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1971/05/10 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 運輸委員会 第19号
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1971/05/10 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 運輸委員会 第19号

#1
第068回国会 運輸委員会 第19号
昭和四十七年五月十日(水曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 小峯 柳多君
   理事 宇田 國榮君 理事 加藤 六月君
   理事 徳安 實藏君 理事 細田 吉藏君
   理事 箕輪  登君 理事 内藤 良平君
   理事 田中 昭二君 理事 河村  勝君
      石井  一君    江藤 隆美君
     小此木彦三郎君    唐澤俊二郎君
      國場 幸昌君    塩川正十郎君
      關谷 勝利君    中村 弘海君
      西銘 順治君    福井  勇君
      古屋  亨君    山村新治郎君
      井岡 大治君    勝澤 芳雄君
      金丸 徳重君    久保 三郎君
      斉藤 正男君    松本 忠助君
      宮井 泰良君    内海  清君
      田代 文久君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 丹羽喬四郎君
 出席政府委員
        経済企画政務次
        官       木部 佳昭君
        環境政務次官  小澤 太郎君
        環境庁大気保全
        局長      山形 操六君
        運輸政務次官  佐藤 孝行君
        運輸大臣官房長 高林 康一君
        運輸省鉄道監督
        局長      山口 真弘君
        運輸省鉄道監督
        局国有鉄道部長 秋富 公正君
 委員外の出席者
        経済企画庁国民
        生活局参事官  斎藤 誠三君
        農林省農林経済
        局企業流通部長 下浦 静平君
        日本国有鉄道総
        裁       磯崎  叡君
        日本国有鉄道常
        務理事     長浜 正雄君
        日本国有鉄道常
        務理事     小林 正知君
        日本国有鉄道常
        務理事     原岡 幸吉君
        運輸委員会調査
        室長      鎌瀬 正巳君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十日
 辞任         補欠選任
  菅波  茂君     西銘 順治君
  羽田  孜君     國場 幸昌君
同日
 辞任         補欠選任
  國場 幸昌君     中村 弘海君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会申し入れに関する件
 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進
 特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第四二号)
     ――――◇―――――
#2
○小峯委員長 これより会議を開きます。
 この際、連合審査会開会申し入れの件についておはかりいたします。
 ただいま交通安全対策特別委員会において審査中の海上交通安全法案について、交通安全対策特別委員会に連合審査会開会の申し入れを行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小峯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、連合審査会の開会の日時等につきましては、交通安全対策特別委員長と協議の上お知らせいたしたいと思います。
     ――――◇―――――
#4
○小峯委員長 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。斉藤正男君。
#5
○斉藤(正)委員 慎重審議を重ねて本日まで参りましたけれども、私もようやく順番が参りましたのでお尋ねをするわけであります。各位からきわめて適切な質問が出され、また不十分な点もありますけれども、誠心誠意当局側も答弁されている姿は私も評価をいたすわけでありますが、各位から基本的な問題で繰り返しお尋ねがございましたので、私は本日は目先を変えて、あまり重複しない問題からお尋ねをしていきたいというように考えております。ぜひ適切な答弁をいただきたいというように思うわけであります。
 まず第一に伺いたいわけでありますけれども、この法案は三月二十一日本会議に上程されまして、各党から代表質問が行なわれて、それぞれ答弁があったわけであります。この中で、議事録を拝見いたしますと、いろいろ注目すべき答弁があるわけでありますけれども、特に私は、公明党の宮井君のお尋ねに対する総理の答弁の中で、こういう答弁をされておりますので、その真意と申しますか、何を言おうとしているのか、本来ならば答弁者である総理を呼んでお尋ねしなければ究明できないわけでありますけれども、しかし総理は最高責任者としての答弁でございますので、運輸省なり国鉄当局はこれをどういうように受けとめているのか伺いたいと思うわけであります。すなわち、大都市周辺で民鉄と国鉄が並行して走っている。しかし今回の国鉄運賃の値上げが実施されたときには異常な格差が出る、不公平ではないか、これがまた私鉄運賃の値上げの口実にならないかという趣旨のお尋ねに対して、総理は、「国鉄と私鉄の運賃の間に差異があることは、輸送機関としてのそれぞれの性格の相違からいって、ある程度やむを得ないことと考えますが、並行区間等、類似のサービスが提供されている場合に、両者の運賃格差が大きく、明らかに均衡を欠くときには、問題があると思います。政府といたしましては、このような場合については何らかの是正措置を講ずる方策を引き続き検討し、総合交通体系形成の見地から、交通資源の適正配分の方向に向かって努力したいと考えております。」これはきわめてわかったようなわからないような答弁で、まあ政治的な答弁としては私は非常に巧妙な答弁だと思うのでありますけれども、まず伺いたい点は、この総理の本会議における答弁要旨などは一体だれが原稿をつくるのか、一体だれがこの原稿をつくったのか、これは国鉄も運輸省も関知しておりませんというならばそういう御答弁をいただきたい。それから、立案者は他にあると思いますけれども、目は通しました、一応事前に目は通しております、というならば、それでもけっこうであります。この総理の答弁要旨を、運輸省並びに国鉄は立案の過程で関知していたのかいないのか。そしてまたでき上がったものを目を通したのか通さないのか、その点を大臣並びに総裁から、簡単でありますから、二言だけ御答弁願いたいと思います。
#6
○山口政府委員 総理の答弁につきましては、もちろん総理が御自身でなさるわけでございますが、一応それに関係いたしまするところの関係省からそれに対するデータというようなものを提出をいたしまして、そのデータに基づきまして内閣官房が一応取りまとめをいたしまして、そして総理にごらんをいただくわけでございますが、総理は必ずしもそれによってそのとおり御答弁なさっているというふうには私ども聞いておりません。
#7
○磯崎説明員 私のほうは直接内閣と接触することはございません。運輸省を通していろいろ御意見を申し上げ、またいろいろ意見を徴されるわけでございます。
#8
○斉藤(正)委員 出所がほぼ明らかになってまいりまして、資料は運輸省として提供はするけれども、起草にあたっては内閣官房がやったことであって、関知をしていない、したがって答弁要旨等についても事前に目を通していない、こういうように確認してよろしいか。
#9
○山口政府委員 もちろん私どもから資料その他を十分に提供いたしまして、そしてそれの一応の立案についても私どもの意見も十分聞かれておりますけれども、最終的には内閣官房がこれを取りまとめまして総理に提出をいたしまして、総理がそれに必ずしも拘束されずに御答弁なさっておるというようでございます。
#10
○斉藤(正)委員 そうなってまいりますと、ここでお尋ねするのが的はずれであるかどうかということについては、冒頭申し上げましたように、後日総理が出席をいたしますので、そこで聞くべきだというように思いますけれども、ついででございますから、このことばは、運輸当局なり国鉄当局はどう理解しているのか、ひとつお答えを願いたいと思うのです。この「並行区間等、類似のサービスが提供されている場合に、両者の運賃格差が大きく」と、こういう言い方をしているわけであります。たとえば国鉄と小田急、国鉄と京王、国鉄と京成というようないろんな路線の並行区間がありますけれども、これらの並行路線については類似のサービスが提供されている場合と、こういうように解釈してよろしいか。
#11
○山口政府委員 国鉄、私鉄のサービス、それぞれ別の性格を持っております。国鉄の場合には全国的な交通でございますし、私鉄は主として当該地域的な交通でございますが、しかしながら、その地域的なものだけを取り上げてみますと、ただいま先生御指摘のような並行の区間について並行の部分だけのサービスの提供というものも十分あり得るわけでございます。その場合には類似のサービスということができるかと思います。
#12
○斉藤(正)委員 そうすると、私が申し上げたような場合は類似のサービスだ。それから「両者の運賃格差が大きく」ということばを使っておりますが、両者の運賃格差が大きいか小さいかということは一体どういうものさしで、この程度ならば大きいというのか、この場合は普通だというのか、この場合は問題にならないというのか、この大きくというのは一体どの程度のことを総理はお考えになっていたのか、私はわからぬのですが、もし国鉄当局なり運輸省当局が、大きくという場合は佐藤さんはこういう意味のことを言ったんじゃないですかということが考えられるとしたら、一体どういうのが大きいのですか。
#13
○山口政府委員 総理の真意を私ども推しはかるわけにはちょっといかない性格のものでございますが、まあ常識的に見て相音の開きがある場合は運賃によるところの格差が大きいということであろうかと思います。
#14
○斉藤(正)委員 掛け合い漫才みたいになってしまいますのでなんでございますから、これ以上お尋ねはいたしませんけれども、本会議でも例に出されましたし、本委員会でも例に出されました。もし今回の運賃改正が行なわれれば、たとえば藤沢−新宿間はどうだとか、横浜−東京間はどうだとかというような例がございます。あの例からいきますと、運賃格差が大きいと表現して間違いないと思うのですけれども、その点はいかがですか。
#15
○山口政府委員 具体的なことになりますが、当該並行路線におきましてほとんど同様のサービスが提供されておりまして、その運賃格差がかなり開いておる。ただいま小田急の例等をお出しになりましたが、そのような場合にはまさに格差が大きいということがいえると思います。
#16
○斉藤(正)委員 したがって、総理も言っておられますように、明らかに均衡を欠くときは問題があると思う。これはやはり格差が大きいから均衡を欠いていて問題だ、こう言っておられる。ここまでは私もよくわかる。総理も客観的な理解をされていると思うのですが、問題はその次でございまして、「政府といたしましては、このような場合については何らかの是正措置を講ずる方策を引き続き検討し」、なぜこの「引き続き」ということばを入れたのか。ほんとうは、何らかの是正措置を講ずる方策を検討し、でいいのですよ。引き続いてというと、いままでも検討してきたけれどもこれからも検討する、こういう意味になるので、そうすると、改正前であっても私鉄運賃のほうが安く国鉄運賃のほうが高いということを総理は御存じになっていて、いままでも検討してきたけれども、今度の値上げでなお格差が激しくなるので引き続き検討し、こういうように言われたと思うのです。このことは総理が一々検討をし、指示をし、結論を出すわけではないと思うので、当然行政当局と運輸省なりあるいは現場の責任者である国鉄がやるべき筋合いのもので、それらの意図を体して総理はこういう答弁をされた、こういうように思うのです。過去の例から見まして、引き続き検討しようが、徹夜で検討しようが、どんなに努力をしようが、これは検討に終わってしまって具体的な回答は出ないというように私は思わざるを得ないし、また過去はそうでありましたので、どうもこの点が明らかでないわけであります。
 そこで「引き続き検討し」と言っておる以上、いままでも検討してきたし、なお運賃改正が――私はもうやれるはずがないと思っておりますが、もしやった場合にはなお検討する、こういうのですが、何を検討しようというのですか。不合理を是正し――なるほど計数が違う、国鉄は高いな、私鉄は安いな、ということだけしか幾ら検討したって出てこないと思うのだけれども、「引き続き検討し」という以上はいままでも検討してきただろうし、これからも検討するということでありますけれども、これは何をいままで検討したのですか。
#17
○山口政府委員 総理がおっしゃいました意味が、どういう意味で検討とおっしゃいましたかということにつきましては、私ども申し上げるあれはございませんが、ただ、従来私どもといたしましていろいろと国鉄、私鉄問題の運賃の格差等につきましての検討をいたしました場合におきましては、特に国鉄の運賃制度というものが従来全国一律の均一共通の運賃であるというような性格を持っておる。それから私鉄の場合におきましては、当該私鉄の収支に基づいたところのその地域地域の運賃であるというような運賃の制度のつくり方自体の違いということがございます。したがいまして、たとえば検討の内容といたしまして、路線別の運賃というようなものはどうであろうか、そういうたとえば並行する区間における路線別の運賃というようなものはどうであろうかとか、あるいは大都市交通におきまするいわゆるプール制的な運賃というようなものはどうであろうかというようなものを従来からいろいろと検討してまいったところでございます。
#18
○斉藤(正)委員 私もここでほっと気がついたことは、全国一律運賃制度でなくて、この際政府としては路線別運賃も考えざるを得ないということまで考慮をしながらの総理の発言かというように議事録を何回か読み返してみたのですが、もしそういう意図を総理が持っていてこういう答弁をされたということになりますれば、これはよかれあしかれ画期的なことだというように思ったわけですが、そこまでは行っていない。しかもわからないのは、「総合交通体系形成の見地から」――総合交通体系形成の見地からということは一体どういうことなんですか。総合交通体系の中で国鉄なり民鉄が果たさなければならない役割りの上に立ってというように解釈をするのか、あるいは総合交通体系を形成しているそれぞれの交通機関の立場からというのか、「総合交通体系形成の見地」というのは一体どういうことですか。専門的にひとつ運輸省内での見解を教えてください。
#19
○山口政府委員 総理の御答弁の中の総合交通体系形成という意味につきましては、私どもつまびらかにいたしておりませんが、私ども運輸省で従来考えておりました総合交通体系の形成という点につきましては、各交通機関だけのばらばらな意味での行政その他のやり方でなくして、各交通機関を通してみてそれが総合的に調和のとれたものでなければならない。そのためには各交通機関の特性に応じた仕事のやり方というものも十分に考慮した上で、その特性を伸ばすような姿になるよう各種の政策を持っていかなければならぬというような見地が、私ども省内で考えております総合交通体系のおもな点でございます。
#20
○斉藤(正)委員 総合交通体系をここで議論するつもりはありませんが、そういう考え方から、その次にいっておることは、「交通資源の適正配分の方向に向かって努力したい」交通資源ということばを使っておるのですが、交通資源というのは何ですか。運輸省が考える交通資源とは何ですか。
#21
○山口政府委員 運賃の相違によりまして、交通社会資本と申しますか、そういうような面での利用のしかたというものが違ってくるわけであります。したがいまして、先ほど申し上げました総合交通体系の見地から、あるべき交通社会資本の配分というようなものを考えて、ここでは交通資源の適正配分というように私ども従来考えております。
#22
○斉藤(正)委員 そこで総括的に伺いたい点は、民鉄と国鉄が並行して走っている路線について、総理の答弁あるいは本委員会における関係者の答弁等を総合して具体的にはどうするというのですか。私鉄が安過ぎるから上げて均衡をとるとはいいますまい。国鉄が高いからその路線は下げるとも答弁できかねると思います。結局何にもやらない、ほうっておくということでしょう。これはきわめて高度な政治的なものを申されておりますけれども、結局考えてみたら安い民鉄を上げるというわけにはいかぬ。そうかといって比較的高い国鉄を下げるわけにもいかぬ。ああでもない、こうでもないと小田原評定はやるけれども、手はつけません。そういう結論だと思うのですが、そうじゃないのですか、何かあるのですか。
#23
○丹羽国務大臣 先ほどから非常に貴重な鋭い御質問をいただいておる次第でございますが、実は総理から御答弁がございましたが、総理の御意図は、総理の行政の最高の責任者としての御答弁でございますが、私も実はその点はやはり同様に考えているものでございます。と申しますのは、先般来当委員会におきましてもしばしば御質問がございましたように、ことに大都市間におきまして運賃の斉合性の問題、これが非常にいわれております。西独のレーバープランの例等も引き合いに出されて申されております。御承知のとおり、国鉄は総合原価主義をとっております。昨日も総裁から御答弁を申し上げたとおり、大都市におきましてある程度の利用者の御負担が私鉄よりは多いけれども、地方におきましてはそれだけ低くなっている、地方のローカル私鉄よりも非常に低くなっている。いろいろの問題がございまして、これを一がいに、直ちに直すということは、非常に大きな問題、いままでの国鉄の運賃体系というものを根本から直す問題でございますから、これは容易なことではございませんが、しかし、私はやはりこの問題はぜひ再検討と申しますか、その間におきまして総合原価主義と申しますかをとっているうちにおきまして、先ほど来鉄監局長が御答弁申し上げましたような、その間にある程度の路線別の問題を入れることの余地、そうしてまた、それによって斉合性をはかるというような問題、あるいはまた全体の収入からいたしまして、この路線の修正をして、この路線はある程度値上げをするとかいろいろの問題があると思う次第でございまして、しかも、その問題はどうしても運輸行政をやっていく上におきましては、これはやはり私は真剣に考えていかなければならない問題がきていると思う次第でございまして、総理もそういう意味で申し上げていると私は思う次第でございます。これからの都市運輸行政をやっていく場合におきまして、そういった問題につきまして、ただいままでは、申し上げますと、事業別適正原価主義でやっておりますが、受ける利用者の側から見ますと、いまいろいろ例もございました、例もございましたが、小田原から来る場合は、片一方は新宿に着く、片一方は東京駅に着く。その間の東京駅の問のアクセスのあれをどうするか、いろいろ問題がございますから、一がいには申されませんが、できるだけ近似点に持っていくという努力を私どももしていかなければならぬ。総合原価主義の間にどれくらいこれを入れるかということが一番大きな問題、またこれに取り組んでいかなければならない、私はそういうぐあいに強く考えている次第でございます。そういう意味で私どももほんとうに検討いたしてまいりたい。斉藤先生はじめ皆さまのとうとい貴重な御意見も承りまして、その問題に取り組んでまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。
#24
○斉藤(正)委員 直接発言者である総理にお尋ねしているわけではございませんので、これ以上深追いはいたしませんけれども、この点は引き続き検討をすると言われておるわけでございますし、答弁だけがそういう答弁であって、結果的には何も出なかったということを私はおそれる。また大臣もいまきわめて決意のほどを表明されました。しかし、これも言うべくしてなかなか問題の多いことだと思う。しかし現実は、ひどいのになれば二・五倍からの通勤定期の料金になるというようなことを考えますと、やはりほうっておけない問題だというように思うわけであります。しかも、総理は実にうまい答弁をされているのですよ。「また、国鉄再建につきましては、労使双方、涙ぐましい努力をしておることにも御理解をいただきたいと思います。」これは磯崎総裁以下、国鉄の首脳部が一同に会しておりますけれども、いままで各位のお尋ねの中から、今日の国鉄の財政の状態は国鉄の責任ではない、それは政府の責任だ。また政府の責任だけではない、政治家全体の責任だ。こういうような論理がたびたび展開をされました。こういう総理にしては、ほんとうに腹でこう思ったかどうか知らぬけれども、労使双方涙ぐましい努力をしておるということで、本会議で言明している以上、やはりこの答弁もかなり考え、どういう意味でこういうことを言われたのか、そうしてまた、この裏には何かあるのかということすら考えたいと思ったわけでありますけれども、きょうはそういう席でもございませんのでこれ以上は申し上げませんけれども、先ほど言ったような民鉄との並行路線の運賃体系のあり方一つをとってみても容易でない問題が含まれていることを理解する中から、ぜひひとつ検討をして――検討はだれでもやるし、いつでもできるわけなんです。要は実行であります。その実行の際、国民のために利用者のために何が一番いいのかという点に視点を置くならば、そのことによって起こるばく大な先行投資にしてもあるいは赤字にしても、それは国の責任において対処すべきものであって、あくまでも国民本位、利用者本位の立場を貫かねばならぬというように思っているわけであります。
 るる申し上げましたけれども、大臣の見解はわかりました。運輸省がいろいろ検討し指示をされた場合、国鉄当局としては一体こういう、一見だれが見てもわかる矛盾に対し即応の態勢があるのかどうなのか、総裁から一言いただきたい。
#25
○磯崎説明員 私は、いま先生の御質問の中で問題が二点あると思います。いわゆる都市交通の中の問題が一つございます。これは最近のように地下鉄ができまして私のほうの駅と方々で接続いたします。地下鉄との接続点がごくわずかな時代は簡単でございましたけれども、いまの計画がどんどんできますと、あらゆるところで地下鉄と国鉄の接続ができるということになりますと、運賃問題はいままでのような考え方ではいかなくなる時期が参ると私は思います。これにつきましては私どもといたしましても私どもなりの勉強はいたしております。それと、いまおっしゃった若干中距離的な意味で、たとえば小田原−東京とかあるいは名古屋−豊橋とか若干中距離的なところでも、今度は同じ並行しておるという並行区間でもって運賃が非常に違うという問題がございます。若干似ているようで少し違っておる問題でございますが、その問題につきましては路線別運賃まで発展するのかというような問題、それから小田急で申しますれば、小田急は小田原−東京間だけしかやっていない。私どもも小用原−東京間だけやるなら同じ運賃でできますけれども、そこに非常に問題がございまして、結局都市付近のそういう並行区間のお客さん方にどれだけその地域以外の運賃を負担していただくかという問題に帰着するというふうに思うわけでございまして、これは私どもなりの勉強はいたしておりますけれども非常にむずかしい。ことにそういう並行区間以外が大体赤字区間であるということからいたしまして、問題としては非常に重大な問題でございまして、いろいろ運輸省のお知恵を拝借しまして私どもなりの勉強を続けてまいりたいと思っております。
#26
○斉藤(正)委員 そこで、本論に入りたいと思うわけでありますが、私は、最近とみに社会的な問題となっており、当面する政治課題でもあると思われる国鉄公害、なかんずく新幹線の騒音、振動、そして日照権等をめぐるいわゆる新幹線公害についてお尋ねをしていきたいと思うわけであります。と申しますのは、ここに再建十カ年計画が出ております。いろいろ論議をされましたけれども、野党の大部分は、この案では再建は不可能だ、こういうきめつけをいたしてまいっております。幾つかの問題点が既存の条件だけでもあるわけでありますけれども、私は、ようやく社会的な問題になり、政治課題になってきた新幹線公害、あるいは鉄道公害といったようなものが、今日以後非常に重要なウエートを国鉄再建の上にも占めてくる、いまや放任できない重大な課題になっていると思うからであります。このことは、全国各地にいろいろな新幹線公害が発生をいたしておりますけれども、国鉄当局の態度は一口に言って、少なくともいままではきわめて冷淡であり、きわめて独善的であり、きわめて一方的であり、反住民的であった、こうきめつけても私は言い過ぎではないと思うわけであります。しかし今日以後、特に環境庁が新幹線騒音基準といったようなものをつくろうとしている昨今、もうそういう態度では打開できない立場に来ているというように思うからであります。したがいまして、運賃値上げとは面接関係ない、しかし、再建計画とは重大な関係のある問題だと実は認識をいたしておるわけであります。以下順次お尋ねをいたします。
 まず第一に、すでに完成をしている新幹線、すなわち東海道新幹線、山陽新幹線の経過地点の中で、東海道は東京、神奈川、静岡、愛知、岐阜、滋賀、京都、大阪、山陽については大阪、兵庫、岡山、この都府県別に既設の新幹線公害といわれるものが、どの程度運輸省に対し、苦情とか陳情とか要求とかという形で持ち込まれているか。これは後ほど私はかなり具体的に伺いたいと思いますので、ぜひ都府県別に経過地点の新幹線公害の概要を御説明願いたい。
#27
○磯崎説明員 ただいま斉藤先生から、今後の再建計画のある意味で中軸をなす新幹線の建設につきまして、非常に重大な御質問がございました。私ども具体的に答弁申し上げます前に、根本的な態度だけ私から申し上げさせていただきたいと思います。実は、東海道新幹線をつくりました昭和三十四、五年ごろにはそういう問題があまりなかった、と申しては失礼でございますけれども、まああまり大きな問題にはなっていなかった。しかしその後、非常にいろいろ問題が出まして、私自身は技術者ではございませんけれども、私どものほうの技術者の考え方といたしまして、騒音とかいわゆる公害問題を交通機関が避けて通ることは絶対できない。それで、今後の新しい交通機関をつくるためには、もちろん輸送の安全の確保が第一である。同時に、それは乗客に対する安全の確保である。しかし、それが国土の上を通る以上、その国土に住んでおられる方々との融合、斉合ということも当然考えなければいけない。そういう意味の総合的な技術、システムエンジニアリングの中に、単に安全あるいは高速度という問題だけでなしに、騒音を消すとかあるいは振動を少なくするとかということをどういう角度から検討すべきかということについて、相当真剣に勉強しているということを申し上げたいと思います。これはもちろん技術的な問題でゼロにするとかということはできないにいたしましても、相当こまかい各部面にわたって、私どものほうは土木、車両、電気、各系統がございますけれども、各系統ごとに自分に与えられたプロパーの仕事としてその問題を解決するという態度に変わってきていることを率直に私申し上げさせていただきたいと思いますし、また、それがなければ、この問題を第三者的な意見でもって私のほうの部内で解決することはなかなか困難である。いわゆる技術プロパーの問題としてこの問題を取り上げていきたいというふうに思っておる次第でございます。
 以下、こまかい点になりますので、具体的に御答弁させます。
#28
○斉藤(正)委員 総裁から基本的な考え方についてお答えがございましたので、具体的に入る前に、環境庁小澤政務次官の時間の都合もあるようでございますから、やはり基本的な問題だけ確認して御退席いただきたいと思います。実は三月二十三日、予算委員会第一分科会で私はこの問題を大石環境庁長官にお尋ねをいたしました。このときに長官の御答弁の中で、いろいろ申されましたが、「やはりこのようないろいろな問題が山積していると思うのでございます。やはりこれはできるだけ早く七十ホンに、新幹線自体が七十ホンの音で押えられるような設備が早くできることを希望いたします。」そしてなお若干のおことばがありますけれども、「このような考え方から、中央公害対策審議会のほうで、ことに騒音振動部会に対しましては、さっきお話がありましたようなことを検討してもらうように頼んであるわけでございます。これはできるだけ早く、ことに生理的な問題もございますし、人間に与える生理的な現象とかいろいろな科学的な究明がございますので、時間がかかりまして、昭和四十七年度でもどうかというような考えが強いようでございますが、何としても昭和四十七年度内には出しなさい、それを基準にして早く環境基準をつくりまして、いま申しましたような七十ホンであるとかいろいろな対策を立てさせるような基準をつくりたい、こう考えておるわけでございます。」さらに、私が二、三申し上げたのでありますが、長官は、四十七年は無理ではございませんかという私の質問に対して、いや無理は承知しているけれども、四十七年度内には環境基準を新幹線騒音、振動についてもつくる、こういう覚悟のほどを言明されておるわけであります。環境庁の態度としては、新幹線騒音、振動に対し年度内に基準をつくるという基本線は、この際確認してよろしいか、次官からひとつ伺いたい。
#29
○小澤(太)政府委員 お答えします。長官の言われたとおりに考えております。
 ただ、一、二付言さしていただきますと、新幹線の騒音は、御承知のとおり、時間的にも間欠的な問題、しかも衝撃的な音でございますから、ただホンというだけではなしに、もっといろいろな要素を考えまして、いわゆる音響総量を勘案した基準をつくりたい、こう考えております。したがいまして、この環境基準をつくるのには、いままで実はどこでもやってないことでございまして非常にむずかしい問題がたくさんございますから、時間がかかります。そこで、環境基準ができ上がるまでに、少なくとも新幹線の暫定基準は、長官のお約束のとおり、四十七年度内にはつくってもらいたい、こういうことを中公審のほうにお願いをいたしておりまして、中公審もそのつもりでいま研究をいたしておるような次第でございます。
#30
○斉藤(正)委員 次官、退席前にもう一言だけ。そういたしますと、少なくも暫定基準は四十七年度中につくる、そして本基準に移行をする。しかし本基準をつくるについては、新幹線の騒音は特殊なものであって、間欠的であり、かつホンだけで規制をするということにも、音の質、内容等からいって問題があるので、慎重に検討を要するけれども、いまだかつて日本はもちろん諸外国でも例の少ない騒音の検討になるので、本基準をつくるまでにはある程度の時間がかかる、こういうように解釈をしてよろしいのかどうか。もしそうだとするならば、暫定基準の効力は一体どういうものであるのか、環境庁としての考え方を聞きたいし、また本基準をつくるまでに、暫定基準は七年度中で間違いないけれども、一体三年かかるというのか、五年かかるというのか、その辺の検討はいかがでございましょうか。
#31
○小澤(太)政府委員 前段の御意見はそのとおりだと考えております。
 それから断定基準をどのようにするかということについては、いまここで私からはっきり申し上げかねるわけでございますが、御承知のように航空機騒音が大体似たようなものでございまして、これも環境基準をつくる前に東京並びに大阪の空港について暫定基準をつくりまして、運輸省の協力を得て実施に移っているような状態でございます。そのような段取りをとってやりたい。それから本基準が、環境基準がいつになるかということはちょっと言いかねますけれども、三年も五年も先というわけにはいきますまい。できるだけ早くというようなことでお願いをいたしておるような次第でございます。
#32
○斉藤(正)委員 環境庁の基本的な態度がほぼ明らかでございますので、国鉄当局から先ほどお尋ねした問題について御回答をいただきたい。
#33
○長浜説明員 先生お尋ねの東海道新幹線並びに山陽新幹線のただいままでお申し出のございます問題の件数、これを府県別に申し上げますと、騒音、振動につきまして、東京都関係が二件でございます。神奈川県関係が二十九件でございます。静岡県関係が六十四件、愛知県が三十二件、岐阜県が五件、滋賀県が三十件、京都府が七件、大阪府が十六件、合計百八十五件が東海道新幹線関係の件数でございます。
 山陽新幹線につきましては、現在まだ完成し、営業開始して間がございませんが、現在お申し出のございます件数は、大阪府関係が四件、兵庫県関係が八件、岡山県関係が四件、合計十六件といったような件数になってございます。
#34
○斉藤(正)委員 件数はわかりました。ここまでお調べになっておるでしょうか。たとえば東海道新幹線で締めて百八十五件あって、都府県の別はこうこうだ、山場についてはしかじかかようだというお答えでありますけれども、その被害世帯は都府県別に何世帯であり、被害人口は都府県別に何人であるかというお調べまではできておりませんか、いかがでございましょうか。
#35
○長浜説明員 被害を与えております件数といいますか、人数とか家屋の数というのはちょっとトータルしておりません。ただその一件の中に、代表音の名前のほかの方々外何名というようなかっこうで出されておるところもありますし、あるいは市長名で来ているところもありますので、そういうところまではまだ調査しておりません。
#36
○斉藤(正)委員 私は、新幹線の建設にあたって、いわゆる現地地方自治体なりあるいは現地住民なりに対して、新幹線というものはどういうものか、そうしてどういう形でつくるか、でき上がったあとにはどういうかっこうになるかというようなことは、いろいろな説明会なり何なりを開いてやってきたと思うわけでございます。正直言って――これはうそを言わないでくださいよ、正直に言って、今日のような騒音公害、振動公害を新幹線が必ず生むというようにお考えになって設計をし、建設をされたものか、いや想像だにしてなかった、やってみた結果がこうなったのであって、実は国鉄当局もびっくりしているのだ、驚いているのだというようにお考えなのか、二つに一つという御返事もどうかと思いますけれども、正直言ってどうなんですか。
#37
○長浜説明員 先生御承知のように、東海道新幹線のときは在来線がせいぜい百キロぐらいの速度でございまして、それを一挙に二百十キロまで引き上げましたので、その間に技術的の非常に解明しなければならぬ問題がございまして、それらを解明しながら建設したような実情でございます。したがいまして、実際二百十キロで走らせましたのも、小田原の付近でモデル線区で実際走らせましたのが初めての状況でございまして、そういう状況のときにそういう状態で建設をいたしましたような次第でございますので、東海道新幹線建設のときには、この程度の音が出るというような予想を上回った音でございます。ただ在来線で、掛川の付近である程度の高速の試運転をしております。このときにはそれほどの音は出なかったように、これは測定はしておりませんが、そういう感じは持っておったわけでございますが、その程度の感覚で東海道新幹線を建設した次第でございまして、いま考えますと認識が足りなかったというふうに私たちは考えております。
 ただ、東海道新幹線の経験を積みまして、山陽新幹線につきましてはもう十分わかっておりますので、できるだけの手を打っていかなければならぬというように考えていった次第であります。
#38
○斉藤(正)委員 被害者の声はこういうように集約していますよ。国鉄の新幹線騒音に対する態度の変化。第一段階、新幹線公害を全面的に否定した。たとえば、かなり騒音が出るではないですかという問いに対し、いや二百キロ以上で走るので、光は見えるけれども音は立たない。音なんて立つものじゃないんだ。あっという間に通り過ぎてしまって、かなたへ消える。光は見えても音は残りません。こういう説明を第一段階でして、全面的に否定をした。(「「こだま」はどうなんだ」と呼ぶ者あり)いま光と言ったのは「ひかり号」の「ひかり」じゃなくて、車両についている光という意味なんです。その点は当局はすぐおわかりだと思います。第二段階では、公害発生の事実は認めるが、補償や損害賠償の必要は認めない。なお、ここに至るまでの間に、地元住民による数度の現地調査等があって、動かぬ証拠を突きつけられてやむなく事実だけは認めるようになった。それが第二段階。第三段階で、公害対策は国鉄の責任ではない。しかしできるだけ努力はする。ただし公害防止の目標数値等についてはできるだけ努力はしてみる。第四段階になって、騒音については、現在の東海道新幹線の八十ないし八十五ホンを五ホン程度下げたい。そのために盛り土の部分にも防音壁をつくる。しかしこれはあなたの当該地区だけのことであって、よその地区へはあまり宣伝してくれるな、秘密ですよ、こういう態度をとった段階もある。そして最近では、国鉄当局及び中央公害対策審議会議等が動き出し、暫定基準を含めて、ようやく騒音対策に取り組んできた。――私が言うんじゃないのです。これは被害者が書いてくれた、騒音に対する国鉄の態度だ、こういうんですよ。少しどうかなと思う点が私にもあります。しかし、おしなべていえることは、ほぼ国鉄当局の騒音に対する態度というのはこういう経過をたどったのがほんとうではなかろうかと私は思うのですが、率直に御意見を聞かしてください。
#39
○磯崎説明員 いまの段階的な分析、きわめて私どものほうも胸に思い当たる点がございます。もちろん三十九年の十月一日に開業いたしましたときの列車の回数あるいは速度といまのと、相当違ってきていることも事実でございます。したがいまして、先ほど長浜が申しましたとおり、当初の計画といまの計画と比較いたしますと、列車回数も相当多い、あるいは列車の長さも十両ぐらいになっているというようなことで、だいぶ客観情勢が違っておりますけれども、冒頭に私申し上げましたとおり、いまうちの技術者の連中は、何とかしてゼロにすることはできないまでも、低騒音――低い騒音ですね。あるいは少ない振動。低騒音、少振動ということばを使っておりますけれども、物理的に、あらゆる技術を勉強しても、ゼロに近い音にすることは、これは不可能だ。それならばもう速度を落とす以外にない。あるいは現在線よりももっともっとおそいものにする以外にない。したがって、新幹線というものは、相当全国民から要望されて、つくれつくれとおっしゃられている以上、それをつくることを前提として、あくまでも技術的に見て技術者として恥じない低騒音、少振動のものをどうやってつくれるかということについてこまかい点にまで注意を払うようになったことは、私、てまえみそではございませんが、うちの技術者は相当私は良心的にやったと思います。それは単に本社の設計をやる連中だけじゃなくて、現場の末端で実際に工事をやっている諸君そのものも、たとえば線路の下に入れる緩衝材のパッド一つにいたしましても、非常に気を配っている。あるいは過般の山陽新幹線につきましても、ごらんのような防音壁でございますが、あの防音壁の中の模様でございますね。波形にするとかあるいはチェックにするとか、いろいろございますが、あの模様につきましては相当たくさんの極数の模様をつくって、音楽堂を見に行って、どういう形が一番吸音がいいか。それから高さも、乗っている人に不愉快でない程度、窓ぎりぎりにしたらどうかということで、むしろ現場で実際に工事をやる諸君が、技術者の良心から考え出した点が相当ある。単に研究所の机の上の研究だけではなしに、現場のそういう意見を相当一般化できるような研究をしてきたということは、私は率直に言えると思うのです。したがいまして、いまの各段階、いろいろ御批判がございますけれども、私はいまのうちの技術者の諸君の考え方は、もう安全あるいは高速、それから先ほど申しました騒音、いわゆる低騒音ということば、ちょっと矛盾したことばでございますけれども、そういう感覚でもって仕事をしているということを、私、率直に申し上げられると思います。
#40
○斉藤(正)委員 低騒音、少振動、私はことばはどうであれけっこうだと思うのです。このことが実は原因かと思われますけれども、成田、上越、東北、さらに山陽の延長路線において、まだつくりもしないのにいろいろな地域で新幹線公害に対する認識が高まり、いわゆる新幹線建設反対の運動が残念ながら盛り上がっている。このことは、私は、種をまいたのは東海道新幹線だ、あるいはずいぶん注意をしたと言われますけれども、開通してみたら山陽新幹線にも相変わらず騒音、振動公害があるということが、これからつくろうとしている新幹線建設に、当然なことでありますけれども、大きな障害になってきていると思う。
 そこで、また事務的でありますけれども、建設中の成田、東北、上越あるいは岡山以西の山陽において、どういう要請が本社へ来ているのか、わかっていたらお知らせ願いたい。
#41
○長浜説明員 山陽新幹線の岡山以西につきましては、いま大阪−岡山間で十六件の地元からのお話があると申しましたけれども、現実の測定をいたしました騒音のホンからいいますと、先生お話しの東海道新幹線はやはり高うございまして、山陽新幹線はその後いろいろ技術改良その他をいたしましたので、大体八十ホン程度のところまで下げておるわけでございまして、東海道よりもだいぶ低いのでございますが、それでもなおかつ岡山以西につきましても、いろいろそういう東海道あたりの実態を見て御反対があるわけでございます。しかしいろいろその後の大阪−岡山間の模様、あるいはわれわれから、その後の技術開発の模様をよくお話し申し上げまして、おかげさまで岡山−博多間につきましては、個々、まだ若干反対の場所がございますが、大体において工事にもうほとんど着工することができました。まだ懸案になっておりますのは、広島県下に一カ所、病院関係の近くでございます。その他福岡県関係で北九州市に二カ所、その他そう大きな地域でなくて、やはり個々の方々からのそういう御心配とかそういうことでいろいろなお話がございますけれども、具体的に用地買収なり家屋の補償等につきましては、一応いまのところ地元の皆さん方の御協力を得て順調に進んでおる、こういうふうにいえるかと思います。
 東北新幹線につきましては、東京駅を出ましてから地下にもぐりますまでのところと、それから王子付近から荒川を越えます北区の付近、あるいは越えましてからの埼玉県側の戸田市あるいは大宮市の一部、それから上尾、伊奈、蓮田、白岡、久喜といった各市町村の方々がやはり反対のことを表明しておられます。それから北のほうに上がりましては、やはり住宅街の多い少ないの問題と、新幹線に対する認識といいますか、そういう点の問題、利用度の問題といいますか、そういう点もあるんだと想定いたしますけれども、いまわれわれのところで大きな問題として承知しておりますのは、宇都宮の手前にございます団地が一カ所と、あとは福島県に入りまして、郡山市内それから福岡市内、この辺がいま問題になっておるところでございます。まだなお今後いろいろ御折衝を始めますと、大なり小なりの問題はいろいろ各沿線すべてにわたって生ずることはこれは明らかでございまして、
  〔委員長退席、箕輪委員長代理着席〕
当然でございまして、よく地元の方々と実態その他をお話ししまして、用地買収を始めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 なお、上越、成田新幹線につきましては、鉄道建設公団のほうが建設主体でございますので、詳細につきましては私存じませんけれども、成田新幹線につきましては、現段階では知事あるいは市町村の理事者の方々をはじめ皆さん方からの反対が出て、まだそういう段階まで、話し合いの段階にまで行っていないように承っております。これは私責任者でございませんので、責任あるお答えは申し上げかねます。
 上越新幹線につきましては、大宮の付近までは東北と一緒でございまして、それ以北につきましてもやはり都市を通過する地点で何カ所かの問題点があるように聞いておりますけれども、これも責任ある御答弁にはならぬかと思います。大体東北と同じような状況ではなかろうか、こういうふうに想定しております。
#42
○斉藤(正)委員 いま総裁と運輸大臣に東海道新幹線に対して、たいへん困っているという訴えをお渡しいたしましたが、実はこの書類は国鉄総裁には本年四月中旬、ていさいを整えていたかどうかは別として、請願書を添え提出をされているわけであります。私も何度か読み直しましたが、書き方が書き方でございますし、字がそういう字でございますので、読んでいるうちに頭が痛くなるような内容でございますが、大臣のところへは行っておりません。環境庁長官にはやはり同じころ、請願書を添えておりませんけれども、提出をされているわけであります。
 総裁、それをいま初めて見るような顔をされておりますけれども、あなたあてに出してあるのですが、御一読いただけましたでしょうか。いかがでしょうか。
#43
○磯崎説明員 前田さんという方のを読んだことがございます。
#44
○斉藤(正)委員 先ほど長浜常務理事から、るる、これから着工しようとする建設線について、あるいは着工している路線について、ずいぶん広範な地域からの、一口に言うならば反対という申し入れがあり運動がある、しかもそれは場合によっては地方自治体の長が先頭に立つといいますか、まとめているようなケースもある、もちろん住民運動としてたくさんの反対がある、こういうお答えがあったわけであります。これはとりもなおさず、先ほど触れました東海道新幹線のいわゆる新幹線騒音あるいは振動に対する対処のしかたが不十分であった、こういうことからずいぶん注意してやったはずの山陽新幹線でも先ほど触れられたような問題が出ている。これじゃたまらぬぞということから起きてきた問題であろうというように思っているわけであります。そこに差し上げましたその書類は、新幹線騒音、振動に対して関係者はどれだけ苦悩しているかということを浮き彫りにしている内容だと思うわけであります。
 そこで伺いたいわけでありますけれども、国鉄当局は東海道新幹線で最高の騒音というのは何ホンと一体認識されておりますか。そしてまたそれに対してどういう施策を具体的におやりになりましたか。ひとつ例をあげて御説明願いたい。
#45
○長浜説明員 東海道新幹線の騒音は大体各場所で非常に違うわけでございまして、問題になっておりますさいぜん御答弁申し上げました百八十五件の各個所につきましてはやはり八十数ホン以上というのが大部分でございます。ただその中でも騒音の大きいのはやはり橋梁部分、特に橋梁でも鉄橋の部分が非常に大きな騒音を発しております。したがいまして、山陽新幹線の場合にはそういう鉄橋はもう全部やめまして、コンクリートの道床を持った橋梁にしたわけでございますけれども、東海道の場合には道路との立体交差、そういうところの橋梁はスパンが大きなものですから鉄橋で渡っております。したがいまして、そういうところの騒音は非常に大きな数字をあらわしております。いままで測定しております中で一番大きいのは、私の手元にあります数字で申し上げますと、浜松駅をちょっと西へ行きましたところで国道との立体交差をしておりますところに、鉄道の名前でいいますと森田架道橋という橋梁がございます。その付近ではかりました騒音が一番大きゅうございまして、これは最高百十ホン前後の数字が出ております。これは全然処置をしなかったときの騒音でございまして、それに対しまして、まずこれが一番問題だということで技術的にいろいろ検討いたしましてその対策をしたわけでございます。それによりまして、現在、この同じ橋梁でございましても、真下ではかった場合、あるいは何メートル離れたところというような離れ方によりまして、あるいは東側あるいは西側といったような離れる側によりましてもまた発生音は違うわけでございますが、いろいろな対策をいたしまして、大体十ホンないし十七、八ホンの低下がはかられたというふうに、新しい測定では出ております。しかしその測定前の最高の騒音としては、私はこの場所ではなかろうか、こういうふうに考えております。
#46
○斉藤(正)委員 山形大気保全局長いらっしゃいますから伺いたいと思うのですけれども、人間が何とか日常生活が支障なく、快適ではないけれども不快でもない、普通に生活できるという騒音の程度というのは一体、一がいには言えないと思いますけれども、常識的に何ホンぐらいと考えてよろしいのでありましょうか。それから、人が安眠できる静けさ、逆に言えばやかましさ、これもいろいろでありましょう、人によって差がありますから。しかし、常識的に人が安眠できるホンというのは一体どの程度なのでありましょうか、教えていただきたいと思います。
#47
○山形(操)政府委員 お答えいたします。
 医学的な面できちんと申し上げることはちょっとむずかしいかと思いますが、騒音規制法を作成する際、騒音にかかわる環境基準をつくる際に、先生御指摘の点についていろいろ論議がございました。そうして、現在環境基準、それは場所によりいろいろ違いますが、考え方は、どういう地域であるか、それから昼間と朝夕、夜間とこの三つに分けた場合にどう考えたらいいか、こういう観点によってやったのでございます。それによりますと、やはり場所を主として住居の用に供される地域というのを例にとりますと、初めの御質問、まあ快適と申しますか、一応昼間では五十ホン以下とされております。それから睡眠問題で夜間ではどうかと申しますと、これも住居の地域に例をとりますと四十ホン以下、こういうふうにきめたのでございます。
#48
○斉藤(正)委員 総裁いま山形さんから、これはもう規制をされている基準についてお答えがあったわけでありまして、昼は五十、これ以上だと不快感を持つ。夜は四十だ、これ以上だと普通の人なら睡眠にも障害があるのではなかろうかという国の基準であります。御承知のように、地帯によってそれぞれ夜昼と違うわけでありますけれども、この昼間五十、夜四十という音が人間に許された一つの基準だ。ところが、先ほどお話がありましたように瞬間的ではあるし断続的ではあるけれども、百十というホンが東海道新幹線で、しかも鉄橋架道の部分については発生をしておる、こういうことであります。このことはいかに国鉄といえども、いかにスピードを尊重する新幹線といえども、倍以上でございますから、これは並みたいていのことではないというように思うのですけれども、総裁も山形さんから何も聞くまでもなく、常識的に昼間五十、夜間四十という規制は御存じのはずであります。一口にいって、どのようにお考えになりますか。いかがです。
#49
○磯崎説明員 東海道新幹線の例を勉強しながらつくりました山陽新幹線でも、先ほど申しましたように八十ホンぐらいである。できるだけ市街地を避け、山の中を通り、トンネルを抜くというふうな路線の設計になっておりますけれども、やはり駅は市のまん中のところへ持ってきてくれというふうな御要請もございます。したがって、やはり乗り物でございますので、先ほど申し上げましたように騒音、振動をなくするということはちょっと不可能だと思います。しかし、結局できるだけあらゆる技術を駆使して、できるだけ騒音を減らすということがとり得べき最高の道であるというふうに考えますが、東海道新幹線をつくりますときには、少なくとも五十ホン、四十ホンというような話が具体的に出たということは聞いておりませんので、その後の問題でございます。したがって、いまの前田さんの御意見でも、結局根本的に考えれば、いまの新幹線の両側百メートルくらいを緑地帯にしてしまえ、これならばできると思いますけれども、これを全部国鉄がやったのでは、むしろ新幹線を走らせないほうがいいという結論にならないとも限らないと思います。しかし、その辺が一つの妥協の産物であり、また一つのこれからの技術開発のテンポだと思います。しかし、少なくとも私が申しておりますのは、東海道新幹線、これをいま線路を変えたりすることはほとんど不可能であるということを前提としますれば、現在のままでどうやったら減らせるかということだと思います。したがって、鉄げたをいますぐコンクリートげたにかえることは技術的に非常に困難を伴いますので、いまやっておりますこと以上に何か下にカバーをするとかいう方法をとる、あるいは速度を落とせという話もございます。そういたしますと、全般的に非常に影響は大きいということもございますので、やはりその騒音のひどいところから個別に解消するということを考える以外にない。すでに実は、金の額で申しますと非常におかしいことになりますけれども、約七億か八億くらいの金をかけておりますけれども、今後本年度だけでも数十億の金をかけたい。また根本的に、やはり問題は線路そのものにもあると思います。今度、いま実は東海道新幹線の軌条、レールを交換いたしておりますが、いままでの五十キロレールを六十キロに根本的に直す。この際、軌条交換をするんだから、もう一つ上のランクのレールにする、山陽新幹線と同じレールにするということも考え、それをいま実施中でございます。これは全体で二百億くらいかかる仕事でございますが、これも若干騒音の減少には役に立つということも考えておりますし、車両そのものも、車両技術者のほうでも何とかもう少しできないか。たとえばいまの短いスカートをもう少し長くするというような方法も、若干ではあるが効果がある、あるいは防音壁についても考えるということで、やはりひどいところ、全線一度にということはとてもできませんので、やはりひどいところから重点的に一つずつシラミつぶしにつぶしていくという方法と同時に、技術開発の結果を待つということで、いま考えられる技術の最高を駆使して、そしてひどいところを押えて、技術的にまた同時にいろいろ勉強していくという方法で解決していきたいというふうに考えるわけでございます。
#50
○斉藤(正)委員 この写真を大臣に見せてください。これは、いまお話がありました森田架道橋の被害者の住宅のテレビの映りぐあい、屋根がわらのズレ方、壁の落ちぐあい、タイルのひびの入り方、ふすまのひずみ等々が現時点でどうなっているかという写真であります。しかも、その被害者のアンケートがございますが、代表的なものを一、二読んでみますと、「酒類販売業を営んでおりますので、戸をしめた家の中でさえもお客さまとの話は全然できません。電話も相手よりの声は聞こえず、中断せざるを得ません。子供連れで来るお客さまは特に子供が驚き、また泣き叫ぶので、ゆっくり買いものもできないと次第に客足は減ってきております。家には三人の子供と年老いた母と私ども夫婦の六人暮らしですが、各人神経が荒々しくなり、気分的に落ちついた生活ができません。」これが騒音に対する陳述です。振動に対しましては、「八年あまりの振動で部屋の壁ははがれ落ち、ふろ場のタイルは亀裂を生じ、庭の池は割れ目が入り水が漏り金魚も入れておけません。二階にあるステレオは通過時には針が飛んでしまいます。屋根がわらはずれて雨漏りの原因となり、店の天井はベニヤがはがれて見るもむざんなありさまになっております。修理してもこの振動ではすぐだめになってしまうのです。部屋にかけてある額はいつの間にかはずれてしまいます。」その他として、「騒音のため夏の暑い盛りでも戸を開け放すことができません。暑い苦しさより騒音のほうがからだにこたえますので、年じゅう閉めたっ切りの生活はからだにも悪くとても困ります。テレビは電波障害のため全然見ることができません。架道橋が道をふたした状態なので晴天の日でも家の中は暗く、電灯をつけておく始末です。」これは森田架道橋の真下の酒屋さんのアンケートの答えです。こういうことをずっと読んでいきますと切りがありませんけれども、もう一つ個条書きにしたのを読んでみますと、騒音に対しましては、一、テレビ障害を起こす。二、睡眠、勉強ができない。三、日常生活の会話、電話等が聞こえない。四、病人の安静を妨げる。五、親類、友人等が遠ざかる。寄りつかない。振動に対しましては、一、たなからものが落ちる。二、屋根がわらがゆるみ、落ち、雨漏りする。三、ガラスがびりびり音がする。四、寝ているときからだがゆれる。五、家全体がゆれる。その他として、日光が当たらない。毎日ノイローゼぎみ。多少オーバーな点があるいはあるかもしれません。被害者意識というものはそういうものです。しかし私はやはりこれは事実であろうというように思うわけでございます。うそかまことか、いま写真が回っておりますけれども、それは現実であります。こういうことを考えましたときに――なるほどいま国鉄が持てる力をフル動員して対策を立てていただいていることは私は理解をいたしました。しかし、先ほど総裁が言われましたように、国鉄の技術の粋をもって当たっても、たとえば森田架道橋の二度目の防音工事で一体どれだけ下がったと思っておられますか。国鉄当局自身で工事前と工事後に調査をしたはずであります。やっていなければ、私のほうのデータを出しますけれども、どのようになっておりますか、ひとつお知らせください。
#51
○長浜説明員 森田架道橋の騒音が一番激しくて百十前後ございましたので、約四千数百万の工事費をかけまして、両側に防音壁をつくり、それから鉄橋の下に遮音板をつくる、あるいは前後に防音壁をつくるといったような工事を行ないまして、それで下がりましたのは、場所によって異なりますけれども、百十四あったのが工事実施後九十六に減った例がございます。それから百十一あったのがやはり九十六、百九あったのが九十五といったような数字がございます。いまのは上り線でございますが、下り線の場合には百八あったのが九十一に下がった例、九十六が、これは案外下がらなくて九十三といったような例がございます。これはそのときの風の状況、いろいろあるのだろうと思いますけれども、あるいは百九のが九十七とか、百二あったのが八十九とかいったような数値が出ております。そういうことで現在いたしましたのは、その程度の数値に下がっております。なおわれわれとしてはあとの森田架道橋に対してはできるだけの技術開発のできた分を適用していきたい。一つの対策をして一挙に十ホン、二十ホン下がるということはなかなか期待できませんので、わずかずつでも、二、三ホンずつでも積み重ねればそれが大きな数字になるということで具体的な対策を講じていきたい。たとえばレールを現在五十キログラムレールを使っておりますけれども、これを六十キロレールにしてたわみを少なくすることによって騒音を少なくするとか、あるいはその下に敷いておりますパッドが現在若干固めのパッドといいますか、いろいろな実験の結果いいと判断してやっておりますが、これの強度が百トンあるわけでございますが、これを六十トン程度の若干やわらかいパッドにする、そのかわりに押さえ金具のほうを少し強化をするといったような対策をするとか、あるいは新幹線全部ロングレールではありますけれども、途中にエクスパンションジョイントというものをつくっておりますが、これがたまたま橋梁の上にあるというようなことがございますのでこれをはずすことによって、やはり何ホンかの低下がはかられるのじゃないかということで、できる限りの対策をやって逐次積み重ねていきたいということでございます。測定値はいま申し上げたような数字でございます。
#52
○斉藤(正)委員 国鉄は十分な観測施設を持っているわけであります。ところが被害者なり行政団体が、国鉄自体が御調査になった結果いかがですかという問いに対し、なかなかこれを公表しない。なぜ公表しないのか私はちょっと理解に苦しむのでありますけれども。したがって県とか市町村みずからが調査をやる。ところがその調査に対し国鉄は、それは当てにならぬ、うちの数値と違いますというようなことも出先ではよく言うのですよ。本社はどうか知りませんけれども、よく言う。たとえば私はここに一つの静岡県並びに浜松市が調査したデータを持っているわけであります。森田架道橋直下上り軌道中央より一メートルの地点、はかる場所でもだいぶ違いますけれども、ここで上り「ひかり」の平均値が百十三・六、上り「こだま」の平均値が百九・九、下り「ひかり」の平均値が百七・五、下り「こだま」の平均値が百四・二というような数が一応出ているのです。しかしこれには標準偏差もありますし、サンプルをどうとったかということで違ってもきますので、客観的であるかどうかということは別でありますが、えてして被害者というものは最高のものを出したがるのが常識なんです。これは人情です。そうしてこの調査を改修前にやって改修後またやった。ところがたまたまこの日上り路床工事のため国鉄はスピードを百六十キロ制限をやっておったのです。それからあるときは強風注意報が出て、これは四十七年五月二日で、つい最近のことですけれども、これまた途中からスピード制限を自生的に「ひかり」「こだま」がやっているのですね。したがって的確な数字が出ていない。たとえば、その上り路床工事を実施しておって、百六十キロ制限をやっていた四十七年四月十九日は、上りの「ひかり」で百十三・六あったところが九十八・四、上り「こだま」で百九・九のところが九十五・四なんです。下り「ひかり」で百七・五あったところが九十二・九に下がっている。下り「こだま」で百四・二が八十八・四に下がっていますよ。これは百六十キロまで制限をするとこういう結果になる。それから五月二日に、はかっている間に強風注意報が出て、国鉄は自主的にスピードダウンをしたのですよ。このときは上り「ひかり」が百一、上り「こだま」が九十八、下り「ひかり」が九十四、下り「こだま」が八十九、こういうことになっているわけです。
 私はなぜこういうことを言うかというと、先ほど総裁も言われましたけれども、新幹線はスピードが生命だ。したがって極論をすれば、スピードダウンをせよ、ゆっくり走れなんていうんじゃ新幹線はつくってもつくらなくても同じだ。なるほどそういう議論にも極論すれば行くと思うのです。しかし、この路床の修理をやっていれば、昼間なぜやったのか私ちょっとわからぬのでありますけれども、こういう結果になるし、強風注意報なりその他が出れば、自主的にスピードダウンをしているのに、なぜ、血を吐く思いで、安眠もできない、家族全員がノイローゼというような地域があるのに、特にひどい数カ所についてスピードダウンができないのか、私は理解に苦しむ。内部の事情ができればかって気ままにダウンをしているのは、沿線住民の要求に対しましては、がんとして新幹線はスピードが生命だといってスピードを落とさない。あまりにも身がってであり、独善じゃないか、私はこう思う。東海道新幹線でも山陽新幹線でも、極端な場所というのはそうそうないと思うのですよ。私は、どこもかしこもスピードダウンせよなんていえば、これは新幹線の生命はなくなると思いますけれども、せめて、百ホン以上だとかあるいは九十ホン以上のところはダウンをしましよう、そして走れるところで挽回をしますという回答があってしかるべきだと思う。相変わらず国鉄は頑迷固陋な唯我独尊的な考え方だけであって、関係住民の気持ちをそんたくしている気配は毛頭ない。けしからぬというように思うのですけれども、いまだにはなはだしいところについてスピードも考えてみますという気持ちになりませんか、いかがですか。
#53
○長浜説明員 スピードダウンいたしますのは、道床更換とかそれからレールの更換、その他によってスピードダウンしておるわけですが、昼間はもちろんやっておりません。現在、東海道新幹線の五百十五キロの間に夜間に全区間にわたって十数カ所、あるいは日によって変わると思いますけれども、相当個所の線路の補修をやっております。終列車から初列車までの間に補修をやるわけでございまして、その間に道床の交換あるいは突き固めあるいはレールの交換あるいはエキスパンションジョイントの交換、さいぜん総裁が申しました五十キロレールを六十キロにかえるというのもこの間にやるわけでございまして、あれも実は一度にたくさんやりたいのでございますが、やりますと、その区間は翌日は徐行をしませんと、百六十キロないしはそれ以下にしませんと安全が保てない、こういうことになりますので、その間は翌日徐行をする。その徐行をするといいますか、速度をダウンする区間は何カ所というふうに制限をせざるを得ない。その制限の中においてそういう補修をやっていくわけでございます。線路と同時に架線のほうの補修もしなければいかぬというようなことで、その修繕する区間の限定がございます。その点が現在東海道新幹線の東京−大阪間の列車の余裕が非常に少ないものですから、非常に苦労の存するところでございまして、そういう意味で翌日の徐行の場所も制限をしております。もちろん地元の方にとっては、スピードダウンをすることによる騒音の低下を希望されるのはもっともだと思いますけれども、われわれとしては、そうでなく、それに核当するだけの、あるいはそれ以上の技術的な開発をして騒音の低下をはかるということになお一そう努力をしていきたい、現時点ではそういうふうに考えておる次第でございまして、なお一そう勉強させていただきたいと考えます。
#54
○斉藤(正)委員 相交わらずてまえみそであり新幹線自体が線路を取りかえたとか、路床の整備をするとかという場合も、全区間の距離とスピードを勘案して、どこをどれだけ、いつやるかということは、綿密にやっていると思うのですよ。それは私はわかる。それがまた安全確保の道ですから。それはちゃんと計画に入れてやるけれども、騒音地帯を数カ所を極端なことを言うならば、百ホン以上のところ二カ所だけでもダウンをしてみますという気持ちになれないのかどうか。私は非常に残念なんですよ。
 ひとつここで名古屋の熱田区と南区の実例を申し上げます。よく聞いてください。家のゆれ方について、新幹線通過時に家がゆれるかというアンケートに、九五・九%がゆれるといっている。これは二百六十六世帯のアンケートであります。小さい地震などはわからないほどゆれるか。八三・八%が小さい地震などはわからないほどゆれているというのであります。新幹線による家屋等の被害について、家が傾いたというのが二八・二%、戸、窓の開閉ができなくなったというのが六一・三%、たなから物が落ちてきたというのが四七・四%、壁が落ちた、ひび割れを含む、これまた二四・八%、屋根のかわらがずれ、雨漏りがするようになったというのが三〇・一%、テレビの真空管がよく切れるというのが四五・五%、高架のため太陽が当たらなくなったというのが二五%、高架下の立ち入り禁止区域が不潔で困るというのが二五・九%。
  〔箕輪委員長代理退席、委員長着席〕
これは一々名古屋大学がアンケートをして集計したものなんですよ。いいかげんなものじゃない。新幹線被害のため家屋を修理したかというのに、修理したことがあるというのが二九%、修理したことはないというのが四七・七%、新幹線騒音のために、あるいは振動のために修理したことがあるというのが約三分の一あるのです。新幹線被害のため引っ越しを考えたことがあるというのが三八・七%ある。小さい子供に対する影響で、小さい子供のある世帯百三世帯に対してとった調査では、子供がびっくりして飛び起きた例が六五%ある。寝ていた子供が新幹線騒音や振動でびっくりして飛び起きたのが六五%ある。乳の飲み方が悪くなったというのが二〇・四%。学校へ行っている子供の影響を調べたところが、勉強ができないときがあるというのが五八・二%。睡眠への影響は、夜眠れない人がいる世帯が百三十一世帯あって、その割合は四九・三%になっている。そして驚くべきことは、通過時必ず目がさめるというのが五五・七%ですよ。半数以上が通過時には目がさめてしまう。通過時も知らずに寝ていることもあるというのがわずかに三・八%だ。したがって、終列車後に眠るというのが六七・九%ですよ。始発列車で目がさめるというのが七四・八%ある。これは目ざまし時計のかわりだなんと言う人もあるけれども、新幹線が目ざまし時計じゃ、たまったものじゃない。新幹線の終車が通ってから眠るというのが驚くなかれ六七・九%でありますよ。私は、政府も国鉄も、もう少しこの新幹線騒音なり新幹線振動について考えてもらいたい。
 病気の人への影響について見てみますと、病気の人がいる世帯は二十八世帯で、割合は一〇・五%でありますけれども、この病気の人が寝られなくて困るというのが全部ですよ。NHKのテレビ、NHKだけじゃありませんけれども、テレビ等につきましても、その通過時にはすべての局が見えなくなるというのが、七四%あるのです、瞬間的ですけれども、七四%がすべてどのチャンネルを入れても出ないというのですよ。
 こういう実態をお考えになったときに、私は、できることはやるべきだ。そのできることのうちでも、先ほど言った激甚地についてはスピードダウンということがあるんじゃないか。スピードと騒音というのは相対的な非常に大きな関係がある。先ほどありましたように、路床の工事で自主的にスピードダウンをしていれば、騒音はぐっと下がっている。強風注意報が出て自主的にスピードダウンすれば、騒音もぐっと下がっている。風が出たり線路を修理したりするときにはスピードを落とすけれども、こういう三百六十五日お困りになっている皆さんのためには、スピードについての配慮はしない。まあ先ほど、検討する――これは過日の分科会で聞いたときよりも進歩ですよ。あのときは、もうスピードは生命でございますというような言い方だった。今度は検討する、こう言った。総裁、私は検討するだけじゃこの質問終わるわけにいかぬ。検討はいままでもしたはずですよ。さんざん苦情が来ているし、おわかりになっていると思うのですよ。総裁の指示で何とかひとつこの激甚地のスピードダウンということで御検討いただけませんか。いかがでございましよう。
#55
○磯崎説明員 非常に騒音の多いところのスピードを落とせと言われますが、やはりそのスピードと騒音の関係については、まあ相当高度の技術が要るというふうに考えます。スピードを落とす際はどの地点で落とすとか、またどの地点で上げるかということについて、またその地帯の騒音がひどくなるということも考えられます。そういったことで、その地域の方々にはいいかもしれませんが、その両端がまた問題になるということなどもございまして、そういうスピードの上げ下げとそれから騒音の問題については、もう少し検討しないと、私は簡単に結論は出ないというふうに思いますけれども、ただ、先ほどおっしゃった、風にしましても路床更換にしましても、これは鉄道のかってというより、やはり安全運転のためでございまして、決してうちはもうけるためということではないことだけは、これはもう先生よく御承知でございますけれども、私どもも、さっき冒頭に申しましたとおり、安全な運動との融合ということをやはり頭に置いて考えなければいけないということを前提として、もう少し勉強させていただきたいと思います。
#56
○斉藤(正)委員 環境庁の方以外で、運輸省でも国鉄でもいい、文部省学校環境衛生基準というのがあるけれども、騒音についてはどういう規制があるか御存じですか。運輸省か国鉄でひとつお答え願いたい。
#57
○長浜説明員 あることは承知しておりますけれども、いま具体的に数字を手持ちがございませんので、ちょっと御答弁できかねます。あることは承知しております。
#58
○斉藤(正)委員 運輸省は……。
#59
○山口政府委員 まことに申しわけございませんが、あることは承知しておりますけれども、内容はただいま手元にございません。
#60
○斉藤(正)委員 そういう態度が、騒音に対する認識が足らぬと言われてもしかたないんですよ。国鉄当局は、病院、学校周辺は優先的に防音壁その他を設けて対処しているでしょう。何を基準に対処しようとしているのか。科学的な根拠がなければ、強い要求があったからやったというだけじゃお粗末過ぎるんですよ。教えてあげますから、よく覚えておいてください。
 文部省学校環境衛生基準では、窓をあけた教室内で五十五ホン以下、窓を締めた教室内で五十ホン以下なんですよ。いいですか。窓をあけても五十五、締めた場合には五十というんですよ。ここらを知らなくてああだこうだ言ったって、これは話にならぬ。先ほど環境庁のほうから一般の騒音基準については平均値がお示しになられて、これはまあ御承知になったと思うのですけれども、こういう五十とか五十五とかという、国の機関である文部省がきめた学校環境衛生基準というのがあるんですよ。その近くをやはりそれ以上のもので突っ走っていることも、これは問題だと思う。せっかく総裁から答弁をいただきましたから、ひとつぜひ前向きで、激甚地の運行については御検討をいただきたいと思う。
 どういうことを被害者は言っているかというと、どこでどう調べたか知りませんけれども、私どももあまりよく知らなかったのですが、東海道新幹線の収支をちゃんとプリントにしまして、これを関係者に分けるわけです。昭和三十九年度下半期においては収入百九十四億に対し、支出二百七十二億、赤字七十八億だ。四十年度は、収入五百五十億に対して、支出が六百七十八億、赤字が百二十八億だ。四十一には、収入八百九十二億に対し、支出は七百二十八億で、百六十四億の黒だ。四十三年は、収入千九十八億に対し、支出が七百五十二億で、三百四十六億の黒だ。四十三年は、千二百七十億の収入に対し、七百七十七億の支出で、四百九十三億の黒だ。もうとっくに投資を回収して、もうかってもうかってもうかり過ぎているんだ。百円もうける経費は四十四円であって、五十六円まるもうけだと書いてある。
 こういうのは、私も運輸委員でありますけれども、あまり詳しくは知らなかった。こういうものを刷りものに刷って出しているのですよ。だから、国鉄が赤字だとか三兆円の借金があるだとかいったって、新幹線沿線の皆さんはそんなふうに考えないのです。もうたいへんもうけている、にもかかわらずわれわれのことはやってくれない。無理もないと思う、このことだけをとれば。そういう中で、ひとつ再検討をしなければ、これからつくろうとしている路線についてはますます火に油を注いだような形になって、反対運動は当然燃え上がってくる。しかし、その反対運動を押える何ものもない。あれよあれよという間に燎原の火のごとく全国に燃え上がって、これからの新幹線は着工不可能になってくる。成田空港の二の舞い三の舞いを各所でやらなければ土地の取得等もできなくなるのではないかというおそれを持ち、ともに心配をするから言っているのであります。
 そこで具体的に二、三伺いたいのでありますけれども、私はここに、これはきわめていい例だと思うのでありますけれども、昭和四十七年三月二十一日北九州市楠東地区対策委員長村田正雄、国鉄下関工事局土木課長鶴田安行、北九州市新幹線対策室主査出口隆、この三者が調印した議事録確認書なるものを持っています。当然国鉄にもありましょう。どういう意味の議事録を確認しているかというと、こういうことであります。すなわち一九七一年十月十九日、北九州市八幡区楠東地区新幹線対策委員会委員長村田正雄氏が国鉄下関工事局長島田隆夫に対し要請書を出したわけであります。それは、
   測量に関する要求について
  表記の件に関しては、さきに当委員会より提出した要請書に対して本年六月十八日付貴職より回答書が出されました。これについて関係地元住民で慎重に検討した結果、下記事項について貴職が同意されるならば、測量を行い、問題解決へ向かって一歩すすめる事を決定しました。貴職が地元総意にもとづくこの、要請に対し、誠意ある回答を十月三十一日までに文書で示されますよう、ここにつよく要請します。
  なお、貴職の権限外とされる事項があれば、すみやかに関係先と協議の上、回答していただくようお願いします。
    記
  1、用地幅は盛土とし、路線中心より片側それぞれ最低四十一・五mの緩衝緑地帯を設けること。なお、盛土のこう配は安全性を考慮の上、現行国鉄案よりできるだけゆるやかなものとする。
  2、用地内の家屋、宅地等については関係住民の意志を完全に尊重し、残地等の取りあつかいを含め、必要な買収、補償等を行うこと。
  イ、緩衝地帯、路線等にかかわらず、買収条件は同一とすること。
  ロ、替地については、本人の希望にそった解決を責任をもって行うこと。
  3、市街化調整区域内に移転を希望する人については、その希望にそうよう責任をもって解決すること。
  4、路線中心より片側それぞれ百m以内の家屋、土地等の被害については、新幹線によるものとみとめ、国鉄の責任においてこれを完全に補償すること。
  5、当地区内の測量およびボーリング調査については、地元対策委員会の承認を受けて実施すること。
  以上の項目がみたされない場合は、測量には
 応じかねますので、念のため申しそえます。こういう要請書が出て、それに対し日本国有鉄道下関工事局土木課長鶴田安行は回答を出したのであります。四十六年十一月八日測量に関する要求についての回答、前文は省略いたします。
  1、1につきましては、昭和四十六年六月十八日付下工第九〇〇号にてご回答申し上げましたとおりでありますが、盛土の勾配は一割八分として在来設計よりゆるやかなものといたします。
  緩衝地帯については、新幹線の事業対象として認可が受けられませんので、北九州市との協議において都市計画の一環として早急に立案推進していただくよう努力しておりますので、ご了承願います。
   2、用地内の宅地、家屋等の補償については、関係人の方々の意志を尊重し、誠意をもって協議いたします。
   (1)残地補償は勿論、その他の補償についても公平かつ適正な補償条件で処理させていただきます。
   (2) 替地については、原則として金銭補償でお願いすることとしておりますが、特に事情のある方については、ご希望を尊重して協議させていただきます。
   3、市街化調整区域内に代替地を希望される方に対しては、市当局の特別詮議により許可されるよう努力いたします。
   4、工事施工中の被害については、新幹線工事が原因と認められた実害について協議の上、補償いたします。
   なお、事業完了後の被害についても地元の皆様のお申出にもとづき調査して補償の義務があると認められた場合は補償いたします。
   5、測量およびボーリング調査については、
  地元対策委員会と協議の上実施いたします。このやりとりについて内容を確認をしたのが、いま私が申し上げました冒頭のことばになるわけであります。そしてこの確認書がこういうことになっています。
   国鉄下関工事局は、別紙の通り文書回答を行ない、これに基づいて双方の話し合いを行なった。その結果は次の通り。
   1、国鉄が地元に約束したこと。
   (1)回答書「第一項」について
   国鉄は地元の要求している緩衝地帯の必要性については、基本的にその必要性を認め、その費用については、全額国鉄負担はできないので市当局と話し合い、減点をもって実現に努力する旨見解をのべた。
   地元は、市または国鉄のいずれがどういう方法でやろうとも、要は緩衝地帯が実現できればよいとし、起業者である国鉄が責任をもって解決にあたるよう強く要求した。
  (2) 回答書「第二項」について
  国鉄当局は、本文にいう「協議」とは誠意をもって納得のゆく解決をはかることであり、交渉が継続中は、強制収用等の手続はとらないという意味であり、交渉継続中とは、地元がひき続き協議、交渉を希望している間ということである、と約束し、地元はこれを了解した。
  (3)回答書「第四項」について
  前段に、国鉄の責任において補償する旨を挿入する。これは、起業者である国鉄の責任をあきらかにしたものであり、工事中の被害等について地元と業者の話合いに委ねて国鉄が黙視することはせず、国鉄の責任において解決することを約束したものである。
  2、国鉄は以下の点については後日回答することになった。
  (1)回答は局長名の文書で行なうよう地元が要求している件について、
  (2) 緩衝地帯の実現は「国鉄が責任をもって解決するよう」地元が求めている件について、
  (3) 新幹線通過にともなう騒音、振動その他予想される公害に対して、国鉄は設計上これをどのように防止するのか、具体的な数字を明示するよう地元が要求している件について、
  (4) 新幹線による工事中または営業開始後の被害について誰がその認定をするかという件について、
  (5)地元の発展に寄与する立場に立って、新幹線の建設を行なうべきだとの地元の意見について、これが、「国鉄は以下の点については後日回答することになった。」という内容であります。
  3、その他
  地元は、地盤の状態についての国鉄見解に反対であり、また、当日の会議をもって基本要求が実現したとは評価できないので、測量の申し出については、これに同意しなかった。
こういうことになっていまして、非常に長い時間読み上げましたけれども、新幹線建設にあたって関係地元と――というのは自治体であります。関係地元自治体と、国鉄当局と、しかも住民運動と思われるこの楠東地区対策委員長が加わった三者の調印が行なわれたということは、きわめて意義があると私は思っているわけであります。内容は別として、きわめて意義が大きい。こういうケースがいいとか悪いとかいうことは別として、現実の問題としてはきわめて貴重なものだというように、私はこれを高く評価するものであります。この場合ならば、なぜ国鉄と北九州市との調印で済まなかったのか。なぜ地元自治体と起業者である国鉄との間だけの調印なり覚え書きなりで済まなかったかという点に問題がありますけれども、こういうような例が全国にほかにもあるのかどうなのか。内容はとにかくとして、これが初めてのケースなのかどうなのか。地元自治体と国鉄と住民の代表が加わった調印といったものが、ほかにも例があるのかどうなのか。あるならば、後刻、文書をぜひ出してほしいと私は思う。私が知っている限りでは、地元住民が加わった覚え書きの交換というのは、新幹線建設では初めてではなかろうかというように思うわけでありますけれども、いかがでございましょうか。
#61
○長浜説明員 新幹線の建設につきましては、いろいろ地元と話をしなければならない、十分協議をしてやらなければならぬということが、もう非常に多うございます。したがいまして、いま先生がお読み上げになりましたこういう事例は、文章にするしないにかかわらず、相当ございます。こういう内容は別といたしまして、もともと文章にしなくても、いろいろ地元の市町村長あるいはその地元の地区の方々――といいましても、結局は、代表の方とお話しして、その意見をまとめていただくわけでございますが、その方々と話し合いを十分した上でないと、立ち入りもやらない、測量もしないというかっこうになっておるわけでございます。そうしませんと、世間をにぎわす相当なトラブルを起こすということになりますので、十分地元と話し合いをする。その話し合いをしました内容を文書にするとかしないとかいうことは別にしまして、必ずそういう話し合いを持った上で、円満に測量をし、そして用地の買収をしていくというやり方をしております。したがいまして、いま先生のお尋ねの、そういうことはあるのかということでございますが、沿線全線にわたって、そういう話し合いをしております。ただ、文書にしたというのは、必ずしもそう多くはございませんけれども、またそれもそういう局長名とかなんとかということではなしに、その地区を担当しております担当の者と地方の方々との話し合いを、お互いに覚え書きにしておこう、そういう書面のやりとりをするとかいうように、ケース・バイ・ケースで地元の方々の納得の上で仕事を進めるというやり方をしておるわけでございます。
#62
○斉藤(正)委員 地元住民の了解を得なければ、測量も工事もできない、したがって、話し合いは十分やっている。そのとおりだと思う。私がお尋ねしたのは、文書として、地元の住民の代表が加わった覚え書きであっても何であってもあるのかということで、それに対してあるというお話でしたね。あるならば、これは後日でけっこうですから、ぜひ出していただきたい。私の知っている限りでは、これほどしっかりしたものが出たのは初めてだ。北九州の楠東地区の皆さんは、たいへんしっかりしておられる。国鉄もたいへんしっかりしておる。文書で交換して約束をする、これはあたりまえのケースだと思うわけなんです。
 そこで、内容をせんさくするわけではありませんけれども、お尋ねしたいのは、「国鉄は地元の要求している緩衝地帯の必要性については、基本的にその必要性を認め、その費用については、全額国鉄負担はできないので」――全額負担はできないのでというのは、全部できないという意味なのか、全額はできないという意味なのか。落とし穴があるとすれば、私はここにあると思うのです。「全額国鉄負担はできないので市当局と話合い、誠意をもって、実現に努力する旨見解をのべた。」全額持ちませんと言ったのか、全額は持ちませんと言ったのか、これはどうなんですか。
#63
○長浜説明員 実はこの覚え書きは、これをかわしておりますのは現地の土木課長でございますので、私、この間のニュアンスはよく存じませんけれども、その後話を聞き、また私が承知しておりますところによりますと、この地域は、その手前に北九州の住宅供給公社が団地をつくっておりまして、たまたまそこにグリーンベルトをつくる計画になております。それを、せっかくつくるのなら、新幹線の計画に合わせていただきまして、新幹線の両側にグリーンベルトを持ってきていただくというような話し合いを進めておるようでございます。そうしますと、その地区はそれでグリーンベルトができるわけでございます。住宅供給公社がおつくりいただくグリーンベルトができるわけでございますが、それに連なります楠東地区、この地区はその公社の開発地域からはずれておりますので、その地域についての御要求があったようでございます。われわれとしては、新幹線を建設しますときには、大体、市街地は両側、そうでないときは片側、その場所場所によっていろいろ違うわけでございますが、工事用の通路をつくらなければいかぬということで、工事用の通路をつくっておりますが、その工事用の通路をつくることとあわせましてそういうグリーンベルトみたいなものができるならば、こういうことを申し上げておるようでございます。それで、その点につきまして北九州市のほうといろいろ御協議を申し上げて、それができるようにわれわれのほうも努力をしている、こういうことでございます。両方あわせてそういうものができれば――われわれとしては、新幹線の沿線全線、各地においてそういう工事用の通路として四メーターの側道をつくっておりますので、それらとあわせましてそういうものが確保できればと、こういう意味のように私は解釈しております。
#64
○斉藤(正)委員 お答えを逃げておりますが、私がお尋ねしたいのは、「その費用については、全額国鉄負担はできないので市当局と話合い、誠意をもって実現に努力する旨見解をのべた。」その「全額国鉄負担はできないので」というのは、全額国鉄負担はしません、全部北九州市でやってもらうんですということなのか、一部分は持ちますよということなのか、そこがわからない。落とし穴があるとすればそこにあるんじゃないですかと言ったわけです。その場合、全額持てない、「その費用については、全額国鉄負担できないので」と、こういえば全額国鉄負担できないということになる。「全額国鉄負担は」と、「は」というのが一文字あるのですよ。この一文字の解釈いかんで国鉄も持つということになるわけです。私は、国鉄が持って当然だと思うわけです。たとえいかなる事情があるにしろ、新幹線が通ることによって、それが契機になってグリーンベルトをつくるという場合に、もし国鉄が全く払う意思はないというならば、ここではっきり、「全額国鉄負担できないので」とするはずだ。全額はできない、一部分ならいいということでしょう。いかがですか。
#65
○長浜説明員 われわれとしましては、さいぜんも申し上げましたように、両側あるいは片側に四メーターの側道をつくるつもりでありますので、その部分については国鉄が持つ。したがってそれとあわせてグリーンベルトをつくっていただくなり、あるいは道路をつくっていただくなり、われわれとしてはその部分をいま工事用の道路としてとりあえず使いまして、あとどういうふうに使うかということは、また市のほうと御協議しながらやらなければならぬ。したがいまして、その部分についてはわれわれは工事をやるためにも必要でございますし、それを負担する、こういうことでございます。
#66
○斉藤(正)委員 そうしますと新幹線の側道が四メートルあって、その四メートルを含めて十五メートル、グリーンベルトをつくり、その外側に八メートルの道路をつくる。締めてこの緩衝地帯は二十三メートルある。しかしそのうち四メートルは工事用の側道が含まれておる。したがって四メートル分は国鉄で出します、二十三メートルのうちあとの十九メートルは北九州市で持ってください、こういうことですか。
#67
○長浜説明員 どういう話し合いになっておるか具体的な話し合いは知りませんが、私たちが指導しておりますのは、そういう四メートルを持つということで、いま先生がおっしゃいましたとおりでございます。
#68
○斉藤(正)委員 長浜理事ともあろう者が、現地でどういう話をしておるか知りませんがというような無責任な答弁では困る。困るが、しかし答弁は非常に重大ですね。いろいろ不規則発言がありますけれども、この席の答弁はきわめて重大でありますから、あなたの気持ちもわかるし、総裁も大臣も、これはどういうことだと私が聞いたら、それはちょっと即答しかねる……。私は北九州市楠東地区の皆さん方に都合の悪い答弁は実はここでいただきたくないわけなんですから、あまりこれ以上深追いはいたしませんが、しかし最後に起業者である国鉄が責任をもって解決に当たるよう強く要求したことを同意したのですからね。同意して覚え書きに調印したのですから、これはまだこれから詰めなければならない問題でもあろうと思う。しかも国鉄は留保した問題があります。これからいろいろ相談をしてお答えをしますといって数項目留保をしておりますから、これもまたわかるわけであります。その証拠に留保した部分について、二番目に、緩衝地帯の実現は国鉄が責任をもって解決するよう地元が求めておる件については後日回答することを留保して覚え書きが交換されておるわけだ。しかし新幹線の建設にあたって画期的な一つのケースが出たことは間違いない。私はこれを高く評価をいたします。あたりまえのことだといえばあたりまえでありますけれども、少なくとも新幹線の線路を中心にして二十三メートルのグリーンベルトと道路ができるというようなことは、私どもが長く希望していて実現できなかった夢の実現であり、しかしこれで十分だとは私も思っておりませんけれども、ぜひこのケースは前向きで検討をしていただいて、たとえば北九州市楠東地区ではこういうことをやりましたということで、これからの難問題に対処をいただきたいと実は思うわけであります。大臣と総裁から具体的に、私のところへさえこういうものが手に入るくらいに覚え書きが交換されておるのです、これを新幹線建設の位置づけとしてどう評価するか、ひとつ御見解を承りたい。
#69
○丹羽国務大臣 ただいまは新幹線の騒音公害につきましてるる具体的な事実につきまして御質問をいただいた次第でございますが、新幹線の騒音公害だけに限りません。高速輸送機関についての騒音公害というものはいま非常に問題になっておる次第でございます。私どもも、そのせっかくの高速機関を利用するということによりまして、御承知のとおり生活圏の範囲を拡大する、国土再開発についての必要性ということの反面におきまして、地元住民のお受けになる日々のそのために起こる騒音公害に対する御苦痛ということは十分拝聴しておる次第でございまして、これに対する処置をいかにするかということがこれから非常に大きな問題になる。公共事業を進めてまいります場合におきまして、それらの反射的作用として受けるいろいろの障害というものをいかに解決するかということは、今日叫ばれております環境保全とともに、私どもの一番大きなこれからの問題であろう、こういうふうに思っておる次第でございまして、私どもも常に運輸行政の推進の立場からいたしまして、工事の施行にあたりましてはやはり地元の住民の皆さんの御納得を得る、コンセンサスを得るということが一番重大であるということ、またいまお話がございました、できるだけ日常生活に支障にならないように万全の措置を講ずるということがこれからの一番大切なことであるというふうに思っておる次第でございまして、国鉄の技術陣も総動員をさせまして、それらにつきまして日本の公共事業というものはここまで進んできたかというふうに将来は持っていくように努力をさせるつもりでございますので御了解を願いたいと思う次第でございます。
#70
○磯崎説明員 ただいまの北九州市の話も私は聞いておりますが、いろいろ新幹線の建設にあたりましてのそういった問題につきまして、私どもなりの主張もございますが、やはり都市全体としての再開発あるいは住民の生活に不安を来たさないという意味で、新幹線の誘致をされ、ぜひ新幹線を自分の町につくれというところでは、ぜひ都市計画あるいは都市再開発をしていただきたいと思うのでございます。そこのあれにもございますとおり、私のほうとしては新幹線の建設事業でもって建設大臣からいただいておるのは、新幹線のエリア、幅と、それに四メートルしかないわけであります、それから先のことは私どもとしてどうしても力の及ばない点でございますので、やはり都市計画の一環として建設省と私どもと一緒にやってまいりたいと思います。そのいい例として広島の府中町の例でございますが、これは国道の上に新幹線を乗せてもいいという非常に異例、と申しては失礼かもしれませんが、そういうことも徐々にできつつありますし、私どももたとえば東北新幹線をつくるときも、なるべく東北縦貫道と東北新幹線とが一緒に使えるとか使えないとかいうようなことも申しております。国鉄は非常に力が弱くてなかなかそういうことができませんが、建設省の道路局、都市局等の御協力があれば相当程度、いま先生の話しのような話はできると思います。私どももできるだけそういった方面に連絡をいたしまして、そうして二重に土地を取ることのないように、また道路が自然に新幹線の緩衝地帯になるようなことにすれば一番地元にはいいことだと思いますので、十分建設省との連絡をとりまして、今後そういったことを進めてまいりたい。いまの北九州市にいたしましても結局建設省がうんと言わなければできないことでございますので、十分建設省のほうにもいろいろお願いをいたしたい。市のほうから話も建設省に上がっておるように聞いておりますけれども、そういう方面でできるだけ政府部内で話をまとめていただきたいと思っておる次第でございます。
#71
○斉藤(正)委員 いみじくも総裁は国鉄は弱いのだというお話でございました。ほんとうのお気持ちを表現されたと思いますが、大臣、これは本来国鉄などがこういうことをやるべきではないのですよ。国鉄は安全堅牢な線路を国がつくってくれて、それから機関車も箱もつくってくれて、それを安全に、正確に、敏速に運営すればいいのですよ。こんなことまで国鉄に一々やらせるところに問題がある。国鉄は弱いかもしらぬけれども、運輸省は強いのですから、運輸省は当然大蔵あるいは建設省と積極的に話をしてあげるべきだ。あげるのじゃなくて、するのが運輸省の仕事なんですよ。こんなことまで国鉄にやらして、それは越権だとか、そんな銭はどこから出るのかとか、いびるのはいびるけれども、ちっとも援助しないというところに問題がある。総裁は雇われマダムじゃないのだ。国鉄の運営について全責任を負わされている。にもかかわらず、路線の建設に、こんなことまで苦労している。しかもこれを調印した国鉄下関工事局というのは、どんな思いで調印されたかと思う。そういうことを思うときに、もっと運輸省は国鉄のために、国民のために奮闘努力しなければならぬと思うわけです。
 そこでもう一つ、もう時間ですからやめますけれども、尼崎市東七松町一丁目二十三番一号、尼崎市長篠田隆義、大阪市北区大深町無番地、日本国有鉄道山陽新幹線工事局長佐藤康、山陽新幹線建設に伴う覚書、昭和四十四年六月二十四日というのがあります。これが通例見られる地方自治体と国鉄の約束ごとであろうと思うわけであります。しかし、これも画期的だと思われる面があるわけなんです。尼崎を甲とし、国鉄を乙としていろいろやっておりますが、特に「沿線の公害対策等」ということで、第四条があるわけなんであります。乙すなわち国鉄は、「新幹線沿線の住民、公共施設等に対する騒音、振動等の公害対策等については、地元住民、各関係機関等と十分に誠意をもって協議し、現機能を阻害しないよう適切な措置を講じるとともに、将来にわたり特別の努力を継続するものとする。」第五条「乙は、新幹線の工事期間中における公害防止ならびに治安および風紀の維持等については、地元住民、各関係機関等と十分協議し、地元に迷惑のかからないようあらかじめ措置するものとし、実害が発生したときは、遅滞なく補償等の措置を講じなければならない。」第六条「乙は、地元住民等から新幹線列車の運行により騒音、振動等の実害が発生した旨の申入れを受けたときは、遅滞なく実情を調査のうえ、一箇月以内に当該申入者に対し、公害対策、補償等について回答しなければならない。」「乙は、新幹線列車の試運転期間中においても、テレビ、ラジオ等の放送、電波障害については、実害の有無を調査し、実害の発生を認めたときは、すみやかに補償等の措置を講じるものとする。」これが尼崎市と山陽新幹線工事局長が交換した文書です。こういうものは経過市町村と山陽新幹線では漏れなく結んでいるのでありましょうか。
#72
○長浜説明員 これに類するようなことは市町村ともやっておりますが、全市町村と必ずしもやっているわけではございませんで、これと同じような考え方に立って解決をはかっておりますので、われわれの考え方をこれにあらわしておりますので、これを書面にしてほしいというような場合にはこういうことをやっておりますけれども、そうでない場合はやっておりません。したがいまして、全部にやっておるわけではございません。
#73
○斉藤(正)委員 いまお答えがありましたように、経過地点の全市町村と、気持ちはこういう気持ちでやっている、文書をほしいという場合には、こういう文書を締結しております、こういうお答えであります。私が問題にしたいのは、当然なことであるけれども、六条の1と2であります。「地元住民等から新幹線列車の運行により騒音、振動等の実害が発生した旨の申入れを受けたときは、遅滞なく実情を調査のうえ、一箇月以内に当該申入者に対し、公害対策、補償等について回答しなければならない。」なぜ、この山陽新幹線ばかりにやって、東海道新幹線は苦情を申し入れて五年にもなるのにほうっておくのですか。「一箇月以内に当該申入者に対し、公害対策、補償等について回答しなければならない」という国鉄の義務が規定されている。そしてまた、「新幹線列車試運転期間中においても」――本運転になればもちろんでありますけれども、「テレビ、ラジオ等の放送電波障害については、実害の有無を調査し、実害の発生を認めたときは、すみやかに補償等の措置を講じるものとする」、当然なことでありますけれども、これだけ具体化されているのに、すでに発生をし苦闘している東海道新幹線等に対しましては、何をやったというのですか。何をやろうというのですか。何もやっていないといって過言でないと思うのです。この精神は東海道新幹線にも適用されますか。
#74
○長浜説明員 先生御指摘のように、東海道新幹線に対しましては確かにそういう点でわれわれとしては処置が抜けておりました。したがいまして、われわれとしてはそういうことではいけないということで、前年度からさっそく騒音、振動等のそういう苦情についてまず調査をし、それから補償その他を必要とする方についてはお話し合いをしなければなりませんので、そういうチームを新幹線総局の中につくりまして、それで現地の方方と御折衝を持って対策をとり、また新幹線総局の中にもそういう方面を担当する調査役も選任させましてそういう処置をとるようにしております。現在出動さしておるわけでございますが、なるべく早く各地区に回れるように処置したい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#75
○斉藤(正)委員 気象庁ではありませんので地震の震度についての知識がどの程度おありになるか、先ほど学校環境衛生基準でも御承知でなかったので、あるいはと思うのですけれども、国鉄新幹線の公害で振動がありますが、震度二という地震は、一般的にはどういうのが震度二だか、御存じですか。
#76
○長浜説明員 震度一とか二とかいうのと、それから振幅のミクロンとの関係につきましては必ずしも明確なる関係はないわけでございまして、ある程度の幅はあるのでございますが、ちょっと私、その数字をいま覚えておりませんが、そういう関連はおおよそつけられることは承知しております。いま私どもそういう参考資料を持っておりませんので御答弁はできかねますが、承知はしております。
#77
○斉藤(正)委員 震度二というのは、気象庁でいう軽震でございまして、大部分の人に感じ、戸障子がわずかに動く。これが震度二であります。震度三は弱震と申しまして、家屋がゆれ、戸、障子ががたがた鳴動し、電灯のようなつり下げものが相当ゆれ、器内の水面がゆれる、金魚ばちなどの水がゆれる。それが震度三だというのであります。この震度二ないし震度三程度の振動が沿線各地に続発していることは御承知でございましょうか。
#78
○長浜説明員 場所により、そういう新幹線の通過時点で、そういう人体への感じ方があるということを承っておることはあります。
#79
○斉藤(正)委員 震度四、中震というのがありまして、家屋の動揺が激しく、すわりの悪い花びん等が倒れ、器内の水があふれる、また歩いている人にも感じ、多くの人々が戸外に飛び出る。これが震度四で、中震であります。
 そこで、具体的に測量をした結果、震度二、三、四というようなところがあるわけであります。これはなぜそういうことを言うかというと、たとえば森田架道橋で、一日のうちに上り下りの「ひかり」、上り下りの「こだま」、これが間違いなく森田架通橋の上で交差するのが一回ずつあるのですよ。それから一分以内に上り下りが交差をするのが四回ほどあるのです。一分から二分の間にさっと通ったなと思うと次がやってくるというのが十数本あるわけです。この上り下りの「ひかり」あるいは「こだま」が同時に交差をするときは、たいへんな振動であり、騒音であるわけでありますが、二つが通るから倍になるかというと、そういうわけではありません。しかしこの震度二、震度三程度の振動はしょっちゅうあるわけであります。一日のうちに約十五時間あるいは場合によっては十八時間にもなることもありますけれども、震度二ないし震度三、場合によっては震度四というような地震が毎日襲来してくるということを考えたときに、総裁、そこへ一日お住まいになってみたらいかがでしょう。私は、そこへ住んでみ、そこで一晩寝てみなければほんとうのことはわからぬと思うのですよ。被害者がみんなそう言っていますよ。どうしても総裁なり運輸大臣に一ぺんうちへ泊まってほしい、そして騒音と振動を経験してほしい、こういうことを言っておるわけでありますから、私は何も誇張ではない、科学的にこういう事態があるということを実は申し上げたわけであります。
 時間がありませんので最後に……。私は、いまどき血判を押した陳情書などというものはあり得ないと思っておりました。先ほど差し上げた東海道新幹線を分析した名古屋の前田さんが、実は私のところへ血判を押してその文書をよこしたのであります。前田さんは騒音撲滅のために命をかけているというのであります。そしてまた私に言うのに、君には政治生命という命と本来的な命と二つある、少なくも騒音問題が前向きで解決の方向へ行かないような場合には、君の政治生命はそれで終わりだ、そのかわりおれも本来の命を断つと言ったのであります。大げさのように思います。場合によってはおどかしではないかとも思われます。しかしそれまでしてこの問題を考え、苦悩している方があるわけであります。私は、国鉄の再建のためにも国鉄のイメージを国民によい意味で理解をさせ、建設線はどんどん建設する、廃止線は、合理的な説明と納得の上で廃止をしていく。税金でつくった乗りものだから国鉄へ乗ろうじゃないか、こういう気持らを起こさせるためにも、少なくもいままでのような国鉄の態度ではイメージチェンジはできない。国鉄は国賊だと、先ほど差し上げた文書にも書いてありますけれども、私は、国鉄は国賊なんということばを使われては困る、縁あって運輸委員として所属をし、こうして誠意を披瀝をしてお尋ねをし、答弁をいただいている中で、いまの国鉄の新幹線騒音に対する、あるいは振動に対する態度は、改まりつつあるとはいいましても、きわめて不十分であると思うわけでございますので、この際ぜひ真剣に取り組んでいただき、国鉄に窓口ができたといいますけれども、出先の皆さんを呼んで各市町村が騒音対策で話し合いをたびたびやっておりますが、報道機閥の報道は、何と国鉄の無能無策、考えておきます、上司に伝えます、検討中であります、というようなことに終始をしておる。そしてまた悪いことに、国鉄というところは、どういうわけか知りませんけれども、工事を担当した建設業者にあらかたの責任を負わせておって、国鉄は容易に顔を出してこない。たとえば森田架道橋の防音工事をいつからどういう方法でやって、いつ仕上がりますなんという説明は、みんな請負った工事者がやるのであります。国鉄は出てこないのであります。このことは、ほとんどすべてにわたってそういうシステムがとられておる。過日山陽新幹線工事で貴重な命を失った皆さんのための扱いについて、やはり分科会でお尋ねがありましたけれども、いずれもみんな請負った組の責任で対処をしておるのであって、国鉄は、極端なことを言えば、花輪一本、線香一本も贈らないと言っても過言でないと言うのであります。私は、そんなに冷淡ではないと思っておりますけれども、そういうことが住民感情をきわめて刺激し、悪い方向へ走らせておることも事実だと思うわけであります。
 そこで最後に山形さんに伺いたいと思いますけれども、環境庁が、中央公害対策審議会の特殊騒音専門委員会(楠本正康委員長)に三月二十八日、新幹線騒音の環境基準作成のため、東海道新幹線で最も騒音公害が大きいといわれる静岡県浜松市森田町の森田架橋の現地調査を行なわせた。そうして楠本正康委員長は、「森田架橋の場合、騒音も一〇〇ホンを越え、振動も激しく人の住める状態でない。新幹線公害は防音対策に技術的限界があり、二〇ホン前後下げるのが精いっぱい。道路騒音の環境基準はすでに閣議決定し、航空機騒音も暫定基準ができているので、残った新幹線騒音についても近いうちに暫定基準を作成し、ことし中に環境基準を決定したい」と語った。また新幹線の環境基準のアウトラインについて「人の住めるところを走る以上は道路と同様に考えて、道路の環境基準と同様に六五ホンに近い線になると思う。技術的に六五ホンが無理な場合は新幹線の路線を変更したり、地下新幹線についても検討したい。達成には五年程度の余裕期間を見込むつもりだ」と語った。道路並み六十五ホンを一応考えている。しかし、いろいろ問題がある。無理な場合は新幹線の路線を変更したり、地下新幹線についても検討したい、こういうことを言われました。
 楠本委員長の調査団長としての発言でございますから、私は即環境庁の見解とは思いませんけれども、この態度、この数字は傾聴に値するものだと思い出す。しかし、実現不可能なことを言っても、つくっても、これは容易ではない。しかし、いままでの道路騒音あるいは環境基準、特に航空機騒音基準等々の作成にあたって環境庁の取り組んだ姿勢は、私はあたりまえのことでありますけれども、これを評価をしております。ぜひこの楠本委員長の発言の線で御検討をいただきたいというように思うわけでありますけれども、お尋ねしたい第一点は、暫定基準の拘束力。暫定基準であっても拘束力はあるのかないのか。本基準が出た場合に、それをオーバーするものに対しての環境庁の態度は一体どういう態度で臨まれるのか、見解のほどを伺いたい。
#80
○山形政府委員 初めの第一点の暫定基準の問題でございますが、これは先ほど政務次官が航空機騒音のときにお答えいたしましたとおり、一応地域によって、被害の著しい地域について何らかの対策ということで緊急対策を講ずることにいたしまして、それに対し運輸省当局非常に積極的に取り組んでくださっております。したがって、次の御質問の本基準にいたしましても、これは法律行為そのものではございません。しかし、あくまで緊急対策、あるいは環境保全、健康被害というこれを、環境庁の公害基本法のもとにございますように、これらを何とかなくして本来の環境保全をはかりたいという趣旨でやっておりますので、もしそのような、オーバーすることが何回もございますような事態が出てまいりましたら、これはやはり勧告権その他いろいろございますので、そういった面で実視をはかるよう、運輸省と十分相談してやっていきたい、こういう考え方でございます。
#81
○斉藤(正)委員 繰り返し大臣と総裁に、お尋ねと同時に要望をするわけでありますが、私は、国民の国鉄という立場から、新幹線であろうと地方閑散線であろうと、これは国民がどう考え、どうそれによって恩恵を受けているかという視点に限って考えるべきだ、そういう立場からいたしますれば、私は、間もなく暫定基準もでき、本基準に移っていくといういまの情勢の中で、すでに発生している新幹線公害、特に騒音、振動対策は焦眉の急務だと思う。したがって、場合によっては全面移転も補償しなければなりますまい。あるいは防音住宅の建設にも取りかからなければなりますまい。あの自衛隊ですら、基地周辺の電話については防音工事をやって、爆音から電話を守っている施設を防衛施設庁がやっているのですよ。まして、ラジオ、テレビの難視聴等については、すでに国鉄もつばはつけておりますけれども、まだまだ不十分ですよ。こんなものは何ほどでもない。しかも、いますぐ金がかからなくてできるのは激甚地のスピードダウンだということも私は提案をしたわけであります。これらをひっくるめて環境庁の暫定基準持ちだというようなうしろ向きな態度は許されないと思う。環境庁といえども、実現不可能なことをきめようと思っているのじゃないと私は思うのです。裏でも表でも、国鉄なり運輸省と十分協議連絡の上、暫定基準も本基準もきめると思う。しかし、国鉄や運輸省が国民の側に立たなければ、その基準は後退するでありましょう。被害者の立場に立てば、その基準は前進するでありましょう。いずれにいたしましても、この苦しみにあえいでいる被害者は、新幹線さえ通らなければこんなことはなかったのですから、新幹線が通ってこういう結果になったことを思うと、因果関係は、起業者である国鉄であります。責任は国鉄であります。そういう意味で、今後のすべての国鉄の業務運営の上において、特に新幹線、新新幹線建設のために、いま決意をして具体的な対処をしなければ、再建計画は全く御破産になってしまうということを意見として申し上げながら、決意のほどを御両所から伺いたいと思います。
#82
○磯崎説明員 今朝来からの先生のいろいろな御質問、御意見、たいへん貴重なものとして私拝聴いたしておりました。私のほうといたしましても、申し上げましたとおり、これからの企業というものは公害をどう減らすかということが人命尊重と同じ意味で大事なことであるということを肝に銘じて、私どもの技術者その他全般的に考えておりますので、いままでの御意見の御趣旨を十分体しまして、今後の仕事を進めてまいりたいというふうに思う次第でございます。
#83
○丹羽国務大臣 一々具体的の事例をあげまして、ほんとうに国民の苦痛を御指摘いただきまして、私もそのとおりと思う次第でございます。国鉄は何と申しましても国民の国鉄でございます。国民のために国鉄がこれからも発展をしていかなくちゃいけないということでございます。いま一番の問題は、やはり騒音公害の問題、これが建設上一番大きな問題になってきていると思う次第でございまして、ただいまの御質問の御趣旨を体しまして、早急に前向きに討検さしてまいりたい、こういうように思う次第でございます。
#84
○斉藤(正)委員 終わります。
#85
○小峯委員長 二時十分から再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後一時二十九分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時二十二分開議
#86
○小峯委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。宮井泰良君。
#87
○宮井委員 私は、最初に委員長に聞いておいていただきたいことがございます。この国鉄運賃法の審議といいますのは、国民の最大の関心事であります。注目をいたしてもおりますし、公共料金等の値上げにより諸物価に与える影響というものは深刻なものがあり、もちろんその他にもいろいろ理由はございますけれども、そういった諸物価に影響を与える値上げというものは断じて認められない。後ほど、ゆっくり御意見を伺いつつ私の意見も申し上げますが、もちろん国鉄再建と申しますのは、国と国鉄と国民の三者が一体となってこれを進めていくということは、基本的に了承いたしておるわけでございますが、あくまでも慎重審議をしていかねばならないということは、国民に対する義務であります。慎重審議ということについて理事会等でも再三にわたりまして申し合わせをされておるところでございます。そこで私も国民の立場に立ちまして大いに論議をしたい、かように考えて今日まで取り組んでまいったものでございまして、時間を制限するとかいうことはないと思いますが、そういうことなしで、私の納得のいくまでの質疑を認めてもらいたい、これを最初にお願いするものでございます。
 そこで、本論に入りたいと思います。先ほども申し上げましたが、私どもは、今回の運賃値上げというものは政府において既定方針どおりであるというようなこと、あるいは物価や他の交通料金に値上げをもたらしていくというようなこと、あるいは私鉄運賃との差が拡大していくというような問題、またそれによって国民に還元するものは何か、はたして国民に対してこたえていくものはあるのか、国民不在の運輸行政ではないかといったいろいろな意味で、今回の値上げというものは妥当ではない、こういう基本姿勢を持っておるわけでございます。そこで政府もしっかり援助をして――今日までは国鉄は国鉄で独立採算制をもってやっていくのだ、一人立ちでいきなさいと、何の援助もなかったということも承知しております。ことしあたりは多少援助をいたしておるよりでございますが、今日まではそういったことであった。したがって、国はこのように努力しましたあるいはまた国鉄の企業努力、国鉄がいつも使われているような赤字が幾ら出たって倒産することはないのだ、そういうことはだれも思っておられないでしょうし、国鉄の幹部の人でそういうことを考えている人はないと思いますが、そういうふうに見られがちである。あるいは未利用地の問題もありますが、これから私がいろいろと質問していく中で、国鉄が企業努力という点ではたして国民にこたえておるかどうか、端的にわかりやすく言えばそういうことであると思います。だからといって、国鉄がつぶれていいわけではないわけでありまして、国鉄自身がほんとうに国民の足としてしっかり立ち直って、公共的な立場から国民に奉仕をして、喜んで国民も利用していくということを基本的には望んでおるわけであります。
 前置きが長くなりましたが、そういったことでまず国鉄の企業努力というものをお伺いしていきたいと思っておりますが、国鉄はいま大きな赤字をかかえて苦慮されておるわけでありまして、その赤字を企業努力によってできるだけ穴埋めしていこうと日夜努力なさっていると思います。またその努力もさることながら、それだけ膨大な赤字をかかえているのですから、できるだけ経費は節約していこう。たとえば、資材の購入にしても切り詰めてむだなことはしない。管理者も一般職員も一丸となって国鉄の立て直しに取り組んでいくというのがいまの同鉄の姿勢であろうと私は考えておるわけであります。いまどきは一流会社に参りましても、鉛筆一本から紙一枚に至るまでむだには使わない。書類の不要なものは裏もメモ用紙に使ったり、電気などはできるだけ節約して、会議などしていない部屋は消しておく、そういった涙ぐましい努力をしてむだを省いておる。もうかっておる大企業ですら、一流会社ですらそうして今日のドル・ショック、経済不況というものに立ち向かっていこうという姿勢があるということを伺っておるわけでありますが、国鉄はその点日ごろからどのような基本的な考えで取り組んでおるのか。
 その前に、大臣からはいま申し上げました私の基本の考え方について、政府の努力というものがはたして国民にこたえておるかというような点、そして総裁には、ただいま私が言いました国鉄の現在の基本的な、取り組んでおられるその節約と申しますか、経費の切り詰めというふうな点で、このような姿勢でやっておるし、また全員に徹底しておるというふうなことを、ひとつ国民の皆さんに向かって答弁するつもりでお話を伺いたいわけであります。
#88
○丹羽国務大臣 国鉄に対して政府として十分いろいろの施策を行なっているか、こういう御質問と拝承した次第でございますが、国鉄はいわゆる陸上交通輸送の中心を占めておりまして、旅客、貨物におきましても、大体におきまして独占と申そますか大部分を占めておりますころにおきましては、政府の施策を待ちませんでも国鉄自身だけの努力で十分まかなえたことは先生御承知のとおりであります。その後社会構造の変化、人口の著しい移動によりまして、そういった輸送事情が非常に違ってまいりまして、それなりにそれに対応する国鉄の適応性その他の点におきましていろいろの困難な問題が生じてきました。そのつどそのつど政府といたしましては努力あるいは施策を講じてきた次第でございますが、その状況が非常に著しくなってまいりました今日におきましては、いままでのそういったような施策だけではとても及ばぬということになってまいった次第でございます。したがいまして、四十四年、皆さまの御審議をいただきまして再建促進法の御成立をいただいた次第でございますが、その後も事情が非常に変化をしてまいりましたので、与野党一致で皆さまで小委員会をおつくりいただきまして、国鉄につきましての特別のいろいろの御意見、御示唆の御提示を願った次第でございます。それらを踏まえまして、政府といたしましては、これからの国鉄をほんとうの国民の足としてその使命を達成せしめるためにはいままでにない思い切った助成措置に出なくちゃいかぬということでございまして、いろいろ見方はございますが、私どもの見方といたしましては、現在の財政規模におきましてはこれがぎりぎりではないかというだけの助成を本年度、四十七年度におきましてはいたしまして、先般も予算の御審議を願い、また今日御審議を願っている次第でございます。また向こう十年間におきましてもそれぞれ政府としては最小限度これだけはぎりぎりの線という線もはっきりときめまして、そうしていま御審議を願っている次第でございまして、こういったような姿におきまするところの国鉄の財政再建に対する政府の姿勢というものはいままでよりはるかに飛躍した、いわゆる佐藤総理の所信表明に盛られておりますような発想の転換の一つのあらわれといってもいいほどの今回の再建促進法案と私は思っている次第でございます。これにつきまして、いまいろいろ御批判を仰いでいる次第でございますが、私どもといたしましては、そういう観点で今日御提出をいたしまして御審議を仰いでいる次第でございます。
#89
○磯崎説明員 創業以来百年を経ました国鉄が、しかも非常に交通革命のあらしにさらされまして、何とかしてここで再建しなければならないという重大時局にあたりましては、ただいま先生がおっしゃいましたとおり、外からの御援助を待つだけではもちろんいけないので、まず中自体、国鉄自体の企業努力がなければいけない、これはもう当然のことであると思います。その国鉄の企業努力の根本といたしまして、国鉄に対する愛情とそれから国鉄を利用してくださる方々に対する真心、この二つが私は国鉄再建の基調になるというふうな信念を持っております。これを具体的に申しますれば、事故の防止であり、あるいは収入の増加であり、あるいは経費の節約であるというふうに考えるわけでございます。重点をその三点にしぼりまして、私ふつつかではございますが、三年間責任者の地位にありましてやってまいりましたが、まだまだ十分でない点を非常に反省しておる次第でございます。考え方としては、最重点に国鉄自体の合理化ということを考えるべきであるという点につきましては、全く先生と同意見でございます。
#90
○宮井委員 大臣のお話も伺ったのですが、今回は財政的には非常に切り詰めた、もうぎりぎりの線で大幅に援助をしておるということは答弁があったわけですが、私が質問をしました中で、いままで国鉄がこういう傷を負って――大体病気でいいますと傷を負って早期発見をしますと胃ガンでも何でも治療いたしますとすぐ回復する。しかし、国鉄というものは前々からそういったいわばからだでいえば傷がついておるということはわかっておりながら、それを治療する立場の国というものが放置しておったために、もういまとなっては手おくれだ、極端にいいますともう回復の見込みがないようなところまできてしまっておるということが一般的な議論としていわれておるわけでありまして、なぜ政府として今日にくるまでにもっと適切な処置がとれなかったのかということが、大臣の答弁ではなお疑問が残るわけでありまして、その点をいま一度御答弁をいただきたいと思うものであります。
#91
○丹羽国務大臣 確かに御指摘いただきましたように、過去におきまして政府の補助、助成が足りなかったのじゃないかということは、いまこのままほうっておきますると償却前の赤字が千七百億以上にものぼるというような観点から思いますると、そう御指摘をいただきましてもこれは当然と思う次第でございますが、その時点におきましてはやはりそれだけの政府管掌債につきましてたな上げをする、ある程度の利子補給をする、ある程度の出資をするということでやっていけるという見込みでやったと思う次第でございます。その見込みが違っていたということは申しわけない次第でございますが、政府といたしましてはその時点におきましてはやはりそれである程度いけるのじゃないか、こういうふうに思ったと思う次第でございます。しかしそれが事志と違いまして、起こった次第でございますが、私は先生から御指摘いただきましたように、政府、国鉄、そうして国民の三者が一体となって、そうして御協力をいただきましたならば、私は決して国鉄の再建はむずかしいものじゃない、こういうふうに考えておる次第でございまして、ただいま総裁からも御答弁ございましたが、企業努力の点につきましても十分改善をし、私どものほうの助成策といたしましても、十分前向きの姿勢でもって取り組んでいく、そうして国民の御協力によりまして、ぜひりっぱな国鉄にしたい、これがやはり国民のためである。率直に申しまして、鉄道の経営につきましては、先生御承知のとおり、諸外国とも非常に経営困難になってきた。これは設備投資その他の点につきまして、よその輸送形態その他と比べまして非常にむずかしくなってきていることは御承知のとおりでございまして、いま鉄道を発展せしめようというところは、もうすでに先進国では非常に少なくなってきている次第でございます。しかし日本の国鉄は、幸いにして七年前に新幹線を敷設をいたしました。いろいろ午前中の御質問にもございました公害の問題、もちろんこれは克服していかなければならない問題でございますが、それらの点につきまして、新しい使命といいますか、鉄道としての特性を十分発揮し得るという点を出したことは、これは欧米の諸国と比べまして非常に大きな特徴だろう、私はこう思っている次第でございます。
 それゆえに、今回もいろいろ積極的な施策を講じまして、そうしてこれからの施策によりまして国民の足としての使命を十分達成することができる、陸上交通における国鉄の使命はますます意義が大きくなる、こういうふうに考えている次第でございまして、そういう点につきまして、今回は再建促進法案、運賃改正法案を同時にあわせて御審議を願っている次第でございます。
#92
○宮井委員 ただいまの大臣のお話ですが、今日の国鉄がここまで深い傷を負ってしまったということについては、政府も一生懸命努力をしておったのであるけれども、見誤りがあったことは遺憾に思っておる、そういう点は率直に認めるということでございますので、まあ多といたしますけれども、そこで、それでは今後どうなんだということが国民の率直な、素朴なあれとして出てくると思います。今日までもそうした国のやり方が誤った点もあったということでありますと、ここで審議しておるこの国鉄財政再建促進の法律、値上げ法案というようなものが、国民に対してサービスの向上、あるいは国鉄もそれで立ち直っていくというふうなことがはたしてこの目標まで完遂できるのか。わが党の松本委員の質問で明らかになりましたことは、昭和五十六年までに三回の値上げが既定方針になっておったようでありますが、それが実は四回も値上げをすることになっておるというふうなことが明るみに出てまいりましたりいたしますと、ほんとうに政府はそれだけのものと取り組んでいけるのか、ほんとうに約束できるのですかということが率直な意見であろうと思いますので、運輸行政の最高責任者としての運輸大臣の、将来を見通しての確固たる御答弁を私はいただきたいと思うのです。
#93
○丹羽国務大臣 再三お答えをいたしておりますように、三回の値上げ、これは一応の試算でございます。御承知のとおり、ただいまも御審議を願っておる次第でございまして、ほんとうに値上げが実施できるかどうかということは国会の御審議を待たなければきまらない次第でございます。一応の試算といたしまして、三回の実質一五%値上げ、それで最後の年の一〇%値上げということによりまして、償却後においても黒字になる。償却後黒字になって、それが続いてまいりますれば漸次健全財政になってくる、再建もできる、こういう見通しをもって御審議を願っておる次第でございます。
#94
○宮井委員 どうかその点を、国民のために政府は本腰を入れて取り組むという点を要望いたしておきたいと思います。
 総裁からは、まず国鉄自身が企業努力をしていかなければならないという基本姿勢の御答弁がありましたから、それで多といたしますが、繰り返すようでありますけれども、国鉄の財政再建推進会議の意見書によりますれば、三本の柱として、一つは国の責任、二つ目は国鉄の合理化、三つ目は利用者の負担、こういうことでございまして、特に二つ目の国鉄の合理化、企業努力ということは節約、私が言いましたこのことにも通じる、このように考えておりますが、赤字をかかえておる国鉄としては当然と私は考えておるわけでありまして、この点を重ねてお伺いをいたします。
#95
○磯崎説明員 先ほども申し上げましたように、私どもの企業努力の内容といたしましては、事故を撲滅する、これは当然なことだと思いますが、その次には、収入を確保する。それからいま先生のおっしゃった、経費を節減する。これは同列にくるべき問題であるということを確信いたしております。
#96
○宮井委員 そこで具体的にお話を伺いたいと思いますが、国鉄の資材の購入、これは年間総額幾らくらいになっておりましょうか。
#97
○小林説明員 お答えいたします。
 国鉄としての資材の購入総量でございますが、全体といたしまして四十五年度の実績で申し上げますと、千八百七十五億円に相なっております。四十六年度の見込みでは約二千二百億程度、かよ一な内容でございます。
#98
○宮井委員 四十五年度で千八百七十五億、四十六年度で二千二百億をこえるということですね。相当ばく大な金額であります。そういった物資の引き下げというか、できるだけそういったことにも努力して、国鉄総裁のおことばからいたしましても経費の節約に相当の努力をされてきたと思いますが、その点、具体的な数字といいますか、どのように努力してきたか、お伺いしたいと思います。
#99
○磯崎説明員 品目別にはもしお尋ねがございますれば、おもな品目について申し上げますが、全体の考え方といたしまして、やはりまず資材の値段が安いこと、それから製品と申しますか、材質のいいこと、この二つが問題になると思います。安かろう悪かろうではいけないので、やはり信用のある、しかも輸送の安全に面接間接に関係する資材等が多うございますから、そういう意味で良質な物を信用のあるものから買うということも非常に大事なことであるというふうに考えます。
 なお、資材の購入のいたし方につきましては国鉄法並びに日本国有鉄道法施行令等によりまして詳細に購入のしかたが決定されておりますので、御質問がございますれば、担当者からそれについて御説明申し上げます。
#100
○宮井委員 お答えでは値段が安いこと、そしてさらに品質がよいこと、長質のものを信用のあるところから買うという、こういう御答弁であります。それは了解いたしまして、それが事実であるならばまことにけっこうな話であります。経費節約にも努力されておる、そういったお話で、また安いものを、よいものを買っていくというふうなことでございますので、それが事実ならけっこうなんですが、私の調査によりますとどうもそういう点の形跡がない。足りないんじゃないかということがありますので、残念に思っておるわけであります。これはあるいは一つの単価としては非常に安いものかもしれませんが、多量に購入するということになりますと膨大な金額になっていくと思いますのでお伺いしますが、国鉄の官舎とか宿舎、そういうところへ納入するところの一つの具体的な例をあげるほうがわかりやすいと思いますから、たとえば畳などはどのくらいの値段で買っておられるか、その点をお伺いします。
#101
○長浜説明員 国鉄の宿舎とか、あるいは現場の機関のキャビンだとか、あるいは駅の駅務室あたりの休養室ですね、そういうところの畳等の取りかえにつきましては、これは主として工事で仕事を行なっております。それで工事の中で、資材は業者持ちということでその工事を行なっております。その積算の中に資材なり労務費なりを積算いたしまして、全体の価格として入札をいたしまして、その中で業者が調達をして、それを現地に布設する、こういうかっこうになっております。
#102
○宮井委員 私は幾らくらいで購入しているかということを尋ねておるわけであります。
#103
○長浜説明員 その請負につきましては、その工事を積算いたしますときに、現在先先御承知のように建設物価調査会から発行しております「建設物価」という本がございます。あるいはまた経済調査会出版部の発行しております「積算資料」という本が毎回出ております。その両者の資料に基づきまして価格を算定しております。正確な数字を私いま持ち合わせておりませんけれども、二千二、三百円じゃないかというふうに思っております。
#104
○宮井委員 正確な数字がわからないということでありますが、それでは地域を限定しまして大阪鉄道管理局管内においては幾らくらいの値段で購入しておられますか。
#105
○長浜説明員 先金御指摘のように地区によって変わるわけでございまして、大阪の地区においては現在二千三百円という物価版によりましてわれわれ査定をしております。
#106
○宮井委員 大阪鉄道管理局管内の一枚の畳の購入の価格は二千三百円と、こういうお話であったのですが、私の調査とちょっと違うわけであります。私の調査によりますと、国鉄だけではなしに、全部の官庁その他ここに資料がございますが、申し上げますと、大阪造幣局が二千百円、関西電力南支店が二千五百円、関西電力京都支店が二千五百円、大阪市建築局が千九百六十円、水道局が二千百円、大阪の土木局が二千百円、大阪府住宅供給公社で二千二百五十円、中央電報局が千六百円、大阪府住宅建築局が千七百九十円、ところが国鉄は三千三百四十円、千円も高いものを購入しておるという事実があるのですが、それはどうです。
#107
○長浜説明員 先生ももちろん御承知のように、畳表にもいろいろ種類がございます。それから畳のへり、それから床にもいろいろ種類がございまして、表はたとえば一枚当たり何キロ、床につきましては何級品というようなことで指定をいたしまして、その種類によりまして私たちは、これは各官庁ともこの建設物価版あるいは積算資料というものを使いましての積算をやっておるわけでございまして、この資料に基づきまして二千三百円というのを大阪では、表は一枚当たり一・四キロでしたか何かの、そういう標準の種類を使っております。また床につきましては大体二級品というようなことで積算をいたしております。それは畳のいわゆる蔵出しの値段でございまして、それにそれからの運搬その他の諸経費、それからそれをもちろん御承知のように切ったりあるいは縫ったりしながらの畳としての部屋に合わせる作業、あるいはその他の管理費、そういうものを全部積算いたしまして価格を出しておるわけでありまして、なお価格の出し方につきましては、これは労務費もいろいろ各地区によっても違うことも御承知であります。そういう畳屋さんの労務賃その他につきましても、われわれとしては三省、すなわち建設省あるいは運輸省あるいは農林省その三省がいろいろ協議をして協定をされましてお値段をつくっておられる労務単価、それを各地区で国鉄がそれらのものを採用いたしまして、それを使っての積算をするわけでございます。またその積算の方法といたしましては、これは先生もすでに御承知だと思いますが、国鉄部内に臨時工事積算室という部局をつくりまして、十年来そこでその工事の万遺漏のないように積算をしておりまして、この積算室で毎年いろいろ検討しながら改善を進めて、その積算要領に奉づきまして、現地ではただ単にその地方の労務単価あるいは物価版等によります資材の価格をその中にはめ込みまして積算をしておる、こういうかっこうでやっておるわけでございます。
#108
○宮井委員 私はそういうあいまいなことを言っているのじゃないのでありまして、もうこういう関係者の人はよく知っております。それで、これは私が一人言っておるのじゃないのです。ここに新聞がありますが、ここにちゃんと価格が出ておる、「たたみしんぶん」に。請負価格と新畳一枚で千円近い差がある。これではいけないというて、業者がやはり低い水準だ、官公庁への働きが必要であるとして――これは「たたみしんぶん」にちゃんと出ております。二千三百円というそれが事実としたって、大阪造幣局より二百円も三百円も高いお金になっておる。そういう千円も違うような畳を、先ほど国鉄総裁が言うたように、節約をする、企業努力をする、そういうことからしてもなぜこんなことをせねばならないかということです。事は小さな問題であろうけれども、全金額からすれば膨大になってくる。そういうことを大阪の市民が、国民が見て、国鉄は赤字だ赤字だと言っておるのになぜこんなことをするのでしょうか、国民はみんなそう思っているのです。どうなんですか。
#109
○磯崎説明員 私は、その大阪の畳の値段は存じませんが、これは官庁によっていろいろの仕事のしかたがあると思います。私のほうも昔、以前は私のほうの部内に実際に畳を扱う職人がおり、あるいは水道を扱う職人もおったわけです。それでほとんど直営で仕事をしておりました。そのときには畳を買ったわけでございます。しかしながら最近はそういう連中が全部いなくなりまして、そして工事として畳を取りかえるという工事を出しておるわけでございます。したがって、それは一枚当たりにすれば、材料費と加工費ということになるわけでございますが、しかしほかの役所、いま先生が御指摘になったような役所はどういう仕事のやり方をしておりますか、その点は私つまびらかに存じませんが、その仕事のやり方並びに買い方そのものにも、あるいは先生のおっしゃったように問題があると存じます。したがって、私どもといたしましては、今後ともそういうことのないように、そういうたとえ小さいものであろうと何であろうと、極力そういうものは、これは安全に関係のあるものではありませんので、極力安く買うということに全力を尽くす。また材料費と工賃を入れましてもなるべく安くやるということに力を注ぐということを申し上げておきます。
#110
○宮井委員 これは先ほども言われましたが、表とかいろんな……(発言する者あり)委員長、不規則発言を禁止してください。それでないとできません。
#111
○小峯委員長 静粛に願います。
#112
○宮井委員 表とかいろんなことを先ほどおっしゃったのですが、それは私、全部知っているのです。この資料によると、国鉄の発注によると、すべて上げ縫いにしなさい、こういう指示になっておる。それじゃ上げ縫いというのはどういう意味ですか。
  〔発言する者あり〕
#113
○小峯委員長 静粛に願います。
#114
○長浜説明員 申しわけございませんが、私存じません。
#115
○宮井委員 それじゃ先ほどから、存じてないのなら、上げ縫い、上表とかいろんなことを知ったように言わないでもらいたいということを私は言いたい。これは昔の別荘に使うのと一緒なんです、上げ縫いということは。これは資料によりますと、最高級品の仕事の意味なんです。別荘に使うものなんです。わかりますか。国鉄が率先して汗水を流し、再建に取り組んで、一丸となっていかねばならないときに、国民感情として、その宿舎用に別荘の畳を使っておるというこの感覚はどうでしょう。国民感情として許せない。これはどうですか。
#116
○長浜説明員 さいぜん申し上げましたように、私はその件につきまして存じなかったのでありますが、いま先生おっしゃるような点の問題がございますので、十分私たち調査いたしまして、よろしく先生の御指摘のような方向に持っていくようにしたいと思います。
#117
○宮井委員 調べなくてもちゃんと私が資料を持っていますから、なにならお見せしていいです。ここにちゃんと資料があります。
 そこで、それじゃそういう点をひとつよく改善する――総裁からも一言。
#118
○磯崎説明員 もしそういう身分不相応なぜいたくをしておるとすれば、即刻改善いたします。
#119
○宮井委員 大臣は、先ほどからの私と国鉄のこのやりとりを見られておって、どういうふうに感じておられますか。
#120
○丹羽国務大臣 私も、よく具体的のことを存じていない次第でございますが、やはり耐久力その他の点でどういうことがあるか、いろいろな問題があろうかと思う次第でございますが、いま総裁が答弁申しましたとおり、身分不相応なところがございましたら、これは当然直すべきが当然である、こういうふうに思っておる次第でございます。
#121
○宮井委員 それではよく調査をして、国民の前に明らかにしていただきたいということを、これ以上お尋ねしても、答えられないと思いますから、要望をいたしておきます。
 それで、このような畳というものはどういう会社から購入されておるか。この点をお伺いいたします。
#122
○長浜説明員 会社につきましては、工事でいたしますので、その工事をやります会社でございますが、工事をやるためには、国鉄の工事のやれる資格を持ってもらわなければならないわけでございまして、その資格を持ってもらうために、たとえば建設大臣の諮問機関として中央建設業審議会がございますけれども、国鉄も総裁の諮問機関として請負業者資格及び指名中央審議会というものを十数年来、部外の先生方を中心にしてつくっていただきまして、そこで業者の資格の認定をやっておるわけでございます。その審議会で認定をしていただきました業者が大阪――いま先生、大阪のお話でございますので、大阪で申しますと、約十二社ございます。
#123
○宮井委員 十二社の名前をおっしゃってください。
#124
○長浜説明員 資格を持っております内装工事につきましての大阪の業者の名前を申し上げますと、KK大阪川島商店、KK今西商店、関西畳工業KK、KK岩脇商店、大鉄工業KK、近畿製畳KK、KK案山子屋、森長木材工業KK、KK堀田公商店、西田産業KK、神畑産業経済KK、日本営繕KKといったような十二社がなっております。
#125
○宮井委員 それでは、あまり膨大なことを言ってもお答えになれないと思いますから、四十六年度に仕事をした――もちろん、まあ畳以外のガラスとかあるいはベッドとかいうような業者が、指名入札と公開入札というのがあると思いますが、どういう会社が仕事をしたかということをお伺いします。
#126
○長浜説明員 入札方式に公開入札と指名競争入札、この両方があること、御承知のとおりでございますが、日鉄法並びに施行令によりまして、こういう業種の三百万以上の工事につきましては公開競争入札をする。それ以下につきましては指名競争入札をするということになっておりまして、その業者のそれぞれの参加件数と回数と落札回数を申し上げますと、まず公開競争入札のほうに参加しておりますのは、そのうちの十社が参加しておりまして、公開競争入札が四十六年度に六件ございます。六件に対しまして十社が全部参加しております。したがって、六回ずつ参加しておることになります。
 落札いたしましたのは、近畿製畳KK、これが一回落札しております。ついでに金額を申し上げますと、約八百万ぐらいの工事でございます。それから日本営繕KK、これが四回落札しております。これが約千八百数十万という金額になっております。それから西田産業KKというのが六回やはり参加して一回とっておりまして、約三百数十万という金額になっております。その他の七社は六回参加しておりますが、落札はしていない結果になっております。
 それから指名競争入札につきましては、これは三百万以下でございますが、日本営繕が四回指名をされておりまして、四回落札しております。あと森長木材、KK堀田公商店、KK今西商店、神畑産業、関西畳、KK岩脇商店、これらがそれぞれ指名されておりますが、落札件数はございません。
 以上でございます。
#127
○宮井委員 ただいまの報告のように、指名競争の場合には、四件仕事がございましたが、日本営繕KKが四件とも仕事をしておる。それから公開入札の分も、六件仕事があって四件とも日本営繕KKである。
 この件数でいきますと、日本営繕KKという会社がほとんど国鉄の仕事をやっておる、このような数字になっております。私の調査でも、大体、指名競争で、日本営繕では八百九十二万の仕事をしている。公開競争の場合には、日本営繕は八百六十二万の仕事をしておる。近畿製畳のほうは一件で七百九十八万、西田産業は一件で三百十五万。まあこの数字で見ていきますと、日本営繕KKがほとんど仕事をしておる、こういうことですが、それでよろしいですか。
#128
○長浜説明員 落札いたしました結果から見ますと、そういうことになっております。
#129
○宮井委員 そこで、まあ国鉄の中には、先ほどからも答弁のあったように、いろいろと資材の購入に対しては、資材部もあるし、あるいは資材のそういった、公平に行なわれるように委員会等もある国鉄の本社にも、できるだけ節約をする意味においてのそういった査定の委員会もあるということでございますが、私の調査によりますと、ただいまも数字にありましたように、日本営繕KKというのがもう指名では全部である。公開にしても、六件中四件は日本営繕である。公開入札の場合でもほとんどまあ仕事をとっておるわけですが、あとでも詳しく述べますけれども、他の業者もこれには、公開入札の場合は加わっておるのですが、私の調査によりますと、このおとりに使われているにすぎない。公開入札をやるのですが、他の業者が名前を連ねておっても、なかなか仕事はもらえない。そして、他の業者が仕事をとる場合においては、ほんとうに切り下げて、たたかれて、安くでないと請負の仕事ができない。そうして、仕事をとっても当局から注文がついて、圧力が加わっているという事実を私知っておるのであります。このような不明朗な入札のあり方でいいのかという点を私はお伺いしたいわけであります。
#130
○磯崎説明員 いわゆる公開入札につきましては、これは国鉄だけでなしに方々でやっておられることでございますが、あくまでもこれは公開であって、そして最低入札者がとるという原則だと思います。その裏で何があるか、それは私ども存じませんが、そういった不正、不明朗なことは私はないというふうに思っております。
#131
○宮井委員 不正、不明朗な点がないと言われる総裁のことですが、それははっきり調査をして、自分が大阪鉄道管理局へ行って、事実を自分でつかまれて、そういうことはないとおっしゃるのか。そういうことはないという確信でおっしゃっているのか。どちらですか。
#132
○磯崎説明員 私もその件で大阪へ参ったことございませんので、私はそういうことを確信しているということであります。ことに、公開入札の場合には、そういう、まあ裏でいろいろな話があるかもしれませんが、私どもといたしましては、表にあらわれた数字、たとえばこの間東京都内でも相当な土地を公開入札いたしましたけれども、いろいろな話があっても、一切そういう話は聞かずに、東京の場合には売った場合でございますが、最高の入札者に入れるということでございます。しかし先ほどのお話は、私自身が大阪へ行って調べたわけではございません。確信がある、こう申し上げております。
#133
○宮井委員 確信でものを言われちゃ困るので、はっきり調べてその上で、絶対そういうことはない、こうおっしゃるのならいいんですが、まあ私の調査によりますと、この購入価格の違いというものは、先ほど言いましたように、なぜ畳が、そういう官庁よりもよけい大きな値段で、千円も高い畳を購入するという結果になってくるかということは、この日本営繕という会社を中間にして購入しておるから、畳工事店の価格の一割五分ないし二割加算されておる。他の官庁においては直接業者から買う。したがって、安くなる。国鉄にも資材部というのがあるわけですが、しかし、直接は資材は購入していない。この事実をどう思われますか。
#134
○長浜説明員 よその官庁の入札方式は――入札というよりも購入方法といいますか、これはわからないのでございますが、あるいはよその官庁は、資材として畳を購入いたしまして、それを自分のところの手で畳を修繕していく、はめていくということじゃなかろうかと思います。われわれのほうでは、さいぜん申しましたように畳の資材価格、請負工事でございますから、それに所要の諸経費率、これがかかりますから、それをかけまして、それで入札予定価格として予定いたしまして、その範囲内で最低の業者と契約をする、こういうシステムにしておるわけでございます。したがいまして、畳の購入といいますか、畳の予定価格につきましては物価版をそのまま使用し、それから労務費につきましては三省の協定価格をそのまま適用し、それに所定の諸経費率をかけて予定価格を積算している、こういうことでございますので、特別にほかのところとの比較は、これは私、比較しておりませんのでわかりませんが、何か別の方法といいますか、仕事のやり方の相違じゃなかろうか。いわゆる直営でやるとか請負でやるとか、そういう違いじゃなかろうかと存ずる次第でございます。
#135
○宮井委員 これはほかの業者は知らないけれどもという発言でありましたので、知らないで発言するということ自体が、それは間違っておるわけでありまして、まあ後ほども申し上げますけれども、この会社というのは、そのようにして畳を買って、自分で施工をするんじゃないわけなんです。全部また下請に出すわけなんです、業者に。全然自分のところにはそんな畳の職人はいないのであります、この会社には。そういうことなんです。ですから極端に言いますと、電話一本で国鉄から仕事を受けて、そうしてそれぞれの業者にやらす。そうしますと、そこに一割五分ないし二割の手数料が入る。いわゆるこういうのを、世間ではトンネル会社だ、こういうのです。そういうことを御存じですか。
#136
○長浜説明員 この日本営繕会社は、先生御承知だと思いますけれども、職員二百数十名を持っておりまして、そのうちの大部分は技術者でございまして、本社以下に事務要員として約三十名ほどおる程度でございまして、あとは技術要員あるいは実際の畳職人あるいはブリキ職人あるいはガラス工といったような連中でもって構成されておるわけでございまして、あるいは全般を承知しておる建築技術屋という連中で組織されておる会社のようであります。
 それで、この大阪地区につきまして現実に工事を発注しますときに畳なり――畳だけというような発注の方法もありますし、あるいは畳と屋根とかわら、その他一諸になって発注する場合もあるわけでございますが、その場合に部分的に下請に出す場合がございます。これは、たとえばその畳の部分を下請に出す、あるいは屋根部分を下請に出す。あるいは畳だけを全部一本で受注する場合でも、そのときの仕事の繁閑によりまして、自分の直営能力以上を受注した場合には下請に出す。これは請負制度の通常の姿だ、こう思っておりますが、そういうことはあるわけでございまして、その場合には、もちろん元請業者といたしましては、受注しました金額そのままで下請に発注するわけにはまいりませんで、その間の金利、営業費、その他諸経費を引いて、それで下請がその価格で下請する、こういうことが通常の業務のやり方でございまして、一般の工事でもそういうふうにやっておるわけでございます。したがいまして、この日本営繕という会社につきましても、私たちは、相当な技術者を持っておる、こういうふうに理解をしておるわけでございますが、たまたまあるいはそのときに仕事量が多い場合には、平準化する意味でそれを下請に出したという例はあろうかと思います。
#137
○宮井委員 そういうふうにごまかしちゃいけないんですね、下請に出したかもわからないなんて。技術員ばかりだ、こういうふうにおっしゃいますけれども、技術員二百数十名というのは、それは大阪だけですか。それとも全国ですか。
#138
○長浜説明員 大阪では約三十名でございます。
#139
○宮井委員 三十名で、それじゃ役員が何名おるのですか。
#140
○長浜説明員 大阪には役員は、支店長が役員で駐在していると承知しております。
#141
○宮井委員 そういうことじゃないんですよ。後ほど言っていきますがね。支店長だけじゃないわけです。ほかにも役員がおります。そして三十数名でそれだけの仕事はできないわけです。実際、技術員としてできるわけはないので、そういうあいまいな返事はいけないと思います。
 そこで、この日本営繕KK大阪支店というのは、昭和三十五年、大阪府警から「大鉄局施設部関係の鉄道建築物の室内工事に対する入札、契約、工事監督に便宜をはかってもらうため、」大鉄局、天鉄局、国鉄大阪工事局、大阪陸運局、陸運事務所の係員に現ナマを飛ばして贈収賄で摘発されている。これで国鉄当局とのなれ合いで工事の入札、契約をしている事実が明るみに出された、こういうことは事実としてありましたか。
#142
○長浜説明員 まことに申しわけないことですが、昭和三十五年だと思いましたが、そういう事実はございました。われわれその後も十分注意しておるわけでございまして、その時点では、その業者は当分の間指名停止をし、またもちろん司直の手による処分もなされておるわけでございますが、その後よくわれわれとしては注意をしなければならぬ、こういうことで自粛、自戒しておるわけでございます。
#143
○宮井委員 そういうことを承知しておって、先ほど言いましたように指名においては四件中四件、公開においては六件中四件、こういう前歴のある会社と取引関係にあるというのは、それはそれなりの理由はあるのですか、どうですか。
#144
○長浜説明員 さいぜんも申し上げましたように、この業者は中央指名並びに資格審査委員会での審査の結果、各業種にわたります能力を持っておると判定されまして、各種工事を、いわゆる室内関係あるいは屋根等のそういう種類の業種を大体やれるということになっております。そうしますと、われわれとしてはたとえば畳なら畳という仕事だけの場合には単一の業者でやれる場合もございますけれども、たとえば沿線の中間駅に行って仕事をする場合に、その駅の畳を何枚かだけかえてくるというのでは非常に経費がかかるわけでございます。そういうものとガラスとの交換も同時にするとかいろんな総合的な室内関係の仕事をやらせるというようなことになりますので、そういう結果になったもの、こういうふうに考えておる次第でございます。
#145
○宮井委員 そういう不明朗なことがあったということをはっきりして改善された、全部すべてこれはよろしいということになって、いまでも仕事をさしておるのか、それとも本社の幹部の皆さんが知らずに、この日本営繕KKというものに今日まで仕事をやらしておるのか、どっちなんですか。
#146
○長浜説明員 われわれとしましては、さいぜんも申し上げましたように、工事をやります場合に運転事故あるいはいま先生の言われましたような刑事事件、これらがあることが一番問題でございますので、そういう事件のありました業者に対しては徹底的に対策をさせて、それでないと仕事をあとさせない。したがいまして、その間指名の停止といいますか、いわゆる確認書の効力停止というようなかっこうの処置をいたします。その処置は当然本社でやることになります。そしてその改善の実があがったところで、その次の仕事をさせるということにしておるわけでございます。これはわれわれとしましては、工事に伴います運転事故だとかあるいはそういう刑事事件すべてに適用して進めていっておるわけでございまして、特に厳重にやっていきたい、こういうふうに考えております。
#147
○宮井委員 なかなか私の質問にはお答えになっていないと思うのですが、それでは私は納得できないわけであります。総裁も先ほどは絶対にそういうことはない、こういう言明でありましたが、そういう会社から買っておるゆえに畳の購入が高くなっておるということを事実承知で購入されておるのか、それをわからないでそういった畳を入れておったのか、それはどうなんですか。
#148
○磯崎説明員 昭和三十何年かの事件を私はよく記憶しておりませんが、そういう事件がもしあったとすれば、当然ある一定期間だけこれを指名停止、確認書の効力停止をするわけでございます。かといって、一ぺんやってしまったら絶対に二度と入れないということではその会社に働く者も路頭に迷うということで、ある一定期間過ぎましたならばまた新しく、先ほど申し上げました管理局に設置されております資格審査委員会にかけまして、そうしてそこでもって新しく確認書を交付する、こういう手順になるわけでございまして、その間に会社の中の事業の立て直しあるいは関係者の処分等が済みまして、もうそういう事態が起こらないということを見きわめた上で管理局の資格審査委員会にかける、そしてランクづけをするという手順になっておるはずでございます。
#149
○宮井委員 私は納得できないわけでありまして、総裁はそういう手順になっておる、手順だけおっしゃっておるので、それは国鉄の取りきめされた規約というものを頭にお入れになって言われておることで、はたしてそれが事実そうなっておるのかということは、大阪へも行っていないし、この事件も知らなかったというくらいですから、これは私は遺憾に思うのですね。これだけ大きく新聞に報道されているのです。「摘発、まだ序の口」、「“家族主義”が悪を慣習化」、「なれ合いの始まり」、「退職者グループ日本営繕会社」、「“トンネル利益”の実体」、「国民が犠牲に」、「国鉄、改善されぬはず」、さらには「でたらめな財産管理」、「大きすぎる機構に抜け穴」。このような事件になっておるのに、そういうことを私は存じておりませんというふうなことは、そういうことばが総裁から出てくるということは私は予想もしておりませんでした。当然知っておられると思って私は質疑をしておる。そういう事実を知りませんなんということはおかしい。
#150
○磯崎説明員 私は、昭和三十五年と申しますと、もちろん全然違った仕事をしておりましたし、新聞に出たこと等についても正確な記憶を持っていない、はっきり覚えていない、こういう意味で申し上げたわけでありまして、もし申し上げ方に間違いがありましたら取り消さしていただきます。私ははっきり記憶していないということを申し上げたつもりでございます。
#151
○宮井委員 そういうあいまいなことばで逃げてもらっては困るので、これでは私は納得できないです。先ほども経営努力しますというふうなおことばがありましたが、国民の一人として私は納得できません。きょうも傍聴人がお見えになっておられますが、国民がこういうことを知ったらたいへんな憤りを感ずるだろう、私はこう思うのです。どうなんですか。
#152
○磯崎説明員 その点はその事件のあった時点におきまして規則に照らして処分し、出入りを差しとめておるわけでございます。その後、先ほど申しましたとおり会社の立て直し、陣容の整備あるいは関係者の処分等が済みますれば、これはまた新しい能力のある会社として認め、それを一つの委員会で確認するということは、それはあり得ることである、こういうふうに考えます。
#153
○宮井委員 そうおっしゃいますけれども、処分をしたといわれるけれども、処分をした人間が、逮捕された人間が、事実いまでも国鉄に出入りをしておる。国鉄の電話を自分の電話のように使っておる。私はそういう事実を知って言っているのですよ。それを私が知らないと思ってごちゃごちゃ言いますけれども、私は大阪に行って全部調査したのです。大臣、どうですか、先ほどからやりとりを聞いておって。ひとつ大臣の見解を聞きます。
#154
○丹羽国務大臣 指名入札その他の点につきましては十分やはり慎重に、そして先ほども国鉄総裁から答弁いたしましたように、やはりよい物を安く仕入れるということは企業の一番の根本であろうと思う次第でございます。いまいろいろ具体的の御指摘がございました。そういう点につきましては十分早急に現場で調査をいたしまして、そして公正妥当な入札をして、そして国鉄の購入というものは明らかに公正であるということを具体的に事実としてあらわしていくことが一番肝要である、こう思っておる次第でございます。
#155
○宮井委員 大臣はそういうことは調査をして公正妥当な線でやっていくという前向きな答弁であったと思います。国鉄総裁はどうですか。
#156
○磯崎説明員 大臣のおっしゃるとおりでございます。
#157
○宮井委員 それではその点ははっきりとひとつしてもらいたいと思います。
 そこで現在のこの会社のメンバーの構成を、先ほども出ましたが申し上げますと、日本営繕KKとは国鉄の幹部及び退職者グループでつくっておる会社である。私の調査に全部これが出ております。具体的に申し上げますと、日本営繕KK大阪支店の支店長は天王寺鉄道管理局の元建築課長、次長は大阪建築課の元区長で、ほか四名くらいで構成されておる。これは事実ですか。
#158
○長浜説明員 そのとおりでございます。
#159
○宮井委員 ほとんどが国鉄の退職者によって占められておる日本営繕というものは、全国的にいいますと、年間何億もの相当な工事をしておる。先ほど言いましたように、実際には直営の工場はない。職人は一人もいない。国鉄からもらった仕事を全部下請業者に回す。つまり、国鉄と下請業者との間にあって、その手数料をかせぐトンネル会社である。国鉄職員も日本営繕の社員とは先輩後輩、そでの下も当然と考えて、退職したらお世話になるということで、なれ合いになっておる、こういうことなんですが、その点はどうなんですか。
#160
○長浜説明員 さいぜんも申し上げましたように、国鉄は、いままで直営の労務職といいますか職員あるいは技能職、実際設計したり監督したりする建築技術員、この連中を持っておったわけでございますが、その連中が退職しまして、相当程度その会社に入っておることは事実でございます。したがいまして、年齢的にはもちろん、先輩後輩のかっこうにはなろうかと思います。しかし、実務の点で、それが仕事のほうに影響されるということのないようにしなければならぬことは、当然でありまして、われわれもそういうふうに指導し、また現地でもそういうふうに指導をさせているわけでございます。したがいまして、そういう点はないと思います。そういうことによりまして、お互いに知っておるから、先生おっしゃいましたようなそでの下だとかなんとかいうことは、これは絶対にあってはいけないことでありますし、また絶対にやってはおらない、これを私は確信しておる次第でございます。
#161
○宮井委員 そういうことはないと確信していると言いましても、もうすでに前回あったわけですから、ないと言ったってだめなんですが、私は率直な感情として、国鉄退職者の、ほんとうに国鉄を愛し、国鉄を盛り立てていこうとするこの先輩自体が、そしていま国民も政府も国鉄も一丸となって、世界の国鉄としてこの国鉄を再建しようという今日の情勢の中にあって、最も国鉄を愛し、国鉄を守っていかねばならないこの先輩がそういうふうな姿であってはならない。私は憤慨にたえない。こういう事実を目にして、運輸委員の一員として運輸委員会で真剣に国鉄の論議をしておる私は憤りを感ずるわけです。なぜもっと先輩の皆さんが国鉄を盛り上げていかないのか。またあとでも申しますが、国鉄を取り巻くところの外郭団体はほかにもございますが、これではかえって国鉄を寄ってたかって食いものにしておるといわざるを得ないという感情を私は持つものであります。(「委員長、定是数が足らぬぞ」と呼ぶ者あり)これでは私は質問ができません。
#162
○小峯委員長 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#163
○小峯委員長 速記を始めて。宮井君、質疑を続けてください。
#164
○宮井委員 私はここで一言申し上げたいのですが、まことに憤慨にたえません。このような真剣な国鉄審議をいまやっておる。まして政府と自民党、それに閣議やいろんなところを経てこの委員会に付託になっておるというのに、その与党の当事者がこの委員会の席におらないというふうな、このような不謹慎なことでは私はたいへん憤慨にたえないのであります。そして値上げはおれたちがどろをかぶっているんだというようなことを言う人もおるようですが、そういうことでは非常に心外でございまして、委員長から十分厳重にひとつ注意を促していただきたいと要望するものであります。まあこれは質問とは関係ないことですが……。
 そこで、先ほどからほんとうに私の言いたいことを、ここというところを話をしておるときに定数が足りないというようなことで、私もいささかもう意欲がそがれるようなことでありまして、(「元気を出せ」と呼ぶ者あり)不規則な激励もあるようですが、私は国民の皆さんが判断してくれる、かように確信いたしておりますからこれ以上は申しませんが、先ほども申しましたように、真に国鉄を愛するというならば、国もこのように努力をしました、国鉄もこのように努力をしました、そこで足りない点は国民の皆さまにも、申しわけないけれども、運賃の値上げとしてわずかでも負担をしていただきたいという基本姿勢があっていいと私は思うのです。そういうことがなくして値上げだけを国民に押しつけていく。そして受益者負担の原則で値上げをすればサービスもよくなる、こういう原則すら守られない。電車の中はまるでガス室のような熱気でもうむんむんとして、割れた窓からは腕がそれこそ出る、足は折れる。私はせんだっても大臣に、このATS闘争で死者が出たら大臣は責任を持ってもらいたい、このように言いました。大臣は、そんな死者が出ないことを望んでおりますという答弁でしたが、私の言わんとしておるところは、そういう愛すべき国鉄を守っていかねばならない先輩が国鉄を食いものにしてはならないということです。大臣どうですか。
#165
○丹羽国務大臣 御指摘のとおりでございまして、国鉄のOBの方がそういったような会社にお入りになって、普通の社員と一そう国鉄のためにいろいろの知恵をしぼり、努力をいたしまして、先ほど総裁が答弁いたしましたような良質な、しかも低廉な品物を獲得して、これを国鉄に提供するということは私も当然と思っておる次第でございまして、ただいま宮井先生のおっしゃったとおりと思っておる次第でございます。
#166
○宮井委員 そこで国鉄当局にお伺いしますが、そういうものが中間に入っておるから値段が高くなる、購入する資材が高くなるということですから、これはこれからさらに検討されて、資材部というものがあるわけですから、資材部で面接扱って購入していく、そして資材の購入を促進していく、こういう方向に検討されるお考えはないですか。
#167
○磯崎説明員 その点は、実は私のほうの資材部は相当膨大な組織を持っております。どの範囲を請負人に持たして、どの範囲を直接うちで買って支給すべきか、これはいろいろ問題がございます。しかしながら、やはり請負人が買ったほうがいい場合があるし、またうちが支給したほうがいい場合もあるということで、いまの例などにつきましては、もう少し十分実情を調べまして、先生のおっしゃったことも私よくわかりましたので、その点もし私のほうでじかに買って支給することがよければ、そういう方向にしたいというふうに考えております。いわゆる支給材料の範囲をいかにすべきかという問題だと思いますので、この問題に限らず全般的な問題としてもう一ぺん検討することといたします。
#168
○宮井委員 検討されるというお返事ですから、結果はまた教えていただきたい。
 またもう一つ提案をすれば、もっとはっきりした明朗な、過去において検察庁に摘発されたような業者を中間に入れないで、外郭団体にすっきりした形でやらせるというようなことも今後お考えになったらいいのじゃないか、この点はどうですか。
#169
○磯崎説明員 その点も全く同感でございまして、過去においてそういういまわしい関係があればその辺をすっきりしなければ再度確認書を渡さないという厳然たる立場に立たなければいけないということを確信いたしております。
#170
○宮井委員 そこで私は大阪支店のことを取り上げたわけですが、この会社全体もひとつ見てみなければならない。かりに日本営繕が一億の仕事をしたとしまして、手数料が一側二分といたしましても八千八百万円分の仕事しかしていない。ばかをみるのは運賃を払っている国民である、また国鉄自身の損失である。日本営繕だけではなくて、国鉄を利用し、それによって大きな利益を受けておる外郭団体は全国で大小数百社ある。近畿地区だけで百社あるといわれている。それぞれなわ張りをきめて、国鉄という巨大な組織に密着して、他の業者とは比較にならない特権な地位を固めておる。これらの会社、団体の幹部はほとんどが国鉄出身者であり、国鉄のことについては国鉄一家以外の者には一指も触れさせないというような話も聞いておるわけであります。また私が実際に実態を調べていけば、そう思わざるを得ない。合理化とか企業努力ということを再三委員会でもお聞きしたわけでありますが、この事実を見ますと、私にはむなしく聞こえるのです。むなしいことばとしか聞えない。これでは国民も納得できない、こう思うわけであります。この点についてはどうですか。
#171
○磯崎説明員 従来いろいろそういうお話があったことは耳にいたしております。しかし具体的な面でいろいろ改善、改良を進めまして、国鉄関係者の組織している会社がよその仕事をする、またよその人がうちの仕事をするというふうなことによって技術の向上もはかれるし、また公正な仕事もできるというふうなことを考えますので、極力そういう方向に沿って関係会社といろいろ仕事をしてまいりたいというふうに思う次第でございます。
#172
○宮井委員 あと先になりますが、この日本営繕KKの本社の経営陣というものは、大半が国鉄出身である。国鉄出身者は社長一名、常務取締役二名中二名、また取締役は四名中三名です。売り上げは年間十七億、国鉄関係のコネによって長年各国鉄管理局の営繕工事一切を請け負っておる。完全に国鉄出身者の救済の場であり、天下りである。国鉄を最も愛し育てるべき先輩が先ほども申しましたように国鉄を食いものにしておる。販売先、あるいは事業の実績をいいましても、国鉄関係が八〇%、特命工事、官公庁一〇%、民間筋一〇%、国鉄関係のつながりは、長年各国鉄管理局の営繕工事一切を請け負っておる。先ほど言いましたが、さらに具体的なデータでいいますと、倉庫、宿泊所、畳、ふすま張りかえ、室内装飾、国鉄専属営繕工事請負会社、私が調査した資料によるとこういうことになっておる。その点は間違いありませんか。
#173
○長浜説明員 大体の数字、間違いございません。
#174
○宮井委員 大体間違いないようです。大臣、これらの外郭団体の総点検をここで約束してもらいたい。どうですか。
#175
○磯崎説明員 私のほうのいわゆる外郭団体につきましては、従来もいろいろ論議が出ておりまして、総点検と申しますか、実情を具体的に御説明する機会があればいつでも御説明し、またそういった不明朗な関係があればこれを一切断つということをはっきり申し上げさしていただきます。
  〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕
#176
○宮井委員 総点検と申しますかというのじゃだめなんですね。はっきり総点検を約束してください。私は大臣に聞いているのです。大臣から御答弁いただきたい。
#177
○丹羽国務大臣 私のほうからもそういう点は指導するつもりでございますが、何と申しましても公共企業体自身の問題でございます。総裁も企業努力を十分にするとここで言明をしている次第でございまして、ただいま御指摘の趣旨に沿って平生もやっておるように思う次第でございますが、ただいまの言明にもございましたとおり、そういうふうないろいろな点で不合理な点は常に直し、また、いつでもそういう点につきましては御質問の趣旨に応じた御説明をする、こう申しておる次第でございますので、そのとおり、先生の御指摘のとおりのことをやるものと私は確信をしている次第でございます。
#178
○宮井委員 いや、日ごろやっておるとか、そういうことを私は聞いておるのではないのであって、総点検をやらないのですか、やるのですかと、こう聞いているのです。
#179
○磯崎説明員 私のほうは実は総点検ということばそのものはどうでもいいと思っております。部内的に実は事故防止の総点検という言い方をしておりますので、ちょっとことば自身が私のほうとしてはなじみませんけれども、いま先生のおっしゃった御趣旨は十分生かして――私のほうは実は総点検ということばは部内の運転事故に主として専属に使っておることばでございますので、そういった御趣旨は十分生かすように、各関係会社の指導監督を厳重にいたしたいというふうに思っております。
#180
○宮井委員 総点検なんかどうでもいいなんということを言われると、これは考えざるを得ないと思う。総点検は、私のところはそういうことばは使っていないといいますけれども、そういうことばは一般的にあるわけですが、そうすると、そういうことばを使ってはいけないわけですか。
#181
○磯崎説明員 私のほうでは総点検ということばは事故防止の非常に大きな一つのシンボルとして使っているものでございますから、こういう場合にはまた違ったことばを使ってやりたい。総点検なんかどうでもいいという意味ではなしに、総点検ということばは私のほうは事故防止のほうに使ってまいりたいことばだと申し上げたわけで、その点誤解があれば、御趣旨を十分生かしますということを申し上げる次第であります。
#182
○宮井委員 最初からそう言ってくれれば――総点検なんかどうでもいいと言うから納得できない。私は、せっかくここまで審議してきてそういうようなことを言われると、こっちがどうも回り悪いじゃないかというふうに言われるかもわかりませんが、では、どういうことばで表現するのですか、はっきりしてください。(「総括がいい」と呼ぶ者あり)
#183
○磯崎説明員 総括もちょっとひどうございますから、監察とかそういうようなことばで言ってまいりたいと思います。
#184
○宮井委員 それでは、私の言う意味の総点検というのは監察ということであると理解しておきますから、そのとおり進めてもらいたい。
 そこでこの問題はその辺でおしまいにしたいと思いますが、もう一つ約束してもらいたいのは、国鉄本来の組織外の団体として、もちろんこれは外郭団体になるわけですが、交通協力会あるいは交通道徳協会、これらの団体が他に幾つかあると私は思うのです。これには交付金あるいは助成金あるいは補助金、名称、金額の問題を問わず、必要度と過去の実績、役職とその名前、国鉄の与えた権限をはっきりさしてもらいたい。これはもう幾らかの金額の大小というのは問いません。わずかな交付金も助成金でも、そういういわゆる交通協力会とか交通道徳協会といわれるようなものに対して出ているでしょう。これらに関する資料を委員会に提出してもらいたい。この運輸委員会の審議が終わるまでに提出してもらいたい。それによって、また場合によってはもう一度私が質問することを保留いたしておきたいと思うわけでありますが、ちょっとつけ加えておきますと、この交通道徳協会というのは、車の中の秩序、エチケット、そういったものを指導するときにいっておるような、昔はありましたですね、電車の中に、お年寄りには優先的に席を譲りましょう、子供さんにはかけさせてあげましょう。最近はそういうものがあまり見られなくなった。実際このようなものが行なわれているのかどうかということを私は知りたい。委員会に資料を提出するということを約束をお願いしたいと思います。
#185
○磯崎説明員 承知いたしました。
#186
○宮井委員 それでは総点検ではなしに監察と資料要求、その辺のところを確約していただきましたので、なおこういった問題に対しては政府あるいは国鉄、この際十分徹底的に調査をして、明朗な、国民のための国鉄にしていってもらいたいことをここで要望をいたしておくものであります。それについて一言だけ大臣から最後に。
#187
○丹羽国務大臣 ただいまの趣旨十分心得て、国鉄当局といたしましてもその趣旨に沿いまして監察をするということを言明しております。私もそれを望んでおる次第でございます。
#188
○宮井委員 それでは次の問題に移りますが、運賃値上げというものは、今日におきますと旅客運賃だけがどうも報道その他に出まして、農林水産物の貨物輸送、これは生活必需品でありまして、目に見えない形で影響がありまして、家計に大きな負担になってくる。この問題については、もちろん委員会では審議されておりますけれども、はなばなしく表面に出ていないような感じを持つわけであります。実はこの農林水産物の貨物輸送というものが私は最も問題である、かように考えるわけでありまして、先ほどは国鉄の企業努力があるかないかを私は国民の前に明らかにしたわけでありますが、これからは政府の努力がはたしてあるかないかというところを徹底審議をしていきたいと思うわけであります。
 旅客というものは利用する人がその運賃を支払うということで利用する人のみでありますが、特に農林水産物などというものにおきましては、食料品等の物価というものは全国民に響いてくる問題であります。これは大裏な問題でありますので、私はここに取り上げたものでありますが、定期代の値上げというようなことになりましても、何割かは会社が持ってくれておる。会社のほうがその定期代というものを支払っておる場合が多いわけであります。これはもちろんいろいろな論議はありますけれども、比較的面接生活に響いてこない。もちろん、それも上がらないほうがいいわけですが、どうもこの旅客運賃の陰に隠れて貨物運賃というものをさらっと上げていくということでは、私はいけないのじゃないか、かように思うわけであります。その点の見解を伺いたいと思います。
#189
○山口政府委員 貨物運賃の改定によりまして、それが大きな影響を生ずることは先生御指摘のとおりでございます。特に旅客運賃につきましては、当該旅客運賃の改定が消費者物価指数あるいは生計費等に直接の影響を与えるわけでございますが、貨物運賃につきましては、先生御指摘のように、ある貨物運賃が上がりますと、その貨物をたとえば原料としているものの製品が上がり、さらにその製品が上がることによって他の貨物の値段が上がるというような意味におきまして、貨物運賃の改定というものが波及効果をもたらすわけでございまして、その意味で先生のおっしゃいますように非常に影響の大きいものでございます。
#190
○宮井委員 貨物運賃の影響は大きいということをお認めになったわけであります。これから私が質問しようといたしますところのものは、その貨物運賃でありますが、経企庁政務次官あるいは農林省からも企業流通部長さん、御足労いただき、たいへんお待たせして申しわけありませんでした。私の質疑が前の話が長かったものですから、その点はお許しをいただきたいと思います。これから農林省あるいは経企庁の御意見も伺っておきたい。
 具体的な数字をいまから私が申し上げます。私が質問しようとするとろのものは、国鉄貨物運賃の公共政策割引の廃止に伴なうところの農林水産物資の運賃が大幅に引き上げられる。それによる影響は、生産者はもとより消費者に与える影響が大である。そのことを重視いたしまして、何回も申すようですが、これからの質問を展開するものであります。
 この公共政策割引というものは、国民生活にとって非常に重要なものであるということで、従来実施されていたのでありまして、それは御承知のとおりであります。本年九月までにこれが全廃されるということを伺っておりますが、運輸大臣、それは事実ですか。
#191
○山口政府委員 いわゆる貨物の割引の中で特定割引あるいは特別措置割引と称しまするものは、昭和二十五年の運賃改定当時に急激な変化というものを緩和するために設けられたものでございまして、その後もそれが引き続いているものでございますが、これによりまして他の運賃との格差というものも非常に大きゅうございますし、またこれにより国鉄の失う運賃というものも非常に大きいわけでございますので、国鉄財政の現状にかんがみまして、昨年の十月から貨物特別措置割引並びに暫定割引の是正を行なうことにいたしまして、当時割引額の五〇%を是正をし、さらに本年の九月にその残りの五〇%を是正をするという運びになっているわけでございます。
#192
○宮井委員 まあ、国鉄の現在の状態にかんがみて全廃をしていくということでありまして、これは農林省の方に確認をしてもらいたいと思いますが、公共政策割引一〇〇%存続時、これは四十六年十月までと、今回の引き上げを含む全廃された後、これは四十七年十月以降の運賃を比べてみますと、私のデータによりますと、公共政策割引の存続時と全廃後の値上げを含む運賃改定率は、大体お米にいたしまして四八・六%の値上げになる。大体貨物運賃の今度の値上げ分というのが二四・六%ですね。ところが、この貨物運賃の値上げ分と、そして公共政策割引というものの全廃された後においては、実は二四・六%ではなくて、お米においては四八・六%、バレイショにおいては五六・三%、タマネギにおいては六五・二%、製材は旭川から東京まで四〇・四%の値上げ、秋田から東京までは三六・七%の値上げ、大分から東京までは三九%の値上げ、パルプにおいては四三・六%の値上げ、木炭は四三・二%の値上げ、下級鮮魚は四五%の改定率になる。これは運輸省のほうで、そのとおりになるか。また農林省でも事実それをおつかみになっておったら、農林省でもけっこうです。
 それから、農林水産物資の、このような大幅な値上げによって起きるところの運賃の引き上げ額、今度はパーセントではなしに、金額でいきますと、自主流通米分だけで八億円、木材が四十八億円、肥料は三十七億五千万円、飼料は二十四億円、水産物は二十三億円、かん詰めは八億五千万円、農薬は三億六千万円、精糖は一億円、ビートは一億八千五百万円、機械類は一億円、みそは一億一千万円。なお、畜産とか果樹、野菜、政府管理米麦等、重要部分はほかにももちろんございますが、計大体百億以上の金額になる。ということは、そのとおりでよろしいかどうか、お答えをいただきたいと思い止す。
#193
○下浦説明員 お答え申し上げますが、最初の運賃の値上げ率でございますけれども、これはおおむねそのような数字になろうかと存じます。
 それから二番目の主要物資の負担増の金額でございますが、私どもの計算によりますと、木材類につきましては約五十億、飼料につきましては二十四、五億、化学肥料につきましては四十億程度、水産物につきましては二十二、三億、米麦類につきましては十億余ということでございまして、まあ大体先生のいまおっしゃいました数字に近いかと存じております。
#194
○宮井委員 これで私が言いました数字は大体農林省のほうでそのとおりである。そうしますと、いまも申しましたように、運賃の二四・六%の値上げと、そして公共政策割引の全廃によりまして、お米とかバレイショとかタマネギとか、いろんな今日までの国民の主要なそういった生産物というものが、大幅に値上げになっていくということでありまして、私は、農林漁業者と消費者に与える打撃は大である、かように思うのですが、これは農林省の方と経企庁政務次官、両方にお答えをいただきたいと思います。
#195
○木部政府委員 国鉄の公共割引の廃止につきましては、昨年の十月、物価対策閣僚協議会で検討されたわけであります。したがいまして、物価に及ぼす影響を産業連関表で試算いたしますと、〇・〇〇四%となっておるわけであります。本年の十月にも半分割引が廃止になるわけでありますが、その影響は〇・〇〇二%となっておると思うわけであります。この値上げを、ただいまお話がありましたが、個別に物資で見てみますと、たとえば北海道から東京へジャガイモを輸送する場合に、ことしの十月の公共廃止、運賃値上げ分の末端価格に対する割合は〇・四九%程度にとまっておるわけであります。したがいまして、小売り価格にそう影響はないものと思われます。
#196
○下浦説明員 私どもそれぞれの物資を所管をしております立場から申し上げますと、物流コストの引き上げということになります貨物運賃の値上げの問題につきましては、ただいまおっしゃいましたようないろいろな影響が出てまいりますので、もちろん望ましいこととは言えないわけでございますが、国鉄の輸送サービスを長期にわたりまして、かつ安定的に受けてまいるということにつきましては、国鉄自体の経営基盤の強化もまた必要なことでございますので、このたびの国鉄の財政再建計画の一環といたしまして実施されます賃運引き上げの問題につきましては、これはやむを得ないことというぐあいに考えております。できるだけ基本的には輸送、包装を含みます流通過程全般の合理化なり、近代化対策を一そう推進をしてまいることによりまして、運賃値上がり分をできるだけ吸収してまいるようにつとめてまいりたい、こういうぐあいに考えております。
#197
○宮井委員 経企庁では、あまり小売りに影響はないという御見解ですが、私はそういう見解は持っておらないわけでありまして、後ほどもいろいろと具体的に申し上げますが、その前に運輸大臣として、そういった影響があるということを承知して全廃ということに踏み切ったのかどうなのか、その辺のところを伺います。
#198
○丹羽国務大臣 御承知のように、公共負担の割引、これの是正の問題は、国鉄再建の問題につきまして強く前々から言われている次第でございまして、これは大かたのいろいろの世論におきまして、また運政審あるいはまた国鉄の監査報告、また運輸審議会におきましても強く前年からも言われている次第でございます。これは御承知のとおり、国鉄が独占的形態から非常に変わってまいりまして、今日御審議を願っているような国鉄財政になってまいりましたので、この赤字克服のためにそこまで国鉄自身に犠牲をしいることがいいかどうか、こういう問題でございます。もとより物価に及ぼす影響というものは相当重要でございます。ことにこれが農家、生産者また消費者に対する影響というものも、これは十分勘案しなくちゃいけません。それゆえに運輸省といたしましても非常に慎重に検討いたしました。私、就任以来非常に慎重に検討した次第でございますが、御承知のとおり、そのうちにおきましても、生鮮食料品につきましては、これは運賃の問題と関連いたしますが、実際の消費者価格というものはその需給関係、豊凶関係によりまして非常に毎日の変動が来る。お天気でもって出荷が順当の場合におきましては、値段も安定する。しかしながらいろいろの交通渋滞あるいはその他事故、先般のストライキというようなところでもし出荷がおくれると、直ちに上がってくる。または天候のかげんで非常に上がってくる。これが物価に及ぼす影響は非常に大きい。むしろそっちのほうが非常に多いのじゃないか。また一般需要者といたしましては、生鮮度を非常にたっとぶ。むしろ少々あれしても通風列車とか、あるいは冷蔵列車というようなもので生鮮度を高める。いわゆる輸送改善をいたしまして、やっていくほうがむしろ好ましいのではないか。いろいろの点を勘案をいたしまして、これらの点は、この際国鉄に輸送方法の改善を思い切ってやろう、こういうところでございますので、その点につきましては、むしろ輸送努力ということをするほうが必要ではないか。すでに北海道からバレイショ、タマネギにつきましては、東京まで直通列車を出しておる。いろいろの問題もございまして、それらの点もますますこれから国鉄は輸送サービスの改善をそういったような生鮮貨物についてもやってまいるというようなこと、それからまた、いま御指摘がございました消費者米価につきましては、これはやはりいろいろそういうふうな需要も勘案をいたしまして、単に需給関係だけでなくて、政府でもって食管の会計の問題ともからめまして、そういう点を勘案をするというようなことも、私のほうといたしましては、農林省、経済企画庁と十分これは慎重に打ち合わせをいたしまして、そしてこの際はやむを得ぬだろう、しかしそのかわり輸送努力を大いにやろう。そのいろんな貨物が着く場合のターミナルアクセスというような問題を十分にやれば、これだけのことは、むしろ消費者の皆さんに御便宜がはかれるのじゃないか。こういう観点からいたしまして、そういう点は、これは農村に及ぼす影響、また消費者に及ぼす影響も私は慎重に勘案をした次第でございますが、今日の事情から申しまして、これはやむを得ぬじゃないかということを勘案をいたしまして、私もこれを閣僚協にもはかりましてきめた次第でございます。
#199
○宮井委員 まあせっかくの大臣の御答弁ですが、国鉄の現在の状況を見て、やむを得ないということで承知をしたということが表に出ているわけであります。実は私はせんだって北海道へ参りまして、北海道で国鉄運賃法に関して公聴会をやったのであります。北海道の日本甜菜製糖の常務の方や、あるいは札幌短期大学の学長さん等含めまして、いろいろな方の幅広い御意見を伺ったわけであります。その際におきまして、この遠距離逓減制という問題、これは貨物運賃が二四・六%値上げになる、その上に公共割引制度が全廃される、それが加算されて、さろに北海道などでは選距離逓減制ということ、この三つのショックにおいていろいろな大きな影響を受ける。北海道知事さんも現に私に申しましたが、往復二百億のお金が貨物輸送において影響を受ける。これは大きな打撃である。これからまだ具体的なお話はやっていきますけれども、そういった遠隔地においてのそのような輸送というものは――それはこの前は、大学の先生などはフェリーボートで送ったりいろいろな方法があるじゃないか、何か食料品などは乾燥したりしてというような意見も言われておりましたが、そんなものは机上の空輸でありまして、遠距離というものはどうしても、食料品生産物等はそういった貨物輸送にたよらざるを得ない。そういう観点で、北海道というのはまた、そういう意味において、生産者が通貨値上げによるそれだけの負担を切り詰めてしていくか、それともそれはでき得ずして、消費者にこれを押しかぶせていくか、物価値上げに持っていかざるを得ない状態になるかもしれないというぎりぎりの線までいま来ておるのだということの発言があったわけであります。物価の値上げというものは、旅客運賃などは比較的すぐわかりますけれども、食料品とかそういったものが値上がりしても、何の原因によって値上がりしたかということはなかなかわからないわけなんです。それは貨物運賃の値上げの影響ではありませんというふうに言ってしまえばそれまでなんです。私は北海道へ行きまして、北海道の生産者はいまこの深刻な問題に対してどうしようかと路頭に迷っておるという現状をつぶさにこの目で見、耳で聞いてきた。そういうことを御承知でこの全廃というものを経企庁や農林省とともにやったのかどうか、この点を、できれば三人の方にそれぞれ伺いたいと思うわけであります。
#200
○丹羽国務大臣 先ほども申しましたように、生鮮食料品の価格というものは、むしろ需給関係できまるということは先生も御承知だろうと思う次第でございます。また、いまいわれておりますそういった生産者と消費者の間におきまして一番の問題は、これはもう定説でございますが、流通機構、これをやはり改善をすることが第一である。その間におきます中間マージンをいかにするか、市場マージンをどうするかということが一番問題である。この問題を解決せずして、消費者物価を上げることは非常にむずかしいということは、もうすでに先生も十分御承知のことと思うのでございます。それらのことに相まつことが非常に多い。私どもも、経企庁と相談いたしましたときも、その点を非常に強くあれをした次第でございます。それらの問題をまずやるべきで、ただいまのこういったような状況のときにおきまして、これを国鉄だけにしわ寄せするということはどういうことであろうかという問題が一つございます。
 また私どもといたしましては、そういうような点におきまして、中間機構の改善というものを強く農林省その他経企庁におきまして促進をしていただくということとともに、また国鉄といたしましては、定時性あるいは敏速化ということもはかるとともに、一定の計画出荷に対しましては営業割引制度も十分に活用していただく、これを指導していただくということによりまして、農村の方方にしわ寄せをできるだけ少なくしてまいる、こういう配慮をしてまいりたいと思っている次第でございます。
#201
○木部政府委員 国鉄の現状を見てまいりますと、われわれも消費者物価に与える影響等も十分考えまして、できることならば上げない、公共割引というものを廃止しないという考え方は持っておるわけでありますが、ただいま申し上げましたように国鉄の現状というものを考えてまいりますと、先ほど申しましたように〇・〇〇二%というような最小限のもので認めておるわけでございます。
#202
○下浦説明員 ただいま御指摘のございましたようなことでございますので、私どもといたしましても、政府として決定を見ますまでの間、経済企画庁をはじめといたしまして、運輸省、国鉄当局等と実はいろいろとやりとりがあったわけでございますが、政府としての決定を見たわけでございますから、先ほど運輸大臣からお話のございましたように、今後は輸送の合理化あるいは近代化等につきましての国鉄のサービスの改善面につきまして十分御推進をいただくと同時に、営業政策割引等の活用によりまして、できるだけ負担の軽減をはかってまいりたい、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
#203
○宮井委員 国鉄の現状にかんがみということは私もわからないことはない。しかし、そのやり方が私はどうもふに落ちないということを、後ほどこれは詰めてまいります。
 その前に、農林畜水産団体輸送協議会、こういう団体がありますが、これでは次のとおりに述べておるわけでありまして、要望が私どもにも参っておりますが、農林省の方にもこれは御確認をいただきたいと思います。その中にこういうことがあります。「農林漁業物資については、公共料金とともに消費者物価問題の焦点であり、生産者価格は押えられてきた。また貿易自由化の進展で外国農産物との競合も激化してきた。この中で、輸送費負担が上がりますと、農林漁業者の経営にしわ寄せが起き、農林漁業物資の国内生産体制が破壊され、国内供給と消費者価格は不安定化する。農産物の生産者価格は近年二、三%の上昇、経営費は一般物価とともに八%の上昇である。それにより農業所得は四%の絶対的減少を見ており、運賃経費の増大をこれ以上農業経営の採算に吸収することは絶対に不可能である。このような状態でなお運賃が引き上げられると、農業経営が破綻するか、消費者価格に転嫁されるかどちらかしかない。」このようにいっておるのですが、そういうことは農林省にも参っておりますか。
#204
○下浦説明員 ただいまの書面は私どももちょうだいをいたしております。
#205
○宮井委員 それでは、いま言いましたようなことに対して、経企庁と運輸大臣に見解をお伺いします。
#206
○山口政府委員 農林物資の価格に対しまする影響につきましては、先ほど企画庁政務次官が申されたとおりでございます。したがいまして、農林物資の価格というものにつきましては非常に波動が大きいわけでございまして、その波動の大きい原因の一つはやはり流通過程にあるわけでございます。その流通過程の一つの中身といたしましても、国鉄の輸送の体系、輸送のしかたというものにあるわけでございまして、そこで私どもといたしましては、どうしても国鉄の輸送体系を改善をいたしまして、たとえば貨車につきましても、冷蔵貨車その他の適合貨車をできるだけ多くする。それから輸送につきましても、直行輸送方式を活用することによりまして安定をはかる。さらに出荷施設あるいは着施設という点につきましても、これを合理化いたしまして、そして結局輸送上の流通コストというものを低減をはかっていくということが、全体としての価格の安定というものにも寄与し、また生産者、消費者両面の利益にもなる、このように考えておるところでございます。
#207
○斎藤説明員 お答えいたします。
 われわれのほうは、ただいまの農林水産の協議会のほうからの要望書を見ておりまして、その事情は十分理解されるわけでございますが、国鉄の現状から見まして、われわれといたしましても、運賃公共割引の是正が物価指数しからもあまり大きな影響はないということで、やむを得ない措置として判断したものでございます。
 農業者の立場については十分われわれも理解を持っておるつもりでございますが、確かにコストは上昇いたしますけれども、農産物の価格自体は需給関係等によって決定される面も多く、また農林省におかれましては、各般の流通政策を講ぜられておりますので、そういう面で、消費者への転嫁あるいは生産者へのそういう負担の増加が極力ないように今後努力を続けていきたいと考えております。
#208
○宮井委員 極力ないようにということでございますけれども、先ほども言いましたように、これは物価の上昇にどういう影響があったかということは、なかなかあとになってみませんとわからないことであって、私のほうは、これは重大な影響があるということを言っておるわけであります。
 さらに、農林漁業物資というものは従量価が小さい上に、一定地域での大量生産と計画輸送体制が組みがたい。その輸送事情は特別な困難に置かれておる。加えて、農林漁業経営は激化する国際競争のもとで近代化の途上である。輸送費負担力は他の産業に比べて格段に貧弱である。この中で運賃改定がなされ、他の高級物資並みの運賃が農林漁業物資に課せられることは、農林漁業経営が破綻を来たす。農民の方々は全廃ということに断固反対をしておる。先ほども申しましたように、生産者が消費者に還元される、どちらかにしわ寄せされる。特にここでは農業経営者が破綻を来たす、こういうことでありますから、その点を重ねてお尋ねいたします。
#209
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど申しましたように、結局、この公共割引の廃止によりまして、そのこと自体が物価、消費者物価その他に関係いたしまする点につきましては、まあ非常に小さいということは先ほど企画庁政務次官からも申し上げたとおりでございます。それで問題は、そういう値上げのものが消費者なりあるいは生産者なりというものに転嫁されるかどうかという問題でございますが、基本的には、この生鮮食料品等の価格というのは、需給関係あるいは流通関係というものできまる場合が非常に多いわけでございまして、この点は従来の実績に徴してもそのように私ども判断をいたしております。したがいまして、そういうことで、その流通過程におきまするところの、たとえば輸送過程というようなものを十分に改善をしていくということによりますと、結局、財の経済的な効用というものも高まるわけでございまして、その意味におきましては、その負担がむしろ生産者、消費者にかかるということよりも、さらにもっとよりよき流通というものが確保されるというふうに考えておるところでございます。
#210
○宮井委員 流通機構にしましても、どこまで改革されておるか。まあせんだっては北海道へ行きまして、いろいろ、コンテナ基地とかトラックターミナルとか、実際見てきました。この目で見せていただきまして、なるほど他の地域よりも意欲的にいま取り組んでおるという点は認めてはおりますけれども、それもどれだけ、これが完成して効果をあげるものかというような意味のことも、これからの問題であります。運輸大臣はその点どうお考えになり、また、先ほどちょっと触れましたが、もう一度重ねてお尋ねしますけれども、遠距離逓減制ということですね、遠い距離ほど安くなるというこの制度、これもやめてしまうということになりますと、北海道のような遠いところでは非常に影響を受ける。この点を再度御答弁願います。
#211
○丹羽国務大臣 先ほどからの御質問は、前にお答えをしたとおりでございまして、できるだけそれが生産者はもちろん消費者にも及ぼさないように、あらゆる輸送サービスの面でひとつ改善をしてやってまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。
 また、遠距離逓減制につきましては、いろいろいま議論がございまして、いまおっしゃったような遠距離逓減制をむしろ、こういう際だから廃止したらどうか、こういうような意見もございましたけれども、そういうわけにもまいらぬということで、本年は、御承知のとおり、旅客のほうは五百キロまでを六百キロまでいたしましたけれども、貨物のほうはやはり遠距離逓減制はそのまま維持しておりまして、現状を廃止することはいたしておらない次第でございます。
#212
○宮井委員 そこで、さらに私はこういう問題を研究いたしまして不審に思う点は、いまも申しましたように、今回の運賃改定で特に大きな打撃を受けるという、この国鉄輸送にたよらざるを得ない遠隔地である、たとえば北海道などは、新全総に示されておる計画によりますと、遠隔地こそ将来の食糧供給地として育成すべく位置づけられておる。それは、この新全国総合開発計画、私もいただいておりますが、たとえば北海道などでは、「北海道開発の基本構想」という中に、北海道というものは「大規模畜産を主軸とする主要食料供給基地として、」発展させていく。
  〔加藤(六)委員長代理退席、委員長着席〕
そして「北方圏および太平洋沿岸諸国との国際交流のうえからも重要な位置を占めることになろう。」さらには「現在の拠点開発をさらに発展させつつ酪農を中心とする高度食料生産地帯、」この政府がきめられた「北海道開発の基本構想」によりますと、いわゆる大規模農業ということで、そして将来北海道はその食料生産を基本として発展をさせる、さらには北方領土との交流を高めて日本の国益のために進めていくという、この政府の某本経済政策の位置づけというところから見ますと、今回のこの国鉄の貨物運賃の大幅引き上げということになりますと、政府の経済政策の上からどうも矛盾しておるんじゃないか、一方では北海道を大規模酪農を中心にして発展させていくという経済政策がありながら、この公共割引制度、政策割引なども全廃していくということになりますと、新全総と今度の国鉄再建計画というものは、この新全国総合開発計画とも密接に関係があると私は見ておるがゆえにその辺に政府としての大きな問題があるんじゃないか、これは運輸大臣から御答弁いただきたいと思います。
#213
○山口政府委員 新全国総合開発計画におきまして、先生御指摘のように北海道地区が大規模な食料生産基地であるという位置づけをされていることはお説のとおりでございます。したがいまして、これの鉄道輸送というものも私ども十分考えてまいらなければならぬことでございますが、公共政策割引問題というよりもむしろこの問題は遠距離逓減制の問題をどう考えるかということになるのじゃないかと思います。日本の鉄道輸送の場合には、国土の形等から見まして遠距離逓減制をかなりとっておるわけでございます。貨物輸送につきましては、約千キロくらいのところにおきましてはざっと五〇%、五三%程度の運賃ということになっておるわけでございまして、大体千キロで半分というくらいの運賃の割合になっております。これは遠距離逓減制をとっているからでございまして、そういうことによりまして遠隔地におきます輸送というものにつきましてこれは重視しておるということはいえるわけでございまして、新全総の考え方と決して矛盾するものではないというふうに私ども考えております。
#214
○宮井委員 遠距離逓減制のことはなるほど先ほど聞きました。しかし私が言っておるのは、この政府の経済政策と、そして進めていこうとするこの経済政策が、これでこのまま行かれるのか、これによって影響を受けていく、私が先ほど申しました全国の農林畜水産団体輸送協議会というようなところでは、もう死活問題であるといってきておることに対して、政府の経済政策はそのようなことを皆さん方は配慮しておるというけれども、事実は、現実に現場で働いている者は、それによって私たちはもう危急に追い込まれていくんだというこの切実な声と、その再建計画のこの公共割引制度の廃止というようなことと政府の経済政策自体が、私はそれが別々な観点で行なわれているんじゃないか、新全総は新全総で縦割りとしてどんどん北海道はそういう方向に行くんだといっているし、運輸省は運輸省として国鉄運賃はもうどうしても国鉄というものの再建をするために農林漁業がどうあろうとも、生産者がどうあろうとも、とはまあ言わないでしょうけれども、よく検討されたと言われるでしょうけれども、それはそっちはそっちでまた進めていく、北海道の経済政策は経済改築で進めていく、これは縦割りになっておって横の連携がない、私はこう見ておる。その辺のところを大臣から確固とした政府の責任者としての答弁を――鉄監局長の逓減制がどうの云々という、そんなことじゃないわけです。その点をお答えしてもらいたいと思います。
#215
○丹羽国務大臣 私から再三御答弁申し上げましたとおりに、北海道の新全総における地位というものは私はよく存じておるつもりでございます。今日の運輸政策というものは新全総を離れて考えるわけにまいらぬ次第でございます。むしろそれにのっとりましてそれの推進のためにやっていかなくちゃならぬというふうに思っている次第でございます。鉄監局長からもやはり遠距離逓減制の具体的なことを申しましたが、北海道から大消費地の首都圏までの間におきましては、その点においては十分な効果がある。それから先ほども私が申し述べましたとおり、確かに値上げをしないほうがいいことに違いはありませんが、むしろ貨物の輸送改善に努力をしたほうがメリットが強いということで、各閣僚の間におきましても意見の一致を見た次第でございます。
 ちなみに申し上げますが、貨物輸送につきましては、前回の四十四年度のときは見送った次第でございます。先般も貨物輸送に対しまして、大幅な赤字があるが貨物輸送としてはまだ少ないのじゃないかという御議論もあります次第でございまして、それらを勘案いたしまして、私どもはこの処置は今日の現時点においては適当な処置じゃないかと考えている次第でございます。
#216
○宮井委員 議論が並行線を行きまして、政府はもう絶対にこれはだいじょうぶというし、私のほうは、それは消費者物価にもはね返るし、あるいは生産者が破滅に追い込まれるかもわからない、北海道などは新全国総合開発計画の政府の経済政策と逆行するような行き方である、こう言ってもそうじゃないと言われるから、押し問答しておりましてあしたのまでかかってもなかなか――これはもちろんあしたの朝までやってもよろしいのですけれども、またやる決意でおりますが、もっと前向きな、もしもそういうことが御心配になっているような点があれば私どもは早急に手当てしますとか、何らかの処置をとって絶対に物価に影響しないのだ、国民の前にえりを正して私は約束できるのだというのか、それとももうそんなことは心配されなくても絶対これは消費者物価にはね上がるようなことはないのだという確信のもとに運輸大臣は答弁をされておるのか、それとも万が一将来そういうことがあり得るかもわからない、だけれども、そのときには政府は緊急に物価閣僚会議を開いてそういうことは絶対にやらせないようにしますと言っておられるのか、その辺のところを、くどいようですがもう一点ひとつ……。
#217
○丹羽国務大臣 再三のお尋ねでまた意見が対立いたしまして、御質問に対しましてまた反駁をいたすようで恐縮でございますが、実は、この点は昨年からずっと私ども研究をいたしまして、もちろん生産者の立場、またそういったような北海道その他いろいろ生産地の立場というようなことも十分検討いたしましたが、貨物輸送の近代化、そして良質サービスというほうが、やはり現在のままあれするよりは非常にメリットが多いという結論に達してやった次第でございまして、具体的の問題を申しますと、もうすでに先生御承知でございましょうが、やはりそういった農産物というものは、鮮度それから輸送の確実性、定時性ということが一番要求されている次第でございまして、それを求めるということのほうがより必要ではないか。一例を申しますると、五所川原からスターキングという、大体百円ぐらいするリンゴをこっちへ持ってまいります場合に、大体一円ぐらいのアップになるんじゃないか。それならば鮮度が一番大切になってくるんじゃないかというようなこと、いろいろなことも勘案をいたしましてやった次第でございまして、現時点ではやはりこの方法よりしかたがないんじゃないか、こういうふうに思っている次第でございます。
#218
○宮井委員 まあしかたがないんじゃないかじゃしかたがないので、ことばじりをとるようですが、それではさらに進めて私はお尋ねします。
 先ほどからも問題になっておりましたが、国鉄自体が緊急事態になっておるから、どうしてもその割引制度というものは全廃して負担をなくしていかねばならない、この考えは私も何もそれを否定しておるわけじゃないのです。それはまあ公共性ということについて議論すれば幾らだってできますけれども、まあ皆さんのほうが詳しいわけですね。もちろん私がお尋ねしたいくらいですが……。これはできるだけ国鉄は負担をなくしていく。ということは、いまの国鉄としても、一面ではそれを認めるという方向にもなるわけですが、特別に影響を受ける農水産物等の生活必需品は積極的に政府において、従来の公共政策割引による損失分を国鉄当局に補てんする財政措置を講ずる。その割引分を政府において財政援助をするべきではないかということを私は言いたいのであります。その点はどうなんですか。
#219
○丹羽国務大臣 ただいまの公共負担分を政府で負担をする、これは確かにその考え方はございます。私らもこれは思考しておるところでございまして、これはただに生活必需品だけではなく、通学の問題等においてもあると思う次第でございます。
 今回の公共負担の是正の問題につきまして先ほども御指摘がございましたが、通勤は、法人が大体において八割以上、通勤の費用は持っていることでございますので、一応公共負担の是正に踏み切った次第でございますが、通学のほうは、ことしは、それはやはり各個人の生活に及ぼしますから、一応そのままに置いた次第でございます。しかしこれらも国鉄が負担すべきものであるかどうかということは、非常に私は問題である。これはやはり文教政策といたしまして、あるいは国としてそういったほうを見るべき問題ではないか。いまおっしゃったようなことも、将来の大きな物価政策全体からいたしましてどういうふうに勘案をするかということを全体として私はとらえて、研究すべき問題である、こういうふうには考えている次第でございます。
#220
○宮井委員 将来研究する課題ということを言っておるんじゃないんですね。将来やられたんじゃ、もう間に合わない。もうこの時点において深刻な状態になっておるわけですからね。財政援助ということについて政府は全然何もやっていないじゃないですかということを私が言っておるのであって、それは何もやっていない。政府は、いわれるとおり、この農林水産物の特別な、国民の生活必需品として従来からいわれておったところの公共政策割引に対して、国鉄の負担分を国で補うという、その財政援助というものを政府は現時点で何もやっておりません、こうお認めになるわけですね、どうですか。
#221
○丹羽国務大臣 その点は再三私から申し上げましたとおり、現時点におきましては、政府の財政規模におきまして、本年度千百八十四億、これがぎりぎりの線だ、こう申し上げている次第でございます。あらゆる点を総合いたしまして、それらの点をしておる次第でございます。それによりまして、やはり運賃の上げ率を幾分軽減をしている次第でございます。したがいまして、貨物運賃の上昇率もそれだけストップをさしている、こういうことと御認識をいただきたいと思う次第でございます。余の点は、現時点におきましては、輸送サービスの改善ということでもって、それらの点を補ってまいる。先ほどからも、数字で申しますると、企画庁の政務次官から答弁がございましたとおり、物価への寄与率というものは〇・〇〇四、こういうことでございます。私らもその数字から言っているわけではございませんが、そういうような点で輸送サービスの改善、また中間のいろいろの機構の改善その他によりまして、生産者並びに消費者にしわ寄せのできるだけしないような、極力その他の方法を講じて、これによりまして国鉄財政も救ってまいりたい、こういうふうな考えで今日きている次第でございます。
#222
○宮井委員 どうも私よくわからないんですがね。まあ運輸大臣はほんとうにまじめに運輸行政に取り組んでおられるということを日ごろから敬服いたしておるわけでありますが、まじめな運輸大臣に私は何もけちをつけるわけではございませんが、どうも御答弁の中身があまり確固たるものがございませんように感じますので、私はここで、それではこういう事実があったかどうかをひとつ具体的に事例を示したいと思うのです。
 これは国鉄貨物運賃公共政策割引措置の打ち切りの方針決定に際して、『自民党小坂政調会長名で四十六年九月二十三日、農林大臣(各所管大臣)あてに「これによつて特別に影響を受ける貨物については、その所管省において、それを緩和する適切な措置を策定し、補正予算の編成に応じ得るよう、その処理を速やかに報告せられたし」とする通達が出されたが、農林省としては「そのような予算措置は財政技術的に不可能である」として「緩和する適切な措置」の予算化は行なわれておらず、代つて国鉄当局に対するサービス拡充対策の申し入れが行なわれた。』この指示されたように、どこの業者がどれだけというようなことはおよそ算定不可能であって、これはもらひどいことばでいえばペテンだ。最初からできないというようなことがわかっておりながら、そういうことをやらそうとしておるというようなことでありまして、さらには『この自民党政調会長通達については、実はその前に衆院農林水産委員会で「農林畜産物資の貨物運賃公共政策割引制度の取扱いに関しては、物価政策その他からみて、所要の対応策が講ぜられるまでは、その存続をはかるよう措置すべきである」とする決議を本会の働きかけにより社会党提案で行おうとしたのに対し、自民党側から、「党の責任で処置するから、決議はしないで欲しい」との申し入れが行なわれ、その結果行なわれたものである。しかし、政調会長通達が、財政技術的に不可能であることについて農林省は「自民党けそのことを承知の上で通達したのだ」とも述べており、だとすれば一種のペテンだったわけである。これにより、とにかく財政措置は行なわれないまま公割り打ち切りの方だけが実施に移されてきている。』ということなんですが、こういうことであれば財政援助をやるということを言っておきながら、結局はうやむやになって、そうして財政処置が行なわれないままにこういうことになったということがあるというようなことであれば、私は憤りを感じるわけで、まず農林省としてこういうことが事実あったかどうか、そして運輸大臣としてのこういうことがあったかどうか、そのお答えをお聞きしたいと思います。
#223
○下浦説明員 自民党の政調会長から農林大臣あての書簡と申しますか、これをいただきましたことは事実でございます。
 それからそれによりまして、私ども補正予算あるいは四十七年度予算、双方につきまして相当な検討をいたしたことも事実でございますし、それから予算技術的に非常にこれはなじみがたいという結論を出しましたことも事実でございますが、それらのことを承知の上で云々という点につきましては、そういうことを申し上げたことはございません。
#224
○山口政府委員 ただいまお話の中で、自民党政調会長から経済企画庁長官、農林大臣その他、運輸大臣にもでございますが、に対する自民党政調会長としての考え方を述べられたということは、そのとおりと承知いたしております。
 なおこれにつきまして農林省と私どもの間におきまして農林物資等につきまするところの輸送改善の問題、それから今後の営業政策割引の活用ということによりまして善処するということの話し合いをいたしておるわけでございます。
#225
○宮井委員 結局政府は、私は政府の政策というものは生産者を破滅に追いやる。せっかく政府が財政援助をやるというふうな方向で検討をしておきながら、算定不可能なことをやらして、そうしてそれがもう最後になればうやむやになって、財政処置が行なわれないままにそういうことが進められていくというこの事実を私は見ましたら、そのような生産者を破滅に追いやり、消費者に物価値上げとして大打撃を与えていくのだということを言わざるを得ないのです。四十四年の六十一国会での原田前運輸大臣の答弁では、公共割引制を検討するかとの質問に対して、そのほとんどが生活必需物資であり、農林水産物等であり、消費者物価への影響等を考慮して見送ることにしたのでございますと、このように議事録に出ています。私は全部読んだ。前回の運輸委員会の議事録も全部つぶさに見せていただいて、なかなかほんとうの、真実の審議というものは、失礼な言い方ですけれども、まだまだ掘り下げて前回は審議をされていないというようなことも痛感しておりますが、そのようなことのいきさつもあって、それはこれからどうするのか、財政援助をどうするのか、私は大臣からの確固たる御答弁をいただかないと納得できません。
#226
○丹羽国務大臣 再三私が申し上げましたとおりでございまして、ただいまのところはそういったような農産物資につきましては、輸送サービスの改善というところに力を入れる、またそういったような輸送費の問題につきましては、営業割引等を十分活用させるということによりまして、この二つの方法でもって生産者並びに消費者に報いてまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
#227
○宮井委員 そこで問題なのは、この各省間の調整がはかられていない。農林省や経企庁の方がいらっしゃっておりますが、所管の省において調整がはかられていない。この辺はどうなんです。ただ自民党の考え方だけできめられておるのか、そのようなところはどうですか。
#228
○山口政府委員 本件につきましては、各省間の意見を完全に一致をさせまして、物価関係閣僚協議会を開きまして、そうしてこれによりまして各省間の意見の一致したところで実施をしたわけでございます。
#229
○宮井委員 そこで、さらに国民生活白書というようなところには、政府の、これは「豊かな社会への構図」、経済企画庁からの国民生活白書の中に、当面の物価安定対策について昭和四十五年六月九日物価対策閣僚協議会で食料品価格安定対策というふうなことをおきめになっておりまして、その中には定期急行列車により北海道から首都圏に対するバレイショ、タマネギ等の輸送を本年度末を目途に開始するというふうなことも出ておりますし、あるいはまた公共料金の抑制については、これは全般になると思いますが、昭和四十五年十二月九日、物価対策閣僚協議会口頭了解、「公共料金の引上げについては、物価の現況にかんがみ、厳に抑制する。」等々、こういうふうにして毎年このようなことで物価問題というものについては、書類や、こういうふうに政府はまことにいいことをおっしゃっている。そうしてこれを見ている限りにおいては、なかなか物価というものは対策が講じられているように見えますが、私どもは直接身近に国民大衆に会って、一人一人奥さん方とも私たちはいつでも対話して、家庭の主婦ともよく話をいたすわけで、最近の主婦はやはり台所の大根一本の値段から、食卓にのぼるすべてのものが政治で動かされておる――昔はそういうことは考えておらなかった。政治は政治でだれかやっておれ、やってもらっておればいいのだ、お上のことは私たちの知らないことだということでしたが、最近はこのような公共料金の引き上げは政府主導型の物価の値上げであるということで、物価問題には大きな関心を持ってきた。せんだっての四次防の問題では二週間も三週間も国会が空転しましたね。それは大事な国防の問題であり、もちろん日本の防衛計画というものは大事なことであるから、ああいう大きな問題になったのですが、私が直接会ったあの片いなかの過疎地帯のほんとうに細々とした生活を送っておるある老人は、四次防も大事だけれども、今度の国鉄運賃法の問題、あるいは物価問題はこの四次防に取り組んだくらいの気持ちで、そうして政府に対して要望をしてもらいたい、野党としてもあのくらいの質疑をしてもらいたいというのが国民の声であります。そういうことを私は基本にして申し上げておるわけであります。佐藤総理は五・三%に物価上昇率を押えますと、このように確約――私が本会議で国鉄運賃法の質疑をしましたときに、本会議の席で佐藤総理は確約された。しかし、いま私が審議していろいろ議論いたしましたこの問題というものが尾を引いていく限りにおいては、政府の公約不実行のもとをこれでつくっていくのじゃないか。それでいいのかということを私は言いたいのでありまして、経済企画庁も、ATS闘争のときに貨物がおくれたそのときには、このおくれによって物価上昇というものがされていくということを指摘しておったわけであります。その点、経企庁と運輸大臣の見解を伺いたいと思うものであります。
#230
○山口政府委員 物価対策が非常に大切なことであることは先生御指摘のとおりでございますが、運賃の改定、これは先ほどから大臣申しておりますように、国鉄の現在の財政を維持して、そして将来とも国民に対するサービスを提供するためにやむを得ない措置であるわけでございまして、国民の御協力をぜひお願いしなければならぬことと存ずるところであります。
 なお、先般ATS闘争におきまして貨車がとまりました。貨物列車がとまることによりまして輸送が不円滑になりまして、そのために物価の値上がりというような徴候が見え始めたということも事実でございます。輸送の改善というものがいかに大切であるかということも如実にあらわれたわけでございまして、その意味からいたしましても、私どもは輸送の改善というものをまず考えなければ、物価の安定に寄与することができないというふうに考えておるところでございます。
#231
○斎藤説明員 お答えいたします。
 ただいまの御質疑は、国鉄の値上げによって物価上昇率が五・三%が達成できないのではないかという点が一点だと思います。直接の旅客運賃等については、物価への旅客の影響は〇・三四%でございますが、公割を含めまして貨物運賃の影響等もあるわけでございます。そういう結果物価が若干上昇せざるを得ない。絶対上昇しないという保証はわれわれとしても全くできないわけでございますが、本年度四十六年度におきましては、四十五年度の物価上昇率が七・三%でございましたけれども、四十六年度におきましては、先ごろ発表になりましたように五・七%でございまして、なかなか物価政策には有効な手段を見い出すのにわれわれ苦心しておるわけでございますが、そうした努力を重ねることによりまして、幾分でも物価を安定させるべく努力しておるわけでございます。そういうわけで、最近比較的物価の上昇率も鈍化してまいりましたし、国鉄運賃の値上げあるいは旅客の運賃の値上げ等による物価上昇がありましても、われわれといたしましては五・三%を達成すべくできるだけ努力をいたしたいと考えております。また、緊急の輸送等につきましては、農林省とともに絶えず関心を持っておるわけでございまして、緊急な事態の発生等につきましては、そのつど国鉄当局とも十分連絡をとりまして、大都市等における物価の上昇が生じないようできるだけの努力をしているわけでございます。
#232
○宮井委員 経企庁は影響を受けないということでございますから、その点を経企庁というのはしっかり見守るというか、せんだっても消費者団体の連合会といいますかそういう主婦の団体が来て、経企庁長官に、もう土俵ぎわで押し切られそうになっているのじゃないですかというような質問に対して、まだまだこれからその余地はあるから、断じてこれは食いとめていくという答弁をされておりましたから、経企庁長官が来られておればその点も言いたいと思いますけれども、この辺でこの問題は、とりあえずそのような方向に向かって、決して消費者に対して影響を与えないということを、政府においても厳重にこれからそのきめられた施策をとっていくということを確約をして、ひとつ運輸大臣も、何回ものあれですが、最後に、一言でけっこうですからその点の答弁をいただいて、次の問題に進みたいと思います。
#233
○丹羽国務大臣 いまの物価上昇、ことに消費者物価上昇ということは非常に問題でございまして、いま御指摘がございましたように、内政上一番重要な問題の一つでございます。いまの御指摘のこと、私どもも十分踏まえて今月までもその施策を講じてきたつもりでございますが、将来、さらにその点につきましては十分勘案をいたしまして施策を講じてまいる所存でございます。
#234
○宮井委員 それでは次の問題に移りたいと思いますが、いままでは国鉄の企業努力、そして政府がどれだけ努力されたか、そういう点を明らかにしてまいったわけでありますが、それももちろん一番大事でありますけれども、これよりもっと大事なことが実はあるわけです。もっともっと大事な点を論議せねばならないということは、今度の値上げ案でかりに値上げがされたといたしますと、――もちろんわれわれは断じて、三党書記長会談で廃案ということになっておりますから、基本的には考えは変わりませんが、はたして受益者の国民にそのサービスという点が得られるのかどうかということであります。サービス問題、これは実をいうと、ある人によりますと、そんなことは小さな問題なんだというような人が中にはあるのですが、その辺のサービス問題というものはなかなか国民に説得されていない。値上げしてサービスがよくなるのか、依然としてはっきりしない。いつも値上げの理由として、単に人件費が上がって赤字であるとか、赤字線が多いとか、他の私鉄や交通機関と競合して苦しいとか、そういうことだけで高福祉高負担の論理で値上げをいうのならば、国民の納得はなかなか得られない。いままでも、サービスは改善します、より快適により安全に皆さんに乗っていただきますということを約束しておきながら、値上げされたあとは、また蒸し暑い毎朝の通勤列車で、へとへとに疲れてしまう。列車の中で新聞は読みたいが、新聞が読めるどころか、右手をあげたらあげたまま、足がそっちへいったらそっちへいったまま、こっちへ戻せない。お年寄りや子供や若い婦人はどんな思いで朝晩の通勤列車に乗っておるか。もう会社へついたらへとへとですよ。その上けがをする、命がけのことです。さらに列車はおくれる。後ほどもまた言いますが、そういったもうどうせ私たちのことは考えてくれてないのだという――もう乗客としては一番最大の関心事は何かというと、それですよ。ほんとうに快適に乗れるか、目的地へ着けるかということですから、その点は最も重要な国民に密着した問題である。はだ身で感じていく問題であろ。そういう身近なサービス問題ですら、官僚機構と申しますと失礼に当たるかわかりませんが、身近に感じていないんじゃないか。私は強く遺憾に思うものであります。財政負担、公共料金、そういう再建論議というものとは私は異質のものであるとは思いますけれども、私はあえて最もこれが大切であり、何回も言うようですが、まずサービスを願っておる国民に値しげの条件としてサービスの改善をしますという前提があるのかないのか、そういうこともはっきりしませんと、国民は値上げということは納得できない、こう私は思うわけでありますが、この点の総裁と運輸大臣の基本的なお考えをお伺いするものであります。
#235
○磯崎説明員 いまの御質問に二つの違った面からお答えさしていただきたいと思います。
 一つは、いわゆる設備的な面でございまして、これは昨日も、今後の投資計画並びに過去の四十四年から今年度までに至る一兆一千億の投資は大体予定どおりいたしましたという御報告を申し上げたはずでございます。今度の計画、どうも運賃値上げがすべてベースアップに回ってしまうのではないかという御質問がございましたが、これをもう少し計量化して申し上げさせていただきます。
 一応いまのままで運賃も上げず、また輸送量も伸びない、輸送量も現状維持だということに前提を置いた場合と今度の計画との違いを申し上げますと、収入におきまして約十二兆増収になることになります。すなわち運賃値上げで約六兆七千億それから輸送増で五兆三千億、合計十二兆の収入がふえます。この十二兆の収入をどう使うかということを申し上げますと、ベースアップに約五四%使います。それから利子の支払いに一三%使います。その残りが工事費ということになるわけでございまして、大体約二兆八千億から三兆くらいが工事費に回るわけでございます。したがって運賃値上げの分そのままでは金にいとめがついておりませんので、六兆七千億のうちから三兆というわけには申し上げられませんが、六兆七千億の運賃値上げと約五兆三千億のいわゆる増収、それを合わせましたもののうちから約二兆八千億を設備投資に使う。そしてその二兆八千億にさらに政府から一兆いただきまして三兆八千億、これが利子のつかない金でございます。それから残りの三兆二千億が借金、大体こういう計算になっておりまして、計算上から申しますと運賃値上げの分をただベースアップで食ってしまうというだけでないということだけは数字的にはっきり申し上げさしていただきます。
 それから昨日も御質問ございましたが、四十四年からいままでのものは財政体質の改善としては確かに思うとおりになりませんでしたけれども、いわゆる資本投下、たとえば通勤輸送の改善等につきましては大体予定どおり一兆一千億という投資をいたしました。現に東京付近の通勤にいたしましても、四十四年のときにお約束いたしました五つの東京に入ってくるルートのうちの四つだけはことしの七月十五日で大体完成して、一つだけが用地問題で残っているということで、これはおおむね四十四年度にお約束した通勤輸送の改善はいたしたつもりでございます。そういうふうにいたしまして、数字的に申しますれば、私どもといたしましてできるだけ運賃値上げの分は国民にお返しすべきだという覚悟でやっております。
 先生の御質問の第二点は、むしろそういうハードの面でなくてソフトのいわゆる私のほうの職員のサービス、予算委員会でも先生方から金のかからないサービスという御質問がございましたけれども、そういう御質問も相当あるというふうに私は存じております。これにつきましてはまことに申しわけない次第で、私鉄と比べて非常に国鉄のサービスが悪い、気のつき方がけしからぬというお話も多々承わっております。これはまた具体的にいろいろ御質問があるやに承っておりますが、これらにつきましては昨日も申しましたとおり、やはりこの際私のほうの職員が、国鉄利用者に対してほんとうに誠意を持つということをスタートラインとして、今後の再建計画に取り組んでまいりたいという意味で、私は私自身といたしまして、いわゆる計量化されないソフトウエアの面のサービスについては、全力をあげて関係の向きを指導し、また私自身のことで恐縮でございますが、一週間に半分は電車に乗りまして、そして実際どれくらいの混雑かということを見ておるつもりでございます。これは私どもの幹部一同、できるだけ自分で体験するのは当然でございますので、そういう方法によりましてもやっておりますが、なおなおそういう面につきましては力を入れてまいりたいと思うと同時に、これからの御質問につきましては、私は極力実際実施できるように、また別に全体を系統づけないで、一つ一つの問題について個々に解決してまいりたいというふうに総論的に申し上げてさせていただきます。
#236
○丹羽国務大臣 今回の財政再建計画は、先ほど私申しました、佐藤総理が所信表明のときに、発想の転換ということを申し上げたその一つのあらわれじゃないかというようなことを申し上げた次第でございますが、それはまだ萌芽かもわかりませんが、私はその点で四十四年度とよほど趣を異にしているじゃないか。要するに国鉄がこういうふうな財政の危機にありながら、やはり国民の国鉄に対する期待は非常に大きい、国鉄のサービスに対する要求は非常に大きいというところを十分把握をしていくことが、これからの国鉄が国民の皆様に対して報いる道じゃないか。それがためにはいま御指摘がございましたような良質のサービスを思い切って提供するということに重点を置いて、そのうちにありまして国鉄の財政再建をする。これがほんとうに国民の需要に適合したるところの施設でありましたならば、必ずそのうちにおきまして国鉄の再建はできると私は思っている次第でございます。
 これが国民の需要に合わないような方面に、この施設その他の投資が行なわれますれば、これはますます期待に反する次第でございますが、私はそれをちゃんとやってまいります。国民がみんなこれを望んでおる、また総合開発の点におきましても望んでおるということをやってまいりますれば、これは必ずできると私は確信をしている次第でございまして、ぜひとも国鉄の更生策というものはその道に向かって進んでいかなくてはいかぬということを私は強く考えまして、ただいまお願をいしている次第でございます。
 ただ、大都市交通につきましては、国鉄も、総武線の複々線化とかあるいはまた東海道線の複々線化とか三複線化とか、いろいろのことをくふうしてやっておりますが、御承知のとおり大都市交通の交通空間というものは非常に狭められてきております。地上におきまするところの、あるいは高架におきまするいろいろの問題につきましては非常に障害がございます。したがいまして、そういう点はやはり地下高速鉄道に寄らざるを得ない。いままでの国鉄方式では、これはやれない点が非常に出てきているんじゃないかという部面がございます。これは将来国鉄が地下鉄経営をするかどうかというような部面もございますが、ただいまはそれを営団あるいはまた都常その他にまかしている次第でございます。そういった面も合わせましてこれをやっていかなくてはならない面が非常に多い。それに先般の首都圏における総合交通体系におきましても、いわゆる十三路線というものを確定をいたしまして、これを具体的に実践化をさすということによりまして、混雑化を減らしてまいる。国鉄自体といたしましても、いま二四〇くらいになっておるのを早急に二〇〇までに下げていきたい、こういうような努力をしている次第でございます。これがすぐ直ちにきょうからできるというわけじゃございませんが、その努力でもっていま懸命に国鉄全員がやっておる次第でございますので御了承願いたい、こう思う次第でございます。
#237
○宮井委員 総裁も大臣もその面に努力をしていくということでございますので、それでは具体的にいまから御質問に入っていきたいと思いますが、わが公明党といたしましても、松本忠助議員によりまして四十五年六月十五日、私も同様にまた田中議員同様に四十六年九月十四日の二回関係者の座談会を開きまして、サービス問題を指摘をしておるわけであります。その後四国、九州、中国、東北の各地において調査員を派遣いたしまして調査を続けてまいったわけであります。その結果、十数項目にわたりまして改善方を申し入れてもきたわけであります。それに対して根本的にサービス改善の意図がなかなか見られないわけでありまして、まことに残念に思う次第であります。去る三月三日の衆議院の予算委員会でわが党の松本委員の質問に対しては、総裁は、私は二度ともその話はあとから報告を受けまして、すぐやれることはやりなさいという厳命を下しております、このように答弁をされておるわけであります。この答弁はまことにあれですが、いわば総理大臣の答弁のようにも、いとも簡単に形式的に指示したように思えてしょうがない。利用する国民、お容さんから見れば、まず第一にサービスということの重要問題を総裁としてはっきりしてもらわなければならないということがそこにおいて疑問に思うわけであります。その点はいま一度御答弁をいただきたいと思います。
#238
○磯崎説明員 先ほども申し上げましたとおり、私どものほうの提供するサービスの中には物的な設備の面と、そうでなしにいわゆる人間だけでやれる面と両方あるわけでございます。物的な面につきましてはるる数字を申し上げましたが、とにもかくにも今度の投資でもって相当な改善をするし、またいままでもことに通勤輸送については相当実際の金を使って実績があがっておるというふうに私は思っておりますが、ただただ人口の増加が私どものほうよりテンポが速いということでございます。具体的な問題につきましてはいろいろ伺っておりますが、私といたしましての根本姿勢は、やはり国鉄のサービスをよくしなければお客さんが利用してくれないというきわめて簡単な原理でございます。したがって、お客さんに対してほんとうにいいサービスを提供する、職員の一人一人が心からお客さんにサービスをするという気持ちになるということがサービスの基本であり、またかゆいところに手が届くというふうなことまでやれることになると思います。したがいまして、私といたしましての根本的な態度は、あくまでも物的サービスについては若干時間がかかるけれども、時間のかからないものについてはできるものから一つずつやっていくというのが私の主義、方針でございます。
#239
○宮井委員 それでは、やれるものはどんどんやっていくというお話でございますので、具体的にお伺いをいたしていきたいと思います。
 新幹線や特急列車には飲料水があるわけでありますが、その他の全列車にはないわけでありまして、車内販売もない。お茶も買えない、湯も茶も水も飲めない、このような快適な旅がはたしてあるだろうかということを考えるわけであります。特に子供をつれておられる方々、牛乳を溶かして飲まねばならない、あるいは薬を飲まなくてはならないというふうな方もあるわけでありまして、御持参しておるお弁当を食べるといったお客さまはどうするのかということを私たちは調査をいたしまして、このことは当局にそれを要請をしたわけであります。これは四十五年六月十五日の座談会で要請をいたしましたところ、その場の御回答では、自動販売機の研究をしてみるという回答であったわけであります。この自動販売機の問題はその後どうなっておるか。またその後の問題としては、急行以上は車内販売があるが、普通の列車は急行、特急に追い越されるため停車時間が長いから、おりてホームの水を飲めばよいというような返事であったわけであります。おりてホームの水を飲めばいいのだ、こういう回答であったのですが、それは事実かどうか、そしてどういうふうに考えておられるか、その点をお伺いします。
#240
○原岡説明員 列車で特急、急行のような特殊のものにだけ水があって、ローカル列車に水がない、このようなサービスを続けておることはまことに申しわけなく思っております。現在の水の提供につきましては、車内で保健衛生上心配のない水を提供するということにつきましては物的な面あるいは人的な面、かなり管理上いろんな問題がございまして、そのできるものについてだけいまやらざるを得ない、それでやっておる、こういうことでございます。しかしながらローカル列車には水がなくていい、このようには一つも考えておりません。ただこれをいまの時点でローカル列車にも水を供給する、しかも保健衛生上心配のない水を供給するというのには、まだ自信を持ってやるだけの段階に至っていないわけでございます。しかしそうはいっても、何かできるところからでもできないかということでいろいろ検討いたしたわけでございます。たとえば急行列車の回し使用によるローカル列車というものがあれば、それは市内における給水施設もあるしあるいは地上からの供給の設備もあるのだから、ローカル列車の中の一部だけでも何とかそういうことができないか、またそういうことをやることによってだんだん広めていけないかというような検討も私自身いろいろ突っ込んでおるわけでございますけれども、全体的には私先ほど申し上げましたように、まだできるということは申し上げられませんでしたが、具体的にとにかく一つでも二つでもやってみようじゃないかということで、この三月十五日から時刻改正をしまして、姫路と京都の間に走らせる快速列車、ローカル列車でございますけれども、これにはできないものかという見当をつけて、これは近々のうちに実行するというような運びにいたしておるわけでございます。そういうことで、全体的には先ほど来申し上げたとおりでございますけれども、できるところからでもやっていきたい、こういうような気持ちでございます。
 なお、お尋ねの最初の自動給水機でございますか、こういうものの販売機を研究してみろ、こういうことでございますが、これが車内の水の需要にこたえるゆえんになるかどうかということでは若干問題があるのではないかと思いますが、現在の状況では長野の国鉄の工場で試作品を製作中で近々完成する、このようになっておりますが、まだその試作品が完成したということは私聞いておりません、近々完成する、こういうふうに私聞いております。
#241
○宮井委員 われわれ完成したかどうかもわからないというふうなことでは、真剣に取り組んでおるという姿勢がなかなか見られない。またできるものからやっていきます、そういうことじゃ同じことでありまして、具体的にこういうふうに研究しているのだというものがなければ、おりてホームの水を飲めばよいといったことが事実なのかどうなのか、その辺のこともはっきりしないし、またやれる部分からやりますということで、どうも抽象的な御答弁で、この自動販売機にしたってできているかできていないかいまのところわかりませんなんといって、これは四十五年六月十五日に指摘しておるわけです。その点も私は納得いきませんので、もう一度お尋ねします。
#242
○原岡説明員 自動給水機といいますか、その点につきましては、まだ実は完成いたしておりません。近々完成するということでございます。
 それから、途中の駅で水を飲んだらいいじゃないか、こういうような御答弁を申し上げたという点でございますけれども、その点につきましては、途中で水を飲んだら、それでいいんだ、こういう気持ちで申し上げたわけではなくて、列車といたしまして、非常に停車時分が長かったりあるいはまた停車のチャンスが多いというようなのがローカル列車の一般の状況なので、そういう列車の性格上、そういう駅の水を御利用願えたら、多少それでもってその需要が緩和されるんじゃないか、こたえられるんじゃなかろうか、こういう気持ちで、列車の性格的な面からそういうことを申し上げた次第でございます。
#243
○宮井委員 それでは自動給水機を試作されておるそうですから、一日も早くその結果を掌握をされて、そして広く国民にそのサービスを提供するということを進めてもらいたい。要望しておきます。
 そこで、次に東京地区の電車には行く先表示というものは第一両の、前部に一カ所あるだけで、電車の塗色で区別してある、こういうふうにいわれておるわけでありますが、これではふなれな乗客は非常にまごつきやすいわけでありまして、不安な気持ちで緊張しっぱなしである。職員が自分がわかるからといって、乗降客にそれを押しつけて、あなた方なれなさい、なれれば何でもないんだという。なれさせるつもりか。私どもは各車両の側面にはっきり表示すべきである、このように要求しておるわけです。これは四十五年の六月十五日、この後新車はとにかくとしても、現在のものを改良するにはたいへんな費用が要るという回答があって、その後何もないわけであります。その点はどうですか。
#244
○原岡説明員 電車の案内表示、これが御指摘を受けるようなサービスでまことに申しわけない、こう思うわけでございます。ただ現在ある車両を機械的に前面と側面一緒に案内表示ができるというような設備をするにはお金がかかる、このように御回答申し上げておるわけでございます。人手によって側面の案内板を全部取りかえるということは人手がかかり過ぎる問題であって、実際問題として非常に不徹底なことになるので、結局機械的に前面と側面を操作するという案内表示をつくりたいということで、新製車両につきましては、先生御指摘のとおり当然のサービスとしてそのように実行するということで、七月十五日に予定しております総武線の開業時、二百三十三両の車につきましては、そのような設備をいたしております。それから新幹線の新製車両につきましてもそのような設備に改めております。そういう方向で逐次御指摘のとおりの基本的なサービスを充実させていきたい、かように思っております。
#245
○宮井委員 それでは逐次これは総武線、新幹線でも改良されておる。要望が取り入れられているようでありまして、多とするものでありますが、すべての車両に完成するのはいつごろかということをここで確約をしてもらいたいのであります。
#246
○原岡説明員 いまの時点ですべての車両がそのような状態になるのはいつの時点かということははっきり申し上げられない状態でございます。
 なお、いまの車両にそういうような設備を取りつけるということにつきましては、電気的な線路がいまの車両の構造では一ぱいになっておるので、それを改めるということ、それをまた新しく線をつくるということをしなければならないということで、現在の車両を改めるということはかなり金がかかるということでございます。全部の車両が新製されるのがいつかということは、いまの時点ではまだはっきり、いつになったら全部変わるかということは申し上げられません。
#247
○宮井委員 どうも確信のないお返事で、その点はもっと将来的な計画を立ててしっかりしたものを把握しておいてもらわないと、私ども何回委員会をやってこういうことを言ってもしようがないわけでありまして、もうしばらくもうしばらくと言っている間に、乗客の方は毎日乗るわけですから、不便を感じている人はいつも不便を感じておるわけであります。新車とか新幹線とか、そんなことはこれからつくることであって、もうそういうことは考えていくのは当然であって、それらの而もどうかしっかりと、基本的な計画、将来計画を、今度お尋ねするまでに立てておいてもらいたいと思います。
 そこで次の問題でありますが、新宿駅その他主要駅には東京駅同様に入場券を買わずに通り抜けの通路をつくるべきである。これはもうすべての乗客、付近の住民の方々が願望しておるわけでありまして、通り抜けの際にいつもお金を払って切符を買ってはまた裏口から出ていくというようなことで、いなかへ行きましても、私どもは再三このような問題が出てくるわけでありまして、これはもう大臣などもいつも御存じであると私は思っておりますが、これの指摘に対しては、当局も、同感である、今日の乗降客増加の見通しの誤りもございましてそういう点が改良されておりませんでしたということを認められておるわけであります。
 以上のほか、乗降客の立場になって改良すべき点がたくさんあると思う。他の交通機関と競争で増収をはかるべき国鉄としては根本的に再検討すべきである、こういうことを指摘もしたわけでありますが、その後この問題についてはどのようになっておるか、お答えをいただきたいと思います。
#248
○原岡説明員 これは駅があるために町の表と裏、前後が通り抜けできなくなる、非常に地元に御不便をかけておる、こういうことでございまして、その面につきましてはまことに申しわけない話である。これはまず物理的に前後の通り抜けができるような設備をつくるということが基本的に非常に必要なわけでありまして、あるいは駅を上に高架化にするとか、あるいはまた高架の下に入れるというようなことによって逐次通り抜けができるような物理的な改善を進めておるわけであります。
 少し具体的に申し上げますと、京浜東北線の複線化によりまして、川口、西川口、蕨、北浦和、これらの駅は四十三年の十月に通るようになりました。それから常磐線につきましても、高架化によりまして、亀有、金町、北松戸、馬橋、北小金、南柏、柏、各駅前後通じるようになっております。それから総武線につきましても、この四十七年の七月から、平井、小岩等々の駅で総武線の複々線化の完成に伴ってできるようになる、こういうことでございます。
 なお、いま御指摘のようなところですでに解決しておる駅につきましては、大船が四十六年の四月、蒲田が四十六年の七月、田町が四十六年の二月、それから近くできるようになる駅は平塚が四十八年の六月、河辺、羽村、これらも四十七年度中にできるということです。現在非常に問題になって、しかもまだ見込みがなかなか立てられないという駅につきましては品川、鎌倉等がございますが、物理的にこれは前後を通り抜けるように改良する際にやらなければならないということでございますが、物理的な改良でなくても何とか扱い上できないものかというふうに苦慮いたしておりますが、その点につきましてはなお今後も研究いたしたい、かように思います。
#249
○宮井委員 そこで、まだ実現していない駅についてひとつ促進をはかっていただくことを要望いたしておきます。
 次に、不なれな旅行者に対する乗りかえ通路等の標示の件でありますが、駅の乗りかえ、私鉄、地下鉄との接続通路等の案内標示は全くよくない、不親切である。構内広告の様式で一部広告をつけて標示板をつくれば増収策にさえなるはずということを指摘したわけであります。四十五年六月十五日の座談会で、主要線からさっそく総点検をやって改善すると答弁がございました。その後四谷その他一、二の駅は若干改善されましたが、地下鉄等に比べてほんの申しわけ的で不十分である。この点はどうですか。
#250
○原岡説明員 駅の案内が非常によくない、これはまことに申しわけのない話と思います。実は、これもいろいろな案内がないことはないのでありますけれども、きわめてばらばら、至るところにあるということで、統一性がないというような欠点があるためお客さんに非常に御不便をかけておる。そこで去年から重点的に、主要な駅についてぜひわかりやすい、利用しやすい、見やすい駅にしようということで、実は具体的に上野駅につきましては、先生も御案内と思いますけれども、乗りかえのホームにおいて全体的な案内がわかり、そして自分が行くホームがその案内を見ればよくわかり、そして自分の行くホームのところに行くと発車する列車がよくわかるというように、かなり上野駅については改善をしたように思っておるわけでございます。
 なお、東京駅についても総点検という意味合いで、いろいろ案内を整備して、掲示類の整備をいたしております。カラーと絵でもってなおわかりやすくしよう、こういうことで地下駅の開業とともになお一そう具体的に進めていきたい、こう思っておるわけであります。
 なお、そのような物理的な案内もさることながら、どういう案内をするのが一番いいかという意味合いにおきましては、現場長がお客さんの一番案内を欲している点はどこであるかというようなことを、自分が立つ、あるいは職員が毎日立ってお客さんの案内に対する要望をつかまえて、その要望にこたえていくというような方法で逐次案内板を整備していく。もう少し具体的に申し上げますと、非常に案内の要求の多い場所につきましては、それを案内するための紙の掲示を張る。それが非常に多いということになればほんとうの掲示にするというようなことを主要な駅長さんあるいは職員というようなことで、人的にその案内を整備していく、こういうようなことで逐次やっておるわけでございます。
 なお、全体的といたしましては、部外の有識者、それからこういうものについて非常に関心を持っておられる利用者、こういう方のいろいろの御意見を聞くような場をつくりまして、どういうふうに案内するのが一番利用しやすいか、見やすいかというのは現在でも定期的に研究いたしておりますけれども、なお今後それを一そうそういう方向で、見やすい、利用しやすい駅の掲示というものの整備に励んでいきたい、こういうように思います。
#251
○宮井委員 全体のものとしてはまだまだ問題にならないと思いますから、すべてこれから逐次その点をひとつ改善をしてもらいたい、このように要望をしておくものであります。
 次に、鉄道案内所、旅行相談所等の不親切ということがありますが、近郊地方都市、有名行楽地等時間表で簡単にわかるところは問題ないわけでありますが、ローカル線からの乗りかえ、座席指定の有無、私鉄、バスの乗りかえ等について詳細に尋ねると、めんどうくさい態度で親切に調べてくれない。現地に着いてから尋ねたがよいとか、たぶんだいじょうぶという返事しかない。周遊券の場合でも抜いてある。四十五年六月十五日、交通公社と国鉄双方から、資料の足りない点もあり、早急に十分な資料を集め、満足のいくように努力する、態度の悪い点も一そう注意いたしますという回答があったわけでありますが、何らこれは改善されてはいないわけであります。相変わらず不親切で態度もよくない。この点はどうですか。
#252
○原岡説明員 案内所の不親切、これもまことに申しわけない話でございます。問題といたしまして、この案内所に非常に向いた人間、これを置いておるかどうかという反省が一つ。それからもう一つは、欲する案内を十分にタイムリーに提供できるかどうかという問題、この二つになろうと思います。
 この人的な面につきましては、特に案内業務の重要性がサービスのごく第一歩であるということで、非常にその重要性を強く認識いたしまして、中央鉄道学園において講座を設けまして、そうして毎年百人くらいにその案内サービスの勉強をさせ、それがまた現地管理局に行きまして中心になりまして案内の基本的なサービスを指導し普及していく、こういうような体制にいたしております。
 それから、案内する内容、これにつきましては各地の状況がいろいろ変化していく、それをタイムリーに発と着の状況を把握するために、毎月一回本社で「販売情報」という名前でいろいろ各地の変化しておる状況をまとめた印刷物をつくりまして、全国にその状況がわかるように配付いたしており、それを読めば案内の非常に役に立つというような勉強をいたしておるわけでございます。そういうことで、非常に人的な面においてもあるいはまたインフォメーションにおきましても重点的にこれを改善していく、こういう方向でやっておるわけでございます。
#253
○宮井委員 それでは、いろいろ申し上げたわけですが、私が申し上げたい点を結論的に申し上げますと、政府が国の責任において、公共割引で申し上げましたような財政援助、その他の援助そうして国鉄の企業努力、それから先ほど指摘いたしましたような不明朗な資材の購入というようなことも改めていただいて、そうして特にまたサービス問題という国民の最大の関心事であるようなことについても十分これから取り組んでいくということを、その場限りではなくて、このサービス問題一つとりましても、項目ごとに文書で通達してもらいたい。それを資料として私どもももらいたい。そうして期日を明記して知らせてもらいたい、こういう考えをしておるわけであります。それによってまたさらに私どもは見守っていく。再建のためにはサービスなどかまっておれないというようなことは言われないでしょうけれども、利用客をないがしろにしない、国民の足としての国鉄として今後そういった面を十分勘案して取り組んでいくというような総括的な御答弁を国鉄総裁と運輸大臣から最終的にいただきまして、私の質問を終えたいと思います。
#254
○磯崎説明員 先ほど来サービスの問題につきましていろいろ非常に具体的な御忠告を賜わりまして非常にありがたく存じております。私どもといたしましても、まだまだたくさん実は先般の座談会の結果の話を伺っております。中には時期を明示できないものもございますけれども、できるだけ早くできるだけ具体的に仕事を進めて、そして再建計画の一番大事な問題としてサービスの向上に邁進いたしたいということをはっきりお誓い申し上げます。
#255
○丹羽国務大臣 先ほど来具体的の事例をあげまして一々適切な御質問をいただきまして、まことに私ども今後国鉄を監督していく上におきまして、非常な重要な参考になった次第でございます。御指摘の点を十分踏まえまして、国鉄再建の道に遺憾なきように進むつもりでございますので、御了承願いたいと思います。
#256
○宮井委員 なお最後にあたりまして、私は決してこれで納得したわけではございませんので、まだまだ先ほど指摘しました問題等、この場では解決しない問題も多々あります。そのような資料も要求しておりますから、資料要求等も委員会に出していただく。なお、私の質問は保留をいたしまして、同僚の田中委員からも関連質問がありますから、よろしく委員長、お取り計らいをお願いしたいと思います。
#257
○小峯委員長 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#258
○小峯委員長 速記を始めて。
 次回は来たる十二日午前十時から理解会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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