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1971/03/14 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第5号
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1971/03/14 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第5号

#1
第068回国会 大蔵委員会 第5号
昭和四十七年三月十四日(火曜日)
    午前十時四分開議
 出席委員
   委員長 齋藤 邦吉君
   理事 宇野 宗佑君 理事 丹羽 久章君
   理事 藤井 勝志君 理事 山下 元利君
   理事 広瀬 秀吉君 理事 松尾 正吉君
   理事 竹本 孫一君
      上村千一郎君    奥田 敬和君
      木村武千代君    倉成  正君
      左藤  恵君    佐伯 宗義君
      坂元 親男君    地崎宇三郎君
      中川 一郎君    中島源太郎君
      野中 英二君    原田  憲君
      坊  秀男君    三池  信君
      毛利 松平君    森  美秀君
      山口シヅエ君    吉田 重延君
      吉田  実君    平林  剛君
      堀  昌雄君    山中 吾郎君
      貝沼 次郎君    寒川 喜一君
      小林 政子君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局長    吉田 文剛君
        大蔵政務次官  田中 六助君
        大蔵省主税局長 高木 文雄君
        大蔵省関税局長 赤羽  桂君
        大蔵省理財局次
        長       小幡 琢也君
        運輸省航空局監
        理部長     住田 正二君
 委員外の出席者
        法務省民事局第
        三課長     枇杷田泰助君
        国税庁直税部長 江口 健司君
        大蔵委員会調査
        室長      末松 経正君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十一日
 辞任         補欠選任
  貝沼 次郎君     浅井 美幸君
同日
 辞任         補欠選任
  浅井 美幸君     貝沼 次郎君
同月十四日
 辞任         補欠選任
  松本 十郎君     左藤  恵君
  村上信二郎君     野中 英二君
同日
 辞任         補欠選任
  左藤  恵君     松本 十郎君
  野中 英二君     村上信二郎君
    ―――――――――――――
三月十三日
 元満鉄職員等の共済年金通算に関する請願(広
 瀬秀吉君紹介)(第一三四〇号)
 生命保険料の所得控除限度額引上げ等に関する
 請願(広瀬秀吉君紹介)(第一三四三号)
 個人企業の税制改正に関する請願(濱野清吾君
 紹介)(第一四九六号)
 自動車損害賠償責任保険料の据置きに関する請
 願(渡部恒三君紹介)(第一四九七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
三月十一日
 付加価値税創設反対に関する陳情書外八件(兵
 庫県議会議長内海都一外八名)(第一九号)
 国家公務員共済組合法による年金改定に関する
 陳情書(稲沢市下津町土山五一北川三次郎外一
 名)(第一一〇号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第二二号)
 航空機燃料税法案(内閣提出第二〇号)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三五号)
     ――――◇―――――
#2
○齋藤委員長 これより会議を開きます。
 関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は、去る十日質疑を終了いたしております。
 これより討論に入るのでありますが、本案につきましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 関税定率法等の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#3
○齋藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
    ―――――――――――――
#4
○齋藤委員長 ただいま議決いたしました関税定率法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、藤井勝志君外三名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。広瀬秀吉君。
#5
○広瀬(秀)委員 ただいま議題となりました関税定率法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、提案者を代表して私よりその趣旨の説明を申し上げます。
 まず、案文でありますが、案文はお手元に配付しておりますので、朗読は省略させていただきます。
 この附帯決議の内容につきまして簡単に説明させていただきます。
 第一は、今回の改正案におきまして、最も重要な柱として、生活の安定、充実のための生活関連物資の関税引き下げが提案されておりますが、この趣旨達成のためには、関税引き下げの利益が中間の流通段階で吸収されることなく、末端の消費者に十分還元されるよう追跡調査を徹底する等、行政指導を強化するとともに、輸入品の流通機構を整備する等、特段の措置をとるべきであるということでございます。
 第二は、今回の改正案において、多数の品目にわたって、わが国としての立場から関税の引き下げを行なうのでありますが、関税引き下げのみならず、輸入自由化等、最近におけるわが国の国際化への努力は、目ざましいものがあると考えられます。
 このときにあたり、近時関税引き下げ等に関する次期国際ラウンドのための交渉がガットの場において開始されようとしていることにかんがみ、わが国としても関税制度の全般的な見直しを行なうとともに、今後関税及び非関税障壁の軽減、撤廃につとめるべきであります。
 このようなわが国の努力を背景に、これと同時に、アメリカをはじめ諸外国に対してもその関税及び非関税障壁を軽減、撤廃させるよう強力に働きかけを行なうべきであるということであります。
 以上、附帯決議の趣旨でございますが、何とぞ満場一致御賛同くださいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
   関税定率法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について十分配慮すべきである。
一、国民生活の安定、充実のための生活関連物資の関税引下げ措置がとられたことに伴い、その効果が末端の消費者価格に十分反映するよう調査と行政指導を強化するとともに、輸入品の流通機構の整備等について特段の措置をすること。
一、次期国際ラウンドが発足することとなることにかんがみ、わが国としても関税制度の全般的な見直しを行なうとともに、今後関税及び非関税障壁の軽減撤廃に努めるべきである。これと同時にアメリカをはじめ諸外国に対しても、その関税及び非関税障壁の軽減撤廃を強力に働きかけること。
    ―――――――――――
#6
○齋藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 おはかりいたします。
 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。水田大蔵大臣。
#8
○水田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を尊重して善処いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
#9
○齋藤委員長 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#11
○齋藤委員長 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案及び航空機燃料税法案の両案を一括して議題といたします。
 両案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしております。
 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。平林剛君。
#12
○平林委員 きょうは私は、租税特別措置法の一部を改正する法律案について、総括的な質問は後日に残しまして、緊急お尋ねしたいことがございましたので、政府からの御見解を求めたいと思っておるわけでございます。
 実は今度の改正案の中に、いわゆる二線引き畦畔を時効取得でその所有権を確定する問題につきましての登録税の期限を再延長することになったのでありますけれども、これは御承知のように、いままでは五年間登録税の軽減が行なわれておりましたが、今日までこの法律に基づいて処理をされてまいりましたいわゆる時効取得の実績といいますか、今日までの経過概要はどのようになっておるか、それをまずお聞かせをいただきたい。
#13
○高木(文)政府委員 二線引き畦畔の取得時効につきましては、畦畔の占有者から取得時効の申し出があったものについて、国有財産時効確認連絡会に付議して、取得時効が完成しているかどうかということについて連絡会に意見を求めまして、取得時効が完成しているということが認定されたものについては、大蔵省の財務局の手によりまして、国有財産の台帳から除却をするという処理を行なうことになっていることは、平林先生もよく御存じのとおりでございます。
 この取り扱いにつきましては、四十二年から実施しておりますが、四十六年度はまだわかっておりませんが、四十五年度までに行ないました件数を、私どもが調べてまいりましたのを申し上げますと、昭和四十二年度に二百七十六件、昭和四十三年度に二百十五件、昭和四十四年度に三百二十六件、昭和四十五年度に三百三十七件、四十六年度はまだ把握いたしておりません。以上、合計四年間で千百五十四件というのが、付議した件数ということになっております。
 そのうちで、この連絡会におきまして、取得時効が完成しているということで認定を受けました件数が、四十二年度以降それぞれ百五十三件、百七十五件、三百二十五件、三百三十七件ということで、合計九百九十件というふうに聞いております。
#14
○平林委員 私が承知しておる件数といま御説明がありました件数では、数字においてかなり開きがございますが、どちらが正確であるか、これはきょうは問わないことにします。
 ただ問題は、この問題の取り扱いが本委員会で議論をされまして最終的にその取りきめがきまり、租税特別措置法の中で登録税の問題について各党の意見が一致して法案が修正されたわけでありますけれども、今日五カ年間の処理の状況の経過を見ますと、申請書を出して財務部の現地確認までの期間が長過ぎて二年以上も経過をしておるというような実態でございまして、これではこの問題を取り扱って一つの結論に達したのにかかわらずあまりにも時間がかかり過ぎる、こういう実態になっておるわけでありますけれども、この期間を短くするというような方法についてもう少し行政当局におきましてくふうをすべきではないか、こういうふうに考えるのでありますけれども、御意見がございましょうか。
#15
○高木(文)政府委員 いま理財局から、すぐ参りましてお答えさせますので、ちょっとお待ちいただきたいと思います。
#16
○平林委員 では理財局長が来るまで、同じ問題でありますがちょっとお尋ねしておきます。
 この問題についての法律改正の延長期間が、いままでは五年でございましたが今度は二年になっておりますね。これは何か特別な事情があるのでしょうか。つまり二年たつというとそれで期限がくるとか、あるいは二年過ぎた場合にはどうするとかという考えがあったのか、何か特別の事情があって、従来五年であったものを二年という短期間にしたのか、これはどうなんでしょうか。つまり、われわれがこの法を改正するときには、一般関係者に周知徹底せしめるという意味で五年間というあれをしたのでありますけれども、今回はこれが二年になっておる。これは何か特別な事情、理由があって期限を短くしたのかどうか、そこの御見解を承りたいと思います。
#17
○高木(文)政府委員 ただいまの点につきましては、実はあまり深い特別な事情は何もございません。租税特別惜置法によります期限につきましては、非常に長いものは五年、それから三年、二年というように、制度によりまして通例とっております期間は、五年のものと三年のものと二年のものがそれぞれの目的に応じてとられておるわけでございますが、いろいろこう並べてみますと、やはり二年のものが一番多いのがこれまでの慣例になっております。
 そこで、前回は国会の御意思がありまして、また初めてのことでもありますので相当この処理には時間を要するであろう、いかに租税特別措置ということで臨時の惜置であるにしても、最小限五年は必要であろうということで五年という御意見であったと思われますし、政府サイドにおきましても、それを前提にして五年ということで、スタートのときには五年という期間を置いたわけでありますが、今回それを延長するのは当然必要だと考えまして、その場合にその期間をどのくらいにすべきかということにつきましては、まあ率直に申し上げてあまり深く、長いほうがいいとか短いほうがいいとかいう判断をしないで、むしろ一般の慣例に従って二年にするというふうにしたわけでございまして、そのときには二年たったらそれをやめるとか二年たったら再検討するんだとかという感じよりは、どちらかというと、一般の慣例に従ってとにかく二年だけは延長して、そして様子を見るという趣旨だというふうに御理解いただきたいと思います。
#18
○平林委員 理財局長が来たら具体的な実例をお尋ねをして、この問題の処理にかかわる問題点を明らかにしたいと私思うのでありますけれども、申請書を出してから現地確認までの期間が長過ぎて、事実上問題の処理ができるまでの間に二年以上かかっておるという状態なんであります。そうなりますと二年という期間は、これからもなお処理を要する問題があるときに、期間を短縮するくふうがあればともかくとして、非常に短過ぎる。事の問題から考えて、私はさきに国会として当委員会が五年間を至当とすると考えた判断は間違ってなかったんじゃないかということから、二年間ではこの趣旨が徹底をしないし、かえって何回も延長また延長というようなことになるかもしれない。私は初めからこの問題の議論をするつもりはありませんけれども、やはりその問題から考えてみて、今回も五年間くらいの延長にするのが至当ではないかと実は考えておるような次第でありまして、この点は、委員長並びに委員会の理事の皆さんにもひとつ御注目を願っておきたいと私は希望する次第であります。これはあとで理財局長が来て、私が実態を明らかにする中で私のこの主張が理解をしていただける、こう考えておりますが、もし御見解があれば承りたいと思います。
#19
○高木(文)政府委員 租税特別措置を延長いたします場合の延長期間をどのくらいの期間にするかということにつきましては、それぞれの制度につきましての関係、つまり産業関係でございますとたとえば通産省でありますとか、教育関係でありますと文部省、それぞれの関係のところからはできるだけ長いほうがありがたい、こういう要請が出てくるわけでございます。私どもといたしましては、いまさら申すまでもございませんが、租税特別措置はあくまで例外規定でございますので、短いことが望ましいということになるわけでございます。そこでどの措置につきましてやや長めに定め、どの措置については二年にするかということは、まあ率直に申し上げてなかなか選別がむずかしいということになりますものですから、機械的、一律的でたいへん恐縮でございますが、特別の事情がなければ二年にさせていただいておるということだけをつけ加えて御説明しておきたいと思います。
#20
○平林委員 まあ期間の問題はあらためて御検討いただきたいという希望を添えておきまして、理財局からお見えになりましたから先ほどの問題点に戻りますが、御承知のようにこの二線引き畦畔の取得時効の事務処理につきまして非常に時間がかかり過ぎる。先ほど、法が制定されましてから今日までの、取り扱いがきまってからの処理件数のおおよそのお話ございましたけれども、非常に時間がかかり過ぎる。その結果いろいろな弊害が起きてきている。そこでこの期間があまりかからないようなくふうをすべきだと思うのでありまして、今日まで法律を実際に取り扱ってきた関係当局として、この期間を短縮するためのくふうが何かございませんかということをお尋ねいたしたわけでありまして、何か御意見があれば承りたい。
#21
○小幡政府委員 国有畦畔、いわゆる二線引き畦畔の取得時効の完成を主張されました場合に、財務局のほうといたしましては四十一年度から従来の取り扱いを改正いたしまして、新しく法務局の訟務部長と合同で国有財産時効確認連絡会というものを設けまして、早急にこれに付議いたしまして、その意見を聞きまして時効完成の認定をし、国有財産台帳から除却する、こういうふうに処理をいたすことになっているわけでございますが、その事務処理といたしまして、まず申請書が出ました場合には二週間以内に審査をする。審査の結果現地調査を要するものがございましたならば現地調査をいたしますが、その現地調査も原則として審査が終わりましてから二週間以内にする、こういうことに相なっております。それで、その現地調査後直ちに先ほどの国有財産時効確認連絡会にかける。そういうことでございますので、そうおそくはないと思いますが、ただ、二週間、二週間と申しましても間に間隙がございますので、たとえば関東財務局あたりの処理例を聞いてみますと、大体四十日ぐらいかかっている。要するに申請書を受け付けましてから認定するまでに四十日ぐらいかかっている。もちろんこれは局によって違うと思いますが、関東財務局ではそういうようなことを申しております。
 それで、おそいじゃないかとおっしゃるのは、財務局のほうで認定いたしましてから保存登記をする場合に、登記所のほうでこれを受け付けるその間がおそいというのが一つあるんじゃないか。それからもう一つは、申請書をこちらに出します場合に、これは最初の入り口のほうでございますが、申請書に数量を書く欄がございますが、その数量につきましては、何ぶんああいった畦畔でございますから、現況が確認されないところもございます。そういたしますと図上で、公図で求積いたしましてこれくらいということでやるわけでございますが、場合によっては測量をしなければいかぬ。そうすると測量図をつくるのが、相手方は、これはたいへん金もかかりますし、それから時間もかかる、そういうことを申しております。
 そこで、昨年の七月から実は国土調査法に基づきます地籍調査、これが行なわれている地域につきましてはその地籍図をもって測量図にかえまして、地籍図の写しをつけてくればよろしい、こういうふうに経費の軽減とか事務処理の簡便化、迅速化をはかっているような次第でございます。これは何ぶん昨年の七月からそういうふうにいたしておりますので、その効果はまだあらわれているかどうか確認いたしておりません。そのようにいたしまして、私どものほうとしてはできるだけ迅速に処理したい、こういうふうに考えております。
#22
○平林委員 私はこの問題を提起いたしましてから、二線引き畦畔の存在が非常に広範でかなり数量もあるという点で、実際行政にあずかる財務部の人員その他から見て、御苦労なことだということは十分理解をしているつもりです。ですから、できればそのために人員について確保すべきであるという理解は示しているつもりであります。しかしいまお話のような、申請書が出されたら二週間以内に審査をし、その後現地の確認までに二週間程度あれするというようなことで実際はいっておらぬのですよ。そのとおりにおやりになっていただければよろしい。あなたが国会でそういうふうになっておるということで、もしできなければ、事務当局はわれわれの怠慢であるというそしりを受けることに相なるわけでございます。実際上困難であるということを私は承知をいたしておりますから、そんなあなたの答弁をたてにしてむごいことは言いません。言いませんが、お話のような期間で処理はされていないのであります。これは私はその期間内に処理をするためにやろうと思えばできる。つまりこの手続の簡素化ということをやればいいわけです。いま次長がお話しになったような原則で実行されるためには、一つのケースができたら、大体同じ類型が多いわけでありますから、手続を省略する形において処理するという申し合わせも初めはできていたわけです。ところが実際は、財務部の当局が各地区ごとに分かれて分担処理するような仕組みになっているために、各担当の見解が不統一になって、その事務当局の統一見解するために時間がかかっているんですね。それから財務部各担当者の異動がある。異動があるたびに、事務になれないもので、事務が停滞するという状況が生まれているわけであります。もちろんいまお話しのように、数量についての現地確認の困難性があるというのもございましょう。書類の不備だとかいうような点でおくれることもございましょうが、むしろおくれている原因はそういうところに多いというのが、私の今日まで五年間、皆さんが実際に実務を担当しているのをながめてきた場合の見解なんであります。
 そこでいま、昨年七月から国土調査法に基づく地域では地籍図を持ってくればよろしい、そうすれば簡素化するというけれども、またこれも新しい問題の発生になりまして、実は長引く原因になっているのですよ。ですから、この期間を短縮するという問題につきまして私が申し上げたいことは、財務部の担当者がこの問題について少し勉強してもらわなければいけない。非常にむずかしい問題なものだから、新しい人が来るというと前のことがわからないのですよ。忘れちゃうんです。それがいけないのです。それで見解がまちまちになる。ですから当時の会議録あたり少しくらい読んでみて、問題点というものを認識すれば、二線引き畦畔の取り扱いはこうすべきだという結論がもう出てこう処理されたんですから、すらすらいくはずなんですけれども、担当者がかわるとまた一から十まで勉強するから、それを知らないために不統一になるということで、事務がおくれているという点がございます。この点について私は、ひとつ五年間の経過を見て御注意をしなければならぬなと感じておるわけでございまして、その点について具体的にどうしていただけるか、きょうはひとつお答えをいただきたいと思います。
 それから、こまかいことでございますが、そういう意味では、申請書類なんぞについても、いま四部必要になっておるのですけれども、一体四部必要なのかどうか。最近では三部でいいということになって一部減らしてするようになりましたけれども、私は二部でもいいのじゃないかと思っています。
 同時に、財務局長の決裁の件数が多くなって、事務処理の要領も定着してきたと判断されますから、私は、占有の確認というのは財務部長の権限で決裁できるようにしたらいいのじゃないか、こうも考えているわけでありまして、これらのことについて、期間がかかり過ぎるという今日までの経過から見て、是正措置を検討することをお約束してもらいたい。この二つの点について御見解を承りたいと思う。
#23
○小幡政府委員 御指摘のとおり、本省で考えております指導方針どおりに財務局、財務部のほうでなかなか事務処理が進んでいないという点も十分わかりますので、私どもは、国有財産行政全体につきまして、来年度から、事務を何とか迅速にするような進行管理その他、そういった点につきまして、あらゆる知恵をしぼって、新しい方針を出したいと、いま検討しているわけでございまして、その一環としまして、この問題につきましても、御指摘のような簡素化の点につきまして十分検討して、できるだけ早期に処理できるように、財務局、財務部を指導したい、こういうふうに考えております。
#24
○平林委員 私は、この問題については、いささか専門家でございますから、いまお話しになりました点が必ず実行されるように、すみやかにその促進の措置をきめていただきたいということを申し添えておきます。きょうお約束をいたしたということに理解をいたしまして、今後の経過を見たいと考えております。
 そこで、あまりにも期間がかかり過ぎるためにどういう欠陥が起きてきておるかということをお話しをしておきたいと思うのであります。
 あまり期間がかかり過ぎるために、たとえばこういう二線引き畦畔の時効取得が進められなきやならないという理由の中には、主として一般の申請もございましょうけれども、公共事業の問題がかなりあるわけです。たとえば道路をすみやかに建設をするとかいうような点がございまして、いわば公共事業が効率的にすみやかに処理されていくという半面を持っておるわけなんであります。ところが、期間がかかり過ぎるというと、もしもそういう権利関係が確定をしないと、時効取得の措置が進まないと、やはり利害に関係してきますから、なかなかそれについての承諾をしないということになって、また必要な公共事業、道路の建設その他がおくれるという因果関係になっているわけです。
 そこで私は、事務処理を簡素化して、その取り扱いの迅速化をはかるべきということを申し上げておるわけなんでありますが、時間がかかり過ぎるために、その間にいろいろな事情の変化が出てくるわけです。私は、理財局次長はその最高の担当者でございますから御承知だと思いますけれども、かりにその間名義変更が行なわれる。つまり公共事業関係からはひとつ早く処理してくれ、あとで解決するからというので名義変更が行なわれる。そうして名義変更をしなかったならば、その公共事業は解決するまでまつということになるからストップする。ストップさせたくないとすれば名義変更しなければならない。この場合、名義変更をした場合には、当然初めの原有者の権利といいますか、その問題についての基本的な権利、これは継承さるべきものであると考えるのでありますけれども、それは当初私どもはこの委員会において、そうした場合においても二線引き畦畔についての権利は、民事契約に基づいてこれはその権利は継承さるべきものであると確認をして処理を進めたのでありますけれども、そのことはいまも間違いなく皆さんの事務を進めていただけますかどうか、これをひとつ確認をしたいと思います。
#25
○小幡政府委員 ただいまお話しの名義変更いたした場合におきましても、占有の権利というものは継承するということで扱っております。
#26
○平林委員 私はそのとおりだと思うのです。これはこの問題を取り扱ったとき、当委員会においても議論をしました。いまもお答えのとおりであります。これが常識なんであります。ところが先ほど言いましたように、関係者の人たちがこの問題についての経緯、それから問題点の把握が足りないために解釈が区々なんです。そのために争いが起きている。そのためにまたおくれるということになるわけでありまして、この委員会においてのあなたの答弁、再確認を基礎にして、自後の処理を進めてもらいたい、私はそれを希望いたしますし、きょうそれが確認をされましたので、次に移りたいと思います。
 それから次に問題は、本改正案は千分の三という登録税で半分に軽額されることになりました。これはちょっと意地悪な質問かもしれませんけれども、どういう御趣旨で軽額されたと御理解なさっているのですか。
#27
○高木(文)政府委員 実は軽減措置にはいろいろな軽減割合がございまして、たとえば住宅対策としての保存登記の場合には千分の六が千分の一に軽減されておるというような軽減もございます。そこで二線引き畦畔の保存登記の登録税について、本則千分の六が半分の千分の三になっておる。その二分の一にした立法理由について若干調べてみたわけでありますが、私どもも実はその点が明快にできませんで、当時の国会において与野党の間でお話しいただいて、二分の一ということでお話し合い願ったというふうなことがわかっているだけで、さらに突っ込んでどういうわけで二分の一になったのかということは、残念ながら私どももつまびらかにしないというのが正直なところであります。
#28
○平林委員 これは当委員会で、二線引き畦畔はその歴史的な経過から見て本来民有であるという私の主張と、それから大蔵省側の見解は、通牒その他行政を進めてきた中において国有であるという立場とが対立をいたしました。そこで一種の妥協として、無償で払い下げをする申請をとるということから、名を捨てて実をとるという形で問題の処理をはかったわけであります。本来私の主張から言えば、民有であるし、自分のものを再確認をするわけでありますから、あらためて登録税は必要ないという見解でございましたが、当時問題の解決をはからなければ、東名高速道路その他の道路建設がおくれるばかりであるという事情から、妥協して半額の千分の三という形で処理をいたしたわけなんであります。しかし本来の考え方は、自分のものであるものを再確認して所有権を確定するという意味であるから、登録税は不要であるという私の主張があったし、その考え方がいれられて半額ということで現実的妥協をはかったわけでありまして、この意味では、私は精神的には、自分のものを再確認をするのであるから、本来はもうなくてもいいのだ、どうしてもということであれば千分の一程度でもいいのだという主張でしたが、現実的解決をするために大かたの合意でこの処理を進めた。しかし、精神的には自分のものを自分で再確認するという意味の登録であるという理解なんです。
 したがって、私はいつも考えているのですが、ほかの登録免許税が千分の一とか、千分の六とか、千分の三・五とか、千分の四とか、千分の二とか、いろいろありますね。私はいつも疑問に思っているのですよ。どういう理由で、これはたとえば登録免許税の税率で、株式会社の設立または資本の増加のときは千分の三・五、いまのような問題は千分の三、それから合併による株式会社等の設立または資本の増加には千分の一、こういうふうに区分する何か根拠があるのかどうかということをいつも私ながめておるわけなんでありますが、何かこういうように分けて、これは千分の一にし、これはこういう算定根拠によって千分の四にしたというような、はっきりした区分といいますかあれがあるのでしょうか。これはいかがでしょうか。
#29
○高木(文)政府委員 それぞれの制度ができますときにいろいろ議論をして、そして現行の率ができておる、特に軽減税率ができておるということであるわけでございますが、実は新しく軽減税率ができました時期が非常に違っております。非常に古くからつないできたものというようなものがありますために、今度はいま御指摘のように、軽減した率を今度は相互に横に並べてみると、はたしてそのバランスをどういうふうに説明するのだといって切り込まれますと、はなはだ苦しいというのが現状でございます。
 いずれの機会にか何か考えなければならないものと思われますが、今回も延長にあたりましてその率をどうするかということは一応検討課題であったわけでございますが、まあ従来から期限延長の場合に、特別な理由があれば別でございますが、従来から千分の三でやっていただいて五年間来たわけでございますので、これはなお処理がつかないということで、なお当分の間延長するにつきましては従来の率をそのまま継承していくということでやっていったらどうかということでありました。
 どうも御指摘のように、率を横に並べてみるといろいろ問題があることは承知はいたしておりますが、どちらかというと従来の率をそのまま延長するほかないのではないかということの判断でそうしたというだけのことでございます。
#30
○平林委員 国会が各党の合意によって設定したものについての説明はつかないにいたしましても、政府が提案をした登録税率の比較においては、それぞれの明確に説明できる根拠というものは私は必要だと思うのでありまして、きょうはそれが本題ではありませんけれども、私の言いたいことは、この二線引き畦畔の千分の三というものを確定をしたときは、先ほどのような趣旨でやられたわけであります。したがって、むしろ軽減もしくはゼロになるというのが望ましかったわけであります。ゼロがだめなら、せめて千分の三が実行されるということが必要である、これが法の改正をいたしました精神であった、私はかように思うのでございますけれども、そういう理屈は御確認できると思いますが、いかがですか。
#31
○高木(文)政府委員 ただいま御指摘になりましたように、二線引き畦畔について、それが本来国有のものであるのかそれとも民有のものであるのかということについては、非常にむずかしい議論があって、なかなか議論が詰まらないということであると思います。その場合に、保存登記の率がいかにあるべきかということとの関連でございますが、もしそれが本来民有のものであったという場合に、それではそれが非課税でいいかどうかということになりますと、登録税そのものが、御存じのように、登録税という名前はついておりますが、多分に手数料的性格のものを持っておるという関係がございますし、それからこういう特別措置によらない一般の登録税につきましても、登記登録を受け付けることになっております財産のすべてについて現に登記登録が行なわれておるわけではなくて、未登記のまま残っているものがたくさんあるわけでありまして、そのようなものについてあらためて今日登記登録が行なわれることがあるわけでございますから、したがいまして、今回あらためて何らかの事情によって新たに登記登録が行なわれるということに着目して、それをたとえばいまお話の中にちょっとありましたように非課税にするということについては、いささか問題があるのではないかと思います。
 そうであれば、率はいかにあるべきかということになりますと、これは千分の幾らがいいのかということは、どうしても千分の六でなければいかぬとか、どうしても千分の三でなければいかぬとか、あるいは基本税率の半分でなければいけないとか三分の一でもいいだろうということはなかなかきめがたいところでございます。その点はしかるべき機会にまた検討させていただきたいと思いますが、今回は、先ほども申し上げましたような事情でございましたので、単純に延長させていただいたという事情でございます。
#32
○平林委員 それはそれでいいと思いますが、千分の六を千分の三にした以上は、千分の三で処理をされるというのが法の趣旨であると私は理解しますがようございますねということなんです。
 私の言いたいことをちょっと言います。それでは、今日まで処理された件数が発表されましたが、そのうち千分の三で処理された件数は何件ございますか。
#33
○高木(文)政府委員 千分の三で処理されました件数は、これはあまり正確には把握されていないのでございますが、法務省のほうに件数調査をお願いしているところによりますと、非常に少ないのであります。これがなぜ少ないかということは、実はあまり明確でございません。実は私どももちょっとふしぎに思っておるのでございますが、この適用件数は四十五年度で八件ということになっております。先ほどのように処理件数は数百件あるわけでございまして、それに対して措置法のいまの規定による処理件数が八件ということは、非常に少ないわけでございます。
#34
○平林委員 私の承知しておる限りは一件もない。いまお話しになったのは八件。しかしそれにしても、四十五年までに千百六十四件もあってそして八件とおっしゃるのは、この法律をつくったけれども実行されていないということなんですね。なぜ実行されてないか。そこに問題点がある。私はそれをこれから申し上げなければならぬ。
 われわれはせっかく問題を提起し、その処理をするために千分の三ということにして、また政府もこれを千分の三とし、また二年間延長しようとされておる。しかるに、これは処理されていないのはふしぎだとおっしゃるけれども、ふしぎでも何でもないのです。これは行政関係の法務並びに大蔵の意見の食い違いがあるのです。だから実行されない。せっかく法を改正して、今日までの利用状況がかくのごとき状態であるということは、一体何のために法を改正したのかという、その趣旨が成り立たぬ、こう思っておるわけです。ふしぎだとおっしゃるけれども、そのふしぎの理由をちょっと申し上げます。
 これは、たとえば申請者が書類を提出する。財務局が現地を確認する。そして時効取得を法務省と大蔵省との間においてこれは適当であるといって確認をし、申請者のもとに時効確認がいく。その確認書に基づいて登記所に登記して自分の所有権を確保する。再確認をする。こういう手順で進んでおるわけであります。そこまではいいわけです。ところが、本人に対して、これはあなたのものになりましたよといって書類が届く。法務局へ行く、登記所へ行く。そうすると、証明書を持ってこい、こう言うのです。つまり、登記所では、局長の証明をもらいたい、こう言う。ばかな話じゃありませんか。大蔵省財務局のほうが、法務省との間において、あなたのものだと確認をされたから必要な手続をとりなさい、こういうお墨つきがいくわけですよ。それに基づいて登記所へ持っていくと、もう一回局長の証明を持ってこいと言う。一つの問題を二回証明しなければいかぬ。私は、最初の、時効を確認して、あなたのものですよ、手続をとりなさいということが、すなわちお上の、政府の決定だというふうにみなしていいのじゃないかと思う。それで処理を進めれば事は簡単、それで処理をすれば千分の三の法の精神は生きるべきはずです。ところが登記所のほうでは、もう一回局長の証明を持ってきなさいと言う。局長の証明をもらいに行くと、なかなか出てこない。これは大蔵省と法務省の事務上の見解が違っているからですよ。そのために、法律が千分の三ときめても、千何百件もあってゼロあるいは八件しか処理できないという。こんなばかな話がありますか。私は法務省の見解も、何のためにその証明書が必要なのか、理由を伺いたい。法務省だれか来ているでしょう。何のためにその証明書が必要なのか、それを伺いたい。私の意見は、そんな二重にやる必要はないじゃありませんか、時効取得を、あなたのものですよといって通知があることは、これはお上のお墨つきである、政府による所有権の確定である、それは法務局とも相談の上のことですから、それで足りるじゃないか、それをなぜまた証明書が必要なんですか、こういうことなんです。さっそく検討して改めるなら改めるという見解でいいですよ。
#35
○枇杷田説明員 ただいまの御質問でございますが、登記の手続といたしますと、保存登記をする前提といたしまして、土地の表示の登記というのが手続的に先行することになっております。これはこういう土地があるのだということの登記でございますが、そのときには、財務局からの通知書が添付をされますと、それによってその土地の所有者はだれであるかということが証明をされまして、表示の登記がなされるわけでございます。そこで一たん切れまして、その段階では登録免許税は要らないわけでございます。
 その次に、対抗要件を備えるという意味での権利の登記をしたいという場合に、保存登記手続に入ってくるわけでございます。その保存登記をする際に、登録免許税の必要ということが出てくるわけでございまして、そのときに、前に使われました通知書をもう一ぺんそこで、こういう関係での時効取得をしたものだということが証明要素として出されれば、それで私は千分の三の減免措置ができると思うのでありますが、その関係での証明として、大蔵省側の証明書を持ってこいというふうな登記所があるんじゃないかというふうな気がいたします。しかし、私はそこら辺はもう少し簡便な手段がとれるんじゃないか。登記所側のほうにも、先ほど申しました表示の登記の申請書の際に通知書が提出されておるわけでございますから、したがいまして、表示の登記から保存登記までの期間があまり長くなりますと、ちょっと証明方法がないかと思いますが、相接してやる場合には、これは前の通知書で、それから特別措置法の七十七条の五の証明も何か実質的に兼ねるような簡素な方法がとれようかと思います。御指摘のように、もし登記所のほうで機械的に保存登記は保存登記でまた証明書が要るんだというふうに誤解をしているところがありましたならば、私どものほうでもその誤解を解くような措置を講じたいと思います。
#36
○平林委員 問題は簡単なんです。租税特別措置法第七十七条の五で千分の三に軽減するように措置をされていますが、同法の施行規則の第二十八条で、財務局長が証明をすることが条件になっておるわけですね。したがって、いいですか、財務局長が時効の確認がされましたといって本人に通知するときに、施行規則の第二十八条の財務局長の証明が条件になっているならば、そのときにその証明も一緒につけてやったらいいのですよ。二度手間することはないのですね。簡単なんですよ。そういうことを今度は財務局が考えればいいわけですよ。それを、一回渡しておいて、それでまた本人が登記所へ行ったら、証明書を持ってこい、また取りに行く。これは一つの例ですけれども、今日、行政の中で方々にある。私はこの問題で痛感をしているわけです。これはお役所仕事だ。だからやはり財務局が時効確認の確認書を本人に渡すときには、施行規則の第二十八条にこうなっているからそのときの証明書を一緒に渡してやればいいじゃないですか。理財局、そうでしょう。渡したらいいのですよ。それを今度はひとつ徹底をしてください。そうすれば、私どもが国会議員として、今日の行政でこんな手間取っておるようなことを文句をつけなくたっていいことなんです。簡単なことです。そういうふうに措置するということをお約束していただきたいと思います。
#37
○小幡政府委員 おっしゃるように、さっそく二通証明書を出すようにいたします。
#38
○平林委員 非常にこまかいことかもしれませんが、私は国民の代表としてやはりそういうところを少しずつ直してもらいたい。また同時に、注文しておきますが、きょうは期間のお話をしましたが、財務部で、申請を提出したときには受付印もちゃんと押すように指導してください。これも簡単なことのようですが、実行されていないわけです。そのために期間の計算というのもあれですから、必ず受付印を押す。これはなぜ大事かというと、一般の国民にとっては、たとえば開発許可を受けるとかあるいは建築許可を受けるとかという次の行政手続をとらなければならない場合がございますね。受付をしていただいたということで、他の官庁はそれでお役所に受付をされたということで次の事務が進むわけですね。そういう簡単なことができないために、国民は二重三重のミスを犯しているわけです。ですから、こういうことについても、いまの証明書の点は私、確認いたしました。同時に、受付印を押すというようなことについても行政指導をやってもらいたい。この点も重ねてでありますが、ここではっきりとお約束をしていただきたいと思う。いかがですか。
#39
○小幡政府委員 さっそく御趣旨のように受付印を押すようにいたします。
#40
○平林委員 まあこまかいことのようですが、国民というのはこういうことが一番大事なんですよ。ひとつそういう御趣旨であれしていただきたい。
 それから次に、先ほど国土調査法の問題が出たんですが、この国土調査法に基づいて、いろいろな一筆調査の面積がやられているわけですね。先ほどの御説明では、これが事務の簡素化になると言いましたけれども、実はそうじゃないんだということを申し上げました。国土調査法に基づいて、これは建設省の関係ですけれども、どの範囲進めておるか御存じですか。
#41
○小幡政府委員 四十五年度から十カ年計画でやっているということは存じておりますが、こまかいことは存じておりません。
#42
○平林委員 まだ、これはたいへんな仕事なんで、これはなかなかいまの人員では手をかけられない、重点地域ごとにやりますから。私の神奈川県でいえば、わずかに横浜あるいは戸塚区で市町村の要請でやっているにすぎない程度の範囲でございます。ですから、さっきあなたがおっしゃったように、これでできれば手続が進められるという性質のものとは違うんです。まだごく小範囲のものであります。ですから、先ほど私が注文をしたことが本筋でありますから、措置をしてもらいたいと思います。
 同時に、実はこれが問題があるわけであります。なぜかというとこの国土調査法によりますと、二線引きの問題が一律に機械的に五十センチメートル幅だけしか認められないのですよ。これもばかな話じゃありませんか。つまり、おまえの所有しているこの田畑、それに付随する畦畔というのが五十センチの幅であるというふうに機械的になっているのです。所有権の確定が、いかに法であろうともそんな形で処理をされるというのは、これは問題があるだろうと思います。そこで、結局、実際の所有の地積とこの法律の施行令の手続か解釈か、そういうものでやるものとの間に食い違いが起きる。当然起きる。私は実際の問題をよく承知をしておりますが、当然食い違いができる。そうすると、またそれが問題の解決をおくらせる原因になっているわけです。こういう件につきましても、面積が合わないからだめだというようなことになりますると、国土調査法と実際の自分の権利としての二線引き畦畔の所有確認という問題でまた新たなる問題が起きるわけです。これは私は、大蔵省と建設省とが意見の調整をはかるべきであると考えておるのでありますけれども、この点についてはいかがでございましょうか。
#43
○小幡政府委員 二線引き畦畔の数量の確認というのは非常にむずかしい問題でございまして、まあ原状が残っておりますれば確かに実測でありますが、大部分は原状がございませんで公図の上で求積している、こういったような現状でございます。それで、あとで国土調査法に基づきます地積調査を実施しました場合に当然変わってくるわけでございますが、私どもは、原則としましてこの地積調査に合わせるという方針で指導したいと思っておりますが、何ぶん、先ほど先生がおっしゃいましたように、まだ施行地域はごくわずかでございますので、これは今後の問題ではないか。
 それからもう一つ、建設省と話し合えという御指摘でございますが、ただ数量の求積の問題でございますので、私どものほうではいまの段階ではやはり公図によって求積するというのが第一の原則、それから原状が残っておりますものはあくまでも実測をして測量図をつくる、こういうことで処理するということしかしかたがないんではないかというふうに存じております。
#44
○平林委員 あなたのいまの御見解にちょっと問題があると思うのです。それは国民の権利を中心にすべきである。国土調査法に基づいていろんな地積の求積をいたします。それを行なうためのいろいろな手続なりあるいはその仕事を処理するためのお役所でつくるいろんな考え方というのはありましょう。便宜やるために一つの統一した処理のしかたというのは必要でしょう。しかし、何人もその所有権を侵されることはないわけです、一つの財産権というものは侵されないのですから。ですから、あなた国土調査法に基づいたものを基準にして考えるとおっしゃったが、それはあべこべですよ。国民の保有する財産、憲法違反的な発言ですよ、そんなことを言えば。国民の所有する財産権が中心になって法律は動くわけですから、憲法の精神なんですから。ですから、そのとき争いがございましたならば、むしろ国民の権利を中心にしてものを考えるというように処置をしなければならぬ。あなた、ちょっと憲法違反的なことをおっしゃられたら困るわけでございますから、どうかひとつその点は言い直していただきたい。
#45
○小幡政府委員 まことにおっしゃるとおりでございまして、私どもは数量の確認の方法につきまして、現在の段階ではこういう道しかないということで処理しているわけでございまして、基本はやはり国民の権利を尊重するということは当然でございます。
#46
○平林委員 いろいろ申し上げましたけれども、かつて私が畦畔の問題を議論いたしましてから五年間の経過を見まして感じたこと、それからその後の執行経過を見て私が分析したことを申し上げたような次第でございます。行政当局においては、この問題の処理で事務手続等においてもたいへん煩瑣な点があったということは私は認めます。そしてそのために御苦労が重なっておるということはわかります。わかりますが、やはり国民の一つの権利に基づいての、これは私に言わせれば歴史的な論争があって、そうして法が改正をされ、手続がとられたわけでございますから、どうかひとつ、本日私が指摘した点、またお答えをいただいた点が確実に実行されるようにお願いをいたしたい。私どもも一度法律をつくったらその後の経過がどうなっているかは絶えず分析しておりますから、どうかひとつそういう気持ちでお進めいただくということをお願いいたしまして、この問題の質問は一応終わっておきたいと思います。
 次に、実は農地等を生前贈与した場合の贈与税の納期限の特例について、今回の法律改正で必要な改正が行なわれておるわけなんでありますけれども、私はこれに関連をいたしましてお尋ねいたしたいと思うのであります。農地の問題では、いま固定資産税の宅地並み課税のことが問題になっておりますけれども、そのほかにも私ども前々から問題を提起いたしておりました農業の後継者について何らかの措置をとらないと日本の農業はつぶれますよという問題につきまして、税の面から少しお尋ねをしておきたいと思うのであります。
 国税庁にまずお尋ねいたしますが、農地等が、農業経営者、戸主が死亡してそしてそれが相続される場合の課税というものが、実際の評価の面におきまして路線価方式とか倍率方式とかいう形で計算をされ相続税の徴収が行なわれておるわけなんでありますけれども、これはどういうお考えで、どういう根拠で現実の処理をされておるのでしょうか、それをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#47
○江口説明員 農地の相続税の評価の問題でございますが、法律は、先生御案内のとおり、相続の行なわれたときの時価によるという原則規定だけがございます。そこで、農地にもいろいろな形態と申しましょうか、価値判断を要するグループがございますので、現在私どもの取り扱いの中身といたしましては、農地を四つのグループに分けて時価の判定をすることにしてございます。
 簡単に申し上げますと、一つは純農地、いわゆる農村にございます、もっぱら米麦等農作物を耕作するようなところを純農地と申しておりますが、この部分と、それから中間農地というのがございまして、いわゆる純農村からやや都市に近寄ったところ、あるいは一部分は都市の周辺といったようなところを中間農地と呼んでおりますが、いずれも農地法に基づく分類によって限界を定めてございます。この二つにつきましては固定資産税評価額に対して倍率をかけていわゆる時価に近いものにするという作業をいたしてございます。この二つは倍率方式とわれわれは呼んでおります。それからもう二つございますが、一つは市街地農地でございます、もう一つは市街地周辺農地ということで、これも農地法に基づきますところの区分に応じましてこの地域を定めまして、これらにつきましては比準方式というものを用いております。
 いずれも相続税の場合には財産の無償の取得ということによりまして担税力が生ずるということでございますので、これに対する課税を行なうということが原則でございますが、ただ時価によるといたしましても、不動産の場合には特に売り手と買い手の事情が異なる場合には実際かなりの取引価格の変動がございます。したがって、相続税の場合にはどちらをとるかということについてなかなかむずかしい問題がございます。たとえば極端な例は相続税を納めるためにどうしてもその土地等を処分せざるを得ないといったような場合には、当然買い手市場ということで時価よりも低くなるというのが一般の例でございます。したがって、これらをおもんばかりまして、おおむね時価に対しまして、理想としては大体七掛けくらいが適当であろうという考え方をとっておりますが、現在のところ地価の上昇の傾向が著しいために必ずしもその程度の段階までには至っておりません。ただ問題がございますので、四十五年以降三年間に分けまして――急激に評価を変えますと負担の増が一時に現出するという心配もございますので、四十五年以降三年間にわたりまして大体時価の七掛け程度というものを目標とすべく現存作業をやっておるわけでございます。
 以上、まだおわかりにくい点があったかと思いますが、農地につきましては、純農地、中間農地、それから市街地周辺農地、市街地農地というふうに四つの区分に分けまして、おおむね時価よりもかなり低い線での評価をしておるというのが実態でございます。
#48
○平林委員 農地等に対する固定資産税の問題も私ども非常な関心を持っておるわけでありますけれども、最近の政府の政策は何か地価対策であべこべじゃないか。今日国民の重大な関心事である土地の価格の問題、暴騰をどういうふうに押えていくかという問題は当面私どもに課せられた任務でもございますけれども、どうも考え方があべこべだ。つまり、まわりの土地が上がった、地価の高騰は激しい。したがって、農地の評価はこれに比べて安過ぎるから、倍率をかけて上げていく。それでは実際の地価は下がるのかというと下がらぬ。つまり、むずかしい問題ですが、高くなり過ぎている土地をどうやって下げるかということをくふうすべきであるのにかかわらず、そちらのほうについてはあまり手がなくて、低過ぎる農地を上げていく。これはまさにあべこべである。むしろ高過ぎる地価を下げるようなくふうをすべきであるという意味で、私は今回の固定資産税のA農地の問題、B、C農地の取り扱いの問題について批判を実は持っておるわけなのであります。この場合も、私は固定資産税の問題と相続税とは、その考え方において軌を一にするものがどうもあるような気がしてなりません。いま相続税が行なわれるときはその時価だということであるというお話でございますが、土地判断のグループ、たとえば純農地とか中間農地というのは倍率などはどのくらいになっておるのでしょうか。最高、最低いろいろその地域によって違うと思うのですけれども、どのくらいの倍率になっておるでしょうか。平均的にどういう状況であるかという点はどうなっているのでしょうか。
#49
○江口説明員 純農地等についての例を申し上げますと、これは平均的な割合でございますが、たんぼの場合には固定資産税評価額の大体二倍ということになっております。それから畑の場合にはおおむね三倍というのが平均的な形になっております。
#50
○平林委員 中間農地のほうはどうなんでしょうか。
#51
○江口説明員 地域によってかなり違いますのでおわかりにくいかもしれませんが、中間農地、たんぼの場合をとって申し上げますと、東京都の場合には五十倍、それから千葉県の場合は三十倍でございます。近くの関東信越で、新潟のような場合には十倍ということになっております。それから東北農業地帯の宮城県を例にとりますと、同じく四十六年で十一倍というのがございます。それから南のほうを例にとってみますと、熊本県では七倍、鹿児島県では七・五倍といったようなことで、地域によりましてかなりのばらつきがございますので、個別に県の状況を申し上げました。
#52
○平林委員 市街化区域、市街化の周辺農地、ここでは何倍くらいになっておりますか。
#53
○江口説明員 これは宅地の価格に応じまして計算をいたしますので、県別にいまのような倍率という形のものが出てまいりません。これは個別にその該当いたします農地につきまして、その付近の売買実例あるいは公示価格、公示価格というのはまだ全国で千三百件程度しかできておりませんのできわめて少ないわけでございますが、公示価格があれば公示価格、そのほかに精通者意見といったようなものを総合判断をいたしまして、先ほど申し上げました比準方式によって評価をするわけでございます。この場合でも、市街地周辺農地と市街地農地と二つに分けてこの比準方式がございます。市街地農地というのは、おおむね農地を転用することにつきましてすでに届け出が行なわれておるもの、あるいは許可を要しないものといったような農地法の取り扱いのものがございますが、これらにつきましては大体宅地に準じた形での時価を一応とらえまして、これはあくまでもまだ農地でございますので、当然宅地造成費用がかかるという前提がございますから、この宅地造成費用を差し引いたものをいわゆる評価としておるわけでございます。
 なお、市街地周辺農地というのは、市街地農地よりもさらに周辺部に該当しておりまして、まだ農地法の手続上いろいろな制約を受けることになっております。したがって、その限りにおいては、実態等を見ましても市街地農地よりは実際の取引価格が低いというのが現実でございますので、それらをおもんぱかりまして、先ほど申し上げました市街地農地の評価に対しまして八掛けという評価をいたしてございます。
#54
○平林委員 さようなお考えの結果に基づいて大体高いところは何倍くらい、平均ではどのくらい、こういうのはございませんか。
#55
○江口説明員 相続税は全国でいえばかなりの件数になりますが、ある地域ごとに見ますときわめて散発的でございますので、平均的な倍率というものを計算した資料をつくっておらないわけでございます。
#56
○平林委員 いままでやられた中で高いのはどのくらいになっておるか、こういうのはわかりませんか。
#57
○江口説明員 どうも手元に高いほうの例を持ってきておりませんので何とも言えないわけでございますが、固定資産税評価額そのものは御承知のとおりきわめて低い形になっておりますので、たとえばの例で恐縮でございますが、相続税評価額の場合に、時価が坪当たりかりに十万といたしますと、現在の実勢では評価額そのものはおおむねその半分程度になっております。ところが、そういう地域についてかりに見てみますと、固定資産税評価額が二百円といったようなきわめて低い価格のところがございます。そうしますと、いまの例の場合には二百五十倍ということになるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、そうした特に固定資産税評価額と相続税評価額との開差の大きいところにつきましては、大体市街地周辺農地あるいは市街地農地ということに相なりますので、比準方式を使っておりますから、この倍率計算という数字が資料としては出てこないわけでございます。
#58
○平林委員 ただいまのお話のように、相続の行なわれたときの時価で相続税をかけるという場合に、いままでの固定資産税評価額が農地であるがゆえに低かった。そこで倍率は非常に大きい。いまお話しになりました中間農地でも五十倍、それから市街化周辺農地においては二百五十倍というような、極端な例かもしれませんけれどもかなりの高い評価によって相続税の徴収をされておるという実態。問題は、これらの市街化区域あるいは市街化の周辺地域において、もうそれをほうりっぱなしにして宅地にするよりしようがないのであるというようなところは別にいたしまして、これからも農業を維持していくというところに対しましては、この倍率を課せられて税金が徴収されれば、あなたはいま担税力が生じるとお話しになりましたけれども、農地を手放さざるを得ない。農地を手放さなければ税金を納めることができないということになってくるわけです。一種の国家権力によって農地をなくして宅地化していくという国家政策ももちろんあるでしょうが、しかし同時に忘れてならないことは、その地域においても農業を維持し都市周辺の消費者に対して野菜を提供するというような意味で、都市周辺農業の維持もまた物価政策の上から必要な場合に、固定資産税が相当の倍率で課せられる、あるいは相続税が壊滅的打撃を与えるということになると、私は税というものが生業を奪う結果になってくるということをおそれるわけでございます。そうした問題を考えなければならないということが私はきょう申し上げたい点でありまして、そこでいま固定資産税の問題も各党間でいろいろな協議がされて、最も適当なあるいは合理的なものをやるための議論が行なわれておるわけなんです。
 主税局長、どうなんでしょうか。たとえば農地をつぶす、都市周辺での農業はもうできなくするようにするという国策があれば別であるが、しかし、都市近郊の農業を維持していかなければならぬということになるならば、こうした相続税の問題についてもやはり検討をしなければならぬのではないか。そこで一ぺんに、これはいままでのとおりでやれということがかりに無理であったとしても、そこには妥当な、また生業を殺さない、著しく矛盾した事態が起きないような配慮というものはなければならぬと考えるのでありますけれども、そういうことについてはどうお考えになっておるでしょう。
#59
○高木(文)政府委員 農地の評価の問題は、固定資産税につきましても相続税につきましても、税制の上でたいへんむずかしい問題であることはよく御存じのとおりでございます。
 まず、固定資産税の問題につきましては、主として地方税の問題ではございますが、土地制度、たいへん地価が高くなっておることがいろいろな点で弊害をなしておるということから、土地制度、土地政策について税制もある程度誘引政策をとるべしという御要請があるわけでございまして、一般論といたしましては、その場合に地方税であると国税であるとを問わず、やはり土地の供給を適当にふやしていくということが必要であり、土地を値上がりを待って保有をするということを抑制するような方向に向かわざるを得ないというのがこれまでとってまいりました基本的な考え方でございまして、固定資産税の評価の引き上げの問題につきましても、その見地から今日まで大きな方向としてはとってきたわけでございます。その場合に農地、農業政策と衝突、接触が起こるわけでございまして、それがただいま御指摘のようにいま具体的に問題になっておるわけでございます。
 それと相続税の問題でございますが、これは私は若干面が違うのではないかという気がいたすわけでございます。相続税の評価の原則と固定資産税の評価の原則が本来いかにあるべきかということも、これはまた非常にむずかしい問題として専門家の間で議論していただき、そしてそれに従って今日まで歩んできたわけでございますが、ある場合には固定資産税の評価と相続税の評価に乖離があるということについて非常に批判がございました。場合によっては、さらに建設省等によります公示価格と合わせるべきではないかというような御議論も一方においてはあるわけでございます。しかし、固定資産税は保有課税であり、つまり年々の課税でございますし、相続税は財産課税でございますので、一生に一度の課税であり、ある意味では一生の所得についてのこれを清算するという意味での課税でもございますから、その意味からいきますと、固定資産税の前提としての土地の評価の考え方と、相続税の前提としての土地の評価の考え方は違ってもいいのではないかという考えに立つわけでありまして、現に先ほど来御指摘のように、農地についての御質問でございましたが、固定資産税と相続税につきまして著しく評価の考え方が違っておりますのはそこから出ておるわけでございます。ただ、ただいま御指摘のように、この相続税につきましても、農業政策、後継者問題との間にいろいろ接触点があるわけであります。今後、急激に現在農業が変革をしておりますことは、私どもといたしましても十分注意をしていかなければならない点でありまして、それがいい方向に向けばよろしいが、一種の破壊現象になっては困るわけでございますから、農業政策にとって相続税のあり方が著しく障害になるということは当然避けなければならないわけでありまして、必ずしも農地の評価の問題だけに限定せずに、一般的に農業というもの、農地というものの特殊性の見地に立った相続税の問題ということを絶えず検討すべきものと存じております。これまでもいろいろな御提案があり、しかしなかなか解決がつかないという状態のまま今日まで推移しておるわけでございまして、先ほど御指摘がありました生前贈与の場合の特別措置の規定のごときも、そのごく一部の考え方のあらわれであるかと思っておりますが、今後とも農業政策の見地からする相続税のあり方については、税制の立場におきましても引き続き慎重な態度で臨んでまいりたいと思っております。
#60
○平林委員 私は、農地の課税について、たとえば最近の都市化現象の中におきまして、あるものにとっては土地の値上がりを待って売却するという考え方、それからまた非常にわずかな耕作地しかないのにかかわらず採算を無視して農業を維持しているというような背景、その中においての一つの不合理という点はあると思います。その点の不合理はあると思います。税は比較の上において成り立つものであり、ある意味では公平を維持しなければならないという見地もわからぬではありません。しかし、その反面、農地であるもの、あるいは農業を十分維持できる地域であるもの、また、農業を継続せんと欲している者にとりまして、固定資産税なりあるいは相続税が先ほどのような倍率、機械的な措置によって行なわれれば、その国民の仕事を奪うということになるわけでございまして、おっしゃるとおりむずかしい問題が私はあると思う。私が取り上げておりますのは、農地である場合、そしてまた農業を維持しようとする者である場合、こういう場合においての相続税というものが、一般的な目で評価され、一般的な形で片づけられてよいのかどうかという問題の提起なんです。そこで私は、そういうことから考えて、現在の、特に都市近郊の農業の状態をながめてみますというと、古いことばで、じいさんばあさんの経営する農業、そしてむすこが、ずっと共同して、実態はその後継者によって維持されている農業、こういうものがいろいろあるわけなんですね。この場合に、いや戸主が死んだのであるから、その後継者に財産が移って、財産税的性格であり、影響力が生ずるということだけで高率な相続税ということになりますと、農業政策との間に衝突が起こるし、そこが、担税力についての見方というのは、実際には非常に不合理が生まれてくる場合もあるわけなんですね。そこで私は、ここは大蔵委員会ですから、農業政策を論ずるところでないかもしれませんけれども、税の面でやはり、農業をつぶしてしまうという考え方に立つのでない限りは、後継者に対して一つの控除というものを考えていいのじゃないだろうか。たとえば、この委員会でも議論されておりますように、配偶者控除というのが議論されるわけですね。これは妻の立場、そしてまた一家の生計をなす場合に妻の貢献度というものを考え、ともに築き上げた財産が相続によって一ぺんに失われないという意味で、配偶者控除が行なわれる。同じように、農業を引き続き維持せんとする者に対しまして後継者控除、こういうような構想があってしかるべきではないだろうか。妻の場合には、今度は三千万円とかというようになりました。そんな高額なものでないにいたしましても、政府は、市街化の周辺地域であろうと中間農地であろうと、農業を維持するためには、固定資産税、相続税、いろいろな問題でそれが税の面から維持できなくなるというようなことは必ずしも政治の目的とするところではないんじゃないかと私は思うのでありまして、値上がりを待って売却するということで、農業をすでに放棄するという場合には、これは公平の原則その他が働くということがあり得ても、そうでない場合におきましては、やはりその点の考慮が必要である。そこで私は、これを後継者控除と、こう実は名づけたわけでございますけれども、そんな構想があっていいんじゃないだろうか。そういう問題の検討を政府当局においてもすべきではないか、私はこう考えるわけでございますけれども、これにつきましてのお考えがあれば、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#61
○高木(文)政府委員 現在、相続税におきます基礎控除は、家族の構成といいますか、相続人の数によって違いますが、配偶者と子供が四人あります場合には、今回相談税の改正で御審議をお願いいたします三千万円の配偶者控除を全く別にいたしまして、千二百万円ということになります。千二百万円ありますと、純農村ならば、かなりの面積の農地を持っておりましても、相続税がかからないという現状でございます。そこで、ただいま御指摘のように、問題となってまいりますのは都市周辺及びその近郊に農地を持っておられます方の相続税の問題、しかもそれが引き続いて後継者が農業を継続していきたいという場合の問題であろうかと思います。そこでその問題につきましては、実は必ずしも農業問題だけでございませんので、相続税全体で非常に困っているといいますか、解決を要する問題の一つとして、現在相続税の課税対象となっておりますところの財産の中で、土地の占めるウエートが非常に高くなっておるわけでございます。それは、一つには相続財産中土地の占める――土地の市場価格が上がってきたことに伴いまして土地の評価額が上がってきたということによるわけでございますが、これは農業に限りませず、一般の商業等の場合におきましても、都市のかなりの繁華街で営業をやっておられて、そして土地がある、これが非常に高い土地であるというような場合に、やはり被相続人から受け継がれた営業をやっていかなければならない、のれんの関係もありますから、その場所で継続をしていきたい、それにはあまりにもその土地の値段が高過ぎてなかなか相続税を納めがたいという問題もありまして、土地を中心にして後継者の、いわば非常に地価が高いところに住んでおられる方が相続を受けられて、そしてしかもそれを継続していきたいという場合に、いまの千二百万円の基礎控除だけでうまく問題が片づくということになかなかならない。それを、先生ただいま試みの案として御指摘のありましたような、後継者控除というような形で解決の道を見出すべきなのか、あるいは一般的に基礎控除を全般的に上げていくという方向で見出していくべきなのか、というような選択の問題をだんだん迫られているのではないかと思うわけでございます。で、本日の議題にはなっておりませんが、今回は配偶者の問題だけを相続税の改正の問題として引き上げをお願いいたしておりますけれども、実はあれだけでは相続税の問題が全般的に解決しているわけではないのでございまして、まだ相続税には多々問題が残っておりますが、ただいま御指摘もございましたので、そういうことを十分頭に置いて、今後の相続税のあり方という問題を考えます場合にひとつ検討さしていただきたいと思うのでございます。
#62
○平林委員 たいへん真剣に取り組んでくださるお考えがうかがわれる回答をいただきましたので、私はこれで満足いたしまして、きょうの質問はこれで終わっておきたいと思います。どうもありがとうございました。
#63
○齋藤委員長 中島源太郎君。
#64
○中島(源)委員 私は、航空機燃料税とそれから租税特別措置法に関しまして質問を申し上げますが、三、四十分で大体質問を終わりたいと思います。
 航空機燃料税から入りますが、端的にお答えをいただきたいと思います。
 初めに、航空機燃料税の創設の基本的理由でありますが、この税そのものが、昭和二十七年から租税特別措置によりまして課税が免除されてまいったわけであります。このたび、空港整備を目的といたしまして、免税措置からはずれまして、新たな航空機燃料税が創設されたわけでありますが、いままで免税措置がとられてきた一つの理由としましては、わが国の航空運送業界の保護育成というものが一面にあったと思います。その意味では、今度航空機燃料税が創設されたということにつきましては、航空運送業界の保護育成は一応その目的を達したというふうにお考えになっておられるのであろうと思いますが、私は、企業を主体に考えますよりは、むしろこれが国民福祉に関連する問題、この点を重点に御質問申し上げてみたいと思うわけであります。
 言うまでもなく、航空による輸送というものは、国民の新しい足でありますし、また輸送業務に関しまして、あらゆる事故を未然に防がなければならないということは当然であります。こういった面に、この新しい航空機燃料税というものがどのように関連を持ってくるか、こういうことを逐次伺いたいのでありますが、まず第一番目といたしまして、現在の航空機燃料税創設に関しましては、所期の航空運送業界の保護育成は一応目的を達したというふうに見られておると解してよろしいかどうか、この点を御質問いたします。
#65
○田中(六)政府委員 中島委員御指摘のように、一応航空機の保護育成ということはほぼ目的を達したのじゃないかと思う。しかも、この事業は、国際的に見ましても、将来発展の段階にございまして、これが衰微するという方向は見られないと思います。問題は、航空機関係の整備、それから保安、それからこれに対する騒音とかいうような公害がございますので、それに対する対策として今回新税を設けたわけで、これとても、こういう措置をしなければ結局航空機の発達にはなりませんし、これを阻害するというのじゃなくて、航空機関係の将来、そういうものを見通しまして、これを発展させるという見解からこういう考えを持ったわけでございます。
#66
○中島(源)委員 次に目的でありますが、空港整備等の緊急性に沿うためにこれが創設されたということに私は解釈をいたしますが、参考のために、新空港整備五カ年計画の概要を、ごく簡略でけっこうであります、数字的に申せば、四十七年から五十年までに大体五千六百億円、そのうち新税によりまして国に入ります分が約六百億、地方に回ります分が五九億、合わせて七百五億円ばかりの実収を見込まれておるということでございますが、これを空港整備に充てるための、新五カ年計画の重点と申しますか、概略を簡略に御説明いただきたいと思います。
#67
○住田政府委員 第二次五カ年計画の総ワクは五千六百億円でございます。その内訳は、新国際空港、これは新東京、成田と、まだきまっておりませんが、関西に建設予定されております新しい空港、これに二千六百六十億円、一般空港の整備に千百八十億円、これは東京あるいは地方の二種空港、三種空港の整備と、特にジェット空港化のために使われるものであります。これが千百八十億円。それから航空保安施設等の整備に七百億。この保安施設は二通りございまして、一つは航空路関係の保安施設と一つは空港関係の保安施設、それぞれ二百五十億円、四百五十億円程度ずつでございます。航空路のほうは、日本の全空域をカバーいたします長距離レーダー監視網をつくるというのと、それから最近飛行機が非常にふえておりますので、航空路を複線化あるいは複々線化するというものであります。それから空港関係のほうの保安施設は、空港のレーダーを整備するとか、ILS、これは計器着陸装置ですが、そのほかVOR、DMEとか、そういう保安施設を整備するというものであります。それから航空機の騒音対策といたしまして四百十億円、これは成田、東京、大阪を重点に騒音対策を実施する予定であります。そのほか、調整項目百五十億円、地方が単独で持つものが百五十億円、予備費が三百五十億円、計五千六百億円であります。
#68
○中島(源)委員 大体、いま伺いますと、新東京、関西等の管制設備、そのほか騒音対策、いろいろございますが、そこで、ちょっとこまかいわけですが、全国に空港は幾つくらいございますか、一種、二種、三種と分けて、おわかりになる範囲で……。
#69
○住田政府委員 一種空港は、現在のところは二つございます。成田ができますと三つになります。二種空港は、現在十七で、四月から板付が二種空港になる予定でございますけれども、それを入れますと十八。三種空港が三十二ございます。そのほか、自衛隊の管理しておる飛行場で民間機が着いておる飛行場が五つございます。
#70
○中島(源)委員 そうしますと、いま伺った範囲では、全国で五十八カ所ということになります。そのほか場外着陸用地として使われている分は各地にあろうと思いますけれども、この点は把握しておられますか。大体でけっこうです。
#71
○住田政府委員 場外着陸で、ヘリコプター等で農薬を散布するときに学校とか川原を使用いたしますが、そういうものを除きますと、場外着陸でやっておりますのが五つございます。
#72
○中島(源)委員 いま空港の数を伺いましたのは、私は航空運送業界の発展と同時に、一面では整備士の充足というのが非常に緊急を叫ばれるところだと思います。ついこの間も、全日空の続発した事故あるいは事故寸前の状態というような、こういったものを新聞で見ましても、ごく基礎的な整備の手落ちである、こういうことをいわれております。そういう点で、航空業界の発展、これはけっこう、一応基礎はできたといたしましても、一体これに付随する、あるいは先行すべき整備士あるいは優秀な操縦士の育成というもの、これこそ緊急性を持って対策を打ち立てられなければならぬと思います。
 そこで現在まで、整備士の方々、これはおもにどこで教育され、そうして育ってこられておりますか。
#73
○住田政府委員 整備士のソースとしてありますのは、公私立の高等工業の機械科とか、あるいは一部では航空学科というようなものが設けられているところもございますが、そういうところの卒業生を日航あるいは全日空等で採用いたしまして、教育いたしております。そのほかに、数は少ないのでございますけれども、特殊学校としての航空大学校のようなところで整備関係の人間を養成いたしております。これらは主として小さな航空機の会社のほうへ就職いたしておるようでございます。
#74
○中島(源)委員 そこで、現在の整備士のいわゆる充足率、これはどうですか。十分足りておる、あるいは不足気味であるか、大体の感触でけっこうです。
#75
○住田政府委員 航空会社によって異なるわけでございますけれども、人間の数の面からいいますと、大体充足されているというふうに考えて差しつかえないと思います。ただ、急速膨張いたしてあります全日空の場合なんかは、やはり未経験者がたくさん入っておりますので、その意味では質的に十分充足されていないという感じがいたします。しかし、日航あるいは東亜国内航空あたりでは、現在のところでは、量的、質的に十分であるというふうに考えて差しつかえないと思います。
#76
○中島(源)委員 私が先ほどから飛行場その他を伺いましたのは、要するに、現在の定期航空路は、ほとんどジェット機になりつつあります。それと同時に、その底辺といたしまして、新しい操縦士あるいは整備士の育成というものにつきましては、地方の空港を主体といたしました、いわゆる小型機によりましてその教育のすそがいま非常に広く広がろうとしつつあるところであろうと思うのです。したがいまして、この新税の及ぼす影響が、大きな意味での大企業あるいは大空港に対する影響と同時に、地方小空港、あるいはそこで新たにいわゆる技術指導あるいは整備士としての教育をこれから行なおうとしている傾向は、私は大いに見のがしてはならぬと思うのです。そこで、そういった点の育成に対しまして、やはり今度の航空機燃料税というものは、ある程度の負担を及ぼしていくであろうと見なければならぬのではないかと私は思うのです。その一面といたしまして、参考に伺っておきたいのでありますが、今後の小型機の需要見通しというものは、一体どのように考えておられるのですか、ここらは参考であります。私の知り得る範囲では、現在まで昭和三十五年から四十五年までの伸び率を延長した線で見ますというと、昭和五十年では八百五十機、五十一年あたりで九百八十機、これは小型プロペラ単発のエンジンだけをとって見た数字でありますが、その辺の伸び率を想定できる、この見解は正しゅうございますか。
#77
○住田政府委員 小型機といいますのは、二つに分けまして、一つは使用事業とかあるいは不定期運送事業ということで事業としてやっている分野と、それから個人の方々が自分で飛行機を持って、これは自家用の場合もありますし――自家用といいますのは会社として自家用を持つ場合と、それからスポーツといいますか、そういう面で持つ方とあると思います。そしてまず事業としての面でございますが、最近は農薬散布というものが減ってきておりますし、それから騒音関係の問題で航空宣伝関係の事業も減ってきております。したがって、使用事業の分野が大幅に伸びていくということはあまり考えられないのではないかというふうに見ております。現に使用事業関係の会社は、兼業を含めまして五十二社ほどございますけれども、現在できるだけ集約統合していきたいという機運が強まっております。一般の会社の自家用であるとかスポーツ航空としての飛行機を持つという傾向は、最近所得の向上に伴いまして非常にふえておりますけれども、一方、東京、大阪周辺の空港事情が非常に悪いということ、それから空域が非常に混んできているということで、現在、私どもといたしましては、定期航空運送事業の航空機航行の安全を守るという意味で、そういう小型機の飛び得る空域をかなり制限いたしておりますので、その意味からいいますと、そう大きな飛躍はないのではないかというふうに思います。
#78
○中島(源)委員 現在事業をやっておられる企業そのものが統合されていく、あるいはそれによって強化されていく。これはけっこうであろうかと思いますが、少なくとも小型機の需要が年々伸びていくということにつきましては、私はその企業体質を申し上げているのではなくて、少なくとも企業内容によりまして、小型機の需要がふえれば、当然それに見合う優秀なる操縦士あるいは優秀なる整備士が充足されておりませんと、これが運航によりまして、もし整備不完全なるものが飛んだといたします、あるいは優秀なるパイロットが事前に育っていかなかったといたしますというと、これはとりもなおさず周辺住民の国民生活にやはりある程度の危険性を及ぼすということに考えなければいかぬと思うわけです。そこで私が先ほどから伺っておりますように、ジェット機もともかくでありますが、少なくともそういった小型機の需要が伸びるとすれば、その整備士並びに操縦士を育てるのは、やはりおもに地方空港あるいは小規模企業あるいは学校というものであろうと思うので、そういうところに対する新税の影響というものをもう少し伺ってみたい、こう思うわけです。
 そこで参考に伺いたいのでありますが、燃料のコストが、航空会社、これは営利企業並びに教育法人を含めて申し上げたいと思いますが、そういうところの事業収入あるいは事業費に占める割合を教えていただきたい。でき得れば大規模事業あるいは小規模事業者、あるいは小規模所有者と申してもけっこうだと思いますが、大別いたしまして大企業、中小企業に分けてお教え願えれば幸いであります。
#79
○住田政府委員 いわゆる定期三社の場合におきます航空燃料税の影響は、四十七年度の収入を基礎といたしまして、約九・五%程度になると存じております。大企業と申しますか、定期三社の場合です。これは四十七年度でございまして、燃料税の伸びと収入の伸びとの間に乖離がございまして、四十九年、五十年には八%台に下がるのではないかと見ております。それに対しまして小企業、小さな規模の会社、使用事業あるいは不定期の会社でございますが、この場合には、負担率は下がっておりまして、固定翼の会社で、若干差がございますが、高いところで三%程度、低いところでは一・八四%、それから回転翼で、高いところで二・六七、低いところで一・七三ということで、事業収入に占める比率は、小規模のほうが少ないという予想でございます。
#80
○中島(源)委員 ある意味では、小企業のほうが比率としては少ないかもしれません。
 そこでもう一つ参考に伺いたいのですが、いわゆる直接運航費に占めます燃料費の割合というものは把握しておられましょうか。
#81
○住田政府委員 小規模企業の場合でも、あまり大きな率になっておりませんで、先ほど申し上げた固定翼の場合で、六・八九%、これは高いほうでございます。低いほうで五・七……。
#82
○中島(源)委員 直接運航費ですよ。
#83
○住田政府委員 営業収入でなくて……。
#84
○中島(源)委員 営業収入は、全部の営業収入ですか。直接運航費に対する燃料費の占める率……。
#85
○住田政府委員 ちょっと直接運航費のほうは調べておりませんが、もしよろしければ、運賃の中に占める比率は、調べたのがございます。
#86
○中島(源)委員 参考に聞かしてください。
#87
○住田政府委員 これは小型機の場合には、運賃は民間運賃ではございませんけれども、たとえばセスナの172という四人乗りの固定翼がございますが、これは一時間当たりの運賃が二万三千五百円、その中で燃料費が千三百二十二円ということでございます。消費量は、一時間当たり三十リットルぐらいになっております。
#88
○中島(源)委員 あとで数字は伺いますが、私の聞き得る範囲では、直接運航費に占める燃料費の比率というのは四〇%に達する。しかも、たとえば小規模、いわゆる小型のほうに関しましても、いままでの燃料費に対しますこの燃料税の比率は、やはり四〇%ぐらいに達しておりましょうね。
 では、その次の質問を続けます。つまり、私のいただいた資料によりますと、むしろ大企業におきましては、燃料の種類も違いますが、安い燃料を大量に買いつけることができる。小企業におきましては、よりオクタン価の高い燃料を少量に買っておる。それを含めまして、たとえばここにいただいておるのは、全日空の場合、キロリットル当たりの燃料費の単価は一万七百五十八円である。しかし、小規模事業者のほうの、おそらく小型飛行機と思いますが、一キロリットル当たりは三万四百二円である。これだけの要するに燃料単価の高いものを使っておる。そこで一万三千円という航空燃料税というものは、その占める率からすれば、小規模事業者のほうが相対的には低くなりますけれども、絶対量といたしましては、すでに小規模企業におきましては、大企業よりも三倍近い高い燃料費を使っておる、そこにまた絶対量が一万三千円乗ってくるということは、やはり小規模事業者に対しましての負担のほうがより過重であるというふうに考えられなくはないか。私はそういう意見を持っておりますが、この点に対します御意見いかがですか。
#89
○住田政府委員 先ほど運賃における燃料費の負担を申し上げたわけですが、これを一万三千円の税額で現在の運賃にどれくらいの比率になるかという点を見ますと、先ほど申し上げたようなセスナ172で一・六八%程度になります。したがって、航空燃料税の負担割合というものは、大企業といいますか、定期航空運送会社に比較しますと低いということがいえるのではないかと思います。なぜこのように低くなっているかという点でございますけれども、定期航空運送会社の場合と小型の航空会社の場合では、稼働時間に大きな開きがある。定期航空運送会社の場合ですと、国内線ジェットですと、二千五百時間から二千六百時間飛んでおるわけです。それに対しまして小型機の場合には、年間七百時間飛べばいいほうであって、稼働時間が非常に少ない。したがって燃料も減ってくるわけでございます。したがって、全収入といいますか、あるいは飛行機の償却も、少ない時間しか飛んでおらないから、時間当たりの償却費が高くなるということで、燃料費の占める比率はその意味では少ないという結果が出ておるわけです。
#90
○中島(源)委員 私は老婆心ながら考えておりますのは、航空機燃料税そのものが空港整備に回される、あるいはその地域住民の安全性に回される、これはけっこうだと思うのです。それを前提として申し上げておるのですが、さらに今後航空事業が拡大してまいりますと、あくまでもいまおっしゃる小規模事業というのは営利企業というふうにもお受け取りになっておられるようですが、私が老婆心ながら御質問申し上げておるのは、こういったものがいずれ今後の航空企業の振興に際しましては、繰り返すようですが、新しい整備士あるいは新しい操縦士を輩出する豊かな土壌を形成するものであろうと思うのです。そういう意味では、営利というよりは、むしろそういった教育機関としての役割りをこれからは負っていかなければならないのではないか。そういった面から見ますと、今後航空機燃料税そのものがいまの運航費あるいは営業収入に占める割合というものは、意外と逆に高まっていく傾向にあるかもしれません。そのときに、新しい航空機事業のささえとなるべき整備士の育成というものがそこなわれないように、ひとつこの点を留意をしていただきたいという意味で御質問申し上げた次第であります。
 それから次に移りますが、そういった小規模事業者が整理統合されていくと先ほどおっしゃいました。それはそれといたしまして、私は、そういうところで、自家用機をかってに乗り回すというような種類の方々が、そう急激にふえるとは思わない。そこで逆に申しますと、定期航空路によります運送業務、いわゆる大手であります、こういった航空運送業務というものは、いわゆる空の大型バスであります。したがって、いまや空の大型バスとしてはビジネスの足であるはずでありまして、決して今日の情勢ではぜいたくな乗客ではないというふうに判断できます。ところが、そういう方々が利用しますその定期航空、こういったものに対しまして、燃料税の課税によってその分が運賃値上げに反映していくことによって、結局は利用者の負担が大きくなりはしないか。この点を、ビジネスの足としてはやはり私どもとしては一考しなければならぬ問題である。この点についてはいかがでございますか。
#91
○高木(文)政府委員 航空機燃料税が新しく創設されますと、それが定期航空事業であれ不定期航空事業であれ、需要者の負担が増加することは事実でございますし、よって、それが航空運賃にはね返らざるを得ないという現状にあると思っております。
 ただ、その点につきましては、私ども、税の立場とは別に、全体の交通体系の問題として、政府部内でもいろいろ議論したわけでございます。現在必ずしも具体的ないい結論は得ていないわけでありますが、先般来、他の輸送手段との総合的な判断をすべきだということで、いわゆる総合交通体系についての検討が行なわれているわけでございまして、鉄道なり自動車なり航空路なりあるいは海上交通手段なりの分野の調整が、漸次進められるべきであるというふうに考えられているわけでございます。それらの見地から考えましても、若干の航空運賃の値上げはやむを得ないのではないかというのが、政府の考え方でございます。しかしながら、現在いろいろいわゆる公共料金の値上げ問題については慎重でなければならぬということでございますので、今回の創設に際しましても、いわゆるショックといいますか、その影響をできる限り小さくしなければならぬということで、暫定税率制度を置かしていただきまして、一挙に税率を高くすることによっていわゆる運賃へのはね返りを大きくするということのないように、できる限り考えたつもりでございます。
#92
○中島(源)委員 一方、航空機燃料譲与税、この配分、使用でありますが、具体的にはどのように配分され、どの点に使われるか、この点を参考に伺います。
#93
○住田政府委員 譲与税の額は、燃料税の十三分の二でございます。この十三分の二をどういうふうに配付するかという配付基準でございますけれども、その三分の一は着陸料の収入の割合で配付する、各空港におきます着陸料の額によりまして配付することになっております。残った三分の二は、空港周辺の住民が受ける騒音の量によりまして配付するということになっております。
 譲与税の使途でございますけれども、使途といたしましては、空港整備事業、それから空港周辺対策事業、これは進入道路であるとか用排水とか、あるいは公園、そういうものでございます。それから騒音対策、さらに消防力の強化、そういうような目的に使われることになっております。
#94
○中島(源)委員 そうしますと、航空機燃料譲与税の使われ方も、どちらかというと大規模空港周辺に当然多く使われていく。これはあえて反対はいたしませんが、最後に、私は時間もございませんから、空港整備あるいは関連市町村にこれが譲与されて、それがいわゆる騒音対策を含めた一般住民の国民生活にある程度これが使われていくということは、けっこうだと思うのです。しかし、あくまでもその一面のことを私は申しますが、いわゆる地方空港というものをやはりこれからは見のがしていくことはできないと思うのです。それは、何度も繰り返すようですが、そこが新しい航空事業の底辺のささえになるべき新しい操縦士、整備士の輩出する土壌であるからという意味を見落としてまいりますと、あとで航空事業そのものが頭でっかちであって基礎体力のないものができ上がったときに、非常に危険ではなかろうか、そういうことを私は懸念をいたしますので、この航空機燃料税を徴収されます上におきましては、十分にそこを配慮され、また運輸関係におかれましても、国民的な基礎知識の拡充と申しますか、あるいは整備士養成の豊かな土壌を育成するという意味におきまして、十分なる配慮をこれに注入していただいて、この新税の活用をはかっていただきますように要望を申し上げておきたいと思いますが、この点政務次官いかがでございますか、総括的に。
#95
○田中(六)政府委員 航空機の発達は何よりもやはり人で、操縦士並びに整備士が十分その整備並びに操縦をしなければ、事故の原因にもなりますし、こういう人々が足りなくなると、航空事業の発達そのものも阻害されることは、中島委員御指摘のとおりでございますので、十分この点を配慮して、他の面、つまり公害あるいは整備あるいは保安というような面と同時に考えていきたいと思っております。
#96
○中島(源)委員 次に、時間もございませんので、租税特別措置法につきまして、総括的なことだけ一点伺って、質問をやめたいと思うのです。
 租税特別措置、これこそいわゆる現在日本が置かれております通貨調整後の日本経済におきまして、経済、財政政策に根本的な方向転換を必要とされておる。これは言うまでもなく、これからは国民生活重点の高福祉社会の建設を目ざしていかなければならないという点に目標が置かれると思います。そういう面では、租税特別措置法に盛られましたところでは、むしろ大きく申せば、輸出振興税制が整理縮減をされまして、むしろ住宅対策ですとか公害対策のほうに重点が置かれてまいりつつあるということは、私は好ましい状態だと思います。
 しかし一面、やはり従来の産業重点の考え方は、依然として残っておるように思われます。しかも租税特別措置そのものは、年数を重ねますと、既得権化された観念にとらわれる。しかも特別措置による減収額は、年々増加をいたしております。ただいま質問いたしました航空機燃料税も、私はむしろ国民負担になることをおそれますし、将来におきまして国民の利益がそこなわれないか、そういう意味で御質問したわけでありますが、租税特別措置そのものを大きな意味で見ました場合には、やはり今後はある意味では勇断をもって改廃していくべき面が多いであろうと思いますし、この租税特別措置、その適用範囲そのものにつきましても、ある程度の歯どめをがっちり持ってこれを考えていかなければならぬと私は思うわけであります。
 時間がございませんので、租税特別措置法に関します総括的な基本的なお考えをここで開陳をしていただきまして、私の質問は、あとの具体的なほうはまたあとにお譲りしたいと思います。
#97
○田中(六)政府委員 租税特別措置法は、御承知のように、緊急性とかあるいは負担の公平というような見地から見まして、いつまでもこれをやっておくというよりも、十分内容を検討し、改廃していく、既得権化しないように注意することはもちろんのことでございます。
 ただ、産業そのものが十分発達しておかなければ、日本の場合資源もない、ある程度加工貿易が主体でございますし、そういう点を考えて十分配慮しなければならない点がございますし、社会資本の充実というものに方向転換、軌道修正しなければいけないと言いつつも、高度成長、産業が成長してその果実を社会保障制度あるいは社会資本の充実に向けるという基本方針は、やはり堅持しなければならぬというふうに思います。ただ言えることは、前段で申しましたように、大局的見地から、これが既得権化しないように十分注意していくという基本方針は変わらないということであります。
#98
○中島(源)委員 終わります。
#99
○齋藤委員長 午後一時三十分より再開することとし、この際暫時休憩いたします。
   午後零時三十一分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時四十八分開議
#100
○齋藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。貝沼次郎君。
#101
○貝沼委員 初めに、航空燃料税の問題について議論したいと思います。
 この航空燃料税というのは、現在の航空の実態から見まして、私は当然これはかけるべきだと思いますが、まず初めに、なぜこういう新税というものを新設しなければならなかったかというその理由、並びに、いままでガソリンについては租税特別措置でもって特別な措置が講ぜられておったわけでありますが、これをそのまま残すというのはどういう考え方によるものであるか、この点についてお伺いしたいと思います。
#102
○高木(文)政府委員 航空機に使われます燃料につきましては、昭和二十七年以来、揮発油については免税ということが租税特別措置法できまっておりました。何回か期限が到来したわけでありますが、延長をして今日に至っております。その揮発油は、御存じのように、主として道路財源に充てられているわけでありますが、航空機についての燃料分について非課税になっておりましたのは、戦争によりまして日本の航空会社が全く一時いわばつぶれまして、戦後占領が終わりますと同時に復活してはまいりましたが、非常に基盤が弱い。そこで、しばらくの間は何らかの形で航空機産業を育成していく必要がある。その育成手段はいろいろあったわけでありますが、そのうちの一つという意味で、揮発油税のうち、航空機燃料用として用いられますものについては非課税とすることが、今日まで続けられてきたわけでございます。
 しかしその後、漸次航空機利用者もふえてまいりますし、航空機会社の経営体質も強化されてきております。これまでも、最近数カ年にわたりまして、この非課税措置をやめてもいいのではないかということがときおり研究課題にのぼっておったわけでございます。他方、交通手段としての定期航空路の整備がだんだんウエートが高まってまいりまして、主として空港の整備を中心として、空港整備のための所要財源の調達ということが一つの問題となってきたわけでございますが、昭和四十六年から空港整備五カ年計画が立てられるにあたりまして、政府が現在立てております空港整備計画では、いささか財源が不足をするのではないか。まあ相当額は一般財源をもって充てておりますけれども、一部受益者負担といいますか、目的税的なものといいますか、そういうものにたよってはどうかということが検討されておったわけでありまして、また、ときたまたま昨年は事故が続いて起こりましたし、あるいは空港周辺地域の騒音防止ということがだんだん大きな問題としてあがってまいりました。片や、燃料といたしましては、必ずしも揮発油だけではなくて、灯油型の燃料もジェットエンジンでは使われておりますので、単に従来非課税としておりましたガソリン税を課税とするというだけでは、灯油型のものとガソリン型のタイプのものとでバランスを欠くということにもなります。そういうことで、ガソリン型のものに限らず、灯油型のものを含めて、新たに航空機燃料という概念を税法上定めまして、そしてそれを課税対象とするということで、航空機燃料税法という形にして御審議をお願いすることとした次第でございます。
 その場合、航空機燃料税の課税税率は、キロリットル当たり一万三千円ということで、揮発油税よりは低いのでございますが、このなぜ揮発油税より低いのかという点につきましては、一つには、やはり急激な税負担の増加によって運賃へのはね返りをあまり大きくするわけにはいかないということと、もう一つは、五カ年計画によります財源不足額との見合いという関係から、きめられたものでございます。
#103
○貝沼委員 そこで、いまの説明によりますと、従来は保護育成のためであった。それで、今回大きくなってきたので、あるいはその実態から考えて、燃料に課税してもよいと判断をしておる。また、その使い道としては、たとえばいま例としてあげられた騒音の公害というようなことを承ったわけでありますが、こういう公害問題というのは、飛行機が飛べばうるさいくらいのことは初めからわかっておるわけでありますけれども、それならば従来、保護育成ということに力を入れてきて、この公害問題ということについては考えてこなかったのかどうか。要するに、いまの説明だけだと、従来考えてこなかった。そうしてこの航空機会社の育成に当たってきた。ところが、今回は、ずいぶんその問題が取り上げられるようになったので、新しい税制を考え、そしてそれを充当していくというような意味に聞こえますけれども、この点はそういうふうに理解してよろしいのですか。
#104
○高木(文)政府委員 騒音問題が全く放置されておったということではないわけでございますけれども、しかし、特に飛行機の型が大きくなり、また、ジェット機というような非常に音を大きく出すものが多く使われるようになりましてから、騒音問題がにわかに大きな問題として浮かび上がってきたことは御承知のとおりでございまして、従来にも増して一段と騒音対策を充実する必要があるわけでありますが、従来、ややもすれば、所在市町村の一般財源といいますか、財源上特別手当てはとられていなかったと言ったほうがいいのでありまして、今回は、航空機燃料税の一部が地方譲与税という形で所在市町村に交付されるという仕組みを考えているわけでございますが、それは従来の対策が不十分である、財源措置が不十分であるという認識に基づくものでございます。
#105
○貝沼委員 そうしますと、今回のこの税制によって、この公害防止の施設、並びに保安体制というものが最近は非常に問題でありますね、飛行機がニアミスを起こしたりいろいろな問題を起こしているわけでありますから、この保安体制ということも非常に大きなウエートを持つわけでありますけれども、この説明はちょっとなかったと思うのですが、おそらくそれも含んでいるとは思うのでありますが、そういうことは解消する見込みはあるのですか。これが一つ。
 それからあわせて、現在の日本の保安体制というものは、世界から比べた場合において、大体まともにいっているのか、それともおくれておるのか、進んでおるのか、どれくらいの位置にあるのか、その辺のところを説明していただきたいと思います。
#106
○住田政府委員 今回の燃料税の収入によりまして、五カ年計画で予定いたしております保安施設の整備は、約七百億円を予定いたしております。この七百億円といいますのは、航空路の保安施設と空港の保安施設と両方あわせた額になります。それから騒音のほうでございますが、四百十億円を予定いたします。これは昨年の閣議了解の段階では二百億円ということであったわけでございますけれども、近く閣議決定を得る予定になっております五カ年計画におきましては、四百十億円ということで大幅にふやし、予算的にも、四十六年度の予算が三十億の騒音対策費を計上いたしておったわけでございますけれども、四十七年度には五十七億一千六百万円ということで、大体倍増いたしております。七百億円の予算を使いまして保安施設を整備いたすわけでございますけれども、これによって保安施設が全部完了するというわけではございませんが、当面必要とされる保安施設は全部整備できるのではないかというように考えております。すなわち、当面の大きな問題としてあげておりますのは、日本の空域を全部レーダーで監視するということが、一つの目標になっています。それは四十九年度末までに完成いたしたい。現在東京、福岡の二カ所に長距離監視レーダーが設置されているわけでございますけれども、これを沖繩を含めまして八カ所に、それから航空路につきましては、現在単線といいますか、一本しかないところが多いわけでございますけれども、四十八年度末までに複線化したい。さらに五十年度までに、東京から西のほうでございますけれども、複々線化したいという計画になっております。それから飛行場のほうの保安施設でございますが、今後ジェット機の入りますジェット空港につきましては、全部ILSという計器着陸装置をつくる。それから方向とか距離をはかりますVOR、DME、それから飛行機の離発着の回数の多い飛行場には、空港レーダーを設置いたしまして管制をやりたいという計画でございます。したがいまして、この七百億円の計画が遂行されますと、一応保安施設のほうも整備ができるのではないかというふうに考えております。
 それから、世界の水準との比較ということでございますが、航空保安施設の整備につきましては、アメリカが一番進んでいるわけでございます。ヨーロッパのほうも、アメリカに次いで進んでいるかと思います。それと比較いたしますと、日本の航空保安施設というものは、かなりおくれているかと思います。昨年十一月にアメリカの連邦航空局、FAAと言っておりますが、フレナーという管制部長に来てもらいまして、約三週間ほどかけて日本の保安施設の現状を見てもらったのです。その結果、いろいろ指摘されたわけでございますけれども、保安施設の整備につきましては、先ほど申し上げましたような方向で整備すれば、大体フレナーさんの指摘された方向に沿うのではないかというふうに考えております。
#107
○貝沼委員 このFAAの調査団が結論として出したことの中には、日本の空の保安体制は米国に比べ十年はおくれているという報告書のようでありますけれども、この内容は間違いありませんか。
#108
○住田政府委員 フレナーさんが十年くらい日本の保安施設がおくれているということを言われたことは聞いておりますけれども、それは報告書の内容ではございません。そういう見解を述べられたということは聞いております。
 それからフレナーさんとしては、日本の航空保安施設は別にあぶないものではない、しかしこういう改善する事項があるという指摘になっております。
#109
○貝沼委員 あぶないものではないと言っても、最近は事故が起こっているのです。これはしろうとが考えてもあぶないものです、やはり現実起こっているのですから。
 そこで、運輸省としては大体どういうふうに判断されておるのでしょうか。要するに、世界の水準まで、税金を使って整備するならば必ずいくんだという、そういう確信はあるわけですか。
#110
○住田政府委員 あぶないか、あぶなくないかという判断の問題でございますけれども、航空の管制といいますのは、飛行機を分離する、間隔を設けるということを主眼にやっているわけでございます。それで、日本の航空保安施設の現状において管制のやり方をきめておりますので、能率は悪いけれども、あぶないということはないわけです。たとえばレーダーで管制する場合には、飛行機と飛行機の間隔を五マイルあけるわけでございますけれども、もしレーダーで管制しない場合は、十分という時間で飛行機と飛行機の間隔をあけています。それから洋上におきます場合には二十分、そういうふうに間隔をあけておりますので、別に危険ということではないわけです。ただ、飛行機がふくそうしてまいりますと、十分間隔であるとかあるいは二十分間隔で飛ばしていると、非常に能率が悪くなる。そのためにレーダー管制をやるということでございます。
#111
○貝沼委員 私はちょっと納得がいかないのですけれども、決してあぶないものではない。しかしながら、やはり事故は去年あたり起こっているのですよ。あぶなくないはずのものが、それじゃどうして事故が起こるのでしょうか。この点、あぶなくないんだあぶなくないんだ、こう言っても、やはり事故は起こっている。これは運輸省でちゃんと――認めるも認めないもない、現実に起こっていることなんです。あぶなくないはずのものが、なぜそういう事故が起こるのか。事故が起こるということは、やはりそこに欠陥があるのですけれども、この点はどう考えていらっしゃるのですか。
#112
○住田政府委員 いま申し上げましたのは、管制のやり方について申し上げたわけでございますが、もちろんレーダー管制をすれば、モニターができるという意味におきましては安全性が確保できるというふうに考えます。しかし、一応管制といたしましては、間隔を設定することが管制の主眼でございますので、それはレーダーがあるかないかによって安全性の問題については変わることはないというように考えていいのではないかと思います。
#113
○貝沼委員 まだはっきりしません。それならば、要するに今回やることをやれば、もうほとんど一〇〇%安全になるということですか。
#114
○住田政府委員 この施設が整備されますと、先ほど申し上げましたように、効率的な空の使い方ができるということでございます。安全性の問題につきましては、われわれといたしましても常に最大の注意を払ってやっているわけでございまして、安全でない状態で飛行機を飛ばしているということではないわけです。したがって、安全でない状態では間隔を長くということで、安全性を確保しておるということであります。
#115
○貝沼委員 間隔という問題ですが、ニアミスというのは、間隔がなくてぶつかっているわけですね。これは防衛庁との関係になりますけれども、おそらく運輸省としては民間の飛行機についてはちゃんとつかまえていると思うのですが、防衛庁との関係においても、その運輸省の管轄するレーダーによってとらえることができますか。
#116
○住田政府委員 飛行機は、防衛庁の飛行機であると民間の飛行機であるとを問わず、すべてレーダーに写るわけでございますから、レーダーが整備されれば、全部とらえることができるわけでございます。
#117
○貝沼委員 そうしますと、たとえばニアミスが起こりそうになってきた、自衛隊の飛行機が接近してきた、こういう場合に対して、このレーダーは運輸省の関係の人が見ているわけですね。そうすると、防衛庁に対して何らかの指示をするとか、あるいは抗議をするとか、またコースについてのことを言うとか、いろいろあると思いますけれども、そういう権限というものは、運輸省が持つことになるわけですか。
#118
○住田政府委員 空の管制は全部運輸省がやっておりまして、規制のやり方は、飛行機がたくさん飛んでいるかいないか、そういう空域によって異なるわけでございますけれども、ニアミスが多く発生するような、比較的飛行機の飛んでおります空域につきましては、特別管制空域というものを設けまして、運輸大臣の許可がなければ飛べないというたてまえになっております。したがって、そういう特別管制空域に入る飛行機につきましては、全部運輸大臣が監督、コントロールをするということになるわけであります。
#119
○貝沼委員 もうちょっと確認しておきたいのですけれども、それならば、自衛隊機と民間の飛行機のニアミスは今後起こらない、こういう体制がはっきりしているわけですね。
#120
○住田政府委員 ニアミスを防ぐとか、あるいは航空の安全をはかるためには、いろいろな方法で担保をいたしておるわけでございます。管制で間隔を置くということも一つのやり方でございますし、それから特別管制空域を設けて、その空域に入る場合には全部運輸大臣の許可を受けるというのも一つの方法でありますし、さらに昨年の全日空事故にかんがみまして、民間航空機の飛んでいる航空路とかあるいは飛行場への進入、出発経路、そういうものと防衛庁が訓練する空域というものを完全に分離するということによってニアミスを避けるということで、現在、防衛庁の訓練空域とあるいは民間訓練空域というものを分離して設定いたしておるわけでございます。したがって、それが守られる限りにおいては、ニアミスというものは避けられるということになっています。
#121
○貝沼委員 要するに、保安体制が非常に不備であるというようなところからの理由もあって今回の新税ということも出ておるというので、そういった点、国民がほんとうに納得のいくようなものでなければならないと私は思うのです。そういう点からこの点をただしました。今後そういった事故の起こらないように、十分注意していただきたいと思います。
 それからもう一つの点は、この新税ができ上がる、それを一つの理由として航空運賃の値上げというものがいわれているようでありますけれども、これについて上げる方向で運輸省は見ておるのか、それとも押える方向でおるのか、この点はいかがですか。
#122
○住田政府委員 先ほどお話が出ましたように、昭和四十六年度から第二次の空港五カ年計画を実施いたしておるわけでございます。この計画は、総額五千六百億円という、従来の五カ年計画に比画いたしまして相当大きな規模になっているわけなんです。その財源といたしまして、その一部を利用者に負担してもらう利用者負担制度というものを導入いたしたわけでございますけれども、この受益者負担といたしまして、昨年から航行援助料というものを取ることになっております。四十七年度から実は着陸料ということで財源を考えておったわけでございますが、今回の燃料税に振りかわったということで、いずれにいたしましても五千六百億円の相当部分を受益者負担でまかなうという考え方に基づいております。
 航空運賃につきましては、昭和二十六年の民間航空再開以来、約二十年間ほとんど運賃が上げられないままに来ております。数回にわたりまして若干の手直しはやっておりますけれども、基本的な値上げはいたしておりません。二十何年間に物価も上がっておりますし、人件費も大幅に上がっているわけでございますが、その中でどういうわけで運賃値上げをしないでここまで来れたのかというその理由といたしましては、二つ考えられると思います。航空需要の伸びが非常に大きかったということが一つと、もう一つは、技術革新によりまして座席当たりコストが下がってきておる。これはスピードが早くなっているとか、あるいは飛行機が大型化されたということで、座席当たりの経費が非常に安くなってきているわけでございます。そういうことで運賃を上げないで済ましてきたわけでございますけれども、四十五年から四十六年にかけまして、景気後退が非常に顕著になってきておりまして、需要が落ちております。昭和四十五年までの三年間の平均ですと、毎年、年率で三四%伸びてきておったわけでございますが、四十六年度では、推定で大体八%ぐらいの伸び率にとどまるだろうという見通しでございます。そういう点から、従来のように、航空需要の大幅な伸びで経費増をまかなってきたのが、昨年取りました航行援助料と今回の航空機燃料税がはたして吸収できるかどうか、現在検討いたしておるわけでございますが、もし吸収が不可能であるというような場合には、運賃転嫁もやむを得ないというふうに考えております。
#123
○貝沼委員 運賃転嫁もやむを得ないということですか。――大蔵省は、そういうふうになった場合、新税創設をしたために、結局その負担増のために運賃の変更申請というのが一つの理由としてあるのですけれども、そのことは大蔵省は御存じなんでしょうか。
#124
○高木(文)政府委員 ただいま運輸省のほうから御説明がございましたように、運賃の問題が起こりますことは十分考えられるわけであります。ただ、それは必ずしも航空機燃料課税だけの問題ではなくて、いまお話がありましたように、もろもろの受益者負担増というものと収入の増、それから他の合理化手段の限界ということとの総合的関係から生まれてくるわけでございます。それにいたしましても、本年度新たに航空機燃料税制度がスタートする、本年度、片一方において航空運賃の値上げ問題が起こるということになりますれば、燃料税の創設と運賃の値上げとを結びつけて考えられることになるのは、やむを得ないところであります。そのことの可否は十分検討いたしたわけでございますが、一方におきまして、航空機による輸送と自動車等による輸送、それから鉄道による輸送というものとのいわば交通整理と申しますか、総合交通体系の整備と申しますか、そういうことも緊要の問題として現在検討されておるわけでありまして、全般的にいろいろ人件費の増加等に伴ってサービス料金の値上げが不可避であるという現状から申しますと、航空機燃料税の課税を一つの契機として航空運賃の値上げ問題が課題になるということも、またこれやむを得ぬのではないか、他の交通手段の値上げとの関連からいたしましてもまたやむを得ぬのではないかという結論に達したわけでありまして、どの程度の値上げということはわかりませんけれども、値上げの契機になることあるべしということは考えておる次第でございます。
#125
○貝沼委員 さて、そこで政務次官です、こうなると。役所のほうでは、やむを得ないと言っているわけです。ところが、ことしはもう御存じのように、公共料金というものが軒並み上がっておる。それで物価対策というものは重大問題だというので、先日来、連合審査などをやって大騒ぎをしておるわけです。そういうときに、やはり国民の負担にならないように、これはもう航空会社はあそこまできているのですから、税金をかけるのは当然だと私は思うのですけれども、だからといって、そのために運賃が値上がりをして、その分が国民に転嫁されていくということは、私は問題があると思うのです。国民に転嫁されるべきではないはずです。そういうところから、政務次官は政治家でありますから、これははたして望ましいことなのかどうか、この点についてお願いいたします。
#126
○田中(六)政府委員 これは一種の公共料金に似たようなものになるかもわかりませんが――というのは、日本航空などは政府の補助がかなりありますし……。一応企業収益の範囲内でこれが解決されれば別でございますが、やはりそういうワクからはみ出す。特に五千六百億の五カ年計画というもので、整備並びに保安あるいは騒音の公害対策というような面も加味して全体的に考えた場合に、その企業収益にはみ出せば、当然、受益者負担というような原理もあることでございますので、そちらのほうにはね返ってくる可能性はあるわけでございます。しかし、そこにあなたのおっしゃる政治というものがあるのでありましょうから、私どもは、できるだけ、運賃を引き上げて国民に負担をかけるよりも、企業の収益の中で何とかなるまいかということは、十分考えていきたいというふうに思います。
#127
○貝沼委員 政務次官、そこは考えるだけじゃいけないのです。考えるならば、具体的に政務次官はどういう行動をとられますか。
#128
○田中(六)政府委員 考えるだけではだめで、これは実行しろ、まさしくそうでございますが、私どもも全体のことで、先ほど申しました何が手段で何が目的か、やはり目的を十分設定して、そうしてそれに勘案していくのが問題でしょうから、保安対策あるいは航空機全体の整備あるいは騒音、そういうようなものがおろそかになったら航空事業そのものの発展にもこれは影響してくる問題でしょうし、したがって、再生産できないような部分、そういうところは受益者が多少負担するのはやむを得ないという気持ちが残りますので、そういう点の考えに対する余地がどうしても考えられるということから申し上げまして、これを上げないというふうに断定できないところがあることを申し上げたいと思います。
#129
○貝沼委員 そうすると、要するに政務次官の姿勢というのは、上げる方向でいくのですか、それともやめさせる方向でいくのですか。
#130
○田中(六)政府委員 これはまあ希望としては、先ほどから申し上げますように、上げないで済むなれば上げないほうがいいと思いますが、しかし、全体として総合的な判断からいたしまして、上げざるを得ないんじゃないかという気持ちがどうしても残っております。したがって、上げないというふうに断定してそれを実行しろということになりますと、そうはまいらないということを言っているわけでございます。
#131
○貝沼委員 もう一回確認しますけれども、上げざるを得ない、こういう見解ですか。
#132
○田中(六)政府委員 気持ちとしては、そういう気持ちが残っております。
#133
○貝沼委員 そこで公正取引委員会にお尋ねしたいのですけれども、今回のこの国内航空運賃変更申請の問題でありますが、いろいろ報道によりますと、日本航空、あるいは全日空、それから東亜国内航空、こういう日本においてはたった三つですね、非常に寡占的な業種でありますけれども、これが相談をして、三社が一緒になって運輸省に運賃の変更を申請しておるわけでありますけれども、これは明らかに相談をしたということは、そこに因果があり、そして寡頭の業種においてその値段を上げておるわけでありますから、これは独占禁止法に私は根本的な問題としては触れると思うのです。しかし、これはやはり航空法の中に適用除外の項目がありますので、運輸省あるいは安閑として考えておるのかもしれませんけれども、私は、この場合は、この上げ幅から考えてもやはり非常に大きなものであるし、問題があると思いますけれども、この点はいかがですか。
#134
○吉田(文)政府委員 航空運賃の値上げにつきましては、航空法の第百十条に、航空運賃に関する協定は運輸大臣の認可を受けるというふうにされております。また、同法第百十一条の規定によりまして、認可を受けた協定については独占禁止法の適用が除外されているわけでございます。ただし、不公正な取引方法を用いる場合、それから不当に運賃を引き上げる場合、この場合には独禁法の適用を受けるということになっております。ただ、運輸大臣の認可にあたりましては、公取に対しては協議も通知もないという体制にはなっておりますが、事実上の連絡を受けることはできると思います。したがいまして、いま申し上げましたような点から、協定によって航空運賃を引き上げたといたしましても、直ちに独禁法に違反するとは言えないわけでございますけれども、ただし書きにございますように、不公正な取引方法を用いている場合あるいは不当に運賃を引き上げている場合、これは当然独禁法が適用になるということでございます。
#135
○貝沼委員 そこで、この不公正な取引方法と不当ということでありますが、この三社が相談をして、そして運賃変更申請をした、これはちょっと不公正のところには入りませんかということであります。それからさらに二三%という数字であります。これは平均でありますが、二三%上がるほど非常に大きなものでありますが、こういうものは非常に幅が大きいだけに、問題がありませんか。
#136
○吉田(文)政府委員 その三社が相談をして運賃値上げを申請したというだけでは、これは不公正な取引方法にはならないというふうに考えます。それから二三%の幅でございますが、これが不当な値上げであるかどうかは、検討してみないと、いま直ちに不当であるというふうには、ちょっと私だけでは申し上げられません。
#137
○貝沼委員 そうしますと、公取のほうでは、この点につきまして何らかの調査はする考えでしょうか。
#138
○吉田(文)政府委員 調査はいたします。
#139
○貝沼委員 その調査というのは、当然運賃が値上げされる以前にされるということになるわけですね。
#140
○吉田(文)政府委員 必ずしも運賃が値上げされる前ということではございません。こちらでそれを知りまして、いろいろ資料の提供を受けて、それからということになると思います。
#141
○貝沼委員 それでは、その結果を待ってまたこの続きは議論しなければならないと思いますけれども、やはりたった三社しかないようなところでありますし、しかも現在国鉄あるいはその他の交通機関というものが非常に混んでおる時代でありますから、少々高くてもやはり飛行機は乗らなければならない時代になっておるわけであります。そのときに、ただ三社が相談をしてきめた金額が、運輸大臣がぽんと許可をすればそのまま使われていくということは、私は今後の問題としてやはり非常に問題をはらんでおると思うのです。この点につきまして、今後調査をしっかりやっていただきたい、こう思います。
 それからさらに運輸省にお尋ねいたしますけれども、今回のこの値上げの内容につきまして、実はある報道によりますと、こういうことがあります。「来年度に予定していた着陸料引上げをやめるから、燃料税の方は泣いてくれ」こういうふうな話が運輸省の中で航空会社に対してあったようでありますけれども、これは事実でしょうか。
#142
○住田政府委員 この点は先ほど申し上げたと思うのですが、当初五カ年計画の財源といたしましては、航行援助料と着陸料の値上げによってまかなうという考え方をとっておったわけでございます。当初着陸料の値上げで予定いたしておりました金額は約六百億円ぐらいでございましたので、今回の燃料税が譲与税を含めますと七百億円をちょっとこえますけれども、特別会計に入る金額としては六百億円ということで、大体それが見合っているわけでございますので、振りかえたといいますか、着陸料の値上げをやめましてこの燃料税の収入に依存するということにいたしたわけでございます。
#143
○貝沼委員 そこで、もう一つ確認しておきます。この申請の概要というのを、これは航空局からいただいておる資料でありますが、これによりますと、国鉄新幹線との対比が出ておりますが、従来のままでいきますと、たとえば東京−大阪間に対してその運賃を見てみますと、改定をしないと新幹線よりも安くなってしまうというような意味もあるようでありますけれども、これはそういう意味あるのですか。
#144
○住田政府委員 今回航空会社が出しております運賃値上げは、名目で二三%、実収で一六・一%という値上げ申請でございます。これは航空会社としての採算、原価計算から出してきた数字でございまして、国鉄の運賃値上げとは直接関係のない数字であると存じます。
#145
○貝沼委員 それならば、全然関係がないのに、なぜこういうふうな比較のしかたをなさるのでしょうか。
#146
○住田政府委員 先ほど申し上げましたように、現在運賃申請を受理いたしまして検討いたしておるわけでございます。申請の内容につきましてはいろいろ問題点もございまして、現在整理いたしております。現在の段階で、どのような上げ幅でどういう運賃の値上げの認可をするということは、まだきまっておりません。したがいまして、航空会社の申請については、先ほど申し上げましたようにアンバランスな点もあると思いますけれども、そういう点も十分考慮してこれから審査したいという考え方でおります。
#147
○貝沼委員 これは運輸大臣の認可事項でありますから、運輸省のほうではしっかりと審査していただきたいと思うのです。ただ安易に、税金を取られるから上げるのだ、あるいは新幹線がこうなるから、だから上げるのだ、こういう上げ方では、国民は納得しないと思うのです。たとえば航空会社が、いろいろ理由はあるわけですけれども、実際の収入というものと、それから新税を負担することによって支払う、負担しなければならない額と、これを比べて、はたしてどのくらいの率になるわけですか。
#148
○住田政府委員 いまの御質問は、航空燃料税が会社の収入においてどれくらいの比率を占めるかという御質問でよろしいわけでございますか。
#149
○貝沼委員 もう一回言いましょう。この現在航空会社が申請しておる運賃の値上げ、これによって収入がふえますね。それから今度は新税によって税金を納める。この納める額と、それから入ってくる額と、この比率というのはどれくらいの比率になるかという計算をされておりますか。
#150
○住田政府委員 現在航空会社が申請いたしております内容では、名目的には二三%の値上げでございますけれども、実質収入では一六・一%ということになっております。それで、燃料税が現在の航空会社の収入に対してどの程度の比率になっているか、これは四十七年度は五千二百円、四十八年度は一万四百円、四十九年度から一万三千円になりますが、一応一万三千円ということを前提に考えますと、四十七年度では九・五%、五十年度には下がりまして八・三%という比率になっています。したがって、実質値上げである一六・一%に対しましては、その半分以上を占めている、半分よりちょっと多い率になるかと思います。
#151
○貝沼委員 そういうところから考えても、この新税創設というものが直ちに運賃値上げ、こういうことには直接は結びつかないわけですね。それは考えられますか、理由として。
#152
○住田政府委員 一六・一%という値上げが妥当であるかどうかは、現在検討中でございますけれども、先ほど申し上げましたように、一万三千円という税額を前提にいたしますと、四十七年度では九・五%、五十年度でも八・三%という負担率になっておりますので、その負担増がはたして現在の航空会社の経営状態で吸収できるかどうか、もう少し検討しないと最終的な結論は出ませんけれども、先ほど申し上げましたように、全部を吸収するということはむずかしいのではないかというように見ております。
#153
○貝沼委員 そういうふうに、まだまだ値上げの方向に踏み切るというには、私は検討しなければならぬ問題がたくさんあると思うのです。ところが、先ほど運輸省のほうも、あるいは大蔵省のほうも、そうせざるを得ないということをはっきり言っておりますので、相当の計算がなされた上で、もうどう聞いてもそれをぴしっと納得させるだけのものがあってそういう判断をされておると思ったから、いろいろ私は聞いたわけでありますけれども、まだまだ検討しなければならないところはあるわけでしょう。ところが、それにもかかわらず、それはもう値上げの方向に行かなければならないのではないかという、その方向に立っておるということは、私はちょっとおかしいと思うのです。検討しなければならないなら、まだまだその態度というものはきまらないはずなんですけれども、なぜ値上げせざるを得ないというふうな結論がはっきりと言えるのかどうか。なぜ言えるのだろうか、この辺が私は非常にふしぎであります。その点ははっきり言えるわけですか。
#154
○住田政府委員 四十六年度の航空会社の収支状況を見てまいりますと、航空会社の場合は一年決算でございますので、現在のところ上半期の数字しかわかりませんが、試算表によりますと、日航の場合には相当の利益が出ておりますけれども、全日空の場合には上半期で二億円の赤字、それから東亜国内航空の場合には五千万円の赤字ということになっております。来年度になりますと、航行援助料というものが一年間まるまるかかってまいりますし、それから燃料税の五千二百円というものがかかってくるわけでございます。したがって、それだけでも全日空の場合は三十億ないし四十億の負担増になろうかと思いますが、現在の経営状況からいいますと、相当苦しいということがいえるのではないかと思います。
#155
○貝沼委員 値上げについては、真剣にひとつ検討していただきたいと思います。
 それから法案の内容に入りますけれども、ガソリンのほうですね。ガソリンのほうは、いままで特別措置法でもって優遇をしてきたわけですね、これは。それから灯油のほうが今回おもにかかってくるわけですね。そうして暫定税率になっておって、昭和四十七年がキロリットル当たり五千二百円ですか、四十八年が一万四百円、四十九年が一万三千円、こういうふうになっているようでありますけれども、この点はどういう意味でそうなりますか。
#156
○高木(文)政府委員 基本税率としては一万三千円と考えております。その場合に、間接税の場合に、施行期日から直ちに本則税率によって適用するるという事例もたくさんございますが、間接税の場合にはいろいろ負担関係に影響がある。ただいましさいに御質問がありお答えがございましたように、この問題はかなり経営コストに影響があり、そして、よってもって運賃体系に影響があるということでございますので、いかに空港整備なりあるいは防音施設なり保安施設なりの財源調達のために必要であるとはいえ、一方において価格体系への影響ということも考えなければならないということからいたしまして、急激な変化を与えるということになりますと、やはり先ほど来御指摘の価格への影響ということも考えなければならないということになります。時間をおいていけば、まあ利用客の増あるいは他の企業の合理化等によって吸収可能な余地もだんだんと出てくるわけでございますので、そこで一挙に本則税率の一万三千円の課税ということを避けまして、三年間にわたって徐々にそこへ近づけていくということにすることが、いわばショック緩和という意味で望ましいのではないかということから、暫定税率を設けたわけでございます。
#157
○貝沼委員 そのように段階的に実際税率のほうは上がっていく。ところが、運賃の申請のほうは、一ぺんでぽんと来ているわけであります。何かちょっと考えると、一ぺんに税金をたくさん納めなければならないから運賃を上げてくださいというふうに聞こえるのですけれども、その中身というものは、ただいま主税局長が説明されましたように、三年間にわたって段階的に上がっていくわけですね。ということは、やはりこの運賃の値上げというものに対して、もっと渋くても私はいいと思うのです。もう上げること自体にも私は反対でありますが、一ぺんに運賃に持っていくというやり方は、私はどうも納得がいかないのでありますけれども、この三段階ということを考えた上でも、なおかつやはり上げなければならないという判断でしょうか。
#158
○住田政府委員 現在航空会社が申請いたしております運賃申請では、一万四百円の税額で原価計算をいたしております。ただいまお話がありましたように五千二百円、一万四百円、一万三千円というような段階的な燃料税の引き上げになるわけでございますので、私どもといたしましては、最終的な方針をきめているわけではございませんけれども、その税額に見合った原価計算というものを考えたいと思っております。
#159
○貝沼委員 いろいろと運賃の問題にからんできますと、ずいぶん問題が出てくるのです。しかしながら、そういう要素も考えて検討していきたいということでありますから、あらゆる面からひとつ検討していただきたい。一般的に言われているのは、たとえばアベック値上げであるとか、また航空による輸送というものが大きくなってまいりますと、今度はそれによる便乗値上げ、また波及というものがやはり大きくあらわれてくると思うのです。ことしは、先ほど申し上げましたように、公共料金が一斉に上がっておるし、野菜が下がったといっても、これは政府の政策で下がったわけではない、と総理が言っておるとおりであります。これは天候がよかったから下がっておるわけでありますから、したがって、物価はいま少し下がっておるから安心していいという状態では私はないと思うのです。その上さらにこの航空運賃が上がったのではたまったものではない、これが私は国民の感覚であろうと思うわけであります。その点よく注意してやっていただきたいと思います。
 航空燃料のほうは大体以上で終わりたいと思いますが、特別措置のほうは、これは次回まで保留いたします。
#160
○齋藤委員長 次回は、明十五日水曜日、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後二時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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