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1971/06/09 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 内閣委員会 第34号
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1971/06/09 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 内閣委員会 第34号

#1
第068回国会 内閣委員会 第34号
昭和四十七年六月九日(金曜日)
    午前十一時八分開議
 出席委員
   委員長 伊能繁次郎君
   理事 加藤 陽三君 理事 坂村 吉正君
   理事 塩谷 一夫君 理事 山口 敏夫君
   理事 大出  俊君 理事 伊藤惣助丸君
   理事 和田 耕作君
      天野 公義君    鯨岡 兵輔君
      辻  寛一君    湊  徹郎君
      木原  実君    鈴切 康雄君
      受田 新吉君    東中 光雄君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (内閣官房長
        官)      竹下  登君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 江崎 真澄君
 出席政府委員
        国防会議事務局
        長       海原  治君
        防衛庁参事官  鶴崎  敏君
        防衛庁長官官房
        長       宍戸 基男君
        防衛庁防衛局長 久保 卓也君
        防衛庁人事教育
        局長      江藤 淳雄君
        防衛庁装備局長 黒部  穰君
        外務省アメリカ
        局長      吉野 文六君
        外務省条約局長 高島 益郎君
 委員外の出席者
        国防会議事務局
        参事官     夏目 晴雄君
        防衛施設庁施設
        部連絡調整官  平井 啓一君
        外務省アメリカ
        局外務参事官  橘  正忠君
        運輸省港湾局建
        設課長     久田 安夫君
        内閣委員会調査
        室長      本田 敬信君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第五四号)
     ――――◇―――――
#2
○伊能委員長 これより会議を開きます。
 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤陽三君。
#3
○加藤(陽)委員 職員給与法について御質問いたしますが、その前に、この前ここで同僚横路委員が、予備自衛官の採用の方法について北海道の事例をあげていろいろ御質問いたしておりましたが、あれはその後どういうふうに状況がおわかりになりましたか、ちょっとお答え願いたいと思います。
#4
○江崎国務大臣 これは鋭意調査をいたさせました。したがって、人事教育局長の手元でその後の調査が出ておりますので、人事教育局長から詳細に報告をいたさせます。
#5
○江藤政府委員 先般の内閣委員会におきまして、横路委員から御指摘を受けました件につきましては、先生にお願いしたのですけれども、具体的に案件のお示しがいただけなかったものですから、全国の地連部長について詳細に調査しましたところ、大体ほぼ一致するものが千葉地方連絡部にございました。これは残念ながら当時の地方連絡部の担当官が死亡しておりますので、よく詳細はわかりませんが、確かに採用通知として十五名の連名でやっております。そしてその写しを本人に送付しておる。これ自身は別に法律違反ということにはなりません。個別命令でございますので、その写しを送付すればいいわけでございますけれども、なぜその十五名の連名でやったのかということは、事務手続を簡素化するためにやったのか、あるいはこういう同僚が予備自衛官になっておりますということを知らしめるために親切の面からやったのか、その辺がはっきりしませんが、これは必ずしも妥当なことではないと考えております。
 それから、本人が知らないうちに銀行口座を設けられておったということにつきましては、最近どうも地方銀行のほうはたいへんサービスがよくなりまして、本人が判を持ってこなくても口座をあらかじめ設定しておいて、いよいよ本人が判を持ってきて、お金をもらうときに初めてそこに実印を押してもらうというような非常にサービスをやっておるようでございます。したがいまして、本人が知らないうちに口座が設けられておったというようなことがございました。
 それから、確かに本人の宣誓書は届いておりません。これはおそらく想像するに、当時は隊員募集が忙しくて、地方連絡部としても誓約書の確認を怠ったのではないかということがございます。そういう意味におきまして、とかく予備自衛官に関する人事管理というものは、確かに一昨年まではかなりルーズなものがあったのではないかというふうに痛感されましたので、昨年から地方連絡部の中に予備自衛官係の専任を設けまして、同時に各幕僚監部にも予備自衛官室というものを設けまして、予備自衛官の人事管理についてこれを強化するということにいたしておりますので、その後はそういうことはあまりないと思いますけれども、なお、今後さらにこの人事管理の適正化をはかるために、本年の六月一日に陸幕長名をもちまして通達を出したところでございます。
#6
○加藤(陽)委員 手続上整備されていない点も、それはあったかもしれないと思いますね。しかしそれはそれとしても、誓約書が来ないのに給料を払ったりするのは、私もこの委員会で聞いておって、これはおかしなことだと思った。そういう点はやはりきっちりなされなければいけないと思うのですが、予備自衛官で再任あるいは三任、三回目また任用されておる者はどのくらいおりますか。――わからぬならこれはあとでよろしい。
 それじゃ予備自衛官の定数と実数を教えてください。
#7
○江藤政府委員 現在、定員は三万六千三百名、うち三百名が海でございますが、その充足率は九九・一%。これはこの数年間と申しますか、大体九九%台になっております。
#8
○加藤(陽)委員 再任、三任の任用されておるのがわかりましたか。平均年齢はどれぐらいになっておるか。
#9
○江藤政府委員 再任あるいはそれ以上の者の数字というものは、資料をいま持っておりませんので、後ほど調査の上で御報告いたしますが、平均年齢は二十九・四歳となっております。
#10
○加藤(陽)委員 訓練招集についてお伺いしたいと思いますが、応招率といいますか、訓練招集に出てこいといって出てくる者がどれぐらいのパーセンテージおりますか。
 それと同時に、もう一つ、訓練期間にどういう教育訓練をしていらっしゃるかということをお答えいただきたいと思います。
#11
○江藤政府委員 訓練招集に対する出頭状況は、四十三年度が八二%、四十四年度が八一%、四十五年度が八〇・四%、四十六年度が八〇・二%となっております。
 訓練招集につきましては、私も再三現地で実情を見てまいりました。これははっきり申しますと、やはり予備自衛官を志願するだけでありまして、平均しますと、むしろ現職の自衛官よりも素質が優秀で、訓練も非常に成果があがっております。これは私もたいへん心強く思っております。
 ただ、問題は、この訓練内容が、従来はとかく精神教育、服務の問題、こういうものが多くて実技面が少なかった。特にそういう面を考慮しまして、やはりもう少し実技訓練をはかる必要がある。そして訓練にある程度魅力化をはかる必要があるのではないか。この出頭率が落ちるのも若干ここに原因があるであろう。大体五年以前は常に八五%台以上はあったわけでございますが、せっかく訓練に応じましても、ほとんど精神教育とか世界情勢の話だけでは好ましくないということで、昨年度から若干改正いたしまして、実際にたまを持たせる、そしてある程度レクリエーションと言っちゃあれですが、ある程度楽しんで招集に応じ、しかも武器の練度の保持をはかるという面において今後さらに改善していかなければならないのじゃないかというふうに考えております。
#12
○加藤(陽)委員 そうしますと、いま八十何%という応招率だとおっしゃったけれども、訓練招集に応じない者はすぐそこで予備自衛官をやめさしておられるのですか、あるいはまた次の機会に訓練招集に来させるようにしておるのか、まずそこから……。
#13
○江藤政府委員 まず訓練招集に応じなかった場合には、その後の手当の送付をやめております。そしてその次の招集訓練にも応じなかった人は、これは予備自衛官を免ずるということでやっております。
#14
○加藤(陽)委員 その点はわかりましたが、次に訓練内容です。
 いまあなたは、精神教育が多いというふうなことをおっしゃっておりましたが、大体何日間の訓練招集ですか。その間にどういうふうなことを訓練としてやれというふうな基準をきめておるんじゃないですか。
#15
○江藤政府委員 現在きめておりますのは、精神教育、服務の教育、それから武器訓練、実員指揮、隊務実習というのが幹部訓練、それから曹士の訓練は精神教育、服務教育、武器訓練、体育訓練、特技訓練というふうになっておりますが、実情は先ほど申し上げたようなことでございまして、実際には座学的な教育が多くなっているというのが実情でございます。
#16
○加藤(陽)委員 それは、あなたのほうでそういう科目を示しておるだけで、たとえば七日間なら七日間、五日間なら五日の間に時間的にこういう訓練をどれだけやれということは示してないのですか。
#17
○江藤政府委員 そこまで詳細には示しておりませんで、やはり部隊の特質もありますし、実際申しますと、往復の出頭時間もありますので、実際に教育する時間は、まず出頭しまして、そこで服を貸与したり、あるいは今後の予定を話したりということでかなり時間を使います。あるいは予備自衛官手当をその場合に出す場合もありますし、隊友会関係の仕事もそこに入る場合もあります。やはり実際に訓練をするのは正味三日くらいにしかならないのじゃないかということでございますので、その三日の範囲内において部隊の作成した計画により訓練をするというようにいたしております。具体的な時間をはっきり示してはおりません。
#18
○加藤(陽)委員 その訓練を受け持つ部隊の事情ということもありましょうけれども、座学を何時間とか、あるいは実技を何時間ということくらいは、やはり示されるべきじゃないかというふうに私は考えます。これは私の意見ですから……。
 その次に、いま隊友会の仕事があるとおっしゃいましたけれども、予備自衛官で隊友会に入っていない者はいまどれくらいあるのですか。
#19
○江藤政府委員 実際に隊友会の実践力は予備自衛官でございますが、予備自衛官は現在三万五千九百六十五名おりますが、そのうち三万八百八十二名が隊友会の会員になっております。これは隊友会の調べでございます。したがいまして、約五千人は隊友会に入っていない。おそらくこれは訓練招集に応じていない二〇%近くのもの、こういうものであろうと思います。
#20
○加藤(陽)委員 私は、隊友会にこんなに入っていないとは思わなかったのです。もう少しよけい入っていると思ったわけです。やはり入ってないような方は、この前、横路委員が質問しておったけれども、あまり予備自衛官になる意思がなくて、形の上だけでなっているということじゃないかと私は思うのです。九九%の充足率なら何も私は無理をすることはないと思うのですが、ほんとうに予備自衛官として自分の責任を自覚してやりたいと思う方だけ厳選をしてなさったらいいんじゃないですか。いま無理に別に急に予備自衛官の定数を確保しなければならぬということもないと思いますし、そういう疑わしい方は、私は国の手当を出すまでもないと思います。これはひとつ長官によくお考えいただきたいというふうに思います。
#21
○江崎国務大臣 私、加藤議員の御指摘のとおりだと思います。やはり予備自衛官という性格からいっても、それは当然隊友のいわゆる同窓会である隊友会というものに加入し、自衛隊を愛するという共通の感情があるはずなんです。それがない者を、充足率がいい、しかも応募率のいいのに認める必要はない。むしろ入ってない人には、それこそ仲間から積極的に勧誘する、これは行き過ぎでも何でもないと思います。御指摘の点は今後実行するように十分注意をいたしてまいりたいと思います。
#22
○加藤(陽)委員 ぜひ長官にそういうふうに御指導願いたいと思います。
 その次に、予備自衛官の使い方と言っては語弊がありますが、任務ですね。四次防の場合には、昨年の防衛庁原案では警備連隊とかなんとかいうことが考えられておりましたけれども、いまは白紙になっておられるやに聞いておりますが、現在の段階において予備自衛官の活用の方法、いざという場合に、どういう場面にどういうふうに使おうということについてのお考えを承りたいと思います。
#23
○江崎国務大臣 三次防におきまして、予備自衛官の整備は、有事において急激に業務が増加する、これはもう当然予想されるわけでありまするが、その補給、輸送、それから後方の支援部隊、こういったものに充当するためのものであります。陸上におきましては一万五千人を増員して、期末には三万九千人を整備し、海上自衛隊にあっては新たに六百人の増員を計画した。本法案によりまする増員は昭和四十六年度分の計画で、いわゆる陸が三千人、海が三百人、こういうわけであります。詳しくは政府委員から申し上げさせます。
#24
○久保政府委員 現在、四次防の中身としましてはいま検討している段階でありますが、四次防の中身についても、いま長官が申されました大筋とは変わっておりません。ただ、警備連隊がなくなるかと申しますると、三次防でも計画はされておったわけでありますが、ただ、計画されておりながら、ただいまの人事教育局長の説明にもありましたように、警備連隊としての訓練をよくやっておらない、そういったところにあるいは問題があるかもしれませんが、少なくとも計画といたしましては、三次防に引き続いて四次防の中でも、警備連隊の構想はある程度維持されるのではなかろうかというふうに思います。これはこの前も申し上げましたように、単なる治安維持、第一線に師団が出動するあと詰めではありますが、治安維持だけではありませんで、小規模の上陸部隊あるいは空挺部隊などに対しても備え得るというような、背後地の安全を全うするというような観点で整備をしてまいりたい。ただし人員については、この前の四次防原案では、陸自は総数六万人を予定しておりましたが、これについてはもう少し規模を縮小した範囲内で、いま長官なり私が申し上げた任務をさせるというような方向で検討が進められております。
#25
○加藤(陽)委員 治安維持的な任務に当たる者は別ですが、最近、婦人自衛官をだいぶ採用しておられますね。いま何人になっておるか知りませんが、あとでお答えいただきたいと思うが、私、考えるのに、婦人自衛官は第一線に使うわけにはもちろんいかない。どうせ後方の補給等に充てるわけでしょう。そうすると、予備自衛官の定数そのものをもう一ぺん検討し直す必要があるのじゃないかというふうな気がするのですが、いかがでしょう。
#26
○久保政府委員 婦人自衛官の存在は、おそらく常時における人員をある程度確保して、第一線の訓練部隊をなるべく練成をしようという配慮から出ておろうと思います。しかしながら、有事になりますると、婦人自衛官の働く分野というものは非常に限られたものになりましょう。したがいまして、予備自衛官のほうがあるいは有用であるかもしれないという分野もありましょう。そこで、その関連での検討というものはまだ実はなされておりませんが、いずれにせよ人数的には予備自衛官のそう多くを期待するわけにもまいるまいということで、いまお示しのような、平時と有事の場合の相関関係のもとにおける予備自衛官の人数というものは、確かに検討に値すると思っております。
#27
○加藤(陽)委員 それはひとつ御検討願いたいと思います。
 その次に、今度の法案で千五百円を二千円に改めておられるわけですね。この根拠はどういうことですか。
#28
○江藤政府委員 これは昭和四十二年に千五百円に上げております。二十九年ごろできたときに千円だったのを四十二年に上げておりますが、その四十二年以降における物価指数の係数と、それから一部ベースアップの率の係数とを加味しますと、千五百円が二千円ちょっとになりますので、二千円ということに案として提案したのでございます。
#29
○加藤(陽)委員 その千五百円をきめるときの基礎になった数字といいますか、これはどういうことなんですか。それを今度物価指数で考えて二千円にされたわけですね。千五百円というものはどういう根拠できまっておったのですか。
#30
○江藤政府委員 これは当初千円できめたものを、四十二年の段階でいろいろ物価指数等を考えて千五百円に上げたのでございますが、そもそもこの当初の千円なるものの性格というものがどういうものであるかということは、先生も十分御承知と思いますが、これは必ずしも給与的なものでなくして、精神的なつながりを十分に持つという意味の手当という性格のもので、あまりそれ以上の給与的な性格は持っていないという面からしまして、千五百円から二千円に改めますのは、これはあくまで大部分は物価指数の係数でいっておる。ごく一部、事務的ですが二割程度のベースアップの係数を利用しておるということで、二千円という数字を算出いたしました。
#31
○加藤(陽)委員 私が知っていると言われるのだけれども、私は八年前にやめてしまって、だいぶ昔のことだから忘れたのですが、あの当時、最初にきめたときには、二等陸士の日給の何日分とかというような根拠できめたと思うのですよ。ですから、こういうきめ方がいいのか悪いのか、私、いまでも疑問に思っているのですが、やはり自衛隊の隊員の給与との比較において、これぐらいがいいのだというくらいの理屈はあったのだろうと思って私はお聞きしたのですが、全然ない。いままでのを基礎にして、ただ物価の上がる分だけ上げていった、こういうことなんですね。
#32
○江藤政府委員 今回の千五百円を二千円にしましたのは、御指摘のように物価指数だけで考えたのでございますが、ただ、こういうような手当を毎月二千円というようなことははたして妥当かどうかということにつきましては、現在再検討いたしております。と申しますのは、ただ二千円だけ送金する、四半期に一回送金する、そして年に一度の訓練をするということでやってきておる予備自衛官というものは、十分に防衛庁とのつながりを常に維持し、あるいは練度の保持をはかっていく上において適当であるかどうか。一面、隊友会の活動にも関係いたしますけれども、何とかしてこの予備自衛官をもう少しがっちり把握すべきではないかという意味におきまして、できれば手当以外の面で、何らかの教養資料を配付するとか、あるいはたとえば朝雲新聞を毎号送るとかいうようなことによりまして、もう少し精神的な連係を持ちつつ、しかも訓練の際には実地訓練に徹底するような、精神教育をやらないで済むような、そういう方向で少し検討し直してみたい。それで、できれば来年度予算にこれを計上いたしたい。また、欠員もかなり多いことでございますので、予備自衛官の把握というものはもう少ししっかりすべきではなかろうかということで、とりあえずこの千五百円を二千円に上げる改善案を提案いたしましたが、今後さらにもう少し違った角度から検討してみたいと思っております。
#33
○加藤(陽)委員 私は賛成ですな。これは千五百円を二千円に上げることよりか、いまあなたがおっしゃったように、朝雲新聞を毎号送ってやるとか、あるいは公の行事等に呼んでやるとか、もっとやはり精神的なつながりをつけるというほうが――二千円にして悪いということじゃないのですよ、上げてもいいけれども、もっと大事じゃないかという気がいたしますね。ぜひそういう方向で御検討願いたいと思います。
 その次にお伺いいたしたいことは、この間衆議院で国家公務員災害補償法の公務災害補償の給与改正案を議決して、参議院で審議になっていると思いますが、あれは当然給与法で防衛庁の職員にも準用になるんだと思うのです。どういうふうに準用しようとお考えになっていますか、お聞かせを願いたい。
#34
○江藤政府委員 防衛庁職員給与法の二十七条におきまして、防衛庁の場合は国家公務員災害補償法を全面的に準用いたしております。そこでその場合に、一般職の国家公務員災害補償法で「人事院規則」とあるのは「政令」というふうに読みかえております。そこで、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案の二十条の二を今回追加するわけでございますが、その中に「警察官、海上保安官その他職務内容の特殊な職員で人事院規則で定めるもの」となっておりますが、これを「政令で定めるもの」というふうに私のほうは給与法で当然なるわけでございますが、そこで防衛庁の場合は、新しく政令を設けまして、大体いま考えておりますのは、これは自衛官とする、シビリアンは入れないというふうに思っているわけであります。
 それから、その次に具体的な事例が載っております。「犯罪の捜査、被疑者の逮捕、犯罪の制止、天災時における人命の救助その他の人事院規則で定める職務に従事し」、この場合の人事院規則というものを私どもまた政令でうたいまして、いま考えられている案としましては、災害出動した場合における事故、第二点は領空侵犯の場合の事故、第三点は自衛隊の持っておる武器あるいは施設等に対する防護の際の事故、第四点は「犯罪の捜査、犯人若しくは被疑者の逮捕若しくは護送又は犯罪の制止」、これは主として警務官でございますが、警務官以外にも、この前の朝霞事件のような場合には、この項あるいはその前の項を両方あわせて使えると思います。それから第五番目に「機雷、不発弾その他危険物の除去又は処理」という、この五つの点を政令でうたいたい。これはおおむね関係方面と協議が整っております。
 そのほか、あとのほうに加算する率等を人事院規則で定めますが、これは当然私のほうの政令で人事院規則と全く同じものをうたいたいというふうに考えております。
#35
○加藤(陽)委員 たいへんけっこうなんです。利、警務官だけに限られては困るというつもりでお伺いしたわけです。ことに、私は災害の場合のことを考えておったのだが、いまおっしゃった、機雷の除去とか、あるいは領空侵犯の場合の措置とか、それらはぜひ入れていただくようにお願いをしたい、こう思うのであります。
 その次に、ちょっと問題は変わりますが、この前ここで、同僚の和田委員から反戦自衛官のことについて二回お尋ねがございました。あの当時は法務省の刑事局長も来ておられまして、防衛庁のほうからまだはっきりした資料の提出がないので結論が出しにくいというふうなことを言っておられましたが、その後、防衛庁のほうでどういうふうに御調査なさっておりますか。いまその結果をお聞かせ願いたいと思います。
#36
○江藤政府委員 先般の、小西元三曹のリードによって三名の自衛官が自衛隊法違反の行為をいたしましたいわゆる反戦自衛官につきましては、自衛隊法六十一条にいう政治的行為に該当するのではないかということで警務隊のほうで捜査いたしております。遺憾ながら本人の居所が依然として不明であるということで、本人の供述が全然得られません。
 そこで、本人たちの行為がはたして政令の八十六条でいう「国又は地方公共団体の機関において決定した政策の実施を妨害すること」に該当するかどうかという点につきましては、この項目の解釈としては、実施を妨害するとしましても、あくまでも威力をもって組織的に、しかも計画的に、かつ継続的にやらなければこの規定の適用にはならないということになりますので、どうもその辺は本人の供述がないとはっきりつかめないということで、まだ結論が出ていないのでございます。
 また、この政令の八十七条でいう政治的行為の項には該当する項目が非常に多いわけでございますが、八十七条の政治的行為に入りましても、八十六条でいう政治的目的がなければ八十七条の適用はできませんので、そこで、この政令の八十六条に違反するかどうか、その前提がいま一番問題になっておる。そこへきて、何しろ彼らのこの前主張しましたスローガンとか、あるいは要求書というものが、その内容だけではきわめて抽象的な内容であって、かりに具体的なものがありましても、その間に一貫したものがないという面もありまして、しかも最近の裁判所の事例は、実害を伴わなければ、比較的に六十一条の政治的行為というものの解釈におきましては非常にきびしく考えておるという面からしますと、今回、自衛隊の場合にどれだけ実害があったかということになりますと非常にむずかしい問題でございます。もちろん自衛隊の威信を失墜したという点につきしては、これは懲戒免職にいたしたわけでございますが、それ以上の解釈をいたすとしますと、自衛隊法の規定は一般職の国家公務員の規定をそのまま使っておりますので、しかも一般職の解釈というものがもう非常に公知の事実になっておるという面からしましても、この自衛隊法の解釈から直ちに六十一条の規定に該当するかどうかということにつきましては、にわかに結論を出しにくいという状況にございます。
#37
○江崎国務大臣 この問題は、私、非常に遺憾な事態だと思っております。ただ問題は、自衛官の特質という見地からいって、当然政治的な行為ということで処罰対象になるべきものですが、いまのこの法の準用が一般職と同じ基準できめられておる。まあここに問題があるわけです。ですから、いま人事教育局長が申しましたのは、その法的な意味の説明をしておりまするが、将来、はたして自衛官たるものがこういうことで一般職並みでいいかどうか、この疑問が残るというふうに考えております。したがってこの問題は、部内の問題としましてひとつ慎重に検討をして、改める必要があればやはり改めていかなければならぬというふうに考えております。その問題については、しばらく時間をおかし願いたいと思います。
#38
○加藤(陽)委員 ことしの初め以来、防衛庁の問題でいろいろありましたけれども、私はこれぐらい重大な問題はないと思うのですね。言うまでもないことでありますが、これは昔名将モルトケが言ったといわれるのですが、規律のない軍隊は有事の場合には役に立たない、のみならず平時の場合においては、かえって国民にとっては有害無益な存在であるということであります。ほんとうにそうだと思いますね。そういうような自衛官の出るような自衛隊というものは、これは国民は信頼しませんよ。しかもそれに対して、法律の不備なら不備でしかるべき手を打たなきゃいけないと思う。しかし、私はどう考えても今日、自衛隊法の適用ができないと思えないのですがね。いま人事教育局長のおっしゃったのは人事院規則の十四の七のことだと思うんです。これが組織的、計画的であることにおいてどういう点に問題がありますか。事前に新聞記者会見をしてやっておるわけですね。それから各部隊の者が事前に連携をとってやっているわけですね。どういうところに問題があるでしょう。
#39
○江藤政府委員 今回の事件は、たまたまと申しますか、五名が小西三曹の扇動に乗ってやっておるわけでございますが、具体的に組織的、計画的または継続的にやるということは、これはあくまで政府の決定した政策の実施を妨害するということでなければなりませんので、はたして今回のものは政策の実施を妨害したということになるかどうかという点が問題になろうかと思います。
#40
○加藤(陽)委員 しかし、要求項目には明瞭に「われわれは、侵略のせん兵とならない。沖繩派兵を即時中止せよ」、こう言っていますね。「立川基地への治安配備を直ちにやめよ」、こういうことを言っているわけですね。これが妨害でないということはおかしいんじゃないですか。
#41
○江藤政府委員 政府の政策を批判するとか、あるいは政府の政策に対して反対の意見を述べるという程度では、この規定の適用は困難である。従来からの学説、判例等によりますと、そういうふうになっております。やはりあくまで実施を妨害する、しかもその実施を妨害したことが実際に実害があったという例が、たとえば沖繩への派遣がこれによってできなくなったというような何らかの事実がはっきりしたものがないと、その適用はかなり困難であるというふうに考えられるわけであります。
#42
○加藤(陽)委員 この法律の趣旨が、実害があったということを要件にしているとは私には思えません。防衛庁はそういうふうな規定の解釈がありましても、防衛庁というものの性格から、一般職と同じようなことで解釈しなければならないということは私はないと思うのです。防衛庁は防衛庁なりの判断をしてこれは検察庁に送るべきではないですか。これは長官いかがでしょうか。
#43
○江崎国務大臣 私は、御指摘のような方向で検討しなければならぬと思っております。ただ、いま一般職並みに現在なっておるということでありますから、人事教育局長は非常に慎重な態度でおるわけですが、やはりこれは自衛官といった特殊性からいって、もちろん基本的人権に関する言論の自由の問題とかいろいろありましょうが、当然この自衛官としていろいろいま御指摘のような疑惑があるわけですから、なおこの上とも検討して措置をしたいと考えております。
#44
○加藤(陽)委員 繰り返して申し上げるようで恐縮ですけれども、私はいつまでも調査をしているということで済まされる問題ではないと思うのです。私はいまの法律で起訴できると思うのですがね。やってみてできなかったら、これは法律改正でも何でもしてもらわなければならない。こんな自衛隊を国民は信頼できませんよ。これはぜひひとつ、いま長官のおっしゃったような方向で防衛庁を指導していただきたい、よくお願いを申し上げておきます。
#45
○江崎国務大臣 これはもう御指摘のとおりだと思います。要するに国民が納得するかどうか、ここが重要なところで、防衛庁としては、そういう面を十分考慮しながら事に当たりませんと本来を誤る。重要だと思います。至急結論を得るようにいたしたい。
#46
○加藤(陽)委員 最近特に新聞が取り上げたのかどうか知りませんが、新聞を読んでいて私どうも気になることばかりあるのです。五月の二十五日の朝日新聞を見ておりましたら、陸上自衛隊練馬駐とん地の飯島陸士長ですか、強盗傷人、公務執行妨害の疑いで逮捕されたとありますね。これはどういうことなんですか。事実をまずお示し願いたいと思います。
#47
○江藤政府委員 飯島一利の犯行の事実は新聞に出ているとおりでございます。五月二十日の午後十時三十分ごろ、中野区の東中野一丁目の民家に侵入し、家人を縛り上げて、同家の主婦に対して暴行を加え、さらに現金三千円を奪い取って逃走しております。五月二十二日に午後五時三十分ごろ、中野区の東中野二丁目の民家に侵入し、ナイフを持って同家の主婦を脅迫の上、この主婦に対し暴行を加え、現金四千円を奪い逃走しております。それから五月二十四日午後十時五十分ごろ、中野区東中野路上におきまして警戒中の警察官に職務質問を受けた際逃走をはかり、逮捕されて、これに抵抗して格闘をはかり、その際警察官に傷害を負わしております。これは新聞に出ておるとおりでございまして、私のほうとしましては五月二十五日付で懲戒免職にいたしておりますが、これらの犯行を犯しました五月二十日、二十二日、二十四日、いずれも外出許可を受けて外出をいたしておりますので、その点は、私のほうとして隊員確保に不十分な点があったかもしれませんけれども、一応手続はとっておるということでございます。
 そこで問題は、隊員募集の際の問題でございますが、よくいわれますけれども性癖と盗癖というものは一生直らないものである。したがって、隊員募集にあたっては性癖や盗癖のある人、そういう前歴のある者は絶対に採ってはいけない。これは部隊で精神教育しましてもいつかは必ず出るのであるということで、募集の際にはそういたしておりますけれども、少年犯でありますので、なかなかはっきり調査がつかめない場合がございまして、飯島という陸士長も、その後の調査によりますと、募集前にそのような性癖の面から犯罪を犯した事例もあるようでございまして、今後募集の際には、特にその面につきまして十分調査しまして、そのような者は入れないようにいたしたいと考えております。
#48
○加藤(陽)委員 募集の際の調査ももちろん大事だと思いますよ。だけれども、私、読んだ感じでは、飯島君というのは陸士長なんです。陸士長といえば、どう考えても一年以上自衛隊に在隊しておるはずですよ。在隊しておる間に本人について不審といいますか、これはちょっと注意しなければいかぬなというふうなことはわかっていなかったのでしょうか。
#49
○江藤政府委員 飯島陸士長は昭和四十四年の十一月に入隊いたしておりますので、すでに二年半余りになっておるわけでございます。二年半以内に陸士長まで行ったということは相当成績がよかったのではないか。入ってからは五級賞詞ももらっておりますし、精勤章ももらっておりますし、性格も温厚というような点で比較的勤務成績がよくて昇進も早かったという面からしますと、どうもこのあたり、二年半余りたちまして昔の癖が出てきたというふうなものではなかろうかという感じがいたします。この前の反戦自衛官にしましても、朝霞事件の共犯者にしましても、比較的成績のいい者が急に変身するというような現象が多発いたしております。この点につきましては、今後の人事管理につきまして相当検討しなければならないのじゃないかというふうに考えております。
#50
○加藤(陽)委員 いまのお話を聞いておりますと、なかなか人事管理はむずかしいと思うのですよ。この前、内務班の生活の問題についてお尋ねしたことがありますが、もう警察予備隊から二十年たっているのですから、二十年たってなおかつ人事管理がこのようなことだということは、どこかに足りない点があるのじゃないでしょうか。初めの五年、十年ならまだということがありますけれども。ぜひともこの上御協力をお願いしたいと思うのであります。
 その次に、これも本法案とは関連がないのですが、五月の二十六日に、新潟港でしゅんせつ船が触雷して四十数人の死傷者が出たという事件がありました。非常に心を痛めておるのですけれども、これについてきのうの新聞を見ますと、運輸省のほうで何か御指導になるような通達を出されたということでありますが、どういう通達をお出しになったのか、まず運輸省のほうからお聞きしたいと思います。
#51
○久田説明員 お答え申し上げます。
 残存機雷の対処につきましては、昭和四十年来、関係各省集まりましていろいろ相談してまいりました。四十五年度に一度、残存機雷の問題につきましての関係各省連絡会議の結論を出しまして、対処方針を出しております。これに基づきましていままでやっておったわけでございますけれども、まことに不幸にも今回先生御指摘のような事故が起こりました。その善後策につきまして関係省庁と今後いろいろ御相談してまいりたいと思っておりますが、当面、港湾工事の実施の責任者といたしまして、とりあえず運輸省限りで措置できます範囲内の運用の強化と申しますか、そういう面につきまして、昨日付で運輸省港湾局長の通達を出したわけでございます。
  〔委員長退席、山口(敏)委員長代理着席〕
 その内容は三つございまして、一つは、いままで四十五年の関係省庁連絡会議の申し合わせによります通達でやってまいりました磁気探査の処置結果、これがはたして適切であったかどうか、通達どおり磁気探査が確実にやられておったかどうかという点につきまして至急再検討を実施しろ、そして安全を確認しなさい、こういうことを一つ指示しております。
 それから二番目といたしまして、在来は維持しゅんせつあるいは埋没しゅんせつというような場合には、同じようなところを同じ深さまで掘り下げる工事でございますので、磁気探査等は省略することができるというふうな運用でやっておったわけでございますけれども、この点は、今回の事故が埋没しゅんせつの場所でございましたので、今回の事故の原因は別といたしまして、一応維持しゅんせつ全般につきまして磁気探査を今後は実施いたすようにしろ、こういう点を指示しております。
 もう一点、最後に磁気探査のやり方でございますけれども、在来は、最初に工事着手前に磁気探査をやりまして、異常が発見されますと、潜水夫を入れまして潜水探査を実施いたします。その結果、異常を起こしました物品、鉄片あるいは砲弾、場合によれば機雷等がございますが、そういう異常物品を取り除きまして、それで工事をやっておったわけでございますけれども、今度の通達では、異常物品を取り除きましたあと、さらにもう一度安全であるかどうかを確認するための所要の措置をとれ、こういうふうに指示をいたしております。
#52
○加藤(陽)委員 運輸省の御指導方針、よくわかりました。それでいいと思うのですが、これは実際いま防衛庁のほうで掃海をやっていらっしゃるのですが、どのくらいまだ処理すべき機雷が残っておるというふうにお考えでしょうか。
#53
○久保政府委員 戦時中に米軍によって敷設されました機雷の数は約一万一千個であります。これは米側の資料に基づいたものでありますが、その中で約六千個ばかりはすでに掃海済みであります。したがいまして、五千百個ばかりが残っているのではなかろうかというふうに思われております。そこで、これは数字の上で約五千個でありますが、現実には、たとえば陸上に落ちたり、あるいは予定海域以外に落ちて流れ去ったものやら、ということでありますから、この数字と現実に埋没されているものとは必ずしも合っているかどうかわかりませんが、おおよそそれに近い数字が埋没されているであろうということが言えます。
 それから一般的な掃海については、これは埋没されているもの以外でありますけれども、これについては、危険海域のうちの九三%が掃海されている。残りのものは、非常に浅いところで、しかも、たとえばノリの栽培が行なわれたり、あるいは漁船などが出入するような小さな港湾、そういったところで、掃海の期間が与えられない、地元の了解が得られないというようなところでありますとか、船の出入りがほとんどないところ、そういうようなところが七%というところで残っておりますが、いずれにせよ浅海面については、地元の了解を得次第掃海が進められ、埋没については、自衛隊のほうで能力がありませんので、いま運輸省が申されましたように、四十五年の各省の共同方針に基づいて関係各省がそれぞれ指導をし、問題が起これば海上自衛隊が処理をしているというのが現状であります。
#54
○江崎国務大臣 ちょっと補足しますと、今度の場合は重大な問題ですから、私どもも至急調査したわけです。一〇〇%掃海済みの海域、これはそういう港なんです。そこに問題があるわけですが、防衛庁としては一〇〇%掃海を終わっておる。これは御承知のとおり、航行に支障を来たさない程度の掃海、これをもって一〇〇%としておるわけです。古いものは埋没しておるうちに機器が腐って能力がなくなり、炸裂力だけが残っておる。それで四十五年の関係各省の連絡におきまして、総理府総務長官から、しゅんせつをしたり、いわゆる土中をかき回すような作業をする場合にはあらかじめ磁気探査をしろ。その磁気探査の機器を持っておるのは日本じゅうに一社しかないというのですから、いかに今回のことが例外中の例外か。それよりももっと例外的だったのは、あそこは信濃川の流域、しかもいろいろな川が流れ込んできておるというわけで、常に土砂が堆積して、これをしゅんせつしておる。いつも掘っておるところですから磁気探査を省略した。そこでしゅんせつ船がカッターを引きずって、そのカッターの頭が古い機雷をたたいた。機器はむろん腐食しておったでありましょうが、炸裂力が残っておってああいう大事に至った、こういう調査結果を私どもも報告として聞いておるわけであります。したがって参議院等においても、一体なぜ防衛庁も磁気探査の機器を持たないのかというお話もありましたが、これは結果論でありまして、例外中の例外にしろこういうことが起こって、どうしても防衛庁がそういう埋没したものまで処置するということになるなら、これはおのずと別の問題として用意をしなければならぬだろう。したがいまして、これまた、四十五年の関係各省庁の連絡の線に沿って、新たな事態ということでなお関係各省で協議をし今後に備えるべきであるという結論で、いま鋭意事務的な作業を進めておるというのが現況であり、これはいま運輸省からもお答えをしたとおりであります。したがって、いかにも例外のことがここでは起こったというふうでありますが、今後こういうことのないように、私どもにおいても、地元から依頼があればすみやかに処置するという方向でひとつ努力をしてまいりたいと思っております。
#55
○加藤(陽)委員 それで伺いますが、私の記憶では、米軍が機雷をどことどこに敷設したかという書類というか、防衛庁に残していったようなもので、今度の場合の事故を起こしたところは地図でどうなっておったかということをちょっとお伺いしたい。米軍が残した、こことここに敷設しましたという、それは流れや何かで変わることもありましょうけれども、大体の見当は、浅瀬でもって落としたことになっておったかどうか。
#56
○久保政府委員 私もその図面のことはかつて聞いたことがありますが、今日ちょっと照合しておりませんでしたので、私、存じておりません。
#57
○加藤(陽)委員 それはぜひ照合していただきたい。米軍の図面の中ですでに埋め立てられたところもあるだろうし、あるいはこれから埋よ立てするところもあるだろうと思うのです。海面航海路の安全は、私は自衛隊の掃海で確保できると思うのですが、今後は工事を進めるについてそういう問題が起こってくると思うのです。ぜひ御検討いただきたいと思います。
 以上をもって質問を終わります。
#58
○江藤政府委員 先ほどの予備自衛官の継続任用の問題でございますが、二年任期、三年任期という考え方はとっておりません。いわゆる一年契約と申しますか、一年ごとに毎年毎年継続するかしないかということでやっておりまして、継続任用する率は、この三年間を平均しまして八六・九%という程度でありますが、継続任用になっております。ただ年数ごとのものは、あとでまた調査いたしまして御報告いたします。
#59
○加藤(陽)委員 予備自衛官は任期は二年じゃないですか。
#60
○江藤政府委員 さっき間違えましたので、失礼いたしました。任用期間は採用の日から起算して三年とするということになっております。
#61
○加藤(陽)委員 いまの答弁は全然違うじゃないですか。毎年毎年継続任用しているという前のほうを直してもらいたい。
  〔山口(敏)委員長代理退席、加藤(陽)委員長代理着席〕
#62
○加藤(陽)委員長代理 伊藤君。
#63
○伊藤(惣)委員 防衛庁長官に伺いますが、きのうの参議院内閣委員会において、あなたは四次防について構想の一端を明らかにしたように報道で私たちは知ったわけであります。そこでこの問題について、報道で知る限りはたいへん重要な意味を持つ発言かと思いますので、その幾つかについて質問したいと思います。
 まず第一にこの四次防の問題でありますが、簡単に、長官が防衛庁内でまとめたいろいろな問題があると思いますけれども、そういう構想について伺いたいと思います。
#64
○江崎国務大臣 きのう参議院の内閣委員会で申しましたことは、こちらの内閣委員会で、伊藤議員じゃなかったかと思いますがどなたかにもお答えをしたつもりでございます。同じようなことを申し上げたわけですが、どういう都合か非常に大きくきょう取り上げられております。これは国会がだんだん末期に来たということでございましょう。
 その意味は、とにかくこの内閣の責任において、昭和四十七年度を四次防の初年度とし四次防の大綱というものをすでに決定いたしております。四次防というものの策定の時期は大体八月末ごろ、そんなころになれば日本の経済の見通し等々についてもある程度の参考資料が得られるであろう。その時期がたまたま概算要求の時期でもありますので、大体そんなころ四次防の主要項目であるとか数字であるとかいうものを決定して、国防会議の議に供する、こういう予定で進んでまいったわけであります。
 ところが佐藤首相、総裁としての任期はまだ余しておられるわけであります。いっどういうふうになさるかということは、私もうかがい知る由もありませんが、もし巷間伝えられるように、内閣が早期退陣をするというようなことにでもなりました場合どうするか、こういう一つの仮定に立って、その場合は、この内閣において大綱をきめ、四十七年度を初年度とするという構想で事を進めてきておるので、できるならば、国会が終わりました段階でそういう事態が起これば、国防会議議員懇談会を開いて、四次防の策定について一体どうするのか、これをまず十分協議をしたい。しからば君は一体どういうふうに思うのか、こういう質問でありますので、私としては、今回大綱もきまり、しかも八月末という目標で進んでおる、おそらくこれは退陣表明の時期とかそういうことにも関係いたしましょうが、おおむね七月の末ごろまでは内閣があるのではないか、早くても中ごろまでは考えられるでしょう。そうだとすれば、一カ月の繰り上げというようなことにはなるが、先ごろ四十六年度の経済実績の早見通しというようなものが経企庁から発表されております。これは御承知のとおりですね。したがいまして、そういうものもあり、できれば現内閣の責任において処置をしていくことが妥当ではなかろうかと考えております。しかしそれは、いずれそういう時期がほんとうになった場合、あらためて国防会議議員に集まっていただいて、そして御協議を願って、具体的な作業にかかるなり、あるいは次の内閣に申し送るなり、まず根本的な態度をきめたい。
 これはもう、前回ここで申し上げたとおりのことを繰り返し申し上げたわけでありまして、特に事新しく私が格段のことを申したというわけではありません。ただ、冒頭に申しましたように、国会がだんだん会期末になってまいりましたので、やはり話題としてそのことがああいう新聞記事に取り上げられた、こういうふうに考えております。
#65
○伊藤(惣)委員 そうおっしゃいますが、だいぶ違うところがあるのですよ。というのは、あなたが表明した点は現内閣で決着をとおっしゃっておりますが、それは七月のある時期までは現内閣が続くという見通しに立って言われたのだと思いますが、実は総理は四次防については、はっきり申し上げまして、やる気がない、次期政権で策定すればよいではないか。これはもうだいぶ前から、自民党の中において、首脳会議においてそういう発言をしている。四次防の問題についてはきわめて関心がいまないわけであります。それを長官が現内閣で決定すると言われたので、これはやはり総理の発言を越えた長官の態度でありますから、きょうのような大きなニュースになった、私はそう思っております。
 そこで、策定については、たとえ二月七日ですか四次防の基本的な考え方が出たとしても、この予算、いわゆる金額が出なかったのはなぜか。これは毎回防衛構想については経済見通しを踏まえてやってきたという経緯があるわけであります。したがって、今回もその長期経済見通しというものはやはり八月の末ごろになるであろう、したがって事務的に言うならば、その以後でなければ四次防の策定はできない、こう言われてきたわけですね。しかし防衛庁としては、六月の中間的な長期見通しに基づいて、しかもあなたがおっしゃいますように、七月中に立ててきめていこう、こういうことになれば、これはやはりいままでと違った見解になろうかと思うわけです。
 そこで、構想というものについては、あなたがどういう答弁をなさったかわかりませんけれども、まず第一に、五兆二、三千億円ぐらいの規模になるだろう、こういうふうにもおっしゃっておりますが、これは中曽根長官がかつて五兆八千億円、それを少し修正して西村防衛庁長官が五千億程度減額するというような金額と全く同じなんですけれども、こういうような金額を想定した根拠というものは、長官どういうふうに考えて立てられたのか。
#66
○江崎国務大臣 順を追って御答弁申し上げますが、実は総理が四次防策定にあまり熱意がない、これは間違いでございます。先般、自民党の中曽根総務会長から私に電話がございまして、自分はこの江崎防衛庁長官の言っておる現在の構想でよかろうではないか、やはり内閣としては決着をつけて四次防に目鼻をつけるべきものではないかと、たまたま政府及び与党の連絡会議で総理に呼びかけた。そうしたら総理は、さあ、ぼくの手でできるだろうかねというような答弁であった。これは総理として熱意がないんじゃなくて、時間的な問題を考えながら確たる見通しを言われなかった、こういうふうに話を聞いておるわけであります。
 そこで、防衛庁としてどうするかということになりますと、やはりこの際決着をつけていくべきでなかろうかと思うわけです。しかしこれは、私が幾ら考えましても、国防会議の議員、メンバーが、その必要はない、総理が早期引退をするというような――これはあくまでも仮定の問題ですけれども、というようなことになって、次の内閣でいいではないかというような結論になれば、あえて強弁をしてこれを押し通すということにはならぬと思います。しかし、おそらく他の閣僚諸君も、大綱はきめた――われわれは手落ちはないという主張で来たわけでありますが、疑義を生じて議長の裁定になった、そして本年度予算においても凍結部分があるというようなことになりますと、やはりこれは現内閣の責任において決着をつけるべきではないか。それでは、六月の中旬以降の場面と八月の末という場面とで、経済を見通す環境というものがどの程度違うであろうかというような議論も出てきましょう。しかし、あくまでこの経済見通しという問題によほどのウエートを置いてもたれながらこの八月末の四次防主要項目等の策定ということになっておる関係もございますから、これはやはり経済閣僚の意見が相当大きく影響することは否定できぬと思います。したがいまして、いずれそういう場面が参りましたら――そういう場面というのは、総理が任期半ばにして勇退をするというようなことがあります場合は、あらためて国防会議議員懇談会というような形で会合を開き、経済閣僚の意見等々を十分徴して最終的にはきめたい、こういうわけであります。したがいまして、別に私が独走しようとか、また、そういうことができるものじゃありません。ここらにシビリアンコントロールの二重、三重のチェックがなされるゆえんもありましょうが、そういうわけですから手続上さして疑問点はない、こう思っておるわけでございます。
#67
○伊藤(惣)委員 ですから、あなたは七月中ごろまで現内閣があるということを想定して、その範囲内に、いままで総理が発言したように、いわば経済見通しが立たないその前にやるという考えは変わりない、そういうことですか。
#68
○江崎国務大臣 そうじゃございません。要するにやれるかやれないか、これは国防会議議員懇談会で十分議論しましょう、君はどう思うか、私はやっていただきたい、こういうことであって、私がやってもらいたいと言っても、いやそれは経済の見通し等々非常に困難だからちょっとむずかしい、やはり新しい内閣に決定はゆだねるべきだということになれば、これはそれに従わざるを得ないと思います。やはり担当省庁の責任者としましては、いろいろ問題があっただけに佐藤内閣時代に決着をつけてもらうことが望ましい、こういうことを申したわけでありまして、別に従来の態度と何ら変わったわけではありません。何が何でもと言っておるわけではありませんので、そのあたりはきわめて流動的であります。
#69
○伊藤(惣)委員 長官、私はそれをきびしく追及するなんという考えはないのですから、あなたの考えを率直に言っていいと思うんですよ。そこでまたそう言われますと、それじゃやはり総理が言ったように、次まで待つのかということになりますね。われわれとすれば、長官が言っておることは、現内閣でやる、総理は次期政権でいい。しかも次期政権でいいということは、事務的にいってこれは無理なんだから、それまで時期を延ばす、八月後半になってもいいという考えが暗にやはりあると思うんです。ですからどっちにウエートを置いて長官は考えておるのか。私はその辺は、総理がどう考えようと、責任省庁の大臣であるあなたが、先ほどのような凍結の問題なんかの心配があるならば、前向きな態度を表明しておく必要がある、そう思うのです。
#70
○江崎国務大臣 総理は次期内閣でいいと言ったわけじゃないのです。私の手でできるかなと言った、こういうんですね。これは直接問答をした中曽根元防衛庁長官、いまの総務会長の話ですから、それが正しいと思います。したがいまして、あなたの時代にできますよ、こう申し上げようと思っておるわけであります。
#71
○伊藤(惣)委員 わかりました。そうしますと、総理が考えておることはあなたの考え方と変わりない、そうおっしゃるわけですね。
 時期の問題についてなら、さほどわれわれは思わないわけでありますけれども、五兆二、三千億円でいい、こうおっしゃったわけですね。この根拠はどうなんですか。
#72
○江崎国務大臣 これは、今度四十六年度の経済成長の実質、名目成長率等々をながめまして、これを従来の比率で積算してみますと、どうも五カ年計画の総計が五兆二千億から三千億あたりに来そうだということでございまして、これにきめたわけではございません。
 それから、当然、上限、下限をきめるような作業ということも考慮される。現実の数字の張りつけといいますか、数字決定にあたっては、上限が幾ら、下限が幾らといったようなことも弾力的に考えていかなければならないかと思いますし、その程度のことを申し上げたわけで、まだこれ朝から晩まで国会寧日いとまなしというかっこうですから、具体的な検討に入っておるわけではありません。事務的には数年前から防衛局長を中心に進めておりますので、ある程度の根拠はあるわけですが、最終的に経済の見通し等のかね合いをどう決着つけるかという点はこれからの作業でございます。
#73
○伊藤(惣)委員 要するに根拠はまだあいまいなわけですね。長期経済見通しというものを考えますと、これからは相当落ち込むわけですよね。ですから、いままでの高度経済成長というような見通しの中に立てば、中曽根さんが言ったような五兆八千億くらいのことも考えられましたけれども、円の切り上げであるとか、最近の公害の問題、あるいはまた最近の輸出の状況、いろいろなことから考えまして、必ずしもいままでのような経済見通しが立てられない、相当落ち込むであろう。防衛費としても、やはりそれに比例する金額の規模も当然出てくるのではないか、実はそう国民は思っているわけです。それから前西村長官も、同じように五兆二、三千億円であるというふうになりますと、やはりこれまたあまり変わっていないということから、いろいろこの根拠は何をもって考えたのかということになるわけです。
 ですから私は、事務的にその根拠がなかなか立てにくいというのであるならば、やはりこれは時期を見て、五カ年計画でもありますし、さらにはまた十カ年にも影響を与える重要な構想でありますので、そんなにあわてて言う必要はない、こう思うのです。根拠があいまいなのに言いますから、大きなニュースとして報道されるわけですよ。
 そこで、そのほかの構想ですが、何か正面兵力を立てて後方体制を確立するとか、いろいろなことをおっしゃっていますけれども、特に長官が防衛庁長官になって、現在の世界の軍事情勢、または極東の情勢、こういうものをどう分析して、どのような戦略見積もりを考えておるのか。これはわれわれから見ればきわめて関心のあるところなんですね。ですから、五兆二、三千億円が一つの予算の規模と考えるならば、ほかの地域はどのような考え方が長官としてあるのか、その点もあわせて答弁願いたいと思います。
#74
○江崎国務大臣 中曽根原案は白紙になりました。したがって、その原案から正面兵力を中心に五千億程度を減額しようという西村案も白紙に戻ったわけですね。私がさっき申し上げましたのは、四十六年度の経済成長率、これは早期計算といっておりますが、あの数字などを参考にしながら防衛庁の経理局で積算をいたしますると、やはり五兆二千億から三千億程度というものが、従来の比率をかけますと出てくる、そういうようなことを申したわけで、これとても厳密な計算をしたわけのものではありません。大づかみな話です。ですから、これは西村構想と似たような数字になるわけですが、積算根拠はおのずから別になる。こういうことは誤解があるといけませんから、念のために申し上げておきます。
 それから、いまの国際情勢をどう分析するか。くどい話は差し控えますが、確かに極東の緊張という面では、緩和の方向に向かったとことは否定できないと思います。これがいつも申し上げるように、平和という姿で定着するのにはもっと時間もかかりましょう。しかし米中会談も行なわれ、封じ込められておった中国大陸が国連に正規のメンバーという形で登場した。一方では米ソの会談が行なわれて、両方が世界平和のために協力をし合おうという合意を得た。しかも、日本には直接的な影響はないというものの、核戦略兵器等々の制限も話し合った。少なくともこれは、平和を愛好し平和を追求しておる日本としては、好ましい形が現実としてあらわれつつあります。しかも、日本が非核三原則をとっておりまするたてまえからいっても、核戦争、しかも東西の対立というようなものが緩和しておるということは、非常に望ましいことだと思います。ただ、世界の情勢に左右されて、いまの日本の自衛隊の防衛計画というものがいろいろ議論されるというほどのところまで、自衛隊の装備はいっておりません。まだ補備充実を必要とし、更新を必要とする充実段階であります。建設段階であります。
 こういうことで従来説明をしておりますから、極東の情勢がだんだん平和的な方向に向いておるからどうするのかとおっしゃられますると、それはにわかに直接的に影響を与えるものではありませんというお答えを申し上げることになります。しかし、五カ年間の計画でありまするから、安定状況、緊張緩和の方向、これは望ましいことで、そういうことであれば、当然この五カ年の計画の中には、そういったものの考え方というものも配慮していくことは必要である。そうするとどういうことにするのか。これは総額においては変わりませんが、その充実を、正面兵力の充実補備、更新ということはもちろん大事でありまするが、従来、自衛隊の装備というものを充実させることに非常に急なあまり、なおざりにされておった後方の整備体制というものがもう少し充実されていいのではないか、これまで怠っておった面をカバーされていいのではないか、こういうことを私は率直に思っております。これはいつも防衛局長に話しておるところでありまして、そういった面は考慮をする必要があるのではないか、こういうことをきのう申し上げた、それ以上のことを特に申したことはございません。
#75
○伊藤(惣)委員 そこまでおっしゃるのですから、もっと具体的な幾つかの検討する資料がやはり相当あるだろうと私は思うのです。ですから久保局長からも少し聞きたいと思いますけれども、特に私は、久保さんがきのう答弁された中で、私見とおっしゃった発言、これをきわめて重大に思っておるわけです。あなたは自主防衛力増強の構想の中で特に問題となる防衛力の限界についてこうおっしゃっていますね。「自衛官の定員は三十万人体制とし、平時編成は政令で定員より少ない実人員を決め、教育、訓練部隊として訓練し、脅威が迫ってくれば定員のワクまでふやすようにすることが望ましい」、こういう発言をなさっていらっしゃいますけれども、あなたのおっしゃったことを私は報道で知ったわけでありますから、あなたの構想についてもう少しお伺いしたいと思うのです。
#76
○久保政府委員 私が申し上げましたのは、防衛庁長官と質問者の間で防衛力の限界についての質疑応答がかわされておったわけであります。その中で、防衛力、特に人員について考えることはないかという御質問でもありましたので申し上げたわけでありますが、防衛力の限界については、従来の歴代の長官が申されております。それに加えて人員の面でも上限というものを考えてよろしいのではなかろうかという感じがしておるわけで、その際に、たとえば防衛力は艦艇とか航空機とかどんどんふえてきますけれども、人員の面で歯どめをするという意味で、自衛官の総数をたとえば三十万。これを多いと言う人もいましょうし、少ないと言う人もいましょうから、内容についてはまた別途検討しなければなりますまいが、一応防衛力の限界として、人員の面でたとえば三十万という設定をしまして、その数字を平時においてはこえることはないというような数字を設けて考えることも一つの見方ではなかろうか。これは四次防ということではございません。将来の防衛力の限界という意味でございます。
 その場合に、それでは平時はどうするかと言いますと、それは当然予算もありまするし、あるいはその数字を政令できめるということもありましょうし、この点については、平時ということばが適当かどうかはちょっと検討させていただきたいと思いますけれども、常態における防衛力のあり方、陸、海、空の各部隊のあり方、あるいは人員充足の問題、それから装備充足の問題、そういうことをにらみ合わせて平素はどういう範囲で人員を定めるか、これを一応別個の問題として考えてみるというのも一つの考え方ではなかろうかということで、御質問に応じてお答えしたわけであります。
#77
○伊藤(惣)委員 私、久保さんという人は非常にハト派で、防衛庁長官も、なる前はたいへんなハト派だったと思うのですが、たまたまだいぶタカ派のような発言をされるので、ちょいちょい食いつきたくなるときがあるのですけれども、久保局長についても同じことが言えると私は思うのです。というのは、いままでの体制はどうかと言いますと、いわば十八万体制は有事即応の体制でしょう。だけれども、わざわざあなたは、平時において、そう前提を置いて三十万とおっしゃった。だからこれはたいへんなタカ派の発言だと私は思ったわけです。しかも、私見とおっしゃっても、国会答弁を局長ということでされれば、これは私見じゃないですよ。公式な場における発言ですよ。これはそのまま率直にわれわれは受け取りますし、私見とおっしゃっても、やはりこれは私見とは思わない。
 私、ここで思い出しますことは、元防衛庁長官中曽根さんを引き合いに出して申しわけないのですけれども、あの人はちょいちょい思い切った発言をその場の委員会でおっしゃった。ずいぶん私たちもびっくりしまして、いまでも発言録を中曽根語録としてこんなに持っておりますけれども。要するに、私見だが、個人的な見解だ、こうおっしゃる。しかし、そのことはそのまま防衛庁長官の発言として、きわめて防衛庁の内部において混乱があったことは私もよく知っております。だからあなたも、私見として、こういうふうにおっしゃったことについて、私見というよりも真剣に内部で検討されているのじゃないか。しかもこれは政令で人員をきめるということですね。国民の立場から見ますと、この防衛二法を通して、防衛庁設置法を通して国防について議論をして、きわめて時間が短いけれども、この中で、防衛庁のあり方、自衛隊の今後の増強計画、自衛力の限界、またいろいろな防衛問題について議論されてきたわけですよ。どうもこれを見ますと、政令でなんて、こういうことも実は私はたいへん重大な発言をしているというふうに思っているのですけれども、長官、これはあなたも一緒にいらっしゃったのですからわかると思いますが、この真意はほんとうにこのとおりなんですか。それとも、あるいはまた久保局長のほんとうの個人的な見解で、そんなことはいま防衛庁としては考えていないということなのかどうか。その辺、どうなんですか。
#78
○江崎国務大臣 久保局長自身が先ほどお答えを申し上げたとおりで、やりとりの間でいわゆる防衛力の限界というものの議論から始まったわけです。いま際限なく人数をふやしていくのだが、大体どれぐらいが適当と思うか、どんなものか。いま確たる根拠をもって申し上げるわけではないが、あえて私見を言うならばということで、その程度のことが考えられるのではないでしょうかというふうの、腰だめ的な発言であるというふうに考えております。いま防衛庁において、直ちにそうしょうということを計画しておるわけではありません。もちろん久保君自身においても、今後十分検討を経なければなりませんがという前提のもとに、たとえばというわけですから、これはやはり質問者の意向に従って、むしろ際限なく防衛力が伸びるということではなくて、大体このあたりにめどを置くのではなかろうかといったようなことを言ったものというふうに私ども考えております。これは本人からお聞きいただくといいと思いますが、防衛庁として責任をもって、そこまで充実し到達しなければならぬというものではありませんので、これは今後の検討題ということでお聞き取りいただけばたいへんけっこうだと思います。
#79
○伊藤(惣)委員 昨年からの防衛二法がいまだに参議院内閣委員会で通らないものですから、それでこれはいかぬ、こういうことは防がなくちゃならぬから政令でとおっしゃったのじゃないですか。そんなことはありませんか。ほんとうに真剣に政令ということを考えていられるのですか。
 もう一つ、あなたは私見とかなんとかおっしゃいましたけれども、平時における体制ですね。では、戦時においてはどんなことを考えているのか。洗いざらいきょうは全部発言してください。
#80
○久保政府委員 有事においてどうあるべきか、これはまだ考えておりません。ただ私がたとえば三十万と申しましたのは、いま長官が言われたそのとおりでありまして、防衛力の限界ということを実は私ども真剣に考えておるわけであります。歴代長官が言われたことは当然わかっておりますが、それは必ずしも具体的な数字にまで結びついてこない。たとえば海外派兵しないから何万人でよろしいということにならないわけでありますので、具体的に防衛力の限界を求める一つのものさしとして何を求めればよろしいかということをいろいろ考えておるわけで、たとえば、従来いわれていたことのほかに、土地を取得しにくいという、そういう問題もございます。たとえば、飛行場をふやそうとしても、飛行場はふえない。対空ミサイルをふやそうとしても、その土地はふえないというようなことからくる一つの限界もあろうと思います。事実上の限界。それから人員についても事実上の限界があります。そういった具体的な事実からして防衛力を押えていくということも考えられるのじゃないか、そういう発想に立って考えたわけでありまして、たとえば三十万がいいという意味で申し上げるわけじゃありません。ラウンドナンバーですから、たとえば三十万という数字を出したわけでございます。現在の自衛力は二十六万何がしでありますから、二十八万なら二十八万でもよろしいわけです。こういう点は、全体の人たちが真剣に考えてやってみることがいいのではないか。
 たとえば、私がこういう限界論として人の問題を出した場合に、質問者の方は好意的に受け取られた、伊藤議員はやや疑問を持たれたということで、こういう問題についていろいろと議論をされて、これはやはりだめだということになればおろせばいいわけでありますので、一つの考え方ではないかという意味で申し上げた次第であります。
#81
○伊藤(惣)委員 非常に柔軟な答弁なんですが、これは私たちから見ますと、ほんとうに真剣に自衛力の限界というものについて考えているというならば、人でなくて、もう少し最近の装備更新なんという面から考えましても、陸、海、空三軍の少なくとも装備とか兵器とか足が長いとか短いとかいうような、そういうような面から先に手をつけるべきではないか。自衛隊には仮想敵国はありませんけれども、侵略者からわが国を守るという場合に、私は自衛隊だけでやるべきではないと思うのですよ。やはりわれわれはわれわれのみずからの手で、時に応じては何にも知らない人も自分の命を守るために何かをしなければならぬときがある。そんな自衛力の限界について、人的に防衛庁がこれだけだなんと言うことは、私はその場面において言うならばともかくとして、なかなかむずかしい問題だと思うのです。
  〔加藤(陽)委員長代理退席、委員長着席〕
そう簡単に言える問題ではないと思います。それよりもむしろ、先ほど言ったように、他国を刺激しない、あるいはまた非核三原則に反しない、あるいはまた他国が脅威と感じないというようなことについてもっともっと検討し発言すべきものだと私は思う。
 ところで、この問題についてもう少し申し上げますけれども、ほんとうに政令でなんということは考えているのですか。
#82
○久保政府委員 これは、やるならば政令ということになるかもしれませんが、そこまで具体的に詰めたわけではありませんで、あくまでも防衛力の限界へどういうふうにアプローチしていくかというたてまえからの問題であります。したがって、たとえばいま御指摘になりましたような、他国に脅勲を与えるような方法とは何であるか、また装備とは何であるか、また自衛隊の平時の任務はどういうふうにとらえるべきか、長官がよく言われますような民生協力という面をどういうふうに伸ばしていくかという、総合的な観点で考えなければなりません。また私どもは考えようとしているわけでございます。ただ、昨日の御質問の場合には、人員の点はどうか、そこの点だけ御質問になりましたものですから、正直に私の頭の中にあることをお答えした、こういうことであります。
#83
○伊藤(惣)委員 頭になければ出なかったわけですよ。だから常時考えているわけですよ。そう言いたくなるわけですよ。だから私は、はっきり申し上げまして、この防衛問題については、私たちは、防衛庁設置法という法律の一部を改正するような中で議論することはどうも問題がある。ですから、シビリアンコントロールというものをいろいろな面から考えまして、やはり安全保障特別委員会のようなものをつくって十分に議論すべきだ。各省に関してそれぞれの委員会がありますが、設置法は全部内閣にかかります。だから、それと同じようにすればいいのではないか。防衛常任委員会ということについてはやはりちょっと野党間においても問題がありますから、まずはその特別委会というようなものをつくった中でこういう議論をすべきだ。いまでさえもまだ十分な議論ができていないのに、しかもまた三十万体制なんということは、四次防の策定の中でもし三十万体制にすると言っても、大問題になることですよ。それをあなたがおっしゃったということは、非常に私は問題の発言だと思っているわけです。しかも頭にあることをつい言ったのでしょうから、やはり内部で検討していることかと思うのです。
 じゃ、そういう点で、そういういままでの経過もあるでしょうから、長官からそれについて、私見ではなくて、長官として率直な御答弁を伺いたいと思います。
#84
○江崎国務大臣 これは久保君からも答えましたし、私からもお答えしたように、人的な面から一体どれぐらいだということを詰められたことによって、たとえばそんなことも考えられますという私見を申し上げたわけで、防衛庁としてこれを十分検討を加えた上のものではありません。したがって今後こういう問題は十分検討を加えていく重要な課題であるというふうに考えております。三十万体制にするのか、一体二十八万でいいのかどうかということは今後きめることである。これは本人がいまも申したとおりでございまするので、どうぞその辺はひとつ御了解を願います。
#85
○伊藤(惣)委員 もう少し具体的に向こうでは答弁していますよ。だから、そのことを聞きたかったのですが、要するに三十万体制というのは、陸、海、空を見た場合に、陸を十八万体制にして、十二万を海、空で分ける、こういうことですか。その構想をもう少し聞かしていただきたい。
#86
○江崎国務大臣 これはあくまでも私見を申し述べたわけですし、またここで繰り返して同じことを申し述べますと、ますますかたい何か一つの方向ということになりまするので、これはひとつ、数字、数字とこう詰め寄られて、さてと困った上で、たとえばと、こう私見を言うたというふうに御理解いただいて、なお今後の検討にひとつ残していただきたいと思いますが、この点は私からのお願いでございます。
#87
○伊藤(惣)委員 ちょっと不満を感じますね。ほかの委員には正直に中身を言いまして、私には検討さしていただきたい。私は、非常に率直明快にいつもおっしゃいますので、きょうは長官から聞けると思ったのですけれども、その辺、私見ついでに言ってくださいよ。それで、これはやはり四次防の構想の中で大問題になることなんです。ですから、われわれとしてもただ単に批判はできません。ほんとうにそうであるならば、真剣に検討しなければならぬ問題ですよ。ですから、いままでの防衛庁というのは、どうも国会においてはなるべく答弁を慎重に差し控えて、国会がなくなるとばあっとやってしまって、それであとはその次の国会までだいぶいろいろなことがありますね。その間に少しずつ修正しながら、また新しい国会においては、それはもうずいぶん前に言ったことでありますなんといって、いままでは言われてきた。私はやはり、一番大事なことは、こういう国会の中で、たとえいま言えばいろいろな問題として議論になるかもわからぬけれども、やはりこういうときにすべてのことを言って、そうして反応を見て、あるいはまた、だめだというような強い考えがあるならば、それも検討して、四次防作成の中に盛り込まないというぐらいの考え方を柔軟に持って、この防衛問題に対しては対処するのが正しいのではないかと思うのです。だから、長官そうおっしゃらずに、久保局長は答弁したくて手をあげたわけですから、ぜひとめないで答弁を伺いたい。
#88
○久保政府委員 私の場合は伊藤委員のおっしゃったケースと逆の場合のようでありまして、いつも問題を起こしているわけで、慎重にしないといけないと思っておりますが、いまただ三十万という数字にこだわっていただくと困るわけで、むしろエックス万ということにしまして、エックス万がどのようなものであるかを考えるべきではないかという提案なのであります。そのエックス万の場合にも、陸の十八万を変える意思はない。そうすると、平時といいますか、常態の場合における空、海のあり方がどうあるべきかということを十分に検討して、ある程度これは人員の募集も将来の見通しとして困難な面もありましょうから、エックス万という数字を一応固定的にきめてしまえば、空、海からの増勢の要求も押え得るというようなことが考えられるという意味で、あくまでも防衛力の限界として何を求めるべきか、その中に人員も入るのではなかろうかというアプローチのしかたであったわけであります。
#89
○伊藤(惣)委員 エックス万ということはイコール三十万ということになるわけですがね。要するに、このことについては、局長、答弁サービスするのはけっこうですけれども、参議院ではこういうことをつい最近ずいぶんおっしゃっていますね。われわれのところでは、こういうことを聞いてもなかなかおっしゃらない。ちょっとそこら辺のところを不満に思うわけですよ。だから向こうで言うならば、こちらでも同じように聞きたいということなんです。ですから、そういう私見で言うべきでないことは、これはそうでないということを明確にすべきだと思いますし、防衛庁長官が考えてもいないことを、私見だがとか、構想としてはとか、つい頭にあることがなんということになると、たてまえと本音は違うのではないか。実は本音がこれなんじゃないか。どうも、そう言えば国家行政組織法の中に自衛隊の定員を全部政令で行なうという項目がある。やっぱりそれがあったからここに来たんだということを私はすぐ思うわけです。これはますます国家行政組織法というものは通せないということになるわけです。ですから、そういうことについてはきわめて重要な発言でありますので、あまり刺激をさせないように、こういう答弁は慎んだほうがいいんじゃないかと私は思います。
 そこで、聞いておきたいことはたくさんありますけれども、私は自衛隊の問題について考えたときに、私たちはこう思うのです。安保体制の中に、極東における最前戦基地の中に自衛隊がどうしても組み込まれていく。安保条約第五条によって共同防衛がきめられ、そしてベトナム戦争についても、何らかの形でエスカレートすれば協力しなければならぬような方向に向いている。これは私は前から強く指摘していますし、また心配しています。そこで、私は現在のような自衛隊の行き方は賛成できにくい。やはり安保をなくし、そして日本の国を等距離完全中立というわれわれの考え方はありますけれども、必要最小限度自衛力を整備することが正しい、こういう考え方がわが党にはあるわけでありますけれども、私はこの自衛隊の問題についていろいろ考えてみますときに、皆さんの土俵に立って考えた場合でも、処遇改善が非常におくれていることです。持たせてもらう兵器や装備は実にりっぱなものを持たせますけれども、現在の処遇改善はなっていない。事故で死んでも、それからつい命令に従ったために事故死しても、その補償というものは実に低い。そして、どんなに全国の津々浦々まで自衛隊員募集のポスターを掲げても、なかなか定員どおりの人員が募集できない。私はこういったところをいろいろ考えたときに、人員をふやすとか、装備を寿命が来たから直すとかいう前に、現在までの処遇改善は悪いんだから、処遇改善にもっと力を入れるべきじゃないか、こう思うのですが、その点いかがですか。
#90
○江崎国務大臣 全く同感であります。そのことを私、先ほど申し上げたわけで、四次防の策定にあたっても、ほんとうに極東の平和というものが定着するまでには時間もかかりましょう、しかしいまにわかに戦争が起こる要因というものが考えられないというならば、そういうことによって左右される四次防ではないが、自衛隊の充実更新ではないが、しかし、正面兵力に重点を置き、その装備充実という点に重点を置いてきたものを、処遇改善とか、後方体制の整備とか、そういうものに目を向ける時期ではないかということは、検討する余地が大いにあるというふうに考えておるわけであります。あなたのおっしゃることはよくわかります。
#91
○伊藤(惣)委員 四次防の問題については、現在、T2であるとか、RF4Eファントムであるとか、C1であるとか、いま凍結されておりますね。これはどういうふうに考えていらっしゃいますか。いずれこの凍結を解いて、防衛計画の業務計画の中でどう消化していくのか、その考え方について伺っておきたい。
#92
○江崎国務大臣 これは議長裁定でああいう形で凍結されておるわけですが、四次防が正式に策定された暁においては、議長が判断をして解除する、こういう結論に承っておりますので、ぜひ解除をしていただきたい。これは四次防構想とは関係なく査定されたもので、従来の自衛隊装備の更新であるという見解に私どもは立っておりまするので、その更新の機種ということで推進してまいりたいというふうに思っております。
#93
○伊藤(惣)委員 要するに、一年はおくれるけれども、来年からの業務計画にはそれを消化していくということですか。
#94
○江崎国務大臣 数量的には今後の問題でございます。しかし、本年度の分については、できるだけ早い機会に解除をしていただいて、現実のものにしていきたい。その総数量をどう押えるかということは今後の検討でございます。
#95
○伊藤(惣)委員 その場合、契約やいろいろな問題がありますけれども、伝えられるところによりますと、物価指数や何かの関係があって、新機種が相当価格が上がるということをいわれておりますが、その点はどうなんですか。
#96
○江崎国務大臣 もともとが営利会社相手の話でありまするから、必ずそういう点についても要求してくることと思います。しかし、わがほうとしては、予算できめられた数字もあるわけですから、極力押えるようにして、装備局長等を中心に今後の折衝にまちたいと思います。
#97
○伊藤(惣)委員 それじゃ続いて伺いますが、現在、相模補給廠で、ベトナム戦争に使った戦車の修理であるとか、人員輸送車の修理であるとか、あるいはM48などの修理等が行なわれておりまして、非常に問題になっている。そして、そこに働く従業員は、ベトナム戦争に関する兵器の修理というものはやめたいというようなこともありまして、市長が動いたり、いろいろいま問題があるようでありますけれども、さきに発表になりました防衛庁の相模原のあの活動状況ですか、それから見ましても、たいへんな軍事基地であるというふうに私も感じておるわけですが、ところで、最近の状況について簡単に伺いたいと思います。――外務省、間もなく来るのですね。それじゃ、それについていろいろとまた伺いたいと思いまするが、もう少し待ちますから……。
 その前に、自衛隊にあります四十ミリの自走高射機関砲、M42という戦車がありますけれども、これはアメリカからMSA軍事協定によって取得したものでありますが、現在、それがいつ日本に入って、何両あって、どういうものか、御説明願いたいと思います。何ならこれ、借しますけれども、装備年鑑。
#98
○黒部政府委員 M42は、三十六年に二十二両入りまして、現在も二十二両ございます。
#99
○伊藤(惣)委員 何だか変な答弁ですね。M24の戦車は、昭和二十七年には二百三十四両米軍からもらって、二十九年には百八両、三十年には五十七両、そのうち一両は技術本部へ管理がえした。そうして三十一年は十七両、三十二年は二十六両、三十三年は三十三両、合計で四百七十四両いま自衛隊にある。これは私が防衛庁に頼んでこの資料をもらったでしょう。
#100
○黒部政府委員 先生ただいまおっしゃられた数字は、M24戦車でございます。M24のほうでございます。先ほど私が申し上げましたのは、M42のほうでございます。これは戦車ではないのですけれども……。
#101
○伊藤(惣)委員 だめだな。私はM42と、そのことを言ったのですよ。そうしたら、いま言った資料をよこしたのです。あわてないでください。M42と言ったですね。装備年鑑、私はあなたに渡したでしょう、間違っちゃいけないと思ったから。それはあなた方がつくった年鑑ですよ。
#102
○黒部政府委員 あるいは資料の提出が間違っていたかもしれませんが、M42は、四十ミリの自走高射機関砲のほうでございます。それから、先ほどの先生の数字のほうは、M24のほうの戦車でございます。
#103
○伊藤(惣)委員 要するに、軽戦車のやつだよ。M42のね。
#104
○黒部政府委員 軽戦車はM24……
#105
○伊藤(惣)委員 いや、私が言っているのは、M42の四十ミリ自走高射機関砲、そのことを言っているのですよ。
#106
○黒部政府委員 これは四十ミリの自走高射機関砲のほうは、三十六年に二十二入りまして、現在二十二保有してございます。
#107
○伊藤(惣)委員 三十六年ですか。
#108
○黒部政府委員 そのとおりでございます。
#109
○伊藤(惣)委員 装備年鑑には間違いありますか。
#110
○黒部政府委員 この装備年鑑のほうは、三十六年度から逐次、配備されておるというので、何か毎年毎年入ってきているような感じでございますけれども、供与を受けたのは三十六年に一回、それで二十二両でございます。あるいは何か部隊配備のほうと、そんなふうに混乱しておるかもしれませんですが……。
#111
○伊藤(惣)委員 相模原における米軍戦車の修理状況について御存じですか。これは実は外務省に言ってあるのですけれどもね。――なぜ私それを防衛庁に聞くかといいまますと、相模補給廠の使用状況について防衛庁がいろいろ見解を出しましたね。だから、当然私は調査しているんじゃないかと思うのですがね。――外務省の人ですか。
#112
○橘説明員 橘参事官でございます。
#113
○伊藤(惣)委員 じゃ、さっそくで恐縮ですが、相模原の車両の修理状況について簡単に伺いたいと思います。
#114
○橘説明員 相模原の総合補給廠で一九六五年以降に戦車と兵員輸送車などの修理と整備が行なわれております。米側の資料によりまして年度別に申し上げます。一九六五年には、輸送車両が十四両。一九六八年には、重車両――重車両と申しますのはM48のタンクを含む重車両でございますが、三十二両、それから輸送車両が百六十三両。それから翌六七年には、重車両が百両、輸送車両が二百九十六両。六八年には、重車両が百六両、輸送車両が四百八十九両。六九年には、重車両が七十七両、輸送車両が七百八十八。七〇年には、重車両が百二十一、輸送車両が千六十。七一年には、重車両が百二十、輸送車両が七百二十三。七二年、今年でございますが、現在までのところ、重車両が九十四、輸送車両が六百二十。以上が米側より得ました統計でございます。
#115
○伊藤(惣)委員 今年は重戦車九十四両、人員輸送車など六百二十両ということですが、これの種別はわかりますか。たとえばM48が幾つで、人員輸送車が何両でというようなことです。
#116
○橘説明員 車種の細分の数字については、ただいま私ども統計を得ておりません。
#117
○伊藤(惣)委員 防衛庁はつかんでおりますか。
#118
○平井説明員 防衛施設庁の立場としましては、施設、区域の中の運用面について詳細に把握しておりません。
#119
○伊藤(惣)委員 最近の相模補給廠をめぐる市民の不安、市長の申し入れ、それからそこを所管している防衛施設庁に対する住民からの要望はわかっているでしょう。どうなんですか。そういったことがわかったならば、やはりもう少し実態を調べて、基地を提供したんだから、中身のことについては一切関係ないというような、そんな態度でいることは問題だと思いますよ。わからなければわからないでけっこうです、私が申し上げますから。そのことについて調査もし、私は、これは問題だから指摘するわけですから申し上げたいと思います。
 この写真、これは初めて相模補給廠に入ったM42、四十ミリ自走高射機関砲のついた軽戦車です。これは詳しく申し上げますと、口径十二・七ミリ機関砲、またさらに七・六二ミリ機関砲がついております。それで六人乗り。これは現在ノースピアに百両あります。これは初めて修理するものです。そうして第一期の納入が七月一日、十一台緊急に修理をしろという命令が下っております。百台の軽戦車M42を、三台を一台に組み立てるわけです。こわれたM42の戦車を、いい部分をとって三台を一台にして再生する。八月、九月には合計三十六両、この修理については土曜、日曜も休まないで修理しろ、こういうふうにいわれております。その写真がこれです。
 なぜ私が先ほど防衛庁に聞いたかといいますと、これは三十六年に米軍からもらったものです。ところがベトナムヘも軍事援助で、米軍からベトナムに供与されている戦車なんです。ですからこの修理に関する命令というものは、マークをつけなくてもいいというのです。塗装せずに至急に輸送しろというのです。いままで国会において、私は幾つか相模原の問題でも追及してきましたけれども、ベトナム軍が自衛隊と同じように三十年代に供与されたその戦車、本来から言いますと、全部戦車というのはそうでありますが、どんなに急いでもちゃんとM48のマークがついておるわけです。長官これを見てください。これがM42。これが重戦車といわれるM48。しかもその命令書では塗装しなくてもいいというのですよ。戦車にマークのあるのとないのとあったわけですが、これは私たちが問題にしましたけれども、つい最近のことです。少しは米軍も反省して、そういうことはしないかと思ったら、そうじゃない。七月一日までに納めろといって、現在ノースピアに百両あるのです。初めて修理するのです。このM42という軽戦車はいままでやったことがないのです。
 それでは伺いますが、安保条約上、第三国の戦車を修理することはいいか悪いか、その見解を伺いたいのです。
#120
○高島政府委員 安保条約の規定によりますと、日本の提供する施設、区域を使って第三国の兵器を修理するということはできないたてまえになっております。
#121
○伊藤(惣)委員 これも実は長官、私たちにとれば命がけで取材したのです。これはやはり日本人の生命財産を守り、日本が戦争に巻き込まれないために、私たちはいままで皆さん方にいろいろなことを言ってきました。だけれども、いつの場合でも、先ほどの答弁でもありましたように、中でやっていることがわからない。何べん申し入れたってだめなんです。だから私たちはその実態を、しろうとではあるけれども、できる範囲において取材して問題提起をして、そしてそのことをやめさせよう、そのことが市民感情を押え、大きくいえばやはり日米親善に貢献すると私は思う。こんな不信な状態がどんどん続いて、最近またこんなようなことを米軍がやっていて、日米親善のためにといったってそれは逆行するものです。ですから私は、このことについては調査をして、そういう疑いがあれば――米軍は常に安保条約に基づいた基地の使い方しかしないという公式発言をします。ですから私が調査を依頼しても、そんなことはありませんという調査結果が来ることは私は間違いないと思うのです。
 つい最近でありますけれども、星のマークのついた戦車とない戦車があった。ないほうはカラスと言っていた。作業員がそう言って、これはベトナムの戦車じゃないか、そういって指摘しましたときに、どうも衆議院の内閣委員が相模原の補給廠に行くそうだということで、あわてて星のマークを全部つけちゃった。そんなことも実はあるわけです。
 前回、私がこの委員会で相模原に塩素ガスがある、どうもその塩素ガスがほかに使用されている疑いがあると指摘した。超党派で初めて基地の中に調査に行った。その間二カ月くらいあった。その間に塩素ガスの基地は全部きれいにしてしまって何もなくなりました。何もないところに行ったってわからぬわけです。結局、疑惑は疑惑として残って、その基地にはなくなったというだけで終わってしまいましたけれども、やはりこういう問題について、もう少し防衛庁関係、外務省はきびしくチェックする必要がある。もし第三国の戦車を日本で修理することが安保条約上いけないことがわかりながら日本にやらしたということになりますと、たいへん日本はなめられているということですよ。その点について長官どう思いますか。
#122
○江崎国務大臣 条約の適用で補修、補給の業務というものをわれわれは提供することになっているわけでございますが、極端に住民の不安をかり立てる、また何となく戦争に日本が間接ではあっても関係を深める、またそういう疑いが濃くなるといったようなことについては決して好ましいことじゃありませんので、ひとつ十分調査を行き届くようにいたしたいと思います。
#123
○伊藤(惣)委員 私がこれだけ問題を提起したわけですから、どうか慎重に調査して、また日本の国民が心配しないように、相模原で働く作業員が、もうベトナムの兵器を修理することはいやだと言っていま反対しておりますけれども、そういういわゆる実態をよく踏まえた上で善処することを強く要望し、また調査結果については、おそらく今国会終わってしまうだろうと思いますけれども、外務省なり防衛庁としては、きびしく問題点を指摘して、こういうことが今後起こることのないように、また、そういう疑惑があったならば、その疑惑を解くように、やはり善処するように強く米側に注意を喚起し申し入れをする、このくらいの考え方で臨んでいただきたい、こう思うのですが、いかがですか。
#124
○江崎国務大臣 十分調査をしてまいりたいと思います。
#125
○伊藤(惣)委員 外務省どうですか。
#126
○橘説明員 防衛庁の長官から御答弁のとおりでございまして、補足する点はございませんのですが、念のため一つだけ申し上げておきます。
 それは、ただいま条約局長からも答弁のありましたように、外国のもの、第三国のものを修理したらあかんということはよく米側にも言うております。ベトナムのものにつきましては、米側にもその点はよく問題を指摘してございます。その結果得ました説明によりますと、ベトナムの場合、ただいま問題になっております戦車とか、それから兵員の輸送車というものは、これは供与ではなくて貸与である。これは一定の水準のそういうものをベトナムのほうに貸与するということになっておるので、その間の所有権といいますか、タイトルというのは米側にある。したがって、それが故障したような場合、米側の手に戻って、実際上、物理的にも戻って終始所有権は米側にある、そういう貸与形式になっておるという説明を受けておりますので、その点ちょっと補足しておきます。
#127
○伊藤(惣)委員 あなた、私の指摘について御不満があるから、そんなことをおっしゃったと思うのです。そんなことは私もアメリカ局長から、前から聞いているのです。けれども、日本だって貸与ですよ、MSA軍事協定によって貸与ですよ。米国が極東やアジア地域において結ぶ軍事同盟というのは、日本とほとんど変わらない。第三条にはその国の軍隊の漸増を明記し、第五条においては共同の防衛を規定し、そして別の項目でMSA軍事協定を結んで貸与している。日本の国は、貸与だけれどももらっておるじゃないですか。そんなことはベトナムも同じですよ。しかも日本も三十六年にもらっているのです。こわれたからといって、では米軍に返しすまか、返しませんよ。ベトナムの問題だって、本来からいうとベトナムにそれだけの施設があれば、そこで修理をして自分でやらなければけないのです。
 しかもM42の性能といいますのは、重戦車の48と違って非常に軽いのです。性能を読みますと、ベトナム戦争に持ってこいの高速の戦車なんです。最近ミグ戦闘機も出てきましたので、高速の自走機関砲がついておりまして、そのほかに機関銃四つもついている。水深一メートル以上のところもゆうゆうと戦車が活動できる、登坂力も三十二度、ベトナム戦争でこの戦車くらい使いやすい、活躍できる戦車はないのです。これはベトナムが日本と同じように、三十数年にもらっている戦車なんです。そういったことで、常時日本で修理していれば問題はない、初めて日本で修理するのです。M42の戦車は初めて修理する。そしてその戦車が百台を三十数台にまとめちゃって、そしてこの七月一日に、先ほど言いましたように緊急に送れ。しかもいままで、戦車を緊急に修理しましても全部マークをつけましたよ。塗装なんていうのは組み立て作業中にできちゃう。マークを塗装をするなというのだ。何を意味しますか。だから私は、この問題を前回もいろいろ問題指摘をしましたけれども、われわれが強く指摘してもアメリカは変わらないじゃないかということなんですよ。だからその点を強く米軍に注意を喚起し、安保条約上も第三国の戦車を修理することはできないと、はっきりいま条約局長も言っているのですから、あなたはいまそれを知っていて認めているのか知らないでいるのか、その辺はよくわかりませんけれども、私はこれを皆さんの関係の人方がきびしくチェックし、またそのことを指摘していただきたい、善処していただきたい。このことで日本がベトナム戦争に協力しているとか、また後方基地として常時使われているとか、あるいは戦闘作戦行動に使われているのじゃないかといういろんな疑惑がありますけれども、そういう戦争協力の内容を薄めていくことがいま政府にとっては大事なことじゃないですか。こういう疑惑があったら前向きでやるべきじゃないですか、そのことを指摘しておきます。どうですか、答弁。
#128
○橘説明員 ただいま条約局長からも申しましたように、条約上の問題点につきましては重ねて米側によく注意を喚起いたします。
#129
○伊藤(惣)委員 当然です、そんなことは。
 官房長官は一時半からですが、先ほど防衛庁長官は、この四次防の問題は現内閣の中できめたいとおっしゃいましたけれども、私はそのことを引用するわけじゃございませんけれども、実は十七日間も国会が空転したときに議長あっせんで審議が再開されましたね。そのとき議長は五項目にわたってこのあっせん案を出しました。それを与野党のんで、その中で三項目と四項目については内閣委員会において決着をつけろ、こういうことが話し合いとしてあったわけですね。今国会はすぐ終わるわけですから、四次防はおくれてもいいというようなことを現内閣はおっしゃる。それよりも先に、このシビリアンコントロールの体制というものをはっきりさすべきじゃないかと思うのですが、いまだに政府のほうから何らの原案というものが出てこない。内閣官房長官が社会党の木原委員の質問に何点か答えたものはありますけれども、私は、まだまだそんなものは中途はんぱなものであって、何を言っているのかさっぱりわからぬので聞いているわけであります。
 そこで、この三項目はこういうことを言っているのです。「政府は今後防衛予算編成にあたり防衛力整備の主要項目については「重要事項」として国防会議にはかることとする。」、第四項「政府は今回の経緯に鑑み文民統制の実をあげるため適切な措置を講ずる」、こう言っておるわけです。それについてまず第一に、長官から伺う前に、国防会議事務局で、このことについて官房長官及び防衛庁から何らかの指示があって検討したと思うのですが、この点について簡単に概要を伺いたいと思います。
#130
○夏目説明員 四月の二十五日でございますが、木原先生の御質問に対して官房長官からも御答弁がありましたが、この問題につきましては、非常に重要な問題であるので時間をかけて慎重に検討したい、こういうふうな御趣旨の答弁があったかと聞いておりますが、私ども国防会議の事務局におきましても、その一環として、いわゆる国防会議の事務局のメンバーをどうするか、あるいははかるべき議題をどういうふうに持っていくか、あるいはその他会議の運営についていろいろ具体的に検討しております。
#131
○伊藤(惣)委員 具体的に検討しているようでありますが、まず第一に、重要事項として国防会議にはかる議題は、「政府は今後防衛予算編成にあたり防衛力整備の主要項目については「重要事項」として国防会議にはかることとする」、このことについて、たとえば戦闘機の選定、これについては、ある防衛庁長官は国防会議にかけた。ある長官はかけなかった。それは長官によって変わるんです。だから、ここにいらっしゃる伊能元防衛庁長官は、こういうこまかいことは国防会議で決定すべきではないと言ってはずしたほうの長官であります。しかし、そういう不安定なことにつきましてはどっちかにすべきだ、こういう声があるんですね。ですから、こういうことも含めまして、当然、重要事項としてはどんなものがあるのかということがまず問題になります。そこで、いま一そのことについて国防会議でどういうふうに詰めているのか、その経過について伺いたいと思います。
 国防会議、これは防衛庁設置法第三章第六十二条にあるわけでありますが、国防会議には次の五項目をはからねばならないと、こうありまして「国防の基本方針」「防衛計画の大綱」「前号の計画に関連する産業等の調整計画の大綱」、それから「防衛出動の可否」、五番として「その他内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項」、こうなっておるわけですね。いま四番目まではある程度明確であるわけです。しかし、五番の「その他内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項」、これがあいまいなために問題になった。黒い霧があったとかないとかいうような議論がありましたけれども。そこで、明確にすべきではないか、現在きまっていなければどういう項目を主として考えていくのか、その経過について伺いたい。
#132
○夏目説明員 第五号の「国防に関する重要事項」についてどういうものがそれに該当するかということにつきましては、具体的にどういうものが入るというものをここでいまお示しするのは非常にむずかしい問題でございますが、私どものところで検討いたしましたことを申し上げますと、先般の衆議院議長のあっせんの中に、「防衛力整備の主要項目については「重要事項」として国防会議にはかる」というふうにうたってあるわけでありますが、その中身につきまして、私どものところで関係の各省と御相談の上、一応御了解を得た線を申し上げますと、まず第一は「自衛隊法の改正を要する部隊の組織、編成の変更」、これが第一でございます。それから二番目といたしまして「自衛官の定数の変更」、三番目として「別紙に列記する重要装備等について、新規種類(機種、艦種等)を採用する場合におけるその種類および数量 ただし、長期防衛力整備計画においてすでに装備の種類および数量が決定されている場合を除く」、こういうふうにきめまして、このうちの重要装備とは何であるかということにつきましては、陸上自衛隊におきましては戦車、主要ミサイル兵器、作戦用航空機、海上自衛隊におきましては護衛艦、潜水艦、作戦用航空機、それから航空自衛隊におきましては作戦用航空機、主要ミサイル兵器、こういうものが入るのではなかろうかということで関係各省庁の一応の御了解を得ておりますが、なお今後国会その他との御調整があろうかと思います。いまのところ、私どもの事務局ではその段階まで終わっております。
#133
○伊藤(惣)委員 私、そういう問題は大事だと思うのです。だけれども、もっとありはしませんか。といいますのは、あなた重要装備と言いましたけれども、装備してしまったものについては検討する必要はないのです。そういうものじゃなくて、新規装備ですよ。そうでしょう。あなたの間違いですか。新規装備でいいのでしょう。きまったことを検討する必要はないですよ。新規にいろいろなものをやる場合ですよ。それからこれを装備する前に、次の時代には新しいものを開発する、新規開発の研究対象としますね。これなんかも、実はいままでの自衛隊の例から言いますと、新機種の選定をする以前に、全部これは新規開発という意味で開発されるのです。開発されたものがいままでだめになったことはない。新規開発が行なわれ、それがそのまま新規装備になる。いままで新規開発についてやめたということは、実際に金を使ってやった中では一回もないじゃないですか。だから大事なことを忘れているのは、新規開発ということも当然含めて考えるべきじゃないか、そう思うのです。いかがですか。
#134
○夏目説明員 先ほど私の説明が不十分だったと思いますが、当然、重要装備等について新規種類というふうに申し上げたつもりでしたが、もし落ちておりますれば補足させていただきます。
 それからもう一つ、開発につきましても、国産か導入かというふうな問題を含めまして、今後国防会議の審議項目にするかどうかにつきましては、広く検討していることは先ほど申し上げたとおりでございます。御趣旨はよくわかっております。
#135
○伊藤(惣)委員 この新機種の選定と新規開発は違いますよ。私は聞かれれば案を持っているのです。そしていろいろ研究もし、勉強もしてきました。当然このくらいのことはと思っていま聞いたのですが、あなたはおしゃらないから私のほうから指摘したわけであります。そして検討していけば、あとで、とんでもないとか、またCBRをやっているのではないかとか、そんな変な誤解を受けたり、あるいはまた痛くもない腹を探られるような追及は受けないのですよ。だから、そういう主要項目については、国防会議において明確に、こういうこととこういうことをまず議論して、その中でみんなで検討して、もし結論が出れば、だれが何と言おうとも国防会議できめたんだからやるのだ、このくらいの権威を持った行き方をすることが正しいのではないかと私は思うのです。そこで伺ったわけです。その点もう一回確認しておきたい。
 それからもう一つは、防衛産業についてです。防衛産業について、私も幾つかの軍事産業に行って実態を見てきました。特に三菱のT2の開発を見てきました。三菱の航空機の会社、そこで言っていますことは、現在の航空機行政というものは、主として三菱は八〇%が防衛庁の飛行機をつくっている。あるときは六〇%、しかしシーズンになれば八〇%つくる。しかしながら、航空機業界の規制というもの、法律というものは全部通産省のものによって受ける、非常に矛盾している、こう率直に指摘していました。だから、航空機業界に対する一つの方針であるとかきめ方についてはこれを一元化してほしい、しかも防衛庁がもっと前向きにやってほしい、こういうことも実は言っておりました。そこで、じゃ私たちの兵器の国産化に伴う防衛産業についてのチェックはあったか。ないじゃないですか。ただ政府が事務次官通達でやっているだけです。まあ幾つかの中で、今後も民間産業を主体として防衛産業をやると書いてある。しかも電子機器とかミサイルに力を入れていくということが書いてある。ただそれだけのことなんですね。防衛産業に対する今後の行き方、大綱、こういうことについてはないのですね。
 だから私は、この国防会議の中において、第三番目に「前号の計画に関連する産業等の調整計画の大綱」とありますが、これが防衛産業をチェックする大綱かと思ったら、違うと言うのです。ということは、防衛産業については国防会議では何にも審議していないということです。私たちは、兵器の国産化に伴う防衛産業については、昔のあの軍国主義時代のことを考えまして、兵器の輸出を無制限に認めてはいけない。現在、兵器輸出三原則があります。しかしながら、これは一つの通産省の見解であって法律ではないのです。したがって公明党は、武器輸出禁止法案というものを私が提案しまして、いま提出しております。もう何回も何回も廃案になっております。しかし私は、今後この問題については、政府にも、また与野党にも呼びかけまして、必ず実現するように今後とも提案し続けていきますけれども、いずれにしても、最近の兵器産業化、あるいはまた装備については国産化が七〇%も八〇%も占めるというような重要な産業に対して、何ら基本的な整備大綱や方針がない。これについては私は重大な問題だと思っている。これはやはり重要事項の中にとらえて、一項目ふやすことが正しいのではないか、そう実は思っているわけです。その点についてどう考えているか。同時に、先ほど言いました武器の買ったり出したりする輸出入、これについての考え方、それを検討しているかどうか伺いたいと思います。
#136
○夏目説明員 御指摘の点につきましても十分勘案さしていただいて、今後どういうものを国防会議にかけるかということについて検討してまいりたいと思います。
#137
○伊藤(惣)委員 あなたは事務的にいろいろ思っても、事務的に言うべきことを言うしかないわけであって、私が言ったから、わかりました、入れましょうなんて簡単にいかないと思うのですね。
 事務局長お見えになりましたので伺いますが、まず第四項の「政府は、今回の経緯に鑑み文民統制の実をあげるため適切な措置を講ずる」、こういうふうにございますけれども、これについてはどのような考え方で国防会議事務局としては検討しているのか、伺いたいと思います。
#138
○海原政府委員 この件に関しましては、先般、内閣委員会で官房長官から、一応事務的に取りまとめできました段階のことと、これから先いろいろと各方面の方々の御意向を聞いて結論を出したいというお答えがございまして、私もおりましたが、その時点から、いまお話しのように、事務的に国防会議事務局としてはということになりますと、実は別に進んだものはございません。御存じのような経緯でございまして、各党の方々とも、どのようなまとめ方をするかということについての御相談をされるということも伺っておりますし、さらには先般新聞にも出ておりましたが、学者方の御意見等も両長官とも聞いておられます。そういうものを持ち寄られまして、そのうちに上からの御指示があるというふうに私は考えております。したがいまして、事務局としては、この前、官房長官のお答えしました段階から出ておりません。
#139
○伊藤(惣)委員 いや、私は相談あることを待っていたのですよ。大体ちっともないじゃないですか。内閣委員会理事会及びこの専門委員会でもって検討するということを、あなたよく知っているわけでしょう。だから、あなたのほうからも、ぜひやってほしいというくらいの申し入れがあってもよかったのじゃないでしょうかね。
 それで、実は国会も終わりに来ましたし、私もこの問題については、早く前向きにシビリアンコントロールの実をあげるためには、もっともっと問題になっている点を明確にして善処しなければならぬと考えているわけですよ。先ほど防衛庁長官は、四次防の問題については、現内閣で起きたことだから現内閣でこの結論を出して四次防を策定したい、そういうニュアンスの答弁をなさったわけですが、これはやはり、今国会で最も大事な問題として取り上げられて、四次防先取りの問題とかいろいろの問題が提起されましたこういう時期にこそ、こういう問題を真剣に討議して前向きなものをつくらなければ時期を失してしまう、そう思うわけですね。ですから私は、きょう委員長にお願いして、この問題を質問しているわけです。私はまず、この「適切な措置を講ずる。」ということについて、私なりの提案があるわけですよ。大体、国防会議というものを防衛庁設置法の中に置いておくということは実は問題だと思うのですね。それについて局長はどう考えますか。
#140
○海原政府委員 これはちょっと私、事務局長としてお答えいたす範囲外のことでございます。ここに防衛庁長官もおられますので、政策的な事項は、ひとつやはり大臣レベルのほうからのお答えにしていただきたいと思います。
#141
○伊藤(惣)委員 防衛庁長官、いかがですか。
#142
○江崎国務大臣 私は国防会議法案を議論した記憶がございますが、あの当時としては拙速のうちに防衛庁設置法の中に含んだというわけです。将来やはりこれは分けて単独法にしたほうがいい、特に国防会議の重要性ということが今回の問題で強調されております以上、そういう形が望ましいと思っております。しかし、現在の法律で格別不便があるかというならば、さしたる不便はないように思いますが、法の権威、ていさいという上から言うならば、別にしたほうが望ましいと思っております。
#143
○伊藤(惣)委員 独立の機関にしたほうがいいということですね。あの当時の経過から見まして、確かに、そのうち直すだろうからということで見送って、防衛庁にくっつけてしまったということですから、これはやはり独立の機関にすべきだと思いますね。長官、いまそうおっしゃったわけでしょう。
 それで大体この名称ですが、国防会議なんて言うと、自衛隊を否定する政党の立場から言いますと、これはやはり問題ですよね。自衛隊が軍隊ということならば国防会議という名称が通りますけれども、自衛隊あるいは国土警備隊なんという名称になりますと、安全保障会議というような名前のほうが私はいいのじゃないかと思うのですがね。せっかく長官が独立したほうがいいとおっしゃるならば、名称についても検討したほうがいいと思うのですが、その点いかがでしょうか。
#144
○江崎国務大臣 それは御意見として承っておくということでいかがでしょう。
#145
○伊藤(惣)委員 それで、国防会議のメンバーは現在閣僚が五人ですね、外務大臣、大蔵大臣、防衛庁長官、経企庁長官、通産大臣と。しかし本来は三人しかいないわけですよ。で、慣例、恒例として二大臣が加わっているわけでしょう。経企庁長官とか通産大臣は入っていないわけですね。これは当然五閣僚を明確にメンバーに入れることが正しいのじゃないか。それと同時に、私たちは皆さんと多少考えが変わるかもわかりませんけれども、民間の学者、あるいはまた、防衛産業だとかそういう軍事産業に関係のない専門家、こういう人の意見も聞くべきではなかろうかと思うのです。そういう意味で、民間人を国会の承認を受けて任命して、そしてそのメンバーに加える、こういう行き方がとれないものか、こう思っておるわけですが、いかがですか。
#146
○江崎国務大臣 従来のオブザーバーで参加しておる閣僚を正規メンバーにしたらどうかということは、閣僚の間でもいろいろ意見がございます。そのほか治安閣僚も入れたらどうかというような意見もあるようであります。そういう問題は、やはり近い将来の検討題ということで十分検討いたしたいと思います。
 それから、民間人を入れる問題は、これは法制定の当初から議論がありましたところで、私は民間人を除くという法律案修正の筆頭提案者という妙な関係にあるわけでありますが、民間人の意見というものは、必ずしも国防会議メンバーに入れなくても、随時首相がこれを招致して聞いたほうがいいときには聞くとかいうことも自由にできるわけです。これはむしろ内閣の責任制と相まつ意味で、ほかにも事情はありましたが、民間人は削ったという経緯が過去にはあったわけです。これを入れるかどうか、これもやはり今後の問題ということで、確かに検討に値する問題ではあろうかと思いますが、それは今後の問題といたしたいと思います。
#147
○伊藤(惣)委員 要するに私はこういうことを考えるわけですよ。国防というのは、やはり反対政党があってもみんなで考えることが正しいと思うのですね。それが、政治の場で、過半数をとった政党が内閣を組織し、そしてその関係閣僚が集まっていろいろな問題を検討する。はっきりいえば、議題になるのは都合のいいことばかりですよ。過半数をとった内閣を持つ与党の都合のいい議題しか出てこない。ここに問題があると思うのですね。ですから、イデオロギーとか政治に関係のない科学者であるとか、学者であるとか、防衛産業というようなものを代表しない、ひもつきでないものを国会の場においてよく検討した上で任命して、同格で議題の選定をしていろいろな中身を検討する、こういう行き方が私は一番正しいのじゃないかと思う。これは今後の検討課題と長官おっしゃいましたけれども、私はそのように考えるわけです。これは将来公明党が政権をとっても、考え方は私は変わるものじゃない。あなたは、民間ははずすべきだと、検討したときにおっしゃったそうですけれども、それはいまでも変わりないのですか。
#148
○江崎国務大臣 これはやはり検討の余地ありと私は考えております。あの当時としては、内閣の責任制という上から言っていかがであろうかとか、あるいはもし国家の重要な、特に安全保障というような問題で秘密が漏洩したりしたときに、一体民間人にどういう責任を問うかとかいろいろな問題があって、やはり責任の所在を明確にする意味で、インナーキャビネットのそしりはあっても責任の所在をはっきりしたほうがいいというようなことで、あの修正に私どもは踏み切った。これは皮肉な経緯でありますが、何もだんだん世の中は変わっておるわけでありませんかち、十分御意見の存するところは将来の検討題としてちっとも差しつかえない問題だというふうに思うのですが、これは慎重に検討する、こういうことでいかがでしょう。
#149
○伊藤(惣)委員 官房長官、お忙しいところたいへん恐縮でございます。
 さっそく質問したいと思うのですが、実はこの国会の前半における議長あっせん案についていろいろ問題があったわけでありますが、もう会期末も近い今日でありますし、私たち野党の議員から考えてみましても、あれほど大きな問題になった四次防先取り問題、どうもシビリアンコントロールというものがうまくいっていない、そういう面から言いまして、やはりこの国会で起きたことはこの国会で早い時期に決着をつけるべきではないか、こう思って、きょうこの問題についてあえて官房長官に出席を求めたわけであります。
 そこで、官房長官に伺いたいのですが、議長あっせんの第三項、第四項ですね。これは、内閣委員会の専門委員の中において、官房長官がいろいろ相談しながらでもきめるというようなことも実は新聞などで私は知ったわけであります。しかし、いまだに内閣委員会において、シビリアンコントロールについて何のお話もありませんし、同僚委員が何回も質問しましたけれども、その中で断片的にお話を聞いております。そこで私は、この際、これはわが党としても対案を持っておりますので、資料として差し上げておりますが、第三項目の「政府は、今後防衛予算編成にあたり防衛力整備の主要項目については「重要事項」として国防会議にはかることとする」、すなわち私たちは、新規開発、機種選定、新規装備、また、部隊編成の規模、配置の転換、武器輸出及び購入、七番目として兵器国産化に伴う基本方針並びに整備大綱、こういうものは重要事項として当然国防会議にはかるべきじゃないかと思います。私たちは実は公明党の部会として検討しているわけであります。ところが、先ほど国防会議事務局から聞きましたが、何点か漏れている点がありまして、私は、こういった問題について審議をして、そして当然重要事項に加えるべきものは加えて、今後この問題についての明確な態度を打ち立てるべきじゃないか、こう思うわけですが、その点、第一に伺いたいと思うのです。
#150
○竹下国務大臣 まず第一にお答えしておかなければなりませんのは、伊藤さん御指摘のとおり、第三項また第四項につきましても、率直に申しまして、議長あっせんの背後には、当委員会の理事会等とよく相談をするというような精神的な背景がある、私はこのように思っております。その当委員会の理事会と正規に御相談する機会は、これはお互いの都合がなかなかつき得なかったのであります。したがって、その精神自体はまだ生きておる。この国会を通じまして、私は委員長とも私的懇談をいたしておりますが、そうした機会を、少なくとも議長あっせんの背景からして、非公式、公式を問わず持たなければならない、こういう精神には今日も変わりございません。そこで、先般、一度答弁いたしたことがございますが、議長あっせんの第三項にいう主要項目とは、おおむね、「一、自衛隊法の改正を要する部隊の組織、編成の変更 二、自衛官の定数の変更 三、別紙に列記する重要装備等について、新規種類を採用する場合におけるその種類および数量 ただし、長期防衛力整備計画においてすでに装備の種類および数量が決定されている場合を除く」という一応の大綱を頭の中に描いておると申しますか、そういうことになっておるわけであります。
 したがいまして、私は、今次伊藤さん御指摘の、かなり具体的に一つ一つの問題についての御提案がなされておりますし、資料としていただいいておりますが、これらの問題も、私どもが大ざっぱに列記しております一、二、三の中におおむね入り得るものではなかろうかというふうに思いますが、非常に具体的な書き方でございますので、それについては、私どもの検討の大きな参考の資料とさしていただきたいという考え方でございます。
 重ねて申し上げますと、この国会で起きた問題でありますから、この国会中において、少なくとも考え方を、精神的にそういう背景がございました当委員会の理事懇談会等で申し上ぐべきである、そういう姿勢には今日も変わりありません。よしんば国会が終了したといたしましても、その機会は委員長にごあっせんをいただいて、少なくとも一度はお持ちしなければならぬ、こういう気持ちであります。
#151
○伊藤(惣)委員 いまおっしゃいましたけれども、この中で「兵器国産化に伴う基本方針並びに整備大綱」、これはいまの説明の中にはどうしても入りにくい問題であります。これは御存じのように、最近の兵器並びに装備の更新にあたっては国産化が非常に大きい。全体の八〇%近くも国産化になってきている。しかしながら、防衛産業に対する基本方針なり整備大綱というものは出ていない。これは私は、全体の問題として重大なことが抜けているというように感じているわけです。したがって、この点についても十分御検討をしていただいて、ぜひこの点は審議対象または重要事項の一項目として検討することを私は申し上げたいわけであります。
 もう一つは、第四項であります。「政府は、今回の経緯に鑑み文民統制の実をあげるため適切な措置を講ずる」、こうありますが、時間がありませんから羅列します。
 一つは、国防会議というものは防衛庁からはずして独立機関にすべきだ。しかも国防会議というのは、陸軍とか海軍という中で国防会議というならば名称はふさわしいけれども、自衛隊というならば安全保障会議という名前のほうがいいのではないか。三番目にメンバーについては、現在、防衛庁長官、大蔵大臣、それから内閣総理大臣と常時三人の閣僚、慣例として通産大臣、経済企画庁長官が加わっておりますけれども、これらの関係閣僚を常時メンバーにすることと同時に、もう一つは、防衛産業であるとかひもつきでない民間の知識人階級ですね。すなわち、科学者であるとか学者、こういう方々にも参加していただくという考えがあるかないか。
 さらに申し上げてしまいますが、私は、国の重要な防衛問題について、内閣委員会という設置法を審議する場合の片すみにおいて防衛論議をすることは決して正しくないと思う。たとえ予算委員会があったとしても、それは予算をめぐる審議だけでは十分ではない。そこで私たちは、国会の中に新たに皆さんの言う常任委員会でなくて――なぜか強く反対する政党がある中で常任委員会は無理ですよ。ですから私たちは、安全保障特別委員会のようなものをまず第一につくって、そこから防衛論を展開して、そして国民の場にわかるような防衛論争をしていく、こういう方向で行くべきではないか、こう思うのですが、いま申し上げました点について官房長官から伺いたいと思います。
#152
○竹下国務大臣 議長あっせん第四項の問題の中、なかんずく国防会議の問題についての伊藤さんの御意見でございます。私どもも、いまだに防衛庁設置法の中にあるべきではなくて、むしろ独立した国防会議――いまの御意見では安全保障会議でありますが、この単独の設置法をつくるべきではないか、こういうことも精神としては理解できないわけのものではございません。ただ、にわかにその名称を変更するというようなところまでは、率直に言って検討いたしておりません。一つの意見としてこの点は承っておくべきであろうと思います。
 なお、そのメンバーの点につきましては、今日、オブザーバーとしてこのほかに科学技術庁長官がございますが、さらに、国家公安委員長あるいは内閣官房長官というような者も、メンバーとして随時出席しておるわけでありますが、これを定着させることにはそれなりの意義があるのではなかろうかとも思います。ただ、同数の学者あるいは学識経験者とでも申しましょうか、そうした方を加えるということになりますと、これは従来の国防会議そのものができます当時からの審議の経過を見ましても、これに対しては各方面からいろいろな意見があるようでございます。
  〔委員長退席、加藤(陽)委員長代理着席〕
この部外者を充てるということは、緊急時等、場合によっては機密保持が必要なことも当然あり得ることもありますし、私はにわかにこの意見に賛成をするということをこの機会に申し上げるわけにはいかないと思います。
 ただ、国会に委員会を設けるということは、率直に申しまして今度各方面の意見を聞いてみればみるほど、今日、いわゆる内局というものがあり、そして内閣というものがあり、国防会議があり、そして閣議というものがある。この執行体制の中では、お互いの腹がまえ、いわゆる基本的な精神というものができておれば、文民統制の実を十分にあげ得る体制そのものはそれなりに整っておる。しかし基本的には、一番大きな主権者たる国民にかわってこれを監視していただくというのが国会であろうということは、私もまさにそのとおりだと思います。その感をいよいよ深くいたしております。
 ただ、その場合どのようなものがいいか、こういうことになりますと、私も伊藤さんと同じ国会議員の仲間としての見解はございますけれども、政府対国会という立場におりますと、国会の中で御論議いただくべきではなかろうか。私は基本的な考え方としては、最もこれをチェックする最高の機関は、主権者たる国民にかわってということになれば、何としても国会である。そこに、ある党はいわゆる防衛委員会と言い、伊藤さんのほうは安全保障特別委員会とおっしゃる、そうしたものがあることはまことに妥当な姿ではなかろうか、このように私は考えております。
 いずれにいたしましても、せっかくきちんとした御提言をいただいたのは伊藤さんのところだけでございますので、十分検討をいたしまして、なかんずく、国会で問題が起き、そしてそれが議長あっせんという形で示されております限りにおいて、私どもの責任で文民統制の実をあげるだけの具体策は、少なくとも理事懇談会あたりにはお示ししなきゃならぬ責務がある、このように理解をいたしております。
#153
○伊藤(惣)委員 最後ですけれども、要するに長官は前向きで御答弁になりましたが、本国会で起きた問題は次の国会に引き次ぐということもあるだろうとは思いますが、やはり重要な問題でありますので、ぜひこの委員会設置については――これは議運ですよね。この委員会では意見は言うが、しかし設置については議運の所管になろうかと思うのです。ですから、公明党として十分議論をしてきめた案というものを参考資料に渡したわけでありますから、どうか十分なる審議をして、ほんとうの意味の防衛論争、そしてすでにこの防衛問題については、予算委員会において各党一致して、何らかの委員会をつくることが必要であるという指摘があってからもう久しい問題であります。ですから、どうかあなたが官房長官の時代に前向きに――国会が終わった段階でまた理事懇でもやってなんといっても、国会が終わってから理事懇などといってもなかなか集まりませんですよ。ですから私は、できるならば早い時期にこの問題については合意を求めて、何らかの結論を出していただきたい。少なくとも今国会に出すべきではないかと思うのです。その点を伺って、終わりたいと思います。
#154
○竹下国務大臣 御趣旨は私もそのとおりに理解をいたしておりますので、そうした方向で努力をさせていただきたい、このように思います。
#155
○加藤(陽)委員長代理 次回は、来たる十三日火曜日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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