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1971/04/13 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第16号
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1971/04/13 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 地方行政委員会 第16号

#1
第068回国会 地方行政委員会 第16号
昭和四十七年四月十三日(木曜日)
    午後三時十一分開議
 出席委員
   委員長 大野 市郎君
   理事 上村千一郎君 理事 大石 八治君
   理事 塩川正十郎君 理事 中村 弘海君
   理事 豊  永光君 理事 小濱 新次君
   理事 門司  亮君
      石井  一君    岡崎 英城君
      加藤 六月君    菅  太郎君
      國場 幸昌君    坂田 道太君
      高鳥  修君    中山 正暉君
      永山 忠則君    羽田  孜君
     橋本登美三郎君    村田敬次郎君
      山本弥之助君    桑名 義治君
      和田 一郎君    林  百郎君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 渡海元三郎君
 出席政府委員
        自治大臣官房長 皆川 迪夫君
        自治行財政局長 鎌田 要人君
 委員外の出席者
        自治省財政局財
        政課長     近藤 隆之君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十三日
 辞任         補欠選任
  菅  太郎君     加藤 六月君
  中島 茂喜君     羽田  孜君
  宮澤 喜一君     石井  一君
同日
 辞任         補欠選任
  石井  一君     宮澤 喜一君
  加藤 六月君     菅  太郎君
  羽田  孜君     中畠 茂喜君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関す
 る法律案(内閣提出第五五号)
     ――――◇―――――
#2
○大野委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。山本弥之助君。
#3
○山本(弥)委員 すでに、大臣に対しましては、本会議におきまして、交付税の問題を含めまして御質問いたしまして、しかも御懇篤なる御答弁をいただいておりますので、重ねてくどく御質問申し上げることは避けたいと思います。
 ただ、その際にも申し上げましたとおり、まさに、今回の交付税の措置につきましては、法律の趣名にもございますとおり、特例措置に当たる内容を持っておるわけであります。しかも、四十一年の際の不況のときに比べまして、今回の四十七年度、あるいは四十八年度に持ち越すかもわかりませんが、地方財政は非常に危機的な様相を深めておりますし、また、将来地方財政がどうあるべきかということは、行政需要の増大とも関連いたしまして、きわめて重要な問題である。しかも、いろいろな長期計面が、生活に関連した問題についても軌道に乗り、これをすでに府県、市町村とも推進をしてまいっておる。これを後退させてはならないという重要な時期であるわけであります。
 一応、交付税の総額につきましてはつじつまが合っておるわけです。伸び率におきましても、あるいは歳入全体に占める割合にいたしましても確保願ったということでありますが、ただ、四十一年度のときの措置と違いますことは、将来に対する関係においてはあくまでも暫定措置であるということであります。四十一年の措置は、将来に関連いたしまして、その暫定措置が、地方公共団体が将来の地方財政をある程度まで安心して事業を進めることができるという財政対策であった。今回は、本年度限りで、将来に対する見通しはない。来年になればどうなるかという不安は、この前参考人の意見を聴取いたしましても、関係府県あるいは市町村の代表者、学者を含めまして、みんな一応不安を持っておるわけであります。
 このことは、私、地方税法の改正の際も申し上げましたとおり、交付税制度についてもう基本的に検討しなければならない。四十年から、順調に経済が成長して、国税、地方税が伸びておる時期におきましても、いわば暫定措置で来ているわけですね。暫定措置といいますか、地方税が好転をした場合は、国の一般会計の関連において調整をされる。不況になりますと特別会計が――一般会計では本年度も千五十億配慮されておる。沖繩は別問題であります。ただし、千五十億以外の千六百億という多額の金は、特別会計自体、いわば地方公共団体の起債にひとしい状態になっておる。これは四十六年度の暫定措置を加えますと、約三千億近い借金を背負っておる。それが後年度において、当然地方公共団体の負担において償還していかなければならぬというたてまえになっておるわけであります。これは四十一年度の財政対策と非常に違うところであります。この点、来年度の不安を解消する御決意が大臣におありになるのかどうか。地方税法の改正の際にも申し上げましたと同じように、地方税と交付税を含めまして、また、超過負担の関連において、補助金、負担金の関連、起債のあり方、そういった問題を含めまして、早急に検討する時期に入っておるのではないか。これについて積極的に検討を始められるのか。以上の二点について大臣の決意なりお考えをお聞きいたしまして、質問を終わります。
#4
○渡海国務大臣 ごもっともな点であろうと存じます。ただ、四十年から四十一年にとられた財政措置と、今回の不況時における措置。前は三つの方針をとった。今回は、わずかに、前にとられた一時的な臨時的な措置だけにとどまっておるという点でございますが、私は、交付税率そのものが、あの当時は、地方財政と国の財政を比べて、上げなければならない状態にあったと考えます。あのときに上げられた三二%、現在の体系における国と地方の財源配分の基本としては、三二%は一応のバランスのとれた数字でないかという観点から、今回は率の引き上げを一応行なわなかったような次第でございます。結局、国と地方との財政のあり方が、四十一年度当時と比べまして違っておったというところから、前の措置のうちの一部だけをとったという姿で今回は終わったような次第でございます。
 ただ、あくまでも年度末から来年にかけて、景気は経常に復するであろうという前提のもとに立てられた財政政策でありまして、地方財政の政策もその姿になっておると思います。現在におきまして、後年度以降はたして景気が予測しておるとおり持ち直るであろうかどうか。少し続くのでなかろうか。おそらく四十八年度前半程度にも響いてくるのでなかろうかという不安がまずあられるであろうと思います。また、そう考えられるのも当然のような姿もございますので、四十八年度の地方財政を組みますとき、もしこれが杞憂でなくしてほんとうの姿がそうであったなれば、相当苦しい地方財政を再び組まなくてはならぬという姿でございますが、私たちは、あくまでもこれは本年度の後半期から景気が経常に立ち直るものとして地方財政を組ましていただきましたので、ひとつ御了解を賜わりたいと思います。
 しかし、景気が経常に復しました場合も、そういった観点からでなくして、地方の行政需要がふえてきたということ、また、地方が行なわなければならない事業、これが七〇年代における内政の年代と言われる今後の国の財政政策のあり方であるといろ点、また、国庫財政とバランスのとれた交付税率三二%というものが、はたしてそれでよいかという点、この観点からは見直さなければならない時期にきておるということは、山木委員御指摘のとおりであろうと私は思います。しかし、このことは、単に交付税だけの問題でなくて、やはり行政全般の国の事務の配分とのあり方にもかかる問題でございますから、地方税制の税源配分の問題、また、行政事務の問題、これらとあわせて考慮すべき問題を含んでおるのでなかろうかと考えております。したがいまして、その意味におきましては、私たちはぜひともこれを全般的の問題として考えていかなければならない時期にきておる。これはもう御指摘のとおりであろうと思います。今般、私、特に、地方制度調査会の委員の任期を二年間に延ばさせていただきますよう法案も準備しております。まだ、いまこれから御審議を願うようになっておりますが、ぜひともこれを通させていただきまして――長期的な目で、いま申しましたような行政、財政全般に対する根本的な問題を、しかも早念に検討していただきたいという気持ちから、この法律の提案をいたしたいと考えておるような次第でございまして、その意味におきまして、いま全般的な問題として考慮すべき時期である。そういった取り組みをせにゃならない問題である。かように考えておりますので、今後ともに皆さま方委員各位のせっかくの格段の御鞭撻と御援助を賜わりたい。かように考えております。よろしくお願い申し上げます。
#5
○山本(弥)委員 景気の問題につきましても、本年度下期七%ちょっとの回復を見るだろうということでありますが、おそらく、四十一年下期から四十四年の間のいわゆる高度経済成長というのは期待できないんじゃないだろうか。しかも、この経済成長が、今日、過疎、過密その他の指摘されているいろいろな問題、経済のひずみが出てきておるわけでありますが、そうなりますと、経済政策の大きな転換ということからいきますと、経済成長が実質安定成長は一〇%、福田大蔵大臣のときに、昨年の予算委員会ですか、言明をなされたようでありますけれども、おそらく一〇%台でも高いのではないか。もっと低めの経済成長ということを想定しながら、福祉優先の政策転換をはからなければならぬのじゃないか。そういうふうに考え、また、見通しを立てるべきではなかろうかと私は思っております。
 なお、今後、税率を含めての交付税の本来の性格をすっきりしていかなければならぬ。あるときには補助金的な性格を濃厚にする。本来、一般的な財源であるにもかかわらず、ひもつき財源になる。あるいは、需要が増大してきて公共事業等を推進する場合に、税の落ち込みがありますと、起債に振りかえるために、投資的経費を、当然ふやさなければならぬ基準財政需要額を落とさざるを得ないというような交付税の性格から考えてみましても、非常に変わってきている。これをすっきりした体制にしなければならぬ。それはいまちょっと大臣がお触れになりましたとおり、交付税それ自体の税率を問題視するということよりも、むしろ、地方税を含めての全体について考えなければならぬのじゃないかというふうに思いますので、この点は、今後の折衝におきましても、国との関係において大きな問題が出てくると思います。その経済の将来の見通し、あるいは、ほんとうに地方公共団体が福祉行政に全力を投入できるような、地域住民の期待にこたえられるような姿勢をとるための経済政策への転換、それと、地方税、交付税とのお互いの相互関連ということにつきましては、十分御配慮をしていただきまして、善処方をお願いしておきます。
#6
○渡海国務大臣 いまの経済の見通しに対する分でございますが、経常経済に戻りましても、四十年度以降たどったような高度成長は期待すべきでないし、また期待してはならぬ、かように私は感ずるので、山本委員と同意見を持っております。
 先ほどお触れになられました一時の借り入れあるいは貸し出し、それが財源調整になるような形になったのでございますけれども、そういうことが起こり得たというのも、高度経済成長があったのでああいうふうな現象が起こったのでなかろうかと思っております。国との貸し借りでなくして、地方団体自身、交付税の中で、財源調整と申しますか、年度間調整の道を何らかの形で講じていくというようなことは、これは、財政の浮き沈みによって地方団体が影響をこうむるというふうな点もございますので、自主的な、自分の中における財源調整という仕組みを考える必要はあろうと思いますが、少なくとも、今後、経済の安定の度が高度成長ではないという姿では考えなくちゃならぬのじゃないかと私は考えております。いま申し述べられました長期投資計画というものも、私たちから出たあの百十兆円のビジョンというものの中から立てられたものであろうと思いますが、このビジョンにおきましても、財政規模の伸びというものは、いままでのような高度経済成長によるところの伸びではなくして、安定成長という姿を前提として組ましていただいておるような次第でございまして、今後の財政の見通しとしてはそうなければならぬ。かように考えておるのでございます。
 ただ、交付税制度が、いま申されましたように、単に自治省が考えておるだけでなくして、外部的な要因によってむしろひもつきにされるというふうな姿。これは一般財源としての交付税のあるべき姿でないので、今後ともこれは断ち切っていく必要がある。少なくとも、地方税とあわせて一般財源を構成しているというのが交付税制度の本来の姿であるという点、御指摘のとおりであろうと思いますので、これらを含み、今後とも検討させていただきたい。かように存じます。
#7
○山本(弥)委員 もう一点。過般、市街化区域における農地の宅地並み課税につきまして、議員立法で地方税法の一部修正を行なったわけであります。これによりまして、当然、固定資産税並びに都市計画税の減収が約七億八千万ぐらい減収になるわけですね。この点につきましては、当時、附帯決議で「基準財政収入額の算定にあたっては、市町村の不利にならぬよう措置すること。」ということになっておりまして、この決議に対しましては、大臣からは、十分御配慮を願うという御答弁をいただいたようでありますので、この点は十分指導を願えるものと思っております。
 ただ、問題は、明らかに税法上算定をせられました地方税の収入は七億八千万円減収になるわけです。いわば、大臣から御報告をいただきました財政計画の歳入面において七億八千万円という減収が明らかにあるわけですね。これは予算の場合でも、税の減収は、いろいろな意味で、年度経過において、あるいは歳入の不執行の面も出てまいりましょうし、他の税収の伸びということによりましてカバーできるものと思うわけでありますけれども、一応、積算の基礎が減収ということが明らかになっており、地方財政計画からいくと、それだけ歳入面において減収ということが明瞭になっておるわけですね。これに対して、過去における措置、あるいは本年度の地方財政計画に対して、自治省としてどういうふうにお考えになり、どうされるのか。これは修正されるのか。あるいは過去の実例もお聞かせ願って、それに従って――一応提起したものだ、一つの計画としての見通しにすぎないのだということでそのまま処理するのか。その辺のことをお聞かせ願いたいと思います。
#8
○渡海国務大臣 御承知のとおり、本年度の地方財政計画は、二月二十五日に閣議決定させていただき、二月二十六日に国会へ提出させていただいたような状態でございます。予算委員会におきまして、地方財政計画を一日も早く提出をしろということで、予算関連法案と同じ十八日に出させていただくことをお約束しましたが、あれはあくまでも閣議了解によるところの見積もりと申しますか、厳密に言う法律的な地方財政計画は、いま申しましたように、二月二十五日に閣議決定させていただき、二十六日に国会へ提出させていただいたものでございますが、地方財政計画が、国の予算のごとく、国会の議決によりまして額を確定するという性格のものでございましたら、もとより修正するという姿でなければならぬと思いますが、二月二十五日現存における地方の四十七年度に対する歳入歳出の見込み額で、したがって、その後その基礎が変更することもたびたびございます。従来も、提出しました地方税法が国会において修正を受けましたこともたびたびございましたが、地方財政計画は修正いたしておりません。この点は、経済の見通しが、その時点における見通しで組み立てられておるというのと似通っておるのじゃないか。かように思っております。また、単に修正だけでなく、成立がおくれまして、施行の期日がおくれて、歳入面において狂いを生じたというようなときも訂正させていただいてはおりません。また、昨年のごときは、五千億に余る年度間の補正予算を組ましていただきましたが、このときもあらためて地方財政計画の修正ということはしておりません。したがいまして、地方が予算編成をされる場合の新年度に対する一つの財政方針として、二月二十五日現在における財政の歳入、歳出の見通しということで今日まで運営しておるのが実情でございますので、御了承を賜わりたいと存じます。
 なお、いまの附帯決議にもございました地方交付税の基準収入額としての算定にあたりましては、附帯決議を尊重いたしまして、聞違いないように計算し、措置させていただきたい。かように存じます。
#9
○大野委員長 小濱新次君。
#10
○小濱委員 予算委員会が重なりまして、自治大臣に御質問する機会がいままでになかったわけですけれども、大臣は、御就任以来非常に精力的で、やる気十分。私どもは、その活動を通してこう認識をしてまいりました。そういう立場から、きょうは、この交付税の最後の質問の時間を、わずかな時間ですけれども与えられましたので、その問題点について、大臣の所信といいますか、決意をお伺いしたいと思いますので、お答えをいただきたいと思います。
 地方公営企業、特にバス、地下鉄の交通事業と、公立の病院事業の経営が急速に悪化している。このことについてはもう御承知のとおりであります。いままでも本委員会で重ねて討論をしてまいったところでございますが、これらの事業の経営基盤の強化と、経営の健全性の確立をはかることが緊急の課題となっておるわけであります。そこで、公営企業の問題解決にあたって、従来の再建計画のような、再建債に対するわずかな利子補給では、もはや不可能な状態になっているわけでございます。したがって、お尋ねしたい第一点は、公営企業の健全化にあたって、現行の膨大な赤字をたな上げいたしまして、そして、それを国と地方が負担する。こういう抜本策を立てなければならない。こうわれわれは考えておるわけでございますが、この点に対して自治大臣の所信をお伺いしたいと思います。
#11
○渡海国務大臣 公営企業、その中で、特に交通事業と病院事業を取り上げられましての御質疑でございましたが、交通事業と病院事業が赤字を生んでおります原因と申しますか、状態がおのずから異なりますので、一般的なそれぞれに対するところの赤字解消策を講じていかなければならないであろう。かように考えます。
 まず、第一に、病院聖業に対しましては、いろいろ原因はあろうと思いますが、社会保険の診療報酬単価、これの改善をやっていただくことが何と申しましても根本でございまして、これが大きな原因になっておるのではないか。かように考えております。そのほかにも、病院の配置と規模の問題、あるいは医師の確保難、また、病院の経営の合理化というふうな点に徹底が欠けておるのじゃなかろうか。こういうふうな点も考えられるであろうと思いますが、一番大きな社会保険診療報酬の問題は、幸い、いま抜本策が考えられておるところでございますので、今後とも関係各省と連絡をとりまして、赤字の原因となる社会保険の診療報酬が改善されるようにつとめてまいりたい。かように考えておるような次第でございます。
 病院の配置と規模の問題。これもかねがね関係方面と連絡をとりながら、適正化のためにつとめておるところでございますが、今後ともにこの問題の検討に当たらせていただきたい。かように考えております。
 経営の合理化の面で、現在あります赤字の中で、私たちが一番考えなければならぬ問題は、人員その他における合理化をしなければならないことでございますが、同時に、地方公共団体の病院は、一般の病院と異なりまして、行政として行なわなければならぬものを病院がかぶっておる。これを病院の特別会計でそのまままかなうところに問題がある。たとえば、看護婦の養成の問題であるとか、あるいは救急医療に対する業務の問題であるとか、当然一般会計で持たなければならぬ部面があるのじゃなかろうかと思われるわけであります。もう一つは、不採算でありましても、公的病院であるという立場から行なわなければならない事業もあるのでなかろうか。また、予防医学が今後医療の体系の中で大きな地位を占めなければならないような問題、これは当然一般会計から持つべきものでなかろうかと思うのでございます。このように、一般会計との負担区分をはっきりとして、この面から少なくとも赤字が生ずるというようなことのないように措置しなければならないというふうに考えておる次第でございまして、この部面に対しましては、昨年度の交付税で措置しました額がたしか二百八十九億。ことしは三百五十億措置させていただいたような次第でございまして、今後ともに一般会計との負担区分の適正化ということにつとめさせていただきたいと思っております。
 なお、何と申しますか、いままで積み重ねられた赤字が負担になるという部面に対しましては、再建計画等、各地方団体の赤字解消の努力に対しまして私たちもこたえることができますように、ケース・バイ・ケースで努力いたしたい。かように考えておるような次第でございます。
 交通事業は、これは現在一番大きな赤字になっております。これに対しましては、前々からお等え申し上げておりますとおり、今年度の予算編成時、厳密に言いましたら一月十日の日に、大蔵大臣に、そこに運輸大臣も御同席を願いまして、私から申し入れを行なった形で、文書にいたしまして協力を願うということを約束していただきました。この点は、水田大蔵大臣から先般の委員会で答えていただいたとおりでございます。その文書は、「公営交通事業の経営悪化の現状にかんがみ、料金の適正化、人員の縮減等企業経営の改善合理化、財政措置の見直し等昭和四十八年度において抜本的な再建対策を検討すること。」という文言になっております。何と申しましても、四十八年度にはぜひとも――この時期は、横浜を除きまして、多くの団体の再建計画の最終年度でございますから、再建計画を立てておきながら、なお赤字がふえたというふうな姿にならないよう、少なくとも、計画を立てて計画どおりに行なったなれば赤字が生まれないようなほんとうに抜本的な対策を、単に公営企業の実態的な面だけでなくして、運輸行政の立場からも、また、建設行政の立場からも、関係各省の協力を得て、検討して、打ち立てさせていただきたい。このように考えておるような次第でございます。
 具体的な問題といたしましては、企業経営改善合理化を徹底するということがまず第一の問題であろうと思います。また、企業環境の抜本的改善を行なわなければ、現在のバスというものの効率的な運用ということが考えられないのじゃなかろうかと思っております。また、一番大きな問題になっておりますところのバス事業に対する対策。それかう、路面電車の撤去はいたしましたが、撤去までに至る間に生じました大きな赤字が残っております。これらが大きな要因となって赤字に苦しんでおるということも事実でございますので、この過去の赤字をいかなる姿に持っていくか。十分に考えた抜本対策を四十八年度にぜひとも立てさせていただきたいと考えておる次第でございます。
 前々から、そのような観点から、当委員会におきましても、私たち、ひとつぜひとも御示唆を賜わるような御審議を賜わりたい、できれば、小委員会を設けて関係各省を御招致になり、ひとつ建設的な御示唆を賜わりたいということをお願いしておるような次第でございますので、私たち政府も、当然のことでありますから努力いたしますが、委員会におかれましても格段の御援助のほどをお願い申し上げまして、答弁にかえさせていただきたいと思います。
#12
○小濱委員 現在の公営企業を取り巻く諸条件がまことにきびしく、財政措置だけではこれは解決できるものじゃないわけですね。いまお話がありましたように、いろいろとこれは対策を講じてもらわなくちゃなりませんが、公営交通の内容を見てみましても、たとえばベースアップにいたしましても、あるいはまた軌道の撤去という問題にいたしましても、バスに切りかえるにいたしましても、職場転換という問題もあるし、こういう問題の解決のために自治体ではどんなに苦労をしているか。痛々しいまでにお互いに議論し合っている。これは御存じのとおりでございますが、そういう内容になっているのです。したがって、このままずるずるとその赤字が累積を生んでいくということになれば、これはやはり最終的には国で努力をせざるを得ないわけです。もちろん、一般会計という問題もありますけれども、その辺で解決をしなくちゃならない。先々そうなることは、いままでの事例から見てもよく見通しがついておりますので、そこで、何とかして総合的に検討をしていかなくちゃならないであろう。私どもこういうふうに考えているわけです。
 いま大臣の御意見は伺いましたけれども、この都市公営交通の再建計画という点については、私はいままでの過去の例をよく見てまいりましたし、いま横浜の名前が出ましたけれども、私も八年議会におりましてそのほうを担当してまいりましたからよくわかっているわけですが、総合的な検討をどうしてもやってもらわなくちゃなりませんので、そこであえて自治大臣にきょうは御所見を承っておるわけでございます。その総合的検討という問題について、いま一度大臣の決意をお願いしたいと思います。
#13
○渡海国務大臣 いま小濱委員御指摘のとおりでございまして、大都市、新しく生まれました札幌、川崎、福岡、これは私は十分存じ上げておりませんが、そのほかの市の公営交通の状態というものは大体私も承知しておりますが、ベースアップを行なうたびごとに、そのベースアップすら行ない得ないというような姿でございますが、といって、運賃の値上げに踏み切ることはなかなかできないという姿でございます。今回、いかに経営合理化しても、運賃の引き上げを行なわぬことにはどうにもできないという姿で、皆さんとも相談の上、いま、冬山とも上げていただく姿で検討をしていただき、すでに申請がほとんどの市から出ておるという姿で、いま、運輸省並びに経済企画庁当局と私のほうで、申請になられました料金等について検討させていただいておるという姿でございますから、重々承知いたしております。しかし、いま申されましたように、私は、この問題は、単に自治省だけで解消するものでないという観点から、特に予算編成に必要な事項ではございませんが、予算編成の時期を利用さしていただきまして、公式の場という姿で運輸大臣にも来ていただき――運輸大臣だけでなく、建設大臣にも、あるいは交通規制等の問題もございますので、国家公安委員長にもおいで願うのは当然でありますが、さしあたり最も必要な運輸行政の主管である運輸大臣と財政の大蔵大臣に対しまして、何と申しますか、申し入れという形で、四十八年度に総合的な対策を抜本的に講じてくれということを申し入れ、幸い御同意を得たような状態でございます。あとは四十八年度の予算編成期までに私たちが努力をして事務的にこれを積み上げていく、その対策を講じていくということが残されておるのではないかと思いますので、この目標に向かいまして私たち今後事務的に推進をはかってまいりたい。かように考えております。その意味におきまして、いまもお願い申し上げましたように、当委員会におきましてもひとつぜひとも建設的な御示唆を賜わりたいというのが念願でございますので、ひとつ御援助のほどお願い申し上げたいと存じます。
#14
○小濱委員 過去の赤字の問題、再建計画の問題、これは伺いました。今度は将来の問題についても考えていかなくてはならないと思うのです。たとえ現在の赤字をたな上げしたといたしましても、そのあとにおいて現状のままでは、公営企業が幾ら経営努力をいたしましても、当然新たに赤字が発生することは御存じのとおりと思うのでございます。そこで、この場合、新たに発生した赤字に対しては何らかの基準を設けて、赤字の一定額についての対策といいますか、これを国と地方団体が負担するというようなことで、将来計画についても、赤字対策についてはやはり国と地方団体の負担ということで検討しなければならないと私は思うわけです。この点については大臣はどういうふうなお考えを持っておられましょうか。
#15
○渡海国務大臣 抜本策で少なくとも赤字は出ないという姿で持っていっていただきたい。たとえば地下鉄にいたしましても、赤字が出ないような補助体系に切りかえていただくとか――そういった場合考えられることは、不採算線等に対するところの一般会計との負担区分の合理化というふうなことで、赤字の出るような体系につきましては、おそらく非常にむずかしい問題ではございますが、適正な合理化を探求して、少なくとも四十八年度におきましては赤字が出ないということを前提に組ましていただきたい。そこまでをいま目標にしておるのでございます。それでも出るような赤字というものは、本来利用者負担が原則でございますから、料金の引き上げ等についても考えざるを得ないということになるのでございまして、将来赤字が起こるであろう――それは現実面としてはそういうような場合もあるかもわかりませんが、少なくとも抜本策を立てる以上は、今度こそは赤字が出ないようなものを再建計画で立てていきたいという意気込みで取り組んでおりますので、いまの御質問にはそういうふうなつもりで取り組ましていただきたいと思います。御了承を願いたいと思います。
#16
○小濱委員 ひとつ大いに努力を御要望申し上げておきます。
 次に、人口急増の実態については、すでに十分認識されて、そしてその解決に急がれているわけでありますけれども、この問題解決にあたっては、現行のような各省庁でのばらばら行政では解決は困難だと思う。たとえば文部だとか建設、厚生、自治その他となりますけれども、こういうばらばら行政では、その解決が、実際に内容的に見て非常に困難となっております。したがって、人口急増地域のかかえている問題は、義務教育問題、それからごみ、屎尿の問題、生活関連施設の整備等々、多くの問題が総合的に折り重なっておるわけですね。そして、これは緊急を要することになっております。特に、従来の諸行政のような後手後手の施策では解決は困難です。これは先行的に行なわなければならないわけでありますが、こうした観点から、急増地域の問題解決にあたって、自治省が主体となって各省庁との調整をとって、そうしてたとえば人口急増地域緊急財政措置法ともいうべき総合立法措置をなさる。これが問題でございますけれども、この必要があると考えるわけであります。そこで、この点に対しても、これは大きな問題でございますので、自治大臣の所見をひとつ聞かしていただきたいと思います。
#17
○渡海国務大臣 御指摘のごとく、人口急増地域に対しまして、少なくとも新しくふえます地域に対する最小限の施設、いま申し述べられましたような教育施設あるいは清掃施設、そういったものを、この急増していく人口に応じられるように、一時的に財政需要がふえますものに対して十分な措置が直ちに講じられるような必要があるということは当然でございまして、その最小限に必要な施設につきまして、各関係省庁におきまして、補助率のかさ上げ等を中心といたしまして大蔵省に対しまして要求させていただき、各省も喜んでこれに協力していただいたような状態でございます。中には、十分ではございませんが、その目的の幾分かでも充実さしていただいたものもございます。たとえば義務教育の小学校の補助率の引き上げの問題とか、あるいは児童公園を児童都市公園の中へ加えていただく、補助率を三分の一から二分の一に引き上げるといったようなこと、あるいは屎尿やごみ処理に対するところの単価の引き上げ適正化とか、こういうふうな問題で個別的には改善された分もございますが、私たちが要望したようなことができ上がりましたなれば総合立法をさせていただきたい。また、総合立法をさせていただくことを目標に予算折衛いたしたのでございますが、残念ながら、十分な立法をし得るまでの域にまだ達しませんでしたので、今回は予鎌措置だけで児送らしていただいたような次第でございますが、この問題は、御指摘のとおり現下の急務でございますので、今後引き続き法制定までの努力を続けてまいりたい。このように考え、来年度の予算編成を目ざしまして目下努力をさせていただいておるような状態でございますので、御了承賜わりたいと思います。
#18
○小濱委員 義務教育の学校施設についての補助率の問題等も努力をしていただいて、今度は改正されたことはよく存じておりますが、たとえば全国的にプレハブ教室詰めになっている生徒が約四十万人と言われている。特に、最近では、千葉県の船橋とか、神奈川県の相模原とか、その他、この間ここへ参考人としておいでになりました豊中の市長のお話を聞いても、とにかく年々三千人から五千人ぐらいふえてくる。いまの基準からいくと、五校、六校つくっていかなくちゃならない。そうなりますと、どう自治省にお願いしてみても、これは持ち出しが非常に多いわけです。やればやるほど持ち出しが多くなってきて、悩みが果てない。こういう状態になっていることは自治大臣はよく御存じのとおりであります。そういう点で、たとえば教育の問題だけを取り上げてみても、急遽この問題の解決に当たらなければならない。そういうときを迎えているわけですね。これはこれからどういう状態に発展していくのであろうか。住宅やその他の問題ですと設備をおくらすこともできますけれども、教育の問題だけは、これはもうどうしてもやらなければならない自治体の使命であり、役目であるわけです。こういう点から、どうしてもこれは総合立法措置を考えてもらわなくちゃならない。こういうふうになっているわけですね。そこで、この過疎法の例にあるように、この問題については非常に緊急を要しますので、政府の施策を待っていてはせっかくの施策も後手後手になるおそれがあると私どもは考えているわけですね。こうであってはならない。ぜひひとつこれは自治大臣にも真剣に取り組んでもらいたい。こう思うわけですが、わが党といたしましても、この問題については、超党派的に、議員立法によってでも成立させたいと考えておる面もあるわけです。そういうわけで、ぜひひとつこれも自治大臣の決意を承っておきたいと思うわけでございます。
#19
○渡海国務大臣 政府といたしましては、いま、議員立法の御提案でございましたが、これについては、私が答弁をいたします立場にございませんので御遠慮させていただきたい。かように存じますけれども、いまおあげになられました人口急増地域でも、特に人口が爆発的になっております地区の義務教育自体を取り上げていただきましても、そのような状態であることはよく承知いたしております。しかし、これらの人口急増地区の通例といたしまして、住宅地区が、新しく宅地開発あるいは公団というふうな姿で生まれておる。いまも問題になっておりますけれども、宅地開発要綱等をつくられまして、それらの地方自治体の施設のための負担を願っておるというのが実情でございますが、これらが法的にも制度的にも完熟しますように、関係各省とも連絡の上、それらの面におきましても十分今後ともに連絡をとり、推進をしてまいりたい。かように思っております。その基本的な、特別な国庫補助負担金のかき上げという形の総合立法を、四十八年度をめどにぜひとも政府提案をさせていただきたい。そのためには私たちも努力しなければならぬ。このように考えておりますのが政府側の今日の状態でございます。
#20
○小濱委員 ひとつ、自治大臣の一そうの御努力を心からお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#21
○大野委員長 門司亮君。
#22
○門司委員 ごく簡単に二、三の問題だけを聞いておきますから忌憚のない御答弁を頼みたいと思います。
 最初に聞きますのは、交付税の本質と借り入れの制度についてでありますが、これをどういうふうに解釈されますか。毎年こういうふうに借り入れをやってはしようがないですよ。
#23
○渡海国務大臣 交付税が一般財源である以上、後年度に負担を残すような借り入れ制度、これが本質的なものでないことは門司委員御指摘のとおりでございまして、やむを得ざる措置として本年も行なわせていただきました。山本委員にもお答えさせていただきましたように、借り入れ制度についてもそうですが、国庫財政に対して貸し出しというふうな姿も、いままで、ここ数年来見られた現象でございますが、これらもあるべき姿でないことは重々承知いたしております。ただ、景気の変動等に備えましての自主的な交付税における財政調整の年度岡のあり方というものは、今後ともに検討をしていかなければならない課題の一つである。かように私はお答えさせていただいたのでございますが、いまの門司委員の御質問の点も、当然のこととして行なうべきものでなく、やむなく本年度、交付税の不足に対しましてこのような形で措置していただきましたが、できるだけ避けなければならない。交付税の本質にそぐわないものである。かように考えております。
#24
○門司委員 これは非常に問題で、われわれから考えると、四十六年度にやっと交付税の借り入れ金その他がなくなって、地方財政が健全化のような形を一ぺんとったわけでありますが、すでに、四十六年度に、御承知のように千二百億くらいの借り入れ金をしなければならない状態であります。また今度千六百億で、大体二千八百九十五億六千万円。こう言っておりますが、こういう状態で、これを五十五年度までに返すということですね。年度償還をしなければならない。そうすると、結局年度償還をするだけは、例年交付税の中から年度別にふえる。こういう形をとらざるを得ないと思うわけです。そういたしますと、景気が少しくらいよくなっても、悪くなっても、政府の持っておりますお金というか、政府の財政には関係がないが、地方の自治体は、たとえ景気がよくなってもこれだけは減収になる。こういう形をとっていくわけです。したがって、この制度はあまりいい制度ではありませんので、みんなからたびたび言われることでありますが、この辺でひとつ交付税率の引き上げをするなり、あるいは抜本的な税法の改正をするなりする段階にもう迫られておるのじゃないかということが考えられます。
 時間がございませんからはしょって申し上げておきたいと思いますが、御承知のように、地方財政については、需要の範囲というものが非常にふえておりまして、従来のものの見方ではほとんど見方ができなくなってきている。ことに、御承知のように大都市では――これは余談ではありますが、二、三日前、私ある本を読んでいましたところが、外国の例が計いてありましたが、外国ではすでに使えなくなった自動車が道ばたにあったり、方々にころがっておって、自動車の使えなくなったものはごみと一体と考えて処置をすべきではないかということが実は書いてあったのであります。これはやはり大都市においてもそういうことが当然考えられてくる。従来の清掃事業に対するものの見方とは全然違う。そのほか、日本では、御承知のように大きなごみが出てきておるが、これは何とか処理しておるようでありますが、それからもう一つの問題は、ことに横浜のような港湾都市。大阪も同じであります。名古屋もやや似ておりますけれども、市内を走っております幾つかの運河その他に捨てられておる廃船。いわゆる木船の使えなくなったものが至るところ捨ててありますが、こういう問題はもはや捨てておけない状態になっておる。したがって、数値の中では、清掃費として、人口比率で割り出されるように法律はできておりますが、そういうものでは追っつかない時代に来ておるのではないかと考えられる。そこで、税法自身の中の基準財政需要額というものの数値等については、やはり根本的に立て直す時期だと私は思う。これを多少修正をするというような形ではもう追っつかないのじゃないか。こういう考え方に立たざるを得ないと思うのです。したがって、繰り入れの三二%がいい悪いということが一つと、それから同時に、現在の時点に見合った法改正をする必要があると思うのですが、この辺はどうなんですか。
#25
○渡海国務大臣 これもまた山本先生にもお答えさせていただきましたとおり、私は、いま門司委員御指摘のとおり、自治体が行なおなければならない財政需要というものが激増いたしております現在とあわせて、いま一般財源として与えられておる交付税源の三二%というものがはたして適正であるかどうかということは十分考えなければならない問題であろうと思います。また、その交付税の中で算定の基準にしておりますところの各単位費用の計算のしかたそのものにいま御指摘のような矛盾が起きておることも事実でございます。また、交付税法のものさしであるところのあの算定のしかたのような仕組みがよいかどうか。これも一つの問題でないかと思います。その意味におきまして、地方税の税源配分とあわせまして行政配分、それらをにらみまして十分に検討すべき時期に来ておるということはまことに同感でございまして、ぜひとも抜本的な問題とも取り組まなければならない時期に来ておりますので、検討を加えさせていただきたい。かように考えております。
 この意味におきまして、税制調査会におきましては長期等申として一応お示しを願いましたが、地方制度調査会におきましても、この意味を含めて御検討賜わりたい。かように存じておるような次第でございまして、せっかく今後とものこの点に対する御意見と御指示を賜われればまことに幸いである。かように存じます。
#26
○門司委員 わかり切ったことですけれども、そういうことではこれはどうしようもないんですな。これは政府のやる仕事です。地方制度調査会だの税制調査会の、ある長期の展望に立っての一つのものの考え方は、それはそれでよろしいかと思いますが、いまの地方の自治体の状態というものはもう急を要するのであって、私は、そういう逃げるようなことでは済まされないと思っておりますが、これは押し問答をしていると長くなりますからやめておきますが、そういう考えに立たないで、政府が思い切ってやろうと思えばこういう問題はいつでもできるものなんです。調査会がどうであろうとこうであろうと、そんなことにこだわっておっては、政府のこうした行政は何にも行なわれないと思います。
 その次に聞いておきたいと思いますが、ある意味ではこれは私の認識が足りないのかと思いますが、いわゆる公営企業が非常に大きな赤字をかかえておりますので、必然的に一般会計から各都市ともこれにかなりの額を繰り入れていると思います。これは交付税の対象になっているのか、なっていないのか。なっているとすれば、どういう形でなっているのか。その辺がわかれば、ひとつお示しを願っておきたいと思います。
#27
○鎌田政府委員 公営企業法におきまして、たとえば交通事業でございますと、地下鉄工事の一般会計の負担分でございますとか、あるいは病院でございますれば、看護婦養成施設の経費でございますとか、あるいは救急医療でございますとか、あるいは病院の建設、改良費、こういったような、いわゆる公営企業法上一般会計と特別会計との間におきまして負担区分を明確にいたしまして、一般会計の負担に期すべきものにつきましては、これは普通交付税で見ております。それから、企業再建債に対しまする利子補給で一般会計から出しておりまするもの、これにつきましては特別交付税で措置をいたしております。
#28
○門司委員 私の聞いておるのはそうでなくて、公営企業会計に繰り入れている額です。これはそういうものの範疇を越えているのです。これに対して交付税の対象になっているか、なっていないかということであって、その問題は、書いてあることをずっと読むとそう書いてある。しかし、繰り入れた額は一体どれだけであるかということであって、もし、いまの局長の答弁のようなことで、それが満足であれば、何も赤字がそんなに出るはずはないのだ。赤字のでているところに問題があって、その赤字が、一般会計から繰り入れたのが一体対象になっているかどうかということです。
#29
○鎌田政府委員 ちょっといま数字を調べさしておりますが、一般会計から繰り入れましたものの中で、先ほど私が例示的に申し上げましたもの、これは当然交付税で措置をいたしておるわけでございますが、それ以外に、一般会計から公営企業の赤字補てん等のために出しておりまするもの、ある意味におきましては負担区分の考え方に乗らないもの、これにつきましては財政措置の対象にいたしておりません。
#30
○門司委員 それじゃ、最近の自治体の公営企業の赤字について、一般会計から繰り入れておる額はどのくらいありますか。いま急に聞いたってなかなかわからぬと思いますが、かなり大きな額にのぼっておると私は思うのです。これがかりに歩付税の対象になり得るとするならば、公営企業の赤字というものはまだある程度これで補っていけるのじゃないか。いわゆる独立採算制をとっておるからそれは対象に見ないのだ、いわゆる会計の帳じりの赤字をめんどうを見ないのだ、それまでにいく過程においてはめんどうを見てやるのだが、帳じりはめんどうを見てやらないのだというのがいまの形だと私は思いますが、これを見てやれることができるかどうかというのが一つの大きな問題だと私は思います。
#31
○近藤説明員 四十五年度の決算で申しますと、公営企業だけでございますけれども、他会計から公営企業会計へ繰り出しておりますのが四百五十七億四千二百万になっております。
#32
○門司委員 いまのは四十五年度会計ですが、これが四十六年度、四十七年度は急速にふえております。まごまごしていると倍ぐらいになっていはしないかという気が私はするのです。今日の公営企業問題は、先ほど大臣がお話しのように、使用者が当然負担すべきものだというものの考え方、受益者負担だというものの考え方は、一応の形の上から見ればそういうことが言えるのであります。しかし、今日の公営企業の行き詰まり、赤字というのは、そういう角度から見るべき筋合いのものではない。一つの社会公害だといったほうがよろしいと私は考えておる。定められた運行規定で十分にバスが走れるのなら、何も赤字にはならぬと思う。市電にしても同じことであって、庶民の最も必要な市電をなくさなければならないということは、要するに運行計画上の規程によって走れない。どうしても赤字というものが出てくるのと、それから交通のじゃまになるということ、こういう形の中から結局いまのような状態になっておる。そうだとすれば、これが受益者負担であるからといって、値上げの対象にするということはいさきかおかしいと私は思う。だから、どうしてもこれは社会一般、国が当然負うべき性質のものであって、地方の自治体がこれを背負って、そうして受益者負担だから値上げをするといういまの行き方には少し問題がありはしないか。その一環を補うことにはなりませんが、せめて社会公害としての一環を補おうとするのなら、せっかく交付税制度があるのですから、これもやはりその中に含めるということがよろしいのではないか。そういうことを考えてみると、いまの三二%ではお金が少な過ぎるということはわかり切ったことですけれども、公営企業に対する一般会計の繰り入れ分は、公営企業のほうは借金になっておりませんから、結局一般会計からの繰り入れということでケリをつけております。それだけ一般財源がへこむわけであって、返してくれといったって返すめどがありませんから、これだけ財政はへこんできておる。こういうことで、ことに大都市財政というのは両方からいじめられていて、ありもしない金をこちらにつぎ込まなければならない。そういうことで、非常に窮屈になっていると思います。したがって、この問題はひとつぜひ考慮をしてもらいたい。そうして、一般会計から公営企業会計に繰り入れたものは、少なくとも交付税の交付の対象にするということが必要じゃないかということであって、重ねてこの点を御答弁を願いたいと思う。
 それから、ついでだから申し上げておきますが、沖繩に対する交付税の問題でありますが、これが、当初は、特別交付税制度を設けなければならないであろうということがかなり長期にわたって考えられておったと私ども考えておる。また、長期でなければならないと考えておるが、これを五年程度で、特別取り扱いをしないということで、沖繩の地方財政が本土並みのような形に一体なるのかということの見通しはつけられないと私は思う。これに対して大臣はどういうふうにお考えになっているか。ひとつお考えを聞かしておいていただきたいと思います。
#33
○渡海国務大臣 公営企業の一般会計の繰り入れの分でございますが、私、いま小濱委員にも言いましたように、一般会計との負担区分の明確化と申しますか、当然一般会計から出すべきものは一般会計で出す。そのかわりに、その他の面は、ぜひとも経営合理化その他でやっていただきたいというふうな抜本策を取り入れたい。かように考えておる次第でございまして、門司委員の御指摘になりました一般会計の繰り入れは、いままでも行なっておりますように、負担区分の明確化ということは、交付税の算定基準の中に入れて、これをお配りするという姿できめられるようになると思いますが、その分ができるだけ合理的に持ってまいれますように今後とも努力をしてまいりたい。かように考えております。
 いま申し上げました四百五十七億の他会計からの繰り入れ内訳を言いますと、水道で六十三億、交通で九十三億、病院で六十七億、それ以外がその他、こういうふうな数字になっておるそうでございますが、これを交付税で見ておりましたら、赤字というふうな姿で、私たちは見る必要はないんじゃないかと思います。病院会計にいたしましても、この上の繰り入れでもなお赤字になっておる分が、四十五年度で、単年度赤字百四十一億ですか、累積赤字が三百六十二億、四百七十団体で出ております。四十七年度の一般会計から出すべき交付税に占めております額は三百五十億という数字でございますが、一般会計からの繰り入れ金が三百五十億でとどまりますかどうか、これは問題であろうと思いますが、御趣旨の線に沿いまして、今後ともに努力をいたしてまいりたい。赤字解消の抜本策の一つの大きな問題としてこの問題は考えていかなければならないと考えておりますので、御了承賜わりたいと思います。
 沖繩の分でございますが、門司委員御指摘のように、はたしてあれだけで沖繩の財政がまかない得るかどうか疑問であるというお考えも確かに起こり得るんじゃなかろうかと思いますが、これは、復帰の際における一応の見積もりであり、しかも、それも、私たち係官を派遣いたしまして、各市町村の所要とする経費をできるだけ確実に要求をしてもらって、それによりまして積み上げた数字でございますが、何ぶんにも状況がわかりにくいのでございまして、御指摘のような点も生じてくることもあながち皆無と言えないと思いますが、実際に本年度財政を運営しまして、もし足らないものがあるというふうな面につきましては、今後の検検討課題として措置する。少なくとも、当面の問題は起債その他をもって処置をいたしまして、次年度でまたこれを補てんしていくという姿によりましてでも、当面する沖繩の財政需要が遅滞なく行なわれるような措置だけはさせていただきたい。このような覚悟で復帰の沖繩に善処していきたい。かように心組んでおりますので、ひとつ御了承賜わりたいと存じております。
#34
○門司委員 私、沖繩の問題で心配いたしておりますのは、五年間というような短い期間の特別扱いだけではどうにもならないということです。沖繩の特殊事情というものは、地方の公共団体に起債をこの際しいてはならない。償還能力というものは沖繩の市町村ではほとんどないと言ったほうがよいんじゃないか。そいうことが考えられます。それから、廃業があの状態であって、まだ、いまの場合は、町村会計等については、駐留軍がおりますので、その面から、いわゆる第三次産業その他から来るものがかなりあるわけでありますが、ここでは、御承知のように第一次産業というものはほとんど見るべきものがない。それに加えて、第二次廃業というものがかりにできるとしても、実際にそれが市町村の財政に還元されるのは五年後であり、十年後なんです。したがって、この五年間だけめんどうを見てやれば、その時期には第二次産業がある程度伸びるであろうというような考え方はあるかもしれないが、しかし、反面、いま最も大きな財源になっておる第三次産業というものは結局下火にならざるを得ない。こういう形が沖繩の現状だと私は思う。そういたしますと、この五年という短い期間で補えるものではないという考え方ができるわけであります。しかがって、ここで、交付税とはちょっと離れた問題のようでありますが、先ほどちょっと申し上げましたように、沖繩の自治体には、少なくとも、起債を、今度の四十七年度の地方財政計画のようにばかばかしい借金をさせて、それでやれというようなことをしいるわけにはいかないんじゃないかというような感じがいたします。だから、交付税の問題についても、特にその点を考えてもらわぬと、将来の沖繩の市町村というのは立ち直る上に非常に困難だと考えておるから私は申し上げておるのでありまして、したがって、端的にもう一応答弁を願いたいのは、この五カ年の計画では当然本土並みにならないと私は考えておりますが、その辺の感触はどうですか。
#35
○渡海国務大臣 御承知のとおり、五年間で本土並みの行政水準に上がるということはあり得ないであろうという点は、私も同感でございます。現に、沖繩振興計画は十年間の計画を持っておりまして、沖繩特別交付金といいますものが五年間に限られたものでございますから、五年間だけめんどうを見たらもう内地並みだというふうな姿ではいま私たちは考えようとはいたしておりません。ただ、沖繩の特別交付金というふうな形で、国庫からのこれに対する特別の交付金も入れまして、算定基準そのものも特別の算定基準をもって補うという意味で五年間の沖繩特別交付金というようにさせていただいたような状態でございます。私たちは、最初から、十年間の復興計画があるんだから、その十年間はこの方式でという姿で予算折衝をしたのでございますが、予算折衝の過程におきまして、もう五年もたてば交付税の中で措置をしていただいてよいのじゃないかというふうな意見もありまして、五年間ということで、特別交付金という姿で提案させていただいたということになっておりますが、交付税制度になじみましても、沖繩の財政の特殊な状態を補正係数その他におきましても考慮しなければならないと考えておりますし、そういったことができにくい場合におきましては、特別交付金というような別途の形で引き続き行なわれるのではなかろうか。一応の目安といたしまして、交付税制度の中で、補正係数その他で沖繩の財政需要を勘案し得るという立場に立って、特別交付金という形は五年で終えさせていただいておる。こういうふうに御理解を賜わりたいと存じます。
 なお、起債は、本年度の計画におきましては、起債財源によって一部の公共土木事業費等もまかなうという姿で財政計画を組ましていただいておりますが、沖繩に対しましては、いま御指摘のような事情もございますので、一般財源にかわるべき起債というものは全然充てておりませず、普通の起債八十億というものを見積もって、あとは全部特別交付金並びに沖繩が取りますところの地方税でまかない得るという計画のもとに地方財政計画を組ましていただいておりますので、御了解賜わりたいと存じます。
#36
○門司委員 最後にもう一つだけ結論として聞いておきますが、御承知のように、約三千億くらいの借金を背負った交付税ですね。これは返さなければなりません。それからもう一つは、地方財政にとっては、ことしはばかばかしい大きな借金を背負っておるわけであります。国から交付税で借金を背負い、さらに起債という形で国がお金を出すからということで、それに見合う財源処置としての起債がふえておるということは、あげて国の都合による地方財政へのしわ寄せだというふうに解釈したほうがよろしいと考えておる。これを考えてまいりますと、一方では毎年、ここに償還計画が書いてありますが、五年で払えば、平均すると三百五十億くらい払っていかなければならない。それから、ことし九千億以上の大きな借金を背負ってくるということになると、これの元利償還も毎年だんだんふえてくる。こういう形になってまいります。そうすると、景気がよくなったから少しぐらい地方税がふえたからといって、この借金の償還に充てられるということになると、地方の自治体の財政というのは決して豊かにはならない。私は、この点は、将来への非常に大きな禍根を残しておると思うのです。ことしだけ何とかつじつまを合わせていくというような形で、地方交付税も借金をする、起債のほうでも借金を大幅に伸ばすというようなことで、地方の財政があげて借金政策で行なわれるというような不健全な財政をことしやって、それなら来年から景気がよくなって、それの償還能力を持つ地方の自治体ができるかというと、決してそうじゃない。より以上財政需要はふえてくると思う。さっき申しましたように、自動車の古いやつまで何とか市役所が始末しなければならぬような事態が私は必ず来ると思う。そういうように地方財政の需要額が急速にふえておりますことと、それから行政についても、文化が進めば進むほどいろいろな環境整備は当然行なわれなければならぬということで、地方財政というのは、ここしばらくの間は、おそらくかなり急速なテンポで財政需要を要求してくると思う。そういう時期にことしのような政策がとられて、まず借金でというような形は、これは自治省としては最も遺憾なことだと実は考えております。一体どうしてこういうばかばかしいことを自治大臣は考えたのかと思うほどの怒りをもって、ということばは少しオーバーかもしれませんが、きわめて遺憾に私は考えておる。これに対する対処というものは、やはり自治省は十分とっていただきませんと、来年からは多少景気がよくなるからというようなことでは、このしわ寄せをはねのけて地方の住民の要求にこたえ得る行政はとうてい行なえないというような気がいたしますので、その点を、もし大臣からここで御答弁が願えれば所信を伺っておきたいと思います。
#37
○渡海国務大臣 私、大臣を担当いたしまして、自分の任期の間に後年度に負担を残すということにつきましては、いま門司委員御指摘になるまでもなく、私自身深刻に考えさせていただいた一事でございます。したがいまして、国の公共事業費の下請で押っつけられておるというふうな姿でなく、国がきめた公共事業費であるが、自治体にとっては当然後年度に効果のある問題として、将来住民にこれを支払っていただくというふうな事業、地方としてせなければならない事業を十分考えて選択していただくという姿で、財政運営で臨んでいただきたいということを考えておるような次第でございます。しかし、それをやりましても後年度に負担が残ることは事実でございます。しかしながら、残念ながら、ことしの国庫財政の姿をながめておりましたなれば、一兆九千億という公債を発行することとしておりますし、五千五百億の一般財源の中から、三千億は地方財政の中にさいていただいたというふうな状態でございまして、また、自治体も、起債その他の活用によらざるを得なかったというのがことしの地方財政の計画の姿でなかったかと思います。
 私、どこかの審議会でお答えさしていただいたのでございますが、このしわ寄せが将来の地方自治を財政面から中央集権化すといいますか、はばむような、要因にならぬように、厳に財政運営で注意していきたい。こういうことを申し述べたのでございますが、そのような要素をはらんでおることは事実でございますので、起債その他の配分にあたりましては、財政力の小さな市町村に対しましては、将来そういったことができるだけないように、また、財政規模も大きく、財政運営も弾力的な運営のできる府県その他大都市のほうにおきまして、起債その他で事業を進めていただきまして、後年度、国庫財政の回復とともに、これらの地方財源の負いました分もよく勘案しながら、地方財政の健全化のために努力してまいるようにつとめたい。このような決心のもとに今年度財政計画を組ましていただいたような状態でございますので、何ぶんの御了解と御協力のほどをお願い申し上げたいと存じます。
#38
○大野委員長 林百郎君。
#39
○林(百)委員 各委員からもだいぶ質疑がありましたので、私、三点ばかり、一部はあるいはダブる点もあるかもしれませんが、お聞きしたいと思います。
 もう大臣も御承知のとおり、また、各委員からるる質問がありましたとおり、昭和四十七年度の地方財政対策については、御承知のとおり、地方債の増額と資金運用部資金からの借り入れ等をおもな内容とするもので、今後の地方財政運営を非常に困難にするのではないかという心配からの質問がるるあったわけであります。私もまたその一人であります。ところが、これと同じような措置がもし四十七年度の補正予算で組まれるとか、あるいは来年度も行なわれるならば、その結果は非常に重要な事態になると思いますが、その辺、大臣はどういう見通しをお持ちになっておりますか。
#40
○渡海国務大臣 本年度の補正予算があり得るかどうかということでございますが、大蔵大臣等もお答えになっておられるとおり、本年度は補正予算を組まない方針で予備金その他も善処したということを言っていただいておりますが、私たちもそのような観点から本年度の地方財政計画を組ましていただいておりますので、昨年度とりましたような大きな補正予算をするというふうなことは起こり得ないであろう。かように考えております。
 来年度の見通しでございますが、来年度、景気の好転が私たちの見積もりどおりいかない場合、また非常に苦しい状態に立ち至ることはもっともでございますが、そのときの国の財政が本年度のようにまた大きな公債を発行する姿になるのか、引き続いて、本年度のごとく公共事業を大幅に増額してやる姿になるのか、それらがわかりませんから来年度のことを述べることはできませんが、少なくとも、国庫財政との見合いにおきまして、地方財政に支障のないように組ましていただく姿で善処しなければならない。かように考えておるような次第でございます。国庫財政の立て方によりまして変わってまいります地方財政でございますので、いまから端的に申すわけにまいりませんけれども、将来の地方財政も勘案しながらの財政計画を打ち出させていただくようにぜひとも考慮しなければならぬ。かように考えております。
#41
○林(百)委員 大臣はお見えになりませんでしたが、大蔵省の関係政府委員や経済企画庁の関係政府委員にも、質問をした結果をあなたに報告しているわけですが、私が質問をいたしました結果、ことしの後半期は景気が回復するだろう、したがって、来年度そういう地方財政を危機におとしいれるような予算の組み方をしなくとも済むのではないかと、私から見ると非常に楽観的な意見の開陳がここでなされたわけなんですけれども、自治大臣は、ことしの下半期にいまの景気が回復するという見通しについてはどういうようなお考えを持っておられますか。
#42
○渡海国務大臣 これも山本委員に答えさせていただきましたとおり、四十一年度の措置と違いまして、ことしの臨時的措置としてさせていただきましたのは、後半期から、景気が、本年度のような姿でなくして、少なくとも一般の経済状態に立ち直り得るという前提でことしの地方財政計画を立てさせていただいておりますので、そうしなければなりませんし、また、私もそうなるものと期待をいたし、確信をいたしておるような次第でございます。ただ、山本委員もあのとき御指摘になりましたように、今後の景気の立ち直りというものが、後年度からそういうふうになるであろうと申しましても、従来のような高度成長型の景気の立ち直りというものはあり得ないのではないかと思いまして、むしろ安定成長型の景気正常化への立ち直りという姿であらわれることを期待しておるものでございます。
#43
○林(百)委員 下半期に景気が回復するだろう、しかし、従来のような高度経済成長政策型ではなくて、安定成長型だ、そう大臣がお考えになる要因というものは、どういう要因からそういうことが考えられるのですか。
#44
○渡海国務大臣 私は経済に弱いものでございますから、経済学的なことはあまり存じ上げませんけれども、四十五年下半期から続いてまいりました経済の停滞が、少なくとも去年の暮れあたりから好転するであろうと考え、また、経済もその姿で動いておったのでございますが、例の八月のドル・ショックによりまして大きく後退を余儀なくされたというのが今日の経済の状態でないかと思っております。幸いにいたしまして、昨年末に、むずかしかった通貨調整というものもでき上がりまして、ある程度国際経済というものも安定の姿になった。そういう意味におきまして、長期の底入れのときは大体に終わって、これからは、徐々ではあるが、回復の方向に向かうべき時期である。かように観測しておるような次第でございます。
#45
○林(百)委員 この点をあまり論争しておる時間がないのですが、たしか、鎌田局長だったかと思いますけれども、ドルと円との比率、円を再引き上げし、ドルが再引き下げされるような事態がもし発生するとすれば、下半期に景気が好転するという見通しには一つの大きなマイナス的な要因になるだろうというような答弁を得たわけです。しかし、最近の情勢を見ますと、ドルが円に対して切り下げられた要因であるベトナム戦争がまた非常に拡大されてきた。それで、アメリカとしても、貿易外の収支からいって非常にマイナスの要因が強くなってきた。ドルの流出も非常に多くなると思います。そういう中で、ドルと円の比率が、再び円の切り上げ、ドルの切り下げがないという保証はないのじゃないかというように思われますけれども、もしそういう事態が発生するとすれば、いま佐藤内閣の考えておるような、いまが景気の底固めのときであって、これからは上昇に向かうのだということは、その点一つ見ましても言えないのではないかと思いますが、そういう点は、佐藤内閣の大臣の一員として、自治大臣はどうお考えになりますか。決して楽観を許さないと思うのですがね。
#46
○渡海国務大臣 今日の日本の経済というものは、国内的な要因というよりも、むしろ国際経済の動きによって大きく左右されるというふうなものになっておることは、もう御指摘のとおりでございます。その要因の一番大きな問題として、通貨の再調整という問題が考えられないことはないのではないかという御質問でございますが、私はしろうとでございますけれども、そういう議論が出ておるのでございますから、皆無というふうなことは言い切れぬのじゃないかとも考えますが、少なくとも、先般のあれだけの努力をしてでき上がった調整でございます。なるほど、いまのベトナムの戦況の変化等によりまして、御指摘になりました要因が一つふえるということは考えられるかもわかりませんが、アメリカといたしましても、それをもって直ちにそれを申し得るような一つの言いわけになるかどうか。実勢がそうだからしかたがないじゃないかというような意味もあるかもしれませんが、直ちにそうはまいらないというのがあのときの会議の姿である。私はさように報告も聞いておりますし、あのような大きな事件でありますので、予見されるようなことに対しましては、世界各国が寄って予防措置を講ずるという姿で善処されるようなことが各主要国の中から当然生まれてきておるのじゃないか。かように考えられます。したがいまして、その要因だけをもって、早々にまた切り上げが行なわれるのではないかということは直ちに考えられないのじゃないか。むしろ、調整後の調整がさらに起こらないように最大限の努力が行なわれ、これらに対する措置が各国の頭の中で考えられ、それらの問題が寄り寄りの会議その他において進められておるというのが今日の現状じゃないか。かように判断しておるのがいまの政府の姿である。私はそう考えております。
#47
○林(百)委員 この点は論議すると限りがありませんが、私の見通しとしては、ドルと円の比率で、最近再びドルが下降線をたどってきておりますし、また再調整が必要ではないかというような声が外国からも国内からも起きているところを見れば、いまが景気の底をついたときだという、そういう佐藤内閣の景気見通し、今年度の後半期の景気見通しについては、なかなかそう楽観的にいかないのじゃないかというように思います。そういう場合に、このたびの四十七年度の地方財政のこの借金財政の根本原因の一つが、ドルと円の変動相場制への移行にあったことを見れば、やはり地方財政にとっても、ことしの下半期も来年度の地方財政も、これはなかなか容易ならぬ事態ではないか、自治大臣も常に腹をきめてかかっていかなければならないじゃないか、あらゆる事態に対して警戒心を発揮していく必要があるのじゃないか、というように思うわけです。
 次に、時間の関係もありますので、あと二問簡単にお聞きしますが、地方公務員の給与費について、昇給を五月実施、八%アップで交付税に算入されておることはもち御承知のとおりであります。しかし、従来の例から見て、また、今日の物価高、インフレーションの状態から見て、人事院の勧告が昨年と同じように二けたになるということは当然予想しなければならないじゃないかと思う。昨年に比べてことし物価が下がっているということは決してないわけなんですからね。そういう場合、人事院の勧告で、公務員のベースアップとして、地方公務員のベースアップがもし二けたになった場合に、その昇給のための財源については、大臣はどういうようにお考えになっていますか。もしそういう事態が発生したとすれば、ですね。
#48
○渡海国務大臣 人事院の給与勧告の内容がどういうふうになりますか、現段階におきましては予測することは困難でございますが、少なくとも、国家公務員の給与の措置に準じての地方措置を行なわなければならないということは、従来もそうでございますけれども、どのような場合におきましてもその措置だけはしなければならないと思っております。財政計面におきましても、いま林さんが申されましたような措置をいたしておりますが、いま、端的に自治大臣も腹をくくって考えておけと言われる点、ごもっともでございますので、そのような措置はいたしますけれども、今年度の財政運営にあたりましては、そのような場合も考慮して、各地方団体でもできるだけ財源の保留をして、そのような措置に応じられるように善処賜わりたいということを財政運営の一つといたしております。その時期にならぬと方法その他はお答えすることはできませんけれども、万全を期しての財政運営をやっていただけるように、当初から私、行政指導という立場におきまして、地方団体に要望しておるような状態でございます。
#49
○林(百)委員 これは鎌田さんにお聞きしたほうがいいと思いますが、五月実施、八%アップの、この八%というのはどういう根拠から出てきた計数ですか。
#50
○鎌田政府委員 八%の根拠というのは私もよく存じません。ただ、いままで、国、地方を通じまして、給与改善費といたしまして、給与費に五%積み上げまして、別途三%相当分を、国の場合でございますと、予備費の中に積み込み、地方財政計画におきましては、一般行政経費の中に、災害復旧に要します経費と、それから災害対策に要します経費と給与改善の三%分というものを積み込んで、ここ三年程度だと思いますが、毎年そういうことでやってきておるということ以外には、八%の積極的な根拠は私存じません。
#51
○林(百)委員 大臣もお聞きのとおり、八%というのはそう科学的な根拠はないわけですね。昨年二けたなんで、ことしが昨年よりベースアップが低くていいという要因はどこからも出てきておらぬわけですね。インフレの流行の状態、物価高の状態から、やはり人事院勧告が二けたになるということはいまから考えておかなければならないが、そういう場合どういう措置をとれるかということは自治大臣としても十分考えて、これが不当に地方財政に影響を与えないようにすべきだと思います。もう時間がありませんから、もし答弁があったら、簡単にひとつ答えてください。
#52
○渡海国務大臣 そのような事態が考えられますし、ことしは国も苦しいものでございますから、従前と同じ措置をして、八%というものを財政計画上に組ましていただいておりますが、地方団体のほうにおきましても、いま林さんが仰せられたような二けたになるような可能性が多いのでございますから、財源保留を各自治体ごとに考えてほしいという行政指導を行なっておるというのが実態でございます。
#53
○林(百)委員 借金財政で地方財政が非常に困っておるのに、財政保留を考慮しろということは、非常に無理なことを指導することになると思いますので、その点は御考慮願いたいと思います。
 あと一問だけで終わりますが、これは大臣と鎌田さんに、ちょっと技術的な問題もありますのでお聞きしたいと思います。
 沖繩の県市町村に対する交付税の配分ですが、これは門司委員もさっき御質問されたのですが、昭和四十七年度の沖繩の一般財源不足額を五百十億と算定いたしまして、この五百十億に、昭和四十八年度以降は、交付税の伸び率にスライドした増額をしていくことを予定しているというように私たち聞いておるわけであります。そこで、今後沖繩の県市町村が行政を進める中で、新たに必要な財政需要が生じて、交付税の伸び率を上回るような額を増額しなければならないとして、それを沖繩に交付するということが起きた場合に、これは臨時沖繩特別交付金もふやし、通常の交付税財源もふやすということになるんでしょうか。その二つの関係はどうなるんでしょうか。沖繩は特殊ですから……。
#54
○鎌田政府委員 沖繩の臨時特別交付金、これは御案内のとおり、沖繩に対しまして、原則としては本土と同じ地方交付税の適用をするわけでございますので、それの原資に充てるということで、この臨時特別交付金という制度をつくったわけでございます。したがいまして、沖繩に対しまする交付税の基準財政需要額の計算につきましては、沖繩の特殊性というものは、もちろんこれは補正その他の形で加味をいたしますけれども、考え方といたしましては、本土をひっくるめまして全体の二兆円余りの交付税の対象になるわけでございます。したがいまして、この沖繩の分が非常に大きくふくれ上がって、そのためにどうするかという問題になりますれば、これはやはり全体としての交付税、四十六都道府県プラス沖繩県、全部ひっくるめまして、交付税の税率というものがいまのままでいいかどうかという問題になってくるだろうと思います。
#55
○林(百)委員 わかりました。私もそういうように思います。
 それで大臣にお聞きしますが、いま鎌田局長の答弁にありましたように、沖繩ではわからないわけですね。交付税の計算といいましても、資料もありませんし、長い間アメリカに支配されていたところですからね。したがって、ことしの五百十億に、四十八年度は、交付税の伸び率にスライドして増額するということ以上のどういう支出が出てくるかわからないしと思うのです。そういう場合、これを交付税の増額のほうへ回しますと、さっき鎌田局長も言われますように、今度は一般の本土の交付税のほうへ食い込んでしまっているわけですね。だから、これは、やはり、ことしのように臨時沖繩特別交付金というようなもので国庫のほうから見るようにして、本土の交付税交付金のほうへ食い込まないような措置をするように努力すべきだと思いますが、この点大臣はどうお考えになるか。その点を聞いて私の質問を終わります。
#56
○渡海国務大臣 その、伸びていく額にもよると思います。それによりまして、そのときの措置を、あるいは税率によってそれこそ引き上げさせていただくか――ことしも臨時沖繩特別交付金といったものをつくらずに税率を引き上げろという御議論もあった次第です。また、税率も引き上げないでこれは見るべきじゃないか、沖繩から入ってくるものが交付税の中へも入ってくるじゃないかというふうな議論も大蔵省であったような姿でございまして、実態をながめましてそのときの状況を考えさせていただくよりしかたがないのじゃないかと思います。ただし、基本はいま鎌田局長が答えましたような基本で臨みたい。心がまえはそういう意味ですから、御了承いただきたいと思います。
#57
○林(百)委員 これで終わりますが、私の希望をちょっと簡単に申し上げておきます。
 沖繩というのは、こういう財政需要額がなかなか確定しがたいところであるし、また、長い間外国から、異民族から支配されておったところでありますから、思わざる財政上の必要が出てくるかもわかりませんが、沖繩をサンフランシスコ条約で放棄してアメリカ軍に占領させたということは国の責任でございますから、そういう場合には、ぜひひとつこれは国で見て、これを交付税で見ることによって本土の交付税のほうへ食い込まないような最善の努力を自治省としてほしてもらいたい。このことを希望しまして、私の質問を終わらせてもらいます。
#58
○大野委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#59
○大野委員長 これより、昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案の討論を行ないます。
 討論の申し出がありますので、これを許します。中村弘海君。
#60
○中村(弘)委員 私は、自由民主党を代表し、昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対し賛成するものであります。
 明年度の地方財政対策については、個人の住民税及び個人事業税の負担を軽減すること、航空機燃料譲与税を創設して空港関係市町村に対する財源措置を充実すること、人口急増対策として、義務教育施設の整備に対する国庫補助負担制度を改善すること、老人医療費特別措置制度の創設等社会福祉の充実をはかることなど、地方団体が当面する問題に対処するために必要な各般の措置が講じられており、これらの措置はいずれもきわめて時宜に即した措置であると存ずるのであります。
 一方、昨年後半からの無気後退によって地方税及び地方交付税収入が鈍化する半面、景気対策の一環としての公共事業の拡大及び地域の生活関連施設の整備を推進するための単独事業の充実をはかることとし、これに対する財政措置として、地方債を大幅に増額する方法がとられております。この措置は、景気の後退によって国、地方を通じて税収の不足が生じたことに伴うやむを得ないことと存じますが、この際政府は、適切な経済、財政面の政策を講ずることによって、すみやかに景気の落ち込みを回復し、明年度以降における地方一般財源の充実確保について特段の努力をすべきであると考えます。
 次に、今回の法案の内容について検討いたしましたところ、昭和四十七年度の地方交付税については、住民の生活環境の整備をはかるため、市町村道、下水道、公園、清掃施設等の整備を促進するとともに、現下の急務である公害対策経費の充実をはかるほか、過疎、過密対策経費の算入措置を強化する等の財源措置を積極的に講じようとしているものであり、地方財政の立場から見て、適切な措置であると考えるものであります。
 しかしながら、地方債の大幅な増額に伴い、基準財政需要額の一部を地方債に振りかえる措置については、現下の経済情勢から見てやむを得ぬ措置であると考えますが、これら地方債の返済財源については、でき得る限り地方団体の負担を軽減するよう適切な措置を講ぜられるよう要望するものであります。
 なお、今後、わが国が福祉国家として国民の生活内容を向上するにあたって、積極的に生活環境施設の整備を進めるとともに、社会福祉水準を改善していくことが時代の要請であり、かつ、地方自治団体に課せられた重要な使命でありますので、政府におかれては、今後一そう、地方自治団体の税源拡大を中心とする一般財源措置の充実強化につとめるよう強く希望するものであります。
 以上をもって本案に対し賛成の意を表するものであります。(拍手)
#61
○大野委員長 山本弥之助君。
#62
○山本(弥)委員 昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対し、日本社会党を代表いたしまして反対の意見を申し述べます。
 本法律案の特例措置により、昭和四十七年度分の地方交付税の総額は二兆四千九百二十九億円となり、その伸び率においても、地方財政計画の歳入中に占める構成比においても、ほぼ前年度のそれを確保し、危機に当面する地方財政に一応対処していると思われます。しかし、今回の特例措置は、昭和四十一年度不況時における地方財政対策、すなわち地方交付税率の引き上げ、実質的たばこ消費税の増額、特別事業債の元利補給等の当然とるべき措置を避け、臨時地方特例交付金一千五十億円、臨時沖繩特別交付金三百六十五億円を一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れるほかは、一千六百億円を特別会計において借り入れることとし、昭和四十六年度分の特例措置である借り入れ金一千二百九十六億と合わせ二千八百九十六億円は、究極においては地方財政の負担に転嫁していることは、地方自治を軽視する不当な措置と言わざるを得ません。
 次に、地方税収の著しい落ち込みと国の景気浮揚策としての公共事業費の増額に伴う地方負担に要する経費の財源を大幅に地方債に振りかえるため、府県及び一部市町村の投資的経費における需要額増約二千五百億円を削減せざるを得なくなった。いわば地方交付税制度の破綻と言わざると得ないのでありまして、交付税制度についての根本的な改革に着手する必要を痛感するものであります。しかも、昭和四十一年度のごとく大幅特別地方債の発行に対する元利補給の配慮にも欠け、地方債計画では、資金運用部資金は前年度より低下した五六%にすぎず、将来の地方財政を圧迫する要因となっております。
 市町村道、下水道、清掃施設等、住民の生活に直結する各種の公共施設の計画的な整備を促進するための単位費用及び算定方法の改正や、公園の長期的整備計画に基づく経費の算人の強化がはかられ、また、過密過疎対策、公害対策、交通安全対策、消防救急対策等、経費の充実に配慮を加えられたとはいいながら、国庫補助負担金と超過負担の問題は、過去四年間の解消努力以上に本年度は積極的に考慮すべきであるにもかかわらず、本年度は調査費を計上するにとどまっていることはまことに遺憾と言わざるを得ないのでございます。
 また、国の目玉政策の一つである老人医療無料化もあと追い措置にすぎず、福祉施設の充実や長期計画に基づく公共事業の実施にしても、それぞれの地方公共団体がその地域住民の要望にこたえ、真に当該地域の将来の展望に立って悔いのない施設の整備をはかるためには、地方公共団体それぞれの単独事業の実施に財源を必要とするのであります。地方債の大幅発行及び公共事業の増額は、勢いこれら単独事業の実施を圧迫するものと考えられるのであります。
 次に、沖繩の復帰に伴う措置でありますが、戦時中に引き続き終戦後も米軍の極東軍事戦略下にあった沖繩県及び市町村の復興及び建設に対する一般財源としての地方交付税については、相当長期間にわたる特例措置を講ずべきであるにもかかわらず、短期的措置にとどめんとすることは妥当ではないと存ずるのであります。
 最後に、福祉優先の政策転換をはかり、全国それぞれの地域における住民の生活環境の整備と福祉施策の充実をはかるためには、地方公共団体がその自主的運営を阻害されることなく発展しなければなりませんが、このためには地方財政の柱である地方税制、地方交付税制度、地方債、国庫補助負判金のあり方につき早急に根本的改革をはかるべきであることを強く要望いたしまして、反対の討論を終わります。
#63
○大野委員長 和田一郎君。
#64
○和田(一)委員 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対し、反対討論を行ないます。
 以下、そのおもな理由を申し述べます。
 まず、地方交付税の基本的あり方についてでありますが、その一つは、今回の地方財政の総ワクはほぼ前年度並みの伸び率となっておりますが、その内容は、景気の後退による地方税、交付税の伸び悩みによる財源不足を、交付税率の明き上げによるのではなく、地方税減税に見合ったわずか一千五十億円の臨時地方特例交付金のみで事を済まそうとしており、おもな財源対策は、交付税会計の借り入れ金及び起債の驚異的な増発というきわめて安易な借金的性格にたよっており、交付税率の引き上げ等の根本的な対策は何らなされていないのであります。
 二つには、その地方財源不足対策として、従来地方交付税によって措置されてきた一般財源を大幅に削減して地方債に振りかえていることであります。
 三には、沖網臨時特別交付金についても、当初自治省が主張していた十カ年というものを五年に短縮しております。本来、現行の交付税制度は、沖繩を除外しての制度であり、こうした中にあって、今回の措置は、実質的に本土に対する交付税の削減と言わざるを得ないものであります。
 これが反対理由の第一であります。
 次に、地方財政全般にわたる問題でありますが、その一つは人口急増対策についてであります。
 人口急増対策については、従来から、当該市町村の財政圧迫の主要因であるとして、その解決のため財政援助の総合的立法が要望されておりましたが、今回も、こうした当該市町村の要望の実現を見るに至らず、小学校建設の補助率の引き上げのみに終わり、その抜本策がとられようとしておりません。早急に抜本策樹立のための立法化をすべきであると思います。
 三つには、地方債ですが、本年度は異常なほど増大しておりますが、その内容は、政府資金の占める比率が大幅に低下しているために、地方団体は条件の悪い一般公募ないしは縁故債にたよらざるを得ないものであり、今後の地方財政をますます圧迫するものであります。したがって、今後においては、その資金拡充をはかるとともに、特に政府資金の割合の増加並びに条件の改善につとめるべきであります。
 三つには、公営企業についてでありますが、地方公営企業、なかんずく交通及び病院事業の経営の悪化は急速に進んでおり、従来からその抜本策の早期実現を要望されてきておりますが、本年もついにその対策は見られないばかりか、その方向すら明らかにされておりません。国民生活に直結したこれら公営企業については、その基本から考え直し、その健全化につとめるべきであると考えます。
 以上、反対の理由を申し述べましたが、これに尽きるものではありませんけれども、今後の地方財政の拡充並びに地方自治確立のために至急その対策を立てられんことを強く要望しまして反対討論いたします。
#65
○大野委員長 門司亮君。
#66
○門司委員 私は、ただいま議題になっております昭和四十七年度分の地方付税の特例に関する法律案に対しまして反対の意思を明確にいたしたいと存じます。
 その一つは、御承知のように、ことしの交付税の考え方には、沖繩を特別の財源を付与するということで逃げておりまするが、当然国税三税の三二%を改正すべき年であったと考えております。そのことが一つであります。それが行なわれておらない。
 同時に、この交付税法の一条には、明確に憲法の九十四条の字句がそのまま使ってあります。いわゆる地方の公共団体がその財産を管理し、行政の執行を行なうということが、憲法の条章が一条に書いてあります。これは大臣よく御存じだと思います。そうなってまいりますと、この交付税というのは、憲法の趣旨に基づいた地方財政の、あるいは地方行政の独立した行政が行なわれる処置をするための交付税であるということが法の性格上明確になっております。ところが、地方の財政が非常に窮迫しておるという事実の前に、この三二%が、先ほど申し上げましたように、沖繩だけを見てまいりましても、いわゆる財政需要額がそれだけ法的に地域が広くなるわけでありますから、三二%がそのままであれば、全体の交付税が減るということは当然であって、配分が少なくなるということは当然であって、当然、私は、この際この率を上げるということが消極的に見て一つ考えられる。
 それから積極的に見てまいりますならば、いま申し上げましたように、憲法の条章に基づく、いわゆる憲法九十四条の、その地方自治体に与えられた権限行使についての地方財政のことを考えてみると、財政需要というものが急速にふえているのであって、したがって、この法律の六条に定めておるいわゆる三二%という税率は、地方の現状から照らして当然改正されるべきではなかったかということであります。これが行なわれてないということ。そういう当然の処置を講じないで、そうして借金をするという、いわゆる借り入れをするという態度をとってきたいということ。これは税法上から見ても私はおかしいと思うのですよ。これは税法なんですからね。税金であって、その税法の中に借り入れ金を入れて税金というようなことが一体言えるかどうかなんですね。これは、税法という名をつけたことは、御承知のように、いわゆる従来の交付金ではない、地方の自治体の持っておる当然の財政であるという形にすることのためにこの税ということの文字をことさらに使ったと私は思う。交付金ではないという問題、それにもかかわらずこの税金の中で借り入れが行なわれるということは私はどうかと思うのです。配付金であれば、借り入れ金が行なわれても、それはあるいはおかるかもしれない。しかし、これは配付税なんですからね。こういうあいまいな態度というものはもう許されないのじゃないかということ。
 それから、もう一つの大きな問題は、今度の地方財政計画の全体を通じてみて、先ほども申し上げましたように、いわゆる借金政策をとっておるということである。この借り入れ金も、最後の五十四年度ですか、ここになると、一年に五百何十億か払わなければならぬということが書いてあるようでありますが、こうなってまいりますと、この地方財政に対する政府の態度というものは全く言語道断であって、こういう税法というものは、私は税法として取り扱うことがどうかと実は考えているのです。そういう意味において、この税法特例については私は全く賛成するわけにはまいりません。これが特別の借り入れ金をするというのならば、無利子の地方債というようなものの形で地方の自治体に出てくるなら、これは別の話でありますが、まあ、これの借り入れ金については利息は払わぬようでありますが、しかし、いずれにいたしましても、税法上から見ていい形ではない。したがって、この辺でこの制度はひとつ改められる時期であるということ。それから、先ほど質問の中でちょっと申し上げましたように、どうしても納得のできないのは沖繩の現状でありまして、沖繩の現状に照らして、いまの交付金制度ではとても沖繩の実態というものがカバーできるものではないという将来の見通しが当然立てられるということ。それから、財政的全体から見て、この税法というものは、これも先ほども申し上げましたように、いわゆる国の施策のしわ寄せを借金の政策で補ったということ。その借金の一つが起債という形で地方の自治体に与えられ、一つは、政府みずからが借金を地方に押しつけたと申し上げたほうがはっきりすると私は思うんですね、この借り入れ金というのは。
 そういうことで、私は、この税法に対するきわめて強い態度として反対をせざるを得ないことをここに申し上げて、反対の理由といたします。
#67
○大野委員長 林百郎君。
#68
○林(百)委員 私は、日本共産党を代表して、昭和四十七年度分の地方交付税の特例に関する法律案に反対の討論を行ないます。
 第一は、本法案による昭和四十七年度地方財政対策が、多額の借金を地方自治体に負わせることによって国の責任を回避するものであることであります。すなわち、本年度地方財源の不足額とされる七千九百二十三億円に対し、イ、臨時地方特例交付金一千五十億円、ロ、資金運用部資金からの借り入れ一千六百億円、ハ、臨時沖繩特別交付金三百六十五億円、二、地方債の増額四千九百八億円をもってこれに充てています。しかし、これらは単に地方財源の不足額を一時的にびほうするだけのものであります。しかも、国の責任で支出され、処理されるものは、ただ臨時地方特例交付金の一千五百億円のみであります。その額は、沖繩対策分を除く財源不足額七千百十八億円のうちわずかに一三・七%にすぎません。そのほかはすべて地方自治体の借金であります。これに、昭和四十六年度補正予算で借り入れた千二百九十五億六千万円及び増額された地方債を合わせれば、今後の地方財政を大きく圧迫するものであることは明らかであります。これは、昭和四十年度の不況の際にとられた地方財政対策を見ますると、その年には地方財政制度を根本的に改革するものではなかったとはいえ、地方交付税率の引き上げ、臨時地方特例交付金の繰り入れ、国が元利補給を行なう特別事業債の発行等によって国の責任で措置した額が七七・五%であったことと比較しても、ことしは、本案による国の責任が大幅に後退したことになるわけであります。
 第二は、地方債を増額し、一般財源の不足額を、地方債によって補おう、借金でつじつまを合わせようとすることであります。総額一兆七千二百七十八億円の地方債は、対前年度当初比五九・一%増に及びます。地方財政計画に計上される普通会計分は九千三百七十九億円と、前年度当初に比べ、実に二倍以上に達するものであります。その対前年度増加額は実に四千九百八億円であり、そのうち財源不足分として増額された三千五百億円はすべて一般公共事業債に計上するとともに、従来交付税に算入してきた経費を地方債に振りかえることを予定しているものであります。このことは、すでに交付税総額が大幅に不足し、これを地方債という借金で埋めることでありますが、いまや、交付税率の引き上げ等、交付税制度を根本的に改善すベきときが来ていることを明らかに示すものであります。さらに、このことは、交付税にひもつき財源としての性格を与えるために活用されてきた事業費補正を一そう地方債に振りかえることであり、景気刺激のために拡大される公共事業により、地方財政を国のより強い統制のもとに置くことを意味することになります。
 第三は、国の特別事業債償還交付金及び市町村民税臨時減税補てん債元利補給金の交付停止を延期する問題であります。特別事業債については、言うまでもなく、昭和四十一年度の不況対策として、国債発行に伴う公共事業の地方負担分に対し国が元利補給を行なうことを前提として発行されたものであり、また、市町村民税臨時減税補てん債は、昭和三十九年度に実施された市町村民税の課税方式の統一、標準税率制度の採用などに伴う市町村の減収分を補てんするため、国がその元利を補給する地方債であります。いずれも、その制度創設の経緯から見て、当然国の責任で継続して元利償還されるべきものであります。したがって、これは、地方財政収入が他の要因によって増加されることを理由として打ち切られる性格のものでは決してないにもかかわらず、政府は、昭和四十五年以来、地方財政の好転、法人税の付加税率適用を理由として、不当にその交付を打ち切ってきたのであります。今回、その不当な措置をさらに二年間延長しようとするものであり、これは地方財政の現状からしても決して許さるべきものではありません。
 第四の反対の理由は、今回の単位費用の改正についてであります。これは、過密、過疎、人口急増地域の現状、国民生活環境の実情から見てきわめて不十分なものであります。沖繩県市町村に対する交付税については、県民の意見を反映しておりません。しかも、長年にわたり不当な米軍支配のもとに放置され、やむを得ず生じた継続債務の返済は、当然国の責任で見るべきものであって、交付税の中から支払いをすべきものではありません。さらに、昭和五十年までとされる臨時沖繩特別交付金の通常の交付税財源への切りかえは、沖繩県市町村の一般財源を保障し、その一日も早い復興を望む限り、今日の時点で五年間というがごとき期限を定めるべきものではありません。必要のある限りは、国において責任を当然負うべきものであります。
 以上のごとく、本法案は、自民党政府の高度成長政策の破綻、対米一辺倒の外交政策によるドル・ショックの影響を地方財政に転嫁し、大幅な地方債の増額、借り入れ金を地方自治体に負担させ、国の景気浮揚政策に地方自治体を協力させ、そのために地方自治体の公共事業費を大幅に増加させ、地方財政を国の統制のもとにより強く従属させるものであります。その結果は、地方自治体が住民の意思を反映して自主的に行なうべき単独事業を大幅に制限する一方、住民の負担を増加し、地方公務員労働者に対しての合理化を一そう強化し、労働の強化をもたらすものであることは明らかであります。
 以上が、わが党の反対の理由であります。
 わが党は、超過負担など、国が地方自治体と住民に不当に転嫁している財政負担を直ちに完全に解消すること、地方交付税制度の民主化、交付税率の引き上げ、地方債制度の民主化と国による元利補給、地方債原資における政府資金の大幅な増額、地方方治法の改悪によって停止された地方財政委員会を復活拡充し、国と地方の財源の、再配分、行政要務の民主的な再配分を行なう等、地方行財政制度を抜本的に民主的に改革することを要求するものであります。
 以上をもって私の反対討論を終わります。
#69
○大野委員長 これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#70
○大野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#71
○大野委員長 ただいま議決いたしました昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対し、大石八治君、山口鶴男君、小濱新次君及び門司亮君から、四派共同をもって附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を求めます。大石八治君。
#72
○大石(八)委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党及び民主党の四党を代表いたしまして、昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対し、附帯決議を付したいと思います。
 案文の朗読により、趣旨説明にかえさせていただきます。
   昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、生活環境施設の整備、社会福祉対策の充実等地方団体の財政需要が引き続き増大する傾向にかんがみ、長期的に安定した地方財源の確保に努めるとともに、次の諸点についてとくに留意すべきである。
 一 地方交付税率の引上げを含め地方交付税制度について検討を加えるとともに、引き続き基準財政需要額の算出方法の適正化を図ること。
 二 過密地域とくに人口急増市町村における公共施設等の整備を緊急かつ先行的に推進するため、都市税源の充実、国庫補助負担制度の適正化等を含む財政上の特別な措置を講ずるとともに、過疎地域については、引き続き地方交付税および過疎債等を通じてその財源措置の充実を図ること。
 三 最近における諸物価の上昇ならびに国の新規事業の実施等に伴い、地方団体においては、なお巨額の超過負担額を生じている実情にかんがみ、あらためて全面的な実態調査を行ない、その結果に基づき、超過負担の完全な解消を図ること。
 四 国鉄の利用債等、ほんらい地方団体が負担すべきでない経費の負担を地方団体に求めることは、その財政運営を圧迫する要因となるので、国と地方の財政負担秩序を乱さないようこすること。
 五 地方債については、引き続き公共施設等の整備を促進するため、その資金の拡充を図るとともに、とくに政府資金の割合の増加ならびに利率の引下げおよび償還期限の延長を図ること。
 六 地方公営企業なかんずく交通事業および病院事業の経営が急速に悪化している現状にかんがみ、その経営基盤の強化と経営の健全性の確立に努めるとともに、国庫負担の拡充および一般会計との負担区分の合理化等を図るほか、とくに公営交通事業については昭和四十八年度までに抜本的な再建対策を講ずるように努めること。
 七 沖繩県および同県内の市町村に対しては、早急に本土との行政格差を解消するため、十分な財政措置を講ずるとともに、とくに現地の特殊事情を十分に把握し、これに伴う必要な一般財源等の充実について遺憾なきを期すること。
 右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆さま方の御賛同をお願いをいたします。
#73
○大野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#74
○大野委員長 起立総員。よって、大石八治君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡海自治大臣。
#75
○渡海国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、御趣旨を尊重し、善処いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#76
○大野委員長 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#78
○大野委員長 次回は、明十四日金曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後五時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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