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1947/08/20 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第9号
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1947/08/20 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第9号

#1
第001回国会 厚生委員会 第9号
  付託事件
○教員の恩給増額に関する請願(第六
 号)
○食肉統制價額撤廃に関する陳情(第
 二号)
○聖霊生命眞理療法保護法規の制定及
 び名誉恢復に関する陳情(第四号)
○兒童の福祉増進に関する法令制定の
 陳情(第七号)
○恩給法の改正に関する陳情(第十二
 号)
○都市官公廳職員の生活安定に関する
 陳情(第三十八号)
○戰死、戰災遺家族並びに傷病者の更
 生に関する陳情(第五十号)
○恩給法の改正に関する陳情(第六十
 四号)
○國民健康保險組合制度を改革するこ
 とに関する陳情(第六十六号)
○傳染病予防法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○保健所法を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○國民健康保險金に対する國庫補助金
 の増額等に関する陳情(第九十八
 号)
○青少年禁酒法案(小杉イ子君発議)
○恩給増額に関する請願(第三十九
 号)
○大学等への死体交付に関する法律案
 (内閣提出)
○大正十二年勅令第五百二十八号司法
 警察官吏及び司法警察官吏の職務を
 行うべき者の指定等に関する勅令の
 一部を改正する法律案(内閣提出)
○災害救助法案(内閣送付)
○兒童福祉法案(内閣送付)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第五十八号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第七十一号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第七十三号)
○恩給法の改正に関する陳情(第百五
 十三号)
○國民健康保險組合の振作促進に関す
 る陳情(第百五十五号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月二十日(水曜日)
   午前十時三十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○大学等へ死体交付に関する法律
○兒童福祉法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(塚本重藏君) これより委員会を開会いたします。本日は先ず大学等へ死体交付に関する法律案について質疑を続けたいと思います。
#3
○中山壽彦君 昨日この四條の「特別の事情のない限り」という文字の削除の動議を提案いたしましたが、都合によつてこれを撤囘いたします。どうかその運営上において支障のないように学校長に御注意をして頂くということにおいて撤囘いたしたいと思います。
#4
○政府委員(東龍太郎君) 中山委員からの先達ての御発言によりまして、当局といたしましては原案の改廃に対して御同意申し上げる発言をいたしておりました。それはただこの言葉が仮りに原案の意味と反しまして濫用せられる虞れが万一あつてはという懸念からでございましたが、私どもといたしましてはこの條項の運営につきましてさような懸念のないように十分に注意いたしまして、この原案の趣旨が徹底いたすように参ると存じますので、その点を明らかにいたしまして、「特別の事情のない限り」と申しますのは、原案の実行に当りまして考慮いたしました範囲に嚴格に限定いたすことにいたしたいと思います。
#5
○委員長(塚本重藏君) 外に御意見のおありの方はございませんか。外に別に質疑もないようでありますから、これよりこの法律案につきまして討論に移ります。御意見のあります方は賛否をお述べになるようにお願いいたします。
#6
○小林勝馬君 討論を簡略いたしまして決定に入られんことを提唱いたします。
#7
○委員長(塚本重藏君) 小林委員の動議に御異議ありませんか。
#8
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。では討論は終局したものと認めて御異議がないようでありますから、これより採決に移ります。大学等へ死体交付に関する法律案、この原案を可決することに賛成の方の御起立を願います。
#9
○委員長(塚本重藏君) 全員一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。尚本院規則第百四條により、本会議における委員長の口頭報告の内容については、予め多数意見者の承認を得なければなりませんことになつておりますが、これは委員長において本法案の内容及び本委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告いたすこととして御承認を願うことに御異議はございませんですか。
#10
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。それから本院規則第七十四條によりまして、委員長が議院に提出する報告書には、多数意見者の署名を付することになつておりまするから、本案を可とされた方は順次御署名をお願いいたします。
#11
○委員長(塚本重藏君) 引続いて兒童福祉法案について質疑を行いたいと思いますが、質疑に入る前に当局から、更に提案に至りまするまでの経過並びにその理由、内容等について、主なるものの御説明を願いたいと思います。
#12
○政府委員(米澤常道君) それではこの法案の大体の輪廓と申しますか、構想につきまして簡單に條文を逐つて御説明を申上げたいと思います。
 御覧の通り第一章から第五章まで、第一章が総則、第二章が福祉の措置及び保障、第三章が兒童福祉施設、第四章が費用、第五章が雑則ということになつております。
 第一章の総則でありますが、節に入ります前に、第一條から第二條、第三條、この三條文におきまして、兒童福祉の原理というようなものを書いてあるのであります。これは前文ということも初めいろいろ考えておつたのでありますが、その後いろいろな他の法令との形式上の関係もありまして、第一章の節に入る前にこの三條を掲げたのであります。
 第一節は定義でありますが、第四條におきまして先ず兒童についての定義を掲げております。第五條は妊産婦、第六條では保護者、第七條では兒童福祉施設、これらにつきまして、それぞれ定義を書いておるのでございます。第二節は兒童福祉委員会に関する規定であります。第三節は兒童委員に関する規定、第四節が兒童相談所に関する規定、この四節で第一章総則ということに相成つておりますが、建前といたしまして兒童保護に関する機構と申しますか、要保護兒童を早期に発見いたしまして、それぞれの処置をするそのための機関というものが現在の行政としては殆どありませんので、これが今日の兒童保護行政の大きな欠陥であらうと考えております。そのために或いは兒童福祉委員会、或いは兒童委員、更に兒童相談所、こういう機構を整備いたしまして、要保護兒童を早期に発見いたしまして、これにそれぞれ適應した処置を講ずるという考であります。
 第二節の兒童福祉委員会はこれは中央に中央兒童福祉委員会、各都道府縣にそれぞれ地方兒童福祉委員会が設置されることになつております。この委員にはそれぞれの学識経驗の方々、或いは実際に事業をおやりになつておいでになる方、その他兒童問題に関する権威の方々の御参集を願いまして、中央地方相共に兒童福祉のための基本的ないろいろなことについて調査審議をお願いしたいと考えるのであります。それから委員会自体といたしましても後の條文に出て参りますが、最低基準の設定でありますとか、或いは兒童福祉施設に対する強制設置命令でありますとか、そういう場合には委員会の意見を聽くという、委員会自体の権限も後の條文にいろいろ出て参ります。
 第三節の兒童委員でありますが、これは第十一條の二項に書いてありますように「兒童委員は、兒童及び妊産婦の保護、保健その他福祉に関する事項について、相談に應じ、必要な注意を與える等これらの者の福祉増進に努める。」ということに相成つております。この兒童委員は十二條十三條でお分りになると思いますが、有給の兒童委員と名誉職の兒童委員と二本建に相成つております。有給の兒童委員は地方のそれぞれの吏員でありまして、十一條の末項にありますように、事務吏員或いは技術吏員を以てこれに充てるということに相成つております。吏員ではありますけれども、從前の考えの役所の机の上で仕事をするというふうな考え方を全然廃めまして、現地に出まして実際に兒童或いは妊産婦の福祉に関しまして仕事をする、いわゆるケース・ウワーカーと申しますか、本当の街に出て仕事をして貰うということを狙いといたしておりますので、これは兒童吏員という名称でありながら、而も今までの制度とは非常に変つた新らしい形であるのであります。この有給の兒童吏員と名誉職の兒童吏員とが、緊密に連絡されまして、知事の監督の下に兒童の福祉の増進のために、第一線においてできるだけの仕事をして頂くというのが兒童吏員の狙いであります。
 第四節の兒童相談所でありますが、今までの兒童の保護機関といたしまして、いろいろな收容の施設はそれぞれ相当の歴史もありまして、できてはおりますけれども、その施設に子供を容れますレールと申しますか、こういつたものが不完全でありまして、必ずしも適当な子供が收容されていないという欠点があるのであります。それで各都道府縣に兒童相談所を作りまして、そこにはお医者さん或いは心理学の專門家その他社会事業の経驗者というような專任の職員を置きまして、兒童の福祉施設について相談に應ずる。更に又必要があります場合には、兒童の鑑別をいたしまして、それぞれの処置をする。この相談所を全國に作りまして兒童保護行政の中樞機関というふうな役割を果させたいと考えておるのであります。
 以上この第一章総則におきましては福祉委員会、兒童吏員、兒童相談所、こういうように謂わば行政上の兒童保護機関というようなものにつきまして第一章に規定をいたしたのであります。
 第二章は福祉の措置及び保障ということに相成つております。これは第十九條妊産婦、乳兒或いは幼兒の保健指導の問題であります。二十條は妊産婦届出の規定であります。二十一條はその届出に基きまして、母子手帳を交付する。現在やつております妊産婦手帳これは厚生省令でやつておるのでありまするが、この妊産婦手帳を子供にまで延ばしまして、母子手帳ということにいたしまして、二十一條の法律に基いたものにするという積りであります以上十九條、二十條、二十一條は乳兒妊産婦の保健の面を採り上げた規定であるのであります。二十二條は助産の規定でありまして、二十三條は保育所に関する規定であります。助産及び保育所に関しましては、これは当該市町村長が最も実情をよく把握しておいでになりますので、或いは助産施設に入れる或いは保育所に入れるというような処置は、市町村長にお願いするというために二十二條、二十三條をここに規定いたしたのであります。二十四條二十五條、二十六條、この規定はいわゆる兒童相談所に関係する規定でありますが、二十四條におきまして「保護者のない兒童又は保護者に監護させることが不適当であると認める兒童を発見した者は、これを兒童相談所又はその職員に通告しなければならない。」要保護者を発見いたしました者は、もちろん自分の子のみならず他人のお子さんでありましても、國民全部がそれを兒童相談所に通告するという制度を採りまして、兒童の問題を公共的に、社会的に採り上げたわけであります。勿論通告しないといつてそれに対する罰則といつたようなものは考えておりませんけれども、國民全体が不適当な子供を認めた場合は兒童相談所その他に通告する國民の義務を規定いたしたのであります。二十五條はその通告を受けました兒童相談所がその子供をそれぞれ措置をするという規定であります。二十六條は兒童相談所がそれぞれ子供を鑑別いたしまして、いろいろな結果を知事に報告することになつております。その結果に基きまして知事がそれぞれ子供に対して正式な処置をすることになるのであります。第一号が「兒童又はその保護者に訓戒を加え、又は誓約書を提出させること。」第二号が「兒童又はその保護者を兒童委員に指導させること。」三が「兒童を里親(保護者のない兒童又は保護者を監護させることが不適当であると認められる兒童を養育することを希望する者であつて、都道府縣知事が、適当と認める者をいう。以下同じ。)に委託し、又は乳兒院、養護施設、精神薄弱兒施設、療育施設若しくは教護院に入所させること。」これがいわゆる本法にいつております兒童福祉施設でありますが、二十四條、二十五條、二十六條によりまして、こういう施設に入れますいろいろな兒童に対する通報が兒童相談所に入つてくる。それによつて兒童相談所がその兒童をよく観まして、適当な科学的な鑑別をし、その結果に基いて知事がこれをいろいろな保護施設に收容いたしましたり、又その必要のない者は兒童委員に指導させる、かような措置をする規定であります。二十七條はこれも同じ措置ではありますが、特別の場合でありまして、兒童が非常に虐待をされている。そのためにその保護者が刑罰法令に触れるというような場合には知事が保護者から強制的にその兒童を引離すことができるという規定であります。これは現行法の少年虐待防止法にある規定でございます。二十八條は二十七條に関連いたしまして、当該官吏が兒童のところに行きましていろいろ調査をするための規定であります。二十九條は里親に関する規定でありまして、里親制度というものをこの法律におきまして今後できるだけ合理的に科学的なものにいたしまして開拓していきたいと考えておるのでありますが、その兒童についていろいろ里親から報告させる規定であります。三十條は、大体十八歳までというのが本法の建前でありますけれども、特に必要があります場合におきましては、或いは精神薄弱兒施設、療育施設、又は教護院等におきましては、二十歳に達するまでこれを置くことができるという規定であります。三十一條は都道府縣知事の権限を兒童相談所長に委任することができる規定であります。三十二條は一時保護の規定でありまして、兒童相談所において子供を暫く預つてこれを鑑別するというような場合、その他必要のある場合にはやはり暫く兒童相談所において一時保護する必要がありますので、それに関する規定であります。三十三條は御覧のような、不具奇形の兒童を公衆の観覧に供した行爲でありますとか、兒童にこじきをさせ又は兒童を利用してこじきをする行爲その他ここに列挙してありますが、これらはどちらかと申しますと、刑法の規定とその法律的な精神としましては殆ど同じでありますが、ただ刑法におきましてはあまりこういう点にまで規定することが困難でありますので、ここに規定いたしたわけでありますが、これらの兒童虐待の行爲を禁止するための規定でありまして、つまり兒童の福祉と申しますよりも、福祉のための保障というような関係の規定であると考えるのであります。
 以上が大体、第二章の説明でありますが、三十三條のような規定もありますので、第二章の名前を「福祉の措置及び保障」というように付けたのであります。この第二章はつまり兒童福祉のためにいろいろ施設に收容してやる措置と、施設に收容しないでそれぞれ行政機関、その他においてやる福祉の措置とがあるわけでありまして、收容施設によらない福祉の措置をこの第二章に書いたのであります。
 第三章は兒童福祉施設ということになつております。これも勿論、福祉の措置の内容でありますけれども、いわゆる福祉施設に関するものを全部こちらに纒めたのであります。第三十四條においては「國及び都道府縣は、命令の定めるところにより、兒童福祉施設を設置しなければならない。」第二項においては、市町村その他の者が行政聽の認可を得て、兒童福祉施設を設置することができる。明らかに認可主義を採ることにいたしたのであります。第三項においては、必要がある場合には地方兒童福祉委員会の意見を聽いて知事が市町村に対して兒童福祉施設の設置を命ずることができることになつております。三十五條以下はそれぞれの施設の定義と申しますか、機能について規定いたしたのであります。三十五條は助産施設でありまして、本法に申しまする助産施設は保健上必要があるにもかかわらず、経済的な理由によつて、そういう施設に入院して助産を受けることができない妊産婦を収容してお産をさせる、こういう規定であります。三十六條は乳兒院の規定でありますが、必要がある場合には、更に二歳まで乳兒院に継続しておくことができるということになつております。三十七條は保育所に関する規定であります。保育所とは本法においてはいわゆる一般の子供を対象とする施設でありまして、相当大きな役割を本法においてなしておるものと考えております。三十八條は兒童厚生施設でありまして或いは兒童遊園、兒童館等子供のための健全な遊び場と申しますか、そういうものを規定いたしておるのであります。三十九條は養護施設でありましてこれは今までの一般的な育兒施設と申しますか、孤兒とか、保護者のない兒童とか、虐待されている兒童とか、その他環境上養護を要する兒童、こういう者を入れる育兒施設であります。四十條は精神薄弱兒の施設でありまして智能の低い兒童を特に収容いたしまして、獨立自活に必要な知識技能を與えることを目的とする施設としようとするのであります。四十一條は療育施設でありまして、虚弱兒童の収容所、或いは身体機能の不自由な兒童……クリツペルと申しますか、こういう兒童の収容施設であります。四十二條は現在の教護院に関する規定であります。
 以上がこの法律に申しますいわゆる兒童福祉施設なるものにつきまして、それぞれ助産施設から教護院に関するまでその目的機能というものを鮮明いたしたのであります。
 四十三條は、「厚生大臣は、中央兒童福祉委員会の意見を聞き、兒童福祉施設の設備及び運営について、最低基準を定めなければならない。」これも本法におきまして一つの大きな狙いであるのでありますけれども、兒童福祉施設が認可制度を採りますと同時に、この兒童福祉施設にその設備及び運営につきまして最低の基準を決めまして、是非この基準を護りたい。勿論この基準の設定につきましては、兒童福祉委員会の意見、その他専門家の御調査によりまして十分な調査をし、又今日の日本の実情その他も十分勘案いたしまして、基準が設定されることと考えております。四十四條はその基準の監督についての規定であります。四十五條は親権に関する規定であります。四十六條は教育との関係の規定でありまして養護施設、精神薄弱兒施設及び療育施設に入所中の兒童のうち、義務教育の年齢に相当するものにつきましては、これは学校教育法の定めるところによるということを規定いたしておるのであります。四十七條は最後の締括りといたしまして、「この法律案で定めるものの外、兒童福祉施設の職員その他兒童福祉施設に関し必要な事項は、命令でこれを定める。」と、以上極く簡單でありますが、第三章はつまり施設に関する規定、各施設につきまして目的、機能を明らかにし、更にその施設の設置につきまして、或いは認可制度を採るとか或いは最低基準を設定するこういうふうな規定を作つたのであります。この第三章の兒童福祉施設及び第二章の福祉の措置及び保障、第二章及び第三章によつて、或いは施設によつて又その他の行政機関、その他によつて兒童の福祉を増進するという建前に相成つております。第四章は、費用の規定であります。四十八條におきましては、都道府縣の負担すべき費用を全部挙げております。ここにあります費用は、第三章までにそれぞれ出て來る費用でありますが、これらの費用の負担部分といたしまして、都道府縣の負担とするということを書いております。四十九條は市町村の負担する費用について規定いたしておるのであります。五十條と五十一條は、四十八條及び四十九條によつて都道府縣、市町村の負担する費用につきまして、國庫がいくらか助成をするかということを書いております。それぞれ一分の一の補助をするものもありますし、又は五十一條の十分の八の補助をするものもあります。これらはそれぞれ各号によつて違いますので、五十條と五十一條とに分けまして規定をいたしたのであります。五十二條は都道府縣が市町村に更に又補助するというための規定であります。五十三條も同様でございます。五十四條はこの法律といたしましては必ずしも貧困要件のみを挙げておりませんで、勿論本人或いは扶養の義務者において資力のある方もあるのであります。從いましてそういう場合におきまして本人から実費を徴収するための規定でございます。これが大体第四章の費用負担区分に関する規定であるのであります。第五章は雜則といたしまして、第五十五條の免税に関する規定であります。或いは五十六條の認可の取消しに関する規定、或いは五十七條の訴願に関する規定、或いは五十八條の罰則に関する規定、これは三十三條のいろいろな虐待防止に関する行為をした者に対する罰則の規定であります。五十九條は秘密漏洩に関する規定でありまして、兒童の補導に関する仕事に從事する者において秘密を知得する場合がありますので、これに対する罰則であります。六十條は、調査に参ります当該吏員の職務の執行を容易ならしむるための規定であります。以上が雜則に規定いたしたのでありますがあとの六十一條から六十九條までは附則でございますが、六十一條にありますように、「この法律施行の期日は、各規定につき、政令でこれを定める。」これは、この法律は先程申し上げましたように、或いは最低基準の設定とかいろいろな今後に残された問題がありますので、全面的に直ちに全部一時に施行するということはできない建前に相成つておりますので、條文の中に一部を直ぐ施行できないものがありますためにこういう規定をいたしたのであります。六十二條は兒童虐待防止法或いは少年教護法の廃止に関する規定でありまして、六十三條は又それに関連いたしましての附則に関する規定であります。六十四條も少年教護法に関係します附則の規定であります。六十五條も少年教護法に関係します教育に関する附則の規定であります。六十六條は生活保護法との関係を規定いたしております。六十七條は現在ありますいろいろな兒童関係の施設を、この法律による兒童福祉施設とみなすための経過規定であります。六十八條は東京都の特別区に関する特別の規定であります。六十九條は義務教育の過渡的な現在の関係もありますので、十四才以上の兒童であつて義務教育を終えた者がありますので、これに関する特別経過規定をいたしたのであります。以上極く概略を御説明申し上げたのでありますけれども、第一章総則におきまして兒童福祉委員会、或いは兒童委員、兒童相談所、こういつたような兒童保護に関する機関と申しますか、行政的な機構と申しますか、そういうものについて規定をいたし、第二章におきましては福祉の措置といたしまして收容施設によらないものについての福祉の相談方法を書いたのであります。第三章は收容施設について規定いたしたのであります。第四章は負担の関係でありまして、第五章はその他の雑則ということに相成つております。極めて簡單でありますけれども、一應御説明申し上げます。
#13
○委員長(塚本重藏君) これより質疑に入ります。
#14
○小杉イ子君 兒童福祉法案では、少年とは満十八歳に達するまでの者と書いでございますが、第三十三條の第五項の所に満十五歳に満たない兒童に酒席に待する行爲を業務としてさせる行爲はいけないとなつております。ここでは未成年禁酒法案は申しませんけれども十五歳に満たない者でも十六歳に満ちたならばその行爲をさせても宜いかという疑問が起るのでございますがこの点の御説明をお願いいたします。
#15
○政府委員(米澤常道君) これはお尋ねの通り、十五歳未満の者につきまして保護をいたしておりますので、それ以上につきましては、この法律によつては考えておらないのでございます。
#16
○小川友三君 只今政府委員の方からこの福祉法案に対する詳細なる御説明を承りまして敬意を表します。この第一章の総則に、一條から三條までに福祉法案の原理という題がございますので、これにつきましてお伺い申し上げます。福祉法案の原理は、飽くまでも徹底した救護を目的とするのでございまして、現在の我が國の兒童の死亡率は世界最大なものであります。アメリカにおいては四%の死亡率、歐洲においては六%の死亡率、我が國においてはずつと一五%以上を破つておるという惨憺たる状態でありまして、恐らく昭和二十二年度は一七・八%を想像せられるのであります。この原因するところは、兒童福祉法の原則が掲げてあるのでありますが、それは母乳の栄養失調におけるところの不足と、乳牛の大減少に基づくところの牛乳の絶対量の不足であります。昭和二十二年度において牛乳は恐らく四十万石を不足するということは、政府当局の認むるところであります。四十万石の牛乳の不足を政府は公認し、机上の計画においては兒童の福祉の原理を発表して、ここに大きな食い違いがありまして、その食い違いの上に兒童福祉法案を樹立せんとするのがこの法律であるのであります。これに対して國民は乳牛の増大を願つてはおりますが、乳牛は今日生れて今日乳が出るものでもありせん。政府は乳牛に対して飼料の配給をしておりません。牛に餌を與えずして乳を取らんとする、木に縁つて魚を求むるの愚を繰り返えしておるのであります。但し乳を供出してくれたならば一石に対して三斗五升ぐらいの麦を配給してやろうというペーパー・プランなのであります。非常に牛が不足をしまして、昭和二十二年度だけにおいても、約百万頭くらいの牛が不足しております。そうした状態を繰り返し、この兒童福祉法案を作るに当りまして、この一條から三條までの原理に対しまして、政府はどういう考を乳牛に対して持つておるかお伺いを申し上げます。
#17
○政府委員(米澤常道君) 只今の小川委員の御質問でありますが、この第一條、第二條、第三條に関しまする原理に関しまして、現実と非常な開きがあるということについて御指摘があつたのでありますが、誠にその通りであると考えるのであります。併しこれは原理でありまして、我々は一種のここに理想を掲げたものであるのでありますし、この第三條におきまして「前二條に規定するところは、兒童の福祉を保障するための原理であり、この原理はすべて兒童に関する法令の施行にあたつて、常に尊重されなければならない。」こういうふうに書いておりますが、これは今後の新らしいいろいろな法令の施行に当つて、常に尊重せられなくてはならない。つまり新憲法におきますと同様に我々が今後のいろいろな法令その他におきまして努力をして兒童の福祉のための原理をどんどん具現して行かなくちやならんというふうな意味のことを謳つたものとも考えられるのでありまして、勿論原理そのものにおきまして、現実と相当開きがあるということは、お尋ねの通りの点もあると考えるのであります。最も乳兒に大事な問題であります牛乳の問題につきまして、非常に詳しいお尋ねを頂いたのでありますが、私共といたしましては、この牛乳の確保という問題につきまして、なんと申しますか、子供の立場、お母さんの立場というような立場から、常に農林省その他と緊密に連絡をいたしまして、できるだけの努力をいたしておるのでありますが、具体的な乳牛の数字その他計画につきましては、後程又詳しく御報告申し上げます。
#18
○小川友三君 第二十條、二十一條の母子手帳の問題でありますが、妊娠をした者は届ける。今までは妊娠五ケ月になりますと届けまして、妊産婦手帳を貰いまして、手帳は貰つたが、昭和二十一年度、二十二年度においては全國を通じて、妊産婦手帳に対して配給は一つもないのであります。それは國内に全然配給する物資がないからという建前で殆どないのでありまして、或いは何万分の一くらいかは、場所によつてあつたかも知れませんが、今度のこの二十條、二十一條は、妊娠一ケ月から届けるものであるかどうかということが、明確に記されておりませんが、それについてお伺い申し上げます。それから母子手帳が下付されるようになつておりまして、物資が下付されるようですが、これは果して物は、割当量がどのくらいあるか。昭和二十二年度の出産率は二百十五万人の予定であります。それに対して物資が政府当局においてどれだけ用意してあるかということに対しまして、詳細なるところの御答弁を願います。
#19
○政府委員(米澤常道君) 二十條の妊娠の届出でありますが、これは「速やかに、命令の定めるところ」というふうに規定いたしておりまするので、いずれ専門家その他の御意見を聴いて決めたいと思いますが、必ずしも一ケ月にするという考えではありません。條文の趣旨としましては、できるだけ早く各人において、或いは二ケ月の方もありましようし、或いは三ケ月の方もあると思いますが、できるだけ早くやつて頂きたいというのが、この二十條の條文の趣旨でございます。それから母子手帳の問題でありますが、現在の妊産婦手帳におきまして、やはりこれがそれぞれ物資の配給というものと関連いたしております。併し福祉法におきましては、母子手帳そのものは、やはり保健指導でありますとか、こういうところが本当の狙いでありまして、この手帳があるから直ぐ物資の配給ということは、法律の上には規定いたしておらんのでありますが、併しいずれこれは、やはり現在の妊産婦手帳が物資配給のためのいろいろな証明のために使われておりますと同様に、母子手帳もそういうふうに使われて行くことと考えておりますし、又そういう期待もいたしておるのでありますけれども法律といたしましては、ここにも別に書いておりませんように、趣旨は保健指導というところが狙いでありますので、二十二年度のこの法律に関しましての資料の数等は、今持ち合せがありません。
#20
○山下義信君 議事進行について、ちよつとお願いがございます。大臣はいつ御出席になりますでしようか。
#21
○委員長(塚本重藏君) 先程から出席の交渉をいたしておるのですが、目下閣議が開かれておつて、席をはずし難いということで、昨日もこの委員会へできるだけ出席したいという氣持を述べておられましたが、今日もその御意嚮であつたのでありますが、どうしても閣議の席をはずせないので……。もう間もなく見えるそうですが、尚もう一遍催促して見ます。
#22
○山下義信君 大臣に対します質疑がございますので、御出席まで私は質問を保留さして戴きます。
#23
○小杉イ子君 第三十五條に「助産施設は、保健上必要があるにもかかわらず経済的理由により、入院助産を受けることができない妊産婦を入所させて助産を受けることを目的とする施設とする。こう書いてございますが、これは全く病院でなければできないことでございますが、本当の病院施設をなさるということになると、政府の経済、予算ということが大したことでありますが、やはり病院に附属するような方法を取られてはどうかと思いますが、やはり病院のような設備になることになるのでございましようか。又助産ばかりでなからうし子供の中で惡くなる者もあろうし、現下の病院という設備のようなものになるのでございますか、その目的でございましようかお伺いいたします。
#24
○政府委員(米澤常道君) この助産施設につきましては、勿論現在あります既存の設備を利用いたすのが建前でありますが、或いは地理的條件その他によりまして、又戰災を受けた都市等につきましては、いわゆる現在も市営等の産院というものがありますし、そういうようなものをできるだけ復興を助成して行きたいこう考えております。建前といたしましては、勿論現在のいろいろな既存の施設をできるだけ利用いたしまして必要なものは助成をいたしまして、新設したい、こういうふうに考えております。
#25
○井上なつゑ君 先程お話がござりましたが、兒童委員でござりますが、有給の兒童委員はケース・ウオーカーだということでございますが、その資格のほどを承りたいと思います。
 それから兒童委員の当担いたします廣さ、言い換えれば、被保護者を一人でどれぐらい担当いたしますか、なにか計画がございましたらそれを承りたいと思います。もう一つ兒童相談所を設置いたします範囲でございますが、兒童相談所はどのくらいの廣さに持つて行くか、お建てになる積りでございましようか、いろいろございましようがその数字なども分つておりましたら伺いとうございます。それから兒童相談所の保健指導を受けるということが十九條にございますが、保健指導と、それから兒童委員との連絡はどういうように取つて行つたらいいのでございましようか。その辺も一つ承りたいと思います。それから先程三十五條の助産施設というのが出ましたが助産施設に入るかどうか存じませんが、助産のときの必要材料でございます。現在の実際に行つております産院でございますとか、病院でございますと大変助産のときの材料を不足いたしておりますので大抵この頃妊婦の人が受けておられます三百グラムの脱脂綿も病院へ持つて來て頂くことになつておりますが、この分娩材料、只今三百グラム配給になつておりますが、一人に対して五百グラムくらいに増量して頂くことはできないでございましようか、どうでございましようか。それからもう一つ、これは貰沢は申せないかも知れませんか、引揚者とか、戰災者とか本当に襤褸一つございませんので、襁褓だとか産衣は拵える材料もないと言つて、それは困つておられる者もございますがこれも助産施設と申しますか、そういう材料もお考えになつて頂いておりますかどうか、それを承りたいと存じます。それだけでございます。
#26
○政府委員(米澤常道君) お答え申し上げます。この兒童委員でありますが一應本年度の予算といたしまして計上いたしておりますのは三百七十三名でございます。それで大体全人口十萬人に一人くらいの有給委員ということを考えておりますが、これは將來苦し必要がありますれば、できるだけ殖やして行きたいというふうに考えておりますが、本年度の予算として計上いたしておりますのは三百七十三名。それで大体例えば東京都くらいになりますれば、一区に三四人くらいは置けるのじやないかという、今計算はいたしております。これは正確の数字じやございませんが、大体そういうふうなことを考えております。その担当区域でありますけれども、東京都等におきましては、大体区を受持でいいのじやないか、或いは府縣等におきましては、数ケ町村を一緒に担当して頂く、これはそれぞれ知事が実情によつてお定めになるということに相成つております。それから相談所は、これはできるだけ沢山欲しいのでありますが、一應本年度は全國の各府縣に一ケ所作りまして更にそれの支所と申しますか、そういつたものを約一ケ所ずつ作ろうという計算になつております。これもいずれおいおいと拡充して行くべきものと考えておりますが、一時にそう沢山も一遍にはできませんので、今の計算はそういう計算に相成つております。それから保健所との保健指導の関係でございますが、これはお話の通りでありまして、保健指導につきましては、政府としまして保健所網を張つておるので保健所のヘルス・センターとしての機能を十分発揮させなければならんのでありますが、兒童相談所等におきましては、勿論或程度のお医者さんはおいでになりますけれども、いろいろな保健指導の点につきましては、できるだけ保健所と緊密な連絡を取りまして、保健所にやつて頂くというふうな考えを持つております。又支所等は將來保健所に附設するということも考えて行かなければならんと考えておるのであります。それから助産施設に関連いたしまして、いろいろな助産の材料という問題をお話になつたのでありますが、お尋ねの通りに非常に困難をされておると思います。併しこれも助産施設というものが正式にできますれば、そういうところにつきましては重点的にいろいろな材料を政府としても配給するということは、或程度可能になりはしないかということは考えておるのでありますけれども、一般的に助産の材料につきましても、厚生省としましてできるだけのことはいたさねばならんと考えておるのであります。
#27
○山下義信君 大臣にお伺いいたしたいと存じます。待望の兒童福祉法案が上程をせられました機会に、厚生行政の根本方針、社会事業の振興に関する根本的な大臣のお考えをこの際承つて置きたいと思うのであります。戰時中厚生行政、殊に社会事業方面のことは殆ど休止の姿になつおりますが、敗戰後の今日の日本の現状、あらゆる救済事業社会事業の、殊に重大でありますことは申すまでもありません。片山内閣としてこの方面の御施策に対しましてどの程度重大にお考えになつておられましようか、内閣の一人であらせられます大臣、又主務大臣としての厚生大臣の御所見が承りたいのであります
#28
○國務大臣(一松定吉君) 敗戰日本を復興せしめまするために國民が耐乏生活に耐え、そうして我が國を文化國家民主國家に建設して行かなければなりませんことは言うまでもございません。このときに当りましていろいろ重大なる施策が勿論必要でありまするが特に私はこの社会政策に関しまする事柄は今申し上げまする我が國の再興の基礎をなすべきものでありまするからこれらの点につきましては何をおいても社会施設ということには重点的にこれを採り上げて行かなければならんとかように考えておるのであります。この中でも特に私が痛感いたしておりますることは、この社会保障制度、総ての國民を健康に文化的に、自由的にこれを育成して行くというとこについては、何をおいてもこの社会保障という制度が一番これは手を著けなければならんものであろうと考えておるのであります。これにつきましては私の腹案といたしましては、厚生省に社会保障に関する委員会みたようなものを各方面の権威の方を集めて急速にこれらの研究調査をして、そうしてでき得べくんば近い將來においてこれを法文化し予算も計上して、そういう方面に手を延ばして行きたい、かような考えを持つております。極く大体を申し上げます。
#29
○山下義信君 社会事業行政、社会政策行政が非常に重大であるということを只今大臣がお述べになりました。今後この社会保障行政について委員会をお作りになるということでございました。これは今後のことでございます。その重大な厚生行政、社会事業行政に関しまする内閣の、そういう方面に力をお入れになるということが、片山首相の一般施政方針の御演説の御発表の中に寸豪もございません。一言半句もございません。僅かに二三行、ほんの数語失業問題にお触れになつておる程度でございまして、この多数の敗戰後に救い上げなければならんという社会政策の行政につきましてこの内閣が少しも力をお入れになつた御声明の後が今日まで窺われないのでございますが内閣の一般の施政方針は言うまでもなく閣議で主務大臣にも御相談があつたことであろうと存じますが、その際さような重大な社会事業行政に関しまして、殊に民主政治の参透、或いは文化國家平和國家と仰しやります現内閣に重点がそこになくてはならないと存じまするのに、更にそういう面に現れておりませんのはどういうわけでございますか。その点も合せて伺いたいと思います。
#30
○國務大臣(一松定吉君) 御尤もな御質問でありますが、御承知の通り我が國は目下の危機を突破しなければならない重大な段階にぶつかつております故に片山内閣は組閣当時先ず探り上げましたのは危機突破に主力を注いで、今あなたの御不審を抱くようなことになつたのであろうと思うのでありますが、この危機突破の問題に対しましても、既に手を著けて、これらのものは著々その端緒に著きつつありまするから、これから先は今申上げまするような公共的な重大なる施設に向つて手を著けなければならん、かように考えておるのであります。取り敢えず今までは私は何をおいても危機の突破をしなければならん、その点についてさような結果になつたということの御了承を賜りたいと考えます。
#31
○山下義信君 根本方針のことにつきまして大臣の御所見、政府の御所見を伺いまするので、若干の一問一答のお許しを得ておきたいと思うのでございまするが、私共の最近の印象は厚生省のお仕事というものが非常に微温的と申しまするか、段々影が薄いと申しますか、形が小さくなると申しますか從いまして失礼でございますが、厚生大臣の御存在も誠に頼りないような氣持がいたします。只今申し上げますように、内閣施政一般の方針の中にすらも言われないというがごときことは、実に遺憾千萬でございます。これは甚だ失礼でございますが、斯界の大先輩の大臣に申し上げますことは釈迦に説法でございますが、弱体内閣の特徴といたしましては、第一は徒ずらに作文を発表すること、第二は説教をやたらにすること、第三は官僚いじめをすること、弱い者いじめをすること、これが弱体内閣の特徴であるということを、私は古い政治学史で読みましたことを覚えております。それでいろいろ御声明も宜しうございましようが、併しながら花よりも團子でございまして、本当に國民が小さい一つの施設でも明かるような、実のあるような仕事は、厚生省の御所管の仕事よりほかには私はないと思います。他省のいろいろ政策を行いますのは、人の揮で相撲をなさるので、経済安定のお仕事でも農林省のお仕事でも、いろいろ食糧政策、経済問題が重大であると仰しやつても、自分の持つておるものを出すのではなく、いろいろ機関を動かし、組織を動かしてそういう政策にひつぱつてゆくただ一つの團子を國民に食わせるのは、社会事業行政の所管厚生省のお仕事でございます。それでこれが非常に重大であるということでございますれば、只今のような、或いは社会保障制度についての御抱負なり、且又この兒童福祉法案のごときは、私は重大なる法案であると考えます。恐らく今期の國会を通じましての実に重大なる法案は、これは石炭國管問題に匹敵する私は重大なる法案であると思います。かくのごとき法案をお出しになりまする氣構えが國会前からすでにあるのでございますから、政府としては適当な機会に社会事業の一大振興、哀れなる者をこの内閣で助けるぞ、こういう仕事もする、こういう政策もやるぞということを適当なときに口先に出すばかりでない、実際に行うのでございますから、天下万民の前にお示しになりまして、厚生省の健在なること、厚生大臣の御熱心なることを、これは適当な機会に御発表相成るのが至当ではないか、こう考えまするので、大臣も恐らくその点はお考えがあろうと存じまするが、適当なる機会にこの厚生行政の一大刷新、社会事業の一大振興ということに関しまして廣く國民にお示し下さるお考がありますかどうか、伺いたいと存じます。
#32
○國務大臣(一松定吉君) 只今の御質問は御尤もでありますが、要は私の微力のいたすところで、私が非常な勢力を持ち、非常な達識の士であれば、あなたのような万民に副うことのできるような厚生行政を宣傳もし、実行もするというようなこはできるのでありましようが、それは私の微力の至らないところでありまして、この点につきましてはいかにお叱りを蒙りましても、これは私甘んじて受ける覚悟を持つております。併しながらなにを申しましても今の片山内閣の成立は六月一日でありまして、漸く今二月に少し足を掛けたというぐらいなことでありまして、我が國の危機を突破するためには日もこれ足りないというような有様で、各閣僚が査夜業行で仕事をしておつて漸やくこの程度であります。これが八面六臂の働きをなす有為な閣僚揃いでありますれば、或いはあなたの御期待に副うより以上の仕事ができるよと思いますが、それのできないことを私甚だ遺憾に思つて、自分を自分から顧みて恥しく思つておるのでありますが、この点一つ御了承賜わりたいのであります。然らば厚生省が何をしたかというようなお尋るに対しましては、今まで既に御審議を願いつつありまする例えば保健所法だとか、或いは今囘の兒童福祉法だとか、その他いろいろの問題もございまするが、まだ現に案を立てて関係方面に折衝を重ねておる案も沢山ございますが、今私が自分の復案として初めて発表いたしました社会保障に関しまする私の考え、このほかに私は厚生省としては、今まで戰争後殆ど顧みられなかつたところの國立公園どいうようなものも拡大強化して、そうして外國との親善を図り、一面には我が國のそういう景勝の地を外國に紹介して、そうして外客の誘致、並びに外貨獲得といような明るい面も考えておりまするし、又体力という問題に関しましても、御承知の通りに今まではこれは厚生省の仕事であつたものが戰争中に学生体育というもののために、文部省の方にこれが移管せられておるのでありまするが、こういう点に対しましても、私は果してこれが普通國民の体育に関することまでも文部省に任せるのが宜いか悪いか、文部省は学生に関する体育という方面だけをお願いして、國民一般に対する体育という問題は厚生省に復元して、厚生省がこれを指導、誘掖、発達せしむることの方が適当ではなかろうかというようなことも実は考えておるのでありますが、それらの考えておることを一々先ずそれが実現しない前に新聞紙に発表し宣傳するということは、これは私の氣質に合わないからしてそういうことはできないのでありますが、着々遅蒔ながら厚生行政の進展に向つては必死の努力お拂いたい、かように考えておりまするから、この点は一つ惡しからず御了承を賜わりたいことをお願いして置きます。
#33
○山下義信君 段々と大臣の誠に頼もしい御報告を承わりまして、力強く思うのでございますが、この際厚生行政の一部が労働省に移管せられましたりしました関係なり、將來の厚生行政の飛躍に備えまして、厚生省の組織につきまして大改革、或いは大拡張、或いは大強化なさりまするようなお考はござりますか。例えば厚生省というがごとき名称を廃しまして社会省というようなことにいたしまするか、ともかくも厚生省内の行政機構につきまして、大刷新をなさいまするお考がありますかどうか、承わりたいと存じます。
#34
○國務大臣(一松定吉君) 私は厚生大臣に就職いたしました後に、先ず大きな問題を採り上げられましたのは御承知の労災保険、船員保険というのが労働省設置に件つて労働省に移管し、若しくは運輸省に移管替えをされたというこの問題でございますが、これは私の考えておることを卒直に申し上げまするならば、一体保険行政というものは一元化でなければならん。これを方方に分けるということは保険行政を本当に円滑に運用して行くについてはいろいろな支障があり、費用がかかり、つまらん手数をかける、又保險行政というものの本当の向上発展というものには余り好い結果を招來しない。これは私の信念です。そういう考を持つておりましたがために、これを労災保險を労働省に移し、船員保險を運輸省に移すということに私は心から賛成はしておらない。ところがいろいろの世の推移に從いまして御承知のごとき状態で、結局この労資双方の意見を聽取いたしました結果、双方ともこれは労働省に移すべきものなりと労災保險についての終止符を打たれ、又船員の方面からは船員に関する保險というものは、船員を主管している運輸省に移すべきものなりとの労資双方の意見が一致いたした事実があつたのでそういたしますと一体私がそういうことを主張し、保險は一元化でなければならん、保險の向上発展のためには分割しない方が宜いという考えは、結局國家のためであつて、國家のためならばそれに関係しておる人々のためである、その関係しておる人々が、これが異口同音にこれは労働省で移すべきが宜しい、これは運輸省に移すべきが宜しいということに既に意思を明らかに表明してしまいますれば、それに反対して、厚生大臣としてそれは自分の信念に反するからというて、反対態度をとることは面白くない。こういう意味で私は直ちにそれらの説に賛成をして労災保險は失業保險という新らしい制度を設けられると同時に労働省に移管し、若しくは船員保險については船員を主管している運輸省に移管するということに賛成をいたしたのであります。この点につきましては意見の相違はありまするけれども、移管いたしますそのときにおいては全く関係各大臣との間におきましても、光風清月的にこれは処置せられたものであることを御了承を賜わりたいのであります。それから厚生行政の面に関しまして、將來厚生行政を一大刷新を加える必要があるかというような御意見でありまするが、これは勿論厚生省のいろいろな機構を整備拡充する意味からいたしまして、そういう時期が余り遠からないうちに來やしないかと私は思う、例えば今申し上げましたように社会保障というような問題は、これは政治の各方面に重大な関係を持つておるものでありますから、こういうようなことがいよいよ実現するということになれば厚生省というような名前は勿論不適当でありまするから、大きく社会省というような名前を用いますか、或いはそれ以外にもつと立派な名前を用いますというようなことは、そのときに至つて初めて考えなければならんことでありまして、今からどうしよう、こうしようという考えを持つておりませんが、要は厚生行政というものを拡大強化して本当に國家民衆のため、より多く貢献するところ大であるというようなことに立ち到らなければならんし、一大刷新をしなければならん。かようなことを私は考えてはおりまするが、今直ちにこうしようああしようという具体案は持つておりません。
#35
○山下義信君 お待なさい。これでおしまいですから……厚生行政の將來につきましてのいろいろ御抱負は今後拜見いたしたいと存じますが、私はこの厚生省のいろいろ外廓團体と申しますか、例えば同胞援護会或いは何々協会何々團体というような各種の團体がいわゆる外廓團体としてあります。この外廓団体の一大整理ということは、予てから官民共に要望し來つたものでございまするが、且又一面には全國の社会事業を打ちて一丸といたしまする大きな民主的な大聯合團体の必要もこれ亦斯界に関係いたしておりまする者共が異口同音にその必要を痛感しておることでございますが、社会事業行政の一大刷新の時期は大臣も考えておいでになると思います。実はなんにも知らん顔しておいでになりますが、大臣は言うまでもなく大阪府の御選出で、大阪府の社会事業に御精通でありますので、私共は大臣の御手腕に期待するのでありますが、そういう外廓團体の始末と申しますか、処理並びに各種の社会事業團体の力強い一大連合團体の成立などにつきまして、大いに御盡力下さいまするお考えがありますかどうか、この際伺つて置きたいと存じます。
#36
○國務大臣(一松定吉君) 厚生行政を拡大強化して、本当にその目的を達成いたしまするためには、これはなかなか厚生省一省くらいの微力では到低その目的を達成することは覚束ないと考えております。從いまして各方面の御協力、御援助をお願いをして、そうして相倚り相携えてその目的を達成しなければならんと私は考えておりまするから、今お示しのような、全國の社会事業を経営しておりまする各種團体個人、これらのものを打つて一丸として強力なる厚生行政の推進にお力添えをお願いしなければならんということは、これは当然のことだと私は思つております。ただお示しのように、名前を厚生行政の施設に籍りて、或いは厚生行政をするという表面の建前によつて國家から補助を受けて、或いは人の援護によつてやつておるとかいうて、その実は名前はそうであつて実の挙らないといういかがわしいものが必ずしもないとは限らないのであります。そういうようなものは徹底的にこれを整理し、これをさようなことをすることを止めさせて、本当に國家、國民のために厚生行政を政府と力を協せてやつてやろうというような非常な立派な意思を持つておる個人若しくは團体に御協力をお願いして、私の考えておる施策を進めたいとかように私は思つております。そうかと言いまして、只今厚生大臣に任官いたしまして二ヶ月と何日になりますが、まだ國会のため等において各地のそれらの施設等を具体的に視察し檢討する余裕を持ちませんので、只今そこまで行つておりませんが、いずれ國会でも済みましたら一つ全國を、行脚して、そういうようなことも見て、そうして徹底的に國民の信頼を受けるような方法により、私の考えを拡大強化して行きたいとかように実は考えておる次第でありまして、そういうときにはどうぞ皆様の御強力なる御支援を特にお願いして置きたいと存じます。
#37
○小杉イ子君 私は議事は質問時間は質問時間として、討論時間は討論にして、意見とか希望時間はその時間に議長に断行して貰いたいとこう思います。これなどについては余程質問も多いことと思います。御進行をお願いいたします。
#38
○小川友三君 兒童福祉法案の第二十二條と三十六條につきまして、関聯してお伺いたします。これは二十二條においては、経済力に困つた者を乳兒院に入院をさせるという方法を市町村長にとらせるということになつておりますが、乳兒院は全國に國立のものは今いくつできておるか、公立團体のものはいくつできておりますか、殆どその数を知らないのでありますが、昭和二十二年度において、二百十五万からの出産があるのに、何ヶ所の乳兒院ができておるかということをお伺いいたしたいのであります。それから今後この福祉法案に基きまして、乳兒院を少くとも一万五百ヶ所くらいは、警察の数だけくらいは増加する必要があると思いますが、それに対する大臣はどういう御準備をなしていらつしやいますか、その点を明確にお伺いたしたいのと、その予算はいくら計上しておりますか、それもお伺いいたしたいのであります。
 それから特に厚生大臣に感謝しなければならないことは、花より團子という例が出ましたが、大臣は花より團子以上のことをやつておられる。乳幼兒に対しまして三十六万三千八百トンの砂糖を昭和二十二年度において、すでに配給せられたということが分つておるのであります。これでいかに母乳不足に惱んでおる乳幼兒が助かつたか、これに対して大感謝をいたすものであります。それから厚生省当局が一万二千石の米及び母乳代用品を作りましてそうしてそれを乳幼兒の母乳不足の者に配給された行爲は、非常に立派な厚生省の手腕であります。そこへ持つて來まして昭和二十二年度から大豆を全然配給しておりませんが、母乳の不足には蛋白の必要なことはこれは当然でありまして、昨年以來大豆が妊産婦に配給になつておりませんが、農林省当局と緊密なる連絡をとられまして、内地産の大豆を以て妊産婦に是非配給して頂きたいということをお願いいたしまして、大臣の御所見を伺いたい次第であります。
#39
○政府委員(米澤常道君) 二十二條と三十六條の関係でありますが、二十二條は助産施設、三十六條は乳兒院でありますけれども、乳兒院は現在全國で十二ヶ所しかございません。これは大都市、東京都におきましても多少あつたのでありますけれども空襲その他の関係で焼失した関係もありまして、現在は十二ヶ所しかございません。これの計画でありますが、本年度は御承知のように、年度の途中になりました関係がありまして、この福祉法に基く新らしい施設の新設ということは本年度は一應計画をいたさなかつたのであります。年度の途中でありまして地方財政やなんかの関係もありますし、いろいろな資材の関係もありますのと、これは二十二年度から、法律ができてから、大きな計画を作りましてやるという建前になつておりますので、今のところは計画がないのであります。次に大豆のお話でございますが、これは御指摘の通り大豆の配給がその後大豆事情の関係で中止されておるのでありますが、これは蛋白の補給という点から見ましても是非必要なことでありますので、我々事務当局といたしましても、できるだけ又農林省の方と折衝いたしたいと思つております。
#40
○國務大臣(一松定吉君) 只今の乳兒院の設立の数並びに予算というものはこの法案の御審議を願いまして、通過した後においてそういうようなことを具体化することになつておりますので今直ちにということの持ち合せがありませんので、いずれよく取り調べまして、次囘の適当な時にお答えをいたすことにいたします。
 それから妊産婦に対する二十二年度における大豆の配給のことにつきましては、これは御尤もなことだと私も考えますが、何れこれらのことは農林省とよく打合せをいたしまして、でき得べき限り御質問に副うように一ついたしたいと考えております。御了承願います。
#41
○姫井伊介君 この法案に関係を持つことでありますが、やはりこの際私は厚生行政のことにつきまして、又厚生事業のことにつきまして、根本的な問題について、先に山下委員もお尋ねになりましたが、それを若干補足する意味におきましてお伺いいたしたいと思うのであります。申すまでもなく從來の社会事業、社会施設が、資本主義的な形態の下において行われて來た。從いまして皆思いつきでありまして、現在社会が要求しておる施設が適当な場所に適当な内容において建設されていない。ここにこの社会事業の本質を伸ばして行くところに非常に大きな惱みがあるのであります。新らしい内閣におきましては、この問題こそ他の商工業その他とは違いますので、眞に理想とされる社会主義的な見地からいたしまして、この事業行政というものを発展助長されなければならないのでないかと考えるのであります。これは誰にも遠慮は要らないのじやないかと私は考えるのであります。從いまして、さつき山下委員もお話になりましたが、いろいろな團体などがありますが、私は我々が要望しておる施設が適当なところに置かれなければならないという見地からいたしまして、現在ありまする多くはこの私設……私で設けたものであります。これが戰災などによりまして減つて参りますし、又御承知の通りにいろいろな物價高で経営難に陥つておる。一方法律によりますところの行政的な社会事業は、これは或程度まで全國に行き渡つておるのでありますけれども、これ以外のもので必要な、例すば兒童福祉施設なんというものはそうなんでありますが、現在ありますこの不足なる……分布状態の惡い、それをやはり助長して行かなければならないのでありまするが、そこにおいては先ず非常な困難な点もある。從いまして私はむしろ思い切つて、この際政府といたしましては、これこそ……この頃の言葉で申しますならば、公團と申しましようか、社人事業公團といつたような大きなものを一つ持ちましてそこに根本的な構想を置いて、そうして必要なところに必要な施設をぐんぐん伸ばして行つて、而もその経営には民主的に、地方のそれぞれの専門家などに任せることは、これはできる。又しなければならないのでありましようがそういうような一つ構想によりまして社会事業の運営を進められて行くところのお考えはございませんかということをお尋ねいたします。
#42
○國務大臣(一松定吉君) 今までの社会施設が資本家的の思いつきで設けられておつたということは、これは実際であると私も思う。つまり財力に余欲のあります者が何らかの動機、原因のために一つやつて見ようかというようなことのために始めたというようなことも大分あるように思われるのでありますが、併しそういうことのために、やはりそれらの施設を思い出してやろうということに便利なような手段、方法、場所等において用いられておつたということは、これは否み難い実際であろうと思います。そこで本当にこの民主的に、國家的にこれらの社会事業を勇敢に推進して行こうということについては、そういうような古い考を捨ててしまつて、そうして本当に民主的にこれをやつてやろうというようにしなければならんということは、あなたの仰せの通りに私も考えておるのでありますが、ただこれを公團というようなものを設けてやらせるということについては、これは多少調査研究をして見る必要があると私は思う。なぜかと申しますと、社会事業ということは、やはり一つの慈善ということが本になるのでありますから、そういうような考えを持つておる個人が、一つ自分もこういう社人的な事業をやつて見たいというような考えを持つておるときにそういう人にはやはりそういう思想を向上発展せしめて、世のために働いて貰うということも宜いのではないかと思われるのでありまするから、そういうような方面も生かし、又公的に、今言うような公團というような制度を設けてやるということも生かし、目的はこれらの施設を拡大強化して、民衆のために非常に有効適切ならしめろというのが目的であろうと思いまするからそれらのどの方面から見ても、成る程よい施設だというようなことを考え出してやるということがよいのじやないかとかように私は思つております。今御意見のあるところは、有力なる参考資料として、よく私印象して、將來厚生行政の運営にこれを活用して見たい。かように考えております。
#43
○姫井伊介君 ちよつと今の金持の人が慈善的にということがありましたがこれは私共の考からすると、もうそういう考は私共は受け容れることができないような状態にあると思うのであります。無論慈善ということは必要なことであります。又考えなければなりませんが、その意味において社会事業が運営されて行くならば、今日のようなやはり思想的ないろいろな欠陥が出て來るのでありまして、やはり近く行わんとする國民助け合運動とかいつたような、まあ昔は社会全体主義とかいつて、これにもいろいろな議論がありますが、助け合つて行く、片山首相の言われまする高度なる人道主義、これらの立つて行く観点からいたしまするならば、無論金を持つておる人は金を出すべし、働く力を持つておる人はその力を出すべし、智慧のある者は智慧を出すべし、おのおの助け合つて社会的に協力して行かなければならないので、無論今のような思いつきによつてやつて行かれるものも、これは無論尊重いたしまする。尊重いたしまするけれども、この儘の考えといたしましては、やはり私は社会主義的に一つの大きな構想を持つて、そうしてその動向を迪つて社会事業の発展を期しなければならないものじやないかと思うのであります。これは私の私見であります。
#44
○國務大臣(一松定吉君) 私のお答えが少し悪かつたがために誤解を受けたようでありますが、実は私は金持の人の慈善ということに対する考えではない。私の言うのは、金を持つておろうとおるまいと、詰り慈善心の発露ということが、この社会事業の推進に向つては非常に効果がある。でありますから、貧乏人であつても、一つ俺は一身を犠牲にして國家のためにこういう社会事業をやろうというような考のある人には、やはりやつて頂きたい。丁度今あなたのお示しになりました助け合つて行くというようなことが、これらの社会事業には一番必要でありまするから、助け合つて行くという思想の表現化するのには、いわゆる個人がそういう考えを以てやるということを尊重して慈善事業をやつて貰わなければならん。從つて公團ということが直ちに賛成ができないで、やはりそれは研究して見る必要があるということは、即ちそこから湧き出た考えでありまするから、その辺は一つ私は助け合つて行くという、このいわゆる慈善心ということの発露は、社会事業の向上発展には偉大なる力を持つ。かような考えを持つておりますから、直ちに公園に賛意を表することのできなかつた理由をお汲み取り願いたい。丁度かのララ物資を厚生省の手によつて全國の貧民若しくは兒童等に配給いたしました。丁度あのララの精神、あれは御承知の通りにお互いが助け合つて金のある者もない者も、自分の身分に應じて品物や金を義捐してそうしてそれを日本を送つて來て、日本の各方面のそれらの人々に配給して、そういう人々の慈善心を十分喜んで受け入れて、そうして感謝の念に燃えておるという実情は、こういう社会事業を向上発展せしめる基本的精神として尊重すべきことだ、私かように考えております。今あなたから思い切つて公團にしてはどうかというお話がありましたけれども、それは暫くの間調査研究した上で、それで宜いということになれば、そういうふうに進みたいけれども、今のところそこまでは考えておりませんと申し上げたのですから、その点誤解のないように御了承願いたいのであります。
#45
○委員長(塚本重藏君) 本日はこれを以て散会し、次会は二十二日午前十時から続行したいと思います。これを以て散会いたします。
   午後零時十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           今泉 政喜君
           宮城タマヨ君
   委員
           内村 清次君
           河崎 ナツ君
           中山 壽彦君
           木内キヤウ君
           小林 勝馬君
           井上なつゑ君
           小川 友三君
           小杉 イ子君
           波田野林一君
           服部 教一君
           姫井 伊介君
           山下 義信君
           米倉 龍也君
  國務大臣
   厚 生 大 臣 一松 定吉君
  政府委員
   厚生政務次官  金光 義邦君
   厚生事務官
   (兒童局長)  米澤 常道君
   厚 生 技 官
   (医務局長)  東 龍太郎君
ソース: 国立国会図書館
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