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1971/03/10 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 本会議 第10号
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1971/03/10 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 本会議 第10号

#1
第068回国会 本会議 第10号
昭和四十七年三月十日(金曜日)
    ―――――――――――――
  昭和四十七年三月十日
   午後二時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙
 鉄道建設審議会委員の選挙
 農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律
案(農林水産委員長提出)
 渡海自治大臣の昭和四十七年度地方財政計画に
ついての発言及び地方税法の一部を改正する法律
案(内閣提出)及び昭和四十七年度分の地方交付
税の特例等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説
明及び質疑
    午後二時五分開議
#2
○副議長(長谷川四郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙
 鉄道建設審議会委員の選挙
#3
○副議長(長谷川四郎君) 検察官適格審査会委員、同予備委員及び鉄道建設審議会委員の選挙を行ないます。
#4
○藤波孝生君 検察官適格審査会委員、同予備委員及び鉄道建設審議会委員の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名されんことを望みます。
#5
○副議長(長谷川四郎君) 藤波孝生君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○副議長(長谷川四郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。
 議長は、検察官適格審査会委員に森田重次郎君及び加藤清二君を指名いたします。
 また、内海英男君を森田重次郎君の予備委員に、松本十郎君を高橋英吉君の予備委員に、山下元利君を本名武君の予備委員に、中谷鉄也君を加藤溝二君の予備委員に指名いたします。
 次に、鉄道建設審議会委員に常森芳夫君及び松木忠助君を指名いたします。
     ――――◇―――――
 農業協同組合合併助成法の一部を改正する法
  律案(農林水産委員長提出)
#7
○藤波孝生君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 すなわち、農林水産委員長提出、農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#8
○副議長(長谷川四郎君) 藤波孝生君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○副議長(長谷川四郎君) 御異議なしと認めます。
 農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――対する認定請求を、さらに昭和五十年三月三十一日まで行なうことができるよう措置するとともに、計画認定を受けた農業協同組合に対しては、従前の例により、法人税及び登録免許税等の特例措置を講ずることとして、ここに本案を提出した次第であります。
 何とぞ、御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○副議長(長谷川四郎君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○副議長(長谷川四郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 渡海自治大臣の昭和四十七年度地方財政計画
  についての発言並びに地方税法の一部を改
  正する法律案(内閣提出)及び昭和四十七年
  度分の地方交付税の特例等に関する法律案
  (内閣提出)の趣旨説明
#12
○副議長(長谷川四郎君) この際、昭和四十七年度地方財政計画についての自治大臣の発言を許し、あわせて、内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案、及び昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣渡海元三郎君。
  〔国務大臣渡海元三郎君登壇〕
#13
○国務大臣(渡海元三郎君) 昭和四十七年度の地方財政計画の概要、並びに地方税法の一部を改正する法律案、及び昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 昭和四十七年度の地方財政につきましては、景気の停滞による地方財源の伸び悩み、地方税負担の軽減についての強い要請、社会資本の整備、社会福祉の充実等のための財政需要の増大等、きびしい財政環境のもとにおいて、国と同一の基調により、従来にも増して、財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、節度ある行財政運営を行なら必要があります。
 昭和四十七年度の地方財政計画は、このような考え方を基本とし、次の方針に基づいて策定することといたしました。
 第一は、地方税負担の現状にかんがみ、個人の住民税及び事業税などについて、その軽減合理化をはかることであります。
 第二は、地方財源の伸びの鈍化、地方税の大幅減税、財政需要の状況等を考慮して、地方財源の確保をはかるため、(一)昭和四十七年度に限り、国の一般会計から、臨時地方特例交付金一千五十億円を交付税特別会計へ繰り入れ、(二)交付税特別会計において、資金運用部資金から一千六百億円を借り入れ、(三)公共投資の拡大に伴う地方負担の増加に対処するとともに、地域の特性に応じて生活関連社会資本の整備をはかるため、前年度に比し四千九百八億円の地方債を増額する措置を講ずることであります。
 また、沖繩の地方団体にかかる地方交付税の財源に資するため、臨時沖繩特別交付金三百六十五億円を国の一般会計から交付税特別会計に繰り入れることとしております。
 第三は、地域経済社会の変動に対処し、住みよい環境づくりを促進するため、引き続き、人口急増地域における公共施設の整備をはじめ、過疎地域における総合的な過疎対策、公害対策、交通安全対策等を推進するほか、老人医療特別措置制度の確立等、社会福祉の充実、広域市町村圏の振興をはかることなどであります。
 第四は、都市公園、治山、治水等各種長期計画の策定及び改定にも即応しつつ、地域の特性に応じて、地方財政の長期的見地から、社会資本の計画的な整備を推進することであります。
 第五は、地方公営企業の経営の基盤を強化してその健全化をはかることであります。
 第六は、財政運営の効率化を推進するとともに、財政秩序を確立することであります。
 以上の方針のもとに、昭和四十七年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は、十一兆七千四百九十八億円となり、前年度に対し、二兆三百二十六億円、二〇・九%の増加となっております。
 次に、地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨と内容の概略を御説明いたします。
 明年度の地方税制の改正にあたりましては、地方税負担の現状にかんがみ、地方財政の実情を勘案しつつ、個人の住民税及び事業税の減税を中心として、負担の軽減合理化をはかることといたしております。
 以下、その概要について御説明申し上げます。
 まず、個人の住民税につきましては、住民負担の軽減をはかるため、課税最低限の引き上げを行なうこととし、基礎控除、配偶者控除及び扶養控除の額をそれぞれ一万円引き上げることといたしました。
 次に、個人の事業税につきましては、個人事業者の負担の軽減をはかるため、事業主控除額を六十万円に引き上げることといたしました。
 また、電気ガス税につきましては、電気にかかる免税点を八百円に、ガスにかかる免税点を千六百円にそれぞれ引き上げることといたしました。
 このほか、不動産取得税、固定資産税等の非課税範囲を拡大する等所要の改正を行なうことといたしております。
 以上の改正によりまして、昭和四十七年度においては、合計一千五十三億円、平年度一千百三十一億円の減税を行なうことになりますが、一方、国の租税特別措置の改正に伴い百四十二億円の増収が見込まれております。
 次に、昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 昭和四十七年度分の地方交付税の総額については、さきに昭和四十七年度の地方財政計画の概要で御説明申し上げましたとおり、現行の法定額に臨時地方特例交付金一千五十億円、臨時沖繩特別交付金三百六十五億円並びに交付税及び譲与税配付金特別会計における借り入れ金千六百億円を加算する特例規定を設けることといたしました結果、総額二兆四千九百三十九億円で、前年度に対し、四千四百七十五億円、二一・九%の増加となり、おおむね前年度経度の増加率を確保することとなったのであります。
 また、昭和四十七年度の音通交付税の算定にあたっては、地方財政計画の策定方針に即応して、長期的見地から社会資本の計画的な整備を促進するとともに、最近の地域社会の著しい変化に対処する生活環境施設の整備及び社会福祉の充実をはかるため、地方交付税の単位費用及び算定方法の改正を行ならほか、地方債を大幅に増額することに伴い、投資的経費の一部を地方債に振りかえることといたしております。
 さらに、沖繩の復帰に伴い、沖繩に対して交付すべき地方交付税の一部に充てるため、昭和四十八年度から昭和五十年度までの各年度においても臨時沖繩特別交付金の制度を設けることとし、また、沖繩県及び沖繩県内の市町村に対して交付する普通交付税の算定上必要な経過措置を設けることとしております。
 以上が、昭和四十七年度の地方財政計画の概要、並びに地方税法の一部を改正する法律案及び昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 昭和四十七年度地方財政計画についての発言
  並びに地方税法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)及び昭和四十七年度分の地方交
  付税の特例等に関する法律案(内閣提出)の
  趣旨説明に対する質疑
#14
○副議長(長谷川四郎君) ただいまの地方財政計面についての発言及び二法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。山木弥之助君。
  〔山本弥之助君登壇〕
#15
○山本弥之助君 私は、日本社会党を代表し、ただいま趣旨説明のありました昭和四十七年度地方財政計面、地方税法の一部を改正する法律案及び昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に関連して、佐藤総理及び関係大臣に若干の質問をいたします。(拍手)
 総額十一兆七千四百九十八億円の規模を持つ昭和四十七年度地方財政計画は、政府の経済政策の破綻と、国際経済情勢の見通しの甘さから財政危機を招き、これに真剣に対処しようとしている地方公共団体の期待に反するばかりでなく、単に一時的に数字のつじつまを合わせるにすぎない無責任なものであります。
 昨年八月、ドル・ショックによる経済情勢の悪化に対処してとられた地方財政対策、総額五千億円の八〇%を占める四千億円が、地方債の増額と、交付税及び譲与税配付金特別会計の借り入れ金でありました。年度途中のことでもあり、一応やむを得ない措置としても、昭和四十七年度の財政対策として、切り詰めた約八千億円の必要不足財源に対しても、その八〇%を安易に地方債の増額と配付金特別会計の借り入れ金に依存しているのであります。
 昭和四十一年度不況時における地方財政対策は、その総額二千二百億円に対し、地方交付税の税率の引き上げ、実質的にはたばこ消費税の増額及び特別事業債の元利補給等の措置により、当該年度及び将来の財源を保証されたのであります。このことが、都道府県や市町村が、国の輸出至上主義による企業の景気浮揚政策のもとでも、長期の展望に立って住民の要望にこたえ、生活環境の整備や社会福祉施設の充実に地方行政の重点を指向することを可能にしたのであります。
 総理も施政方針演説で、「現在の景気浮揚政策は、設備投資主導型の超高度成長への復帰を意図するものではなく、この機会に高度福祉国家建設への軌道を設定するものであることをここに強調したい」と述べておられる。しかし、すでに昭和四十五年度の決算が示すように、府県、市町村を通じ、単年度赤字が増加しており、昭和四十六年決算では、さらに悪化することは必至の状況であります。こういう見通しのもとで、七〇年代の住民生活優先の内政実現の重要な役割りを持つ地方公共団体の財政が、国民の将来を左右する防衛や外交方針の混迷と軌を一にして、将来の明るい展望のない借金政策に依存されていることでは、総理の言われる福祉優先の経済政策への転換は、とうてい期待できないのであります。(拍手)
 人口の激動の中で、異なる地域性と特殊性を持つ三千三百の地方公共団体が、その自主的運営を阻害されることなく、充実した内政の一翼をになうためには、現行税制はどうあるべきか、地方交付税を根本的に検討する必要はないのか、地方債の限界をどこに求むべきか、総理の明快な地方財政に対する所見を承りたいと存じます。
 次に、自治、大蔵両大臣にお尋ねいたします。
 第一は、地方交付税についてであります。
 その一つは、政府は昭和四十三年度より三カ年間、国の予算編成上の都合から、後年度払いで毎年度地方交付税を減額するという不当な措置をとってきたのでありますが、昭和四十六年度の暫定措置に引き続き、昭和四十七年度においても、同様な方針で、一般会計からは臨時地方特例金一千五十億円及び臨時沖繩特別交付金三百六十五億円を繰り入れたほかは、配付金特別会計で千六百億円を資金運用部より借り入れをして、前年度とほぼ同じ伸び率の地方交付税総額を確保したことであります。いわば地方公共団体は、合同で借金をしたと同様であります。
 しかし、地方交付税の算定の基礎である国税三税が著しく減収となり、これに伴い地方交付税が減収となる場合には、当然、地方交付税法第六条の三の規定によりまして、交付税率の変更を行なうべきであります。もし、近い将来、地方税制とともに地方交付税制度の根本的改正を行なうまでの特例といたしましても、資金運営部からの借り入れ金の償還は一般会計で負担すべきが当然であります。
 その二つは、国の景気浮揚策としての公共事業費の増額に伴い、地方負担に要する経費の財源を大幅に地方債に振りかえるために、投資的経費にかかる基準財政需要額約二千五百億円を減額したことであります。
 交付税の伸びに伴い昭和四十四年度の交付税の改正により、地方財政を動態的に把握するという理由で、基準財政需要額算定にあたり、投資的経費を区分し、事業費補正を加えることとなりました。そして、交付税は補助金的性格が加味され、予算編成の過程において土地開発基金のひもつき交付が行なわれたり、義務教育教科書の無償配付費や国保給付費負担金のごとき国の責任で負担すべき経費が、安易に交付税で処理せんとする危険性も出てきたのであります。
 その是非はともかくといたしまして、昭和四十七年度は、一たび地方税の減収、公共事業費の大幅増額により、地方負担金の増額となり、すなわち基準財政需要額をむしろ増額すべきにかかわらず、財源を地方債に求めることで基準財政需要額を逆に減額せざるを得なくなったことは、地方交付税制度の破綻といわざるを得ません。今後福祉行政に重点が移行されるにつれまして、経済成長は減速時代に入り、現行交付税制度は、交付税率を含め、地方公共団体にとって安定的税収を確保するためにも根本的改革に着手する必要があると思いますが、どうお考えになりますか。
 第二は、地方税制についてであります。
 今日、地方公共団体は、大幅税収の減収に当面して、住民福祉を守る立場から、地方自主税源の充実をはかるとともに、このきびしい情勢下においても大衆負担の軽減という要請にこたえなければなりません。
 地方税法の一部を改正する法律案によれば、個人の住民税、個人の事業税、電気ガス税等について軽減措置を考えているが、改正案によっても、個人住民税の課税最低限は、夫婦子二人の標準家族で、所得税が百三万七千八百六十円に対し、住民税は八十万四千八百七十一円にすぎないので、その間二十三万二千九百余円の開きがあります。住民税と所得税との性格については議論の分かれるところでありますが、住民税といえども、生計費に食い込む課税は早急に是正すべきであって、九十万円近くに引き上げるべきであると思いますが、どうお考えになりますか。(拍手)
 なお、個人事業税につきましても、わが党は非課税にすべきであると主張いたしておりますが、当面事業主控除をさらに十万円引き上げ、所得税を納めない者の大部分が非課税となる措置を講ずべきであります。
 なお、昨年改正いたしました市街化区域内農地の宅地並み課税は、来年度から実施せられるのでありますが、営農に励む農民に動揺を与えるものであり、市町村長が営農者の申請を行って農地並み課税に減額措置を講ずべきであると思いますが、いかがお考えになっておられますか。
 一方、自主財源の確保につきましては、久しく法人課税につき国に重点を置く税制を是正し、地方への配分の適正化を期すべきでありますが、都市財源確保の立場から、当面、都道府県民税、市町村民税を通じ、法人税制の標準税率を英断的に引き上げるべきであると思います。
 なお、都市税収の増収を期し、あわせて都市過密解消の見地から、税制調査会や地方制度調査会でも答申のあった事務所事業所税について、なぜ実施を見送ったのか、その理由をはっきりお伺いいたしたいと存じます。
 地方税の歳入に占める比率は、過去五年間をとっても四〇%以上を占めてきたのでありますが、来年度は三七・二%に低下し、いわゆる三割自治といわれてきた地方公共団体は、一割自治に転落するおそれすらあるのであります。地方税の根本的改正もまた焦眉の急務といわざるを得ないのであります。
 第三は、地方債についてであります。
 昭和四十七年度地方財政計画では、地方債が国の会計と同一基調で主役の座を占めていることであります。四千九百八億円の大幅増額は、前年度に比較し一〇九・八%の増であります。総額九千三百七十九億円は、歳入総額に占める率は八%であります。公営企業債等を加えての地方債計画の総額は一兆七千二百七十八億円で、前年度当初に比べ五九・一%増の空前の伸びであります。昭和四十五年度の地方公共団体の決算から見ると、地方債計画と許可実績とを比較すると四二%増、地方財政計画の計画額に比し、実績は六七・六%増となっているので、おそらく来年度におきましては歳入の一〇%を優にこえることと思われるのでございます。都道府県にしても、三千三百余の市町村にしても、その財政力の格差が年々拡大しており、起債の能力も、団体により格差を生ずることは必至でございます。多額の地方債の償還がその将来の財政を圧迫することは当然といわなければなりません。昭和三十年代の、住民の要望をよそに、再建に悩み抜いた時代が想起されるのですが、償還財源をどこに求めようとするのか。しかも地方債の質も、資金運用部融資比率が低下しているのでございます。これらについて十分配慮すべきであると考えますが、いかがでございますか。
 第四は、国庫補助負担金と超過負担についてであります。
 地方公共団体が多年悩まされ続けてきたのは、国庫補助負担金による事業費の地方超過負担の問題でございます。武蔵野市長は、いみじくもこの間の事情を明らかにしているのであります。保育所の運営費は国が八〇%、都が一〇%、市が一〇%でいいところを、国が二一%、都が二五%、市が四二%で、しかも父兄が一二%を負担している。現実は、八〇%負担すべき国は二〇%しか負担せず、逆になっていると言っています。保育所の増設をはかるにつれて、ますます超過負担によって市の財政が圧迫せられるという矛盾をはらんでいるのでございます。
 昭和四十三年以降四カ年で、超過負担額千三百八十億円を解消したのでありますが、全国知事会の調査によれば、府県、市町村を通じ二千億円の超過負担があることが判明いたしました。これが解消を政府に強く要望することは当然であります。しかるに、地方財政の危機に際して何ら措置を講じていないのでございます。直轄事業の地方負担約二千億円とともに、早急に解消すべきではないかと存じます。
 政府の福祉社会建設の目玉政策であるところの老人医療無料化も、補助予算額約百億円で、昭和四十八年一月から実施するにすぎないので、おそらく大部分の都道府県、市町村では、すでに何らかの形で実施済みでありますので、新年度四月一日から、超過負担覚悟で完全に実施することでありましょう。これこそ、現実の住民の要望にこたえる血の通った行政であると信じます。
 しかも、昭和四十七年度は、福祉の充実よりも景気浮揚に重点を置く公共事業費の増額は、地方公共団体の超過負担の上乗せとなって地方財政の重圧となり、ことに公共事業の用地費は総事業費の二五%を占めるといわれ、地価対策の貧困は用地費を増加し、また、住宅、ごみ、屎尿処理施設その他、真に地域住民の福祉を考慮した愛情のある施設の建設は、当然付帯追加施設を必要とするのでありまして、福祉優先への政策転換の年とするには容易でないことを認識すべきであると思いますが、いかがでありましょうか。
 終わりに、経済企画庁長官にお尋ねいたします。
 長官は、国会開会の経済演説で、国民福祉の画期的拡張を内容とする新しい長期計画の策定と、新全国総合開発計画に対しての国土利用のあり方についての総点検を行なうことを言明されました。日本学術会議公害問題特別委員会の「新全総計画が実現すれば、日本は世界的規模の汚染源となり、公害の元凶として非難されるだろう。ネットワーク方式による国土開発は、かえって資本集中を招き、公害だけを地方に分散、税収や利潤は東京、大阪などが吸い取り、結果的には地域環境を破壊し、自治を衰退させる」と批判していることを十分反省していただきたい。そして、上部計画が、ブロック計画、府県計画、広域市町村、市町村への画一的に従属的計画になることなく、地域の住民参加の計画が基礎となり、中央政府と地方公共団体とがそれぞれの立場に立って、ナショナルミニマム、シビルミニマムが達成できるよう計画を策定あるいは是正すべきであると思いますが、御所見を承りたいと存じます。
 最後に、福祉社会の建設への政策転換はあくまで地方自治が基盤となるべきこと、そして、このことは、びほう的措置ではなく、早急に国、地方を通じての行財政の抜本的対策を講ずべきであることを強く要望して、質問を終わります。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#16
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 山本君にお答えをいたします。
 まず、四十七年度の地方財政計画は長期展望を欠いた借金政策に終始している、かようなおしかりでございました。地方財政の運営につきましては、長期的な展開から、それぞれ地域の実情に応じて、生活関連社会資本の整備や社会福祉の充実など、住民福祉の向上を計画的に進めていくことが大切であり、政府はそのような観点に立って地方財政計画を策定しております。
 なお、昭和四十七年度の地方財政計画につきましては、経済の動向、国及び地方の財政事情、地方財政における後年度の財政負担等を十分考慮して所要の措置を講じたものであり、地方財政の運営に支障を生ずることはないと考えております。
 また、地方税及び地方財政制度の基本的なあり方につきましては、今後とも地方制度調査会、税制調査会などの御意見を伺い、十分に検討してまいる考えでございます。
 以上、私から基本的な問題についてお答えをいたしました。その他の点については所管大臣からお答えをいたします。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
#17
○国務大臣(水田三喜男君) いま、総理からお答えがございましたが、私は、今年度の予算編成で一番心配いたしましたのは、地方財政対策でございました。
 御承知のように、今年度は異常な経済情勢、景気停滞のために、固有の地方税の大きい減収のほかに、交付税がさらに減額されるということでございますので、この地方財政対策に見通しがつかないというと、全体の予算編成に取りかかれないというくらい、これを重視して、したがって、一番先に、予算編成では地方財政対策から始めたというのが実情でございました。幸いに、八千億に及ぶ財政対策を何とか講ずることができて、そうして、今年度、地方行政水準を落とさずに済むことができたということは、私はまずまずと思って、非常に安心した次第でございます。いろいろ御不満はあると思いますが、八千億の歳入欠陥に対する対策が何とかできたということは、私は、非常によかったことではないかと考えております。
 そこで、その対策の一つになっております特別会計への資金運用部資金からの借り入れ金額、これは国がかわって将来、返済すべきものではないかということでございましたが、この今度の対策におきましては、まず、臨時地方特例交付金、これが千五十億円、臨時沖繩特別交付金が三百六十五億円、千四百十五億円は、これはもう一般会計から繰り入れたものでございまして、貸し金ではございません。特別会計に入れた千六百億円は借り入れ金でございますが、これは、異常な事態に対処するために、後年度に見込まれる地方交付税の一部を繰り上げ交付するということによって、地方団体に交付すべき地方交付税の総額の短期的な変動調整という措置でございますので、これは、将来、当然、国が返すべきものではなくて、地方交付税財源をもって埋められるものでございますが、しかし、そうはいうものの、地方財政の苦しさは十分承知しておりますので、借金の元利償還金が後年度の地方交付税総額に影響を与えることを考慮しまして、一般会計がこの利子は負担する。同時に、元金の償還も、八カ年にわたって実質的負担の平準化がはかられるように配慮するというような考慮も今度はいたしてございますので、この千六百億円の借り入れ金は、これは、いまのところ、国が埋める性質のものであるというふうには考えておりません。
 それに関連しまして、地方交付税の引き上げのお尋ねでございましたが、これはもう御承知のように、地方交付税法によりまして、短期的な事情によって変更しないということをたてまえにした制度でございまして、今回の財政事情は、これはもう景気停滞という異常な事態によって起こったことでございますので、今回のこの一年の事情をもってすぐに交付税を引き上げるというようなことは、これは適当でないというふうに考えています。
 それから、超過負担の解消の問題でございますが、これはもう、いままで、毎年逐次是正したところでございますが、今度の四十七年度におきましても、現行の補助単価や対象事業の範囲等について、最近の経済事情を考え、実情に即して、ここにいろいろな所要の是正措置を講じております。この解消額を見ますと、事業費において三百八十二億円、国費において百六十五億円という超過負担の解消を今年度はしておりますが、引き続きこの超過負担の解消ということには努力するつもりでございます。
 その次は、法人税の問題でございますが、地方税の減税のために財源が必要であるからという見地だけで法人税を上げるというわけにはまいりませんで、これは法人負担のあり方という観点から広く考えなければならぬ問題でございますが、本年度は、御承知のようにこういう経済不況のときでございますので、法人税の付加税も、本年はもう延長すべきではない、ここで打ち切るべきであるという議論が非常に多かったのでございますが、しかし、税制調査会の答申におきましても、法人税というものは将来まだ徐々に上げていくべき方向の税であるという答申を得ておりますので、この負担水準を維持して強化するために今度は私どもは非常に苦心いたしまして、付加税の二年の延長をしたばかりでなくて、輸出振興税制の整理やあるいは貸し倒れ引当金の繰り入れ率引き下げというようなことをやって、所得税を落とさないように非常に苦心したことでございますので、したがって、法人税を地方財政のために将来上げるというようなことは特別に考えてはおりません。
 大体以上でございます。(拍手)
  〔国務大臣渡海元三郎君登壇〕
#18
○国務大臣(渡海元三郎君) まず、山本議員のかつて地方自治をみずから担当された御経験に基づく御批判に対し、意見は異にいたしますが、敬意を表するものでございます。
 交付税率の引き上げをもって措置すべきでなかったかという御意見でございますが、御承知のとおり、交付税を確保するということには、交付税率の引き上げ、あるいは一般会計からの繰り入れ、そうして特別会計への借り入れの三つの方法がございます。
 御指摘になりました四十一年度におきましては、税率の引き上げを行なって今日の三二%にしたのでございますが、その間、経済の高度の成長もございまして、毎年二〇%以上の税の伸びを示し、このことが地方財政の改善にたいへん役立ったことは、山木議員御承知のとおりでございます。その間におきまして、交付税率そのものを引き下げるべきでないかというふうな議論も種々ございましたが、私たちは、交付税率はみだりに引き上げ、引き下げを行なうべきものでない、このような見地から現在の税率を堅持してきたものでございます。
 他面、本年度の経済の不況をながめますと、非常に落ち込みはいたしておりますが、これが長期的な経済動向でございましたら、いま申されたように税率の改正も抜本的に行なわなければならないと思いますが、私たちは、現時点におきましては、来年度下半期においては景気も好転する、いわば一時的なものである、このような観点から、今回の措置におきましては税率をいらうことなく、一般会計からの繰り入れ並びに特別会計への借り入れ金の繰り入れ、これで措置いたしたような状態でございますので、御了承賜わりたいと思います。(拍手)
 なお、交付税の算定水準の改正でございますが、御承知のとおり給与費と経常経費につきまして、安定的にこの制度によって算入を行なうという一方、生活関連施設の充実あるいは現在の過密過疎対策、あるいは公害問題等の需要を適確に増進していくような政策に乗れますように算定基準の改正を行なっており、明年度におきましても、このような方向で適正なる算定をさしていただくように措置いたしておるものでございます。
 なお、根本的な制度そのものの改正の問題につきましては、国と地方の事務配分の問題あるいは税源配分の問題等もございますので、今後とも地方制度調査会、税制調査会等において、十分慎重に検討してまいりたい、かように考える次第でございます。
 地方税についてのお尋ねの第一点は住民税でございました。
 住民税の課税最低限を所得税と合わせよということでございましたが、山本議員も御指摘のごとく、住民税は地域の負担をできるだけ多くの住民の方に負担していただくという一面も持っておりますので、課税最低限を必ずしも一致さすべき必要はない、このような見解もとっておるものでございますが、税制調査会における長期答申にも、課税最低限については、個人の住民税の負担者の数の推移並びに地方財政の状況等を勘案しながら、逐次引き上げを考慮せよ、このように述べられておりますので、来年度におきましても、その課税最低限の引き上げを実施いたしたような次第でございます。
 個人事業税につきまして、御指摘の面もございましたが、本年度は個人事業主控除、三十六万円から一挙に六十万円にまで拡大さしていただき、いま御指摘のございました所得税のかからないものは免税にしろ、こういう御意見に近づくことができたのでなかろうかと存じております。
 市街化農地の固定資産税の問題でございますが、これは御承知のとおり、市街化近傍の農地の固定資産税が付近の宅地とたいへん不均衡がある、また、都市対策にも問題がございまして、昨年の税制改正において、これの均衡を漸進的に行なうという方向で税制がきめられたような状態でございます。しかし、この問題につきましては、関係農業団体からも反対の意見も出ております。また、山本氏御指摘のような意見もございますので、四十七年度から予定どおり実施はいたしますが、その実施にあたっては、慎重にこれを実行に移してまいりたい、かように考えております。
 事業所事務所税をなぜ行なわなかったか、こういう御議論でございます。都市財源の充実はかねて必要なところであり、税制調査会からもその答申をいただいておるのでございますが、この税を多くの市町村に幅広く税収として課していく税にすべきであるか、あるいは財源よりもむしろ過密排除を目的とした税にすべきであるか、税の性格、目的等についても議論のあるところでございました。また、課税の方法等につきましても議論が存し、さらには経済情勢が、新しいこのような税をかけることが景気浮揚をねらわなければならない昭和四十七年度においてマイナスになるのでなかろうか、このような意見も起きまして、四十七年度の実施を見合わしたような状態でございますが、都市における税源充実は一そう強まっておりますので、今後ともに十分経済の推移をながめ、ぜひとも実現をいたしたいと考えておる次第でございます。
 地方債の問題につきまして、非常に地方債が多くなっておるじゃないか、借金財政じゃないか、こういうふうに申されておりますが、交付税は、あるいは一般会計からの繰り入れ、あるいは特別会計への借り入れ、この措置によりまして例年どおりの二〇%の伸びを維持さしていただきましたことは、国の財政事情の中で特別の考慮を地方財政に払うことができたと、かように考えております。しかしながら、一方における地方税そのものの落ち込み、並びに、増高してまいります、また地方自治体自身が持っておりますところの生活関連施設、社会資本の立ちおくれに対する財政需要、これらはぜひとも行なわなければならぬのでございますので、このために地方債を増額させていただいたような次第でございますので、やむを得ざる措置でなかったか、かように存ずるものでございます。しかも、これらの事業が地域の後年度において効果もあげるものであり、しかも、国の一七%に比較いたしましたなれば、公債依存率八%という姿で措置いたしております今回の地方債のあり方については、現在の情勢にとってやむを得なかったものと御了承賜わりたいと存じます。
 なお、政府資金が非常に少ないということでございましたが、絶対額においては、昨年度と比べまして三千億ほどふえております。さらに、財政投融資の中における政府資金の伸びが三三%でございましたのに、地方債における政府資金の伸びは四八%と格別の考慮を払っておりますので、この点は御了承賜わりたいと存じます。
 最後に、超過負掛の問題でございますが、昭和四十三年度から四十六年度まで四年間にわたりまして計画的にその解消をはかってまいりました。しかし、その間単価の上昇あるいは事業量の増大等によりまして超過負担が生じておりますことは、山本議員御指摘のとおりだろうと思います。今年度におきましても、いま大蔵大臣からも御答弁がございましたが、大蔵大臣とも折衝をいたしまして、関係省庁によるところの実態調査をいたしまして、その調査の結果を待って適切なる措置を実施していきたい、かようにいたしておりますので、御了承をお願い申し上げます。(拍手)
  〔国務大臣木村俊夫君登壇〕
#19
○国務大臣(木村俊夫君) 新全国総合開発計画等を策定するにあたりましては、審議会その他の場を通じて国民各界の意見を十分聴取いたしておりますが、特に総合開発計画につきましては、数次にわたってその原案を都道府県等に示しまして、これに対する意見や要望を十分織り込んで、ブロック別の基本構想を作成することにいたしております。さらに、これらの構想の具体化にあたりましては、各地域の独自性と自主性を十分尊重しながら、それぞれのブロックの持つ特性を生かすことといたしております。(拍手)
#20
○副議長(長谷川四郎君) これにて質疑は終了いたしました。
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#21
○副議長(長谷川四郎君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時五十八分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        農 林 大 臣 赤城 宗徳君
        自 治 大 臣 渡海元三郎君
        国 務 大 臣 木村 俊夫君
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ソース: 国立国会図書館
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