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1971/03/15 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第6号
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1971/03/15 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第6号

#1
第068回国会 大蔵委員会 第6号
昭和四十七年三月十五日(水曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 齋藤 邦吉君
   理事 宇野 宗佑君 理事 木野 晴夫君
   理事 丹羽 久章君 理事 藤井 勝志君
   理事 山下 元利君 理事 広瀬 秀吉君
   理事 松尾 正吉君 理事 竹本 孫一君
      奥田 敬和君    木村武千代君
      倉成  正君    坂元 親男君
      地崎宇三郎君    中川 一郎君
      中島源太郎君    原田  憲君
      坊  秀男君    三池  信君
      毛利 松平君    森  美秀君
      山口シヅエ君    吉田 重延君
      吉田  実君    阿部 助哉君
      佐藤 観樹君    藤田 高敏君
      堀  昌雄君    山中 吾郎君
      貝沼 次郎君    伏木 和雄君
      寒川 喜一君
 出席政府委員
        内閣法制次長  吉國 一郎君
        内閣法制局第三
        部長      茂串  俊君
        大蔵政務次官  田中 六助君
        大蔵省主税局長 高木 文雄君
        大蔵省銀行局長 近藤 道生君
        大蔵省国際金融
        局長      稲村 光一君
        通商産業大臣官
        房審議官    飯塚 史郎君
        運輸省航空局監
        理部長     住田 正二君
       自治省税務局長 佐々木喜久治君
 委員外の出席者
        大蔵省主税局税
        制第一課課長補
        佐       有馬 憲幸君
        国税庁直税部長 江口 健司君
        国税庁直税部法
        人税課長    垣水 孝一君
        自治省税務局市
        町村税課長   石原 信雄君
        大蔵委員会調査
        室長      末松 経正君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 航空機燃料税法案(内閣提出第二〇号)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三五号)
     ――――◇―――――
#2
○齋藤委員長 これより会議を開きます。
 租税特別措置法の一部を改正する法律案及び航空機燃料税法案の両案を一括して議題とし、質議を続行いたします。堀昌雄君。
#3
○堀委員 実は、きょうから私、租税特別措置法の質問をさしていただくわけですけれども、大蔵省が提出をいたしております資料が、これは衆議院の予算委員会に提出をしておるのでありますが、過去においてもきわめて問題がある資料があったので、昭和四十四年の予算委員会で、私はその租税特別措置減収額というものはきわめて不明確である、幾ら推計であっても問題があるというふうに実は指摘がしてあるわけでございますが、今日私この減収額をずらっと分析をしてみまして、まことにどうもずさんきわまる減収額で、ですから、きょう議論をしております中で、著しく減収額に見込み違いがある場合には、一ぺんこれらの減収額を洗い直して再提出をしてもらうということにしてもらいたいと思うのですが、その点について委員長の善処をお願いしたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
#4
○齋藤委員長 そのような問題につきましては、必要がありましたら理事会で御相談を申し上げたいと思います。
#5
○堀委員 いま私が申し上げましたのは、昭和四十七年度租税特別措置による減収額試算(内国税)、昭和四十七年三月、大蔵省、という資料が本年も出されておるわけでございます。これは過年度においてもずっと出されておるわけでありますが、まず大蔵省にお伺いをいたしたいのでありますが、これは間違っていませんか。「昭和四十七年度租税特別措置による減収額試算」という表題は間違いないですか。これはずっとこういう表題で来ておるのですか。
#6
○高木(文)政府委員 租税特別措置による減収額試算というのは、かなり厳密な意味での試算ではございませんで、たとえば租税特別措置法によるいろいろの事項のすべてを完全に網羅し切っておるということではございませんし、それから主として直接税についてはあがっておりますけれども、登録税等について、一部あがっているものもあるし、あがっていないものもあるというような意味で、若干不正確でございまして、そういう意味で、ただいまのお尋ねのように誤りはないかと言われました場合に、一応の試算として御審議の参考までにお出しをしておるのでございまして、こういうものがあるいはどういうわけで載せてないのだ、あるいはこういうものを載せるべきではないかという点があろうかと思います。
#7
○堀委員 実はいま私がお聞きしているのは、中身に入ってないのです。いま主税局長の御答弁の中でも租税特別措置法による減収の話をなさったわけですね。私がいまこだわっているのはそこなんです。この表題は「昭和四十七年度租税特別措置による減収額試算」、こう書いてありますね。この表題はこれでいいのですかとまず聞いたのです。表題だけについて。
#8
○高木(文)政府委員 これは従来からの慣例をやや引き継いでおりますので、本法に入っている規定の一部があるという意味において、租税特別措置法による減収額ではないということが言えると思います。
#9
○堀委員 私もそういう配慮で実はこれは書いてあるのだろう、そう思っておるわけです。実は租税特別措置という問題を、きょうはまず最初に少し法制局の見解も聞きながらちょっと伺っておきたいと思うのであります。(「社会保険もやれよ」と呼ぶ者あり)社会保険もあとでやりますよ。
 そこで、所得税法はその第一条に「この法律は、所得税について、納税義務者、課税所得の範囲、税額の計算の方法、申告、納付及び還付の手続、源泉徴収に関する事項並びにその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定める」こういうふうに書いてある。租税特別措置法は第一条で、「この法律は、当分の間、所得税、法人税、」あとずっと何々税とあって、「軽減し、若しくは免除し、又はこれらの税に係る納税義務若しくは課税標準若しくは税額の計算若しくは徴収につき、所得税法、法人税法、」何々税法の「特例を設けることについて規定するものとする。」こうなっておるわけです。
 そこで、いま主税局長がちょっと触れられたわけですが、所得税法というのは、所得税に関する正常なたてまえといいますか、正常な所得税に関する取り扱いというものを取り扱うものだという規定だと思うのですが、法制局、この点はどうでしょうか。
#10
○茂串政府委員 ただいま御指摘の点でございますが、税法の体系論につきましては、前々からいろいろ議論のあるところでございますが、先生御承知のとおり、所得税法それから法人税法の全文改正のときにも、こういった本法と租税特別措置法との区分けと申しますか、どういう観点から一体これを区分けをしたらいいかという点もいろいろ議論した経緯があるわけでございます。非常に簡単に申しますと、第一には先生いまお読みいただきました条文にございますように、租税特別措置法の場合には当分の間のいわば政策的な観点からする、ことばをかえて申しますと、いろいろと公共の福祉とかあるいは公益の増進をはかるために、いわば租税の負担の公平というものを若干曲げても、こういった目的を達成するための当分の間の特別な措置であるという点が、基本的にいわゆる本法の規定とは違っておる点と思います。たとえば、例をあげて申しますと、引当金と準備金の問題が一つの典型的な例になると思いますが、引当金の場合には、いわゆる会計理論的に見ましても、本来的に損金性があるというようなものでございまして、こういうものは本法に入れるべきものであろう、それから準備金になりますと、むしろこれは先ほど申し上げましたような、他の政策目的を達成するために、本来は利益性の強いものあるいは利益性そのものを持ったものであるとしましても、それを特に他の特別な目的を達成するために、特別措置として規定する必要がある、そういった場合には、租税特別措置法のほうに入るということで、一般的にはそういったようなことで区分けをしたわけでございます。
#11
○堀委員 茂串さんは大蔵省に長くいらして法制局にいらした方ですから、この点非常に詳しいと思うのですけれども、そうすると、当分の間というので分けたというふうに理解していいでしょうか。租税特別措置法の中にも期限を明示しないものもあるわけですね。そうすると、期限を明示しないものは所得税法で書くのが相当であって、当分の間ということになるものが租税特別措置法だ、こういう税体系ということになりますね。それでいいでしょうか。
#12
○茂串政府委員 当分の間という問題に焦点を当てた場合にはまさにそういうことだと思います。といいますのは、所得税法の場合には確かに先生のおっしゃるように、たとえば生命保険料控除の問題とか、あるいはまた少額貯蓄の問題とか、いろいろ広い意味での特別措置という概念に入るものもあろうかと思いますが、これはまさに当分の間というのではなくて、いわば恒久的に本法の上で規定したほうがベターであるという観点から、そうした区分けができているのかと思います。
#13
○堀委員 二十六条の先ほどから坊先生が盛んにお話をいただいておりました社会保険診療報酬の所得計算の特例は、読んでみると当分の間というのは法律にないのですね。これは期限を定めざる特別措置になっておりますね。そうするといまのあなたのお話のように、当分の間で区切りをしたというのなら、当然社会保険診療報酬の特例は所得税法へ入らなければおかしいですね。おまけに、生命保険控除も少額貯蓄も一ぺんきめたけれども、しょっちゅう内容が変わっているわけですね。言うなれば、租税が変わると同じで、内容というのは、その比率、上限とかあるいは控除の額というのはたびたび移動している。この社会保険料診療報酬のほうは一ぺん書いた法律そのままでちょっとも動いてない。
 こう見ると、それではこれが所得税法にいっているというなら、私もまたいまの体系の問題としては多少納得できるのですが、これは租税特別措置法に残っておる。そして少額貯蓄と生命保険控除が所得税法の中に残っているというのは、どうも私、第一体系としておかしいし、そしてこれはいまそう言われたけれども、所得税法にはそういうことの前段の定義はないのですね。これは私は予測していないと思うのですよ、新しい所得税法は。
 もう一ぺん読みますが、所得税法の第一条、「この法律は、所得税について、納税義務者、課税所得の範囲、税額の計算の方法、申告、納付及び還付の手続、源泉徴収に関する事項並びにその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるものとする。」特にここに言明しなければならぬようなことをここに書いてないと思うのですよ。これはオーソドックスな所得税法というものの本来の姿が書いてある。そして租特のほうは、さっき私が言ったように、最初の何々税を「軽減し、若しくは免除し、又はこれらの税に係る納税義務若しくは課税標準若しくは税額の計算若しくは徴収につき、」「特例を設けることについて規定するものとする。」これは法制局はいまの少額貯蓄や生命保険というのは、軽減なり減税なりここの租税特別措置法一条でいうところの規定を満たしておるものとは思いませんか。
#14
○茂串政府委員 第一点の当分の間の問題でございますが、これにつきましては確かに先生の御指摘のように、第二十六条には当分の間ということを一々規定しておりませんけれども、それは第一条でいわば総括的に当分の間租税の軽減なり免除についての特別な規定を設けるということをうたっておりますので、特にほかの規定で期限を切っているものもいろいろございますが、それはもちろんその規定したところの期限に従って特別措置が講ぜられるわけでございますけれども、二十六条のようにそういった特に期限の指定のないものにつきましては、包括的に第一条の当分の間というその規定が働くということで理解しておるわけでございます。
#15
○堀委員 いまのはこじつけです。これはちょっと私、法制局の答弁として非常に不満ですから、済みませんけれども、長官をすぐ入れてください。これではどうしようもありません。
 主税局長のほうにお伺いをいたしますが、私が言っていることは、論理的でないことを言っているつもりはないのですよ。要するに特例を設けてあることに相違はないし、税を軽減していることも相違はないし、当分の間の、一字だけのところにこだわるということで、何もこの所得税法の十条等をこっちへ置いておかなければならぬ理由は私はないと思うのですよ、率直に言って。やはり私は現在の税の体系というものをできるだけ整備をして、ここに租税特別措置一覧といってこうやってこういうものを出してきて、この中には所得税法のものもあるし、租特のものもあるし、法人税法のものもあるなんということは、私はやはり措置をするときには、いろいろな点で特例を設けて軽減をするものは特例を設けて軽減するところに集めることのほうが、税を運営する側からも、また税を調べる側からも合理的な措置ではないかと思うのです。
 だから、過去においてどういう意図でそうなったかは別としても、私は率直にいって、ずっと税体系の問題を少し調べてみて、これはやはり自然でないな。私が何回も読むように、所得税法というのはオーソドックスな所得税全体の納め方なりいろいろなことを規定するときはこれに書き、片方はなるほど頭に当分の間とついているけれども、税を軽減したりする特例を定めているのだ、こうなっておるので、特に軽減をする規定は、私はやはりいまの形のものは租税特別措置法に書くべきではないか、こういうふうに思うわけです。これは多少議論のあるところでしょうけれども議論よりも何よりも、わかりにくい。これは税金をしょっちゅう調べている人は、これはどっちにあってあれはどっちにあるとわかるわけです。しかし、一般的に見れば、皆さんのほうでも「租税特別措置による」と書いているるわけだから、「特別措置による」とここに書いたのは、私前段でここを少し確認をしたのも、あなた方もこれは租税特別措置だと理解しておられると思うのですよ。そうでなければここに少額貯蓄の非課税とか生命保険控除が入っているわけはない。長年にわたってこの項目の中に入っているということは、主税局としてもこれは租税特別措置として理解をしている。それならやはり租税特別措置法の中にまとめておいたほうが、私は税法の体系から見ても自然ではないのか。ここに入っていないものは皆さんも特別措置と思っていないのでしょうから、これは所得税法に残しておいていいと思うのです。少なくとも毎年毎年予算委員会にこうした正規の資料を提出して、こういう表現でずっと来ているわけです。何年度の租税特別措置による減収額試算と書いてある。租税特別措置法による試算とは書いてない。たいへん含蓄のある書き方だから、私はまずここから伺ったわけだけれども、これは今後の取り扱いとしては、毎年税法の改正をすることでどっちからどっちへ移すだけだというなら、これは税体系の整備に連なるだけなんで、私はそのほうが適切だと思いますけれども、主税局長の側の見解はどうでしょうか。
#16
○高木(文)政府委員 たいへん恐縮でございますが、私自身現行の所得税法の規定が全文改正で整備されましたときに、ただいま御指摘のような事項についてどのような議論がありましたかつまびらかにいたしませんので、たぶんそのときには当然全文改正でございますから、その点も検討はいたしたと思います。法制局のような見地もございましょうし、主税局はまた多分にたとえば各規定の沿革的な事情とかいろいろあって残したものがあり、移したものがありといったようなことではないかと思いますけれども、そのときなぜ利子なり生命保険料なりについて所得税法のほうに残したのかという事情をよく存じませんが、ただいま御指摘の点は確かに問題点でございまして、いつも租税特別措置というのは何が租税特別措置かということについては、いろいろ御指摘を受けておりますし、またわかりにくいということは事実でございますので、漸次明快にしていく方向にチャンスを見て努力をするということにいたしたいと思います。
#17
○堀委員 まあ、そう重大問題というほどのことはないのですけれども、調べてみますとちょっとひっかかるわけですよ。これは法律の第一条の趣旨をこう読み比べてみるとちょっとひっかかることだから、一ぺん検討して、第一条のほうを直すわけにはいくまいから、中身のほうを直したほうが自然だ、私はこういう理解に立っておるもので、その点はひとつそういうことでお願いをしておきたいのです。
 そこで、銀行局長に入ってもらいましたから、ちょっと利子所得の問題を先にここでやっておきたいと思うのです。
 実は、いまの所得税法第十条ですか、少額貯蓄免税という制度は皆さんも御承知のように非常に沿革がありますね。かつて納税貯蓄組合に対する減免か何か――国民貯蓄ですか、これが非常に乱にわたっておるということで、これを取りやめようではないかということでいまの形のものに変わってきたという経緯があるわけですが、その経緯の中で、実は当時、最初はたしか五十万円でスタートをしたと思いますが、今日額がたいへんふえましたけれども、そのときに初めは金融機関は一つだ、こういうことに定められて、少額貯蓄免税を受けるときには、たとえばAという銀行で五十万受けなければだめですよ、Aという銀行で三十万、Bという銀行で二十万というのはだめです、こうなっておりましたね。それが今度はいつかの改正で、何年かちょっとさだかでないのですが、金融機関は複数でよろしい、要するに総額として上限の額が現在ですと今度は百五十万になりましたが、まではよろしい、こういうことになってきたんだろうと思うのです。
 実は私、金融機関の諸君から話を聞いておりますと、これは金融機関としてはアフターケアに忙殺される。マル優ということでひとつ少額貯蓄免税でやってくださいと言われれば、金融機関側はその顧客が一体幾ら少額貯蓄免税をすでにやっておるかを承知する方法はない。そこで、たとえば五十万円の定期預金をひとつやってくださいと言われれば彼らは手続をして、結果として源泉で処理されて利子は払ってしまう。そうすると税務署のほうは、この問題の少額貯蓄の名寄せをしてみると限度額を五十万こえておる、こういうふうになると思うのですね。その際に、これはどういう取り扱いをしているのでしょうね。
 たとえば、限度百万のときにしましょうね、限度百万のときに私がA、B、C三行に五十万ずつ入れた、そうしてわからぬと思って少額貯蓄免税を出した、あなたのほうで名寄せすると百五十万になった。そうすると百五十万になったらどこにそれのしりを持っていくのですか。これ脱税ですね。どの銀行の分を、おまえのところが脱税だという処置をするのか、どういう取り扱いに実際になっているのですか。
#18
○垣水説明員 何店舗もあるのを名寄せいたしまして、限度をオーバーした場合には、一番新しいほうからそれが不適格だという判定をいたしまして、そして残ってる預金から差し引くように金融機関にさせる、そういう形で源泉徴収をいたしております。
#19
○堀委員 同じ日に預けていたらどうしますか。同じ日に百五十万円預けていた。同日ですね。いまあなたのは前後があるからそれでいいと思います。前後がないときに取り扱いは……。時間はわからぬでしょうな。
#20
○垣水説明員 本人にその意思を確かめさせまして、そして本人の意思に従って不適格にするほうをきめる、こういう取り扱いになるかと思います。ただしいままでそういう例を私どもは承知しておりません。
#21
○堀委員 そこで、いまので本人のほうに処置がいけばいいと思うのですね。ところが金融機関にどうもいっておるようですね。そうすると金融機関が見ると、すでに全部引き出して、大体タイムラグどのくらいあるのですか。皆さんが名寄せをして金融機関にこれは脱税だといっていくとき、そのときにはもう引き出して転勤か何かしてその地域にいない、どこへ行ったか金融機関はわからないわけですね。そういうことがかなり起きておるというのは私どもも聞いておるのですが、要するに金利の問題は、区切りは年末でしょう、歴年でしょうから。年末で処置をしてそして今度は皆さんのほうが名が寄せをして、その金融機関にこれはおかしいと言うのは、一般的にはどのくらいかかるのですか。
#22
○垣水説明員 大体現在の名寄せのやり方としましては、かなり枚数も多いことでございますので、常時することはいたしておりませんで、七、八月ごろの税務署の手のすいているときに集中していたしておりますので、理論的には一年、大体平均的には数カ月かかると考えていただいてよろしいかと思います。
#23
○堀委員 そうすると、前年の十二月問題が処置されておるものが翌年の七、八月に調査をすることになるから、早くできても十カ月という程度でしょうね、実際には。そうするとその間に、いま私が申したようにその預金者が転勤をする、全部引き出して転勤してしまう、こうなると、私どもが聞いている範囲では、その預金者がどこへ行ったかというのは金融機関は全然わからない。調査の方法は金融機関にありません。そこでやむを得ず金融機関が払うということが現実には起きているやに聞いておるわけですが、銀行局長、この間の経緯を皆さんのほうではどのように調査しておられるか、ちょっと伺いたいと思います。
#24
○近藤政府委員 こまかな計数的な調査を最近やっておりませんが、しばしばただいま先生のおっしゃいましたようなことを聞いております。
#25
○堀委員 そこで、ある金融機関などはこのために実はたいへんな手数がかかるので少額貯蓄免税をやめてもらえないだろうかという話があるのですが、私は少額貯蓄免税はやめなくても、もう一回これは一行だけにすればこういう問題は起きないと思うんですね。それは天井までいくかどうかは別としても、できるだけ一行だけに限ればこの税務上の問題の処置は避けられるんじゃないか。幾つも分割しておるものだから、本人のほうもまあ悪意でやらないで、限度額をこえたと思わないでやっている場合もあるかもしれないし、そこで国税庁、一体どのくらい限度額を出ているのがありますか、それの全体に占めるウエートはどのくらいのものになるか、件数かなにかでもいいですが。
#26
○垣水説明員 最近の調査によりますと、名寄せによって是正しております非違割合というのは一〇%前後、年によって差がございますが、一二、三%から八%程度のところになっております。
#27
○堀委員 そうするとかなり高いですね。いまのはオーバーした分がでしょう。
#28
○垣水説明員 はい、オーバーした件数でございます。
#29
○堀委員 件数とすれば、一〇%程度あるというのはちょっとネグリジブルな数だというわけにはいかないような気がするのですね。ですから、これは少し検討を必要とする課題ではないのか、こういうふうに思うわけですね。ですから、いまのままでいいのか。金融機関の側で非常な手数をこれによってかけられるということは、最近なかなか人間も集めにくい状態でもありますし、金融機関に対しては、金融機関の過失ではありませんから、たいへん気の毒な話だと思うのですが、これについて銀行局として対策を何か考えられておるかどうかをひとつ。
#30
○近藤政府委員 たいへんいい御示唆をちょうだいいたしましたので、直ちに税務当局と検討いたしまして、なるべくすみやかに何らかの結論を出したいと思っております。
#31
○堀委員 それでは、いまの問題はそこまでにいたしまして、実は利子所得の分離課税及び税の軽減という項目が、さっき申し上げました租税特別措置による軽減で出ておるわけですが、これを暦年的に見ますと、昭和四十三年の減収が二百六十億、昭和四十四年の減収が四百七十億、昭和四十五年の減収がまた二百九十八億昭和四十六年が二百九十五億、四十七年が二百八十億、こういうのが横向けに見た過去五年間の、利子所得の分離課税及び税率の軽減の――大蔵省が出されたいまのこの一覧表を横に並べたら、実はこういうことになるわけです。最初にちょっと皆さんにも理解をしていただくために、四十三年、四十四年、四十五年、四十六年、四十七年の五カ年の間で、この利子軽減制度の問題について税法が変わったのはいつで、どういうふうに変わったかというのを御説明をいただきたいと思います。
#32
○高木(文)政府委員 昭和四十二年に源泉分離の税率を一〇%から一五%に上げております。それから四十五年に源泉分離課税をやめております。そして例の総合と源泉分離の選択制度を導入したのが四十五年でございます。そしてその選択の率は、四十六年と四十七年が二〇%で、明年といいますか、四十八年から五十年までが二五%ということで、いわば暫定税率といいますか、階段がついておりまして、いまその階段を来年もう一段上がるというところになっております。
#33
○堀委員 実はいまお聞きしましたように、そういうことになりますと、税法上は四十三年と四十四年は同じ税法なんですね。よろしいですね、四十三年と四十四年は同じ税法です。そうして四十五年の改正のところも、ちょっと古いものだから、私もきのう調べたけれども資料がわかりませんので、源泉選択になったのは四十五年の改正だけれども、実際には四十六年一月一日から四十七年十二月三十一日まで、こういうことの改正じゃなかったのか。私、四十五年の税法をきのう持っていなかったものだから、ちょっとそこの改正がはっきりしないんだが……。だから、そういう意味では、四十三年、四十四年、四十五年の十二月三十一日までは一五%のこれまでの源泉でとって、たしか源泉選択というのは四十六年一月一日から始まったんだ、こういうふうに理解しているんだが、これでいいんじゃないでしょうか、ちょっと答弁してください。
#34
○高木(文)政府委員 源泉選択は四十六年一月一日からでございます。
#35
○堀委員 そこで税法が同じ税法のとき、一五%の源泉徴収のときに、四十三年の減収額が二百六十億だ、四十四年の減収額が四百七十億だ、四十五年の減収額が二百九十八億だというのは、どうしてこういうことになったのでしょうか。
#36
○高木(文)政府委員 四十四年の四百七十億の数字の根拠はちょっといま手元にございませんで、明快にお答えできないのですが、四十五年の二百九十八億という数字が、いまのお話のように、四十六年一月一日から法律が働いておるのに四十五年分が非常に少ないではないか、ほんとうならば、一月一日からの施行であれば、あまりこの改正は働かないはずではないかという御趣旨の御質問だと思いますが、その点につきましては、全般的に、実はこの委員会にお示ししております、先ほどお読み上げになりました租税特別措置による減収額試算をどういう前提で計算するかという問題が一つございまして、全体として従来から、歳入の計算のように当該年度の歳入が幾ら減ったかという意味での計算ではなくて、その制度によって幾ら減収になるかということを示すほうが、制度による減収額をあらわすのにいいであろうということから、いつもお渡ししている表はいわゆる平年度計算でお示ししているわけです。
 そこで税制が改まりました場合には、その改められた税制に基づく平年度計算での増減収額といいますか、それで表示しておりますものですから、まさにいま御指摘のように、四十五年度改正では四十六年一月一日からしか働かないはずなんでございますが、平年度計算で一月一日から二〇に上がるということを前提にしての減収計算をしているという関係上、先ほどお示しがありました四十五年度の減収額が表示の上では非常に小さく出ている、こういう関係でございます。これは実は各項目ともそういう考え方に立って算出いたしております。
#37
○堀委員 四十四年当時は主税局長は実は吉國さんなんです。おそらくいまそこにすわっていらっしゃる方は四十四年当時主税局におられた方がいないのではないかと思います。ここに四十四年におられた方があったら、ちょっと手を上げてみてください。――はい、わかりました。一人ですね。高木さん、私が聞いているのは四十五年じゃないのです。四十四年を聞いている。四十三年に二百六十億、四十四年は四百七十億ですから、倍ほどここで減収が出ている。その次の年には同じ税法でまた二百九十八億と三百億ほどだから、百七十億またがたんと落としてある。一体四十四年に四百七十億というのが出たのは何に原因があるか。悪いけれども、あなたそれを承知しておられれば一ぺん答弁してください。なぜこうなったか、あなたは当時おられたなら御承知だろうと思うから。
#38
○有馬説明員 担当が違っておりまして、存じおりません。
#39
○堀委員 わかりました。やはり私のほうが長くおるものですから、どうしても過去の経緯は詳しいということになるかと思うのでありますが、実は四十四年の二月十九日に、私は予算委員会の総括質問でこの租税特別措置の減収額というのはでたらめだという議論を一ぺんしておるわけなんです。私が国税庁の資料に基づきましてこまかくこの利子所得の計算を実はしてみたわけです。ちょっと私その会議録をいま持っていませんからわかりませんが、たしか五百二十億くらいの減収が出たんじゃないかと思うのですが、こまかく計算をして実は議論をしたことがあるわけです。そのほうが先だったわけです。私のほうが、この四十四年のこれが提出をされるより前に議論をしたのです。私のほうでは四十四年の租税特別措置の一覧表を早く出してもらいたい、予算委員会に過去に出ているから早く出してもらいたい、こう言ったが、実はこれが二月十九日の質問までに出なかった。そこで私が理詰めの議論をいたしましたあとで出てきたのが四百七十億なんです。そこで私は、これはわれわれの計算とやや適正なところで似てきたなと思ったので、実はこの四十四年度の問題についてはその後は触れなかった。
 ところがもう一ぺんトレースをしてみると、四十四年にそういう議論があったあとで吉國さんが四百七十億です、ということでしたのが、四十五年にまた二百九十八億に下がってきた。同じ税法の中で二百六十億、四百七十億、二百九十八億ということはだれが見てもおかしいと思うのです。政務次官、どうでしょうね。
#40
○高木(文)政府委員 四十四年の四百七十億の算定根拠については至急調べますが、あるいはただいまお教えいただきましたような事情があったかとも思いますが、四十五年、四十六年、四十七年については四十四年がベースになっておると思います。源泉の分離選択をした場合の税率が上がりました場合には、それが低い場合に比べれば現象として当然小さくなるわけですから、四十三年と四十四年のつながりについてはいまここで十分説明がつきません。しかし四十四年と四十五年以降は先ほどの説明で数字的に説明がつく関係にあるのではないかと思います。
#41
○齋藤委員長 関連して、広瀬秀吉君。
#42
○広瀬(秀)委員 いま利子課税の優遇について数字の問題で緻密な議論が堀委員から行なわれているわけですが、一体こういう問題はどうして起こるかという問題で、この委員会で数年前に私も二年にわたって追及をしたことがあるわけでありますが、特に租税特別措置によって減税をしてやる、あるいは免税をしてやる、軽減をしてやる、こういうことも、やはりこれは税法であることに間違いないということから、どれだけ一体法律をつくって、なるほど試算は出す、しかしその実績がどうであったのかということはかって示されたことがない、こういう角度からこの問題を取り上げてやったのでありますが、どうしても事務的に実績をトレースして、きちんとした数字を実績として出すということは困難であるというままになっておったわけなんです。公平の原則を害しながら、特定の政策目標を実現するために特別措置法をつくるということになっているわけですけれども、はたしてそれではこれだけの実績があがってどれだけの効果があるのだということは、実績の数字を踏まえなければ論議はほんとうはできないのです。われわれは常にいつでも試算だけを見ている。そしてその試算は非常に大づかみのマクロの立場でかなりの当て推量というものをもとにして、それは皆さんからいえば、客観的なある程度の資料というものはそろえているのだと言うけれども、実績というものは、常にこれは試算とは必ず違っているはずだ。そういうような部分も、いま堀委員からも指摘されたように問題点があるのだ。その実績をどうしても調査をされないということは、何としてもこれは税法における片手落ちである。しかも少なくとも税法である限りにおいては、そんないいかげんなもので許されるはずはないのだという立場で議論をしておったわけでありますが、どうしてもできない、こういう一点ばりだったわけです。
 だからこの問題を解消するには、やはり年度当初に試算を出す、見込みを出す。年度が終わって確定した段階で実績はどうであったかということを、なかなか把握しにくいいろいろな面があるにしても、今後はやはり税法である以上はそこまで厳格性を追求し、シビアな態度でこの実績を何らかの形で国会に報告もする。そういう資料というものをむしろ決算のような形で出すというような制度が確実になされない。そういうようなことでずっと戦後一貫してきておる。そういうところに、この税制調査会からもたびたび指摘を受けておるように、非常にこれが安易に慢性化するとか、あるいは長期化するとか、こういうようなことで政策の有効性を失っておるにもかかわらず、惰性で続いておるというような問題の指摘があるわけです。国民の目から見れば、常に租税特別措置というものがいかに租税の公平を害しているかという問題、なるほどこれだけ実績があがって、こういうメリットがあったのだというようなことがついぞ明らかにされたためしがない。こういうような中で根本的な問題がそこにあるだろうと思うのです。
 この問題について、この際はっきりした実際の数字というものを、租税特別措置法をやることによってこれだけの減収になりましたということを、これはやはり国会に責任をもって実績を明確にする、こういう態度をあらためてやらなければ、いま堀委員が追及していることは、毎年繰り返しても、これはもう一つ一つの項目すべてがそうだ、租税特別措置法におけるすべての項目においてその疑問というものは絶えず残ってくる。こういういいかげんなもので税法というものがいいのかという根本的な議論が絶えないわけであります。こういう点について一体それをどうお考えになり、どう処するつもりか。いまの堀委員の御質問に関連して、私もその基本的な考え方をこの際大蔵省から明確に聞きたいと思うわけであります。
#43
○高木(文)政府委員 基本的には広瀬先生からおっしゃいましたように、租税特別措置についての減収額、これを実績数値に基づいて算定して明らかにするというのが本来あるべきことであると思っております。その線に沿いまして、たとえば交際費のようなものは毎年国税庁の税務統計、会社標本調査と言っておりますが、それをベースにして、一定のサンプル率に基づいたものではございますが、全体の推計をして算出をいたしておりますし、価格変動準備金等についてもいたしております。これは法人税の申告書の第何表、第何欄というものを集計すればその数字が出てまいるわけでございます。しかし数あります、たとえば準備金あるいは特別償却というようなものにつきましては、準備金の総額はやはり法人税なら法人税の申告書の別表のそれぞれの欄を集計いたしますれば、いろいろの準備金の総額は出てまいります。特別償却の範囲額の全体も出てまいりますが、その一つ一つのどの特別償却であるか、何々特別償却ということは申告書の単純集計からは出てまいりませんので、実はそれを何条によるどの特別償却ということをしますためには、別途各申告書をその目的のために集計をしなければならないということがございますので、その作業量との関係でいままでは作業をいたしておらないということでございます。
 最もむずかしいのが、ただいま御指摘がありました利子所得の源泉選択による軽減措置による減税額は幾らかという点で、これは全く実は正確には把握できないわけでございます。と申しますのは、私が百万円の貯金を持っておりまして源泉選択をした場合に幾ら軽減されておるかということになりますと、私の他の所得で上積み税率は幾らになっているか、それにかりに百万円に対応する幾ら幾らの利子があった、そうすると、それに対象となるところの税率が、上積み税率が幾らで、よってもって幾らの税額になるというのを計算しなければいかぬわけですが、銀行の窓口でだれが幾らの預金をして幾らの、二〇%なら二〇%で源泉選択をされているという場合に、その方はもし総合したら幾らであるかということの計算をするためには、その銀行の窓口ではわかりませんで、その方の申告書を全部取り寄せて、そして一人一人仮定計算をやっていかなければならぬということになるわけでございますので、そこで、ここでお示しをいたしております租税特別措置による減収額の試算というものも、実はまず平均の上積み税率は何%であろうという一応の推定を置きまして出しておるわけでありまして、推定でございますからいろいろのことで、何%の所得税の累進税率の上積み何%であろうということで出しておるわけでありますが、実績を出すということになりますと、きわめて正確にいいますとやはりこの上積み税率を、たとえサンプル調査にいたしましてもやらなければならないというかっこうになってくるかと思いますが、これは実は非常にむずかしいわけでございますし、それからまたその場合に他の措置との――一人の方にいろいろな措置が重なってきますから、その計算を、たとえばどっちを先に計算するか、上積み、上積みで、比例税率でございましたら簡単なんですが、累進税率なんですから、どっちを先に計算するか、どっちのメリットを先に計算するかというような関係もございまして、その利子の部分についてはきわめて制度的に困難というか不可能に近いという状態にあるわけでございます。
 全般といたしましては、従来から特別措置による減収額、これの実績をなるべくつまびらかにするようにということは国会でもしばしば何度も御指摘をいただいておりますし、私どももたとえば期限切れの際に、これを延長すべきか改正すべきかというような際にも、私どもが次の改正のための立案をいたします際にも、やはりどうしても必要でございますので、必要に応じては国税庁に頼んで、それはかなりの事務量を、つまり集計事務といいますか、そういうことになるわけですが、かなりの事務量をとられることになります。現実に税務署の日々の仕事をして税務の徴収に当たっている諸君の手をとらなければならないことになります。普通の調査と違いましてこれを調べますのは、結局申告書を見てそこから抜き出してくるということ以外にございませんものですから、申告書を見るという仕事は、たとえばだれかアルバイトの人に頼むというわけにまいりませんで、申告書はだれにも見せられないものですから税務署の職員にしかやらせることができませんものですから、そこでそういうことの何か特別の目的があって、ぜひこの項目を拾いたいというところに限ってはだんだんそれを洗っていって、少なくとも何年間に一ぺんは洗っていって、そしてあとは推計して延ばす、四、五年目にいって洗うということでだんだんやっていきたいとは思いますが、したがって、ここは御指摘のように漸次明らかにする方向に、明らかにといいますか、正確な数字を掲げる努力を重ねていきたいと思います。一般的に全部明確に決算的な形で出すということは、先ほどの利子のように全く不可能でない部分についても、ただいまここでそういうふうにいたしますとなかなか申し上げられない実情にあるわけでございます。
#44
○広瀬(秀)委員 関連ですからこれ一問で終わりますが、非常に完全な実績を調べ上げるということはむずかしい事情というのは、われわれもわかって質問しているのです。まあ準備金、引当金のごときは、この計算の基礎になったものは一体それではどうであったか、見込みはどういう、準備金、引当金がどれだけになるかということを少なくとも明らかにする、それをまた実績において明らかにするというようなことも、これは少なくともいままでよりは一歩前進であるということになるし、あるいはまた利子の問題などにつきましても、個人個人の少額貯蓄をやっておったものが限度をオーバーしているとかなんとかいう場合に、その人が、みんな特定の個人であるけれども、その人がどれだけ収入があって上積み税率がどのくらいになるかというような問題などについては、やはり同じように計算の基礎としてその推定はこういうふうに推定をしているのだというようなことをやるとか、あるいはまた、そういう少額貯蓄の額がどうその年内に変遷をしたかというようなものは実績として数字を示すというような、そういうことだってできるはずなんです。それでコンピュータリゼーションの時代なんだしするから、ある程度人間もふやす、そういうような機械設備というようなものなどについても、やはり税法の厳格性というものを、特に公平の原則を害して政策目的を追求しているというようなものであるだけに、特にそういう点ではもっときびしい態度で臨まなければいけない。こういうことでいまよりも少なくともそういう点で、年度が終わったあとで実績をかなり正確に推計し得る資料というものを、やれるものは、ストレートに把握できるものは、交際費のごとく確実に把握してもらう。そういうようなことを出してもらうと同時に、そういう推計の見通しと実績というもの、いわゆる計算の土台になった数字の変遷というようなものは、少なくともその辺までのところは確実に国会に報告し、審議の材料に供する、こういうような態度は当然これはとるべきだし、とれるものだということが、いまの御答弁でも明らかになっておるわけです。そういう程度のものならばやれる、こういうように理解し、そういう資料も国会に提出をする、こういうことについてはよろしゅうございますね。
#45
○高木(文)政府委員 基本的には全く先生の御指摘の方向で私どももいたしたいと思っておりますので、ただ事務量といいますか、先ほども申しましたように税務署の正規の職員にやってもらわなければならぬ仕事がたくさんございますので、どういう順序でどういうふうにして漸次整備していくかということについては、いろいろ御指導を得て進めてまいりたいと思います。
#46
○堀委員 そこでいまの話でもう一ぺん戻りますが、四十五年度は平年度でも何でもいいのですが、これは源泉で一五%なんですね、この年は。そうですね。四十六年の一月一日からですから、四十六年は年度で見ようと何で見ようとまるまるいっているわけですね。二〇%になっているわけですね。そこで五%の、要するに源泉選択の問題があるから別ですが、――ちょっと先に源泉選択をやりましょうか。国税庁のほう、選択になったときに総合課税を希望しておる預金者というのは預金者中どのくらいありますか。要するに分離課税を望んだ者と総合課税を望んだ者。選択になったわけですからね。
#47
○高木(文)政府委員 この総合課税をした者と源泉選択をした者の数というのは、国税庁でも主税局でも実は把握をしてないわけでございます。源泉選択をした者の数そのものも、総計としての報告を求めるようなことにはなってないようでございます。
#48
○堀委員 どうも私は、利子、配当等の所得というのは、本来こんなことをやっている国はないわけですね。ともかくこれからは投資も鎮静化して、資金がそんなに要らなくなる時期が来るわけだから、そういうことを少しやめたらどうかと思うくらいなんで、もう少しきちんと調査してもらいたいのです。一体、源泉選択は四十六年から始まったんだから、まだ四十七年の三月ですから、これからのことでしょうが、これを一ぺん早急に体制をつくって、こういう制度にしたら一体それはどういう結果になったかというくらいはきちんとトレースするように、いまはまだいいですよ。四十六年は無理として、来年のいまごろには四十六年分くらいは当委員会で報告できるようにやってもらいたいのですが、どうですか。
#49
○近藤政府委員 銀行協会等と相談をいたしまして、どういう報告を御提出できますか、至急検討いたしたいと思います。
#50
○堀委員 この制度は新たになったので、この二百九十五億、二百八十億を出したときには何らかの推定の基礎はあるのでしょうね。要するに一〇〇のうちで、推定は実績じゃないですからあれですが、幾ら源泉分離を要求し、幾らは総合課税としているのかということについての四十六年、四十七年の推定の根拠は、どういうウエートになっていますか。
#51
○高木(文)政府委員 四十六年の二百九十五億の算定をいたしますときの計算のもとでは、源泉選択は四八%という前提で見ております。その前に少額の非課税のものと、それから課税分とあるわけですが、その課税分の中で源泉選択分が四八%ということです。
#52
○堀委員 そうすると、課税分の中の五二%は総合課税を希望するという前提ですね。
#53
○高木(文)政府委員 一つは総合申告になる分でございますし、一つは申告不要といいますか、少額の分で申告不要というのがございます。それから要求払い預金の分がございます。
#54
○堀委員 そうすると、よくわからないのですが、いま言われるように、少額で落ちるやっとか、それから要求払いとかいうのは私は実は初めから問題にしていないわけでして、要するにこれの土台になるのは、少額貯蓄を除いて、それの上にある部分の預貯金でものを見なければここに出てこないわけですからね。だからこの課税対象分、要するにこの二百九十五億になってくる課税対象分の中で、源泉分離を一体幾らに見たのか。これは常識的に言いますとこういうことになると思うのですよ。総合を望む人は、要するに所得税を払ってないような人であります。総合所得税一つになるわけですね。御承知のように、総合になればこれは所得税が全部ゼロになる場合だってたくさんあると思うのです。ところが、所得税を、ある一定のものを現在払っている人は、これは総合にしたら貯蓄量も大きいから、上積みになって、上積み税率が働くから、その分の上積み税率といまの二〇%を比べてみれば、二〇%の低いほうで分離を望むというのだから、私はウエートとしては、九〇%ぐらいが、ここに出てくる分というのが源泉分離でなければおかしいと思っているんだ。なぜかといえば、いま少額貯蓄百五十万で、一般的サラリーマンの貯蓄水準というのは平均すれば二百万ぐらいが精一ぱいだろうと思うのですよ。だからほとんど少額貯蓄として落っこちてしまっていると思う。一般的なものは、私は幾らも税を払うところにきていないと思う。だから、そういう意味では所得の高い人のほうに問題があるのだから、いまおっしゃった源泉四八%というのは、そのほかにそれじゃ総合が幾らで、少額貯蓄で落ちるのが幾らで、申告不要が幾ら、こういうことの四八ですか。ちょっとそこらの根っこのところを聞いておかなければ、ただ四八%では全然理解ができないのです。
#55
○高木(文)政府委員 いまの二百九十五億を算定した過程を申しますと、まず確実にわかっておる数字というのは、金融機関が払った利子の総額です。利子総額のうちで、個人受け取り分と法人受け取り分があります。法人受け取り分は全く関係がなくなりますから、個人受け取り分がどのくらいあるかという一つの推計をいたしたのでございます。そこで、個人受け取り分を推計して算出をいたしまして、それから今度は個人受け取り分を課税対象と非課税対象にまた分けます。そこで、課税対象と非課税対象とに分けた利子総額を、いま申しました源泉選択と申告不要あるいは総合移行等に割り振る、こういう経過でございまして、そこでだんだん引いていって、非課税を除いた、つまり本来課税さるべき課税対象分中、源泉選択の割合が四八%ということになっておりまして……。
#56
○堀委員 総合、幾らですか。
#57
○高木(文)政府委員 二八%ぐらいです。それからいまの二百九十五億のうち、源泉選択による減収額は二百三億、あと申告不要等による減収額が九十二億、これまた別途計算しておりますが、九十二億。先ほどの二百九十五億という数字は源泉選択による減収額と、申告不要その他による減収額に分かれておるわけでございます。
#58
○堀委員 いまのはよくわかりました。
 そこでちょっと銀行局長にお伺いしたいのですけれども、昭和四十六年の貯蓄予想と昭和四十七年の貯蓄予想で、ことしの個人消費支出の伸びは一三・八%になっていますが、雇用者所得、これが一番大きいのですが、雇用者所得は四十七年一五・二%の伸びと経済企画庁は推計しております。ですから、当然昨年よりは一五・二%収入がふえるということなら貯蓄は私はふえると思うのです。幾らふえるかわかりませんが、銀行局長、まあふえるかふえないかで、私はふえると思いますが、いかがでしょうか。
#59
○近藤政府委員 四十六年度の目標額に対しましても相当なふえを示しておりますし、その後の情勢はまだ計数的にはつまびらかではございませんが、かなりの増加があるのではないかと思います。
#60
○堀委員 そこで、四十六年と四十七年十二月三十一日まで税法は同じです。税法が同じで貯蓄がふえるという前提に立っていながら、減収が十五億も減るというのはどういうことなんでしょうね。これがふえるという方向になっているなら、――あと中身はなかなか計算しないとわからない。四十六年にいまあなたのおっしゃったような式の手だてで国税庁の資料をもとにして試算をしたら一つのラインが出た。私はこれの計算には一応自信があるからまたもう一ぺん計算してみますが、これはどうして十五億減るのですか、これをちょっと教えてください。
#61
○高木(文)政府委員 四十六年度の減税と、四十六年の秋の国会におきまして税率を直していただいたものですから、そこで四十七年分については四十六年分に比べて上積み税率を一%落として見ておるという関係でございます。
#62
○堀委員 そうすると、これは所得税減税のはね返りでこうなる、こういうことですか。皆さんのほうの話では、四十七年所得税減税を四十六年所得税減税との関係から見ると、四十七年のほうの減税が上積み税率に一%効力を発揮した、いまのお話はそういうことですか。
#63
○高木(文)政府委員 四十六年の二百九十五億の算定のときには、上積み税率を二五と見て計算しておりました。それで、源泉選択が二〇ですから五%相当額が減収に響いてくる。四十七年の二百八十億を算定するときの根拠としては、上積み税率を二四と見ております。この二五と二四と一そこで実はこの算定をやりますときのいろいろ上積み税率を使いますときの率の刻みは、もっとこまかくやるべきかもしれませんが、そこまでなかなか資料がはっきりしておりませんので、実はいつも一%刻みで上げたり下げたりするものですから、そこで一%で動かしたということでございます。
#64
○堀委員 五%が四%に動くということは、パーセンテージとしては実は二〇%動いておるわけですよね。だからそれは確かに貯蓄がよくふえてもやはり個人貯蓄一五、六%でしょうから、確かに減るということになるでしょうね。上積み税率が一%下がるというのは、しかし税の取り扱い上は少し乱暴な扱いのような気がしますね。二〇%ずぽっと上積み税率が落ちるということになるかどうかです。一%といえば小さいようですけれども、要するに上積み税率の五%と四%というものの差は二〇%あるわけですから、まあそれはけっこうです。
 ちょっとそれじゃ、いまの点と、吉國さんにたいへんお待ちいただいておりますから……。
 昭和二十九年の十二月に御承知のように租税特別措置法二十六条によるところの医師の社会保険診療報酬に対する課税の特例ができましたね。この法律は法律そのものとしては当分の間ということに法律はなってないです。私もこれに非常に関係がある人間ですが、法律そのものは当分の間という字は法律の中に一字も入っておらぬです。しかし、いま茂串さんは、私は一字も入ってないんだからこれは期限がない租税特別措置法だと考えておるにもかかわらず、その租税特別措置法の中に入れてあるから第一条の当分の間というしぼりがかかるんだ、こう言っておられるわけです。これは本末転倒だろうと思うのです。要するに私が議論しておるのは、その法律そのものの中に当分の間とかいう時間のしぼりが入っているのなら、それは当分の間というしぼりをかけた租税特別措置法の中に入れるのが相当だと思う。ところが、前段のほうで少額貯蓄免税とか生命保険控除というのはそういう時間的なしぼりがかかっていないから所得税法のほうに入れたんだ、こういうお話があったわけですから、そこで私は、そういうことなら社会保険診療報酬というものはしぼりがかかってないから所得税法のほうに入れるのが相当ではないかと言ったんですが、茂串さんは、当分の間ということでしぼりをかけておる。第一条の「当分の間」というのはこれはどこへ持っていくかでかかるだけのことであって、所得税法そのもの、いまの社会保険診療報酬特例そのものの中に当分の間というのがないのをここに入れるということになったら、そのしぼりがかかるということになったら、これは重大な問題だと思うのです。法意を体してないところに入れるということになるから、そこで私は吉國さんにお越しを願ったのは、これはちょっと重要な問題にひっかかる。一条で「当分の間」というしぼりをかけてあるというところへほうり込みさえすれば、法律そのものに何にも当分の間が書いてない法律であっても当分の間と読むとしたらたいへんなことになるのでちょっとお伺いをしたいんですが、その点をちょっとつまびらかにしていただきたい。
#65
○吉國(一)政府委員 私、おくれて参りましたので、堀委員と私どものほうの第三部長との間の質疑応答を直接伺っておりませんので、あるいは的をはずれた議論になるかもしれませんが、要するに租税特別措置法の第一条では、ただいま掘委員が仰せられましたように、この法律は当分の間、所得税以下のあらゆる税目を掲げまして、これらにつきまして特例を設けることを目的とすることを趣旨としてうたっております。その中の規定といたしまして、あるいは昭和何年何月何日から昭和何年何月何日までの間の特例を定めるものもあり、またあるいは何年何月何日以降ずっとということで将来の期限を定めないできめておるものもございまするし、また第三の類型といたしましては、全く期限を定めないで、ただいま御指摘のように、第二十六条のように社会保険関係の軽減を規定しておるものもございます。これをどういうふうにして体系を立てるかという結局問題になりますが、それは租税特別措置という法律概念を越えた社会通念をいかに把握するかということに相なると思います。租税特別措置と申しますのは、要するに同じような経済的な条件と申しますか地位にあるものに対して、本来ならば同じ租税負担を課すべきであるという租税法上の大原則というものがあるといたしますと、それに対してその原則を破っても租税負担の不公平をあえて特定の場面について実現をして、それによって特定の政策を実現しようという趣旨のものであろうと思います。そのようなものを本来ならば税法は、たとえば地方税法のように一本の法律で規定いたすことも可能でございますし、また国税のようにそれぞれの税目ごとに基本的ないわば普通税制を定めまして、それに対して各税日ごとの特別措置を特別措置法という形態で規定する体系もございましょう。これは要するに租税を課せられるわれわれ一般国民にとってどっちがわかりいいかという問題に帰すると思います。
 現在の国税につきましては、それぞれの税目ごとの税法を、一連のものを打ち立てまして、それに対して租税特別措置法というもので、これは庁別に各税日ごとの特別措置を規定するという体系をとっております。その場合に、本法のほうにも先ほど申し上げましたような租税の負担の公平の原則をやや曲げてまでも特定の政策目的を実現するための特別措置とも呼ぶべきものが入っておるではないか、それに対して租税特別措置法の中で同じような二十六条のようなものがあるのがどうして体系が分かれるかということに帰すると思われますが、この場合、第二十六条の規定自体は全く期限の始期もございませんし終期もございません。したがいまして、何ら法律に手を加えられない限りは恒久的な制度、法律の形式といたしましては恒久的な制度でございますけれども、この法律の趣旨にございますように、当分の間の特例を定めたものだということから、おそらく租税管掌当局の頭では、時々刻々と申せばやや強過ぎるかもしれませんが、毎年税法の体系を検討いたします際に、租税特別措置法に規定してございますものについては必ず毎年度検討いたしまして、今後存続すべきものであれば存続をする、存続させるためには、要するに第二十六条の改正をいたさないという、検討の機会を持つというような意味合いにおいて租税特別措置法に規定してあるということが言い得るかと思います。
 それに対し、本法、所得税法なり法人税法なりでも、御指摘のように特別措置が規定してございますが、こういうものについては、もちろん特別措置である限りにおいては一般的に変わりはないと思いますけれども、いわば所得税法なり法人税法なりの体系そのものとしてとらえるほうが税法の理解の上あるいは沿革的な理由からいって妥当であるという便宜論から、本法のほうに規定してあるものでございまして、要は、租税を課せられる国民にとってどっちがわかりいいだろうかという、理解の便に資するように本法に規定するか租税特別措置に規定するかということで毎年体系を考えている状況だと思います。
 堀委員御指摘の点もよくわかりますので、今後とも税法の体系につきましては十分に検討してまいりたいと思います。
#66
○堀委員 いまのお話のように、要するに国民の便益の上で区別するというならいいのですが、さっきの、ただ期間だけの問題ということだけで、その期間は、特に私が気になったのは、租税特別措置にほうり込めば全部「当分の間」がきくんだということは、第一条に「当分の間」と確かに書いてあるけれども、本法そのものがそうなっていないものをそこへ入れたら「当分の間」というしぼりがかかるんだという発想は問題がある。実はそういう法律解釈の問題はちょっとあなたに来ていただいて――だから私は、いまのお話のように二十六条は毎年検討する必要があると思う。それはいいのですよ。しかし、税法というのは毎年検討してみなければならぬものだと思っているのですよ。これだけが毎年検討に値するのではなくて、税法というのは社会情勢の変革に応じて、所得税法であろうと法人税法であろうと毎年やはり見直してみて、その客観情勢、経済情勢に応じて必要があれば直すというのがたてまえですから、私はそういう意味では茂串さんがそういう御答弁でちょっとひっかかったものですから。第一条に「当分の間」があるから、ここへ入っているのは当分の間だということではないはずだ。それは当分の間ということで考えられているものがあるということはわかりますけれども、しかし、それがいまの二十六条というのも当分の間なんだということには法律体系としてはなってない。政策的に「当分の間」をここへ置いたというのはそれはいいのですけれども、ですから、これは便益の問題になると、いまおっしゃたようなことで私は――いまの少額貯蓄なり生命保険控除も実はこの大蔵省の出します租税特別措置による減収額試算という中にずらっと入っているわけですね。しかしもとは二つに分かれているということは、租税特別措置を一つとして見ていこうとする場合にはやはりこっちにまとまったほうがいいんじゃないかという気持ちがあったもので、ちょっとそれを法律論的に解明をしておきたいという気持ちがいたしただけでありますので、けっこうです。いまの次長の御答弁のように国民のための便益というものが主体になるということで分かれるというのなら、それでけっこうだと思います。
 時間が来たのですが、まだ非常に問題の部分が実はあるのです。皆さんのほう、きょうは航空燃料税もかかっている。この航空燃料税はまだやらないのですが、租税特別措置法だけなんです。その租税特別措置法には、実は四十七年度の減収には揮発油税というのはなくなったわけですよ。四十七年度の減収にはゼロです。これは書いてありませんからゼロでしょう。ところが四十三年からこれを見ますと、これまでの航空企業揮発油の免税というのは、昭和四十三年二十九億、四十四年二十一億、四十五年十九億、四十六年十三億、免税額がだんだん減ってくるということになっておるわけですが、航空用燃料はずいぶんどんどん使われておるわけです。ふえておるわけですね。
 そこでちょっとお聞きをしたいのですが、皆さん、この資料は実は一けた違うんじゃないかと私は思うんですよ。一けた違うようなものを四年間、前もずっとそうでしょうが、長年にわたって予算委員会なり国会に提出してきたなんていうようなことは、これは私は主税局としては重大な過失であると思う。責任をとらなければならぬ過失である。ちょっと声が大きいけれども、まあそのぐらいに感じるのですがね。この数はこれでいいんでしょうかね。
#67
○高木(文)政府委員 その辺に租税特別措置の減収の見込みの立て方の非常にむずかしさというか、どういう前提で立てるかということがあらわれておるわけでございますが、実は昔は全部飛行機というのはプロペラでございますものですから、全部がガソリンを使わなければならぬという状態であったわけでございます。それがだんだんジェット化してまいりましてジェット航空機になりますと、ガソリンを使うだけでなくて灯油でよろしい、こういうことになってまいりました。現実に現在飛んでおります飛行機の中で、日本航空の飛行機は全部ガソリンで飛んでおりますし、全日空の飛行機は灯油で飛んでおる、こういう状態でございますので、そこで、灯油のほうは租税特別措置によって非課税ということでなくて、現在灯油はいかなるものも、飛行機に使わなくても規格として免税でございますので、灯油の免税というのは租税特別措置による免税と考えるかどうかという問題はあると思うのでございまして、昔から家庭で使っております灯油も何も含めて灯油については租税特別措置による減税とは実は計算してなかったのです。そこで、日本航空が使っております揮発油をはじめとしてあるいはプロペラ機が使っております揮発油というものをどう見るかということなんですが、もしいまのガソリン税並みにキロリッター当たり二万八千七百円ということで課税をするということであれば、片一方に灯油のものがあるわけですから、少なくともジェット機は全部灯油のほうにかわってしまうだろうということになりますので、租税特別措置としては航空機燃料は非課税だという規定があるのですけれども、それではその規定がなかりせばそれだけ直ちに増収になるかというと、どうもみんな灯油にいっちゃうんじゃないかということで、それを減収計算に入れるというわけにいかないんじゃないか。そこで、ジェット飛行機がふえてプロペラ飛行機が減る割合に応じて減収額計算もどんどん落としてきた、こういう経過が実はあるものですから、計算上は非常に微々たるものになっている。そこで、ガソリンを航空機用に使った場合に減税しますという規定は、実は制度としては相変わらず租税特別措置としてあれなんですけれども、世の中の航空機の状態のほうがそういうふうに変わったものですから、そこをどう処理すべきかということを悩みながら、減収計算上は、プロペラ機に対応する使用量を大体推定した分だけ載せてきた、こういう経過でございます。
#68
○堀委員 ちょっといま私は中身のこまかいそういう話はよくわからなかったのですが、そうすると、日本航空は灯油はほとんど使わないで、ガソリンだけでジェットを飛ばしているわけですね。そして全日空は、今度はガソリンを使わないで全部灯油で飛ばしておるんですか。――仮定でいいですよ。かりにそうすると、航空用ジェットエンジン燃料というものは、日本航空が国内で飛ばしておる量と、それから何か資料があったけれども、きょうは航空のほうをやるつもりはなかったからうちのほうで、持っていないんだが、ウエートはどうなっておるんでしょうか、国内航空とか東亜航空というものがあるけれども。しかし大型の半分ぐらいが、日本航空がガソリンを使っておるんじゃないでしょうか。ガソリンと灯油の、現実におけるジェット燃料の中の比率というのは、当然わかると私は思うのですよ。国税庁の資料によれば、これは揮発油税及び地方道路税の免税の項目の中では、ちゃんと航空用ジェット燃料その他ということで免除にした件数なり数量なりがここへ出ておるわけですから、その中の揮発油が一体幾らで、灯油が幾らなのか。どこでもいいです。四十三年でもいいし四十四年でもいいですが、ちょっとどっちかで一ぺん答えてくれませんか。幾らなんでも、これは半分にしても――私のほうでちょっと計算してみますと、四十五年は七十六万七百二十六キロリットルというのが国税庁の資料にあるところの航空機用揮発油免税数量というところに実は書かれておるわけですね。それをこういうふうに免除状況と書いてある以上は、これは揮発油税の免税だろうから、それを掛け算すると、揮発油税だけで二百十八億円免除しておることに実際はなっておるわけです。けたが違うわけだ。だから、いま言われる灯油の部分は、この国税庁の資料から見てこの中に入っていないだろうと思う。
#69
○高木(文)政府委員 航空燃料の使用量の実績を申し上げますと、これは多少資料の出場所は違っておるかもしれませんから数字がちょっと合わないかもしれませんが、四十五年の実績でガソリンタイプのものが九十五万六千キロリットルでございます。そのうち国際線に使っておりますのが六十万八千キロリットルでございます。その六十万八千キロリットルは、ほぼ二つに分かれまして、国内で給油しておるものと外国で給油をしておるものとに分かれます。いずれにいたしましても、ガソリンタイプのもので航空燃料に使っておる総量が九十五万六千キロリットルで、国際線用が六十万八千キロリットル、差し引き国内用が三十四万七千キロリットルでございます。この三十四万七千キロリットルは全部日本航空の分でございまして、全日空と東亜国内航空は灯油タイプを使っておりますので、この数字の中には入ってきておらないわけでございますが、この数字は実は、もしガソリン税が非課税でなくなれば灯油タイプに変わるであろうという前提をとりましたので、私どもとしては租税特別措置の減収計算のときには、この数量を全部織り込んでおらないわけでございます。
 それでは今度は、租税特別措置に織り込んだ先ほどの十億台ベースの数字はどういうベースかということになりますと、これとは全く別に、今度はジェット飛行機でなくてガソリンタイプでなければ飛べないところの小型の飛行機あるいはヘリコプター等の使用量のほうが出てくるということになっておるわけでございます。いまの四十五年実績数量を前提に議論した場合でありますと、三十四万七千キロリットルあたりの部分を租税特別措置の減収計算に計上しておくべきかどうかという点はいろいろ御議論があるところだろうと思いますが、もし課税になれば灯油にかわるだろうということで載せてないという経過を今日までたどってきているわけでございます。
#70
○堀委員 ちょっとそれはこじつけじゃないですか。現実にずっとそうなってきていて、これはあなた減収額ですよ。これは国税庁の資料で、要するに揮発油税及び地方道路税という項目の中で、免除状況として――免除というのは税を免除しているわけでしょう。免除している対象は、いま私がここで申し上げたように、はっきりとこれは四十五年七十六万キロリットルと出ているわけですね。税を現実に免除しているのならその免除したもとというのは、この租税特別措置法の揮発油税取引のところに、航空機用揮発油という一項が入っているから免除されているのでしょう。租税特別措置というのは、そういう意味では、あそこの項目で入っていることではなしに、もしいまの免除をはずしたらあとがこう変わるとかいうような想定が全部ついているわけですか。これについていまの各項目は、要するにそんな空想の入った減収額推定をやっているんだったら、私はもう一ぺん全部洗い直してみます。これはどうせ私は一項目ずつやるつもりだけれども、そんなでたらめな減収額を出されてたまるものですか。少なくとも揮発油税を免除しているものについて、国税庁がこれだけのものを出している以上、これをちゃんと載せるということでなくては――こまかいトレースをしないから実際にはそれが減っているということでしょう。これでは私のほうは納得できません。
#71
○高木(文)政府委員 ただいまおっしゃいます国税庁の統計は、おっしゃるように、租税特別措置によって航空機用に使うガソリンについては免税になっております。そして免税のためには製油所から移出をするときに所要の手続をとることになっておりますから、その手続をとりました非課税にしてほしいという申請書といいますか申告書といいますか、そういう書類を出しますから、そういうものを集計したものがそこの国税庁の統計のほうに上がってきている数字でございます。
 そこで、いまの航空機用に使いましたガソリンの免税がそれだけの数量あることはこれでもう非常にはっきりした事実でございます。毎年国税庁統計で明らかにいたしております。これは実績もちゃんとつかまえておるわけでございまして、先ほど来広瀬委員から御指摘がありましたように、実績をはっきりしろということがありましたが、その意味からいえば、この数字は常に実績がはっきりしているほうのものでございます。ただ、これは租税特別措置の減収見込みといいますか、そういうものを立てるときにどう考えるかという中で、その規定によって手続を経ておるものがそれだけの数量あることは事実でございますけれども、さてしからばでは今度はその特別措置をやめるということになればどうであろうか。特別措置があることとないことによってどれだけ国庫収入が減るかというのが、現在の租税特別措置による減収額を計算している考え方でございますので、それではその制度がなくなったらそれはどうなるかというと、それは明らかに、私どもも技術的にはこまかいことはわかりませんが、現状ではきわめて簡単に灯油タイプに切りかえてしまうということになりますと、それは全く増収にはならないわけでございますから、その租税特別措置をやめたら、それではそれだけの百億なり百五十億なりの増収が翌年度、国庫収入として出てくるかというと、全く出てこないものでございますので、それを一体そこへ計算上あげることがいいか悪いかということについては、私どもははなはだ疑問ではないかという趣旨で、過去からそれはあげないという慣例をずっととり続けてきたという経過でございます。
#72
○堀委員 いまの問題、私ども、減収額といいますと、この租税特別措置という制度があるから、本来なかりせば税金が取れたであろうものを、この制度があることによって国が取ってないという理解に立っているわけですね。だからこの制度があるからという前提で私は減収額が立っているんだと思っていたわけですよ。いまのように、なくなったときにはどういうふうに変わるから、その変わることを含めて計算するというふうには、われわれ過去において実は理解してなかったのです。これはいまの計数その他の問題もえらい違うのですよ。実際に減税になっているのですよね、国税庁が手続に基づいて免除しているのだから。国税庁が手続に基づいて免除したものすらも、それは免除していないかのような仮想の形で一けた違う形の資料が提出されて、われわれは中身をこまかく調べてみないうちはこんなことかと思っていたけれども、きょう議論してみると、あなた方の発想は、その制度をもし取りやめて税金を取ったら全部灯油にいくからゼロになるんだというような前提を置いて租税特別措置の減収ができておるなんて、国会議員だれ一人知らないことですから、これはひとつ理事会においてこういう取り扱い等について一ぺん正確にやっていただきたいと思うのです。私、この問題について、ずっと問題が残っておりますので、またあと引き続きこの租税特別措置に関する質問をさしていただくことにしますが、何かまだ……。
#73
○高木(文)政府委員 一言だけお断わりいたしておきますが、租税特別措置の減収という考え方に立ちます場合に、一つ一つの制度によって幾ら減るかということを考える場合の立場でございますが、私どもは、どっちかといいますと、歳入がどのぐらい減るかというような見地が非常に強く働いているように思うわけであります。ですから、たとえば物品税なら物品税が五%なら五%上がる、あるいは下がるということになると、五%だけただ税収がふえるとか減るとかという関係ではなくて、やはりその物の値段が上がれば、競争物品のほうに需要が移っていくというような関係があって、歳入見積もりを立てますときには、単に一〇%の税率のものが一五%に上がれば国庫歳入はその割合で五割上がるという関係にございませんので、やはり物の値段が上がればほかのほうに需要が移っていくという関係があって、蔵出しが減っていくというような関係があります。たとえばビールとお酒の関係でも、お酒が値上がりをすればビールがふえるといういろいろ関係があって、歳入見積もりを立てるときには、常に需要が移るという関係があります。そこで、いまある税率を立てれば需要が減るとかふえるとかということをやはり織り込むという気持ちがいつもあるものですから、いまので、灯油で飛べるのだから、これが二万八千円も税金を取るということになれば、だれもガソリンは――飛べる飛行機は飛ぶであろうという前提を立てた、こういうことでありまして、御指摘のように幻想というか、夢の上に立ってそれを使わないのだというふうにはどうもちょっと私は理解をしてないわけでございます。
#74
○堀委員 そうしたら、こういうように、いま私が言ったような形で一ぺん当大蔵委員会に、租税特別措置が終わるまでに、ひとついまのは基本的な考えが違うから、昭和四十七年度の税収について、いま私が言ったように現行法がある、現実にこの現行法があるために免除されておる税額ということは一体どういうことになっているのか。移転をしないという、現在のままですよ、現在のままで、実際ある、その移転をしないということの前提では、一体減収は――減収ということは、本来なら払うべきものをまけてやっているわけですね。いまの揮発油税の問題について明らかにまけてやっているのだから、そういう考えの上に立ったものを当委員会に一ぺん出していただいて、それが出てから私は自後の質問をやらしていただくということにいたします。
 私の質問は保留をして、これで終わらせていただきます。
#75
○齋藤委員長 午後一時三十分より再開することとし、この際暫時休憩いたします。
   午後零時二十五分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時四十一分開議
#76
○齋藤委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑を続行いたします。寒川喜一君。
#77
○寒川委員 主として航空燃料税法案について質問をしたいと思います。
 そこで、提案説明の中にもございますように、今度の新税を財源として、空港整備五カ年計画のうちで保安対策なり騒音防止対策に重点を置いてやっていこう、こういうお考えのようでございますが、このことが国の新五カ年計画の一環の中に入っておると思いますので、新五カ年計画の大綱と同時に、たとえば空港整備であるとか管制施設であるとか保安設備であるとか騒音対策、どんなように新五カ年計画の中で金を使おうとしておるのか、完成年度全部含めての構想を聞かしていただきたいと思います。
#78
○住田政府委員 第二次五カ年計画の総ワクは五千六百億円でございます。このうち新国際空港に対しまして二千六百六十億円を予定いたしております。新国際空港と申しますのは、成田の新国際空港と現在設置場所について検討いたしております新関西空港、その二つが対象になっております。それからそれ以外の東京、大阪、板付、その他の二種空港、それからいわゆる地方空港といっております三種空港という空港の滑走路であるとかエプロンであるとかそういうものの整備に千百八十億を予定いたしております。それから航空保安施設関係でございますが、七百億円を予定いたしております。そのうち航空路関係が二百五十億円。航空路の二百五十億円で現在計画しておりますのは、日本の空域をおおうだけの長距離監視レーダー網を四十九年度末に完成させるというのが一つのプロジェクトになっております。それから同じく航空路関係といたしまして、四十八年度末までに航空路の複線化をはかりたい。これは航空路にVORとかDMEという機器を設置いたしまして複線化をはかる。さらに五十年までに飛行機のこんでおります航空路につきましては複々線化をいたしたいという予定にいたしております。それから空港関係の保安施設でございますが、三百四十億円を予定いたしております。これは空港の計器着陸装置、ILSと呼ばれておりますけれども、そういうものであるとか、あるいは先ほど申しましたVOR、DME、これも空港に設置いたします。それから飛行機の多いところにはレーダーをつけてレーダー管制をやるということで、レーダー施設も含まれております。残った百十億が新東京国際空港関係の保安施設でございます。以上合計いたしまして七百億円。それから騒音対策費といたしまして四百十億円を予定いたしております。これは新東京国際空港も含まれております。調整項目として百五十億円、これは今後の計画によって使途をつけるというものでございます。それから地方が単独事業として行ないますものが百五十億円、予備費として三百五十億円、全部合わせまして五千六百億円ということに相なります。
#79
○寒川委員 こまかい計画をしていらっしゃるようでございますが、特にそのうちで、保安対策なり、なかんずく騒音対策について、若干重ねて御質問を申し上げたいのですが、たとえば騒音対策の四百十億のうちで、大型の飛行機が離着陸する羽田、伊丹、板付ですか、そういったところに対してはどの程度経費をさかれる予定にしておるのか、伺いたいと思います。
#80
○住田政府委員 ただいまの四百十億のうち、八十億円が新東京国際空港に使われることになっております。残った三百三十億円のうち、東京、大阪、板付に配分されることになっておりますけれども、まだ最終的に幾らということはきめておりません。しかし、その大半が大阪に使われるということになっております。
#81
○寒川委員 私も、空港騒音ということで非常に騒がれておるものですから、現地を見たいということで、具体的に家庭へ入って調査をいたしますと、大型の場合、大体八十ホンをこすというような騒音にみんな悩まされておるし、特に大阪の場合は、御承知のように、風向きで両方とも人家の上を飛ぶ、こういうようなことで、私はこの程度の金ではあまりにもずさんな計画のような気がするわけであります。そのことはあとに、市町村が関連事業として今度分配する譲与税のことに関連してまた質問をいたしますけれども、もっとやはり稠密な計画をして、ほんとうに公害をなくするという、たとえば現在民間における公害の場合におきましてはすべて発生源の企業に対して責任を負担せしめるという態度がもう普遍化しております。そういった感覚からいたしますと、やはりお役所仕事のような感じがいたしますが、そういったことについて、将来この計画の内容について再検討する用意があるかどうか、聞かしていただきたいと思います。
#82
○住田政府委員 今度の五カ年計画を当初立案いたしましたときに、騒音対策費といたしましては二百億円を予定いたしておったのでございます。それが四百十億円ということで、まだ閣議決定を経ておりませんけれども、この一年間に一応倍にふやすということでございます。しかし、いま先生から御指摘のありましたように、この四百億円で十分であるかどうかということになりますと、まだ問題は残っておると思います。特に今年度の予算で民家の防音工事をやるための調査費がつけられております。この調査をやりまして、その結果に基づいて民家の防音工事をどうするか今後きめたいと思います。同時に、騒音対策全般につきまして、運輸省の付属機関でございます航空審議会にかけまして、長期的にどういう騒音対策をやったらいいか、そのためには相当巨額な資金が必要になると思われますけれども、その場合の財源対策をどうしたらいいか、これから審議会に諮問いたしまして、その答申を待って処理いたしたいというふうに考えております。
#83
○寒川委員 これ以上申し上げませんが、ただ、やはり特に大阪の場合は豊中、伊丹の盆地というような地理的な条件もございますので、御承知のように防音装置をいたしますると、恒久的な冷房設備という問題を個人が負担をしていかなければいけないという、出費がかなり大きなものになってくると思います。したがって、ただ外観をよくして、かっこようして、若干換気装置をつけたらええというような程度ではやはりおさまらないような事態、そういうことがあるということについて、十分ひとつ考慮をしていただきたい、そういう点でこの点は終わります。
 それから、第二点の保安関係の問題でございまするが、最近の新聞報道によりましても、私の承知しておる範囲内では、大体年間にわが国の飛行場で六十二万回程度の離着陸の件数があるように承知をいたしております。しかもそのうちで事故回数は二日に一回、大小のものを織りまぜて事故が発生をしておる。特に最近起こっておりますような事故の原因ということになりますると、やはり飛行機の整備という問題が、非常に安易に惰性でおやりになっていらっしゃるのじゃないかと思いまするが、そのことに関連をして、まず運輸省としてのチェックの方法、あるいは航空会社自身の自主的なチェックの方法、そういう面でどういうことをやっておられるのか、教えていただきたいと思います。
#84
○住田政府委員 航空機の整備の問題は、当然のことでございますけれども、航空会社の責任において行なわれるべきものと考えております。運輸省といたしましては、航空会社が規定どおりやっているかどうかチェックするという形で関与いたしておるわけでございます。
 航空機の整備というのはいろいろな段階がございまして、大体五つに分かれると思います。飛行をやっている間に点検する、これはローカル空港などにおきまして、飛行機が行って帰ってくる、そういうローカル空港でやる点検を飛行間点検といっておりますが、そういう点検。この場合には、社内の資格試験を通った者が点検に当たるというたてまえになっております。それからいわゆる整備という段階に入りますと、A、B、C、Dと四つの段階がございます。A、Bというのが、普通、運航整備といわれております。Aというのは二十時間ごとにやるチェックでございます。それからBが三十時間ごとにやる。A整備は各航空会社の主要基地、日航の場合ですと東京であるとか、全日空の場合であると東京と大阪であるとか、そういう主要基地でやるとか、あるいは飛行機がローカル空港に行きまして夜とまるという場合に点検をいたすのがA整備でございます。この場合には、確認整備士というものを置いてやっております。それからCチェックというのが一千時間ごとにやる整備でございます。これは定時整備といわれております。さらに一万時間でやるD整備というのがございます。これはいわゆるオーバーホールでございます。B、C、Dという整備は、普通、航空会社の整備工場で整備をいたすわけでございますけれども、これは確認整備士というものを置いてやっているわけでございます。こういう整備の場合には四段階、その前に飛行間点検というものがございますが、それぞれ分けまして、所要の人間を配置し、それから法律に基づきまして確認整備士を置いてチェックをいたしておるというのが現状でございます。
#85
○寒川委員 いまのお話を聞くと、ほんとうは事故が起こらないというのがたてまえのようなえらい説明ですが、それじゃなぜその事故が起こるのですか。
#86
○住田政府委員 事故といいますのは、普通、人身事故が起きるような事故を事故と言っておるわけでございまして、最近新聞で出ておりますような、エンジンといいますか、一部の機器の調子が悪いということで帰ってくるというのは、一般に事故と呼んでないわけです。航空機の場合には、その安全性について三重、四重にチェックシステムをつくってあるわけでございまして、非常に安全性をとりまして、もしちょっとした故障があるというような場合にはすぐ引き返すということで、ああいうような先ほどお話が出ましたような二日に一ぺんというような数字が出ているのだと思いますが、あれが全部あぶないということではなくて、別に飛んでも差しつかえないけれども、とにかく安全をとって戻ってくるということでございますので、決して事故ではないわけでございます。
#87
○寒川委員 ぼくはそれは言いわけだと思います。というのは、飛行機の事故というのはやはりオールマイティで、墜落すれば全部死ぬというケースがパーセンテージとしてはもうほとんどなんです。そういった角度からすれば、やはり機体に云々で引き返すということ自体が、乗客にすれば著しい不安といいますか、非常に心臓の悪い人、血圧の高い人は、それである一定の命を縮めるかもわからない。したがって、そういうことのないということについては、一番最初にお伺いしたように、国の責任においてチェックをする、というようなこと。並びに保安関係のこと等にも関連をして、整備士の現在の教育制度、資格基準、そういったようなものが、これは自動車の一級から三級、特に三級の整備士なんというのはほとんどだれでもとれるようなこと自体は、直接人命に関係がないから運輸省も許されておるのじゃないかと思いますけれども、こういうような形になってまいりますると、やはり絶対という感覚で措置をしてもらわなければ困るのですが、もとへ仮って、今度の五カ年計画の中でそういうものをどういう新しい角度で配慮しておるかということについて御説明をいただきたいと思います。
#88
○住田政府委員 今度の五カ年計画は、いわゆる公共施設の整備に関する計画でございます。したがって、先ほど申し上げましたように、飛行場の施設であるとか、あるいは航空路の施設であるとか、あるいは空港の保安施設であるとか、そういう施設を対象に五千六百億円という計画をつくっているわけでございます。いまお話の出ました整備の問題は、これは航空会社の問題でございまして、したがいまして、今回の空港五カ年計画とは直接関係がないわけでございます。ただ、いま先生のお話のありましたように、整備の問題というのは、これは航空安全の基本の問題でございますので、私どもといたしましても毎年必ず定期検査、定期の立ち入り検査をやっておりますし、その他随時立ち入り検査をやってきちんと一定の規則に従って整備はやっているかどうかをチェックいたしておるわけでございます。
#89
○寒川委員 そういう点が、常時顔を合わせて仕事をしておるとどうしたってやはり惰性になって、よかろう、よかろうで、そうしておるところに問題があるので、こういったことの機会に制度的にそういうものを見直していくという対策がなければいけないのじゃないか。同時にまた整備士の問題は、むろん会社の責任でございまするけれども、もっと高い次元で国も関与して、若干の財政援助をするかわりには徹底的に義務づけていき、しかもきびしいものにしていくということがなければ、人間の生命の問題にかかわるこういった種類のものについては、対策としては非常に不十分であるし、感覚的にはやはり航空機事業というものの発達の歴史の中で、まだまだ前を向いて庭に進むという関係での対策という形にはなっておらぬとぼくは思うのですが、政務次官、どこかへ行かれましたか。――今度の新五カ年計画の中で、航空機の運航の安全という問題について、ただ物理的に整備をするというような形に、しかもそれは飛行場の設備ということがやはり中心になっておると思いますが、考え方としてはそれだけでは旅客の生命を完全に保護するという観点ではぼくは不十分だと思うものですから、そういうことについて政務次官は現在とっておられるような態度で今後も続けられるのか。さらに検討を重ねて新しい時代に処すあり方として運輸省の中における、特に航空局の整備体制に対するチェックの新しいシステムであるとかあるいは整備関係の技術者の養成、確保についての国の援助なり、これに伴ってきびしい規制を加えて、ともあれ安全を守っていくのだ、こういうことについてどういう御見解を持っておられるかお漏らしをいただきたい。
#90
○田中(六)政府委員 運輸省の担当でございますので、大蔵政務次官が答えるのはどうかと思いますけれども、私は政府を代表いたしまして一応お答えいたします。
  〔委員長退席、丹羽(久)委員長代理着席〕
 第二次五カ年計画で五千六百億計上しておりまして、これは空港整備とかあるいは保安あるいはその他いろいろありますが、要は整備員の養成あるいは操縦士の養成ということが基本問題だと思います。これがなければどんなことをしてもこれはたいしたことにならないというふうに考えます。したがって、整備員、操縦士の養成こそ基本問題であるならば、これに焦点を合わせていくことが問題でございますので、政府としてはそういうことを中心に今後ともいかなければならないというふうに思います。
#91
○寒川委員 いずれにしたってこれは金が伴いますので、やはり台所で理解をしないとこういう問題をことばの上でやりとりしておってもぼくは解決しないと思うのです。したがって、新しい計画が五千六百億、今度の新税で国が五百九十四億を予定されておるようでございまするけれども、こういうものが、特に航空の運輸事業ということになれば日進月歩だと思うのです。そういうことに対してはやはり積極的な姿勢がございませんとついていけない、こういうことになり、同時に国民からこういう行政に対する鋭い批判が起こってくるのではないか、こういう立場で御質問申し上げたわけでございます。
 そこで本題に入りまして、航空燃料税を平年度一万三千円、ガソリン税、揮発油税のときには二万八千七百円、こういう額をおきめになった算定の基礎といいますか、このことについて御所見を伺いたいと思うのです。
#92
○高木(文)政府委員 航空燃料税のキロリットル当たり一万三千円という税率を案としてお示しをいたしました根拠は、主として二つの理由からでございます。
 一つは、やはり提案理由等で明らかにされておりますように、空港整備を中心としてもろもろの事業を行なうために五カ年計画ができておりますが、その五カ年計画が四十六年度の当初にできます際に、いろいろ受益者負担金等を考慮してなおどうも六、七百億財源が不足する。一般会計の負担等もありますが、それを考慮いたしましても六、七百億不足するということが一つ頭にあるわけでありまして、それが全体としての一つの目安になっておるということでございます。
 それからもう一点は、航空機の燃料について課税が行なわれますというと、それは航空運航者、簡単に言いますと航空会社の経営上負担でふえるわけでございまして、そのふえた負担はどのようにして処理されるか。どうしても一部はお客さんのほうに負担が転嫁されていく。つまり料金という形ではね返ってくるということが予測されるわけでございますので、そのことを考えますと、その税率にもある限度がございます。そちらからまいりましても、現在のガソリン税、揮発油税の二万八千七百円という税率ではちょっと多きに過ぎるのではないかということが言える。
 それからもう一点は、現行の現在あれしておりますガソリンの値段、航空会社が使っておりますガソリンの値段がキロリットル当たり一万円強ということになっておりますが、その価格と税率との関係もにらみ合わせて、最後にそこで一万円をちょっとこえたくらいのところからということになってくるわけでございますが、最終的にそれは一万三千円がいいではないかということになりましたのは、実はこの制度は揮発油税法が、昭和二十七年以来航空燃料に使われておりますガソリンにつきましては租税特別措置法で非課税ということになっておったのでございますが、そういう非課税制度ができました当時の揮発油税を見てみますと、いわば道路財源としてまだ揮発油税がそれほど増徴される前であった関係もございますが、当時一万三千円であった。その当時から今日まで非課税が続いておるということでもありますので、先ほど来申しておりますような事情等をにらみあわせまして、当時のガソリン税の水準というものも一つの参考にして一万三千円くらいにしてはどうかということにして、案を立てさせていただいているわけでございます。
#93
○寒川委員 大体のことはわかりましたけれども、何か特に不足財源でごろ合わせをしたような印象が実は強いような気がするものですからお伺いをしたんです。きのうも公明党の貝沼さんから御質問がございましたように、このことがいわゆる航空運賃にはね返るということについての質疑応答を承っておりまして、だいぶ企業側に好意品な判断をされておるような気が私はするわけでございまして、承知する範囲内におきましても大体影響するところは八、九%、多くて一〇%、しかも航空需要の伸び、こういうことになってまいりますると、金額を算出されるということについてもう少し合理的な立場で――この程度のことではそう負担にもならないし、運賃にはね返ってくることは、申請をされておる実態等から見まするとべらぼうに高い申請をしておることなどと勘案をしてちょっと理解をしにくいのですが、もっと明確に積算の基礎というものが説明をされるというか、大蔵省も将来PRをしていかなければならないんじゃないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
#94
○住田政府委員 現在、航空会社から出ております運賃の値上げ申請は、名目で二三%、実質で一六%という数字になっております。現在、私どもといたしましては申請内容を検討いたしておる段階でございまして、最終的に値上げを認めるかどうか、認める場合に何%にするか、まだ結論には達しておりません。で、今後運輸審議会にもかけて運輸審議会の判断を仰ぎますし、それから企画庁あるいは物価関係閣僚懇談会にかけるというような手続を経てきまるわけでございます。審査にあたりましては、十分合理的な基準で審査をいたしたいというように考えております。
#95
○寒川委員 そういう点はやはり慎重におやりになられませんと――結局こういう独占企業的な性格もございます。事業の料金ということになってくるといろいろとやはり批判が出てくる。一万三千円という納税額からいたしまするとそんなに上げなくても、事業の伸びがありますから、しかも事業の近代化に伴ってこういう面では特に合理化が促進しますので、一般の企業的感覚、たとえばタクシー、私鉄等の感覚などと同じような感覚でおやりになると、将来著しい問題が残るのではないか、そういう感じがいたしますので、これはとめておいていただきたいと思います。
 それで次に、この税財源を国が十三分の十一を確保して、残りの十三分の二を地方に譲与税として渡す、こういうことをおきめになっておられまするが、このことについても、承りますると何か古い昔からのいきさつがあってこういうことにしたんだというようなことも聞いておりまするが、こういう分配のしかたをした根拠についてひとつお聞かせいただきたいと思います。
#96
○高木(文)政府委員 揮発油税及び地方道路税はしばしば改正をされて今日の税率の二万八千七百円になってきておるわけでございますが、昭和二十九年、三十年、三十一年、その間におきまして、ちょうど今回の航空機燃料税の税率と同じ一万三千円という時期がございました。そのころから揮発油税につきましても譲与税制度があるわけでございます。一方ちょうどその当時に、航空機に使われます燃料につきましては非課税措置がとられるようになったわけでありますので、今回その非課税措置をやめて、そして灯油型のタイプのものも入れてきて航空機燃料税にするということの経緯にかんがみまして、一ぺんその時点に立ち戻って問題を処理してはどうかという、いわばいきさつに非常に引っぱられた感じが強いわけでありますが、その当時の状態によって分けるということにしてはどうかということにしたわけでございます。すなわち、昭和三十年の当時、一万三千円のうちの一万一千円が揮発油税として国の財源とされ、二千円が地方の財源とされたわけでございまして、これは空港の整備事業あるいは保安施設事業というものの所要財源と、空港所在市町村のもろもろの財政需要等をどう見るべきかという問題とも関連いたします。運輸省なり自治省なりにもそれぞれの御主張があるわけでございますが、私どもといたしましても、それらも伺いました上で当時の経緯に最もウエートを置きまして、十三分の十一対十三分の二という割り振りにしたわけでございます。
#97
○寒川委員 ぼくはそれはお役所仕事で、性格が変わった財源を分配をするのに古い道路のシステムを採用するということ自体が――ことばの上では騒音対策であるとかあるいは保安対策だというようなことを言って、市町村はそれの関連のことをやるんだから、前こんな例があるからこんな程度でよかろうというやり方をおやりになったと思いますが、私は全くけしからぬと思うのです。道路の場合でございますると、御承知のように、一般の人は喜びこそすれ、道路ができるのにけしからぬというような説をなす人はほとんどないと私は思います。しかし、航空機が大型になったために、空港があるがゆえに近隣の地方公共団体が著しく迷惑を受けておるわけなんです。そういう観点からいたしますならば、今時の企業と民間の被害ということになると、やはり被害に対するものは全額経営者が見ていく。このケースでございますならば国が全部見ていくというシステム。ただ、地元の実情に応じて仕事をしてもらう、こういうような配慮からいたしますならば、分配がされてそれぞれ能率的に仕事をやってもらう。分配のことの根本について異論をはさむものではございませんけれども、そういったことについて新しい感覚をお持ちかどうか、お伺いしたいと思います。
#98
○高木(文)政府委員 まさにおっしゃるとおり、この財源といいますか、結局は航空機利用者、旅客の負担に帰することとなります燃料税というものにおいて、どういうぐあいに国の財源にし、地方の財源にするかというのは非常にむずかしい問題でございまして、御指摘のように、過去の経緯だけでこれを分けるということは、きわめて非科学的であるというのは、御指摘のとおりであろうかと思います。ただし、現在のところ、実は五カ年計画のほうでは、空港整備計画あるいは保安施設等を中心にした計画がかなりきちっとしてきておりますが、騒音防止を中心とする地方のもろもろの需要がどのくらいの量になってくるか、どのくらいが適当のものであるかということにつきましては、騒音問題というのが最近にわかに大きな問題として爼上にのぼってきたという関係もございまして、その事業のボリュームということを現在の段階で確定をいたすには非常にむずかしい事情があるわけでございます。そこで、直接五カ年計画だけでものを見ますと、たとえば先ほど運輸省のほうから御説明がありました五千六百億の五カ年計画で見ますと、その中における地方単独事業というので考えますと、その率は非常に低い率にしかならない、五%以下のものにしかならない。しかし、そういうものとは全く別に、騒音防止対策というようなもので、現に地方に非常に大きな負担がかかっているものもあり、そしてまた、先ほどお話が出ました民家の騒音対策のように、これまで地方財政負担ということでなしに、いわば放置をされておったもので、今後公共負担をだんだん求められる可能性のあるものもあるわけでございまして、そこで今後、一応五カ年計画にのっていないような新しい地方負担が発生することは予想されます。そうしますと、地方側からはとうてい五カ年計画にのっておりますような程度の地方負担ではだめなので、そういう財政事情ではだめなので、もっと多くいわば自分のほうに財源配分がほしいというような要請が地方公共団体側からは出てくるわけでございます。私どもといたしましても、また財政当局といたしましても、はたしてその財源配分をどういう割合で割るべきかということについて、いまの段階でまあまあこのくらいならちょうどよかろうという尺度を求めることが非常に困難な事情にあるわけでございます。そこで、十三分の二ということは、約一五%になるわけでございますが、先ほどは主として過去の経緯というふうに御説明いたしましたが、それもあり、また結果としての大体一五%というようなところで現在のところはどうであろうか、それが運輸省なり地方団体側なりについては、もちろんそれぞれもう少し財源がいわばほしいといいますか、そういう気持ちはお持ちであろうかと思いますが、関係者間において話し合いの上で、関係各省が話し合いの上でその率が求められたわけでありまして、その場合に、私が先ほど御説明申し上げましたような過去の率というのは、たまたま引き合いに出されたというふうに御説明ができるかと思っております。
#99
○寒川委員 それでは自治省にお聞きしたいのですが、十三分の二のいわゆる一五%の金が譲与税として地方の公共団体に配付されますが、どういう事業に金を使わしめるのか、説明をしていただきたいと思います。
#100
○石原説明員 航空機燃料譲与税につきましては、その使途として、空港周辺の騒音防止対策、あるいは空港周辺の道路、下水、公園等の環境整備対策、あるいはその周辺において災害が生じた場合に対処し得る消防、救急、こういった対策の経費等に充てることを考えております。
#101
○寒川委員 そこで、私たち聞いておる範囲内では、いま申されました事業種目の解釈の問題なんです。たとえば学校が騒音のために冷暖房をつけなければならぬから現在ある学校をつぶしてしまう、したがって、冷暖房費だけは持つけれども、あとの建物は対象にならない、耐用年数がまだまだある学校をつぶしておいて、そんなかってなことを地方の公共団体に押しつけておいて、これでいわゆる騒音防止対策でございますというような、そういう公害に対する取り組み方、こんなことが役所でやられておりますと、やはり大企業だってその気になって、ほんとうの意味の公害防止なんという問題は進んでいかぬと思いますが、そういう実例を聞いておるのですが、ございますか。
#102
○石原説明員 現在まで実施されております公共飛行場の周辺における公害防止、騒音防止対策としましては、自治体関係として一番経費を取っておりますのは、何といっても学校だと思います。学校につきましては、騒音防止工事のために学校全体を、たとえば木造の学校を鉄筋にかえるといった場合に、木造から鉄筋になるということによる学校自身の改良といいますか、施設そのものがよくなる、こういった面をどう評価するのかという点につきまして、従来から自治体側と、それからその事業を直接実施しておられます運輸省の側とでは、必ずしも意見の一致を見ていないという点があったようでありますが、この点につきましては、その工事の内容、一級とか二級とかいったその内容によって受益の度合いを一応見定めて、それによって一部地元負担していただくというようなことに現在なっておるようであります。この点につきましては、これまでの経過を見ますと、逐年内容的には改善されてきておるように聞いております。
#103
○寒川委員 一部ということが日本語でよく使われることばなんですけれども、実態は主体工事の建築費がほとんどで、それに伴う防音の設備であるとかあるいは冷房設備であるとかというようなことと比較すれば、主体工事がやはり大部分なんです。ところが、文書にしたりことばで言う場合には一部で、そのことのために地方公共団体が非常に迷惑をしておるわけなんです。といいますのは、もう朽ち果てて建てかえなければならぬというような時期に来ておる施設であれば、これは問題がないのですよ。ところが十年、二十年使える建物、今後御承知のように町の問題を片づけようとすると、そういう問題が、公民館であるとかいろいろな集会設備であるとかたくさん出てくると思います。したがって、そういう問題について、私は自治省がこういう程度で折れたということ自体は、ほんとうに地方公共団体のことを考えずに、まあ初めてだから地方公共団体の長の希望も入れられたというような感じでおやりになったのだろうと思いますけれども、きょうは課長さんでございますので深くは突っ込みませんけれども、いずれにいたしましても、この問題も、足らなければ別途一般財源で措置をしていくという姿勢が今後大蔵省になければ、抜本的に解決をしないし、国のやっておることを地方の企業が見習っていく、したがって、日本の公害対策というものがよりよい意味で前進をしない、私はほんとうに痛いほどこんな感じがしておるわけなんですが、政務次官のこの問題に対する将来のお考え方をお述べいただきたいと思います。
#104
○田中(六)政府委員 これは地方だけにまかせておる問題ではないし、また国が十分財政的な援助をしてやってこそいろいろ実現できる問題でございますので、その点、国として十分考えていこうというふうに思っております。
#105
○寒川委員 最後に、あまり大きな問題ではないのですが、運輸省の監理部長にお伺いしたいのです。
 現在、東京の事業団に上のほうの職員が――やはり出向という形だろうと思いますが、人が行っておられるわけなんですが、御存じでしょうか。
#106
○住田政府委員 事業団とはどういう事業団でございますか。新東京国際空港公団のことでございますか。――新東京国際空港公団には、設立以来、運輸省のほうから相当の人間が行っております。その中には、公団にずっと残る人もおれば、あるいは運輸省に帰ってくる人もおります。
#107
○寒川委員 私がお聞きした範囲内では、八十人近い人が結局将来帰ってくる人だと聞いておるのですが、間違いございませんか。
#108
○住田政府委員 ちょっとその点詳しく知らないのでございますけれども、もし必要があれば、後ほど調べまして御報告いたします。
#109
○寒川委員 お願いをしておきたいのですけれども、たとえば最近防衛庁の内局でいろいろ問題になっておるのは、これはみな寄り合い世帯で、何とか早う本省へ帰りたいという、これは私も長いこと役人をしましたから、その気持ちはわからぬことはないですけれども、とりわけこういう公団で仕事をするということになれば、やっぱり建設の段階が終われば、プロパーな職員で責任をもって終生その仕事に打ち込んでやっていくということがございませんと、せっかくそういう組織をつくりましても、お役所仕事になってしまうと私は思うのです。能率を上げようということが、かえって逆な現象を起こすのではないか、こんな感じを持っておりますので、そういう点について十分ひとつ配慮していただくことをお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
#110
○丹羽(久)委員長代理 藤田高敏君。
#111
○藤田(高)委員 私は、通貨調整に伴う為替差損の特別措置を中心としまして、幾つかの租税特別措置法の改正に関する問題について質問をしたいと思います。
 順序不同になりますが、まず第一に、住宅対策として今回住宅取得控除制度が創設されておるわけでありますが、これでいきますと、住宅の標準取得価額の一%相当額、最高額二万円が控除の対象になるわけですけれども、これは基本的な考え方の問題としてお尋ねしたいわけです。これは相対的な比較の問題になると思いますが、住宅を建てる能力のある者、住宅を建てたくとも住宅建設の能力いまだなしということで、その他の条件もありましょうけれども、高い家賃を払って生活をしておる者、そういうものの税制上の均衡をどうはかっていくのか。結論的に言うならば、家賃控除といいますか、そういうものを考えないと、こういった持ち家住宅者と家賃住宅者との税制上の均衡を失すると思うのですけれども、そういうものについての見解はどうでしょうか。
#112
○高木(文)政府委員 住宅のためにかかりますところの負担というものは、原則としては、これまでの所得税の考え方では、あくまで衣食住につきましては基礎控除でもって考えていくというのが基本的な考え方であることは、申すまでもございません。そこで、従来から問題となっておりますのは、基礎控除の水準が適当かどうかということが一つ。第二は、異常家賃、つまり都会地等におきまして非常に家賃が高いという場合の異常家賃について、特別控除制度を置くべきやいなやということが、しばしば御論議の対象になっておるわけでございます。その点につきましては、ほかにもいろいろと、たとえばもろもろの衣食――住だけでなくて、衣食につきましても、異常経費がかかった場合、基礎控除で見きれない特殊なものがあった場合にどうするんだという、いろいろな諸特殊控除の制度をつくってはどうかという御提案がありまして、しばしば議論をされておるわけでございますが、いまのところは、税制のあまり複雑になるのはどうかということであるとか、納税者のお一人お一人について特殊な異常経費がある場合に、どこまで見てもなかなか見きれないという問題があって、異常家賃について特別の控除制度を設けるということについては、今日まで消極的な考え方できておるわけでございます。
 今回の住宅取得についての特別措置につきましては、一応は異常家賃控除の問題とは全く別の観点の問題として出てきておるわけでございます。申すまでもなく、一つは持ち家奨励という住宅政策の見地からであり、一つはこのような景気情勢のもとにおいての景気政策の見地から取り上げられた制度でございますが、これらの制度を今回導入いたしますにつきましては、ただいま藤田先生からお話がございましたように、高い異常家賃を払っておられる方とのバランスをどうするかということは、一応私どもも検討事項として研究はしたわけでございます。しかし、今回の年二万円を三年間という額は、いわば住宅標準建築費の一部を見るというほどのものの額にはなっておらないわけでございまして、取得後三年間ということの臨時の措置でもございますし、いわば住宅を建てるための借り入れ金、現在家を建てられる方は、いろいろな統計等によりますと、建築資金の七割ぐらいを借りておる、三割ぐらいが頭金になっておるというのが平均的な姿のようでございますが、その借りておる借り入れ金につきましていろいろ計算してみますと、一分ぐらいの利子補給を三年間受けるというのに経済的には当たるような関係になっております。そこで、あたかも住宅金融公庫の制度によりまして住宅をお建てになる方に、財政資金あるいは財投資金をもって、市中よりはやや低い金利のお金をお貸しする制度がありますのと同じような趣旨で、利子の一部を、しかも最初の三年間だけ軽減するという程度のものでございまして、これによりまして、その納税者の生活費、衣食住の住の部分の一部を軽減するというところまではとてもいかない、そういう意味での経済負担の軽減という意味までにはなかなかならない程度のものだというふうに考えるわけであります。もちろん税額控除であり、現に三年間で六万円の補助金が出るわけでありますから、結局経済的には、それはない場合に比べればそれだけ負担軽減になるのは否定できないわけでありますが、たとえば、想定されております、しばしば御提案があります家賃控除というようなふうに、年々の所得計算上の控除制度とは違うわけでありますから、そこには本質的な違いがあるものというふうに考えます。そうしてそれが相互にバランスがどうだという議論は、確かにあるわけでありまして、私どもたいへん気になるわけでございますが、そこは政策上の制度ということで初めて実現せられるべきものと考えます。
#113
○藤田(高)委員 率直に言って、たいへん回りくどい。いまの答弁を聞く限りにおいては、政策的にこういったものをやってもやらなくてもいい。ただ、今回こういった、あとで触れるような大企業に向けての思い切った特別措置をやるために、まあこの程度のものはさわりとしてちょっとやっておかぬとかっこうつくまいというふうにしか聞こえません。また中身もそのとおりです。ですから、私は、この問題については多くの時間を費やしませんが、こういった住宅問題は、個々の持ち家をする者から全くほんとうに言いわけ程度の税控除でとやかくする前に、基本的には、主としてこれは都会地になろうと思うのですが、大都市を中心に、低家賃の思い切った住宅を国の力で、国の政策として建設をしていく、この立場がやはり大切じゃないかと思うのです。そういう立場を離れて、そうして今回こういう措置をやった。やる以上は、これはひとつ思い切ってこの控除額を増額をしてもらいたいということが一つ。
 いまの答弁によりますと、いわゆる異常家賃というようなことばが出てまいりましたが、政府は、異常家賃というのは、たとえば二DKでいった場合に、具体的な金額としてどの程度のことを考えているのかということが二つ目。
 もう一つの問題は、衣食住との関係云々ということもありましたが、私は、衣食のところまでは今回は入りません。少なくともこの住との関係だけでいく場合は、やはり一定の均衡をとらないと問題が起こってくるのじゃないか。検討されたというのであれば、その検討の経緯に基づいて、どういうところまできておるのか。たとえばこの高家賃に対する特別控除の点については、かくかくの理由によって法改正についての手続はおくれているけれども、たとえば来年の税制改正にはそういうものを入れていくという方向なのか、それとも、別の理由によってそういったものは控除の対象としては考えられていないという方向なのか。そのあたりのひとつ検討の経過を聞かしてもらいたいと思います。
#114
○高木(文)政府委員 まず、現在の所得税の考え方では、先ほど申しましたように、住居費というものは生計費の中の基本的部分であり、そこで税法上どういうふうに見ているかといえば、基礎控除程度で考えられている、あるいは配偶者控除なり扶養控除なりの制度で見られておるというふうに考えております。したがって、今後におきましても、住居費を特別控除という形で考えることは、いまのところ私どもとしては適当でないのではないかと思っております。ただ、しばしば問題になりますのは、私どもが考えているというよりは、各方面から税制についての改革意見が出ます際に、東京であるとか大阪であるとかいうところに非常に異常家賃という現象がある。一般的には基礎控除で十分まかない得るかもしれないけれども、特殊な地域において、住宅が逼迫をしておるために非常に高い住宅費を払わなければならない事情にあることも否定できない。したがって、ある地域の納税者が、基礎控除ではとうてい見きれない、あるいは配偶者、扶養控除等では見きれない非常に高い家賃を払っている場合には、特別控除としての家賃控除という制度を置いてはどうかという御提案が、各方面から寄せられるわけでございます。そのことを先ほど申し上げたわけでございます。そういう意味でありまして、現在私どもが幾ら以上であれば異常家賃と考えているのかということのお尋ねがございましたけれども、私どもとしては、その家賃を特別にいまのところ考えるつもりはいわばないわけでありまして、住のみならず、食についても衣についても、異常ということはあり得るわけでありますので、そのうち特定部分についてだけ異常というものを控除制度で取り上げるということは、適当でないのではないかというふうに思っておるということでございます。
#115
○藤田(高)委員 あまり時間をとりたくないのですけれども、いまの答弁聞くと、前段の答弁と食い違ってきたと思うのですね。少なくとも異常家賃というものに対しては、これは特別控除制度を考えなければいかぬのじゃないかというのが、本委員会においてもしばしば出された意見である。そういうものを前提にして大蔵当局も検討を加えてきたというのが、前段の答弁だったわけですよ。いまの答弁を聞くと、異常家賃の問題についてはそういう特別控除をする必要はない、こういう答弁になって、変わってきたと思うのですが、これはどういうことなのか。私がお尋ねしておるのは異常家賃というのは、たとえば――検討してきたというのであればですよ、異常家賃という概念は、たとえば二DKの場合はどの程度という一つの基準があるんじゃないか。そういうものを中心として特別控除の問題についてひとつ見解を聞かしてもらいたい、こう言っておるわけです。私は、その額を聞いてから言ったらいいのかもわかりませんけれども、異常家賃というに匹敵するくらい、都会地で住んでおる者の家賃というものは、私は非常に異常な高い家賃だと思っておるわけです。そういう点からいけば、今回の住宅取得価格に対する特別控除をとる以上、それ以下のいわば家を持ちたくても持つことのできない人たち、そういう人たちの住宅対策として、均衡のとれる税制上の措置を講じることは当然ではないかと、こう言っておるわけですから、その点についての見解を聞かしてもらいたい。
#116
○高木(文)政府委員 最初のお答えと二回目のお答えがちょっとごたごたいたしましたが、私が申します趣旨は、かねてから異常家賃については何らかの措置を、特別控除制度を設けてはどうかということについての各方面からの御要望がございます。そこに今回、新築の持ち家住宅についての政策的な制度にせよ、税額控除制度を設けてはどうかという御提案がありましたので、新しい政策的な持ち家控除制度を採用するにあたりましては、当然従来からありました特別控除についてのいろいろな御要請等の関係はどうなるかということについての比較考量はいたしましたという意味で申し上げたわけでありまして、それだからといって、そのことの結果として、持ち家政策についての新しい制度を採用することと関連をして、新たに異常家賃についての特別控除を将来において設けることにする方向で検討しているということではないわけであります。
 私どもは、今回の持ち家についての税額控除制度というのは、先ほど申しましたような意味で、性格的には短期間の利子補給的な意味のものというふうに解しますので、そういう意味から申しますと、生計費の一部であります住居費については、これはやはり従来どおり一般的な控除制度をもって処理すべきものと思っております。新しい制度ができました後におきましても、そう考えております。この点につきましては、かねがねこれだけでなくて、この住宅の控除だけでなくて、いろいろな控除についていろいろ御議論がございまして、それらにつきまして、政府部内におきましては税制調査会等にもいろいろ御審議をお願いした例がございます。一番多いのは、よく出ますのは、教育費の問題でございます。それから寒冷地の問題というのがよく出ます。さらに、未成年者控除制度という御議論がよく出るわけでございます。これらの新規の特別控除制度の創設については、かなり以前から、しかもかなり広範囲にそういう御提案を各方向から承っているわけでありまして、それらのいろいろな事情はそれぞれわかるわけでございますが、それらの個別事情を税制上しんしゃくすることについてはおのずから限界があろうというのが、昨年八月の税制調査会の際の答申でもそうなっております。それは、この前の段階でいろいろ議論の末、そういう答申をいただいております。やはり基礎控除、扶養控除等の一般的な控除の拡充により対処することが適当であろうということになっておるのでございまして、今回の持ち家取得制度の創設はございましたが、この考え方には変わりはないと思っております。
#117
○藤田(高)委員 教育控除の問題とか未成年に対する特別控除の問題等は、これは所得税のところで思い切ってまたやります。やりますが、私が単刀直入に聞いておることについては、答えがない。私の推察からいくと、この家賃控除についての検討なんかは全然やってないということをいまの答弁から裏づけておると思うのですよ。主税局長ほどの頭のいい人が、私の質問をしておることに対して、ほんとうに検討しておるのであれば、そのものずばりでお答えができるはずですよ。三回やっているのに、異常家賃とは何だとあなたの口から出てこない。異常家賃の、たとえば二DKだったらどれくらいになるんですかという相場を聞いても、答えが出てこない。これは数字に強い大蔵官僚としては、検討してない証拠ですよ。私は、そういう点で、やってなければやってないとすなおに言ってもらいたいと思うのですよ、何だかぐるぐる回ってその場のがれの答弁をするということではなくて。ですから、これは私はまた続いてやるわけですから、住宅問題だけに限定して考えた場合に、その均衡のとれる、私が指摘しておる均衡のとれる対策をぜひとるべきだということを強く要求しておきます。これはぜひ具体的に、税調においても、大蔵当局においても、次の施策として少なくとも具体案が提示される、そういう検討を約してもらいたいと思う。その見解を聞いて、私はそろそろ次の質問に移りますが、場合によったら――どうですか政務次官、そこらになると……。
#118
○田中(六)政府委員 異常家賃の定義というものは、それは異常家賃ですから、異常でしょうから、一がいにはなかなか答えられないのが真相だと思います。それは非常に幅が広くバラエティーに富んでいるから、これはつかみにくいのではないかと思いますが、異常家賃の二DKが幾らかとずばりと聞かれても、それぞれ家主さんの需要供給の関係でなかなか見つかりにくいことが異常家賃の性格だと思いますので、これから十分検討して、今後お答えしたいと思います。
#119
○藤田(高)委員 恥の上塗りということがありますが、あまりよくない答弁の上塗りをするようなことは、やらぬほうが私はスマートだと思うのですよ。そういうやりとりをしておってもしかたがありませんが、私は、異常家賃ということよりも、むしろ常識では考えられないような高い家賃、そういう家賃で生活しておる者に対しては、今回のような特別控除制度が出てくる以上、それとの均衡においてどうあるべきかという政策的なものが出てくるのが当然の筋ではないか、そういう観点から、ひとつこの点は具体的な検討をされることを要求しておきます。
#120
○高木(文)政府委員 その点はぜひひとつ御理解いただきたいのは、今度の制度といまの家賃控除制度は、私は話はつながらないと思います。と申しますのは、家賃の問題というのは経常的な生活費の問題でございますから、その問題と新しく家を建てるということに伴う臨時的な負担の問題とは別の問題ではないのか。でございますから、私が申し上げたいのは、取得控除ということで政策的に取り上げられましたけれども、それが取り上げられた以上は、何らかの意味において従来から問題になっておる家賃控除制度、それとの関連において取り上げるべきではないかという藤田先生の御指摘につきましては、私どもは、そういう角度の関連性はないのではないか、この住宅の取得控除制度というものは、生活費の一部を見ましょうという、そういう制度ではないのであって、新しく家を建てることに伴う臨時的負担増を多少とも軽減することによって住宅の建築を促進しようという、まあいわば誘引的目的のための税制でございますので、それと特別控除としての制度とはちょっといわば面が違うのではないかということを先ほど来繰り返し申し上げているつもりなんでございますが、そういう意味におきまして、いろいろの特別控除の一環として特別控除制度をとることがいいかどうか、そのもろもろの特別控除の中の教育費控除であるとか、いろいろなものとの関係上、特に住居費についての特別控除を設けるべきことがいいかどうかについて、今後とも検討しなければならぬことは申すまでもないことでございますけれども、この新しい特別控除として御提案申し上げております取得控除制度との直接の関連はないのではないかと私は考えております。
#121
○藤田(高)委員 総合的な見地から検討する、こういうことですから、それはそれでとどめておきましょう。今回のこれとは直接的な関係がない。しかし、直接的に関係がなくとも、間接的に関係のある場合もありますし、そこらの関連については時間の関係もありますから省略しますが、結論として、さっき言った総合的な立場からこのことをも関連をさして検討する、こういうことに理解しておきますが、よろしいですね。
  〔丹羽(久)委員長代理退席、木野委員長代理着席〕
 それでは続きまして、為替差損の特別措置について質問しますが、午前中の堀議員の質問とも関連いたしまして、私、これまた順序不同になりますが、今回の特別措置の期間が十年になっていますね。これはまず法制局の見解を聞きたいわけですが、午前中論議になりました総則第一条の趣旨に基づき「この法律は、当分の間、」何々何々の税金に対して軽減、もしくは免除し、「又はこれらの税に係る納税義務若しくは課税標準若しくは税額の計算若しくは徴収につき、」いわゆる特別控除するとか免除する、こういうことになっておるわけですが、法制概念としては、どうでしょうか、「当分の間」というものは、日本人的な常識、法律上の概念をもってする場合、十年なんというものを想定して法律というものはつくられるものでしょうか。それともまた、この租税特別措置がこういう形で「当分の間」とうたわれたときの法律概念としては、期間的にはどの程度のものを考えていたのか。これをひとつ法制局の見解を聞かしていただきたい。
#122
○吉國(一)政府委員 今回の租税特別措置法の第六十八条の三の規定でございますが、通貨調整後に取得した長期外貨建債権等を有する場合の課税の特例にいろいろございますが、これは一応適用の期間といたしましては「昭和四十七年四月一日から昭和四十九年三月三十一日までの期間内の日を含む各事業年度」云々ということで押えておりまして、将来この規定に基づきまして準備金の繰り越しが行なわれる期間としては相当長期にわたっていますけれども、この制度を適用する期間といたしましては、ただいま申し上げましたように、昭和四十七年から始まり、三年間ということになっております。ただいま藤田委員の御質問の「当分の間」というのは、一般に法律通念としてどのくらいの期間かという御質問でございますが、法律で「当分の間」という形で一定の制度を規定をいたします場合には、その「当分の間」という規定が廃止と申しますか、その規定が削られない限りは、その制度としては残るということでございます。その結果といたしまして、「当分の間」ということで出発をいたしまして、その結果、長きは十年あるいは二十年近く「当分の間」ということで制度が存続しておる例もございます。したがいまして、この「当分の間」として規定をするのは一般にはどのくらいかということになれば、これは規定をする当初におきまして一定の期間を限定することができないような場合、その後の情勢の変化によってあるいは短期間で廃止することもあり得る、しかし、いま直ちに三年間とか五年間とかいうことを将来を見通して規定をすることができない場合、その場合に「当分の間」ということで規定をいたすのが、通常の立法の形でございます。
#123
○藤田(高)委員 私は、今回の措置そのものについては基本的に反対ですけれども、かりに認める場合といえども、いまの答弁にありましたように、「当分の間」という、この「当分の間」という考え方は、租税特別措置にかかわる今回だけの措置でなくて、特別措置にかかわるすべてのものに対してこの概念が適用されるべきものだと思うのですよ。そういう点からいけば、実質的にその期限は私は二年ないし三年というふうに限定するのが、常識だろうと思うのです。なるほど形式的には、いま答弁がありましたように、この通貨調整に伴う為替差損の取り扱いについても三年で押えておるやに見えますが、実質的には十年先の条件を、ことしだったらことし、去年の十二月二十日以降のその事業年度を含む決算処理として、十年先の為替差損がこの収支決算の中に影響するということですから、これはあたかも一見すると二年か三年かの暫定措置のように見えるけれども、実質的には十年先のことをも――実際の効果の面としてあがってくる場合は、十年先のことをやるわけですから、この制度は、中身の問題として、十年間の適用だということが一つ想定されているというふうに理解することのほうが、私は常識じゃないかと思うのですが、そこはどうでしょうか。
#124
○吉國(一)政府委員 ただいまお話しの点は、今回新設いたしました第六十八条の二の三項の規定によりまして、欠損の繰り越しが法人税法の本来の規定で五年とございますのを十年に延ばしておりますので、したがって、その特別措置によって行なわれる法律制度の内容が十年先まで延びるじゃないかというお話は、まさに御指摘のとおりだと思います。
#125
○藤田(高)委員 私は、いまの法制局次長の答弁にありましたように、そういう趣旨からいくのであれば、この国際通貨の問題も非常に流動的で、あとでも触れますけれども、円の再切り上げが十分予想される、経済界の大立て者といわれるような責任ある地位の人までが、円の再切り上げは必至だ、こういうふうに言われておる情勢、あるいは将来国際通貨の観点から、SDRがドルにかわって一種の基軸通貨になるのかどうか、そういうことをも含めて、国際通貨体制というものは非常に流動的だと思うのです。また、今日わが国の経済状態の変動その他の社会変革の事情を考えても、昔は十年一昔といっていましたが、このごろのように情勢変化の激しいときには、私は一年一昔ということが当たるような時代になってきておると思うのです。そういう状態の中で、なぜこんなにまで、十年間も先のことまで、税制上特別な措置を講じてまで大企業に恩典を与えるようなことを税制上やらなければならないのか。もう少なくともこれは必要悪として、われわれの考え方からいけば、こういう大企業に対して必要悪としてこのような特別措置を講じる場合、やはりごく常識的にいって、私は二年だったら二年、あるいは三年というもので期限を区切って措置することが、こういったものを考えてやる側の立場からいっても最も当然ではないかと思うのです。そういう点で、この十年というものをもっと期間を短縮してこの税制改正をやるお考えはないかどうか、主税局の見解を聞かしてもらいたいと思います。
#126
○高木(文)政府委員 ただいまの御指摘は、六十八条の二の三項で、今回換算がえをしなかった場合の長期外貨建て債権につきまして、それを企業会計上換算がえをしないでおいて、税務上それをいわば一時の損金としてみなす、それを何年で取り戻すかという問題でございますが、これは三項が、法人税法の原則が欠損金の繰り越しは五年である。これは本法が五年でございます。その本法が五年であるのを、特例であるから十年にしますということでございますので、ややこの法人税法上の技術的な規定なのでございまして、いわば特例法としてはどこに特例の意味があるかというと、こういう特例がなければ、その繰り越し期間は五年である。その五年を倍というか、あと五年延ばすという、そういう意味で十年とするということでございますので、もしこれを、十年では長過ぎるから、あまり先のこと過ぎる、時代の変化が早いのだからそんなに長くてはいかぬ、たとえば四年なり五年なりでいいではないかということの御趣旨であれば、現行法人税法が五年になっているわけでございますから、例外規定を置く必要はないということになるわけでございますが、多少例外規定を置いて企業の運営をやりやすくするかというのであれば、現行の五年を倍の期間にするという考え方で、三項では十年にしているという趣旨でございます。なお、これを十年にいたしました実は直接の、どうして十年にしたかというのは、きわめて具体的には、いわば先例に従ったわけでございまして、今回の改正法で削除することになっておりますが、昭和三十六年に硫安のメーカーが、輸出硫安につきまして非常に大赤字を負担することになりまして、その処理のためにやはり租税特別措置法上特例措置をとりました。今回の法律で削除になりますが、現行法の六十六条の九という規定があります。その硫安製造業者に対する特例措置というのがちょうどいまから十年前にとられたことがあるのでございますが、そのときのやり方が今回のやり方とかなり近似したやり方でございまして、そのときにも繰り越し期間を五年から十年にした。いわばその先例にならったというようなことでございます。
#127
○藤田(高)委員 私はその点は本会議質問の中で触れたところですけれども、戦後この租税特別措置法ができて以来、十年という期限をつけたのは、いま、はしなくも局長が答弁をされた硫安化学のこの関係だけなんですね。いわば異例中の異例ですよ、さっきの異常家賃じゃないですけれども。そういう異常中の異常というようなもの、そういうものを前例にしてこの種の特別措置を講ずるということは、私は、法律をつくるたてまえからいっても適正ではないと思うのです。私は、むしろ、そういう前例があったからつくったというのではなくて、もっと別の質的な意味における、いわゆる為替差損を受けておる業界なり企業の側の具体的な要求に基づいて、それにこたえていったと、こう思うわけです。そうであるとするなれば、その要求というものは、客観的に見て合理性があったのかどうか、それは何であったのか、この点についての答弁がなされないと、三十六年、いまから十何年前にやったから、そういう例はなきにしもあらずだといったようなことでいくんだったら、本来的に暫定的なものとして取り扱われるべき租税特別措置というものが、いわゆる本則の当分の間という概念によってやられるべきものが、異例中の異例の、一番極端に言ったら、いいか悪いかという面からいけば悪い条件に右へならえするようなことをやることは、私は、立法者の趣旨、立場からいって、これは善良な国民のやることではないと思うのですよ。その点についての説得力のある理由というものを説明してもらいたいと思うのです。大体、租税特別措置なんというものは、これはやらぬでいいんですよ、本来。やらぬでもいいものをずるずるそのワクを広げていく。そうして期限も最初は二年か三年のものであったものが五年、そして今回のような場合は十年、こういうでたらめなことをやることは、よくないと思うのです。そういう点では、少なくとも法人税なら法人税の本法にある限度内にとどめるということが、妥当じゃないですか、実際の会計処理の面からいっても。私は、そこは無理でない要求であり、質問だと思うのですが、どうですか。
#128
○高木(文)政府委員 先ほどちょっとお答えいたしましたように、ただいまの十年という期間は、あくまで課税の特例によって一時に計上しました税務上の損金額を何年で取り戻すかという期間の問題でございます。そこで本則は、本則といいますのは、租税特別措置法の本則では五年になっているわけでございますから、御指摘のように、本則どおり五年間で処理を済ましてしまえということであればそれで終わりということになりますが、それについて特例を設けるということになれば、やはり最近の、このような措置をとらなければならなくなった企業の実態というものから判断をするわけでございますが、長期の外貨建て債権を持っております企業というのは、つまり延べ払い輸出をした企業でございます。普通の輸出企業と違いまして、長期延べ払いの輸出をした企業でございます。したがって、延べ払い期限というものも、非常に長いことになっておるわけでございます。たとえば造船の場合は、大体延べ払い期限がたしか七年でございましたか八年でございましたかになっておるわけでございます。したがって、そういうことも考慮いたしますと、その十年処理という形は、藤田先生御指摘のほどには不当な処理だということにはならないのではないか。もともとそのその債権が長期債権でございますから、そしてその長期という程度が、最近の造船等では七年ないし八年という債権でございますから、十年処理というものはそれほど長いものではないと、私どもは判断した次第でございます。
#129
○藤田(高)委員 これは、事業経営をやったり商売をやったりする立場からいけば、損をしたり得をしたりすることはあり得るということはあたりまえのことなんで、損をしたからというんで、その契約期間が七年だったから、八年だったからということで、その業界だったら業界の損失期間に合わせて税金のこういった特別措置を講じるなんて、そんな税のつくり方というものはないと思うのですよ。これは、ものの考え方として、ほんとにさか立ちしておるんじゃないかと私は思うのです。私はそういう意味で、これまた――この面にだけ時間をとるわけにはいきませんが、これはちょっと保留しましょう。保留して次に進みまして、なお理事会あたりでも、私はできればこの種の問題は検討してもらいたい。これは、社会党だから、自民党だからということでなくて、われわれやはり、現在ある法律は、たとえば悪法であっても、少なくともその悪法の法律の限界の中で対策を講じるのであれば講じていくという姿勢がないと、冒頭触れたように、このように情勢の変化が激しい、しかも国際通貨問題に関する限りは特に流動的だというような情勢の中で、この種の十年間の実質的な差損問題を扱うということは、取り扱う期間の問題としても、きわめてこれは不都合な税制改正ではないか。ですから、私の強い要求としては、少なくとも本法以内の期限にこれは限定すべきだ、この点についてはひとつ当局、主税局としてもぜひそういう面に沿って法律自体の修正をやってもらいたいということを注文して、保留しておきます。それ以上は質問を保留します。
 そこで、まあ与党の議員に聞いてもらおうと思って質問してないからやりたいと思いますが、しかし私は、委員長、これはいつもやかましくいっておることですが、大蔵の場合は特に予算に関連をする法律を審議する分野が多いという関係で、他の委員会と違って――私はかつて商工なり社労にもいったこともありますけれども、これだけ法案そのものの内容について真摯な検討、法案それ自体の正攻法としての審議をやっておる委員会というのは、あまりないように思うのです。かっての小林法務大臣じゃないけれども、与党は、予算案さえつくっておけば、あとは寝てようとどうしようと、時間がきたらその法律は上がるんだという考え方が、言わず語らずのうちに与党議員の中にあるとすれば、私はこれは重大な問題だと思う。われわれだって、そんなあほなものの考え方の上に立って野党が質問をする、こういう条件の中で質問する責任はないと思いますよ。これは委員長、失礼ですけれども、そこにひな壇にすわっておるお内裏さんとは違うのだから、これはきちっとやってもらわぬといかぬと思うのです。これはまじめな意味で、委員長、どうでしょう。
#130
○木野委員長代理 定足数の問題につきましては、理事会でも確保するということで話がございましたし、また齋藤委員長からも皆さん方にも話がありますが、そのことにつきましては、私どもとしても十分その趣旨に沿ってやってまいりたいと思います。ただいま集まりますので、ひとつ続けて質問してください。
  〔木野委員長代理退席、委員長着席〕
#131
○藤田(高)委員 それでは私、協力する意味において審議を続行いたしますが、注文つけておきます。十分以内に定足に達しない場合は、私は質問を保留して質問を中止します。委員長、よろしいですね。
#132
○齋藤委員長 承知いたしました。
#133
○藤田(高)委員 それでは質問を続けますが、今回の措置によって、俗に減税メリットといわれておるものは、総額でどの程度あるのか。その前に、特別措置の対象となる差損額の推計額、これはどの程度か。それを土台として、今回の税制改正による減税メリットはどの程度か。また、それに関連をして、資金運営上の操作を含めて金利のメリットと目されるものはどの程度なのか。それと、能率的な質問をする上においてお尋ねしておきますが、輸銀の延べ払いですね、今回の措置に伴って輸銀の延べ払い、現在までなされている上に六年間ないし十年間さらに繰り延べがなされることになっておると思いますが、これは何年から最高何年間くらい繰り延べになるのか。それに伴う金利の恩典ですね、そういうものは、これまた推計としてどのくらいあるのか。まず、基礎的な数字についてお尋ねをしたい。
#134
○高木(文)政府委員 税のほうから申し上げます。長期契約にかかるところの外貨建て債権、その総額が大体三兆五千億、差損額が四千二百億。それから差し引きします外貨建て債務ですが、これが債務そのものが千八百億程度、それによる差益額が約二百五十億くらいあります。したがって、先ほどの差損の四千二百億から差益の二百五十億を引きましたネットの差損が三千九百五十億、約四千億というのが長期外貨建て契約債権債務の差損総計でございます。ただし、これはすべての、各社ごとに、巨額でショックの大きいという企業だけがこの恩典を受けることになるわけでございます。いま申しました約四千億という数字は、企業別の所得の状況、四十六年十二月二十日を含め、事業年度の所得の状況がまだわからないわけでございますので、具体的にどの企業がただいま御審議願っておりますこの規定の適用を受け得るか、またそれを活用するかということはわかりません。ですから、現実にそれが働きますメリットは、四千億よりは小さくなるというわけでございます。そうして一時にこれを税務上、申告調整で損金にするという処理をしました。そうして税額上どういうふうになるか、つまり特別措置としての減収額にどの程度響くかという計算でございますが、それは午前の堀委員の御質問にもお答えいたしたのですが、いろいろ推計を加えておるわけでございまして、大体ただいまの四千億見当の全体に対して、特例対象分を半分くらいに見ております。そんな関係もありまして、税額としては、四十七年度における減収額としては、百二十五億という数字を見込んでおります。それが特別措置としての減収額でございます。
#135
○近藤政府委員 金利関係につきましては、輸銀の措置要領がまだ御承知のようにきまっておりませんのと、措置要領がきまりました場合に、現行法令の範囲内でということでございますので、どの程度の申し入れがございますか、その両方の要素がきまりませんと全く見当がつかないというのが実情ではございますが、一応きわめてラフなと申しては失礼かもしれませんが、ラフな見込みで、通産省から出しておられます数字では、為替差損の輸銀分の差額補てん効果といたしまして、五百億余り、大体五百二十億くらいというものを出しておられます。それからまた、融資額査定面での配慮、それによる効果を大体百億余り、百十億見当ということで出しておられます。ただ、その積算の中身につきましては、先ほども申し上げましたようなことで、まだ非常にむずかしいと存じます。
#136
○藤田(高)委員 金利のメリットはどうですか。いまのは輸銀の関係でしょう。
#137
○近藤政府委員 金利につきましては、現行の契約のままでございますので、それによるメリットは特にございません。
#138
○藤田(高)委員 なお、基礎的なことをお尋ねしますが、この為替差損の計算に使う為替レートは、三百六十円と三百八円というこの間において、それぞれの企業で、たとえば三百六十円使う場合もあれば三百五十円、三百三十円というふうに、それぞれの業界、業種によって、会社によって計算の数字は違うのかどうかということですね。これを一つお尋ねしたいのと、いま一つ、基礎的な数字において、これは推計ですから、いま局長言われたように、どんぴしゃり額が出てくるものではありませんが、少なくとも法律をつくる以上、減税メリットとして出てくるものは、たとえば一千六百五十億程度ではなかろうかとか、あるいはこういうふうに私は解釈しておるわけですが、この十年間、十二月二十日を含めて向こう十年間までの差損分を、一番端的に言えば、もう十年先のこの分を、この三月決算で損失をこう入れて、たとえば三月期決算で会計上の処理をすることが可能なわけですから、そういう点からいくと、非常に私はしろうとですから、こういう例をとるわけですが、結局今回の措置がなかったら、一つの例として、ことしの三月期決算に利益が十億出たとしますね。そうすると、例の法人税と地方税を含めて四六%としましょうか。そうすると、算術的に四億六千万の税がかかってくる。ところが、それを一番向こうの――向こうといいますか、十年先、この間にはなかったとしましょう。一番向こうの十年のときに、いまの時点で計算すると五億の為替差損が出た。またこの為替差損を十億の利益のところへ持ってくると、五億の利益しかない。これは非常に算術的ですから、半分の四億六千万というものは二億三千万の利益しかなくなるわけですね。そういう差額というものが、これがいわゆる減税メリットと称するものだと私は思うのですよ、私の説によれば。私の考え方に合わせてもらうなれば。そういうものがどの程度出るかということを想定していくと。
 それと、いま一つは、これは金利上の問題ですけれども、この十年間にわたって小刻みに払っていくべき金を、ここで一度に繰り上げてやれば、その間、いわば残された九年六カ月になるか九年分というものは、そこで資金運用上は、銀行で借金をしておった、それがこちらへ集中して処理されますから、その間の資金運用上については金利がそれだけ得をする。やはりこういうメリットがあればこそ、この種の特別措置を講じたと私は思うのです。そういうものがなければ、単なる税金をことし払うのも十年先払うのも同じことだというのだったら、こんなことを業界自身は進んで陳情に来たり、政府自身もやらないと思う。私はいま因数分解的なことを、しろうとの解説としてやりましたけれども、そういうメリットがあればこそ、今回のこういう特別措置が生まれてきたのではなかろうか。さすれば、そういうものによって想定されるメリットというものは、額に直してどの程度のものがあるだろうかということは、もう法律をつくるときに推定されなければ、この法律をつくる価値は私はないと思う。そういう点からいきますと、私がいま推定しておるものは、一定の数字を持っておるわけですけれども、いま私が言ったような形からいくと、大体減税メリットはどの程度、金利のメリットはどの程度になるか。これは少なくとも基礎的な数字があるわけですからね。さっきの契約の、造船だったら造船が、石川島重工あるいは三井なりどこそこの造船会社は、どれだけのドル建ての何カ年契約の債権があるという数字は、これはわかっておるはずですから、私がいま指摘しておる数字は、当然出てこないとおかしいと思うのです。われわれも、そういう数字も検討しながらこの税制改正自身が適切であるかどうかの判断材料にもしたいわけですから、ぜひ数字を出してほしい。
#139
○高木(文)政府委員 この為替差損対策についてのメリットをどう評価するかということについては、計算上の問題としてはいろいろ推定をいって考えられるわけでございますが、一応の試算として、いま藤田先生がおっしゃったような税を納める時期がずれる、これは結局最終的には、長期に見ますと減税になるわけではなくて、先に税を納めるか、あとから税を納めるかということになるわけでありますが、しかし、あとから税を納めるということは、それだけ金利メリットが御指摘のようにあるわけでございまして、それをかりに計算をしてみますと、その場合の金利を幾らと置くかという問題がございますが、一応八分五厘という前提で計算をしますと、そして総額は一応四千億ということで置いてみますと、税制上の特例措置によるメリットは四百三十億という数字が一応出ております。
#140
○藤田(高)委員 前段の減税メリットはどうですか。
#141
○高木(文)政府委員 先ほど言われた減税メリットは、所得が減ることによって減税になるわけですが、それは千六百五十億になります。
#142
○藤田(高)委員 そうすると、一般的にいわれておるように、この税制改正というのは、特別に為替差損を生じた企業ないし業界に対して、政府が特別な恩典を浴させるものでない。なるほど価格差補給金みたいな形で、差損分の、たとえば四千億に対してその差損額の半分、二千億だったら二千億補てんしてやろうというような性質のものとは違うけれども、特別措置を講ずることによって、非常にラフな数字であるけれども、俗に言われておる減税メリット千六百五十億、金利のメリットが四百三十億、約二千億強の、そういう意味の実質的な利益が、それぞれの為替差損を生じた業界に対してそういう恩典がもたらされるというふうに理解してよろしいですね。
#143
○高木(文)政府委員 ただ、その点若干注釈を加えさせていただきたいのですが、とにかく四千億の損が出た。帳簿上は三百六十円という債権を持っておったわけでございますが、それが通貨調整によってそれだけ入らなくなって、三百八円なりもう少しその前後でしか債権の回収がきかなくなった、その総計が四千億前後ということになるわけですが、四千億前後所得が減りますと、減った分だけ当然法人税は減ってまいるわけでございます。これは特別の措置をとるとかとらぬということではなくて、現在の法人税のたてまえで、所得が減れば減った分に応じて税が減ってくるわけでございますから、その損は何らの特別措置をとるととらぬとにかかわらず、現行法上は一たんは損は出ますけれども、損が出た場合と出ない場合とを比べれば、それによって損が出れば納める法人税というものは減りますから、その減る額が幾らあるかということを計算したのが、先ほど申し上げた千六百五十億であります。で、片ほうの四百三十億というほうの数字は、それは今度租税特別措置は全くないという場合と、租税特別措置をとることによって、税務会計上の特例措置をとり、そしてある意味では納税の時期をずらすことができるということによる金利メリット、それを八分五厘で計算してみると四百三十億になる、こういう数字でございまして、この特別措置のメリットが千六百五十億プラス四百三十億ではないのでございまして、そもそも企業にいかなる場合でも損がありました場合には、それがもともと赤字であればだめでございますけれども、本来所得があるのであれば、それがそういうことによって所得から消えてしまえば、それは法人税は納める必要がなくなるわけでございますから、その分については、これは租税特別措置の効果というわけではなくて、現行法人税法上の仕組みから出る分だけである。四百三十億のほうは、租税特別措置法を御審議願っている過程の上から、一応計算上でございますが出てくるメリットであるというふうに分けることができるというふうに思うわけでございます。
#144
○藤田(高)委員 そういうことになるのであれば、いわば十年先の為替差損額を、私は十年も繰り上げて処理する積極的理由はなくなると思うのですよ。結局十年繰り上げてやるということは、これはことばをかえて言えば、私は法人税の納税の繰り越しになるのじゃないかと思うのです。そういう性格を持ってくるでしょう。その点はどうですか。
#145
○高木(文)政府委員 ちょっともとにさかのぼって御説明させていただきますが、これは外貨建て債権債務を企業会計上どのように取り扱うべきかということが一つ基本になっておりまして、それで、今回の処理につきましては、御承知のように、企業会計審議会のほうで一応原則がきめられました。そこで、短期の外貨建ての債権債務については、期末に新しいレートによって換算かえをすることを強制的に行なわなければならないということになっております。したがって、損益は十二月二十日を含む事業年度末において、企業会計上全部実現をする、こういうたてまえになっております。ところが、長期の外貨建て債権債務につきましては、企業会計審議会のほうではいろいろ議論の末、債権について、必ずしも期末に一時に損といいますか、換算を行なわなくてもよろしい、また換算を行なってもよろしい、そこは企業の自由にまかせられるというのが、企業会計の原則として今回とられたわけでございます。問題は、もし企業が一時に長期外貨建て債権債務につきまして換算かえを行ないました場合には、企業のほうで十年――先ほど十年ということばをお使いになりましたが、それぞれの債権の決済時がまいりませんでも、期末に一ぺんに損を立てることができるわけでございます。ただ、損を立てました場合には、問題は企業会計上損になりますから、商法なり企業会計の原則からいって、利益がないわけになりますから、配当等の処分は一切できないということになってまいるわけでございまして、それは今後これらの企業が仕事を続けていきます上で、配当もできないということになってまいりますと、次の金融問題その他に支障がくるということがありますので、企業はそれを一挙に損に立てることが企業会計上可能であっても、しいてそれを損に立てないで、そのまま、三百六十円のままで期末に計上しておく。そうしますと、いわばその部分に関する限り一種の、ことばは悪いのですが、架空の利益のようなものが出てくるという関係になりますが、架空の利益のようなものが出てきましても、それをベースにして配当等を行なっても差しつかえないのだというのが、今回の企業会計のほうの考え方でございます。
 しからば、それについて担税力があるかどうかといいますと、実は会社の実態としてはそれだけもうすでに赤字になってしまっておるものですから、実態はもうすでに赤字になってしまっておりますものについて、はたして換算かえしないということを前提にして法人税なり事業税を納めるということにするかどうか。普通の原則でございますと、法人税は、企業会計上の経理原則の上に乗っかって計算したものについて法人税を納めることになっておりますから、やや偽装であろうと架空であろうと、企業会計上黒字であるならば法人税を納めるというのが原則であるわけでございますが、しかし、実態はそうでないということに着目しまして、今回の租税特別措置の規定によって、税のほうでは税務申告上それを調整することを認める。つまり税務申告上、それを三百八円なり何なりに換算かえしたのと同じことをしてもよろしいという規定が、この規定でございます。
 そこで、先ほど来の減税効果の問題でございますけれども、千六百五十億という場合は、これはもし企業会計上、換算をいたしまして全部赤にいたしましてやりましても、これは実態は赤なのでございますから、法人税を納めなくてもいいわけで、いかなる企業がどのような種類の損を出しましても、その四〇%なり四二%なりは、現在の制度では法人税、事業税を納めなくてもいいことになりますから、その意味で各企業がこうむりました損は、どんな種類の損であっても――決して為替の損に限りません、どのような種類の損であっても、これは結果的には国庫なり地方財政なりの法人税収、事業税収の減という形になってはね返ってくるという形になっておりまして、その額が千六百五十億ということになるわけでございます。
 四百三十億のほうは、企業が決算上といいますか、企業の会計上は、換算をしないで、それでもって黒字のまま出しておりまして、しかも税務上は申告調整で一挙にそれを赤字として計上してくるということによって、普通の法人税であるならば、法人税法の原則からいうならば納めるべき税金を納めないでいい。そして、あとで具体的に債権の決済日が来ましたときに、それを益金に繰り入れて、その段階で納めることにするということによる金利メリットが四百三十億ある、こういう関係でございます。
#146
○藤田(高)委員 法律というのは、一般の国民、これはもうものさしの当て方にもよりましょうけれども、大体義務教育を終えた者が、税法に限らず、国の法律を読んで、それがわかるような法律をつくるというのが、立法者の立場でなければいかぬと私は思うのです。とてもじゃないが、これは専門家が説明してもああいうことですから、これは正直いってむずかしい。むずかしいというよりもややこしい。ややこしいというのは愛媛の方言かもわかりませんけれども、その点はもう少しすなおに、この特別措置を講ずることによって為替差損を起こしておる業界、会社にとってはどういう恩典なり利益があるかというものに集約すると、一つは減税メリットと称する――先ほど十億の利益があった場合に、法人税でいけば四億六千万納めなければいかぬ。ところが、今度のこの税制ができたことによって、たとえば五年先であろうと十年先であろうと、為替差損を持っておれば、それを今期の決算にほうり込んで、そうして差し引きすれば、たとえば十億と五億の関係でいえば、二億六千万だけは法人税を納めなくていい。納めなくていいということは、それだけ自分の法人税が繰り越されるということですからね。そういう意味の減税のメリットがあるということが一つですよ。これがなかったら、私は、極端に言ったら、こんなややこしい、こむずかしい特別措置なんか正直いってやめてもらいたいと思うのだ。そのメリットがあればこそ、業界が、いわばその価格差補給金みたいな形で損したもののまるまるかあるいは半分を補助金みたいな形で補てんをしてくれという要求が出たのを押えてきたのも、そのメリットが大きくあるからだと思うのですよ。それと、先ほどから銀行局長も答弁のあったような、その間の資金運営上の操作による金利メリットですね、金利上のメリットが四百三十億になるか五百億になるか知らぬけれども、そのメリットがあればこそ、こういう租税特別措置をつくったのだろうと私は思う。こういう基本的な法律自身のねらいと性格というものがはっきりしなければ、審議は前を向いていかないのですよ。そこのところをあたかも税制上こんなものをつくったって業界にはそうたいしたプラスにならぬのだということを何かでカムフラージュしようとするような、そういう態度なり考え方が主税当局なり大蔵当局にあるから、ますますもってこの税金の性格というものがわかりにくいのじゃなかろうか、私はこう思うのです。その点、私も少しくどくなったかもわからないけれども、突き詰めて言えば、その二つのメリットがあると思いますが、どうですか。
#147
○高木(文)政府委員 業界のほうから途中の過程で御要望がありましたのは、こういう制度ではございませんので、損金について一部税額控除を認めようということでございます。つまり補助金ということでございます。それはとうてい認めがたいということでございまして、問題は、先ほどの十億のところで、五億の赤字が出れば税金が減る、その分は、これは繰り返し申しますが、何も特別措置がなくても、これは減税のメリットではない、特例のメリットではない、およそ片方において十億の所得があって別に五億の損があれば、差し引きされてその五億についてだけ税金を納めることになるわけでございますから、それは普通の法人税の原則でございまして、何ら特例のメリットではないということは、先ほどおっしゃったとおりであります。
 メリットは、おっしゃるとおり、法人税において、会社の決算の上では黒字のままにしておいて、そうして税務申告で赤字の決算をすることによって、会社決算と税務申告とをずらすというところにメリットがあるわけです。というのは、本来ならば、会社決算上も、損があるのですから損を出してしまえば簡単のようでございますけれども、資金調達その他の都合上、一ぺんに損を出し、配当を全くしないというようなことになりますと、企業の面に差しつかえるということで、現在の企業では、それは企業の運営が非常に困難になりますから、企業会計の上ではあくまで黒字として配当可能なように持っていきたい、しかも実質は赤字なのだから税は納めたくないというところをどう調整するかというのがこの制度でございまして、企業会計のほうで黒字を出しているという前提でありながら、なおかつ法人税を納めていないというその期間のずれと、金利メリットがあるからという点が、この制度のメリットである、まさに先ほど来先生がおっしゃっているように、その間の金利メリットがメリットであるということであろうかと思います。
#148
○藤田(高)委員 私のきょう質問したい各般の事項をやっておりますと、この点についてはやはり主税局長の答弁との間にはどうしてもまだ認識のずれがあるわけです。私は、この法案に反対であろうとなかろうと、その基本的な性格がこの租税特別措置をつくる、私としては、最大の目的はそこにあるのじゃなかろうかという点がずれておるわけですよ、認識が一致しないわけです。ですから、これはあとで少し時間をかりてやりたいと思います。
 局長の答弁を聞きますと、配当の問題が再三出てきますが、私は、配当の問題は、それぞれの企業為替差損を生じておるこの適用を受ける会社の決算政策上の問題としてこれは考慮すればいいことだと思う。そこまでわれわれが考えなくとも、これによって法人税がどのようにそれぞれの企業体においてプラスになるかということになれば、先ほどから一、二回引例したように、差損の繰り上げ計上によって、実質的には法人税の繰り越し猶予を行なうということが生じてくるわけですよ。そのメリットがなければ、先ほどから答弁のあった金利上のメリットだけだったら、この程度の特別措置はやらなくてもいいんじゃないかと私は思うんですね。私の言っていること、わかりますか。黒板でもあったら非常にようわかるんだが、いやほんとうに私、正直言って絵をかいてきておったのですけれども、絵をかいてこなくても、私の言っていることは、もう一ぺん言いますと、五年先でも十年先でもいい、ことしの三月期決算でかりに十億の利益があるとするとして、そうするとそれに対する法人税は、これはまあ数ですけれども、地方税を含めて四六%とすれば、四億六千万の法人税を払わなければいかぬ。ところがこの特別措置の法律が制定されることによって、五年先であろうと十年先であろうと、その為替差損の分がその期で決算ができるわけでしょう。これ、いいですね。そうですね。そうすると、かりに五億としますと、十億あるところに五億の差損が入りますから、差し引き利益は五億、そうするとその五億に対する税金は半分の二億三千万になる。結局その二億三千万の分だけが、この租税特別措置という税制改正がなかったら四億六千万の法人税をこの三月期決算で支払わなければならないにもかかわらず、二億三千万が次の期に繰り越しされる、これはそうなるでしょう。それがならぬというんだったら、この法律はならぬと言ってください。そうしたら私の考え方変えますから。そうなるというのがこの法律の趣旨ですよ。そういうことであるならば、明らかにこれは、法人税をことしの三月期決算に四億六千万払うところを、私の例から言えば、二億三千万だけは次の期に繰り越しされるわけですから、これは猶予されることになるんじゃないですか。これがいわゆる俗に言っておる減税メリットというものであって、その点を、この為替差損を受けておる業界なり企業体というものは、そのことを含めて政府のこの案にいわば妥協したのじゃないか、こういうことを申し上げておるので、私の説明のほうがうんとしろうとわかりするんじゃないかと思うのですが、どうでしょうかね。
#149
○高木(文)政府委員 たいへん話が複雑になっておりますのは、問題は企業会計のほうの考え方がたいへん複雑になっているからなのでございまして、企業会計のほうの考え方として長期外貨建て債権あるいは債務について、十二月二十日を含む時期に換算がえを強制するという原則か、あるいはそれはだめだということで、決済期、決済期に、その時期に三百六十円が三百八円になるんだということにするか、それをどっちか一方で統一をしてしまっておれば、御説明が非常に簡単になるのでございますが、これが企業会計審議会では、今回のような非常なショックの場合に、企業ごとに非常に実情が違うということがございまして、それは短期の債権債務、つまりすぐ、一年以内にそれが実現するようなものについては、これを三百八円に換算がえをして計上しなければならない。損を出してしまわなければならない。これは強制するのですが、長期のものについては、一挙に計上しなくてもかまわない、どちらでもよろしいということにしてしまっているために、私も非常に説明がしにくいわけでございます。
 そこでまず、本来それが債権を換算がえすべきものであるんだ、長期のものについても本来換価がえをすべきものであるんだというような前提に立って考えますと、先ほど来藤田先生おっしゃっているのとはちょっと違いまして、それならば、もう企業会計上損が出てしまっておるわけですから、これはもう税法上のメリットでも何でもなくなりまして、当然落ちることで、何もメリットというものは残らないわけでございます。それをそうではなくて、そこが自由になっておって、しかもそこから先が二つに分かれて、企業会計上は黒にしておいて税務申告上は税金を納めたくない、こういう二律背反のことを一ぺんにやろうとするものですから、非常に御理解が願いにくいのだと思いますけれども、実はこの長期外貨建て債権を持っております造般会社でありますとか、あるいはプラント輸出をしております企業とかというものは、先ほど来先生が引例されておりますように、ある十億なら十億という所得があって、そうしてここに五億の差損が出たというような関係ではなくて、平常年度における一期一期の所得から比べますと、もっと非常に大きな、実はもし一ぺんに計上するとすれば、それをもっとはるかにこえる損が出てしまっております。ですから、その十億が五億に減ったとかというような関係には計算上ないわけでございまして、問題が混乱しておりまして、それをうまく説明できませんで申しわけございませんが……。
 それで根っこは、その企業会計のほうでは益を出したままにしておいて、そうして税務のほうでは、その額を一挙に換算したものとして税務申告上だけ損を立てる。そうして税務の計算の上では、赤字になりますから法人税を納めなくていいという計算になる。そういうテクニックを使っておりますもんですから、非常に御説明がむずかしい。これはよほど企業会計なり会社経営なりの専門家の方でもなかなかむずかしいということになっておるのでございます。そこは実はわが国の場合でも、こういう為替変動というのは過去においてあまり例がないことでございまして、企業会計審議会も昨年の九月十二日まで、実に十数回にわたって斯界の権威が大ぜい集まられてさんざん議論の末落ちついたようでございまして、その企業会計のたてまえのことについては、私ども自身もよくわかりません。一応結論が出まして、しかし企業会計上一ぺんにそういうふうにすることはどうしても会社運営上困るという実情はわかるような立場でございますので、それを認めながら税は納めなくてもいいということにしたわけでございまして、それではあまり大したメリットではない、つまらぬではないかという先ほど来の御指摘もわかるのでございますが、それはしかし、会社の経営の立場から言いますと、配当はできる、しかし法人税は納めなくて済むというのは、やはり相当のメリットとして受け取られているようでございます。
#150
○藤田(高)委員 いまの主税局長の答弁を聞きまして、この特別措置を講じることによって、為替差損を生じておる業界なり会社に対してはメリットがないではないかというのは、私が言っておるのじゃないのですね。私は、この二つのメリットがあるじゃないか、だから差損を生じておる業界なり会社は、いわばストレートで差損分を全額めんどうを見てくれぬかという要求はあったけれども、その間の妥協があったんだと言っておることであって、局長の答弁によると、先ほどから言っておるように、あえて二つに分ければ減税メリットというもの、これはさっき私は、四億六千万と半分の二億三千万の例をとった、こちらのファクターですね、それと資金運営上の、金利上のメリット、この二つがあるから、こういう税制改正をやる理由というものがあるんじゃないかと、こう言っておるわけです。局長の答弁を聞くと、片一方のほうはあまり強くないんだと言うから、そんな効果のない租税特別措置だったらやめちゃったらどうか、あなたのペースでいったら、やめちゃったらどうかと、こう言っておるわけですよ。ですから、そこの点はまだ依然として若干ずれがあるようですが、実際言うと、この種の質問だけをやることよりも、もっと政策論としてこの種の論議をすることのほうがより実は大事なんですよ。大事だけれども、どうしてもがっちり歯車がかみ合わないですから、この分はひとつ留保しますが、私は二つのそういうメリットがある、そこまでなぜ、極端に言えば国の政策の失敗、それで事業をやるものは、特に貿易をやるような業界というものは、それはもうけるときばかりじゃない、国内だって損をすることがあるんだからね、外国の取引の中に国内市場以上に損をすることがあるということは覚悟の上ですよ。そういう業界に対して、こういう特別措置を講ずるということになれば、所得税なり法人税なり、そういった法律の税制の基本になる体系がくずれてくるんじゃないか、そういう立場からこの租税特別措置についての再検討を要求したいというのが私の立場です。ですからこれはひとつ後ほど見解を聞かしてもらいたいと思います。
 そこで、完全にかみ合わないところはちょっと留保して、時間の関係がありますから先へ進みます。あと十分ほど時間をいただきたい。実はまだ一時間くらいやってもどうもいかぬのですけれども……。
 そこで問題点だけ出しておきます。
 その一つは、本会議の質問でも融れましたように、これはごく概念的な考え方ですが、差損に対する今回のような税制ができるのであれば、いわゆる為替差益に対する差益税というものをかけるべきではないか。
 それといま一つは、この法律の中身を見ますと、いわゆる為替差損に対して上限下限という点からいくと、下限というのが出てきておるわけですね。下限は資本金や経常利益の何%以上にきめるのか、これは政令行為できめるようになっていると思いますが、下限を、下をきめるんだったら上限もきめるというのがさつきの差益と差損の関係からいけばバランスがとれるし、下をきめる以上は上限もきめるべきではないか。上限についてあえて言えば利益を上回らないということが一つの抽象的な限度だと思いますけれども、そういう点については下限の額をきめる以上は上限の額もきめるべきではないかという点についての見解を聞かしてもらいたい。
 三つめは、為替差損の下限を資本金や経常利益の何%かにするという政令によってきめようとしておるわけですが、これは額で押えるのですか何で押えていくのですか、この点ひとつ知りたいと思うのです。私の積極的な意見としては、むしろ下のほうの、二百億も三百億も損をしたという大企業よりもその下請会社として貿易産業に従事してきた中小零細企業の、たとえば三千万なのか五千万になるか知りませんが、今回の円の切り上げによって損をした小さいところほど、下限ほど、極端にいえば一千万であっても五百万であってもめんどうを見るというような配慮がこの税制の中にあるのかないのか。当然その配慮はあるべきだと思うがどうかということが第三点。
 それといま一つの問題は、きょうは大蔵大臣はいませんが、次官がいるわけですけれども、これは一度ぜひ前の福田大蔵大臣にたださなければいかぬと思うのですが、円の切り上げの問題について、かつて大蔵大臣は、沖繩国会だったですか、あの時期に大蔵委員会でわれわれが質問したときに、ほんとうのことなんか言えますか、ほんとのことなんか言ったらたいへんだから、うそのことを言うのはあたりまえじゃないかという発言があった。私はこれは重大な政治責任として前大蔵大臣の責任を追及したいと思うのですけれども、これから質問することについて、私はそういう態度で――次官はそんなことはないと思うけれども、前の大蔵大臣がそんなことを言っておる実績があるわけですから、その点は、ここで言うことについてはほんとうのことを言うてもらわにやいかぬということをひとつまずだめ押しをしておきたいと思うのです。
 その前提に立って、これは次官及び国際金融局長にお尋ねしますが、税制改正に関連をして、私は、基本的には、国の政策なり個々の企業の失敗というかあやまちによって損失をこうむった、それを税制の本則を修正して、いわゆる特別措置によってめんどうを見るということではなくて、本来的にはこの種の特別措置をやらなくてもいいような国際金融のあり方、そういう政策をとるために努力しなければいかぬと思うのです。ところが、円の切り上げは去年の末にやった、まだこれ三カ月たつかたたぬうちに円の再切り上げの問題が非常にやかましくいわれてきた。昨日の新聞でしたか、経団連の堀越副会長のごときは、もう円の再切り上げ必至だ、業界は覚悟しておる、公式な経済団体の会合でこういうあいさつをされておるわけですが、現在の手持ちドルは百六十四億ドル、二月の収支決算によると六億六千万ドルですかふえた、このテンポでいけば年度末までには二百億に達するだろう。これは私、本会議でもちょっと触れたのですが、国のことしの計画からいけば総合収支で三十一億ドルから二億ドルの外貨がふえる計算になっておるわけですね、輸出入を中心に計算すると。そういうふうに片一方では第二の円の切り上げがなされるというような条件を政府の経済政策なり国際貿易の条件の中に入れておきながら、一方ではその政策のあと始末をこういう特別措置によってやるということは、政策立案者として基本的に誤りではないかという考え方を私は持っておるわけです。その点についての見解をひとつぜひ聞かしてもらいたい、これが第四点。
 第五点は、そのことに関連して、いまの見通し、今日の条件の中では円の再切り上げというのは、経団連の副会長が言っておるように、非常にその傾向が強いのかどうか。これはECを中心とするヨーロッパの国際通貨との関係もありましょうけれども、そういう状態なのかどうかということをひとつ聞かしてもらいたいと思う。
 それと最後に、政府のほうは外貨の準備高を減らすためにいろんなことを検討されておるように新聞あたりでは見かけるわけであります。たとえば外銀ユーザンスの返済に充てるとか、あるいは鉱石取引の金融制度を創設するとか、あるいは第二外為の会計制度を創設するとか、為替のリスク保険制度をつくるとか、その他七つも八つもいろいろなことが出されていますけれども、円の再切り上げは必至だという条件の中でこの外貨準備高を減らしていく、しかもその減らしていくやり方が――そもそもこの百六十億ドルからの外貨というものは、いわば勤労国民が一生懸命で働いて、低賃金で、公害防止もろくすっぽやらずに安い製品をつくって外貨をかせいだ結果がこれなんですから、私の立場からいうと、いま申し上げたものよりも直接国民の生活にはね返ってくるような外貨の減らし方というものはないのかどうか。そして円の再切り上げが非常に濃厚だといわれておる段階においてこういう租税特別措置なんというものに血道を上げる前に、基本的な問題を解決するための政策というものは当然政府から、特に大蔵当局あるいは通産当局から打ち出されてしかるべきではないか、これは基本的な政策問題として私はお尋ねせざるを得ないわけです。
 時間の関係もありますので、以上の問題についてお聞かせいただきたいと思います。
#151
○高木(文)政府委員 差益の問題につきましては、詳しく申し上げますとちょっと時間がかかるわけでございますが、一般的には差益というものは、ここだけを切り離してとらえるということはたいへんむずかしいという現状でございます。しかし、差損はとらえられるではないかと言われますが、この場合でも、差損という部分を、差損があれば租税特別措置でやりますということではございませんので、規定にございますように、差損の額が臨時に巨額に非常に大きいということで平常的な所得を上回って、それを長期外貨建て債権を基因として大きな損が出たということを言っておるわけでございまして、この場合にもその差損と、他の差益といいますか、為替に関係ない所得とは全部一種の通算をして処理されるようなことになっておるわけでございまして、この処理そのものも、差損だけが切り離せるというわけではないのでありまして、差益のほうにつきましても、これを切り離してつかまえて、そこについて特別の税率で税を課するということはなかなかむずかしい現状でございます。
 それから下限、上限というお話もございましたが、これは為替の差損がありましても、その差損が小さい場合でありましても、それが他の所得と比較して非常に大きい。政令でどうきめるのかというお話でございましたが、結局長期外貨建て債権の換算損に基因するものと他の所得とを比較して、その損が巨額に大きいという場合を考えておるのでございまして、それで下限、上限というお話がございましたが、その絶対額の大きさということではなくて、他の所得と、それから為替換算差損というものとの比率といいますか割合といいますか、そういうもので差損割合が大きいものを対象にしたい、すべきものというふうに考えております。
 小さい企業についてはどうするのかというお話がございましたが、小さい企業につきましても、企業の大小には関係なく、所得に比べてその換算差損が大きければ適用になるというたてまえでございます。と同時に、小企業等につきましては、すでに昨年度の臨時国会におきまして処理を、法案をお願いをいたしまして、租税特別措置法の特例法で一条を起こしていただきまして、欠損の二年間、通常の一年間の繰り戻しを三年間繰り戻しという特例規定を置いていただいておりますので、通常の場合はそれで処理可能であるというふうに考えておる次第でございます。
#152
○稲村(光)政府委員 藤田先生御指摘の第四、第五、第六の点でございますが、それぞれ相関連しておりますので、一括して御答弁申し上げます。
 まず、現在のような国際収支の状況にかんがみまして、再調整と申しますか、レートのまたなにがあるんじゃないか、それを厳に避けるべきじゃないかという点につきましては、いま御指摘のとおりであろうと存じております。その線に沿いまして、いろいろと調整策を考究いたしておるところでございます。
 まず第一に、現在の状況がどうであるかという点でございますが、この点につきましては、先般大臣も御答弁申し上げているところと存じますが、前回の十二月の調整後の状況、これを見ますと、実は国際収支のほうの経常収支と、それから資本勘定と二つ分けて考えてみる必要があるのではないかと存じますが、この前の十二月の調整の効果が経常収支面にあらわれてまいりますまでには、場合によって一年あるいは二年くらいかかるというのが国際的な通念でございます。その意味で、調整後の経常収支につきましては、日本を含めまして黒字の国は相かわらず黒字が多く、赤字の、たとえばアメリカは相かわらず赤字が大きい。これはいわばどうしてもそうなるということは一般的に異論のないところでございます。ただ、現在の問題は何かと申しますと、資本の移動のほうでございまして、それがたとえばアメリカと日本との金利差の関係、これはアメリカとヨーロッパも同じでございますが、この金利差が、アメリカの金利が非常に低いということによりまして、もう一つは御承知のとおりドルに対する信認と申しますか、これが失われております。それによりましてどうも、資本移動の関係で、調整の結果、相当の短資がアメリカに戻るであろうという観測も一部にあったのでございますが、それが起こっておらず、逆にむしろ短資がヨーロッパなり日本へ流出をするというプレッシャーが強い、こういう状況でございます。これで、実はわが国で申しますと、一月、二月、いずれもこの経常収支もなかなか調整の効果が出ておりませんのみならず、短資の流入の圧力というのが強くございましたために、外貨準備といたしましては毎月、一月で七億くらい、この七億の中にはSDRの配分等がございますが、そういうものを除きましてもやはりふえております。二月もやはり五億くらいふえたわけでございます。こういう状況と申しますのは、経常収支のほうが、これは政府の見通しにもございますとおり、やはり新年度におきましても相当の黒字が続くということでございますので、やはり若干これからも外貨がふえるということはやむを得ないことであろうと存じますが、このことが直ちにレートの問題にまた関係があるかと申しますと、ただいま申し上げましたように、この調整の効果、これがほんとうに経常収支の面に効果をあらわしてまいりますまでには少なくも一年あるいは二年かかるということでございましので、各国ともこの現在の情勢が、レートがさらにこの次の問題になるというようなことはどこの国も考えておりません。われわれも全く考えておりません。現在におきまして、多額の資本流入のプレッシャーがあるということは事実でございますが、これはいろいろな手を打ちまして流入を抑制するというふうな施策をとっておりまして、これもまたヨーロッパ諸国と同じでございます。したがいまして、いま一番問題なのは経常収支のほうでございますが、これを一日も早くよりよい均衡のほうに回復をしていくということを実現いたしますためには、何といたしましても一番の問題は景気の問題でございます。景気がなかなか浮揚いたしませんと、どうしても輸入は伸びませんし、逆に輸出は強い。これは御高承のとおりで、特に申し上げる必要はございませんが、その意味で政府といたしましては、財政金融政策全般を通じまして一日も早く景気の浮揚をはかっていく。それからまたやや中期と申しますかあるいは長期の問題としては、先生も御指摘になっておりますように、従来の成長中心の政策から福祉中心のほうに移していく、この政府の全体としての政策に沿いまして、全体としての国際対外均衡というのをこれから達成できますように努力をしてまいりたい、こういうふうに存じております。
#153
○藤田(高)委員 私、これで終わりますが、いま問題にしておる分についても時間が足りません。ですからぜひひとつ全体の審議時間の中で、後日質問時間の考慮をお願いしたいわけですが、ただ最後の締めくくりとして要望しておきますが、円の再切り上げの問題については、この間やった効果が出てくるのが一年あるいは二年かかる、こういっているわけですけれども、その効果が出てくる間、もう待てないような状態が現実に足元にずっと起こってきているのじゃないか、そういう状態であるにもかかわらず、政府のほうからは具体的にその円の再切り上げを回避するに足るいわば新・円対策といいますか、円切り上げ対策といいますか、新しい円の切り上げ回避の対策というものが出てこないわけですよ。ですから、これから、こういうような動いておりますという情勢はわれわれもわかるわけです。しかし、政府として何をなすべきか、これはこうしなければいけません、というものは出てこない。それは少なくとも、私はこういう租税特別措置によって為替差損の問題を論議する以上に本質的な問題じゃないかと言っておるわけです。ですから、その点については、いま二、三例を、こういうようなものを検討しておるが、私は別の角度で問題を提起しますが、それについてのお答えもないわけです。私はぜひこれが責任ある政府の立場から出されないと、この種の租税特別措置による政策自身が、ある意味においてから回りする政策論になっているのじゃないかということを憂えるのですよ。ですから、これはぜひきょう、もしあるんだというのであれば、私のこの質問が終わり次第言ってもらいたい。なければ、次回の委員会までに、まとまったものがあるとすれば、ぜひ私はそういうものを本委員会に提示してもらいたいということを要求として一つつけ加えておきます。そうして公害関係の準備金の問題とか、交際費に関する問題等々の特別措置の問題については、時間がありませんので、ずいぶん時間をいただいたわけですけれども、私自身ようこなし切らなかったものですから、その点はひとつ後日、時間を猶予願いたいということをつけ加えまして、私の質問を終わります。
#154
○齋藤委員長 広瀬秀吉君。
#155
○広瀬(秀)委員 航空機燃料税法案について御質問いたしますが、通産省入っていますか。――燃料税法案そのものに入る前に、燃料税ともきわめて関係の深い石油関係燃料の需給の関係についてちょっとお伺いしたいのですが、日本は御承知のように石油産出国ではない、輸入に九九・五%までたよっているということがいわれるわけであります。そこで当然備蓄の問題が出てくるわけでありますが、備蓄の現状は現在のところどのような状況でございますか。
#156
○飯塚政府委員 現在、日本の精製企業が持っております備蓄の水準がおおむね原油にいたしまして二十日分、製品、半製品合わせて二十五日、両方全部合わせますと四十五日分でございます。
#157
○広瀬(秀)委員 望ましい備蓄のあり方というものはどのようなものですか。
#158
○飯塚政府委員 備蓄の数量をどこまで持っていくべきかというのは、なかなかむずかしい問題でございますが、参考までにヨーロッパ等の例を申し上げますと、ヨーロッパにおきましては、平均七十二、三日分の備蓄水準でございます。わが国におきましては、ヨーロッパと若干いろいろな面で違いはございますので、七十数日分のヨーロッパの水準そのまま日本に適用すべきかどうかということは問題のあるところでございますが、いずれにいたしましても現在の四十五日の備蓄水準というのは、現在のOPECの動向等から考えますと、非常に少ないというふうに考えておる次第でございます。私どもは四十七年度の予算、財投等の措置におきまして、当面三カ年間に十五日分の原油備蓄数量をふやすということでいろいろな措置をお願いしている次第でございます。
#159
○広瀬(秀)委員 十五日分をふやすということになりますと、精製したもの、原油で四十五日分、そうすると六十日分あれば、まあヨーロッパが七十三日平均備蓄があるというわけですから、まあまあという、かなり望ましい姿にいくのだ、こういうことですね。今度の租税特別措置の中にも、原油設備に対する割り増し償却に関係して変更があるわけですが、いままでの適用範囲を広げる、割り増し償却の率を百分の百から二分の一に落とす、こういう言うならば合理化措置がとられるわけでありますが、これは原油処理量の二十五日分ということが今度は適用範囲になってくる、いわゆる常時八割以上なければならぬ、設備が備蓄でふさがれでなければならない、こういうところからそういうふうに適用範囲を広げたというわけでありますが、いままでのこの原油備蓄施設というものは、そういうように八割はもう満たされてないという状況、こういうところにあったわけですね。そうすると、いままででも四十五日、四十五日に対して二割はいつもないのだということになれば、これはいわゆる備蓄施設としては四十五の二割ですから、九日分くらいになりますか、そのくらいにはなると思うのです。そうするともうあと幾らでもない、こういうことなんでしょうか。その辺の関係はどうなりますか。
#160
○飯塚政府委員 現在の租税特別措置法によりますと、原油タンクを持っておりまして、その中に常時八割の油が入ってないと特別措置の適用対象にしないということだったわけでございますが、現状から申しますと、原油タンクというのは、タンカーで油を運んでまいりまして、一時にほとんど九五%ぐらいまで入れることがありまして、徐々にそれを使ってまいりまして、ある時期には五〇%を割ってしまうというようなこともございます。したがいまして、現在の租税特別措置法の八〇%を常時満たしてなければならぬというのは、実情からいいまして、実際適用対象になりにくいということで今回の改正をお願いしたわけでございます。今回の改正をお願いいたしておりますのは、タンクの中に入れる油の量については制限規定は設けないということで考えておるわけでございます。
#161
○広瀬(秀)委員 これはまたあとで租税特別措置のところで詳しくやりたいと思っていますが、少なくとも原油備蓄の施設、それは常時大体八割以上というのは無理なんだという状態にある。そうだと、現在の租税特別措置法を適用されないのだということ、そういう質問を踏まえて今回その精油能力の二十五日分というようなものが常時入っているという状況で適用していこうというように適用範囲を広げたわけですね。そうだとするならば、日本の原油備蓄施設というものはいわゆる十五日分というようなものではなくて五、六日分くらいしか、その中に入る原油そのものじゃなくて、施設としてはそれだけの余力はある。もう施設が必要なのはたとえば五、六日分だ、こういうことになるのかということを聞いているわけなんです。
#162
○飯塚政府委員 油の備蓄の量を四十九年度末までに六十日分にいたすといたしますと、それに必要な備蓄タンクというのは、それよりもはるかに多い容量の備蓄タンクが必要ということになるわけでございます。つまりタンクに常時八〇%まで中に油を入れておくということは、実際問題としてあり得ないわけでございますので、タンクの容量といたしましては備蓄目標数量よりもはるかによけいなタンクを持たなければいかぬということになるわけでございます。
#163
○広瀬(秀)委員 それはあとにいたしましょう。
 ところで、去年もたいへんOPECの攻勢がありまして問題になったわけです。去年の春ごろ、二月段階ですね。そしてその後もさらに円切り上げ、ドル・ショックというような問題があったわけです。そこでOPEC側はやはり値上げ要求をメジャーに対しても出してきた。メジャーのほうも、国際石油資本のほうも、それは消費国に全面的に転嫁をさせる、こういう方向にあると聞いておるわけですけれども、昨年以降、OPECあるいはメジャーそれから消費国の価格動向といいますか価格交渉、そういうものの関係についてひとつ御説明をしておいていただきたいと思います。
#164
○飯塚政府委員 一昨年の半ばごろからOPEC諸国は原油の値上げにつきましてメジャーに対して非常に強い要求をしてきたわけでございます。主たる理由というのは、従来原油の価格は低落傾向をずっとたどってきておったわけでございますが、片一方、OPEC諸国がもらいますドル等につきましては、世界的なインフレの傾向によりましてどんどんその価値が下落していくわけでございます。OPEC側としては自分のところの油は値上げが行なわれないで、かつ受け取るドルの価値は減少していく。自分の実質収入は非常に減ってきて、これでは何ともならぬということで原油の値上げを要求したわけでございます。昨年の十一月まで数カ月間、メジャースとOPECの間で相当激しいやりとりがあったわけでございますが、結果といたしましてOPEC側の要求をメジャー側がのまざるを得ないようなことになったわけでございます。私どもその背景を考えますと、やはり最近の原油の需給関係において、やはりOPEC側のほうが需給関係の上で強い立場にあるというのが基本的な理由かと思いますが、メジャーはOPECに押しまくられた結果になっておるわけでございます。昨年の六月を第一回といたしまして、それから昨年の十一月までの間に四回にわたって原油の値上げがあったわけでございます。これによりますと一昨年の十一月以前のFOBの原油価格に対しまして三六%の上昇になったわけでございます。その後いま先生御指摘のように円の切り上げによりまして、これは日本といたしまして実質的な原油の価格下落になるわけでございますが、この関係がありまして、それからさらに本年に入りまして一月二十日にOPECはドルの価値の下落に伴う通貨調整分といたしまして、原油の公示価格で八・四九%の値上げをメジャー側にのましたわけであります。この公示価格の八・四九%というのは日本円、FOBで考えますと六%になるわけであります。
 いま申し上げました一連のOPEC側の原油の値上げと、それから円の切り上げによる日本側の実質的な原油価格の下落、これらを全部総合して考えますと、過去一年数カ月の間に二三%の原油価格の上昇が行なわれたということになるわけでございます。
#165
○広瀬(秀)委員 これはOPEC側あるいはメジャー側、さらに消費国側の交渉ですけれども、一六・八八%、これだけの円切り上げがあって、本来ならばその後の純経済的なペースでいけば、そのくらい下がってもいいはずですが、一年半くらいの間に原油価格が二三%も上がっておる、こういう状態にあるわけでありますが、特に石油資源の九九・五%も海外に依存する日本が、いろいろな事態を予想して、やはりあるべき備蓄体制というものを完成させるということが、安定供給――これからも石油資源が、これは単に燃料だけではなしに化学工業の原材料としても使われている。まさに石油時代でありますから、そういう面でこれからも強力な交渉を展開するようにこれは要望しておきたいと思うわけであります。
 そこで備蓄の計画、これはどういうようになっておりますか。
#166
○飯塚政府委員 先ほど申し上げました四十九年度末まで十五日分の備蓄の増強を達成するために、四十七年度に五日分、四十八年度も四十九年度も同じく五日分ずつふやしていきまして、四十九年度末に六十日分の備蓄量に持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#167
○広瀬(秀)委員 さらにいわゆる石油資源を日本が直接投資をして開発をする、こういう面での計画は大ざっぱにどういうことになっておりますか。
#168
○飯塚政府委員 わが国の原油の購入が八六%ばかりが中東地域からでございますが、これは原油の安定供給確保という面から申しますと、相当検討を要する問題かと思いまして、私どもは供給源の多角化ということをできる限り推し進めていきたいと思っておるわけでございます。たとえば東南アジア地域、豪州、カナダあるいはソ連等を含めまして、多角的な原油供給源の確保ということを考えていきたい。
 それから、従来までの原油開発のための資金の投入状況を見ますと、メジャーあるいはドイツ、フランス、イタリア等の諸国と比較いたしましても、絶対額において非常に少ないということが言えるかと思います。わが国の企業は、数は非常に多く海外に進出いたしておりますけれども、投資額が非常に少なく、あるところで失敗しますとあとは続かないという状態でございますので、有望な地域につきましては思い切って多額の資金を投入するということも考えているわけでございます。これのために従来も石油開発公団を通じまして、民間企業に資金の投資なり融資なりをしておったわけでございますが、今回石炭及び石油特別会計をお願いしておるわけでございますが、この特別会計の資金を石油公団に重点的につぎ込むことによりまして資金の確保をはかっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#169
○広瀬(秀)委員 確かにおっしゃるとおりなんですが、特に供給源を多角化し、多様化するということが大事であると同事に、最近ではローサルの原油を産出するところを重点的に推し進めるというようなことになりますと、中東のものはわりあいハイサルファだというようなこともあるわけであって、したがってそういう原料供給地帯というものなどについても、重点的にこれから十分慎重な検討をしながら大量の投資をやはりしていく。しかも、日本は外貨がたまり過ぎだという現況にある。こういうような時期をおいてはほかにないと思うわけであって、これらの問題を踏まえてこの問題については善処をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。もう通産省けっこうです。
 そこで、今度運輸省航空局にお聞きをしたいのですが、今回航空機燃料税を創設をする、こういうことになるわけですが、今日までちょうどガソリン税が発足をしてからまさに二十年、航空産業育成保護というような立場において免税の特別扱いをしてきたわけですが、今度本則税率キロリッター当たり一万三千円にしよう、まあ暫定税率を四十七、四十八年設ける、こういうことになっておるわけですが、この一万三千円というものは、この辺が適当ではないかということで、二十九年当時のガソリン税がたまたまそういうことであったということなんですが、何かそこに税率一万三千円に設定した運輸省側としての航空行政上に吹ける妥当性というか、そういうものについてはどういう見方をして、それに原案が、大蔵省から出たものかあるいは運輸省から出たものかわからないけれども、運輸省側として航空行政をあずかっている者としてどういう具体的な合理的な根拠があるのか、その点をひとつお聞きしたいと思うわけです。
#170
○住田政府委員 第二次五カ年計画を作成する際に、運輸省といたしましては一部を受益者負担でまかなうということを考えたわけでございます。受益者負担の内容といたしまして当初考えておりましたのは、航空援助料の新設と着陸料を引き上げるという二つの方法を考えておったわけでございます。航行援助料につきましてはすでに昨年の八月新設いたしまして、現在徴収いたしております。それから着陸料のほうは四十七年度から現行の三・三倍程度に引き上げる予定にいたしておったわけです。その額が当時の予想で大体六百億円程度であったわけです。今回大蔵省のほうから一万三千円の航空燃料税を取りたいというお話があったわけでございますけれども、第二次五カ年計画の財源といたしましては一万三千円の十三分の十一が特別会計に入るということで、大体同額になるわけでございます。したがって、十三分の二の問題が残りますけれども、特別会計の財源としては一万三千円の十三分の十一で従来考えておった着陸料の引き上げ等とも見合うということで、私どものほうは了承をいたしたわけでございます。
#171
○広瀬(秀)委員 着陸料はいままでも取っておった、それを三・三倍にする。今度はゼロから一万三千円にするわけですね。それは結局は空港整備特会の事業遂行のための総所要金額、こういうものから逆算をして、このくらい取れば間に合うだろう。これは空港整備特会――一般会計からももちろん入っていると思いますが、財源として大体間に合うだろう、こういう逆算なんですね。そういうように理解していいわけですか。
#172
○住田政府委員 別に逆算ということではなくて、たまたま着陸料の引き上げで六百億円程度を予定いたしておったわけでございますけれども、大蔵省から二十九年当時の税率一万三千円というお話がございまして、たまたまその額が一致したということでございます。
#173
○広瀬(秀)委員 空港整備五カ年計画、それでまた空港整備特別会計もあって、空港整備というものを完遂していこうという計画ができておるわけですね。そしてその所要財源として、受益者負担の原則からいって着陸料も三・三倍にふやす、さらに航空機燃料税もその空港整備に充てよう、こういうことなんですね。一万三千円というものの具体的、合理的な根拠としては何もない、腰だめ的なものである、こういうことに理解せざるを得ないのじゃないでしょうか。いかがです。
#174
○住田政府委員 運輸省といたしましては、先ほど申し上げましたように、特別会計の財源といたしましては、着陸料の引き上げであってもあるいは航空燃料税の繰り入れであっても結果的には同じであるわけです。したがって、先ほどたまたまと申し上げたわけでございますけれども、当初六百億円の着陸料の引き上げを考えておったわけでございますが、まあ燃料税のほうから六百億円の繰り入れがあれば着陸料の引き上げをやめて燃料税に振りかえても、特別会計の財源といいますか、五カ年計画の財源としてはそれで間に合うわけでございます。
#175
○広瀬(秀)委員 そうしますと、航空機燃料税ができれば着陸料はやめてもいいというのですか。いまのお話だとそういうことですか。
#176
○住田政府委員 着陸料の引き上げはやめます。
#177
○広瀬(秀)委員 発着をするということによってこの前空港整備特会を本委員会で論議したときにも、受益者負担ということもある程度、同じ公共輸送機関である国鉄とのイコールフッティング問題などもからんで、着陸料は少し安過ぎないかというようなことで、現在のところ航空機を利用する階層といえば、まあ社用の人がかなり多い比率を占めている。そのほかには高額所得層が大体利用するであろう。こういうようなことから、空港をやっぱり整備する必要があるんだし、また空港を損傷するというか、そういう場面もやはり発着によるのだ、こういうこと、あるいはまた事故などもどうも発着の際に起こりやすいというようなこと、したがってそういう面での保安設備を完備するというような問題などを含めて、やはり着陸料というようなものは値上げをして差しつかえないのではないかという意見を、むしろ野党側のわれわれとしては出したわけなんです。そういう方向で、いま検討をしておりますということで、この空港整備特会法が、これは一昨年でしたか、かかったときに、そういう議論をした記憶があるわけです。これは議事録を見ればはっきりするわけですが、そういう問題。それから今度は燃料税を創設すれば、財源はそれで間に合うのだからというようなもので、着陸料というものをそういうものと考えていいのかどうか、その程度のものでいいのかどうか、もし着陸料はこれと振りかわるのだというならば、これは航空機燃料税を考える前に、その妥当性というものが絶対にないのだというならばそれは別ですよ。理論的にも着陸料を徴収するということが合理的根拠がないのだというならば、その説明がなされて、われわれに納得されるならばそれでもいいけれども、私どもがやはり着陸料というものもこれは必要であろうというように考えるわけです。そういうようなところで、これが着陸料との見返りだという立場でこの審議に臨んだわけじゃないのですよ。だからその点で着陸料は値上げをやめる、こういうようなことについて納得のできるような立場というものはどういうものですか。
#178
○住田政府委員 説明が不十分であったかもしれませんけれども、現行の着陸料だけで五カ年計画で約四百億円程度の収入があることになっております。先ほど申し上げましたのは、それを引き上げて、なお六百億円程度を確保したいということが当初の計画であったわけでございます。この六百億円というのは、空港の整備であるとか、あるいは空港の保安施設の整備であるとか、あるいは騒音対策に使う予定にいたしておったわけでございますけれども、着陸料であっても、航空燃料税であっても、財源としては同一の性質のものでございますので、受益者負担を行なう場合の方法論の差に過ぎないのではないか。着陸料で取るか、航空燃料税で取るか、いずれにいたしましても、航空会社が支払うものでございまして、航空会社が支払ったものが特別会計の収入になるということでございますから、受益者負担を行なう場合の方法論の差に過ぎないというように考えております。
#179
○広瀬(秀)委員 これは着陸料の性格から、また燃料税の意味から基本問題を論じ合っておるとなかなか進みませんので、この程度にしますけれども、一万三千円の税率という、そしてまた暫定税率五千二百円、一万四百円というように設けてやっていく。これは激変緩和という意味でわかるのですけれども、これは基本税率一万三千円になった段階で、その着陸料のほうは取りやめるのですか。そうでなくて昭和四十七年度から、この航空機燃料税法案が成立をし、施行をされるという四十七年度にもう着陸料の値上げということは一切取りやめる、こういうことになるのですか。一万三千円の本則税率になった段階でそれを旧に復する、こういうことなのですか、どうなのでしょう。
#180
○住田政府委員 着陸料の値上げはまだいたしていないわけです。四十七年度からするというのが当初の計画であったわけでございますので、この燃料税を取ることによりまして、四十七年度から値上げする予定の値上げを取りやめるということでございます。一万三千円あるいは五千二百円ということに関係なくて、四十七年度以降の値上げを取りやめるということでございます。
#181
○広瀬(秀)委員 先ほどから税率の問題を議論しているわけですが、あなた方が一万三千円をきめた限界というものの中に、現在の日航であるとかあるいは全日空であるとかあるいは東亜国内航空であるとか、こういうものの経理状況というものから割り出しているという面はないのでしょうか
#182
○住田政府委員 税額の問題につきましては、特に経営状況に関係なく、むしろ財源問題としてきめているということでございます。着陸料の値上げを当初計画いたしたときにも、財源問題として考えておりましたので、定期航空会社の経営とは一応切り離して考えておるわけであります。
#183
○広瀬(秀)委員 大体皆さんからいただいた資料によりますと、航空会社の費用の中で、経費の中で占める航空燃料の比率というのは大体七%から九%程度のように出ておるわけですが、運賃収入と燃料費の関係でいきますと、九%から七・七%、平均では八・八%という数字が出ておりますが、現在数少ない航空会社ですけれども、少なくとも四十五年までは経常利益を日航が百億、全日空が三十七億、日本国内航空が三十三億、東亜航空が七億四千万というように経常利益を計上しているわけですね。これが四十六年度上期に若干赤字が出たところがあるということなんですが、どのくらい、どこが出ているのでしょう。
#184
○住田政府委員 四十六年度の上期の、決算でございませんけれども、試算によりますと、全日空が二億円赤字を出しております。東亜国内航空が五千万円の利益ということになっております。日航が六十億円の利益でございます。
#185
○広瀬(秀)委員 今度燃料に初年度五千二百円燃料税がかかる、こういうことになりました合、先ほど申し上げましたような比率というのはどのくらいに上昇しますか、運賃収入に占める比率。
#186
○住田政府委員 五千二百円では大体三・八%程度ではないかと思います。
#187
○広瀬(秀)委員 一万三千円に、本則になりますと、どのくらいになりますか。
#188
○住田政府委員 四十七年度の収入に対しまして九・五%程度になります。四十九年、五十年くらいになりますと、八%台に下がるのではないかと思います。
#189
○広瀬(秀)委員 そうしますと、四十九年度あたりに八%ぐらいに下がるということは、この運賃収入の中に占める航空機燃料部分というものは、四十五年現在で平均で八・八%、これが四十九年の段階では八%くらいに下がるだろうということになりますと、経営をそれほど圧迫する要因ではない、もちろんその間人件費が上昇するとかいろいろその他の事情もあるでしょうけれども、そういうものなんですね、そのように理解できるわけですね、いまの答弁で。――そうしますと、いま航空運賃の値上げという問題が申請されておるわけですね。これはどういうことで申請になっておりますか。各社から何%値上げしたいということになっておりますか。
#190
○住田政府委員 現在航空会社から出ております運賃値上げの申請は名目で二三%、実質で一六・一%でございます。これは各社別に申し上げますと、日本航空の場合には名目で二〇・六%、全日空の場合には幹線で二〇・六%、これは日航と同じでございます。それからローカル線で二五・八%、東亜国内航空で二四・九%、これが値上げの申請の率でございます。
#191
○広瀬(秀)委員 これは、この燃料税法案が通ったあたりの段階で認可をする考えでおるわけですか。
#192
○住田政府委員 現在値上げの申請につきましていろいろ検討いたしておるわけでございますが、手続的には、まあ燃料税いつ通るかわかりませんけれども、今月一ぱいに燃料税が通ったといたしましても、運賃値上げは、それと一緒にというようなことは事務的に見て非常にむずかしいと思います。
#193
○広瀬(秀)委員 燃料税が通ったあと、おそらくこの認可がされるんではないかという予想が一般的に行なわれておるわけですけれども、この燃料税をつくることによって値上げが必至だったんだ、こういう関係に立ちますか。
#194
○住田政府委員 航空機は、御承知のように約二十年間ほとんど値上げされていないわけでございます。その理由といたしましては二つの理由が考えられるのじゃないかと思いますが、一つは航空需要の伸びが非常に大きかったということがあげられると思います。昭和三十五年から四十五年の十年間の伸び率は二九・四%という非常に高い伸びを示しております。それからもう一つの理由といたしましては、航空機の技術革新が非常に顕著であったということがあげられると思います。それによりまして座席当たりのコストが年々減少してきておる、そういう二つの理由によりまして二十年間、人件費、物件費の値上がりにもかかわらず運賃値上げをしなくて済んでいたということがいえるのではないかと思います。
 で、ただ航空需要の伸びにつきましては、四十六年度の推定でございますけれども、四十六年度といたしまして大体八%程度にとどまるのではないかと思うのです。四十五年前の過去三年間は大体平均で三四%くらいの大きな伸びを示しておりましたので、その意味では、人件費物件費の値上がりを吸収するということがむずかしくなってきているのじゃないかと思います。それと同時に、昨年、先ほど申し上げましたような航行援助料というものを徴収いたしております。今回航空燃料税の負担が伴いますと、そういう需要の伸びが少なくなってきているということと、技術革新の問題も先々はまた見込まれると思いますが、当面そう大きな技術革新も期待されないということで、まあ私どもといたしましては、航行援助料とこの航空燃料税を企業の現在の経営の中でどの程度まで吸収できるかということを十分検討の上で、値上げの必要があるかどうか、値上げする場合にはその幅をどの程度にするか、検討いたしておるわけでございます。
#195
○広瀬(秀)委員 われわれ、まあ物価問題今度の国会でも防衛問題と並んで重視しているわけですけれども、われわれが審議するこの新税がストレートに航空機運賃の値上げに結びつくのだというようなことでは、非常にわれわれとしても国民的な立場から、まあ先ほども言ったように、まだ日本の段階では社用の旅行とか、もちろんこれは社用といっても不健全なものとは私ども言いませんけれども、社用が多い。あるいは高額所得層が多い。総数でも千四、五百万の利用しかない、延べで。そういうことを考えますと、いろいろ物価の問題がやかましいおりから、やはりそういう面は考慮するにしても、かなり、この税をつくることによって運賃値上げをせざるを得なくなったんだ、こういうような関係に立つ法案だとするならば、これは私どもとしても非常に迷惑しごくな法律だといわなければならぬわけなんだけれども、その辺のところは十分慎重にやって、合理化努力の中で、安全というものはもう何よりもこの面では至上命令でありますから、その面をしっかりやりながら、しかも合理化努力というようなものを徹底的に追求して、かりにまあ申請が二〇%あるいは二四%というように出ておっても、この点についてはかなりシビアな態度で、物価上昇、公共料金の値上げというような形で非常に世論のわき立っている中で、これがまた安易に値上げされるというようなことのないように、十分これは注意をしてもらいたいということを特に申し上げておきたいと思うわけであります。
 次に質問を移しますが、今回初年度で五十七億の税収が得られるわけですが、そのうちの十三分の十一は国、そして十三分の二が地方に、空港を持つ市町村に譲与せられる、こういうことでありますが、この配分もまたやはり二十九年当時のガソリン税が、国の道路財源として十三分の十一であり、また地方道路税に譲与する分が十三分の二であったということを右ならえしたようでありますが、この空港を持つ市町村に空港整備なりあるいは騒音防止なり施設なりというようなものについて、そういう使途をもって譲与されるということでありますが、この譲与された金額が地方に初年度大体九億いくということになっておるようでありますが、これは、その数字は間違いございませんか。
#196
○佐々木(喜)政府委員 そのとおりでございます。
#197
○広瀬(秀)委員 そして、その九億というこの譲与税はどういうように配分をされ、そして、まあ大きな目的は、提案理由説明にもありますように、空港の整備だ、さらに公害防止、騒音などを中心にしてやられるのでしょうが、そういうものだということになっているのですが、この点は具体的にどういうような配分の方針と使い道を考えておられるのか、これを示していただきたいと思います。
#198
○佐々木(喜)政府委員 航空機燃料譲与税を市町村に配分をするということにいたしましたのは、空港の周辺の整備事業の財源に充てたい、こういう趣旨からでございます。そういうことで、この譲与税の配分にあたりましては、三分の一を空港の着陸料収入の額に案分をするということでございます。それから、三分の二の額は、航空機の騒音が特に著しい地区の世帯数に案分をするということでございます。これは、過去におきましてこの市町村が周辺整備事業を行なっております事業の内容を見てまいりますと、大体まあ騒音対策事業におおむね三分の二ぐらいの経費が配分をされておる、その他空港の周辺整備事業に三分の一の財源が配分をされているというような実績を見まして、騒音関係に三分の二、その他一般のいわば事業費分として三分の一といったような形で配分をするという方針をとったものでございます。
#199
○広瀬(秀)委員 大蔵省にちょっと伺いますがこの提案理由説明書には、「十三分の二に相当する額は、空港整備、航空機騒音対策等の経費に充てる」、こうなっておるわけですね。空港整備ということで提案をされているので、私どもは空港整備というものが、なるほどいま自治省から聞けば、空港の周辺の整備だ、周辺整備事業だ、こういうことなんですが、この提案説明書にもちゃんと正確に書いてもらわぬと、それじゃ空港整備といってもどの部分が国の責任であり、どの部分が市町村の責任なのかという疑問を持ったわけなんですが、大蔵省のこの空港整備ということについて、これは周辺整備といういまの自治省の説明に変わりないわけですね。そのとおりなんですね。
#200
○佐々木(喜)政府委員 いま私が空港の周辺整備事業と申しましたのは、まあ大部分の市町村の場合にはそういう事業費が多いということで申し上げたのでありますけれども、地方の空港には市町村の管理する空港がございます。その市町村が管理する空港の場合におきましては、その空港の整備、空港自体の整備事業の財源にも充てられるわけでございます。ただ現実にもう配分額が出てまいりますのは、多くの市町村におきましては周辺整備事業が多いという意味で、概略そういう説明を申し上げたわけでございます。
#201
○広瀬(秀)委員 ところで自治省に伺いますが、たとえば北海道の千歳などにこれは配分がないということを聞いているのですが、そういうことになるわけですか。
#202
○佐々木(喜)政府委員 自衛隊等の管理いたします空港におきましても、民間航空機が発着をいたします空港につきましては配分をする予定でございます。
#203
○広瀬(秀)委員 そうしますと、この市町村に対する十三分の二が譲与される九億については、空港を持っている市町村には全部配付される、ただし自衛隊が所管である、自衛隊だけが使っているというものには配分をしないんだ、そういうようにはっきり線が引けるわけですね。
#204
○佐々木(喜)政府委員 原則は、民間の航空機が発着する飛行場、要するに公共用の飛行場がそういうことになるわけでございます。自衛隊だけ、あるいは米軍だけが使っております空港につきましては配分の対象にはならないわけでございます。
 それから、先ほど申しましたように、騒音の基準を用いて配分いたしますので、所在市町村だけではなしに、騒音地区として隣接市町村も配分の対象になる場合があるということでございます。
#205
○広瀬(秀)委員 千歳の人が、今度こういうものができても、自衛隊が千歳の飛行場はやはり一部使っておる。しかしまあ東京−札幌といえば、もう千歳の飛行場へみんな日航機でも何でも着くわけですね。われわれはむしろたまに千歳の飛行場におりても、自衛隊が使っているということを知らぬぐらいですね。しかし自衛隊が使っているがゆえに、われわれのところには譲与税の配付はないんだ、こういう言い方をして、そのとおりですかということを聞いてきているというような問題もわれわれも聞いているものですから、その点を確かめたんですが、自衛隊が使っておっても民間機の発着がありさえすれば配分の対象になるんだ、こういうように理解してよろしゅうございますか。
#206
○佐々木(喜)政府委員 いま自衛隊の管理空港におきましては、周辺整備事業等につきましても自衛隊の予算におきまして相当な支出が行なわれております。事業費の配分におきましても、これは民間機の発着によるいろいろな障害分も含めて自衛隊のほうにおきましてその事業を行なっております。そういう意味におきましては、そうした自衛隊の負担する分というものも考慮いたしますならば、通常の民間機だけが発着いたしております空港よりは、配分の基準としては少なくなるだろうというふうに考えますけれども、民間機が発着いたします限り配分の対象にいたすつもりでございます。
#207
○広瀬(秀)委員 かなりはっきりしてきたわけでありますが、福岡の板付飛行場などはどうなるわけですか。
#208
○佐々木(喜)政府委員 板付の空港は近く返還になるということでございますので、これは通常の公共飛行場としての対象になるというふうに考えております。
#209
○広瀬(秀)委員 航空局に最後に伺いますが、超音速飛行の禁止ということがけさの新聞に出ておりました。運輸省は日本の国内においては超音速の飛行機は飛ばさない、こういうことです。したがって、最近四次防先取問題で問題になりましたT2であるとかRFですか、ああいう飛行機などはみな超音速だ、こういうようなことで問題になっているわけなのですけれども、そういう意味では、自衛隊がたいへん打撃を受けるだろうということがいわれているわけですね。この方針は、これは運輸省としては省議決定なり何なり方針としてきめたわけですか。旅客機の分野では、たとえばSSTというようなものがかなり大型のものであり、超音速機である。こういうようなものを含めて、これを国内で飛ばさない方針だ、こういうことが新聞に出ておるわけですが、その辺のところは、運輸省のはっきりした態度というものはどういうものでしょうか。
#210
○住田政府委員 現在航空法の一部改正を準備いたしておりまして、近く国会のほうへ提出することになると思います。その中に管制区、管制圏の中では省令で定める以上の速力で飛んではならないという規定があるわけでございます。省令で何マッハということはまだきめておりませんけれども、一応音速以上のスピードで飛ぶ場合には、管制区、管制圏の中を音速以上のスピードで飛ぶということは禁止したいというふうに考えております。それがけさほどの新聞に載っております超音速飛行機は飛べないということだろうと思います。
#211
○広瀬(秀)委員 まあこのことをやるのが主たる審議のあれではありませんから詳しくは申し上げませんが、管制区というのはどういう範囲なのでございますか。
#212
○住田政府委員 通常の民間航空機が飛んでおります空域でございまして、その空域の中を管制するということでございます。したがって、まあ場所によっては四万フィートとか四万五千フィートという高さまで押えておりますが、場所によってはもう少し低く、二万八千とか三万という低いところで押えているところもあると思います。要するに、民間航空機が通常飛んでおって、民間航空機だけではございませんけれども、一般に航空管制をする必要のある航空機、大部分が民間航空機でございますけれども、管制の指示を受けて飛ぶ米軍機あるいは防衛庁の飛行機も含まれますが、管制の指示を必要とするような空域ということで管制区というものが設けられておるわけでございます。
#213
○広瀬(秀)委員 大蔵委員会としてはこの問題を審議する適当な場所ではないかと思いますので、この辺のところで終わっておきますが、いずれまた予算分科会等でこれらの問題――今後の航空行政のあり方として私どもはたいへんけっこうなことだと実は思っておるのです。これはやはりやってもらわなければならぬのです。ニアミスが起こったり、ああいう自衛隊機との接触が起こったりというようなことを踏まえて、しかも狭い国土で超音速で飛ぶ必要が一体どこにあるのかというような基本的問題を持っているので、運輸省のそういう態度に対しては私ども賛成しておるのです。どうかあまり自衛隊に気がねをしないで、この問題はやはり航空の安全という面からプッシュをしていただいたほうがよかろう、こういう点だけきょうは申し上げて、だいぶ時間も過ぎましたので、租税特別措置のほうは次回に回しまして、これできょうは終わりたいと思います。
#214
○齋藤委員長 次回は、来たる十七日金曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後五時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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