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1971/04/03 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 本会議 第19号
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1971/04/03 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 本会議 第19号

#1
第068回国会 本会議 第19号
昭和四十七年四月三日(月曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十五号
  昭和四十七年四月三日
   午後二時開議
 第一 北方領土問題対策協会法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 第二 沖繩国際海洋博覧会の準備及び運営のた
  めに必要な特別措置に関する法律案(内閣提
  出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 行政監理委員会委員任命につき同意を求めるの
  件
 旧軍港市国有財産処理審議会委員任命につき同
  意を求めるの件
 商品取引所審議会会長及び同委員任命につき同
  意を求めるの件
 昭和四十七年度一般会計予算
 昭和四十七年度特別会計予算
 昭和四十七年度政府関係機関予算
 日程第一 北方領土問題対策協会法の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
 日程第二 沖繩国際海洋博覧会の準備及び運営
  のために必要な特別措置に関する法律案(内
  閣提出)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
   午後六時十四分開議
#2
○議長(船田中君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 行政監理委員会委員任命につき同意を求めるの件
 旧軍港市国有財産処理審議会委員任命につき同意を求めるの件
 商品取引所審議会会長及び同委員任命につき同意を求めるの件
#3
○議長(船田中君) おはかりいたします。
 内閣から、行政監理委員会委員に愛川重義君、青木均一君、栗山益夫君、篠島秀雄君、東畑精一君及び林修三君を、旧軍港市国有財産処理審議会委員に江澤省三君、櫛田光男君、黒川洸君、角村克己君及び湯藤実則君を、商品取引所、審議会会長に近藤止文君を、同委員に岡田覺夫君、谷木義盛君、原田俊夫君及び福田敬太郎君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 まず、行政監理委員会委員及び旧軍港市国有財産処理審議会委員の任命について申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#4
○議長(船田中君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えるに決しました。
 次に、商品取引所審議会会長及び同委員の任命について申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
 昭和四十七年度一般会計予算
 昭和四十七年度特別会計予算
 昭和四十七年度政府関係機関予算
#6
○藤波孝生君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、昭和四十七年度一般会計予算、昭和四十七年度特別会計予算、昭和四十七年度政府関係機関予算、右三件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#7
○議長(船田中君) 藤波孝生君の動議に御異業ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 昭和四十七年度一般会計予算、昭和四十七年度特別会計予算、昭和四十七年度政府関係機関予算、五二件を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
 昭和四十七年度一般会計予算
 昭和四十七年度特別会計予算
 昭和四十七年度政府関係機関予算
  〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
#9
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。予算委員長瀬戸山三男君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔瀬戸山三男君登壇〕
#10
○瀬戸山三男君 ただいま議題となりました昭和四十七年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本予算三案は、去る一月二十八日予算委員会に付託され、二月四日政府から提案理由の説明を聴取し、即日質疑に入りましたが、八日午後から二十五日まで防衛関係予算と四次防との関係をめぐって紛糾し、審議が中断され、その後も台湾の帰属問題、沖繩軍用地復元補償費の日米間折衝の経緯等をめぐって審議はしばしば停滞しましたが、この間、分科会、公聴会を含め、前後二十九日間委員各位の熱心な審議が行なわれ、本日、討論採決をいたしたものであります。
 予算案の内容につきましては、一月二十九日の本会議において水田大蔵大臣より詳細な説明があり、すでに十分御承知になっておられますが、なお、二月二十六日内閣は本院の承諾を得て、一般会計歳出予算のうち、防衛庁の航空機購入費二十六億三千万円、装備品等整備諸費一億六千百万円、計二十七億九千百万円を減額し、かつ、これらに関する国庫債務負担行為については、二月二十五日の衆議院議長あっせんの内容によって取り扱うこととし、また、歳入予算のうち国有財産売払収入を二十七億九千百万円を減額することとした修正を行ないました。この結果、昭和四十七年度一般会計の規模は、歳入歳出とも十一兆四千六百七十六億円となり、四十六年度当初予算に対し二一・八%の増加となっております。また、公債金収入は一兆九千五百億円で、歳入総額の一七%を占めております。
 特別会計については、従来の石炭対策特別会計を石炭及び石油対策特別会計に改めるほか、労働者災害補償保険特別会計及び失業保険特別会計を統合して、労働保険特別会計を設けることとし、その数は四十一となっており、政府関係機関については、新たに沖繩振興開発金融公庫を設立することとし、その数は十五であります。
 次に、質疑の概要について申し上げます。
 委員会は、開会劈頭より防衛関係予算が問題とされ、日本社会党、公明党、民社党の各党は、それぞれ議事進行の発言を求め、四十七年度防衛関係予算といわゆる四次防との関係について政府の見解をただした後、質疑に入りましたが、質疑においても同じく防衛関係予算が問題とされました。
 その趣旨を要約すれば、「政府は、四十七年度防衛関係予算は、三次防の延長であって、いわゆる四次防との関係はないと説明しているが、予算の中には四次防原案に予定している新規装備の一部購入費を計上している。このようなことは国防会議の議を経ないで四次防予算を先取りしていることではないか。しかも四次防を策定した場合、四十七年度予算を四次防の初年度として位置づけようとしていることは、この予算の先取りを後日に至って追認しようとすることではないか。四次防の策定を一年延長してはどうか」というのであります。
 これに対して二月七日、政府より、「一、昭和四十七年度予算は、四次防の決定を見るに至らなかった段階において編成されたので、防衛関係予算については、沖繩への配備は別にして、三次防の継続事業、従来装備の維持、更新にかかるもの、人件費等について必要な経費を計上するとの原則によって予算編成を行なった。二、三次防計画は四十六年度で終了するので、四十七年度以降の計画を策定することが必要であり、政府は四次防大綱の作成の準備を進めてきたが、本日、防衛庁設置法第六十二条の規定に従って国防会議にはかり、その議を経て決定した。三、政府としては、大綱の決定後引き続き四次防の主要項目の内容を検討し、国防会議を経て決定する所存である」との統一見解が示されましたが、この見解に対し、社会、公明、民社の各党より、「一、四次防の初年度と位置づけされる四十七年度予算を、四次防の策定もせず、大綱すらも決定しないで作成し、予算審議の過程で急遽四次防大綱をつくったことは、政府の過失をおい隠そうとするものであり、かりに予算の内容に重要な変更がないにしても、予算編成前に国防会議の議を経ることは文民統制のたてまえではないか。二、予算の中に、RF4E偵察機、C1輸送機、T2高等練習機の新規購入費を計上しているが、これらの中には、T2高等練習機のごとく、明らかに戦略構想の変更と認められるものがある。これらに関しては、国防会議の議を経るべきではないか」との趣旨の質疑が行なわれました。これに対し、政府より、「一、明年度は防衛上の大転換はなく、予算の規模も、特別の事情にある沖繩関係費を除けば、伸び率は一五・六%で、本年度より二%以上も低下しており、三次防の継続として現有勢力を維持するための最小限度の計上にとどめたので、国防会議にははからなかった。しかし、今後は、このようなことのないよう留意していきたい。また、四次防の策定に関しては、事務当局でかねてから研究していたので、大綱は通常のベースで決定した。二、新機種の購入は装備の更新であり、この種の装備の更新は国防会議にはかる必要はないという従来の見解を踏襲したものである。T2高等練習機は、現在使用中の練習機86Fの四十九年及び五十年に損耗欠落する分の更改であって、すでに三次防段階で八十四億円の予算で実験機を作製し、性能もよいというので、更改することとしたものである」との趣旨の答弁がありましたが、各質疑着とも政府の答弁には納得し得ないものがあるとして、委員会は休憩に入ったまま審議は中断した次第であります。
 二月二十五日、事態収拾についての船田衆議院議長のあっせん案を政府並びに自民、社会、公明、民社の各党はそれぞれ受諾することとなり、翌二十六日、委員会は再開を見るに至り、その際、佐藤内閣総理大臣より、昭和四十七年度の防衛関係予算と四次防との関係をめぐり疑惑を生じ、長時日審議が中断されるに至ったことは申しわけないとの遺憾の意の表明があり、続いて水田大蔵大臣より、先に申し述べましたとおりの予算の内閣修正についての説明があり、かくて、二月二十八日より質疑が開始されましたが、まず、予算の内閣修正に関し、「予算編成の過程で政府に非があったことを認めた結果修正したのか。それとも国会運営の便法として修正したのか」との趣旨の責任の追及が行なわれ、また、予算の修正内容に関し、「国庫債務負担行為を削除した場合と凍結した場合との予算執行上の効果はどうか」との趣旨の質疑が行なわれました。これに対し、政府は、「予算を修正したことは議長あっせんを受け入れ高度の政治的判断によったもので、一たん提出した予算を政府みずから修正することは重大なことで、この点、理解してもらいたい。また、議長あっせんは文民統制に重点が置かれていることを十分に考慮したい」との趣旨の答弁がありましたが、なお、文民統制に関し、政府の姿勢に対して強い反省を求める質疑が行なわれ、佐藤内閣総理大臣より、防衛に関しては文民統制を明確にし、今後誤解と不安を残さないよう万全を期していきたいとのかたい決意の表明がありました。
 また、国庫債務負担行為については、「国庫債務負担行為を削除すれば契約は不可能となる、四次防が策定され議長の確認を得たあと契約権が与えられたにしても、通常の慣例上頭金なしに長期契約することは事実上困難で、努力してみないとその結果については何ともいえない」との答弁がありました。
 なお、T2高等練習機の価格問題については、秘密理事会で検討されたことを申し添えておきます。
 以上のほか、防衛関係につきましては、自衛力の現況とその評価、国防会議のあり方、防衛委員会の設置、兵器産業、米軍基地問題、核問題、自衛隊の立川基地移駐、沖繩への航空自衛隊の物資輸送等についても質疑が行なわれ、政府よりそれぞれ答弁が行なわれました。
 第二は、財政経済政策に関するものでありますが、明年度予算は不況の克服と福祉の向上を重点として編成したというが、過去に示した政府施策の進め方から考えると、景気の浮揚に主体を置いているように見受けられる。景気が回復されれば再び民間設備投資の成長型に移行し、生活環境等の公共事業は圧縮されるのではないか。また、福祉路線を定着させるため、その具体的内容を明らかにした五カ年程度の長期計画を明示すべきではないか。福祉優先、不況克服というなら、所得税の減税を行なうべきではないか。財源難と称し、大量の公債を発行しながら、配当控除制度、海外市場開拓準備金制度等の租税特別措置を何ゆえ廃止しないのか。交際費に対する課税はもっと強化すべきではないか。都市における事務所、事業所税の新設を何ゆえ見送ったのか。公債発行の歯どめをどこに置くのか。政府は福祉国家建設の軌道を設定すると言い、他方、今後の経済を安定成長路線で運営するとも言っているが、安定成長路線で運営する場合、税の自然増収は多額を期待し得ぬと思われる。福祉国家建設の財源対策についてどう考えているか」との趣旨の質疑が行なわれたのであります。これに対し、政府は、「経済成長は手段であり、目標は国民福祉であるとの基本的立場をとっており、従来、国際収支等の制約要因もあり、必ずしもこの態度を貫き得なかったが、ここに来て条件も整ったので、福祉充実に踏み切り、施策を貫いていこうというのである。したがって、景気が回復しても公共投資等の予算は縮小されるものではない。社会保障関係費は、その性質上あと戻りはできないものであるが、今後の経済見通し計画と並行して長期計画を策定する必要があると思う。所得税の減税については、さきの補正予算で講じた措置は、明年度予算で予定していたものを不況対策を考慮して繰り上げ実施したもので、四十七年度には平年度化されて二千五百億円以上の減税効果を持つので、従来の減税額に比べ、規模の小さいものではない。なお、地方税の減税も行なっている。今回は社会保障の充実に力を入れたので、追加減税は見合わせた。配半所得控除制度については、税制調査会でかねてより研究している問題で、まだ結論が出ていない。海外市場開拓準備金制度については、通貨調整の輸出に及ぼす影響等をいまだ見通し得ない状況なので、事態の推移を見て対処したい。交際費課税については、四十六年度の改正で否認割合を六〇%から七〇%に引き上げたばかりであり、現行法の適用期限が明年三月に到来するので、その間の実施の状況を見て、十分検討したい。所税等については今後も検討を続け、実現したい。公債発行のりっぱな歯どめは財政法それ自体であり、さらに、市中消化を原則としている点も有効な歯どめである。今後の福祉政策の推進と財源の問題については、税制調査会が長期税制のあり方として示している方針、すなわち、所得税は年々減税を考慮すること、法人税は現行水準を維持すること、間接税は手直しする方向で研究することを採用していく以外に方法はないと考えている」との趣旨の答弁がありました。
 第三は、物価であります。
 時あたかも、診療費、郵便料金、タクシー代等の一斉値上げが行なわれ、さらに国鉄運賃の値上げも予定され、また、政府の公共投資の拡大を反映して地価の高騰が懸念される際でもあり、質疑は公共料金の値上げ問題と地価抑制に重点が置かれました。
 まず、公共料金について、「最近の軒並みの値上げは消費者物価にどの程度の上昇寄与率となるか。景気情勢などから、本年こそ物価上昇の鎮静が期待されるのに、値上げを集中したのは何ゆえか。国鉄については、利用者に対するサービス向上の約束もなく、赤字線三千四百キロの廃止の方針をきめながら、他方、二百キロの赤字線の新設をするなど、また、随所に不用資産を放置し、企業努力に見るべきものがなくて、生じた赤字を利用者に負担させることは全く納得しがたい。受益者負担に限界を設ける必要があると思うが、政府の見解はどうか。また、政府は、明年度の消費者物価上昇を五・三%と見込んでいるが、との程度に抑え切れるか。さらに、物価対策の中で、農産物の輸入自由化を大きな柱としているが、真意はどうか」との趣旨の質疑が行なわれました。これに対し、政府より、「公共料金の消費者物価に対する寄与率は、診療費、郵便料、電報料、国鉄運賃、タクシー代、国立大学の授業料を総合して〇・七三%である。公共料金を抑制することは政府の基本姿勢であるが、長期にわたって押えておくことも不可能なので、たまたま値上げせざるを得ない時期が来たものと理解されたい。国鉄運賃については、経済社会情勢の変化により収入は必ずしも伸びず、このまま放置すれば、四十七年度は償却前すでに千六百七十六億円に及ぶ赤字が出る。利用者へのサービスのためには、輸送力の増強をはかることとしているが、あとう限り利用者負担の増加を避けるため、経営合理化をはかるとともに、明年度は千百八十四億円という画期的財政援助を行なうこととしたが、なお、燃料費、人件費等の諸経費の上昇が見込まれるので、この種の可変経費については、ある程度利用者に負担してもらうこととしたい。赤字線の廃止は、特に過疎地帯の住民の心情を察するとき、簡単に踏み切れない面もある。あくまでも地元民の了解を得て促進したい。また、国土開発上必要欠くべからざる新線の建設もあるが、どこまでも合理性を貫きたい。利用者負担の限界については、特定の利用者のために一般納税者がどの程度の負担をすべきかということは大きな問題であるので、目下専門家をまじえて研究している。五・三%の上昇見込みは、四十六年度の上昇見込み六・一%が、最近の状況では五・七%程度に落ちつく可能性が生じ、また、明年度は野菜の価格安定策を十分に講ずることとしているほか、円切り上げの輸入効果等を勘案すれば、五・三%にとどめ得るものと考えている。農産物の自由化については、一次産品の比重の高いわが国では直ちに自由化することはできない。特に基幹作物はできるだけ自由化を延ばしていかざるを得ないと思うが、他方、総合農政の推進、農業体質の改善と相まって自由化を進めていく必要がある。要は、農業の保護と消費者の便益の両者の調和をはかるところに目標を置いている」との趣旨の答弁がありました。
 次に、地価問題については、「最近の地価の高騰はまことに著しいものがあり、事業費の平均二〇%ないし三〇%を用地費、補償費に食われてしまう状態では、土地所有者を利するばかりで、事業量の進捗をはばみ、景気浮揚にもならぬ。また、最近、法人の土地への投資がふえ、土地を担保とする金融は、めぐりめぐって通貨量を増加させ、諸物価高騰の一要因となっているのではないか」等々、あらゆる角度から質疑が行なわれ、同時に、地価抑制のため法人の土地購入を許可制にし、不動産投資への金融を規制すること等、多くの具体的な提案がなされました。これらの提案につき、政府より、「地価抑制については、あらゆる角度から検討しているが、性質上きわめて困難な問題である。提案は建設的で、示唆に富んでいると思われる。最近の土地の値上がり等を考えると、憲法上の権利について、ある程度の拘束を加えざるを得ないのではないかと感ずる面もあり、真剣に取り組んでいきたい」との趣旨の答弁がありました。
 第四は、社会保障であります。
 政府は、社会保障の充実を明年度予算の重要施策の一つとして掲げておりますが、これに関して、「政府は福祉重点への発想転換というが、社会保障関係費の予算に占める割合は一四・三%で、過去二、三年と変わりはないではないか。新経済社会発展計画では、国民所得に対する振替所得の割合を五・二%から七・二%に引き上げることとしているが、今後作成しようとする長期計画では、七・五%までに引き上げる考えはないか。福祉年金については、四十八年度には五千円程度に引き上げる考えはないか。年金制度について、修正積み立て方式を賦課方式に改める考えはないか。年金の保険料積み立て金の使途は福祉優先となっているか。老人医療の無料化は七十歳以上を対象としてスタートしたが、いわゆる成人病は六十四歳より七十四歳に発病が多いとされている。脳卒中患者だけでも年齢制限を六十五歳に引き下げられないか。健康保険法の一部改正について、社会保障制度審議会並びに社会保険審議会に諮問しながら、その答申を全く尊重していないのは、審議会を無視しているのではないか」との趣旨の質疑が行なわれました。これに対し、政府は、「総予算に占める社会保障関係費の割合は、三十年代は一一・四%であったが、四十年代には一四%となった。明年度総予算中には沖繩関係費等特別の要素が加わったが、これを差し引くと実質一%多く、一五%以上の比重となり、従来よりはるかに伸びている。振替所得の引き上げについては、目下検討中である。福祉年金については、所得保障という考えを加味して、拠出制年金の増額と見合って増額する必要があり、四十八年度には少なくとも五千円の給付を実現したい。年金の修正積み立て方式を賦課方式に改めるには、なお日時を要するので、にわかに移行しがたい。年金の保険積み立て金は、四十七年度総額一兆四千八百九十四億円であるが、これらは住宅、生活環境整備、厚生年金施設、文教施設、中小企業、農林漁業、道路、地域開発、運輸、通信簿、ことごとく国民生活の安定、向上に役立つ部面に使われている。老人医療の無料化の年齢制限を引き下げる考えはないが、医療の抜本改正で、成人病のごとき高額医療については、年齢に関係なく全額を保険給付ができるよう措置したい。健康保険法の一部改正案については、政府案が最善であるとの考えで諮問したので、政府の考えどおりの法律案を提出したものである。なお、本件は予算作成後に答申を得た事情等もあるが、各種審議会等に諮問しなければならぬ内容を含んだ予算関係法律案については、予算作成前に答申を得るよう、関係機関と相談している」との趣旨の答弁がありました。その他、成人病対策等についても質疑が行なわれました。
 次に、外交問題について、二月下旬にはニクソン米大統領の中国訪問が行なわれ、国際情勢にも大きな変化が見られようとしておる際でもあり、ニクソン訪中に対する評価、外交政策の転換、日ソ外交、朝鮮民主主義人民共和園との友好推進等、多面にわたって質疑が行なわれ、特に日中国交正常化をはかろうとする政府の中国に対する基本姿勢がただされ、台湾の帰属が問題となりましたが、政府より、本件に関して、「わが国は、サンフランシスコ平和条約により、台湾に対する一切の権利・権原を放棄しているのであるから、台湾について発言する立場にはない。しかしながら、台湾が中華人民共和国の領土であるとの中華人民共和国政府の主張は、従来の経緯、国連において中華人民共和国政府が中国を代表することとなったこと等から十分理解し得るところである。したがって、政府は、右の認識に立って積極的に日中国交正常化に努力する所存である」との見解が示されたのであります。この統一見解についても各党より質疑があり、政府よりそれぞれ答弁が行なわれたのであります。
 なお、沖繩米軍用地復元補償費に関して、「返還協定四条三項により、旧所有者に返還される軍用地の復元補償費約四百万ドルは、アメリカが自発的に支払うこととなっているのに、日米間折衝の過程の電文によれば、わが国がアメリカに支払うこととなっている三億二千万ドルの金額の中で日本側が肩がわりしていることは明らかであると認められる。このことに関してさきの沖繩国会でも指摘したが、政府はそのような事実はないと答弁しているが、この政府答弁は国民をだましているのではないか」との趣旨の質疑と責任の追及が行なわれました。これに対し、政府より、「折衝の段階ではいろいろのいきさつはあったが、高度の政治的配慮から、最終的に一括して三億二千万ドルを支払うこととなったものであり、裏取引等は一切ない」との答弁がありましたが、この政府答弁に対し、社会、公明、民社の各党とも納得し得ないとして、三月二十八日午後より、審議は再び中断されました。
 本日ようやく審議の再開を見るに至り、開会冒頭、佐藤内閣総理大臣より、「内外時局のきわめて重大なとき、四十七年度総予算審議中に種々の批判を受ける事態を招いたことは、まことに遺憾であり、深く責任を感じている。各党の本件に対する御意向はよく承知しておる」との趣旨の所信の表明があり、続いて、この所信表明について、成田知巳君、竹入義勝君、佐々木良作君より、それぞれ党を代表し、佐藤内閣総理大臣は責任をとってすみやかに辞任されることを希望する旨の意見開陳があり、続いて、特に沖繩返還に伴う諸問題その他について質疑が続行され、政府よりそれぞれ答弁が行なわれ、本日をもって質疑は終了いたしました。
 総予算に関連しての質疑は、以上のほか、政治姿勢、公害対策、交通災害、農業問題、中小企業対策、貿易、経済協力、国際通貨、沖繩問題等、その他国政の各般にわたってきわめて熱心に所なわれましたが、詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
 なお、本委員会に提出せられていた日本社会党、公明党及び民社党の三党共同提案による予算三案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、本日趣旨説明が行なわれましたあと、予算三案及び三党共同の動議を一括して討論に付しましたところ、自由民主党は、政府原案に賛成、三党共同提案の動議に反対、日本社会党、公明党及び民社党は、三党共同提案の動議に賛成、政府原案に反対、日本共産党は政府原案に反対の討論を行ない、採決の結果、三党共同提案の動議は否決され、予算三案は多数をもって政府原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(船田中君) 昭和四十七年度一般会計予算外二件に対しては、北山愛郎君外十八名から、三件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。
#12
○議長(船田中君) これより、予算三件に対する討論と、動議に対する討論とを一括して行ないます。順次これを許します。足立篤郎君。
  〔足立篤郎君登壇〕
#13
○足立篤郎君 私は、自由民主党を代表して、昭和四十七年度予算三案に関し、政府原案に賛成し、三党共同提案の組み替え動議に反対の討論を行なうものであります。(拍手)
 申し上げるまでもなく、内外の情勢は激しくゆれ動き、一つの転換期に差しかかっていると思われるのであります。今日のような激動期に誤りなく対処して、平和に徹し、国民の安全と福祉をはかるのが、政権を担当するわが自由民主党の任務であることは申すまでもありませんが、私どもは、今日、その任務のいよいよ重きことを痛感する次第であります。
 この際、私が特に指摘したいと思いますのは、外交及び防衛に関する国民的コンセンサスの形成であります。
 民主主義は、もとより、いろいろな相反する立場の存在を容認するものでありますが、その立場の違う人々の間にも、事国益という一点についてはおのずから共通の意識がなければならないと思うのであります。(拍手)すなわち、主義、主張や手段、方法はそれぞれ違っていても、私どもが住むこの同じ国、そして血を分けた同じ国民の利益を守るのだという共通の理念のもとに、少なくとも対外的に国の利害に関する基本的問題については共通の意識を持つのが、日本国民として、けだし当然のことであると信ずるのであります。(拍手)このような共通の場を確立することによってこそ初めて強力な外交の展開が可能となり、また、防衛に関しても、政治がその責任を持つという意味での、いわゆるシビリアンコントロールの基礎が確立するものと信じます。
 次に、経済政策の基本について申し上げたいと思います。
 御承知のとおり、国際通貨の面では、戦後の支配体制であったIMF体制は大きくゆらぎ、通貨の基準は動揺を続けてまいりまして、新しい国際通貨体制の確立が待望されているのであります。いずれにせよ、戦後続けられてきたドル万能、ドル偏重の姿勢は根本的に再検討を要することになったのであります。
 国際通貨問題と並んで、貿易及び国際収支の問題が、わが国の経済を左右する基本的な問題でありますが、この面でも、従来の政策を大きく転換して、輸出第一主義の是正、蓄積外貨の有効な活用など積極的な措置をとるべきときであると思います。
 次に、国内経済政策の面では、当面の景気停滞に対処するためには、景気浮揚のための緊急対策が必要であり、経済政策の基本を、従来のいわゆる民間投資主導型から、当面は財政主導型に転換させることが肝要であると思われます。この財政主導型への転換は、もとより、単なる景気対策としての意味だけではなく、社会資本立ちおくれの是正、社会保障の充実等による福祉社会の建設を目標とするものでなければなりません。したがって、四十七年度からは財政の持つ役割りが一そうその任務を増したものと言い得るのであります。
 以上のような観点から、私は以下、四十七年度予算の幾つかの特徴を指摘しながら、賛成の意見を申し上げたいと思います。
 まず第一の特色は、当面する国内経済の停滞をすみやかに克服するため、積極的に予算及び財政投融資の規模を拡大しているという点であります。
 すなわち、一般会計予算及び財政投融資とも、いずれも近来にない大幅な伸びを示しております。この結果、政府の購入財貨は、国民総生産に対して一九%となり、前年度当初の一六%に比べると、著しくその比率が高まっておりますが、これは、さきの四十六年度の大型補正予算と相まって有効需要を積極的に喚起し、当面するデフレギャップ解消の一助となり、景気浮揚の起点となるものと期待し、心から賛意を表するものであります。(拍手)
 なお、今後の予算執行にあたっては、いやしくも財政の果たす政策的効果を減殺することのないよう十分な配慮が必要でありまして、特に、公共事業等の契約及び支払いの迅速化をはかるべきであります。
 次に、四十七年度予算の第二の特色は、国民福祉優先の性格を明らかにしているという点であります。政府がこの段階において、予算案を通じて福祉優先の方向を明確に打ち出したことは、まことに時宜に適した方針として、双手をあげて賛成するゆえんであります。(拍手)
 本予算案においては、社会福祉に関係する公共投資の拡大が大きな特色でありますが、中でも生活環境施設については、住宅が約三〇%、上下水道五四%、公園九七%、廃棄物処理施設九三%と大幅の増加を示し、そのほかに財政投融資関係においても、住宅や下水道事業の起債額等がそれぞれ大幅の増加となっております。
 また、廃棄物処理施設と都市公園については、新しく五カ年計画をつくって、その整備に本格的に取り組むことにしておりますことは、公害対策の前進を具体的に示したものと評価をいたします。
 次には、社会保障の充実でありますが、特に老人対策については、老齢人口の増加、核家族化の進展等の社会現象に伴って、今後の社会保障のかなめとなるものでありまして、四十七年度においては、新しく老人医療の無料化、老齢福祉年金の引き上げ、その他税法上の措置などが講ぜられておりますが、これにより直接利益を受けるお年寄りの数は、実に三百五十万人以上にものぼるのであります。
 そのほか生活扶助基準の引き上げをはじめ、社会福祉施設の整備と職員の処遇改善、身体障害者対策、原爆障害者対策、さらにはスモンその他の特定疾患対策のほか、社会保障の各分野にわたって施策が強化され、また、きめのこまかい配慮が予算面に示されているのであります。
 さらに見のがし得ない点は、これら四十七年度において新しく芽を出した制度は、次年度以降において社会保障費の大幅増額を約束しているという点でありまして、これこそ、明らかに予算の先取りであります。
 福祉優先政策の一環として、さらに公害対策経費、物価対策経費等がそれぞれ大幅に増額されている点を指摘したいと思いますが、時間の関係上、その内容について論ずることを省略いたします。
 本予算の第三の特色は、これが沖繩復帰初年度の予算であるという点であります。
 沖繩の祖国復帰は、言うまでもなく、沖繩百万の県民及び本土一億の国民の実に四分の一世紀にわたる悲願でありました。この復帰が、日米間の話し合いにより、平和のうちに、いよいよあと四十二日目に祖国に復帰しますことは、まさに歴史に残る輝かしい成果でありまして、この問題に対する佐藤総理のなみなみならぬ御努力に対し、心から敬意を表する次第であります。(拍手)われわれは、過去における沖繩県民の御労苦をねぎらうとともに、今後における沖繩の平和で豊かな県づくりに全力をあげることを誓うものでありますが、そのために必要な予算措置が、こまかな配慮をもって十分とられていることを確信するものであります。
 本予算案の第四の特色は、地方財政に対して十全の措置を講じている点であります。
 およそ国の政策を実効あらしめるためには、地方の財政を度外視してはその実現は不可能であります。四十七年度の場合は、特に財政の果たす役割りの重要性にかんがみ、地方財政に対する手当てを約八千億円増額しておりますが、この財源措置により、中央、地方の財政通常は万全を期し得るものと信じます。
 以上、私は、四十七年度予算の四つの特徴を申し上げたのでありますが、このほかに重要な事項としては、農林漁業及び中小企業の近代化、文教及び科学技術の振興、海外経済協力と貿易対策、防衛力の整備と基地周辺整備対策、あるいは同和対策の推進等があげられますが、時間の関係上、ここではその具体的内容について触れることを避けたいと思います。
 次に、三党提出の予算組み替え動議について申し上げます。
 私は、昨年に引き続いて二度目の共同提案を行なったという御苦心には敬意を表するにやぶさかではありませんし、また、組み替えの内容も、従前に比べまして現実的なものになっておりますことを評価いたします。
 しかしながら、政府原案を産業優先の政策ときめつけ、国民優先の政策をこれに置きかえるのだという発想は、断じて承服するわけにはまいりません。(拍手)そのような考え方は、現実の経済機構や経済原則に対する無理解さを示すものでもり、また、二冊において、現在進行している不況というきびしい現実に対する認識の浅薄さを暴露したものであります。(拍手)
 したがって、私は、この組み替え動議には反対をいたします。
 最後に、今回の予算審議が、先ほど委員長報告にもございましたとおり、長期にわたる空白を続け、そのために景気回復の一日も早からんことをこいねがう国民各位の御期待に沿い得なかったことについて、この機会につつしんでおわびを申し上げたいと存じます。
 今回は、予算案審議中、野党の審議拒否によって数回にわたって審議がストップいたしましたが、(発言する者多し)最初の問題はいわゆる四次防問題でありまして、問題の焦点であったT2機は、三次防計画の中で開発された練習機であり、試作機二機がすでに自衛隊に配属になっているのでありまして、およそ新機種などといえる筋合いのものではございません。それをしも四次防の先取りであるとか、果ては文民統制の崩壊であるなどと政府を非難攻撃することは、それこそ野党のためにせんとする強弁にすぎません。(拍手、発言する者あり)
 次に起こりました問題は、沖繩への自衛隊の装備品輸送に関する問題でありますが、五月十五日に迫った沖繩返還に備えて、米軍より返還される施設引き継ぎのために必要なる要員として返還の期日までに九十数名が現地に派遣されることになったのでありまして、このことは、当然のことでありますし、もちろん米軍との完全なる了解のもとに派遣されるわけでありますが、たまたま送られた装備品が過大なものであるとの宣伝が、きわめて誇大に行なわれたのであります。(発言する者あり)私は、防衛庁より提示されたその装備品のリストを見ましたところ、派遣される引き継ぎ要員がキャンプ生活を送るのに必要な、たとえば毛布、まくら、かや及び炊事用具などのほかは、最小限度の機動力として、大型トラック一台、小型トラック二台等にすぎず、過大な装備品を送ったものでは断じてありません。(拍手)自衛隊員が派遣されるときにはキャンプ生活をするのが当然でありまして、むしろ、これらの装備品すら持参せず、ホテル住まいでもしたならば、それこそ国費の乱費であるとの非難を受けるでありましょう。(拍手)
 最後に、先月二十八日には予算案を議了するとの与野党間の合意があったにもかかわらず、突如委員会に持ち出されたいわゆる密約問題によって公党間の約束は一片のほごと化し、今日に至ったわけでありますが、いわゆる密約問題は、総理並びに外務大臣が再三にわたって言明しておりますとおり、いやしくも密約などと非難されるような事実は絶対にありません。(拍手)昨日のテレビ討論会の席上、当時の外務大臣であった愛知揆一氏よりきわめて明快な説明が行なわれまして、国民の間にはもはや一片の疑惑も残っていないと信じます。
 そもそも、沖繩返還に伴うアメリカ政府よりの補償要求は、当初七億ドル程度にのぼる巨額なものであったといわれますが、佐藤内閣の粘り強い交渉の結果、この要求額を実に半額以下に圧縮して交渉妥結を見ましたことは、密約どころか、わが国の国益を守るために奮闘努力を続けた政府の功績をこそたたえるべきであります。(拍手)
 むしろ、外務省より機密文書が盗まれたことは重大問題でありまして、かくのごとき窃盗行為は、法に照らして徹底的に糾明するとともに、断固たる処置を政府に要求するものであります。(拍手)
 さて、事のよしあしは別として、従来、野党の審議拒否、与党の強行採決、そして、そのたびに国民の国会への不信感の増大という悪循環が繰り返されてきましたが、今回は、政府・与党の隠忍自重によって破局的な事態をとにもかくにも避けられたことは、せめてもの救いであったと存じます。(拍手)
 しかし、はたして今日の国会のあり方が民主政治の本義に照らして妥当なものであるかどうか、私ども議員は、この際静かに、そして謙虚に反省すべきではないでしょうか。(拍手)
 立法は議員提案を原則とし、国会の審議は議員相互の間の討論を主体とし、必要ある場合のみ行政府の証言を求めるやり方をとっておりますアメリカやイギリスの議会の運営に見習うべき点はないのでしょうか。関係大臣が出席しなければ委員会を開かないと主張する反面、質疑には全く関係のない大臣まで閣僚全員を一日じゅうくぎづけにしなければ予算委員会が開かれず、そのために大部分の委員会は、予算審議中長期にわたって開店休業を続けるといったような非能率な国会運営の実態をこのままに放置して、はたして国民の期待にこたえ得るものでありましょうか。(拍手)
 この際、私どもは、国会の権威を守るために、党利党略を離れて、国会の権威と品位をみずから傷つけるような旧来の陋習を打ち破るために、勇気をもって当たるべきであります。(拍手)
 以上、私の所信の一端を訴えまして、討論を終わります。(拍手)
#14
○議長(船田中君) ただいまの足立君の発言中、不穏当の言辞があるとの申し出がありますが、議長は、速記録を取り調べることといたします。
 小林進君。
  〔小林進君登壇〕
#15
○小林進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和四十七年度一般会計予算、同特別会計予算及び政府関係機関予算につき、日本社会党、公明党、民社党、三党共同提案になる組み替え要求動議に賛成し、政府原案に対し反対の討論を行なわんとするものであります。(拍手)
 そもそも本予算は、二月四日に本院予算委員会に上程されたのでありますが、本日その審議を終了するまで、実に六十日を要したのであります。この日数は予算審議における日本国会最長の新記録であり、そのためには全く必要でない暫定予算を組むなど二重の手続を要したのでありますが、その原因はあげて政府の憲法無視、国会軽視の不当行為に基づくところであります。(拍手)全く政府の一方的責任によって六十日の審議日数を要し、しかもその半分近くが空白のまま投げ出されていたというがごときは、空前絶後の不祥事件といわなければならぬのであります。
 すなわち、四次防予算の違法提出による空白が十九日間、台湾帰属の不統一見解による停滞が数日、今度はまた、沖繩返還に伴う秘密交渉問題で五日間のストップを続けたのであります。特に、沖繩返還に関し、米国は沖繩軍用地復元補償を自発的に支払うと規定した沖繩返還協定第四条第三項に基づくアメリカの政府の支払い責任を、実際は日本国民の税金でまかない、さもアメリカ政府の金で支払ったような、こんな次元の低いサル芝居をして国会と国民をだまし、私企業の極東放送を国家間の取引の材料にするなど、このペテン師的手口こそが、日米交渉には必ず秘密があるとなす両国国民の疑惑をますます深めておるのであります。なぜ国民の知る権利にこたえて堂々たる外交交渉ができぬのか、まことに残念にたえぬ次第であります。(拍手)
 いずれにいたしましても、この長い間の空白は、これことごとく国民の血税の浪費であり、一億国民に及ぼした被害は想像に余りあるものがある。政府は、この責任をとって、すべからくその罪を天下に謝し、そして、かくもけがれ切った本予算案は即刻撤回をして、新総裁による新鮮な予算につくりかえるべきではないか、これが政府の予算案に反対する第一の理由であります。
 第二の反対理由は、政府は、四十七年度の本予算の特質を、景気浮揚の予算である、国民福祉向上の予算であると称しているが、その内容をつぶさに見て、どこに一体景気回復、福祉向上の特質ありやを伺いたいのであります。
 客観的に判断して、これはまさしくインフレ浮揚の予算であり、危険きわまる軍事優先の予算であるといわなければならぬのであります。(拍手)この予算によって笑いのとまらないものは、軍事産業を営む死の商人と、土建や鉄やセメントやにつながる一連の大企業でございましょう。一方、国民大衆は、情け容赦もなく引き上げられる物価高と、重税のために涙のかわくひまのない苦難の日常を繰り返すことになりましょう。(拍手)何ゆえに十一兆四千六百七十六億円という大型の予算を組んで大資本に奉仕をしなければならぬのか。
 しかも、この予算の中身は、実に一七%も国債に依存をしており、実に一兆九千五百億円という巨額の国債発行にたよっているところにこそ問題があるといわなければならぬのであります。
 しかも、組み替え要求動議の中に強く指摘しているように、この国債については、返済計画も、減債の制度も、市中消化の見通しもない、すなわち、国債発行に最も大切な国債管理の方策が何も示されておらぬのであります。これは建設国債であって赤字国債ではないなどと、財政法上の官僚的技術論に終始して、無原則の借金政策に突入していることは断じて黙視できぬのであります。
 一方では、八千余億円にのぼる軍事予算を組み、五兆八千億円からなる四次防の先取りをもくろんでおるなど、この点、四十年度の国債発行とは全くその質的内容を異にしており、今回の国債発行はきわめて危険なものであることに留意しなければならぬのであります。
 なお、その消化の面についていえば、市中消化を原則とするというが、必ずや一年後には買いオペという形で日本銀行に回り、信用膨張となって、国民の生活を二重、三重に圧迫することになりましょう。国債発行の危険は、そのストックと償還の面からもこれを知らなければならぬのであります。すなわち、昭和三十九年末には、日本の国債、政府保証債、地方債などの残高は、合わせてわずか四兆八千九百億円であったのであります。しかるに、昭和四十六年十一月末には、これが実に十五兆三千億円、国民一人当たり十五万三千円の借金になっているのであります。この政府の放漫政策が定着し、財源難に名をかりて公債発行を続けるならば、たちまち天文学的数字となり、国民は知らずしてその返済の責任と貨幣価値の下落のために塗炭の苦しみに泣かなければならぬのであります。
 三党組み替え案がこの無責任な国債発行に大きな歯どめを与えていることこそ、高く評価をしなければならぬのであって、(拍手)われわれが政府原案に反対する第二の理由は実にここにあるのであります。
 第三の問題点は、公共事業費であります。
 政府は、公共事業費を前年度比二九%増にし、二兆四百八十四億円を計上しておるのでありますが、この規模拡大の目的は、これをてこにして景気刺激を行なうにあると説明しておるのであります。しかし、この大型公共事業費こそ全くもろ刃のやいばであり、むしろ国民泣かせの悪質の要素が数々含まれていることを指摘しなければならぬのであります。
 その一つは、依然として、高速道路、港湾整備など、産業基盤整備に重点を置き、生活基盤を全く無視している点であります。したがって、この計画がそのまま実行されるならば、必ずや公害はさらに激増し、交通事故はさらに一そう激しくなり、自然環境はさらに破壊されて、国民の生活はまさに人間としての生存さえも脅かされることになりましょう。
 高度成長政策の最大の罪は、独占資本擁護のための生産第一主義に徹して、人間尊重のための社会資本の投資、環境保全の投資を怠ったことにあることを、われわれはしばしば警告を発してきたところであります。
 三党組み替え案は、この点を明確にし、公共事業の内容は、すべからく下水道の整備や公園の建設促進など、環境保全と生活基盤の拡大に転換すべきことを要求しておるのであります。
 さらに、二つの点として、そのインチキ性を糾弾しなければならぬのは、政府のいわゆる目玉商品として掲げておる社会福祉の向上の内容についてであります。
 七十歳以上の老齢者四百十四万人中、三百八十二万人に医療の無料化を実施しようとする政策は、一応善政であり、われわれもそれを認めるにやぶさかではありません。しかし、人生五十五歳にして定年を迎え、その後、身も心も疲れ果てた高齢者が、七十歳の坂までのぼり詰めていくことは、並みたいていの苦労ではない。その間をどうして生きていくかについては、政府は一つも回答を与えていないのであります。せめて年齢を六十五歳まで引き下げて無料の医療を支給するというのが、真の善政というべきでありましょう。
 しかるに、政府は、六十代は最も死亡率が多いから、できるだけ死んでくれ、ようやく七十まで生き延びた者だけを無料にしようというのであります。(拍手、発言する者あり)、しかも、新年度から実施するのかといえば、それもだめ、来年からというのでありますから、実にあきれ果てた、けちくさい善政といわなければならぬのであります。(拍手、発言する者あり)
 それでは、他の社会保障はどうかといえば、もっとはなはだしいのが老人福祉年金であります。七十歳まで生き延びて初めて支給される年金が、月額たった三千三百円、一日百円であります。これでどうして生きていくことができましょう。総理府、文部省、厚生省、労働省等が後援をしている「豊かな老後のための国民会議」の報告によれば、老人が人間らしく生きていくためには、一カ月最低三万円を要するというのであります。三千三百円の年金は、その十分の一であります。あとの十分の九はどうして補えばよろしいのか、政府はこの点をいささかも明らかにしていないのであります。
 今日、わが国においては、明治三十八年以前に生まれた高齢者は、いずれの年金からもはみ出しているのであって、六十九歳になっても一円の年金も受けることができず、ようやく七十歳になってスズメの涙ほどの年金にたどりつくという、世界に類例のない、高齢者ほど粗末に扱うという、姨捨山的老齢保障を実施しておるのであります。(拍手)一日も早く積み立て方式を廃止して賦課方式を採用し、年を追うて手厚い年金を支給せよというわれわれの主張は、実にここにあるのでございます。
 スウェーデンの年金は、単身者で一カ月三万三千円、配偶者と二人の場合は五万一千五百円、西ドイツの年金は、単身者三万三千七百二円、夫婦の場合五万七千九百円、アメリカの年金は、単身者三万九千三百七十五円、配偶者の場合は五万六千円でありまして、彼我比較して、いかに日本の社会保障が貧弱であり、経済大国の名に恥ずべきかは、自民党の諸君も先刻御承知のはずであります。(拍手)
 社会福祉予算と銘打つその社会保障費が、全予算の中に占める比率がわずかに一四・三%、ほとんど前年と同比率であり、ヨーロッパ先進国においては社会保障費が国民総所得の中で一五%以上を占めているのに比較して、わが国はわずかに五%にすぎないというがごときその貧しい実態は、数えるにいとまがないのであります。政府は、これに対しいささかの反省もせざるのみか、老人医療の無料化をおとりにして大幅の医療費の値上げをもくろみ、審議会の答申をも無視して、これを予算の中に計上しているのでありまして、この乱暴な行為は、国防会議無視の四次防予算と軌を一にするものであり、われわれの断じて了承できぬところであります。社会保険の引き上げは国民の名において断々固として粉砕するであろうことを、おごそかに宣言するものであります。(拍手)
 第四の問題として、われわれが絶対に承服できぬのは、防衛費の増額であります。
 すなわち、防衛費八千億円と国庫債務負担行為二千四百四十億円、継続費二百二十七億円など、合わせて一兆二千億円の防衛費は、絶対額も伸び率も、ともに戦後最高のものであります。国防会議の議を経ずして四次防の計画を盛り込んできた防衛庁の要求をそのまま予算に組み入れて国会に提出してきたその態度は、まさにシビリアンコントロールを排除し、堂々国会と国民に向かって挑戦をしてきた軍事優先のデモンストレーションと見なければならぬのであります。(拍手)
 その何よりの証拠が、国会において、軍事優先を規制する政治のあり方と制服軍人の反省を求めている最中に、これ見よがしに立川移駐を強行し、沖繩進軍の装備を移送するなどに照らしても明らかであります。政府は、野党のきびしい追及にあって、四次防の新規予算二十七億円余を削減し、国庫債務負担行為の凍結という醜態ぶりを示したのでありますが、自衛隊自体に対しては政治優先の具体的指導をいまだ示しておらぬのであります。
 ニクソン大統領自身は、日本の頭越しに北京に飛んで中華人民共和国と共存対話の新政策を打ち出しながら、日本に対しては台湾防衛の責任を押しつけており、佐藤内閣はその指示に従って依然として中国敵視政策を続け、強大な軍事力の増強に狂奔している現状と、自衛隊がいよいよ本性をむき出しにして、真珠湾攻撃そのままの奇襲戦法を方々に再現して、地域住民をどうかつしている実態こそ、今日、国民が最も憤激している最重要な政治問題であり、(拍手)この二つは、国民の名において徹底的に糾弾するとともに、シビリアンコントロールの原則の確立と日中国交回復の中期実現は、絶対に成立させなければならぬのであります。われわれが四次防の予算に反対する原因は実にここに占めることを了承されたいのであります。
 四十七年度予算編成に際し、国民大衆が政府と国会に対し最も強く要望し期待しているものは何かといえば、それは物価の抑制と減税でありましょう。しかるに、政府は、この国民の祈るような二つの願いを弊履のごとく捨て去って、これにこたえようとはしないのであります。
 減税について見まするならば、政府は自然増収五千九百億円を見込んでいるにもかかわらず、所得減税はゼロであります。四十七年度は全くゼロであります。五千九百億円の自然増収は、勤労所得税の伸びがその大半でありまするから、その実質的増税分は当然勤労者に還元すべきであるにもかかわらず、これをあえて行なわぬのは、依然として労働搾取の本質に立った苛斂誅求の近代版といわなければならぬのであります。(拍手)減税こそは勤労者に対するただ一つの救いであり、また、この減税によって大衆の購買力が増大し、短期の間に景気を刺激することができるという、実に二重、三重の経済効果をあげることができるのであります。しかるに、この明白なる道理をもあえて行なおうとしないところに、労働者を軽視し、庶民を貧困に定着せしめておこうとする保守反動政治の本質がくまなく露呈されていることを知らなければならぬのであります。(拍手)
 三党組み替え案が、三千億円の所得減税を行なってこれにこたえているのは、しごく当然の措置といわなければならぬのであります。
 これら減税問題に関連し、今日最も強く叫ばれているのは、法人所有の土地に対する税制措置の問題であります。投機の意図をもって法人の所有している土地面積は七千平方キロにも及ぶといわれ、または、全日本の市街地の面積にも匹敵するといわれておるのであります。これがすべての物価騰貴の悪の根源となっているのでありまして、これを洗い出して再評価し、思い切った税制措置を打ち出すことこそ、最も効果ある重要な緊急施策といわなければならぬのであります。
 その他、交際費課税、広告費課税などを打ち出して国民的要求にこたえ、税の公正を期さなければならぬのでありますが、この点については何一つ見るべきものがないのであります。
#16
○議長(船田中君) 小林君、申し合わせの時間が過ぎております。なるべく簡単に願います。
#17
○小林進君(続) 依然として、高負担低福祉で、庶民大衆の汗と涙の上で企業の回復と景気挽回をはからんとしていることは、許し得ざる不当行為といわなければなりません。
 私は、ただいま大衆の汗と涙の犠牲の上にと申し上げたのでありますが、その最も露骨なあらわれが政府の物価政策であります。昨年から、タクシー料金、バス料金、電報、電話、郵便料金と、公共料金を中心に大胆な値上げ政策を続けてきた政府は、さらに国鉄運賃の大幅な値上げをはからんとして、昨今続発する国鉄の事故と人命の損傷についてもあえて責任をとろうとせず、この値上げ計画を推し進めているというがごとき、他方、物価統制令の廃止に伴う消費者米価の値上げ、大学授業料の値上げなど、およそ値上げをしない物件をさがし出すのが困難なくらい、一斉値上げの計画を進めておるのであります。かくて、いまや国民の怨嗟の声は天に満ち地をおおうているのでありまして、(拍手)政府のこの物価問題に対する態度こそ、国民の祈りを土足でけった行為といわなければならぬのであります。われわれは、国民大衆の先頭に立ち、その力を結集して、物価阻止の鉄槌を下すことを天下に約束するものであります。
 いまや世界は、アメリカの現状に象徴されているように、資本主義体制はなだれを打って崩壊しつつあるのであります。国際通貨体制は動揺に動揺を重ね、その見通しもさだかでないありさまであり、物価の上昇は天井を知らず、貧富の格差はますます増大して、まさに資本主義体制の終末を迎えようとしておるのであります。しかるに、佐藤内閣は、こうした世界共通の深刻なる矛盾と欠陥を阻止し修正しようとする一片の意欲も指導性も発揮できず、没落の道を歩むアメリカの資本主義の驥尾に付して、きょうは景気浮揚の念仏を唱え、あすは国民福祉ののりとをあげているという、その日暮らしの政治を繰り返しておるのでありまして、これに基づくこの予算は、まさに史上空前の無責任予算といわなければなりません。(拍手)われわれは、この予算の持つ本質と内容を正しく国民に伝えて、害悪の阻止に立ち向かうことこそ当面最大の責任であることを痛感するものであります。
 以上の諸点に立ち、社会、公明、民社三党の共同提案になる昭和四十七年度予算三案の組み替え要求動議に賛成をし、政府原案に断固反対いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
#18
○議長(船田中君) ただいまの小林君の発言中、不穏当の言辞があるとの申し出があります。議長は、追って速記録を取り調べることといたします。
 相沢武彦君。
  〔相沢武彦君登壇〕
#19
○相沢武彦君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提出の昭和四十七年度予算三案に反対し、日本社会党、公明党、民社党、三党共同提出の予算組み替え動議に賛成の討論を行なうものであります。(拍手)
 四十七年度予算の編成は、政治、経済各面にわたる新しい秩序の確立を目ざす国際社会の激動を背景にして、外にあってはアジアの平和と安全のため、わが国が平和国家としての姿勢を明らかに示し、内にあっては福祉国家として、国民福祉優先の経済体制を確立する重大な意義を持つものであります。したがって、政府は、もはやだれの目にもあざやかに映る戦後体制の終えんに目を開き、多極外交の展開が要求される中で、アジアの平和と安定のため、積極的な自主平和外交を展開し、意欲的にアジアの冷戦構造を解消して、アジア諸国の平和共序と繁栄の基礎を築かねばならないのであります。
 ところが、予算審議を通じて明らかになった政府の外交方針は、米中首脳会談によるアジアの緊張緩和への重大な転機が訪れた中で、政府が日中国交回復の必要性を一応認めながら、いまだ日台条約に結ばれた虚構の対中政策に固執していることであります。
 台湾の帰属について、一たびは中華人民共和国の領土と認めながら、その後の政府統一見解で修正し後退したことはまことに遺憾であり、このような姿勢が日中復交をおくらせる原因であることを指摘するものであります。
 一方、国内社会と国民生活に山積する緊急課題の解決は、戦後とり続けた経済成長優先、国民福祉置き去りの政策に対する深刻な反省と円の大幅切り上げの要因が、この国民生活軽視の経済政策にあるとの反省に立って行なうべきであります。
 七〇年代の財政の基本方向は、従来の産業優先の財政政策を国民福祉優先へと軌道修正するものでなければなりません。ところが、現実の予算案は、経済の高度成長政策の中で、ヨーロッパ諸国からついに十年おくれを見せている福祉水準の充実向上に対する計画的、意欲的な姿勢は全く見られないのであります。政府は、この機会に高度福祉国家建設へ軌道を訂正するといいながら、その実態は、産業優位の浮揚策を優先するものにほかならないではありませんか。
 以下、私は、政府提出予算案に反対する具体的理由について申し述べます。
 第一は、四次防、防衛庁原案に基づいた防衛予算の編成は、国政の重要な基本である文民統制を無視したことであります。しかも、防衛大綱のない防衛予算を、内閣の統一見解もないまま国会に提出したことは、政府の重大な政治責任であります。
 加えて、立川基地への抜き打ち移転、さらに沖繩への自衛隊物資の隠密輸送問題等、これら一連の問題は、軍事力増強に対する一片の反省もない軍事優先の政治思想がいみじくも露呈したというべきであります。
 さらに、今回明らかとなった沖繩返還協定にからむ密約問題は、国会並びに国民を欺瞞した不届ききわまりない行為であり、これらの問題の本質は、政府みずからに国政の基本問題に関する認識が全く欠けていることを示すものであります。
 四十七年度予算案は、政府が未曽有の予算修正を行なうなど、まさに傷だらけ内閣による傷だらけの予算案であり、編成そのものに重大な過失と政治責任問題をはらんでいる以上、私どもは、これを認めることは絶対にできないのであります。(拍手)
 反対の理由の第二は、大型福祉予算の名に値しない予算であるということであります。
 政府の社会保障関係予算は、総額で一兆六千四百十四億円、前年度比二二・一%増になりますが、この二二・一%という伸び率は、予算規模の伸び率と同程度でしかありません。また予算全体の中に占める社会保障関係費の割合は一四・三%で、四十六年度の一四・二七%に比べわずか〇・〇三%増にすぎないのであります。福祉向上がなされたかいなかの判断の基準の一つが、どれだけ社会保障関係費に配慮されたかである以上、こうした点から見ても、四十七年度予算が福祉優先へと転換されたとは断じて、言えないのであります。
 しかも、国際水準から長期におくれた福祉政策を充実向上させる目標も、またその計画構想も、何ら国民の前に示されず、わずかに老人対策が一部に施策が講じられたのみであり、これとても老人福祉を抜本的に改めるものとはとうてい認められないのであります。すなわち、政府が重点を置いたという老齢福祉年金は、ようやく月額三千三百円になったにすぎません。制度内容の違いはあるにせよ、スウェーデンなどは、六十五歳から年額三十七万円の老齢福祉年金を支給していることから見れば、いつの日にこの水準に近づくことができるのか全くめどがついておらず、これではお年寄りが政府に不信と恨みの声をつのらせるのも当然ではありませんか。
 政府施策の根底には、老人問題に対する社会的、時代的錯誤のあることを指摘せねばなりません。今日の社会生活、家庭生活にあって老人問題は、すでに個人と家族の中で処理できなくなっているという観点に立っての取り組みが、なぜに政府はできないのでありましょう。現実の国民生活から目をそらした政府の姿勢からは、福祉優先への発想転換を見ることができず、佐藤総理が年来好んで口にされてきた、福祉なくして成長なしということばも、月日を追うごとにそのむなしさは増大しているのであります。
 第三は、国民福祉向上の大前提となるべきはずの物価安定に何ら積極的な配慮がされてないばかりか、逆に公共料金の一斉値上げをすることは言語道断であり、物価値上げ予算であると国民から総反発されていることであります。
 四十七年度経済運営の基本態度によれば、消費者物価の安定をはかることは重点施策の一つであり、そのために、公共料金については、極力抑制的に取り扱うものとすることになっているのであります。にもかかわらず、予算案では国鉄運賃、健康保険料、国立大学の授業料の引き上げも予定され、公立高校の授業料の引き上げも決定され、加えて、四月から消費者米価を物統令の適用除外にすることに踏み切っております。この結果が他の一般物価の上昇を誘発し、物価の騰勢が一段ときびしくなることは過去の実例をもってしてもきわめて明瞭であり、政府の四十七年度消費者物価見通しの五・三%に押えることは、とうてい不可能といわざるを得ないのであります。
 国鉄運賃値上げのように、総合交通政策や確固たる国鉄財政再建案が明確にされないまま、受益者負担の名のもとに国民に多大の負担を課そうとし、また健康保険料の値上げは、保険収支のアンバランス要因が制度そのものの誤りであることをたな上げし、財政負担を国民に押しつけようとするものであります。国立大学授業料の値上げにしても、しかりであります。
 公共料金の引き上げを当然祝した予算編成は、物価高騰の中で不安を増大する国民生活の実態を無視するもはなはだしいといわねばなりません。国民福祉充実への重点的な資源配分は、四十七年度予算の政府方針であったはずであり、国民生活優先の経済路線への転換を約束する上からも、政府がみずから物価上昇を主導することになる公共料金については、これを据え置きにするあらゆる努力をなすべきであります。
 しかるに、赤字補てんのために安易に公共料金を値上げし、これを受益者負担として正当づける予算編成態度には、公共の意味を理解しない為政者と指摘せざるる得ないし、同時に、毎国会ごとに唱えてきた物価安定の政府の公約を、弊履のごとく捨て去るにもひとしいといわざるを得ないのであります。
 第四に、税制改正についてであります。
 政府は、四十六年度補正予算での減税が四十七年度において二千五百三十億円の減税をしたことになり、そればかりか、老人扶養控除の創設、寡婦控除の適用範囲の拡大等の政策減税まで行なったと強弁しておるのであります。しかし、この政府の強弁がいかに陳腐のものであるかは、予算審議の段階で明らかになっております。
 四十七年度自然増収中に占める所得税収入は、政府見通しでも七千億円近くあります。国鉄、健保、大学授業料等、公共料金の大幅引き上げを含んだ予算であることからも、また、物価の上昇が政府見通しをはるかに上回っていることからも、四十七年度予算で所得税減税を行なうことは当然であります。しかも、累進構造を持つ所得税については、毎年ある程度の減税をしなければならないことは、昨年七月の税制調査会の答申にもあるとおりであります。国民の不信や怒りをよそに、従来の体制に一時しのぎの手直しを加えたのみで、租税特別措置などの矛盾だらけの税制をそのまま持ち越そうとする政府の姿勢は、不況と物価攻勢、賃金抑制圧力に苦しむ国民生活を無視するものとして、断じて容認できないのであります。(拍手)
 第五に、一兆九千五百億円もの大量の国債を発行したことであります。
 われわれは、国債発行を頭から否定するつもりはありません。しかしながら、国債発行によって、打ち出の小づちのように財源が調達できるかのように錯覚している政府の国債政策は、認めることはできないのであります。安易な国債発行を続けるならば、国債債務残高は急速に膨張し、国債の償還や利払いに四苦八苦しなければならない状態が予想されること、さらには不必要な通貨膨張をもたらし、インフレ促進要因になることは必至なのであります。
 しかも、四十七年度における大量国債発行による公共事業の遂行が、地方財政の窮乏あるいは地価抑制策が皆無にひとしい現状の中にあっては、地方財政の圧迫と地価高騰を招くことは明らかであります。
 われわれは、たとえ国債発行をやむなしとする場合でも、地方財政への配慮や地価対策を講じることはもちろんのこと、歳入面の不合理是正、歳出面の総洗い直し、さらには国債管理政策の確立が必要だと考えるのであります。これらの点を全く配慮せず、安易に大量の国債を発行したことに反対せざるを得ないのであります。
 以上、おもな反対理由について申し述べましたが、日本社会党、公明党、民社党、三党共同提案で提出されました予算組み替え動議は、先ほど細谷君からその提案理由の説明がありましたとおり、政府予算案が持つ国民福祉充実、景気浮揚に対する欠陥と矛盾を是正するため、実現可能な必要最小限度の予算組み替え案であります。
 すなわち、本組み替え案の大要は、人間尊重、国民生活の充実向上と平和推進の財政経済政策に転換することを基本とし、国民生活の緊急課題の解決を重点としたものであります。
 したがって、私は政府に対し、四十七年度予算三案を撤回し、本組み替え動議に基づき予算編成替えをされんことを強く求めるものであります。
 以上をもって、私の討論を終わります。(拍手)
#20
○議長(船田中君) 川端文夫君。
  〔川端文夫君登壇〕
#21
○川端文夫君 私は、民社党を代表いたしまして、政府提案の昭和四十七年度一般会計予算案、同特別会計予算案並びに政府関係機関予算案に一括して反対いたしまして、日本社会党、公明党及び民社党共同提案になる予算組み替え、編成替え動議に対し賛成の討論を行ないたいと思います。(拍手)
 佐藤総理に申し上げたいことがございます。
 本日、三野党が反対いたしておりまするこの本会議場において、この予算案がかりに採決、通過いたすといたしましても、これから参議院の審議が残されておるわけであります。本予算案の成立は、例年に見ない長い時間をかけて今日におくれておりまするこの原因に対し、責任をお感じにならなければならないはずであろうと思います。しかも、このおくれた、原因は、国民ひとしく政府自民党にあると承知しておるものであることを申し上げておきたいと思います。
 昨年末においてでありますが、本予算案の編成当時、政府・自民党は何と言いましたか。この予算は、十一兆四千七百億円で、いい世直し予算であると宣伝されたではありませんか。それは、単なる数字のごろ合わせにしか今日となれば考えられません。予算を年度内に成立させる熱意も努力もなかったこの事実は何とお考えでありましょう。みずから空白を続けて今日に至ったことは、いかにこの予算案に対し確信がなかったかということを立証しておるものにすぎません。(拍手)同時に、しかもこの予算案は、佐藤内閣最後の予算編成となるでありましょう。
 私は、もう一言言わしていただくならば、今国会始まって以来、本会議場において、あるいは予算委員会において、同僚議員の質問に対し、佐藤総理が具体的な内容に何ら答えることなく、いたずらに声だけ大きくいたしまして、「今後とも」ということばをかなり数多くお使いになりました。引退を決意されておるあなたの今後に、私どもは期待するわけにはまいりません。白々しく感じて見ていたのは私一人ではあるまいと思います。
 民社党が、この政府提案の予算案に反対する第一の理由は、先ほどから同僚議員の反対討論の中にもありました政府みずから公約した公約を無視して、来年度の予算を景気回復のみに重点を置かれていることであります。言うならば、国民の福祉を従としていることでありましょう。予算規模の伸び率だけ二一・八%と大型予算化はしておりますが、そのほとんどが景気刺激中心に使われようとしていることであります。財政投融資も最高の金額とはなっておりますが、どこから見ても財界迎合の生産第一主義、従来どおりを貫いておるところであります。どこにも七〇年代という発想の転換の努力が見当たりません。一面において、公共事業関係投資は大幅に伸びてはおりますが、その中心をなすものは相変わらず廃業基盤整備投資のみであります。生活環境整備施設に至ってはまことに貧弱で、おざなりにしか予算を組んでおられないのであります。
 さらに、私は言いたいのは、公共事業投資を景気回復のてことして使われているということであります。
 もし景気が少しでも立ち直れば、財界の圧力に弱い政府は、公共事業投資も抑え、縮小できる余地を残しているということを考えられるわけです。GNPの大きくなったことを、あたかも自分たちだけでやったように誇りにして宣伝されてきました政府・自民党は、これまで福祉政策を犠牲にしたからこそGNPが伸びたのだとの反省も、政策の転換も、その努力の片りんも見当たらないのは、まことに残念しごくであると思います。
 福祉国家建設の長期計画も、その実現をはかる具体的な計画もないことであります。
 私ども民社党は、七〇年代の新時代に対処するために、福祉社会建設五カ年計画を策定いたしました。その基本的構想のもとに福祉大型予算を今年組むべきだと主張いたし、提言もしてまいったのであります。しかるに、政府は、このような福祉政策の長期計画も立てずに、ただ目先のみに目を奪われた予算を組んで、しかも、その内容は依然として大企業優遇であって、勤労者や中小企業者を犠牲とした従来どおりの惰性的、官僚的予算でしかありません。どこを見ても、激動する七〇年代に対処する意欲も新鮮味も見受けることができないのは、まことに遺憾です。
 また、今年の不況の中でおそらく租税が減収となれば、これに応じて福祉関係費を抑制するであろうとの心配を払拭する何らの準備もなされておらないことを私は心配いたしております。私ども民社党は、このような御都合主義な場当たり的予算には、断じて賛成するわけにはまいりません。
 次に、具体的に政府予算案に反対する理由の第一は、政府は勤労者の所得税減税を無視したことであります。
 政府は、所得税減税見送りの理由として、昨年秋の減税実施をもって今年度減税を繰り上げたからだといっております。また、今年は歳入の大幅増が見込めず、財源難でもあると、この二つの理由をあげておられます。私は、財源難を理由とする減税見送りは全く詭弁だという以外にことばは見出せません。現在税制の不公平として日本の各界より指摘されておりまする利子配当の優遇制度の廃止、交際費課税の強化、高額法人税率の引き上げ、価格変動準備金制度の廃止などを是正すれば、大幅の増収をはかることが可能となりまして、所得税減税財源は十分でき上がるのであります。要するに、これは実行する意思があるかないかが最後のきめ手になるのでありまして、政府・自民党はやる気がないからであります。
 先日、政府の統計発表によれば、最近、勤労者の実質収入が二%の減収を見ていると発表いたしておるのであります。このことを一つ考えましても、この予算が、どこに人間尊重がもたらされる予算であるといえましょう。全く逆な方向をとって、従来どおりの大企業優先、生産第一主義の予算でしかございません。政府も十分御存じでありましょう。GNPに占めるわが国の個人消費はどうなっておるでありましょう。先進諸国よりははるかに低いものになっておるではございませんか。わが党は、経済の二重構造解消のためにも、所得税減税を実行すべきだと主張するのであります。また、日本国民の構造の中に大多数を占める勤労者に減税すれば、購買力をつけることになります。このことは、不況克服のためにも一石二鳥の効果があがると強く提言してまいっておるものであります。
 次に、物価政策であります。
 今回の政府予算案では、全国民怨嗟の的となっておりまする消費者物価上昇に、むしろ政府はみずから物価引き上げの先駆的役割りを果たそうとしております。
 その理由の第一は、今回の予算案では、財政投融資計画をも含めて、インフレ要因がきわめて濃厚であることであります。鉄が鉄を呼ぶといいます六〇年代の経済拡大のメカニズムをもう一度構築し直そうとしているのであります。インフレによる拡大政策でもうけをなすものはだれでありましょう。それは大企業だけです。それは大企業の輸出競争力を強めて、一方では、そのために消費者物価をさらに高騰させる結果が出てまいることは明らかであります。
 第二は、政府がその気になれば押えることのできる、先ほどからもお話しありました国鉄運賃をはじめ、次々と公共料金の値上げを行なおうとしていることであります。
 第三には、公共事業の規模拡大に何らの地価対策の準備なしに行なおうとしていることであります。いまや日本の土地価格は、先進諸国の土地価格と比較しても高いものになってまいりました。諸物価の値上がりも土地の値上がりが要因となっておると、ひとしく国民が認めておるところであります。さらに、私はこまかいことを言うようでありますが、きびしいことは、地価高騰、地価の値上がりを理由に、東京等においては、地主が地代、家賃の値上げ攻勢を強めております。現に勤労者を苦しめております。庶民の生活はいよいよ苦しくなるのであります。
 政府は、来年度の経済見通しについて、消費者物価上昇率を五・三%と見ておられますが、四十六年度はどうなったのでありましょうか。ことしは暖冬異変で野菜が安くなって助かったといわれましたが、鉄鋼を除く四十六年度の物価上昇率は、政府発表でも六・三%になっておるのです。不況下にかかわらず、六・三%に物価は値上がりしておるわけです。したがって、政府の計画がいかにずさんなものであるか、五・三%に物価上昇をおさめることはとうてい見込みがないし、そういう自信がおありになるお答えも承ることができませんでした。むしろ、私は、公共料金の値上げは、その波及的影響で諸物価の値上がりとなるでありましょうことを申し上げたい。これを一口に言えば、政府が諸物価値上げの誘発、誘導をしているとも言えるでしょう。不況下の物価高に対する予算案でありますから、われわれは賛成するわけにはまいらないのであります。
 第四の理由は、社会保障、住宅等福祉社会建設の福祉関連予算の中身です。一応各項目ごとを見ますれば、若干の金額の上積みは見られますが、世界の先進国と比較いたしまする場合に、日本の社会保障がいかにおくれているか、いままでいかにふまじめに、やらなかったかということが明らかであることを考えていただきたい。政府・自民党も口を開けば、あなたも口を開けば、選挙区へ行けば、福祉社会建設とは言いますが、どこに福祉社会へのビジョンを見出すことができますか。全く口頭禅でしかありませんでしょう。特に、健康保険の抜本的改正を故意に怠ったり、地価対策の怠慢などを考える場合には、その責任を強く反省してもらわなければならないと思います。
 最後に、防衛予算に対して警告を申し上げたいと存じます。
 民社党は、日本の自主防衛は必要であるという立場を党是といたしておるものでありますからこそ、防衛の中身に対しては強い関心を持たざるを得ないのであります。佐藤総理、今国会における防衛問題の提案のしかたは何たるぶざまでございましたでしょう。
 政府は、当初予算の中にいまだきめてもなかった四次防の先取りを行なって、予算委員会の審議の中でその事実を認めて、予算案を修正されたではありませんか。この事実を何とお考えになりますか。その次には、沖繩基地への物資先行輸送に対しても、これも引き戻し、返送されたではありませんか。その上、今回の沖繩返還協定でのアメリカに対する秘密文書のやりとり。
 私は、庁から、仏の顔も日に三度ということを覚えていますが、佐藤総理、いかにお感じになっておりましょう。今国会は、議会制民主主義を破り、国民の中にますます政治不信を広げた国会となったことは、まことに遺憾であります。この責任は、佐藤総理みずから責任をとってもらう以外にないと存じます。
 多極化時代に影響を受けることの多い日本の防衛方針は、まことに重大であります。私は、防衛の第一条件は、少ないお金で効率をあげることにあると信じます。そのためには、国民の合意と協力が大前提とならなければなりません。まず、政府は、すみやかにシビリアンコントロールの問題に対しての方針を再確認し、しっかり腹に入れていただき、その具体的処置と対策を講ずべきです。さらに、問題となっておりまする四次防計画は一応中止されまして、再検討された上で提案されるべきであろうと思います。国民の合意と支持のない安全保障は砂上の楼閣にしかすぎません。
 私は、ここに政府提出予算案に反対して、政府案は、大多数の国民が、真の福祉を指向しているものではないという批判の目を向けており、その批判をすなおに受けて、すなおに代表しているのは、組み替え動議を出している日本社会党及び公明党、民社党の編成替え案でありまして、単なる賛成をするだけではございません。政府・与党の諸君は、この組み替え案に盛られているこの内容とその真意に対し、謙虚に耳を傾けていただきたい。一寸一分なりともこれに近づく努力をなされるよう希望申し上げたいと思います。
 私は、国民の声を代表して、政府予算三案に反対し、三党共同提案による予算編成組み替え動議に賛成する立場から討論を行なって、皆さんに強く訴えてやまないものであります。
 終わります。(拍手)
#22
○議長(船田中君) 山原健二郎君。
  〔山原健二郎君登壇〕
#23
○山原健二郎君 私は、日本共産党を代表しまして、政府提案の昭和四十七年度予算案に対し、反対の討論を行なうものであります。
 まず、私は、本予算案の審議にあたり異例の審議中断が繰り返されましたが、その原因はあげて佐藤内閣のアメリカ追随と秘密外交にあったことを指摘し、その責任を深く追及するものであります。(拍手)
 さらに、今回明らかにされました外務省極秘文書こそは、沖繩協定の危険な本質を議論の余地のないまでに暴露したものであり、二カ月半にわたる沖繩国会での政府答弁が全く欺瞞とペテンに終始していたことを、白日のもとにさらけ出したものであります。(拍手)
 沖繩問題という重大な外交交渉において、政府が意図的に国会対策、世論操作についてアメリカと謀議し、国民をいかに欺くかをもっぱら協議した事実は、国の主権を放棄した、国民に対する重大な挑戦であり、断固として抗議するものであります。(拍手)
 佐藤総理、いま国民が政治に対して何を求めているか御存じでしょうか。血税をむしばむ四次防などをやめ、政治を国民の生活と福祉優先に切りかえよと真剣に要求しておるのであります。物価値上げをやめよ、公害をなくせ、保育所をつくれ、老人、病人を大事にせよ、教育費の父母負担をなくせなどという、ほうはいとして起こっている国民の声が政府に聞こえないはずはありません。本予算案は、この国民の願いに全くこたえようとしていないばかりか、この正当な要求を完全に無視しているのであります。
 私が本予算案に反対する第一の理由は、この予算案が、対米従属のもとでの軍国主義復活と大企業本位の予算であるということであります。
 佐藤総理は、サンクレメンテにおいて、アジア・太平洋地域の安全保障のために一そう大きな役割りを分担することを確認してきました。かくて、防衛関係費は昨年に比べ実に一九・七%の増という、自衛隊発足以来最高の増加率を示しています。悪法違反の自衛隊は、いまや世界第七位の軍事力を保持するに至ろうとしています。その額は、三十二万戸の公営住宅の建設費に匹敵し、七百万の老人に月一万円の年金を支給することのできる金額であり、また、F4ファントム一機は四十カ所の保育所建設費に相当することを肝に銘ずべきであります。
 アメリカの強い要求にこたえた対外援助費、日本独占資本の海外進出費は、その額が巨額であるだけでなく、その対象がインドシナ当局の反共かいらい政権に集中的に向けられており、事実上、アメリカのインドシナ侵略への直接的協力であることは明白であります。これこそニクソン・ドクトリンに基づく肩がわり政策の全面的展開であり、日本共産党の断じて認めることのできないところであります。(拍手)
 今回の超大型といわれる予算の中で、公共投資は二兆千四百八十五億で、前年に比し二九%もふえています。しかし、その中で、住宅対策費を含む生活基盤関係費は、わずか一三・五%にすぎません。公共事業費の特徴は、それが新全総と一体のものであり、政府、財界が一つになって、大企業の景気刺激のために資金を湯水のごとく注ぎ込んでいることであります。
 私は、政府のこの対米従属と大企業優先の基本的な政治姿勢を、断固として糾弾するものであります。(拍手)
 反対の第二の理由は、本予算案が、物価値上げ、国民生活破壊の予算案であるということであります。
 国鉄運賃二三・四%をはじめ、健保、医療、郵便、電報、航空運賃、授業料、さらに物価統制令適用廃止による消費者米価などの値上は、どれ一つとっても、庶民の生活を脅かさないものはありません。これらは、二兆円に及ぶ赤字国債の発行と相まって、本予算案を大型インフレ予算としており、国民の持つ政治への期待を完全に踏みにじるものであります。
 公害対策費は一東京都のそれにも及ばず、社会保障関係費の一般会計に占める割合は、昨年とほぼ同率であります。
 私は、老人を大事にできない政治は、およそ政治の名に値しないとさえ思うのでありますが、四十万をこえる寝たきり老人対策費はわずか十億九千万であり、年一人二千七百円にすぎません。老齢福祉年金月三千三百円は、一日一箱のたばこ銭と同額ではありませんか。また、全国約十万人の心身障害児が、何らの施設にもはいれないまま放置されております。数万の子供たちが義務教育さえ受けられない現実を知らないはずはありません。十一兆余に及ぶ本予算案の中には、この子供たちの身の置きどころは全くないのであります。
 何が福祉なくして成長なしでありましょうか。これこそ、生存権を保障する憲法第二十五条に対する政府の重大な侵害であります。
 中小企業対策費は、一般会計予算のわずか〇・六%にすぎません。しかも、政府は付加価値税導入の地ならしをはかっております。
 食管制をなしくずしにしようとする政府は、依然として農民に米作減反を強要し、自由化政策等と相まって、田園はまさに荒れ果てんとしているのであります。
 地方財政に対しましては、その危機を利用し、借金政策を押しつけ、国の干渉を強化しようとしていることは、許すことのできない問題であります。
 沖繩関係費は、平和で豊かな沖繩県を目ざす沖繩県民の願いにとうていこたえるものではないのであります。
 わが党は、これら一連の反国民的政策について、政府の政治責任を徹底的に追及するものであります。(拍手)
 特に、この際一言強調したいことは、民主主義の擁護と日中問題についてであります。
 連合赤軍事件に見られる集団暴力を頂点とし、いまなお依然として学園を暴力で支配している暴力集団に対する泳がせ政策は直ちに中止すべきであります。また、選挙制度の反民主的改悪のたくらみなどの民主主義否定の諸政策には、厳重に抗議するものであります。
 さらに、国民が今日希求する日中国交の回復は、佐藤内閣とその亜流ではもはや不可能であることを指摘する次第であります。
 わが党は、すでに、今次予算の最大のねらいが四次防の発展、膨張に置かれていることの危険性を明らかにしまして、予算を国民生活優先に根本的に切りかえることを主張してきましたが、いまや佐藤内閣に望むべくもありません。「人のまさに死なんとするやその言や善し」ということばがあります。いまや日没を迎えた佐藤内閣の末期の言やますますあしく、欺瞞に満ち、その日その日を糊塗するにすぎません。国民の厳粛な信託にこたえる国政担当の任にとうていたえられぬことは、もはやだれの目にも明らかであります。
 私は、すでに国民の信を失い尽くした佐藤内閣の即時退陣を要求しつつ、本予算案に強く反対するものであります。
 最後に、三党共同の修正提案につきましては、その積極的側面を評価するものでありますが、防衛費、海外援助費等につきましては、わが党の持つ基本方針や経済政策に照らしまして、なお不十分でありますので、棄権の態度を表明をいたしまして、討論を終わります。(拍手)
#24
○議長(船田中君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、北山愛郎君外十八名提出、昭和四十七年度一般会計予算外二件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
 北山愛郎君外十八名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#25
○議長(船田中君) 起立少数。よって、北山愛郎君外十八名提出の動議は否決されました。
 次に、昭和四十七年度一般会計予算外二件を一括して採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。三件の委員長の報告はいずれも可決であります。三件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#26
○議長(船田中君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投薬〕
#27
○議長(船田中君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場閉鎖〕
#28
○議長(船田中君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#29
○議長(船田中君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 四百十八
  可とする者(白票)      二百六十七
  〔拍手〕
  否とする者(青票)       百五十一
  〔拍手〕
#30
○議長(船田中君) 右の結果、昭和四十七年度一般会計予算外二件は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
  〔参照〕
 昭和四十七年度一般会計予算外二件を委員長報告のとおり可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 文男君    愛知 揆一君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      赤澤 正道君    秋田 大助君
      天野 公義君    天野 光晴君
      荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君
      有田 喜一君    有馬 元治君
      井出一太郎君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    池田 清志君
      池田正之輔君    石井  桂君
      石井光次郎君    石田 博英君
      稻葉  修君    稻村佐近四郎君
      稲村 利幸君    宇田 國榮君
      宇都宮徳馬君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      浦野 幸男君    江崎 真澄君
      江藤 隆美君    小川 半次君
      小川 平二君    小此木彦三郎君
      小沢 一郎君    小澤 太郎君
      小沢 辰男君    小渕 恵三君
      大石 武一君    大竹 太郎君
      大坪 保雄君    大西 正男君
      大野  明君    大野 市郎君
      大橋 武夫君    大平 正芳君
      大村 襄治君    岡崎 英城君
      奥田 敬和君    奥野 誠亮君
      加藤常太郎君    加藤 陽三君
      鹿野 彦吉君    賀屋 興宣君
      鍛冶 良作君    海部 俊樹君
      笠岡  喬君    梶山 静六君
      金丸  信君    金子 一平君
      金子 岩三君    亀岡 高夫君
      亀山 孝一君    鴨田 宗一君
      唐沢俊二郎君    仮谷 忠男君
      川崎 秀二君    神田  博君
      菅  太郎君    菅野和太郎君
      木野 晴夫君    木部 佳昭君
      木村 武雄君    木村武千代君
      木村 俊夫君    菊池 義郎君
      北澤 直吉君    久野 忠治君
      久保田円次君    鯨岡 兵輔君
      熊谷 義雄君    倉石 忠雄君
      倉成  正君    藏内 修治君
      小金 義照君    小坂善太郎君
      小坂徳三郎君    小島 徹三君
      小平 久雄君    小峯 柳多君
      小宮山重四郎君    小山 長規君
      小山 省二君    河野 洋平君
      河本 敏夫君    國場 幸昌君
      左藤  恵君    佐々木秀世君
      佐々木義武君    佐藤 榮作君
      佐藤 孝行君    佐藤 文生君
      佐藤 守良君    斉藤滋与史君
      齋藤 邦吉君    坂田 道太君
      坂村 吉正君    坂元 親男君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    始関 伊平君
      塩川正十郎君    塩崎  潤君
      塩谷 一夫君    篠田 弘作君
      澁谷 直藏君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      進藤 一馬君    菅波  茂君
      鈴木 善幸君    砂田 重民君
      瀬戸山三男君    關谷 勝利君
      園田  直君    田澤 吉郎君
      田中伊三次君    田中 榮一君
      田中 角榮君    田中 龍夫君
      田中 六助君    田村  元君
      田村 良平君    高橋 英吉君
      高橋清一郎君    高見 三郎君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      谷垣 專一君    谷川 和穗君
      千葉 三郎君    地崎宇三郎君
      中馬 辰猪君    塚原 俊郎君
      辻  寛一君    坪川 信三君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      中尾 栄一君    中垣 國男君
      中川 一郎君    中川 俊思君
      中島源太郎君    中島 茂喜君
      中曽根康弘君    中村 梅吉君
      中村 弘海君    中村 拓道君
      中村 寅太君    中山 利生君
      中山 正暉君    永田 亮一君
      永山 忠則君    灘尾 弘吉君
      南條 徳男君    二階堂 進君
      丹羽 久章君    丹羽喬四郎君
      丹羽 兵助君    西岡 武夫君
      西村 英一君    西村 直己君
      根本龍太郎君    野田 卯一君
      野田 武夫君    野中 英二君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      羽田  孜君    羽田野忠文君
      葉梨 信行君    橋口  隆君
      橋本登美三郎君    橋本龍太郎君
      長谷川四郎君    長谷川 峻君
      八田 貞義君    服部 安司君
      浜田 幸一君    早川  崇君
      林  義郎君    原 健三郎君
      原田  憲君    廣瀬 正雄君
      福井  勇君    福田 赳夫君
      福田 篤泰君    福田  一君
      福永 一臣君    藤井 勝志君
      藤尾 正行君    藤田 義光君
      藤波 孝生君    藤本 孝雄君
      古内 広雄君    古川 丈吉君
      別川悠紀夫君    保利  茂君
      坊  秀男君    細田 吉藏君
      本名  武君    前尾繁三郎君
      前田 正男君    増岡 博之君
      増田甲子七君    松澤 雄藏君
      松田竹千代君    松永  光君
      松野 幸泰君    松野 頼三君
      松本 十郎君    松山千惠子君
      三池  信君    三木 武夫君
      三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君
      箕輪  登君    水田三喜男君
      水野  清君    湊  徹郎君
      宮澤 喜一君    武藤 嘉文君
      向山 一人君    村上  勇君
      村田敬次郎君    村山 達雄君
      毛利 松平君    粟山 ひで君
      森  美秀君    森  喜朗君
      森下 國雄君    森下 元晴君
      森田重次郎君    森山 欽司君
      山口シヅエ君    山口 敏夫君
      山下 元利君    山下 徳夫君
      山田 久就君    山中 貞則君
      山村新治郎君    山本 幸雄君
      豊  永光君    吉田 重延君
      吉田  実君    早稻田柳右エ門君
      綿貫 民輔君    渡部 恒三君
      渡辺 栄一君    渡辺  肇君
      渡辺美智雄君
 否とする議員の氏名
      阿部 昭吾君    阿部 助哉君
      赤松  勇君    井岡 大治君
      井野 正揮君    井上 普方君
      石川 次夫君    石橋 政嗣君
      上原 康助君    大原  亨君
      岡田 利春君    加藤 清二君
      勝澤 芳雄君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    金丸 徳重君
      川崎 寛治君    川俣健二郎君
      川村 継義君    木島喜兵衞君
      木原  実君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    黒田 寿男君
      小林 信一君    小林  進君
      後藤 俊男君    河野  密君
      佐々木更三君    佐藤 観樹君
      佐野 憲治君    斉藤 正男君
      阪上安太郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    田中 武夫君
      田中 恒利君    田邊  誠君
      高田 富之君    武部  文君
      楯 兼次郎君    千葉 七郎君
      辻原 弘市君    土井 たか子君
      堂森 芳夫君    内藤 良平君
      中井徳次郎君    中澤 茂一君
      中谷 鉄也君    中村 重光君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      西宮  弘君    芳賀  貢君
      長谷部七郎君    原   茂   君
      日野 吉夫君    平林  剛君
      広瀬 秀吉君    藤田 高敏君
      古川 喜一君    細谷 治嘉君
      堀  昌雄君    松浦 利尚君
      三木 喜夫君    三宅 正一君
      美濃 政市君    八百板 正君
      八木  昇君    安井 吉典君
      山口 鶴男君    山中 吾郎君
      山本 幸一君    山本 政弘君
      横路 孝弘君    横山 利秋君
      米田 東吾君    相沢 武彦君
      浅井 美幸君    新井 彬之君
      有島 重武君    伊藤惣助丸君
      小川新一郎君    大久保直彦君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
      沖本 泰幸君    鬼木 勝利君
      貝沼 次郎君    北側 義一君
      桑名 義治君    小濱 新次君
      鈴切 康雄君    瀬野栄次郎君
      田中 昭二君    多田 時子君
      竹入 義勝君    鶴岡  洋君
      鳥居 一雄君    中川 嘉美君
      中野  明君    西中  清君
      林  孝矩君    樋上 新一君
      広沢 直樹君    伏木 和雄君
      二見 伸明君    古川 雅司君
      松尾 信人君    松尾 正吉君
      松本 忠助君    矢野 絢也君
      山田 太郎君    和田 一郎君
      渡部 一郎君    渡部 通子君
      合沢  栄君    伊藤卯四郎君
      池田 禎治君    今澄  勇君
      受田 新吉君    川端 文夫君
      河村  勝君    小宮 武喜君
      佐々木良作君    曾禰  益君
      田畑 金光君    竹本 孫一君
      塚本 三郎君    西尾 末廣君
      門司  亮君    吉田 賢一君
      吉田 之久君    和田 春生君
      青柳 盛雄君    浦井  洋君
      小林 政子君    田代 文久君
      谷口善太郎君    津川 武一君
      寺前  巖君    林  百郎君
      東中 光雄君    不破 哲三君
      松本 善明君    山原健二郎君
      米原  昶君    安里積千代君
      瀬長亀次郎君
    ―――――――――――――
 日程第一 北方領土問題対策協会法の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
#31
○議長(船田中君) 日程第一、北方領土問題対策協会法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
 北方領土問題対策協会法の一部を改正する法律案
  〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
#32
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。沖繩及び北方問題に関する特別委員長床次徳二君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔床次徳二君登壇〕
#33
○床次徳二君 ただいま議題となりました北方領土問題対策協会法の一部を改正する法律案につきまして、沖繩及び北方問題に関する特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、北方地域旧漁業権者等に対し貸し付ける資金の財源に充てるため、北方領土問題対策協会が長期借り入れ金をすることができることとし、昭和四十七年四月一日から施行することとするものであります。
 本案は、二月三日本委員会に付託され、三月三日政府より提案理由の説明を聴取した後、同二十一日質疑に入り、同三十日質疑を終了しましたところ、原案の施行期日「昭和四十七年四月一日」を「公布の日」と改めることを内容とする修正案が提出され、採決の結果、修正案のとおり修正議決すべきものと議決した次第であります。以上、御報告いたします。(拍手)
#34
○議長(船田中君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 日程第二 沖繩国際海洋博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案
 (内閣提出)
#36
○議長(船田中君) 日程第二、沖繩国際海洋博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
 沖繩国際海洋博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案
  〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
#37
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。商工委員長鴨田宗一君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔鴨田宗一君登壇〕
#38
○鴨田宗一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本案は、来たる昭和五十年に開催される沖繩国際海洋博覧会の準備体制を一段と強化する趣旨で提案されたものでありまして、その内容は、
 第一に、国は財団法人沖繩国際海洋博覧会協会に対し、博覧会の準備運営費の一部を補助することができること。
 第二に、郵政省、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社が、博覧会協会に対し援助措置を講ずる規定を設けること。
 第三に、博覧会協会の人材確保のため、公務員からの人事交流に必要な特例を設けること。
等であります。
 本案は、去る三月二日本委員会に付託され、三月十日田中通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、以後、参考人を招致する等、慎重な審議を行ない、三月二十八日質疑を終了し、三月三十一日採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付せられましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#39
○議長(船田中君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よりて、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#41
○藤波孝生君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#42
○議長(船田中君) 藤波孝生君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
 租税特別指貫法の一部を改正する法律案
  〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
#44
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長齋藤邦吉君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔齋藤邦吉君登壇〕
#45
○齋藤邦吉君 ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、今次税制改正の一環として、おおむね次のような措置を講ずることといたしております
 まず第一に、法人税の付加税率について、現行の一・七五%の適用期限が本年四月末に到来することとなっておりますが、当面の経済財政事情やわが国の法人税負担の実情等から見て、これを二年間延長することといたしております。
 第二に、住宅対策に資するため、住宅取得控除制度を創設することとし、本年一月一日以後二年間に取得する新築住宅について、その標準取得価額の一%、最高二万円を、三年間にわたって所得税額から控除することといたしております。
 第三に、公害対策等として、公害防止費用の支出が多く、所得変動が大きいと認められる業種に属する企業について、公害防止準備金制度を設け、売り上げ金額の〇・三%相当額等の積み立てを認めるとともに、特定の発電設備または鉄鋼製造設備の燃料用揮発油に対する揮発油税及び地方道路税を、三年間免除することとしております。
 第四に、中小企業対策として、従来の中小企業の合理化機械特別償却制度にかえて、中小企業者が取得する新たな機械装置について、広く初年度五分の一特別償却制度を設けるとともに、個人の青色申告者について、現行の青色事業主特別経費準備金にかえて、年十万円の青色申告控除を設けることとしております。
 第五に、輸出振興税制について大幅な整理縮減をはかることとし、輸出割増償却制度を廃止し、技術等海外取引所得の特別控除制度については、工業所有権、傑作権及びコンサルティング役務にかかるものだけを残し、他はすべてこれを廃止することとしております。
 第六に、通貨調整に伴う措置として、レート改定により多額の為替損失をこうむることとなる法人について、その換算差損相当額を税務計算上早期に繰り上げて損金に算入することを認めるとともに、その後に収得する長期外貨建て債権について、期末相場による換算差損分を準備金として積み立てる制度を設けることとしております。
 その他、技術開発及び情報化の推進、農林漁業対策、土地税制等について、制度の整備充実をはかり、適用期限の到来するものについては、実情に応じ延長する等、所要の措置を講ずることといたしております。
 この法律案につきまして、当委員会は本日質疑を終了いたしましたが、質疑応答の詳細は会議録に譲ることといたします。
 次いで、この法律案に対し、藤井勝志君外四名より修正案が提出されました。
 その内容は、減価償却の特例等に関する改正規定を、本年四月一日にさかのぼり適用する等の措置を講ずることといたしたものであります。
 この法律案並びに修正案につきまして討論に入りましたところ、自由民主党を代表し中島源太郎君は賛成の旨を、日本社会党を代表して佐藤観樹君、公明党を代表して貝沼次郎君、民社党を代表して竹本孫一君、日本共産党を代表して小林政子君は、それぞれ反対の旨を述べられました。
 次いで、採決いたしましたところ、修正案並びに修正部分を除く原案は多数をもって可決され、よって、本案は修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案につきましては、現行租税特別措置の制度全般について、根本的に洗い直しを行ない、その整理縮小につとめるべきこと等、五項目にわたる自民、社会、公明、民社の四党共同提案にかかる附帯決議を全会一致をもって付することにいたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#46
○議長(船田中君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおりに決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#47
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
#48
○議長(船田中君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後九時五分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        法 務 大 臣 前尾繁三郎君
        外 務 大 臣 福田 赳夫君
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        文 部 大 臣 高見 三郎君
        厚 生 大 臣 斎藤  昇君
        農 林 大 臣 赤城 宗徳君
        通商産業大臣  田中 角榮君
        運 輸 大 臣 丹羽喬四郎君
        郵 政 大 臣 廣瀬 正雄君
        労 働 大 臣 塚原 俊郎君
        建 設 大 臣 西村 英一君
        自 治 大 臣 渡海元三郎君
        国 務 大 臣 江崎 真澄君
        国 務 大 臣 大石 武一君
        国 務 大 臣 木内 四郎君
        国 務 大 臣 木村 俊夫君
        国 務 大 臣 竹下  登君
        国 務 大 臣 中村 寅太君
        国 務 大 臣 山中 貞則君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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