三つの問題について御質問したいと思います。第一は、たばこの火が原因で火災を起こしているという問題。次は、いよいよ返還の段階に入った沖繩における円・ドルの交換をいつやるかという問題。第三は、最近起こっておる日韓経済会議と、中国の新しい関係に入っていこうとする間に起こっておるトラブルの問題。この三つの問題について、次から次へと質問してまいりたいと思います。おもに事実関係を確かめたいというのがきょうの趣旨でございますので、時間もありませんから簡潔にお答えをいただければありがたいと思います。
 第一に、たばこが原因による火災の問題なんですけれども、大蔵大臣、たばこが原因になる火災というものがどういう程度か御承知ですか。――きょうは時間がありませんから、私から申し上げましょう。昭和四十六年に、火災件数が八千八百三十三件。その中で、たばこによる原因というのが、投げ捨てが五千四百十二、たばこの火がおっこちて火事になったのが千六十二件、たばこの消し忘れたものがどこかにころがったかなにかにして火災になったのが七百九十六件。火災原因の圧倒的な多数がたばこの火の不始末ということですね。一言で言って、そういうことだと思うが、これは消防庁、間違いないですね。
#129
○永瀬説明員 いま先生がお示しになられました数字は、間違いございません。
#130
○和田(耕)分科員 これの中で、私きょう特に問題にしたいのは、たばこの火が何かの拍子でおっこちたやつ、あるいは消し忘れたやつ、これがころんでどこかが火事になったというのが合わせて千八百件に余るのですね。これはたいへんな国の資産の喪失になる。また、これは火事になったものであって、火事にならないで、畳を相当焼いたとか、ふとんを焼いたとかいうようなものになると、この数倍以上――これは数字がないからわかりませんけれども、常識的に考えても、十倍ぐらいになるんじゃないか。この問題は重大だとは思いませんか、大蔵大臣。
#131
○水田国務大臣 そのように思います。
#132
○和田(耕)分科員 そこで、端的に提案したいですけれども、巻きたばこがまるこいから――ここにたばこがありますけれども、まるいですね。だから、これをこんなところへちょっと置くと、ころっところがってしまうということになるわけであって、大蔵大臣も、よく碁をお打ちになるそうですけれども、よく畳を焼くんじゃないですか。つまり、たばこのまるいというのが一つの原因であると私は思うのです。これは、日本棋院の、そういうことをよくやるある人から聞いたのですけれども、また、料理屋なんかでめしを食っているときにも、おかみさんにしょっちゅうそのことは聞くわけなんです。そこで、大蔵大臣への提案なんですけれども、大衆たばこ幾つかを楕円形にしたらどうか。やってみたらどうか。それぐらいの実験はやる価値があると思うのです。いま言うように、火災件数の圧倒的な多数がたばこである。しかも、たばこが不用意におっこちた、あるいはころんだということが原因の火災が千八百件もあるのです。だから、全部一ぺんにやれとは申しませんから、大衆たばこの幾つかを、このまるいやつを楕円形にすれば、たばこざらに置いても安定するわけですよ。酔っぱらってたばこを吸って置いても安定をする。それで全部なくなるとは言いませんけれども、安定をする可能性が非常に強い。そこで、このまるいたばこを長まるいたばこにする。試みにやってみるということをお考えになれないのか、なれるのか。大臣の決意をひとつ聞かしていただきたいと思います。
#133
○水田国務大臣 前に、楕円の特別な高級たばこを日本でもつくったらどうか、ゲルベゾルテのような楕円形のたばこをつくったらどうかというお話があったことは、古いときにございますが、そのときに、私は、一ぺん説明を聞きまして、また今回も、専売公社から説明を聞きましたが、日本のいまの国民はほとんどフィルターつきのたばこを吸っておる。九〇%シガレットはフィルターつきになっておる。したがって、もし楕円形のたばこをつくったにしても、やはりこれはフィルターつきにしなければ売れないだろう。そういうことになりますと、これは技術的にも非常にむずかしいし、コストも高くなる。現に、諸外国でも、いまフィルターつきの楕円形のたばこなんというものはどこにもないというようなことから、これは実際上はもうむずかしいということで、私もそうではないかと思います。確かに、まるいよりもいびつになっているほうがころがりにくいことは確かでしょうが、いまおっしゃるように、たばこの火災の危険があるとしましても、千八百件といいますと、たばこが現に二千何百億本と出ているのですから、一億本に一件ない計算になりますので、やはり、たばこからくる火事に対することは、ほかの形からPRし、いろいろな運動によってこの火災を避けることをやるということが本筋で、まるいものをいびつにしたためにはたしてどれだけ火災が減るかということについては、私は、そうえらい効果を期待することはできないのじゃないかと思います。
#134
○和田(耕)分科員 これは大蔵大臣、非常に意外な答弁で、二千何百億本もつくるから、しかも千八百件という火事しか出ていないからというお話ですが、これはとんでもない意見であって、そんなことじゃ、日本の火災という問題について重大な関心を持っているとは思われない。先ほど申しあげたとおり、火災になったのは千八百件でも、おそらく十倍、百倍のものが火災になりかけて、火災ということにならない状態でとまっていることもある。そういう件数は別としても、外国ではこういう例はわりあい少ないのです。外国にもまるいたばこがだいぶ多いのですけれども、たばこぐらいの火で火事になるようなことは、外国の住居、建物条件では少ない。ところが、日本の場合はそうじゃないのです。日本の場合は、このたばこの火一つで火事になっていく件数が非常に多い。だからこういう数字が出てきているわけです。私が申し上げるのは、そういうふうな不注意から出ているわけですけれども、注意を喚起するためにも、政府はこれくらいのくふうをしているのだというところを国民に見せる必要がある。私はそう思うのです。そういう意味で、大蔵大臣はいまそういう軽い気持ちでこの問題に取りかかってもらっては困る。何とかこれはひとつ検討してほしい。金はかかるでしょう。かかるでしょうけれども、検討をするに値する問題であると私は思う。どうでしょう。
#135
○水田国務大臣 検討に値しないとは申しませんが、いま申しましたのは、火災の被害の大きいことはわかりますが、その火災の起こる比率から見て、一億本のたばこについてまだ一件にもならないという件数でございますので、したがって、たばこについて注意をする運動でこれを防ぐのが有効か、あるいは、まるいのをいびつにすることによって防ぐことが有効かということになると、これはなかなかむずかしいのじゃないかということを言ったわけでございまして、火事の被害を非常に過小評価をしたのではありませんが、それくらいの割合であるとするなら、火災に対する警戒ということは、ほかの手段のほうが何か有効のような気がするという気持ちを言っただけでございまして、それは専売公社にも十分検討してもらうことにいたしましょう。
#136
○和田(耕)分科員 これは、消防庁も警察のほうも、もう、いままでさんざん、しょっちゅう、たばこの不始末をするなと宣伝しているのですが、していても聞かないのです。大臣自身がそうでしょう。あなたは、碁を打っていて骨を焼いたことが何回かあるでしょう。畳を焼いたといっても、その付近の条件がりっぱなところで碁を打っているから、まだ火事にならないけれども、小さな部屋でやっていると火事になるのですよ。だから、そういう問題を真剣に検討していただきたいと思います。真剣に検討していただけますか。
#137
○水田国務大臣 検討いたします。
#138
○和田(耕)分科員 それでは、大臣の検討していただくことをひとつ見届けることにいたしまして、この質問はこの程度にいたします。
 それから、もう一つの件は、いよいよ沖繩の返還が五月十五日ということですけれども、三月十五日にはもう批准書の交換が終わりました。そこで、これから二カ月足らずですけれども、いよいよ返還への準備の過程に入るわけですけれども、何といっても、円とドルをいつどういう形でかえるかということが国民の関心だと思います。沖繩には、その後のいろいろな産業開発あるいは海洋万博等もあって、たくさんの大商社、中商社がもう入っております。この人たちは、向こうで土地を買うにしても、あるいは建物を買うにしても、円・ドル交換がいつどういう形で行なわれるかということに非常に関心を持っている。もう、この段階になると、円・ドル交換というものがいつどういう形で行なわれるのか、あるいは、どういう準備をなさっておるのかということについて発表する時期にきていると思うのですけれども、大臣の御所見をお伺いしたい。
#139
○水田国務大臣 この前の国会で成立した沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律、これによりまして、この通貨交換は、復帰の日から政令で定める期間、おおむね一週間くらいを予定しておりましたが、それ以内に実勢相場を勘案して、内閣の承認を得て大蔵大臣がきめる交換比率で行なうということになっておりますので、一応の予定は、やはり法律によってきめられたとおりに実行するという方針で、いま準備を進めておるところでございます。しかし、もう少し早く、復帰前にこの交換をやってくれという要望も、御承知のとおり非常に強うございましたので、いま、この点については米国との折衝をいたしておりますが、最近はなかなかむずかしいという事情になってまいりました。
#140
○和田(耕)分科員 復帰前には円とドルの交換はない、こう言い切れるのですか。あるいは言い切れないのですか。
#141
○水田国務大臣 まだ言い切れません。私は、せっかく向こうの幹部と会って、両者で検討するということを約束して、現に、担当官を米国へ派遣して交渉し、引き続きまだ続けておって、いろいろな技術的な問題の詰めもやるということでやっておりますが、ただ、物理的に非常に早めたというほど早い時期にこの交換ができるところまでこぎつけられるかどうかということは、物理的に非常に困難になってきたような気かいたしますが、しかし、まだできないという断定は、いまのところできません。
#142
○和田(耕)分科員 一番困難な問題はどういう点ですか。
#143
○水田国務大臣 円を沖繩で通用させるというからには、やはり、金融機関を管理し、為替管理を行なうということが必要でございますが、これはこちらでするわけにはまいりませんので、向こう側の協力を得なければできないことでございますし、それを中心とした、なかなか技術的にむずかしい問題が出ておるということでございます。
#144
○和田(耕)分科員 その点であれば、向こうの政府は、あいまいな答えではなくて、できないと言い切るはずだと思うけれども、それを言い切ってはいないのですか。
#145
○水田国務大臣 米国側の態度は、施政権が向こうにあるから、それによってこれが不可能であったということのないようにという、非常に好意的な態度でこの検討をしてくれておることは事実でございますので、施政権が向こうにあるから、そのためにできなかったということにはこれはなりません。そうであってもできるだけ協力しようという立場でいろいろな検討をしてもらっておりますが、むずかしい問題がやはり両方の間にもございますので、きょうまでまだこの話はついておりません。
#146
○和田(耕)分科員 それと関連して、いまだに沖繩の人は、三百六十円交換というものを、全然見込みがないとは思っていないように思うのですけれども、この点はどうでしょうか。
#147
○水田国務大臣 これはもう、法律でもそうなっておりますし、三百六十円の交換ということは全く不可能でございますので、これはもうできません。そのために、十月八日の現在高をもって処理するという、ああいう特別の措置をしたわけでございまして、交換比率を三百六十円にするということは、島民に、一部希望を持っているような方があるようでございますが、もうこれだけはできないということは、私どもは関係者にはっきり申し上げておるところでございます。
#148
○和田(耕)分科員 総務長官の代理として、砂田副長官がお見えになっておりますけれども、この問題について、総務長官も砂田副長官もずいぶん御苦労なさってこられた。いま大蔵大臣もおっしゃるとおり、三百六十円交換はできないとはっきり言明なさっておられるのですけれども、総務長官として、総理府として、この問題について、現地の人に対してどういうふうな対策をとり、あれしているか。簡単に、大筋でけっこうですけれども、お答え願いたい。
#149
○砂田政府委員 ドルに対する円価値と申しますか、円に対するドル価値、これの変動が沖繩住民の皆さんに与えました影響というものは、本土における国民の立場と全く質の違う状態であることは、深刻さもまるっきり違う状態であることは、御承知のとおりでございます。そういうことから、復帰前三百六十円交換というのがいまだに引き続いてあるわけでございます。経営者にいたしますと、三百六十円読みかえの賃金を復帰後も支払いつつ経営基盤が確立できるように、働いておられる人たちは、復帰後も、三百六十円で、読みかえたいまの受け取りドルでの賃金というものを期待をしながら、各職場といいますか、各階層といいますか、いずれからも、非常に大ぜいの方からそういう要望がいまだに強いわけでございます。ただ、復帰前三百六十円交換というふうなこと、あるいは復帰後も三百六十円交換というふうなことは、いま大蔵大臣もおっしゃいましたように、非常にむずかしい。ほとんど不可能と考えなければならない。そこで、私どもといたしましては、三百六十円交換というものが不可能であるならば、結果的に三百六十円交換と同じような効果のある具体的な措置を一つ一つやっていって、沖繩の皆さんの不安を払拭をしていきたい。そういう立場で施策を進めてまいっておりますけれども、昨年の十月九日の通貨並びに通貨性資産にとりました措置も、生活必需品に対する価格安定の措置も、また、公務員に対しましての措置も、――いまの琉球政府の公務員が受け取っているドル建ての給料、それを三百八円で読みかえて復帰後も公務員に引き継ぐんではない、新しい給与表というものを作成してそれにつないでいくんだということで、人事院のほうからも沖繩へ出張をいたしまして琉球政府と相談をしながら新しい給与表というものを作成いたしておりますが、その給与表のつくり方というものが、沖繩の公務員の皆さんにだんだんその実情がわかってまいりましたから、三百六十円読みかえ給与といわなくても、本土政府がつくる新しい給与表で引き続いて公務員になる人は、自分たちの給与が、実質的には、三百六十円交換と同じような措置を講ぜられた、同じ給与がもらえるという確信を持っていただくようになってまいりましたから、公務員については、ただいまのところ、三百六十円交換というふうな声があまり出てこなくなった。そういう効果も出てきておるわけであります。
 民間企業の給与については、これは民間企業の労使間の問題でありますから、政府が直接介入すべきことではございません。ただ、沖繩の企業がやはり発展する方向へいくことが大事なことでありますから、その中に、復帰後も民間企業が三百六十円読みかえ賃金が支払えるような環境をつくる。具体的に申しますならば、大衆金融公庫への融資の新しい積み上げでありますとか、琉球政府の産業開発特別会計への日本政府の援助でありますとか、そういう環境づくりをやってまいりました結果として、民間企業もまた、三百六十円読みかえに相当する賃金が五月十六日以降も可能になってきた。先般のストもそういうことで解決をしていっているわけでございまして、認許可料金等につきましても、私どもは、三百六十円時代に、沖繩政府の認可料金、許可料金というものは、三百六十円に換算をしてみて、本土の物価と比較検討をしてみて、本土よりも安いという印象を実は持っていたわけでありますから、復帰の時点で、ただいまの琉球政府が許可をしているドル建ての認許可料金というものを三百八円で算術計算をして、それを日本政府の認許可料金としてみなすということではなくて、三百六十円賃金が支払い可能なような、新しい原価計算方式による認許可料金というものを新たに設定をする。
 三百六十円交換と同じような効果の及ぼせるこういう具体的な措置を、財政当局と御相談をしながら、その御理解をいただいて一つ一つとっていくことが私どものつとめである。今後も、残されました幾つかの問題についてそういう措置をとってまいりたい。このように考えております。
#150
○和田(耕)分科員 この問題は、総務長官としておとりになった措置については、私ども、いままで、関係者として何回かお願いもしてきたのですけれども、精一ぱいやっておられるという感じを持っております。ただ、大蔵大臣として、この問題についてもう少し――これは、特に民間の問題ですけれども、民間の問題は政府が介入すべきではないけれどもという砂田副長官の言ですけれども、これはもともと民間のほうには全く責任がないわけです。政府の政策の変更によって出てきたことですから、これは手一ぱいの援助をしなければならない問題だと私は思う。したがって、いままで総務長官とのやりとりの中で、なかなか大蔵大臣さいふがきびしいという話をよく聞くのですけれども、この問題は、今後まだまだ不満がたくさん残っておるわけでございまして、大蔵省としてできるだけの援助をぜひともお願いをいたしたい。ついては、大臣の所見をお伺いしたい。
#151
○水田国務大臣 賃金の問題は直接労使の問題だ、そのために、政府が介入するあれではないというふうに言っているわけでございますが、しかし、いま総務副長官が言われていますように、そういう方向への施策については政府も熱心に努力すべき問題だと思いますので、直接労使の問題には関与しなくても、いま沖繩で望まれている方向の施策が実現できるような環境をつくることに、政府はいま非常な努力を払っておるつもりでございます。特に、企業がいろいろの要求にたえられるようにというために税制上の措置もとっておりますし、金融上の措置もとっておる。そうして、三百六十円の交換ということはできませんが、いま言ったようないろいろな希望が実現できるような環境をまずつくるということには、これは、今後とも十分努力するつもりでございます。
#152
○和田(耕)分科員 これは、私が沖繩に行った二月の中旬の段階ですけれども、円・ドル交換でなくて、円の切り上げということだけで、わずか半月くらいのうちに一〇%の物価が値上がりしている。これは、二つの銀行の頭取さんにも会ったのですけれども、大体一五、六%上がるんじゃないか、と言われておる。そういう面から見ましても、政府の政策決定によって、思わぬ被害を沖繩の島民は、今度は県民になるわけですが、受けているわけです。そういうことですから、財政的な措置を含めて、今後一そうひとつ御勉強をいただきたい。このことを特に要望したいと思うのです。
 最後に、もう時間もございませんから一言お伺いしたいのは、最近私非常に遺憾に思っていることですけれども、日本と韓国との経済的な幾つかの会議がございます。日韓経済会議という問題があるわけです。これに出るとか出ぬとか、出たとか出なかったとかいうことで、中国側からいろいろの意思表示があるかないかわかりませんけれども、日本商社、日本の財界の中で、韓国との取引の問題まで遠慮するとかいうような事態が起こってきておる。特に、最近では、日本航空の問題がありまして、あの柳田元社長が日韓経済会議に出席したとかいうことで、中国側がこれをたいへん問題にして、せっかく乗る予定の日航機を他の飛行機に変更した。また、今度広州の交易会があるのに対して、日本の貿易商社の中には、日航機に乗らないで、他の飛行機に乗っていくというような話がある。私どものところも、今度は、中国へ代表団が行きますけれども、これは日航機に乗る予定をしておりますけれども、ここのところは、大臣、私は、非常に大事なところだと思うのですね。確かに、日本と韓国の関係が、中国との正常化という問題と関係がないとは申しません。ないとは申しませんが、しかし、私は、これは、日本としては独自に判断をすべき問題だと思う。それに対して、現在、日本の財界では、大きな精神的な混乱が起こっており、そのあらわれがさまざま出てきておるという事態があると思うのですね。私どもも、日本と中国との正常化というのは、非常に大事なことだし、日本の現在の外交的、経済的な問題としても、第一級の大事なことだと考えております。中華人民共和国は、中国を代表する唯一の正統政府であるという認識に立っております。台湾は中華人民共和国の領土であるという認識に立っております。したがって、私どもとしては、台湾の問題については、もう相当の踏み切りをしなければならぬと思っておりますけれども、韓国の問題にまでこれが波及するような状態を放置することはできない。そう思うのですけれども、きょう運輸省の方と外務省の方がお見えでありますけれども、日韓経済会議の開催のときの事情をお伺いいたしたいのと、それからもう一つは、日航機をめぐる問題についての事実関係を簡単にひとつお話し願いたいと思います。
#153
○前田説明員 ただいま先生のお尋ねの、日韓民間合同経済委員会の話でございますが、これはあくまでも民間の集まりでございますが、私どもの承知いたしておりますところでは、第四回の会議にあたりまして、三月二日から三日間東京において開催されまして、韓国側は、朴斗秉韓日経済委員会委員長を団長とする代表団の方二十名ばかりと、植村甲午郎日韓経済委員会委員長を代表とする日本側代表団およそ三十名ぐらいのように伺っておりますが、経済協力、技術協力、貿易協力についてその促進をはかるため必要な措置を議題として、率直かつ具体的な検討と意見交換を、純民間の立場から行なわれた。この程度に伺っております。
 先ほど御指摘の飛行機の問題につきましては、新聞報道しか私どもも承知しておりませんですが、その柳田先生が、日航相談役が、この会議に出られたのかどうかは、外務省としてはまだ確認できておりません。
 以上でございます。
#154
○和田(耕)分科員 運輸省の方。
#155
○住田政府委員 私どもが日航から聞いておりますところによりますと、日航の香港支店が、中国旅行社から、今回の技術視察団のリザーべーション、座席の予約でございますが、これを受けているという事実はないというように聞いております。日航の各海外支店は、中国旅行社その他旅行代理店との間で集客活動をやっておるわけでございますが、その場合によく情報をとるわけでございます。その情報の一つとして、日航が、今回の技術視察団が来るということを聞いて、日航に乗ってもらえるのではないかという期待で座席をあけておったというようなことはあったようでございますけれども、そのような場合に、実際には飛行機に乗ってくれないという事例はしばしばあることであって、特に今回、リザーべーションをとったものがキャンセルされたというような事実はないようでございます。
#156
○和田(耕)分科員 役人の答弁というものはそういうふうなものになろうかと思うのですけれども、これは、こういう官僚的な答弁で、その場のがれの答弁で対処すべき問題じゃないのです。私は、きょう、官房長官においで願おうと思ったけれども、何か、外交的な用事でどうしても出られないということだから、運輸大臣を呼んでくれということだったのですが、運輸大臣もおられない。私のほうも、無理な話で、急にそういう話をしたものですから、あらためて総理その他の方に注意を喚起しておきたいと思うのですけれども、水田大臣は、日本の財界、経済界に対して法皇的な大きな力を持っておる方なんですけれども、こういう問題はやはり筋を立てて、指導するものは指導するという政府の態度が必要だと思うのですね。もともと、中国に対しての政府の態度があいまいなもの、だから、なかなかはっきりしたことにならないとは思うのですけれども、こういう純然たる国内政治あるいは外交の問題については、現に財界の中にそういう精神的な動揺があることは、いろいろな報道から見て事実なんです。そういうふうな動揺があるということが、いま、韓国との問題について波及してきているのですけれども、その他の問題に波及しないとはだれも言えない。重要な問題ですね。そういう問題について、重要な閣僚の一人である大蔵大臣として、どういうお気持ちで、どういう機会があれば、こういうふうな自主性のないことではいけないというようなことを指導なさるおつもりであるのか。その点についての御所見をいただきたい。
#157
○水田国務大臣 今後こういう問題は、今度のそういう問題だけでなくて、たくさん起こり得る。これは問題だと思います。そういたしますと、国は独自の方針というものをはっきり持ってこれを指導しないというと、これはたいへんなことでございますので、おっしゃれるとおり、これは決して軽視すべき問題じゃなくて、これから政府は重要視して考えるべき大きい外交問題でもあり、国内政策の問題であるというふうに考えております。
#158
○和田(耕)分科員 この質疑は、ぜひとも、大蔵大臣から総理にもお伝えをいただきたいと思います。他の機会にこの問題を私は取り上げてみたいと思います。これは中国問題政策とは別にして、日本の国の姿勢として大事なことである。ひいては、中国問題に対して政府がもっとはっきりした態度をとっておれば、こういう問題はけじめをつけて解決できる問題だと私は思う。そういう点でも、政府の中国問題に対する態度がたいへんあやふやなところから、こういうふうなところに逆にまた影響してくるというふうな感じもあるわけですから、そういうふうな国民の中で大事な仕事をしておる人たちの中で、間違ったと思われるような影響を及ぼしてきておるということを重大視していただきたいと思います。
 この問題は、他の機会にもう一ぺん取り上げてみたいと思います。
#159
○森下(元)主査代理 横路孝弘君。
#160
○横路分科員 たばこの問題ですね。特に刻みたばこの問題について、ちょっとお尋ねしたいと思うのです。
 老人ホームに行って、お年寄りの人と懇談をすると、最近、必ず出てくるのは、刻みたばこが手に入らないという声なんですね。たばこというのは、大衆の嗜好品でありまして、特に老人にとっては――われわれはこういうゆうちょうなことはできないのですが、きせるでぽんぽんやりながら団らんをするというのは、やはりお年寄りの人の楽しみの一つになっているわけなんです。私のところにも、七十二歳のお年寄りの人から投書があって、若い人や楽な暮らしの年寄りの人たちは見向きもしないらしいけれども、日陰の貧しい老人にとって、一日六円ぐらいで済むというのです。いま「ききょう」というのは六十円で売られていますけれども、これがあると十日間持つというわけです。昔、大臣が、貧乏人は麦を食えと言ったけれども、刻みたばこというのは、いわばその麦扱いをされているということで、何とか国会で取り上げてほしいという投書がございましたので、私、その後いろいろ注意して見ていると、これは何も北海道だけの現象じゃなくて、どうも全国的に同じような現象があるらしい。一日のある新聞の投書にも、やはり七十七歳というたいへんな年齢の方から、非常に苦労されているという投書があるのです。これは広島の人なんですけれども、この御主人の人が脳卒中で倒れて、医者から、たばこは刻みだけなら少々いいだろうという許しを得ている、刻みたばこの需要がある限り製造はやめることはないだろうというふうに考えていたけれども、どうも最近は手に入らなくなった、そこで、――これは広島の郡部の人らしいのですが、広島市に通勤しているおいに頼んだり、小倉に住んでいるむすこさんに手紙を出したりしたけれども、いずれも手に入らない、東京にいる娘さんに電話したところ、東京都内の小売り店には置いていないで、センターに何か二カ所ぐらい置いているらしいが、そこも、朝十時からの発売で、一時間もたつとみんな売り切れてしまう。一人当たり五箱という制限があるらしい。非常に苦労しているというのがいまの現状らしいのです。
 そこでお尋ねしたいのは、こういう苦情というのは専売公社のほうにもたくさんいっているのじゃないかと思うのですけれども、従来「みのり」というのと「しらぎく」というのがあって、これはもう売られていないようです。いま現在「ききょう」というのが売られているようでありますが、専売の統計を見てみると、昭和三十五年に刻みたばこというのは、「ききょう」の場合で三百七十二万キログラムあったわけです。それが十年たって四十五年はどうかというと、六十一万キログラムというように六分の一に下がってしまっているわけです。このままの下降線をたどっていくと、どうも四十八年ぐらいにこれはなくなってしまいそうだということなんで、公社としては基本的な方針をどのようにお考えになっているのか。公社にもたぶん苦情が相当来ていると思うのです。その辺のところの基本的な計画ですね、四十七年度においてどういう計画を立てられているのか、将来の計画はどういう計画なのか、その辺をまず最初にお尋ねしたいと思います。
#161
○北島説明員 まことにごもっともな御質問でございます。
 最近の刻みたばこの製造につきましては、私どものほうでも非常に頭を悩ましているわけでございます。実情を申し上げますと、刻みというのは生活様式と非常に関係があるわけでございますが、最近のように生活様式が変わってまいりますと、昔みたいに火ばちを囲んでたばこを吸う人はなくなってくるということで、需要は年々急速にいままでは減ってまいりました。そこで、現在刻みたばこを吸っていらっしゃる方の平均年齢、私どもの推定でございますが、ただいまお話がありましたが、七十二歳という大体推定になっております。この方々は非常にたばこを愛好していらっしゃるのですが、年々非常に減っていらっしゃる。しかも数量が少ないので、全国すべての店にこれを置くわけにいかない。そうしますと、きわめてアンバランスが出てくるということで、できるだけ需要の多い地域に置くようにいたしておるわけでございます。
 一方また、この原料はのし葉と申しまして、一枚一枚手でもって広げてやる葉っぱを使う。これは農村の労働力不足等から、今後はそういった生産は期待できないということになりますと、何とかしていままでのストックうまく食いつないでいかなければならぬということでございます。この点については私どもたいへん苦心いたしておりますが、年々需要は確かに急激に減っております。ただいま数子で御指摘のように、昭和三十五年は三百七十一万キロということでございましたが、昭和四十四年度は八十八万キロでございます。この辺までは確かに需給のバランスはとれておったと思います。また四十五年度は六十一万キロで二十七万キロ減ったわけでございますが、このときにも大体需給のバランスはとれております。ところが、四十六年度になりまして四十万キロということになりまして、急にある限度を越しますと御不満が出てくるわけでございます。
 こういう点につきましては、公社といたしましても何とかして老人の方々に刻みたばこを吸っていただこうじゃないかということで、現在計画を立てておりまして、いままでのようなのし葉一本ではなかなかいきませんので、いわゆるいろいろ葉組みの変更を加えまして刻みたばこをつくっていく、そして原料のほうは、大体ただいままでの推定では、平均七十二歳というような年齢の方々でございますので、いままでのやり方でいけば十数年は原料は大体確保できる、こういう見通しがつきましたので、四十七年度においては何とかひとつこれを増産してみたい、こういうことで計画を立てているわけでございます。
#162
○横路分科員 四十六年度四十万キロですね。四十七年度はこれはどういう計画で生産体制をとっているのですか。
#163
○北島説明員 当初は、初めのころは三十万キロ程度と思っておりましたが、それじゃとてもいかぬということで、何とか四十万キロを維持するというよりも、それよりも上に持っていこうじゃないかということでただいま考えております。これにつきましては、時間外勤務等で組合との折衝もございますけれども、そういった点を配慮いたしますとともに、できるだけ機械を動員いたしまして、人のほうも働いていただいて、何とかひとつ四十六年度よりも四十七年度はふやしたい、こういった気持ちでいま計画を立てております。
#164
○横路分科員 刻みたばこをのんでいる年齢は六十歳以上の人がほとんどで、八〇%ぐらいを占めている。四十四年の調査によると、男性のほうが六十六歳、女性が七十一歳という平均で、いずれにしても非常に高い年齢層の人たち、お年寄りの人たちが愛好している。いま需要が減ってきたからというお話ですが、需要が減ってきたから生産のほうを減少させたのか、生産のほうを減少させていくから需要が減っていくのか。手に入らないということになれば、たばこをのみたい人はやむを得ず切りかえざるを得ないわけです。皆さんのほうの生産のほうと需要のほうとの関係を調べてみると、やはり公社の方針としては、需要が減ったということよりは、これは赤字が非常にあるから、つまり刻みたばこというのはもうからぬから、どんどん計画的に生産を減らしていっているのではないかというように考えられるのですが、その辺のところの基本的な方針というのはどうなんですか。
#165
○北島説明員 刻みを故意に減らして収支をよくしようというようなつもりは持っておりません。全体としてはきわめてわずかな金額でございます。専売公社の総体収入から比べますとわずかなものでございますので、今後こういったおい先短い、と言っては失礼ですが、老人の方々に刻みたばこをできるだけ御要望のように供給したいと考えております。これにはいわゆる配給のほうもきめこまかくやらなければいけないということで、営業関係につきましても、そういう点をせっかく督励いたしておるような状況でございます。
#166
○横路分科員 この刻みたばこによる赤字というのは、どのくらいなものなんですか。
#167
○北島説明員 ちょっと担当のほうからお答えいたします。
#168
○飯田説明員 御説明いたしますと、現在「ききょう」を大体十本当たり、ちょっと単位の数え方が違いますけれども、二十円で売っております。これに対する製造原価が十九円四十七銭、それから販売、一般管理費、こういったようなものが二円十一銭、それから小売り店のマージンが一円七十九銭、合計で販売原価が二十三円三十七銭ということになっておりまして、十本当たりでは三円三十七銭の赤字ということになっております。
#169
○横路分科員 全体としてどうなんですか。
#170
○飯田説明員 ちょっとその全体の計算を……。すぐ出します。
#171
○横路分科員 いずれにしても、専売の総売り上げ一兆円とかいわれている中から見ると、ほんのわずかの取るに足らない部分ですね。ですから赤字ということではなくて、やはりこういう人たちの要求にこたえてもらいたいと思うのです。
 いま、しばらくあと続くだろうということをお話を聞いたのですが、刻みたばこの生産そのものはもう中止になっているのでしょう。
#172
○北島説明員 刻みたばこではなくて、原料ののし葉の生産は中止になっております。ただ、この原料につきましては相当ストックがございますので、それと、これからいろいろ葉組みの変更をいたしまして、他の手を使って混合して刻みをつくる、こういう考え方でございます。できるだけ刻みをそういった形にしたいと思っております。
#173
○横路分科員 そのストックというのは幾らあるのですか。
#174
○飯田説明員 現在ののし葉のストックは、約二百二十万キロございます。先ほど総裁が申しましたように、本年度、この三月を含めまして四十万キロ売る見込みでございますが、こののし葉だけでは将来十数年の製造の確保ができませんので、いわゆる葉組みにくふういたしまして、こののし葉だけではないものも入れて将来の製造の確保をはかっていきたい。のし葉だけでは二百二十万キロでございます。
#175
○横路分科員 二百二十万キロで、当初の予定は四十七年度で三十万キロの生産体制をおたくのほうでとっておられるわけでしょう。これを四十万キロからないしはそれ以上、これはそれ以上にしてもらわないと、四十万キロでもって苦情がたくさん出てきたわけですからね。そして二百二十万キロのストックで四十万キロですと、五年ぐらいしかもたぬことになりますね。そうすると、ほかに葉組みをするというのは、品質をだんだん落としていくということになるわけですか。
#176
○飯田説明員 従来は、先ほども申しますように、のし葉だけでつくってまいりましたけれども、先ほど御説明しますように、いろいろ知恵をしばりまして葉組みの変更ということをしまして、ほかの葉も入れるということになりますが、これで品質が落ちるかどうかという問題につきましては、従来と同じような品質は維持できませんけれども、大体ほかの葉の混入量というのは一割程度かと思いますが、刻み全体の味といたしまして、品質が特に落ちたという印象のものにはならないと思います。
#177
○横路分科員 では、それをやりくりして、大体将来的にはもたせていくということで、つまり、生産を再開する考え方というのは全然ないわけですか。これはちょっと大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、ほんとうにこれは年滞りの切実な要求のようなんです。当初計画では、四十八年度ぐらいで刻みたばこをゼロにする計画で進められてきたわけです、四十八年ですか四十九年ですか。来年は、四十七年度で三十万キロにして、さらにそれをずっと落としていくということのようだったのですが、いま二百二十万キロのストックがあるという。ストックがあるうちはいいでしょうけれども、いろいろくふうなさっても五、六年以上もつのかどうか。やはり何としても、これはこういう要求がある限り、赤字だとか黒字だとかいうことじゃなしに、やはりそういう要求にこたえていくというのが、これは行政じゃないかと思うのですが、来年度は専売のほうでは、四十万キロ以上に少し生産を上げたいというお話でしたので、これは当分の措置としてはけっこうなんですが、長期的な見通しとしてもうちょっと計画を考えられて、何とかそういう需要のある間は、やはりこたえていくという姿勢をとるべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
#178
○水田国務大臣 いま総裁とのやりとりで、需要がある限りはこたえたいという方向でいまいろいろ考えておるようでございますので、おそらくその方向でやってくれることと思います。
#179
○横路分科員 おそらくやっていくことじゃなくて、大蔵大臣としてやはりそれをやるように指導するというように、ひとつここで明確に御答弁いただきたいと思います。
#180
○水田国務大臣 いまのお話でいきますと、まだ十数年間という間は生産を落とさずに済む、心配ないようでありますので、問題はそのあとになることと思いますが、依然として需要が強いということだったら、これはいまの年齢層が年齢の変化によってまた新しい需要が出てくるということも考えられますので、それに即応した生産をするということにすべきであろうと思います。
#181
○横路分科員 ぜひそういうことでやってもらいたいと思います。
 それで、今度は現実の配付体制の問題です。いま配付というのは、小売り店が二十一万店ぐらいあるようなんですけれども、どういう配付体制をとっておられるのですか。これはやはり要求としては郡部が非常に多いようなので、その辺のところをどういうようにお考えになって、現実の計画として進められておるのか。お年寄りの人たちは、いろいろ小売り店と予約したり、何かそれぞれ仲間が寄って登録したりして、確保するのに非常に苦労されているのですね。さっきの投書にあったように、家じゅうあっちこっち全国さがし回って集めているというような人さえおるわけでありまして、その辺のところをぜひお聞かせいただきたいと思います。
#182
○北島説明員 現在販売店が大体二十一万六千ぐらいございますが、そのうちで刻みたばこを取り扱っておる店が約九万五千六百でございます。それは県によって非常に比率が違っておりまして、たとえば東北とか金沢方面では、八〇%以上の店に置いてあります。
#183
○横路分科員 北海道はどうですか。
#184
○北島説明員 北海道は四四・一%、それから、もちろん関東になりますと一二・三%、あと大体農山漁村の方面のほうに多く取り扱い店を置いておるということでございます。
#185
○横路分科員 これの全国的なシェアというのは大体〇・二%くらいですが、こういう地方ではたばこの中に占める割合は多いでしょう。郡部のほうには多いように計画的に割り当てておるのですか。取り扱っておる店のほかに、今度数の問題が出てくるのですが、どれくらい配付しておるのですか。それはどんなことになっているわけですか。
#186
○北島説明員 取り扱い店が多いということは、やはりそれだけいわゆる配給も多くしているということでございます。
#187
○横路分科員 配給も多くしているのではなくて、その辺のところを需要を見ながらやっているわけではないのですか。
#188
○飯田説明員 その需要を見ながらやっております。
 それから、先ほどの御質問の刻みによる赤字幅でございますけれども、三十万キロといたしまして大体一億円の赤字でございます。
#189
○横路分科員 一兆円のうちの一億円なら、たいしたことはないだろうと思います。
 それで、たばこのおたくのほうの政策を見ておると、安いたばこ――刻みからちょっと変わりますけれども、「ゴールデンバット」が二十本で三十円、「しんせい」が二十本で五十円、「いこい」が二十本で六十円、「わかば」が二十本で六十円、「ひびき」が二十本で七十円、「エコー」が二十本で五十円ですね。この銘柄別の販売の構成比を見ると、これらの安いたばこというのはだんだん比率というものは下がってきているわけです。「いこい」にしても、いまは千分比で十六、千分の十六です。「しんせい」が千分の五十六。そして新しく発売になるたばこは、百円とか百二十円とかいう商いたばこがどんどん出てきているわけです。そうすると、これはうがって考えてみると、安いたばこを値上げすると抵抗が強いから、安いたばこの需要はどんどん押えていって、そして高いやつを発売をして、それによって利潤を得るというのを非常に政策的にやっているような気が、ちょっとおたくのほうの専売の統計を読んでみると感ずるわけなんですが、その辺はどうですか。
#190
○北島説明員 安いほうのたばこと申しますと、大体両切り、口つき、刻みということでございますが、最近の嗜好の傾向は、やはりフィルターつきで、そしてニコチン、タールの少ないものということになりますので、新製品にいたします場合もできるだけニコチン、タールの少ないものということになります。しかし、それだからといって、安いほうのたばこを生産をおろそかにしているということではございません。
#191
○横路分科員 しかし、現実にこの構成比はどんどん下がっていって、しかも製造との関係を言いますと、需要が減ってから製造を減らしているというよりは、むしろ製造を減らしてから需要が減っていっているというような関係にあるように、ちょっとこの表を見るとうかがわれるわけです。やはりもうちょっと安いたばこをどんどん大衆用として発売すべきではないか。
 皆さんのほうで最近発売されているのは、大体みな高いたばこで、政策的にそういうことをおやりになって、その結果失敗しているのもありますね。表で見ると、「やまと」とか「こはく」なんというのは、ほとんど需要のほうがない、これは百三十円のたばこだけれども。それから「ハイライト」のデラックスなんというのも、これもどうも販売の構成比を見ると、ほんのわずか、これではゼロという表示になっておりますけれども、これはあまりそういうさもしい根性を起こさないでやられたほうがいいのではないか。「やまと」とか「こはく」というのは失敗した例ですね。皆さんのほうでそう考えて高いやつをばっと出して、ほとんど売り上げも伸びていないのじゃないですか、構成比にはほとんど出てきておりませんから。
 ですから、「いこい」とか「しんせい」とかいう大衆用たばこ、これにフィルターをつけるならフィルターをつけるということで発売してはどうか。「エコー」というのはこれは二十本で五十円ですが、あのたばこはどういうわけか、吸っているとすぐなくなってしまう。これは量が非常に少ないのじゃないか。これは何も厳密な資料に基づいて発言しているのじゃなくて、直観的な感じを言っているわけです。「ショートホープ」なんかよりも「エコー」なんというのは、吸っているとすぐなくなってしまうのですね。どうもその辺のところが、量を減らしたり値段の点で、新発売のたばこは高いたばこというようなことで政策的に、営業のことを考え、利潤をあげることを考えられるからそういう政策になるのだろうと思うのですが、その辺のところは、あまりそんなことを考えないでやはりおやりになるべきじゃないか。これは実質的な値上げですね。値上げは抵抗が強いから、新製品は高くするということをどうも政策的におやりになっているように、この数字を見ると私はそういう印象を受けるわけです。
#192
○北島説明員 私どもは、消費の動向というものを考えてたばこをつくらなければいかぬわけでございまして、消費の動向から見ると、やはりニコチン、タールの少ない、そして味をつけた、そういうのが最近のたばこらしいたばこということになるわけであります。もっとも、それだからといって安いたばこの生産を押えるというようなことはございません。嗜好のほうが大体そういうふうに移っている。両切りはだんだんやはり減っております。がんこな「ピース」党もございますが、やはり「ピース」のほうのニコチンが多いというわけで減っております。先ほどの「やまと」など、これは私どもはうまいたばこと思っておったのですが、ニコチンが多いということでぐっと減ったわけでざごいます。そういうこともございますので、消費の動向を十分見きわめながら、私どもとしては計画を立てなければならぬということでございます。故意に安いたばこをつくらないということではございません。
#193
○横路分科員 ただ、見ておると、消費の動向とおっしゃるけれども、この需要が減少するというのは、生産のほうを減少させていけば需要だって減少していくわけですよ。それをあまり思い切ってやり過ぎて、苦情が出ているのが刻みたばこだというように言えるのじゃないかと思うのです。これはちょっと特殊ですからね。
 そこで最後に、佐藤内閣というのは、お年寄りが多いわりには年寄りを大事にしないというのがもっぱらの定評なわけなんで、みんな皆さん方と同じような生活をなさっている。自分も元気だからほかも元気だとかいうような、そういう感じをもって政策をおやりになっているのじゃないかと思うのですが、この刻みたばこを、いま公社で老人の日に若干提供していますね。これは毎年ずっとおやりになるのか。四十七年度で予算を組んでいるのかどうか。寄贈しているでしょう。
#194
○飯田説明員 従来やってまいりましたように、明年度も実行するつもりでおります。
#195
○横路分科員 これを老人の日だけ老人ホームに一人一箱でしたか、それくらいというようなことじゃなくて、やはり月に一回ぐらいそういうことを、一兆円も予算を組んでいる専売公社ですから、やはり思い切って老人対策、福祉対策ですね、ほんとうに楽しみがない中で、−ほんとうに老人ホームへ行ってごらんになるとわかりますけれども、きせるでぽんぽんやりながらお年寄りの人たちが話をしているわけですよ。その楽しみをもう少し与えてあげるという意味で、ほんとうに年寄りに実のある行政をやるという立場から考えると、専売公社ももうちょっと、老人の日だけにちょこちょことやるだけじゃなくて、もう少し月にせめて一回ぐらいは配付する。生産のほうを落としていますから、なかなかそんなことをするとストックがなくなるということになるのかもしれませんけれども、ぜひその点も、これは大蔵大臣にお考えいただきたい。専売公社の総裁も考えてもらいたいと思います然、いかがですか。
#196
○水田国務大臣 あまり老人を大事にしないどころじゃなくて、今度の予算を見てもわかますとおり、老人の医療の無料化をはじめ老齢福祉年金の増額というようなことを次々にやりだしたところでございますので、そういう基本的ないろいろな老人対策ができたあとで、いまおっしゃなれるように、たばこを月に一回ぐらいずつ配られるというようなことも、これはいいこととは思いますが、その前に、まだもっと老人を大切にする本質的ないろいろな政策的な仕事があると思いますので、順々にやっていきたいと思います。
#197
○横路分科員 その本質的なことをやっていないというのは、全くそのとおりなんで、これからまずやはりやるべきだ。こういうことは、確かに老人福祉という意味から言うと基本の問題じゃないですね。そういう老齢福祉年金にしてもあるいは医療の問題にしても、基本的な抜本的な政策のそれは基本なんだけれども、行ってみると、お年寄りの人たちが喜んでいるのは、やはりこういった、老人の日にもらったなどという話が年寄りの中から出てくるわけですね。その辺で専売公社も感謝されているわけなんです。それをもう少し充実してはどうか。いま年間どのくらいの予算を組んでやっているのですか。たいした額じゃないでしょう。
#198
○飯田説明員 たいしたこととは存じませんけれども、いまちょっと数字を持ち合わせておりませんので……。
#199
○横路分科員 そういうことで、この刻みたばこも声が非常に強いわけなんで、いまの答弁を聞きますと、四十六年のようなことは四十七年には起こらない、四十万キロ以上にするということを総裁が保証されましたから、ぜひそういうことで政策をやっていただくことにして、質問をこれで終わります。
#200
○森下(元)主査代理 この際、午後一時まで休憩いたします。
    午後零時二十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三分開議
#201
○森下(元)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。桑名義治君。
#202
○桑名分科員 北九州市の小倉区に山田弾薬庫というのがあるわけでございますが、去る二月の十五日に米軍から正式に返還をされたわけでございます。同弾薬庫は三百四十五万六千八百四十五平方メートル、坪数に直しますと百四万七千五百二十九坪という非常に広大な敷地があるわけでございますが、これが今後どういうふうに利用されるかということは、市そのものにとっても非常に大きな関心でもありますし、北九州の市民にとりましてもまたこれは非常な関心事の一つになっておるわけでございます。
 この弾薬庫のあと地の利用につきましては、昭和四十三年の五月二十四日、市議会で平和利用の決議をしておりますし、同じく昭和四十五年の三月の二十四日、これもあと地の平和利用を求める決議をしております。さらに昭和四十五年の七月の八日、これもあと地の平和利用に関する意見書を、地方自治法の第九十九条第二項で提出をしているわけでございますが、この弾薬庫が日本に返還になった後に、現在どういうふうな状況になっているのか、まず伺っておおきたいと思います。
#203
○水田国務大臣 この問題には、北九州市の要望と、またこれを弾薬庫として使用したいという防衛庁の要望と二つが出ておりますが、大蔵省としてはこれから両方の要望を十分に聞き、また立地条件その他のことを考えて、これをほんとうに有意義に活用されるように、これからこの問題の処理について取り組みたいといま考えておるところでありまして、現在のところどうするかという方針は、いま返されたばかりでございますので、全くきまっておりません。
#204
○桑名分科員 この弾薬庫の管理につきましては、現在はまだ、施設庁には自衛官がおりませんので、自衛隊の管理下にあるという、そういうことを聞いておりますが、なぜ早急に大蔵省にこの管理を移さないのか、そこら辺の事情はどういう事情があるわけでございますか。
#205
○小幡政府委員 一般に、提供財産が返還になりました場合に、まず一カ月間は防衛施設庁が警備その他の管理に当たりまして、原則として一カ月を過ぎましてから財務局に引き継ぐ、こういった事情に相なっておるわけでありまして、現在は防衛施設庁が管理しているわけであります。
#206
○桑名分科員 二月十五日ですから、きょうは三月十八日で、もう一カ月を経過しているわけでございますが、大体いつをめどに大蔵省の管理下に置くわけでありますか。
#207
○小幡政府委員 ただいま申し上げましたのは、大体原則が一カ月でございまして、本件の場合は、何ぶん非常に広大な面積でもございますので、大蔵省のほうの体制の整備も考えなければなりませんので、特に例外といたしまして、あと一カ月を限りまして防衛施設庁に管理をお願いし、そのあと財務局において引き継ぐ、こういった予定になっております。
#208
○桑名分科員 現在はまだ施設庁が管理をしているというわけでございますが、いずれにしましてもこれは近々大蔵省の所管になるわけです。いま水田大蔵大臣は、防衛庁の要望と地元の要望と双方あるので、まだ返還がなされたばかりできめてはいないという御答弁ではあったわけですが、大体、大臣としてはどういう方向でこのあと地を利用したいと、このようにお考えでございますか。
#209
○水田国務大臣 まだ両者の要望をこまかく聞いておりませんので、いまのところ、こうしたいという気持ちは固まっておりません。
#210
○桑名分科員 この弾薬庫は、所在地域はもちろん小倉でございますが、小倉の駅から四キロ、小倉区のほぼ中央に位をしているというのがこの位置づけでございます。この弾薬庫一帯は、すでに用地や住宅造成が急激に進んでおりまして、住宅に囲まれた弾薬庫、こういうふうに言っても決して過言ではないと思うわけでございますが、大蔵大臣としてこういうふうな地形のところに、しかも百万都市の一番中心街に、このような膨大な弾薬庫があることが好ましいことであるとお考えでございますか、どうですか。
#211
○水田国務大臣 実際の立地条件を見ませんと判断ができませんが、たとえば王子の問題のようなものは、これはいろいろ要望がございましても、地元の要望に沿った円満な解決ができたということでございますが、場所、場所によることでございますので、いまのお尋ねの山田弾薬庫のあとというもの、これは地元の要望にも沿えるし、一部利用する方法があるのかないのか、これらは十分現場に当たって調査してからでないと、ちょっと私には判断がつきかねます。
#212
○桑名分科員 確かに水田大蔵大臣は、この弾薬庫の位置は御存じないかもしれません。しかしながら、北九州市といえば百万都市でございます。百万都市の中の、北九州市の中の最も中心的なものはどこかといえば、これは小倉区でございます。人口は三十万をこえております。しかも、そういう都市でありながら、小倉の駅から四キロといえばほぼ察しがつくのではないかと思います。先ほどから申し上げておりますように、こういう大都市周辺というものは最近、年々、それよりも月々と言ったほうがいいかもしれませんが、住宅の造成が行なわれまして、いまやこの弾薬庫は小倉区の中央に位する、あるいはもうその周辺は市街地になっておる、こう言っても決して過言ではないわけです。
 したがいまして、私はこまかいことを言っているわけじゃない。そういうふうな場所に、先ほど申し上げたような膨大な弾薬庫があることが、最も好ましい状態であるかということをお聞きしているわけであります。政府の姿勢は、昨日ですか、赤軍派の問題について私、本会議で質問をしたわけでございますが、総理大臣も、いわゆる人間優先の政治ということを盛んに言いながら、しかもこういうふうな膨大な弾薬庫が百万都市のどまん中にあるということ、これを容認することは、人間性豊かな政治が行なわれ、そういう方向で政治を行なっているということがはたして言えるでありましょうか。しかもまた、現在の社会情勢というものを考えてみたときに、アジアの情勢、国際情勢というものを考えてみたときには、これは非常に緩和の状態にあるということは、大蔵大臣は御存じのはずでございます。そういったいわゆるアジアの情勢なりあるいはまた弾薬庫が小倉のどこに位するかという状況の中から、大蔵大臣は文民の最たるものですから、したがって、これは平和利用すべきだという御判断を私はいただけるものだ、こういうふうに思って、きょう委員会に立ったわけでございますけれども、どうでしょうか、その点の大蔵大臣の御意見。
#213
○水田国務大臣 一般的には、いろいろおっしゃるようなことが言えると思いますが、問題は、立地に即してどうしたら一番有効な活用になるかということを考えるよりほかには方法がございませんので、そういう方向で、これは十分検討したいと思っております。
#214
○桑名分科員 私は、ただ単にどまん中にあるということだけを言っているわけじゃないのです。さらにつけ加えますと、米軍が管理をしておった時代には鉄道の引き込み線もございました。その鉄道の引き込み線もいまは撤去しております。そうしますと、ここの弾薬庫のあと地を同じように自衛隊が管理し、ここを弾薬の補給処とするならば、当然トラックで運んでいかなければならない。トラックで運んでいくとするならば、一番の繁華街を通っていかなければならない。しかも、山田弾薬庫に駅から通ずる、あるいは埠頭から通ずる道路というものは非常に狭小な道路でございます。しかも、三萩野という交差点があるわけでございますが、これは東京の一番の繁華街に匹敵するほどの混雑ぶりを示しておるわけです。そういったところを弾薬の運搬をすることが、はたして非常に有効な措置であるかどうか。
 こういった面から考えましても、山田弾薬庫をさらに自衛隊が引き続いて九州全体の弾薬庫の拠点にするとすれば、これはゆゆしき問題だと思います。大蔵大臣とするならば、設備の整ったところのあと地を利用すればお金がかからなくていいかもしれない。しかし、この問題はお金だけで片づく問題ではない。これは事人命にかかわる問題でございますので、その点からも再度御答弁を願いたいと思います。
#215
○水田国務大臣 すでに設備ができているからというような金の問題、そういう見地からでございませんので、いま申しましたように、これが最も有効に活用されるという見地から検討するつもりであります。
#216
○桑名分科員 では、この点について防衛庁としてはどういうふうに考えますか。
#217
○鶴崎政府委員 防衛庁としましては、前々からこの弾薬庫につきましては、自衛隊自体の保有している弾薬庫が不足しておるというようなことから、ぜひ利用させていただきたいという希望を持っております。しかしながら、お話しのように、地元の北九州の市議会で全面返還、平和利用というような決議をされておるというようなこともわれわれは十分承知しておりますので、財務局関係あるいは地元市等とも十分御相談をした上で調整をはかり、何とか早急に結論を得たい、こういうふうに考えております。
#218
○桑名分科員 前の国会のときにも、私この山田弾薬庫の問題を出したわけです。答弁、全然前進しておりませんね。あなたの言っていることを要約してみれば、何を言っておるかさっぱりわかりませんよ。もう大体の考え方はきまっておるのでしょう。
 ではあなたにお聞きしますけれども、防衛庁としての考え方からするならば、あのあと地を利用すれば非常に有効かもしれません。では今度あなたが一方国民、市民、そういう立場に返ったときに、最も適当な場所であるという発言があなたはできますか、どうですか。
#219
○鶴崎政府委員 おっしゃるように、北九州の小倉区の中に山田弾薬庫が位置を占めておるということは事実でございます。しかしながら、弾薬庫は保安距離その他は十分考慮して設置されておりますし、この弾薬庫があることによって実際問題として周辺に危険を及ぼすというおそれは、われわれとしてはまずないもの、そのように考えておるわけです。
 ただ、危険の問題はないけれども、周辺の開発をしたいという御要望、これは理解できます。そこで、この弾薬庫の存立と地域の開発とが何とか両立する方向で調整ができないものかということで、大蔵省のほうにもお願いしておりますし、地元の北九州市にもお願いしておる、これが実情でございます。
#220
○桑名分科員 北九州市と何回、だれと交渉しました。
#221
○坂尻説明員 現段階におきましては、防衛施設局は北九州市の事務当局の総務局に自衛隊の利用計画をもって御説明し、御協力をお願いしておる段階でございます。具体的な計画の調整ということではございません。そういうような段階でございまして、回数は明確に覚えておりませんが、数回やっておると思います。
#222
○桑名分科員 ではだれと何回、言ってごらんなさい。記憶があるでしょう。
#223
○坂尻説明員 福岡防衛施設局の施設部長と北九州市の総務局長、そのようなレベルの会談を数回行なっておると思います。
#224
○桑名分科員 あまり明快じゃないようですね。実際にはあまり交渉していないんでしょう。市長はそう言っておりますよ。市長は自衛隊の動きを見ながら、政治的に判断をしたいというような発言が各新聞には全部出ております。今回も議会の総務委員会から陳情に来たときにも、市のほうは執行部はたしか課長ぐらいしか動いておりません。それでもあなたたちは鋭意北九州市との折衝を進めている、こうおっしゃるのですか。
#225
○坂尻説明員 先ほど御説明いたしましたとおり、現段階では自衛隊の利用計画について鋭意御説明申し上げ、また御協力をお願いしておる段階で、先生御指摘のように、市長という段階にはまだ至っていないと思いますが、鋭意お願いを申し上げておるということでございます。
#226
○桑名分科員 そこら辺が結局問題なんですよ。あなたたちはあくまでもこの山田弾薬庫のあと地をさらに利用したいと言うんでしょう。そして私に言わせれば、いま完全に施設庁が管理をしておるということは、そのまま居すわろうとしておるその心がありありと見えるわけです。そういうことでは北九州の市民は納得しませんよ。私の住宅は弾薬庫から一キロぐらいしか離れておりません。だから、あなたたちがどんなに言ったところで、私は、私の住まいの範囲内ですから、どのような状況にあるかということは手に取るようにわかっている。
 先ほどから申し上げたように、弾薬庫そのものに危険がないとしても、いまはもうすでに引き込み線は撤去しておるんですよ。弾薬はいま入っておりませんけれども、門司なりあるいは小倉の港から陸揚げをする、それから先の運搬はどうしますか。自動車ですよ。しかも、いわゆる狭小な道路あるいは非常に混雑する一番の中心街を通っていかなければならぬ。そのときにはもう、沖繩で今回ガスの撤去のときには非常な反対がありましたが、それ以上の反対があるということは、これは当然なわかり切ったことだ。はたしてそういうような状況の中で、さらに防衛庁が弾薬庫としてあと地を利用するということは、市民感情としても、一般的な常識から考えても、これはもう反対は当然だと私は思うのです。
 しかも、北九州の小倉区には、この弾薬庫のほかに陸上自衛隊の小倉駐とん地、これが二十五万三千四百四十平方メートル、陸上自衛隊城野補廠十四万二千二百六十平方メートル、陸上自衛隊小倉駐とん地曽根分とん地十七万五千六百八十二平方メートル、陸上自衛隊小倉駐とん地富野分とん地百六十六万六千七百六十八平方メートル、こういうように弾薬庫のほかに自衛隊の施設があるわけです。しかも、今度の山田弾薬庫を含めてしまいますと、五百六十九万四千九百九十八平方メートル、こういうような膨大な面積をいわゆる自衛隊が占めるということになるわけです。そうなってくれば、これは基地の小倉、基地の北九州、こういうふうに言われてももう決して過言ではないという実情になるわけです。
 そういう一切のいわゆる客観情勢から考えてみましても、今回のこのあと地は当然平和利用すべきである。しかもこういった数字になりますと、小倉区の面積が五千五百八十八万平方メートルですから、一割は全部自衛隊が使うということになるわけです。しかも、弾薬庫のいわゆる所在地というものは、小倉のこれから先の一番中心地になり得るという場所です。そういう場所でもありますし、福岡県としてはこれを緑地地帯として指定をしたいということが決定いたしております。北九州市といたしましても、このあと地をどういうふうに土地利用するかということで、これは日本都市計画学会にちゃんとお願いをして、あと地の利用についてもこうやってもう計画をどんどん続行しておるというのが実情であるわけです。しかも、北九州市といえば公害で最も有名なところの一つです。そういうところに、市民のいこいの場所として、あるいはまた子供の緑に親しむ場所をつくってあげる、そういう政治的な配慮がなければほんとうの政治と言えない、私はこういうように思うわけでございます。
 そこで、こういったいままでのやりとりの中から、大蔵大臣は計画はきまっていないとおっしゃいますけれども、どういうふうにお考えになりますか。
#227
○水田国務大臣 さっきから申しましたように、一般論としてはお答えできますが、何しろ私は実際に現地を知りませんので、実情に即して解決するよりいまはしかたがないと思います。
 その場合に、これが最も有効に活用されるということが好ましいことでございますから、その線に沿った検討を十分にしたいというふうに申し上げたわけでございまして、一般論では、この問題はどうといって実際にどうするというわけにはいかないと思いますので、いずれにしろこれは両方の意見を聞き、現地の実情に即してきめるよりほかないと思っております。
#228
○桑名分科員 一般論としては、平和利用したほうがいいと大臣はおっしゃるのでしょう。では、あとはどういう条件があるのですか。あとの条件といえば、防衛庁の意見を聞くことになるわけでございますけれども、実際にもし大蔵大臣が弾薬庫のそばにお住まいを持っていらっしゃるとする。あるいは北九州市小倉区に住んでいらっしゃるとする。そうなりますと、そういう弾薬庫があることは好ましいことじゃないでしょう。好ましくないとおっしゃるでしょう。だから政治というものは、いろいろな条件が重なるかもしれません。しかし、地元の住民の意思に沿った政治が行なわれなければほんとうの政治とは言えないと私は思う。そういう政治姿勢がいままでなかったところに問題があったのではないですか。そういう政治姿勢をいまこそ正すべきときだと私は思う。
 しかも、先ほどから申し上げましたように、この弾薬庫をかりに防衛庁が使用するようになれば、小倉区の一割は防衛庁が使っていることになる。だから一般論としてそうならば、あらゆる条件を配慮してその方向に進めていくことが、やはり一国の大臣として、文官の大臣としての姿勢でなければならないと思うのですが、そういう方向で努力される御意思がございますかどうか、その点について伺っておきたいと思います。
#229
○水田国務大臣 いま防衛庁当局のお話を聞いておりましても、一般論としては、この弾薬庫というものは人口稠密地帯の中にあることは好ましくないということを言いますが、防衛庁の話を聞いてみますれば、現実にはこれがそう周囲に危険を与えていないのだということを、現にいまここで言っておりますし、だから、自分たちの要望にも一部沿うようなことを考えてもらえないか、同時に、この地域を市の要望に沿うようような調整の方法はないかというようなことについて努力したいと現に言っておるのでございますからして、大蔵省としても一体そういう解決の道があるかないか、現実に即して結論を出す。
 いずれにしましても、さっき言った姿勢、そういう姿勢でこれを解決するということは、ここではっきり申し上げてもよろしゅうございますが、私は最高の責任者でございますので、現地の実情も自分で十分検討もしない間に、ここでこうするああするということを、私がいまはっきり述べるわけにはまいりませんので、したがって、十分にこれが活用される方向で検討するということを申し上げておるのでございまして、これはみなお互いに要望がうまく調整がとれるような方向で活用されるなら、それは一番望ましいことでございますし、その方法がないということならないということを考えて、最後の判断をするよりしかたがないと思っております。
#230
○桑名分科員 新聞の報道によりますと、防衛庁は返還後直ちに大蔵省から一時使用許可をもらって弾薬の搬入を始めたい意向であるというふうな記事が載っておりますけれども、その点についてはどうでございますか。
#231
○小幡政府委員 おっしゃいますような事実につきましては、事務当局としては承知いたしておりません。
#232
○桑名分科員 じゃもう一度、また話をもとに戻したいと思いますが、防衛庁としてはどうしてもこの小倉の弾薬庫につきましては使用をするという方計を変えない、こう理解をしてもいいわけですか。
#233
○鶴崎政府委員 先ほどもお答えしましたように、防衛庁としては弾薬庫が不足しておる。この事態を何とか解決をしたいという希望を持っております。
 そこで、これらは防衛庁がきめる事柄ではなくて、このあと地の利用は大蔵省のほうできめることでございますので、われわれは大蔵省のほうにもお願いをし、地元にも御理解をいただくように努力をしておる、こういうことでございます。
#234
○桑名分科員 防衛庁はああいうふうに言っておりますね。ポイントは大蔵大臣のお心積もりになるのでございますが、どうでございますか。
#235
○水田国務大臣 それだからさっきから申しておるとおりでございます。
#236
○桑名分科員 じゃ、防衛庁としては大蔵省がだめだ、こういう結論が出ればそれでオーケーですね、そういうことであるならば。
#237
○鶴崎政府委員 これは決定権はいまお話をいたしましたように大蔵省のほうにございます。そこで決定がおりれば、これはやむを得ないと思いますけれども、われわれの実情もよくくんでいただいて、しかるべき決定をいただくように希望しておるわけでございます。
#238
○桑名分科員 あなた、地元との話し合いがつくと思いますか、市民との話し合いが。あなたが一市民だったら許可しますか。オーケーと言いますか。この前の御答弁の中で、小倉の山田弾薬庫の一部を、いわゆる入り口のゲートのところだけ返してあとのほうを使いたい、あの二〇%ばかりをというような意味の話があったわけですけれども、しかし、いかゆる緑地、遊園地的なものと弾薬庫がもうほんとうに隣合わせであるということが、好ましい状態だと思いますか。これは返すか返さないか、全面的に使用するかそれとも全面的に市に移すか、二つに一つしかないと思うのですよ。その点、あなたはどういうふうに理解をしているのですか。
#239
○鶴崎政府委員 ただいまのお話はオール・オア・ナッシングというようなことになるわけでございますが、われわれとしては、地元のそういった緑地を持ちたいというような御要望等もある程度満足させながら、しかしながら弾薬庫としても一部を使っていくというようなことは、要するに両方が両立する形の解決方法は不可能ではないと思います。ただ、市議会で全面返還という決議をされておるということが、こういう両方併存するような形の解決を事実上むずかしくしておるということはわれわれも承知しておりますけれども、オール・オア・ナッシングでなければ絶対に問題は解決しないというふうには、われわれ理解しておりません。
#240
○桑名分科員 時間が来ましたので、これでやめたいと思いますが、いずれにしてもものごとの判断は、オール・オア・ナッシングということは非常に無理があるとは思います。しかしそれは、ものによってはオール・オア・ナッシングでなければならないと思うのです。弾薬庫が町のどまん中にあるということは、これは実際に弾薬庫と隣合わせに、一つのワクの中にはまった弾薬庫の中で、半分はいわゆる遊園地、緑地にする、半分は弾薬庫ということになれば、これはだれでも納得できませんよ。したがってこの問題は、言うならばオール・オア・ナッシングでなければならないということを私は言っておる。何でもかんでもオール・オア・ナッシングという判断は私はしません。無理があります。
 いろいろなやりとりをやったわけでありますが、いずれにしても三十分間でなかなか尽くせるものじゃございません。どうかひとついままでのいきさつを了とされまして、大蔵大臣はひとつ平和利用の方向へ全力をあげて配慮いただきたい、このことを要望して終わりたいと思います。
#241
○森下(元)主査代理 広瀬秀吉君。
#242
○広瀬(秀)分科員 時間が非常にありませんので、簡潔に質問をしますから、的確な御答弁を短くいただきたいと思います。
 私の質問の内容は国有財産の払い下げ、特に土地の払い下げ、この問題についての大蔵省の態度なんですが、栃木県の西那須のもと農政局の馬事研究所のあと地十一万坪、これが昭和四十一年の六月六日に全畜連、これは現内閣の現職国務大臣の大石武一さんが会長として契約書に調印をされておるわけです。事は現内閣の大臣の関与しておる問題なんですが、三十九年当時から、当時の河野一郎さんが全畜連の会長理事として運動を始めて、当時の田中大蔵大臣の認可を得て払い下げの契約ができたわけです。
 その目的といたしましては、申請の目的として、家畜生産体制の改善とその確立、畜産主業農家の創設維持、団体の事業基盤の確保と畜産の企業化、上記の目的のため連合会は直接牧場を経営をするのである、こういうことでありまして、肉豚の肥育、肉用牛の仕上げ肥育、また種豚の飼育並びに品種を改良して会員に提供し――会員にです、全国畜産業の発展をはかるものである。畜産企業経営技術者を養成する施設を建設する。この規模としては下記のとおりであるということで、養豚、繁殖用の豚舎、あるいは幼豚舎、肥育豚舎、牛舎、飼料倉庫、事務所、寮、こういうような設備がなされる、こういうことで、六月の五日に正式に契約書の交換をいたしまして今日に至っているわけであります。
 ところが、この全畜連のそういう目的を持って始めた仕事が、まさに経営が不振である。飼料が上がって、豚肉が安くなってというようなことが主たる理由のようでありますが、累積赤字を、これは四十六年の決算見通しまで入れてでしょうか、今日一億五千九百万からの累積赤字を出して、いまや、昨年の昭和四十六年の三月三十一日段階で山下常務理事、全畜連の常務理事から閉鎖試案というものが出されて、全従業員を三月三十一日付で解雇をした、こういうことになっておるわけであります。
 そういう状況になっておって、しかも、契約書に基づいて出すべき後期の事業計画書というようなものも二年もおくれて、四十四年に出すべきものが昨年の十二月二十二日にようやく出されるというようなことで、その後期事業計画書が出される際には、もうすでに事業所はほとんど閉鎖状況で、横浜に所在するビッグサイエンスという養豚技術指導をやっている会社があるわけですが、そこにあとの養豚関係をまかす。これは技術提携だとは称するけれども、豚の飼育なども全部それにまかしてしまう。そしてまた、昭和四十六年のいわゆる指定期間が経過しない前にこの砂利採取を始めて販売をしておったというような契約書違反の事実があるわけであります。
 こういうことに対して、現地の財務部でありますが、しかし、しょせんはこれは大蔵省の責任でありますが、そういう状態であった、こういうような問題について、一体これはどういうことなのかという立場でお尋ねをしたいわけでありますが、この事実関係ですね。農林省の畜産局から、いま私が申し上げたことについて確認をまずしておいていただきたい。
#243
○増田(久)政府委員 大筋におきまして、先生のおっしゃったとおりでございます。
#244
○広瀬(秀)分科員 そこで、国有財産売買契約書第十一条によると、「土地売払申請書に添付した事業計画又は建設計画どおりの事業(研修及び養豚牧場建設敷地)の用途(以下「指定用途」という。)に自ら供さなければならない。」こういうことがうたわれているわけです。これに違反したという事実があると私は先ほど申し上げたわけですが、違反しておりますか。
#245
○小幡政府委員 お答えいたします。
 売り払い契約書にあります指定用途、すなわち研修及び養豚牧場の建設の敷地としてみずから供さなければいかぬ、これに違反するかという御質問でございますが、現在売り払いいたしております土地三十三万平方メートルのうち、東南の約半分でございますが、半分につきましては、これは豚舎その他、倉庫、事務所等の建物が建っております。ただ、北のほうの約半分につきましては、御指摘のように、未利用のところが相当ございますのと、それからもう一つは、北の端のほうの部分約九万平方メートルにつきましては、これは草地造成事業ということで業者に請け負わせまして砂利抜きの事業をしている。これにつきまして、車地造成の前提としての砂利抜き、これは全体としてこの事業の目的に沿うための前提工事であると見られないこともないわけでございますが、ただ、まん中の部分の未利用のままにしているという部分につきましては、確かにおっしゃるような問題もございます。ただ、何ぶん昭和四十二年六月十七日という指定期日におきまして用途に使用開始いたしておりますので、全体として用途に供している。ただし、実質的にそういった米利用の部分を相当持っているということになりますと、これはやはり非常に問題であるということで、私どもといたしましては、今後厳重に注意いたしまして、今後、自主的に指定用途に供さないということがはっきりし、あるいは困難だということがはっきりいたしました場合には、これは契約に基づきまして一部の解除も考慮しなければいけないのじゃないか、かように考えておるわけでございます。
#246
○広瀬(秀)分科員 同じく十三条には指定期間がある。これは、契約当日の四十一年六月十八日から五年間でありますから、四十六年六月十八日ということになる。その間に、四十五年の十一月ごろから砂利抜きというのでありますが、おそらくこれは、草地造成のために砂利を抜くのだというように、畜産局もあるいは大蔵省も説明されるのでしょうが、この砂利は売っておった、こういわれておるわけであります。砂利を採取して売っておった。これはやはり用途の中には入ってない。それから草地造成ということも、前期の計画には入ってなかったはずであります。そういう点では、目的外使用ではないのか、こういう疑いがあるのですが、その点いかがですか。
#247
○小幡政府委員 砂利抜きの請負契約の問題でございますが、実はこれは、確かにおっしゃいますように、前期の事業計画には入ってございません。後期の事業計画が、当初四十四年十二月三十一日までに提出するようにということでございましたが、これの延期願いが出てまいりまして、それは結局、経営不振ということから、全畜連のこの事業が行き詰まってきた。そのために計画が非常に遅延いたしまして、二年おくれました昨年四十六年十二月に後期の事業計画が出てまいったわけでありますが、この中に、後期の事業計画を実施する上には、北の部分の九万平方メートルにつきましては、これは砂れきが非常に多い。放牧地とするには、やはり砂利抜きをしまして、あと地を牧草を播種しまして草地造成をしなければいかぬということで、後期事業計画の中にこういった草地造成事業が入っているわけでございます。そこで、これを認めるかどうかということで現在検討しているような段階でございます。
#248
○広瀬(秀)分科員 草地造成事業を認めるかどうかということは検討中だというのですが、とにかく後期事業計画書も約二年おくれて出されている。こういう問題に対して、しかも第十四条では、「承認を得ないで地上権、質権、信用貸借による権利又は賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利」を設定することはまかりならぬということが契約条項にあるわけですね。そういう中で砂利採取をやっているという事実があり、そしてまた後期の計画書も出していない、二年もおくれて出すという、そういう場合に、この基本的な大蔵省の立場として、一体、契約条項の中身を、また、これは国有財産処分後のいわゆるアフターケアの問題として当然のことだと思いますが、立ち入り実地調査あるいは実地監査と、こういうようなことを何回かやりましたか。この点、確かめておきたい。
#249
○小幡政府委員 これを扱っておりますのは宇都宮の財務部でございますが、実は私ども本省といたしましては、つい二、三日前に初めてこの事案を知ったわけでございまして、実地調査を財務部で実際何回やったかということにつきましては、残念ながら、まだ連絡を受けておりませんので承知いたしておりません。
#250
○広瀬(秀)分科員 まず、これはやってないことはほぼ確実だと思うわけでありまして、こういう点、非常に貴重な国民の財産であるものを、しかも四十一年当時であっても、十一万坪、三十三万平米。単価もおそらく、七千七百万ということですから、坪当たりにして七百円前後、こういうことで払い下げている。現在の地価は、この事業をやるにあたって農林中金が融資もされておるというようなことで、農林中金の不動産部で評価しても、昨年あるいは四十五年度の末あたりで六億六千万と約八倍にはね上がっている。そういう状況だといわれているのですね。こういう問題について、この事業が不振だという、そうしてまた次の計画があるからというようなことで、計画書の提出もおくれているわ、経営不振であることも中身を知っておるわ、そしてその中で契約条項違反もあるわというようなことでありながら、実地の監査あるいは調査というようなことをおそらくやってない、こういうように思うわけであります。
 大蔵大臣、こういうきわめてずさんな、しかも有力者がその会長であるというようなことから、こういうものがそういう状態に置かれるのではないかということが当然予想されるわけであって、そういう姿勢について大蔵大臣はどう思われますか。
#251
○水田国務大臣 もしそのとおりであるとすれば、非常に遺憾だと存じます。
#252
○広瀬(秀)分科員 非常に遺憾な事態だとおっしゃられるわけでありますが、私も全くそのとおりであろうと思うのです。
 そこで、この後期計画書というのはなるほど出てまいりました。しかし現状は、あそこの場所へ行ってみますと、もう全畜連の人は一人もいないのです。そうして横浜市中区のビッグサイエンスというところが非常に養豚技術がすぐれているというので、技術提携と称して経営をほとんど委任したような形になっている。この契約書を見ましても、あくまで技術提供ということだけだ、そしてその技術提供料は収益があがった場合に二〇%お支払いいたします、ごく大ざっぱにいえばそういう契約になっている。そして現状では、そこの従業員がいま六、七人で千二百頭前後の豚を飼育しているという状況なんです。それで一方においては、指定期間中に砂利を取り始めている。これを売っておる。これは指定期間中ですから、明らかに契約の十一条と十三条に違反するということになっているわけなんですが、それを今度は、ことしの三月三十一日に宇都宮財務部から砂利採取の許可を出しまして、県の認可は二月段階、こういうことで、その業者との間に砂利抜きの草地造成事業だということで始まっている、こういう状況なんですよ。
 それで一体この一億五千九百万の累積赤字を後期計画書においてはたして返していけるかどうか。経営が必ず立ち直るのか。全畜連からはだれも行ってないのですよ。なるほど発令だけは、兼務、兼務ということで三人くらい発令している。西那須野牧場兼務ということで全部東京にいる。現地にはだれもいない。そういうような状況になっている。これでも当初の目的が――計画書だけはなるほどつくっている。この計画書を畜産局、御存じですね。この計画書を全畜連からきのう私のところへ届けてよこしたのだが、これを信頼する数字とあなた方は見るのですか、この点を伺いたい。
#253
○増田(久)政府委員 御指摘のとおり、豚の経営という問題については、率直に言って、繁殖豚のことは全畜連が四十二年から始めて経営赤字におちいったというのは、結局、武士の商法と申しますか、技術的にも経営的にも未熟であった点が根本的な原因であろうかと思います。そういう点で、先ほど先生の御質問にもございましたように、ビッグサイエンスという、いま日本では一番進んだ養豚技術を持った方、比留川さんと申しますけれども、その方の指導を受けてこういう組合と申しますか、会社経営なり法人経営でやれる繁殖豚の経営、こういったものをどう確立するかということが、われわれとしては、今後の養豚経営と申しますか、養豚政策の重要なポイントでございますので、われわれはこの新しい後期計画については、これをぜひ実現させたいものだ、これでやれば、技術的にさえ採算が軌道に乗るならば十分実現可能なもの、そういうふうに考えているわけでございます。
#254
○広瀬(秀)分科員 千二百頭いま飼育をやっている。こいつが育って販売をされる。しかもその販売が、この契約書では、あるいは申請の理由では、会員に売るということになっているのですね。それも、いま市販までこのビッグサイエンスのほうでは考えてやっている。そういう点でももう目的が違ってきている。問題があるし、千二百頭を処分してどれだけの利益が出るか。ビッグサイエンスにも、コンサルティングを含めた技術提供料のようなものを二〇%支払う、こういうようなことで、利益が出て一億五千万の累積赤字を埋めていけるような段階を迎えることができるのかどうか。なるほど計画書では、四十七年度で一千四百四十七万七千円、これは金利分として返せます、あるいは四十八年度には二千六百万円返せます、四十九年度になれば五千九百万というようなことで、元金の償還も返していけますというような計画になっているのですが、そのことについて、はっきり自信をもってこういう状態になるということをあなた方はお考えですか。
#255
○増田(久)政府委員 率直に申し上げまして、経営の問題でございますので、計画どおりいくことが望ましいのは当然でございますけれども、そこにまだ数多くの問題があろうかと思うわけでございます。
 ただ、率直に申し上げますと、四十六年の十一月からビッグサイエンスと技術提携をしたわけでございますが、その月から明らかに利益金が若干出てくるようになったというのは事実でございますので、われわれとして、従来は赤字一方であったものがこの十一月から利益に転向したということは、そういう点、将来についてやや明るい見通しを持つものであるというふうに考えているわけでございます。
#256
○広瀬(秀)分科員 そうなると、ビッグサイエンスがやれば、従業員全部首を切っちゃって、全然人件費がない。二十五、六名おったわけですが、それを六名に減らしちゃって養豚だけやっているわけです。豚にえさをくれて管理して有利なところに売ろう、それだけやっているわけです。なるほど技術の中身は、豚が住んでいる床をあたためようというような技術が幾らかあるようだけれども、そうしてぬくぬくと育てよう、こういう技術なんかも取り入れているようだが、そういうことだけやっている。一体、研修牧場という払い下げの基本的な――しかも、国が一番払い下げ適格と認めた最大のものはそういうことだと思う。全畜連という立場からいって、全国の畜産協同組合がみな会員団体になっている。そういうところにそこで研修した人たちを送り出して、ちゃんとりっぱに畜産業者として成り立っていく人材を養成して送り出す。そして優良豚を種豚として肥育をして、子豚をとってそういう農家に提供しよう――まるっきり違う状態でしょう。そういう段階に入っているんじゃないですか。当初の契約の目的、払い下げの一番適格性を判断した問題点というのはそういうところでしょう。それがもはやなくなっている。消えうせている。それで経営だけやらせれば、なるほど豚にえさをくれて売ることだけやれば、何とか赤が黒に少々なりとも転換するかもしれないということなんですが、今後の計画においても、どれだけの豚をどういうように飼育をする、そしてその技術はどうなんだ、研修生を置いて、その人たちが自分の農家へ帰っていってやる、あるいは畜産協同組合の指導員になっていく、そういうことは何もやられない。それだったら、三十三万平米も国の土地を払い下げるという目的はもはや失われているのではないか。こういう点いかがですか。これは大蔵大臣、いかがですか。そういう状態です。いま私が申し上げたのですが、これは国の払い下げをした目的はもはや完全になくなっているということを認定されませんか。
#257
○増田(久)政府委員 大臣の答弁する前に、私のほうからちょっと一言言わせていただきたいと思いますが、残念ながら従来の全畜連は、研修生を八名、多い年で十一名、少ない年で一名というようなことで、非常に研修技術が貧弱だったということは確かでございます。それで、学習すべき技術というものが実はなかったということが、一番私は問題になると思うのです。そういう意味で、ビッグサイエンスにやらせたという意味は、今後そういうことでまず全畜連が技術を吸収するというところにポイントがあるわけでございまして、今後ともそういうところに力を入れていきたいという意味の最初の初年度であるという点を御理解いただきたいと思います。
#258
○広瀬(秀)分科員 私は、あと第四分科会で十四時からということで、向こうからいま催促が来ておりますので、これはまた大蔵委員会で引き続いてやりたいと思いますけれども、大蔵大臣、私が一番おそれているのは、そうして現地の人たちがきわめて疑惑の目をもって見ているのは、有力な閣僚が責任者であるということ、そうして疑うに足るいろいろな事実があるということ。そうして後期計画書をもっともらしくつくった。しかし、それはもう当初の目的からは完全に逸脱したものであるという状態です。そうして、そういうように計画をごまかしておけば、買い戻し期間というものがこれは解けてしまうわけです。それをねらって、やられてもいないことを計画書だけうまくつくって、こういうようにやるのです、借金もこう返すのですというのですけれども、十年たったらこれは自由に処分をする。払い下げ当初は七千七百万であったのがいまや六億六千万、これはいまや七億ぐらいに上がっているかもしれない。そういう地価にはね上がっている。そういうことで、そこで今度は、もうやめた、とうとうだめでしたということで売っ払えば、それはたいへんな利益を得るわけですよ。そういうことになる可能性がきわめて強い。
 そういう点について、どう大蔵大臣としてはチェックをするのか、この点はっきりそういうことの絶対ないようにするということでなければ国民は納得しない。わずか五十坪、百坪の宅地を買うのだって、庶民大衆はたいへんな苦しみをしておる。ところが国有農地が、こういう安易さの中でろくすっぽ監督もしないで、十年たてばどんどん民間の大資本に転売をされていくというようなことで国有財産の払い下げの方法はいいのか、ここが一番今日現地で問題になっているところなんですよ。大蔵大臣、こういう場合に、今後の態度といいますか、そういう疑いがある場合において、どういう態度を大蔵省としてとられるのか、この点、責任をもってお答えいただきたい。
#259
○水田国務大臣 いま事務当局から申しましたように、指定した用途に供する見込みが非常に薄いとか困難だという事実がはっきりいたしましたら、やはり一部の契約解除もしくは全部というような、何らかの措置はとらなければならぬものだろうというふうに私も考えております。
#260
○広瀬(秀)分科員 その点、将来の問題ですからある程度仮定になるのはやむを得えませんけれども、これは大蔵大臣、やはり大蔵省の姿勢いかんによってはたいへんな大きな問題になる可能性を持っているものでありますから、その点を十分踏まえて、今後、私が指摘した、おかしいと思ったら、直接実地調査、実地監査ということがちゃんと契約書に入っているのですから――二年も契約がおくれても文句を言わない。砂利とりを行なっても文句を言わない。草地造成という新たな目的が始まった、あるいは豚を有利なところに配置する、そういうことを大蔵省何にもしていない。全畜連、これはおそらく畜産局を支配するくらいの力を持っているかもしれない、そういうところなんです。そういうような中で、こういう状態がどんどん発生している。これはたいへんなことですから、ひとつ十分しっかりこのチェックをして見守っていただきたい、これを要望して、私の質問を終わります。
#261
○森下(元)主査代理 久保三郎君。
#262
○久保分科員 私は、昨年の葉たばこ生産に関係して発生した災害について、主として専売公社にお伺いいたしたいと思うのです。具体的には、御承知のように、昨年、茨城、栃木、あるいは山口もありましたか、そういうところに発生しました生理斑点病の災害についてであります。
 まず第一に、生理斑点病という、病気だろうと思うのでありますが、この原因等についてはまだはっきりおわかりにならない、よって予防措置についてもあまり的確なものをお示しになっていないと思うのでありますが、専売公社はこれに対していまどんなふうにやっておられるのか、お尋ねしたい。
#263
○稲川説明員 生理斑点病と申しますのは、いま先生おっしゃいましたように、まだ原因がはっきりいたしておりませんで、これが生理斑点病だという定義もまだついていない状況にございます。私どもの技術的な観点からいままでわかっておる病気と違って、たとえば、菌であるとか、ビールスであるとか、そういったものによる病気もたくさんあるわけでございますが、そういうものではないということだけはほぼ明らかになっております。ここ数年、ずいぶん早い時期から、四十二、三年ごろからだいぶ力を入れて技術サイドの者が検討いたしておりますが、関係しております要因としては、気象条件であるとか、あるいは圃地の条件であるとか、あるいはたばこ自体の素質であるとか、そういったものがからみ合った原因のものであるということで、一応そういうものを総括いたしまして、生理的な原因によるのだということで、一応生理斑点病というような名称を使っておるわけでございます。
 対策的にはどうだというお尋ねでございますが、いま申し上げましたように、ここ数年相当の努力をして原因の追求をいたしておりますが、研究機関を動員いたしまして、いままでわかっていることでこういうことをすれば少なくとも病気の発生が少なくなるであろうと思われることを、何点かピックアップいたしております。たとえて申しますと、畑の排水あるいは土地の通気状態をよくするとか、あるいは肥料につきましては、特に有機質の肥料をなるべくたくさんやるということであるとか、極端な早植えを避けようとか、そういった何項目かのことがわかっております。いずれにいたしましても、植物生理的な病気でございますので、植物体自体を非常に健康な植物体に育てておかないとたいへんかかりやすいということがございます。したがいまして、その辺がいま私どもとして打てる手であるわけでございます。
 研究サイドといたしましては、従来に引き続きまして原因の究明をいたしておりますが、非常にこんがらかっております。一般的に従来いわれておりました生理斑点病というのも、いましさいに観察をいたしますと、型が幾つかあるようでございます。それはどうもおのおの原因も違うように思われます。そういうようなことから、実態の調査をさらに進めますと同時に、もっと基本的に植物病理学的に一体どういう現象が起きているのだろうというようなことまでも突き進んで検討を始めております。
 当面考えられますこれの防除手段と申しますか、予防手段といたしましては、先ほど申し上げたことをやると同時に、そういう性質の病気でございますので、抵抗性のある品種――品種によってそういうものへの感度が違います。したがって、抵抗性のある品種をつくるというようなことも考えながら、なお防除薬剤等も検討はいたしておりますが、薬剤を使うという点については、たいへん慎重を期さなければならないかと存じておるわけであります。以上であります。
#264
○久保分科員 いずれにしても、原因もわからないし的確な予防措置もまだ見つからないということでありまして、言うなら手探りでおられるわけですね。大体、通気をよくしたらいいだろうということですね。いまの薬物を使うにしても慎重を期するということならば、もう薬物は使わぬということでしょうからね。あまり的確なものが出ない。そこで、一般の農民が自分の意思によって作物をつくることと、葉たばこを栽培というか、耕作するということはだいぶ違うのですね。種から収獲するまで、それを製造して販売するまで、全部専売公社の全責任においておやりになっているわけでありますね。だから、地震とか雷とか風害とかひょう害とかいろいろありますが、そういうものは専売公社の責任といっても、これは別だろうと思うのでありますが、それ以外、耕作に関係しての病虫害の防除、そういうものについては、それぞれ御指導があってそれに従ってやっていくのが原則のように承っております。それでありますから、生理斑点病、そういう病気があるのかないのか、いまのお話では的確にわからないけれども、とにかく葉が枯れ上がるという現象に対して、減収、いわゆる葉たばことして適格性を欠く被害、そういうものについては、やはり専売公社が一つはその責任を負うべきだろうというのが常識的にも言えるわけであります。
 そこで昨年の状況でありますが、これは専売公社からも指導いただきましたが、特に私が直接関係している茨城についてみましても、重いものも軽いものもひっくるめて、耕作反別からいくならば大体九一%くらいが被害にかかっているのです。これは中身はヒックスですが、反別からいけばそういう被害にかかっている。それで、これは計算のしようがいろいろあろうかと思うのでありますが、それでは損害の見積もりはどんな程度かというと、すでにもう計算もされていることでありますが、耕作物が平年作に比べて大体十二億から十三億くらいの減収であったというふうにわれわれは聞いているわけなんです。
    〔森下(元)主査代理退席、正示主査代理着席〕
これはいろいろな計算があるかもしれませんが、大体は似ているのじゃなかろうかと思うのです。
 それから全体の被害に対する十アール当たりのいわゆる収獲ですね。平年作というか、それとの平均で第二黄色種に例をとりますと、これはおたくのほうの計算でありますが、水戸局管内で比率は八五・一%であります。これは平均であります。だから八五%を割っているものもかなりあるということですね。そういうふうになっているわけであります。
 そこで、生理斑点病の災害に対しての、いままでの専売公社と耕作組合あるいは耕作者との話というか、交渉の過程では、言うなれば去年でありますか、災害補償制度――救済制度というか、共済制度というか知りませんが、そういうものをつくって四十六年度から発足させよう、そしてそれによってそういうものを救済したらどうかということでやったそうでありますが、きのうも、たまたまそういう会議があったそうでありますが、とうとう四十六年度から発足はできないということでありますね。四十七年度からできるのかと言ったら、四十七年度からも、これはなかなか話を煮詰めていくのにたいへん問題があろうという話も聞いています。その問題は別にして、四十六年に起きた災害に対して、専売公社はどういうふうに考えておられるのか。いままでのやり方でいいのか。
 いま話しをしましたように、きのうの会議でも四十六年度からのいわゆる補償制度、災害救済制度というか、そういうものが発足ができない。そうなりますと、いま言った生理斑点病にかかった耕作農民並びに組合は、かなりの打撃を受けたままでこれをやらなければならない。しかも茨城や栃木というのは、言うならば葉たばこの安定供給県であると私らは思っているのです。台風常襲地帯でもないし、常時災害はないのでありますから、そういうところが制度のために大きな打撃を食ったらば、これは専売公社の経営の面からいってもマイナスではなかろうかと思うのであります。
 そこで話の要点は、言うならば、これをどうして救済するかという問題に尽きるかと思うのです。そこで、昨年の審議会で、総裁おられますが、総裁はこの問題について救済の方法を御明示になったはずだと思いますが、そうですね。
#265
○北島説明員 葉たばこが災害を受けました場合には、まず第一に、平年作に対して三〇%以上の損害があった場合には、災害補償金という制度がございまして、これは現在、農業共済に比べても相当手厚い制度ではないかと私は思います。それ以外に、そこまでは至らなくても、広い地域にわたって異常な災害、八五%程度の平年度代金に達しない収入の場合には何か見舞い金制度をつくろうじゃないかということになっておりまして、その見舞い金制度は、組合側も全耕作者が拠出し、専売公社がそれに対して大体見合う金額を拠出いたしまして、大体十年一災といわれるような大きな災害のときに、普通の災害補償金にプラスして見舞い金を差し上げようじゃないか、こういう話が耕作組合との間に出ております。それはできるだけ四十六年度から発足しようじゃないかということになっておったわけでありますが、どうも最近の情勢では四十六年度から発足しがたいというような形勢のようであります。これは一つの地方が、自分の地方ではあまりそんな災害が起こらないのに毎年十アール当たり五十円取られてはかなわない、こういったような反対がございまして、なかなか組合がまとまらぬわけでございます。そういたしますと、たいへん残念ではございますが、いま言ったような相互救済の見舞い金制度、それに対して公社が負担を持とうという制度の発足がおくれておるわけでございます。残念ながらもし四十六年度にできないということになるとちょっと措置いたしかねる、こういうことであります。
#266
○久保分科員 ちょっと措置がいたしかねるといって、あなたは、大体四十六年度から発足させる、そういう制度でこれからはやろう、こういうふうなお話をしたんじゃないですか。ずいぶん他人事みたいなお話でありますが、四十五年度に九州地方の大きな異常災害がございまして、あなたも御承知のとおり、五億九千万からの見舞い金を出しました。この見舞い金のときには政府・自民党との間に申し合わせがありました、これは今回限りであるという。あとは、いまお話しになりましたところの災害救済制度というか、見舞い金制度というか、そういうものを発足させてやろうじゃないか。もっとも四十一年にもそういう申し合わせがありましたが、救済制度はやめよう、こういうことになって、いまの制度を再検討しようということになった。検討した結果は、いまあなたの言明されるとおり、きのうの会談でもどうも四十六年度からは少なくとも発足できない。できないとなればやむを得ませんねという話は、ずいぶん専売公社の総裁としてはいただけない話じゃないですかね。――ちょっと待ってください。時間もありませんから、私のほうから言うことだけ言ってしまいますから。別に腹の中に一物あって言っているわけじゃないのです。
 結局、四十五年度に九州の異常災害に対して約六億に近いものを出した際にやっているのはどういうことかというと、平年作に対して八五%下回るものについてひとつ救済しようじゃないか、そういうことですね。ところが、さっき申し上げたように、おたくのほうの水戸地方局の調べで、第二黄色種だけをとってみれば、これが一番被害が多いのです。これでまいりますと、平年作に対して平均して十アール当たり八五・一%の収穫なんです。平均してこれなんだから、かなりの被害が出ている。どうしてこの九州地方だけが異常災害になっているか。その原因も不明だし、さっき申し上げたように、防ぎようのない災害なんですね。防ぎようのないというより、防ぎようはあるかもしらぬですね。ただ専売公社も能力と知恵が足りない。もっと能力があるかもしれませんが、いまだ足りないために、原因の究明と対策が完全にできていない。できていないから指導ができない。指導ができないから、いわゆる斑点病にかかって枯れ上がりが出てくる、こういうことであります。当然これは何らかの措置をとってしかるべきだというのが常識的に考えられませんか。
 しかも、四十六年度からさかのぼって言うならば、さっきの制度をやるという場合には、耕作者が出す額に見合った額を専売公社も出そうということで予算に組んであるはずですね、きっと。それは何がし組んであるか知りませんが、そういうものを勘案いたしますれば、ここでやっぱりある程度安定供給源であるところのこれらの耕作者に対して見舞い金を出すのが当然じゃないのですか。経営が困難なんです。これは耕作組合にしても一億六千万ほどの赤字決算なんですね。耕作者のはさっき言ったとおりなんだ。そういうものをしょっていってうまくいくのかどうかというんだ、これは。どうもやむを得ませんということで済まされているわけにはいかぬだろうと思うのですね。耕作組合もあなたのほうの指揮監督の中にぴたっとはまり込んだ組合です。任意の、あるいは単なる農業協同組合のようなものではないのですね。専売法に基づくところの耕作組合でしょう。だからやっぱりあなたのほうで全部めんどう見なければいかぬですよ。まとめてめんどう見ますというのがこの制度なんです。そのかわり耕作者は全部あなたのほうの言うことを聞いているということでしょう。どうかそういう意味で、ひとつあなたからお答えいただきたいのですが、見舞い金制度を出すつもりがあるのかないのか。それともいまのきのうの会談を続けてやって、何とかこれを救済する方法を考えるのかどうか。いかがでしょう。
#267
○北島説明員 これは今度の災害見舞い金制度を耕作組合としてやろうという話がまとまったときに、公社もひとつそれで片棒かつぎましょうということになったわけです。それについては、できるだけ早く発足をさしたほうが好ましいということですから、四十六年度にできるだけ発足させて、その場合に公社も片棒かつぎましょうということになっておるわけです。それに対して一部の地方では、こういう制度そのものに対して若干まだ納得しない点がある。私たちの地方においては災害がないのに、毎年そういった見舞い金のための拠出をするのはいやだ、これは私あまり適当な考え方じゃないと思います。そういった組合の内情もございますし、やはり組合として、一体としてこういうことをやるということでないと、私どもとしては、やはりそれに手をかすことは必ずしも適当なことじゃない、こう考えております。
#268
○久保分科員 大蔵大臣が当時政調会長でありましたね。それであなたが、やはり九州ですか、約六億の見舞い金を出したときの調印者の一人におなりになっていらっしゃるようです。記憶が薄れているかもしれませんが、四十五年の十二月二十九日、暮れも押し詰まったころでございます。これは別に、あなたが調印したからとかいうことを引き合いに出すわけじゃなくて、大体知識をお持ちですからあなたにもお聞きするのがいいのですが、いま申し上げたように、災害の見舞い金制度というもの、そういうものをそのときに一応やろうじゃないかということを約束してあったのですよ。四十六年度に、たまたま運悪く生理斑点病という、原因も不明なものが大量に発生しまして、耕作者はかなりの被害を受けているんです。そこで、これに対して、まあ言うならば一るの望みを持ってきたわけですね。ところが、いま総裁からお話があったように、どうも四十六年から発足というのはなかなか困難であろうというより絶望ですね。四十七年からもなかなかむずかしいのじゃなかろうかという見通しを大体立てている人もいるわけなんです。そうなりますと、四十五年の暮れに出した見舞い金ですね。片方には見舞い金出している、片方は全然何も救ってもらえない。しかも、生理斑点病という、原因も不明だし対策も的確なものを示してもらえないままに耕作者がいるわけでありますから、これはやっぱり何とかしてもらいたいというのが当然だと思うのですね。しかも収納代金は、最近やや上がりぎみではありますが、言うならば耕作の方法その他においていろいろな制約が最近出てまいりました。そういうことを考えると、これはやはりもう少し考えるべきだと思うのですよ。
 どういう程度やるのかわかりませんが、公社の総裁は何か審議会の席上で、いや考えますということをあなたは言明しているそうじゃないですか。そうでしょう。さっきの答弁は、私はしかたがないですねというような話なんですね。――大蔵大臣から答弁いただけたらそのほうがいいんですがね。金を持っているのはあなたかもしれませんな。
#269
○北島説明員 それは実は私どもは、四十六年度から至急発足させようじゃないかと言ったのは、私どもといたしましては、むしろ耕作者から評価されておったわけであります。それはひとつそういった制度を一刻も早く設立させようじゃないかということで、私どもとしてもそういった発言をし、できるだけ四十六年度からやりましょう、やってください、私どものほうでも片棒をかつぎます、こうなっているわけであります。それがやはり一地方の考えから、自分のほうではあまり災害がないからそういうことは必要ないというようなことになりますと、これはやはり組合の統制の問題にもなろうかと思いますので、かえって私どもとしてあまりよけいな手出しをするよりも、やはり組合でもって自主的に解決していただいて、できるだけ早くそういった制度を発足さしていただきたい。それに対して公社が片棒をかつぐ、そういったほうが私どもとしての立場としてはいいのではないか、将来を考えてもそのほうがいいんじゃないか、こういうふうに考えております。
#270
○久保分科員 あなたのお話を聞いていると、何かよそごとの話みたいに聞けるのですがね。そういうふうに思いませんか。もっとも、思わないからそういうようにお答えになっているのかしれませんが、しかし、それはすべて均衡というか、ものはつり合いというのも一つあるんじゃないですか。だから、それなら何で四十五年に払ったんだ、どうして払ったんだと開き直ることも、これはあるんじゃないですか。しかも、それは余分に取ろうとかなんとか言っているんじゃないですよ。実際に困っているんです。だから、これはこういうことで政府・自民党の間でできるなら、ここでもできるはずだからひとつやってもらおうじゃないかというのが私の言い分なんです。余分によこせというんでも何でもない。いかがです。
    〔正示主査代理退席、森下(元)主査代理着席〕
#271
○北島説明員 どうもやはり長い目で考えまして、耕作組合というものがやはりほんとうに自主的にそういう気になってやるようにならないといけないと思います。かりに親心といたしましても、行き過ぎた親心になるとかえって子供は育たないという感じもいたします。この際は、やはり組合が自主的にできるだけ早く解決する、こういった態度を希望しているわけであります。一刻も早くそれを片づけていただきたい。
#272
○久保分科員 何をおっしゃっているのかね。あなたが全責任を持つところのたばこ耕作の話ですよ。しかも中身は、天災地変とか、そんなもんじゃない。生理斑点病といって、専売公社の責任で原因を究明して対策を立てて、耕作者を指導する範囲のものなんです。そうでしょう。ひょうが降ってきたなんということとこれは違うんですよ。それに対して片一方は、さっき生産本部長が言うとおり、まだ的確なものをつかんでいないし、対策もないということです。そこへもってきて、しかも少しのことならこれは、かまんもします。全耕作面積の大体九割以上のものが大なり小なりに被害にかかっている。損害、被害はさっき言ったとおり。これは茨城県ばかりの話をしましたが、栃木もあるし山口もある。しかも片方では異常災害といって、四十五年度には、八五%を切るものについては全部補償してやっているわけです。補償したのじゃないですか。水田大蔵大臣が政調会長のときに補償した。しかしこれは今回限りにしよう、そのかわり、肩がわりとして災害救済の制度を確立して救済しようじゃないか。ところが、これがだめになった暁にどうやってやるか、これは当然考えられるべき筋じゃないか。耕作者が考えて、自力で立ち上がってもらうなんて、そういうことの問題じゃないのじゃないですか。大蔵大臣どうですか。
#273
○水田国務大臣 あのときは、たしかこれをもって前例としないという一時的な解決をしたように私は記憶しておりますけれども、それから先の問題は公社当局にまかせてしまって、それ以後関係していませんので、どうなっているか事態をよく存じておりません。
#274
○久保分科員 大蔵大臣もずいぶんあっさりしたお話だけれども、公社の総裁にもう一ぺん聞きますよ。耕作農民に対して納得のいくように、もう一ぺん的確に答えてください。四十五年度に五億九千万円払えて、肩がわりするところの制度が確立しないのに、一銭も払わないで、おまえら元気出して自力ではい上がってこいなんて、どうしてそんな訓辞ができるのですか。理解に苦しみますからおっしゃってください。
#275
○北島説明員 四十五年度の西日本地方の大災害に対しまして、十年一災というようなことで特別な見舞い金制度を講じたわけでございます。そのときの経過から申しまして、今後そういうことを一々政府にたよるのはよろしくない、ひとつ普通の災害補償制度以外のそれに上積みする見舞い金については、これは耕作組合が中心になってやりましょう、こういうことでございます。その場合に、専売公社が一はだ脱ぎます、それもできるだけ早くいたしましょう、こうなっておるわけでございます。それができないうちは、私のほうとしては、全体の今後の耕作関係から申しましても必ずしも適当でない、私たちそう考えております。
#276
○久保分科員 時間もないから、もう一つそれじゃお伺いしましょう。
 いまの見舞い金を出せとか出さぬとかいう問題は、あとからまた別な機会にしましょう。まだ話は打ち切っていないのでありますから、これはあとでしたいと思います。しかし、いままでの御答弁は、それはだれも納得しませんよ。
 ただ、もう一つ申し上げたいのは、この生理斑点病というえたいのわからない災害は、通常の災害と違った異常災害として、これは区別するのが当然じゃなかろうかというふうに、てまえどもは思っておるわけなんです。あなたのほうはどう考えますか。さっき言ったように、予防の措置もわからぬ、原因もわからぬといううちに、これは普通の病気、たとえばモザイク病だとかなんだとか、そういうものと比較するわけにはいかないのじゃないかとわれわれは思うわけです。どうなんですか。そういう考えはございますか。
#277
○稲川説明員 生理斑点病、先ほどお話ししましたような状況にございますが、この病気につきましても、原因のわかっております、いま先生おっしゃいました、たばこモザイク病であるとかそのほかの病害と同じように、災害補償制度そのものにつきましては、同じ扱いをいたしております。原因が的確にわかっていないという点では若干の差はございますが、一日も早く技術的にこの点を詰めてしまいたいというふうに考えております。
#278
○久保分科員 それは当然ですよ。災害にあって補償金もらうのが目的じゃないのですから、それはあなたがおっしゃるのは当然なことですよ。それはそれなんだ。それはそれだが、わかるまでは指導の方法もないのだから、別な災害として別ワクで考えていくべき性格のものではないのかということで質問しているのですよ。一般のモザイク病や何か予防措置もあるというようなものと同じに扱うということはいかがかと思うから、区別したらどうですか、こう聞いている。いかがですか。
#279
○稲川説明員 先ほど御説明申し上げましたとおりに、たいへん的確にわかっているわけではございませんが、先ほど数項目申し上げましたような予防的な措置も、すでに指導の項目の中に加えて、いわゆる生理斑点病の発生については予防措置を講じているつもりでございます。ただ、先ほど私が原因の的確性について少し強調し過ぎたかと思いますが、ほんとの意味で確実に原因と因果関係がわかっているということでないということを申し上げたつもりでございます。いまのところ他の病害あるいは災害等と同じように取り扱ってまいるつもりでおります。
#280
○久保分科員 もう時間でありますから別な機会にしますが、これはいまの答弁に対しては反省を求めておきます。的確に言って、あなたが指導していることをやったら全部生理斑点病にかからぬという保証はないのです。ないのですよ、あなた。ただこうやれば幾らかいいかもしらぬなという程度でしょう。これはそんなことでごまかしてはいけませんよ。これは別に非難するわけではありませんが、一刻も早く結論づけてもらうことを希望します。しかし、それまでの間は異常災害として別ワクを考えるべきだというのが私の主張なんです。総裁、これは考えてもらいたい。
 それから総裁の答弁、いま打ち切りになったわけではないが、四十五年度には少なくとも五億九千万、約六億に近いものを出している。だれが何と言っても、一時限りであろうが何であろうが、今度は出せない、何にも出ないということについては、たいへんだということです。これは別途何かを考えてほしいということを申し上げて、終わりにします。以上。
#281
○森下(元)主査代理 上原康助君。
#282
○上原分科員 私は、沖繩の通貨問題、さらに引き継がれる米国資産の公共自治体への譲渡の問題等についてお尋ねしたいと思います。
 まず通貨問題ですが、これまでもたびたび大蔵大臣の所見を承ってきたわけですが、残念ながら、この問題に対しての解決策が見出されないままに、ますます沖繩現地の経済的な損失あるいは県民生活に対する打撃というものが日一日と深刻化してまいっております。きょうもまた同じ御答弁しか得られないかもしれませんが、むしろ予算委員会とかそういう面で議論をするよりも、こういう席で率直なお気持ちなり考えをぜひ聞かしていただきたいし、復帰まで六十日足らずになりましたが、このまま時の過ごすのを待つというお考えなのかという疑問さえ抱かざるを得ません。そこで、昨年の八月以降の円の変動相場制への移行、あるいはそれに続いての円切り上げ等の問題、今日まで沖繩の県民が一貫して一ドル対三百六十円ですみやかに円通貨に切りかえなさいということを要請をし、県民各層の一致した要求になっているわけなんです。今日まで政府が何もしなかったとは私は申し上げません。その間に若干の対策はとられております。それは一応前提として認めながら、なぜ今日までこの通貨問題というものが解決をできないのか。その原因なり背景なり等について、まず大臣のお考えを聞かしていただきたいと思うのです。
#283
○水田国務大臣 いまの御質問は、また話が振り出しに戻ったことになってしまうのでございますが、これはもう私が説明するまでもないと思います、いままで日本に施政権はございませんし、そこで、三百六十円で交換するということが事実上不可能であるということはもうはっきりしておるものでございますので、したがって、三百六十円の交換というものはできないが、実質において、そうされたと同じようなことをしたいという考えから、給付金というような構想を立て、沖繩琉球政府と十分相談をいたしましたが、いままでとられた措置が次善策である――まあ、最上の策であるということに落ちついて、あの措置をとったわけでございます。ところが、その後また、依然として、この三百六十円交換というような要望がございますし、復帰前にこれを実現したいという要望もございましたので、この問題は、一応日米との相談事項にして話し合いをしましたが、御承知のような事情で、依然として技術的にはむずかしい問題で、まだ結論を得ないで、あと二カ月というところへきましたが、ここまできてしまいますというと、物理的にも、復帰前に円を沖繩に通用させるということはかなりむずかしくなっているんじゃないかと私は思います。かたがた、いろいろの問題が出ておりまして、三百六十円の交換というものは、これはもうできないことははっきりしておりますし、したがって、労賃の問題にしましても、実質的に三百六十円と読みかえられたような措置がとられないものかというような方向にいろいろな重点が向いてまいりましたので、その線に沿って、政府も、また琉球政府も、いまいろいろな努力をいたしておりまして、いろいろな方面で、実質的にそういうものが解決されるような方途をいま見出そうとしてせっかく努力中でございます。そのために、民間企業への政府のいろいろな応援とか助成というようなものもいま考えられておるときでございますので、そういうことがある程度できて、沖繩県民に御迷惑をかけることが少しでも少なくなるということでございますなら――いまのように円高になったこの実勢相場で早期に交換する必要があるかないか、そのことが沖繩の県民にどれだけの利益があるかというようなことがまた一面いろいろ言われてきまして、むしろ、問題は、三百六十円の交換ということに意味があったので、復帰前の交換という主張も、三百六十円交換ということでなかったら特別の意味がないんだというような議論も、そういう声も沖繩のほうから最近はいろいろ出ているというような状態でございますので、いま努力しているいろいろなもの、民間の賃金にしろ、その他でも、実質的に三百六十円と交換されたような形になっていくという方向へお互いが努力することのほうが、より県民のためになるんじゃないかというふうにも考えられますので、したがって、復帰前にそういうことができなくなったということになりましても、沖繩県の人たちにとっては、特別に迷惑をこうむるということにはならないんじゃないかということもいま私は考えております。しかし、皆さんの要望が、何でもいいから、とにかく復帰前の交換ということで望んでいるようでもございますし、したがって、米国との話し合いも、最終結論をつけて、もうだめというあきらめ方はまだしておりませんので、いまでも交渉を継続中でございますが、いずれにしろ、あともう五、六日の間に結論が出ないというと、準備その他についても物理的に不可能になるというふうにも考えられますので、いま非常に急いではおりますが、なかなかむずかしい事態であることだけは申し上げたいと思います。
#284
○上原分科員 大臣の非常に苦しい御答弁の心境もわからぬわけではありませんが、時間も限られておりますので、こまごました点は議論する余裕はないわけですが、ただ、いまの大臣の御答弁の中で、県民に特別な迷惑にはならないのじゃなかろうかというような御答弁でしたが、たいへん残念に思うのです。きわめて心外なんですね。
 それでは、事務当局にお伺いしたいわけですが、変動相場制以降、あるいは円が切り上げられてから、沖繩県民あるいは沖繩の経済面においてこうむっている損失というのは、政府は、一体どの程度と見ているわけですか。琉球政府なり、琉球の金融検査庁、あるいは琉銀等は、資料も出しているわけですね。日一日と損失というのはこうむっているわけなんですよ。私は、先ほども申し上げましたように、政府が昨年十月九日のドル・チェックや、あるいは民間企業に対しての資金融資等々の一応の次善の策をとったということは、前提にして議論をしながらも、現に受けている県民の損失というものは、大臣がいまおっしゃるようなことではないわけです。きわめて深刻なものであるのです。そういう面で、琉球経済なり、沖繩県民が受けている実際の損失というものを政府は一体どうごらんになっているのか。その点について、ぜひ説明をしていただきたいと思うのです。
#285
○水田国務大臣 誤解があるといけませんから、もう一ぺん申し上げますが、私は、沖繩県民が損害をこうむっていないということを言ったのではございませんで、三百六十円の比率で交換するということは、これは事実上できないことでございますので、したがって、復帰前の交換という要望の中には、結局、三百六十円交換というものをまだ望みを持って主張されている方がいままでは多かったように思いますが、それが、事実上三百六十円交換というものはできないんだということでありましたら、実勢による相場の交換であるということになりましたら、これを、いまのような円高のときに、何日か前にこの交換をするということと、そうでなくて、そういう交換はしないが、しかし、実質的に、賃金の問題にしろ何にしろ、三百六十円交換ができたというときのような条件が獲得できるというようなことだったら、そのほうがはるかに実質的に意義のあることであろうというふうに私は言うたことでございまして、そのほうが迷惑をこうむらないことだと言ったので、全体として、この問題が沖繩県民の迷惑になったとかならなかったというようなことを言っておるわけではございません。たとえば、いま、銀行なら銀行、金融機関につとめておる方が、三百六十円交換、三百六十円と読みかえられたような賃金水準を確保してくれというような要望があったときに、金融機関によってある程度それができるようにするためには、この沖繩のほうに、たとえば貸し倒れ準備金の率をどうこうしてやるとかというような、企業体に余裕を与えるようないろいろな措置をとるというようなことは、結局そういう問題の解決に役立つことでございますし、中小企業に対しても、健全な経営ができるようないろいろの助成をするということが、この賃金問題を解決する一つの道になると思いますので、そういうことによって実質的な解決に骨を折るほうが、三百六十円交換というものにいつまでも望みを持たしておくよりもいいのじゃないか。そういうことを私は言った次第であります。
#286
○上原分科員 大臣の御答弁の中で、実質的な損失をこうむらない方法で対策を講じていきたいというお話があったのですが、その場合に、一点お伺いをしておきますが、いま御答弁なさっていることは、昨年十月九日のドル確認の件にこだわらずに、実質的に損失をこうむる場合は、政府として、何らかの形で、損失のない対策、あるいは次善の策というものも考えて通貨というものを交換をする。そういうふうに承ってよろしいですか。
#287
○水田国務大臣 これは、いろいろな場合がございまして、そういう考慮ができる場合と、できない場合と、いろいろある。これは、そのケース、ケースによって解決する以外にはないと思います。
#288
○上原分科員 私がなぜこのお尋ねをするかといいますと、これまでの政府の関係者の御答弁をいろいろ聞いておる場合に、一ドル三百六十円の交換というのはもう不可能なのだと言う。特に、大臣は、実勢レートだということをおっしゃっているわけですね。しかし、昨年十月九日段階で確認されなかったものもあると思うのです。たとえば、その後の経済の伸びに対してどうするかというような問題。さらに、非法人団体の預貯金についても、全然補償の対象になっていない互助会とか、労働組合、共済組合の預貯金というような問題。さらにもう一つ、時間がありませんからまとめて申し上げますが、五月の十四日までに解雇をされる基地関係労働者というものも、御案内のように、千六百名おるわけですね。そういう人々がアメリカからもらう退職手当なり、賃金なり、そのことについては、三百六十円の保証はないのですよ。せめて、そういうものに対しては、昨年の十月九日のドル確認ということにこだわらずに、政府側として――私は、いま大臣が説明なさったことを誠意ある御回答として受け取りますが、せめて、そういうものについてでも解決をしていただくという何らかの保証なり、前向きの御回答というものがないと、県民の生活上の問題からしても、あるいは復帰との関連においても、重大な問題だと私は思うのです。ぜひ確たる答弁を求めたいし、また、もしいまの段階においてできないとしても、十分検討するということを大臣のほうから明らかにしていただきたいと思うのです。
#289
○水田国務大臣 たとえば法人についてはどうかということになりますと、この原則は、あのとき琉球政府も折り合いましたが、法人は資本金以上の債務を持っておりますので、むしろ、これは、為替差損、差益ということになりますと、何せ差益の出るほうのものでございますから、法人についてのそういう措置はとらないというような原則もきまっておりますし、また、個人についても、十月八日現在で確認された金額以下の額の所有に、復帰の日になっても、それは申告どおりの補償額において補償するというし、これは、減ってもふえてもその責任は持たない、あのときの申告の価格によるというようなことは原則でございますので、そういう問題を曲げるわけにはいかぬと思います。したがって、その原則によって他のいろいろなケースも解決する。ただし、いま最後に言われました大量の解雇というような問題は、これは事情がまた違いまして、復帰後に解雇された場合と、復帰前に解雇された場合ということでは、解雇手当そのほかに大きい差がある問題でございますから、こういう問題は考える余地はないかというようなことは、いま関係官庁で考慮しておるというようなことで、こういう問題は、またわれわれも検討すべき問題を含んでおりますので、検討したいと思います。ケース、ケースでこういう問題は考えたいと思っております。
#290
○上原分科員 原則は原則として踏まえながらも、私が申し上げた特別なケースにつきましては、最善の配慮をしていただきたいということです。
 さらに、私はいま法人団体のことを申し上げておるわけではありませんで、非法人団体のものについては、一応、昨年十月の九日段階で確認をされているわけですよ。しかし、対象外にするという示達で、三百六十円の補償の対象にはなっていない。だが、これもやはり対象にすべきだと私は思うのです。実勢レートということになると、互助会とか、共済組合、あるいは労働組合の預貯金についても、実質的に大きな損失を受けるわけですからね。そういういろいろの例がございますので、この通貨の問題について、県民の受けている実質的な被害、損失というものをもう少し十分とらえていただいて、一日も早く解決をされる方途を講じていただくように、強く要求をいたしておきます。
 時間がありませんので、次に、国有財産の譲与の点について一、二点お伺いをしておきたいと思います。
 返還協定の第六条第二項に基づいて、従来のアメリカ資産が日本政府に引き継がれるわけですが、その中で、振興開発の特別措置法の中で、復帰後、国有財産の管理及び処分という特例がもうけられて、政令で定めるということになっておるわけですね。したがって、処分をするもの、あるいは琉球政府なり地方公共団体に譲与するもの、移譲するものはどういうものなのかという点が一つ。それと、話が前後いたしますが、こういうアメリカ資産の引き継ぎというものは、日本政府の段階ですでにすべて合意に達しているのかどうか。この二点を含めてお聞かせをいただきたいと思います。
#291
○橋口政府委員 返還協定によりまして米側から日本政府が承継いたしました資産の処理につきましては、法律の規定によって明らかにされているものもございますし、ただいま御指摘がございましたように、政令によって最終的な処理を決定するという内容の資産もございます。たとえば、那覇空港航路標識灯のように、国が直接公用に使用するものもございますが、こういうものにつきましては帰属がはっきりいたしております。それから、その他の行政用の建築物等につきましてどうするかということにつきましては、関係地方公共団体が公用または公共用にお使いになるという御希望のあります場合には、無償で譲与するということにいたしております。ただ、その具体的な行政用財産の配分につきましては、なおよく現地とも調整をいたしたいと思いますが、国の行政機関で使用を強く熱望いたしておるものもございますので、現地の地方団体との調整の問題が残っております。最終的には政令でその処理をきめたいと思っております。
#292
○上原分科員 アメリカ側との引き継ぎの件はすでに済んでいるわけですが、もちろん、協定が批准されたわけですから問題はないと思うのですが、事務上の手続等はどうなんですか。
#293
○小幡政府委員 アメリカから譲与を受けます財産につきましては、空港、道路、行政用建築物、その他合意議事録にいろいろございますが、その引き継ぎます場合の範囲、数量につきましては、大体アメリカ側と了解に達しているわけでございます。
#294
○上原分科員 先ほど、行政用建築物については、地方公共団体の用に供する場合は無償で譲与する方針だという御答弁でしたが、行政用建築物というのは、ここにありますように、たとえば那覇の裁判所の庁舎だとか、那覇の英語センター、文化センター等々いろいろございますが、例をあげてお伺いしておきますが、那覇の裁判所の庁舎については、一体、琉球政府に譲与するのか、あるいは国が使用するお考えなのか。その点についてはどうなんですか。
#295
○橋口政府委員 那覇の裁判所の庁舎につきましては、最高裁が裁判所としての使用を熱望いたしておりますので、現在では、国がこれを使用するという考え方でございます。
#296
○上原分科員 現在琉球政府が使用している庁舎はどうなんですか。
#297
○小幡政府委員 現在琉球政府が使っております那覇の琉球政府庁舎は、これは、沖繩県がこれを庁舎の用に供することを希望いたす場合には、沖繩県に庁舎の用としてこれを無償で譲与する予定でございます。
#298
○上原分科員 そこで、琉球政府の庁舎と那覇の裁判所の庁舎というのは、これは不離一体のものだとわれわれ見ているわけです。確かに、最高裁判所あるいは国としても、使用したいという強い要望なり、あるいは御計画等もあろうかと思うのですが、琉政側のほうからは、やはり琉球政府に使用させてもらいたいという要求が出ていると思うのです。そういう面で、現地の意向に沿うように意見調整をなさる御用意があるのか。あるいは、先ほど御答弁いただいた方向でやるのか。もし御回答いただければ、賜わっておきたいと思います。
#299
○小幡政府委員 裁判所庁舎は、先生御指摘のように、現在、琉球政府庁舎と同じ地区にございます。琉球政府のほうは、これを沖繩県の県庁の敷地として使用したいという希望を持っておりますが、ただ、これは、米国民政府が裁判所用に建築した建物でございまして、国の裁判所が沖繩に参ります場合に、裁判所用の適当な建物が現在ほかにございませんので、とりあえず、一応これを裁判所が使いまして、将来その辺の土地をどうするかということにつきましては、できるだけ沖繩県の要望に沿うようにいたしたい。これは、譲与を受けましたのは建物でございまして、土地のほうい県の所有になるわけでございます。
#300
○上原分科員 ぜひ現地の要望に沿うように、御配慮を賜わりたいと思います。
 時間が参りましたので、あと一点だけ簡単にお伺いしておきますが、復帰後のたばこ産業の件と、それに雇用されている労働者の件、さらに、製塩業者の件についてどう処置されたのか。大体労使間の合意点も見出したということも聞いておりますが、ひとつ簡単に御答弁をいただきたいし、また、現地側がいろいろ要求されているものに沿うように、ぜひ万全の策をとっていただきたいという要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#301
○北島説明員 沖繩のたばこ産業は、葉たばこと製造たばことございますが、葉たばこにつきましては、四十七年産につきましては、もうすでに種をまいて耕作中でございますので、これは専売法を適用しない、四十八年産から適用する、こういうことにいたしております。沖繩の葉たばこにつきましては、いろいろ問題点もございますが、これから私どもできるだけこれを育成していきたい。悪いくせもあるし、土地もちょっとぐあいが悪い点もありますが、何とかしてこれをできるだけ育成したい。こういうふうに考えております。
 それから製造たばこのほうでございますが、これは現在三社ございますが、三社とも、国から適切な助成が得られるならば自主的に廃業したいというお申し出がございまして、すでに、三社との間におきましても意見の一致を見まして、昭和四十七年度予算で二十一億三千二百万円の予算を組んでございます。これには、従業員の方々に対する退職手当ももちろん含めてあるわけでございます。それからたばこの小売り面等につきましては、できるだけ現状を尊重して、急激な変革を加えないというつもりでおります。
 塩につきましても、大体、現在の再製業者の方はやめていただく。これは補償金も了承しておりますし、あとはできるだけ現地の事情を尊重しながら、現実に即してできるだけ育成していくということでございます。
#302
○森下(元)主査代理 松本忠助君。
#303
○松本(忠)分科員 去る三月三日の予算委員会の総括質問におきまして、私が、日本国有鉄道の所有する未利用地、不用地等を活用して、国鉄の財政再建の一環にせよというふうに訴えをいたしましたが、その際に、佐藤総理も、また、水田大蔵大臣も、未利用地の活用については同感の意を表されました。特に、大臣は、そういうところは、企業努力の一環として、国鉄の手で早く解決せよという御趣旨の答弁がございました。このことは、未利用国有地の有効利用について、地価対策閣僚協議会等においてもたびたび取り上げられている問題でありまして、国鉄所有の土地も、同様趣旨のもとに有効に活用するということは当然のことでありまして、大臣のお考えもそこから出発されたものと考えられるわけでございます。特に、最近、首都東京におきましては、過密化の現象が著しく、また、公害問題も発生しておりまして、生活環境保全をはかるためにも、国有地の有効利用は焦眉の急を要する問題でございます。特に、最近、大震災の周期が近づいているというようなことを申しまして、そのためにも、防災避難の緑地の確保は急がねばならない問題だと思うのでございます。これらの点を考慮されまして、国有財中央審議会に対しまして大蔵大臣が諮問中でございました「都市及び都市周辺における国有地の有効利用について、」ということで、去る三月十日答申がなされたことを私も承知をいたしております。
 そこで、大臣に伺いたいわけでございますが、今後、この答申に基づきまして、都市部におけるところの国有地の有効利用の原則が確立されたと考えて、これを実施されるお考えか。それとも、この答申については御不満があるのかどうか。まず、答申についてオーケーか、あるいは不満があるのか、大臣のお答えを伺いたいわけであります。
#304
○水田国務大臣 答申の趣旨に賛成でございますので、その方向で今後処理していきたいと思っております。
#305
○松本(忠)分科員 今回の答申につきましては、去る一月二十六日開催の第十八回国有財産中央審議会において大臣が諮問をされた案件でございます。従来、このような審議会の答申なるものは、結論が出るまでに非常に長期にわたりまして、時期を失するおそれが多分にあったのが通例でございます。しかるに、今回は、諮問以来わずか四十五日間で結論に達したものでありまして、関係者の御努力に対しまして、われわれも深い感謝の意を表するものでございます。また、大臣も、ただいまの御答弁によりまして、この答申の趣旨を体して、趣旨を尊重されるという御答弁がございまして、私もたいへん喜びにたえないことでございます。
 私、察しますところ、大臣がこの国有財産中央審議会に対して諮問されました背景としては、都内最後の米軍基地返還といわれておりましたところの、いわゆる王子キャンプの返還が昨年十月十五日に実現いたしましたので、そのあと地利用につきましての御諮問ではなかったかと思うのでございます。それと申しますのも、御承知のように、昨年の十月十五日、最後の米軍施設といわれました王子キャンプが返還され、私も、地元の代議士を代表いたしまして、その返還式典に臨みまして、あいさつをいたしました。米軍から国へ返還された十二万三千平方メートルの広大な土地が、都民のために、また北区民のために、公園緑地として、さらにはまた、大震災等の避難地として、あるいはまた、心身障害者児の施設の拡充強化に充てられる、このことを一日も早く実現してほしい、こういう旨のことを、私は、当日の祝辞の中で述べておきました。
 このことは、昭和四十三年の三月に、王子キャンプがベトナム戦争の影響で野戦病院となりまして、これに伴って、地元で種々の問題が起きました。たとえば、反日共系の学生があばれましたり、あるいはまた、米軍兵士が風紀問題を起こしたり、地元のわれわれとしてもたいへん困ったわけでございます。私どもといたしましても、返還を一日も早く実現したいということから、四十三年の四月二十日には、地元の北公会堂におきまして、わが党の竹入委員長、あるいは矢野書紀長なども出席して、ともどもに住民大会を開催いたしまして、その後返還運動を経続してまいりました。また、私自身も、国会におきまして、四十五年の三月十七日に、さらには四十六年二月二十日にこの問題を取り上げて、返還の促進を叫んでまいりました。そのような事情でございまして、この返還は待望久しかったわけでございますが、今回このような答申が出ました。
 そこで、ここへ至りますまでに、地元とし、ましても、キャンプ王子跡地解放北区民協議会というものを結成いたしまして、超党派の運動を展開しまして、三十万人に及ぶ署名を得まして、昨年の十二月二十日には、地元選出の三人の国会議員を先頭にして、大蔵大臣にも陳情に及んだ次第でございます。今回の答申によりまして、地元北区民の長年の希望がかなえられる糸口がついたわけでございますが、この答申を基礎にして大蔵省でお考えになっているところの具体策、たとえば公園緑地の規模とかあるいは心身障害者児の諸施設とか、さらにはまた一部が都道に開放されるとか、こういう話も聞いておりますが、その構想につきまして発表していただきたいと思うわけでございます。
#306
○水田国務大臣 地元からの超党派の御要望もございまして、大蔵省は、慎重に事業計画を検討しました結果、このほどようやく地元北区及び東京都と調整がつきましたので、事業計画案を作成いたしましたので、これは国有財産関東地方審議会に諮問した上で正式に決定するということになろうと思いますが、一応この計画案ができましたことにつきましては、理財局の次長から内容を説明させます。
#307
○小幡政府委員 キャンプ王子のあと地の利用計画案でございますが、この三月十日に国有財産審議会で答申が出ましたので、その答申にありますような考え方に即しまして、これを公園と社会福祉関係施設に転用するということにいたしまして、全体で十二万三千平方メートルでございますが、そのうち公園に約六万四千平方メートル、それから社会福祉関係施設でございますが、これは精神薄弱児の養護学校、肢体不自由児の養護学校、それから肢体不自由児施設、心身障害者の職業訓練授産施設、それから心身障害者の総合レクリエーションセンター、こういった社会福祉関係施設合わせまして、これに約五万平方メートル、残りの約九千平方メートルは道路に充てる。大体そういった事務局案を一応内定したわけであります。
#308
○松本(忠)分科員 そこで、確認しておきたいわけでございますが、これらの施設につきましては、有償の払い下げになるのでしょうか。それとも、無償払い下げか、あるいはまた付帯条件が何かあるのかを伺っておきたいわけであります。
#309
○小幡政府委員 公園につきましては、これは無償貸し付けでございますが、ただ、今回の答申にあります考え方に従いまして、無償貸し付けに供する面積とおおむね同程度の面積を、東京都が、都の区内で公園緑地の用に新しく供する。こういうことを付帯条件にするということで、東京都はこれを了承しております。
 それから、社会福祉関係施設でありますが、これは、法律に従いまして、時価の五割減額の売り払いということになるわけでございます。
#310
○松本(忠)分科員 いま御答弁がございましたように、福祉施設の用地は五割の有償払い下げというようにお伺いするわけですが、具体的な金額では幾らくらいでございましょうか。
#311
○小幡政府委員 あのキャンプ王子地区の土地の財産の評価でございますが、正式の契約までまだだいぶありますので、確たる評価はしておりませんが、いまのところ、あの辺は、坪当たり、現時点では大体三十万円弱というところであろうかと思います。
#312
○松本(忠)分科員 そういたしますと、計算上の金額は、具体的に大体幾らになりますか。
#313
○小幡政府委員 約五万平方メートルといたしますと、大体四十五億程度になりまして、その半額でございますから二十二、三億ということであろうかと思います。ただ、これはあくまでも現時点でございまして、今後時間が経過すれば、時価というものはだんだん上昇してまいりますので、もっと上がるのではないかと思います。
#314
○松本(忠)分科員 この問題につきまして、最後のお尋ねでございますが、先ほど大臣からもお話がございましたように、国有財産の関東地方審議会、ここで正式にきめなければ、最終的、確定的なものは言えない、これが開かれまして、具体的に払い下げになる、あるいは貸し付けになるということですが、その時期は、大体ことしの何月ごろと予想してよろしいわけでしょうか。
#315
○小幡政府委員 一応、関東地方審議会を五月の初めごろ予定しておりますので、あとは東京都との間の契約の締結事務となるわけでございますが、できるだけ早くやりたいと考えております。
#316
○松本(忠)分科員 私ども地元の人間といたしましても、この開放を一日千秋の思いで待っておったわけでございます。いま大臣並びに次長からもお話がございましたように、今年の五月には大体めどがつくということでございますので、私どもも非常に喜びにたえないわけでございますが、どうか、一日も早くこの問題が完全に処理できまして、地元のために開放されることを切に祈り、かつまた、大臣にお願いしておく次第でございます。
 それから、次にお願いいたしたいことは、これも、三月三日の予算委員会の総括質問のおりに、高崎駅の構内に国鉄の所有地がございますが、ここに隣接するところの日本専売公社の倉庫用地について大蔵大臣にもお尋ねをいたしました。その節、大臣は、この問題については十分研究したいというふうな御答弁がございました。この点をきょうは少し突っ込んでお伺いしてみたいと思っておるわけでございます。
 先日も申し上げましたように、高崎駅構内の整備につきましては、現地の声もございまして、私の考えを申し上げたわけでございますけれども、その節、専売公社の総裁はおいでにならなかったと思いますので、あらためてもう一度申し上げてみたいと思いますが、高崎駅もやがては新幹線が通ることになります。そうなってまいりますと、この駅舎に隣接していま専売公社の倉庫がございますが、これは葉たばこあるいは塩などが収納されているように聞き及んでおりますし、十分利用されておることも私は承知しておりますけれども、単に倉庫として利用しているのはもったいない一等地だと思います。高崎市のほうでも、昨年の十二月の二日に、駅前広場に利用したいので払い下げてほしいという陳情がなされていることも承知をしておりますが、この倉庫を、たとえて言うならば、倉賀野駅の貨物の集約基地に代替を求めて移転をして、そのあとに、隣接の国鉄用地と一体化して中高層の住宅をつくってはどうか。もっとこまかく言うならば、一、二階を駅ビル式のマーケットにし、三階以上を公共住宅として建設するならば、通勤も便利であるし、東京まで一時間という距離は、最近の住宅事情から言うならば、やむを得ない通勤の時間であるし、また距離であろうと思うわけであります。去る三日にも、この意見に対しまして、西村建設大臣も質問を表されました。また、佐藤総理も、この構想はしばしば聞いていると言われました。鉄道のそばに住宅ができるということは、たいへん利便で、けっこうだが、運輸大臣、建設大臣、大蔵大臣の三大臣が答弁したけれども、危険性の問題が一点残っているのではないかというふうに総理も指摘しました。すなわち、鉄道のすぐそばに住宅ができる。こういうことになると、子供の遊び場等も必要であろうし、子供が遊ぶ場合に危険があっては困るということで、建物だけでもいけない、その辺のところを考えなければならないと、総理からもたいへん理解ある答弁があったわけでございます。
 以上のような次第でございまして、専売公社の総裁に先般のこともあらためて申し上げたわけでございますが、ここで、大蔵大臣と公社の総裁から、この構想についての御意見を――大蔵大臣も、先般は、研究してみるとおっしゃっておりましたけれども、そのままの状態か。あるいはまた、公社の総裁としてはどのようにお考えであるか。この点を伺いたいわけでございます。
 なおまた、公社の総裁からは、高崎市から出ているところの払い下げの要請に対して、どのような御返事をされているか、この点もあわせて伺いたいと思うわけでございますし、さらに、公社側として払い下げの条件というものがあればお示しをいただきたいと思うわけでございます。
#317
○北島説明員 ただいま御指摘がございましたように、昨年の十二月に、高崎の市長から、将来の上越新幹線の駅前広場の区画整理事業として、専売公社の倉庫の敷地を譲渡してほしいというお申し出がございました。専売公社といたしましても、地域社会に協力する意味で、ことに、地域開発については、私ども十分協力しなければならぬと思っておりますので、かわりの敷地、倉庫を市がもし確保してくださるならば応じてもよいというつもりでおります。こまかい条件については、これから市とお打ち合わせをするつもりでございます。
#318
○水田国務大臣 私も、いま事情をお聞きしましたが、いま公社の総裁が答えられたとおり、公社としては、倉庫の代替敷地があるならばこれはけっこうだというようなお話がございました。
#319
○松本(忠)分科員 総裁に重ねて伺いますが、要するに、代替地があればよろしいと言うのですが、それは何か条件つきでございますか。要するに、いまのような倉庫あるいは最新式な倉庫を建てろとか、あるいは、その建てたものの値段と現在あるものとの差額が出たような場合にはどうするとかいう、そういった点についても総裁は何かお考えになっていらっしゃるのか。具体的な点があれば、地元の老の強い要望もありますので、それらの点についても、今後私どもも検討を加えて、お願いをいたしたいと思っておりますので、重ねてお伺いいたします。
#320
○北島説明員 現に、この倉庫は塩の倉庫として活用いたしておりますので、やはり倉庫がないとぐあいが悪いわけでございます。かわりに適当な場所に倉庫がほしいということでございます。具体的な条件につきましては、またこれから市といろいろ御相談しなければならぬと思います。
#321
○松本(忠)分科員 以上でありますけれども、とにかく、国有財産の有効活用という点に対しましては、先般も、私、総括質問で、国鉄用地を取り上げまして申し上げたわけでございますが、大蔵当局でも、このような用地の活用については十分お考えもあることと思います。どうか、今後有効適切な活用をされるように心からお願いをしておく次第でございます。
#322
○森下(元)主査代理 東中光雄君。
#323
○東中分科員 いま相続税などで物納された財産、いわゆる物納財産について非常に不合理な面があり、また、物納財産の借地借家人等に対する非常に不当な権利の制限がやられておりまして、ずいぶん京阪神あるいは東京周辺では問題が起こっておるわけです。その点についてお聞きしたいと思うのです。
 相続税による物納の許可されている件数は大体どれくらいあるのか、四十五年度がわかりましたら明らかにしていただきたい。
#324
○江口説明員 四十五年度について物納の状況を御説明したいと思いますが、期間は四十五年の四月から四十六年の三月の年度間でございます。いろいろ財産の種類がございますが、土地関係では申請が五百四十八件、建物が五十九件、有価証券が百八十四件、合計で七百九十一件ということに相なっております。
#325
○東中分科員 土地、建物だけでいいのですが、これは借地借家人別にすれば件数はどれくらいになるのですか。
#326
○江口説明員 いま手元に権利別の内容の資料を持っていないのでございますが……。
#327
○東中分科員 私の手元にあるのでは、昭和四十年から四十四年までの分を見てみますと、大体借地借家人別の件数にすると、二倍から七・五倍くらいになっておるようであります。
 それはいいのですが、そういう場合、この物納不動産の収納価額ですね、それはどういう根拠で価額算定をされるのか、その点をお聞きしたい。
#328
○江口説明員 物納財産の収納価額は法律で規定がございまして、たとえば相続税の場合には、相続によって取得したときの時価、それをそのまま収納価額にするということになっております。
#329
○東中分科員 ですから、相続したときの相続税の価格、それはいいのですが、その収納価額自体はどういう形で評価するのですか。
#330
○江口説明員 最近の物納で特に問題が多いと申しましょうか、なかなか理解しにくい財産の種類は土地でございますが、土地を代表にとって評価の方法を御説明したいと思います。
 法律では、特に土地、家屋あるいは立木といったようなものにつきましては、相続税法の二十二条に、相続等によっての取得時における時価という原則規定だけがございまして、これに対する時価の算定方法についてのこまかな規定は、現在の税法上はございません。したがって、この時価をどう判定するかということにつきまして、部内で評価基準というものをつくっておるわけでございますが、土地の場合を代表に御説明いたしますと、土地につきましても、宅地ありあるいは農地あり山林ありということでございまして、それぞれの場合にそれぞれの評価の基準がございます。たとえば農地の場合ですと、市街地農地、市街地周辺農地あるいは中間農地、純農地というように四種類に分類いたしまして、市街地農地につきましては基準価格という計算の方式をとっております。基準価格と申しますのは、その目的物の所在地の付近で幾つかの売買実例がございます。その売買実例が一つの判断の要素になる。これだけでは非常に不動産の場合には価格の変動が激しいために危険でございますので、さらに精通者の意見――精通者の意見というのは、私どももそのつど委嘱する場合、あるいは毎年定期的に委嘱する場合もございますが、不動産関係にたんのうな金融機関、あるいは不動産鑑定士、あるいは地方公共団体の評価担当者といったような方をお願いして、いわゆる意見をお聞きするわけでございます。
 それから、最近の新しい情勢としましては、例の地価の公示価格が、まだ全国では千三百数十程度しか公表されておりませんが、もしそれがあるところにつきましては、これも有力な判定要素といたしまして、総合的に判断して最終的に適正な時価というものを定めるわけでございます。
 ところが、一般的に相続税の場合には、もし税金を納付するために当該財産を処分しなければならないということになりますと、おおむねわれわれの経験によりますと買い手市場になるという問題がございます。したがって、相続税の時価評価の場合でも、これをかた目に見る必要があろうかというふうに考えております。従来、われわれの評価基準の考え方としましては、おおむね時価の七掛け程度を基本にするということで評価を進めておるわけでございます。ただし、最近十年のような不動産の上昇が非常に激しいような状況がございまして、いま申し上げました、いわゆる一般的な取引価格の七割ということを目途にして作業はいたしてございますが、必ずしも地価の上昇状況に追いつけないという事情がございまして、これは税制調査会等の御指摘等もございまして、昨年から三年間に分けてこの評価の是正の作業をいたしているところでございます。ちなみに、四十七年度の評価の状況を見ますと、いわゆる一般的な取引に比較しまして、相続税の評価額はおおむね六五%程度で、地域によって若干の浮き沈みはございますが、おおむね六五%程度ということで現在評価をしておるわけでございます。
 それから、市街地周辺農地といったようなものにつきまして、あるいは中間農地、純農地につきましては、固定資産税評価額をもとにいたしまして、これに一定の倍率をかけて評価額を算定しております。この場合の一定の倍率をかけた最終的な評価額も、先ほど申し上げましたように、一般の取引価格に対してはおおむね七割程度を目途にする、こういうことになっております。固定資産税評価額にかけますところの倍率は、先ほどと同じように、付近の売買実例あるいは精通者の意見等を徴しまして、それに合わせまして固定資産税評価額で割ったものが結果的には倍率ということに相なるわけでございます。
 宅地につきましては多少状況が違いまして、いつ、どういう建物が建ったかということで、当初にさかのぼりまして一応評価をし、その後償却年数がたっておれば、その減価償却分を差し引いたところで相続の時点での評価を行なう、こういうふうな形の基準がございます。
 以上でございます。
#331
○東中分科員 宅地の場合には当初にさかのぼって評価する、いまこう言われたのですが、建物じゃなくて宅地の場合ですよ。それで償却も計算してやるのですか。それから時価ということになっているのだから、売買実例その他については市街地農地とは全然別のやり方をやっておるということなのか、その点非常に簡単に言われたのですが、宅地関係はどうですか。
#332
○江口説明員 あとで申し上げましたのは建物の関係でございますが、先ほどちょっと申し落としましたが、宅地の関係は農地とやや違っておりまして、市街地地域に該当するものにつきましては、路線価方式というものを採用しております。この路線価というのは、大体農地の場合と同じように、売買実例あるいは精通者意見といったようなものを中心にして宅地の評価をする、それ以外の場合は農地と同じように固定資産税評価額に一定の倍率をかけたものを時価としておる、こういうことでございます。
 建物の場合には、その建物がつくられた当時の価格をもとにいたしまして、これに対して経過しておる年数に対応した減価償却費というものを見た上で取得の時点での評価をきめる、こういうやり方をやっております。
#333
○東中分科員 どうもあなた先ほど言われたのは、宅地と言って建物のこことを言われたように聞いたのですが、結局宅地についての評価のやり方は、路線価方式でやっておる、売買実例なりあるいは精通者の意見を聞いて、公示価格のある場合は公示価格を参考にしてきめるということなのかそうでないのか、ちょっとはっきりしていただきたい。
#334
○江口説明員 宅地の場合には、市街地を形成しておる地域の分につきましては路線価方式で評価をきめております。それから市街地以外の地域の宅地につきましては、固定資産税評価額に対する一定倍率方式ということで、倍率をかけたもので評価をしております。
#335
○東中分科員 いずれにしましても、そのやり方というのはいろいろありますけれども、法律上は時価ということになっておるわけですが、この収納された物件、いわゆる物納物件を今度は借地権者もしくは借家人、いまの場合は問題を簡単にするために借地権者に売り払いをする場合、その評価はどういうふうにやっておられるのか、理財局のほうで……。
#336
○小幡政府委員 物納されました財産を一般に売り払います場合には、普通の国有財産の売り払い評価基準と同じような基準によりまして、売り払い時点におきます時価で評価いたしております。
 その評価の方法でございますが、具体的に申しますと、大体ただいま国税庁から御答弁がございましたのと同じような手法でございますが、売買実例価格、それから相続税の課税標準価格、それから固定資産税の課税標準価格並びに民間精通者の鑑定評価額、こういうものを総合勘案いたしまして設定する。この場合、その地域に地価公示法によります公示価格があります場合には、その公示価格との均衡をとるように留意しているわけでございます。
 そういたしまして、その土地に借地権者があります場合には、さら地としての評価をいたしました価格から当該借地権の権利相当額、これを控除して評価をいたしておりますが、ただ、先ほど国税庁から御答弁がありましたように、国税のほうの収納価額は大体通常の売買価格の七掛け程度、かた目に評価しておりますのに対しまして、国有財産の売り払いにあたりましては、その時価そのものということで評価しております。その点が違うのではないかと思います。
#337
○東中分科員 大臣にお伺いしたいのですけれども、法律あるいは規則では、いずれも時価ということになっておるわけであります。ところが収納価額はいま七〇%と、非常にかたく見積もっておると言われたわけですけれども、本来金納が原則で、許可をもらって物納をするわけですけれども、その物納する場合には非常に安く見積もった価格で買い取る。買い取ると言うか、物で納めさせる。そうしておいて今度はその物件を、借地権者などがいる場合にはすぐ売り渡すのが原則になっておるわけです。その場合は、同じように時価ということになっておるのに、今度は、いまの御説明だけでも三〇%上がるということになるわけですね。これは何か不動産屋が物を買って三〇%口銭を取って売っているようなかっこうになるのですが、法律のたてまえはどっちも時価ということになっておる。そういう中で、売り払いを受けたいと思っておる人も価格がぱっと上がるものですから、買えないという事態になっておるのですが、こういう差をどうお考えになっておるか。
 大阪市のいま問題になっておる三区、都島区、城東区、旭区にまたがっておる相当大きな地域の物納財産があるわけですけれども、それを見てみますと約八割上がっておるわけなんです。収納価額と売り払い価格として出しているのと、その時差修正もありますけれども、ほんの一年余り、二年そこそこの間に八割くらい上げておる、こういうことで売り払いあるいは払い下げといいますか、これができなくなっている。一般借地権のある側から見れば非常に納得のいかぬことなのですね。それじゃ物納を許可する前にその物納者に売らせれば、こういう問題が起こらなくて済むわけなんですけれども、こういう点非常に不合理な状態が起こっておるのですが、どうお考えになっておるか。このままほうっておくと、どうも社会正義感から納得しない。何か国が取引業をやっておるようなかっこうになってしまうというように思うのですが、いかがですか。
#338
○中橋政府委員 相続税の問題の時価というお尋ねでございますので、私から先にお答えをさしていただきますが、相続税といいあるいは固定資産税といいましても、すべて時価を基準といたしておることになっておりますが、大体その時価が何かということは、ただいま御指摘のように非常にむずかしい問題がございます。かたがた国有財産売り払いの時価というのも別にあるではないかという御指摘でございますが、相続税を課税いたします場合の時価といいますのは、やはりその処分価格をもとにしなければならないのではないか。したがいまして、先ほどの国税庁から評価基準のお話がございましたときに、やはり売買実例というのが頭にあるということでございますが、当然処分価格でありますから、他の同じような性格の土地がいかなる価格で売られているかということを基準にするというのは、当然のことだと思います。
 しかし問題は、相続税の評価は、現実には売られていない財産をその処分価格を求めて課税いたすわけでございますから、どうしても推定という要素が入らざるを得ないわけでございます。参考にいたします売買実例というのは、これはもう売り手と買い手の両人が一致をいたしまして、必要のある人と売りたいと思っておる人の一致点というのが現実にあるから、そこに売買価格というのが実例としてあるわけでございますけれども、相続税として取ろうとする時価はまだそこまで至っていないのでございますから、そこにむずかしさが出てくるわけでございます。その方が本来いまそこで、相続の時点で売ったとしたならば、どのくらいの処分価格を得られるであろうかということを見出すわけでございますので、売買実例を参考とはいたしますけれども、それはあくまでも参考なのでございます。
 したがいまして、やはりそこに一種のアローアンスと申しますか、いま国税庁からも御説明いたしましたように、三割程度のものを見ておるというわけでございます。それで相続人のほうは、それじゃそれは低過ぎるからというお考えでございますれば、相続税もやはり金納がたてまえでございますから、御自分で処分をなさって金納をしていただければそれでいいわけでございます。どうしても何らかの事情で金納できないと言われる方には物納ということが起こるわけでございますから、物納いたします場合には、それは上がる場合もありましょうし、下がる場合もございましょうから、相続財産として課税しますところの価格をもって物納を認めざるを得ない、こういうたてまえになるわけでございます。
 したがいまして、非常に何かしっかりした相続財産の評価というある一点の価格があって、それを何か三割アローアンスを引いておるというような印象をお持ちいただくと非常に困るわけでございまして、そこにはやはり、先ほど申しましたように、推定価格にならざるを得ないということがあることを御理解いただきたいのでございます。
#339
○東中分科員 相続財産の評価の場合には売り手市場と考えるから、だから七掛けぐらいにしておるんだ、こういうことですが、売り手市場だから普通の売買実例より下がる、こういう考えではないのですか。さっき七〇%ぐらいということを言われたのは、いまの審議官の答弁とちょっと違うように思うのですが、どうですか。
#340
○中橋政府委員 私が申しましたのは、売買実例というのは、現実に売りたい人と買いたい人がその土地をもとにいたしましてぴたっと合ったという価格が現実にあるから、そこに一つの価格をわれわれは認識できるわけでございますが、相続税の時価というのは、現実に売りに出ていない、あるいは買いにこられていないその価格を一応評価いたさなければならない。そこにむずかしさがあるので、売買実例を基準にいたしまして、一種のアローアンスを認めざるを得ない、こういう意味で申し上げたわけでございます。
#341
○東中分科員 じゃ、国税庁のほうで言われた七〇%というのは何ですか。
#342
○江口説明員 いま主税局から御説明申し上げましたとおり、われわれの見ております時価というのは、売買実例はすでに過去に実現しておるものをもとにいたしまして、その周辺については有識者の意見を聞く。そういたしますと、過去たびたびそうした有識者の意見を聞いてまいりますと、その意見の中にも相当の幅がございます。いままでの実績によりますと、おおむね三割程度の幅があるわけでございます。そこでわれわれのほうとしましては、先ほど先生売り手市場と申されましたが、実は買い手市場になるわけでございます。売りのほうの立場が弱い立場でございますので、買い手市場になることになるわけでございますが、そういたしますと、有識者の意見等に三割の幅があるとすれば、やはり下のほうの段階、つまり根っこから言えば七割の評価をすることが最もかたいであろう、こういうことで七掛けの評価をしておるということで、水準を下げておるということではない。むしろかた目のほうの意見に近いものを採用しておる、こういうことで申し上げたつもりでございます。
#343
○東中分科員 売買実例というのは一つの例を言うんじゃなくて、その近辺で売りたくて売りに出して、安い値で売った人もあるだろうし、それから買いたくて無理に買った、だから非常に高い値段で買った人も、その土地がほしいんだといって買った人もあるだろう。それを平均して売買実例という。だから売買実例というのはずいぶん差がある。その三割ぐらいの差、あるいはもっとあるかもしれません。しかし、その一番低いかたいところでいくと、まあ突発的な、統計の外にはずれるようなものははずして、三割差があるとすれば一番下である、こういうふうに言われていると思うのですけれども、しかし、そういう評価を現実に売られていないんだけれどもする。それから今度は売り払いの場合は、同じそういうふうにして入った物件を、買いに来ているのじゃなくて払い下げをするのが原則になっていますから、だから、買いなさいという形で理財局のほうは出されるわけですね。これはまさにいま買いに来ているんじゃなくて売りに出されるわけなんです。ちょうど相続財産がまだ現実に売られていないけれども、売ろうというそういう価格で評価されているんだったら、今度は売り払うのが原則になっおって、売り払うために買い手市場でものを出されるときに今度はぱっと上がる。
 しかも、その上がり方が、いまのお話だと三割ぐらいの差しか出てこないことになるはずなんだけれども、私が直接聞いて地方財務局とも交渉したんですが、八割ぐらい上がっているのですね。これでは国民は納得しないですよ。関係者はどうしたって納得できない、こういう事態が起こっておる。同じ時価だということを言っておって、理論づけをどうされようと、どっちも買いたいと言っている物件じゃないという点で、言うならば、いわゆる持ち主の側が売るという価格でやっておるはずなんですから、これは大臣、どうしたって現実にその関係者というのは理解できないわけですね。ついこの間、時価だということで評価した価格、本人の希望によって国税局が物納で認めた価格があって、それを今度は理財局のほうで再評価をやったらぐっと上がっちゃった。しかも時価だと言っている。これは非常に不合理な状態ですので、大臣としてどう考えられるか。これはその理屈づけは同じことをおっしゃっておるわけですからね。理屈づけの根拠になっているのは、売買の実例を見、それから公示価格がある場合にはそれを参考にし、有識者の意見を聞きやるんだ。同じことを言っているのです。どういうふうにお考えになるか。これは大臣の所見をお聞きしたいのです。
#344
○水田国務大臣 物納ということである以上は、この収納価額を高くするということは、相続税を全般として上げるということにつながっている問題でございますので、したがって、そういう売買時価というものと違ってくるというのは、これはやむを得ないと思いますが、もしおっしゃられるように、そんなに大きい差があるということでしたら、納めるほうがなぜ金納をしなかったかということにもなろうと思います。もしそんなに違うとするんなら、金納にしなかったということは、私は少しおかしいんじゃないかと思います。
#345
○東中分科員 金納しなかったというよりも、金納しているんですけれども、それを今度は財務局が売り払いの通知を出していろいろ借地人に言うのですが、借地人のほうは高くて買えないのです。だから全然買わなくて、どんどん借地契約になっていくわけです。だから理財局は、物件を処分するのは原則だと言っているけれども、そんな高い値段をつけるものですから買えなくて、結局全部貸借契約になって、それがまた今度は人が足らなくて貸借契約が結べない。これは次の問題でお聞きしたいと思っているのですが、そういう非常に不合理な状態が起こってきているのですよ。不動産管理業者みたいなかっこうになってしまっている。
#346
○小幡政府委員 相続税の収納価額といいますのは、これは相続開始時点における評価額でございます。ところが物納の申請をいたしますのは、その後六カ月、納期限までです。ところが物納の許可をし、それからそれが収納され引き継がれるというまでの間に相当の期間がございます。それから、これを国有財産として売り払う場合に、権利者はそうすぐは買ってくれない、したがいましていろいろ時間がかかる、それが四年も五年もかかっている、こういうのが相当多いわけでございまして、先ほど申しましたように、同じ時点で比較すれば確かに七割と一〇〇%の差かもしれませんけれども、売れる時点のズレというのは相当ございます。それで、いろいろ例がございますが、収納価額と比較しまして四倍とか五倍というのが相当ございます。それがこの価格の開差の問題であります。
 それから、国有財産を売り払う場合に、不当に高いではないかというような御疑問があるとすれば、私どものほうとしましては、先ほど申し上げましたように、それを一般の国有財産として適正な時価で評価している、しかもそれは地価公示法の公示価格、これと比較していただければわかりますが、これと比べて決して不当に高いことはない、そういうのが現状でございます。
#347
○東中分科員 四年も五年もしょっちゅうかかっているのですか。そんな怠慢なことをやっているのですか。その間、借地権者は全く宙ぶらりんに置かれているということになるじゃないですか。地代も取っておらないし、物納申請は確かに六カ月かかってやってしまう、そして四年も五年もほうっておく、そういう状態でやっているのが理財局としてあたりまえだとお考えになっていらっしゃるのですか。現実にそうなっていないじゃないですか。そういうような特別な例もあるかもしれませんけれども、私がいまここに持っているのは、四十三年十二月二十四日大蔵省所管の普通財産となりました。だから買い取りをしてくださいという通知が四十五年一月二十七日に出されておる。これは長くかかっておりますけれども、しかし一年ちょっとです。
#348
○小幡政府委員 先生のおっしゃいましたその四十三年十二月というのは、これは国に引き継いだ時点でございます。その財産の相続開始の時点がいつかということをお調べになれば、相当かかっているのではないかと思います。
#349
○東中分科員 相続開始の時期は昭和四十年、確かに四、五年かかっている。財産を物納するということでそれを許可されたことによって、結局四年余りかかっている。この間その借地人とか借家人、要するに物納された人たちは全く宙ぶらりんで、所有者がわからないという状態に置かれているわけです。物納制度の運用がこういう形でやられているからそういうことになる。そしてその結果、この書面というのは、私いま読み上げましたように、そういう国の普通財産となりましたということで、「物納された土地、建物は速やかに使用者に時価で売り払うたてまえになっておりますが、やむを得ない場合には、新規条件により国と賃貸借契約を締結することになっております。これらの手続きを進めるため、ご相談申し上げたいので」いつ幾日来るようにお願いいたしますという書面が来るのですね。大体そういう扱いをされておるのですか。
#350
○小幡政府委員 物納として許可がありまして収納されるまでは、これは税務署の段階でございますが、収納されましたら財務局で扱うわけでございます。そういたしまして財務局としましては、それに借地権者、借家権者があります場合、これはやはり契約一般の原則からいいまして、当然前の契約内容を引き継ぐというのが筋であろうかと思います。
 ただ、そういう財産につきましてはほとんどが口頭の契約でありまして、正式の文書による契約ができていない。国といたしましては、やはりこういったものの財産の管理上、文書による契約の形で明確な処理をしなければいかぬ。そういうことで一年以内にこれは一定の契約を、文書によります賃貸借契約を締結するようにということで、財務局が権利者に対して交渉をしている、そういったのが実情でございます。
#351
○東中分科員 二つ問題があるのですが、物納許可をしてから財務局へ移るのが数年かかっている、それからあとまた引き継ぐのに一年ほどかかっているわけですが、国税庁のほうは大体それくらい普通にかかるものだというふうに、実際上の扱いはそうされておるわけですか。
#352
○江口説明員 詳しいことは、実は徴収部のほうが一番詳しいわけでございますが、私、手元にございます資料で承知をしている限りの点を御説明をしたいと思います。
 物納の申請が出ましてから、もちろん物件の内容の複雑さにも期間が影響してくるわけでございますが、権利関係の複雑しておるようなものにつきましては、申請が出ましてから物納許可までにかなりの時間がかかるということが言えようかと思います。
 その原因を若干例をあげて申し上げてみますと、たとえば土地の実測図を出していただかなければならぬ。これはあとの登記の関係もございますし、権利の確定をしていただかなければならぬということで、納税者の方に実測図の提出を求めます。これにかなりの時間がかかります。それから隣接地主との権利関係を明らかにしなくてはならないといったような場合には、やはり当該納税者の方と隣接地主の方とで協議をしていただく、これにもかなり、最近のような事情でございますと時間がかかっておるようでございます。それから相続の登記の関係の遅延、これは納税者の方の手続の問題でございますが、これも時間がかかるという原因になっております。それからそのほかに、借地権等がありました場合には、やはりその財産にかかわりのある権利関係については明らかにして国のほうに引き継がなければならないということでございますので、これも物納の許可の前に確認をしなければならぬ。これも納税者の方と、たとえば借地人との関係で明確な手続を踏んでいただくということで、まあ手続の煩瑣の面につきましてはなお改善の余地がある部分があるかと思いますが、現在のところでは、さらにその納税者と権利欄係のある人との争いを避けるといったような手続のために、かなりの時間を要しておることは事実でございます。
 ただ、単純な財産でございます場合には、たとえ宅地等でございましても、そうしたほかとの権利関係のないもの、あるいはすでに実測の済んでおるといったようものにつきましては、御指摘のように何年もかかるということはないということで、このかかりぐあいの期間につきましては、それぞれの物件ごとにかなり幅があるというふうに私の手元の資料ではなっておりますので、御了承いただきたいと思います。
#353
○東中分科員 第三者、要するに全く納税者とも国税局とも何の関係もない人が介在しているときにひまがかかるというのです。要するに借地権者がおり、借家権者がおる場合にひまがかかるということをいま言われておるわけでありますけれども、そのひまがかかっておる期間は、借地権者なり借家権者の第三者は全く宙ぶらりんの状態に置かれて、非常に不安定な状態に置かれているのです。不安定な状態に置かれる期間が、人がおるときには長くなるというわけですから、これは全く物納制度を実際に処理するしかたが、そのことによってほかの関係のない国民に相当長期間大きな迷惑をかけているということを認めていらっしゃるようなことになるわけですが、これははなはだもってぐあいが悪いと思うのです。
 時間がありませんので、法務省から来ておられるのでひとつ確認をしておきたいのですが、いま理財局次長のお話では、借地権の内容がはっきりしていない、あるいは文書のないものが非常に多いということですけれども、それは借地権者であるということは認めての話です。当然借地権があるかないかというのは、地代を払っているか払っていないかということでもうきまってしまうわけだと思うのですが、その場合に、そういう地代のとりきめだけしてある前の契約、借地契約があるという状態で物納財産になって国が所有者になった場合、その契約はその前のままの状態で引き継ぐ、当然自動的に引き継がれておる、あらためて賃貸借契約を締結しなければならぬ、「新規条件により国と賃貸借契約を締結することになっております。」と、こういうものではないというふうに思うのですが、その点法務省、どうでございましょうか。
#354
○時岡説明員 これは借地権が対抗力を持っている場合と持っていない場合と両方あると思いますが、お尋ねの場合は、借地権が対抗力を持っている場合であろうかと思います。その場合におきましては、土地の所有権が地主から国に移転されるという場合には、その旧地主とそれから借地人との間の借地関係は、そのまま同一性を維持しながら国に移転するという解釈になろうかと思います。
#355
○東中分科員 建物保護法のたてまえから言えば、新規条件により国と賃貸借契約を締結することになっておるというようなことは、新所有者である国は言えない。もちろん自動的に対抗要件がある場合のことを言っておるわけですけれども、その場合は契約は引き継がれて、ただ国側が手続をいろいろやっておってはっきりしないから賃料の受領遅滞におちいっているだけだ、こういうことになるんではないでしょうか。その点もう一点確認をしていただきたい。
#356
○時岡説明員 受領遅滞になるかどうかは、ちょっと場合によって違うかと思いますけれども、いずれにいたしましても、国がそのまま借地契約を承継するということは間違いないと思います。
#357
○東中分科員 物納許可を受けた所有者は、もう物納したから私たちのほうは地代はもらいません、こう言います。手続が済んでいないから登記はまだ国の名義になっていない。国の名義になったら理財局にいきますけれども、理財局はこの通知を出すまでは何も言ってこないわけですから、だから所有者がわからなくなってしまうわけですね。これは結局借地権者の責めに帰す事由は何もなくて、所有者の交代による手続上の受領遅滞とか、そういうようなことになるというふうに解釈する以外にないと思うのですけれども、その点どうでしょうか。
#358
○時岡説明員 まだ国に移転登記が済まない段階でございますから、借地人は旧地主を賃貸人として扱えばよろしいわけでございます。それからまた、債権者を確知することができなければ供託といったような方法もあるわけでございます。
#359
○東中分科員 いずれにしても、いま民事局のほうで言われているものでは、新規条件により国と賃貸借契約を締結することになっておるという性質のものではないと、これははっきり言えますね。もう一回確認していただきたい。
#360
○時岡説明員 そのように考えます。
#361
○東中分科員 ところが、財務局のほうではこういう文書を関係者にさあっと送られるわけですが、これは一体どういうことになっておるのでしょうか。
#362
○小幡政府委員 おっしゃいますように、私どもの考えは、原則としましてもとの賃貸借関係が継続していると見てよろしいと考えておりますが、先ほど申し上げましたように、国としては財産管理上の一定のフォームによりまして文書の形の契約にする。その場合、実はそこに「新規条件」と書いてありますが、若干不正確でございまして、貸し付け条件のうちで主体をなします貸し付け料、これは実は前の額に据え置いているわけでございます。ただ、契約条項がいろいろございますが、これがほかの国の財産の貸し付け契約、それと同じフォームを使っている、こういうことでございまして、実態は、おっしゃいますように、大体前の内容を継続しておると考えてよろしいと思います。
 ただ、そういう財務局の通達ですね、それが確かにおっしゃいますように適当でない節がございますので、その辺は至急修正するように措置したいと考えております。
#363
○東中分科員 いま契約のフォームがあると言われましたが、「国有財産賃貸借契約書」これを私ここへ持ってきておりますけれども、このことを言っていらっしゃると思うのですが、この内容が全然普通にやられていない内容のことが書かれている。ずいぶん借地権者の権利を制限することが書かれているということなんですが、そうすると、この契約審にサインをしろ、捺印をしろということでやられておるのは、前の契約を当然引き継いでおるんだということであれば、契約はもうすでにできておるのですから、それと全く違った、相手方にとって不利な契約書をぱっと全部送りつけるというのは、この契約に契約内容を変えろということがいわれておるのか、あるいはフォームだけをそういう形にするということをいわれておるのか、どちらですか。契約は前のやつを引き継いだままの契約が存在しているので、ただ形だけこういうふうにするのだということなのか、その点はいかがでしょう。
#364
○小幡政府委員 何らの行為もせなければ前の賃貸借関係が継続するわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、こういった文書の形での契約にいたします場合に、相手方と交渉しましてこういった条項の契約内容にしてほしい、こういうふうに相手方と話して合意が成立した場合にこういう方式になる。したがいまして、その意味におきましては相手方との交渉ごとでございます。
#365
○東中分科員 それではまるっきり先ほど言われているのと違うわけです。この「お知らせ」という財務局名で出された文書によると、「新規条件により国と賃貸借契約を締結することになっております。」これを最初に言って、次いでまた、「国有財産の貸付について」という、こういう文書を出す。全部番号がついている。それによりますと、「契約書二部を送付しますから、記名押印の上二部とも折り返し返送願います。」そして二部返ってきたものの一部に、今度は財務局のほうが判を押して一部送り返す、そういうやり方をとっている。しかも、この内容を見ると途中で訂正している。知らない人が判こを押して送り返したら、訂正判を押してないからだめだといって、また二通とも本人のところに送っている。どうしたものでしょうと言って本人が私のところにも相談に来たことがある。
 ところが、これを見ると、たとえば賃料の延滞金を年一四・五%にするとある。いままでは日歩四銭と書いてあったのを年一四・五%にする、こう書いてある。どこの契約だって、いま普通はこんなものを特約しているところはないわけです。先ほど国税庁の方が言われましたように、そういう契約内容はないんだ、ただ契約書もないというのが多いんだ、こういうことなんです。年六分なんですよ。この前やかましく借地法が改正されて、そして値上げ要求に対して一致しない場合に年一割の損害金を取るということを一つの制裁にして従来の価格を払えばよろしいということになった。一割にするということでさえわざわざ特別の立法をしているわけですよ。ところが、国は一四・五%という損害金を変えたものを一方的に送りつけて、これの契約書に判こを押さなければ、あなたとの契約はできてないんだからと言って賃料を受け付けないのです。全くひどい状態であります。
 しかもこの内容は、たとえば三条を見ますと、「乙は、賃貸借物件を表紙に記載した使用目的のとおり使用しなければならない。」こう書いてある。普通は使用目的というのは、土地の場合は出物所有の目的ということが書いてあるだけなんです。ところがこのやつは、理財局のフォームによると「貸家住宅」と書いてある。貸している住宅を今度は自分のほうで使うということになったら、もう目的違反になるわけですね。目的違反になったら違約金を取ると書いてある。契約解除をすることができると書いてある。ひどいんですよ。あるいは「貸付料の金額及び納付期限は別表第一のとおりとする。」これもかってにもう賃料をさっときめてしまっている。値上げ賃料ですね、これを一方的にきめて、これに判こを押さなければ貸さないというやり方をとっている。さらに支払い方法も、税金の納付書みたいなこういうやつです。これ以外に納めようがないようになっている。いままでなら、物納されなければ、地主がちゃんと回ってきて集金に来ておった。ところがこれがぽんと来てしまって、ここに書いてある金額に異議があっても訂正するわけにもいかない。全くこれは悪質家主、悪質地主を地でいくようなかっこうになっておるのですよ。
 さらに、遅延損害金のほかに、たとえば借地上に建てた物件、自分の家を今度は増改築したらいかぬ、これは契約解除になると書いてある。特約を結んでいる場合はどうだというのは借地法にきまっているけれども、一方的にそういう特約がなされる。貸そうが貸すまいが、あるいは増改築しようが、それは一般的に特約がなければ、借地法上のたてまえから言えば許されていることです。いままではそういう契約だった。ところがこれが、この国が押しつけてくるフォームという形式の問題じゃなくて、実質がそうなっている。
 こういう形で、これはあげていくとずいぶんありますけれども、たとえば必要費、有益費償還、これはあたりまえです、民法上は権利としてあるわけですから。そういうものは請求しないと書いてある。こういうやり方をやるというのは、しかも契約書に押さなければ賃料を受け取らないから、非常に不安定な状態に置かれてどうにもならなくなっている。理財局、私いま申し上げたようなこと、実際上そうなっておるのですが、その事実は認められますか。
#366
○小幡政府委員 問題は、これは……。
#367
○東中分科員 私の言うたこと、事実かどうかということだけまず確かめてください。その上で見解をお聞きしますから……。
#368
○小幡政府委員 これは調べました結果、大体事実はそういうことになっております。
 ただ、見解がいろいろございますが、これは昭和四十一年に、その当時いろいろ関係者が協議しまして、法務省にも相談しましてつくったフォームであるというふうに聞いておりまして、それからもう五年たっておりまして、いろいろ適当でないような条項もございますので、私ども、これは至急に検討すべき点は検討して直さなければいかぬというふうに考えております。
 それからもう一つは、大体新規に貸し付ける場合の契約書のフォームというものを、そういう権利関係は、継続しているものにそのまま当てはめることが若干不適当ではないか、こういうふうにも考えますので、その辺、これから御趣旨に沿って至急検討したい、こういうふうに考えております。
#369
○東中分科員 そうすると、これは確かに、さら地を貸すときにこういう契約でなければ貸しません、それならそれなりにわかるわけです。しかし、すでに権利のある部分を、それを承継したということを認めておりながら、ぽっとこれを持っていって、これに判を押さなければだめなんだ、訂正判を押してなかったからまた突っ返すんだ、こういうのは、これは大臣の口からはっきりさしていただきたいのですが、承継の部分は、やはり権利を引き継いだまま引き継ぐんだということでこのフォームを変える。いま検討すると言われておりますけれども、その点、通達で出されていることですから、まことにぐあいの悪い状態が起こっていますので、ひとつはっきりさしていただきたい。
#370
○水田国務大臣 それは改善したほうがいいようです。
#371
○東中分科員 それからもう一つ、売り払いをやるのに、先ほど言いましたように、値段が非常に高くなって買い取る人が少ない。それでこういう契約書の問題が一ぱい出てくるわけですけれども、売り払いについてもあるいは契約についても、業者を中へ入れられるわけですね。たとえば、ここに一つ近畿財務局長が出した文書があるわけですけれども、こういうことがあります。「貴殿が現在ご使用中の国有財産について、貴殿の御希望に応じ早急に売買契約を締結いたしたく売払いに関する国と貴殿との間の仲立を昭和四十五年十月十九日まで宅地建物取引業者何がしに取り扱わせることにいたしましたので、この宅地建物取引業者の職員であることを証する身分証明書を持った職員がお伺いした際は、よろしくお願いします。」という文書が出ているのですね。これを見ますと、「業者何がしに取り扱わせることにいたしましたので、」こう書いてある。その業者は名刺を持って行くのですね。大蔵省所管普通財産仲立委託取扱、何々株式会社何の何がしと書いてあるのですよ。役所のこの文書が来て、この名刺を持って来られると、役所の出先の人が来たみたいに受け取るわけです。これは一体どういうことなんですかと財務局へ聞いたら、とても物件が多くてできませんので、業者の人に頼んでおります、こう言うのです。これは私、たまたま一つ持ってきておるのですが、そういう扱いをされていることは、理財局の方針としてやられておるわけですか。
#372
○小幡政府委員 処理を要する案件の非常に多い財務局、関東、近畿、東海の三つの財務局につきましては、仲立委託制度というのを設けまして、おっしゃいますように、そういう業者に売り払いの事前行為、すなわち測量とか境界画定とかいろいろな申請書類等の作業を委託しますが、ただ最終的に、売買契約の締結とか代金の授受、こういったものは役所がやる、そういう事前段階の事務を委託している、こういうことになっておりますが、ただこれは、そういう業者に委託するかどうかは買い受け希望者の希望による。希望しない者はしないでよろしい。ただ、財務局といたしまして一応適当と認める業者を推薦するという関係上、その財務局で、この地区を扱っているのはこういった業者であるということを知らせる方法でそういうものを出したのではないか。あくまでも買い受け希望者の自由意思によって扱うということになっております。
#373
○東中分科員 そう言われるから、私、先ほど二回も読み返したわけです。「宅地建物取引業者何々株式会社に取り扱わせることにいたしましたので、」というので文書が行くのですよ。だから、明らかに財務局の何か委託を受けた財務局側の人のようにしていろいろ交渉するのです。また横柄にやるのですね。そういうことを言ったってだめです、こうやるのです。そして最後になると、もしそれで話ができたら売買価格の三%あるときは五%、今度は借地権者が金を払わされるのです。それで財務局へ聞いたら、うちのほうは件数が多くて人が足りなくてできないからそこへ頼んでいます、こう言う。まあ、言えばペテン師みたいなものですね。全く奇妙な、この業者でなければだめだということになるのです。
 これは大胆、あまりにもおかしな制度になっておるのですが、早急にこういうものは改めるべきだと思うのですが、いかがでしょう。
#374
○小幡政府委員 確かに、おっしゃいますように、私どもとしましてはこれは委託に付することを希望する者に対して活用する制度であると考えておりますが、実際の第一線の実務を扱うほうではそういった画一的な取り扱いをしている、こういうあらわれの一つがそれではないかと思いますので、こういった点につきましては、本省といたしまして十分監督しまして指導し、訂正させるようにしたいと思います。
#375
○東中分科員 時間がございませんので……。これはずいぶん問題が起こっているわけです。全国で万をこす。しかもこれは現に住んでいる人たち、借地権者にとっては全く降ってわいたような形で、たまたま物納されたというようなことから起こってくることなんで、手続の面でも、それから相続財産の評価はかた目で、そしてすぐ今度は売り払いのときはかた目にしない。そしてずいぶんかかえ込んでどうもならないからこういう業者を使う。そして非常に過酷な、借地法上のたてまえから言えばちょっと考えられない不当な悪徳地主のような契約条件を一方的に、これは役所が出されるものですから、出された側は、善良な人ほど、役所が言っているんだからと考えるものの、しかしそれにしてもと不審の念を買っているわけです。ひとつこういう点について全面的に検討していただきたい、こう思うんですが、大臣の最後のお考えをお聞きいたします。
#376
○水田国務大臣 検討して改善策を講じます。
#377
○東中分科員 終わります。
#378
○森下(元)主査代理 次回は、来たる三月二十一日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後四時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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