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1947/08/23 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第11号
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1947/08/23 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第11号

#1
第001回国会 厚生委員会 第11号
  付託事件
○教員の恩給増額に関する請願(第六
 号)
○食肉統制價額撤廃に関する陳情(第
 二号)
○聖霊生命眞理療法保護法規の制定及
 び名誉恢復に関する陳情(第四号)
○兒童の福祉増進に関する法令制定の
 陳情(第七号)
○恩給法の改正に関する陳情(第十二
 号)
○都市官公廳職員の生活安定に関する
 陳情(第三十八号)
○戰死、戰災遺家族並びに傷病者の更
 生に関する陳情(第五十号)
○恩給法の改正に関する陳情(第六十
 四号)
○國民健康保險組合制度を改革するこ
 とに関する陳情(第六十六号)
○國民健康保險金に対する國庫補助金
 の増額等に関する陳情(第九十八
 号)
○青少年禁酒法案(小杉イ子君発議)
○恩給増額に関する請願(第三十九
 号)
○災害救助法案(内閣送付)
○兒童福祉法案(内閣送付)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第五十八号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第七十一号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第七十三号)
○恩給法の改正に関する陳情(第百五
 十三号)
○國民健康保險組合の振作促進に関す
 る陳情(第百五十五号)
○國民健康保險制度の更正に関する請
 願(第八十二号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第八十七号)
○恩給増額に関する陳情(第百九十三
 号)
○最低生活の保証に関する陳情(第二
 百十八号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月二十三日(土曜日)
   午後二時十六分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○兒童福祉法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(塚本重藏君) これより委員会を開会いたします。本日は兒童福祉法案について、質疑を続行したいと思います。
#3
○中平常太郎君 私はこの法案の兒童委員というところについて、十一條にありますが、それから十一條と十二條に関聯しておりますから、その分を御質疑を申し上げたい。それは十二條に「前條第四項に規定する場合を除くの外、民生委員令による民生委員は、兒童委員に充てられたものとする。」こうありまして、民生委員というものはまあ附けたりになつております。つまり前條というのは何かというと「兒童委員は、事務吏員又は技術吏員を以て、これに充てる。」というのだけが、この委員になつておるのであります。それでこの前を見ますというとこれは任命に関することで兒童委員は、「都道府縣に、兒童委員を置く。」「兒童委員は、兒童及び妊産婦の保護、保健その他福祉に関する事項について、相談に應じ、必要な注意を與える等これらの者の福祉増進に努める。」、これは目的をちよつとやつてありますが、それから「兒童委員は、都道府縣知事の定める担当区域により、前項の職務を行う。」これは区域の問題です。その次に初めて兒童委員が出て來ますが、「兒童委員は、事務吏員又は技術吏員を以て、これに充てる。」というのであつて、事務吏員と技術吏員とが主たる兒童委員になつております。それから第十二條に行きまして、初めて附けたりの民生委員が出て來まして、「前條第四項に規定する場合を除くの外、民生委員令による民生委員は、兒童委員に充てられたものとする。」とありまして、極めて民生委員は軽く扱われておるのであります。私はこの点がお伺いしたいのでありますが、民生委員は全國に十三万もありまして、相当今日まで生活保護法に対しまして一役を担つておりまして、段々その機能も発揮しつつあるのであります。これが各家庭を訪問いたしますし、固よりこれはその区域は或対象に限られておるようになつておりますけれどもが、これは全般に亘る小兒に対するところの兒童委員といたしましては、やはり兒童委員になるものは、民生委員のような民生精神を持つところのものが極めて望ましいのでありますから、廣く兒童全体を扱う場合におきましても、この民生委員が大変必要であると思うのですが、これを除く外は事務吏員と技術吏員になつておりますが、これはどういうわけでありますか、お伺いいたしたいのであります。
#4
○政府委員(米澤常道君) 只今の御質問にお答えいたします。技術的に十一條、十二條とこういうふうに配列をいたしましたので、第十二條におきまして「前條第四項に規定する場合を除くの外」とこういうふうな表現をいたしたのでありますが、これは民生委員たる兒童委員を輕く扱つたというわけでは決してないのでありまして、條文の配列その他からいたしましてこういう形を採つたのでありますが、十一條、十二條といたしましては、兒童委員というものに大体有給の者と、それから名誉職の兒童委員、こういう二本建で行く。名誉職の兒童委員のみでは、現在の実際の子供の状態から考えまして、名誉職の方のみではなかなか手に余るという点があるかもしれません。有給のそれに專任する者が是非必要だ。この專任する者と、それから名誉職の委員の方とが十分に緊密に連絡をして頂きまして、兒童委員としての十一條の二項にありますような目的を達成したい、こういうのが十一條、十二條全体を括めた兒童委員制度に対する我々の考え方であるのであります。名誉職兒童委員を軽く扱つたというつもりは決してないのでありまして、條文の配列上、こういう形を採らざるを得なかつたのであります。御了承を願います。
#5
○中平常太郎君 関聯いたしまして、恐れ入りますがもう一度お伺いいたします。そうすると事務吏員というのは有給の方でありまして、事務吏員及び技術吏員は有給と認めてよろしうございますけれども、そういうふうな人はどの程度各縣に配置される考えか、これは予算が大分要ると思いますが、この経費に対しましては、どの程度の自信があるのか。それから又事務吏員或いは技術吏員と書いてありますが、これはもつと書きようがないのか。事務吏員と言いますと、どうしても事務をとるかのごとく、机の上に関係するような者というように思われるのでありますが、これは大事な活動をしなければいかんものならば、事務吏員とはいかにも表現の仕方がまずいのぢやないかと思うのでありますが、その点を……。
#6
○政府委員(米澤常道君) これは有給の兒童委員といたしまして大体今二級官の待遇を要求いたしております。それが本年度の予算の折衝におきまして三百七十三名ということになつております。これはいずれ又將來必要がありますれば是非御増加をお願いしたいと思つておりますが、只今大藏省との折衝におきましては三百七十三名ということになつております。それから事務吏員又は技術吏員という名称を用いましたのは、これは新らしい地方自治法との関係でありまして、地方自治法はいわゆる縣廳におります職員は全部この対象の中に入るのであります。それで自治法との関係で特にこういう字を使つたのであります。
#7
○中平常太郎君 もう一度関聯して伺います。二級官を三百七十三名と言いますと、一縣下に対しまして十人程度であると思うのですが、十人も出ない、七、八人になりますが、それでは指導の立場に立つだけあつて、兒童の誘掖、保育、十分にそういう問題に対して実際に当つて行くというようなものは民生委員の方へ任せられるという形式になつておるのですか、その点をお伺いします。
#8
○國務大臣(一松定吉君) これは中平委員の御質問の通り、私自身がこの第十二條、第十一條の法文を見ましても、もう少しく文字を注意して用いたら宜かつたと思つておるのであります。これはこういう趣旨であると私は解釈しておるのであります。兒童委員といのはいわゆる「兒童及び妊産婦の保護、保健その他福祉に関する事項について、相談に應じ、必要な注意を與える等これらの者の福祉増進に努める」。これが兒童委員の仕事である。然らばその兒童委員には誰がなるかというと、私は兒童委員には二通りある。それは知事の指揮監督を受けておる都道府縣の事務吏員若しくは技術吏員と、知事の直接指揮監督を受けていない民生委員で兒童委員を担当する者、その民生委員というのは、府縣知事の監督を受けておる吏員でないのであるから、そこでその民生委員に対しては、府縣知事の指揮監督を受けるということを設けて置かなければならん。府縣知事の下における事務吏員並びに技術吏員は知事の部下であるから、これは知事の指揮監督を受けると書かなければならんことは当然であります。こういうような建前から書いたのでありまして、民生委員が受持つ仕事と、事務吏員若しくは技術吏員が兒童委員として受持つ仕事との間になんにも差のあるものじやない。こういうふうに私は考えておるのでありまして、今兒童局長の答えましたのも、意味はその意味でありますが、ただ形の上から見ると、いわゆる有給吏員。即ち都道府縣知事の下におる事務吏員並びに技術吏員は、これは官吏であるから俸給を受ける。併し民生委員というものは官吏でないから俸給を受けていない。名誉職である。こういうような俸給を受けておる者と、受けておらん者と分けて説明したから、有給、無給ということで説明しましたけれども、これは知事の部下であるということと、部下でないということと二つに分けて、この二つの者が兒童委員だ。知事の部下である者は指揮監督を受けるのは当然なことである。部下でない者は、指揮監督を受けるという規定がなければならんから、指揮監督を受けるという規定を置いて、前項の者、即ち民生委員から成つた兒童委員も府縣知事の指揮監督を受けるとこう書いたのであります。さよう一つ御了承を賜りたいと思います。
#9
○小川友三君 第十七條並びに第十五條、いわゆる第四節ですが、國家は「兒童を一時保護する施設を設けなければならない」ということがあるのであります。政府御当局は何ケ所兒童相談所をこの法律ができましたならばお作りになる御予定でありますか、それをお伺いたします。この收容力は、欠陥がありますると今度できる國家賠償法によつて政府は設備の不行届きの場合は相当賠償をするということになりますが、何ケ所、何百ケ所の兒童相談所を作られるか。第十七條にある通り「兒童を一時保護する施設を設けなければならない。」この條項に対しまして、國家賠償法は國家又は公共團体の設備が惡いために、國民に迷惑をかけた場合はこれを賠償するという條項があるのでありますから、相当にこれは数を殖やして、設備を完全にしなければならないけれども、政府はいくらの予算を以て、何ケ所お作りになるという御計画がございますか。お伺いたしたいのであります。
#10
○國務大臣(一松定吉君) 只今小川委員の御質問は、よく私聽き取れなかつたのでありますが、間違つておりましたならば更に御指摘を賜りたいのであります。十六條並びに十七條の規定は兒童相談所というものを設けなければならない。それについては必要に應じて、兒童を一時保護する施設を設けなければならない。そういうようなことについては費用が要る。その費用は当然國家が負担しなけけばならない。こういうような御質疑のように伺いましたが、そうでございましようか。それについて國家の責任はどうだと、丁度憲法の十七條との関係の御質疑であつたように了承したのですが、そうでありましようか。如何でしよう。もう一度一つ……。
#11
○小川友三君 今度國家賠償法という法律ができますが、その國家賠償法は國家又は公共團体の設備が惡いために國民に迷惑をかけた場合に國家が賠償するという法律案ができますときに、それと睨み合せまして、この兒童相談所の兒童を一時保護する設備を設けなければならない。憲法第十七條では設備が惡かつたために赤ん坊が死ぬというような場合、或いは子供が死ぬというような場合に、國家はそれに賠償しなければならない義務を負わされますけれども、それに対しまして政府はどれだけの設備をするどれだけの予算を持つておりますかということをお尋ねいたします。
#12
○國務大臣(一松定吉君) 今のお話の兒童福祉法案の十七條には当然兒童を一時保護する設備を設けなければならない。その兒童相談所の設備が惡かつたがために、その保護しなければならん兒童が傷を受けたとか、死んだとかいうときには國家はどういうふうに損害の賠償をするか、尚その損害賠償に應ずべき予算はどうするかという御趣旨であるように承つたのであります。それは申し上げるまでもなく憲法十七條によりまして、いわゆる公務員の不法行爲によつてそういうような損害を蒙らしめたというような場合においては、当然國家はその賠償を求められる義務があることは憲法に規定してある通りでありまして、この憲法に規定せられたことが本になりまして、國家賠償法というものが制定されるのであります。從つて兒童相談所の設備が惡かつたがためにその兒童に損害を及ぼした。而もそれがいわゆる不法行爲によつてやつた。不法行爲ということは御承知の通り民法の七百九條の規定でありまして、故意又は過失によつて人に損害を與えたという場合が不法行爲、その不法行爲に対する損害は國家が当然責を負わなければならん。それは憲法十七條と、國家賠償法の規定から出る精神であります。然らばそのときの予算はどうするかという予算の問題につきましては、これは政府委員の方からお答えさせて頂きます。当然責任を負いまして賠償しなければならん。然らば賠償するについては國家はどれだけの賠償をするか。概括的に申し上げますれば、その損害の程度に應じまして客観的に國民が見てそれが相当だという賠償をしなければならんことはこれは議論がないのであります。それに対して具体的に然らばどれだけの予算を國家が用意しておるかという点につきましては事務当局から一つお答えいたします。
#13
○小川友三君 今の大臣の御説明は御尤もですが、私のお伺いするのは、この兒童相談所の設備をするのに幾らの予算を計上されておりますかということと、何ケ所の兒童相談所を置きますかということもあります。
#14
○政府委員(米澤常道君) 先程の十七條の一時保護する規定についてお尋ねがありましたが、その一時の保護につきましては実は三十二條に又出て参りますので、これがつまり兒童が相談所へ参りまして、そこで兒童相談所においていろいろ兒童を調査します。又鑑別をしなければならない。この場合にそこに暫く、やはり一週間でありますとか、十日でありますとか、收容施設へ行く決定をされるまでは、一應臨時に泊めて置かなければならん、こういう設備がどうしても要るのであります。それで相談所には一時保護の施設を造らなければならんという形になつております。それで相談所は本年度におきましては全國に九十二ケ所設置する予定に相成つております。予算総額は約千五百万円程度になつております。
#15
○姫井伊介君 少し時間がかかるかも知れませんが、一問一答的に質問さして頂きたいと思います。最初は、この法律が施行されますと、少年教護法と兒童虐待防止法が廃止されることになるのでありますが、少年教護などにつきましては施設の規定の上で頗る簡單になつております。從來の廃止される法に盛られておりますいろいろな取扱その他の事項は四十七條で命令でこれを定めるとありまして、これは相当廣汎なものですが、それは手落なく完全にそういうふうな規定ができますか、その用意がありますかということを先ずお尋ねいたします。一つ一つについて御答弁願います。
#16
○政府委員(米澤常道君) 兒童虐待防止法、少年教護法は本法施行と同時に廃止することになりまして、教護院につきましてはお尋ねの御心配になる点もあるのでありますが、これは十分研究もいたしておりますし、教護院関係のものは各條文に全部載せてある積りであります。施行ができると思つております。
#17
○姫井伊介君 次は中央兒童福祉委員それから地方兒童福祉委員、第九條でありますが、「夫夫これを命ずる。」とあるのであります。兒童委員の方は「これに充てる。」第十二條もそうなのであります。民生委員は今日委嘱となつておるのではないかと思います。命ずると云いますと、なんだか堅苦しい。こうした兒童福祉委員といつたようものの柔らか味が失われるのではないか、やはりこういうふうな「命ずる」ということを使わないで、或いは委嘱とか、そういうふうな民主的な取扱ができないものかということをお尋ねいたします。
#18
○政府委員(米澤常道君) 福祉委員会の委員につきまして「命ずる」と書いておるのでありますが、十二條の「充てられたものとする。」と区別いたしましたのは、実は十二條の場合は非常に技術的に面倒な点がありまして、事務吏員又は技術吏員を以てやる場合と、名誉職の場合と両方あります関係上、事務吏員及び技術吏員につきましてはそれぞれ資格の問題がありますので、そこらの関係から十二條にはそういう資格とか、彼れ此れ云わないで「民生委員令による民生委員は、兒童委員に充てられたものとする。」、こういうような技術的な面がありましたので、特に「充てられたものとする。」と書いたのであります。九條の一夫、これを命ずる。」という字句そのものにつきまして、どうかという御意見でありますがこれは普通の用語例に從つてやつた積りでありますが、「命ずる」という字につきましては多少そういう感じもありますけれども、法律用語としましてはこういうふうに使つておるかと考えております。
#19
○姫井伊介君 次は兒童委員。これは名誉職というお話なんですが、私はこの名誉職という観念はやはり封建的な一つの慈善的な内容を持つておるもので、それが往々間違えられまして、地方の民生委員にいたしましても、名誉職だということが何が一つのプライドを持つて、上から下へといつたような氣持があるので本当の奉仕ができないのだと、これは別に法文の上にあるわけじやありませんけれども、名誉職という意味を、なんと申しますか、奉仕とでも申しますか、語路に悪いのですが、まあソーシヤル・サービスとでも申しますか、奉仕職とか何とか、そういうふうなことにお使い下さらないと地方で名誉職だと言われますことがなんだかやはり民主的ということに逆行するのではないかと考えられます。
 それから今一つは、十四條の中央の兒童委員の任用敍級でありますが、これは無論十一條のを意味すると思うのでありますが、十二條の民生委員は意味しないのでございましようね。これはそういうふうに了承するのであります。続いてもう一つこれに関聯してお尋ねいたしますことは、子供のうちから、つまり少年のうちから子供同志が互いに注意し合う、仮りに少年委員とでも申しますか、子供同志がよく知り合つております、地方、部落的と言いますか、極く小さい範囲におきまして適当な者を兒童委員の助手的なものにでも使いますることが、將來こうした社会奉仕の仕事をさせるのに一つの予備教養ともなり、又兒童自身がお互いが良くならなければならないという励まし合うところを持つて、責任観を持つて……。そこで私は、この法案にはありませんが、別に兒童委員といつたような、これもみずからのうちから互いに世話をするという制度をお設けになつてはどうかということをお尋ねいたします。
#20
○政府委員(米澤常道君) 名誉職という問題に関します御意見は、全く同感でございます。それと同じ考えでおるのでありまして、何か少し古い感じを與えるような氣持がいたします。
 それから十四條の任用敍級につきましては、これは御意見の通りでありまして、有給の者だけであります。
 それから一般の子供の自治的なそういう兒童委員というようなことについての御意見のようでありますが、これはここにあります兒童委員、或いは福祉委員会の委員というような者につきましても、子供でもいいじやないかという御意見すらあるのじやないかと私は考えるのでありますが、併し現在の実情からいたしまして、そうも行かんと思ます。併し実際子供達自身が、自治的にそういうふうなことを作り、自分達みずからやろうというふうな考え方なり運動につきましては、我々としては全幅的に應援して行きたいというふうな氣持を持つております。
#21
○姫井伊介君 次は兒童相談所でありますが、現在私で営んでおります兒童相談所が、或いは隣保事業の中に、或いは獨立に、或いはお医者さんで非常に篤志的な人がおやりになつておりますが、そういうものとの連絡はどうなりますか。
#22
○政府委員(米澤常道君) 名前を特に禁止はいたしておりませんので、私の兒童相談所というふうなものがあり得るかとも思いますが、この法律に言つております兒童相談所、これは極めて國家的な仕事であるのでありまして、これを社会的にやつて行こうというのがこの法律の趣旨であります。でありますから、この法律に言つておる兒童相談所は、私のものは考えておらんのであります。勿論そういう私の施設たる兒童相談所におきましては、有権的に兒童の施設を完備する、或いはこれを收容すべきいろいろな施設をするというようなことは、これは勿論できません。これは、この法律の認めた兒童相談所以外ではそういうことはできないわけであります。
#23
○姫井伊介君 先にその施設のいろいろなものが届出に行つて認可を得られるような規定がありますが、そういうような相当な施設を持つておるものは代用として認めて、成るたけ数多く散布するというような御意思はここにはないわけでありますね。
#24
○政府委員(米澤常道君) 兒童相談所はできるだけ沢山作りたいと思つております。それで現在は先程申し上げましたように九十二ヶ所、これらは大体まあ縣廳の所在地、或ひは市を中心にやられると思ひますけれども、できればもう少し程度の小さいもので、或ひは地方の保健所に附設しますとか、或いは学校に附設しますとか、そういうふうにして、できるだけこの相談所を沢山作りたいと思つております。併し作りましても、それはやはり公の施設でありまして、飽くまで私の機能とは違うと思ひます。
#25
○姫井伊介君 第十九條の、「指導を受けなければならない。」とか「勧奬しなければならない。」とかいう、この実際の方法はどういう方法をお採りになるのですか、周知せしむる方法。
#26
○政府委員(米澤常道君) 十九條の実はこの規定は、今年度分の追加予算としては少し無理なのでありまして、実は新年度、二十三年度からというふうに考えておるのであります。この「勧奬しなければならない。」、或ひは「指導を受けなければならない。」というのは、勧奬のいろいろな具体的の方法等につきましては、勿論これは知事において十分研究して頂くつもりでありますが、勿論中央といたしましては、いろいろな点について大きな問題を取り上げまして、これは知事の方と十分連絡をとりましてやつて行きたいと思つております。併しこれはやはり地方によりまして、知事のお考えによりまして、やり方においても多少は違つて来ると考えておりますが、大きな問題につきましては、やはり中央として各專門の方の御意見を聽いて、それらを地方に連絡して行きたいと、こういうふうに考えております。
#27
○姫井伊介君 第二十條の、届出をはにかむといつたような者、並びに今まで申します私生兒と申しますか、そういうふうな者の届出をしなければならないと思いますが、そういう場合にはどういうふうな方法を以てそういうふうな隱さんとする者に届出をさせるのか。
#28
○政府委員(米澤常道君) これはまあ実は、今まではなんと申しますか、妊産婦手帳は多少物資の配給とかいう関係もありますので、余りそういう事実はないのでございます。併しお尋ねのようなこともありますので、或ひは本人だけの名前で、夫の名前は必ずしも書かなくてもよいとか、まあいろいろなことも考えられると思いますが、どうしても絶対に届けんという方につきましては、これは別に飽くまで強制するという規定ではありません。
#29
○姫井伊介君 第二十一條の第二項のしまいの方でありますが、最初の母子手帳を持つておるものは宜しいが、乳兒又は幼兒の保護者が保健指導を受けたときも同様であるとありますが、これはどういうふうに……母子手帳そういうものを持つていない保護者側が指導を受けた場合、必要な事項の記載を受けなければならないとありますが。
#30
○政府委員(米澤常道君) これは母子手帳制度にいたしましたので、今までの妊産婦手帳がそのままずつと幼兒の間、つまり妊娠中はお母さんが持つておられまして、それが出産後はその子供がそれを幼兒の間、引続き持つて行く、こういう制度にしたいと考えております。
#31
○姫井伊介君 第三十四條の「命令の定めるところにより」とありますが、この内容が分らないのであります。兒童福祉施設を設置しなければならんというのがぴんと来ないわけでありますが、例えばどういう程度の命令内容になるものですか。
#32
○政府委員(米澤常道君) これは三十四條の命令の場合は、例えば現在あります、これは先程お尋の少年教護法との関係がありまして、その教護院は都道府縣の強制設置の建前になつておりますので、教護院なるものにつきまして是非各府縣が必ず一ケ所は作らなければならんということを命令に入れたいと思つております。
#33
○姫井伊介君 第四十五條の「親権を行うことができる」とありますが、これは獨断的なんでしようか。兒童福祉施設の長は、必要があると認めるときには獨断的に親権を行う。何か相談をするとかなんとかということはないわけですか。
#34
○政府委員(米澤常道君) この「必要があると認めたときは」と申しますのは、客観的に見て必要がある場合でありまして、決して施設の長の獨断ということは絶対に許すべからざることと考えております。
#35
○姫井伊介君 第五十條の第三行目でありますが、二分の一乃至三分の一を補助するとありますが、どうしてこういうふうな二分の一乃至三分の一といつたようなものが、この程度のものに区別されなければならないかということ……。
#36
○政府委員(米澤常道君) これは実は保育所と療育施設の中でここで考えておるのは虚弱兒童の收容施設でありますとか、或いは保育所の中で市町村長の措置によらないで入る保育所、自由自在に入つて行く保育所と申しますのは、つまり労働その他の事由によつて子供の面倒を見られないものを入れるのが保育所の建前とこの法律ではいたしておりますが、そうではなしに必ずしもそういう要援護関係のないものばかりが入るような保育所と療育施設の中の虚弱兒童の收容施設、それはつまり生活上の援護を要しないそういうものの施設については、これは二分の一ではなしに三分の一にするという財政上の非常に面倒な点がありましたので特に括弧を付けたわけであります。
#37
○姫井伊介君 そのおしまいのところの「兒童厚生施設の設備に関するものについては、この限りでない。」ということははつきり分らないのでありますが……。
#38
○政府委員(米澤常道君) これは兒童厚生施設と、それからこれを養育することを目的とする乳兒院以外の乳兒院むずかしい表現をいたしておりますがこの乳兒院というのは普通のなんと申しますか有料の、家庭が何も困るとかなんとかというわけでない、まあ贅沢な乳兒院ということを考えております。その乳兒院と兒童厚生施設については設備費についても助成はしない、こういう意味でございます。
#39
○姫井伊介君 五十五條は建物と土地の課税についてでありますが、將來動産税などというものがかかることは予想されないでしようか。若しされるならば動産税についてはどうなるか、やはり免税されるかどうか。
#40
○政府委員(米澤常道君) これはやはり現行の制度だけで書けないと思います。將來又そういうことがありますればその時又考えなければならんと思います。
#41
○姫井伊介君 併し三月でありましたか、例の財産税が徴收されました時には、公債とか貯金だとかいろいろなものの届出もあつたのですが、やはりこの施設につきましてはそういうふうな基金といつたような動産の積立などもあるだろうと思います。
#42
○政府委員(米澤常道君) これは併しその他のいろいろな免税の規定もありますので、現在いろいろ免税の規定につきましては、土地建物ということに相成つておりまして、それ以外のものまでなかなか及ぼすことが困難なように現在はそういうふうになつております。
#43
○姫井伊介君 第五十八條の、二十四ページの五行目であります、「過失のないときは、この限りでない。」この意味がちよつと分りかねるのですが……。
#44
○政府委員(米澤常道君) これは「兒童の年齢を知らないことを理由として」とありますのが、例えば兒童の年齢を知らなかつたことについて完全に過失がない、兒童が外見非常に大きな子供で、又証明書のようなものを持つておつて、自分がこれをどうも二十歳か二十一歳ぐらいに見たそのことが絶対に客観的に過失がないという場合の……。
#45
○姫井伊介君 知らなかつたということは過失がないということになる意味ですか。
#46
○政府委員(米澤常道君) 知らなかつたということは過失がある場合とない場合がある、こういうわけであります。
#47
○姫井伊介君 第六十六條の生活保護法の規定による施設関係でありますがこの場合の費用の負担はどちらの負担になりますか。生活保護法による方の費用負担になりますか、或いはこの法律によるものの費用負担になりますか。
#48
○政府委員(米澤常道君) これは先程も申し上げましたように実際兒童福祉施設の関係の費用は福祉施設のいろいろな最低基準その他を詳細に研究いたしまして、法律の施行後各委員会でも十分研究して頂きまして、そうしてその経常費というものを科学的な合理的なもので算出したい。こういうふうに考えております。それで、本年度におきましては、これは六十六條に要する費用は生活保護法で全部出すのであります。福祉法の方の予算としましては、これに関するものはありません。
#49
○小杉イ子君 私はこれが改正になりまするならば、技術吏員と兒童委員に対しまして、一言希望を申し上げたいと思います。質問ではありません、昨日宮城委員が申し述べられました絹蒲團を兒童に用いない。固い蒲團を用いるということは、兒童の性問題、早熟する虞れがあるということを言われたものでありますが、こんな心理を掴み得るところの人はただ技術吏員だけでは分らないと思います。大学を出たばかりの人達にも分らない。獨身の男でも分らない。子供を育てたその階段的な心理を掴み得るところの女でなければならない。こういう人を使用して貰いたいことであります。又妊産婦を取扱い、これを愛護するためには看護婦産婆は申すまでもございませんが、つわりとか、或いは惡阻などという恐ろしい辛いものがございます。又お産ではものが分らなくなるような陣痛というものが参ります。そのときにその経驗を持つた人が眞からなぐさめて、教えて希望を持たして行くということはやはりその経驗のある女を使つて貰わなければならない。そうしてこれには婦人が余計要ると私は思つております。
#50
○宮城タマヨ君 第九條、第十條に盛られております兒童福祉委員会のその構成ということ、その方法はどういうふうにお考えになつておるのでございましようか。特に伺いたいのは司法省の少年保護機構や、又は文部省の学校教育機構という、それらのものとどういうふうに連繋調整をなさつていらつしやるつもりでございましようか。ちよつとお伺いしたいのです。
#51
○政府委員(米澤常道君) これは委員の方には勿論そういう方面の方々で、福祉委員会の趣旨に該当する方には是非委員にもなつて頂かねばならんと考えております。それから又問題によりましては、ここに臨時委員という制度もありますし、時に共同審議の事項その他につきましては、それぞれの專門の方面の方々に出て頂きまして、連絡をして行きたいと思つております。
#52
○井上なつゑ君 二十三條でございますが、市町村長は、保護者の労働その他命令で定める事由により、その監護する子供を育てることができなかつたら保育所に入れるということが書いてありますが、その「保育所」でございますが、三十七條に保育所のことが出ておりますが、「保育所は、日日保護者の委託を受けて、」と書いてございます。これはどういう子供の晝間の起居を意味するのではないかと存じますが若し晝間扱つても甲斐のないような子供でございまして、例えば乳兒でございますと乳兒院に入れることができると思ますけれども、幼兒でございますと、これはどういうような施設を御使用になるおつもりでございましようか。このことを一つ承りたいと思います。
 それからもう一つはこの三十四條でございます。三十四條の一番おしまいの行でございます「兒童福祉施設には兒童福祉施設の職員の養成施設を附置することができる。」と書いておりますが、この「職員」と申しますと、どういう職員でございましようか、助産婦なんかの再教育もこういうところにお含みになつているのでございましようか、これを一つ承りたいと思います。
 それからその次の三十五條でございますが、「助産施設は保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により、入院助産を受けることができない妊産婦を入所させて、助産を受けさせることを目的とする施設とする。」こう書いてございますので。これは結局只今の言葉で、惡い言葉で民主的でないかも知れませんが、施療の病院を意味するものでございます。若しお金を出して入ります妊婦、産婦の入ります産院などでは、この法律の何と申しましようか、関係しないのでございましようかその三点を承りたいのでございます。
#53
○政府委員(米澤常道君) 保育所の問題でありますが、これは御承知のように晝間保育所という建前を取つております。デイ・ナースリーの形を取つておりまして、夜間までも全部保育するということは考えておりません。そういうフルタイムのものにつきましては結局養護施設でやつて頂くということになるかと思います。それから三十四條の職員の養成施設でありますが、これは立派な福祉施設で、例えば助産施設で相当立派なものができましたような場合におきましては、そこでもできると考えております。併し現在、今すぐそれができるような施設があるかどうかというようなことにつきましては多少まだ自信がないのであります。將來はそれは考えられる。それから三十五條に経済的理由をつけておるのでありますが、御承知のように、これを全然外してしまいますというと、いわゆる國民医療法に言います産院という問題と殆ど限界がなくなるのであります。それで少くとも、この法律で取り上げます施設というものは、こういう経済的な要件を入れざるを得ないというふうに相成つたのであります。
#54
○三木治朗君 私最初の御説明を欠席して伺わなかつたので、或いは的違いになるかも知れませんが、このいろいろの福祉施設を各府縣が使わなければならないように法律はなつておるのでありますが、恐らくいまいろいろの施設を作るといたしましても、新規にできるわけはないと思うのであります。恐らく今までありましたところの市なり縣なりの造営物をそのまま使うのではないかという工合に考えるれるのでありますが、都市によりましては相当立派な施設もあるところもあるのでありますが、随分又ひどい、これではと思うような施設のところもあるのであります。各都市も二、三、余程数多く見ましたが、これなら宜いと思うようなものは、殆ど指を折る程しかないのであります。私の見ましたのは主として孤兒院でありますが、殆どこれでは却つて子供を惡くするのではないかと思うようなものが数多いのであります。私ロンドンの孤兒院を見ましたときには、私は貧乏人の忰のせいか、こういうところに入つておる孤兒の方が普通の日本人よりも仕合せだというふうに感じたのであります。年齢別におのおの別な森を持つた建物の中に、立派な保護者が附いて育つておるのであります。立派なプールもあるし、学校もその中にあるという工合に行届いたものであつて、そこから出て立派な一人前になつた。今こういう者になつておる、ああいう者になつておるのという写眞が数知れずある。日本のいわゆる孤兒院などは皆んな逃げ出して行く者ばかりであります。今ある施設をそのままで、まあ法律だけ変えてやつて行くということであつては、これは私大して意味がないのじやないかとこういう工合に考えられるのです。少くとも今そんな立派な施設はしないまでも、或程度のやはり改良なり施設を直しまして、そうして本当の心からの温い氣持で以てその兒童に接するような、特別のなんらかの考慮がない限りにおいては余り効果がないのではないか。多少の手入れをするにしましても、今時相当の予算がかかることと思うのでありますが、こういう法律に伴つてどのくらいの予算をお持ちになつてこれに手を着けようとなされるのか。その予算の額がお示しが願えれば知らして頂きたい。かように考えるのであります。
 それから今一つ兒童委員に民生委員が当たるということになつておりますが、民生委員が必ずしも私適当ではないという考え方がするのであります。成る程町の世話役といいますか、なにかと面倒をよく見るような人が委員になつておられますが、町には本当に子供好きの、子供のために非常にお世話をやく人が沢山あります。又女の中にもそういう人もおるので、本当に子供を理解した、子供の友達になり得るような、そうして本当に子供のためを思つてくれるような人が他にもあると思うのであります。ただこの民生委員だけに決めてしまつておるのはどうかと思うのでありますが、そういうような人も適当な人があるならば入れ得るような途をお開きになる意思があるかどうか。そういう点もちよつとお伺いしたいと思うのであります。
#55
○政府委員(米澤常道君) 第一の施設の設備その他につきましてお尋ねがあつたのでありますが、誠に同感でありまして、立派な施設、いろいろな施設へ行つて見ますと、殊にそういう良い施設が欲しくなるのでありますが、これ御承知のような今日状態でもあります。戰災その他によつたものをまあ一應復旧するというのが今日の漸くの現状であるわけでありまして、これは今後できるだけ努力をして行きたいと考えております。ただ二十二年度の追加予算といたしましては、新築の費用は計上いたしておりません。それは追加予算の関係もありますのと、それからそれぞれこれは地方の負担という問題もありますので、年度の途中で非常に困難でありますので、追加予算といたしましては要求いたしておりません。それから民生委員のお話であつたのでありますが、確かにそういうふうな御意見もあり得ると考えるのであります。全部の民生委員が全部が適当かどうかということにつきましては、勿論そういう只今のような御意見もあると思います。併し又子供の問題と申しましてもこれはやはり家を離れた子供の問題ということだけを考えることもなかなか困難でありまして、こういうふうな制度を採つたのでありますが、將來はやはりこの子供の問題について特別な御関心のあるような方は、是非民生委員になつて頂けるように、そういうふうにしたいと考えております。
#56
○委員長(塚本重藏君) 本日はこれを以て散会したいと思います。次囘は追つてお知らせいたします。本日はこれで散会いたします。
   午後三時十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           今泉 政喜君
           谷口弥三郎君
           宮城タマヨ君
   委員
           内村 清次君
           河崎 ナツ君
           中平常太郎君
           三木 治朗君
           草葉 隆圓君
           中山 壽彦君
           木内キヤウ君
           小林 勝馬君
           藤森 眞治君
           井上なつゑ君
           小川 友三君
           小杉 イ子君
           姫井 伊介君
           山下 義信君
  國務大臣
   厚 生 大 臣 一松 定吉君
  政府委員
   厚生事勞官
   (兒童局長)  米澤 常道君
ソース: 国立国会図書館
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