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1971/04/03 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第13号
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1971/04/03 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第13号

#1
第068回国会 大蔵委員会 第13号
昭和四十七年四月三日(月曜日)
    午後五時三十二分開議
 出席委員
   委員長 齋藤 邦吉君
   理事 宇野 宗佑君 理事 木野 晴夫君
   理事 丹羽 久章君 理事 藤井 勝志君
   理事 山下 元利君 理事 広瀬 秀吉君
   理事 松尾 正吉君 理事 竹本 孫一君
      上村千一郎君    奥田 敬和君
      木村武千代君    倉成  正君
      佐伯 宗義君    坂元 親男君
      地崎宇三郎君    中川 一郎君
      中川 俊思君    中島源太郎君
      原田  憲君    坊  秀男君
      松本 十郎君    毛利 松平君
      森  美秀君    吉田 重延君
      吉田  実君    渡部 恒三君
      阿部 助哉君    佐藤 観樹君
      藤田 高敏君    堀  昌雄君
      山中 吾郎君    貝沼 次郎君
      伏木 和雄君    二見 伸明君
      小林 政子君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  田中 六助君
        大蔵省主税局長 高木 文雄君
 委員外の出席者
        大蔵委員会調査
        室長      末松 経正君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月三十日
 辞任         補欠選任
  藤田 高敏君     西宮  弘君
同日
 辞任         補欠選任
  西宮  弘君     藤田 高敏君
四月三日
 辞任         補欠選任
  山口シヅエ君     渡部 恒三君
同日
 辞任         補欠選任
  渡部 恒三君     山口シヅエ君
    ―――――――――――――
三月三十一日
 個人企業の税制改正に関する請願(古井喜實君
 紹介)(第一九九一号)
 元満鉄職員等の共済年金通算に関する請願(辻
 寛一君紹介)(第一九九二号)
 自動車損害賠償責任保険料の据置きに関する請
 願外二件(伊東正義君紹介)(第二〇五四号)
 税関等に保管する引揚者の物資処理に関する請
 願(内田常雄君紹介)(第二一四四号)
 同(三池信君紹介)(第二一四五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三五号)
     ――――◇―――――
#2
○齋藤委員長 これより会議を開きます。
 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。
    ―――――――――――――
#3
○齋藤委員長 本案に対し、自由民主党を代表し、藤井勝志君外四名より修正案が提出されております。
    ―――――――――――――
#4
○齋藤委員長 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。山下元利君。
#5
○山下(元)委員 私は、提出者を代表いたしまして、ただいま提案されております租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する修正案について、その趣旨と内容を申し上げます。
 修正案は、すでにお手元に配付してございますので、その朗読を省略させていただきます。
 この修正案は、本年三月三十一日までに成立することを目途として御審議を願っておりました法律案がいまだ成立を見ておりませんので、これに伴う調整措置を講じようとするものであります。
 まず、改正案の施行日につきましては、「昭和四十七年四月一日」を「公布の日」に改め、これに伴い法人税の特例に関する改正規定の適用の時点について、施行日以後開始する事業年度について適用する旨の規定を、昭和四十七年四月一日以後開始する事業年度について適用することに改めることといたしております。また、減価償却の特例や農地贈与の場合の贈与税の特例等に関する改正規定の適用開始期日についても、「施行日」とあるのを「昭和四十七年四月一日」に改めることとしております。
 次に、ゴムの溶剤用揮発油等に対する揮発油税及び地方道路税の免税措置は、昭和四十七年四月一日以後施行日の前日までに製造場から移出される揮発油につきましても適用することといたしております。
 なお、登録免許税に関する軽減措置につきましては、施行日の翌日以後に登記を受ける場合に適用することとしております。
 以上が、改正案によって納税者が受けることを期待していた税法上の特典について、法案成立の予期しなかった遅延により思わざる不利益をこうむることをできる限り救済することを目的とした本修正案の内容であります。
 何とぞ御審議の上、御賛成賜わりますようお願い申し上げます。
#6
○齋藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○齋藤委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次これを許します。中島源太郎君。
#8
○中島(源)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案並びにこれに対する修正案に対して賛成の意向を表明するものであります。
 今回の改正でまず第一にあげられるのは、法人税の付加税率の適用期限を二年間延長していることであります。御承知のとおり、付加税率は好況時の財源充実手段であり、不況のときには検討を要するものでありますが、当面の財政事情やわが国の法人税負担の実情からあえてこれを据え置くことといたしております。
 次に、住宅対策として住宅取得控除制度を創設し、三年間最高二万円ずつの税額控除を認めることとしておりますが、この措置は、国民福祉のための民間持ち家推進政策の一環としてきわめて大きな役割りを果たすものであります。
 さらに、現今の重要な課題である公害対策といたしましては、公害防止費用の支出が相当に多い業種について、公害防止準備金制度を創設するとともに、産業の安全衛生対策として、一定の設備について初年度三分の一の特別償却制度を設けることといたしております。これらはいずれも時宜に適したものであり、従来の措置と相まって、公害対策は一そう拡充されたわけであります。
 一方におきまして、最近の国際経済情勢の推移にかんがみ、輸出振興税制について昨年度に引き続き大幅な整理縮減をはかっております。すなわち、輸出割り増し償却制度を廃止し、技術等海外取引所得の特別控除制度については、工業所有権等一部のものを残して大半を削除しているのであります。貿易の自由化という国際経済社会の要請、わが国の外貨の急増、先般の国際的な通貨調整等の情勢に対処して、輸出振興政策の転換は現在の急務でありますが、租税政策面では、今回の改正により、よくそれを実現しているといえましょう。
 こうした輸出振興税制の整理による財源は、さきの住宅政策や公害対策、さらには中小企業対策、技術開発または情報化の推進のための減税に当てられており、産業貿易振興政策から国民福祉政策へという時代の要請に十分にこたえているといえるのであります。
 なお、通貨調整に伴う措置として、巨額の為替損失を生じた企業につきまして、為替差損分の繰り上げ損金算入を認めることといたしておりますが、これは通貨調整がきわめて異例なものであり、影響するところが大きいことから見て、影響緩和策として必要があるものと認められます。
 最後に、租税特別措置全般につきまして、既得権化や慢性化の傾向があってはならないのであって、政府は租税公平の原則のもとに、その政策目的の合理性並びに政策手段の有効性について十分検討するよう強く要望いたしておきます。
 以上申しました理由により、私は、この改正案並びにこれに対する修正案に賛成の意向を表明するものであります。(拍手)
#9
○齋藤委員長 佐藤観樹君。
#10
○佐藤(観)委員 私は、日本社会党を代表して、租税特別措置法の一部改正案及び同修正案につき反対の討論を行ないます。
 租税特別措置が、本来、租税負担の公平を欠き、一部の大企業のみを優遇する措置であることはいうまでもありません。政府の諮問機関である税制調査会ですら、租税特別措置につき数々の問題点を指摘し、何度も改廃の答申をしているにもかかわらず、政府は今日まで何ら実行してこなかったというのが現状であります。
 租税特別措置がどれほど大企業を優遇しているか。たとえば鉄鋼業では、大蔵省流の数え方でも二十七にのぼっております。
 念のためこれを読み上げておきますけれども、試験研究費の税額控除、それから合理化のための特別償却として、重要産業用機械、国産一号機、電子計算機、工業用水道転換施設、公害防止設備、それから新技術企業化用機械設備の特別償却、低開発地域などの工業用機械の特別償却、海外取引がある場合の割り増し償却、特定合併の割り増し償却、新築貸し家住宅の割り増し償却、鉱工業技術研究組合への支出金の特別償却、公害防止事業者負担金の特別償却、価格変動準備金、海外市場開拓準備金、海外投資損失準備金、資源開発投資損失準備金、技術海外取引の所得の特別控除、収用等の場合の圧縮記帳及び特別控除、特定事業の用地買収等の場合の特別控除、特定の資産の買いかえの場合の課税の特例、鉱工業技術研究組合の所得計算の特例、動燃事業団への出捐金の損金算入、貸倒引当金、賞与引当金、退職給与引当金、特別修繕引当金、以上二十七あるわけです。
 このほか、鉱業の場合には二十七、一般メーカー三十、建設メーカー二十三、電力二十三、ガス二十という膨大な数にのぼっております。銀行は十六の特別措置が認められておりますが、その一つ、貸倒引当金は実際には都市銀行で〇・〇一%しか貸し倒れがないのに対しまして、法律上一・二%という、何と百二十倍の高さが認められているわけです。これは使わない部分は、翌期には利益になっているわけです。佐藤首相も、さすがこの引当金の率が高いことを四十五年の二月の本会議でも認め、検討を約束しているのですが、すでに三年目を迎えても何ら改廃されておらないのであります。きわめて遺憾であり、佐藤内閣は答弁すれども実行せずの食言内閣であり、海外からうそつき佐藤の異名をもらうのも、おそらくこういう政治だからであります。
 このほか、数々の特別償却、割り増し償却、準備金制度は、かつての生産第一主義、輸出主義の時代のものであり、すでに時代に合わず、不必要です。これらはたびたび税制調査会からも答申されているのですから、すでに検討の段階は過ぎ、改廃を実行する段階に来ているのであります。これひとえに余命幾ばくもないといわれる佐藤内閣の政治姿勢ひとつにかかっているわけです。
 最近では、税制調査会ですら、政府、大蔵省の煮え切らない態度に業を煮やし、租税特別措置をみずから調査し実行を迫るという動きにまでなっていることは、本年三月七日、水田大蔵大臣が本院でみずから述べているところであります。その政治責任はきびしく追及されなければなりません。
 このように租税特別措置は、経済の国際化、福祉優先主義の中で、時代に合わなくなっているにもかかわらず、一度特別措置を認めると、それがあたかも当然であるかのごとく既得権化し、最初の政策目的は忘れられて慢性化していき、また、改廃されたものは別の形で復活するというのが現状であります。この大企業への特別な恩典の見返りが政治資金となり、日本の政治を大企業優先の政治にして、国民に政治不信を起こさせているのであります。七年半の佐藤内閣で政治資金規正法がざる法のままであるのは、このためであります。いまやこのような特別措置はばっさばっさと大幅に整理縮小していく時期であります。それにもかかわらず、今度の改正案は、全くこの方向にさおをさすものと断ぜざるを得ません。
 佐藤首相は、所得税、法人税、租税特別措置の本院三月七日の質問に答えて、今度の改正を、「輸出振興税制の大幅な整理縮減をはかるなど、租税特別措置を中心としてかなり大幅に整理合理化を行なうこととしております。」こう答えておられますが、一体佐藤首相は今度の改正案の内容をほんとうに御存じなのか、疑いたくなります。官僚のつくった答弁用のメモを棒読みしているとしか思えません。大幅な整理と言っておりますが、今度の改正で、特別措置の項目は、百四十七から逆に百四十八項目とふえているのであります。この特別措置があることによっての国庫の減収額は、昨年が四千二百九十五億円であったにもかかわらず、本年度は四千七百三十億円と、五百億円近くふえているのです。
 佐藤首相は、口を開けば産業、輸出の振興から国民福祉への政策転換と言っており、今度の租税特別措置の改正でもこのことを強調しております。しかし現状はどうでしょう。福祉政策の目玉商品といわれる住宅取得控除の創設についても、個人が住宅建設の際、その借り入れた額の利子をわずか一%援助するというおそまつな政策にすぎません。しかも、住宅をつくることもできず高い家賃に悩まされている人たちには何ら恩典のない不公平なものであります。
 また、ドル・ショックで問題になり、世界から非難を浴びた輸出振興税制は、廃止廃止と誇大に宣伝されておりますが、廃止されたのは割り増し償却制度だけで、海外市場開拓準備金や技術等海外取引所得の特別控除は、縮小されましたけれども依然として残されておりますし、それどころか、廃止された割り増し償却の肩がわりに、公害防止準備金や特別償却の新設が行なわれ、従来からの特別償却制度の拡大がはかられているのであります。
 また、昨年十二月の平価調整の際に出た為替差損についても、十年間で損金に算入できる措置がとられております。しかし、通貨調整の原因となったのは、輸出振興税制という、大企業優先の租税特別措置が輸出を異常に伸ばした一つの要因であり、その結果通貨調整を迫られたのでありますから、そのしりぬぐいを、大企業の主張を入れて、再び為替差損を、納税の繰り延べとはいえ、国がめんどうを見るのは、まさに日本株式会社の実態であります。断じて許されるものではありません。しかも、為替差損の損金算入を十年間という長期にわたって恩典を認めるのは、二、三年の適用期限を定める特別措置法の趣旨に反するわけです。また、本年の二月の日本のドル保有高は百六十四億ドルに対しまして、アメリカの二月の貿易収支六億ドルという史上二番目の大赤字という情勢で、円の再切り上げ必至とされるときに、十年間の長きにわたる損金算入を認めることはできません。
 さらに、為替差損を税制上特例で認める以上、労せずして取得した為替差益に対しても、何らかの方法で課税すべきであります。
 公害防止準備金にしても、公害防止設備をつくる計画案がなくても、特定業種は、収入の千分の三から六を準備金とすることができるものであり、公害防止を積極的にやらせる誘導政策にもならず、相変わらず大企業の優遇のために名目を一つつくったのにすぎません。
 このほか、中小企業対策、技術開発及び情報化の推進に関する項目、農林漁業対策、企業体質の改善及び設備の近代化に関する項目、土地税制、法人税の付加税率の適用期限延長の問題等々、種々問題がある一方、むしろ課税を強化しなければならない一兆七百億円にのぼる交際費、七千八百六十八億にのぼる広告費などは、一向に課税が強化されておらないのであります。
 以上述べてきたように、諸外国に比べてわが国の特別措置は非常に数が多く、複雑であって、本来の政策目的の合理性、手段の有効性を十分検討して整理縮小に向かわなければならないのに、今度の改正案は、この方向と逆に、こちらの措置がだめなら他のものを新設して埋め合わせるという、既得権化、慢性化しているのがこのたびの改正案であります。
 諸物価が上がる中で、所得税の一般減税は行なわず、大企業、高額所得者のみを優遇する特別措置は、政府が口にする国民福祉優先の政策とはうらはらであります。正直に税金を納めるのがばかばかしくなるような租税体系は、ますます政治不信を増大させます。諸悪の根源の一つである租税特別措置法の改正案に絶対反対の意を表明しまして、反対討論を終わります。(拍手)
#11
○齋藤委員長 貝沼次郎君。
#12
○貝沼委員 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案及び同修正案について反対の討論を行なうものであります。
 反対の理由の第一は、租税特別措置は、そのときの政策目標によって、税の公平の原則をも犠牲にして行なったものであります。したがって、政策目標が達成された暁には、すみやかに改廃されねばならないものであります。しかるに、すでに目標を達成したものが数多くいまだに存続していることは、税の公平という根本理念を無視するものであるからであります。
 第二は、総理並びに大蔵大臣は、本会議及び委員会におきまして、再三にわたって租税特別措置の整理縮小を約束しておきながら、かえって特別措置の項目をふやし、産業に対する優遇もふえております。その中には二十数年以前に創設されたままのものも含めて無期限のものが六十八項目もあります。これは、ひとえに約束不履行の政府の政治姿勢によるものであり、国民は強い不満を覚えるものであります。
 次に、具体的に例をあげるならば、輸出振興の税の問題、交際費課税の問題、医師の特例措置の問題、利子配当課税の問題等でありますが、これらは詳しくは委員会において指摘したところでありますが、これに対し政府の答弁は何ら納得のいくようなものは得られなかったのであります。この政府の姿勢はきびしく追及されるべきであります。
 以上、反対の理由の一端を述べましたが、基本的には、国民生活優先をうたいながらも、依然として産業優先の政治姿勢に終始しているこの租税特別措置について強く反対をいたします。(拍手)
#13
○齋藤委員長 竹本孫一君。
#14
○竹本委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案並びにその修正案に対しまして、反対の意向を表明するものであります。
 政府は、国際的または国内的な経済社会情勢に対応いたしまして、従来の生産第一主義、輸出第一主義から国民福祉政策への転換をうたい、今回の租税特別措置法の改正につきましても、その趣旨に沿った対策を掲げておりますけれども、その内容を見てまいりますと、遺憾ながら不十分であると言わなければなりません。
 まず第一に、福祉政策として目ぼしいものの一つである民間住宅建設のための住宅取得控除の制度の創設でありますが、これにしても借入金の利子のごくわずかの部分を補給するという程度にすぎないものであります。今日の住宅対策は最も重要かつ緊急の課題でありますから、もっと根本的な措置を講じていかなければなりませんけれども、御承知のように、今日では政府施策住宅というものは割合が少なく、三分の二までは民間の住宅建設に期待する実情にありますので、この問題はなおさら深刻であります。
 第二に、輸出振興税制の整理の面では、輸出割り増し償却の廃止等の措置がとられておりますけれども、海外市場開拓準備金等は、先ほどもお話のありましたように、残されております。さらに重要なことは、輸出振興税制の整理の見返りとして、名目を変えた大企業優遇の特別措置を設けていることであります。すなわち、割り増し償却の廃止のかわりに、企業体質改善のための特別償却の新設または船舶、航空機等の特別償却の拡大があり、また、公害防止準備金等も、見方によっては代替的な意義を持つものと考えられるのであります。
 第三に、中小企業対策や農林漁業対策では、これまでの制度の整備、拡充は一応なされておりますけれども、新たな措置はほとんど見当たりません。私どもの主張である事業主報酬制度の確立もいまだ実現されていないような実情にかんがみますと、現在のほとんどが大企業擁護に偏したような特別措置のみでは、われわれとしては認めるわけにはいかないのであります。
 第四に、われわれは租税特別措置のうち、マンネリ化した既得権益の排除を前から主張してまいったのでありますが、医師の社会保険診療報酬の特例をはじめ、問題となっている事項についての検討が十分になされておらず、項目数も依然として増加ぎみであります。
 また、交際費課税の強化や広告費課税の新設につきましては、政府はいまだ積極的、具体的に取り組む姿勢は見せておらず、その検討が不十分であるといわなければなりません。
 これらは、いずれも佐藤内閣の政治姿勢に由来するものと考えられるのでありますけれども、われわれは、強くその転換を要求するものであります。
 以上申しました理由により、民社党は、この法案並びに修正案に対しましては反対であることを表明いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
#15
○齋藤委員長 小林政子君。
#16
○小林(政)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案、同修正案に反対の討論を行ないます。
 租税特別措置は、特定産業の育成をはかるための政策目的の遂行を柱とする、大企業に対する優遇措置を講じるものであって、税制の根本原則である租税負担の公平を著しくゆがめるものであります。今回の改正案による特別措置の減収額は四千七百三十億円であって、四十六年度より約三百四十億円の増加であり、その対象も依然として大企業の優遇措置が中心になっているのであります。
 反対理由の第一は、輸出振興税制の縮小をはかる見返りとして、技術開発、企業体質の改善等で、初年度九十八億円、平年度二百六十五億円の減税措置をとっていることについてであります。一例をあげれば、電子計算機買戻損失準備金残高は、現行制度でも一社平均約二十八億円という膨大な額になり、さらに今年度その積み立て率を一五%から二〇%に引き上げるなど、また、船舶、航空機の特別償却率を昨年に引き続いて引き上げ、その拡充をはかっていることなどは、明らかに特定企業の優遇策といわなければなりません。
 第二の反対の理由は、準備金の創設、特別償却の拡大など、事実上の国家資金の無利子による融資にもひとしい措置がとられていることについてであります。公害対策と称して、公害発生源である大企業が当然負担すべき費用を税制面から援助し、企業責任を免罪しているのであります。さらに、昨年八月の膨大な投機による大銀行、大商社の不当な差益には何らの課税措置もとろうともせず、差損に対してのみ税の十年繰り延べなど、特定大企業に対する国の資金援助が公然と行なわれているのであります。
 第三は、青色申告控除制度の創設により、青色と白色申告者の課税最低限の開きは約二十三万円となり、このことは、青色奨励という限界を越えたものであり、税の公平が著しく破壊されるのであります。わが党は、青白の区別なく適用をはかるべきであると考えます。
 第四に、住宅取得控除二万円の創設も、政府の住宅対策の欠陥を糊塗するものであって、景気浮揚対策に政策の重点が置かれており、福祉への転換の宣伝材料にすぎないものであります。
 以上、租税特別措置は、大企業優遇、租税負担の公平をそこなうものであり、本改正案も一そうその拡充強化がはかられているのであります。特権的減免税を廃止して正当に課税を行なうことを強く要求して、反対の討論を終わります。
#17
○齋藤委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより租税特別措置法の一部を改正する法律案及び同案に対する修正案について採決いたします。
 まず、藤井勝志君外四名提出の修正案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#18
○齋藤委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#19
○齋藤委員長 起立多数。よって、修正部分を除く原案は可決し、本案は修正議決いたしました。
    ―――――――――――――
齋藤委員長 ただいま議決いたしました租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、藤井勝志君外三名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。松尾正吉君。
#20
○松尾(正)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨と内容を簡単に御説明申し上げます。
 案文は、お手元に配付してありますので、朗読は省略させていただきます。
 まず第一は、租税特別措置全般にわたって根本的に洗い直しをし、その整理縮小につとめるべきであるということであります。現行の制度がきわめて複雑であり、項目数も多くなっていることは周知の事実であり、中には漫然と継続されて既得権化しつつあるものもあって、租税制度のあり方や負担の公平の見地から当然見直すべきものであります。また、現在は、これまでの産業貿易振興政策から国民福祉政策への転換期でありますから、政策的に見直しを要する時期であります。そこで、政府はこの際、特別措置全般について洗い直しを行ない、政策目的を達したものや政策手段として有効性を欠くものは極力整理縮減するよう努力すべきであるというのがその趣旨であります。
 第二は、期限の定めのない特別措置について、原則として適正な期限をつけるようにすべきであるというものであります。租税特別措置は、政策目的実現のため例外的に認められる特例でありますから、期限を切って実施すべきであります。また、期限がないと、どうしても長期化、慢性化になりがちであります。現行の項目のうち期限のないものが相当数ありますが、これらについては、政府において改廃を念頭に置いて再検討を加え、残すものについては、特別な場合を除き期限を付するようにすべきであります。
 第三は、広告費課税について実施の方向で検討すべきであるというものであります。広告費の支出は毎年急速に増加しており、不当または過大な広告もかなり目立ってきております。これらに対する批判は年々高まっており、その規制を求める声も少なくないのであります。これについての規制策の一環として、税制上の課税措置が有効であると考えられ、もう実施すべき段階に来ているのではないかと思われますので、政府は実施の方向で検討すべきであるというのがその趣旨であります。
 第四は、社会保険診療報酬に対する特例についてすみやかに改善を行なうべきであるというものであります。この制度については、申すまでもなく国会でしばしば論議が行なわれており、税制調査会からもたびたび改善の答申がなされているところであります。同調査会は、今回特別委員会を設置する旨の異例の答申を行なっているのでありますから、政府は早急にその答申を得て改善をはかるべきであると考えます。
 第五は、特別措置による減収見込み額について、随時その実績もつかみながら、正確性を確保せよというものであります。減収額は、特別措置の有効性を判断し、政策目的遂行の可否を決定する場合の重要な手がかりとなるものでありますから、常にその正確性が必要であります。したがって、年度当初の試算は実績との照合によって正確性を期するべきであり、政府はそのように処置すべきであるというのがその趣旨であります。
 以上が附帯決議の趣旨とその内容であります。何とぞ全員の御賛成をお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
   租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
一 現行租税特別措置はきわめて複雑多岐にわたり、かつ長期化、慢性化したものもあり、租税公平の観点からみていちじるしく問題であることにかんがみ、また経済財政運営方針について発想の転換期を迎えつつある情況にもてらし、政府は、この際制度全般について根本的にあらい直しを行ない、その整理縮小に努めるべきである。
二 期限の定めのない特別措置については、原則として改廃する立場で再検討し、特例的なものを除き適正な期限を附するよう改正をはかるべきである。
三 広告費に対する課税措置については、実施の方向で検討すべきである。
四 社会保険診療報酬に対する特例については、税制調査会の早急な答申を得てすみやかに改善すべきである。
五 租税特別措置の減収見込額については、随時その実績の把握につとめ、その正確性の確保を図るべきである。
    ―――――――――――――
#21
○齋藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 おはかりいたします。
 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。水田大蔵大臣。
#23
○水田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って十分配慮いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
#24
○齋藤委員長 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#26
○齋藤委員長 次回は、明四日火曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後六時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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