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1971/03/30 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 社会労働委員会 第11号
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1971/03/30 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 社会労働委員会 第11号

#1
第068回国会 社会労働委員会 第11号
昭和四十七年三月三十日(木曜日)
    午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 森山 欽司君
   理事 小沢 辰男君 理事 谷垣 專一君
   理事 橋本龍太郎君 理事 増岡 博之君
   理事 向山 一人君 理事 田邊  誠君
   理事 大橋 敏雄君
      秋田 大助君    有馬 元治君
      井出一太郎君    伊東 正義君
      大野  明君    大橋 武夫君
      唐沢俊二郎君    藏内 修治君
      小金 義照君    田川 誠一君
      竹内 黎一君    中島源太郎君
      早川  崇君    箕輪  登君
      山下 徳夫君    大原  亨君
      後藤 俊男君    島本 虎三君
      中村 重光君    古寺  宏君
      古川 雅司君    河村  勝君
      寺前  巖君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 斎藤  昇君
 出席政府委員
        厚生政務次官  登坂重次郎君
        厚生省公衆衛生
        局長      滝沢  正君
        厚生省薬務局長 武藤き一郎君
        厚生省援護局長 中村 一成君
 委員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房参事官    今泉 昭雄君
        警察庁刑事局保
        安部防犯少年課
        長       川崎 幸司君
        警察庁刑事局保
        安部保安課長  関沢 正夫君
        文部省初等中等
        教育局地方課長 鈴木  勲君
        文部省社会教育
        局青少年教育課
        長       川崎  繁君
        通商産業省化学
        工業局化学第二
        課長      小幡 八郎君
        海上保安庁警備
        救難部長    貞廣  豊君
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月三十日
 辞任         補欠選任
  八木  昇君     中村 重光君
  西田 八郎君     河村  勝君
同日
 辞任         補欠選任
  中村 重光君     八木  昇君
  河村  勝君     西田 八郎君
    ―――――――――――――
三月二十九日
 社会保障基本法案(小平芳平君提出、参法第二
 号)(予)
 母子保健法の一部を改正する法律案(柏原ヤス
 君提出、参法第三号)(予)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
三月二十九日
 入院患者の看護料等に関する陳情書(東京都千
 代田区神田佐久間町二の八東京保険医協会代表
 幹事銘苅進)(第一五七号)
 廃棄物処理施設の整備に関する陳情書(関東一
 都九県議会議長会常任幹事東京都議会議長春日
 井秀雄外九名)(第一五八号)
 難病者の救済に関する陳情書(近畿二府六県議
 会議長会代表和歌山県議会議長妙中正一外七
 名)(第一五九号)
 予防接種犠牲者の救済補償に関する陳情書(近
 畿二府六県議会議長会代表和歌山県議会議長妙
 中正一外七名)(第一六〇号)
 建設業関係者の国民健康保険組合に対する国庫
 補助増額に関する陳情書外一件(近畿二府六県
 議会議長会代表和歌山県議会議長妙中正一外三
 十八名)(第一六一号)
 老齢福祉年金の拡充強化に関する陳情書(十都
 道府県議会議長会代表東京都議会議長春日井秀
 雄外九名)(第一六二号)
 老人福祉施設の拡充に関する陳情書(十都道府
 県議会議長会代表東京都議会議長春日井秀雄外
 九名)(第一六三号)
 中高年齢者の雇用促進に関する陳情書(十都道
 府県議会議長会代表東京都議会議長春日井秀雄
 外九名)(第一六四号)
 腎臓病患者の医療保障等に関する陳情書(十都
 道府県議会議長会代表東京都議会議長春日井秀
 雄外九名)(第一六五号)
 農山漁村の医療対策強化等に関する陳情書(仙
 台市国分町三の三の七宮城県町村議会議長会長
 佐藤一男)(第一六六号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 麻薬取締法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一六号)
 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律
 及び原子爆弾被爆者の医療等に関する法律の一
 部を改正する法律案(中村重光君外八名提出、
 衆法第四号)
 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)
     ――――◇―――――
#2
○森山委員長 これより会議を開きます。
 麻薬取締法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出があります。これを許します。古寺宏君。
#3
○古寺委員 向精神剤に関する条約に関しまして、わが国ではこれを批准するという方向で現在国内法の整備を急いでいるということを伺っておりますが、現在どういう段階まで進んでいるか、また批准するとすれば、大体いつごろまでに批准できる見通しか、その点について承りたいと思います。
#4
○武藤政府委員 ただいまの向精神剤に関します条約の問題でございますが、これにつきましては、昨年の十二月ニューヨークにおきまして、批准を条件といたしまして署名したわけでございます。本条約は四十カ国が批准書を寄託した後に発効するものでございまして、現在批准国は一カ国、署名国は三十六カ国でございます。
 いま先生が御指摘になりましたように、向精神剤の問題は、国内法的には麻薬取締法、大麻取締法、覚せい剤取締法、薬事法等、各法律に幅広くまたがっておりまして、この間の企画調整、それから向精神剤の条約で規定しております三十二品目について相当検討を要しますので、かなり時間がかかるのではなかろうか、かように考えております。しかしながら、条約の趣旨にかんがみまして、なるべく早く批准にこぎつけたい、かように考えております。
#5
○古寺委員 大体いつごろまでの見通しでございますか。
#6
○武藤政府委員 見通しは、時期を御明示することはなかなかむずかしいわけでございますが、麻薬条約の場合にも一つの法律でも約三年ぐらいかかりましたので、三年は少なくとも必要である、かように考えております。
#7
○古寺委員 次に、LSDの問題等ございますが、幻覚剤の問題でございますが、この幻覚剤の乱用をどういうふうに取り締まるかについてお尋ねしたいと思います。
#8
○武藤政府委員 幻覚剤は、最近のこの世界的な向精神剤の中では非常に憂慮すべき問題でございますが、わが国では四十五年の二月にとりあえず麻薬取締法で麻薬に規定いたしまして、麻薬同様きびしく取り締まっております。もちろん幻覚剤につきましては、まだほかにもいろいろ問題になるのがございますけれども、新しい条約に基づきまして、新しい法律をつくるまでは、とりあえずLSDと同様麻薬取締法等で規定をして規制を強化していきたい、こういうふうに考えております。
#9
○古寺委員 幻覚剤LSDの事犯は非常に増加している傾向にございますが、この取り締まりについては警察当局も行なっていると思います。警察庁のほうからどういうふうな取り締まりをしていらっしゃるか承りたいと思います。
#10
○武藤政府委員 警察の方が見えておりませんので、警察のほうの状況は詳しくわかりませんけれども、先生御承知のように四十五年、四十六年の検挙人員は、それぞれ六十四人、四十五人でございますが、大体警察のほうが厚生省であげたよりも多いのじゃないか、こういうふうに考えます。
#11
○古寺委員 麻薬でないけれども、現在麻薬の中に指定しているわけでございますが、向精神剤に関する条約を批准した場合には、これはどういうような取り扱いをするお考えでしょうか。
#12
○武藤政府委員 麻薬取締法の中に総合的に幻覚剤を考えるか、あるいは麻薬取締法以外に、他のいろいろの規制をする薬品と総合的に法律をつくるか、まだ最終的な決定はいたしておりませんけれども、少なくともやはり幻覚剤のグループは特別な強い規制が必要じゃないか、かように考えております。
#13
○古寺委員 向精神剤につきまして、これを一本化した方向で法律をつくるか、あるいは個々に立法するかという考え方があるわけでございますが、厚生省としては一本化する方向でお進めになりますか、それとも個々に立法していくお考えですか。
#14
○武藤政府委員 まだ最終的な結論なり検討を終えておりませんけれども、やはり条約が一つのまとまった条約でございますので、総合的な法律にしたほうが妥当ではないか、現在の段階ではそう考えております。
#15
○古寺委員 現在アメリカで乱用の傾向にあるといわれておりますところのSTPでございますが、これはわが国内に現在流入されているかどうか、こういう事犯が出ているかどうか、また今後こういうものについては、どういうような取り締まりをしていくお考えか承りたいと思います。
#16
○武藤政府委員 STPがアメリカで乱用されているような傾向は先生お話しのとおりでございますが、日本ではまだこの流入に関しまして情報がございません。しかしながら、もし入ってくる、あるいは入ってきたというような状態になりますれば、当然LSDと同じように麻薬に指定して取り締まりをしなければならない、かように考えております。
#17
○古寺委員 現在LSDは医療上どういうふうに使用されているか承りたいと思います。
#18
○武藤政府委員 昔は精神分裂病に一部使ったようなことを聞いておりますが、現在では医療用としては用いられておりません。
#19
○古寺委員 最近大麻取締法による事犯が非常にふえているわけでございますが、この原因はどういうところにあるのか承りたいと思います。
#20
○武藤政府委員 先生御指摘のように、四十四年には大麻取締法違反者は三百名くらいでございましたけれども、四十五年、四十六年は約倍になっております。
 この傾向は、世界的にも大麻の違反が非常に増加しておりますが、これは推察するところ、やはり麻薬の取り締まりが非常にきびしくなっておりまして、そういうものから大麻へ移行したということも考えられるかと思います。
 それから第二には、やはり国際間の交通が非常に簡易化され、あるいは迅速化されるによりまして、たとえば外国の船員とかあるいは海外旅行者、あるいは芸能関係者、あるいはヒッピーその他のいわばこういう事犯に非常になじんでいるグループの移動が激しゅうございまして、そういうことの影響があると同時に、わが国につきましては東南アジアからの、いわば大麻が生息している地域から非常に密輸等が行なわれる。そのほか青少年の不良化の増加傾向、そういうものが総合的にいろいろ大麻事犯の増加につながっている、かように私どもは考えております。
#21
○古寺委員 今度沖繩が本土復帰するわけでございますが、この大麻の事犯について、本土復帰に伴ってどういうような対策をお考えでしょうか。
#22
○武藤政府委員 沖繩が今度返ってくるわけでございますが、現在でも麻薬あるいは大麻の問題は、ちょうど十年ほど前の本土のような状況にございまして、非常に憂慮されておるわけでございます。したがいまして、沖繩との交通が非常に容易になりますと、影響を受けて、内地のほうも現在以上の困った問題がいろいろ起きるのではないかと心配しております。したがいまして、現在でも現地では取り締まりが強化されておりますけれども、やはり復帰と同時に私どもとしては取り締まり機関を新しく設ける、あるいは関係機関でそうした協力を徹底して、沖繩におきます麻薬、大麻の撲滅、それから南方からの密輸その他の影響を徹底的に取り締まらなければならない。これによって内地への影響を最少限にするというつもりでございます。
#23
○古寺委員 この大麻というのは国内に群生しておるわけでございますね。北海道、東北には非常に大麻が多いわけでございますけれども、わが国の野生大麻というもの、あるいは栽培している大麻、これはどのくらいございますか。
#24
○武藤政府委員 野生大麻の問題でございますが、これは先生御指摘の東北、北海道等に非常にはえておりまして、これは推測でございますけれども、いままで野生大麻を除去したような関係から推計いたしますと、約一億本くらい野生大麻がはえているのではないか。それから除去しました実績としましては、約六百万本くらい四十六年は除去しております。
 それから、ちなみに栽培をしておりますのは、これは栃木県が一番多い地域でございますが、千六百三十七人が栽培者でございまして、面積としましては一万六千アールでございます。
#25
○古寺委員 現在大麻の除去についての予算、これはどのくらいになっておりますか。
#26
○武藤政府委員 国で約百二十万程度毎年組んでおりまして、そのほか該当府県で若干の予算を組んでおるようでございます。
#27
○古寺委員 警察庁にお尋ねいたしますが、警察庁は大麻の取り締まりはどういうふうに進めていらっしゃいますか。
#28
○関沢説明員 お答えいたします。
 いま厚生省のほうからお話がございましたかと思いますが、野生大麻の除去につきましては厚生省からの協力要請がございまして、その要請に応じまして、日常の警察活動を通じて把握した大麻の実態その他の資料、国の情報資料を積極的に提供する、こういう形で協力しております。
 ただ、警察独自で除去の活動をやっておる県もございますが、基本的にはいま申し上げましたような形で御協力している、こういう状況でございます。
#29
○古寺委員 政務次官にお尋ねしたいのですが、北海道だけでも一億本もあるといわれておる。東北を入れますと、膨大な野生大麻が現在野放しになっているわけであります。これに対して政府の予算がわずかに百二十万円です。これだけの予算では、とうてい野生大麻というものを除去することはできぬと思うわけでございますが、どういうふうにお考えでしょうか。
#30
○登坂政府委員 こういう精神異常を来たすような大麻がいまのままで放置されているということは、まことに遺憾なことでございまして、今後その取り締まりには各地区のそういうものを詳細に調べまして、そして今後積極的に対処する。また予算措置が必要とあれば、それに向かって善処いたします。
#31
○古寺委員 各都道府県には麻薬取締員ですか、それから厚生省の麻薬取締官がいるわけですが、非常に数も少ない、また予算もない。そうしますと、この大麻が野放しになっておりますのでいかに取り締まりを強化いたしましても、原因があるわけですから、もう大麻がどこにでもあるわけですから、これを除去しないうちは、この問題は解決がつかぬと思うわけであります。したがいまして、厚生省だけではこの大麻の除去はとうてい不可能であろう、こういうふうに考えられますので、警察庁に対しても協力体制をとりまして、応援していただいて、この大麻の除去というものは進めなければならぬと思うわけでございますが、この点については、いかがですか。
#32
○登坂政府委員 お説のとおり、私のほうとしましても麻薬取締官の情報あるいは都道府県の通報、情報等を分析いたしまして、警察を中心とした地方庁との御連絡を願って、できるだけそういう被害のないような方向で積極的にこれは善処しなければならない、こう思います。
#33
○古寺委員 青森県の場合も至るところにあるわけです。現在県当局や警察も全然知らないところにも、たくさん大麻がはえているわけですね。ところが中毒患者と申しますか、あるいは大麻の常習者は、そういうところをきちっと知っているわけですね。知らない間にそういうものをどんどん入手している、こういうような状況になっているわけです。ところが、青森県の予算を見ましても、現在年間五、六十万円です。これではとても、もう数えきれないぐらいある大麻の除去というものはできないわけでございますので、当然国がもっと大幅な予算というものを考えて、そしてこの大麻の除去というものを徹底的にやりませんと、この問題は解決つかぬと思うわけです。
 もう少し具体的に、今後警察庁とどういうような協力体制をとっておやりになるか、また予算は今後どういうふうにお考えになるか、その点について具体的な答弁を承りたいと思います。
#34
○武藤政府委員 予算につきましては、確かにここ数年来伸び方が少ないわけでございます。これにつきましては、さらに今後はもっと大幅に努力をいたしたい、かように考えております。
 それから野生大麻の発見等につきましては、警察等とも連絡をとっていろいろやっているわけでございますが、いまおっしゃいましたように、目につかないところにあるということにつきましては、現在ポスターとか、あるいはチラシを配って、いろいろ住民等の協力を得ておりますけれども、さらに取締員あるいは取締官、あるいは警察のほうと現地におきまして、いろいろ発見体制について協議連絡を密にして今後の取り締まりに重点を置きたい、私どものほうとしては、こういう点を考えております。
#35
○古寺委員 青森県等の例を見ましても、警察と、あるいは県当局、あるいは厚生省との連絡協議会的なものがないわけですね。もうばらばらにやっておるわけです。ですから野放しの状態になっておる。今後、こういう大麻を撲滅するためには、やはり協議会というものを、きちっとしたものをつくって、そして協力体制をしいてやらぬといかぬと思うわけでございますが、警察庁はこの点については、どういうふうにお考えでございますか。
#36
○関沢説明員 繰り返して申し上げるようでございますが、やはり基本的には大麻の除去そのものは厚生省の御所管と存じますが、ただ先ほど申しましたように、警察活動を通じての積極的な御協力、こういうことは十分お約束できると思います。そういう意味で、かりに協議会という御指摘でございますが、まことにけっこうな御指摘でございますが、その場合でも警察の活動を通じていろいろ知り得た情報を積極的に御連絡する、こういう基本を踏まえながら御協力することについては、やぶさかではございません。
#37
○古寺委員 警察庁としては、この大麻関係の予算はどのくらい計上しておりますか。
#38
○関沢説明員 大麻除去という予算は、これはゼロでございます。
#39
○古寺委員 警察庁のほうは予算がゼロ、厚生省のほうは年間百二十万円、これはとうてい不可能でございますので、この点について今後厚生省としては大幅な予算の計上が必要かと考えますが、いかがでございますか。
#40
○登坂政府委員 御説のとおり、そういう社会不安のもとになるような、また特に子供たち、あるいは青少年の体質をむしばむような原因になる大麻が放置されているということは、ゆゆしい問題ですから、今後先生の御意見のとおり、われわれとしても積極的な大幅な予算を組んで、それの撲滅に向かって前進していきたいと思います。
#41
○古寺委員 昨年でございますか、栃木でございますとかあるいは北海道等におきまして、麻薬取締官事務所のほうで全然まだ知らないうちに大麻を実際に取りにいっているわけですね。こういうような厚生省が知らないのに、きちっとわかるような情報網があるわけです。ですから対策以前の問題として、やはりこの情報網の取り締まりをしなければ、この問題は解決つかぬ、こう思うわけなんですが、情報網に対する対策はどういうふうになっていますか。
#42
○武藤政府委員 私どもは、いま先生御指摘のような点につきまして、つとめて、そういういわば密売というか密採取というか、そういう組織の発見につとめているわけでございますけれども、なかなかつかまえられないグループもあろうかと思います。そういう点につきましては警察当局ともよく連絡をとりまして、さらに積極的な取り締まりを行ないたい、かように考えております。
#43
○古寺委員 この情報入手ですね、いわゆる情報網を取り締まると申しますかあるいは情報を入手する、こういういわゆる体制はどういうふうになっていますか。
#44
○武藤政府委員 厚生省の麻薬取締官事務所には情報官という専属の責任者を置いておりますが、その関係者の人数等も少ないので、そういう点は地域的には、いまおっしゃいました北海道あるいは東北といったような地域の情報官の活動につきましては、さらにくふうをこらす必要がある、かように考えております。
#45
○古寺委員 現在情報官の数はどのくらいあって、情報提供者に対するいわゆる謝礼と申しますか報酬と申しますか、そういうものはどのくらいになっているか承りたいと思います。
#46
○武藤政府委員 情報官のキャップは各地区に十一名おりますが、その配下を入れますと、やはり三、四十名だと思います。
 それから予算の措置でございますが、情報提供者には大体四十万くらいが、事件の内容によりますけれども、平均でございますが、全部で予算的には四百万くらいとなっております。
#47
○古寺委員 一件当たりどのくらいでございますか、平均で。
#48
○武藤政府委員 やはり情報の内容その他によって違いますけれども、一件当たり大体十万円内外だと思います。
#49
○古寺委員 この麻薬の情報入手につきましては、国内だけではなしに外国からの情報の入手というものが非常に重要な問題になっているわけでございますが、その点については現在どういうような入手方法をとられておりますか。
#50
○武藤政府委員 厚生省からは在外公館に麻薬その他の専門官の派遣がございませんから、結局在外公館から入手する、こういうことになります。
#51
○古寺委員 この密輸入あるいは密輸出の問題につきましては、そういうような情報のいわゆる入手ということが非常に重要になってくるわけでありますが、警察としては、この点についてはどういうふうな対策をおとりになっていますか。
#52
○関沢説明員 国外からは、御承知のとおり現在インターポールという組織がございまして、これは警察の国際的な組織でございます。このインターポールは麻薬問題については、伝統的に非常に深い関心と努力を持っております。またこの関係でインターポールを通じて、警察庁で申しますと刑事局に窓口がございますが、そこに具体的な情報が入る。一般的には、その窓口を通じて一般的な情報並びに場合によりましては具体的な情報が出ることになっております。そういうことで検挙した例は、必ずしも多くはございませんが、若干あったように記憶しております。
#53
○古寺委員 海上保安庁は水ぎわ作戦ということをお考えになっているようでございますが、海上保安庁としては、どういうような作戦を現在までお進めになっていらっしゃいますか。
 さらにまた本土復帰に伴ってどういうような作戦をお考えになっているか、承りたいと思います。
#54
○貞廣説明員 海上保安庁は、いま申されましたように船舶から密輸あるいは不法所持して入ってくる麻薬を取り締まるわけでございますが、陸に上がる前にこれを取り押える、摘発するというまず水ぎわ作戦をモットーとして取り締まっております。先ほど来情報のことがお話にございましたけれども、何と申しましても情報の入手が第一番でございます。
 私どもとしては麻薬事犯の影響の大きいことを十分考慮に入れ、管下各所の第一線海上保安官にこの旨を十分徹底させて、毎年度の警備業務の実施事項の中でこれを重点事項に指定いたしまして、取り締まっておるということで、具体的には関係機関、現地の麻薬取締官事務所、税関、警察その他民間の御協力を得て情報の収集に全力を尽くし、そういった船が入港するとき、あるいはそういう疑いのある船が入港するとき入念な立ち入り検査を行ないますとともに、巡視船による港内、湾内の厳重な監視、岸壁の監視等をやりまして、水ぎわ作戦を成功させるようにつとめておるわけでございます。
#55
○古寺委員 何件ぐらいその水ぎわ作戦にひっかかっておりますか。
#56
○貞廣説明員 四十六年の例ですと、一万トンこえた船二隻、二件でございます。
#57
○古寺委員 こういうような麻薬の関係の取り締まりあるいは防止のためには、やはり関係機関の連携と申しますか、協力の体制が非常に大事になってくるわけですが、こういう関係機関の協議会というものをやはり中央にも設置をする、また地方にもそういうような協議会をつくって、そしてお互いに連携をとり、予算も計上してやりませんと、麻薬の問題というものは解決がつかないと思うわけでございます。これはまだできていないようでございますが、今後の対策あるいは進め方、厚生省の考えを承りたいと思います。
#58
○武藤政府委員 先生の御指摘のように、こういう問題は、警察、海上保安庁、税関、府県それから厚生省の取り締まり等各方面にまたがるわけでございますし、各方面の情報なりをもとにしまして、総合的な取り締まりが必要であることは言うまでもございません。
 各ブロックには、先生御指摘のような協議会等が現在ございまして、万全を期しておるわけでございますが、中央では総理府に薬物乱用対策推進本部というものがございまして、一応の組織はできてはおります。しかしながら、今後の国際的ないろいろの違反事件の激増にかんがみまして、こういう中央、地方の協議会はもっと活発に情報交換なり研究をする必要がある、かように私どもは考えております。
#59
○古寺委員 麻薬もそうでございますが、大麻の乱用が青少年に非常に多いわけでございます。ただ規制を強くしても、この大麻の中毒者はなくならない、こういうことをおっしゃる専門家もいらっしゃるわけでございますが、今後青少年を大麻とかあるいは麻薬から守るための対策について、文部省の方いらっしゃいましたら、御答弁願いたいと思います。
#60
○川崎(繁)説明員 御指摘のように、年々青少年の非行が低年齢化してきているという事実もございますし、ただいま先生御指摘のような麻薬関係のケースも若干出ていると聞いております。
 私どもは、あくまでも青少年の健全育成という立場からいろいろ方策を講じておりますが、その主要なものを申し上げますれば、一つは、青少年の団体の活動というものを大いに助長をする。グループなり、あるいはまたそのほか目的を持った団体がたくさんございますが、そういった団体活動を大いに助長をするということに力を入れていく。
 それから二番目に、こういう団体活動を大いに活発化するために、青少年が気楽に、しかも自由に利用できる青少年の教育施設、たとえば青年の家でございますとか、あるいは小中学校でいいますれば少年自然の家とか、そういったようなものを自然の中にたくさん設けることによりまして、そういう利用の促進を大いにはかるとともに、そういう教育施設の整備をはかっていく。
 三番目には、青少年の指導者でございますが、いろいろな青少年の活動を助ける役割りを果たす指導者の養成を、各都道府県にもお願いをいたしまして所要の助成もしておりますが、この育成をはかりまして、たくさんの指導者をふやしていく、こういうことに努力をいたしておるわけでございます。
#61
○古寺委員 文部省としては、大麻に対する規制を強化したほうがいいとお考えでしょうか、それとも規制はあまり強くすべきではないというふうにお考えでしょうか。
#62
○川崎(繁)説明員 たいへんむずかしい御質問だと思いますが、原則的にはあくまでも大麻というふうな毒物のものでございますから、規制は規制として、やはり厳格に行なわれるべきものだと思います。
 同時に、やはりそれだけでは先生御指摘のような目的というものが達成できるわけではございませんので、ただいま私が申し上げましたような青少年の日常活動というものを盛んにするような、またそういう誘惑にひっかからないような、そういう心身というものを青少年の中に育てていく、こういうことが反面非常に大事だと思っております。
#63
○古寺委員 今後、いわゆる大麻の中毒者がたくさん出てくるということも予想されるわけでございますが、この乱用者に対する早期発見あるいは医療措置と申しますか治療法、こういうものについては、どういうような対策をお考えでしょうか。
#64
○武藤政府委員 中毒者の治療でございますが、制度といたしましては措置入院制度というものがございまして、それによりまして治療回復をはかる。それから、あと再び中毒者にならないようにするという観点からは、相談員という制度を大都府県におきましては設けておりますが、そういうものによりまして、中毒者がなおった以後再び中毒者になるということがないように努力をいたしております。
#65
○古寺委員 次にシンナーについてお尋ねをしたいのでございますが、最近青少年のシンナー遊びが非常に大きな問題になっているわけでございます。これによって死亡されている方あるいは補導される青少年も非常にふえているわけでございますが、この対策についてはどういうふうになっているか。これは総理府の中に対策本部というものが設置されているようでございますので、最初に総理府のほうから御答弁願いたいと思います。
#66
○今泉説明員 現在、総理府に設置されております薬物乱用対策推進本部におきまして、昭和四十六年三月の総会におきましてシンナー等有機溶剤乱用細則について討議いたしまして、小委員会を設けて、そこで検討するということになっております。
 現在、小委員会で数回打ち合わせ会、小委員会等を開催して検討を行なっておるところでございまして、小委員会の現在までの中間的な検討の結果は次のとおりとなっております。
 まず第一に、シンナー等有機溶剤の吸引の害につきましては、トルエン、ベンゼン等を含有いたしますシンナー等有機溶剤を吸引した場合、次のような障害を惹起し、心身に著しい害を及ぼすことが認められる。となっております。一が死亡事故の原因となる場合もある。二が幻覚、多幸発揚不安などを引き起こし、急性の精神異常などを招き、反社会的行動に走る場合もある。また身体的にも悪影響を及ぼす。次に、現在までのところ身体的依存性は認められていないが、精神的依存性が強いために乱用を反復し、ついには社会適応能力に問題を生ずる場合がある。こういうような有機溶剤乱用の実情にかんがみまして、関係各省庁の努力にかかわらず、一向に衰えを見せていないということでございます。
 対策といたしましては、いま申し上げました点に徴しまして、シンナー等有機溶剤吸引乱用防止のための吸引行為及びこれに関連し、またはこれを助長する行為を立法措置によって規制することが最も望ましいと考えられますが、現在その点につきましては検討中でございます。なお、今後とも関係省庁でシンナー等有機溶剤吸引乱用防止の効果的対策の推進につとめるものである。以上のような状況であります。
 今後小委員会の結論なり総会の結論が出次第、その結論の線に沿いまして、関係省庁はシンナー等の乱用防止策の具体化をはかるというような現在中間的な扱いになっております。
 以上でございます。
#67
○古寺委員 厚生省はどういうふうにお考えですか。
#68
○武藤政府委員 ただいま総理府で検討中の方向で私どもは適当であるというふうに考えておりまして、薬物の乱用問題はシンナー以外にもいろいろあるわけでございますが、将来はそういうふうな薬物乱用の総合法というものも、あるいは必要ではないかというような御意見もあるようでございます。しかしながら、それには相当の検討の時間が要りますので、いま総理府でお答えになりましたような線で、シンナーにつきましてはとりあえず現行法の一部改正等でこの規制ができないかということで、現在関係各省と検討中でございます。
#69
○古寺委員 通産省はシンナー、ボンドについての規制についてはどういうふうにお考えですか。
#70
○小幡説明員 通産省といたしましては、ただいま総理府及び厚生省から御答弁になりました方向で協力してまいりたいというように考えておりますが、さらにボンドにつきまして家庭用品品質表示法の適用によりまして、成分及び吸引した場合有害である旨等の表示を強制的に行なわせるように準備を進めております。
#71
○古寺委員 警察庁はどういうふうにお考えでしょうか。
#72
○川崎(幸)説明員 いままでお答えがございましたように、シンナー対策につきましては製造販売等にわたりまして総合的な対策が必要であるわけでありまして、警察におきましても少年の受けるシンナー被害というものを防止するということが一つ。もう一つは、シンナー遊びをする子供は、どうしても他の犯罪や非行と関係いたすものが一般に多いということ、そういう二点を防止いたしますがために、適切な対策を推進いたしまして、その防止の徹底をはかってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#73
○古寺委員 文部省はいかがですか。
#74
○川崎(繁)説明員 文部省のほうでは、申すまでもないことでございますが、学校教育はもとより、この問題についてのいろいろな注意をそれぞれの場に応じまして必要に応じてやっておりますが、特にこの社会教育的な領域におきましては、特に家庭教育の面においてこのようなシンナー遊び等が非常な危険な遊びであるというようなこと、有害なものであるということ、こういったようなことをよく家庭の母親なり、あるいは父親から十分注意をする。さらにまたいわゆる地域社会の一般の中におきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、いわゆる青少年団体の活動はもとよりですが、特にPTA等の協力によりまして、この種の遊びの予防をはかるだけでなしに、積極的に、それらの誘惑にひっかからないような、そういう育成につとめる必要があると思いまして、こういう角度から従来も取り組んでおるわけでございます。
#75
○古寺委員 通産省はこういうような接着剤等の危険成分についての分析を行なっておりますか。
#76
○小幡説明員 通産省におきましては、昨年の八月、当省の工業品検査所に依頼いたしまして、家庭用接着剤のおもな二十三銘柄につきまして、その成分の分析を行なっております。
#77
○古寺委員 まあいろいろ補導される方が毎年のようにふえております。それから死亡者も百人前後いらっしゃるようでございます。こういうような危険なものについて、昨年の四月以来対策本部ができているのに現在まだ野放しの状態になっているわけですから、これはもう緊急に販売の方法を考えるなり、あるいは製造を禁止するとか、何かの代替品を使うとかいうような方策をとりませんと、ますますこのシンナー遊びの被害者というものはふえるわけでありますので、この点についてはやはり勇断を持った措置というものが必要ではないか、こう考えられますが、政務次官、いかがですか。
#78
○登坂政府委員 ただいま御質問のとおり、また各省においてそれぞれの御答弁があったとおり、善処はいたしておりますが、こう社会不安がますます助長されるということは遺憾なことでありまするから、関係各省庁と密接な連絡をとりつつ、どうしたら徹底するかということをさらに検討して、質問の御趣旨に沿うように、また当然そうしなければならぬ、かように考えております。
#79
○古寺委員 通産省はどうですか。
#80
○小幡説明員 家庭用接着剤は、木とか紙とかプラスチック、金属等の接着剤として家庭で広く使われておるわけでございます。その生産量は、四十四年で三千二百トン、四十五年で三千六百トン、四十六年で四千三百トンと増加しておるわけでございます。このように家庭で便利で重宝がられている家庭用品が、一部の者の乱用によりまして全般が批判を受けているということは、きわめて残念なことでございます。
 そこで通産省といたしましては、かねてから溶剤組成の附臭剤の開発、代替溶剤の開発、溶剤組成の変更、乱用防止のPR、乱用者に対する販売禁止等について行政指導をしてきたわけでございます。
 接着剤と同様シンナーがやはり乱用の問題があるわけでございますけれども、これは四十三年、これについても同様な行政指導を行ないまして、シンナーの場合は東京都について見ますと、補導件数は四十三年の四千二百四十九件から、四十四年千五百十件、四十五年八百四十七件というように著しく減少しております。しかしながら接着剤の場合は残念ながら逆に増加しているということでございます。
 そこで現在総理府の薬物乱用対策推進本部を中心といたしまして、法規制の問題も検討しておりますし、私どもも先ほどお答え申し上げましたように、家庭用品品質表示法というものの適用によって、有害である旨の表示を行なわせるという準備を進めておりますので、これらの措置によって乱用防止の実をあげることができるのではないかというように考えております。
#81
○古寺委員 まあ成分表示をしたからといって、シンナー遊びが減るというふうには考えられないわけですが、厚生省は毒劇物に指定するような、そういう考えは持っていないわけですか。
#82
○武藤政府委員 シンナーや接着剤の中で先ほど総理府のほうからありましたように、トルエン、それから酢酸の一部、ベンゼン等が劇物でございます。したがいまして、こういうものは毒劇物に指定できるものでございます。したがいまして、こういうものを指定しまして法律を改正をすれば、とりあえずのいろいろの規制措置ができるのではないかという意見が有力でございますので、これにつきまして関係各省の間で現在この方向で検討を進めております。
#83
○古寺委員 検討、検討と言いまして、一年近くなっているのに、検討、検討とおっしゃって、もうどんどん補導される人はふえる、犠牲者はふえる。いつまでこれは検討してもどうしようもないと思うのですよ。ですから、対策本部として、具体的にどういうような法的規制を現在考えているのか、いつまでに法的規制をする考えなのか、その点をひとつ明確にしていただきたいと思います。
#84
○武藤政府委員 現在、毒劇法でシンナーをどういうふうな点を取り締まったらいいかという点につきましては、三点でございます。
 シンナー遊びにこういうようなものを使って摂取する、あるいは吸飲するということを法律上禁止をする。それから、そういう目的で所持をするというようなことを禁止する。それから、そういうふうに使用されることを知って、物を販売するということを禁止をする。この三点について、法律改正を具体的に現在検討しております。
#85
○古寺委員 検討、検討とこう何回もおっしゃっていますけれども、政務次官、政府を代表する立場で、対策本部ももう発足して一年になるのですから、早急にひとつこれを法的に規制していただきたいと思いますが、政府を代表して、ひとつ御答弁願いたいと思います。
#86
○登坂政府委員 お説のとおり、私ども事務当局といたしまして、責任官庁といたしまして、これらのシンナーに対する、いま薬務局長が申し上げた三点を中心とした事務的な法案はもうできておりますが、今国会に間に合えば出したいというわけで、法制局と目下事務の手続中であります。
#87
○古寺委員 次に、要指示薬の問題でございますが、要指示薬になった薬品の中で、副作用のあるもの、こういうような調査が厚生省でも行なわれていると思うのですが、どういうような副作用が現在わかっているか、お尋ねしたいと思います。
#88
○武藤政府委員 先生いま御質問の御趣旨は、昨年の暮れに、精神安定剤につきまして要指示にいたしたわけでございますが、その問題だろうと思いますので、それについてお答えいたします。
 昨年末に、マイナートランキライザーにつきまして、代表的なものはメプロバメートでございますが、これにつきまして要指示にいたしたわけでございますが、この精神安定剤につきましては、相当前から学会報告あるいは文献報告で精神障害なり胃腸障害、血液障害というものが報告されておりまして、私どものほうとしては、使用上の注意事項を十二分に書きまして、問題がないようにしたいということで今日までやってきたわけでございますが、昨今、さらに中毒症状のひどいような報告でございましたので、昨年の暮れに要指示に指定をしたわけでございます。
#89
○古寺委員 その要指示薬に指定してからも、いろいろな副作用なり、あるいは自由に販売されておるというような例があると思うのでございますが、要指示薬の違反と申しますか、そういうものによって罰せられた件数、事件などはございますか。
#90
○武藤政府委員 要指示薬に指定されますと、当然、それを処方せんもしくは医者の指示によらないで売ることは違反でございますが、私どもの手元にいまその違反件数等がございませんので、調べまして後ほど御連絡申し上げたいと思います。
#91
○古寺委員 そういう要指示薬というのは、医師の処方せん、指示がなければ販売できないことになっているわけですが、実際には売られているわけですね。そのために副作用で死亡したとかいういうな例が出ております。そういう調査が厚生省によって行なわれていると思うのですが、その調査の内容について、どういうような要指示薬による副作用が実際にあったかということについて御答弁願いたいと思います。
#92
○武藤政府委員 要指示薬を違反をして売って問題が起きたというような統計的な問題あるいは事例報告は、現在、私どものところでわかりませんけれども、それに至るまでの薬の副作用についていろいろ報告があったことは、各薬によっていろいろ症例は違いますけれども、後ほどまとめて先生に御連絡したいと思います。
#93
○古寺委員 要指示薬を医師の処方せんなしで、あるいは指示なしで販売した場合には、何か罰則がございますか。
#94
○武藤政府委員 薬事法四十九条の要指示の規制でございまして、それによる罰則がございます。
#95
○古寺委員 どういう罰則ですか。
#96
○武藤政府委員 八十四条に、四十九条違反の罰則がございますが、「三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」こういうことになっております。
#97
○古寺委員 神奈川県の衛生部等でいろいろな薬の副作用について調査をしております。その結果によりますと、副じん皮質ホルモンとかこういうような要指示薬を自由に、いわゆる処方せんや医師の指示なしに入手したために死亡したというような事例も報告をされているわけです。ですから、こういう要指示薬の違反について厚生省としては現在、十分な取り締まりをしていらっしゃるのか、あるいは今後どういう態度で臨んでいくのか、その点について承りたい。
#98
○武藤政府委員 要指示薬には、医薬品の許可をした段階で要指示薬にする場合と、それから今回のように、従来、普通医薬品として販売しておりまして、いろいろな副作用が出てきて要指示薬にする場合と二通りでございます。
 要指示薬の取り締まりにつきまして、以前は、先生御指摘のように、多少取り締まりなり、あるいは販売の問題がゆるいというような御指摘があったのは事実でございます。しかしながら、この四十年代に入りまして、いろいろきびしい取り締まりを現在までやっておりますが、昨今の取り締まり違反件数は、要指示医薬品の違反としましては、四十三年には八千件、四十四年には五千件、四十五年には三千八百件というふうに厳重に取り締まりをやっておりますけれども、なお、先生御指摘のように、年間、千をこえる違反がございます。こういう点につきましては、違反件数は減ってきておりますが、昨今の医薬品の問題等にかんがみまして、さらにこの取り締まり体制は厳重にしたい、かように考えております。
#99
○古寺委員 警察では、こういうような違反で問題になったことございますか。
#100
○川崎(幸)説明員 お答えいたします。
 要指示医薬品の検挙につきましては、昭和四十五年中におきましては催眠剤関係薬品で四十一件、四十人。覚せい剤代用薬品関係におきまして七十六件、六十三人。四十六年中におきましては催眠剤関係薬品で二十二件、二十七人。覚せい剤代用薬品関係におきまして三十六件、二十七人というものを検挙いたしております。
 先生御案内のように、昭和三十五年ごろに少年の睡眠薬遊びというものが非常に流行いたしまして、大きな社会問題になったわけでございますが、これにつきましては、その後におきまして必要な法的規制をいたしますと同時に、補導活動を強化いたしました結果、この種の睡眠薬遊びというものにつきましては激減いたしておるというようなことになっております。
#101
○古寺委員 現在精神安定剤として市販されているところのメプロバメートの場合でございますが、年間一億二千万錠も製造されている。こういうところに、やはり問題があると思うのですが、医家向きに必要なだけを製造して、あとは大量に製造しない、こういうことが大事な問題じゃないかと思うのです。先ほどの大麻も同じでございますが、いかに大麻を取り締まっても、野生大麻が野放しになっているわけでしょう。精神安定剤の場合も要指示薬にしたところで、製造が過剰になっていれば、当然これは一般大衆の中毒者の中に流れていくわけですね。こういうものの製造というものをある程度控えませんと、いかに取り締まりをしても、要指示薬にしたところで、どんどん市販される、こういうことになると思うのです。そういう点については、どういう対策をお考えですか。
#102
○武藤政府委員 メプロバメートの問題が以前からあったわけでございますが、昨年の暮れに要指示にいたしました時点におきまして、メーカーのほうでは生産の自粛をするということで、関係二十社が生産の自粛をすでに行なっております。あるメーカーは製造を中止したところがございます。先生御推察いただけると思いますけれども、要指示にいたしました関係で、当然販売等は縮小されると思いますので、生産のほうも大幅に縮小される、かように考えております。
#103
○古寺委員 今後沖繩の本土復帰に伴って、麻薬の問題がいろいろ考えられていると思うのですが、沖繩に対する対策については、どういうふうにお考えですか。
#104
○武藤政府委員 沖繩につきましては、先ほどお話しましたように、十年前の本土並みの麻薬の状況でございますが、厚生省といたしましては、九州の取締官事務所の支所を設置しまして、専属の取り締まり体制をしきたい。なお警察それから海上保安庁、税関、そういうふうな取り締まり官署ともよく共同して沖繩の麻薬対策に当たりたい。そのほか中毒者に対しましては措置入院、それから中毒者のアフターケアにつきましては相談員の設置をはかる。そのほか米軍との関係がございますので、米軍との捜査体制の協力関係をより緊密にしたい。特に香港あるいは東南アジア等からの影響がございますので、そういうふうな密輸入等については、特に重点的に取り締まりを行ないたい、かように考えております。
#105
○古寺委員 大麻のような場合は、米軍人に非常に多いようでございますが、米軍人に対する取り締まりと申しますか、それはどうなっておりますか。
#106
○武藤政府委員 米軍との関係は、行政協定で当然取り締まりが行なわれるわけでございますが、米軍自体、あるいは共同で取り締まりができる体制になっております。
#107
○古寺委員 麻薬あるいはこういう中毒の問題については、わが国では諸外国に比べて非常に少ないわけですが、今後諸外国の影響を受けて、わが国でも大量に各種の中毒者が増加するということも予想されますので、今後これらの対策については十分各関係機関が連携し合って、そうしてこの対策を考えていただきたいと思いますので、この点について、最後に政務次官から御決意を承って終わりたいと思います。
#108
○登坂政府委員 先ほど来の先生の御質疑のとおり、麻薬というのは国民の精神及び肉体を阻害するものである。特に青少年に悪影響を及ぼすというようなことを考えますと、その重大性を特に痛感せざるを得ません。よって、今後は政府部内といたしましては、内部のお互いの協力体制を整えつつ、そして所要の手続を早急に樹立して善処したい、かように存じます。
     ――――◇―――――
#109
○森山委員長 次に、中村重光君外人名提出の原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律及び原子爆弾被爆者の医療等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。中村重光君。
#110
○中村(重)委員 ただいま議題になりました、私どもが提案をいたしております法律案に関連をいたしまして、若干お尋ねをいたしたいと思います。きょうは文部省の初中局長に出席を求めておりましたが、何か個人のやむを得ない事情で、地方課長かわって出席しておられるようですから、地方課長にお答えをいただきます。
 被爆者に対して全般的な手厚い援護措置が講じられていない、そういったことから、非常に健康を阻害をされておる被爆者が、援護措置を強く求めるという立場に立ちまして、各地域は言うまでもなく、各職場等においても被爆者の会というのを組織をしておるという現状に実はあるわけです。「被爆教師の会」というのが全国的に組織されているわけですが、この「被爆教師の会」が文部大臣に対しまして要望書を出しておるようであります。簡単でございますから、一応私がこれを読み上げまして……。
  〔私語する者あり〕
#111
○森山委員長 静粛に願います。
#112
○中村(重)委員 これに対しての考え方をお尋ねをいたしたいと思います。
 一、世界の平和を実現し、原爆の惨禍を三度くりかえさないためにも、原爆被爆を原点とした「平和教育」を文教政策のすべての面で重視し、具体的措置を講ずること。
 二、全国の原爆被爆教職員を調査し、集約すること。
 三、各県における原爆被爆教職員の労働条件、医療等の実態を調査すること。
 四、原爆被爆教職員のいのちと健康を守るため、被爆教職員の労働条件、医療等について、当面、次の通り各県教育委員会を指導すること。
   尚、必要事項については立法措置を講ずること。
  1、検診、治療日、休養日を特別休暇扱いとすること。
  2 三カ月未満の療養期間を保障し、代替え教員の配置と給与上の補償措置を講ずること。
  3 原爆被爆教職員の療養に対しては結休扱いとすること。
  4 巡回健康相談を行なうこと。
  5 検診、治療、療養費、ならびにそのための交通費等を全額補助すること。
  6 原爆被爆教職員の希望のある場合は、医療機関において、人間ドック方式の精密検査を敏速、かつ無料で行なうこと。
 五、現職の原爆被爆教職員の死亡については、これを公務災害致死として補償措置を講ずること。
 六、当時の原爆犠牲教職員と在籍児童、生徒の遺族補償措置を講ずること。
 七、保護者、または本人が申請したとき、原爆被爆者の子・孫に対して、健康手帳を交付するよう、関係省庁に働きかけること。
原爆被爆教職員の命と健康を守るための措置として県教育委員会を指導してもらいたいという各項目になっているわけですが、この要望書に対しまして文部省は近く回答をするということを被爆教職員会に連絡をしておったようでありますけれども、まだ回答がなされていないのではないかと思います。かつまた私といたしましても、この一に対しましては、課長からお答えをいただきますことは若干無理ではないか、そのように考えますが、二項から七項にわたりましては当然お答えができることでありましょうし、この要求は最低の要求として実現されなければならない、そのように考えますので、文部省としてはどのようにお考えになっておられるのかお答えをいただきたいと思ます。
#113
○鈴木説明員 「原爆被爆教師の会全国連絡会」というのがございまして、先生御指摘のような要望を持ちまして昨年の十二月文部省に参りまして、代表の方々と私がお会いをしたわけでございます。その際に代表の方々から、いま先生のお読み上げになりましたような内容についてつぶさに、詳細に内容を承ったわけでございます。その中には文教政策の基本に関するようなものもございますし、あるいは法令の改正等を必要とする措置もございますし、あるいは予算とか定員とかそういう措置をしなければならない点もございますので、直ちに回答はできないということで、文部省内の各課との関連もございますので、検討させていただきたいということでお帰りをいただいたわけでございます。
 その後、私どものほうとしてもできるだけ調査、検討を進めまして、特に長崎とか広島とか被爆教師の会の方々の数の多いところ、あるいはまとまったところの例等も調べまして、その中で特別な配慮をしているような措置等がございますれば、それを検討いたしまして、都府県教育委員会に、異動する機会にはそういう例等についても指導いたしたいというような心がまえでいるわけでございます。
 一々につきまして、まだ十分にお答えするだけの検討を積んでおりませんけれども、そういう意味で、また近く代表の方々とも会う機会がございますので、これまでに検討いたしました結果について回答なりお話し合いをいたしまして、確かにお聞きするところでは、教員の特殊事情から見ましてお気の毒だと思われるような点もございますので、そういう点については厚く配慮をしている県等の実情も十分調査をして、そういうものについての指導をさらに検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#114
○中村(重)委員 広島県では、原爆被爆教師が年四回の健康診断を受ける日は特別休暇扱いにするということと、それから原爆被爆教師が原爆医療法に基づいて原爆認定患者になったときは治療に要する期間有給休職を認めるということが、すでに実施されておるようであります。長崎のほうは、まだこのことが実施されていないというような実情のようであります。いま課長のお答えは、誠意をもって対処していこう、理解のある考え方であると、私はいまのお答えの中から受け取ったわけであります。要求全部について直ちにこれが実施をするということは無理の点もあるかもしれません。広島ですでにただいま申し上げましたように実施いたしておることもあるわけであります。その他、先ほど読み上げました要求されておる各項目につきまして、そうむずかしい問題ではないというような点もあるわけでありますから、できるだけすみやかに検討し、結論を出して、文部省みずからこれに対して結論を出すとか、あるいは各都道府県の自主性にまかせる等々、いろいろあろうと思いますから、いつごろまでに大体検討の結果の結論が出る見通しであるのか、この点いかがでありますか。
#115
○鈴木説明員 実は被爆教師の会からも、近く会ってほしいという要望が私どもに参っております。そこでできるだけ早くお会いをいたしまして、それまでに先生の御指摘のような広島の例等も、私どもでもある程度調査をしてございますが、長崎県の例等も調べる必要もございますし、またいまお話しのございましたような特別休暇扱い等について他の県でほかにやっている例があるかどうかというような問題も調べまして、できるだけ誠意を持ってお答えできるように、なるべく早く会見をする予定でございます。
#116
○中村(重)委員 それでは局長にお尋ねをいたします。
 私は先日の委員会でもちょっと触れたんですが、近距離被爆者に対する措置なんです。局長も被爆者問題については非常に真剣に取り組んでおられるようであります。いろいろな統計等も十分調査をしておられると思うのですが、近距離被爆者の問題に対しまして、各被爆者団体が専門家に依頼をいたしまして、いろいろと精密検査等をやってもらったりいたしまして、データが出ておるようであります。
 それによりますと、二キロ以内の近距離被害者が原爆症におかされると、ガンなんかの疾状におかされてくる例が非常に多いわけです。ですから、一般の原爆被爆者に対する精密検査日というものは年に一回あるいは二回というようにきまっているわけですが、そうした二キロ以内の近距離被爆者であるがゆえに特別の症状が出ているというこの実態から考えてみまして、この近距離被爆者に対しましては、特別の精密検査等を行なう、それによって手当等特別の措置を講じていく必要があるのではないかと私は思うのでありますが、その点いかがでございましょうか。
#117
○滝沢政府委員 先生おっしゃいますように、近距離ということで当時の放射能を受けました量を調べてみますと、広島と長崎では原爆の性質が少し違いまして、もっとも影響を受けた強さからいきますと、広島のほうがやや表在性といいますか、あまり奥まで入らない性格の放射能である、長崎のほうが比較的からだの奥まで入る性格の放射能であるということが一般的にはわかっております。その上当初特別被爆者の条件が二キロということで、その後三キロに直されましたが、距離の自乗に反比例して放射能の力が弱るという学問的の根拠からいきましても、先生おっしゃるように二キロ以内というものは、かなり他の条件とは違いがあるということがわかっております。こまかく言いますと、長崎の場合は千二百メートル、広島の場合は千五百メートルというのが特に近距離という取り扱いをすべきであるという学問的な根拠があるわけであります。
 そういう点から、健康診断は一般的にはまず年二回の定期検診が行なわれておりますが、この検診を受ける方の件数は年々増加してまいっております。その上希望に応じてなお二回受けられますが、一般検診のあと精密検診に回る率は昭和四十二年で一三%、あるいは四十四年で一一%程度でございましたが、四十五年は一六%ということで、精密検診の度合いが年齢の増加もあり症状を訴える人が多いこともございまして、精密検診の必要性というものは年々増加いたしております。
 したがって、われわれとしても予算要求の上でも実績にこたえられるように、もちろん精密検診の単価も上がってまいっております。いろいろの検査をやるために費用がかかる。単価も上げますけれども、その件数もふえまして予算的には増額されておりますが、先生御指摘のガンの検診というような問題については、どうしても精密検診のほうに回るわけでございますが、この点については精密検診の項目の中にこれができるような仕組みにはなっておりますけれども、この点に対する先生の御指摘は、やはり意識をもっと強くして、そして近距離被爆者の特にガンについての検診を強化しろ、こういう御趣旨に受け取れるわけでございますが、これは学問的にも根拠のあることでございますし、われわれとしては精密検診のやり方につきまして現地の医療機関関係者とも十分相談いたしまして、特に近距離被爆者につきましては精密検診の中に今後ガンの検診というものを強化してまいる。項目としては入っておりますが、それの意識を一そう高めて、そうして早期の発見につとめたい、こういう考え方を持ちまして御趣旨に沿いたい、こういうふうに考えております。
#118
○中村(重)委員 近距離被爆者に対して特別の検診あるいは検査ということを強化していかなければならないという考え方はわかりましたが、私が特に申し上げておりますのは、二キロ以内の近距離被爆者に対しては、被爆者団体が相当な日時と費用を投じましていろんなデータをつくっているわけです。ですから、やはり厚生省もそれにこたえていくという態度が私は必要じゃないかと思うのです。したがって、定例的な精密検診というのでなくて、近距離被爆者だけを抽出した形で特に特別検診というようなものもやる。そして手当等の――健康を確かに阻害されているわけですから、特別な配慮というものが必要になってくるのではないかと思いますが、そのような考え方に対しては、いかがでございますか。
#119
○滝沢政府委員 先生おっしゃるような特別検診という形をとることは検討させていただきますが、その健康管理手当のようなものが近距離被爆者にどのような率で、他の遠距離被爆者に比べて支給されておるか、こういうような実態もやはり福祉部会等の御意見も聞いて確かめたい。率はやはり当然高いんじゃないかと私は考えております。
 それともう一つ、研究の方々が非常に関心を持っておる事項に、近距離被爆者であって、なおかつきわめて健康状態のいい人がある。これは当時の被爆状態が物に遮蔽されておったり、いろいろ好運な条件というものがあったかもしれませんし、あるいは体質という問題があるかもしれません。いずれにいたしましても、そういう実態について、私は確かに近距離被爆者というものをどう今後観察し、健康管理していくかということは重大な問題であるという認識は持っておりますので、御趣旨に沿うような検討はしたい、こういうふうに思っています。
#120
○中村(重)委員 小さいことのようであって非常に被爆者の方々が不満を持っている問題として、私は前にも指摘したことがあるんですが、特別被爆手帳の交付に対する扱いの問題なんですけれども、御承知のとおり、特別被爆手帳を交付するにあたって五つの項目というものがある。それが特別手帳を交付する条件ということになっているわけです。その第五番目には保証人の問題とか、あるいは特別の団体、そういったようなものの証明が得られない、困難であるという場合は、本人の誓約書というものによってもよろしいということになっているわけです。ところが第一でしたか、順序は別といたしまして、保証人二名の問題です。その保証人が三親等以内の者であってはならないという扱いにしていることが、実は当時の被爆時の実態ということから考えまして無理なんだということを私は申し上げているわけです。ともかくあの状況を御存じないとおわかりにならないんですけれども、他人のことなんかを考えたり、他人の家も焼けてしまったのですから、そういう状況なんかを案じたりする余裕なんかなかったわけです。特に自分の親か兄弟、子供、そういったような人たちとの連絡というようなこと以外は、当時の状況としては考えられなかった。したがって、二キロ以内に三日以内に入ったとか、それから三日以内に会った、あるいは三キロ以上であっても、放射能濃厚地区におったかどうかなんということもわからないんですね。ごく身近な人じゃないとわからない。したがって、三親等以内はだめなんだなんという、そういう形式的なことは、この際、考えないで、きわめて弾力的な運用をする必要があるということを私は当時申し上げたことがある。当時の大臣どなたでございましたか記憶ございませんが、局長は村中局長であった。村中さんが、確かにごもっともでしょう、弾力的運用をするように指導いたしますというお答えが実はあっている。
 ところが、最近の状況は長崎の例でございますがどうかといいますと、私が特別被爆者として手帳の交付を求めたいという場合、大臣たいへん失礼なんですけれども、大臣と局長が御兄弟である、あるいは親子であるという場合、私の保証人になっていただくのにそのお二人、いわゆる親子、兄弟、保証する人が三親等内であってはだめなんだ。三親等でも保証人になってよろしいという弾力的運用をしていこうとする答弁があっておるにもかかわらず、保証をする人たちが、当事者が三親等の関係にあっては保証の資格はないのだという扱いは、何としても現実離れしている、非常識だというふうに私は思うのですが、それを文書にして被爆者に対して流しているのですが、これはいかがなものですか。さっそく改める必要があると思いますが、いかがでございますか。
#121
○滝沢政府委員 事実を証明する書類については確かに五項目ございまして、先生御指摘の、第三者の証明という中に、三親等を除くという問題がございます。それから、二人以上の証明書を要する、こういうことが不可能な場合には、以上の五項目に該当しない場合には本人の申し立て書でもよろしい、こういう取り扱いにはなっておるのです。しかしながら、現地におきまして、やはりやや厳に過ぎると申しますか、忠実にこれを実施しているという状況があるわけでございます。最後の本人の申し立てでも足りるということも踏まえまして、先生のいま例に引かれましたような点を、どうしても直す必要があるならば、現地の福祉部会等の際、これをお聞きしまして、取り扱いが妥当にいくようにいたしたい。
 結論としては、最終的な本人の申し立てでもよろしいという項目もございますので、この点について、長崎、広島等の県、市当局の取り扱いの実態も、御意見を聞き、取り扱いについては十分検討して、改めるものは改めていく、こういう気持ちでおります。
#122
○中村(重)委員 これで終わりますが、先日の委員会の際に、大臣にたいへん執拗に私は食い下がったような形になりまして恐縮であったわけですが、被爆者の遺族の方々の心情を思いますとき、何としても大臣に前向きに取り組んでもらわなければならないという点から、さきの厚生大臣であられたときの大臣の答弁を実は引用いたしまして申し上げたわけでありますから、要望という形にもなりましょうし、ぜひこれは実現をしてもらいたいということで申し上げるわけであります。
 先般申し上げました防空法にも基づくわけでありますが、医療従事者、具体的には警防団であるとか、あるいは医大の学生であるとか、あるいは看護学校の生徒の問題等々につきましては、御承知のように当時七万円の見舞い金が支給をされておるわけですが、七万円で打ち切りであるということでは実はなかったわけであります。当時の實本援護局長に対しまして、私は医大の学生の問題で申し上げますが、防空従事者であるから、これに対しては当然防空法に基づいての措置を行なうべきであると言ったことに対しまして、實本局長は、一年生は、これはお医者さんの卵だからどうにもしょうがないでしょうが、二年生以上は、これは当然防空法に基づいて考えなければならぬと思うというようなことであったわけなんですが、いまひっかかっておりますのは、その医大の学生が、一度総動員法によって徴用され、それから解除されたというこの点と、それから防空業務に従事しておったか、教室の中に入っておったかというこの二点が実はひっかかっておるわけです。総動員法によって徴用されておった、それが解除されたというのは、必要がなくなって解除されたのではなくて、戦争が苛烈になり、医者が非常に不足をしておった、もう前線にも送らなければならない。それから焼夷弾攻撃等があって、負傷者が出る。それに対して、それの救護作業もやらせなければならないということから、実は速成教育をしなければならないというので、夏休みをさせないで、速成教育をやっておる。そして、直ちにこれは法律に基づきまして学徒報国隊を編成し、それから防護団を編成をし、班編成によって絶えず教育訓練が行なわれ、焼夷弾攻撃によって負傷者が出たような場合、その際は直ちに出動して、それの救護作業を行なうという実情に実はあったということなんです。
 ですから、問題はそのときの瞬間に教室におったかどうかということよりも、どういう環境の中に学生が置かれておったかということに重点を置いて、この問題に対処していかなければならないということです。総動員法によって徴用されておった人たちであっても、その日に休んでおった人でも、実は軍人軍属遺族等援護法の対象になって扶助料が支給されておるという実態を考えてみますとき、瞬間によって事が措置されておるのではないということです。環境によってこれが措置されておるということを十分お考えになられて、歴代大臣も前向きで答弁をされておることでありますし、歴代の局長もその点に対しては十分前向きの答弁、その実情に即して措置していかなければならないという答弁があるわけであります。与党の増岡原爆被爆者対策小委員長も十分な理解と同情を持っておられると私は確信をいたしております。私ども地元選出の与野党の議員といたしましても、これを何とかしなければならないという気持ちに変わりはないわけであります。ですから、大臣の前回の答弁、それから二十三日でございましたか、あの際も、十分実情に即してこれに対処するよう検討するということばも最終的にあったわけでありますから、その答弁の上に立って、このことも十分措置していかれるように、そのことを強く要望しておきたいと思います。
 大臣の最後のお答えをいただいて、これで終わります。
#123
○斎藤国務大臣 ただいまの御意見の点は、さらにもう一度よく調査をいたし、検討をいたしまして、次の国会に訂正すべきであれば法案を直すというようにいたしたい、そういう考えでもう一度よく検討をいたしてみます。
     ――――◇―――――
#124
○森山委員長 次に、内閣提出の原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、念のため申し上げます。本案につきましては、去る二十三日、質疑を終局いたしております。
    ―――――――――――――
#125
○森山委員長 ただいままでに委員長の手元に、増岡博之君、田邊誠君、大橋敏雄君、河村勝君及び寺前巖君より本案に対する修正案が提出されております。
#126
○森山委員長 まず、修正案の趣旨の説明を聴取いたします。増岡博之君。
#127
○増岡委員 ただいま議題となりました原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党の共同提案にかかる修正案につきまして、五党を代表いたしまして、その趣旨を御説明いたします。
 お手元に修正案が配付してありますので、朗読は省略させていただきますが、その要旨は、「昭和四十七年四月一日」となっております施行期日を「公布の日」に改め、昭和四十七年四月一日より適用することとし、これに伴い必要な経過規定を設けることであります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#128
○森山委員長 修正案について御発言はありませんか。――御発言ないものと認めます。
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#129
○森山委員長 これより本案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、これより原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、増岡博之君外四名提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#130
○森山委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいまの修正部分を除いて、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#131
○森山委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。(拍手)
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#132
○森山委員長 この際、増岡博之君、田邊誠君、大橋敏雄君、河村勝君及び寺前巖君より、本案に対し、附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨の説明を聴取いたします。田邊誠君。
#133
○田邊委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び日本共産党を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
   原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について、その実現に努めること。
 一 被爆者対策の根本的改善を促進するため、原子爆弾被爆者援護審議会の設置などについて所要の措置を講ずるとともに、昭和四十七年度設置の原子爆弾被爆者医療審議会の福祉部会については、被爆関係者を含めた委員を選任し、被爆者の福祉増進のため積極的に努めること。
 二 認定疾病の範囲について、悪性腫瘍等最近の被爆者医療の実情に即応するよう検討すること。
 三 特別手当、健康管理手当、医療手当及び介護手当については、その額の引上げと所得制限の大幅な緩和及び適用範囲の拡大(年齢及び地理的条件を含む。)に努めること。
 四 葬祭料の金額を大幅に増額するとともに、過去の死没者にも遡及して支給することを検討すること。
 五 被爆者の医療費については、全額公費負担とするよう検討することとし、さしあたり、国民健康保険の特別調整交付金の増額については十分配慮すること。
 六 昭和五十年の国勢調査期を目標として、被爆者の実態調査を行なうこと。
 七 被爆者の生活、医療等の相談に十分応じられる態勢の充実に努め、被爆者に対する相談業務の強化を図ること。
 八 被爆者の子及び孫に対する放射能の影響についての調査及び治療の研究等その対策について十分配慮すること。
 九 沖繩在住の原子爆弾被爆者に対する医療態勢の整備を本土なみとするよう努めること。
 十 原爆傷害調査委員会(ABCC)と国立予防衛生研究所の協力関係について再検討するとともに、各省にまたがる研究機関及び民間医療機関が放射能の影響や治療についての研究を一元的に行ないうるよう促進を図ること。
 十一 被爆者の救済に当たっては、戦争犠牲者救済の公平を確保するうえから、旧防空法による犠牲者に対してもすみやかに施策を講ずること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#134
○森山委員長 本動議について採決いたします。
 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#135
○森山委員長 起立総員。よって、本案については、増岡博之君外四名提出の動議のごとく、附帯決議を付することに決しました。
 この際、厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。厚生大臣斎藤昇君。
#136
○斎藤国務大臣 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、精力的に御審議を賜わりまして、ただいま修正可決をしていただきましたことを、厚くお礼を申し上げます。
 同時に、ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、今後とも一そう努力いたしたいと存じます。
 たいへんありがとうございました。(拍手)
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#137
○森山委員長 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#138
○森山委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
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  〔報告書は附録に掲載〕
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#139
○森山委員長 次回は、来たる四月四日火曜日、午前十時から理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
  午後零時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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