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1971/02/29 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 法務委員会 第1号
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1971/02/29 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 法務委員会 第1号

#1
第068回国会 法務委員会 第1号
本国会召集日(昭和四十六年十二月二十九日)(
水曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
の通りである。
   委員長 松澤 雄藏君
   理事 小島 徹三君 理事 田中伊三次君
   理事 高橋 英吉君 理事 羽田野忠文君
   理事 福永 健司君 理事 畑   和君
   理事 沖本 泰幸君 理事 岡沢 完治君
      石井  桂君    大竹 太郎君
      鍛冶 良作君    河本 敏夫君
      島村 一郎君    千葉 三郎君
      中村 梅吉君    中村庸一郎君
      永田 亮一君    松本 十郎君
      村上  勇君    山手 滿男君
      赤松  勇君    石橋 政嗣君
      河野  密君    楯 兼次郎君
      林  孝矩君    丸山  勇君
      青柳 盛雄君
―――――――――――――――――――――
昭和四十七年二月二十九日(火曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 松澤 雄藏君
   理事 小島 徹三君 理事 田中伊三次君
   理事 高橋 英吉君 理事 福永 健司君
   理事 畑   和君 理事 沖本 泰幸君
   理事 麻生 良方君
      石井  桂君    大竹 太郎君
      島村 一郎君    千葉 三郎君
      松本 十郎君    村上  勇君
      石橋 政嗣君    河野  密君
      林  孝矩君    青柳 盛雄君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 前尾繁三郎君
 出席政府委員
        法務大臣官房長 安原 美穂君
        法務大臣官房会
        計課長     伊藤 榮樹君
        法務省保護局長 笛吹 亨三君
 委員外の出席者
        法務大臣官房司
        法法制調査部長 貞家 克巳君
        最高裁判所事務
        総局総務局長  長井  澄君
        最高裁判所事務
        総局経理局長  大内 恒夫君
        法務委員会調査
        室長      松本 卓矣君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月三十一日
 辞任         補欠選任
  岡沢 完治君     麻生 良方君
二月一日
 辞任         補欠選任
  永田 亮一君     賀屋 興宣君
同月七日
 辞任         補欠選任
  林  孝矩君     正木 良明君
同日
 辞任         補欠選任
  正木 良明君     林  孝矩君
同月二十九日
理事岡沢完治君一月三十一日委員辞任につき、
その補欠として麻生良方君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
一月二十一日
 火炎びんの使用等の処罰に関する法律案(高橋
 英吉君外七名提出、衆法第一号)
二月八日
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一二号)
同月十六日
 犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第三八号)
同月二十八日
 広島法務局海田出張所存続に関する請願(加藤
 陽三君紹介)(第三〇三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一二号)
 犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第三八号)
 裁判所の司法行政に関する件
 法務行政に関する件
 検察行政に関する件
 国内治安に関する件
 人権擁護に関する件
     ――――◇―――――
#2
○松澤委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。
 すなわち、裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政等の適正を期するため、本会期中、裁判所の司法行政に関する事項、法務行政及び検察行政に関する事項並びに国内治安及び人権擁護に関する事項につき、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、国政調査を行なうため、議長に対し承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○松澤委員長 理事補欠選任に関する件についておはかりいたします。
 去る一月三十一日、理事岡沢完治君の委員辞任に伴い、理事が一名欠員になっておりますので、その補欠選任を行ないたいと存じますが、先例により委員長において指名するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に麻生良方君う指名いたします。
     ――――◇―――――
#6
○松澤委員長 次に、最高裁長官指定代理者の出席説明の承認に関する件についておはかりいたします。
 本日、最高裁判所長井総務局長、大内経理局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#8
○松澤委員長 次に、裁判所の司法行政に関する件、法務行政及び検察行政に関する件並びに国内治安及び人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、前尾法務大臣から、法務行政等当面する諸問題について説明を聴取いたします。前尾法務大臣。
#9
○前尾国務大臣 法務委員会の委員の皆さんには、平素から法務行政の諸問題につきまして種々御尽力いただいておりますことについて、この機会に深く感謝の意を表する次第であります。
 第六十八回国会の当委員会における御審議に先立ちまして、私が日ごろ考えておりますことを申し上げたいと存じます。
 私は、昨年七月法務大臣に就任して以来、社会の進歩発展に即応しながら法秩序を維持し、国民の権利を保全することが法務行政の使命と考え、その職責の遂行につとめてまいりましたが、今後とも、法務行政の責任者として全力を尽くしたい所存でありますので、よろしく御協力くださいますようお願い申し上げます。
 以下、このような観点から、当面、重要と考えております二、三の点について申し述べたいと思います。
 第一は、治安対策並びに刑事政策についてであります。
 いわゆる過激派集団は、最近、各地において、爆発物などを使用して悪質、凶悪な不法行為を反復し、警察官をはじめその家族や善良な一般市民の生命、財産に危害を及ぼすなどの暴挙に出たのでありますが、今後も、大規模な集団暴力行動や、危険な不法越軌行動を敢行するおそれがあり、その動向には厳戒を要するものがあります。自己の主義主張を貫徹するため、手段を選ばず、過激な暴力行為に訴えるがごときは、法治国家としてとうてい容認し得ないものであることは申すまでもありません。私は、部下職員を督励し、現行の関係法令を十分に活用するなど、全力を尽くしてかかる事犯の発生を防止し、治安の維持に遺憾なきを期してまいる所存ではありますが、さらに、委員各位の御理解と御尽力を賜わりまして、この際の適切な方途を講じていただきますことをお願いいたす次第であります。
 また、最近の犯罪情勢にかんがみまして、刑法改正作業の促進、あるいは罰金等の価額の改訂を行なうなど、刑罰法令について現実に即する所要の是正をはかり、もって国民全体が、さらに、法と秩序を尊重する精神に徹するよう、格段の努力をいたしたいと存じております。
 第二は、法務行政の充実についてであります。
 皆さん御承知のように、当省が所管いたします民事、刑事、矯正、保護、人権擁護、出入国管理、訟務その他の事務は、地味ではありますが、国民の権利義務に密接に関係いたしますので、これら行政の適正迅速な実施のためなお一そうの努力を払い、もって国民の期待にこたえたいと存じます。
 特に、民事行政事務につきましては、最近におけるわが国の経済の発展を反映し、登記事務などに対する行政需要が著しく増大し、事務内容が複雑化している情勢にかんがみまして、国民の権利の保全、経済活動の円滑化に資することができますよう、機構の面におきましても、また、事務処理の面におきましても、その改善、合理化をはかるなど、効果的な施策を講じてまいりたいと考えております。
 また、国際交流の増大、航空輸送の大量、高速化に伴いまして、わが国に出入する外国人の数は、年々増加するものと予想されておりますので、出入国手続の簡素化とこれに伴う在留外国人の管理の合理化をはかり、時代の要請に応じた出入国管理体制を確立したい所存であります。
 さらに、法務局、刑務所その他所管各庁の老朽庁舎等の改築及び職員の待遇改善等にも十分配意いたしまして、法務省関係職員の士気の高揚につとめたいと思います。
 第三は、沖繩の復帰対策についてであります。
 五月十五日には、沖繩がわが国に復帰することとなっておりますが、当省所管の事務につきまして円滑な復帰手続を行ない、また、復帰後、的確かつ迅速な施策が講ぜられますよう、沖繩における地方組織の確立と施設の整備に万全を期する所存であります。
 最後に、法務行政全般の適正な遂行をはかるため、予算の確保につきましては、できる限りの措置を講じ、また、出入国管理法の制定、諸法律の必要な改正をはかりたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 はなはだ簡単ではありますが、私の所信を申し上げまして、委員の皆さんの格段の御支援、御協力を心からお願いする次第であります。
     ――――◇―――――
#10
○松澤委員長 次に、内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。前尾法務大臣。
#11
○前尾国務大臣 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、裁判所における事件の適正迅速な処理をはかる等のため、裁判所の職員の員数を増加しようとするものでありまして、以下、簡単にその要点を申し上げます。
 第一点は、裁判官の員数の増加であります。これは、地方裁判所における特殊損害賠償事件の適正迅速な処理をはかるため、及び交通関係の業務上過失致死傷事件の増加に対処するため、判事補の員数を九人増加しようとするものであります。
 第二点は、裁判官以外の裁判所の職員の員数の増加であります。これは、地方裁判所及び家庭裁判所における事件の適正迅速な処理をはかる等のため、裁判所書記官について九人、家庭裁判所調査官について十五人を増員するほか、裁判所事務官については、事務の簡素化、能率化に伴う検察審査会に勤務する職員五十人等の減員を差し引いてなお七人を増員し、以上、これらの職員を通じてその員数を合計三十一人増加しようとするものであります。
 以上が、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
 次に、犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明いたします。
 犯罪者予防更生法に規定されております中央更生保護審査会は、委員五人で組織され、法務大臣に対して恩赦の申し出をし、また、仮出獄の取り消し決定等についての不服申し立てに対する裁決をする等、裁判所の有罪判決の効果を事後に変更し、あるいは地方更生保護委員会の決定を審査する等の重大な権限を行使しているのでありますが、特に委員長は、審査会を代表し、会務を総理するとともに、議決ないし裁決をするに際し、出席委員の意見が可否同数のときは、これを決する責任を負っているのであります。このため、委員長は、すべての審査対象事件について刑事事件記録その他関係記録を精査し、あるいは審査会の指名により審理を担当している主査委員との間に事前の協議を行なてっいるのでありますが、審査対象事件が近時著しく増加したため、委員長は常勤的に勤務せざるを得ない事態に至っているのであります。
 このような実情にかんがみ、この法律案におきまして、委員長を常勤とし、職務に専従させることとしようとするものでありますが、さらに、委員長を常勤とすることに伴い、次の事項についても改正を行なおうとするものであります。
 第一は、中央更生保護審査会は、委員五人で組織することとされておりますが、これを、委員長及び委員四人で組織することといたしたいのであります。
 第二は、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正し、日額の手当とされている委員長の給与を、国家公安委員会委員、地方財政審議会会長等並みの俸給月額といたしたいのであります。
 以上が、犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案の提案の理由であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#12
○松澤委員長 これにて両案の提案理由の説明は終わりました。
 両案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。
     ――――◇―――――
#13
○松澤委員長 この際、昭和四十七年度法務省関係予算及び裁判所関係予算の概要について、政府及び裁判所当局からそれぞれ説明を聴取いたします。法務省伊藤会計課長。
#14
○伊藤(榮)政府委員 昭和四十七年度法務省所管予算の内容について、概要を御説明申し上げます。
 昭和四十七年度の予定経費要求額は千二百四十六億二千八百四十九万一千円でありまして、これを前年度予算額千百二十七億八千九百二十九万四千円に比較いたしますと百十八億三千九百十九万七千円の増額となっております。
 増額分の内訳を大別いたしますと、人件費九十一億九千九百五十六万七千円、一般事務費二十一億三千二百九十八万九千円、営繕施設費五億六百六十四万一千円となっております。
 まず、増員について申し上げますと、第一に、検察庁において百四十四人が増員となっております。まず、交通関係事件処理の円滑適正化をはかるため、副検事三人、検察事務官九十三人が増員となっております。また、公害犯罪に対処するため、副検事八人、検察事務官十六人、公判審理の迅速化のため検察事務官十四人、公安労働検察の強化のため、検察事務官十人が増員となっております。
 第二に、法務局において事務官二百五十三人が増員となっております。まず、登記事務の激増に対処するため、二百四十一人が増員となっております。また、国の利害に関係のある争訟事件の処理を充実するため九人、人権侵犯事件等の増加に対処するため三人が増員となっております。
 第三に、刑務所における職員の勤務条件を改善するため、看守百七十五人が増員となっております。
 第四に、非行青少年対策を充実するため、関係職員六十九人が増員となっております。
 その内容は、少年院の職業補導の充実のため教官三十人、少年鑑別所の観護活動の充実のため教官十七人、保護観察所の面接処遇の強化のため保護観察官二十二人であります。
 第五に、出入国審査業務の適正迅速化及び在留外国人の資格審査の充実をはかるため、地方入国管理官署において、入国審査官三十三人、入国警備官三人が増員となっております。
 第六に、破壊活動調査機能を充実するため、公安調査官二十八人が増員となっております。
 以上のほか、法務本省において、中央更生保護審査会を充実するため、委員長(特別職)一人の常勤化をはかるとともに、訟務事務の充実のため、事務官一人が増員となっております。
 増員の内容は以上のとおりでありますが、御承知のとおり、昭和四十六年八月の閣議決定に基づく定員削減計画(第二次)による昭和四十七年度削減分として六百三十三人が減員されることになりますので、所管全体といたしましては、差し引き七十四人の定員増加となるわけであります。
 また、沖繩復帰関係の増員につきましては、検事四十一人を含む千百二十八人となっており、その内訳は、法務局二百六十一人、検察庁二百二十八人、刑務所三百十八人、少年院百二十八人、少年鑑別所四十一人、更生保護官署二十四人、地方入国管理官署百八人、公安調査庁二十人となっております。
 次に、一般事務費につき、それぞれ前年度当初予算と比較しながら御説明申し上げますが、まず、全体としては、前年度に比し、旅費類が六千三百三十六万円、庁費類が九億六百六十一万七千円、その他の類が五億一千五百九十六万五千円増額となっております。
 以下、主要事項ごとに御説明申し上げます。
 第一に、治安対策の充実強化につきましては、さきに申し上げました副検事十一人を含む合計四百十六人の増員経費及び関係組織の人件費を含めて七百六十三億二千三百万円を計上し、前年度に比して八十八億四千百万円の増額となっております。
 その増額分について申し上げますと、まず、検察庁関係としては三十億八千百万円が増額されておりますが、その中には、関係職員の人件費のほか、検察費千二百万円、公害犯罪事件処理の適正をはかるための経費四千六百万円、捜査用器材費等一千百万円が含まれております。
 次に、矯正関係としては四十七億六千五百万円が増額されておりますが、この中には、関係職員の人件費のほか、職員の待遇改善経費一億八千三百万円が含まれております。
 次に、公安調査庁関係としては五億二千三百万円が増額されておりますが、その中には、関係職員の人件費のほか、調査活動経費五千五百万円が含まれております。
 次に、保護関係としては四億七千二百万円が増額されておりますが、その中には、関係職員の人件費のほか、保護司等との連絡通信費、事務能率器具等の整備に要する経費三千八百万円、仮釈放審査旅費、観察旅費等旅費千五百万円、保護司実費弁償金七千九百万円、更生保護委託費三千七百万円が含まれております。
 第二に、国民の権利保全の強化につきましては、まず、登記事務処理の適正化に関する経費として、さきに申し上げました事務官二百四十一人の増員経費及び関係職員の人件費を含めて百二十六億六千六百万円を計上し、十七億七百万円の増額となっております。その増額のおもなものは、登記諸費一億七千八百万円、全自動謄本作成機等の整備に要する経費二千三百万円、謄抄本作成事務の一部を請負により処理するための経費一千六百万円、不動産登記簿の粗悪用紙改製に要する経費一千七百万円、公共事業関係登記事件の処理に伴う応援等の経費一千七百万円であります。
 次に、人権擁護活動の充実に関する経費として、関係職員の人件費を含めて三千九百万円の増額となっております。そのおもなものは、人権侵犯事件調査の強化をはかるための旅費、庁費六百万円、人権擁護委員実費弁償金六百万円であります。
 第三に、非行青少年対策の充実強化につきましては、一部治安対策関係と重複しておりますが、さきに申し上げました少年院教官等六十九人の増員経費及び関係職員の人件費並びに収容関係諸費を含めて百十九億八千三百万円が計上され、前年度に比して十七億九千四百万円の増額となっております。
 その増額分について申し上げますと、まず、検察庁関係としては八百万円が増額されておりますが、これは検察取り締まり経費であります。
 次に、少年院関係としては六億二千八百万円が増額されておりますが、その中には、関係職員の人件費のほか、生活備品の充実に要する八百万円等が含まれております。
 次に、少年鑑別所関係としては二億八千八百万円が増額されておりますが、その中には、関係職員の人件費のほか、鑑別備品借料三百万円等が含まれております。
 次に、保護観察所関係としては、関係職員の人件費及び補導援護経費において三億六千四百万円が増額となっております。
 第四に、矯正施設収容者処遇の改善につきましては五千万円の増額となっております。これは、作業賞与金の支給計算高を一一%引き上げるための所要経費三千四百万円、生活用備品、日用品等の充実のために要する経費八千二百万円、被収容者被服の改善のための所要経費一千二百万円が増額となったほか、被収容者食糧費につきましても菜代七・三%の引き上げ、心情安定食の内容の充実等給食内容の改善がはかられましたが、収容人員を五千十人減じたため、差し引きわずかの増額となったものであります。
 第五に、出入国管理業務の充実についてでありますが、さきに申し上げました入国審査官等の増員経費及び関係職員の人件費を含めて二億八千七百万円の増額となっております。その中には、臨船審査等旅費百万円、携帯無線機購入費等五百万円、舟艇建造費等機動力充実経費百万円が含まれております。また、港出張所を岩手県大船渡港等六カ所(うち二カ所は沖繩に新設)に新設することにしております。
 次に、施設の整備につきましては、登記所適正配置実施に伴う施設整備費二億九千二百万円及び沖繩復帰に伴う施設整備費九千七百万円を含め五十四億三千二百万円を計上し、前年度当初予算に比し八億一千百万円の増額となっております。
 なお、このほか、大蔵省及び建設省所管の特定国有財産整備特別会計において、松山刑務所等二十一施設の施設整備費として三十四億六千二百万円が計上されていることを申し添えます。
 最後に、沖繩復帰に伴う地方組織の確立につきましては、さきに申し上げました千百二十八人の増員経費を含め、総額二十四億一千万円を計上しておりますが、その内容は、人件費十九億三千万円、各組織を通じ本土とおおむね同規模の出先機関及び検察庁等を設置し、本土と同様の事業を行なうための旅費、庁費等三億八千三百万円及びさきに申し上げました施設整備費九千七百万円となっております。
 以上が、法務省所管歳出予算予定経費要求の概要であります。
 終わりに、当省主管歳入予算について御説明いたします。
 昭和四十七年度法務省主管歳入予算額は三百四十九億八百二十万八千円でありまして、前年度予算額三百九億九千九百八十三万二千円に比較いたしますと三十九億八百三十七万六千円の増額となっております。
 以上をもって、法務省関係昭和四十七年度予算案についての説明を終わります。
#15
○松澤委員長 最高裁判所大内経理局長。
#16
○大内最高裁判所長官代理者 昭和四十七年度裁判所所管予定経費要求額について説明申し上げます。
 昭和四十七年度裁判所所管予定経費要求額の総額は七百四億五千七百九十二万五千円でありまして、これを前年度予算額六百十六億四千八万七円に比較いたしますと、差し引き八十八億一千七百八十三万八千円の増加となっております。
 これは、人件費において四十七億一千二百九十四万六千円、裁判費において二億八千八百四十八万一千円、最高裁判所庁舎新営費において二十四億八百九十四万円、沖繩関係経費において十億四千八百五十六万七千円、その他司法行政事務を行なうために必要な旅費、庁費等において三億五千八百九十万四千円が増加した結果であります。
 次に、昭和四十七年度予定経費要求額のうちおもな事項について説明申し上げます。
 まず、最高裁判所庁舎の新営に必要な経費であります。
 最高裁判所庁舎の新営は三年計画で行なわれておりますが、その第二年度の工事費及び事務費として三十八億六千七百一万円を計上しております。
 なお、この歳出予算額のほかに、国庫債務負担行為として八十四億四千百十四万四千円を計上しております。
 次は、人的機構の充実のための経費であります。
 特殊損害賠償事件等の処理をはかるため、判事補四人、裁判所書記官四人、裁判所事務官二十人の増員に要する経費として二千五十六万円、地方裁判所の交通事件(業務上過失致死傷事件)の適正迅速な処理をはかるため、判事補五人、裁判所書記官五人、裁判所事務官十五人の増員に要する経費として二千六十二万二千円、家庭裁判所の資質検査の強化をはかるため、家裁調査官十五人の増員に要する経費として一千六百十四万三千円、執行官法所定の金銭の保管及び予納事務を取り扱うため、裁判所事務官(歳入歳出外現金出納官吏補職員)三十人の増員に要する経費として一千五百三十三万三千円、裁判所の広報体制の充実強化をはかるため、裁判所事務官十人の増員に要する経費として五百二十二万九千円、家庭裁判所を充実、強化するため、専任の家庭裁判所長を置く庁の増設一庁に要する経費として百十七万九千円、合計七千九百六万六千円を計上しております。
 次は、裁判運営の能率化及び近代化に必要な経費であります。裁判官の執務環境の改善をはかるため、下級裁判所裁判官研究庁費一億七千六百七万五千円、資料室図書、図書館図書の充実をはかる等のため、裁判資料の整備に要する経費一億四千八百十一万二千円、裁判事務の能率化をはかるため、検証用器具等の整備に要する経費八千二百六十一万八千円、電子計算機による事務機械化の調査研究のため、研究開発に要する経費一千六十七万五千円、合計四億一千七百四十八万円を計上しております。
 次は、公害訴訟の処理に必要な経費であります。
 公害訴訟を適正迅速に処理するため、協議会を開催する等に必要な経費一千九百五十五万七千円を計上しております。
 次は、裁判官の執務態勢の確立に必要な経費であります。
 新任判事補を研修し、若い判事補を欧米の裁判所に派遣する等に必要な経費七千三百八万六千円を計上しております。
 次は、下級裁判所施設の整備充実に必要な経費であります。
 下級裁判所庁舎の新営、増築等に要する経費として、裁判所庁舎等の新営及び増築(新規二十四庁、継続十六庁)に必要な工事費及びその事務費等四十三億六千三百四万九千円を計上しております。
 次は、裁判費であります。
 国選弁護人の報酬、日当及び宿泊料を増額するに必要な経費として五千五百四十七万三千円、証人等の日当を増額するに必要な経費として三百七万八千円、合計五千八百五十五万一千円を計上しております。
 最後に、沖繩の本土復帰に伴う沖繩裁判所等の整備充実に必要な経費であります。
 沖繩の裁判所に新規定員四百七十二人(うち裁判官五十三人)を配置するに必要な経費(人件費)として九億二百六十九万九千円、その他の経費として一億四千五百八十六万八千円、合計十億四千八百五十六万七千円を計上しております。
 以上が、昭和四十七年度裁判所所管予定経費要求額の大要であります。
     ――――◇―――――
#17
○松澤委員長 次に、今国会法務省関係提出予定法律案の概要について説明を聴取いたします。安原官房長。
#18
○安原政府委員 今国会にすでに提出し、または提出を予定いたしております法案につきまして御説明を申し上げます。
 お手元に、「第六十八回国会提出予定法案」という名称のリストを差し上げておりますので、これに基づきまして御説明を申し上げます。
 法務省が提出しまたは提出を予定しております法案は、合計で十一件でございまして、コメじるしのありますのがいわゆる予算関係法案、それが三件でございます。その他が八件ということになっております。
 最初は、法務省設置法の一部を改正する法律案でございまして、これは、所管は内閣委員会の所管になっておりまして、すでに二月八日に内閣委員会に提出、付託済みでございます。
 中身は、ここに書いてございますように、松山刑務所の所在地が、松山市から愛媛県温泉郡重信町へ移転することに伴いまして、その位置を改めること。その次が、北海道樺戸郡月形町に月形少年院を設置し、一方、愛知県知多郡南知多町所在の豊浦医療少年院を廃止するということ。三番目は、岩手県大船渡市所在の大船渡港ほか五カ所における出入国者の増加等に対処いたしまして、岩手県大船渡市に仙台入国管理事務所大船渡港出張所を、茨城県日立市に東京入国管理事務所日立港出張所を、大分県佐伯市に福岡入国管理事務所佐伯港出張所を、熊本県八代市に福岡入国管理事務所八代港出張所を、沖繩県石川市に那覇入国管理事務所金武港出張所を、沖繩県コザ市に那覇入国管理事務所嘉手納出張所を、それぞれ設置いたします。一方、出入国者の減少にかんがみまして、札幌入国管理事務所根室港出張所と、沖繩県に那覇入国管理事務所のほか出張所の設立されることによりまして、出入国の減少いたしますことが予想されます鹿児島の入国管理事務所和泊港出張所を、それぞれ廃止しようとするものであります。第四番目は、市町村の廃置分合等に伴いまして、札幌法務局及び函館地方法務局の管轄区域内の行政区画の名称の一部と、旭川刑務所、交野女子学院及び東京入国管理事務所直江津港出張所の位置をそれぞれ改めるものでございます。
 以上が、法務省設置法の一部を改正する法律案の内容でございます。
 その次の裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び、一枚めくっていただきまして、その次の犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案の中身につきましては、先刻法務大臣が御説明申し上げたとおりであります。
 その次は、刑事訴訟費用等に関する法律の一部を改正する法律案であります。現行の刑事訴訟費用等に関する法律におきましては、国選弁護人に支給すべき旅費は、運賃の等級が三階級に区分されました船舶による旅行の場合には、上級ではなく中級以下で、裁判所が相当と認める等級の旅客運賃によって算定することとされておりますが、国選弁護人の社会的地位にかんがみまして、これを裁判所が相当と認める等級の旅客運賃によって算定することとして、上級の旅客運賃を支給することができるようにするということを内容とするものであります。
 その次は、下級裁判所の設立及び管轄区域に朝する法律の一部を改正する法律案でありまして、市町村の廃置分合等に伴いまして、広島簡裁等若干の簡易裁判所の管轄区域を変更いたしますほか、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表に所要の改正を加えようとする内容のものであります。
 その次は、民法等の一部を改正する法律案でありまして、この法律案は、いわゆる休眠しております民法法人を整理する方途を講ずるため、民法等の一部を改正しようとするものであります。
 民法法人は、御案内のとおり、主務官庁の許可によって成立いたしますが、そのような許可を得た法人の中には、全く事業活動をしていない、いわゆる休眠法人が多数存在して弊害をもたらしております。しかしながら、主務官庁がかかる法人を解散させることができるかどうかは、民法上疑義がございますので、それを整理いたしますために、民法の一部を改正することによりまして、法人が正当な理由なく引き続き二年以上事業をしていない場合には、主務官庁がその設立許可を取り消すことなどによって、その法人を解散させることができるようにするということを内容とするものであります。
 ただ、この内容は、まだ成案を得るまでには法制審議会等にかけることが予定されておりますので、提出できるかどうかは、まだ未確定の段階であります。
 それからその次は、商法の一部を改正する法律案でありますが、資本の額が一億円未満の株式会社に関する商法の特例に関する法律案、それから商法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案、これらは一連のものでございまして、まず粉飾決算防止のために、監査役の権限等につきまして、監査役は業務監査をも行なう、いわゆる会計監査だけではなくて業務監査をも行なうことにする等、監査役の権限を強化するということ。
 それから、会社は、計算書類について、定時株主総会前に公認会計士または監査法人の監査を受けることとし、会社の株主、従業員、取引先及び下請企業者等の関係者の保護をはかるという、粉飾決算防止のための所要の改正。
 それから、経営の安定をはかるという意味におきまして、取締役の選任につきまして、定款をもって累積投票の請求を完全に排除できることとして、業務の運営の安定をはかる。
 それから、会社の資金の調達の便をはかるため、転換社債は、新株の発行と同様、原則として取締役会の決議によって発行できるとか、あるいは準備金を資本に組み入れた会社は、株主に対して発行価額の一部の払い込みを要しないものとする株式を発行できることとして、会社の資金調達の円滑をはかるということ。
 それから、一年決算の会社につきましても中間配当の道を開く。あるいは休眠会社の整理、いわゆる休眠会社を整理する方途を講ずる。たとえば、最後の登記をしてから五年間何らの登記のない会社について、これを整理する方策を講ずるということがおもな内容でございます。
 そこで、これらの法律の改正につきまして、特に会計監査人に関する規定につきましては、この制度が円滑に行なわれますよう、たとえば、資本金一億円以上の証券取引法適用会社、いわゆる上場会社については、昭和四十八年一月一日から実施することとするが、その他の会社については、段階的に実施していこうということを提案しようとする内容を盛っております。
 その次は、資本の額が一億円未満の株式会社に関する商法の特例に関する法律案は、先ほど申し上げましたような監査役あるいは会計監査の規定をそのまま一億円未満の株式会社に適用しないような特例を設けようというものでございまして、中小規模の株式会社の実情にかんがみまして、資本金一億円未満の株式会社の監査役は、従来どおり会計監査のみを行なう、それから資本金一億円未満の株式会社につきましては、商法の適用除外として公認会計士または監査法人の監査を受けることを要しないものとする等の内容を盛っておるものでございます。
 それから三番目の、商法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案、この法律案は、先ほど申し上げました商法の一部を改正する法律等の施行に伴う関連諸法律の整理に関するものでございます。
 以上が、商法関係の三法案の概要でございます。
 その次は、罰金等臨時措置法の一部を改正する法律案でございまして、刑法その他の刑罰法規に定めております罰金及び科料の額等につきましては、現行の罰金等臨時措置法、昭和二十三年法律第二百五十一号によって暫定的な臨時特例が定められておりますが、同法が制定されましてから二十三年の間に、物価は約三倍、賃金は十倍以上に上昇しておりますので、罰金及び科料の額等を現行のままにとどめておきますことは、これら財産刑の刑罰としての機能を低下させるばかりでなく、刑事司法の適正な運営を阻害するおそれもあるということにかんがみまして、この際、このような経済事情に適合するよう、一律に罰金及び科料の額を、いずれもその四倍に相当する額に改めようとするものであります。
 最後は、出入国管理法案でありまして、現行の出入国管理令は、御案内のとおり昭和二十六年に、いわゆるポツダム政令として制定されたものでございますが、制定後二十年を経過する間に、国際旅行の普及、航空機による大量輸送により、わが国への入国者が飛躍的に増加しております。このような最近におきます出入国の状況から、現行制度を全面的に改善いたしまして、今日の国際的な諸要請及びわが国の国情に応じた出入国管理制度を確立する必要があるというのが改正の理由でありまして、その内容は、第六十五回国会に提出いたしましたものとほぼ同内容でありまするが、同法案に与えられました各方面からの御批判、御意見を十分にくみ取って、近く成案を得て提出を予定いたしております。
 以上が、提出予定法案の概要であります。
#19
○松澤委員長 次回は、来たる三月三日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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