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1971/05/31 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第20号
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1971/05/31 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第20号

#1
第068回国会 逓信委員会 第20号
昭和四十七年五月三十一日(水曜日)
    午後一時一分開議
 出席委員
   委員長 高橋清一郎君
   理事 加藤常太郎君 理事 古川 丈吉君
   理事 本名  武君 理事 水野  清君
   理事 古川 喜一君 理事 中野  明君
   理事 栗山 礼行君
      池田 清志君    宇田 國榮君
      小渕 恵三君    金子 岩三君
      亀岡 高夫君    左藤  恵君
      佐藤 守良君    中村 拓道君
      羽田  孜君    浜田 幸一君
      林  義郎君    森  喜朗君
      阿部未喜男君    武部  文君
      樋上 新一君    池田 禎治君
      土橋 一吉君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 廣瀬 正雄君
 出席政府委員
        郵政大臣官房長 森田 行正君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  柏木 輝彦君
        郵政省電波監理
        局長      藤木  栄君
 委員外の出席者
        文化庁文化部著
        作権課長    加戸 守行君
        逓信委員会調査
        室長      佐々木久雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月三十一日
 辞任         補欠選任
  服部 安司君     浜田 幸一君
  土橋 一吉君     松本 善明君
同日
 辞任         補欠選任
  浜田 幸一君     服部 安司君
  松本 善明君     土橋 一吉君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 有線テレビジョン放送法案(内閣提出、第六十
 五回国会閣法第一〇二号)
     ――――◇―――――
#2
○高橋委員長 これより会議を開きます。
 有線テレビジョン放送法案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。武部文君。
#3
○武部委員 このたびの法案につきましては、同僚の議員からたくさん質問が出ましたので、私は最後になるわけでありますが、一応ダブって御質問することもありましょうが、御了承いただきまして、この法律の持つ具体的な点について政府側の確認をひとつ求めたい、こういう立場からお尋ねをいたしたいと思います。
 情報化社会が進む中で、将来のCATV、これはただ単に再送信というようなものではなくて、自主放送の分野にまで広がっていくところの内容を持っておるきわめて重要な法案であります。そうした意味からいって、この有線テレビジョン放送法案、CATV法案というものは、放送法と並んで言論立法的な性格を持っておる、こういうことがいろいろ取りざたされておることは、私は当然だと思うのであります。
 そこで、まず郵政大臣にお伺いをいたしたいのは、放送法と並んで、このCATV法案が言論的な法律だというようなことになると、憲法でうたっておるところの言論の自由、表現の自由、こういうものとこのCATV法案というものとについての関係は一体どう考えておるのか、この点について、郵政大臣のひとつ率直な見解を最初に聞いておきたいと思います。
#4
○廣瀬国務大臣 御承知のように、放送につきましては放送法というりっぱな法律があるわけでありまして、これによって放送の自由というものが確保されておるわけでございます。なお、放送の番組につきましては、その放送法の第四十四条の第三項に詳しく列記いたしまして、その準則にのっとって放送をしなければならない。これは、とりもなおさず放送の自由と中立性を確保いたしますための条文であるわけでございます。そういうような条文が放送法にあるわけでございますが、その放送法を、今度のCATV法におきましても準用するということになっておりますので、放送の自由並びに中立性を確保するということにつきましては、放送法と全く同じ精神で取り扱うということになっておるわけでございます。
#5
○武部委員 それならば具体的にお尋ねをいたしますが、この法案の第十五条の「番組の編集等」、このことについていま放送法の準用ということをおっしゃった、確かにここに記載をされております。放送法の準用ということになりますと、放送法第三条、これは番組の編集の自由、第四十四条第三項は一項目から四項目まで具体的に記載をされております。このような放送法第三条、第四十四条第三項、こうした点について準用するということは、私はこれは当然のことだと思うわけであります。問題は、この第十五条を受けた形であとに出てくる第十八条、「許可の取消し等」というこの条文の中であります。この第十五条に違反をした場合、第十八条では第一項において、郵政大臣が許可の取り消しをする、第二項で、郵政大臣は業務の停止を命ずることができる、こういうふうになっております。この第十八条第一項の問題はそれぞれの理由があるわけですから、私はこの問題についてとかく触れませんが、この第二項の四十四条三項というのは、ただいま大臣からもお話がありましたように、公安及び善良な風俗を害しない、あるいは政治的に公平であるとか、四つありますが第一と第二、このことはたいへん重要なことであります。この第一、公安及び善良な風俗を害しない、第二、政治的に公平である、こういうことにもし違反した場合には、郵政大臣は第二項に基づいて業務の停止を命ずることができる、こういうふうになっておる。一体、この公安及び善良な風俗なり、政治的に公平であるということについての判断をだれがするのか。ここが問題であります。この条文でいくならば、郵政大臣がこれをやるということになっております。時の政府や政治権力が、政治的に公平である、ないという判断をかってにやる、そういうようなことが一体妥当であるかどうか。この点については私はたいへん疑問に思うのでありますが、この点についてどのように郵政大臣は考えておられるのか。かりにこの条文をとって政治的な圧力を加えるというようなことがあったならばたいへんなことになる。さらにあなたがおっしゃっておるような言論、表現の自由に対する政治的な介入をこの条文は許すことになりはしないか。この点についてはどのようにお考えでしょうか。
#6
○藤木政府委員 私が先に、ちょっと法律的な問題につきまして御説明申し上げます。
 この条文は、現在の電波法、放送法にも同じことが掲げられておるわけでございまして、電波法、放送法の規定を準用するということになっているわけでございますので、それをそのままこの十八条に持ってきたというかっこうになっております。法律的にはそういうことでございますが、あと大臣からお答え申し上げます。
#7
○廣瀬国務大臣 今度のCATV法につきましては、ただいま電波監理局長から御答弁したとおりでございますが、放送法、電波法の趣旨に従って取り扱うということになるわけでございます。したがって、番組の内容については、ただいま武部委員が御指摘のように、放送法第四十四条三項という準則があるわけでございます。その準則に違反したならばどうなるか、違反したかせぬかという見解は、だれが決定的に持っているかということになるわけでございますけれども、これは武部委員すでに御承知のように、公序良俗に反する、あるいは政治的に中立性を欠いておったというようなことがたった一回ございましても、それはだめなのでございます。従来の解釈は、総合的にそういう事実がなくてはならないということを前提とするんだということを申しておるわけでございますが、総合的と申しますのは、その番組の最初から最後まで大部分がそういうような内容の放送であった、またそのような四十四条の三項に違反する放送の事実が繰り返される、つまり瞬間的な事実があってもだめだ、また一回きりでもだめである。総合的に判断をいたしましてこの四十四条の三項に抵触するということになれば、電波法の七十六条に戻りまして措置を講ずるというようなことになるわけでございますが、実際から申しまして、この放送法、電波法ができまして、四十四条三項の条項に違反したのだということで、電波法の七十六条に基づきまして措置をした実例は全くないようでございまして、また事実上、放送につきましては、ビデオテープも一切とらないということに現在はなっておるわけでございますから、私どもは、この四十四条の三項というのは、ことばは妥当でないかもしれませんけれども、準則でございまして、道義的に放送業者が自覚してやってもらいたいという一つの目標である、こういうように解釈をいたしております。したがって、番組の内容の向上とかいうような問題については、法的措置を講ずることは非常にむずかしい、結局、放送業者の自主的自覚によって向上をはかっていただくということ以外に効果的な方法はないのだ、こういうように私は考えておるわけでございます。
#8
○武部委員 いまおっしゃった四十四条三項の問題に関連をして、電波監理局長は、電波法にも同様な取り定めがあるというようなお話でございます。いま大臣からお話がありましたように、第七十六条は確かに、「郵政大臣は、免許人がこの法律、放送法若しくはこれらの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、三箇月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、」と書いてあります。この電波法七十六条というものの解釈は、私は、いまあなたがおっしゃったことと若干内容の解釈について見解を異にするわけであります。ここにいう「放送法」というのは、免許の基準であるとかいうような技術的な問題とか、あるいは欠格事項というような問題であって、番組内容というものについて、私はこの電波法七十六条が定めたものではないという解釈をとることが必要ではないかと思うのです。少なくとも放送法第三条というのは、番組編集の自由を明確にうたっておるのであります。この放送法三条というのは、「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」という条文が放送法三条の精神であります。これはいわゆる放送自由の憲法といってもいいくらいの内容を持ったものだと私どもは考えます。あなたもおっしゃったように、いまだかつて四十四条三項の適用を受けて停止処分を受けたという例は一度もないのであります。そういう点を考えると、この条文の中の第十八条の第二項に、郵政大臣は、第四十四条三項に違反をする場合には、停止を命ずることができる、そういう権限を大臣に与えるということは、これは言論の自由その他の問題に深い関係を持つのではないかと私は考えるのです。この点についてどのようにお考えでしょうか。
#9
○藤木政府委員 先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、電波法の七十六条というものによりまして、放送法の命令またはこれに基づく処分に違反したときは云々という項がございまして、これをそのままこの有線テレビジョン放送法案にも持ってきたということでございます。したがいまして、法律的には先ほども申しましたように、放送法を準用してある個所だけがここではっきり出てきたようなかっこうでございますが、この法案の仕組みとしましては、電波法、放送法の場合と全く同じわけでございまして、この有線テレビジョン放送法案もそのように条項を掲げたということでございます。しかし、先ほど大臣も申しましたように、この条項を発動しまして実際に処分をするということは、いままでもなかったわけでございますし、今後もおそらくよほどのことがなければまずないだろう、また、実際問題としまして私どもとしても、はっきりと放送という瞬間的に消えていく媒体につきまして、この四十四条三項を適用するということは、事実上不可能であろう、そういうふうに考えておるわけでございまして、この法律の仕組みとしてはそういうことがあるわけでございますけれども、実際問題としましてはまずあり得ないことだろう、また私どもも、そういった場合は十分慎重に取り扱わなければならぬだろうということは自覚しておるわけでございます。
#10
○武部委員 私は、先ほど放送法第三条、番組編集の自由の中の文字を読み上げたわけですが、「放送番組は、法律に定める権限」と、こうなっておるわけですね。「法律に定める」ということについての解釈は、いろいろ解釈が私はあろうと思うのです。ですから、このことはたいへん解釈が分かれるところでありますから、重要だと思うのです。そこで、番組の内容が四十四条三項に抵触するからといって取り消しを命じた例がないということもおっしゃった。したがって、そういうような非常にむずかしい問題だからこそ、番組審議会なり、あるいは番組向上委員会なりというものがつくられて、自律的な問題としてそれを解決していくというふうになっておるわけですね。私はそういう点から見て、この七十六条の解釈というものは、まだ十分論議をしなければならぬ内容を持っておるものと思うのです。
 そこで、これ以上の論議はいたしませんが、そうだとすると、郵政大臣にすべてそういう権限を与えることがいいか悪いかという判断に今度は立つわけです。そこで、同僚の議員からこの委員会でいろいろ論議がありました中の一つの問題を提起してみたいと思うのです。
 政府案によりますと、施設の許可その他郵政大臣の裁量にまかせられておる事項が多いわけでありますが、その行政の公正を期するために有線放送審議会、そういうものを設置をして、この法律の施行に伴うところの重要事項は、必ずその有線放送審議会に諮問をするというふうにやったらどうかというような意見が各委員からも出、われわれもそのほうがよかろう、このように考えておったわけでありますが、そのことについて政府側としてはどのようにお考えか、承りたいのであります。
#11
○廣瀬国務大臣 御審議を願っております法案におきましては、できるだけ電波監理審議会を活用してまいりたいという考えでありますけれども、御指摘のように、きわめて慎重を要する問題でもございますし、また電波監理審議会も他の仕事がかなり多忙でございますから、別に審議会を起こすということは、有線放送に関する行政を公正に進めてまいるということについてきわめて意義のあることだ、こういうように考えておるわけでございます。
#12
○武部委員 そういたしますと、現在ございます電波監理審議会では、仕事のいろいろな内容等から見て困難であるから、有線放送審議会というものを設けるということについても大体御同意のようでありますが、問題は、その性格なり構成ということになろうかと思います。現在の電波監理審議会の委員の選任は、どういうふうな手続で行なわれておりましょうか。それから構成、人数……。
#13
○藤木政府委員 お答え申し上げます。現在の電波監理審議会は、御存じのように、電波法で規定されておりまして、委員五名をもって組織することになりまして、委員の任命につきましては、「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、郵政大臣が任命する。」そういうことになっておるわけでございます。
#14
○武部委員 そういたしますと、この有線放送審議会というものは、この電波監理審議会の、いまお話しのありました構成と同じようなものと考えておられるのか。その点はいかがですか。
#15
○藤木政府委員 もし有線放送審議会というものが設置されるということになりますれば、当然電波監理審議会の委員と同じように、中立的、民主的に運用されるように、委員の人選につきましては特に配慮しなければならない、そういうふうに考えておるわけでございます。
#16
○武部委員 この人選のあり方については、いまの答弁でよくわかりますが、問題は、その審議会の性格であります。先ほどの電波監理審議会は、郵政大臣の任命は国会承認人事となっておることは御承知のとおりでありますが、この有線放送審議会の委員の任命等についてはどのように考えておられるか、それをお聞きしたいのであります。
#17
○藤木政府委員 まあ私どもとしましては、まだそういった設置がどうなるかということは、現在きまってないわけでございますのでなんでございますが、もしそういうものが設置されるということになりますれば、先ほどもお答え申し上げておりますように、電波監理審議会の委員と同様に、公平な立場で、また広い経験と知識を持っておられる人の中から選ぶ必要があろう、そういうふうに考えておるわけでございます。
#18
○武部委員 人選については、あくまでも慎重でなければなりませんし、そのことがいやしくも政府の御用機関になってみたり、あるいは業界や利用団体の代弁者になるような、そういう審議会であっては困る、こういうわけであります。当然のことでありますが、そういう面から、任命については十分配慮をしてやるべきだ。将来やはりこのような審議会の権威のためにも、これは国会承認人事というような形の電波監理審議会と同じような、そういう重要な役割りを果たす審議会だと私は思うので、そのようにひとつ配慮してもらわなければならぬと思うのです。この人選等について、私どもが申し上げるような点の配慮を、かりに有線放送審議会ができた場合には、そのようにおやりになる決意があるかどうか、その点を大臣からひとつお伺いしたい。
#19
○廣瀬国務大臣 御趣旨に沿って十分考慮いたしてまいりたいと思っております。
#20
○武部委員 次に、三、四点具体的な問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 このCATVの当面の大きな任務というものは、何と言っても都市の難視聴解消であることは言うまでもないわけであります。
 そこで、この法案の第六条――前後いたしますが、法案の第六条に「施設の設置期限」というのがあります。この設置期限というのは、具体的には何年ぐらいと考えておるのかということと、これも最終的にお伺いしたいわけですが、許可を受けた業者が、この期間内に設置をしない場合どうするのか、この点を郵政省はどう考えておるか。それをひとつお伺いいたしたい。
#21
○藤木政府委員 この設置の期限というものは、できるだけ早いほうがよろしいわけでございまして、私どもとしましては、特に難視聴の解消という立場から有線テレビジョン放送施設を設置する場合は、そのためにも早いほうがよろしいわけでございますが、最大限――どうしてもいろいろな計画もございますでしょうから、私どもは最大限三年ということを考えておるわけでございます。しかし、あくまでもこれはできるだけ早いほうがよろしいというわけでございます。
 なお、この期限内に設置ができないという場合、その二項にございますように、特に正当な理由がある場合は、期間を延長することができるわけでございます。しかし、先ほど来申し上げておりますように、できるだけ早いほうがよろしいわけでございますので、そういった点につきましては、十分に配慮したい、そういうふうに考えておるわけでございます。
#22
○武部委員 まあここで何回か論議がありましたので、多くを申し上げませんが、この法律によると、やはり役務提供の義務づけがないわけであります。ここで何回かやりとりされたわけでありますが、しかし、業者が採算を一方的に考えた場合は、もうかるところだけやってしまう、あとはやらぬというようなことがあり得るわけです。したがって、もうかるところだけ線を引っぱるということをさせないために、義務づけをしたらどうか。ここでこういう論議があったわけですが、これについてはどうお考えでしょうか。
#23
○廣瀬国務大臣 御指摘のように、郵政大臣の指定区域における義務再送信につきましては、役務の提供条件について郵政大臣の認可を要するものといたしまして、認可の基準として、不当な差別的取り扱いをしないことということを法定いたしておるわけでございます。また有線テレビジョン放送施設の設置の許可基準といたしまして、施設計画が合理的であることを法定いたしておりまして、施設の許可にあたっては、区域内あまねく施設が設置される計画であるかどうかを審査することになっております。
 以上のように、政府案におきましても、役務の提供義務の関係につきましてはできるだけの配意をいたしておるのでありますけれども、お尋ねのように、役務の提供の義務づけを明定することになりますと、さらに法案の趣旨を徹底させるということになろうかと思うわけでございます。
#24
○武部委員 義務づけの点は、そういう点で一応私どもとしては、与野党とも同じような見解がここで述べられておったわけですから、ぜひそういうふうにしないと、もうかるところだけやって、あとは知らぬ顔ということがあっては困るので、三年間の期限というものはあるけれども、やはりそれは義務づけの必要があるのじゃないかという点について見解を求めたわけであります。
 そこでもう一点は、この義務再送信の役務の提供条件について許可制をとっておるわけですが、自主放送の場合についての規制が、まあ私どもとしてはゆるい。これは言論の問題ではないわけです。料金等の問題については、やはりこれまた同僚の議員からもいろいろお話があったとおりであります。この再送信の料金というのは、大体これは常識並みの金額になっておるのは、いままでの再送信の料金を調べてみても、これは大体私どもとしては承知できるところであります。問題は、自主放送が現在全国で三つしか行なわれていない。これからいろいろな形で自主放送というものが出てくる。これは非常に多種多様であって、内容も、いまからとても想像できないような内容も出てくるだろう。そのときに、この料金に対して何らの規制がないということでは、私は、これは聴視者にとっての利益を害することになると思う。そういう点で、この自主放送に伴って全く適正を欠くような料金が出た場合、何らかの規制をする必要があるじゃないか、こういう点を私どもは考えておるわけですが、この点については郵政省はどう考えておるか、これを承りたい。
#25
○廣瀬国務大臣 御承知のとおり、今後発展が予想されます自主放送につきましても、その文化的日常生活における有用性及び地域独占性にかんがみまして、受信者の利益の保護を徹底させるという観点から、その役務の提供条件の基本であります料金を届け出制にいたしまして、もしその料金が適正でないため、受信者の利益を阻害しておるというようなときは、郵政大臣がその変更を命ずることができるといたしますことは、きわめて意義あるものと考えます。
#26
○武部委員 自主放送の料金、これが全く不当にかけられて、聴視者がたいへんな不利をこうむるということがあってはならぬわけですが、さればといって、この問題で番組に対して介入するということになっては、これはまたならぬわけです。こういう点を口実にした介入のあり方というのは、私は冒頭申し上げるような点から見てたいへん重要だと思うので、そういうことはあってはならぬ、このことだけはこの機会に申し上げておきたいと思います。
 次に、番組審議会の問題でありますが、番組審議会の問題について、これは特に地域と関係が深いわけであります。このCATVというのは特に地域が限定されるわけでありますから、そういう番組審議会の委員については、その地域に居住する者を番組審議会の委員に特に地域代表として参加させて、その意思がこの機関を通じて反映できるようにすべきだ、このように思うわけですが、この点についてはどうでしょう。
#27
○廣瀬国務大臣 これも御説のとおりでございまして、今後発展が予想されます有線テレビジョン自主放送は、社会的文化的に見まして、その地域との密着性がきわめて強いものでありますから、番組審議機関の委員につきましても、その事業者の役職員を当てる委員を除きまして、その業務区域内に住所を有する者から選ぶことといたします、いわゆる地域代表の参加は、きわめて意義あることだと考えます。
#28
○武部委員 私はこれは当然のことだと思うので、そういう運営をぜひしていただきたいと思います。
 それから、いま一つ問題になりますのは、これは一つの例を皆さんに申し上げておるわけですが、去年の十月七日の日本経済新聞の記事によりますと、代々木にあるNHKの放送センターの建設に伴って、まあこれは相当大きなビルが建つわけですが、この周辺のビル陰難視聴の問題が発生をしたわけです。そこで、NHKと地元が協議をして共聴施設組合をつくって難視解消をやったわけです。ところがこの過程で、この地区を将来その事業計画だといって考えておるところの例の東京ケーブルビジョンから横やりが入って、その地域はおれのところの地域だ、そういうことでいちゃもんがついた。しかしこの問題は、いろいろの経過を経たけれども、まあ一応難視聴の問題は解決をしたようであります。
 こうなってくると、かりにCATVの業者というのが、自分らの将来の計画地域にあるからといって、難視解消というようなやり方を封ずるような動きがある。これはたいへん重要なことだと思うのです。
 そこで、こういう事例がもし起きた場合には、地元民は難視解消をたいへん希望しておる、ところが、そのエリアは自分のところの範囲だからというので横やりを入れるというようなことがあると、一番ばかをみるのはこの難視の地域におけるところの聴視者だということになるわけです。
  〔委員長退席、水野委員長代理着席〕
そういう点でここでもいろいろやりとりがあったわけですが、そういう点について一体郵政省としてはこの問題についてはどう考えておるのか、これを聞きたいのであります。
#29
○藤木政府委員 お答え申し上げます。代々木にございますNHKのセンターの例をお引きになっての御質問でございますが、私どもといたしましても難視聴の解消ということは第一順位に考えなければならないと思っておるわけでございまして、実際この有線テレビの施設計画があっても、なかなかその難視聴の解消ができないということでははなはだ問題でございますから、おっしゃるように、この際NHKというものが率先してやはりそういったものについて努力をするということはたいへんけっこうなことでございますので、実際の、まあこれはケース・バイ・ケースになると思いますけれども、そういうことはできるだけ避けるように十分に指導、配意していきたい、そういうふうに考えているわけでございます。
#30
○武部委員 このことは、たいへん重要なことだと思います。かりにこの有線テレビの申請者が、自分の地域内だから将来そこはおれがやるんだ、ほかのものが手を出すなというようなことがあったのでは、この法律をつくることによってかえって混乱を起こすことになると思うので、そういう点についての配慮というのはやはり十分しておかなければならぬ。この点について郵政省の考え方はわかりましたから、ぜひそのように難視解消が円滑に進むような方法をとってもらいたい、こう思います。
 いま一点は、このCATVというものは地域の密着性が非常に強い。そういう点から、この施設が設置をされたりすることについて、地域の住民の意思というものが、この法律の制定に伴って反映する機会を与えていかなければならぬ、このように私どもは思うわけでありまして、この点について大臣が、施設の設置についての許可または取り消し、そういうことをする場合に関係都道府県の意見を聞く、電波は特に国民のものですから、特に地域の密着性の強いCATVについては都道府県の意見を聞く、そういうことをする必要がある、このように考えますが、いかがでしょうか。
#31
○藤木政府委員 おっしゃるように、いろいろその地域地域によりまして問題が生ずる場合もございますので、都道府県といったところの意見を聞くということは、たいへん好ましいことであろうかと思います。
#32
○武部委員 再送信の同意の問題についてここで何回かやりとりがありまして、私も大体承知をいたしました。いたしましたが、現実にいま郵政省がつかんでおる、この再送信の同意をめぐってトラブルがある理由ですね。どういうことでこの再送信の同意が得られないのか。これでトラブルが起きておる地域が若干あるようですが、それをひとつ、どういう内容なのか、理由をひとつ聞かしていただきたい。
#33
○藤木政府委員 現在再送信の同意が得られなくて非常に困っているというところは、たぶんないだろうと思います。まあしかし、過去におきましてそういった例はあったわけでございまして、これはいろいろなケースがあるわけでございますが、放送事業者が自分の出している電波を、かってに受信してそれをさらに再送信するということにおきまして、その相手があまりはっきりしないというような場合もあったわけでございますし、それからまた、いわゆる著作権法というものが改正になってない状態でございますと、そういった面からも放送事業者のほうの権利ということを主張しまして、同意をしてないということもあったようでございます。
#34
○武部委員 この再送信の同意条項については、いろいろ意見の分かれるところであります。
 そこで、いま著作権法ということをおっしゃったわけでして、このことについてお尋ねをいたしますが、四十六年の一月一日施行されました新著作権法、この施行後、この電波メディアをめぐって著作権者と利用者との間に特に紛争は生じていないかどうか、その点はいかがですか。これは文部省においでをいただきましたから、お伺いいたしたい。
#35
○加戸説明員 御承知のように、新しい著作権法が昨年の一月一日に施行されまして、特に放送関係につきましては、権利者、使用者間で円滑な話し合いが進められて、妥当な法律運用がされているわけであります。有線放送関係につきましても、たとえばミュージックサプライのような、音楽を提供するそういう分野につきましても、話し合いが大体ついております。問題は、有線テレビジョン放送関係の問題でございますけれども、トラブルといいますか、具体的にどういう形で放送をさせるか、そういうとについて著作権者側が条件を提示するという具体的な段階に至っていないために、また事実上、有線テレビジョン放送等が行なわれているけれども、それについての契約がまだ成立しない、現在はまだその話し合いの段階にあるということでございまして、特にトラブルということではございませんが、話し合いが双方間で進められている、そういう状況と承知いたしております。
#36
○武部委員 この著作権法の問題は、非常にこれは専門的なことであって、私どもよくわかりませんのでいろいろ研究をしなければなりませんが、この再送信、あるいは義務的再送信、それから自主放送――自主放送はいいわけですが、再送信の場合に、それが著作権法と非常に関係が出てきて、将来大きな問題を投げかけるのではないだろうかというように、しろうと考えですけれどもわれわれは考えておるわけです。そこできょうは、このCATV法案のことでありますから――著作権法の問題については非常に詳しい論議が文教委員会で行なわれているようでありまして、その議事録を拝見いたしましても、非常にこれは専門的でありますから、私どもよく理解ができませんが、いずれにしても、この第二次使用料、いわゆる隣接権者であるところの実演家ですね、そういうもの、このことについて日本レコード協会と日本芸能実演家団体協議会が、文化庁長官から、その使用料請求窓口機関として指定をされたわけですね。四十六年度の初年度にNHKが七百万円、民放二千万円、こういうものを支払うことになっておるわけですが、四十七年度等についてはどうなっておるか、これを聞きたい。
#37
○加戸説明員 ただいま御質問のございました件は、著作権法の九十五条と九十七条の規定に基づきまして、商業用レコードを使って放送局が放送を行ないました場合に対する二次使用料のお話でございます。これにつきましては、先生ただいま御指摘ございましたように、四十六年度にはNHKから七百万円、それから民間放送から総額二千百万円、合わせまして二千八百万円が実演家の団体とレコード製作者の団体双方に同額ずつ払われております。この額は、四十七年度につきましては、NHKは同額でございますが、民間放送につきましては二百万円増額しまして二千三百万円が支払われる予定でございます。なお、四十八年度につきましては、さらに民間放送は二百万円増額しまして、二千五百万円の予定となっております。
#38
○武部委員 九十五条、九十七条の問題について御質問したわけでありますが、いま一つ、新しい著作権法によって、CATVによる義務的再送信について、CATV事業者に対して実演家あるいは放送事業者が著作権を請求するということはありませんか。
#39
○加戸説明員 実演家につきましては、その実演を放送したものをさらに再送信するいわゆる有線放送につきましては、著作権法上は権利がはずれております。つまり実演家の権利というものは、放送する段階で自分のみずからの権利を確保する。したがって、一度放送されたものについては、それが有線放送されるについては、放送事業者がもし権利を持っておればそれをチェックするということで、放送事業者の権利によって担保する、そういうシステムをとっております。
 それで、いま御質問がございました件については、放送の、有線放送につきまして、法律上その権利が及ぶ場合と及ばない場合がございますけれども、たとえば非営利の場合については及びませんが、もし権利が及ぶ場合ですと、放送事業者がその同意を与えるにつきまして、有形、無形で実演家のほうからプレッシャーがかかるということは考えられますが、法律上のたてまえとしては、実演家には権利はございません。
#40
○武部委員 このCATVというものは非常に社会的要請が強い。また難視聴解消を目的としたものだというような、そういう目的を持ったCATVに対する著作権というもの、これは非常に問題が複雑だと思うんですよ。このことについて、新しい著作権法によるところのいろいろな必要な問題、よくわかりますが、このCATVの問題について、今後新しい課題としてこの著作権法とCATVとの関係について、郵政省としては何か統一的に考えておることがあるかどうか、それをお伺いしたいと思います。
#41
○藤木政府委員 著作権の問題につきましては、実務的に具体的に解決していくべきだろうと思いますので、私どもとしましては行政指導をいたしまして、円満に解決するように取り計らっていきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
#42
○武部委員 それじゃ、ひとつ具体的なことをお聞きいたしますが、山梨地区におけるこのCATVの、東京地区の導入の問題であります。この問題に関して協同組合の日本放送作家組合が放送脚本作家を代表して著作権処理を要求したということを聞いておるわけですが、具体的にはどういうように解決したか、それを御承知ですか。
#43
○加戸説明員 ただいま先生御指摘ございました日本放送作家組合からの申し入れの件につきましては、文化庁としては承知しておりますけれども、この問題につきましてはちょっと複雑なケースでございまして、いわゆる単純な難視聴地域における再送信の問題ではなくて、東京エリアだけをカバーしている放送を山梨地区に導入して、そこでまた新たに放送地区が広がるケースと考えられる。そういたしますと、著作権者側の立場からいたしますと、一つの利用される著作物利用分野が広がっている、そういう形でございますので、それに対して苦情の申し入れがされておるわけでございます。
 この問題につきましては、現在まだ解決いたしておりませんけれども、基本的にはCATVに関します著作物利用問題というのがどの程度の妥当な料金で話し合いがつくのか、その辺がまだテストケースの段階でございまして、両者間において話し合いが続けられているということでございます。私どもの立場といたしましては、まず当事者間で円満な妥結を期待し、場合によりましては文化庁としても間に入ってごあっせんするということも考えておるわけでございます。
#44
○武部委員 当委員会では、数回にわたってこのCATVの論議をいたしましたし、同僚議員から非常に詳しく各項目について質問が行なわれたわけであります。
 私がきょう冒頭から申し上げましたのは、言論の問題、これは特にこのCATVの問題にからんで注目をされておるところであります。言論の問題と、このCATVの法案と、どのように関連があるかということは注目をされておるところでありまして、私は特に四十四条の三項を取り上げたわけでありますが、ただ審議会の諮問、そういうものを通して、歴代の郵政大臣が、政治的な権力といいましょうか、そういうものでもって許可なり取り消しができない、そういうような何かの歯どめをやはりやるべきではないか。放送法三条の精神というものは、これはたいへん重要であって、解釈もまちまちだ。したがって、このような原案に見るようなやり方ではやはり問題があるということを、私は特に指摘をしたかったのでありまして、この点は郵政大臣あるいは電波監理局長からの説明で一応了解をいたしました。
 それからNHKの難視聴の問題は、今年度の予算を審議する場合に、当委員会で附帯決議をつけたところでありますから、その附帯決議が実行されるために、このCATVとの関係がどうなるのかという点にも非常に問題があろうと思って、私はこの見解をただしたわけであります。
 あと二、三点は全部同僚の議員からすでに質問もあったことでありましたので、重複する点もあったと思いますが、私は、以上でこの法案に対する具体的な質問を終わりたいと思います。
#45
○水野委員長代理 これにて本案についての質疑は終了いたしました。
 この際、午後三時三十分まで休憩いたします。
 なお、午後三時二十分から理事会を開会いたします。
   午後一時五十三分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時三十一分開議
#46
○高橋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 有線テレビジョン放送法案を議題とし、審査を続けます。
 本案につきましては、休憩前に質疑を終了いたしております。
 ただいままでに、委員長の手元に、林義郎君外十三名から本案に対し修正案が提出されております。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#47
○高橋委員長 修正案の趣旨の説明を聴取いたします。林義郎君。
#48
○林(義)委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案にかかる修正案について、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 修正案の案文はお手元にお配りしてございますので、朗読は省略させていただき、直ちに趣旨の御説明に入りたいと存じます。
 有線テレビジョン放送は、国民の文化的日常生活にとってきわめて有用なものでありますが、事実上地域独占になる傾向があるものと思われます。
 政府原案では、この独占の弊害を防止し、視聴者の利益を保護する点において必ずしも十分でない点があると思われますので、その徹底を期するとともに、あわせて有線テレビジョン放送の健全な発達をはかるため、これに所要の修正を加える必要を認め、本修正案を提出した次第であります。
 次に、修正案の内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、受信者の利益を一そう保護するとともに独占の弊害を排除するため、
 有線テレビジョン放送事業者にその業務区域内における視聴者への役務の提供を義務づけること。
 有線テレビジョン放送に地域住民の意向が十分に反映されるようにするため、番組審議機関に地域代表を参加せしめるとともに、郵政大臣は施設の設置にかかる処分をしようとするときは、関係都道府県の意見を徴するものとすること。
 義務再送信以外の有線テレビジョン放送の料金を視聴者から徴収する場合は、その料金に関する事項を郵政大臣に届け出るものとし、視聴者の利益がそこなわれないよう料金の適正を確保するため、郵政大臣は有線放送審議会に諮問して、料金に関する事項の変更を命ずることができるものとすること。といたしております。
 義務再送信以外の有線テレビジョン放送につきましては、この種の事業が事実上独占におちいる傾向があり、その結果不当に高額の料金となったり、またその利益を視聴者に還元することなく、他の事業に投資したりすることなどにより視聴者の利益を害するおそれもありますので、このようなことがないように、料金に関する事項についてのみ届け出制とする等の規律を行なうことといたしたのでありまして、これは決して言論の自由を侵害するものでないことは言うまでもありません。
 次に、有線テレビジョン放送の健全な発達をはかるため、有線放送事業者の立場をも考慮して、再送信の同意について当事者間に争いがあるときは、郵政大臣は当事者の申請によりあっせんする責務を有することとすること、及び、国及び地方公共団体は有線テレビジョン放送施認の設置が円滑に行なわれることを確保するため必要な措置が講ぜられるよう配慮しなければならないことといたしております。
 最後に、有線放送行政の公正を確保するため、有線放送審議会を設置するものとし、郵政大臣は、許可等の処分並びに省令の制定その他の重要事項の実施にあたっては、この審議会に諮問しなければならないことといたしております。
 以上、修正案の趣旨について概略御説明申し上げましたが、全会一致をもって御賛成くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
#49
○高橋委員長 修正案について御発言はありませんか。
    ―――――――――――――
#50
○高橋委員長 なければ、これより有線テレビジョン放送法案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 まず、林義郎君外十三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#51
○高橋委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいまの修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#52
○高橋委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#53
○高橋委員長 この際、阿部未喜男君外十三名より、本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 趣旨説明を求めます。阿部未喜男君。
#54
○阿部(未)委員 有線テレビジョン放送法案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    有線テレビジョン放送法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行にあたり次の各項に十分留意すべきである。
 一、憲法及び放送法等に規定する言論の自由及び政治的中立の確保を徹底し並びに独占による弊害を防止するとともに、有線放送審議会の構成にあたっては、中立的かつ民主的に運営できるよう配慮すること。
 一、情報化の急速な進展に伴い、情報に関する基本法を早急に策定し、情報通信における民主的管理、生活優先及びプライバシーの保護などの諸原則を確立すること。
 一、本法は、今後開発される双方向通信には適用するものではないこと。
 一、日本放送協会が負っている放送の全国普及義務にかんがみ、主として都市難視聴を解消するための協会による有線テレビジョン放送施設の設置が、他の有線テレビジョン放送事業によつて阻害されることなく円滑に行なわれるよう十分に配意するものとすること。
  右決議する。
 この決議案は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案にかかるものであり、また、この案文は先般来の審査の経過を参酌して起草いたしたものでありますから、あらためて御説明するまでもないとは存じますが、簡単にその要旨を申し上げます。
 第一は、さきの修正案の趣旨説明においても述べられましたように、この法律は何ら言論の自由を制限するものでないことは明らかでありますが、政府はこの法律の運用にあたっては、有線テレビジョン放送の言論機関としての性格にかんがみ、放送と同様に言論の自由と政治的中立の確保を徹底すべきであるというのであります。また、受信者の利益を保護するために、独占による弊害を防止するとともに、有線放送審議会が中立的かつ民主的に運営できるよう、その委員の選定については十分配慮すべきであるというのであります。
 第二は、わが国においても情報化社会の急速な進展が見られるわけでありますが、これに対処するためには、政府は情報に関する民主的な基本法の早急な策定をはかるとともに、この基本法においては、情報通信における国民生活向上の優先、プライバシーの保護、国民の知る権利を確保するための公開及び情報の伝達の方法処理に関する機構の民主化等の諸原則を確立すべきであるというのであります。
 第三は、本法は有線テレビジョン放送についてのみ適用されるものであって、双方向通信には適用されるものでないことは、政府答弁によっても明らかでありますが、あらためて確認しておこうというのであります。
 第四は、NHKは放送法により、その放送をあまねく全国的に普及させるという義務を負っております。このことから、NHKが辺地難視聴と同様、都市難視聴についてもその解消に努力すべきことは申すまでもないことであります。ところで、本法の施行に伴い、NHK以外の有線テレビジョン放送事業者が施設の許可を受けて業務を行なうことになるわけでありますが、その場合、その事業者の業務区域内においても、NHKの本来業務である難視聴解消対策までが排除されることを意味するものではありません。難視聴解消対策は、単にNHKと有線テレビジョン事業者の間の問題としてとらえるべきではなく、その地域内の受信者の利益を考えて両者協力して行なわれるべきものでありますから、その地域内の受信者の要望により、早急に難視聴解消の必要がある場合には、NHKが有線テレビジョン放送の施設を円滑に設置できるよう、政府は十分に配慮すべきであるというのであります。
 なお、これに関連し、NHKの行なう難視聴対策は、民間事業者の行なう難視聴対策とは形を異にしておるものでありますから、民間事業者の施設によって受信している地域においても、受信料は徴収されるべきものであります。また、NHKに対して出資条項が認められたことにつきましても、NHKは有線放送事業に対して、必ず出資しなければならないということではないということを、この際明確にしておきたいのであります。
 以上、簡単に趣旨を御説明いたしましたが、全会一致御賛成くださいますようよろしくお願いいたします。(拍手)
#55
○高橋委員長 これにて趣旨説明は終わりました。
 採決いたします。
 阿部未喜男君外十三名提出の動議のとおり、本案に附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#56
○高橋委員長 起立総員。よって、附帯決議を付するに決しました。
 この際、廣瀬郵政大臣より発言を求められておりますので、これを許します。廣瀬郵政大臣。
#57
○廣瀬国務大臣 ただいま有線テレビジョン放送法案を御可決くださいまして、まことにありがとうございます。この委員会におきまして、たいへん御熱心に御審議いただき、また多くの貴重な御意見を賜わりましたことを、厚く御礼申し上げます。
 本法の成立の暁には、この法案に対し修正いただきました点並びに附帯決議をされました事項につきましては、今後有線放送行政を進めていく上におきまして、御趣旨にのっとり遺漏なきを期したい所存でございます。
 今後とも一そう御指導、御鞭撻を賜わりますようお願い申し上げまして、お礼のことばにかえさせていただきます。(拍手)
    ―――――――――――――
#58
○高橋委員長 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#60
○高橋委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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