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1949/04/26 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 建設委員会 第32号
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1949/04/26 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 建設委員会 第32号

#1
第007回国会 建設委員会 第32号
昭和二十五年四月二十六日(水曜日)
    午後二時十分開議
 出席委員
   委員長 淺利 三朗君
   理事 田中 角榮君 理事 内藤  隆君
   理事 前田榮之助君 理事 砂間 一良君
   理事 笹森 順造君
      井手 光治君    池見 茂隆君
      瀬戸山三男君    高田 弥市君
      西村 英一君    三池  信君
      畠山 重勇君    増田 連也君
      村瀬 宣親君    八百板 正君
      寺崎  覺君
 出席政府委員
        建設事務官
        (住宅局長)  伊藤 五郎君
 委員外の出席者
        專  門  員 西畑 正倫君
        專  門  員 田中 義一君
四月二十六日
 委員龍野喜一郎君辞任につき、その補欠として
 大西弘君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 住宅金融公庫法案(内閣提出第一五二号)
    ―――――――――――――
#2
○淺利委員長 これより会議を開きます。
 住宅金融公庫法案を議題といたします。本案につきましては、もはや質疑を終了いたしております。ただいま瀬戸山三男君より本案に対する修正案が提出せられておりますので、この際趣旨の説明を求めます。瀬戸山三男君。
#3
○瀬戸山委員 ただいま議題となつております住宅金融公庫法案につきまして、修正の意見を申し述べます。まず修正する部分を読み上げたいと思います。
 住宅金融公庫法案の一部を次のように修正する。第三十八條を次のように改める。
 訴願法(明治二十三年法律第百五号)及び行政事件訴訟特例法(昭和二十三年法律第八十一号)については、公庫を国の行政機関とみなして、政令で定めるところにより、これを公庫に準用する。かように改めたいと思うのでありますが、その理由を簡単に御説明申し上げます。
 原案によりますと、第三十八條は、訴願法は、「政令で定めるところにより、公庫を国の行政機関とみなして、公庫に準用する、」かようになつておるのでありますけれども、公庫が行いまする処分に対しまして不服のあります場合は、公庫を行政機関とみなし、これに訴願法を準用させるだけでは間に合いませんので、その訴願の裁決の結果によりまして、訴訟の手段によつて不服を申し立てる場合は、この不服申立ての事件は当然行政事件たる資格を持つものとして、これに行政事件訴訟特例法を準用することを明確にしなければならないのであります。そういう意味合いにおきまして、法律の態勢を完備させる必要がありますので、かような修正の提案をいたすわけでありますが、何とぞ本委員会におきましても、御採用あらんことを切望いたす次第であります。
#4
○淺利委員長 これより原案及び修正案を一括して、両案に対する討論に入ります。通告により順次これを許します。瀬戸山三男君。
#5
○瀬戸山委員 私は自由党を代表いたしまして、ただいま議題になつております住宅金融公庫法案につきまして、先ほど私から提案いたしました修正案を含めまして賛成の意を表したいと思います。
 御承知の通りに、本法案は国民大衆が健康で、文化的な生活を営むに足る住宅の建設に必要な資金を融通いたしたいというのが根本の方針であります。現在私から多く申し上げるまでもなく、衣食の方は割合に改善されつつありますけれども、住宅問題はきわめて深刻なる社会問題の一つになつておるわけであります。この際住宅問題を一挙に解決するということは、政治の理想でありますけれども、日本の経済財政の状態からいたしまして、その理想を一挙に解決するということは不可能であります。しかしながら問題はきわめて重要でありますので、この際この法案に盛られております通りに、政府の資金並びに対日援助見返り資金の方から百五十億円の相当巨額なる資金をもちまして、これによつて政府の計画にあります通り、約八万戸以上の住宅を建設するということは、きわめて時宜に適したことであると存ずるのであります。もちろんこの法案の内容につきましては、委員会におきましても、いろいろ御研究がありました通りに、なるべくこれを広く活用したい。そのためには貸出しの割合の七割五分を八割にいたしたい。もしくは毎月の負担をできるだけ軽減させるために、償還年限をもう少し延長して、さらに貸出しの利率を下げたいということも考慮されるのでありますけれども、現在の財政、経済の段階におきましては、この程度で一応実施をいたし、その後の状況によつて改善すべきところは改善しなければならない、かように存ぜられるわけであります。ただ私はここに賛成をいたすのでありますけれども、政府に対して強く要望いたしておきたいのは、この法案の一つの線になります、いわゆる国民大衆の一部に恩恵を浴させるようになつておるのでありますけれども、それ以下の国民大衆が相当住宅に困窮いたしておるということは、私から申し上げるまでもないことであります。そこがきわめて重要でありますので、将来は現在行われておりますところの国庫補助住宅、いわゆる賃貸住宅を強力に推し進めるという意味におきまして、政府はこの方面に、現段階より以上に、予算を大幅に拡張して、この法案の第一條に盛られております趣旨を徹底せられんことを切望いたしまして、賛成の趣旨といたします。
#6
○淺利委員長 次に増田連也君。
#7
○増田(連)委員 現下の住宅不足の事情にかんがみまして、政府出資による特別の住宅金融機関として、住宅金融公庫を設置し、国民大衆のために長期かつ低利の住宅建設資金の融通をはかるということは、非常にけつこうなことであると存じます。厳密に言えば、物足りないような点もないではありませんが、公庫の運営、貸付等に関しまして、公正かつ親切に細心の注意を拂つていただきたいということを希望いたしまして、この修正案に賛成いたすものであります。
#8
○淺利委員長 前田榮之助君。
#9
○前田(榮)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となつております住宅金融公庫法案に対して、その修正案及び修正案を除く原案を含めて賛成をいたすものであります。
 この際私は希望を付して賛成いたしたいと思うのであります。希望の内容につきましては、本会議で明確にいたしたいと思うのでありますが、本委員会におきましては、すでに十分論議を盡されておるので、大体左の四項目についてのみ希望をしておきたいと思うのであります。
 第一は、国民大衆のために住宅を供給するという本法案の骨子に対して、本法案が真に国民大衆の希望に沿う法案になつていない点が非常に遺憾でありまするので、この欠陷を補うために、いわゆる補助住宅、賃貸住宅、労務省住宅等に対して、今後十分予算の増額をして、この欠陷を補い、しかして本法案の使命達成に寄與するようにすべきであるという希望を申し上げる次第であります。
 第二といたしましては、金利の引下げでありますが、これは本法案実施後においても、大体公庫の経理といたしましては、百五十億円全額を融資いたしますると、八億二千五百万円という年額利子收入があるのでありまして、金融公庫の運脚、その他事務費等はこの半額に足らない金額で十分まかなえると思うのであります。従つて十分金利を引下げる余裕が出て来るものと推定されるので、そういう際には金利を引下げるべきであるということを要求する次第であります。
 第三といたしましては、生活協同組合がこの融資の対象になつておりませんが、生活協同組合の実相に即して、営利を目的としない法人の生活協同組合に対しては、将来融資の対象にすべきことを要求する次第であります。
 第四番目といたしましては、住宅の問題であります。この実施上、国民が最も困難を感ずる点は宅地の確保であります。この宅地の確保については、現在非常に困難な実情にありますので、今後は市街地におけるところの宅地は、これにもつと社会性を持たせたところの立法措置を講じて、住宅の確保を全からしめるようにすべきことを希望する次第でございます。
 以上の点は、本会議でもつと明確にいたすつもりでございますが、この希望を付して修正案に賛成するものであります。
#10
○淺利委員長 次に砂間一良君
#11
○砂間委員 私は共産党を代表いたしまして、本法案に対する見解を申し上げます。
 まず最初に瀬戸山委員の提案になるところの修正意見についてでありますが、この第三十八條の修正部分に対しましては賛成いたします。修正部分を除く他の原案に対しましては反対であります。以下反対の理由を申し上げます。
 第一は、融資の対象が住宅の新築だけに限定されておりまして、余裕住宅を開放した場合の改造の費用であるとか、あるいは多くの旧軍用施設を住宅に開放いたしまして、それを住めるようにするために改造するところの費用、あるいは現在住んでおります家の維持修繕、たとえば営団住宅等が非常にいたんでおりますが、そういう方面に対する融資の道が全然開かれておらない。公庫の資金がそういう方面には全然利加されない。そして単に新築だけに限られておるという点が私ははなはだ不満なのであります。公庫の方からそういう資金が出ませんでも、もしも政府が他に適切な措置をとつて、そういう方面に対するところの費用を考えてくださつてあるならばいいのでありますが、そういう方法も講ぜられておらないという点を考えますならば、單に新築ばかりでなくて、住宅に対する応急措置としまして、しかるべき措置がそういう方面にも講ぜられるべきではないかと思うのであります。
 次に第二点といたしましては、この手続はきわめて煩瑣であります。ことに申込みの審査が、金融機関――銀行にまかされているということであります。もつとも最後的な決定は、事実上は銀行の窓口において受付けるのでありますが、公庫が審査するということになると思うのであります。その審査の條件にいたしましても、これまで委員会において明らかになつたところによりますと、まず第一に住宅で困つておる人、次には世帶主であるということ、その次には返済能力のある人であるということになつておりますが、この返済能力というような点について見て行きますと、必然に一番住宅に困つておる無産の勤労者というものは除外されているということになると思うのであります。それから金の貸出し方にいたしましても、何期かにわけて貸してやる。最初は自分で宅地を心配し、土台を築き、むね上げをし、そうして公共団体の検査を受けて、むね上げをしたあとくらいでなければ、貸してもらえないということになると思います。しかし家を建てます場合において、大工や左官の手間賃というものは、毎日々々拂つて行くのでありますから、こういう点につきましても、実際にそぐわない面が多分にあります。そのほかいろいろな手続の問題や何かがきわめて煩瑣でありまして、だれもが安易に借りられるというふうにはなつておらない。こういう点が反対の第二の理由であります。
 それから次に第三点、これが反対の一番の骨子であるのであります。今日一番住宅に困つておるのは、低收入の勤労階級であります。ところがこの住宅公庫は、そういう一番住宅に困つておる人たちが利用できないというところに、最大の欠陷があると思うのであります。と申しますのは、まず第一に、この頭金を自分で心配しなければならぬ。その頭金は木造十坪の家を建てるにいたしましても、少くとも五、六万円の金を自分でくめんしなければならぬ。この五、六万円の金を自分でくめんするということが、今日の六千三百円ベースでわくをはめられておりますところの勤労者として、とうてい心配する力がないのであります。ここでまず第一に勤労者が利用できない。その次には毎月の割賦の返済金についてでありますが、これらはやはり毎月少くとも千五百円、あるいは二千円以上の償還能力がなければ、利用できない。実際におきましては、この毎月の返済金というものは、もつと多くて三千円以上くらいになるのではないかと思います。そういう金額は、現在の労働者の賃金水準をもつてしますならば、とうてい返して行くことができません。昨年の調査による平均家賃を見ましても、百四十五円くらいでありました。もつとも古い家に住んでいる人の家賃、いわゆる統制家賃はもつと低いのでありまして、十二円とかあるいは二十円というようなものさえもあるのでありますが、この住宅を新築した場合においての家賃や、その他の返済金というものが少くとも二、三千円に上りますならば、これはとても拂つて行けない。現在の賃金べースはこの低い統制家賃を基礎といたしまして組み立てられておるのでありますが、これらの点からいたしまして、一番住宅に困つておる勤労者が利用できない。勤労階級をシヤツト・アウトしておるというところに本法案がまつたく住宅問題について利用価殖がない最大欠陥があると思うのであります。つまりこの住宅金融公庫は、一般の住宅難を解決してやるというふうなまぼろしを與えまして、そうして中流階級以上の小金のある人たち、これらの人たちは自分でも何とかくめんして建てることができると思うのでありますが、そういうような人たちに便宜を與える法案にすぎないのであります。
 次の第四点といたしましては、宅地の問題につきまして何ら法的な措置が講ぜられていない。たとえば私及び公の所有地の宅地収用に関する法制的な措置が講ぜられておりませんが、しかしこれは戦災都市、なかんずく大都市なんかで住宅を建てる場合におきまして、この土地の問題は決定的な問題になると思うのであります。これらについて何ら法制的な措置が講ぜられておらないというところには欠陥があると思います。
 それからその次には余裕金の運用についてであります。これはこの法案によりますと、預金部に集めるとか、あるいは国債を買うとか、あるいは銀行に預託するとかいうことになつておるのでありますが、銀行なんかに預託いたしますと、他に流用される危険性がきわめて多い。たとえば証券市場の資金に流用するというふうな危險も多分に感ぜられるのであります。私どもはこの余裕金は、たとえば住宅の方の維持だとか、あるいは改善だとかいう方面に利用していただきたいと思うのであります。そういうふうな点が運用の面におきましてもうまく行つておらない。また公庫の経理の公開であるとか、あるいは貸付状況の公開というふうな点についても、はつきりした規定がないということはきわめて遺憾であります。かように見て参りますと、この法案はいかにも一番住宅に困つておる勤労者に対して住宅を建設、供給してやるようなまぼろしを與えておきながら、事実はそれらの人たちがまつたく利用できないようにシヤツト・アウトしておる一つの欺瞞法であるということが言えると思うのであります。それからこの公庫の貸付金を利用いたしまして、有力者あるいはボスがこれを食いものにする危険性がきわめて多い。また銀行を使うことによりまして銀行をもうけさせる、あるいは銀行に利用されるというような危險性がきわめて多いと思うのであります。私どもは住宅問題につきましてはいろいろ考えておりますが、今日の住宅難は主として戰争によつて焼かれてしまつたというところに最大の原因があると思うのでありますが、戰争で焼かれた住宅は国で復興してやるのがあたりまえだ。少くとも国費による住宅をたくさん建てまして、それを安い家賃で供給してやるという施策が講ぜられるべきだと思うのであります。そういう点について今の政府は何ら考慮されておらないように見受けられるのはきわめて遺憾であります。また住宅問題を解決する応急の措置といたしましては、先ほども申しましたように、大邸宅や余裕住宅を積極的に開放する、あるいは旧軍用施設等を改造して利用する、ないしは現在住んでおる営団住宅やその他の非常に普及しておる住宅を維持改善してやるということもきわめて必要だと思うのでありますが、そういう点についてもほとんど意が注がれていないということは、はなはだ不満であります。
 以上申しましたような理由によりまして修正点を除く本法案に対しまして共産党は反対するものであります。
#12
○淺利委員長 寺崎覺君。
#13
○寺崎委員 私は農民協同党を代表いたしまして、国民大衆待望の本法案の修正案及び修正を除く原案に対して賛成いたします。
#14
○淺利委員長 以上で通告による討論は全部終了いたしました。
 お諮りいたします。これにて討論を終局いたすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○淺利委員長 御異議なしと認めます。よつて討論は終局いたしました。
 これより政府原案及び修正案につきまして採決いたします。まず瀬戸山委員の提案になる修正案について採決いたします。修正案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔総員起立〕
#16
○淺利委員長 起立総員。よつて修正案は可決せられました。
 次に修正部分を除く原案について賛成の諸君の御亀立を願います。
    〔賛成者起立〕
#17
○淺利委員長 起立多数。よつて本案は修正議決せられました。
 お諮りいたします。本案に関する報告書の作成並びに提出手続等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○淺利委員長 御異議なければさよう決定いたします。
 次会は追つて公報をもつてお知らせすることとし、本日はこれをもつて散会いたします。
    午後二時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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