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1971/03/03 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 法務委員会 第2号
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1971/03/03 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 法務委員会 第2号

#1
第068回国会 法務委員会 第2号
昭和四十七年三月三日(金曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 松澤 雄藏君
   理事 小島 徹三君 理事 高橋 英吉君
   理事 羽田野忠文君 理事 福永 健司君
   理事 畑   和君 理事 沖本 泰幸君
   理事 麻生 良方君
      石井  桂君    大竹 太郎君
      千葉 三郎君    村上  勇君
      河野  密君    林  孝矩君
      青柳 盛雄君
 出席政府委員
        法務政務次官  村山 達雄君
        法務大臣官房長 安原 美穂君
 委員外の出席者
        法務大臣官房司
        法法制調査部長 貞家 克巳君
        最高裁判所事務
        総局総務局長  長井  澄君
        最高裁判所事務
        総局刑事局長  牧  圭次君
        法務委員会調査
        室長      松本 卓矣君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月一日
 辞任         補欠選任
  林  孝矩君     矢野 絢也君
同月二日
 辞任         補欠選任
  松本 十郎君     灘尾 弘吉君
同日
 辞任         補欠選任
  灘尾 弘吉君     松本 十郎君
同月三日
 辞任         補欠選任
  矢野 絢也君     林  孝矩君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一二号)
     ――――◇―――――
#2
○松澤委員長 これより会議を開きます。
 最高裁長官指定代理者の出席説明の承認に関する件についておはかりいたします。
 本日、最高裁判所長井総務局長、牧刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○松澤委員長 内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。大竹太郎君。
#5
○大竹委員 まず、判事の増員のほうから御質問をいたしたいと思います。
 判事の増員は九名ということになっておりまして、提案理由の説明書を拝見いたしますと、「特殊損害賠償事件の適正迅速な処理を図るため、および交通関係の業務上過失致死傷事件の増加に対処するため、」云々と、こうなっておるわけであります。
 そこで、この資料を拝見いたしますと、特殊損害賠償事件並びに交通関係事件の増加は相当なものでありまして、これに対して増員九名ではいささか足らないのではないかというようなことも考えられるわけでありますが、これらについて、まず当局の御答弁をいただきたいと思います。
#6
○長井最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
 まず、特殊損害賠償事件の概要について御説明申し上げたいと存じます。
 特殊損害賠償事件は、申し上げるまでもなく、公害関係事件のほかに医師の診療上の過誤に基因するもの、あるいは薬品、食品、船舶、航空機、自動車の構造上の欠陥に基因するもの等にかかわる損害賠償事件を総称するものでございますが、これらの損害賠償事件は、いずれも原因や因果関係の解明、故意過失の認定等が困難でございますために、審理も長期間となり、ことに、原告が多数で無資力者も多いというような事件が相当数ございまして、適正迅速な処理が社会的に要請されているわけでございます。
 昨年六月末現在、全国の地裁、簡裁に係属している公害関係事件は、訴訟で二百八十五件、調停事件六十四件、合計三百四十九件、その他医療過誤、自動車の構造上の欠陥等に基因するものにつきましては、訴訟が九百七十八件、調停事件が二十二件、合計千件というような数字になっているわけでございます。御指摘のように、この資料によりましても特殊損害賠償事件が漸増の傾向にございまして、手当てを当然いたすべき事態に立ち至っております。
 また、交通関係の業務上過失致死傷事件につきましても増加の一途をたどっておりまして、参考資料の七ページによりましても、昭和四十三年から昭和四十五年の間に増加の傾向にございます。この業務上過失致死傷事件も過失犯でございまして、過失の有無、態様等について争いのあるものが多く、他の一般の刑事事件に比べましてかなり審理に骨が折れ、回数も多く開かなければならない事件ということでございまして、しかも刑法の改正によりまして、量刑の点でも懲役と禁錮が選択刑とされているというような事情もございまして、事案の内容が複雑となっております。
 これらの事件の審理のために、判事補九名程度の増員で十分に処理できるというふうに考えているわけでは決してございません。ただ、何ぶんにも増員につきましては、一つは、やはり内閣の定員管理の方針がございまして、必要性の特に強いものから重点的に行なうという方針がございますのと、それから特殊損害賠償事件につきましては、昨年判事補十二名の増加が認められておりまして、判事補の給源の問題ともにらみ合わせますと、当面必要最小限度のものにとどめざるを得ないということに相なりまして九名を増員していただいて、今後、事件の趨勢とそれから判事補の補給源とを勘案しながら対策を立てていきたいと考えている次第でございます。
#7
○大竹委員 私がいまのような御質問をしたのは、実はことしは九名でありますが、昨年はたしか十四名、一昨年はわりあい多くて四十三名というような数字になっておったかと思いますが、そういたしますと、この事件の増加の割合から見まして、ことしはわりあいに少ないのではないかというように思われてならないわけでございますが、その点についていま一度お答えをいただきたいと思います。
#8
○長井最高裁判所長官代理者 先ほどもお答え申し上げましたように、九名では十分な手当てができないということは認めざるを得ないところでございますけれども、御承知のように判事補の給源、さらに一般的に申し上げまして裁判官の給源が、現状ではきわめて限られておりますので、ただいたずらに定員のみふやしましても、欠員の充足が不可能と相なりましては予算の執行が円滑にまいりませんので、両者を勘案いたしまして九名にとどめざるを得なかったという事情でございます。
#9
○大竹委員 先ほどもちょっと御説明があったわけでありますが、特殊な損害賠償事件、特に最近問題になっております公害の問題等は特別な、何と言いますか、知識とでも申しますか、そういうものが必要だと思うわけでありまして、いまお話がありましたように、いたずらに人間だけをふやしても、こういう事件の処理というものは、そう適確にうまくいくとは思われないわけでありますが、それなら裁判所内部において、最近問題になっております公害を担当される裁判官の研修、養成というようなものについて、どういうことをやっていかれるお考えでありますか。
#10
○長井最高裁判所長官代理者 御指摘のように、公害事件の処理につきましては、民事事件であると刑事事件であるとを問わず、科学的な知識を必要といたします。専門的な知識に関しましては、それぞれ専門の適正な鑑定人に鑑定を依頼するわけでございますけれども、その鑑定の価値あるいは証拠の価値を判断いたしますためには、自然科学に関する一般的な基礎的な知識を必要といたします。このような方面に対する手当てといたしましては、予算上、会同、協議会、それから研究会で講師を招いて自然科学の基礎的な諸問題に対する理解を深める機会をつくる、またこれに関する図書を購入するというような手当てをいたしまして、公害事件の処理に関する基本的、基礎的な知識の涵養の機会を担当の裁判官に求めるというような努力をいたします一方、公害事件の担当裁判官の研究会、協議会等におきまして、審理に関する方策、方針の検討、また経験を披瀝して、審理に関する的確な争点の把握というような問題についても協議をしていただいております。
 そのような機会が積み重ねられますと、公害事件の処理能力は飛躍的に増加してまいりますので、新たな裁判官の増員によりますと同時に、経験と技量の豊かな公害担当裁判官を増加するという、このような措置によりまして、迅速で適正な公害事件の審理と裁判ができますように努力いたしておるわけでございます。これに伴いますところの予算の手当ても、相当程度確保できたと考えております。
#11
○大竹委員 それで、いまのことに関連してちょっとお尋ねしたいのですが、裁判所では事件は順番に割り当てられるというふうに聞いておるのでありますが、この公害事件、そのほかもあるかもしれませんが、こういうような事件については、いまの研修その他特別にそのほうの知識を持っていらっしゃる裁判官の部に割り当てられるのでありますか。その点はどうなんですか。
#12
○長井最高裁判所長官代理者 事件の分配につきましては、一般的には毎年度初めの裁判官会議におきまして裁判官の配置を定め、定められた部につきましてそれぞれの事件を平等に分配してまいりますけれども、公害事件のような特別なものにつきましては、特別の部を設置いたしまして、その部に配点するようにいたしております。
 さらに、今日騒がれておりますような四大公害訴訟というようなものは、その事件のために特に人員の手当てをし、あるいはその他諸種の資料とか設備の手当てもいたしまして、その事件のための裁判の機構というものを設定して処理に当たっているわけでございます。
#13
○大竹委員 次にお尋ねしたいのでありますが、これはこのあとの一般職員のところでお聞きすべきかとも思うのでありますが、関連いたしますのでここでお尋ねしておきたいと思います。
 たしか数年前に調査官の制度というものができまして、あのときはたしか特許事件あるいは税法に関する事件に、これは特殊な知識を要するので調査官を置くということで置くことになったと思うのでありますが、そういうようないきさつから見ますと、この公害事件というようなものは、まさに私はやはり特別な知識を持った人、もちろん裁判官も大事でありますが、この調査官というようなものが必要だと私は思うのでありますが、調査官というものは現在どういうような数いられるものか、またこの公害関係に関する調査官というようなものは現在置かれているのか、また将来お考えになっているのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#14
○長井最高裁判所長官代理者 調査官の制度につきましては、最高裁判所及び高等裁判所には一般的な裁判所調査官が置かれておりますが、地方裁判所におきましては、特許等に関する工業所有権及び租税事件に関する事項についての裁判所調査官が置かれているのみでございまして、ただいまの裁判所法の規定、これは裁判所法の五十七条の関係でございますが、公害関係の調査官は置かれておりません。
 御指摘のような点につきましては、一昨年の特殊損害賠償事件関係の裁判官の会議がございまして、その席上でもその設置の提案がなされたわけでございますが、公害事件一般を見ますと、それぞれがきわめて特殊性と申しますか個性が強く、原因あるいは因果関係につきまして非常に専門的なものをそれぞれの事件が個別に含んでおりますので、一般的に調査できる調査官ではとうていまかない切れないという結論に到達いたしました。これは、それぞれのすぐれた専門家を鑑定人にお招きして、その専門的な立場から意見を述べていただくことが好ましい、一般的な調査官では公害事件はまかない切れない、このような結論に到達いたしましたために、公害関係の裁判所調査官の設置は見送ることになったわけでございます。
 もっとも、公害事件がさらにふえまして、事件も類型化されてまいりました暁には、やはり調査官の設置という問題が必要になってくる事態もあるいは生ずるのではないかと考えられますが、ただいまのところでは、一般的な調査官を公害関係について用いるということは、まだ具体化いたしておらない現状でございます。
#15
○大竹委員 次にお伺いしたいのでありますが、増員の問題が出るたびに問題になりますのは、裁判官の欠員の問題でございます。たしかこの資料だと八十何名になっておるように思うのでありますが、この欠員の出る原因は、定年でおやめになるとか、あるいは弁護士その他へ転職されるとか、あるいは病気で定年を待たずにおやめになるというような理由等があろうかと思いますが、この八十何名が何で一体これだけ欠員になっているのかという内訳を、もしおわかりになったらお知らせいただきたいと思います。
#16
○長井最高裁判所長官代理者 裁判官の欠員の内訳というお尋ねでございますが、すでに資料で明らかになっておりますように、昭和四十六年の十二月一日現在で、判事、判事補、簡裁の判事合わせまして八十七名の欠員がございます。そのうち判事につきましては、十二月一日現在の欠員が三十九名でございますが、昭和四十六年度、判事が減少いたしました数は、検事への転官が四名、高等裁判所長官に変わられた方が四名、それから依願免官、これは弁護士になるとか、あるいは大学の先生になるというような方が二十二名、任期の終了一名、死亡一名、定年二十四名、計五十六名ございました。この五十六名のうち充員できましたものを差し引きますと、先ほど申し上げましたように、昨年の十二月一日現在の欠員が三十九名ということになるわけでございます。
 次に判事補の減少の状況を申し上げますと、昭和四十六年度、判事補から検事に転官された方が五名、免官を願い出られた方々が十一名、十年の任期終了で退官された方が五名、死亡一名、合計二十二名という内訳になっております。
 次に簡易裁判所判事につきましては、検事へ転官された方が一名、依願免官になった方が四名、死亡された方が六名、定年退官の方が三十五名、合計四十六名、このような減少の数字になっておりますが、充員されましてこの表に示されたような欠員数になっているわけでございます。
#17
○大竹委員 それで、この増員と欠員の問題が出ますと、いつも補給源との関係が問題になってくるわけでありますが、そこで私が心配いたしますことは、数年前から見ますと欠員数というものが非常にふえているんじゃないか。去年は九十四名でありますから、去年よりは多少減っていますが、昭和四十三年、四十四年あたりを見ますと、大体七十名くらいになっているようであります。そういうような点から見まして、いまお聞きいたしますと、それぞれごもっともの数字のように見えますが、転職その他が前から見ますと非常にふえてきているのではないかというふうに思われるわけでありますが、それらの点について、また何とかこの欠員を減らす抜本的な対策というようなものをお考えになっていられるかどうか、お聞きいたしたいと思います。
#18
○長井最高裁判所長官代理者 御指摘のように、昭和四十五年には九十四名の欠員がございまして、それに先立ちますところの昭和四十三年には七十名、昭和四十四年には七十二名という欠員の状況でございましたから、この数年をとってみますと欠員はふえているという、御指摘のとおりになるわけでございます。
 これをどのような方策で充員し、欠員の増加を食いとめるかということは、裁判官任用の一般的な問題、政策的な問題でございまして、たいへんむずかしい問題でございますが、当委員会の御支援と御配慮によりまして、判事補につきましては海外留学の機会を設けるとか、あるいは研修によりまして仕事に自信を持たせるような機会をつくるというような手当てもいたしております。また昨年は、初任判事補に対しまして初任給調整手当を相当額付与することができるような措置も講ぜられましたので、これらの措置が日ならずして効果を見るようになりました暁には、判事補の志望者も、すぐれた方がふえてくるものと強い期待を持っておるわけでございます。直ちに判事の増員に結びつくかどうかは問題でございますけれども、根本的な点においてそのような手当てをしていただきましたので、将来において相当の期待をかけることができるかと思いますが、なお執務の実態につきましてもいろいろ配慮をいたしまして、裁判官の職務というものを魅力のあるものにいたしまして、この欠員の増加ということを食いとめ、増員のほうに転ずることができるのではないかと期待いたしておるわけであります。
#19
○大竹委員 ちょっと前後いたしますが、裁判官で、裁判の事務に従事されない方は相当あると思うのですが、これはどのくらいございますか。
#20
○長井最高裁判所長官代理者 裁判官のうちで、直接裁判の実務に携わっていない人員は、総計で百五名でございます。その内訳は、最高裁判所の事務総局に三十八名、次に裁判所調査官、これは事務局とはまた違った立場にございますので、事件処理に直接関与はいたしておりますが、直接法廷に臨んで裁判をするという仕事はしておらない裁判所調査官、これは先ほども御質問の中に出てまいりましたが、最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所におりますが、そのうち裁判官を配置しておりますのは最高裁判所の場合でございますが、二十七名ございます。それから司法研修所、書記官研修所、調査官研修所、このような研修機関に三十二名おります。そのほかに各高等裁判所の事務局長として八名、以上合計で百五名という数字になっております。
#21
○大竹委員 この百五名というものは、もちろん動かすことのできないもので、これを減らすというようなわけにはいかないのですか。
#22
○長井最高裁判所長官代理者 裁判官が裁判以外の職務に携わるということは、ときには好ましくない事態だと言わざるを得ないわけでございますけれども、ただ、後進の裁判官の育成、養成、さらには裁判官のみではなく、法曹の育成ということのためには、やはり検察庁、弁護士会と同様に裁判所も大きな責任を持っておりますので、その育成のための人員というのは、ぜひ考えなければならない人員であろうかと思います。また裁判所の調査官、これは現実に事件の能率的な処理、適正な処理のために大きな働きをいたしておりますので、その数を減らすことも考えるべき問題であろうかとは存じますが、これをなくするということが、必ずしも適当であるかどうかについては、問題があるのではないかと思います。
 それから事務局の行政事務に携わっている職員、これを合理化して、極力少ない人員にとどめますことは、行政一般の原則からして当然のことでございまして、この関係では努力しなければならないことだと思っております。ただ、これをなくしますということは、裁判官に対する行政を裁判官以外の一般の行政的な立場にある職員がつかさどるということになりまして、やはり現在の組織の上では、昔のあやまちを繰り返すことに立ち戻るというような危惧もございますので、この点も限度のある問題ではないか、このように考えているわけでございます。
#23
○大竹委員 ことしの司法修習終了予定者のうちで、裁判官志望者はどのくらいおりますか。
#24
○長井最高裁判所長官代理者 今年の司法修習終了予定者のうちで、判事補志望者が六十五名、簡易裁判所判事志望者が二名、合計六十七名という数字に現在なっております。
#25
○大竹委員 この数は、最近の比較でどうなっておりますか。多くなっておりますか。
#26
○長井最高裁判所長官代理者 最近、一、二名の出入りはありますが、顕著な異同はございません。大体七十名を割るという数字でございます。
#27
○大竹委員 判事関係の質問の最後ですが、九名の増員の配置はどういうようにお考えになっておりますか。
#28
○長井最高裁判所長官代理者 判事補九名のうち、五名を東京地方裁判所、残り四名を大阪地方裁判所に配置する予定になっております。これは予算成立の暁、また定員法の成立の暁でございますから、仮定のお答えになりますが、そのように予定しております。
#29
○大竹委員 次に、裁判官以外の職員についてお聞きしておきたいと思いますが、今度は三十一名ということになっておりますが、これも昨年はたしか十九名ということで、昨年よりは増加しているのでありますが、一昨年以前に比べますと、この増員が非常に少なくなっているように思うのでありますが、この理由を御説明いただきたいと思います。
#30
○長井最高裁判所長官代理者 裁判官以外の職員の増員が、以前に比べて必ずしも多くはないという御指摘をいただいたわけですが、この原因といたしましては、昭和四十五年八月二十五日の閣議決定で、「公務員の給与改定に関する取扱いおよび行政の効率化の推進について」というのがございますが、その中に定員の削減措置がうたわれておりまして、引き続き第二次の定員削減計画を策定して、国家公務員の定員を計画的に削減することとして、増員要請についても、極力配置転換等によって対処するという方針が打ち出されております。この決定に基づきまして、さらに昨年の八月十日、第二次の定員削減計画の実施というものが各省庁別に定められたわけでございます。
 裁判所に対しましても、裁判部門以外の職員につきましては、行政の効率化に伴うところの削減について協力を求められまして、これに基づきまして裁判所でも削減の計画を立てまして、六十八名の削減ということに相なったわけでございます。したがいまして、これを勘案いたしますと、六十八名と三十一名とを合計いたしました増員が実質的にあるわけでございますけれども、定員法の関係では、その差数といたしまして三十一名の増員ということになったわけでございます。
 なお、その内容につきましては、裁判所書記官、家庭裁判所調査官、それから裁判所事務官という内訳になっておるわけでございます。
#31
○大竹委員 次に、参考資料の五ページを拝見いたしますと、四十六年十二月一日現在の欠員は二百七十名ということになっていますが、その実情を簡単に説明していただきたいと思います。
#32
○長井最高裁判所長官代理者 欠員の数字といたしましては、裁判所書記官七十四名、それから家庭裁判所調査官四十三名、事務官、事務雇二十三名、その他多数の職種がございますが、合計で百十三名、それから裁判所の庁舎の管理等に携わりますところの、行政職俸給表(二)の準用を受けます職員といたしましては欠員は二名、それから医療職(一)、(三)の準用を受けます職員として技官、看護婦さん等で十五名、合計二百七十名という内訳になっております。
#33
○大竹委員 次に、第二条の改正についてでありますが、申し上げるまでもなく、検察審査会というものは、民主的な制度ということで相当評価もされておりますし、また相当実績もあげてきているのではないかというふうに思われるわけであります。この資料を見ますと、受理件数というものは必ずしも減っていない。むしろ若干ふえてさえいるように思うのでありますが、それにもかかわらず員数を五十名も一挙に減らすということは、何だか変に思われるわけでありますが、その理由を説明していただきたいと思います。
#34
○牧最高裁判所長官代理者 御指摘のとおり、検察審査会制度と申しますのは戦後新しく設けられたものでございまして、検察官の公訴権の実行に関しまして民意を反映するという意味で、非常に画期的なものだと思います。その運営をまかされております裁判所といたしましても、その育成にこれまで努力をしてまいったわけでございます。ただ、発足以来約二十数年になりまして、ようやく制度も定着いたしまして、その間、いろいろの施策あるいは事務の機械化、簡素化、そういうようなものに努力いたしましたので、若干事務局のほうの能率も上がってまいりまして、多少の余力を生じてまいったということが言えるかと存じます。
 一方、裁判所のほうは事件の増に悩まされまして、負担増にあえいでいるというようなこともございますので、これらの事情にかんがみまして配置の適正をはかって、先ほど総務局長からも御説明をいたしました行政費の削減という政府の方針にも協力いたしたいという趣旨で、本年は五十名の定員を削減するということにいたした次第でございます。
#35
○大竹委員 最後に、沖繩における裁判所の職員の定員数につきましては、御承知のように、沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律によりますと、当分の間、最高裁判所の規則で定めることになっているようでございます。したがって、現在のところは本法の対象外ということになっておるわけでありますが、その沖繩における裁判所の定員数、また、もちろん将来は本法に繰り入れるべきものだと思うのでありますが、その時期その他について、最高裁ではどういうようにお考えになっていらっしゃいますか。
#36
○長井最高裁判所長官代理者 定員につきましては、特別の措置といたしまして、最高裁判所の規則に御委任をいただいたわけでございますが、予算の関係では、十分に御審議をいただきまして、内容が適正のものであるというように持っていきたいと考えております。
 その定員の内訳といたしましては、裁判官は五十三名、そのうち判事が二十名、判事補二十一名、簡易裁判所判事十二名という数字でございます。
 裁判官以外の職員は、合計四百十九名、うち十五名が検察審査会に勤務する職員でございます。その内訳をさらに詳しく申し上げますと、裁判所書記官百五十二名、家庭裁判所調査官及び調査官補合計五十三名、裁判所事務官百六名、裁判所技官三名、廷吏二十五名、タイピスト二十五名、行政職(二)表準用職員五十二名、医師、看護婦三名という内容になっております。
 次に、裁判所職員法に組み入れられる時期につきましては、予測はたいへんむずかしいのでございます。奄美大島の場合に同様な御措置をお願いいたしまして、規則で定員を定めました後定員法に組み入れますまでには、半年余りでできたわけでございますが、沖繩につきましては、返還協定その他必要な移行措置の際にもいろいろ御議論が出ましたような事情で、事件数がきわめて浮動的な状態でございますので、事件の関係が安定いたしまして、沖繩の特殊条件というようなものが明らかになりました上で、浮動的な要素が固まりました時期に、なるべく早く定員法の中に取り入れることができますよう、努力いたしたいと思っております。
#37
○大竹委員 終わります。
#38
○松澤委員長 次回は、来たる七日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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