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1971/06/06 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 商工委員会 第28号
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1971/06/06 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 商工委員会 第28号

#1
第068回国会 商工委員会 第28号
昭和四十七年六月六日(火曜日)
    午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 鴨田宗一君
  理事 浦野 幸男君 理事 小宮山重四郎君
   理事 橋口  隆君 理事 武藤 嘉文君
   理事 中村 重光君 理事 樋上 新一君
      大久保武雄君    神田  博君
      北澤 直吉君    左藤  恵君
      坂本三十次君    始関 伊平君
      田中 榮一君    羽田野忠文君
      八田 貞義君    前田 正男君
      増岡 博之君    山田 久就君
      石川 次夫君    岡田 利春君
      加藤 清二君    島本 虎三君
      田中 武夫君    近江巳記夫君
      岡本 富夫君    松尾 信人君
      川端 文夫君    米原  昶君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官      稻村左近四郎君
        通商産業省公益
        事業局長    三宅 幸夫君
 委員外の出席者
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月六日
 辞任         補欠選任
  塩崎  潤君     左藤  恵君
  佐々木更三君     島本 虎三君
同日
 辞任         補欠選任
  左藤  恵君     塩崎  潤君
  島本 虎三君     佐々木更三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 熱供給事業法案(内閣提出第八二号)
     ――――◇―――――
#2
○鴨田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、熱供給事業法案を議題といたします。
 質議の申し出がありますので、順次これを許します。石川次夫君。
#3
○石川委員 熱供給事業法案で、まず最初に伺いたいのは、熱供給事業のメリットといたしまして、ここに説明が出ておりますのは、地域全体の生活環境の改善に寄与するほか、建物ごとにボイラー等を設置する必要がなくなって一カ所の熱供給センターに集約される結果、エネルギーの有効利用、それから建物スペースの有効利用、省力化、また都市災害の防止、大気汚染の防止、こういうふうなことが羅列をされておりまして、いいことずくめのようなかっこうにはなっておりますけれども、念のために伺いたいのでありますが、このことによって大いに省力化をはかられるし、生活も簡易化されるしというふうなことで、たいへんけっこうな法案だろうと思うのでありますが、大気汚染の実態でありますけれども、大気汚染の防止ということに関連して、何か具体的に、このことをやることによってどの程度大気汚染の防止をされるかというようなメリットがあるかどうか、その点の何か証拠になる、裏づけになるような資料があれば、ひとつ御提示を願いたいと思うのであります。
#4
○三宅政府委員 お答え申し上げます。
 この事業は、まだ現在稼働中の設備が十カ所程度でございまして、全国のエネルギー計画の中でどの程度の効果があるかというような大きな分析はできないわけでございますけれども、昨年五月でございましたか、公害基本計画におきまして、内閣総理大臣から東京都その他数府県に対して基本計画に関する指示が出ておりますけれども、その中におきまして東京都、名古屋、大阪等、過密都市においてはぜひこの熱供給事業を推進すべきであるという公害防止上の効果を判定した勧告が出ております。われわれがいろいろなシステムアナリシス等の手法によりまして、いままで分析いたしました結果によりますと、ボイラー等の熱効率の上昇によりまして、従来の個別の冷暖房方式から見ますと、熱効率が二〇彩以上改善することが大体わかっております。ただこれはあくまで熱量の量的な減少でございますが、それによりますスケールメリットによりまして経済性が上昇してまいりますので、従来の重油等々よりも、なお軽灯油等の良質の燃料油を使っても、ある程度経済性ないしはお客さまに対するサービスが可能であるというメリットがございます。また、排出源が一つのプラントに集中されるわけでございます。従来個別のビルで個々に地下に供給設備を持っておりましたのが、集中されることになりますので、公害防止行政等の観点からも非常に徹底的な指導ができると考えております。現に東京都においては、この点を非常に意識しておられるようでございます。どの程度の効果というのはまだ十カ地点でございますから、定量的には申し上げられませんが、たとえば札幌市街地に現在プロジェクトがございます。これは現に稼働を開始しておりますが、完成は四十九年ということになりますが、その計画によりますと、札幌市の大気汚染は半減する、かようにいわれております。また、江東の防災地区においても、現在計画がございますが、これにつきましても、われわれが試算をいたしますと、着地濃度の最大値は十分の一に減少する、かような計算が出ております。
#5
○石川委員 大気汚染の関係で、相当な効果が望める、あるいはまた省力化、あるいはまた経済性の面でも恵まれるということになれば、この法案に対しては、われわれは双手をあげて賛成をしなければならぬということになるだろうと思うのでありますけれども、ただうのみにそういういい面だけをするわけにはまいらぬと思う点も、若干危惧の念もないわけじゃございません。
 そこで伺いたいのでありますけれども、熱供給事業というのは相当の多額の先行投資を必要といたしますけれども、公益性が非常に高いという事業でありますから、料金の点は相当適正な水準に据え置かなければならぬ、こういうことになるだろうと思うのであります。しかしながら、これは建設当時にあたりましては、当初は相当採算が困難であるというようなことになって、相当料金が高い、だんだんにこれが安くなっていくというようなことになっていくのだろうと思いますけれども、現在事業を実施しておる企業、いまのところ十地点ほどあって、これから八十地点ほど予想されておるわけでございますけれども、この収支の見通しというふうなものは一体どうなっておるのだろうか、あるいはまた耐用年数は一体どのくらいに見込んでどういうふうな収支の見通しがとられておるのだろうかというふうな点について御質問をしたいと思うのであります。
#6
○三宅政府委員 御指摘のとおり、この収支の問題ないしは料金の問題は非常に今後この熱供給事業が全国に普及することを予想いたしますと、重要な問題でございます。現在われわれが試算いたしました、ないしは情報として勉強いたしました結果によりますと、たとえば北海道では先生御存じのとおり、公務員に年間約三万五千円の石炭手当が出ております。これは大体月当たり六千円程度になるわけでございますが、地域暖房を北海道では熱供給公社――公社といいますが、これは株式会社でございまして、北海道庁、札幌市並びに北海道東北開発公庫の出資が七割ほど占めておる、いわゆる第三セクターでございますが、その会社が札幌に供給しております料金は、従来月当たり二DKで四千二百円から五千五百円、三DKで六千円程度でございまして、先ほど申し上げましたいわゆる石炭手当というものとの見合いで考えておるわけでございます。したがいまして、そういうような非常に低い料金でこの事業を普及させるといたしますと、大体の大観的な観察では初めの三年ないし四年は赤字でございます。それから累積赤字が解消するには七年とか、八年とかかかるわけでございますけれども、長い目で見ますると、この事業は相当企業的にも、また国民経済的にも、有望な事業ではないかと考えております。私どもが各方面の学者あるいは研究家を動員いたしましてシステムアナリシスの方法によりまして勉強いたしました結果によりますと、軽灯油の低硫黄燃料を使いまして、たとえば千キロカロリー三千円の同一燃料を使いまして、従来の個別な方式との比較でどういうことになるかという試算をいたしますと、大体この事業は十五年くらいの償却期間を考えますと、二割ないしそれ以上の割り安になると試算されております。逆にそのメリットを生かすために、過密の都市では都市ガスという非常にエネルギーのコストとしては高い、しかし完全な無公害燃料を使うという形態も登場しておるわけでございます。しかし、これはあくまでも十五年ないしは――まだこの事業については厳密な大蔵省からのいわゆる原価計算の耐用年数がきまっておりませんけれども、大体個別の加重平均をいたしますと、十五年ないし十七年で計算しておるわけでございます。
#7
○石川委員 それでいまの料金の問題ですけれども、あとから順次触れていこうと思うのでありますが、公益事業である、こういうことでいろいろな助成融資というふうなものを考えてもらいたいし、現在でも考えておるわけですが、それを強化してもらいたい。こういう要望をわれわれとして持っておるわけでございますが、それだけに消費者の立場に立って、公益事業であるということで料金の設定はいたずらに利益を多く与えるということであってはまずいという一面と、それから最初のうちはいろいろな助成策は考えておりましても、たとえば固定資産税なんかは最初は少なくする、だんだんに多くするというふうな方法もとられるようでありますが、そういうことをやっても最初のうちはどうしても赤字になる、だんだんに黒字になってくるというふうな性質のものだろうと思うのですね。そうすると、料金自体が最初のうちは高くてだんだんに安くなるというようなことになるんではなかろうか。そうなりますと、問題は、たとえば分譲住宅であればそれでよろしいのですけれども、これが賃貸アパートとか賃貸マンションとかということになりますというと、最初に入った人がえらい損をして、あとからだんだん料金が安くなるというような不公平も出てくるわけです。こういう点で、フラットな料金を徴収をするというふうな目安を立てた基準というものでこれを許可していく、あるいはまたいろいろな公益事業としての恩典を得ておるわけですから、いたずらな利益を受けないというような一つの抑制策というものが必要なんではなかろうか。こういう点はどういうふうにお考えになっておるのか、またそのめどがあるのかどうか、これをひとつお知らせを願いたいと思うのです。
#8
○三宅政府委員 従来は公益事業の恩典を受けておらなかったわけでございますが、本法律案の附則におきまして、他省関係の公益事業も含めまして、電気、ガスと同じように公益事業の税制上の恩典を与えたいと考えております。一つは工事負担金の圧縮記帳でございます。それから地方税におきましては、固定資産税の課税標準の特例措置を設けたいということでございますが、そういう恩典を与えることによりまして、この事業が初期の段階から現在非常に大きな赤字を背負ったままでスタートしておりますが、初期の段階における負担をできるだけ軽減したい、かように考えておるわけでございます。
 そこで、料金水準がどうかということでございますが、従来はこの事業は個別冷暖房方式との競合の中において需要者を獲得していくという性格上、非常に公的な色彩の強い経営方針がとられております。先ほど申し上げましたように、北海道でも、いわゆる石炭手当というものを頭に置きながら料金水準が設定されておるわけでございますから、逆に言いますと、相当無理をして初めの期間は赤字を続けていくということはやむを得ないと考えるのでございます。したがいまして、この法律案におきましても、他の公益事業立法例に見られるように、適正原価プラス適正利潤という考え方は捨てておりまして、初めは利潤がなくてもやむを得ない、できるだけ原価計算期間を長期に延ばす、たとえば八年とか十年とかという期間の中においてお客さまにフラットな形で、しかも事業の開始後数年間は赤字でも長期的には安定した料金を設定するということによりましてこの事業の普及と、同時に需要者に対するサービスを考えてまいりたい、かように考えております。
 ただ、この事業はまだ発足が新しい事業でございます。普通の電気事業、ガス事業のように供給区域をある程度先取りいたしましてそのあとから施設がくっついていくというよりも、これはむしろ供給区域というよりもブロックに近い供給エリアでございまして、しかもその需要の構成は地区によってまちまちでございます。住宅地が中心になるところもございますし、業務ビルが中心になるところもございます。また、先行投資の期間も非常に長いのが原則でございますが、その長い先行投資に対して、需要をどう現実化していくかということのテンポはまちまちでございます。燃料配管等の設定も、地区によりまして公害対策上の要請に即応してまちまちでございますので、とりあえずわれわれといたしましては、料金算定基準というものを厳密に事業当初から適用することはやや無理である、ケース・バイ・ケースに認可していかざるを得ないと考えております。
 ただ、相当期間がたちますれば、追加投資の必要がなくなるケースが多いわけでございますので、原価算定も非常に類型化してまいると思いますが、そういう段階におきまして、いやしくも安易な料金値上げが消費者に転嫁されないように、この際立法措置を講じて、将来についての厳密な査定の根拠を設定しておきたいというのがこの法律案を提案した一つの理由でございます。
#9
○石川委員 料金算定にあたっては大体その考え方でよろしいと思うのでありますけれども、大体この需要というものは減るということはなくて、漸増していくということが常識だろうと思うのです。そうしますと、その需要増というようなものも見込んだ上で料金の算定の基礎というものをつくっていく、こういうかまえが必要であろうと思うのです。その点はお考え置きを願いたい、こう要望したいと思うのであります。
 それであらゆる面で見て非常なメリットがあるということからこれを促進をしなければならぬということになりましても、いまの料金算定の問題、あるいはまた企業の収支の見通しの問題等で、民間だけではなかなかできぬというようなことも出てこようかと思うのです。そういうことでは国民の期待、需要にこたえ得るということにはならないので、この事業の健全な発達を何とか実現をさせるという観点から、ほうっておけば採算性のいいところだけつまみ食いをするというようなことになりかねないので、長期的な事業展望の上に立ちまして、その必要性に応じて、国民の需要に応じて、そうしてその地点を選んでやっていけるというふうな形にまで国がめんどうを見るという体制が必要なんではなかろうか、こう思うわけであります。国としても税制上、固定資産税は五年間は三分の一、六年から十年は三分の二というふうに、いろいろと考えておられるようでありますし、また軽油引取税というふうなものは免除をするというようなお考えもこの法案の中には入っておるようでありますけれども、その他いろいろな融資の関係も考えていかなければならぬのじゃないかという感じがするわけであります。そうなりますと、四十六年は北東公庫でもって八億円、開発銀行でもって二億円、それから公害防止事業団で十六億円、大体二十六億という形になっておりますが、四十七年になりますというと、北東公庫は四億円、開銀が十億円、公害防止事業団が六億円で二十億ということで、四十六年よりは四十七年のほうが減っておるという形になっておるわけです。これはもちろん札幌のオリンピックということがありまして、それに備えての北東公庫の出資というものが多かったんではなかろうか、こう思っておりますけれども、それにいたしましても、この法案をわざわざつくって、いろいろなメリットを考えて、国民の立場に立って、あるいは大気汚染の防止の立場に立ってこれをやろうとするかまえからすると、この予算のあり方というものは非常に消極的なんではなかろうか、こういう感じがするわけであります。
 ところで、この開銀の融資というのは特利によってやっておるのか、どういう利息でやっておるのかという点と、それから去年に比べてことしのほうが減っているというのは、札幌のオリンピックがなくなったということでありましょうけれども、北東公庫で減っているのは、大体八億円に対して四億円でありますから四億円しか減っておりません。ところが予算全体としては六億円、大体いまのところは減っておるというかっこうになっておるわけでございますが、これはちょっとしりすぼみで、法案を新たに出したという意気込みとは照応しないのではないかという感じがしてならぬわけなんでありますけれども、この点はどういうふうになっておるか、またこれからどういうことにしなければならぬと局長はお考えになっておるか、伺いたいと思うのです。
#10
○三宅政府委員 確かに北海道東北開発公庫の融資は減っておりますが、これは先生御指摘のとおり、真駒内の計画が四十六年をもってある程度ピークを過ぎたからでございます。当初はこの事業は北海道――現在すでに五地点稼働しておりますが、北海道から端を発しておりまして、漸次全国的に普及をしております。そこで、本年度から特に開発銀行の特利融資の対象に取り上げたわけでございまして、昨年度は通利で二億の実績でございましたから、本年度から開発銀行は七分五厘の特別金利を設定するということでスタートをしております。本年度は十億でございますが、この十億は予算要求の段階ではもう少し多かったのでございますけれども、途中でやはり一、二点、こういう地域に密着した事業でございますので、予算要求の段階からセットする段階までにこぼれるケースがございまして、結論としては十億でございますが、十億で私は本年度は十分やっていけると考えております。
 なお、今後数年間の間に、一応地方公共団体あるいは関係デベロッパー等々のアンケート調査によりますと、八十カ地点程度の計画がございますので、そういう計画に即応いたしましてこの開発銀行の金額はふやしてまいりたい。ただ特利というルールはすでに四十七年度からルールとして決定をしておりますので、その点はそのまま進めてまいりたい、ないしはさらにこの特利の引き下げ要求も考えたい、かように存じております。
#11
○石川委員 公害防止事業団のほうが去年十六億でことし六億になっているという事情が一体何に起因するか。これはこれからも公害防止ということとの関連でこの事業を位置づけるとすれば、公害防止の上からも積極的にこの助成、融資というものをはかるという姿勢が必要なのではないかと思うのです。これはだいぶ減っておりますが、特殊な事情があるのだろうと思いますけれども、これから先はこれをどんどんふやしていくということでお考えになっておるのかどうか、その点ちょっと伺いたいと思うのです。
#12
○三宅政府委員 公害防止事業団の融資金額が減りましたのは、昨年度に第一期計画のピークが来たからでございます。そういうことで、本年度別に政策的な意欲の後退ではないと御了承いただきたいと思います。
 今後、この熱供給に関する資金源をどこに求めるかということは非常に議論の多いところであろうかと思います。御存じのとおり、北海道、札幌のケースは当初から北東公庫、札幌市、北海道がそれぞれ出資をいたして、さらにこれについては五分五厘の特利をもって公害防止事業団が特にこの地区のいわゆる黒い雪というものを解消するといいますか、既設の地域における冷暖房事業を起こそうというので、非常に低い特利を出しておりますが、これは財政当局からの感じといたしますと、例外中の例外だという感じがあろうかと思います。しかしながら、私どもといたしましては、極力この事業を全国的に普及してまいりたい。そのためには、北海道東北開発公庫あるいは開銀、公害防止事業団、あらゆる従来の取引の実績のある政府関係金融機関の御協力を得まして、しかもできるだけ安い金利で、今後この事業の助成をはかってまいりたい、かように考えております。この点は、四十八年度の財政投融資計画を議論する際に、あらためて私どもとしても研究させていただきたいと思います。ただ、幸いにして本法の御審議が御了承がいただけますなれば、この法律はあくまで公益事業の規制と消費者の保護並びに保安の確保という点からの消費者立法、保安立法でございまして、まだ育成振興法という構成は、法文上は必ずしもとっておりません。揺籃期の産業において、よくない業者が出てくるということに伴う混乱をできるだけ未然に防止したいというのが念願でございますが、幸いにしてこういった法律を御了承いただきますれば、それを基礎にいたしましてさらに将来の振興育成についての構想を練りたい、かように考えております。
#13
○石川委員 この事業の助成措置というものは、当然考えていただきたいと思うのでありますけれども、この事業をやる場合に、国が中央においていろいろな事業計画を策定するということは非常に困難だろうと思うのであります。そこで地方公共団体の協力を得て、その地方公共団体が地域ごとに公害防止という観点から、こういう計画を推進するという計画を立てさせる。そしてそれを積極的に公害防止の計画の中に位置づけるというようなことを、特に人口密集地帯において行なう必要があるのではなかろうか、こう考えるわけであります。たとえば、地域冷暖房の指定地域というふうなものを設ける、こういうふうなことも行なう。それから地方公共団体がビルなんかを所有している人たちの需要家を指導するというようなあり方で、個々に暖房をしないで集中暖房をやったらどうかというふうなことを指導することも必要なのではないかと思っておるわけでありますけれども、それは通産省だけでもいけないので、環境庁あたりも含めて、こういう計画を一本化して、政府も一体となってこれをやるというような施策を検討してみる必要があるのではなかろうかと思っておりますが、現時点ではどういう方向づけをこの地方公共団体あるいは環境庁との関連において考えておるか。それから地域暖冷房の指定地域ということをこれから考えるという用意があるかどうか、この点を伺いたいと思うのです。
#14
○三宅政府委員 この事業がどういうところに普及するかということは、熱効率の関係からおのずから距離の限界がございます。熱密度の高い、年間を通じあるいは昼夜を通じて需要があまり大きくはフラクチュエートしないという熱需要サイドの実態に加えまして、地元において計画的な町づくりがうまく行なわれるかどうかということが、この事業の健全な発展の大きな前提条件ではなかろうかと考えております。したがいまして、私どもはこの事業の推進にあたりましては、ただいま御指摘のとおり中央の関係各省、特に地方公共団体との意見を十分に調整いたしまして、地元の住宅開発計画あるいは都市計画あるいは公害対策、こういったものとの調整を十分はかって推進してまいりたいと考えております。
 先ほどのような熱の需要サイドから見ますと、いわゆるニュータウン方式あるいは都市の再開発、また過密都市における思い切ったスクラップ・アンド・ビルド、こういったようないろいろなタイプ、業態が発展していく場合に考えられると思いますが、特に過密都市におけるスクラップ・アンド・ビルドを含んだ新しい中高層集合ビルということになりますと、相当思い切った助成措置をとらなければいけない。現に江東地区等々を考えますと、相当問題のある地域でございまして、ここに思い切った中高層集合住宅をつくるということになりますと、これは当省の所管になるかどうかは別にいたしまして、これを政府として相当思い切った助成措置を講じなければいけないということになろうかと考えております。
 ただいま御指摘の指定地域制の問題でございますが、東京都はすでに公害防止条例におきまして地域冷暖房についての指定地域制を一応とっております。ただ、まだその地域の具体的決定は行なっておりませんが、地域指定制をとり、かつ指定が行なわれた地区につきましては、その中に住んでおられる企業につきまして一応協力義務、これはあくまで訓示規定でございますけれども、そういった計画に参加する協力義務というものを訓示規定としてうたっております。全国一律的にこの問題を律するわけにはいかないと思いますが、特に非常に過密しておる防災地区的な性格の区域については、国として相当な手を打たなければ、この事業がその地区には芽ばえない、かように考えております。
#15
○石川委員 いまの地域暖冷房の指定区域というのは、東京都で行なわれておるということになりますと、これからこういう地域指定というふうなものを行なって、これに対しては助成策なり何なりを積極的に国としても講ずるという方途をぜひ今後実現できるように、地方公共団体の指導あるいはまた環境庁との緊密な連絡会議と申しますか、そういうものをもってそれをぜひひとつ実現したらどうかという感じがするわけであります。
 それから保安対策ですけれども、いままでは全然放置をされておったものを、これからはこれでもって規制しようという一歩前進した姿がこの法案の中に見られるわけで、その点はわれわれとしても賛意を表するわけでありますけれども、実際問題としてこの事業というものはいままでやってない事業であるわけです。でありますから、監督指導というものがうまくいくかどうか、十全に行なわれるかどうかということについて危惧の念がないわけではございません。たとえばボイラー規制なんかはいままでもやっておったわけでありますけれども、こういうものについてはパイプの規制、導管の規制というようなものについてはガス事業で一応やっておるということにはなっておりますが、ガス事業とは若干違う。ガス事業よりも気圧も低いしやりやすいという面もあるかもしれませんけれども、現在の体制で保安対策というものは行ない得るのかどうかという点についての見通しをひとつ伺いたいと思うのです。
#16
○三宅政府委員 前段の御指摘につきましては全くそのとおりでございます。環境庁その他地方公共団体と十分な連絡をとりながら、都市計画あるいな住宅計画あるいは公害防止計画との調整――調整といいますか対応を十分つけてこの事業の健全な普及、発展をはかりたいと考えております。
 それから、保安対策についても、ただいま御指摘のございましたように、ボイラーその他の機械につきましては、すでに対応する法律がございます。労働基準法あるいは高圧ガス取締法等々がございますが、今回、そういった個々の機械がシステムとして一体になっておりますこの熱供給につきまして、システム的な観点から、安定供給のための技術上の基準を設定したいと考えております。特に公衆安全の関係で問題になりますのは導管の問題でございますが、基本的には、ガスの導管と共通したタイプの性格のものでございます。ただ、中を通っておりますのが、ガスは非常に危険物であるという点は違いますけれども、大体共通的な問題でございますので、当面、本法で設けております工事計画の審査あるいは使用前検査の実施にあたりましては、私の局におります、あるいは通産局におります、ガス工作物の検査官等の資格を有する者をしてこの業務に当たらしたいと考えておりますが、今後、この事業が全国的に非常に普及して、拡大してまいりますと、そういった人数だけではとうてい処理できませんので、そのときには、所要の人員の増加ないしは特に専門的な技術者の養成あるいは都道府県に対する研修、講習等の実施等をはかりまして、人的面においてもこの事業の普及、発展に即応した体制を準備してまいりたい、かように考えております。
#17
○石川委員 最後に伺いたいのでありますが、きのう実は石油パイプライン、われわれとしては非常に不満な点がたくさんあったのでありますけれども、結局反対のまま、押し切られた形でもって法案が通ったわけです。その中の一番問題の一つとしては、強制収用の対象になるかどうかということが議論されたのでありますけれども、われわれとしては、石油パイプラインは強制収用の対象にはなり得ないであろう、これは事業法ではないかという点で反対をいたしたのでありますが、しかも、これは鉱山局の扱いであって、この熱供給の関係は公益事業局の扱いで、公益事業であるというふうな認定をされておりますだけに、この分については当然強制収用というものは出てくるんではなかろうか、こういう感じがしたわけであります。ところが逆にこれには強制収用の条項は全然ない。これは地域的に非常に狭い範囲で行なわれるから、別に土地の問題でいざこざは起こらない、あまり遠距離のものでございますというと熱効率が低くなるからそういうことはできないということを予想して強制収用ということはとられなかったと思うのでありますけれども、場合によってはかなり広範囲な地域にわたってこの事業が行なわれるという可能性なしとしないわけでありまして、その場合に強制収用というものは行なわれ得ないということになりますと、石油パイプラインのほうは事業法であるのに強制収用という事項があって、公益事業であるのにこのほうには強制収用というものはないという矛盾が法文上からは出てくるわけであります。この点の矛盾をどうお考えになるか、これは局長だけに伺っても少し無理かと思うのでありますけれども、これは政務次官がいらっしゃっておりますので、ひとつこの点の御見解を伺いたいと思うのです。
#18
○稻村(佐)政府委員 きのうも、パイプラインのときの土地収用問題について大臣からお答えをされたわけですが、土地収用という、そういった背景がなければいろいろ交渉を進めるということができない、こういうことをたいへん力説をされておられました。そういった関係から、土地収用を適用するということは全く考えてないと、こういうふうにお答えになった、こういうふうに記憶しております。そこでこの熱供給事業の問題ですが、これはまあ、性格がだいぶん石油パイプラインとは異なっておる。この事業を導入することによって生活の改善と申しますか、生活環境がたいへん向上する。その中でもやはり料金問題あるいはその経営問題というものがたいへん大きな問題になってまいりますので、いま御指摘のような遠いところにこれを引くとか――地域集中暖房という供給の形でございますから、原価主義とかあるいは公平主義とか、あるいはこういったものを貫いていくというような関係から、もちろん申し込みによって、その人の希望によってなされていくわけでございますから、土地収用をしなければならぬと、こういうような状態が全く生まれてこないんじゃないか。特にまた土地収用というふうな背景のもとで交渉をしなければならぬというものはほとんどない、こういうふうに考えております。
#19
○石川委員 これで私、質問を終わります。
#20
○鴨田委員長 引き続いて質疑を行ないます。島本虎三君。
#21
○島本委員 自民党の人たちを集めるために休憩したのに、こうやってみたら、野党が集まって自民党の人が減っているという現状でございまして、この点は本末転倒でございます。どうも私自身遺憾に思う次第でありますが、一応質問をさしていただきます。
 熱供給事業法案、これが提案されました。先ほど石川委員からいろいろ鋭い質問もございました。私はそれを聞いておりまして、今後、都市計画や住宅計画並びに環境保全等の関係から各大臣並びに環境庁関係とよく打ち合わせをしてやるのだ、こういうような話があったわけであります。もっともだ、こう思って聞いておりました。この法案の中に、大気汚染防止または環境保全ということばが幾つ入ってございますか、これは事務当局にまず伺っておきます。
#22
○三宅政府委員 法令の用語としては入っておりません。ただ、この法律の審議における各省連絡調整の過程におきまして、環境庁からは、非常な御支援と御鞭撻をいただいたことをこの際、感謝の意を込めて御答弁したいと思います。
#23
○島本委員 そうすると、この熱供給事業法案、その内容や今後の施行については、おっしゃるとおり理解できます。しかし、この目的とするところは、環境保全と公害防止の目的が全然考えられておらないということになりますが、この点はいかがでございますか。
#24
○三宅政府委員 お答え申し上げます。この法律は、公益事業規制、すなわち消費者の保護と保安――これは公衆の安全並びに熱供給施設の継続的安定的な供給を保証する技術上の監督と両方含めました広義の意味の保安でございますが、その二つを主たる目的にしております。それで、いま御指摘の熱供給事業を全国的に普及し、浸透し、それによって環境保全をはかるという振興法、育成法の性格は、この法律にはあまり強くは出ておりませんけれども、この法律を作成いたしました第一のねらいは、この事業がまだ揺籃期である、しかし、おもしろくないケース、よくない業者が出てきて、この事業の将来への大きな夢をつぶしてはいけない、そういう意味におきまして、先ほど来申し上げました公益的な監督をまず強化いたしたいというのがねらいでございます。ただ、若干、従来の公益事業、これは幾つかございますが、従来の公益事業に準じまして、附則におきまして、地方税並びに法人税につきまして、固定資産税の特例ないしは工事負担金の圧縮記帳という税法上の優遇措置がとられております。なお、法律とは関係ございませんが、本年度から開発銀行の融資を特に七分五厘の特利を設けることになりました。本年度はまだ十億でございますが、この需要が今後伸びますれば、この金額はスライドしてふやしてまいりたいし、また、全般的な金利引き下げの傾向におきまして、この七分五厘という特利のレベルにつきましても、なお引き続き引き下げの要求交渉をしたい、かように考えておるわけでございます。
#25
○島本委員 都市公害といえば集中暖房、こういうようなことを言っている男がいる。これしか知らぬのかと言わんばかりの論評があったのは、約十一年前のことでございまして、そのころ、やはり都市公害ということで、集中暖房によって大気汚染を防止する方法がいいのじゃないか、こういうようなことをわれわれ主張しておった時代があったわけであります。いまや公害が環境破壊ということになって、かけがえのない地球を守るための協議がストックホルムでいま行なわれている最中に、本法案の審議が国会で行なわれている。ここに意議がある。こういうように私は思っておったのでありますけれども、まあこの中へちょっと目を通してみますと、そういうふうなものと全然関係がなさそうな立法の趣旨のように受け取れるわけであります。私自身、こう往時を顧みて感なしとしないのでありますけれども、公害防止的な見地を十分生かしてやるのがこれは重要だと思うのです。もうすでに札幌ではこれを実施してございます。札幌の熱供給の公社ができて、そして通産省並びに環境庁の指導のもとに行なわれているのは、これは環境保全の公害防除のためだ。現在、札幌の中心部で石炭をたいてまっ黒けになる。雪祭りをしても三日で雪像をくずさなければならない。なぜか、白い雪がもう黒くなる。そういうようなばい煙の状態では困るということで、集中暖房を実施し、そうして冬季オリンピック大会もそれによって好評のうちに終わった。まさにこれは公害対策の一助として行なわれたのであります。そうすると、今回、以前にできた札幌のほうと今後できる熱供給事業との関連は全然別個のものであると解すべきなんですか、それの一環としてこの中でそれは考えられるものですか。もしそうだとするならば、目的の違いはどういうように解明できますでしょうか、これをひとつ説明願いたいと思う次第であります。
#26
○三宅政府委員 ただいまの御指摘のとおりでございまして、私どもは、間接的に公益事業規制を加えることによりまして、本事業の健全な発達をはかり、消費者の保護に資し、保安の確保につとめたいということでございますが、同時に、この法律を作成する過程におきまして、札幌のケースは、非常に具体的なケースとして私どもの頭に残っておった問題でございます。御存じのとおり、札幌のケースは、私どもも数年前から関係いたしまして、公害防止事業団から特に低利の融資を行ない、現在、北東公庫からも融資を行なっておるケースでございまして、こういうような形で、官民合体してこういう新しい事業が今後振興され勃興するということは非常に期待しておるところでございます。
 なお、具体的に札幌のケースについて申し上げますと、ただいま御指摘のございましたとおり、この十月から稼働する第二期計画は、軽油を燃料とすることになっておりますが、軽油引取税は道路財源的な性格の強い法律であるということも勘案いたしまして、特に公害対策の観点から、軽油引取税の免税措置を講じたい、かように考えております。
 公害防除ということはわれわれの大きな責務でございますが、この供給事業は、ボイラーの効率が非常にいいために燃料の消費量が少なくとも約二割以上は減少いたします。その減少したコストをスケールメリットによるコストと合わせまして、できるだけ重油の中でもA重油あるいは軽灯油、あるいは非常に高い料金でございますがガスというような良質燃料を使うほうに回していきたいというのがわれわれのこの事業に対する熱意でございますし、また従来個々のビルに設置されておりましたボイラー等も集約化することによりまして、地元の都道府県あるいは地方公共団体とも対応いたしまして、公害防止対策の徹底を期したいと考えておるわけでございます。先ほど申し上げました札幌のケースは、先生御存じのとおり、特に札幌市からの強い要請によりまして軽油をたく、こういうことになったわけでございまして、私どももそれについては十分の敬意を払い、そして税法上の所要の措置を講じたい、こういう次第でございます。
#27
○島本委員 それならば、この長い法律案の中で一カ条ぐらいまたは一語ぐらい、公害防止とか環境保全とかまたは大気汚染防止とかということばが出てしかるべきですが、それが一つもない。どうもこの点は、政務次官、よく聞いておいて今後の参考にしてもらいたいと思うことです。説明はよくわかりました。
 しからば、あの管の中へは高熱のお湯を通すわけでございます。そうなります場合には、もし被害が起きた場合にはその周辺は、ちょうど原子力発電所がちょっと事故を起こした、それまではいきませんけれども、熱いお湯がふき出ることになります。この点等十分慎重に考えておかなければなりませんし、先ほどいろいろ保安対策の点についても御質問があったようでございますが、被害が起きた場合、これはやはり起きないということを前提にしても対策を立てておかなければならないんじゃないかと思います。当然その中には補償等についても考えておかなければならないはずのものじゃないかとも思うのですが、その点等の配慮は十分でございますか。
#28
○三宅政府委員 おっしゃるとおり導管の問題は、従来法律的には空白の状況にございましたので、今回この法律によりまして導管についても技術上の基準を設定し、工事計画について届け出並びにそれについて必要な場合の改善命令の規定を設け、さらに工事の各工程ごとに使用前検査を行なう、こういうことにいたしておるわけでございます。大体気圧にいたしまして二十気圧それから温水は行きが大体二百度で、需要者、ビルのほうで熱を奪われまして帰りが百二十度ということになっております。
 ただ、失礼でございますが、原子力ほどこわいものでも何でもございません。私どもはこの点は十分な監督はいたしますけれども、皆さんのほうであまりこわいものだと思われますと、この事業の健全な発展のために、妙なイメージが起こりますので、その点は非常に注意してまいりますけれども、あえて弁明させていただきます。
#29
○島本委員 そのとおりなんです。ただこわくはないものだという概念でそれをやって、もしものことがあってとんでもないことになっては困るから、この点は考えておかなければならないということなんです。あれはやはりいかにしても熱湯でございますから、その場合の対策は十分立てておかなければならないはずであります。この辺の対策、いま聞きますと、点検その他事前事後においてやるそうであります。しかしそういうようなことが絶対ないようにしておくのがたてまえです。しかしながら、もしあった場合の対策も考えておくのが対策です。そういうようなことにおいて万遺憾ございませんかということなんですが、対策は考える必要がないんだということですか。
#30
○三宅政府委員 特に導管の問題の御指摘だと思いますが、導管につきましては、この法律に基づきまして材料、構造、接合状況あるいは伸縮吸収の装置、防食の装置等々、十数項目にわたる厳重な技術上の基準を設定いたしたい、かように考えておりますし、工事については事前に計画を届け出ざせ、各工程ごとに使用前検査を行なうことによりまして、対策については万全を期したい、かように考えております。
#31
○島本委員 ちょっとくどいようですが、許してください。万全を期しておるから事故は起こらない、起こらないから対策はいまない、こういうふうに考えておられるのですか。対策まで考えておりますと言ってくれたらいいのです。どうも万全だからいいんだというようにしかとれないのですが、この辺は政務次官のほうがいいんじゃないですか。そろそろ事務的な段階を離れて、これに対してはっきり政務次官としての意思表示をなさったほうがいいのじゃないかと思います。
#32
○稻村(佐)政府委員 御指摘の点ですが、いま局長がお答えいたしましたように、基準というものは日本の技術者の相当高いレベルで決定されておるわけです。個人方式と違いまして、集団熱供給ということになりますと、保安体制というものは確立をしていきます。これは個人とは全然違ってまいります。専門家が必要に応じてそこへ配置されます。まず保安体系が確立をする。またパイプ等におきましても、これは良質なもので、あるいはまた接合等、こういったものはまず御心配がないのではないか。あそこの高いビルでも、おそらく三十五階にいる人は、これではどうだろうか、こう心配しますと、なかなか上におれないと思うのです。そういう意味合いから、やはり日本の技術をぜひひとつ信頼をしていただきたい、こういうふうにお答えをするのがよいのではないかと思います。
#33
○島本委員 日本では技術上心配がなく、それを指導していなさる機関が科学技術庁であります。その科学技術庁が実験において大失敗をしたというので、科学技術庁の長官が更迭された例さえ昨年あるのであります。そういうようにして、ほとんどあるべきでない事故がばんばん起きておるし、今回の場合には特に熱湯を配湯するということになりますが、これは原料その他を吟味し、その施工その他においては十分検査してやっておるから安全なんだという、その考え方が事故のもとなんです。これを実施する以上、国の指導方針はこれになるのです。今後は都市の一つの改革、熱供給事業ということは地域の冷暖房事業ということになり、これは大気汚染防止はもとよりですが、火災予防のためにもなる、同時にエネルギーの有効利用のためにもなる、あるいは交通難の緩和のためにもなります。こういうようにしてこれは多くの公共的なメリットがあるわけであります。都市生活の環境改善や公害防止、それに寄与するところが多いし、そのための整備上きわめて有効だと思うがゆえに、これは今後通産省としては都市の指導指針になるのじゃなかろうか、その一つの項目になるのじゃないか、こう私どもは思うから、これに意義を見出しているのです。したがってそうなると、都市計画ないしは都市再開発計画にこの事業がどのような基本的な考えを持っておるのか、これはまことに重要なんです。こういうことは発生しないというが、予想もしないようなことがいま発生しているのが光化学スモッグ、もうすでにきょうは東京都のほうからこれに対する見解が発表されていることは皆さん御存じのとおりであります。こういうようなことを予想した人は一人もいないのです。こういうことのないようにするために熱供給ということで今度は一つの転機をはかろうとするわけなんです。それに対して大気汚染防止ということばもない。環境保全ということばもない。災害に対する対策もない。全部安心だからこれを信用しなさいということではこれはやはり不安じゃないかというのが私の感じなんですが、では局長のほうから将来のこの見通しと計画について、ちょっと解明してみてください。
#34
○三宅政府委員 災害防止につきましては、この法律で、保安の確保ということで法律の目的にも明示してございます。二十条から所要の規定を整備してございます。それから将来の見通しという御質問、あるいは私取り違えておると失礼いたしますが、大体の傾向を私どもがつかんだところで申し上げますと、現在稼働中の地点は十カ地点、それから地方公共団体、デベロッパー等々にアンケート調査をいたしました結果によりますと、ここ数年間に開始ないしは着工したいという地点が約八十カ地点、これは北は北海道から南は福岡まで全国に点在しておりますが、約八十カ地点希望地点がございます。ただまだ経営の主体がきまってないところもございますし、なかなか地域に密着した事業でございますから、八十カ地点がそのまま実現するかどうかは別にいたしまして、全国的にそういう機運が盛り上がっていることはこの数字からも類推できるかと存じます。
#35
○島本委員 保安すべてこれは今後の規定にゆだねられていますから、その規定のつくり方が大いに問題になるだろうと思います。これは十分配慮していまのような、私どもの危惧する点なんかを解明するようなそういう規定をつくって、十分運営されるように私は望んでやみません。同時に本案の目的の一つに熱供給事業の健全な発達をはかることがはっきりうたわれているわけでありますが、法案の内容は監督規定が大部分のようであります。事業の発達、育成のためにどのような施策を今後講じようとするのか。おそらく都市再開発のための一つの指針にもなるような、こういう重要な法律案の一つでありますから、今後やはり事業の発達、育成のためにどのような施策を講じようとするのかという点もこの際明らかにしておいていただきたいと思います。
#36
○三宅政府委員 先ほど来申し上げましたように、この法律は公益的規制を加えることによりまして、間接的かもしれませんが、本事業の健全な発達、消費者に対する一つの有効な指針をつくってまいりたいということでございますが、ただいま御叱正をいただきましたように、さらに環境庁、建設省あるいは地方公共団体と密接な連絡をとりまして、必要な場合には政府の資金も導入いたしましてこの事業の普及、浸透をはかってまいりたいと考えております。特にニュータウンあるいは都市の再開発の場合は、従来の金融ベースでもまだいいかと存じますが、問題の過密的な防災区域につきましては、相当思い切った国の施策が政府の姿勢として必要ではないか、かように感じております。
#37
○島本委員 田中通産大臣は先般、火力発電については、いま石炭の問題が暗礁に乗り上げておる状態の中で石炭専焼の火力発電を今後復興さしていきたい、そして山をつぶさないようにすべきじゃないか、こういうような発表もあったわけであります。熱供給事業にはなるほど多くのメリットがあることは私どもは先ほどから言っているとおりでありますけれども、大気汚染防止のメリットというのはこれは意外に大きいものがあるのです。全部集中して一つでやりますから。そういうような点を私は一つのメリットとしてつかんでおるのであります。しかしこの法案の中にそういうような点がうたわれていないというのは私は不満なんです。これに対する考え方と、大臣が石炭専焼の火力発電、今後それをひとつ大いに取り入れてやっていきたいということをはっきり言明しているのです。そうならば、この熱供給事業に対してたく燃料も石炭にするのか石油にするのか、これもやはりはっきりさしていただいて、大臣の意向と政策と行政を一致させなければならないのじゃないかと思いますが、この点等は十分配慮されてございますか。それとも大臣が石炭専焼の火力発電を今後重点的に考えるというのは独走の部類なのでしょうか。ひとつこの点もあわせて御答弁願いたいと思います。
#38
○三宅政府委員 ヨーロッパ等におきましては、熱供給事業の経営主体に電力会社が入っておるケースが多いのでございますけれども、残念ながら日本ではまだ都市の住宅構造が平面的に分散化しておりますので、どうしても中高層集合住宅がある程度まとまったところでなければこの事業は成り立たない。したがいまして、石炭火力ないしは火力発電とこの熱供給事業との技術的な連携というものにつきましてはまだ十分な検討といいますか、目算がついていないわけであります。ヨーロッパでは、たとえばスウェーデンは原子力発電とこの熱供給事業とを併用しております。その他の諸国におきましても石炭火力とこの供給事業を結びつけておるわけでございますが、それは物理的ないしは距離的に日本ではなかなかむずかしい。ただ、いわゆる工業コンビナートにつきましては、発電所から出てくる熱と熱供給事業のサイドからの受け入れというものを結びつけることができるのではないかということで、現在モデル計算、システムアナリシスを勉強中でございます。
#39
○島本委員 よくわからなかったです。ほかの国では一緒にしているが、日本では一緒にしていないというのですか、一緒にしているというのですか。
#40
○三宅政府委員 住宅街あるいはビル街を中心にいたしますこの熱供給事業の熱の受け入れというものは、相当集約されたところで集合的に需要がなければ経済的に乗ってまいりませんので、日本では発電所はどちらかというと過疎地帯に多いものですから、なかなかマリッジがうまくいかない。ただ工業コンビナートにおきましては発電所からの余熱をコンビナートの工業用プロセス蒸気として使うことが可能ではないかということで、現在それについての経済計算、技術上の計算等含めました分析をしておる、こういうことでございます。もう一度申し上げますと、これは、大体四キロぐらいのところでしかこの事業は成り立ちません。電気やガスのように広範な地域に普及するものではなくて、中高層、集合的な住宅街あるいはビル街にのみとりあえずはこの供給事業が経済採算に乗る、ないしはお客さまに満足できる値段で供給できるということでございますので、日本のように家屋が非常に低くて分散しておるところでは、全国至るところにすぐにこの事業ができるということにはならないということを申し上げたわけでございます。
#41
○島本委員 石炭か石油か、こういうようなことについてもまだ具体的ではないということですね。
#42
○三宅政府委員 これは、当該市町村あるいは当該公共団体におきます大気汚染防止法上の規制に対応いたしまして燃料計画は設定されるものであろうと考えております。したがいまして、たとえば東京のように非常に公害問題のシビアなところでは無公害燃料といわれます、しかし反面コストが非常に高いのでございますが、ガスが使われております。北海道におきましては当初の第一期計画では北海道熱供給公社は石炭、第二期計画は軽油、これはほとんど無公害燃料でございますが、そういうものを使っております。われわれは全国この燃料でなければならないということを一律的に規制することはいかがかと思います。当該地区の状況に即応いたしましてできるだけ公害の少ない、また地元の御納得いかれる燃料を使うようにという指導をしたい、かように考えておるわけでございます。
#43
○島本委員 先ほどの説明にありましたように、この事業は新しい事業で、熱供給施設の技術面の問題、こういうような問題が意外に多いのではないかと思っております。たとえば先ほど言ったように導管の故障であるとか建設費の巨額になる問題、いろいろこういうような問題もあるでしょうけれども、導管の故障の事前発見というようなものに対しては慎重でなければならぬ。集中した場所にこれがあるだけにやはり重要だと思うのであります。したがって、政府のほうでは熱の供給施設の建設費の軽減をはかるために、または導管事故の事前発見のための積極的な技術開発それから技術指導、こういうようなものは当然行なわなければならないのではないかと思うのです。集中した場所に行なわれるのが効率があがるのだ、こうおっしゃいますれば、なおさらこの問題は考えなければなりません。この技術開発、技術指導の面においては万遺憾なきを期してございましょうか。これからどういうような施策をする考えでございましょう。
#44
○三宅政府委員 御存じのとおり、ガスにつきましては、ガス導管のガス漏れについての検知器についての技術開発が相当進展しておりますが、ただいま御指摘のこの事業につきましても、事前発見についての技術開発を今後進めたい。何しろこの事業が発足いたしましたのが北海道円山団地が初めてでございますが、その以外は四十五年以降でございますので、現在工業技術院並びに業界と対応いたしまして技術開発についての促進をはかっておるところでございます。
#45
○島本委員 ぴりっとしないのですよ。この技術開発や技術指導を十分やらないと、密集した地域にこれを行ないますから、導管の故障の事前発見であるとか、こういうような問題に対しては、人身に具体的な影響をもたらすようなことになりかねません。したがって、これをやる以上、前提条件として――砂漠のまん中であるということならばさほどしなくてもいいかもしれません、人のいない山の中であるというならばさほど配慮しなくてもいいかもしれません。しかし、効率をあげるために人口の稠密な地帯にこれをやる、こういうような御説明でございますから、それならば、事故を防ぐためにも、それから効率をあげるためにも技術の開発と技術指導は十分考えておかなければならないのではないかということなんです。これがありますかどうかということなんです。将来これを考えましょうということなら、考えない人はだれもおらぬです。これから十分考えるのであって、まだそこまでいっていないというならいいのですが、何か答弁のための答弁のようであって、私自身よく理解できないのは申しわけございませんが、その辺もはっきりさしてください。次から次へと移りますから。
#46
○三宅政府委員 答弁がどうもはっきりいたしませんで申しわけございません。導管の技術については、現在ドイツ、アメリカから技術導入が行なわれております。ただ、それだけでいいとは私は考えておりません。ガスの導管についてはガス漏れの検知器が開発されたように、日本でもこの導管についての安全性の事前発見について何らかの検査方法、検定機械がないものかということで、現在所要の委員会を設けて検討中でございます。
 それ以外の機器につきまして、たとえば冷凍機あるいはボイラー等々につきましては、昨年の八月通産省の機械工業振興法の規定に基づきます高度化計画に指定をいたしまして、技術開発並びに性能の向上について現在所要の目標を掲げまして、たしか五年計画だと思いますが、その線に沿って業界を強力に指導しておるわけでございます。
#47
○島本委員 いろいろわれわれの手元に業界と思われるような筋からの陳情、要請が届いておるのであります。しかし、先ほど局長の御説明があったように、まず行なわれたところは寒冷地であって雪の深い札幌の円山方面からだ、こういうようなことでございます。そうなりますと、熱の供給事業の経営の形態というのを見る場合には、有力な企業が参加してやっている場合、また副業的にやっている場合とか、いま円山云々ということがありましたけれども、単独でそれらの人たちが経営する場合と、経営の形態がそれぞれ違うのではないかと思うのです。経営基盤がはっきりしているもの、強いもの、こういうものに対してはわりあいに指導がしやすい。それからサラリーマンを主体とするような経営基盤の弱いものに対しては、ことに公益的な性格があるがゆえに、このような問題に対しては特別な助成策であるとか指導策であるとかいうものを持たなければ、これは単なる営利事業になってしまうということです。そういうおそれがもうすでに発生している現状ではありませんか。これは単なる営利事業、もうけ本位の一つの事業だけにしておいたのではいけないのではないか。そのためには特別な助成策であるとか、また赤字である場合には、健保の問題がいま参議院でゆれているようですが、ああいうふうにして無制限に赤字になっていくのを防止するのは初めから必要なんですが、やはり熱供給事業の中でも、経営の主体が弱くて、赤字の補てん、借り入れ金利の利子の補給、こういうようなものを指導してやらなければならないような必要性のある団体も当然できるのではないかと思うわけです。それに対処して十分公益的な立場から性格をはっきりさせるために考えられておりますかどうか、あくまでもこれは営利主体に行なうような考え方でございましょうか、この点もまたはっきりさせておいていただきたいと思います。
#48
○三宅政府委員 ただいまの御質問、論点は二つあろうかと思います。
 つまり、経営基盤の弱いものをどうするかという問題と、赤字に対してどういう対応策を考えるかという御質問だと思いますが、経営基盤が弱いもうけ主義の営利事業、これは本法が施行されますと、許可基準におきまして、経理的基礎が弱い、あるいは技術的能力が貧弱であるというものは許可しないつもりでございます。将来この事業が有望であるがゆえに、かえってそういう泡沫会社が出ることを防ぐために、本法第五条の許可基準におきまして、経理的基礎ないしは技術的能力の弱いものは許可をしないということにしておるわけでございます。
 しかしながら第二点の問題は、御指摘のとおり、経営基盤が強い会社でも、この事業の特殊性にかんがみまして初めの数年間は赤字で、累積赤字を解消するまでにはさらに二、三年を要するというケースが多いわけでございます。これは消費者に対する妥当な、ないしは低廉な値段でこの事業を普及させるためには、どうしてもそういうことになると思いますので、この法律におきまして、他の公益事業にならいまして、工事負担金の圧縮記帳並びに地方税におきます固定資産税の軽減措置をとっておるわけでございますし、また先ほど来申し上げましたように、開発銀行等の融資におきまして特に本年度から七分五厘という特利の制度をとったわけでございます。さらに、この事業を特に重点的にあるいは防災計画地区等に普及するという意思決定がありますれば、さらにこれについて所要の上乗せの助成措置が要るかと思いますが、それは政府全体の問題として今後関係各省と協議してまいりたい、かように考えております。
#49
○島本委員 わかりました。そうすると、熱の供給事業を会社経営にした場合には、一般会社並みの税負担では経営に変圧を加えることになるし、経営が軌道に乗るまでは税制上優遇策も必要である、それに対しては考えられておるようでございまして、税制上の優遇措置としては、工事負担金の圧縮記帳というのですか、それから償却資産に対する固定資産税の減免措置、こういうようなものを考えられておる。なるほどわかりました。しかしそのほかに、やはり事業税であるとか不動産取得税の減免であるとかまたは延納及び電気ガス税の免除、こういうような措置を十分考えてやっていい団体と、考えなくてもいい団体が当然できるかと思いますが、こういうような件に対してはどのようにお考えですか。
#50
○三宅政府委員 事業税は大きな税の項目であることは御指摘のとおりでございますが、現在この事業につきましては売り上げ高課税ではなくて収益課税になっておりますので、みな赤字でございますから事業税は現在納入しておりません。電気ガス税は非常にややこしい税体系でございます。昨年も自治省に要求いたしましたがついに実現を見ておりませんが、引き続き検討いたしたいと考えております。電気ガス税の問題点というのは、ガスが特にこの熱供給事業で問題になる税項目でございますけれども、ガス税については現在のところ特例項目がないという点、それから一般のガス消費者と熱供給を受けておる事業者とのバランスをどうするかという点に問題があるわけでございます。根本的には私どもは電気ガス税は全廃すべきであると考えておりますが、その全廃までの過渡期においてこの税をどう扱うか非常に重要な問題でございますので、昨年に引き続いて検討させていただきたい、かように考えております。
#51
○島本委員 だんだん進んでまいりまして、案外事務的なほうにまで入ってまいっておりますが、あまりこまかくなった場合はこれは局長じゃなく事務当局からそれぞれ答弁してもけっこうでありますから、的確にひとつ願いたいと思います。
 まず熱の供給事業が成り立つための要件というものがございます。これは熱需要を確保することがまず先決条件でありますから、当然このためには新設ビルのみならず既設のビルであるとか熱需要を確保することが当然必要になってくるわけであります。札幌等において成功しているのは、そういうような場所を先に特約したからにほかなりませんし、現在では導管がいまの二倍ほどあってもまだ足りないような状態になっているのであります。初めの計画が小さきに過ぎているわけであります。あまりにも経理の点また将来の点をおもんぱかって正確な経理を実施させるような指導をしていった結果が、これが、はっきり現在ではつくったとたんに不足な状態であります。やはりこういうような熱需要を確保するということが必要であり、需要を十分伸ばしていくこともあわせて必要なわけであります。そのためには現在やっているボイラー、こういうようなものに対しても十分考えておいてやらなければならない点も多々あるのじゃないかと思いますが、この点はどういうようにお考えでございましょうか。未償却のボイラーを廃棄した場合には、その損金の繰り延べ、こういうようなのを認めてやるとか特別の措置を講ずること、こういうようなことをしてやると、需要に応ずるために、その周辺の企業体、こういうようなものも進んで参加でき得るようなことになるのじゃないかと思います。いまだにそれに原因をして参加できない企業もあるのでありますが、これは実際私が見て聞いてきた話であります。それと環境庁、こういうようなものも北海道や寒地帯に限りますけれども、大気汚染防止に積極的に協力する実を示すためにも、率先して地域のこの熱供給事業、いわば地域暖房、こういうようなことに加入することが必要なんです。実際はそれが予定どおりに行なわれておらない。札幌等においては、はっきり全部加入するということになわておりますが、まず加入をして数年後に置かれておる、こういうような実態であります。それはやはり未償却のボイラーを廃棄した場合には損金の繰り延べを認めてやるかどうか、特別措置を何とかして講じてやらなければ、すぐそれを実用化する場合には困難性を伴うことになろうかと思うのですが、この点等についても将来とくと考えておいてやったほうがいいと思いますが、見解がございまするならばひとつお示し願いたいと存じます。
#52
○三宅政府委員 まだ実はまとまった見解がないわけでございますが、昨年来この法案を私の局内で審議するときにそういう加入の促進に関する条項を設けるかどうかということは大いに議論をいたしました。議論をいたしましたが、ついに結論を得ないまま、といいますのは、これは公益規制を中心にした立法体系にまとめたからでございまして、振興育成法という性格が薄いために加入協力義務はございませんが、先ほども申し上げたかと思いますが、東京都はすでに公害防止条例におきまして指定地域をつくって、その指定地域に指定された区域の人は加入協力義務という訓示規定が入っております。特に防災計画あるいは問題のある地域についてはそういうことも今後必要ではないかということ、それに対応いたしましてボイラーの残存価額について何らかの特別の加速償却がないものかということは私どもの問題意識にかねてからあることは事実でございますが、まだ結論を得ておりません。
#53
○島本委員 したがってこの中にそういうような意味のことをよく盛っておいて指導してほしかったのでございます。しかしこの熱供給事業法が実施され施行された場合に、事業者に対しての政府関係機関からの融資、こういうようなことになるのかどうか。融資するとするとどの機関がこれを行なうようになるのか、融資の条件はどうなるのか。この際国民に知らせる意味においてこの点もはっきりさせておいていただきたいと思う次第です。
#54
○三宅政府委員 現在この事業に対する融資ルートは三つございまして、一つは公害防止事業団、これは先生御存じのように、北海道熱供給公社について特に手がけていただいたケースでございます。それから第二は北海道東北開発金融公庫でございますが、これも従来から相当の実績をいただいております。ただ遺憾ながら北海道東北開発金融公庫につきましては必ずしも特利の制度が明確に業種別に設定されていないものですから、北東公庫はいまだ特利の実現は見ておりません。開発銀行につきましては、大都市に関する限り本年度から従来の通利を特利に改めまして、金額も昨年はたしか二億程度の金額でございましたが、今年は別ワクをとりまして十億、これで本年は十分やっていけますが、来年はさらにこの特利のレベルを引き下げ、またおそらく工事規模もふえると思いますから、ワクも拡大してまいりたい、かように考えております。北東公庫の問題は、従来の経緯がございますので、従来の実績はそのまま尊重する。ただ特利をどうするかという問題はなお残っておる問題でございます。
#55
○島本委員 この熱供給事業というもの、これは寒地においては北海道をはじめとして暖房には一番よく利用される、直接利用される。これをまた冷房にも当然利用されることになるのじゃないかと思うのでありますけれども、そうなりますと、寒いところでもあたたかいところでも両用にこれを今後利用できるようになる。必ずしも寒いところばかりに限ったような熱供給事業にはこれはならないのじゃないか、こう思われるわけです。それを利用してそのまま冷房装置にもできる装置があるのじゃないかと思うのです。そうなると、これは寒くてもよし、暑くてもよし、いずれのほうにもこういう事業が必要だということになりましたら、将来はこれは大いに販路は拡大するでありましょうし利用もされるでしょう。都市の開発上一つの重要なポイントにもなるだろう、こう思われます。ただし少し私自身のほうに我田引水になるかもしれませんけれども、熱供給事業が寒地に限る場合には、あまり冷房というものに使われない。両方に使われる場合が一番いいということになりますけれども、やはりこれはもう暖房だけにとる。すなわち冬季が長過ぎるような地点、こういうようなところにはやはりもう相当優遇したような措置を指導してやらなければならぬのじゃないかと思うのです。幸いにして地域暖房事業に対してはいままで公害防止事業団のほうから札幌では五分五厘の特別利息でこれは利用されているようであります。開発銀行によると七分五厘のようでありますけれども、今後本法案が実施されたあとには、特に前からこういうような有利な状態でやっていた事業に対して不利にならない条件、こういうようなものを確立しておかなければならないのじゃないかと思いますが、この点等についてひとつはっきりしておいてもらいたいと思います。この事業法ができた以上は、全部これによって払わなければならないのか、以前に創意こらして、特殊事情等考慮して、これ以下の金利その他優遇されているようなこういうような地帯に対しては、そのまま有利な状態を認めてやるのか、この点等についてもこの際はっきりしておいていただきたい、こう思います。
#56
○三宅政府委員 申すまでもなく、この法律を施行いたしまして公益事業規制を加えることではございますけれども、結果的にこの事業の普及推進をはかりたいとわれわれは考えておるわけでございますので、御指摘の点は従来の条件を悪くすることは絶対にあり得ない、さらによくしたいと私は考えております。
#57
○島本委員 そういうふうにしてやってもらいたいと思います。それと、この地域暖房が、当然これは都市の中心部において行なわれる場合、一番効率があがります。すなわち、このボイラープラントは、なるべく都心部またはこれに近いところに設置されることが、経営上これは必要であり有利であるということになります。それから、これは現在の土地の状態からして、なかなか困難であるということでございますが、そのためには未利用の公有地であるとか、こういうような点を特に考慮するのでなければならないのじゃないかと思いますが、むしろ現在は安全性のために地下にこういうような施設をするような、地上だけじゃなく地下にこういうような施設をするようなことを考えたならば、案外土地の利用を立体的にしますから効率もあがるのじゃないか。都市を中心にして考える場合は、地下にこういうような一つのボイラープラントをつくり上げるのも一つの有効な手段じゃないか。また、安全性を確保するためにもいいのじゃないか。こうも思われるのですが、こういうような発想はいかがでございますか。
#58
○三宅政府委員 全く御指摘のとおりでございまして、私もさように考えております。
 地下のプラントにつきましては、まだ計画が成熟しておりませんけれども、丸の内にそういう冷暖房計画がございまして、それは地下にプラントを置きたいという話を聞いております。成田に置く計画はまさに地下にプラントを置くという計画になっております。
#59
○島本委員 この通産大臣の権限の一部を通産局長または都道府県知事に委任することができるようになっておりますが、どういう権限を委任するお考えでございますか。
#60
○三宅政府委員 まだ十カ地点でございますので、ケーススタディー的な意味において、本省で直轄してしばらくまいりたいと思いますが、地方で相当これの事業が普及してまいりますれば、事業の実態並びに研修制度を普及することによりまして、とりあえず保安面から地方にこの権限を移してまいりたい、かように考えております。ただ、権限の問題を離れまして、本事業は地方公共団体と密接にやらなければとうてい十分な成果をあげ得ない事業でございますから、本法案の作成の過程におきましても、自治省と十分連絡をとり、また本法案の審議の前段階における委員会におきましては、地方公共団体の代表の方も参加いたして審議を重ねたわけでございます。今後もさような精神でやってまいりたいと考えます。
#61
○島本委員 この熱料金は認可制になるようでございますけれども、認可基準、こういうようなものに対してはどのようにお考えですか。
#62
○三宅政府委員 現在行なわれております熱供給事業は、たしか定額でやっておるのが二件、定率が三件、その他そのコンビネーションが二件、特約的なものが二件であったかと思います。
  〔委員長退席、橋口委員長代理着席〕まだ本事業は揺籃期でございますので、定型的なタイプが熟しておりませんが、この法律案の十四条にございますとおり「料金が能率的な経営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものであること」これはほかの立法例では、よく適正な報酬を加算したものであることという例が多いのでございますが、私どもは先ほども申し上げましたように初めの数年間は赤字でもやむを得ない、かように考えておりますので、「原価に照らし公正妥当なものであること」ということで、消費者サービスの観点からやや弾力的な条項になっております。ただ消費者の皆さま方に料金の算出方法が明確でないと非常に困るので、その点は定額、定率あるいはそれ以外の方法でも、需要者の方々が料金の算定方法が、自分の問題ないしはほかの方との相対的な比較において明確であり、したがって不当な差別待遇がないということを明確にしていただくルールは、ぜひ業界のほうで申請の際に持ってきてもらいたいということで、認可基準の第二並びに第四号ができておるわけであります。いずれにいたしましても初めの数年間は赤字でございますが、この事業で需要者がお使いいただく際には、おそらく非常に安い料金でございます。またそうでなければこの事業は普及しない。ただ一ぺんこの事業の中に入りますと、今度は供給者が事後独占という形になる。事後独占になりますと不当な料金値上げがあってはなりませんので、その際は厳重に審査をしてまいりたい、かように考えております。
#63
○島本委員 熱供給を行なっている業者の料金ですけれども、この施行後に審査するのですか。現在行なっているようなものに対しては是正させるようなことも考えておられますか、この点等は少しこまこうございますけれども……。
#64
○三宅政府委員 この法律案の附則におきましては、従来熱供給事業を行なっておられた者は、この法律施行から六十日以内に届け出をしてほしい。届け出があれば事業としての許可があったものとみなすということにしております。これは従来の事業者の実績またはそれに関連しておられます消費者の実績を尊重する意味でそういうことにしておりますが、料金につきましては決してみなすということではなくて、あらためて供給規程を提出していただきまして、それをもう一度審査いたしたい、こういうことにしております。附則の経過規定二条三項はその趣旨でございます。
#65
○島本委員 「熱供給事業者は、正当な理由がなければ、何人に対しても、その供給区域における熱供給を拒んではならない。」この規定ですけれども、正当な理由という、正当の裏づけは、この場合にはどういうことになるのですか。
#66
○三宅政府委員 ほかの立法例にもございますように、たとえば故障、天災地変等によって供給が不可能となった場合、あるいは需要者が供給規程に違反していた場合、あるいは料金の滞納をした場合、あるいはまた、許可を受けてから三年間の間に事業の開始義務がございますが、逆にいえばその開始義務の三年の間には一部供給が不可能な場合も予想されます、そういったようなことを含めまして、正当な理由の判定をいたしたい、かように考えております。
#67
○島本委員 大体こまかいことを一通り聞いてみたわけでありますけれども、それでは熱供給に対する新しい事業すなわち熱供給施設の耐用年数、これはどのようにお考えでございましょうか。これは十七年くらいと見ておられますか、二十五年くらいと見てございますか。これはやはり欧米並みに二十五年と見るのか、特にまたいろいろな点から十七年にするのか。この点は業者の最も知りたいところじゃないかと思うのですが、この点はどういうようなことになってございますか。
  〔橋口委員長代理退席、委員長着席〕
#68
○三宅政府委員 現在十七年というのは、この熱供給事業というものに対して一本化した耐用年数が設定されておるのではなくて、個々の機械の加重平均的なものがそうなっておると聞いております。この法律が施行されましたら、大蔵省に交渉をいたしまして、この事業を事業として一本化した耐用年数を設定いたしたいと思いますが、耐用年数はあくまで物理的陳腐化、それに若干の経済的陳腐化を加えたルールがございますので、そのルールでどの点になるか、今後大蔵省との相談事項でございますので、残念ですが、この席では御答弁ができないわけでございます。
#69
○島本委員 その点は今後十分考えたほうがいいのじゃないかと思います。特に、暖房、冷房、給湯、これは豊かな生活環境を形成する上で不可欠な要件でございますから、これを供給する事業であるということは、今後都市生活を充実させるためにもほんとうに重要なのであります。
 ただ、私自身、先ほどから申し上げましたように、この法律案の中に大気汚染防止というような公害関係のことばが一つもないということと、運用によっては、そういうようなものよりも収益並びにこの事業の経営の方面に重点を置くだけの法律になるおそれがあるのではないかという心配がございます。それに対して今後十分配慮していただきたい。配慮すべきである。それと同時にいろいろな点で、心配ないというけれども、もしものことがある、災害の対策が一つも考えられておらないということ、この二つは、この法案を審議する過程において気がついた、私としては今後もっと修正しなければならない点じゃないか、こう思うわけであります。知らない場合に突然事故として発生するほどおそろしいものはございませんし、あとから言うことばは、必ずこういうような事故は再び繰り返さないということであります。しかしながら依然として繰り返される。いまこれは新しい事業なんです。新しい事業であればあるほど、その点は入念な施策がなければならないし計画が立てられなければならないはずであります。この事故を起こさないための対策、いままでないからこれはないのだというふうにやっている場合には、これはとんでもないことになる。この点等については、これで三回目の質問になりますが、人をかえて政務次官、これだけは十分考えてやらなければいかぬ問題ですね。公害対策の問題が一つ、それと災害の対策が一つ、この二つははっきりこれに盛られておらないと思いますが、盛られておるならけっこうであります。この点等については実旋上ひとつ十分戒心すべきであると思いますが、政務次官の御高見を拝聴しておきたいと思います。
#70
○稻村(佐)政府委員 御指摘の点につきましては、法律事項ということに盛られていないわけでございますが、運用の面において御指摘の点を極力尊重してまいりたい、こういうふうに考えております。
#71
○島本委員 罰則をもってこれに臨んでございます。この罰則そのものに対しては、これはどういうようなことでございましょうか。「熱供給を妨害した者」というようなことになりますと、熱供給を妨害するというのはどういうような場合がございますか、具体的に知らしてもらいたいと思います。
#72
○三宅政府委員 これは普通の公益事業立法に多い例でございますので、特に私は妨害という問題が、どういう御質問の趣旨かちょっと勘違いしておるかもしれませんが、熱供給施設であることの認識と熱供給の妨害との間に因果関係があればこの罰則が適用される、こういう解釈でございます。したがいまして、熱供給施設を損壊した場合でも、熱供給施設であるという認識がない場合には刑法の原則に戻る、こういうことでございます。
#73
○島本委員 因果関係の推定は無過失賠償責任法のほうに譲って、この場合に、三十四条にはっきり「熱供給施設の機能に障害を与えて熱供給を妨害した者は、五年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」こうあるのですが、この場合、どういうような場合に熱供給を妨害するようなケースが考えられますかということなんです。おわかりになりませんでしょうか。いや私がわからないから聞いているのです。
#74
○三宅政府委員 ちょっと不勉強で申しわけございませんが、昨年北陸電力の管内におきまして、送電鉄塔がある土地の開発業者の妙な行為によって倒れたことがございます。そのときたしか電気事業法のこの該当条文がどうだという問題がございましたが、そういうことが熱供給についても考えられるのではないかというように思います。
#75
○島本委員 これは私の推測でございます。ここに公害関係の大気汚染防止法に準拠する、または大気汚染を防除する、または環境保全に資するとかいうことが一つもございません。それで三十四条のこの罰則が突然として出てきております。大いに公害を発生するような、また連続して生活を侵害するような、こういうようなことがあった場合に、住民がそれに反対しても、これは公益事業だからだめだといって聞かない。しかし自分の生命が大事だというようなことで、この施設を損壊し、機能に障害を与えて妨害する。もうやめてくれ、やめてくれと言っても、これは差しとめ命令もきかない。したがって妨害をやる。自分の命を守るために行なう行為が懲役五年、罰金十万円以下ということになるのですか。こういうおそれは全然ないことですかということです。
#76
○三宅政府委員 あるいは御質問を取り違えておるかも存じませんが、公益事業としての安定的な供給を保障し確保するために、刑法二百六十一条、器物損壊の罪の例外的な規定として通常の公益事業立法例にある規定だと思います。
#77
○島本委員 そういたしますと、これはもし公害を排出しているという指摘がされた場合に、これは公益事業であるから熱供給施設はもう停止するわけにいかない。したがって公害を排除するのは第二義的なものであって、公益事業である熱供給事業を運営するのが第一義的である。したがって公害は何ぼ出してもやむを得ないのだ、こういうような場合には、当然それで連続的に生活の侵害を受ける住民は、その差しとめ命令というか、もうやめてくださいといっても聞かない場合には、当然この供給を妨害する行為に出るのではなかろうか、その場合には五年以下の懲役または十万円以下の罰金になるのですかというのです。
#78
○三宅政府委員 住民の方が公害防止の関係から要求を出されるということは、決してこの熱供給施設を損壊し、機能に障害を与えるものではございませんから、関係ないということでございます。また、そういうことがあってはいけない問題でございます。先ほど来この法律について公害の関係がないという御指摘を受けておりますけれども、全くこの問題は大気汚染防止法に準じて地方の都道府県知事の専断にゆだねたいということでございまして、決してその点を法律上おろそかにしておるものではございません。むしろこの立法の趣旨は、公害防止について有力な一つの寄与をなし、この事業の健全な発達をはかりたいという念願から出るものでございます。
#79
○島本委員 今後の運用上万遺憾なきを期するように心から要請して、いまの件等については、私は、心配される罰則の点等については往々にしてあり得べきことでありますから、それはそっちのほうの専門家、加藤議員のほうから、そっちのほうの今後に譲ることにいたしまして、これにて私の質問は終わらせてもらいます。ありがとうございました。
#80
○鴨田委員長 次に米原昶君。
#81
○米原委員 地域冷暖房方式を採用することは、一般的にいえばもちろん生活環境の改善、公害防止にもなる、そういうふうに私たちも考えるのですが、いまも島本委員から話がありましたように、やはり公害防止とか環境保全ということは、よほど注意してないと、いままでも起こってきた問題なんですね。そういう点からもいろいろ問題があると思うのです。そこで、若干そういう点にも関連して質問したいと思うのです。
 初めに、熱供給事業の許可が与えられると、この法案では、その業者は、その供給の義務と同時に、一定の地域を独占してその事業に必要な導管などの施設を設置することになります。そして導管などは埋設されるでありましょうから、当然半永久的な固定された施設になります。したがって、事業の許可にあたっては、よほど事業の内容をよく検討して、その地域の都市計画あるいは公害防止、環境保全というような点も考えなければなりません。その地域の住民は、その業者からしか熱供給を受けられないことになるので、事業の許可を与えるときには、先ほども話がありましたが、環境庁長官とか建設大臣とかとも十分に協議されたいし、それから通産大臣は関係地方公共団体の長とよく協議して、合意の上で許可するというようにすべきだと思いますが、その点はどう考えられますか。
#82
○三宅政府委員 直接的な公害防除の問題は、いわゆる重油等をたいた場合の排煙の問題かと思いますが、御承知のとおりこれは都道府県知事に権限が委任されております。また、都市計画の関係は、知事あるいはその下の市町村長が相当のリーダーシップをとっておられるケースが多いのでございますから、私どもはこの公害問題あるいは環境問題、都市計画との対応性につきましては、十分地方公共団体との協議を重ねてこの第五条の運用に当たりたい、かように考えております。
 第五条第四号におきまして、その計画が合理的でありかつ確実であることという表現があると思いますが、それはまさにそういうものを含んだ表現でございます。
#83
○米原委員 次に、総合エネルギー調査会熱供給部会の報告にも述べられておりますが、熱供給事業の適地としては相当量の熱需要の存在するところということになっております。これは当然都心部のビルの密集している地域や大規模な住宅団地のような地域ということになると思うのであります。一応公益事業の規制を加えるとはいえ、実際にはこの事業を実施しているのは私企業であります。やはり営利事業であります。それである以上、経済性を追求するのは当然でありますから、相対的に熱需要の少ない一般住宅地域には事業が実施されにくくなると思うのです。その地域の住民は地域冷暖房のメリットを受けにくくなって地域的なアンバランスが生ずることになりますが、こういう点をどう考えておられるか伺いたいのであります。
#84
○三宅政府委員 この事業は、熱を供給する際に距離があまり延びますと熱の損失もございます。特に圧力の損失がございます。それをカバーするためには相当導管を逆比例的に太くしなければならない。その結果非常に値段が高くなって、結局消費者の御満足のいくような形になりませんので、現在の技術では大体暖房の場合には四キロ平方ぐらいが限界ではなかろうかと思います。ヨーロッパあるいはアメリカではこの事業は百年近い歴史を持っておるわけでございますが、それはかの国ではわりあいに住宅街あるいはビル街が集合しておったからこういう事業ができたのではないか。日本は従来そういう点で経済ベースに乗ってこない、ないしは消費者がこの問題について必ずしも乗ってこなかったと思いますが、それは最近のように都市が集中しあるいはニュータウンが開発されてまいりますと、この事業は今後伸びていくのではないかと思います。
 それから営利事業であることは、営利会社がやるケースもございますが、現在十カ地点の中でいわゆる地元の資本が入りました第三セクターないしはそれに近いものが三つございます。それから専業者が三つございますが、そのうち二つは近く地元資本、地元の公共団体の資本が入ることになっております。それからガス会社が特に夏の不需要期のガスの有効活用というのでやっておるのが三つございます。それから地元の卸商の協同組合がやっておられるのが一つございます。必ずしも非常に営利性の強い事業ではなくて、先ほど来申し上げましたとおり、当初の数年間は赤字を覚悟してこの事業の――長いそろばんはとっておると思いますけれども、当初は非常に赤字を覚悟して代替燃料との比較において需要者の満足する値段を設定しておるのが現状でございます。
#85
○米原委員 その点が、あとで質問しますけれども、やはり税金の問題にしましても、営利的な観点でいけば地域的なアンバランスをつくることになるので、私もヨーロッパで何回もそういう地域を見たのですが、やはりアンバランスをなくさなければならぬというので自治体が乗り出して、計画的に都市計画とあわせてやっているところが成功しているように思うのです。この点が今後考えていかなくちゃならぬ点だと思うのですが、次に公害防止の問題です。
 熱供給部会の報告では、各ビルに個別につけているボイラーがなくなるとともに、集中することによるスケールメリットにより燃料消費が少なくなるので公害の防止に役立つ、こういうことを報告の中に述べております。確かにそういう効果もあることはあると思いますが、しかしその他の対策がないと、それだけでは公害防止にはならないと思うのです。逆に一点に集中して燃料をたくことになりますから、公害発生源にもやはりなるのであります。ですから先ほども島本委員からも燃料の問題がありましたが、どういう燃料を使うかということが非常に重大になってくる。都市ガス、天然ガスあるいは低硫黄の重油を使う、あるいは脱硫装置を考える、いろんなことが考えられるでありましょうが、今後全国各地に熱供給事業が数多く開始されるというようになってきますと、これらの事業者が使用する多量の重油は、これは火力発電のほうでも問題になっておりますが、低硫黄重油なんというものは限度がありますし、天然ガスについても同様のことがいえると思うので、やはり新しい公害問題を起こすもとにならぬとはいえないと思うのです。ですからそういう点について、この法案が実施される最初からよほど注意した措置をとられる必要があるんじゃないか。いま火力発電所の問題では全国各地でずいぶん問題が起こっておりますが、集中して燃料をたくことになる、そういうところが密集地帯にかなり多くできることが予想されるわけです。そういう意味では、やはりいまの段階から公害防止ということをよく考えていかないと将来問題が起こるのじゃないか、この点について措置をとっておかないと、公害防止といっても口先だけのことになってしまうおそれがあります。こういう点についてどう考えておられるか聞きたいと思います。
#86
○三宅政府委員 この供給事業は、現在あるいは将来予想されます個別の冷暖房にかえて集中するわけでございますから、その集中のメリットは、従来の個別にかえてという点におきまして熱効率は少なくとも二割以上よくなるとわれわれは推定しております。その結果、たとえば千カロリーの同一燃料をとった場合でも二割前後のメリットがあるわけでございますので、そのメリットを地元の方と、あるいは地元の公害防止指導との対応におきましてより有利な、カロリーの中に含まれますS分の少ない燃料に切りかえていく、たとえば軽油、灯油に切りかえていく、あるいは都市の場合には相当値段が高いわけでございますけれども無公害のガスに切りかえていくということが可能であり、また指導上もそれができる、こういう素地ができるわけでございます。
#87
○米原委員 ちょっとその論法に問題があるんじゃないかと思う。いまたいているやつをやめて集中してたく、それだけの部面で見ればなるほど減るわけですね。しかしこういうものをつくり出すと私のほうにも引いてほしいというのが将来どんどん出てくると思うのです。単にいまあるものが一点に集中されるということじゃない。それだけで見たら逆に燃料は節約されて少なくなるということになりますけれども、これが事業として成り立っていくには、いままでそういう暖房の装置を持っていないところでも、こういうセンターができますと当然引いてほしいというところもふえてくるので、各地に、少なくとも大都市の密集地帯にはどんどん今後できるようになると思うのです。だからいまのうちに手を講じないと――ただ、いまあるものを節約して一点でたくということじゃないでしょう、今後はどんどんできてくるのですから。そうしますと、火力発電所のような問題になるかどうかは別として、大都市の中で相当たくことになってきますから、やはり公害問題をいまから考えないとたいへんだ、こういうことなんです。
#88
○三宅政府委員 密集地帯にどんどんできてそれが灯油、軽油等を使ってくるようになりますと、まことにうれしいことなんでございますけれども、なかなか密集地帯ではそういう計画が進まない。ニュータウンあるいは再開発をやるという地域でしかこういうものはなかなか計画的に進まないのが実情でございますので、先ほど来申し上げておりますように東京都が公害防止条例をつくりまして地域指定制まで考えておるというのはそういう背景に出るものでございます。ケーススタディーによりますと、たとえば現在問題になっております江東防災地区でございますが、われわれがこの間視察をいたしますと、いま個々の建物ごとにボイラーが設置されておりますが、これを集中冷暖房でやりますと、最大着地濃度は十分の一に減るというぐあいに考えております。札幌市街地のプロジェクトでもこれが四十九年に完成いたしますと大気汚染は半減するという報告が出ております。
#89
○米原委員 これは今後問題が起こるんじゃないかと私は心配しているのです。
 次に導管などの施設の安全性の問題ですが、通産省のほうでは技術基準をつくるために公益事業局長の下に熱供給技術委員会を置いて検討されておるようですが、この構成メンバーを見ますと、学者の方が二人で残りの二十四人はすべて業界の代表となっております。もちろん実際に仕事をしておられる方々の意見を聞くことは当然必要ですし有効でもありますが、どうしてもそういう委員会の構成だと営利企業としての経済性が重視されて安全性に甘くなる危険があるのではないか、こういうことを心配するわけです。今度の場合もすでに熱供給事業を実施している業者が現にあるわけですから、技術基準を現在あるものよりもきびしくするということになると委員会としてはやりづらいんじゃないか。消費者保護の立場からきびしい技術基準を定めて、既設の設備でも遠慮しないでどんどん改善させる方針を出すべきだと思うのです。そういう点でこの委員会の構成はちょっとまずいんじゃないかというふうに考えますが、その点どうでしょうか。
#90
○三宅政府委員 この技術上の問題は二つございます。
 一つは、熱供給というのはボイラーや冷凍機あるいは交換器等のシステムの複合体でございまして、こういう個々の単体機関については労働基準法あるいは高圧ガス取締法ですでに規制が行なわれております。したがいましてそのシステム全体としてうまく作動するかどうか、あるいは安全弁、遮断弁をどこへつけたらいいか、故障なく安定供給し、お客さまに満足をしていただけるにはどういうバルブのつけ方、締め方をしたらいいかという問題を含めて検討しておりますが、そういう点は新しい事業でございますから業界の実務に明かるい方を使わなければどうしてもいまはやっていけない、こういう状況でございます。
 問題の第二点は導管問題でございますが、これはまさに安定供給と同時に公衆安全につながる問題でございますので、ただいま御指摘の委員の中にはそのほうの有力な権威者が入っておられると私は信じております。
#91
○米原委員 次に、法人税や地方税の特例を設けられている問題ですが、先ほどお話があった地方自治体や公共的な団体が加わってつくっている場合と営利的な熱供給業者としての場合と若干これは違いがあるのではないかと思うのです。法人税や地方税の特例や金融上の措置を講ずるということは、私は営利的な業者に対しては原則としてはやるべきでない、こういうふうに考えるのです。公益的なものに対しては当然やらなくちゃならぬという面があるのですが、現在熱供給事業をやっておられる業者はいまのところ赤字になっているところが多い。しかし、これは事業を始める当初からある意味では予定されていたことであります。数年経過すれば解消するだろうということが予想される現在、そういう営利事業としてやっている業者にこの法案のような優遇措置をする必要があるかどうか。そういうことをやらなくてもいいのじゃないか。利潤追求を目標としている私企業に援助する必要はない、こういうふうに私は考えるのですが、その点はどう理解されますか。
#92
○三宅政府委員 営利企業とはいえ、本法が施行されますと、事業許可並びに料金についてはきびしい監督を受けるわけでありまして、そういうものを通じて消費者の保護、消費者に対するメリットの還元が行なわれるわけでございます。先ほど御指摘の税法上の特例措置、これは電気、ガスのみならずほかの公益事業一般に、公益事業規制と対応いたしまして、公益事業というのは相当設備産業的性格が強いものですから、そういう公益事業については全体的に通用されておる特例措置でございまして、そういう特例措置は結果的には消費者に還元され、値段の低廉、安定的な供給に資するものと考えております。
#93
○米原委員 最後に、昨日も石油パイプラインの問題のときに最後に大臣に聞いたのですが、私は、こういう性質の事業というのはやはりはっきりと公益事業として扱う、将来は総合エネルギー公社を設立して、石油の問題にしても、石油パイプラインの問題にしても、エネルギーの総合的活用の一環としてつくる、そういう形に持っていくということには、昨日大臣も将来の問題としては賛成されました。これはそういう性格の事業じゃないかと思うのです。ただ一部の営利業者の利潤追求を助けるというような形にいくところから、いろんな安全性の問題、公害の問題でも将来処置しがたいような混乱が起こってはならないと思うのであります。
 そういう点について、きのう大臣がそういう答弁をされたので、この問題もそういう方向をやはり意識して、この法案を施行される際にやってもらいたいというのが私の希望でありますが、この点をどう考えておられるか最後に聞いて、私の質問を終わります。
#94
○三宅政府委員 初めの御質問の公益事業としてということは、まさに本法律によって公益事業的規制を加えようとするものでございます。他の立法にございます公益事業と同じように、電気、ガス、水道等と同じような規制を加えようというものでございます。
 将来の問題は、各国でもこの熱供給事業はいろいろな形態がございます。地方公共団体を中心にやっておるケースもありますし、いろんな企業形態がそれぞれ競い合っておるアメリカのような形態もございます。いずれにいたしましても、アメリカでも公益事業的な規制、ことに料金や安定供給についての消費者保護の法的規制が加えられておると思いますので、私どもは目下その線に沿ってこの立法を行なったわけでございます。
#95
○鴨田委員長 午後二時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後一時十四分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時三十五分開議
#96
○鴨田委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑を続行いたします。近江巳記夫君。
#97
○近江委員 この事業は、都市の再開発あるいは生活環境の改善、公害の防止あるいは省力化というような点におきまして十分いい面があるということは、われわれも承知しておるわけでございますが、しかし、本法の施行にあたって、やはり何点かの疑問の点というものがあるわけです。そこで、数点についてお聞きしたいと思うわけですが、一つは、この熱供給事業を公益事業として規制していくことになるわけでありますが、この事業の公益性についてどういうように考えておられるか。これについてひとつお聞きしたいと思うのです。
#98
○三宅政府委員 ただいま御指摘のとおり、新しくこの法律をお認めいただきましたら、公益事業としての規制を加えてまいりたいと考えております。公益事業という概念は、いろいろの学説がございますが、国民生活にとって必需の需要であることと、それから相当設備産業的性格が強くて、ある段階までいきますと、いわゆる費用逓減の法則が働いてくる、したがって、えてして地域独占になりやすいという性格のもの、こういう性格を兼ね備えたものが公益事業だといわれておりますが、最近勃興してまいりましたこの熱供給事業も、まさにいま申し上げました公益事業の性格に合っておるといいますか、はまるものと思いますので、そういう観点から、消費者の保護を中心にいたしまして、事業許可あるいは供給規程の認可制といったような制度を導入したいと考えておるわけでございます。また同時に、導管その他を通じまして公衆の安全に影響するところが多うございますし、また、システム全体として、需要者に事故といいますか、故障のない形で安定供給を続けるための技術上の基準についても規制を加える必要があろうかと考えますので、そういった広義の意味の保安規制も、あわせてこの際立法の中に取り入れたわけでございます。
#99
○近江委員 この事業の性格から見ますと、導管というものをあらかじめ設定をして、その範囲内でしか供給ができない。そうすると、一般の需要にすぐに応ずるということはきわめて困難ではないかということです。むしろ特定の者にのみ供給することになるのじゃないか。しかも、ニュータウン計画等に取り入れられる場合、加入前のエネルギーの選択の自由というのは全くないじゃないか。ここら辺からいきますと、これは公益事業でござるということで非常に自信を持っておられるようでありますが、そういう問題点というものがやはり非常にあるように思うのです。こういう点についてはどう考えていますか。
#100
○三宅政府委員 加入の自由の問題でございますが、この点は広いエリアをとっております電気事業あるいはガス事業と異なりまして、物理的にないしは熱効率上おのずから供給に地域的な限界がございます。大体いまの定説では単一プラントで四キロ平方といわれておりますので、そのブロック内における加入の自由については、むしろ加入後に私は問題があろうかと思います。加入してしまいますと、熱供給者のほうが独占的供給の権利を持ちますので、その観点から、独占性に対するきびしいチェックが必要ではないか、かように考えております。
 それから、前段の御質問は、ちょっと私は取り違えておるかもしれませんが、こういう地域になじめない住民に対してどうかという御質問のようであったかと思いますが、それにつきましても、現在単一の地域冷暖房につきまして、機械工業振興法におきまして、これが目標を定めて、コストダウン、性能の向上をはかっておるところでございます。また最近、一部の電力会社がヒートポンプ方式を開発しておりますので、そういうものが普及すれば、この熱供給事業のエリアに入らない地域においても所要のメリットが出てくるのではないだろうか、かように考えております。
#101
○近江委員 そこで、このエネルギーの選択の自由とか、そういう問題についてはどう考えておりますか。これが施行された場合、そういうことは自由なんですか。
#102
○三宅政府委員 エネルギーの選択という御質問は、おそらくこの熱供給事業の企業体としてのエネルギーをどうするかという御質問かと思いますが、現在のところ石炭、軽油あるいはA重油、B重油、そしてガスと、いろいろの燃料形態がございます。どういう燃料形態を選ぶかということは、各企業体が、都道府県知事が運用しておられまする大気汚染防止法の指導方針の中で当該地域に適応したエネルギーの選択をしておるわけでございまして、北海道は当初石炭をたいておりましたが、第二期計画からは札幌市の強い要請がございまして、軽油を使うことになっております。特に過密都市におきましては、相当エネルギーとしては相対的に高いものになりますけれども、無公害のガスを使うという形態になっております。重油の問題につきましては、サルファの問題がございますけれども、それは普通の工場と同じように、大気汚染防止法の指導方針のワクの中で都道府県知事が地元の実情に応じて所要の指導をしておられるわけでございます。
#103
○近江委員 それからこの熱供給事業として、この適正な規模というのは大体どのように考えておられるのですか。住宅及び事業用に分けて、適正規模というものをどの辺に置いておられるか、これをひとつお聞きしたいと思うのです。
#104
○三宅政府委員 まだ新しい事業でございますから、断定的なことは申し上げる段階ではないと思いますけれども、私どもが一年余りいろいろの学者先生方にお願いいたしまして、システムアナリシスをした結果によりますと、熱効率あるいは圧力効率等から考えまして、暖房の場合は四キロ平方、それから冷房の場合には一キロ平方というのが単一プラントにおける一つの効率的な限界ではなかろうかといわれております。むろんまだ技術が今後進歩いたしますから、この限界はさらに拡大されると思います。またサブステーションをつくるとかあるいは複数のプラントを有機的に組み合わせれば、もう少し広い地域に対する供給が可能だと思われますけれども、単一プラントについての経済性はいま申し上げたような数字になっております。
#105
○近江委員 公益事業としていろいろ規制を行なっている、こういうようなことから、当然この不特定多数の需要に対応していくということは、非常に私、大事なことではないかと思うのです。技術の点から、規模というものをいま大体おっしゃったわけですが、やはり今後そういう規模ということについても、相当私は大きな問題になってくるのじゃないか、このように思うわけです。それでこのスケールによっては、やはり規制というような問題も、若干のそこには幅を持った考えということも導入されてくるのではないか、このように思うのですが、今後のそういうスケールの幅といいますか、大小といいますか、それによって、そういう規制の問題等は一定の基準なら基準でいかれるのか、さらに今後いろいろと考えておられるのかどうか・その辺についてひとつお聞きしたいと思うのです。
#106
○三宅政府委員 冒頭の御質問にお答えいたしましたように、あくまで公益事業的規制を加えたいということでございますので、許可の基準、これは申請に対応する審査の基準でございますが、法律第五条に書いてございますとおり、当該事業内容が一般の需要に適合しておる、それから供給能力が、これは若干将来にわたる需要でございますが、そういうものを含めた需要に対してミートしておるということ、特に不良業者の進出を防止するために当該熱供給事業を遂行するに足る十分な経理的基礎並びに技術的能力を持っておるということ、それから地方の公害防止計画あるいは住宅建設計画あるいは都市計画、そういったような計画との斉合性が十分とれて、その熱供給事業の計画が合理的であり、かつ確実であること、こういったような諸点を勘案いたしまして、事業の許可をおろしてまいりたい。したがいまして、いま許可の基準が規模の大小によって違うのか、あるいはアローアンスがあるのかという御質問のように受け取りましたが、私どもは、もし法案が成立いたしますれば、第五条の規定によって運用してまいりたい、かように考えております。
#107
○近江委員 それから大事なことは、料金の問題でありますが、この料金問題における基本的な考えをまず初めにお聞きしたいと思うのです。
#108
○三宅政府委員 当該熱供給区域の中に入って需要者がその供給を受けるかどうかという当初の段階におきましては、需要者に相当選択の余地があろうかと思います。たとえば北海道の例で申し上げますと、北海道は石炭手当が大体三万五千円ぐらいということになっておりますので、月六千円の暖房費というのが普通の家庭でございます。北海道におきまする熱供給事業の料金は二DKで四千二百円、三DKで五千円ちょっとというところで値段が設定されております。そういうぐあいの値段でなければこの事業は当初のスタートが切れない。お客さまが集まってこないわけでございます。問題は、一応そこへ入りますと、事後独占といいますか、お客さまが入ってくると、逆にお客のほうが弱くなる、供給者の立場が強くなるおそれがございますので、その点については、特に今後厳重な料金面における監督をしていかなければいけない、かように考えておるわけでございます。
#109
○近江委員 当然公益事業という立場をとるならば、原価主義でいかれると思うのですけれども、非常に先行投資が大きいという点から考えて、厳密な意味における原価主義というのは非常にむずかしい問題じゃないか、このように思うわけですが、そういうようにやっていきますと、当然先行投資が大きいというようなことから、事業者におけるそういう格差というものも相当出てくるのじゃないか、こういう点を非常に心配するわけです。そういうことで、そういう格差というものは最小にとどめなければならない、このように思うのですが、この点についてどう考えておられるか。
 さらに事業用と一般家庭用というのは、またいろいろな点で相当違うのじゃないかと思うのですが、この事業用に対する料金の設定というものはどのようにきめておられるか。
 この二点についてお聞きしたいと思います。
#110
○三宅政府委員 料金問題に関する方針いかんということの御質問でございますが、この点につきましては、第十四条で供給規程、料金その他の供給条件に関しましては、新しく認可制を導入いたしたいと考えております。そのとき、ただいま御指摘のありましたように、普通の公益事業でございますと、適正な原価プラス適正な事業報酬というところで料金が設定されるわけでございますが、ガス供給事業は初めの期間先行投資が非常にかかる事業でございまして、大観いたしますと大体三、四年は期間利益が赤字、累積赤字が解消するのに七、八年くらいかかる可能性のある事業でございますので、その点、厳格な適正報酬という考え方を捨てております。
 それから業務用と家庭用との関係いかんという御質問でございますが、現在十カ地点ばかり行なわれております供給形態は家庭用が三つ、業務用が三つ、その兼用が二つというような形になっておりまして、料金体系も家庭用は主として定額制、それから業務用は定率ないしは特別契約制ということになっております。この事業は熱負荷の態様なり、それから配管の面積なり使用する燃料によりまして画一的なパターンが非常に設定しにくいまだ流動的な段階の産業であろうと思いますから、その辺は一律に規制方針をルール化するということはむずかしいと思いますが、あくまでも消費者の、一般家庭用の犠牲において業務用が安くなるということは厳に慎むべき問題でございまして、この供給規程の認可方針の第四号にも、特定の者に対し不当な差別的取扱いをしないものという規定を特に入れてあるわけでございます。業務用についても確かに負荷の態様が家庭用とは違いますけれども、原価計算の配分上、その点の厳正公平を期したいと考えております。
#111
○近江委員 結局この事業者のスケールの問題とか、それから今後工事を、たとえば非常に過密のところでやるとかいろいろなケースというものも出てくると思うのです。そうしますと、それがかえって隠れみのになって、こっちはこれだけの施設がかかったのだからというようなことで、料金問題等はかえってそれが隠れみのになって相当なばらつきが出てくるのじゃないか、そういうことも私は考えられぬことはないと思いますけれども、それを隠れみのにさせて一般消費者なり大きな負担をかぶせられるようなことがあればこれは非常にまずいと思うのです。その点について、今後どういうように監督していくおつもりですか。
#112
○三宅政府委員 加入の際には需要者はある程度の選択、料金に対する判断を持っておられるわけでございますが、ただいま御指摘のとおり加入後は供給独占、事後独占が発生するわけでございますので、特にきびしい料金についてのチェックを加えたいというのが本法律案を出した一つの大きな目的でございます。ただ、それがルールができているかという点になりますと、まだ産業が非常に若い産業でございまして、しかも各企業の形態が業務用を主としているものもございますし、それから家庭用を主としているものもございますし、併用のものもございます。これもいろいろそれぞれの地元の大気汚染防止対策との関係で異なっておりますので、まだ画一的な横並び的な平準的なルールはつくっておりませんが、先ほども申し上げましたように、事後独占が発生したあとの消費者が不利をこうむるとすれば、十分この法律によって供給独占の弊害をチェックしてまいりたいと考えておるわけでございます。
#113
○近江委員 公益事業ということであればあるほどそういう問題についてはやはりシビアにきちっとやっていただかないと、これは非常に大きな弊害が出る、こういうことで特にこの問題をお聞きしたわけです。
 それから保安の問題でありますが、当然これは非常に大きな問題であります。特にこれは公益事業ということもありまして、絶対事故を起こさないという観点からやっていただかないと、非常にみんな心配しております。そういう点で、保安の確保についてどのように考えておられるか、まずそれをお聞きしてから私の質問をしたいと思うのです。
#114
○三宅政府委員 現在熱供給設備のシステムの個々の単体プラント、すなわちボイラー、熱交換器、冷凍機等は、労働基準法または高圧ガス取締法によりまして規制を受けておりますけれども、システム全体が円滑に作動するという面、すなわち供給の安定性という点については技術的になお検討すべき問題が多いわけでございますので、もしこの法律をお認めいただけましたならば、二十条によります技術上の基準によって安定的にシステム全体が作動するルールをつくりたい。たとえば安全弁、遮断のための弁、バルブをどこへつけてどう操作するかというようなことについて、厳格なルールをつくりたいと考えております。
 それから導管につきましては、これは現在全く保安上の規制がございませんので、新しくこの導管につきましては本法によりまして規制の対象に入れたい、かように考えた次第でございます。
#115
○近江委員 これはパイプラインの問題でも特に保安の確保という点については今後心配だということで、いろいろと問題が提起されたわけであります。この法案におきましても、やはり保安の確保ということは一番大事な問題じゃないか、私はこのように思うわけです。それで、技術基準ということもおっしゃっているわけですが、パイプラインのときも、いま素案はあるけれどもまだ全部は出せないのだということで、われわれを納得させようとするならば考えているその案を出しなさいと言っても出さない。われわれに出してくれば専門家に検討させるわけですよ。そういうようにパイプラインのときにもそういう問題があったわけです。そういう点で、すべて政令にゆだねるとかあとに残される問題が非常に多いわけです。ですから、一〇〇彩今後安全ですというようなお話を聞いてもほんとうにどうかという点になると、われわれとして非常に大きな疑問が残るわけですね。それは一応信用しないとしかたがないと思いますけれども、特にこういう保安の確保の問題については留意をしていただきたい、このように思います。
 それから事業者以外の類似の施設に対してはどういうように配慮をしておるか、これについてお聞きをしたいと思うのです。
#116
○三宅政府委員 熱供給事業といいますものは定義にございますように、一般の需要に対しまして一定規模の能力で供給するようなものをいうわけでございます。したがいまして、御指摘のとおりそれに該当しないケースがございます。たとえば組合方式あるいは特定の企業との結びつきの強いコンビナートあるいは社員住宅に供給するとかいろいろな、この法律の熱供給事業に該当しないケースがあると思いますが、その場合におきましても導管につきまして問題が残るわけでございますので、この法律案の二十四条におきましてそういうケースの導管につきましては二十条及び二十一条の規定を準用するということにいたしております。
#117
○近江委員 それで、今後どんどん都市開発というものが行なわれていくと思いますので、この都市開発事業との関連について、基本的にはどういう考えで進んでいくのですか、今後。
#118
○三宅政府委員 この事業はあくまで都市計画上妥当な位置づけがないと前進しない事業でございますので、電気あるいはガスと並びまして、すでにこれは都市計画上重要な都市施設事業の位置づけがなされておるわけでございます。また本法の許可の運用に際しまして、都市計画との斉合性、それから当該地元で設定されました公害防止計画との適合性、住宅建設計画とのテンポ、こういったものを十分勘案して許可の運用に当たりたい、かように考えております。
#119
○近江委員 そのもろもろのそういうような都市計画との組み込みということについて、完全にチェックできますか。
#120
○三宅政府委員 都道府県知事の意見を求め、当該市町村の意見を確認するという方法によってただいま申し上げた点の万全を期したい、こういうことに関係各省の間の話し合いできまっております。
#121
○近江委員 それから公益事業という点からいきますと、これは非常にメリットもある事業であると私は思いますし、そういう点からいきますと、今後いろんな改良を加えてますます内容のいいものになっていくのじゃないかと一応は期待しておるわけですが、そういういい面を考えていったときに、広範な地域にできるだけ及ぼしていく。そして多くの国民にそういうメリットを与えていくというのは当然のあれだと思うのです。しかしいまの時点からいきまして非常に経済性といいますか、やはりそういう効率的な面を多分に重視をしていく。そうなってきますと、いまの時点で熱供給事業というものが導入できないという地域というものがやはりあるのじゃないか、このように思うのです。そういう点からいきまして、そういう地域についてどういう対策をとっていかれるのか。これをひとつお聞きしたいと思うのです。
#122
○三宅政府委員 御指摘のとおり、この事業は供給サイドからいいましても、先ほど申し上げましたような限度がございます。一方需要サイドからいいますと、熱の需要密度が相当高い、それから計画的な町づくりが集合住宅という形で行なわれる、こういうような点がなければ需要サイドの条件も整いませんので、確かにおっしゃるとおり、全国で相当の地点が候補地点としてあがっておりますけれども、なおそれ以外の分野といいますか地域が残るわけでございます。それにつきましては個別の冷暖房器具の合理化、性能の向上あるいはヒートポンプ方式の導入、こういったようなことで一般消費者の御満足を得たいということで、重工業局と検討中でございます。
#123
○近江委員 そういう点もわかるのですけれども、しかしまた効率一本やりばかりで採算主義といいますか、そういうことばかりを重視していきますと、この事業のそういうよさというものをほんとうに国民に還元できないという面も出てくると思うのです。ですからその辺のかね合いというものが非常にむずかしいと思うのです。いま基本的なことはおっしゃったわけですけれども、将来そういう要望がどんどん出てくる。だけれども、なかなかこれは採算に乗らないからだめだというようなこともあるのじゃないかと思うのです。ですからその辺のかね合いについてどのように考えておられるのか、もう少しお聞きしたいと思うのです。
#124
○三宅政府委員 この法律の附則におきまして法人税並びに地方税法の一部改正を行ないまして、従来の公益事業の例にならいまして、受益者負担にかかわる工事負担金の圧縮記帳並びに固定資産税の特例措置を講ずることにいたしております。また地域によりましては公害の少ない軽油をたくという計画も今後ふえてまいろうかと思いますが、軽油につきましては御存じの軽油引取税がかかっておりますので、これは自治省と交渉いたしまして、この秋から無税にしたい、かように考えております。
 なお、従来金融上の措置についても必ずしも十分でなかったうらみがございましたので、昭和四十七年度からは開発銀行に特定のワクを、大都市再開発というワクの中にさらに別ワクを設けまして、七分五厘の特利を適用するということにいたしております。今後工事規模がふえれば、自動的にこのワクもふやしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 その他システム全体の開発のための研究費、あるいは熱量計はいま一個当たり八万円くらいしておりますけれども、この熱量計は業務用に主として使われるわけでございますが、これもできるだけ引き下げたい。器械方式の熱量計から電子式の熱量計に切りかえたい。八万円から二万円くらい下げたいという目標のもとに、本年度工業技術院から所要の補助金を出すことにいたしております。
#125
○近江委員 それから熱供給の設備に対する需要家の費用負担、こういう点についての区分はどのように行なわれるわけですか。
#126
○三宅政府委員 屋内設備は従来の個別冷暖房方式と同じように需要者負担になります。それからメインパイプから途中の各家庭に引かれるラインにつきましては、供給規程の定めるところによりまして、一部需要者に負担していただくということになるわけでございますが、これは供給規程の認可の際に十分審査をいたしたい。供給側の採算性とそれから需要者の満足していただくラインというものの調和点を見つけたい、かように考えております。
#127
○近江委員 それで、この工事負担金という問題は、現実にガス事業等にもいろいろな問題が出てきておるわけですが、いまのお答えであれば、その辺の区分というのは非常に明確でないように思うのです。結局工事費を持ってもらわなければいかぬのだというようなことで、その負担が非常に大きくなってくるのじゃないか。その辺のところはもう少し明確にきちっとしておかないと、大きな負担をかぶらなければならないことになると思うのです。その点についてもう一度重ねてお聞きします。
#128
○三宅政府委員 ガスの場合に、この工事負担金の問題が団地等でガスを引かれる方の大きな関心事であることは御指摘のとおりでございます。従来のガスの導管につきましては、本支管からさらに供給管、供給管から各家庭の戸内へのパイプと、この三つのラインがございまして、家庭の中のラインは完全にお客さまが持っていただく。供給管の部分は供給規程に定める金額だけはガス会社が持つ。そのあとはお客さまに持っていただく。この額が非常に多くなりますと、遠い団地では本支管が来ていないためになかなかガスが引けない。普及率がそれだけ伸びないという悩みを持っておるわけでございますが、一応供給規程に定める金額だけは会社が持つ。それ以外はお客さまに負担していただくということで、これは認可制にかかっておるわけでございます。
 余談でございますが、先般の東京瓦斯の値上げの際には、東京瓦斯は会社負担の工事負担金を上げると、それだけ消費者の負担割合が減るということでございます。そういう申請内容になっておりますが、この熱供給につきましての供給規程の認可の際に、その辺は厳重に審査をしてみたい、かように考えております。
#129
○近江委員 いずれにしても公益事業ということで、それだけに料金の問題をはじめとして安全の確保等をからめまして、今後厳正にやっていただかないと、将来非常に大きな問題が出てくる、その点を心配しておるわけです。そういう点で通産省が全面的に責任をもってやっていくということでありますので、これは皆さんを信用せざるを得ないわけでありますが、どうかひとつ、何点かの問題を指摘したわけでありますけれども、十分そういう点を配慮した上で、今後いろいろと運用していただきたい、このように思うわけです。
 きょうはちょっと私もまたいろいろとありますので、これで一応中断しておきます。また保留しておきますが、私が申し上げた点をよく留意していただきたい。とのことを申し上げて、きょうはこれで一応終わっておきます。
#130
○鴨田委員長 次回は、明七日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後三時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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