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1971/03/10 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第4号
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1971/03/10 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第4号

#1
第068回国会 大蔵委員会 第4号
昭和四十七年三月十日(金曜日)
    午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 齋藤 邦吉君
   理事 宇野 宗佑君 理事 木野 晴夫君
   理事 丹羽 久章君 理事 藤井 勝志君
   理事 山下 元利君 理事 広瀬 秀吉君
   理事 松尾 正吉君 理事 竹本 孫一君
      上村千一郎君    奥田 敬和君
      倉成  正君    佐伯 宗義君
      地崎宇三郎君    中川 一郎君
      中島源太郎君    原田  憲君
      坊  秀男君    松本 十郎君
      三池  信君    森  美秀君
      吉田 重延君    吉田  実君
      藤田 高敏君    堀  昌雄君
      山中 吾郎君    貝沼 次郎君
      小林 政子君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        国 務 大 臣
        (国家公安委員
        会委員長)   中村 寅太君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     谷村  裕君
        経済企画庁調整
        局長      新田 庚一君
        大蔵政務次官  田中 六助君
        大蔵大臣官房日
        本専売公社監理
        官       福間  威君
        大蔵省関税局長 赤羽  桂君
        大蔵省理財局長 橋口  收君
        大蔵省国際金融
        局長      稲村 光一君
        大蔵省国際金融
        局次長     林  大造君
        農林政務次官  伊藤宗一郎君
        農林大臣官房参
        事官     大河原太一郎君
        通商産業省通商
        局長      山下 英明君
        通商産業省企業
        局長      本田 早苗君
 委員外の出席者
        経済企画庁国民
        生活局参事官  斎藤 誠三君
        外務省経済局国
        際貿易課長   片山 俊武君
        国税庁間税部長 守屋九二夫君
        農林大臣官房参
        事官      内藤  隆君
        農林省農林経済
        局国際部長   吉岡  裕君
        農林省畜産局参
        事官      斎藤 吉郎君
        通商産業省重工
        業局自動車課長 石原 尚久君
        大蔵委員会調査
        室長      末松 経正君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月九日
 辞任         補欠選任
  阿部 助哉君     安井 吉典君
同日
 辞任         補欠選任
  安井 吉典君     阿部 助哉君
    ―――――――――――――
三月八日
 自動車損害賠償責任保険料の据置きに関する請
 願(渡部恒三君紹介)(第一一〇八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第二二号)
     ――――◇―――――
#2
○齋藤委員長 これより会議を開きます。
 関税定率法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。松尾正吉君。
#3
○松尾(正)委員 今度の関税改正の趣旨は、一つは生活関連物資の関税の引き下げ、それから輸入自由化に対応するための関税措置、それから産業政策上の要請に基づく関税措置、こういうことで、引き下げ品目が合計二百三十八、格差解消が四百三十九品目、その他で、合計七百七十八品目、減税額が百二十億円余り、こういう趣旨の改正案が提出されておるわけでありますけれども、この関税改正のねらいはどこにあるのか、これを関税局長にまず伺いたいと思います。
#4
○赤羽政府委員 今回御審議をお願いいたしております関税定率法等の一部を改正する法律案の趣旨、これの改正理由、柱でございますが、そういったものにつきましては、昨年の五、六月ごろから関税率審議会に新しく企画部会というものを設置いたしまして、ここで基本方針を練ってまいったわけでございます。この企画部会におきましては、昨年中約六回の会議を経ております。
 そういたしまして、次に申し上げるような柱をきめたわけでございますが、そのまず第一点といたしましては、いま先生から冒頭にお話がございましたように、国民生活の安定充実に資するため、生活関連物資の関税引き下げ、これが約七十三品目でございます。
 それから輸入自由化に対応するため適切な関税措置を講ずることといたしております。今回の輸入自由化につきましては六品目、関税の技術的な、並びに専門的な立場から厳密に税目数によって数えますと十二品目、倍になるわけでございますけれども、一応常識的には六品目、六品目といっております。その十二品目を自由化をいたした次第でございますけれども、一、二の品目を除きまして、それに対応する関税の調整措置を行なっております。これは、率直に申し上げまして、関税を上げるという方向でございます。
 それから三番目といたしまして、産業政策上の要請にこたえるため所要の関税措置を講ずることといたしておりますけれども、産業政策上といいましても、実はこの中にはいろいろとニュアンスがございまして、まず第一に、競争力という点から欠けるところがあるということでいままで保護関税のもとにおきまして保護をしてあったわけでありますけれども、それがもう競争力が十分ついたからいいんではないか、こういう観点から引き下げを行なう。それから公害問題の立場からいたしまして、特定の物資につきまして、これまた関税上の調整措置を講ずる。あるいはまた資源問題、あるいは企業体質の強化等の観点から、種々の関税上の措置をとっているわけでございます。
 それからいわゆる中国大陸産品に対する関税格差解消というのがございます。これは累年輸入実績の出たものにつきまして格差解消をはかってきたわけでございますが、今回も三十品目につきまして格差解消をはかっております。あと残りましたのが、約八品目でございます。これらは国内産業に対する影響という点から申し上げますと非常に重大なる影響を及ぼすものばかりでございまして、実体的には中国大陸産品に対する格差というものは全部なくなった、こういうぐあいに実質的にわれわれは考えておる次第でございます。
 それから最後に、これは若干事務的な手続的な点でございますが、税関実務の簡素化の要請に伴いまして、税率の調整の観点から分類作業を簡素化いたす、それに伴って税率が下がってまいりますが、そういった事務上の整理をやっております。
 以上申し上げましたような今回の関税定率法の改正で、昨年度関税定率法の御審議をお願いしたわけでございますが、当委員会におきまして附帯決議をいただいておるわけでございまして、その附帯決議の趣旨にも十分沿っておるし、それからさらに昨年六月、いわゆる八項目という政策が全般的に推進をいたされておるわけでございますが、その一環として以上の柱を考えておる、かように申し上げているわけでございます。
#5
○松尾(正)委員 いま局長から改正の柱について答弁をいただいたのですが、今年度の、昨年度から引き続いた不況に基づいて、国民生活を安定するためには、物価安定ということが一つ大きな政府の政策の柱になっております。したがって、ここに第一番にあげた生活関連物資の関税の引き下げ、これが相当大きなウエートを占めているということについては異存がないわけですね。結局免税額ひっくるめて百二十億円余りというのは、これがそのまま消費者価格に反映した場合には、消費者物価に対するウエートは何%になるのか。
 それからもう一つは、これが当然消費者価格に反映しなければ意味がない、こういうふうに関税局でも考えておられると思うのですけれども、この二点について伺いたいと思います。
#6
○赤羽政府委員 今回、七十三品目につきまして、生活関連物資の関税の引き下げをはかったところでございます。そして関税の引き下げが物価にどういう影響を現実に及ぼすかという点につきましては、前回の当委員会の御質疑にもいろいろと御答弁申し上げたわけでございますが、今回新しく御審議をいただいております七十三品目、これが関税の引き下げのとおりに、われわれの所期しておるとおりに下がるという前提に立ちました場合には、どのくらい下がるべきであるか、かようなお話かと存じます。そこで、この七十三品目の消費者物価に与える影響でございますが、このあがっております七十三品目の消費者物価指数のウエートは、一万分の六百四十三、これは事務的な計算でございますが、さようなことに相なるわけでございます。そこで、この関税の引き下げによりまして物価が下がるといった場合に、その関税の引き下げによりまして輸入品の価格がそれに応じて下がるということはもちろんでございますが、それに応じまして国内の同種の商品もまた下がるということをわれわれは期待しておるわけでございます。御存じのとおり、消費者物価指数を出しますときには、輸入品と国内産品とは一応区別して計算はなされておらないわけでございます。そこで輸入品に応じて国内産品も下がる、こういう計算をやったわけでございます。それでまいりますと約〇・三%下がるべきである、こういう計算がまず一つ出てくるわけであります。
 そこでその次の問題でございますが、この点がいろいろと御審議いただき、御質疑をいただいておるわけですが、率直に申し上げましてこの〇・三全部下がるとはきまらないわけです、過去の実績から申しまして。そこら辺のところは、感じの問題といたしまして、約三分の一実現をするという期待をいたしまして、〇・一消費者物価指数に対する影響がある、かように考えている次第でございます。
#7
○松尾(正)委員 これに基づいて具体的な質問に入る前に、ひとつ基本的な問題を伺っておきたいのですが、政務次官に伺います。
 きょうの新聞報道によりますと、外貨減らし対策並びに物価安定を中心にして、輸入ワクの拡大並びに関税体系の洗い直しをやる、そして四月に行なわれるUNCTADに通産大臣が出席するであろう、したがってこれに間に合わせるために、これら一連の対策をすみやかに処置をしたい。この中で関税の体系洗い直しということがうたわれておるのですが、もしこの四月に大臣が出席するために、関税についてはこういうものをということをみやげに持って出る、あるいは意見として持って出るとしたならば、いま審議をしているこの改正案というものは大体初年度にも当たらなくなるんじゃないか。そうすれば、そういうことはいま始まったことではなくして、もうすでに円切り上げが論議されているころから防衛対策その他で八項目を設けて、輸入ワクは拡大せねばならぬ、関税等は当然考慮しなければならないということは、論議されておったわけです。したがって、これとの、いま審議しているものとの関連性はどう考えたらいいのかを、ひとつ政務次官からお答え願いたいと思います。
#8
○田中(六)政府委員 けさ一部の報道に松尾委員がおっしゃっておるようなことが載っておりますが、大蔵省といたしましては、長期的な見方としてはそういうことを考えておりますが、現在ああいう記事そのものを検討しておるというようなことはございません。まず、私どもといたしましては、いま提案しておりますこの関税定率法の一部改正法案を完全に成立していただいて、その実施後、外貨のたまりぐあいなども見まして、当然これには対処していかなくちゃならぬ問題でございますので、その後で次の関税についての対策というものを進めていく、当然進めていかなくちゃいけないという方針でございます。
#9
○松尾(正)委員 そうすると、新聞報道によりますと、外貨というものはこのままほうっておけばもう年内に二百億ドルをこえる。この前に通貨調整のために大ショックを受けて、税制面その他でたいへんな騒ぎをやったわけです。ところが再び、再調整というようなことが早急に、年内にも行なわれるのではないかという論議さえあるわけです。したがって、そういう論議はあっても、政府としてはこの税制改正は今年度はこのままでいく、あれはどこまでもあとのものだ、こういう解釈でよろしいのですか、来年度以降でいいんだという解釈でよろしいかどうか、その点をはっきりしてもらいたい。
#10
○田中(六)政府委員 結論として、来年度以降でいいかどうかということは、問題が、疑義があると思うのです。と申しますのは、御指摘のように、今後外貨の保有高が伝えられるように二百億ドルもあれば、当然円切り上げの問題とか、あるいはそれに対する対処をしなければならない重大な問題が、幾つもころがってくると思うのです。したがって、そう一年も待って次の通常国会でどうするというようなことにはなりかねないのであります。ただ、委員御承知のように、外貨というものがいま百六十五億ドルといたしましても、これが全部が全部右から左に使えるという種類のものではなくて、御承知のように、金とかSDRとかあるいはゴールドトランシュ、そういうものを含めますと、それを使える範囲というものは非帯に限られておりますし、それとてもまた日銀あるいは外為の保有、そういうようなことで、あるいは外貨準備、つまりそれを転換するための準備をしておかなくちゃいけませんので、実質的に使えるのは、試算によりますと、六十億ドル前後だ。これも、その使いようも、これは大事な金でございますので、まず安全性、流動性あるいは収益性、そういうような三つの要素から考えて使わなければいけませんし、安易に、それはたまったからどうだというようなことにはなりませんし、十分検討して、そして関税をどうする、自由化という方向はあくまでこれは根本方針でございますので、そのサイドとしてこの関税定率法を再びどうするという問題になろうかというふうに思います。
#11
○松尾(正)委員 そうすると、この関税の改正ついては、来年度改正という時期についてははっきり言えないということでありますけれども、新聞報道では、四月にみやげにその大綱を持っていくということになっておりますが、今年じゅうにみやげに持っていく内容の改正を早急に実現するというようなことはあり得ないというふうに解釈してよろしいですね。どこまでも、関税に関しては来年度以降の問題なんだ、みやげに持っていっても、そういうふうに解釈してよろしいですね。
#12
○田中(六)政府委員 御承知のように、この関税、非常に膨大な、範囲も広いし、それから率についての検討につきましてもやはり時間というものが必要でございますので、直ちにこれを右から左にということはできませんので、やはり早急にこれをどうするということはできないというふうに私は思います。
#13
○松尾(正)委員 なお、この問題は基本的な問題でありますから、午後大臣にその点だけ伺いたいと思いまして、それで終わって、次に具体的な問題に移ってまいりたいと思います。
 まず、大きな三つの柱で改正をした。この第一に、国民生活の安定という目的があるわけでありますけれども、その中でいろいろ物品があげられております。農林省においでいただいておるのですが、タマネギに対しては今度平均を二〇%、それから高価時には無税、価格が下がったときには一〇%、こういう形になっておるわけです。そこで、国内の総供給量、需要に対する総供給量の内訳、国内産何%、それから輸入は何%である、これだけまず数字を伺いたいと思います。
#14
○内藤説明員 お答え申し上げます。
 昭和四十六年産について申し上げますと、国内のタマネギの生産量は約八十七万トンでございまして、これは四十五年産に比べますと約一〇%ふえておりますが、輸入数量は、四十六年の十二月から四十七年の四月、本年度の輸入でございますが、大体一万八千トン程度というような予定をしておりますので、本年に関します限りは八十七万トンと一万八千トンというような供給の構成比率になっておるわけでございます。
#15
○松尾(正)委員 そうしますと、国内産に対して非常に輸入ワクは小さいわけですね。それでこれがいつも問題になるのは、保護関税という農業者を守る立場、それから消費者価格を安定してもらいたいという消費者の立場、この関係が非常にむずかしいわけなんです。したがって、これから紅茶その他大豆等にも一つ一つ伺っていきたいのですけれども、非常にむずかしい点は、国内の生産量をどこまでというめどをつける時期にいまきているのではないか。たとえばタマネギは、国内産はこれまでは補償する、そしてあと不足分は輸入に依存をして、その補償した分についてはどこまでも、不作のときも補償をする。こういう補償措置があれば、あと輸入する物品はどんどん関税も引き下げられる、こういうほんとうの関税の方向が選べるのですけれども、いまの場合には、国内産高は、作付を広げようが、あるいはほかのものに転作しようが、農家まかせだ。こういう形で関税と産業の構造の上に非常にまずい点があるのですけれども、タマネギに関して国内ではどういう考え方を持っておられるのか、お伺いしたいと思います。
#16
○内藤説明員 ただいま先生御指摘のように、国内生産と輸入の調整ということは非常に重要なことでございますが、これも先生御案内のように、タマネギにおきましても、やはり作付面積の絶対量だけではございませんで、毎年かなり豊凶というものがございます。さらに、北海道産のタマネギと申しますものが大体三月一ぱいくらいまで出回るわけでございますが、それ以後内地のタマネギ、春タマネギが出回ってくる。それが気候等の条件によりまして、非常に早まることもあれば非常におくれることもあるというようなことで、一種の端境期の安定というものが非常にむずかしいわけでございます。したがいまして、そういう端境期の調整のために、現在台湾産タマネギ等を中心にいたしまして、タイムリーな輸入を事前に計画する、こういうことに相なっておりまして、問題のむずかしさは生先御指摘のとおりでございますけれども、タマネギというような非常に消費の順調なものにつきまして、北海道産の冬の供給、それから春からの内地産のタマネギの供給を中心にいたしまして、そういう出荷時期の調整等を輸入タマネギでやっていく、こういう基本方針になっているわけでございます。
#17
○松尾(正)委員 ですから、作付面積が問題だろうと思うのですね。私はさっき量的に申し上げましたけれども、作付面積をこれだけ、それで不凶のときに補償をするというような措置――もうすでにこの関税の方向といわゆる産業構造の改革というものは並行していかなければ、いつまでたっても関税に対する、あるいは国の貿易に関する国外の批判というものは絶てないと思う。したがって、農林省で、農業政策の上にまず農業構造というものをはっきりするときが来た。むしろおそきに失しているとさえ思うわけです。したがって、そういう方向で作付面積を、タマネギはこれだけ、次に紅茶に移るわけですけれども、そういうものをはっきりさせる時期にきているのであるから、当然これは論議はされておると思うのですが、これを強力に進めていく方針というものが固まっておるのかどうか、その点を伺いたいと思います。
#18
○内藤説明員 いま先生御指摘の点につきましては、御案内のとおり、農業生産の地域分担というような作業を、一昨年から昨年にかけまして農林省でいたしたわけでございます。米の生産調整をはじめといたしまして、成長農産物の占めるべき地位というものを地域ごとに明らかにしていくというような作業をやっておりますが、なおいろいろ要件の変動もございますので、現在農産物の需給、輸入との調整というような点につきまして、省内で検討がされているような状況でございます。
 いま先生御指摘のように、そういう観点に立ちまして、将来の農産物の需給の見込み、さらにはそういう地域の生産の発展の方向というようなものをある程度計数的に確定してまいるという点につきましては、農林省も全く同様の考え方でいる次第でございます。
#19
○松尾(正)委員 これは総体的に最後に結論で要望したいのですが、ぜひこれは早急に進めてもらいたい。それが要するに生産者を守ることになります。生産者まかせでやっておくということは、常にこの関税の問題とからんで、生産者は泣かなければならぬ、一方消費者も泣かなければならないという矛盾が起きてくるわけです。お願いしたいと思います。
 それから次に、紅茶について伺いたいのですが、紅茶の需要に対する輸入の占める比率は、どのくらいになりますか。
#20
○内藤説明員 その点につきましては、これも先生御案内のとおりでございますが、九州方面に国産の紅茶というのが一部残っていたわけでございますが、四十六年以降は、この紅茶の生産というものについて一種の国際分業というような観点もございまして、ほとんど生産がないというような状況になっておりますので、現状におきましては、まず一〇〇%近く海外の紅茶に依存している、こう申し上げてよいと思います。
#21
○松尾(正)委員 今後もですね。
#22
○内藤説明員 今後もでございます。
#23
○松尾(正)委員 そうしますと、今度の関税改正のねらいの一つである物価安定、いわゆる関税を引き下げることによって消費者価格に反映するということは一〇〇%望める、こう解釈できるわけですね。
 そこで伺いたいのですが、一〇〇%輸入に依存する紅茶が、円切り上げによってこれも一〇〇%影響するわけです。それから、今度の関税引き下げによってもこれが一〇〇%依存できるとしますと、円切り上げと今度の関税引き下げによって、この価格はどういうふうに変わるかということの試算が、関税局にはございますか。
#24
○赤羽政府委員 ただいま御質疑の点につきまして、計算をしたものはございます。紅茶の場合でございますが、紅茶の輸入は、小型の容器に入ってくるものとバラで入れてくるものと二つございますが、輸入されるものはバラのものが多うございますので、バラのほうにつきまして申し上げますと、関税と国内消費税――紅茶の場合、たまたま国内消費税はございませんで関税だけの問題でございますが、それでまいりますと、通貨調整並びに今回の関税率の改正――現行二〇%でございますが、これを今回五%にいたしたわけでございます。それで計算をいたしますと、CIFと関税と足しまして、現状は大体キログラム当たり八百二十円くらいでございますが、それに低下の要素を入れて計算をいたしますと六百六十七円くらい、差額が百五十四円くらいの低下幅になるわけです。これが末端にまいりましてわれわれ消費者に渡るときにどうなるか、こういうことに相なるわけでございますが、一応市販をいたしておりますティーバッグ、あれは二十五袋くらい入って百五十円というのが現在の定価のようでございますが、それにただいま申し上げました引き下げ幅を当てはめてみますと百三十四円くらいになりまして、低下幅は約一〇%、かような計算に相なるわけであります。
#25
○松尾(正)委員 キログラム当たりの値下げ幅ではよくわからないのですが、わかりやすく、いま一般に出回っているティーバッグの入っているかんがありますね。バラ物を国内で加工するわけですが、この加工料は一応別として、こういうふうにバラ物の場合、小さい容器に入ったものは切り上げ前は幾ら、切り上げ後には幾らになる、それから関税率が現行では幾ら、引き下げると幾ら、こういうふうにわかりやすく、はっきり、そうすると幾ら下がる見込みだというのを聞かしてもらいたい。
#26
○赤羽政府委員 この小売り価格のほうでございますが、ただいま市販されておりますのは、平価調整前で、関税率が改正をされない前の、二〇%であるときの市販をされております小売りのティーバッグ二十五袋入りまして百五十円でございます。それが平価調整後、これはポンドでございますので、いわゆる一六・八八%ではございませんで、七%くらいになるわけでございます。それを計算に入れ、関税率を二〇%から五%に下げました場合に、ただいまの二十五袋百五十円が百三十四円くらいになる、かような計算をまず申し上げたわけであります。
 それから、いま先生御質問になりました、そのもとの関税が幾らになって、幾ら下がるか、こういうお話でございますが、その点はキログラム当たりで申し上げますが、現在の平価調整前、関税率二〇%という場合におきます関税額は、百三十六円でございます。これが平価調整後、関税率が五%に下がりました場合には、三十二円でございます。差し引きいたしまして、平価調整及び関税額が幾ら下がったか、かようなことになりますと、百五円下がった。それはキログラム当たりの値段でございまして、いよいよ小買りになって消費者の手に渡るときの商品としての価格は、先ほど申し上げましたように、百五十円から百三十四円、かように相なります。
#27
○松尾(正)委員 関税はこれからですけれども、通貨調整後、これは直ちに反映しなければならないはずなのに、現状はおそらく変わらないで、百五十円のままで売られていると思うのです。この点について、追跡調査はどこでやられておりますか。
#28
○内藤説明員 紅茶につきましての、その経路と申しますか、価格の各段階の追跡調査というような点につきまして、農林省におきましては若干の統計資料といいますか、価格の聞き取り等の調査をやっておりますけれども、本格的な追跡調査というようなことは実施しておりません。ただ消費者物価問題等に関連いたしまして、政府部内といたしましては、経済企画庁におきまして、流通経済研究所等に追跡調査の委託調査を実施したという実例が、昨年末にございます。
#29
○松尾(正)委員 その結果を……。
#30
○斎藤説明員 お答えいたします。
 企画庁におきましては、昨年の十一月現在で、民間の流通産業研究所に委託いたしまして、通貨調整以後における輸入価格あるいは卸売り価格の低下状況をトレースしたわけでございます。その中で、大体関税局長から御指摘がありましたように、ティーバッグにつきましては、そういう追跡調査の結果によりましても、相当値下がりしておりますが、全体として、通貨調整の効果が、十一月現在ではあまり及んでいないという結果でございます。そういう問題点につきましては、本調査で指摘しておりますのは、リプトンや数社でございまして、その国内のシェアが八割というぐあいに非常に高い、寡占的状態である、こういう一つの構造になっておりますので、そういう点が、輸入政策の活用の効果がそう端的に出ていないという指摘でございます。しかし、十一月現在でございますので、当時まだ通貨調整前の在庫等もあったと思います。しかし、次第にそういった効果が本年以降浸透するようにわれわれとしても期待し、また行政指導も特に力を入れているということであります。
#31
○松尾(正)委員 ここらに非常に大きな問題点があると思うのですね。一昨日ですか、私は大臣に――通貨調整直後、これは輸入価格が下がるのだから、国民生活の消費価格に必ず反映するはずである、こういう談話を発表している。ところが、もう三カ月を過ぎたのですけれども、そして追跡調査をやった二カ月目ですね、もう一カ月を過ぎた時点で追跡調査した結果は、反映していない。しかし、その反映していない原因として、そこに在庫があったのであろう、こういうことなんです。今度の関税の引き下げについても、やはりこれは国民生活安定ということが一つの大きな柱になっている。これがやはり反映していないわけですね。通産省では通産省の取り扱い物資に関して調査をやるでしょう。それから農林省では農林省の調査をやる。企画庁では企画庁でまた別個に調査をする、お目付役の立場で調査をする。それを一体だれが最終的に処理するのですか。これは政務次官、どういうふうになっているのですか。調査した結果、どこかに吸収されておったのですか。
#32
○田中(六)政府委員 これは、まとめが企画庁でございます。といって政府が、大蔵省が責任がないというわけではございませんが、私どもも資料を提供し、あるいは企画庁から資料をもらってやるわけですが、総まとめは企画庁がやっておるわけでありますが、遺憾ながらその調査の総合的な結果は、うまくいっていない。それからまだまだ追跡調査の状態というものが、国民の納得するような方向にいっていない。これは率直に申しまして、政府がもう少し腰を入れてやるべき問題だというふうに考えます。
#33
○松尾(正)委員 この結論は次に、公取にも来ていただいておりますから、そのときにまとめてやりたいのですが、とにかく非常にこういう点がいわゆる行政的、お役目的で、下がるはずだからこういう手を打つのだといってやるけれども、あとはもう野放しになるのですね。企画庁は企画庁で、農林省は農林省で努力されている。この努力は評価する。けれども、その努力をしたものが何の実際の効果も及ぼしてないというところに、大問題があるということを私は指摘するわけですね。
 総合的にやるので、次に大豆の問題についてお伺いいたします。大豆についても今度は大きな改正がされておるわけでありますけれども、私が一つ大きな矛盾だと思いますのは、関税は引き下げた。ところが国内需要者の立場に立つと――この前、米の作付転換を迫られたときに、政府では一昨日の質疑の中で、大豆については作付奨励品目になっているのだ、こういう答弁がありました。一方で関税を引き下げておいて、それで大豆の、ちょうどタマネギと同じです。大豆については、作付面積の範囲内で不足分は保証しますよ、これはわかります。これは守っていく立場で当然だろうと思います。ところが、それがさらに米がつくれない、遊んでいるから大豆をつくりなさい、こういうふうに面積を広げる、こういう野方図な農業政策というものが許されるのかどうかということなんです。この点については、どういうふうな見解でそういう方策を農林省ではとられたのか、伺いたいと思います。
#34
○内藤説明員 大豆の現在の需給につきましては、御案内のように、国産大豆は搾油用には必ずしも適しておりませんけれども、高級なしょうゆ、みそというようなものの製造面におきましては、現在非常な希少価値のようなものを持っておりまして、海外ものに比べまして相当高い価格水準で取引されているというような実態でございます。したがいまして、大豆を自由化し、今回御審議願っておりますように無税にするというようなことによりまして、海外ものの価格を、これは搾油用が中心でございますけれども、そういうものの価格を下げる一方、国産のそういう高級みそ、しょうゆというようなものに対しまする需要の限度というものはおのずからございますので、先ほど申し上げました農業生産の地域分担等の計画におきましても、そういう国内需要に大体見合った程度にまで大豆の生産というものを回復する、そういう目標で現在水田転換等におきまする大豆の作付の指導をしているような次第でございます。
#35
○松尾(正)委員 そうしますと、国内需要量ですね、需要目標と、それからもう一つは、作付転換で奨励したその面積については、今後はもう絶対に減らさない、こういう方針なんですか。
#36
○内藤説明員 おっしゃるとおりでございます。
#37
○松尾(正)委員 たくさんあるからメモしておくわけにいきませんけれども、いまの答弁は非常に重大でありますので、紅茶、大豆その他の農産品とあわせてぜひひとつ、そういう方向で進むというお話がありましたから、私はこれを信用して、生産者がそのつど政府の農業方針によって迷うようなことのないようなものを確立していくべきであるということを強く要求しておきたいと思います。これは実現していただきたいと思います。
 以上のような、時間が限られておりますから、これを一つ一つ洗っていけば相当問題点がありますが、もうここで産業構造ということが非常に大きく論議されておるときでありますから、これはひとつ全農産品についてもそういう方針で進んでいただきたい、こう思います。結局、先ほどもちょっと触れましたけれども、関税という問題と国内生産、輸入という問題が、この点さえはっきりすれば、関税は非常に楽になってくるわけです。ところが、関税というものが両方へ、消費者に気がねし生産者に気がねをして、そしてこの程度という線を引けば、こんなものじゃいけないじゃないか、こういうようにやられて、苦労して一番損をする立場ですね、気の毒になる、こういう見方もあるわけです。ぜひひとつそういう点は配慮してもらいたいと思います。
 それから次に、物価の反映の関係で、私は大臣に伺ったときに、ジョニーウォーカーが安くなりましたよ、こういうお話があった。ところが、私の言っているのは、円切り上げ後には輸入品は全体に安くなりますということを言っているのに対して、実態はどうかと言ったら、ジョニーウォーカーが安くなったというのですが、ジョニーウォーカーについて、スタンダードクラスで切り上げ前のCIF価格――これは品目を限るといけませんけれども、ジョニーウォーカーの赤なりホワイトホース、こういうスタンダードクラスでCIF価格は幾ら、こういうものは差しつかえないと思うのですが、切り上げ前のCIF価格と切り上げ後のCIF価格ではどういうふうになっておりますか。
#38
○守屋説明員 お答えいたします。
 ただいま御質問のジョニーウォーカーについて申し上げますと、切り上げ前のCIF価格、これは七百六十ミリリットルの普通のびんでございますが、四百九十五円、切り上げ後のCIF価格は四百六十円、したがいまして三十五円の引き下げ、そういうことに相なっております。
#39
○松尾(正)委員 関税局に伺いますが、このいまのスタンダード商品、いわゆるジョニーウォーカーの赤でいくと、切り上げによる差額が三十五円、これだけ安くなった。今度関税率が引き下げられる。そうすると、国内税率が引き下げられますね。このいわゆるCIF価格、関税率の引き下げ、国内税、これをトータルすると、幾らに試算されますか。
#40
○赤羽政府委員 今回関税率をウイスキーにつきましてリットル当たり五百五十円から四百九十円に下げたわけであります。ただいま国税庁のほうから御答弁がございました切り上げ前四百九十五円、切り上げ後四百六十円というものをそれぞれ当てはめてまいりますと、切り上げ前、関税率改正前が四百十八円でございまして、後が三百七十二円で、差額が四十六円が下がる、こういうことに相なります。そこに内国税が入りますものですから、それを加えましてCIFプラス関税プラス内国税、こういう価格で見てまいりますと、切り上げ前が二千九百二十円でございます。切り上げ後が二千六百六十二円という数字になっております。約二百五十九円の値下がり、かような数字が出てまいります。
#41
○松尾(正)委員 そうすると現在小売りされているのが大蔵大臣は安くなったというのですけれども、いま小売りをされている標準価格は幾らですか。
#42
○守屋説明員 切り上げ前でジョニ赤でございますが五千二百円でデパートでは小売りされております。これが切り上げ後といいますか、現在では五千円に建て値がなっております。
#43
○松尾(正)委員 そうしますと、このCIF価格が下がったために二百円安くなって売られているわけでありますけれども、いわゆるこのCIF、関税、国内税を合わせて四千六百三十七円、関税局長、そうだったですね。
#44
○赤羽政府委員 四千六百三十七円とおっしゃいます関係が……。
#45
○松尾(正)委員 違う違う。二千六百六十二円だったですね、関税を全部加えて。
#46
○赤羽政府委員 はい、切り上げ後、関税改正後、さようでございます。
#47
○松尾(正)委員 そうするとこれは小売り価格はいままでの国内のマージン等をそのままに当てはめると幾らになる予定ですか。
#48
○守屋説明員 今回の措置によりまして、関税率の引き下げの結果どうなるかということでございますが、われわれのほうで試算してみましたところ、あと二百五十円程度は下がるのじゃないか、したがいまして、四千七百円あるいは四千七百五十円ぐらいの間の小売り価格になるのではないか、そういう計算が出てまいります。
#49
○松尾(正)委員 そうしますと、輸入諸掛かりを大体二百三十円ぐらいとすると、四八%ぐらいのマージンが考えられるわけですね。国産品のマージンは何%くらいになるんですか。これと同等品の国産品の諸掛かり、これはどのくらいになりますか。
#50
○守屋説明員 国産品のマージンは小売り価格に対しまして大体二一・一%、そういう数字がございます。
#51
○松尾(正)委員 国産品は量が多い、輸入品は少ないという関係はありますけれども、これは流通関係に問題が及んできますが、二一%に対してたとえ量は少ないとはいっても四〇%をこえる、大体五〇%近いマージンというのはあまりにも差がひど過ぎやせぬか、こういうふうに常識的に考えられるのですけれども、国税庁はこの点どういうふうに考えておりますか。
#52
○守屋説明員 この点につきましては、確かに輸入ウイスキーのマージン率は高いわけでございますが、これはいろいろその理由としては考えられるわけでございまして、一つは、輸入ものの数量全体がウイスキー全体の消費量のうちで四十六年の数字でございますが二・六%という非常に量が少ない。そのために配送費とかそういう経費が割り高になっているんじゃないかという点が一つございます。
 それから流通経路も国産の場合と若干異なっております。特に輸入業者のエージェントマージンは、国産品の場合には製造者のマージンと見ていいんじゃないかと思いますが、その流通マージンのほうが現在四十何%というマージンの中に含まれております。そういう点が一つございます。まあ価格も高うございまして回転率も鈍いということで金利等の負担も多いんじゃないか、まあそういう点でマージン率が高くなっているんではないかと思います。
#53
○松尾(正)委員 これは公取委員長もおいでですから最終的にまとめてお伺いしようと思ったのですが、公取委員長、かりに量が少ない、回転率も少ないので、ある程度の差はわかります。けれども、実際に国内品に比べて、同じ経路を経てその品物に倍以上のマージンというものが含まれておって、これで業者の言い分があれば公取としては何ら手が打てないのか。国民としては同じような商品の価値です。これが単に輸入したというもので関税その他には差がありますけれども、マージンについてはこんなに大きな開きがあるということはどうしても納得できない。これはどこかに一部の者に利益が吸収されているというふうにしか考えられないのですけれども、これに対しては公取としてチェックした段階で違法性がなければ手が打てないのかどうか、その点だけひとつお伺いしたいと思います。
#54
○谷村政府委員 私どもの立場は、いわゆる公正な取引条件あるいは自由な競争条件というものがあれば、そこで価格がどのように形成され、そこでまたマージンがどのように業者に取られようとも、少なくとも前提としての競争条件、取引条件が別に拘束され、制限されていなければ私どもの立場からは文句が言えないという筋でございます。したがって問題は、輸入のそういったたとえばウイスキー類について流通経路において何らかの独禁法違反に該当するような、たとえば販売価格の拘束であるとかそういったようなもの、(「申し合わせてやっておるんだよ」と呼ぶ者あり)あるいはまたいまお声が出ましたけれども、輸入業者相互におけるちょっとした申し合わせといったようなことがかりにあるとすれば、私どものほうとしてチェックすることになりますが、よほどそういうことは、いわば何と申しますか、それを疑うに足るだけの相当の心証を得ない限りむやみやたらに臨検検査してみるというわけにもまいりませんので、ただ近ごろそういうことが問題になっておりますので、ひとつそういう点を含めて十分そういう問題を私どもとしても調査してまいたいというふうには思っております。
#55
○松尾(正)委員 これはひとつ厳重にチェックしていただきたいということが一つと、国税庁においても、このあまりにもひど過ぎる差については十分検討していただきたいと思う。政府で幾ら物価安定をするのだ、国民生活を向上させるのだといったところで、個々の一つ一つの品目、こういったものでそれぞれに吸収されると、その一つ一つ吸収される部分というのは小さいかもしれませんが、それが蓄積されて、こういう国民に非常に不利益を招いている結果が起きているのですから、私はせっかく関税を引き下げ、円の切り上げが行なわれても、これがそのまま反映しないで一部の者に占められるということに対しては、これはこれは犯罪行為にもひとしいと思うのです。(「飲まぬことだよ、ああいうものは」と呼ぶ者あり)飲まぬことだという声があるけれども、そんなことをしたら国は立っていけない。
  〔「いや、あんな高いものは決して飲まぬほうがいい」と呼ぶ者あり〕
#56
○齋藤委員長 私語を差し控えてください。
#57
○松尾(正)委員 嗜好品で飲むんですから、どうかそういう態度で臨んでいただきたい。要望します。
 もう一つの問題点は、税関係で自動車に対する海外からの大型、中型の物品税が大幅に引き下げられた。これは物品税体系からいっても、こういう奢侈品、いわゆる金持ちでなければ買えないものを二〇%も一挙に引き下げた理由というのは、これはどうしても国民感情としては納得できない。一方洗たく機その他こういう必需品に対してはわりあい割り高な税金がかけられている。これはこういう声がかりにあったとしても、まあ陰ではサンクレメンテで約束してきたんだからしょうがない、こういうような声も聞かれますけれども、何もアメリカだけの言うことを聞いて国民を無視する必要はないであろう、こう思うのですが、この二〇%も大型を引き下げている、それから中型はこれは国内の自動車と競合する面もあろうと思うのですがこれが一〇%も引き下げられたというのは、税の面からいってもあるいは産業政策の面からいっても私は不合理じゃないかと思うのですけれども、この点については関税局長お答え願います。
#58
○赤羽政府委員 ただいま乗用車について御指摘がございました。乗用車につきましては、関税は一〇%から八%に、それから物品税のほうは、大型四〇%から二〇%にし、中型三〇%を同じく二〇%にする、かような改正を行なっておるわけでございます。なぜそういうことをこういう時代においてやったかというお尋ねでございますが、まず通商関税そのようなものは相互主義の立場に立っておるわけでございまして、御案内のとおり日本の乗用車の輸出力、輸出競争力というのは絶大なものが最近あるわけでございます。四十六年度の自動車の輸出量はアメリカなりEECのほうの大体二倍以上になっておるわけでございます。そういった現状を踏まえたということが一つと、それから今回の日米交渉の過程におきまして、わがほうといたしましては相互主義の立場からアメリカに入る自動車のアメリカの中における国内消費税、これの引き下げを強く迫ったわけでございます。アメリカにおきますところの輸入自動車の国内消費税は七%でございます。日本のものよりははるかに安いわけでございますが、この七%の撤廃を強く迫りまして、この七%は一九七二年から三年の歳入法案にライドをいたしまして、この撤廃はつい最近実現をいたしておるわけでございまして、そういった相互主義の立場からいいまして関税並びに物品税の引き下げを行なった、かように御了解いただきたいと思います。
#59
○松尾(正)委員 通産省の自動車局はおいでですか。――いまの点、産業政策上、中型自動車の一〇%の物品税の引き下げというのは相当競合して影響があるんではないかというふうに考えるのですけれども、この点についてはどうですか。
#60
○石原説明員 物品税三〇%に該当する国産車というものは、従来はかなり少のうございました。これからは公害対策上そういうものが多くなってくる。と申しますのは、公害対策上はエンジンが大きくないとむずかしいわけでございます。そういうのが多少多くなってくるということはあると思います。しかしながら、総じてそれが産業政策上日本の自動車産業に、いまの三〇%を二〇%にいたしましても、重大な影響を与えるということはないだろう、かように考えております。
#61
○松尾(正)委員 次に、公取委員長にお伺いします。
 物価閣僚会議で、輸入物価の消費者価格への反映のために、具体的に今度輸入物資についてチェックしようということで、輸入総代理店方式についてメスを入れる、こういう方針がしきりに報道されておりますけれども、これについて効果はあるのですか、ないのですか、それをまず伺いたい。
#62
○谷村政府委員 いまおっしゃいましたのは、いわゆる外国から商品を輸入いたします場合に、輸入総代理店契約という一手にまず輸入の取り扱いをする者がおって、さらにその下に幾つかのまた輸入を引き受ける者がおってというふうなその仕組みについて、それが流通過程なり何なりにその悪影響を及ぼしているのではないかと、そういうことが問題になっておるわけでございます。それで、輸入総代理店契約というものそれ自身は、営業の自由あるいは契約の自由として認められないというわけのものではございません。当然それはあって差しつかえないものでございますが、問題は、そういうふうにチャンネルをしぼることにより、あるいはまたそれからさらに流通経路というものを何らかの形でコントロールすることによって、そこに、先ほどもお触れになりましたような、たとえば販売関係についての条件の拘束とか、あるいはそのしぼられたチャンネル同士がお互いに話し合うというふうなことがあれば、そこに正しい競争条件を阻害するものが出てくるのではなかろうか、さような見地が私どものただいまこれから輸入物資の問題について取り上げてみようと思っているところでございます。お互いに輸入物資相互が競争いたしておりますれば、たとえ輸入総代理店というのがありましても輸入品相互の間での競争もございます。しかし、その競争しておるもの同士が何か話し合ったりするような機会があるとすれば、それはいけないということで、そちらのほうにひとつそういう観点から注意を向けて輸入物資の問題を見ていこうというのが、私どもがこの間の閣僚協の中で取り上げた問題でございます。
#63
○松尾(正)委員 結局いまお話がありましたように、輸入総代理店制というのは、これはもう拘束することはできませんので、この幾つかの問題を取り上げてチェックしても不当なものが発見できないという場合には、公取としてはそれ以外に打つ手がないということで、まずいままでのビールの例を見ましても、それからその他、国内でいろいろ扱った、一部には引き下げたものがありますが、数多い中で、そういういわゆるぼろを出すようなものというのはごく一部しかありません。したがって私は、今度の場合にも輸入業者がそういうぼろを出すようなことはないであろう。したがってせっかくの努力も効果が望めないのではないか、こういうふうに考えておるわけです。輸入多様化、これを総代理店制にすると、いわゆる価格操作ができますけれども、これを文句なしに競争輸入式にしていけば、これは是正できるわけです、チェックした、これは申し合わせをやってはいかぬぞということが発見できれば。しかし、それがない場合にはどうしようもない。こういうことになりますから、輸入多様化をするために、かりに総代理店制をチェックしてやっても、今度はじゃ競争輸入ということで市場を開拓するという面にそう急な効果なんかはとうてい私は望めないと思うのです。
 そうすると緊急閣僚会議で、こういうふうに物価を国民のために下げるんだという努力はしていますけれども、それは反映できない。不当性がないとすれば反映できないということで、私は現在世界の独禁関係でも、独禁という問題で非常に困っている。もう国際独禁法会議を開いて、この中で、独禁政策については強力な規制を考えなければいけないということが論議されておるわけですから、いま言ったように、公正取引委員会が非常に苦労なさって努力はしておりますけれども、その努力に対する効果があらわれないので、立場としては非常に憤りを委員長としては感じておられる面もあると思う。そこで一昨日の委員会では、この価格を安定させるために小売り価格を表示すればどうかという、こういう同僚議員の意見もありました。これも一つの方法ではありますけれども、私はこの際強力な独禁法の改正なりあるいは何らか公取委員長が公取委員会としていままで苦労された結論が、こういうふうに改むべきだというようなものがあろうと思うのですけれども、もしそういう意見がありましたら、ひとつこの場で聞かしていただきたいと思います。
#64
○谷村政府委員 私どもの基本的な考え方から申しますと、末端で人為的にいろいろと、あるいは強権的にいろいろと規制を加えるよりも、基本的には、御指摘になりましたように輸入の多様化をはかっていくというふうなことがまず大事だろうと思います。
 一例を申し上げますと、よく御存じのようにサンキストレモンは、まさに輸入総代理店によって、そしてまたその下にある十社によって輸入をされており、国内に売られているわけでございますけれども、そのサンキストレモン自体がすでにアメリカにおいて八割のシェアを占めている商品であり、また輸出の中で、日本はその三割三分、約三分の一を占めておるという商品でございまして、全く先方のいわば言いなりと言ってもいいようなそういう輸入体制になっているという実態があるわけでございます。その実態というものを、実はさらにもっとブランドイメージとかというものを越えてもっと広げていかなければ、幾ら末端でもって値段をつけてみろ、正札をつけてみろ、それを守れといっても、それは経済原則からいって無理な話じゃないか。
 同じようなお話を申し上げて恐縮でございますが、かつて輸入のほとんど大部分を占めておりました台湾バナナが、今日においてはもう中南米産のものにかわってきておる。そしてそのシェアがむしろそっちのほうがずっと高くなって、台湾産のものはお気の毒ではありますけれども、もう四分の一ぐらいになってしまっておるという。そういうふうに輸入先を転換し、さらに広く求めていくということによって、私は独禁法が本来考えている自由な、そして公正な価格ができる基本ができるのではないかと、かように思っております。
 しかしながら、どうしてもそういうふうにいかないような商品、日本人のブランドイメージというものにもずいぶん私は問題があると思います。ウイスキーについても、限られた品種のものしか入れないし、入れても売れないし、八割方が御承知のような名前のものばかりしか買っていない。そういうものをいかにして破っていくかという、それも私は一つ大事だと思いますが、それでもなおかつ非常な高級独占になっているような、あるいは寡占になっているような市場があるとしたら、それにどうするかということになりますと、これは独禁法を越えた問題になるというふうに、かねて私どもは申しておるわけでございます。
#65
○松尾(正)委員 時間が来てしまったのですが、いま公取委員長からお話しがあったように、非常に基本的なところにまだ穴がある。こういうことで、もう少し独禁法については、私はこうありたいという意見が聞かれるかと思ったのですけれども、そこまで出なかった。
 そこで、農林省にお伺いしますが、今度流通部を設けて、そうしてこの流通問題に適正な方式を見出したい、こういうことでありますが、これには当然農林関係の輸入物資も含まれるはずであります。はたして農林省で流通部を設けて、この七段階もの機構というものはよくない、これを三段階にすべきだという意見が出た場合に、それを流通部ではどう措置することができるのかという点をお伺いいたします。
#66
○大河原政府委員 お答え申し上げます。
 御案内のように、消費者物価の安定なり流通の合理化という問題が緊急の課題でございまして、農林省といたしましても、この数年これについて各般の施策を講じておりまして、四十三年には農林経済局に企業流通部を設けまして、その一歩を踏み出したわけでございますが、生鮮食料品をはじめといたしまして、物価問題がさらに国民食生活上の大きな問題になりまして、各般にわたっての施策を強化しなければならぬということで、今回法律改正をすることにいたしまして、関連法案の審議も願っておるわけでございますが、その場合には当然一番大きな問題になります野菜をはじめといたしまして、生鮮食料品、こういうものについての生産から流通から消費に至りますまでを一体的に処理いたして合理化をいたすという点が第一点でございますが、加工食品等を中心といたします輸入品についても、それらの流通の合理化でありますが、これは各般の輸入関係施策も含めまして、先ほどもるる御指摘がございましたように、単なる国内関係業者の指導だけではなくて消費者物価の安定ということで、何と申しますか、食料の安定的供給、これは価格も量も含めました施策を十分に果たしてまいりたいというふうに考えております。御指摘の段階等の問題も、流通機能の合理化というような視点から、今後早急に行政体制を整備をした上で実施をいたしたいというふうに考えております。
#67
○松尾(正)委員 これはできるということですね。たとえばこれは想定ですが、七段階あってこれはむだだ、これを四段階にすべきであるという結論が出た場合には、それは農林省としてできるということですね。
#68
○大河原政府委員 お答え申し上げます。
 それぞれの品目なりその実情によりまして、個個のケースについて結論を出さなくちゃいかぬというふうに考えております。加工食品等につきましても、流通関係の効率化とか、小売り業者部分についても、人件費の増大なり、その他流通技術の新しい導入というようなことで、大きな変化を来たしております。したがいまして、先生御指摘のように、独立に画一的にということではなくて、物別に十分検討いたしまして、合理化の方向に指導してまいりたいというふうに考えております。
#69
○松尾(正)委員 非常に力強い。物、物によって――かりに七段階では不合理だ、四段階ないし三段階にすべきだという結論が出た場合には、それができるということですから、この答弁は私は重視して今後見守ってまいりたいと思います。
  〔委員長退席、木野委員長代理着席〕
 それから、通産省の企業局は御出席になっておられますか。――いま通産省関係の通産物資の流通に関してもこれと同趣旨の質問をして私は確認をしておきたかったのであります。
 この結論として、谷村さん並びに政務次官に伺いたいのですけれども、流通段階ではできるということですから、これは信用したい。ところが公取では不当性が見出せない場合には、かりにCIF価格が下がり、関税が下がり、そうして消費者価格にこれが反映していない場合にもどうにもならない、こういう形が現在行なわれておるわけでありますけれども、これに対しては打つ手がない。消費者価格を表示したところでこれも非常にむずかしい問題だという意見があったわけですから、これに対しては何らか独禁法を含めた強力な規制措置を行なうべき段階に来ていると私は思うのです。そうでなかったならば行政は不在といっても過言ではないのではないか、こう言いたいですね。したがって、谷村さんからこの独禁法を含めた規制の措置、ほんとうに関税が引き下げられた場合等にはこうなる、消費者に反映するという形の規制はこういう方法でありたいというような御意見がありましたら伺いたいし、最後に政務次官から、いままでもずっと、私議員になってから三年になりますが、もういつの予算委員会あるいは大蔵委員会、その他の委員会においても物価を引き下げるという問題が論じられておりますけれども、そのまま見るべきものがない。こういうことを考えたときに、ここでもう強力な規制措置以外には私はないと思いますので、これに対する意見を伺って私の質問を終わりたいと思います。
#70
○谷村政府委員 私どものたてまえからいたしますると、価格メカニズムによって価格が公正に形成されることが第一であるというふうに考えます。事実、従来とも品物によっては輸入関税の引き下げがありました場合、あるいは物品税の引き下げがありました場合に、当然そこに競争条件というものがありますがゆえに、価格が下がった例があるわけでございます。カラーフィルムの例で申しますならば、いかに世界に強大を誇るコダックといえども、少なくとも日本に競争相手がある限り、コダックのかりに輸入の価格が、関税が下がればそれを機にやはり価格を下げていくという措置をとったわけであります。自動車についてもそういう例があったというふうに思います。それを法律によって強制したり、何らかの権力によってそれを実現させるということは私どもの本旨ではなくて、それが競争によっておのずからそういうふうになっていくべきであるというのが、私どもの考え方なんでございますが、もしそういうことがないとすれば、そこには競争条件におかしなことがあるんじゃないかと考えて、突っつきにかかるわけでございます。その突っつきにかかるということがよほどその条件がそろいませんと私どもとしてはできませんわけで、その辺のかね合いになると思います。実際問題としては、やはり消費者のブランド選好と申しますか、そういったものがかなり大きく商品の需要なりまた価格なりに作用しているという現実も私は認めないわけにいかないと思います。それをこえてさらに法的措置をとって何かそういうときには具体的に講じるんだというふうに言うことが、はたして経済の運営のしかたとしていいのかどうか。その辺になりますと、私どもとしてはもう少し基本的に考えなければならぬ問題があるように思います。
#71
○田中(六)政府委員 物価問題はほんとうに新しくて古い、古くて新しい問題でございますが、私どもといたしましては、強行手段としては、所得政策で物価賃金凍結令というようなことをイギリスもやったこともありますし、アメリカも現に一部やったわけですが、そういうことがはたしていいかどうか。やはりわが国の経済機構というものは自由化へいく。それが日本の貿易立国として、対外的なものがございますので、貿易を拡大するという方向からすれば、国内でそういう政策をとることがいいかどうかきわめて疑問でございますし、自由化の方向と、国内の所得政策、賃金、物価凍結ということが、そういう手荒いことがいいかどうかは問題ですし、イギリスでもウィルソン内閣でやったときに非常に逆な効果が出ているわけでございまして、これは長くはできない政策です。したがって、どういうふうにしたらいいか。追跡調査――関税を下げて自由化したら下がるはずが下がらない。しかし私に言わせるならば、それをしなかったときの消極面の効果、やったときとやらないとき、物価は上がる度合いが少ないのじゃないかというようなことも考えられますし、一がいに否定もできませず、非常にむずかしい問題で、国内だけでこれを処理できない。こうなりますと、国際的な問題あるいは対外的なものをも加味しなければなりませんし、日本の経済機構が国際的なものであるということも加味しなければいかぬし、物価の値上がりに悩んでいるのは日本だけではございませず、世界全体の近代国家の傾向、あるいは後進国もそうでしょうし、そういうことでございます。といってもそれは放置はできませんので、あくまでも追跡調査とかあるいはどこかにその段階で物価が卸売り物価から小売り物価にいくまでの過程で、そのプロセスにどこかネックがあるのじゃないかということにつきましても十分対処していかなければならないというふうに考えております。
#72
○松尾(正)委員 最後なんですが、ちょっと私のことば足らずで誤解があったようですけれども、私が言ったのは、強力な規制措置というのは物価凍結令とか、そういう大上段に振りかぶった措置をやれというのじゃないのです。そうじゃなくて今度流通局をつくって、部分的に一つの不合理な流通段階はいけないから、これはもう三段階にするんだということを検討して、それを進めていくことによって改善できるわけです。そういう部分的な規制のために公正取引委員会においてもいままで努力したけれども、この努力というものが不当性なしということで効果というものがあがっていないのです。
  〔木野委員長代理退席、委員長着席〕
そういう部分的なものに強い規制が必要じゃないか。そういう意味で、決して物価統制令をやれとか、そういうことではありません。その点をひとつ含んで、どうか物価に対しては七年間の佐藤政府には何の力なしというような国民の批判がありますから、そうでなくやはり物価には苦労したんだ、こういうふうに部分的に改めたという成果をあげていくことが国民にこたえる道じゃないかという趣旨で申し上げたのですから、この点ひとつ誤解のないように、そういう方向で努力してもらいたいことを要望して終わります。
#73
○齋藤委員長 小林政子君。
#74
○小林(政)委員 物価引き下げの対策として、昨年三十八品目の生活関連物資、これの関税の引き下げが行なわれ、百二十億の減税が実施をされたわけでございます。今回も七十三品目の生活関連物資の引き下げが行なわれますが、これによる減税額はどのくらいになるか、まずお伺いをいたしたいと思います。
#75
○赤羽政府委員 ただいま御指摘のとおり、昨年度におきまして生活関連物資の関税引き下げは、三十八品目、百二十一億でございます。今年度におきましては七十三品目、百七億でございます。
#76
○小林(政)委員 一体この関税の引き下げ効果いうものがどういうものかということは、非常に大きな問題になってきておりますし、一体消費者物価にこれがどう反映されているのだろうか。この問題については、企画庁等の調査でも明らかにされておりますけれども、企画庁は一体今後の物価引き下げのための具体的な基本的な対策に対してどうしようとされているのか。先ほど来いろいろと御議論ございましたけれども、明確にひとつお答えをいただきたいと思います。
#77
○斎藤説明員 物価引き下げの基本的な考え方に関連して、輸入政策の活用の問題でございますが、われわれといたしましては、現在もやっておられます関税の引き下げ、貿易の自由化あるいは輸入ワクの拡大等によりまして、輸入物資が増大することあるいは価格がさらに引き下げられることが物価政策のきわめて重要な柱であると考えております。したがいまして、昨年来物価担当官会議等におきまして、二十品目にわたる物資につきまして追跡調査をいたしましたが、さらに本年度に入りまして、去る三月三日物価閣僚協を開催し、対象品目を六十品目に拡大したわけでございます。そういうことで輸入政策の活用を重要な柱といたしまして、できるだけ物価の抑制に努力したい、これが基本的な考え方でございます。
#78
○小林(政)委員 企画庁の昨年十二月の円切り上げの効果の調査報告、この調査報告を見てみますと、いまお話もございましたとおり、輸入価格の引き下げというものについてこれをどう処理するかということについては、個別企業の自主的判断にゆだねられるというふうにされている結論が出ております。円切り上げの問題は、輸入価格の低下、したがってこれは関税が引き下げられたということとほぼ同じ効果というふうに考えられますけれども、企画庁がこのような考え方のもとで、幾らこれは関税を引き下げても、私は具体的に、関税を引き下げることによって物価が下がる、こういうことを政府はいっておるわけですけれども、物価そのものはこのような考え方では絶対に引き下がらないというふうに考えますけれども、一体この問題についてどう考えているのか、お伺いをいたしておきたいと思います。
#79
○斎藤説明員 輸入政策の活用といたしまして、関税の引き下げの問題でございますが、先日来いろいろ関税局長から調査結果等の御説明がございましたが、われわれの調査におきましても、カラーフィルム、自動車、バナナ、マトン等につきましては、関税相当額前後の値下がりがございます。そういう意味で、全体の消費物資の総額から言いますと、きわめて額が小さいわけでございますので、それ自体によりまして物価指数がすぐ下がるとか、そういった効果はなかなか期待できないわけでございますが、関税引き下げと同時に、自由化あるいは円切り上げ等の効果も相当期待されるわけでございます。計算上そういった効果も期待されるわけでございますので、そういうそれぞれの輸入政策の活用によりまして、若干あるいは相当程度物価の引き上げに期待し得るものだと考えております。基本的には自由経済でございますので、その効果を強制するというわけにはまいりませんが、強力な行政指導なりあるいは消費者の監視の中で、できるだけそういう成果が期待されることをわれわれとしても努力いたしたいと考えております。
#80
○小林(政)委員 私はやはり関税の引き下げということが、直接その品目あるいは具体的に消費者物価にどう反映し、どのような効果があらわれたのか、こういう点が私は国民が一番知りたがっているところであろうというふうに考えます。私は物価を下げるためには、複雑な流通機構の中で、いろいろと吸収段階等もそれぞれ違うわけでございますけれども、輸入業者の段階で売り渡し価格を関税引き下げ分というものを差し引いたものにさせるということが、これはぜひ必要ではないだろうか。そうでなければ、私は、具体的に関税を引き下げたといっても物価は下がらないのではないだろうか。国民はこの点に非常に大きな疑問を持っているわけでございますし、この点について具体的にどう考えているのかお伺いをいたしたいと思います。
#81
○田中(六)政府委員 物価問題は非常にむずかしい問題で、一がいにこれがきめ手だというものはないのじゃないかというふうに思います。それだけにみなんがウの目タカの目で行政指導なりあるいは自主規制なりいろいろやっても、なお物価が上がっていくということが如実に実態を示していると私は思います。それでこれを率直にいいますと、賃金もそのコストの中の重要な要素でしょうし、一つのメカニズムといたしましていろいろチェックしていかなくてはいかぬのですが、いま小林議員のおっしゃるように、関税の引き下げ分だけ最初からこれをディスカウントしたらどうだということなんでございますが、これも関税を引き下げるのは政府のやる方針でございますけれども、いざ品物をいろいろ取り扱うのは、これはあくまで自由企業の面もございますので、そういうのを押しつけていくということも非常にむずかしいのじゃないかと思いますし、そのほかメンタルな面も非常にありまして、一がいにこれだというふうなことが言えないという苦しい場面がございますので、小林議員の意見も一つの参考意見として十分私どももこれは頭に置いて対処していきたい、こういうふうに考えております。
#82
○小林(政)委員 私は、関税分をどこでチェックしていくか、このことが問題の本質であろうかというふうに考えます。したがって輸入段階で、いわゆる輸入価格あるいは関税引き下げ分、こういった実態というものをやはり調査をし、その実態を把握をしていく、こういうことがまず何よりも大事ではないだろうか。そしてそのためには、それに値する調査権を持ったそういう監査なり何なりがある程度行なわれるようなそういう体制というものを、政府が何らかの形でこれをつくり上げていくという積極的な姿勢がなければ、私は、物価というものは実際に関税分そのものが消費者物価に反映するというようなことはおそらく今後もあり得ないだろうというふうに考えます。したがって、これらのことについて積極的に取り組んでいこうとする意欲をお持ちになっていらっしゃるのかどうなのか。
 そしてまたもう一つは公正取引委員会。この公正取引委員会に対しては、消費者からあまり複雑でなく、たやすくさまざまな物価問題が公正取引委員会に持ち込まれそして、公正取引委員会がそれに対していろいろな機関を通して調査をいたしました結果、不合理であるというふうなものについては、具体的に物価をこれは不合理であるから下げさせる、そういう命令が出せるようなこういったような機能というものを取り入れるというようなことができないのかどうなのか。こういうことになれば家庭の主婦も消費者物価についてこれはふしぎだ、どうも納得いかない、どこでもってこうなっているのかわからないということは、すぐにそこへ持ち込んでいって、そして明らかに自分たちも資料を持ちながら、その不当性について、それが調査された結果引き下げられていくというようなことになれば、案外消費者運動というものも大きく盛り上がりますし、またこの中で不合理な、不当な物価の値上げ、あるいはまた利潤を確保するというような問題等についても大きな社会問題になって、解決の方向が出ていくのではないか、このように考えますけれども、以上の二点についてお伺いをいたしたいと思います。
#83
○谷村政府委員 私どものただいまの公正取引委員会が任務といたしておりますのは、先ほどから申し上げておりますように、できるだけ自由かつ公正な競争条件を維持していくということ、別のことばで申しますならば、価格メカニズムの中において公正な価格形成が行なわれるということを考えているわけでございます。そうして、そういう公正な価格の形成を阻害している何らかの人為的な仕組みなりやり方なりがあればそれを排除する、そういうたてまえでございまして、いわば物価統制をやる、あるいは物価についての何かをするというそういう役割りを現在はになっているわけではございません。したがって、たとえば表示の問題などにいたしましても、消費者をだまさないような表示をしろ、品質なりについて、ほんとうはこういうものなのをいかにもりっぱそうに見せかけた表示をしてはいけないという、かようなことを言う立場にはおりますけれども、私どもの立場から、たとえばこの品物の中にはこれだけの関税が含まれているというふうにちゃんと表示しろとか、あるいは物品税にもそういう規定がたしかあったように記憶いたしますが、小売り価格の中にある物品税部分は幾ら、したがってそういう表示をきちんとしておけという立場に現在はないわけでございます。しかし、いわゆる市民意識と申しますか、あるいは消費者意識と申しますか、そういうものの高まってまいりました今日、消費者が価格、品質によって物を選択いたしますときに、その中の、たとえば税金の部分が幾らかということを知ったほうがいいという考え方がもし成り立ち得るとすれば、そういう考え方を別の角度からしてみるということもあり得るかと思います。しかしそういうことをいたしますと、今度は逆に物品税が上がった場合とか、あるいは何らかの形で、外国のたとえばマルクの切り上げがあったというふうな場合の中身はどうだとか、そういうことに一つ一つなってくるわけでございまして、私どもの本来の考え方からしますと、そう末端で一つ一つの品物のいわば中身を表に出すというよりは、むしろ全体としての自由な取引条件の中で価格形成が行なわれていくという、もっと競争条件なり、消費者の選択なり、あるいはブランドイメージのあまりにも横行することを何らかの形で打破していく、そっちのほうに私どもとしては重点を置きたいというふうに考えております。公正取引委員会というものの本来の性格はそういうものでございますが、どうしてもそういうことでは世の中がうまくまいらないという角度から、別の角度からものごとを考えなければならないとしますならば、それはまたもう一つ別の問題になってくる、いまの段階では私はさように考えております。
#84
○小林(政)委員 いままで企画庁なりあるいはまた公正取引委員会、いろいろ答弁を伺いましたけれども、従来果たしている役割り、こういったようなものでは、私はやはり現実に物価を引き下げていくということはきわめてこれは困難で、できない。だとすれば、私は、閣僚会議でもってこの物価の引き下げの問題については特に大きな問題になっておりますだけに、実際には今後どうしていくのかという点について何らの対策を、いまの段階では持っていないといわざるを得ないと思います。この点について、これでいいのかどうか。何ら対策が打てなかった、そうしてそのために消費者物価は上がり続けてきている、あるいは引き下がらなかった、こういう問題について責任のある政務次官の答弁をひとつお願いして、次に移りたいと思います。
#85
○田中(六)政府委員 たびたび申し上げておりますように、非常にむずかしい問題で、公取としては公取の権限とその職能の範囲は逸脱することはできないし、本来の使命を一生懸命やっておると思いますし、政府といたしましても、企画庁を中心にいろいろなことをやっているわけでございますが、なかなか物価が下がらない。公共料金を値上げをしたりしなければいけません。それも非生産的なものでございますので料金を上げる以外に給料あるいは施設の改善などできない部分もございますので、それを上げればまた便乗値上げを呼ぶというようなこともあって、これを一つの線にまとめて下げる、それから品目も非常に多岐にわたっておりますし、困難であるわけでございます。この問題はやはり賃金と物価というような、賃金の問題を無視して物価だけを取り上げてすることも非常に困難じゃないか。両方のことを十分勘案していくことが基本的な問題じゃないかと主観的には思っております。といって政府が手を抜いておるということもないわけで、足らない部分はこれからもまたみんな一生懸命やっていこう、あるいは国会でも十分審議をしていただいて、いろいろな手段をとって物価引き下げあるいは物価の上がらないようにそういう措置をとっていきたいというふうに考えます。
#86
○小林(政)委員 私は社会主義国との貿易について、今後の基本姿勢についてお伺いをいたしたいと思います。
 たいへん時間が迫っているということでございますので御答弁もひとつ簡潔にお願いをいたしたいと思いますが、今回も中国など未承認国に対する関税格差の解消として三十一品目の格差解消の措置がとられておりますけれども、今後基本的にどのような方針でこの問題について臨んでいかれるのか、この点についてまず簡潔にお伺いをいたしたいと思います。
#87
○赤羽政府委員 社会主義圏に対します貿易でございますが、これはもう先生すでに御案内のとおり、たとえば四十年あたりから見てまいりますと、相当な伸びをもって伸びてきておるわけでございます。たとえば四十年は、輸出で申し上げますと、共産圏全体でございますが二三%であります、輸入が一八%ぐらい伸びるというようなことでございまして、四十四年、四十五年とも非常に大きな伸びを見せておるわけでございます。
 共産圏貿易全般に関しまして今後どういうような政策で臨むかというお尋ねでございます。関税局の立場から申し上げますと、いわゆる中共格差、この中共格差という、これは常識的なことばでございますが、中共格差解消によりまして解消いたしますと、これはほかの社会主義国のほうにも当然及ぶわけでございまして、中共だけの話ではございません。そういった意味におきまして今回三十一品目の格差解消をはかってきておるわけでございます。あとに残りますのは、国内産業に対してきわめて重大な影響を及ぼすと認められておりますところの生糸、絹織物、にかわ、ゼラチンというようなわずか八品目にしぼりまして、これではほとんどやってしまったという感じを持っておるわけでございます。
 そのほか関税局の窓口ではございませんが……
#88
○小林(政)委員 できるだけ簡潔にひとつ。
#89
○赤羽政府委員 ココムの輸出品目の規制でございますとかあるいは輸入の事前許可制の廃止ということで社会主義国に対する貿易を推進していくという立場でございます。
#90
○小林(政)委員 私、何かすごく時間が短いということなので……
#91
○齋藤委員長 小林委員に申し上げますが、理事会の決定に基づいて時間をきめておりますので、さよう御承知願います。
#92
○小林(政)委員 残余の質問は午後に残したいと思います。
#93
○齋藤委員長 堀昌雄君。
#94
○堀委員 公正取引委員長に先ほどからずっと御答弁をいただいておりますので、最初に公正取引委員長の案件だけを進めたいと思います。
 実は、公正取引委員長も御承知だと思いますけれども、現在鉄鋼の各社は不況カルテルが正式に認められておる段階で、これは六月三十日まででございますか、だと思うのでありますが、最近私、新聞紙上で見ておりますと、不況カルテルの中で生産制限が行なわれてきて、その生産制限によっていわゆる市中価格はかなり上昇をしてきた。その市中価格が上昇してきたのをてこにして、いわゆる造船、自動車等の大量のひもつき契約のあるところの価格の引き上げが実は鉄鋼各社で行なわれておるように新聞で承知しておるわけです。ところが通産省の資料で、新聞で見たわけでありますけれども、もし輸入の価格というものが今度の円の切り上げによって公正に反映してくるならば、鉄鉱石については一〇・九九%というのでありますから、一一%だと思いますが、石炭は、石炭、亜炭という項目になっていますから、粘結炭が一体どれだけ下がるのかはわかりませんが、それにしても四・六%ぐらいは下がる。要するに鉄鋼の場合は、主たる原料は今度の円の切り上げによってかなり大幅な値下がりをするという条件になっておるわけでございますけれども、これらの条件を踏まえて、私どもは、やはり円の切り上げが行なわれればそれがまた末端に、多少の吸収はあろうとも生きてくるというのが筋道であろうしいたしますので、現在不況カルテルの中で鉄鋼各社がとっておるような値上げ問題というのは、公正取引委員長はどういうふうな角度で感じておられるかを承りたいと思います。
#95
○谷村政府委員 御指摘のように、不況カルテルを、いわゆる高炉八社、ただいまで八社になりました、それから平炉メーカー等も五十三社、この間認可しているわけでございますが、全体として私どもがいろいろの角度から把握しておりますけれども、経理の状況からいいますと、相当やはり困難な状況にあるということは、不況カルテルを認めました以上私どもとしても承知いたしております。
 それからもう一つの背後といたしまして、いわゆる供給能力とそれに対する需要との関係からいいますならば、ただいまのところしぼってはおりますけれども、本来の生産能力と需要との関係からいえばかなりのギャップがあるというのは、私ども承知いたしております。そうして生産費の関係から、ただいま御指摘のような原材料関係の円切り上げによるコストダウンを見込みましても、一方において数年来の、たとえば賃金の上昇あるいは燃料、原油関係の上昇、そういったようなものを考えまして、コスト関係においてもこれは経理全体の中のまた浮き彫りになるわけでございますが、きつい状況にあることも、私ども不況カルテルを認めております以上、当然のことながら承知しているわけでございます。
 さような中におきまして、この間、御指摘のようにある程度市中価格は人気的にやや上昇してまいっておりますけれども、実際の需要動向からいたしますならば、多少需要が持ち直してきてはおりますものの、全体としてそれがいま直ちにそういう不況カルテルを必要としない状況にいまの段階でなっているとはまだ考えられないと思います。そういう段階においてなおかつ御承知のようなひもつき価格の問題にいま手をつけておるわけでございますが、これは鉄鋼各社としては、やはり自分たちの経理の立場からの主張をしているのだと思います。しかし一方では、それに対してユーザーのほうがそう簡単に乗るという状況ではないようであります。私どものただいまの立場といたしましては、どういうふうな動きになるか、これは企業が企業同士お互いにぶつかり合ってやっておることでございますので、それをわきから注目して見ておる、こういう形でございます。
#96
○堀委員 私は、物の価格というものの中で、いまの鉄鋼のひもつき価格という制度そのものが一つ少し問題があるのではないかという感じがしておるわけですね。ひもつき価格というものとの関係ができておるために実は鉄鋼が、本来ならば自然な競争の形で値段が上がるというのならわかるわけですが、そうではなくて、相対で値段を幾らにしろとかしないとかということをやるというのは、私はいまの価格問題の中ではやや正常な姿でないような気がするのですが、この点は取引の関係として、それが値段を上げないというならば、鉄鋼八社で、それじゃおたくには売りませんということにもしかりになるとすれば、ややもするとそういう不公正な取引におちいるおそれなしとしないというような気もするわけでありまして、この点は特に不況カルテルという中でのそういう行為の問題については、私は、これはいまのどこまでが公正な取引かという点にもまた問題がありますけれども、いまの鉄鋼の価格のそういう制度そのものを、少し再検討してみなければならぬ問題ではないのかという感じが一つしますし、いまお話しになった設備能力との間のギャップの問題は、私どもから見ますと、たいへん激しい設備競争でどんどんつくってきたわけですから、当然これは企業の自己責任として今日かくあることを予想されたのではないかという気がしておりますので、生産能力のギャップの問題という――現実における経理上の問題はやはり回避することのできないものでございますから考慮しなければならないと思うのでございますけれども、どうもこれまで鉄鋼の各社がとっておられたやり方は少しイメジーがゴーイングに過ぎたのではないかという気がいたしますし、いまとられておるやり方も今後の価格問題全体を通じて考えてみますと検討に値する課題ではないか、という感じがいたしますけれども、公正取引委員長、どうですか。
#97
○谷村政府委員 私どもも本来何と申しますか、一般論として考えますと、いま堀委員のおっしゃったような考え方をとっているわけでございます。ただし商品の性質上特に、たとえば自動車業界と鉄鋼、あるいは造船業界と鉄鋼、電機メーカーと鉄鋼というふうにそれぞれメーカー同士の、しかも相当の大企業同士の、しかもそこに製品の七割くらいのものあるいは八割くらいになりますかのものが大きく需要供給に結びつきを持っておるわけでございますので、ことばは悪いのでございますが、私は決して団体交渉みたいなことをやっているとは思いません。それぞれお互いにそれぞれの立場でネゴシエートしておると思いますけれども、しかしそれぞれ大手同士でございますし、大きなユーザーであり大きな供給者であるという関係で、いまの価格形成の方式がある程度力づくで行なわれております。まあ、ひもつきという形になっておりますこと自体はある程度やむを得ないことではないかというふうに思います。
 それから、第二段に御指摘になりました設備問題でございますけれども、これは実は私どもの立場から申すならば、通産省にもかつて申し入れましたように、設備の自主調整を越えたような指導を行政的に設備調整についてあまりいろいろなことを一々やることがはたしていいのかどうかという基本的な問題がそこにあるように思います。しかしこの問題は、もう少し実は最近の技術進化の問題とかあるいは鉄綱等の基礎的な日本の産業のあり方はどうかというふうなことまで踏み込んで見ませんと、ただ私どもの立場だけからの議論ではたしていいかどうかという問題はあるように思います。
 その他、たいへん御示唆に富んだ御質問だったと思いますけれども、私の現在の立場でお答えできるのはその程度でございます。
#98
○堀委員 そこで、いま三月でございますけれども、いまの全体の日本の景気の水準からしますと、どうも私は、まだ当分市況全体の立ち直りが政府が期待するほどうまくいかないのではないか、こういう感じを持っているわけであります。今後鉄鋼の、特に高炉八社の場合ですが、不況カルテルというものはおそらく延長してくれという話になろうと思うのですが、これらについては大体どのくらいの時期に公正取引委員会としては判断をして――延長するとか、ここまでにするとかいうことをおきめになるタイムリミットというものは大体いつごろになりましょうか。
#99
○谷村政府委員 私どもの立場から申しますと、延長を前提としてどうというふうにお答えを申し上げるわけにはいかないのでありますけれども、少なくとも現在の動きを見まして、また三月期の決算を見まして、いま高炉八社については六月末でございますので、その段階においてあらためて問題を見直す、かようなことになろうかと思います。
#100
○堀委員 さっき松尾委員もお触れになりました、今度経済閣僚協できめられましたいろいろな問題の中で、さっきから公正取引委員長御指摘のように、確かに日本の大衆嗜好というものが非常にブランドに左右されておることは、単にウイスキーだけじゃなくて、清酒の場合を見ても同じような問題が起きているわけでございますけれども、はたしてそれではスコッチウィスキーで安いウイスキーがあるのかというと、どうも特に安いウィスキーはないように私ども思うのです。その点は公正取引委員会としては、いま日本で出ておりますウィスキーの銘柄はかなりありますけれども、いずれもかなり高いという状況でして、特殊なもの、たとえばジョニーウオーカーとか、ブラック・アンド・ホワイトですか、ホワイトホースとか、非常に名の知れておるブランドだけが高くて、ほかに安いスコッチウイスキーがあればこれは私は競争条件が生ずるように思うのですが、どうもあまり差がないように思うのですけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。
#101
○谷村政府委員 私も実はあまり詳しくはないのでございますけれども、スコッチウィスキーに関する限り、確かに御指摘のようなことがあると思います。しかし本来のスコッチウイスキーの中でも、何も、まあ個別に言ってはおかしいですけれども、ジョニーウオーカーの黒が一番いいはずじゃなくて、シーバースリーガルのほうが値段が安くて中身がいいのだとか、通の人はいろいろなことを言っておられますけれども、私は本来はウィスキーというものは何もそう、バーボンであろうが国産であろうが、いろいろなものを広く嗜好すればいいので、いまの場合、われわれが一私人としてスコッチウイスキーをどう考えておるかということりよも、大体において、ちょっとことばがおかしくなりますが、スコッチウィスキーというものは贈答用品として考えておる面が多いのじゃないかと思うのです。私どもが自分のポケットから金を出して買うときは飲むためには決して買わないはずでございまして、要するに日本人の贈答用品としてのみえがそこに相当あるのじゃないか。これはよけいなことに話がいきましたが、スコッチウイスキーはスコッチウイスキー全体としてイギリスのほうでむしろ値段を対外的にキープしようとしている動きといいますか、仕組みといいますか、そういうものがあるやに聞いております。
#102
○堀委員 私も実はあまりスコッチウイスキーに関心がないのです。いまおっしゃるように、自分で飲む人はいま国産のウイスキーで十分満足しておるわけです。確かにおっしゃるように、一つの商品券みたいなかっこうになっておる。スコッチウイスキーをもらったら、百貨店に持っていくとチェンジできる。またもらった側としてはチェンジできるから、あげるほうも商品券を贈るよりは少しよさそうだ。まことに日本的な慣習、そこを百貨店はたいへん巧みに利用して、そういうものを受け取る場所が特設されていて、そこへ持っていけばチェンジできるという、たいへんおかしなことになっております。ただ私は、さっきの総代理店方式という問題の中では、たまたまスコッチウイスキーというものがさっき公正取引委員長がお答えになったように、総代理店が幾つかあってもなおかつどうも競争がはたしてあるのかどうかという点の疑問が――実は私はいまスコッチウイスキーを例にとって申し上げているわけです。ですから結局委員長がおっしゃるように、物の値段を統制で押えることはできませんから、要するに公正な競争ができる条件をどうやってつくるかということが、私は物価問題の一番中心的な眼目だろうと思うのです。その場合には、しかし同時に量の問題というのがあると思うのです。そういう総代理店そのものをイギリス側でコントロールされて、全部がある一定量を確保してそれ以上に輸入をしないというようなことになるとするならば、これは私はやはり総代理店というものの持っておる一つの独占性といいますか、談合による独占性ということになりますが、そういう問題に関連がしてくるのじゃないかと思うのです。ですから総代理店の問題とあわせて通産省にもお伺いをしたいわけでありますけれども、輸出入組合その他現行法上すでにアメリカから日本の流通は通貨調整をやってもあるいは関税を引き下げてもなかなかそれが生きてこない仕組みがあるという指摘を受けているわけですが、大蔵省は一生懸命やって関税を下げる、関税を下げることはたいへんいいですが、国の財政面から見るならば、これは国民に対する減税になってもらわないと困ることですね、これは財政資金を減らすわけですから。ところがそれが実際に生きてこないような関税の引き下げをやっておるということでは、私はやはり国民に対して申し開きが立たないような気がするものですから、公正取引委員長からいまの輸入の総代理店の問題、それから通産省のほうからこれは企業局長のところかどうかよくわかりませんが、そういう流通関係の問題について、これからどういうふうな対策で関税の引き下げ、あるいは通貨の調整というものが途中である程度吸収されるのはやむを得ませんけれども、少なくも公正な競争を通じてある一定の価格形成に当たらせるということを、どういう考え方でやっていこうとしておられるかをちょっと承りたいと思います。
#103
○谷村政府委員 御指摘のありましたように、総代理店制度あるいは輸入のいろいろな仕組み、チャンネルを通じて、もしそこに公正な競争を制限するような何ものかがあるとするならばたいへん申しわけないことでありますので、この間の閣僚協での決定もありました線に従いまして、私どもといたしましてはその面における私どもとしての与えられた任務をこれからより強力に進めてまいりたい、かように考えております。
 もう一つ、海を越えた向こう側が何かをしているという問題になりますと、これはいわゆる管轄権の問題になってまいりますが、これもだんだんと国際的にそういった問題についての相互の話し合いをする場を持つようになっておりますので、それも漸進的ではございますが、進めてまいるつもりでおります。
#104
○本田政府委員 お答えいたします。
 確かに御指摘のように、関税引き下げの目的が消費者物価の引き下げにつながるというところがねらいであるわけでございます。われわれといたしましても、従来から生活関連物資等の関税引き下げにつとめてきたわけでございますし、これの効果を反映さすことにつきまして、輸入業者あるいは流通業者の団体に対しまして、これを消費者価格に反映するようにということを指導し通達を出しておる次第でございます。当省の所管の物資で昨年引き下げましたものにつきましては、自動車につきましては関税引き下げ分あるいはそれ以上のもの、あるいはカラーフィルム等につきましても相当な値下がりを見ております。その他の物資につきましては、たとえば家庭電気機器のようなものにつきましては、むしろ特殊規格のものだというようなことで価格の調査がなかなかむずかしいという事情がございますが、特に大きな品目としての乗用車あるいはカラーロールフィルムにつきましては、関税引き下げ効果が出てまいっておるというふうに考えておりますが、御指摘のような趣旨に沿いまして、今後もその効果が各品目について出るように指導してまいりたいというふうに考えております。
#105
○堀委員 実は時間がありませんから、大蔵省の資料をいただいて、一体関税を引き下げたあと輸入の状態がどういうふうになっているかということを見てみますと、大体引き下げたあと一回は、そのときは非常に輸入がたくさんふえるのですが、あとは大体横ばいになるか、逆に少し減るものが出てくる。結局これは何に関係があるかといえば、引き下げましたときはかなり大幅な引き下げもあるし、それを一ぺんに、いまの皆さんの指導もあるものだから、そのときはある程度それを価格に反映する。ところがもうその次の年、その次の年となると、一般の、さっきの人件費の上昇だ、やれ何だということで、それがさっと取り去られるものだから、そこでせっかくのカーブがまた横ばいになるか、大体下がりぎみになってくるというのが、大蔵省からいただいた資料でわかるわけです。これもある程度全体の物価が上昇することですからやむを得ませんけれども、関税の問題といったって知れているわけですね。さっきの自動車の場合もそうですが、一〇%まできてしまった。三〇%から二〇%へ、二〇%から一〇%へどんどん下げて、あとゼロ、ここでおしまいですね。だから結局問題は、どうもやはり流通問題をある程度整理をしなければ、アメリカが言うような問題になるのじゃないかという気が私は強くしているわけです。
 そこで企画庁の調整局長、入っておりますね。――実はことしの経済見通しですね。昭和四十七年には経常収支が四十七億ドル、それで貿易収支は七十一億五千万ドルの黒、輸出が二百五十四億ドル、輸入が百八十二億五千万ドルだった、こういうことのようでありますね。これを見ますと、昭和四十六年の当初が実は非常に似たかっこうになっているわけです。昭和四十六年の当初は経常収支を二十一億五千万ドルに見込みましたけれども、結果としてこれは四十六年の実績見込みが五十五億ドルになっておる。そして貿易収支は当初四十六億五千万ドルを予想しておったところが、これは七十五億ドルになった。輸出は二百二十八億ドルを当初見通したが、これが二百三十四億ドルでありますから、輸出はかなり正確な見通しであったと思うのでありますが、輸入が百八十一億五千万ドルと見たのが百五十八億五千万ドル、これはちょうど四十五年の実績とほぼ横ばいというかっこうになってきた。私はこの資料をずっと見ながら、一体この四十七年の見通しというものの中で輸出の二百五十四億ドル、あまり望ましくないけれども、いまの状態からするとこのくらいはいくのだろうと思うのです。
 輸出のほうはまた、本来私は、今度の新円対策か何かの中で輸出税という話が出ておるのですが、日本の輸出のやり方は考えなければいけませんね。――農林省はありますからちょっと待ってください。輸出はあまり制限しないで、やはり輸入をいかにして拡大するかというのが、私は今後の日本の経済政策の最も中心的な課題として据えなければならぬのじゃないか。ここで百八十二億ドルの輸入と見通しておるのが、またもや四十五年、四十六年と同じく百六十億ドルくらいになると仮定をしましょうか。百六十億ドルになると仮定をすれば、この貿易収支というのはここで二十二億ドル変わってきますから、貿易収支は九十三億ドルの黒、こういうことになるわけですね。この九十三億ドルの黒というのは、はっきり言いますと、どこかが赤字になるということですね。そうなるとこれは非常にたいへんなことなんで、ここでやはり考えなければならぬ問題というのは、どうやったら輸入がふえるのかという問題だろうと思うのです。
 そこで、農林政務次官においでいただいておりますのは、私がここで申しますことは、わが党の中でも農村関係の議員の皆さんからは異論があろうかと思うのすけれども、これまでの農産物輸入問題というのが生産品との関係でリンクしているといいますか、この形を続けておる限り私はなかなか農産物の輸入というものは実はむずかしいのじゃないかと思うのですね。私、数年前にイギリスに参りましたときに、イギリスのスーパーマーケットで価格を見てみますと、日本の商品に比べて野菜で非常に高いものと安いものとがあるのですね。どうしてこんな高いものがあるのかと思って聞いてみると、それは英国産です、こういうのです。安いのは、全部スペインやアフリカ産。そこから入っているものはみんな安い、それはイギリスでできないものですから、こういうのです。私はそれを見ながら、国内でたくさん農業物資ができるということは、ある意味では先進国になったときにはたいへんに大きな負担になるものだなという感じが実はしたのでありますけれども。しかし逆な面でいえば、国内でできることはいいことですが、価格面ではそいう問題が起こるなあと思ったのですけれども、今後農林省として、輸入問題についてこれまでの農林省の感触をわれわれ見ておりますと、できるだけ輸入をふやしたくないというかまえだったように思うのですね。しかし私は、いまの輸入物資というのは農林物資とそれから通産所管の物資だけなんですから、どうしてももう少し食料品を含めたそうした農業商品の輸入ということも考えないことには輸入の全体を伸ばしていくことはできないのじゃないか、こう思うのですが、農林政務次官、その点のお考えはどうでしょうか。
#106
○伊藤(宗)政府委員 ただいま堀委員御自身のおことばにもありましたように、なかなかこの問題は与野党とも微妙な問題でございまして、明確なことでなかなか打ち出しにくいと思いますけれども、これまた堀委員のおことばにもございましたように、われわれ基本的には農産物の自由化はできるだけ避けるという、ある意味においては至上命題のつもりでやっておりますけれども、御指摘の点もございますし、もう少しわれわれとしても国内の自給度を高める、各作物ごとの目標といいますか、計画を立てまして、これはもうむしろ外国から買ったほうがいいというようなものがつかめればそういう方向にも進まなければならぬ。特に今回農林省が従来の古い意味での生産者だけの役所という体質をみずから改善をいたしまして、食品流通局というものを新設をし、百年近い農林省の歴史にある意味でのピリオドを打ったわけでございますから、そういう転機でもございますので、御指摘の点についても国内自給度の高められるものと、とうていそういうものはむずかしいものとの品目別のデータを極力急いでまとめまして、できますならばそういうものについては自由化ということで進まなければならぬというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
#107
○堀委員 輸入をふやすための手だてというのはそんなにないのですね。一つは自由化ですね、一つは関税ですね、一つは非関税障壁、それからいまの流通、私は輸入をふやそうと思えばこの四つ以外には何も打つ手がないと思うのです。この中でわりかしやっているのはいま審議している関税を下げるというのがどうも私は一番よくやっているのじゃないかと思うのです。やっていないのは、自由化もやっておりますけれども、かなり残存品目が残っておるし、それからもう一つは、いまの非関税障壁の問題がかなり実は問題になっていると思いますね。
 時間がありませんからあれですが、ひとつ関税局長のほうで、御承知のようにいまガットで非関税障壁問題は論議がされておると思うのですが、外国が日本のNTBだというふうに見ておる主要な項目をちょっと答えてください。
#108
○赤羽政府委員 わが国の非関税障壁といたしまして諸外国がガットに通報をいたしておりますものはどんなものがあるか、一応項目を御紹介申し上げます。
 海外市場開拓準備金、それから輸出割り増し償却。これは今回やめるという法案をお願いしておるわけでございます。それから政府調達。外国の企業を指名競争入札によりまして入れないという政府調達。それから外国企業の支店活動の制限。これは外為法に基づいていろいろなことをいっておるかと思います。それから国家貿易品目でございます塩とかアルコール。これはガットで国家貿易品目は一定の条件のもとにおいて認められておるわけでございますが、おそらく意味は塩とかアルコールをそもそも専売にするのがおかしい、そんな議論ではないかと思います。それから輸入承認制でございます。輸入承認制、特にAIQ、これは今回の日米交渉でもいろいろと問題になったわけでございますが、これはことしの二月一日、全品目撤廃をいたしました。それから残存輸入制限品目のごとく最も代表的で最も典型的で最も障害がございますのがいわゆる輸入制限であります。これがいわゆる残存輸入制限ということで、これはむしろトップにあげるべきではなかったかと思いますが、これが現在四十品目ございますが、今回御審議をいただきます法律案が通りますれば三十三品目に相なります。そんなことに相なるわけでございます。それから輸入のワク。これは国内のいろいろな圧力団体でございますとかスペキュレーションの問題がございまして、ワクは公表をいたしておりません。非常に大づかみでやっておるのでございますが、何が幾ら入っているかということはわからないわけでございます。これはなぜ発表せぬかということでございます。それからあと、金の装飾の輸入制限というようなのもあがっております。それから輸入担保金もかつてあがっておったわけでございますが、これはすでにおととし徴収をいたさないことに相なりました。それからさらに国内税に手が及んでくるわけでございますが、乗用自動車の物品税というものも一応通報された中に入っております。それからさらに輸入の標準決済でありまして、決済手続が制限的ではないか。かような項目がおもなものでございます。
#109
○堀委員 いまの件については、大蔵大臣、昨日予算委員会で海外市場開拓備準金制度はひとつ洗い直して再検討する、こうおっしゃったわけですが、それはやめるという方向で、ということでしょうね。
#110
○水田国務大臣 きのう申し上げましたようにまだ輸出の動向というものも少したたないとはっきりしてまいりませんので、そのために、輸出振興税制というものは今度整理することにいたしましたが、その際、いまの問題だけは次の検討事項にするということで今回手を触れなかったといういきさつでございますので、必ずしもいまこれは全部全廃するということを前提として残したというわけではございません。
#111
○堀委員 いや、私が伺っているのは、洗い直して検討するという意味にお答えになったと新聞で承知しておるわけですが、そうするとそれはやめる方向で検討するのでしょう。要するに残すほうでというなら、検討は必要ないわけですね。
#112
○水田国務大臣 一応やめる方向ですが、これを必ずやめるというふうに結論づけて残したわけではありません。
#113
○堀委員 中村国家公安委員長が入っていただきましたので、ちょっと問題の角度を変えた論議を先にさしていただいて、あとで残余の時間、また関税プロパーの問題をやらしていただくようにいたしたいと思います。
 実は関税定率法第二十一条に関する問題でありますが、昨日も同僚の佐藤議員がこの問題の論議をいたしておるようであります。私も大蔵委員会にまいりましてすでに十二年くらいになりますけれども、かつて何回かこの問題を取り上げたことがありますが、きょうはその関税定率法が違憲であるかどうかというような基本論ではなくて、きわめて具体的な問題をひとつ取り上げたいと思うのであります。
 現在関税定率法二十一条一項の三号に「公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品」という規定が輸入禁制品という項目で出されておるわけであります。さらに「税関長は、関税法第六章に定めるところに従い輸入されようとする貨物のうちに第一項第三号に掲げる貨物に該当すると認めるのに相当の理由がある貨物があるときは、当該貨物を輸入しようとする者に対し、その旨を通知しなければならない。」こういう規定があり、この通知に異議のある者は輸入映画等審議会に申し出ることができる、こういう仕組みになっておる。
 そこで、実は最近札幌で冬期オリンピックが開かれて多数の外国選手が参加をした。たまたま札幌でアメリカで発行されておる「プレイボーイ」という雑誌をこれらの外国選手も購入をしたようでありますが、その購入をした結果たいへん奇妙きてれつな問題がその中にあるということが外国選手から指摘をされて、それを新聞報道で私どもも承知をしたわけであります。その中身をまずそちらへ見ていただきながら議論したほうがいいと思いますので、まず本物をちょっと持ってきましたから、両大臣よくごらんになりながら……。これが消してあるほうですね。これが消してないものですね。これはナンバーワンです。よく見ておいてください。その次はナンバーツー、これが消してあるほうでこっちが消してないほうです。ナンバースリー、これが消してあるほうでこれが消してないほう。一体こんなものよく見えないぐらいのものだけれども……。その次は全体のやつですね。これがそのままのほうでこれが消してあるほうですね。ここが消してある。これをよく見てください。何もないみたいだけれども消してあるわけですね。これは外国人がおかしなことをするなと思うはずだと思うのです。これは一体こういうことをしなければならぬに値するかどうかは私も疑問に思っておるわけですが、その次はこれですね。まあ主たるものはこんなものですが、これは例示をしたわけです。これはことしの一月号の「プレイボーイ」で、いかに税関で消したかということをここで例証したわけですが、絵画の場合には、これはいずれも「週刊新潮」でありますけれども、これは杉山寧さんという有名な画家がかかれた「生」という表題のものです。これは石本正さんですか、これも日本画の方ですけれども、絵画ならこれは全然制限なしです。
 いろいろごらんをいただいたことで、私が何を取り上げようとしているかというと、要するに性器のそばにある性毛といいますか、これの取り扱いの問題をひとつきょうは、関税定率法二十一条の風俗を害するということに該当するかどうかということを、実は取り上げたいと思います。
 過般警視庁は、日活に対して手入れをされて、いまこの問題が進行中だと思うのですが、私はきょう取り上げておる問題を、報道の面でポルノといわれておる一連のものとして取り上げてほしくないわけです。いま私がここで取り上げておるのは、常識的な判断に基づいて、良識ある国民が見た場合に、そのことによって風俗を害するおそれがない範囲で、あるものは私はそれなりの相当の処置をとってもいいのではないか、こういう気がしておるわけであります。私、二日間実は沖繩にこの調査に参っておりまして、沖繩での実情をちょっと御報告いたしますと、沖繩では実はこのような処置はとられておりません。何もされないままでこれらの雑誌は販売がされておりますけれども、わいせつ物に関する取り締まりはたいへんきびしくやっておるようでありまして、昨日の朝刊でありますか、それには那覇市でアメリカ人がそういう写真やその他を販売するのを逮捕をして、家宅挿索をしておる写真まで出ておるわけでありますから、私は沖繩における取り扱いというものは非常にはっきりした一つの線で処理がされておると思うのでありますけれども、私は今日の段階においていまのような処置をして、そんなところにわざわざ墨を塗ることがはたして風俗を害することを防ぐことになるかどうかという点に、大きな実は疑問を持っておるわけであります。
 私がいま申し上げたいことは、しかしたとえば性器を特に誇示し、このことによって特定の何らかの目的をもって読者たちに影響を与えようというようなものについてまで、それを認めなさいということを言っておるわけではありません。いまそこでごらんをいただいた写真は、いずれもきわめて自然な写真であって、そういう特定の意図をもってとられておる写真とは私は理解をしておりませんし、そのことは絵画における状態と同じだと実は理解をしておるわけです。ですから私がいま申し上げたような、一般の絵画や写真として、全体として一つの姿をあらわしておるものについては、特にそこに性毛があるからそれを消すというような、関税定率法二十一条による取り扱いは今後やめたらどうか、こう実は考えておるわけであります。ただし、さっき申し上げたように、その部分だけを特に誇張しあるいはその部分だけに注意を引くような取り扱いによって読者に特定の影響を与えようとするものについては、それは取り除くべきであろう、こう考えておるわけでありますが、まずこの問題は国内の問題にも関連がございますので、最初にひとつ国家公安委員長の御見解を承りたいと思います。
#114
○中村国務大臣 ただいまこの雑誌を見せてもらったのでございますが、私は、絵画等の場合は消してない、これはやはり芸術性の高い、見るほうの目で、感じがやはり芸術品であるという感じを持って見るか、あるいはわいせつ的なねらいを持ったものであるという考えで見るかということによって、おのずから多少違うと思いますし、それからこれは私はやはり見るほうの人ですね。おとなが見る場合、こういうものを常時見なれておるといいますか、特に堀先生のようにお医者さんは、人間のからだをいつも見ていらっしゃるから、われわれと多少違うかもしれぬが、そのやはり見るほうの目がどう見るかというところに配慮の必要があるのではないか。おとなが見てはたいしたことはないが、そういうものを見なれない子供が見た場合に、どういう刺激を与えるかというようなこがやはり標準をきめる基準になりはせぬか。これは常識的に考えるのですが、私はそういう基準というものが原則としてあると同時に、やはり一つの社会的な気風といいますかそういうものが変わってくれば、それを見たことによって受ける刺激というものもおのずから変わってくるのじゃないか。おとなが見てはさほどじゃない、子供が見るとかなりのショックを受けるというような場合でも、やはり一つの気風というものが影響することがあると思いますが、そこの、芸術性の高いものと見るか、これはわいせつな雰囲気をかもし出すというようなことで規制するかという、そこがなかなかむずかしいところであろうと思いますが、やはりこれはケース・バイ・ケースといいますか、いま堀先生から見せられた雑誌を見ましても、それほど、これぐらいはと思うのもあるし消しておいたほうがいいじゃないかと思うものもあるようでございますから、非常にむずかしい判断のところでございますが、大体いままでの日本の取り締まりの姿というものはかなりきびしい形で日本人の性道徳といいますかそういうものを規制してきたと思いますが、社会情勢等と考え合わせながらケース・バイ・ケースで善処していくという以外ないじゃないかと思いますが、大体の取り締まりの方向としてはそう昔のようにきびしく考えなくてもいいのではないか。とりとめのつかぬような答えでございますけれども、結局そういうこと以外に答えようがないようでございます。
#115
○堀委員 いま中村公安委員長こういうふうにおっしゃったですね。子供が見る場合、こういうお話をしておられるわけですね。子供だっておとなを見ずに生活できないのですよ。いま広瀬さんの言うようにおふくろとふろへ入るわけです。子供だけで生活しているのは世界じゅうないでしょう。ですから、おとなのからだがどうなっているかということはみな知っているわけですね。みな知っているにもかかわらずそこへ墨を塗らなければいかぬということが私実は問題があると言っているわけです。関税定率法二十一条は風俗を害する、こう書いてあるのですよ。さっきおっしゃったけれども、私がいまそこにお目にかけたのを公安委員長はわいせつな写真であるという判断をなさいましたか。私はその写真を見てわいせつであると感じるのは少なくとも正常でないと思うのです。さっき私そこらで自民党の議員の皆さんやわが党の諸君といろいろ少し事前に話をいたしました。皆さんの御意見は、こんなもの、たいへんきれいな写真ならそこだけを誇示しようということになっていないから問題ないなということで、いまもうすでにこの委員会の席における一般常識になっておる。社会通念は実はそこまできているわけです。
 この問題、私はいろいろテレビやなんか見ながらこういう感じがしているのですが、いまの若い女性が入浴するときにはこんなところ全然隠さないのですね。隠すのは三十五、六歳、要するに戦前の教育を受けた女性は依然としてタオルかなんかで隠して入るのですね。要するに社会通念というものがいま若い人の間では非常に変わりつつあるわけですね。それは私はたいへんいいことだと思っているわけです。要するにそういう発想ですね、それはもういまの社会の中ではやや高年齢層のほうに移動しつつあって、若い人はそんなことは気にしていないのですよ。子供に至っては問題ないと思っているのです。
 ですから私はここで申し上げたいことは、取り締まりの問題から見ましても、一つの原則をはっきりさしておかないと、三分の一ぐらい見えるのはよろしいとか、横から見えるのはいいけれどもまともじゃいけないなんというのは、これはナンセンスですよ。人間のからだについておる、からだそのものを自然に見せるかどうかというだけのことになっているのです。私はいまさっきそこで日本の絵をお見せしましたけれども、芸術性という問題でお見せしたわけじゃないのです。「週刊新潮」に出ている絵というのは芸術性ということはもちろんありますけれども、一般の大衆は子供を含めて見ているわけです。そして何の疑念もなくそれは通過しておる、通っておるわけです。それが非常に何かカリカチュアのような形で絵がかかれているかというとそうではなくて、いまの杉山さんの絵にしても石本さんの絵にしても、写真と同じように精緻に実は絵はかかれておるわけですね。それを片一方で認めていて、写真はいけない。私はそうではないんじゃないか。前段で私が触れたように、ある一つの特定の目的をもって性的な印象を与えようとするようなものについては私は除外をしなさいとはっきり言っておるわけです。そうではなくて、自然な姿でそこに人間のからだが写されておると理解をされる範囲においては、性毛があるからそこを黒くしなければならぬなどというものは今日の日本における常識の段階でも、世界における常識の段階でも、もうそこまでは私は取り扱いを進めていいのではないか、こう考えておるわけです。大蔵大臣、いかがでございましょうか。
#116
○水田国務大臣 私は絵画なり写真なりその作品の制作意図の問題がやはり重要な要素をなすのではないかと思います。たとえば写真で女性の肉体美を表現するというための写真であるということでありますなら、これは不自然なことをしたらもう芸術性というものをほんとうに損傷してしまいますし、これはむしろ醜悪になってしまって、それならもう写真の全体の価値をなくしてしまうことですからこれは問題でございますし、絵画においても、私はどうもそういわれると困るのですが、日本画でいろいろなものを鑑賞することに趣味を持っておるものでございますが、制作意図がいいものであったら、大家のかいたものは決してたとえば誇張された絵を見てもわいせつ感というものは与えないというようなことで、これはやはり制作意図に私はよるのじゃないかと思います。少なくとも芸術品をつくる意図でできたものであったら、これは不自然なことをして芸術性を損するというようなことはやるべきじゃない、こういうふうに考えます。
#117
○堀委員 たいへんはっきりした答弁をいただいたのですが、芸術性という表現は非常にまたむずかしいわけですね。そこで、いま大臣お答えになったように、りっぱな方のかかれた絵は多少そこは誇張されておってもわいせつな感じは受けない、こうおっしゃったですね。いま私がそこでお目にかけた「プレイボーイ」の写真というのは、私はたいへんきれいにとられておる写真だと思っております。決してわいせつ感を与えることを目的にとられた写真だと私は思わないわけです。大臣はどのようにお受けとめになりましたでしょうか。いまの写真です。
#118
○水田国務大臣 いまの写真は大体そのように思います。
#119
○堀委員 その点は私と大臣と意見は一致をいたしました。ですから大臣、ひとつあなたのおっしゃるように、私もさっきも申し上げていることはそこにあるわけですから、ある一つの特定の目的をもって非常にそういう性的な何かを描くというものまでも私は認めなさいという気持ちは毛頭ありません。これはいまの限界ではある意味ではきびしく処置をしてもらってけっこうですけれども、少なくともいまそこに私が提示をしました範囲のものについては、それは要するに性毛の量が多いとか少ないとか、角度がどうだとかこうだとかいうことではなくて、いまおっしゃったような全体としてそれが自然な姿として少なくともそれを見る者が決して不快な感じを受けない、ある特定の感じを受けないという範囲のものは、私は今後そういう取り扱いをやめたらどうか、こう考えるわけですが、大蔵大臣、これはまず関税定率法の問題ですから、関税定率法二十一条の取り扱いについて大臣の御答弁をいただきたいと思います。
#120
○水田国務大臣 これはせっかくのことでございますので、関係省庁と十分連絡して検討したいと思います。
#121
○堀委員 おっしゃるように関係省庁ありますが、国家公安委員長、これは一番関係省庁の中で重要なのは実はおたくなんですよ。いま私、水田大蔵大臣にいまの写真についてわいせつ感があるとお思いになるかと言ったら、ないとお答えになりましたね。公安委員長もおそらくいまの私がお目にかけた写真の範囲ならわいせつな感じをお受けになっていないと思うのですが、その点ちょっとはっきりしていただきたいと思います。
#122
○中村国務大臣 いま見たのは大体にわいせつ感を感じるというようなことはないようですな。私もこの程度のものなら、これはまあ塗ったんだって塗らぬだってたいして変わりはないのじゃないかと思いますが、ただ取り締まりをやろうとしますと、なかなかそこの線の引き方がむずかしゅうございますので、やはり、露骨に出しておってもどうということはないようなものですけれども、やはりお互いに日常慎んでおるようなもので、そういう点がありますから、そこはひとつ良識を働かせまして、できるだけわいせつなものは厳重に取り締まりたい。そうでないものは寛大な方向で一その生命がなくなりますからね。堀先生のおっしゃるのもそうだろうと思うのです。これは一つの芸術的な写真をとったのだと思いますが、それがペンキのようなもので塗られることによって全体が死んでしまう。そういうこととのにらみ合わせを考えながらやはり処理していくべきじゃないか、かように考えております。
#123
○堀委員 もう大体両大臣の御見解は私了解をいたします。どうかひとつ、いまここで論議をいたしましたことは、私は決して一般にいわれておるようなポルノを奨励しようなんという気は毛頭ございません。ただ少なくとも現在そこで行なわれていることは適切でないという判断をし、そのことについては、私の意見について両大臣大体御了解をいただきましたので、基準その他のこまかい問題はこれからひとつ警察庁、法務省及び大蔵省で十分詰めていただきたいと思いますが、一つお願いをしておきたいのは、要するに、問題はいま大蔵大臣おっしゃったようにその意図ですね。意図のところでは整理をしていただいていいですけれども、量が多いとか少ないとか、その画面の中に――これは個人差がありますから、どうしたって。だからたまたま写っている人が多少多いからこれはいかぬのだ、少ないならいいんだということになりますと、今度は取り締まる官僚の末端では一体どういう計量でいいかということになりますので、そういうような取り扱いはやめてもらいたいと思うのです。要するにはっきりした意図ですね。それから、それからそういうわいせつな感じを受けるとか、はっきりした何らかの基準でやっておいていただかないと、この問題は末端において混乱を起こすおそれもありますので、どうかひとつ、私が申し上げている趣旨は両大臣とも御理解をいただいておることだと思いますので、この際特に、まあ今度の札幌オリンピック等から、私も気がついて一ぺん見たら、これはそれほどのことでないのにどうしてかなあという感じがしますので本日取り上げたわけでありますので、ひとつそういう意味で関係省庁ですみやかに協議をして取り扱いをきめていただきたいのです。
 私の方針というのはいつも期限を切りたいという方針なものですから、きょうは三月十日でありますが、どうでしょう大蔵大臣、今月一ぱいくらいに結論を出して、四月一日の新年度からは新たな方針に基づいて、少なくとも外国人から日本というのは変な国だなといわれない程度のことが行なわれるような処置がとれるかどうか、いかがでございましょう。
#124
○中村国務大臣 予算等の関係でいろいろ忙しいと思いますので、一カ月ぐらいどうということもないと思いますから、四月一ぱいくらいでひとつ結論を出すように善処させたいと思います。
#125
○堀委員 どうかひとつそれでは四月一ぱいに結論が出るように前向きに御検討いただいて、あまりに人為的な処置がすみやかに解除されますようにひとつ要望を申し上げておきます。
 国家公安委員長ありがとうございました。公正取引委員長けっこうでございますからどうぞ。
 大蔵大臣に、実はこの間の外貨減らしに対する円対策八項目というのが新聞報道で伝えられておりまして、通産省は第二外為会計の創設というような新聞記事が出ておるわけであります。これを読んでみますと、外為会計というのは本来短期資金のためにあるのであって、長期資金関係の問題については第二外為会計を創設したらどうだというのが、これはどうも通産省側の提案のようでありますが、大蔵大臣いかがでございますか。
#126
○水田国務大臣 いまのお話は別に私は聞いておりません、そういう構想は。
#127
○堀委員 そうすると、これは新聞で伝えられたことだと思うのですが、企業局長も、これはあなたの所管じゃないからあれですが、通産省としてはそういうことはまだ聞いておられませんか。
#128
○本田政府委員 公式の案としては聞いておりませんが、考え方からいたしますと、外貨貸しの制度をやるためにはそういう制度が必要ではないか、こういうことではないかと存じます。
#129
○堀委員 そうすると、いまのお話は長期の外貨貸しということだろうと思いますが、それについては大蔵省は何か――これから、確かに百六十五億ドルもあれば底だまりの部分の五、六十億ドルというのは何も手をつける必要はしばらくない。ある程度長期にも考えてもいいんじゃないかということは私も常識で理解ができるわけですが、いまの外為特会ではそういう長期の問題の処理はできないでしょうか。ちょっと事務的ですから局長のほうで……。
#130
○稲村(光)政府委員 御指摘のとおり現行の外国為替資金特別会計法におきましては、そういことは法律上無理であると思います。
#131
○堀委員 そうすると、これからそういう長期のものをやろうとするときに、これは何も第二外為をつくらなくとも、いまの外為会計法をさわればいまのあの会計でやっても差しつかえはないんじゃないですか。また別に第二外為特会というようなものをつくる必要がありますか。その点どうでしょうか。
#132
○稲村(光)政府委員 法律上の問題といたしましては、御指摘のように外国為替資金特別会計法を改正をしていただきますればそういう方向のことも法律上可能になるようなことはできると存じます。同時にいわば実体面の問題がございます。つまり現在保有しております外貨は、これは民間から円を対価として買ったものでございますので、それを円の対価なしに外貨そのもので貸すということが適当かいなかという基本的な問題がございます。その点は別といたしまして、形式的にはおっしゃるとおりであると存じます。
#133
○堀委員 まあ私、外貨がふえてくるから減らさなければいかぬというお話わかりますけれども、どうも私、小手先でこの外貨対策をやるというのは筋違いじゃないかという気がしてしかたがないんですね。さっきもう大蔵大臣がお入りになってからちょっと触れておるわけですけれども、当面やはり輸出をある程度日本が伸ばしていくというのは、これはいまのような日本の置かれておる環境ではどうしても必要だと思うのですが、あわせて輸入をどうやってふやすかということを考えることが私はこの問題の一番の根幹になるのじゃないか、そう思いますが、大蔵大臣どうでしょうか。
#134
○水田国務大臣 そのとおりだと思います。
#135
○堀委員 ですからあんまりあわてふためいていろいろなことをやらないでもう少し、私はさっきも公取委員長なり通産省なりに申し上げておるわけですけれども、まずやはり流通の機構をきちんとし、あるいは非関税障壁の取り除くべきものを取り除く。さっき国家公安委員長がお入りになったからちょっと中断したわけでありますけれども、外国企業の支店活動の制限なんというものは、私はもう当然やめていいものじゃないかと思うのですけれども、大蔵大臣、いかがでございますか。
#136
○稲村(光)政府委員 外国の会社の在日支店の活動に関しましては、これは通産省との関係もございますが、緊密に連絡をとりつつ現在におきましては非常に弾力的と申しますか自由の方向でやっております。
#137
○堀委員 あなたのほうではやっておるつもりかもしれないけれども、要するによそから見るとNTBだといわれているわけでしょう。ですから私はこんなのはもっと、不公正な行動をされては困りますけれども、少なくとも公正な営業活動をする範囲においては外国の支店の活動なんか認めていいんじゃないか。さらにこれは国金に関係があるんだけれども、輸入の標準決済の問題ですね。これなんかも検討していいことじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
#138
○稲村(光)政府委員 輸入の標準決済の関係でNTBとして指摘されておりますのは、標準決済が四カ月ということでそれをもっと延ばすべきではないかということであろうと存じます。この点については、標準決済規則そのものの性格からいたしまして、標準的な決済方法をきめてあるという問題でありまして、これ自身実際の商取引がものによりまして、四カ月以上のものがむしろ普通であるというものにつきましては当然認めていいものであると存じます。ただ一般的に標準決済期間である四カ月を延ばすということになりますと、現在の状況におきましては、それだけ短資の流入がふえるという関係になりまして、全体としての外貨流入の道がまたふえるということになりますので、その点をあわせて考えませんと、現在の状況におきましては問題があるということであると存じます。
#139
○堀委員 私、何も全部撤廃しろと言っているんじゃないのです。要するに輸入を拡大するという、向こう側が輸出をやりやすくしようということに障害になっておる、こう言っておるわけです。だから彼らは決して短資をほうり込むために障害があるといっているのじゃないと私は思っているのです。ですから、向こう側から輸出を制限する役割りを果たしておると見られておる点についてはこの際すみやかに改善すべきことは当然だと私は思うのですが、どうでしょうか。
#140
○稲村(光)政府委員 その点につきましては、御指摘のとおりであろうと存じます。
#141
○堀委員 さっき聞いておりまして、輸入承認制の問題というのは二月で全部なくなるように答弁があったのですが、輸入承認制というのは全部なくなるのでしょうか。
#142
○赤羽政府委員 AIQにかかっております品目がいま全部なくなっておりますが、制度それ自体はまだ残っておるというぐあいに了解いたしております。
#143
○堀委員 そうすると、制度は残っていても実害はない、こういうふうにもう認識していいのでしょうか。
#144
○赤羽政府委員 私からお答えすべきかどうか問題がちょっとなにでございますけれども、とにかくそういう品目がないわけでございます。これはゼロにひとしい、かように考えております。
#145
○堀委員 実は伺った範囲では、そうすると日本はあまりNTBはなさそうな感じがするのですが、数量割り当てだとかいろいろな関係で現実にはやはり輸入がもう一つふえていないような感じがするのですね。さっきマクロでここで申し上げたように、昭和四十六年に当初百八十一億ドルを輸入しようと思っておったら実績は百五十八億ドルということで、これは二十三億ドルぐらい差があるわけですね。今度もまた、四十七年の見通しで百八十二億ドルと見込んでおるけれども、いまの経済情勢の推移では、さっき私がちょっと触れたように百六十億ドル台が精一ぱいではなかろうか。こういうことになるのを防がなければ、輸出はもう、いまの経済情勢ですからどうしても伸びるでしょうし、私はこの点問題が非常に残されておると思うのですね。だから、これは通産省も関係がある部面がありますし、農林省もこれらについて関係のある部面があると思いますので、どうかひとつ今後の問題で、特にアメリカでありますけれども、日本が非関税障壁では依然として門戸をふさいでおるといわれないように、できるだけ各省連絡をとって、この非関税障壁の撤廃については果敢な行動をとってもらいたい、こう思うのですが、ひとついかがでしょうか、大蔵大臣から先にお答えいただきたいと思います。
#146
○水田国務大臣 輸入をふやすためには、いまあらゆる方法をとりたいと思います。特に、一つの方向としては、他国との話し合いで資源の開発をしてもらっておきながら国内の需要がないというために約束の数量を引き取らないというようなことがございますが、これはまた、再び好況に向かったというようなときに、この資源の獲得ということについて非常に故障を起こす問題でもあろうと思いますので、できるだけそういう過去の約束に基づいた輸入は国内でいろいろなくふうをしても引き取るというようなことも今後考えてみたいと、いま検討しておるところであります。
#147
○伊藤(宗)政府委員 現在農水産物の分野でも、輸入制限を行なっておりますが、御指摘の、またいわゆるIQ物資につきましては、国内の需給動向にも即して、生産者のみならず消費者の立場をも十分念頭に置いて弾力的に輸入割り当てを行なってまいりたいと思います。
#148
○本田政府委員 通産省といたしましても、輸入の推進ということにつきましては積極的に考えるという姿勢で、各種制度を検討し整理してまいる方針であります。
#149
○堀委員 私はいまNTBに関連するところを特に申し上げておりますので、その点を十分配慮していただきたいと思います。
 あと十分ほどでございますが、二つだけちょっと触れておきたいと思います。この間の閣僚協議会で、外国たばこの値段を下げるということをおきめになったというふうに新聞で承知をしておるわけでありますが、一体これは幾ら下げることにきめたのか、まだ下げたいという程度のことなのか、ちょっと専売監理官のほうから答弁をしていただきたいと思います。
#150
○福間政府委員 この前の物価対策閣僚協議会におきましては、外国製造たばこについては、公社購入原価の動向、利益率等を勘案して小売定価につき検討を行なうということをきめたわけでございます。まだ現在の時点におきましては、下げるかどうか、幾ら下げるか、そこまでのところまでに至っておりません。
#151
○堀委員 羊頭を掲げて狗肉を売るという経済閣僚協議会になっては困ると思うのですね。水田さん、よろしいですか。これは下げるという話で議題にしたのじゃないですか。どうですか。要するに、据え置くという話なら議題になるはずはないですね。下げるということで経済閣僚協議会がきめたのかどうか、ちょっと正確に答弁してもらいたい。
#152
○水田国務大臣 政府が関係している物資からまずこの値下がり分を下げるということをやって一般の民間の指導をしたいということから集まった協議会でございますから、大体そういう方向で検討するということでございます。
#153
○堀委員 さっきの専売監理官の答弁じゃ、それはちょっと事実と違いますね。要するに、閣僚協議会は、下げるという方向で取り上げたのでしょう。下げるかどうかはわからない、こう言っているのですね、専売監理官。大蔵大臣がそう言っておるのに、大蔵省の事務当局はわからぬというのは、これはどういうことでしょうか。これはあなた、閣僚協議会できまったら下げさせるべきじゃないですか。ちょっとそこをはっきりしてください。
#154
○水田国務大臣 会議できまった項目の書き方では、いま専売監理官が言ったような書き方になっておると思います。しかしそれは当時幾らに下げるとかどうするというものがきまったのではないから、そういう書き方をしているのですが、実際的には下げる方向で検討をしようということでございます。
#155
○堀委員 これもちょっと時間をお聞きいたしますが、いつになったら結論が出ますか。こういうのはさめたら早くやらないと、国民はもう佐藤政府というのは何かきめてもちっともやらぬという信用に関係しますから、特に水田大蔵大臣に関係がありますから、一体いつ結論を出すのか、タイムリミットを御答弁願いたい。
#156
○福間政府委員 ただいま専売公社のほうで下期の輸入価格の交渉を外国のサプライアーとの間でやっていると承知しております。その成り行きを見ました上でどうするかをきめたいと思います。
#157
○堀委員 期限は。
#158
○福間政府委員 恐縮でございますが、現在の段階では、この場で正確にいつやるということをちょっと申し上げかねますことを御了承いただきたいと思います。
#159
○堀委員 あなたはあまり大蔵委員会に出たことがないから、私の質問にそういう答弁をしているけれども、ここではだめなんです。一つずつ答えてください。要するに一年かかるのですか。
#160
○福間政府委員 一年かかることは絶対にないと思います。
#161
○堀委員 六カ月かかりますか。
#162
○福間政府委員 六カ月も時間をかけなくちゃならぬ問題だとは思っておりません。
#163
○堀委員 三カ月以内でやれますね。
#164
○福間政府委員 私どもはそういうつもりで事務を進めたいと思っております。
#165
○堀委員 私はいつもものごとはきちんとしなければ性に合わぬものですから、期限を切るということは私の大蔵委員会の長い方針なんです。それは無理を言うわけではない。いつも私はそう言っておるのですが、時間が要るなら要ると言いなさい。しかし、その時間の中ではきちんとやるということにしてもらわなければ困るということです。
 ですから、いまああいう答弁がありましたから、大臣、ひとつ三カ月以内にはっきりしてください。いいですね。
#166
○水田国務大臣 私自身はもう少し早くやりたいと思います。
#167
○堀委員 たいへんけっこうです。
 最後に、実はこの間大蔵大臣は予算委員会で、沖繩の通貨交換に関して、五月十五日までになるべくすみやかにやりたいという答弁をなさったように承知をしておりますが、正確にはどういう答弁をなさったのでしょうか。
#168
○水田国務大臣 沖繩の通貨の切りかえは復帰前にしたいという県民の要望でございますので、その線に沿うための検討をサンクレメンテで米国側に要請して、向こうが承知したということでございますので、この二月の中旬に担当官にワシントンへ行ってもらいまして、この相談を始めました。いまのところむずかしい技術的な問題がたくさん出てはおりますが、これはさらに両方で検討を継続しようということで帰ってまいりまして、引き続き検討しておりますので、結論はそのうち出ると思います。
#169
○堀委員 実は私は七日から九日まで沖繩に行って、向こう側における受け入れの問題を行政府の関係者、金融検査庁ですか、その他の関係者といろいろ協議をしてまいりましたけれども、国際金融局長、あなた方のほうの一つの心配というのは短資の問題があると思いますね。もう一つ、理財局長のほうは通貨輸送その他現実の問題でいろいろあると思うのです。大臣がいまおっしゃっているように、きょうは三月十日なんですよ。五月十五日といったら、もうまさに二カ月しかないわけです。この二カ月の中でいまの通貨の交換をもしやろうとするならば、私が理解しておる範囲では、国際金融局長のほうでは、おそらく為替管理の問題をきちんとひとつ行政府の法律をつくって、いまの行政府が法律をつくって、民政府がそれを了解をするということにならなければまずいだろうし、理財局長のほうからの問題とすれば、まだ施政権が向こうにあるところへ通貨を運んで交換するのは、これはいろいろ問題があろうと思う。
 ちょっとその点について、事務当局側としてどのくらい時間があればそういう処置はできると判断しておられるのか、手だてがあるのかないのか、そこがきまらないと、幾らやりたいとおっしゃってもできませんから、その点について各局長にちょっと御答弁いただきたいと思います。
#170
○稲村(光)政府委員 沖繩の通貨交換につきまして、これを事前にやるという件につきましては、ただいま堀先生御指摘のような問題がございまして、これは施政権の返還前でございますから、したがいまして、いまわれわれの本土の為替管理法なりその他の銀行に対する短資流入規制その他を沖繩のほうでやってもらいませんと、そこのところが抜け穴になって、本土のほうの短資流入規制なりその他の規制がしり抜けになるという点がございますので、その点を十分な手当てをしてもらいませんと、その意味の問題がいろいろ起こってくるわけでございます。それにつきましては、これは何といたしましても施政権がございませんので、御指摘のように非常にむずかしい問題であろうと存じておりまして、米側といろいろと交渉が行なわれているわけでございますけれども、いろいろな問題を考えますと、なかなか技術的にむずかしいものだというふうに考えております。
#171
○橋口政府委員 通貨の供給の実務を担当いたしておるわけでございますが、いまお話がございましたように、きょうから数えて二カ月強しかその時間がないわけでございます。推定でございますが、沖繩にはドルにいたしまして大体いま一億ドル近くの通貨が流通しておるのではないか。それを全部交換するということになると、三百億円、余裕を見ますと五百億円程度のものを運ぶということになりますので、コンテナ包装として運ぶことになりますと、全体で五百トン近くの物資を輸送するということになるわけでございます。輸送の方法といたしましては、防衛庁に依頼をいたしまして、防衛庁のLSTで運ぶということで準備をいたしておりますが、いまお話がありましたように、事前に交換をするという場合の最大の心配は、やはり施政権がございませんから、警備の問題なり交換の問題なりについて一体だれが責任をもってやるか。もう一つの問題といたしましては、法律的な裏づけの措置が現在のところはないわけでございます。特別措置法は返還時以降施行になりますので、返還時以前の交換ということになりますと――強制交換には法的な措置が必要だと思います。任意交換、並行流通ということになりましても、やはり何らかの法的な救済措置が必要じゃないか。新たな立法を必要とするか、あるいは日本銀行の責任において政府の依頼によってすることができるかどうか、その他詰めるべき問題がございます。そういう点から申しまして、いま国際金融局長からお話しありましたように、われわれ通貨を供給する立場におきましても相当むずかしい問題だというふうに考えております。
#172
○堀委員 実は沖繩での通貨問題というのは、私、ぜひ大蔵大臣に一ぺん沖繩へ行っていただきたいと思うのです。そうして沖繩の県民がどんなに真剣にこの問題を考えているかということを理解していただきたいと思うのです。私は、この間の大臣の答弁で、何かわりあい安易に交換ができそうな印象を県民に与えておられるのではないか。私はやってほしいと思いますよ。一日も早くやってほしいと思うけれども、ほんとうにやるためには、いま国際金融局なり理財局なりがそれ相当の事務的な仕事をきちんとした上でなければ私はできないと思うのです。いまからやってお二人とも、さっきの私の時間の話じゃないが、事務的比には両方とも一カ月くらいかかるんじゃないか。これは琉球政府を通じてもそうですね。向こうで立法措置をしてもらう。それについて民政府の了解を得てもらう。この間向こうの金融検査庁に聞きましたら、幾ら急いでも三週間かかりますと言っておるわけです。向こうでも三週間かかる。しかしそれはとても私どもだけの力ではできません、大蔵省からの協力、そういう専門家の協力がなければとてもできませんというのが偽らざるところだと思うのです。そういう準備がないわけですから、そういう為替管理をやろうという体制にあるわけではないのですからね。一体こちら側で事務的に、きょう大臣が通貨交換を五月以前にやれとかりに命じたとして、事務当局が実際にそれに応じられる時間というのはいつですか。ひとつ両者から答えてください。
#173
○橋口政府委員 堀先生のお話でございますから、いいかげんなことを申しますとまたおしかりを受けるわけでございますけれども、さっき申しましたように、金額にいたしまして五百億円程度のものを運ぶ。重さにしましても五百トン程度のものを運ぶということになりますから、当然保険に付するということになります。その場合にも、日本側の保険会社がロンドンに再保険をするということになりますので、輸送の方法なり現地における通貨の交換の方法なりによって、あるいは保険の料率が異なってまいります。そういう折衝もございますので、いまからスタートしても大体五月十五日が目一ぱいという感覚であります。ただ、どうしてもということになりますれば、場合によったら保険を付さないでやるというような方法も考える余地もございますから、それは絶対にとは申しませんけれども、理想的な方法でやるといたしますと、いまからやりまして目一ぱいかかると考えております。
#174
○堀委員 時間が来ましたから、大臣、あなたのおっしゃっていることはきわめて重要なことをおっしゃっているわけですよ、予算委員会の答弁は。沖繩の新聞に大きく出ているわけです。沖繩の人たちは、大臣はああ言っているのだからといって大きな期待感を持っているわけですね。私はその期待感をつぶすために発言をしているわけではないのですけれども、しかし、実際に短期間にできないことをあなたができるとおっしゃって、それがから手形に終わったということでは、私は政治家として重要な責任問題だと思います。特に問題が非常に重要な、そして沖繩県民にとって切実な問題ですから、きょうは私は時間がありませんからここまでにしておきますが、この問題についてはもう少し部内で話を十分煮詰めて、できるならば私は五月十五日以前に処置をしてもらいたいと思うけれども、まだどうも点検をした感じではいまのような答弁しか得られないので、この点重要な問題ですから、それを配慮してひとつ締めくくりの一言を言っていただいて終わりたいと思います。
#175
○水田国務大臣 物理的に不可能になったというならばやむを得ませんが、それまでの間とにかく努力しようということで、いま事務当局もみな相談して向こうとの折衝もしておるところでございますので、まだ私どもは望みを捨てないでやっておるということでございますので、これはどうしてもできないという事態になればやむを得ぬと思いますが、最後まで努力するつもりであります。
#176
○齋藤委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後一時五十二分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時十二分開議
#177
○齋藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 関税定率法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。藤井勝志君。
#178
○藤井委員 時間がございませんので、ひとつ大臣のほうも極力簡単に御答弁いただきまして、私も余談は極力避けまして、保有しておる外貨の活用問題に問題をしぼって御質問いたしたいと思うのであります。
 役所というのはやはり既成の秩序にこだわるというわけではないでしょうけれども、やはりそういったものを踏まえるわけで、かねがね財政政策の発想を根本から転換して、現時点における国民経済の要求する施策を果敢に行なってもらわなければならぬということは去年のドル・ショック以来各方面からも強い要請があり、当委員会においても、あれは九月十七日ですか議決もしたようなわけでございますが、そのような考え方を踏まえて、外貨というものが非常に乏しい日本で、いわゆる国際収支の天井が非常に低く、ちょっと国内景気が行き過ぎると国際収支が赤字になり、外貨が絶えず支払い手段として流動性と安定性を持って、いつでも支払いに回せるという、こういったことにのみ配慮がされておった時代から見れば、この際よほど大転換をしていいではないか、そのような前提で、現在たまっておる百六十五億ドルの外貨の活用について大蔵大臣はどのようにお考えになるか。この百六十五億ドルというものの中身は一体どういうものかということと、その中身を踏まえてどのような活用方法を現在検討されておるか。新聞そのほかではいろいろ見たり読んだりするわけですけれども、いろいろ大蔵省でも御検討いただいているというふうに聞きますから、この点についてはひとつ大臣のほうから御答弁いただきたいと思います。
#179
○水田国務大臣 百六十五億ドルの外貨の中には、金とかSDRとかそういうようなものが十七億ドル前後含まれており、そのほか長期の運用をしておるものを除きまして、いま百十億ドルぐらいのものを手持ちしておるということでございますが、いまおっしゃられたように、流動性の確保という点から考えまして、この際百十億ドルの、大ざっぱにいって半分くらい、六十億ドルくらいを流動性の観点から保有しておれば大体いいんじゃないか。そのほかのドル及び今後増加するドルは、これはいまおっしゃられるような活用ということを考えたいというような一応の大ざっぱな方針から、いまこの活用策を検討しておりますが、それでむずかしい問題は、これは御承知のとおりドルというのは円を対価にして民間から得たものでございまして、したがって今度民間が必要になって円を持ってきてこれをドルにかえたいというなら、いつでもこれはかえるべき性質のものでございます。したがって、これは単なるドルではございませんで、このうしろには全部円がついているものでございますから、その円資金と無関係にこのドルをいろいろかってに処分するということが経済の上にどういう影響を与えるかというような問題も考えなければなりませんし、いろいろむずかしい問題を含んでおりますので、そこらはいままだ結論の出ない問題がたくさんございますが、いずれにしましてもはっきりしている点は、この百何十億ドルを持っている背後に、為替銀行が短期の負債を持っており、これが七、八十億ドルあるといわれておりますので、これがやはりドル保有のかさ上げになっていることは間違いございませんので、そうなりますと、活用するといっても、まずドル保有のふえている一つの原因をなしている対外短期債務というようなものを徐々に返していくということは、活用方法としてやはり一番先にやるべき仕事のように思いますので、そういう意味で、為替銀行への預託というようなことから始めてドルの活用策を考える、そのほか外債に応ずるとか、いろいろなことをいま全般にわたって検討中でございまして、いずれこの結論は出しますが、むずかしい問題がたくさんある。民間からいろいろ要望されておりますが、そういう日銀、政府の持っている公的なドルを民間の特定業者に有利に使わせるというようなことも、これは避けなければならぬ問題でございますので、そういう点を十分勘案して、このドルが有効に活用されるような方途を私どもは考えたいと思っております。
#180
○藤井委員 いま大臣から、百六十億ドルと一応言われるが、その中には金とかSDRとかゴールドトランシュ等々、そこら辺を差し引くと百十億ドルというものがあるが、これはやはりまたその背後には七十億ドルないし八十億ドル近いいわゆる海外からの短期の外貨借り入れというものが控えておる、したがってそういう借り入れた金を払う、そういったことがまず先決ではないかというお答えのように私は受け取ったんですが、そうなんですか。
#181
○水田国務大臣 順序としてそこへ活用されるのは一つの行き方だろうと思っております。
#182
○藤井委員 私はその問題についてちょっと触れる前に、百十億ドルというものの運営の実態というものは、私の聞き及ぶ範囲では、アメリカの金融機関に当座預金で入っている。それと、アメリカ政府の短期証券、これが三カ月ないし六カ月、ここら辺で金利がいま三・四%ぐらいですか、そこら辺で預けておられて、いまおっしゃるように対外支払い準備としての資産でいつでも払いに回せるという形でなければならぬということもよくわかるのです。同時に、これは公的資産であって、一口に言うと国民が汗を流して輸出につとめて輸入したものとの差し引きでこれだけのものが残ったということであるから、よほど慎重に安定性のある使い方をせなければならぬということもわかりますけれども、少なくともやはりこれだけ外貨がたまったということになれば、いまいろいろくふうしていただいておるようですから、きょう具体的な結論まではむずかしいかと思いますけれども、かねがね外貨は単なる支払い準備という形だけでなくて、保有された外貨を活用するという道を積極的に考えらるべきではないか。これは相当前から各方面からいわれておりますし、私もそのことは予算編成を通じてもいろいろ意見を申し述べたことでありますから、ひとつこの際、安全性、流動性の維持という基本は維持しながらも、もう一つ収益性ということばが当たるかどうか、そういった点とか、あるいはこの際適当なものがあれば物にかえるということがどうしていけないだろうか。主要資源は大半海外に依存している。たとえば銅あたりは開発参加をして引き取りを待っているという事情があるのですから、そういう品物をいろいろ検討しなければなりませんけれども、特に経済の安定成長のために不可欠な主要資源については、ひとつ物にかえて備蓄しておくということ。これは比喩的な表現でありますけれども、銅という字は金と同じと書いてあるではないか、こういうことになるわけですから、私はそういう配慮で、ここに発想の転換をはかってほしいというのは、そういうものの考え方で意見を述べておるわけですが、私の意見は基本的に何か問題があり、間違っておるでしょうか、どうでしょうか。
#183
○水田国務大臣 そういう方向の検討もいま十分しておるところでございます。
#184
○藤井委員 それから、先ほど大臣からお話しがありまして、百六十五億ドルの背後には海外からの短期の外貨借り入れがあるというお話しでございました。これはそういうものがあるんなら一刻も早くこの返済に充てるということがどうしてできないだろうか。これは私の想像ですけれども、たとえるわけですが、日本の国全体が非常に貧乏世帯で、いわば零細企業的な運営をやっておった。敗戦後大いにアメリカからの金を借り、世銀の借金をし、そして経済が復興してここに中堅企業になった。そこら辺で相当金を借りておったけれども、この際そう金を借らぬでもいいということになったけれども、いままで借りておった取引上の長いしきたりといいますか。そういう関係から、一ぺんに払おうにもなかなか相手との関係もあるから、一応ごっそり払えぬということになっておるとするならば、これは国益の点からいって積極的にこの際事情を訴えて支払いを早くする。私がなぜこれを言うかというと、七十億ドル、八十億ドルというものが、結局百六十五億ドルのかさ上げをしておる中身になっておるとするならば、たいへん外貨がたまったたまったということを言って、またぞろ平価の調整、円の切り上げということに向かわぬとも限らない。これは一、二年は様子を見なければならぬということは一般的な常識としていわれておりますけれども、そういう点について、やはり従来の惰性から脱皮して、いまのは、国内の金融情勢からたとえてみれば、一種の歩積み両建て的なもの、こういったことに受け取られるような感じもする。これは私の思い過ごしであれば改めなければならぬと思いますけれども、もうともかく大臣も触れられたように、借りた金を払うのが先決である、そのとおりであると思います。これを積極的にやりながら、しかしそう一ぺんに払うわけにいかぬというので、残った中の金でもってある程度の部分は物にかえるという発想、誤解がなければ土地を買うてもいいと思うのです。これはちょっと何とか主義というので経済侵略という誤解を受けてはいけませんからむずかしいかもしれないけれども、主要資源の大半が海外依存である日本としては、損廃しないような――先ほど言った銅も一つの例でありますが、そういうものにかえて第二支払い準備としておくということが、これはドルの今後、価値の変動、いろいろなことを考えてみた場合にも必要ではないか。それは同時に、またその取り扱う窓口は一企業ではいけない。公的性格を持った受けざらをもって物にかえておくということがこの日本の現状、国民経済の現在の状態から見れば必要な施策になっておるのではないかというふうに私は思うのですが、この点についてひとつ大臣なり局長なりからお答えを願います。
#185
○稲村(光)政府委員 ただいまの御質問でございますが、片方で約百六十五億ドルくらいの保有があるのに対しまして、短期の対外借り入れが七、八十億ドルぐらいある。それがすぐに片方に直接関係あるというわけではございませんけれども、先ほど大臣が申されましたように、そういうような状況でございますから、そういう対外借り入れ、短期借り入れは何に使われておるかと申しますと、主として輸出入の金融に使われておる。若干は現地貸し等に使われておるものもございます。七、八十億ドルと申します中には、そういうようにいろいろと現在民間の貿易取引で使われておるものもあるわけでございまして、それがまた内外のいろいろな経済関係を密接にしておるという点もございますので、それを一ぺんに減らしてしまうということは、内外への影響は非常に大きいと存ぜられますが、そういう点はむろん十分考えた上で、これから御趣旨のような点で外貨準備を極力使いまして、為銀に預託をすることによりまして対外短期債務を減らし、また借り入れ外貨を本国へ持ち込むのを押えていくというふうに使いたいというふうに存じております。
 それから、資源のほうでござまいすが、これは前から御主張ございまして、われわれも十分御意見承っておるわけでございます。先ほど大臣申し上げましたように、方向といたしましてはそういう方向で、ただ具体的にいろいろと問題がございますし、場合によりましては現在の制度では、ものによりましてはできないというものもございますから、そういうものもあわせまして、今後の問題として十分に検討いたしてまいりたいと存じております。
#186
○藤井委員 もう一回重ねてお尋ねをしますが、私が申し上げましたある程度の部分を、従来のようなただ当座預金に入れておくとか、あるいは政府の短期証券で保有しておるということじゃなくて、外貨の保有形態を、ことばをかえれば活用方法ですね、これを物にかえるという発想は、これは法律を変えなければできないか、やろうと思えば現状でできるか、新聞なんか通じて第二為銀の構想というものが発表されておりますが、そういったことをしなければできないものか、まず物にかえることの是非と、かりにこれを物にかえるという方向へいくとすれば第二為銀的な器が必要であるかどうか、これをお伺いしたいと思います。
#187
○稲村(光)政府委員 現在の外国為替特別会計法によりますと第五条という規定がございまして、外国為替資金に属しております外貨を運用します先が実は法律上明確に定められておりまして、外国為替等の売買及びこれに伴う取引に必要な限度でしか使用できない、こういうふうに法律にございます。それで、それの範囲の運用と申しますか、しかし現行法ではできないわけでございます。その意味では、先ほども大臣が申されました現在約百十億ドルくらいが流動性の高い資産になっておる、その大部分はアメリカ財務省証券でございますが、これを物にかえるという点につきましてただいまのような法律上の制約がございまして現行法上ではできません。
 そこで、やるといたしますと、形式的だけの問題を申し上げますれば、いまの特別会計法を改正するということが必要になろうかと存じます。同時に実態面の問題、これは先ほど大臣が申されました外貨をそのまま円の対価なしに貸す、使うということについての実態面の問題というのが別途あるかと存じますが、その点を別といたしますと、法律上の問題といたしましてはいまのような問題がございます。
#188
○藤井委員 これは時代が数年前から考えますとちょっと予想しないような国際収支の状況、外貨蓄積ということになってきておりますし、私はいま百十億ドルというこういった差っ引き、その中には短期借入れがあるということも踏まえて、結局これだけのものが日本経済から一応よそへ出ておる、海外に出ておる、アメリカ中心に出ておる、そしてこれはドル建てになって受け取り手形として一応みなされてるようなものである、それだけのものが物やいろんな形で入ってくれば日本経済全体が一そう潤う、それがそうでなければ結局ぼっこり穴があくといいますか、そういうことに受け取れないであろうかと思うのです。要するに日本は資源を全部海外から輸入してくる。この支払い代金の払いをして、結局残った金が百十億ドル、そのうち短期借り入れが七十億ドルあるとすれば、これは残額、これだけのものは受け取るはずだけれども、日本経済から外へいっておるわけだから、これを早く取り返すという配慮もすべきであって、いわゆる活用すべきであって、ただ単に流動性と安定性のみに固執しないでもいいではないか、余裕がある程度あるんだから穴埋めを、日本経済へ還元していくべきじゃないか、こういうものの考え方を私はしているのですが、この考え方は根本において認識が違っておるか、そうでないか、これをちょっとお答え願いたいと思います。
#189
○稲村(光)政府委員 ただいま先生の御指摘の点でございますが、実は外貨準備として日銀及び外為会計が保有しております外貨は、これは先ほど大臣も申されましたように、民間がいろいろな取引その他で取得いたしました外貨を中央当局に売ってきたものでございます。それに対して中央当局としては円を支払っておるわけでございます。したがいまして、国内流動性と申しますかそういう面からいたしますと、日本経済に穴があいているということは全くございません。その対価は民間に返っておるわけでございます。それが外貨という形で公的保有がなされておるということでございます。したがいまして、むしろ、そこに穴があいておって埋めるべきであるとういお考え方に対しましては、実はそうではないというふうにわれわれは解しております。
#190
○藤井委員 その点は、帳面の上では一応バランスかとれているから穴があいているわけじゃないというお答えもわかるのですよ。私の言うのは、結局ある程度物にかえて国内の経済の実態の中へ組み込まれるということがいいんではないか、こういうものの考え方なんですよ。だから穴があいて欠損だ、そういうふうに私はものを考えておらないので、結論をいうと、私がある程度物にかえたらどうですかと言うのは、特に主要資源のない日本は第二の支払い準備としてもそういった適当な品物――品物の選別がいろいろありましょうけれども、これをひとつ積極的に御検討願いたい。安定性と流動性を原則には踏まえながらも、ある程度の部分をそういう方向に活用する道を開いてほしい。これはいままでかつてない発想転換だと思うのでありまして、この点についてひとつ、私はこれで質問を終わらせていただきますが、大臣、冒頭にお答えいただいたので大体御検討いただいておると思いますけれども、最後に念のためにもう一回大臣から締めくくりの御答弁を願いたいと思います。
#191
○水田国務大臣 流動性ということを考えない活用をいま考えておるところでございまして、むろんこれを物にかえるということもいいことだろうと思いますが、問題はかえ方であって、どういう形でこれをかえていくか、そうしていま国内の経済の中へそれを持ち込むということでございましたが、その場合にはそれだけ円が収縮すればいいことで、その辺の技術的なやり方というものがやはり当面検討対象であろうと思います。せっかくやっております。
#192
○齋藤委員長 広瀬秀吉君。
#193
○広瀬(秀)委員 関税定率法等の一部を改正する法律案に関連した諸問題を若干質問したいと思うのですが、いま藤井委員からいろいろ外貨のたまり過ぎの問題について質問があったわけですが、大蔵大臣、現在大体二月末で百六十四億ドルくらい外貨準備がある、こういうことになっておるのですが、これはかなり異常な外貨蓄積である、たまり過ぎである、このように大臣としてはお考えですか、いかがですか、まずその点から……。
#194
○水田国務大臣 たまり過ぎということですが、結局これは対外不均衡が生じ過ぎておるということからの現象だというふうに考えます。
#195
○広瀬(秀)委員 少なくとも現在百六十億からある。ことしの経済見通しによりましても貿易収支は大体七十一億ドルくらいの黒字になるだろう、これは大体はっきりしているわけですね。少なくとも貿易外収支の二十億ドル前後の赤を差っ引いても大体五十億ドルくらいはふえるということになればもう間もなく二百億ドルを突破する。いま外貨準備を最高に持っているのは西ドイツだといわれているけれども、西ドイツを抜いておそらく日本が最高の外貨準備を持つ、ドルを持つ国になるだろう。そういうことを考えますと、そしてしかもそういうことが日本の円の再切り上げという問題とからみついて、国際的にも議論をされ、また国内でももう二百億ドルにばく進しているというような状況を考えれば、これは何とかしなきゃならぬ。先ほど大臣の答弁の中に、六十億ドルくらいあればまあ間に合うということをちらっと言われたわけですけれども、これは大体年間輸入額の三分の一という、前から大体適正外貨準備高はどのくらいかということではそのくらいだということが、はっきりしたものではないにもせよ、一応基準みたいにわれわれも了解し、また政府当局もそういう意味で理解して、そういう理解の上で答弁もされておったわけですね。だからそういうところからすれば、六十億ドルもあれば大体間に合うんだ。ところがその三倍をこえるというような状況になりつつある。もうすでに倍、二・五倍くらいになっておるわけですから、これを何とか国民のために景気浮揚にも役立つように、そして日本が再び通貨危機に見舞われるというようなことがないように、あとこういう外貨を多額に保有した際に日本で最も乏しいものは何かといえば、やはりこれは原材料資源である。こういうようなものに何とか活用して、これを減らす方法はないのかということ、これは当然政治家としての常識的な立場だろうと思うのですね。それについてわれわれが問う必要があるのではないか。日本は一体どういう政策をとるべきなのか。たまるのを座して待っている、そしてまたやがて円の再切り上げというようなことに追い込まれてくるのを座して待っている。日本の為替管理の立場でどうも困るというんだったら、その為替管理の外為法を直すべきなんだし、そういうところまで考えるのが当然のことになってくるわけなんですが、そういう問題について大蔵大臣としては一体どのように考え、対策を実行に移す、そういうようなことについて構想を何一つお持ちじゃないんでしょうか。そのことをひとつ聞かしてもらいたいと思うのです。
#196
○水田国務大臣 たまっている外貨の活用という問題と、もう一つは対外均衡を早く回復して外貨が不当にたまらぬような施策をするということが必要でございますので、私どもはいまその対外均衡を回復するというための施策としては、結局いまの不景気を克服して内需をもっと刺激する、そして内需が活発になってくれば自然に輸入がふえてくるし、輸出圧力は減っていくということになるので、それがやはりいまの再切り上げとかなんとかいわれている事態を回避する一番の基本的な問題でありますので、この政策を強力に遂行していくということとあわせて、このすでにたまった外貨の活用を考える。しかもその活用のしかたはやはりこういう外貨に、発想の転換ということになるかもしれませんが、新しい機能を持たせる形で解決することもできましょうし、いろいろの考え方があるので、これについてはいま研究しておりますが、何といってもこの不況を回復して、輸入をもっと活発にするということでないと、いま言った資材に変えるといっても国内で企業がこれを全然消化できないというものについての手当てをすることになりますので、なかなかそこにはむずかしい問題もございますので、そういういうことも考えると同時に、やはり原材料をもっと使うような景気の回復ということについて、これを急ぐことがやはり先決問題であるというふうに私は考えております。
#197
○広瀬(秀)委員 内需を盛んにして輸入が増大するようにしたいというわけでありますが、なるほど四十五、四十六年度は不況段階であったということですから、この輸入がちっとも伸びてない状況にあるわけですね。四十七年度は、まあ四十六年度の実績見通しから約三十億近くもふやした見通しを立てているけれども、四十七年度もこの景気回復がおくれれば、やはりこれだけの見通し、七年度経済見通しの百八十二億ドルというようなところまでいかないで、百五十億ドルくらいで低迷するかもしれない。四十五、四十六年度並みぐらいで、あるいはそれより若干ふえるかという程度になる可能性だってなきにしもあらずだということですね。したがって、やはり思い切った輸入政策をやるならやるように、先ほど藤井委員も発想の転換として言われておるわけだけれども、非鉄金属なんかの鉱石なども非常に足りない日本なんですから、そういうものを余裕のあるときにある程度、かなりの量を買い付けて持っておるというような問題であるとか、あるいはまたガソリンなどにつきましても六十日の備蓄を持ちたいというようなことは、日本経済の年来のかまえなんですね。そういう石油あるいはガソリン、こういうようなものにしましても、これはやはりもう九九%まで輸入にたよらざるを得ない。そういうようなものに思い切った投資をして、石油の貯蔵をこういう機会にこそふやすというような問題、しかも商売のことですから、要りもしないのをとっておくというようなことに民間では抵抗がいろいろあるだろうけれども、これは日本の国策みたいなものですね、六十日分くらいの石油資源を常時やはり確保しておきたいというのは。こういう問題なんかについても思い切った買い付けをして、またそれにはそれなりの施設の用意というようなものなんかもあるはずですけれども、そういうような具体的な問題について考えられておるところは、もちろんこれは通産省との関係もあるんでしょうけれども、大蔵大臣としてこの外貨蓄積が非常にふえ続けるという事態を解消する立場において、そういう具体的な問題としてどういう協議をされるなりあるいは相談をされるなり、そういうような問題についてどうお考えになっておられるのか、もう少し具体的に輸入でもこういうところを思い切ってやりたい、もう通産大臣の田中角榮大臣からは非鉄金属の鉱石をかなり買いたいというようなことで、外貨減らしの方策も提案をされておるというようなことなどもあるわけですね。こういうようなことについて具体的な施策というものがあればひとつ示していただきたい。
#198
○水田国務大臣 検討は当然具体的なものになりますが、たとえば非鉄原料をこの際多量に買っておきたいという希望者があって、円を持ってきてドルを売ってもらいたい、それで買うんだということなら問題はないんで、一日で解決する問題でありますが、その円は調達しないで、そうして買いたいということですから、それはどうすれば買って備蓄することができるかという問題になりますというと、具体的にはいろいろな問題がございますので、それを一つ一つ掘り下げてみないと結論というものは出ないというので、こういう問題は相当こまかい検討をいまやっておるところでございます。
#199
○広瀬(秀)委員 通商局長お見えになっていますか。――通産省としてはときどき新聞に田中構想として打ち出されるんですが、通産省としては外貨減らしということも含めて産業政策全般について、あるいはまた輸出入、貿易政策において、その外貨を有効に活用するというような立場において、そういうものをもろもろの条件を含んでこの問題についてどのような具体的構想なり要求なりというものを持っておられるか、ここで述べてほしい。
#200
○山下政府委員 去年以来貿易の実情も従来と変わってまいりましたことは御存じのとおりでございますが、特に鉱物資源、非鉄がおもでございますが、鉄鉱石等も入れまして、買い付け先は発展途上国の場合が多うございまして、一つはそういった発展途上国との長い取引において、日本側の誠実、信義の原則を、できるだけ曲げたくないという貿易上の指導方針がございます。特に外貨の不足に悩み始めております発展途上国に対しては、経済協力的な意味もございます。かたがた日本の景気の後退のために、輸入買い付けが極端に去年の後半から減っておりまして、これに対しては予算措置その他の措置でいろいろ努力しておりますけれども、まだ底をついてふえていくというきざしが見えない段階でございまして、輸出が前年度に比べて高い増加水準にあり、輸入が思わしくないために、自然と貿易収支上外貨がたまる結果になっておるわけでございますので、この観点からも輸入促進措置を考えねばならないということで、現在大蔵省はじめ関係省、政府部内で通産省側から申し上げております第一の案は、特に非鉄金属関係の輸入について、金融上格別の措置を考えてできるものから実施してほしい、こういうことでございます。
#201
○広瀬(秀)委員 通産省は、開発途上国などでいわゆる鉱物資源、こういうようなものの買い付けが日本の不景気を反映して停滞しておる、あるいは減っているというようなことに対して、やはり日本に対して逆に不信を持つというようなこと、日本では外貨がたまってしかたがない、日本で外貨がたまるということは、よそで外貨が足りないというような事態にさらされるということでございますけれども、そういうようなことから、海外協力の意味も含めて、そういうもの等については積極的な輸入政策を活用したいという意向を持つおる、これがまだ実現をしていない。これは一体どこに原因があるんですか。大蔵大臣、いかがでしょうか。
#202
○水田国務大臣 これは私ども賛成で、資材の開発を最初から契約して開発してもらっておるのにかかわらず、材料の引き取りをしないというようなことは一つの不信行為でございますから、将来日本経済がほんとうに資材を必要とするときにいろいろな故障を起こすことにもなると思いますので、私はそういうものはこの際できるだけ買い取りたいということで、そういう方向でいま鋭意研究しているわけでございまして、さっき申しましたように、円を調達してこれを買って、それを向こうへ払うということが一番簡単ですが、民間でこれができないというのでしたら、国の財政資金によって、国が予算をもってこの金を準備し、そして国自身がやるという方法をとっていくならこの問題は解決するかもしれませんが、いますぐそういう形で解決するということも早急の問題にはなりませんので、いま通産省から言われましたような何らかの形でこれができるような金融措置とかいうようなものをここでみんなで考えたいということで、私は適当な方法が関係者の間で考えられると思っておりますので、できるだけ急ぎたいと思います。
#203
○広瀬(秀)委員 いろいろ商社との関係になると、将来の円の再切り上げというような問題を含んで、為替リスクを将来回避したいというようなことから、外貨を商社が買ってということになかなかいかぬのだという話をわれわれも聞いているのです。その為替リスクの問題というようなことが、いまの大臣の答弁の中に言外の言としてあったのではないかと思うわけでありますが、それらの点については大臣はどのようにお考えになっているのでしょう。そしてそのことがいわゆる為替リスクの問題ということで、円をもって外貨を、ドルを買って、それで商社が輸入をするというようなことをきらって、借りることだけで政府に為替リスクを負担してもらうというたてまえにしておきたがっているのだ、こういうようなことが、いまの大臣の微妙な答弁のような形になっておる。その辺が、どっちが為替リスクを負うかという問題なのかどうか、そのことも非常に大きな問題点である、こういうようにお考えなんでしょうか。
#204
○水田国務大臣 それよりもさっきからこの保有ドルをどういう形で使うかという本質的な問題のほうが重要だと思って検討しておりますが、またそれがそのやり方いかんによってはいまおっしゃられましたように、特定の業者が利益を受けるというようなことになりますと、そういうやり方なら希望者がたくさんございまして、どこまでで線を引くかというような問題はおそらくむずかしい行政問題を起こすであろうと思いますので、そういう問題もやはり十分頭に入れた合理的なやり方というものを考える必要があるだろうと思います。
#205
○広瀬(秀)委員 この問題はとにかくすかっとした構想がまだ大蔵大臣として固まっていないようだが、やはり外貨を有効に活用して、景気浮揚にも資すべし、そして海外協力の実も上ぐべし、さらに再び円の切り上げというようなことで、日本が一人追い込まれるというようなみじめな姿にならないように、やはり外貨を有効に活用する方策というものについてはもっと真剣に、法律がじゃまならば法律は直したらいいのです。そういうものでどうしてもここでひっかかって機動的な運営ができないというなら法律も直すべしと、こういうような立場でやはりやらないと、二百億ドルをこえるというようなことになってごらんなさい、これまたおそらく日本がまた円切り上げでひどい目にあうというようなことで、この犠牲が国民に広範に及んでいくというような愚を繰り返さないように、ひとつみっちり、これはすみやかにこの対策をほんとうに関係筋とも練って、実行の段階に早く移していただかなければならぬだろうということだけ申し上げて、次の質問に移ります。
 そこで、この問題とも関連するわけですけれども、一九七一年の通商白書等についても書いてあるわけですが、日本の対共産圏貿易、日本の貿易構造がきわめてアメリカ依存度が高い。七〇年で輸出が大体三〇・七%ですか、輸入も大体それよりちょっと多い程度の依存度になっている。アメリカ一国に三〇%以上も依存しているというような国は、まずよその先進国にはないわけですね。西ドイツあたりでも九%程度だということであります。こういうような非常にアメリカ一国に片寄っている貿易構造というようなものも、今度のドル・ショックの教訓、円切り上げの教訓、こういうようなものからも貿易構造を、貿易相手国を多様化し、多角化していく。バランスのとれたという言い方がこの際適当かどうかわかりませんけれども、一つにだけ偏重しない貿易構造というようなものにそろそろ転換をしなければならぬだろう。自由世界で、それじゃどこに転換するか。まあ最近EC諸国等への西ヨーロッパ向けの取引は若干ふえつつありますし、ある程度多角化している状況はありまするけれども、あと大きく貿易を開拓し、日本の貿易先を広げていくというのは、残された分野というのは、やはり対共産圏であろうと思うのです。これについて通産省は一体どういうようにお考えになっておられるのか、このことをまずお聞きしたいと思います。
#206
○山下政府委員 アメリカ市場は御指摘のとおり年来三割以上を占めておりまして、去年はさらにそれが若干ふえまして三二%をこえるという事態でございますが、御承知のようにニクソン新経済政策以来新しい問題が出てまいりまして、アメリカ市場に日本の輸出が一方的に依存することは考え直さなければならない事態でございます。ここに四十六年四月から四十七年一月までの構成比がございますので、その数字を御披露しますと、アメリカ一三・四%を含みまして、先進地域は五四・三%になっております。そのほかに、発展途上地域が四〇・七%ございますが、共産圏は四・九%でございます。この五%前後という数字は、四十五年、四十六年ほぼ五%前後で定着しておりまして、私どもとしましては、アメリカの市場からヨーロッパあるいはカナダ、オーストラリア等他の先進資本主義国へ移っていくものもあろうかと思いますが、社会主義諸国の市場は、今後の日本の貿易にとってきわめて重要な地域だと考えております。年来、社会主義国との貿易には、特別のいろいろな貿易上の取りきめあるいは障害がございますので、そういうものに一つ一つ取り組んで、そういった市場への貿易も拡大していきたいと、こう思っております。
#207
○広瀬(秀)委員 この通商白書にも大体そういうニュアンスで述べられておると私も理解しておるわけですが、大蔵大臣もそのとおりお考えでしょうか。
#208
○水田国務大臣 私も、この委員会だったかと思いますが、先般の通貨調整のようなものは、あるいは日本の輸出入市場の分散化という効果を持つことになるかもしれないというようなことをちょっと申したことがございましたが、そういうような傾向が現在明らかに出かかっているような気が私はいたしておりますが、それはいい傾向であると思っています。
#209
○広瀬(秀)委員 一九七〇年の資料ですけれども、八億の人口を持つといわれる中国貿易がだいぶふえてきたとはいうものの、八億二千三百万ドル、それでわずか人口一千万強の台湾で、しかも今日ニクソン訪中などを含めて、台湾は中国の領土の一部だということが世界的な常識として定着されつつあるわけなんだけれども、まあそのことはさておき、台湾に九億五千百万ドル、こういうことですね。そして韓国には十億をこえて、十億四百七十万ドル、輸出入合わせてそういう状態になっているわけですね。そういうことがいかにも不自然だし、しかも日本のこれからの外貨のたまり過ぎとか、いろいろな問題はあったにせよ、やはり日本のこれからの経済の発展というものにとって貿易というものが重視されていくことに変わりはない。輸出生産第一主義というものを改めて、生活優先という方向にいかなければならぬ、このことをやりながらも、やはり貿易というのは日本にとって大事な、経済運営についてバイタルな問題であるということには私は変わりないだろうと思うのです。そういうような状況の中でこういう状況にある。しかも対中国貿易等につきましても、もう西ドイツでもイギリスでも、ほとんどココムの禁輸品目などかなり大幅に無視しながら実績を積み上げている。日本の場合には、ほとんどこのココムの制限を最も忠実に守る国として、そういう面も問題がある。あるいは台湾政府との関係を気にして貿易拡大にも積極性が足りない。いろいろな問題があるわけです。そういう中で特に社会主義国、国をつくってからまだそれぞれ日が浅いわけであって、目下急ピッチに開発を進めている、そういうところで新しいプラント輸入もしたい、こういうような希望が非常に強いわけだけれども、それにはどうしても輸銀、政府資金を使った延べ払い、こういうようなものがつけられない、と、そういうものは伸びていかない。向こうはほしいと言っている。しかし、中国のごときは非常に原則をとうとぶ国だしいたしますから、俗なことばでそう頭を下げてきてはいないけれども、やはり将来の日中問題というようなものを考えるにあたって、その経済建設がスムーズにいくよう心からの協力をしてあげよう、こういうよう気持ちになって、政治姿勢もかえて、やはりそういうことに踏み切っていくというような段階を迎えていることは、これは間違いないだろうと思うのですね。そういう点について、前々からこの委員会で何回大蔵大臣に聞いても、ケース・バイ・ケースだということから一歩も出たためしがない。ときどき田中通産大臣あたりが少し大蔵大臣よりも前に踏み出した答弁をされる。そしてつい最近は具体的なケースで両方の商談がまとまったというか、そういうようなものについては輸銀融資に踏み切ろうというようなことを閣議決定をされたようですが、その問題についてはいまどういうようになっているのか、そして大蔵大臣はその問題についてどうお考えになっておられるのか、このことをこの際はっきりさしていただきたいと思います。
#210
○水田国務大臣 ケース・バイ・ケースということでしたら各国ともどこもこれは同じことでございまして、当然ケースごとに審査してきめるということでございますが、ただ、いままでケース・バイ・ケースというのは実際にはやらないということばと同義語に使われておったきらいがございすので、今度からそういう答弁はしない、各国と区別した取り扱いをしないという答弁をすることに統一してございますから、そのように御了承願いたいと思います。もう他の国と区別した取り扱いはしないということでございます。
#211
○広瀬(秀)委員 そこで、中国貿易の問題はかなり前向きにそれではなったことを確認してよろしいわけですね。もう今年度内にでもプラント輸出、輸銀延べ払い融資をつけるケースが出てくる、こういうように理解してよろしゅうございますか。
#212
○水田国務大臣 まだ具体的な申請はないんだそうでございますが、方針はそういう方針でございます。
#213
○広瀬(秀)委員 そこで、通商白書を見ましても、中国、ソ連、その他の共産圏というようなことで書いてあるわけだけれども、一番日本に近い共産圏といえばやはり朝鮮民主主義人民共和国があるるわけですね。大臣も御承知だと思うのですが、昨年の十一月に日朝友好促進議員連盟というのが結成されまして、自民党の久野忠治さんを団長として、実は私もこの一月に朝鮮民主主義人民共和国を訪れた一員なんです。そこで貿易促進に関する合意書というものをつくってまいった一人なんです。ところが、この通商白書、何ぼひっくり返しても朝鮮というのは出てこぬですね。韓国は出てきますけれども朝鮮は出てこない。国交が開かれてない、そのことは事実としてそのとおりなんですが、一体朝鮮民主主義人民共和国との貿易の問題についてどう考えるのかということをお聞きしたいわけですが、それでも国交が開かれてないままに最近では貿易も若干ずつ民間の努力によって伸びつつあるわけです。しかしまあこれもせいぜい日本円で二百七億円ぐらい、七一年で大体五千六百万ドル程度というようなことですから、まさに数字としてはとるに足らないものでありまするけれども、私ども今度の貿易合意書によって、いま北朝鮮で九七六年が完成目標の人民経済発展新六カ年計画というものを遂行している最中なんですけれども、二年間分をことしの四月十五日までで大体一年で達成しようということで、その目標が達成されそうでありますから、一九七六年を待たずに大体この六カ年かかるという目標が五年以下で達成されるのではないかと思うのですけれども、そういうものも踏まえて、大体現在の五千六百万ドルというようなものを――いま朝鮮ではポンド建て貿易をやっておるのですから二億ポンドくらい、二億ポンドといえば千六百億円をこえるわけですが、千六、七百億円までの、すなわちいま二百七億円くらいですからそれの大体八倍くらいまで拡大しよう、こういうようなことで、両者で合意したわけなんです。そういうように実態が進んでいる。そういう中で、この問題について一体どうするのか。このことは経済的な問題ばかりではなくて、政治的な、特にアジアの平和、日本の平和を守るという立場においても非常にバイタルな重要性を持つ問題だ、こういうように考えるわけでありますが、この朝鮮との貿易の問題についてどのようにお考えなのか、大臣の率直な気持ちを聞かしていただきたい。
#214
○水田国務大臣 貿易問題ですから通商局長から……。
#215
○山下政府委員 通産省から事務的な答弁を先にさせていただきますと、朝鮮民主主義人民共和国との貿易は、ただいま先生御指摘のとおり一九六八年には輸出が二千百万ドル、輸入が三千四百万ドル、一九六九年には輸出が二千四百万ドル、輸入は三千二百万ドル、一九七〇年には輸出が二千三百万ドル、輸入は三千四百万ドル、そして去年、一九七一年には輸出が二千万ドル、輸入は三千九百万ドルということでございまして、日本が買っております品物の金額は比較的伸びております。御指摘のとおり金額は依然として少なうございますが、伸びております。また、日本から出しておりますものには鉄鋼製品、産業機械、繊維機械、自動車等、これまた日本が得意とする品物が徐々に出ております。今回先生方がおいでになりました結果、貿易合意書というものを取りきめられた向きについても私どもとしては承知いたしておりまして、その内容の項目を政府側としてどう考えるかということでございますが、延べ払い輸出、その他輸出入手続の簡素化、貿易代表団の往復、展示会の設置等、個々の問題につきまして私どもとしては可能な限り政府側もお力添えしていきたいと考えております。ただ御承知のように、国交が未回復であるという大きな障害と、また朝鮮半島における政治情勢等々から一ぺんに全部が解決する見通しは私どもも持っておりません。
#216
○広瀬(秀)委員 大蔵大臣はいま確かに、十年前から比較しますと、一九六一年から比較しますと、七〇年は輸出が四・七倍にふえている、輸入は八・七倍にふえているということですから、伸びとしては非常に高い。しかし絶対的な輸出入総額という点では、先ほど言いましたように二百七億円というような状況であって、非常に今日ではほんとうに細々とした貿易である、こういう状況なんです。それで、実際に私ども行ってみまして、非常に朝鮮の北半分、朝鮮民主主義人民共和国、地下資源、鉱物資源というものがきわめて豊富である。金日成首相と私どもがお会いしたときでも、六カ年計画を遂行するにあたって、日本との貿易というものは一つも織り込んでおらない。しかし、何といっても地理的に近いのですから、お互いに、日本にはそういう鉱物資源が乏しいのだからそれを、あり余る鉱物資源を朝鮮から日本に売る。日本からまた向こうでほしい、関心品目のプラント類なども輸出する。こういうようなことで貿易をやることは、両国の友好親善にとってまことに有利であろう。こういうことで、政治的な意味も含めながら、これはもう非常に歓迎すべき望ましいことである。こういう立場なんですね。それで、もしほんとうに日本が誠意を持って貿易をやろう、こういうことならば六カ年計画を修正をいたします、補充をいたします、生産計画を増大させます。たとえば無煙炭あるいは鉄鉱石、そういうものでもあるいはマグネシアクリンカーもこれは無尽蔵にある。世界一あるというのですね。そういうようなものでも日本がほしいというものがあるならば、六カ年計画そのものを修正して、ほしいだけわれわれのほうで生産をして船積みでも何でもいたしましょう。こういう立場を金日成首相みずから私どもに表明されているわけです。だから、いま日本は外貨が余って困っている、非鉄金属、鉱物資源というようなものを少し買っておいたらどうだというような状況を踏まえて、しかも政治的にも昨年は中国の年で、国連の舞台での中心であった。ことしはおそらく、例の朝鮮戦争における朝鮮民主主義人民共和国を抜きにして、そうしてそれを代弁するソ連を抜きにして侵略者非難決議をやったというようなことであります。それを助けた中国がもうあのような状況になっているわけですから、したがってこの問題もことしの国連の舞台においては大きく転換をするような、そういう非難決議の取り消しというようなことまでいく可能性すらあるということで、きのうおとついの夕刊ですか、東京新聞ですけれども、これにロジャーズ国務長官が朝鮮との国交改善に努力をするという旨の、そのとおりではないけれども、そういう微妙な発言もしておる。この問題でもやっぱり日本が頭越し外交をアメリカにされるという可能性もなきにしもあらずだということがもうアメリカ自身の中にもそういう芽ばえが出てきている。こういうようなときに、もろもろの条件を考えて日朝貿易というものをもっと真剣に、日本が主体性の立場に立ってやっていくべき段階を私はもう迎えている。そういう非常にもうあらゆる条件を考慮してやるべきであるということ。そして、それについてやはり中国問題でいま大臣がおっしゃったように、いままではケース・バイ・ケースがやらないという立場でのケース・バイ・ケースという言い方、それがやるというたてまえに転換をして、ケース・バイ・ケースということは変わらぬけれども、その基本的なかまえ方はまるっきり違ってきた。それと同じように、この問題くらいは、日本がかって三十六年間植民地支配をやった国ですから、この国交の正常化というような方向に向かってやはり日本がイニシアをとるというような立場を含めて、これはやはり日朝貿易の拡大ということを、日本にとっても非常に有利な取引もできるはずだし、そうしてまた向こうの発展にとってもきわめていい意味での協力になるだろう、こういうことを含めて当然だと思うのでありますが、大臣の所信をひとつ承りたいと思います。
#217
○水田国務大臣 外交問題であると同時に通商問題でございますので、これはできるだけ早く国交回復という方向によって解決するのが一番いいことでございますが、そこまでなかなかいかないとしましても、一歩一歩その線に沿った解決への努力を払うべきものだと考えております。
#218
○広瀬(秀)委員 大蔵大臣はそのくらいの答弁しかいまのところできないのかもしれないけれども、あなたもやはり佐藤内閣の閣員として、これは国務大臣としてやはり国政の最高の責任者の一人なんですから、政治家水田三喜男としてもっとこの問題と積極的に取り組む姿勢を示すことはできませんか。いかがですか。
#219
○水田国務大臣 いま言ったことで大体もう私はけっこう積極的な態度があらわれているんじゃないかと思います。やっぱり近隣諸国との経済関係というものは何としても密にしないことは不自然でございますので、これはその方向に努力すべきだというふうに考えています。
#220
○広瀬(秀)委員 通産省は、われわれが日本からの輸出品目、日本の輸入品目、これは言うならば両方の新しい関心品目二十一ずつをあげたわけですが、これもおそらく御承知だと思うのですが、あの品目等については、当然プラント輸出を伴うものであり、全部が全部そうというわけではありませんが、その中にはプラント輸出、したがって長期の延べ払い、まあ金額の大きいものは八年ぐらいまでの延べ払いがほしい。現在民間ベースでやっているのはせいぜい三年か二年という程度の延べ払いだ。何十億というようなあるいは百億というようなことになればこれは当然やはり長期の、八年ぐらいの延べ払いということが必要だ。そうなりますれば、これはやはり輸銀を使用する以外にはなかなか民間金融ベースではまかない切れない。そういうことはおわかりだと思うのですが、そういうプラント輸出等についても、積極的に商談成立が促進するように、そうして促進したらそれを輸銀ベースに乗せていくように、延べ払いベースに乗せていくように、こういう基本的な前向きの姿勢というものは通産省にはあるんでしょうか。
#221
○山下政府委員 御承知のように、輸出入銀行の延べ払いは、社会主義国に対しても適用しておりますので、私どもとしてはまず朝鮮民主主義人民共和国の場合でも延べ払いは適用できるはずだという前提で検討いたしております。今回取りきめておいでになられた日本側からの輸出品目は、おっしゃるとおりに設備プラント関係が多々ございまして、これまた輸出入銀行の融資の適用品目でございます。さらに具体的には、金利、延べ払い年限等が検討対象になるわけでございますが、また最も近い隣国でありますので、かつ、輸入物資にはそうことを欠きませんので、そういう観点から、特に経済的な観点からは前向き促進で検討すべき地域だと思いますが、先ほども触れましたように、さらに全般的にケース・バイ…ケースで考えていく場合には、政治情勢その他もございますので、通産省だけですべて判断できるというわけでもございませんので、外務省、大蔵省とも検討して、そのつど結論を出していきたい、こう考えております。
#222
○広瀬(秀)委員 きょうは、田中通産大臣、何が何でも出てこいと言って通告はしておったのですが、実は、この問題を少し詰めたいと思ったわけなんですが、通商局長としてはいまの答弁が限度だろうと思いますので、まああとのほうはあまりウエートを置かないで、前段、いま述べられたこと、全く通産省の姿勢として正しいと思うのです。そういう方向で進まれるように要望をしておくと同時に、大蔵大臣にも、この問題は、やはり隣国との平和の問題を含めて、政治家水田三喜男として、これからもぜひひとつ前向きに十分検討して、早期に輸銀の延べ払いというようなものが、少なくとも中国で前進したら、そこまですぐこの問題は大いに追随してけっこうですからやるように、まだ国連復帰等、あるいは国連にオブザーバー参加とか、そういう国連での朝鮮問題というのは中国のようなすっきりしたところへいっていない、そういう条件はあるけれども、これは何といっても日本が三十六年間植民地支配した特殊な国だという立場で、アメリカに先を越されることのないような政治姿勢で、やはりこの問題をほんとうに前向きで、文字どおり前向きで、早急に、われわれが一つのステップとして、国交正常化の機関の中でのワンステップとして打ち出したものがすみやかに実現するように努力していただきたい、こう思うわけであります。
 それから、あまりあと時間がないのですが、関税定率法の問題に触れますが、これはもうこの法案の審議に入ってからすべて質問に立たれた人が触れられた問題ですけれども、国内の経済政策に寄与する、物価安定に寄与する、そういう立場で昨年も四十品目値下げをされた、関税引き下げをやった、これで物価安定に資する、こういうねらいを持ってやったわけだけれども、それがなかなか効果が上がってない、こういうことなわけです。去年も、この問題については、この委員会で最大の関心の的として論議の中心になったわけですけれども、そしてその集約として、「物価安定対策としての関税率引下げ措置がとられたことにかんがみ、その効果が末端消費者価格にまで反映されるよう、行政指導を強化するなど格段の努力をすること。」という附帯決議をつけたわけなんです。そうして、当時の宮澤通産大臣も、私の質問に対しても同種の答えを実はしておったわけです。ところが、いままでずいぶん論議されたように、必ずしもりっぱな効果が上がっていない、こういうことなんです。一体これはどうしたわけなんだ。そのほかに、今度円の切り上げによる一六・八八%、こういうことで、輸入物資は少なくともその程度安く買えるはずである。そういうものを含めて、なおかつ下がらない、こういうことなですね。一体これはどうなんだ。これは流通過程で吸収されたんだろう、いままでの答弁はこういうわけですね。一体、行政指導をやれとわれわれ決議をした。そして大臣も附帯決議については尊重していきたいということを言われたわけです。ところが、一体、この行政指導はどういうようにやったのか、どういう調査をやったのか、そうして業界に対してどの段階の人たちに対してこの行政指導というものを、関税引き下げ分がそのまま消費者物価の引き下げに反映するようにしてくれ、すべきであるという指導はどういう形でやられたのか。行政指導すべきだなんていう附帯決議をつけても何にもならぬということなんです。その辺のことは一体どうなっておるのか、具体的にどういうことをやったのか、これは大蔵省からも通産省からもそれから経企庁の国民生活局からも、三省からひとつ聞きたい。
#223
○赤羽政府委員 昨年度の関税定率法の改正におきまして、いま御指摘のございましたとおり、物価末端に浸透させるために行政指導をとれ、こういう附帯決議をしていただいておるわけでありますが、昨年度新定率法改正が成立した直後に、関税局といたしましては、企画庁の物価担当官会議の席上において、附帯決議の趣旨をよく説明申し上げ、協力を依頼したわけでございますが、今年度の定率改正の議論に際しまして、こちら側から特に物価会議のほうに参りまして、今回の関税定率法の改正の趣旨を説明し、また、当方の関税定率審議会の総会には企画庁から次官も参りまして、企画庁の考え方、並びに当方の関税定率法の改正に対して要望するところを、企画庁代表意見といたしまして述べておりまして、そういった意見は十分今回の改正に反映させておるつもりでございます。
 それから、私から申し上げていいかどうかわかりませんが、いわゆる輸入品の追跡調査は、今年度約二十品目を選んで企画庁において行なっておると聞いておりますが、それを今度さらに六十品目に拡大をいたしまして、引き続きその調査を行なう。これは三月三日の物価関係閣僚協議会でそう決定したということは、この前お話し申し上げたとおりでございます。
#224
○斎藤説明員 お答えいたします。
 昨年度の関税改正につきましての物価引き下げの効果のトレースでございますが、われわれのほうも、ただいま関税局長からお答えがありましたように、物価担当官会議等を通じて追跡の調査をいたしておりまして、自動車、カラーフィルム、マトン、バナナ等につきましては相当額の価格の低下を見ております。また、ニクソン・ショック以来、昨年の十月でございますが、物価担当官会議ではやや弱体でございますので、さらに会議の中に輸入品価格の部会を設けまして、ただいま関税局長からお話がありましたように、二十品目の価格のトレースを始めたわけでございます。現在も実行いたしておりますが、さらに十一月段階におきまして、民間の研究機関に委託いたしまして、五品目につきましての流通メカニズム、なぜ価格が引き下がらないかという点に着目いたした調査をやっております。さらに輸入の自由化その他最近における国際化の状況等にかんがみまして、単に二十品目だけでは足りないものですし、また強力に行政指導を実施する必要がある、こういう認識に立ちまして、三月三日に物価関係閣僚会議におきまして、対象品目の増大とそれに対する強力な行政指導を各省庁において行なわれるべきことを決定したわけでございます。現在品目等についてはさらに調査方法等について検討いたしておりますが、諸般の調査結果を総合いたしまして、個別品目にいろいろ寡占その他の問題があるわけでございます、そういう点につきまして関係各省と協議いたしまして強力な行政指導を実施いたしたいと考えております。
#225
○山下政府委員 私どももただいま御説明のありました大蔵省、経済企画庁等と連絡をとりまして関税及び平価切り上げに伴う輸入物資の価格引き下げに関して、ときに勧告をし、ときに調査をしております。先ほども触れられましたカラーフィルム、自動車等につきましては現に引き下げが行なわれておりますし、また最も生活関連物資に主眼を置いておりますが、一番、目につきやすい百貨店の輸入品コーナーにつきましては、各百貨店に勧告を出しております。私どもの調査では大ざっぱに言ってそれぞれ生活関連物資で直接消費されるような品物は引き下げられておる傾向にありますが、中にある種のものは全く引き下げられていないというのもございます。そういうものについては私どもも現在の行政としてできる範囲の勧告をしております。
 また、直接消費財でない場合につきましては、これが原料として使われる割合、あるいは各過程における競争関係等が関連してまいりまして、流通秩序の合理化が同時に対策として行なわれなければならないということがはっきりいたしておりますので、従来に増してそういう面の合理化対策をあわせ行なっていこう、こう考えております。
#226
○広瀬(秀)委員 各省からお話を聞いたのですか、まあ一番具体的であったのは通産省の話で、百貨店のコーナーに対して、これはおかしいじゃないかということで勧告をしたということなんです。どうもこれは物価問題、確かに各省にまたがる大きな問題だし、しかしこのどこが最高の責任があるのか。物価安定閣僚会議というところが最高の、言うならば政府部内における物価安定に関する最高機関になっているのじゃないかと思うのです。省としては経企庁の国民生活局、ここがやはり私は担当だろうと思う。しかし、その国民生活局が物価担当官会議をやって趣旨の伝達をはかっていくというような答弁なんですね。これはどうもおかしいのであって、実はこれは必ずしも例は適切でないけれども、通産省の通商白書を見ましても、四十五年の、例のインフレを輸入するなどといわれたあの時代に、これは卸売り物価の問題なんだけれども、輸入財が軒並みに値上がりしたということで、五・三%ですか、卸売り物価が値上がった、その際にこの輸入品が上がったことによるものは寄与率として二五・〇九%寄与率があった。五・三のうち一、三三は輸入物資の値上がりによるものだ、値上がりという場合にはもののみごとにそういうぐあいに反映するのですね。ところが輸入物資が下がったはずなんです。ドル・ショックでも下がったはずなんだ。それから関税を下げて、少なくとも文句なしに下がるはずなんです。そういうものについてはトレースしましたというけれども、一体どういうぐあいにトレースして、それについてどう対策を立てたのだということが、わずかにいま通産省から百貨店の輸入コーナーについて下がらないものについて行政の許す限りにおいての勧告をしたという程度が具体的なものとして示されたにすぎない。これは大臣どうなんですか。一体物価を下げることについてこれだけ国会で決議をして少なくともドル・ショックによる、円切り上げによる輸入物資が一六・八八%われわれは下がっていいはずだと思うのだけれども、これにはいろいろの問題点があるかもしれませんけれども、少なくともその半分だって下がるはずなんだ。あるいは逆にまた向こうが価格をつり上げてくるという場合もあるかもしれぬが、しかし関税を下げるというのはそのまま安くなることにつながっていいはずなんですね。そういうものについてわれわれがこれだけ議論をしても、その実があまりあがらぬ。なるほど経済原則で流れるままに輸入先の転換だとか、ブラントに対するイメージチェンジをやれとか、いろいろ公取委員長も言いましたけれども、そういうことじゃなしに、もっと強力な行政指導というものがこういう問題についてできないのか、そのやり方まで含めて物価担当官会議でも、あるいは物価関係の閣僚会議でも、あるいは物価安定推進会議というようなものも内閣総理大臣の諮問機関として設置をされている。そういうものからせっかく答申を受けても、それを行政指導でどこまで実現をさしていくかということについては、これは一体どこがほんとうに責任を持ってそれを見てくれるのか、調査をし、指導をし、勧告をしというようなことをやるのかということについて、具体性がまことにないのですね。この問題について大蔵大臣は一体どういうようにお考えでしょう。去年と同じようにやはりトレースしてみました、やはり下がったものもあるし、下がらぬものもありますし、逆に高いものもありましたというようなことなんですか。それじゃ何のために物価安定と銘を打って関税をことしは七十三品目も下げていこうという、去年は四十品目だったけれども、ことしはさらにそれを強化をして品目をふやした。それが去年とやはり同じ結果だったのでは、それは情けない。毎年同じことを繰り返しておるのでは、われわれは審議するのをやめますよ。こんなばかげたことが常時行なわれているようでは、政府に一体――そういう面でのなるほど輸入物資――国内の個人消費の総支出が四十兆にもなる、そのうちでこの金額が三百億や四百億だというようなことだから、まことにそれは小さいと言えるかもしれぬけれども、少なくともこういうところに示される政府の姿勢というものはやはり物価を下げない原因になっているのだろうと思うのですよ。いかですか。どう責任を負うか。
#227
○水田国務大臣 企画庁を中心で物価対策はやっていますが、先般も物価関係の閣僚協議会を開きまして、各省みな担当して管轄物資についての行政指導をやる。そのためにはまず政府自身が管轄している物資については少なくともこの価格の値下がり分が何かの形で国民にはっきり見えるようなことをとにかくすべきであるということについて、大蔵省の担当、農林省の担当と、担当別にこの問題の検討をすることをこの間きめて別れましたが、さらに具体的に政府の関係している限りの物資についての対策をきめると同時に、一般の輸入値下がりによるものがどういうふうに流通過程で吸収されてしまって末端へ全く還元されなくなっておるのか、どこに欠陥があるか、その問題まで追跡してこれをやろうということをこの間きめて別れたのでございますが、さらにこの対策を徹底していきたい、続けてまいりたいと思います。
#228
○広瀬(秀)委員 大臣、調査をやるだけでは意味がないのですよ。そしてその調査結果がわれわれに提示されたものは、この品目は下がりました、この品目は下がりません、この品目は逆に上がりましたという結果だけ知らされる。下がらなかったのは一体どこに原因があったのか。大体先ほどの、午前中の話じゃないけれども、総代理店というようなところが利準を取り過ぎているのか、あるいはまたその下に卸があるかもしれない、その卸の段階でどれだけ吸収されているのか、小売りのところで吸収されているのか、そういうようなところまでぴしっと調査をして、ここに原因があるのです、だからここを改善すれば、ストレートに関税を下げた分は下がるようになる、ところが現在これです、これに対して、下がってないから勧告をしたけれども言うことを聞かれませんでした、これは何らか法的な措置をとるなり何なりしなければいまの行政権限の範囲内ではだめですというようなところまで、ちゃんとけじめをつけて国会に報告をし、行政指導の実をあげなければならぬと思うのです。価格をこれだけにしなさいという権限はいまの法制のたてまえではなかなかできないかもしれないけれども、少なくとも行政指導という段階においてもかなり効果をあげる方法というものはまだあるだろう。ところが、経済企画庁でもまだそういうことは何もわれわれに言ってない。一体どこに下がらなかった原因があるのですか。大蔵省から出してもらったこの中で、下がらなかったもの、下がったものとこうありますけれども、下がらなかったものについて、流通過程で吸収されるというばく然たる言い方ではなしに、総代理店が悪いのか、卸が悪いのか、あるいは小売りが悪いのか、みんな悪いとすればどの程度ずつ悪いのかというようなことまでどう調べ上げておるか。これが一つ。
 そして、それに対してどういう形で指導をしたのか、このことを明らかにして、ところがさっき通産省が言ったように、これは聞かれませんでしたということならば、それなりにわれわれもまた政策の考え方というのもそれに対応してはっきり出てくるわけです。ところが、それが何も示されてないというところにいつも同じ議論が蒸し返されて、何一つ前進しないということになるわけです。その辺のところはどうなっておりますか、企画庁。
#229
○斎藤説明員 四十六年度の関税引き下げにつきましては、先日関税局のほうからお答えがありましたが、われわれの調査によりましても、相当部分が引き下げられております。なお、この資料で出ておりません部分で三月以降値下がりしておるものもあるわけでございます。
 それから、円の切り上げの関係につきましては、為替の円高が最低一六・八八でございますが、輸入先別に加重平均しますと一二%弱でございます。それで、輸入物価指数を見ますと、一月以来七、八%下がっておりますので、確かに輸入品は下落しておる。いろいろ海外の事情にもよりまして、OPECの値上げであるとかあるいは砂糖の暴騰等ございますが、全体としましては七、八%下がっておるわけでございます。そういうことで、われわれのほうも消費者にそういった利益を還元すべく――ただ実態が非常に不確かでございますので、目下詳細に調査中でございます。
 それで、個別品目につきましては、十二月末にも、五品目について流通実態等について、消費者団体等の監視の素材とするため、いろいろな資料も公表しておりますし、また、物価担当官会議等におきましても、先ほど通産省からお話のございましたように、あるいはまた農林省につきましても、畜産振興事業団による輸入牛肉の放出、あるいはそれをスーパーその他直接に売る方式等についても、担当官会議あるいは企画庁と農林省との間でいろいろ相談しまして、逐次実施してまいっておるわけでございます。
 そういうことで、個々の行政的な手段につきましては企画庁が直接やるというたてまえにはなっておりませんが、関係各省ともいろいろ相談しまして、調査結果による実態の掌握とともに、逐次適切な措置をとりたいというのが、今回の企画庁の決定の趣旨でございます。
#230
○広瀬(秀)委員 あとまだ質問者がおりまして、時間がだいぶたっていると注意されておるのですが、大蔵大臣、あなたも物価関係の重要な閣僚なんですから、この附帯決議――今度ももう一ぺん実は附帯決議を去年と同じようにつけてみたいと思っておるのですが、しかし去年と同じような結果では困るので、あなたが物価担当閣僚連絡会議ですか、協議会ですか、そういうようなところで強力にひとつこの大蔵委員会の論議の模様を発言してもらいたい。そして関係の通産大臣にもあるいは経済企画庁長官にも、やはりそれぞれの分野においてこの附帯決議の趣旨というものは徹底をするように、そして業界に対する指導もかくかくやりましたというような報告も、今度はあなたから報告を求めます。どういうようにやりましたという、そのやったことをこれは報告をとりたいと思います。そういうようなことにしたいと思いますので、十分ひとつその辺のところをお考えになって、この問題が実効があがるように措置されるようにしていただきたいと思うのですが、最後にその点だけ大蔵大臣から決意のほどを伺って質問を終わりたいと思います。
#231
○水田国務大臣 関税の引き下げをやり、また円の切り上げをやっている責任者としまして、これがほんとうに物価に影響がないということだったらたいへんなことでございますので、これははっきりとした行政指導を政府としてもすべきものでございますので、この問題とは積極的に取り組みたいと思います。
#232
○齋藤委員長 松尾正吉君。
#233
○松尾(正)委員 本日の委員会の経過を見て、大蔵大臣もおそらく昼食はなさっていないと思うのです。非常に御心労のようであります。ですから簡潔にお伺いしたいと思いますが、ただ、物価の問題でいま広瀬委員がただしておりましたけれども、私も午前中公正取引委員会それから農林省その他、関税の引き下げをしたものが反映しないということでただしてまいりましたけれども、結局、公正取引委員会においても、現独禁法の段階では、不当がなければ手が打てない。ただ、農林省で今度流通局をつくりまして、ここで輸入物資も、食料品等を含めて検討して、複雑な流通段階だけは、七段階あってこれは不合理だというものがわかったならば、これは四段階に縮めることはできる、こういう答弁を得たわけです。消費者物価に大きく影響するものは流通機構があげられますから、よろしいですけれども、しかし、それだけではまだまだ、いまの輸入品物価、あるいは消費者物価というものに対しては、国民としては十分納得できないと思うのです。そこで、政務次官に最終的にただした結論としては、物価凍結をしろというような、そういうことでなしに、何らかの部分的な法的規制等も考えるべきではないか。八日の日には、最末端消費者価格表示も一つの方法ではないかという意見もありました。それに対して公正取引委員長から、これもむずかしい、こういうことで、いまの各省の報告を聞きましても、結局行政指導にとどまって、相手が言うことを聞かなければどうにもならないという状況にありますから、特に企画庁では積極的に発言はされましたけれども、企画庁長官自身はいまあなたの御答弁とはちょっと異なっておると思うのです。私のところでは積極的にやりたい、けれども何ら権限がなくてただ意見を言うだけでありますのでという、こういう意見を長官が消費者団体との会談のときに述べております。こういうところを見ますと、行政努力は非常になさっておるんで、その努力は私は高く評価したいのです。ただその結果が出ない。こういう点を考えたときに、物価凍結等の法的な大上段に振りかぶった措置ではなくて、部分的に何らかの規制措置等が講ぜらるべきではないか、こう思うのです。佐藤内閣が七年間物価安定、国民生活第一と言ってきたけれども、とうとう何にもやらないじゃないかと言われるような批判を免れるために、せめて置きみやげにこれだけはあとのためにもやったということが実行されていいんではないか、こう思うのですけれども、大臣は行政指導の範囲で手に負えない部分について何らかの規制措置等がこの際講ぜらる必要があるんではないかという問いに対してはどうお考えでしょうか、それだけ最初に伺いたいと思います。
#234
○水田国務大臣 私は法的規制なくしても行政指導で相当のことができる、やろうと思えばできるというふうに考えます。そういう意味におきましては、たとえば今度の農林省の機構改革のごときも相当意欲的な改革でございますので、こういうものが整ったときにほんとうに各省が力を合わせて行政力を発揮するということになりますと相当の効果はあげられるんじゃないか、目に見える効果を出すことは可能であるというふうに私は思っております。
#235
○松尾(正)委員 法的な規制等はそれを見たあとでということになりますか、必要ないということですか、その点はどうでしょうか。
#236
○水田国務大臣 結局それをやった結果必要であるかどうか判断するよりしかたがありません。
#237
○松尾(正)委員 それから、本日の大臣が出席する委員会の趣旨については、八日の日に理事会で取りきめた事項がございます。それは現在すでに百六十五億ドルに達した外貨をこのままおいたんでは再切り上げという大ショックを受けなければならない、これに関してはとにかく次委員会、きょうですね、大臣が出席した冒頭にこの外貨対策についてこういうふうにという案を提示してもらってそれに対して質問を行なう、こういう取りきめになっておるのですが、委員長からこの旨は伝えられていると思うのですが、その点は聞いておりますか。理事会で取りきめた、大臣からこの外貨対策に対する方策を決定してそれを説明した後に質問をしようということが全然行なわれないでなぜこの委員会が開始されたのか、その点委員長にも伺いたい。まず大臣から先に……。
#238
○水田国務大臣 文書課長のほうに委員長からそういうお話があったそうでございますが、実はさっきから申しまするように、私のほうではまだ具体的なものを全部きめてはおりませんので、したがってきょうはこういうような審議の形になったのだということだろうと思います。
#239
○齋藤委員長 委員長からも一言申し上げますが、文書課長を通して、外貨が非常にたまったことに対する対策を出すようにということを申し入れいたしましたが、まだ具体的に案が固まってない、こういうことでございますので、先ほど大臣からお話しになりましたような形で審議が進められておるということを御了承願いたいと思います。
#240
○松尾(正)委員 西独等を見ますと、もうすでに金利の引き下げとか、あるいは現金預託法を実施するとか、あるいはその他のいろいろ手を打っておる、国際収支の再調整の問題で。したがって、理事会で各野党がこのままほっておいてはたいへんだという心配をするぐらいの時期にきているんですから、当然大蔵大臣としてはこの点は慎重にもう考慮されていると思うのです。それで大臣が、八日のきょう十日で、二日しかありませんから期間的に無理だということはわかりますけれども、しかし大臣は、前回の十二月末通貨調整が行なわれたあとで、この通貨調整の効果は二年ぐらいは認められぬのだ、こういう意見を発表されておりますね。その考え方は、いまのこの外貨の急増に対してまだ変わっていないのかどうか、その点はいかがでしょうか。
#241
○水田国務大臣 多国間調整が効果を各国の国際収支にあらわしてくるということは少なくとも一、二年はかかるものだというのは、もう関係国の共通のいま認識になっております。したがって、先般OECDの会合があったときも、各国の代表から、日本はしばらくいまの状態が続くであろう、不況が回復しない限りは日本はまだ国際収支の黒字が続くだろう。同様にアメリカは、たとえ経済が上向いてきたにしても、アメリカの国際収支の赤字傾向というものはまだ直らないだろう。ほんとうなら、あれだけの通貨調整をやったんだから、米国の国際収支に相当の影響があっていいはずでございます。やはりこれも一、二年たたなければその効果を見届けることはできないだろうというのが共通の認識でございますので、したがって、いま日本が通貨調整以後引き続き国際収支が黒字基調で現実にドル保有がふえているということについて、各国でどうこう言っているという空気はございません。ですから、そのために日本がいまの情勢ですぐに円の再切り上げを迫られるだろうというような心配というものは私はないと思っております。しかし問題は、やがてこの通貨調整の効果が出てこなければならないはずですが、これが何にもせずにおきましたら効果が出るべき時期にまだ依然として出てこないというようなときになりますとこれは新しい問題となりますので、この間に私どもはやはり対外均衡策というものを真剣に考えなければならない。そういうことになりますと、やはり基本的な問題ということになりますと、この不況をできるだけ早く克服すること、そうすれば輸入がふえて輸出が当然減って対外均衡の姿が直っていくことでございますから、そういう傾向が出てくれば、これでもう円に対するいろいろな国際間の問題というものは、摩擦というものはなくなっていくことでございますので、やはり早くそういう国際均衡という姿が出るような努力をしなければならないと思います。それがやはり一番基本的な仕事であって、それと同時に、そこまでいく過渡期においてはとにかくドルが蓄積することは事実でございますので、これに対して何らかの対策は必要であるということもこれは当然でございまして、活用する方法も考えるし、不当に準備資産として蓄積することを避ける方法も考えなければなりませんので、それらに関してはいま全般にわたって検討して、もうすでに結論が出ていろいろなことをやっておる問題もたくさんございますが、たとえばさっき申しましたようなああいう短期の負債というようなものを徐々に返していくというようなことも、これは活用の順序としては先にやっていいことでございますし、外債に応じたり経済援助というものについて積極的な姿勢を示すことも一つの方法でございますし、いまは非常に収益的という方向から考えたら運用が十分でない点もございますので、そういう面からの運用というようなものも改善しなければなりません。これも改善すべきものは改善しておるというようなことはいまやって、ここまで来ておりますが、さっき申しましたように、まだ百十億ドルというようなものは流動性確保というような形で残っておるものでございますから、その半分くらいはさらに積極的な活用策を考えたいということで、いまいろいろ検討しているというところでございます。
#242
○松尾(正)委員 非常に御苦労だということはよくわかるのです。それで今度の場合の外貨準備がどんどんどんどん伸びていく姿と前回の調整前の状態と非常に酷似しているというよりも、むしろいまのほうが伸び方は高いという傾向が見られます。ですから、この前の通貨調整の場合にも、ずいぶん以前からどうかどうかということで検討しておりましたが、結局私の頭の片すみにもないというような――これは当然秘密に属する問題ですから、そういうことはあり得ると思うのです。ですが今度の場合にもう一度、もう各国でいろいろな手を打っておる段階の中でわが国だけは外貨がどんどん伸びていく。こういう形になりますと、これは大臣もいまおっしゃられたように、そう長い期間を待たないでそういうことも起こり得るのではないかということは考えられるわけです。ですから今度の場合には、私どもが要求したことは、理事会で決定したことは、もし秘密の問題ですから外に漏れてまずい場合でしたら、理事会の秘密会でもけっこうだと思うのです。いま大臣がおっしゃったもうすでにきまった項目もあるのだ、それからまだ煮詰まっていない問題もあるというような、そういうものに対して一回、国民の非常に関心の高い問題であるから話し合いたい。そうしてもし漏れている分があれば、まだ私どもの意見も当然組み込まれるべきではないか、そういう趣旨で申し上げたのですけれども、大臣は、二日間では非常に期間が短かったのですけれども、最終結論が出るのは、これはたいへんだと思いますけれども、流動性も見ていかなければなりませんから。ですから、いま考えている構想のまとまったものだけでも提示をしてもらって、場合によったら秘密会ないし秘密理事会でもこれをやりたいということを理事会で決定したのですから、これは困るというお考えなのか、やはりそういう心配には十分こたえたいというお考えがあるか、その点を伺いたいと思います。
#243
○水田国務大臣 困るという問題はございません。さっき申しましたように、むずかしい点はドルを政府が保有するという――現在のドルを保有するためには、もう去年だけでも四兆円の円というものを出しておりますし、出しっぱなしでかってにドルの活用をはかるということを中心にいろいろなむずかしい問題が出ておりますので、そういう点の検討をやっておるというようなことでございまして、決してこれを秘密にしておくことではございませんが、ただ、外貨をどう活用しているかというようなことは、各国とも公表しないでたいてい秘密にしておるものでございますが、きょう参議院の大蔵委員会ではそう詳しくは要らない、しかし大体どういう方向でいま外貨の運用をやっておるかということは言えないかというから、いやそれはこちらで整理して秘密理事会、理事会というようなところで御説明することは差しつかえございませんということで参議院とはそういう約束をしました。いまあなたからおっしゃられる問題は、外貨の活用方法について隠すことではございませんが、問題はいま最終案がきまっていないということでございますので、きまり次第一つずつこういうふうにしたいと思うが、というようなことを御報告するというようなことなら随時、それはこちらとしてもちっとも差しつかえございません。これは重要な問題でございますから、私どもいろいろ御意見をお伺いしたいと思っております。
#244
○松尾(正)委員 そうしましたらやはり提案された場合に、これに対して質疑等は漏れてまずい場合、私ども承知はしておりますけれども、まずいものも話の中に出てくる場合もあると思います。したがって、大体いつごろまでにそれがまとまってこれは全部完成したという、これはむずかしいと思いますけれども、いつごろまでに大体の構想がまとまってそれを提示していただけるか。その場合にはぜひ秘密理事会ででも討論したい、こう思いますので、その時期を伺いたいと思います。
#245
○水田国務大臣 四月一ぱいくらい待っていただけるのなら大体の方針を……。
#246
○松尾(正)委員 もう少し早くなりませんか、お忙しいのはよくわかりますが。
#247
○水田国務大臣 できるだけ早くいたしますが、そのくらいの余裕を見ていただけば大体の方針がきめられると思います。
#248
○松尾(正)委員 ぜひ、これは大事な問題ですので誠意をもって運んでいただきたいと思います。
 それから、この外貨減らしとそれから先ほど大臣からもお話がありましたように、黒字基調が続かないための対策、いわゆる当面の対策とそれから今後長期にわたっての対策が必要であります。まあ私、先ほど簡潔に申し上げますということでしたので、この国際収支の大幅な黒字傾向というものを是正していくには、やはりいままでのような庶民のふところから集まったお金を企業が使っていくというような形が繰り返されておったのでは、これは絶対に解決はしないと思う。この点についてももう大臣はよく了解されていると思いますから、十分配慮して、要するに真の転換をはかってもらいたいということであります。
 それから具体的に一つ、わが国では石油をはじめ一〇〇%資源を外国に仰がなければならないような立場にありますから、資源ということは非常に重要で、藤井委員からも広瀬委員からもありましたように、この資源を備蓄するために、商社ではリスク云々、リスクを考えるとなかなかまとめて買えないというような、非常にむずかしいということで終わっておりますけれども、私は、ひとつリスクを政府が保証するといえば企業はどんどん買いだめるでしょう。しかしそれじゃ、やはり国民がかせぎ出したドルですから、これを一企業に利益を得せしめるということは問題があると思いますので、政府の備蓄公社的なものをつくって、ここで資源を備蓄していくという方途は、当然石油その他鉱石等の資源には絶対に必要であろうと思うので、この私見に対して大臣はどうお考えか、それだけ伺っておきます。
#249
○水田国務大臣 そういう問題までこの問題はみな関係してくると思います。法律を要する問題がたくさんございましょうし、それがこの問題と毎日取り組んでおるんならもっと早く片づくことでしょうが、何しろ国会で毎日食事の時間も与えられないくらいでいますので、関係事務当局と大臣とこういう問題をほんとうにやっている時間がいまない、そのためにこの予算が済む四月一ぱいくらいということを予定しているわけでございます。
#250
○松尾(正)委員 よくわかりますが、備蓄公社という考えには大臣はどうかということです。
#251
○水田国務大臣 そういう考えも検討の中にいままで出ておりましたし、はたしてそれがいいか悪いかということもこれから議論する問題でございますので、当然そういう問題に触れた検討をいたします。
#252
○松尾(正)委員 それからもう一つは、金を自由化したらどうかという考えを持っているのです。というのは、ドル対金の比率で、フランスでは五二%金があります。ドイツでは二五・八%、米国で九七・六%、それから英国で一七・四%。ところがわが国ではSDRの引き出し権その他を含めますと百六十四億ドルに対して四・七%、いわゆる七億ドルあまりしかない。こういう状況で、実はドルはうんと国民がかせいだけれども金は国民は全然持っていない、こういう関係にあるわけですね。それで金を少なくしてとにかくドルを、金は生産コスト等が非常に高いし、産金量、いわゆる金の供給ということはもうほとんどゼロといっていいような状態でありますから、それよりもドルを貸し付けたりして金利をかせいだほうがいいという状態で、金の自由化というものはずっと行なわれずに政府が握っておる、こういう形ですが、こういうアンバランス、各国にも例を見られないような状態になったときには、この金の自由化ということは当然考えていいんではないか、もう少し国民に金を持たせて、そうして金の比率を向上させていくことが妥当であろうと思うのですけれども、お考えを伺いたいと思います。
#253
○水田国務大臣 方向としては賛成でございますが、いろいろな問題がございますので、局長からお答えします。
#254
○稲村(光)政府委員 金の問題でございますが、ただいま先生御指摘になりました金の割合は、いわゆる貨幣用金と申しますか外貨準備の中で各国の通貨当局が持っております公的保有金のことでございますが、これは御指摘のように日本の場合は非常に低いということは全く事実でございます。
 それからもう一つ、金の保有、外貨準備がふえてきた状況においてはもっと民間に金の保有を認めるべきではないか、金を自由化すべきではないかという御意見でございますが、これはただいま大臣も申されましたように、一つの方向としてはまさに妥当な方向であろうと存ずるわけでございますが、問題は、いま国際通貨情勢のもとで、貨幣用金、産業用金こう二つに観念的には一応分かれておりますけれども、産業用金のほうにつきましては自由相場と申しますかが出ておりまして、自由に売買されておりまして、これがそのまま直ちに貨幣用金のほうの国際通貨問題と関連するわけではございませんが、しかし、何といってもやはり同じ金でございますから、そういう意味で、急激に、大幅の輸入が起こるという点についての若干の問題はございます。
 それからもう一つは、これは国内の産金量との関係という一つの問題も日本にはあるわけでございますが、ただ、方向といたしましては、まさに御指摘のとおり、現在におきましても国内の一般の需要量は制限なしに貴金属特別会計を通じて輸入をいたしておるわけでございますから、確かに民間の金の保有というものはもっとふえてしかるべきではないかという点はおっしゃるとおりであろうかと思いますが、そういうようないろいろな問題を考えながら、この点につきましても今後検討してまいりたいと思っておる次第でございます。
#255
○松尾(正)委員 いま国際金融局長から問題点等もあげられましたけれども、私はこの問題点のウエートと、実際にいまIMFにおいても、もうアメリカでは金兌換を停止をして、いつこれが解決するかという見通しはほとんど立っておりません。それから貿易関係を見ますと、あらゆる密輸関係の中で金の密輸が非常に高いウエートを占めている。犯罪人をたくさん出している。それから国際価格と日本の金の価格を比較しますと相当に高い。ここらに密輸の根本的な原因があるわけです。犯罪人をつくるようなこういう仕組みというものがはたしていいかどうか。非常にコストの高い国内のわずかな産金量、指輪一個で銅何トンというものがなければできないようなものを、いま産業転換が叫ばれているときにそれをやらなければならないのかどかうという点、こういった点を考えてみると、やはりこれは、この際大臣もその方向でとおっしゃるのですから、すみやかに進める必要があろうと思う。私は、いまことばには出てきませんけれども、金の自由化ということになると、アメリカは相当びっくりするようなことも起きてきはせぬかという政治的配慮のほうがむしろウエートが大きいので、国際金融局長が指摘した問題点と、いま私が申し上げました国際価格との差、密輸が起こる、犯罪人をたくさんつくる、こういったことを考えましたときに、それからドルをうんとかせいだけれども兌換停止というものが解決する見込みがないとしたならば、これらを総合したときに、どうしても促進すべきだ。ただし、いま国際金融局長が心配しているように一挙にふえるようなことがありますと、アメリカとの問題もございましょう。ですからそうでなくて、自由化してもやはりある程度の量の規制はできるのですから、そういう方向等を考慮した上で、大臣もその方向だとおっしゃるのですから、大臣、その方向で御検討願いたい、こう思います。大臣すっかり疲れちゃって、もう目をあかないようですから、これでやめますけれども、どうかそういう方向で御検討願って、そして先ほど申し上げましたこの対策については四月ごろというのですが、もう四月ごろになると内閣が交代しちゃうかもしれない。それでは意味がありませんから、せめて置きみやげに、長い間何回も大蔵大臣をやられた水田さんとして、この点だけは国民の声を聞いてこういう手を打ったというものをおみやげに残していただきたいということを要望して私の質問は終わります。
#256
○藤井委員 関連して。
 たまたまきょうは政府、日銀の保有外貨の活用方法について期せずして同じ方向で与野党一致したいろいろな意見が出たわけでございまして、ひとつ大臣、先ほど広瀬委員の質問に対する御答弁で、円をもってドルを買わなければドル、外貨減らしということができない、そういう操作をいろいろお話があったのですが、私はやはりドル建ての外貨、現在アメリカの銀行の当座預金とかあるいは政府の短期証券になっておるですね、そのある程度の部分を物にかえておく。ただしこれはやはり公的機関、先ほど松尾さんからもお話があったですけれども、公社か公団か、私は受けざらと言ったのはそういう意味なんですが、そういうものをつくれば、何らできないことはない。そういうものを積極的につくることをぜひひとつ御検討願いたい。きょうは民社党の竹本さんの御出席がないですが、たまたまわれわれ理事の窓口でいろいろ話をしているときに同じような意見なんです。これは私は日本国民の一つの共通の常識になっていると思うのです。この常識に立って施策の実現を急いでもらいたい。そういうことをしないと、ドルはたまり過ぎて、これまた平価調整の材料になることも、広瀬委員指摘のとおりなんですから、一石二鳥、積極的にやっていただきたいことを最後にお願いをして、ひとつ真剣に御検討願いたい、こう思います。
#257
○水田国務大臣 承知しました。
#258
○齋藤委員長 小林政子君。
#259
○小林(政)委員 短い時間なので大臣簡潔に答弁をお願いしたいと思います。
 大臣は社会主義諸国との貿易の方向を拡大をしていきたい、先ほどこういうことを示されたわけですけれども、社会主義国に対する輸銀融資の使用については従来ケース・バイ・ケースということで実質的には認めなかった。一体この根拠は何なのか。この点についてお伺いをいたしたいと思います。
#260
○稲村(光)政府委員 御質問の御趣旨は必ずしも十分に把握しかねているわけでございますけれども、社会主義国に対しまして輸銀資金を使用するかどうかという点についての基準があるかということでございましたかと思いますが、この点につきましては、先ほど大臣も御答弁になっておりますように、輸銀資金については案件によってケース・バイ・ケースで判断をいたしておるわけでございますので、特にそういう意味の何か特別な基準というものがあるわけではございません。
#261
○小林(政)委員 それであれば、輸銀融資の使用を認める基準というものを、ちょっと明確にしていただきたいと私は思います。
#262
○稲村(光)政府委員 これは輸銀法に基づきまして輸出入銀行においての関係各省庁と協議をいたしつつ認めるわけでございますが、それが非常に償還確実なプロジェクトであるということであれば、輸銀法上の問題もございません。あとは全体的なそのプロジェクトのメリット、その年限、金利、その他ケースによりまして判断をいたしているということでございます。
#263
○小林(政)委員 ということは、政治的な理由によって差別するということではないということですね。
#264
○稲村(光)政府委員 これは先ほど大臣が御答弁になりましたとおりでございまして、むろん政治的な理由によってどうということではございません。ただ、国としてどうするか、輸銀として政府としてどういう態度をとるかということにつきましては、外交上の問題等はむろん考慮の一つにはなると存じます。
#265
○小林(政)委員 外交上云々というお話がいま出ましたけれども、私はやはり輸銀の融資の使用問題等については具体的には通産省との関連もございましょうし、また外国為替及び外国貿易管理法の四十八条の第二項「前項の政令による制限は、国際収支の均衡の維持並びに外国貿易及び国民経済の健全な発展に必要な範囲をこえてはならない。」これが輸出の承認の条項でございますけれども、私は、この点からいくと、外交上の問題云々ということは、むしろこの条項から考えても国際収支というようなものについて均衡を維持していくのだ、こういうことと、あるいは国民経済の健全な発展、一体どこに該当するのか、明確にお答えをいただきたい。
#266
○稲村(光)政府委員 ただいま御指摘の条文は、外国為替及び外国貿易管理法の問題でございまして、輸銀融資の問題とは直接関係がないかと存じます。つまり外国為替及び外国貿易管理法のほうは延べ払いを認めるかどうかというほうの問題でございます。輸銀融資を認めるかどうかという点は、むしろ輸銀法の関係及び政府機関としての輸銀のあり方の問題であろうと存じます。
#267
○小林(政)委員 私は、延べ払いの問題、これは具体的には輸銀を必要とする、こういう関連から考えますと、この問題は全く切り離して考えるということはできないのじゃないか。だからこういう点で私がはっきりさせたいことは、外交上云々の問題とかあるいは政治上の問題ということになると、一体この条項のどこに抵触してくるのだろうか、こういうことは今後やはり大きな問題になってくると思いますので、その点についてもう一ぺん明確に御答弁を願いたいと思います。
#268
○稲村(光)政府委員 ただいまの問題はただいま御答弁をいたしましたとおりであろうと存ずるのでございますが、つまり延べ払いのほうは外国為替管理法系統の問題でございまして、これにつきましてはやはりそちらのほうの系統から延べ払いを認めるべきかいなか、つまり決済条件としての延べ払いを認めるべきかいなかというほうの考慮になると存じます。輸銀融資を認めるべきかどうかということにつきましては、これは輸銀のあり方との関係でございまして、若干違う問題であろうかと存じます。
#269
○小林(政)委員 議論をしておりますと、ごく限られた時間でございますので先に進みたいと思いますけれども、大臣にお答えを願いたいと思います。
 日朝議連の訪朝問題で、いわゆる貿易の合意書も成立をいたしておりますし、またベトナムに外務省の三宅課長が接触を保つ、こういうような情勢の中で、貿易関係との話し合いが行なわれたということも報道されております。私は、このようなことを考えますと、貿易を今後社会主義国との間で拡大していく。この場合には先ほど来問題になっております技術者とか貿易関係者の交流の問題、あるいはまた長期延べ払い、これに伴う輸銀の融資の使用というものが当然切り離せない大きな問題になってくると思います。これらの点については単なるケース・バイ・ケースではなくて、もっと具体的な積極的な姿勢というものを今後打ち出されようとしているのかどうか、この点についての基本的な態度を大臣にお伺いをいたしたいと思います。
#270
○水田国務大臣 さっきお答えしましたように、いま政府の方針としては国によって別に区別しないという方針でございます。
#271
○小林(政)委員 次に、外務省にお伺いをしたいと思いますけれども、日本がココムに参加して得る利益というものは何なのか、お答えをいただきたいと思います。
#272
○片山説明員 お答え申し上げます。
 最近東西関係の緊張緩和が進んでおりますことはまことに歓迎すべきことであると考えております。しかしながら、現実の国際政治を見てまいりますと、イデオロギーの違いというようなことからくる差異は、だんだんと意味は薄れておりますけれども、やはり東西の間に差異があるということは否定できない事実でございまして、もし万一こういう差異を激化するような戦争手段でございますとか、あるいはそれに直接関連のありますような戦略的な物資、こういうものの輸出につきましては、わが国としても慎重に取り扱わなければいけないのではないかというふうに考えておりますので、西側諸国との申し合わせに従いまして、そういうものの輸出につきましては規制を加えておるということでございます。
#273
○小林(政)委員 ココムは明らかに社会主義国に対する敵視の政策から出ているものであろうというふうに考えますけれども、この社会主義国を敵視していくという方針をこれからもずっと一貫して続けるつもりがあるのかどうなのか。
 それからまたココムの対象品目というものを明らかにしてもらいたいと思います。
#274
○片山説明員 最初の点でございますけれども、ココムといったものの廃止は、これはやはり究極的な目的である。そういう東西間の差異がなくなりまして、もうそういうココム的なものの必要が全然ないという事態が来ることは、これは究極的な理想としてあるべきだというふうに考えております。
 それから第二の点でございますけれども、ココムの品目表は、これはココム委員会の申し合わせによりまして、一切公表してはならないということになっておりまして、これまで世界のどこにおきましても発表されたことがございませんので、これは申しわけございませんが、発表いたすわけにまいりません。
#275
○小林(政)委員 ココムは、これは明らかに条約でもなければ、正式な協定でもない。したがって、国会にもはかることなく、いわゆる行政限りのものとして成立しているものでございますし、このような非公式なものが、社会主義国を敵視するというような強い規制、こういう権限を持つと同時に、その対象品目も、国会で要求してもこれが公表できない、こういうことになりますと、私はこのことは明らかに政府の裁量権の乱用であると同時に、国会を無視するものだというふうにいわざるを得ないと思います。私は、国会法の百四条によって、ココム対象品目を資料として要求いたしたいと思います。委員長、ぜひともこの点を委員会におはかりをいただきたいと思います。
#276
○齋藤委員長 理事会で相談いたします。
#277
○小林(政)委員 この問題につきましては理事会で御相談をということでございますので、質問を留保いたしたいというふうに考えます。
 最後に一点だけお伺いいたしますけれども、いま政府は、先ほど来大蔵大臣も述べられましたように、中国との国交の正常化の問題、あるいはまたアジアの社会主義国との接触というようなことについても、これを進められていると同時に、こういう中でココムに参加するということは私は矛盾すると思います。ココムを直ちに脱退すべきではなかろうかというふうに考えますけれども、脱退をする意思があるかないか、この点を最後にお伺いをして、私の質問を一応閉じたいと思います。
#278
○片山説明員 これはたいへんな問題でございまして、私ごとき者の口から、はかばかしいお返事ができないのでございますけれども、やはりわが国と密接な関係のございます西側諸国の、非公式ではございますが、国際的な申し合わせに従ってやっておるわけでございますから、やはり西側との国際的な協調ということをまず十分に検討しなければならないのではないか、こういうふうに考えております。
#279
○小林(政)委員 この重要な問題については答弁ができないということでございますので、この問題についても私は質問を保留したいと思います。
#280
○齋藤委員長 関連して広瀬秀吉君。
#281
○広瀬(秀)委員 共産圏貿易で、先ほど朝鮮民主主義人民共和国との関係をいろいろ伺ったわけですが、関税格差問題、これは中国の問題は、私どもここ数年議論をしてきましたが、かなり前進をして、ぎりぎり国内産業保護上どうしてもぶつかり合うというところで八品目が残るということになって、この点はたいへん改善されたわけだけれども、たとえば朝鮮民主主義人民共和国あるいは北ベトナム、こういうところとの関税格差の問題は、やはり中国にならって逐次改善をしていく、こういうように理解してよろしいかどうか、この点はっきりさしておいていただきたい。
#282
○赤羽政府委員 ただいまの御質問でございますが、いわゆる中国大陸産品の格差解消というのは、中共、北朝鮮、北ベトナム、東独、モンゴル、アルバニアといった社会主義関係の国々に対しまして無差別に適用されるわけでございます。したがいまして、中共格差と一応これは常識的に申し上げておりますけれども、ここで行ないます格差解消は、ただいま申し上げました国に対して一律に適用されております。
#283
○齋藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
 次回は、来たる十四日火曜日、午前九時五十分理事会、十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後五時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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