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1971/05/10 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第13号
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1971/05/10 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第13号

#1
第068回国会 逓信委員会 第13号
昭和四十七年五月十日(水曜日)
    午前十時二十三分開議
 出席委員
   委員長 高橋清一郎君
   理事 加藤常太郎君 理事 古川 丈吉君
   理事 本名  武君 理事 水野  清君
   理事 古川 喜一君 理事 樋上 新一君
   理事 栗山 礼行君
      宇田 國榮君   小此木彦三郎君
      小渕 恵三君    亀岡 高夫君
      左藤  恵君    中村 拓道君
      橋口  隆君    長谷川 峻君
      林  義郎君    森  喜朗君
      阿部未喜男君    武部  文君
      八百板 正君    中野  明君
      池田 禎治君    土橋 一吉君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 廣瀬 正雄君
 出席政府委員
        郵政政務次官  松山千惠子君
        郵政大臣官房長 森田 行正君
        郵政省郵務局長 溝呂木 繁君
 委員外の出席者
        郵政大臣官房首
        席監察官    舘野  繁君
        逓信委員会調査
        室長      佐々木久雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月九日
 辞任         補欠選任
  坪川 信三君     左藤  恵君
同月十日
 辞任         補欠選任
  佐藤 守良君     橋口  隆君
  服部 安司君    小此木彦三郎君
同日
 辞任         補欠選任
 小此木彦三郎君     服部 安司君
  橋口  隆君     佐藤 守良君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 郵便切手類模造等取締法案(内閣提出第一〇五
 号)
     ――――◇―――――
#2
○高橋委員長 これより会議を開きます。
 郵便切手類模造等取締法案を議題とし、まず提案理由の説明を聴取いたします。郵政大臣廣瀬正雄君。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#3
○廣瀬国務大臣 ただいま議題となりました郵便切手類模造等取締法案について御説明申し上げます。
 最近、真正な郵便切手類にまぎらわしい外観を有するものが製造、販売され広く一般に流布されるようになってまいりました。
 この法律案は、このようなまぎらわしい外観を有するものの製造、販売等を制限することにより、その行使による郵便切手類の偽造に関する犯罪を未然に防止するとともに郵便切手類の信用の維持をはかろうとするものであります。
 なお、この法律案は、公布の日から起算して六カ月を経過した日から施行することにしております。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
#4
○高橋委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○高橋委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部未喜男君。
#6
○阿部(未)委員 この法案に特段反対する考えはございませんけれども、なお幾つかの不明の点について質問させてもらいたいと思います。
 まず第一点は、この郵便切手類の模造を取り締まるというその趣旨はここに書かれておりますけれども、趣旨は了解はできますけれども、この時期にこれを出さなければならなかった必要性について、ひとつ御説明を願いたいのでございます。
#7
○溝呂木政府委員 御承知のように戦前、それから二十三年、四年ごろまでは、こういう模造切手を取り締まる省令がございまして、それで取り締まっておったわけでございますが、その後、こういう処罰を必要とするものは法律によるということになりまして、そのときに私どものほうはこれをやめたわけでございます。と申しますのは、その時点におきましてはこういった模造切手というものが出回ることによる被害といいますか、弊害というものがあまり見られなかったということでございますが、先生御承知のように、最近になりまして非常に本物にそっくりな、それでいて、しかも現行法の郵便法八十四条等を免れるような切手の販売あるいは流布がなされるようになりましたので、急遽こういったものを取り締まりたいということでこの法案を提出したわけでございます。
#8
○阿部(未)委員 一つは、現行郵便法八十三条の料金減脱の関係がございます。それからもう一つは偽造の関係がございますけれども、この八十三条の郵便料金減脱なり八十四条の偽造禁止の法律によってなお取り締まり得ないところはどういうところですか。
#9
○溝呂木政府委員 御承知のように、八十三条の「料金を免かれる罪」は「不法に」云々とということで、そこに故意があることがまず一つ条件となっております。それから八十四条の「切手類を偽造する等の罪」は、「行使の目的を以て」偽造し云々というふうになっております。ところが、先ほど申し上げました、最近出回っておりますものは、表面は、行使の目的をもって偽造に近いような形でありながら、裏側に、参考品とか見本品とかということで、あたかもこれは偽造の意思がないというような形でもってこれが頒布あるいは販売されているわけでございます。したがいまして、現行法で、現在流布されているそれらの模造切手を取り締まるためには、やはり行使の目的をもって偽造したということを立証しなければならないというところで、非常に取り締まりが困難といいますか不可能に近いということで、今回この法律を出すことによってそういうものをずばり取り締まりたい、こういうふうに考えたわけでございます。
#10
○阿部(未)委員 この法律を、いま申し上げた八十三条の郵便料金を免れる罪なり罰則なり、あるいはこの八十四条の切手類の偽造の関係から切り離して、単独立法で措置をしなければならない理由はどういうわけですか。
#11
○溝呂木政府委員 現在郵便法の中に、御指摘のように八十三条「料金を免かれる罪」と、それから八十四条に偽造するものがございます。しかし、今回のこの模造取締法案は、その切手を「製造し、輸入し、販売し、若しくは頒布し、」ある目的に「使用してはならない。」という形になっております。この取り締まらんとする法域といいますか、それはある程度切手の信用維持という分野を私ども考えております。したがいまして、本法に入れてもいいかなと思いましたが、そういった法域が少し広いことと、たまたまこれとよく似た印紙等模造取締法が全くこれと同じ形態をとっておりますので、すでにあります法律と同じような形態をとったわけでございます。
#12
○阿部(未)委員 これは大臣にお伺いしたいのですけれども、大臣も長く郵政事業に精通されておるわけでございますが、本来、万国郵便条約によってこの法律はつくられなければならない性質のものだったと私は思うのですけれども、万国郵便条約の十一条によりますと、これは加盟国がこの模造切手の製造や流布の詐欺行為を禁止しなければならぬということになっておるはずです。特に、万国郵便条約の十一条では、加盟国の政府は、次の目的を達するために自国の立法機関にその措置を提議せねばならぬ、こう規定がされております。万国郵便条約の問題をずっとながめてみますと、少なくも一八九一年には日本は万国郵便条約に加盟をして、この万国郵便条約の適用を受ける。同じ政府の措置として、話が横になりますけれども、ごく先般日本とアメリカの間に渡り鳥の保護の協定が結ばれました。直ちに日本政府はそれに従って特殊鳥類の保護等に関する法律を提案して先般可決をされたいきさつがございます。同じ日本の政府が、片方はアメリカと結んだ協約については間髪を入れずに立法措置をとる。ところが、この全国民が享受をしておる郵便条約というような大事なものについて、実に一八九一年から今日まで放置してあったというふうな点について、大臣はその責任をどう考えておられるのか、ちょっとお考えを承りたいのです。
#13
○廣瀬国務大臣 ただいまお話のように、万国郵便条約では、模造切手の製造及び流布を禁止いたしまして、かつこれを抑圧いたしますために「加盟国の政府は、必要な措置をとること又はその措置を自国の立法機関に提議することを約束する。」というような規定がありますわけでございまして、この規定は、「約束する」という文言が使ってありますように、必ずしも立法を義務づけたものではないというように解釈いたしておったわけでございまして、加盟国は約束に対する道義的な義務を負うものであるというように私も解釈いたしておりますわけでございます。いままで立法しなかったのは、現在までこのような措置をとる緊急な必要がなかったというように考えておったわけでございます。ところが、さっき郵務局長が御答弁申し上げましたように、最近この真正な郵便切手にまぎらわしい外観を有するものが製造され、またもよりの店で広く販売、頒布されておりますというような状況になりましたので、郵便料金を免れる犯罪を誘発するおそれや、郵便切手類の信用を害するおそれが必ずしもないではない、そういう心配が非常に多くなってまいりましたので、このために立法措置を踏み切ってやるということにいたしましたわけでございます。
#14
○阿部(未)委員 少し牽強付会の感を免れないと思うのでございますけれども、法律というものは、そういう事案が生じなければつくらなくてもよろしい、最近そういうものが出てきたからつくるんだというふうに大臣はいまお答えのようでございますけれども、私は、万国郵便条約のほうでそういうことが約束をされた以上は、想定をされるそういうものについては、常に行政府として事前に措置を講ずべきものと考えるのですが、今後法律に対する政府の考えは、そういう約束があっても事案が発生しなければ別につくる必要はない、こういうように理解していいのですか。
#15
○廣瀬国務大臣 厳密に解釈いたしますと、私もやはり阿部委員と同じような感じを持つわけでございまして、「提議することを約束する。」ということになっておりましたわけでございますが、これは道義的な義務だというように考えておったのでありますけれども、やはり突き詰めて考えますと、そうしたことが好ましかったということはいえないではないと思うのでございます。しかし、おくればせながら今度つくることにいたしたわけでございますから、御了承いただきたいと思っております。
#16
○阿部(未)委員 率直に言って、大臣はまだ大臣になられてそう長いわけじゃございませんが、事務当局のほうは今日までこれを放置してあった理由は一体どういうわけですか。
#17
○溝呂木政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、万国郵便条約において加盟国は約束をしたわけでございます。そこで、この約束は今度の本法の模造だけでなくて、現在すでにある現行法の八十四条の偽造、そういったもの全部含めているわけでございまして、ある意味においては一部は履行、履行というか約束を守っておったわけでございますが、最後の、今回の模造の部分にまで取り締まりがいままでなされてなかった、この点につきましては先ほど大臣からお話がありましたように、その必要性を感じていなかったということで、取り締まり関係の法規というのはある程度そういう事実が生じたときでいいという考え方で行なってきたわけでございます。
#18
○阿部(未)委員 いずれにしてもいままでなかったわけでございますから、私はやはり出てきたからやらなければならぬというのはおそいので、出てこないうちにやるべきであるという主張は変えませんけれども、現実の問題としていま出されたわけです。それはいま郵務局長からお話のありました、現実の問題としてこれをつくらなければならない時期になったのだというお話ですが、それらの具体的な例を少しここで示してもらいたい。どういう事例があるから現実の問題についてこの法律を提案なさったのか説明をいただきたいのです。
#19
○溝呂木政府委員 現在、私どもの調査によりましてわかっておりますのは、問題になる、今回模造の法案の取り締まりの対象にしたいようなもので現在市販されておるものは、大体十四種類で、会社は東京に二社、大阪、名古屋各一社によって製造、通信販売されているものでありまして、それが全国の数十店で販売されて、中には百貨店、いわゆるデパートでさえ販売されているような実情であります。その現物をいま私手元に持っておりますが、ちょっと遠くてお見えにならないかもしれませんが、私どもこれを手にしていささかあ然とするような品物でございます。そういったことで、これらがどのくらい出回っているかということをいろいろ調査してみたのでございますが、もちろんそういう会社は、幾らつくった、幾ら販売したかということは絶対教えませんし、いろいろ手を尽くして第三者的な方から、こういうものはどのくらいつくられたかということをいろいろ探ってみたのですが、現在市販されている枚数等については的確な把握はできませんが、相当量すでに出回っているというふうに考えております。そして私どもはあまりよく気がつきませんでしたが、これが最初出たのは三十九年の十一月にある社が出したのが最初であるというふうなことだけが現在わかっている状況でございます。
#20
○阿部(未)委員 大体それでこの法案を提起をされるに至った経過はわかりましたが、そこで郵務局長、いわゆるこの法案の保護法域とでもいうべきものはどういうものになるわけでありますか。
#21
○溝呂木政府委員 模造切手取締法案でございますので、当然郵便切手か、あるいは料金をあらわす証票、こういったものを保護するということになります。その一つは、結局現行法であります、特に八十三条の料金減脱の罪を誘発するおそれがあるという観点に立って、これを取り締ろうということが一つと、それからやはりこういうものが流布いたしますと、私どものつくっております切手に対する信用の失墜、一般の人が、これを郵便を出すために張る場合、あるいはその副次的作用といいますか、郵趣という形でもって私どもつくっております郵便切手が使われているわけでございますが、そういったものに対して、こういった模造切手が出回りますと、その信用を阻害するというような事態が起こるわけでございます。こういった両方の面からこの取締法案を出したということでございます。
#22
○阿部(未)委員 大体いままでが概論になろうかと思うのですが、具体的に少し伺いますが、そこで第一条の「料金を表わす証票に紛らわしい外観を有する物」となっておりますが、「紛らわしい外観」とはどういう定義になりますか。
#23
○溝呂木政府委員 第一条にございます「紛らわしい外観」というものの考え方でございますが、一応まぎらわしいか、まぎらわしくないかの判断をどの辺に求めるかといいますと、これは過去の印紙等模造取締法について研究し、またわれわれの切手についてそれを当てはめるとしたならばどういうことがいいかということを研究したわけでございますが、私どもの考え方ではまず大きさが一つそのポイントになろうかと思います。明らかにもう切手として使用できないような新聞紙大の大きさとか、非常に大きな大きさ、こういうものであればまずまぎらわしくないと思います。それから色彩あるいは図柄、こういったもので郵便切手にまぎらわしいものがございますが、しかし切手には必ず「日本郵便」、あるいは料金をあらわす、料額をあらわす「二十円」とかそういう表示があります。そこでたとえばブルーチップとかあるいは結核予防のシールのように、図柄は郵便切手にまぎらわしいが、これが郵便切手でないという表示がそこにはっきりしてあればこれはまぎらわしくない。したがって、大きさとその表示、それからもう一つはそういった大きさなり表示があっても、たとえば素材が大きな陶器とか、ガラス器とか、明らかにもう切手として通用できないような素材のものにそれがつくられている場合は、まずまぎらわしくないというふうにいえようかと思います。したがいまして、大きさと、表示と、それから素材、こういったような三点にわたってまぎらわしいかまぎらわしくないかということを見きわめたいというふうに考えております。
#24
○阿部(未)委員 そういう説明になりますと、現行法にいう偽造と模造の違いはどこで区別されますか。
#25
○溝呂木政府委員 本法の題名が「模造」ということになっておりますので、当然法律用語として偽造というものと模造との関係が出てくるわけでございますが、実はこの点につきましては二つほどの考え方があるようです。一つは法令用語辞典等で前の法制局長官等が書かれた辞典によりますと、偽造とは現物とあやまって流通することの期待を持ってつくる、すなわち本物とあやまって流通することを期待する意思がそこにあってつくったものが偽造であり、模造としては現物として流通させる意図の有無を問わない。そのものが模刻、模写、本物でないということで通用するということでもいいのだというような考え方、いわゆるそこに意思の問題が一つあるようです。それから新法律学辞典によりますとちょっと考え方を変えておりまして、模造も偽造もともに真正を偽るものであるが、真正のものだという印象を与える程度の問題だ。偽造のほうは非常にそれが強いものであり、模造の場合はその程度の弱いものであるというような考え方があるようでございます。しかしこれは一つの用語としての解釈論でございまして、実際の実定法の中においてはそれぞれ御承知のように「行使の目的を以て」偽造し云々であり、今回私どもの法律の中にも「紛らわしい外観を有する物は」云々云々ということで、実定法の中ではそれぞれその法律に基づいて取り締まれるということで、この偽造、模造は単なる法令用語上の解釈によってはそう大きな問題はないのじゃないかというように考えております。
#26
○阿部(未)委員 まぎらわしいの見解といいますか、まぎらわしいという規定については、外郭はつかめました。しかしこれは大臣、何といってもこの法律が基本的な人権にかかわる刑罰法規になるわけです。したがって、この罪刑法定主義の原則からいうならば、犯罪構成の要件を明確にして国民に知らしめていかなければならない。そうしますと、いま郵務局長が説明をされましたまぎらわしいというものが、きわめて抽象的に、寸法であるとか、素材とか、あるいは図柄とか、表示とか言われておりますけれども、その程度では、では寸法が倍ならばいいのかとか、あるいは三分の一ならいいのかといういろいろな問題が出てくるだろうし、拘束される国民の側から見ると、特に最近小さい子供たちの間でも郵便ごっこなどといって切手とまぎらわしいものをつくって遊んでおる。そういうものが、こういった法律が曲がって運用されて、いたずらに制圧を受けるようになってくるときわめて重大な問題ですから、人権にかかわる刑罰法規であるということを考えますと、それらの点についてはもう少し明確にしておく必要があるのではないか、こういうふうに考えますが、どうでしょうか。
#27
○溝呂木政府委員 ただいま私の答弁で、まぎらわしい外観を有する物と、そうでない物との基準について抽象的にお話したわけでございます。ただちょっとお含みいただきたいのは、一般に取り締まり法規における判断は、実は時々刻々脱法しようとする意図の者は、一つの基準に対してすれすれの線で常に私どもの困るような挙に出るわけでございますので、これはいろいろ法務省とも検討したのでございますが、やはりこういった取り締まり法規については、取り締まり官庁にある程度の自由裁量が認められないと取り締まりの実効があがらないという形もございますので、いささか抽象的に申し上げてあるわけでございますが、ただ私どもがそれを恣意に取り締まっては全く申しわけないので、私どもの内規としていろいろのものを考えております。それは結局常識的にいえば、一般的に見て切手と間違えそうもないものを、私どもが飛んでいってそれを押える――まさに世間一般常識で判断をすればいいと考えております。したがって、大きさ等については一応私どもとしては、現在流通しております切手で、たくさんございますが、その大きさをもとにしまして、一番小さい切手に対して七五%以下ぐらいならば、まあこれは善意のいわゆる学術研究等に使うためにつくったといってもいいだろう、あるいは大きいほうは、いま出回っているほんとうの切手の一五〇%程度の大きさ以上のものならばまずまぎらわしくないということでよっておりますが、ものによっては七五・〇〇%ぐらいでもって、しかも本物そっくりのものをもって、また変な場所で売られると私どもとしては困りますので、一応内部的な規定は設けるつもりでございますが、取り締まりにあたっては実物を見て、そして世間一般常識的に見てまぎらわしいものであれば、これはまぎらわしいとしていきたいと考えておるわけでございます。
 それから素材等について申し上げましたが、たとえば素材では金属、それから陶器、ガラス、布地等考えております。しかしこれも御承知のように、最近はガラスといってもだんだん細くしていくと、ほとんど紙と同等のものになってしまう。それでいいかげんな切手をつくって流布されても困るということで、一応常識的にはこういうものを持っておりますが、やはり現物を見まして、そこに明らかに悪意を持って――悪意というか、われわれとしては取り締まらなければならないような形態を有しておれば、やはりまぎらわしいというものの対象にしたいというふうに考えておるわけでございます。
#28
○阿部(未)委員 大体了解ができました。
 その次に、第一条の解釈ですけれども、特に前段で「紛らわしい外観を有する物は、製造し、輸入し、販売し、若しくは頒布し」、こうなっておりますが、ここには「輸出」ということばがないようです。これが一点。
 その次に「又は」から下ですね。「又は郵便切手その他郵便に関する料金を表わす証票の用途に使用してはならない。」これは現行の偽造切手で取り締まれるのではないかという気がするわけです。後段のほうは、ことさらにこの規定が必要であるかどうかお伺いしたいのです。
#29
○溝呂木政府委員 まず、第一点の「輸出」が抜けておるということでございますが、結局製造し、販売し、頒布することを押えれば、おのずから輸出は押えられるということで、「輸出」を抜いたわけでございます。この「輸入」というのは、まさに製造と並んで国内に入ってくるルートという意味で「輸入」を入れたわけでございまして、結局製造し、輸入で入ってきておる。それを販売し、頒布するのを押えれば、輸出の場合は当然販売、頒布そういうものにひっかかるというふうに考えたということと、またこれらをのがれて外国に行った場合でも、外国によっては模造を禁止している国と禁止していない国とございますが、禁止している国は当然輸入を禁止しておりますので、その両面から実効があがるということで抜いたわけでございます。
 それから「又は郵便切手その他郵便に関する料金を表わす証票の用途に使用してはならない。」これは現行のたぶん八十三条の料金減脱でいけるのではないかという御質問かと思います。それで、ここにちょっとややこしくなっておりますこのことばを分析いたしますと、要するに、郵便切手の「用途に使用してはならない。」ということで、この郵便切手の用途とはどういうものがあろうかというふうに考えますと、当然、まず料金の前納として張る、これがもう第一義務的なものでございますが、御承知のように、最近切手が送金の手段といいますか新たな決済手段に用いられているのが一般の例となっております。したがいまして、ここで「用途に使用してはならない。」といえば、当然、切手を張るというか、郵便物として出す行為は、御承知のように現行法でも料金減脱という形で押えられますが、さらに先ほど言いました送金あるいは決済手段として使われる用途にも使用してはならないというところで、少しこっちのほうが幅が広くなるのじゃないかというふうに考えております。
#30
○阿部(未)委員 局長、いまの点は、切手として郵便に張るというものは、これは料金減脱のほうでいけるのですが、あとの点については、偽造でいけるのじゃないかと私は聞いたわけです。
 続けて聞きますが、次に、大臣が許可するものとしたものは、一条の前段のほうについては適用除外になる。一体、大臣が許可するものとはどういうものなのか。先ほどからまぎらわしいものということについて、議論が繰り返されたわけですけれども、まぎらわしくないものは、何も許可の対象にならぬのじゃないか。大臣が許可するものは、まぎらわしいものを許可するということになるのですが、まぎらわしいものを大臣が許可するというのは、どうも心配になるんですが、どういう見解で、この第一条二項があるのか、お伺いしたいのです。
#31
○溝呂木政府委員 郵政大臣が許可するという場合に、先ほど言いましたまぎらわしいものであって、今度はその次に、郵政大臣の許可したものはこの限りでないということになります。そうしますと、まぎらわしいものの中でどういうものが許可の対象になるかと申しますと、たとえば、御承知のように、最近報道とか、研究、教育あるいは切手趣味のために、カタログというものができております。これは一片一片を見ますと、まさに先ほど私が申し上げましたまぎらわしいものの中に入ります。大きさその他を見ましても、明らかにまぎらわしい。しかし、そういったものが報道、研究、教育あるいは切手趣味の普及を目的としたものに使われておれば、私どもの心配している弊害が生じませんので、それは許可したいというふうに考えております。これは、具体的な例でいうとカタログということですが、一般的な例でいえば、たとえばまぎらわしいものであっても、明らかにそこに「模造品」ということを表にはっきり書いて、だれが見てもこれは模造品だぞというふうな表示がしてあるとか、あるいはカタログのように金額のところによく斜線が引いてあったり、それから切手と切手を合わせて、それ一枚として切り抜いても切り抜けないようなていさいをとってあったり、あるいは紙質の厚い紙で、それを切り抜いても切手として使用できないような形、要するに本来の目的で善意でつくったもの、こういうものは当然、まぎらわしいものであっても許可したいというふうに考えているわけでございます。
#32
○阿部(未)委員 そこで非常に問題になるのは、それでは許可を届け出る必要のあるものとないもの、この分かれ目が非常にむずかしくなってくる。たとえばずっと局長が説明をされましたその材質なり、大きさ、寸法あるいは文言等が非常によく似ておってまぎらわしいものであっても一いま郵政省が何か「見本」ということを刷り込んだ切手がありますね。あれは台湾等では斜線を引いてあるようなものがありますけれども、そういうものは本来、許可の対象にならないのではないか。どれが許可の対象になり、どれが許可の対象にならないのか、そこのけじめがたいへんむずかしいように思うんですが、それはどうでしょうか。
#33
○溝呂木政府委員 まず、許可の対象ということでございますが、先ほど先生が出された例、たとえば「見本」とはっきり表に書いて、これは本物ではございませんということが明らかなものは許可の対象にしたいというふうに考えております。それでは、許可はどういう形になりますかというと、結局、こういうものをつくりたいというものに、まずもってその見本なりあるいは仕様書なりを出していただいて、そして郵政省のほうでそれを許可して、一般に流布して、一般の人にこれは明らかに郵政省で許可されたものであるということを明らかにしたいというふうに考えております。
#34
○阿部(未)委員 それで、私は先ほど、これは基本的な人権にかかわる問題だと言ったのですが、たとえばこういう大きな一万円札をつくって、これはまぎらわしいかまぎらわしくないかといえば、だれが考えてもまぎらわしくないのです。いま局長のお話によりますと、切手でも、ある程度大きいものについてはまぎらわしくない。しかし、まぎらわしくないけれども、こういう大きな切手をつくる場合に、やはり許可の対象になるかならないかというと、この場合は私はならないと思うのです。許可の対象にはならずに、自由にやれるんじゃないか。そうなると、同じ大きさで同じ材料を使ってあったとしても、おっしゃったように、金額のところに明らかに斜線を引っぱってあるとか、「見本」ということが初めから刷り込んであれば、これはまぎらわしくないものですから、まぎらわしくないものが許可の対象になるということになると、これはたいへんな問題ですから、まぎらわしいものをどういうふうに解釈するのかということが非常にむずかしい問題になってくる。いまの局長の説明によると、「見本」と書いてあっても、あるいは料額のところに斜線が引いてあっても、やはり許可の対象になるのだとおっしゃるけれども、このくらいの大きさであっても許可の対象になるのであって、すべて郵便切手に似せたものは許可の対象にしなければならぬという理屈になってくるのです。そのまぎらわしいという点について、何と何がどうあればまぎらわしくないのか、許可の対象とするのかしないのか、この点をもっと明確にしておかなければ、私は商行為の侵害にもなるという気がするのですが、どうでしょう。
#35
○溝呂木政府委員 先ほど、まぎらわしいものとまぎらわしくないものの基準と、許可するものの基準について御説明したわけでございますが、先生は、たとえば線が引いてあったり「見本」と書いてあれば、まぎらわしくないほうに入れるべきじゃないかというお説のようですが、私どもとしましては、そこに「日本郵便 二十円」というものがあって、一見してこれはもう明らかにまぎらわしい、よく見ればそこに「見本」と表示してあって、模造であるということを表示している、そういうまぎらわしい段階では、やはり「日本郵便」あるいは「二十円」という切手のていさいを完全に整えて、しかもその大きさが明らかに現在流布している切手と全く同等の大きさであり、図案も同じである、そういうものであれば、斜線を引いてあっても一応まぎらわしいものにしておいて、そして許可の条件の中で、それを許可するときには、その線の引き方が薄かったり、それから例があるのですが、非常に薄く引いてあって、一見して人をごまかすようなやり方であったならば許可しない。明らかにまぎらわしいものであれば、今度は、一般に流布されたときに皆さん方に迷惑がかからないという形にまで加刷といいますか、そうした場合に許可したいというふうに考えております。もちろん、その辺までいきますと、許可をするものはまさにまぎらわしくないから許可をするんじゃないかという一つの判断にもなるわけでございますが、一応私どもとしては、まぎらわしいかまぎらわしくないかは、まず大きさとか、表示とか、素材とかいうものによって分けておいて、そのまぎらわしいものの中でも、さらに教育、研究用に善意で使おうということが明らかなものについて、一般に流布して切手として使用されないやり方を見届けた上で許可したいというふうに考えているわけでございます。
#36
○阿部(未)委員 許可の基準については、局長の言うようにそれが出てくるわけですから、これはまぎらわしいとかまぎらわしくないとか、見分けができると申しましょうか、そういうことになると思うのです。つくるほうは、これは許可を要するものだろうか要しないものだろうかということを一体どこで判断するのですか。大きさについても、それは何で規定するのか知りませんけれども、大きさの問題から入って、材質の問題から、これは一体許可を求めなければならないかどうかという判断が、つくるほうではわからないんじゃないですか。
#37
○溝呂木政府委員 結局まぎらわしいかまぎらわしくないかの基準を、一般の人にどの程度わかるようにしておくかということがまず一つのポイントかと思います。これは私ども、一般の皆さんの判断で常識的に処理できると思いますが、確かに人によっては、善意ではあるけれども、すれすれのものをつくりたいという方がおられれば、たぶんそれは郵政省のほうに来られると思います、善意があるわけですから。こういうもので、こういう目的に、こういうものをつくりたいのだということで私のほうへ見える。そうして、その大きさ、素材、表示等を見て、これはまぎらわしくないのだといえば、許可の対象にされなくてもけっこうだというふうにしたいと思いますし、もし、いやしかしそうはいっても、流通過程において一般の人から疑問を持たれるといけないから許可番号を下さいといえば、私はそのときには、法律的にはまぎらわしくないのだから許可する必要はございませんが、やはり一般の流布される過程においてそのものの弊害をなくするというのが目的でございますので、何らかの処置、許可番号を与えるか何らかの形で、これはいいのだよ、法律にひっかかってないというような措置を、もし求められればしてもいいのではないかと思います。
#38
○阿部(未)委員 長くなりますからやめますが、最後にもう一ぺんそこのところをはっきりしておきたいのですけれども、善意の場合にはおそらく郵政省に持ってこられるであろうという前提で判断されているわけです。しかし、善意でもって、これはまぎらわしくない、ちゃんと「見本」と入っているじゃないか、金額についてはちゃんと赤線を引っぱってあるじゃないかという、そういう気持ちでつくられた場合でも、なおこの法の適用を受くるとすれば、これは私はつくった人が非常に気の毒だという気がするわけです。ですから、本来模造というものは、そう飛び離れたものではないということは常識的にわかるわけです。模造という以上はそう飛び離れたものではないが、善意でもって模造ではないようにちゃんと「見本」という字を大きく刷り込んであるとか、あるいは金額については濃い斜線を施してあるとか、そういう意味でこれはもう模造とは明らかに違うのだ。郵政省がいうこういう規定にひっかかるような発想でつくったものではない、そういう意図はない。そうなれば、そのつくった本人の意思はあくまでも、そういう意味では料金減脱であるとか模造であるが、まぎらわしいものではないという感じでおつくりになる。それがたまたま届け出がなかったから、おたくのほうではまぎらわしいものであるということで罰則の適用があるというようになってくると、私はこの法の適用にあたっては非常に問題が起こるのではないかという気がするのです。
 これ以上論争する気持ちはございませんが、申し上げましたように製造する本人がまぎらわしくないのだという気持ちでつくったものについては、それが明らかに受け取れるものは、たとえおたくのほうで考えてまぎらわしいと思うようなことがあっても、その意思というものは十分そんたくをしてやらなければいけないのではないか。そのことを最後に申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#39
○高橋委員長 樋上新一君。
#40
○樋上委員 きょう私の質問は郵政大臣にお聞きしたいという質問ばかり持ってきたのですが、郵政大臣は多年の郵便局長としての経験があるのであります。ところが、私の質問になったら大臣がお見えになりませんので、大臣に対する質問はあとに回しまして、ひとつ事務的な点からお伺いいたしていきたいと思うのです。
 ただいまも質問がありましたように、昨年の六月二十一日に批准された万国郵便条約はもちろんですが、昭和四十一年一月一日に発効になった万国郵便条約の第十四条「処罰に関する約束」の中においても、加盟国の政府が郵便切手の模造、偽造について必要な処置をとる約束をされているわけですが、なぜいままでこの法案を提議しなかったのか。この点について、もう一度その趣旨をお伺いしたいと思います。
#41
○溝呂木政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、万国郵便条約において「処罰に関する約束」ということで、「加盟国の政府は、次の目的のために必要な措置をとること又はその措置を自国の立法機関に提議することを約束する。」ということで、いろいろ郵便切手の偽造、模造を処罰することということになっております。したがいまして、当然提議することを約束しましたので、加盟国政府は、それぞれ各国において、その国の実情に応じてその約束を守っていくというのがこれが当然と思います。そこで私どものほうとしましては、いわゆる行使の目的をもって偽造するほうは現行法の八十四条にすでに規定してございます。しかし、この模造関係につきましては、実はいままで取り締まっておりませんでした。というよりは、戦前から二十二年ごろまでは省令によって取り締まっておりましたが、法律によらなければならなくなった時点からやめております。それはその当時、模造による切手の流布の弊害というものが見受けられなかったということで、その分については立法措置をとっておらなかったということでございます。しかし、最近になりまして、私どもの目から見て非常に悪質な模造品が市販に流布されて、私どもとしても当然これは取り締まらなければならないという時点になりましたので、この万国郵便条約等の約束もあり、そしてまた事態がそこに至ったということで、ある意味においてはおくればせながらではございますが、本法案を提出するに至った、こういういきさつでございます。
#42
○樋上委員 私は、一つはそういうような問題があるときに、今日まで放任しておったところに郵政省の怠慢もあろうかと思いますが、おくればせながら今回のこの郵便切手類模造等取締法案が御提案されてきたのですけれども、この提案理由を拝見いたしますと、わが公明党が参議院におきまして四回にわたってこの問題について質問し提案してまいりまして、そして何とかそれにつきまして、できなければ議員立法でもやろうかというぐあいにまで特に熱意を込めて今日までまいったのでございますけれども、この提案理由の説明、それを提案された背景といったものが、わが党が提案しようとしておりますところの提案理由と多少の相違がございます。御承知のようにわが党の提案の理由は、郵便切手類及び通信日付印模造取締法案提案理由説明、こういうように出したはずなんでございます。御参考までにあらましを読み上げてみますと、
  今日、わが国の切手収集人口は、約三百万人
 ともいわれ、その約七割が、どちらかといえば
 収集の専門的知識を持ち合わせない小中学生で
 あるといわれております。
  新しい切手の発売日ともなれば、幼いマニア
 たちは早朝から郵便局の前に長い列をつくり、
 しかも、やがて無情にも売り切れを告げられ、
 せっかくの努力も水泡に帰してしまう。
  このような最近の郵便切手の収集趣味に対す
 る驚異的なブームは、ここ当分の間続くのでは
 ないかと推測され、投資、投機の材料にすら
 なっているのが実情であります。
  このブームに便乗し、一部業者の間では、す
 でに強制通用力を失っている昭和初期の無目打
 ち切手や、収集家の間で高値を呼んでいる「見
 返り美人」、「月に雁」、「えび蔵」、「ビードロを
 吹く娘」など、現在でも強制通用力を有してい
 るものまでが公然と模造シートという形で販売
 されております。
  その模造シートの大部分は、最近の印刷技術
 の進歩により、印刷されている文字、模様、肖
 像は、郵政大臣発行の真正の郵便切手と酷似
 し、形状、寸法もほとんど同様であり、通常人
 が不用意にこれを一見した場合に真正の郵便切
 手と思い誤るのではないかと思われる精巧さ
 で、かりに模造シートを切り離して、これを行
 使したとしても、おそらくは郵政当局は、その
 不正使用を発見できないまま終わるでありま
 しょう。
  また、最近、郵便切手を消印する公印ともい
 うべき普通通信日付印や、特別通信日付印を写
 真製版などにより勝手に作成し、それを色紙等
 に押印し、販売するという新商売も現われてき
 ており、好ましくない方向にエスカレートしつ
 つある傾向を呈しております。
  この種の模造の郵便切手や通信日付印がブー
 ムに悪乗りして正常な郵趣の世界に割り込んで
 くるということは、社会通念をゆがめ、かつ混
 乱させるとともに教育上の観点からも決して好
 ましいことではありません。
  このような状況にかんがみ、かつまた昭和四
 十六年五月二十一日批准した万国郵便条約の第
 十一条に規定する約束の趣旨を尊重し、郵便切
 手類及び通信日付印の製造、輸入、販売、頒
 布、使用を取り締まることによって、郵便切手
 類及び通信日付印の信用及び権威を保持すると
 ともに予見される弊害を除去するという観点か
 ら、ここに本法律案を提出することといたした
 次第であります。というわが党の提案理由でございますが、この中にこの「日付印模造」ということがはずされておるのですが、この点はどうなんでしょう。
#43
○溝呂木政府委員 確かに通信日付印の模造という問題が一つの問題になっているということは、私ども承知しております。しかし、私どもいろいろ検討しました結果、御承知のように通信日付印というものはこれは公文書であるということが、過去の判例においても出ております。したがって、この通信日付印を偽造すれば、当然刑法百五十五条の公文書偽造にもなりますし、あるいは刑法百六十五条の公印偽造、この罪にもなります。したがいまして、現在私ども使っております通信日付印を偽造して、それを行使すれば当然刑法のほうの条文によってこれが取り締まれるということでございます。したがいまして、そういう偽造罪以外の形で通信日付印が模造されたとしても、その弊害というものはあまりないというふうに判断したわけでございます。御承知のようにこういったある程度郵趣界というか、趣味の世界に入ってまいりました場合には、やはりある程度の表現の自由なりそういったものをも私どもは常に考えながらこれを処理しなければならないということで、そのことが郵便の面から見て非常に大きな弊害を生じたときにこれは取り締まっていきたいという判断のもとに、今回のこの法案から通信日付印の模造は排除した、その中に入れなかった、こういうことでございます。
#44
○樋上委員 私は、この以前にそういう省令できめられた取り締まりがあったのを、特に今回これをはずすといわれたところにどうもいまの説明では税得がいきかねるのであります。かりに、たとえば五月十五日に沖繩復帰の記念切手が発売されると思うのですが、沖繩の郵便局でその当日のスタンプを押した初日カバーというものは、切手収集家の中では相当高価なものとなるというように思うのです。この沖繩復帰の記念切手は、もちろん東京においても発売されるわけですが、五月十五日過ぎてこれを購入し、日付印を模造して初日カバーと同じように当日消印の日付印を押したものとして、これは何の罰則もないのですね。もしそうであるならば、これをつくって売った人間は相当暴利をむさぼることとなると思いますが、こういう点はどうなるのですか。
#45
○溝呂木政府委員 先ほど私の御説明がちょっと足りなかったと思いますが、いま先生の御指摘のいわゆる初日カバー等に通信日付印を模造または偽造して押す場合は、これは御承知のように私どもの郵政業務の一端として、初日カバーを郵便局の窓口で消印するという業務を行なっております。したがいまして、そういう場合は当然これは本来の行使の目的をもって偽造ということで処罰の対象になります。私どもが言っておりますのは、そういった郵政サービスというか、郵政業務にしていないような場合に通信日付印を使う場合、たとえば画用紙に日本の風景入りスタンプというようなものを模造して、それを並べて楽しんでいるといったようなものについては、今回取り締まりの対象にしない。いま先生の御指摘のように、まさに初日カバーという郵政省が行なっている業務に対してそれを模造して行使すれば、当然これは刑法百六十五条の公印偽造、あるいは刑法百五十五条の公文書偽造で取り締まりの対象になるというふうに考えております。
#46
○樋上委員 そういうような問題があるならば、この際、この法律のときに、日付印の取り締まりも別にはずさずに、つけておけばいいと思うのです。そうでしょう。これはもうすでに御承知になっているか知りませんけれども、こういうぐあいに、まぎらわしい日付印がこういうぐあいに押されている。オリンピックのときに押されている。これを見ますと、なぜこの日付印というものを初日カバーに押すときに収集家は重要視しているのかといえば――今度せっかく切手類の模造取締法が出るときに、日付印を削除する必要は私はないと思うのです。私はこの点は大臣に、あとでおいでになってから、もう一ぺん追及しようと思うのですけれども、必要ないと思われますか、あなたは、何回も同じことを言うようですけれども。
#47
○溝呂木政府委員 御指摘のとおり、通信日付印の模造というものの態様は、私どももいろいろの方面からお聞きしております。そこで、私ども一つの取締法案を提出するにあたっては、その守らなければならない法域というものを考えなければなりません。まず第一に、それは提案理由の説明にもありますように、模造切手類によって、結局は本法八十四条のほうにある偽造の罪を誘発するおそれがあるということと、それから、そういったものが出回ることによって、本来の真正な切手の信用を害するという二つの面から今回の取締法案を出したわけでございます。
 そこで、この通信日付印ということになりますと、いささか法域を異にしてまいりまして、こちらはどちらかといえば、先ほどから申し上げましたように公文書偽造あるいは公印偽造のほうに類してくるわけでございます。そしてこの通信日付印を使っておりますのは私どもだけではなく、いろいろのところでこれに類したものを使っております。したがいまして、やはりそういったものがどのように使われ、また使われることによってどのような弊害が生じたかによってこれを取り締まらなければならないというふうに考えております。したがいまして、現段階におきましては、通信日付印は公印偽造あるいは公文書偽造というもので 現行法で取り締まれる範囲でいいのじゃないかというように考えたわけでございます。そうして、しかも先生が一番御心配になっております初日カバーでもって非常に値をつり上げるという行為は、明らかに現行法で処分できるわけでございますので、その点はまず御心配は要らない。
 そうすると、いまお示しのうちの、いわゆる画用紙みたいなものにずっと風景入り――私どもが使っている風景入り日付印には非常にきれいなものがございますので、それを北は北海道から南は九州まで並べて楽しむ、この段階ではそういうものがつくられても一般的な弊害が起きないというふうに判断したわけでございます。しかし、世の中はどのように変わっていくかわかりません。したがって、この通信日付印というものが、模造によって非常に大きな犯罪の誘発のおそれが出てきたり、あるいはいわゆる公文書あるいは公印の信用を失墜するような事態まで出てくれば、また先生のおっしゃるように、私どもとしても取り締まる必要が出てくれば、その時点で法案の中に入れるというふうに考えているわけでございます。
#48
○樋上委員 この罰則を伴う法案というものは、あらゆる点から検討しなければならないということは承知をいたしておりますが、それでは罰則の件について少しお伺いしたいと思うのです。
 第一条一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役または五万円以下の罰金に処す、とありますが、郵便法の第八十四条の一項には「行使の目的を以て郵政大臣又は外国政府の発行する郵便切手その他郵便に関する料金をあらわす証票を偽造し、若しくは変造し、又はその使用の跡を除去した者は、これを十年以下の懲役に処する。偽造し、変造し、又はその使用の跡を除去した郵便切手その他郵便に関する料金をあらわす証票を行使し、又は行使の目的を以ってこれを輸入し、他人に交付し、若しくはその交付を受ける者も、同様とする。」こう八十四条にあるのですね。これを考えますと、この第一条の一項の規定の場合の罰則とちょっと差があるわけですね。この点はどういうわけで差をこしらえたかということをお伺いしたい。
#49
○溝呂木政府委員 ただいま御指摘のように、郵便法八十四条の郵便切手類を偽造する罪は、これは行使の目的をもって偽造し変造し、云々でございます。今回の法律はまぎらわしい外観を有するものを製造し、輸入し、販売し、頒布してはならない、それに対しての罰則でございます。したがいまして、当然八十四条のほうはその犯罪の形態が非常に強いといいますか、一般論でいえば悪意と申しますか、郵便料金を免れるものではなくて、そういうものを大量に偽造して、そして郵便切手のかわりにそれを差し出して、そして郵政省に大きな被害を与えるということで、一般的にいって公文書偽造、その他偽造罪同等、またそれ以上の罪の重さがあるというふうに考えます。ところが、今回の法律は、八十四条よりもそれの一歩前と申しますか、要するに八十四条に至らない部分について取り締まろうということでございますので、量刑の点においては今回の法律のほうが軽くなるのが当然ではないかというふうに考えます。
#50
○樋上委員 模造切手を趣味に売り込もうとしておるのと、これを実際行使した実績、行使をされた疑わしいものを発見されたことはありますか。
#51
○舘野説明員 お答えいたします。模造切手の行使のケースは非常に少のうございます。と申しますのは、使われておりますものがなかなか巧妙でございますので見つけがたいということもございますけれども、多くは模造切手に郵便局の消印をしてもらうことによって、模造切手の値打ちと申しますかそういうものをつけたいというような単純な考えから、模造切手を郵便物に張りまして自分あてにその手紙を出すということでございまして、ただいままで郵政監察で摘発いたしましたのは、四十三年に二件、それから昨年度一件ございます。いずれも、いま申しました模造切手に日付印で消印をしてもらおうという単純な気持ちから、それを手紙に張って出したというものでございます。
#52
○樋上委員 それを発見しても、なかなかその犯人はつかめないと思うのですね。それをだれがしたかということは、追及してもあがった犯人はないでしょう。そういう実績があったというだけにとどまっているのですね。
#53
○舘野説明員 ただいま申し上げましたのは自分あての手紙を出すわけでございますから、手紙にその模造切手を張って出した者が確定してございます。それぞれ司法処分をいたしてございます。
#54
○樋上委員 そういう巧妙な日付印を押して、そして模造切手を真正な切手にしようとする。結局、そこには金もうけも伴っていると思うのですよ。ただ単に日付印を押すだけで楽しんでいるのではなしに、それをやがてマニアに売りつけようというところに犯罪が生まれてくるんじゃなかろうか、私はこう思うのです。だから、そういう日付印のことも取り締まらなければならないということを申し上げているのですけれども、それはそれといたしまして、それではこの第一条二項で郵政大臣の許可を受けたものは適用しないとありますが、どういうものを許可しようと考えておられるのか、この点を私大臣に伺いたかったのですけれども、大臣おいでになりませんので、ここでこの点をちょっと例を出してお聞きしたいのですが、たとえば郵便切手を十枚なり二十枚なり見本をつくって、そして郵政省に許可を求めてきた。郵政大臣がこれを見て、これは模造にあたるとなったとき、この業者は第一条の一項に該当するわけです。そうしますと、第二条の罰則規定が適用されることになるわけですが、この点はどうでしょう。これはいま大臣に聞こうと思ったところなんですが……。
 郵政大臣、いま私が質問したのを相談されている間、聞いてください。
 今度出されましたこの罰則規定ですが、第一条二項で郵政大臣の許可を受けたものは適用しないとあるのですね。どういったものを許可しようと考えておられるのか。この点をちょっと例を出しておきたいのですが、たとえば郵便切手を十枚なり二十枚なり見本をつくって、郵政省に許可を求めてきた、郵政大臣がこれを見て、これは模造に当たるとなったとき、この業者は第一条の一項に該当するわけです。そうしますと、第二条の罰則規定が適用されるということになるのですが、こういう点はどうなんでしょうか、大臣。
#55
○溝呂木政府委員 ちょっと技術的な面もございますので、私から説明させていただきます。
 先生の御指摘は、まず許可を得るためにつくって持ってきたそのものが、すでに許可の対象になってないから、製造してあるから一条の一項にひっかかる、こういうことかと思います。確かにそれをいま十枚というふうなお示しでございますが、そういうふうにやはり製造して持ってくればひっかかります。したがいまして、そういう場合には仕様書なり、あるいはそこにまぎらわしくない、たとえば私どもでもやっておりますが、非常に大きな形で写真版をつくって、こういったもので縦何ミリ、横何ミリといったような形でもって提示していただいて、そして私のほうでそれをながめて許可の条件にしたいということでございますので、やはり初めから許可の対象にしがたいようなものを見本としてつくってこられることは避けていただきたいというふうに考えております。しかし、その場合、一条一項のまぎらわしいものでありますが、ただそのものを持ってきた場合に、すぐにその処罰がシビアに行なわれるかといいますと、その辺には当然犯罪については刑法三十八条ですか、犯意なき者はこれを罰せず等の問題との関連があって、その辺はおのずからそれに対処する方法はだいぶ変わってこようかと思います。しかし、おっしゃるように、一条一項にひっかからないように見本を持ってきていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
#56
○樋上委員 この法律は取り締まり法ですから、法律をつくる段階でこういう点を明確にしておかないと、今後これがひとり歩きしていくのですから、法律ができた上は、そうするとたいへんなことになりますからお聞きしたわけですが、特に模造と模造でないものとの区別につきまして明確にしておかなければならぬ、こう思います。
 その次に、この法律の制定によりまして切手マニアの方々はどういう影響を受けるか、こういうことをお伺いするのですが……。
#57
○溝呂木政府委員 御承知のように、今回の法律の提案理由は、主として犯罪誘発を押えることと、切手の信用を維持するという両面がございます。したがいまして、当然この副次的作用というか、本法ができていけばまずわれわれから見て非常に好ましくない模造切手は姿を消すものと思います。そういうことによって、年少者あるいは学生、そういった者の健全な郵趣のためには役に立つというふうに考えております。
#58
○樋上委員 それから、この法律は取り締まり法でありますから、実際の運用はたいへんむずかしい、こう思われるのですけれども、郵政省はどのように運営して実効をあげようとされる考えか、お聞かせ願いたいと思います。
#59
○舘野説明員 お答えいたします。本法が成立いたしますと、郵政業務の秩序維持のための法律でございまして、本法違反ということは郵政業務に対する罪ということに相なりまして、郵政監察官の所掌の問題になろうと思います。たてまえ上当然そうなるわけでございますけれども、ただいま諸先生のお話にもございましたように、罰則を伴う取り締まり法規でございまして、この運用にあたりましては、細心の注意をもってこの法の運用に当たりたい、かように考えております。
 なお、ものがものでございまして、郵政当局によって発見されるということ、一般的に申しまして全部が全部郵政当局の目に触れるということにはなりがたい性質のものかとも思いますけれども、本法の適正な運用、適正な適用に遺憾のないようにつとめてまいりたい、かように考える次第でございます。
#60
○廣瀬国務大臣 ただいま首席監察官からお答えしたとおりでございますけれども、ただ、こういう新しく法律を制定するということになりますわけでございますから、周知宣伝と申しますか、製造業者でありますとか、あるいは販売業者でありますとか、輸入業者でありますとかいうような関係の向きに対しましては、十分この取り締まり法の趣旨を徹底するように努力しなければならない、これがまずもっての私どものとるべき措置ではないか、こういうように考えておりますわけでございます。
#61
○樋上委員 最後に一言、現在発売されている模造切手については、法律不遡及の原則によって、現在出回っている模造切手について、法律施行後はどういう取り締まりを行なおうと考えていらっしゃいますか。
#62
○溝呂木政府委員 この法律は遡及いたしませんので、当然この法律が施行されて六カ月後に効力を発するわけですが、それ以降の取り締まりになります。したがいまして、現在市販されておりますものについては、残念ながらそれまでは手をこまねいて見ざるを得ない。しかし、それがその時点以降に残っておればすぐに取り締まりの対象になる、こういうことでございます。
#63
○樋上委員 終わります。
#64
○水野委員 関連して。郵務局長にちょっと聞きたいのだけれども、先ほどの樋上先生の御質問にあったように、郵政大臣の許可を受けたもので模造切手類を発行する場合、どういう具体的な例があるか、それを出していただきたい。
 それから「郵便切手類」となっているが、その「類」とは何を言うのか。
#65
○溝呂木政府委員 第一点のお尋ねでございますが、先ほど阿部先生からも御質問のあった点でございますが、私どもとしましては許可するものは、具体的に頭の中に描いておるものは、たとえばカタログのようなもの、いわゆる研究、報道あるいは教育用につくった出版物等で、これが明らかに一般の切手として流布されない条件を備えているものについて許可したいというふうに考えております。
 なお、もう少し具体的に申し上げてみますと、まず冊子とした印刷物等につきましては、模造切手の料金のところに、外国等でやっておりますように非常に明らかな線で金額のところを消してあるとか、あるいは切手を二つ重ねてカタログに印刷してあって、その一枚一枚が切り取られて流通しないような処置がしてあるとか、あるいは大きさをさらに現物よりも拡大または縮小して、明らかにこれは切手として通用されないような処置がしてあるとか、あるいは非常に厚い紙に写真版等、製版等でやって、しかも、裏表に刷ってあることによって、そのものが一枚一枚として流布されるおそれのない場合とか、そういったものを許可の対象にしたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから「切手類」ということでございますが、これは現在私どもでこの法案の対象にしておりますのは、切手とそれから郵便はがき、郵便書簡、航空書簡、こういったものが模造取締法の対象になるということでございます。
#66
○水野委員 そうすると、ちょっとこまかいことだけれども、郵務局長、いまのお話は要するに郵政省でしたかな、吉川弘文館でお出しになったああいう図鑑類も入るわけですね。それから郵便切手の出版物一切が、カラー版なんかで非常に原寸大のそっくりのものが出るわけです。そういうものも全部許可制になるのかということですね。それが一つと、いまあなたがお答えになったことで落ちているものがあるわけですよ。たとえば郵政省が郵便百年でお出しになった日本の一番最初の手彫りの竜切手なんかをそのまま、紙なんかは違うけれども、非常に似たものをお出しになった。こういうものはその対象にならないのかどうか。
 それから「郵便切手類」というので、ぼくはそういう意味で類だというふうには理解していなかったのですが、たとえば非常に古いものだからあれなんですが、電信切手というものがあるわけです。昔電信に使った切手があるのです。それから郵便切手を電報、電信に使った例があるわけです。要するに郵便局が、電報料金を払い込んだものを自分のところで切手を買って、張って、それを消印をした、そういうものがあるわけです。それは郵便切手だからいいのですが、電信切手あるいは販売たばこ切手なんというものもあるわけですよ。それから収入印紙、こういうものは一切この法律の対象にならないということですね。それを伺っておけばいいわけです。
#67
○溝呂木政府委員 最初にお尋ねの、いわゆる私どものほうで発行いたしました弘文館の図鑑、こういったものはまさに先ほど私の説明いたしましたカタログ類といいますか、研究あるいは教育用ということで、しかも紙あるいはつくり方、そういったものから見て当然許可の対象になろうかと思います。したがいまして、許可番号何番というものが入ります。
 それから、ちょっとそのときにお触れになりました昔の竜切手で、あれは問題になった切手があります。あれはちょっと許可はあのままではできないんじゃないかと思います。当然そこに「模造」という字をはっきり入れるとか「見本」という字をはっきり入れるとか、要するに当然本来の真正なものにまぎらわしくないような表示をさせることによって許可しなければならないというふうに考えております。その点につきましては、法案が出る以前とはいえ、あの切手を発行したことについては私どももいささか反省しておるわけでございます。
 それからいわゆる電信切手とかたばこ切手、収入印紙、そういったものでございますが、実は私ちょっとその辺が浅学で理解できないのですが、私どもここでいっておる「切手類」とは、第一条でいう「郵便切手その他郵便に関する料金を表わす証票」、これをまとめて切手類という法律用語にしたわけでございます。したがいまして、先生のおっしゃる点がいわゆる郵便切手であれば当然この対象になりますが、そのうちたとえば収入印紙などは当然対象にならない。それから先ほどちょっと阿部先生のときの御質問にもありましたと思いますが、ブルーチップとか結核予防シール、いわゆるシール類、こういったものは「紛らわしい外観を有する物」の中に入らないということで、この法律の取り締まりの対象の外にしております。
#68
○水野委員 そうすると郵務局長、国内の問題はそれで済むのだけれども、外国ではそうじゃないのですよ。外国では逆に収入印紙に郵便切手を使ってもよろしい、そういう法律は幾らでもあるわけです。郵便切手を収入印紙に使ってもいい国があるわけです。そういう外国政府の発行したものもこの法律の規定にかかるわけですね、そうですね、そう書いてありますよ。「郵政大臣又は外国政府の発行する郵便切手」なんですからね。その辺は非常に専門的なことだから……。
 そういう問題がありますし、それから実は教材用の印刷物、要するにカタログであるとか、切手の雑誌であるとか、こういったものは私は波及しないと思っておったのですが、あまりそれを厳密に言うと、印刷をやるのに一つ一つ郵政省に持っていって許可をとらなければ印刷できないということになり、やや出版の自由にひっかかってくる可能性があります。それから日本の国外でおやりになるのはかってですけれども、外国でそういうものが印刷されて日本に大量に――これは模造の目的じゃないのですが、日本の切手の一覧なら一覧というものを持って入ってくる可能性があるわけです。この法律の適用の範囲が非常に無制限に広がってくるわけですね。そうでしょう。たとえば外国の切手の印刷物を日本に持ってきて売る際に、郵政大臣の許可を得なければ売れないということになるわけです。そうでしょう。たとえばフランスならフランスの切手の一覧の印刷物がある。これは日本に輸入して翻訳して売りたいのだけれども、これは一々郵政大臣の許可を得なければ売れないということになりますね。これはかなり適用範囲が広過ぎて問題が起こってくる可能性がある。ですから郵政大臣の許可をむしろ簡便にして、こういうもう明らかに模造として売ろうとするわけではないわけですから、ただ逃げ道を押えておくということですから、その辺は行政的に慎重にやっていただかないと、逆に国際的に非難を受けることになります。切手の問題というのは、日本よりは外国のほうが収集家が多いので、国際的に日本の国は法律が少しきびし過ぎて、これでは郵趣家に対して妨害になるのではないかという非難を受けてくる。その辺は慎重に法律の適用をやっていただきたいと思います。
#69
○溝呂木政府委員 おっしゃるとおりでございまして、外国でもこういう法律がありましてそれぞれ許可をしておりますが、当然いま先生のおっしゃったような外国でも有名なスコットとか、そういったものは私どもが見ても明らかに模造しようという意思のないことを明らかにしたていさいを持っておりますので、これはもうほとんど問題なしに許可、ですから許可手続をなるべく簡便化していきたい。ただ中には、こういうものを許可すると、いま出回っているような業者は、今度はそれに近い薄い紙でつくって、そしてこれはカタログでございますといってやってくるおそれがありますので、一応許可にひっかけておいて、善意なものに対しては簡便な手続で、そういった人たちに大きな負担がかからないような処置を講じたいと考えております。
#70
○水野委員 どうもありがとうございました。
#71
○高橋委員長 土橋一吉君。
#72
○土橋委員 この法律案は、私はかように考えておりますが、治安関係と非常に深い関係を持っておるわけです。法務省関係といままでどういう打ち合わせをしたのか。あるいは罪の規定の内容とか、こういう点について、なるほど八十四条の規定及び罰則の八十五条の規定がございますが、こういう関係について私は非常に疑問があるわけです。というのは、郵政省の信用というようなことをいっていますけれども、もう消印してしまって、サービスが完了してしまって、いまさら郵政省が自分の信用だなんということを言い出してくるのは一体どういうわけなのか。つまりその切手は消印されてしまって、過去の五十年とか八十年前の切手であって、その問題について郵政省は何の関係もないわけだ。それを郵政省の信用に関係するのだというようなことをいっているところに一つ問題があるわけです。郵政省の信用もさることながら、一般大衆が非常に迷惑を受けておるということに問題があるのだが、そういう点について法務省とどういう話し合いをしたのか、簡単でいいですから答えてください。
#73
○溝呂木政府委員 当然この法案については、法務省と十二分の協議を遂げた結果でございます。
 それから、いま先生御指摘のすでに使用済みの切手についてお触れになりましたが、使用済みの切手は当然本法の対象になりません。現行でまだ有効という形で流通しております切手についてまぎらわしい外観を有するものということでございますので、消印済みの、すでに使用済みの切手については本法の対象にはしないというふうに考えております。
#74
○土橋委員 そうしますと、お尋ねしますが、たとえば手紙をもらった人、受信をした人が、切手あるいはそれをほごにして捨ててしまうというような切手が――あなたのほうにも一端の罪があるけれども、盛んに切手を宣伝して、さてその切手を何とかとっておきたいというような気持ちになってきて、現在のような切手の状況がわいてきた、こういうことがいえると思うのです。したがって、現在もう消印をしてしまって、価値のないような切手を模造したからといって、そこにどういう関係があるのか、この点が非常に私は疑問なんです。いまさら郵政大臣が、この問題についてとやかくいう筋合いは一つもないと思うのです。模造切手に郵政大臣が出てきているわけです。本来なら法務大臣なりあるいは政府の提案の法律によるべきだと思うのですけれども、郵政省が現実に――たとえば、これは法律の体系としては二つに分けなければいけないわけであって、現在使用する可能性があるというものと、すでに消印をしてしまって、五十年、三十年前の切手の問題については郵政大臣は何の権限もないわけです。むしろ治安に関係する問題とか、一般大衆が迷惑を受けるという問題に中心点があるわけであって、郵政省の信用というようなことにはこの問題は関係がないはずです。その点はどうですか。
#75
○廣瀬国務大臣 法律案の作成につきましては法務省と十分協議を遂げましたことは、先ほどお答えしたとおりでございますが、これは取り締まり法規ではございますけれども、俗にいう治安に関係のある問題ではないと私は考えておるわけでございます。しかも、取り締まり法規といいながら郵便の料金に関する問題でございまして、御承知のように、現在の郵便法の中にも取り締まり法規がちゃんとございますし、罰則も、懲役とか罰金とかいうことで規定されているわけでございますから、そういうような規定されていることが、ことごとく法務省に関係の法律でなければならないということはない、私はかように思っておるわけでございます。
 それから、古い切手の消印済み、使用済みのものは該当しないということも当然でありまして、これは先ほど郵務局長からお答えしたとおりでございまして、むしろ公正な郵便切手の使用について間違いのないようなことにいたしたいというねらいでこの法律をつくろうとしているわけでございます。
#76
○土橋委員 先ほど水野さんもちょっと言われましたが、業者の表現の自由、営業の自由、出版の自由ということをやはり憲法で保障しておりますので、やたらなことでそういう出版業者やあるいは印刷業者に余分な迷惑をかけてはならないということが一つの原則だと私は思うのです。
  〔委員長退席、水野委員長代理着席〕
しかしながら非常に悪質であって、そのことによってばく大な利益を受けて多くの人に迷惑をかけるというところに問題の中心があるというふうに私は理解しておるわけです。その辺のかね合いをうまくしませんと、何でもかんでも郵政大臣が乗り出していって出版の自由、言論の自由まで侵すようなことをしてはならないということが第一の条件だと思うわけです。
 次の問題は、八十四条の規定は偽造、変造を規定しておるわけです。今度は模造ということをいっておるわけですが、模造と偽造とはどういうふうに違うのですか。おもな点二つについて答えてください。
#77
○溝呂木政府委員 先ほど説明いたしましたように偽造、模造という法令用語だけの差を申し上げますと、これは法令用語辞典というほうによりますと、偽造のほうは、現物とあやまって流通することを期待してつくったもの、すなわち、これは何とか現物のとおり流通することを心の中に期待してつくったもの。模造につきましては現物として流通することの意図は問わない。ですから、このものは明らかに現物とは違うのだということで流通してもいいという気持ちでつくったものが模造です、こういうのが一つの法令用語辞典にございます。もう一つの新法律学辞典のほうによりますとそういうことではなくて、模造も偽造も真正なものを偽るものであることは同じだ。ただし偽造のほうは真正なものだという印象を与える程度が非常に強いものだ。そして模造のほうはその程度がそれに至らないものという、いわゆる程度の差という二つの一応法令の解釈はございます。しかし、この二つとも実定法上にそれほど大きな影響は与えてないというふうに思います。ということは、いま先生おっしゃいましたように、八十四条では「行使の目的を以て」偽造し、明らかにそこに「行使の目的」が頭にかぶりますので、八十四条ははっきりそれが偽造、模造ということを議論しなくても行使の目的をもって真正に似たものをたくさんつくって郵便物に張って出す。こういう事案が起これば当然八十四条で取り締まれますし、それから今回の法も「模造」ということばを使わずに、「紛らわしい外観を有する物は、製造し」云々してはならないという形で縛っておいて、八十四条にいかない以前のものだけを二条のほうの罰則でかぶせるということで、偽造、模造の法令用語上の差は少しございますが、実定法では私どもは支障ないものというふうに考えております。
#78
○土橋委員 そこは非常にむずかしいところだと思うのです。偽造というのは必ず行使の目的を持たなければいかぬわけですね。印紙偽造であろうと、文書偽造であろうと、行使の目的をもってつまり郵便サービスをごまかしていこう、この品物を送ってやろう、ここにねらいがあるときにこれを普通偽造というのです。ところが、模造という場合は、要するに実物に非常に似たものでそれを鑑賞用にするか、愛玩用にするか、いろいろな問題はあるけれども、偽造であることは間違いないわけです。ただ、偽造の場合には行使の目的をもってやるというところに偽造罪を成立させる根本的な原因があるわけです。模造の場合には、模造を奨励しなければならぬものもあるわけです。たとえば廣瀬郵政大臣が色紙に書いた。その色紙がたいへんいいので、たとえば表彰されるときに一々何百名に書くわけにいかぬから、廣瀬郵政大臣の書いた色紙どおりのようなものを多くの人に差し上げる。これは確かに模造です。しかし、模造であっても喜ぶわけです。二十三回逓信記念日に、郵政大臣が書いたものをいただいたといえば喜ぶわけです。したがって、そういうときには大いに模造を奨励しなければいかぬ。つまり本物に、ほんとうに墨で書いたと同じようなかっこうの模造であって、現在の科学技術の上において大いに奨励をして、郵政大臣の選挙等もありましょうけれども、大いに奨励をしなければならない模造があるわけです。そうでしょう。
 そこで、問題の中心点はどこにあるかというと、あなたのほうの理由の説明書に、二行目に「切手類の偽造に関する犯罪を未然に防止するとともに、」こういうことばが書いてある。題目は「模造」と書いていながら、ここでは「偽造」というふうに書き直しておるのですけれども、これはやはり「模造」でいいじゃないですか。つまり「切手類の模造に関する犯罪を未然に防止するとともに、郵便切手類の信用の維持を図る必要がある。」というふうにいって何ら差しつかえない。ここでまた「偽造」ということを言うと、「行使の目的」という八十四条やあるいは刑法で規定している「印章」、そういうものに関係して、必ず「行使の目的」でなければいかぬわけです。ここに書いてあるのは「行使の目的」はないですよ。「製造し、輸入し、販売し、若しくは頒布し、又は証票の用途に使用してはならない。」というところだけ問題が出てきておるわけですよ。どうですか。これは作文上の間違いじゃないかな。
#79
○溝呂木政府委員 提案理由の一行目の下のほうで、「その行使による郵便切手類の偽造に関する犯罪を未然に防止する」というのは、模造をそのまま放任しておきますと、結局八十四条の行使による偽造の犯罪の誘発になる。先ほど事例がちょっと出ましたが、これを張って出す、結局、行使の目的をもって偽造という罪に入っていく可能性を秘めているので、私どもとしましては、そういうほうにいく以前にこの法案でもってとめておきたいという気持ちがあるということを提案理由に書いたわけでございます。
#80
○土橋委員 私は、この法案については賛成する立場で質問しておるわけですから、そこの辺を理解して答えていただけばいいのです。この法案の内容をどのように豊かにし、またある面においては非常に寛大にしなければならぬ面もあるわけです。いま申し上げたように模造を大いに奨励しなければならぬ。つまり写真とか、印刷技術を奨励するという点においては、一がいにこれをけなすわけにいかない面がある。また出版、言論の自由の観点から、やたらにこれを押えるということは好ましくない点があるわけです。
 そこで、問題の中心点は、郵政省の信用ということも一つの要素ですが、多くの皆さんからばく大な金を取り上げて、そしてわずかな費用でできるものを本物であるかのように見せかけて、いわゆる詐欺行為を行なうところに問題の中心があるわけなんです。まじめに、これはサンプルでございます、これは模型でございます、これは模擬でございますといってやる分には差しつかえないわけですよ。それは郵政省は大いに奨励していいわけなんです。切手の信用を高からしめることですから、いいですよ。しかし問題は、一定の見越し的なことによって、経済的に不当にばく大な利益を得ようとする者に対して制限を加えなければならぬ。そのことが社会の秩序を紊乱し、先ほど樋上委員も仰せになったように、青少年とか切手マニアとか――要するにそういうものが不当な利益を得て、社会の安寧といいましょうか、あるいは切手の公の秩序といいましょうか、そういうものを乱すところにこの罰則をもって臨まなければいかぬということがあるわけですね。他の面においては、サンプルに使うとか、あるいは模造で郵政大臣が大いに切手の奨励をしなければならぬ面があるわけです。そうでしょう。これは間違いございませんね。ですから、不当な利益を得るため製造をやったり、不当な利益を得る目的をもって輸入したり、不当に他の大衆に迷惑をかけることを百も承知の上で販売したりあるいは頒布するところに問題の中心があるわけです。そうすると、この処罰規定でいいますと、権衡を失しておる点があるのじゃないか。八十五条では罪が重いのですよ。未遂罪を犯しておる。行使の目的をもってしたるときは、その未遂も犯罪行為として処罰しておるわけです。この場合は、ばく大な利益を目的として製造し、あるいは輸入し、販売し、頒布した場合の未遂規定がないのですよ。これはどういうわけですか。未遂を罰していいじゃないか。何を遠慮しているのですか。
#81
○溝呂木政府委員 八十四条のほうはまさに一般の偽造罪でございまして、当然未遂罪も罰せられるわけでございますが、今度の法律は、郵政大臣の許可したものはこの限りでないという形で、その許可という行為にかかって、そこで処罰の対象が明らかになるということで、要するにその許可の時点でもって処罰の対象になりますので、未遂罪の成立は一応考えられないというふうに考えたわけでございます。したがって、許可をしないでそれをつくってしまえば本罪でぴしゃっといきますし、それから許可を前提として許可以前にいろいろ用意して、先ほど樋上先生からもお話があった郵政省に許可を求めにいく。その場合でも私どもは製造してもらっては困る、やはり仕様書等で持ってきてもらいたい。それをつくって持ってくれば、未遂罪ではなしに本罪でできますので、未遂罪は必要でないというふうに考えたわけでございます。
#82
○土橋委員 それは非常におかしいですよ。この八十四条の規定は偽造、変造を処罰しておるのですが、これは郵便の正当なサービス業務を阻害するというところに基本を置いてこういう厳罰になっておるわけですね。つまり郵便サービスをごまかして、安い切手を売って、偽造あるいは変造して、一部書き直して、たとえば消印なんかのところを消して使う、郵便サービスの業務を侵すというところに問題の中心があるわけですね。片方の場合は、そういうこともあり得ることを含めて、そういうのを郵便切手として使う場合も考えられると同時に、最も資本主義的な中では悪質な、要するに不当な詐欺行為を行なう、製造、輸入、販売、もしくは頒布して使用しようということを内容に含めておるわけです。私の言うことがわかりますか。片方は、要するに郵便サービスだけをごまかしてやろうとしておるわけですね。片方はそうではなくて、製造から、輸入から、販売から、もしくは頒布までして、ばく大な利益を得ようということを考えておる規定なんです。そうしますと郵便切手の偽造、変造は、たとえば八十五条の規定によると、「前条の未遂罪は、これを罰する。」というふうに規定をしておるし、また「二年以下の懲役又は一万円以下の罰金」に処するというふうに、かなり重いわけです。ところがいま申し上げたように使用するということを考えておって、おまけにばく大な利益を得る目的をもって頒布、販売あるいは輸入をするというのについて刑量が低いじゃないですか。これは法務省と打ち合わせをしたというならば、郵政大臣としてはおこらなければいかぬわけだ。現行の八十四条、八十五条の規定から見てもこれは低きに失するから、もっときびしくしてくださいと言ってしかるべきものじゃないか。そうでなければ権衡を失するわけです。
#83
○溝呂木政府委員 当然この罰則関係につきましては、法務省の意見を聞いて出したわけです。それで先ほどの本法の提案理由の問題でございますが、提案理由の説明でも申し上げましたように、一応郵便切手とまぎらわしいものをつくって、その結果、先生のおっしゃる膨大な利益云々ということでございますれば、かかわらしめている問題は、やはり郵便切手を偽造、模造するところに問題がございます。そこで郵便法の八十四条のほうでは、行使の目的をもって偽造すること、これはまさにずばり言ってわれわれの一番守らなければならない法域の問題でございます。ところが、模造の段階になりますと、いままでこの取り締まり法案がなければ、まさに模造切手をつくっても支障なかったわけでございますし、それからたびたび先生御指摘のように、ものによっては、悪質のものでなければまさにそういうものを大いに勧奨し、教育に使っていいものでございます。したがいまして、行使の目的をもってする偽造罪よりは、模造罪のほうはどうしても軽くなる。もしそれで非常に悪質なほうに使われてくれば、八十四条のほうでも当然処分できますので、行使の目的まで入ってきて、そうしてこういうものを大量につくって云々すれば、八十四条でいままででもやったことはございます。しかし、八十四条まで持っていけないすれすれといいますか、その段階でいま模造切手が流通しているわけでございますので、それを取り締まるだけという形になります。他の印紙等の関係になりましても、偽造罪のほうと、本法と同じような模造罪のほうは、同じように模造のほうが量刑が軽くなっておるということでございます。
#84
○土橋委員 私はそういう説明には納得できないです。それは法理的に非常にあいまいな態度であるし、この法律制定の基本的な、要するに一定の収益を得る、一定の利益を得る目的をもって製造、輸入、販売もしくは頒布した場合が多いわけです。そうでない場合というのは、大体二項の規定で郵政大臣の許可を受けますよ、良心的な人ならば。どうでしょうか。それをやらないでないしょでやろうというのは、ただ製造することが目的でないのです。ただ頒布することが目的じゃないのです。一定のばく大な利益を受けることを目的としてやる場合なんですね。そうでしょう。良心的にやって模造したいという場合には、郵政大臣に行って聞いて、そしてしかるべき注意とちゃんとしたことを聞いてやるのが普通なんですよ。ところがそうじゃなくてやっておるものですから、法的な体系からいってもこれでは権衡を失するというふうに私は考えております。
 次の問題ですが、あなたは不遡及の原則を説明されました。これは刑法の基本的な原則です。しかしながら、内容はいまこれだけ騒がれておって、それで現にたくさんのものをかかえておって、将来も売る可能性がある場合にはこれは一体どうするのですか。不遡及の原則だけで黙って指をくわえて見ておるのですか、郵政省は。
#85
○溝呂木政府委員 すでに市販にそういったものが流布されているということは、私どもとしては非常に困った事態でございますが、いままでそれを取り締まる法案がない以上は、それがそのまま流布されてもいたし方がない。これは法治国家である以上、法によって取り締まる以外にないわけでございます。したがいまして、いままでそれを放置したことについては、私ども先ほど先生方からもっと早くこの法案を出すべきだったということについては責任を感じておりますが、だからといって、いまあるけしからぬものを法律を出す以前に取り締まり、あるいは出した時点において、その取り締まり法がないためにいいと思ってつくっておったものまで、さかのぼってこの法律にひっかけることは無理ではないかというふうに考えておるわけでございます。
#86
○土橋委員 わかりました。それでは郵政省としては泣き寝入り。ところが問題は郵政省にあるのじゃないのです。一般大衆が迷惑を受けるのですよ。この問題は、郵政省は痛くもかゆくもないのですよ。そうでしょう。問題は、要するにこれをたいへん愛好しておる人に大きな迷惑がかかるのであって、郵政省としてはサービスを妨害しなければそんなに問題にならぬのですよ。そうでしょう。切手に張って出すということなら問題になるけれども、ただ鑑賞しておってたくさんストックを持っておるという場合には、郵政省何も関係ない。むしろ迷惑を受けるのは一般大衆なんですよ。この法案にはそういう趣旨がなくて、ただ郵政の信用ということばを、要するに行使の目的らしい点に処罰を集中しておるけれども、この法の対象となるものはそこだけでなくてもっと広い。つまり愛好者、切手マニア、あるいは切手の愛玩をする人全体に将来及ぼす影響を考えなければならぬという気が私はしておるのですよ。ですから、その点は少し不十分だなというふうに私は考えておるのです。私の質問わかるでしょう。じゃそれはそれでいいです。
 次の問題は、今度私は、切手をたくさん郵政省からもいただいて持っております。偽造切手は私は一枚もございませんけれども、かりに持っておったとする。そこで私あやまって、それをよく見てこれは模造と書いてあった切手だから使っちゃならぬことを調べればよかったけれども、忙しいために、うっかりそれを張って出したという場合には、犯罪成立しますか。
#87
○溝呂木政府委員 ただいまの御質問は、一般的に刑法上の一般原則になるのじゃないかと思います。刑法三十八条ですか、故意、いわゆる罪を犯す意思を持たない場合、いわゆる犯意のない場合はこれは罰せずということで、当然その態様としては法律にひっかかる態様をなしておりますが、結果的にはそれが先生のおっしゃるようなものが、これは全く本人にその犯意がなかったということが立証されれば、当然その処罰から免れるものというふうに考えております。
#88
○土橋委員 これは非常に大切なのです。これがこの法案を制定するにあたりましては非常に大事な問題が起こってくる。つまり大量に印刷をし、売り込んでおるわけですから、うっかりして、たくさん切手を持っておって、だから三十八条の一項の規定をどう運用するかは、これは検察当局や裁判所の問題でしょうけれども、非常に大きな問題が出てくるというふうに私は理解しておる。
 次の附則ですか、これは私は言いにくいのですけれども、昔、交通機関やテレビやあるいはラジオのない時代は半年くらいも内容を宣伝する上においてはかかったでしょう。現在はこの法律の施行について、半年なんて長い期間を要しなくてもいいのじゃないかと思う。一度これがテレビに、あるいはラジオに、あるいは新聞に報道されますれば、大多数の方がすぐわかるわけですね。したがって、古い昔の法律観念で六カ月までのこのこ待っておって、その間にどういう事態が起こるかもしれないのに、こういう古い法律のまねをしないで、郵政省はもっと新しい方法で、たとえばテレビ、ラジオに三回放送して直ちにこれは実施をするというような、そういう少しあか抜けのした施行方法をやるべきじゃないかというように思うがどうですか。
#89
○溝呂木政府委員 確かに御指摘のように、一般的に考えますとちょっと六カ月というのは長い気がしたわけでございますが、実は先ほど私御説明いたしましたように、カタログ類の許可という問題、これは当然許可するつもりでございますが、そういったものの製造過程をいろいろ研究しましたら、やはりそこに数カ月ほしい。それからもう一つ、輸入に今度ひっかけておりますので、いろいろ輸入手続、いわゆる船積みいたしますと、最近の関係ではやはり三、四カ月は必要だ、それらを、いろいろ準備期間を見て、安全値をとって六カ月としたのでございまして、まさにそういったものを考えなければもっと早く一般的なものならばできるという感じがしたのでございますが、いろいろそういったほうを研究しました結果、やはり六カ月と見ておくことが必要だということで、いささか長い感じはいたしたわけでございますが、六カ月といたしたわけでございます。
#90
○土橋委員 私はそれ以上あれはいたしませんけれども、これは万国郵便条約の規定にも規定されておるし、当然早目に郵政省が法律を制定しなければならぬという事態も先ほどから話がございました。したがって私はできる限り早目に、たとえばいまあなた模造の話で説明されましたけれども、模造はこれは郵政大臣のところへ届け出てくるきわめて良心的な人なんですよ。ですから、この問題についてはそれほど問題はないわけです。そういう方はこれはもともと模造だということをやるわけですから。問題はそうじゃなくて、ばく大な利益を得る目的をもっていわゆる偽造行為をする、あるいは模造行為をする人に問題があるわけです。ですから法律の施行については、古い明治時代のように半年とかいうことじゃなしに、できれば迅速にすべきだ、こういう私の考えなんですよ。
 最後に、こういう点は研究されましたか。切手類、印紙の元売り所というのは必ず郵政大臣が許可を与えて、そうして一定の〒のマークをつけたところでなければ切手、印紙を売ることができなくなっているのです。あるいは本省に行くとか郵便局に行くようなそういう規定があるわけです。これは切手売りさばきに関する問題です。ところがこの模造切手というのはそうじゃないのです。デパート、あるいは古物商や、いろいろなところでお客さんを招くために、ことさら切手をセロハンでよく見えるようにして、そうして大道商人が売っておるわけです。これは切手売りさばき所じゃないところでやっているわけですね。したがって、この模造切手も、将来販売するとなれば研究してみる必要がある。あるいは特にまぎらわしい問題については問題があるでしょうが、デパートなんかで一般にお売りになったり、あるいは大道商人が売ったり、あるいは古物商で売るような事態が起こってくると思うのですね。そういうところの規制は郵政大臣どうする考えですか。
#91
○溝呂木政府委員 先生御指摘のとおり、現在の私どもの発行しております郵便切手類は、当然法律によって郵政省あるいは法律に指定された切手売りさばき所、このところでしか売りさばくことはできません。したがいまして、いま問題になっておりますのは、模造切手として、いわゆる真正な切手でないものが、それぞれ、先ほど先生おっしゃったように趣味の世界、あるいはそういったものの形でもって販売されておりますが、この点につきましては、郵政省がそこまで、模造切手の販売権まで、販売権といいますか、販売指定、販売規制までいくことについては、私としてはいさきかちゅうちょしているわけでございます。いわゆる書画骨とう類のいろいろ趣味の世界に、いわゆるそのもとが郵便切手に似ているからといって、郵政省がそこにまで入っていくことについては、実は私はちゅうちょしておるわけでございまして、やはりそういったものが郵便事業に大きな支障を与えるというその部分について問題をひっかけて――ひっかけてというか、それに関連して取り締まってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#92
○土橋委員 私は、当初申し上げましたように、この法案に賛成をするものです。ただ問題は、出版、営業の自由あるいは模造の自由というようなことについてかなり大目に見る点と、それから非常に悪質でそしてばく大な利益、他人を詐取する目的で、金品を詐取するという目的でやるものと、厳重な区別をしながらやっていく必要がある、こういうように私は考えているのです。ですから、いろいろお聞きをいたしましたけれども、私は郵政大臣の法案提案についてはまことに時宜を得たものだというように考えておる次第でございます。
 質問をこれで打ち切ります。
#93
○水野委員長代理 栗山礼行君。
#94
○栗山委員 もうこの法案について各党の質疑がなされまして、いろいろ尽きておると思います。私、勉強いたしてまいらなかったのでありますけれども、四、五点の問題について、あるいは重複をいたしておればお許しをいただかなくてはなりませんが、若干お尋ねを申し上げたいと思います。
 第一点は、現在どのような模造切手が、約何種類、何枚ぐらい出回っておるかということなんであります。先ほど若干イミテーションのものをこっちへ見せていただきました。あれは四種類だと思いますが、資料でいま拝見いたしますと、十三種類のものがございます。どういう根拠でお調べになって集約されたのか知りませんが、ずばり何種類程度こういうようなものが出回っておる、枚数の推定はどの程度のものが市場に出回った、こういう点を、わかる範囲内でけっこうでございます、科学的根拠を求めませんからひとつ……。
#95
○溝呂木政府委員 ただいま御質問の点でございますが、まず種類を私どもがキャッチしておる範囲で申し上げますと、十四種類でございます。そしてこれを発行しております会社は東京に二社、それから大阪、名古屋それぞれ一社によって製造されておりまして、もちろんそこでも販売しておるほか、さらに全国数十店で販売だけが行なわれております。
 そこで、どのくらい出回っておるかということで、私どもいろいろ手を尽くして、ずばりそういうところにも聞いてみましたが、御承知のように教えるはずがございません。いろいろ税金の問題もあるのではないかと思いますが、いろいろの手を尽くしてあっちこっち探したのですが、すでにどのくらい製造されたかということは私どもついに把握することができませんでした。しかし、巷間伝えられるところによると、相当の――相当というのはどのくらいかということになりますが、かなり彼らはそれをつくったのではないか、そしてかなり売れているのではないかということはいわれております。しかし、残念ながら確実な枚数の把握ができませんでした。
#96
○栗山委員 そういたしますと、この法案の制定を背景として市場の調査をされたということでありまして、平時において巷間伝えられる一つの郵便切手の問題が、模造の問題でずいぶん新聞紙上の問題等にもなり、あるいは実害等もいろいろ示されておったのでありますけれども、実際はその法律制定以前の、どろなわ的にいろいろお調べになったというようなことで、十分な数字もつかめなかった、こういうふうに理解してよろしいか、どうなんです。
#97
○溝呂木政府委員 私どもこういったものが出回るということをキャッチしましたのは、三十九年ごろに少し出回っている、これはたしか三十九年の十一月に切手経済社というところで、いわゆる「月に雁」、「見返り美人」、こういったものが少し出ているというあたりからキャッチし始めました。たいしたことないなと思っているうちに、デパート等を回ってみますと、われわれとしては非常に好ましくない形でそれがどんどん発展していったということで、実は前々からこれはちょっと問題だと思っていたわけでありますが、最近ここ一、二年に急激にはんらんしたといいますか、もちろん取り締まりの対象にならないということがわかったためとは思いますけれども、急激に出てきた関係でございますので、実は法案の提出がおくれたというおしかりも先ほどから受けております。そういったような意味において、その市場調査等についてもその点において十分でなかったということを反省しているわけでありますが、しかし、かなりほうっておけないという状態が目の前に出たということで、急遽この法案を提出した次第であります。
#98
○栗山委員 次の点は、こういう点なんです。これは年度別というようなことはどうかと思うのですが、一般論的でけっこうですが、偽造切手あるいは模造切手というものがごく最近に実際に郵便に行使された、こういう事例があったかどうか。
#99
○舘野説明員 計数を申し上げます。
 偽造切手によります郵便法違反、昭和四十三年から申し上げますと、四十三年度三件、四十四年度二件、四十五年度一件、四十六年度二件といった状況でございます。
  〔水野委員長代理退席、委員長着席〕
 なお、先ほども申し上げましたが、模造切手を郵便に張りまして差し出しましたものが、四十三年度に二件、四十六年度に一件発見されております。
#100
○栗山委員 お伺いをいたすと、それは件数としては非常に少ない内容のものだ、そういうことですね。そういたしますと、これは処置はどのようにされておるのです。その事後処置といいますか、たとえば偽造切手を行使されたということについてどういう処置をとられておるか、あるいは模造切手の問題も件数をお話しになったのでありますが、それが誤ってか意識してかよく知りませんけれども、どういう処置をおとりになっているか、簡単に。
#101
○舘野説明員 偽造切手使用につきましては、郵便法八十四条違反ということで司法処分をいたしております。模造切手の使用の郵便につきましては、郵便法八十三条の「料金を免かれる罪」というものの容疑として処置しております。
#102
○栗山委員 けっこうでございます。
 次の問題は、これが模造切手であるか、あるいは偽造切手であるか、この識別の問題でありますが、これはどんな方法で行なわれるか。私も、郵政省の飯を食ったことがないのでよくわからないから、先ほど郵政省で飯を食べられた共産党の土橋委員にお伺いいたしたのでありますが、消印をする場合について、そういう明確な識別の判断があるだろうか。栗山さん、そんなものはないよ、というようなことでございまして、その程度の理解しかないのですが、この識別が明確でないものだとすれば、いまの件数がたまたま偶然出てきた数字としか理解できないような感じがいたすのでありますが、これは特殊な識別方法をされているかどうか。
#103
○溝呂木政府委員 残念ながら、われわれ郵便に関係する職員のいわゆる常識的な目で見分けるしかないわけでございまして、したがいまして、最近出回っているあのものが張られてきたならば、まず郵便局の職員が消し印の段階において発見することはほとんど困難だろうと思います。十分ながめれば専門的にいろいろの、ああいう安い刷りものでございますのでわかりますが、大量に郵便物を処理している郵便職員の通常の目をもってしては、識別は困難だろうかと思います。
 それから機械のほうも、いわゆる色とかそういったものによってある程度検知の方法はありますが、やはり同色の同じ図柄でもって出された場合は、機械でこれを発見することはまず不可能ということで、実はあれが張られてきた場合は、いささかお手あげの感じがしているわけでございます。
#104
○栗山委員 そうすると、識別の判断はもうノーズロだ、こういうことになりますね、終局的には。したがって、先ほど監察官のほうの御報告がございましたように、たまたまというようなことでありまして、どれだけいと巧妙に偽造切手が行使されておったかということについては、当局としては、残念ながらこれは把握することができない実情下に置かれておったんだ、こういうふうに私流にいいますと理解をせざるを得ない、こういうことでございますね。別にあえてあげ足をとろうということではございませんが、問題の理解点として、何かそれは栗山君違うということがございましたら、ひとつ御答弁を……。
#105
○溝呂木政府委員 ただいまの御質問は、いわゆるわれわれ郵便職員が見ての御質問ということでそういうふうに申し上げたわけでございますが、正式には、これはもう模造、偽造を鑑定する必要が起これば、当然これは専門の印刷局、そういうところに専門家がおりますので、そういうところに渡して、これは本物であるか、偽造であるか、模造であるかという処理はいたします。したがって、法案にあたって、その処罰の対象にするときに、問題になるという意味の判定というのは、これは別に十二分に科学的な鑑定法がありますが、郵便局に出されたものについてはちょっと……。そういうことでございます。
#106
○栗山委員 それでわかりました。なかなか郵務局長、正直です。これはもう実際には事後処理の問題で、たまたま何か出てきたというものについて識別、鑑定をするということであって、行使の過程では全くわからないんだ、こういうことですね。これはすってんころりんやられてしまうという危険もずいぶんあった、こうまた理解をせざるを得ない、こういうことですね。
 次の問題なんですが、特殊郵便切手及び記念切手の発行基準というものが一体あるんじゃないかと思うのですが、それもあれば、大別、簡単にひとつお答えいただきたい。
 それから、こういう特殊切手を発行されるについては、郵政審議会の審議を経る、こういうことに相なるのかどうか。それから、したがって審議の内容については、発行枚数、たとえば記念事業についてのこういうふうな特殊切手を発行するということは審議会の俎上にのぼるけれども、発行枚数というものについては審議会でこれは審議の対象になっておるのかどうか、この点ちょっと……。
#107
○溝呂木政府委員 いわゆる特殊切手の発行基準でございますが、まず第一点に、国家的あるいは国民的行事でそれ相応の催しものがあって、国民の目から見て、これはやはり国家的行事だなというような何らかの催しものがあれば、それをわれわれがことほぐといいますか、そういう形でバックアップするという形で記念切手を発行するということでございます。それから二番目が、いわゆる周年行事。いわゆる今度出します学制百年記念、こういう五十周年記念とか百周年記念とか、過去においてある非常に有名な事実があって、それが百年とか五十年とかということになったときに発行するということ。それから三番目が、いわゆる国立・国定公園、これはまあ風景その他について非常に切手に合うということで、国立・国定公園関係はあります。それから四番目に、郵政省独自のシリーズものというものがございます。これは御承知の古典芸能、ずっとやってきました古典芸能とか、ずっと前には花シリーズとか、そういった一種のシリーズものとして郵政省独自で出すもの。
 大体こういった四つの考え方で発行いたしております。
 それからこの発行につきましては、郵政審議会の専門委員の先生に全部おはかりしております。ただし枚数につきましては、一々そこではおはかりしないで、実はもう少しあとで、その行事が、これは国民的行事としてかなり大きいなと思うときにはやや多く、それからこの行事は、行事としてはりっぱであるけれども、一般の人の関心をかっていないと思われるものについては少なくとか、それから特に最近窓口で行列をするという非難がございましたので、そのほうを考えまして、ことしあたりから、いままでのものに比べて相当発行枚数をふやすとか、そういった意味におきまして、発行枚数についてはいろいろの事情を勘案して、私ども政策的にきめさせていただいているというのが実情でございます。
#108
○栗山委員 大体、以上わかりました。
 そうすると、審議会にかけている内容については、かくかくの事業についていわゆる特殊切手を発行するという原則的な可否の問題を審議会で御決定をいただく、そういうことですね。
 それから発行枚数についてはどうなんでしょうか。これはあなたの答弁でちょっとわからないのですが、たとえば過般ございました万博記念切手というようなものを、これはどの程度発行することが望ましいのかという評価といいますか、消化できるかどうかという一点の問題にもなりましょうし、国際的規模の行事だから、どの程度が望ましいかという、そういうような一つの基準というものは、必ずしも原則的基準があるのかどうか、こういう点なんですね。私がこの数字を、特殊切手の問題について、まあこれはそれぞれの条件でいろいろ御説明がありましたように、発行枚数が違うのです。ところが発行枚数が違うということは、こういう記念切手、特殊切手についてはこれだけしか売れないという、一つの市場サイドでものをながめて発行枚数をおきめになるのか。今度は一かせぎできるなというようなことで、まあまあことばを言いますと、そういうことで枚数をおきめになるのか、こういう点も私はかなり問題が存すると思うのです。これもあまり発行して消化できなかったら困るというようなことの問題もございましょう。しかし、さりとて切手マニアの市中の価格操作というものはやはり需給関係でありまして、いい記念切手という事業の条件もございますけれども、少ないものほど時間がたつほどにその価値が高まっておるという市場操作の関係等もございますので、これらについて健全な、切手マニアについての一つの趣味を高め、経済的な負担をかけない一つの趣味の方向を持続する、こういうことが特殊切手を発行する基本的な姿勢でなくちゃならぬというように考えるものですから、この点があなたの御答弁では少しあいまいなように思うのですが、いかがでしょうか。
#109
○溝呂木政府委員 全く御指摘のとおりでございまして、いままで少し出し方が少なかったのじゃないか、そのことが、ある意味においては、一部の郵趣家の利益になっているという話も聞きまして、最近は少し多目に出すという考え方でございます。しかし、もちろん特殊切手でございますので、かなり多目に出しましても、その行事以降についてその切手が残るということはちょっと問題がございます。そして結局「月に雁」とか、ああいう形で、あの当時としてはあの切手も非常に売れ残ったのでございますが、何年か、十年、二十年たっていくと、思わぬ値が出てくる。そういう点を考えますと、切手発行政策というものは非常にむずかしい問題でございますが、しかし、いま先生がおっしゃったとおり、健全な郵趣に資するよう、しかも、郵便局でもってそれが残ってしまって、せっかく高い切手をつくって、ある意味においては事業の経営にマイナスになるようなこともしたくないということを両方踏まえながらいろいろ私どもとして考えておるわけでございますが、とにかく最近の情勢では、少し多目多目に出していこうという考え方でございます。
#110
○栗山委員 そこのところなんですがね。非常に、私がぴんとわかった、こういうことにならないのですが、いわゆる特殊切手を発行する基準じゃなくて、基本的な考え方というものをどこに置いてやっておるか、こういうことがやはり中心になると思うんですよ。それは事務的あるいは感覚的には、こういう事業について、これは発行することがしかるべき内容だ、これはよろしい、それからどの程度の枚数を発行するかということも基準に基づいてやっていくのか、市場性を勘案してやっていくのか、こういうことも――当然消化されなくちゃ困る。さりとて一定の限度的なものを、よほど基準を設けて考慮せぬ限りに、趣味の問題でありますから、結局その市場性という問題によって、趣味が非常に経済的なサイドでものを運ばれて、商売人の奮起をされるということにもなってまいりましょうし、結局高い趣味になる。適正な価値、経済的な価値ある趣味、こういう方向に持っていくためには、あなたのところはどういう基本的な一つの考え方をお持ちになっていらっしゃるか、これを明らかにせなければいかぬじゃないか。原理原則の問題だ。私から言うとこういうことですね。
#111
○溝呂木政府委員 先ほどちょっと私触れましたように、特殊切手の発行する目的がまずございます。そこで、先ほど第一番目にあげました国家的、国民的行事、これはいろいろございます。その時点では、たいていそれを主管する省がございます。厚生省主管の心臓病予防何々とか、あるいは鉄道百年記念といえば運輸省及び国鉄、そういった必ずその行事を主催する責任の官庁なり団体がございますので、そういうところと十分相談して、この切手はどのくらいでどういう形のものを持っていったらばまさに郵趣としていいかということを相談しながら、最終的には私どもがその図案等を考えるわけでございますが、常にその行事が国家的、国民的行事であるということをまず念頭に置いて、しかもその行事で切手を発行するということになりましたときは、その行事の主催者と十分協議をして、どのような図案でどのような形でいこうかということを考えております。
 そして最後に枚数になるわけでございますが、その枚数も、たとえば万博のような場合、要するに非常に外国のお客さんがたくさん来るというような場合の枚数、それから国定・国立公園、これは過去において何回も出しておりますので、その地元においてどのくらい売りさばかれ、需要がどのくらいある、そういったものも考えながら、全体の数量と同時にその発行する場所への配分枚数と申しますか、そういったものを操作して、結果的には健全な郵趣界の育成といいますか、そういうものに役立つようにというふうに考えておるわけでございます。
  〔「その辺は郵政省はなかなかうまくやっているよ、心配ないよ」と呼ぶ者あり〕
#112
○栗山委員 なかなかこれは金もうけのためにうまくやっているのか、あるいは商売のためにうまくやっているのか、あるいはそういうふうな青少年の切手収集マニアというものを保護し、そういうものを高めるという一つの内容を持ってうまくやっているのかという、こういう問題等もありますので、いまいろいろ水野先生のなかなかうまいあなたを弁護するやじがあったのでありますけれども、私の伺わんとする点はそういうところにあったわけです。
 一つお伺いいたしますが、私は実は友人の子供にせがまれて、何回かおじちゃんと言ってべそをかいてきて、何なんだといったら、販売切手の問題についてもう全く深い興味といいますか、私が外国へ行ったら、どこそこのものを何枚買ってこいというようなことがあるのですよ。それから八尾の郵便局あたりに参りますと、朝三時ごろに起きて並んでいくんだ、ところがだめなんだということで、目をまっかにして帰ってくる。そして栗山のおじちゃんのところへ行ってこい。涙をこぼして私に何も言わぬものですから、ああ切手だね、わかったというようなことで、私がひとつ適当な処分をするというようなことがあるのです。だから、そういうふうに窓口の規制の問題もございますけれども、いわゆるそういうような青少年の純情な、しかもそういうふうな切手マニアの誇りや期待という条件に適するようにやはりやらぬと、結局その人たちが手に入れたいというものも手に入らないし、買おうとすればたいへんな価格だ。
 そこで、郵務局長、いま、まともなものですよ、イミテーションは別のもので、まともなもので、あなたのところが発行された特殊切手で一番高いものは、いろいろ新聞に出ておりますけれども、市場で大体何万円くらいのものが一番高いというようにあなた理解していらっしゃるか、ちょっと伺いたいのです。
#113
○溝呂木政府委員 郵便切手の古いものの相場でございますが、実は私、よく研究が足りておらないのですが、明治時代に出たいわゆる竜切手あたりになりますと、ちょっと値段がわからないくらいだという話もあります。しかしその竜切手でも、いろいろの切手、手彫りで彫ってあるので、どこに欠陥がある切手だとか、郵趣の世界の中では非常に専門的なもので、一つの同じような切手でも値が違うというようなことで、その辺はわかりませんが、最近よくいわれております「見返り美人」がございますが、これが市場一万円以上しているのではないかというふうに考えております。もちろんそのときによって値段が違いますが、「見返り美人」とか、「月に雁」、こういったものが値上がりの代表的な例というふうに聞いておりまして、それらは大体二万円をこえているというふうに聞いております。
#114
○栗山委員 実際このことは、やはり発行枚数や、先ほど申し上げたような省が発行する特殊切手についての適正化ということに関連するから私はこれを申し上げるのでありまして、あなたのところの資料は間違ってますよ。私はある人に頼まれて、それでしょうがないから金を出して買わざるを得ないということで資料を集めてみたのです。それは「月に雁」であります。二万五千円です。とても私のポケットではまいらない。しかし簡単に、まあ何とか一枚くらい、よっしゃというようなことを言うたものでございますから、事実そこの趣味のところへ参りまして、これをほしいんだがと言うと、二万五千円だということでびっくりして帰ってきた。こういうふうな状態。これは明治じゃないですよ。御承知のとおり二十二年ですよ。(溝呂木政府委員「竜切手が明治時代でございます」と呼ぶ)ああそうですか。とんと私のほうはさっぱり……。
#115
○高橋委員長 郵務局長、ここへ出てやってください。
#116
○溝呂木政府委員 先ほど私の説明がちょっと舌足らずで誤解をなされたかと思いますが、いわゆる竜切手ということで銭四十何文とか、あれが明治時代のものでして、これの値がちょっと私わかりかねるということでございます。それから、おっしゃるように「月に雁」、それから「見返り美人」、こういったものは当然昭和の戦後のものでございます。
 それから一言弁解さしていただきますと、私も聞いてびっくりしたのですが、実は「月に雁」は、売りさばいた当時は余って困ったそうでございます。それがやはりだんだん月日がたつに従ってああいう形になったということで、いささか郵趣界のむずかしさを私も教えられたわけでございます。ある時点で、やはり郵趣界というものは非常に動きがございますので、一時は郵趣界も相当さめた時代がございますが、いまは一番ピーク時といわれておりまして、そういったことで値段なども、先生が「月に雁」を二万五千円とおっしゃいましたが、もちろん売る場合と買う場合ではかなり――切手商が違うと、商人によってはかなり人のあれを見て値をつけるという話も聞いておりますので……。しかし、いずれにいたしましても非常に高くなっていることは事実かと思います。
#117
○栗山委員 とにかく私は物持ちだから、あるいは五千円くらいのものを二万五千円だと言われたというように、みずからマスタベーションで誇りを持たなくちゃしかたがないですかね。ほんとうにびっくりしちゃった。
 これはたいへんふまじめなような私語のようなことでお尋ねいたしておるようなことになりますが、これとてもやはり商人の一つの商業政策でございますけれども、問題は求める需給関係だ、こういうことに思いをいたして、将来の方向に、やはり基準なり発行枚数というものに検討を加えて、そして切手というようなこういう優雅な趣味を、あまねく情操及び文化的な感覚を養わしていくということにその使命と内容があろうかと思いますので、これは一段と考慮をいただかなければいかぬ、こういう点でございます。
 それから最後にお尋ね申し上げますが、もう二点ございます。まだ二十分以内でございます。
 私、次にお尋ね申し上げたいことは、この法律は公布後六カ月後に施行されるという一つの条件、どなたかお尋ねになっておったと思うのでありますが、その期間はノーズロなんですね。そうすると、先ほどちょっと土橋委員の質問に局長がお答えになっていらっしゃったように思うのでありますけれども、こういう法律ができるのだ、したがっていまのうちに、いまどれほど市場性の高いものがあるか、どういう品種別なものをイミテーションをつくればひとつもうかるか、こういうようなことで発行者が計画をかりにしたとします。またそういうことをせないというようなことの保証もなし得ない。そうすると、施行までにその発行したものは一体どうなるかということと、適正な法律がないのですから、行政指導というものがこの空間を――いよいよこれはこういうことになるのだ、売っていけないから、何とかいまのうちにひとつもうかるものをざっと選別してつくってしまって、消化しようじゃないか、こういうようなことが、かりに一発主義の商売人がありといたしますならば、これはどうなるかということについてお考え願っておるか。
#118
○溝呂木政府委員 まことに痛い点でございまして、先ほど私から御説明申し上げましたように、すでにそういうものは現在市販に流通しておるわけでございます。もっと早くこういった法案を出して取り締まればよかったのですが、御承知のように出すのがおくれた。おくれた部分についてだけ泣き寝入りと申しますか、われわれとしても、法治国家としては法律によってだけしか取り締まることはできません。行政指導と申しましても、そういった人たちは当然処罰の対象にならなければ、少しくらいけしからぬとかなんとか言われたってへいちゃらといいますか、そういう形でございます。ただ、かなりまじめなデパート等で売りさばかれておる、こういう点につきましては私どもも、やはりこういった法案が出る以上は、そして国会で承認されるわけでありますから、やってはならない行為をいまからやっていいということではないというように、そういう話はしておきたいと思いますが、しかし、法的には実はどうしても効力を発生するまでの時点では何とも手の打ちようがない、こういうわけでございます。
#119
○栗山委員 もう一点でございます。まだ二十分しかやっておりませんから、もう一点で終わりたいと思います。
 最後に、私ちょっと疑問を感ずるのですが、いまの問題は全く行政指導も措置もない。まさにこれは困った問題だ。だからいま、もっと早くこの法律をつくらなくちゃならなかったのだといみじくも自己反省をされたということで私も受けとめてまいりたい。
 また、阿部委員が非常におとなしく、笑って、この法律を制定する背景というものはどうなったのだ、こういうようなことでやさしく聞かれておったのでありますけれども、まずまず、皆さんのほうからこういう法案を出すということではなくて、いろいろわれわれがお茶飲み話で話をいたしておりますことが皆さんの耳に入り、大臣が直ちに法制化、こういうような急速な制度化をされたということについてはそれなりに評価いたすのであります。しかし、何らかものを言わなくては皆さんは腰を上げぬというこの姿勢だけはやはり謙虚に改めていただかなければならぬ、こういう一つの姿勢について私は大臣にお尋ね申し上げたいと思うのです。
 それからもう一つ局長にお尋ね申し上げたい点は、法体系の問題なのでありますが、きわめて簡単な問題、二条に規定しておりますことは「第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。」ということなんですね。そうすると、こんな法律が一年以下の懲役ということにつきましては、ちょっと身ごたえするわけで、気まま一ぱい言ってぜいたくしておるやつが、懲役一年というとちょっと身ぶるいをすると思うのでありますが、五万円以下の罰金だということなら、「又は五万円以下の罰金」でありますから、それだけ覚悟すれば百万円なり、あるいは一千万円もうかるのだということなら、こんな法律を飛び越えてやるという一つの内容、世は乱世でございますから、水野先生のような紳士ばかりが存在いたしません。今日の退廃した国の運命いずれなりやという、一つの憂慮しなくちゃならぬ事態また存在しないとも限らないのでありまして、こういう点について、私は何も処罰主義者じゃないのですけれども、どうも法体系から見てこれだけのいろいろ実害と、それから論議すればするほど内容を検討されなくちゃならぬ問題等も含まれておると思うのです。ただ、そういうような軽微な罰金というものが現行の法体系でこれをどう評価してみればいいのか、こういう点について私はしろうとでありますからわからないのでありますけれども、これをひとつ御解明をいただきたい。
#120
○廣瀬国務大臣 ただいまお尋ねの前段の問題につきましては、まさに御指摘のとおりでありまして、実際上は御承知のように、各党の皆さんからの御要請によっていよいよ郵政省が動きだしたような形になったわけでございまして、冒頭阿部委員にもお答えいたしましたように、万国郵便条約があって、これに「約束する」ということがありながら、これは道義的な条項だということに解釈いたしまして今日に及んだわけでございますけれども、こういうような法律案は、一日も早ければ早いほどよかったということをただいま痛切に感じておるわけでございまして、今後は十分気をつけてまいりたい、こういうように考えておるわけでございます。
#121
○溝呂木政府委員 罰則の問題でございますが、たまたまこれと全く同じような法律、印紙等模造取締法の罰則も「一年以下の懲役又は五万円以下の罰金」ということになっておりまして、これらにつきましては私どもだけの判断でなく、法務省に行きまして、法務省が全体的な刑法あるいはこういう取り締まり法関係の刑罰量刑を見まして、それでもって大体この印紙等模造取締法と同等にすることが妥当であろうということになったわけでございます。
 先生の御質問の一つに、それはそれとしても、一年以下の懲役ということと五万円以下の罰金という――要するに懲役の問題は、まさにインフレであろうと何であろうと、それによって受けるつらさというものは一定でありますが、五万円の問題が、要するに最近のようにインフレ時代には、金のほうはだんだん価値が下がってくるというふうな問題があるということで、私も法務省のほうに問いただしたのですが、たまたま印紙等模造取締法については、懲役と罰金の刑が非常にバランスがとれているそうでございます。現在刑法等には二千円とか三千円とかいう罰金がずらり残っておって、それをちょいちょい臨時法律でもって上げたりしておりますが、それらの面から見ても今回の法律の中の五万円の罰金は、他の処罰の例から見て大体いいところにあるというふうに聞いております。
#122
○栗山委員 終わります。
#123
○水野委員 関連して。私どもこの法律をよく読んでなくてあれだったのですが、現在通用している切手だけを対象としてこの法律をつくっておられるようであります。しかし、この法律制定の背景は、郵便切手を集めている人たちに模造切手が流通して非常に迷惑を与えているということなんで、そこに論理的に若干おかしな点があるのじゃないか。ただし、法律的にはこの辺で縛らなければとても無理だからこういうふうにされたのだろうと思いますが、郵務局長としてその辺を明確にひとつ答弁をしておいてもらいたいと思うのです。というのは、現在通用力のある切手だけなのか。同じ日本の切手でももう通用できない切手がたくさんあります。それはこの法律の対象外になっているのかということと、それから通用しない切手とまた似ている切手があるわけですね。郵政省で同じ図案を何べんも使っておられる。片っ方のほうは使えないのだが、片っ方のほうは使えるという切手があるのです。こういうものはどうするのかということ、法律の概念はどういうふうにそこを通してこの法律をおつくりになったのかという御説明をもらいたいと思います。
#124
○溝呂木政府委員 御指摘のとおり、本法案は通用する切手についてでございます。したがいまして、通用を禁止されているものが日本の郵便切手にもございますが、それについては本法の対象になりません。しかし、「紛らわしい外観」という規定のしかたをしておりますので、過去においてそれと似たようなものが発行され、しかもそれが新しい郵便切手とまぎらわしい状態において模造された場合は、そのものは本法の取り締まりの対象になるということでございます。
#125
○高橋委員長 これにて本案についての質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#126
○高橋委員長 これより討論に入るのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 郵便切手類模造等取締法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#127
○高橋委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#128
○高橋委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#129
○高橋委員長 この際、郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。廣瀬郵政大臣。
#130
○廣瀬国務大臣 本件に関しましては、慎重な御審議の上ただいま御可決いただきましたことを厚く御礼申し上げます。
 各委員の御質疑の中で申し述べられました点につきましては、今後法律の実施にあたりまして、御趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。
 まことにありがとうございました。
     ――――◇―――――
#131
○高橋委員長 この際、おはかりいたします。
 逓信行政に関する件、特に国際電信電話株式会社事業概況調査のため、明十一日、国際電信電話株式会社から参考人の出席を願い、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、参考人の人選、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#133
○高橋委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 次回は明十一日午前十時理事会、十時十五分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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