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1971/05/16 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 社会労働委員会大蔵委員会物価問題等に関する特別委員会連合審査会 第1号
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1971/05/16 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 社会労働委員会大蔵委員会物価問題等に関する特別委員会連合審査会 第1号

#1
第068回国会 社会労働委員会大蔵委員会物価問題等に関する特別委員会連合審査会 第1号
昭和四十七年五月十六日(火曜日)
    午後三時五十六分開議
 出席委員
  社会労働委員会
   委員長 森山 欽司君
   理事 小沢 辰男君 理事 橋本龍太郎君
   理事 増岡 博之君 理事 山下 徳夫君
   理事 田邊  誠君 理事 大橋 敏雄君
   理事 田畑 金光君
      秋田 大助君    有馬 元治君
      伊東 正義君    大野  明君
      梶山 静六君    藏内 修治君
      小金 義照君    斉藤滋与史君
      澁谷 直藏君    田中 正巳君
      高鳥  修君    竹内 黎一君
      中島源太郎君    中村 拓道君
      別川悠紀夫君    向山 一人君
      渡部 恒三君    大原  亨君
      川俣健二郎君    後藤 俊男君
      島本 虎三君    八木  昇君
      山本 政弘君    浅井 美幸君
      二見 伸明君    古川 雅司君
      西田 八郎君    寺前  巖君
  大蔵委員会
   委員長 齋藤 邦吉君
   理事 藤井 勝志君 理事 山下 元利君
   理事 広瀬 秀吉君 理事 松尾 正吉君
      奥田 敬和君    木村武千代君
      中島源太郎君    松本 十郎君
      村田敬次郎君    毛利 松平君
      阿部 助哉君    佐藤 観樹君
      堀  昌雄君    貝沼 次郎君
      伏木 和雄君    小林 政子君
  物価問題等に関する特別委員会
   委員長 井岡 大治君
   理事 青木 正久君 理事 竹内 黎一君
   理事 武部  文君 理事 有島 重武君
   理事 和田 耕作君
      石井  一君    木村武千代君
      向山 一人君    山下 元利君
      阿部 助哉君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        厚 生 大 臣 斎藤  昇君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      木村 俊夫君
 出席政府委員
        経済企画庁国民
        生活局長    宮崎  仁君
        大蔵省主計局次
        長       長岡  實君
        厚生省保険局長 戸澤 政方君
        社会保険庁医療
        保険部長    穴山 徳夫君
 委員外の出席者
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
        大蔵委員会調査
        室長      末松 経正君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 健康保険法及び厚生保険特別会計法の一部を改
 正する法律案(内閣提出第四六号)
     ――――◇―――――
  〔森山社会労働委員長、委員長席に着く〕
#2
○森山委員長 これより社会労働委員会、大蔵委員会及び物価問題等に関する特別委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が委員長の職務を行ないます。
 健康保険法及び厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#3
○森山委員長 本案の提案理由の説明聴取につきましては、お手元に配付してあります資料により御了承を願うこととし、直ちに質疑を行なうことにいたします。
 質疑の申し出があります。順次これを許します。堀昌雄君。
#4
○堀委員 最初に厚生大臣にお伺いをいたします。
 昭和四十七年一月二十二日に、中央社会保険医療協議会は、厚生大臣に対し建議書を提案いたしておりますが、これは十分お読みをいただいたでございましょうか。
#5
○斎藤国務大臣 十分読みました。
#6
○堀委員 この内容をちょっと私読み上げてみますと、第一の「診療報酬の改定」で「診療報酬は、国民の経済力を勘案しつつ、診療報酬の適正化とあわせて賃金・物価の変動に対応させるとともに、技術料は、医学の進歩に即応して評価すべきものである。」これが第一項に書かれております。
 第二項の「薬価調査」の項の中に「厚生省は責任をもって従来ほぼ年に一回行なわれてきた薬価調査を毎年四月を調査月として実施するとともに、取引の実態の経済的変動を調査するなど実勢価格を常時把握することにより、薬価の適正化を図るべきである。本協議会としては、診療報酬体系の適正化との関連において、当分の間は薬価基準の引下げによって生ずる余裕を技術料を中心に上積みすることとしたいと考えている。」このように実は述べられているわけであります。
 この二つの問題を通じて厚生大臣は、今後の診療報酬の引き上げの姿は一体どういう形になるとお考えになっておるか、お答えをいただきたいと思うのであります。
#7
○斎藤国務大臣 診療報酬制度の考え方は、今後はやはり医師の技術料というものをできるだけ的確に評価をする、同時に物価、人件費というものに見合うということを中心にして考えていくというようになる、またそうすることが適当である、かように考えております。
#8
○堀委員 おっしゃることは、まず全体としてはそういうことでありますが、私がいまこの前段とあわせて後段の薬価の取り扱いのところを申し上げた意味は、今度これによって厚生省は薬価調査を毎年四月に実施されることにしておられるかどうか。ちょっと先にその点からお答えいただきたいと思います。
#9
○斎藤国務大臣 本年は若干おくれておりますが、できるだけこのように毎年四月の日時をまず起点として調査をいたしたい。そうしてただいま、先ほど「経済的」とお読みになりましたが、「経時的」で、四月の調査時期だけでなしに、まあ随時というような意味合いで薬価の適正な把握をするようにということでございますから、これももっともであり、さようにいたしたいと考えております。
 そして、ここにありますように、薬価の実勢は、薬価基準よりもいままでの例からいっても、たいてい下がっておりますから、その差額は、まず、いま申しました診療担当者の技術というものに積み上げてまいりたい、かように考えます。
#10
○堀委員 いまの御答弁からいたしますと、今後は薬価基準の調査を毎年四月に実施をする。大体実施期間が二カ月か幾らかかかるのでありましょうが、実施期間が終わりますと、薬価基準の引き下げという手続をとることになりましょう。薬価基準の引き下げといいう手続をとるときに、ここに書いてあります、いま大臣もお答えになりました「当分の間は薬価基準の引下げによって生ずる余裕を技術料を中心に上積みする」こうなるわけでありますから、そうすると、四月に行なって、それが六月なら六月に結果が出る。薬価基準の新しい告示が行なわれると同時に、当然そこで余裕が出てきますから、その余裕は、今度は前段のほうにはね返って、賃金、物価の変動に対応させるように診療報酬を改める、こういうふうになる。言うなれば、この建議書を厚生省として正しく実施をなさるとするならば、これまでは何年かに一回の診療報酬の値上げでありました――毎年あったときもあるわけでありますが、この取り扱いが正しく行なわれれば、大体夏ごろとなりますか、そのころの時期に、中央医療協議会としては、この薬価基準の引き下げによって生じた余裕を、まず、上積みするための診療報酬の改定というものが当然必要になるし、同時に、そのときに物価、人件費に見合う診療報酬をきめるのだ、こういうふうに建議書を読むと理解をされるわけでありますが、厚生大臣はそのようにお考えになっておるかどうかをお答えをいただきたいと思います。
#11
○斎藤国務大臣 時期は何月ごろになるか、私はおそらく秋から冬へかけて、かように考えます、経時調査もいたさなければなりませんし。しかしながら、いまおっしゃいますように、少なくとも毎年、薬価基準の引き下げと、それに見合う積み上げというものは行なわれるべきであって、したがって、今後は毎年、一年ごとにそのことが行なわれる、またそうするのが適当だ、かように考えております。
#12
○堀委員 いまの大臣の御答弁で、結局この建議書の中にあります、特にいま後段のほうにひっかけて、前段の賃金、物価の変動に対応させるということが私は生きてくる、こう考えますので、まずその前段だけは、ここで確認をさしていただきました。なぜ私がこの前段の確認をさしていただいておるかといいますと、医療費が今後ふえますものの中身の中でやはり一番大きいものは、診療報酬の改定が、今後の保険給付の中の医療費部分においては一番大きな要素になるだろう、こう考えたからであります。
 そこで、厚生大臣にもう一つお伺いをいたしますが、大体過去における診療報酬の引き上げというのは、そのときの保険財政にどのくらいの影響を与えるのか、まあたくさんありますから、ひとっことしの二月に行なわれました診療報酬の改定というものが、これは当然診療報酬の改定がなくても医療費というものは少し上向きなカーブをとっておると思いますが、その上に診療報酬の改定がありますから、合わせてかなり高いものになると思います。その自然増部分といいますか、そういう傾向的な、診療報酬の改定をやらなくてもふえる部分、それからそれを含んだ実質的な増加分というのは大体どのくらいになるのか、事務当局でもけっこうです。
#13
○穴山政府委員 お答えいたします。
 従来、私ども経験上自然増といいますのは、大体一〇%ないし一二%ぐらいであります。それからことしの二月に医療費を改定いたしましたのはネット一二%の増になりまして、金額にいたしましては、四十六年度は一カ月分でございますが五十八億、それから四十七年度満年度に影響いたしましたのが約七百億でございます。
#14
○堀委員 いまお聞きのように、この医療費の値上げというものは、かなり医療費の増加に大きく寄与するわけであります。それで、いま大臣がお答えになったように、少なくとも厚生省として、この建議書を尊重される以上、大臣がいまお答えになったように、時期は確かに秋から冬にかけてかもわかりませんけれども、毎年一回医療費の改定が今後行なわれるということも、もう間違いがないと私は思っておるわけでありますから、そういう意味では、実は今後の医療費の増加、給付費の増加というものは、かなり高い増加率になると考えるのが正しいのではないのか、私はこんなふうに思うのでありますが、その点、厚生大臣はどんなふうにお考えでございましょうか。
#15
○斎藤国務大臣 これはいままで大体二年おきか三年おきに行なわれていたものが毎年ということになりますので、したがって小刻みになる。このことによって医療費が特に増加をするというようには私は考えません。
#16
○堀委員 私は逆じゃないかと思うのですね。医療費を上げなければならないのは、いまここに書いてありますように賃金と物価の上昇に見合う分ですね。いま厚生大臣、大体最近の賃金労働者全体としての賃金の上昇率、過去二、三年はどのくらいだというふうに御理解でしょうか、ざっとでけっこうですが。
#17
○斎藤国務大臣 大体名目で一六、七%程度と考えております。
#18
○堀委員 名目で一六、七%の賃金が上がる。もちろんこれは保険料収入にもはね返りますけれども、収入のほうはさておきまして、いま支出の面だけから見ますと、一六、七%上がっておって、医療費の改定をするときに、現在の医療費の中身というものの中に占める人件費の割合、これは医療費の様態によっていろいろ異なりますけれども、少なくとも標準的な診療所なり病院というものを頭に置くならば、私は全体の中に占める人件費というものは大体四〇%から五〇%、高いところは六〇%程度になるというのが常識的ではないか、こう思います。かりにフィフティ・フィフティとすれば、医療費が八%上がらなければこれはカバーできない、こういうことになるわけでありますね。その他いろいろな要素もありましょうけれども、私は、もし毎年上げるとしても、大体六、七%程度毎年上げるということになってくるのではないか、こんなふうに思いますが、厚生大臣はどのようにお考えでございましょうか。
#19
○斎藤国務大臣 いまおっしゃいますように、これは診療所、病院、またその規模等によって相当変わります。おそらく個人の開業医はそれほどではないと思いますが、大体平均して四〇%か五〇%、その程度は上がるであろうと、かように考えます。
#20
○堀委員 いまのお話しで、大体四、五〇%というところに置きますと、平均して一六%上がっておるとするならば、八%内外というところへ大体くるのじゃないかと思います。ですから、これは私、ことしのこの間の医療費の値上げが一二%だということになっておりますから、何年間置いたからといって、そんなに一五%も二〇%も上げられませんけれども、毎年毎年ということになれば、その他の賃金動向というものが――物価が上がりますから、どうしても賃金も上がる、その物価と賃金の上がりのはね返りを考えるならば、やはり六、七%程度のもの、場合によっては七、八%になりますか、そこらのものが恒常的に上がる。これはかなり今後の保険財政として、まず前段で頭に置いて、これからの議論を進めていく必要がある、こう私は考えておりますので、その点をちょっと確めたわけでございます。
 事務当局、大体どう思いますか。いまの私の論議で、一体どのくらい年率で上げていけば、いまの一六%程度の賃金、物価の上昇に見合う適正な診療報酬の水準が確保できると考えるか、ちょっと事務当局から一ぺん答弁してください。
#21
○戸澤政府委員 医療費の検討は、中央社会保険医療協議会において討議されるわけですけれども、いろいろの観点から検討されます診療報酬の中身をなす各診療行為についての正当な評価がされているかどうかというようなこと、それからいまお話しの、賃金、物価の変動に伴う問題、いろいろの観点から協議されますので、必ずしも賃金の上昇に見合うためにどの程度の数字が予想されるかということは予想しにくいのでございますけれども、大体の見当としましては、いま先生のお話しになったような線に近いようなものではなかろうかと想像されます。
#22
○堀委員 事務当局に、大臣もそうおっしゃったのですけれども、重ねて意見を聞いておいたのですが、これは一般的な常識として、その程度のところに落ちつくのではないかと思います。
 そこで、今度はちょっと大蔵大臣にお伺いするのですが、大蔵大臣、憲法第十四条で、要するに国民は、法のもとに平等であるという規定があるのは御存じでしょうね、いかがでしょうか。
#23
○水田国務大臣 知っております。
#24
○堀委員 憲法十四条で「すべて國民は、法の下に平等であって、人種、信條、性別、社會的身分又は門地により、政治的、経済的又は社會的關係において、差別されない。」、これが憲法十四条の規定でありますけれども、私はいま日本の社会保険医療の問題を見ますと、たいへん国民が差別の扱いを受けておるということを非常に強く感じておるわけです。現在のこの社会保険の制度というのは、すべて国がきめておるわけでありますから、国がきめたそういう制度によって、その制度と制度の間に差別が生じるということは、これはいまの憲法十四条の考え方からしても適当でない、こう私は考えますけれども、厚生大臣はどうお考えでございましょうか。
#25
○斎藤国務大臣 私は憲法の趣旨に現在は違反しているかどうかというところまでは申しませんけれども、各保険によって、あるいは給付も、あるいは保険料も違うことは、私ははなはだ適当でない、かように考えております。
#26
○堀委員 大蔵大臣、どうでしょうか、いまの憲法はいいですが、いまの制度によって国民が保険料の負担においても、保険給付の面においても著しく差別があるというのは、やはり厚生大臣と同じく不当であると、こう考えられますか。
#27
○水田国務大臣 同じような保険制度のもとにおけるのでしたら、これは平等な制度のもとにあるということでございます。そこで、実態がどうなっているかによって、ここに不平等というものが起こってくるということでございますので、私は、たとえばいまの健康保険組合が、制度としてはみな同じような制度のもとにありながら、内容においていろいろな不平等があるということについては、これは憲法のもとにおいて不平等を政府がつくっておるということではなくて、それぞれの制度のもとにおいて、どういう運用がされておるかということが一番大きい問題になっているのではないかと思います。
#28
○堀委員 全然答弁になっていないですね。いいですか。いま私がここで全部をなかなか例証できませんけれども、大まかにいえば、現在の健康保険の制度というものは、政府管掌の健康保険、組合管掌の健康保険、それから国家公務員あるいはその他の関連の共済組合、それから国民健康保険、日雇健康保険、船員保険、ざっとこんなのが現在国民の中に縦割りの仕組みとしてあるわけですね。大蔵大臣、これは御存じでしょうね。――だからこの縦割りの中に含まれた国民が、要するに相互間をながめてみれば、保険料の負担においても医療費の給付の面においても差別がある――差別のあることは御存じですか、そこからいきましょう。
#29
○水田国務大臣 差別は大ありであります。
#30
○堀委員 差別が大ありと認めたのは、たいへんけっこうだと思います。そこから問題は始まるわけですから。
 そこで、それではお伺いをしたいのでありますけれども、ちょっとこれは厚生省のほうの事務当局で答えてください。
 最初に、国民健康保険と、それから政府管掌の健康保険と、それから日雇健保と、この三つをちょっと比較をしてみたいと思います。昭和四十五年の時点で、一体国民健康保険には、国はその収入の何%を負担しておるのか、保険料として国民が負担しておるのは一体何%になっておるのか、まず国民健康保険、昭和四十五年についてお答えいただきたい。
#31
○戸澤政府委員 四十五年度について申し上げますと、国庫支出金は、療養給付費補助金、それから事務費負担金等すべて含めまして三千五百三十七億九千二百万円、その全体に占める比率は五八・七%、それから保険料は一千九百九億五千二百万円、構成比は三一・七%でございます。
#32
○堀委員 大蔵大臣、いまお聞きになったように、国民健康保険では、その収入の中の保険料として国民が負担をしております割合は三一・七%、国庫で負担をしておりますのが五八・七%、ちょっとこれははっきり覚えておいてください。いいですね。
 次に、政府管掌健康保険の場合どうなっておるかを、四十五年についてお答えをいただきたいと思います。
#33
○穴山政府委員 政府管掌につきましては、保険料収入は、被保険者、事業主がおのおの四四・七、国庫補助が三・八でございます。
#34
○堀委員 日雇健康保険についてお答えをいただきます。
#35
○穴山政府委員 日雇健康保険は、被保険者、事業主がおのおの五・八でございまして、国庫負担が三六・四でございます。
#36
○堀委員 いま大臣お聞きになったように、この三つの健康保険は、わが国ではどちらかというと、所得階層では一番低いほうから大体見ていったと見ていいと思うのですね。あともちろん、これから上に組合健保というのがあるし、共済組合というのは、組合健保といまの政府管掌との中間くらい、こう見ていいのじゃないかと思います。だから私がいまここで取り上げたのは、国民の中の一番所得の少ない日雇健保の人たちに対しては、一体どういう姿になっておるか。そこでいまお答えがありましたように、日雇健保の被保険者は五・八%の保険料しか負担をしていない。これに対して国は三六・四%負担をしておる。次に国民健康保険では、被保険者は三一・七%負担をし、国は五八・七%めんどうを見ておる。ところが、いま問題になっておる政府管掌健康保険は、驚くなかれ、全部いまのさか立ちになってきているわけですね。国が見たのはわずかに三・八%、これはちょっとけたが違うんじゃないですか。その上に持ってきて、被保険者の負担が四四・七%、こうなっているわけですね。そこで皆さんのほうでは、国民健康保険というのは事業主の負担部分がないから、それはこの中に入っている、こうなるかもしれません。こうなるかもしれませんが、要するに保険料としての負担面からいけば、いま一番高い負担をしいられておるのは、この三つの中では政府管掌健康保険がずば抜けて高い。国民健康保険がその次で、日雇健康保険、これはもちろん特別な条件にある方ですから、安いのは当然でありますけれども、そういう姿になっておる、こういうふうになっておると思うのですね。
 そこで、ちょっと厚生省にもう一ぺんお答えをいただきたいのですけれども、国民健康保険の最近年次における一世帯当たりの保険料というのは大体幾らになっていますか。
#37
○戸澤政府委員 四十五年度でございますが、一世帯当たり約一万七千円でございます。
#38
○堀委員 四十五年度で、政府管掌健康保険の、これは一世帯というわけにいきませんから、一人当たりの保険料負担は一体幾らになっていますか。
#39
○穴山政府委員 昭和四十五年は、政府管掌健康保険の一人当たりの保険料は、年間平均で三万九千三百三十五円でございます。
#40
○堀委員 日雇健康保険はやや例外でありますから、これははずして考えますが、大蔵大臣、よろしゅうございますか、いま、同じような国民でありながら、国民健康保険の加入者は一世帯当たりで一万七千円、政府管掌健康保険は一人当たり三万九千三百三十五円、倍以上保険料負担させられているわけですね。そうして、では給付の面になったらどうなるかといいますと、国民健康保険は、なるほど世帯主といえども七割給付でありますが、しかし実は家族も七割給付なんです。ですから、この面から見れば、世帯主分は確かに政府管掌健康保険は初診料その他の一部負担を払えば、あとは費用はかかりませんけれども、国民健康保険との権衡を考えてみると、今日の段階では国民健康保険は、家族の点においては、かなり政府管掌健康保険よりも恵まれた給付を受けておる、こういうふうに私は判断するわけです。これは著しい差別があるが、そのもとは一体どこからくると思いますか、大蔵大臣にお答えをいただきたいと思います。
#41
○水田国務大臣 国民の医療保障をどういう形で実現するかということで、保険制度で一応この社会保障を実施するということをきめたわけでございますが、これが順々に、別々に、政府管掌保険、日雇健保、国民健康保険というふうに、国民皆保険の線に沿ってそれぞれグループ、グループでこの保険制度ができたということでございますので、したがって、その間においては給付が不平等であり、同時に掛け金の問題、被保険者の資力の問題ということも、みんなこれは一律ではございません。したがって、その内容に応じて、政府は、雇い主負担というもののない国民健康保険については、政府が雇い主にかわった負担をするというようなことで、実情に即したいろんな措置をとって、健康保険を今日までとにかくここまで持ってきたわけでございますが、しかし、ここまでくるというと、各保険内の不平等をこのままにしておくわけにはいかない。ここで統合、改善という問題が起こって、早くからこれは、政府も、各党においても、研究したところでございますが、なかなか実現できない。財政調整なんというものは、いまに至るまでまだこれができないというようなことでございます。
 何でそういうことが起こったかということでございますが、およそ国民の税の社会保障に対する使い方には幾通りかございまして、生活保護費のように、これはもう直接国の財政支出によってまかなわなければいけないものというようなもの、そうでなくて保険制度によってこれがまかなわれることを適当とするものと、幾つも、直営でやったり、あるいはそうでなく保険制度の活用でやったり、いろいろありますが、この医療制度というものは、世界各国とも保険制度で行なっておるのが通例でございますので、日本においても、そういう形で出発したということでございますので、これはその含みます層も違います以上は、当然給付の内容そのほかのことにおいても、みんな違っておって、この不平等というものは、これはもしこの不平等を直すというのでしたら――もう保険制度じゃなくて、国が全国民を全部健康管理を直営にするというような制度をやるのでしたら、これは別でございますが、そうでない限りは、各健康保険内の不平等というのはこれは当然つきまとうのが、これは自然でありましょうし、これを保険制度同士の調整によって今後直すということは、これからの私は課題であるというふうに思っております。
#42
○堀委員 直すことはいいことですから、直す以上は、正しい方向に直さなければいけませんね。正しい方向に直すということは、それでは何かといえば、これまで通ってきた道を振り返って、その分析の上に、どういう姿があるべき社会保険の診療の制度であるかということを考えるのが、私は正しいと思うのですね。
 ですから、大臣、いまお聞きになったように、現在、国民健康保険の加入者は全国で家族を入れまして、昭和四十六年の三月で四千三百三十六万人、政府管掌健康保険は二千六百二万人、それから組合管掌健康保険が二千百二十四万人、共済組合が一千百十万人、船員保険七十四万人、日雇健康保険が百十八万人、こういうことですから、実際には、国民のうちの非常に大きな部分、四千万人という、約四割は国民健康保険だ、二割が政府管掌、二割が組合管掌、一割が共済組合、おおまかに見ればこうなっているわけですね。その四千万人の一世帯がいまの答弁で一万七千円で、二千万人の人が三万九千三百三十五円の負担を受けるということは、これはどう考えても、私は公平の問題から見たら、問題があろうかと思います。
#43
○穴山政府委員 先ほど三万九千円とお答えいたしましたのは、いわゆる保険料収入総額を被保険者で割りました額でございまして、結局、被保険者と事業主の折半負担でございますので、被保険者だけということにいたしますと、その半分でございます。
#44
○堀委員 幾らになりますか。
#45
○穴山政府委員 約一万九千七百円ぐらいでございます。
#46
○堀委員 私は、被保険者一人当たりの保険料の負担、こう言っているのだから、答弁するものは正確に答弁してもらわないと、たいへんむだな時間がかかる。
 そこで、それにしても二千円余りも違うのでありますが、ここで私は、いまのこの問題と同時にあわせて、今度は組合と政府管掌、形として同じ形のものの中を少し比べてみたい、こう思うのです。
 そこで、こういうふうにお答えをいただきたいのですが、四十四年でも四十五年でもいいのですが、私の持っている資料は四十四年なんですけれども、四十四年の政府管掌健康保険と組合管掌健康保険の非常に特徴的な違いといいますのは、あまり時間がありませんから、こっちで言いますけれども、四十四年の決算上の一人当たりの保険料は、さっきの倍になっているわけでしょうが、これは政管が三万四千三百九十一円で、組合が四万二千二円だ、この差額は七千六百十一円、四十四年の決算の資料は、こうなっているのですが、この点、間違いありませんね。
#47
○穴山政府委員 四十四年度は、政府管掌が、これは事業主、被保険者両方あわせまして、三万四千三百九十一円、組合のほうは四万二千二円でございます。
#48
○堀委員 その次に、法定給付に要する保険料の比較をしてみると、政府管掌では三万四千三百九十一円、組合は三万四百三十一円で、その差額は三千九百六十円と、こうなっているのですが、これもこれでいいですね。
#49
○穴山政府委員 そのとおりでございます。
#50
○堀委員 大蔵大臣、よろしゅうございますか。要するに、この四十四年のデータで見てみますと、政府管掌のほうは、入ってきた保険料全部法定給付に使って、まだ足りないから赤字が出た、こうなっているわけですね。ところが、組合管掌のほうは、四万二千二円の収入があったのに三万四百三十一円しか法定給付は使っていない。じゃ、その法定給付以外のものは一体何に使われたかといえば、付加給付に四千百九十五円、保健施設に三千百三十三円、準備金に四千二百四十三円と、要するにこれだけの一種の余裕金が組合管掌にはある、こういうことになっているわけですね。
 これにはいろいろな原因があると思うのです。厚生省のほうでちょっと答えてもらいたいのですけれども、これは二つの面で原因がありますね。もう端的に答えてください。ここに象徴的に私はそれが集約的に出ていると思っているのです。
 たとえば老齢者の問題、帰人の割合の問題、疾病の発生の問題。雇用員の少ない、たとえば五人とか十人の事業所における一回の医療費のかかり方と、五百人以上のような大きいところでの一回の医療費のかかり方というのは、著しい、小さいところの従業員は、かなり高いはずだし、そこらを、これは大蔵大臣に聞いてもらわにゃなりませんから、ちょっとわかりやすく答えてください。私はもう知っているんだ。
#51
○穴山政府委員 お答えいたします。
 政管健保と組合健保の平均年齢について分析いたしますと、五十五歳以上の高齢者が、政府管掌健康保険のほうは大体一〇・八%ぐらいおりまして、これに対して組合健保のほうは五・六%ぐらいでございます。それで、この年齢と医療費の関係でございますが、五十五歳未満の一人当たりの医療費を一〇〇といたしますと、五十五歳以上の医療費が二五四と、約二倍半でございます。
 それから、女子の割合は、大体、政府管掌健康保険のほうが六対四の割合で四〇%ぐらいおります。それから、組合管掌のほうは、七対三の割合で、三〇%ぐらいでございます。
 それから、規模の大小と医療費の関係でございますが、大体、五百人以上のやや大きい事業所の一人当たりの医療費を一〇〇といたしますと、五百人未満は、四十四年の調べでは一一〇・二でございまして、小さいほうが多いということになっております。
#52
○堀委員 大蔵大臣、いまお聞きになりましたように、もう一ついろいろな要素がまだあると思うのですけれども、いま言われただけでも、いまの政府管掌健康保険という制度をつくって、その中に入っておる中小企業を主体としたものと、それから、組合健康保険という制度で大企業を中心としたもの、中には中小企業の集団のやつもあるにはあるでしょうが、こうやったときには、年齢的にも高いものが政府管掌のほうに多い。ちょうど倍ぐらいある。そうしてそれは医療費の面では、二・五倍ぐらいにたくさんかかるというんだから、当然こっちが経費が要るのはあたりまえですね。女性の場合もそうで、女性の場合も、女性のほうが実は男性よりも医療費が高くついているというのが、そこがちょっと抜けたのですけれども、だから、四〇と三〇というような、政府管掌に四〇いるということは、それだけたくさん政府管掌ではお金が要るんだ。五百人のところで一〇〇と一一〇という話ですが、あなたのほうの四十四年の社会保険庁の統計を見ると、もっと差があるんですけれども、十人未満ぐらいのところの資料を見ると、倍以上かかっていますね。
#53
○穴山政府委員 金額で申しますと、一人から四人までが約三千三百円でありまして、それで、五百人以上が二千二百五十四円ということでございます。五人から九人までですと、一人から四人までよりは下がりまして、約二千六百円ぐらいでございます。
#54
○堀委員 一番端っこと端っこを比較すると、倍にはなってなかったですけれども、たいへんな大きな開きになる、要するに小さな企業におる人ほど健康管理もよくないし、いろいろな条件が悪いために病気もしやすい。しかし、なかなかがまんをしてかからない。一ぺんかかればかかったときの費用は多くなる。これが私は政府管掌健康保険の実態だと思うのです。よろしゅうございますか。
 ですから、こういうことが制度として行なわれておるということは、同じような勤労者の中で、さっき前段で触れたように、厚生大臣は適当でない、不当だ、こうおっしゃっておるのですが、大蔵大臣もこの点はやはり制度として、国がそういうものをきめた以上、国が何らか今後バランスをとることを考えるというのが当然じゃないかと私は思うのですが、大蔵大臣、制度論としていかがですか。
#55
○水田国務大臣 ですからこそ、組合健保については別に政府は補助を出さない。しかし政府管掌健保に対しては一定の補助を出すということで、バランスをとっていると思います。
#56
○堀委員 それはそれでいいのです。片一方は補助を出さないでも、ひとり立ちできるものを考えているのだから、それでいいけれども、政府管掌のほうには補助を出さなければいかぬから補助するのだ。それはやはり制度としてそういうものがバランスをとれるように補助を出すのだ、考え方はそういうことですね。
 そうすると、そこでちょっとお伺いをしたいのは、これまでの政府が出してきた補助の姿が私はどうもよくわからない点があるわけです。実は昭和三十九年には国庫補助というのは五億円しか出ていません。これが昭和四十年になりますと三十億円、四十一年にこれが百五十億円とこうなって、その後四十二年から今日まで二百二十五億という定額の補助が出ているのです。
 そこで、五億、三十億、百五十億はいいとして、一体二百二十五億円という定額補助というのは、これは何に関係があるのか、私も大蔵委員でありますから、国が財政としてある会計に繰り入れをする以上は、繰り入れをする金額については、何らかのものごとの考え方といいますか、基準なり何かがなければいかぬと思うのです。
 私、先週大臣と開発銀行法の論議をさしていただいて、今度の借り入れ限度額を二十倍にするという問題を詰めさせていただいた。大臣もちょっと御答弁がむずかしかった。銀行局長も、この二十倍というのは確たる係数に基づくものではございませんという答弁になったのですが、やはり予算であっても、ただ何となくここへ予算をちょんとつまんだというようなことは、私は財政として考えるべきことでない。一応何らかそういう際に必要な理由が明らかになって、初めて財政支出というものは明定されるものだ、こう解されます。大臣、いまの私の考え方、財政支出する以上は、何らかの根拠があるべきだという考えについて、あなたはどうお考えになるか、お答えをいただきたいと思います。
#57
○水田国務大臣 御存じのように、欧州先進国の間でも保険制度の運営にはいろいろ型がありまして、イギリスのように国費を相当出している保険制度もございますし、ドイツ以下ほとんど医療保険については国費の補助がないという国もございますが、日本の保険制度は、最初出発するときに、政管健保はほとんど政府の補助なしという、純然たる保険制度で出発したといういきさつがございますので、当初はほとんど政府補助はございませんでした。だんだんに運営している間に、当然いろいろなことで個々に収支償わないものが出てきて、そのつどいろいろ赤字対策というものが講ぜられれば、これはこれで国の補助なしでも済んだと思いますが、なかなかそういかないで、たとえば薬価の一部負担の問題というようなもの、赤字対策というものは始終検討されておりましたが、こういうものが実現しておったら、政府補助というものは多額にならなくて済んだろうと思います。しかし、いろいろ検討の過程において政府の希望するような形のものが実現しないというときには、やはりそれだけの赤字が保険制度に出る。出たら、それはどうするかということで、そのつど一定の国の補助をもってその年度の赤字は切り抜けるというようなことをやってきましたので、結局この金額にも別に根拠というものはない。その年度どれだけの赤字が出るか、一定の方式をとれば出ないものであっても、それがとれない場合には、これだけ出るというものから、毎年国の補助というものがきめられて、途中からこれが定額化したというのがいままでのいきさつであったと思います。
 ところが、御承知のような財政の問題にまたなりましたので、今回はこれを定額でいくよりも、定率でいくほうが国の補助が相当大きくなることになりますので、この際赤字対策として、国が定率というところへ踏み切るということをしたわけでございまして、最初のいきさつから見ますと、ほとんど国家補助を予想しないで、必要に応じて――この五%というのも最初からめどがあったわけではなくて、実情に即した補助の率であるというふうに私ども考えております。
#58
○堀委員 そうすると、いまの話を聞いている限り、最初に補助をしたのは別に特別の考えはなくて、赤字が出たから補助をした、こういうことですか。赤字が出たから補助をする、そうするとその額は、赤字を消すに足る額として考えたのか。大蔵大臣、あなたももう大蔵大臣をずいぶん長くやっていらっしゃるのだから、あれですけれども、昨年二月の予算委員会の総括で、当時の内田厚生大臣は、二百二十五億のつかみ金と答えているわけですよ。いいですか、当時の福田大蔵大臣黙っていたところを見たら、二百二十五億というのはつかみ金だと総理の前で確認をされたようなものだと私は思っているのです。私は、どうも二百二十五億円はつかみ金だと当時の厚生大臣に言われて、そのままになっていたのでは、大蔵省というのはちょっとふがいない役所だなと思うのです。
 やはり二百二十五億というものを一ぺんつける以上は、それなりの根拠がなければおかしいのじゃないか。いま私がちょっと触れたように、これのふえ方というのは五億、三十億、百五十億、二百二十五億、こういうかっこうでふえているわけです。ふえたことはいいことですよ。いいことですけれども、そういうふうに経過的に二百二十五億が三百億になり、三百五十億になるというなら話はわかるけれども、二百二十五億がついたのは四十二年、それから今日までずっと二百二十五億というのは、やはり何か哲学的な背景というか、思想がなければ私はどう考えてみてもおかしいと思うのだ。次長のほうがどうも答弁したそうだから、次長答弁してください。
#59
○長岡政府委員 お答え申し上げます。
 堀先生、最初おあげになりました国庫補助五億の時代、これは健保財政上の赤字を補てんするという意味よりは、本来、私ども、医療保険は保険制度としてその保険集団が自主財源でまかなっていくべきである、こういう考え方に立っておりますけれども、政府管掌健康保険の制度の維持と申しますか、健全な運営というような意味で、国も何がしかの国庫負担をするということで、この定額の国庫補助が開始されたように聞いております。その後三十億、百五十億、四十、四十一年度と金額がふえてまいりましたのは、先ほど御指摘もございましたけれども、政管健保の財政状態が非常に悪くなってまいりまして、御承知のように、四十二年度には例の臨時特例によって保険料率等も引き上げたというようなことで、その財政状態の悪化に伴って、その財政上の赤字をまるまる国庫負担でカバーをするというところまで――この数字には積算の根拠はございませんけれども、そういうようなことも考慮に置いて金額が増額されまして、そして四十二年度には臨時特例法案の成立と同時に、四十一年度の百五十億を五〇%増額いたしまして、二百二十五億の定額補助が予算に計上されまして、その後はこの定額の二百二十五億を前提にしながら、保険の財政は保険者、被保険者等の負担において財政を健全に維持すべきであるという考え方で維移してまいりましたけれども、なかなかその財政の健全化がはかられなかった。
  〔森山委員長退席、増岡委員長代理着席〕
 今回、ただいま御審議をお願い申し上げております一部改正法案は、財政対策としては、もうこれで赤字が出ないようにするということをいろいろ考えておりまして、その中で初めて国庫補助率を定率化いたしまして、いわば保険財政の仕組みの中に国庫負担が組み込まれたということになるのではなかろうかと思います。
#60
○堀委員 いまので、二百二十五億というのは前年の百五十億の五〇%増しだ、それはそれでいいわけですね。そこのところは、一応百五十億の五〇%増しは確かに二百二十五億だから、これはよろしい。
 そこで、その次に、いまの定額分がずらっとこうなって、あとは保険料のほうで考えてもらいたい、保険料は昭和四十二年の八月から千分の七十に上がっておるわけですね。四十二年七月に千分の六十五で来て、国庫は二百二十五億です。その次、千分の七十に上がって二百二十五億が、ずうっと今日まで続いて累積赤字がだんだんふえてきておる、これが事実なんですね。だから私は、いまの、そこで百五十億から二百二十五億になったところはわかりますよ。なぜそれが定額で、毎年赤字があるのに、なおかつ続いておったかというのは――それじゃ、それを定額にしてきた積極的な理由というのは何でしょうか。
#61
○長岡政府委員 これは先ほども申し上げましたように、基本的な考え方といたしましては、政管健保、組合健保を問わず、私ども、健康保険制度は社会保障の中では保険制度として運営していくべきであって、本来その保険の財政と申しますか、そういうものが当然給付をまかなっていくべきであるという考え方で今日にまで至っておりますので、赤字の増大に伴って国の負担をふやしていくという考え方をとらずに定額で推移してまいった、二百二十五億を動かさなかったというのは、やはりふやしも減らしもしなかったということでございますけれども、これはやはり定額国庫負担制度と申しますか、国庫補助制度の場合には、必ずしも先ほど御指摘のように、はっきりとした計算の根拠がない場合が間々ございまして、そういうような意味で、一たび二百二十五億の国庫補助を予算化いたしましたので、これをそのまま動かさずに今日にまで至ったということでございます。
#62
○堀委員 これを実は定率でひっくり返してみますと、当初これをつけたときは、この二百二十五億というのは、率としては六・三%だったですね。ところが、これは、だんだんと保険のほうの財政は大きくなるのに定額にしておるものだから、五・四になり、四・七になり、三・八になり、四十六年には三・三まで下がった、こういうことで、定額で片っぽうは大きくなるから、当然比率は下がってきた、こういうのが大体の経緯じゃないか、私はこう思うのです。
 そこで、それでは一体その五%というのは、今度は――いまあなたは五%の定率にしたいのだということで言っておるのだが、それじゃ、その五%は何から来るのですか。定額は確かにあなたの言われるように確たる根拠がないということはあるかもしれない。定率にするのなら、やはり何かの根拠がなければおかしいでしょうね。
 大蔵大臣どうでしょうか。今度は五%の定率というのは、一体何が根拠でしょうか。
#63
○水田国務大臣 国の補助が実際において三・五%というようなことになっておるのですから、この補助を増すというときに、一応これを目安にして五%というものをきめたということで、これも実情に応じたパーセントをきめたということでございまして、そう五でなければいかぬ、六でなければいかぬという根拠はないと思います。
 しかし、同時に、いままでの比率で見たら、六・五%くらいの比率のときが一番多かったと思いますが、今回は、御承知のとおり、この定率補助以外に、一般会計において過去の累積赤字を全部消す、負担をするということですから、これは定額補助から見ましたら、相当の補助率になることでもございましょうし、そういういろいろな問題を考えて、今回は定額補助を五%ということにした。これが少ないか多いかということでございますが、それは保険制度でございますから、全体として一定の保険医療給付をするために一定の保険料をもってまかなえという保険制度の中でいろいろなやり方を考えて、合理的な負担としても大体その辺が合理的じゃないか、他のいろいろな今回の施策とからめて見て、均衡のとれたところは、やはり五%あたりじゃないかというのが最後の結論でございます。
#64
○堀委員 いま、あなたは、五%でも六%でも、そうたいして変わりがないのだが、五%だと言う。物の値段をつける話で、やはり百円の次に百五十円、二百円、切りのいいのがいいじゃないか、今度の沖繩の返還でも、三百八円というのが基準レートになっておるのに、三百五円が切りがいい、こういう切りの話で、こういう問題を処理するというのは、たいへん問題があると私は思うんだ。やはり定率補助というのは、何らか制度として考えるわけでしょう。さっき長岡次長も言っているのですが、定額というのは、制度ではないのだけれども、まあひとつ何とか考えていきたいので定額だったと言う。今度は、定率というのは、ある一つの制度の中に組み込まれてくるわけだから、組み込むときには組み込むだけの根拠がなければおかしいと私は思うのですよ。一体五%というのは、何か根拠があるのかどうか。次長のほうで一ぺん答えてください。
#65
○長岡政府委員 大蔵大臣のお答えに尽きると思うのでございますが、今回の制度改正に際しまして、今後、赤字を生じないようにしていくためには、政府管掌の健康保険について関係者がどれだけの負担をすべきであるかということが当然議論の対象になっておるわけでございます。そこで、国庫の負担を考えます場合、当然、従来の定額の国庫補助時代には一体それがどのくらいの割合になっておったか、先ほど堀先生が御指摘になりましたような過去の数値も当然参考にいたしましたし、それから大臣が申し上げましたように、二千億をこえる累積赤字を国庫が負担をして解消していくことになりますので、これは四十八年度以降の国庫負担として相当な負担になることも事実でございます。そういうようなことを勘案いたしまして五%という数字を出し、その五%を前提にして、一方、保険料率は何%が必要であるかというような計算もしておるわけでございます。
 なお、御承知のように、弾力条項も入っておりますけれども、これも千分の七十三と国庫補助五%を前提として弾力的な措置がとれるような制度を今回の改正案に織り込んだということになっております。
#66
○堀委員 いまの話を聞いておると、今度の健康保険法の改正というのは、五%が最初にぱしっときまって、それに見合って保険料その他がきまってきたという長岡次長の答弁だ。大蔵大臣、それじゃそこをどう考えるか、あなたのほうで答弁してください。
#67
○水田国務大臣 それは五%を先にきめてやったわけじゃございませんで、赤字をなくする対策はどうかという全般的、総合的な検討から、最後に政府の補助の定率の率がきめられたということで、率を先にきめてほかをきめたというわけじゃございませんので、これは全体関連してきめられた結果でございます。
#68
○堀委員 そうすると、五%がきまって、あとが全部きまったということになると、この五%はたいへん問題になるんだが、いまのあなたの答弁を聞くと、五%というのは全体の中の一つの項目なんだ、これはいいですね。だから五%というのは、必ずしもフィックスしておかなければならぬというものじゃないのだ。これは多少動いたって別にかまわぬ。要するに動くというのは、下に動かしたのじゃ赤字になるのだから、赤字が出ないようにというので、一応ここでやったわけでしょうから、私がちょっと前段で話をしておるように、いまの赤字が出ないという前提というのは、皆さんは今後の医療費は一体どのくらいの伸びで赤字が出ないということを考えておるのか、大蔵省どう考えたのですか。いま五%でその他の処置をしたら赤字が出ないように、あなたは答弁した。赤字を生じないようにするために、国庫が負担してこうしますと、こう言った。
 一体今後の医療費の伸びを、私がさっき言ったように、これまでは二年に一ぺん一二%くらいだったのが、今後は毎年六、七、八、ここらの中のパーセンテージで医療費は上がっていくんだ、そういう前提をどのようにわきまえて、五%で赤字が出ないという確信を持って大蔵省の事務当局は計算を出したのかどうか、ちょっと答えてください。一体幾らの医療費の増高の伸びを見たのか、大蔵省側の見解をお聞きしたい。
#69
○長岡政府委員 厚生省のほうからお答え申すべきだと思いますが、堀先生、大蔵省に御指名になりましたので、私からお答え申し上げますけれども、今後の財政状況を勘案いたしますときには、診療報酬の支払いのほうは自然に伸びていくのが大体年間で一二%くらい、これに今後の、先ほどの診療報酬の引き上げをどの程度見るかというのは、なかなか推計を立てにくいわけでございます。かりに五%ぐらいということにしまして、それがその自然増の一二%とどういう関係になるかというところが、非常に計算がむずかしいのでございますけれども、一方保険料収入のほうは、標準報酬月額がやはりだんだん上のほうにシフトしてまいりますので、それに見合うだけの保険料収入はカバーできるであろう、ただ先ほど堀先生が一番最初に御指摘になりましたような問題もありまして、今後の診療報酬の改定その他について若干の見込みの違いが出た場合には、弾力的な措置も講じなければならないかもしれないということで、弾力条項も入れてございますけれども、大体の目安は、いま申し上げましたような数字に基づいて今後財政はバランスするという目安をつけたということでございます。
#70
○堀委員 私は大蔵省に聞いたのは、大蔵省がこれから五%の国庫負担をするわけでしょう。財政当局として負担する以上、赤字が出ないようにするために五%負担するということになれば、財政当局としての考え方がなければおかしいじゃないか。厚生省は五%もらうほうだから、これは多多ますます弁ずだろうけれども、大蔵省はやはり五%に押え込みたいと考えている以上、要するにそれの背景になる将来のトレンドがどうなって――制度として赤字が出ないようにするために五%を考えたと、あなたの答弁にあるわけだから、私もそうだろうと思うから、制度として考えるならば、先行きの見通しをつけて、この制度としては五%で成り立つのだという確たる根拠がなければ、五%というのは問題にならぬと思うのです。第一点。そこで私がちょっと聞いたわけです。
 しかし、いま聞いた範囲では、大蔵省としては持っていないのですね。将来に対する見通しを厚生省に聞いて、いまの答弁でしょうけれども、要するに社会保険診療報酬というものを含めたその厚生保険特別会計の収支の将来的な見通しというのは、これは大蔵省の問題です。厚生省の問題じゃないでしょう。厚生省から調査をした資料を求めることはあっても、厚生保険特別会計の中身の問題について、それは厚生省が答弁する性格のものではないと私は思うのです。
 だから、そこらは財政当局としての責任ある答弁がないと、ちょっと私は困ると思うのだ。いまのいいかげんな話で――大体自然増収が一二%で、今後の私の言う診療報酬の引き上げ五%くらいだ、そうすると、それが弾力条項があれば処理できるというけれども、弾力条項というのは限界があるでしょう。千分の八十が限界だ。一体それじゃ五%で、いまのこのような推計に基づいたら、何年先に行ったら千分の八十の天井に行きますか。厚生保険特別会計として、あなた方の今度の法律改正の中で、厚生保険特別会計法第十条を、動きを停止をして、要するに、これから一般的な借り入れをさせないというきわめてきびしいワクを設けてこれをつけた以上は、一体千分の八十に来るのは何年先ですか、答弁してください。
#71
○長岡政府委員 お答え申し上げます。
 千分の八十の根拠でございますけれども……。(堀委員「天井に来るかということ。根拠じゃない」と呼ぶ)その見通しも、率直に申し上げまして、非常にその見通しを立てにくい問題でございます。と申しますのは、今後の医療費の動向自体も、また先ほど自然増その他申し上げましたけれども、その不確定要素がたくさん入っておりまして、どの程度の伸びを示すか推計が非常にしにくい。それから賃金の上昇のほうもなかなか不確定要素もございますから、今後の推移を見通すことは非常に困難な要素が加わっておるというようなこともございまして、大体何年たてば天井に到達するかというようなところまでの推定は、私どもも、厚生省もはっきりとした基準は持っておりません。
#72
○堀委員 大蔵大臣、いいですか。いまの答弁、非常に重大な答弁なんです。医療費の伸びがどういうふうになるか、先行き推計できない、賃金の伸びの見通しを推計することも困難である、いいですね。そういう先行きの見通しが不明確な状態に置いておいて、五%の定率をやります、要するに弾力条項で千分の八十まではやります、そうしてそれについて国庫補助も〇・四%ずつはふやします、いいですよ、それは。しかし、それをやって一体何年間で――それが三年で天井に来るのか、五年で天井に来るのかわからないとなると、ここでいう、法律の中に書いてある「当分ノ間」というのは一体何年になるのかということになってくるわけです。いいですか、その間借り入れ金をさせないというわけだから。借り入れ金ができないで、もし赤字が出たとなれば、どうなるかといえば、これはたいへんな混乱が起こるだけですよ。
 だから私は、こういう厚生保険特別会計法の改正を考える以上は、あなた方としては、かなり弾力的なアローアンスを五%ここのところに積み上げておかなければおかしいと思うんだ。私は、それが今日この法案を通すわけにはいかない最大の理由だと思うのです。
 先はまっ暗で何もわかりません。ただともかく被保険者から取るだけを取って、まあ政府は五%程度でお茶を濁しておいて、それだけではちょっと問題が残るから、そこで弾力条項をつけましょう。しかし弾力条項は一体どこで切れるかということは、この間私が開発銀行法でやったのと同じことじゃないですか。一倍、二倍、三倍、四倍、五倍、六倍と来て二十倍にするという。じゃ二十倍になったら、一体どうなるのか、これは推計ができたから問題が非常にはっきりしたけれども、これから先の社会保険診療報酬の給付の増加の状態がよくわからない、保険料収入の状態もわからない、そういう、客観的な将来に対する見通しもわからなくて、それで制度に五%織り込むというのはおかしいんじゃないですか。どうですか、大蔵大臣。何にも根拠のないところに、いきなり五%というものを置いて、これでだいじょうぶやれますという、あなた答弁できますか。先行きさっぱりわからないと長岡次長いま答弁しているんだ。どうですか、大蔵大臣。答えてください。
#73
○水田国務大臣 何年という計算はなかなかむずかしい問題であるとしましても、当面今年度の赤字対策として出ておる諸施策をするならば、一応赤字を出さなくても済むという計画は出ておるのでございますからして、それによってまず、何もせずにいたら、今年度さらに二千三百億円も政管健保は赤字を出してくる、これをそのままにしておいたら制度自身が崩壊してしまいますので、とりあえずその赤字を出さないで済む方策だけはとりたいということで、総合的な対策として、このいろいろな措置がとられておる。もしそれによって、さらにこの保険料を上げなければならぬというような事態が起こったというときには、この五%の国費補助もこれに連動して上がって、補助が増額されていくという措置だけ講じられてあれば、当面そう大きい心配はないだろう。
 しかし、これで何年かやっている間に、いま抜本策として考えられました、この財政調整の問題も、まだ時期が尚早だということでございますので、そのいろいろな整理を行なって、こういう抜本策をさらにもう一歩整備する仕事もしなければならぬと思いますので、そういうときにこの医療保険の問題は、まだ二度三度いろいろ改善策を講じなければならぬ問題があると思いますので、私はこれが何年先に千分の八十になるかという見通しがつかなければ、この措置がどうのこうのと、そう言う必要はないんじゃないかと思います。
#74
○堀委員 いや、私が言っているのは、あなた、制度として考えるわけでしょう。五%という定率の制度をここで初めて設けるのでしょう。いいですか。これまでは二百二十五億という、言うなればつかみ金できた。それは定額としては、しかたがないだろう。しかし、これからこの制度の中に五%というのを組み込むのですから、組み込む以上は、組み込むだけの積極的な理由がはっきりしなければいかぬ。あなたのいまの答弁は、とりあえず赤字を出さないようにする対策だ、こう言っているのですね。
 これはそんな一時的な対策なんですか。定率で補助するというのは、そんなことじゃないのじゃないですか。一つの制度としてこれを考えるということが定率だと、さっきから定義になっているじゃないですか。とりあえずの赤字対策なら定額でいいのですから。だから、もう大蔵省の考えは、これはとりあえずの赤字対策なんですね、そうすると、この法案、この厚生保険特別会計法の改正は。ちょっと、そこからいきましょう。
#75
○水田国務大臣 健保制度にはどうしても抜本対策が必要だということで抜本対策と厚生省は取り組んでおりましたが、これがなかなかひまがかかるということでございますし、現状において赤字がさらに大きく累積されるようなことをほうっておいたら、抜本対策をつくっても、これはどうにもならないことになって、健保全体の制度が崩壊するということになりますので、とりあえずこの赤字をなくする対策だけは講じておかなければならないということで、二つに分けてこの対策を立てたわけでございます。
 ようやく一方の対策と、もう一つの抜本対策が間に合って提案されているということでございますので、これで一応当分の解決が私はある程度できるのじゃないかというふうに考えるのでございます。
#76
○堀委員 いま大臣、何か抜本対策がもうできたような話ですが、これは厚生大臣、いまの大蔵大臣のあれでいくと、この国会に抜本対策の案が出されることになっているのですか、ちょっとお答えをいただきたい。
#77
○斎藤国務大臣 さしあたりの抜本対策は、本日提案をいたしました。
#78
○堀委員 さしあたりの抜本対策というのは、いま大蔵大臣の言われた抜本対策とは、それは違うわけですね。
#79
○斎藤国務大臣 大蔵大臣の言われたのも、それを含んでいるわけでございます。私は、抜本対策はもうこれで尽きるという意味ではありませんが、まあ抜本対策への第一歩を踏み出すということで、大蔵大臣の言われたのもそれを含んでのお話だと御了解いただきたいと思います。
#80
○堀委員 抜本対策とこれと合わせたら問題は解決されると、こういういま答弁ですね。それじゃ、いまもうこれで、抜本対策の柱か何か知りませんが、出た、これで問題はすべて解決するわけですか。大蔵大臣、どうですか。あなた、そう思っておられますか。
#81
○水田国務大臣 いま申しましたように、この抜本対策という場合に、問題は各健康保険組合間の財政調整をどうするかというようなものも制度の抜本対策の眼目とされておりましたが、それはまだ未解決で、時期尚早ということで、これは残されているというような問題がございますので、これで全部終わったというわけではむろんございません。
#82
○堀委員 時間がありませんから、少し先を急ぎますが、私のほうで申し上げておきますと、五%の国庫負担という皆さんのいまの考え方であれば、私はちょっとこの法案というのは、この国会もまた通らぬだろうと思いますね。これはなぜ私がそういうことを申し上げるかといえば、すでにこれはここの委員会、社会労働委員会でも少し論議があって、大蔵省のほうではこういう答弁をしておるようにちょっと聞いておるのですけれども、要するに国保の場合には四五%の定率補助をやっておりますね。四五%の定率補助というのは、この中の五%分というのはこれはまあ財政調整ですか何かに見合う分で、この五%というのは、これは大体言うなれば国が医療費の補助をしてやるというような意味で考えられておるという答弁がすでにあったように聞いておるのです。ところが、国保の場合と健保の場合には対象の計算が違うわけですから、国保は給付全体を見てそうなっている割合だし、それから健保の場合には家族の療養費負担分は除外をされたものになっておるから、だからそういう意味では、この五%というのは、国保の場合に考えてみるならば、実際はこれを一二%程度のものが計上されてしかるべきではないかというのが、私どもの側の一つの意見として実はあるわけです。
 私はもう一つの試算をしてみますと、さっき私が政府管掌と組合管掌健康保険の差額をちょっとここで申し上げました。一人当たりの差額、法定給付金の差額は三千九百六十円でありますが、その三千九百六十円というのは、そのときの政府管掌の昭和四十四年末の千三百十二万五千人で掛け算をしますと五百十九億になる。この五百十九億というものを制度のために実は政管のほうが負担をよけいしなければならぬと、こういうことになっておるわけです。だから、この部分をその年の医療費で割り戻してみると大体一二%くらい国が医療費の負担をやっておけば、ちょうどいまの制度から来る問題としてはバランスがとれると、こうなっているわけですね。私ども日本社会党、公明党、民社党の今年における予算組み替えにおけるわれわれの提案も、実は国庫の補助を一二%にするべきだというのが本年度の予算組み替えの私たちの考え方なんです。
 要するにわれわれはいろんな角度から計算をしてみても、少なくともこれが新しい制度になる以上は、一二%程度の国庫負担が行なわれるのが正しいと、こう思うのです。これは社会保険審議会でも、そういうふうな事業主あるいは被保険者代表からの意見も、いずれも一五%とか二〇%でありましたか、ちょっといま記憶がはっきりしておりませんが、いまの五%では低過ぎるという意見があったように聞いておりますけれども、厚生大臣いかがでございます。
#83
○斎藤国務大臣 何%という数字は答申の中には出ておりません。出ておりませんが、国庫の補助率をもう少し上げるべきであるというような意見があったように思います。
#84
○堀委員 そこで時間がありませんから、あとでこれはもう一ぺん触れますが、法律の中身について事務当局でいいから、ちょっと一回はっきり答弁をしておいてください。
 この法律の中で、十八条の八で「健康勘定ノ負担ニ於テ為ス借入金ニ付テハ昭和四十八年度以降ニ於テハ当分ノ間第十条ノ規定ニ拘ラズ次項及第三項ノ定ムル所ニ依ル 政府ハ健康勘定ノ昭和四十七年度末ニ於ケル借入金ニ係ル債務ヲ弁済スルタメ必要アルトキハ同勘定ノ負担ニ於テ借入金ヲ為スコトヲ得」、この厚生保険特別会計は今日まで毎年借り入れ金をし、それから毎年国債整理基金で返す、こういうような仕組みをとってきておるわけでありますから、当然これからも、この勘定の中に借り入れ金として、いまのいわゆるあなた方がたな上げ、たな上げと称する部分は毎年度厚生保険特別会計において借り入れ金として計上されることは間違いがないと思うのです。一体いまのここに書いた「政府ハ健康勘定ノ昭和四十七年度末ニ於ケル借入金ニ係ル債務ヲ弁済スルタメ必要アルトキハ同勘定ノ負担ニ於テ借入金ヲ為スコトヲ得」というのは、具体的には会計上どういう処理をするのか、ちょっと答えてください。主計局に……。
#85
○長岡政府委員 ただいま堀先生おっしゃいましたように、四十七年度末における借り入れ金に見合う分は予算に計上するわけでございます。
#86
○堀委員 そこで、その額ですね。要するに借り入れ金として、どうせもう一ぺんまた立てなければならぬ、毎年ここへ立てていかなければならぬ、こう思うのですが、その額と十八条の九で「政府ハ昭和四十七年度以前ニ健康勘定ニ於テ生ジタル損失ノ額トシテ政令ヲ以テ定ムルモノニ対応スル借入金ノ償還及当該借入金ニ係ル経費トシテ政令ヲ以テ定ムルモノノ支払ノ財源ニ充ツルタメ当分ノ間一般会計ヨリ予算ニ定ムル金額ヲ限リ同勘定ニ繰入ルルコトヲ得」こうなっていますね。この「損失ノ額トシテ政令ヲ以テ定ムルモノニ対応スル借入金」というこの借り入れ金ですね。この借り入れ金と、こちらのいまあなたが言った四十七年度末の債務として立てる借り入れ金と、この額は同一ですね。
#87
○長岡政府委員 最初に出てまいります十八条の八の「借入金」、これは赤字分全体をいっておるわけでありますが、十八条の九で「政令ヲ以テ定ムルモノニ対応スル借入金」という場合には、この会計で資産見合いの借り入れもあるわけでございます。その資産見合い分は、その償還財源を一般会計から繰り入れるという計算には入れないというようなことも考えまして、十八条の八と十八条の九の「借入金」の金額は若干違うことがあり得るわけでございます。
#88
○堀委員 その資産見合いというのを、ちょっと正確に言ってくれませんか。そうすると、これまで二千億かの四十七年度の末における借り入れ金がある、赤字の借り入れ金がある。この赤字の借り入れ金という中には、それじゃ皆さんは資産見合いのものというのは幾ら見ているんですか。
#89
○長岡政府委員 ただいまちょっと御質問を聞き漏らしましたが、資産見合いの額でございますか。
#90
○堀委員 そうです。
#91
○長岡政府委員 厚生保険特別会計健康勘定の貸借対照表によりますと、資産見合いの額は固定資産三百二十六億円、それから未収金百二億円、計四百二十八億円でございます。
#92
○堀委員 そうすると、いまのこの四百二十八億円というのは、これは一般会計では見ないというわけですね。これは一般会計で見ない。要するにまた被保険者の負担で見なさいと、こういうことになるわけですね。いいですね、そういうことですか。その分は、それじゃたな上げをした分は、いまの二千何百億、二千二百億になるのか幾らになるのかわかりませんが、その額から、これを差し引いた額だけを一般会計は全部見ると、そういうことですか。それとその利子ですね、だからこれを除いた利子だけを全部見ると、こういうことになるわけですか、答弁してください。――首振ったんじゃ記録に残らぬから……。
#93
○長岡政府委員 そのとおりでございます。
#94
○堀委員 それはなぜ除外をするんですか。そのいまの未収金の百二億と固定資産の三百二十六億とは、これは借り入れ金とどういう関係になりますか。これは資産として厚生保険特別会計にある資産でしょう。その資産ができたのは、借り入れ金で資産ができたと見る必要はないんじゃないですかね。金に糸目がついているわけじゃないんだから、保険料で資産ができたんじゃないですかね。何でこの資産ができたんですか、固定資産というのは。
#95
○長岡政府委員 ただいまの資産の額は、過去の赤字というわけにはいかない性格のものだと思います。企業会計上の損失の概念から申しまして、やはりそれだけの資産が残っておるわけでございますから、これはやはり一般会計、国民の税金をもって、企業会計である厚生保険特別会計の赤字を補てんしていくという性格にはなじまないものではないかと考えております。
#96
○堀委員 この問題は、あしたまた大蔵委員会があるから、きょうは時間がなければ、私はあしたの大蔵委員会でまた引き続き税法との関連の中でもう少し、一時間か幾らかやらせてもらいますけれども、ちょっといまのお話、要するに資産があれば、それは赤字の部分になじまないというけれども、それじゃ、しかし端的に言えば、この資産は売ってもよろしいということですね。大蔵省は、赤字対策としては、売りなさい、売ってもよろしいという見解かどうか、大蔵大臣答えてください。そうすれば、全部売ってもらうから。そしてまた、あなたに財政要求をして新たにつくればいいんだから。大蔵大臣、売ってもいいですか、固定資産を。
#97
○水田国務大臣 売ることはできますが、売ってもいいと言っているわけじゃございません。
#98
○堀委員 しかし、あなたおかしいじゃないですか。いいですか、いまこれだけあるものを、固定資産でしょう、売れなければ金には変わらないんじゃないですか。自分の家に住んでいる者が、自分の家の評価を幾らしてもらったところで、売れないものなら――ともかく家を小刻みにこわして、そして金にかえる、金は使えないんじゃないですか。それは保健施設とか、おそらくそういう施設でしょう。その施設があるから、その分は赤字としては見ないぞ、財産があるんだから。財産分差し引くぞと言っても、この保健施設というのは、売らなければ実質的には赤字の穴埋めに使えないんじゃないですか。そうすれば、その分だけは、売らないとすれば、保険料を持ってきてここへ補てんをすることになるんじゃないですか。
 あなた方が言った四十七年度末の債務をたな上げにするなんというのは、大うその皮じゃないですか。四十七年度末の債務の四百二十八億を引いたものを、四百二十八億に見合う分というのは、この会計の中で重要な問題になっているんです、五%との関連からいっても。だけれども、いまあなたが大蔵大臣として、これは一般財産だから、普通財産だから、もしそれならば全部売ってください、売ってよろしいというふうに答弁されれば、これは厚生大臣、売ればいい。売れば金が出てくるから、被保険者の迷惑にならないから、厚生大臣としては売るべきだ。そしてゼロにして、ゼロにしたら国民は文句を言うから、また新たに建てればいい。一般会計から金を出してつくればいい。そういうロジックでいいわけですね。大蔵大臣、あるものは資産だから、金として、その資産のものは計上しないという場合は、私はこの取り扱い上から見たらおかしいと思う。現実に赤字なんというのは、金を借りているわけでしょう。それは返さなければならぬものでしょう。実際は金で返さなければならぬじゃないですか。それは、あなたのほうで返しますと言うから、たな上げかと思ったら、とんでもない話になっている。そうじゃない。書き方がどうもあまりおかしいと思うから、ちょっと聞いたんです。
#99
○長岡政府委員 重ねてお答え申し上げますけれども、十八条ノ八で「四十七年度末二於ケル借入金二係ル債務ヲ弁済スルタメ必要アル」という場合に借り入れ金ができたというときには入っております。ただそのあとで、一般会計でだんだんにやっていく場合、これは当然その債務といいますか、赤字借り入れ金に見合う分を返すべきであって、見合いの資産がある、要するに現金がない、その他で借り入れでまかなっておりますけれども、見合いの資産のあるものも一般会計から繰り入れて、その赤字を解消していくという必要はございませんので、少しこれは資金繰り上の必要があれば一借りかえ等の措置もできるわけでございますから、またあるいは売却して現金にかえることも可.能でございますけれども、しかし、決して私どもはそこまで考えておるわけではございませんけれども、事柄の性格上、一般会計からの繰り入れによって今後解消をしていく赤字借り入れ金という性格にはなじまないんではないか、かように考えておるわけでございます。
  〔増岡委員長代理退席、橋本(龍)委員長代理着席〕
#100
○堀委員 そうするとこういうことですね。要するにたな上げするかっこうで借り入れ金は大蔵省として認める。そこまでの四百二十八億を含んだ借り入れ金は認める。十八条ノ八の二項について書いてある、そこまでは認める。そうすると、あなた方は、四百二十八億のところまでは一般会計で金利を含めて全部見るわけですね。四百二十八億の金利はどうするのですか。
#101
○長岡政府委員 これは将来のこの保険会計の負担において支払いをする、借り入れ金の利子を返していくということを考えております。
#102
○堀委員 そうすると、要するに四百二十八億については一般会計は承知をいたしません。だから、結局こうなると今後に残ってくるのは、たな上げをしたとはいいながら、たな上げしたのは四十七年度末の借り入れ金ですね。赤字額、その赤字額から四百二十八億円を引いた残りだけについて金利を払うし、一般会計でこれは全部責任を持って消します。しかし四百二十八億というのは、あくまでも今後にずっと残って、それは厚生保険特別会計の負担で金利も払い、償還もしなさい、正確にはこういうことですね。――わかりました。そういうことなら、そのように考えてあとの問題を処理をしなければいかぬと思うのですが、その上の部分、四百二十八億を除いた残りの部分、これは全部大蔵省で負担をして支払い、それから金利も払うんですね。大蔵大臣、その点はっきりしておきたい。ということは、これは「為スコトヲ得」としか書いてないから、その点ちょっとはっきりしてください。
#103
○水田国務大臣 この累積赤字は今後の保険会計の別ワクに出して、国が責任を持つということをはっきり書いたものでございます。
#104
○堀委員 それではその点は、いまの四百二十八億を除いた分は全部一般会計で処理をする。「当分ノ間」と書いてあるけれども、一体何年間くらいで処理をするという当面の計画ですか。
#105
○水田国務大臣 それもいろいろ議論がございましたが、この年数を何年ということは、まだいまのところはっきりいたしません。
#106
○堀委員 では最後に、いまのこの十八条ノ八からいきますと、もしこの保険会計に赤字が出れば、一応弾力条項で保険料の増収をはかる以外に道がない、こうなっていますね。ですから保険料の増収で、このまま法律が通れば処理ができるのでしょうが、しかしさっき言ったように、天井についたときにはこれはどうしますか。借り入れ金が天井についたら、ここに書かれてある法律の内容は済んでしまうわけですね。そうすると、その時点では、やはり新たな立法を考えるのですか。厚生保険特別会計法としてですよ。健康保険法じゃないですよ。厚生保険特別会計法としては、そのときには当然改正しなければならない、こういうことですね。
#107
○水田国務大臣 当然そういうことになろうと思います。
#108
○堀委員 最後に、ちょっとさっき私が申し上げておりましたように、大蔵省は、やはりこの厚生保険特別会計法、ここにくっついておるものが通ったほうが適当だと考えて提案をしたのですから、提案をした以上は、通すためには、ずっとこれまでの経過を聞いておりますと、厚生保険の負担というのはさらにふえたわけですね。
 きょうの私の質問の中で、四百二十八億の分は、一般の皆さんは全部たな上げ分は政府が見るのだ、こう思っておられたと思うのですが、そうではなくて、いまそういう固定資産だとか未収金、これは当然入ってくるものだからということでしょうけれども、当然毎年毎年未収金というのはキャリーオーバーで、ずっとあるわけでしょうから、その部分の四百二十八億は見ないということになってくると、この五%に関連する問題というのは、新しい問題を呼び起こしたと私は思います。
 それについては大蔵省はもう少し財政負担について弾力的にものを考えて、この法案を処理したほうがいいのではないかと私は思うのですけれども、大蔵大臣は、この際多少弾力的な処理もあり得るという答弁ができるのかどうか。事務当局はいいですよ。大蔵大臣の政治的な答弁を求めます。
#109
○水田国務大臣 保険料の値上げとか、あるいは特別保険料とか、いろいろの今回の措置によって大体本年度でいいますと、八百九十億前後の増収がございますので、それに対応して政府が三百七十億ぐらい、いまの五%の負担をすれば、今年度もう赤字を出さなくても済むという計算になりますので、そういう一連の措置をとろうとするものでございますので、計算上から見ましても、大体五%でこの保険会計の赤字を避けることができるというふうに私どもは考えています。したがって、今後さらに保険料が値上げされるというときには、それに応じて国の補助についても弾力的な考慮をする、こういう仕組みになっておりますので、それは考えますが、いまのところ、最初からいま考えておるような方式によって赤字が避けられるという計算ができておるのに、今年度の対策として五%をさらに増額するというようなことは、私どもは考えておりません。
#110
○堀委員 いまのところは考えていないということのようですが、経過によっては考え得るのですね。どうですか、経過によっては考え得る場合もある、それ一言答弁してもらったら、やめます。
#111
○水田国務大臣 考えなくてよろしいと思います。
#112
○橋本(龍)委員長代理 次に、貝沼次郎君。
#113
○貝沼委員 初めに、政管健保の赤字の要因でありますけれども、いままでいろいろ報道等においてもいわれておりますし、また社会労働委員会の議事録などを見ましても、いろいろいわれておるわけでありますけれども、いまひとつすっきりとした理由ということには、私は納得がいきません。
 そういうところからお尋ねするわけでありますが、まず厚生大臣、この政管健保の赤字の要因というのは、具体的にどういうことが要因とお考えですか。このあと大蔵大臣にも聞きますから……。
#114
○斎藤国務大臣 一口に申し上げますと、保険料収入が保険給付の増額に及ばないというのが赤字の原因でございます。
#115
○貝沼委員 大蔵大臣は、どうお考えですか。
#116
○水田国務大臣 医療水準がだんだんに高度化してきたことと、人口の老齢化のために医療給付額の増高が、いま言ったように、保険料収入を上回るということが赤字の原因であると思います。
#117
○貝沼委員 収入が少なくて、そしてかかる金が多いということだろうと思うのですけれども、私はそれだけではないと思うのです。これだけではないと思います。ただ政府がそれだけの理由でこれをやったのであれば、私は問題が複雑になってくるんじゃないかと思います。たとえばよくいわれる例といたしまして、政管健保の都道府県別の年度別一人当たり医療給付費という表がありますけれども、これによりますと、都道府県によってかなり一人当たりの金額というものは違うわけですね。はっきりいって昭和四十五年度を見ましても、奈良県のような場合は五万四千九百四十九円、あるいは京都、岡山、これが多いわけでありますが、それに比べて東京などは二万八千五百二十二円、山形で二万九千九百六十一円というように、これは地域によって格差があります。もし厚生大臣並びに大蔵大臣の考え方が正しいのであれば、どうしてこのような地域に格差が出るのか。この地域だけは、大蔵大臣の答弁にあったように、たとえば老人が多いとか病気が多いというのか、それとも何らかほかに理由がありと考えるのか、私は先ほどの説明だけでは、これは納得のいかない問題であると思いますが、この点についての答弁をお願いいたします。
#118
○斎藤国務大臣 不十分であれば、また政府委員から詳しい御答弁をいたさせますが、この地域格差の問題は、政管健保の中にあるだけでなしに、組合健保の中においても、また国民健康保険、国保の間においてもこの地域の格差があるわけであります。この地域格差の起こってまいります理由は、その地方の、何といいますか、国民の年齢構成にもよりましょうし、また医療にかかりやすいという条件のところと、そうでないところと、いろいろあるわけでございますので、この政管健保の中にだけある問題ならば、これは政管健保の赤字の原因になりましょうが、そうでない国保の中においても、あるいは健保組合の中においても、同じ地域格差が起こっておるわけであります。
#119
○貝沼委員 どの健保にもそういう一つの特徴があるから、これは必ずしも赤字の要因とは考えないというようなことだと思いますけれども、しかし厚生大臣は、これは調べた上でそういうような判断をされたのですか、あるいは一つの感じの問題で答えられているのですか。
#120
○斎藤国務大臣 私は、この国保の地域差、健保組合の地域差、それを調べまして、この地域差は政管健保の中にあるのと同じであるということを見きわめて申し上げているのでございます。
#121
○貝沼委員 そうじゃなくて、地域差のあるその理由というものを、どういう理由によってこの地域差が出てくるのかということはお調べになりましたか。
#122
○斎藤国務大臣 これは政管健保の中にある赤字の原因ではない。国保の中にも地域差があり、健保組合の中にも地域差があり、健保組合の全体といたしましては、そう赤字がふえない。政管健保が赤字がふえる、また国保のこの地域差も同じようにあって、そして政管健保ほど赤字で苦しむということはないということは、これは地域差があることによって政管健保はいつも赤字を生むのだという大きな原因ではないと、こう私は申し上げているわけであります。
#123
○貝沼委員 それはわかるのですよ。そこは厚生大臣の言わんとすることはわかりますよ。しかし、ただこの要因というだけではなくて、地域差が出てくるということもはっきりわからないと、やはり健康保険の問題というものは、私は根本的に議論することはできないと思うのです。その土地によって必ずそういう違う要素というものは、これはある。なぜそういうふうに違った結果が出てくるのか、その辺のところも、これはただ原因ということばだけではなくて、全体を把握した上で議論をするという立場になりますと、その理由がわかっていなければならないわけでありますが、これはお調べになったことがございますか。
#124
○斎藤国務大臣 政管健保の赤字を生ずる理由という意味においては、先ほども申し上げたとおり、必ずしも地域差があるということはその原因でない、ほかの医療保険の中にも地域差があると私は申したわけであります。
 その中の、なぜ地域差があるのか、それを全然究明しないでいいのかという問題は、これはまた別の問題だと思います。その地域差は、何%がどの理由で、何%がどの理由というほどまでには、まだ詰めるところには至っておりませんが、やはり診療機関の多いところ、そこはやはり一人当たりの医療費も多い。また、地域的に医療機関が多ければ、やはり病気になってもすぐかかりに行く。医療機関の少ないところは、なかなかかかりに行きにくいから行かない。交通の便利なところと不便なところと、またその地域には非常に健康者が多いか、あるいはそうでない老齢者が多いかというようなことによって違ってまいるわけであります。
 それは、いま申し上げましたような原因がどれが何%、どれが何%というところまではまだ詰めるところに至っておりませんが、大体そういう傾向にあるということは、われわれ検討の上で、そういう結果を得ているわけでございます。
#125
○貝沼委員 いま厚生大臣は、診療機関の多いところは多いのじゃないか。ところが、東京は多いのじゃないですか。たとえば、岡山と東京を比べた場合には東京が少ないのですか、どうなんですか。
#126
○斎藤国務大臣 もちろんそれも一つの要因というわけでありますが、東京は、どちらかというと、いわゆる若くて活動力のある人が多いという人口構成から、そうなっていると私は思います。
#127
○貝沼委員 どうもはっきりしませんね。とにかくそういう――私はどうも厚生大臣は感じでおっしゃっているのじゃないかと思うのですけれども、調べたことはおありなんですか。
#128
○穴山政府委員 お答えいたします。
 一人当たりの医療費にいたしますと、先ほど先生が御指摘になりましたように、たとえば四十五年度は、奈良が一番高くて、一番低い東京との間に相当格差があるわけでございます。それじゃなぜ県間の格差があるのかという問題でございますが、これは昔から私どもに課せられた宿題のようなものでございまして、いろいろと分析をいたしておりますけれども、なかなかその関連性がよくつかめない。大体一人当たりの医療費と申しますのは、いわゆる三要素と申しまして、一日当たりの金額と、一件当たりの日数と、受診率、この三つをかけ合わせて一人当たりの金額が出てくるわけでございますけれども、非常に一日当たりの金額の高い地域であっても、受診率が低いというところもございます。それから受診率が非常に高いけれども、一日当たりの金額は低いというところもあるわけでございます。したがって、その間の因果関係というものが何かという要素がなかなかつかめないわけでございます。従来は、普通、いま大臣がおっしゃいましたように、医療機関あるいはベッドの数が多いところは比較的医療費が高いというようなこともいわれておりますけれども、ではその間にどういう相互関係があるかということは、なかなかつかめない問題でございます。
 そのほか一般的にいわれますのは、たとえば生活水準が高いところは、やはり受診も多いし、医療費も高いというようなことも俗にいわれておりますけれども、それを科学的に因果関係として解明するということになりますと、交通事情とか年齢の問題、その他いろいろな事情が複雑にからみ合いますので、なかなか解明できないということでございます。したがって、こういった格差があるということの事実は私どもも把握しているわけでございますけれども、それをこまかくその原因を究明して、因果関係まで突き詰めるというところまではまだ至ってないということでございます。
#129
○貝沼委員 その因果関係も私は必要だと思うのです。やはりそういう診療の実態というものがきちんと把握されないと、これからどう対応すればいいかという問題がはっきり出てこないのじゃないかと思いますので、私はいまそれをお尋ねしたわけです。したがって、厚生省としても、今後さらに、そういうベースの問題でありますから、それをきちんと掌握していただきたい。また、大蔵省も、ただ厚生省からこう言ってきたから、そうなんだろうというような安易な考え方で予算措置などをするのではなくて、やはりきちんとそういうところも究明するように心がけるべきだと私は思うのです。
 先ほどの堀委員の質問のときに、厚生大臣から、本日抜本改正が提出された――よく聞こえなくて、提案と聞こえたのだけれども、おそらく提出のことだと思いますけれども、提出したという話がありましたけれども、これに対しまして、大蔵大臣は、さしあたりの抜本対策で、これは第一歩を踏み出したのだという話があったと思うのです。そこで、私は、やはり医療保険制度の抜本改正というものときちんと合わせて、そこで健保の審議というものをしていかないと、これは全くおかしいのじゃないか、こう考えるわけでありますが、なぜいままでこのようにおくれたのか、またそれをいままでおくらした責任は一体だれにあるのか、この点をお願いいたします。
#130
○斎藤国務大臣 抜本改正のおくれましたのは、しばしば御答弁申し上げておりますように、関係方面との調整に非常に時間をとった。まず第一に、社会保障制度審議会と社会保険審議会の両審議会に諮問をいたしまして、そしてこれはもう四十四年の八月に諮問をいたしまして、その答申をいただいたのは昨年の暮れでございます。その答申に基づきまして政府の一応の案をつくって、さらに諮問をいたし――これは諮問しなければならぬということになっております。その諮問に対する御答申を四月の中旬になっていただきました。この答申をまたないで政府案を提出するということはできない。その答申の中にいろいろと御意見がありましたので、その御意見を尊重をして、そして政府案をさらにつくり直すということに時日を要したわけでございまして、これは弁解になるかならぬかわかりませんが、そういった手続上非常におくれました。この点は申しわけないと思っておりますが、事情を御了察いただきたいと存じます。
#131
○貝沼委員 それで、この答申でいっているものというのは、いわゆる抜本改正でありまして、ほんとうの抜本改正をいっているのです。ところが、先ほど大蔵大臣が言いましたように、現在、院に提出されているものは、これはさしあたりの抜本改正である、こういうことになっております。そうしますと、これは答申でいっているものとは内容が変わってくるわけでありますけれども、この点についての御見解はいかがですか。
#132
○斎藤国務大臣 政府といたしましては、両審議会に諮問をいたしました案は、各保険間の二分の一財政調整というものを入れておりました。ところが、二分の一財政調整については、その考え方はわからぬでもない、あるいは両審議会の公益委員の方々は、これはやるべきであると思うけれども、しかし、いま直ちにやるのにはまだ周辺のいろいろ整えなければならない条件がある。その条件を整えた上でやるべきである、こういうことでございますので、そこで二分の一財政調整は一応周辺の事情が整うまで暫時見合わして、そして六十歳以上の高齢者の共同事業というものをまず行なうということをいたしたのが一番大きな変更をいたした点でございます。
 私が、抜本改正のまず入り口と申しましたのも、実は抜本改正を、国民医療保険を完ぺきな、いわゆる給付も、また保険料の負担も、公平をはかるというようにいたしますのには、逐次やってまいらなければなりませんので、ただ一度だけの改正案ではできない。これは前から申し上げておるのでありますが、その第一番目の入り口におきましても、もう少し周辺の事情を整えてということで、その周辺の事情を整えるのにまだ若干の年次を要する、こういう考えでありまして、まず抜本改正の第一次の着手ということを、先ほど申し上げた次第でございます。
#133
○貝沼委員 そうしますと、これは抜本改正ではありませんね。要するにいまの答弁は、抜本改正という名前は使っておるけれども、事実は抜本改正ではないということですね。
#134
○斎藤国務大臣 これはどう呼ぼうと、当初政府が審議会に諮問をいたしましたのも、これでもう万事終われりというわけの抜本ではございません。しかしながら、いままでの考え方を大きく変えて、そしてこの方向にいくというものでありますから、そういう意味においては、抜本改正の第一次、こう言えると考えます。
#135
○貝沼委員 先ほどからの話を聞いておりますと、私は、この健保の法案を通すための一つの小道具というか、あるいは何らかのかっこうをつけるために、そういうものがいまになって提出されたのじゃないかという感じがしないわけでもありません。こういうところから、私は非常に割り切れないものを感じるわけでありますけれども、その法案は法案で、また別に審議する機会があると思いますので、そのときまたじっくりと同僚議員によってやると思います。
 ただ、この健康保険の問題を考えていく場合に、ほんとうの抜本改正というものをやらないと、どうしても考えられないという点がたくさんあります。二、三の例をあげますと、たとえば、日本の場合は総医療費のうち四七%は薬剤費といわれておりますけれども、はたしてそうなんですか。これは外国と比べて高いのですか、低いのですか。
#136
○斎藤国務大臣 診療報酬の中に占める薬剤の割合が高いじゃないかというお話でございますが、これは、割合が高いことは事実であります。しかし、これは薬剤と他の診療報酬との比較でありまして、まだ医者の技術料とかそういった面が低過ぎる、したがって薬剤の占める割合が高いのだという議論も出てくるわけです。
 そこで私は、大づかみに言って、一体日本の国民の一人当たりの薬剤の使用料というものは、欧米の先進国に比べて高いのか、高くないのかということを調べてみたのでありますが、欧米の先進国に比べますと、一人当たりの薬剤の使用料というものは高くございません。そう申しますと、やはり技術料の評価が低過ぎるということにもなると思うわけであります。しかしながら、先ほども議論がありましたように、薬価の実勢というものに合わせて薬価基準をきめていく必要がありますので、薬価の実勢は自由競争によって年々下がっておりますから、したがって、その実勢に合わすように薬価基準をきめてまいるというようにいたしてまいれば、薬剤の使用料というものは、ある程度金額的には下がってくるだろう、かように考えます。
#137
○貝沼委員 それから厚生大臣、患者が病院から薬をもらってきますけれども、この薬は一〇〇%飲まれている、使用されている、こういうふうにお考えですか、この点はいかがですか。
#138
○斎藤国務大臣 最近、馬に食わすほど薬を出す病院があるというようなこともよく聞くわけであります。私は、中には薬を相当余分に出しているというところは、なきにしもあらずと率直に考えます。しかし、すべてがそうだというわけではないと思うのでありますが、こういうものはレセプトの点検その他におきまして十分指導もし、また改善も加えさせ、ひどいものは適当な処置をしていくというようにやってまいらなければならぬと思っております。また、さようにいたしつつあるわけでございます。
#139
○貝沼委員 この問題について、ある団体はその実態を調査したことがあるわけですけれども、その調査の結果については御存じですか。
#140
○斎藤国務大臣 どうも私不敏にして、ある団体の調べられた調査というものは、まだ存じておりません。
#141
○貝沼委員 ほんとうは知らないはずはないと思うのですけれども、知らないなら知らないでけっこうです。実際こういうものを調べた結果、ある報道によりますと、せいぜい六割くらいしか使われていないのじゃないかというふうにもいわれておるわけであります。
 そういうような問題、あるいは最近の新薬がまだ保険に入っていないというような問題もあります。また、最近は病院にほとんどクーラーがつきまして、そのために入院費などが高くなってきておるというようなこともありまして、たくさんの問題が実はあるわけですね。そういうようなことも全部ひっくるめて、この健康保険の問題というものを審議していかないと、ほんとうの解決にはならないのじゃないか。こういうわけで、ほんとうの抜本改正にはなっておらない、こう言っておるわけであります。
 したがって、ほんとうにこの法案の審議を積極的に進められようとする姿勢があるのであれば、答申で示されたように、やはり初めからもっと積極的な抜本改正というものを出すのが当然であったし、出さなかったことは当局として非常に怠慢であった、こう私は判断するわけでありますが、この点についての見解はいかがですか。
#142
○斎藤国務大臣 いろいろと国民医療に関する部分におきましては時々改善をし、また日々によくしていかなければならぬ点が多々ございます。それはそれでやると同時に、保険の仕組みにおいて改善を加えるべきものは、やはり加えてまいらなければならない、こういう立場でいわゆる抜本改正というものを提出いたしたようなわけでございます。
#143
○貝沼委員 時間があまりありませんので、次の問題に移りますが、先ほども問題になっておりましたが、国庫補助の定率化の問題であります。
 この国庫補助の定率化で五%になった、このことについての根拠というものがどこにあるのかという先ほどからの質問でありますけれども、どうもこの五%にはしっかりした根拠がない、あるいはもしありとするならば、大蔵大臣が答えたように、五%も実情に即した補助であると思う、こういうような理由ではないかと思うのですが、この点もう一度お尋ねいたします。
#144
○斎藤国務大臣 五%というこの数字的な根拠は、なかなかむずかしいと私のほうも思うわけでございますが、とにかく前年度の二百二十五億の国庫補助から比べますと約六七%の増になり、しかもそれが定額を定率ということにするわけでございますから、したがって補助のあり方といたしましては、いままでにない画期的な考え方として取り入れたというように御理解をいただきたいと思います。
#145
○貝沼委員 この五%につきまして、たとえば大蔵大臣の答弁のように、実情に即した補助であると思う。この補助という考え方から五%という数字が出てきたのであれば、社会労働委員会においてわが党の古川議員が質問をしたことがあります。
 それはどういうことかといいますと、保険料率を現在のままにしておいて、本人の一部負担金をなくした場合の赤字見込みを計算をして、そしてそれを国庫補助で見た場合何%になるか、こういうふうにただしたところ、そのときは即答はなかったのでありますけれども、その後資料で提出されております。
 それによりますと、現行制度、すなわち千分の七十の料率でもって計算をいたしますと、赤字見込みが千二百七十五億円、それから本人の一部負担金をなくした場合の赤字見込みが八十九億円、それで合計が千三百六十四億円、さらに今度は国庫補助一%という割合で計算すると七十八億円ということになるので、これで合計を割ってみますと、赤字見込みを全額国庫補助とした場合は何%必要かということが出てまいりますが、当局の資料によりますと一七・五%という数字が出ておるわけであります。
 ところが答申などによりましても、決して五%という数字が妥当であるという答申ではなく、ある人は二〇%、またある人は一〇%というふうに答申がなされておる。先ほどから厚生大臣は答申を尊重するということばが何回も出ておりますけれども、これでは、はたして答申を尊重したかどうかということが疑わしくなってまいります。こういう点から、私はこの数字から考えましても、たとえば二〇%の国庫補助にするならば、保険料の値上げなどはやらなくてもよかった、こういうことになりますが、この点についての見解はいかがですか。
#146
○斎藤国務大臣 赤字を全部国庫補助でまかなうというのが適当かどうか、かように考えますと、いままでの健康保険に対する補助は、やはり保険料も上げる、同時に国庫補助もふやすという考え方できておりました。初めは国庫補助ということを考えないで、被保険者の保険料だけでという考え方でありましたが、しかし弱小企業に働く人たちであり、疾病率も多いというようなことから定額国庫補助がつけられてまいった。しかしながら、その赤字がだんだんと増してくる。それで、このたびもほうっておくわけにはいかぬ。この際にやはり被保険者も負担をする、そのかわりに国のほうも若干補助を増すという考え方できたわけでありますから、赤字全体を補助金だけでまかなうという考え方は、いままでの考え方とも違いまするし、これは健康保険というもののあり方から必ずしも適当でない、私はかように考えます。
 そこで、五%がよろしいか、一〇%がよろしいかという問題でございますが、私が先ほど申し上げましたような理由で、大蔵省との話し合いで五%ということにきまったわけでありますが、審議会の答申を尊重すると言って、していないじゃないかというお話は、これは前にも申し上げましたように、すでに政府の予算がきまった後に審議会にかけたわけでございますので、その点は政府として、もう一度出し直すということになれば、これは予算と関係を持つということから、そういう諮問のしかたを――予算がきまってから諮問をするということになれば、答申の尊重は非常にむずかしくなるから、今後は予算のきまる前に諮問を出し、答申をもらうように変更いたしたい、かように申し上げているわけでございます。
#147
○貝沼委員 予算がきまってから諮問したのでは、むずかしいということですけれども、赤字対策というものは、いま始まったわけじゃないでしょう。初めからわかっていることでしょう。したがって、いまの厚生大臣の答弁というものは、要するにそれでは厚生省は怠慢をしておりましたということを言うのか、どういうことですか。
#148
○斎藤国務大臣 いままでは予算に関連をする法律案の要項の諮問は、予算を一応政府できめてからというやり方をいたしておりました。しかし、これは意見を尊重するというたてまえからいうと、必ずしもいい出し方ではないから、この方針を今後は変えていこうということを考えているわけでございます。
#149
○貝沼委員 私は、厚生大臣の答弁だけでは納得がいきません。
 大蔵大臣もこのようにお考えですか。
#150
○水田国務大臣 この保険会計の赤字は対策によって避けられるものでございますので、昨年度も厚生省から国会に財政策が提案されたのでございますが、昨年は国会を通らなかったということのために、今年またあらためて財政措置が提案されたということでございまして、私は、厚生省の怠慢というよりも、赤字はわかっておるのですから、この対策をしようとしておって、国会の承認するところにならなかったということだろうと思っております。
#151
○貝沼委員 いま大蔵大臣はずいぶん開き直った言い方でありますけれども、要するに政府には何の悪いところもなかった、こういうことですか。
#152
○水田国務大臣 政府は、法案を通す力のなかったことは、これは政府の責任であるかもしれませんが、この赤字対策について政府が全然考えないでいたわけじゃなくて、対策をして法案を提出したのにかかわらず、これが通らなかったということでございますので、これは責任がどこにあるかということになりますと、いろいろ国会にも政府にも責任があるものというふうに私は考えております。
#153
○貝沼委員 いろいろ出したけれども、通らなかったというのでしょう。それは満足のいくようなものが出てこないから、だから通らなかったのですよ。その辺を、何でもかんでも出せばいいというものじゃないと私は思います。その辺よく考えて、国民の要望あるいは審議会等でいっているようなことが、ほんとうに厚生当局でそれをくみ取られ、そしてそれがきちんと法案として出てくるならば、何も反対するのが目的で反対しているわけじゃありませんから、それはきちんと審議をされると私は思うのです。何か反対して通らなかったのが、いかにも野党の責任のような言い方をされますと、これは評価の面でちょっとおかしいのではないかと私は思います。やはりこれは政府としても、それだけ納得のいくようなものが出せなかった、その責任というものはとるべきだと思います。この点いかがですか。
#154
○橋本(龍)委員長代理 貝沼委員、だれに御質問ですか。
#155
○貝沼委員 厚生大臣。
#156
○斎藤国務大臣 政府も怠慢と言われれば、これは頭を下げざるを得ないと思いますが、この前にも法案を出した、それが不満足なものだったから通らなかったとおっしゃられれば、あるいはそうであったかもわかりませんが、政府は政府なりに努力をしておったということだけは、ひとつお認めをいただきたいと思います。
#157
○貝沼委員 それから保険料率の弾力条項についてお尋ねいたしますけれども、先ほどから問題になっておりますように、社会保険庁の長官の裁量によっていろいろと弾力的に運用されるわけでありますが、これははっきりいえば政管健保でありますから、当然国会の審議を経ていろいろな問題がきまらなければならないと思うのです。ところが、それを長官の裁量にまかしてしまったということは、何回も国会にかける手数を省くという考えがあるのではないか。もしその考えがありとするならば、これは国会無視につながるのではないかと思いますが、この点はいかがですか。
#158
○斎藤国務大臣 法律的には、これをお認めいただければ、国会で授権をしていただいたということでございまするし、実質的に申しますると、先ほどから申し上げておりますように、とにかく累積赤字をたな上げをし、単年度赤字はつくらないということを今度は原則といたすということでございますから、単年度赤字をつくらないというためには、ある程度の自由裁量というものは認められてしかるべきでないだろうか。組合健保におきましても、千分の八十までは、これは組合が自主的に上げ下げできるということになっているわけでありますから、同じ保険は、政府の管掌する保険集団であろうと、あるいは組合が管掌する保険集団であろうと、その間は最高のところを押えて、それまでの間は伸縮をやって、単年度赤字を出さないように努力していくということが、保険のあり方としてはいいのじゃないか、かように私は考えます。
#159
○貝沼委員 この社会保険庁長官が「社会保険審議会ノ意見ヲ聴キ」云々となっておるわけでありますけれども、この審議会の意見がもしノーであった場合はどうされますか。それからさらに、半数の人がノーという返事の場合はどうなりますか。また、少数の人がノーという場合にはどうなりますか。この点についてお答えください。
#160
○斎藤国務大臣 保険審議会がノーということであれば、これはおそらく上げることは非常に困難であり、そういうことはやらないであろうと私は思います。審議会の委員の中でノーという人、イエスという人、いろいろあったらどうだという御意見でございますが、それはその内容によりまして判断をしなければなるまいか、かように考えます。健保組合においても保険料率をきめますのは、そのきめる機関があって、そこできめるわけでありますから、そこで満場一致でなければならぬか、あるいは多数決でいけるかというのは、その事態をよく見た上で円満に処理をするということでいかなければなるまい、かように考えます。
#161
○貝沼委員 答申では、この「千分の八十を限度とする保険料率の弾力的調整の規定は、保険財政の長期的安定を図るためには必要なものと説明されてはいるが、少なくとも昭和四十七年度においては、すでに収支は均衡され、発動の必要はない。何故この際規定しようとするのであろうか。むしろ、抜本対策の成立後において諸条件の変化をおりこんだうえ、長期的財政見通しにつき十分検討を加え、しかる後規定すべきである。」こういうふうになっておりますね。ところが、この答申のとおりにこれは受けていなくて、ちゃんと弾力条項が現に入っておるということは、もう審議会でこれだけの答申をしておいても、それすら実は受け入れていないわけでありますから、その論法からいくならば、今後審議会のこの意見を聞きながらやるということは、ほんとうにその意見を聞きながらやるのか、あるいは圧力でそれを押し切ってしまうのかという不安が非常にあります。現にこれをいれてないわけですから。そういうことは絶対ありませんか。
#162
○斎藤国務大臣 これは法案の要綱を諮問をして、そして国会に提出をするという場合と違いまして、直ちに保険庁長官がその権限において保険料率を上げる、下げるということをきめるわけでありますから、その重さは非常に違う、かように私は思います。したがいまして、政府が諮問をしても、その答申どおりやらないというのとは、事柄の性質上これは全く違ったものになる、かように考えます。審議会の答申を無視して保険料率を上げるということは事実上行ない得ない、かように考えます。
#163
○貝沼委員 いまのところから考えて私は非常に心配であるが、いま大臣がそのようにおっしゃっておれば、これはある程度まではよろしいのじゃないかと思います。しかし、これは全面的に信用したわけではございません。
 それからもう一つは、いわゆるたな上げをした累積赤字の金額でございますけれども、この分は永久にたな上げということになるのか。これはもうたな上げしてしまったのですから、今後はもう手をつけません、要するに厚生省としては、あとはもうかかわりありません、こういう性質のものになるのか。あるいはあるとき払いで、あとでまた返せというような考えがあるのか、この点はっきりしておいてもらいたいと思います。
#164
○斎藤国務大臣 一度たな上げをした以上は、またたなおろしをするということは、厚生省としては絶対考えておりません。
#165
○橋本(龍)委員長代理 貝沼君、ちょうどあなたの時間が参りましたので、そろそろ締めくくりを願います。
#166
○貝沼委員 時間がないそうでありますけれども、大蔵大臣、これはいまの答弁のとおり、ありませんね。
#167
○水田国務大臣 そのとおりでございます。
#168
○貝沼委員 では最後に、もう一つだけ聞いて終わりにしたいと思いますが、この新規の借り入れを限定するというふうになっておりますけれども、これは具体的にどのようにお考えですか。
#169
○長岡政府委員 改正法案の第二条に、特会法の一部を改正する規定がございまして、特会法の「第十条ノ規定ニ拘ラズ」ということで、次に「健康勘定ノ昭和四十七年度末ニ於ケル借入金ニ係ル債務ヲ弁済スルタメ必要アルトキハ同勘定の負担ニ於テ借入金ヲ為スコトヲ得」と、はっきり借り入れ対象を四十七年度末における借り入れ金にかかわる債務を弁済するために必要である場合ということに限定をいたしております。
#170
○橋本(龍)委員長代理 時間が参りました。
#171
○貝沼委員 時間が来たそうですので終わりたいと思いますけれども、それならば、この答申にあるように、政管健保の「累積赤字を棚上げし、その償還財源に当てるため、一般会計より補てんする措置は、一応評価できるが、これに伴い累積赤字の解消が将来保険料収入の一部で補てんされることのないよう法文的にこれを保障し、負担者側の不安を除くべきである。」というふうになっておりますが、これを法文にしなかったのは、どういう理由によりますか。
#172
○長岡政府委員 十八条ノ九を設けまして、「政府ハ昭和四十七年度以前ニ健康勘定ニ於テ生ジタル損失ノ額トシテ政令ヲ以テ定ムルモノニ対応スル借入金ノ償還及当該借入金ニ係ル経費トシテ政令ヲ以テ定ムルモノノ支払ノ財源ニ充ツルタメ当分ノ間一般会計ヨリ予算ニ定ムル金額ヲ限り同勘定ニ繰入ルルコトヲ得」という規定を設けております。これによりまして、一般会計によって、そのたな上げされました赤字を埋めていくという規定の裏づけといたしております。
#173
○貝沼委員 以上で終わります。
#174
○橋本(龍)委員長代理 次に、和田君。
  〔橋本(龍)委員長代理退席、森山委員長着席〕
#175
○和田(耕)委員 私は、物価問題の特別委員会の理事をいたしておりまして、この連合審査に、主として物価という点から御質問をしてみたいと思います。
 最初に、今度の法案が物価に対してどのような影響を持つかということの認識について、各大臣の御意見をお伺いしたい、長官を含めまして。
#176
○木村国務大臣 今回の法案による家計に対する影響と申しますか負担、これは御承知のごとく保険料の増額でございますから、したがって消費者物価指数から申しますと影響はない、こういうことが申せます。しかしながら、実質的には家計の負担になることは、事実そのとおりでありまして、したがいまして今回の保険料の増額が、政管健保の本人一人当たりにいたしまして、大体二百六十七円くらいのものになると思います。そういたしますと、昭和四十六年度の平均、この保険料の支出負担額と申しますか、たしか千八百五十五円と申しますと、一四・四%くらいの負担増になると思います。しかしながら、昭和四十六年度の家計の平均的な一世帯当たりの所得と申しますか消費支出は、大体私どもの計算で九万一千円くらい。それから申しますと、この二百六十八円の負担増と申しますのは、それに対して約〇・三%くらい、家計の負担からいえば、きわめて軽微なものであると思いますが、しかし、それだけの影響があることは免れません。
 しかしながら政管健保の財政の現状、それから出されます抜本健保によるいろいろの改善、それから比べると、あわせ考えますと、まずやむを得ないのではないか、こういうような感じを持っております。
#177
○和田(耕)委員 厚生大臣と大蔵大臣に、それぞれ物価との関係で、今回の法案がどのような関連を持つかということについての御所見をお伺いしたい。というのは、物価とあまり関係ないじゃないかという説を事務当局のほうからも聞いたことがありますので、大臣としての御所見を最初にお伺いいたしたい。
#178
○斎藤国務大臣 まず診療報酬の改定は、やはり物価に全然影響がないとは私はいえない、かように思います。ただ診療報酬を改定し、これをまかなわなければならないというときに、ある程度の保険料の値上げはやむを得ないし、その及ぼす影響は、ただいま経済企画庁長官が申し上げましたとおりであって、数字的には、そうたいしたものじゃない、ほとんど影響のない程度のものではなかろうかと私は判断をいたしております。
#179
○水田国務大臣 家計には、これは響く問題でございますが、消費者物価指数には出てこないものだと思います。
#180
○和田(耕)委員 どうもそういう御認識では、これは物価問題の特別委員会の連合審査をする必要はないわけでございます。
 私、そうじゃないと思うのです。公共料金の問題を考えた場合に、公共料金を、いろいろな料金がありますけれども、引き上げるということは、つまり消費者のほうから見れば、それだけ所得に対してマイナスになるという問題がありますね。したがって、一番端的に申し上げれば、保険料という一つの物価があると考えれば一番わかりやすい。保険料という物価が千分の七十から七十三に上がるということは、それだけ物価が上がるということと同じ意味を持つ。そうでしょう。料金が上がるということは、それだけ上がったものは国民のふところから出ていくわけですから、したがって、保険料というものを一つの物価と考えてみれば、これは物価と非常に重要な関係があると私は思う。また、いまの標準の二十万にするとか、あるいは下限を一万何ぼにするという問題も、いままでよりは、つまり政府がきめる国民からいただく料金と考えてみれば、そのものを、一つの物価の指数の引っぱり出してくる項目じゃないにしても、物価という面から見れば非常に関係がある。そういうふうに私は思うわけで、関係の各大臣は、もっと物価という面からも、この問題について深い配慮をひとつお願いしておきたいと思う。
 そうじゃないですか、長官、保険料を一つの物価の項目と見れば、保険料の料金が上がるということは、他の公共料金が上がるということと同じような意味を持つわけです。物価指数には中へ入れてないから影響ないとしても、物価指数に影響あるないということが根本ではなくて、国民の所得に対するマイナスを与えるという点で、他の物価の料金のアップと同じような意味を持つと私は考えるのですが、間違いでしょうか。
#181
○木村国務大臣 確かに家計に与える影響、しかもそれが政府が関与しておるということからいえば、実質的に公共料金の一かもしれません。しかも、それに対応して給付というものがございますから、これは非消費支出として、私どもはこれをまだいまの段階で公共料金として消費者物価指数に入れるべきものではない、こういう考えを持っております。
#182
○和田(耕)委員 消費者物価指数に影響があるとは私は思わない。思わないけれども、物価というのは何も消費者指数の問題だけじゃないのです。指数は一つの特定の項目だけの問題であって、国民生活の面から見れば、保険料を引き上げるということは、一つの物価の重要な項目として、実質的に見ればそういうことになる。そういう点で私どもはこの問題を非常に重視しているということを最初に注意を喚起しておきたいと思うのです。
 私、こういうことを最初に申し上げるのは、今度の場合これは物価とあまり関係ないじゃないですかということをあちこちから聞くし、大臣のいまのいろいろのお答えの中にも、そういうふうな受け取り方が見られると思うので、そういうものではないのだ、物価指数とは関係ないとしても、実際の物価というものと同じような役割りを、悪い役割りを持つのだということをお考えいただいて、そういう面からもひとつこの問題をいろいろとお考えいただきたいというふうに最初に申し上げておきたいと思います。
 それで、私ここで特に、大きな赤字を出してきておるということですけれども、赤字の対策として今度の法案が必要であるわけですけれども、先ほど大蔵大臣は、政府のやり方によれば、赤字は出なくても済むようになるというようなお答えがあったのですが、確かにそうだと思います。早い話が、私は昭和四十四年まで社会労働委員会の委員をしておりました。そして四十二年の特例法案のとき以後三年間の国会にわたってこの問題を担当してまいりましたけれども、あの四十二年の特例法がもみにもんだあげく八月に通りました。あれが通ってから、とたんに政管健保の財政は、赤字は非常に少なくなってきた。四十二年、四十三年、四十四年と、目に見えて少なくなってきた、こういうふうに記憶しておりますけれども、これは間違いでしょうか。
#183
○穴山政府委員 そのとおりでございまして、だいぶ減少いたしました。
#184
○和田(耕)委員 したがって、あの減少した一番大きな原因は薬剤の一部負担であった、それだけではないと思いますけれども、薬剤の一部負担であったということは、お認めになりますか。
#185
○穴山政府委員 あの法改正の中には、確かに薬剤の一部負担が新設されたわけでございますけれども、政管健保の財政と申しますのは、収支両面にわたってのいろいろな問題がからみ合って変化をしていくわけでございまして、これだけが原因であるというようなことは、ちょっと私どもとしても結論をつけにくい問題であると思います。
#186
○和田(耕)委員 それでは、あの三年間に単年度の赤字が減ったほかの理由というのは、どういう理由ですか。
#187
○穴山政府委員 あの改正におきまして、たとえば一部負担の引き上げとか、料率の引き上げ、そういったようなものもございまして、そういったいろいろな事情がからみあって赤字が減少したということになると思います。
#188
○和田(耕)委員 薬剤の一部負担ということが赤字を少なくする大きな原因であったということはお認めになりませんか。
#189
○穴山政府委員 一部負担が、いわゆる財政にどういう影響を与えるかということは、これはいろいろと分析してみましても非常にむずかしい問題でございまして、たとえばそういったような一部負担の関係のない家族の給付が同じように下がるというような場合もあるわけでございまして、したがって、そのときにあるいろいろな状況によって医療費が変動し、また収入が経済情勢によって上下するというようなことによって結論的に出てくるわけでございまして、薬剤が非常に影響があったというように、私どもとしては、必ずしも結論づけられないのじゃないかというように考えております。
#190
○和田(耕)委員 これは私、非常に異なことを承るのですけれども、あの当時の厚生省の方々は薬剤の一部負担を導入した。あれは私ども反対しました。反対しましたけれども、あれはいわゆる乱診乱療といわれた状態に対して、ある重要なチェックの役割りを果たしたんだというようなことを、当時厚生省の担当の人たちから何回も聞いたことがありますけれども、これは間違いですか。
#191
○穴山政府委員 全く影響がなかったかと申されますと、全くなかったとも言い切れないわけでありますが、じゃしからば、どのくらい影響があったかと言われると、それが原因の大半であるとか、そういったような結論には、なかなかつけにくいということでございます。
#192
○和田(耕)委員 厚生大臣もそうお考えになりますか。
#193
○斎藤国務大臣 四十四年の改正の際に、御承知のようにこれがなくなりました。そこで、四十四年、五年と非常に赤字がふえた。いわゆる診療報酬総額が非常に予想外にふえてきた。私は、これはやはり薬価の一部負担をとったからこうなったのじゃないかとこう言って、そして、詳細にいろいろと調べさせました。ところが、いま申しますように、この原因からふえたとは必ずしも言えない、こういう、事務当局がいろいろと調べました結果、いま申しまするように、あるいは三万円以上の者に対して薬価一部負担をかけたわけで、それ以下の者にはかけておりませんが、それも一様に上がっておるし、それから家族給付には薬価は関係ないわけでございます、これも五割の家族給付でありますから。これもやはり上がっているということで、必ずしもそれだけの原因で、そう左右しているものではないというように、事務当局がいろいろと数字を調べた結果がそういうことで、私はまあ常識的にいま和田委員のおっしゃるように、前にそういう薬価一部負担をかけて四十四年にそれがとれた、上がったというので、これじゃないかとこう言ったのですが、どうも必ずしもそうは言えないというので、やはり数字の上からの検討は尊重しなければなるまいと思って、まあ事務当局の検討は、なるほどそうかなと、かように思っておるわけでございます。
#194
○和田(耕)委員 厚生大臣も、四十二年に一部負担制度を導入して、四十四年にわけのわからない方法でこれを取っ払ってしまった。導入してから三年間で急激に減ってしまった。ほとんど赤字が、単年度の赤字がないと言っていいくらい、二けたの数字に減ってしまった。四十四年に、またこれを取っ払ってしまうと、また従来よりも増して大きくふえてきた。これは事実ですね。大蔵大臣、あのときは大蔵大臣は大臣ではなかった、福田さんが大臣だったのですけれども、大蔵大臣は非常に関係のあることですけれども、この問題どういうようにお考えになっておりますか。
#195
○水田国務大臣 私は、四十二年のときに自分が関係した法律であるから、これは特にどうこうするわけじゃございませんが、これは赤字をふやさないためには非常に効果のあった措置であったと思っております。
#196
○和田(耕)委員 これは私はいろいろあげ足をとって申し上げようとは思っておりません。本来私は、そういう質問をするたちの男でもございません。しかし、いま厚生省の事務当局がおっしゃられることは、いかにもこれは今後の厚生行政をまかす上にも問題だと思うのです。
 なぜもっとあからさまに、そういう問題をおっしゃらないのか。あのときだれもが言っておったじゃないですか、厚生省の課長さんも局長さんも。当時は熊崎君だったと思いますけれども、だれでもそう言っておったじゃないですか。四十二年度の特例法が九月から実施されて、そうして四十二年、三年、四年と目に見えて減ってきたでしょう。しかもそれをわけのわからない方法で、あのとき厚生大臣はたしか斎藤さんだったと思いますけれども、あのどさくさのときに、わけのわからない方法であれを取っ払ってしまった。私どもそれに対して先ほど申し上げたとおり賛成ではなかった。なかったけれども、乱診乱療よりはいいことだということで、私どもはこれを暗々裏に認めておった。しかも、その効果はてきめんになって赤字は解消されていった。これを理由もわからない方法で取っ払ってしまった。つまりこのことが、その後いま問題になっている大きな赤字の大きな原因じゃないですか。しかもこれは、きょう出されたという、つまり抜本策といわれるものの中において、また薬剤の一部負担というものを出してきている。一日一剤三十円。朝令暮改じゃないですか、これは。
#197
○斎藤国務大臣 あのときは国会の修正で取っ払われたわけでございます。私といたしましては、その修正には応じがたいということで、ずいぶんがんばったのでありますが、しかし、それに応じなければつぶれてしまうということで、あの法案をつぶすよりは、このほうがいいという見地に立って、やむなく賛成をいたしたという経緯がございます。
 今度抜本改正の中に入れましたのは、必ずしもそういった薬剤乱用を防ぐということではなくて、やはり高額医療あるいは家族の給付の引き上げということが焦眉の急務であるし、保険は本来はやはりそういうものを保険をするのが至当である。したがって十割給付の方はある程度の一部負担をしてもらって、そうして家族の給付なり高額医療というものを保険で見るというのが保険の本来のあり方であろう。そういう保険の本来のあり方は、かくあってもらいたいということで、薬価にも一部負担をかけるというようにして提案をいたした次第でございます。
#198
○和田(耕)委員 ここで私はその当時の数字を参考までに読み上げておきたいのですけれども、四十一年には単年度の赤字が二百六十六億、四十二年、いまの特例法が実施された。これは九月からですけれども、これが五十八億に減った。四十三年には二十四億になった。四十四年には五十六億、四十四年の後半にはまた復活されております。そして、また四十五年になると三百八十三億、こういうふうなことになっておりますね。この問題を見ても、事務当局の方々もいろいろなことをおっしゃいますけれども、この数字を見れば、明らかに薬剤の一部負担、これは私は必要悪だという感じがする。確かに大衆の負担になるけれども、その負担の増のほうが乱診乱療といわれるものよりは、はるかにましであるという感じでもって、そのことずばりを国民に話をすれば、国民はわかってくれると思う。そういう重要な問題を、隠すとは申しませんけれども、あいまいな状態でこれを明らかにしないという態度は何事ですか。これはもう一ぺん事務当局の御答弁をお願いしたい。
#199
○穴山政府委員 先ほど申し上げましたように、薬剤の一部負担が財政に対して影響がないかといえば、それはないとはいえないということだと思います。ただ先ほどの御質問を、こういうように急激に減った唯一あるいは最大の原因が薬剤ではないかという御質問に、私といたしましては聞きましたので、あのときには料率を千分の六十五から七十に引き上げるというような収入増をはかる改正もいたしましたし、そういったような面もからみ合って財政が好転したと申しますか、赤字が減ってきたということを申し上げたわけでございます。したがって、薬剤のこの制度が全然そういった影響とは違うものである、影響がないものであるということではないというように申し上げたつもりでございます。
 それから、四十五年に非常にふえましたのは、これは一つは四十五年の二月に医療費の改定を行ないまして、約一〇%の引き上げを行ないましたので、それなども、かなりの医療費の赤字のふえる原因になったわけでございます。
#200
○和田(耕)委員 私はこの問題を特に取り上げましたのは、政府としてこの健康保険、政管健保が赤字になりやすい体質を持っておる、これはよくわかります。しかし、いまのような簡単な政策でも、赤字を減らすために大きな役に立っておる。しかも、それをどういう理由か知らないけれども、まあ私自身は大体見当がついておりますけれども、公の席上では、これは申し上げませんが、わけのわからない方法であれを取っ払ったことは事実ですが、あれは全くあのときに政府が出した法案とはまるっきり関係のないことなんです。ここにおる橋本君なんかも当の責任者だから、よく知っておるんだ。
  〔橋本(龍)委員「あのときは民社さんだって修正しろという意見だった」と呼ぶ〕
#201
○森山委員長 静粛に願います。
#202
○和田(耕)委員 不規則発言だけれども、とにかくこういう問題をお考えになって、もっと真剣にやってもらいたい。相当強い圧力団体がおるからといって、国民の保険に関する問題なんです。あるいはまた、こういうふうに何回でも同じようなことで大騒ぎをしなければならぬ問題なんです。医師会の武見さんが何ぼ強いからといって――その圧力ではなかったかと私は思うのですけれども、こういう問題に負けちゃいけませんよ、これは国民に迷惑をかけるのですから。
 その点厚生大臣は医師会の会長さんとは親しい間柄だそうですけれども、そして大臣が言えば、会長さんのほうも正論は聞くというふうに聞いておりますけれども、どのようにお考えになりますか。
#203
○斎藤国務大臣 先ほど申し上げますように、今度提出いたしました抜本改正の中には、十割給付というよりは、やはり一部は軽い負担をしてもらう、そのかわり家族なり高額医療は給付を引き上げるというほうがよろしいということで提案をいたしたわけでありまして、そういう意味において先般の保険医総辞退のときに、私は武見会長と何回も対談をいたしましたが、その際に、薬価一部負担はやるぞ、こういう趣旨で私は必要だと思う、それに対しては反対がない、こういうことで、これはもう公開の席でありまするし、速記録もとってありますから、今度は反対がなかろうと私は思っております。
#204
○和田(耕)委員 これはいろいろ言いにくい問題もあろうかと思いますけれども、つまり政管健保の赤字、先ほど申し上げたとおり、他の保険の制度に比べて赤字になる体質はある。確かにより多く体質は持っておるけれども、せっかくあの大騒ぎをして夜おそく、毎晩毎晩徹夜をしてやってやった特例法、二年間の時限立法の提案をしたのは、私です。それだからよく覚えています。ああしてこの二年間の――国会を通じて大騒ぎをしたものを、理由もなくわけもわからない方法で取っ払っておいて、そしてまた赤字が出てきた。この赤字が出てきたために、また同じようなことを繰り返す。私は、この態度はいけないというわけなんです。(橋本(龍)委員「当時は民社も賛成だった」と呼ぶ)委員長、不規則発言はとめてください。
#205
○森山委員長 御静粛に願います。
#206
○和田(耕)委員 この御反省はないでしょうか。
#207
○斎藤国務大臣 先ほど申し上げておりますように、今度の抜本改正の中に薬価一部負担を復活をいたしましたのは、乱診乱療、薬の乱用というものを避けるということよりも、先ほど申し上げたような理由で私は入れたわけであります。しかし、和田委員のおっしゃるような作用もあるいは果たすかもしれないと思います。事務当局は必ずしもそのためにどうとはいえないと言っておりますが、私は、やはり心理的な影響はあるであろう、かように考えます。
#208
○和田(耕)委員 もう時間もきましたので、私これからこのあとで薬剤の問題をもっとこまかく追及してみようと思っておったのですが、もう七時、時間もありません。
 ただ厚生大臣、あるいは財政の問題の責任を持つ大蔵大臣にも特に要望しておきたいのですけれども、いろいろと申されますが、本気になって赤字にならないような政策、しかもその政策は、他の問題にもいい影響を与えるということについては、政府はもっと自主性を持って、そしてこれを実行してもらいたい。そうであれば、現にもう赤字はなくなるのですよ、単年度の赤字。累積赤字は残ります。これに対しては、他の方法で処置しなければいけませんが、単年度の赤字はなくなる方法があるのに、しかもそれをやらないでおいて、取っ払って、また新しく抜本という名前に――あのときは抜本という名前じゃないという説明だったのだけれども、今度は抜本対策という名前のもとに、こういう制度を復活してきておる。これはこれ自身問題になるでしょう。大衆負担という意味から問題になるでしょう。なるでしょうけれども、必要悪ということがあります。そういう面で、私どもはそういう態度で審議したいと思うのです。
 最後に、大蔵大臣、何としても、いまの定率五%の国庫補助というのは少な過ぎると思うのですけれども、これを引き上げる御用意がありますか。
#209
○水田国務大臣 これは先ほどから申しておりますように、たとえば標準報酬の等級改定、保険料率の引き上げ、特別保険料、賞与に対する保険料の問題、こういう措置をとることによって、債務もこれで、いまいわれている単年度の保険の赤字は避けられるということでございます。ですから、こういう問題と均衡をとって約半分を患者が負担する、半分の国庫補助というようなものを考えるならば、単年度の赤字が消えるということでございますので、均衡をとった措置として一応五%の国庫負担を補助をするなら、これでりっぱに保険会計はやっていけるというのですから、私はこれでやれるものというふうに思っております。
#210
○和田(耕)委員 これはいろいろ方法はありましょうけれども、一般的に考えまして、政管健保は赤字を生む体質を持っておるということは明らかですから、他の保険制度とのバランスをとるためにも、もっと定率を引き上げていくという考慮が必要だと思います。それでまた企画庁長官も最初に申し上げたとおり、これは物価指数に影響がないから、この問題は物価の観点からはそう重く見なくてもいいんだというのではなくて、実際上は保険料というものを物価と考えれば、上がることと同じことです。ぜひひとつこの問題について必要な助言を、これは強力な助言でないと、厚生省がなかなか聞かない体質があると私は思うのです。斎藤さん、あなたが責任を持っておられるのですから、そして国民の保険、国民の命を守るところなんですから、ぜひともひとつこの問題についてきびしく反省もし、今後打つ手を間違いのないようにお願いをいたしたいと思います。
 これで終わります。
#211
○森山委員長 次に、小林政子君。
#212
○小林(政)委員 医療保険制度の抜本改正といわれるものが、本日、国会に提出をされたわけでございますけれども、被保険者の家族給付を五割から六割にするなど一定の改善は見られるわけですけれども、初診料についても現行二百円を四百円にするとか、あるいはまた入院時六十円を百二十円にするとか、あるいはまた投薬の一種類三十円の負担を増す、このような内容が盛り込まれているわけでございますけれども、保険の本来のあり方というものは、病気になったときに、ほんとうに安心してお医者さまに見てもらうことができる、ここにこそ保険制度の根本があるだろう。今回のこの抜本改正といわれるものが、このような状態の中で、病気になったときに医者にかかることについて、むしろかかりにくくするようなやり方、制度というものになるのではないか、こういうふうに私は考えますけれども、大臣の率直な御意見を伺いたいと思います。
#213
○斎藤国務大臣 私が考えますのに、たとえば家族なら五割、金を持っていかなきゃ見てもらえない、これはこのままでいいのか。また自己負担だけでも月に十万円、二十万円かかる、これはこのままでいいのか。これが保険かというと、私は必ずしもそうじゃないと思います。そこで、少なくとも家族五割の自己負担を四割にするとか三割にするとか、あるいは高額医療は全部保険で見る。それこそが、保険でほんとうに病気しても安心だ。ただ、病気した場合に初めて見てもらうのに五百円ないとということのほうが大事かというと、軽い経費は負担はするけれども、たくさん金のかかるものは保険で見るというほうが国民の医療を担保するといいますか国民に安心してもらえる。これこそ保険のほんとうのあり方ではないだろうか、私はかように考えているわけでございます。
#214
○小林(政)委員 少なくとも抜本改正という以上は、いままでよりはたとえ半歩でも前進をする、よりよくするということが抜本改正といえるものだと私は思います。今回の措置は、いたずらに被保険者の負担を増すということであって、これでは抜本改正でなくして、やはり改悪ではないだろうか、このように考えます。
 時間がございませんので、私は次に、政管健保の赤字の問題についてお伺いをしたいと思いますけれども、政管健保の適用対象企業は零細企業であり、また労働者の賃金水準というものもきわめて低い。そしてまた年齢も高齢化しているというのが現状でございます。特に大企業の場合には作業能率の高い、若い労働者を使い、年をとって定年制ではみ出したというと語弊がありますけれども、やめた方が生活のために中小企業でなおかつ働いているというのが現状でございます。したがって、疾病率も高くなるし、医者にかかる場合等についても、重くなってからかかるというようなことで、治療日数などもどうしても長引く。こういったような中で医療費の絶対量としても、これがふえるのは当然であるし、また保険が赤字を出すことも、むしろ当然のことであろうというふうに考えます。
 問題は、むしろこのような状態のもとで働いております零細企業、ここでの労働者の生命と健康というものをほんとうに政府が保障していく、こういう点がいままでとられてきていなかった。ここにこそ問題があるのではないだろうかというふうに考えます。大臣はこのような赤字というものを、原因は被保険者そのものに責任があるというふうに考えていらっしゃるのかどうなのか、この点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
#215
○斎藤国務大臣 被保険者に責任があるとは私は思いません。医療費を改定する、医療費を改定すれば診療報酬総額が多くなることは、もちろんであります。医療費の改定をせざるを得ないのは、何にも被保険者には関係はございません。物価が上がり、人件費が上がってくる。その人件費を支払うためには診療報酬を上げなければなりません。そこで医療費がかさまる。そのかさまった医療費をどう見るか。保険料で一部見てもらい、政府の補助で一部見ていくというのが今回の政管の財政対策の考え方でございます。そういう意味で御了解をいただきたいと思います。
#216
○小林(政)委員 大臣は、医療費の赤字は被保険者の責任ではないのだと述べられましたけれども、しかし、今回の赤字対策の内容を見てみますと、結局これはむしろ被保険者の負担の増加ということになるのではないか。国では五%の定率補助ということをいっておりますけれども、しかし、昭和四十七年において実質的に国の負担増というものは百五十億円、これに対して事業主、被保険者の負担増加分は約九百億円、こういうことを考えてみますと、政府の国庫補助増加分よりも、むしろ六倍も国民にその負担というものがしいられている結果になるわけでございますし、これでは国民の負担で赤字をなくす、こういうことにすぎないのではないだろうか、このように思います。
 特に政管健保の事業所規模というものは全国平均二十人というふうにいわれておりますけれども、私は東京の下町でございますし、足立、荒川あるいは江戸川等の、ここでの平均十四名というさらに零細な企業でございます。調査をいたしました中での一例をあげますと、ある町工場の場合に、従業員八十名という小さな町工場ですけれども、ここでの労働者で、所得税がかからない、そうして扶養家族二人でもって残業も含めて七万七千円の月給をもらっているこの労働者の場合、健康保険料が約二千六百円、そうして厚生年金が約二千四百円、合計で五千円毎月負担をしているわけでございますけれども、所得税もかからないこの人にとって、これは非常に重い負担だということを言っておりました。そしてまた同時に、その企業主の場合にも、ここのところ下請単価というものはほとんど上がらない、こういったような中で、むしろ従業員が帰ったあと深夜に及ぶまで自分は仕事をしなければならない、こういうことを訴えておると同時に、特に月末には給料の支払いというものは当然のことですけれども、そのほかに社会保険料あるいは支払い等に追われて、実際に手形の決済、このためには労働者から一時――天引きで集めた社会保険料、たいへん気がひけるけれども、実際には月末の支払いにはすべてをかき集めて、一時ともかくとしてということで使わなければ、どうにもならないというような現状だということを訴えておりました。さらに、ことしからは失業保険料が労災保険同様前払い制度、こういったようなことにもなっておりますし、児童手当のいわゆる企業主負担というものも、わずかであるけれども、これもやはりふえてきている。こういったような実情にある企業と労働者の上に、さらにこの負担を押しつけていく、こういったようなことは、むしろ生活を奪い、企業をつぶすのではないかというふうに訴えられました。私この深刻な訴えを受けましたときに、どう答えてよいか、私自身答えようがありませんでしたけれども、こういう実情というものがいま政管健保を適用している、特に零細のほんとうに小さな苦しいところの実態でございます。
 一体大臣は、このような状況に置かれている国民に、今回のこの値上げ問題、負担の増というものをどう納得をしてもらうのか、どう納得をさせようとしているのか、私は具体的に伺いたいというふうに思います。
#217
○斎藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、診療報酬の改定はどうしてもやむを得なくやらざるを得ない。そうしなければ、医療に従事している、働いている人たちの給料も上げられない、ボーナスも上げられないということでありますから、これはやむを得ないわけであります。
 そこで、そういった医療費の値上げを、それじゃそれだけ全部国の税金でやるか、あるいは保険料でやるかという問題になるわけでございますね。税金でやれば特定の人にはかかりますまいが、やはり国民の税金でございますから、そこでやはり保険は保険料でやるというたてまえですから、保険料の料率もある程度上げる。しかし、いまおっしゃるような事態にもありますから、そこで国庫の補助もふやして、いままでの定額を今後は定率にしていくということでございまして、いまおっしゃいますのは、大きな事業所のいわゆる組合健保は楽だ――大きな事業所におきましても、やはり保険料、診療報酬が上がるわけですから、したがって、どうしても保険料率も上げなければならないわけです。
 しかしながら、千分の八十までは上げなくても、現在千分の四十あるいは五十でまかなっているところは一、二上げればよろしいということで、これは上げていくわけでございますが、ここに大企業と中小企業の間に非常に不公平が起こるじゃないか、それを何とかしようというのが抜本で考えたいというわけでございまして、いまの場合は抜本をやる前に、とにかく政管健保の財政を堅実なものにして、その上で大企業と中小企業の不公平を直していきたい、こういう考えでございますので、したがって保険料のアップ率と、それからいまおっしゃいました国庫補助の上げ幅、これが均衡のとれたものかどうかというのは、いろいろいま御議論になっているところでございますが、政府としては、この程度が適当であろうというので提案をいたしたような次第でございます。
#218
○小林(政)委員 私は、大企業と政管健保を適用しているところとの保険の内容が非常に不公平だと大臣いま言われましたけれども、むしろ抜本改正ということは、より高いところに水準を求めて、そして引き上げていくということが一歩でも前進であり、これは改善であろうというふうに考えます。現在の組合健保をさらにその財政を若干プールして、そして低いところにもっと援助をするというようなことで水準を合わしていくということでなくて、むしろ低いところをもっと引き上げて、そしてほんとうに医療と健康をしっかりと国が保障していくということが、私は、いま最も緊急を要する、それこそ最大の課題ではないだろうかというふうに考えます。
 したがって私は、零細企業で働いている労働者の健康を守っていくという点では、国がほんとうに大幅な援助をする以外には根本的な解決というものはあり得ない、こういうふうに考えます。当面の赤字を解消するという対策としても、いまのこんな五%の国庫補助というようなことで、このような苦しい実態にいま置かれている零細業者、そこで働いている従業員、こういう人たちの生活と健康をほんとうに国が責任をもって保障し、守っていくというようなことは、とてもできるものではないというふうに私は思います。当然これをもっと大幅に引き上げていくということが非常に重要であると同時に、不当な利潤をあげております製薬独占の、それこそこの利潤を押えていく、そして薬価基準というようなものを引き下げることによって、国民の負担というものを増すのじゃなくて赤字を解消し、むしろ給付の改善ということも一歩前進させるというようなことは、これは当然実現できるというふうに考えます。
 こういうようなことは、ほんとうに政府がその立場に立って、そういう気持ちになって、ひとつ踏み出してやろうということになれば、私はすぐにできる問題ではないかというふうに考えます。一体政府は今後、もっと国の補助を大幅にふやしていくというそういう考え方を持っているのかどうなのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
#219
○斎藤国務大臣 厚生省といたしましては、それは国庫補助をふやせられれば、それもけっこう、かように思いますけれども、しかし保険というのは、お互いに保険料を出して不時なときに備えようということでありますから、やはり保険料というものが、私はこれを主にしてやっていくというのがたてまえであろうと思います。
 ただ、五%が政府としては適当だというので提案をいたしておりますが、これは一%でも上がれば非常に不適当になるというわけ合いのものでもなかろう、そこらはひとつ十分御審議をいただきたいと思っているわけでございます。
#220
○森山委員長 小林さん、時間ですから。
#221
○小林(政)委員 それではもう一問、時間が過ぎてしまったのですけれども……。
 私は、社会保障制度の中で、わが国の医療保障というものは非常に大きな柱だというように思うのです。そういう立場から、ただ保険制度ということで助け合いだというようなことだけではなくて、積極的に、社会保障的なそういうものを、特に政管健保のような、こういう苦しい適用の事業に対しては、そういう立場に立つのが当然だろうというふうに思いますし、大臣に強く国庫補助の大幅引き上げを要求して、質問を終わりたいと思います。
#222
○森山委員長 以上で、本連合審査会における質疑は終わりました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後七時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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