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1971/04/14 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第18号
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1971/04/14 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 大蔵委員会 第18号

#1
第068回国会 大蔵委員会 第18号
昭和四十七年四月十四日(金曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 齋藤 邦吉君
   理事 宇野 宗佑君 理事 木野 晴夫君
   理事 丹羽 久章君 理事 藤井 勝志君
   理事 山下 元利君 理事 広瀬 秀吉君
   理事 松尾 正吉君 理事 竹本 孫一君
      上村千一郎君    奥田 敬和君
      木村武千代君    倉成  正君
      國場 幸昌君    坂元 親男君
      地崎宇三郎君    中川 一郎君
      中川 俊思君    中島源太郎君
      原田  憲君    坊  秀男君
      松本 十郎君    三池  信君
      毛利 松平君    森  美秀君
      吉田 重延君    阿部 助哉君
      佐藤 観樹君    堀  昌雄君
      二見 伸明君    小林 政子君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        通商産業大臣  田中 角榮君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      山中 貞則君
 出席政府委員
        総理府総務副長
        官       砂田 重民君
        沖繩・北方対策
        庁長官     岡部 秀一君
        沖繩・北方対策
        庁総務部長   岡田 純夫君
        大蔵政務次官  田中 六助君
        大蔵大臣官房審
        議官      前田多良夫君
        大蔵大臣官房審
        議官      中橋敬次郎君
        大蔵省主計局次
        長       大倉 眞隆君
        大蔵省主計局次
        長       長岡  實君
        通商産業大臣官
        房審議官    飯塚 史郎君
        通商産業省企業
        局長      本田 早苗君
        通商産業省鉱山
        石炭局長    莊   清君
        通商産業省鉱山
        石炭局石炭部長 青木 慎三君
 委員外の出席者
        環境庁自然保護
        局計画課長   宇野  佐君
        大蔵大臣官房審
        議官      松川 道哉君
        農林省蚕糸園芸
        局砂糖類課長  田中 宏尚君
        食糧庁業務部長 森  重弘君
        通商産業省鉱山
        石炭局鉱業課長 佐藤淳一郎君
        運輸大臣官房観
        光部長     住田 俊一君
        大蔵委員会調査
        室長      末松 経正君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十三日
 辞任         補欠選任
  中川 一郎君     中島 茂喜君
  松本 十郎君     菅  太郎君
  吉田  実君     宮澤 喜一君
同日
 辞任         補欠選任
  菅  太郎君     松本 十郎君
  中島 茂喜君     中川 一郎君
  宮澤 喜一君     吉田  実君
同月十四日
 辞任         補欠選任
  吉田  実君     國場 幸昌君
同日
 辞任         補欠選任
  國場 幸昌君     吉田  実君
    ―――――――――――――
四月十三日
 付加価値税の創設反対に関する請願(石川次夫
 君紹介)(第二四一一号)
 同(石川次夫君紹介)(第二四九六号)
 同(石川次夫君紹介)(第二五八二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 石炭対策特別会計法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第三九号)
 沖繩振興開発金融公庫法案(内閣提出、第六十
 七回国会閣法第四号)
 空港整備特別会計法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第二一号)
     ――――◇―――――
#2
○齋藤委員長 これより会議を開きます。
 石炭対策特別会計法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。広瀬秀吉君。
#3
○広瀬(秀)委員 石炭対策特別会計法の一部改正法案の質問をいたしたいと思いますが、今回の改正案は、従来までの原重油関税収入を財源とする石炭特会に新たに石油勘定を設けて、石油をめぐる国際情勢がきわめて重大な時期を迎えている、こういうようなところから、石油の安定的な供給、そして低廉な供給、こういう最終目標を確保するために、いわゆる石油資源の自主開発の促進、あるいは備蓄体制、またエネルギー資源の多様化、こういうような問題点を踏まえて、それぞれこの特別会計の中に、名称も石炭・石油特別会計というように発展をさせて、当面の石油政策の増強をはかっていこう、こういうことだと思うのであります。
 そこで、きわめて常識的に考えまして、それでは同じ原重油関税収入、これは特別急激に何らかのかげんでふえるということが予想されたわけでもない、財源としては一つのものである、それをいままで石炭につぎ込まれておったものを石油に回していくということになりますと、ある程度エネルギーの消費の態様というようなものもどうしても石油中心で、石油は伸びるが石炭はだんだん減少してくるというような状況も踏まえて――しかしながら、石炭鉱業に働く労働者の数もまだ五万以上にのぼっているし、かつて石炭問題が非常に重要な政治問題になった例に見るごとく、まだ相当問題があると思うのであります。
  〔発言する者あり〕
#4
○齋藤委員長 静粛に願います。
#5
○広瀬(秀)委員 将来のエネルギー資源がどうあるべきかというような問題とも関連して、石炭がどういう地位を占めるのか。そして石炭に関するいろいろな施策がこの特別会計を通じて行なわれてきたわけでありますが、そういう方面が非常に手を抜かれるというかおざなりになってくるのではないか、こういう疑問が当然に出てくるわけであります。そういう点についてどういう構想を持ち、そういう点では心配のない状況にあるんだ、こういうことが明らかにされなければならないと私はまず思うわけであります。したがって、今後の石炭の需給の見通しなり、あるいはまた今日までやってまいりました石炭関係の諸施策というものが、内容的にあるいは質的に――量的には若干の後退がどうもありそうでありますけれども、それらの問題も、あるべきエネルギー資源政策の姿としてこうなんだということが確信を持って示されなければならないし、それに付随する今日まで続けてこられた諸施策というものが完全に維持されていく、こういうことがなければならぬと思うのでありますが、その辺の事情について、まず、われわれが納得できるような、安心できるような御説明を伺いたいと思うわけであります。
#6
○大倉政府委員 ただいまの御質問の要旨は、一つの特別会計に、勘定を分けるにしても入れてしまったので、将来石炭政策の財源はだいじょうぶなのかという点が一つあろうと思うのであります。この法律では、ごらんのとおり、両勘定への歳入の配分は予算できめるということを原則といたしております。ただ、従来から、御承知のように、石炭だけの特別会計がございまして、その特別会計で原重油関税収入の全部を使っておったわけではございません。いわゆる十二分の十相当額を財源として石炭対策を行なっておったわけでありまして、残りの十二分の二は一般財源として一般会計に入って、一般会計で石油対策費をまかなっていたわけでございます。今回新会計をお願いいたしまして、今後の運営を考えてまいるに際しましては、石炭につきましては、従来の慣習として、さらにこれは二年期限がございまして、この点も考えまして、暫定的に、二年間は従来どおり十二分の十相当額を石炭対策に振り向けるということを附則で規定いたしております。それでは三年目以降はどうなるかという問題でございますが、これにつきましては、御承知のとおり、現在石炭鉱業審議会の体制委員会におきまして、まさしく御指摘の点を中心といたしまして、今後の石炭産業というものが日本のエネルギー総体の中でどういう地位を占めるか、どれだけの石炭をどうしても国内で確保すべきであるか、その需要はだいじょうぶかという点を鋭意御審議いただいております。結論が出るまでにもう少し時間がかかるようでございますし、なお、必要あれば通産省のほうから詳細御説明があろうかと思いますが、今後の問題は、その答申を見まして、石炭対策としてどの程度のものをやるべきであるのか、それが財源的にその特会の中でどうなるのかということを慎重に検討してまいりたいというのが、現在の私どもの考え方でございます。
#7
○青木政府委員 ただいま大蔵省のほうから御説明がございましたけれども、将来の長期対策について、若干補足的な説明を申し上げます。
 現在やっております石炭政策は、昭和四十四年から実施しております第四次政策ということになっておりますけれども、昨年の初めごろから関係各界のほうで、第四次政策を見直して新しい長期政策を考えろという御要望が非常に強くなりまして、それを受けまして、私どものほうでは、昨年の九月から石炭鉱業審議会の中の体制委員会という場を持ちまして、そこで鋭意新しい長期的政策というものの策定に当たっておるわけでございます。昨年九月からいろいろ審議いたしまして、ことしの三月三十一日に石炭鉱業審議会を開きまして、将来の石炭産業の需給はどうあるべきかという議論をしていただきまして、昭和五十年度において二千万トンを下らない水準の需要を確保するよう政府に対して要望するという決議をいただいておりますので、この数字をベースにいたしまして、今後この二千万トシを下らない需要を確保するとともに、それに見合う生産をするためにはどういう施策が必要かという政策論議にこれから入るところでございます。この水準を維持しますためには、現在までの企業対策費というものをある程度増額の必要もあろうかと思いますし、それから、この従来の石炭対策の中で、今後長期計画に基づいて実施しなければならない鉱害対策費もございますし、現在まで疲弊をいたしております産炭地振興のための対策費というのもある程度漸増してくることも考えますと、相当の金額が対策費として必要であるという結論になることが予想されますが、そういう対策の論議を全部待ちまして、今後この特別会計の中から石炭のために必要な対策費の財源を確保するようにということでまいりたいと思っております。
#8
○広瀬(秀)委員 原重油収入のうち、従来も十二分の十は石炭に回し、十二分の二を石油に回しておった。こういうことをそのまま延長しているんだからそうたいしたことはないと、こういうわけでありますが、この石炭特別会計で、今後石油勘定を入れてやっていくということになりまして、しかも、五十年度に石炭の産出量も、かつて十年前三池争議を中心に日本の炭鉱関係、石炭問題が非常に大きな社会問題で、政治問題になって、将来のエネルギー資源の、国内にたった一つ比較的埋蔵量も豊富な唯一の資源だ、こういうようなことで、いわゆる有澤委員会が当時、十年ほど前だと思いますが、五千万トン確保しようという線を出され、これはなお記憶に新しいところであるけれども、今日ではもうすでに二千七百万トンから三千万トンぐらい、これは数字は、四十六年度の見通しでどのくらい産出量があるのか、これもあとで明らかにしていただきたいけれども、こういうことで、いまのお話ですと、五十年度では二千万トンを確保しよう、こういうことだそうでありますが、将来この石炭産業というものは一体どうなるのか、エネルギー資源の中で。地下に人間と機械がもぐって採掘をやるという点、それはもう石油と違ってどうしても避けられない問題だと、人類社会の進歩とともにそういう形態が、石油に石炭がだんだん道を譲って、これは衰退の一途をたどる、そういうもので、やがては消えていくと、こういうようなものなのか、あるいはこれはこれなりの、やはりエネルギー資源としての、あるいは化学工業等の原材料として生かす道を考えられていくのか、そういう根本問題については、一体通産省としてはどのような見解を持っておられるのか、その点を確認をいたしておきたいと思います。いかがですか。
#9
○青木政府委員 ただいまの御質問のうち、まず最初に数字のことをお答えいたしますが、昭和四十六年度の石炭の生産は、三千百七十二万トンでございます。それから四十七年度の生産見通しと申しますか、今年度の生産見通しは二千七百五十万トンでございます。
 将来どう考えるかという御質問でございますが、やはり唯一のエネルギー資源でございますので、これをなるべく維持したいという点は私どもも考えておりますが、しかしながら、こういう自然条件に依存するエネルギー産業でございますので、あらゆる山をいかなるコストを払っても維持するということではなくて、ある程度経済性をも加味しつつ、なるべくいい山を残していく。非常に自然条件の悪化した山を全部どの山も維持するということは、現在の経済体制では困難かと思われますので、極力コンパクトな形で、しかし貴重な資源であるので、ある程度のものは残していくという方針で進んでまいりたいと思います。そういう意味で、五十年度の二千万トンという需要を確保いたしまして、その後どうなるかというお話でございますが、これも審議会で議論していただくべき事柄でございますが、若干の助成をしつつ、なるべくたくさん残していくという方針で審議をしていただくように私どもは考えております。
#10
○広瀬(秀)委員 五十年の段階で二千万トンを確保する、これはどういう判断の根拠があってこういう数字が出るのか。いまおっしゃったように、どんな石炭鉱山でも残すという、そういうことではないんだと、いわゆる今日の経済情勢の中に生き残っていける、採算ベースに乗れる、そういうものだけをめんどうを見ていくというか、残していくというか、そういうことにするとこういう数字になる、これだけのことでございますか。その他、こういうものを算定するには、やはりそれなりの合理的な、経済全体の中における、あるいは総合エネルギー体系の中における合理的な根拠というものはやっぱりあるだろうと思うのですが、そういう点ではどういうことになっておりますか。
#11
○青木政府委員 この二千万トンが出てまいりました経緯について簡単に申しますと、昨年需要業界から、昭和五十年度における石炭の需要はどれくらい見込まれるかという希望数字と申しますか、需要業界側からの数字をとったわけでございますが、これを積み上げますと、約千五百五十万トンという数字が出てまいったわけでございます。私どもも全然需要のない石炭を生産するわけにはまいらぬということでございますが、石炭業者のほうでこれだけ売りたいという逆の、供給側からの数字をとりましたところ、それが約二千八百万トンであったわけでございまして、現在の生産規模、今年度を見ますと二千七百五十万トンでございますので、これが一挙に五十年度に千五百五十万トンまで縮小するということであれば、単にいい山を残すということではなくて、なだれ閉山と申しますか、もっと低いところまでばたばたと企業が倒れていくというなだれ現象が生ずるおそれもあるという御意見が非常に強うございまして、もう少し需要側に協力をしてもらって、自然条件の悪い山が徐々に倒れていくのはしようがないにしても、なだれ的な閉山は防止すべきだという議論が審議会でございまして、通産省としてもう少し努力をして、需要家側の協力を要請し、その二千万トンの需要を確保して、それに見合った生産をできるような政策を考える、こういう議論の過程で出てまいりましたのが二千万トンの数字でございます。
#12
○広瀬(秀)委員 おおよそのところはわかったわけでありますが、そこで、いままでの石炭特会の歳出の主要内容、すなわち、これは石炭関係の施策そのものでありますが、炭鉱整理促進費、石炭鉱業生産体制改善対策費、石炭鉱業経理改善対策費、石炭需要確保対策費、石炭鉱業保安確保対策費、石炭鉱業合理化事業団補給金、鉱害対策費、産炭地域振興対策費、炭鉱離職者援護対策費、産炭地域開発雇用対策費、国債整理基金特別会計への繰り入れ、予備費、というようになっているわけですが、こういう非常に項目の多い、十項目以上にも及ぶこの対策費というものが特別会計に計上されておったわけでありますが、この内容等については、いままでの基準というか、援護の基準というか、あるいは補助の基準というか、こういうようなものは全然後退させるというようなことはなく、いままで確立されたルールどおりに、今後も自然的にだんだん生産が縮小されていくという傾向は免れがたいことであるけれども、そういう点では何の心配もない、いままでどおり実施をしていく、こういう形になるわけですね。その点を伺います。
#13
○青木政府委員 現在やっておりますのは、御指摘のとおりいろいろな項目があるわけでございますが、これから政策論をやるわけでございます。これからの政策論で、いかなる対策をとるのがいいかという点は今後議論されるということになっておりますが、私どものほうとしましては、二千万トンを維持するためには、政策の体系とかその費目とかはだいぶ変わるかもしれませんけれども、ある程度、二千万トンを確保するためには現在程度を上回る対策を講じなければ二千万トンの生産を五十年度に確保することはむずかしいと考えておりますので、後退という線ではないように考えております。
#14
○広瀬(秀)委員 二千万トンを確保するということは、かなり重大なというか、強い決意をもっておやりになることでございますか。したがって、いまの答弁のように、時代の変化に応じてむしろ強化をする面は、やはり非常に特殊な、労働者のサイドから見た場合でも、地下に深くもぐってこの仕事をするというようなことですから、そういうものがやはりりっぱに、喜んでやっていけるような体制というものを、時代の進展とともにいままで以上にそういう面についての配慮というようなものが加えられなければ、これはなかなか維持されない産業であるという面を持っていると私は思うのです。そういう面などを考慮して、そういう面についての裏打ちというようなものを考慮して二千万トンを確保していくんだ、このようなふうに理解をして、積極的にむしろ増加をすることによって二千万トンを確保する、そういうことも含んでの御答弁だと伺うわけですが、そのように理解していいわけですか。
#15
○青木政府委員 政策面につきましては、これから審議会で議論いたしてもらうということでございますので、事務当局としてはそこの審議にゆだねたいと思いますけれども、私どもが試算する限り、二千万トンを確保するというのは相当の金が要るというふうに判断しておりますし、御指摘のような点についても審議会で十分配慮して議論していただくように持ってまいりたいと思います。
#16
○広瀬(秀)委員 この石炭問題、よく炭鉱地帯に参りますと、親の代からもう三代にわたって炭鉱で働いている。かつてはもう日本の経済をささえた、まさに黒いダイヤと言われた時代もあるし、あるいはまた戦時中などは、これこそもう全く非人間的な扱いまで受けながら苦しい時代を働き抜いてきた労働者、そしてその家族、子孫というようなものが非常に多いわけでありますから、そういう点では十分な対策というものをやはり今後も続けていかなければならない、こういう基本的な立場というものはぜひひとつ尊重してやっていただきたいと思うのですが、いかがでございますか。
#17
○青木政府委員 御趣旨十分体しまして、審議会で十分な議論をしていただきたいと思います。
#18
○広瀬(秀)委員 主計局に聞きますが、原重油関税収入の十二分の十、十二分の二というこの割り振りについては、予算の定めるところによりということでこういうことになっているわけですが、この資源配分の比率ですが、これはことし限りでございますか。あるいは将来どういうようにその点で財源の配分の問題についてお考えになっておるのか。この点を明らかにしていただきたい。
#19
○大倉政府委員 ただいま御審議をお願いしております法律案の附則で、今後二年度にわたりまして、四十七、四十八、この二年度につきましては、いわゆる十二分の十の比率を石炭産業の歳入とするということをきめていこうとしております。四十九年度以降がどうなるかという問題でございますが、これは関税収入そのものが実は四十八年度で暫定期限が切れるわけでございます。四十八年度末までに、それ以後の原重油関税の課税をどうするのかという問題をあらためて御審議いただかなくてはなりません。それがふえるのか、まあ原重油関税のようなものは減税をすべきであるというような御議論の方も非常に多うございますが、それは関税審議会で十分御検討いただかないと、いまから事務当局がちょっと予断をいたすわけにはまいらないと思います。総額がそのように、若干今後の検討にまつべきところがある。
 さらに石炭対策の内容が、ただいま通産省から御説明がありましたように、現在鋭意検討を続けておりまして、いままでどおりのことであるのか、あるいは各種の項目の中で相当大きな変化になって出てくるかという問題もございます。また、石油のほうは、おそらくは今後石油対策としての財源需要というものがある程度伸び続けるのではないかという予測もございます。それらすべてを含めまして、四十八年度末までにはぜひそれ以後の財源配分のあり方を関係方面の十分な御意見をいただいてきめてまいりたいと思っております。したがいまして、政府としましては、予算で分けるという制度にいたしておきまして、十分国会で御審議をいただくということを予定いたしておるわけでございます。
#20
○広瀬(秀)委員 通産省に伺いますが、四十八年度までは大体関税収入も、輸入量の増大によって関税定率法による税収入もそれほど急激な変動というものはない。そして大体大蔵省の意見でも、十二分の十、十二分の二という配分は四十八年までは続く、こういうことでございますが、四十九年度以降、先ほどの五十年二千万トン確保という目標を年次的に達成していく際に、どのくらいの――四十九年、五十年というように、あるいは五十一年、五十二年、この特別会計法全体が五十二年までということでありますから、四十九年度以降この会計が五十二年に廃止をされるということになっておるわけですけれども、その間の、これらの先ほど申し上げた項目を全部読み上げて、予備費とか国債整理基金特別会計というようなものへの繰り入れ、この繰り入れまではいいといたしまして、そうすると、十一項目にもなるわけだけれども、こういうことについてどれくらいの財源を必要とされるのか。その財源は、もう二年先になると全くお先まっ暗でわからぬのだ、こういうことなのか。あるいは、いままでどおり原重油関税収入というものがこれに回されるのだということなのか。そういう将来の展望というものについて、この石炭対策についてどのような見通しを持っておられるのか、その点伺っておきたいと思います。
#21
○青木政府委員 四十九年度以降につきましては、ただいま大蔵省から御説明ございましたように、暫定関税がどうなるかという問題が残っておりますけれども、私どもの財政需要のほうから申しますと、四十九年度以降急激に石炭対策費が要らなくなるという事態にはならないように予想しております、需要の面からだけ申しますと。したがいまして、向後四十九年度以降につきましては、財政当局をはじめ各方面の方々と十分御相談をしつつ、その財源をどう確保するかという問題もあわせて検討してまいりたいというふうに考えております。
#22
○広瀬(秀)委員 大蔵省の主計局の話では、関税収入をいままで特定源財にしてきただけに、これがどうなるかということが、四十八年までが現行制度だということになれば、その先はわからぬのだという答弁なんだけれども、この石炭対策あるいはまた今回石油を加えて、こういうものにこの関税収入を充てるんだというこのことについては、財政制度審議会でも一応の疑問が提起されておるわけですね。特定財源という形で、特別会計をこのような形でやることは、決して好ましい姿ではないのだという、一般理論としてはそうだ。しかし、いままでこういう石炭対策にその金を特定財源として回して、特別会計をつくっておった、それに新しく石油勘定を設けて石炭・石油特別会計ということにするのは考慮に値するんだ、こういう表現で財政制度審議会はいわれておるわけですね。この財政制度審議会が好ましくないということと、そして、しかしということで、考慮に値するということで今度この改正になったと思うのですが、その根本の問題については、大蔵省としてはどのようにこの答申の意のあるところを把握をされ、理解をされ、この答申を今後どう生かしていくおつもりなのか。あるいは、この特別会計法審議にあたっての一つの重要な問題点だろうと思うし、特別会計のあり方、それからその財源を特定して特定の目的に向けるということ、こういう問題についての大蔵当局の考え方をお示しいただきたいと思います。
#23
○大倉政府委員 財政制度審議会の答申は、ただいま広瀬委員御指摘のとおりで、私どもといたしましては、やはり一般論として考えます限りは、特定財源というものは望ましいものではない、それは一般論としては大蔵省の立場は変わらないと考えます。
 ただ、まさしくおっしゃいましたように、しかしというふうにうしろへ続いているわけでございまして、原重油関税を石油対策及び石炭対策の財源として使うというものの考え方は、それなりに一理があるだろう。逆に申せば、石炭対策がある程度長期的な視野に立っての財源を確保する必要があり、石油対策についても長期的な観点から財源を確保する仕組みを考えておくという必要性が残る限りは、原重油関税は年期限でございますから、本来関税負担がないほうが望ましい原重油というものについて関税を賦課していく、それをエネルギー対策の財源として用いるという考え方を、全く否定し切るというつもりはございません。
 率直に申し上げまして、関税率審議会のほうでは、私がただいまちょっと触れましたように、そもそも原重油というものは関税をかけないほうがいいんだという強い御議論はございますが、財政を持っております主計局のほうとしましては、少なくとも石炭石油対策がある程度の期間にわたってかなりの財源を必要とする限りにおいては、何らかの形で原重油消費者にその財源を持ってもらうという考え方は、引き続き採用してまいりたい、かように考えております。
 なお、若干補足して申し上げますと、暫定関税率は二年で切れますけれども、切れたあと、もし何らの立法がございませんでも基本税率は残るわけでございますから、その制度の仕組みといたしましては、四十九年以降も、かりに暫定税率が切れてそのまま関税の本法のほうに戻ったといたしましても、財源としてはそれをここに用いるという仕組みにすでになっておるわけでございます。
 ただ、その点は四十八年末までに関税率の審議会の御審議をお願いし、いまの暫定税率のままでいくのか、あるいは場合によっては増税する必要があるのか、あるいは減税をしてもまかなえるのかということを十分御審議いただきまして、関税関係の法規の改正案として、それはそれとしてまた今後の委員会で御審議をいただきたい、かように考えております。
#24
○広瀬(秀)委員 そこでもう一つ伺いたいのは、先ほど申し上げたような財政制度審議会の昨年十二月の答申、そこで原則的には好ましくないんだということ、このことと、この特別会計法を廃止するのは五十二年の三月三十一日だということとの関連というのは、どのようにとらえられておりますか。
#25
○大倉政府委員 やはり先ほど申し上げましたように、どういうことばがよろしいんでしょうか、未来永劫に原重油関税を用いて石炭石油対策をやるんだという考え方をとる必要はない。緊急性を考え、それから今後の見通しを立てながらものを考えていく。その場合には、やはり五年というのが一つの区切りであろうという考え方で御提案申し上げております。したがいまして、五年たちました五十二年末に必ずやめてしまうのかということでございますれば、それはそのときに考える。さらに何年かを延長して石炭石油対策を行なうべきであろうというふうに判断すれば、そのための改正案を用意いたしまして御審議をお願いするということになろうかと思います。
#26
○広瀬(秀)委員 そうしますと、特別会計全体について、現在四十幾つかの特別会計があると記憶しておるのですが一体幾つあって、それでこの特別会計制度を、廃止の期限を持っておるもの、持ってないものとに分けると、どういう数字になりますか。――あとで調べてその数字を明らかにしておいてください。
 そこで、いま主計局の答弁ですと、一応五年という、情勢の変化等を見越して五年ぐらいが適当であろうということで、五十二年の三月三十一日に廃止されるものとするという附則の規定になっているわけですけれども、通産省としては、今度石油勘定を新たに新設して、石炭・石油特別会計にした。将来石炭の問題についても、先ほどから論議しているような問題をちゃんと見ながら、そういうものはそういうものとして適切に処理をしながら、しかも今度は石油勘定というものがこの中でかなりウエートを占めてくるであろう、こういうような将来の石油資源対策という問題を中心にして、かなりこれは大きくなってくる部分ではないかと思うわけだし、また、石油がこの特会の中ではたしていいのかどうかという議論も新しく出てくる段階もあるだろう。そういう場合に、特別会計の中で五年ということが期待されておるわけだけれども、その後の考えは、通産省の立場においてエネルギー資源としての石油問題というものをどう位置づけ、国の施策を展開していくにあたってどういう形に持っていこうとされておるのか。この点の構想を、かりに五十二年の三月三十一日段階でこの今回の石炭・石油特別会計法というものがそれ以後廃止されたとした場合に、どういくことになるだろうか、あるいは、おそらくまた何年か特別会計の延長をしていくのがいいのか、そういう問題点について、通産当局としてはどのように考えておられるか、この点を伺いたいと思います。
#27
○飯塚政府委員 ただいまのお尋ねは、今後の石油政策に関連をして、特別会計の期限が切れたあと財源をどう措置していくかということであるかと思いますが、石油につきましては、御承知のように、年々わが国のエネルギーの中におきますウエートは高まっていくわけであります。総合エネルギー調査会の答申によりましても、昭和五十年度において、全体のエネルギーの中で石油の位置としては七三%を占める。昭和六十年度におきましては、石油の消費量というのは、六億五千万ないし七億二千万という膨大な量にのぼるわけでございまして、この時点におきましては、原子力の開発がかなり進むことが見込まれますので一その分だけ若干石油のウエートは減りまして、六七、八%くらいということになっております。それにいたしましても、絶対量としては非常に大きく伸びるわけであります。
 こういう膨大な量の石油を確保するためにどうするかということが、問題になるわけでございます。私どもといたしましては、当面この特別会計によりまして、五カ年間海外の石油資源並びに天然ガスの探鉱開発というものに重点を指向していきまして、その推移を見た上で、この特別会計廃止の前に、拡大して存続すべきかあるいは廃止してもいいのか、そこら辺を検討する必要があると思いますけれども、正確にはその時点で判断すべき問題だと思いますけれども、一応私の個人的な感じだけから申しますと、今後の石油開発の重要性というものはますます高まってくると考えられますので、おそらく五年間だけで特別会計がもういいということにはなりにくいのじゃないかというふうに考えております。
#28
○広瀬(秀)委員 将来のことですからその程度にしておきますけれども、またあとで伺います。
 この法律の附則の八でございますか、石炭対策費中、炭鉱整理促進費補助金、炭鉱離職者就職促進手当に要する経費の額に不足する金額を限度として、石炭勘定の負担において借り入れ金ができるという規定がありますね。これは今度の石油勘定を新設したこととにらみ合わせて、こういう不足する事態というようなものはきわめてあり得ることとして予定されたことになるわけなんですか。この附則八を設けた理由について、伺いたいと思います。
#29
○青木政府委員 この項目は、両方とも閉山に伴って必要となる経費でございます。閉山と申しますのは、私ども大体自然条件から見てこの程度の山が本年度中に閉山をするであろうという予測をつけておるわけでございまして、御承知のとおり、石炭産業は、地下の資源を掘っておる産業でございまして、ときとして思わざる大きな事故がある場合もございます。それから自然条件が思わざる悪化をする場合もございます。そういう不測の閉山が生じた場合に、これに伴う閉山に要する費用とか離職者対策の費用とかと申しますのは、一応われわれが予定している閉山量に見合って組んでございますので、そういう不測の閉山が出た場合に対処できるように、一時借り入れができるという規定を特に設けてもらったわけでございます。
#30
○広瀬(秀)委員 これは、四十七年度において特段の意味があるわけではないのですか。
#31
○青木政府委員 特段の意味はございません。それから、石油勘定ができたことと直接関係はございません。
#32
○広瀬(秀)委員 質問を改めますが、とにかく日本の一次エネルギー資源の中で七〇%以上を占めている石油、そうしてしかも九九・五%までは海外依存である、しかもそのうち九〇%が中東依存である、しかも世界で第二の石油消費国であるという、これは全世界に例のない、日本の特別な石油事情だと思うのです。日本をめぐる石油問題の特徴であろうと思うわけなんですが、そういうところで、石油をめぐる国際情勢も、最近になってOPECの民族主義的な台頭、これは産油国としては、当然今日の国際石油資本からの、ことばは適切かどうかわかりませんが、非常に搾取をされて、産油国必ずしも豊かではない、貧しい状況にあった。これで世界がエネルギーが十分に供給されて、経済、文化も発展をしてきている。言うならば、産油国のOPEC諸国の犠牲の上に経済繁栄をしたという面もあるわけだから、そういうところにある程度のナショナリズムというものが台頭したり、あるいは国営にしようというような動きが出たというようなことも当然だし、またその人たちが、それらの国の国民が、生活向上を願うということも当然だろうと思う。そういうようなことになってくると、これらが団結して非常に強固な地位を築いてくるということも、これも大勢のおもむくところやむを得ない状況だと思う。そういう問題がある。これは端的には、原油の値上げというような問題、値上げ攻勢ということになるわけであります。しかも国際情勢も必ずしも平和でばかりはない、スエズの閉鎖というような問題なんかも入ってくる、こういう中で、日本のようなそういう状況にある場合に、石油資源対策という問題は非常に重大だと思うのです。これはまさに国策として十分考えていかなければならぬ問題だ。そういうようなことから、今度の特会法の改正、あるいは一連の、石油開発公団法の改正とか、あるいはパイプラインの設置の問題であるとか、こういう問題が、この特会を含めて石油関係三つだと思うのでありますが、一斉に出てきたというようなことも、そういうことを反映しているだろうと思うのであります。
 通産省にまず聞きたいことは、このような状況にある日本の石油資源政策の基本的な課題というものを、これは復習するようではあるけれども、この際はっきりお示しをいただきたい。石油資源政策における基本課題は一体何なのかということを、はっきりここでさせておいていただきたい。
#33
○飯塚政府委員 現在の石油をめぐる国際情勢は、非常に緊迫の度を加えておることは、御指摘のとおりでございます。かねてから石油政策につきましては、石油の安定的かつ低廉な供給の確保というのがわが国の石油政策の大前提であったわけでございますが、最近のような国際情勢に対処いたしまして、安定確保というのはより重要性を帯びてきたというふうに考えておるわけでございます。もちろん低廉の問題も無視されるわけではございませんけれども、ただ絶対額として原油の価格が安く入るという時代は、あるいは若干変わってきたのじゃないかというふうに考えております。したがいまして低廉というのも、絶対額が安いということではなくて、わが国として相対的な意味でできるだけ安く原油を確保できるというふうに考えるべきだと思います。そこで、安定かつ相対的な低廉な石油の確保ということにつきまして私ども考えておりますのは、何といいましてもわが国は九九%を海外からの輸入に仰いでおるわけでありますが、海外におきまして原油の開発に何としてでも乗り出していって、石油生産国の一員になっていく必要があるということでございます。
 このために、今回お願いしております特別会計によりまして、財源の確保と同時に、石油公団の機能の強化等によりまして、そういう準備を進めておるわけでございますが、同時に安定の面におきましては、産油国からの供給停止その他の一時的な混乱等も考えまして、わが国といたしまして、緊急備蓄というようなことも真剣に考えていかなければならぬかと思います。備蓄にも関連いたしまして、わが国の開発につきましては、海外諸外国において開発すると同時に、わが国周辺の大陸だなにおける開発の意義も、また大きくなってきたのではないかと考えます。
 以上のようなことが、当面石油政策の一番重要な問題だと考えております。
#34
○広瀬(秀)委員 そこで、特に安定供給という面で、石油の埋蔵されている地帯、一番手っとり早いのは中東だということで、アラビア石油はこれに山下太郎さんが一応成功したわけですね。いま、その石油資源の開発を日本の企業で進めている。そういう立場に立って、石油が一体どこにあるかということを探鉱をし、そして試掘をし、日本の資源として海外において確保をして、まさに安定供給の要請にこたえられる、こういうことは非常に大事なことだということは、だれしも異論のないところなんですね。そういうところに非常に目を向けて、四十一年あたりからたくさんの日本の企業が海外石油探鉱開発をやっておる。
 これは調査室のほうから提出された資料ですが、数えてみますと、二十四の企業があるわけですね。イラン石油、合同石油、エジプト石油、アラビア石油、カタール、コンゴ、アブダビ、中東石油、東南アジア石油開発、北スマトラ、以下ずっとあるわけなんですが、その中で、こういうようにたくさんの個別企業がみなやっているわけですね。百億をこえているなんというのは、二つぐらいしかない。十億をこえているのはかなりあるわけですけれども、また二億とか四億とかいうような十億未満の企業も四つぐらいあるのですね。そういうようなものがひしめき合って、個別企業として、探鉱の仕事というのは非常に資金が大量にかかるということで、きわめてリスキーな企業である。こういうようなことでありながら、こういう個別企業――これはこの中身一つ一つ、私も専門家でないものですからよく知らないのだけれども、こういう程度のことでは、自主開発、安定供給という大きな国家的目標にしては、あまりにも無秩序、あまりにも規模も小さい。そして横の連絡、縦の連絡というもののない企業の形でこういう仕事をやっているということについて、非常に疑問を持つわけなんです。詳しいことはわれわれはわからない。こういうことでいいのかどうなのか。これで十分な石油の安定供給――しかもおそらく二十一世紀になれば原子力エネルギーが相当いまの石油にとってかわるようなことになるかもしれませんけれども、少なくとも二十世紀後半、七〇年代から八〇年、九〇年というこの年代においては、まだまだ石油の占める地位というものはおそらく変わらぬだろう。いまの日本の場合でも、総エネルギー、一次エネルギーの中で約七〇%だということは、まあわずかに何%かぐらいは原子力エネルギーの開発によって減退するかもしれぬ。しかし、その程度だろうということがいわれているわけですね。
 そういう場合に、こういういまの形でいいのかどうなのか、これについての見解というものを、そしてまた、こういうものをどうしていくのだというかまえ、指導性、政策というものをはっきりお聞きをいたしておきたい、このように思います。
#35
○飯塚政府委員 従来石油開発につきましては、リスクの分散という点を考えまして、プロジェクトごとに個別会社が設立されておった例が非常に多いわけでございますが、そのために、先生御指摘のように三十近くの会社がひしめき合っているようなかっこうになっているわけでございます。また資本金等につきましても、予想外に少ないということがあるわけでございます。これは確かに、危険分散という点から考えますと、一つのいままでの石油開発企業のあり方であったかと思いますけれども、ただその裏に、悪く申しますと若干危険をおかして一獲千金を夢みるというような感じもなきにしもあらずというような感じもいたしますので、今後長期的にわが国の石油を大量に開発し、確保するという点から考えますと、現在の開発会社のあり方についでは、反省すべき点が非常に多いと私ども考えておる次第でございます。何と申しましても、規模の大きい会社にできるだけ持っていく必要がありますし、また各社の間の技術的な陣容その他につきましても、必ずしも十分と考えているわけではございません。そこで、いまございます会社につきましても、それから今後開発に乗り出していく会社につきましても、できるだけ一体化の推進ということをはかっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
 現にそういう機運はかなり顕著に出てきておりまして、たとえば昨年の暮れからことしに入りましても、三菱石油開発という三菱系のグループの一つの石油開発の統括会社的なものができ上がりまして、これが中心になって、従来から三菱系の各社の総統括的な機能を果たしながら開発に当たっていくというようなこともありますし、それから電力、鉄鋼等が出資をしてつくっております会社が従来幾つかあったわけでございますが、これも海外石油開発株式会社ということで、統括会社の機能を営むということで、すでに発足を見ておる次第でございます。私どもは、こういう各社の総合化、統括化の機運をできる限り助長しながら、わが国の石油開発企業の内容の充実と規模の拡大にとめてまいりたいというふうに考えております。
#36
○広瀬(秀)委員 イタリアあるいはフランス、西ドイツ、それぞれにやはり、これは日本ほどではないけれども、石油源は、フランスなどではほとんど日本と同じような八%、ドイツあるいはイタリアなどでは日本よりも三%とか六%くらいは国内で産出するというようなことがあるけれども、そういうところでも、たとえばイタリアではENIという国営企業を発足させてやっておる。あるいはフランスではERAPですか、こういうものがつくられて、本格的な国策としての石油資源とまつ正面から真剣に取り組んでいる姿が見られるし、あるいはまたドイツにおいてはデミネックスですか、これは民間八企業統合して強力な企業体をつくった、こういうような例があるわけです。日本でも幾らかそういう方向に向いてきて、三菱石油が、ということは新聞などにも報道されておるわけだけれども、そしてそういう方向に進みたい、こういう気持ちは表明はされるんですが、具体的にどういう施策を通じて――たとえば石油公団というものができた。それで、いままで個別の民間企業にただ投融資をしてやる、あるいは機械を貸与してやる、探鉱についての調査をお手伝いをしてやる、地質調査なども国内の資源開発という面では調査をしてやるというようなことをやってきただけであって、個別企業に対するわずかばかりの援助、こういうようなことであります。
 今度業務の範囲を拡大して、可燃性ガスというものを、これは公害とも関連して、サルファのない、空気を汚染しないエネルギーとして新しく見直されてきたということで、それも今度は公団法の融資対象に繰り込もうというようなことになったり、あるいは地質調査なども自前でやるというようなことにもして、業務内容を拡大している。こういうようなことにはなっているけれども、これはやはりいままでの石油政策の場当たり主義というか、きわめてびほう的な立場というものの延長路線上の問題であって、ENIとかERAPとかいうような形で強力な資源確保の体制というものをつくったそういう諸国と比べてみたら、まことに貧弱であって、これはまことに取るに足らない、問題にならない、こういうようなものではないかと私ども見るわけなんですけれども、具体的にどういう形で今後の石油資源の安定確保という問題を――開発の時限において、その備蓄の安定性という問題では備蓄の問題もあるということも、当然これはあとから問題にしますけれども、そういうものを一応抜きにして、資源確保、開発、こういうような問題の中で一番そこが問題なんですから、そしてこれは六〇年代と七〇年代における可採年数の問題とも非常に関係があると思うのですが、そして需要量はとめどもなく増大をして、先ほどあなたが数字を示されたように、六〇年代では六億五千万トンから七億二千万トンというようなたいへんな状況になる、こういうことでありますから、こういう見通しの上に立って、いま石油公団法の改正なりあるいは石炭特会法の改正なりというもの、が、そういうものを踏まえた上での構想であるとは、どうもわれわれ腹に落ちかねるものをどうしても感ずるわけなんです。
 したがって、そういう点について、具体的にどういうような方向を目ざして、そういうたとえばENIかあるいはERAPのような国営的なもの、あるいは民間企業を強力に結集をするような指導性を発揮して、そういうデミネックス的なものにいくのか、こういう問題についても明らかになっていない。やはり先ほど申し上げたように、今度の特会法の改正でも、あるいは石油開発公団法の改正も、ほんとうにそういう新しい状況を踏まえた上での抜本的な改善だというようには受け取れないんだね。だから、その辺のところはどう今後指導し、どういう構想でいかれるのか。いまのままでは私どもはどうにもならぬじゃないかと思うわけなんですが、その辺のところはどうなんですか。
#37
○飯塚政府委員 ENI、ERAP等の国策会社によります石油の開発というのは、非常に明確な形で国家意識があらわれておるわけでございますが、わが国の場合におきましては、やはり石油に限らず、ほかの産業についても同じでございますけれども、民間のバイタリティーというものがこれらの国に比べてかなり強いように考えられるわけでございますが、こういう民間のバイタリティーをできる限り活用し、助長しながら、石油開発の目的達成に向かって進んでいくべきじゃないかというのが従来の姿勢でございましたが、こういった姿勢については、今後においても続けていく必要があるかというふうに私どもは考えている次第でございます。ただ、御指摘のように、いまのままそのままやっておいて将来のわが国の必要とする原油の確保に十分であるかどうかという点については、私ども十分検討する必要があるわけでございます。昨年の十二月に、エネルギー調査会の石油部会におきましても、この点について指摘がございました。わが国の民間企業の開発体制のあり方の問題、それからわが国におきましては精製と開発とが分離されて経営されている状態でございますが、そういう状態をそのまま続けておいていいかどうか、それから民族系の石油精製企業がいまのままの姿でいいか、今後これを集約化し、もっと強力なものにする必要があるのじゃないか等々につきまして指摘をされておるわけでございまして、私どももこれらの点はいずれも非常に重要な点だと考えておりますので、今後積極的にこれらの問題について詰めていく必要があると考えておる次第でございます。
 なお、民間のバイタリティを中心といたしながら、これに対しまして石油開発公団が資金面、技術面その他の面で積極的にお手伝いをしていくということは、必要だと思います。特にわが国の場合には、技術の面でほかの先進石油開発国におくれをとっておる状態でございまして、技術者の確保の問題と、それから物理探鉱その他の技術の向上につきましては、特にこれから力を入れていく必要があるというふうに考えておるわけでございまして、この点につきましては、四十七年度予算におきましても、石油開発公団の中に技術センターというものを付置いたしまして、外国の技術の導入とか、外人の技術者を招聘してその指導を仰ぐ、そういったようなことを通じまして、技術者の育成並びにわが国の物理探鉱の解析等の技術の向上に主要な成果があがるように措置したいというふうに考えておる次第でございます。
#38
○広瀬(秀)委員 どうもその程度の説明では、やはりまだまだ――わずかの部分については改善であるけれども、ほんとうに激増する石油の安定供給を確保する、そのために自主開発による資源を確保するという体制としては、きわめて弱いものであって、従来のやつを幾らか改善しながらということで、言うならばいままでの延長路線の程度であるという考えなんですが、これはまた午後、通産大臣が来たときにお伺いしたいと思うわけですけれども、一体こういう状況でやっている石油探鉱の成功率、こういうようなものは、世界のメジャーや国際石油資本やあるいはENIやERAPあるいはデミネックスなんかがやっているそういうものとの間でやはりかなりの差があるんじゃないかと思うのですが、その辺のところはどうですか。成功率というか、そういうもの。これは情報の重要性というものも技術とともに大事なことだと思うのですが、それらについて、日本のこれらの開発企業は非常に劣っているのだろう、情報においても。したがって、成功率も非常に低いんじゃないかと見られるわけなんですが、その辺はどうなっておりますか。
#39
○飯塚政府委員 現在までの、六三年から六七年におきます実績だけをとりますと、幸いにしてわが国の成功率というのはかなり高いものになっておりますが、現在のところ成功率は約一割で、これはメジャー等の成功率から見ましても高い。しかしながら、わが国の技術、それから情報収集力がメジャーにまさっているということは、絶対あり得ないというふうに私ども考えておりまして、これはごく短期間の実績だけをとってたまたまこうなったというふうに考えております。確かにまだまだ技術力、情報収集力について努力しなければいかぬというふうに考えております。
#40
○広瀬(秀)委員 成功率は比較的高いということのようでありますが、この成功率という中で、何件、何カ所をやって、そのうち試掘に成功した、そしてそこから原油が噴出した、こういうことであろうと思うのですが、それではその原油が、成功をおさめて、自主開発資源として、日本の資源として国内に持ってこれる、こういうことにならなければならぬし、しかもそのことによってやはりいわゆる輸入の中の、ことばがどういうふうに使ったら正確なのかわからぬけれども、アラビア石油が入ってきた。これは日本の資本が、日本の企業が成功して、それを自主開発によって資源が獲得された。そういう面で、これはかなり成功をおさめた例なんだけれども、なるほど試掘は何カ所行なって、何カ所成功したからということであって、それが現実にどれだけの量があり、そして現実に国内に自主的資源として供給されてくる、こういうようなことを含めて成功率が高いということが言えるのかどうか。したがって、外国資本あるいはメジャー、あるいは最近ではOPECとの直取引というようなこともOPEC諸国も言っておるようでありますが、そういうことではなしに、日本が開発した資源を日本が持ってくる、そういう比率というものは、いままでのところはアラビア石油のわずかばかりのもの、これがどのくらい、何%になって、こういう形で探鉱をやり、試掘をやり、そして成功したということによって、そのシェアがどの程度高まっておるのか、こういう点から見たらどうですか。
#41
○飯塚政府委員 最近、日本が海外において原油開発に乗り出しまして、最も成功の著しいものはアラビア石油でございますが、アラビア石油は、現在のところ、わが国の原油の総輸入量の約一〇%を占めております。そのほかのプロジェクトにつきましては、成功確実と見られるものが幾つかあるわけでございますが、たとえて申しますと、アブダビにおきまして探鉱開発をやっておりますアブダビ石油、これは試掘に成功いたしまして、本年の夏から原油が輸入される見通しでございます。最盛期には、おそらく年間にいたしまして五百万キロリットルぐらいが入ってくるのではないかと考えております。これはあるいは二年ぐらい先になるかと思います。それからもう一つは、インドネシアにおきまして、インドネシア石油資源開発という会社が成功いたしまして、これも本年の末ごろには原油が輸入されてくる。このほうはやはり五、六百万キロ、平常の商業ベースで考えますと、その程度の原油が年間に輸入されることになるわけでございます。いずれにいたしましても、まだ現在までのところ、アラビア石油を除きまして、成功は見てはおりますものの、その規模はさして大きいものではないというのが実情でございます。
#42
○広瀬(秀)委員 ですから、私はむしろそのことを問題にするのであって、先ほどのそういう量、そして日本のその一割というのは、一体どういう一割なのかということを、非常に高い高いと言うけれども、まずはっきりさせておいていただきたいのです。
#43
○飯塚政府委員 試掘をいたしまして、その試掘段階において油が当たった率を申し上げている次第であります。ですから、一割というのは、これは日本に輸入し得る量とは関係がございません。日本の会社が海外において井戸を何本か試掘で掘りまして、そのうち当初当たったものが一割見当であるということを申し上げたわけでございます。
#44
○広瀬(秀)委員 そういう点では、なるほど成功率というのがそういう単純な意味では高いということがいわれるだろうけれども、しかし、その成功によってどれだけの埋蔵量の非常に有望なものが掘り当たったか。ただ油が出たというだけで、どれだけあるかわからない。ほんのちょっぴり、一年か二年やったらもうなくなってしまうというようなところでは、成功率、質が実質的に高いとは必ずしも言えないのじゃないか。そういうような問題を含めてやはり考えなければならぬだろうということだけ指摘しておきたいと思うわけです。
 それで、今度の特別会計の歳出の中で、石油開発公団関係が総額の中で大体九四%くらいなわけですね。したがって、石油政策、この会計法の歳出の中で九四%も占めておるということですから、やはりこの石油勘定については、石油開発公団に対するわれわれの審議も大部分そこに集中しなければならぬ当然の問題点を含んでいると思うわけなんですが、四十二年に設置をされてからどれくらい投融資をし、仕事をして成果をあげてきたのか。石油開発公団の仕事と成果というものについて、どのように通産省は把握されておるのか、この点を伺っておきたいと思います。
#45
○飯塚政府委員 四十二年度に設立されましてから毎年の公団の投資額を簡単に申し上げますと、四十二年度はまだ発足当初でございますから八億円でございますが、四十三年度五十一億、四十四年度六十七億、四十五年度百七億でございます。四十六年度は二百十五億円の投資額でございます。
#46
○広瀬(秀)委員 投融資の四十二年から四十六年に至る総額は、一体幾らなのか。それから探鉱及び採取に必要な資金の償還に対する保証額は、幾らだったのか。それから探鉱のために貸し付ける機械の取得額、あるいは技術指導地質構造調査、それらに四十二年以降四十六年度までにどれだけの金を使っておるのか、これをお聞きしたかったわけです。
#47
○飯塚政府委員 四十二年度から四十六年度末におきます公団の投融資額の総計は四百四十八億円ばかりであります。債務保証――民間企業が開発をやりますのに対して公団が債務保証をするわけでございますが、債務保証額は、トータルで二百六十億でございます。機械取得費は四十五億円でございます。地質構造調査につきましては、これは国の委託を受けて実施しておりますけれども、その分は三十六億円でございます。
#48
○広瀬(秀)委員 そうすると、やはり四十二年度−四十六年度間に約八百億に近い金を使っておるわけですね。それで探鉱、そして試掘の成功一〇%ということでありますが、投融資あるいはその他、債務保証をしたり、あるいは機械を貸し付けたり、調査を手伝ったりというようなことによって、具体的に幾つ試掘に成功をして、その試掘の成功によってどれくらい原油の自主供給というか、資源の自主的な確保が将来に向かって確保されたのか。開発量として、新しい資源の開発、石油の開発として、どのくらいこれで自主確保の石油がふえたのか。こういうことが私は成果だろうと思うのですが、その成果をひとつ数字で示していただきたい、こういうように思うのです。
#49
○飯塚政府委員 石油公団が探鉱に対しまして投融資をいたしまして成功したものは、先ほど申しましたインドネシア石油資源開発とアブダビ石油の二社でございます。この分につきましては、年間で両方合わせますと約一千万ないし一千百万程度の原油が開発され、日本に持ってくる可能性が出てきたということであります。そのほかのプロジェクトにつきましては、かなり成功の見通しが高いというものは、現在わかっておりますのは三つばかりございますけれども、それは中東においてやっております合同石油開発、それからカタール石油、それからアフリカにおいてやっておりますザイール石油開発、この三つにつきましては、試掘が一本ないし二本成功を見ておるわけでございます。これらの分については、さらに試掘を続け、埋蔵量の確認をやりまして開発に移行できるのではないかというふうに期待されておるわけでありますが、ただ、これが生産段階に入りましてどのくらいの量の原油が確保されるかということにつきましては、もう少し試掘の状況を見ないとわからない状態でございます。
#50
○広瀬(秀)委員 そこで先ほどから申し上げておるように、輸入依存率が九九%である。これをこういうような形で、現在までのところまだ量的にはわからないというのですから、これから私が聞こうとすることも当然わからないんだけれども、その輸入依存率九九%を少なくとも六〇%台くらいに、あるいは七〇%くらいまで落としたい。すなわち自主開発資源というものを三〇%くらいまでにしたいのだということを総合エネルギー調査会でも答申を出しておられるわけですね。そしてまた財政制度審議会などもそういう趣旨のことも言っておられるということで、三〇%ぐらいはそういうものでまかないたい、輸入依存度を減らしたい、こういうことを目標にしていると思うのですが、それに間違いはないのですか。
#51
○飯塚政府委員 エネルギー調査会石油部会の中間答申におきましても、昭和六十年度時点において、わが国の原油輸入量の三割程度を自主開発によってまかなっていくべきであるというふうにいわれております。この三割の自主開発の中身でございますが、従来、自主開発というのは、日本の企業が単独で海外に出て行って独力で開発をするというもの、非常に狭い意味に考えられておったわけでございますが、これはエネルギー調査会の議論の場におきましても、今後自主開発というのは、そういう狭いものに限定する必要はない。日本の企業が外資との提携あるいは産油国等々と提携をしながら開発に当たるものも自主開発だというふうに、当然考えていいのじゃないか。と申しますのは、原油の量の安定確保にも役立つし、それから価格についても日本側の企業が発言権を持てるような形で日本に輸入できるようなものについては、やはり自主開発であるというふうに考えるべきであるということで、そういったような多角的な供給開発手段をあわせて講ずることによりまして、三割という――正確に三割にいくかどうかは疑問でありますけれども、それに近いような量の確保に近づいていけるのではないかというふうに考えております。
#52
○広瀬(秀)委員 午前中はこの一問でやめますけれども、はたしてそういう――それに近づいていけるという答えはあったんだけれども、なるほど自主開発の範疇というものもかなり広げていいだろう。融資開発というふうなこともあるだろうし、あるいは資本提携を向こうの国との間にやるというようなこともあるだろうし、あるいは生産分与方式ですか、プロダクトシェアというような方式もいろいろある。そういうものまで非常に多様化してもよろしいということですけれども、それは私どももそういう弾力性を持って当然いい。日本の資本で何もかもやるということになりますと、またエコノミックアニマル論も強くなるし、また、相手の民族主義を非常に不必要にあおり立てて反日的にさせるということもあるから、そういう問題についてはこれは弾力性を持って当然いいことでありますけれども、はたしてほんとうに現在のような体制でそこまで行けるだろうかという点については、まあ大きな疑問をわれわれは留保せざるを得ないのです。皆さんの場合でも、それならば、ほんとうの意味でのナショナリズムに触れない範囲で自主開発、日本の資本で日本がそこに持っていく中で話し合いをして、その鉱区を獲得し、鉱業権を獲得し、そこで探鉱し、試掘して、成功するということで、そのまま国内に持ってこれるというような場合で大体どれくらい、あるいは融資開発でどれくらい、あるいはプロダクトシェアでどれくらいというような、そういうようなことについても、まだどの程度にそういうものを配置をして、その総計が三〇%に至るようなという、そういうところまではまだ計画というか、方針というか、そういうものは立っていないわけですね。
#53
○飯塚政府委員 そこまではまだ計画ができておりません。
#54
○広瀬(秀)委員 残余の質問はあとに保留しまして、これで午前中の質問は終わります。
#55
○齋藤委員長 本会議散会後直ちに再開することといたし、この際、暫時休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時十七分開議
#56
○齋藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。広瀬秀吉君。
#57
○広瀬(秀)委員 午前の質問に対して答弁の準備ができたらひとつ答えていただいて、そのあと通産大臣への質問に入りたいと思います。
#58
○大倉政府委員 午前中広瀬委員からお尋ねのございました点答弁させていただきます。
 特別会計に期限を付しているのは幾つあるかというお尋ねでございましたが、特別会計法そのもので特別会計の存続期限をきめておりますのは、従来からございます石炭対策特別会計、また現在改正をお願いいたしております改正後の石炭・石油対策特別会計一本でございます。ただ、実質的にある意味で期限を付して事業をやっておりますのは、たとえば道路整備特別会計は道路緊急措置法で予定する事業を経理するためにつくられた特別会計でございますので、緊急措置法に期限があるという意味で特会そのものにも実質的には期限があるというふうに御了解をいただきたいと思います。
#59
○広瀬(秀)委員 わかりました。
 それで通産大臣、忙しい時間おいでになっていただきまして、限られた時間でございますので、田中通産大臣にお尋ねをいたしたいのであります。
 午前中ずっと質疑をいたしてまいりました。きょう本会議で石油開発公団法の改正案が通過したわけでありますが、この委員会でもちょうどいま石炭・石油特別会計法、従来の石炭特会に石油勘定を新しく設けてやっていこうという新しい時代を迎えておるわけなんです。午前中審議官にいろいろ伺ったわけでありますが、大臣の御見解あるいはまた御構想というかそういうものについて伺いたい点は、御承知のように、日本の石油資源は国産の占めるシェアというものはほとんどもうなきにひとしいと言っていい、九九%輸入に依存をする。しかもそのうち九〇%が中東石油である。そういうように輸入先も過度に一地域に集中しているというようなことで、ナショナルセキュリティーの問題からいいましても非常に問題だし、さらに石油をめぐる国際情勢の変化、特にOPEC諸国の団結の強化による国際石油資本、メジャーとの交渉力の強化、こういうことで価格引き上げ、産油国の生活水準向上というようなものに根ざしたそういう要求が強く出されている。将来の国際情勢も平和であることにはこれ以上の望みはないわけでありますけれども、必ずしも平和でばかりあり得ないというようなもろもろの問題を考えて、われわれはいま安定供給と価格の低廉という、石油政策における二大目標だと思うのですが、そういう問題、それから全く石油資源が国内にないという実情、さらに先ほど申し上げたようなもろもろの事情ということを考えて、いまこの石油資源問題というのは非常に大事な段階、重大な段階に来ている、このように考えるわけでありますが、一方、日本の石油関係の企業を見ますと、いわゆる強力な総合一貫企業というようなものがない。開発は開発で二十八もばらばらに弱い資本力でかってほうだいに個別企業としてやっている。まあ若干三菱石油あたりが統合強化の方向というものの芽は出ているというけれども、二十八もいまあっちこっちもうそれぞれの独自の立場でやっている、こういうような状況になっておる。主として精製あるいは販売、こういうような一貫した企業というものになってないというところにやはり大きな問題点があるだろうと思います。そういう問題点を一体どうするのか、さらにこの自主開発をいまのような野放しの状態でいいのかどうか、さらに備蓄の問題等についても、これは備蓄が多ければ多いほどいいにきまっているけれども、経済計算ペースとしては、採算ベースとしてはなかなか困難なところであるというような問題などがある。こういうもろもろの問題点を考える、あるいはまた資源獲得の分散というようなことなども考えるとなると、いまのこの企業体制でいいのかどうか、これについて通産省としては、石油資源をナショナルセキュリティーの観点に立って、安定供給及び価格の低廉という二大目標に沿うために、一体どのようにこの石油企業というものを持っていこうとするのか、このことについての通産大臣の御見解をこの際お聞きいたしておきたいと思います。
#60
○田中国務大臣 石油は昨年二億二千万キロリットルも消費をしたわけでございまして、五十年には約三億キロリットル、六十年には七億キロリットルというような数字が予測されておりますが、私はいまのままの状態で続けば七億キロリットルでは済まないと思います。これが十億キロリツトル近くなるんじゃないかというふうにも考えられるわけでございます。アメリカの石油資本に比べれば、日本全体を合わせてもアメリカの一社にも満たないというような状態でございますから、石油の開発ということに対しては抜本的な検討を続けなければならない事態であることは事実でございます。
 さて、西ドイツのような形態をとるのかアメリカ的な形態をとるのか、フランス、イタリア的な形態をとるのか、日本のような状態でいいのかということでございますが、いまの段階においては、公団法の改正案を提出しておりまして、現時点においては公団の事業を拡大をし、公団の資金量その他を拡充することによってやっていこうという当面の体制であることは事実でございます。
 私は、先進工業諸国でもいろいろな関係がございますので、また歴史もありますので各種の体制をとっておりますが、日本は必ずしも国営にしなければならないというふうには考えておりません。西ドイツに近いものということで、いまの石油公団を拡充していくことによって西ドイツに近いものという感じでございます。民間のエネルギーを主体にしながらリスクの多い探鉱、試掘というようなものに対しては国がやらなくても国が主体の公団が責任を持ってやるということがまあいまの段階においては理想的――理想的ではないが、こういう制度のほうが日本に向く制度であろうというふうに考えております。まあメジャーとの問題もあります、OPEC諸国との合弁企業という問題もありますから、石油精製まで一貫してやらなければならないという視点もございますが、いずれにしても現時点においてはいまの制度を拡充し理想的なものにする、こういうことでいま政府は進んでおるわけでございます。
 それから、輸入先の多様化その他がございますが、これはもう当然でございまして、その意味でシベリア開発の問題とか、日本の近海の大陸だな資源の開発とか、また、かつてはカナダやアラスカの石油の開発ということも考えておりましたし、いまペルーからも持ち込まれております。いろいろな問題がございますので、まあ中近東からだけで九〇%以上も搬入し、その九〇%がマラッカを通るのだということは望ましい姿ではないということは事実でございます。
 また四十五日の備蓄というのは六十日にしたい。六十日というときには、もうヨーロッパ諸国では九十日にしようという態勢にございますので、外貨の状態、いろいろな状態を勘案しながら、絶えず現状に改良を加えていくという姿勢でございます。
#61
○広瀬(秀)委員 大体通産大臣のお考えが明らかになったわけですけれども、イタリアにはENIという巨大な国家資本をバックにした国営石油開発企業ができているし、フランスではやはりERAPができている。これも国営企業である。ドイツではなるほどおっしゃるように民間企業八社を統合してきわめてリスクの多い開発事業などについてさらに強力な体制をとりつつある。日本の場合に、当分石油の需要というものは、先ほどおっしゃったように、もう六十年の段階で七億キロリットルをおそらくこえるのじゃないか。こういう需要の見通しであるということになった場合に、なるほど今回の石油開発公団法の業務内容を拡充をする、可燃性天然ガスというようなものにも広げる、あるいは自力で調査もやろう、地質調査などをやろうということもあり、またそのスタッフも充実させようというような改正が行なわれる。通産大臣の御意見だと国営的なものには持っていかないほうがいいのではないか、日本的としてはまあ西ドイツのデミネックスのような形態を考えるというのですが、当面はとにかく石油開発公団というものを中心にやっていきたいのだ、こういう御意見なんですが一四十二年から四十六年までの間に石油開発公団が投融資した資源開発の投融資額はわずか四百四十八億程度だ、その他いろんな債務保証あるいは機械の耐用、その機械の取得費あるいは地質構造調査費、これは国の委託を受けてやる分でありますが、そんなものを全部集めても八百億に足りないわけですね。一年にならせば百数十億というような二百億にもならぬようなところである。こういうようなことでは、先ほど大臣が言われたような目標というものはなかなか達成されないのではないか。特に自主開発の原油のシェアを三〇%くらいまでに持っていきたい、これはもちろん日本の資本だけで海外において探鉱をし試掘をし、成功をして輸入できて、原重油が日本に入ってくる、そういうものだけでなくて、融資開発方式であるとか、いろいろな開発方式の多様化というものもあるけれども、そこまでやはりいきたいという目標を、総合エネルギー調査会の石油部会で方針も出されている。財政制度審議会などでも、この資源対策というものについては非常に重視して、三〇%程度にまで六十年あたりには持っていくべきだということがいわれているわけです。そういういまのような石油開発公団の機構なり運営なり、それから国の出資等が裏づけになるわけだけれども、資金力、こういうようなもので一体可能なのかどうかという心配が非常にあるわけです。もう石油開発公団オンリーでやるんだということでは、とうていなかなかいかないだろう。
 さらにその上にばらばらに、探鉱をやっている企業が二十八もあります。これは四十一年以降、雨後のタケノコのようにたくさんできたけれども、これぞと思う百億以上の資本でやっているなんていうのは幾つもない。十億足らずのものが六つもあるというような状況でやっているわけですね。各個ばらばらに、こんな体制で一体そういうところまでいけるんだろうかという非常に深刻な疑問を、われわれは抱かざるを得ないわけなんです。そういう点で、ドイツのデミネックス的なものなども十分参考にして、そういうものも同時にやるという、こういう二つの考え方、これが中心であるわけです。石油開発公団をもっと強化をしていくということと、それから民間企業に何らかの政府の強力な指導方針を打ち込んでそういうデミネックス的な方向にいくという、こういう二本立てでやっていくのが日本的で一番いいんだろう、こういうお考えでございますか。
#62
○田中国務大臣 いまなかなかさだかに結論を出せないんです。なぜかといいますと、もう石油の問題に対しては、非常に長いこと国会でも議論をせられております。石油とか地下資源というものは千三つということをよくいわれておりまして、千探鉱して三つ当たればいいんだというようなことで、そのような特殊なものに対して膨大もない資本を投入しなければならない日本の特殊事情から考えて、試掘、探鉱はすべて国の資金でやるべきである、こういうことが十五年、二十年前から国会で議論されて、その結果、石油資源開発法が議員立法で行なわれたわけであります。石油資源開発法が議員立法で行なわれてから、すでに十五年から二十年の歳月を経ているわけであります。二十五、六年から議論をして、議員立法が行なわれたのは三十年か三十一年だと思います。そういう意味からいいまして、その当時でも財政当局なかなかきつい立場でおりました。同時に、この石油資源開発会社がいまの石油公団法に改組されるまでは、長い歴史を持ったわけであります。これは成功払い的なことじゃなくて、年々歳々小さいもののバランスをとらなければいけないということで、あたら獲得したところの権利をアメリカに売って石油公団に返さなきゃならないような状態を続けておって、こんなことで一体エネルギー政策ができるのかということで、各党に総合エネルギー対策の調査会、委員会ができて、今日に至っておるわけであります。
 ですから、非常に長い石油資源開発の歴史から見ますと、石油公団に乗り移ることができた、それは皆さんの御発言があったからだと思うのです。そしてその後、今日また第三の段階として、公団の拡充ということがいわれているわけであります。しかし、きょう石油開発公団法の改正案を最後に上げるときには、当たらなかった、失敗をした会社の出資金を相殺するのはかまわぬが、融資に対するものは一体どうするんだ。これは現実的に担保を徴求しておりますから返還を求めます、こう答弁をして通していただいたわけであります。
 いまの状態から考えて、やはり石油資源の探鉱試掘というものについて、国が責任を負うというような社会的な情勢が、まだ理解が求められないということで今日に至っておるわけでありますから、いまのあなたのような将来展望に立った、日本の経済全体を左右するものでありますから、そういう意味で新しい機構というものにだんだん拡充しなければならないということは、これは経済ベースの問題では、もう通産省では十分の結論を持っておるわけでありますが、しかし、時の推移に待ちながらだんだんと整備をしていく、そして日本に一番好ましい制度を確立していく、ということ以外にはないと思うんです。長期計画から見ますと、三倍、五倍くらいのスピードで石油の消費量が伸びてきたわけでございますので、今日の段階で私自身の個人的思想では、試掘探鉱は全部国が行なうべきである、こういう考えなんです。私は長いこと、議員立法当時からそういう答弁をしておるわけでありますから、そういう思想でございますが、しかしやはり時の推移というものと国家的利益というものを考えながら結論が出さるべきものだ。現時点においては、公団法の改正案や特別会計法の改正を御審議いただいておりますので、この制度の改正によって万遺憾なきを期してまいりますということで御理解をいただきたい。
#63
○広瀬(秀)委員 この日本の石油企業というものは非常に外資系の割合が多いというか、外資系が多い。しかもかなりの。パーセンテージ、フィフティー・フィフティーのところまで含めて、四十何%というものはざらにある。こういうようなことで、非常に外資系のものが入っておる。狭い意味でのナショナリズムをいうのではないけれども、しかも開発部門は全然持たないという、そして精製と販売だけやるという形になっておる。どうしてもメジャーといわれる国際石油資本というものとほんとうに太刀打ちできるような立場にない。世界二番目の石油消費国だといわれながら、先ほど冒頭に申し上げたような事情からいってそういう形になっている。そういう国際石油資本と太刀打ちできるような総合一貫企業というものをどう育成するかということは、いま非常に重要な一つのポイントだと思うんです。きょうはあまり時間もないので、あと佐藤君がどうしても通産大臣に伺いたいということがあるものですから、その時間を残さなければならないのであれなんですが、そういう国際石油資本と互角に太刀打ちできるような企業をどういう形で指導してつくり上げていくかという問題については、具体的な構想というものはお持ちでございますか。
#64
○田中国務大臣 あなたと大体方向は似ておるのです。しかし、最終的にすべて精製から何から全部国有にしなさないということであれば、これは違いますけれども、これは石油というものが普通の国では、普通の商品というよりも国家安全保障委員会の議題になるというような有力な物資であるということで、これは非常に明確な組織が立てられておるわけでございます。ところが、日本においては経済ベース、コマーシャルベースで議論されてきた戦後でございますので、いままで確たる組織や方向というものが明らかにされておらない。事態の推移によってだんだんと固まってきたということであります。これは石油会社が戦前は特殊会社であったという事実、それから戦後石油資源開発会社をつくらなければならぬという事実、石油公団に発展的に改組しなければならないという事実、石油公団にすべての議論を拡大をして政府会社と同じような、公団公社と同じような権限を構成上は与えなければならないという事実、こういうことでだんだんと時代に合う状態に整備されてきておりますので、いまの状態においては一つ当たったら全部返すというようなコマーシャルベースで考えられるものではなく、長期的な見通しでやはり大きな計算の中で、会計の中で処理されるべきものだ、こういうふうに私は考えております。考えておりますが、それは石油資源開発会社をつくったころよりもいまの公団法の改正案は、今昔の感にたえないと思うくらい進歩しておりますから、そういう意味でやはり日本人というのは時代にちゃんと対応できるようにしますので、いまこれを二十八社全部統合するといってもたいへんな問題でありますし、四十五日を六十日にするというても問題があるわけですし、これは二カ月、三カ月の備蓄を持つという場合には、年間二・五%ないし三%上がるというOPECの要求よりも利息のほうが非常に大きくなるというようなことで、なかなか結論が出ないようでありますから、大蔵省でも当然検討しておると思います。通産省では現に研究しておりまして、私もいろいろな提案をしておるわけでございますから、このたびは石油開発公団法とそれから特別会計法で遺憾なきを期してまいりますということで御理解をいただきたい。
 そして、これから来年度の予算編成というようなときになるまでには結論も出さなければなりませんし、この国会中にもう一つ法律をお願いをしようと思っておるのです。これは、この委員会にかかる法律でございます。これは第二外為会計法で、大蔵大臣ときょうも閣議でもって問題が出ております。これはこのままにしておったならばということで、それ以外に方法はない。実際において現地でもって鉱石も何も引き取るものが九〇%しか引き取れないでトラブルを起こしておる。それをいずれにしても引き取らなければならぬ。当然来年、再来年には必要なものでありますから、そういう三億五千万ドルとか五億ドルとかいうようなものではなく、これはもうまるが一つ多くなるというときには、やはり国会の審議を求めなければいかぬ。この国会で御審議いただこうということを考えておるわけですから、そういうことも合わせて考えていただいて、石油に対しては確言はできない、それはそうでしょう、いまここでこの法律案を最上でございますといって御審議をいただいておって、それよりもいい方法がありますなどということを申し上げられるわけはありません。ですから、ひとつ事態の推移に対応して遺憾なき制度の確立をはかってまいりますということで、御了解を賜わりたいと思います。
#65
○広瀬(秀)委員 いまの最後の大臣の答弁で、今回は私のほうも引き下がっておきますが、今年は、との特会法に石油勘定が新設される、石油公団法の一部改正も行なわれる、そしてパイプライン法もできる。さらに第二外為法ということもいま構想を話されたわけですけれども、そういうことからいけば、田中通産大臣は次の総理と目されておるわけであるけれども、そういう点でこれだけのものを出したけれども、その中身を逐一検討しますと、九九%が外国産に依存する、輸入に依存する。しかも供給源は九〇%は中東だというようなことで、ずっとそういうことになってしまっている。それはやはり手の打ち方がなまぬるかった。ほとんど石油政策らしいものは持たない。ただ買いたいところから買ってくるというだけのことで、ほったらかしにした。そういうことが今日の石油問題を深刻な問題にしておる大きな原因だと思う。そういう点では非常に優秀なアイデアを次々に出される田中さんだから、そういう意味では今度出されたけれども、そして一歩前進ではあるけれども、そういう評価をわれわれはするけれども、いままでの延長路線をちょっと変えた程度のものである。抜本的な改善というものには当たらないものである。だから、そういう点では、この石油資源問題の国策的重大性にかんがみて、やはり抜本的な飛躍的な改善がはかられて、国民に石油エネルギーが安定的に低廉な価格でナショナルセキュリティーを含めて心配のない状態にするために、ひとつ抜本的に十分検討していただきたいということを要望しまして、私の質問を終わっておきたいと思います。
#66
○齋藤委員長 佐藤観樹君。
#67
○佐藤(観)委員 いま広瀬委員のほうから大体の方向については討議があったわけなんですが、二点にわたって、そのレールの上に乗って具体的にお伺いをしたいのです。
 一つは、きのうもこの委員会で論議をしたのですけれども、いわゆるOPECとの直取引、これはやはり将来日本としても考えていかなければいけない問題じゃないか。おとといの日経新聞の報道と、きのう論議した点ではだいぶうしろ向きなんですけれども、やはり今後は直取引の問題それから中近東との技術開発の問題その他等々を含めて、総合的な包括的な条約というものを結ぶ必要があるのじゃないか。つまりメジャーを通さないで日本に石油を入れるというような考え方は必要なのじゃないかと思うのですが、その点どうですか。
#68
○田中国務大臣 いま御指摘のように、OPECとの問題は避けがたい問題である、こう思います。これは産油国はそれなりの希望を持っております。いままででも、産油国としては原油だけではなく、これらの精製工場を現地につくるべし、石油化学工場もつくるべしということで、私も七月に就任以後、相当大規模なものですから、いまの石油開発に対してはワンセット開発に踏み切りたわけでございます。それはやむを得ないことである。そうでなければ応じないということもございます。これは石油だけではなく、先進工業国であるカナダも、日加経済閣僚会議のこれは主要な議題として、銅鉱石の供給先について、二分の一は現地で製錬を行なうということが前提でなければ立法化を行なう、こういうことです。立法化を行なうなどといったらわれわれはよそから買わなければいかぬと私はドライな答弁をした。こういうような銅鉱石を引き取れないような状態ができたので、立法化どころではなく、日加間で話し合いをしましょうといっておりますが、これは石油だけではなく、現在供給国は全部そういう立場に立っております。
 そういう意味で、OPECとの石油に対する関連性はどんどん強くなっていく方向である。これは考え方いかんにかかわらず、事実がそういう方向であるということでございます。日経新聞に書かれておるような事実は現実にはありません。これは二人の調査員が来ておりまして、日本の精製設備とか、いろいろなものの需給の状態とか、いろいろなことを勉強に来ておるということでございますが、大筋においてはいま申し上げたような関係が深まっていくということでございます。しかしメジャーを全然敵にするような状態でもないのです。いまアメリカ資本が持っているものを分けないかということもございます。これは確実性がありますから、分けないかということもございますし、共同開発をしないかということもございます。それからチュメニの石油の開発などを行なう場合、下請として入らないかというガルフとの話し合いをやっております。
 そういう意味で一筋に日本とOPECが直取引をして、それだけを石油輸入の大宗にするのだというわけにはまいらないわけです。ですから、これも事態の推移に適合する体制と、機敏な、また法律的な対応策を立てていくということで御理解願いたいと思います。
#69
○佐藤(観)委員 しかし、もちろんOPECだけから石油を入れていること、供給源を中近東だけにたよるということは、日本経済にとって非常にマイナスだと思うのです。そう簡単にいかない。つまり、きのうも論議がございましたように、OPECと日本だけが直取引ということになれば、日本の半分を占めているメジャーを通しての石油資源ということも、やはりこれはいろいろな形で圧迫があるでしょう。これはそう簡単にいかないけれども、やはり方向としてはそういう方向にメジャーを通さないという方向に持っていく必要があるのではないか。
 それから、いま大臣も言われたように、もう一つ広瀬委員との論議の中に出ておりました輸入先を散らすという問題で、いわゆるチュメニの問題ですね。これはもう少し前向きに考えていかなければいけないのではないか。これは何といっても十億ドルといわれている。いま日本は百六十四億ドルのドル保有高があるわけですから、十億ドル自体はたいした額ではないと思いますが、しかしこれは日ソの友好関係の問題もありますし、チュメニの問題というのは、やはり前向きに考えていく必要があるのではないかと思いますが、このチュメニ開発についての大臣の御所見はいかがですか。
#70
○田中国務大臣 チュメニ開発につきましては、相当の大きなプロジェクトであるということでございますが、これはいまチュメニからパイプでイルクーツクまで来ておるわけでありますが、イルクーツクまでもう一本パイプを引いて、そこからナホトカまで四千二百キロにわたるパイプラインを布設しようということでありまして、これは総事業費約三十億ドルであります。日本から十億ドルのバンクローンの提供を求めるということでありましたが、その地図も出さない、現地も踏査させない、そして内訳も出さないでは金の出しようがない、こう言って、私とグロムイコ外務大臣との会談のときに、まずデータの提供を求めた、こういうことでございます。
 これはソ連としてもたいへんな問題なんです。日本で石油を論ずるようなわけにはいかない。アメリカ、ソ連はこれは商品というよりも戦略物資ということでございまして、これらのデータは外国には出さないというのが原則でございましたが、これは提供いたしました。そして検討を続けておるわけであります。五月ないし六月に民間調査団、政府も加わると思いますが、現地を踏査して、そしてひとつ条件ネゴに入ろうという話になっておるわけであります。
 これは七六年から二千五百万キロリットルないし四千万キロリットルを二十年間にわたって供給しようということでありますので、品質的に考えると、必ずしもローサルファのものではないといういろいろな問題が明らかになりましたけれども、輸入先の多様化という面では一つの興味あるプロジェクトである、こういうことでございまして、バンクローンという要求、バンクローンというならソ連では初めて公債を出したらどうですか、こう私が述べましたら、公債は出したことがない。初めて出せばいいんだ、こう言ったら、どうして出すんだと言うから、公債のやり方その他はこちらから提供いたしますというので、日本政府から提供いたしたはずでございます。ですから、そういう意味では非常におもしろい案件である、こう考えております。
#71
○佐藤(観)委員 何ぶん相手がソ連ということで、今後の日本の平和の問題に関しても非常に友好関係を保っていかなければいけない対象国ですから、わが国のエネルギー源の供給先を散らすという面からもどうしても前向きに考えなければいけないし、話が何しろ大きな話ですから、これは田中通産大臣くらいの大ものがやらないとなかなかできてこない問題じゃないかと思いますので、その点を要望いたしまして私の質問を終わります。
#72
○齋藤委員長 松尾正吉君。
#73
○松尾(正)委員 通産大臣に、時間が短いので基本的な問題を伺っておきたいのですが、いまのエネルギー供給源の分散化というためには、OPECとの直取引という問題も避けがたい問題だろうと思う。大臣は、避けがたいことだというお話ですけれども、むしろ私は積極的にこれは進めなければならないだろうと思う。ただし、メジャーを刺激するようなことがあってはいけませんけれども。これは世界的な流れと言ってもいいと思います。ですから、これを避けがたい状態だというので向こうからの出方を待つのでなく、こちらとしても何らか具体的に進めていく方途はあるのじゃないか。どういう方向でこれを進めていかれるか、その基本的な考え方を、たとえば調査団の交換とかそういった問題について何かありましたら伺いたいと思います。
#74
○田中国務大臣 先ほども申しましたように、OPECといま具体的な案件に対して協定をしようとかいうことを話をしておるのではないのです。しかしながら、もう現にOPECと直接共同開発をやっておるものも幾つかあるわけでございますから、これは避けがたい方向である。しかし、いま御指摘のあるように、メジャーズをそんなに刺激することは全くない。これは、いままでの実績中心主義の割り当てを、あまり商品価格に反映しないから新しい業者に割り当てようという話と同じことになりますから、そういう意味では慎重にやるべきだと思います。
 しかし、きょうから始まりましたUNCTADの会議で、七〇年代に国民総生産の〇・七%、これは七〇年代、八〇年を予測しまして二百五十兆円くらいとまず計算をしてみれば、その一%といえばたいへんな金額でございますし、〇・七%もたいへんな金額でございます。そうすると、どうしてもただ差し上げるというわけにはいかないのです。百億ドルくらいをIMFに寄託をして、その利息を全部ただでやったらいいんじゃないかという議論もこの間述べられたようでありますが、それは日本の実態から考えて、まだこれを活用しなければならない状態にあるということは事実でありますので、そういう意味で、コマーシャルベースでもって投資しておったものに加えて政府ベースのものが付加されるということで、これは長期的にはOPEC諸国との間に非常に友好関係が確立されるわけでありますので、そういうところからも当然出てくるプロジェクトの第一は何かというと、現地における石油の共同開発とか、石油関係関連産業のワンセット開発とか、いろいろな問題が当然出てまいります。石油、鉄鉱石、ニッケル、銅、こういう問題はすぐ出てくる問題でございますので、いま協定を行なってこまかくやるということは、一つずつ国が出てきた場合に二国間交渉になればいいし、OPECそのものが大きな供給先である日本に対して要求してきたときにこれを受ける、いつでも受けられる体制はあるわけでありますから、そういうことで考えておればいいのであって、いま準備をして、来たらかまえておってこうしますということではないわけであります。
#75
○松尾(正)委員 それじゃ、具体的に直ちに調査団を交換してというような、こういうものはまだない、もうしばらく情勢を見る、こういうことですね。
 それからもう一つは、これは円対策に関連をしまして、先般経団連が、石油を含める備蓄公団の建設構想を打ち出しております。大体六十日ないし六十五日の備蓄という考えのようでありますけれども、石油の備蓄について経団連等がこういう考えを持っておることについては、これを支持するという方向であろうと思いますけれども、これについては通産大臣はどうお考えですか。
#76
○田中国務大臣 経団連がそういう考えを持っておることを知っております。知っておりますが、経団連の言うことが最上のものであるかどうかということに対しては、まだ私は自信がないのです。四十五日の備蓄を六十日にし九十日にしたい、五百万トン程度のものを十カ所つくれば五千万トンということになります。五千万トンというと、これは非常に安定すると思いますが、大蔵省的にすぐ計算してもらいますと、OPECは、定期的に上がるものは年率二・五%ないし三%しか上がらない。しかし、これは備蓄すれば直ちに六%以上の利息がかかりますよということですから、利息がかかることによって、利息も考えながら備蓄しなければならないような情勢にあるのか、そうではない、備蓄をしなくても買えるという見通しを持つのか、そこらが政治的には非常にむずかしい問題でございますが、六十日、九十日というものには合わせなければならぬと思うのです。
 ただ、そのときに事業団で持つか、公団で持つかということは、石油だけじゃない、ウランの問題が出てまいります。鉄鉱石の問題が出てまいります。銅鉱石の問題が出てまいります。ニッケル鉱の問題が出てくる。そういうことから考えますと、私は、どうしても事業団とか公団という政府関係機関がすべてを持たなければいかぬという考え方よりも、いま御審議をいただいておるような、やはり民間を主体にして、ウランなら九電力に抱かしておって、さてそれを外貨はどうする、利息はどうするということを考えたほうがいいような気がいたします。今度の工業再配置の中では、石油の備蓄をいろいろな地方から要求がございますが、これをすぐ実現するような法制にはなっておりません。おりませんが、先ほど申し上げた大蔵大臣との話し合いによる第二外為会計的な感じ、外貨の活用を考える中で、石油や鉱物資源の輸入というものに対して、だれに保管させるのか、だれに輸入させるのかという問題を検討しております。
#77
○松尾(正)委員 時間が限られているので、非常にこれと関連したうらはらの石炭対策について基本的な考えを伺いたいと思います。
 まず、石炭審議会が五十年度の出炭量二千万トンということで中間のたたき台をつくったのが、出炭業者、それから労務者、それから業界等でなかなか調整ができないで、一応体制委員会としては二千万トンを下らないという線で決議が行なわれた、こういうことですけれども、通産大臣としては、これをどう調整して、どの程度と見ておられるのか。
#78
○田中国務大臣 石炭は、御承知のとおり三月の末には答申をいただくつもりでおりましたが、非常に困難な情勢がございまして、中間的決議になったわけでございます。長期的な見通しについては、その後も継続して審議をお願いをしておりまして、通産大臣あての答申はすみやかにいただきたいという立場でございます。ただ、この決議をされる前提の条件としては、五十年度の石炭の出炭量は二千八百万トンを下らないようにという生産者側の強い要求がございます。ところが消費側の要求をとってみましたら千五百万トンということでございます。千五百万トンと二千八百万トンではいかんともなしがたいということでございます。そういう意味で、二千万トン程度という決議をされるような状況にありましたので、いずれにしても二千万トンを下回らないということで二千万トン以上確保するべく全力をあげますので、ひとつお考えをいただきたいという異例な私の意向も通じまして、二千万トンを下回らないということになったわけでございます。千五百万トンということは、いま九百万トン使っております九電力でだんだんと石炭専焼火力をやめていって、五十年度には二百二十万トンに下げようという計算のもとに千五百万トンというのが出ておるわけでございます。ですから、九電力にどのくらい抱かせられるのかという問題がございます。しかしこれが直ちに電力料金の値上げにからむようなことであれば、これはできないことでありますから、そういう意味で、まず九電力がどのくらい石炭専焼としての火力で石炭をたけるのか。第二の問題としては、どうするかといえば、いまの電源開発会社が三百万トンの石炭をたいておるのでありますから、これを倍にすれば六百万トン使えるわけであります。しかもそれは産炭地で石炭専焼火力発電所をつくって、本州縦断の送電線をつくるとすれば、これは可能な問題でございますので、いろいろな問題はございますが、二千万トンをどうしても使うような需要先の確保を、通産省は全力をあげてこれを実行できるように努力をするというのが三月三十一日の決議に対する公式な通産省の意向と態度でございます。
#79
○松尾(正)委員 時間が再三要求されているのですが、もう一点。
 現在、出炭量は三千万トン、これを五十年度に二千万トンというと、一千万トンの縮減が行なわれるわけですが、そうすると向こう五十年までに閉山処置をとらなければならないものが起きてくると思います。これは労務者に対してもたいへんなことでありますし、それから地元全体で、中小商工業者等含めて全体に影響が非常に大きい。労務者に対しては何らかの、不十分でありますけれども、手当てがありますが、地元の中小商工業者等は、ほとんど閉山と同時に財産の評価等はゼロになっちゃう、こういう場合が多いわけです。これに対する対策がどうも片手落ちのように思えるのですが、これらに対しては税制の措置あるいはその他、災害と同じ状態ですね。これに対して通産大臣は政策を転換して、さっきの本会議の答弁でも、国民に対して崇高な生命、財産を守る、こういう公害に対する態度であるし、これは大臣の考えである。そういう立場から非常に重要な問題で、もちろん立法措置等も講じなければならないと思いますが、どういうふうにこれらの人に先行き不安を持たせないようにするお考えがあるか、その点を伺っておきます。
#80
○田中国務大臣 四十七年度二千七百五十万トンの石炭が、これから五十年には二千万トンになるということになれば、当然終閉山も考えられるわけでございますが、どの炭鉱が終閉山になり、人間が幾ら一体離職をするのかはここでは申し上げられません。そうでなくとも不安であるのに、これ以上申すわけにはまいりません。きのうは参議院で詰められて、ついに人の数は言いましたが、直ちに取り消しをいたしましたので、これはもうそのことは申し上げません。申し上げませんが、三菱美唄が終閉山になるということで、八万人であった三菱美唄が四万人になり、二万人になるというようなことが推定されるときに、これはそういう対策を行なわないわけにはまいりません。
 ですから、鉱業権者や会社や労働者に対するいろいろな施策は制度上完備しております。完備しておりますし、またそれをより完備させるためにこの国会で法律案を修正をしていただくという問題もございますから、それは完璧に近いものができておると思いますが、これから美唄なら美唄から二万人の人が東京に移るということを考えた場合、これはたいへんなことでございます。結局産炭地の振興以外にないわけであります。産炭地の振興という狭義のものではなかなか解決がつかないというので、今度産炭地を拡大改組しまして、工業再配置・産炭地域振興公団と、こういって、全国から産炭地に工場をやる。産炭地振興ができるようにという法律案をいま提案し、本会議の趣旨説明も済んでおるわけであります。これは十月一日発足で初年度百五十億、これはとても平年度三百億や五百億で済むものではないと思います。これはまるが一つほんとうに必要だというぐらいに私は考えておるものでございますが、そういうことで、産炭地振興というものに対しては格段の措置をとる。しかもそういう既定方針がきまって青写真ができれば、地方公共団体もその間つなぐことは制度上できるわけでございますので、再就職の問題とか中高年齢層の職業訓練の問題とか産炭地振興の問題とか、あらゆる問題に対して考慮を払っておるということで御理解をいただきたいと思います。
#81
○松尾(正)委員 もう一つで終わりますが、フランスあるいは西ドイツ等では、国有炭をこれだけは責任を持とうという出炭のめどを規定しておりますが、五十年二千万トン出炭という方向だけはわかりますけれども、それ以降どうなるかということが問題になっていますね。したがって、国内炭についてはここまではという基準をきめるべきではないか、こう思うのですが、それに対する考え方を伺って終わりにしたいと思います。
#82
○田中国務大臣 英国は七五年に一億一千八百万トン、フランスは二千五百万トン、西ドイツは八千万トン、こういうことでございますが、これは制度が違うということがあります。これは西ドイツはうまくやっておって、電力会社と石炭会社は同一資本であるというようなところにも問題があるのですが、しかし、日本は露天掘りではなく、立て坑でもって非常にめんどうな採炭をしなければならないという地形、地勢上の問題もございます。いま京浜炭で千七百五十円ぐらいトン当たり違うわけでございますが、それが今度の円平価の調整によってまた二千円以上も違うということになっているわけでございます。ですから、まあ長期的な問題はもう確かに審議会でお願いしているのですが、さしあたり五十年までのものは、二千万トン絶対確保しなければいかぬ、こういうことでございますので、まず当面する五十年までのものに完璧を期して、引き続いて石炭の将来図はかいてまいろうというふうに思っております。
#83
○松尾(正)委員 終わります。
#84
○齋藤委員長 次に、前国会から継続的になっております沖繩振興開発金融公庫法案を議題といたします。
#85
○齋藤委員長 おはかりいたします。
 本案の提案理由説明につきましては、すでに前国会において聴取いたしておりますので、これを省略することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、省略することに決しました。
#87
○齋藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。國場幸昌君。
#88
○國場委員 まず最初に、本日、本委員会において発言の機会を得ましたことを、委員各位に対して感謝申し上げます。沖繩の本土復帰ももはや秒読みに入り、あと一カ月と迫ってきておりますが、復帰が近づくにつれて、予期しない県民生活を圧迫する諸条件が発生してきたのであります。すなわち、ドル・ショックによる賃金差損、物価高、または労働対策問題、さらに諸制度の本土法への移行に伴うところの摩擦が、あらゆる面に不安と混乱を来たしておるのが沖繩県民の現状でございます。
 沖繩にあっては、従来、長期にわたって産業政策や企業育成等の空白が続いたことなどから、企業基盤は本土のそれに比べると著しく脆弱な状態にあって、企業自体の勢力のみでは問題の解決は期しがたい状況であります。戦後、四分の一世紀にわたり異民族の支配下に置かれたため、国の体系的産業政策や集中的な企業育成政策の恩恵に浴することができなかった事情などにより、沖繩の企業は本土企業に比べて十数年以上も立ちおくれておるというのが現状でございます。沖繩の企業は、このようなハンディキャップを背負わされておる上に、円の切り上げの影響をまともに受けたため、各面において損失をこうむり、企業の存立そのものが危ぶまれておる実情にあるのが現状の姿でございます。
 政府は、沖繩の復帰前には円の切り上げはしないとしばしば言明してきたのが実情でありますが、しかるに、去る十二月二十日に一六・八八%の円切り上げのやむなきに至りましたのも、御案内のとおりでございます。自来、円の切り上げにより沖繩県民に損失を与えることはしないと、委員会その他の場におきましても、大臣またはその筋の方から、何回もその回答を得ておるわけでございます。
 まず、個人の現金及び預貯金等の通貨確認の措置をとったが、法人のそれについてはいまだ具体的に措置がとられておりません。親方日の丸である政府公務員は、実質的に保証されるという。いま復帰を目前にして、一般の人々の心配しているのは賃金の問題であります。円切り上げにより生ずる賃金の読みかえ差損は、収入面の三百六十円読みかえの保証がない企業側にとっては、全く困難な状態にあるのであります。支払い能力のある企業はまだしも、多くの企業はほとんどその能力はありません。したがって、大かたの賃金生活者は、復帰を目前に控えて大きな不安を抱いておるのが現状でございます。企業によっては労使間の紛争にまで発展し、社会秩序を混乱におとしいれる不安があります。沖繩の企業が本土企業に対する立ちおくれを取り戻すとともに、相当の賃金支払い能力を確保して、復帰後も存続、発展できるよう、措置を早急に講ずべきであるということを考えるわけでございます。
 復帰後は、中小企業等に対して振興措置法の中で本土に比べて有利な条件をつけていただいたのでありますが、倒産してしまって、あとから復帰後においてこの問題が措置せられなかった場合にはどうなるかというようなことに対し私は憂うるものでありまして、これからお尋ねいたしますことは、本土復帰後における沖繩経済の振興開発を強力に推進するため、総合的な政策金融機関としての沖繩公庫の果たす役割りはきわめて大きなものと考えるわけでございます。沖繩の現地においては、この公庫の業務内容、運営方針に大きな期待を抱いておるわけでございますが、昭和四十七年度予算において、沖繩公庫の貸し付け業務等につきどのような御配慮をされておるのか、それに対しての砂田政務次官の御所見を承りたいわけでございます。
#89
○砂田政府委員 お答えいたします。
 沖繩振興開発金融公庫が果たさなければならない役割りというものは、実に大きな責務を持っているわけでございます。ただいま國場委員御指摘のとおり、沖繩の経済の振興開発の国が果たすべき役割りの中での金融面の一切をこの新公庫で引き受けていくわけでございます。したがって、新公庫の業務の支障のない円滑な運営というものが、五月十五日復帰をいたします沖繩の、新生沖繩県のスタートの当初の非常に重大な問題をかかえているわけでございます。したがいまして、私どもといたしましても、財政当局と十二分にきめのこまかい配慮を立てて、四十七年度予算というものを編成をしたわけでございます。
 ただいま御質問のありました、四十七年度予算の中で公庫がどういうふうな数字を計上しているかということでございますが、まず第一に、一般会計からの追加出資を三十億見てございます。引き継ぎ資産と合わせますと、公庫の資本金は二百四十二億に相なります。さらに四十四億円の貸し付け金の回収がございますので、事業計画といたしましては四百五十億、四十七年度中の貸し付け資金の交付が二百九十四億円の計画を立てているわけでございます。
 貸し付け金利につきましては、当委員会に御参考までに資料を配付をいたしましたので、ごらんをいただきたいと思いますが、この事業計画の四百五十億円の内訳を概略申し上げますと、産業開発資金貸し付けが百十億円、中小企業等の資金貸し付けが百二十億円、住宅資金貸し付けが百億円、農林漁業資金貸し付けが八十億円、医療、環境衛生関係が二十億円、特殊資金貸し付けが二十億円、合計で四百五十億円、こういうそれぞれのワクを設定して予算に計上してあるところでございます。
#90
○國場委員 沖繩公庫の業務規模、貸し付け金利等に対する配慮はかなり意欲的なものであることがわかりまして、どうもありがとうございます。
 ところが、復帰を間近に控えた沖繩経済の現状は、本土で認識されているよりもはるかに深刻なるものがございます。沖繩経済が際会しつつある未曽有の困難を直視すると、いま示された沖繩公庫の経常的な貸し付け業務だけでは十分とは言えないわけでございます。特にいわゆる円レート問題からくる危機的情勢、なかんずく中小企業における賃金の三百六十円換算による経営負担の増大に対処するため、政策金融面での何らかの特別措置が不可欠と考えられるわけでございます。私はこの際、円経済への移行に基因して塗炭の苦しみにあえいでいるところの沖繩の中小企業者に対し、沖繩公庫がこの際思い切った抜本的な対策をもって長期、低利資金を供給し、復帰に伴う経済的ショックを緩和するよう提唱いたしたいわけでございます。沖繩公庫が今後長期にわたり沖繩経済の振興開発を推進していくためには、そのスタートにあたり、まずもって復帰に伴う経済的困難を収拾することが先決だと思います。
 現に、地元の経済界からは賃金の三百六十円換算を確保するには必要な価格設定が困難な企業に対して、賃金総額の一年分を、期間十年以上、無利子、無担保で特別融資してくれとの陳情が届いておるわけでございます。これらの点につき砂田副長官の――もちろん山中大臣が最高のなにを持っておられるでしょうが、思い切った英断を促し、そしてそれに対処策を講じていただきたいことを希望いたしますが、それに対しての副長官のお考えはいかがなものでございますか。
#91
○砂田政府委員 沖繩の各種企業が受けました円切り上げに伴ってのショックというものは、本土とは質的にも量的にも事情は全く異なるというふうに私どもは認識いたしております。しかもその円切り上げという事態は、沖繩県民にも沖繩企業にも何の責任もない。したがって、私どもといたしましては御指摘のように、ドル経済圏から円経済圏に返ってくる沖繩企業のこのショックをできるだけ緩和をして差し上げるのが私どもの責務であるというふうに認識をいたしております。
 そこで、中小企業対策といたしましては、琉球政府からの御要請等もこれあり、十分琉球政府の資料等も検討いたしまして、意見の一致を見ました産業開発資金への十億の追加融資あるいは大衆金融公庫への七億六千万の追加融資、あるいはまた、これは金融とは異なりますけれども、金融機関に対します貸倒準備金を、本土が昨年までとっておりました千分の十五と、従来の沖繩の金融機関におきましては千分の十でありましたものを千分の五だけよけいに見ていく。こういうところから、いまおっしゃるような、結果的には三百六十円換算の賃金が支払い可能になるように、これは民間企業の賃金のことでございますから政府が直接介入するわけではございませんけれども、この円切り上げの沖繩経済のショックを緩和するために沖繩の企業の事業活動が細まってこないように、結果的には三百六十円の換算賃金が支払い可能なようにこういう措置をいままでもとってまいったところでございます。
 ただ、ただいま國場委員が御指摘のように、比較的規模の小さい企業、零細企業、こういうところに対します措置がまだ残っているではないかという御指摘は、私どもも同じ気持ちを持つわけでございまして、こういう際に私どもこの金融公庫でできるだけ思い切った措置をとらなければならない、こういうふうに心中思っているところでございます。財政当局とも相談をしつつ、その腹案を逐次詰めている段階でございますので、後ほど総務長官、大蔵大臣が御出席になりましたならば、その機会にまた申し上げることがあるかと思いますけれども、いま御指摘のそういう措置をとるべきだということにつきましては、私どもも同じ気持ちを持っておりますことだけをお答えをしておきたいと思います。
#92
○國場委員 ただいま副長官の答弁で、一部新聞が報じているような思い切った手がきょうかあしたくらいにも発表されるものと確信するが、副長官の具体的構想の発表がある前に触れるのはいささか先走った感がなくもないわけではございますが、大切なことは特段の長期、低利融資に基づき当然生ずる逆ざやに対し、新公庫の経理が悪化しないような保証措置が必要であることは御承知のとおりでございまして、逆に言えば、その保証がなければ思い切った措置を講じがたいことになろうと思いますが、この点どのようにお考えでございますか、あらためてお伺いいたします。
#93
○砂田政府委員 先ほどお答えをいたしました、お手元に参考資料として配付がしてございます沖繩公庫の貸し付け金利等を見ていただきましても、この中にもすでに逆ざやになっている金利があるわけであります。公庫みずからがこの逆ざや金利を負担をしていくとならば、その分だけどうしても公庫の融資ワクに食い込んでくる、公庫の活動範囲というものがその分だけ狭まるわけでございますから、これは総理府といたしましても、また大蔵省としても、そういうことは避けていかなければならないという基本的な考え方に差異はございません。
 さらに、先ほどお答えをいたしました小規模企業に対しますそういう配慮、こういうことを考えますと、当然その逆ざやの金利の負担はやはり国でしなければならない、このように考えておりまして、十分財政当局の御協力が得られるものと私どもは確信をしております。
#94
○國場委員 田中大蔵政務次官にちょっとお尋ねいたします。
 ただいま総理府副長官のほうからいろいろ詳しく説明を受けたわけなんですが、今日まで予算面に関する限り沖繩の問題は総理府が窓口になっておるわけでございますが、しかし、最終的には何と申しましても大蔵省のほうがかぎを握っておるわけでございますので、いま総理府副長官のおっしゃる沖繩振興開発金融公庫の問題に対しまして、総理府副長官あるいはまた大臣、そことの調整は、いまの砂田副長官のおっしゃったような計画をもって今後これを実行していくというようなことが政策としましても、また大蔵省としましても、この沖繩金融公庫に対しての問題はよく詰めてあるわけでございますか。その点についてはいかがでございますか。
#95
○田中(六)政府委員 先ほどから砂田副長官が御説明申し上げているように、沖繩の企業並びに県民が困らないようにという配慮を前提といたしまして、先ほどからるると説明申し上げておりますように、振興開発金融公庫に対して四百五十億の貸し付け準備をしておりますし、これがまた金利などについても砂田副長官のほうと十分連絡をとり、さらにきめのこまかい措置をとっていきたいというふうに考えております。
#96
○國場委員 あと一点だけお尋ねしておきます。
 沖繩公庫に対しては、地元の期待はまことに大きなものがあるわけでございます。よって、この運営にあたっては、地元の意向を十分反映して行なうよう配慮してもらいたいことを希望するわけでございます。
 また、引き継がれる機関である琉球開発金融公社、大衆金融公庫及び琉球政府の五つの特別会計の職員は、沖繩公庫の職員となることは決定しておるものの、その格づけ、配置がどうなっておるのか、復帰を前にしてそれについての不安を持っておるというのが現在までの職員の気持ちだ、こう解しております。沖繩公庫の事務開始が円滑に行なわれるためには、これらの点についても十分なる配慮をしなくてはいけないではないかということを考えるわけでございますが、いかがでございますか。総理府副長官から、人事問題に対しての御計画がありましたら、お聞かせをいただきたいと思います。
#97
○砂田政府委員 御承知のように、現在沖繩にあります大衆金融公庫あるいは琉開金、ここで働いておられる方々を、今回御審議をいただいておりますこの公庫が発足をいたしますときに引き継いでいくことにいたしております。ただいまのところその人員は百八十二名になろうかと思いますが、これは大衆金融公庫、琉開金並びに琉球政府の特別会計、そういう場で働いておられる方々の全員となるわけであります。
 そこで、いま先生御指摘のように、これらの方々の給与体系等御不安があることも承知をいたしております。この給与の関係につきましては、国家公務員の場合に全く準じて取り扱うことといたしておりまして、本土の各金庫、公庫の現在の給料表並びに大衆金融公庫、琉球開金あるいは琉球政府の特別会計で働いておられる方々の給与の現在の水準、こういうものをそれぞれしんしゃくをいたしまして、新公庫の給料表というものをつくることにいたしております。それは、新しい公庫に引き続いてお働きになる方が、いまの職場で受け取っておられる給与から落ち込みがないようにという配慮のもとに公庫の給料表というものを準備をいたしておりますけれども、国家公務員の場合がそうでありますように、ほとんどの方につきましては、いわば三百六十円換算ということで御満足がいただけると思います。
 ただ、きわめてわずかの一部の方が、これは比較的若年層の方にあるわけでございますけれども、現在の給与のほうが新公庫の給料表よりも低い、こういう事態が出てまいります。こういう方々に対しましては、国家公務員の場合と同じように、その差額は手当で埋めていく。その手当というものは、基準内に読みかえていく手当である。そして何年かたっていきますうちに、この方々が定期昇給を当然するわけでありますから、その定期昇給の中へ組み込んでいけば、いずれは何年か先にはそういう事態が解決するわけでございます。
 そういうことで、沖繩の現在の各金融機関で働いておられる方々の現給を、三百六十円換算をしても落ち込みがないように、そういう配慮を伴いながら、ただいま新公庫の給料表というものを準備しているわけでございまして、いまの沖繩の各金融機関につとめておられる方で、新公庫に引き続いて働かれる方々は、給与の点については、国家公務員については、沖繩の官公労の方々が今日ではもうすでにその不安は解消しているといってもいい。それと同じように、そういう不安はお持ちにならなくてもいいのだということを、明確にお答えをしておきたいと思います。
#98
○國場委員 よくわかりました。
 最後にもう一点。これは総合金融公庫でございますので、環境衛生金融もございますでしょう。これは基金は全部一つに一たとえば環境衛生金融に対しての基金として、予算から見ました場合には十一億円でしたね。そうすると、この会計年度において、そのワク内において貸すわけなんですか。それとも、運転しますうちにこれが不足をしたり申し込みが多かったりするときには、基金は限定してございますので、そのワク内において貸し付けをし、借りる資格者があるにしましてもそれを査定するわけですか。各金融ごとに予算はきまっておりますね。そうしますと、これをミックスするわけじゃない、一つの基金を全部総合するわけでもなくして、各金融の基金というのはおのずからワクがきまいておりますから、貸し出しは、必要に対しての資格者があっても、やはりそのワク内以上は貸すことはできないということになるわけですか。ほかのほうから融通もできるわけですか。
#99
○砂田政府委員 先ほど各産業別の資金ワクの総ワク、それぞれのワクというものを私はお答えいたしましたけれども、やはり四半期ごとにそういうものを全部公庫では見てまいります。そういうことがあるかどうかわかりませんが、これは全く仮定の問題ですけれども、たとえば環境衛生金融関係の融資の申し込みが非常に少ない、どうも次の四半期もそういう事態が続くのではないか、そういうふうなことが考えられますときには、他の中小企業金融のワクのほうにそれを移しかえる、そういう転用はできないことではございません。また、そういうふうな運用ができるところにこそ、こういう統一的な金融機関というものの特色があるだろうと思います。
 ただ、一つお断わりをいたしておきますことは、開発金融関係の大企業のワクが足りないからといって、中小企業金融のワクをそっちに移すなんということは毛頭考えておりません。沖繩におきます中小企業金融がいかに大事であるかということは、先ほど國場先生も御指摘のとおりでございまして、私どもも全く同じ見解を持っておりますので、中小企業のための資金のワクを大企業のために融通するなんということは、毛頭考えていないということだけはつけ加えておきたいと思います。
#100
○國場委員 終わります。
#101
○齋藤委員長 佐藤観樹君。
#102
○佐藤(観)委員 まず、通産省にお伺いをしたいのですけれども、石油の問題なんですが、石油の問題といっても、いままで石炭特会でやった石油の問題とちょっとニュアンスが違いまして、石油の販売ルートの問題なんですけれども、従来沖繩では陸揚げされてからどういうような形で消費者まで渡ったか、ちょっと簡単に説明してください。
#103
○飯塚政府委員 従来は、米民政府とエッソとが沖繩の油類につきまして長期供給契約を結んでおるわけでございます。エッソは、一切の販売を琉球石油に委託しておったわけでございます。
#104
○佐藤(観)委員 その間に、いわゆる石油供給業者であるエッソ、これは七一年の五月以前はカルテックスだったわけですけれども、最近エッソにかわったわけですけれども、石油供給業者であるエッソからアメリカの民政府に渡る。そうしてそれが民政府から――この民政府の中にいわゆる合同石油審議会というのがありますね。これはたしか布令の三十一号だったと思うのですけれども、合同石油審議会があって、ここでいろいろな価格やら消費価格、末端価格をきめているわけなんですけれども、それから合同審議会でこの販売方法をきめましてから琉球石油のほうで全量を島内に回すというふうに聞いているんですが、それでよろしゅうございますか。
#105
○飯塚政府委員 大体そのとおりだと思います。
#106
○佐藤(観)委員 そこで問題なのは、民政府から琉球石油にいくまでにいわゆる油脂納付金というのが取られておりますね。一体この油脂納付金というのはどういう性格のお金ですか。
#107
○飯塚政府委員 油脂納付金を取っておったことは承知いたしておりますが、これはこの納付金を取りまして、米民政府が必要な行政事務等に使っておったのではないかと思います。
#108
○佐藤(観)委員 そうしますと税金のようなものだと考えてよろしいですか。
#109
○飯塚政府委員 そのように私どもは考えております。
#110
○佐藤(観)委員 その場合に、一つ確認をしておきたいのですけれども、この石油の販売ルートですけれども、これは軍需のものもこのルートで入っているわけですか。
#111
○飯塚政府委員 ちょっとその点詳細に私いま存じ上げておりませんが、後ほど調べてお答えしたいと思います。
#112
○佐藤(観)委員 それではその油脂納付金の使途なんですけれども、これはどこにいってますか。
#113
○飯塚政府委員 米民政府が徴収しておりますものですから、それがどのように使われておるかということは私どもまだ調査をいたしておりません。
#114
○佐藤(観)委員 私の調べたところでは、一つは米民政府にいく、もう一つはこの民政府から琉政の一般会計に大体三百万ドルから三百五十万ドル毎年入っていた。残りが民政府の一般会計になっていた。で、しかもこの油脂納付金がまあ先ほど言われたように、税金のようなものだということなんですけれども、水道公社なり電力公社なり、開発金融公社なりに投資をされているわけですね。その辺のところは御存じございませんか。
#115
○飯塚政府委員 私どもそこまで調査いたしておりません。
#116
○佐藤(観)委員 ここで私は非常に問題だと思うのは、まあこれは沖繩国会のときにどさくさの中で――いま非常に問題になっているいわゆる三億二千万ドルとも関係をしてくると思うのですが、その裏づけというのはないといえばないのですけれども、いわゆる沖繩の方々が使っている石油、これをいま申しましたように、アメリカ民政府が税金のような形で油脂納付金というのを取っていた。その一部が水道公社なり電力公社なりに投資をされている。この水道公社なり電力公社というのを今度は日本が財産の継承として資産の買い受けとして買い取っていくということになると沖繩の方々の納めた税金を再び日本が払うような形になるんじゃないか、この辺がいま局長の言われるように、何ぶん民政府のことですから、正確な一般会計の内訳というのは実は出ていないところに非常に問題があるわけなんですけれども、その辺のところは御存じございませんか。
#117
○飯塚政府委員 私どものほうでそこら辺のところは承知いたしておりません。
#118
○佐藤(観)委員 御存じないということになれば、これはしようがないですけれども、もう一つお伺いをしておきたいのは、いま申しましたように、現在の場合には石油供給業者であるエッソが、その販売について独占をしているわけですね。今後、復帰後はたしてこれがどういう形で石油が販売されるのか、これはどういうふうに変わるのですか。
#119
○飯塚政府委員 従来までは琉球石油が一手販売をやっておったわけでございますが、復帰後は、日本本土と同じように、日本の元売り業者が沖繩に出てまいりまして、元売り業者を通じて特約店あるいはガソリンスタンド等を通して末端への販売が行なわれることになると思います。
#120
○佐藤(観)委員 そうしますと、いままでエッソが一手販売をしていたこの既得権というもの、これは愛知・マイヤー会談でいうところの既得権に入らない、これは復帰後は日本と同じように各社沖繩において石油が販売できるというふうに理解してよろしゅうございますか。
#121
○飯塚政府委員 そのとおりであります。
#122
○佐藤(観)委員 まあ何といっても沖繩国会の中で、この資産の買い取りの問題というのはいろいろ問題がありながら強行されて通っていってしまったんで、私はこれ以上この問題について追及してもしかたないと思うので、まあ復帰後はそういうような形で日本と同じような販売ルートで、石油が売られるということになるならば、それはそれとして、この問題終わりにしたいと思うのです。
 それから、いろいろと問題があるのですけれども、まず農林省関係からちょっとお伺いをして片づけていきたいと思うのですが、分みつ糖、砂糖の問題なんですけれども、何といっても、御存じのように日本の甘味資源というのは非常に乏しい。その中にあって、沖繩のサトウキビというのは、わずかながらでもその甘味資源として有望なわけですけれども、しかし、これも国際価格に比べると非常に高いわけですね。まず基本的にお伺いをしたいのですけれども、日本の甘味資源全体を一体今後どういうふうにしていくのか。それは沖繩のサトウキビというものを、これからどういうふうに位置づけていくのか。まず、その点はいかがでしょうか。
#123
○田中説明員 お答えいたします。
 ただいま御指摘ありましたように、わが国の甘味資源全体で国内産はまだ微々たる地位にございまして、全国で三百万トンの需要中六十万トン程度が北海道のビート、鹿児島の甘蔗糖、沖繩の甘蔗糖、この三者で補っているわけでございます。その中で北海道のビート糖につきましては、幸いにして技術水準も非常に向上してまいりまして、ヨーロツパの先進ビート地域とそう違いない生産性なり価格水準というものを実現しているわけでございますけれども、南西諸島と沖繩の甘蔗糖につきましては、何せ経営規模が沖繩の場合にも五十余アールという非常に零細でございまして、しかもああいう台風常襲地帯、ああいう中で育ってきている作目でございますので、国際競争力を云云されますには、いまだ非常に脆弱な基盤だと思います。今後の方向といたしましては、どういたしましても、生産基盤というものをどうやって強めていくかということが第一義的な問題でございますので、品種の改良なり、あるいは基盤整備なり、そういうものを、若干回り道かもわかりませんけれども、根強い指導なり財政投資なりというものを続けていきたいと思っています。
 同時に、従来から沖繩産糖につきましては、糖価安定事業団で買い上げ措置というものを講じてきたわけでございますが、復帰後も従来同様、糖価安定事業団によりまして適正な買い上げを地域産業振興のためにはかっていきたい、かように考えております。
#124
○佐藤(観)委員 ちょっとお伺いをしたいのですが、現在砂糖の国際価格の比較ですね、輸入糖とそれから沖繩でできる砂糖との価格差というものはどのくらいなのですか。
#125
○田中説明員 国際価格を何において基準にするかはいろいろむずかしい問題、があるわけでございますけれども、一つの例といたしましては、ヨーロッパ地域、ここは大部分地域内で生産されましたビート糖をおもに消費しているわけでございますが、ここの末端価格といたしましては、大体比較的高いところがデンマーク、ベルギーでございますとかイタリアでございますが、こういうところは末端価格でキロ当たり百三十円ないし百四十円しているわけでございます。一方わが国内の場合はスーパーものあるいはデパートもの、いろいろ価格差もございますけれども、大体平均的には百四十円ないし百五十円ということで、小売り価格水準といたしましては、ヨーロッパ水準に比べて五円ないし十円程度の格差ということで、必ずしも末端価格としては高いわけではございません。しかし、輸入価格との比較で見ました場合には、日本に入ってきておりますのは、御承知のとおりキューバでございますとか、オーストラリアでございますとか南アでございますとか、こういった発展途上国なり南半球の、非常に大規模でしかも粗放的な経営でやってきておりますケインの砂糖でございまして、これは非常にコストも安うございまして、端的に申し上げまして輸入価格とそれから沖繩の買い上げ価格との格差というものが大体倍、半分くらいの差があろうかと思っております。
#126
○佐藤(観)委員 そこで、その国際価格の差の問題なんですけれども、私は思うに、現地に行って農業を考える場合に、いろいろ条件はむずかしいでしょうけれども、やはり沖繩農業におけるサトウキビの位置というものは非常に現在では高いわけですね。また、これ将来とも高くしていかなければ、沖繩農業というのはやっていかれないのじゃないかと思うわけなんです。そこで問題なのは、この国際価格ですけれども、しかし、ある一方、考え方によってはやはりそれなら国際価格の安い砂糖を大量に輸入すればいいじゃないかという考えも一方にはあると思うのです。そのあたり、当初の一番最初の質問とダブるかもしれませんけれども、この価格差を詰めるために一体どういうことをこれからやられるおつもりか、その点いかがでしょうか。
#127
○田中説明員 国際価格につきましては、特に最近、去年十二月中ごろから急上昇いたしまして、現段階ではほとんど国内の価格水準とは違わない価格ではございますけれども、ただ、これは非常に突発的な特殊需給関係上の話でございまして、平均的にはいま先生御指摘のとおり、国際価格と国内価格の間にはかなり格差があるわけでございます。
 しかし、その格差を単純に国際競争力を強化するというような見地から、これを短期間で縮めていくというにはあまりに南半球のケインと沖繩なり鹿児島なりのケインとの間には距離があり過ぎるわけでございますけれども、しかし国民的な立場に立ちましても、少しでもこの格差を解消していくという努力は日々続ける必要があるわけでございまして、最初の答弁とダブリますけれども、一つには基盤整備、これは全く沖繩の場合には本土に比べまして非常に土地基盤の整備なりあるいは水資源の整備なり、こういうことに立ちおくれがございますので、こういう土地基盤の整備をはじめといたしまして、それに品種改良もここのところ旧態依然たる品種が相当多くなってきておりますので、風土なり気候に適した新しい品種の導入、普及というものをはかっていく、そういうことを通じまして少しでも生産性を向上してまいりたい、かように存じております。
#128
○佐藤(観)委員 私も冒頭に申し上げたように、日本というのは甘味資源が非常に乏しい国です。しかも沖繩にとってみればサトウキビの農業に占める割合というのはたいへん大きなものだと思うので、行ってみればよくわかるのですけれども、まだまだかんがい施設も乏しいので、ぜひとも沖繩農業におけるサトウキビの位置というものが安定するように、これがまた日本の甘味資源確保のためになように、ひとつ施策を続けていっていただきたいと思うのです。
 二点ばかり簡単なことですが、糖価安定事業団の沖繩事務所ですか、これの設置が地元から要望が出ているわけです。それから国立の糖業試験場ですね、これをぜひつくってもらいたいということなんで、これはどういうふうになっていますか。
#129
○田中説明員 糖価安定事業団の沖繩支所につきましては、現在国会審議を願っております四十七年度予算において要求いたしておりまして、定員三名、所長一名、副所長以下一般事務員一名という三人の規模で、復帰後早々にスタートさせるべく事前準備を続けております。それから国立の試験場につきましては、全体的な試験研究の強化ということを通じまして取り込んでいくという方向かと思っております。
#130
○佐藤(観)委員 ということは糖業試験場のほうはまだ予算的要求は出てないということですね。
#131
○田中説明員 さようでございます。
#132
○佐藤(観)委員 それでは砂糖はそれだけにして、これは大蔵省になるかと思うのですが、パイナップルのかん詰め業界からの件なんですけれども、かん詰め製造に使う砂糖の免税、この点はいまどういうふうになっていますか。パイナップルのかん詰め製造に関する砂糖を免税措置にしてもらいたいという要望が出ているのですけれども、どういうふうになっておりますか。
#133
○中橋政府委員 沖繩島産の、島内におきますところの砂糖の精製工場から出ます砂糖につきまして、課税をどうするかという問題でございますけれども、現在は沖繩におきましては輸入する砂糖についてのみキログラム当たり三十六円という税金をかけております。したがいまして、私どもといたしますれば、いま現在それに伴います政令を検討中でございますけれども、基本的な考え方は、復帰前におきますところの間接税の負担というのをできるだけ据え置きにしたい、五年間ばかり据え置きにしようという考え方でございますので、三十六円に当たります税率、税負担というものをそのまま据え置きにしたいという考えを持っております。ところが、本土におきますところの砂糖に関します税金は、御承知のように、輸入関税と内国消費税たる砂糖消費税がございまして、関税のほうは精糖換算で一キログラム当たり四十三円五十銭くらいのものに当たりますが、内国消費税の砂糖消費税のほうは一キログラム当たり十六円になっておりますので、合計しますと約五十九円ばかりの負担をしておるわけであります。それを今回の政令におきましては大体三十六円を据え置きにするという考え方でございますと、砂糖消費税のほうは実は十六円を免税にしなければならないということになりまして、現在そういう方向で検討をいたしておりますので、砂糖消費税に関します限りは五年間は免税ということになるわけでございます。
#134
○佐藤(観)委員 それではけっこうです。
 それから、今度はみそ、しょうゆに関する件なんですけれども、これは地元の要望として、現在本土においては昭和三十九年からみそ、しょうゆに対して近促法が適用されておるわけですけれども、沖繩においてはもちろんこれが適用されてないわけですね。したがって、早いところ近促法を適用してもらいたい。しかも三十九年から沖繩で借りている負債については、政府の近代化資金で肩がわりをしてもらいたいという要望が出ているのですが、これについてはいかがでしょうか。
#135
○森説明員 ただいまの御質問の中で近促法の問題につきましては、御説明がありましたように、本土ではもうすでに近促法を適用されている、構造改善事業を実施をいたしております。もちろん沖繩が復帰した暁には、直ちにこの構造改善に取り組むわけでございまして、ただいま御質問の、いままで借りておられた分をどう肩がわりするかにつきましてはまだ検討の段階でございまして、いまここでどういうふうなことになるということを私のほうで申し上げる段階にはなっておりません。
#136
○佐藤(観)委員 これは非常にむずかしい問題ですけれども、もう一つ基本的な点で、いわゆる本土産品の一みそ、しょうゆが非常にシニア大きくなりつつある。現在向こうには八社くらいしかみそ、しょうゆ製造業というのはなくて、三十何社あったのが八社しかなくなってしまったというたいへんきびしい状態にあって、シェアとしても、たしか沖繩産のシェアというのは半分くらいではなかったか――ちょっと数字がどこかへいっちゃったのですが、と思うわけですね。地元としては、とにかく本土からのみそ、しょうゆの産品を何か流入制限をしてもらいたいという要望があるのですが、これは私、基本的に考えるとなかなかむずかしい点があって、いわゆる地場産業の育成というのをどこまでやったら沖繩県民にいいか。それは、みそ、しょうゆ業者の方々だけにとってみれば本土産品を入れないようにすればいいけれども、しかしそれはやはりいろいろな質の問題とか消費者の問題を考えるとそう簡単にもいかないのではないか。その辺、本土産品の流入という問題についてどういうふうにお考えで、今後どういうふうになさろうというふうに処置をとられておりますか。
#137
○森説明員 近来若干本土産品の流入がその割合を大きく占めるような状況です。ただいま二分の一とおっしゃいましたけれども、それほどまでにはあるいはいってないかもしれませんが、次第にふえてくるという状況にあるということは間違いないと思います。もちろん質の問題がございまして、現在みそ、しょうゆにおきましても、本土の価格に比べましては小売り販売価格もわりあい向こうのほうがまだ安い。しかしながら、品質に対応する問題のとらえ方としては、若干やはり価格の優位性というものもあるいは消えることも多少あると思います。しかしながら、私どものほうでも本土におきますところのみそ、しょうゆ業界に対しましては、いわゆる沖繩の商品について乱売その他の、あるいは景品つき、そういうもので誇大な販売合戦をすることのないように、そういう業界には指導をいたしております。本質的には沖繩のそういう業界が体質改善をしていくことがまず第一義的な問題であろう、こういうふうに考えております。
#138
○砂田政府委員 ちょっと補足します。
 みそ、しょうゆ業界に限らず、本土企業と現地企業との問題は非常にむずかしい問題です。やはり消費者という立場からも考えなければならぬ問題ですが、みそ、しょうゆ業界に対する新しく公庫が発足したときの対処のしかたにつきましては、みそ、しょうゆというのは本土復帰に伴っての新しい制度、すなわち物品税廃止商品グループの中に入りますので、旧債の借りかえは振興法によってできるわけでございます。さらに近促法の指定業種に当然なるわけでございますから、構造改善事業の計画があればそのワクの新しい融資も公庫から受けられることになろうかと思います。
#139
○佐藤(観)委員 いま総務副長官から話がありましたように、確かに地場産業育成ということも大事であると同時に、やはり消費者になるべくいい安いものがいくということも大切なので、このかね合いというものは非常にむずかしい問題だと思うのですね。このみそ、しょうゆに限って言えば、何といっても自力の努力をしていただかなければならぬ。そのための、しかし経済的には無一物から始めた沖繩経済ですから、かなりあたたかい手当てをしなければいかぬのじゃないかと思うわけなんです。そこでひとつ万全の措置をお願いしたいと思うのです。
 その次は、これも若干毛色が違うのですけれども、大蔵省にお伺いしたいのですが、ビールなんですけれども、これは地場産業育成といっても沖繩におけるオリオンビールというのは大体独占企業なわけですね。これをはたしてどういうふうにするかということは非常に問題だと思うのですが、まあ基本的に、地場産業育成という基本原則はあるにしても、ビールについてはこれははたしてどういうものだろうか。その辺の基本政策はいかがですか。
#140
○中橋政府委員 いま御指摘のビールは、おっしゃいますように、沖繩におきましてはオリオンビールという一社がつくっておるわけでございます。その企業の育成にどの程度力を注いだらいいかという問題は非常にむずかしい問題でございますが、私ども基本的にはやはり地場産業としましては最も成功をしてきた部類ではないかというふうに思っております。その一つといたしまして、本土のビールが沖繩に入りましたときには酒類消費税といいますいわば対本土関税のようなものを持っておりまして、これによってかなり保護されてきた部面があると思います。そこでそういった面を暫定期間におきましてはかなり配慮する必要があるのではないかという基本方針をとったわけでございます。
#141
○佐藤(観)委員 そうしますと、現在その措置をとったときの本土から沖繩にいくビールとオリオンビールとの価格差というのは、消費者にとって幾らくらいになりますか。
#142
○中橋政府委員 現在の沖繩におきますところの税制のもとで申し上げますと、現在沖繩のオリオンビールは、大びんでございますけれども、一本当たり四十セントのようでございますから、これを三百八円で換算をいたしますと百二十三円二十銭くらいに当たっております。それから本土で製造いたしまして沖繩に持ってまいりましたビールは五十五セントくらいで売られておるようでございますので、これを換算いたしますと百六十九円四十銭くらいになるわけでございます。この百二十三円なり百六十九円の中にそれぞれ税金がどれくらいかと申し上げますと、沖繩島内産のビールは大びん一本当たり五十円六十九銭くらいでございますし、本土産のビールの中には九十一円六十三銭くらいの税金が入っておるということで、そこには約四十一円ばかりの税差があるということでございます。ちなみに本土におきましてのビールは大体大びんに一本当り百四十円の小売り価格の中に六十七円九銭くらい税金が入っております。
#143
○佐藤(観)委員 そうしますと、末端の商品価格で四十六円違うということになるわけですね。そうすると今後この四十六円の価格差を五カ年間続けるというふうに考えてよろしいわけですね。
#144
○中橋政府委員 御指摘のようにオリオンビールの課税問題を考えます場合に、一つは価格でどうするかという方法もあるかと思いますけれども、私どもはやはり価格はいろいろな他の要素が入ってまいるものですから、税金の負担額だけを判断の基準にいたしたいと思いまして、復帰後におきますところのビールに対します税金は、実は現在たとえば大びん一本当たりで申しますと、五十円余りの税負担というものがありますから、ひとつそれをもとに考えたいということでございます。そうしますと、本土のビールが大びん一本当たり六十七円余りの負担を持っておりますので、この間に約十七円くらいの差がございます。先ほど砂糖のときに申し上げましたように、一般的に現在の沖繩におきますところの間接税の負担といものは、大部分のものにつきましては五年間そのまま横すべりにするという基本方針がございますから、この十七円余りというものをそのまま軽減をするのが一つの方法でございます。
 ところが、さっき申しましたように、かなり関税的なものでもっていままで推移しておりますので、この六十七円余りの本土におきます税金と、それから沖繩にそれを持って参りましたときの九十一円との差額、約二十四円ございますけれども、これもやはり関税的なものとして考えざるを得ないのではないかということでございます。しかしながら、いつまでも、せっかく本土に復帰しまして同じ法域に入っておりますから、先ほど佐藤委員から御指摘のように、あまり地場産業保護ということばかりでもいけませんから、この関税的なものの約二十四円というものは漸進的に縮小してまいります、約四年間でこれはゼロにいたしますということで、段階的に縮減をする方針でございます。
 それから、本土のビールの税金約六十七円と現在の沖繩におきますところのビールの税金五十円余りとの差額約十七円は五年間据え置きにいたしたい、こういうのが基本線でございます。
#145
○佐藤(観)委員 その価格による規制という問題と、もう一つは量ですね。量規制というのはたしか何にもないですね。したがって、高いビールでもいいということになれば、これは幾らでも沖繩に今後はいけるということでよろしいですね。
#146
○中橋政府委員 量的な制限で本土から沖繩に入るビールを押えることによりまして地場産業を保護するというやり方も確かにあると思います。
 先ほど申しましたように、まず価格でやる方法で、本土から向こうへ持ってまいりますビールをある程度高くすることによりまして保護する方法、それからいまおっしゃいましたように、本土から沖繩に持ってまいりますビールをある一定期間、一定量に制限しますことによって沖繩の地場産業たるビール業を保護するというやり方もございましょうけれども、いずれにいたしましても、やはり人為的な操作がかなり入るという欠点がございます。たとえば量的な問題を取り上げるといたしましても、毎年毎年一定量に限りまして本土からビールを持ってまいるということにいたしましても、そのビールを一体どういう流通経路で扱うか、あるいはまた、沖繩の人たちがもう少しほしい、本土のビールが飲みたいんだ、価格は高くても本土のビールが飲みたいんだというときに、それをおかしてまであえて量で制限できるかという問題もございますので、価格によりますところの差をつけたり、量的な制限をつけたりするという方法は避けたわけでございます。
#147
○佐藤(観)委員 具体的に量規制というのは事実上なかなかむずかしいと思うのです。問題は、これから将来にわたって五年、こういう措置をとってあるわけですけれども、税金による差によって一応保護した形になっておるわけですが、私がオリオンビールで聞いた数字ですと、現在年間十万石くらい生産しておるわけですね。これが五年後には機械も入れかえたりして十五万石くらい生産したいという計画になっているわけですけれども、はたして五年後にこの十五万石という数字で、ほんとうにこの価格差がなくなった場合に、本土のビールがどんどん入った場合に、ビールというのは持ち運びがしにくいという一つの問題がありますから、これはまたいろいろ加味されるでしょうけれども、はたして将来、このオリオンビールというものが十五万石生産すればほんとうに採算が合うんだろうかどうかという疑問があるわけです。その点についてはどうですか。
#148
○中橋政府委員 現在の水準からいいまして、オリオンビールがかなりやっていくには、おっしゃいますように、たとえば十五万石くらい生産をすればいいというお話しがあることは私どもも聞いております。それで、基本的に私どもは、間接税全般についてでございますけれども、五年間は現在の税負担をおおむね横すべりをさせるということでやっていくわけですが、そのあと一体どうなるかという問題が確かにございます。それは、私どもは、やはり五年間という猶予期間がございますから、その間に、まず第一には、企業それぞれでいろいろな努力をしていただきまして、新しい情勢に適応していただくようなことを考えていかなければならぬのじゃないかというふうに思っております。それですから、間接税だけではございませんで、直接税のほうでも、たとえば償却を厚くするとか、近代化の指定を受ける業種についてはまた別途のいろいろな利益があるとかというようなことで企業の体質を強化する面も考えておるわけでございます。
 それで、特にビールにつきましては、いま佐藤委員もおっしゃいましたように、確かに多量のものでございますから、なかなか運搬費がかさむという問題は、地理的にはその点では一つ安心がいくわけでございますが、そのほかに生ビールという問題がございまして、現在までも、オリオンビールにおいてもかなりそういう点に着目しまして、本土からはなかなか生ビールを持ってこれないという地理的な差を利用いたしまして、そういう分野にも進出いたしておるようでございますから、かなり努力をしていただけば、そしてまた、かすに五年間の年月をもってすれば十分やっていけるんじゃないかというふうに私どもでは現在のところ見ておるわけでございます。
#149
○佐藤(観)委員 それに関連をして、本土に復帰した場合に、ビールの原料であるモルトに一五%の関税がかかってコスト高になる、あるいは外貨の割り当てからいって、モルトとかホップとか砕米がなかなか入りにくい、あるいは原料用の米、これも食管の適用になるわけですから、そうなると購入が現状より高くなるんじゃないかということもいわれているわけですが、このモルトあるいはホップ、砕米、こういうものの措置というものはどういうふうになっておりますか。
#150
○中橋政府委員 関税の特別措置も五カ年間に限っておるようでございますから、五年たった暁においては、確かにそういう税負担も、本土の企業が受けておるのと同じようになるわけでございます。ただ、ビールの生産用の米等につきましては、砕米を使う部面もございますので、そういった面の配給についてのしんしゃくというのが、あるいは五年先に、あるいは五年までにも農林省のほうでやられるかどうか、ちょっとその辺は私どもつまびらかにいたしておりませんけれども、原則としましては、やはり税制面からいえば間接税、内国消費税も、それから関税も、大体五年たてばやはり同じようなベースになるということでございます。
#151
○佐藤(観)委員 ビールの話はそこまでにしまして、今度は別の形態で、開発ということでいろいろ問題になる点なんですが、それは一つは八重山の西表の問題なんです。ここに現在琉球政府立の公園をつくる予定になっているということなんですけれども、現状、西表はどういうふうになっておりますか。環境庁の方……。
#152
○宇野説明員 お答え申し上げます。
 現在、西表は琉球政府立公園にしようということで、琉球政府のほうでその準備中でございます。
#153
○佐藤(観)委員 そうしますと、それは復帰後はどういうふうになるわけですか。
#154
○宇野説明員 私どもといたしましては、西表が琉球政府立公園になった場合には、復帰後これを本土の国立公園というふうに見なすというふうにする予定でございます。
#155
○佐藤(観)委員 環境庁のほうからあえて御説明いただこうと思っておったわけですが、西表というのは、作家の戸川幸夫さんがさがし出した西表ネコというたいへん世界的にも珍しい動物がおるわけだし、日本に残されたただ一つの原始林じゃないかというような、たいへん今後日本としてもこれはどうしても保存していかなければいかぬというところだと思うのですね。ところが、ここに、これは通産省にお伺いをしたいのですけれども、古見岳から銅が出るというようなことで銅の採掘権が許されているようなんですが、このあたりはどういうふうになっておりまか。
#156
○佐藤説明員 西表島におきます金属鉱床につきましては、古くから知られておりまして、かつて地元の方が試掘したこともあるわけでございますが、その後やはり地元の方がいろいろ調査した結果、銅の有望な鉱床が見つかりまして、四十六年の九月に試掘の鉱業権の出願が許可されておりまして、四十七年度、本年度の夏ごろから試掘をやるという計画を立てておられるようでございます。まだ試掘の段階でございますので、はたして稼行にたえ得るかどうか、具体的にはボーリングをやってみませんとはっきりいたしませんけれども、一応そういうボーリングも含めた調査の計画はお持ちになっているようでございます。
#157
○佐藤(観)委員 私が知った範囲では、この採掘権、先ほど御質問なさった國場さんのおにいさんですか、國場幸太郎さんがお持ちだということで、これは余分なことですけれども、問題は、この地図で見る限り、銅というのは、私も詳しくは知らないですけれども、いわゆる足尾鉱毒事件以来、いろいろな問題があるわけですね。あるいはあそこで製錬するのかどうかはつまびらかではないのですけれども、今後、この先ほど言った国立公園にする予定になっているこの西表の地が、この採掘によって非常にあぶないことになるんじゃないかという心配を私は持っているわけなんです。その点、そういう採掘の専門である通産省、それから国立公園を今後管理しなければいかぬ環境庁のほうも、どういう御意見だかお聞かせ願いたいと思います。
#158
○佐藤説明員 復帰いたしますと、日本の鉱業法の適用に相なるわけでございますが、もちろん試掘の段階であれ、あるいはまたそれが成功いたしまして採掘ということになった場合、いずれの場合におきましても、公益に害を与えるようなこと、あるいはまた国立公園等に問題を及ぼすようなことのないように、具体的な施業段階では、施業案というものを出しまして、本土でいえば通産局長でございますかの認可を得て操業するということになりますので、特に最近の非鉄金属の公害問題もございますので、その点は十分に通産省としても、配慮いたしてまいりたいと考えております。
#159
○宇野説明員 先生の御指摘のとおり、西表島の私どもが保護いたしたいと思います要点は、原生林でございます。私どもといたしましては、できるだけ広い範囲を保護したいわけでございますけれども、何せ西表島一帯が約二万七千ヘクタール、その中で、現在の計画では約一万ヘクタールを国立公園にしたい。これでも相当の面積の割合を占めるわけでございます。地元の方の生活等もございますので、一応これが限度ではないかと実は考えておるわけでございます。その点で、いま御指摘の古見岳というのは、原生林といたしましては比較的価値が薄いといいますか、島の中では価値が薄いところ、そういうところで、私どもはこれを区域からはずすことはやむを得ないのじゃないか、そういうふうに考えておる次第でございます。そういう意味で、保存されるべき原生林約一万ヘクタールをとりますと、いまの鉱山との関係は一応私どもとしては心配ないのじゃないか。これは通産省のほうにもお願いをいたしまして、御指導を願いたいというふうに考えております。
#160
○佐藤(観)委員 私は、もう一つ心配なのは、この西表島の東側というのは、八重山海域といって、サンゴ礁が非常に珍しいところで、澄明度が日本一というところなんですね。まあとにかく島ですから、この古見岳からの銅を何らかの形で船で輸送しなければいかぬわけですね。これがやはり八重山海域の澄明度というものを非常におかすのではないかということを非常に心配をしているわけなんですが、そのあたりの点はいかがですか。
#161
○宇野説明員 御指摘の海域につきましても、これはやはり国立公園といたしまして、約三万ヘクタールぐらいの海域を実は指定いたしたいと考えておるわけでございます。これは現在のところ、いろいろと漁業関係との調整もございますし、特に規制を強くできる地域というふうにはすぐには持っていきにくいかと思います。そういう点で、確かに御心配の点があるかと思いますが、これは鉱業の操業、その形態、そういうところで通産省のほうの御指導をお願いして、私どもとしては保護に万全を期してまいりたい、そういうふうに考えております。
#162
○佐藤(観)委員 それからもう一つ、この点で問題なのは、先ほど課長さんも言われたように、原生林なわけですね。これが、私の知っている範囲においては、八重山開発株式会社が大昭和製紙と提携して、この原生林を借りて伐採をするということを聞いているのでございますけれども、これはほんとうは林野庁にお聞きしなければいけなかったかもしれませんが、この点はどういうふうになっているのですか。
#163
○宇野説明員 実は、その問題が御指摘のとおりございまして、その部分林契約というのが相当面積にわたっております。したがいまして、これは長期でございますけれども、このままでまいりますと原生林が切られていく、そういう心配があったわけでございます。この調整のために実はいままで手間どっているわけでございます。最近、一応調整ができまして、一万ヘクタールの私どもが国立公園に将来引き継ぎたいという地域については、この部分林、したがいましてその切られるという問題は一応解消したというふうに実は林野庁のほうから私ども伺っている次第でございます。
#164
○佐藤(観)委員 もう一つ通産省にお伺いをしたいのですけれども、沖繩の南部のほうで天然ガス及びヨードが出るところがある。これはたしか六回ぐらい調査をしているわけなんです。これはどこですか。
#165
○飯塚政府委員 三十五年から四十五年までの間六回ばかり、これは総理府の予算に基づきまして調査をしておりますが、実際に調査に当たりましたのは、通産省の地質調査所の専門家であります。沖繩南部におきまして天然ガスの埋蔵の可能性がかなり強いということになっております。これは天然ガスは、水溶性の天然ガスでございまして、水と一緒にまじっている天然ガスでございますが、水の中にヨード分が含まれておるという成分のものでございます。
#166
○佐藤(観)委員 場所はどこなんですか。
#167
○飯塚政府委員 沖繩の南部の那覇市の東のほうに当たる地帯でございます。
#168
○佐藤(観)委員 それで、この場合に、水溶性の天然ガスをとった場合に、かなり地盤沈下が起きるんじゃないかという問題が地元ではいろいろ問題になっているわけなんですが、この点はいかがですか。
#169
○飯塚政府委員 水溶性の天然ガスでございますので、その危険性は私どもとしてもいろいろ心配しておるわけでございます。特にヨードをよけい採取しようといたしますと、水のくみ上げ量が多くなるわけでございますので、その分だけ危険性が多くなるわけでございますが、当面私どもの考えておりますのは、島内の都市ガスの需要に見合うような天然ガスの採取に重点を置いて、しばらく様子を見た上で地盤沈下の状況等を見ながら、もし差しつかえなければヨードの採取にしてもやっていったらいいんじゃないか、そんなふうに考えております。いずれにいたしましても、地盤沈下の問題を最重点に考えながら、天然ガスの採取について指導をしていきたいと考えております。
#170
○佐藤(観)委員 まだ多々問題はあるのですけれども、一つは地場産業を育成しなければいかぬという基本問題と同時に、開発を進めることによって公害にまた沖繩の海が侵されるという本土の二の舞いがあってはならぬと私は思うわけです。私がいま西表の問題あるいは沖繩の南部の天然ガス採取の問題こういうのをあげたのは、公有水面の埋め立てという問題もいろいろあるわけですね。これはきょうもう時間があれですから触れませんけれども、本土のように工業が出ていった、そのかわり沖繩の海が二度と泳げないような海になったということではどうにもいかぬことだと思うのです。その辺を私たちもこれからずっと監視を続けますけれども、ひとつ総理府のほうでも本土の二の舞いになることがないように監視を続けていただきたいと思うのです。それを要望いたしまして終わりにさせていただきたいと思います。
#171
○齋藤委員長 午後六時より再開することといたし、この際、暫時休憩いたします。
   午後五時三十二分休憩
     ――――◇―――――
   午後六時八分開議
#172
○齋藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 沖繩振興開発金融公庫法案に対する質疑を続行いたします。堀昌雄君。
#173
○堀委員 沖繩開発金融公庫について、すでに昨年質疑が行なわれておりますけれども、本日重ねて私は、この法律の表面上の形式と実際に運営をする中身の問題との関係で、少しお伺いをしておきたいと思うのであります。
 この法律は、第一条で、「沖繩振興開発金融公庫は、沖繩における産業の開発を促進するため、長期資金を供給して、一般の金融機関が行なう金融を補完し、又は奨励するとともに、沖繩の国民大衆、住宅を必要とする者、農林漁業者、中小企業者、病院その他の医療施設を開設する者、環境衛生関係の営業者等に対する資金で、一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通し、もって沖繩における経済の振興及び社会の開発に資することを目的とする。」こうはっきり書いてあるわけです。そこで、この中で、いまの「一般の金融機関が行なう金融を補完し」ということは、一般的な政府関係金融機関の原則でありますが、その次に、「又は奨励するとともに」という一項が入っておりますね。これは一体どういう意図で奨励をするということが書かれておるのか、ちょっとそこを最初に伺っておきたいと思います。
#174
○山中国務大臣 これはもう本土の金融機関においては、政府が政策金融をやりますと、当然それに対する協調融資というのがなじんでいますけれども、沖繩においては、起債市場もありませんし、そういうような習慣がなじんでいないということから、これは書かなくてもいいのですけれども、やはり沖繩の市中金融機関というものは、こういう政府の政策金融が行なわれたならば、それに対して協調融資その他のこれに対する援助というようなものをしてほしいという意味で、それを奨励する、こういうつもりでございます。
#175
○堀委員 そこで、実は今後これは業務方法書を書かれることになるのですが、まだ私どもには実は業務方法書の案等も明らかにされていない現状であります。そこでこれはやはりこれまでの政府関係金融機関の法律と同じような形態になっておりますが、国民金融公庫法はその業務方法書の、これは四十五年の分でありますけれども、「借受人の資格」として「適切な事業計画の下に独立して事業を営み又は営もうとする者であって、銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることを困難とするものに限る。」こうありまして、「保証人」の項に「原則として一名以上とする。但し、担保を徴する場合又は連帯貸付の場合は免除することができる。」「担保」「公庫において必要と認めるときは、不動産その他適切な担保を徴する。」これが実は国民金融公庫の現在の業務方法書ですね。おそらくこの業務方法書を書くときには、ここでは全部の政府関係のものが入っているわけですが、これはもう一つ中小企業金融公庫のほうもちょっと読み上げておきますと、第一条のほうは同じようなことで「一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的とする。」とありますが、あとの担保とか、保証人では「保証人は、原則としてたてさせるものとする。」とか、やはり国民金融公庫と中小企業公庫では個々に全部違うわけです。
 これは一体業務方法書を書くときに、そういうふうに何か項目別に全部そういうところを並べて、現在ある業務方法書のかなりなものがそろうように考えるのか、あるいはより何か包括をしたようなことで考えることにしておるのか、その考え方だけをちょっと最初にお尋ねしたいと思います。
#176
○山中国務大臣 これは当然沖繩において国が行なう政策金融すなわち一銀行、六公庫、一公団、一事業団――公庫、事業団については融資業務のみということで、沖繩においてまとめてめんどうを現地において見られるようにというサービス行政の配慮をいたしておりますから、したがっていまのような業務方法書に準じたものを、それぞれの金融機関ごとに、沖繩においてもこの金融公庫の中に設定していくことになると思います。しかし、時間的な問題でいま答弁のできない問題等も、やはり問題においては特殊な背景を持って、金融上時限的な配慮も必要とするような背景がありますから、それらの問題についての配慮等もあわせながら、沖繩の現状に沿った融資というものが行なわれるように業務方法書というものはきめてまいりたいと思います。
 しかしながら、いま法案が先国会以来継続の状態でありますので、本音を申しますと、法律によって通過後設立される準備委員会もつくれない。したがって、非常に事務的には支障を来たしておりますが、しかし、ほんとうの準備作業だけは懇談会みたいな形ででもしなければいかぬという秘密理事会の御好意みたいなものがあったようなことで、それを受けて何とか間に合わせるようにいたしておりますから、いま言ったような方法で、沖繩現地にふさわしい内容の業務方法書をつくりたいと思っております。
#177
○堀委員 そこで、前回も問題にされておりますけれども、私どもは現地の関係者の皆さんから話を伺いますと、この前山中長官は自己資本比率二〇%ぐらいだから担保力があるだろう、こういうようなお話があったのです、前回の会議録を読んで見ますと。しかし、全般的には確かに非常に困難な中から立ち直ってきた企業でもありますから、特にそれがほとんど小、零細企業というのが多いわけでありますから、私は、やはり現地の方がお話しになりますように、担保力が非常に不十分だろうと考えておるわけであります。ですから、そうなりますと、特に中小企業金融公庫の問題はやや大きいからよろしいのでありますが、国民金融公庫のほうに相当する部分につきましては、やはりこの保証人の活用を十分ひとつ生かして、できるだけ担保を徴する必要のない取り扱いをしていただくことが、当面沖繩の皆さんにとっては非常に有効に役立つのではないか、こう考えておるわけですけれども、その点はいかがでございましょうか。
#178
○山中国務大臣 国民金融公庫の性格は、これはお互い知っておりますとおり、他の金融機関の融資を困難とするような階層を優先して、またそれに限ってやることになっておりますから、ある意味では、中小企業金融公庫なんかよりも、そういう融資条件のてん補措置、リスクのカバー措置というものが若干きついという感じもします。しかし、これは融資のワク等、金額等もこれまた担保をしやすいような条件の金額になるわけでありますから、沖繩の場合については、大体沖繩に一番盛んであるといわれている模合制度と申しますか、そういうものが示すように、あるいは沖繩の全島的な門中制度というようなものがあるように、相互扶助の精神というものが非常にございます。そういうようなことで大体うまくいくだろうと見ておりますが、しかし、これは沖繩のためにこういう手段を講ずるのでありますから、沖繩のために実情に合わないということであったならば、これは業務方法書ができ上がるころには皆さま方にもどうせお配りしなければならぬと思うのですが、運用してみてまずい場合は、私は、ちゅうちょすることなく、沖繩に対するあらゆる配慮を本土政府はする義務がありますので、そこらの点を金融当局とも相談をしながら、つくったものが実情に合わないために活用されないということがあってはならぬと思っておりますから、配慮をしていきたいと思います。
#179
○堀委員 その点はひとついまの長官の答弁で、私も十分配慮していただくことで了解をいたしてまいりたいと思います。
 その次に、実は沖繩開発の問題。短時間ですから、いろいろなことは申し上げられません。ただ、率直に私は、どうもいまこの沖繩開発が少し夢が多過ぎるのではないかということを、この際ちょっとはっきりしておく必要があるのではないかと思います。なぜそういうことを申し上げるかというと、やはりこの前長官がここで御答弁になっておるわけでありますけれども、一九七〇年ではすでに一万一千名近くの者が本土流出をしておる。しかもこれが中高年齢層ではなくて、大体中学校、高校卒の今後の沖繩経済振興の旗じるしをになう働き手の諸君が中心であるということは私の一番心痛いたしておるところでありましてこういうふうにお触れになっておるわけでありますね。そこで、私も実はこの沖繩のいろいろな問題を考えてまいりますときに、そう急速にこれらの労働力を沖繩で充足できるような企業を沖繩につくることは、私は率直に言ってなかなか困難だと考えておるわけであります。そうすると、早急にそういうものができなければ、いま現実に起きておるような青少年の流出というものが、どんどん出てくる。この青少年の流出というものが出てくる過程の中では、やはり企業の側とすれば、逆に進出についてだいじょうぶかな、今後の充足についてどうかなという不安が起きかねない。そのことは企業の進出に逆に作用するということで、私どもも、できるだけ沖繩が今日の日本の過疎県のようなことになってもらいたくない、こう考えておるわけです。考えておるけれども、しかし、それはやはり現実の施策等の上で考えないと、あまりにもバラ色の計画を立てることは、私はかえって沖繩県民にとってそのギャップが大きくなって、たいへん将来に対してマイナスを残すおそれがあるのではないかという点を、実は率直に心配をしておるわけであります。ですから、これからの沖繩開発計画というものは、そういう本土における各地の過疎県のいろいろな過去における諸情勢というものの分析の上に、やはり合理的なそういう地域性、いろいろな諸条件を踏まえた上で考えられないと、ただ単にペーパープランで考えられる問題は、きわめて危険を伴うおそれがある、こういう考えを持っておるのですが、これについてのひとつ長官の見解を承りたいと思います。
#180
○山中国務大臣 まさにそのとおりで、すでに沖繩県内において過疎状況が進行しておるわけです。極端な例になると、人間の住んでいた島が島ぐるみ近くの大きな島に移って、そして無人島になったという例がすでにこの一両年の間に出ております。したがって、沖繩の人口動態を見ますと、沖繩の本島中南部、そして拠点島の石垣、それから宮古の平良市、そういうところに集まっている。ことに本島中南部に多いのです。そして、それらのところは、本島北部から各離島にかけまして、やはり過疎現象を沖繩の県内で起こしております。これがなぜ本土の過疎現象とまで、たとえば本土の過疎法で言うならば、五年間に一〇%以上の流出というところまでいかないかというと、これはやはり現在の複雑な施政権下で、渡航が簡単にできないというようなこと等が、ある意味で壁になっている。これは復帰時点から取り払われますから、当然私はテレビで東京、大阪よいとこという、一座は行ってみたい、こういうことはなかなか一ぺんにとめられません、若い青年のある意味の夢ですから。しかし、それにしても、東京に来てみたら、やはりキンモクセイも咲かないような、そういうところはいやだと言って、郷里に帰っても、生活ができぬ。生活ができるような郷里にどうしてもしなければならないと考えているわけです。
 その意味で、いまおっしゃったように、夢がバラ色過ぎるのではないか。この点は確かに非常に善意をもってすでに敷地も糸満に取得された松下産業でさえ、ドル・ショック以来の、あるいはアメリカの弱電産業に対する締めつけ、こういうものでもって、きわめて善意な社長ですけれども、それすら出るということは、いま敷地取得してもできない。かといって、何とか軌道に乗ろうとするものは、そうあまり雇用労働力の需要に貢献しないアルミ等がいま具体化しつつあるだけで、また用意をしておりました川崎重工業の造船も、やはり同じドル・ショックで足踏みをして、四十七年度計画には取り入れられなかった、こういう現実があることを私も率直に認めます。
 しかしながら、やはり沖繩においては、それらの電力、水、そういう基礎的な条件というものに全力を傾けて、今後これは国の事業としてやっていきますから、国が責任を持ってそういうことを確保することにより、やはり自分たちの住んでおる郷里が、郷土の島というものが、やはり一番いいというような条件をすみやかにつくってあげないと、これは口頭禅に終わっちゃって、琉球政府の立てた十年後の人口目標の百万オーバーも、達成できない。そうしてまた、老人と婦女子の状態になったら、先ほども読み上げられたとおり、青写真はできた、しかしにない手はいないという島になる可能性が、きわめて強いのです。その点は御指摘のとおりでありますから、これは十分に誠意をもって通産省あたりの協力も得ながら積極的な努力を展開していかないと、出てしまうと、これはもうなだれ現象を起こすおそれがありますので、ことに離島あたりの去年の干ばつ、台風、こういうところの出かせぎ労務者が一応は帰っておりますけれども、これが家族ぐるみ帰ってこないという本土流出になりますと、また農山漁村のにない手もいなくなるという心配もありますから、単に工業のみならず、農林漁業にも配慮をしたいというふうに考えております。
#181
○堀委員 通産省に入っていただいておりますから、いま私が指摘をした問題ですね、この問題は、私はタイミングが実はあると思うのです。これから三年も四年も先ということになりますと、ある一定の若い人たちが外へ出てきて、こちらへ来てしまうと、だんだんこれに影響されて、次々と弟だとか、その次の人たちがこれに引き寄せられてくる。だから、これから五年先、六年先に――いま長官が言われたように、確かに沖繩の一つの問題点というのは、基盤整備は十分にできていませんから、電力についても、水道についても、非常に不安があるから、出たくない。それはしかし五年くらいたったらできる。しかし、五年くらいたったころには、いま私の申し上げたように、労働力のほうがもうどうにもならぬということになっては困ると思うのですね。
 そこで私は、やはりこれはかなり積極的なそういう労働集約的な企業の誘致の問題があると同時に、これは単にこの開発金融公庫その他の融資だけの問題ではなくて、やはり今後の問題としては、これは大蔵大臣にもお聞きをいただきたいのですけれども、やはり沖繩進出企業に対する何かの税制上のフェーバーを与えるか何かをしないと、なかなかこれは簡単に問題が処理できないのではないのかという点をいま実は痛切に感じておるわけです。ともかくやはりできるだけ私どもも沖繩がその他の日本における過疎県と同じようなかっこうになるということは望ましくないと考えておりますので、できるだけいまの琉球政府その他の考えられておる計画に沿うようにしてあげたいと思いますけれども、どうもこれまでいろいろな諸施策を見てきた限りでは、この程度ではどうもその問題はなかなか解決ができないという感じを持っておるわけです。
 そこで、先にちょっと通産省に伺いますが、通産省としては、これならという何かきめ手がありますか、時間がありませんから、簡単に、何かあれば、答えていただきたい。もしなければないと答えていただきたい。
#182
○本田政府委員 御指摘のような事情があって、これは人がきわめて重要だという点は、御指摘のとおりだと思います。
 そこで、今国会に提案しております工業再配置促進法に基づきます誘導地域といたしまして、沖繩県の工業導入地域へ移転するもの、あるいは進出するものにつきまして、補助金を出すという法案が出ておりますが、これを活用すると同時に、基盤整備を、博覧会等とからみましてできるだけ早く基盤整備を進めたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#183
○山中国務大臣 いまのことで、時間もあることですから簡単に申し上げますが、結果的な話ですけれども、沖繩海洋博というものを一応決定をいたしました。これに向かっては、相当大規模の公共投資を行ないます。若い人に全部肉体労働をやれというつもりはありませんが、やはり関連のいろいろの需要も喚起できますから、沖繩の振興開発十カ年計画の各種公共事業も相当なスピードと厚みでもって投資されてまいりますから、やはりこれは現地におけるそういう雇用労働者と申していいですか、そういう事情には貢献するだろうと思うのです。その間に、やはり海洋博が終わったらがったりさびしい沖繩ということにしちゃいけませんので、そういうことを念頭に置きながら進めていく、つなぎということをよく考えていきたい。
 それから、各種の本土における炭鉱離職者の特別措置、あるいは駐留軍離職者、それから中高年齢層これらの手法を縦横に駆使して、沖繩には全部そういう失業者の再就職やその他の手当てをしますが、その中で一つだけ切ったものがあります。それは雇用促進手当、これについて、沖繩の企業が失業手帳を持った者を雇う場合には支給します。しかし、本土の企業が沖繩から流出人口として雇用した場合には、その雇用奨励金は出さないという、ある意味でこれは非常に消極的な手段ですが、本土の企業者が沖繩の人を争ってかかえに行く、それは手当までもらえるということだけは、そこでチェックしたいと思います。
#184
○堀委員 今後の経過でいいのですけれども、大蔵大臣、いまいろいろと政府あげてこういう対策を考えておられると思うのですが、しかし、現実には、私もいまの沖繩海洋博はそれなりに評価をいたしますが、オリンピックが済んだあと、万国博が済んだあとというのは、いずれも、日本がたいへん大きなプロジェクトでやったあとに不況が来ていることは、大臣も御承知のとおりですね。ですから、不況とか何とかの問題はさておいても、そこのあとにギャップが来ることについては、やはりそれをその期間中にカバーするようにしていかなければなりませんが、そのためにはある程度の企業が向こうに出ていくことなくしては、この問題は処理できない。それには例の自由貿易地域とか、いろいろなあれがありますが、そういう限度を限ったものではなくて、特例的に何らかの税制の配慮等をすることも場合によっては必要だと思うのですけれども、企業に対する税制問題、これは本土とは別でありますから、それについて大臣は――それはまだどうなるかわかりませんが、おそらくそうなるであろうという想定のもとに、何かそういうフェーバーを与えることによってでもそういうギャップをなくして沖繩開発に資したい、こう考えるわけでありますが、大蔵大臣、いかがでございますか。
#185
○水田国務大臣 海洋博をやるための準備で相当の投資が沖繩に行なわれ、また博覧会が開かれると、その期間は相当のにぎわいを呈することでございましょうし、このあとを維持していくということは非常にむずかしいことであって、相当万国博のあとのようなことになるのは避けられないと思います。したがって、何らかの措置を考えないと断層があり過ぎるということになろうと思いますので、まだひまがあることでありますから、この問題は十分関係者で検討したいと思います。
#186
○山中国務大臣 税制のことで大蔵大臣の補足をして私が説明するのは悪いのですが、主として私が作業いたしましたので……。
 租特法の中で、海外投資損失準備金の構想を当てはめて、自由貿易地域投資損失準備金、あるいは特定事業場を指定することになっておりますが、そういうものについては、沖繩地域投資開発準備金、投資損失準備金というようなもので、海外投資損失準備金のパターンを適用する。それから事業用買いかえ資産の特例、こういうようなものも、沖繩の地域内において、那覇市の中の買いかえとかというものは除外しておりますけれども、そういうもので積極的に指定工業地域の中の振興をはかっていくという税制等は、固定資産税、事業税等はもちろんでありますが、そういう手法は一応駆使しておるつもりであります。
#187
○堀委員 いまお話しになっておることですね、それはないよりけっこうだと思うのです。しかし、事業を本土でやるのと沖繩でやるのとの場合で、結局一番魅力があるのは、労働力があるということでしょう。その他の点はマイナスだと思うのです。企業家にとってあまりプラスにならない。そうすると、かなり誘引となるメリットというものがないと、なかなかむずかしいのじゃないかと思うのです。大蔵大臣のいまの御答弁は、研究したい、こういうことなんですが、その場合には、法人税の特別の減税のように非常にはっきりしたもの、租税特別措置で、要するに準備金だとかそれから割増し償却だとか、引当金だとか、いろいろなことをこまかくやるのではなくて、非常にはっきり、すぽっとわかるような何らかのものを、向こう五年間なら五年間沖繩に出たものにはやりましょうとか、ぱっと見て、これはペイできるなという感じを起こさせるような措置というものが必要なのであって、確かにいまおっしゃるようないろいろな角度からの手配は十分されておりましょうけれども、私は、それが今後の沖繩開発にとって、ギャップを埋めるという意味でも非常に重要な段階になってくるのではないかということを感じております。いますぐやるという御答弁をいただく必要はありませんけれども、そういうものを含めて検討したいという御答弁をいただいておきたいと思います。
#188
○山中国務大臣 どうも差し出がましいですけれども、私もプエルトリコあたりの例も参考にして、思い切って一定期間沖繩について進出企業の法人税は免除しようかということまで考えてみたのです。しかしながら、では沖繩の既存企業の法人税はどうするのだということになると、やっぱり既存企業も免税ということになる。そうすると、では沖繩と企業合併等が行なわれた企業はどうなるのだ。法人税の免除というのはきわめてドラスティックな手段で、きくにはきくのですけれども、やはり沖繩の人たちの既存企業というものも、あの環境の中で苦労してつくり上げた企業形態なんですから、それを全部やることがはたしていいことかどうか、判断がつきかねて、いま言ったような次善の策をとっております。しかし、今後沖繩について、沖繩地域だけにはたして企業をしばれるものかどうか。これはいろいろな抜け道が出てきますから、そういうことで、研究課題ではあると思いますが、いまのところは、法人税を沖繩に限ってだけ何かするという手法はとっていないということであります。
#189
○堀委員 私も、いまの問題を正常な姿で問題提起をしておるわけではありません。要するに、万博なりオリンピックのあとのように、海洋博のあとでがたんとひどい条件が起きること、その緊急避難でありますから、だからそれは私も全部減免しろと言っているわけではありません。ただ、わかりやすい税制のフェーバーを与えるということが誘引措置にならないか――なるかどうか、それもわからないのですが、まだないよりはいいのじゃないかということでありますので、ひとつ御検討をいただいておきたいと思います。
 そこで、時間もあれですから、沖繩海洋博の前に、最近沖繩ではかなり本土からの旅行者がふえておりますから、大きなホテルが実はどんどん建ちかけておるわけであります。確かに大きなホテルの必要はあるのですが、ここで問題になりますのは、大資本のホテルが日本からいってどんどん大きなものを建てる。そうすると、いまの沖繩にある零細なホテルというか、旅館業者の皆さんは、競争できなくなるのではないかという点を私は非常に心配しておるわけです。私も向こうへ何回か参って宿泊をしてみて感じますのは、残念ながら沖繩の従来の旅館、ホテル等の設備は不十分でありますから、そこでこれはぜひひとつ考えていただきたいと思うのは、運輸省入っていただいておるわけですけれども、向こう側にあるホテルを、何とかひとつ皆さん集まってもらって、いまの新しい近代的なホテルに対抗できるようなものを建てるための融資その他協力をして、そうして、ある意味ではスクラップ・アンド・ビルドになりますけれども、本土からいったものに競争できるような条件を沖繩のそういう旅館、ホテル関係の皆さんに指導をするといいますか――そうしないと、いまのような形で、海洋博がある、これならいけるというのでどんどん大型のものが大資本でいってやる、これでは私は、いまの沖繩のホテル、旅館業者の皆さんは、たいへん困難なところへ追い込まれるおそれがある、こう思うのですが、これらについて、運輸省としては何か考えがあるのか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
#190
○住田説明員 お答え申し上げます。
 御承知のように、沖繩の経済というものは、今後観光に依存するところが非常に大きいと思うのでございます。現在、私どもといたしましても、今後非常にふえるであろうところの旅客のために、いろいろとホテルの整備あるいは旅館の整備について、検討しておるわけでございます。
 実はホテルといわゆる政府登録旅館というのは、私どもの運輸省におきまして、政府登録の法律がございまして、これによって規制しているわけでございまして、その他の旅館は厚生省のほうでやっておるわけでございます。
 現在、私どものほうといたしまして、いわゆる政府登録旅館並びにホテルにつきましては、次のように考えております。今後予想される人数を予定いたしまして、現在客室数といたしまして八百七十一室ございまして、キャパシティーが約千九百人でございます。これを四十七年度に千十室に、それから五十年度に千百六十室にふやす、こういう予定にしております。そうしてもちろんこれはホテルそれから運輸省の政府登録の法律に基つく旅館でございますが、いま先生の御指摘の既存業者との調整問題につきましては、厚生省と十分に打ち合わせいたしまして、先生のいまおっしゃったことも十分検討していきまして、今後そういったことのないように指導していきたい、かように考えておる次第でございます。
#191
○堀委員 ひとつ総理府のほうでも、結局本土から来た大きなホテルのために現在あります沖繩の皆さんが取り残されるのではなくて、いまちょっと私が申し上げましたような、これはやはりある程度スクラップ・アンド・ビルドをしてロットを大きくしなければ、いまの小さいままではなかなか競争が困難になるのじゃないか、こういう感じが私はするので、その面の指導もお考えを願いたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#192
○山中国務大臣 海洋博で沖繩県に来島する人間を想定しまして、その数を大阪万博の例を趨勢値で引っぱってきて検討してみますと、いまのままの、たとえばいま運輸省が説明しましたようなことを含めても、昭和五十年のキャパシティーは平日千二百名、ピーク時において千六百名宿泊者が泊まる場所のない条件のもとに沖繩に行かなければならぬという数字が出てまいりますので、これは既存業者に対してはもちろん融資も金融公庫でいたしますが、さらに現在コザあたりで特徴的に見られるアメリカ軍との特契による、日本人が泊まるにはちょっとどうかと思われるような、外観はりっぱなんですが、相当改装をしないと普通のホテルにならない、見た目は鉄筋なんです、しかし、それをやはり改装費その他も見てあげる。あるいは厚生省の旅館業法で、本土の制限よりも沖繩のほうはゆるくしてあります。これもやはり沖繩海洋博まではその制限のもとに、旅館業法の特例でその条件で旅館をやってもいいというようなこと等を駆使して、さらに足りませんから、琉球の沖繩県になりましたあとの住宅供給公社に、海洋博が済みました後は、沖繩県民の人々のために分譲もしくは賃貸される住宅というものを建設するために、いま建設省住宅局と相談をいたしておりますが、大体受け入れ態勢その他を相談しまして、そういうものを間に合わせるようにしたいと思っております。
#193
○堀委員 最後に、私もこの前三月七日分日に沖繩に参りましたときに、実は復帰後における給与の問題について沖繩の労働組合が二十四時間のストライキをやっておられる日にぶち当たりました。よく調べてみますと、組織労働者の中の大体七〇%程度は、すでに三百六十円読みかえを大体獲得をしておるという情勢でありまして、しかし、たお残りの三〇%のために全部の労働者が連帯して
 ストライキをやるということでありました。私は、たいへんりっぱだと思いました。そのときに、しかし、それは組織された労働者の問題としてはそれでいいわけでありましょうけれども、沖繩における未組織の労働者、言うなれば小零細企業に働いておる皆さんについては、はたしてこれらの道が開かれておるかというと、残念ながらこれは独占的な企業でもありませんし、公的な企業でもありませんから、みずからそれらのものを負担をしなければならない、きわめて困難な情勢に置かれておることをつぶさに見てまいりました。
 そこで、何とかこの皆さんを企業主を含めて救済をするということをやることができないか、こう考えまして、一応修正案等も準備をして実は当委員会の理事会に御相談を申し上げたわけであります。幸いにして皆さん方各位の御努力によって、まあ私が当初考えましたものよりは後退をいたしましたけれども、しかし、それにしてもなおかつ今日の条件としては相当な条件のもとに皆さんの意見が一致をしたことは、私はたいへんけっこうだと思っておるのでありますが、これについて少し基本的な考え方を申し上げたいと思うのであります。
 それは、私がなぜ異様に低い金利を強く主張したかと申しますと、本来の融資というものは、借りたい人に貸すというのが私は本来の融資だと思うのであります。しかしこの際は、これらの小零細な企業の皆さんがほんとうに借りたいから貸してくれと言ってくださればたいへんけっこうだけれども、要するに従業員の給与の読みかえのために要る費用は、結果としては借り入れ金でありますから、企業の負担になることは間違いがないわけであります。そうすると、十分競争力があり、将来に対する見通しがあるものはともかくとして、いまの沖繩における小零細企業の皆さんというのは、たいへん困難な情勢に置かれておりますから、せっかくそういう道が開けても、なおかつ借りていただけない場合もあるのではないかという点に実は私は非常に重点を置いてこの問題を考えたわけであります。ですから、非常に安い金利を特に主張をいたしましたもとは、借りたい者に貸すのではなくて、あまり借りたくないような人にも、ぜひこういう金利ですから使って、そうして沖繩の従業員が全体として同一の扱いを受けるようにしてもらいたいという私たち、それから政府の皆さんの意思を明らかにするためには、特例的なものにする必要があるということが実は私が金利にこだわった一つの理由であります。ひとつそういう意味で、今後にいろいろな問題が残ってまいりますけれども、どうかこの円の通貨調整に伴う問題については、低利長期の融資をしていただく。事務的な取り扱いについては、本来のこの公庫業務と同じようなあまり煩瑣な複雑な手続でなくて、できるだけ簡素化した手続によってこれらの利用者が喜んで使いましょうという手だてをひとつ考えていただきたい、こう考えるわけでありますが、これについてのお考えをひとつ承りたいと思います。
#194
○山中国務大臣 沖繩の勤労者二十二万、官公署その他を除いて十四万、それらの労働者の人たちと雇用者との間で先般労使の紛争という形が起こりましたことは、これは本土政府としてまことに申しわけのないことであります。本土政府の通貨調整措置によって、沖繩の人たちは本来労使の間で争うべきでないことを――労務者は、当然の権限として労賃の読みかえを要求するのはあたりまえでしょう。しかし、企業者は、収入の道が別途処置されない限りは、企業倒産かあるいは人員整理かの道を選ぶ以外には手段はないということで、労使紛争に発展してしまった。これは私は、本土政府としてまことにざんきの念にたえないのです。しかし、琉球政府から一応要望のありました産発十億、あるいは大衆金融公庫の融資の壁を取り払った七億六千万、そして金融機関の貸倒準備金繰り入れ率の限度額を現在千分の十でありますものを十五、本土は十二になったわけですけれども、これをやることによって大体メリットが出るということで、おおむねストという形は収拾をいたしました。しかし、その後なおかつ私は心配でありました。琉球政府からの要望もありませんが、何としてもこれは、大体賃金のもとになるいわばコスト要因のための財源として融資というのは理論的につながらないわけですから、そのことも考えて心配して追跡しましたところ、やはり五〇%ぐらいはまだあいまいもことしたままできておる。このままで復帰を迎えることは私たちの犯すたいへんな罪になるということを考えまして、今回お呼びかけと申しますか、御意見等を参考にして、そして今回の措置によって――これは理論的につながらないわけですから、自己資本以外の借り入れ金は全部これよりか高率なはずですから、それを借りかえることによって金利差のメリットが出ます。そしてその償還期限内に中小企業近代化の指定業種に全部いたしますし、また構造改善等をさらに進めてまいりますから、その間に十分に雇用労働者の賃金が自然に吸収されていってやっていける企業体質にしたい、こういうことを考えておりまして、たいへん適切な、そしてこれは与野党をこえた非常にうるわしい結果である、たいへんありがたいことであったと私は考えております。
#195
○堀委員 そこまではけっこうですが、そのあとの、私が申し上げた融資手続その他の簡素化といいますか、これらについても急を要する問題だと思いますので、十分ひとつ配慮願いたいと思いますが、いかがでしょう。
#196
○山中国務大臣 当然目的がはっきりしておりますから、その目的に沿ったものは、資格があるとかないとかいうことを抜きにして貸すべき性格の金であると考えておりますから、その点は十分心してやります。
#197
○齋藤委員長 関連して広瀬秀吉君。
#198
○広瀬(秀)委員 沖繩振興開発金融公庫法に関連質問を二、三申し上げたいと思います。
 その一つは、「昭和四十七年度沖繩振興開発金融公庫予算案の骨子」という資料によりますと、この中で問題になるところだけ言いますが、住宅資金貸し付けが、百億の事業計画に対して貸し付け計画は四十億になっている。交付率四〇%、こういうことであります。これは住宅のことですから、中小企業資金貸し付けのようにすんなりストレートに事が運ばぬという面があるということから、こういうようになっているんだと思うのでありますが、これは来年度以降、沖繩において、やはり台風常襲地帯でもあり、しかもかなり今日粗末な住宅に住んでおられる方が非常に多いということも考えて、ことしはこういうようになっているけれども、来年はこの問題についてどういうように改善をされるかということについて、ひとつ考え方をはっきり示しておいていただきたいと思います。
#199
○山中国務大臣 いまここで明年どうするかという、そこまでは詰めておりませんが、大体現地側と十分に意見の調整をして、現在向こうでとられておる制度、そして本土で最も優遇されている制度というものをいずれも上回る措置として設定いたしておりますから、これを実行してみてなおかつ問題点があれば、それは沖繩のためにのみつくる金融公庫でありますから、十分その点は反映させるような努力はいたします。
#200
○広瀬(秀)委員 そのほか、資金量だけの問題じゃなしに、貸し付けについての条件、こういうようなものについても、本土における住宅金融公庫というようなものの貸し付け以上に条件を緩和して、早急に住宅の改善というものにはかなりウエートを置いてやっていただきたいということを要望いたしておきます。
 それからもう一つの問題点は、沖繩振興開発法がある。おそらくこの振興開発金融公庫法も、その開発路線といいますか、そういうものに従って、その資金的な裏打ちをするということにならなければつながらぬわけでありますから、そういう役割りを果たしていく。これはあくまで補完的なものではあるにしても、そういう計画と密接につながっていく必要がある。こういう見地で、振興開発法によれば、開発審議会というようなものが設けられ、おそらくこれには知事も入るようなことになるだろうと思う。それを受けて、金融公庫の場合にも、やはり県民の意思あるいはまた県民を代表する知事の意思というようなものが、かなり強く公庫の運営にも反映されなければならぬと思うのであります。したがって、この開発公庫法にも、運営審議会のごときものを設けて、沖繩県民の意思が、そしてまた振興開発審議会の意向が十分この公庫の運営の面でも生かされるような方策というものについて、どのようなお考えがあるか、この点を確かめておきたいと思うわけであります。
#201
○山中国務大臣 当初振興開発審議会の委員を二十五名とし、関係各省庁がきわめて多かったものですから、これは私の不覚だったのですが、十三名が各省庁の代表ということになっておりました。ところが、沖繩も、法律の上では、学識経験者は別にして、沖繩県知事、県議会議長、そして市町村長会代表二名、市町村議会議長会代表二名、計六名になっておりました。これではやはり知事が原案をつくって、審議会にかけて総理大臣が最終的に決定する場合に、原案作成者の沖繩側の委員が過半数じゃないじゃないか、これは確かにそのとおりだと思いまして、委員会の修正に快く応じまして、三十名にふやしてもらいました。したがって、審議会のほうも、過半数を沖繩の代表をもって充てたいと思っております。
 したがって、私は当初その構想の中で、この金融公庫の運営に関する部会をつくってと思っておりましたが、やはりこの際は一歩前進をして、法律には書いてございませんが、閣議決定というような最高の政府意思決定でもって運営協議会をつくりたいと思っております。いまの構想では二十名とし、過半数は沖繩代表をもって充てるというつもりでおります。しかし、代表と申しましても、大体振興開発審議会の代表の中から選ばれるであろうと思いますけれども、やはり別個のこの公庫に関する運営についてのみの協議会をつくりたい、そういうつもりでおります。
#202
○齋藤委員長 小林政子君。
#203
○小林(政)委員 沖繩振興開発金融公庫は、琉球開発金融公社並びに大衆金融公庫、あるいはまた琉球政府の特別会計の権利義務を引き継いで、そうしてその純資産額を政府が出資したというふうにみなす、こういうふうにうたわれているわけですけれども、いわゆる県引き継ぎ分が二百十二億円、そうしてこれに対して政府の出資金というのは三十億円でございます。わずか七分の一にしか当たりません。この金融公庫の資本金の圧倒的な部分というのは、私はやはり長年の県民のそれこそ努力と、そして苦労のにじんでいるような、こういう財産権であろう、こういうふうに考えますけれども、沖繩県民の貴重なこの財産に対して、大臣は一体どのように認識をされているのか、まず第一にお伺いをしておきたいと思います。
#204
○山中国務大臣 私も、基本認識はそのとおりに思います。沖繩県の方々のみに帰属すべきものである。でありますから、この公庫は、沖繩県民以外に融資にならない。いわゆる沖繩県のため以外は融資をしないわけでありますから、また本土政府が対米折衝の過程で、私たちは資産承継と言いましたけれども、批判する人は資産の買い取りだ、いずれにしても金を払ったわけです。しかし、沖繩側に対してその負担を絶対かけないということで、金額としてはいまおっしゃるとおり、沖繩に対してのみ使われる金融公庫の原資として全部出したわけでありますから、ここのところは、いまの段階において沖繩側と意見の相違がある、見解の相違があるという点はないものと思っております。
#205
○小林(政)委員 私は、沖繩県民のほんとうに自主的な、そうして経済をみずから復興していこう、こういうような計画をはかる上で、またあるいは県民の生活の向上、こういう立場からこのような計画を立てたい、そういう裏づけであるということであれば、その運営は当然県民にまかせられるべきものではないだろうか。国が資金の援助をするということは、長年本土から切り離されて、そうして苦労してきた県民に対して援助するということは、これは当然のことだというふうに考えておりますけれども、その上に立って、資金計画だとかあるいはまたその運営等については、自主的に沖繩の県民にまかせるのが至当ではないだろうか、このように考えますけれども、大臣この点についてどのような認識を持っていらっしゃいますか。
#206
○山中国務大臣 まかせる形の問題をどういうふうにとらえておられるのかわかりませんが、たとえば沖繩県の金融公社みたいなものにしろということかもしれませんが、そういうことになりますと、やはり開銀は開銀、その他政策金融機関は政策金融機関で、別々に出ていかなければならないことになるのだろうと思うのです。これを開銀も含めて国の中小企業金融機関とかなんとかというようなものを全部沖繩県にまかすということは、政策金融機関でございますから、なかなかやりにくい。そこでこのような形にいたしましたけれども、これは沖繩県以外に使われない金でありますから、先ほど広瀬委員に御答弁申し上げましたように、運営のあり方が、沖繩県の人たちの代表が過半数を占めておるということで御納得をいただければ、その意味で沖繩以外に使う金ではありませんし、その配分の適正さを得るならば、それで私としては結果よろしいのではないかと思います。
#207
○小林(政)委員 当初、これは長官も御存じだと思いますけれども、琉球政府並びに沖繩県民がやはり非常に強く要望していたのは、もっと自主性を持って、そして計画も資金計画あるいは復興計画、こういったようなものが自主的に立てられるような、こういうことを強く要望していたことは御承知のとおりでございますし、私どももその立場は基本的に支持し、当然のことだと考えておりました。
 ついては、お伺いしたいのですけれども、奄美群島の返還のとき、あの振興特別措置法でもって奄美群島振興信用基金については、県に機関委任をされたわけです。その管理については知事に管理をまかせるというような措置がとられたわけですけれども、今回なぜこのような沖繩の問題については知事にまかせるというような、こういうことが行なわれなかったのか。私どもはもちろんこの機関委任というようなことについても不十分だというふうには考えておりますけれども、しかし、奄美にやられたことがなぜ沖繩でやられなかったのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
#208
○山中国務大臣 これは御承知のように、奄美群島は鹿児島県の一部であります。したがって、これは奄美大島が本土に復帰いたしました昭和二十八年十二月から数年を経て、昭和三十四度の予算において初めて奄美復興基金というものができたわけです。その際、これは開銀業務その他までやるわけじゃありませんし、主として奄美群島内の同じようなガリオア資金その他の返済用積み立てというものをも含めたものの融資が主でありましたから、これは鹿児島県内の一郡の範囲のものであるから、鹿児島県知事にその事務を委任するということが最も正当であろうと思いましたが、今回は県ぐるみ金融公庫としての対象にするわけでありますから、国策金融機関も全部たばねて現地でその業務を行なおう。したがって、異例のことながら、この公庫の本店は那覇市に置かれることになるわけでありますので、これらの点は奄美群島の復興基金――現在は振興基金でありますが、その創立の当初とは基本的に実態を異にするというふうに思います。
#209
○小林(政)委員 大蔵大臣に伺いたいと思いまけれども、県民の財産が主要な部分を占めております金融公庫のその一切の権限、いわゆる監督権だとか、あるいはまた役員の解任権だとか、あるいは業務方法書だとか、あるいはまた事業計画、資金計画、それを報告するとか認定する、認可するというような、こういうすべての権限を国が一方的に握っていく。いまの長官の御答弁の中では運営の中で云々というお話ありましたけれども、実際には主務大臣は総理大臣でありあるいはまた大蔵大臣である。そしてすべての権限というものは全部国が一方的に管理をしていく、握っていく、こういったようなことになりますと、私はその資本の中に占めております沖繩県民のそれこそ財産というものを考えますときに、一体自主性というようなものがこの中で今後どれだけ尊重され、どれだけ生かされていくであろうか。主観的にはいろいろと考えられますけれども、実際の権限は国が握っている、こういうような中で、はたしてどれだけその県民の要望というものが注かされていくのかどうか、こういうことを考えますと、非常に大きな問題を含んでいるのじゃないか、このように考えます。ましていまのような状態で全部国が権限を握っていくということになれば、私は、むしろ貴重な沖繩県民の財産というものを国がすべて全部略奪するような結果といいますか、こういうことにすらなるんではないだろうか、こういうふうに考えますけれども、大臣の基本的なお考えをこの際お伺いをいたしておきたいと思います。
#210
○水田国務大臣 県民の意思が尊重されるために、いま長官から言われましたように運営協議会、これは閣議決定をもってできるということになろうと思いますが、その中に沖繩県代表が委員として入られる。そしてそこで業務の調査もできますし、意見を述べることもできるというようなことで、これは沖繩県民の意思が運営に反映されるようにというような運営のしかたについて十分考えるつもりでございます。
#211
○齋藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#212
○齋藤委員長 本案に対し、自由民主党を代表して藤井勝志君外四名より修正案が提出されております。
#213
○齋藤委員長 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。藤井勝志君。
#214
○藤井委員 ただいま議題となりました沖繩振興開発金融公庫法案に対する修正案につきまして、提案者を代表し、私より、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、修正案でございますが、案文はお手元に配付いたしておりますので、朗読は省略をいたし、ます。
 沖繩振興開発金融公庫法案は、前国会に提出されまして、この国会に継続案件となっております。
 そこで、本案につきましては、法律番号に関する字句の整理及び今回の国会で租税特別措置法の改正に伴う条文の整理が必要となったのであります。
 以上で修正の趣旨の説明を終わります。
 何とぞ各位の御賛成をお願い申し上げます。
#215
○齋藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#216
○齋藤委員長 これより原案及び修正案について討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 これより採決いたします。
 まず、藤井勝志君外四名提出の修正案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#217
○齋藤委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#218
○齋藤委員長 起立多数。よって、修正部分を除く原案は可決し、本案は修正可決いたしました。
    ―――――――――――――
#219
○齋藤委員長 ただいま議決いたしました沖繩振興開発金融公庫法案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、藤井勝志君外三名より附帯決議を付すべしとの動機が提出されております。
 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。藤井勝志君。
#220
○藤井委員 ただいま議題となりました沖繩振興開発金融公庫法案に対する附帯決議案につきまして、提案者を代表し、私よりその趣旨を御説明申し上げます。
 案文は、お手元に配付してありますので、朗読は省略させていただきます。
 御承知のように、本公庫は、沖繩の復帰に伴い、沖繩における経済の振興及び社会開発をはかるため、一般金融機関が行なう金融を補完し、または奨励するとともに、一般の金融機関が融通することを困難とする場合もその機能を発揮することを目的とするものでありますが、沖繩における経済社会の現状を見まするに、沖繩の経済の振興及び社会の開発は、復帰と同時に格段の配慮が必要とされるところであります。
 このような見地からいたしまして、本公庫は、復帰後の沖繩における経済活動の中枢として、その役割りはきわめて重要となると思われるのであります。
 したがいまして、今後政府においては、本公庫の業務運営の強化をはかるため、経営の健全化に極力つとめるとともに、その運営にあたり、沖繩県代表を含めた協議会を設けるなど、地元沖繩県の意向を十分反映させるようつとめるべきであります。
 さらに、沖繩県の経済に重要な地位を占めている中小企業の実情にかんがみ、本公庫の運営にあたっては、中小零細企業向けの資金が十分に確保されるよう配意すべきであります。
 また、特に公庫の業務方法としては、沖繩の円経済への移行に基因して事業活動に著しく支障を生ずると認められる中小企業者に対し、その経営の安定に資するため、長期低利の特別融資を行なうべきであります。
 以上、簡単でありますが、提案理由の説明を申し上げます。
 何とぞ各位の御賛同をお願い申し上げる次第であります。
    ―――――――――――――
   沖繩振興開発金融公庫法案に対する附帯決議(案)
一 沖繩公庫の業務運営の強化を図るため、経営の健全化に極力努めること。
二 沖繩公庫の運営については、沖繩県代表を含めた協議会を設けるなど地元沖繩県の意向を十分反映させるように努めること。
三 沖繩公庫の運営に当たっては、中小、零細企業向けの資金が十分確保されるように配意すること。
四 沖繩における中小企業者で円経済への移行に伴い事業活動に支障を生ずるものに対し、長期低利の特別融資を行なうこと。
    ―――――――――――――
#221
○齋藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 おはかりいたします。
 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#222
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。山中総務長官。
#223
○山中国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府としても御趣旨に沿って十分配慮いたしたいと存じます。
 特に第四項の特別融資については、融資規模八十億円以内、貸し付け金利三%、貸し付け期間七年以内のうち、据え置き期間二年以内の融資を公庫設立後一年間を限り行なうことといたしたいと存じます。
#224
○齋藤委員長 水田大蔵大臣。
#225
○水田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って十分配慮いたしたいと存じます。
 なお、第四項の特別融資につきましては、大蔵省といたしましても、総理府総務長官から説明のありましたような条件で実施いたしたいと存じます。(拍手)
    ―――――――――――――
#226
○齋藤委員長 次に、空港整備特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は、去る十二日、質疑を終了いたしております。
 これより討論に入るのでありますが、本案につきましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 空港整備特別会計法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#227
○齋藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
    ―――――――――――――
#228
○齋藤委員長 次に、おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#229
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
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  〔報告書は附録に掲載〕
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#230
○齋藤委員長 次回は、来たる十八日火曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することといたし、本日は、これにて散会いたします。
   午後七時十二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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