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1949/02/03 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 議院運営委員会 第18号
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1949/02/03 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 議院運営委員会 第18号

#1
第007回国会 議院運営委員会 第18号
昭和二十五年二月三日(金曜日)
    午後二時二十八分開議
 出席委員
   委員長代理理事 石田 博英君
   理事 佐々木秀世君 理事 福永 健司君
      大橋 武夫君    岡廷右工門君
      岡西 明貞君    菅家 喜六君
      倉石 忠雄君    篠田 弘作君
      田中  元君    田渕 光一君
      塚原 俊郎君    赤松  勇君
      土井 直作君    松井 政吉君
      小野  孝君    園田  直君
      神山 茂夫君    梨木作次郎君
      寺本  齋君    中垣 國男君
      石田 一松君    河野 金昇君
      岡田 春夫君    中野 四郎君
 委員外の出席者
        議     長 幣原喜重郎君
        仮  議  長 庄司 一郎君
        厚生委員長   堀川 恭平君
        議     員 佐竹 晴記君
        事 務 次 長 西澤哲四郎君
二月二日
 委員山村新治郎君辞任につき、その補欠として
 大石武一君が議長の指名で委員に選任された。
同月三日
 委員大石武一君、土橋一吉君及び竹山祐太郎君
 辞任につき、その補欠として田中元君、神山茂
 夫君及び河野金昇君が議長の指名で委員に選任
 された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 委員派遣承認申請に関する件
 公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に
 基き、国会の議決を求めるの件並びに同件の撤
 回を求めるの
 動議の取扱いに関する件
 次回の本会議に関する件
 議院から出頭を求めた証人、公述人、参考人の
 正玄関の通行に関する件
    ―――――――――――――
#2
○石田(博)委員長代理 それではこれより議院運営委員会を開会いたします。
 前会と同様大村運営委員長に事故がございますので、私がかわつて委員長の席を汚します。御了承を願います。
 厚生委員会の委員派遣承認申請の件について議長から諮問があります。初めに事務総長より説明を願いまして、次に堀川厚生委員長がお見えになつておりますので、特に派遣の理由について承ることにいたします。
#3
○西澤事務次長 厚生委員会から委員派遣の申請が出ております。派遣の目的は広島県における共同募金の実状調査並びに対策樹立、派遣される委員の氏名は中川俊思さん、松永佛骨さん、堤ツルヨさんのお三名、派遣期間は二月六日から六日間、目的地は広島県になつております。
#4
○中野(四)委員 ちよつと御本人を前において惡いのですが、かねて国政調査のために委員を派遣する場合には、同一選挙区、すなわち自分の選挙区にはあまりやらないという話が、大体きまつておつたと思うのですが、いかがですか。
#5
○石田(博)委員長代理 今あなたの御発言の趣旨は、われわれもみな了承しておるのです。その点並びにその他の点に関しまして、厚生委員長から御説明がありますので、それを承つた後に御発言を願います。
#6
○堀川厚生委員長 ただいま議題になつておりまする赤い羽、すなわち共同募金の調査並びに対策の件でありますが、御承知のように共同募金の趣旨には、われわれはできるだけ賛成し、そうしてそれをできるだけ要請しなければならぬということはわかりきつておるのでありまして、共同募金は御承知のように民間の団体が寄附行為でやつておるのであります。それにもかかわらず厚生省並びに各府県庁がこれを指導し、監督することになつておるのでありますが、それを一歩つき進んで、これに足を踏み入れてやるという府県が多いのであります。そのために今回広島県におきましては、二十二年度の共同募金、二十三年度の共同募金の中から、県の部長あるいは課長その他の職員が、相当足を踏み入れたために、これを遊興費に使つたというような点が、昨年末検察当局にあげられておるのであります。かような意味で広島県下におきましては共同募金はもうしないというような声も相当高いのであります。こういうことではわれわれといなしまして、共同募金の趣旨があまりにも県民諸君、あるいは国民に徹底しないというような点もできるのではないかということを心配するために、一応これを徹底的に指導監督するという意味で、今後これに対してできるだけ共同募金の趣旨を徹底しなければいけない。かような見地から、われわれの委員会でこの共同募金の調査、あるいはそれに対する今後の対策について相当研究しなければならない。それには、どうしても議長にお願いしまして、特別に調査派遣を願いたい。こういうことで昨日協議決定いたしまして、本日お願いに参つた次第であります。
 なおただいま申されましたように、先般来調査出張には同県の者は行かないようにしてはどうかという御協議がまとまつておるということは、昨年、一昨年から私どもも承知しておるのでありますが、中川君が広島県であるために広島県庁内の紊乱、あるいはそれに対するいろいろな資料をすつかり持つておられるので、私どもは特に中川君に行つてもらいたいと考えまして、中川君の出張をお願い申し上げた次第であります。なお御不審の点がありましたなら御説明することにいたします。
#7
○神山委員 ちよつと堀川委員長に、委員の顔ぶれについてお尋ねしたい。この三人におきめになる前にどういうふうな経過があつて、どういうような意見の違いがあつたかという点、結論的に言うと共産党の代表者が入つておりません。これは数が三人しかありませんから入れないのかもしれないが、そこに何か意見の違いがあつたかどうかという点について、ちよつと伺つておきたい。
#8
○堀川厚生委員長 その点につきましては、実は委員長にこの委員派遣に対する人選の一任の決議になつておるのでありますが、散会後いろいろ話合いをいたしました結果、この委員会と、いたしましても、あるいはこの議会運営の上から行きましても、三人ということになりますと、やはり各党から出られない。そこでできるだけ委員を按分比例でやつたらどうかということで、私は民主自由民党が二名、次に社会党が一名ということで按分比例が出たので、その人選をいたしたのでありますが、共産党の苅田委員から、こういうものはできるだけ各党から、あるいは共産党からも出るようにしてもらいたいという意見があつたのであります。けれども理論から申しまするならば、あるいは数から申しまするならば、とりあえずわれわれ理事会で協議決定いたしましたのは、全委員が行くわけにはいかないので、数によつてやられるよりほか、しかたがないではないかということで決定をいたしたわけであります。
#9
○神山委員 私たちはこれ以上固執いたしませんが、一言この機会に注意を喚起しておきたいと思うことは、同一選挙区の人で派遣を受けた場合に、県庁に出張されて、ややともすると何と申しますか、非常に県庁内を刺戟する。県庁内ばかりでなく一般を刺戟する行動をとることが間々あるわけです。できるだけそういうことは避けたいと思うのですが、今委員長から伺えば、相当中川さんは資料を持つていらつしやるというので、そういうことならばやむを得ぬと思いますが、できるだけ同一選挙区に行かないことにしないと、今申し上げたようなことは、杞憂かもしれないがあり得るので、さようなことがないように御注意願いたいと思います。
#10
○松井(政)委員 これは議長さんと委員長の考え方を伺いたい。この前海外同胞引揚げに対して委員派遣のときに、私はそう思つたのでありますが、非常に問題が重大でありましたので賛成いたしたのであります。従来国会開会中の委員派遣を、運営委員会で協定いたしました原則、それから六日間という日数、さらに共同募金に関する問題で広島に行くということになりますると、厚生委員会の委員長に伺いたいのでありますが、そういう県があるならば、国会開会中厚生委員会は逐次委員を派遣するのかどうか、こういうことは運営委員会の協定に違反するのでありますが、こういう点について、議長及び委員長、それから厚生委員長のお考えをお伺いしたい。
#11
○石田(博)委員長代理 私に対するお尋ねにつきましては、成規の手続をもつて提出せられておりまする案件でありまするので、お諮りをいたしておる次第でございまして、ただいま松井君御発言の趣旨は、私ども先刻から承知をしております。できるだけそういうふうにとりはからいたいと考えておりますが、その件に関しましては、皆さんの御意見のおもむくところに従いたいと考える次第であります。
#12
○堀川厚生委員長 厚生委員長といたしましては、委員会にさしつかえのない程度で三人を派遣したいと考えております。それから二十二年度、二十三年度、二十四年度――二十四年度はまだ決算ができておらぬ現状でありますので、できるだけ、今のうちに調査することが必要じやないかと考えます。決算が済んでしまうと、五月とか六月になつて、すでに二十四年度分も済んでしまうと考えますので、急遽これを取上げてお願いに参つた次第であります。
#13
○松井(政)委員 委員長にもう一つ伺いたいのですが、共同募金の遊興費云々ということは、御承知の通り検察庁でやつていらしやることは委員長御承知の通りであります。今度の派遣は調査であるのか、共同募金に対する指導であるのか、その点を明確にしていただきたい。
#14
○堀川厚生委員長 実はこの共同募金の配分方法にも疑義があるのであります。県庁においても、いろいろ疑惑のあるような問題があるのではないかと心配しておるのでありまして、この配分団体に対しまして、いろいろな方法でよけい獲得しようという関係上、そこに醜聞がいろいろつきまとうというような点も相当あります。これらに対しても何らか今のうちに手を打つておくことが、各県に対してもいいのじやないかと考えられるわけであります。
#15
○松井(政)委員 そうするとこれは指導ということになれば、広島だけではなくして、共同募金に対する指導は、厚生省の管轄である限り、各府県に行わなければならぬ。特に広島にはそういう不正事件が起きて、検察庁関係で問題になつておるので調査をしなければならぬというのか。指導ということになれば広島に限らず、全国的に指導しなければならぬことになりますが、その点を明瞭にしていただきたい。
#16
○堀川厚生委員長 調査をしなければならぬことはむろんでありますが、それに対しまして文書にも書いてありますように、これに対する今後の対策の樹立を考えまして、各府県庁あるいは各府県の共同募金の委員会に、でき得ればそういう通牒を出し得るような好材料があれば出したいと考えておる次第であります。
#17
○松井(政)委員 これは私の意見ですが、厚生委員長が考えておられるように、問題が起きたから調査するということであるが、指揮の内容は、お話のようにあらゆる団体に対するもののように考えられる。指導ということになれば、ここで原則をきめまして、国会閉会中に厚生委員の方々が、全国に国政調査を兼ねて指導されることはきわめて適当である。しかしながら国会開会中に常任委員会が委員を、日数をかけて派遣するというようなことは、この運営委員会においてもやらないようにしようじやないかという話合いができております。
#18
○土井委員 大体今松井君のお話もありましたが、先ほど中野君の意見もありまして、運営委員会でかつていろいろ決定された事項等についても、今後十分に考慮するということにして、この問題は一応承認することに御決定願いたいと思います。
#19
○石田(博)委員長代理 土井君の御発言通り決定するに御異議ありませんか。
#20
○神山委員 これはあえて委員長に質問する必要はありませんが、先ほどのお答えでわかつておるように、按分比例をされた。これは一応ごもつともだと思います。しかし赤い羽についてはいろいろ国民の間に疑惑があるということは、今もおつしやつたように事実であります。わが党がこの赤い羽の問題について反対せざるを得なかつた理由の中には、当然国費で負担すべきものが民間の負担になつておる。しかもこの配分の上に不正が行われておる。本年度にいたしましても、われわれがこの問題について態度をきめる直前に、約七千万円の不正事件があるということが読売新聞にも出たような事情でありますので、こういうような問題については、全国民がさつぱりした気持で取扱えるようにする必要があると思う。そういう意味で今度の委員派遣については、今松井君からも指摘されましたように、なぜ広島だけを選んだか。これは問題が出ておるというように言われましようが、それなら広島の点については検察庁でやつておるではないかということも言えると思う。民自党の人が二人、あとは社会党の善良な堤君が行く。こういうやり方に対しては私どもは納得できない。これは各党から代表者が出る。それができなければ大体大きな党から代表が出るという考えが必要だ。これが第一。第二は中川君には気の毒だが、やはりこれは遠慮してもらうことが、今の申合せの線で必要だと思う。中川君が資料を持つておるということを伺いましたが、その資料は委員会で使えばよい。そういう点を考慮して、すつきりした形でこの点について善処することが必要だ。委員の顔ぶれその他についても考慮するということなら賛成できますが、このままでは遺憾ながら賛成いたしかねます。
#21
○佐々木(秀)委員 ただいま神山君から、委員の個人的な問題、あるいは党派の問題もありましたが、従来もこういう委員派遣については人数とか、あるいは日程とか、経費の関係で、この運営委員会はそれを承認するかしないかということをきめたのでありまして、厚生委員会で人選をきめたということを尊重して、今の神山君のような意見は、意見として委員長もお聞きになつて、委員会で善処してもらうことにして、一応原案は原案として派遣することを承認したい。この程度で行くことが、運営委員会のきめ方だと思いますので、とりあえずこれは承認する。そうして神山君の意見は、十分委員会において検討してもらうということできめてもらいたいと思います。
#22
○石田(博)委員長代理 今土井君、佐々木君の御発言もありましたが、委員の人選は、本委員会におきましては数をふやすということを決定したことはありません。なるべく数を減らし、期間もなるべく短かくしろという建前でありますので、人選等については本委員会では関與すべきものではないのであります。ただいま御発言の趣旨等は、委員長も御列席になつてお聞きとりになつておりますので、それを勘案せられまして、委員会においてさらに考慮せられましたならば、その考慮せられた部分については、議長に御一任するということにしまして、本案はここで原案承認ということで賛成を願えませんか。
#23
○神山委員 これは前例になることであります。たとえば淡路島へ水産関係で六名派遣になりました場合も、私たち意見を申し上げて、それが受入れられたということも知つております。その点は今の委員長の発言、佐々木君からもお話がありましたので、今度の場合も、将来の場合も、十分御考慮の上で善処していただくということで折合いましよう。
#24
○石田(博)委員長代理 それでは厚生委員会の委員派遣の件は、ただいま私からも申し上げ、その他の各位が御発言なされました趣旨を体得いたしまして、これを議長において承認すべきものと答申するに御異議ありませんか。
#25
○石田(博)委員長代理 御異議がないようでありますからさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#26
○石田(博)委員長代理 次に前回以来継続されておりまする公労法第十六條第二項に基き、国会の議決を求めるの件の取扱いが議題となつておるわけでありますが、その前に土井君から発言の申出があります。これを許します。
#27
○土井委員 この場合各委員の方々に御了解を願いたいと思います。御了解と同時に御承認を願いたいことがあるのであります。それは議会で開かれておりまする各常任委員会に、それぞれ議会側の要請によりまして、公述人の方々に公聽会に御出席を願うのであります。この公述人の入口は、従来大体向う側の面会所の方から入るのだと思います。ところがどうも受付に参りましても十分にわかりませんので、いろいろ不便を感じ、まごつかれるようなことがあるのであります。そこで今後公述人の方々が参られまする場合は、正面玄関から入ることを一応お認めを願うということにいたしまして、これらの来ていただく人の不便、不都合を感じないようにしてもらうことが必要ではないかと思いますので、議院運営委員会として、正面玄関から公聽会に御出席になる公述人諸君の出入を認めていただきたいということであります。参考のために申し上げますれば、参議院の方では大体正面玄関から出入を認めまして、二月一日からこれを実施しておるそうであります。衆議院といたしましても別に参議院にならう必要はありませんけれども、公述人諸君の実際上の不便、不都合ということを考慮し、また国会側から要請しておいでを願うという立場なども参酌いたしまして、正面玄関からの出入をこの際認めてやるようにお願いいたしたいと思います。
#28
○石田(博)委員長代理 ただいまの土井君の御発言に対して御異議ありませんか。
#29
○倉石委員 ちよつとお尋ねしますが、土井君は公聽会の公述人とおつしやいましたが、たとえば参議院の運営委員会に秋山総裁が出て参りましたが、ああいうのはどうなりますか。
#30
○土井委員 公述人、参考人並びに証人も入ります。
#31
○倉石委員 証人は別でしよう。
#32
○土井委員 原則として国会側から要請したんです。
#33
○石田(博)委員長代理 それではただいまの土井君の発言の趣旨は、国会側から出頭を要請した人々に対しまして、正面玄関からの出入を許すということでありますが、これをこのまま決定するのに御異議ありませんか。
#34
○石田(博)委員長代理 それではさように決定をいたします。
    ―――――――――――――
#35
○石田(博)委員長代理 次に前会から継続されておりまする公労法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、いわゆる專売裁定の取扱いを議題にいたします。この取扱い方は前回の運営委員会において申合せをいたしました通り、質疑等は終了をいたしておりまするので、今回は各派からそれぞれ態度の御表明を願つて賛否を決するということに取扱いたいと存じます。本件の取扱いは、まず最初に本案件は受理すべきものであるかいなやということを決定いたしまして、次には本件を運営委員会に諮らずして労働委員会に回付いたしました処置の可否を決定するという順序で取扱いたいと存じますが、御異議ありませんか。
#36
○石田(博)委員長代理 なおこの二つは別々の議題として取扱います。最初に公労法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、この案件を本院において受理すべきであるかいなやを議題にいたします。
#37
○中野(四)委員 ちよつと議事進行で申し上げたい。これは二回にわたつて相当討論は盡されておるので、採決に入つたらよいじやないかと思います。
#38
○石田(博)委員長代理 ただいま討論省略の御発言がありましたが、この御発言について御異議ありませんか。
#39
○神山委員 中野君のおつしやることはごもつともですが、やはり一応各党としての態度がありましようから、簡單にやつたらどうですか。
#40
○石田(博)委員長代理 簡單に発言をしていただきまして決定をしたいと思います。そこで発言の順序でありますが、まだその態度につきましては、正確なる意思表示を委員長としては承知いたしておりません。従つて反対、賛成という順序では取扱えませんので、会派の所属議員数の順序によつて発言を許すという取扱いにしたいと思いますが、御異議ありませんか。
#41
○土井委員 先ほど委員長が言われましたが、議題の取扱い方を、一応受理すべきであるかどうかということと、それから運営委員会にかけるかかけないかという問題を、別個の形で討論するように言われておりましたが、討論は一括していいじやないか。
#42
○石田(博)委員長代理 討論は一括して、採決を別個にするというお申出でありますが、さようにすることに御異議ありませんか。
#43
○石田(博)委員長代理 それではさようにとりはからいます。まず民主自由党に発言を許します。
#44
○大橋委員 私は民主自由党を代表いたしまして、先般松井君の御動議になりまする專売裁定に関しまする公労法第十六條第二項の規定により、政府から国会に付議せられた議案を受理すべからずとの動議に対しましては反対をいたします。まず簡單にその理由を申し上げます。
 第一にこの前の会におきまして、神山君からこの案件につきましては、前会に提案せられました国鉄関係の議案の題名並びに主文がまつたく同一である。従つて一事不再議の原則によつて受理すべからずという理由を開陳せられております。しかしながらこの案の中に入つておりました議案そのものは、裁定自体が議題となつております。従つて両者の区別は明瞭でありまするからして、これは別個の問題として当然受理すべきものと思います。それから次に松井君より裁定の理由の三の中に「公社はその予算上又は資金上、今年度内に主文第一項に記した金額を支給し得る十分の経理能力を有し、従つて公労法第十六條第二項に関係なく、その支給に必要な措置をとり得べきものと認める。」ということがうたつてある。この点をとらえられまして、当然この程度の支出は、公社の経理能力の範囲内である。当然予算上支出可能と認めるべきものであるから、政府がこれを予算上不可能なりとして付議された点は違法ではないか、従つて受理すべからず、こういう御意見でございました。この点につきましても、私どもは政府におきまして、この予算の流用を承認しておらないという事実が存在いたしまする以上、当然この問題は、法律上におきましても、また経理上におきましても、予算上におきましても、支出すべからざるものであることは、客観的に明瞭でございます。これは国鉄裁定に対しまして、労働委員会に出席せられました末弘委員長におかれましても、予算上経理上不可能なりやいなやということは、客観的に定まるものであるということを言われておるのであります。現在客観的に定まつておる事実は、政府が流用の承認をしておらぬという事実であります。その政府が流用の承認をしておらぬということの当否につきましては、われわれは労働委員会において別個に審議すべきものと考えております。現在この客観的事実を基礎にして、政府が予算上、資金上不可能である、こういう趣旨で提案せられましたるこの議案は、当然すみやかに国会において受理して、当該委員会において審議すべきものと、かように私どもは考えるのでございます。
 それから次に休会中におきまして、この議案を議長が運営委員会の議を経ることなく、職権をもちまして労働委員会に付託された、この点についての御意見があつたのでございます。これはしかし従来国鉄裁定の際におきまして、すでにこの種の案件は当然労働委員会に付託せらるべきものという先例が確立いたしておりまするから、この先例によつてとられた議長の御処置は、きわめて適切であると存ずるのであります。かような理由をもちまして私どもは、本議案は受理すべからずという御意見、並びにこの案件に対して議長が労働委員会に付託せられましたる処置は適切ならずとするところの御意見に対しまして、反対をいたすものであります。
#45
○石田(博)委員長代理 次に社会党に移ります。土井君。
#46
○土井委員 私は社会党を代表いたしまして、この問題について意見を申し上げたいと思います。まず第一には、今度の專売公社に対する裁定の問題を、国会に付議することが妥当であるかいなやという問題であります。これは公労法ができましたその根本を探究いたしまするならば、おのずから自明の理であると考えるのであります。なぜかと言いまするならば、すなわち公共事業に従事しておる、ことに公務員の諸君は、従来労組をつくつておりまして、この労組は当然争議権を持つておつたのであります。ところが公労法ができますることによりまして、この争議権というものを失つて参りました。しかしながらこれらの人々の待遇改善その他の問題は、何によつて保障すべきであるか。そこでこれに対しましては、仲裁委員会というものが設けられまして、この仲裁委員会が争議権を剥奪されましたこれらの人々の生活、あるいは待遇上の擁護の任にあたつておるのであります。従つて皆さんも御承知の通り、公労法の三十五條には、その仲裁委員が決定いたしましたものを最終的決定と、明確にいたしております。ただこの場合に予算上資金上、不可能だと見る場合においては、その十六條の一項、二項に帰つて参りまして、これを国会の承認を経るということでありまして、むしろこれは事前処置でありまして、最終的なものではないのであります。言いかえれば、われわれは公労法三十五條という面から見まして、仲裁委が決定いたしました事項を、まず尊重するということが正しいと、かように考えております。しかも予算上、資金上という問題につきましては、これは今回の裁定に対しましては、專売公社としてその予算内において、いわゆる資金上の運営が十分にでき得るということが、明確に裁定案の中に出ておるのであります。従つてその裁定の決定に対しましては、当然それを許可するかしないか、言いかえれば資金上の運用の面を許可するかどうかということは、大蔵大臣の行政上の措置であります。従つて大蔵大臣がこれを認めればそれで片づく問題である。それをわざわざこれを認めずして、しかも国会の承認を経るというようにして参りますることは、公労法の生れた精神に違反するものであると私は考えるのであります。この前の国鉄の場合におきましては、この委員会において官房長官に対し委員諸君から質問をいたしました。いわゆる十五億何百万円かは、国鉄の公社の内部で操作ができるが、爾余のものにつきましては、どうしても国家予算の中で承認してもらわなければならないというようなことを言われておつた。これは明らかにこの前のこの委員会における官房長官の答弁と平仄に合わない。また前に言つたことをくつがえすような内容が多分にあつたと思うのでありまして、われわれとしてははなはだ遺憾に存じておるのであります。とにかくそれぞれの公社が、自主的に予算上、資金上の措置が十分できるということでありますならば、これは公労法の建前からいつて、当然それに全部一任する、こういうことを将来やつて行かなければならないと思います。しかるにこれをいわゆる政治的意図をもちまして国会に持ち込んで来て、これの承認を経る、こういうようなやり方がしばしば行われまするならば、争議権を剥奪されました労働階級に、一体何をたよりにして、たとえばそのときの内閣が反動的な、あるいはまた労組に対して十分理解のない政府でありますならば、自分たちの生活権というものの保障はできないのであります。従つて罷業権はとられたのでありますが、これらの諸君がやむを得ない場合におきまして、再び非合法的な方向に移るおそれもある。要するに彼らの生活を十分に保障するというところに、この公労法の建前がある。また仲裁委の権威というものが裏づけられて行かなければならないと思うのであります。従つて私は、專売公社において資金上の運用のできる限りにおいては、行政的な措置として大蔵大臣がこれを認めればよろしいのである。これを国会に付議するということは不当であると申さざるを得ないのであります。
 次にこの案件を議長が承認いたしまして、運営委員会を開かないで、これをただちに労働委員会に付託いたしましたことについては、まつたくこれは議長の失態であります。言いかえまするならば、御承知の通りこの承認案件が出ましたのは自然休会中でありまするから、従つていつでも委員会を開会することができるはずである。すなわち運営委員会をただちに開いてもらえばよろしいのである。しかるにこれを開かないということは、手続上において大きな間違いがあつたと思うのであります。また大橋君がただいま言うように、国鉄裁定の場合に労働委員会に付議した先例があるからということでありますが、御承知の通り国鉄裁定の問題につきましても、衆議院の方は労働委員会に付議しましたけれども、参議院の方は運輸委員会の方にこれを付議しておるのであります。こういう立場から考えてみまするならば、今度の專売裁定に対しましては、当然これは労働委員会に付議さるべきであるか、大蔵委員会に付議さるべきであるか、どちらに付議するかという問題は、多少疑義の存するところであります。従つて先例ということを言いまするが、先例必ずしもこういうものを全部労働委員会にゆだねるという決定をみておるわけでも何でもない。言いかえればこれは大蔵委員会に関係があれば大蔵委員会に付議するか、あるいは労働委員会に付議するかということは、当然論議になるということは、だれが考えても常識的に想像できる。従つて議長の手元において適宜に、いわゆる先例を前提といたしまして、しかも自然休会中に運営委員会を開かずしてきめた。これは議決休会であるとかいうものとは全然違うのである。時間的にも、実際的にも、運営委員会を開く余裕が十分あるにかかわらず、国会を無視いたしまして、かつてにこれを取扱うということは、将来の議院運営の面において、はなはだ遺憾であると思うのであります。従つてこういうような処置をとりましたのは、まことに不当であると考えます。以上の理由によりまして私は專売裁定を国会に付議すべからずという点を主張いたしまするとともに、また運営委員会にこれを諮らずして、しかも議長が自分の裁量によつて労働委員会に付議したことは越権であるということを、この際強く申し上げて意見の開陳を終ります。
#47
○石田(博)委員長代理 民主党第九控室の園田さんにお願いいたします。なるべく御発言は重複しないように願います。
#48
○園田委員 公労法、專売公社法、並びに財政法から見まするに、財政法には公社の予算は国の予算とともに出す、こういうことが書かれておる点から見ても、公社の予算は国の予算ではなくして、関係はあるけれども、あくまでも公社の予算であると思います。なお公労法の今の問題に対しては、十六條、三十五條、三十七條の各條は、労調法の三十四條から集約されて来たものとわれわれは解釈いたします。三十四條によつて見ましても明瞭なごとく、仲裁が出た場合には、双方がこれに従うのが前提であつて、労働協約と同一の効力を有するものと判断いたします。従つて仲裁の結果というものは、民法上双方に債権、債務というものが発生して、一方から言えば、この裁定というものは、私有財産であると見るべきものと考えます。よつて国会はもちろん、国の法律も、ありとあらゆるものが、この裁定を侵す権利はごうまつもない。だだ降伏文書に基いて、最高司令官のみがこれに対して干渉をなし得るものであると判断いたします。もちろん政府がこれを侵してはならぬことは明瞭でありまするが、この裁定に関してこれが違法であると判断できるものは、裁判所だけであると考えます。十六條には可能か不可能かということを書いてあります。これは大橋君の言われた通りに私も可能か不可能かということは、客観情勢によつてすでにきまつておるものであつて、部分的数字あるいは可能不可能というものは、政府やあるいは一部の人によつて、自由裁量的にきまるべきものでないと考えます。一方では秋山総裁ができると言つたものを、一方では大蔵大臣ができない。かくのごとき客観情勢できまつた可能不可能の範囲というものが、一部の政治的意図あるいはその他の勢力によつて、自由裁量のできるものでは断じてないと考えます。なお十六條によりますると、專売公社が裁定できめられた予算上の問題を実行して行くのに、可能不可能という問題については、大蔵大臣に相談する必要もなければ、大蔵大臣の批判があつたとしても、その最後の可能か不可能かを決定する責任は、あくまでも專売公社であつて、公社の責任者である総裁でなければならぬと考えます。従つて予算上資金上、全体は可能だが、予算技術上国の一般の予算との関係があるから、国会の承認を経なければならぬ。従つて国会の裁定に関する承認というものが出て来るものであるとわれわれは判断いたします。この点から判断するならば、当然專売公社の裁定に関する資金の可能不可能という問題は決定しておつて、その支出権を獲得するために、專売公社は大蔵大臣を通じて、政府から国会にこの承認を求めて来たものであるとわれわれは判断しなければならぬ。従つて裁定に関してきめられた問題を双方とも守つて支拂うのが当然である。そのために予算審議権をもつておる国会に、必要なれば審議を付託する場合には、当然これには予算を添付すべきであると考えます。以上の点からして、第一にこの議案には予算の添付がない。ここまでは可能であるが、これ以後は不可能である。この不可能な点について予算技術上の支出権を認めてもらいたいという承認が、ほんとうの裁定には必要であると考えられる。それがついていない。これが第一点、第二点は秋山総裁の言によつて予算上、資金上可能であるということは、大蔵大臣の批判にかかわらず明瞭である。よつて十六條の二項によつて処理すべきでなく、三十五條によつて処理すべきである。よつて国会に提出する必要がない。第三には国会の承認によつて、きめられた裁定に基き支拂いすべき債務の不履行の権利を獲得するために、政府がかかる承認を求めて来るならば、一応のりくつはあるけれども、政治上のねらいをもつて裁定そのものを否定しようというような態度は、政府みずから法律を破壊せんとする行為である。この点が第三点。第四は公労法の第一條に明瞭に示されたところの公労法の精神を、政府みずからが蹂躙するものである。この四点からかかるものは国会にまわすべきものではない。もちろん受理すべきものじやないと主張するものであります。
 なお労働委員会に付託した点については、社会党から述べられた同様の理由をもつて反対いたします。特に遺憾な点は、まわされた議案というものは、事務当局の見解によつて処理されたような感じを與えることは、国会の権威のためにはなはだ遺憾であります。以上四点から断じて反対するものであります。
#49
○神山委員 委員長から重複のないようにという御注文がありましたが、御注文がなくともそのつもりでおります。法律上の問題についての論議は、社会党の土井君及び園田君の主張に大体において同調できるという意味において、けつこうであります。ただ私はここでひとつ文書を参考に読み上げておきたい。「政府は、專売裁定書に付し予算上、資金上、実施不可能なる理由をもつてこれを拒否した。しかしながら裁定書の理由に明記されているごとく、仲裁委員会が公社の経理状況を調査した結果は、十分なる経理能力を有しているのであつて、このことについては專売公社も、二十六億一千九百万円の流用予算のあることを肯定している。政府が單に政治的意図により、罷業権にかわる機関として設定した仲裁委員会の裁定を蹂躙し、法の権威を無視しては、公労法の趣旨である公共企業体の労働関係の安定はあり得ない。政府の言えるごとき赤字説は、全くその根拠を持たないものである。公労法に従えば專売裁定は国会に付議すべき問題ではない。ひたすら法の権威を信じ、仲裁裁定を当事者双方を拘束する最終的決定として、紛争を平和的に解決しようとしてきた組合の意図も、反動的な政府の政治的意図によつて圧殺し去られた。われわれは法律を守つてきた。政府は法律を破壊している。」これは專売労働組合中央闘争委員会の、一月十八日に発した声明書であります。労働者諸君をここに追い込んでおるこの現実、こういうところに三万八千の專売労組ばかりではなく、さきに五十万の国鉄労働者に対するあの国鉄裁定の処理の場合にしましても、非常に遺憾な点がある、労働者は政府が自分でつくつた法律をみずから自分で破壊しておるというように言つておる。もしもこういうことになりますと、これは先ほど社会党からも言われましたが、合法、非合法の問題を取上げるといたしますと、法律を破り労働者をして非合法な状態に追い込ましたのは、国会の多数の名において非合法的な法律無視をした結果である。こういう結論も出て来るわけであります。先ほどから民自党の委員からの不規則発言があり、国会に持つて来たからいいじやないかという御意見ですけれども、政府が自己の責任をのがれるために、国会の内部における絶対多数の圧力を利用して、この法律無視をやつておるということは、これは法律と国会の蹂躙とを一緒にやつておる。こういう意味でわれわれは絶対に反対せざるを得ない。この労働組合の声明については、不十分な点もあり、もう少しここはこう直した方がよいという点もありますが、そういう意味ではなくして、この労働者の声をどうか聞いてもらいたい。そうして真の意味で国会の仕事を処理していただきたい。こういう観点から私たちは、これは絶対に受理すべきでないというさきに述べられた意見を支持するものであります。
 さらに私は簡單に一言しておきたい。大橋君がもつともなようなことを言い出されましたので、ついでに釈明しておかなければならぬ。と言いますのは、私はさきの委員会におきまして、本件の主文が国鉄裁定の場合と同一主文であると言つた。これを大橋君が議題あるいは主文、こういうような点にわかれておるというような意味の発言をされております。これは当時の事情をすべてお聞きの方ははつきり知つていらつしやると思いますが、国鉄裁定そのものがここにかかつて来ました場合に、あの書き方が第一不法であつた。処理の仕方が不法であつた。結着のつけ方が不法であつた。その不法を押し通すために、主文というのはあの議案書の一番てつぺんに書いてあるのが主文だと言つたのはだれか。政府側及び與党の諸君である。これをわれわれがとらえて、君たちが同一主文のものをもう一つ持つて来るのは、一事不再議の原則に反するじやないかと言つた。こういう点を大橋君が言つておるが、こういう奇妙なことは私たちが言うのではなくして、政府と與党がやつたことだ。そのしりぬぐいをわれわれにさせるためにしたことだ。あとの問題の、運営委員会に諮らずして労働委員会にかけたことについては、倉石君にも理事会で申し上げたし、その後にも党の代表が主張したところであるから繰返しませんが、こういう一方的な、また單なる事務的な処理を、こういう重大問題にするということは、国会の権威のためにとらないところである。以後はこういうふうな重大な問題については、十分與党側も議長側も、事務当局はもとより、将来にわたつて注意してもらいたい。結論をいまさら申す必要はありません。この議案についてわれわれとしては許すべきではない。運営委員会に諮らず、労働委員会にかけたことは違法である。これだけであります。
#50
○石田(博)委員長代理 次に民主党第十控室寺本君。
#51
○寺本委員 わが党といたしましては、まず第一の点でありますが、これは仲裁委員会の裁定というものは、あえて違法であるとは考えておりませんけれども、法律の精神を広義に解しまして、さきの国鉄裁定と違いまして、專売制度の本質から考えまして、政府がこれを国会に付議するという考えを支持するものであります。次の問題、運営委員会に諮らずして労働委員会にかけたというのは、できれば今後こういうものは運営委員会に諮つてもらいたいと思いますが、すでに過ぎ去つたことでもあるし、労働委員会に付議されたのもやむを得ないと思います。以上であります。
#52
○石田(博)委員長代理 新政治協議会、石田一松君。
#53
○石田(一)委員 私は新政治協議会を代表いたしまして、ただいま社会党、あるいは民主党の野党派、共産党あたりの委員会のるる述べられた意見とほとんど同じような意見を持つておるものであります。一つだけ特にこの際申し上げておきたいことは、この專売公社の裁定の問題を、国会に政府が付議しましたことについて、予算上、資金上不可能な支出を内容とするものであるという理由をもつて付議されたのでありますが、先般この運営委員会において、私ども増田官房長官にこの点について特にお尋ねいたしましたところ、国鉄の裁定の場合には支出可能な十五億円、これは国会に付議するのじやない、残余の三十億というものは、予算上資金上不可能な支出であるとして、この部分だけを付議するということをおつしやつておるのであります。しかもこの十五億幾らというものは、国鉄の予算の中の他の款項目から流用することによつて、予算上資金上これは不可能な支出でない、こういう説明になつておるのであります。しかも今回提出されたこの專売公社の仲裁委員会の裁定を、われわれがよく検討したしますると、予算の範囲内において他の款項目からこの裁定の線に沿うところの支出が可能であることは、明らかなのであります。ただ問題はこの專売公社の流用可能ないわゆる予算の金額の性質が、專売益金である、こういうのであります。專売益金というものは要するに、一般国民から、いわゆる租税の形のごとく集められたのであり、これをただちに專売公社の従業員に、賃金あるいは手当の方法で支給することは、性質上不可能だというのであります。要するに先般の国鉄の裁定の問題のときには、機関車あるいは車両等の修理費とか、石炭の購入費等の款項目の予算からの流用を、大蔵大臣の権限をもつてなし、しかも今回の專売公社の裁定においては、專売益金というこの性格が租税の性格を有するものであるという意味においても、これが予算上資金上不可能な流用であり支出である。こういう説明をされようとしておるのであります。結局政府はこの專売益金を、この裁定案に従つて、従業員諸君の手当あるいは賃金の形で流用することが、予算上、資金上不可能な支出というものになるかどうかという判断を、この国会に求めて来ようとしておるのであります。要するにこれは政府がこれは明らかに予算上、資金上、不可能な支出であるとは言つておりますけれども、政府が現に国会の議決を求めて来ておる件は、不可能であるかどうかということの判断を求めて来ておるのであつて、政府自体が現に不可能であるという認定をしていないということであります。結局、結論といたしまして政府みずからが、大蔵大臣の責任においてなし得る行政権の範囲のものを、国会の多数の力によつてこれを国会に責任を転嫁し、再び国鉄の裁定の問題と同じように、本仲裁委員会の裁定を蹂躙しようとするところの下心がある。こういうものは本国会において、――衆議院においては受理すべきものではない。この点を明らかに申し上げておきたいと思うのであります。
 第二点は自然休会中の件でありまして、いつでも運営委員会を開き得る立場にあるにもかかわらず、国鉄裁定の問題が労働委員会にかけられた前例があるという理由で、運営委員会に諮らずして、労働委員会に專売公社の裁定の案件を付託されたこの議長の処置は、事務当局とともに実に不都合であると思います。もしそうだとするならば、ある一つの似通つた案件が、一つの常任委員会にかけられたという前例があるならば、自然休会中といえども、議長あるいは事務当局の一存によつて、その委員会にこれが付託されるという不合理を生ずるのであります。しかも自然休会中であるから、いつでも委員会を開かれる。しかもこの委員会で現に討論の的になつておりますところのこの專売公社の裁定問題を、受理するかどうかということが大きな問題になつておるにもかかわらず、これを受理することはおろか、しかもこれをすでに労働委員会に付託しておいて、運営委員会のこれに対する発言権を、少しでも抹殺しようとする政府の意図を助けようとする下心が、議長、並びに事務当局にあると言わなければならない。その問題を何ら本委員会に諮らずして、これを常任委員会にかつてに付託するというに至りましては、これは重大問題であります。なぜかと言えば、先般の国鉄裁定の問題であります。この衆議院の事務当局から政府に報告されたあの事実であります。先般多数によつてこれは押し切られたのでありますけれども、あの国鉄裁定の衆議院並びに参議院の議決が一致しなかつた、一致した議決を得るに至らなかつたという事実を報告しないで、政府が望むところの両院の承諾を得るに至らなかつたという報告をなさつた事実があるのであります。この事実と照し合せて、少くとも事務当局並びに議長は、最近さながら国会の議長であり、国会の事務当局にあるべき立場にある人が、政府の議長であり、政府の事務当局であり、民自党の議長であるという感じを呈しておる。この点はまことに遺憾でありまして、今後とも議長並びに事務当局においては、嚴正公平なる立場に立つていただきたいということを強く希望いたします。しかも運営委員会に諮らずして労働委員会に付託されたということは、将来惡例を残すものであるので、真向から反対するものであります。
#54
○石田(博)委員長代理 農民党の中野四郎君。
#55
○中野(四)委員 両件とも野党各派の御意見とまつたく同感です。従つて受理すべからず。議長の処置ははなはだ不当であつた。こういう結論を申し上げます。
#56
○石田(博)委員長代理 労働者農民党岡田春夫君。
#57
○岡田(春)委員 重複を避けるために簡單に申し上げます。先ほどから申されております通り、これを受理するということは明らかに不当であります。労資の対等な條件のもとにおいて解決さるべきものを、圧力によつて一方的に政府が解決をする、その責任を負わないで、国会に転嫁するということで、きわめて陋劣な方法でやつて行く。こういう点については公労法の違反であることは言うまでもなく、これは憲法の二十八條並びに私有財産権の違反であるとわれわれは考えております。こういう点についてまず第一に反対をいたします。
 第二の議長が労働委員会にこれを付託いたしましたことにつきましても、われわれは明らか議長の失態であると考えます。
#58
○石田(博)委員長代理 社会革新党の佐竹君。
#59
○佐竹晴記君 第一の点は受理すべきでない。第二の点は運営委員会に諮らず労働委員会に付議したことはいけない。従つて運営委員会に諮つてなすべきである。以上申し上げます。
#60
○石田(博)委員長代理 これにて各派の御意見の開陳は終了いたしました。
 採決をいたします。公労法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件を、本院において受理すべきものとお考えの方の挙手を求めます。
#61
○石田(博)委員長代理 念のために、本案は国会において受理すべきものでないとお考えの諸君の挙手を願います。
#62
○石田(博)委員長代理 本案を国会において受理すべきものとお考えの方が多数であります。よつて本案は国会において受理すべきものと決定をいたしました。
 次に本件を運営委員会に諮らずして労働委員会に付託した議長の処置は不当であるとお考えの諸君と、そうでない方とがあります。正当であるというお考えの諸君の挙手を求めます。
#63
○石田(博)委員長代理 次に不当であるとお考えの諸君の挙手を求めます。
#64
○石田(博)委員長代理 運営委員会に諮らずして、労働委員会に付託された議長の処置は正当であるという各位の方が多数であります。よつてさように決定いたしました。
    ―――――――――――――
#65
○石田(博)委員長代理 次にただいま社会党の三宅正一君外社会党、民主党第九控室、新政治協議会、労働者農民党、社会革新党の各位の連名によりまして、公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件の撤回を求めるの動議が提出せられました。
#66
○石田(博)委員長代理 ただいま委員長の手元へ参りました動議には入つておりませんので、ここで急につけ加えるわけには参りません。この動議の取扱いを議題に供します。
#67
○赤松委員 訂正を要求いたします。農民協同党が落ちておるのでありますが、これはきわめて事務的な手落ちでありまして、この点はまことに農民党の諸君に申訳ないと思います。追加を願います。
#68
○石田(博)委員長代理 ただいま赤松君から農民協同党の各位が落ちておりましたのは、これはきわめて事務的な手続上の間違いであるから追加してもらいたいというお申出、同時に木村小左衞門君、吉田安君の二名の方が署名に参加しておるのも事務的な手違いであるということでありますが、これをこのまま承認して御異議ありませんか。
#69
○石田(博)委員長代理 それではこの動議の取扱いを議題に供します。
#70
○赤松委員 ただいま委員長から本委員会に御提案になりましたように、日本社会党、民主野党派、新政治協議会、農民協同党、労働者農民党、社会革新党、以上の諸党によりまして、公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件の撤回を求めるところの動議を提出いたしました。つきましてはこの取扱いは明日の本会議においてこれを議題となし、この動議を討論し、さらに記名投票をもつて決せられるようにお願いいたします。
#71
○石田(博)委員長代理 この動議の取扱いについて赤松君から御希望がございましたが、明日の本会議をどうするかという点は、次の議題に残つております。従いましてこの件はできるだけすみやかなる、きわめて早い機会の本会議にこれを上程することに決定いたしたいと思います。そういうふうな取扱いに御異議ございませんか。
#72
○石田(博)委員長代理 それでは取扱いの詳細は、後ほど小委員会等において議題にいたします。
#73
○神山委員 ただいまの動議に対しまして、共産党の名前も何にも入つておりませんので、ここで一応共産党の態度を表明しておくことが必要だと思います。私たちとしては特別にそういう動議を……。
#74
○石田(博)委員長代理 名前が載つていないということになりますと、民主自由党も、あるいは民主党十控室も載つていない。そういう立場の御発言でありましたならば、別の機会に御発言を願いたい。
#75
○神山委員 私の方でも実は動議を出そうかと思つておりましたが、事務上の手続をとつておりませんし、あらためてここで云々することをさけて、本会議の問題になる時に、われわれはその動議に賛成であるという趣旨を陳述いたします。
#76
○石田(博)委員長代理 ただいまの神山君の御発言、一応聞きおくことにいたします。
    ―――――――――――――
#77
○石田(博)委員長代理 次に緊急質問の取扱いを議題に供します。
#78
○西澤事務次長 ただいまお手元に配付いたしましたガリ版刷りのものが、ただいままで提出されております緊急質問でございます。そのほかもう一つ追加していただきます。最後に政府の給與白書に関する緊急質問、小川半次さん、民九でございます。
#79
○石田(博)委員長代理 お諮りいたします。この緊急質問の取扱いでありますが、逐一各項目について議論いたしますか、あるいは懇談会に移りまして、懇談会を終了いたしました後に正式の議題として取扱いますか。懇談会に入つたらいかがでしよう。
#80
○石田(博)委員長代理 それではさようにいたします。速記をとめてください。
#81
○石田(博)委員長代理 速記を願います。
 それでは明日の本会議は休むことといたしまして、次回の本会議は火曜日定刻より開会することとし、同時に運営委員会も火曜日午前十一時から開会することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。
    午後三時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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